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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

BIOHAZARD the final hope chapter2 Despair

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  1. 1 : : 2014/09/20(土) 22:42:51
    http://www.ssnote.net/archives/15893 1章

    先に1章から読んで頂けると、より作品を楽しめます。

    http://www.ssnote.net/archives/23395#top

    この物語の資料集のようなものです。質問コーナーも兼ねています。

    たぶん、より深くこの物語を楽しめると思います。
  2. 2 : : 2014/09/20(土) 22:47:31
    これまでのBIOHAZARD the final hope

    ウサミと名乗る何者かに『修学旅行』に連れられた苗木を含む希望ヶ峰学園78期生たち。

    ところが、乗ってきた飛行機は墜落。

    墜落した島は謎の生物災害により、死の島と化していた。

    終わりの見えない絶望から苗木たちはどう生き残るのか?
  3. 3 : : 2014/09/20(土) 22:59:19
    ~ジャバウォック島 早朝 拠点~

    苗木「ひぐっ… ぐすっ……」

    舞園「気の済むまでずっと居てあげますからね…」

    舞園さんは優しく背中を撫でてくれた。

    苗木「ありがとう… 舞園さん。」

    舞園「立ち直れましたか?」

    苗木「うん! 本当にありがとう!」

    涙を拭いて舞園さんにお礼を言った。 ボクだって何時までショゲていられない。

    舞園「そ… それと… 苗木くん……」///

    苗木「ん?」

    舞園「あの時の…… アレですけど……わたしも……その……」///

    苗木「え?あの時?」

    舞園「もう… わたしから言わせるんですか…?」///

    苗木「ええと… ゴメン… 覚えてない………」

    舞園「うぅ~ …苗木くんのばか…」///

    苗木「え?」

    舞園「知らない!」プイッ
  4. 4 : : 2014/09/20(土) 23:37:34
    苗木「んん~ また朝日だ……」

    舞園「そうですね…」

    苗木「やっぱ… どんなところでも…朝日って昇るんだなぁ……」

    苗木「…まだ食料あるかな…?」

    舞園「はい。 食料庫にはまだたくさん食料があったはずです。」

    舞園「とは言っても… そろそろ節約を始めないと……」

    苗木「そうだよね…」

    ~拠点 地下倉庫~

    苗木「ん!?」

    舞園「食料が……」

    見ると食料庫のはずなのに食料があまりにも少ないのだ。

    もともと大きかったらしい食料庫が余計広く見えた。

    舞園「なんで…? 昨日最後に見た時は確かに…」

    苗木「ど…どうしたの!?」

    舞園「食料が…ほとんど無いんです……。」
  5. 5 : : 2014/09/21(日) 08:44:16
    苗木「ウソ……」

    「なんだ? どうした?」「また朝はぇ~なぁ…お前ら…」

    みんなも起きたようだ。

    大和田「こ…コイツは…!?」

    朝日奈「ウソォ!?」

    ─────
    ───


    十神「クソ… こんな時に…」

    大和田「まったく…協力しなきゃ脱出は不可能だってのに……」

    桑田「ゼッテー見つけ出すぞ!!!! 食い物の怨みはどんだけ恐ろしいか分からせてやろーぜ!!!!!!」
  6. 6 : : 2014/09/21(日) 09:01:29
    苗木「何人か見当たらないけど…」

    舞園「外部に犯人が居ないかどうか見に行ったみたいです…。」

    苗木「そうなんだ…」

    霧切「……恐らく外部犯の線は無いに等しいと思うわ。」

    苗木・舞園「えっ!?」

    霧切「ほら。 見て。」

    霧切「ドアにもこじ開けた形跡や壊した跡もない。」

    霧切「それに… 」

    霧切さんは階段を昇っていった。

    霧切「窓際はホコリが溜まりっぱなし。 」
  7. 7 : : 2014/09/21(日) 09:08:13
    霧切「そもそも…ここには15人も滞在している上に二人は見張りで起きてるのよ。 外部から誰か来れば絶対に誰か気づくわ。」

    苗木「なるほど…」

    霧切「犯人は恐らく…この15人の中にいるわ。」

    苗木「………」

    舞園「そう言えば… さっき朝日奈さんから聞いたのですが……」

    霧切「続けて。」

    舞園「どうやら数日前から補強用の資材も少しずつなくなっていたみたいで……」

    霧切「なるほど。」

    苗木「食料だけでなく… 資材まで…一体なんのために…?」
  8. 8 : : 2014/09/21(日) 09:29:14
    苗木「ボクたちも外に探しに行こう。」

    舞園「えぇ。」

    ──────
    ────
    ──


    苗木「どっかに隠したのかな…?」

    舞園「でも… 一体どこから探したら…?」

    すると遠くの方から…

    朝日奈「ちょっと!! 何してんのよ!!!! 戻って来なさいよ!!!!!!」

    桑田「テメー!!!!!! マジ許さねぇぞ!!!!!! 戻って来やがれ!!!!!!!!」


    苗木「……ビーチの方だ。」

    舞園「ビーチ?」

    苗木「追放されてる間に見つけたんだ。」

    ビーチの方に行ってみると……

    ??「へっ!! 戻るわけねーだろ!!!!」

    大和田「テメェ!!」

    桑田「ざっけんじゃねーよ!!!! このウニ頭!!!!!!!!」

    苗木「あれ…葉隠くん!?」

    葉隠「はーっはっは!! 風よ!! 俺の国まで吹いていけ!!!!」

    なんと、帆がついたボートに食料を積み込み、葉隠くんが脱出しているのだ。

    苗木「くっ…!!」

    バシャ!! バシャ!!

    舞園「苗木くん!?」
  9. 9 : : 2014/09/21(日) 10:38:30
    朝日奈「苗木!?」

    大和田「おい!! 何するつもりだよ!?」

    苗木「は…葉隠クン!!!!」

    泳いでなんとか葉隠クンのボートに追い付いた。

  10. 10 : : 2014/09/21(日) 12:43:36
    本当に面白いです。
    続きも頑張って下さい。
    クズがいる・・・
  11. 11 : : 2014/09/21(日) 13:30:31
    クズが・・・・・・
    頑張ってください
    期待です
  12. 12 : : 2014/09/21(日) 18:59:12
    葉隠「あ?」

    苗木「一人で脱出なんてムリだ!! みんなで協力しなきゃ…」

    葉隠「うっせぇ!!!!!!」

    ガスッ!!!!!!

    ……オールで殴られた。

    葉隠「俺は… もうこんな気味の悪い島沢山だ!!!!!!」

    葉隠「俺一人で脱出させてもらうべ!!!!!! せいぜいその島で仲良くするこったな!!」

    苗木「葉隠く……」

    葉隠「はーはっはっはっはっは!!!!!!」
  13. 13 : : 2014/09/21(日) 19:06:24
    おおがみさん、こっちです
  14. 14 : : 2014/09/21(日) 19:38:51
    ふぁざなどぅ?!裏切り…だと?!
    是非是非バチがあたってほしいですね
  15. 15 : : 2014/09/21(日) 19:55:25
    苗木「………!!!! 葉隠クン!!!!!! 後ろ!!!!!!!!!!」

    バグン!!!!!!!!

    お手製のボートは木端微塵に砕け散った。

    それだけでない。

    葉隠「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

    苗木「葉隠クン!!!!!!」

    もはや大きさなど分からない。100m?200m?

    いや、それ以上だろう。

    その100mか200mか分からない「それ」は頭部が水面から出ているに過ぎないのだから……

    ドッパーン……

    「それ」は水中に潜ったかと思うと……

    バキッ!!!!!!!!
  16. 16 : : 2014/09/21(日) 20:03:44
    ご愁傷さま?
  17. 17 : : 2014/09/21(日) 20:19:22
    苗木「っっ……!!!!!!」

    ……まるで小さな子供が虫でもなぶり殺すかのようだった。

    そして再び口に咥えて何をするのかと思えば……

    葉隠「た… たすけ……」

    ボロボロな葉隠クンを咥えて目の前を通過していく。

    苗木「掴まって!!!!!!」

    精一杯手を伸ばす。

    苗木「くっ…!」

    残り1m…50cm 30cm 10cm

    5cm 4cm 3cm 2cm……

    1cm……!!!!!!

    ヒュッ…

    苗木「えっ…!?」

    葉隠「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

    その刹那……

    「それ」はニタリと笑った気がした……

    ザパーン!!!!!!

    苗木「あぁ……」

    まるで… ボクを… 絶望させるかのように……

    仲間を救えなかったボクを嘲笑うように……
  18. 18 : : 2014/09/21(日) 20:19:41
    (゜д゜  ゑ?
  19. 19 : : 2014/09/21(日) 20:21:22
    >>18

    不可解な点がございましたらネタバレにならない程度に「分析ファイル」の方で質問をお受けします。
  20. 20 : : 2014/09/21(日) 20:28:34
    >>19 不可解な点はありませんので大丈夫です!ビックリしただけなので、すいません<(_ _)>
  21. 21 : : 2014/09/21(日) 20:29:36
    苗木「うわぁあああああああああああ!!!!!!!!」

    苗木「葉隠クン……ぐすっ……」

    苗木「ちくしょお………」

    …仲間を救えなかった。

    全員でここを脱出するはずだったのに……



  22. 22 : : 2014/09/21(日) 20:40:31
    期待です!
  23. 23 : : 2014/09/21(日) 21:01:46
    ────
    ───


    パチッ… パチチッ…

    苗木「うぅ…」

    ……びしょ濡れになった服は替えがなく。焚き火で乾かしている。



    数分前…

    大和田「おめぇ…」

    朝日奈「大丈夫?」

    苗木「うん… 大丈夫だよ。 朝日奈さん。」

    江ノ島「まったくもう… アンタまでアイツに食べられちゃったらどうすんの…?」

    江ノ島「ほら!」

    苗木「わっ!」

    ボクにタオルを被せると江ノ島さんはクシュクシュとボクの頭を拭いた。

    江ノ島「早く服脱いで。」

    苗木「えっ…!?」///

    江ノ島「風邪ひいちゃうでしょ… 早く脱いで。」
  24. 24 : : 2014/09/21(日) 21:02:17
    みなさんの応援ありがとうございます!

    本当に力になります!
  25. 25 : : 2014/09/21(日) 22:18:35
    苗木…あんなクズを仲間と呼んでいたお前は不二咲以上の天使…いや、聖人だよ。個人的にもっと江ノ島(戦刃)の活躍+武器を増やしてほしい。
  26. 26 : : 2014/09/21(日) 22:59:12
    >>25

    これからドンドン追加予定です。
  27. 27 : : 2014/09/21(日) 23:23:55
    苗木「分かったからあっち向いててよ!」///

    江ノ島「あっ! ゴメン…」///

    江ノ島「それ…渡すから服が乾くまで体に巻いてるといいよ…。」

    ~現在~

    苗木「ふぅ… 江ノ島さんのお陰で風邪ひかずに済んだな……」

    苗木「……」

    改めて手のひらを見つめる。

    ────
    ──

    葉隠『た… たすけ……』

    苗木『掴まって!!!!!!』



    苗木「あと1cm…… 」

    ドスッ!!!!

    苗木「あと1cm手が届けば……!!!!」

    思わず砂浜に拳を突き立てた。

    苗木(?)『自分の無力さにずいぶん絶望してるみたいだね……』

    苗木「!?」

    脳内に直接声が聞こえてくる。

    苗木(?)『君にもっと力があれば救えたかもしれないのにね…』

    苗木「お前はなんだ…!? 今すぐ頭から出ていけ!!!!!!!!」

    苗木(?)『そう邪険にしないでよ… ボクは君自身でもあるんだから…』
  28. 28 : : 2014/09/22(月) 22:16:40
    江ノ島(戦刃)さんが全然残念じゃなくていい!
  29. 29 : : 2014/09/23(火) 05:52:39
    苗木「お前がボク自身だと…? ふざけるな!!!!!!」

    苗木(?)『本当のことさ。ボクは君の中にいる…絶望だよ。 』

    苗木「そうか… なら今すぐ出ていけ……」

    苗木(?)『それはムリかなぁ。』

    苗木(?)『それはそうと… なんでこっち側に来ないの…?』

    苗木「うるさい!!!!!! 黙れ!!!!!!!!」

    舞園「苗木くん!? 」

    苗木「ま… 舞園さん…」

    舞園「どうしちゃったんですか…? もしかして… また変な物でも……」

    苗木「うん… 信じられないと思うけど…… 頭ん中に直接声が流れてきて……」

    苗木(?)『…綺麗だよね。 彼女の瞳』

    苗木「いきなり何を言い出すんだ…?」
  30. 30 : : 2014/09/23(火) 13:09:08
    苗木(?)『それと言うのも… 多分、君と言う希望があるからなんだろうね…』

    苗木「黙れ…! 舞園さんには指一本触れさせないぞ……!!!!!!」

    苗木(?)『ボクは君の中にいるのに… 自分はあの娘に指一本触れないって宣言してるのかなぁ?』

    苗木(?)『まぁ… 気が変わったら呼んでね~

    ボク。』
  31. 31 : : 2014/09/23(火) 17:25:08

    期待せざるを得ない
  32. 32 : : 2014/09/23(火) 17:44:41
    苗木「はぁ…はぁ…」

    舞園「大丈夫ですか…? 苗木くん。」

    苗木「うん…。なんとか…」

    舞園「それと… コレは十神クンから預かってきました。 苗木くんに渡して来いって……」

    舞園さんの両手にはマグナムと弾があった。

    苗木「ありがとう…!」

    武器が戻ってきた!

    苗木「あ! そうだ!」

    苗木「舞園さん! みんなを墜落機のところに案内してくれないかな?」

    舞園「もしかして…」

    苗木「そう。 コレを使おうと思う。」

    舞園「あの機長さんが持ってたカギですね…」

    苗木「うん。 コレなら… どこかと通信出来るかもしれない!」


  33. 33 : : 2014/09/23(火) 18:05:43
    >>31

    ありがとうございます!
  34. 34 : : 2014/09/23(火) 19:39:15
    ────
    ───


    江ノ島「みんな! 集まった?」

    苗木「うん…。」

    江ノ島「千尋ちゃん! 修理の方は?」

    不二咲「うん…… 本当は機械の修理は専門じゃないけど……」

    不二咲「ふぅ… これでよし!」

    油まみれになって彼女は出てきた。

    大和田「おう! さすがは『超高校級のプログラマー』だな!」

    不二咲「えへへ…」///

    江ノ島「よし… じゃあ電源入れるよ……」

    ビビー!! ガーーッ!!

    江ノ島「メーデー メーデー こちらC-775便。」

    桑田「ところでどこと通信してんだ?」

    江ノ島「ん~ とりあえず成田空港。」

    桑田「なんで周波数とか色々知ってんの……?」

    江ノ島「こちらC-775便!! 成田空港!! 聞こえますか!?」
  35. 36 : : 2014/09/23(火) 22:08:27
    とても面白いです
    頑張ってください
    応援してます
  36. 37 : : 2014/09/24(水) 08:02:51
    ありがとうございます!
  37. 38 : : 2014/09/24(水) 08:15:22
    成田空港側

    職員「あ……もし…し……」(ノイズで判別不能)

    職員「みんな…喜…べ。 希望ヶ峰の………が… 生きていたぞ…」

    後の職員らしき人物たち「おぉ…」 「よかった…」

    江ノ島「こちらC-775便! 緊急事態につき、救助を要請する! すでに1人死亡者が出ている。」

    職員「そ…か…… あの……きぼ……が…ねの生徒にまで……」

    職員「実は… こ……らもかなりマズ……状況だ。」

    大和田「ひでーノイズだな」

    江ノ島「静かに!」

    江ノ島「成田空港! 何があったんですか!? 」

    職員「わる……が… 救助……をおく……は出来ない。」

    江ノ島「どういう事ですか?」

    職員「こちらも……ゾ…ビの…襲撃に……した。」

    職員「空こ…の… 対テロ……もさん……したが… もう……」

    江ノ島「ノイズが酷くてよく聞き取れません!

    どうしたんですか!?」

    職員「俺た……今、管制と……に籠城して…る」

    職員「」
  38. 39 : : 2014/09/24(水) 08:27:23
    江ノ島「え…? 籠城のあとなんて言いました?」

    職員「もう……だ……め……」

    バン!!!! ドシャーン!!!!!!

    「来たぁあああああ!!!!!!」「もうダメだ!!!!!!」

    「数……多すぎ……!!!!!!」「諦め…な!!!!!!!!」

    ううぁ…… オオオ… うぐぉ…

    ドォン!! バン!! パパパパパパパパパ!!!!

    苗木「じ… 銃声!?」

    「ひぃいいいいいい!!!!」「ぎゃあああああああ!!!!」

    職員「クソ!!!! バケモ……ぐぁああああ!!!!」

    ガシャン!!!! バン!! ガキャ!!!!

    職員「はぁ…はぁ…はぁ…」
  39. 40 : : 2014/09/24(水) 08:33:38
    職員「俺た……は… もうダメ……」

    職員「バケモノの………に負けてしま……」

    職員「力にな………て… すまない……」

    職員「どうか…… 全員… 」

    「あぶな……です! 後……」

    職員「生きろ。」

    ドシャーン!!!! ブツッ!!!!!!

    ザーーーーーーー…………

    一同「…………」

    江ノ島「成田空港!? どうしたんですか!? 応答願います!!」

    江ノ島「……クソッ…!」
  40. 41 : : 2014/09/24(水) 09:10:23
    苗木「成田空港で… 一体何が……」

    江ノ島「どう考えても穏やかな状況じゃなかったね……」

    霧切「恐らく…… 成田空港はもう空港として機能してないわ。」

    「………!」

    みんな驚きを隠せない。 当たり前だ。

    霧切「たぶん… 成田空港はこの島と同じように…」

    霧切「『バイオハザード』に見舞われたと思われるわ。」

    苗木「バイオハザード……」

    桑田「お…おいおい… ゲームじゃねぇんだからよぉ…」

    桑田「バイオハザード?…クレアちゃんとか…アシュリーちゃんとか…シェリーちゃんとか……」

    大和田「ゲームだったらどれだけ気が楽か……」

    桑田「ですよね~……」

    石丸「僕は… 待機側にいたから… 外の様子が余り分からんが……」

    石丸「ゾ…ゾンビなどと… そんな物がいるはず…」

    十神「だったらこのジャングルをお散歩してきたらどうだ? 数分であの世に辿り着けると思うぞ。」

    石丸「そ… そうなのか……」

    十神「現に俺と苗木…江ノ島に舞園はゾンビだけでないバケモノ共に遭遇しているからな。」

    大和田「ゾンビだけじゃねーってのかよ…」
  41. 43 : : 2014/09/24(水) 09:42:44
    霧切「話を元に戻すわよ。」

    霧切「バイオハザードに見舞われた空港職員は… 空港の対テロ班のメンバーと共に管制塔に籠城していた。」

    霧切「ところが… ゾンビやその他のバケモノの仕業で籠城戦にも限界が来て… その頃私たちが向こうに通信した。」

    霧切「そして… 籠城戦で粘るもついにゾンビ達によってやられてしまった… そんなところでしょうね…」

    苗木「この島の外……それも日本でバイオハザードが……」

    苗木(こまる… 父さん…母さん……)

    舞園「……どうしよう… 」

    舞園「メンバーに何かあったら……わたし……」

    苗木「舞園さん……」

    大神「…皆。 仲間や家族が心配であろうな……」

    大神「我の家族は……」

    朝日奈「通信機……もうダメなの?」

    不二咲「……」

    静かに首を横に振った。

    不二咲「ダメみたい…… もう電池がない。」

    不二咲「そもそも作動した事自体…奇跡みたいなもので……」

    朝日奈「そ… そうなんだ……」

    苗木「大丈夫… 大丈夫だから……」

    後ろから抱きしめた。

    舞園「……」

    舞園さんの体は思ったより華奢だった。 細い体が震えていた。

    舞園「苗木くん……」

    苗木「メンバーはどうなったのかは僕たちにも分からない……」

    苗木「でも… 舞園さんだけは…… 守ってみせるから………」

    舞園「苗木くん……」

    舞園「ごめんなさい… わたし……苗木くんに頼ってばっかりで……」

    彼女は少し泣いているようだった。

    苗木「大丈夫だよ。 」

    舞園「ごめんなさい…… もう少し…… このままでいいですか…?」

    苗木「もちろん。」

  42. 44 : : 2014/09/24(水) 13:07:10
    朝日奈「ちょ… 腐川ちゃん! どうしちゃったの!?」

    腐川「」きゅー

    大和田「今度はなんだ!?」

    朝日奈「なんか…『血がぁあああああ!!』とか言って倒れちゃった…」

    江ノ島「……血が苦手なのかしら…?」

    腐川「…」ムクッ!

    朝日奈「腐川ちゃん!?」

    人間の間接の付きかたを全く無視した立ち上がり方で目覚めた。

    腐川(?)「ちぃーす! 笑顔が素敵な殺人鬼で~す☆」

    一同「」

    苗木「なっ……?」

    いつもの腐川さんとは対照的に超がつくほどハイテンションな腐川さん(?)がそこにいた。

    腐川(?)「てっいうか… どこよココ?」

    朝日奈「お…覚えてないの…?」

    腐川(?)「あ~ そーゆーこと。『もう1人』になってる時に事故ったワケね…… 」
  43. 45 : : 2014/09/24(水) 18:28:49
    腐川(?)「ん~ 萌えるような男子二人しか居ねえわ。」

    腐川(?)「ちょっと外にお散歩に行って来まーす!」

    朝日奈「ちょっと! 腐川ちゃん! 外は危ないよ!!!!」

    大和田「おい!! 待てよ!!!!」



    苗木「……行っちゃった…」

    江ノ島「はぁ… しょうがない… 大和田が居ればそうそうマズイ状況にはならないでしょ…」

    江ノ島「それより… これからの方針について話し合いたいわ。」

    苗木「うん… そうだね。」

    霧切「まず… 葉隠くんが脱出に失敗し… その際、食料庫にあった食料はほとんど無くなってしまった。」

    霧切「節約しきって食べても… 恐らく2日もつかもたないか……」

    桑田「ゼッテー許さねぇあのウニ頭」

    江ノ島「拠点を移して違う島に行けば物資や食料が手に入るかも…」

    苗木「そうだね…」

    江ノ島「苗木は移転に賛成? 反対?」

    霧切「それと… この島は中央の大きな島を囲むように4つの島が浮かんでるけど…」

    江ノ島「多分、ここは南の島よ。 」

    苗木「なんで… 分かるの?」

    江ノ島「太陽の動きと…木のてっぺんから島のまわりを見てきたから。」

    苗木「へ…へぇ…」

    セレス「東回りと… 西回り。 どっちにするかと言う話ですね。」

    江ノ島「どうする?」

    苗木「ボクは…」

    >>46

    移転に…

    それに賛成だ!

    それはちがうよ!

    >>47

    東回りor西回り
  44. 46 : : 2014/09/24(水) 21:01:42
    それに賛成だ!
  45. 47 : : 2014/09/24(水) 21:52:34
    東廻りで
  46. 48 : : 2014/09/24(水) 22:23:05
    安価にご参加ありがとうございます!

    苗木「拠点は移そう。 東回りで行こう。」

    江ノ島「他のみんなは?」

    桑田「いいんじゃね~?」

    セレス「次は街か何かだといいですわね。」

    石丸「うむ… 仕方あるまい。 食料が無いのでは……」

    大神「腐川を追ったあの二人はどうする?」

    十神「後で誰かが伝えに行けばいい。」

    山田「出来ればそろそろ『萌え』も補給したいですぞ!」

    桑田「うっせぇぞ! ブーデー!!」

    苗木「じゃあ… 東の島で拠点になりそうな所を探そう。」
  47. 49 : : 2014/09/24(水) 22:44:45
    腐川・朝日奈・大和田サイド

    腐川(?)「くっっっさっ!!!! なんでコイツらこんな異臭放ってんの?」

    あああ… うヴぉ…

    大和田「クソ!!」

    ズドォン!!!!

    大和田「おい腐川!!!! いい加減戻ってこい!!!! そこらじゅうゾンビだらけだ!!!!!!!!」

    朝日奈「ちょっと…待ってよ腐川ちゃん!」

    腐川(?)「ワタシをその名前で呼ばないでくれる?」

    腐川(?)「ワタシの名前はジェノサイダー翔。ま、本名は腐川 冬子ってダセー名前だけどね!」

    大和田「おい……今…聞こえたか…?」

    朝日奈「う…うん……。」

    大和田「オメェ… あの連続猟奇殺人の犯人…」

    大和田「『ジェノサイダー翔』だな!!!!!!」

    ジェノ「ピンポーン! 正解で~す!」

    大和田「ふざけてんじゃねえ!!!!!! なんでココにあの連続殺人鬼がいるんだよ!!!!」

    朝日奈「キャアアアアアアアア!!!!!!」

    大和田「朝日奈!」

    朝日奈「いたっ…! 放して…!!!!」

    大和田「チィッ!!!!!!」

    大和田(… ダメだ… このまま撃ったら朝日奈にも当たっちまう…!!!!!!)

    ジェノ「チッ… しょーがねぇなぁ…」

    ズカッ!!!!!!

    目を疑った。

    朝日奈に襲いかかったゾンビの首が宙を舞っていた。

    ぼてっ……

    朝日奈「あ…ありがとう……。」

    ジェノ「萌える男子でもねぇヤツを殺そうとすんじゃねぇ…!」

    ジェノ「ワタシは萌える男子しか殺らない主義なんだけど…」

    ジェノ「そんな事言ってる場合でも… ないみたいだし?」
  48. 50 : : 2014/09/25(木) 08:31:08
    大和田「まったく… 墜落機に戻るぞ!!」

    ジェノ「りょーかい!」

    朝日奈「待ってよ~!」

    ううぅ… アア……

    大和田「おっと…見るな。」

    ズドォン!!!!!!!!

    ゾンビの頭が吹き飛んだ。

    ジェノ「ショットガン片手で撃つか」

    朝日奈「大丈夫だよ。」

    大和田「邪魔だ!!!!」



  49. 51 : : 2014/09/25(木) 08:40:23
    ズドォン!!!! バゥン!!!!

    朝日奈「ちょっと 大和田~」

    大和田「なんだ?」

    朝日奈「いいよ…別に目隠ししなくても……」

    朝日奈「それに…さっきもう見ちゃったから…」

    大和田「そうか……」

    ジェノ「ちょっと~ お二人さ~ん? イチャコラしてる場合じゃないみたいですけど~?」

    大和田「イチャコラなんかしてねぇ!!!!!!」///

    朝日奈「そうだよ!!!!!!」

    大和田「だいたいテメーは何なんだ!? 突然人が変わったみてぇに…」

    ジェノ「ん? だって…変わってるから。」

    朝日奈「キャアアアアアアアア!!!!!!」

    大和田「なっ!? 朝日奈!」

    朝日奈「ちょっと…! 何コレ!!」

    大和田「な…何だ? あのツルは!!!!」

    ジェノ「そいっ!!!!!!」

    ズバッ!!!!

    朝日奈「きゃあ!!」ドサッ!!

    目にも止まらぬ速さでツルが断ち切られた。
  50. 52 : : 2014/09/25(木) 09:54:48
    ジェノ「感謝しなよ! 巨乳スイマー」

    朝日奈「いたたた…… どうもありがとう…」

    大和田「何か来るみたいだぜ…」

    『現に俺と苗木…江ノ島に舞園はゾンビだけでないバケモノ共に遭遇しているからな。』

    大和田「何が… 来るって言うんだよ…?」

    ??「ジィォオオオオオ……」

    朝日奈「大和田! 後ろ!!」

    大和田「何!? がはっ!!」

    ドサッ!! ゴロゴロゴロ…

    大和田(なんだ…!?何かに殴られた…? )

    ジェノ「おいでなすった。」

    大和田「なんじゃ……ありゃあ…?」

    腕には太いツルのような触手が何本もあり、体形は人間に近いが所々「植物」に変異しているのだ。
  51. 53 : : 2014/09/25(木) 12:25:53
    面白い!期待です!

    (ssnoteって誤字訂正出来ますよ?編集画面で・・・)
  52. 54 : : 2014/09/25(木) 13:05:35
    >>53

    そうですか! ありがとうございます!
  53. 55 : : 2014/09/25(木) 16:56:36
    それより… この異形の怪物。 どこか今までのゾンビとは違うのだ。

    ビュン!!!!

    大和田「うおっ!!!!」

    まさに紙一重。高速で振り下ろされた触手に大和田の毛髪が数本舞った。

    ドカッ!

    大和田「……?」

    ズドン!!!! バキバキバキバキ……

    ジェノ「うわっ… スゲー……」

    大和田の背後にあった高さ数十メートルはあろう大木が切り株になっていた。

    大和田「お前にゃ悪いがここで死ぬわけにゃいかねぇんだ!!!!!!」

    ボゥン!! バゥン!! ズドォン!!!!

    銃口から放たれる3発の散弾。

    3発 × 9粒。 合計27粒の散弾が目の前に迫り来る。

    ??「ふふ…♪」

    しかし… 狼狽える素振りなど全く見せず……

    ビュドッッ!!!!!!!!

    ジェノ「外した?」

    大和田「いや… ちげぇ…!」

    握りしめられた触手が緩み… そこから零れ落ちたのは……

    27粒の散弾であった。

    大和田「アイツは……自分に飛んでくる散弾全てを掴んだんだ……!」

    大和田「音速以上の速さで飛ぶ27粒の散弾全てをだ!!!!!!」

    ??「ねぇ…」

    ??「ア ソ ビ マ ショ ?」

    ??「うふふ♪」

    暴走族のヘッドでも殺人鬼ですら身の毛がよだつ。

    『魔性』の笑みを浮かべていた。
  54. 56 : : 2014/09/25(木) 17:46:32
    バイオハザードは詳しく知らないけどのびハザでこいついたぞ!!?
  55. 57 : : 2014/09/25(木) 17:51:43
    ↑Mjk
  56. 58 : : 2014/09/25(木) 21:50:07
    大和田「腐川! やるぞ!!!! コイツは1人じゃ絶対勝てねぇ!!!!」

    ジェノ「りょーかい……」

    大和田「…… 俺がコイツを引き付ける。」

    大和田「そのスキに…お前がアイツの触手を切れ。」

    大和田「二人でアイツの頭部を叩く。」

    ビュッ!!!!!!

    大和田「作戦開始だぁあああああ!!!!!!!!」

    ジェノ「合点!」

    大和田「喰らえ!!!!!!」

    散弾は確実に触手と頭部を捉え飛翔する。

    ??「ふふ…」

    触手で散弾を一粒残らず掴む。

    ??「モウ ネタギレ?」

    大和田「コイツ… また喋りやがッた……!」

    ヒュッ!!!!

    大和田「おわっ!!」

    ビシッ…!

    回避動作をとり、翻った特攻服を貫いた。

    そして、もう1本の触手が…大和田の額に突き進む。

    大和田(読まれた……!!!!)

    ブツッ!!!!!!

    大和田「!?」

    ??「…!」

    ジェノ「しっかりしなよ。 暴走族。」

    ジェノ「ふっ!」
  57. 59 : : 2014/09/25(木) 22:53:54
    特異な形をしたハサミがその植物人間……いや、人間植物と言うべきか…?

    その異形の生物の額めがけて飛んでいく。

    ??「っ……!!」

    ヒュカッ!

    すかさず…

    バゥン!!

    大和田「テメーの相手はこっちだ!!!!!!」

    散弾の雨を起こし、人間植物の注意をこちらに向ける。

    ジェノ(イケる……!)

    ジェノ「ちぇああああああああああああ!!!!!!!!」

    ズバァッ!!!!!!!!

    ??「!!!」

    怪植物は初めて動揺した表情を見せた。

    切り口から薄い黄色をした体液がほとばしる。

    ??「クラエ!!!!!!!!」

    触手の束が腐川に襲いかかる。

    大和田「何度も言わせんな!! テメーの相手は俺だ。」

    触手を散弾が吹き飛ばす。
  58. 60 : : 2014/09/25(木) 23:05:43
    ジェノ「と言ってボヤボヤしてると切り刻んじゃうけどね~☆」

    ぐらっ…

    ??「!!!???」

    刹那。 まさに一瞬。怪植物は脚を切り落とされ。地面に崩れ落ちた。

    ??「ガァアアアア!!!!!!」

    ジェノ「あちゃ~ キレてるよ。」

    大和田「いいから頭をぶっ飛ばせ!!」

    散弾の雨と斬撃の嵐をまともに食らい。怪植物は動かなくなった。

    朝日奈「す……すごい…。」

    大和田「さすがにもう動けねぇだろ……」
  59. 61 : : 2014/09/25(木) 23:33:16
    ??「………」

    シュル……

    大和田・ジェノ「!!!」

    大和田「コイツ…まだ死んでねぇ!!!!!!」

    再び襲いかかる散弾の雨と斬撃の嵐。

    ジェノ「再生スピードの方が早い…!」

    大和田「クソッ!!!!!!」

    ??「ふふふ…」

    そして、努力虚しく、完全に元通りに再生してしまった。

    ジェノ「何か手を考えねぇとヤベェな…」

    ジェノ「丸焼けにでも出来りゃい~んだけど……」

    大和田「丸焼け…?」

    大和田「朝日奈! 居るんだろ!?」

    朝日奈「な… なに?」

    大和田「何か… 油と火種持ってこい…!」

    朝日奈「そ…そんな事言ったって…!」

    大和田「所々に集落やら… 車もある!! とにかくガソリンみてぇなのを早く!!!!」

    朝日奈「わ…分かった!」

    しかし、事態を早く収束しようと焦ったのが不幸を招いた。

    朝日奈「あっ!!!!」

    ドサッ!!

    朝日奈「いった……」

    ??「それ。」

    ヒュルルッ…!

    朝日奈「つ… ツル!!??」

    朝日奈(ダメ……やられる…!)

    ドシュッ!!!!!!

    赤道付近の暑い太陽が照らすまぶしい空に…

    肉を切り裂く嫌な音が響いた。
  60. 62 : : 2014/09/25(木) 23:56:22
    大和田「ぐっ……!!」

    朝日奈「大和田!!!!」

    大和田「早く行けぇ!!!!!!」

    朝日奈「わかった…! 絶対戻って来るから!!!!!!」

    大和田「クソッ… いってぇ……」

    長年に渡り積んできた『戦闘』の勘が功を奏した。

    ジェノ(体をひねって急所を外させたな……)

    大和田「さて… もう弾が大してねぇ。」

    大和田「次が… ラストチャンスだ。」

    ジェノ「はいよ…」
  61. 63 : : 2014/09/26(金) 00:41:14
    飛び交うハサミと散弾。

    しかし、それが互いの攻撃を阻害することなく、徐々に怪植物を追い詰めていく。

    大和田「ウォオオオオオオ!!!!!!」

    ジェノ「おりゃあああああああああ!!!!!!」

    その姿はまるで『鬼神』をも思わせる様相であった。

    ザカッ!!!!

    再び触手が切り裂かれた。

    ??「……!!!!」

    大和田「オラオラオラオラ!!!!!!」

    もう片方の触手も切り落とされた。

    ??「っ!!!!!!!!」

    カチッ…!

    大和田「クソッ…! こんな時に…!!」

    ??「~! ~~!!!!」

    思ったように再生出来ないらしい。

    大和田「こうなりゃ… 肉弾戦だ!!!!!!」

    超高校級の暴走族の一撃が炸裂する。

    しかし、当然、怪植物も黙ってやられる事はしない。

    ??「ギィイイ!!!!!!」

    ズド!!!!!!

    大和田「ぐっ…!」

    脚だけでも十分な戦闘力を持っていた。

    ジェノ「戻ってこねぇな…」

    大和田「くっ…! 脚だけなのになんて強さだ…!」

    大和田(朝日奈…! 頼む! 早くしてくれ!!!!)

    ───────
    ────
    ──

    朝日奈「大和田! 腐川ちゃん! 下がって!!!!」

    二人は素早く後ろに退いた。

    ズボォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

    大和田「なっ…!」

    ジェノ「あのスイマー何持って来たんだよ…!」

    ??「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

    朝日奈「ゴメンね…ゴメンね…」

    ??「あああっ!!!!!! キャアアアア!!!! あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

    全身を揺らめく炎に抱かれ。 怪植物は二度と動き出す事はなかった。
  62. 64 : : 2014/09/26(金) 13:17:14
    大和田「火炎放射機…」

    ジェノ「どっから持って来たん? そんなの…」

    朝日奈「どっかの… 軍人っぽい人が… 持ってた…。 もう死んじゃってたけど………」

    大和田「軍人?」

    朝日奈「こっちだよ……」

    ジェノ「へ… へっくしゅ!!!!!!」

    腐川「ふぇ…? 何ここ? どうしたの私……」

    大和田「なんだ…? 戻ったのか…?」

    腐川「戻ったって事は… あああああああああああ!!!!!!」

    朝日奈「な…なに…どうしたの?」

    腐川「また、『アイツ』が出てきたんだわ……

    最悪よ……」
  63. 65 : : 2014/09/26(金) 18:23:19
    朝日奈「あ…アイツ?」

    腐川「……『ジェノサイダー翔』。 私のもうひとつの人格よ……」

    腐川「あ… アンタらに連れられて血を見たから…!」

    大和田「血を…?」

    腐川「苦手なのよ… 血が… 見ただけで気絶しちゃうの……」

    朝日奈「そうなんだ……」

    腐川「それで… 気絶するとアイツが出てきちゃうのよ……」

    大和田「なるほど…。 それであぁなったってワケね……」

    大和田「とにかく… 墜落機に戻ろう。 みんなもう移動してるかもしんね~ けど……」
  64. 66 : : 2014/09/26(金) 19:34:37
    ─墜落機付近 苗木サイド─

    苗木「遅いね… 大和田クンたち……」

    舞園「何か…あったんでしょうか…?」

    江ノ島「大丈夫かしら…?」

    ガサガサッ… パキッ!!

    不二咲「大和田クンたちかな?」

    十神「ゾンビになってなけりゃいいがな。」

    不二咲「えええっ!?」

    江ノ島「ちょっと! やめなって冗談でも!!」


    カサッ… パキッ…

    朝日奈「みんな…」

    大神「朝日奈!」

    不二咲「大和田クン!」

    苗木「大和田クン……」

    江ノ島「ひどいケガ… 何があったの?」

    大和田「ツルみてぇな触手を操るゾンビ女に出くわした……」

    大和田「ゾンビになったとは言え… 女に手を上げなきゃならねぇ事態になるなんてよ……」

    江ノ島「とにかく… 拠点で治療しましょ… 話はそれから。」

    大和田「あぁ… すまねぇ…」
  65. 67 : : 2014/09/26(金) 22:56:30
    しっかりするんだ大和田クン
  66. 68 : : 2014/09/27(土) 08:16:36
    ─拠点─

    大和田「ふぅ…」

    江ノ島「止血も完了。 幸い…急所を外れてたから…命に別状はないけど……」

    江ノ島「しばらくは戦線離脱ね…。」

    朝日奈「ごめんね… わたしのために… こんな酷いケガ……」

    大和田「なぁに… 安いもんさ…。 仲間の命に比べりゃ…」

    朝日奈「ゴメン…」

    苗木「拠点の移動は… どうする?」

    江ノ島「車があるから… わたしが大和田を乗せて運転するわ。」

    十神「……待った。」

    十神「どうやら…俺らにこの場を去って欲しくないみたいだぞ…。」

    十神「熱烈なラブコールだ。」

    江ノ島「………」

    窓の外に目をやると……

    苗木「なっ……!?」

    ゾンビゾンビゾンビゾンビゾンビゾンビ………

    数え切れないほどのゾンビが視界を埋め尽くしていた。

    山田「イヤァアアアアアアアア!!!! 出たぁあああああ!!!!」

    不二咲「ど…どうしよう……?」

    江ノ島「……」

    江ノ島「籠城戦……。」

    江ノ島「これしかないわ。 とても強硬突破出来るような数じゃない…!」

    セレス「あら、空港のみなさまが籠城戦に失敗したのを聞いてすぐ……ですか?」

    十神「殺らなきゃ殺られるだけだ。」

    江ノ島「やるわよ…。 みんな。 絶対にこの状況を打破する。」

    江ノ島「こっちにはケガ人がいる…。 突破されたらおしまいよ。 何としても防ぎ切るわよ。」

    大和田「すまねぇ… こんな時に……」
  67. 69 : : 2014/09/27(土) 08:28:38
    桑田「…なぁ。 大和田。」

    大和田「なんだ…?」

    桑田「大和田の武器…貸してくれねーか?」

    大和田「どうするつもりだ?」

    桑田「オメーが戦えねぇ分。俺がカバーしてやるぜ。」

    大和田「それはありがたいが…大丈夫か?」

    桑田「任せとけって!」

    桑田(それに… 俺だって少しはいいとこ見せたいしな!)


    江ノ島「武器を持った人は全員配置について。」

    苗木「ボクと舞園さんは… 一階の窓から迎撃する事になった。」

    桑田「手伝うぜ! 苗木!」

    苗木「桑田クン!?」

    桑田「俺だって少しは役に立つさ。」

    苗木「ありがとう。 桑田クン。心強いよ。」

    江ノ島「さぁ… おいでなさったわよ…」


    「アアアアアアア……」「ウブォオオ…」「オオオ…」

    十神「苗木! 聞こえるか!?」

    十神クンは二階の防衛にあたっている。

    十神「そのサブマシンガンは近距離仕様だ!よく考えて撃てよ!!!!」

    苗木「わかった!」



    江ノ島「さぁ……」

    江ノ島 「戦闘開始よ!!!!!!!!」
  68. 70 : : 2014/09/27(土) 09:30:50
    期待です!
  69. 71 : : 2014/09/27(土) 13:25:39
    戦闘開始の合図と共に小屋じゅうに銃声が響き渡る。

    苗木「物凄い数だ…!」

    舞園「大丈夫でしょうか…? 本当に…」

    桑田「ざっと… 200はいるか…?」

    苗木「いや… 他の方向からも来てるみたいだから… 多分…それよりかなりいるよ。」

    桑田「マジかよ…」

    苗木「そろそろ射程圏内だ…」

    舞園「……」

    シャープな狙いでなみいるゾンビを倒していく。

    桑田「舞園ちゃんスゲェ…」

    苗木「い…一体どこで…?」

    舞園「教えてもらったんです! 江ノ島さんに!」

    舞園「意外とセンスあるって誉めてくれました♪」

    得意気に話している。 リロードも実にスムーズだ。

    舞園「苗木くん! 桑田くん! 二人ともそろそろ有効射程だと思いますよ!」

    苗木「ボクたちも攻撃しよう。」

    桑田「よっしゃあ!!!!」

    鳴り響く銃声。 そこにいるのはとても高校生とは思えない…さながら特殊部隊のような屈強な戦士たちであった。

    苗木「ヤバい… 押されてる……」

    桑田「数が増えてるみてぇだ…」

    カチッ! カチッ!

    桑田「弾切れだ…!」

    舞園「そんな…!」

    苗木「ショットガンの弾は… もう余りストックが無いって… 江ノ島さんが…」

    桑田「クソッ!!!!」

    桑田「こうなったら… こんな事もあろうかと用意しておいたぜ……」

    桑田クンは何やら重そうな物が入った袋を引きずってきた。
  70. 72 : : 2014/09/27(土) 17:44:50
    桑田「ふぅ…」

    苗木「石……」

    袋には多くの石ころが入っていた。ちょうど握るのにいいサイズだ。

    桑田「よぉし……」

    桑田クンはひとつ息を吸うと…

    投球体勢に入った。

    苗木「まさか…!」

    ビュンッ……!

    窓の外へ正確なコントロールで投げられた石は…

    グシャッ!!!!

    何かが砕ける嫌な音が響いた。

    桑田「ふぅ… よい子はマネしちゃダメだぜ…。」

    苗木「スゴい…!」

    舞園「さすがです!」

    桑田「へへっ…いやぁそれほどでも…」///

    才能だけで母校を甲子園優勝に導いた彼の投球。

    下手をすれば使い慣れない銃よりはるかに恐ろしい武器になるだろう。
  71. 73 : : 2014/09/27(土) 18:03:29
    桑田「それっ!!!!!!」

    桑田クンの投石は確実にゾンビの頭に命中していく。

    苗木「ボクたちも……」

    大波のように押し寄せるゾンビが群れに…彼らは全く怯まない。

    朝日奈「わたしたちも…何か出来ることを…!」

    石丸「そうだな… 彼らだけに任せっきりではすまない!」

    不二咲「それなら… 下の倉のワイン樽を落としたらどうかな…?」

    不二咲「なるべくアルコール度数が高そうなヤツ………」

    朝日奈「え…? なんで?」

    石丸「なるほど… 樽を奴らの上に落とした上で燃やしてしまおうというワケだな!」

    朝日奈「あっ! なるほど!」

    石丸「そうと決まればだ!!」

    大神「我も手伝うぞ…!」

    大神さんはやる気満々だったけど「流れ弾が飛ぶと危ないから」ということで小屋に戻されたらしい……

    ─地下倉庫 ワイン倉─

    石丸「重い…!」

    朝日奈「ひとりじゃムリだって…!」

    大神「こんな具合でいいのか?」

    不二咲「うん!」

    大神「よし…では……」

    片手で樽を1つずつ軽々と持ち上げていた。

    不二咲「す…スゴい…」

    朝日奈「二人とも手伝って!」

    山田「ブ…ブヒィ!? た…ただ今!」

    セレス「わたくし…力仕事は……」

    朝日奈「いいから… 一人でも多くの力が必要なの!」

    セレス「仕方ありませんわね…」
  72. 74 : : 2014/09/27(土) 18:15:48
    ─拠点 小屋 屋根─

    屋根の上では78期生きってのスナイパー。江ノ島さんと十神クンが迎撃にあたっている。

    大神「ふぅ…」

    十神「何をするつもりだ…!? そんな樽で!」

    大神「こうするのだ……」

    大神「ぬぅうう!!!!!!」

    ドシャーン!!!!!!

    ゾンビの群れに確実にヒットさせていく。

    十神「ワイン樽か…」

    江ノ島「…まさか……」

    石丸「よし… 『せーの』で投げるぞ…。」

    石丸・朝日奈・セレス・山田・不二咲
    「せーのっ!!!!」

    バシャ!!!!

    投げ飛ばされた樽は敵を押し潰し、辺りにワインを撒き散らした。

    十神「江ノ島! 樽のタガを狙え!!!!」

    江ノ島「分かってる!!!!」

    二人によって放たれた弾丸が樽のタガを捉え。

    火花が散った。

    ボォオーン!!!!!!

    十神「うわ!!!!」

    火花がダイブしたワインの海は一瞬にして火の海となった。

    朝日奈「なにこれ……臭い……」

    十神「元々腐ってる上に…燃えているのはタンパク質だからな……」

    十神「やれやれ、とんだフランベだな。」
  73. 75 : : 2014/09/27(土) 18:26:29
    十神「そういえばあの女は…?」

    ジェノ「ヒャッハーー!!」

    血飛沫に乱舞する『もう1人の彼女』の姿があった。

    十神「アイツ……勝手に小屋を…もう知らん!!!!」

    ……誰が助けを求めようか…?

    そこには…むしろ自信に溢れ、怪物に対峙する13人の姿があった。

    ─拠点 小屋 一階─

    大和田「みんな……」

    大和田「すまねぇ……」

    桑田「気にすんなって!」

    苗木「そうだよ! 絶対に拠点は死守する!!!!!!」

    ────
    ──


    苗木「アイツら……帰っていく。」

    徹底抗戦が功を奏した。

    異形の生物たちは逃げるようにその場を去った。
  74. 76 : : 2014/09/27(土) 20:15:49
    苗木「やった…!」

    十神「ふぅ… 諦めたか…」

    不二咲「勝った…の?」

    桑田「ぃよっしゃー!!!!」

    舞園「なんとか…切り抜けましたね。」

    「やったぁああ!!」「イェエエエエ!!!!」

    みんな口々に襲撃を切り抜けた事を喜んでいた。


    ……しかし、もしかすると。 この時点で「敗北」を味わっておくべきだったのかも知れない。

    ─────
    ───


    江ノ島「つ…疲れたけど…日が暮れない内に移動しちゃおう…。」

    十神「そうだな……」

    朝日奈「じゃあ…大和田と荷物は…全部車に乗せて…」

    舞園「ふぅ… それなら…支度しましょうか…。」

    苗木「じゃあ…ボクたちは護衛につくよ…。」

    舞園「頼りになります。苗木くん。」

    セレス「本当ですか?」

    舞園「えぇ!」

    江ノ島「さて…じゃあ…荷物まとめて移動しますか!」

    全員「オーーーッ!!」
  75. 77 : : 2014/09/27(土) 20:26:32
    >>72
    SSでいつも思うことですが、桑田のスペックの高さは異常←原作じゃトリックでしか出番なかったしね
    >>74
    天使も怒らせたら恐いですよ♪←楽しそう
    >>75
    ジェノちゃんは相変わらずで安心しました!

    シャガルさんのSSいつも楽しませてもらってます!(今書いてるSSの参考にもしたいな~)
  76. 78 : : 2014/09/27(土) 20:33:16
    >>77

    ありがとうございます!

    正直言ってジェノちゃんは上手く書けているかどうか不安だったので…
  77. 79 : : 2014/09/27(土) 20:43:02
    ─ジャバウォック島 南の島 橋入り口─

    苗木「…『オーシャンブリッジ』…」

    江ノ島「霧が濃いわね…」

    霧切「…急ぎましょう。 日がだいぶ傾いて来たわ。」

    十神「さっさと渡るぞ。」

    真っ白な濃い霧の中を歩く。
  78. 80 : : 2014/09/27(土) 22:00:53
    >>76
    もしかすると...のところが嫌な予感しかしないんですけど・・考えすぎ?
  79. 81 : : 2014/09/27(土) 23:51:45
    朝日奈「幻想的……」

    苗木「このまま…霧を抜けた先が日本だったらいいのに…」

    桑田「ハハッ 同感だぜ…」

    一同は霧の中を歩いていく。



    苗木「何か聞こえない?」

    桑田「そうか?」

    舞園「いえ…聞こえますよ…。何か…。」

    ズズズズズ………

    江ノ島「なっ…!?」

    江ノ島「全員走って!!!!!!!!」

    苗木「やっぱり何か来るよ!」

    桑田「おいおい… 一体何が来るってんだよ…?」

    腐川「な…なんなのよ…この島は…! まるで地獄だわ!!!!」

    金属が軋む嫌な音が響く。

    江ノ島「全員逃げて!!!!!!!!!!」

    ドバァアアアア!!!!!!!!

    水面を爆発させ、大口を開けてやって来たのは…

    既に仲間を一人を咀嚼し、飲み込んだ『ヤツ』であった。

    バギン!!!!!! メギギギギギィ……

    苗木「橋が…!!」

    さっきまで自分が立っていた位置はぽっかりと無くなり。『ヤツ』の腹の中になっていた。

    桑田「橋を…食いちぎりやがった!!!!!!」

    江ノ島「くっ…!! 全員乗せられる車が欲しい…!」

  80. 82 : : 2014/09/28(日) 07:08:12
    江ノ島「全員対岸まで走って!!!!!! ダッシュ!!!!!!!!」

    山田「今回ばかりは日頃の不摂生を怨みますぞ~!!!!」

    ザザザザザザ……

    水面近くを通るだけで大波が発生する。

    苗木「うわっ!!!!」

    セレス「何ですか…? これは……」

    桑田「じ…地震か…!?」

    苗木「…違う。」

    橋の脚の部分に体当たりし、その巨体で橋を揺らしていた。

    山田「と…とにかく…今は逃げますぞ!!!!!!」

    一目散に逃げていく。

    不二咲「ちょっと…… まって」

    ガッ…

    不二咲「あっ!」

    遅れた彼女が転んでしまった。

    苗木「不二咲さん!」

    十神「チィッ!!!!!! 何をやっているんだアイツは…!!!!」

    不二咲「いったぁ……」

    苗木「大丈夫? 不二咲さん。」

    不二咲「苗木くん……」

    苗木「立てる?」

    不二咲「うん…。」

    差しのべた手を掴んで彼女は立ち上がった。
  81. 83 : : 2014/09/28(日) 08:34:43
    不二咲「いたっ…!」

    苗木「どうしたの?」

    不二咲「足…挫いちゃった……」

    苗木「わかった。」

    苗木「よっと。」

    彼女の体は思ったよりずっと軽かった。

    不二咲「い…いいよ…下ろしてよ……」///

    苗木「ムリしないで。 」

    苗木「足に響くかも知れないけど…走るよ。」

    不二咲「うん……」/////

    そのころ…

    江ノ島「対岸に移動完了… あとは?」

    朝日奈「苗木と不二咲ちゃんが…!」

    十神「おい…!! もう一度来るぞ…!」

    舞園「苗木くん!!!! 急いで! 後ろにあの怪獣が……!」

    苗木「なに…!?」

    苗木「クソッ!!!!!!」

    猛ダッシュで対岸まで駆ける。

    不二咲「苗木くん………」///

    不二咲(なんで…? どうしてこんなにドキドキするの…?)

    不二咲(こんなの…おかしいよぉ…)////

    苗木「もう少し……!」

    桑田「ああぁ… ヤベェ…来たぞ…!」

    江ノ島「急いで!!!!!!」

    苗木「うぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

    再び水面を爆発させ、大口を開けて『それ』は迫り来る。

    大和田「苗木!!!!!!!!」

    舞園「苗木くん!!!!!!!!」

    苗木「もうちょい…!」

    対岸まであと数メートルの所で……

    巨影が上に覆い被さった。

    十神「ダメだ…! 間に合わない!!!!!!」

    苗木「そりゃあああっ!!!!!!」

    渾身の大ジャンプ。

    苗木(届け……!!!!)

    苗木「うわっ!!!!」

    ザササササッ!!!!!!

    対岸に派手に着地した。

    バグン!!!!!!!!!!

    規格外の大口が閉じ、橋は殆ど無くなってしまった。
  82. 84 : : 2014/09/28(日) 10:48:11
    江ノ島「……諦めたみたい。」

    朝日奈「すごぉい!!!! スゴいよ苗木!」

    桑田「かっけぇ……」

    苗木「うん…。 ありがとう。」

    苗木「いてて……!」

    舞園「酷いキズ……」

    江ノ島「着地のときに背中を擦りむいたのね…。」

    舞園「確か… 医療品がまだ車のなか…に……」

    江ノ島「うそ…」

    十神「コイツは……」

    山田「ファンタスティックですな……」

    苗木「痛みが……」

    着地の時、彼女をかばって背中から着地したため、背中に酷い擦り傷を負った…はずだったが…

    苗木「また傷口が……」

    舞園「ふさがってますね…。」

    十神「どういう事なんだ…?」

    不二咲「あ…あの……苗木くん………」/////

    苗木「ん?」

    不二咲「そ…そろそろ放して………」//////

    苗木「あっ! ゴメン…」
  83. 85 : : 2014/09/28(日) 11:30:15
    苗木wwww

    これ十神がまた貴様は何者だ!とか言ってきたり、
    桑田辺りが、苗木は映画のアリスちゃんみたく抵抗薬討っていて平気!とか?
    みたいな話しになるのでh(ゲフッ

    うん自重しようか?
  84. 86 : : 2014/09/28(日) 17:24:26
    不二咲「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」///

    苗木「大丈夫? 不二咲さん…」

    不二咲「ふぇっ!? う…うん。」 ///

    苗木「そうか… よかった。」

    屈託のない笑顔で微笑んだ。

    不二咲(全然大丈夫じゃないよ……)///

    不二咲(このままじゃ…苗木くんのこと……)

    不二咲(好きになっちゃうよぉ……)////

    苗木「さて… どこか…拠点になりそうな所は…?」

    江ノ島「探しましょ…」

    舞園「確か… この島は市場があるそうですね…。」

    桑田「おぉ~! それなら食い物にも困らねぇな!」

    山田「う~ん… どうやら……ここでも萌えには…」

    十神「お前の頭にはそれしかないのか?」
  85. 87 : : 2014/09/28(日) 17:58:51
    アカン、不二咲が余計なフラグ(二つのうち一つ)建てやがった
  86. 88 : : 2014/09/28(日) 18:33:37
    >>87

    何のフラグなのか分からない作者に分析ファイルで教えて下さい…。
  87. 89 : : 2014/09/28(日) 18:53:35
    >>88
    書きましたよー、それと僕が分析ファイルで書いたところだけ非表示にしといてください(全然関係がない為)
  88. 90 : : 2014/09/28(日) 21:48:37
    ─────
    ───


    江ノ島「もうじき日が沈むわ……」

    霧切「あの市場って……」

    霧切「ここかしら?」

    でろんでろんになった市場の看板が出迎えに来た。

  89. 91 : : 2014/09/28(日) 22:00:22
    苗木「ジャバウォック・マーケット……」

    大和田「あっちは村か…」

    江ノ島「あっちの方が… 大人数で泊まるにはいいかもよ…」

    腐川「な…なんでもいいから…! 早く拠点を決めた方がいいんじゃないの…!?」

    腐川「何体か来てるわよ…」

    苗木「うっ…!」

    「ヲォオオオ…」「あ"あ"あ"あ"…」

    苗木「邪魔はさせない!」

    十神「やめておけ。 相手が悪い。」

    大神「同感だな…。」

    数匹の群も一瞬にして畳まれてしまった。

    桑田「へん! どんなもんだい!!」

    セレス「あら? あなた一匹でも追い払われました?」

    桑田「う… そう言うオメーだって!」

    江ノ島「あぁ… あそこ… あの家がいいんじゃない?」

    古びた民家がぽつんと佇んでいた。
  90. 92 : : 2014/09/29(月) 08:33:56
    苗木「回りの家より少し大きいみたいだ…」

    朝日奈「ここのお金持ちの家とかだったのかなぁ?」

    セレス「そろそろお風呂に入りたい頃ですわね…」

    舞園「それは同感ですけど…」

    十神「水道とガスが通ってればな。」

    苗木「うっ……!」

    舞園「苗木くん?」

    苗木「なんか……頭が痛い…」

    舞園「大変ですね… 早く入って休みましょう…」

    苗木「うん…。」

    ─────
    ───



    江ノ島「お邪魔しま~す」

    霧切「………」

    舞園「大丈夫ですか?」

    苗木「う…うん。 なんとか…」

    必死で平気を装うけど… ハッキリ言って舞園さんに肩を貸してもらわなければ立っていられない程だ。
  91. 93 : : 2014/09/29(月) 10:18:37
    少女『お帰り! 誠ちゃん!』

    苗木「なっ…!?」

    苗木「ガァアアアアアアアッ!!!!!!!!!!」

    舞園「苗木くん!」

    山田「苗木…誠殿?」

    苗木「ううううっ!!!!!! うぐぁああああ!!!!!!」

    とても立ってなどいられない。 頭を抱えてのたうち回った。

    苗木「ギギギギギギ……」

    江ノ島「………」

    舞園「苗木くん! しっかりしてください!」

    苗木「アアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」

    ─────
    ───



    苗木『ここは……?』

    苗木『まさか… あの夢で見た……』

    苗木(?)『思い出したかい? ボク……』

    苗木『ここは何なんだ!?』

    苗木(?)『君にとても馴染み深い場所だけど…』
  92. 94 : : 2014/09/29(月) 15:57:56
    苗木『なんだと…』

    目の前にあるのはみんなが拠点に選んだあの家。しかし、どう考えても新しい。

    苗木(?)『ハッキリ言おうか?』

    苗木(?)『ここは君の生家だ。』

    苗木『そんなハズはない…! ボクは産まれも育ちも日本だ!』

    苗木(?)『ぷっ……』

    苗木(?)『ハハハハハハハハハハハハ!!!!』
  93. 95 : : 2014/09/29(月) 18:11:07
    苗木(?)『なんとも希望的観測だねぇ… それなら君が遭遇したデジャブはどう説明するの?』

    苗木『それは…!』

    苗木(?)『なら思い出させてあげようか…』

    もう一人のボクはパチンと指鳴らしをした。

    女性『あなた… これどういう事…?』

    男『全部書いてあるとおりさ。』

    女性『だからそれがマズイって言ってるのよ!!』

    男『どこがだ!? これこそ現代に鳴り響く福音!』
  94. 96 : : 2014/09/29(月) 18:25:11
    苗木『なんだ…? これは……』

    女性『いいえ!!!! こんな物……福音でもなんでもない!!!!!! むしろ破滅よ!!!!!!!!』

    男『君は分かっていない……』

    男『このウィルスと適合した者は… 普通の早さの1000倍もの早さで進化することができる。』

    女性『適合出来なかった人はどうなるのよ!!!!』

    女性『なんでこんな物 ウチの会社は気が狂ったように製造してるのよ!!!!!!!!!!』

    男『…君は本当に分かっていない………』

    男『崇高なる神の意志により選ばれし者に福音を届けるには… 少なからず『犠牲』が必要なんだよ…』

    女性『あなた自分が何を言っているか分かっているの!!!!???』

    男『ならばどうするんだ!!!!????』

    男『今… 世界では人口が爆発的に増加している。』

    男『地球上にあるだけでは…… もはや資源も… 食糧も…何もかも足りない!!!!!!』

    男『そして世界はどうなる!?』

    男『人々は限られた資源と食糧を巡って命がけの戦いを始める!!!!』

    男『人々の殴り合い奪い合いから紛争…戦争… になり!!!! やがては核戦争だ!!!!』

    男『地球は死の星になってしまう!!!!!!!!!!』
  95. 97 : : 2014/09/29(月) 18:35:55
    男『我々は人類は試されているんだよ…』

    男『不毛な争いを繰り広げ…全滅するか…』

    男『犠牲を踏み越えて新たな一歩を踏み出せるか…』

    女性『そんなの狂ってるわ!!!!!! 人には生まれた時から幸せに生きる権利があるわ!!!!!!!!!!!!』

    男『地球が滅びてしまえば元も子も無いんだよ!!!!!!!!』

    女性『方法はあるわ!!!!!!』

    男『無い!!!!!!!! 』

    男『我々の計算では… 2020年頃… 世界で深刻な食糧難が発生する…。』

    男『2022年頃にアフリカ、中東で最初の食糧戦争が始まる。』

    男『やがて先進国にも餓死者が出始め…』

    男『買い占めが始まる。』

    男『不満を持った国々が次々と武器を手に取り…世界大戦になる。』

    男『どこかが核を使ったらもうおしまいだ!!!!』

    男『ジェットコースターのように『絶望』へ真っ逆さまに堕ちていくんだ!!!!!!!!』

    男『……子供たちにそんな未来を歩かせたいか?』
  96. 98 : : 2014/09/29(月) 18:45:16
    男『それに… まだ『希望』はある…。』

    男『誠や… 盾子やむくろだって… 適合できる可能性はある…!』

    女性『あなた子供達にまでそんな頭のおかしなウィルスを盛るつもりなの!!!!???』

    女性『やめて!!!!!! 絶対にやめて!!!!!!!!』

    男『うるさいな!!!!!!!!』

    女性『もう… いや……』

    女性『…離婚しましょう。』

    女性『子供達は… 私が守るわ…!』

    男『……勝手にしろ!!!!!!』



    苗木『なんだよ…コレ…?』

    苗木(?)『君の記憶から取り出した映像さ。 まぁ君は消されてるんだけど……』

    苗木『そんな…こんな!!!! こんなのはでっち上げだ!!!!!!!!!!』

    苗木(?)『………あっそ。』
  97. 99 : : 2014/09/29(月) 18:52:13
    ─────
    ────
    ──


    女性『な…何やってるのよアンタたち……』

    女性『アンタたちウチのセキュリティチームの奴らでしょ!!!!!!』

    女性『わたしは…!』

    ガスマスクの男『悪いがアンタはもうこっちの人間じゃない…』

    ガスマスクの男2『警察にチクられちゃ… 計画が台無しですからね……』

    ガスマスク『お子さん達は我々が責任持ってお預かりしますからご安心を……』

    ガスマスク2『もう一人はどっかの傭兵に入ったそうだな… こりゃ探すのは骨だぞ…』

    女性『い…いや…… 』

    女性『誠!!!!!!!! 盾子!!!!!!!! 逃げて!!!!!!!!』

    断続的な銃声が響き渡った。

  98. 100 : : 2014/09/29(月) 19:53:58
    ??『逃げるよ!! 誠ちゃん!』

    ??『えっ!? 待ってよお姉ちゃん!』

    ガスマスク『クソッ… 裏口から逃げやがったな…』

    ガスマスク2『追うぞ。』


    女性『むくろ… じゅんこ…… まこと…… ゴメンね……』

    女性『お母さん… あなた達を…… まもれな…かっ………』

  99. 101 : : 2014/09/30(火) 00:32:21
    苗木「はっ……」

    苗木「ん…? なんか重い…」

    舞園「すぅ… すぅ……」

    苗木「ま…舞園さん…」///

    苗木(ボクのそばにずっと居て…疲れて寝ちゃったんだな……)

    苗木「起こされように……そっと運ばなきゃ…」

    舞園「んぁ… 苗木くん…?」

    苗木「あっ… ゴメンね…起こしちゃって…」

    舞園「いいんですよ。 苗木くん。」

    苗木「そう… じゃあ… 舞園さん。 おやす…」

    苗木「えっ…?」

    舞園「行かないで………」

    後ろから抱きつかれて動けない。

    苗木「なっ…? ま…舞……園さん?」

    舞園「怖いんです…。」

    舞園「一緒に居ちゃ… ダメですか?」///

    苗木「い…いいけど…。」

    舞園さんに一回放してもらってベットに座り込んだ。

    苗木「舞園さん… 何がこわ…」

    言い終わる前に舞園さんの腕で包まれた。

    苗木「なっ…!?」///

    勢い余ってそのままベットに倒れこんだ。

    舞園「ひぐっ… うぐっ……ううぅ…」

    苗木「舞園さん……何を泣いてるの?」

    舞園「わたし… 怖いんです……。」

    舞園「苗木くんが… どこかに行ってしまいそうで…」

    舞園「メンバーの安否も分からなくて……
    苗木くんまで失ったら…」

    舞園「わたし……もう生きていけない!」

    大粒の涙をこぼしながら泣いていた。

    苗木「ボクはどこにも行かないよ。 」

    苗木「ずっと舞園さんのそばにいるから…」

    舞園「だけど… 不安なんです。」

    舞園「誰にでも優しくて… 」

    舞園「仲間のためなら自分の事は二の次で……」

    舞園「いつも危険な場所で戦ってて…」

    苗木「大丈夫…。 ボクは絶対いなくならないから…」

  100. 102 : : 2014/09/30(火) 13:08:38
    舞園「だけど……もし苗木くんが死んじゃったら……」

    苗木「大丈夫だよ。ボクは絶対に死んだりしないよ。 」

    舞園「そうですか……」

    舞園「苗木くん?」

    苗木「うん?」

    舞園「今夜は…一緒に寝ていいですか?」

    苗木「い…いいけど……狭いよ。」///

    舞園「平気です…」///

    苗木「舞園さん……」

    舞園さんが入ったベットは少し窮屈だった。

    しかし… 舞園さんの温かさですぐに眠くなり…

    そのまま眠りに落ちた。
  101. 103 : : 2014/09/30(火) 13:28:01
    ────
    ───


    苗木「ん……?」

    目を覚ますと舞園さんの顔が目の前にあった。

    苗木(わっ…!)///

    苗木(あ… そうだ… 昨日は一緒に寝たんだったな…)

    石丸「んッ!!!! うううぅぅ…」

    石丸クンが目覚め、伸びをしていた。

    石丸「おっ!苗木くん!! どうかね調子は…って!! んなぁあああああああ!!!!????」

    石丸「な…なな…苗木くん!!!! 隣に寝ている舞園くんはどういう事なのだ!!!!???」

    苗木「あっ…」

    苗木(…ちょっと面倒な人に捕まった……。)

    石丸「ぼ…ボクとしたことがぁあ!!!! 修学旅行中に不純異性交遊を許してしまうとは…!!」

    苗木(まだ修学旅行って認識なんだ…)

    石丸「ゆ…ゆゆゆ許さん!!!! 苗木くん!!!! 君には厳正な処罰が…!」

    朝日奈「うるさいなぁ… 朝から何騒いでるの…?」

    苗木(あ~ コレはマズイ……)
  102. 104 : : 2014/09/30(火) 15:42:52
    朝日奈「って… なんで舞園ちゃんと苗木が…」///

    桑田「アポ…?」

    腐川「ふ…不潔よ! こ…こんないつ死ぬか分からないところで…!」

    大和田「いや、いつ死ぬか分からないからこそ…」

    山田「苗木 誠殿……顔に見合わずそんな事を…」

    不二咲(やっぱ…女の子の方がいいよね……)

    ………

    その後、みんなを説得するのに1時間を要した。



  103. 105 : : 2014/09/30(火) 15:53:54
    大和田は何を言っている
  104. 106 : : 2014/09/30(火) 16:15:14
    苗木「はぁ… まだ朝なのにすごい疲れた…」

    舞園「ごめんなさいね… みんなを誤解させるようなマネ…」

    苗木「いやいや… 全然…」

    苗木「さて…… まずはこの島で食糧を探さなきゃ… 」

    舞園「すでに探索チームの数人が探しに行きました。」

    苗木「よし。 じゃあ探しに行こう。 出来れば弾薬も…」

    桑田「ちょっと待った! 苗木!」

    桑田「俺も今日から探索チームに入らせてもらうぜ!!!!」

    苗木「そっか。 ありがとう。桑田クン。」

    不二咲「あの… 苗木くん。」

    不二咲「ボクも…一緒に行っていいかな…?」

    苗木「不二咲さんも…?」

    不二咲「だ…ダメかなぁ…?」

    苗木「大丈夫だよ。 でも… 装備があった方が…」

    舞園「コレ… 使いますか?」

    舞園さんが差し出したのはあの時に見つけた拳銃であった。

    不二咲「うわぁ… コレ…本物だよね…」

    舞園「はい…」

    舞園「わたしも… 何体か… 倒してきたので…」

    不二咲「オモチャなんかじゃない… 『命』を奪う道具なんだよね…」

    苗木「不二咲さん… そんなに無理しなくても…」

    不二咲「ううん。 いいの。 ボクが望んだ事なんだから…」

    不二咲(現実見なきゃ……)

    不二咲(思い出すんだ… ボクは…強くなるんだ!)
  105. 107 : : 2014/09/30(火) 18:57:08
    探索チームに桑田クンと不二咲さんが加わった!

    苗木「そう言えば… 桑田クンは武器とかは…?」

    桑田「オレ? 俺はこの即席のバットと石ころがあるぜ!!」

    桑田「ぶっちゃけ銃よりこっちの方が扱い易いぜ…」

    苗木「そっか… 桑田クンの野球の腕なら十分武器になるね。」

    ─────
    ───


    苗木「よし… じゃあ。探索開始。」

    舞園「目標は食糧、および弾薬ですね!」

    桑田「よっしゃー!!」

    ─────
    ───
    ──

    本当にバケモノさえ居なければとてもいいリゾート地なのだが…

    桑田「こうして4人で歩いてるとRPGみたいだな!」

    苗木「そうだね…」

    桑田「俺はやっぱ戦士だろ!」

    舞園「それなら… わたしは魔法使いってところでしょうか?」

    不二咲「ボクは 何だろう…?」

    桑田「不二咲ちゃんは僧侶じゃね?」

    不二咲「僧侶かぁ…」

    苗木「ボクは…何だろう… 思い付かないな…」

    舞園「勇者… なんてどうですか?」

    苗木「ぼ…ボクが勇者?」

    桑田「うぉおおおおい!! じゃあ俺勇者な!!!!」

    桑田クンはRPGみたいだと言っていたけど…

    ボクは…『修学旅行』なんじゃないかと思う。

    こんな事言っても… 現実は変わらないんだけど…

    歩いてそう遠くない位置にジャバウォック・マーケットがあった。

    不二咲「マーケットって名前だけど… 市場なんだねぇ…」

    苗木「ここなら… 食糧もすぐに見つかるかな。」

    ……というのは甘かった。

    苗木「うわ! 腐ってる…」

    舞園「…こっちもアウトです。」

    桑田「うわっ!! くっせぇ……」

    考えてみれば当たり前だ。 南国の島の市場で冷蔵技術も導入されていない上にこの暑さだ。
  106. 108 : : 2014/09/30(火) 21:27:56
    苗木「これは思ったより苦労しそうだ…」

    諦めずに探し回っていると……

    苗木「ドライフルーツ……」

    舞園「おおっ!」

    苗木「保存も効くし… これは持って帰ろう。」

    ドライフルーツを手に入れた!

    桑田「おっ… こりゃあ……」

    桑田「缶詰めだな。数も種類もけっこうありそうだ。」

    不二咲「食糧ゲット だね!」

    缶詰めを手に入れた!

    舞園「けっこう揃いましたね…」

    舞園「あら? コレは…」

    舞園「セッケンだ…」

    桑田「そう言えばこの島に来てからというもの… 風呂入ってねぇんだよな……」

    桑田「……かなりヤベェ…」

    自らの服を鼻にあて、彼は言った。

    苗木「それも持って帰ろう。」
  107. 109 : : 2014/09/30(火) 22:24:15
    苗木「さて… そろそろ拠点に戻ろう!」

    桑田「そうだな。 他のメンバーもそろそろ集まったろ…」

    舞園「……そう簡単には帰してくれないみたいですよ。」

    苗木「…そうだね。」

    桑田「しょうがねぇ… やるっきゃねぇな。」

    不二咲「えっ…? なに? どうしたの?」
  108. 110 : : 2014/09/30(火) 22:40:43
    苗木「さぁ… かかって来い…」

    市場の裏通りや店の奥から… わらわらと湧いてくるかつての市場の商人たち…

    舞園「どいてもらいます!!!!」

    桑田「邪魔だ!!!!!!」

    この地獄を生き抜いてきた3人はもはやゾンビ程度では全く物怖じしない。

    不二咲「す…すごい……」

    程なくして「元」商人たちは掃討された。

    桑田「石ころが無い… また拾って来ねぇと…」

    舞園「弾が… 無くなっちゃいました……」

    苗木「さて… 新手が来ないうちに逃げ…」

    元商人「アアアア…!」

    苗木「なっ!?」

    舞園「走ってくる!!」

    桑田「ゾンビって幽霊みたいに歩くんじゃねーのかよ!?」

    苗木「うわっ…!」

    『ウチの商品を返せ!!』などと…言うはずがない。 その商人はすでに異形の怪物になってしまっているのだから…

    舞園「桑田くん! あのバットは…?」

    桑田「さっきの戦いで折れちった…」

    苗木「くそっ…! このままじゃ…ヤバい…!!!!」

    苗木の首筋に元商人の牙が刺さろうという時。

    1発の銃声が鳴り響いた。

    元商人「!?」

    不二咲「はぁ… はぁ…はぁ…はぁ…」

    元商人は二度と取り立てには来なかった。

    舞園「スゴい…」

    桑田「ヘッドショット1発……」

    苗木「助かったよ… ありがとう。 不二咲さん。」
  109. 111 : : 2014/09/30(火) 23:04:53
    不二咲「あ…あぁ…」

    彼女はガクガクと震え、膝を地に突いていた。

    不二咲「ぼ…ボク……」

    不二咲「殺しちゃったんだ……」

    不二咲「うっ…ううぅ……」

    そのまま泣き崩れてしまった。

    苗木「不二咲さん……」

    苗木「でも…あの時…不二咲さんに助けてもらわなかったら…ボクは死んでいた。」

    不二咲「だけど… あの人だって…生きてたのに……」

    不二咲「元は普通の人間だったのに……」

    苗木「…優しいんだね。 不二咲さんは…」

    苗木「でも… 生き残るためには…これしか…」

    不二咲「それでも! ダメだよぉ……」

    不二咲「ゾンビになったから… 殺してもいいなんて…」

    不二咲「そんなの……!」

    泣きじゃくる彼女にライフルを突き付ける人影があった。

    十神「…… 全く…黙って聞いていれば反吐が出る」

    苗木「十神クン!!!!!!!!」

    十神「なんだ? 貴様もその女の言うことに賛同するのか?」
  110. 112 : : 2014/10/01(水) 21:18:49
    不二咲「だって… この人たちだって… 『バイオハザード』が起こらなければ…」

    十神「ハッキリ言うぞ。 コイツらは人間でない。そしてお前は甘過ぎる。」

    十神「コイツらを人間と思うな。 変に情けをかければ殺されるのはお前だぞ。」

    不二咲「だけど… だけど……」

    不二咲「誰かを殺してまで…生きたくない!」

    十神「ならばコイツらと心中するか?殺すのが嫌なんだろう?」

    不二咲「そ…それは……」

    十神「そもそも甘過ぎるんだよ貴様は。 人間ってのはそんなキレイな生き物じゃない。裏切るんだ。」

    十神「現にバカな裏通り者のせいでたった今、資源の枯渇に悩まされているんだろうが。」

    不二咲「うぅ……」

    苗木「十神クン… 気持ちは分からないでもないけどもうその辺に……」

    十神「まったく… 女は泣けば済むと思っていやがるからおこがましい。」

    十神クンはさっさと拠点へ帰っていった。

  111. 113 : : 2014/10/01(水) 21:43:06
    不二咲 「ぐすっ……」

    桑田「気にすんなって。あんなヤロー」

    舞園「ほら…帰りましょ?」

    不二咲「うん… ありがと……」

    ボク達も足早に拠点へ戻っていった。


    大和田「じゃ… それぞれ収穫を見せ合うとするか…」

    桑田「俺らは… ドライフルーツに…缶詰めとセッケンを見つけた。」

    大和田「俺はこの…肉切り包丁と…弾薬をいくつか手に入れた。」

    大和田クンはギラギラと輝きを放つ肉切り包丁と弾薬が入った箱を取り出した。

    十神「車に使えそうな燃料。そして水だ。」

    苗木「後は……」

    江ノ島「はいは~い!」

    江ノ島「とっておきのモノを見つけて来たんだ!」

    桑田「おぉ~! 肉とか!?」

    大和田「デッケー機関銃とかか?」

    江ノ島「んふふ~♪ どっちもハズレなのだ~」

    十神「いいから早くしろ。」

    江ノ島「分かったよ… じゃーん!!」
  112. 114 : : 2014/10/01(水) 21:50:31
    苗木「コレは…?」

    桑田「なんだ… 何か美味いモンかと…」

    江ノ島「おいしいよ!! すっごく!」

    銀紙の包装の物や缶詰めの物まで… 種類は様々だ。

    江ノ島「レーションだよ! スゴいご馳走でしょ!?」キラキラ

    大和田「あ…あぁ…そ~だな。 保存も効くだろうし…」

    舞園(何なんですか…? レーションって…)

    舞園さんがこっそり訊ねてきた。

    苗木(軍人とかが… 戦地に持って行く保存食のことだよ…)

    山田「恐縮ですが… 江ノ島 盾子殿? もしや… 自分がレーション好きだからこれだけ集めて来たのでは…?」

    江ノ島「そ…そそそそんなことにゃいよ!」

    どう見てもアタフタしていた…。

    十神「バカバカしい…」
  113. 115 : : 2014/10/01(水) 23:15:33
    朝日奈「あっ! そうだ! セッケンがあるなら…お風呂入っちゃおうよ!」

    桑田「おいおい…あのでろんでろんの風呂か?」

    朝日奈「居残りメンバーで頑張って掃除したんだよ! けっこう広いからみんなで入って大丈夫だよ!」

    セレス「さすがに洗剤類は古びてアウトでしたけど…」

    江ノ島「やったぁ!」

    大神「風呂か… こんな状況になって使えるようになるとは…思いもよらなかったぞ。」

    霧切「………」

    霧切(おかしいわ… ここだけなぜガスと水道が…? 他は全部止まってたのに…)

    朝日奈「よし! じゃあお風呂入ろっか!」

    舞園「そうですね!」

    江ノ島「千尋ちゃんは?」

    不二咲「あ…ボクは…ちょっとやることがあるから…」

    朝日奈「そうなんだ… じゃあ先に入ってるね!」

    ─────
    ───


    苗木「女子が出るまでヒマだね…。」

    大和田「武器の手入れでもしてようぜ。」

    桑田「なっ! おい。苗木!」

    苗木「ん?」

    桑田「行くぞ!」

    苗木「行くぞってどこへ?」

    桑田「風呂に決まってんじゃん! 天国が見えるぜ!」

    苗木「ええっ!?」

    桑田「行こうぜ!苗木!」

    石丸「け…! けけけけけしからんぞ!!!!!! 覗きなど風紀を乱すにも程が…!!!!!!」

    苗木(どうしよう…?)

    >>116

    見に行く。

    見に行かない。
  114. 116 : : 2014/10/02(木) 00:11:25
    覗かないという選択肢は実質あるのか?

    覗く。
  115. 117 : : 2014/10/02(木) 19:24:11
    ─風呂場前─

    桑田(さっ… 着いたぜ…)

    苗木(やっぱ 戻ろうよ…)

    十神(全くだ。 何をしているんだ貴様らは。)

    山田(拙者は… あくまで創作の参考にと…)

    石丸(け…けしからん! けしからんぞぉおおおおおおおお!!!!!! (ボディが。))

    湯煙の向こうに広がっていたのは…

    『男のロマン』であった。

    桑田(おぉ… やっぱ舞園ちゃんでけぇなぁ…)

    十神(悪くない…)

    山田(チチデカフィーバァアアアアアアアア!!!!!!)

    石丸(ぬぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!)

    桑田(おい。苗木! お前も目に焼き付けて…)

    苗木(まいぞのしゃん………)

    桑田(ダメだこりゃ… 完全に逝っちまってる…)

    ─風呂場─

    大神「気のせいか…? 先程から気配が…」

    ジェノ「い~い湯だな♪ ハハハ♪」

    朝日奈「舞園ちゃん! 背中流そうか?」

    舞園「ありがとうございます!」
  116. 118 : : 2014/10/02(木) 19:38:34
    桑田(舞園ちゃんやっぱ最高だぜ…)

    十神(ロングヘアーに 貧乳… 悪くない…)

    石丸()チーン

    苗木()ポヤーン

    山田(ぬほぉおおおおおおおおおおおおおおお!!)

    桑田(ここの男って……)

    霧切「…」ガチャ

    霧切「えっ?」

    桑田「あ"…」

    山田「ブヒィ!?」

    苗木「ほぇ…?」

    石丸「んなぁ…?」

    十神「か…かかかか勘違いするn……」

    舞園「ん?」

    セレス「あら?」

    ジェノ「んあ?」

    大神「ぬっ…?」

    朝日奈「えっ…?」

    ……目が合ってしまった。

    「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

    舞園「どういう事なんですか!?」///

    桑田「い…いやぁ…コレは…そのぉ~…」

    桑田「苗木! 弁護してくれ!」

    苗木「まいぞのしゃあん……」

    大神「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

    山田「あわわわわわ… 拙者は…そのぉ…創作の参考にと……」

    セレス「な…何してやがんだこのビチグソ共がぁあああああああああああああ!!!!!!」///

    朝日奈「もうっ!サイッテー!」///

    江ノ島「…ゆ…許さないんだからぁああああ!!!!!!」

    山田「ひぃいいいいい!!!! 江ノ島 盾子殿が発砲したぁああああああああああああ!!!!!!」

    十神「かかかかかか勘違いするな。 俺が貴様らの裸など見ようと思うはず… ゴファア!!??」

    「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

    …その日。 島中のゾンビが一瞬、ぎょっとした……らしい。
  117. 119 : : 2014/10/02(木) 19:46:03
    ─1時間後 風呂場─

    十神「クソッ… 染みる……」

    桑田「ガチで天国が見えたぜ…」

    石丸「男子陣で無事なのは大和田クンだけであったか…」

    苗木「スゴかった…」

    桑田「ていうか! なんで苗木はあんまボコられてねぇんだ!?」

    山田「理不尽ですぞ…」

    大和田「何やってんだよバカ共が……」

    大和田(やっぱ俺も行っとけば良かった…。)

    …今回のところは大目に見てくれたが……。

    次には天国ではなく、地獄を見せてやると言う……。
  118. 120 : : 2014/10/02(木) 23:19:38
    ─次の日─

    苗木「お…おはよう… 舞園さん…」

    舞園「………」

    苗木(すんごい気まずい…)

    舞園「苗木くん……昨日はなんであんな事……」

    苗木「あぁ… ゴメンね…舞園さん……。」

    舞園「だ…大丈夫ですよ。 苗木くんも…男の子ですし……。」

    苗木「じゃあ… また…探索にでも行こうか。」

    舞園「えぇ。」
  119. 121 : : 2014/10/02(木) 23:40:44
    期待!!
  120. 122 : : 2014/10/03(金) 22:06:04
    ─東の島 ─

    桑田「あ…あの…ゴメンな…舞園ちゃん……」

    舞園「………」

    桑田(やっぱ怒ってるよなぁ…)

    不二咲「今日も探索だねぇ」

    苗木「うん。 食料もまだまだ十分ってワケじゃないからね……」

    桑田「ん? あんな所にまたゾンビがいるじゃん!」

    桑田「そらっ!!!!」

    スナイパーに放たれた弾丸のようなシャープな弾道を描き、石ころは飛んだ。

    ゾンビがゆっくり倒れた。

    桑田「ハッハー! ざまぁ見ろこのバァーカ!!!!」


  121. 123 : : 2014/10/03(金) 23:45:34
    舞園「もうゾンビ程度なら怖くありませんね!」

    苗木「うん!」

    しかし、ボク達は忘れていた。

    不二咲「な… なに…あれ?」

    ボク達の身の上を。

    苗木「ゾンビじゃ…ない」

    ボク達は……

    ??「シャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

    『絶望』と言う蟻地獄でもがく蟻であったと…

    舞園「しまった……」

    桑田「ありゃ何だ…? 人間?爬虫類…?」

    苗木「どっちでもないと思う…。」

    人間と爬虫類の中間のような…緑色の鱗を持った『何か』がそこに居た。

    桑田「オラァ!!!!」

    桑田クンが投石した。

    しかし、その石がいつものように頭蓋骨を砕く音を響かせることはなかった。

    苗木「かわした…!」
  122. 124 : : 2014/10/04(土) 00:11:20
    すかさずボクと舞園さんが迎撃する。

    苗木「鱗が硬い…!」

    舞園「それに… 避けられてますよ…!」

    不二咲(後ろからなら…!)

    不二咲さんが背後に回り込み、弾丸を食らわせた。

    ??「……!?」

    苗木「今だ!!!!!!」

    3人の同時攻撃により、爬虫類モドキは動かなくなった。
  123. 125 : : 2014/10/04(土) 00:50:54
    舞園「はぁ… 危なかった…」

    ??「…」ムクリ

    桑田「なっ!?」

    ??「ギシャアアアアアアアアア!!!!!!!!」

    舞園「えっ…? えっ…」

    ザシュッ!!!!!!!!

    肉が切り裂かれる嫌な音が鳴った。

    苗木「いっつ…!」

    苗木「この!!!!!!」

    マグナム弾が爬虫類モドキを貫き、今度こそ爬虫類モドキは動かなくなった。

    舞園「苗木くん!!!! キズが…!」

    苗木「大丈夫だよ… 多分。」

    また、傷口はみるみるうちに塞がり、痛みもあっという間に引いた。

    苗木「それにしても… もうボロボロだよ…ボクのパーカー……。」

    今までの激戦の跡がパーカーにはしっかりと残されていた。

    舞園「あら… 後でわたしが縫ってあげますね!」

    苗木「本当!? ありがとう!」

    桑田「………チッ」

    不二咲(いいなぁ……)
  124. 126 : : 2014/10/04(土) 10:24:54
    桑田「クソ……苗木ぃ……」

    不二咲「ねぇ…あっちに…交番があるよ。」

    苗木「ホントだ…」

    舞園「パトカーで塞がれてますね…」

    桑田「大丈夫っしょ! 乗り越えちまえば…」

    桑田「うげっ!!!!」

    不二咲「うっ……」

    舞園「コレは… 」

    苗木「酷いな……」

    パトカーの間にいたのは二人の変わり果てた警察官であった。 恐らく、現地の警察だ。

    苗木「このショットガンとハンドガンは使わせてもらおう…」

    舞園「あなた達の死は決して無駄にしません…」

    桑田「ナムアミダブツ…ナムアミダブツ…」
  125. 127 : : 2014/10/04(土) 10:36:55
    ─ベネリ M-3─

    警察官、SWAT等に採用されているショットガン。

    狩猟用ショットガンより銃身が短く、装弾数が多い。



    苗木「弾は… 交番の中に…」

    桑田「うわぁああああああああ!!!!!!」

    警察官「アアアア…」

    ドォン!!!!!!

    散弾がかつての警察官の組織を破壊していく。

    苗木「ごめんなさい…」

    舞園「仕方ないですよ…」

    桑田「交番の中に…弾があるといいな。」

    ─東の島 交番─

    苗木「うわ……」

    不二咲「壁じゅう血まみれだ…」

    桑田「ひでぇ…」

    しかし、更に酷い光景がボク達を待ち受けていた。

    舞園「ヌイグルミ……」

    不二咲「キャアアアアアアア!」

    桑田「うぷっ……」

    苗木「クソッ…!」

    ……ようやく少女であると判別できる物が横たわっていた。

    苗木「あのバケモノ共…… こんな小さな子にまで……」

    舞園「許せませんね。」

    不二咲「ぐすっ……」

    桑田「なぁ… これ…なんか書いてあるぞ。」
  126. 128 : : 2014/10/04(土) 10:54:21
    ─とある警察官の日誌─

    2月?日 (血で汚れて判読不能。)

    クソッ!! なんでこん??になってるんだ!!

    平和だけ??取り柄の島だっ??のに…

    生き残??殆どいない…

    2月18日

    村のパトロ???で2人が死んだ。だが、生き?りの少女を発?、保護した。

    こ?いう状況で守るべき??がいるのはとても嬉しい??だ。 警察官として…

    ?月??

    緑??アイツのせいで仲間?????が殺られてしまった。

    俺はアイ?らを「HUNTER」と呼ぶことに??

    ハン?ーのせいでとうとう俺?オヤッサ?だけになっ????た

    ????

    パト??バリ??ドを設置し、オヤッ?ンと二人で前後を防??る。

    諦め??ない。 俺?には守らな?????がいるの???ら。

    ????日

    本土か??の救?はまだか!?

    もう弾?????残???い。

    ????

    俺?オヤッサン?ダメ?。

    せっ?く?護した?女もハ?タ?に殺??て?まった。

    母ち??… 親?行まだ??た。 ゴメン。

    あ?世でまた… アイ?らと酒でも…飲?りゃ…

    ─ファイル「とある警察官の日誌」を手に入れた。─

  127. 129 : : 2014/10/04(土) 11:40:48
    ハンターの首狩りは怖いですよね
    期待です!
  128. 130 : : 2014/10/04(土) 18:04:03
    苗木「……ハンターか…。」

    舞園「緑色って… さっきわたし達が倒したアレのことでしょうか…?」

    苗木「多分、そうだと思う。」

    ハンター「シャアアアアアアアアアアアアア!!!!」

    桑田「またあのバケモノだ!!!!」

    不二咲「どうしよう……」

    苗木「…戦うしかない…!」

    苗木「行こう!」

    舞園「ええ。」

    不二咲「うん!」

    桑田(クソッ!! なんだってんだよ…! 苗木ばっかりよぉ!!!!)

    ハンター「………」

    目線がぶつかる。 「ハンター」と呼ばれるそれは、ボクらをロックオンしたようだ。

    桑田「どけ!!!! 俺がやる!!!!!!」

    苗木「桑田クン!! 一人じゃ無理だ!」
  129. 131 : : 2014/10/04(土) 18:46:56
    あ・・(察し)
  130. 132 : : 2014/10/04(土) 20:15:29
    桑田「だいたいテメーはいっつも美味しいトコ持っていきやがってよぉ!!!! 気に食わねぇんだよ!!!!!!」

    苗木「それは…」

    舞園「今はケンカしてる場合じゃありません!!」

    桑田「ヨユーだろ! こんなんゾンビと変わんねぇよ!」

    桑田「オラァ!!!!!!」

    超高校級の野球選手の全力投球。

    ハンター「ギギャッ!!」

    バケモノでもタダでは済まない。

    ハンター「キャアアア!! キャアアア!!」

    苗木「鳴き方がおかしい…。」

    屋根づたいに伝わる足音。

    ハンター「シャアアアアア……」

    舞園「そんな… 仲間を…!」

    苗木「やるしかない…!」

    久々に握るマグナム。 しかし、不思議と手にしっくり来る。

    ハンター「ギシャアアアアアア!!!!!!」

    脳汁が顔にまで降りかかってきた。

    舞園「援護します!」

    不二咲「ボクだって…… やるんだ!!」

    射撃スキルはすでにかなりの領域にまで達している。 元々のセンスに加え、危機的な状況下に置かれ、凄まじいまでの成長を遂げている。

    桑田「な? ラクショーだったろ?」

    しかし… 成長を遂げたからこそであった……

    ??「グォオオオオオオオオオ!!!!!!」

    誰もが… 『絶望』を忘れかけていたのだ…

    苗木「これなら…!」

    不二咲「待って…! また何か来る!」

    ??「ゴルルルルルル……」

    ボクらの目の前に着地し、唸りを上げてボクらを睨み付ける。

    姿はハンターに近いが… 体格が大きく、鱗も黒く、爪は5本指に生えた爪だけでなく、巨大な1本の爪が伸びていた。

    桑田「死ねぇ!!!!」

    苗木「…ダメだ! ソイツはさっきのヤツらとは……!」

    苗木「ちが……!!!!」

    超高校級の野球選手のスィングを受け止めるにとどまらず…

    桑田「げほっ……」

    不二咲「桑田クン!!!!!!」

    桑田クンの身体を爪で貫いていた。

    苗木「くわ…た…クン…」

    不二咲「あ…あぁ……」
  131. 133 : : 2014/10/04(土) 20:38:45
    舞園「桑田クン!!!!!!」

    舞園(アイツ…! 桑田クンを盾に…!)

    苗木「……」

    ハンターの強化体と思わしき生物は、桑田クンをこちらに投げ捨てた。

    桑田「グハッ……!!」

    舞園「不二咲さんは桑田クンの手当てを!」

    苗木「……」

    舞園「苗木くん! 何やってるんですか!? 桑田クンが刺されたんですよ!!!!!!」

    苗木「……」

    苗木(?)『キタキタ… この感じ♪』

    苗木(?)『怒り・憎悪・絶望が沸々と湧いてくる…!』

    苗木(?)『素晴らしい!!』

    苗木(?) ((もっとも… 完璧な『絶望』には… まだスパイスが足りないな…))

    苗木(?)((『希望』と言う名の極上のスパイスがね…))

    苗木「アアアアアアアアアアアア…」

    ハンター強化体「…っ!?」

    舞園「苗木くん! どうしたんですか!? 苗木く…!?」

    自らの目を疑った。

    全身に血管を浮かび上がらせ、目は煌々と紅く禍々しい輝きを放っていた。

    その余りの威圧感に…野生の勘がそうさせるのか… 「バケモノ」ですら一瞬たじろいだ。

    苗木「許さない…! 絶対に…!!」

    苗木(?)『そうだ…! その調子だ!! 憎しみに身を預けるんだ!!!!!!』

    苗木「ウォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

    舞園「苗木くん!」

    ハンター強化体は身を守る体勢に入った。

    ハンター強化体「ぐきゃああぁ……」

    鋭い爪は粉々に砕け散り、腹部に突き刺さった拳からは体液が溢れ出てくる。

    舞園「なえぎ…くん?」

    血まみれの拳を引き抜くや否や…

    苗木「フン!!!!!!」

    彼の人格からはとても想像できない残虐な蹴りが炸裂した。

    ハンター強化体「キュァアアア………」

    商店を5軒ほど吹き飛ばした先で、ようやく止まった。

    苗木(?)『素晴らしい!! これが絶望の力…』

    苗木(?)『まだ不完全にしてこのパワー…』

    苗木(?)『素晴らしい!! excellent!!!! 完全体になったら… 一体どうなるんだ!?』

    既にハンター強化体は瀕死で あった。

  132. 134 : : 2014/10/04(土) 20:59:29
    苗木「……」

    自ら蹴飛ばした方へスタスタと歩いて行く。

    舞園「苗木くん! もう止めて下さい!! もうその生き物は瀕死です!!」

    苗木「ヒューーー……」

    まるで耳に届いていない。 ハンター強化体に馬乗りになると…

    容赦無く顔面に拳を突き立てた。

    一方的なラッシュが始まった。

    苗木「死ね!! 死ね!!死ね!!死ね!!」

    舞園「苗木くん! 止めて下さい! どうしちゃったんですか!?」

    苗木(?)『はぁ… 甘美だ… これが…『絶望』…』

    苗木「よくも…! よくも桑田クンをぉおおオオオオオオオオ!!!!!!」

    舞園「落ち着いて下さい!! もうソイツは死んでます!!!!」

    苗木「アアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

    舞園「苗木くん!!!!」

    苗木『…ハッ!?』

    苗木「アレ? ボク…一体…?」

    舞園「覚えて… ないんですか?」

    苗木「な…何これ…?」

    気づけばあの桑田クンを刺したあの怪物にマウントポジションを取っていて…

    眼下には見るも無残な怪物の死体が転がっていた。

    苗木「なんだよ… コレ? ボクがやったの?」

    舞園「……」

    舞園さんは静かに首を縦に振った。

    舞園「それより… 桑田クンが危ないんです!!」

    ─────
    ───


    急いで桑田クンの元まで走った。

    しかし、桑田クンの周りには既に紅い水溜まりが出来ていた。

    不二咲「ダメ…… 血が… 止まらないよぉ…」

  133. 135 : : 2014/10/04(土) 21:13:57
    不二咲「どんなに押さえても… 血が…」

    桑田「へへ……おれ…も…ここまでかよ……」

    苗木「諦めちゃダメだ!気をしっかり持って!」

    桑田「苗木…… お前があのバケモノをブッ飛ばした時… すんげ~ スカッとしたぜ……。」

    舞園「桑田くん!!」

    桑田「苗木……」

    桑田「舞園ちゃんのこと… 不幸に……するんじゃ…ねぇ…ぞ……。」

    桑田「幸せにな………」

    そう言って彼は微笑んだかと思うと……

    もう二度と、目を開けなかった…。

    苗木「ウソ……だろ?」

    苗木「桑田クン?」

    苗木「桑田クン!! 桑田クン!!!!」

    苗木「くっ…!!」

    不二咲「桑田クン……」

    舞園「桑田クン! しっかりして下さい! ミュージシャンになるんじゃなかったんですか!?」

    耳元でどんなに彼の名前を呼んでも…彼は返事をしてくれなかった。

    苗木「くっ…! ううぅ…」

    不二咲「桑田クン……」

    舞園「ぐすっ……」

    ─────
    ───


    江ノ島「お帰り! 」

    大和田「遅かったな。」

    石丸「君達! 危ないじゃないか! こんな夜遅くまで………」

    大神「何かあったのか?」

    セレス「背中の桑田クンは…?」

    苗木「………」

    舞園「………」

    不二咲「ううっ……」

    江ノ島「…どうしたの?」

    苗木「桑田クンが……死んだ。」
  134. 136 : : 2014/10/04(土) 23:20:14
    桑田の石投げが寄生獣みたい…。それとフラグ立てるなよ…。もうこれ以上死人出さないでほしい。
  135. 137 : : 2014/10/05(日) 00:01:09
    ご期待ありがとうございます!

    それと… 死人に関しましては詳しくは言えません…。
  136. 138 : : 2014/10/05(日) 00:17:45
    ウウッ桑田君ーー!!



    からの期待!!
  137. 139 : : 2014/10/05(日) 08:48:25
    苗木「ハンターとか言うヤツにやられて…」

    江ノ島(ハンター……。)

    十神「ほう… それでなぜそんな死体をここまで運んで来た?」

    苗木「それは…」

    十神「そんな死体をご丁寧にここまで運んで来てどうするんだと聞いているんだ!!!!」

    大神「よさぬか……」

    十神「もっとも…ソイツが既に感染していれば… 生き返るかもなぁ? ゾンビとしてな。」

    苗木「やめろ…。」

    大和田「いい加減にしろ… 今のは聞き捨てならねぇぞ…」

    十神「何か間違った事でも言ったか?」

    十神「なんだ? 生き残りたくないのか…?この『ゲーム』に…」

    十神「そんな何の役にも立たん死体はさっさと片付け…」

    顔面に拳が炸裂した。

    十神「ぐっ…!」

    苗木「いい加減にしろよ!!!! このクソ野郎!!!!!! 」

    舞園「落ち着いて…!」

    後ろから舞園が止めにかかる。

    苗木「何がゲームだよ!!!!!! 人が死んでるんだよ!!!!!! もう二人も!!!!」

    苗木「それに犠牲になったのはボクらの仲間だけじゃないんだ!!!!!!」

    苗木「世界を操るだが何だか知らねぇけどふざけたことばっか抜かしてんじゃねぇぞこのクソッタレがぁ!!!!!!」

    江ノ島「苗木…!」

    舞園(苗木くんが… あんなに声を荒げるなんて…)

    十神「チィッ!!!!!!」

    お返しと言わんばかりに腹に蹴りが入った。

    苗木「ぐうっ…!」

    十神「いい加減にするのは貴様の方だ!! 」
  138. 140 : : 2014/10/06(月) 07:12:43
    十神「俺は貴様らを『仲間』だと認めた事は一切無いんだよ…。」

    十神「そんな下らん馴れ合いの為に自分の命まで危ぶめてどうるんだ…?」

    十神「特に苗木!貴様だ!」

    十神「俺はそんな下らん馴れ合いの為に自分の命まで懸けるつもりは無いんでな…」

    苗木「クソッ…!」

    舞園「苗木くん! もうやめて下さい!」

    苗木「舞園さん……。」

    舞園「今ここで仲間同士で言い合いしてどうするんですか!?」

    苗木「…ゴメン……。」
  139. 141 : : 2014/10/06(月) 09:14:54
    舞園「桑田くんには悪いですが…この島に… 埋めることにしましょう…」

    苗木「うん…。朝日奈さん…資材まだある?」

    朝日奈「うん。 どうするの?」

    苗木「ちょっとね……」

    ────
    ──


    金づちで釘を叩く軽快な音が響く。

    朝日奈「それってもしかして……」

    不二咲「棺桶…だね…。」

    苗木「うん…。」

    舞園「こっち仕上がりましたよ。」

    苗木「ありがとう。」

    大神「こんなところでよいか?」

    両手には島で咲いていた花があった。

    苗木「うん。 ありがとう。大神さん」

    十神「………」

    大和田「穴はこんなもんでいいか?」

    苗木「ありがとう。みんな。本当に…」

    大和田「なぁに… 仲間をちゃんとに葬るためだって言ったらなぁ…」

    大神「気にせぬでよい……」

    穴に棺桶を置き、上から土を被せる。

    苗木「今は無理だけど… 全部片付いたら…絶対に日本に連れに戻って来るからね…」

    見晴らしの良い高台に簡素な墓が出来上がった。
  140. 142 : : 2014/10/06(月) 22:48:49
    ─真夜中─

    苗木「くー…」

    大和田「んごぉ~…」

    舞園「すぅ…すぅ…」

    山田「ぐー… ね…寝てないでありますぞ…ムニャ…」

    草木も眠る丑三つ時、『来訪者』があった。
  141. 143 : : 2014/10/07(火) 08:38:22
    扉が壊れそうな勢いで何度も何度も叩く音がする。

    苗木「ん…?」

    舞園「だれ…?」

    苗木「誰だろう…? こんな遅くに…」

    下に降りて確認しに行ったところ。 ちょうど舞園さんも確認しに行くところだった。

    舞園「苗木くん…」

    江ノ島「二人とも起きたんだ…」

    扉を叩く音は相変わらず鳴り響いている。

    江ノ島「…もしかしたら生存者かもしれない……。」

    江ノ島「だけど…一応、武器を…」

    バリバリバリ!

    乾いた木材を無理矢理壊すような音が響いた。

    苗木「く…桑田クン!?」

    桑田「……」

    江ノ島「様子がおかしい……」

    舞園「まさか……」

    桑田「アアアア……」

    江ノ島「桑田…… まさか…」

    江ノ島「武器を持って!」

    舞園「は…はい!!」

    苗木「そんな……イヤだ…」

    苗木「桑田クン? 桑田クンなんだよね? 埋めちゃってゴメンね?」

    江ノ島「苗木! コイツはもうアンタの知ってる桑田じゃない!!!!!!」

    二人の銃弾が桑田クンだったものに降り注ぐ。

    桑田「アアアア…」

    江ノ島「タフね…」

    舞園「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい桑田くん…!」
  142. 144 : : 2014/10/07(火) 11:14:48
    桑田「ミン…ナ…オレ……ダヨ……」

    苗木「や…やめてよ…」

    桑田「ダズケ……」

    その時、背後からライフルの発砲音が響いた。

    十神「やれやれだ…。」

    桑田クンであったものは膝をついてがっくりと倒れた。

    苗木「桑田クン…?」

    苗木「なんでだよ…!? なんで桑田クンを…!」

    夢中で十神に掴みかかっていた。

    十神「何度も言わせるんじゃない!! アイツは…!」

    苗木「なんで!! なんで桑田クンを撃ったんだよぉおお!! なんでだよぉおおおおお!!!!」

  143. 145 : : 2014/10/07(火) 13:16:56
    おうふ・・・桑田ェ
  144. 146 : : 2014/10/07(火) 13:23:23
    江ノ島「……」

    突然、肩を掴まれ…

    バシッ!!!!

    苗木「え…?」

    目の前で星が舞った。

    江ノ島「まことちゃん…聞いて。」

    江ノ島「仲間が死んでショックなのも分かる… 仲間に銃を向けたくないのも十分わかる!!!!」

    江ノ島「だけど… ここはもう『戦場』なの…」

    江ノ島「あなたの隣で… いつ、誰が死んでもおかしくないの!!!!」

    江ノ島「私たちは今… そんな状況に身を置かれているの…。」

    江ノ島「辛いのは分かってる… でも…踏み越えて!」

    江ノ島「あと…叩いたりしてごめんね……。」

    苗木「いいよ… でもボクは…踏み越えたりしない…。」

    苗木「仲間の死も! この島の人達の死も… 全部引きずって生きていく!!!!」

    江ノ島「踏み越えるよりずっと辛い道を選ぶんだね…」

    江ノ島「だけど…まことちゃんらしいかな。」
  145. 147 : : 2014/10/07(火) 13:34:24
    Continue to chapter3 ……
  146. 148 : : 2014/10/07(火) 21:22:58
    乙!
  147. 149 : : 2014/10/15(水) 23:56:05
    http://www.ssnote.net/archives/25138

    Chapter3でございます…

    まだまだ絶望は加速予定でございます。
  148. 150 : : 2015/04/25(土) 21:46:27
    133に苗木が変化したので,「絶望モード」と呼びたいです。それか,「狂気(バーサーク)モードです。

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著者情報
jun

シャガルT督

@jun

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BIOHAZARD the final hope series シリーズ

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