ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

オリキャラ達のコロシアイ学園生活 5章

    • Good
    • 4

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2018/02/07(水) 17:07:20



    五章はKAIさんの執筆です!!


    5章が終われば次回は6章へと突入です!


    ではよろしくお願いします!

  2. 2 : : 2018/02/08(木) 10:33:50
    では、執筆させて貰うンゴ~

    始めまーす
  3. 3 : : 2018/02/08(木) 10:38:57








    ………





    ……………








    五十鈴『今日で最後なんだ…。ここに来れるのは…』


    『えっ…?』





    まただ…。



    また昔の夢…。





    五十鈴『ごめんな…■■、もうお前に勉強を教えてやれなくなった…』


    『…ッ!そ、そう…なんだ……』





    そういえば、最近見てなかったな…。





    『和真クン…つまり、それって……』


    五十鈴『■■…俺、引っ越すんだ』


    『…………………そう…』


    五十鈴『多分、もう…此処へは戻って来れなくなる』


    『………』


    九十九『…………』


    『ねぇ…歩は知っていたの?』


    九十九『私も、ついこの前に…』


    『これで…私と■■だけ…。和真も歩もバラバラになるのね』


    九十九『…うん…、そうですね…』


    九十九『私も明日…、実家へ…』


    『…………』


    五十鈴『……■■…』


    『大丈夫だよ!■■、此処にまだ私がいるじゃない!』


    『■■お姉ちゃん…』


    『一生会えなくなるって訳じゃないわ!ただ、今すぐには会えないってだけで、また会えるわ!』


    九十九『えぇ、そうですよ。■■さんの言うとおりです。』


    『歩お姉ちゃん…』


    九十九『だから泣かないで■■さん』


    『…ッ…うん!私、泣かない!』


    五十鈴『■■、■■の事は…』


    『ええ、当たり前よ』


    九十九『■■をよろしくお願いします』


    『歩は最後まで固いわね』


    九十九『ご、ごめんなさい』


    『謝らない謝らない!』


    九十九『…うん』


    『■■は私達の妹なんだからさ、きちんと私が守るわ』


    五十鈴『■■が居てくれて、本当に良かった』


    『妹の面倒を見るのは姉としての務めなんだから』





    『だから…』








    『だからさ…』















  4. 4 : : 2018/02/08(木) 10:39:36






    『また…■人一緒に揃って遊ぼうね』







  5. 5 : : 2018/02/08(木) 10:42:26










    ……………





    ……






















     






    もう…朝か……。





    五十鈴「………………」






    これで、5度目…。


    また…覚えていない子供の頃の夢。


    この夢の正体は、一体……?





    五十鈴「…考えても仕方ないな、そろそろ行くか…」





    俺は身支度を整え、食堂に向かった。





  6. 6 : : 2018/02/08(木) 15:47:40





    五十鈴「…あれ?」


    五十鈴「開かない?」





    食堂に向かうと扉が空いていなかった。





    五十鈴「おかしいな……あっ…そうか」





    俺は、電子生徒手帳のデジタル時計を見る。


    時刻は午前6時54分。


    そりゃ…開いていないのも納得。


    てか、モノクマアナウンスが流れていない事に気付かないなんて…。




    五十鈴「出直すか…」





    部屋に戻ろうと来た道へ戻ろうとした時だった。




  7. 7 : : 2018/02/08(木) 15:58:36





    エル「あれ?五十鈴クンじゃない」


    五十鈴「えっ?」


    ユキ「…ッ」


    五十鈴「エル…ユキ……」




    _____________


    『また…■人一緒に揃って遊ぼうね』

    _____________



    五十鈴「……………」





    エル「五十鈴クン?」


    五十鈴「ん?なんだ?」


    エル「どうしたの?」


    ユキ「ッ!!」


    五十鈴「えっ?」


    エル「なんで…」







    エル「泣いてるの?」



  8. 8 : : 2018/02/08(木) 16:00:15





    五十鈴「………えっ…?」





    俺は、自分の目元を触った。


    生暖かい涙が、頬を伝っていた。





    五十鈴「えっ?あれ?な、なんで…?急に…」





    ユキ「…………」


    五十鈴「…ユキ?」


    ユキ「…ッ」


    ユキの小さく白い手が、俺の顔へ手を伸ばし、目から溢れ出す涙を拭った。


    ユキ「…………」


    五十鈴「…ユキ……」


    エル「ユキちゃん…」



  9. 9 : : 2018/02/09(金) 12:11:06



    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪


    モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』






    五十鈴「ッ!わ、悪いユキ!」


    ユキ「……」フルフル


    五十鈴「急に泣いちまって…。クソッ、なんで急に…」


    エル「本当に大丈夫なの?」


    五十鈴「あ、ああ…大丈夫……だと思う…」


    エル「思うって…ふふっ、何それ~」


    五十鈴「いやだって…急に……」


    エル「怖い夢でも見ちゃったの~?」


    五十鈴「ち、違げーって。ただ、その…なんて言うか……」


    五十鈴「と、とにかく食堂へ入ろうぜ」


    エル「はいはい、行きましょ~ユキちゃん」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク





    ああ!


    なんか調子狂うな!もう…


    結局、涙の理由はわからなかったが、気にしていても仕方がない…。











    エル「………………」






  10. 10 : : 2018/02/09(金) 15:37:30


    _第5章_
    黒と白の絶望レクイエム(非)日常編


  11. 11 : : 2018/02/10(土) 12:32:52


    ー食堂ー





    如月「珍しく早起きか?五十鈴」


    五十鈴「ああ、なんか目が覚めてな」


    如月「まぁ、そういう時もあるわな。待ってろ、すぐ朝食を用意してやる」


    五十鈴「おう、何時も助かるよ」


    如月「フン…、気にするなって」


    エル「気にしなくて良いのなら、調子はベーコンエッグに、トーストに、あっ、バターも忘れずに」


    エル「食後に暖かい紅茶も用意してね」


    如月「エル…少しは、気を使えっての…」


    エル「違う違う、ユキちゃんが言ったのよ~」


    ユキ「ッ!?」


    五十鈴「ユキは喋れねーだろ」


    エル「てへっ♪」


    如月「素直じゃねーな、ベーコンエッグとトーストだな」


    エル「ありがとうね~」




  12. 12 : : 2018/02/10(土) 12:38:35


    なんだか、久しぶりな気がするな。


    こんなに賑やかな朝は…。



    五十鈴「俺は食後にコーヒーを頼む」


    如月「五十鈴もか…、ハァ…まぁいい任せろ、ユキはどうする?」


    ユキ「ッ!ッ!」


    慣れない左手を使いメモに『おね えちゃ ん と おな じ』と書いた。


    如月「エル…お前、ユキにお姉ちゃんって呼ばせてるのか?」


    エル「ん?まぁ、そうね…。だって、ユキちゃんの姉は私だよねー?」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク


    如月「エルらしいな」


    五十鈴「確かに、エルらしいな」


    如月「けど少々呆れる…」


    五十鈴「同感」




    後に、箱田と鳳と合流して、エルの要望通りのメニューで朝食を取った。




  13. 13 : : 2018/02/11(日) 18:50:42



    ー四階ー




    五十鈴「…………」


    五十鈴「やっぱり封鎖されてる…」





    俺は九鬼と鷺沢の研究教室を順に調べようとしたが、やはり二つの教室は固く封鎖されていた。





    五十鈴「鷺沢…、もう…過ぎた話だが、内通者だったお前を恨んだりはしていないから…これから先も、ずっとだ…。」


    五十鈴「もっと、早くにお前の異変に気づけていたら、もしかしたら…、お前を止められたかも知れない…」


    五十鈴「九鬼…、あの時は、その…ありがとうな。」


    五十鈴「ファイナルデットルームに入ろうとした俺を止めてるれて…、お前と仲直りができて本当に良かった…」





    五十鈴「………………」





    五十鈴「矢吹か…?」





  14. 14 : : 2018/02/11(日) 18:52:59
    矢吹「なんで分かったの五十鈴くーん?君ってエスパーなの?」


    五十鈴「…………」


    矢吹「……、つれないなー。せめて反応位してくれたら良いんじゃないの?」


    五十鈴「何しに来た?」


    矢吹「いや~、何となくー?じゃないな、気まぐれかなー?」


    五十鈴「…………」


    矢吹「ねぇ…やっぱり俺を許せない?」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「……、ああ、矢吹…俺はお前を許せない」


    矢吹「俺が憎い?鴉間くんを殺して蜜火原くんを陥れて……」





    矢吹「"鷺沢さんを唆して"…って、これは初耳かなー?」





    五十鈴「なに?お前が鷺沢を…?」


    矢吹「そうだよ、それ全部引っくるめて、俺が憎い?」


    五十鈴「…当たり前だ、お前のせいで仲間が死んだ」


    矢吹「いいねいいね!その顔ッ!殺意に満ち溢れたその表情!」


    矢吹「俺を殺したい?」


    五十鈴「ああ、正直殺したいよ」


    矢吹「俺も五十鈴くん…君を殺したくて仕方がないよ!」


    矢吹「今ここで殺し合っちゃう?俺は構わないよ?」


    五十鈴「初めて気が合ったな…矢吹。」



  15. 15 : : 2018/02/11(日) 18:59:48
    五十鈴「けど、俺はお前を殺したりはしないぞ」


    矢吹「ありゃ?」


    五十鈴「そして、矢吹…お前の思惑通りにはさせない!」


    五十鈴「もう誰も死なせない…。お前も例外じゃない」


    矢吹「へぇ…」


    五十鈴「お前には生き残ってもらう!生きて罪を償わせてやる!」





    矢吹「ここまで来て…その綺麗こどを言えるなんて…」





    矢吹「正直……反吐が出るほど大嫌いッ!!…だけど嫌いじゃないよ~」





    矢吹「はっははは…。けど、その言葉、真逆の意味にして返すよ。」





    矢吹「やれるものならやってみろよ?」





    五十鈴「…………」





    矢吹「話が長くなっちゃったね。誰かに見つかるものめんどくさいし…。悪いけど、もう行くね」


    五十鈴「…何処に行くんだ?」


    矢吹「教えるわけないじゃん。ああ、今日も欠席するって皆に伝えといてねー」





    そう言い残すと矢吹は去り、そして、矢吹が居なくなったと同時に…





    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪


    モノクマ『校内放送!オマエラ至急体育館にお集まりください』





    五十鈴「…………」


    五十鈴「絶対にだ…。もう…これ以上、誰も死なせない」


    五十鈴「今度こそだ。」



  16. 16 : : 2018/02/11(日) 19:47:25


    ー体育館ー






    モノクマ「あれあれ?もうこんなにも減っちゃった?」


    鳳「白々しいですね…」


    モノクマ「うっぷぷぷ…、最初はコロシアイなんてしないって息巻いていたのに、随分と居なくなったね~」


    箱田「テメェ…ッ!」


    如月「よせ、いつもの挑発だ。相手にするな」


    箱田「分かってるっての。アイツの言い方が癪に触っただけだ」


    如月「それには同感だが、黙って呼び出した訳を聞こう」


    箱田「…チッ!はいはい…」


    エル「それで?今度はなんの用かしら?モノクマ」


    モノクマ「用っていうか、いつものご報告でーす。新しいフロアを解放しました~」


    鳳「三階…四階と来て、次は五階ですか?」


    モノクマ「うっぷぷぷ…、残念!今回は地下一階のフロアを解放しましたー!」


    五十鈴「地下?」


    モノクマ「それに今回は更に、一階フロアの拡張もしまーす!」


    モノクマ「場所は電子生徒手帳のマップをご確認下さい」


    エル「へぇ…今回は何があるのかしら?」


    モノクマ「まぁ…それは行ってからのお楽しみって事で、それでは、いつも通り調査なりしちゃって下さ~い!」





    そう言い残すとモノクマは去っていた。


    電子生徒手帳のフロア情報を確認すると、モノクマの言った通り、地下一階のエリア情報と新たに一階のフロアが更新されていた。



  17. 17 : : 2018/02/11(日) 19:54:53



    体育館を出て直ぐだった。


    行き止まりになっていた壁がなくなって、廊下できていた。




    如月「とにかく、手分けして探索するぞ」


    エル「じゃあ公平に二人組になろうよ」


    五十鈴「そうだな、ちょうど六人いるし」




    俺達は二人組に別れ、俺と如月で地下一階から捜索した。





  18. 18 : : 2018/02/12(月) 20:22:23




    ーB1・情報処理室ー



    情報処理室…。


    文字通りパソコン等の電子機器が完備された教室だ。


    五十鈴「パソコンか…」


    五十鈴「なぁ」


    如月「なんだ?」


    五十鈴「パソコンがあるって事は、もしかしたら外に…」


    如月「ああ、なるほど…。けど流石に外部へのアクセスは遮断されてると思うぜ」


    五十鈴「でも一応、確認だけでも」


    如月「まっ、それもそうだな」






    近くにあった一台のパソコンを起動させる。






    五十鈴「……、…?あれ?」





    何度も電源ボタンを押したが、パソコンの画面はうんともすんともいわなかった。





    五十鈴「どうしてだ?なんで電源が…」


    如月「これはダメだな…。こっちのパソコンの電源も押したが反応なし」


    五十鈴「ていう事は…」


    如月「アクセスどころか電気事態が遮断されてる」


    五十鈴「遮断されてるか…、あっ!確か、このフロアに…」






    電子生徒手帳を取り出して地下フロアを検索する。





    五十鈴「確か、配電室があったな」


    如月「なるほどな、もし情報処理室のブレイカーを上げられば…」


    五十鈴「もしかしたら使えるかも知れない」





    情報処理室を後にして配電室へ向かった。




  19. 19 : : 2018/02/12(月) 20:28:10


    ー配電室前ー




    五十鈴「ここだな」


    五十鈴「よし」




    配電室のドアノブを捻るが…。





    ガチャッ!ガチャッ!


    五十鈴「ッ?あれ?」


    ガチャッ!ガチャッ!


    如月「引いてみたらどうだ?」


    五十鈴「いや、両方やったが、開かないぞ」


    五十鈴「おかしい…」


    モノクマ「お困りの様子だね~♪」


    五十鈴「ッ!?…ってモノクマ」


    モノクマ「なんだよ、その反応~。ショボ~ン…」


    如月「何しに来た?」


    モノクマ「いや~なにやら苦戦していらしゃったから」


    五十鈴「これ開かないぞ、どうなってんだ?」


    モノクマ「ん?だって、開かないように電子ロックで鍵掛けてるんだもん」


    五十鈴「じゃあ、さっさと開けろ」


    モノクマ「開けて欲しいの?」


    五十鈴「いいから開けてくれ」





    モノクマ「だが断る」キリッ





    五十鈴「はぁ?」


    モノクマ「このモノクマが好きな事の一つは、自分で強… 如月「仕方ない…、ここは諦て、違う部屋を調べるぞ」


    モノクマ「あ、おい。最後まで言わせろよ…。もう~最近の若い子は~、ショボーン…」





    モノクマを残して配電室を後にした。




  20. 20 : : 2018/02/14(水) 13:39:06


    ― システムルーム前 ―





    五十鈴「ここは…?」


    如月「地図にはシステムルームってあるな」


    五十鈴「情報処理室とは違うのか?」


    如月「さぁな、中を除かない限り分からん」




    扉を開けシステムルームへ入った。




    ― システムルーム ―






    五十鈴「なんだ?ここは…?」




    部屋の中枢に大きな機械のような装置があり、その他は大きなケーブル以外何も無かった。




    如月「ここは何をする部屋なんだ?」


    五十鈴「そもそもシステムルームって、一体何のシステムなんだ?」


    如月「とりあえず、あの馬鹿デカい装置を調べるしかないな」



    如月と俺は、部屋中枢にある謎の装置を調べた。

    装置には、小さな画面とタッチパネル式のキーボードが取り付けられていた。




    五十鈴「なんだろう?何か操作できるのか?」


    如月「やってみるか」




    如月が画面を操作する。

    すると、画面には認証確認という文字が映し出された。



    五十鈴「認証?」



    画面にそれぞれ『5桁のパスワード』と『電子キーの解除』と求めて来た。




    如月「ここも、ダメか…」


    五十鈴「なんとかできないのか?」


    如月「流石にこれはお手上げだ」


    如月「パスワードってのは多分何とかできると思うが、解除キーってはハッキングでもしない限り無理だ」


    五十鈴「そっか…。でも、パスワードの方は何とかなるのか?」


    如月「ああ…、昔、任務でやったことがある」


    如月「5桁のパスワードってことは、ざっと十万通り…徹夜で無眠普及すれば数日で…」


    五十鈴「いや!そこまでしなくて良いぞ!!」


    如月「なに、たかが5桁だぞ?俺がやったときは13桁だったから楽勝だ」


    五十鈴「えぇ……感性がずれてないか……それ…?」


    五十鈴「でも、解除キーが分からないんじゃ…」


    如月「それもそうだな…。因みにさっきのは冗談だ」


    五十鈴「そ、そうか…」


    如月「でも、13桁のやつは事実だがな」


    五十鈴「えっ!?」





    結局、なんの情報も得られないまま、システムルームを後にした。





  21. 21 : : 2018/02/14(水) 19:31:00





    最後に俺達は、モノクマ格納庫へとむかった。





    ― モノクマ格納庫 ―




    如月「悪趣味な部屋だな…」


    五十鈴「それには同感」



    部屋には、大量の動かないモノクマが不気味なくらい、ぎっしりと格納されていた。

    中には、ひときわ目立つ巨大なモノクマまで…。




    如月「ここは、奴のスペア収納場所ってやつか」


    五十鈴「どういう事だ?」


    如月「俺達が抵抗しても、ここにある大量のモノクマを使えば、容易に俺達を押さえ込めるって訳だ」


    五十鈴「…なるほど」


    如月「この部屋が開いてるって事は…、ここにあるモノクマを壊しても無意味ってのも示してるがな」


    五十鈴「くそッ…」


    五十鈴「だけど、俺達は諦めないからな…」


    如月「当たり前だ。その為にも、さっさとこの部屋の中を調べようぜ」


    五十鈴「ああ」



    手分けして何か手がかりがないか部屋中を調べた。



    如月「五十鈴、ちょっと来てくれ」


    五十鈴「なんだ?」


    如月「これを見てくれよ」


    五十鈴「防火扉…?」




    如月の方へ向かうと、そこに防火扉らしき扉があった。




    如月「ああ、入り口とは別に、こいつだけ自然な所にあったから気になってよ」


    五十鈴「開かないのか?」


    如月「ああ無理だった。そこに取り付けられてる認証パレルをどうにかしないと開きそうにもない」




    防火扉の横に、小さなパレルのような物が設置されていた。




    如月「そっちは、何か見つかったか?」


    五十鈴「悪い、こっちは特に…」


    如月「そうか」


    如月「結局、収穫は無しって事か…、一階を調べてるエルに期待するしかないか」




    地下一階の調べられる部屋全てを捜索したが、手がかりらしい手がかりは何一つ見つける事はできず、食堂に戻った。



  22. 22 : : 2018/02/17(土) 18:34:42




    ― 食堂 ―




    食堂に戻ると、すでに皆が待っていた。


    各々で捜索の成果を言い合った。




    五十鈴「そっちは何かあったか?」


    箱田「残念だが、こっちも成果は無しだ…」


    鳳「入れない部屋がほとんどでした」


    五十鈴「そっちもか…」


    エル「その様子だと、五十鈴クン組も同じみたいだね」


    五十鈴「ああ…情報処理室、配電室、システムルーム、モノクマ格納庫と、全部で四つの部屋があったが…」


    五十鈴「だけど肝心な所は、鍵がかかってたり、電気が通って無かったりで…」


    エル「僕達も五十鈴クンと一緒で…」



    一階の拡張エリアには、

    『図書室』『モノクマ博物館』『生物管理室』そして『学園長室』の、計4つの部屋があった。



    鳳「『図書室』は完全に閉まっていて、この部屋は完全にお手上げでした」


    箱田「ほんと…、入れないなら最初っから解放なんかすんなっての」


    鳳「同感です」


    箱田「あと、気色悪い部屋もあったな。確か…『モノクマ博物』館って部屋だ」


    鳳「正直、不気味過ぎて怖かったです」


    箱田「あんなに不快な博物館…、生まれて初めてだったぜ」


    鳳「変なモノクマがいっぱい展示されてて……気持ち悪るかったです」


    五十鈴「絶対入りたくないな、それ…」


    如月「俺達が調べた所にも、不快な部屋があったぞ。」


    鳳「モノクマ格納庫ですか?」


    如月「壊したくなるほどの大量のモノクマが格納されていたぞ」


    箱田「うわぁ…」





    モノクマ「酷いなぁ~皆…、ぐすん…」


    エル「自然に入って来ないでもられるかしら?」


    モノクマ「ガーン!」


  23. 23 : : 2018/02/17(土) 18:35:08


    モノクマ「そんな……皆が喜ぶと思って、設置したのに……」


    箱田「テメェー日頃の行いのせいだ。直ぐ撤去しろ」


    モノクマ「そんな事言われても嫌なこった」


    箱田「ほんとムカつくなコイツ…」


    鳳「あっ…モノクマ博物館で一つ気になった扉があったのですが…」


    鳳「ついでですからモノクマさん、あの扉って何処に繋がっているのですか?」


    モノクマ「ついでって何さ!ボクはステーキに乗ってるパセリみたいな存在じゃないんだぞ!!」ムッカー!


    エル「いいから答えてちょうだい?」


    モノクマ「ああ~あの扉ね~。あの扉は、地下一階のモノクマ格納庫に繋がってる扉だよ」


    モノクマ「ただ、こっちの都合で、今は開かないようになってるだけ~以上♪」


    如月「なるほど、防火扉はそこに繋がってたって訳か」


    モノクマ「そういう事~」


    鳳「ありがとうございます。もう、帰っても良いですよ」


    モノクマ「ショボ~ン…、これは本格的に皆に嫌われちゃった奴だ~」




    寂しい足取りでそのままモノクマは帰って行った。




  24. 24 : : 2018/02/17(土) 18:42:14




    エル「邪魔者は居なくなったし、今度は私が話すね」


    エル「私とユキちゃんで、『生物管理室』と『学園長室』を調べたんだけど…、残念な事に手がかりゼロ」


    ユキ「ッ……」シュン…


    エル「ユキちゃんが気を落とすことないのよ」


    ユキ「ッ…ッ…」


    エル「先に学園長室を調べたんだけど」


    エル「残念ながら、最低なデザイン構造をしていたくらいで、特に無し」


    エル「室内に更に扉があったけど、電子生徒手帳には記載されてないし、モノクマに問いただしたけど、秘密の一点張りで…」


    如月「秘密ってことは、俺達に知られたくない部屋って事か?」


    エル「まっ、そういう事だね。ただ、入れないんじゃ意味ないんだけど…」


    如月「ここまで来て…、モノクマは、まだ俺達に隠すものがあってのか…」


    エル「一応、生物管理室には色んな生き物が居たけど…、一ヶ所だけ、入れない部屋があっただけで、特に何も無かったわ」


    五十鈴「入れなかった部屋ってのはなんだ?」


    エル「…………」


    五十鈴「エル?」


    エル「…『死体保管室』って部屋……」


    五十鈴「ッ!?それって……」


    エル「部屋を調べてた時にモノクマから聞いたわ…、そこに死んだ皆が居るって」


    鳳「そこに、あったのですね……」


    箱田「なんだよそれ…胸糞悪いにも程があんだろ……」


    エル「ほんとよ…」


    エル「私達の捜索報告はこれで以上よ」


    五十鈴「結局…、手がかりは無かったな…」


    如月「気にやむにはまだ早い」


    如月「どうにかして、封鎖されてる部屋に入る事が出来ればの話だ」


    エル「如月クンの言う通り、見つけられなかったってだけで」


    エル「怪しい部屋はいっぱいあったのだもの」


    五十鈴「確かに、二人の言うとおりだ。こんな事で諦める訳にはいかないからな」






    黒幕に繋がる手がかりは掴めなかったが、決して手がかりがない訳ではない。

    直ぐそこまで、着々に黒幕に近づいている。

    こうして、食堂を後にしていった。




  25. 25 : : 2018/02/17(土) 19:08:52





    ― 五十鈴の部屋 ―




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪

    モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより夜時間になります。間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す。ではでは、いい夢を。おやすみなさい』




    もう夜時間…。

    明日に備えて今日はもう寝よう。




    ピロリンッ!



    ベッドに横になったと同時に電子生徒手帳が鳴った。

    なんだ…?

    手帳を確認すると、メールが一件。



    五十鈴「こんな時間に誰だ?」



    _____________


    From:エルフェルド フローレライ

    送信先:五十鈴 和真
    ……………………………


    やっほ~
    起きてる?

    まだ起きているのなら、40秒以内にボクの部屋集合~♪

    ついでに、倉庫からお茶菓子とジュースもお願い♥️


    送信日:X月X日22:03

    _____________




    五十鈴「…………」


    五十鈴「…無視するか」




    ピロリンッ!



    五十鈴「…………」




    _____________


    From:エルフェルド フローレライ

    送信先:五十鈴 和真
    ……………………………


    無視しても無駄だよ?

    来なかったら、1分おきにボクとユキちゃんからの呪いのメールを送り続けるからね♥️


    送信日:X月X日22:04

    _____________



    五十鈴「ああ!分かった!行けばいいんだろ!」




    ベッドから身体を起こして、部屋を後にする。

    エルに言われた通り、倉庫から菓子と飲み物も持参して…。




  26. 26 : : 2018/02/19(月) 12:34:18




    ― エルの部屋 ―



    エル「遅い!」


    五十鈴「これでも早く来た方だぞ…」


    エル「男の子が女々しい事を言わないの」


    五十鈴「理不尽…」


    エル「何か言ったかしら?」


    五十鈴「いいえ、言ってません…」


    エル「なら良し」




    もう…エルにパシられるのは馴れたな…。

    菓子と飲み物をテーブルに置く。




    ユキ「…ッ…ッ」ナデナデ


    五十鈴「エルと違ってユキは優しいな…」


    エル「まるでボクが優しくないみたいに聞こえるのだけど~?」


    五十鈴「事実だ」


    五十鈴「で、用事はなんだ?」


    エル「用事?そんなの無いわよ?」


    五十鈴「え?じゃあなんで呼んだんだよ?」


    エル「なんでって、ユキの勉強会に決まってるじゃん?何を今更…」


    五十鈴「今更って…」


    エル「色々あって、うやむやになってたけど、一度もやめるなんて言ってないわ」


    五十鈴「それはそうだが、ユキは今、怪我してるじゃねーか?」


    エル「怪我っていっても、まだ左手が動かせるじゃない?左手での書き方も覚えさせないと」


    五十鈴「わざわざ両利きにしなくていいだろ?」


    五十鈴「それにお前、いつも右手で書いてるじゃねーか」


    エル「ボクは両利きだけど?ボクができるのだからユキだってできるわよ」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク


    エル「ほら?ユキだってやる気じゃない」


    五十鈴「俺が間違ってるのか…?」


    エル「だから雑用の貴方を呼ばないと、始めるものも始められないわ」


    五十鈴「結局、俺は雑用なのは代わりないのか!?」


    エル「始めるから、テーブルにお茶菓子を並べてちょうだい」


    五十鈴「理不尽だ…」


    ユキ「…ッ」ナデナデ


    五十鈴「…ユキだけは優しいな」




    下僕のようにエルに扱き使われながらユキの勉強会は夜遅くまで続いた。






  27. 27 : : 2018/02/19(月) 12:54:27




    _____________





    ― モノクマ劇場 ―


    モノクマ「うぷぷぷ…」


    モノクマ「なんだかんだで二次創作である、この○○○達のコロシアイ学園生活って、かなり続いてるね」


    モノクマ「だいたい、この手の二次創作って、途中で放り投げられて、いつしか読者からも忘れ去られてちゃうのがオチなんだけね…」


    モノクマ「ほんと…、この二次創作も放り投げられて、忘れ去られてしまうかも!なんてね~♪」


    モノクマ「うぷぷぷ…」











    _____________




  28. 28 : : 2018/02/21(水) 11:46:26













    ………





    ……………




    九十九『本当に■■さんは、教えるのが上手ですね』


    五十鈴『正直、小学校の先生より分かりやすい』


    ■■『誉めても何もでないわよ。それに、こんなの簡単過ぎよ』


    □□『でも■■お姉ちゃんは凄い!□□の知らないこといっぱい知ってるもん!』


    ■■『ああ~だから誉めても何もでないって~』


    九十九『■■さんは□□さんには甘いですね』


    ■■『だって、こんなに可愛い妹からこんな事言われたらだって嫌な気分なんかにならないって。』


    ■■『あ、もちろん!歩も、私の大切な妹よ!』


    五十鈴『おいおい、おれは弟じゃないのか?』


    ■■『一真はね~』


    ■■『秘密♪』


    五十鈴『なんだよそ』


    ■■『ふふっ///…』


    □□『■■お姉ちゃん顔が赤いよ?大丈夫?』


    ■■『そうだね~、なんでかなー?一真が鈍感なせいかな?』


    五十鈴『何で俺のせい?それに鈍感って酷くないか』


    ■■『事実だし///』






    また昔の夢か…?

    なんだか懐かしいやり取りだな…。

    でも、あの二人の少女は誰だっけ…?











    ……………





    ……













  29. 29 : : 2018/02/21(水) 11:49:31




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪


    モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』





    五十鈴「…朝か……」


    五十鈴「まだ眠いな…」




    …………。


    それにしてもあの夢はなんなんだろ?

    …覚えがない…。

    やっぱり、九十九の時と一緒で…




    五十鈴「俺は…、まだ大切な何を忘れているのか?」



    身支度を済ませ、食堂に向かった。




  30. 30 : : 2018/02/21(水) 19:05:16




    ― 食堂前 ―





    五十鈴「あれ?ユキ…?」


    ユキ「ッ!」


    五十鈴「それに、箱田に鳳、何やってんだ?」




    食堂へ向かうと、入り口前にユキに箱田、鳳が入りにくそうにたむろしていた。




    鳳「あっ、五十鈴さん…」


    五十鈴「どうしたんだ?何で食堂にはいらないんだ?」


    鳳「あの…その……ですね…」




    何やら様子がおかしい…。

    食堂で今何があるのだ?



    箱田「…アイツが来てんだよ」


    五十鈴「アイツ?」


    箱田「矢吹が食堂にいんだよ」


    五十鈴「は?」




    俺以外、会おうともしなかった矢吹が突然、皆の前に姿を表したという。




    鳳「今、エルさんと如月さんが中に…」


    五十鈴「なに?」


    箱田「危険だから、ここに居ろだってよ」


    五十鈴「そうか…」


    箱田「ったく…突然何しに来やがったんだ…?」


    鳳「せっかくの朝が台無しです」


    箱田「おい…鳳……いくらアイツがクソ野郎だからって言い方酷くねーか?」


    鳳「事実ですッ!」



    何で急に?

    また何か企んでるのか?




    五十鈴「ちょっと様子を見てくる」


    鳳「でも、如月さんが近寄るなっていってましたよ」


    五十鈴「ユキをちょっと頼むぞ」


    鳳「あっ、ちょっと……」


    箱田「大丈夫か…?アイツ……」


    ユキ「…………」






  31. 31 : : 2018/02/22(木) 08:25:36




    ― 食堂 ―




    エル「…………」


    如月「…………」


    矢吹「なに~?じっと見つめられたら食べづらいんだけどー?」




    食堂のテーブルにエルと如月、向かいに矢吹が座っていた。

    如月のテーブル周囲には、ピザやハンバーガー、フライドチキンといったジャンクフードの山のように積まれていた。




    矢吹「それにしても…、この学園のご飯って美味しいね~♪」


    如月「…………」


    矢吹「死んだ近藤くんが絶賛してたのも分かるよ~」


    エル「…………」


    テーブルに食べカスを散らかしながら、フライドチキンをかぶり付き、ハンバーガーをほうばり、味の感想を言う。




    如月「汚ねぇ食い方してんじゃね。テーブルが汚れる」


    矢吹「えー、だって何も作ってくれないから仕方ないよね?」


    矢吹「テーブルが汚れるのが嫌だったらさぁ~、如月くん何か作ってよ?」


    如月「断る」


    矢吹「ケチだね」


    如月「お前に食わせる飯はねぇ」


    エル「そんな事より、矢吹クン…」


    矢吹「ん?何…ん?あっ五十鈴くんじゃないか!」


    五十鈴「矢吹…」


    如月「五十鈴、ちょっと外で待っててくれ」


    五十鈴「いや、俺も同席させてくれ」


    エル「まぁ…五十鈴クンの好きにしたら」


    五十鈴「そうさせてもらう」


    矢吹「なんだいなんだい?五十鈴くんも怖い顔だねー」


    五十鈴「何してんだ?」


    矢吹「何って、お腹が空いたから朝食食べてるんだよ」


    如月「嘘つけ、俺達の前からずっと姿を消してたテメェーが突然現れて、怪しくないとおもってんのか?」


    矢吹「俺だって生きてんだし、腹減ったら飯を食いに食堂にだってよるよ?」


    エル「事実を言いなさい、今度は何をたくらんでるの?」


    矢吹「企み~?んー?ああ、そうだったそうだった…」


    矢吹「朝食ついでに、お知らせしたくて現れたんだった~」


    如月「周りくどい言い方はすんじゃねーぞ?」


    矢吹「分かった、じゃあ…お知らせでーす」




    椅子から立ち上がり、矢吹は俺達を見下ろした。








    矢吹「次の~多分明日くらいに、モノクマが動機を用意すると思うんだよね~」





    矢吹「だから、次の動機が発表されしだい君達を殺すから~はい以上~」






  32. 32 : : 2018/02/22(木) 10:36:06



    殺害宣言…。

    矢吹ははっきりと俺達の前で平然と言ってのけた。




    エル「ボク達が貴方の思惑通りさせると思う?」


    矢吹「君達がどうこうしようと、俺は本気だよ?」


    如月「そんな、くだらねぇ事を言う為に来たのか?」


    矢吹「如月くん、まさかとは思うけど…、本気に聞こえなかったとか思ってんるのかな?」


    矢吹「前の学級裁判の時に言った事は本当だし、俺はここにいる君達を殺す。」





    矢吹「一人を除いてね…」





  33. 33 : : 2018/02/22(木) 18:17:17




    五十鈴「一人を除いて?」


    エル「どういう意味?」


    矢吹「そのままの意味だけど?」


    如月「フンッ…、くだらねぇ…。どうせその一人ってのはテメェーの事だろ?」


    矢吹「さぁ~どうかな~?君にそこまでは教える義理ないし」


    矢吹「言いたい事はそれだけだから、せいぜい余生を楽しんでてね♪」




    矢吹は食堂から立ち去ろうとした。




    五十鈴「待て」


    矢吹「ん?なんだい?五十鈴くん」



    俺は矢吹を引き留める。

    矢吹にどうしても聞きたい事があった。

    だから呼び止めた…。

    矢吹は何故?


    なんで…そんなに……。



    五十鈴「お前は…、なんで俺達をそんなに殺したいんだ?」


    矢吹「なに?殺したい理由?」


    五十鈴「なんでお前はそんなんになっちまったんだ?」


    矢吹「…………」


    五十鈴「答えてくれ、矢吹…」


    矢吹「…………」


    矢吹「え?だって、そうした方が良いからに決まってるじゃん?」


  34. 34 : : 2018/02/22(木) 18:34:06


    五十鈴「………矢吹…」


    矢吹「五十鈴くん…君は死ぬべき人間、分かる?」


    矢吹「如月くんもエルさんも…皆死ぬべきなんだ」


    五十鈴「…………」


    矢吹「この世界には生きる意味のある人間、死ぬべき人間がいて、君達はその後者」


    エル「そう…それが貴方の見解ね。私達が死ぬべき人間に見えるんだ」


    矢吹「ああそうさ」


    矢吹「もう終わってるんだよ、生きる資格を無くしてるんだよ」


    如月「うざけるな!テメェーの価値観で全てきめてんじゃねー!」



    如月が椅子から立ち上がった。

    今にでも矢吹に食いかかりそうな勢いで矢吹を睨んでいた。




    矢吹「俺の価値観じゃないよ、この世界の価値観だよ」


    如月「どっちもクソ食らえだ!テメェーの勝手な価値観で仲間が…アイツが死んだってのか!?」


    矢吹「アイツ…?そのアイツは、もしかして鴉間くんのこと?」


    矢吹「その話は前に終わったじゃん、俺は鴉間くんを殺したくて殺した。それ以上でもそれ以下もない、純粋な気持ち」


    矢吹「君だってあんな殺人鬼、死んで良かったって思ってるでしょ?」


    如月「……ああ…、そうだ。確かに、アイツは死んで当然な事をしてきた。けど…」





    如月「死ぬ前に罪を償わせる事はできた!できたんだ!!」


    矢吹「もしかして…、鴉間くんの事まだ引きずってたの?」


    如月「お前がアイツを殺したせいで…」





    如月「俺はアイツを更正させてやれなかった!!」





    如月「アイツを謝らせる事もできなくなった!!」





    如月「アイツを許してやる事ができなくなった!!」




    如月「アイツの罪を背負ってやる事もできなくなった!!」




  35. 35 : : 2018/02/22(木) 21:55:01




    如月の本音…。

    その心からの叫びは食堂に響き渡った。

    前に、如月から鴉間の過去や関係を聞いた事がある。

    死んで当然と、如月ははっきりと答えた。

    だが、それ以上に如月は鴉間の事を思って、鴉間を親友と思って、その叫びに込めていた。



    如月「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!」


    矢吹「吐き出せて満足した?」


    如月「ッ!テメェ…」


    エル「それまで、そこまでにしなさい如月クン」


    エル「落ち着いて」


    如月「…………」


    如月「すまねぇ……少々取り乱した」


    矢吹「話が脱線したちゃってたね。で、何の話だっけ?」


    矢吹「ああ!そうだった!死ぬべき人間と生きるべき人間についてだったね」


    エル「なんで私達が死ぬべき人間なのかしら?」


    矢吹「俺には分かるだよ、生きるべきか死ぬべきか…。その人間が、どっちに行けば幸せで…どっちに行けば希望になれるかをね」


    五十鈴「人の命をなんだと思ってる……」


    矢吹「もちろん素晴らしいものだと思ってるよ」


    五十鈴「ッ!矢吹…」


    エル「落ち着いて」


    五十鈴「…ッ……悪い…」


    矢吹「だって命ってのはどんなに生きても絶対に死ぬ時が来るのに精一杯生きようする…」


    矢吹「生きる事は何回もできて、けど…死ぬ事は一度っきり」


    矢吹「命ってものは、そんな意味があって意味がない…、最高で最低で綺麗で汚らわしくて…、まさに世界そのものを…この世の神秘を表してる…ッ…ああ!」





    矢吹「俺はそんな命が…、生と死そのものを愛しているッ!」



  36. 36 : : 2018/02/22(木) 22:41:32



    エル「それで…なに?私達を殺す理由になっていない気がするのだけれど…?」


    矢吹「愛しているからこそ!その命を幸せにしたい!」


    矢吹「愛しているからこそ!命を希望にしたい!」


    矢吹「愛しているからこそ!この手で命をッ…、弄びたい!!」


    矢吹「世界が俺達(いのち)で遊んでいるのなら、俺も混ざって遊びたいじゃん!」


    矢吹「世界が70億という命の駒(おもちゃ)を使って、生と死(ゲーム)を楽しんでいるなら俺も参加したい!プレイヤーになりたい!」



    矢吹のドス黒い…、

    どこまで行っても黒く底のない瞳が…、

    矢吹霊士郎という人間そのものを表すかのように、俺達を見下ろしていた。




  37. 37 : : 2018/02/23(金) 11:29:43




    エル「ハァ…貴方、呆れるわね…」


    矢吹「分かって貰わなくても結構だよ」


    エル「まるで、自分が神様になったかのように……馬鹿じゃないの?」


    矢吹「俺は、ただ…皆を幸せにしたいだけなんだ。その幸せが…希望が、たまたま君達の死ってだけ」


    矢吹「そうだなぁ…じゃあ最後に、ちょっとした問題を出してあげる」


    エル「問題?」


    矢吹「君の目の前に、全身焼かれた白い子猫が居ます。その子猫を病院に連れて行ってもまず助からない…」





    矢吹「そんな状態の子猫を、君ならどうする?」


    エル「…………」


    エル「そんなの病院に連れていくわよ、助からないかも知れないけど助けるわ」


    矢吹「…それが答え?」


    エル「ええ…」





    矢吹「……残念、不正解だ」


  38. 38 : : 2018/02/23(金) 13:18:21


    エル「不正解?何故?」


    矢吹「答えはその場で殺す…だよ」


    エル「意味が分からないわ」


    矢吹「君の答えも正直、意味不明だ。そんな無責任な答え…、悪魔かい?君は…?」


    エル「じゃあ貴方は殺すのね…、そっちの方が無責任極まりないわ」


    矢吹「無責任なんかじゃないよ?苦しまないように楽に…してあげたんだ。もうそうなった時点で、子猫は死ぬことで救われるんだ」






    矢吹「死にかけの……、苦しんでる白い子猫は…、楽に殺してやれ」





    エル「…………」





    矢吹「とある少年の導き出した正しい答えだよ」







    最後にそう言い残し、矢吹は食堂と後にすた。

    誰も矢吹を呼び止める者は居なかった。




    五十鈴「…………」


    如月「…………」


    エル「…………」




    ただ、思い空気と静寂を残して…。






  39. 39 : : 2018/02/23(金) 19:12:41



    ― 五十鈴の部屋 ―




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪

    モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより夜時間になります。間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す。ではでは、いい夢を。おやすみなさい』



    …………。

    夜時間…。

    今朝の矢吹の言動が頭から離れない。

    俺は…、アイツを止められるのか?

    この先、きちんと向き合えるか?




    五十鈴「俺は…どうしたら……」



    それに…、矢吹は明日、モノクマが動機を発表するとも言っていた。

    前に矢吹は自身を首謀者と言った。

    だからモノクマが動機を発表すると前もって俺達に伝えた…。

    だが、矢吹は本当にコロシアイの首謀者なのか?


    もし、そうだったら…、




    五十鈴「俺は…、アイツを許せるのか…?」




    ピロリンッ!




    五十鈴「……エルか?」




    電子生徒手帳を取り出しメールを確認する。

    メールの差出人はユキだった。




    五十鈴「ユキからメール?」



    _____________


    From:ナツムラ ユキ

    送信先:いすゞ かずま
    ……………………………

    わたしのへや おねえちゃんと まってる


    送信日:X月X日22:07

    _____________




    五十鈴「ずの変換が間違ってるぞ…」


    五十鈴「分かった、今日もだろ…」




    部屋を出て、ユキの部屋に行く前に、菓子と飲み物を持参してから向かった。






  40. 40 : : 2018/02/25(日) 11:12:58




    ― ユキの部屋 ―




    エル「なんだかボクの時より早かった気がする…」


    五十鈴「それは気のせいだ」


    ユキ「…ッ」


    五十鈴「今日もやるんだろ?勉強会…」


    エル「ええ、それでは始めましょ」


    ユキ「ッ!」コクリ




    こうして今日もユキの勉強会を始めた。





    五十鈴「こうやって見ると、ユキって物覚え早いよな」


    ユキ「~///」


    エル「そりゃ~天才のボクが教えているのだから当然よ」


    五十鈴「ああ、エルの教えて方も聞いてて上手だ。先生に向いてるかもな」


    エル「ッ///…、もう~誉めても何もでないわよ~」


    ユキ「ッ…ッ…」



    ユキがまだ若干の不器用さを残した左手でペンを走らせ、文字を書いた。


    『むかし みたいだ ね』



    五十鈴「ん?昔…?」


    ユキ「ッ!ッ!」コクリ


    五十鈴「…ユキ、それって?どういう…」


    ユキ「ッ?」キョトン



    _____________


    □□『和真お兄ちゃん!』

    _____________




    五十鈴「ッ!!」



    突然、頭の中にフラッシュバックが起きた。



  41. 41 : : 2018/02/26(月) 16:00:18

    と、同時に頭を針で刺されたかのような痛みが走る。




    五十鈴「ぐッ!痛ッ…!」


    ユキ「ッ!?」


    エル「五十鈴クン!?」


    五十鈴「痛ッ……」


    エル「ちょっと大丈夫!?」


    五十鈴「わ、悪い…、急に頭痛が……大丈夫だ…」


    エル「大丈夫に見えないけど?」




    印象に残るような頭痛と先ほどの鮮明で一瞬の記憶が脳内から離れない。

    なんだ…?

    やはり、まだ何かを忘れている。

    九十九の時と一緒で、大切な記憶の何かを…。




    エル「今日はここまでにしましょう」


    ユキ「…ッ!」


    エル「五十鈴クンはもう部屋にもどって寝なさい。後片付けはボクがしとくから」


    五十鈴「悪いエル…」


    エル「お互い様」




    エルの言葉に甘え、俺は部屋に戻った。








  42. 42 : : 2018/02/26(月) 16:07:03



    _____________





    ― モノクマ劇場 ―




    モノクマ「オマエラは重大な選択をしたことあるかな?」


    モノクマ「進路の選択とか就職の選択とか……人殺しの選択…とか!」


    モノクマ「いろんな選択があるけど、適当に決めない方が身のため~という、その選択で人生が180度変わるかも知れないからね♪」


    モノクマ「ボク?ボクは…生きているこの瞬間も選択しっぱないだよ~」


    モノクマ「この二次創作だって、話の路線を慎重に選択して次に進んでいるんだし~」


    モノクマ「その選択の結果で次の話の内容も変わるんだから」


    モノクマ「うぷぷぷ…」




    _____________



  43. 43 : : 2018/02/26(月) 19:28:35












    ………





    ……………






    五十鈴『もう行かないと…』




    また夢の続き…。



    五十鈴『その…元気でな……』


    □□『ッ…ッグス…』ポロポロ




    夢の中で少女が俺と九十九に行かせないように手を掴んで来た。

    少女は涙いっぱいの瞳をうるわせていた…。




    九十九『泣かないって約束したじゃないですか?』


    □□『でも…ッ…やっぱり、寂しい…よ…っひ…く……行かないで……』ポロポロ


    五十鈴『□□…』


    九十九『□□、貴方にこれを差し上げます』



    派手で綺麗な花柄の羽織…。

    九十九が何時も身に付けていた赤い和装の羽織を震える少女の肩に優しくかける。




    □□『…これ……歩お姉ちゃんの…?』ポロポロ








    九十九『お守り代わりです…大事にしててくださいね?』





    □□『お姉ちゃん…』


    九十九『お姉ちゃんとの約束ですよ』


    九十九『いつか、何処かで会いましょう』


    □□『…ッ…うん!』


    九十九『妹の事、任せましたよ■■さん』


    ■■『任せなさい、私が□□を守ってみせるから』


    九十九『ほんと…、■■さんになら安心できます』


    □□『私…ッ、私!ずっと待ってるね!』


    □□『また、歩お姉ちゃんと一真お兄ちゃんと会えるように!いい子に待ってるから!』


    九十九『…ええ…、必ず会いに来ます!』





    九十九『また会いましょう……』

























    九十九『雪希(ユキ)』


















    ……………





    ……


















  44. 44 : : 2018/02/28(水) 16:00:54




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪


    モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』




    五十鈴「…ッ!?」




    五十鈴「今の夢…ッ」




    はっきりと聞き取れた。

    今までずっと夢の中で聞き取れなかった少女の名前…。

    夢の中で九十九が、あの少女の名前を言った…。



    ユキって……。




    五十鈴「偶然……いや、偶然なのか?」




    偶然なんかじゃない。

    夢の中で、九十九が少女に渡したあの羽織…。

    赤い…、派手で綺麗な花柄の羽織。

    あれはユキがいつも身に付けてる羽織だ。


    それに、前に……、




    _____________




    如月「それじゃあ…この学園に来る前に俺達の中に知り合い…あるいは友達はいるのか?」


    ユキ「…」コクリ


    如月「それは誰なんだ?」


    ユキは指を指す指したのは…


    俺とエルだった…




    五十鈴「え!俺!?」


    エル「私も指しているわね」




    _____________




    ユキは俺とエルの事を前から知っていると答えた。

    やはり、夢の中のあの少女は…、




    五十鈴「ユキ……なのか…?」




    俺達はずっと前から…会っていんだ。

    忘れていた。

    ずっと忘れていた…。

    だけど…、そもそも…何で忘れたいるんだ?



    それに…、


    まだ、もう一人の少女の存在が思い出せない。


    あの少女は一体……。



    五十鈴「俺はまだ…、思い出だせてねーってのか……?」



    気持ちの整理がつかないまま、身支度を済ませて食堂へ向かう。





  45. 45 : : 2018/02/28(水) 16:48:09





    ― 廊下 ―



    食堂へ向かおうと扉を開けた時だった。




    ドンッ!



    ?「ッ!?」




    前にどこかであったようなシチュエーション…。

    その人物は、床に尻餅をついて涙目になっていた。




    五十鈴「ユ、ユキ!?」




    ユキ「…ッ!」


    五十鈴「わ、悪い!また…」


    ユキ「ッ…ッ!」




    俺は左手を差し伸べ、ユキを引っ張りあげる。




    五十鈴「その……大丈夫か…?」


    ユキ「ッ…ッ…」コクコク


    五十鈴「そ、そうか……」




    気まずい…。

    夢の事がちらついてしまって…。




    ユキ「…?」キョトン


    五十鈴「あ、え…その……」





    エル「二人で何してるのかな~?」





    五十鈴「エル?」


    エル「ボクに内緒で可愛いユキちゃんとイチャイチャしてるのかな?」


    五十鈴「あ、いや…そうじゃなくて」


    エル「じゃあ何してたのかしら?」


    五十鈴「それは……」



    夢の事で気まずいなんて言えるわけないだろ…。

    てか、あくまで俺を夢なんだからユキは関係無いのに…。




    エル「まぁ、五十鈴クンなんてほっておいて行きましょユキちゃん♪」


    ユキ「…ッ…ッ」コクコク


    五十鈴「ま、待てって」





  46. 46 : : 2018/03/01(木) 11:18:00




    ― 食堂 ―




    鳳「おはようございます」


    箱田「よう…おはよう」


    ユキ「ッ!ッ!」


    エル「おはようさん」


    五十鈴「おはよう」


    如月「来たか」


    五十鈴「おう、おはよう如月」


    エル「もうお腹減っちゃった~。朝御飯はまだかしら?」


    鳳「私もお腹ペコペコです」


    如月「安心しろ、すでに用意済みだ」


    エル「気が利くねぇ~」


    如月「何だかんだで、日課みたいなもんだからな」


    五十鈴「もう軍人じゃなくて、すっかり料理人だな…」


    如月「確かにな、俺もそんな気がしてきた」




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪



    モノクマ『うぷぷぷ…』


    モノクマ『朝食前で申し訳ないけど…、オマエラ!至急、体育館に集合してください~♪』




    箱田「ハァ…なんか急に食欲無くなった…」


    エル「KYってこの事を言うのね」


    如月「せっかくの朝食が台無しだが、ここは奴に従うしか…ないか」




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪



    モノクマ『なにさぁ~!ボクは大事な用があるから呼び足したんだよー!!』ムッキー


    如月「だったら朝食取ってからで良いだろ!てか、会話聞こえてんか!?」


    モノクマ『ギクッ!盗み聞きがバレた…って、そんな事どうでもいいんだよ!』


    モノクマ『ボクが集合って言ったら集合なの!?ボクがルールなの!?』


    箱田「この自己中野郎…」


    鳳「だから嫌われるのです」


    モノクマ『ガーン!…とにかく体育館に集合……トホホ~』





  47. 47 : : 2018/03/01(木) 13:23:43




    ― 体育館 ―



    モノクマ「なにさ!なにさぁ~!」


    モノクマ「皆してボクを嫌うなんて…」ショボーン


    モノクマ「ボクが何したって言うんだよー!?」ムッカー!





    エル「そんなのいいから、さっさとボク達を呼び出した訳を言いなさい」


    ユキ「…ッ!」


    箱田「どうせ…くだらねー事だろうが、くだらねー事言ったらぶっ飛ばすぞ」


    モノクマ「ああ!上等だ!やってみれば?やれるものならやってみれば~?」


    箱田「ッ…ッ~、ああー!ムカつく!!今すぐぶん殴りてぇ…」


    鳳「我慢してください。私も同じ気持ちです」


    鳳「今すぐ、ぐちゃぐちゃに刻んで、ぐちゃぐちゃに潰して、焼いて似てを何度も繰り返して…、そして…」


    箱田「いや…、あたしはそこまでは…」


    鳳「えっ?そうなのですか?」


    箱田「お前…、なんか腹黒なってないか?」


    鳳「気のせいです」


    モノクマ「ヒィ~!鳳さんって…こんなキャラだったっけ?」ガクガク


    モノクマ「もう~何なのさぁ!ボクを虐めてそんなに楽しいのか~!?」


    五十鈴「虐めてねーよ」


    如月「さっさと要件を言え」


    モノクマ「要件?ああ!そうだった~」





    モノクマ「まぁ~昨日、矢吹クンが言ってた通り、コロシアイに関する動機を発表しまーす」




  48. 48 : : 2018/03/01(木) 21:37:57




    五十鈴「動機…、また俺達に何かさせる気か?」


    モノクマ「そうだよー?何を今さら~」


    エル「そういえば、矢吹クンが居ないわね。今日も欠席かしら?」


    モノクマ「矢吹クンは今日も欠席です…。ボクといい矢吹クンといい……この学園では虐めが横行してるのかな?教育指導が必要だよ~」


    モノクマ「まっ、そんなオマエラでも、心優しい学園長であるボクは、今回の動機はちょっと趣向を変えて…」





    モノクマ「出血大サービスな動機を発表しまーす」





    五十鈴「出血大サービスな動機?」


    エル「趣向を変えるってどういう事?」


    モノクマ「オマエラは、このコロシアイ学園生活をとおして、様々な体験と出会いと別れを繰り返して来たと思うんだけど…」


    モノクマ「その中でクラスメイトと苦楽を共にして、仲の良くなった子の一人や二人いるんじゃないかなー?」


    如月「……何が言いたい?」


    モノクマ「今回の動機は、コロシアイを勝ち抜いたクロに卒業特典として…」





    モノクマ「今生き残っている生徒の内、好きな相手一人と一緒に卒業させてあげまーす!」




  49. 49 : : 2018/03/02(金) 12:47:16




    モノクマ「うぷぷぷ……ん?」



    静寂…。

    その場に居た全員が沈黙した。

    俺も皆も、もう驚きはしなかった。




    モノクマ「あれれ?どうした?こんな素晴らしい動機、今まで無かったんだよ~」


    モノクマ「嬉しくないの?だってコロシアイを勝ち抜けば好きな人と一緒に出られるんだよ~?」


    モノクマ「こんなワクワクのドキドキみたいな…」





    五十鈴「ぐだらねぇ…」


  50. 50 : : 2018/03/03(土) 05:20:32


    モノクマ「へ?」


    五十鈴「そんな動機で、俺達がコロシアイをするとでもおもったのか?」


    五十鈴「もう…、そんな事くらいで俺は…皆は、コロシアイなんてしない。好きな人を選んで卒業…?」


    五十鈴「もうそんな事しなくても、俺達は生き残っている皆…全員でここを出るんだ!」


    モノクマ「…………」


    五十鈴「もう、お前の思い通りになると思うな!」


    如月「五十鈴の言う通りだ。ここに居る全員でテメェーを引きずり出してやる」


    如月「死んでいったアイツ等の為にも、テメェーを裁いてやる」


    モノクマ「…………」


    ユキ「ッ!ッ!」


    モノクマ「…………」


    鳳「私もそんな事で動揺しません」


    モノクマ「…………」


    箱田「蹴落として生き残っても胸糞悪さが残るだけだ」

    箱田「あたしは、綺麗さっぱりここから出たいから却下だ」


    箱田「この糞狸野郎」


    モノクマ「…………」


    モノクマ「…………」


    五十鈴「これが俺達の答えだ、モノクマ」


    モノクマ「…………」


  51. 51 : : 2018/03/03(土) 05:21:23


    モノクマ「…………」


    モノクマ「ふん~、あっそう…。そうっすか?」


    モノクマ「まぁ~強制じゃないから、オマエラの好きにしたらいいんじゃない」


    モノクマ「うぷぷぷ…、せっかくのサービス動機なのに、勿体無い勿体無い…」


    モノクマ「一応、期限は今日から一週間って事で」


    モノクマ「せいぜい頑張る事だね♪うぷぷぷ…」






    モノクマ「果たしてどうなるかな~♪」





    モノクマ「うぷぷぷ…うぷぷぷぷぷっぷ~」




    そう言い残し、モノクマは去って行った。



  52. 52 : : 2018/03/04(日) 06:42:43
    ― 五十鈴の部屋 ―




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪

    モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより夜時間になります。間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す。ではでは、いい夢を。おやすみなさい』




    夜時間か…。

    モノクマからの動機…。

    好きな人を一人と一緒に卒業できると、モノクマは言った。

    俺達は臆する事もなければ、動揺もしない。

    もう、皆で生き残るという目標の為…。


    少し不安な気持ちも無いと言えば嘘になる。



    矢吹だ…。


    今のところ、アイツが一番危険だ。

    何をしでかすか分からない。

    だけど、俺はアイツの思い通りにはさせない。

    必ず…必ずだ。



    ピンポーン♪




    五十鈴「エルとユキか…?」




    扉を開ける。




    如月「おう、まだ起きてたか」


    五十鈴「如月…?どうしたんだ?」


    如月「俺だけじゃねーよ」


    鳳「こんばんは」


    箱田「お邪魔するぜ」


    五十鈴「えっ?」


    ユキ「ッ!」


    エル「誘っちゃった♪」


    五十鈴「誘っちゃったって…、もしかして今日の勉強会は俺の部屋でするのか!?」


    エル「嫌だった?」


    五十鈴「いや…、嫌じゃないが……」


    如月「安心しろ…」


    如月「この通り夜食とデザートは用意済みだ」


    エル「如月気が利くねぇ~。こんな料理を用意できるなんて…、五十鈴クンと偉い違い~」


    五十鈴「悪かったな!」




    改めて如月と鳳、箱田を交えての勉強会は夜中まで続いた。


  53. 53 : : 2018/03/05(月) 12:08:50






















    ― ??? ―




    矢吹「君から呼び出しといて、遅れて来るなんて余裕だね~」


    矢吹「で?二人っきりで話したい事があるって言うから来たけど、俺に何の用かな?」


    矢吹「あっ、その前に、説得は聞くつもりないから。て、訳で命乞いも無駄だから…え?そうじゃない?」


    矢吹「…………」


    矢吹「ふ~ん…、俺に協力してくれんの?」


    矢吹「別に構わないけど、だからって君を例外にするつもりないから、それでも協力したいの~?」


    矢吹「…………」


    矢吹「ふっ…ハハハハハ!君、面白いね!それでも俺に協力してくれるって…、君も言い感じに頭のネジいっちゃってるね~」


    矢吹「何か思惑があるかどうか知らないけど~」


    矢吹「特別、君を殺すのは全てが終わった後にしてあげる♪」


    矢吹「この首謀者である俺が約束するよ~」


    矢吹「ああ~……楽しくなって来た…。明日が待ち遠しいよ」








    矢吹「この学園の生と死の結末が完結出来て…」








  54. 54 : : 2018/03/05(月) 12:20:49





    _____________




    ― モノクマ劇場 ―



    モノクマ「気がつけば、もう春先が近くなってきたね~」


    モノクマ「卒業、入学、新学期、色々な事柄の模様替え…なんてね♪」


    モノクマ「この物語も、もう終盤に差し掛かって来たし…」


    モノクマ「この物語の模様替えも、もう目の前だし~♪」


    モノクマ「最高の駄作で最低な傑作であるこの二次創作がどういう結末を迎えるか…ワクワクのドッキドキだね♪」


    モノクマ「へ?最高なのか最低なのかどっちだよって?」


    モノクマ「そんなのは、読者の皆様が決める事~♪」





    _____________






  55. 55 : : 2018/03/08(木) 16:24:15
    風邪引いて更新止まっててすいませんm(._.)m
  56. 57 : : 2018/03/09(金) 14:47:03









    ………





    ……………






    五十鈴『名前がない?』


    □□『…うん……』


    九十九『…え?それは、どうしてですか?』


    □□『そんなの分からない…』


    五十鈴『参ったなぁ……』


    ■■『それだったら、私達で付けちゃおうよ、この子の名前をさぁ』


    □□『…えっ?』


    五十鈴『名前を…か?』


    ■■『名前が無いなんてかわいそうじゃない』


    九十九『確かにそうですね』


    ■■『そういう事で、この子の名前…、何か候補あるかしら?』


    五十鈴『え、いや…、突然…そう言われてもなぁ……』


    五十鈴『何も思いつかない…というか……』





    五十鈴『…ん?』





    九十九『どうかしましたか?』


    五十鈴『ああ…、外見てみろよ』


    ■■『外…?あら…』


    九十九『雪…ですね』


    □□『…………』


    五十鈴『うーん……あっ』








    五十鈴『雪…雪………ユキ…』





    五十鈴『雪…、なんてどうだ?』


    □□『雪?』


    九十九『雪…ですか?』


    ■■『いい名前だけど、雪が降ったからって雪じゃあ普通過ぎない?』


    五十鈴『まぁ…確かに、流石にありきたり過ぎたかな?』


    九十九『良いじゃないですか』


    九十九『素敵ですよ、雪…、うん素敵です』


    ■■『うーんそうねぇ…雪……、じゃあさ』


    ■■『雪の「雪」に希望の「希」で雪希(ユキ)なんてどうかしら?』


    五十鈴『雪希か…。良いなそれ』


    □□『雪希…?』


    五十鈴『お前の名前は雪希だ。よろしくな!』





    □□『…雪希……』





    □□『雪希……///…』















    ……………





    ……
















    ピンポーン♪
       ピンポーン♪
     ピンポーン♪

      ドンッ!
     ドンッ!
       ドンッ!




    チャイムと扉を叩く音が部屋に鳴り響いた。




    五十鈴「な、なんだ!?」



    ベットから飛び出して扉を開ける。





    五十鈴「如月…?」


    如月「ハァ!ハァ!…起きたか五十鈴!」




    何やら慌ただしい様子だった。




    五十鈴「ど、どうしたんだよ!?」


    如月「ユキが…、ユキがいねーんだ!」


    五十鈴「……えっ?」




    一瞬、如月が何を言っているのか理解できなかった。

    ユキがいなくなった…?


    どうして…?

    何故、突然……


    まさか…。


    嫌な予感が俺の頭を支配していく。




    如月「探したが何処にも居ないんだ…。今、鳳と箱田とエルが必死に探してる…」


    五十鈴「とにかく、くまなく探そう!」




    頼む…。

    無事で居てくれ。


    もし…、



    もし、お前までいなくなったら俺は……。






    五十鈴「無事で居てくれ…ユキ!」



  57. 58 : : 2018/03/09(金) 19:58:50


    ― 廊下 ―



    箱田「見つかったか!?」


    鳳「ダメです…、何処にもいません…」


    五十鈴「クソッ!何処にいんだよ!?」


    エル「ユキ…、どこに行ったの…?ユキ…!」


    如月「落ち着け、まだ調べてない場所があるはずた!」


    五十鈴「調べてない場所…?」




    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪


    モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』




    五十鈴「そうか!まだ夜時間だった!」


    鳳「そういえば、食堂を調べていません、うっかりしてました」


    如月「急いで食堂に向かうぞ!」





  58. 59 : : 2018/03/09(金) 20:32:01




    ― 食堂 ―




    俺達は慌ただしく食堂の扉を勢いよく開けた。




    五十鈴「ユキッ!?」



    いつもと変わらない食堂…。

    人気は感じられなかった。

    居ない…。

    だったら、何処なんだ!?




    五十鈴「ここにも居ない……ユキ…!」





    エル「ねぇ?あれは?」




    エルは食堂内の一卓のテーブルの上に開きっぱなしのノートパソコンが一台。




    五十鈴「パソコン?なんでこんな所に…?」


    如月「最後に確認した時には、パソコンなんて無かったぞ」


    箱田「だったら、一体誰が置いたんだ?」





    箱田がいい終わったと同時に、パソコンに電源が付いた。

    ある人物が写し出されていた。


    画面の中の人物は、不吉で悪意に満ちた笑みをしていた…。







    矢吹『やっほー聞こえてる~?』


    五十鈴「矢吹!?」



    顔は不気味なくらい笑っているが、目が笑っていない。

    目には、人にできるのが不思議な程の悪意と憎悪…。

    そして、殺意が画面越しから伝わって来た。




    矢吹『ふっ…!ククッ…、揃いも揃って、必死に探してるね』


    矢吹『これからどうなるかも知らないで、他人の心配が出来るなんて…』


    矢吹『なんて、素晴らしくて…、反吐が出るんだろ…?』


    五十鈴「矢吹…」


    矢吹『ククッ…』


    箱田「おい矢吹ッ!!何処で何してやがる!?」


    箱田「やっぱり、テメェーがユキを拐ったってのか!?」


    矢吹『おお~怖い怖い…』


    如月「いいから答えろ!」


    鳳「ユキさんを返して下さい!」


    五十鈴「ユキは何処だ!?」




    矢吹『大勢でいっぺんに聞いてくるなって…、耳が痛い痛い~』


    エル「…ッ…、早く答えてちょうだい…ッ!」





    矢吹『てか…、』





    矢吹『それが人に教えて貰う時の態度?』


    矢吹『上から目線にも程があるよ…?』





    鳳「ユキさんを拐っておいて、何が上から目線ですか!?」

    鳳「許さないです…、もう貴方は許しません!」


    鳳「早く、ユキさんを出して下さい!」


    矢吹『…………』


    鳳「ッ!!矢吹さん!!?!」





    エル「落ち着いて!鳳さん!!」


    鳳「…ッ!」


    鳳「す、すみません…」


    五十鈴「鳳、大丈夫か?」


    鳳「少々、興奮しました…」





    エル「矢吹クン、もう一度問うわよ」


    エル「ユキは何処?」


    矢吹『何処って、そうだねぇ~』


    矢吹『教えても良いけど、その代わり…、今すぐ"モノクマ格納庫"に来い』


    矢吹『話は以上。ナツムラさんの居所が知りたければ、モノクマ格納庫に来ることだね』




    そう言い残し、パソコンの電源が落ちた。


  59. 60 : : 2018/03/10(土) 12:42:52




    五十鈴「早くモノクマ格納庫に向かおう」


    如月「いや待て、確実に罠だ」


    五十鈴「だからって、このままユキを見過ごせないだろ!?」


    如月「長年の勘だ」


    如月「俺は矢吹を信用していないからこそ分かる、ユキを囮に何か企てる気だ」


    五十鈴「たとえ罠だったとしても、俺は…!俺は、ユキを助けに行く…ッ!」


    鳳「私もユキさんの所に向かいます」


    箱田「このまま指加えて待てるほど大人じゃねーんだ!」


    如月「おい待て!」




    俺は如月の言葉を無視して、モノクマ格納庫へ向かった。




    エル「如月クン、矢吹クンがどんな事を企んでるのか承知でも…、ボクも五十鈴クンと同じ選択をする」


    如月「ッ…!、どうなっても知らねーぞ!」




  60. 61 : : 2018/03/11(日) 23:53:25



    ― モノクマ格納庫 ―




    矢吹の指示通り、モノクマ格納庫へ入った。



    五十鈴「矢吹!何処だ!?」


    鳳「早くユキさんを返して下さい!」




    しかし、矢吹の姿は無かった。




    箱田「チッ!矢吹が居ない…」


    エル「完全に遊ばれているわね…」


    五十鈴「矢吹…ッ!」





    如月「おい!見ろッ!」




    如月が何かを発見した。

    発見したんじゃない、やっと見つけた。

    俺は、慌ててユキの方へ駆け付ける。



    五十鈴「ユキ!」


    ユキ「…………」


    五十鈴「ユキ!おい!起きろ!!」


    ユキ「………ッ……ッ…」




    息はある。

    ぐっすりと眠っていた。




    五十鈴「よ、良かった……良かった……」




    ユキに怪我はなかった。

    ユキの無事が確認できて、胸をおろす。

    安心したら、なんだか力が抜けて来た。


    そして、そのまま眠気が…じわりじわりと……



    あれ……?



    視界がぼやける…。


    頭がボーッとして来た。




    如月「ッ!?しまった!!」



    如月が何かを叫んでいる気がした。




    箱田「な、なんだ…これ……?」


    エル「体が…重い……」


    如月「…クッ……罠だ……」


    鳳「何だか眠い……です……」


    五十鈴「お、おい……みんな……だ……大丈…」











  61. 62 : : 2018/03/11(日) 23:59:52









    ………





    ……………






    五十鈴『名前?』


    九十九『ですか?』


    ■■『そう、なんて言うのかしら?』


    五十鈴『俺は五十鈴和真…。気軽に和真でいい』


    九十九『私は歩…、九十九歩と申します』


    ■■『へぇ~、なんか変な苗字…なんてね♪』


    ■■『しばらくよろしくね、和真、歩』


    ■■『そして、私は…』











    ■■『エル…エルフェルド フローレライよ』





    ■■『気軽にエル…、またはお姉ちゃんでも構わないわ。一応、二人より歳は上だからさ』








    ………………





    ………












  62. 63 : : 2018/03/13(火) 10:02:15






    …………鈴





    ………十鈴





    …五十鈴クン!





    五十鈴クン!!





    五十鈴「…………ん……ん?」


    エル「五十鈴クン…!五十鈴クン…!」


    五十鈴「エ、エル…?」


    エル「よかった…。目が覚めたのね」


    五十鈴「え…?あれ?なんで俺…?」


    エル「ボク達、眠らされていたのよ」


    五十鈴「えっ?眠らされていた…って、なんで?ああ、そうか…。」


    五十鈴「他の皆は?」





    如月「お前が最後だよ五十鈴」


    五十鈴「如月」


    如月「…ったく、お前だけ一向に起きないから、少しビビったぞ」


    鳳「心配させないで下さい」


    五十鈴「わ、悪い…」


    ユキ「ッ!ッ!」


    五十鈴「ユキ」


    ユキ「…ッ?」


    五十鈴「お前は大丈夫だったか?矢吹に何かされてないか?」


    ユキ「ッ…ッ…」フルフル


    五十鈴「そうか、よかった…」




    どうやら皆無事のようだ。




    箱田「それより、さっさと出ようぜ」


    箱田「矢吹の奴がまた何かする前によ」


    エル「それもそうね、誰かが寝坊助のせいで」


    五十鈴「俺のせいか!?」


    エル「ふふっ、冗談よ」









    キ~ン♪コ~ン♪♪カ~ンコ~ン~♪♪♪




  63. 65 : : 2018/03/13(火) 11:50:33

    >>64の内容を一部訂正します。






    聞き覚えのあるモノクマからの余鈴が鳴り響いた。



    モノクマ『うぷぷぷ…』


    モノクマ『なんだか、矢吹クンに振り回されいるようだね~?』


    五十鈴「モノクマ?」



    モノクマ『うぷぷぷ…うぷぷぷッぷ~』


    モノクマ『ほんと、馬鹿な連中…。何にも分かってない…何にも分かってない……』


    モノクマ『うぷぷぷ…ぷぷぷぷぷぷぷぷ……』



    ?『うぷぷぷぷぷッぷ~』




    突如、モノクマの声から別の人物の声へ変わった。




    ?『なんてね♪聴こえてる分けないか~』




    格納庫内に、ある人物の声が響いき渡った。

    聞いた事のある声…。




    五十鈴「矢吹!?」


  64. 66 : : 2018/03/13(火) 12:36:57


    箱田「なんで矢吹がモノクマアナウンスを?」


    如月「決まってるだろ、つまり…やっぱり、矢吹がモノクマを操ってた張本人だった訳だ」





    矢吹『全員揃ってる事だし…』


    矢吹『そろそろ始めちゃって言いかな~?良いよね?もう始めちゃってさぁ~』


    五十鈴「何を始める気だ!?」


    矢吹『フフフ…クッ…フッ!フハハハハハハハハハハハ!!!!』


    鳳「ひっ!気持ち悪いです…」


    箱田「マジでサイコ野郎だな…」


    矢吹『やっとだ!やっと始められるッ!俺は…俺は、この時をずっと!待ち焦がれていた気がする…ッ!!』


    矢吹『やっと、君達をこの手で…、ああ…やっと始められる!!』





    矢吹『君達を殺せr…




    バンッ!



    乾いた一発の発砲音のような音が鳴り渡った。




    矢吹『…へ?』


    矢吹『…なに?突然なに?ねぇ何~?何の音?』


    矢吹『あれ?これ…、もしかして…俺の血?』




    その言葉を最後に放送が途切れた。



  65. 67 : : 2018/03/13(火) 12:50:43



    箱田「な、何だったんだ…?」


    鳳「何か…突然、動揺していたような…?」


    エル「そうね、聞こえた感じだと…、矢吹クンに何か予期しない事が起こったみたいね」


    如月「ああ、エルの言う通りだな」


    如月「それに、あの乾いた音…、間違いない。銃弾だ」


    鳳「じゅ、銃弾!?ですか?何でそんな音が突然なるんですか?」


    矢吹「分からない…、だが、嫌な予感がする」


    エル「だったら矢吹クンを探しましょう」


    エル「少なくとも、矢吹クンに何かあったのは間違いないわ」


    五十鈴「エルの言う通りだ。手分けして矢吹を探すぞ」




    こうして嫌な予感がする中、俺達は矢吹の捜索に出た。




  66. 68 : : 2018/03/13(火) 18:16:42


    ― 廊下 ―



    手分けして矢吹を捜索した。

    学園中を組まなく探したが何処にも矢吹は見当たらない。



    五十鈴「矢吹…、何処にいる…?」


    箱田「見つかったか?」


    五十鈴「ダメだ、ここには居ない」


    箱田「クソ…ッ、矢吹の野郎…、一体何処に隠れんだよ?」


    五十鈴「分からない…、矢吹が隠れそうな所は……」




    考える…。

    そもそも、今までずっと姿を隠していたアイツは、何処にいたんだ?





    鳳「五十鈴さん!箱田さん!」




    慌ただしい様子で鳳がやって来た。




    五十鈴「鳳…?どうした?」


    箱田「矢吹が見つかったのか?」


    鳳「ち、違います…、けど大変です!トラッシュルームが……」


    五十鈴「トラッシュルーム?トラッシュルームで何かあったのか?」


    鳳「とにかくトラッシュルームに来て下さい」




    鳳に言われた通り、箱田と一緒にトラッシュルームへ向かう。





  67. 69 : : 2018/03/14(水) 17:47:10




    ― トラッシュルーム ―




    五十鈴「一体、何があった?」


    鳳「焼却炉の中に…、これです。見て下さい…」




    部屋の奥に設置してある焼却炉の中身を確認する。

    中には、6つの黒焦げになった長方形を塊があった。

    ついさっきまで燃えていたのか、微かに煙りを上げた6つの黒い塊…。

    見覚えがあった。




    箱田「こ、これって電子生徒手帳!?」



    燃えていた物の正体…、それは、いつも身に付けていた、モノクマから配布されていた電子生徒手帳だった。

    反射的に自分の持っていたポケットの中の電子生徒手帳を確認しようとするが、どこにもなかった。




    五十鈴「ない…。まさか…、嘘だろ…!?」


    鳳「恐らく、この電子生徒手帳…、私達のです」


    箱田「な、なんで、燃やされてんだよ…?」


    鳳「私にも、分かりません…」


    鳳「トラッシュルームを確認したら、すでに電子生徒手帳が……」

    箱田「そもそも、いつの間にあたしのポケットから抜き出したんだ?」


  68. 70 : : 2018/03/14(水) 22:49:04




    箱田の言う通りだ。

    肌に離さず持っていた物を、そう簡単に気づかれず盗む事ができるのか?

    だったら、いつだ?いつ俺達のポケットから抜き出した?


    いや、そんな事は、考えなくても察しがついた。




    五十鈴「まさか…、俺達が気絶している時に…」








    ピンポンパンポ~ン~♪








    五十鈴「ッ!?」


    箱田「こ、今度はなんだ…?」


    鳳「この、アナウンス…、もしかして…」



    ああ…、聞き覚えのあるメロディーだった。


    何度、聞いて、絶望を味わってたか…。


    絶望への始まりを告げた。




    モノクマ『死体が発見されました!一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』





    五十鈴「え…?」


    箱田「死体発見アナウンス…?なんで?なんでこんなタイミングで…?」


    鳳「う、嘘…です……また…、また……」


    五十鈴「誰だ……」


  69. 71 : : 2018/03/14(水) 22:59:47


    鳳「五十鈴さん…」


    五十鈴「誰が死んだんだ?」




    如月がやって来た。




    如月「…………」


    五十鈴「如月……」


    五十鈴「誰だ…?誰が…、…死んだ?」


    五十鈴「一体…、誰が…?」


    如月「…五十鈴……」


    五十鈴「答えてくれ如月。まさか…、エルは!?ユキは…!?…無事なのか!?」


    如月「落ち着け…ッ!二人は無事だ。殺されたのは違う奴だ」


    五十鈴「じゃあ…誰が……」


    五十鈴「ッ!」


    箱田「お、おい…、じゃあ…死んだのって」


    如月「ああ…、皆の思っている通りだ」







  70. 72 : : 2018/03/14(水) 23:02:28







    如月「死んでいたのは…」





    如月「矢吹…霊士郎……」





  71. 73 : : 2018/03/14(水) 23:25:03






    ― 学園長室 ―




    俺達は如月に連れられ、学園長室へ向かった。

    そこは白と黒のモノクロの壁紙で覆われた部屋。

    モノクマの連想させる雰囲気以外は至って普通の造りになっていた。


    強いておかしい所があったのは、その部屋の中にある、不自然な扉…。


    前にエルは、その部屋には入れなかったと言っていたが、その扉は、開かれ……



    その先の部屋を表していた。




    五十鈴「ッ!!」




    そこにあるのは大量のモニターと大きなデスク…。


    更に、マイクや何かを操縦するような…、まるで、SFを思わせる操縦機のような機械…。





    その全てに、夥しい程の大量の乾いた血液と…、





    血溜まりの床の上…、中央にある大きなデスクチェアに…座っていた、





    胸部と頭部に穴の空いた一体の亡骸…。








    矢吹「」




    矢吹霊士郎の死体があった。



  72. 74 : : 2018/03/15(木) 09:19:30


    _第5章_
    黒と白の絶望レクイエム 非日常編


  73. 75 : : 2018/03/19(月) 17:23:49



    理解が追い付かない…。


    五十鈴「ッ!?」



    矢吹が…、


    あの矢吹が、



    死んだ…?




    五十鈴「本当に…死んでるのか…?」


    如月「ああ、心臓と脳を撃たれている…。間違いなく死んでいる…」


    エル「あれで死んでなかったらゾンビよ…」


    五十鈴「嘘…だろ…?」



    散々、俺達を苦しめた矢吹が、こうもあっけなく死んだ…。




    モノクマ「およよ~?どうしたのかな、五十鈴クン~」


    五十鈴「モノクマ…?」




    何事もないような態度で俺達の前に現れました。



    如月「モノクマ?」


    五十鈴「どういう事だ…?なんでモノクマが……」




    モノクマが動いているんだ?




    モノクマ「どうした?鳩が豆鉄砲…いや、ガトリング砲を食らったかのような顔して~?」



    箱田「お、おい…、矢吹は死んだんだろ!?」


    箱田「黒幕のアイツが死んだんだったら、モノクマが動く訳ない筈だ!?」


    モノクマ「矢吹が黒幕?何を言っているのか、意味分かんないなぁ~」


    モノクマ「頭、大丈夫~?」


    エル「もしかして、矢吹クンは黒幕でも何でもないという事かしら…?」


    鳳「何ですかそれ…?」


    エル「言葉のままの意味よ」


    鳳「あ、ありえないです!」


    箱田「そ、そうだ!矢吹が黒幕じゃない訳あるか!」


    如月「だが、現に、目の前に現れるモノクマはどう説明する?」


    箱田「そ、それは…」


    モノクマ「うぷぷぷ…。勝手に盛り上がってるところ悪いけど、何か忘れてない~」


    モノクマ「目の前に矢吹クンの死体があるんだから、アレを始めるのをさぁ~」


    五十鈴「まさか……」


    モノクマ「そう!そのまさかだよ~」


    モノクマ「学・級・裁・判…ッ!。」


    五十鈴「ッ!!」


    モノクマ「うぷぷぷ…」


  74. 76 : : 2018/03/19(月) 17:41:25





    モノクマ「じゃじゃじゃのじゃ~ん~♪」




    モノクマはあるものを取り出した。




    モノクマ「捜査するのに欠かせない、ザ・モノクマファイル~」


    モノクマ「このファイルの情報を元にちゃっちゃと捜査始めちゃって下さ~い♪」


    五十鈴「ま、待て!まだ聞きたい事が…ッ!」




    そう言い残すと、モノクマは去っていた。




    五十鈴「…………」


    如月「黙ってても仕方がない。始めるぞ五十鈴」


    五十鈴「本当に…また、始めるのか?」


    エル「じゃないと、ボクが死ぬだけよ」


    鳳「そんな…、また……」


    箱田「マジかよ…」


    五十鈴「くそッ!なんで、いつもこうなるんだ
    …ッ!」




    …無力だ。


    結局、コロシアイはまた始まった…。


    もう…、誰も死なせないと、心に誓ったのに…。


    矢吹が死んで、俺は…、悲しいのか?それとも悔しいのか…?




    五十鈴「…クッ!」




    自然と、拳に痛いくらい強く力が入る。


    行き場のない感情が体の内側から暴れだすような感覚が襲った。




    ユキ「ッ!ッ!」


    五十鈴「……ユキ?」




    握りしめた右拳に、ユキの白い両手で覆われる。

    すると、自然に力が抜けた。



    ユキ「…………」


    五十鈴「ユキ…」


    五十鈴「そうだな…。ありがとう」




    ユキのおかげで少し、冷静さを取り出せた。

    目の前の現実を…、現状を受け止めないと…。


    今は、矢吹の死んだ真相を解き明かさないと…ッ!





  75. 77 : : 2018/03/20(火) 23:29:09




    ― 捜査開始 ―




    まずはモノクマファイルに目を通す事から始めないと。




    『モノクマファイル7』
    被害者は矢吹霊士郎。
    死体発見現場は学園長室。
    死因は脳の破壊による出血死であり、即死の模様。
    胸部と頭部に銃弾を受けた跡があり、胸部頭部共に銃弾は貫通している。




    五十鈴「…………」




    目の前の矢吹の亡骸とファイルの情報を前に、本当に矢吹が死んだ事を痛感する。



    五十鈴「矢吹…。」


    エル「五十鈴クン」


    五十鈴「エル?なんだ?」


    エル「モノクマファイルにはなんて?」



    手に持ってあるモノクマファイルをエルに見せた。




    五十鈴「この情報、どう思う…?」


    エル「そうね…、しいて言えば、今までとは一癖違う…ってところかな」


    五十鈴「…?今までとは…どういう事だ?」


    エル「この部屋…、どう思う?」


    五十鈴「どう思うって…、…ッ!そうか!」




  76. 78 : : 2018/03/22(木) 13:52:26




    _____________




    エル「先に学園長室を調べたんだけど」


    エル「残念ながら、最低なデザイン構造をしていたくらいで、特に無し」


    エル「室内に更に扉があったけど、電子生徒手帳には記載されてないし、モノクマに問いただしたけど、秘密の一点張りで…」


    如月「秘密ってことは、俺達に知られたくない部屋って事か?」


    エル「まっ、そういう事だね。ただ、入れないんじゃ意味ないんだけど…」




    _____________




    五十鈴「この部屋って…」


    エル「ボクとユキで調べた時はフロアマップにも無かったし」


    エル「施錠されてて、中に入る事ができなかったんだ」


    エル「なのに、何で矢吹は、この部屋で死んでいるのかな」


    五十鈴「誰かが、開けたとしか…、やっぱり矢吹自信が……いや、モノクマ…とかか?」


    エル「さぁ…。それは、もう少し調べてみないと分からない…、けど…」


    エル「直接、聞いてみた方が良さそうだね」


  77. 79 : : 2018/03/22(木) 17:01:48




    五十鈴「直接?」


    エル「モノクマ!」


    モノクマ「ん?エルさん、一体、何のようだい?」


    エル「気安くエルさんなんて呼ばないで…って、今はいいとして…」


    モノクマ「今、さらっと聞き捨てならない事を流したよね?」


    エル「気のせいよ。それより、モノクマから一つ質問なんだけど…」


    モノクマ「質問?」


    エル「この部屋を開けたのは貴方かしら?」


    モノクマ「…………」


    モノクマ「あ~なるほど…、ボクのプライベートルームを開けたのがボクだって~?」


    エル「そうよ。で、どうなのかしら?」


    モノクマ「残念だけど、この部屋を開けたのはボクじゃありませーん♪」


    五十鈴「えっ?モノクマじゃないのか!?」


    モノクマ「ああ!もう!まったく!迷惑だよ!本当に迷惑だよ!!」


    モノクマ「ボクの憩いの空間を、こんなに汚して……」


    モノクマ「曰く付き物件になっちゃったじゃないかー!!」ムッカー


    五十鈴「今さらかよ!」


    モノクマ「今さらってなにさぁ~!この部屋だけは、皆に知られないように隠してたのに~」


    五十鈴「隠しきれてねぇぞ…」


  78. 80 : : 2018/03/22(木) 17:06:04


    五十鈴「てか、この部屋って何する場所だ?」


    モノクマ「この部屋は、文字通りボクのプライベートルームで、ここで、学園中の監視や校内放送…そして、ボクの操s…じゃなくて、まっ、そんな部屋だよ」




    今、自分を操作するって言いかけたな。




    エル「次に、質問いいかしら?」


    モノクマ「どうぞ」


    エル「この部屋を開けたのは矢吹クン?それとも別の誰か?」


    モノクマ「…………」


    モノクマ「どうしてエルさんが、そんな事を聞きたいの?」


    エル「…いいから、答えくれる?」


    モノクマ「残念だけど、これに関しては黙秘権を行使します!」


    モノクマ「流石に、クロに不利な証言をしちゃったら、学級裁判がつまらなくなっちゃうし~」


    エル「そう…。分かったわ」


  79. 81 : : 2018/03/22(木) 19:15:07


    エル「じゃあ最後に、この部屋はどうやって開けられるの?」


    モノクマ「この部屋を開けられるのは、ボクしかいないんだけど」


    モノクマ「例外的に、配電室のブレーカーを落とすとか…」


    モノクマ「電子解除キーを使用して扉を解除するとかさ」


    五十鈴「電子解除キー?」


    エル「何かしらそれ?」


    モノクマ「あっ、言ってなかったね」


    モノクマ「電子解除キーとは、電子生徒手帳の機能の一つなんだけど、この解除キーがあれば、学園中のどの部屋にだって入る事ができちゃう代物さ~」


    モノクマ「訳あって…と言うか、そんなチートアイテムを搭載しちゃったら、ゲームバランスが狂っちゃうから、ある特定の場所で手に入るようにしてあるから」


    五十鈴「その特定の場所って何処だ?」


    モノクマ「うぷぷぷ…。残念だけど、それを教える訳にはいかないなぁ~」


    モノクマ「自分で探してこそのアイテムなんだから~。あ、聞きたい事はそれだけ?」


    エル「ええ、もう結構よ」


    五十鈴「待ってくれ、俺も聞きたい事がある」


    モノクマ「残念~。時間切れー!これ以上の質問はクロが不利になるかもだからさぁ~」




    そう言い残して、俺はモノクマに聞きたい事を聞けず、モノクマはそのまま去っていった。



    五十鈴「あっ、くそッ!」


    エル「五十鈴クン、モノクマに聞きたい事って何だったの?」


    五十鈴「ああ、いや…、矢吹が本当に黒幕かどうか聞きたくて」


    エル「あ、そうね。ボクもついうっかり聞き忘れてたわ~、てへっ♪」


    五十鈴「てへっ♪…じゃねーよ」


    エル「もう…のりが悪いのだから」


    エル「でも、けっこう重要な事を聞けただけども上々じゃない」


    五十鈴「ああ、そうだな」




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    被害者は矢吹霊士郎。
    殺害現場は学園長室。
    死因は脳の破壊による出血死。
    即死の模様。
    胸部と頭部に銃弾を受けた跡があり、胸部頭部共に銃弾は貫通している。


    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    矢吹の死体発見となった学園長室の奥にある小さな小部屋。
    室内は学園全てを監視するモニターや、校内放送ができる機材、あらゆるモノクマを操作する事ができる操縦機などが完備されている。


    【コトダマ:開かれた小部屋】
    エルが捜査した際は封鎖されていたが、現在は何故か解放されている。


    【コトダマ:モノクマの証言】
    学園長室の小部屋を解放した覚えがないらしい。
    部屋に入る方法としては、「配電室のブレーカーを落とす」か「電子解除キー」が必要なこと。
    部屋を好き勝手触られその上、殺害現場にされた事に激怒している。


    【コトダマ:電子解除キー】
    モノクマの言っていた封鎖された部屋に入る方法の一つ。
    この解除キーを所持していれば、学園中の部屋を自由に行き来できるという。
    電子生徒手帳の機能の一つとされているが、所持していた電子手帳手帳には、そんな機能は搭載していなかった。


  80. 82 : : 2018/03/24(土) 08:08:26




    次は、矢吹の死体を調べるか…。


    矢吹の亡骸があるモニター付近へ向かう。




    五十鈴「如月」


    如月「五十鈴か…、どうだ?何かクロに繋がるものは見つかったか?」


    五十鈴「ああ、ある程度はな。如月もモノクマファイルに目を通してくれ」




    俺は、如月にモノクマファイルを渡した。



    如月「…んむ、なるほど…」


    五十鈴「何か分かったのか?」


    如月「ああ、だが詳しくはまだ分からないが、モノクマファイルを見て確信した」


    如月「五十鈴、お前、さっきの校内放送を覚えてるよな」


    五十鈴「校内放送?」




    _____________




    モノクマ『うぷぷぷ…』


    モノクマ『なんだか、矢吹クンに振り回されいるようだね~?』


    五十鈴「モノクマ?」



    モノクマ『うぷぷぷ…うぷぷぷッぷ~』


    モノクマ『ほんと、馬鹿な連中…。何にも分かってない…何にも分かってない……』


    モノクマ『うぷぷぷ…ぷぷぷぷぷぷぷぷ……』



    ?『うぷぷぷぷぷッぷ~』




    突如、モノクマの声から別の人物の声へ変わった。




    ?『なんてね♪聴こえてる分けないか~』




    格納庫内に、ある人物の声が響いき渡った。

    聞いた事のある声…。




    五十鈴「矢吹!?」



    _____________





    五十鈴「校内放送って、矢吹が流してあれか?」


    如月「ああ、俺の推測でいうと、あの時の校内放送と、この部屋の惨状が全くと言っていい程一致しない」


    五十鈴「一致しない?」


    如月「この部屋中に飛び散ってる血だ。見てみろ」



  81. 83 : : 2018/03/24(土) 09:06:27



    如月に言われた通り、部屋内を確認する。

    部屋中、矢吹の血液で汚れ、大量の血が壁やモニターを覆い、所々に乾いた血痕が残っていた。



    五十鈴「血が乾いてる…?」


    如月「そうだ。ついさっき血を撒き散らして死んだ人間が、まるで時間が経過したかなような血痕を残す訳がない」


    如月「かなり前に…少なくとも、約1日くらい前に矢吹が死んでるんだ」


    五十鈴「いや、それはあり得ないぞ」


    五十鈴「だって、矢吹はついさっきまで…」


    如月「五十鈴の言い文も分かる。モノクマファイルをもう一度よく見てみろ」




    如月からモノクマファイルを受け取り、内容を再度確認する。




    『モノクマファイル7』
    被害者は矢吹霊士郎。
    死体発見現場は学園長室。
    死因は脳の破壊による出血死であり、即死の模様。
    胸部と頭部に銃弾を受けた跡があり、胸部頭部共に銃弾は貫通している。



    如月「このモノクマファイルには、矢吹の死亡推定時間が記載されていない」


    如月「つまり、矢吹がついさっきくたばったかは不明なんだ」


    五十鈴「じゃあ矢吹は…、一体いつ……」


    如月「どういうからくりがあるか分からねぇが、俺達が目を覚ました時には矢吹がとっくに死んでたのは間違いない」


    五十鈴「もう少し調べないといけないな…」


  82. 84 : : 2018/03/24(土) 11:00:17


    五十鈴「次は矢吹の死体を調べるか…」



    デスクチェアで力なく座っている矢吹の亡骸へ近づき、死体状態を調べた。

    改めて見ると酷い状態だ。

    部屋中が血塗れになるほどの夥しく飛び散ってた血に、胸と頭に、小さな風穴が空いている。




    五十鈴「ん?これは…」



    矢吹が向かい合って、正面にある上下のモニターが特に血で汚れ、画面にヒビが入ったかのように割れていた。




    如月「ん?どうした?」


    五十鈴「如月、このモニターなんだが…」


    如月「これか……、五十鈴、これはこれの臆測だ」


    如月「結論から言えば、矢吹は他殺の可能性が高い」


    五十鈴「他殺?」


    如月「俺が重火器の類いに詳しい事は、知っているよな」


    五十鈴「ああ」


    如月「そのモニターは、銃弾がぶつかってなったものだ」


    五十鈴「じゃあ矢吹は、背後から撃たれた…ってことか?だから他殺…」


    如月「ああ、それだけが理由じゃないが…、まず、矢吹が座っているデスクチェアをよく見てみろ」



  83. 85 : : 2018/03/24(土) 11:11:42



    如月の言われた通り、血で汚れたデスクチェアを調べた。



    五十鈴「これは…」




    デスクチェアの背もたれに、小さな穴が開いていて、その穴を中心に血が吹き出した痕跡が殺されていた。


    如月「穴が空いた背もたれ、正面の割れた2つモニター、それが矢吹が他殺された事を証明する証拠だ」


    如月「それと、凶器が何処にも見当たらない」


    如月「死体状態から、間違いないなく銃器が使われてるが…、肝心の銃が何処にもねぇ」


    如月「人間がわざわざ背中を撃って自殺するような真似はできねぇし、自殺だったら現場に凶器が残る筈だ」


    五十鈴「そうか、だから他殺…。じゃあ一体誰が…?」


    五十鈴「俺達はずっと一緒に行動していた筈だ」


    如月「それには同感だ。仲間の誰かが殺しをやるとは考えられねぇし…」


    如月「正直な話…理論とか関係なく仲間を信じたい…」


    五十鈴「如月…」


    如月「分かっている…。感情論で動けば、最悪全滅する。覚悟を決めねぇとな」


    如月「…ったく、この俺がお前の前で弱気なところを見せるとわな…」


    五十鈴「いやいや、もうとっくの昔に見てるって」


    如月「…………」




    【コトダマ:乾いた血痕】
    部屋一面に広がっており、かなりの量の血が流れたとされる。
    かなりの時間が経っていて、所々に固まった血痕が多数あり。


    【コトダマ:銃撃の痕】
    矢吹の体には胸部、頭部に被弾した後があり、どれも貫通している。
    銃弾は矢吹の背後から発泡されている。


    【コトダマ:凶器の行方】
    矢吹の殺害に使用されたであろう凶器。
    しかし、何処にも見当たらないが、死体状況と死因から銃が使用されたとされる。



  84. 86 : : 2018/03/26(月) 20:29:20


    鳳「五十鈴さん」


    五十鈴「鳳か、どうした?」


    鳳「トラッシュルームの件です。焼却炉で燃やされた生徒手帳の事で確認したくて」


    五十鈴「確認…?」


    鳳「聞きますが、五十鈴さんは…電子生徒手帳を本当に持ってませんか?」


    五十鈴「いや…、どうして、そんな事を聞くんだ?生徒手帳は燃やされたはずだが…?」


    鳳「焼却炉にあった生徒手帳…、何台あったか覚えるですか?」


    五十鈴「確か…、6台だったな…?」


    鳳「そうです」


    鳳「燃やされたのが6台という事は、6台だけしか燃やされてないのです」


    五十鈴「ッ!そうか…!俺達6人に、死んだ矢吹を含めて7人…」


    五十鈴「1台だけ燃やされてない生徒手帳が、まだあるのか!」


    鳳「はい。6台をまとめて焼却炉に入れるくらいですから…、1台だけ、別に処分しようとしたとは考えられるです」


    鳳「もしかしたら矢吹さんを殺したクロが持ったる可能性があるのです」


    鳳「だから、こうして聞きに回っているのです」


    五十鈴「でも、クロがわざわざ生徒手帳を持ってるって言うか?」


    鳳「これは、あくまで確認です」


    鳳「少しでも、何かしらの証拠が掴めるかどうかの調査です」


    鳳「もし誰も持ってないと答えても、学級裁判でもしかしたら生徒手帳の件で何かしらの失言が出てくる筈です」


    五十鈴「」


    鳳「でも、気になる事があるのです…」


    五十鈴「気になる事?」


    鳳「はい。どうして私達の電子生徒手帳を燃やしたのでしょうか?」


    鳳「何かを隠滅するにしても、今回の事件と何の関係が…?」


    五十鈴「確かに、引っかかる…。クロは一体、何を隠したかったんだ?」


    鳳「まだまだ調査が必要って事ですね。私は引き続き皆に聞いて回るです」


    五十鈴「おう、頼んだぞ」



    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    所持していた電子生徒手帳を何者かによってトラッシュルームで燃やされていた。
    燃やされていたのは全部で6個。


    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    燃やされる事がなかったとされる生徒手帳で、何処にあるのか不明。

  85. 87 : : 2018/03/26(月) 20:31:41

    >>86誤字がありましたので、訂正です。



    鳳「五十鈴さん」


    五十鈴「鳳か、どうした?」


    鳳「トラッシュルームの件です。焼却炉で燃やされた生徒手帳の事で確認したくて」


    五十鈴「確認…?」


    鳳「聞きますが、五十鈴さんは…電子生徒手帳を本当に持ってませんか?」


    五十鈴「いや…、どうして、そんな事を聞くんだ?生徒手帳は燃やされたはずだが…?」


    鳳「焼却炉にあった生徒手帳…、何台あったか覚えるですか?」


    五十鈴「確か…、6台だったな…?」


    鳳「そうです」


    鳳「燃やされたのが6台という事は、6台だけしか燃やされてないのです」


    五十鈴「ッ!そうか…!俺達6人に、死んだ矢吹を含めて7人…」


    五十鈴「1台だけ燃やされてない生徒手帳が、まだあるのか!」


    鳳「はい。6台をまとめて焼却炉に入れるくらいですから…、1台だけ、別に処分しようとしたとは考えられるです」


    鳳「もしかしたら矢吹さんを殺したクロが持ったる可能性があるのです」


    鳳「だから、こうして聞きに回っているのです」


    五十鈴「でも、クロがわざわざ生徒手帳を持ってるって言うか?」


    鳳「これは、あくまで確認です」


    鳳「少しでも、何かしらの証拠が掴めるかどうかの調査です」


    鳳「もし誰も持ってないと答えても、学級裁判でもしかしたら生徒手帳の件で何かしらの失言が出てくる筈です」


    鳳「でも、気になる事があるのです…」


    五十鈴「気になる事?」


    鳳「はい。どうして私達の電子生徒手帳を燃やしたのでしょうか?」


    鳳「何かを隠滅するにしても、今回の事件と何の関係が…?」


    五十鈴「確かに、引っかかる…。クロは一体、何を隠したかったんだ?」


    鳳「まだまだ調査が必要って事ですね。私は引き続き皆に聞いて回るです」


    五十鈴「おう、頼んだぞ」



    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    所持していた電子生徒手帳を何者かによってトラッシュルームで燃やされていた。
    燃やされていたのは全部で6個。


    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    燃やされる事がなかったとされる生徒手帳で、何処にあるのか不明。

  86. 88 : : 2018/03/27(火) 17:51:47




    箱田「なぁ五十鈴」


    五十鈴「ん?箱田…なんだ?」


    箱田「いやさぁ、ちょっと気になる事があるっつうかー」


    箱田「さっき如月から矢吹は他殺の可能性があるって聞いたけどよ…、他殺なんて不可能と思うんだ」


    箱田「いや…、如月の推理が的外れだって言いたいんじゃねーぞ。あたしはただ…矢吹は自殺なんじゃないかって」


    五十鈴「矢吹が自殺?」


    箱田「だってさぁ…、矢吹はクソ野郎で思考がおかしい奴だったけどよ…」


    箱田「今日死ぬまで、あたし達を避けて隠れてた奴だぜ」


    箱田「そんなアイツが、こうもあっさり殺されるなんて、絶対にあり得ねぇよ」


    五十鈴「箱田の言うとおり、矢吹は俺達の前から姿を消してたけどよ」


    五十鈴「でも俺は、現場の状況から、如月の推測の方が正しいと思う」


    箱田「けど、あたし達はずっと一緒に居たじゃねーか?」


    箱田「矢吹は隠れてたし、あたし達はモノクマ格納庫に居た筈だ」


    エル「確かに、箱田さんの言い分も分かるわよ」


    五十鈴「エル…」


    エル「けど、結論を出すには早すぎるわ」


    箱田「そ、そうだけどよ…」


    エル「でも、なんで矢吹クンはボク達を、モノクマ格納庫に誘導したのかしら?」


    五十鈴「確かに、ユキを拐ってまで、モノクマ格納庫に呼び出して、矢吹は何を企んでいたんだ?」


    箱田「あたし達を一ヶ所に集めて、そして眠らして…、てか、どうやってあたし達を眠らしたんだ」


    エル「それに関しては、ボクに心当たりがあるわ」


    五十鈴「心当たり?」


    エル「ええ、ちょっと着いて来てくれるかしら?」


    五十鈴「いいけど、何処に…?」


    エル「三階にある研究室よ」


    箱田「研究室?今回と何の関係があるんだ?」


    エル「眠りの正体が分かるかもしれないの。着いて来てくれる?」


    五十鈴「分かった、行こう」


    箱田「あたしはここに居るわ。流石に二人以上は矢吹の死亡を見張らなくちゃいけねーし」


    エル「じゃあ、ここは任せたわよ」




    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】
    矢吹は、ユキを拐って俺達全員をモノクマ格納庫に呼び足して、こそで何らかの手段を使って俺達を眠らさせた。


  87. 89 : : 2018/03/27(火) 19:48:27




    三階の研究室に向かうため、学園長室を後にした。




    ユキ「…ッ!」




    学園長室前にユキが居た。



    五十鈴「ユキ」


    エル「丁度いいわ」


    エル「ボク達、今から研究室に行くから」


    エル「ユキも一緒に来る?人手は多い方が良いから」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク


    エル「それじゃあ行きましょうか」



    俺はエルとユキと共に、三階へ向かう。



  88. 90 : : 2018/03/29(木) 11:35:46
    ― 研究室 ―




    五十鈴「いつ来ても、気味が悪いな…」




    研究室の闇を照らす薄暗い赤いライトが俺達を迎え入れる。

    この部屋に入るのは、鴉間の事件以来だ。




    五十鈴「それで、事件の手掛かりが、この部屋にあるのか?」


    エル「ええそうよ。と言うか、この部屋を調べた貴方とユキの方が詳しいと思うのだけど…?」


    五十鈴「えっ…?」


    エル「思い出して見なさいな、あの眠りの原因となったものが、この部屋の何処かにある筈よ」


    五十鈴「まぁ…薬品とかを使えば、もしかしら可能性があると思うが、そんなものは無かったような…」


    五十鈴「…いや、そういえば……」




    心辺りが1つだけあった。

    俺達全員を一瞬で眠らせた代物が研究室に1つだけあった。




    五十鈴「確か、ここに…」




    研究室に設置してあるウイルス保管庫。

    この保管庫には、各種様々なウイルスが冷凍保存されている。

    かつて、この中のウイルスが原因で火村や鴉間が死んだ。


    そして、今回の事件にも使用されたとしたら…。


    操作画面を操作して、パネル内のウイルスを確認した。




    五十鈴「これだ」



    画面内に表示された『眠りウイルス』を写し出し、使用履歴を調べた。



  89. 91 : : 2018/03/29(木) 11:38:29



    五十鈴「やっぱり…」



    見事、このウイルスの取り出し履歴がきっちりと『眠りウイルス』が記載されていた。




    五十鈴「モノクマ格納庫で、俺達を眠らせたのって、やはり…」


    エル「これね」


    五十鈴「一体、誰がこれを…」


    エル「普通に考えればクロ…、だけど」


    エル「矢吹クンかもしれないし、ボク達の誰かかもしれない…」


    五十鈴「そんな…」




    考えたくもない。

    もしこのウイルスを取り出して犯行に及んだのが、皆の中を誰かだと…。




    ユキ「ッ!ッ!」


    エル「ん?どうしたのユキ?」


    五十鈴「何かあったのか?」


    ユキ「ッ!」コクリ


    ユキ『き に なる も の あった』




    ユキが、何かを発見したようだ。

    ユキはケースの中身を示す。



    五十鈴「ケース?」


    エル「何か見つけたの?」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク


    五十鈴「このケースって…」




    確か前に、モノクマが…




    _____________




    モノクマ「こんな部屋だからさ、危ないって訳よ~」


    モノクマ「でも、ご安心を~。安全に扱えるように、ガスマスクや防護服もあるし」


    モノクマ「あと、万が一に備えて、そこにあるケースの中に、解毒剤やワクチンもあるからさ」




    _____________




    初めて、この部屋を訪れた時にモノクマが説明していた物の一つで、解毒剤やワクチンが入ってると言っていた。




    ユキ『まえ みた とき あっ たのに 1つ なくな ってる』


    ユキが、文字でそう伝えると、ケースを指差す。

    指差されたケースには、薬品や注射器などの様々な薬が揃っていたが、一ヶ所だけ不自然に、そこにあった物が抜かれていた。




    五十鈴「そんとだ。一つ無くなってる」


    エル「ここに入ってた薬って…?」


    五十鈴「え、えーと…?ユキは分かるか?」


    ユキ「?…ッ…??」




    モノクマ「ボクがお答えしましょう!」




  90. 92 : : 2018/03/29(木) 11:54:31




    何処ともなくモノクマが出現した。




    モノクマ「前にも言った事だけど、そのケースには解毒剤やワクチンが入ってる事は承知だよね~?」


    五十鈴「あ、ああ…」


    モノクマ「で、ケースから抜かれているのは、ウイルスワクチンだね」


    五十鈴「ウイルスワクチン?」


    モノクマ「そうそう」


    モノクマ「これを事前に使用しとくと、そこにあるウイルス保管庫の中に入ってるウイルスだったら免疫をつける事ができる代物だよ」


    エル「そう…、分かったわ」


    モノクマ「まっ、また分からない事があったら、ボクがお答えできる範囲でお願いします」


    五十鈴「あ、ちょっと待ってくれ!」


    モノクマ「ん?なんだい五十鈴クン?」


    五十鈴「お前に聞かなかった事があるんだ」


    モノクマ「聞きたかった事?何それ~?」


    五十鈴「アイツは…」


    五十鈴「矢吹は…、黒幕なのか?」


    モノクマ「ほぇ…?そんな事聞いてどうするの?」


    モノクマ「もう矢吹クンは死んでるのに?」


    五十鈴「答えてくれ、重要な事だ」


    モノクマ「…………」


    モノクマ「やっぱりその質問は黙秘しまーす!」


    五十鈴「お、おい!なんで!?」


    モノクマ「うぷぷぷ…。少なくとも今すぐネタバレはよくないなって思って」


    モノクマ「だから、その時まで、この質問の回答はお預け~♪」


    モノクマ「じゃあ引き続き捜査頑張ってね~」


    五十鈴「あ!お、おい!」




    そう言い残し、モノクマは去った。




    五十鈴「また、はぐらかされた…」


    エル「自分達でなんとか導き出せって事なんでしょう」


    五十鈴「けど、どうやって…?」


    エル「そうね…、そういう事なから、矢吹クンの個室にいきましょう」




    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】
    研究室に取り付けられている保管庫。
    履歴にはつい最近まで使用していた情報が残っており、『眠りウイルス』が取り出されていた。


    【コトダマ:眠りウイルス】
    感染から僅か一分ほどで発症し、一週間は眠りっぱなしになる。
    空気に触れてから約一時間ほどで死滅します。


    【コトダマ:ウイルスワクチン】
    研究室に完備されている物の一種で、ケースから一つ無くなっていた。
    モノクマによると、事前に使用していれば、ウイルス保管庫内のウイルスに免疫をつける事ができる。


  91. 93 : : 2018/03/30(金) 12:54:38


    ― 矢吹の自室 ―




    五十鈴「ここが、矢吹の自室……」




    ちょっと想像とは違い、至って普通で何も無い…。

    その部屋には、ベッドと机と椅子…、

    そして、完備されてるシャワールームとタンスだけで、その他の家具や雑貨などは無く、必要最低限の物しか置いてなかった。




    五十鈴「…………」




    なんて言うか…、なんて寂しい部屋なんだろう…。


    そんな感じがした。


    まるで、この部屋が矢吹霊士郎という人間の姿を表しているかのようで……。




    エル「ちょっと以外ね…」


    五十鈴「ああ…、ここまで何も無いとは…」


    ユキ「…………」


    エル「でも、何も無いからって、調べない訳にはいかないわ」


    五十鈴「そうだな…」




    手分けして、矢吹の個室を調べた。




    五十鈴「これは……」




    ふと、シャワールームを覗いた。


    洗面台の鏡が割れて、割れた鏡には赤黒く乾いた血痕が付着していて、

    地面のタイルには、散乱したガラスの破片と、微かに残った黒い血痕…。




    五十鈴「矢吹…、お前は……」



    結局、俺は矢吹の事を、何も知ることができなかった。


    そう痛感する…。

    もう、アイツはこの世にいない…。

    最後まで分からなかった…。




    五十鈴「…………」


    エル「五十鈴クン」


    五十鈴「ん?エル…?」


    五十鈴「何か見つかったか?」


    エル「ええ、ユキちゃんが見つけてくれたわ。ちょっと来て」




    エルに呼ばれ、シャワールームを後にした。




  92. 94 : : 2018/03/30(金) 16:33:29




    五十鈴「これは…?」



    ユキが手に持っていたのは、黒い一冊のファイルだった。




    五十鈴「アニメ学園生徒ファイル」




    表紙には、『アニメ学園生徒ファイル』とそう書かれてあり、ページの至るところに付箋(フセン)が貼られていた。



    五十鈴「ユキ、中身を開いてくれないか」


    ユキ「…ッ!」コクリ




    ユキは手に持っていたファイルを開く。




    エル「これは…」


    五十鈴「俺の名前が…?プロフィール?いや、それだけじゃない…」




    そこに記載されていたページには、俺の出生から生い立ち、小学生の時の出来事や中学の時の出来事まで、

    俺の…五十鈴和真の全てが纏められていた。



    だだ…一ヶ所。


    その一ヶ所だけは、何故か黒く塗り潰されていたが、


    間違いない俺の経験した出来事が全て書かれてあった。




    五十鈴「…………」


    五十鈴「なんで、こんな事が…?なんで知って……?」


    五十鈴「まさか…」


    五十鈴「ユキ、次のページを見してくれ!」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク



    ファイルに記載されているページ一つ一つに目を通した。

    所々のページに黒く塗り潰された後はあったが、恐らく全て本当の事が書かれているのだろう。

    現に、俺の事やエルの事が細かく記載されていて、以前、如月から聞いた昔のことも、このファイルに聞いた通りの内容が書いてあった。




    五十鈴「ここに書かれている事って…」


    エル「間違いないわね…。これ、ボク達の事が書かれてあるわ」


    五十鈴「そうみたいだな、でも…」




    だだ、ユキに関しての情報が乗っていたであろうページは、破り取られた痕跡があった。




    五十鈴「ユキのページだけ…、なんで抜き取られあるんだ?」


    五十鈴「それに、俺のページにも、一部黒く塗り潰されたし…?」


    エル「きっと、矢吹クンの仕業ね」


    エル「このファイルが見つかった時の為に、肝心な所を消したのでしょうね」


    五十鈴「でも、なんの為に…?」


    エル「ボクも分からない…。でも、これだけは確信したわね」


    五十鈴「ああ…、矢吹は…」





    五十鈴「黒幕とは、何の関わりもない」




  93. 95 : : 2018/03/30(金) 18:01:50




    そう…、矢吹はモノクマや黒幕と関わりなんて無かった。

    このファイルに記載されてる情報が確かなら…、矢吹の事に関して書かれていたページ…。


    そこには、一切と言っていいほど、黒幕やモノクマのと関係を仄めかすような事は記載されてなく。

    更に、この学園とも何の係わり合いもなかった。




    五十鈴「じゃあ矢吹は……」


    五十鈴「どうやって…」




    どうやって、モノクマしか入れなかった学園長室の小部屋にいて、そこで殺されたのか…?



    キーン♪コーンカーン♪コ~ン~♪♪




    モノクマ『うぷぷぷ…』


    モノクマ『またまたまた始まるワクワクのドッキドキな学級裁判がまた開催されるよ~!』


    モノクマ『って事なんで、オマエラ!いつもの所へ集合~♪遅刻は厳禁だよ?』





  94. 96 : : 2018/03/30(金) 18:31:04




    五十鈴「…………」




    いよいよ始まる…。




    もう、何度経験したか…?


    最初は東雲…が犠牲になって、それで近藤も…


    次に、上木…そして、九十九……。


    その次に、炎村と鴉間、蜜火原も…死んだ。


    俺を助けてくれた九鬼も、助ける事ができなかった鷺沢も死なせた…。




    そして……、




    矢吹…。




    アイツが死んだ。



    俺は…、いや俺達は、何回同じ過ちを…。




    ユキ「……ッ」





    五十鈴「ユキ…?」





    ユキ「~ッ!」


    五十鈴「んふっ!?んん~!?」



  95. 97 : : 2018/03/30(金) 18:31:47



    ユキが、突然と俺の両頬を軽くつねる。




    五十鈴「なぁんにすぅんだょ!?」



    くねくねと、頬をつねる事を止めない。

    と言うか、軽く痛い…。




    ユキ「ッ!ッ!」


    五十鈴「…ッ?」




    ユキは俺の顔を引き寄せ、自分の顔の近くまで持ってくる。


    顔が近い…。

    目が離せられない。




    ユキ「…………」


    五十鈴「ゅき…?」


    ユキ「…………」


    五十鈴「…………」



    くよくよするなって言いたいのか?


    そう感じた。




    五十鈴「…………」


    ユキ「…………」



    そっと、つねっていた両手を離してくれた。


    若干ヒリヒリする…。


    けど…、



    五十鈴「…………」


    五十鈴「ありがとう…気合い入った」



    ユキ「…ッ♪」ニコッ




    ユキは笑顔で返した。




    エル「五十鈴クン、ユキ…」




    エルと視線を合わせる。




    エル「行きましょう」


    五十鈴「ああ!」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク




    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】
    コロシアイ学園に参加した16人全員のプロフィールが書かれた生徒ファイル。
    ファイルには各生徒の情報が明確に記載されている。
    ファイルには以前、如月から聞いた過去の出来事が明確に記載されている。
    矢吹のプロフィール情報には、アニメ学園との関わりやモノクマとの関係性が一切書かれていなかった。


  96. 98 : : 2018/03/30(金) 19:48:35


    ― エレベーター前 ―




    五十鈴「悪い、遅くなった」


    箱田「やっと来たか。で、そっちはどうだった?」


    エル「ええ、バッチリ証拠は見つけて来たわ」


    ユキ「ッ!」コクリ


    如月「これで全員揃ったようだな」


    鳳「では、行きましょう」


    五十鈴「そうだな」


    五十鈴「皆、必ず…!必ず真相を明らかにするぞ」


    如月「ああ、そのつもりだ」



    全員が揃ってすぐ、エレベーター前にあるモニターにモノクマが移った。



    モノクマ『全員お揃いですな?』


    モノクマ『ではでは~オマエラ、列を乱さず順番に乗って下さ~い』





    五十鈴「…………」


    五十鈴「行こう」

  97. 99 : : 2018/03/30(金) 20:30:00




    エレベーターが音を立てて…


    ゆっくりと…、ゆっくりと…、


    下へ…下へ…。




    無言の空間が空気を重くする。

    それもそのはずだ。


    もう五度目なんだ…。


    このエレベーターを降りるのは…。



    それでも、俺達は乗り越えなくちゃいけない。



    犠牲になった皆の死を…、


    引きずってはならない。


    きちんと向き合って、乗り越えないと…。




    エル「五十鈴クン…」


    五十鈴「…どうした?」


    エル「ボクの憶測だけど…、恐らく…」


    エル「この学級裁判で区切りが付くと思う…」


    五十鈴「…………」


    エル「約束して」


    エル「どんな結末を迎えも…、必ず受け入れる事。いいかしら…?」


    五十鈴「それは…?」


    エル「そのままの意味。今ここで約束して?」


    五十鈴「……ああ…、約束する。」


    五十鈴「俺は…、必ず……必ず受け入れる…」


    エル「…………」


    エル「…そう。良かった…」




    そう言い残しすと、また無言の空間へ戻った。


    エレベーターはそんな事などお構い無いと言っている可能性がように、着々と目的地へ向かう。






    そして、始まる…。











    モノクマ『…………』





    モノクマ『…………』





    モノクマ『…………』





    モノクマ『…………』








    モノクマ『……うぷぷ…♪』












  98. 100 : : 2018/03/30(金) 20:33:56


    【コトダマ:モノクマファイル7】
    被害者は矢吹霊士郎。
    殺害現場は学園長室。
    死因は脳の破壊による出血死。
    即死の模様。
    胸部と頭部に銃弾を受けた跡があり、胸部頭部共に銃弾は貫通している。


    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    矢吹の死体発見となった学園長室の奥にある小さな小部屋。
    室内は学園全てを監視するモニターや、校内放送ができる機材、あらゆるモノクマを操作する事ができる操縦機などが完備されている。


    【コトダマ:開かれた小部屋】
    エルが捜査した際は封鎖されていたが、現在は何故か解放されている。


    【コトダマ:モノクマの証言】
    学園長室の小部屋を解放した覚えがないらしい。
    部屋に入る方法としては、「配電室のブレーカーを落とす」か「電子解除キー」が必要なこと。
    部屋を好き勝手触られその上、殺害現場にされた事に激怒している。


    【コトダマ:電子解除キー】
    モノクマの言っていた封鎖された部屋に入る方法の一つ。
    この解除キーを所持していれば、学園中の部屋を自由に行き来できるという。
    電子生徒手帳の機能の一つとされているが、所持していた電子手帳手帳には、そんな機能は搭載していなかった。


    【コトダマ:乾いた血痕】
    部屋一面に広がっており、かなりの量の血が流れたとされる。
    かなりの時間が経っていて、所々に固まった血痕が多数あり。


    【コトダマ:銃撃の痕】
    矢吹の体には胸部、頭部に被弾した後があり、どれも貫通している。
    銃弾は矢吹の背後から発泡されている。


    【コトダマ:凶器の行方】
    矢吹の殺害に使用されたであろう凶器。
    しかし、何処にも見当たらないが、死体状況と死因から銃が使用されたとされる。


    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    所持していた電子生徒手帳を何者かによってトラッシュルームで燃やされていた。
    燃やされていたのは全部で6個。


    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    燃やされる事がなかったとされる生徒手帳で、何処にあるのか不明。


    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】
    矢吹は、ユキを拐って俺達全員をモノクマ格納庫に呼び足して、こそで何らかの手段を使って俺達を眠らさせた。


    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】
    研究室に取り付けられている保管庫。
    履歴にはつい最近まで使用していた情報が残っており、『眠りウイルス』が取り出されていた。


    【コトダマ:眠りウイルス】
    感染から僅か一分ほどで発症し、一週間は眠りっぱなしになる。
    空気に触れてから約一時間ほどで死滅します。


    【コトダマ:ウイルスワクチン】
    研究室に完備されている物の一種で、ケースから一つ無くなっていた。
    モノクマによると、事前に使用していれば、ウイルス保管庫内のウイルスに免疫をつける事ができる。


    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】
    コロシアイ学園に参加した16人全員のプロフィールが書かれた生徒ファイル。
    ファイルには各生徒の情報が明確に記載されている。
    以前、如月から聞いた過去の出来事が明確に記載されている。
    矢吹のプロフィール情報には、アニメ学園との関わりやモノクマとの関係性が一切書かれていなかった。

  99. 101 : : 2018/03/31(土) 12:25:36




    ー 学 級 裁 判  開廷 ー



  100. 102 : : 2018/04/02(月) 09:24:14




    モノクマ「まずは、学級裁判の簡単な説明から始めましょう」


    モノクマ「学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます」


    モノクマ「正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき…、だけどもし間違った人物をクロとした場合は……」


    モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが晴れて卒業となりまーす!」


    箱田「もう何回も聞いたって…、分かってるから」


    鳳「相変わらず勘に触るです。ちょっと黙ってて下さい」


    モノクマ「酷っいぃ~!!」


    鳳「本心を言っただけです」


    モノクマ「何さぁ!こちとら、本編でもオリ主でも、学級裁判の始まりには大抵ボクの説明が必須なの!」


    モノクマ「言わば社交辞令とか伝統行事みたいなもんなんだよ!!」


    鳳「もう分かりましたから、ウザいです」


    モノクマ「ウ、ウザい…ッ!?ガ~ン!!」


    如月「モノクマなんて放っておけ、それより議論を始めるぞ」


    鳳「そうですね」


    箱田「……やっぱり鳳って…、こんな黒かったか…?」


    鳳「気のせいです」


    鳳「如月さんの言うとおり、早く始めましょう」


    五十鈴「そうだな。議論なんだが…、まず何から始める?」


    エル「そうね、でもその前に…」


    エル「矢吹クンのある事について、皆の議論を1つにまとめましょう」


    如月「ん?1つにまとめるって何をだ?」


    五十鈴「矢吹が自殺か他殺か…って事か?」


    エル「そうそう」


    如月「はぁ…?そんなの議論するまでもねーって」


    如月「あれは他殺。間違いなく誰かに殺されてる」


    エル「まっ、そうね。それに関しては、ボクも如月クンの方が正しいと思う」


    鳳「いえ、私は矢吹さんが自殺したのだと思うです」


    箱田「あたしも鳳と意見は同じ。矢吹は自殺したと思う」


    エル「こう…意見が別れてるの」


    如月「なるほど…。そういう事か…」


    如月「二人の言いたい事は分かるが…。悪いが、自殺なんて不可能だ」


    如月「俺は検死のプロフェッショナルじゃねーが…、この場にいる皆のよりかは多くの死体を見てきた」


    如月「その死体が自殺か他殺かくらいは分かる」


    箱田「だけど、如月にだって間違いくらいあるんじゃねーのか?」


    如月「まぁ、否定はしない」


    如月「五十鈴とユキはどう思う?」


    五十鈴「俺も如月の意見の方が正しいと思う」


    エル「因みにユキも如月クンに賛成だって」


    ユキ「ッ!ッ!」コクコク


    鳳「うぅ…。たとえ多勢に無勢でも、私達は意見を曲げないです…ッ!」




    如月の言うとおり自殺なんて不可能。

    俺もそう思う…。

    でも、意見が別れたまま話を進める訳にもいかない。

    何とかして二人を納得させないと…!



  101. 103 : : 2018/04/02(月) 20:36:09




    ― 議論開始 ―




    箱田「『矢吹は自殺したんだ』間違いない!」




    エル「なんで、そう思うの?」




    箱田「だって、あたし達はずっと矢吹が死ぬまで『一緒にいた』じゃねーか」




    鳳「そうです。その間『矢吹さんは一人です』」




    鳳「一人しかいないのに時に死ぬ事なんて、そんなの自殺か事故死くらいです!」




    如月「お前達も、あの現場を見ただろ?」




    如月「矢吹がどういう『死に方をした』のか…」




    如月「それが何よりもの証明だ」




    箱田「フン…ッ。それも含めて『自分でやった』に決まってるだろ」



  102. 104 : : 2018/04/02(月) 20:42:14

    >>103抜けてる所がありました。訂正ですm(__)m




    ― 議論開始 ―




    【コトダマ:乾いた血痕】
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:凶器の行方】




    箱田「『矢吹は自殺したんだ』間違いない!」




    エル「なんで、そう思うの?」




    箱田「だって、あたし達はずっと矢吹が死ぬまで『一緒にいた』じゃねーか」




    鳳「そうです。その間『矢吹さんは一人です』」




    鳳「一人しかいないのに時に死ぬ事なんて、そんなの自殺か事故死くらいです!」




    如月「お前達も、あの現場を見ただろ?」




    如月「矢吹がどういう『死に方をした』のか…」




    如月「それが何よりもの証明だ」




    箱田「フン…ッ。それも含めて『自分でやった』に決まってるだろ」



  103. 105 : : 2018/04/02(月) 22:54:09




    矢吹が自殺なんて絶対にできない筈なんだ。

    絶対に…。

    さっきのアイツのあの発言から、正しい真実をぶつければ証明できる…。




    【コトダマ:乾いた血痕】
    【コトダマ:銃撃の痕】◀️
    【コトダマ:凶器の行方】




    箱田「『矢吹は自殺したんだ』間違いない!」




    【コトダマ:銃撃の痕】
    五十鈴「それは違うぞ!!」




    ― Break!! ―



  104. 106 : : 2018/04/03(火) 09:12:31


    五十鈴「箱田、矢吹が自殺なんて、どう考えても不可能なんだ」


    箱田「はぁ?どうしてそう言い切れる?」


    五十鈴「矢吹の外傷がなによりもの証拠だ」


    五十鈴「アイツは胸と頭を撃たれてた…」


    五十鈴「背後からだ」


    箱田「は、背後から……だと…?」


    五十鈴「そうだ」


    五十鈴「普通の人間が仮に自殺する時に、自分の背中に銃を向けて撃てるか?」


    箱田「そ、それは…」


    如月「まぁ、決してやれない事はないが…、これから死のうとする奴は普通はしないよな?」


    箱田「うっ…!でも、その外傷が背後からのものか断定できんのか?」


    箱田「もしかしたら、正面から撃った可能性が…」


    五十鈴「いや、あの外傷は確かに背後から撃たれてた」


    箱田「そう言い切れる根拠は…?」


    五十鈴「正面のモニターだ」


    箱田「は…?モニター?」


    五十鈴「正面にあった2台のモニターに穴が空いたかのように割れていた…」


    五十鈴「まるで、銃弾が撃ち込まれたかのように…」


    箱田「えっ…?」


    如月「疑うなら、もう一度、確めに行ってもいい。それくらいいいよな?モノクマ」


    モノクマ「そういう事は全然OKです」


    五十鈴「これが、俺が矢吹が自殺じゃない証明だ」


    箱田「…………」


    箱田「じゃあ…本当に、矢吹は…?」


    五十鈴「そうだ。矢吹は自殺じゃなく他…」




    【反論】
    鳳「納得できないです!」


  105. 107 : : 2018/04/04(水) 09:45:43




    鳳「そんなので、矢吹さんが他殺だなんて、到底思えないです」


    五十鈴「だが、さっきも言った通り矢吹は背後から…」


    鳳「矢吹さんですよ?」


    鳳「普通の人間でしたら、確かに無理だと思います」


    鳳「ですが矢吹さん普通じゃあありませんでした」



    ― 反論ショーダウン ―




    【モノクマファイル7】
    【開かれた小部屋】
    【モノクマの証言】
    【乾いた血痕】
    【凶器の行方】
    【壊された電子生徒手帳】




    《開始》




    鳳「五十鈴さん \ の言うとおり…」


    鳳「普通ならそんな自殺 / の仕方なんてしません」


    鳳「ですが、あの矢 | 吹さんなら…」


    鳳「私達を落と / し入れる為に…」


    鳳「あえてその『ような死に方』をしたのではないですか?」




    《発展!》




    五十鈴「いや、いくら矢吹だからって…」


    五十鈴「そんな死に方はできない筈だ」


    五十鈴「それでも、矢吹が自殺だと思うのか?」




    鳳「そう / です」


    鳳「矢吹さん | は、きっと…」


    鳳「他殺に見せか \ けるように…」


    鳳「『銃を手に持って』自ら背中に向けて発砲したのです!」


    鳳「それでも | 死に切れず…」


    鳳「最後の力 / を振り絞って…」


    鳳「『後頭部を撃ち抜いた』のです!」




  106. 108 : : 2018/04/04(水) 09:48:45



    今、鳳の発言に失言があった。

    そこに、この真実を突きつければ…。




    【モノクマファイル7】
    【開かれた小部屋】
    【モノクマの証言】
    【乾いた血痕】
    【凶器の行方】◀️
    【壊された電子生徒手帳】




    鳳「そう / です」


    鳳「矢吹さん | は、きっと…」


    鳳「他殺に見せか \ けるように…」


     《斬》【凶器の行方】
    鳳「『銃を手 \ に持って』自ら背中に向けて発砲したのです!」




     《論破》
    五十鈴「その言葉…斬るッ!」



  107. 109 : : 2018/04/04(水) 10:00:17



    五十鈴「鳳、お前は見落としてる事がある」


    鳳「見落としてる事…?なんですか?」


    五十鈴「今、お前は矢吹が銃を持って自分に発砲したって言ったな…?」


    鳳「ええ、その通りです」


    鳳「矢吹は自らの手で自殺を…」


    五十鈴「それはできないんだ」


    鳳「できない…?」


    五十鈴「あの現場には、殺害で使われたとされる凶器が何処にも無かったんた」


    鳳「えっ?」


    五十鈴「もし自殺だったのなら、矢吹の手には、または現場周辺には、必ず凶器が残ってる筈なんだ」


    鳳「そ、それじゃあ…」


    五十鈴「ああ」


    五十鈴「矢吹は自殺なんかじゃない」



  108. 110 : : 2018/04/05(木) 21:44:08


    鳳「そ、そんな……じゃあ本当に…」


    鳳「この中に……矢吹さんを……」


    五十鈴「…そうだ……」


    五十鈴「この中に、矢吹を殺したクロがいる…」


    箱田「この中の誰かが…」


    鳳「……あり得ないです…」


    鳳「そんなのあり得ないです!」





    鳳「まだ、信じられないです!」


    鳳「それに、矢吹さんには、黒幕の疑いがかかってます」


    鳳「そうです…」


    鳳「もし黒幕が矢吹さんだったら、モノクマを使って偽装工作なんて、容易いのではないですか…?」


    如月「確かに…、そう考えたら現場の状況を改竄できると思うが……」


    如月「なら、目の前のモノクマはどう説明する?」


    エル「矢吹クンが黒幕なら、一体誰がモノクマを操ってるのかしら?」


    鳳「そんなの簡単です」


    鳳「モノクマを操っているのは、矢吹さん本人ではなく、矢吹さんの仲間なんじゃないですか?」


    五十鈴「仲間…?」


    鳳「コロシアイなんて、これだけの大きな計画が実行だきたのです」


    鳳「一人の力じゃ到底できる事ではないです」


    エル「なるほど…、確かにそうね。裏で動いてる仲間が居てもおかしくはないわね」


    エル「でもね、鳳さん…」


    エル「ボクははっきりと鳳さんに言うね。その推理は間違ってると思う」


    鳳「ま、間違ってる…?」


    エル「黒幕に仲間がいる…。まぁ、その点に関しては居るかも知れないし否定はできないけど…」


    エル「モノクマは、あくまでボク達だけでコロシアイを強制させて来たはずよ」


    エル「いくらなんでも、そんな卑怯な手は使わないと思うし」


    エル「それに、まだ矢吹クンが黒幕だなんて決まった訳ではないわ」


    鳳「いえ、そんな事ありません。矢吹さんが黒幕です」


    鳳「本人もそう言ってたじゃないですか?」





    エル「矢吹クンが嘘をついてたら…?」





  109. 111 : : 2018/04/06(金) 09:13:00





    鳳「えっ…?」


    鳳「嘘……ですか…?」


    エル「そう、嘘よ。自分が黒幕だなんて嘘をついていた」


    エル「なんて考えられないかしら?」


    如月「だが、1つ疑問なんだが…」


    エル「何かしら?」


    如月「なんでわざわざそんな嘘をつく必要があった…?」


    如月「一体、矢吹になんのメリットが…?」


    エル「そうね…。わざと憎まれ役になりたかったから……かな…?」


    如月「…クロを探すより、その辺を整理させた方がいいな」


    如月「俺も、少しこんがらがって来た」


    箱田「あたしも」


    五十鈴「確かに、その辺りはきちんと話し合った方がいい」


    五十鈴「矢吹が黒幕なのか、そうでないのかは、俺が証明する。」



  110. 112 : : 2018/04/06(金) 09:23:02


    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:モノクマの証言】
    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    鳳「《矢吹さんが黒幕》で間違いありません!」




    如月「もし矢吹が黒幕だったのなら…」




    如月「今までの《一連の流れが出来すぎてないか?》」




    如月「そもそも、矢吹の殺害現場には…」




    如月「《鍵がかかってた筈だ》」




    箱田「いや、矢吹が黒幕なら」




    箱田「簡単に中へ入れるんじゃなかいのか?」




    鳳「たとえ矢吹さん自信が開ける事ができなくても…」



    鳳「モノクマを使って《学園長室のあの部屋を開けたのです!》」




  111. 113 : : 2018/04/06(金) 09:33:46




    矢吹が黒幕かどうかは…、あの真実に、さっきのアイツの発言をぶつければ……




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:モノクマの証言】◀️
    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    鳳「《矢吹さんが黒幕》で間違いありません!」




    如月「もし矢吹が黒幕だったのなら…」




    如月「今までの《一連の流れが出来すぎてないか?》」




    如月「そもそも、矢吹の殺害現場には…」




    如月「《鍵がかかってた筈だ》」




    箱田「いや、矢吹が黒幕なら」




    箱田「簡単に中へ入れるんじゃなかいのか?」




    鳳「たとえ矢吹さん自信が開ける事ができなくても…」



    《論破》
    鳳「モノクマを使って《学園長室のあの部屋を開けたのです!》」




    【コトダマ:モノクマの証言】
    五十鈴「それは違うぞ!!」




    ― break ―



  112. 114 : : 2018/04/08(日) 14:58:28




    五十鈴「鳳、それは不可能なんだ」


    鳳「不可能って…、何が不安定なのですか…?」


    五十鈴「矢吹がモノクマを使って、あの部屋の鍵を開ける事はできない…」


    五十鈴「だってモノクマは、学園長室の小部屋は解放した覚えがないってはっきり言ってたんだ」


    鳳「えっ…?」


    モノクマ「まったく…、ほんと迷惑な話だよね~」


    モノクマ「ボクの秘密のプライベートルームが、曰く付きに変えられっちゃってさぁ…」


    鳳「ま、待って下さい。でもモノクマが嘘を…」


    五十鈴「モノクマはコロシアイに関しては、今まで嘘をついた事はない」


    モノクマ「ボクって皆から愛されてる正直者だからね~」


    モノクマ「せっかくのコロシアイを台無しにするような事はしたくないし~」


    モノクマ「何より…おっと!これ以上は失言を言いそうだから黙っておくよ」


    五十鈴「モノクマが部屋の解放した事に関わっていないと言う事は…」


    五十鈴「少なくとも、矢吹が個人的に動いていた」


    五十鈴「だから…」





    《反論》
    箱田「その推理は間違ってるぞ!」



  113. 115 : : 2018/04/08(日) 18:59:33




    箱田「いや…何モノクマの言った事を正直に鵜呑みにしてやがるんだ!」


    五十鈴「えっ?」


    箱田「そんなのモノクマの証言しただけだろ?」


    箱田「証拠としては、信憑性が薄くないか?」


    五十鈴「だが、モノクマは今まで嘘なんかついた事があるか?」


    箱田「でも、モノクマが嘘をついかないなんて言い切るんのか?」




    ― 反論ショーダウン ―




    【学園長室内の小部屋】
    【開かれた小部屋】
    【凶器の行方】
    【壊された電子生徒手帳】
    【電子生徒手帳の行方】
    【アニメ学園の生徒ファイル】




    《開始》




    箱田「モノクマがあの部 \ 屋を開けてないなんて…」




    箱田「でたらめを言っ┃てるかも知れねーだろ」




    箱田「矢吹の死を / 擬装する為に…」




    箱田「モノクマと口 \ 実合わせをして…」




    箱田「嘘の口実を言っ / たんじゃねーのか?」




    《発展!》



    五十鈴「モノクマが嘘をつてらなんて…」



    五十鈴「やっぱり、考えられない」



    五十鈴「モノクマは誰一人と ┃ して特別扱いにはしなかっただろ?」




    箱田「矢吹が黒幕だ / ったら可能だろ?」



    箱田「特別扱いし / ていないって言っても…」



    箱田「矢吹が今まで隠れてたのも《モノクマが関係している》んじゃないのか?」




    箱田「てか、矢吹が \ 黒幕じゃない事を…」




    箱田「《証明する証拠もない》じゃねーか?」




    箱田「証拠もな ┃ いんじゃ…」




    箱田「現状的に一番《怪しいのは矢吹》で決まりだ!」



  114. 116 : : 2018/04/08(日) 19:19:27


    箱田のあの発言に…、


    矢吹がモノクマと関わっていない事を証明するには…


    あの証拠を突きつけるしかない…。




    【学園長室内の小部屋】
    【開かれた小部屋】
    【凶器の行方】
    【壊された電子生徒手帳】
    【電子生徒手帳の行方】
    【アニメ学園の生徒ファイル】◀️




    箱田「矢吹が黒幕だ / ったら可能だろ?」



    箱田「特別扱いし / ていないって言っても…」



    箱田「矢吹が今まで隠れてたのも《モノクマが関係している》んじゃないのか?」




    箱田「てか、矢吹が \ 黒幕じゃない事を…」




    《斬》【アニメ学園の生徒ファイル】
    箱田「《証明する証 / 拠もない》じゃねーか?」




    《論破》
    五十鈴「その言葉…斬るッ!」




    ― break ―



  115. 117 : : 2018/04/09(月) 09:57:49


    五十鈴「箱田、これを見てくれ」


    箱田「ん?なんだ…?そのファイル?」


    鳳「アニメ…学園…生徒ファイル…?」


    五十鈴「これは矢吹の部屋から見つけたものだ」


    五十鈴「このファイルの中には俺や…皆の過去から現在までの情報がきめ細かく記載された物だ」


    箱田「え…?」


    五十鈴「いくつかのページが読めないようにされてはたいたが…、この中には矢吹の事に関するページも記載されていた」


    五十鈴「そのページには、矢吹の生い立ちからなのもかも全てだ」


    五十鈴「だけど、そのページには一切、黒幕に関する情報もコロシアイ学園生活についての記載が無かった…」


    五十鈴「更に言えば、学園との関わりも書かれてなかった」


    箱田「は…?」


    箱田「いや、でも…待ってくれ!」


    箱田「そのファイルが偽物の可能性も…捨て切れない!」


    如月「箱田の言うとおり、それも可能性としてはある…」


    鳳「私もそのファイルの情報が本物なのか信用できません」


    エル「だったら、このファイルが本物かどうか、満足するまで議論をしましょうよ」


    五十鈴「分かった…」


    五十鈴「だったら、俺がこのファイルが本物だと証明する…!」




  116. 118 : : 2018/04/09(月) 23:57:49
    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:電子解除キー】




    エル「矢吹クンの部屋にあった、そのファイルは…」




    エル「《ボクの情報もきちんと書いてあったわ》」




    箱田「その情報って本当なのか?」





    エル「この状況で嘘をついてどうするの?」





    エル「あっ、ちなみに…」





    エル「箱田さん、鳳さん、如月クンの事に関してもびっしりと書いてあったよ」




    鳳「えぇ!?まさか読んでないですよね…?」




    エル「もちろん♪」




    エル「全部読んだわよ~♪」




    鳳「いやァァァァ//////!お嫁に行けません~///!!」




    箱田「お、落ち着けって…!そ、そそそれが事実が書いてるなんて確証も…」




    エル「箱田さんの恥ずかしい…あんな事やこんな事まで、ページの隅々まで読んだわよ」




    箱田「えっ?」




    エル「ここで音読しようなか~?」




    箱田「や、やめろ~//////!!」




    如月「もし、そのファイルが本物なら…」




    如月「《俺の過去の出来事は記載されているか?》」




    エル「えーと、どうだったかしら?」




    エル「ちょっと待って、最初っから読み直すから…」




    箱田「読むな///!読むな///!」




    箱田「勘弁してくれ//////」



  117. 119 : : 2018/04/10(火) 10:05:14



    このファイルに書かれてる事が本物だという事を皆に証明するには…


    皆の言葉の中のある発言から導き出せる…。




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】◀️
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:電子解除キー】




    エル「矢吹クンの部屋にあった、そのファイルは…」




    エル「《ボクの情報もきちんと書いてあったわ》」




    箱田「その情報って本当なのか?」




    エル「この状況で嘘をついてどうするの?」




    エル「あっ、ちなみに…」




    エル「箱田さん、鳳さん、如月クンの事に関してもびっしりと書いてあったよ」




    鳳「えぇ!?まさか読んでないですよね…?」




    エル「もちろん♪」




    エル「全部読んだわよ~♪」




    鳳「いやァァァァ//////!お嫁に行けません~///!!」




    箱田「お、落ち着けって…!そ、そそそれが事実が書いてるなんて確証も…」




    エル「箱田さんの恥ずかしい…あんな事やこんな事まで、ページの隅々まで読んだわよ」




    箱田「えっ?」




    エル「ここで音読しようなか~?」




    箱田「や、やめろ~//////!!」




    如月「もし、そのファイルが本物なら…」




    《賛成》
    如月「《俺の過去の出来事は記載されているか?》」




    【アニメ学園の生徒ファイル】
    五十鈴「それに賛成だッ!」




    ― break ―

  118. 120 : : 2018/04/10(火) 16:05:50
    鳳ちゃん何書かれてたのw
  119. 121 : : 2018/04/11(水) 21:02:36
    >>120
    ご想像にお任せします
  120. 122 : : 2018/04/11(水) 21:08:38


    五十鈴「如月、このページを呼んでみてくれ」


    如月「このページか?」


    五十鈴「そうだ。このページには、前にお前が話してくれた事が詳細に乗っていた」


    如月「…………」


    如月「これは…」


    五十鈴「如月、そこに書いてる情報は本当の出来事か?」


    如月「ああ…、間違いない。前に食堂で話した俺の過去の事が書かれている…」


    如月「鳳、箱田、このファイルの中身は信用していい」


    鳳「ほ、ほんとですか…?だとしたら…ッ!」


    箱田「マ、マジで…?だったら、ちょっとあたしに貸してくれ!」


    如月「ああ、ええ、呼んでみろ」


    箱田「…………」


    箱田「嘘…ッ!これ、あたしの事がこんなに……」


    鳳「な、何が書いてあるのですか…?」


    箱田「言える訳ねーだろ…。恥ずかしい///…」


    鳳「私にも読ませて下さい」


    箱田「あたしのページは読むなよ///…」


    鳳「分かってます…」


    鳳「…………」


    鳳「ッ//////!!」


    鳳「こ//、こんな事まで///…」



    如月「…そんな恥ずかしい事が乗ってんたのか?」


    五十鈴「まぁ…その、あれは恥ずかしいよな…」


    エル「鳳さんがあんな恥ずかしい事を…ねぇ~」


    ユキ「ッ…ッ…」ウンウン


    鳳「絶対に言わない下さい///…」


    如月「一体、何が書いてあったんだ…?」


    鳳「聞かないで下さい///…」


    箱田「と、とにかく…。このファイルに書かれてある事は、マジで本当だった…」


    如月「俺のも一言一句、真実が記載されていた」


  121. 123 : : 2018/04/11(水) 22:52:27
    じゃあ凄まじい厨二だった事があるで
  122. 124 : : 2018/04/12(木) 05:47:55
    箱田さんは中学生の頃、憧れていたロリータコーデを試してみたが、その時うっかりそのまま外出してクラスメートに見られた
    さらに逃げようとしたが、履いていた厚底の靴に慣れず思い切り転んでパンツ丸見え で(細かくてすみません)
  123. 125 : : 2018/04/12(木) 09:32:50

    >>123
    封印されし鳳「インフィニティ・アンリミテッド・フレイムッ!」
    とか言ってた時期があるというのか…!?


    >>124
    普通に恥ずかしいやつや

  124. 126 : : 2018/04/12(木) 09:35:58


    如月「矢吹は、このファイルの情報を元に…、今まで……」


    エル「ええ、恐らく…ね」


    エル「だから、如月クンと鴉間クンとの関係も知っていた」


    如月「クソ…ッ!このファイルのせいで、俺達は……矢吹に踊らされていたというのか……!?」


    五十鈴「如月…」



    如月「矢吹はこれを何処で見つけたんだ…?」


    エル「それは謎ね。これを何処から持ってきたのか…」


    エル「けど、ある程度、目星はつくわ。ねっ、五十鈴クン」




    矢吹がこのファイルを何処で手に入れられたか…。

    今までの矢吹の行動や言動から、察しは付く筈く。

    このファイルがあった場所は……




    ― answer ―




    《矢吹は何処でファイルを見つけた?》

    【1.ファイナルデットルーム】◀️
    【2.学園長室】
    【3.モノクマ格納庫】




    《解》【1.ファイナルデットルーム】
    五十鈴「これだ…ッ!」



  125. 127 : : 2018/04/12(木) 17:16:34
    >>125強いていうならモバマスの神崎蘭子みたいな感じで
  126. 128 : : 2018/04/12(木) 23:58:12

    >>127
    それでちょっとした小話思いついたが…、本編とは何な関係もないif路線で書いてみたい
  127. 129 : : 2018/04/13(金) 00:00:02




    五十鈴「ファイナルデットルーム…だろ?」


    五十鈴「三度目の学級裁判が終わった後に矢吹は確か…」




    _____________




    如月「どうして殺した…?」


    矢吹「……は?」


    如月「どうして鴉間を殺した?」


    矢吹「んなもん……決まって……んだろ?殺したいから……殺したんだよ………君が彼を……死んだ親友のために復讐したいと……思ったみたいに………」


    如月「っ!!」パッ!



    突如、如月が手を離し、矢吹は咳き込みながら立ち上がる


    矢吹「ククク…どうやら当たったみたいだね…」


    如月「どうしてお前がその事を知っている…」ギロ


    矢吹「ファイルデッドルーム…それを言えば分かるよね?因みに僕は『次の学級裁判まで』姿を現さないから…それじゃね…」




    _____________




    五十鈴「あの時、ファイナルデットルーム…と言っていた」


    五十鈴「つまり、あの時点で既に、このファイルを入手したんだ」


    如月「あの時か…?」


    五十鈴「ああ、恐らく…」



    箱田「あん時からずっと、あたし等の事を知ってたのかよ…」


    五十鈴「そうでなきゃ、アイツはここまで俺達を嵌めたりしなかったと思う…」


    鳳「そんな…」


    如月「そういえば、所々に黒く塗り潰された跡があるが、これも矢吹の仕業か?」


    エル「多分そうね。万が一に、このファイルが漏れた時の為の保険かしら?」


    五十鈴「俺とエルのページの大半は塗り潰しが多かった」


    エル「後、何故かユキのページだけ破り取られてたわ」


    ユキ「ッ!ッ!」ウンウン


    如月「ユキのページが破り取られてた?何の為に…?」


    エル「流石に、そこまでは分からなかったわ」


    如月「そうか…」


    如月「だが、ここまで引っ掻き回したアイツが、こんな形でくたばるとはな…」


    五十鈴「自分から殺されるのを予期していなかったんだろう…」


    五十鈴「だから、矢吹は…」


    如月「悪運が尽きた…って、事か…?」


    五十鈴「ああ…、そだろうな」


    五十鈴「だけど、俺達もこうなる事は予期出来なかった…」


    五十鈴「出来なかったんだ…」



  128. 130 : : 2018/04/13(金) 08:00:45
    >>128おお、キャラクター発案者としては読んでみたいです
  129. 131 : : 2018/04/13(金) 09:42:44


    如月「…………」


    箱田「…………」


    鳳「…………」


    エル「…………」


    ユキ「…………」


    五十鈴「…………」


    鳳「本当に、この中に……」


    鳳「矢吹さんを殺した人が居るのですか?」


    エル「そうね…」


    如月「この中に、あの矢吹を…」


    エル「誰かが嘘を付けてる…」


    箱田「一体、誰が…?」


    エル「それを探すのが、学級裁判よ」


    鳳「…………」


    鳳「そんなの…、やっぱりおかしいです……」


    五十鈴「鳳?」


    鳳「絶対…、絶対に、おかしいです…よ……」


  130. 132 : : 2018/04/13(金) 09:56:02




    エル「鳳さん…」


    鳳「だって……」


    鳳「だって…、だっておかしいじゃないですか!?」


    鳳「そもそも……なんで…、なんで…、矢吹さんが死んだんですか…?」


    鳳「もう私達は、誰も死なせないって…、誰も殺さないって……」


    鳳「それなのに、私達を苦しめた矢吹が死んで…?」


    鳳「それで自殺じゃなくて、この中の誰かが矢吹さんを殺したんですか…?」


    五十鈴「鳳…」


    鳳「今いる皆で一緒に出ようって…、もう誰も犠牲になんかしないって思ってたのは私だけですか…?」


    如月「そいつは違うぞ、鳳…」


    鳳「…如月さん……」


    如月「そんなの、この場にいる誰もが同じ気持ちだ」


    如月「五十鈴もユキも箱田もエルも…そして俺も」


    如月「お前と同じで、もうコロシアイなんて起こさねぇ…」


    如月「ここにいる皆揃って出て、黒幕を取っ捕まえてやるって…」


    如月「皆同じ気持ちだ」


    鳳「…………」


    鳳「そう…ですよね。そうでした…」


    箱田「その…、まぁ…確かに…」


    箱田「あたしも、黒幕にはムカついてるし。ここにいる全員で黒幕をリンチにしたいって思ってる」


    箱田「だけど、起きちまったもんは仕方ねぇ…」


    箱田「だからさ、あたしが言いたいのは…、起きちまったもんに目を背けずに向き合うしかないって…」


    箱田「さっき…そう思った」


    鳳「…はい。箱田さんの言う通りです」


    鳳「自殺なんて、ましてや矢吹が黒幕だと…、勝手の良い事を思ってしまいました」


    箱田「気にすんなって、あたしもついさっきまで、鳳と同じ気持ちだったからさ」


    鳳「それに、黒幕に痛い目合わせないないといけないですしね」


    鳳「ここを出て、黒幕を見つけたあかつきには……フフフ…」


    鳳「楽しみですね…。ねっモノクマさん♪」ニコッ


    モノクマ「ヒッ!」


    箱田「お、おう…。そう…だな…」


    鳳「話がそれてすみませんでした」


    五十鈴「もう大丈夫か?」


    鳳「はい。落ち着いたです…ッ!」


    鳳「議論の続きをしましょう」


    五十鈴「そうだな」


    五十鈴「じゃあ、改めて…学級裁判を続けよう」







  131. 133 : : 2018/04/13(金) 09:57:58




    ー 学 級 裁 判  中断 ー



  132. 134 : : 2018/04/13(金) 23:12:10




    ― ■_■■ □ __■ □■□□ ―





    モノクマ「いや~実にいい♪」


    モノクマ「やっぱり、何度やっても学級裁判は飽きないねぇ~」


    モノクマ「そうとは思わない?□■クン~?」


    □■「…………」


    モノクマ「ありゃ?無視…?」


    モノクマ「それとも、学級裁判に集中してる?」


    モノクマ「分かってるの?」


    モノクマ「君は被害者じゃなくて、共犯者」


    モノクマ「更に言えば皆から、矢吹クン以上に憎まれて黒幕だよ」


    モノクマ「今さら、ボクを裏切るってのは無しだよ」


    □■「ああ…」


    □■「そんなの、お前に言われなくても分かってる…」


    □■「俺がどうしようもないクソ野郎ってのは…」


    □■「それに…、裏切る?ここまで手を汚して…、今さら裏切る訳ねーよ」


    モノクマ「そっ、安心安心♪」


    □■「だけど、勘違いはするなよ」


    □■「別に俺とお前は仲間同士じゃねーって事をよ」


    モノクマ「およ?そうだっけ?」


    モノクマ「じゃあボク達の関係ってなんだっけ?」


    ■□「利害が一致しただけの存在だ。それ以上でもそれ以下でもない…」


    モノクマ「寂しい事を言うねぇ~」


    ■□「俺は、忘れてないからな…」


    ■□「お前の行いを…」


    ■□「全てが終わった後に、俺はお前を…この手で…」


    モノクマ「おお~怖い怖い」


    モノクマ「て言うか、まだ引きずってるの~?」


    モノクマ「昔の事なんて綺麗さっぱりした方がスッキリするのに~」


    モノクマ「あれは仕方がない事だったんだ…なんてね♪」


    ■□「減らず口を…」


    モノクマ「いや~それほどでも~♪」


    ■□「…………」





    □■「俺は、あの時に誓ったんだ」





    □■「俺は絶対に…アイツを……」





    □■「それがたとえ…、血の繋がらない兄姉を殺す事になっても……」





    □■「俺は……」








    _____________




  133. 135 : : 2018/04/14(土) 20:18:59




    ー 学 級 裁 判  再開 ー



  134. 136 : : 2018/04/15(日) 15:28:26




    箱田「あのさぁ、ちょっと気になってんだかでが…」


    如月「なんだ…?」


    箱田「ああ、いや…矢吹が死んだのって」


    箱田「あたし等がモノクマ格納庫で目を覚ました時…で、いいんだよな?」


    如月「どうして、そう思う?」


    箱田「あん時の、矢吹の放送聞いてなかったのか?」


    鳳「確か…、モノクマの振りをしてたですね」


    如月「そうだな、そして正体を明かしたかと思えば、急に凶変して…」


    エル「放送途中で突然、発砲音が聞こえて…、放送が途切れたんだよね」


    五十鈴「ああ、それで間違い…」


    五十鈴「だけど……」


    エル「だけど?」


    五十鈴「ちょっと引っ掛かるんだ…」


    鳳「引っ掛かる…?何がですか?」


    五十鈴「本当に矢吹は、あの放送の途中で殺されたのか?」


    如月「確かに…、それには同感だ」


    如月「モノクマ格納庫での、俺達の状況…」


    如月「そして、あの殺害現場…」


    如月「おかしいと思わねぇか?」


    箱田「おかしいって何処がだよ…?おかしい所なんて…」


    五十鈴「いや、十分に変だ」


    五十鈴「今までの議論で、矢吹が黒幕でない事が証明されて、自殺の線も消えた…」


    五十鈴「あの放送とモノクマ格納庫にいた俺達の状況が、噛み合わないんだ」


    鳳「ど、どういう事…です?」


    エル「つまり、矢吹が他殺であるのに…、放送が聞こえて来た時は、ボク達はモノクマ格納庫で一緒に居たじゃない」


    エル「あの状況で、何時どうやって誰が…矢吹クンを殺せたのかな~?」


    鳳「た、確かに…そうです…!」


    鳳「この中の誰も、放送中に矢吹さんを殺せません…!?」


    箱田「でも、あの放送が流れたのは事実だし。どう説明すんだ?」


    エル「それじゃあ、その辺を整理していく必要があるね」


    如月「矢吹が何時死んだか?」


    エル「そうそう」


    五十鈴「エルの言う通りだ。この矛盾を何とかしないと、矢吹の事件の真相にはたどり着けない」


  135. 137 : : 2018/04/15(日) 18:02:21




    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:乾いた血痕】
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】




    エル「矢吹クンが死んだのは…」




    エル「少なくとも《放送前だと思うんだよね》」




    箱田「じゃあ、あの放送は一体…?」




    箱田「あの時までは《生きてたんじゃないのか?》」



    如月「いいや…、その線は無いと思う」



    如月「矢吹の死体の状況から…」




    如月「少なくとも《死後一日は経過していた》」




    如月「だが、あの放送の説明がつかねぇ…」




    鳳「やはり、《放送途中で殺された》のではないですか?」



  136. 138 : : 2018/04/16(月) 09:49:48




    矢吹が、放送中に殺されたのか、その前に殺されたのか…。

    どちらが正しいか…。




    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:乾いた血痕】◀️
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】




    エル「矢吹クンが死んだのは…」




    エル「少なくとも《放送前だと思うんだよね》」




    箱田「じゃあ、あの放送は一体…?」




    箱田「あの時までは《生きてたんじゃないのか?》」



    如月「いいや…、その線は無いと思う」



    如月「矢吹の死体の状況から…」




    《賛成》
    如月「少なくとも《死後一日は経過していた》」




    《同意》【乾いた血痕】
    五十鈴「それに賛成だッ!」




    ― break ―



  137. 139 : : 2018/04/16(月) 21:58:49


    五十鈴「如月の言うとおり。矢吹が死んだのはもっと前だ」


    五十鈴「少なくとも、あの放送以前には死んでいる」


    箱田「どうしてそう言い切れるんだ?」


    五十鈴「現場にあった大量の血痕だ」


    鳳「血痕ですか?」


    五十鈴「そうだ。部屋中に飛び散っていた血痕はどれも固まって乾いていた」


    五十鈴「まるで、かなりの時間が経過しているみたいに」


    如月「ちなみに、血液ってのは数分やそこらでは、あそこまで乾いたりなんてしねぇ」


    如月「あの血痕の状態からして…ざっと半日から一日って所だな」


    五十鈴「それに、それを証明するものがもう一つある」




    矢吹が殺されたのは、放送より前だと証明するには…。




    ― コトダマ選択 ―



    《放送前に殺された事を証明するものは?》




    【コトダマ:モノクマファイル7】◀️

    【コトダマ:学園長室内の小部屋】

    【コトダマ:開かれた小部屋】

    【コトダマ:モノクマの証言】

    【コトダマ:電子解除キー】

    【コトダマ:乾いた血痕】

    【コトダマ:銃撃の痕】

    【コトダマ:凶器の行方】

    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】

    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】

    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】

    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】

    【コトダマ:眠りウイルス】

    【コトダマ:ウイルスワクチン】

    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    《解》【コトダマ:モノクマファイル7】
    五十鈴「これで証明する…ッ!」



  138. 140 : : 2018/04/17(火) 10:04:16




    五十鈴「皆、モノクマファイルにもう一度目を通してほしい」




    _____________




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    被害者は矢吹霊士郎。
    殺害現場は学園長室。
    死因は脳の破壊による出血死。
    即死の模様。
    胸部と頭部に銃弾を受けた跡があり、胸部頭部共に銃弾は貫通している。




    _____________



    箱田「そうか…!矢吹の死亡推定時刻が書いてない」


    五十鈴「ああ、そうだ。これには矢吹の死亡推定時刻が記載されていない…」


    エル「つまり、犯人は矢吹クンの殺害時刻を擬装しようとしたって事になるわね」


    如月「矢吹の死亡推定時刻が定かでなく、殺害現場の乾いた血痕…」


    五十鈴「これらが示しているのは、少なくとも放送途中でなく、放送前に殺された可能性が高い」


    箱田「じゃあ、矢吹はあたし達が目覚める前にもう…」


    五十鈴「ああ…、そうかも知れない…」


    鳳「でも、ちょっと待って下さい」


    鳳「それでしら、あの放送は何だったのですか?」


    箱田「あの声は、矢吹の声だったよな…?」


    如月「ああ…あれは矢吹の声で間違いない」


    如月「だけど、矢吹は放送前に殺された事は確かなんだ…」


    如月「それなのに、あの放送をどうやって流したのか…?そこが一番の矛盾点だ…」


    エル「そうね…」


    エル「皆が疑問に思うのは確かだけど…」





  139. 141 : : 2018/04/19(木) 23:01:15





    エル「だけど、そんなに難しいことではないわ」


    エル「殺された矢吹クンの声を放送で流す手段なんていくらでも考えられるし」


    エル「五十鈴クンなら解るんじゃないかしら?」


    五十鈴「え?」


    エル「殺された矢吹クンが、あの時、どうやって放送を流せたのかを」




    殺された筈の矢吹が、どうやってあの放送を流せたのか…?

    それは……




    ― 閃きアナグラム ―




     ろ
              お

           ろ

                       く





    【?】【?】【?】【?】




  140. 142 : : 2018/04/19(木) 23:02:31
    >>141訂正







    エル「だけど、そんなに難しいことではないわ」


    エル「殺された矢吹クンの声を放送で流す手段なんていくらでも考えられるし」


    エル「五十鈴クンなら解るんじゃないかしら?」


    五十鈴「え?」


    エル「殺された矢吹クンが、あの時、どうやって放送を流せたのかを」




    殺された筈の矢吹が、どうやってあの放送を流せたのか…?

    それは……




    ― 閃きアナグラム ―




     ん
              お

           ろ

                       く





    【?】【?】【?】【?】




  141. 143 : : 2018/04/23(月) 09:48:42



    【ろ】【く】【お】【ん】


    《解》【録音】
    五十鈴「これだ!」




    五十鈴「録音…していたんじゃないか?」


    如月「録音…?」


    五十鈴「矢吹が殺される前に事前に、矢吹の声を録音して、そして俺達が目覚めるタイミングを見計らって放送を流したんじゃないか?」


    箱田「だが、そんな都合よく…、録音っていってもどうやって録音した声を放送で流すんだ…?」


    エル「別に不可能じゃないわよ」


    エル「例えば、セルフタイマーなどを駆使すれば、ボク達が目覚めるタイミングで起動させられるのじゃないかしら」


    鳳「なるほどです…。それでしたら、合点が行くです」


    如月「だが、俺達が殺害現場を調査した時は、録音機らしき物は無かったぞ」


    箱田「誰かが隠したんじゃねーか?」


    鳳「隠したって、一体誰が?」


    エル「クロとか…?」


    如月「まぁ…そう考えるのが普通だな」


    鳳「分かりました!」


    鳳「犯人は、私達が矢吹さんの死体が見つける前に、こっそりと持ち出したのです」


    箱田「こっそりとって、あの状況で出来んのか?」


    如月「可能だ。それが出来た奴は、最初に矢吹の死体を見つけた人物だ」


    五十鈴「それって…」





    エル「ボクよ」


  142. 144 : : 2018/04/23(月) 23:33:47


    五十鈴「えっ?」


    エル「矢吹クンを最初に見つけたのは、このボク」


    五十鈴「そう…なのか?」


    エル「うん」


    如月「ああ、確かに矢吹の死体を最初に見つけたのはエルだ」


    鳳「もしかして…エルさんが矢吹さんを殺したクロ…?」


    箱田「マ、マジ…かよ……」


    エル「…………」


    エル「まっ、そう疑われても仕方がない…か」


    五十鈴「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」


    五十鈴「そんなんで、エルを犯人だと決めるのはまだ早い!」


    箱田「だけど、現に…そんな事が出来たのって」


    如月「確かに、五十鈴の言いたい事は分かる…」


    如月「エルをクロだって決めつけれるには、証拠が無さすぎる」


    鳳「確かに、そうですね…」


  143. 145 : : 2018/04/24(火) 22:29:58



    如月「もう少し、議論をした方がいい」


    五十鈴「ああ、エルの疑いは俺が晴らす」




    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:乾いた血痕】
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】




    鳳「矢吹さんを最初に見つけたのはエルさんで間違いないですか?」




    エル「そうだよ」




    エル「ボクが最初に《矢吹クンの死体を発見した》」




    箱田「じゃあその時に、録音機の類いはあったのか?」




    エル「そうね…、ボクがあの部屋を入った時にはそんなのは《見つからなかったし》」




    エル「現場の惨状を前にしてそれどころではなかった…の方が正しいかな」



    如月「普通はそうだな…」



    如月「あんな死体をみたら誰だって混乱する…。《クロ以外は…》」



    エル「そうね。《クロなら矢吹クンの死体を前にしても素早く回収できる》と思うわ」



    エル「でも、ボクじゃないよ」



    エル「疑うなら、ボクの全身隅々までひんむいて調べられても良いわよ」



    五十鈴「いや…それは、遠慮しとく…」




    箱田「そもそも根本から間違ってた…とか?」




    箱田「《録音機なんて最初っから無かった》んじゃねーか?」




    鳳「でも、《エルさんが嘘を言ってる》可能性…あくまで可能性です」


  144. 146 : : 2018/04/25(水) 10:01:35





    俺の把握している証拠では、証言するのは難しい…。

    けど、今のアイツの発言を使って、あの証言にぶつければ…。




    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:乾いた血痕】
    【コトダマ:銃撃の痕】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】




    鳳「矢吹さんを最初に見つけたのはエルさんで間違いないですか?」




    エル「そうだよ」




    エル「ボクが最初に《矢吹クンの死体を発見した》」




    箱田「じゃあその時に、録音機の類いはあったのか?」




    エル「そうね…、ボクがあの部屋を入った時にはそんなのは《見つからなかったし》」




    エル「現場の惨状を前にしてそれどころではなかった…の方が正しいかな」



    如月「普通はそうだな…」



    如月「あんな死体をみたら誰だって混乱する…。《クロ以外は…》」



    エル「そうね。《クロなら矢吹クンの死体を前にしても素早く回収できる》と思うわ」



    エル「でも、ボクじゃないよ」



    エル「疑うなら、ボクの全身隅々までひんむいて調べられても良いわよ」



    五十鈴「いや…それは、遠慮しとく…」




    箱田「そもそも根本から間違ってた…とか?」



    《記憶》
    箱田「《録音機なんて最初っから無かった》んじゃねーか?」




    【《コトダマ:録音機なんて最初っからなかった》】




    鳳「でも、《エルさんが嘘を言ってる》可能性…あくまで可能性です」




    俺の把握している証拠では、証言するのは難しい…。

    けど、今のアイツの発言を使って、あの証言にぶつければ…。




    【《コトダマ:録音機なんて最初っからなかった》】◀️





    鳳「矢吹さんを最初に見つけたのはエルさんで間違いないですか?」




    エル「そうだよ」




    エル「ボクが最初に《矢吹クンの死体を発見した》」




    箱田「じゃあその時に、録音機の類いはあったのか?」




    《賛成》
    エル「そうね…、ボクがあの部屋を入った時にはそんなのは《見つからなかったし》」




    《同意》【《録音機なんて最初っからなかった》】
    五十鈴「それに賛成だッ!」




    ― break ―

  145. 147 : : 2018/04/25(水) 23:38:12


    五十鈴「エルの言うとおりだ。あの部屋には最初っから録音する物なんて無かったんだ」


    如月「五十鈴…これまでの議論を聞いていたか?」


    如月「犯人は俺達がモノクマ格納庫で目覚めたタイミングで事前に矢吹の音声を放送に流した」


    如月「なら、あの部屋に録音機の類いが置いてあって当然で、証拠隠滅の為にクロが最初に部屋に入って回収した」


    如月「この一連の流れで議論の筋は通ってる筈だ」


    五十鈴「いや如月、考えてみてくれ」


    五十鈴「何も録音機だけでは、あんな放送を流せないと思うんだ」


    如月「ならなんだ?」




    録音機だけをあの部屋に置いて放送を流せない理由…。


    それは…





    ― コトダマ選択 ―



    《録音機だけでは放送を流せない理由は?》




    【コトダマ:モノクマファイル7】

    【コトダマ:学園長室内の小部屋】◀️

    【コトダマ:開かれた小部屋】

    【コトダマ:モノクマの証言】

    【コトダマ:電子解除キー】

    【コトダマ:乾いた血痕】

    【コトダマ:銃撃の痕】

    【コトダマ:凶器の行方】

    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】

    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】

    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】

    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】

    【コトダマ:眠りウイルス】

    【コトダマ:ウイルスワクチン】

    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    《解》【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    五十鈴「これで証明する…ッ!」


  146. 148 : : 2018/04/26(木) 09:51:45


    五十鈴「あの部屋の設備だ」


    鳳「設備ですか?」


    エル「確か、モノクマが言ってたよね」


    エル「学園内の監視、校内放送、そしてモノクマを操作ができる」


    モノクマ「ボクは操作なんてされてませーん」


    鳳「モノクマさんはほっといて、それがどう関係しているのですか?」


    五十鈴「あの部屋で、学園中に校内放送が流せるって事は、放送設備が完備されてる」


    箱田「それが、なんなんだ?」


    五十鈴「ちょっと確かめたい事がある」


    五十鈴「モノクマ」


    モノクマ「ん?何だい五十鈴クン?」


    五十鈴「あの部屋にある放送設備について教えてくれ」


    モノクマ「どうして?なんで、そんな事聞きたがるの?」


    五十鈴「クロを見つける為に必要な事なんだ。教えてくれ」



    モノクマ「そういう事なら、では説明しまーす」


    モノクマ「ボクのプライベートルームにある放送設備は、世間一般的な至って普通の放送機械で」


    モノクマ「放送を流す時は、マイク横のボタンを押しながらじゃないと学園中には流れないようになっています」


    モノクマ「説明は以上になりまーす」


    モノクマ「何か質問はあるかな~?」


    五十鈴「ああ、その放送設備には録音したものを、一定の時間に指定して再生はできるのか?」


    モノクマ「残念だけど、それは出来ないね」


    モノクマ「録音したものは流せるけど、そんなセルフタイマーみたいな機能はついてないね」


    五十鈴「分かった、もう十分だ」


    五十鈴「今の話の通り、あの放送設備じゃあ、俺達が目覚めるタイミングで校内放送を流せないんだ」


    箱田「そ、それじゃあ…」


    五十鈴「あの部屋にある放送設備にはセルフタイマーはついてないし」


    五十鈴「録音機から直接マイクへ流しても、マイク横のボタンを押し続けなければ校内放送はできない」


    五十鈴「だから、エルが最初に矢吹の死体を見つけても、録音機なんて物は最初っから置いてなかったんだ」


    五十鈴「…同時に、校内放送では、あの放送を流す事は出来ない…」


    鳳「でも、私達は現に…」


    五十鈴「ああ、確かに俺達は、矢吹の声を、モノクマ格納庫から放送が流れた」


    五十鈴「だけど、あの時、モノクマ格納庫にいた俺達の中、全員に校内放送を流せない」


    箱田「なんだよ、それ…」


    箱田「そんなの、今までの結論が間違ってたのか…?」


    五十鈴「そうなる…」


    如月「また振り出しって事か…」


  147. 149 : : 2018/04/27(金) 10:02:27


    五十鈴「いや、何も全部振り出しに戻った訳じゃない」


    五十鈴「あの音声は確かに矢吹の声で、間違いなく録音された物だ。それは真実なんだ」


    如月「だが、さっき校内放送は出来ないって」


    五十鈴「校内放送じゃない、もっと別の方法で、あの音声を流したんじゃないか…?」


    箱田「別の方法って?」


    五十鈴「分からない…」


    五十鈴「何か、何かないか…」


    五十鈴「あの録音を校内放送以外の方法で、モノクマ格納庫内に流す方法は……」





    箱田「もしかして…」


    箱田「いや、でも……」


    五十鈴「箱田…?何か分かったのか?」


    箱田「あ、いや…なんでもねぇ。流石にこれは気のせいだったと思うし…」


    五十鈴「何か分かった事があるなら言ってくれ。少しでも情報が欲しい」


    箱田「いいけど…、決して確証がある訳じゃねーぞ」


    五十鈴「かまわない」


    箱田「ふと思った事なんだけど…」





    箱田「あの矢吹の音声って、モノクマから流れたものなんじゃないかなって」


    如月「モノクマからだと…?」


    箱田「あの音声が校内放送で流されたものじゃないって分かって、かわりに放送以外の方法で音声を流す方法を考えたんだ」


    箱田「それで、あの時の状況を一から思い出してたら…」


    箱田「よくよく考えたら、あの矢吹の音声って、モノクマ格納庫に置いてあった大きなモノクマから聞こえて来たような……ないような…?」


  148. 150 : : 2018/04/27(金) 22:36:42


    五十鈴「モノクマから聞こえた…?」


    如月「それは本当なのか?」


    箱田「だから言ったろ。確証は無いって…」


    鳳「でも、引っ掛かっては居るのですね」


    箱田「まぁ…そんなんだけど」


    箱田「あたしって音楽やってるから、少なくとも皆よりかは聴覚はいい方だと思う」


    箱田「けど…あの時は、急に眠らさちまったから、寝起きで頭が寝ぼけてて、てっきり勘違いかと思ったんだ…」


    エル「モノクマから聞こえた…。ねぇ…」


    エル「案外、合ってるかもしれないわね」


    箱田「そ、そうか…?」


    エル「現に、モノクマ格納庫には大量のモノクマがあったし」


    如月「箱田の勘違いかも知れないぞ…?」


    箱田「だから、確証はないって言ってるだろ」


    五十鈴「確証はなくっても、調べる事はできる」


  149. 151 : : 2018/04/28(土) 23:30:06




    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】




    箱田「あの録音の音声は、モノクマ格納庫にあった、あの《大きなモノクマから聞こえ来た》」




    箱田「だと思う…」




    鳳「でも、どうやってモノクマさんから聞こえたのでしょうか?」



    エル「何らかの方法を使ったとか?」




    箱田「何らかの方法って」




    エル「そうねぇ、例えば…《モノクマを操作した》とか?」




    如月「流石に《モノクマを操作する事はできなだろう》」




  150. 152 : : 2018/04/28(土) 23:46:42




    矢吹の、あの音声がモノクマ格納庫のモノクマから聞こえたと箱田は言った。

    それが、本当なのか?

    でもどうやって、モノクマから音声を流したんだ?




    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:学園長室内の小部屋】◀️
    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】




    箱田「あの録音の音声は、モノクマ格納庫にあった、あの《大きなモノクマから聞こえ来た》」




    箱田「だと思う…」




    鳳「でも、どうやってモノクマさんから聞こえたのでしょうか?」



    エル「何らかの方法を使ったとか?」




    箱田「何らかの方法って」




    エル「そうねぇ、例えば…《モノクマを操作した》とか?」




    《論破》
    如月「流石に《モノクマを操作する事はできなだろう》」




    【学園長室内の小部屋】
    五十鈴「それは違うぞ!!」




    ― break ―



  151. 153 : : 2018/04/29(日) 13:06:45


    五十鈴「如月、モノクマを操作する事はできる」


    如月「できるだと?」


    五十鈴「忘れたのか?矢吹の死体があったあの部屋…」


    五十鈴「あそこには、監視モニターや放送設備以外に、まだ他の設備が備わってた筈だ」


    五十鈴「あの部屋には、モノクマを操作する事ができる事を…」


    如月「そうか…!そうだった。確かにあの部屋だったらモノクマを動かす事はできる」


    鳳「でも、モノクマさんを操作すると言ってもどうやってやったのですか?」


    箱田「その、モノクマの操作も自分で動かさないといけないとなんじゃないのか?」


    モノクマ「ああ、その説明もまだしてなかったね」


    モノクマ「あっ、その前に、あれはボクを操作するんじゃなくて、ボクの分身を操作する為の機械だからね」


    モノクマ「ここ、重要だよ~」


    鳳「そんな事、聞いてないです。さっさと説明して下さい」


    モノクマ「もう~鳳さんはキツいなぁ~。まぁいいや、オマエラに説明してやる」


    モノクマ「あの部屋には、ボクの分身体が置いてある…」


    モノクマ「モノクマ格納庫内のボクを直接操作する事も出来れば、一定の命令を指示する事もできます」


    如月「命令…?」


    モノクマ「そのままの意味だよ。ボクの分身体を直接操作できるのは…、一体までだからね」


    モノクマ「でも、ボクの分身体に命令信号をプライベートルームから発信すれば、複数のボクを命令通りに動いてくれるのだ」


    五十鈴「どんな命令を出すことができるんだ?」


    モノクマ「基本、何でも出来ちゃうよ。分身体を使って、この場のオマエラを虐殺する命令を出せば…」


    モノクマ「すぐに、飛んできて、オマエラを殺す事だって出来ちゃうんだ」


    箱田「物騒な例えをするな!」


    モノクマ「他にも、下僕のように馬車馬のように働かせたりとか…」


    モノクマ「喋らせたい内容を言わせたいとかね♪」


    五十鈴「喋らせたい…内容…?」


    モノクマ「まっ、大体の命令はできるって事」


    モノクマ「説明は以上かな~。ではでは、さっさと学級裁判を再開しやがれ~」


    鳳「命令しないで下さい」





  152. 154 : : 2018/05/01(火) 09:41:24



    五十鈴「…………」


    五十鈴「喋らせたい内容……ッ!そうか!」


    エル「何か分かったのかしら?」


    五十鈴「ああ、分かった事は…二つ」


    五十鈴「一つ目は、箱田の言った事は本当だ」


    五十鈴「あの音声はモノクマから発せられたもので間違いない」


    箱田「おう、そうか…」


    五十鈴「二つ目は、矢吹が殺されたあの部屋から、モノクマ格納庫に置いてあった、巨大モノクマに命令をだして…」


    五十鈴「あの録音音声を巨大モノクマに喋らせたんだ」


    如月「なるほどな…」


  153. 155 : : 2018/05/02(水) 00:13:45


    五十鈴「そうする事で校内放送が流れていると俺達に錯覚させ、矢吹はあの放送時には、まだ生きていると誤認させる為だ」


    五十鈴「だから…」


    鳳「ちょっと待って下さい」


    五十鈴「…ッ?」


    鳳「トリックは分かりました。ですけど…」


    鳳「私達はあの時、モノクマ格納庫で眠ってしまいました」


    鳳「ここにいる皆さん全員です。そして目覚めた時も、全員一緒に居ました」


    鳳「五十鈴さんが推理した順で話が進むのなら、私達が眠っている時に、その全てを行った訳ですよね?」


    鳳「じゃあ、誰がやったのですか?皆さん眠ってしまっているのに、一体…誰が?」


    鳳「誰が、それを実現できたのですか?」





    エル「鳳さんの言うとおりそこに関しては疑問点ね」


    エル「だけど、それは普通に考えれば…の話」


    如月「ならどうすんだ?」


    エル「まだある筈よ。真実にたどり着くための真実が…」


    箱田「そう言われても、一体どうやって?」


    エル「そうね…。とりあえず、今思ってる事を言い合って議論しましょう」


    エル「このトリックを可能に出来た真実をね」




  154. 156 : : 2018/05/02(水) 00:26:43


    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】
    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】
    【コトダマ:眠りウイルス】
    【コトダマ:ウイルスワクチン】
    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:電子解除キー】




    鳳「誰が…どうやって」




    鳳「私達が眠っている間に行動できたのですか?」




    箱田「《眠ったフリをしていた》…とかか?」




    如月「それは不可能だろう」




    如月「あの場にいた全員が一斉に眠らされたんだ」



    如月「誰も《起きて居られるのは不可能だ》」





    ユキ「ッ!ッ!」




    ユキ『《ね る まえ に ねむ れ ないよう にし た》』



    箱田「眠れないようにしたって?どうやってだ?」

  155. 157 : : 2018/05/02(水) 09:59:27





    俺達が眠った後に、クロはどんな手段を使って起きて居たのか…

    アレを使用すれば、可能性だ。




    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】
    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】
    【コトダマ:眠りウイルス】
    【コトダマ:ウイルスワクチン】◀️
    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:電子解除キー】




    鳳「誰が…どうやって」




    鳳「私達が眠っている間に行動できたのですか?」




    箱田「《眠ったフリをしていた》…とかか?」




    如月「それは不可能だろう」




    如月「あの場にいた全員が一斉に眠らされたんだ」



    如月「誰も《起きて居られるのは不可能だ》」




    ユキ「ッ!ッ!」




    《賛成》
    ユキ『《ね る まえ に ねむ れ ないよう にし た》』




    《同意》【コトダマ:ウイルスワクチン】
    五十鈴「それに賛成だッ!」



  156. 158 : : 2018/05/02(水) 10:16:50


    五十鈴「そうだ…、犯人は眠れないようにしたんだ…!」


    箱田「眠れないように?」


    五十鈴「ああ、だからクロはモノクマ格納庫で俺達を横目に犯行に及べたんだ」


    如月「一人で勝手に進めるな。根拠を言え」


    如月「眠れないようにしたとは、どんな方法を使ったんだ?」


    五十鈴「三階にある研究室だ」


    鳳「研究室ですか…?」


    五十鈴「あそこにあったウイルスワクチンだ」


    如月「ウイルスワクチン?」


    五十鈴「ああ…、犯人は事前にワクチンを投与した。だから、あの場で起きてられたんだ」


    箱田「だけど、ワクチンでどうにかできるのか?」


    箱田「ワクチンってアレだろ?ウイルスとかに免疫をつけるやつで…」


    五十鈴「箱田の疑問はわかる。皆には今まで言っていなかったな。あの睡眠の正体を…」


    如月「それはなんだ?」


    五十鈴「ユキとエルとで、研究室を調べている時に見つけたんだ」


    鳳「何を見つけたんだのですか?」




    モノクマ格納庫で俺達を眠らせた物の正体は…




    ― コトダマ選択 ―




    《催眠の正体は?》




    【コトダマ:モノクマファイル7】

    【コトダマ:学園長室内の小部屋】

    【コトダマ:開かれた小部屋】

    【コトダマ:モノクマの証言】

    【コトダマ:電子解除キー】

    【コトダマ:乾いた血痕】

    【コトダマ:銃撃の痕】

    【コトダマ:凶器の行方】

    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】

    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】

    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】

    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】

    【コトダマ:眠りウイルス】◀️

    【コトダマ:ウイルスワクチン】

    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    《解》【コトダマ:眠りウイルス】
    五十鈴「これで証明する…ッ!」



  157. 159 : : 2018/05/05(土) 22:06:56



    五十鈴「研究室にある眠りウイルスだ」


    鳳「眠りウイルス?」


    五十鈴「ウイルス保管庫を調べた時に、このウイルスの取り出し記録が記載されていた」


    五十鈴「犯人は、このウイルスとワクチンを使って、矢吹を殺害する為の行動が起こした」


    五十鈴「モノクマ格納庫で眠らせた原因はこのウイルスで間違いないと思う」


    箱田「確かに…、これなら可能性は高な」


    鳳「でも、それを実行した人物が分かりません」


    鳳「誰がワクチンとウイルスを使ったのでか?」


    五十鈴「そこに関しては、それが可能だった人物を探す」


    エル「つまり…、研究室でそれらを入手できたクロを見つけ出すって事ね」


    エル「矢吹クンを殺害を実行する前日…、つまりアリバイ探しかしら?」



  158. 160 : : 2018/05/06(日) 15:51:29


    五十鈴「ああ、そうだ」


    如月「まぁ、そうなるな。ここまで手が込んでんだ」


    鳳「アリバイといっても、私達はいつも通り」


    箱田「普通に過ごしてたし、研究室なんて薄気味悪い所、行きたくもねーしな」


    如月「口では何度でも言える。前日に何をやっていたのか述べるべきだ」


    五十鈴「如月の言うとおり、皆のアリバイを…」




    エル「いいえ、二人とも、ここは箱田さんと鳳さんの言う通りかも知れないわね」


    如月「何?」


    エル「もしかしたら研究室へなんて誰も行ってないかも知れないわ」


    五十鈴「いや、この中にいる誰かがウイルスとワクチンを…」


    エル「じゃあ聞くけど、矢吹クンの殺害が行われる前日…、ボク達は何処で何をしていたのかしら?」


    五十鈴「えっ?」


    殺人が起こる前日…、何をしていたのか?

    それは…




    ― answer ―




    《俺達は矢吹の殺害前日に何処で何をしていた?》

    【1.食堂でお茶会】
    【2.自室で皆と勉強会】◀️
    【3.五時間に及ぶ朗読会】




    《解》【2.自室で皆と勉強会】
    五十鈴「これだ…ッ!」



  159. 161 : : 2018/05/08(火) 10:05:59




    五十鈴「確か、俺の部屋で勉強会を…」


    五十鈴「ッ!!」


    五十鈴「そうか…!」


    エル「そう…。あの夜、ボク達全員は五十鈴クンの部屋に居たわ」


    エル「その状況で一体誰が、ワクチンとウイルスを研究室から持ち出せたのかしら?」


    如月「いや待て、何もその日の夜にクロは研究室に行ったとは限らねぇぞ」


    エル「いいえ、如月クン。それは違うわ」


    如月「なんだと…?」


    エル「あの日の朝にモノクマはコロシアイの動機を発表したのを忘れたの?」


    如月「ッ!」


    エル「まぁ、クロが矢吹クンと同じで動機を発表する前に計画して居たのなら、話は別だけど…」


    五十鈴「だったら、勉強会が終了して解散した後に、行けなくないか?」


    エル「ありえなくはないけど、皆かなりくたくただったわよ?皆が部屋に戻ったのは確認してたわ」


    鳳「はい、そこはエルさんの言うとおりです」


    鳳「私も、箱田さんや如月さんが部屋に戻るのは確認しました」


    箱田「あたしも同じく」


    如月「…確かに、特に怪しい行動はなかった」


    ユキ「…ッ……」


    五十鈴「じゃ、じゃあ一体誰が…?」


    エル「可能性のある人物が一人残ってるわ」


    エル「ボク達には無理でも、その人なら可能性だった筈よ。誰にも気づかれずに研究室へ行けた人物が」


    五十鈴「それは……」


    五十鈴「ッ!そうか…!」




    あの日、俺達以外に、研究室でワクチンとウイルスを持ち出せた人物…


    アイツならできた筈だ…




    ― 人物を指定しろ ―




    【五十鈴 和真】
    【鷺沢 奈鶏×】
    【ナツムラ ユキ】
    【箱田 愛子】
    【鳳 志保】
    【鴉間 國羽×】
    【矢吹 霊士郎×】◀️
    【東雲 琉偉×】
    【九鬼 平太×】
    【蜜火原 風吾×】
    【近藤 村正×】
    【エルフェルド フローレライ】
    【上木 出音×】
    【炎村 しらは×】
    【如月 修】
    【九十九 歩×】




    《指定》【矢吹 霊士郎×】
    五十鈴「お前しか…いない!」


  160. 162 : : 2018/05/09(水) 09:47:17




    五十鈴「アイツなら…、矢吹なら、研究室からワクチンとウイルスを持ち出せたんじゃなか?」


    箱田「矢吹が…だと?」


    鳳「でも、矢吹さんは被害者ですよ」


    如月「ありえなくはないが…、は殺されたのはアイツだ」


    五十鈴「分かってる。だが、現状最も可能性の高いのは、矢吹しかいないんだ」


    箱田「どうなってやがるんだ…?」


    箱田「死んだの矢吹で、なのにウイルスとワクチンを持ち出したのは矢吹で…」


    如月「……もしかして…」


    五十鈴「何か分かったのか?」


    如月「いや…こう考えられないか?」


    如月「今まで解明してきた、これらの犯行は…元々、矢吹が計画していたんじゃないか…?」


    鳳「矢吹さんがですか?」


    如月「矢吹はコロシアイを起こそうと行動に移した」


    如月「しかし、矢吹を殺したクロにその計画を逆に利用して矢吹を殺した。」


    五十鈴「矢吹のコロシアイ計画を乗っ取ったって事か?」


    如月「ああ、これなら辻褄が合う」


  161. 163 : : 2018/05/09(水) 10:03:08


    如月「だけど、犯人はどうやって矢吹の犯行を事前に感知して、矢吹を殺したのかは分からない」




    クロはどうやって矢吹の犯行を事前に察知できていたのか…?

    それは…




    ― 閃きアナグラム ―




      き            ゃ


     し
                は

          ょ

                       う
                ん




    【?】【?】【?】【?】【?】【?】【?】





  162. 164 : : 2018/05/09(水) 17:47:58
    共犯者か
  163. 165 : : 2018/05/10(木) 23:08:51




    【き】【ょ】【う】【は】【ん】【し】【ゃ】




    《解》【共犯者】
    五十鈴「これだ!」



    五十鈴「クロは共犯者だった…」


    五十鈴「矢吹の計画していた犯行には、元々共犯者が居た。」


    如月「共犯者だど…?」


    五十鈴「これなら矢吹の犯行を事前に知る事ができたんじゃないか?」


    如月「確かに、それなら可能性はある」


    五十鈴「だから、矢吹は研究室からワクチンを持ち出して、共犯者であった犯人にワクチンを渡した」


    如月「しかし五十鈴、今まで一人で行動していたアイツが、今さら、誰かと結託するとは思えないぞ」


    五十鈴「何かしらの利害が一致した…とか?」


    如月「あやふやだな」


    五十鈴「悪い。まだ完全に断言出来ないんだ」


    五十鈴「だけど、矢吹はわざわざ共犯者を作った」


    五十鈴「そして、共犯者と共に、この中の誰かを殺そうとした」


    箱田「その誰かって…、矢吹は一体誰を手にかけようとしたんだ?」


    五十鈴「それは…」





    エル「全員じゃない…?」


  164. 166 : : 2018/05/11(金) 09:47:02


    鳳「全員…ですか…?」


    エル「前に矢吹クンが言ってた事を思い出してみて」




    _____________




    エル「ボク達が貴方の思惑通りさせると思う?」


    矢吹「君達がどうこうしようと、俺は本気だよ?」


    如月「そんな、くだらねぇ事を言う為に来たのか?」


    矢吹「如月くん、まさかとは思うけど…、本気に聞こえなかったとか思ってんるのかな?」


    矢吹「前の学級裁判の時に言った事は本当だし、俺はここにいる君達を殺す。」





    矢吹「一人を除いてね…」




    _____________



    エル「矢吹クンはあの時、食堂で君達を殺すって…」



    如月「ああ、確かに言っていた」


    箱田「食堂でそんな事話してたのかよ…」


    五十鈴「後、矢吹は全員を殺すと断言していたけど、一人を覗くとも言っていた」


    五十鈴「あれはどういう事だ?」


    エル「そのままの意味じゃない?」


    エル「それか…今回のモノクマの動機が関係していたのかしら」


    五十鈴「モノクマの動機って確か…」


    如月「一人だけクロが指定した人物が一緒に卒業できるってやつだろ」


    エル「そうそう、矢吹はその誰かと一緒にここから出る予定だった」


    如月「アイツがか?今まで、散々敵意丸出しで、俺達全員を殺そうとしたんだぞ」


    如月「そんな奴が、今さら一緒に卒業したい奴なんていたのか?」


    五十鈴「なら、共犯者と卒業しようとしたんじゃないか?」


    如月「それしかないか…」



    エル「まぁ、今さら矢吹クンが誰と卒業しようとしたなんて、今じゃあもうクロ以外の誰にも分からないし」


    如月「問題は矢吹を殺した犯人だ」


    鳳「なんで、クロは矢吹さんを裏切ったんでしょうか?」


    エル「犯人も、卒業させたい誰かが居たのよ…」


    エル「おそらくだけどね」


    五十鈴「どっちにしろ、犯人は共犯者で間違いない」


    箱田「だけどよ、その共犯者って、どうやって矢吹とコンタクトを取ったんだ?」


    箱田「矢吹は、ずっとアタシ達に見つからないように隠れてた訳だし」


    如月「確かに、神出鬼没だったアイツが、クロはどうやって出会えたか謎だな」


    鳳「例え、出会ってなくても、何らかな方法で連絡を取っていたのじゃないですか?」


    五十鈴「連絡…?」


    五十鈴「…………」


    鳳「五十鈴さん?どうしたのですか?」


    五十鈴「もしかして…」




    ― answer ―




    《共犯者はどんな手段で矢吹とコンタクトをとったのか?》

    【1.テレパシー】
    【2.メール】◀️
    【3.待ち伏せ】




    《解》【2.メール】
    五十鈴「これだ…ッ!」



  165. 167 : : 2018/05/11(金) 21:59:25



    五十鈴「メール機能を使えば矢吹と連絡を取れたんじゃないか?」


    箱田「メール機能って確か…」


    五十鈴「電子生徒手帳のメール機能だ」


    五十鈴「アレを使えば、皆にメッセージを送る事ができる」


    五十鈴「矢吹も例外じゃない筈だ」


    五十鈴「電子生徒手帳は全員が所持していた物だ」


    如月「なら、そのメールのやり取りに使われた生徒手帳を調べれば…」


    箱田「でも確か、生徒手帳は…」


    エル「破壊されてたのよね?」


    箱田「トラッシュルームの焼却炉にまとめて燃やされたんだ」


    鳳「いいえ、箱田さん。生徒手帳は燃やされていましたが、全てではありません」


    五十鈴「鳳の言うとおり。焼却炉にあった生徒手帳は…」




    ― コトダマ選択 ―




    《催眠の正体は?》




    【コトダマ:モノクマファイル7】

    【コトダマ:学園長室内の小部屋】

    【コトダマ:開かれた小部屋】

    【コトダマ:モノクマの証言】

    【コトダマ:電子解除キー】

    【コトダマ:乾いた血痕】

    【コトダマ:銃撃の痕】

    【コトダマ:凶器の行方】

    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】

    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】◀️

    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】

    【コトダマ:ウイルス保管庫の使用履歴】

    【コトダマ:眠りウイルス】

    【コトダマ:ウイルスワクチン】

    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    《解》【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    五十鈴「これで証明する…ッ!」


  166. 168 : : 2018/05/11(金) 22:13:14


    五十鈴「焼却炉には、全部で6つの生徒手帳があった」


    五十鈴「殺された矢吹の分も含めても1つ足りないんだ」


    如月「それは本当なのか?」


    鳳「はい。きっちりかっちり数えたです」


    五十鈴「恐らく…その燃やされる事がなかった生徒手帳を所持している人物が、今回のクロだ」


    五十鈴「何故、全ての生徒手帳を破棄しなかったのかは分からないが、決定的な証拠になる」


    箱田「だけど、肝心の生徒手帳のありかがわからねーじゃんか…?」


    如月「一応聞いとくか…、モノクマ」


    モノクマ「はい、何でしょう~?」


    如月「学級裁判中に、もう一度捜査ってのはアリなのか?」


    モノクマ「う~ん、そうだなぁ~。まぁ…ちょっとグレーゾーン気味だけど…」





    モノクマ「今回は特別OKって事で♪」


  167. 169 : : 2018/05/12(土) 13:22:06





    モノクマ「だけど、そんな面倒な事は省略♪ショ~略~♪」


    モノクマ「電子生徒手帳が必要なら…今からボクがここに持ってきてやるよ」


    箱田「えっ?そんなあっさりと…、いいのか?」


    モノクマ「だってもう直ぐクライマックスなのに、ここで再度調査なんてしてたら、一体何時終わるんだい?」


    箱田「メタい事言ってんじゃねー!」


    モノクマ「まっ、とにかく…その電子生徒手帳を持ってきてやるから、ちょっと待ってろ」




    そう言ってモノクマは、一時だけ席を外し、直ぐ戻ってきた。



    モノクマ「じゃじゃじゃじゃ~ん♪」


    エル「本当に持ってきてたわね」


    如月「早く、それを渡せ」


    モノクマ「…………」


    モノクマ「う~ん、やっぱりどうしようかな~?」


    如月「は…?」


    モノクマ「正直、クロに不利な事しちゃったからね~。流石のクロもかわいそうだよ~」


    如月「何がかわいそうだ。さっさと渡せ」


    モノクマ「そこで、ここは公平にオマエラの中の一人にだけ見せまーす」


  168. 170 : : 2018/05/13(日) 14:56:22


    箱田「はぁ!?何だよそれ!」


    モノクマ「見せる相手はオマエラが決めて下さい~」


    鳳「ど、どうしましょう…?」


    箱田「どうするって言われてもなぁ…」


    如月「チッ!…仕方ねぇ、さっさと一人決めるしかないだろ」


    如月「でないと、あの生徒手帳をモノクマがどうするかわかんねぇからな」


    エル「じゃあ誰にする?」


    如月「そうだな…、俺は五十鈴に見て貰った方がいいと思う」


    五十鈴「えっ?俺がか…!?」


    五十鈴「そんな重要な事を…」


    如月「俺が思うに…この中で一番シロに近いのはお前しかいないと思う」


    如月「この証拠はクロに渡るのだけは避けたい…、なら現状、この中でお前に渡した方が俺はいいと思ってる」


    五十鈴「…でも」


    如月「だが、それを決めるのは俺一人だけでは判断しかねねぇ…だから多数決を取ろう」


    如月「俺は、五十鈴に1票だ」


    鳳「私も五十鈴さんに懸けるです」


    箱田「アタシも五十鈴に」


    ユキ「…ッ……ッ…」


    エル「これで多数になっちゃったし…、五十鈴クン、貴方が受け取りなさい」


    五十鈴「いいのか?俺で…?」


    エル「なら、どうするの?」


    五十鈴「…………」




    ― answer ―




    《電子生徒手帳を受け取る?》

    【1.受け取る】◀️
    【2.受け取らない】




    《解》【1.受け取る】
    五十鈴「俺は…ッ!」




  169. 172 : : 2018/05/14(月) 10:06:59

    >>171訂正します







    五十鈴「……わかった。モノクマ!」


    モノクマ「どうやら決まったみたいだね」


    モノクマ「あっ、今回は特例で普通に開いて使えるようにしてあるから、ほれ受け取りやがれ」


    五十鈴「ああ…」




    モノクマから犯人の物であろう電子生徒手帳を受け取った。



    五十鈴「見るぞ…」




    画面をスライドして、生徒手帳の中身を確認した。

    生徒手帳内の名簿、メール履歴、それら全てを確認する。



    五十鈴「…………」





    五十鈴「…………」





    五十鈴「……これは…」





    五十鈴「…………」





    エル「どう?誰の生徒手帳か分かったかしら~?」


    五十鈴「エ、エル…」


    如月「どうなんだ、五十鈴?」


    五十鈴「あ、ああ…。中身は確認した」




    【コトダマ:犯人の手帳生徒手帳】
    犯人の物とされる電子生徒手帳。
    生徒手帳の持ち主は……




  170. 173 : : 2018/05/14(月) 22:20:48




    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:モノクマの証言】
    【コトダマ:電子解除キー】




    鳳「誰だったんだのですか?生徒手帳の持ち主は…」




    箱田「ま、まさか…アタシの生徒手帳とか言うんじゃねーぞ…?」




    五十鈴「いや、違う…」




    箱田「そ、そうか…良かった……」




    如月「で、持ち主は誰なんだ?」




    如月「《エルのか?》」




    如月「《ユキのか?》」




    如月「《鳳のか?》」




    如月「《箱田のか?》」




    如月「《お前か?》」




    如月「《それか俺のか?》」




    如月「誰のなんだ?」




    エル「五十鈴クン、本当の事を話してよね?」




    五十鈴「…………」




    五十鈴「この生徒手帳の持ち主は……」


  171. 177 : : 2018/05/14(月) 22:50:29



    >>175>>176
    すみません。エラーが起きて、不発しました。
    >>174から再投稿しますm(._.)m



    …………。


    …………。


    …………。




    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】◀️
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:モノクマの証言】
    【コトダマ:電子解除キー】




    鳳「誰だったんだのですか?生徒手帳の持ち主は…」


    箱田「ま、まさか…アタシの生徒手帳とか言うんじゃねーぞ…?」


    五十鈴「いや、違う…」


    箱田「そ、そうか…良かった……」


    如月「で、持ち主は誰なんだ?」


    如月「《エルのか?》」


    如月「《ユキのか?》」


    如月「《鳳のか?》」


    如月「《箱田のか?》」




    《論破》
    如月「《お前か?》」




    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】
  172. 179 : : 2018/05/14(月) 22:56:09



    …………。


    …………。


    …………。




    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】◀️
    【コトダマ:壊された電子生徒手帳】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:モノクマの証言】
    【コトダマ:電子解除キー】




    鳳「誰だったんだのですか?生徒手帳の持ち主は…」


    箱田「ま、まさか…アタシの生徒手帳とか言うんじゃねーぞ…?」


    五十鈴「いや、違う…」


    箱田「そ、そうか…良かった……」


    如月「で、持ち主は誰なんだ?」


    如月「《エルのか?》」


    如月「《ユキのか?》」


    如月「《鳳のか?》」


    如月「《箱田のか?》」




    《論破》
    如月「《お前か?》」




    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】
     ↓
    《嘘》
    【ウソダマ:自分の電子生徒手帳】




    《偽証》【自分の電子生徒手帳】
    五十鈴「俺は……」




    ― break ―



  173. 180 : : 2018/05/15(火) 21:37:28


    五十鈴「俺のだ…」


    如月「ん?」


    五十鈴「この生徒手帳の持ち主だ」



    箱田「それってつまり…」


    五十鈴「これは、俺の電子生徒手帳だった」


    如月「なんだと…?」


    鳳「その生徒手帳は五十鈴さんの物なのでか?」


    如月「五十鈴、それは本当なのか…?」


    五十鈴「……ああ、本当だ…」


    五十鈴「これは、間違いなく俺の所持していた電子生徒手帳だ」


    エル「…………」


    エル「五十鈴クン…、貴方……」


    五十鈴「…………」




    ― ノンストップ議論 ―




    《開始》




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:モノクマの証言】
    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】




    鳳「な、なんで五十鈴さんの生徒手帳が…」




    五十鈴「俺にも分からない…」




    五十鈴「てっきり、焼却炉の中の何れかが俺の物だと持っていた」




    五十鈴「だけど…今、目の前にある、この生徒手帳は…」




    五十鈴「《間違いなく俺の生徒手帳だ》」




    箱田「じゃあ《犯人は五十鈴》なのか!?」




    五十鈴「ち、違う…!俺は犯人じゃない」



    如月「なら、なんでお前の生徒手帳があるんだ?」



    五十鈴「…分からない……」




    ユキ「…………」




  174. 181 : : 2018/05/16(水) 21:22:57




    …………。


    …………。


    …………。




    【コトダマ:モノクマファイル7】
    【コトダマ:モノクマの証言】
    【コトダマ:犯人の電子生徒手帳】◀️
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:モノクマ格納庫での出来事】




    鳳「な、なんで五十鈴さんの生徒手帳が…」




    五十鈴「俺にも分からない…」




    五十鈴「てっきり、焼却炉の中の何れかが俺の物だと持っていた」




    五十鈴「だけど…今、目の前にある、この生徒手帳は…」




    《論破》
    五十鈴「《間違いなく俺の生徒手帳だ》」




    【犯人の電子生徒手帳】
    ユキ「…ッ!!」




    ― break ―

  175. 182 : : 2018/05/16(水) 21:49:21




    五十鈴「えっ?」


    ユキ「ッ!ッ!」


    五十鈴「ど、どうしたんだ…ユキ?」


    ユキ「…ッ!」


    ユキ『お にいちゃん う そ ついて る』


    五十鈴「ッ!!」


    ユキ「…………」


    如月「嘘をついてるだと…?」


    如月「どういう事だ五十鈴…?」


    五十鈴「いや、嘘じゃない」


    五十鈴「これは俺の…」


    エル「ボクもユキちゃんに賛成するわ」


    エル「五十鈴クンは嘘をついている」


    五十鈴「違うッ!」


    鳳「えっ?ど、どういう事ですか?」


    箱田「嘘をつくって事は、やっぱり犯人なのか…?」


    ユキ「…ッ…ッ」フルフル


    エル「箱田さん、五十鈴クンは少なくともクロではないわ」


    箱田「じゃあ…なんで」





    エル「庇ってるのよ…」





    如月「庇ってる…?」


    鳳「それって…?」





    エル「五十鈴は犯人を庇ってる…」


  176. 183 : : 2018/05/17(木) 10:21:33


    五十鈴「ッ!!」


    如月「犯人を庇っているだど…?」


    如月「本気なのか?」


    五十鈴「違う…!俺は誰も庇ってなんかいない!」


    五十鈴「事実だ!この生徒手帳は俺の…」


    エル「気づいてないなら、教えて上げる」


    エル「五十鈴クンって、考え事とか嘘をついてる時って…、口数が減るのよ」


    五十鈴「なっ!?」


    エル「特に嘘をつく時は、どこか挙動不審になる」


    鳳「言われてみれば、どこかおかしいよな…おかしくないような…?」


    五十鈴「た、たまたまだ…」


    五十鈴「この生徒手帳が俺の物って知って、少し動揺しただけだ」


    箱田「確かに、もしその生徒手帳がアタシのだったら戸惑っていたと思う」


    五十鈴「大体…この状況で嘘をついてどうする?」


    五十鈴「ここまで来て、今さら犯人を庇うような真似ねなんて普通するか?」


    五十鈴「それに、俺が嘘をついている根拠は何処にも…」


    エル「根拠とかじゃなくて、知っているのよ」


    五十鈴「えっ…?」


    エル「ほんと…、まさか嘘をつく時は昔と変わってないわね」


    五十鈴「ッ!」

  177. 184 : : 2018/05/17(木) 22:28:24


    如月「昔と…?」


    エル「思い出したんじゃないのかしら?」


    五十鈴「なんの事だ…?」


    エル「犯人の事、昔の事…」


    五十鈴「…………」


    エル「何時から、思い出していたの?もしかして、その生徒手帳を見て記憶が覚醒しちゃったのかしら?」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「エルが何を言っているのか、さっぱり分からない」


    エル「ボクが知らないとでも思っているの?五十鈴クンがよくわかってるのじゃない?」


    五十鈴「…………」


    箱田「お、おい、何二人だけで話進めてだ?」


    鳳「そうです、置いていかないで下さいです」


    エル「あら、ごめんごめん」


    如月「謝るなら、俺達に分かるようにしろ」


    如月「いくつか気になる事ができた。五十鈴は一体何を思い出したんだ?」


    五十鈴「俺は何も思い出してなんかいない」


    如月「本当だろうな…?」


    五十鈴「ああ、信じてくれ」


    エル「らちが空かないわね…」


    エル「ボクが貴方が嘘をついている事を証明して上げる」


    五十鈴「なら…、俺が真実を言っている事をお前に証明する」




    《反論》
    五十鈴「それは違う!」




  178. 185 : : 2018/05/18(金) 09:57:13




    五十鈴「どうしても信じてくれないんだな…エル…」


    エル「貴方だって、人の事言えるの?」


    エル「ボクは言ったのね?どんな真実も受け入れるって…」


    五十鈴「真実も何も…、これが真実だ」


    エル「いいえ、これは偽りよ。真実を受け入れいないわ」


    エル「だから、貴方の目を覚まさせてあげるのよ」




    ― 反論ショーダウン ―




    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:電子解除キー】
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    《開始》




    五十鈴「俺が嘘を┃ついてるって」




    五十鈴「なんで言\い切れる!」



    五十鈴「それを証明するも/のはあるのか?」



    五十鈴「俺だって犯\人を見つけたいと思ってる…」




    五十鈴「しかし\これは…」




    五十鈴「紛れもな┃い事実だ!」




    《発展!》




    エル「それは違うわ…」


    エル「だって、その生徒手帳は貴方の物じゃない」


    エル「もちろん、それを証明する証拠だってある」


    エル「犯人しか知り得ない、その生徒手帳に関する証拠をね…」




    五十鈴「だったら証/拠してみろ」




    五十鈴「その犯人し┃か知り得ない…」




    五十鈴「《証拠はなんだ?》」




    五十鈴「それが証\明できないなら…」




    五十鈴「《間違っているのは、エル》……お前だ!」




  179. 186 : : 2018/05/21(月) 09:35:39




    五十鈴クンは気づいていないようね

    その電子生徒手帳の中身を…

    なら教えてあげる…


    犯人しか知り得ない証拠を…




    【コトダマ:学園長室内の小部屋】
    【コトダマ:開かれた小部屋】
    【コトダマ:電子解除キー】◀️
    【コトダマ:凶器の行方】
    【コトダマ:電子生徒手帳の行方】
    【コトダマ:アニメ学園の生徒ファイル】




    五十鈴「だったら証┃拠してみろ」




    五十鈴「その犯人し\か知り得ない…」




    《斬》
    五十鈴「《証拠は┃なんだ?》」




    《論破》【電子解除キー】
    エル「その言葉…斬らせてもらう!」






  180. 187 : : 2018/05/22(火) 10:21:38




    エル「五十鈴クン…、もしその電子生徒手帳が貴方の物であるのなら…」


    エル「学園長室内にある小部屋の鍵を開けたのは貴方かしら?」


    五十鈴「は?突然なんだ…?」


    エル「ふ~ん…ほら、やっぱり知らないんだ…」


    五十鈴「何が言いたいんだ…?」


    エル「その生徒手帳にはね…」


    エル「学園中の扉を開ける事ができる電子解除キーって機能が備わっているのよ」


    五十鈴「ッ!?」


    鳳「電子解除キー?」


    箱田「なんだそれは?」


    エル「五十鈴クンが説明してくれる筈よ」


    エル「だって、その生徒手帳の持ち主は貴方なんでしょう?」


    五十鈴「そ、それは…」


    如月「知ってんのか?その、解除キーって奴を?」


    エル「そんな機能はない…なんて言わないでしょうね?」


    エル「実際に試してみれば分かるわ。鍵のかかってる部屋なんて何処にもあることだろうし」


    五十鈴「ッ!」


    如月「はっきりしろ」


    五十鈴「……電子解除キーってのは、モノクマから聞いた話だ」


    五十鈴「この解除キーを持っていれば、学園中のどの部屋にも入る事ができる…」


    如月「理解した…」


    鳳「なんで、そんな物を五十鈴さんが…?」


    如月「…何処でそんな物手に入れた?」


    如月「それか、初めからあったのか?その解除キーは?」


    エル「いいえ、違うわ」


    エル「五十鈴の生徒手帳には解除キーはない…、というか手に入れてないって言った方がいいわね」


    如月「手に入れてないだと?」


    エル「そう、だって五十鈴クンは、その電子解除キーが手に入る方法を知らないのだもの」


    エル「そうでしょ?五十鈴クン」


    五十鈴「ッ!!」


    エル「どうなの?その生徒手帳が貴方の物なら、電子解除キーを手に入る方法くらい知っているのよねー?」


    五十鈴「…そ、そんな事…を聞いてどうする…?」


    エル「関係ないわ。どうやって手に入れたのか教えなさい」


    箱田「お、おい…、ちょっと待ってくれ」


    エル「何かしら?箱田さん」


    箱田「さっきから聞いていれば…、電子解除キーとか、何処で手に入れたのか」


    箱田「まるで、全部知っているような言い方じゃねーか?」


    エル「…………」


  181. 188 : : 2018/05/23(水) 10:04:00


    箱田「なんで、エルは、その生徒手帳に解除キーがあるって知っているんだ?」


    エル「…………」


    鳳「言われてみればそうです!なんでエルさんが、そんな事知っているのですか!?」


    箱田「まさか今回のクロって…」


    五十鈴「ッ!違う!エルは関係ない!」


    如月「五十鈴…悪いが、今のお前は信用できねぇ…」


    如月「だから、黙ってろ」


    五十鈴「ふざけるな!」


    如月「ふざけてるのはどっちだ!」


    五十鈴「ッ!」


    如月「なら、説明してみろ…」


    如月「その、解除キーの入手方法と、なんで所持していたのかを…」


    如月「どうなんだ?」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「………ぅ」


    如月「ん?」


    五十鈴「…違う」


    五十鈴「違う…違う違う違う…ッ!」


    鳳「い、五十鈴さん!?」


    五十鈴「エルは犯人なんかじゃない!」


    五十鈴「そうだ…、俺だよ…」


    五十鈴「俺が矢吹を殺した犯人だ」


    箱田「は、はぁ!?突然何言ってんだよ!?」


    如月「気でも狂ったか?」


    五十鈴「…俺は正気だ」


    如月「正気には見えねぇーぞ」


    如月「それに、テメェーは嘘を言って真実を隠していたが…、お前がクロじゃねー事くらい分かる」


    五十鈴「そんなの…、いつ俺が犯人じゃないって決めつけた?」


    五十鈴「それに、なんでエルが疑われるんだ…?」


    五十鈴「エルの無実は証明した筈だ」


    鳳「今は違います」


    鳳「確かに、あの時の議論ではそうでした。ですけど…今はエルさんが一番怪しいです」


  182. 189 : : 2018/05/24(木) 10:26:24


    五十鈴「違う!」


    如月「なら…エルの無実の証明できる証拠を提示してみろ」


    五十鈴「ッ!」


    如月「無いなら黙ってろ」


    五十鈴「く…っ………」


    如月「エル、お前に聞きたい事がある」


    エル「ええ、良いわよ」


    如月「一応確認しておくが…、矢吹を殺したのはお前か?」


    エル「…う~ん、逆に質問してもいいかな?」


    エル「ボクが犯人だという証拠はあるのかしら?」


    如月「今のところ、確固たる証拠は分からない…」


    如月「だが、さっきの生徒手帳とあの発言はどういう事だ?」


    如月「現状、お前を疑う理由はそれだ」


    エル「そう…。あくまで、まだ疑わしき人物ってところね」


    如月「そうだ」


    エル「そうね…。なら、ヒントを出してあけまる」


    如月「ヒントだと?」


    エル「これまで議論して来た、犯人の行動から」


    エル「犯人を断定できる方法は、今揃ってる証拠から一つだけあるわ」


    エル「モノクマ格納庫での犯人の行動を思い出してみて」


    如月「…それが、ヒントか?」


    エル「ええ、そうよ…」


    エル「犯人はどうやって眠らずにすんだのか…」


  183. 190 : : 2018/05/24(木) 21:45:27


    ユキ「ッ!!」


    エル「……どうやら、ユキは分かった見たいね」


    箱田「分かったって…、犯人が分かったのか?」


    ユキ「………」フルフル


    エル「違うわ、ユキが分かったのは、犯人を見つける方法…、そうよね?」


    ユキ「…………」コクリ


    鳳「その方法ってなんですか?」


    ユキ「…………」


    ユキ『き けん でも はんにん わかる』


    如月「その方法で犯人が断定できるんだな?」


    ユキ「…………」コクリ


    五十鈴「ふざけるな!」


    ユキ「ッ!?」


    五十鈴「ユキ…お前まで、エルを疑うのか?」


    ユキ「…ッ!」ビクッ


    エル「聞いてなかったの五十鈴クン」


    エル「ユキが分かったのは、犯人を見つける方法で…」


    五十鈴「関係ない!」


    五十鈴「そんな事しなくても、矢吹を殺した犯人はここにいる!俺だって言っているだろ!」


    五十鈴「ユキ…!お前なら分かってくれるよな?」


    ユキ「…………」


    五十鈴「ユキ…?」


    ユキ「……ッ…」


    ユキ『わかっ てないのは おにいちゃん 』


    五十鈴「ッ!」


    ユキ「…………」


    五十鈴「ち、違うッ!」


    五十鈴「ユキ、わざわざそんな方法を試さなくても俺が犯人なんだ!」


    エル「見苦しい…。そんな貴方を見たくなかったのに…」


    エル「ユキ…、五十鈴クンに分からせて上げて、真実を…」


    ユキ「……ッ」



  184. 191 : : 2018/05/25(金) 09:50:52




    ― 理論武装 ―




    五十鈴「犯人は俺だ!」




    五十鈴「俺が矢吹を殺して、今回の事件を引き起こしたんだ!」




    五十鈴「そう言っているだろ!」



    五十鈴「だから…エルはなんの関係もない」



    五十鈴「そもそも、これ以上…犯人に繋がるような証拠もない」




    五十鈴「《犯人を見つける事は不可能だ!》」





             △
            【の】




    □【免疫】         【ウイルス】○




            【力】
              ×




    【ウイルスの免疫力】
    ユキ「…ッ!!」




    ― break ―



  185. 192 : : 2018/05/28(月) 09:59:50





    ユキ「……ッ」


    ユキ『はんにん みつ けれる 』


    ユキ『う いるす で 』


    五十鈴「ウイルス…?」


    ユキ『はんに ん わくちん つかってる。だから ういるす きかな い』


    五十鈴「ッ!?」


    鳳「犯人は、ウイルスに耐性があるって事ですね?」


    ユキ「…ッ」コクリ


    ユキ『はん にん に ういるす つかう 』


    如月「なるほどな…」


    箱田「て、事は…」


    如月「犯人はワクチンを使用した。つまり、免疫がある…」


    如月「だったら、その犯人と思わしき人物にウイルスを打てば、犯人かどうかが分かる…。そうだろ?」


    ユキ「……」コクリ


    五十鈴「ま、待ってくれ!そんな方法で本当に犯人を見つけるつもりか!?」


    五十鈴「いくら何でも危険過ぎる!」


    如月「確かにそうだな。だけど、お前なら大丈夫じゃねーか?」


    五十鈴「はっ?」


    如月「だって…お前、犯人なんだろ?だったら自分が犯人だったら証明して貰おうじゃねーか?」


    五十鈴「なッ!」


    如月「五十鈴、ウイルスを打て」


    如月「それで、ウイルスに耐性があれば…犯人だって認めざるおえないしな」


    五十鈴「ッ!!」


    如月「まさか打てない…とでも言うんじゃねーぞ」


    五十鈴「ッ…ッ!……!」


    如月「どうなんだ?」





    エル「その辺りにして」





  186. 193 : : 2018/05/29(火) 10:10:17




    五十鈴「ッ!?」


    エル「もう…五十鈴クンのそんな姿、見たくないから」


    五十鈴「エ、エル…」


    エル「……ここまでのようね…」


    エル「モノクマ」


    モノクマ「はい、なんでしょう?」


    エル「ここに研究室にあるウイルス…眠りウイルスをもって来て」


    五十鈴「エル!何を…!?」


    モノクマ「そういう事だと思って実は…」


    モノクマ「もう持って来てるんだよね~」


    エル「ボクに渡して」


    モノクマ「ほいっ♪」


    五十鈴「エル!何してんだ!?」


    エル「何って…?今から打つのよ、ウイルスを」


    五十鈴「や、やめろ!」



    如月「エル、そこまでにしろ」


    エル「えっ?どうして…?」


    如月「別に、本気で試そうとした訳じゃねーっての…。もう分かったから」


    エル「そう…?なら遠慮しとくわ。注射針痛いし…」


    如月「エル…、ウイルスを打とうとしたって事は…」


    如月「矢吹を殺害したクロは…、お前なんだろ」





    エル「…………」





    エル「ええ、正解よ」


  187. 194 : : 2018/05/30(水) 09:58:39


    如月「…認めるんだな」


    エル「ここが潮時みたいだしね…」


    エル「あーあ、いい線まで言ってたんだけどねぇ~」


    エル「まさか、バレるとは…」


    箱田「何がバレるだよ」


    箱田「お前…、わざと、自分が犯人だって皆を誘導したろ?」


    エル「……なんの事かしら?」


    鳳「クロなら、こんな積極的に犯人を見つけようとはしない筈です」


    鳳「なのにエルさんは…」


    如月「端から、俺達を出し抜いて卒業しようなんて思ってなかったんだろ?」


    エル「……いいえ、それは間違い。ボクは卒業しようと矢吹クンを殺した…」


    エル「ただそれだけ…」


    五十鈴「嘘だ…」


    エル「…………」


    五十鈴「そんな訳…、ないだろ!」


    五十鈴「何か理由がある筈だ!なんで……なんで…」


    エル「理由ねぇ……」


    五十鈴「答えてくれ…、頼む…」


    エル「でもその前に、やることがあるでしょ?」


    エル「事件の真相を整理して…、そして…」




    エル「クロに投票する」


    五十鈴「ッ!!」


    エル「五十鈴クン、今度こそ間違わないでね」


    エル「どんな結末を迎えも…、必ず受け入れる事」


    エル「約束したわよね?」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「…ああ、そうだったな…」





    五十鈴「皆…、悪かった。もう間違わない…だから、もう一度、俺に事件の真実を託してくれ」


    ユキ「……」コクリ


    五十鈴「これが事件の全貌だ…」




  188. 195 : : 2018/06/01(金) 12:02:41



    ― クライマックス推理 ―




    【ACT.1】

    今回の事件の発端、はモノクマが提示した動機。

    それは、クロが指定した人物はクロと一緒に卒業できるという内容だ。

    矢吹はこの動機を利用して、殺人を計画したんだ。

    今となっては、矢吹本人が殺された為、誰を指定して一緒に卒業しようとしたかは分かならい。

    犯人は、何処かで矢吹の殺人計画を知り、その計画を利用して矢吹を殺害しよう行動に出た。

    犯人は電子生徒手帳のメール機能を使用する事で矢吹本人に直接会わずとも、矢吹とコンタクトをとり、矢吹の殺人計画の共犯者となった。




    【ACT.2】

    俺達が、矢吹の行動に気付けなかったとのと、犯人が不振な行動を取らなかったのは…、
    その時は俺の部屋で勉強会を開いていたからだ。

    そうして矢吹は、誰にも気付かれないまま、研究室から眠りウイルスとウイルスワクチンを持ち出し、何処かのタイミングで犯人にウイルスワクチンを渡した。




    【ACT.3】

    次の日、矢吹は殺人計画を実行に移した。

    手始めにユキを拐い、俺達をモノクマ格納庫へと誘い出した。

    俺達はまんまと矢吹の罠に引っ掛かり事前に仕掛けてあった眠りウイルスでモノクマ格納庫内にいる全員の意識を奪った。

    しかし、犯人だけは事前に服用していたワクチンのお陰で眠らずにすんだ。

    犯人は学園長室で矢吹と合流し、電子生徒手帳に搭載されていた電子解除キーを使い、鍵のかかっていたあの小部屋を解放し、矢吹を誘導した。




    【ACT.4】

    小部屋へ入った矢吹は、格納庫内にあるモノクマを操作しようと、小部屋内の椅子に座り、モノクマを操作しようとした。

    この時に犯人は、事前に所持していた録音器で矢吹の音声を録っていただろう。

    矢吹の計画が順調に進んでいたのなら…、
    おそらく、この時にモノクマを使って俺達を抹殺しようとして。

    しかし、そうはならなかった…。

    犯人は、無防備になっていた矢吹の背後から、凶器である銃で矢吹を射殺した。




    【ACT.5】

    矢吹殺害後、犯人はある仕掛けを施した。

    それは、矢吹殺害の犯行時刻を誤認させる為に、録音していた矢吹の音声を俺達が起きるタイミングで、格納庫内の巨大モノクマに言わせるように指示を出した。

    次に犯人は、証拠の隠滅に取り掛かった。

    先ず、凶器である銃と録音に使用した録音器を回収した。

    次に、モノクマ格納庫へやって来た犯人は、俺達全員が所持している電子生徒手帳を持ち出し、破壊しようとトラッシュルームへ向かった。

    しかし、犯人はあるミスを犯した。

    それは、自身の所有している生徒手帳を破壊しなかった事…。

    何故、全ての生徒手帳を破壊しなかったかは分からない。



    【ACT.6】

    そして犯人は、何事もなかったかのように、モノクマ格納庫へ戻り全員が目覚める時を待って、自身も眠っていたように振る舞った。

    全員が目を覚め、そして、巨大モノクマに仕掛けてあったギミックが作動し、あたかも矢吹がこの瞬間まで生きているように思われた。




    この全ての犯行を行った人物は……




    五十鈴「エル……お前なんだ…」


    エル「…………」




    ― break ―



  189. 196 : : 2018/06/01(金) 21:45:35


    五十鈴「これが、この事件の真実だ…」


    エル「…………」


    五十鈴「…故なんだ…?」


    五十鈴「何故…こんな事をしたんだ…?」


    エル「…その前に、一つに質問してもいい?」


    五十鈴「…………」


    エル「沈黙はOKって捉えるわよ」


    エル「五十鈴クン、なんで嘘を付いたのかしら?」


    五十鈴「…………」


    エル「あの時点で、モノクマがボクの生徒手帳を持って来た時点でボクは負けは決定していた」


    エル「それなのになんで…、クロであるボクを庇ったの?」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「…………」


    五十鈴「…思い出したんだ」


    エル「……そう…やっぱりね」


    五十鈴「その言い方だと…、エルも知ってんだな」


    鳳「待ってください。五十鈴さんもエルさんも…」


    鳳「思い出したって、一体何を思い出したのですか?」


    五十鈴「昔の、過去の事を…」


    如月「昔…?」


    五十鈴「ああ…、最初は夢の中で断片的だった…」


    五十鈴「夢の中に俺以外に三人の少女がいた…」


    如月「それとエルを庇う事とどういう意味がある?」


    五十鈴「その夢の少女三人は…」


    五十鈴「一人は歩…」


    如月「歩…?」


    箱田「歩って確か…九十九の下の名前だったような」


    五十鈴「そうだ…。アイツだ」


    鳳「えっ?じゃあ…五十鈴さんと九十九さんは…」


    五十鈴「俺と歩は昔に出会ってるんだ…」


    箱田「そうだったのか…」


    五十鈴「歩だけじゃない…」


    五十鈴「その夢には、今ここに二人居るんだ」


    鳳「それって…」





    五十鈴「ユキと…そしてエル…」


  190. 197 : : 2018/06/01(金) 22:00:44


    ユキ「…………」


    エル「…………」


    五十鈴「あの時…、モノクマがエルの生徒手帳を俺に渡した瞬間…断片的だった記憶が繋がった」


    如月「そして全て思い出した…と」


    五十鈴「……そうだ」


    五十鈴「守りたかった…」


    如月「だから、とっさにエルを庇ったと?」


    五十鈴「ああ…」


    五十鈴「歩に続いて…エルまで失いたくなかった」





    五十鈴「だって…」





    五十鈴「だって俺は……」




    五十鈴「三人が大切な存在なんだ…」ポロポロ




    自然と涙が両目から溢れた。

    止まらない…。

    もう止まらなかった…。


    だって、

    やっと思い出したんだ。


    昔の記憶を…



    五十鈴「やっと思い出したのに…、それなのに…」



    モノクマ「ねぇねぇ。感動的な再開に水指す事言うけど…」



    モノクマ「クロが定まったんだったら早く投票タイムに移っていいかな~?」


    五十鈴「モノクマ…」


    モノクマ「おお~怖い怖い、そんな顔で睨むなって~」


    モノクマ「ルールなんだから、そこは守ってよ」



    エル「モノクマの言う通りよ」


    エル「さぁ…皆、早くこの学級裁判を終わらせましょう」


    五十鈴「エル…」


    エル「五十鈴クン、分かっているわね」


    エル「私に投票して…、ねっ?」


    五十鈴「くッ!!」


    エル「矢吹霊士郎を殺害した犯人は、このボク…」


    エル「エルフェルド フローレライに投票するのよ」


    五十鈴「エル…ッ!」


    エル「さぁ…モノクマ、投票タイムを初めてくれる?」


    モノクマ「言われなくってもそのつもりだよ~」


    モノクマ「シロとクロの運命を分ける、ワックワクでドッキドキな投票ターイムの始まり始まり♪」




  191. 198 : : 2018/06/02(土) 08:58:12




    ― 投票タイム ―




    【五十鈴 和真】
    【鷺沢 奈鶏×】
    【ナツムラ ユキ】
    【箱田 愛子】
    【鳳 志保】
    【鴉間 國羽×】
    【矢吹 霊士郎×】
    【東雲 琉偉×】
    【九鬼 平太×】
    【蜜火原 風吾×】
    【近藤 村正×】
    【エルフェルド フローレライ】◀️
    【上木 出音×】
    【炎村 しらは×】
    【如月 修】
    【九十九 歩×】




    《指定》
    【エルフェルド フローレライ】




    モノクマ「さて皆、投票は終わったかなー?」




    モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰か!?」




    モノクマ「その答えは正解か不正解なのか~!?」






  192. 199 : : 2018/06/02(土) 13:02:58







    ー 学 級 裁 判 閉廷 ー




  193. 200 : : 2018/06/04(月) 09:16:05




    モノクマ「ええ、本人が墓穴を掘ったというか、わざと誘導していったといいますか…」


    モノクマ「まぁ…あんな分かりやすく生徒手帳を残しておいて…」


    モノクマ「最終的にボクが持って来ちゃったせいもあるような無いような気もするけど」


    モノクマ「大正解~!矢吹霊士郎クンを殺した犯人は、エルフェルド フローレライさんでーす!!」


    五十鈴「…………」


    ユキ「…………」


    エル「どうしたの?きちんと全員がボクに投票して見事、勝利したのだよ?」


    エル「って言っても、仕方ないかぁ…」


    箱田「…………」


    エル「でも…、あーあ。まさかバレるとわねぇ…」


    如月「何がバレるだ…?」


    如月「お前…、最初っから俺達を出し抜く気なんて微塵もなかったろ?」


    エル「…………」


    如月「違うか…?」


    エル「いいえ、ボクは皆を騙そうとした」


    エル「でなければ、矢吹クンを殺したりしなかったし」


    鳳「…………」


    エル「もう~、そんな暗い顔しないでって」


    エル「お通夜モードみたいでボクまでブルーな気分になっちゃうって」


    エル「いいかしら、この結末で正しかったのよ。これで正解だったのだよ」


    エル「だから、元気出して?」


    五十鈴「何が…」


    エル「ん?」


    五十鈴「何が…、元気出して…だ」


    エル「…………」


  194. 201 : : 2018/06/04(月) 21:38:12


    五十鈴「こうなったのは誰のせいだと思ってる…?」


    エル「…………」


    箱田「お、おい…少し言い過ぎじゃないか?」


    如月「いや、五十鈴の言うとおりだ」


    鳳「そうです。エルさん…なんでこんな事をしたのですか?」


    鳳「学級裁判は終わりました。ですから、真相を話してください」


    ユキ「…………」


    エル「…真相…かぁ……」


    エル「う~ん」


    五十鈴「答えてくれ」


    五十鈴「なんで…、何で矢吹を殺した?」


    五十鈴「誰も死なせないって決めてたじゃないか?」


    エル「…………」


    五十鈴「どうなんだ?」


    エル「…………」


    エル「分かったわ」


    エル「ちゃんと説明するわ。ボクが矢吹クンを手にかけた理由を…。真実をね…」


    エル「動機は……そうね…」


    エル「二つあるわ」


    五十鈴「二つ?」


  195. 202 : : 2018/06/05(火) 09:34:24


    エル「まぁ…二つって言っても一つ目の動機は、今となっては言い訳にか聞こえないし」


    エル「ボク自身もこの動機は矛盾だらけだって分かりきってるから…」


    エル「でも全て言うわ」


    エル「ボクはね、矢吹クンの暴走を止めたかったの」


    五十鈴「止めたかった?」


    如月「それは、矢吹が俺達を皆殺しにするって奴か?」


    エル「そう正解」


    エル「矢吹クンが実際にそれを実行しようとしたのは、もう言わなくても分かってるのよね」


    エル「だから勉強会の後…、彼をこっそりメールで呼び出した…」




    _____________




    矢吹「君から呼び出しといて、遅れて来るなんて余裕だね~」


    矢吹「で?二人っきりで話したい事があるって言うから来たけど、俺に何の用かな?」


    矢吹「あっ、その前に、説得は聞くつもりないから。て、訳で命乞いも無駄だから…え?そうじゃない?」


    矢吹「…………」


    矢吹「ふ~ん…、俺に協力してくれんの?」


    矢吹「別に構わないけど、だからって君を例外にするつもりないから、それでも協力したいの~?」


    矢吹「…………」


    矢吹「ふっ…ハハハハハ!君、面白いね!それでも俺に協力してくれるって…、君も言い感じに頭のネジいっちゃってるね~」


    矢吹「何か思惑があるかどうか知らないけど~」


    矢吹「特別、君を殺すのは全てが終わった後にしてあげる♪」


    矢吹「この首謀者である俺が約束するよ~」



    _____________






  196. 203 : : 2018/06/05(火) 22:42:25




    エル「いや~あの時はちょっと吹き出しそうになったわね」


    エル「だって、自分自身が黒幕って…」


    エル「もうあの時点でとっくにボクは、矢吹クンが黒幕じゃないって知ってるのに…ふっ…」


    エル「黒幕だって分かりきって名乗るもんだから……本当に笑いそうになったわ」


    五十鈴「何が笑いそうになっただ!?」


    エル「……ごめんなさい。流石にそれは酷いわよね」


    エル「でも、ボクは矢吹を止めようと…」


    箱田「それでアタシ達を守ろうと矢吹を…」


    エル「いいえ箱田さん、それは違うわ。最初のきっかけだったのよ」


    五十鈴「きっかけだと…?」


    エル「そう、それはあくまで矢吹クンを殺そうと思ったきっかけに過ぎないの」


    鳳「では、そのもう一つの動機が本当の動機って事ですか?」


    エル「そうよ」


    エル「ボクが矢吹クンの殺害を決意した、二つ目の動機…」





    エル「モノクマが提示した動機が、本当の動機だよ」


  197. 204 : : 2018/06/06(水) 09:32:42


    如月「何…?」


    エル「矢吹クンを止めようと思った時にね…、モノクマの動機を思い出したのよ」


    エル「生き残りから一人…、一緒に卒業できる」


    五十鈴「ッ!!」


    エル「ほんと…、そんな動機に惑わせされるなんて、ボクもまだまだだったね」


    箱田「じゃあエルもこの中の誰かを?誰なんだ…?」


    エル「…………」


    如月「ここまで言ったんだ、答えてくれ」


    エル「…………」


    エル「…分かった……」





    エル「ボクは…」





    エル「五十鈴クンと…」





    エル「そしてユキ…」





    五十鈴「…………」





    ユキ「…………」





  198. 205 : : 2018/06/07(木) 09:53:32





    鳳「二人?」


    如月「どういう事だ?」


    如月「クロと一緒に卒業できるのは一人だけのはずだ?」


    エル「そうね…、確かに、二人は不可能…」


    エル「だけど、二人を卒業させる方法があるの」


    如月「その方法は?」


    エル「…………」


    エル「ごめん、それは言えない…」


    箱田「なんで言えないんだ?」


    エル「…………」


    エル「ごめん…」


    如月「…分かった。なら違う質問をする」


    如月「五十鈴とユキを卒業させたかった理由は何だ?」


    エル「ボクも思い出したの?」


    鳳「それって…」


    エル「五十鈴クンと同じ、ボクは五十鈴クンと九十九さん…そしてユキ」


    エル「昔の幼馴染というか…家族同然というか…」


    エル「ともかく、ボクは三人が世界一大切なの」


    五十鈴「……エル…」


    ユキ「…………」


    エル「ボクがこの記憶を思い出したのは…、あの時」


    箱田「あの時って…?」


    如月「思い出しライトか?」


    エル「…………」


    エル「…そうよ。正解…その時に全てを思い出した」


    エル「だからボクは、このコロシアイを終わらせようと、行動を起こしたの」





    エル「思い出しライトを浴びたその夜に、ファイナルデッドルームに挑戦した…」


  199. 206 : : 2018/06/09(土) 10:50:11


    如月「お前、ファイナルデッドルームに挑戦していたのか?」


    エル「その時に最初の挑戦者特典としてこの解除キーを手に入れたわ」


    エル「まぁ、思ってたより難しくはなかったわね」


    モノクマ「あちゃー、ボクの自慢の部屋が難しくない呼ばわりー?」


    エル「ええ、簡単過ぎてあくびが出ちゃったもの」


    鳳「それで、どうなったのですか?」


    エル「けど、結果から言ったらダメだった…」


  200. 207 : : 2018/06/11(月) 10:05:33




    _____________






    モノクマ「おめでとうございます~!」


    モノクマ「見事、ファイナルデッドルームを突破しましたね~♪」


    エル「ごたくは結構よ」


    モノクマ「冷めてるねぇ~、もうちょっと喜んでもいいんじゃない?」


    エル「冷めるも何も…、そうさせたのは誰かしら?」


    エル「良くも私の可愛い弟妹達をこんな野蛮なゲームに閉じ込めてくれたわね」


    モノクマ「弟妹って…?それって五十鈴和真クン?九十九歩さん?ナツムラユキさん?」


    エル「その3人よ」


    モノクマ「3人?」


    エル「そうよ、貴女の浴びせ思い出しライトだったっけ?」


    エル「それで、全て思い出したわ。もう貴女の思惑通りにはさせない」


    モノクマ「全てを思い出した…ねぇ~」


    モノクマ「うぷぷぷ~実に滑稽だね♪」


    エル「どういう事?」


    モノクマ「いや、こっちの話ー」


    モノクマ「というかネタバレ防止の為、以上は追及しないこと~」



  201. 208 : : 2018/06/12(火) 10:00:35


    モノクマ「それにしても…今まで会うどころか連絡すらしていない幼馴染の為によくもまぁ…」


    モノクマ「命知らず知らずというか…」


    エル「そんな話はいいから、確かこの部屋をクリアしたら何でも望みを叶えてくれるって言ったわよね?」


    モノクマ「はいそうです。だけど、ボクにできる事だけだけどね。後、ボクの抹殺はNGだから」


    モノクマ「それで、エルさんは何か望みかな~?」


    エル「決まっているじゃない」


    エル「今すぐ、このコロシアイを終わらせて、ボク達全員を解放しなさい」


    モノクマ「それが望みでOK?」


    エル「そうよ」


    モノクマ「…………」


    エル「どうしたの?まさか、できないなんて言わないでよね。これなら貴方ができる範囲じゃないかしら?」


    モノクマ「出来なくはないよ」


    エル「だったら」


    モノクマ「それで本当にいいの?」


    エル「ん?」


    モノクマ「別に良いんだけど~」


    モノクマ「まぁ~それが望みなら仕方ないよね」


    エル「何が言いたいのかしら?」


    モノクマ「聞きたいんだけど?お前の言う全員をコロシアイから解放って…」


    モノクマ「全員生きて解放…つまり生きている状態でアニメ学園から卒業って事?」


    エル「何を言っているのかしら、そんなの当たり前じゃない」


    モノクマ「…………」


    エル「答えなさい」


    モノクマ「端的に言いますと…」


    モノクマ「全員は無理かな」


    エル「はっ?」


    モノクマ「だから全員は無理だって言ってんの」


    エル「やっぱり貴方はコロシアイに支障が出るのが嫌じゃない」


    モノクマ「いや、このファイナルデッドルームのクリアもコロシアイに含まれてるから」


    モノクマ「そこんところ大丈夫。ゲームにショートカットは付き物だから」


    モノクマ「とあるゲームだって、行きなり1ステージから8ステージにショートカットできるし。そんな感じ」


    モノクマ「あ、話が反れちゃったね。まぁボクが言いたいのは…」





    モノクマ「ナツムラユキさんに関しては今の現状でいうと無事に卒業出来ないんだよねー」





  202. 209 : : 2018/06/13(水) 22:34:03





    エル「……、えっ…?」


    モノクマ「ボクの口から説明しても飲み込めないと思うから…」


    モノクマ「じゃじゃ~ん、思い出しライト~♪」


    モノクマ「初回クリアサービスで、今からナツムラさんの真実を教えて上げまーす」


    エル「な、何を…?」


    モノクマ「全部思い出したと思ってた~?」


    モノクマ「残念~。実はお前の思い出している記憶はまだ全部じゃありませーん」




    そう言ってモノクマは、思い出しライトと浴びせた。




    モノクマこれから思い出すのは…ナツムラさんに関する記憶で~す」




    エル「…ッ……!……えっ?何…これ?」





    モノクマ「うぷぷぷ~♪思い出した?」





    エル「…嘘…でしょ?……ユキ…?」





    モノクマ「では、それを踏まえてエルさんは何を望みますか?うぷぷぷ~♪」




    _____________


  203. 210 : : 2018/06/14(木) 10:37:28



    エル「結局、何も願わないまま部屋を出て」


    エル「その後すぐに上木クンと九十九さんが死んじゃって…」


    エル「悔やんだわ…」


    エル「せめて、九十九さん…いえ、歩を死なせないとか望んでれば良かったって」


    鳳「…………」


    如月「…………」


    箱田「…………」


    エル「ほんと、ダメだなぁ…ボクは」


    エル「皆を救おうとファイナルデッドルームに挑戦したのに何も願わないで」


    エル「挙げ句の果てに、ユキと五十鈴クンを救おうとして、逆に皆を危険な目に合わせた…」


    エル「本当にごめんなさい」


    ユキ「…………」


    五十鈴「…………」


    エル「長々と話しちゃったわね。モノクマ、もう良いわよ」


    モノクマ「話は終わった?最後の別れは終わった?」


    エル「ええ、そろそろ初めて…」


    五十鈴「待ってくれ」


    エル「…………」


    五十鈴「エル…、俺は……俺達はお前を恨んでなんかいない」


    五十鈴「だから、ごめんなんて言うな」


    鳳「そうです…!私も……私も…ッ!」


    鳳「エルさんを嫌いになんて…なってないです…!むしろ大好きです!!」


    箱田「ったく…何泣いてんだよ鳳…」


    鳳「そういう箱田さんだって目が真っ赤じゃないですか?」


    箱田「これは…!その……目にゴミが…」


    箱田「って、やっぱり無理だわ……だって…!」


    箱田「うぅ…」


    鳳「箱田さん…!」


    エル「2人とも…、泣かないで」


    箱田「そんなの……無理だ…」


    鳳「泣かずにいられません…」


    エル「そうか…、なら好きなだけ泣いて」


    エル「泣いて泣いて泣き飽きるまで泣きたら…そしたら笑ってくれる?」


    鳳「…はいっ!」


    エル「まったく…仕方がない子達ね」


    如月「エル…その…」


    エル「何、如月クン?」


    如月「お前のやった事は、普通は許されない事だと思う…けど」


    如月「俺は、今でもエルの事は大切な仲間だと思っている」


    エル「…ありがとう」


  204. 211 : : 2018/06/15(金) 22:22:49


    ユキ「…………」


    エル「…ユキ」


    ユキ「…………」


    エル「ユキはもう知っているのよね…?自分の事」


    ユキ「…………」コクリ


    エル「ごめんね…」


    ユキ「……ッ」フルフル


    エル「貴女を守れなかった…。約束も守れなかった…。」


    エル「こんなダメなお姉ちゃんでごめんね」


    ユキ「………」ポロポロ





    五十鈴「ユキ…」


    エル「五十鈴クン、真実を知ってしまったら、貴方はきっと苦しむと思う…」


    エル「だけど全て受け入れて。どんな真実が待っていようと…」


    エル「立ち向かって」


    五十鈴「けど、俺は……」


    エル「また弱気になってる…。しっかりしなさい」


    五十鈴「…………」


    エル「これは、ボクの憶測だけど…」


    エル「五十鈴クン、今、貴方が思い出している記憶は全てじゃないわ」


    エル「まだ、思い出していない記憶があるはず」


    エル「思い出すかもしれない。そして絶望するかもしれない…。けど…」


    エル「貴方ならきっと立ち直れる。戦える勇気を持ってる」


    エル「だから、ボクを安心させてよ。ねっ?」


    五十鈴「エル…、なら教えてくれ」


    五十鈴「エルは何を思い出したんだ」


    エル「ボクが思い出したのは、昔の記憶とユキの記憶よ」


    五十鈴「ユキの記憶…?」


    エル「ええ…」


    エル「ボク達が卒業してしまうと、ユキは…」


    エル「死んでしまうの…」


    モノクマ「はい!話はそこまで!」


    モノクマ「タイムアップ!強制終了~!」


    五十鈴「待て!ユキが死ぬってどういう事だ!?」


    モノクマ「さっさとやって、ワクワクのドッキドなおしおきターイム!」


    エル「ボクが居なくても五十鈴クンなら、たどり着けるはず…」


    五十鈴「エル!!」


    モノクマ「スペシャルなおしおきを用意しました!」





    エル「"雪希"をお願い…"和真"」




    モノクマ「はりきって行きましょう~おっしおきターイム!」





    エル「心から愛してるわ」



  205. 212 : : 2018/06/16(土) 18:13:11


    GAME OVER

    エルフェルドさんがクロにきまりました。
    おしおきをかいしします。






    ― チェックメイト ―




    チェスの盤を模様した白と黒のチェック柄のタイルの上に、


    エルと騎士のような黒い石像が周囲に配置されていた。


    その黒騎士に対するように、


    反対側にも同じように白騎士の石像と一体の王冠を被ったモノクマが配置されていた。


    モノクマが合図を出すと、白騎士の石像達が一斉に動き出す。



    対するエル側の黒騎士の石像達もエルを守るように応戦する。


    騎士の石像達は互いにぶつかっては砕け、


    石像は手に持っている剣で相手の石像目掛けて振るい、

    槍や鎚で互いを壊しあった。


    黒騎士が圧倒し白騎士を全滅させた。


    腹を立てたモノクマは、増援を呼び出す。


    白騎士は先ほどより数を増やして再び進撃する。


    黒騎士も再び身構え応戦する。


    しかし、黒騎士側には増援もなく激しい攻防で疲弊していった。



    そこへ追い込みをかけるかのように、


    弩を構えた白騎士の軍団と数台の投石機が、


    黒騎士の軍団目掛けて一斉射撃を開始する。


    黒騎士の軍団は次々と白騎士が放った石矢を浴び、


    投石機によって放たれた大岩で黒騎士は一斉に砕け散った。


    エル自身も例外なく、左肩、右腕、腹部と石矢を浴び、大岩の破片が彼女の身体を斬る。



    この攻撃で黒騎士側は全滅し、


    場には、白騎士の軍団と砕けてた黒騎士の残骸と、


    身体から血を流すエルが床に倒れていた。



    一人の白騎士が彼女に歩みより、


    彼女の首を掴み床から引っ張り上げる。



    虚ろな意識の中…彼女が見た光景は、


    白騎士が彼女の首元に剣を突き付け、


    ゆっくりと剣を振り払い、彼女の身体と首を絶ち斬るす姿だった。



  206. 213 : : 2018/06/18(月) 10:15:33








    モノクマ「エクストリーム!」


    五十鈴「…………」


    モノクマ「いや~今回もエグエグなおしおきだったね~」


    ユキ「…………」


    モノクマ「まぁボクが実行したんだけど」


    如月「黙れ…」


    モノクマ「はい?」


    如月「テメェーの、そのクソッタレな声を聞いてたら殺意が沸く…」


    モノクマ「ありゃりゃ?もう何やかんやで5回目なのに…」


    モノクマ「まぁ…いいや。お口チャックっと♪」


    鳳「うぅ…エルさん……」


    箱田「くそっ…!なんで…、なんで……」




    暗く…、

    重く…、

    そして絶望に染まった空気が、この場を包んでいた。




    五十鈴「…………」


    五十鈴「…エル……」




    エルは死んだ。


    殺された…。


    無惨に…、残忍に……



    また…失った…。


    歩に続いて今度はエルを失った。


    せっかく…、再開出来たのに…。




    五十鈴「…………」


    箱田「おい…何処に行くんだ?」


    五十鈴「…………」


    鳳「…五十鈴さん?」



    箱田と鳳の声が聞こえて来た気がした。


    多分、俺に向かっての言葉だと思う…。




    五十鈴「…………」



    だけど…

    今はもうどうでもよく、答える気力もない。


    俺の足はただひたすら出口がある、エレベーターへ向かっていた。



    箱田「なぁ…五十鈴?」


    如月「箱田、今はそっとしてやろう」


    箱田「けど…」


    如月「今のアイツには心の整理が必要だ」


    如月「エルは五十鈴にとって大切な存在なんだろう…」


    如月「俺も…、アイツが…鴉間が殺された時は…気持ちが混乱した」


    如月「だから、今はそっとしておこう」


    箱田「確かに、そうかもな…」


    鳳「でも、大丈夫でしょうか…?」


    如月「分からねぇ…、アイツ次第だからな」


    ユキ「…………」


    ユキ「…………」


  207. 214 : : 2018/06/19(火) 23:18:46






    ― 五十鈴の部屋 ―




    五十鈴「…………」




    机に置かれてあるフォトフレームを手に持ち、ベッドに腰をかけた。




    五十鈴「……エル…、歩……皆…」




    みんな死んでいった。


    東雲も、


    近藤も、


    上木も、


    歩も、


    炎村も、


    鴉間も、


    蜜火原も、


    九鬼も、


    鷺沢も、


    あの矢吹でさえ死んだ…、


    そして、今度はエルが死んだ…。




    五十鈴「…エル……」




    エルは言った。

    立ち直れる…、戦える勇気があるって…


    無理だ…。


    もう…



    五十鈴「俺には…もう……」




    『感染率90%』




    五十鈴「戦える気がしないんだ…」


    五十鈴「立ち上がる事もできない…」




    『感染率92%』




    五十鈴「これ以上、仲間を失うのが怖いんだ…」




    『感染率95%』




    五十鈴「お前に続いてユキまで…失う事になったら…俺は…、俺は……」


    五十鈴「正気を保てない…」


    五十鈴「嫌だ……」




    『感染率98%』




    五十鈴「…………」


    五十鈴「ユキ…?」


    ユキ「…………」



  208. 215 : : 2018/06/20(水) 22:20:01




    気がつくとユキが目の前にいた。




    五十鈴「どうやって…?」



    ユキ「……ッ…」




    ユキはメモ帳に文字を書き、それを俺に見せる。




    『 あいて た』




    五十鈴「そうか……閉め忘れてたのか…」



    ユキ「…………」



    五十鈴「…………」



    ユキ「…………」


    五十鈴「……ユキ…」


    五十鈴「お前は何処にも行かないよな…?」


    ユキ「…………」



    五十鈴「俺は……お前まで失うのが怖い…」


    五十鈴「せっかく…思い出しのに……」


    五十鈴「歩やエル…そしてユキ…お前とまた会えたのに…」


    五十鈴「なのに……なのに…、なのに…!!」


    ユキ「ッ!!?」


    五十鈴「…………」




    気がつけば、ユキの袖を強引に掴み、ベッドへ引きずり込んだ。




    ユキ「ッ!?ッ!!」



    一瞬、何が起こったのか分からない様子のユキを尻目に、俺はユキを強引に押し倒した。



    五十鈴「ユキ…ッ!」



    『感染率99%』




    そして俺は、ユキを裏切るように衣服を乱暴に脱がそうとした。


  209. 216 : : 2018/06/22(金) 23:53:17


    最低で下劣な行為だ…。


    だけど、そう思うだけで、手が止まらなかった。


    性欲を求める為ではない…。


    衝動的な恐怖心からユキがいとおしいく離したくない一心で…。


    狂気に溺れる。


    いや…、そんな言い訳なんて考えるな。


    ユキ「ッ!!ッ!ッ!」


    五十鈴「ユキ…!ユキ…!」



    ユキの弱々しい抵抗を示すが、それを力で捩じ込めた。


    シャツのボタンを引き剥がし、下着が露になる。




    最低だ…。



    多分…いや、

    これは完全なる裏切り行為だ。


    俺は、エルや歩、ユキの思いを裏切っている。



    それでも、止められない。



    五十鈴「ユキ…!もう何処にも行かないでくれ…ッ!」


    ユキ「ッ!ッ!??!」



    ユキの熱く火照った胸部を下着の上から力強く揉みしだいた。


    そして、俺は…ユキの唇を奪おうとユキの顔を押さえつけ…




    ユキ「…ッ!!」




  210. 217 : : 2018/06/23(土) 22:25:34




    ゴンッ!!




    五十鈴「!?」




    鈍い音と共に、ユキに頬を殴られた。




    五十鈴「え……?」



    殴られた衝撃と痛み、口内に広がる血の味が俺を正気へと戻した。




    五十鈴「今…俺は……ユキを……?」




    ユキを襲おうとした。

    俺は…一体何を血迷って…?




    ユキ「ッ…!……!」




    五十鈴「……ユキ…?」




    ユキ「…ッ!」




    ゴンッ!!



    鈍く、重いいユキの小さな拳が鼻部から全身に痛感する。


    痛みなんて気にならなかった。


    自分がやろうとした行為に罪悪感で自己嫌悪で心が押し潰されそうになっているからだ。


    ユキ「…………」


    五十鈴「俺は…、俺は……」



    鼻部から垂れた血がシーツを汚す。

    その血が、俺を現実にユキを襲おうとした事を証明するかのように、俺に見せつけた。



    五十鈴「何やってんだよ…。」


    五十鈴「ごめん…ユキ…、許してくれ……」


    ユキ「…………」


    五十鈴「ユキ……」


    ユキ「……ッ…!」



    ユキは何の返事もないまま、情けなくだれきった腕を強引に引っ張って来た。




    五十鈴「えっ?」



    ユキに引っ張られるまま、無理やりに押し込まれる形でシャワールームに入った。




    ユキ「…ッ…ッ!」


    五十鈴「…ユキ?」




    俺は、ユキに乱暴にシャワールームの奥へと追いやられ、

    ユキはシャワーノズルを手に持ち、そして、勢いよく青い蛇口を捻ってノズルを俺に向けた。




    五十鈴「うわッ!!?」



    肌を刺すような冷たさが俺を襲った。




  211. 218 : : 2018/06/25(月) 21:19:02




    五十鈴「ユキ…ッ!やめッ!止めてくれ!!」



    ユキ「……………」



    ユキの手は緩める事なく、ひたすら俺に冷水をお見舞いした。


    全身の体温が下がり身体は震え、水がユキに殴られた傷に染みる。




    五十鈴「悪かった!俺が悪かった!!どうかしてた!!」


    ユキ「…ッ!」



    しばらくして許してくれたのか、

    ユキは、蛇口を絞めてシャワーノズルを下ろした。




    ユキ「…………」


    五十鈴「ハァ…!ハァ…!ハァ…!」


    ユキ「…………」



    少し濡れて湿気ったメモ帳を取り出し、淡々と文字を並べる。




    『め さめた ?』



    ユキ「…………」



    五十鈴「ハァ……!ハァ……!」


    五十鈴「あ、ああ……」


    ユキ「……ッ」




    『なら よかっ た』




    五十鈴「……ユ、ユキ…」


    ユキ「…ッ?」


    五十鈴「その…、本当に悪かった…。ごめん…!」


    ユキ「…………」




    『 ゆ るす 』




    五十鈴「ユキ…」


    ユキ「…ッ……ッ」


    五十鈴「ユキのお陰で…なんか…、目が覚めッ!ヘックシュン!!」


    ユキ「…ッ!?」


    五十鈴「ふぅぅ…寒ッ!」


    ユキ「ッ!ッ!」


    『ごめ んなさ い やりす ぎた』



    五十鈴「ああ…いや、ユキのせいじゃないって…」




    ガチャ!!



    如月「ユキ、五十鈴の奴は大丈…って、びしょ濡れじゃねーか」


    五十鈴「如月…」


    如月「 何してんだ?」


    ユキ「~ッ!」アタフタ


    五十鈴「これは…何て言ったら…」


    如月「…………」


    如月「まぁいい…聞くのも野暮だな」




    察してくれたのか…?

    如月はそれ以上の追求することはなかった。




    如月「吹っ切れたようだな五十鈴」


    五十鈴「ユキのお陰でな」


    ユキ「……ッ」


    如月「そうか、なら先ずは着替えろ。そのままだと風邪を引く」


    五十鈴「そうするよ」


    如月「後で食堂に来い。行くぞユキ」


    ユキ「…ッ…ッ」



    そう言い残し、ユキと如月は部屋を後にした。




    五十鈴「…………」


    五十鈴「ヘックシュン!!……早く着替えよう…」



    俺は、身支度をして急いで食堂へ向かった。







  212. 219 : : 2018/06/26(火) 09:57:51







    ― 食堂 ―




    五十鈴「な、なんだ…これ…?」




    食堂に着くなり、俺は唖然とした。




    如月「何って、見りゃ分かるだろ。中華料理だ」



    そう、テーブルに置かれてあるのは如月が作った中華料理だ。


    だが…、




    五十鈴「いや…、そうじゃなくて、俺が言いたいのは…」



    五十鈴「明らかに量が多すぎだろ!?」



    テーブルいっぱいに、至るところに中華料理が並べられていた。


    テーブルの端を見ても中華、目の前にも中華…。


    ざっと40~50人前はあると思う。




    如月「腹一杯食えるものって言ったら中華しかないだろ?」


    五十鈴「だからって加減しろ!食いきれる量じゃねーぞ」


    如月「中華だからな。中華料理ってのは残すのが鉄則らしい」


    五十鈴「そ、そりゃそうか、こんな量は…」


    如月「まぁ…俺の料理は残し厳禁だがな」


    如月「残さず食えよ」


    五十鈴「鬼か!?」


    如月「文句が多いな。ほら、女子を見てみろ」



    ユキ「ッ…ッ!……!ッ…!」


    鳳「…っく、はぐ…っ!…んぐ…!」


    箱田「うぅ…!無理…吐きそう……」


    如月「なっ?」


    五十鈴「何が、な?だ!」


    如月「文句言わずに食ってんだろ?」


    箱田「五…五十鈴……た、助け…」


    五十鈴「明らか、一人死にかけてんだけど!?」


    鳳「っ!はぐ…!ご飯お代わりです!」


    如月「はいよ」


    五十鈴「誰か箱田を助けてやれよ!」


    如月「喋ってる暇があるなら、早く食え」


    如月「そして先ず座れ」


    結局、強引に椅子に座らせられ、如月は俺の器に大量の料理を盛り付けて…


    更に、尋常じゃないくらいの量の白飯を渡してきた。


    如月「遠慮は要らねぇ、さぁ思う存分食べろ」


    五十鈴「む、無理…」


    目の前の大量の青椒肉絲や麻婆豆腐と山になっている白飯を見ただけで、お腹がいっぱいになる。


    そこに、おいうちをかけるかのように…



    如月「悪いな皆、中華の定番である杏仁豆腐は用意出来なかった」


    如月「代わりに、俺の得意なケーキを作っておいた」




    台に乗った、結婚式用のケーキを持って来たのだ。



    如月「この通り、デザートもあるからな」




    五十鈴・箱田「お…鬼…だ……」



    如月の見せた笑顔は…

    これ以上もなく鬼畜に見えた。



  213. 220 : : 2018/06/26(火) 21:12:29



    五十鈴「うぅ…ッ…、吐きそう……」


    箱田「なんか…、一生分食った気がする……」




    腹がはち切れそうだ…。

    ざっと五人前は平らげた。


    もう…身体の穴という穴から中華が出てきそうだ。



    如月「なんだ?あれくらいの量でへばったのか?」


    五十鈴「あれくらいって…、お前らの胃袋が化け物じみてんだよ」



    そう…、50人前くらいあったあの料理は如月と鳳、そしてユキの3人が平らげた。


    まさか、3人があんなに大食いだったとは…

    特にユキと鳳は群を抜いて食べていた。



    人は見かけによらないとはこの事だな…。



    鳳「美味しいかったです。ごちそうさまです」


    ユキ「ッ!ッ!」


    如月「ああ、お粗末様でした」


    如月「これで、鋭気を養えたな」


    五十鈴「どこが養えてんだ?」


    如月「腹は減っては戦は出来ぬ…って奴だよ」


    五十鈴「…?」


    如月「気力は付けた。ここからは本題に入る」




    そう言うと如月は、ある物をテーブルに置いた。




    五十鈴「これって…」


    如月「エルの電子生徒手帳だ」


    五十鈴「なんでこれを…?」


    如月「あの後、こっそりとな…。モノクマも何も言わねぇから大丈夫だろ」


    五十鈴「……何をする気なんだ?」


    如月「決まっている…」


    如月「このクソッタレな学園をぶっ潰す」


    五十鈴「え?それって…」


    如月「このエルが残してくれた生徒手帳は、電子解除キーが備わっている」


    五十鈴「そうか、それを使えば」


    如月「ああ、どんな部屋でも自由に入る事ができるって事だ」


    五十鈴「じゃあさっそく…」


    ユキ「ッ!ッ!」


    五十鈴「ユキ?」


    鳳「どうしたのですか?ユキさん」


    ユキは、俺達に見せるようにある物をテーブルに置いた。


    如月「それは…?」


    箱田「ボイスレコーダーだな?」


    ユキ「…ッ……」




    『おねえちゃんの へや に あった』



    箱田「お姉ちゃんって…エルか?」


    ユキ「ッ!」コクリ



    『おねえちゃん の つたえたい ことが ここに』




    そう俺達に伝えると、ユキはボイスレコーダーを起動させた。






    ?『あーあ どうも』



    ボイスレコーダーから一人の少女の声が流れた。


    ?『きちんと録れてるかしら?』


    ?『えーと  うん よし !バッチリ !』



    五十鈴「…この声は」



    聞き覚えるある声だ…。


    誰の声明かは直ぐに理解できた。




    五十鈴「エル…?」




    エル『一応 自己紹介するね… やっほ~みんなのエルお姉ちゃんだよ~♪やんちゃって』


    エル『このレコーダーを聞いてるって事は 多分  いや…多分じゃないか… ボクはもういないと思う』


    エル『生き残ったんだね… よかった』


    エル『これを聞いている皆 少しボクの無駄話に付き合ってくれないかな?』


    エル『面と向かって話せなかった事が沢山あるの 特に 五十鈴クン…いえ 和真にね 』



  214. 221 : : 2018/06/26(火) 21:16:52








    _第5章_
    黒と白の絶望レクイエム 非日常編

            ― 完 ―








  215. 222 : : 2018/06/26(火) 21:21:19





    ……………





    ……………




    ……………




    ……………





    ……………





    ……………













    ― ■_■■ □ __■ □■□□ ―




    モノクマ「まっ、こんなもんか…」


    □■「…………」


    モノクマ「可も不可もなく…ってところか」


    モノクマ「矢吹クンに関しては…」


    モノクマ「まぁ…そこそこ頑張ってくれたと思うよ。うん…」


    モノクマ「小者にしては上出来だね。いい道化になってくれた」


    モノクマ「ギリギリ合格点だね」


    モノクマ「まっ…所詮、小者は小者なんだけど~♪」


    □■「…………」


    モノクマ「でも、エルフェルドさんに関してはガッカリだったね~」


    モノクマ「途中まではいい線行ってたのに、最後の最後で、決定的な証拠を残したんだし」


    モノクマ「そんと、期待外れもいいところだよ…ツマラナイ」


    □■「…………」


    モノクマ「あれれ?どうしたのかなー?」


    □■「…………」


    モノクマ「ひょっとして、エルフェルドさんを死なせて後悔してるとか?」


    □■「…………」


    モノクマ「確かに"君の望む素体"としては、あの中で一番だったと思うよ。残念だったね~」


    モノクマ「黙り~?無視ー?」


    モノクマ「それとも、今さら悔やんでるとか~?」


    □■「うるさい…」


    モノクマ「おっ?喋った♪うぷぷぷ~」


    □■「…………」


    モノクマ「けどさぁ…、これは半分君がやった事なんだよ」


    モノクマ「」


    □■「…………」


    □■「悔やむ…?この俺が?」


    □■「ここまでやっておいて今さら?」


    □■「なに馬鹿な事言ってんだ?」


    モノクマ「そりゃそうだね♪」


    □■「もうすぐなんだ…。もうすぐ…もうすぐ……」





    □■「もうすぐ、君を救えるよ…」





    □■「"雪希"…」


  216. 223 : : 2018/06/26(火) 21:37:09






    ― 生存メンバー ―


    【五十鈴 和真】
    【鷺沢 奈鶏×】
    【ナツムラ ユキ】
    【箱田 愛子】
    【鳳 志保】
    【鴉間 國羽×】
    【矢吹 霊士郎×】
    【東雲 琉偉×】
    【九鬼 平太×】
    【蜜火原 風吾×】
    【近藤 村正×】
    【エルフェルド フローレライ×】
    【上木 出音×】
    【炎村 しらは×】
    【如月 修】
    【九十九 歩×】



    ― 生き残りメンバー5人 ―





             ― To Be Continued ―






  217. 224 : : 2018/06/26(火) 21:43:10



    以上で執筆を終了します!

    約三ヶ月間、ぐだぐたでダラダラな文法もクソもない話を最後までご愛読してくれて…

    クソありがとうございました!!m(__)m


  218. 225 : : 2018/06/26(火) 22:14:18



    KAIさんおつかれ様でした

    さて、いよいよ次の章で最後!!


    残ったのメンバー

    本作の主人公 

    五十鈴 和真


    言葉を話せられない謎の少女

    ナツムラ ユキ


    国家専属特殊部隊所属そして女子力の高い軍人

    如月 修


    漫画を描く見た目は小学生中身は高校生

    鳳 志保


    音楽の才能を持ち、○○野郎という口癖な

    箱田 愛子



    この五人がいよいよ黒幕との決着をつける


    果たして、黒幕は一体誰のか…

    では6章でお会いしましょう!!



▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
time-traveler

re:Switch

@time-traveler

この作品はシリーズ作品です

○○○達のコロシアイ学園生活 シリーズ

「ダンガンロンパ 」カテゴリの最新記事
「ダンガンロンパ 」SSの交流広場
【sn公式】ダンガンロンパ交流広場