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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

こまる「コ、コロシアイ…?」

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  1. 1 : : 2016/08/09(火) 22:57:43
    聞いたところによると、どうやら地球は丸いらしい

    でも、それって本当に?もしかしたら…

    地球は金平糖のような形をしているかもしれない。

    おばあちゃんがティッシュに包んでくれる、あの、トゲトゲした砂糖のかたまりのような…

    でも、本当のところは私にはわからない。

    だって実際に、地球の形を見たわけじゃなし。

    同じように、世の中の常識ってやつのほとんどが、実際に見たわけでもないものばっかりで…

    そんな常識の上に成り立っている世界って、なんて曖昧で不確かなんだろう。

    ま、そんなことわたしには関係ないんだけど…

    だってわたしの世界は、地球の形や世の中の常識を気にするほど大きくないから。

    ていうか、かなり小さい(笑)

    ちょっと笑っちゃうくらい小さくて…

    部屋(ここ)が、わたしの世界だ。

    わたしの暮らす2LDKのこの部屋が、そのままわたしの世界で、この世界の中だけで…

    わたしの世界は完璧に完結してしまっている。

    でも、それはわたしが引きこもりだとか、そういう理由じゃなくて…

    わたしはこの部屋に…監禁されているのだ。

    わたしの名前は苗木こまる。

    こんな異常な日常生活を送っている、至って普通の女子高生だ。

    この監禁生活が始まってから半年。

    なんと半年!おかげでこの暮らしにも慣れ始めてしまった。

    人間は恐ろしいくらい「慣れる生き物」なんだって、わたしは、この監禁生活を通じて身をもって思い知った。

    とはいえ、もちろん諦めたわけじゃない。
  2. 2 : : 2016/08/09(火) 23:07:27
    そんな折…

    ガチャッ!

    こまる「!」

    ?「出ろ…」

    こまる「え…」

    あまりに突然のことで何がなんだかわからない。

    どういうこと?

    こまる「ほ、本当に…出ていいの?」

    ?「…付いてくるんだ」

    こまる「う、うん…」

    そうしてわたしが連れていかれたのは、ホテルだった…
  3. 3 : : 2016/08/09(火) 23:40:09
    ?「入れ」ギィ…

    こまる「あ、はい…」

    ?「検討を祈る」バタン

    あの変なマスクかぶった人、なんだったんだろう…

    と、その時…

    ?「あ、アンタも監禁されてたクチ?」

    こまる「え、えっと…」

    ?「私は仲島花音。そっちは?」

    こまる「こまる…苗木、こまるです」

    花音「ふーん…」

    ?「さてと、これで全員かな!?」

    こまる「!?」

    花音「何…放送?」

    ?「ひいふうみい…人間12人、虫1匹…猫1匹…ちゃーんといるね!」

    ?「おい!オレっちにも喋らせ「ダメです!今はあなたの番ではあ「静かにしろ…」

    こまる「何?子供の…声…?」

    ?「えー、私さま(わたくしさま)たちは便宜上「黒幕」とお呼びください」

    黒幕「これからあなたがた…14人?には…この街を使って、コロシアイをしてもらいます!」

    黒幕「誰かを殺せば、街から出られるよ!よかったねー!」

    こまる「な、何それ…」

    ?「ふざけんな!そんなこと…しねーぞ!」

    ?「そのとおりだ!」

    黒幕「でもね…せざるを得ない状況になるんだよね…」

    シュー…

    ?「…なんの音だい?」

    ?「催眠ガスですか…ずいぶんとシンプルな手ですね」

    ?「吸わないように…するのは…無理…」

    ?「…」

    ?「…」ブーン…ポトッ

    花音「何、これ…」

    こまる「ダメ…眠く…な…」

    抵抗虚しく、わたしの意識は暗い闇へと堕ちていった…

    人間とは弱いものだ…この半年でよくわかったよ。

    ドアさえ破れないし…ダメだ、意識がもう…

    ………。
  4. 4 : : 2016/08/10(水) 00:55:18
    1日目

    こまる「…んぅ、う…」

    花音「やっと起きた…元気?」

    こまる「う、うん…」

    黒幕「やっと…みんな起きたね…僕ち…あ、私さまからのプレゼントについて説明するね…」

    黒幕「その腕輪…見える?見えるよね…付いてるんだもんね…」

    黒幕「それね、その…爆弾なんだ…それで、えーと…「どいてください!じれったい!」

    黒幕「オッスメッスでございます!私さまは黒幕です!その腕輪は爆弾になっております!イヤーンこわーい!」

    黒幕「街中にカメラが設置されてますので、あなたがたの動きは全部見ますよ!」

    黒幕「それでですね!その腕輪はその腕輪をつけた「参加者」を殺すことによって外れる仕組みです!」

    黒幕「もし外さずに町の外に出ようとすると…ボン!ですよ!」

    ?「へぇ…いい趣味してるね」

    ?「う…じゃあ、無理に外そうとしない方がいいか…」

    こまる「爆弾…?殺す…?え…?」

    こんなことなら…監禁されたままの方がマシだったかもしれない…
  5. 5 : : 2016/08/10(水) 05:32:35
    期待です
    黒幕が全く隠れてないけど気にせず楽しみますwww
  6. 6 : : 2016/08/10(水) 11:59:33
    黒幕「ただ…あ、変わりますか?了解でっす」

    黒幕「…だが、コロシアイをしてもらうのは明日からになる。色々と準備があるからな…」

    黒幕「もし、今日の時点で誰かを殺したことがわかったら…「僕らのモノクマ」がクロを食い殺す…」

    ?「モノクマ…?」

    黒幕「これだよ…」パチン

    指を鳴らすような音が聞こえたと思うと、どこかから白黒のクマが現れた…

    モノクマ「ぐへへへへ」

    こまる「ひいっ…」

    黒幕「見たらわかるだろ…こいつは鋭い爪と牙がある。それに…」

    黒幕「おい、オマエラ…モノクマから離れろ」

    花音「…」

    ?「……」ブーン…

    ピトッ

    あ…カメムシが…

    モノクマ「……」ビー!ビー!

    BOMB!!

    ?「爆発…だと…?」

    黒幕「…カメ子、死亡だな」

    黒幕「このように、私さまたちはオマエラを殺すことに躊躇などしないし、直接会う事はないから逆に殺されることもない…」

    黒幕「私さまたちはとある場所からこの放送を流している。そのホテル内にはいないからな…」

    ?「まったく…悪趣味ですな…」

    黒幕「………それじゃあねー!最後の晩餐をよういしておいたから…それ食べてー…明日からレッツコロシアイ!」プツン

    ?「……マジでか…」

    ?「あーあ、どうなんだべ…」

    花音「…バカげてる」

    本当に…殺人…いや、殺虫だけど…

    あの爆弾って…人間だって…

    ……

    助けて…お兄ちゃん…
  7. 7 : : 2016/08/10(水) 23:47:29
    黒幕「あ、そうだ!今日ホテルから1歩でも外に出たらオシオキ…しょけーだかんな!」ブツン

    ?「…さて、どうしたものか…」

    ?「コロシアイ…って…」

    ?「誰も殺さずに済む道があるはずだ…」

    こまる「で、ですよね!」

    ?「なんて、思ってるんじゃないだろうな?」

    花音「は?」

    ?「こういうことをする輩のゲームからは逃れられない…俺達はゲームの駒でしかないんだ」

    こまる「どうして、そんな…」

    ?「残忍なヤツを何人も見てきたんだ…俺は警察官だったからな…」

    元警察官
    └石丸 高秋

    高秋「諦めて誰かを殺す予定でも立てた方がいい。世の中は甘くないんだ」

    ?「世の中は甘くない…か。汚職事件を起こした君だからこそ言えるのかね?」

    探偵
    └霧切 不比等

    高秋「なんでそれを…」

    不比等「さぁ…情報は命だからね…」

    ?「…で?今日はどうすんの?」

    スカジャンを着た女性
    └葉隠 浩子

    ?「放送通り…ご飯を食べるしかないんじゃないのでは?」

    たら☆すぱ!作者
    └山田 富士子

    ?「その飯ってさ…毒とか入ってないよな…?」

    天真爛漫な少年
    └朝日奈 悠太

    ?「どうであろうな…」

    格闘家
    └ケンイチロウ

    ?「慌てていても仕方がありません、まずはどこかで落ち着くこととしましょう」

    元・十神家執事
    └アロシャイス・ペニーワース

    ?「にゃー」

    安広家ペット
    └グランボアシェリ・ルーデンベルク

    ?「はぁ…なんでこんなことに…」

    国民的アイドルグループのメンバー
    └羽山 あやか

    ?「本当だよな…監禁されるし、解放されたと思ったらこんなとこでよ…」

    暮威慈畏大亜紋土親衛隊長
    └雪丸 竹道

    ?「まずは…えっと…ごめん…」

    避難民の男性
    └不二咲 太市

    ?「(絶命)」

    とある文学少女の友虫(故)
    └カメ子

    花音「まったく…頼りない奴らばっかだね…」

    元野球部マネージャー
    └仲島 花音

    こまる「…そんなこと……」

    普通の少女
    └苗木 こまる

    高秋「とにかく、俺はお前らと協力する気はない。息子の為にも早くまた働かねばならんのだ…」ツカツカ

    浩子「おい、待ちなよ!」

    竹道「…ちっ、サツってのは苦手だ」

    こんな、まとまりのない人たち…

    やっぱり、殺し合うしか…ないの…?
  8. 8 : : 2016/08/12(金) 01:22:51
    ホテル、食堂―


    竹道「…チッ、ウェイトレスから何からがこの…なんだ?」

    浩子「モノクマ」

    竹道「モノクマってのが不気味だ…」

    ペニーワース「しかしこの料理…」クンクン

    ペニーワース「毒は入っていないようです。誰が調理したのかが気になるところです」

    富士子「匂いだけでわかるの…?」

    ペニーワース「わかりますよ。お坊ちゃまの料理の毒見を何年もしてきましたから、なにか異常があるとすぐにわかります」

    不比等「素晴らしい才能だ…「アイツ」が欲しがりそうな才能だ」

    不比等「いや君は…現役高校生ではなかったね」

    こまる「才能…現役高校生…?それって…!」

    不比等「左様。希望ヶ峰学園だ」

    花音「で、「アイツ」ってなんなの?」

    不比等「希望ヶ峰学園の学園長だよ。少しだけ関わったことがあってね…さ、身の上話はこの辺にして晩餐をいただくとしよう」

    悠太「うまいぞこれ!」ガツガツ

    あやか「いただきますくらい言いなって……」

    こまる「ん?……ん!?」

    あやか「な、何…」
  9. 9 : : 2016/08/12(金) 01:40:00
    こまる「あの、もしかして…鉄の守護神の…」

    こまる「カスじゃないです、アヤカスです!の…」

    あやか「そうだけど…今となっては何の意味も…」

    こまる「うわー!感激だよー!やったー!ファンなんです!握手、握手してもらっていいですか?」

    あやか「こんな状況なのに…?」

    こまる「あたりまえじゃないですか!サヤカーとして、グループのメンバーも等しく愛すのは当然!義務!使命です!」

    あやか「そ、そう…」

    浩子「喋ってないでさっさと座って食べな」

    こまる「は、はい!」

    あやか(ファン、か…久しぶりだな、こういうの)

    竹道「しっかし…なんだって窓に鉄板なんざ打ち付けられてるんだ?」

    不比等「外が見えないように…だろうな」

    ペニーワース「こんな空間で換気もできないとは…監禁されてた部屋の方がまだマシです」

    太市「一応、換気扇はありますけど…そういう問題じゃありませんね」

    こまる「あ、あの!一緒に写メ…」

    あやか「携帯なんて持ってるの?」

    こまる「あ、あ…そういえば…」

    花音「諦めて夕飯食べ始めなって。カスは逃げないよ」

    あやか「カスじゃないです、アヤカスです!」

    こまる「うわあ……!!」

    こまる「うわあ………!!!」

    こまる「うわあ…………!!!!」

    花音「うっさい」
  10. 10 : : 2016/08/12(金) 23:44:43
    ホテル、1階―

    高秋「仲良くしたところで…情でも沸いたら殺せないじゃないか…」

    高秋「俺は絶対にこの街を出る…」


    ???―

    黒幕「黒幕ごっこ楽しいよな!」

    黒幕「そうですね!ジュンコお姉ちゃんの命令通りとはいえ少し不安ですけど」

    黒幕「……あの人の命令に、何の不安があるの?」

    黒幕「え…?」

    黒幕「あの人の…絶対的な絶望に…何を不安に思うことがあるの…?」

    黒幕「モ、モナカちゃん抑えて…」

    モナカ「…なぁに?新月くんもジュンコお姉ちゃんの計画に何か不安なことでもあるの?」

    超小学生級の学活の時間【魔法使い】
    └塔和 モナカ

    新月「そ、そうじゃない…けど…」

    超小学生級の社会の時間【賢者】
    └新月 渚

    モナカ「だったら問題ないよね…?蛇太郎くんも、大門くんも…不安なんかないよね…?」

    大門「不安なんかないぞ!何せ、オレっちがリーダーなんだからな!」

    超小学生級の体育の時間【勇者】
    └大門 大

    蛇太郎「もちろん、不安なんか…ないよ…」

    超小学生級の図工の時間【僧侶】
    └煙 蛇太郎

    モナカ「言子ちゃん…どうなの…?」

    言子「う…えーと…」

    超小学生級の学芸会の時間【戦士】
    └空木 言子

    モナカ「不安なんだね…それでも今は言わないでいようとしてる…本当に言子ちゃんは「やさしい」ね」

    言子「!」

    言子「…や、やだ…やさしく…しないで…」ブルブル

    新月「モナカちゃん、言子のトラウマを抉るのは…」

    モナカ「どうしてー?モナカは言子ちゃんにー、やさしいって言っただけだよー?」

    大門「そうだゾ!」

    新月「……」

    新月「ところでモナカちゃん、この街の「掃除」は本当に明日の朝までに終わるの?」

    モナカ「ん?「お掃除」はとっくに終わってるよ?今は…コロシアイの舞台を作ってもらってるところなんだー!」

    新月「そ、そうなんだ…」

    言子「いや、やだ……おねがい…やめて…」ガタガタ

    言子「大きすぎるものは…嫌いです…」ガクガク

    蛇太郎「ねえ、大丈夫…?」

    言子「やめて…やめて…」ガクブル

    蛇太郎「いつもみたいに嫌ってくれないんだね…」

    モナカ「さてと、モノクマちゃんたちに任せて、モナカはもう寝ようかなー」

    新月「おやすみ、モナカちゃん」

    大門「寝坊するなよ!」

    モナカ「むうー、わかってるよ」
  11. 11 : : 2016/08/15(月) 21:22:29
    こまる「それであの!オリコン1位の「アイドルだってアビリティ」あるじゃないですか!あれをお兄ちゃんが買ってきてて、わたしそれを聞いてファンになったんです!」

    あやか「そうなんだ…ありがとう…」

    花音「さすがに何時間も話されて…ふああ…疲れ果ててるみたいだけど?」

    ペニーワース「お嬢さま方、談笑はここまでにして、そろそろ食堂の封鎖作業を致しましょう」

    あやか「封鎖…?」

    ペニーワース「お忘れですか?今日誰かを殺したことがわかったらモノクマとやらに食われると言っていたでしょう」

    不比等「日をまたいだ瞬間、元警官が拳銃で殺してくる可能性があると…だからここを封鎖して安全地帯を作る…」

    こまる「なるほど!」

    竹道「それなら安全だな」

    不比等「しかし、この中に「誰かを殺したい」人がいた場合は…「密室」を作ることになるだけだぞ」

    浩子「なるほど、外敵からは身を守れるけど、内部からはやりたい放題ってわけだ」

    太市「ここにいない人は…あの人だけですし、裏切り者がいてもおかしくは…いや、誰かを殺す人なんて…」

    悠太「いるわけないだろ!人を殺す…人としてやっちゃいけないことだ!」

    不比等「だが、人の命は軽いぞ…今手に持っているこのナイフで君の心臓をひと突きしたら…君は死ぬ」

    悠太「うっ…」

    ペニーワース「一般人を脅すのはおやめください」

    不比等「脅しているわけじゃないさ。ちょっとしたことで人は死ぬ。つまり、今は「本の出来心」で殺人が起きてもおかしくない状況にあるということを言いたかっただけだ」

    ペニーワース「それには一理ありますが…おっと、そろそろ0時です。どうしますか?」

    ケンイチロウ「…心配ならば封鎖などするな。俺が一晩中入口で見張ろう」

    富士子「ひ、一晩中!?それはつらいのでは?」

    ケンイチロウ「この程度…なんてことはない」

    竹道「だったらオレもだ…徹夜は慣れてる。紋土さんたちと暴走(はし)ってたからな…」

    富士子「だ、だったら拙者も…原稿に追われてる時は三徹とか当たり前ですし…」

    富士子(イケメン2人が夜中に2人きりなんて…なんて唆るシチュ!!あぁ…描きたい…)

    不比等「…まぁ、これだけ見張りがいれば大丈夫だろう」

    ペニーワース「では皆様、念のため、電気はつけたままでお眠りください」

    花音「ちょっと待ってよ!布団は…?」

    竹道「そこにソファーがひとつあるだろ…」

    こまる「…!」

    「「「最初はグーッ!」」」

    「「「じゃんけんぽいッ!!」」」

    浩子「すまないね…んじゃ、ソファーで寝かせてもらうよ」

    花音「あー…最悪…しかも床きったねー…」

    こまる「やっぱ監禁されたままの方がマシだったかも…」
  12. 12 : : 2016/08/16(火) 12:40:29
    2日目、00:05分―

    グラン「ニ…ァア…」

    高秋「すまんな…人でなければ情など湧くことはない…」

    グラン「……」

    高秋「おい、参加者を殺したぞ…黒幕」

    しかし、黒幕からの返事はなかった…

    高秋「…おい、どういうことだ」

    高秋(クソ…殺せば出られるんじゃなかったのか…?)

    高秋(黒幕…返事しろ…)

    高秋「ん?そういえば…もう日をまたいだわけだ。つまり…」

    ガチャッ

    朝、食堂―

    こまる「う、うーん…ふあぁ」

    花音「あ、起きた?おはよ」

    こまる「おはよう…」

    ペニーワース「これで全員が目を覚ましましたな。では、夜のことを報告願えますかな?」

    ケンイチロウ「……食堂に近づいて来る者はいなかった」

    富士子「食堂からトイレに行った人ならいましたぞ」

    悠太「ん?誰だそれ」

    あやか「……私だけど」

    こまる「えぇっ!?アイドルってトイレに行くの!?」

    花音「無視して続けて」

    富士子「トイレの付き添いもしたし…誰も殺しちゃいないことは拙者、確認済み!」

    竹道「本当、なんにもなかったぜ…」

    ペニーワース「それはよかったです」

    不比等「…しらじらしい、君も起きていただろう」

    ペニーワース「さて、どうですかな」

    キーン、コーン…カーン、コーン…

    浩子「…黒幕さんか」

    黒幕「みんなおっはよー!元気?」

    黒幕「えっとねー、まず…死体が発見されましたー!」

    太市「えっ…」

    黒幕「ひとつは、グランボアシェリなんとかさんで、もうひとつは石丸高秋さんでーす!」

    こまる「え…おかしくない…?だって、え…?2人…?」

    黒幕「あーあ、なんで外に出ちゃったのかなー…」

    黒幕「石丸高秋さんに関しては答えを教えてあげるのじゃー!なんと外に出ていったんだよねー!出ちゃダメって言ったのに…」

    黒幕「もう!モノクマちゃんたちが捕食モードのままだからオシオキできないじゃん!」プンプン

    不比等「つまり彼は…昨日のうちに外に出てしまったのか?」

    黒幕「違うよー?一応は今日だけど…私さまたちは子供なんだよー?日が変わる前に寝ちゃうのは当然だよねー?」

    黒幕「モノクマちゃんたちのモードを切り替えて、オマエラが外に出ても大丈夫なようにするのは、私さまたちが起きてから…つまり、今なのじゃー!」ポチッ

    こまる「そんなこと、言ってなかったのに…」

    黒幕「子供だから間違いの一つや二つ許してよ、ね?」

    太市「仕様を把握出来ていなかっただけ…そう言いたいのか…」

    黒幕「それで、本題なんだけどね!誰かが死ぬ度に…学級…うーん、違うな…絶望裁判を行うんだけど…」

    あやか「絶望裁判…?」

    黒幕「学級裁判みたいなもんだよー…ってそっか、あの放送見れてないのか…」

    ペニーワース「何の話ですかな」

    黒幕「えっと、誰かが殺されたらその犯人を当てる!犯人を当てられたら犯人がオシオキ!当てられなかったら犯人は脱出!どう?やさしいでしょ?当てられなかったらほかの人が全滅!なんてことはないんだよ!」

    花音「それって…犯人当てなければそいつだけ逃げられるってわけ?」

    黒幕「そうそう!でも殺すなら早くした方がいいよー?外に出られるのはー……そこは内緒!」

    竹道「人数制限があるってのか!?」

    黒幕「さて、それでは…一定の捜査時間の後、絶望裁判を開きまーす!今回グランボアシェリなんとかさんを殺した犯人…わかりきってるよね!でもちゃんと証拠を集めないとダメだよ!でも、それでも簡単だよねー!」

    殺した人を…当てる…?

    もしかしたらこの中に…犯人がいる可能性も…?

    こんなの…こんなの…
  13. 13 : : 2016/08/16(火) 14:52:04
    黒幕「さてと…ドアからモノクマキッズちゃんたちが入ってきて…ある物を渡してくれまーす!」

    黒幕「…そろそろ変わる?私さまもあきてきたところだからさー」

    花音「黒幕…何人いんだよ…」

    不比等「5人…でしょう」

    ペニーワース「声を変えただけの同一人物…の線はないですね。最初に言い争いしているのを聞きました」

    黒幕「お前達の元に、あるファイルが届くはずだ」

    ガチャッ

    モノクマキッズ「クスクス…」

    浩子「ん?ファイル…?」

    黒幕「ザ・モナカマファイルー!」

    黒幕「モノクマだろ…今は僕の番だ」

    黒幕「はーい」

    黒幕「…そのファイルは、とあるものの模倣だ。まぁ…死因とか、そんなのが書いてある。モノクマファイルについてはダンガンロンパ参照だ」

    こまる「ファイル…何が書いてあるの…?」

    モノクマファイル1!
    死亡者はグランボアシェリ・ルーデンベルク。
    死因は首を絞められたことである。
    簡単すぎるよね。ここまで書けばわかるよね?

    こまる「…首を…」

    黒幕「このホテルの外…正面に裁判場を作った。そこで議論して論破して犯人を当てろ」

    黒幕「今回の殺人にトリックもクソもない。ま、チュートリアルだな」

    花音「チュートリアル…殺人が起こったってのに…?」

    竹道「人の命をなんだと思ってやがる!」

    ペニーワース「ふむ…絶望とはそういうものですから…起きてしまったものは仕方ありません。まずは議論をしにいくとしましょう」

    こまる「………」
  14. 14 : : 2016/08/17(水) 00:24:10
    裁判場とやらに行こうと一階に降りるとグランボアシェリ・ルーデンベルクの死体が転がっていた

    太市「ほ、本当に殺されてる…」

    不比等「…ふむ、絞殺だな…腕か何かで絞められたようだ」

    ペニーワース「犯人は…まぁ、裁判場に着いてからでいいですな」

    悠太「正面に裁判場があるんだよな…」ガゴンッ

    悠太「…!?」

    外へ繋がる扉を開けると、眼前には…

    大量の死体、モノクマ、モノクマの被り物をした子供たち…

    竹道「なんだ、こりゃ…」

    浩子「…ひどいもんだね」

    黒幕「私さまっちたちが魔物を狩って、コドモの楽園にしてやったんだーい!」

    ケンイチロウ「放送…ホテル内だけではなかったのか」

    黒幕「あったりまえだーい!言っただろ?この街で殺しあえって!街中、放送の声が届くし、オマエラが見えてるんだーい!すげーだろ!」

    花音「プライバシーもあったもんじゃないね…」

    黒幕「クスクス、私さまは剥いてあるクリが好きなのですが…おねーさんは剥いてあるクリでしょうか?それとも剥いてないクリ…でしょうか?」

    黒幕「もちろん、比喩的な表現ですよ!」

    富士子「完全に下ネタじゃないですか…」

    太市「とにかく行きましょう。あれが裁判場みたいです…」

    こまる「あれ、が…?」

    確かに「絶望裁判場」と書いてある看板が見えるが…

    よく見る法廷ではなく、なぜか机が輪になるように置かれていて…どちらかと言うと会議室かなにかのように見えた。

    こまる「……」

    不比等「心配するな。犯人はわかっている…しかも、今回生還するものはいない」

    こまる「それって…」

    黒幕「そういう話は裁判場でしてくださーい!!」

    あやか「うるさいなぁ…さてはマイクの使い方素人…?」

    黒幕「な、なんですって!ブサイクのくせに!人気最下位のくせに!」

    あやか「えっ、あんな小声でも聞こえてるの…」

    黒幕「人気子役を舐めんなよ!元・超小学生級の…「おい!」ブツン

    不比等「…付属校の子供か」

    こまる「付属校…?」

    不比等「希望ヶ峰学園付属小学校…そこで才能の秀でた者は「超小学生級の〇〇の時間」と呼ばれる」

    悠太「小学生…?小学生がオレらを、こんな目に…?」

    ペニーワース「世も末です。さて、いい加減裁判場で結論を出すとしましょう」

    ぞろぞろと歩いていく。その途中で、何人もの死体を見た。

    その死体で遊ぶ子供を見た。

    死体を食べるモノクマも見た。

    怖い。

    怖い。

    怖い。

    怖い!

    こまる「お兄ちゃん……わたし、こんなの……」

    黒幕「ここで苗木こまるさんに残念なお知らせでーす!」

    こまる「え…?」

    黒幕「あなたのお兄ちゃん、苗木誠さんは…すでに亡くなってまーす!」

    こまる「……」

    何を言っているのか、理解するのに少し時間がかかった。

    こまる「……ぇ」

    花音「っ…!」

    黒幕「ねーねー、誰に殺されたと思うー?どんな状況だったと思うー?」

    こまる「……」

    花音「…ほら、行くよ。あんなのデタラメだって」グイグイ

    こまる「う、ん…」

    そう…お兄ちゃんが死んでるはずがない…

    だってお兄ちゃんは

    超高校級の幸運なんだもん…

    きっと、わたしを動揺させるためにあんなことを言ったんだ…

    絶対、絶対に帰るからね、お兄ちゃん…!

    お父さん、お母さんも…待ってて!
  15. 15 : : 2016/08/17(水) 20:21:54
    絶望裁判場―

    花音に手を引っ張られてこまるが来た頃には、なんとなく皆それぞれに位置取っていた。

    モノクマ「さて、みんな座ったかなー?って、椅子なんかないか…うっかり!」

    竹道「クマが…喋ってる…?」

    浩子「よく聞きな。あの黒幕の声だよ」

    モノクマ「やっぱ裁判にはモノクマちゃんがいないとね!」

    モノクマ「それでは…絶望裁判…開廷!」

    不比等「犯人は石丸高秋…それ以外には考えられないな」

    そう言うと霧切不比等は、トイレに行った2人の戻ってきた時間から犯行は不可能とし、またほかの2人も特に怪しい動きをしていなかったことを話した。

    竹道「起きてたのか…」

    不比等「えぇ」

    ペニーワース「では、これでよろしいですかな?外したとしてもペナルティはありませんし」

    モノクマ「はーいせいかーい」

    悠太「あ、あっさりだな…」

    モノクマ「だーっ、てー、つー、まー、んー、なー、いー、もー、んー!」

    モノクマ「今回は凝ったしかけもアリバイ工作もないんだもん…退屈なんだよ」

    モノクマ「あ!でも形式には則らないとね!お手元のスイッチで、投票してくださーい!」

    ケンイチロウ「犯人は石丸高秋だと決まってしまっているな…」

    浩子「なんつーか、適当だねぇ…」
  16. 16 : : 2016/08/17(水) 21:53:05
    モノクマ「ピンポーン!大正解!犯人は石丸高秋さんでーす!」

    花音「二回やる必要あった?」

    モノクマ「やりたかったのー!」

    富士子「あのー…ところで、犯人をお仕置きと言ってましたが…」

    モノクマ「犯人もういないもんねー…うーん…あ!そうだ!じゃーあー…他の人にオシオキしようかな!」

    ペニーワース「…そんなことだろうと思いましたよ」

    モノクマ「いや?思ってることと違うと思うよ?別に殺しはしないからさー」

    モノクマキッズ「…」トコトコ

    こまる「も、モニター?」

    モノクマ「ある映像を見てもらう…それがオシオキ!」

    モノクマ「特に…羽山あやかさんはしっかり見てね?見なかった人は…殺しちゃうよ…?こんなことで死にたくないよね…?」

    あやか「な、なにがあるって言うの…」

    モノクマ「えー?ただのー、引退ライブだよー?」

    竹道「ライブだぁ…?」
  17. 17 : : 2016/08/17(水) 22:25:08
    モニターの電源が付き、ある映像が映し出される。

    映像のモノクマ『さぁ、用意致しますはトラバサミ・ステージ!不合格なら即ガッチャン!超高校級のアイドル!舞園さやかさんは無事、合格できるのでしょうか!』

    あやか「さやか…!」

    映像内のモノクマの口上が終わると、テロップが映し出された


       ☆舞園さやかinファイナルステージ★


    舞園『きっと……』 ♬︎*.:*


    あやか「ネガイゴトアンサンブル…?」

    こんな現実の中でも、その曲を聞くとアイドル時代を思い出す。

    皆で苦しい練習をしたこと。

    コンサートで喝采に包まれたこと。

    そして…解散せざるを得ない状況になったこと。

    そう、人類史上最大最悪の絶望的事件のせいで…

    あんな事件さえなければ…


    映像のモノクマ『おっと!手が滑ったー!』


    ガシャアァーーーン!!!


    ガヂャン!!!

    あやか「!?」

    映像内の舞園さやかが、真っ二つになっている。

    なんで…?疑問しか浮かばないが、あやかたちはこの光景を見せつけられたのだ。

    舞園『飛......んで... ゆきた............』
                        
    映像のモノクマ『不合格!舞園さやかさん、失格ー!』

    一人のアイドルが、死ぬ瞬間を…

    殺される瞬間を…

    こまる「や、いや…」

    あやか「……」

    モノクマ「どうー?きつかったー?オシオキ成功だねー!」

    ペニーワース「悪趣味ですな。彼女の才能、超高校級のアイドルを愚弄しています」

    悠太「な、何の罪もないアイドルが…」

    モノクマ「何の罪もない…?それは違うよ?舞園さやかさんはー、苗木誠さん…そこの苗木こまるさんのお兄ちゃんを殺して、それがばれて、オシオキされたにすぎないんだよ」

    こまる「…!!」

    モノクマ「なんだったら苗木誠さんの死んだ所でも見るー?」

    こまる「や、やめてええぇッ!!!」

    こまる「嘘…こんなの嘘…」

    こまる「嫌あああああ!!!!」ダッ!

    花音「あ、待てって!」タッタッ…

    モノクマ「たはー、追いかけっこだー!青春だねー!私さまも混ざりたバキャァッ!!!

    ケンイチロウ「……命を粗末に扱うばかりか、生きている人間に絶望を与えるなど…」

    ケンイチロウ「今を精一杯生きている人間の冒涜だ……!!」

    拳でモノクマを破壊するケンイチロウも凄まじいが、突っ込むような気力は誰も…いや、不比等とペニーワースは落ち着いていたが…

    誰も、何も言えなかった。

    黒幕「あーあー、放送でごめんね。まーようするに、むこうでもあなたたちが超高校級に大事に思ってる人たちがコロシアイをさせられているの」

    黒幕「早く外に出て…助けに行きたくない?この街から出られれば…助けに行けるんだよ?」

    不比等「…耳を貸すんじゃない」

    ペニーワース「そのようなうまい話があろうはずがございません」

    悠太「ど、どうしよう…どうすればいいんだ…」

    黒幕「ま、せっかく外に出たんだし、探索でもしたら?もしかしたら…私さまたちを倒せる武器とか…私さまたちの潜伏先とかもわかるかもよ?」

    竹道「そうだ…そうだ!武器でも見つけて、黒幕をぶっ叩く!」

    太市「ち、力を合わせて…が、頑張りましょう!」

    あやか「…………………………………………………………」

    浩子「あやかちゃん、大丈夫?」

    あやか「…………………………………………………………」

    浩子「あー…皆は先にどこか行ってて。ちょっとこの子の付き添いするからさ」

    ケンイチロウ「止むを得まい…」

    富士子「では、探索開始ですな……」

    昨日まで会話をしていた人が死に、有名人が死に、コロシアイを命じられ…

    ホテルの外に出ても、悲惨で壮絶な光景が広がるばかりで、皆の気分は最悪だった…










    こまる「うっ…ひぐぅっ…えっ…ぐぅ…っ…」タッタッタッ…

    花音「待てって!ねぇ待…待てよ!」タッタッタッ…
  18. 18 : : 2016/08/17(水) 22:48:51
    花音「待てって!」ガシッ

    こまる「!…うぅ…」

    花音「……」

    花音(マジでちょべりばなんだけど…つーかコロシアイって…おまるはヒス未遂って感じだし…)

    花音(つーかこれ絶望的じゃね?なーんて軽口、口から出せるような気分じゃないんだよね…はぁーあ)

    花音「ほら」ギュッ

    こまる「うぐっ…ひぐ…」

    花音「抱きしめといてやるから。顔見ないでやるから。泣くなら泣きな」

    こまる「う…ううう……おに、おに…お兄ちゃあああああん!!!!!」

    こまる「うわあああああああん!!!」

    花音「お兄ちゃん…か…」

    こまる「う、うぅ…うえええええん……」

    花音(そういえば、怜恩お兄ちゃんもコロシアイに参加させられてるのかな…いや、お兄ちゃんの意味合いがおまるとは違うか…)

    花音(だったら…さっさとこいつを殺して…)

    花音(ダメだよねー…お兄ちゃんを亡くして悲しんでる子を殺すなんてできないし…そもそも誰かを殺すとかマジ無理だし…)

    こまる「うええ…っひ…えぐっ…お兄ちゃん…やだ…お兄…ちゃっ…ん…!やだ…やだあ…」

    花音「よしよし…」ナデナデ

    花音(まず、おまるをなんとかしないとなぁ…)

    花音(舞園さやかが殺されるのを見て、苗木…誠?のことを真実だと認識してしまったみたいだし…)

    花音(実際、まだわからないけど…多分、亡くなってるんだろうな…)
  19. 19 : : 2016/08/18(木) 22:41:49
    ???―

    モナカ「裁判終わったねー」

    蛇太郎「そ、そうだね…」

    新月「…ん、通信が入ってるな」

    言子「はいはーい!出ま〜す!」ガチャッ

    ?『もしもーし。元気にやってる?』

    言子「お姉ちゃん!元気にやってますよ!」

    ?『オッケオッケ。とりあえずこれからも誰か死んだら報告よろしくねーん』

    言子「わかりました!」

    大門「オレっちにも話させてくれよ!」

    ?『大くんも頑張ってねー…勇者サマっ』

    大門「もちろんだぜ!」

    ?『んじゃ、またねー。バーイ』ガチャッ

    新月「結局話せてはいないな」

    大門「頑張ってって言ってくれた…!」

    新月「満足してるならいいさ」

    モナカ「ジュンコお姉ちゃん、やさしいなー」

    言子「!」

    モナカ「あっ、ごめーん」

    モナカ(めんどくさいなぁ…)
  20. 20 : : 2016/08/19(金) 18:09:10
    こまる「……」

    花音「落ち着いた?」

    こまる「…」

    花音「大丈夫だって。私もついてるし、ね?」

    こまる「うん…」

    花音「皆と合流するよ!ほら!立って!」グイーッ

    こまる「…」

    花音「立ってって!」グイーッ

    こまる「…」

    花音「…それ!パイタッチ!」ムニ

    こまる「……」

    花音「無反応かよ…」


    絶望裁判場前―

    浩子「大丈夫かい?」

    あやか「なんとか…」

    浩子「しっかし黒幕も悪趣味だねー…あんな映像を作って流すなんて…」

    あやか「あれはきっと…本物の舞園さやかだったと思います。ずっと一緒にいたから…わかるんです」

    浩子「……そうかい」

    あやか「…それより、ここの探索ですよね…すみません立ち止まって」

    浩子「別にいいんだよ…だいたい今行ったって男ばかりじゃないか」

    あやか「そうですね…」

    浩子(大したもんだね、この子は…さすがはアイドル…なのかねえ。切り替えが出来てるよ)

    浩子(大事な人がコロシアイ…まさかね…でもあの子はきっと死なない!母ちゃんはそう信じてるぞ)
  21. 21 : : 2016/08/21(日) 13:00:09
    悠太「なぁ、ここってなんなんだ?」

    不比等「恐らく…塔和シティーだろう」

    竹道「塔和…?」

    不比等「塔和グループは知っているかね?」

    富士子「えーと…なんかで聞いたような…聞かないような…」

    太市「空気清浄機で有名な会社…でしたっけ」

    不比等「そう。あの事件が起きてすぐに空気清浄機が発売された…だからこそ、怪しいと睨んでいる」

    ペニーワース「ほう」

    不比等「我々があのホテルに集められた時、いや…ホテルに向かう時、街の様子はどうだったね?」

    ケンイチロウ「…普通であったな。不自然なくらいに普通の街だったな…」

    悠太「確かに変だよな…監禁される前だって、少し変な世界になってたし…どっかの学校のクラスメイトが1度に何人も死んだとか…」

    ペニーワース「絶望小説なんてものもありましたな…」

    竹道「でも、周りを見てみろよ…荒れ果ててるし…うげっ…死体もあるし…変なマスクつけたガキ共もいるぞ…おかしな世界には変わりな…ん?」

    ペニーワース「最近までは普通だった。つまり、我々がホテルにいる間にこうなったと…」

    不比等「そう、そこが不自然だ」

    富士子「なんてこと…とんでもない連中を敵に回してしまったみたいですな…」

    不比等「…決めつけてしまうのは良くない。まずは近くから探索を続けよう」

    不比等(全てを発言するほど、バカではないぞ…)

    不比等(黒幕の居場所の目処はついたが…まずは「信頼」を勝ち取らねば動けん)
  22. 22 : : 2016/08/24(水) 01:07:39
    ???―


    ?「ハハッ、江ノ島盾子…コロシアイ学園生活なんて始めたんだ…」

    ?「素晴らしいよ!超高校級の才能を持った皆が…希望に向かって戦う…」

    ?「キミは倒されるためにそんなことを始めたのかな?」

    ?「しかしラッキーだなぁ…たまたま見た放送で…ここでのコロシアイを知れたんだからさ」

    ?「江ノ島盾子だけじゃなくて…こっちの方も放送されているんだよね…」

    ?「…やぁ、今カメラが動いたって事は見てるってことだよね?」

    ?「聞いてると思って勝手に話させてもらうよ…ボクはね、君のことが誰よりも大好きで、大嫌いなんだ…」

    ?「そんなキミの企みの一つである「この」コロシアイに…協力してあげたくなってね…ってのは嘘だけどさ」

    ?「結局ボクは希望が輝くのを見たいだけなんだよ!キミは希望は予定調和だなんて言うけど…そんなことはない。絶望なんて…運命を諦めてるだけなんだよ」

    ?「希望が予定調和なのは、こうなりたいという結果に向かって進むからなんだ!そう、希望は前に進むんだよ!」

    ?「ダメな人間はどれだけ努力したって希望通りにはならない…だからそんな人たちは希望にはなれないんだ」

    ?「…おっと、もう聞いてないか。カメラがボクを追いかけなくなって、定点カメラに戻ってる」

    ?「ていうか…見てたのって本当に江ノ島盾子?こっちの黒幕さんじゃない?ま…ボクは幸運だからね、きっと江ノ島盾子の方だよ」

    ?「さて、と…こっちの黒幕さんはどこにいるのかな?」
  23. 23 : : 2016/08/24(水) 23:50:25
    こまる「くすっ…ぐすん…」

    花音「ほら、しっかりしてよこまる…皆と合流しなきゃ」

    こまる「う、うぅ…お兄ちゃん…」

    花音「今はこの場にいないお兄ちゃんじゃなくて、少しは…目の前の人間を頼りなさいよ!」

    こまる「え…」

    花音「確かに私は世間が言うギャルで、貞操大事にしてなさそうな軽いやつに見えるかもだけど…それでも、アンタを見殺しにするような事はしない」

    花音「一緒に頑張ろう、ね?」

    こまる「…う、うん!…うん!!」

    花音「よろしい!んじゃ行くよー。皆を探してさっさとごーりゅー。いい?」

    こまる「はいっ!花音ちゃん!」ビシッ

    花音(単純すぎ…ま、その方が信用できていいか)
  24. 24 : : 2016/08/28(日) 13:12:25
    ???―

    モナカ「さっきの白い髪のおにーさん、誰…?」

    言子「知ら…ないです…」

    新月「大人の生き残りか?でも、あんなやつ…」

    蛇太郎「それよりも…ジュンコお姉ちゃんの名前を言ってたり、殺し合いに協力とか言ってたよね…」

    大門「協力!?だったら勇者のオレっちが仲間に加えてやるぜ!仲間になりたそうな目でこちらを見てたもんな!」

    モナカ「レベル上限25とかじゃないといいねー」

    言子「な、仲間って…大丈夫なんですか?」

    モナカ「何がー?」

    言子「もし、敵だったら…」

    モナカ「その時はその時だよ…あはっ、楽しみだなー…協力者かー」
  25. 25 : : 2016/08/28(日) 13:30:56
    期待しています
  26. 26 : : 2016/09/22(木) 15:47:01
    未来機関―

    ?「希望ヶ峰学園に突入しようとした黄桜くんから連絡があった…彼女は死んでしまったらしい…」

    ?「あの、体育の先生…ですか…」

    ?「雪染、悲しんでる場合ではない…希望ヶ峰学園への突入が無理ならば、どこかで行われている別のコロシアイとやらを止めるべきだ」

    雪染「でも、宗方…いや京助…」

    宗方「逆蔵、お前はどう思う?」

    逆蔵「…オレは賛成だ。こんなとこで映像見てるより、別んとこでモノクマぶっ潰してぇ…」

    ?「ならば、私も行かねばなりませんね」

    ?「おお、ゴズくん…来てくれたのか」

    ゴズ「塔和で行われてるアレを止めるために…そろそろ動き始めるだろうと思ったんですよ」

    宗方「塔和…だと?」

    ?「塔和製のものに溢れ…さらにあのホテル…見覚えがありまちゅよ」

    ?「月光ヶ原君…」

    月光ヶ原「それに、塔和グループにはきな臭い噂が流れていまちゅ。あの空気清浄機を開発したのも、世界に絶望をばらまいたのも…同じ塔和グループだってね!」

    宗方「確かにそうだな…天願会長、希望ヶ峰学園に向かう隊とは別に、塔和へ向かう別働隊を派遣した方がよろしいかと」

    天願「そうかもしれんのぉ…だが、大人数で行くと向こうの黒幕とやらに勘づかれる可能性があるぞ」

    逆蔵「ならオレとゴズ、それからうちの奴何人かで行く。それでどうだ」

    天願「うむ、いいだろう」

    宗方「逆蔵、いいのか?」

    逆蔵「あぁ。ここで何も出来ずに見てるよりずっといい…」

    宗方「頼んだぞ…もし塔和でなければ、すぐに連絡して戻ってこい。いいな?」

    逆蔵「わかってる」

    雪染「でも、確証も持てないのに行って大丈夫なの…?」

    月光ヶ原「あちしを馬鹿にしないでくだちゃい。あのホテルは間違いなく塔和シティーにあったホテルでちゅ!」

    雪染「そう、なら…いいけど…」

    宗方「月光ヶ原。いい加減に直接話をしたらどうだ…いつまでそのウサギを介して話すつもりだ」

    月光ヶ原「嫌でちゅ。あちしはあちしでちゅよ」

    逆蔵「まぁいいだろ。行くぞ」
  27. 27 : : 2016/09/28(水) 19:07:16
    ???―

    ?「…ん?」

    大門「お前、誰だ?」

    ?「…キミこそ、誰?そんな物騒な機械に乗って…危ないよ?キミはまだ子供でしょ」

    大門「なっ…ば、バカにするない!オレっちは希望の戦士のリーダー!大門大様なんだゾ!」

    ?「…希望?希望の戦士だって?」

    大門「そうだ!オレっちたちはモナカちゃんと一緒に…ジュンコお姉ちゃんの役に立って、そして…いつか…コドモの国を…楽園を作るんだーい!」

    ?「ジュンコお姉ちゃん…ねぇ…」

    大門「なんだよ!知ってるのか?」

    ?「よーく知ってるよ…大好きで…大嫌いな彼女を……とりあえず、彼女の存在を口に出した時点で、キミの立ち位置がわかったよ」

    大門「存在…が…なんだ?難しいことはわかんねえんだよ!」

    ?「わからなくていいよ。キミは子供なんだから。あんなことも理解出来ない子供ごときが、このコロシアイの首謀者なわけがないよ」

    大門「な、な、なな…なめるな!行け!勇者ロボマークガイバー!」ヴィーーーーン!!!

    ?「おっと…怒らせちゃったかな…」
  28. 28 : : 2016/11/27(日) 01:28:51
    数分後―

    大門「あ、あれ…どうして急に動かなく…?」グイグイ

    ?「故障かな?アハハ。ツイてないね…」

    大門「クッ!クソ…!」

    ?「さて、そのロボが動かなくなったところで…話をしようか」

    大門「話…?」

    ?「結論から言うとね、ボクはキミ達に協力したいんだよ」

    大門「そんな事言われても…オレっちは信じねーぞ!さっきオレっちをバカにしやがっただろ!」

    ?「あぁ、あれはね…キミにそのロボットを使わせたかったから言ったんだ。あれが動くとなると落ち着いて話もできないからね」

    大門「…?」

    ?「難しかった?ボクはね、そのロボを壊させたかったんだよ」

    大門「…???」

    ?「ボクの思った通りに…なっただけなんだ」

    大門「嘘だ…そんなはずないだろ!たまたま上手くいったからってかっこつけんなよ!」

    ?「そう。たまたま…思い通りになったんだ」

    大門「あー!イライラする!目的はなんだよ!」

    ?「ごめんごめん、悪気はないんだよ。昔からそうなんだ。ボクの思った通りに何でも進んでね…ま、代償は大きいけど…」

    ?「七海さんの死という「不運」の代償はかなりのものだね…ここんとこ「不運」なしで「幸運」続きなんだ」

    大門「何の話をしているんだよ!」

    ?「さ、本題に入ろうか」

    大門「お前オレっちの話聞いてないな!?」
  29. 29 : : 2016/11/27(日) 02:18:52
    エロスープが急に止まったからどうしたのかと思ってたけど生きとったんか

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超高校級の美少女と絶望少女 シリーズ

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