ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アニ「つまらない学校生活」 アルアニ&現パロ

    • Good
    • 2

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2018/02/07(水) 22:49:20



    注意


    1、アルアニ、現パロ

    2、文章力がない

    3、誤字、脱字があるかも

    4、投稿が遅い時がある

    5、荒らしは無しで



    それではどうぞ!
  2. 2 : : 2018/02/07(水) 23:14:20
    期待!
  3. 3 : : 2018/02/07(水) 23:22:37


    第一章


    出会い。



    アニ「……はぁ…」コツコツ


    アニ「普通に授業なんて出たくなんかないでしょ…」ガチャ




    私は学校に来てすぐに屋上に向かう。

    これが私の日課になっていた。




    アニ「…何が授業は真面目に出なさいだよ、意味がわかんない」




    朝学校に来た時、担任の先生に捕まり授業に出ろと言われた。

    朝からの長い話でとっても不機嫌で…。




    アニ「…行くわけないじゃん、あんなの」


    アニ「(行ったところで変な目で見られるだけだ)」





    この前久しぶりに授業に出たら教室中が騒ぎたして、たくさんの視線が私の方にとんで来た。

    それが嫌であの後から授業に出たことなんて一度もない。

    ただ屋上に一人でいるだけ。


    一人で。


    そう思ってた。

    毎日ずっと一人でいるから凄くびっくりした。



    屋上の扉が開き、誰かが来たことに。

    …授業中だけど。





    「…っ………」


    アニ「……………」





    相手もびっくりしているようだ。

    そいつは綺麗なブロンドの髪の毛を持っていて、可愛げがある子。

    私とはちょっと違う青い目の子に興味が湧いた。

    …珍しいことだ。私が人に興味を持つなんて…。





    「……………あの……」


    アニ「……………何………」





    あれ、思っていたより声が低い。

    もしかして…。

    この子って………?





    アニ「ねぇ、あんたって男?」


    アルミン「え、うん…。僕は二年のアルミン。君は?」


    アニ「…私は、一年のアニ」


    アルミン「アニ。…よろしくお願いします」


    アニ「………うん…。…?」





    ………今、私…こいつの事、認めた…?

    反応しちゃった…。

    いつもの私なら無視をするはずなのに。


    っていうか、なんで敬語なの。
  4. 5 : : 2018/02/08(木) 18:11:02


    アルミン「どうしたんですか?」


    アニ「あんたこそ。それに、あんたの方が先輩なんだから敬語じゃなくていい」


    アルミン「そ、そう?じゃあ…」


    アルミン「こんな所でどうしたの?授業は?」


    アニ「私は授業なんかに出ないんだ。毎日」


    アルミン「えっ!?」


    アニ「そういうあんたこそ何してんの」


    アルミン「あぁ、僕は今の時間が美術なんだ。屋上からの景色を描こうと思ったんだけど…」


    アニ「そ」


    アルミン「うん」


    アルミン「…アニは毎日ここにいるの?」


    アニ「…ずっといる」


    アルミン「飽きない?」


    アニ「まぁ、スマホやってるし」


    アルミン「そっか。……………僕も毎日ここに来ていい、かな…」


    アニ「…っ……」





    今、なんて言った?

    毎日ここに来ていい?

    …何でこんな私と関わろうとするの…。





    アルミン「…駄目だったらいいよ。無理に言わない」


    アニ「……いいよ…」


    アルミン「本当?ありがとう、アニ!」ニコッ


    アニ「っ…」





    何、こいつ……。

    そんな反応されたらどう応えていいか解らない。

    まぁ、友達がいないから、だと思うけど…。


    その時アニは胸の奥に、感じたことのない感情が生まれたような気がした。

    この感情はアニ自身もまだ解らなかった。

  5. 6 : : 2018/02/08(木) 22:28:29


    アルミン「じゃあ、僕は絵を描かなきゃいけないから」


    アニ「そう。なら私がいたら邪魔になるし、違うところに行く」コツコツ


    アルミン「っ!ま、待って!」ガシッ


    アニ「え!?………」クルッ


    アルミン「……………」


    アニ「っ………」


    近い。

    私の腕を掴まれてる。

    だから顔と顔の距離が近くなった。こんなに誰かが近くにいるのなんて初めて…。

    しかも真剣な顔してるし。

    …やば、鼓動が速い…。

    私の心臓の音、聞こえてんじゃない?





    アニ「………な、何…?」


    アルミン「行かないでよ」


    アニ「…は?」


    アルミン「………あ、いや…。…別に邪魔なんかじゃないよ?」


    アニ「………」


    アルミン「だから、ここにいて」


    アニ「……解った」




    アルミンの手が弱まった。

    私はアルミンの手から逃げ出し少し距離を置いて座る。



    アニの中での第一印象は可愛いだったのに、その思っていた気持ちが消えた。



    ……顔、紅くないかな…?



    アニは自分の頬に手を当てる。いつもより体温が高くなってるのを感じていた。

    アルミンの方に視線をやると、何事も無かったかのように座り絵を描いている。

    真剣な生刺しだけど、さっきの顔とは違う。


    …何だったんだろ
  6. 7 : : 2018/02/09(金) 22:19:14


    30分後


    アニ「……………」シャンシャンシャン


    アルミン「………」カキカキ


    アニ「………ふぅ……」


    アニ「………(見に行ってみようかな…。でも嫌だよね)」





    アルミン「……………」カキカキ


    アニ「…絵、上手いね」


    アルミン「っ!」ビクッ


    アルミン「アニ…」


    アニ「………あ、ごめん。見られたら嫌かなとは思ったんだけど…」


    アルミン「…大丈夫だよ、ここにいてって言ったのは僕の方だし」


    アニ「……そう…」


    アルミン「うん、気にしないで?」ニコ


    アニ「…じゃあ、そうさせてもらうよ」





    何でこいつはこんなに優しいの…。

    何で私に笑顔を向けてくれるの…。

    こんな、私…なんかに……。





    アニ「それにしても、ほんとに絵上手いね」


    アルミン「ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ」


    アニ「皆に言われないの」


    アルミン「んー、そこまでじゃないかな」


    アニ「そう、なんだ…」





    …本当に上手いのに。

    ………私…自分の思いを相手に話したのは、初めてかも…。



    アニ「……………」


    アルミン「……………」


    沈黙が続く。

    気まずいような、恥ずかしいような…。

    ………ん?私ってこんなに感情あるっけ?



    アルミン「…あの、さ……。アニ…?」


    アニ「な、何…」


    アルミン「……えっと…」


    アニ「………」


    アルミン「……………」




    また沈黙。

    こいつ今何か言おうとしたらしいけど黙ってる。

    何がしたいんだ。




    アニ「………ねぇ…」


    アルミン「!あ、アニってさ、好きな子とかいる?」


    アニ「………は?」


    アルミン「………」




    何その質問、私に友達がいないこと解ってて言ってるの。

    それだったら…、アルミン……


    アニ「…最低………」


    アルミン「え!?ご、ごめん!」




    アルミンが焦ってる。困ってる。

    ………傷付いた、かな…。


    アニ「…いや、私も悪かったよ」


    アルミン「本当にごめんね、僕変なこと聞いちゃったよね…」


    アニ「……………。いるわけ、ない…」


    アルミン「へっ?」


    アニ「…好きな、人………」


    アルミン「え、そ、そうなんだ…」



    何間抜けな声出してんの…。

    ………情けない奴だな。

  7. 8 : : 2018/02/09(金) 22:54:14


    アニ「そういうあんたは?」


    アルミン「…ん?」


    アニ「あんたは気になる人いないの」


    アルミン「………んー、まだ、解らないなぁ?」


    アニ「…そっか」




    …あれ、何で落ち込んでるんだろ…。

    私には関係ない事なのに。

    ………今日の私、おかしい…。




    アルミン「…あ、そろそろ集合時間だ。じゃあ僕は行くね?」タッタッタッ


    アニ「あ…」


    アルミン「また、来るからね」ガチャ


    アニ「……………ん…」


    パタン


    アニ「……………」




    …急に静かになったね。

    いや、元々静かだったけど、なんか違う。



    ………寂しい…。


    …なんて、思わないけどね…。





    アニ「………」


    アニ「…ゲームでもしてよ」ストン


    アニ「………」チャララン







    アニ「………」コツコツ


    アニ「………」




    アニは今までアルミンが座っていたところに座った。

    いつも座っているところと変わりないのに、何故か落ち着く。

    まだ、体温がコンクリートに残っているから、なのかな…。



    アニ「………」


    あたたかい。

    コンクリートが、じゃなく、私が…。

    何かに…。誰かに、包み込まれているような…。

    ねぇ、アルミン…。



    アニは目を閉じた。

    この感覚を今だから味わう。

    ……離れたく、ない。


  8. 9 : : 2018/02/10(土) 14:56:59


    強い日差しがアニの顔に当たった。



    …いつの間にか私、寝てたんだ……。


    アニが目を開けると、背中から布のようなものが見えた。

    顔を上げ見てみると、パーカーがかかっていた。





    アルミン「…あ、アニ。起きた?」


    アニ「…あんたか………」


    アルミン「ん?」


    アニ「…いや」


    アニ「………私、いつから寝てた?」


    アルミン「んー、二時限目が終わって来てみたらもう寝てたよ」


    アニ「…そ」


    アルミン「うん」


    今は夏が終わろうといている時だけど、そんなに寒くはない。

    けど、あいつは私に服をかけてくれた。


    …ちょっと変な人だよ………。



    アニ「はい、返す」


    アルミン「あぁ、ありがとう」


    アニ「…ん」



    何で私は”ありがとう”って言えないんだろう。

    たった少しの言葉なのに。


    アルミンは受け取った自分の上着を着ないでそのまま手に持ってる。

    …もしかして、持ってきてくれたのかな。




    アルミン「アニ、お弁当食べよ」


    アニ「…もう昼なの?」


    アルミン「うん、そうだよ」


    アニ「………じゃあ…」




    鞄の中を探って弁当箱を出す。

    アルミンは購買で売っているパンを取った。



    アルミン「いただきます!」


    アニ「……いただきます…」


    アルミン「ねぇアニ?」


    アニ「…ん」


    アルミン「アニって勉強してないなら、テストもやらないの?」


    アニ「いや、テストだけでもやれって言われてるからここでやってる」


    アルミン「答え解るの?」


    アニ「大体は。別に勉強が嫌いなわけじゃないし」


    アルミン「そうなんだ。いつもここで勉強してるって感じ?」


    アニ「うん、まぁ…。担任とかは自分のクラスで授業してるだろうから、一人でやってる」


    アルミン「そっかぁ…」


    アニ「複雑なとこもあるんだけどね」


    アルミン「んー…」




    …何か考え始めた。

    と思った瞬間に…。


    アルミン「じゃあ、僕が教えてあげよっか?」


    アニ「………え?」


    アルミン「勉強」


    アニ「……頭いいの?」


    アルミン「んー、普通かな」


    アニ「この前の期末テスト、何点だったの」


    アルミン「500点中の493点」


    アニ「………」




    こいつウザい。

    何が普通だよ、頭いいじゃん。

    …でも解らないところもあるし………。



    アニ「なら、お願いするよ」


    アルミン「うん、宜しくね」ニコッ


    アニ「……宜しく」


    アルミン「…でも、いつにする?」


    アニ「いつでもいいけど…」


    アルミン「僕はずっとここにいるわけじゃないし…」


    アニ「…難しいならいい。無理しなくても…」


    アルミン「無理じゃないよ。…出来るなら昼休みと放課後、かな…」


    アルミン「朝は嫌でしょ?」


    アニ「うん、朝は流石にきついよ」


    アルミン「じゃあ、昼休みと放課後でいい?」


    アニ「…いいよ」


    アルミン「ならそうするね」


    アニ「解った」


    アルミン「ついでに、アニは何点だったの?」


    アニ「………436点…」


    アルミン「成績いいじゃん!」


    アニ「…あんたよりは低いよ」


    アルミン「授業受けてない割にはいい点とってるよ!」



    褒めてるつもりか、こいつは……。

    なんかイラつくな。





    アルミン「それより今、勉強道具ある?」


    アニ「…今日は持ってきてない。明日からで」


    アルミン「うん、解った」


    アルミン「そろそろ時間だからここで」


    アニ「………ん…」


    アルミン「じゃあね」ガチャ


    アニ「うん、また…」




    ……何で、落ち込んでるんだろ。

    明日も会えるのに…。

    …会えるかな。来てくれる、のかな…。
  9. 10 : : 2018/02/10(土) 17:28:13


    放課後


    キーンコーンカーンコーン♪ キーンコーンカーンコーン♪



    アニ「…あ、そろそろ帰らないと」ゴソゴソ


    アニ「………」ガチャ


    アニ「………」コツコツ


    ワーワーギャーギャー


    アニ「……うるさっ…」チラッ


    アニ「っ!」ピタッ




    アニの目に映ったのは、体育館で男バスが部活をしているところ。

    体育館の中に、アルミンがいた。

    私は思わず立ち止まる。




    エレン「アルミン!パス!」シュッ


    アルミン「うん!」ダンダンダン


    アルミン「っ!」シュート



    凄い…、入った…!

    あいつ、男バスだったんだ。



    アルミン「やったぁ!」


    エレン「さすがアルミンだ!どんどん差つけてるぞ!」


    アルミン「うん!」


    エレン「この調子でゲーム(試合)続けるぜ!」


    アルミン「もち!」




    アニは何試合か見ていた。


    …楽しそう。

    アルミンと一緒にいる人もバスケ上手いね。

    あ、時間が…。……帰ろ。




    帰り道


    アニ「………」コツコツ


    …私、今日…たくさん喋った、な…。

    あいつが来たからだけど…。

    前は誰かに話しかけられたら気を遣うか無視してた。

    けど、アルミンと喋ってると気を遣わなくてもいいような気がする。

    楽に話せる。

    今まであまり人と関わってこなかったけど、アルミンといると楽しい。

    ……でも、やっぱりアルミンは私に関わらない方がいい気がする…。
  10. 11 : : 2018/02/10(土) 17:46:45


    アニの家


    アニ「………」ガチャ




    もうこの生活にも慣れた。

    私は親がいない。

    正確にいうと、親が離婚しお母さんについて行った。

    けど、片親だからにはお母さんも忙しくなった。

    それで仕事に行ってる。もう五年ぐらいは帰ってきていない。

    五年前ってことは…。…小学生の最後ぐらいか。


    そして二年前、元のお父さんが死んだ。まだ若かったけど、病気で死んだんだ。




    アニ「………」タッタッタッ


    アニ「……………」ガチャ



    別に、寂しくはない。

    友達はいないけど、どっちかっていうと一人の方が楽だ。


    うん、そう。一人の方が……。





    アニの部屋


    アニ「………」ボフッ


    アニ「…私、今日喋りすぎて少し疲れたよ」


    アニ「……(アルミン…)」


    アニ「………?」



    ん?アルミン?

    何であいつの名前が……


    アルミン『……』ニコッ


    アニ「っ!//」


    駄目だ、頭から離れられない。

    …どうしよう………。


    胸が締め付けられる。…これ、なんなんだろ。




    ………お風呂入ってこよ…。







    本当はつまらなかったはずの一日が終わった。


  11. 13 : : 2018/02/24(土) 09:22:07


    翌日


    アニ「………」コツコツ


    いつも通り屋上に続く階段を上っていく。

    屋上に着き、いつものところに座る。

    そしてゲーム。


    昨日はなかなか寝付けなかった。

    だから眠い。

    寝よっかな、少しだけ。




    ーーーーーー
    ーーー


    アニ「…ん……」ムクッ


    昨日寝れなかった分はもう大丈夫だ。

    けど暖かい風が吹いてるから、まだもうちょっと眠れそう。


    …ゲームやろ。

    スマホを手に取った時、




    「……………」ガチャ


    「っ!アニ、さん…」


    アニ「………」


    誰だっけ、この子。

    同じクラスだった気がするけど…。

    人気もあって、愛されている子。

    名前は、確か…


    アニ「…く、クリスタ…?」


    クリスタ「うんっ!名前、覚えてくれてたんだ」


    アニ「まぁ、ね……」


    クリスタ「隣、いい?」


    アニ「……………どうぞ」


    クリスタ「ありがとう」


    アニ「で、何しに来たの」


    クリスタ「特に何しに来たってわけじゃないけど、息抜き?」


    クリスタ「ほら、私って勉強苦手だからさ、今日やった分復習しないと覚えれないんだ」


    アニ「へー…」


    クリスタ「アニも授業受けようよ」


    アニ「……………」



    何でこいつに言われなきゃいけないの。

    知ってるでしょ、前どんな眼で見られてたか。


    けど、あの時はクリスタが止めてくれたんだっけ…。




    クリスタ「もしかして、この前の事気にしてる?」


    アニ「…っ、この前の事って」


    クリスタ「一回授業受けに来た時に皆に白い目で見られてたでしょ?」


    アニ「……………」


    クリスタ「それが嫌?」


    アニ「…あんたには関係ないでしょ」


    クリスタ「関係あるよ!もし、そうだったら私が一緒に居てあげるよ!」


    アニ「っ!」



    一緒に、居てあげる…。

    クリスタって、あの子に…!



    クリスタ「だから、大丈夫だよ?」


    アニ「…考えとく」


    クリスタ「アニっ!」



    クリスタ…。

    似てる。

    やっぱりあの子に似てる…。

    すぐに名前を呼び捨てで呼んでくれて、ずっと私のそばに居てくれて…。

    …もう一度、会いたい。
  12. 14 : : 2018/02/24(土) 18:49:24


    昼休み


    クリスタって人なら、仲良くなれるのかな…。

    いや、もう友達作る事はやめにしたんだ。

    二度とあんな思いしたくない。



    アルミン「アニっ!」ガチャ


    アニ「煩っ…」ビクッ


    アルミン「あ、ごめん」


    アルミン「昼にしよ」


    アニ「うん」



    あれ、今日はパンじゃなくて弁当だ。

    まぁアルミンの都合だろうけど。


    アニ「今日は弁当なんだね」


    アルミン「あ、うん。…昨日は忘れちゃったんだ」


    アニ「そう」



    意外とおっちょこちょいだね、アルミンって。

    しっかりしてるイメージだし、忘れ物とかしなさそう。

    実際したけど。




    ーーーーーー
    ーーー


    アニ「…あ、勉強道具持ってきたよ」


    アルミン「本当?今からやる?」


    アニ「うん」


    アルミン「何からやるの?」


    アニ「数学で」


    アルミン「了解。ちょっと教科書見せて」


    アニ「ん。一応最後らへんまで見たけど」


    アルミン「どこが解らない?」


    アニ「…ちょこちょこある。最初からでもいい?」


    アルミン「うん、いいよ」


    アニ「……どうも」


    アルミン「どういたしまして。じゃあやろっか」


    アニ「お願いします」


    アルミン「はい」ニコッ


    アニ「っ!」

  13. 15 : : 2018/02/24(土) 20:04:33


    ーーーーーー
    ーーー


    アニ「時間大丈夫?」


    アルミン「あ、そろそろ戻らないとだ」


    アニ「そう。じゃあもういいよ」


    アルミン「中途半端だね。また放課後教えてあげるよ」


    アニ「解った」


    アルミン「帰っちゃ駄目だよ?」


    アニ「うん」


    アルミン「じゃあまた放課後」


    アニ「うん」





    バタン


    アニ「…ふぅ、意外と解りやすかった」


    ちょっと疲れちゃったかも。

    横になってスマホを弄る。


    また放課後、か…。

    …部活はないのかな。

    バスケしてる時のアイツ、とっても楽しそうだった。

    それも友達と。



    …友達…。




    ガチャ


    アニ「…!」


    クリスタ「アニ、来たよ!」


    ったく、忙しい。



    アニ「…何しに来たの」


    クリスタ「酷いなぁ、心配できたのに」



    …心配…。


    クリスタはあの子と似てるんじゃなくて、同じ…。

    同じ、人。


    …なんて、全然違うよ。見た目が。


    嫌だ。見てるだけで辛くなる。

    話してるともっと苦しくなる。

    もしかしたら親が離婚するより、いなくなるより…

    辛かったかもしれない。


    泣いた。

    一生分泣いた。

    泣こうとしても、もう泣けないぐらいに。



    クリスタ「…アニ?」


    アニ「……なに」


    クリスタ「どうしたの?何かあった?」


    アニ「…どうして……」


    クリスタ「ん?」


    アニ「どうして、私と関わろうとするの…?」


    クリスタ「え…?」


    アニ「私といるより、明るい友達と居た方がいい」


    クリスタ「私がアニと関わるのは…」


    クリスタ「…私の好都合!」


    アニ「…は?」


    アニ「私はそれに付き合わされてるの?」


    クリスタ「言っとくけど、私はお城に住んでるの」


    アニ「………?」



    お城…って…。

    あの大きいお城のこと?




    クリスタ「信じてないかもしれないけど、私が女王を継ぐことになってるの」


    アニ「………え…」


    アニ「…へっ?あ、女王…?」


    クリスタ「そう、だから私の言うことは必ず聞くこと!」


    アニ「……………」


    クリスタ「なんて事は言わないよ」



    …なんなんだ?

    話がいまいちついていけない…。


    お城…。

    女王…。

    継ぐ…?


    って事は、ここの生徒よりも偉い?

    だったら何でそんな人が私に構うの…?
  14. 16 : : 2018/02/25(日) 00:35:12


    クリスタ「それで、授業はどうするか決めた?」


    アニ「……授業受けなくても、教えれくれる人がいるから」


    クリスタ「そうなの?」


    クリスタ「もしかして、さっき階段ですれ違った子がいたんだけど、その子かな?」


    アニ「多分。金髪の、男の子」


    クリスタ「やっぱりね」


    クリスタ「友達?」


    アニ「……友達っていうか…」



    友達…。

    どうなんだろう。


    いや、私が友達と思ってないから友達じゃない。


    声に出そうとしている。

    けど、その言葉が出ない。

    友達なんかじゃ、ないのに…。



    クリスタ「友達じゃないの?だったら…」








    クリスタ「カレカノ?」





    アニ「…え?」


    カレカノって、恋人のこと…?

    何でそうなるんだ?

    友達って関係でもないのに。


    アニ「違う」


    クリスタ「違うの?なーんだ」


    アニ「友達ですら、なぃ…」


    クリスタ「…本当?」


    アニ「…勿論、だよ」




    クリスタ「じゃあなんで、辛そうなの?」




    アニ「…っ……」


    辛い…?

    アルミンは勉強を教えてくれる人。

    それだけ。

    なのに…、アルミンの事が頭から離れられない。




    クリスタ「アニは、あの男の子が好きなんじゃないの?」





    アニ「!」


    私が、アルミンを…好き…?

    何で私が…。

    私が……。

    …私は、アルミンが好き、なのかな…。



    アニ「…好きなんかじゃ、ないから」


    クリスタ「ねぇアニ、素直になりなよ」


    クリスタ「私はね、なんでアニがこんな風になったのか事情は知らない」


    クリスタ「でも、力になりたいんだ」


    アニ「っ!」


    クリスタ「だから、ね?」


    アニ「……………」



    素直に、か。

    もしも素直になったら…。

    素直になったって、アルミンに迷惑がかかるだけ。

    もしかしたらクリスタにも。


    私に大事な人ができて、いつかは居なくなって…。

    そんなの、ただの繰り返しだ。



    アニ「……もう、私に…関わらないで」


    クリスタ「っ!」


    アニ「………授業、受けなくてもいいの?」


    クリスタ「えっとね、保健室に行くって言ったから」


    クリスタ「でも、アニがなんて言おうと私はアニの所に来るから!」


    アニ「っ…」


    クリスタ「じゃあねっ!」ガチャ


    アニ「………」

  15. 17 : : 2018/02/25(日) 13:11:02



    アニ「……変な人………」




    アルミンもそうだけど、何で私なんかと一緒にいたがるんだろ。

    私は一人がいいのに。

    一人だと楽で、誰かに何かあっても私が悲しむことは無い。

    そう、だから一人がいいんだ。



    …いつからこんな風になったんだっけ?

    親が離婚する時にはもう一人が好きだった。

    なら、それより前…。

    って事は、やっぱり…、




    ”ミーナが事故で死んでから”





    私の唯一の友達。

    親友。



    本当は私が死ぬはずだったのに…。


    私が信号無視した車にひかれて死ぬはずだった。

    それをミーナが助けてくれて、代わりに…。


    私って本当に最低だ。

    ミーナなら私が居なくても明るくて楽しい生活を送れたかもしれないのに…。



    何で、ミーナが……。




    …私だってミーナが死んでなかったら前みたいに笑えてたかもしれない。

    ミーナが今生きてたらどんなにいいか。



    ミーナが病院に運ばれて息を引き取ったって言われたあと、いつも一緒に遊んでた公園に行ったっけ。

    そこで……。


    …?

    何をしたんだっけ?

    思い出せない。

    記憶が、無い。

    私が大泣きしてたら…、お母さんが来て…?


    …そんな事は、どうでもいいか…。


  16. 18 : : 2018/02/25(日) 14:10:41


    放課後


    ガチャ


    アニ「っ!」ビクッ



    あぁ、アルミンか。

    ここでクリスタが来たら絶対帰ってたよ。

    良かった、アルミンが来て…。


    いや、別にアルミンに会いたかったってわけじゃない。

    クリスタじゃなくて良かったって意味。



    アルミン「…ん?どうしたの?」


    アニ「何が?」


    アルミン「なんかぼーっとしてるから」


    アニ「…してた?」


    アルミン「ちょっと」


    余計な事考えちゃってた。

    ただ勉強するだけなんだから。



    アニ「ごめん、何でもない。だから続き教えてよ」


    アルミン「うん」


    アニ「あ、部活は?」


    アルミン「ん?」


    アニ「部活、やってんでしょ?」


    アルミン「まぁ」


    アニ「今日はないの」


    アルミン「あるけど、一時間後だから」


    アニ「そう」


    アルミン「…なんで知ってるの?」


    アニ「……見た」


    アルミン「え?」


    アニ「昨日、部活やってるところを見た」


    アルミン「そ、そうなんだ…」


    アニ「楽しい?」


    アルミン「楽しいよ」


    アニ「あんた上手かったよ。あと一緒にいた人も」


    アルミン「あ、ありがとう」


    アルミン「僕ね、そんなに得意な事なんかないんだけど、友達と一緒だと楽しいんだ」


    アニ「……………」



    楽しい…?


    アルミン「バスケだって最初は全然出来なかったのに今は大体出来るし」


    アニ「あんた、凄いよね」


    アルミン「え、凄い?」


    アニ「うん」



    私はアルミンが羨ましい。

    友達とやりたいことを一緒にやって、出来るようになって…。

    楽しい…。



    アニ「…話が逸れたね。時間なくなるしやろっか」


    アルミン「そうだね」


  17. 19 : : 2018/02/25(日) 16:07:26


    ーーーーーー
    ーーー


    アルミン「今日はここまでにしておこっか」


    アニ「うん」


    アルミン「疲れた?」


    アニ「ちょっと。でも解りやすかった」


    アルミン「本当?良かった」


    アルミン「じゃあ、そろそろ部活の方に行かなきゃだから」


    アニ「そ、なら帰るよ」


    アルミン「あ、待って」


    アニ「…?」


    アルミン「途中まで一緒に行こうよ」


    アニ「…うん」





    廊下


    アニ「……………」


    アルミン「……………」



    特に何を話すわけでもなく、ただ並んで歩く。

    距離は………離れてる。

    私が遠ざけてるんだけど。


    すぐに体育館に着いた。



    アルミン「じゃあアニ、また明日」


    アニ「うん」


    エレン「アルミーン!」


    アルミン「エレン!」


    エレン「?そいつ誰だ?」


    アルミン「そいつって言い方はないでしょ?」


    エレン「なんだよ急に…」


    エレン「で、隣にいる人は?」


    アルミン「ああ、えっと…、友達?」


    エレン「友達?俺見た事ねぇな」


    アルミン「だって僕も最近あったばかりだし」


    アニ「…ねぇ」


    アルミン「ん?」


    アニ「帰ってもいい?」


    アルミン「あ、ごめん。足止めしちゃったね。いいよ」


    アニ「じゃあ」コツコツ


    アルミン「うん」


    エレン「あいつ、無愛想だな」


    アルミン「そんな事言わない」


    エレン「さっき見た時、付き合ってんのかと思った」


    アルミン「え?」


    エレン「でもやっぱり違ったか」


    アルミン「エレンはミカサがいるしね」


    エレン「へへっ、まぁな」


    アルミン「自慢しないでよ…」


    エレン「お前も彼女作ればいいだけの話じゃねぇか」


    アルミン「そんな簡単に言わないでよ」


    エレン「お前、可愛いって人気だぞ?」


    アルミン「か、可愛い…かぁ…」クショウ


    エレン「でも、男らしい所もあるんだから気にすんな」


    アルミン「…ほら、時間なくなるよ。部活行こ」


    エレン「へーい」


  18. 20 : : 2018/02/26(月) 18:15:58


    アニの部屋


    アニ「……………」キキッ


    椅子を引いて座り机に向かった。

    別に勉強する訳でもないけど。


    こんな体制は何日ぶりだろう。

    殆どはベッドの上に寝そべってスマホを手放さないで遊んでいる。

    一日中スマホを手に取ってるから、持ってないと落ち着かなくなってしまった。


    けど、今はスマホを持っていない。

    普通に冷静だ。


    机に頬杖をつきながらクリスタと話した事を思い返す。

    考えたのは大きく分けて二つ。



    ”力になりたいんだ”

    ”アニがなんて言おうと私はアニの所に来るから!”


    一つ目がその言葉。



    クリスタはあの大きな城に住んでるって言ってた。

    なら友達も沢山いるはず。

    毎日楽しい生活に囲まれているはず。

    なのに一緒に居て楽しくない私の所にわざわざ来て何がしたいんだろう。





    力になりたい?

    私のところに来る?



    それがクリスタの優しさってのは分かってるつもり。

    けど……、お節介だ。

    頼んでもないのに自分勝手に言って、動いて…。





    それに、クリスタと関わりたくない一番の理由が、


    ミーナの事を思い出しちゃうから。



    また涙が出てきそう。

    でも泣かない。

    もう泣かないってことを決めて、仏像の前でミーナに言った。



    『泣きそうになったらミーナが止めてくれる?』


    勿論返事はない。

    それも小さい頃だったからそんなことが言えた。


    けど、言ってからは泣いてない。

    泣いたことなんてなかった。

    親に叱られても、クラスの人達に虐められても。

    虐められた時は、男をぶっ飛ばして女を脅したんだけど。


  19. 21 : : 2018/02/27(火) 07:11:17


    そして、もう一つは、


    ”じゃあなんで、辛そうなの?”

    ”アニは、あの男の子が好きなんじゃないの?”



    って言われたこと。




    確かに、最初にあった時はアルミンに興味を持った。

    けどこの気持ちが好きってことにはならない。

    …多分。


    だってアルミンに会ってから二日しかたってない。

    それで好きって言ったら、一目惚れ…じゃん。

    いや、ただ私が単純なだけかもしれない。


    じゃあもしも好きだったら、どこが好きなんだろ。



    ……………。

    特に…ないかも。

    ってことだから、アルミンは好きじゃない。

    …それでいい。



    寂しくは、ない。

    けど、胸の奥が締め付けられている。

    なんで…?



    痛い。


    辛い。




    こんな時、ミーナがいれば…。


    ちゃんと相談できてたかな?


  20. 22 : : 2018/02/27(火) 18:22:40


    …ミーナに頼ってばっかりじゃ駄目だ。

    しかも、もうここには いない んだよ。

    人に頼ってると私何も出来なくなる。

    前みたいに。



    いや、もうミーナを思い出すのはやめよう。

    …そしたら、ミーナに悪いかな…?


    でも、もう会えない。

    だったらずっと引きずってないで忘れた方が楽になれる…。




    …最初に出来た友達…、いや、親友だから忘れるわけがない。

    忘れられない…。








    もう今日は考えるのをやめにしよう。

    勉強もして疲れた。

    それにクリスタとの会話も気にする事はない。

    だから、もう…。






    お風呂、入ってこよ。



  21. 23 : : 2018/02/27(火) 21:42:16


    屋上


    アニ「…はぁ……」


    結局昨日は眠れなかった。

    って言っても、今は眠くはない。




    クリスタ「アーニっ!」ガチャ


    アニ「……………」


    クリスタ「もう、そんな冷たい目で見ないでよー…」


    アニ「…で、用事は?」


    クリスタ「特にないよ」


    アニ「そう。なら教室に戻ったら」


    クリスタ「まぁまぁいいじゃない。あの男の子でもそんな反応するの?」


    アニ「別に」


    クリスタ「だったらあの男の子みたいに話してよ!」


    アニ「何で」


    クリスタ「私だけ酷くない?やっぱりあの男の子が好きなの?」


    アニ「どうしたらそんな風になるの。好きじゃないって」



    クリスタが一生懸命言ってる”あの男の子”はアルミンの事だろう。

    認めなよ と言われたけど、好きじゃないのは本当のことだ。


    クリスタ「全く……」



    …それはこっちのセリフだよ。



    クリスタ「んー、あ!じゃあまた来るからね!じゃあね」バタンッ



    急にいなくなった。

    教室に戻ったんだと思うけど、屋上に来て何がしたかったのかが解らない。

    自由だな。


  22. 24 : : 2018/02/28(水) 17:26:01


    昼休み


    結局クリスタは朝以来、来なかった。

    もうすぐアルミンも来る頃だろうと思いながらもスマホを弄る。

    すると扉が開く音がした。


    アルミン「やあアニ」


    アニ「ん」


    クリスタ「私も来たよ」


    アニ「はぁ?」


    クリスタ「駄目だった?」


    アニ「駄目っていうか……」


    クリスタ「もしかして二人きりがよかったのかな?」



    クリスタは「二人きり」を強調して言った。

    別に二人がいい訳じゃないけど。

    アルミンは、ん?と言うようにきょとんとしている。



    アニ「違う。何回言ったら解るの」


    クリスタ「まあまあ、お昼にしよ」



    勝手に話が進んでいく。

    アルミンとクリスタは私の前に座る。


    今まで黙っていたアルミンがクリスタと話し始め、偶に私にも話を触れてくる。

    意外にも二人の話が弾んでいた。

    クリスタがチラチラと私を見てくるけど、知らないふりをして弁当を食べる。



    二人が話してる内容はくだらない事だった。


    でも、不意にクリスタがアルミンに聞いたことに一瞬手が止まった。



    クリスタ「アルミンって好きな子いるの?」





    前に聞いた時は、まだ解らないって言っていたけど、今はどうなんだろう。

    またそう言うのかな。



    アルミン「えっ?いきなり何?」


    クリスタ「なんとなく」


    私の方を見ながら言う。

    何、という目でクリスタを睨む。

    アルミンはクリスタの視線を追いかけて私を見る。


    視線に気がついたからアルミンを見ると目が合い、ニコッと笑った。

    その笑顔から目を逸らして俯く。




    そんな顔、反則だよ…。



    クリスタ「それで、どうなの?」


    アルミン「いる、よ」


    クリスタ「誰!?」


    アルミン「流石に女の子に話すのはちょっと…」



    食い付いてくるクリスタを断るアルミン。

    クリスタは私に近づいてきて、「良かったね、アニ」と茶化すように言った。

    否定しながらも胸の奥がキュウっと締め付ける。


    最近こんな気持ちになるのが多くなってきた。



    クリスタ「もう…」



    クリスタは呆れたように言い、座りなおす。

    その表情から、もっと素直になればいいのに と言いたげなのが解る。

    そんなこと言ったって、とは思う。




    けど、自分自身でも薄々気づいてきている。


    もしかしたら、って
  23. 25 : : 2018/02/28(水) 22:00:36


    ーーーーーー
    ーーー


    アルミン「これからアニに勉強を教えるんだけど、どうする?」


    クリスタ「私も一緒にやりたいなぁ」



    クリスタのニヤニヤが止まらない。

    ニコニコしてるんだと思うけど、私にはニヤニヤに見える。



    私は内心、クリスタがいると進まないと思った。

    ってのは言い訳。

    本当はアルミンと一気に仲良くなったクリスタに妬いてる…。




    クリスタ「ね、アニ!私もいい?」


    アニ「…勝手にすれば」ムッ


    クリスタ「ふふ、私はそろそろ戻るね」ガチャ


    アルミン「?うん、またね」


    クリスタ「うん!頑張ってね」



    私の気持ちが顔に出てたのか、クリスタは教室に戻ったようだ。

    アルミンは あれっ? って顔をしている。




    アニ「やろう…」


    アルミン「あ、うん」

















    アルミン「それで、これはこの時に………」



    アルミンに教えてもらってる時が一番距離が近い。

    並んで座っているし、制服同士が触れ合っているほどの近距離。

    横を見たらすぐにアルミンの顔があって、毎回胸が高鳴っている。



    偶に吹く風でアルミンの髪が耳や頬にあたってくすぐったい。

    少しでも手を伸ばせば届くのに、その少しが私にとって遠く感じる。


  24. 26 : : 2018/02/28(水) 23:31:14


    ーーーーーー
    ーーー


    アルミン「きりがいいところで終わるか」


    アニ「うん…」


    アルミン「じゃあまた放課後」


    アニ「うん…」



    バタン





    …本当に私、アルミンに 恋 しちゃったのかな。



    もう友達なんて作らないって決めたのに…。


    なのにこんなにも…




    アルミンが好き…。






    認めたくなくても認めてしまう。

    好きじゃないって否定しずけてたけど、嫌いとは言っていない。

    好きでもない、嫌いでもないだった。はず…。



    今までこんな感情、知らなかったのに…。

    知ってしまった。



    胸が苦しい。


    クリスタと一緒のところを見てると妬いてしまう。



    アルミンの好きな人…。

    その人、幸せだろうね。



    ねぇミーナ。

    私を、一回だけ泣かせて…。


  25. 27 : : 2018/03/01(木) 07:10:31


    クリスタ「どうでしたか?お楽しみの時間は」ガチャ


    アニ「……………」


    クリスタ「なんでいるか知りたいの?」


    アニ「別に」


    クリスタ「ドアの後ろにいたら急にアルミンが出てきてびっくりしたよ」


    アニ「で?」


    クリスタ「まぁ、アルミンとアニの事を観察してたってところかな」


    アニ「……………」


    クリスタ「本当にただ勉強を教えてもらってるだけだったね」


    アニ「言ってるでしょ」


    クリスタ「なにも進展がなかったよ」


    アニ「はぁ?進展?」


    クリスタ「でも、やっと認めたね」


    アニ「…何を」


    クリスタ「…もう気付いてるんでしょ?アニはアルミンが好き」


    アニ「だから、違う……」


    クリスタ「ねぇアニ、私とアルミンが話してる時どう思った?」


    アニ「どうって…、別にいいんじゃないの」


    クリスタ「本当にそう思ってる?」


    アニ「うん」


    クリスタ「……じゃあ質問を変えるね」





    クリスタ「もし、私がアルミンを好きって言ったら?」



    アニ「…え……?」




    クリスタが、アルミンを…好き?

    確かにクリスタは可愛いと思うけど、でもそんなの



    アニ「だっ、駄目…!」


    アニ「っ!」


    クリスタ「ふふ、嘘だよ。私は親に婚約者を決められるから、自分では決めれないの」


    クリスタ「ほら、アニ。話聞くよ」


    アニ「……うん」


  26. 28 : : 2018/03/01(木) 17:16:43


    私は諦めて、クリスタに全部を話した。


    まずはアルミンの事。

    クリスタがパァっと明るくなるのがわかる。

    ため息混じりにでも私の気持ちを話した。




    そして、ミーナの事も。

    表情豊かなクリスタは、明るかった顔から急に心配そうな顔、寂しそうな顔になった。

    私自身も辛くなりながら。



    でも全部。





    クリスタは必死に聞いてくれる。

    話が終わるまで黙って。











    話し終わると、クリスタは今にも泣き出しそうな顔してる。



    クリスタ「ごめんね、私よりもアニが泣きたいよね…」グスッ


    アニ「いや、結構すっきりしたよ」


    クリスタ「辛かったよね…。私は友達がいなくなるなんて考えたこともなかった」


    アニ「…普通は、そうだろうね……」


    クリスタ「アニの事情がわかって私は嬉しいよ。でも、無理しないでね?」


    クリスタ「何かあったら私に頼って。話すだけでもいいから、ね?」


    アニ「クリスタ…。…うん」


    クリスタ「じゃあ私達は誰よりも仲がいい友達!」


    アニ「え?」


    クリスタ「つまり、親友!」


    アニ「…親友」


    クリスタ「ミーナって子みたいには出来ないかもだけど、頑張るから!」


    アニ「頑張るもの…?」


    クリスタ「うんっ!」


    アニ「そう…」



    親友…。

    いきなりだな。

    けどクリスタなら…、またやり直せるかも…。


  27. 29 : : 2018/03/01(木) 21:03:19


    ーーーーーー
    ーーー


    今は放課後。

    アルミンに勉強を教えてもらっている最中。

    でももう少しで一時間が経つ。



    アニ「もう時間じゃないの」


    アルミン「あ、うん」


    アニ「じゃあここまででいいよ」




    中途半端だけど、部活に遅れるよりはいいと思う。

    勉強道具を片付けてると、アルミンが話を切り出した。



    アルミン「来週、夏祭りがあるよね」


    アニ「そういえばもうそんな時期だね」


    アルミン「うん。…あのさ、アニが良かったらなんだけど」



    アルミン「一緒に行かない?」




    アニ「…私と?」


    アルミン「…うん」



    照れくさそうな表情を浮かべるアルミン。

    嬉しいけど、私とで楽しいのか解らない。

    でも、折角のチャンスだ。



    アニ「い、行く…」


    アルミン「本当?良かった」


    アニ「二人だけで?」


    アルミン「誰か誘いたかったらいいよ。どうする?」


    アニ「……誘わない。二人で…」



    自分から聞いておいて、”二人で”って言うとちょっと恥ずかしくなる。


    今までは一人が多かったから男の子と行くとなると緊張してくる。

    クリスタとか女の子だったら何とも思わなかっただろうけど。



    …アルミンだから緊張しちゃうのかな…。




    アルミン「解った。じゃあ帰ろっか」


    アニ「…うん」



  28. 30 : : 2018/03/03(土) 13:23:37


    ーーーーーー
    ーーー


    アルミン「じゃあまた明日。…は土曜日だったね」


    アニ「…うん」


    アルミン「また月曜日、じゃあね」タッタッタッ








    帰り道


    アニ「……はぁ」


    気分を紛らわすためにスマホで音楽を聴いてる。

    けどやっぱり無理だった。

    溜息が出る。


    アルミンと、夏祭り…。

    二人で行きたいけど、



    …何故か、怖い。


    何が怖いのか自分でもよく分からない。

    でも、怖い…。





    「アニー!」


    アニ「ん…?」


    クリスタ「はぁ、はぁ…、やっと追いついた…」


    アニ「クリスタ…」


    クリスタ「一緒に帰ろ!」


    アニ「うん……」


    クリスタ「どうしたの?」


    アニ「何でもないから」


    クリスタ「もう、私だけでもいいから相談してよ」


    アニ「……………」


    クリスタ「何か悩んでるんでしょ?」


    アニ「…来週、夏祭り行こうって誘われて」


    クリスタ「アルミンに?」


    アニ「そう」


    クリスタ「良かったじゃない!何が悩みよ」


    アニ「二人で行く事にしたんだけど、なんか怖いんだよ…」


    クリスタ「こ、怖い…?」


    アニ「…なんで、だろう…」


    クリスタ「怖い、か…。アルミンなら大丈夫だよ」


    アニ「…?」


    クリスタ「私、いろんな人に会ってきたんだけど…。勿論仕事とかでもね」


    アニ「し、仕事…?」


    クリスタ「うん、手伝いっていえばいいのかな」


    クリスタ「だから、私は少し話すだけでどんな人か大体わかるの」




    凄い。

    じゃあ私がどんな人かも解ったのかな…。



    クリスタ「アルミンといると安心するでしょ?」


    アニ「…安心…。…する、かも」


    クリスタ「気を使ってくれるし、アニの性格からして合ってると思うんだ」


    アニ「……………」




    今、さらっと嫌味言ったよね。

    私の性格からしてって、何気に酷い事じゃん。



    クリスタ「だから大丈夫」


    アニ「そうかな…」


    クリスタ「うん、もっと自身持ちなさい!」


    アニ「う、うん…」


    クリスタ「あ、そうだ。ライン交換しよう?」


    アニ「えっ?」


    クリスタ「ん?私変な事言った?」


    アニ「…あ、いや、別に言ってないけど」


    アニ「私やり方知らないから」




    そう言ってスマホを渡す。

    慣れた手つきで操作している。


    お母さんしか入ってなかったラインにクリスタのが入った。

    ゲームと音楽にしか使わなかったスマホに。



    クリスタ「出来たよ」


    アニ「ん、どうも」


    クリスタ「私こっちだから、またね」


    アニ「うん」

  29. 31 : : 2018/03/04(日) 14:47:36


    一気に飛んで次の金曜日


    放課後





    アルミン「それで…」


    クリスタ「うん?」



    今はクリスタも一緒だ。

    本当にヤバいからって来た。

    私は結構解ってるけど、クリスタはずっと?のままだ。

    やっとで意味を理解した時は五分以上。



    本当に女王なんて立場になれるのかな。




    そんなことが続いてるともう時間になった。

    ほとんど進んでない。





    アニ「はぁ…。じゃあまた来週」


    アルミン「あ、ねぇアニ!」


    アニ「…ん?」


    アルミン「明日、忘れないでね?」


    アニ「明日…。うん」


    アルミン「何ならさ、ライン教えて」


    アニ「…ん」



    バッグからスマホを取り出して渡す。

    え?って顔してたら、片付けていたクリスタが 登録してあげて って言った。

    アルミンからスマホを返されて画面を見る。

    どうも とだけ言って屋上の扉を開けて歩き出す。








    明日…。

    夏祭り、か。

    私の地域ではちょっと遅い時期に夏祭りを開く。

    なかなか行かなかったけど、誘われたし…。


    二人で…。



    私じゃなくたっていいのに。

    ほら、例えば部活で一緒にいた人とか。

    私よりもっと友達いるんだよね、きっと。


    でも、正直言って嬉しい…。

    誰にもこの気持ちは言わないけどね。


  30. 32 : : 2018/03/04(日) 21:24:03


    アニの部屋



    明日、どうしよう…。

    地味に忘れてたんだよね。


    私服?浴衣?

    …制服。

    は流石にないか。

    浴衣あったっけ。

    探してなかったら私服で行こう。




    ピコン♪


    アニ「ん…?」




    アルミン『起きてる?』


    アニ『起きてる』


    アルミン『良かった』


    アルミン『明日、神社の前に待ち合わせでいいかな』


    アニ『いいよ』


    アルミン『何時がいい?』


    アニ『じゃあ七時で』


    アルミン『了解』


    アニ『用件はこれ?』


    アルミン『うん。じゃあ明日、お休み』


    アニ『お休み』



    話すのが苦手なだけあって、文章が偶に変になる時がある。

    クリスタから来たラインだって 何この文章 って笑われた事があった。


    しょうがないよ。

    今までそんなに話してこなかったし。

    よくあること、だと思う。







    あ、浴衣探してみよ。

    お母さんが着てたやつがあった気がするけど。


    普段は押入れを漁ったりはしない。

    衣替えの時ぐらいだけ。

    だからあまり何が何処にあるのかが分からない。

    ありそうなところを探す。


    埃がちょっと屯してる。

    そろそろ掃除しないと。





    明日、か…。


  31. 33 : : 2018/03/04(日) 21:42:41

    一応終わりです。


    いきなり終わったけど、次が夏祭り編なんでそっちもよろしくです。

    続き↓
    http://www.ssnote.net/archives/58132

▲一番上へ

このスレッドは書き込みが制限されています。
スレッド作成者が書き込みを許可していないため、書き込むことができません。

著者情報
02100330

祐陽

@02100330

この作品はシリーズ作品です

アニ「もう一度」 アルアニ&現パロ シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場