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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

【安価】真宮寺「これは……」夜長「……コープスパーティー?」【chapter:06】

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  1. 1 : : 2019/10/01(火) 01:36:42

    (※毎度お馴染みの誤字・脱字の量でございますがお許しを…※)

    (※この作品は『コープスパーティー』とのコラボ作品となります。基本はコープスのストーリーに沿ってますが、オリジナル展開も予定しています※)

    (※なお、今回はホラー・エロ・グロ、CP要素がもりもりあります※)

    (※chapter事に視点が変わります、さらに同じchapter内でも視点が変わるので見辛いかもしれません※)

    (※また死ぬキャラクターが多数でるので、推しのキャラが退場しても許しください※)



    ・登場人物

    ニューダンガンロンパV3 メンバー
    (希望ヶ峰学園の制服を着てるイメージをしております)


    ・舞台設定

    育成計画+α 『希望が峰学園79期生』設定
    というより紅鮭の方が近いかも……


    ・前説

    それはある日の夕暮れのこと。
    怪談話をしていく最中、才因組のクラスメイトたちはあるおまじないをすることに…

    …それが、禁じられた『呪いの類い』であることを知らずに……



    (※基本は安価は選択制オンリーですが、秒数安価もあるかも知れません※)

    (※では、今回もスタートします。完 全 に 二番煎じです、先に作成した方申し訳ありません……(汗)※)

    (※今回は進行上、期待などのコメントにお返事致しません。
    この場でお礼申し上げます※)

    (※鈍行列車や徒歩よりも遅い進行ですが、生暖かい目線…もとい保護者の目線で見守ってやってください※)

    (※なお『 pixiv 』でも追っかけでかつ、別視点で進行しております。そちらもどうぞご覧下さい※)
    リンク先
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8648065
    2
  2. 2 : : 2019/10/01(火) 01:38:24



    僕達は何ができただろう。
    目の前の悲劇を知っても尚、対峙しないといけないのか。
    本当は…そんなこと知りたくもなかった。知らないままでいたかったんだと思う。

    その方が楽だった。

    でも、起きてしまった。

    真宮寺君の抱える闇、アンジーさんの心の迷い。
    ――それらが歪に僕らをこの場所へと導いたんだ。

    気が付けば良かったのか?
    いいや、違う。それでは答えじゃない。起きてしまったことを無かったことには出来ない。

    話のすり替え。本来のストーリーとの変異…理由を付けるなら、それが大元だったんだと白銀さんは消える前に僕らに告げたんだ。
    …消えそうな白銀さんはゆっくりと瞳を伏せる。

    ごめんね、と。

    ――1歩間違えればわたしも2人のようになっていたと思うから彼らを悪者だと思わないであげて――

    そう呟いて、最後は任せたからね。
    …と僕らの背中を押したんだ。
    冴之木七星の力の余波で黒化しかけてた彼女の悲しげな声。

    きっと忘れない。忘れるもんか。

    ゴン太くんと共にゆっくりとその姿は薄れていく。
    僕らを助ける形で彼女は完全に姿を消したんだ…

    最原「――いこう」

    頷くクラスメイト達。
    僕にはみんながついてくれている。

    そう思うと――不思議と怖いとは思わなかった。


  3. 3 : : 2019/10/01(火) 02:39:07
    【 chapter:06 】 『 夢野秘密子 』side


    直ぐに現実に戻りたい。
    温かい食事に楽しい日常。それがどれほどウチらにとって『 幸せ 』じゃったのか。

    体験したことのない痛みに意識を失いたくなるが、それを許さぬと言わんばかりに痛みが波のように押し寄せては消える。2度と体験しがたいモノがそこには――あったのじゃ。

    悲鳴さえも全てを聞きたいと『 真犯人 』であるアヤツが瞳孔開き行為に酔いしれておる。

    夢野「いやっ、んぁっ…や、やめっ――」

    ざくり、と不愉快極まりない音が響く。やめて、やめてと手を伸ばしても『 アヤツ 』は捉えられない。むしろすり抜ける。

    サチコ『アハハはっ!? ナカナカ逝カナイネ…?』

    ざくり、ぐしゃり。
    涙と何かで濡れて真っ赤に見せる視界で段々と霞んでいく。だが音だけは鮮明に聞こえ、『 アヤツ 』の不気味な声がケタケタトと嗤い狂っておった。

    夢野「こ、や…んっ!?」

    ウチの声は届かぬ。それはそうじゃ。だって…実際は――

    サチコ『…ハヤク …逝ッチャエバいいノニ…』

    夢野「んっ…ぁああっ!?」



    ぐちょ、ぐちょ…ずぶっ…

    なにかがずるりとぬけた。

    なにがおきたのか…りかいできなくて、もうどうでもよくて…もう…

    サチコ『…アはっ!?…アソウだ!…ケタケタ』

    夢野「!?」


    サチコ『…ほウら。…お口ヲ開ケてゴラん?』

    ざく、ざく…ぐちょ…するっ…

    うわぁ、くちのなかにつめたいのとあついのと…くさいのが…ながれこんで…く、る…?


    サチコ『……ツレテイカナイト…』

    おとにのいず…が、はしる…。
    ?やっと、やっと…しねる、の…か?



    とおのくおとのさいご、うちはきいた。
    きこえた。




    さちこが…『 おかあさん 』とつぶやいておったから。

  4. 4 : : 2019/10/01(火) 02:40:05

    『 茶柱転子 』side

    天海「…俺の番っすから…」

    茶柱「…はい?」

    肩の出血を必死に押さえながら天海さんはうわ言を呟いてました。…星さんのようにまさか転子を庇って真宮寺さんから逃がすんじゃないのでしょうかと一瞬嫌な予感が過りましたが、それをとがめる余裕は全くなく間抜けな声しか出ませんでした。

    天海「…っく、このまま『 玄関 』まで向かうっ
    すよ。本館に、向かえば逃げる、場所が増えますから、ふた手に別れるっす。…手負いの俺が引き付けるんで逃げてっ…」

    茶柱「!?…そ、それじゃあ、天海さんはどうなるんですか!?…て、転子を助けっ…なんて!」

    やっぱりです!!こんな場面で転子をっ転子を助けるおつもりでっ!そ、そんな事転子はされたって喜ぶ訳がないじゃないですか!

    転子が反論をしようとした時。…『 玄関 』前にたどり着いてしまいました。…背後を見て走るのをやめた天海さんは転子の方を向きます。
    その視線は真剣でした。…両手を転子の肩に触れます。驚きと発言する言葉を察してしまい、普段ならばすぐに投げるなですが…できませんでした。

    天海「――いいっすか。ひとりでも多く生かすためっす。ここで茶柱さんが俺より先に死ぬのは俺嫌っすから」

    茶柱「…天海さん」

    いいですか、と続けます。

    天海「俺は『 超高校級の冒険家 』…っすよ?この程度の怪我なんてざらにしてるっす。だから、大丈夫。そう易々と死ねないっす。
    それに今こうしている間にも真宮寺君は距離を詰めるでしょうから、行きましょう。茶柱さん」


    茶柱「あ、あまっ」

    肩から両手を離した天海さんは返事など聞かない様子で扉に向かいます。…そして扉を開こうとしたのですが――

    天海「…ヤバいな。扉、開かないっすよ!
    …俺たちを確実に殺そうと考えてるんすね――真宮寺君」


    真宮寺「…そうだヨ?」

    茶柱「ひゃぁああ!!」

    気が付けば、転子たちのすぐ近くにまで迫っていた真宮寺さんは今にも転子たちを襲おうと持っている刀を向けます。…こ、こうなったら…唾を飲み込み対峙しようと睨みを効かせると――また手を引かれ、入ってきた方の廊下とは逆の方へと走ります。

    えっ?えっ…

    ただ逃げることしか出来ない転子たちを嘲笑うかのように真宮寺さんはあとをゆっくりと追います。

  5. 5 : : 2019/10/01(火) 03:05:36

    再び逃げます。走る、走る…今何処に向かって走ってるのか、場所は何処にいるのか全く分かりません。なんど階段上がったのかさえよく分からないほど走ります。

    流石に息が持たなくなって足元がもつれ始めた頃だったでしょうか。…星さんが刺され、逃げ始めた『 女子トイレ 』前の廊下に戻ってきていたんです。

    倒れた星さんを挟んで真宮寺さんとも鉢合わせになってしまって。引き返すにも体力の限界が近かったと思います。そのぐらい…走っていました。


    天海「はあっ、はぁっ…」

    茶柱「はぁ…真宮寺、さん…」

    真宮寺「…随分としぶとく逃げるよネ。それほどここから出たいってことなんだろうけど…もう『 天神小学校 』に来た時点でそれは、不可能に等しいんのサ」

    赤く濡れた刀身を天海さんの前に向けます。
    天海さんは首を横に振って答えます。

    天海「出たいっすよ。…脱出したいに決まってる。それは俺たちは生きたいからだ。
    人の生き死にを真宮寺君に委ねたくないっすよ」

    スッと目を細めた真宮寺さんはクックックッ…と口元を抑え滑稽だと言わんばかりに嗤います。

    真宮寺「委ねる?…どうせ皆死んでしまうのに?死んでしまうから僕が介錯を買って出てるんだヨ。それにここなら『 お姉さん 』のお友達がたくさんで来そうだしネ。僕にとっては一石二鳥だったんだヨ」

    あまりにも身勝手な理由。エゴ…そんな事をしても以前話していらっしゃった『 亡くなったお姉さん 』は喜ばれるのでしょうか?
    いいえ。違うハズです。

    茶柱「貴方は身勝手です!!『 お姉さん 』の為だって言っても結局は人を殺すのが好きなだけですよ!それこそエゴです!万死に値しますよ!」

    最低です。クラスメイトとして打ち解けた、までは言いませんがお話はとても興味深くて面白かったのに。心の底では最低な人間だったんですね!
    転子が今更睨んでもどうにもなりませんが一生軽蔑します。


    …脱出したとしても口を聞くことはないでしょう。逆にここで死んでも同じですが。

    真宮寺「クックックッ…どうとでもいって構わないサ。もうすぐキミたちを『 お姉さん 』の元に遅れるんだから…サァ!!」

    真宮寺さんが一気に距離を詰めて転子はぎゅっと瞼を閉じてしまい――






    question、>>6番さん。

    イベント:天海、茶柱の危機

    (秒数安価、結果は後程)

  6. 6 : : 2019/10/01(火) 07:20:13
    2人とも生きて…!
  7. 7 : : 2019/10/02(水) 01:25:02
    んあー!!がんばれー!!
  8. 8 : : 2019/10/15(火) 03:20:57

    (お待たせしました結果発表です!

    成功:10の位が1、3または1の位が7
    失敗:ゾロ目
    小成功:上記以外

    …?さて、小成功とは、なんのことでしょうかね…? 今回は成功したので進行します!)



    ドン!!

    …?
    何かが倒れた音がして瞼を恐る恐る開くと倒れたのは真宮寺さん。そして真宮寺さんを倒したのは誰なのでしょうか?と思っていると天海さんが震える声でその名を呟いたんです。

    天海「…ほ、星君…っ!!」

    茶柱「っ!?」

    星さんが真宮寺さんの足を引っ掛けたみたいです…と言いますか星さんが虫の息っ…た、助けなっ!!

    真宮寺「…そんなに刺したのにまだ姉さんの元に行けないなんてネ…可哀想に…」

    刀を支えにして体勢を立て直す真宮寺さんはまだまだ余裕があるみたいですね…。その足元に倒れる星さんを蹴飛ばします。
    蹴飛ばした勢いで壁際まで力なく転がって行きました…星さんはそれでも真宮寺さんを止めようと身体を引きづって転子達の側へと這ってでも向かいます。
    や、やめてっ…そこまでしなくてもいいですからっ!だから…っ!

    天海「な、なんてことをしてるんすか!」

    茶柱「ああ…星さんっ!」


    その様に転子たちは思わず真宮寺さんを睨みつけます。けど、真宮寺さんは気にもとめずに星さんの方向を見下すように刃先を向けます。

    真宮寺「クックックッ…そこまで足掻くのかい?足掻いたところで苦しむだけなのにサ…いいよもう楽にしてあげるから…」

    力なく星さんは転子の方をみて、いえ睨んでます。
    まるで逃げろと言わんばかりの眼力。で、ですがその状態で逃げるんて転子には出来ないですよぉ…っ!
    星さんの迫力に転子は天海さんの裾を引っ張ります。どうしたらっ

    茶柱「…あまみさ」

    天海「――そうっすね。最初からこうすればよかった」

    独り言を呟いて、転子を振り切るように1歩、1歩と真宮寺さんの方にと進みます。
    真宮寺さんは星さんとの間合いを詰めているせいで気がついてません。1度だけ転子の方を向いて困ったような表情をします。

    茶柱「――え?天海さ」

    天海「茶柱さん。どうか無事に脱出するんですよ。…それと他のみんなを任せるっすよ」

    何をするつもりなんですか!?何をっ!!
    そんな顔で言わないでくださいよ!!
    転子の言いたい言葉を遮るように背を向けます。そして、そのまま…

    天海「真宮寺君。もう辞めるっすよ。俺たちはそんなキミをもうみたくないんです。
    だから、俺は…俺はっ!」

    タッタッタッ…ダッ!!

    真宮寺「天ま――」


    ドン!!!


    ヒュぅぅぅぅ…ガッシャン!!

    茶柱「…え…?」


  9. 9 : : 2019/10/15(火) 03:21:20

    茶柱「…え…」

    何が起きたのか分からなかったんです。
    その場にへなへなと座り込んでしまって。

    目の前に居たはずの天海さんと真宮寺さんの姿は無かったんです。だって、だって今っ!!

    茶柱「落ちた…2人が…」

    真宮寺さんに体当たりして、真宮寺さん諸共…そこの穴に落ちてしまったんです。

    茶柱「…なんでっ、どうしてっ…」

    涙が溢れてその場でうずくまってしまいます。大きな音が聞こえてその後何も音はしてなくて、それってつまりは…。

    星「…っく、ちゃ…ばし…ら…っ」

    茶柱「!!ほ、星さん!?」

    顔を上げれば星さんが転子の方を見てました。涙を拭い立ち上がって彼の元へと行きます。

    茶柱「星さん!!無理しないでくださいっ!今っ助け」

    星「…いい…お、れは…もう、すぐ…で死ぬ…だろう…から…きに、するな…」

    茶柱「だ、ダメですっ!そのような弱音吐かないでください!!」

    転子が星さんの腕を掴もうとしたのを振り払います。睨んでいきも絶え絶えに必死に言葉を紡いでいきます。

    星「い、いか…ちゃ、ば…しら…。お前さ、ん…だけでも…逃げろ……それ、を、俺と…あま、みは…のぞん…でんだ…その、想い…だけ、は…っゴホッ…ゲホッ」

    茶柱「星さん!!」

    星「…お、もい…だけ…は…たて、てやって…くれ…ない…か?」

    そんな風に言わないでくださいっ!!なんでっ転子が大嫌いな男死なんかに助けられなきゃいけないんですか!!なんでっ、なんで――っ。

    星「…わる…いな…おま、えさん…だけに…つらいおもいを…させちま…って…よ」

    茶柱「…グスッ…ひっく、そんなのって…」

    星「ゆめの…たち…をたのん、だぜ…」

    ニコって微笑まないでくださいっ!!なんでっ死の間際にそんなことを言えちゃうんですか!
    星さんそんな人じゃないのに…って言うのはいけませんね。

    茶柱「…星、さん…?」

    星「…」

    茶柱「星さん!?星さん!!」

    星さんの身体を揺すっても反応はなくて、半開きの瞳は生気を失っていました。…それは言わなくてもわかってしまうのに起きると期待して、ただ気を失っているだけだと自分に言い聞かせて、呼びかけます。

    一向に星さんは反応してくれませんでした。

    そんな事わかっているのに拒否している手が震えて視界が大きく滲み、星さんの頬にポタリ、ポタリと…粒が落ちていきます。

  10. 10 : : 2019/10/15(火) 03:21:35

    …どのぐらいそうしていたのか定かではありません。しばらくだったかも知れませんし、実はものの数分だったかも知れません。

    星さんをそのままにしておくのはあまりにも酷いと思って、瞼を閉じて壁にもたれかけます。
    …目を閉じてるとお人形さんみたいでキュートですね、なんて場に合わない事を浮かんで、立ち上がります。


    茶柱「…転子だけになっちゃいましたね…あはは」

    茶柱「みなさん、いなくなっちゃって…」

    転子の乾いた笑い声だけが空間に響きます。

    茶柱「…みんなずるいですよ…転子が生き残ったって、脱出出来ないかもしれないんですよ?」

    誰1人答えるものはいません。分かっていますが、言葉にしないと辛かったんです。例え嫌いな男死たちとはいえ…クラスメイトだったんですから。

    茶柱「…わかってますよ。ここで泣いていたって何も変わりません。生き残っていらっしゃる夢野さん達と合流して、脱出しますね」

    元気が転子の取り柄――以前夢野さんに言われた言葉を思い出しました。こんな時だからこそ、ですよね。

    茶柱「星さん。本当は星さんも連れていきたいのですが…この状況では厳しそうです。申し訳ないですが待っていて下さいませんか?
    きっと転子が脱出の方法見つけて…そのお姿だけでも連れて帰りますから」

    動かない星さんに語りかけ、その場を離れます。
    何処へ向かうかは決めてませんけど、とりあえず『 玄関 』に向かわないとですね。
    向かって…それからどうするかは決めましょう。

    茶柱「『 玄関の鍵 』は真宮寺さんが多分持っていらっしゃるのでしょうから…この下の階にも進まないと行けないですね。行かなきや…」

    フラフラした足取りで階段を下りて、『 玄関 』のある場所目指して進むことにしました。


  11. 11 : : 2019/10/15(火) 03:21:55

    ギシ…ギシ…

    床の軋む音に1人だという恐怖に身がすくみます。今まで転子が1人で行動した事って殆どなかったんだな、と今更ながら思ってしまいます。
    心做しか暗いので最原さんが持っていた『 懐中電灯 』でてらしながら階段を下りきり、天海さん達が落ちた先…に辿り着きました。

    …むせ返るような血の匂いがして、ああ無事ではない事、僅かに照らす明かりにも反応を示さない事で2人は無事ではない――つまりは亡くなってしまったのではと嫌な考えが浮かんでしまいます。違う!とかぶりを振って、僅かな希望を抱いて慎重に進みます。


    茶柱「――っ!!」

    血まみれの中に足が見えました。それは天海さんの足。そしてその足は本来曲がる方向とは違う方向に曲がっていて…折れているのだとこの位置でもわかってしまう程でした。

    懐中電灯でその足をなぞるように上…胴体の方へと向けます。
    …背中には日本刀が刺さり、うつ伏せで転子の方向からでは後頭部しか見えませんが、床には夥しい量の血の海が流れていて、肩の傷以外から流れたものでは無いと察しがつきます。

    茶柱「…天海さん!!」

    懐中電灯を投げ飛ばしそうになりましたが、慌ててキャッチして傍によります…生ぬるい血の感触を無視して座り込みます。近くに寄って天海さんがヒューヒューと息しているのを聞いてホッと胸を撫で下ろします。

    茶柱「ああ…良かったです」

    生きてる。そう分かっただけでも涙が零れそうになります。天海さんの頬を触り、温もりを感じられるだけで嬉しくて…

    天海「…う、……」

    茶柱「!!」

    ゆっくりと天海さんの開いた瞳が転子を捉えようとしますが焦点が合わず、視線は転子の斜め上を見ていました。

    茶柱「そうですよ!天海さん!」

    天海「だれか…いる、んですね…。良かった…」

    どうやら転子の声は聞こえてないみたいです。落下した衝撃で耳も血が流れている様子で焦点も会わぬ瞳で、ゆっくりと手を上げて…それを無意識に掴みます。

    天海「…あっ…たかい…っす…ね」

    茶柱「天海さんっ!」

    ゆっくりと瞼を閉じて握った手を握り返します。

    天海「どな…たか、わから…ないっすけど…茶柱…さんに伝えて…くれませんか?」

    茶柱「あま、みさん?」

    天海「真宮寺…くん、は…まだ…生きて、るっす…だから…一刻も早く…ここから…逃げ、て…」

    もう何を言っても聞こえないし声をかけてる相手が転子だとは分かってない。ですが、それでも自分より転子の事を心配するなんて…男死の癖に生意気ですね。

    茶柱「真宮寺さんが…生きてるんですね…分かりました…」

    真宮寺さんの姿が見えなかったので察しは着いていました。それにその背中の日本刀はきっと…真宮寺さんが…落ちたその後に刺したのでしょう。そのぐらい推理じゃなくても分かります。

    天海「…もうし、わけないっす…あなたに…頼み事…してしまって…本当は…俺がまもら、ないと…なのに…もう、この身体では…厳しいっすから…」

    茶柱「いいえ、もう十分転子の為にしてくれてるじゃないですか」

    視界が歪む。いや、さっきと同じ…もうすぐ天海さんもまた…いなくなっちゃうんですか?
    そんなの…張合いが無くなるじゃないですか!!
    言いたい言葉が全部嗚咽に飲まれてしまいます。

    天海「…おれ…茶柱さん…のこと、大事に…思って…たから…守りたかった…す…最後まで…」

    茶柱「そんなのっ、そんなのここで言わないでください!!」

    転子の声は届きません。ですが、それでも言いたかった…。

    天海「どう…か、茶柱さんの…こと…たの…み、ますよ…」

  12. 12 : : 2019/10/15(火) 03:22:33

    にっこり微笑んで…天海さんは、握っていた手の力が段々弱くなるのを感じてました。ですが、転子はそれでも力いっぱい握り返してました。

    天海「…おれ…茶…さんの…え…おが…いちばん…す……。」

    スルッと転子の手から離れた天海さんの手を再度握り返そうとしましたが…何度もすり抜けて力なく地に落ちていきます。

    茶柱「…天海さん?」

    天海「…」

    茶柱「なんで、なんでさっきまで、転子と話していたのに…どうしてっ!!」

    転子の声に反応はしません。みなさんどうして…どうしてこうなってしまったのでしょう…。


    茶柱「もう、いや…っ…」

    …ポチャン…。


    茶柱「…?」

    何かが沈む音にハッと顔を上げます。
    …よくよく音の方向を見ると、天海さんの首近くに何かが光ってます。

    …これは?

    血まみれですが手に取ってみると鍵のようなもので見覚えのあるものでした。

    茶柱「『 玄関の鍵 』…」

    天海さんの最期のヒント…ということでしょうか?それとも…そこまでして転子の事を…

    茶柱「…こんな男死なんかに…こんな思いを抱くだなんて、転子も甘くなりましたね」

    何だか笑えてきちゃいました。男死嫌いな癖に何故か男死ばかりに振り回されてる自分に。

    茶柱「…言われなくてもわかってますよ。本当にあなた方に振り回されっぱなしですね。癪にさわっちゃいますね!」

    もう温もりが抜けようとしている彼の頬を撫でます。こんな事、今回だけですよ!!

    茶柱「…本当にずるいですよ。天海…蘭太郎さんは…」

    そして、ゆっくりと冷たくなっていく頬に――。




    ▼ 【 玄関の鍵 】を入手しました… ▼
    説明:(別館の玄関の鍵です。血塗れになっていますが使えるようです。真宮寺が落としたのか、それとも天海が取ったのか…定かではありませんが、これでほかの校舎へと行く事が出来そうです)



    静かにその場を去り『 玄関 』へと向かいます。…そして懐中電灯で『 玄関 』の扉を照らしながら背後にいるであろう人物へと声を掛けます。

    茶柱「…真宮寺さん。待ち構えていたんですね」

    真宮寺「おや…分かっていたのかい?気配消していたのに…流石としか言えないヨ…茶柱さん」

    転子が振り向けば、恐らく予備の刀を持った真宮寺さんが転子を殺さんとするでしょう。

    茶柱「散々人を殺しておいて楽しいですか?」

    振り向きもせずに問いかけます。

    真宮寺「それはどういう意味で聞いてるのかな…?」

    茶柱「――いえ。深い意味はありませんよ。ただ聞きたかっただけです」

    振り返る。…そこにはやはり転子の思った通りの真宮寺さんの姿があって、目をギラつかせていたんです。

    真宮寺「逃げることはおしまいにしないとネ…そろそろ僕も体力の限界近いからサ」

    茶柱「そうですね。終わりにしましょう」

    転子はゆっくりと息を吸って…構えます。その隙を見てか音もなく真宮寺さんが転子に向かってその刃を向けようと走り出して―――






    question、>>13番さん。

    イベント:茶柱の危機

    (選択肢、どれかお選びください)


    ・右に避ける
    ・左に避ける
    ・避けない

  13. 13 : : 2019/10/15(火) 23:36:54
    希望は右へ進むんだ!!
  14. 14 : : 2019/10/16(水) 20:39:43
    ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙天海ぃぃいい星ぃぃいいいいやぁああああア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
  15. 15 : : 2019/10/19(土) 01:08:01

    (選んだ結果だけお知らせします。
    今回は小成功です。成功は成功ですので現段階では失敗ではありません。現段階では、ね…)



    刃先を鋭く睨み、寸で右に避けてかわします。
    勢い余った真宮寺さんの刀は『 玄関 』の扉近くの壁に深く刺さっていました。

    真宮寺「…全く、茶柱さんは往生際が悪い…でもその方が『 姉さん 』のお友達としては合格かもしれないネ」

    茶柱「…っ!」

    避けるタイミングが少し遅かったのでしょう。頬が僅かに避けてしまったようで遅れて痛みが…っ!頬の傷の具合を確かめたいのですがそのような暇はありませんね…。
    けれど、刀が抜けない様子で真宮寺さんは苛立たしくそこから抜こうとしてます。

    …今です!!転子は握りしめた鍵を鍵穴に刺して、一気に回して扉を開け放ちます。

    茶柱「…っく!」

    真宮寺「!!」

    空いた扉の隙間を縫うように身体をくねらせ渡り廊下を全速力で走ります。先程から走っているので息も絶え絶えですが、何とか足が回転してくれてる。このまま距離を離せばっ!

    向こう側の扉に体当たりして強引に本館に入ります…そこで振り返ると驚く真宮寺さんが立ち止まり、転子を睨んでいる姿がありました。そして、後を追いかけようと刀を壁から引き抜いたんです。
    ヤバいっ!に、逃げなきゃ…っ!!

    茶柱「はぁっ!はぁっ…にげっ、なんと、してでも…生き残らなきゃ…っ!」

    転子はそのまま近くの階段から上段へと駆け上がります…この校舎なら隠れる場所も少なからずあるはずです!!

    茶柱「(それに、どなたかと合流出来ればっ!!)」

    祈る思いで転子は走ります…



    ▼【 玄関の鍵 】を使用しました… ▼



  16. 16 : : 2019/10/19(土) 01:08:23

    『 王馬小吉 』side


    どれぐらい経過したんだろうね。
    管乃雪(かんのゆき)に促されて、おでこを合わせたかと思えば夢野ちゃんはそのまま微動だにしなかったんだ。

    その姿をオレたちは見守ることしか出来なくて歯がゆい思いをしていたんだけどさ。
    急に管乃雪が距離を置いたんだ。そして…同時に夢野ちゃんが倒れかけて、近くにいたオレが着てるセーターの裾を握りしめて荒い呼吸を繰り返したんだよ!

    夢野「んぁっ!!…はぁ、ヒューッ…ヒュー…っ!!!」

    王馬「ゆ、夢野ちゃん!?」

    百田「おい夢野っ!」

    夢野「…いやっ、やめてくれっっ!!」

    オレたちの声は届かない。頭を激しく横に振って、その場にへなへなと座り込む。何が起きたんだよっ。何をしたんだよ!
    元気で妙に肝が座った彼女がここまでになるなんんて余程何かをしたんだとは思うけどさ。

    あまりにも夢野ちゃんの取り乱し方がおかしく、思わず握りしめた手を袖から離して対面にしゃがんでから背中をさする。さすっていると分かったんだけどかなり震えてる。
    …本当に何があったんだよ。


    百田「おい、テメー。夢野に何をしやがったんだよ!!」

    百田ちゃんの怒号が雷と共に落ちる。管乃雪は黙ったまま俯いているけど視線は夢野ちゃんに向かっていた。

    雪「…」

    百田「おい、なにかい――」

    夢野「…はぁっ、…もも、た…。雪は悪く、ないのじゃ…願ったのは…ウチじゃっ…こうな、る…ことは予測で、きんかったが…」

    王馬「…夢野ちゃん?」

    代わりにと答えたのは…やや落ちついたけどまだ荒い呼吸をしている夢野ちゃんだった。
    オレの胸に両手を当ててゆっくりと顔を上げる。

    そんなダイターンなことしちゃってさぁ相当オレのことが好きなんだね!夢野ちゃん!たはーオレを選んじゃうなんてなかなかピュアな性格してんじゃん?

    夢野「…王馬…なにかよからぬ…事考えておろう…?」

    王馬「え?何も考えてないけど、ただアジの開き食べたくなったな〜程度だよ?」

    なんて小声で聞かれたらすっとんきょんな声で返すしかないじゃんかー!…いたっ、そこ抓らないでよ!地味に痛いよ。

    …っと本題ね。

    百田「夢野、おお無事だったんだな!どっか痛んだりしねーか?
    ってかよ、雪は悪くないだと?そんなん夢野を見れば悪いことされたんじゃねーかよ!
    やっぱりコイツを1発殴らねーと気がすまねぇが…」

    はぁ、全く血気お盛んだこと。…幽霊に殴るなんて行為通じるとは微塵も思えないけど、好きにやらせた方が吉、かな。

    夢野「…雪は悪くないのじゃ…」

    雪「…いまのが、あのときの…出来事です…」

    夢野ちゃんの声に被さるように管乃雪の言葉が落ちる。『 あのときの出来事 』?何を夢野ちゃんは見たんだよ――と視線を向けると夢野ちゃんは頷いてやや青白い顔をしたまま答えた。

    夢野「コヤツらを殺めた…犯人…が分かったのじゃ…。んあー…この『 文化人形 』の声じゃ届かぬのも当たり前…」

    王馬「当たり前?」

    こくり、夢野ちゃんは頷いて、

    夢野「犯人は…この『 文化人形 』の持ち主では無い…それは…んぐっ」

    一呼吸。

    夢野「――もう1人の…4人目の…そうじゃ…ここまでの情報で名前が判明しておる…」

    夢野「『 篠崎サチコ 』…赤いワンピースの女子じゃ…」


  17. 17 : : 2019/10/19(土) 01:08:43

    王馬・百田「「…は?」」

    間が開く。何故夢野ちゃんがそれを知り得たのか、その答えは真実と捉えちゃっていいのか。疑問が一挙に押し寄せるがそれを夢野ちゃんが首を振って答える。

    夢野「見てきた…んぁ違う。体験してきたのじゃ…追体験、とやらになるかの。管乃雪…雪が殺されていく様を…ウチは雪を通じて…見てきたのじゃ」

    は?それじゃあ…夢野ちゃんは臨死体験でもしたということかよ。胡散臭すぎ。でも夢野ちゃんが言うなら、それに管乃雪が俯き頷くだけに留まるって事はそうなんだろう。

    王馬「冗談抜きで事実として捉えるよ。
    ――嘘じゃないよね?」

    夢野「うむ。…そうじゃ。雪と同じ様にウチは…アヤツに片目をっく…」

    頷く夢野ちゃんは右目を抑える。右目は確かに管乃雪が失った片目と同じだ。

    百田「信じるぜ。…だがよ、『 文化人形 』の持ち主、ヨシカズって奴が主犯なんじゃねーのか?…4人目ってのはよ、確か…管乃雪達と同世代じゃねーか。ソイツに犯行が可能なのか?」

    百田ちゃんの疑問も最もだ。小学生が同い年並びにしたの学年の子を殺すなんて行為易々とできる訳が…ないよね。

    夢野「…ヨシカズは協力者じゃ。…雪が殺されていく様を部屋の隅で震えみておった…し、百田の疑問もそうじゃな、何度も何度も断ち切り鋏を使い執拗に刺して…時間をかけて殺しておったから…」

    寝耳に水過ぎるよね。正気の沙汰じゃない。
    だけど…ありえない事じゃないよね。超高校級の才能を持つ暗殺者のハルマキちゃんだって、小学生の頃から暗殺行為をしていたとか情報が来ていた気がするし。

    百田「な、なんだよそれ…そんなん体験してきたのかよ…っ」

    百田の問に頷く。…「大丈夫じゃ」とつぶやく唇は震えていたけど。

    夢野「そのようなことされたなら、誰とて半狂乱になるのは当たり前じゃ…辛かったであろう…雪よ…」

    雪「…それでも…わたしたちのしたことは…ゆるされないものです…」

    僅かに反応し、申し訳なさそうにオレたちを見る視線は控えめだ。


    百田「だったらよ!それが事実なんだろ?オレらができる事っーのはよ…」

    夢野「伝えねば…このことをっ、最原たちに…」

    夢野ちゃんの目に力が宿る。肩の肩を掴みながら立ち上がり、雪の前に立つ。

    雪「…」

    夢野「…雪よ。お願いをしても良いか?」

  18. 18 : : 2019/10/19(土) 01:09:20

    夢野ちゃんの言いたいこと、それは明白だった。

    夢野「…最原たちが危ないのじゃ。このことを知らせねばならぬし――そして解決せねば、皆が脱出する事が出来ぬのじゃろ?」

    ならば、と呼吸を置く。

    夢野「もう一度、ウチを…連れて行ってくれぬか?…『 天神小学校 』へと」

    雪「…」

    夢野「お主らも今度こそ成仏させるのじゃ。だからっ!!」

    今までに見たことの無い夢野ちゃんの叫びに近い言葉。普段ふにゃふにゃしているイメージとはかけ離れていて…驚くぐらいにね。

    管乃雪は夢野ちゃんの言葉に目を丸くする。が、少しの間を置いて…今度はオレらを見た。まるでオレたちにも言い聞かせるように淡々と…答えたんだ。

    雪「…あまり…おすすめ…できません…」

    雪「…あなた達や…ほかの人達の働きかけ…で、今…あの空間は…大きくみだれ…始めているんです。
    今度もどったら…もし理性が残っていたとしても…わたしの力では、もう…あなた達を…この場所に、連れ戻すことは…出来ないと思います」

    管乃雪の言いたいことは…恐らくは、3人だけでも逃がせられたのだからこれ以上は関わるな、と言いたいんだろうね。

    王馬「…それは本当?」

    雪「…はい…」

    管乃雪の言う通りに今この場所から逃げる事も可能、って事だ。
    『 天神小学校 』に戻らないならば…帰れば日常が送れるって事。


    夢野「それでも!…ウチは助けたいのじゃ…もう誰も失いたくないし…それにっ、ウチが助かって他の皆と会えなくなるのは――1番嫌じゃ!」

    百田「そうだ!オレだって気持ちは同じだ。オレだけ助かるだなんて――嫌だしな!」

    …2人かかってやる気になってやんの。
    …ふう。ここまで来たら…どうするかな…。

    王馬「(体育会系のノリに近いものを感じるけどさ…)」

    百田「…王馬テメーまさか…」


    あーはいはい、言えばいいんでしょ??

    分かったってばっ!!


    王馬「オレはね―――」





    question、>>19番さん。

    イベント:王馬の本音

    (選択肢、どちらかお選び下さい)


    ・そんなん面倒臭いし行くわけないじゃん!

    ・しょうがないからついって行ってあげるよ


  19. 19 : : 2019/10/20(日) 06:44:34
    しょうがないからついって行ってあげるよ
  20. 20 : : 2019/10/21(月) 01:50:12

    聞かれちゃったから一呼吸置いて答える。

    王馬「軟弱な百田ちゃんや妙に肝が座ってる夢野ちゃんの事はさておき、中途半端で物事ほっぽり投げるの嫌いなんだよねー…だからさ」

    王馬「しょうがないからついって行ってあげるよ」

    やれやれ。この2人だけに任せっきりなのも癪に障るしね。立ち上がって頭の後ろで腕を組む。

    百田「おう、お前が素直に言うと気味悪ぃな…」

    夢野「確かにそうじゃのう…」

    2人にそう言われるとなんだか無性に腹が立つ。オレをなんだと思ってんの?
    嘘付かないこんなピュアっピュアなつぶらな瞳してんのにどうして疑い深くなっちゃってんのさー!…怒るよ?

    王馬「疑ってるなら行かないよ。
    オレ1人だけらくしちゃうよーそれでと良いの?居ないといないで寂しいと思うけど…?」

    夢野「あーもー、そのような顔せんでいいわ!」

    王馬「…じゃあ決まりだね!
    …でどうするのさ?」

    視線を真っ直ぐ管乃雪に向ける。彼女は困ったようにそれでいて胸元で指を組み答えたんだよ。

    雪「…本当に、いいんですね?」

    即頷く夢野ちゃんの肩を小突く。

    王馬「…本当に夢野ちゃんは大丈夫なの…?」

    夢野「…何あったらお主が助けてくれるのじゃろ?」

    …なんて不敵な笑みで言われるとなんだか無性にイラつく。甘えんなよ!と言いたいけどきっと夢野ちゃんなりのジョークだろう。
    そう信じておくよ。

    雪「では…ついてきてください。いいですね…」

    そこで管乃雪はオレたちから初めて背を向けた。
    一歩一歩と黒く爛れた腕のある方へと踵を返していく。やっぱりそうなるのか…と思う反面、気を失うことはないという事実に安堵する。
    流石に何度も何度も衝撃で気を失うだなんて嫌だしね。

    百田「マジかよ…」

    隣でビビり始めた百田ちゃんの悲鳴に近い声がした。確かに言いたくなるかも…と思いながらも、準備してから言えばよかったとちょっとだけ後悔した。

    ――そして

    夢野「…い、いくぞ…」

    生唾を飲み込んだ夢野ちゃんを先頭にしてオレたちは管乃雪の後を追いかけたのさ…

  21. 21 : : 2019/10/21(月) 01:50:31

    ぱちくり。
    結構歩いたと思ったら段々黒い視界が開けてきた。…そして開けた先は勿論『 天神小学校 』の教室だ。

    夢野「…っ!!」

    王馬「ありゃー懐かしいようなそうじゃないような」

    百田「…つ、着いたのか?!」

    戸惑いつつも背後を見る。そこは…雷鳴と豪雨でカタカタと震えてる窓しか無かった。完全に帰路は絶たれたワケだね。今までどこを歩いて来たのはかはサッパリだけどね。

    夢野「先程とは空間の作りが変わっておるな」

    周囲を見回した夢野ちゃんの言葉に頷く。
    確かにここは『 天神小学校 』だろう。
    だけど廊下に向かうべく扉はひとつしかないし何より教卓に書いたメッセージが全てなかったかのように消えていたんだ。

    百田「…どういう事だ?」

    キョロキョロと見回す。いつの間にか管乃雪の姿もない。どこに消えたんだと思っていると黒板に何かが張り付いていた…ん。なんだこれ?

    王馬「…メモ?かな…あ、百田ちゃんアレ取ってよ」

    百田「お、おう?わかった…」

    俺の身長でギリ届かないから仕方なく百田ちゃんに頼んで取ってもらう。…と百田ちゃんがそれを握ったまま固まった。なんだよ、変なもんでも書いてあったのかよ?

    王馬「あー百田ちゃんいかがわしいものだからオレに見せないのかなーみせろよー」

    ぴょんぴょんして百田ちゃんにウザったくアピールすると夢野ちゃんもノコノコやってきた。

    夢野「なにか見つけたのか…?」

    首を傾げるオレと夢野ちゃんに対して、百田ちゃんが答えた。

    百田「コレ…真宮寺の…文字だよな…」

    言われるがままに差し出されたそれは…確かに真宮寺ちゃんの文字だ。でもなんでこれがココに?

    王馬「…しかも【 冴之木七星 】とかの単語出てるしね…詳しく読んでみる?」

    夢野「そうじゃな…その方がよかろう。真宮寺は恐らく何かをしっていたやもしれぬ…アンジーも話しておったのじゃろう?」

    夢野ちゃんの言葉に頷く。確かにアンジーちゃんは『 原因は自分だ 』とは言っていたし何より『 相談したのは真宮寺ちゃん 』だとも言っていた。おまじないを事前に知らずに行うような輩じゃない…なら、恐らく真宮寺ちゃんはこうなることを知っていた可能性が高い。

    ――ってか絶対知っててやっていたんじゃないかな。

    百田「…これの続きかもしれねーしな」

    傍らから出したのはミリタリー柄の手帳。

    百田「王馬、言わなくて悪かったな。書いてある事嘘だと信じたかったんだがよ…」

    王馬「なるほどね。その続きなら…もしかすると『 本当の方法 』がそこに書かれてた可能性があるんだね」

    夢野「よいか…読むぞ…」

    いつの間にかメモは夢野ちゃんの手に渡っていたらしく、夢野ちゃんが小さな口を開けて読み始めた。

  22. 22 : : 2019/10/21(月) 01:50:50

    夢野「『 【 サチコさんのおまじない 】を記したサイトの主である【 冴之木七星 】との接触に失敗した。彼女はどうやら先日から行方不明との事。普段から馴染みにしていたというクラスメイトの同業者が話してくれた。と、同時に【 冴之木七星 】に【 サチコさんのおまじない 】大元である【 しあわせのサチコさん 】の情報を与えたのは自分だという。

    つまりは正確な【 しあわせのサチコさん 】のおまじない方法が知れるという事だ。
    しかし正しくない方法でおまじない行うと…【 天神小学校 】という【 異界 】とも言える場所に巻き込まれるらしい。

    その他の話も聞けたのだが、やはり【 しあわせのサチコさん 】関連の話が大変興味深いので、後日アポイントを取って聞くことにした。

    これで、上手く行けば【 夜長さんの願い 】も遠からずそして【 姉さん 】の願いも叶えられるだろう 』
    …とここまでのようじゃのう。」

    と差し出したメモを百田ちゃんに渡す。百田ちゃんはそれを閉まっておくかとノートに挟んだ。



    ▼ 【 真宮寺のメモ① 】を入手しました… ▼

    説明:(百田が持っていた手帳の続きです。しかし元々挟まっていたページの続きと言うよりかはその前の話のメモのようです)



    王馬「…うーん。大した情報ではなさそうだね」

    核心部分が全く見えないね。ってかこの時点で判明したらそれはそれでつまらないけど。

    百田「だよな。肝心な所のページが抜けちまってんだからよ。ただ、『 アンジーの願い 』ってなんだ?」

    …ん?何か違和感がある。
    夢野ちゃんの格好だ。何かが物足りない…アレなんだろ?

    夢野「んあー分からぬ。ウチから見ればアンジーが悩んでいる様子は無かったからの…王馬の言う通りアンジーが原因の一旦を担っておると言っていたならばその事情も後ほどかかれておるやも――と王馬聞いておるのか?」

    王馬「あのさ…夢野ちゃん。髪留め無いけど…どうかしたの?」

    無意識に口に出してハッとなった。そうだ!
    さっきから何かが足りないと思っていたんだ。それは、髪留めが無くなってる事だ。

    夢野「んあ!?そのようなことは無いはずしゃ…さっき『 保健室 』まではあった…ぞ…っ!確か脱いで身体を拭いた時に外し付けたはずじゃ…んあ、ない!ない!ど、どど、どうしよっ!?」

    百田「ゆ、夢野どうしたんだよ!?」

    急に慌てふためく夢野ちゃんに、オロオロする百田ちゃん。なんだよ2人してそんなにオロオロしたいならオレもするけ、

    夢野「大事な『 髪留め 』の中に挟んでおったのじゃ!な、無くしてはならぬとアンジーが話しておったじゃろう?だから…『 髪留め 』の中の仕掛けに仕舞っておったのじゃ!
    う、ウチの『 おまじないの切れ端 』!!そ、そ、それがないなんて…っ」

    今までの肝の座りようが嘘のみたく泣き出しそうに歪む表情。それを慰めようにも難しい。
    ぽんとなにか思いついたのか百田ちゃんが明るい声で夢野ちゃんに話し掛けた。

    百田「『 保健室 』まであったんだろ?それなら『 保健室 』に行けば問題な」

    ??「それは、むずかしいと思います」

    王馬・夢野・百田「「「!!!」」」

  23. 23 : : 2019/10/21(月) 01:51:08

    百田ちゃんの言葉に被さるように聞こえたのは…管乃雪の声だった。彼女の腕には像のようなものが大事そうに抱かれていたんだよね。

    王馬「難しいって?」

    雪「ごぞんじ…だとおもいますが…皆さんの協力があって、空間がひとつになっているんです…だから…いままでいたあの空間で…無くしたものは…見つからないかも…しれません」

    夢野「そ、そんなぁ…」

    グスリと鼻を啜る夢野ちゃんに管乃雪は申し訳なさそうに続ける。

    雪「もしかしたら…あなたたちの…お友だちが…持っているかもしれませんが…分かりません…今のわたしは…お友たちの…方の近くには…いけないんです…あの子が、つきまとっているから」

    百田「だとよ、夢野まだ希望は捨てんな。きっと終一達がもってるはずだ、アイツなら何でも見つけられっからよ」

    夢野「そう、じゃな…きっとどこかにあるはずじゃ…な」

    泣き出しそうな夢野ちゃんを慰める百田ちゃんの傍らで気になる単語を拾い上げる。

    王馬「あの子って…『 篠崎サチコ 』であってる?」

    こくりと頷く。名前も口にしたくないらしい。ならそこから先、追求しなくてもいいでしょ。

    雪「…その…これ…しゅういちさん…たちが…必要に…なると思います…もし、出会えたら…渡してください」

    王馬「そういう事情なら仕方ないから受け取っておくね…『 コレ 』ってなに?」

    腕に抱かれているものを受け取る。…ずっしりとした重みがあって落としたらバラバラになりそうだね。そこら辺のバカみたく落とさないけどさ。

    雪「…『 大理石の彫像 』です…もうひとつ…『 赤子の石像 』も見つけたなら…渡してあげてください…」

    百田「お、おう…なんだか物騒な名前してっけど本当に必要になるのか?」

    雪「…はい…だから…!」

    管乃雪が身体を震わせた。そして早々に言葉を続ける。

    雪「わたしたち…3人は…準備出来てます…そしてその影響で…空間が歪んでいます…気をつけてください…
    あと…『 犯人の懺悔 』が必要です…それを引き出すには…あの子の浄化が必要になります…」

    雪「だけど…心が侵され始めてます…つぎ会ったときは…あなたがたの味方が…できません…だからっ…逃げっ」

    王馬「――!」

    百田「きえ、た…だと」

    夢野「…雪よ…」

    管乃雪は消え、オレたちだけが取り残される。
    手元には『 大理石の彫像 』が残る形になったんだ。



    ▼ 【 大理石の彫像 】を入手しました… ▼

    説明:(管乃雪から貰った悪魔のような形状をした彫像です。最原たちが必要としているらしいのですが…どういう事なのでしょうか?)



    情報:(【 夢野の髪留め 】が無くなりました…)



  24. 24 : : 2019/10/21(月) 01:51:46

    王馬「管乃雪ちゃん?の話だと…『 空間がひとつになっている 』だっけ」

    百田「そうだな…って事はよ、終一と会えるかもしれねーって事だよな!!」

    王馬「そうなるね。みんな元気だといいけど…音沙汰無い人も居るからさ…って夢野ちゃん聞いてる?」

    さっきから俯いただけの夢野ちゃんの顔色を伺う。オレとしてはかなーり甘ちゃんな対応してるんだけどね。

    夢野「んあっ!?だ、だ、大丈夫じゃぞ!?ウチは『 髪留め 』が無いぐらいでヘコんだりせんぞ??」

    …いや、その姿かなり凹んでるでしょ?
    無理やり元気を出してるけどさ…

    王馬「無理ばっかしてると空間に飲まれるんじゃないの?…オレと最初に行動してる時みたいにさ。
    まあ、仕方ないから『 髪留め 』探しながら行動すればいいでしょ?」

    百田「そうだな!夢野気落ちすんじゃねーぞ?見つかるまで探してやっからよ」

    夢野「うぐっ…そのようなこと…言われると…涙がでるわっ!」

    ちょびっと顔を赤くした夢野ちゃんは普段通りで安心したかもね。

    王馬「先ずは最原ちゃん達と会わないとね。向こうがどのぐらいの人連れてんのかわかんないし、『 大理石の彫像 』とやらを渡さないと行けないんだよね。その時にでも聞けばいいんじゃない?『 髪留め 』の事もさ」

    百田「だな」

    夢野「うむ、そうじゃな…ならばいくぞ」

    オレたちはこうして廊下へと歩み始めたんだよ。









    question、>>25番さん~>>29番さんまで

    イベント:視点安価


    王馬、百田、夢野 の内1名お選びください


  25. 25 : : 2019/10/21(月) 07:19:22
    百田君で…!
  26. 26 : : 2019/10/22(火) 20:26:33
    百田!
  27. 27 : : 2019/10/22(火) 20:28:09
    前の選択肢、上のやつだったら絶対BADだったよね・・・
  28. 28 : : 2019/10/24(木) 01:20:33
    百田
  29. 29 : : 2019/10/30(水) 23:39:06
    百田くんで!
  30. 30 : : 2019/11/06(水) 18:16:51

    (圧倒的百田氏…っがんばります。前回の安価はどちらを選んでも進行はします。
    …進行『は』します)


    『 百田解斗 』side


    廊下に出たのは良いが…ん?なんだこりゃ。
    オレたちがさっきまでいた『 次元 』とは違った雰囲気がしてんだ。――してんだじゃねぇな。かなり違う。
    空気もどこか重い気がするが…これは流石に気のせいじゃねーだろうよ。

    王馬「たはー。だいぶ変わっちゃってんじゃないのコレ」

    オレよりも一足先に廊下に踏み出した王馬が振り返る。夢野もオレの後ろからひょっこリ顔出した。

    夢野「んあ。雪が話しておったからの…『 空間がひとつになっている 』とな」

    「その影響が色濃く出ておるのだろうな」と眉間にしわ寄せた夢野は一段と表情を暗くする――『 髪留め 』の事だろうな。こんな様じゃ…見つけるのは難しいかもしれねーが…

    百田「大丈夫だ。きっと終一たちと合流してからゆっくり探せば問題ねーだろよ」

    夢野「…百田…すまぬな」

    しょぼくれた頭をぽんぽんと軽く撫でる。
    ぜってー見つけてやるからな。

    王馬「ゆっくりとは行かないと思うけどねー」

    百田「っ!王馬テメー!」

    ったく、『 天神小学校 』に来てから何やかんやと協力的になってるとか思ってたが…王馬はどこいっても王馬だった。

    夢野「…王馬の言う通りじゃ。
    それに時間はある様でないのは事実。『 融合したて 』のこの空間はいつ崩れてもおかしくないのじゃぞ」

    王馬「ま、『 なんとかなる前に 』見つかれば問題ないでしょ?
    とりあえず、1階から見てまわる?それともこの階から調べるの?」

    「話してても埒がないしね」と続けた王馬の意見もごもっととだ。左右を見回して唸る。
    そうだな…

    百田「下にいってみっか。行き違いになっちまったら…そん時はそん時だかよ」

    夢野「ならば急ぎつつ行くかの」

    怪我してんのに何故かケロッとした王馬を筆頭に階段を下りる。…所々床が抜けて居るが、抜けてない箇所は頑丈だな。ギシギシという音もしねー。ああ、そこだけは安心するってかよ…

    王馬「…これも管乃雪達の力なのかな。電気が点いてる」

    廊下は普通の学校よろしく蛍光灯がチカチカと付いていたんだ。…どこから電気引いてんだ…と考えるとゾッとすっが、気にしないでおかねーとな。…電気のお陰でだいぶ歩きやすくなってるしよ。

    夢野「…んあ、この階も明るいのじゃ…」

    1階も同様で、蛍光灯の独特な音が響いていた。
    キョロキョロと辺りを見回す…とすぐ側にあったハズの『 水練場 』への扉がねぇ。

    王馬「『 プールサイド 』に行けなくなってるね…ま、あったとしても行く事も無いんじゃん?」

    ヤレヤレといった面で答える。…何も無ければいいんだがよ。もし、行くことになっちまったら…いや、考えるのはヤメだ。頭を振って進むぞと声を掛け、その場から離れた。

  31. 31 : : 2019/11/06(水) 18:17:14

    『 最原終一 』side


    ??「…君。聞いているの?」

    最原「ぅうあああっ!?あ、えっと…ゴメン…」

    唐突に呼ばれて顔を上げる。
    上げた先には仏頂面の同じ才能をもつ『 霧切響子 』さんがいる。

    どうやら話の最中に寝てしまったらしい。
    昨日の「 ゲレゲレと呼ばれた猫探し 」の疲れがまだ残っていたみたいだ。軽く身体を伸ばし、霧切さんの言葉を待ってみる。

    霧切「はぁ…いいわ。話の続きをしましょう。
    あなたの情報が頼りな部分があるの。だからこうして話を聞いているのだけど」

    ああ、思い出した。「 ゲレゲレ 」の飼い主の従姉妹が今朝惨殺されたとかで霧切さんが調べているんだったな。警察もお手上げだとかで霧切家に依頼が来たとかだったと思う。
    同じ才能を持っている僕に手のひらを淡々と明かす彼女に少々警戒しつつも答える。

    最原「そうだったね…昨日の話からすればいいんだっけ?」

    「そうよ」とだけ答えた彼女がこちらを再度見る。…もしかして僕を疑ってるのか?とか思いながらも瞳を閉じ、昨日の事を思い出していく…

    最原「えっと、昨日は確か――」



    *****



    最原「(…うっ…)」

    身体が酷く重いな。
    さっきのは…夢、か?…確か『 おまじない 』をする数日前の話だった気がするが…どうして今、それを見たのだろうか?

    最原「(…現実逃避…とかかな…)」

    と結論付けた所で意識がはっきりして状態を起こす…と先程より明るい、眩しい。どうやら、電気が付いたのだろう。顔を顰めつつ周囲の状態を見る。

    最原「(…東条さんと…赤松さん)」

    2人は畳に伏せていた。どちらも意識はまだ戻ってないらしく、ピクリとも動かない。
    とりあえず2人を…起こさないとだな。2人の近くに行く為に、立ち上がろうとして手首をつく…と痛みが走った。

    最原「――っ?!」

    身に覚えのない痛み。どこから引き起こされたのかと記憶を辿る…

    最原「(確か鬼碑忌さんのルポを読んで…すぐに地震が起きたんだったな。
    その最中、怪我をしたのかもしれない…転倒した時に打ちどころが悪かったんだろう。利き手じゃないから大事には至らないだろうけど)」

    軽くほかの箇所も確認する、左手首以外は何事も無さそうだ。左手を使わなければ問題は無い。

    それよりもだ。今は2人を起こすのが先だろう。

    最原「赤松さんっ!…東条さん!」

    赤松「…うっ、ん…」

    東条「…うっ…」

    暫く2人を揺すって起こす。さほど時はかからず2人は目を覚ました。

    赤松「…明るい、ね…、何が起きたんだろう…」

    顔を顰めながら呟く。僕もさっぱりだ。横に頭を振っていると傍らにいた東条さんが呟いた。

    東条「いい方向に変わっている事を祈るしかないわね…」

    赤松「そう、だね」

    受け身に近い僕らは頷くことしか出来ずにいた…その時。

    僕の背後にある…ブラウン管のテレビがチカチカと点滅した。

  32. 32 : : 2019/11/06(水) 18:17:34

    最原・赤松・東条「「「!!」」」

    点滅したのち、ハッキリとそれは再生された。
    これは?振り返りテレビの方を向いた。

    ??『凄い!凄い!!何なんですかコレ!?』

    ??『落ち着くんだ!…落ち着いてしっかり撮ってくれ』

    長身の男性が映る。着物姿の男性は見た事ある、鬼碑忌コウさんだ。写ってない方がこの画像を撮っているのだろう。足音と共に『 天神小学校 』の校舎が映し出されていた。

    最原「…(コレって…まさか)」

    咄嗟に持ち物を探った。
    …やっぱりだ。DVDが無くなっている。

    恐らく流されている映像は、僕が持っていたDVDのようだ。…だけどどうやってそれがテレビに映っているのかは分からない。傍らに再生機材があるが、その手のことはさっぱりだからな…入間さんならあっという間に解説とかしそうだけど、入間さんは…もう…

    鬼碑忌『此処で目にしたものは、ひとつ残らず記録するんだ』

    ??『はぃ!』

    考えている間にも映像は流されていく。

    鬼碑忌さんはカメラの視界に入らないようにしているのか着物の裾が画面の端でチラついていた。

    鬼碑忌『いいぞ…成功だ。…絶対にこれで獲れる。これで…この映像で!
    世のオカルトジャンルがひっくり返るぞ!
    ――よし、ここで【 猟奇実話ルポ 】第3回目を牡蠣始めよう…肌で体感している生のワードが、今なら書ける!…よし!』

    意気揚々と呟く鬼碑忌さん。…彼はきっと作家としてもうひと咲きしたかったのかもしれない。だからこうして記録を残した。けれど。

    最原「(当の本人は居ない…ってことは…)」

    赤松「ねぇ、コレって…実際にこの人達が来たってことだよね…でも私達会ってはいないよね?…違う『 次元 』にいる可能性があるのかもしれないけど――」

    東条「…とりあえず見てみましょう」

    赤松さんの不安を取り払うように東条さんが落ち着いた声色で諭す…としばらくすると音声とともに、落書きがドアップで出てくる。

    ??『凄い…なんだこりゃ…至る所に落書きがある…彫ったような跡やペンに書きなぐってる…
    ええと…「 死に…たく…な…い 」って!!おおっ。凄い!』

    撮っている人物…恐らくは鬼碑忌さんの助手なのだろう。物好きなのだろうか、いちいち興奮しては映像があちらこちらを映すのだから、画面酔いしそうになる。

    鬼碑忌『気を付けるんだ、この学校については、まぁデータが少ない。あまり触れない方がいい』

    ??『いやいや!
    こんなオイシイ画、取らずにどうするんっすか!!』


    東条「…随分と物好きなのね」

    東条さんが呆れた口調で答えるのは珍しい。
    少し驚いた。

    と場面はコロコロと変わる。…編集でもしているのか?だとすれば長い時間いた事になるぞ?
    …と、カメラの声が不安そうに呟いた。

    ??『でも…あの子…置いてきちゃってよかったんすか?』

    …『 あの子 』?
    誰だろう。いや、大体は想像つく。2人の音声しかいない映像だ。恐らくは…

    ??『七星ちゃんっすよ。きっと怒りますよ?ほら除け者にされたーって』

    鬼碑忌『はっはっ。その時はその時だよ。
    …それに』

    画面に映る鬼碑忌さんの表情が引き締まる。

    鬼碑忌『今回は事情が違う。あの子を危険な目には遭わせられないよ』

  33. 33 : : 2019/11/06(水) 18:18:39

    最原「…危険、か…」

    赤松「どうしたの?最原くん」

    キョトンとした赤松さんがこちらを見る。あ、ええとだな…と話していると、画面の悲鳴に引き戻された。

    ??『っ!!…こ、これ…本物っすか?!』

    鬼碑忌『の、ようだな』


    赤松「きゃっ!!…こ、コレ」

    画面に大きく映るそれは、僕らと同じぐらいの年代の死体だった。少し映ったけどカメラはそこから逸らし青ざめた鬼碑忌さんがいた。

    ??『…これって…まさか、この制服って…取材の時に出た、行方不明のある学校のですよ!!
    じ、実は…行方不明の子達の何人かはこの場所で朽ち果ててるんじゃないですか!?
    な、なんて所に来ちゃったんだよっ!』

    鬼碑忌『そ、そうだな…これ以上は…辞めておかないとダメだな…【 さかうち 】をして帰ろう』

    カメラの声に頷いて彼は袖の中から紙切れ…『 おまじないの切れ端 』と思われるものを取り出す

    ??『は、はやく!やり方を教えてください!』

    慌てふためくカメラの声はそのブレ具合からも推察出来る。

    鬼碑忌『そうだな、やり方を教えてなかったな…やり方はだな――』

    ??『ヒィぃぃぃぃっ!!』

    鬼碑忌『?どうしたんだ、たぐち君?』

    初めてここでカメラを持っている人の名前が分かる。「たぐち」と呼ばれた彼がしゃがんだ拍子にカメラ本体が床に落ちる。黒いズボンが見えるから恐らくその人物がたぐちさんなのだろう。

    たぐち『いや…子供の声が…っく、聴こえるんですっ!!…いやだぁああっ』

    鬼碑忌『私には聞こえない。どんな声なんだ!!男児か女児か?…とにかく落ち着きたま』

    鬼碑忌が落ち着かせようと彼の前に立ち塞がった瞬間、たぐちさんが叫び声を上げて、走る様が見えた。…その姿を唖然として見る鬼碑忌さんの姿が見える。

    鬼碑忌『…ああ!待ってくれ!!たぐち、くん!!1人になってはダメだ!!…っく、行ってしまったか…』

    しばらくして、カメラを拾い鬼碑忌さんが呟く。

    鬼碑忌『残量も少ないな…とりあえず、ここまでにして彼を…たぐち君と合流しないと…いけないな』

    と。そこで映像は切れてしまった。


    …あとは真っ暗な画面が続いている…という事はこの映像はここまでなのだろう。
    なんとか電源を切り、呟く。

    最原「…終わりか」

    赤松「その、なんだろうね…『 さかうち 』って」

    東条「…そうね…。恐らくは『 脱出方法 』のことでしょうけど…このような終わり方をしているし、途中で途切れていた事を考えれば続きあるかもしれないわね」

    東条さんの言う通りかもしれない。途中で話題に上がった『 さかうち 』というワード。それを知りえれば僕らは『 脱出 』出来るのかもしれない。ただ…。

    最原「…みんなと会うのが先になるね」

    赤松「そうだね!!…きっと王馬くん達や百田くん、茶柱さん達に会わなきゃだよ」

    最原「そうだね。とにかくこの続きとみんなと合流しよう」

    機材を持っていけば…見つかったその場で見ることが出来るのだけど、…コンセントがすごい量だ。持つだけで両手が塞がりそうだ。

    東条「…再生する時少し面倒だけどここに戻った方がいいかもしれないわね」

    赤松「流石に私も持てないから…そうだね」

    2人が苦笑いしてブラウン管を見る。若しかすると近場にあったりして…と僅かな希望を抱きつつ、そしてみんな無事でいて欲しい。そう願いつつ僕らは『 用務員室 』から出た時だった。


    ??「!!お、シューイチじゃねーか!!」






    question、>>34番さん~>>38番さんまで

    イベント:視点安価


    最原、東条、赤松 の内1名お選びください
  34. 34 : : 2019/11/06(水) 20:31:11
    東条さん
  35. 35 : : 2019/11/10(日) 13:51:28
    東条
  36. 36 : : 2019/11/10(日) 22:28:28
    東条
  37. 37 : : 2019/11/13(水) 02:35:34
    東条ちゃん!
  38. 38 : : 2019/11/17(日) 20:33:09
    東条

  39. 39 : : 2019/11/18(月) 18:40:41
    サンズ
  40. 40 : : 2020/02/03(月) 21:57:26

    (お久しぶりです。遅れました事、この場でお詫び致します)


    『 百田解斗 』side


    百田「…にしても行ける所が更に狭まったような印象を受けるんだがよ」

    夢野「そうじゃな…こちら側では『保健室』側には行けそうにない。結果的にこの道を通るしか選択肢はなかったからのぅ」

    『 玄関 』辺りで『 保健室 』や『 トイレ 』に繋がる廊下は分断されてたんだぜ。
    仕方なく、管乃雪たちに『 遺体の一部 』を渡した廊下を道なりに進んでんだが…明るいからか、今までの不気味さはねーが…違う恐怖感がピリピリと鳥肌立つハメになっちまったな。

    王馬「まーこの先になんにも無かったら無駄足になるけどねー!」

    夢野「そ、そんなこと言うでないぞ!王馬っ!」

    確かに王馬の言う通りだ。この先に進めねぇ…となるとオレらじゃどうにも出来ねぇってことになる。と、なると終一たちが頼りにならざるえねーってかよ。

    百田「(終一たちの方もどん詰まってたら…あまり喜べねぇのが本音だな)」

    夢野がずんずんと進み、『 用務員室 』の方へと進む…とその足がピタリと止まったんだ。
    お?どうした?と王馬と視線を合わせ夢野を追いかけっと―――

    『 用務員室 』から、ゾロゾロと出てきた終一たちだった。
    まだオレらには気ぃ付いてねーが、2人と顔を見合わせ大きくその場で手を振りながら大声をあげる。

    百田「!!お、シューイチじゃねーか!!」


    最原「へぇっ?!――その声って…っ!も、百田くん!?」

    王馬「東条ちゃん、赤松ちゃんもおひさー」

    声に反応した終一がやっとオレたちの方を捉えた。終一の近くには東条と赤松もいてオレたちは『 用務員室 』まで急いで向かったが――直接合流とは行かず、あと少しってことで廊下が朽ちて分断されてやがった。クソっ!
    分断されている場所近くまで行ってハイタッチとか出来ねーが各々再会を喜び合った。

    夢野「おお、お主ら…っ!」

    東条「夢野さん、王馬君無事だったのね。あれからだいぶ経過したから心配していたのよ…。
    百田君も会えてよかったわ」

    赤松「よかった…っ!!
    みんな…元気そうだねっ…とは言えなさそうだけど、さっ」

    赤松の言う通り、心身諸共大丈夫とは言い難てーよな。
    オレらは王馬の頭部の包帯に夢野の血の気のない顔だしよ。よくよく見ると赤松はブレザー羽織って見ずれーが片腕が血で染っているし、東条も腹部が赤黒い。

    きっと終一たちも色々あったんだろうなと思ってっと地響きがして足元がふらつく。
    それは些細な揺れだったが、収まったところで王馬が口を開いた。

    百田「…っ!!チィ…こんな時に水を差すってのかよ。
    終一、実は言うとな感動の再会に浸る時間はねーんだ」

    最原「あ、うん、そうだね…確かに。
    とりあえず情報の共有は軽くでもしておいた方がいいだろうな」

    終一の提案に頷く。それに王馬が続く。

    王馬「最原ちゃん達の事だから…大体の情報は得ていると思うし手短に言うけど、ここに居る人間以外はほぼ全滅って考えていいかもね」

    赤松「――っ!そ、そんなっ…それはっ」

    突きつけた王馬の言葉に王馬以外が息を飲んじまう。…なんだってそんな事を先にいいやがんだよ!んな馬鹿な事があってたまるかよ!!――それが事実だったら…っクソっ。

    百田「お、おいっ!王馬テメーっ」

    夢野「…いや、厳密には違うぞ」

    王馬の言葉に反論せずただ俯いた夢野が呟く。それに東条も頷いた。

    東条「夢野さんの言う通りよ。その考えは早計だと思うわ。
    私達が遭遇出来てない天海君、それに別れてから所在が不明な星君と茶柱さんが居るもの」

    最原「そうだよ。僕たちは真宮寺くんやゴン太くんだって会ったんだ…会った後、どうなったか分からないけど…死体を見た訳じゃない。
    だからこそ王馬くんの発言はあまり真実味がないと思う」

    そこに頷く終一たちの様子に安心した王馬が頭の後ろに手を組んで答えた。

    王馬「…ふうん。成程ね。
    オレ達と再会したことで最原ちゃん達は『 誰が死んだのか 』を大体理解したってことだね。
    なら話は早い――じゃあ『 誰が死んだのか 』と『 互いの状態 』をすっ飛ばして話続けよっか!」

  41. 41 : : 2020/02/03(月) 21:57:44

    百田「王馬っ!!」

    あまりにもハッキリとした物言いに睨んじまうが、その視線さえ全く気にしねぇまま溜息だけ返されちまった。

    王馬「最初に、オレ達と最原ちゃん達がこうして再会出来た理由ね。結論から先に言うと『 ここを取り巻く元凶をある程度解消させたから 』なんだよねー。
    まあ、ある程度ってワケだから『 天神小学校 』に閉じ込められちゃってるんだけどさ!
    …あ、これは嘘じゃないから、ここの2人に問い詰めても意味ないよ」

    僅かに終一の目が鋭く光る。…王馬の言葉に何か考えを巡らせてんのか?すっかり王馬の独壇場になりつつあるこの場に手を挙げて質問するのは東条だ。

    東条「ひとついいかしら?」

    王馬「いいよー!だけどオレ喋りすぎてゴン太にやられた頭の傷が痛むから続きは百田ちゃんか夢野ちゃんが答えてよー」

    赤松「え…?王馬くんのそ、その頭の包帯の原因って――ゴン太くんなの?」

    うわ、ここで話をわざと広げやがったな王馬のヤロー…なんでまともに話さねーんだ。呆れるオレと夢野を無視して壁際にもたれかかってやがる。
    「わかる範囲でオレが答えっか?」と夢野に問いかけたら首を横に振って「いやウチが1番理解しておるから答えるのはうちの仕事じゃ」と1歩前に出た。

    夢野「王馬の言う通り今は個々の状態を説明はせぬぞ。じゃから怪我の事については一旦置いてよいか?…実は言うとな、事情を話す手間が少し惜しいのじゃ。
    ――それで良いならウチが答えようぞ」

    その言い方に向こうハッとした3人は頷き、東条が先程の問いかけの先を紡いだんだ。

    東条「夢野さん達が『 ここを取り巻く原因をある程度解消した 』というのは事実なのね。
    だったらそれはどうやって行ったのかしら?」

    終一も聞きたがっていたのか、じっと答えを待ってるかに見えた。
    問われた夢野はうむと一呼吸置いてから一気に答えた。

    夢野「『 取り巻く原因を解消 』うんぬんはそのままの意味じゃぞ。発言者が王馬だとしても嘘偽りもないから心配するでない。
    『 天神小学校 』を形成してると言って過言じゃない『 ある事件の被害者の霊 』を成仏寸前までにウチらは手を尽くしたのでな。しかし成仏出来んかった…それはの『 大元の原因 』が解消されぬからという訳でそれを解消するには…えぇーとどう答えたら最原達がすんなりとわかるかのー…?」

    王馬「はぁー。相変わらず答え方が下手過ぎでびっくりしちゃうよ!
    …つまりね、夢野ちゃんのまわりくどい説明を端折るとオレたちは『 大元の原因 』を解消してからじゃないと脱出は出来ないってこと。
    その『 大元の原因 』とやらは最原ちゃんたちが探索をちゃんとしてるならお察しな事案だと思うけどね」

    言葉尻が急にオドオドしだした夢野の説明に横から続けやがった。…なんだよ、全部話せるならオメーの口から言えよ、と睨んだがあの野郎明後日の方向向いて舌をべーって出してやがる。

    最原「王馬くん達が言いたい事はこの場所に関わる事件でもある『 児童連続監禁・殺害事件 』と紐づいてるんだね。
    そして―――『 解消できなかった理由 』それは」

    終一の瞳が鋭くオレらを射抜く。んで一呼吸置いて、

    最原「さしずめ『 4人目の被害者 』とされる人物が実は『 真犯人 』。この空間の背景にあるのは『 児童連続監禁・殺害事件 』だったなら『 3人の被害者の怨念 』で『 天神小学校 』は形成されたと考えられる。
    …超常現象過ぎて信じられないけどさ。

    王馬くんたちはその事実を知ったからこそこの空間を形成する『 3人の被害者 』達を成仏した。
    だけどその時は『 真犯人 』の存在が分からなかったんだろう。
    恐らく『 真犯人 』が『 偽犯人 』を仕立て上げることで事実を隠したんだろうね。だからこ王馬くん達は『 3人の被害者 』を成仏寸前まで導く事しか出来なかった。

    だがある程度成仏が成功した。脱出、解放とは行かないけれど『 閉鎖的多重空間 』が解消されて、僕達は『 同じ次元 』に存在出来た――そんな所かな?」

  42. 42 : : 2020/02/03(月) 21:58:02

    『 答え 』を既に知り得たのか分からねぇがズバリと核心をついたその言葉に夢野が目を丸くした。

    …流石オレの助手だぜ。僅かな情報でオレらの行動が分かっちまうんだからな!!

    王馬「たはー。さっすが超高校級の探偵を名乗ってるだけあるよね!」

    ニコニコと煽るような笑みを浮かべてんじゃねーよ!凄惨な現場を『 被害者 』から直に見せられた夢野は驚いていた。た、確かにオレらと行動を共にしたワケじゃねーのによ…よく解ったモンだよな。

    東条「実は、大体推理しなくても察することが出来たのよ。貴方達の情報と――私達が観た情報を擦り合わせばね」

    夢野「んあ?その…なんじゃ?東条たちが観た情報とは何かあるのかのぅ」

    夢野の問い掛けに赤松が小さく「あっ…!」と声を出した。な、なんだ?

    赤松「あのね、私たちがさっきまでいた『 用務員室 』の中にパソコンとかの機材があって…誰かが記録を残していたみたいなの。確か名前は『 鬼碑引 コウ 』さんって人で…その人もここの事件を調べる為、実際に『 天神小学校 』に来たみたいなんだ。どうやらその人はここから出られる『 さかうち 』っていうのを知っているらしくて」

    「だから」と続ける。

    赤松「その人が生きていれば、直接『 さかうち 』の方法を教えて貰ってさ…もしその…亡くなっていたら記録がまだ何処かにあるみたいだからそれを見つければ――多分ここから出られると思うんだ」

    百田「おお!!順調に事は進んでるっー事じゃねぇか!」

    最原「うん。こうして出会えたってことは、きっと安否不明のみんなとも再会が出来るかもしれないって事だよな。
    なら、僕達がすべき事っていうのは3つだね」

    夢野「すべき事は『 真犯人を成仏させる 』と『 【 さかうち 】の方法を知る 』と『 みんなと合流 』じゃな」

    百田「だな。優先順位はどれも同じぐれーだからよぉ探しながらだよな…全部都合よくまとめて一気に解決すりゃー良いんだがよ…」

    夢野が指折り、今後の目標をまとめる。オレらは頷いて応じる。順序に優位性なんかは無ぇ。どれも大事な目標だからよ。

    百田「うっし!なら善は急げだな!」

    最原「そうだね。王馬くん達に聞きたい事があるけど、それよりここから『 脱出 』するのを優先すべきだと思う」

    赤松「…だったらこの先進めそうだから何か発見があるといいな。もし無かったらこの嬉しさが何処かに吹っ飛んじゃうぐらい悲しくなっちゃうしさ」

    百田「おうよ。―――あ、そうだ。コイツ渡せって言われてたんだ…終一受け取れよっ、と…っらぁああっ!!」

    最原「え?あ、うん…ってわわっ!ちょ、まっ、待って!!」

    東条「それなら私に任せて頂戴――っ?…これは、一体何かしら?」

    言い終わる前に雪から受け取った『 大理石の彫像 』を終一めがけて投げたが…受け取ったのは東条だった。それを見つめ首を傾げる終一たちに続けて答える。

    王馬「オレ達が成仏寸前にした『 被害者のリーダー格 』から渋々貰ったものだよ。
    なんでも最原ちゃん達が喉が手ぇ〜が出る程欲しくなるって言ってたからね。遅めの誕生日プレゼントって事で大事にしてよ!!
    ――じゃオレ達は向こう側調べてみるからまた合流するまで精々犬死しないよーにしてよね〜」

    王馬の冗談交じりの言葉に苦笑を浮かべて返す終一達を後目にオレらはその場を引き返したんだ。




    ▼ 【 大理石の彫像 】を最原達に渡しました… ▼



  43. 43 : : 2020/02/03(月) 21:58:21

    『 東条斬美 』side


    王馬君達と再会できた私達は最低限の情報を交換して別れたの。

    確かに王馬君の頭部に巻かれた包帯の怪我に、夢野さんの顔色が最初出会った頃よりも酷く蒼白な事、そして疲労が溜まっているせいか声色に普段の覇気か感じられなくなっている百田君が心配になってしまう…のだけれど理由を一々聞いた所で互いの気持ちが癒される訳では無いから聞かなかった事が正解だったと思うわ。

    赤松「…でも良かった…崩落した床を挟んでだけど王馬くん、百田くん、夢野さんと再会できてさ」

    東条「そうね。私達だけ生存していただけでは…とてもじゃないけど心中穏やかじゃなくなるわ」

    『 用務員室 』から真っ直ぐ伸びる細い廊下。確かに『 多重閉鎖空間 』が解消された弊害なのかもしれないけれど、人一人分の幅しかないこの廊下はどうも気味悪いものを感じてしまうわ…上手く言えないのだけれど、とても嫌な予感がする…漠然すぎる嫌な予感。第六感は信じないタチなのだけれど――

    東条「(杞憂ね…神経質になりすぎているのかもしれないわね)」


    最原「『 次元がひとつになった 』からだね。ほらあそこに扉がある」

    廊下を歩ききった先、最原君が指し示したのは――扉だったの。扉がどうかしたのかしら?と首を傾げる私に赤松さんが驚いていたわ。

    赤松「えっと…あの扉がもしかして『 別館 』に行くための扉ってことでいいのかな?」

    最原「そうだと思う。東条さんは分からないと思うけど元々赤松さんのいた次元には無かったんだ。その扉があるって事は多分この先に――茶柱さん達がいるかもしれない。
    僕が茶柱さんと別れた場所は『 別校舎 』だったし」

    そうだったのね…だったらそっちに行くのが先だと思うわ。

    東条「それなら、『 別校舎 』から調べましょう。この校舎は王馬君達が調べているのだから二手に別れるのは有効な手立ての筈よ」

    赤松「見つかるといいね…みんな…」

    赤松さんの言葉に黙って頷いた私と最原君は足取りそのままに扉へと歩いて行ったわ…


    最原「うわっ、肌寒いな…」

    赤松「風も吹いてきたみたいだね」

    扉は簡単に開いて、外に面した渡り廊下を進むわ。ひさしがあって吹き込んでくる雨風をある程度防げるけれど…雨足が強いせいで廊下の至る所で水溜まりができていたのよ。

    東条「今更だけれどここから出るとこは難しそうね…」

    赤松「あはは…視界もいいとは言えないからね」

    外は林が覆っていてあまり好んで行きたくないわね。冗談を少しだけ呟いて廊下を進み…『 別校舎 』の扉を開いて行くわ…

    最原「良かった、鍵はかかってないみたいだね」

    最原君が安堵した様子で中へと入るのを見届けた私と赤松さんも続いて入ることにしたのよ。

  44. 44 : : 2020/02/03(月) 21:58:43

    『 茶柱転子 』side


    茶柱「きぇぁぁあああっ!!」

    な、何度目の地震なのでしょうか…その場でしゃがんでしまって耐え忍んでいますけど、やはり1人では心細くなってしまいます。

    茶柱「先程から…なんだか構造が変わったような気がします。どこも行けなくなっていますし」

    地震が収まってキョロキョロ見回します。
    うう…なんで先程から不気味さが増しているんでしょう。切れた頬が痛みますし―――ん?

    茶柱「あ、あれ?…髪の毛がなくなってませんかっ?」

    切れた頬のあたりの髪の毛をフッと触れてみようにも…毛先しか当たらない感覚――はい???
    ま、まさかっ。先程の真宮寺さんので髪の毛が切れてしまったのでしょうか!?
    鏡を持ち合わせて無いのでハッキリと言えないのですが…バッサリ肩あたりで切られているみたいです。

    茶柱「あああ…あの男死めっ!!星さんや天海さんだけではなく転子の髪の毛までっ!!」

    あの時の光景が脳裏に浮かびます。正気とも思えない真宮寺さんの行動。でもそれがあの男死の本来の姿だとしたら…許せない。
    ただでさえこんな状況なのにさらに被害を出そうとしている彼の事がとても許せません。

    茶柱「先程は逃げてしまいましたが…やはり転子には逃げるの文字はないです!ガツンと1発しないと…煮えくり返ったこの感情は止まらないですよ!!」

    その場で立ち上がり、グッと拳を握りしめます。
    あの狂人男死の凶行を止めなくちゃ行けません!
    じゃないと、じゃないとっ。

    茶柱「夢野さん達が心配です。転子の近くに真宮寺さんを留めておくことが出来れば…きっと」

    夢野さんを助ける事に繋がるハズですし!
    決まったから善は急げです。今まで来た道を引き返してしまいましょう…

    茶柱「(天海さんや星さんが居る…向こうの校舎に戻るのはとても気が引けますけど…)」

    ??『…良カッタネ…逃ゲラレテ…デモ――』

    と、来た道を引き返そうとした時でした。背後から声がしたんです。その声は――

    茶柱「――え?」

  45. 45 : : 2020/02/03(月) 21:59:17

    question、>>46番さん
    東条side:『別館、玄関』調査安価
    (ある選択肢で進行します)

    1、下駄箱の中になにかあるわ…
    (下駄箱周辺を調べます)

    2、あれは…蝋燭かしら?
    (『 入間の蝋燭 』を調べます)

    3、右側に扉が見えるわね
    (入口から入った方向の右側に進みます)

    4、左側にも行けそうだけれど
    (入口から入った方向の左側に進みます)

  46. 46 : : 2020/02/04(火) 15:01:21
    待ってましたー!
    一番でお願いします
  47. 47 : : 2020/02/04(火) 23:01:46

    『 東条斬美 』side


    …肌寒いわ。
    足元をすきま風が吹いているのでしょう。身震いする赤松さんに埃っぽさもありくしゃみをした最原君。だけど蛍光灯の明かりが所々ついているお陰かしら、視界は悪くないわね。
    どこから電気が来ているのかについてはひとまず置いて起きましょう。その問いかけに答えを持ち合わせている私達ではないものね。

    東条「最原君、最初に来た時から違和感があるのなら教えて頂戴」

    最原君が下駄箱近くにいる私を素通りして扉の傷を撫でたわ。
    そしてその傷の隙間から何か…糸かしら?のようなものを手に取りつつ答えたのよ。

    最原「そうだな…先ずはこの扉。僕らが最初来た時こんなものはなかったんだ。そもそも鍵穴は血のようなものが擦っているし、刺さった鍵自体も血塗れだしね。血がはっきりと指紋を残してくれているから指紋キットがあればこの指紋の持ち主も分かるけど――それはひとまず置いておくよ。
    それとこの傷、鈍器のような物で殴った跡じゃない。これは日本刀や西洋の剣みたいなある程度刃渡りがあるもので付けられたんだと思う。
    僕らが知る限り言いにくいんだけど、ゴン太くんや追い掛けられた幽霊達は刃渡りのある刃物は持っていなかった。なら考えられるのは1つ」

    最原くんはそこで言葉を閉ざしてしまうわ。赤松さんが恐る恐るその先を呟くの。

    赤松「ま、まさか…さっき話に挙がった『 真犯人 』とか…かな?」

    最原「――だとまだ良いんだけどね。多分…生きている人間でゴン太くんみたいに操られている人物か」

    言いにくそうに視線を逸らしたの。その時、彼が持つ糸のようなものがきらりと輝いて…それがなんなのかが何となく察してしまったわ。

    東条「(髪の毛…ね…)」

    壁際にいる赤松さんの位置では分からないけれど、それは茶柱さんの髪の色をしていたのよ。

    最原「自らここの中で犠牲者を増やそうとしている第三者…のどちらかだろう」

    赤松「そ、そんな…」

    赤松さんが震えるわ。要するに『 真犯人 』だけじゃなくて『 殺人犯 』もいるかもしれないということだもの。
    最原君が私たちの方を向き直して髪の毛を手放した。そして周囲を見ながら再度声をかけてくるのよ。

    最原「どちらにせよ、この場所を徘徊しているかもしれない。慎重にならないといけないな」

    東条「そうね。赤松さんの背後の壁もよく見れば傷があるから…ここで何かしらは起きたのでしょうね…追われた方が無事に逃げた事を願うことしか出来ないでしょうけど」

    赤松「そ、そうだね」

    赤松さんは力強く頷くと私の背後にある下駄箱を見始めたの。
    あら…何かあるのかしら?と首を傾げ、彼女に声をかけようとしたら紙のようなものを手にしていたわ。

    最原「…それは?」

    赤松「分からないけどさっきからチラチラ見えて気になったから手に取ってみたんだ…誰かの走り書きみたい」

    パサっと折りたたまれた紙を広げるとそこにはただ一文だけ書いてあったの。

    赤松「『 あの子たちの黒化に気をつけて 』…ってなんだろう?」

    最原「誰かへのメッセージだと思うけど、この内容が僕らに向けられたものとは思えないな」

    東条「複数形なのが少し気になるのだけれど…元に戻しておきましょう。もしかしたら他の人のメモかもしれないわ」

    赤松さんが持っていた紙を最原君が受け取り、透かしてみたりしていたけれど少しして赤松さんに返したわ。

    最原「別に特殊な技法が隠されている訳じゃないから、心にとどめる程度でいいと思うよ」

    赤松「そっか。じゃあ同じ場所に戻しておくね」

    下駄箱の方に向き直して紙をあった場所に置いたわ。






    赤松「…でも、黒化ってなんだろうね…?」

    赤松さんの疑問に私達は答えられなかったわ。




    question、>>48番さん
    東条side:『別館、玄関』調査安価
    (ある選択肢で進行します)

    1、★調査済み

    2、あれは…蝋燭かしら?
    (『 入間の蝋燭 』を調べます)

    3、右側に扉が見えるわね
    (入口から入った方向の右側に進みます)

    4、左側にも行けそうだけれど
    (入口から入った方向の左側に進みます)

  48. 48 : : 2020/02/05(水) 22:11:18
    3番で!
  49. 49 : : 2020/02/08(土) 13:52:01
    転子が1人で心配すぎる
  50. 50 : : 2020/02/09(日) 06:51:24

    少しだけ沈黙が場を支配するのだけれど、最原君が周りを気にしながらも呟いたの。

    最原「現状、見回したけど調べるのは多くはなさそうだ。ここは茶柱さん達を探すのを先にしてから詳しく見た方がいいと思う」

    赤松「うん。茶柱さん達と合流してからでも調査は出来ると思うんだ」

    赤松さんの返事に私も黙って頷くわ…下駄箱から離れ、廊下の先を見ると右側からなら別の場所へ行けそうだものね。

    東条「別の場所に移動するにも…左側は瓦礫に埋もれている様子で怪我をしている私たちでは登って向こう側に行く事は難しいわ」

    赤松「ええっ、そうなの??
    ――うわ左側瓦礫で塞がれてるじゃん。怪我してなくても乗り越えるのは…厳しいものあるよ…」

    赤松さんも私のそばまで来てその様を見ると最原君が小声で「僕も無理だってば…」と愚痴を零していたのだけれど、聞かなかった事にするわ。

    赤松「だったら進むのは右側しかないって事だよね?」

    瓦礫で埋もれた左側と違って右側は遮蔽物はなく廊下が続いているみたいね。最原君も同様に私達の近くまで来て、続いているであろう暗い廊下の先を睨んでいたのよ。

    東条「とにかく進んでみましょう」

    私の提案に頷く2人と共に廊下の先へと歩み出したわ…


    最原「すぐ近くに居ると助かるんだけど…」

    最原君が先頭にその後を私と赤松さんが並んで行く。…暗いのはどうしてかしらと首を傾げたと同時に…血腥い臭いが鼻を付いたのよ。

    最原「…くっ、これは…――っ?!」

    最原君が呟いたと同時だったわ。
    蛍光灯がチカチカなって…明かりがついた。

    赤松「きゃ!?な、なに?…これっ?」

    暗かった廊下が一気に明るくなって足元を気にした私達は咄嗟に異変に気付き―――足元に血溜まりが広がっていた。そして、一足先に視線を上げたのでしょう最原君が震える声で…呟いたの。

    最原「…嘘…だ、ろ…」

    赤松「さい、はら…く――っ!?」

    東条「…」

    赤松さんがいち早く最原君の異変に気が付き視線を上げで…固まったわ。私も釣られるように赤松さんから視線を前へと向けた。

    そこに居たのは…

    血溜まりの中心で倒れている…『 天海君 』の姿だったのよ…

  51. 51 : : 2020/02/09(日) 06:51:54

    『 茶柱転子 』side


    茶柱「――え?」

    振り返るとそこに居たのは…小学3、4年生ぐらいでしょうか?赤いワンピースの女の子でした。

    女の子は転子の戸惑った声にも動じずにその純粋無垢な可愛らしい瞳を真っ直ぐ転子だけを見ていました。

    ま、迷子でしょうか?…で、ですが…この学校には生存者はクラスメイトの男死ぐらいしか見てません。…はて?
    首を傾げた転子の真似をするかのように女の子も首を傾げます――あら可愛いですね!

    …あ違いましたね。転子同様に知り合いを探しているのかも知れません。それならばと転子が女の子の視線に合わせようと膝を曲げた時だったんです。

    ??『 逃げてください!!
    …目の前にいる人物は茶柱さんの味方じゃないんです、敵なんだ!!
    今すぐソイツから離れてください! 』

    懐かしさがある声がどこからかしたんです。心配しているような――そんな鋭い声が。

    茶柱「――っ!?誰でっ」

    誰だろうと膝を伸ばした時、女の子の表情が歪んで…濁った瞳で睨んだんです。あまりの変貌に間抜けな声しか出せない中で女の子が口角を上げてゲラゲラ笑いかけます。

    茶柱「え?」

    ??『 良カったネェ…死ンでも助けてクレるオ友達がイてネぇ… 』

    戸惑っている転子を楽しそうに眺めながら女の子は続けます。

    ??『 デモ…逃げナイと…お姉サン…助からないカモねぇ…キャハハハっ 』

    茶柱「逃げないとって…どういう意味で――!!」

    女の子の背後。迫ってくる事に気が付かなかったんです。だって音もなく近づいてきたから。
    それはよく知った人物で…眉唾モノで聞いていた星さんの話を信じたくなかったのに…信じざる得なくなったと言いますか。

    茶柱「ゴン…太…さ…」

    獄原「…」

    虚ろな瞳が転子を捉えてました。片手には血塗れの斧。…きっと入間さんとキーボさんを殺めた血が染み付いているのでしょうか。

    ??『 逃げナイと…オ前も死んだヤツらト同じにナっちゃうよォ! 』

    茶柱「嘘ですよね――ご、ゴン太さん…」

    どんっっ!!バキバキィィっ!!

    返事は床に叩きつけた斧の音がして、女の子の不気味な笑い声と混ざり恐怖感が増してきちゃいますっ。

    茶柱「どうして――目を覚ましてっ、ゴン太さん!」

    掠れた転子の声にジリジリと距離を詰めてくるゴン太さんの姿に本能的に動けなくなってしまい思わず固く目を閉じかけた時でした。

    ??『 おツムまで筋肉かよ!このっ脳筋女ぁ!!
    逃げろって言ってんのが理解出来ねぇのかよ!! 』

    ふあっと聞きなれた声がしたかと思えば転子の胸元を『 何かの力 』で強く押されたんです。い、一体なにが――?

    茶柱「…??」

    目の前に『 何か 』がいる気配がしてます…ですが転子には見えてなくて…女の子の笑い声が止まって、その視線は転子を捉えていなかったんです。だけど『 声 』だけは届きます。

    ??『 あの雑巾ワカメん所戻れ!!いいなっ!何度でも言うけど戻れ。
    したらダサい原達がシコって居やがるからそいつらを頼れ!!良いな!? 』

    茶柱「…ぞ、雑巾ワカメってもしかして天海さんの所、ですか?」

    震える声で答えるとまた『 何か 』に腕を掴まれまれて、そして『 声 』が…聞こえてきました。

    ??『 大丈夫です。ゴン太クンの事はボクと入間さんに任せてください!
    茶柱さんは…最原クン達の所へ、さ急いで 』

    茶柱「え、あ、あなた、たち…は…っ?」

    クイッと引っ張られる感覚が強くなって…そしてその力は転子を階段の方へと向けていったんです。
    弾かれたように強い力で押され…転子はそのまま為す術もなく階段側に押し出されちゃったんです。

    茶柱「…い、今のは――」

    階段を下りる転子の声にはいつまで経っても返事は来ませんでした。

  52. 52 : : 2020/02/09(日) 06:52:29
    question、>>53番さん。
    東条side:『別館、西側廊下』調査安価
    (ある選択肢で進行します)

    1、トイレがあるわ
    (トイレ周辺を調べます)

    2、天海君…
    (『 天海の死体 』を調べます)

    3、アレってっ!?
    (『 天海の死体 』傍に落ちた物を調べます)

    4壁にたくさんのポスターが貼ってあるわね
    (壁にはられたポスターを調べます)

  53. 53 : : 2020/02/09(日) 07:43:38
    2番でお願い致します…
  54. 54 : : 2020/02/24(月) 02:10:40

    『 東条斬美 』side


    赤松「なんで…何が起こったの…?」

    震える声でマジマジと見つめる赤松さん。最原君がしゃがみ、閉じられた瞼をじっと睨むように見ていたの。

    最原「…天海くん」

    夥しい血の量。人体にこれ程流す血があるのかしら?と思うぐらいの量の中心に倒れた彼は誰が見ても生気は見られないわ。
    だけれど血溜まりを何人か踏んだのね?上履きの跡が廊下中に転々と残っていて…その足跡は私達が入ってきた方の廊下へと続いていたのだから、誰かが通ったということかしら?

    東条「(どちらにせよ情報が少なすぎるわ。最原君の検死結果を待ってみましょう)」

    最原君が天海君の遺体を見ていく。身体も血塗れだからでしょうね、直接触るのは好ましくないと思った彼は右手を顎に当てながらブツブツ呟き始めたの。
    この状態の彼を邪魔する訳には行かないわ。私は震え固まってる赤松さんの肩を掴んで壁際まで誘導して彼を静かに待つわ。

    最原「詳しい事までは分からないんだけど、肩の怪我、多分入口にあった刃物と同じもので切られたんだな。けどこの傷でここまでの血は流れないはずだ。
    致命傷は――恐らく背中の刺傷。足が変な方向に曲がってるのも気になるな……もしかして…どこからか…落ちた、のか?」

    赤松「――っ!辞めて!最原くん!!
    もう、やめてよ…っ」

    暫く黙っていた赤松さんの声に私と最原君がビクリと肩を震わせたわ。あまりにも大きな声だったから。
    悲鳴に近い赤松さんの瞳には今にも溢れそうな涙が浮かんでいたのよ。

    最原「あ、ゴメン…つい」

    東条「赤松さん…」

    戸惑いの声で謝る彼に対して赤松さんは大きく息を吸って静かに答えたの。

    赤松「あ、ごめんね…なんだかこの状態で放っておくの可哀想で、つい…それにまじまじ見るのも…失礼だと思うんだ」

    直視出来ないのでしょうね、彼女は視線をずらして申し訳なさそうに呟く。確かにと頷くけれど少し困った表情で私たちを見たわ。

    最原「そうしたいけど…身体から出た血があまりにも多いし、春川さんの時みたいに時間がある程度経過していかないと――」

    赤松「…そう、だよ…ね…」

    言い終わる前に赤松さんが悲しそうに微笑む。私もそうしたいのはやまやまなのだけれど…

    赤松「ごめんね…つい…」

    そのまま青白い表情で押し黙ったわ。
    最原君が困ったようにその場から立ち上がって…私達の方を再度向き直すわ。

    最原「せめて…手を合わせておこうか」

    東条「そうね。赤松さん、大丈夫かしら?」

    赤松「あ、うん…」

    天海君の前に3人並び手を合わせたわ。
    そして暫く過ぎてから再度見回して…

    最原「…天海くんには申し訳ないけれど他の所も調べなきゃ…だよな…」




    question、>>55番さん。
    東条side:『別館、西側廊下』調査安価
    (ある選択肢で進行します)

    1、トイレがあるわ
    (トイレ周辺を調べます)

    2、★調査済み

    3、アレってっ!?
    (『 天海の死体 』傍に落ちた物を調べます)

    4壁にたくさんのポスターが貼ってあるわね
    (壁にはられたポスターを調べます)

  55. 55 : : 2020/02/24(月) 02:57:54
    3番で!
  56. 56 : : 2020/02/28(金) 03:54:40

    赤松「あのさ、天海くんの足元近くにあるのって何だろ?」

    最原くんが呟いた後だったの。赤松さんが指を差した方向…そうね天海君の足元からさほど離れてない距離に『 何か 』が落ちていたのよ。

    東条「何かしら?調べてみるわね」

    最原君ばかりに負担をかけては悪いわ。率先して指し示した方に近づいて、『 それ 』が一体何なのかを確かめることにしたのよ。

    東条「(…これは――っ!?)」

    最原「東条さん、なんだったのかな」

    少しして最原君が不思議そうに首を傾げながら尋ねて来るまでその場で固まってしまったの。
    軽く頭を振って彼らの方向を向き直して、言うか躊躇ったのだけれど最原君の何か察してしまったのか鋭い瞳につい答えてしまったわ。

    東条「…そうね。とても言い難いのだけれど、これは恐らく『 茶柱さんの髪の束 』だわ」

    最原「っ!?」

    赤松「えっ!?」

    2人が驚くのは至極真っ当な反応。…髪の毛の束が無造作に落ちていたのだから。この長さだと恐らく首の辺りからバッサリと切られた…という感じがあるわね。

    東条「この髪の色に特徴的な結び目と髪留めからして間違いないわ」

    赤松「ねぇ、まって…茶柱さんの髪の束なら――茶柱さんも…もしかして」

    赤松さんが震える声でキョロキョロと辺りを見回して、最原君もあまりいい表情はしてないわ。

    最原「赤松さんまだ断定は出来ないぞ。だって僕達はこの校舎に来たばかりだよ。
    それに教室や廊下を隅々まで調べてないし、万が一そうならば…『 遺体 』がどこかにあるはずだ」

    東条「最原君の言う通りよ。
    こうして茶柱さんの痕跡があるのだからもしかすると何処かに逃げて隠れている可能性もあるわ」

    赤松「そうだけど…嫌な予感がするんだ。
    もしかしたらって…思っちゃってさ」

    最原君のフォローに私も続ける。
    そうよ。『 髪の毛の束 』が落ちているだけ。
    きっと『 玄関 』にあった『 髪の毛 』も――

    最原「と、とにかく立ち止まって最悪な事態を想像するよりも違う場所も調べるべきだと思う」

    東条「そうね、この先もどうやら続いているみたいだわ。茶柱さんを探す為に一通り調べた方がいいわ」

    最原君がショックを受ける赤松さんの背に手を触れてその場を離れようとした時だったのよ…

    私達が入ってきた方向から誰かが走って来たのよ。その人物の視線が私と丁度あって立ち止まった。あ、貴方は…っ!

    ??「――っ!?」

    東条「!?」

  57. 57 : : 2020/02/28(金) 03:54:59

    最原「どうかしたの、東条さん?」

    戸惑う最原君が首を傾げていると――

    ??「本当、に…話していた通りだ…皆さん、ちゃんと…居たんですね。…ああ…良かったぁ…」

    今にも泣き崩れそうな声は普段のハキハキした声とは打って変わって弱々しい。声色から気が付いたのでしょうね赤松さんが驚いて振り返ってその名を呼んだわ。

    赤松「――茶柱さん!!」

    茶柱「赤松さんと東条さん、それに…最原さん。お元気そう…とは言い難いですけど会えて良かったです」

    最原「茶柱さん。良かったよ…あの時以来だけどさ」

    最原君は茶柱さんと行動を共にしていたからかしら?彼女の方向に体を向けると、とても申し訳なさそうに答えるわ。

    茶柱「そ、そうですよ!!最原さん、急に居なくなってしまうものだから…本当に困ったんです。
    最原さんと別れてから色々ありましたから――」

    茶柱さんの視線が天海君を見る。

    少し天海君の姿を見てから茶柱さんはぽつりぽつりと話し始めたの。
    最原君と別れてから『 何 』が起きたのか――を。

    茶柱「最原さんと別れてから、転子は1人で行動していたんです。それから天海さんと星さんに再会して3人でこの校舎を調べていたんです。
    ですが…」

    視線が中を彷徨う。その先を答えることに躊躇いがあるのか少しだけ押し黙って瞳を伏せてから一言だけ答えたわ。

    茶柱「とにかく着いてきて欲しいです。見てもらった方が実際に分かると思いますから…」

    申し訳なさそうに彼女が無理に微笑んだの。そして、私達を誘導するかのようにその場を後にしたわ。


    『 玄関 』側とは反対の廊下の先は上に行く為の階段だったの。道中に『 赤い蝋燭 』が置いてあってそれを見た最原君が「入間さんのかな…」と呟いた以降、みんな無言で階段を上り2階の廊下に出た時だったわ。

    そこには――

    赤松「…星、くん!?」

    東条「星君!!」

    階段上がる最中から噎せ返るような血の匂いがしたから…薄々嫌な予感がしていたのだけれど、廊下に出て真っ先に目に入ったのは壁際にもたれかかった無惨な彼の姿だったのよ。

    ど、どうして?…一体何が起きたというの?

    最原「!!茶柱さんっ!何があったんだよ!!」

    茶柱「…そ、それは――」

    最原君の咎めるような声色に肩を震わせた茶柱さんが星君の遺体の側へと歩み寄ってから答えたの。

    茶柱「転子を逃がす為に――おふたりは…星さんと天海さんはっ…」

  58. 58 : : 2020/02/28(金) 03:55:17

    茶柱「あの男死に…『 真宮寺 』さんの手によって…無惨な姿になってしまったんです」

    最原・赤松・東条「「「っ!?」」」

    …信じられないわ。
    こんな姿になってしまった原因が真宮寺君だなんて――嘘だと言いたい言葉をぐっと堪えていたら赤松さんが驚き固まった表情で糾弾したのよ。

    赤松「そんな!!真宮寺君はそんな事するとは思えな」

    茶柱「こ、殺したんです!!真宮寺さんがっ!!
    『 操られている様子ではなく、自らの意思で 』2人をっ…殺したんです」

    赤松さんの言葉に反論している茶柱さんの目元が真っ赤に晴れていることに今気がつくわ。
    茶柱さんの拳が震え、今にも泣き出しそうな表情で更に答えたの。

    茶柱「転子がトイレに入っている間でした。
    その時の状況は分かりませんけれど、星さんが天海さんを庇って大怪我したみたいで…天海さんは転子を引っ張ってこの場から逃げたんです」

    彼女の言葉をじっと聞いている私たちにゆっくりと続きを話していくわ。

    茶柱「あの男死は、そのまま転子達を追いかけてきました。そして、再びこの場所に辿り着いた時に星さんが…足止めしてくださったんです。その隙に…あそこにある場所から天海さんが真宮寺さんにタックルして共に落ちたんです」

    指し示した方向、丁度『 女子トイレ 』と書かれた札の扉の少し下辺りに大きく床が崩れた箇所へと視線を向ける。
    そのまま視線を廊下全体見回すと至る所に血の跡に刃物のような切り傷がところ構わずあったから茶柱さんの言葉に嘘偽りは全く感じられなかったの。

    茶柱「星さんは…その後に息を引き取りました。「生きてる皆を頼む」と言って。
    何も出来なかった転子はそのまま下の階にと戻ります。そしてここの丁度真下に当たる空間が天海さんが倒れてる場所になるんです」

    赤松「そんな…」

    茶柱「どうしてこうなってしまったんでしょうか…?先程まで普段と何ら変わらない生活をしていた筈なのにどこで間違えてしまったのですか


    茶柱さんはそれ以降何も言わずに星君を見ていたわ。私達も彼女に倣って星君の側へと行き、黙って両手を合わせることにしたの。



    最原「――ごめん。星くん、助けられくて。
    僕がずっと同じ『 次元 』に居たなら別の道があったのかもしれない」

    静かに星君に向かって話しかけるわ。
    私はどうしようもない気持ちに押し黙ってしまうと赤松さんがふっと彼の足元を見て…『 何か 』わ徐に拾ったの。

    赤松「星君も一緒だよ。行動出来ないけどさ…これ代わりに持っていくね」

    手にしたのは彼が普段から身につけたている『 足枷 』だったの。何かのはずみで取れてしまったのね。『 足枷 』の先に付いた重りのような物はどこかで外れているらしく足輪の様になってしまっていたのよ。



    ▼ 【 星の足枷 】を入手しました… ▼

    説明:(普段から足首につけていた銀色の足枷です。先端に付いた重りのような物は見当たらず足輪の部分しかありません。
    星が冒した罪と向き合うために付けていたものでしょうか)



  59. 59 : : 2020/02/28(金) 03:55:36

    東条「…一先ず、茶柱さんと再会出来たのだから一旦王馬君達と合流した場所に戻った方がいいのかしら?
    それともこのままこの校舎を調べた方がいいのかしら?」

    押し黙った空気を変えるべく提案をしてみる。そっかと納得したふたりとは裏腹に茶柱さんは困惑の表情をしていたから、最原君が大雑把に説明していくわ。

    最原「ああ、そうだ茶柱さん。
    実際にその現場にいた訳じゃないから僕らも詳しくは分からないんだけど、どうやら王馬くん達が『 多重閉鎖空間 』を解消してくれたみたいなんだ。
    だからこうして本来違う『 次元 』にいた僕らと茶柱さんが再会できた訳で…」

    茶柱「へ?ちょっと待ってください!
    最原さんは転子と別れた後に『 違う次元 』へと飛ばされていたのですか?
    そこで…赤松さんと東条さんに再会した、と」

    赤松「うん。そうだよ。
    最原くんがいなかったら私どうなっていたか…とにかくその話は追ってするね。この場所でゆっくりは話したくないから…さ」

    茶柱「あ、はい…そうですね。分かりました」

    茶柱さんが疑問符だらけでしょうけど納得はしてくれたみたいね。その様子を見ながら私は提案の結果を待つわ。すると先に最原君が唸ってから「そうだな」と呟いたの。

    最原「確かに、この校舎を調べ続けてもいいけど天海くんと星くんの状態を報告したい気持ちもある。それに茶柱さんの話から今の状態の真宮寺くんに遭遇すること自体危険だ。王馬くん達に忠告しておいて不利益にはならないだろう。
    元々僕らがここに来たのも茶柱さん達の行方調べる目的があったんだ。茶柱さんと合流できたことでクラスメイト全員の生死も把握したワケだから、それらの情報を共有するのは大事だと思う」

    赤松「うん。私もそう思う。
    真宮寺くんの話からするとここまでの道のりで真宮寺くんとは私達会ってないんだ。もしかすると王馬くん達の方へと繋がる抜け道があって王馬くんたちのいる方向へ向かった可能性も否定出来ないもんね。
    その状態で真宮寺くんと鉢合わせに…ってなったら王馬くん達とはいえ今の怪我だと危険かも」

    2人がそう言うなら戻るべきでしょうね。王馬君達の怪我を思い出すに真宮寺君の不意打ちに反応できない可能性あるわ。比較的大丈夫そうな百田君に夢野さんがいたとしても、星君と天海君の凄惨な状態から見るに忠告は必要ね。

    茶柱「ええとよく分かりませんが…転子は皆さんの後をついて行きますのでどうするかはおまかせします」

    最原「じゃあ、一旦戻ろうか。…戻ってみて同時に会えるとは限らないけどさ」

    赤松「居なかったら居なかったらでその時考えようよ。ほら最悪みんなで書いてた『 教卓のメモ 』みたいに何処かに大きく箇条書きすればいいと思うし」

    東条「そうね。茶柱さん、目的の場所に行くまでに茶柱さんと会うまで私達がどう行動していたのかを話しながら行きましょう」

    茶柱「はい。わかりました!」

    こうして私達は『 用務員室 』へと踵を返すことにしたのよ。



    情報:(【 茶柱転子 】と合流しました…)



  60. 60 : : 2020/02/28(金) 03:55:54

    東条「そこから私と合流してそのまま今向かう『 用務員室 』で『 鬼碑忌さんの録画 』したものを見て廊下に出たら向こう側に王馬君と百田君、夢野さんが丁度来たところだったのよ」

    茶柱「そ、そんな事があったんですね…」

    『 用務員室 』前の細長い廊下を歩きながら今までの行動の説明をしていくわ。茶柱さんは眉間にシワを寄せながらも相槌を打っていたのよ。

    最原「ああ、まさか…生存している人が僕ら4人と王馬くん達3人、それと真宮寺くんに無事なら…ゴン太くんだけなんて」

    指折り数える最原君の表情も厳しくて暗い表情をしていたわ。『 さかうちほう 』と呼ばれる手段があるらしいのだけれど…その方法を使ったとしても『 脱出 』元の場所へ帰ることは厳しそうな雰囲気になった、とも話していたものね。

    赤松「あ、もうすぐつくよ…あ!王馬くん!良かった、丁度いたっ!」

    1番先頭にいた赤松さんが駆け寄るように『 用務員室 』前の開けた廊下へと進む。私達も続けてくると不貞腐れた王馬君と驚いた百田君、夢野さんが丁度いたのよ。

    百田「お、丁度良かったぜ…って茶柱か!?茶柱と合流できたのか!」

    夢野「転子っ!!良かったのじゃ!」

    茶柱「夢野さん!…ご無事で何よりです…良かったぁぁ、ってその頭そこの男死のす、スカーフではありませんか!?な、なな、何がどうなってそのようなことにっ」

    夢野「んあ!?こ、こ、これはのう…色々あったのじゃ…話すと長くなるが―――」

    夢野さんと茶柱さんが喜びあっている手前で真剣な表情で最原君が話し始めた。

    最原「うん。茶柱さんと合流はしたよ。だけど…」

    王馬「茶柱ちゃん以外は見つからなかった、或いは――死んじゃってた、とか?」

    ハッキリとした物言いに場の空気が凍ってしまうわ。…それに頷いたのは茶柱さんで、実際に話したのは最原君だったわ。

    最原「天海君と星君の遺体を向こうの校舎で見つけたんだ。その事で情報共有したいのがあって僕らは戻ってきたんだ」

    王馬「ふぅん。で、それってなに?」

    最原「ああ、それは…真宮寺くんの事だ。彼は天海くんと星くんを殺した当人なんだよ。だからもし、王馬くん達の所にいたら危ないと思ってここに来たんだよ」

    百田「はぁ!?真宮寺がか?…んな嘘だろっ?!」

    百田君の反論に対して茶柱さんが「いえ事実なんです」と消え入りそうな声で呟いたわ。

    茶柱「真宮寺さんが…転子の目の前で星さんを殺したんです、天海さんも…殺された現場を目撃した訳ではありませんが真宮寺さんを止める為に…とっとにかく、夢野さん!お気を付けてください!!」

    夢野「んぁっ!!て、転子よ…」

    王馬「茶柱ちゃんが居なくても夢野ちゃんは大丈夫だと思うけどねー」

    百田「コラっ!王馬テメーっ」

    王馬「だって事実じゃん。現にこうしてオレらと最原ちゃん達と再開できてんのはオレらがいたからでしょ?」

    夢野「確かにそれはそうなのかもしれぬが…っ」

    王馬君の正論に思わず百田君は黙ってしまう。向こう3人の反応に困っていると最原君が再び声をかけるわ。

    最原「ちょっと、話が脱線しかけてるから戻すよ。僕らの話しは『 茶柱さんと合流出来た事 』と『 真宮寺くんの事 』の2つなんだけど…百田君、さっき「 丁度良かった 」って話してたけどどうかしたの?」

  61. 61 : : 2020/02/28(金) 03:56:09

    百田「ああ…そうだ。
    オレらも終一達に頼みてー事あってここで待ってたんだ」

    頭を掻いた百田君が申し訳なさそうに視線を明後日の方向に向けた。その物言いに赤松さんが首が傾げるわ。

    赤松「頼みたい事って…何かな?」

    夢野「ウチらの廊下は2階から先が進めなくなっておったのじゃ…よくよく見ると『 仕掛けを動かせば廊下が出てくる 』ようになっておってのぉ…その仕掛けがこっち側にあるように思えなくてな、最原達の方にあるのではないかとと思いここに居たのじゃ」

    夢野さんが状況を話してくれたわ。『 仕掛け 』…って何かしら?

    百田「『 レバーのような装置 』があるはずなんだが、オレたちが行ける場所全て調べたんだがな…見つからねー。
    実は終一達が行ける場所の方が広いのかもって王馬と夢野と話してたんだ」

    赤松「向こうの校舎にあったりするのかな?」

    王馬「いやそれは無いと思うよ。同じ校舎内だと思うけどね。このままじゃ奥にある教室を調べられなさそうだから最原ちゃん達に頼もーかなって」

    進めないのは厳しいわね…それなら次調べるのは校舎の2階になるわね。
    確か別の校舎向かう途中の廊下に階段があったわ。『 用務員室 』にはそれらしきものは見当たらなかったし何より廊下には無かったのだからあるとすれば2階より上かもしれないわ。

    東条「そうね…だったら私たちで調べてみるわね。もしかするとあるかもしれないわ。こちらの校舎はまだ調べてないもの」

    王馬「ないと困るんだって!それこそ夢野ちゃんや百田ちゃんに『 人間のハシゴ 』になってもらわなくちゃいけなくな」

    百田「んなもん出来っかよ!」

    百田君の鋭いツッコミに思わず笑いそうになってしまうけれど気を引き締めないとね。

    赤松「なら早速調べてみるね。その…見つからなかったらごめんね」

    王馬「何度言わせるつもりだよ!なかったら八方塞がりなんだからね!こっちはさ」

    茶柱「はいはい、男死の言葉はどうでもいいとして夢野さんが進められないというのなら転子しっかり見つけてきますんで!その行けない場所近くで待っていてくださいね」

    夢野「んあ頼むぞ…では転子の言う通りあそこで待つとするかの」

    王馬君達と軽く別れ、今度は2階を調べることにしたのよ。

  62. 62 : : 2020/02/28(金) 03:56:32

    赤松「うわぁ…大分構造が違ってるね」

    2階に辿り着いて赤松さんが驚きの声を上げたのよ。私はこちら側の2階に来たこと無かったからよく分からないのだけれど最原君も「これが融合の結果なのか…?」と首を傾げていたわ。

    茶柱「だれも…居なくなってますね…」

    東条「どうかしたのかしら?茶柱さん」

    茶柱さんの声に思わず声をかけてしまうの。なんだか悲しそうな表情をしていてつい、ね…

    茶柱「最原さん達と合流する前に転子この場所でゴン太さんにあったんです…それと『 赤いワンピースを着た女の子 』に。ゴン太さんは、転子を見ても無反応で思わず固まってしまったら――助けてくださった方がいて…」

    最原「助けてくださった方?」

    最原君の声に茶柱さんは続けて答えるわ。

    茶柱「ええ。姿は見ていないので断定できませんけど恐らくは入間さんとキーボさんだと思います。お2人が「 逃げて、別校舎にいる最原さん達と合流しろ 」と転子を逃がしてくださったんですけど…あれからどうなったのかと思って」

    赤松「そうだったんだ…誰かいる気配は感じられないけどそんなことがあったんだね」

    茶柱「はい…」

    茶柱さんが言う『 赤いワンピースを着た女の子 』というのは『 4人目の被害者 』とされた実行犯、『 篠崎サチコ 』のことでしょうね。
    きっと王馬君達が色々したお陰で茶柱さんの前に姿を表したのでしょうね。

    東条「『 赤い服の女の子 』は恐らく今私たちが最終的に成仏…でいいのかしら?しようとしている相手だわ。王馬君達が詳しくは話してくれなかったのだけれど恐らく彼女がいるせいで脱出出来ないとも話していたわね」

    茶柱「そうなんですか…ならばゴン太さんが心配です…まるであやつり人形のように扱われていたので…」

    赤松「ゴン太くんと再開したら今度こそ救わなきゃだね。きっとゴン太くん本人も辛いはずだよ…クラスメイトのみんなを攻撃してるんだもん」

    赤松さんの言葉に頷く。ゴン太君はとても優しい性格をしているからきっと良心は酷く気づ付いているはずよ…これ以上犠牲を増やしてはいけないのだから助けなきゃいけないわ。

    東条「そのためにも今は『 装置 』を探しましょう」

    頷いて私達は廊下の先へと進むわ…


    最原「…あれか?…ってなんだそのそばにあるのは…っ」

    『 装置のようなもの 』はすぐ見つかったわ。場所は――壁が真っ赤に染まって誰かが壁にぶつかってバラバラになった臓器の近くだったの。
    最早原型を留めては居なくて近場に転がる真っ黒に爛れた頭部らしきものもあるわ。

    赤松「――っ!?」

    茶柱「…酷いですね…」

    誰かは判別不可能なその死体を避けながら『 装置 』の側へと行くわ。
    年代物なのか所々錆びているけれどレバーの部分は不思議と綺麗ね。

    茶柱「…ホコリを被ってはいますけど…何とか動きそうですね。動かしてみます」

    茶柱さんがレバーを持ち、力を込めて押し倒したわ。すると――


    ガコン、ガラガラガラガラ…


    ガチャン!!!


  63. 63 : : 2020/02/28(金) 03:56:49

    どこかで何か仕掛けが作動する音がしたのよ。
    そして大きな音がしたかと思えばそれ以降何も音はしなくなったの。

    茶柱「これで…どうにか…進めるようになりましたかね?」

    最原「どうだろう?進めたことを祈るしかないけど」

    赤松「で、じゃあ…戻った方がいいのかな?」

    しばらくして赤松さんが提案をするわ。その意見に最原君がどうしようと首を傾げていると、茶柱さんが「あっ!」と声を荒らげたのよ。

    東条「茶柱さん?」

    茶柱「ああ、感動の再会にすっかり忘れていました…夢野さんに『 コレ 』渡しそびれてしまいました…」

    ポケットから出てきたのは『 夢野さんの髪留め 』だったの。どこで見つけたの?と赤松さんが声をかけたら茶柱さんは、申し訳なさそうに答えた。

    茶柱「『 保健室 』です…ベッドのシーツに紛れて置いてあって、きっと大事になさっているものでしょうから探しているでしょうに…」

    最原「ああ…確かに茶柱さん見つけてたよね」

    赤松「大丈夫だよ。次会った時に返せば問題ないと思うよ!」

    茶柱「そ、そうですよね。直接渡せるといいのですけど…」

    茶柱さんはそう呟いてポケットの中に大事そうにしまい直す…手が止まったわ。『 髪留め 』の代わりに出てきたのは…『 SDカード 』かしら?

    茶柱「あれ?こんなもの転子拾った覚えないのですが…なんなのでしょうか?」

    首を傾げて『 SDカード 』を見る茶柱さんをよそに最原君が突然呟いたのよ。

    最原「それ…もしかしたら…『 鬼碑忌コウさんのデータ 』かもしれない。1度『 用務員室 』に戻って確認してみようか」

    茶柱「へ?先程皆さんが話されていた…ええと『 コレ 』がそろ記録媒体とでも言うんですか??」

    茶柱さんが戸惑うのをよそに最原君は『 それ 』をひったくってじっくりと見直してからもう一度声を掛けたのよ。

    最原「とにかく『 用務員室 』でこの『 SDカード 』の内容見てみよう」

    赤松「えっと…そうだね…でいいのかな?」

    急すぎる展開に茶柱さんは目を白黒させていたわ…



    ▼ 【 謎のSDカード 】を入手しました… ▼
    説明:(いつの間にか茶柱のポケットの中にあったものです。青色の2GBのタイプのものでタイトルには何も書かれていません。最原は『鬼碑忌コウの物だ』と思っているようですが…)


  64. 64 : : 2020/02/28(金) 03:57:11
    question>>65番さん。
    東条side:『本校舎1階、用務員室』調査安価
    (ある選択肢で進行します)


    1、襖から異様な匂いがするわ…
    (襖を調べます)

    2、戸棚でも調べ直しましょうか?
    (戸棚周辺を調べます)

    3、テレビを見ましょう
    (テレビ付近を調べます)

    4、カレンダーが気になるわ
    (カレンダーを調べます)
  65. 65 : : 2020/02/28(金) 07:33:14
    1番で!
  66. 66 : : 2020/03/05(木) 03:54:58

    東条「入るわね…」

    合図とともに『 用務員室 』へと踏み入れるわ。
    …先程より臭いがキツイわ…腐敗臭というのか嗅いだことの無いような臭いに思わず茶柱さんは顔を顰めたの。

    茶柱「ここに先程までいたんですか?!」

    鼻を抑えながら戸惑う彼女に私達も首を傾げた。

    最原「いや…さっきまではこんなに強くなかったんだ。すぐ側に――『 放置されて腐敗途中の死体 』があるのかもしれないぞ」

    茶柱「はぁ!?し、死体って―――あ、いえ…そ、そうですよねっ。ここで亡くなった方は放置される訳ですからあるのかもしれませんけど」

    東条「そうね。死体の事は置いておきましょう。とにかく先程手にしたこの『 SDカード 』をあのパソコンに入れてみましょう」

    最原「じゃあ行こうか」

    互いに頷きあって私達は畳へと進んだのだけれど…どうも襖の方から異様な臭いがしているのが気になってふっと足を止めてしまうわ。

    茶柱「…ここから臭いが強い気がします…」

    最原「ああ、確かに。最初来た時から開かなかったから調べられてないんだけど気になるな」

    私の様子に同意した足を止めた、みんなは首を傾げるわ――ただ、ひとりを除いてなのだけれど。

    東条「開けてみたいのがあるわ…開けてみましょうか?」

    私の問いかけに2人が戸惑いつつも「やってみるか」と眉間にシワを寄せていた時だったわ。
    …いち早くテレビの側へと着いた赤松さんが声を掛けたのよ。

    赤松「…そんな事より、最原くんがもってる『 SDカード 』の内容見ようよ?」

    茶柱「赤松さ――」

    赤松「襖さっき開かなかったんだよね。無理に調べる必要ってあるのかな…?」

    茶柱さんがキョロキョロと私と赤松さんの方向を見たわ。確かに赤松さんの言葉の通りだけれど…最原君とも顔を見合せ困っていると、赤松さんは抑揚のない声で声を掛けたのよ。

    赤松「いいから、内容先見てからにしようよ」

    最原「あ、赤松さん」

    何かしら?彼女の言い方に少し刺があるわ。茶柱さんは「どうします?」とこちらを向いて指示を仰ぐ形をとっているわ…

    東条「ええ、そうね。最原君、ここは後で調べましょうか」

    最原「ああ…」

    曖昧な返事をした最原君はそのまま赤松さんの元へと進むわ。私達もその後を続くのだけれど…

    東条「(再会してから赤松さんの様子が変な時があるわ…嫌な予感がするのだけれど杞憂であって欲しいわね…)」

    私達は部屋を調べることなくテレビの方へと向かっていったわ。

  67. 67 : : 2020/03/05(木) 03:55:14

    赤松「早く見よっか」

    赤松さんに促されるまま最原君がパソコンに『 SDカード 』を入れて操作をするわ…少しして動画データが見つかったから互いの顔を見合わせて、生唾を飲み込んだ最原君が再生ボタンをおしたの。

    画面は真っ暗…というよりガサゴソ雑音が入っているからカバンやどこかに入れているのでしょうね。暫く人の息遣いが続いたかと思えば…声が途切れ途切れに聞こえ、次第にちゃんとした音声へとなっていったのよ。

    ??『一人になってはいけない 一人になってはいけない…』

    赤松「っ!?この声って――さっきの人のだよ!」

    最原「うん。やはり続きだったんだね…」

    最原君達が頷く。ひとりなんとも言えない表情をする茶柱さんに耳打ちをしないとね。

    東条「私達が探していたものの続きらしいわ。『 ここから脱出する方法 』がこの動画に記録されているかもしれないのよ。
    『 鬼碑忌コウ 』さんという方の記録だわ」

    茶柱「そ、そうなのですね…」

    戸惑いつつも頷く茶柱さんをよそに動画は音を紡いでいくわ。

    鬼碑忌『死んではいけない。絶望してはいけない。
    これを見ているあなたに、ここから脱出する『 さかうちほう 』の方法を残しておく』

    最原・赤松・東条「「「!!」」」

    鬼碑忌『【 サチコのおまじない 】を正順法と同じく、【 人数にサチコを加えた回数分ちぎった型代の切れ端同士をくっつける 】…っ!!』

    怯えた声で紡がれた言葉、最後に何かが動く音がして…それは一定のリズムを繰り返していたのよ。

    鬼碑忌『…し、しなければよかった…来なければ良かった…っ
    …き、君があんなことに…っ』

    ??『…ぜんせぃ……っ』

    どこかからか第三者の声がするわ。鬼碑忌さんの今にも泣き崩れそうな声色とは違い、怒気を孕んでいる女性の声。最原君がピクっと反応し呟いた。

    最原「この声…は、まさ」

    ??『せんせぇえうえっ!!!!』

    ドンドンドンドンドンっ!!

    鬼碑忌『や、やめろ…やめてく、な――』

    ??『ぜんぜぇえうぇぇ!!!』

    鬼碑忌さんの怯えた声、そして次第に大きくなる第三者の声。それはしばらく続いたかと思えば――っ!

    急に画面が明るくなって、そこに映ったのは…私達と同世代と思われる焦点が全くあっていない女子生徒だったのよ。

    ??『ぜんぜぇぇええええ!!』

    鬼碑忌『やめ!!やめるんだ、な―――』

    ブツン、とそこで途切れた動画。思わず息を飲む私達は驚き固まってしまうわ。

  68. 68 : : 2020/03/05(木) 03:55:31

    茶柱「――ひぅっ!!、ななな、今のはっ」

    思わず目をぎゅっと閉じて防御の体勢を取っている茶柱さんの背を擦りながら最原君の方を見るわ。

    最原「驚くばかりの内容だぞ。
    まず…【 サチコさんのおまじない 】の方法自体が間違えていたんだ。正順法…つまり鬼碑忌コウさんの話から察するに本来数えるべき数は『 人数分+サチコの1回 』。
    本当は僕達の場合『 17回 』で無ければいけなかった」

    東条「真宮寺君の話だと『 失敗した場合は…サチコに連れていかれる 』と話していたものね。成功なら『 サチコさんの霊が素通りする 』と」

    この場所に来てから段々と来る前までの記憶が戻りつつあった私達は頷き、確認するように顔を見合せるわ。

    赤松「そう、だね。だから失敗したんだね…
    私も思い出してきたんだけど…真宮寺くん言ってたよ。『 サチコさんのおまじない 』する方法は『 人数分、サチコさんお願いします 』って―――」

    震える声で赤松さんが答える。
    そう。彼女の言う通り、真宮寺君は『 おまじない 』をする前に話していたわ。『 人数分 』だからね、と。
    本来の方法を知らず彼が間違えたのか…それとも故意なのか、今は考えても無駄なのだろうけれど…『 天神小学校 』に来てからの彼の行動を鑑みるに恐く…後者だと思うわ。

    東条「(民俗学に精通する彼が方法を誤るなんて有り得ないわ…だったら…敢えて、ワザととしか思えないわ)」

    茶柱「…転子達は『 来るべきして来た 』って訳ですね…だとしたら、転子達を襲ったのも――」

    信じたくないのだけれど、それが真実なのね…
    どうして私達を巻き込んだのかの真意についてはさっぱり分からずじまいなのだけれど…

    と最原君が軽く咳をしてから再度真っ暗になった動画の画面を睨みながら呟いたのよ。

    最原「それに…撮られたのはこの部屋だ。鬼碑忌さんは恐く隠れていた、だからこそ音しか最初出なかったんだ」

    東条「そうね。最後に一瞬見えた画像を思い出すと…この部屋に似た構造していたわ」

    角度からして恐く――



    ▼ 【 謎のSDカード 】を使用しました… ▼



  69. 69 : : 2020/03/05(木) 03:55:45




    question>>70番さん。
    東条side:『本校舎1階、用務員室』調査安価
    (ある選択肢で進行します)


    1、襖から異様な匂いがするわ…
    (襖を調べます)

    2、戸棚でも調べ直しましょうか?
    (戸棚周辺を調べます)

    3、テレビを見ましょう
    (テレビ付近を調べます)

    4、カレンダーが気になるわ
    (カレンダーを調べます)


  70. 70 : : 2020/03/05(木) 13:11:26
    1でお願いします…
  71. 71 : : 2020/04/03(金) 02:07:04

    私達が睨む方向は同じだったわ。
    そうね…襖よ。

    最原「ここだよな…」

    重々しく呟いた彼は私達と顔を見合せ、生唾を飲み込むと慎重な足取りで襖付近へと行くわ。

    東条「あの映像通りなら恐くこの先に『 何か痕跡 』があるはずよ…そして」

    茶柱「この臭いの大元も分かるわけですよね」

    赤松「とっ、とにかく見て見ない事には始まらないから開けてみようよ!」

    赤松さんの声に頷いた最原君が襖の戸に手をかけ、ゆっくりと動かしていく…とそこにあったのは…

    茶柱「―――ひっ!!」

    真っ先に視界に入った茶柱さんが1歩後ずさったの。その理由は明白で私達もすぐに理解したわ。

    東条「これは…」

    男女と予測できる死体がが折り重なってたのよ。1部分骨が露出していて肉や臓器がうっすらと見えていて。どれぐらい経過したのか分からぬほどの状態だったわ。

    最原「うっ…これは、酷い」

    顔を顰めて視線を落とし、男女の様子を確認した最原君がつぶやく。

    最原「この制服見たな…背格好に僅かに残された髪飾りと髪の毛から僕の前に現れた『 冴之木七星 』本人の遺体だと思う。
    そしてもう1人の和服を来た男性の方が『 鬼碑忌コウ 』さんだ、この着物は雑誌で見た事あるから間違いない筈だよ。
    こんな所で――だとしたら本人に直接聞く事は難しいだろうね…」

    渋い顔で私達の方を見たわ。そうね…彼がアンジーさんや白銀さんみたいに霊体で現れたらきっと分かると思うのだけれど、流石にそれはなさそうな気がするわ。

    赤松「…ねぇ、奥…僅かに光が差し込んでるよ」

    最原「――あ、ホントだ」

    茶柱「赤松さん、よく分かりましたね!」

    赤松さんが急に呟いて指さした場所、それは彼らの死体の奥…僅かに光が差していたの。
    次の瞬間、赤松さんが何食わぬ顔で死体の隙間を縫ってその奥の空間へと躊躇いなく進んで行ったわ。

    最原「まって、赤松さ」

    茶柱「えっ、あ、行ってしまいました…どうしますか?」

    東条「最原君、茶柱さん。私達も進んでみましょう。――さっきから気になっていたのだけれど、今の状態の赤松さん一人にしておけないわ」

    最原君と茶柱さんは頷き、一呼吸置くと死体を避けつつ奥へと進むわ。私もその後を続いて行くとある程度拓けた場所にたどり着いたのよ。どうやら光は随分上の部分から差し込んでるみたいでそこへ繋がる長い梯子のような物が見えるわ。

    赤松「…?ここ、何でだろう…見覚えあるような…ハシゴ?」

    最原「あ、赤松さん勝手に進むと危ないよっ!!うわっちょ、ぱ、パンツがっ!!」

    先に赤松さんと合流した最原君が戸惑い真っ赤な顔で梯子らしきものを登る彼女を直視していたわ…この場合はどう言えば問題ないのかしら…?と茶柱さんと顔を見合せながらも彼らの側へと向かうわ。

    東条「最原君…」

    茶柱「だだ、だ、だっ!!なんて事してるんでか!!ケダモノじゃないですか!!」

    茶柱さんが顔を真っ赤にして咎めている視線は軽蔑でもなんでもなくてその様に怖気付いた最原君は視線を泳がせながらも弁解したわ。

    最原「いや、別に赤松さんのパンツの色がピンクだったなんて見てな」

    茶柱「ケダモノ!!」

    最原「うわっちょ、ちゃば」

    問答無用ですと茶柱さんがその場で投げ飛ばしたの。盛大に吹っ飛んだせいで周囲に埃が舞って少し咳き込む彼をゴミ虫を見るような視線で睨んでいたわ。
    …あれだけ熱心な視線で見ていたら色も分かるでしょうね。

    騒動している内に赤松さんの姿が光の先へと消えたから投げ飛ばされ腰をさする彼に向かって問いかけるわ。

    東条「この梯子、構造上複数人の体重には耐えられなさそうよ。1人ずつ行くべきね。次私が行きましょうか?」

    茶柱「東条さん!?」

    意外な提案に驚く茶柱さんを他所に彼は更に頬を真っ赤にしてたじろぐわ。なかなか面白い光景に笑みが出そうになるけれどあくまでも普段何ら変わらぬ表情して、ね。

    最原「へ!?あ、いや。ぼ、僕が行くよ…」

    茶柱「あ、当たり前です!!さっさと赤松さんの後に続いてください!!」

    茶柱さんの声にビクッと肩を震わせた最原君は慌てて体勢を建て直してそのまま梯子を登って行ったのよ。

  72. 72 : : 2020/04/03(金) 02:07:25

    茶柱「…うっ、眩しいですね…」

    最原君、私そして最後に茶柱さんが登ってきた所で周囲を見るわ。ここは…『 男子トイレ 』かしら?と、先に来ていた赤松さんが壁際に背を任せて震えていたの。

    赤松「ここ、ここで…魔姫ちゃ…春川さんが…っ!!」

    事情を知る最原君はとてもバツの悪そうな表情で視線を逸らしていたわ。私や茶柱さんは全く状況が把握出来てないから首を傾げるしか出来ないのだけれど…これは…と最原君に無言の視線を送り説明を求めるわ。

    最原「…この場所…って認識でいいのかな。この僕達が丁度出てきたトイレの個室の中で春川さんが亡くなっていたんだ…ほらよく見ると血が個室の壁一面に散らばっているだろ」

    茶柱「――あ、え、それじゃぁ…」

    赤松「やっぱり私がっ!!私のせいでっ!!
    私が最後まで一緒に居なかったからっ!一方的に…言い合いになって別れたから…そのことを怒ってるんだよ…う、うぅぅ…っ」

    赤松さんがその場でしゃがみ泣き崩れたの。そうよね…赤松さんを責める人は誰一人としてここには居ないのだけれど、私達が思う以上に辛いものがある筈よ…それこそ茶柱さんと合流した時の彼女と同じに。

    私は赤松さんの元へと歩み寄ろうとした瞬間だったの。最原君がポケットから…2台のスマートフォンを取り出したのは…

    茶柱「――最原、さん?」

    どちらも見覚えがあるわ。
    ひとつは『 赤松さんのスマートフォン 』だわ。そしてもうひとつは――亡くなった春川さんのものだったの。

    泣き崩れる赤松さんの傍に寄って肩を叩くわ。気が付いて顔を上げた彼女に見せたのは――『 春川さんのスマートフォン 』だったのよ。

    最原「赤松さんは悪くないよ。キミのせいでもましてや自殺でもないと思う。
    ――だってコレを見て」

    嗚咽混じりに赤松さんが向けられた画面にかじりつき、その文字をゆっくり読んでいったわ…

    赤松「『 楓へ

    さっきは1人で勝手に行動してゴメン。
    普段から1人で行動する事に慣れていたからあんたも平気だとタカ括ってた。私がいない間にすごく酷い目に遭遇してたのに助ける事出来なかったことも謝らせて。


    そもそも、あんたの事をこうして呼ぶなんて考えもしなかった。…それだけじゃないよ。
    あんたがずっと私の事を心配していてくれた事、面と向かっては言えないけど感謝してるんだ。

    またあんたが許してくれるなら、私はあんたとまた行動したいんだ…あんたとがいい。
    1階の玄関前で待ってる――楓が来るまで待ってるから。

    それに2人で探した方が…最原や百田達にもきっと再会できると思う。バラバラになっていい事なんてひとつもないしさ。
    だから、待ってる。あんたにこんな辛気臭い場所似合わないよ。

    早くここから出ようね。


    …あんたの……楓の事が心配なんだ…だから、 』」

    途中で終わっているみたいだけれど春川さんが赤松さんに向けた、不器用だけど優しさの溢れる文字に私と茶柱さんも思わず涙が出そうになったの。
    …いいえ茶柱さんは静かに鼻をすする音をしていたから…もしかしたら…と、静まり返った空間に、最原君の酷く優しい声色が降ってきたわ。

    最原「コレでも…春川さんが、赤松さんの事を恨んでるとでも思う?
    ――僕は…思えないよ…思いたくないよ。
    そもそも自殺するような人じゃないよ、春川さんはそんな弱い人じゃない筈さ」

    赤松「…そ、んな…っ!
    …魔姫ちゃん…?!…っうううっ!!」

    最原君がそのままに『 春川さんのスマホ 』を渡すわ。それを大事そうに抱いた赤松さんはその場で号泣したの…

  73. 73 : : 2020/04/03(金) 02:07:45

    茶柱「赤松さん…」

    赤松「みんな――ゴメンね。
    …取り乱しちゃってさ…」

    申し訳なさそうに赤松さんの背中を黙ってさすっていた茶柱さんの声に顔を上げて答えたのはそれから暫くしてだったわ。

    東条「問題ないわ。辛かったでしょうね…」

    目元を真っ赤にした赤松さんが目を細め、うんとだけ頷いたの。
    最原君は『 赤松さんのスマートフォン 』を渡すか迷っていたけれどそのままポケットにしまったわ…何故かしら?と戸惑う私に彼は声を出さずに口元を僅かに動かして「後で話す」とだけ呟いてから、赤松さんに向かって語りかけるわ。

    最原「春川さんはきっと今でも赤松さんが脱出する事を願っているはずだ。だってこうして春川さんは文字を遺してくれたんだからさ」

    赤松「うん。そうだよね…頑張らなきゃ、だよね」

    『 春川さんのスマートフォン 』を胸元で大事そう抱く赤松さんは微笑んで立ち上がったわ。

    茶柱「そうです!!その意気です!!
    気が滅入ってしまったままではいい事なんてないんですから!」

    そう鼓舞している茶柱さんの笑顔が痛々しく感じてしまうのは気の所為にしておくべきね。そう。みんな気持ちの面での限界は近い筈よ…だからこそ猶予なんてものは無いのかもしれないわね。

    最原「じゃあ、進もう。この先にまた何かあるかもしれないしさ」

    最原君の一言で頷く私達。
    そこで先程得た情報をおさらいしとかないといけないわ。

    東条「先程の記録から『 さかうちほう 』が分かったわ。確か…『 人数に+1…サチコさんを加えた数 』だったわね」

    茶柱「必要なものは『 おまじないの切れ端 』ですね。皆さんお持ちですか?」

    茶柱さんの問いかけに全員で探すわ…最原君と赤松さんは生徒手帳に挟んでいて、茶柱さんは手帳型のスマートフォンに挟んで、私は普段持ち歩いている黒革の手帳のポケットにあったわ。

    最原「とりあえず僕達はあるからあとは百田君達になるね」

    茶柱「流石に夢野さんたちが無くすとは思えませんし問題ないと思いたいですけど――」

    東条「そうね。それを確かめる為にもどこかで落ち合うことも必要よ」

    赤松「うん。じゃあ…行こっか」

    赤松さんが廊下へ出て、それに続こうとした私と茶柱さんをを最原君がとめるわ。

    最原「ちょっと…話しておきたくて」

    茶柱「げっ!?何用ですか?」

    東条「最原君、この場で長時間赤松さんを1人にするのはとても危険よ?
    彼女、先に出たのに中々私達が来ないとなると不安になるわ。肝心の聞かれたくない部分を話している時に戻ってくる可能性もあるわ。
    それだけじゃないわ。場合によっては悪い方向に気持ちがいきかねないわよ。
    もし、最原君が赤松さんに聞かれたくない話なら、隙を見て1人ずつ話すべきだと思うのだけれど…どうかしら?」

    私の言葉に最原君はハッとなって「そうだな…確かに」と答えたわ。

    東条「私は後でいいわ…赤松さんと廊下調べるわね」

    それだけ言うと私は廊下に先に出ることにしたのよ。

  74. 74 : : 2020/04/03(金) 02:08:06

    赤松「あ、向こう側と繋がってたんだね、この廊下…」

    廊下に出て最初の一言は赤松さんの声だったわ。
    私が出てきた事で赤松さんが更に説明をしてくれたわ。

    赤松「あ、そっか…東条さんは知らないんだもんね。
    あのね『 次元がひとつになる前 』はこの場所壁だったんだ…向こう側に行けたら良いけど…難しそうだよね」

    そうだったのね。
    確かに『 男子トイレ 』からでて右側に続く廊下は途中で床が崩れているのだけれど、どうやらその先には『 資料室 』と書かれた札がぶら下がっている事から元々は…とも言えるわ。

    東条「そうだわ。できる限り見てみましょうか」

    赤松「あうん。あ、あれ最原君達は――?」

    なかなか出てこない最原君と茶柱さんを呼ぼう『 男子トイレ 』へと戻ろうとする彼女をとめるわ。

    東条「赤松さんには悪いからって話してはなかったのだけれど、『 男子トイレ 』を調べてみるわと話していたわね」

    赤松「ああ…そっか、何か変わっているかもしれないんだもんね。私は調べたくないから…そうしてくれると――って戸棚なんてあったかな?」

    話半ばに赤松さんはフラフラと床が途絶えている箇所へと足を運んだわ。私はこの場所に来たのは初めてだからついていくことしか出来ないのだけれども。

    東条「赤松さん?」

    赤松「…うん。戸棚見てみて…中に何かあるよ…?『 SDカード 』かな?」

    私が追いつくと彼女は戸棚を開けて奥にある『 SDカード 』に手を伸ばしていたところだったのよ。青い色をしているけれど2GBのものね…先程と似たような感じを受けるけれど。

    赤松「何か続きがあるのかな?さっき見た映像にはその先なんてなさそうだったけど…一応持っておくね」

    掌に乗せて眺めていたけれど、ポケットにしまったの。私が持っておきましょうか?と問い掛けたのだけれど、彼女は「大丈夫」と返したわ。

    東条「そうね。先程の映像には居ない『 たぐち 』さんという方が撮ったのかもしれないけれど…彼が鬼碑忌さんから離れた時にカメラを手放していたから別の人物かもしれないわね」

    赤松「そっか!『 たぐち 』さんって方はいるかもしれないんだもんね」

    と会話していたら『 男子トイレ 』から最原君と茶柱さんが出てきたわ…どうやら「例の話」は終わった様子ね。
    直ぐに私達の姿を見つけて合流するわ。

    茶柱「あ、お待たせしました!!」

    最原「ゴメン…」

    赤松さんに向けて謝る最原君の腕を隠れて小突く。と赤松さんが首を傾げたけれど直ぐに茶柱さんの方を向いて聞いたのよ。

    赤松「『 男子トイレ 』調べてくれてたんだよね?その…何か見つかったりしたの?」

    茶柱「へ!?ああ…その…」

    返答に迷い目を泳がせている茶柱さんに対して、最原君がフォローに入るわ。

    最原「――いやめぼしい物とかはなかったかな。赤松さんは?」

    赤松「あ、あのね。コレ『 SDカード 』があったんだ…」

    さっきしまった『 SDカード 』を取り出して見せる。最原君も首を傾げていたけれども「後で見れたら見ようか」と答えた時だったのよ…


    ??「んあ!!お主らはっ」




    ▼ 【 SDカード 】を入手しました… ▼
    説明:(青色のどこにでもあるような2GB容量のメモリーカードです。何故こんな場所に置いたのか誰が置いたのか分かりません)


  75. 75 : : 2020/04/19(日) 00:08:19

    (時は遡り…)

    『 百田解斗 』side

    再会した終一達の背に手を振る。
    と同時にやるせなさが込み上げてきやがった。

    百田「まじかよ…」

    そう呟けねー自分自身が情けなかった。茶柱は気丈に振舞っていやがったが、腫れた目元を見ればどれほど辛かったのかと実感できちまうんだからよ。

    夢野「転子…」

    王馬「はいはい、辛気臭いったらありゃないね。2人共やること分かってんのさ?」

    しゅんと項垂れたオレと夢野に対して王馬の鋭い視線とは裏腹に呑気すぎる声が聞こえた。

    王馬「わかってると思うけどここでうだうだするんだったら1人で行くけど、どうすんのさ」

    今にでも2階へと行こうとしている王馬の背中に向かって呟く。クヨクヨしても埒が明かねぇしな。夢野もトテトテとその後をついてった。

    百田「――んな事は、分かってる」

    オレたちはその場から離れたんだ。


    言葉少なく、廊下を進む。互いに何かしら思うこともあんだろうな。

    百田「(ちぃ…この状況を何とかしねーとならないっつーのに気まずいったりゃありゃしねぇ)」

    と、夢野が急に『 玄関前の廊下 』で立ち止まったんだ。な、なんだ?

    夢野「…白銀かの?この気配は…」

    戸惑いつつも首を傾げ真っ直ぐに『 玄関 』を見ていた。気配が微塵も感じらんねーオレらは「は?」となっていたんだよ。

    王馬「――夢野ちゃん?」

    声を先にかけた王馬が肩に手を伸ばそうとした時夢野がすり抜けて勝手に『 玄関 』の扉を開いてその先へと姿を消しやがったんだ。お、おいっ!!この状況下で単独行動はなしだぜっ!!

    百田「っ、追いかけんぞ!王馬」

    王馬「分かってるってば!」

    『 玄関 』扉の閉まり掛かったのを強引に開いてオレらもその後を追ったんだ。


    百田「夢野!何勝手に行動してんだ」

    扉は勢いよく開いたせいで音にビクリと肩を震わせた夢野が振り返る…その手元には『 桃色と紫色の手帳らしきもの 』が握られてたんだ。

    王馬「はぁーなんで急にここに来たのさ…」

    王馬が減らず口を零しつつ夢野の傍へと行く。オレも同様について行くと俯いた夢野がぽつりと呟いたんだ。

    夢野「…ほれ、これ間に挟まっておったぞ。恐らく真宮寺のメモじゃろうて」

    手帳の間から紙切れをオレに渡す。ん確かに字体は真宮寺のだが…

    百田「読んでみるか?」

    夢野はコクンと頷き、王馬も興味ありげな視線を俺に寄越す。色々書かれてやがるなと思いつつ、続きを読んだんだ。

    百田「『今日【 丹羽亜衣子 】との接触をした。どうやら【 冴之木七星 】は友人と共にその【 異界 】とも言える霊磁場に足を踏み入れたのではとの事だった。

    サイトで方法を残しているが所詮ネットだ。嘘が混じっているとみて間違いないと思ったので後日友人を巻き込み試しに【 サチコさんのおまじない 】を実行する事にした。

    【 正しい方法 】はこの手の中にある。それをひとつでも欠くことが出来れば成功…と言っても過言ではないだろう。
    サイトに書かれた手順で巻き込む事にする。期限は○○日だ。
    ――その日が楽しみだ』
    …って完全な手記やら日記になってんな」

    それを『 真宮寺の手帳 』に挟み直す。
    独白もとい日記に様なものについ見るの辞めちまうか、とも思うが何故かそれは出来ない…そんな気がしちまってたんだ。

    真宮寺本人に問い質す材料にもなりかねぇしな。


    夢野はうむとだけ反応すると今度は手にしてた『 手帳 』を掲げたんだ。



    ▼ 【 真宮寺のメモ② 】を入手しました… ▼

    説明:(独白にも思えるメモの続きとも言える代物です。まだ続きがあるようです)



    夢野「真宮寺のメモを揃えれば何か手がかりでもと思ったのじゃが…これを見よ。これは…『 冴之木七星 』の手帳じゃよ」

    王馬「ふぅん…って、白銀ちゃんの身体を操ったりしてる人と真宮寺ちゃんのメモにもある名前とと同じじゃん!」

    王馬が目を丸くする。夢野は頷き、中に入っている紙をペラペラと捲っていく。

    夢野「恐らくな。軽く…読むと心霊的な事についてのレポートらしいのじゃ。全部揃っている訳じゃ無いがこれを見てほしいのじゃ」

    と夢野がとあるページで手を止めた。それは…


    【 霊場調査ファイル××K県「天神小学校」 】
    の文字だったんだ。

  76. 76 : : 2020/04/19(日) 00:08:38

    夢野がそのページをオレと王馬に見せた。
    そして、今度は王馬が読んでいった。

    王馬「なになに…
    『 ・実地調査方法:入手、(要二名以上)
    ・帰還方法:入手、情報を更に収集し、退路の補充を行う必要あり。

    現地で篠崎家の調査を進めるだけで強い霊障を受けた。
    体の右半分が麻痺、左鼓膜に異常、姿写真にオーブ・影響有。
    数週間に渡る頭重感、吐気、下血。

    危険なので今回、天神小学校の実地調査には先生は同行させない方がいいかもしれない。
    …先生、今日も持ち込みダメだったようだ。この出版社で何度目だろうか。こんなに面白い作品なのに。
    尖りすぎていて、わかって貰えないのか…先生が背中を丸めてしまって可哀想だ。

    しかし、今の猟奇事件ルポの記事の連載は絶対に化けると思う。私も、できることは何があっても協力する 』

    …だいぶこの冴之木七星って人は先生とやらにご執心っぽい文だけどさ、これって」

    夢野「んぁ。恐く最原たちが話しておったろ『 さかうち 』とやらを。それが乗っておるやもしれぬ。
    真宮寺の答えが先かどうかは分からぬがの」

    王馬が言いかけた言葉を夢野が答えた。そうか、この続きに何かあるって事だよな?
    ってかよ、そいつの続きを探すってもどこにあるんだ?

    夢野「場所は分かる。…白銀が教えてくれたからの」

    百田「はぁ!?し、白銀がか?」

    幽霊になっちまった白銀がオレらの知らぬ内に夢野だけにヒントを与えてるつー事かよ!?
    な、なんだそれはよ…

    夢野「今の白銀は…『 冴之木七星 』のせいでほぼ消えかかっておるのじゃ。じゃから今ウチの傍へに居るがお主らには分からぬじゃろう。若しかするとかろうじで声が聞こえるかもしれぬが…」

    う、なんだそりゃっ!!と、鳥肌が込み上げてきやがった。今声を出したら情けねぇ蚊の鳴くような声になりそうだからつい口を噤んでたら王馬に小突かれニヤニヤされた。
    くそー!テメーは怖くねーのかよぉぉおっ。

    王馬「で、それで続きが分かるんだね。それ探しに行くのが手じゃない?」

    夢野が頷き視線を背後へと向ける。恐らくそこに白銀が居るってことになるんだよな…と思っていると頷いた夢野が再度オレらの方を見たんだ。

    夢野「――…うむ、うむ。そうか。
    次は…2階にあるようじゃな。行くぞ」

    有無を言わせぬ夢野の強い視線に従うことしか出来なかったんだ。



    ▼ 【 冴之木七星の手記① 】を入手しました… ▼

    説明:(彼女の髪飾りと同じマークが施された紫と桃色の手帳です。真宮寺の手帳同様にリングタイプで彼女が普段から調べあげた調査記録が事細やかに記載されています)



  77. 77 : : 2020/04/19(日) 00:08:58

    夢野を先頭に迷うことなく『 1のA 』前の廊下にやってきたんだ。そこに落ちていたのは『 冴之木七星の手記 』の続きだったんだ。

    夢野が拾い、その続きを読む。

    夢野「『 期末試験があったので、久し振りに学校へ出ていた間に先生が私を置いて、現地…天神小学校へと行ってしまった。

    まだ情報が少ない状態で、危険すぎるとあれほど言ったのに。
    きっと先生の助手、田久地さんがそそのかしたのだ。
    …単純だが効力のある帰還方法は、先生に伝えてあるけれど、やはり心配だ。

    ブログの更新も完了。
    友人のさやかを巻き込んでしまうので気が引けるが、これより私も実地調査を開始する』
    ――んぁ?何じゃろ…この赤黒いものは…」

    夢野が紙の端にこびりつく赤黒いものを撫でる。とうに乾いているせいで何かが判別できねーが安易に触っていいものか?と疑問に思うがな。

    王馬「その『 冴之木七星 』は友人と共にここに来たんだね。それにしても、彼女は冷静だよね。文章内だと比較的冷静味を感じさせるけどさ…本心はここに在らずって感じだったかもよ」

    百田「は?なんだそりゃ?」

    王馬の突拍子もない言葉に困惑するがニヤニヤ笑って嫌がったアイツは何も答えてはくれなかった。

    夢野「…次は…下の階じゃな」

    そうこうしている内に夢野は歩み出しちまう。まるで誘われているようなその歩き方に疑問を抱きながらもオレらはついて行くことしか出来なかったんだ。



    ▼ 【 冴之木七星の手記② 】を入手しました… ▼

    説明:(彼女の遺した手帳の続きです。どうやら彼女は友人と共に天神小学校へと来たみたいですが…)



    百田「あった、な。――しかも今度は『 真宮寺のメモ 』もあんぞ」

    1階、『 玄関 』からさほど離れていない場所に落ちていたんだ。1枚は『 冴之木七星 』のてもう1枚が『 真宮寺 』のだ。
    オレが拾って先に『 冴之木七星の手記 』の文字を読む。

    百田「『 篠崎サチコのおまじない
    【 正順法 】・【 逆打ち法 】メモ 』
    ――ってコレは」

    思わず顔を上げる。今度こそ――知れるって事だ。夢野と王馬が期待の眼差しでそれを読んだ、そう…読んだんだ。


    百田「―――…っ嘘…だろ…」

    夢野「コレは…」

    王馬「ふうん」

    読み終えたオレ達は言葉を失った。
    あまりにもそれは…



    ▼ 【 冴之木七星の手記③ 】を入手しました… ▼

    説明:(彼女の遺した手帳の続きです。逆打ち法とは一体…)



  78. 78 : : 2020/04/19(日) 00:09:13

    百田「…気を取り直して、こっちも読むか?」

    もう1枚を掲げて青白い表情をした夢野と王馬に声をかける。2人は頷いて文字を待ってたんだ。

    百田「…。
    『 【 姉さん 】に会いたい。何故死んでしまったのか。どうすれば再び笑顔の【 姉さん 】に会えるのか。幾度となく調べた。

    ある日、夜長さんが僕の所にやってきた。
    彼女は言った【 皆がどんどん死んでいく夢 】 を視たんだと。そんなのは正夢になって欲しくない…そう訴えた彼女の願いと僕の目的が同じに見えたんだ。

    ちょうどその頃知った【 サチコさんのおまじない 】を利用出来る。そう思い夜長さんに真実の部分をぼかしつつ協力するに頼んだ。

    ――敢えて【 失敗 】することで双方の願いを叶えられる。
    これから夜長さんと僕の願いを叶えにいく。

    あそこで皆を殺せば一緒にずっと居られて夜長さんの願いも糸も容易く叶えてあげれる。

    それに【 姉さんの遺灰 】を持っているのだ。だから【 姉さん 】とも直に会えるだろう。楽しみだ。

    もしもの時の為に【 丹羽亜衣子 】から聞いた本当の手順も記載しておく。最悪【 姉さん 】を持ってる僕だけでも逃げれるように…方法は―…』

    ――ってコッチにも書いてあるな…正しい方法がよ」

    夢野「そんな…真宮寺は全てわかった上で自分のエゴの為にウチらを…巻き込んだのか!!」

    王馬「みたいだね。っても気味悪くて鳥肌モノだけどさ…つまり真宮寺ちゃんは確信犯だった訳だ」

    王馬が呆れ気味に答え、その後に「アンジーちゃんは嘘ついてなかっただね…」と独り言を呟いてたがよ。

    百田「嘘だろ…っ。結末を知ってて巻き込んだって事かよ!!全滅を狙ってたんだな…あのヤローだけは」

    拳を思わず壁にぶつけちまう。なんで、なんでだよっ。んな事してもテメェの姉は帰ってくることなんぞ無ぇって分かるだろうが!!!

    くそっくそっ…っ!!

    夢野「真宮寺の本音はそこじゃったのだろうな。姉に会いたい。その想いだけが凶行に至らせたのじゃな…」

    俯く夢野がボソリと呟く。

    夢野「――それは…酷いよ。
    …あまりにも…残酷過ぎるよ…わたし…だって――だからこそ…っ」

    百田「?」

    一瞬、口調が…白銀らしくなったのに驚いて夢野を見る。声を掛けようとしたら、夢野がハッと目を大きく開いて…叫んだ。

    夢野「――次は、『 理科室 』にあるようじゃぞ」



    ▼ 【 真宮寺のメモ③ 】を入手しました… ▼

    説明:(彼の行動理由がはっきりと書かれているそのメモの最後には正しい方法が書かれていました)


  79. 79 : : 2020/04/19(日) 00:09:44


    (久々の安価です!!大変遅くなりました!!)

    question、>>80番さん。
    百田side:『理科室』調査安価
    (ある選択肢で進行します)


    1、洗面台があるな
    (洗面台周辺を調べます)

    2、布に被った「何か」があんだが…
    (窓際に佇む布を調べます)

    3、戸棚からカタカタ音がするんだがよ
    (戸棚周辺を調べます)

    4、相変わらず夥しい血があるよな
    (廊下側の窓に飛び散る血を調べます)

    5、テーブルの下になにか落ちてないか?
    (教室奥、実験台下のテーブルを調べます)


  80. 80 : : 2020/04/19(日) 00:20:49
    2でお願いします!
  81. 81 : : 2020/04/19(日) 01:42:49
    (安価早い!!驚きの速さ!!
    ありがとうございます!)


    唐突に言われちまったモンだから王馬もオレも驚いちまった。叫んだ夢野自身も驚き固まってたんだから叫ぶつもりはなかったのかもな。

    王馬「突然叫ぶから寿命が1秒縮まっちゃうよ、どうしてくれるのさ!!」

    夢野「ん、んぁ?!そ、そんな勢いで叫んだわけじゃないのじゃっ!!」

    ムキーと怒るその姿は日常のそれだ。
    ――っと感慨深く見てるんじゃねーな。ゴホンとわざとらしく咳をしてからあのなぁ…と今にも言い争いそうな2人を制す。

    百田「夢野がそう言うなら『 理科室 』行くべきだろ。喧嘩する暇なんぞないんだろ?」

    夢野「んあ!!そ、そうじゃな…」

    王馬「えーこれからが夢野ちゃんいじりが楽しくなるところなのになー…ちぇ」

    口を尖らせる王馬にゲンコツでも喰らわせようかと思い上げた拳を止める。あ、つい忘れちまうが王馬の奴は怪我してんだったな。下手に行動移したらアウトだろ。

    百田「とにかくだ、確か『 理科室 』っーのはよ…2階になかったか?こうも構造変わっちまってると何かと不便だろうが…」

    拳を解いて腕組みをする。オレが最初いた校舎の『 理科室の位置 』を思い出すに、終一達のいる側にあったと思うが…

    夢野「いや、今はこちら側でも行けるじゃろう。恐らく先程進めんかった先に教室が見えたからの。その場所付近にあるやもしれぬ、白銀も『 理科室 』と言っておったからあるじゃろう」

    王馬「なるほどね。だったら善は急げ!――じゃない?そろそろ進めるようになってるといいけどさ」

    百田「そうだな。行くか」


    2階に来たオレ達は真っ直ぐ廊下を突き進んだ。
    終一が『 仕掛け 』を動かしてくれたお陰で突き当りの廊下が進めるようになってたが…装置が動く音なんぞ聴こえてたか?と僅かに疑問に思っちまった。

    と、ある程度その出来た廊下を歩いていた時だったんだ。オレらが通るのを待ってたかの用に教室側の窓に絵の具のような真っ赤な跡が跳ねるかの如く走ったんだ。

    夢野「んあぁ!!」

    王馬・百田「「!!」」

    絵の具のような真っ赤な跡…臭いが漏れてそれは絵の具なんぞ生易しいモノじゃない事が嫌でも分かっちまう、つい顔を見合せその教室の表示を見たんだ…それは。


    百田「『 理科室 』かよ…」


    オレらが探していた『 理科室 』だったのさ。

    夢野「こ、ここ、に入らねばならぬのか?」

    当然躊躇いがちになっちまう。廊下を渡りきって、『 理科室 』前へと佇むオレは生唾を飲み込む。

    百田「…真宮寺かもしれねーしな…」

    終一達の話だと、真宮寺は刃物を持っている。武器らしきものを持たぬオレらがもし遭遇したら逃げる他方法がない。もしかしたらこの先にいるやもしれねぇ、そう思うと身体が震えてきちまう。

    王馬「お宝が見つかるか邪が出るか…いこっか!」

    ひとり呑気な王馬がわざとらしく「おっ邪魔しまーーーす」と扉をスライドさせやがったんだ!!
    お、おいっ!!

  82. 82 : : 2020/04/19(日) 01:43:05

    百田「うわっ、王馬急に開くなよ…ってアレ?静かだな…誰もいねぇぞ?」

    王馬が思いっきりスライドさせた扉の先…『 理科室 』の中は比較的綺麗だった。…その窓の異常さを除いては、だが。

    警戒心強めで慎重に足を踏み入れる…どこにでもありそうな『 理科室 』だな、んあれは?
    少し気になったものがあって側へと進む。…気がつくと王馬と夢野もいた。

    王馬「…なんだろうね、この白い布」

    夢野「…こうして置いてあると覗きたくなる気持ちがウズウズと――」

    百田「だよな…ゴクリ」

    窓側に『 さもわざとらしく被った白い布 』に興味が湧いちまう。なにか被っている様子で…つい捲りたくなっちまう。

    王馬「――試しにめくっちゃう?」

    百田「いや、やめとこうぜ…っ、物騒なモンでも出たらどうするんだよっ」

    夢野「案外いいものやもしれぬぞ?」

    なんてコソコソ話している内に王馬が「せーの」っとそれを大体的に捲っちまったんだ!!

    百田「お、おいっ、なにしやが――っ!!」

    夢野「んぁああああっ!!」

    視線が『 捲られたモノ 』を捉えた。そ、そこに居たのは――は?ご、ゴン太だ…

    王馬「…ゴン太?」

    体育座りしたゴン太だったんだ。気を失ってんのか、微動だにしねぇ。
    揺すって起こそうとしてもだ。パッと見外傷は無い様に見えるが――

    王馬「…目を覚ましたとしても今のゴン太が正常かどうか判断つかないよ」

    いつの間にか1歩下がった王馬が声をかける。た、確かにと思う傍ら無事でいて欲しいとも思っちまってなんとも言えねぇ気持ちが押し寄せる。

    夢野「じゃ、じゃが…このまま放っておくのか?」

    ソワソワと視線を泳がせる夢野が呟く。そ、そうだぞ、た、確かにゴン太が無害なのかと言われちゃ何も言い返せねーがよ…放っておくのは無理な話だぜ?

    王馬「取り敢えず目的のものを探し出してからでもいいんじゃない?いくら気を失っているとはいえ揺さぶっても反応がないのはおかしいしね。
    ゴン太の事だから不貞寝してたりしてね!」

    夢野「んあ!!ゴン太が不貞寝などする訳なかろう!
    …じゃが王馬の言うことも一理あるじゃろうて。目を覚ました時の事を考えると――この教室内上手く逃げれないやもしれぬしの…」

    百田「…」

    ゴン太が操られていた時のことを思い出しちまう。容赦なく入間やキーボ、それに王馬でさえ見境なく攻撃したんだもんな…くそっ、だがよ…っ。

    百田「(実際こんな姿で眠っているのを見ちまうとどうしても…っ)」

    下唇を噛む。どうしてこうも無力なんだよっ!

    百田「…ちっ…」

    王馬「まだ見なきゃいけない場所あるし、全て終わってから考えればいいんじゃない?」

    と王馬が珍しくフォローする。そ、そうだな…と無理に納得させてその場を離れる事にしたんだ。

  83. 83 : : 2020/04/19(日) 01:43:26

    question、>>84番さん。
    百田side:『理科室』調査安価
    (ある選択肢で進行します)


    1、洗面台があるな
    (洗面台周辺を調べます)

    2、調査済み★

    3、戸棚からカタカタ音がするんだがよ
    (戸棚周辺を調べます)

    4、相変わらず夥しい血があるよな
    (廊下側の窓に飛び散る血を調べます)

    5、テーブルの下になにか落ちてないか?
    (教室奥、実験台下のテーブルを調べます)

  84. 84 : : 2020/04/19(日) 02:00:50
  85. 85 : : 2020/04/19(日) 02:34:06

    一向に起きないゴンタを背にして次に目が止まったのは、廊下側の窓だ。血飛沫が一直線上に飛び散っていた。

    百田「…一体何があったんだ…?」

    教室内を見回すにも死体があるとかじゃねぇしな。そもそもゴン太が眠ってるだけだしよ。そのゴン太の身体には血が着いてるがそれは本人のじゃ無さそうだしな。他に考えられるものが一向になく戸惑いさえあるんだ。

    王馬「誰かが…ペンキとか塗ったんじゃないの?それこそ――ゴン太が血糊をばさーっとしたとか」

    未だ疑惑の視線を向けている王馬の言葉にどうだかなとだけ答える。テメーさっき「不貞寝してたりしてね!」とは話してたがよ、そこまで器用な奴だとは思えねーんだよな…

    夢野「…血糊ならば良いが…実際の血じゃろう…なんとなくじゃがそう思うのじゃ…」

    弱々しく答えた夢野は血飛沫の近くまで歩いていた。そしてその近くに落ちていたものを徐に――拾ったんだ。

    夢野「んぁ…コレは…刀かの?」

    この位置でも分かったんだが…刀だな。鈍く光るそいつは所々に血を付けてやがる。夢野が拾った足元付近に血が着いてるから恐くこの窓の血飛沫か「 刀で何かを切りつけた 」――って所だろうな。

    王馬「たはーかなり物騒なものが出てくるじゃん。この教室はさ。にしてもそんなもの振り回すなんて夢野ちゃんゴーカイだねー」

    夢野「ふ、振り回してはおらぬぞ!!第一まじ…ゴホンウチの魔法で使う剣より重いから振り回さないわ!!」

    夢野の返しにとてもつまらなさそうにへーと棒読み口調で返してる王馬を見るとなんだか気が抜けちまう…はぁ、ここいらで気を引き締めねーとならねぇってのになんでこうなるんだかな…

    百田「テメーら真面目に調べろよ」

    夢野「んあ!!百田に言われんでもウチはきちんと調べておったわ!」

    頬を膨らませて抗議する夢野の頬をつつく王馬の姿に呆れちまう。あのなぁ…

    溜息を吐いてると王馬がニヤリと口角を上げた。

    王馬「根詰めてるといざって時にチビっちゃうでしょ?」

    百田「んな事はねぇーだろ」

    王馬「えー意外とあるかもじゃんかー。
    だからオレが和み役買ってるんじゃん」

    夢野「…本気か?」

    夢野のジト目が王馬を射抜く。それに対し王馬は平然と手を軽くヒラヒラさせた。

    王馬「流石に呑気に話し過ぎてない?さくっと探すもの探そうよ」

    テメーが引っ掻き回したんだろうが…なんて言い返すのも億劫で今度は違う所を見ることにしたんだ。
  86. 86 : : 2020/04/19(日) 02:34:20

    question、>>87番さん。
    百田side:『理科室』調査安価
    (ある選択肢で進行します)


    1、洗面台があるな
    (洗面台周辺を調べます)

    2、調査済み★

    3、戸棚からカタカタ音がするんだがよ
    (戸棚周辺を調べます)

    4、調査済み★

    5、テーブルの下になにか落ちてないか?
    (教室奥、実験台下のテーブルを調べます)

  87. 87 : : 2020/04/19(日) 22:08:15
    3でお願いします!
  88. 88 : : 2020/04/21(火) 01:43:19

    百田「(ってもよ――…ん?)」

    視線を巡らす…途中でカタカタと震える耳障りな音が聞こえてきやがったんだな。音の方向を向くと震えてんのは戸棚だ。

    なんだっ。急にびっくりさせんなよっ!!

    王馬「たはー百田ちゃん、この期に及んでビビってんのー?」

    百田「んな!?んな事はねーよっ!!」

    無意識に言葉にしちまったみてーだな…
    王馬を睨み取り繕ったが、気味悪ぃ笑顔を浮かべてやがるから妙に腹立つな。睨み返したが王馬のヤローは何処吹く風、そっぽ向いているし。

    王馬「その割にはかなりビビってる様が滑稽だよね、にししっ」

    百田「っ!!…違うからな!!」

    『 天神小学校 』にいた時間が長かったからだな。多少のことには耐性ついたつもりかと思ったんだがよ、流石に不意打ちはねーぜ…

    と、ともかくだ。王馬のせいで逸れちまったがよ…戸棚を調べねーとダメな気がする。王馬は相変わらずオレの方をニタニタ見やがってるし夢野は刀をどうスっかで迷ってる様子だ。

    百田「(ここはボスのオレがやるっきゃねーのかよ…)」

    少なくともチラチラたまに戸棚の方へと見ていたが、ガラス戸がカタカタ酷く揺れたまんまだしよ。…よし、ここは一気にやれば問題ねーだろう。決意するとあーだこーだ話しかけてる王馬を無視し戸棚の前に向かった。

    百田「(…ち、近くで見ると怖さが…やめようかな…っ!!王馬が見てる手前やらないとだよな…)」

    キョロキョロと辺りを必要以上に見回しちまう。
    深呼吸をして、戸棚に手を触れ一気に開く――と。


    百田「ぎゃぁぉあああああっ!?」

    その中には、あ、あ、あっ、あったんだ…
    『 誰かの手首 』がな。

    夢野「んあ?百田よどうかしたのじゃ――っ!?な、な、ななんじゃこれはっ!!」

    王馬「うわー…手作り感満載の手首だねーしかも血糊までご丁寧に再現されてんじゃん」

    驚き尻餅したオレのすぐ側に夢野と王馬が来たんだ。夢野は口元に手を当てて震える声色で断言してたんだ。

    夢野「さ、流石にこれは生身…じゃろうて」

    百田「な、な、な、生身ぃ!?」

    上擦った声になっちまった…情けねぇなと思っている最中で王馬がまじまじ『 ソイツ 』を見てやがった…こちとら凝視できねーってのによォ。

    王馬「――まだ血が流れてるから切られたてかもね。誰のか分からないけど『 左手 』かな?
    ってかなんでこんな所に放置したのかさっぱりだけど」

    夢野「んあ!!な、なんじゃと…」

    夢野もおっかなびっくりで見続けられるのはある意味スゲーと思うがよ、んな冷静にぶんせきしてんじゃねーよぉ…

    王馬「―――他の戸棚にも『 1部 』あったりしてね」

    な、ななにを物騒な事いってんだって、王馬は軽い足取りで他の戸棚を容赦なく開いていった…んだ。


    夢野「ど、どうかの?」

    暫くして夢野が恐る恐る最後の戸棚を開いた王馬に問い掛けた。王馬は残念そうに首を横に振って「残念だったね、なんにもないよ」とだけ返したんだ。

    百田「う、こ、こここ、これ、どうすんだよ…?」

    何とか体勢を立て直し、『 手首 』から視線を外して呟く。夢野は「うむ…」と唸ったまま固まったから王馬の方にも視線で訴える。

    王馬「誰のかも分からないし、ボロいこの校舎で手首だけ持っているのってある意味狂気だから流石にいらないかなー」

    百田「そ、そうだよな」

    想像したらかなりこぇぇえよ!!
    オレは夢野に頼みそっと戸棚の中身は見なかった事にしたんだ。

  89. 89 : : 2020/04/21(火) 01:43:34

    question、>>90番さん。
    百田side:『理科室』調査安価
    (ある選択肢で進行します)


    1、洗面台があるな
    (洗面台周辺を調べます)

    2、調査済み★

    3、調査済み★

    4、調査済み★

    5、テーブルの下になにか落ちてないか?
    (教室奥、実験台下のテーブルを調べます)
  90. 90 : : 2020/04/21(火) 09:32:30
    このトリオ可愛い。
    5で!
  91. 91 : : 2020/04/22(水) 01:24:59

    王馬「―…さて、次はどうすんのさ?このままじゃ白銀ちゃんの言葉が嘘になっちゃうよ?」

    めぼしいものが無さ過ぎんのかダルそうに腕組みした王馬が呟く。
    た、確かにそうだが…こうなったらゴン太を強引でも起こした方が良いんじゃねーのかと思っちまって、未だ眠るゴン太を見ちまう。

    百田「(しかしなんでオレらが騒いでんのにこうもゴン太は起きねぇんだ…?)」

    ま、まさか死んでるとかはねぇ…よな?
    嫌な予感が全身を巡っちまう。んな事はない、断じてねぇよと自分自身に言い聞かせてないとどうしようもない気持ちが言葉として出ちまいそうだ。

    と、腕組みしたまんまの王馬が不意に教室の奥側へと歩いていく。
    なんか見つけたのか?とその後を追っかけると実験台の足元に紙切れが…落ちてたたんだ。

    ご丁寧に…2枚ある。王馬が2枚とも拾った所で遅れて気が付いた夢野も来たんだよ。

    夢野「…これかの?」

    王馬「そうみたいだよ。1枚は字体から『 真宮寺ちゃんのメモ 』でもう一つが『 冴之木七星の手記 』の続きみたい」

    どっちから読む?なんて口角を上げて言うもんだから全く気味わりぃったりゃありゃしねーよ。

    王馬「ま、『 真宮寺ちゃんのメモ 』は喜んで触れるぐらい清々しい真っ赤だけど」

    百田「…そうだなって、誰が喜んで触れるかよっ!その禍々しい赤色によ!」

    王馬が摘んだままにぽいと寄越されたそれはほぼ真っ赤になったメモだ。唯一橋の部分が汚れてねーから出来るだけ触れないように手帳に挟んだ。



    ▼ 【 真宮寺のメモ④ 】を入手しました… ▼

    説明:(真宮寺のメモの続きの様ですが、一部が強引に破られています。しかも真っ赤な液体によって文字がほぼ読み取れません…一体何があったのでしょうか?)



    夢野「――して、本題の『 それ 』じゃの」

    夢野が奪うようにかっさらったそれの文字を読む。

    夢野「『 先生……ごめんなさい。
    私の読みが甘過ぎました。
    此処は今までに看破した来たような、簡単な霊磁場ではありませんでした。一刻も早くここから脱出しないと、本当に危険です。
    「逆打ち」で…に……っ…に…、…殺され……が…複雑に……て…て――… 』
    んあ?読み取れぬな…こちらも」

    途中からこっちも赤黒い液体が文字にかかっちまってるのか読むのは難しそうだな…と夢野が裏のページを見て呟いたんだ。

    夢野「『 先生…会いたい…。会いたい…よう。
    頭…撫でて…欲しいよう… 』
    はて?なんじゃこれは…?」

    王馬「『 冴之木七星 』が『 先生 』って読んでる存在って何だろうね。文字から察するに彼女が尊敬…或いは恋愛感情でも持っていたのかもだけどさ」

    フッと王馬が呟いた時だったんだ。背後から…ガタリと扉が開く音がしたのはな。

  92. 92 : : 2020/04/22(水) 01:25:19

    百田「――っ?!」

    物音に振り返る。が、誰もそこには居なかったんだ。

    夢野「なんじゃ?どうかしたのか」

    王馬「うわーここに来て怖がりが再発しちゃった…とか?」

    な、なんだ?と王馬と夢野がオレを見る――は?テメーらには聞こえてなかったのか?
    ま、まさか気のせいか…?

    百田「んなワケねーよっ!!も、物音がした気がしたんだよ」

    上擦る声に王馬がケタケタと笑ってやがる、くそっ。夢野は首を傾げたが『 冴之木七星の手記 』を丁重にしまってそれをポケットにしまったんだ。



    ▼ 【 冴之木七星の手記④ 】を入手しました… ▼

    説明:(どうやら続きのらしく、慌てた文字で記されていることから急ぎながら書いたものだと思われますが大半の部分が赤黒いもので覆われ読めなくなっています)



    王馬「じゃあ…もうここには用はないって事でしょ?」

    夢野「んあ。そうじゃな…」

    問いかけに頷いた夢野が振り返った瞬間、夢野の髪の毛がふわりと揺れたんだ。
    と同時に夢野の身体が目の前から消えた。いや、消えたんじゃねー。

    突き飛ばされたんだ。『 ソイツ 』に。
    目で追った夢野は廊下側の壁に飛ばされちまった衝撃で気を失っているのか微動だにしなかったんだ。遠目で悪ぃが怪我はしてないみたいだ。

    ??「――やっと見つけたヨ。随分探したんだ…『 ソレ 』かえしてくれないかな?」

    声にギョッとした。驚き固まるオレに対してあくまで冷静な声色で王馬が咎めた。

    王馬「いつの間にいたのさ…『 真宮寺ちゃん 』」

    刀をオレらに向けて眼光が鋭く光る『 真宮寺 』の姿だったんだ。

    真宮寺「いつの間に…ああついさっきサ。偶然この教室に入ったら君たちが居たからこうして近づいたんだヨ」

    片手で握られた刀は真っ直ぐオレと王馬の間に向けられたていたんだ…その刀はさっき夢野が見つけたものと同じ奴だ。

    王馬「偶然?にしてもさ、冗談は顔だけにしてよね。なんでオレらに物騒な代物向けてんのさ」

    酷く冷めた口調は普段のおちゃらけた王馬とは違ってた。変貌と刀を向けられた状態なのに声が出ねーオレとは違って冷静に物事を見てるようにも見えた。…それが気味わりぃなんて思っちまったがよ。

    真宮寺「クックックッ…その様子だと『 僕の持ち物 』見たんでしょ?
    ――ならキミみたいに嘘つく必要性ないと思うしネ」

    目が笑っていたが本気だ。嫌な気配が教室を囲ってる気がする。王馬を横目で見たが無表情で見ているこっちが気が狂いそうになっちまうからどうすっかと視線を巡らせ、生唾を飲み込んだ。

    百田「っ…テメー本気で天海と星を――っ」

    真宮寺「そうだヨ。なんだ知っていたんだネ。
    これも全て『 姉さん 』の為サ。女性だけを殺めようとしたのに2人とも茶柱さんを庇ったからだヨ?――仕方なくそうしてあげたんだ」

    ニヤリ。真宮寺の顕になっている口元が歪む。

    百田「な、なんだよっ!!てめーっ!」

    拳を作り睨むがオレの声には全く動じてねぇ。飄々としてる様は怒りが込み上げてくっぞ。

    真宮寺「百田君が怒った所で『 ここ 』からは『 出られない 』…いや『 出させない 』ヨ。
    大人しく『 死んでくれない 』かい?」

    百田「っく、真宮寺っ!!」

    真宮寺「――その方が楽に『 逝ける 』筈だからネ!!」

    ニヤリといやらしい笑みを浮かべた真宮寺が天にあげた刀を振り下ろ――

  93. 93 : : 2020/04/22(水) 01:25:45


    question、>>94番さん。

    イベント:真宮寺との再会

    (秒数安価、結果は後程)
  94. 94 : : 2020/04/22(水) 08:47:41
    面白い作品をありがとうございます!

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bashikosama

飛んで火にいるばし子さん

@bashikosama

この作品はシリーズ作品です

【V3×コープス】真宮寺「これは…」 夜長「天神小学校…?」 シリーズ

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