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BIOHAZARD the final hope chapter1 In to the terror

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  1. 1 : : 2014/05/03(土) 00:03:09
    苗木「ついた…ここが…」

    苗木「希望ヶ峰学園…」

    ボクがたどりついたのは…東京の一等地に位置する…
    希望ヶ峰学園。 世界中からあらゆる『超高校級』の才能を持った者だけが入学を許される。

    卒業した暁には「人生成功したも同然」と言われるほどの…

    まさに希望の学園。

    そんな超がいくつもつくようなモノ凄いところにボクは今立っているワケだが…

    苗木「やっぱ目の前にすると…改めて場違い感って言うのかな…?」

    ボクはもう一度入学案内に目を通す。

    概略は

    『苗木誠殿、あなたは超高校級の幸運の持ち主として、希望ヶ峰学園に招待いたします。』

    というものだった。さらに…

    苗木「くじ引きって……大丈夫なのか?この学園…」

    どうやらボクは平均的な高校生の中からくじ引きで選ばれた『幸運』の持ち主らしい。

    苗木「はぁ…でも考えてても仕方ないか…」

    ボクは希望の学園へ、足を踏み出した。

    希望に満ち溢れた第一歩…となるハズだったのに…
  2. 2 : : 2014/05/03(土) 00:14:09
    苗木「な…なんだ?」

    突然、視界が飴細工のようにぐにゃぐにゃになったと思ったら……

    苗木「あ…れ?」

    あたり一面、ひつすら白。まったくの白だ。

    苗木「なんだ? 一体…何がどうなって…?」

    苗木「ボクはたしか…dwgj&★ズ※∈aぃ.wpあm.…」

    なんだ?

    まったく思い出せない。ボクの記憶はバグってしまったんだろうか?

    困惑していると、その先に、扉がまるで待ち構えいたかのように、そこに現れたのだ。

    ボクは不思議と、その扉に入らなければならない義務感に駈られた。
  3. 3 : : 2014/05/03(土) 00:25:32
    ぎいっ…

    扉を開くとソコには…

    苗木「き…教室?」

    そこにはすでに何人かのボクと同じ年ぐらいの人たち。恐らく、ボクと同じ希望ヶ峰学園の入学生だろう。

    ??「お! また一人きたか!」

    ??「これで全部で15人…ですわね。」

    苗木「あ…あの…キミたちも…この学園の入学生?」

    ??「うん。今日、この学園に入学する予定の…新入生だよ。」

    なんか…『超高校級』ならではなのか…なんなのか…

    苗木(なんていうか…キャラ立ってるな…ボクやってけんのかな…?)

    まったくワケが分からない。ボクは一体どうしてしまったんだろうか?

    ??「ね…ねぇ。 もしかして…キミも突然視界が真っ白になったりした?」

    苗木「え?どうしてそれを…?」

    ??「そうなんだ…じゃあボクたちみんなそうなんだ…」

    ??「おいおい……何だかオカルトじみてきたなぁ。」

    ??「ここにいる全員が突然視界が真っ白になり、いつの間にかこの教室に来ていた…そう言うことか…」

    ??「何が何だか…さっぱり分からないね…」

  4. 4 : : 2014/05/03(土) 00:35:33
    そんなボクらをさらに混乱させる事態が起こった…。

    ??「みなさん!こんにちはでちゅ!」

    一同「??????????」

    ??「はい!あいさつは大きな声で!」

    ??「こんにちは!!」

    ??「やっちゃったよ…」

    ??「そ…そんなことより…なんなんだアレは…」

    苗木「ぬ…ぬいぐるみ?」

    ??「コラ! あちしはぬいぐるみじゃないでちゅ!フェルト地でちゅけど…」

    ウサミ「あちしはウサミ! みなさんの先生でちゅ!」
  5. 5 : : 2014/05/03(土) 00:45:09
    ??「はぁ?」

    ……ボクは変な夢でも見ているんだろうか?

    ウサミ「突然ですが、みなさんにはこれから修学旅行にいきまちゅ!」

    ??「いきなり修学旅行!?」

    いよいよワケが分からない。いや、これは希望ヶ峰学園流の新入生の歓迎かなにかなのだろうか?

    ??「いきなり修学旅行なんて言われても…俺たち着替えも金も持ってきてねぇぞ。」

    ウサミ「そんなこと心配いらないでちゅ! さっ!みんなあちしに着いてきてくだちゃ~い!」

    するとさっき入ってきた扉が開き…

    ウサミ「さっさ! どうぞでちゅ!」

    苗木「ひ…飛行機?」

    ウサミとか言うボクらの担任らしい人(?)はボクらをプロペラ機に案内した。

    ??「まったくこの学園に来てからと言うものワケの分からねぇことだらけだぜ…」

    ……それは恐らく、この機内にいるほとんど全員が思っている事だろう。

    そして、しばらくすると…

    ウサミ「みなさん!間もなく離陸するのでしっかりシートベルトを閉めてくだちゃい!」

    ??「え? 飛ぶの?コレ。」

    ??「飛行機なのだから飛ぶに決まっているだろう。愚民め…。」
  6. 6 : : 2014/05/03(土) 02:25:26
    タイトルから凄くカッコいいですね!(笑)

    期待です!
  7. 7 : : 2014/05/03(土) 08:50:41
    苗木「はぁ…もうわけがわからないよ…」

    ボクはとりあえず席に座ることにした。

    窓の外に目をやると、プロペラが風を切る音がする。

    そして、どうやらここは格納庫のようだ。

    飛行機はゆっくりと進み始め、やがて地面を飛び出していった。

    陸地がどんどん遠ざかっていく。

    ??「あの…苗木くんですよね?」

    苗木「え!?」

    ボクに声をかけてきたのは、ボクの予想だにしないとんでもない人物だった。

    …舞園さやか。『超高校級のアイドル』それが彼女の称号だ。

    国民的アイドルグループのセンターマイクを務める。いわば超人気アイドルだ。

    なぜボクがそんなことを知ってるのかと言ったら…

    舞園「苗木誠くんですよね? 同じ根黒六中の…」

    彼女が先に言ってしまった。でもボクが驚いたのはそんなことではない。

    苗木「え…ボクのこと覚えてくれてたの?」

    舞園「はい! だって3年間同じ中学だったんですよ!」

    苗木「ええ!? だって…舞園さんみたいなすんごいアイドルがボクこと気にも止めてないだろうなって思ったから…」

    舞園「そ…そんな冷たい人に思われてたんですか?」

    舞園「ショックです……」

    苗木「あ!! ああ…いや、その… ごめん…」

    舞園「うふふふ…」

    舞園「冗談です♪」

    顔を覆っていた手をのけて彼女はほほえんだ。

    正直言って…かわいい。

    苗木「ねぇ、舞園さん。」

    舞園「なんですか?」

    苗木「この飛行機…どこに向かうんだろうね?」

    窓の下を見るとコバルトブルーの海面が日の光で輝いていた。

    …たぶん太平洋……。

    舞園「…出来れば来週の武道館ライヴまでには帰りたいんですけど…」

    ボクのとなりにいるこの娘は本当にスゴい人だ。

    彼女が言っている『武道館ライヴに間に合わせたい』と言うのは、無論ライヴを見に行きたいと言っているのではない。

    アイドルとして、みんなを熱狂させ、楽しませる側として、ライヴに間に合わせたいと言っているのだ。

    苗木「武道館ライヴかぁ…やっぱ舞園さんはスゴいね…」

    舞園「これでもアイドルですから…。」

  8. 8 : : 2014/05/03(土) 08:53:10
    え?ゾンビはまだかって? 旦那、焦っちゃあいけねぇ。

    細工は流々。あとは仕掛けを御覧じろってね!

    というわけでゾンビはまだしばらく先です。進行遅くてすいません…。
  9. 9 : : 2014/05/03(土) 09:22:12
    かゆ うまい

    期待です!!
  10. 10 : : 2014/05/03(土) 10:05:51
    苗木「舞園さんのライヴかぁ…ボクも見てみたいなぁ…」

    舞園「よかったらどうですか? ほら」

    苗木「ライヴのチケットだ! え? …もしかして、コレをボクに?」

    舞園「はい!是非見に来てくださいね!」

    苗木「スゴい…しかもコレ。プレミアチケットだ…ネット予約では0.5秒で完売したって言う…」

    苗木「本当にありがとう! 舞園さん!ボク絶対見に行くからね」

    舞園「苗木くんが来てくれるの…楽しみに待ってます!」
  11. 11 : : 2014/05/03(土) 10:37:56
    ボクはとても幸せな気分になった。

    しかし、そんな気分も一瞬にして吹っ飛ばしてしまうような事が起きた…

    苗木「ん?」

    ゴゴ… ゴ…

    飛行機の進む先に真っ黒な雷雲が現れた。

    ~コックピット~

    副機長「雷雲だ…! 気象台ではそんなこと一言も言ってなかったのに…」

    副機長「機長! どうしましょう? 機長?」

    機長「ゼェ…ゼェ…ゼェ… あ、あぁ…大丈夫だ…」

    機長「とりあえず…この近くにあそこ以外空港はない…このまま目的地に進もう。」

    ポーン

    アナウンス「お客さまにお伝えします。当機はまもなく目的地、ジャバウォック島に到着いたします。」

    アナウンス「ですが、到着地点の天候が非常に悪いため…かなりの揺れ、衝撃を伴います。」

    アナウンス「シートベルトをしっかり着け、席についてお待ちください。」

    ??「な…なんだ? 大丈夫なんか?」

    ごぅん…ごごん…

    機体が揺れ始めた。窓の外の景色も、さっきまでの文字通りスカイブルーの空模様とは裏腹に、どす黒い雷雲が渦巻く大荒れの様子となった。

    舞園「大丈夫でしょか…?」

    苗木「大丈夫だよ! きっと…」

    口から『大丈夫!』なんて言ってしまったが、ボクにそれを証明出来るハズもない。

    ~コックピット~

    機長「ぐぅ…グホッ!!」

    副機長「大丈夫ですか? 機長…」

    副機長は機長の首もとに手をあてた。

    副機長「スゴい熱じゃないですか! 操縦は俺がやりますから機長は休んでてください!」

    機長「………」

    副機長「機長!!!!」

    機長「ウウ…クググ…グアッ!!!!」

    ゴウン!! ドドン…

    機体の揺れはいっそう激しくなる。

    機長「ガァアアアッ!! グァア…」

    副機長「機長!! どうしたんですか!?」

    ドスン!! バタン!!

    二人が争う声は客席まで聞こえてくる。

    ??「なんだ!?」

    舞園「大丈夫でしょか…?本当に…」

    苗木「うん。 大丈夫だよ。」

    苗木(肩に手をあてたりとかしたら怒るかな…?)

    こんな時にそんなこと考える自分が嫌になった。

    するとその時。

    副機長「き…機長!!!! やめてください!!」

    機長「グァアアア!! ウガァアアア!!!!」

    副機長「機長!!!! うっ!! ぐぁあ!! うわぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

    ドン!!!!

    苗木「なんだ!? 」

    舞園「あ…あぁ…」

    苗木「どうしたの? 舞園さん…」

    舞園「そ…外…窓の外…」

    苗木「え?」

    窓の外に目を向けると…そこには…

    苗木「ひ…人!?!?」

    目を擦ってもその人影は消えることはない間違いなくソイツは飛行機の羽の上に立っている。

    長いローブにフードを被っていて男か女かすらも分からない。

    するとその謎の人影は…

    苗木「なっ…!!!!!!!」

    高速回転するプロペラに手を伸ばした!!!

    ボクは思わず目を瞑った。

    しかし、その人影の腕が吹き飛ぶどころか、逆にプロペラが折れた。

  12. 12 : : 2014/05/03(土) 10:46:18
    そしてその人影はついでと言わんばかりにエンジンに拳を突き刺した。

    ドォオオオン!!!!!!

    エンジンは爆発して炎上。そしてその人影は…

    何事もなかったかのように飛行機の羽の端から飛び降りた。

    雷雲の嵐のなか、コントロールも片方の動力も失った鉄の鳥は地面に向かって急降下する。

    苗木「うわ!!!!」

    ??「きゃあああああああああああああああああああああ!!!!」

    グワーーン……

    鉄の鳥は無情にも地面に向かって加速する。

    ドォオオオオオオン!!!!!! ズガン!!!!!! バキバキバキバキッ!!!!

    それっきり、ボクの意識は途絶えた。
  13. 13 : : 2014/05/03(土) 11:33:47
    …………
    ………

    苗木「ここ…は…」

    気がつくと回りには誰もいない。いつの間にか夜になってしまったらしく、飛行機はまるでスクラップのようだ。

    苗木「とりあえず…こっから出なきゃ…うっ!」

    そう言えばまだシートベルトを着けたままだった。

    苗木「…クソ……着脱装置が壊れてる…」

    苗木「なにか…なにかないか?」

    ボクはポケットを探った。

    苗木「これは…」

    手にあたったのはバタフライナイフだった。このバタフライナイフには見覚えがある。

    ~苗木の中学時代。~

    同級生「なぁなぁ お前バタフライナイフとか持ってるか?」

    苗木「え? 持ってないよ。て言うより持っちゃダメだよ!」

    同級生「お前本当にいい子ちゃんだよなぁ。男ってのはこ~ゆ~のの1つや2つたしなんでる方がカッケーんだぜ。」

    同級生「ほら、お前にもやるよ。」

    苗木「え!! いや、いいよ。」

    同級生「遠慮すんなって! お前もあんまりいい子ちゃんじゃ女の子にモテないぜ!!」

    ~飛行機 客席~

    苗木「………」

    苗木「まさかこんな形で役に立つなんて…」

    シートベルトを切り裂き、ボクはみんながどこに行ったか探しにいくことにした。

    苗木「うっ…!」

    前の扉から外へ出ようとしたとき。血生臭い匂いに襲われた。

    苗木「この人って…もしかして…」

    …顔や体の各所が食い潰されているが、格好からして、機長か副機長のどちらかだろう。
  14. 14 : : 2014/05/03(土) 15:26:42
    もうまったくワケが分からない。いきなり修学旅行かと思ったら今度は死人が出た。

    苗木「ん?」

    ボクは進む先に人影を見つけた。

    苗木「ねえ!キミも希望ヶ峰学園の新入生?」

    人影は黙って歩いてくる。

    苗木「そ…それとも島の方ですか? ちょっと聞きたい事があるんですが…」

    苗木「ちょっと……◎▲□#%!?」

    ボクは思わず声にならない声をあげた。

    その人影は鼻を突くような腐臭を漂わせ、服はボロボロで血まみれ、片方の目はとれ、皮膚はまるで腐ったかのようにグズグズだ。

    ソイツはぎこちない歩き方でこっちに向かってくる。

    苗木「嘘だろ…? こんなの…」

    通行人(?)「ウウ… あ…」

    ボクはなんとかそのバケモノを振り切り、走った。

    苗木「何なんだよ!? あれ!まさか…」

    ??「きゃあああああああああああああああああ!!!!!!」

    苗木「!?」

    文字通り絹を裂くような悲鳴。

    苗木「きっと誰かも…さっきのバケモノに…」

    助けなければ! このままでは多分…あのバケモノに…!!

    脳裏に顔を食い潰された…たぶん副機長が浮かんだ。

    ??「い…いや……来ないで…」

    バケモノ「ヴうあ…あぁ…」

    苗木「あの人は…っ!」

    苗木「舞園さん!!」

    舞園「な…苗木くん!」

    そのバケモノはボクの事など気にも止めず、舞園さんにつかみかかった。

    舞園「いやあ!! いやあああああああ!!!!」

    苗木「っ!!!!」

    その異形の生物の理性の消え去った。眼光を目の当たりにし、思わずたじろいだ。

    苗木(怖い…怖い…!)

    苗木(だけど…このままじゃ舞園さんが…!)

    苗木「スゥ…」

    深く息を吸った。

    苗木「おいコラ!!!! バケモノ!!!!」

    バケモノ「…?」

    苗木「こっちだ!!!! かかって来いよ!!!!」

    どうやらバケモノは狙いをこちらに変えたようだ。

    バケモノ「ヴぅうう… ガアッ!!」

    バケモノは血みどろの口を開け、ボクを喰おうとする。

    苗木「ぐっ…!! なんて力だ…」

    ボクは夢中でバケモノにバタフライナイフを突き立てた!!

    バケモノ「アエアアッ!!ググ…」

    苗木「うわぁあああああああああああああ!!!!!!!!」

    …それから先のことは覚えていない。

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ̄ ̄ ̄
     ̄ ̄

    苗木「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

    気がつくと足元には血まみれのバケモノが転がっていて…

    ボクの手も服も血まみれになっていた。
  15. 15 : : 2014/05/03(土) 16:45:26
    舞園「あ…あの…」

    苗木「ハーッ…ハーッ…ハーッ…ハーッ…」

    舞園「苗木くん!」

    舞園さんの呼ぶ声で現実に引き戻された。

    苗木「はっ!」

    舞園「その…大丈夫ですか?」

    苗木「あ…うん。大丈夫だよ…。」

    舞園「助けてくれてありがとうございました。」

    苗木「いや…それほどでも…」

    苗木「ところで…舞園さんは他のみんながどこに行ったか知ってる?」

    舞園「そうだ!私、苗木くんを呼びに来たんだった!」

    苗木「えっ!? ボクを?」

    舞園「はい。飛行機が墜落したあの時…みんな我先にと逃げちゃいました。」

    舞園「みんなはこの先の小屋に避難して…今もそこにいます。」

    舞園「でも…苗木くんの事を思い出して…一人で呼びに来たんです。」

    苗木「そうなんだ…。ごめんね。ボクのせいで舞園さんを危険な目に…」

    舞園「いえいえ…私も一度はあなたの事ほったらかして逃げてしまったんですから…」

    苗木「呼びに来てくれてありがとう。 みんなのいる場所は?」

    舞園「はい。じゃあ着いてきてください。 って…あぁ…」

    背後を見渡すと…

    アア…アアアア… ウウウウ… グァアっ!!

    また、バケモノが集まってきた。

    舞園「逃げましょう!こっちです!」

    舞園さんの後に続いて走った。

    しばらくすると…小屋に着いた。

    バンバンバンバン!!!!

    舞園「開けてください! 舞園です!苗木くんもいます!!」

    ガチャ…扉が開くや否や、ボクは扉の向こうに吸い込まれた。

    ドタッ! バタッ!

    ガチャン!!

    ??「大丈夫か? お前ら…」

    苗木「うん。ありがとう。大丈夫だよ。」

    舞園「私も平気です。」

    ??「フン…帰って来たのか…」

    ??「ちょっと! そんな言い方ないでしょ!?」

    バンバン!!

    追いかけて来たバケモノが扉を叩いたが、しばらくして諦めたのか、音はしなくなった。
  16. 16 : : 2014/05/03(土) 17:38:49
    辺りを見回すと、そこには…超高校級の生徒たちが集まっていた。

    苗木「あ…あの…」

    ??「そうだ。まだキミはわたし達の名前知らないんだったね。」

    ??「そう言う事ならしゃ~ねぇ。もういっぺん右から自己紹介といくか。」

    朝日奈「わたしは朝日奈葵。よろしくね!」

    葉隠「俺は葉隠康比呂。占い師だ。」

    桑田「オレの名前は桑田怜恩だ!ヨロシクな!」

    不二咲「ボクは、不二咲千尋…」

    大和田「大和田紋土だ。よろしくな。」

    山田「山田一二三です。同人作家やってるでゴザル!」

    石丸「僕の名前は石丸清多夏!座右の銘は『質実剛健』だ!」


  17. 17 : : 2014/05/03(土) 17:45:45
    セレス「セレスティア・ルーデンベルク…。セレスで構いませんわ。」

    十神「十神白夜だ。」

    大神「大神さくらだ。」

    腐川「腐川冬子…小説家よ。」

    霧切「……霧切響子。」

    江ノ島「江ノ島盾子で~す! ヨロシクね!」
  18. 18 : : 2014/05/03(土) 18:15:30
    苗木「僕は、苗木誠、よろしく。」

    葉隠「しっかしまぁ…エライ事になったなぁ…」

    桑田「飛行機は墜落。オマケに外はバケモノだらけ…」

    苗木「…!!」

    苗木「みんなも見たの!? あのバケモノを…」

    桑田「あぁ。ここにいるヤツ全員見たようだぜ。」

    苗木「あのさ…ものすごいアホなこと言って言いかな…?」

    桑田「なんだよ?」

    苗木「あの外にいたバケモノって…もしかして…」

    霧切「ゾンビ…そう言いたいの?」

    苗木「え!?」

    霧切「何だかよく分からないけど…分かるのよ…アレはゾンビだって…」

    十神「フン!何を言い出すかと思えば…そんな架空の生物いるわけがない。」

    葉隠「じゃあ…アレはゾンビ以外のなんだってんだ?」

    苗木(ゾンビじゃない…? じゃあ…まさかボクは…)

    苗木「……………」ガクガク

    舞園「な…苗木くん?」

    苗木「ご…ごめん。」

    十神「…まぁとは言うものの、ゾンビである可能性は…否定出来んがな…」

    十神「見ただろう。お前らも、あの貪られた副機長を…」

    脳内にまた、顔を食い潰された副機長が浮かんだ。

    十神「歯形はあったのに爪痕はない。オマケに歯形の大きさは人間のそれに近い。」

    江ノ島「ちょっと…なんでアンタそんなことまで知ってんの?」

    十神「調べたからに決まっているだろう。」

    江ノ島「じゃあアンタ…一回あの墜落機に戻ったの?」

    十神「あぁ。」

    舞園「ちょっと待ってください!ならなんでその時苗木くんを助けなかったんですか!?」

    十神「ただでさえワケの分からん連中に殺されるかもしれないゲームだぞ?他人なんぞに…ましてや愚民になぞ構っていられるか!」

    舞園「そんな!」

    江ノ島「アンタ…正気?」

    十神「人に偉そうに説教出来る立場なのか?お前らも我先に逃げ出しただろう。」

    江ノ島「チッ…!」

  19. 19 : : 2014/05/03(土) 20:04:21
    苗木(そう言えば…この修学旅行に来る前…)

    苗木「あのさ…確かこの修学旅行に来る前にウサミから修学旅行のしおりを貰ってたよね?」

    大和田「あぁ、これか…」

    捨ててしまった者も数名いたが、ボクはそのしおりを確認した。

    ~修学旅行のしおり~

    新しく、希望ヶ峰学園に入学するみなさん! ご入学おめでとうございます!
    突然の修学旅行で、戸惑うこともあるかも知れませんが、みなさんはこれからこのジャバウォック島で末長くら~ぶら~ぶに過ごし、希望を育んでください!

    ファイル『修学旅行のしおり』を手に入れた。
  20. 20 : : 2014/05/03(土) 20:14:45
    苗木「末長く…?」

    桑田「よ…要は…この島でずっと暮らせってこと?」

    朝日奈「でも、飛行機は落っこちちゃったんだよね?」

    朝日奈「もしかしたら…ここってジャバウォック島じゃないんじゃないかな…?」

    不二咲「……だめ。ケータイも繋がらない…」

    不二咲「GPSで確かめようとしたけど…ぜんぜんダメみたいだし…」

    江ノ島「あ、私衛生通信無線機持ってるよ!」

    葉隠「ホントか?じゃあどっかと連絡とってくれよ!」

    彼女は無線機をいじり始めたが…

    不二咲「何か聞こえる?」

    無線機に耳を当てている。

    江ノ島「……ダメ。何らかの電波で干渉されてどことも周波数が合わないわ。」

    苗木(江ノ島さんって…確か『超高校級のギャル』だったよな…なんか意外っていうか…)

    霧切「いずれにしても情報が無さすぎるわね…」
  21. 21 : : 2014/05/04(日) 00:50:06
    苗木「あ、あとさ…誰かあの飛行機の羽の上に…」

    苗木「人が…いたような気がするんだけど…誰かみた人は…」

    舞園「はい、私も見間違えか何かだとおもったんですが…」

    大和田「そうか?俺は見なかったけど。」

    セレス「見ましたわよ。飛行機のプロペラを破壊した上にエンジンまで壊して行かれてしまいましたね。」

    桑田「飛行機の羽の上に立ってたぁ!? なんじゃそりゃ!!」

    余りに衝撃的な出来事だったのに関わらず、目撃者は思いの外、少ないようだ。

  22. 22 : : 2014/05/04(日) 01:15:21
    桑田「それにしてもどうするよ?助け来るんか?」

    大和田「どっちにしろ今夜は全員ここで雑魚寝だろうな。」

    不二咲「おうちに…帰れないの?」

    十神「仕方あるまい。俺も気は進まんが…」

    十神「それとも、あのバケモノだらけの外で野宿でもするのか?」

    不二咲「うぅ…ごめんなさい…」

    セレス「こんな薄汚い小屋に一晩泊まるなんて… お肌にも髪の毛にも悪いですわ。」

    朝日奈「まぁ…二階もあることだし…野宿よりはマシだよね。」

    その後の話し合いの結果、見張りを当番制で担当し、それ以外の者は就寝することになった。

    苗木「男子は二階か。」

    みんな、思い思いの方法で眠り始めた。
  23. 23 : : 2014/05/04(日) 01:50:50
    苗木「…………」

    苗木「……うぅ~ん…」

    ボクはなかなか寝付けないでいた。

    大和田「…眠れねぇのか?」

    苗木「…っ!」

    苗木「大和田クン…」

    大和田「ふっ…俺もそうさ。」

    月明かりに照らされ、彼は言った。

    大和田「見ろよ。まだここらをうろついてるようだぜ。」

    ボクが窓から顔を出そうとすると…

    大和田「頭引っ込めろ!気づかれるぞ!!」

    苗木「ごめん…!」

    ボクは頭を下げ、コッソリと外を見ると…

    苗木「本当だ…」

    大和田「それと、おめぇ、さっき面白い事に気がついたが…」

    大和田「ここ、もと猟師の小屋だったようだぜ。」

    大和田「なんか…護身用にいい武器があるかもしんねぇぞ。」

    言われずとも、壁には立派なショットガンが飾ってあり、他にも様々な武器がありそうだ。

    大和田「どうした?銃を扱うのが怖ええのか?」

    ボクが恐れているのはそんなことではない。

    もし、あれがバケモノでなかったとして、いや、例えゾンビだったとしても…

    苗木「……………」

    よくドラマなんかで『記憶は曖昧。 気がついたら血まみれの死体が転がっていた』なんて言うけど…本当にその通りだった。

    本当に『気がつくと』血まみれの死体が転がっていた。

    ボクが…ソイツを殺したのだ。

    苗木「ボクは…ボクはっ…!!」

    大和田「……………」

    大和田「何があったかは俺も詮索しねぇけどよ…」

    大和田「お前自身が死んじまったら元も子もないぜ。」

    大和田「ほら、どれか持ってけ。」

    選択肢 安価 >>24

    1、ハンドガン ベレッタm-92f

    2、ショットガン m-870

    3、ライフル スプリングフィールド m-1903

    4、マグナム S&W m-29 .44マグナム
  24. 24 : : 2014/05/04(日) 02:10:51
    良いですね!!凄く引き込まれます!
    引き続き期待です!

    安価はマグナムで!
  25. 25 : : 2014/05/04(日) 02:23:23
    ガチャ…

    ボクは一際目を引く銀色のリボルバーを手に取った。

    大和田「おぉ。ソイツを選ぶとはシブイな」

    大和田「んじゃ俺はコレだ」

    大和田クンはショットガンを取った。

    ~S&Wm-29 .44マグナム~

    .44マグナム弾を使用する強力なダブルアクションリボルバー。

    熊を倒す事も出来る。

    大和田「おっと、ご丁寧に弾もたんまりと用意してくれてるみたいだぜ。」

    大和田「ほれ。」

    .44マグナム弾を50発手に入れた。
  26. 26 : : 2014/05/04(日) 11:13:31
    やっぱ苗木くんはリボルバー。ひいてはマグナムだと思う。

  27. 27 : : 2014/05/04(日) 12:08:41
    大和田「後で寝てる連中にも伝えてやるか。」

    大和田「それより早く寝ろ。明日から忙しくなりそうだ。」

    苗木「それなら大和田クンも寝たほうが…」

    大和田「い~んだよ。俺は体力だけはあんだから」

    苗木「そう。じゃあおやすみ。」

    再び眠ろうとしたが…

    コッ…

    苗木「なんか蹴ったな…」

    足元を見てみると…

    苗木「『植物学』…?」

    電気は通ってないようだが、月が明るかったのがよかった。ページをめくると…

    ~『植物学(Ⅰ)』~

    ここ、ジャバウォック島には至るところに薬効を持つハーブが自生している。ここでは、その中の数種類を取り上げる。

    ・グリーンハーブ

    ケガの治療、体力回復の効能がある。最近の研究の結果、あらゆるウイルスに抵抗力を持ち、免疫力を活性化させる効果がある事が分かった。

    ・レッドハーブ
    目にも鮮やかな赤色が特長。グリーンハーブの持つ効力を更に引き上げる効果がある。ただし、単体では何の反応も示さない。グリーンハーブと調合することにより、初めて効果が発揮される。

    ・イエローハーブ
    数あるハーブの中でも特殊な反応を見せる。
    なんと、筋力増大、持久力の向上、その他さまざまな効果が挙げられるが、要は使用者の体力を増やす効果があるようだ。
    近々スポーツ協会が成分調査をするとか。
    なお、このハーブもグリーンハーブと調合しなければ効果が現れない。

    このほかにもハーブはあるが、それは二巻で改めて説明する。

    ~ハーブの摂取について~

    基本、いくら摂取しても無毒である。ハーブを摂取する際は、口から直接摂取することで、効果が期待出来る。
    食味も良く、独特の芳香があり、小さい子どもにも楽に摂取させる事が出来る。

    ~ハーブの調合について~

    天日干しで乾燥させ、粉末にし、同じ分量ずつ 混ぜた物を摂取するのが理想的だが、一緒に口から摂取するだけでも十分効果が期待出来る。

    ファイル『植物学(Ⅰ)』を手に入れた。
  28. 28 : : 2014/05/04(日) 15:56:42
    窓際に目をやると、鉢植えのハーブが置いてあった。

    苗木「これが…」

    グリーンハーブ×2 レッドハーブ×2を手に入れた。

    苗木「大和田クン!」

    大和田「なんだ?」

    苗木「この本に書いてあったんだけど…このハーブには薬効があるらしいんだ。」

    大和田「そうか。ならそれも伝えねえとな。」

    苗木「あと、このハーブはこの島の至るところに自生してるみたいだよ。」

    大和田「どうでもいいけどお前…もうじき夜が明けるぞ…」

    苗木「え?」

    植物学を読んでいる内に空がかなり白けていた。

    大和田「ん…夜明けだ。」

    眩しそうに目を細めている。

    苗木「ハハ…結果、一睡もできなかったや…」

    苗木「綺麗な朝日だ…」

    大和田「やっぱ朝日はいいぜ…日本の夜明けって感じだな」

    苗木「ここが日本かは怪しいけどね…」

    大和田「細けぇこたぁいいんだよ」

    苗木「ボクも朝日は好きだよ。」

    苗木「どんなに絶望的な暗い真っ暗闇の夜でも、いつかは希望の陽が昇る。そんな…みんなに希望を与えるような感じがするし…」

    苗木「なんてね…突然ごめんね。」

    大和田「いや、いいんじゃねぇの?」

    大和田「何時でも希望を持てるってのは…特に…こんな情況ならな。」

    大和田「よしっ!! みんな起こすぞ。」

    石丸「ん…早いな。君たち…僕より早く起きるとは…」

    苗木「石丸クン。」

    苗木「みんなを…起こしてくれないかな?」

    苗木「その…今後の方針を決めたいし…」

    石丸「うむ!そうだな!作戦会議だ!」

    石丸クンは張り切ってみんなを起こしにいった。
  29. 29 : : 2014/05/04(日) 22:02:03
    まだ夜が明けてすぐ。という事もあり、案の定みんな眠たそうだった。

    桑田「なにもこんな早くに起きることねぇだろ~に…」

    葉隠「もうちょっと寝てたいべ…」

    セレス「あら、よくこんな回りをバケモノがうろついている小屋でぐっすり眠れますわね」

    江ノ島「そ~ゆ~アンタもすぐ寝ちゃったじゃん。」

    セレス「はい。夜更かしは美容の大敵ですから♪」

    石丸「静粛に!」

    石丸クンは咳払いをひとつした。

    石丸「では、これより、これからの方針について話し合う会議を始める!」
  30. 30 : : 2014/05/05(月) 11:01:09
    霧切「まず…情況を整理してみましょうか…」

    霧切「私たちは希望ヶ峰学園の新入生。しかし、校舎に入るや否や全員、おかしな感覚に襲われあの教室に来ていた。」

    霧切「そして、ウサミと名乗る何かにあの飛行機に乗せられ、『修学旅行』に出発した。」

    霧切「ところが、飛行機は嵐と苗木くんの言うおかしな人物のせいで墜落。墜落したこの島が修学旅行先であったジャバウォック島かどうかは不明。」

    霧切「そして、外はおかしなバケモノ…恐らくゾンビだらけ。」

    石丸「ありがとう。霧切くん。それと、みんなこれまでに何か発見した事はあるか?」

    大和田「俺と苗木は二階で武器を見つけた。」

    石丸「あの、壁にかかっていたショットガンか?」

    大和田「あぁ、他にもまだまだあるようだぜ。弾もあるみてぇだし。」

    朝日奈「わたしと霧切ちゃんは昨日地下の倉を見つけたよ。」

    朝日奈「大量の保存食が備蓄されてたよ。」

    霧切「ワインセラーもあったわね。まぁ、私たちはまだ未成年だけど…」

    葉隠「俺はもうハタチだからありがたく頂戴するべ!」

    苗木「え?ハタチ?」

    葉隠「おう。色々あって3ダブしてんだ。」

    石丸「他に何か発見したことは?」

    …もう新たな発見は無かったようだ。
  31. 31 : : 2014/05/06(火) 04:18:17
    高い文章力に引き込まれます。期待です!
  32. 32 : : 2014/05/06(火) 09:18:34
    不二咲「あ…あの…」

    消え入りそうな声を上げたのは、ここにいる新入生の中でも一際小さな娘だった。

    石丸「なんだね?不二咲クン!」

    不二咲「その…新たな発見じゃないんだけど…」

    不二咲「居なくなってるよ…。そのウサミっていうの…」

    舞園「そう言えば…見かけませんね…」

    桑田「アイツひとりで逃げちまったのか?」

    腐川「お…終わりよ…私たちこのままゾンビの餌食になるんだわぁああああ!!」

    苗木「あ…諦めちゃダメだ!腐川さん!」

    腐川「そんなこと言ったってどうやったら助かるの!? 私たちが全員助かることをアンタが保証してくれんの!!??」

    腐川さんは半狂乱になって叫んだ。

    苗木「そ…それは…」

    石丸「腐川クン!落ち着きたまえ!こういう時ネガティブになるのは一番よくないぞ!」

    …まただ。

    また、助かる保証なんて…出来もしないクセに口から『大丈夫!』『助かる』なんてベラベラと…

    半ば自己嫌悪に陥った。
  33. 33 : : 2014/05/06(火) 09:44:35
    石丸「はぁ…では、話を元に戻そう。」

    石丸「僕たちは…これからどう動くべきか…話し合うぞ。」

    石丸「何か意見のあるものは…?」

    言わなければ…

    そっと挙手をする。

    石丸「なんだね?苗木くん」

    苗木「ボクは…」

    苗木「ボクは…やっぱり外に出て色々調べるべきだと思う。」

    一同「………っっ!?」

    ざわめきが起こる。

    朝日奈「調べるって言ったって…そとはゾンビだらけなんだよ!?」

    不二咲「危ないよぉ…」

    葉隠「ここで大人しく助けを待ってたほうがいいべ…」

    苗木「だけど…このままじゃ情報が無さすぎる。」

    苗木「それに助けを待つにしたって…助けも呼べないのに誰がここを見つけてくれるの?」

    葉隠「そ…それは…」

    大和田「俺は苗木に賛成だ。ここだってずっともってくれるとは限らね~しな。」

    大和田「それに、外はバケモノだらけって言ってたけど…」

    大和田「だから『コレ』がある。」

    石丸「うむ…では、探索チームと待機チームで別れよう!」

    石丸「探索チームは外で探索。待機チームは…そうだな…」

    朝日奈「小屋の補強なんてどうかな?」

    石丸「では、そうしよう。各自、希望するチームに別れてくれ。」

  34. 34 : : 2014/05/06(火) 22:13:59
    探索チーム

    苗木 大和田 十神 霧切 舞園 大神 江ノ島

    待機チーム

    桑田 葉隠 石丸 不二咲 朝日奈 セレス 山田 腐川

  35. 35 : : 2014/05/06(火) 22:20:48
    選択肢安価!

    スプリングフィールド m-1803 >>36 装備者

    ベレッタ m-92f >>37 装備者

    レミントン m-700 (女子が一階で見つけたもの。)>>38 装備者
  36. 36 : : 2014/05/06(火) 23:14:20
    明日の朝まで何もついてなかったらテキトーに決めます。
  37. 37 : : 2014/05/07(水) 17:18:43
    安価下でいいんですかね?
    スプリングフィールドを十神で。
    期待です。
  38. 38 : : 2014/05/07(水) 19:48:31
    安価一つずつ下ってるなら、江ノ島で!
  39. 39 : : 2014/05/08(木) 20:40:11
    安価にご参加ありがとうございます!

    レミントンm-700は霧切さんで!

    あと、スプリングフィールドm-1903でしたね。すいませんm(--)m

  40. 40 : : 2014/05/08(木) 21:07:07
    しばらくして探索チームが組織され、出発の準備が整った。

    十神「準備はいいか?」

    皆無言で頷いた。

    十神「行くぞ…」

    ドアがギィ…と音をたてた。

    大和田「さて、まずは墜落機のところでも行くか?」

    一行は朝の森の中を進む。少しだけ見れば朝の散歩に見えない事もない。……ボクらが持っている得物を除けば…

    苗木「ここが…」

    墜落した旅客機が横たわっている。まだ所々から煙りが昇っている。

    十神「さて…調査開始だな。」

    ~調査開始!~

    苗木「改めて見てみると…」

    ボクらが乗ってきた旅客機はジャングルに突っ込み、木はなぎ倒され、翼はその時の衝撃で折れたのか、片方見当たらない。

    例の謎の人影によって左エンジンのプロペラは全部折られている。
    とても人間が素手で開けたとは思えないほどだ。

    まったく自分が生きているのが不思議なぐらいの惨状が目の前に広がっている。

    苗木「さて…ボクもそろそろ機内を見てこようかな?」

    舞園「どうですか?苗木くん。」

    苗木「舞園さん。」

    舞園「…本当…よく生きてましたね。私たち。」

    墜落現場を見て舞園さんは言う。

    苗木「うん…ホントだね。」

    苗木「舞園さんはなんで探索チームに?」

    舞園「その…苗木くんの手助けがしたくて…」

    苗木「え?ボクの?」

    舞園「はい。少しでもお役に立てればと思って…」

    苗木「ありがとう舞園さん。ボクのために…」

    舞園「いえ。自分が好きでやってる事ですから。」

    舞園「それに、苗木くんには助けてもらった借りがありますから、」

    苗木「いやぁ、借りだなんてそんな…」

    舞園「そうだ!」

    何か閃いたように彼女は言う。

    舞園「今から私は苗木くんの『超高校級の助手』になっちゃおうかな?」

    苗木「ええ!?」

    待て待て。ボクが舞園さんの助手ってなら分かるとして『超高校級のアイドル』がボクの助手!?

    身の程知らずもいいとこだ。

    苗木「いや、そんな悪いよ…ボクなんかのために…」

    舞園「ダメ…ですか?」

    苗木「い、いや!全然ダメじゃないよ!むしろ光栄なくらい…。」

    舞園「よかった!役に立てるように一生懸命がんばります!」

    十神「オイ!口動かす暇があったら手を動かしたらどうだ?」

    苗木「ゴメン!」

    苗木「ふぅ。じゃ、捜査開始といきますか。」
  41. 41 : : 2014/05/08(木) 21:34:06
    舞園さんと調査を開始した直後、いきなり興味深い物を見つけた。

    苗木「あれは…?」

    垂直尾翼に、少しだけ見覚えのあるマークが刻まれている。

    苗木「希望ヶ峰学園の校章…。」

    垂直尾翼に刻まれていたのはJ○Lでも鶴のマークでもない。

    苗木「少し気になるけど…先に中を調べよう。」

    何処から調べる?>>42(選択肢安価)

    1 コックピット
    2 客席
    3 貨物室
  42. 42 : : 2014/05/10(土) 01:30:22
    客室で!
  43. 43 : : 2014/05/15(木) 22:01:47
    滅茶苦茶になった客室をくまなく調べると…

    舞園「苗木くん!」

    苗木「舞園さん?どうしたの?」

    舞園「あの…これ何かの役に立つでしょうか…?」

    苗木「これは…」

    9mmパラベラム×50

    銃器にそんなに詳しくないボクでも分かる。これは拳銃弾だ。

    苗木「ありがとう。でもボクの武器には使えないから舞園さん持ってて。」

    舞園「そうですか。じゃあとっておきますね!」

    苗木「ボクの方は客席のラックにこんな物を見つけたんだ…」
  44. 44 : : 2014/05/15(木) 22:17:21
    ~『ジャバウォック島 観光パンフレット』~

    ここ、ジャバウォック島はほぼ赤道直下に位置する常夏の島。このジャバウォック島は1つの中央の大きな島を囲むように4つの島が浮かんでいます。

    【南方面】南方面の島にはうっそうと生い茂るジャングルがあり、ジャングル体験ツアーがあります!

    【東方面】東方面には、主に、島民たちの市場があり、新鮮な果物や、魚介類を取り扱っております!

    【北方面 】北方面の島には、島民たちの古い遺跡やじ城跡が数多く存在し、厳かな雰囲気が漂います。

    【西方面】西方面には、美しいビーチがあり、白砂のビーチからは、美しい夕陽を眺めることができます。

    【中央エリア】空港、および、観光客向けのホテルはこの中央の島に位置します。なお、最近では、製薬会社『ガーディアン』の支社が設立された事でも有名です。

    ファイル 『ジャバウォック島 観光パンフレット』を手にいれた。
  45. 45 : : 2014/05/18(日) 14:47:11
    舞園「やっぱりここはジャバウォック島なんでしょうか…?」

    苗木「まだ分からないけど…先に進もう。次はコックピットだ。」

    コックピットに入ったボクらは改めて事の深刻さに気づかされた。

    舞園「副機長さん…」

    苗木「あとで埋葬しよう。それより、もしかしたら飛行機の通信装置が使えるかもしれない。」

    舞園「あ…あれを使うんですか?」

    見ると、ソコには赤黒く染まった操縦桿や、計器類、メーターが並んでいた。

    苗木「なんか煙出てるけど…この通信機はダメかもね…。」

    血染めの計器類を調べていると…

    舞園「苗木くん!」

    苗木「どうしたの?」

    舞園「これ…もしかして今の位置じゃないですか?」

    北緯1.53゜ 西経134.78゜

    苗木「パンフレットにあった『赤道直下』に当てはまるね…」

    舞園「それと…どこかに通信機の使い方とかないんでしょうか?」

    苗木「そう言えば使い方知らなかった…」

    使い方を見つけるのはそう難しくはなかった。
  46. 46 : : 2014/05/23(金) 23:40:32
    ~『C-775便 緊急時マニュアル』~

    当、C-775便の乗組員は、緊急時のために全員このマニュアルを必読のこと。

    ・非常用通信装置
    有事の際、通常の通信装置が使用できない場合、非常用通信ボックスの鍵をあけ、通信をとること。(非常用通信ボックスの鍵は、機長が所持。)

    ………
    (ここから先は血で汚れて読めない。)
  47. 47 : : 2014/05/23(金) 23:46:25
    苗木「非常用通信機を使うには機長が持ってるカギが必要みたいだね。」

    舞園「…どこいっちゃったんでしょう……?」

    すると…

    ドンッ!!!!

    苗木「うわっ!?」

    何かが飛行機のフロント部分。いや、恐らくボクたちをめがけて飛んできた。

    舞園「な…なんだったんでしょう…?」

    苗木「分からない。でもいい予感はしない。」

    舞園「そろそろ外も見て回りましょ。それに…機長さんを探さないと…」

    苗木「そうだね。…多分、ゾンビになってるだろうけど…」
  48. 48 : : 2014/06/11(水) 09:43:44
    苗木「ついでに…ここはどこか、何かこの島の位置を示すものがどっかにあればいいんだけど…」

    舞園「えぇ。みんなもそろそろ外を調べ始めたみたいですし…。」

    苗木「それじゃ、行動開始だね。まずは機長を追ってみよう。」

    血の跡がジャングルに向かって伸びてい

    ジャングルの中は想像以上に薄暗い。オマケに変な鳥の声まで聞こえてくる。

    舞園さんはボクの後ろにぴったりついてくる。

    舞園「なんか…思ったより暗いですね…」

    すると…

    ??「アアアア…アア…」

    ザク…ザク…

    足音が近づいてくる。

    舞園「何か…来ますね…」

    そこに現れたのは…もはや言うまでもない。

    ソイツはこちらに気づいたようだ。

    苗木「バケモノめ!!!!」

    マグナムが火を吹いた。

    ビシャッ!!!!

    ゾンビの頭が粉々になった。

    苗木「地元の人だったのかな…?」

    舞園「…っ!! 苗木くん!!」

    まわりにはゾンビが集まって来ている。

    苗木「コイツら一体どこから!?」

    ボゥン!!!! バゥン!!!! ドォン!!!!

    放たれた弾がゾンビを貫いていく。

    カチッ!!

    苗木「弾切れか…!」

    最初に触れた時になんとなく感じたけど…ナゼかこの銃。とても手に馴染む。まるで使った事でもあるみたいに。シリンダーに弾を込めるのも驚くほどスラスラできる。

    舞園「苗木くんて…射撃得意なんですね。」

    苗木「いや、ボクも銃なんて撃ったことないはずなんだけど…」

    苗木「ま、いいか。新手が来ないうちにどこかに逃げよう。」

    しばらく走っていると集落にたどり着いた。
  49. 49 : : 2014/06/12(木) 14:03:32
    苗木「…静かだね……」

    苗木「それに、くさい……」

    辺りには酷い腐敗臭が漂っている。赤道直下のジリジリとした太陽も手伝って、今にも倒れそうだ。

    ボクはその集落の民家を訪ねる事にした。

    トントン

    苗木「すいませ~ん!ちょっといいですか~?」

    中からは誰も出て来ない。

    舞園「もしかしたら日本語じゃダメなんじゃ…」

    苗木「えぇ…そんなこと言われても…でも言われてみればそうだね…」

    苗木「excuse me ?」

    シーン…

    思いきってドアに手をかけてみた。

    苗木「カギ開いてる…」

    そこに入ったボクは深く後悔した。

    苗木「うわっ!?」

    吐き気を催すほどの血と腐肉の匂い。

    そこには所々食い潰された一家の姿だった。
    遺体にはウジが湧き、ハエがブンブンと五月蝿い羽音を立てている。

    舞園「ひどい…」

    苗木「あのバケモノの仕業か…」

    父親の手にはホールドオープンした銃が握られていた。
  50. 50 : : 2014/06/12(木) 14:20:21
    苗木「コレ…まだ使えるかな…?」

    チャカ…

    SIG SAUER P220を手にいれた。

    ~SIG SAUER P220~

    SIG社が開発した9mm自動拳銃。

    警察や軍隊向けに開発されており、これとほぼ同じ型を自衛隊が採用している。

    苗木「やっぱマガジンはカラッポだ。でもさっき舞園さんにもらったあれがあれば…」

    マガジンに9mm弾を込めていく。

    苗木「ちょっと試し打ち。」

    マガジンを込め、スライドを元に戻す。

    バン!!!!

    ??「きゃあ!? 誰!」
  51. 51 : : 2014/06/12(木) 18:44:12
    気付いたら随分進んでました!(笑)
    続き楽しみに待ってます!
  52. 52 : : 2014/06/24(火) 21:36:18
    苗木「マズイ…」

    急いで外に出るとそこには…

    江ノ島「もう!危ないじゃん!! なに考えてんの!?マジで」

    苗木「ゴメン…ちょっと武器を拾ったから試し打ちを…」

    苗木「あ、あとコレは舞園さんに渡すね。」

    舞園「私に…ですか?」

    苗木「うん。舞園さんも護身用の武器があった方がいいでしょ?」

    舞園「ありがとうございます…でもちゃんと扱えるかどうか…」

    江ノ島「だーいじょうぶだって!イザとなったら私が教えるからさ!」

    どうやら江ノ島さんも単独で調査し、ここにたどり着いたようだ。

    苗木「はぁ…暑いし…臭いし…吐きそうだよ…」

    江ノ島「何度嗅いでも好きになれないわ…」

    江ノ島「戦場と同じニオイがする…」

    舞園「『戦場のニオイ』…ですか?」

    江ノ島「ええ。火薬と死のニオイよ…。」

    苗木(やっぱり、江ノ島さん…なんかヘンだ…)

    それに…なんだろう? ナゼか江ノ島さんと話しているととても懐かしい気分になる。

    江ノ島「所々に銃弾の跡…それにこの薬莢は間違いなく5.56mm…私たちの中でコレを使う武器を持っているのは1人もいない。」

    苗木「誰か…別の人物がいるってこと?」


  53. 53 : : 2014/06/25(水) 00:17:38
    応援してます
  54. 54 : : 2014/07/10(木) 21:17:27
    江ノ島「ええ、それに…多分1人や2人じゃないわ…」

    苗木「そういえば…機長の血の跡をたどってきたけど…村中、血だらけで機長のが分かんなくなっちゃった…」

    苗木「そういえば…この村…」

    ……ッッ!!!!

    ザ…ザザ…ザーっ!!!!

    突然目の前が砂嵐になった。

    苗木「なっ…!?」

    舞園「どうしたんですか? 苗木くん!」

    苗木「いたい…頭が割れる…」

    舞園「ええっ!?」

    苗木「うぅ…うう…ガァああっ!!!!」

    砂嵐の中からうっすらと映像が浮かんできた。

    苗木(なんだ…?コレ…?)

    苗木「この村…だよな? でも…ゾンビも…何も…」

    向こうの方から小さな人影がやって来た。

    苗木(何だよ…? アレ…?)

    苗木(ぼ…ボク? 小さい頃の…ボク?)

    苗木(幼少期)「キミは…でられない。ここから」

    苗木「えっ!?」

    苗木「どういうこと!? 君は…ボクなのか?」

    苗木(幼少期)「それが…キミの『やくめ』だから。」

    苗木(幼少期)「『ぜつぼう』…のために…」

    苗木(幼少期)「おねぇちゃんのために…」

    幼い頃のボク(?)らしきものとこの村(?)が遠のいていく。

    苗木「待ってよ!! ボクが出られないってどういう事だよ!? ボクの役目って何なんだよ!?」

    ??「……えぎ…ん」

    ??「な…えぎくん…」

    舞園「苗木くん!!!!!!」

    苗木「ハッ!?」

    舞園さんの声で現実に引き戻された。
  55. 55 : : 2014/07/12(土) 21:13:41
    舞園「どうしたんですか? 一体…」

    苗木「ゴメン…ちょっと幻覚が…」

    舞園「ええっ!?」

    苗木「デジャヴって言うのかな…?なんか変な既視感があるんだ……」

    江ノ島「」ビクッ!

    江ノ島(まさか…いや、そんなハズない。)

    苗木「もしかしたら…ボクはこの場所を…知ってるかもしれない…。」

  56. 56 : : 2014/07/20(日) 19:26:47
    舞園「もう、そんなわけないじゃないですか!


    江ノ島「そ…そうだよ…普通じゃない状況で疲れてんだよ!」

    苗木「そうかな…? ありがとう。」

    ??「うう…ううう……」ズン…ズン…

    苗木・舞園・江ノ島「!!」ビクッ

    舞園「何か…聞こえますね…」

    苗木「う…うん。」

    恐る恐る振り替えるとそこには…

    ??「あああ…ああ…」

    苗木・舞園「ぎゃあああああああ!!!!(きゃあああああああ!!!!)」

    3mはあろうかという巨大なバケモノが立ちはばかっていた。

    江ノ島「………」

    苗木「帰してくれる雰囲気じゃなさそうだね。」

    舞園「やっぱり…そうですか?」

    江ノ島「二人とも落ち着いて戦って。 多分、コイツぐらいなら落ち着いていれば倒せるわ。」

    苗木「分かったよ。江ノ島さん。」

    ??「ああ…ヴぅうう… ゔおおおおお!!!!!!!!!!」

    3mのバケモノが向かってくる。

    苗木「でも、今のボクたちの武器で倒せるの?」

    江ノ島「ええ。」

    江ノ島「多分、アイツはゾンビになった者の中で特殊な進化を向かえたもの… でも、弱点は基本的に変わらないはずよ。」

    江ノ島さんがベレッタを構え、3mのヤツの頭に目掛けてガンガン撃ち込んでいく。

    ??「ヴぅうああああああゥあああ!!!!」

    苗木「効いてる!」

    江ノ島「ボヤボヤしないで! 油断してると殺られるわよ!!!!」

    ズドォン!!!!

    ??「ううぇっアごご…」

    ボクが放ったマグナムが何かを貫き、宙を舞った。

    パサッ…

    舞園「あの帽子……」

    苗木「…機長さんが被ってたヤツだ……」

    舞園「えっ!? じゃあ…」

    苗木「…この大男が機長さんみたいだ。」

    我を失いし機長「うう…うう……あああああああああああああああ!!!!!!!!」




  57. 57 : : 2014/07/21(月) 10:47:33
    なにこれ面白い
  58. 58 : : 2014/07/21(月) 18:51:34
    機長「うぐあ…」メキメキメキ…

    ベキッ!!!!

    機長は民家に手を突っ込んだかと思うと柱を引き抜き、ボクらに目掛けて投げてきた!

    苗木「危ない!!!!舞園さん!」

    考えるより先に体が動いた。

    ズサーッ!!

    苗木「大丈夫?」

    舞園「はい…あ…ありがとうございます……」///

    江ノ島「やるじゃん! 色男!」

    背後には地面に深々と刺さった柱がある。あれを喰らったらひとたまりも無かっただろう。

    機長「うう…うう…ガァアッ!!!!」

    次から次へと様々な物を放り投げてくる。

    舞園「多分、コクピットにいたわたし達を狙ったのも…」バン!バン!バン!バン!

    苗木「多分…コイツの仕業だ。」ドゥン!! バゥン!!

    機長「やめ…テクれ…」

    苗木・舞園・江ノ島「!!!!」

    機長「やめてくれ……オレはニンゲン……」

    江ノ島「まだ僅かに人間だった頃の記憶があるみたい…」

    機長「イタイ…やめ…てくれぇえええええええええ!!!!!!」

    苗木「…くっ!」

    江ノ島「惑わされないで!!!! アイツはもう人間じゃない!!!!!!」

    ボクたち3人の攻撃を受けながらもなお前進してくる。

    江ノ島「コイツ…」

    苗木「なんか…こっちに目的でもあるみたいだ…」

    江ノ島「何をいって…コイツはもう人間じゃ…」

    機長「アアアッ!! うぉおおおお!!!!」ブンッ!!!!

    江ノ島「がはっ!」

    苗木「江ノ島さん!」

    ボクと話していて気づかなかったらしく、江ノ島さんは殴り飛ばされた。

    ドカッ!!

    民家の壁に江ノ島さんは叩きつけられた。

    江ノ島「げほっ!!げほっ!!」

    機長「にく…ゴチソウ……クウ…」

    苗木「クソッ! やっぱりコイツは…」

    シリンダーに装填された全ての弾を叩き込む。

    機長「ごがぁああッ!!」

    苗木「くっ…!なんてしぶといんだ!!」

    機長「…びたい……」

    苗木「?」

    機長「もいちど…とびたひぃよぉおおおおおおおおお!!!!」

    機長「もい…ちど…ひこぉき…とびたひぃ…」

    苗木「くっ…!」

    機長「ううっ…うぁあああああああああああああああ!!!!!!」

    ガシッ!!!!

    苗木「うわぁああああああ!!!!!!」

    舞園「苗木くん!!!!」

  59. 59 : : 2014/07/21(月) 19:25:37
    …油断した…掴まれた。物凄い力でボク締め上げる。

    苗木「ううっ…くっ!」

    ミキッ…メキッ…

    江ノ島「なえ…ぎ…」

    舞園「苗木くん!!」

    苗木「まい…ぞの…さ…にげて…」

    江ノ島「くそっ…うごけな…」

    機長「うおお!!!! ぶぅおおおおお!!!!」

    バキッ!!

    舞園さんの体がボールのように跳ねた…

    ガッシャーン!!!!

    建物に突っ込んだ。

    苗木「舞園さああああああん!!!!!!」

    苗木(ううっ!!畜生!! 両腕を掴まれて銃を抜けない…)

    ボギッ!! グシヤッ!! ベキッ!!!!

    苗木「ぐぁあああああああああああああああ!!!!!!!!」

    舞園「うう…痛い…」

    舞園「たす…けなきゃ…苗木くんが…殺されちゃう…」

    がっ!

    舞園「きゃあ!」

    舞園(ダメだ…わたし…何の…役にも立てなかった…)

    つまづいた足元を見てみると…

    舞園「こ…これは…」

    苗木「ああっ…グハッ!」

    口いっぱいに鉄みたいな味が拡がる…

    苗木「血が…口から…」

    機長「ぐほぉ…」

    どす黒い血で染め上げられた口から牙が顔を出している。

    苗木「ううっ…イヤだ…イヤだ…」

    グシュッ!!!! ブシャッ!!!!

    苗木「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

    紅い飛沫が舞い上がり、日の光に照らせれ虹を描いた。

    ドドドォン!!!!

    機長「ゴォアああああああ!!!!」

    苗木「…?」

    舞園「はあっ…はあっ…はあっ…」

    ~G-36k~

    ドイツ軍に正式採用されている5.56mmアサルトライフル。

    舞園「苗木くんを…離せぇええええええええええ!!!!!!!!」

    ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!

    機長「うおおお…ゥあああああああああ!!!!!!」

    舞園さんの銃撃に怯んだ機長にボクは投げ出された。

    舞園「わぁああああああああああああ!!!!!!!!」

    ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!

    機長「ううっ!! がぁあ…ゔおおおおおおおおおおお!!!!!!!!ぐぎゃああああああああああああ!!!!!!!!」

    ドーン…

    舞園「はあっ…はあっ…はあっ…はあっ…」

    機長「も…いちど…とびたかっ…た…」

    …我を失った機長はようやく死ぬ事ができたようだ…。

    そして、ボクももうすぐ…。
  60. 60 : : 2014/07/24(木) 00:21:29
    苗木「はぁ…はぁ…」

    舞園「苗木くん! 苗木くん!」

    江ノ島「ま…こ…とちゃん……。」

    苗木「まい…ぞの…さん?」

    舞園「苗木くん! しっかりしてください!! 今…手当てを…」

    江ノ島「…」ガッ

    舞園「なっ!?」

    江ノ島さんは静かに首を横にふった。 あぁ…ボクもう死ぬんだ…。

    舞園「そ…そんな…」

    舞園「ううっ…うわぁああああ!」ポロポロ

    苗木「まい…ぞのさん…」

    舞園「えっ!?」

    苗木「舞園さん…さいごだから……言うね。」

    苗木「ボク…舞園さんのこと…好きだったんだ…。」

    舞園「!!」

    苗木「中学のころから…ずっと好きだったけど…ボクには……届かなくて…伝えられなくて……」

    苗木「でも…最期に言えてよかった…。」

    苗木「好きだよ。 舞園さん。」

    苗木「」カクッ

    舞園「苗木くん?」

    舞園「そんな…嫌ですよ…? 苗木くん…。」

    舞園「うわぁああああああああああああああ!」

    江ノ島「」グスッ…

    舞園「ひどい…ひどいですよ! 自分だけ告白しておいて…返事も聞かずに…逝ってしまうなんて…」

    舞園「ライブだって絶対見にきてくれるって言ったのに……」

    舞園「ああああっ!」

    ____
    ___
    __



    どれだけ経ったでしょう? あのあと私は…さんざん泣き明かして…

    舞園「ううっ…ぐすっ…」グズグズ

    江ノ島「悲しいのは分かるけど…あんたが死んだら苗木はもっと悲しむよ。」

    舞園「そう…ですね。」

    舞園「あれ?」

    あの時…苗木くんは確かに肩の辺りに噛みつかれて…

    舞園「…ない。」

    江ノ島「…うそ……。」

    舞園「傷口が…ない…。」
  61. 61 : : 2014/07/24(木) 00:29:44
    江ノ島「うそでしょ…?あれだけの深手…」

    けれど確かに…破けたパーカーの肩からは、傷痕1つありません。

    舞園「そんな…もしかして…」

    苗木くんの胸に耳をあててみると…



    ドクン…ドクン…ドクン…



    舞園「ううっ…ううう…」

    舞園「うわぁああああああん!」

    江ノ島「どうしたの!? 苗木…どうなったの!?」

    舞園「苗木くん…生きてる…」

    江ノ島「えっ!?」

    舞園「心臓が…動いてる!」

    江ノ島「そ…そんな! まさか…」

    江ノ島さんも苗木くんの胸に耳をあてました。

    江ノ島「信じられない…動いてる…。」

    舞園「でも…どうして……?」

    江ノ島「い…いいじゃん! 苗木が生き返ったんだしさ!早く拠点に連れて帰ろ? このままほったらかしじゃ可哀想だって!」

    舞園「よかった…苗木くん! 苗木くん!」
  62. 62 : : 2014/07/24(木) 00:40:06
    苗木「う…ううっ…」

    苗木「どこだ…?ここ…。」

    起きると…女の子がふたりと…女の人が料理してる…。

    女性「あら、起きたの?まこと。」

    女の子「ほら!盾子ちゃん!カエルだよ!」

    女の子2「ヤダ! やめてよおねぇちゃん!」

    苗木(なんだ…? ここ…なんか…すごく懐かしい…。)

    女性「もう。 まことったら…転んで頭に傷作っちゃうなんて…」

    女性「でも、無事でよかったわ。本当に」

    女性「ほら!3人とも! ごはんできたよ!」

    女の子たち「わ~い!」

    苗木(なんなんだ…?ここはあの世なのか?)

    出されたスープを一口すすった。

    苗木「おいしい…」

    苗木(それだけじゃない……なんでだ?ボクはこの味を知ってる…。)

    女性「盾子ちゃん、むくろちゃん。おいしい?」

    女の子たち「うん!」

    苗木(なんなんだろう…この懐かしい感じ…。)
  63. 63 : : 2014/07/24(木) 06:06:47
    超面白い。ものすごく引き込まれる。
    苗木は戦刃に射撃の仕方を教えてもらってたのかな?
    続きが気になります。頑張って下さい
  64. 64 : : 2014/07/27(日) 09:50:17
    女性「気分はどう? まことちゃん」

    女性「もう、誰に似たのかしらね?」

    女の子「まことちゃん! あとであそぼ!」

    女の子2「ダメ! 次はわたしとあそぶの!」

    女性「あらあら…」

    _____
    ___
    __


    苗木「うぅん…」

    苗木「あれ? ここは?」

    舞園「あっ!」パアア…

    舞園「気がついたんですか!?苗木くん!」

    苗木「ボク…生きてるの?」

    舞園「そうですよ! 苗木くん生き返ったんですよ!」

    ボクは咬まれた所に手を当ててみた。

    苗木「傷口が…ない!」

    舞園「スゴいですね!苗木くん超人だったんですね!」

    苗木(多分違うと思う…。)

    江ノ島「目が覚めたんなら舞園ちゃんにお礼言いな。アンタが寝てる間ずっとそばにいたんだよ。」

    苗木「ありがとう…舞園さん。」

    舞園「いえいえ、どういたしまして♪」

    苗木「それと…舞園さん。もうひとつ聞いてくれるかな?」

    舞園「なんですか?」

    苗木「寝てる間に…ボクまた変なものを見たんだ…」

    舞園「昼間の…デジャヴみたいなやつですか?」

    苗木「そう。女の人と…女の子が2人いて…なぜかボクは頭に傷を作ってたみたい…。あとその人たちはボクのことを『まことちゃん』って呼んでた…。」

    苗木「夢に出てきた家も…夢の中で出されたスープも…なんか妙に懐かしくて…」

    苗木「それと…これは本当になんとなくなんだけど…」

    苗木「女の子のうちの1人は…」

    苗木「江ノ島さんに似てた気が…」

    苗木「あれ?江ノ島さん?」

    舞園「変ですね…さっきまでここに…」

    _____
    ___
    _

    小屋の裏

    ピュー ガガガッ!

    江ノ島「ハローハロー。こちらは戦刃。任務行動に多少問題がはっせ…」

    ??「フツーに喋っていいから早く要件言って!」

    ??「まったく…本当に残念なんだから。」

    江ノ島(?)「ゴメン…あのね…」

    江ノ島(?)「まことちゃん…だんだん記憶を取り戻してるみたいなの…」

  65. 65 : : 2014/07/27(日) 10:07:48
    江ノ島(?)「ちっちゃい時に作った頭のキズも…お母さんや…私たちのことも…少しずつ思い出して来てるみたいで…」

    ??「… だからなに?」

    江ノ島(?)「えっ!?」

    ??「アンタの仕事は苗木を拐ってわたしの所に連れて来ることでしょ?」

    ??「邪魔なヤツは始末して構わないって言ったわよね?」

    ??「なんなら苗木を殺して連れて来ても構わないけど…新鮮なら十分適合できるし。」

    江ノ島(?)「…もう『まことちゃん』とは呼んでくれないんだね…。」

    ??「いいからさっさとしなさいよ!!!!!!このグズ!!!!!!」

    ??「散々人殺しておいて今更なに言ってんの!?」

    ??「言っとくけどわたしアンタのこともう姉だなんて思ってないからね!!!!!!!!!!」

    江ノ島(?)「わ…分かったよ…連れて来るから…」

    ピッ!

    江ノ島(?)「ぐすっ…」

    江ノ島(?)「ううっ…うぅ…」

    江ノ島(?)「うぁああああああ……」ポロポロ
  66. 66 : : 2014/07/27(日) 10:25:15
    ~ジャバウォック島???~

    ??「まったく…ドイツもコイツも勝手よ!!!!!! なにが『まことちゃん』だよ!!!! なにが『お姉ちゃん』だよ!!!!!!」

    ??「この計画が完了すれば…アイツらだって…」

    ??「ぜんぶぜんぶ…『絶望』にかわる…」

    ??「もう…誰も絶望しない……」

    ??「ねぇ?各国の首脳さんたち?」

    オバマ「お前のしていることは…間違っている…」

    安倍「そうだ! 全世界を絶望になど…させはしない…」

    ??「手も足も出ねぇ状態でなに言ってんだよこの無能!」ドカッ

    安倍「ぐはっ!!」

    安倍「げほっ!!げほっ!!」

    オバマ「大丈夫か? シンゾウ?」

    安倍「だ…大丈夫だ。」

    プーチン「お前も馬鹿な女だ。こんな事をしてロシア軍が黙っていると思うか?」

    ??「うるさいんだよ…石油と金で肥え太った豚共が…」

    ??「お前らは血まみれの人柱の上に立って今の地位にいる。」

    ??「世界が『絶望』に堕ちれば…もう誰も苦しまない。」

    オバマ「この…人格異常者が…」

    ??「私様が『異常』ですって?お前らも相当な物だけどな。」

    ??「とにかく…アンタらは私様の計画のためにたっぷり利用させてもらうからね。」

  67. 67 : : 2014/07/29(火) 14:34:08
    なんだか面白いです…。
    頑張ってください!
  68. 68 : : 2014/07/30(水) 00:06:50
    応援してます
  69. 69 : : 2014/07/30(水) 08:46:37
    さりげなく江ノ島さんすごい・・・
    この先の展開が気になります。
  70. 70 : : 2014/08/05(火) 02:26:20
    応援してます
  71. 71 : : 2014/08/11(月) 20:03:01
    次の日…

    苗木「んん…」パチ

    苗木「な…なんだコレ!?」

    朝目覚めるとボクの体は縛りつけられていた。

    苗木「み…みんな?」

    ソコには…ボクに疑いの目を向ける…14人の見知った顔だ。

    十神「自分の状況が信じられないといった表情だな…」

    苗木「舞園さん…これは一体…?」

    舞園「その…実は…話したんです。昨日の苗木くんのこと…」

    大和田「明らかに死んでもおかしくねー傷を負って生き返ったとか…」

    セレス「妙な幻覚や既視感があったり…」

    十神「愚民どもは黙っていろ。 苗木。お前にいくつか質問がある。貴様に黙秘権はないのでそのつもりでいろ。」
  72. 72 : : 2014/08/14(木) 03:23:06
    続きはやく!
    期待!
  73. 73 : : 2014/08/19(火) 19:29:17
    十神「苗木。貴様がこの島に来てから妙な既視感があると言うのは確かか?」

    苗木「うん…。本当。」
  74. 74 : : 2014/08/28(木) 15:09:15
    十神「首に食いつかれたと言うのは?」

    苗木「…本当。」

    十神「ほぅ…それでその傷が再生したと言うのも…」

    苗木「本当だよ…。」

    十神「そうか…。」

    十神「苗木。貴様は隔離だ。」

    苗木「えっ!?」

    舞園「ちょっと…!!」

    十神「記憶が曖昧でない上にあの化け物に噛まれたのだろう? 貴様はすでに感染している可能性が高い。」

    苗木「そんな…!」

    舞園「ちょっと…! 苗木くんは今、こうして普通にしているじゃないですか!」

    十神「ソイツがゾンビになってからでは遅いのだ…。今すぐ殺されないだけ感謝してほしいところだが?」

    舞園「くっ…!!」

    江ノ島「ちょっとアンタ! さっきから偉そうな事ばっか言ってるけど自分が感染したら素直に『ハイ、死にます』って言えるの!?」

    十神「俺はあんな奴等に噛まれるほどマヌケじゃないんでな。何か文句あるのか?尻軽。」

    江ノ島「最低…!」

    腐川「そ…そうよ! そんなヤツ追い出しなさいよ!」

    葉隠「そ…そうだ! キケンだべ!」
  75. 75 : : 2014/08/28(木) 16:35:31
    期待です!
  76. 76 : : 2014/08/30(土) 14:58:09
    おもしろいです!
    血で読めない資料や噛まれてしまった人がどういう扱いを受けるかなどバイオらしさが出てて、尚且つダンロンのキャラが立っていていいと思います。
    期待です!
  77. 77 : : 2014/09/03(水) 18:46:51
    >>75>>76

    ありがとうございます!!
  78. 78 : : 2014/09/03(水) 19:00:17
    十神「さて… そこでお前らと俺でコイツをどうするのか決めるぞ。」

    不二咲「そ…それじゃ…苗木くんがかわいそうだよぉ…」

    十神「なら貴様がコイツに代わって出て行くか?」

    不二咲「そ…それは…」

    十神「何も出来ない者が口出しするな!!!!!!」

    不二咲「うぅ…」

    大和田「テメェ!!!! さっきから黙って聞いてりゃ図に乗りやがってよぉ」

    十神「なんだ? 貴様も何か文句があるのか?」

    大和田「ありまくりだっつーの!!!!!! 勝手にリーダー風吹かしやがってよぉ」

    十神「黙れ。愚民が…」

    大和田「そうやって人を見下してんのが気に入らねえっつってんだよ!!!!!!!!」

    大和田クンは拳を振り上げたが…

    大和田「なっ…!」

    逆にその勢いを利用され空中で一回転して派手に倒れた。

    ドッターン!!!!!!

    大和田「いってぇ…!!」

    苗木「大和田クン!!!! 大丈夫?」

    大和田「クソ… まさかあんなボンボンが合気道の使い手だったとは……」

    大和田「しかもアイツ… 多分、有段者だ。」

    十神「ふっ…やれやれ。」

    十神クンはパッパッと服を手ではたくと何事も無かったかのように続けた。

    十神「苗木を隔離する事に賛成する者は手を上げろ!!!!」
  79. 79 : : 2014/09/04(木) 08:45:28
    ……次々と手が上がる…。 手を上げなかったのは…舞園さんと不二咲さん。大和田クンに江ノ島さんだった。

    十神「決まりだ。苗木。」

    十神「…武器を置け。」

    苗木「えっ!?」

    十神「これからゾンビになる貴様が持っていても意味がない。 どうせ死ぬなら生きる人間のために少しは役に立つことだな。」

    苗木「…くっ。」

    しぶしぶ銃と弾を床に置いた。

    十神「コイツは俺が預かる。」

    苗木「………」

    十神「何をボサッとしている? 出ろ。貴様は隔離が決定したんだ。」

    十神「心配しなくてもゾンビになった貴様を見かけたら俺が1発で殺してやるさ。」

  80. 80 : : 2014/09/04(木) 12:24:18
    苗木「……」

    扉を開けると嫌味なほど眩しい朝日が入り込んできた。

    苗木「じゃあね… みんな。」

    苗木「舞園さん…。 どうか無事で…」

    バタン

    苗木「くっ…ぐすっ…」

    なぜだろう…? 止めようとしても止まらない。

    手を挙げた人が少なかったからだろうか?

    みんなにゾンビと疑われたからだろうか…?

    自分に対する理不尽な運命に対してなのか?

    色々なものがゴチャゴチャに押し寄せて止まらない。

    苗木「うぅ… 」

    ボクは…本当にゾンビになってしまうのだろうか?

    もう家には帰れないのだろうか?
  81. 81 : : 2014/09/04(木) 12:38:24
    十神(これで良かったんだ。 所詮、世の中絆だとか友情だとか…そんなものは偽善に他ならないのだ。)

    十神(俺は…実際に経験した人物だからな…)

    ~三年前~

    秘書「このあと…15時20分にシティ不動産との取引が…」

    十神「すぐに向かう。 車を用意しておけ。」

    十神「はぁ…」

    十神(まったく…親父に言われて会社経営してるけどさ…楽じゃないよなぁ)

    十神(あ、株価上がった。)

    タッタッタッタッタ…

    十神(弟)「兄さん!」

    十神「極夜! 」

    極夜「ひさしぶりだね!! 白夜兄さん!! 」

    十神「あぁ。 元気にしてたか?」

    極夜「うん!! 兄さん!!!! 俺も会社上手くいってるよ!! こないだなんか任●堂と契約とれたよ!!!!」

    十神「やるじゃないか。」

    極夜「うん。 だけど…この夏からの経営方針がね…」

    十神「どれ?」

    弟が広げた経営方針が記された書類に目を通す。なかなかよく考えられている。

    十神「ここをカットしてもっとこっちに経費をつぎ込め。 きっと伸びるはずだ。」

    極夜「ありがとう! 兄さん!」
  82. 82 : : 2014/09/05(金) 02:28:58
    だが… それからアイツは…

    十神「クソ…最近、経営の方が上手くいかんな… 」

    極夜「上手くいったね…」コソコソ

    執事「はい。極夜様。」

    十神「ん?」

    十神(何話してるんだ? アイツは…)

    極夜「親父ももう長くはない。 兄貴の会社も乗っ取りこの俺が『十神』の名を受け継ぐのだ。」

    極夜「おい。兄貴は確かに明日出かけるんだな? 」

    執事「はい。まちがいありません。」

    十神「アイツ…!」

    この時… 俺は弟を責めようとは思わなかった。
    兄弟同士の派閥争いだって十分、あり得たからだ。

    十神(…俺も…負けてらんねぇ… )

    ところが…

    都内某所

    パーッパーッ!!

    運転手「うわ!!!!!!」

    十神「おい!!!! さっきから何回クラクションを鳴らされているんだ!!!!!! まともに考え事も出来んぞ!!!!!!」

    運転手「すいません… どうも今朝からブレーキの調子が…」

    十神「なに?」

    車は運悪く急な下り坂にさしかかった。

    運転手「ん?」

    十神「どうした?」

    運転手「ブレーキが……効きません!!!!!!!!」

    十神「なんだと!?」

    ブォオオオオオオオオオオオッ!!!!

    十神「ギアをPに入れろ!!!!!!」

    運転手「無理です!! 全く止まりません!!!!!!」

    十神「じゃあ路肩によせて車を擦りつけろ!!!!!!」

    運転手「ひ…ひぃいい!!!! ダメだ!!!! 死ぬ…!!」

    車は猛スピードで料金所に突っ込んだ。

    幸い… 俺は一命をとりとめたが…運転手の方は即死だった。
  83. 83 : : 2014/09/09(火) 08:54:20
    病院で目覚めた俺は…間もなく退院できたが…

    家に帰った時。 弟の本性を知ることになった。

    極夜「なに!? 兄貴の暗殺に失敗した!!!!」

    極夜「この役立たずめ!!!!!!なんでこんな簡単な仕事が出来ないんだ!!!!」

    ……何かが俺の中で音を立ててぶっ壊れた。

    数日後……

    十神「よし…コレで…」

    弟は所有するヘリで外遊に出掛けた。

    極夜「あとどのくらいだ?」

    操縦士「あと30分程で。」

    ババババババ…

    メギン!!!!!!

    極夜「なんだ!? 何が起こってる!!!!!!」

    ヘリは勢いよく地面に加速していく。

    運転手「うわ!!!!!!」

    窓の外に眼をやると……

    極夜「なっ……!!!!」

    メインローターが竹トンボみたいに飛んでった。

    極夜「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

    運転手「ぼっちゃま?」

    極夜「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!!!」

    極夜「ごめんな……」

    ドォオーーーン!!!!!!
  84. 84 : : 2014/09/09(火) 10:45:41
    これは弟が悪い!だから十神の性格がひん曲がっちゃってるんですね!
  85. 85 : : 2014/09/10(水) 15:13:41
    えぇ。 皆さまにお知らせです。

    今回。このBIOHAZARD the final hopeの資料集兼観想を書く場所として…

    「BIOHAZARD the final hope 分析ファイル」

    を投稿したいと思います。

    みなさん、よろしければ是非いらして下さい。
  86. 86 : : 2014/09/10(水) 15:21:30
    http://www.ssnote.net/archives/23395

    こちらを読んでいただけると、この作品をより一層楽しめると思います。
  87. 87 : : 2014/09/12(金) 18:09:11
    ~現在 ジャバウォック島~

    十神「………」

    不ニ咲「……どうしたの…? 顔色悪いよ…?」

    十神「黙っていろ…! 俺は愚民の情けなど受けん! さっさと探索に出掛けるぞ!!!!」

    大和田「なんだアイツ…?」

    一方、その頃……

    苗木「……はぁ…今日も暑そうだな…。」

    ぐぅ…

    苗木「…そう言えば…朝食べてなかった…。」

    フラフラと歩き回るうちに砂浜に着いた。

    苗木「こっからまっすぐ行けば… 日本に帰れるかなぁ…?」

    苗木「でも… その前に… 何か食べる物を……

    あたりを見回すと…

    苗木「ヤシの実だ…!」

    空腹も手伝ってか、ヤシの実がいつもより輝いて見えた。

    苗木「よいしょ…!」

    ヤシの木のてっぺん近くまで登って必死に手を伸ばす。

    苗木「けっこう固く付いてるな…そうだ!」

    苗木「隠しておいてよかった…」

    あのバタフライナイフでヤシの実を切り落とした。

    ボトッ!

    苗木「やった!」

    苗木「またこのナイフに命を救われたな…」

  88. 88 : : 2014/09/12(金) 18:39:02
    ガスッ!! ガスッ!!

    苗木「なかなかッ!! 固いなっ…!」

    ボコッ!!!!

    苗木「空いた!」

    バタフライナイフで穴を空け、ヤシの実の果汁をイッキのみする。

    苗木「ぷはっ!! ふぅ…」

    すると…安心したのもつかの間。

    バパパパパパパッ!!

    苗木「銃声!!??」

    ??「クソッ!! 来るな…来るな……!!!!」

    ??「うわぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

    苗木「誰か…殺られたのか…!?」

    グシュッ!! ビリッ!!

    苗木「うっ…!」

    だんだん慣れはじめてしまった…人の血と脂のニオイ。

    それに群がる歩く屍。

    苗木「クソッ!!!! どけ!!!!!!!!」

    ゾンビ「ヴぅううぅ…」ムクリ

    苗木(くっ… 3匹もいる…)

    苗木「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

    激しい激闘の末。 ゾンビを倒したが…

    苗木「いたっ…!」

    どうやら噛まれたようだ。

    苗木「どっかに……医薬品か何かは…」

    苗木「あれ?」

    見ると…傷口はみるみるうちに塞がり、元の綺麗な肌に戻っていた。

    しかし、同時に恐ろしくてならなかった。

    苗木「なんだよ…? コレ…なんでこんな…?」

    苗木(考えても仕方がない……今はとにかく生き残る事を考えよう…)

    ゾンビに食い荒らされた兵士を調べてみた。

    苗木「コレは… 星条旗…? 」

    見ると、その男の肩には星条旗の刺繍が施されているのだ。

    苗木「アメリカ軍なのか…? そうだとしても一体何が…」

  89. 89 : : 2014/09/12(金) 18:45:59
    そして、その男には武器が握られていた。

    苗木「ごめんなさい…。 使わせてもらいます。」

    ~MP-5a5~

    9mパラベラム弾を使用するサブマシンガン。

    安定した性能を持ち、近距離で大きな力を発揮する。

    レーザーサイト。ドットサイトなど、特殊部隊用に様々なカスタマイズが追加されている。

    サブマシンガン MP-5a5を手に入れた。

    ドットサイトを手に入れた。

    MP5用 レーザーサイトを手に入れた。


  90. 90 : : 2014/09/12(金) 18:54:18
    兵士「うぁあああああ……」ムクリ

    苗木「ひっ…!」

    兵士「ううう…!!」

    苗木が武器を失敬した兵士が突然、苗木の脚に噛みつこうとしたのである。

    ……頭の半分を噛み砕かれた状態で。

    苗木「このっ!!!!!!」

    兵士の顔に蹴りを入れた。

    苗木「喰らえ!!!!!!」

    パパパパパパパパパパパパパパッ!!

    サブマシンガンが火を吹いた。

    兵士「あぅあぁ……」

    苗木「はぁ…はぁ…」

    さっきまでゾンビに怯え、ゾンビと戦っていた普通の人物。

    それが、瞬く間にゾンビに変異してしまった。

    「人間」が「ゾンビ」になった瞬間だった。

    苗木「ボクは…!!!!こんなヤツとは違う!!!!!! 人間だ!!!!!!!! ボクはこんなバケモノ野郎じゃない!!!!!!!! 」

    苗木「人間なんだ!!!!!!!!!!!!」

    叫び声はジャングルにこだましていった。
  91. 91 : : 2014/09/12(金) 19:11:11
    苗木「はぁ…はぁ……」

    カサ…カサ…

    苗木「!!」

    何かが近づいてくる。

    苗木「誰だろう…? 足音からして多分人間だけど……

    そこにいたのは…

    江ノ島「苗木……見つからないね…。 」

    舞園「苗木くん…どこに行っちゃったの…?」

    江ノ島「なえぎーっ! 出ておいでよーっ!」

    舞園「苗木く~ん!」

    苗木「二人とも……ボクを探して……」

    苗木(でも…今戻ったところで… またつまみ出されてしまうだろうな…)

    苗木(ゴメンね…舞園さん。 もう…ボクの事は忘れてね……)

    逃げるようにその場を去った。

    苗木「はぁ… 」

    苗木(なんでボク…… ゾンビになったって…死ぬ勇気も受け入れる勇気も無いクセに………)

    苗木「うわぁああああああああああああああ!!!!」

    苗木「うううっ!!!! 」

    苗木「死にたくない!!!! 死にたくないよぉおおおおおおおおおおおお!!!!」

    苗木「うっ…ぐすっ…」

  92. 92 : : 2014/09/12(金) 23:04:32
    ザクッ…ザクッ…

    草木を踏みしめながら近づく人影があった。

    十神「確かこのあたりに……ん?」

    ドォオーーーーン……

    十神「道を開けろ。 ゴミが」

    苗木(十神くん…?)

    急いで涙を拭いて後をつけると……

    十神「ここだ……」

    彼がたどり着いたのは古びたつり橋だった。

    十神「こんな所に軍用のジープなんかあったか…?」

    苗木(十神くん… あの橋の向こうに行くつもりかな…?)

    ギシッ…ミキッ…

    嫌な音を立てながら彼は進んでいった。

  93. 93 : : 2014/09/13(土) 08:39:47
    十神「だいぶ古びているな…」

    バキッ!!!! バリバリバリ!!!!

    十神「なにっ!!!!

    長年、手入れがされていなかったのか、ボロボロに腐ったつり橋はいとも簡単に崩れ去った。

    十神「うわぁああああああああああああああ!!!!!!」

    空が…地面が…遠ざかっていく。

    十神(こんな…俺は…こんな所で死ぬのか…?)

    十神(世界を操る「十神」の名を継ぐはずの…この俺が……)

    ────
    ──

    十神「………ん?」
  94. 94 : : 2014/09/13(土) 08:54:46
    苗木「くっ……!!」

    十神「な…苗木…! 貴様…!!」

    見ると…自ら隔離したソイツが…必死に俺の手を掴んでいた。

    十神「手を離せ…!! 貴様…死にたいのか!?」

    苗木「し…死にたくはないよ……でも……」

    真っ暗な谷底が口を開けて待ち構えている。

    十神「なぜだ…!? 貴様…なぜ俺を…」

    苗木「だって……ボクらは…一緒に生き残る…」

    苗木「仲間じゃないか……」
  95. 95 : : 2014/09/14(日) 07:18:26
    ガラガラッ……

    十神「もういい。 もうたくさんだ!!!! 手を離せ!!」

    苗木「そうは……いかないよっ……!!!!!!」

    苗木(手が…痺れてきた……)

    パシッ!

    江ノ島「まったく…世話が焼ける御曹司だこと!!」

    苗木「江ノ島さん!?」

    舞園「苗木くん!? いったい何が……」

    苗木「ま…舞園さんも手伝って……」

    舞園「わ…分かりました!」タタタ…

    苗木「いくよ…」

    苗木・舞園・江ノ島「せーーのっ!!!!」

    3人がかりでなんとか十神くんを引っ張り上げた。

    苗木「はぁ…はぁ…」

    十神「はぁ…はぁ…はぁ…」

    江ノ島「ふぅ… アンタ。苗木に言うことがあるんじゃないの?」

    十神「フン…俺は別に頼んだワケではない……」

    十神「だが…特別に隔離の件は保留にしておいてやる……」
  96. 96 : : 2014/09/14(日) 17:42:15
    十神のツンツン、いただきましたわー、期待です!!
  97. 97 : : 2014/09/15(月) 06:49:13
    ズズン… ズン……

    苗木「一難去ってまた一難…… 」

    舞園「今度は……なんなんでしょうか……?」

    江ノ島「良い予感はしないね……」

    ??「ギョオォオオオオオ!!!!」

    ガサガサッ!! バキッ!!

    舞園「きゃああああああああああああああ!!!!!!」

    十神「な…なんだ!? このバケモノは……!!」

    苗木「こ…コイツも……そうなのか…?」

    全長5mはあろうかという巨大な蜘蛛がボクらを見下ろしていた。

    大蜘蛛「ギョオォオオオオオォオオオオオン!!!!!!!!」

    十神「クソッ!!!!」

    十神クンの放ったライフルが大蜘蛛の頭を貫いた。

    大蜘蛛「…………」

    十神「やったか……?」

    大蜘蛛「ゴォオオオオオオォオオオオオ!!!!!!!!」

    ドスドスと8本の足で地団駄を踏んでいる。

    十神「くっ…やっぱりダメか……」

    苗木「そうだ! あのジープ!」

    舞園「それが……」

    江ノ島「くっ……!! 鍵がかかってる…」

    苗木「うそ!?」

    十神「なんだ!? その車は使えないのか!?」

    江ノ島「スゥ……」

    江ノ島「はぁあああああああああああ!!!!!!」

    ドゴォオン!!!!

    苗木「ええええっ!?

    なんと、車のドアに蹴りを入れ始めた。

    ドコ!!!! ガキン!!!!

    蹴りで車のドアを破壊するつもりらしい。しかし、相手は軍用車両。そう簡単に壊れるはずがない。

    苗木「す…スゴい…

    舞園「十神クンを援護してきます!!」

    十神クンは機転を効かせ、大蜘蛛を引き付けている。

    ドォオン!! パァーン!!!!

    大蜘蛛「グォオオオ!!!!」

    ビュン!!!!!!

    十神「ふっ!」

    大蜘蛛が降り下ろした爪をすんでのところでかわした。

    降り下ろした先にあった大岩が木っ端微塵に砕けちった。

    十神「まだか!? 長くはもたないぞ!!!!!!」

    江ノ島「かったいなぁ…!!!!」

    ズガン!!!! バコン!!!!

    舞園「江ノ島さん! 頑張ってください!」

  98. 98 : : 2014/09/15(月) 07:34:03
    パパパパパパッ!!

    舞園「敵は1人だけじゃありませんよ!!」

    十神「貴様…そんなもの一体どこから…?」

    大蜘蛛は何やら緑色の液体を吐き出した。

    バシャッ!!!!

    舞園さんはすんでのところで避けられたが……

    ジュゥウウウ…

    液体がかかったところは一瞬にして腐食した。

    十神「溶解液か…!」

    江ノ島「うぉおおおおおおおおお!!!!!!」

    ガッシャアアアアン!!!!!!

    苗木「開いた!」

    江ノ島「みんな! 乗って!! 早く!」

    十神「やっとか…!」

    舞園「待ってください!」

    江ノ島「乗った? みんな…」

    江ノ島「出発するよ! 掴まってて!」

    キュルキュルキュルキュルキュル……

    江ノ島「ウソっ…」

    江ノ島「エンジンが……かからない!」

    大蜘蛛「ギョオォオオオオオン!!!!」ドス ドス

    江ノ島「まことちゃん!!!! 上の機銃で時間稼いで!!!!」

    苗木「えっ…ボク?」

    江ノ島「早く!」

    苗木「わ…分かった…!!」

    パカッ

    天井の蓋をあけ、顔を出すが……

    苗木「コレ…だよね…?」

    ~ブローニングM-2機関銃~

    12.7mm弾を使用する重機関銃。 戦車や装甲車に対人、対空兵器として登載せれている。

    苗木「時間を稼いでくれって言われても使い方なんて……」

    苗木(あれ…?)

    苗木(分かる…どこをどうすればいいのか…)

    苗木(なんで? あの時といい……ボクはなんで銃の扱いなんて……)

    大蜘蛛「ゴォオオオオオオォオオオオオ!!!!」

    苗木「……」ジャッコ!

    ドドドドドド!!!!

    大蜘蛛「ギュアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

    江ノ島「早く…! かかってよ…!」

    ブォオオン!!!!!!

    舞園「かかった!」

    江ノ島「掴まって!!!!」

    ブォオオオオオオオオオオオ!!!!!!

    舞園「追ってくる!!!!」

    苗木「喰らえ!!!!」

    凄まじい音を立て、機関銃が火を吹く。

    ドドドドドドドドドドドド!!!!

    大蜘蛛「グォオアアアアアアア!!!!」

    十神「効いている!」

    江ノ島「頭と関節を狙って! そこが弱点よ!!!!」

    大蜘蛛「グォオオオォオオオオオ…」ドドドドド

    大蜘蛛は恐ろしい速さでジープの横に付いた。

    苗木「関節……」

    ダダダダダダダダダダダダッ!!!!

    狙い澄ました一撃が関節を貫き…

    ボキッ!!!!

    大蜘蛛「ギキャアアアアアアアアアアア!!!!!!」

    苗木「やった!」

    脚が1本無くなった。

    江ノ島「その調子!」

    大蜘蛛「ガァアアアアア!!!!」

    大蜘蛛はなおも追いかけてくる。

    苗木「近寄らせない!!!!」

    十神「いいぞ!! やってやれ!!!!」




  99. 99 : : 2014/09/17(水) 08:52:32
    大蜘蛛「グォアッ!!!!」

    十神「溶解液だ!!!!」

    苗木「うわ!!!! 」

    バシャッ!! ジュウゥゥゥ……

    ジープの後部の屋根が溶けてしまった。

    舞園「や… 屋根が……」

    大蜘蛛「グォォォオオオオオオオ!!!!!!」

    江ノ島「撃ちまくって!!!!」

    ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

    放たれた弾丸は確実に弱点を貫いていく。

    大蜘蛛「ゴォオオオオオオ!!!!!!!!」

    バッ!!!!

    苗木「と…跳んだ!?」

    グァシャッ!!!!!!

    なんと、その大蜘蛛はジープに飛び乗って来たではないか。

  100. 100 : : 2014/09/17(水) 09:34:21
    大蜘蛛「ゴォオオオオオオ…」

    十神「苗木!!!!!! 早く引きずり下ろせ!!!!!!!!」

    苗木「やってる!!!!!!」

    腹に弾丸を撃ち込んでいく。

    大蜘蛛「ゴォオッ!!!!」ガクッ

    大蜘蛛が一瞬ふらつく。さすがに弱ってきているようだ。

    大蜘蛛「グァアア!!!!」

    大蜘蛛はジープに掴んだまま体を揺らし始めた。

    江ノ島「きゃああ!?」

    苗木「車をひっくり返すつもりか…!!!!」

    舞園「この!!!!」

    苗木「舞園さ……足を狙って…!!」

    ピチャッ…

    大蜘蛛の口から溶解液が垂れてくる。

    苗木「うわ!!!! あの液体だ!!」

    舞園「諦めてもらいます!!」

    舞園さんの射撃により、大蜘蛛の足がはがされていく。

    苗木「やった…!」

    大蜘蛛は脚を1本だけ引っ掛け、フラフラしている。

    江ノ島「掴まって!!!!!!」

    キュアアアアアッ!!!!

    すかさず、江ノ島さんがドリフトをかけ、大蜘蛛は剥がれた。

    大蜘蛛「グォォォオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」

    十神「なんであんなになってまで追って来るんだ?」

    江ノ島「よっぽど好かれたみたいね!」

    苗木「終わらせるぞ!」

    ドドドドドドドドドドドド!!!!!!

    フラフラ追ってくる大蜘蛛に更に弾丸を浴びせる。





    しかし…


    ドドドドドドドドドドドド カチッ!!

    苗木「ん? た…弾切れだ!!!!」

    江ノ島「うそぉ!?」

    十神「こ…これまでか…!!!!

    苗木「クソ!!!! もう少しだったのに…!!!!」

    三人が絶望しかけたその時。

    舞園「苗木くん!! これを!!!!」 ヒュッ!!

    苗木「こ…これは…!?」ガシッ

    舞園「座席の後ろにありました!!!! 撃って下さい!」

    苗木「よ~し…… 分かった。」 ジャコン
  101. 101 : : 2014/09/17(水) 09:47:28
    ~RPG-7~

    ロケットランチャー。ソビエトが開発した対戦車兵器。
    誘導装置がなく。当てることが難かしい。



    苗木「いっけぇえええ!!!!」

    ドシュッ!!!!

    シュウウウウウウ!!!!!!

    放たれた弾頭は猛スピードで目標に直進していく。

    ドカァッ!!!!!!

    苗木・舞園・江ノ島・十神「やった!!!!!!」

    大蜘蛛はバラバラに吹っ飛んだ。

  102. 102 : : 2014/09/17(水) 09:48:30
    期待
  103. 103 : : 2014/09/18(木) 13:19:41
    >>102

    ありがとう!!
  104. 104 : : 2014/09/19(金) 08:31:36
    苗木「はぁ… 一時はどうなることかと……」

    舞園「カッコよかったですよ! 苗木くん!」

    苗木「そ… そんなことないよ…」///

    十神「まぁ… 貴様にしては上出来じゃないか…」

    江ノ島「………」

    苗木「…? どうしたの? 江ノ島さん…。」

    江ノ島「どうしよう……?」

    江ノ島「帰り道分かんなくなっちゃった…」グスッ

    苗木・舞園・十神「ええええええええええええ!?」

    十神「なんで考えながら逃げなかった!!!!!!」

    江ノ島「出来るワケ無いじゃない! そんなこと!」

    辺りを見回すと… 一面ジャングルだった。

    舞園「ど… どこなんでしょう…? ここ…」

    江ノ島「どうしよう… 『道しるべもない』し…」

    苗木「…!?」

    苗木「江ノ島さん。 道しるべがないって言ってたけど… 」

    苗木「それはちがうよ。」

  105. 105 : : 2014/09/19(金) 08:51:01
    苗木「ほら。 ボクが撃ってきた機関銃の薬莢を辿れば… あの吊り橋に着くんじゃないかな?」

    江ノ島「そうか… その手があった……」

    苗木(なんか…また急に残念になったような…?)

    道なき道に散らばった薬莢を辿って、なんとか吊り橋の前まで戻ってきた。

    苗木「あ… 江ノ島さん。」

    江ノ島「なぁに?」

    苗木「ちょっと寄りたい所があるんだけど…」

    江ノ島「いいよ。どこ行くの?」

    苗木「えっとね…」

    ────
    ──


    江ノ島「ここ… あの機長と戦った村じゃない。」

    苗木「うん。 機長が持ってるカギを取りに来ようと思って…」

    舞園「そういえば… 機長があの飛行機の非常用通信機のカギを持ってるって…」

    苗木「探してみよう。」

    ────
    ──


    苗木「あった…」

    この島の暑さで機長の遺体は既に腐敗が始まっていた。

    苗木「よし、じゃあ早速通信機に…」

    江ノ島「まって!」

    江ノ島「もうじき日が暮れる。 夜は危険だから明日にしましょう。」

    苗木「わかった…。」


    拠点に帰ったらみんな驚いていた。

    不二咲さんは泣きながら「戻ってきてくれてよかった」と言ってくれた。

    ボクは疲れた体を引きずって寝床まで行き…

    泥のように眠った。



  106. 106 : : 2014/09/19(金) 16:07:57
    ~深夜 ジャバウォック島~

    江ノ島「はっ… はっ…」タッタッタッタッタ…

    バゥン!! ドギュ!! バギュン!!

    霧切「待ちなさい!!」

    江ノ島「はぁ…はぁ…」

    霧切「手を上げて出て来なさい!! 江ノ島盾子!!!!」

    江ノ島「…………」

    霧切「この島で一体何を企んでいるの!? みんなを開放しなさい!!!!!!」

    江ノ島「悪いけど… 私にはその権限はないわ。」

    霧切「なんですって……?」

    銃口を江ノ島に向けたまま彼女は言う。

    江ノ島「言葉通りよ。」

    江ノ島「 今日は色々あって疲れてるの。 今は休みたいわ。」

    江ノ島「それに… 今は銃を向けあってる場合じゃないと思うわ。」ヒュッ

    霧切「くっ!!」チャカッ!

    ガキッ!!!!!!

    霧切が引き金を引こうとする。その刹那。 霧切の銃が跳ね上げられた。

    江ノ島「…」

    次の瞬間には霧切の喉元にナイフの刃が突き付けられていた。

    霧切「……っ!!」

    江ノ島「私をあまりナメないでちょうだい。」
  107. 107 : : 2014/09/19(金) 16:18:06
    ~同時刻 ジャバウォック島 拠点~

    苗木「はぁ… ぐぁあっ!! ううぅっ…!」

    ─────
    ───
    ──







    苗木「ぐっ…くうぅ……!」

    苗木(?)「いつまで続ける気だい? …『ボク』」

    果ての見えない塗り潰したように真っ黒な空間に、ボクと… ボクそっくりなヤツが立っていた。

    苗木「お… お前は… 何だ……!?」

    苗木(?)「ボク? ボクは君自身さ。」

    苗木「君が……『ボク』?」

    苗木(?)「君は…もしかして本当に事故か何かでこの島に来たと思ってるの?」

    苗木(?)「それはちがうよ…。」
  108. 108 : : 2014/09/19(金) 17:20:27
    どうなるんだろ?期待です!
  109. 109 : : 2014/09/19(金) 17:26:57
    おもしろい!期待しかできない!
  110. 110 : : 2014/09/19(金) 21:58:54
    ざなどぅ?!展開が気になってしょうがないです!
    期待です(´ω`*)
  111. 111 : : 2014/09/20(土) 08:18:52
    ありがとうございます!

    ご期待に沿えるよう頑張ります!
  112. 112 : : 2014/09/20(土) 08:33:00
    苗木(?)「全ては『絶望』により決定付けられた『姫』の意志なんだ。」

    苗木「なんだと…? この島に墜落したのは誰かの意志だって…ことか?」

    苗木(?)「まぁ… そうなるかな?」

    苗木「それで… はぁ…はぁ…… ううっ!!」

    苗木「それとボクが何の関係が……」

    苗木(?)「関係大ありさ。君は『姫』と対をなす『皇子』なのだから… 」

    苗木(?)「『光の皇子と闇の姫君が交わりし時。 闇は弾け飛び、やがて全ては闇色に染まるであろう。』」

    苗木「お前はさっきから……何の話を……」

    苗木(?)「ハァ… 本当に厄介だな……記憶喪失ってのは……」

    苗木(?)「ま、正確に言えばちょっと違うけど…」
  113. 113 : : 2014/09/20(土) 08:54:46
    苗木(?)「いい加減回りのみんなの気持ちにも気づいたらどうだい?」すうっ……

    ボクそっくりなソイツは消えていった。

    舞園「いつまでナイト気取りしてるつもりですか?」

    苗木「なっ…!?」

    舞園「わたし… あなたに『助けてくれ』なんて頼んだ覚え無いですし… キモいです。ハッキリ言って…。」

    舞園「ウザいから消えてくれませんか? ゾンビモドキさん?」

    苗木(?)「どうだい? これがあの女の本音さ。」

    声だけが反響して聞こえてくる。

    聞き慣れているはずなのにこの上なく忌々しい。

    苗木「うるさい!!!!!! 黙れ!!!!!! 舞園さんがそんな事言うはずがない!!!!!!」

    舞園「なに人の気持ちを勝手に決め付けてるんですかぁ!? キモいっつってんだよ!!!!!!!!」

    苗木「舞園さ……」

    「キモいんだよぉ!!!!」 「ゾンビ野郎!!!!!!」 「死ね!!!!」

    「さっさと本性を見せろ!!!!!!」

    聞き覚えのある数々の声。
  114. 114 : : 2014/09/20(土) 16:58:31
    苗木「な… 」

    苗木(?)「ほら…。それでもそっち側にいるつもりかい?」

    苗木「うるさい!!!!!!!! 黙れ!!!!!!」

    苗木(?)「さっきから色々言ってるのはボクじゃないんだけど…」

    苗木「黙れっつってんだろ!!!!!!!!!!!!!!」ブン!!

    ボクの全力の攻撃は無様に空を切った。

    苗木(?)「おっと…」

    苗木(?)「フン!!!!!!!!!!」

    そして重い一撃が腹に刺さった。

    苗木「ぐあっ!!!!!!」

    苗木「ゲホッ!!!! ゴホッ!!!! ゔぇぇ……」

    内臓が口から飛び出るのではないかと思われる程の衝撃。

    痛さのあまり地面を転げ回った。

    苗木(?)「どうしたんだい? こんな貧弱なボクの攻撃… そこまで効くはずないだろ?」

    苗木(?)「ま… ボクはさっさと『こっち側』に入る事を勧めるよ。」

    苗木(?)「『全ては絶望のために』」

    苗木(?)「『絶望は全てのために』……」
  115. 115 : : 2014/09/20(土) 17:24:21
    これ苗偽だ(確信)
  116. 116 : : 2014/09/20(土) 17:28:57
    苗木「くっ… くそぉ……!!」

    ─────
    ───



    苗木「ハッ!!!!???」ガバッ!!

    苗木「ハァ…ハァ…ハァ…クソッ!! なんて夢だ…」

    舞園「苗木くん……?」

    舞園「どうしちゃったんですか…? 汗びっしょりですよ。」

    舞園「一体なにが……」

    苗木「来ないでよ……」ボソッ

    舞園「えっ……?」

    苗木「どうせ… 舞園さんも…… ボクが外にいるバケモノと同じだと思ってるんでしょ…?」

    舞園「な…なんで…? そんなこと………」

    苗木「うるさい!!!!!! 分かってんだ!!!! ボクには!!!!」

    舞園「苗木くん…?」

    苗木「うるさい!!!!!! 寄って来るな!!!!!!」

    舞園「苗木くん! どうしちゃったんですか!?」

    苗木「来るな!!!!!! ボクは…もう……」

    舞園「苗木くん… 落ち着いて…」

    苗木「みんなボクの事バケモノだと思ってるんだろ!!!!!!」

    舞園「苗木くん!」

    苗木「ボクに死ねばいいとか考えて…!!!!」

    舞園「落ち着いて下さい!!!!!!!!」

    苗木「えっ…?」

    舞園さんはボクの事を怒るわけでもなく…

    そっと抱きしめてきた。

    舞園「どうしちゃったんですか? また怖い物でも見ちゃったんですか?」

    舞園「それとも十神くんに酷いこと言われたんですか?」

    優しさく頭を撫でてボクをなだめていた。

    苗木「舞園さん……どうして?」

    舞園「苗木くんがバケモノだなんて… 思ってませんよ。」

    舞園「苗木くんは… わたしのこと何度も助けてくれたじゃないですか。」

    舞園「それに…あの約束… 覚えてますか?」

    苗木「うん。 『修学旅行』が終わったら… 舞園さんなライヴに行くって…」

    舞園「ほら。 ね?」

    舞園「苗木くんは… わたしの大事な……」

    舞園「大事な………」////フシュー

    苗木「ありがとう… 舞園さん……」

    苗木「それと… ごめんね。」

    涙が止まらなかった。

    舞園「いいんですよ…。 絶対… ここを脱出しましょうね……」

  117. 117 : : 2014/10/12(日) 17:33:31

    http://www.ssnote.net/archives/24001

    一応、パート2、貼っときますね?
  118. 118 : : 2014/10/16(木) 17:49:28
    いいっすね

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著者情報
jun

シャガルT督

@jun

この作品はシリーズ作品です

BIOHAZARD the final hope series シリーズ

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