ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アニ「ゴジラVSキングギドラ」 ゴジラ×進撃の巨人

    • Good
    • 13

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2016/07/28(木) 20:31:49
    進撃の巨人とゴジラのコラボ作品の第二弾は、1991年公開の「ゴジラVSキングギドラ」を元にお送りいたしたいと思います。


    ゴジラ永遠のライバル、キングギドラの登場です(∩´∀`)∩



    よろしくお願いします<m(__)m>
  2. 2 : : 2016/07/28(木) 20:32:58
    ゴジラシリーズということにしたら?

    期待です。
  3. 3 : : 2016/07/28(木) 20:34:36
    シリーズでお送りしていきます(∩´∀`)∩

    全部で四作品とコラボする予定です(''◇'')ゞ
  4. 4 : : 2016/07/28(木) 20:38:34














    2204年
    ユトピア海







    ユトピアの極寒の海、暗い暗い深海の底を、一艘の小型潜水艇が光を差しながら進んでいく。

    ゆっくりと探るように、静かに、スクリューを回して船は進んでいく。









    「お前の言うとおりだったな・・・・・・こんな海底に、巨大な二つ首の化けもんがおねんねしてたとは。」







    小型潜水艦のセンサーはやがて、海底に仮死状態で眠る巨大な生物の姿を捉えた。

    長い二つの首に、大きな両翼のついた巨竜。







    おそらくサイズは―――――――140m級はあろうか。








  5. 5 : : 2016/07/28(木) 20:39:15










    潜水艦を操縦していたジークは、思わずため息を漏らす。

    すると、隣に座っていた一人の女性が、淡々と呟いた。







    「いや、あの怪獣は本来三つ首だった。」

    「ん? なんだって!?」


    「あの“ゴジラ”と戦って、真ん中の首をもぎ取られたんだ。」






    そういわれてみると、二本の首の間に、もう一本の首が入りそうなスペースがある。

    こんな見ただけでも分かる化けもんを打ち倒すようなのが・・・・・・・・・・・・。







    「おっかねぇ化けもんだ。ゴジラってのは・・・・・・・・・・・・。」






    想像しただけで、ジークは身震いがするような思いであった。

    アニは海底に沈んでいる怪獣―――――――“キングギドラ”を見つめ、静かにつぶやいた。












    「200年以上前。キングギドラは戦ったのさ。あのゴジラとね――――・・・・・・・・・・・・」












                   ゴ ジ ラ

                    V S


                キ ン グ ギ ド ラ



                     ×


                 進 撃 の 巨 人










  6. 6 : : 2016/07/28(木) 20:50:08
    期待!!
  7. 7 : : 2016/07/28(木) 20:54:53
    >>6
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  8. 8 : : 2016/07/28(木) 20:58:41
    気体です
  9. 9 : : 2016/07/28(木) 21:04:14
    期待です!
  10. 10 : : 2016/07/28(木) 21:13:56
    >>8
    >>9


    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  11. 11 : : 2016/07/28(木) 21:18:27
    期待しております
  12. 12 : : 2016/07/28(木) 21:19:32
    >>11
    ありがとうございます(∩´∀`)∩

    短時間にこんなに期待していただけてうれしいです(ノД`)・゜・。
  13. 13 : : 2016/07/28(木) 21:20:28
    夜ですけど頑張ってください!
  14. 14 : : 2016/07/28(木) 21:21:59
    >>13
    ありがとうございます(∩´∀`)∩
    頑張ります(''◇'')ゞ
  15. 15 : : 2016/07/28(木) 21:22:00
    メッチャ投稿してて尊敬してます
  16. 16 : : 2016/07/28(木) 21:26:55
    >>15
    お褒めにあずかり恐縮です(''◇'')ゞ
    頑張りたいと思います。
  17. 17 : : 2016/07/28(木) 21:29:15
    期待ですぅぅぅ!!((o(。>ω<。)o))
  18. 18 : : 2016/07/28(木) 21:31:46
    >>17
    ありがとうございます(∩´∀`)∩
  19. 19 : : 2016/07/28(木) 21:52:29
    期待!期待!
  20. 20 : : 2016/07/28(木) 21:57:27
    >>19
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  21. 21 : : 2016/07/28(木) 22:02:10










    1992年
    王都ミットラス






    すでにゴジラが倒されてから38年が過ぎ、その脅威が忘れ去られようとしていた王都ミットラスは繁栄を極めていた。

    多くの摩天楼が立ち並び、ネオンの輝く眠らない都市。



    その輝くような光の柱のはるか上空に、突如として未確認飛行物体が飛来した。








    「な、何だあれは!?」
    「UFOだッ!?」

    「UFOが飛んできたぞ!?」





    初めにUFOが目撃されたミットラスの副都心、ストヘス区は大変な騒ぎとなった。

    ストヘス区の中でもひときわ高い建物であるストヘス・ツイン・タワーの上を、謎の光が通り過ぎていく。







    「なに? あの・・・・・・光?」



    摩天楼のはるか上空を飛び去る光を、金髪の少女が一人、街の雑踏の中から見つめていた。








  22. 22 : : 2016/07/29(金) 05:32:30
    期待です!
  23. 23 : : 2016/07/29(金) 09:32:59
    期待ありがとうございます(≧∇≦)
  24. 24 : : 2016/07/29(金) 16:03:48









    突然の未確認飛行物体の飛来に、ウォール公国の政府も大混乱に陥っていた。







    ザックレー総統は急遽閣僚を招集し、対策を話し合わねばらならなかった。

    閣僚の中には軍の司令官であるエルヴィンの姿も見える。





    さて、閣議の席で、閣僚の一人が、現在の状況を総統に説明し始めた。






    「現在、例の未確認飛行物体は、巨大樹の森の傍に着陸し、沈黙しています。」

    「ふむ、そうか・・・・・・。しかし、こんなことは前代未聞だ。」






    ザックレーはあごひげをなでつけ、ほかの閣僚たちとああでもないこうでもないと議論を続けていた。

    すると、閣議室のモニターが勝手に動き出し、未確認飛行物体を映し出した。




    未確認飛行物体は、ウォール公国の軍に包囲されて不気味な沈黙を守っていた。






    「!? いったいどうなってる!?」

    「モニターがジャックされてます!!」


    「官邸の通信がジャックされただと!?」






    ほかの閣僚たちが冷静さを欠く中、軍の司令官たるエルヴィンと、総統たるザックレーは静かにモニターを見守っていた。







  25. 25 : : 2016/07/29(金) 16:06:36
    期待
  26. 26 : : 2016/07/29(金) 19:03:56
    僕が人生で初めて見たゴジラです!

    2作目頑張ってください!
  27. 27 : : 2016/07/30(土) 16:05:06
    >>25
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩

    >>26
    そうでしたか!
    私もおぼろげに、幼稚園の時に見た記憶がありますw

    頑張ります(∩´∀`)∩
  28. 28 : : 2016/07/30(土) 16:06:57








    巨大樹の森の近く、未確認飛行物体の着陸地点の周りでは、ウォール公国軍の車両と兵士たちが、未確認飛行物体を包囲していた。

    未確認飛行物体は、周りの木々と同じように、不気味な沈黙を保っている。






    「くそ、一体あのUFOは何なんだよ!?」




    現場の兵士たちの指揮を執るジャン・キルシュタイン特佐が思わず毒づく。

    すると、未確認飛行物体から光が放たれ、その先から・・・・・・・・・・・・・・・・・・三人の人間が現れた。






    『人間です! 人間がUFOの中から現れました!!』



    現地の兵士の報告をモニターしていた閣僚たちは、次から次へと起こる予想外の事態にうろたえるばかりであった。






    その三人の人間は、右が190㎝を超えるであろう黒髪の男性で、
    真ん中が少し背の低い、しかしがっちりとした体型の、金髪の男性、

    そして左が、背の低い、ほっそりとした体型をした金髪の女性であった。





    「お前たちはいったい何者だ!?」



    光の中から現れた人間たちを警戒し、ジャンは大声を上げながら銃を構えた。

    ほかの兵士たちも同じように銃を構える。





    すると、真ん中のがっちりとした男が前に出た。






    「驚かせて済まなかったな。俺はライナー・ブラウン。信じがたいかもしれないが、23世紀の世界からやってきた人間だ。」

    「!? 23世紀・・・・・・?」





    もうすでに信じられないことの連続であったが、この突然の申し出にジャンは言葉を失った。

    ライナーはジャンの反応を探るように見つめた後、言葉を継いだ。







    「23世紀の人間を代表して、ご挨拶申し上げる。差し当たって、お前たち20世紀の人間に・・・・・・・・・・・・未来からの警告がある。」







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  29. 29 : : 2016/07/30(土) 18:54:14
    期待です!

    シン・ゴジラを映画館で見て来ましたが、エヴァの曲が…(ーー;)今回は監督がエヴァの監督さん?なので仕方ないのは仕方ないんですけど…

    それはさておき、とても小説を書くのがお上手だなぁと感じました^_^頑張って下さい(^ー゜)


  30. 30 : : 2016/07/30(土) 19:06:39
    シン・ゴジラはわたくし、とても期待しています(≧∇≦)

    期待ありがとうございますm(__)m
    頑張りますo(`ω´ )o
  31. 31 : : 2016/07/31(日) 02:42:05







    未来からやってきたという人間たちとの交渉にあたったのは、ウォール公国を代表する人間たちであった。






    すなわち、ザックレー総統の代理として、軍の司令官であるエルヴィン・スミス。
    軍の特佐であるジャン・キルシュタイン。

    財界からはミットラス商事の会長であるロッド・レイス。
    彼の秘書であるマルコ・ボット。



    彼らに交じり、異彩を放っていたのは、一人の金髪の少女であった。






    「私は、クリスタ・レンズ・・・・・・・・・・・・国立超科学センターに所属する“座標”の一人です。」





    クリスタは、世にいう超能力をもった少女であり、国立の研究機関の被検体でもあった。


    今回の未知の人類との遭遇という状況にあって、現代の人類は未知の力を持つ彼女と接触させようという意向で、クリスタを交渉役として選んだのである。






    「俺たちと話をする人間はこれで全員か?」



    ライナーの言葉に全員がうなずくと、再び巨大な未確認飛行物体―――――巨大円盤型タイムマシン“Mother”から光が放たれ、現代人も未来人も光に包まれた。

    気が付くと全員がタイムマシンの船内にいて、現代人はその技術力の違いに今更ながら驚いていた。






  32. 32 : : 2016/07/31(日) 02:43:03







    船内の会議室らしい部屋には、中央に大きな楕円形のテーブルがあり、それぞれが腰を下ろすと、ライナーがまず話し始めた。





    「俺とベルトルトとアニは、23世紀の国際機関、“地球均等環境会議”のメンバーだ。

    ここに集まってもらった20世紀の方々に知らせたいことがある。」




    ライナーはここまで語ると、アニに目配せをする。

    アニは一呼吸整えてから、これからウォール公国で起こることを話し始めた。






    「ゴジラが復活しようとしている。38年ぶりに・・・・・・。」







    アニの言葉に現代人側があっけにとられる中、ミットラス商事の会長であるロッド・レイスが口をはさんだ。






    「ゴジラが、復活するだって!? それはいったい、どういうことなんだ!?」



    ロッドはその軍をも動かしうる巨大な財力と、いち企業でありながら、密かに原子力潜水艦をも保有できるほどの巨大な権力で知られてた。

    そんな彼の知られざる一面は、恐竜という存在に過度な信仰を抱いている点であった。






  33. 33 : : 2016/07/31(日) 02:43:40







    さて、ロッドの言葉に対し、ベルトルトが静かに答え始めた。





    「確かに、最初のゴジラは1954年。エレン・イェーガー博士の開発したオキシジェン・デストロイヤーにより駆逐された。

    しかし、“二匹目の”ゴジラがまもなく現れて、ウォール公国を襲おうとしているんだ。」



    「待ってくれ。二匹目のゴジラだって?」






    思わずエルヴィンが口をはさみ、ベルトルトは静かにうなずく。

    彼らの言葉が正しければ、まもなく38年前の大惨事が繰り返されることになる。




    しかも、あの時ゴジラを駆逐したオキシジェン・デストロイヤーは、イェーガー博士が自らの命とともに、永遠に葬り去ってしまったのである。






    話を聞くうちに、超能力者であるクリスタは、次第に・・・・・・・・・・・・その予兆のようなものを感じ取り始めた。

    かすかに、彼ら未来人の言うような、重苦しい鼓動のようなものが聞こえてくる。






    未来人たちの衝撃的な予言に対し、エルヴィンもジャンも、

    ロッドもマルコもクリスタも、


    現代人は一言も発せないまま、重苦しい時が過ぎていく。





    とここで、ライナーが再び口を開いた。






    「俺たち地球均等環境会議のメンバーは、20世紀のそんな危機的状況を放っては置けないからここに来た。

    俺たちにはゴジラを抹殺する方法がある。」






  34. 34 : : 2016/07/31(日) 12:16:42







    「ゴジラを、抹殺する方法?」

    「教えてほしいねぇ、そんな方法が本当に存在するならな。」





    マルコがにわかには信じられないといった様子で首をかしげ、ジャンは皮肉の籠った口調で斜に構えていたが、ライナーは真剣だった。






    「俺たちがこの時代にやってきたのは、ほかでもない・・・・・・・・・・・・お前たちのためだ。」



    にわかに厳しい口調になった後、ライナーは現代人たちにある問いを投げかけた。









    「そもそもゴジラは、どうやって誕生したのか・・・・・・お前たちは知ってるのか?」







    知っている範囲ではと、前置きをして答えたのは、ロッド・レイスであった。






    「ゴジラは・・・・・・水爆の実験の影響で、海底の洞窟に潜んでいた恐竜が巨大化したものだと。」

    「そうだ。あの有名なアルレルト博士のレポートによると、初代ゴジラはそうやって誕生した。」


    「!! まさか・・・・・・!!」





    急に、ロッドの顔色が変わった。

    そこには驚愕の感情に交じり、感動と畏敬の念がその顔に現れていた。







  35. 35 : : 2016/08/01(月) 13:32:48







    会長の顔色がにわかに変わったことに、秘書であるマルコはすぐに気が付いた。






    「会長?」

    「・・・・・・すまんね、マルコ君。少し、昔を思い出したのでな。」





    そうつぶやくロッドは、まるで遠くの景色を眺めるかのような、そんな表情をしていた。






    「話を、続けてもいいか?」

    「!! ああ、お願いしよう。」





    一息ついて、ライナーが再び語りだした。






    「二匹目のゴジラは、1944年・・・・・・・・・・・・クィンタ島戦線において姿を現したとされている。」

    「クィンタ島・・・・・・・・・・・・まさか!?」







    ロッドは再び驚愕の表情を浮かべた。

    まるで、鉄の棒で後頭部を殴られたかのような、そんな衝撃を受けたかのような表情であった。



    と同時に、マルコにも驚愕の色が現れた。

    会長のほうを振り返ったマルコは、思わずロッドに尋ねた。






  36. 36 : : 2016/08/01(月) 13:33:31







    「1944年のクィンタ島戦線って・・・・・・・・・・・・会長!?」



    「・・・・・・・・・・・・そうだ。私は、1944年のクィンタ島での戦いに従軍していた。

    そして・・・・・・・・・・・・目撃したのだ。」






    ロッドの言葉に、ジャンやマルコ、エルヴィンがそれぞれ反応を示した。




    「目撃しただと!?」

    「会長。」

    「失礼ですが、レイスさん・・・・・・・・・・・・あなたが見たというのは・・・・・・。」







    「そうです、エルヴィンさん・・・・・・・・・・・・私はあの時、恐竜に命を救われたのです。」







  37. 37 : : 2016/08/01(月) 13:34:22








    「恐竜にだと!? まさか・・・・・・。」



    ジャンは一瞬笑いかけたが、今ここに至るまでの経緯を思い出せばありえないことでもないと思いなおし、口をつぐんだ。

    それに・・・・・・・・・・・・ゴジラがゴジラになった経緯を考えれば・・・・・・・・・・・・。





    ジャンが思案を巡らせていると、アニがそれを察したかのように口を挟んできた。






    「そうだね。レイスさんが見たという恐竜―――――ゴジラザウルスこそ、将来、二匹目のゴジラになる個体なんだよ。」

    「!! あの恐竜が・・・・・・まさか!?」






    ロッドが驚いたように口を挟むと、アニはゆっくりとうなずき、ライナーを見た。

    ライナーもうなずき返し、再び現代人たちを見据えると、力強く語った。







    「そう、あの恐竜が・・・・・・・・・・・・ゴジラになる。


    だから俺たちはタイムワープで1944年当時へと飛び、ゴジラが誕生しないようにする。

    ゴジラを、この時代から抹殺するんだ。」







  38. 38 : : 2016/08/01(月) 13:34:58
    期待です!
  39. 39 : : 2016/08/01(月) 13:36:54
    >>38
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  40. 40 : : 2016/08/01(月) 16:07:46








    ライナーがぶち上げた途方もない計画に、現代人一同口をあんぐりとさせていた。

    ややあって、ロッドがおずおずと口を開いた。






    「それは・・・・・・・・・・・・もう一度、あの恐竜に会いに行けると、いうことですか・・・・・・。」





    ロッドの声は、打ち震えていた。




    戦争が終わって生き残った自分は、今や巨大な企業を率いる身となった。

    巨大な権力を率いるために、表沙汰にはできないこともやってきた。



    あの時、自分の命を救ってくれたあの恐竜に、もう一度会いたい。






    だが、ライナーは首を横に振った。






    「いや、ロッド会長は今回のタイムワープには連れていけない。」

    「!! なぜかね?」



    「我々が飛ぼうとしているのは、1944年のクィンタ島戦線・・・・・・・・・・・・当時従軍していたロッド会長と遭遇してしまう危険が避けられない。

    申し訳ないが、一緒だとリスクが高いからな。」






  41. 41 : : 2016/08/01(月) 16:08:30








    そこで、今回のタイムワープには未来人であるライナーやアニ、ベルトルト、


    現代人からは軍人たるエルヴィンとジャン、

    ロッドの秘書であるマルコと、超能力者のクリスタがタイムワープを行うことになった。






    「決まりですな・・・・・・。」


    エルヴィンはそういって立ち上がり、ライナーに手を差し出した。






    「初めてのことばかりで不安だらけですが、どうぞよろしくお願いします。」

    「こちらこそ。」





    エルヴィンとライナーは握手を交わし、アニやベルトルトも同様に現代人たちと握手を交わす。

    かくしてここに、タイムワープによるゴジラ消滅作戦が決行されることとなった。








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  42. 42 : : 2016/08/01(月) 23:46:44
    進撃×キングコングなどという言葉が
    頭をよぎったので書いときます。

    監督=エルヴィ?
    主演俳優=エレン
    ヒロインの女優=クリスタ
    コングは・・・・お察しくださいw
  43. 43 : : 2016/08/03(水) 22:25:00
    >>42

    ライ何とかさんですかねw
    続きを書いていきますねwww
  44. 44 : : 2016/08/03(水) 22:25:18








    数日後






    ゴジラを消滅させるために、改めて現代人たちがタイムマシン“Mother”に乗り込んだ。

    エルヴィンにジャン、マルコにクリスタは未来人に案内され、船内の巨大な格納庫へと入った。





    その中には、小型の両翼型タイムマシン“Kid”が格納されており、ライナーとアニとベルトルトが先に中へと乗り込んだ。







    「おいおい、ずいぶん狭いコクピットだな!?」

    「ジャン、文句言っちゃだめだよ!?」






    幼馴染みでもあるマルコとジャンが船内でやいのやいのと話している間に、ベルトルトがものすごい速さでタイピングをこなしていく。

    そのあまりの速さに、エルヴィンやクリスタも内心舌を巻いていた。






    「あの、ベルトルトさん。タイピングすごい早いんですね?」

    「・・・・・・・・・・・・。」





    クリスタの呼びかけにも応じず、黙々とベルトルトはタイピングをこなし、タイムマシンの発進の準備を完了させた。







  45. 45 : : 2016/08/03(水) 22:26:37








    さて、ひとしきり準備を整えたところで、ライナーが呼びかけるように話し始めた。








    「もう一度確認するぞ。



    ゴジラザウルスはクィンタ島でのちに行われることになる核実験の影響でゴジラ化する。

    だからゴジラザウルスを、別の場所へとテレポーテーションさせてゴジラ化を防ぐ。




    そうすりゃ現代にゴジラが現れることはなくなるってことだ。」






    「さて、準備はいいかい?」



    ライナーの言葉を受けて、アニがもう一度現代人に問いただす。

    四人はお互いに顔を見合わせ、それから、ゆっくりとうなずいた。





    それを見届けたベルトルトが、静かに、呟いた。






    「タイムワープ、スタート。」






    次の瞬間、Kidは眩い光に包まれ、時空の中へと機体は吸い込まれていった・・・・・・・・・・・・








    ――――
    ――





    ――――



    ――――――

    ―――





    ――――





    ――








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  46. 46 : : 2016/08/05(金) 04:12:48





















    __________ひるむな!!


    __________行け行け行けッ!!




    __________うわあぁあぁぁッ!!







  47. 47 : : 2016/08/05(金) 04:13:35









    1944年
    クィンタ島








    この南国の、鬱蒼としたジャングルの茂る島の中で、ウォール公国の軍は劣勢を強いられていた。


    物量に勝る敵国に、まさに風前の灯火。






    土煙が舞い、
    怒号や悲鳴が飛び交い、

    火薬の焦げるようなにおいに交じり、







    __________生肉の焼けたような、血生臭い匂いが、戦場を包み込んでいた。








  48. 48 : : 2016/08/05(金) 04:14:14









    午前中から昼過ぎにかけて、散発的な戦闘を繰り返すこと数十回。




    爆発音や銃声、そして怒号と悲鳴。

    多数の死者を出し、夥しい負傷者がジャングルの中を移動していく。





    ジャングルの熱気は退却の足を妨げ、兵士たちの汚れた顔を、汗がダラダラとまとわりつくように流れていく。






    「くそ・・・・・・・・・・・・生き残ったのは、はぁ、はぁ・・・・・・これだけなのか?」



    まだ若い兵士だったロッドは、額の汗をぬぐい、呆然と呟いた後で水筒の水をグイッと飲んだ。







    「仕方がないだろう。あれだけの戦闘に加えて、これだけの兵力差。私たちが生き残っているだけでも奇跡だ・・・・・・。」

    「・・・・・・・・・・・・。」






    戦友であるグリシャの言葉に沈黙するロッド。

    空になってしまった水筒を口から放し、袖で口を拭うと、まだ自分が生きていることが不思議な心地さえしていた。








  49. 49 : : 2016/08/05(金) 04:15:12













    「・・・・・・・・・・・・ウォール公国と思われる軍を発見した。」

    「ああ、間違いないね。」







    茂みの中から隠れ、遠くから様子を除いているのは、背の高い黒髪の男性と、背の低い金髪の女性。






    1992年から実に48年もの時を超え、

    未来人と現代人たちは、過去の世界におけるロッド会長の姿を遠巻きに捉えていた。





    エルヴィンとジャン、マルコにクリスタ、ライナーもKidから出て様子をうかがっている。

    現在彼らがどのような状況にあるのか、頭の中で分析を試みていたエルヴィンが周りに話しかけた。






    「ロッド会長は、どうやら敵国に追われてここに逃げ延びてきたようだ。」

    「そうらしいな。で? 予定じゃここいらでその・・・・・・・・・・・・ゴジラザウルスとやらが現れるんだろ、ライナー?」


    「ジャン、あんたはマルコと違ってずいぶんと皮肉屋のようだな。」






  50. 50 : : 2016/08/05(金) 04:16:05








    ジャンの皮肉にライナーがため息をつく。

    見かねたマルコがジャンをたしなめ、アニやベルトルトが少し呆れた様子で二人を見ている。




    そんな中、クリスタだけは・・・・・・・・・・・・まるで別のものを見ているかのように、小刻みに震えていた。









    「ん? どうしたのかな? クリスタ?」



    クリスタの異変に気が付いたエルヴィンが声をかけるも、クリスタの震えは止まらない。



    無理もない。

    まだ二十歳を過ぎたばかりのクリスタが戦場を見るというのは、少し酷だったかもしれない。







    「済まない・・・・・・まだ若い君をここに連れてくるべきでは―――――「違うんです。」

    「!? 違う?」













    「・・・・・・・・・・・・感じるんです。うっ! 来ますッ!!」








  51. 51 : : 2016/08/05(金) 07:28:49
    ゴジラみたことないですけど
    期待してます( *´꒳`* )
  52. 52 : : 2016/08/05(金) 16:35:29
    >>51
    ありがとうございます(∩´∀`)∩
  53. 53 : : 2016/08/05(金) 22:32:47









    クリスタが頭を抱えた、その時だった。

    突如、森の中から吠えるような銃声が響き渡った。






    「ぐっ!!」

    「あいつらがやってきやがった!!」





    敵国の兵士たちがジャングルの奥から迫ってきて、ウォール公国の兵士たちが怒号を上げる。

    銃弾がたちまち木々の間を飛び交い、緑色の草が赤い血に染まっていく。








    「!! 戦闘が始まった!?」




    エルヴィンは驚愕の声を上げながら、クリスタを見た。

    クリスタは依然として体を震わせていて、彼女は暗い予感に震わせていた。








    「くそ、見つからないように身を隠せ!」



    戦場の混乱の中、ライナーは未来人や現代人たちに声をかける。







    「しっかりしろよ、クリスタ!!」

    「・・・・・・。」






    肩を震わせたクリスタを、ジャンがしっかりと肩をつかんで、安全な場所へと移していく。

    未来人と現代人が必死に身を隠す中、血飛沫の舞う凄惨な戦いがジャングルの中で繰り広げられていく。




    そして、数に勝る敵軍に押されて、ウォール公国の軍はついにジャングルの中から海岸線へと追い込まれてしまった。








  54. 54 : : 2016/08/08(月) 16:26:07











    「しっかり・・・・・・しっかりしろ! グリシャッ!!」




    海岸近くにある洞窟へ身を隠したロッドは、ぐったりしているグリシャを懸命に介抱していた。


    腹部に被弾してしまったグリシャは血まみれになって、
    ロッドの腕の中で、息も絶え絶えに、うわごとを繰り返し呟いていた。






    「・・・・・・カルラ・・・・・・・・・・・・エレン・・・・・・・・・・・・。」

    「お前には家族がいる!! こんなところで死んでどうする!?」






    痛みを少しでも和らげようとモルヒネを注射しながら、ロッドはグリシャに呼びかける。

    対してグリシャも、意志を振り絞って必死に応える。





    「まだ・・・・・・私は・・・・・・死ねない。まだ・・・・・・まだ・・・・・・。」

    「そうだ、お前は生き残る!!」





    「私は・・・・・・私・・・・・・は・・・・・・・・・・・・」

















    「・・・・・・・・・・・・グリシャ・・・・・・。」




    ロッドはそっとグリシャを地面へと横たえ、それから・・・・・・・・・・・・右手で両目を閉じた。









  55. 55 : : 2016/08/08(月) 16:26:34










    もはや、涙も出てこなかった。


    それは、いよいよ最後の時を悟ったからで、ロッドは懐からナイフを取り出し、周りで嘆き悲しむ兵士たちに告げた。









    「・・・・・・・・・・・・お前たちは、逃げてくれて構わない。


    私はここまでだが、お前たちは生き延びて、新しいウォール公国を築け。」








    ロッドはそういうと、自らの首筋にそっと、ナイフを当てた。

    兵士たちはみな泣き、ややあって、ロッドに敬礼をささげた。








    ロッドは目をつむり、それから、手に力を籠めようとした。











  56. 56 : : 2016/08/08(月) 16:27:00




















    (ドォオン・・・・・・)









    (ドゴォオン・・・・・・・・・・・・)













    突然、洞窟に振動が走る。


    パラ、パラと石が落ち、それから、ドオォンという大きな叫びのような震えにとって代わる。









    「!? これは・・・・・・・・・・・・いったい!?」







    ロッドが異変に驚いたのもつかの間だった。

    まもなく、外から悲鳴と銃声が聞こえてきた。








  57. 57 : : 2016/08/08(月) 16:27:25









    「頭が・・・・・・・・・・・・うあぁッ!!」



    数刻前、ウォール公国を追い詰める敵軍の兵士たちを眺めていたクリスタが、突如として悶え始める。







    「くそ、いったいどうしたってんだよ!?」





    ジャンが声を荒げつつもクリスタを介抱する。

    すると、例の足音が、彼らの耳にも聞こえてきた。







    「!! この足音・・・・・・・・・・・・まさか!?」



    エルヴィンがはっとして音の響いてくるジャングルを見る。









    そこには・・・・・・・・・・・・














    体長が20mを超える、巨大な恐竜――――ゴジラザウルスが咆哮する姿があった。








  58. 58 : : 2016/08/08(月) 17:49:45







    「な、何だあれは!?」

    「撃て撃てッ!!」






    敵国の兵士が驚いて銃撃を試みるも、それは徒に恐竜を怒らせる結果に終わった。

    怒り狂った恐竜は再び天に向かって吠えた後、まっすぐ敵国の兵士たちに襲い掛かった。









    「これは・・・・・・どういうことなんだ!?」



    洞窟から出てきたロッドたちの目の前にて、凄惨な光景が繰り広げられていた。





    銃を持った敵国の兵士たちが噛み砕かれ、

    あるいは踏みつぶされて、地面が赤く染まっていく。









    「・・・・・・・・・・・・。」




    あまりのことに言葉を失い、ロッドをはじめとするウォール公国の兵士たちがしばし呆然としていると、耳をつんざくような轟音が聞こえてきた。

    次の瞬間、ゴジラザウルスの皮膚が爆発し、鮮血が飛び散った。







  59. 59 : : 2016/08/08(月) 17:50:09







    「!! ゴジラが!?」





    その光景を、クリスタをはじめとする現代人、未来人たちも目撃していた。

    クィンタ島沖に浮かぶ敵国のフリゲート艦数隻が集中砲火を浴びせ、ゴジラザウルスの皮膚を切り裂いていく。







    苦悶の咆哮をあげ、深手を負ったゴジラザウルスはドシン、ドシンとジャングルの中へと消えていった。







    「謎の恐竜、駆逐しました! このまま上陸しますか!?」

    「いや・・・・・・・・・・・・深追いは危険だ。このまま引き揚げる。」






    ゴジラザウルスを駆逐したフリゲート艦は、しかし、深追いをすることなくクィンタ島の沖から去っていった。







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  60. 60 : : 2016/08/08(月) 18:30:46
    期待です!!

    ゴジラvsキングキドラの世界に進撃のキャラがうまく混じっていて面白いです!
  61. 61 : : 2016/08/09(火) 17:29:23
    >>60
    期待ありがとうございます<m(__)m>

    上手く混じってるというお褒めの言葉をいただけて感無量ですよ(∩´∀`)∩
  62. 62 : : 2016/08/10(水) 21:56:39
    初めまして(かな?)
    フォローありがとうございます(^^)

    シンゴジィ~ラ見てゴジラに興味が出てきたので少し読ませて頂きました。
    期待ですよ~!
  63. 63 : : 2016/08/12(金) 14:35:11
    >>62
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩

    シン・ゴジラは神がかっておりました(゚∀゚)
    興味を持っていただけてうれしいです(∩´∀`)∩
  64. 64 : : 2016/08/12(金) 14:35:38








    クィンタ島のジャングルに、静寂の夜が、訪れた。









    洞窟から出てきたロッドの部隊が、恐る恐る、血痕と足跡とを辿ってジャングルの中へと入りこんでいく。

    やがて、一隊は木々の間に横たわるゴジラザウルスの姿を発見した。







    「こんなことが・・・・・・・・・・・・あるものか・・・・・・。」



    深手を負ってヒュー、ヒューと弱弱しく呼吸をする恐竜を前に、ロッドは呆然となって呟いた。








    私はここで、グリシャとともに死ぬはずだった。

    だが、グリシャは死んで、私は助かってしまった。







    「私に・・・・・・この先も生きろというのか・・・・・・・・・・・・恐竜?」




    ロッドの問いかけに、恐竜はわずかに目を開け、息を漏らした。

    まるで、お前も生きろと言っているかのように・・・・・・。






    やがて、ロッドは隊列を整え、声を張り上げて号令をかけた。








    「・・・・・・・・・・・・敬礼ッ!!」



    命を救われた兵士たちは一斉に、傷ついた恐竜に敬意を捧げ、それから、小走りでジャングルの奥へと走り去っていった。










  65. 65 : : 2016/08/12(金) 14:36:06















    「クリスタ・・・・・・・・・・・・お前が感じてたのは?」

    「うん。この恐竜が近づいてくる、気配を感じていたの。」

    「もう平気なのか?」



    「ありがとうジャン。もう大丈夫・・・・・・。」








    ウォール公国の軍が立ち去ってから、現代人と未来人たちが茂みの奥から這い出てくる。

    エルヴィンが前に進み出て、傷ついた恐竜を見上げた。







    「これが、ゴジラザウルス・・・・・・・・・・・・のちにゴジラになる恐竜か。」



    エルヴィンのつぶやきに、ライナーが大きくうなずく。

    アニとジャン、マルコが同じように恐竜を見上げる中、ライナーがベルトルトに指示を出した。








    「よし、ゴジラを北マリアの極寒の海の底にテレポーテーションさせるぞ。」








  66. 66 : : 2016/08/12(金) 15:23:07








    さて、Kidの中に戻ったベルトルトは、パソコンのコンソールの前に座ると、テレポーテーションの装置を起動させた。

    すると、目の前に3Dの映像が表示され、小さなゴジラザウルスが横たわっているかのようだった。



    キーボードをタイプしながら、ベルトルトが呟いた。






    「テレポーテーションは動いている相手には難しい。傷ついて倒れてくれたのは運がよかったよ。」






    Kidの上部のハッチが開き、中から小さなアンテナが姿を現す。

    ベルトルトが「テレポーテーション、スタート。」と言ってキーボードを打つと、アンテナから光が放たれ、ゴジラザウルスが光に包まれた。







    少しずつ恐竜の肉体が転送されていき、やがて、光が消える頃には、北マリア海の深いわだつみの底にゴジラザウルスの肉体は移されていった。







  67. 67 : : 2016/08/12(金) 16:44:26
    シン・ゴジラ見たんすか!?期待っす!!
  68. 68 : : 2016/08/12(金) 16:45:53
    二回見ちゃいました(≧∇≦)
    期待ありがとうございますo(`ω´ )o
  69. 69 : : 2016/08/15(月) 14:52:16









    「よし、これで・・・・・・・・・・・・現代にゴジラが現れることはなくなるんだな? ライナー?」

    「ああ、その通りだ、ジャン。」







    目の前の3Dのゴジラが消えたことで深いため息をついたジャンに、ライナーが相槌を打つ。





    そう、これでもう終わった。

    もうゴジラが・・・・・・・・・・・・現代に現れることもない。







    にもかかわらず、クリスタには嫌な予感が拭えなかった。

    すると、クリスタの足元で、何かがごそごそと蠢いているのを感じた。





    クリスタが思わずキャッと小さな悲鳴を上げると、全員の視線がそこに集まった。










  70. 70 : : 2016/08/15(月) 14:52:41










    クリスタの足元にいたのは・・・・・・・・・・・・三匹の小さなペットであった。




    金色の小さな両翼を付けたペットは、まるで小さな怪獣のような見た目も愛くるしい。

    可愛らしい鳴き声に現代人が和んでいると、そっとアニがクリスタに対して説明を挟んできた。






    「これは23世紀のペットでね。ドラッドっていうんだ。」

    「ドラッド?」



    「遺伝子操作によって開発された、愛玩用のペットでね。ネズミみたいにどこにでもいる。

    やれやれ、こっちに飛んでくるときに入り込んでしまったみたいだね。」







    アニはため息をつくと、まるで邪魔だと言わんばかりに、ドラッドを3匹とも船の中から追い出した。

    クリスタは少し驚いて、思わず声を漏らした。






    「アニ、そこまでしなくてもいいような気が。」

    「はぁ。ネズミが入り込んでいたら外に追い出したくなるだろう?」



    「・・・・・・・・・・・・。」







    それ以上何も言えず、クリスタは押し黙った。

    ほんのわずかに感じた、違和感とともに・・・・・・・・・・・・。








  71. 71 : : 2016/08/15(月) 14:53:52









    ややあって、コンソールを操作していたベルトルトが声を上げた。








    「よし、これから僕らは現代へと帰還する。タイムワープ10分前。」






    ベルトルトによるカウントダウンが始まり、Kidがふわりと夜の熱帯雨林から上昇する。

    そのままKidは光に包まれ、ストヘス区の上空に現れたときのように、光る未確認飛行物体となって上空を通過していく。







    「・・・・・・・・・・・・!!」




    敵国のフリゲート艦に乗船していた幾人かがこの光に気が付いたものの、さすがにUFOが現れたと報告するわけにもいかず、光がぱっと消えるのをただただ見つめていた。









    ―――――


    ―――





    ――――――
    ――






    ――――――







    ―――









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇









  72. 72 : : 2016/08/16(火) 19:19:23










    現代人たちが漸く現代に戻ってきたのは、未来人たちとともに過去へと旅立ってから数分後のことであった。






    「おおっ!!」

    「もう戻ってきたぞ!?」





    もちろん中に乗っている現代人や未来人にとっては長い一日だったのであるが、タイムワープを見守っていた外のウォール公国の軍には数分の出来事のように感じられたのである。






    さて、Kidの中では、現代人と未来人がテーブルをはさみ、向かい合って座っていた。






    「・・・・・・。」

    「・・・・・・。」




    ゴジラは消滅したというのに、ライナーとアニは依然として表情が冴えない。

    ただ一人、ベルトルトだけが相変わらずに無表情で、それがかえって不気味なのであった。






    「なあ? ゴジラは・・・・・・・・・・・・本当に現れねぇんだろうな?」


    その妙な空気を感じ取ったジャンは、訝しげな様子で未来人たちに尋ねた。






    ジャンだけではない。




    エルヴィンも、マルコも訝し気に未来人たちを見つめている。

    そんな中、一人だけ、焦点の合わない目で遠くを見詰めている少女がいた。







  73. 73 : : 2016/08/16(火) 19:19:59








    (何? この感じ・・・・・・・・・・・・嫌だ! 嫌だ!)




    クリスタの額からは冷や汗が流れ、頬を伝っていく。

    ライナーのみがその様子に気が付いたものの、特に注意を向けずに語りだした。







    「確かに、ゴジラはもう出現しない・・・・・・。だが、その代わりに新たな脅威が迫っている。」







    ライナーの爆弾発言に、一同は凍り付いた。

    まるで鉛のように重苦しい空気の中、エルヴィンがやっとのことで口を開いた。







    「それは、一体・・・・・・・・・・・・どういうことだ?」




    エルヴィンの声は、震えていた。

    対して、ライナーの声はどこまでも冷静でそのもので、もはや冷酷ともいえる域に達していた。



    氷のような雰囲気を纏ったまま、ライナーは言葉をつづけた。










    「新たな怪獣が現れることになる。その怪獣の名は―――――――“キングギドラ”」












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  74. 74 : : 2016/08/16(火) 19:20:40







    同刻。
    昼間の憩い時。


    倦怠にまどろむ摩天楼に差す・・・・・・・・・・・・巨大な影。








    その上空に、これまで見たことのないほどの巨大な飛翔体が突如として確認された。




    甲高い鳴き声を上げる長い三つ首の怪獣は、全身にびっしりと生えている黄金色の鱗を輝かせ、その巨大な両翼を羽ばたかせる。

    その瞬間、凄まじい風圧にビルのガラスが一斉に割れ、静かな昼の時間帯は瞬く間に流血の大惨事へと姿を変えた。







    体の大きさが140mほどにも達する巨大な怪獣は、三つの口からそれぞれ、黄色の閃光のような雷土を上空から放ち始めた。






    破壊の雷土は瞬く間にビルを粉砕し、激しい炎を巻き起こす。


    やがて怪獣は、ビルを踏みつぶすように地面に降り立ち、激しい衝撃を巻き起こした。









    そのあまりに巨大な怪獣―――――――“キングギドラ”は激しい雷雨の如くにトロスト区を蹂躙し、瞬く間にあたりを地獄へと変えていった。



    http://tamashii.jp/images/item/item_0000001781_01.jpg








  75. 75 : : 2016/08/16(火) 22:58:43
    うおおおおおお、期待、期待期待ぃいぃ!!
  76. 76 : : 2016/08/17(水) 01:40:18
    期待ありがとうございます(≧∇≦)
  77. 77 : : 2016/08/17(水) 05:31:14
    キングギドラ登場!!
    期待です!!
  78. 78 : : 2016/08/17(水) 11:20:37
    >>77
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  79. 79 : : 2016/08/17(水) 11:21:20








    未来人たちがモニターを開くと、ジャンの故郷であるトロスト区のビル群が、キングギドラの無慈悲な攻撃によって炎にくるまれ、黒煙を上げている様子が克明に映し出された。





    あまりの光景に、現代人たちは言葉を失った。

    ただ一人を除いて。







    「ふざけるなッ!!」





    怒鳴り声をあげ、ジャンは机をバンと叩いて立ち上がった。

    怒りにフルフルと震え、拳をぐっと握りしめて未来人を見下ろすジャン。






    と、その時だった。




    会議室の扉がバンと開き、部屋の中に武装した未来人たちが入ってきた。

    彼らに取り囲まれて銃を向けられたとき、エルヴィンやジャンをはじめとした現代人たちは、漸く未来人たちの計画に気が付いた。






  80. 80 : : 2016/08/17(水) 11:21:54








    「ライナー・・・・・・・・・・・・ゴジラを消して、キングギドラで・・・・・・この国を終わらせるつもりだったのか!?」

    「少し違うな、ジャン・キルシュタイン。だが、お前たちの役割は終わった。ご苦労だったな。」

    「ぐっ!! テメェッ!!」







    怒りのあまり、ジャンはライナーに飛びかかろうとした。

    が、気が付くとジャンの視界はぐるりと回っていた。






    「ぐあっ!!」




    ベルトルトがジャンの腕をつかみ、その勢いを利用して地面に叩きつけた。

    勢いよく地面へと打ち付けられたジャンは、そのまま気を失ってしまった。




    ベルトルトは静かに気絶しているジャンを背負うと、エルヴィンやマルコ、クリスタにそっと近づいた。









    「抵抗は無意味だ。一緒に来てもらおう。」



    ベルトルトの宣告からは、いかなる感情も読み取れなかった。









    ・・・・・・・・・・・・選択の余地など存在しなかった。




    現代人たちは知らなかったが、ライナーとアニ以外の未来人はすべてアンドロイドであり、スピードもパワーも人間では到底太刀打ちできないものであった。

    特に、最も優れたアンドロイドであるベルトルトの機動力はずば抜けていた。









    抵抗することも満足にできず、エルヴィンとジャン、マルコとクリスタは未来人たちによって拘束され、狭い部屋に監禁されてしまった。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  81. 81 : : 2016/08/17(水) 11:22:52









    トロスト区炎上の報告は、すぐさま王都ミットラスの官邸にも齎された。









    「報告です!! 謎の超巨大怪獣がトロスト区に出現!!」

    「何だとッ!? いったいどうなっている!?」








    ザックレー総統は椅子から転げ落ちそうな勢いで立ち上がり、モニターを確認した。

    映し出された凄惨な破滅の光景に、ザックレーは思わず息を呑んだ。








    三つの口から放たれる引力光線が、ビルというビルを薙ぎ払い、炎で包み込んでいく。

    力強い羽ばたきが住宅をはじめとする建築物を吹き飛ばし、あたり一面を瓦礫の山へと変えていく。









    「馬鹿な・・・・・・・・・・・・ゴジラが、いなくなったというのに・・・・・・・・・・・・。」







    虚ろな表情でつぶやいた後、ストンと音を立てて、ザックレーは椅子へと座りこんだ。














    「総統閣下?」





    ややあって、総統に報告をもたらした彼の秘書が心配そうに声をかけると、彼はふらふらと立ち上がる。

    それから背筋をピンと伸ばし、命令を下した。












    「・・・・・・・・・・・・あの怪獣を撃墜する。すぐさま戦闘機部隊を差し向けるのだ。」








  82. 82 : : 2016/08/17(水) 11:23:30










    トロスト区を壊滅せしめたキングギドラは大きく羽ばたいて上空へと舞い上がり、東のカラネス区へと移動を開始した。







    途中にある建物を引力光線で破壊しながら、ウォール公国を蹂躙していくキングギドラ。

    そのあまりに巨大な飛翔体の背後を、数機の機影が猛スピードで追跡していく。










    「目標を確認。上空を猛スピードで移動中。」







    戦闘機部隊の隊長、トーマス・ワーグナーからの報告が官邸の中にある会議室へと響く。

    ザックレー以下数名の閣僚がうなずいたのち、総統は命令を下した。








    「謎の巨大生物への攻撃を許可する。」










    「了解!! 攻撃を開始する!!」






    総統の下命を確認したトーマスが、キングギドラへの接近を試みた。

    ミリウス・ゼムルスキー、ナック・ディアスが背後へと続いていく。








    「撃てッ!!」




    トーマスの合図で、戦闘機の両翼からミサイルが勢いよく放たれ、まっすぐにキングギドラへと飛んでいく。











    刹那、キングギドラの黄金の鱗の上で激しい爆音と閃光が谺した。







  83. 83 : : 2016/08/17(水) 11:24:03









    「着弾を確認ッ!!」



    目標にすべてのミサイルを命中させたことを報告するトーマス。







    戦車や戦艦にでさえダメージを与えうるミサイルは、しかし、キングギドラの皮膚に傷をつけることすら敵わなかった。

    キングギドラは甲高い鳴き声を上げるだけにとどまり、黄金の鱗には少しの焦げ跡しかついていなかったのである。










    「そんな・・・・・・全弾着弾したのに!?」

    「これじゃまるでゴジラだ!」


    「いや、ゴジラ以上の怪獣だ・・・・・・・・・・・・。」








    閣僚たちが呆然として語り合っていると、突如としてキングギドラが大きく旋回し始めた。









    「うわあぁあぁぁ―――――・・・・・・・・・・・・」





    ミリウスの機体がとっさに躱した切れず、キングギドラの巨体に衝突して爆発・炎上した。

    何とか躱したトーマスとナックも、キングギドラに後ろにつかれ。










    ドオオォオォン・・・・・・・・・・・・





    放たれた引力光線が機体に命中し、トーマス率いる戦闘機の部隊は、全滅した。








  84. 84 : : 2016/08/21(日) 15:31:32







    「そんな・・・・・・馬鹿な・・・・・・・・・・・・。」



    ザックレーはぼそりとつぶやき、それから、再び力なく椅子へと座りこんだ。

    ほかの閣僚たちも押しなべて黙りこくって少しもしゃべろうとしない。



    モニターには相も変わらず、建物という建物を手当たり次第に破壊していくキングギドラが映されているばかりである。





    と、ここで突然モニターが切り替わった。


    破壊の限りを尽くすキングギドラの代わりに映し出されたのは・・・・・・・・・・・・。






    『ウォール公国の皆さん、ごきげんよう。』



    慇懃無礼な挨拶をしてくる未来人―――――ライナー・ブラウンであった。

    ライナーの表情は冷徹そのものであったが、そこにはどこか、激しい激情が見え隠れする、そんな様子であった。







  85. 85 : : 2016/08/21(日) 15:32:58






    映し出されたライナーに対し、ザックレーは吠えた。





    「貴様!! これはいったい、どういうつもりだ!?」

    『ザックレー総統。お立場を弁えていただきたい。』

    「!? どういうことだ!?」





    同様の広がる閣僚たちや、怒りに震える総統をよそに、ライナーは冷静に言葉を並べた。





    『我々はキングギドラの行動を完全にコントロールしている。』

    「!! あの怪獣・・・・・・・・・・・・貴様らの目的は何だッ!?」





    ザックレー総統の怒りに対し、ライナーはますます冷静になって、見下すように答えた。





    『俺たちは地球均等環境会議のメンバーだ。お前たちウォール公国は未来の世界において肥大化しすぎた。

    だから、俺たちがその不均等を正してやる。』


    「不均等を、正す!?」







    『いいか? 今後のウォール公国の政治に、俺たちのスーパーコンピューターを参画させろ。

    さもなくば、俺たちはキングギドラを使い、お前たち“悪魔の祖先”を滅ぼす!』






  86. 86 : : 2016/08/23(火) 14:19:21







    しまいには大声を出したライナーの言葉には、これ以上ないほどの怨嗟の感情が込められていた。

    反論しようとしてくるザックレー総統や閣僚たちの通信を一方的に切り、ライナーは一息ついた。




    とそこへ、アニが近づいてきた。



    アニは何やら釈然としない顔で、交渉を終えたばかりのライナーに話しかけた。






    「あんた・・・・・・ここまでやるなんて聞いていない。」

    「聞かれなかったからな。」


    「!!」





    不満をぶつけるアニに対し、平然と答えるライナー。

    部屋の片隅では、ベルトルトが無表情で二人を見つめている。





    「キングギドラはあくまで脅し。万が一ウォール公国政府が従わなかったときのための保険だったはず?」

    「敵は“悪魔の祖先”どもだ。後のウォール公国政府がいかに俺たちを虐げてきたかを忘れたのか?」


    「っ!!」






  87. 87 : : 2016/08/23(火) 14:20:21







    ライナーやアニの時代において、ウォール公国はこれ以上ないほどの超大国であった。

    ライナーは弱小国家の孤児として、アニはウォール公国の出身であったが、やはり孤児としてずっと社会から虐げられてきた。



    それゆえ、大人になった彼らは自分たちを虐げてきたウォール公国を消そうと、未来から現代へと飛んできたのである。

    だが、アニとライナーでは、根本的な部分で考え方が異なっていた。





    「だからって・・・・・・あんたはこの時代の人間たちを殺すってのかい?」

    「必要な犠牲だ。この作戦は犠牲者なしには成し遂げられない。」


    「ぐっ・・・・・・。」





    まだ何か言いたげではあったものの、アニはその言葉を飲み込んで、Motherのコクピットを後にした。






    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  88. 88 : : 2016/08/23(火) 17:44:33








    「くそ、閉じ込められてからいったい何時間立ったんだ、マルコ?」

    「・・・・・・分からないよ、ジャン。」




    さて、ジャンとマルコ、クリスタとエルヴィンは、狭い物置のような部屋に閉じ込められていた。

    どうにかして脱出しなければと考えていたものの、未来製の扉は想像以上に硬く、しかも、扉の外にはアンドロイド二体が警備をしていた。







    「脱出は・・・・・・不可能だな。」





    エルヴィンがぼそりとつぶやく。

    そんな中、クリスタは再び・・・・・・・・・・・・体を震わせ始めた。


    クリスタの異変に気が付いたジャンが声をかける。





    「クリスタ!? 大丈夫か!?」


    わなわなと体を震わせているクリスタをいたわるジャン。






    __________ウォール公国を破壊していくキングギドラに当てられて、クリスタは体を震わせているのだ。


    ジャンはそう思って、クリスタに声をかけた。





    「大丈夫だ。俺たちであのキングギドラを――――――「違う、の。」

    「!? 違う?」











    「・・・・・・・・・・・・ゴジラが、ゴジラがッ!!」







  89. 89 : : 2016/08/23(火) 18:27:44







    「!! ゴジラだって!?」

    「本当なのか!? クリスタ!?」




    予想外の言葉にびっくり仰天のマルコとジャンが交互に尋ねる。

    一息ついて、クリスタは声を震わせながら言葉を継いだ。






    「ゴジラは・・・・・・まだ、消えてない。感じる、の・・・・・・。」



    クリスタの言葉を聞いて、改めて現代人たちは、38年前にウォール公国を壊滅の危機へと追いやった怪物の脅威を思った。

    だが、今の状況なら・・・・・・。






    「・・・・・・・・・・・・もしかすると、上手くいくかもしれないな。」




    軍の司令官たるエルヴィンがぼそりとつぶやく。

    マルコやクリスタが首をかしげる中、ジャンは両手を叩いた。





    「そうか・・・・・・・・・・・・あの強大なキングギドラに対抗できる怪獣は、確かにゴジラをおいてほかにはいねえ!」

    「ジャン!? まさか!?」

    「その通りだマルコ・・・・・・・・・・・・怪獣には怪獣をぶつけてやんだよ!!」






  90. 90 : : 2016/08/23(火) 18:28:30







    ジャンが大声で叫んだその時であった。







    ドゴオォオンッ!!


    部屋の外で突然、爆発音が響いた。




    「!!」



    部屋の中に閉じ込められていた現代人たちの間にびりりと緊張が走る。

    少しばかりの沈黙の後、扉がプシュウと音を立てて空いた。










    「!! テメエは・・・・・・・・・・・・アニか!?」





    部屋の中に入ってきたのは、レーザーライフルで武装したアニであった。

    ジャンが驚きの声を上げるのを意にも介さず、アニはまっすぐエルヴィンに近づいた。


    エルヴィンが努めて冷静にアニに話しかける。






    「アニ・レオンハート・・・・・・・・・・・・君はここに何をしに来たのかな?」






  91. 91 : : 2016/08/23(火) 18:29:05







    すると、アニは小型のレーザー銃をエルヴィンに渡し、ついでといった感じでジャンに投げつけた。

    ジャンが銃を何とかキャッチすると、気分を悪くしたジャンは声を張り上げた。





    「おい!? まさかお前今更寝返ろうっていうんじゃねえだろうな!?」

    「その通り。私はライナーの過激なやり方に賛同できない。」


    「ざけんじゃねえぞ!! 誰がテメエなんか信じるかよ!!」






    感情的になって怒鳴るジャンに見向きもせず、アニはエルヴィンに詰め寄る。


    「ライナーはまだこのことに気付いてない。でも、ぐずぐずしてれば追いつかれる。」






    あからさまに無視されてぶすっとした顔をするジャンを差し置いて、エルヴィンは少しの間、黙り込んだ。

    そして・・・・・・・・・・・・。







    「・・・・・・・・・・・・いいだろう。」


    「!! エルヴィン司令!?」

    「落ち着くんだ、ジャン。今のところ、彼女と組むのが最善の策だ。」




    「覚悟は、決まったようだね。」







    司令官の決断に、ジャンはしぶしぶであるが、うなずいた。

    エルヴィンは、現在の状況を冷静にはかりにかけ・・・・・・・・・・・・アニと手を組むことを決断した。






  92. 92 : : 2016/08/24(水) 11:17:30








    アニに導かれて、Monther船内をひそかに移動していく現代人たち。

    アンドロイドたちの警備の目をついて、5人はKidの格納されている格納庫へと潜入した。





    「人影はない・・・・・・・・・・・・行くよ。」



    アニが合図を出し、Kidの狭いコクピットの中へと乗り込んでいく。

    コクピットの中に乗り込んだアニは早速コンソールを操作し、Kidのコンピューターを起動させていく。






    「急げ、あとどれぐらいで起動するんだ!?」

    「うるさい! もうすぐ起動する!!」




    ジャンがせかすのでアニが声を荒げる中、Kidが唸り声を上げ始める。






    「よし、しっかりつかまってなッ!!」


    「ぐう!!」
    「おいぃッ!!」
    「うわあ!!」
    「きゃっ!!」





    アニがレバーを倒すとKidが一気に加速し、そして・・・・・・・・・・・・格納庫の壁を突き破って外へと出た。

    Mother全体に衝撃が走り、驚いたライナーが窓を見ると、Kidが船内から外へと飛び出していくところであった。






    「アニの奴め・・・・・・・・・・・・やっぱりあいつは“悪魔の末裔”だったな。」




    苦み走った顔でつぶやいた後、ライナーはベルトルトに目配せをする。

    ベルトルトはゆっくりとうなずくと、すっと静かにMotherのコクピットを退出していった。







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  93. 93 : : 2016/08/24(水) 11:18:15







    Motherを飛び出したKidはそのまままっすぐ飛んでいき、王都ミットラスにあるジャンの自宅の傍へと着陸した。

    リビングのテーブルを囲み、ジャンはキングギドラのことについてアニに尋ねた。






    「――――・・・・・・で、あのキングギドラって怪物は何なんだよ?」



    「あれは・・・・・・・・・・・・Kidの船内に潜んでいたあの三体のドラッドが、クィンタ島水爆実験の放射能を浴びて合体、巨大化したものさ。

    あのペットたちの遺伝子にそうプログラムしてわざとクィンタ島に置き去りにした。」


    「つまりは初めから、お前たち未来人はキングギドラでウォール公国を破壊する気だったってわけか? なあ?」






    ジャンがなじるように詰め寄ると、アニは少し俯き、それから再びジャンを見つめた。

    その青い瞳には、虐げられてきたものの苦しみと、申し訳なさと、様々な感情が去来しているように見えた。






    「・・・・・・・・・・・・私は、未来の世界のウォール公国の人間だ。」


    「!!」

    「じゃあ・・・・・・どうしてこんなことをしようと思ったの?」





    ジャンが驚き、マルコが静かに尋ねる。

    ややあって、アニが重い口を開き始めた。







  94. 94 : : 2016/08/24(水) 11:18:45







    「私は・・・・・・・・・・・・スラム街で生まれた。


    ずっと貧乏してきたし、両親の顔も知らない。

    街の連中とは上手くやってたけど、ただ虐げるだけのウォール公国の政府を私は・・・・・・・・・・・・憎んでた。


    あれだけ強大な政府さえ消せればいいって、私はライナーの計画に乗った。




    けれど・・・・・・・・・・・・私がやったことは、政府とやったことと何ら変わらない・・・・・・。」







    アニはそういうと言葉を切って、きゅっと口を結んだ。






    __________アニはライナーの計画を知らなかった。




    キングギドラを使うことこそ知っていたが、ライナーが憎しみのままに、ここまでの破壊行動を起こすとは全然、考えてもみなかったのだ。

    自分のしてきたことの甘さを痛感したアニは・・・・・・・・・・・・ライナーに反旗を翻すことを決心した。






    するとジャンは不意に立ち上がり、アニに言い放った。


    「仕方ねぇ・・・・・・・・・・・・あのキングギドラと未来人の野郎を俺たちは止める! 協力しろ!」






    ぶっきらぼうなジャンの言葉に、アニはゆっくりと頷いた。







  95. 95 : : 2016/08/24(水) 11:18:48
    期待っす!
  96. 96 : : 2016/08/24(水) 11:25:40
    >>95
    ありがとうございます(∩´∀`)∩
  97. 97 : : 2016/08/25(木) 17:39:01







    「さて、アニ・レオンハート・・・・・・・・・・・・君に言っておきたいことがある。」



    話が一段落したところで、今度はエルヴィンが口を開いた。







    「クリスタが今、ゴジラの存在を感じている。」

    「!! まさか!?」

    「ゴジラはまだ消えていない。」

    「つまり・・・・・・・・・・・・キングギドラを倒すために、ゴジラを・・・・・・復活させようと?」






    アニが恐る恐る声をかけると、エルヴィンはゆっくりと頷いた。





    「ゴジラ・・・・・・いや、ゴジラザウルスをゴジラとして復活させるためには、核エネルギーをゴジラに与える必要がある。」

    「・・・・・・・・・・・・。」





    エルヴィンの話をアニが渋い顔で聞いている中、マルコがぴくんと反応した。

    ジャンがマルコのただならぬ様子に気が付いて話しかける。




    「マルコ・・・・・・・・・・・・何か方法があるのか?」

    「!! と、とにかくロッド会長に連絡を取ってみるよ。」




    そういうとマルコは携帯電話を取り出し、ロッド会長と連絡を取り始める。

    まもなく、マルコはエルヴィン司令官に、携帯電話を差し出した。





    「お電話替わりました。エルヴィン・スミスです。」

    『お世話になっております。事情はマルコから聞きました。ゴジラを復活させる方法があります。』

    「!!」





    ロッド会長は一息つくと、ゴジラを復活させる具体的な方法について語り始めた。






    『・・・・・・・・・・・・わが社の所有する原子力潜水艦を、北マリア海の海底へと向かわせます。』








  98. 98 : : 2016/08/26(金) 08:11:32







    エルヴィンは耳を疑った。






    「げ、原子力潜水艦ですとッ!?」

    「!?」





    思わずエルヴィンが漏らした声を聴いて、ジャンやクリスタ、アニも驚愕する。

    それからジャンはマルコを、怒りと困惑の入り混じった表情で見つめた。






    「マルコ・・・・・・・・・・・・お前、このことを知ってたのか?」

    「・・・・・・・・・・・・。」






    マルコは黙して答えなかったが、その沈黙は知っていたということに他ならなかった。

    舌打ちをするジャンを横目に見ながら話をつづけるエルヴィンも、心情的にはジャンと同じであった。






    「ロッド会長。あなたはいささか大きな力を持ちすぎましたな。原子力潜水艦など、一企業が持っていいものではない。」



    『・・・・・・・・・・・・私はあの戦争の後から、のし上がっていくためには手段を選ばなかった。

    そうしなければ、今のこの国の発展はなかった。


    今回も、私は躊躇なく行動するつもりだ・・・・・・・・・・・・。』







    アニはこの話の流れを複雑な心境で聞いていた。



    確かに、ミットラス商事の手段を選ばない経営がなければ今日のウォール公国の発展はなかった。

    だが、このなに振りかまわぬやり方は、アニの嫌うウォール公国政府そのものとなり、やがては自分たちを虐げていくことになる。







    少し憂鬱な気持ちになったアニは、日の暮れかかっている窓の外を見つめた。







  99. 99 : : 2016/08/26(金) 08:12:26








    「!! しまったッ!!」




    突如、アニが大声を上げる。

    現代人たちがはっとして窓を見つめるとそこには・・・・・・・・・・・・。






    宙に浮くアンドロイド―――――――ベルトルトの姿があった。





    「!! あいつ、ライナーと一緒にいた!?」

    「ジャン、皆を連れて逃げて、あいつは・・・・・・・・・・・・アンドロイドだッ!!」





    アニが叫んだその瞬間、ベルトルトの拳が窓ガラスを木っ端みじんに吹き飛ばした。

    窓の外から、無言でふわりと床へと降りてくるベルトルトに対して、アニが鋭い蹴りを繰り出した。






    「何してるんだい!! 早く逃げなッ!!」




    格闘術の心得のあるアニが、必死になってベルトルトと戦い始めた。

    どうやらライナーは、アニを完全に敵とみなしたことが見て取れる。





    「カッコつけてんじゃねえよ!!」

    「うるさい!! 早く行けッ!!」




    ジャンが反発したものの、アニが大声で怒鳴る。

    すると、エルヴィンがジャンにそっと声をかけた。





    「ここは引くぞ。でなければ、彼女の行動が無駄になる。」

    「ぐっ・・・・・・。」






    __________後で必ず助けに行く。



    ジャンはそう心に誓って、ベルトルトと戦うアニを置いて自宅を脱出した。











    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  100. 100 : : 2016/08/26(金) 08:13:33
















    数時間後

    Mother船内






    「戻ったみたいだな、アニ?」

    「・・・・・・・・・・・・。」





    結局アニはベルトルトに捕らえられ、Motherのコクピットへと連行されてしまった。

    ライナーの前に引き立てられたアニは、ぎろりと彼を睨み付けるも、一向に動じる気配はなかった。






    「やっぱりお前は“悪魔の末裔”だ、アニ・レオンハート。」

    「大したもんだね。だから私にはすべてを教えなかったってのかい?」


    「ああ。お前の裏切りは織り込み済みだ。ベルトルト、アニを連れて行って監禁しろ。」






    ベルトルトはゆっくりと頷くと、現代人たちが閉じ込められていた部屋にアニを連行し始めた。

    さて、現代人たちには逃げられてしまったが、彼らにキングギドラを倒せるはずもない。








    「よし。次の目標は・・・・・・・・・・・・ユトピア区だ。」



    ライナーは憎悪をたぎらせ、キングギドラの行動をコントロールするコンピューターの前に座った。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  101. 101 : : 2016/08/26(金) 08:15:34








    同刻


    北マリア海の深い深いわだつみの底、

    光すら差さない海底の中を、ミットラス商事の原子力潜水艦が静かに進んでいく。






    『いいか? ゴジラザウルスのいる海域に迫ったら、すぐに小型潜水艇で脱出するんだ。』

    「はい、ロッド会長。」





    ストヘス区にあるミットラス商事本社ビルから、ロッド会長の通信が入ってくる。

    ゴジラ復活計画の段取り・・・・・・・・・・・・船員たちはロッドと共に、念入りな打ち合わせを行っていた。








    ギギ・・・・・・ギギギギ・・・・・・・・・・・・






    「!? な、なんだ!?」




    と、ここで、不気味な軋むような音が響き渡る。

    ピピピピピと、計器が悲鳴のような音を立てて鳴り響く。




    この反応は、近くに巨大な何かがあることを示していた。







    「馬鹿な!? まだ、まだ予定の海域からは離れて・・・・・・・・・・・・うわあ!!」









    __________クリスタが感じていた鼓動は、既に、目を覚ましていた・・・・・・・・・・・・。






    潜水艦が海底を進んでいる。

    その先に、巨大な黒い塊が咆哮した。







    『そんな!? あれが・・・・・・・・・・・・ゴジラなのかッ!?』



    船員たちのうちの一人が叫んだ後、原子力潜水艦からの通信はばったりと途絶えた。

    ロッドはザーザーと音を立てるばかりとなった通信機の前で、独り言をつぶやいた。









    「間違いない・・・・・・・・・・・・あの時の恐竜は、もう既にゴジラになっていた。

    私はみすみす餌をくれてやったようなものだ。




    ゴジラは・・・・・・・・・・・・さらに強大になって帰ってくる!」








  102. 102 : : 2016/08/26(金) 08:17:07















    __________38年もの沈黙を破り、怪獣王は遂にユトピア海の水面から姿を現した。


    その巨大な咆哮は海面を揺るがし、空気を裂いて轟きわたる。






    ベルトルトの追跡から逃れた現代人のうち、クリスタとマルコはユトピア平原から、その瞬間を目撃した。







    「あれが・・・・・・・・・・・・あの恐竜の成れの果てなの?」

    「なんてことだ・・・・・・前のゴジラは50m級だったって聞いたのに、今回のは・・・・・・きっと100mはあるよ!」






    ユトピア海の底に移されたゴジラザウルスは、そこに不法投棄された核廃棄物を吸収して、既に強大なゴジラと化していた。

    そこに、原子力潜水艦の核エネルギーが加わって、今までにないほど巨大化したゴジラは、悠々とその歩みをユトピア平野へと進め始めた。








    __________ゴジラ、ユトピア海に出現。





    その情報はクリスタを通し、すぐさま政府にも伝わった。

    ベルトルトの追跡から逃れたエルヴィンは官邸へと戻り、ザックレー総統と合流して情報の収集にあたっていた。




    ゴジラ復活の報に接して、エルヴィンは苦笑いを浮かべた。








    「吉報だな・・・・・・・・・・・・ゴジラが、戻ってきた。」









  103. 103 : : 2016/08/26(金) 08:40:20











    __________ゴジラは遂に、ユトピア平原へと上陸した。







    悠々とゴジラが歩みを進めるたびに地面は大きく揺らぎ、深い足跡を大地に刻んでいく。

    緑なす平野を、ゴジラはゆっくりと確かめるように進撃していく。




    その様子を遠巻きに眺めるクリスタとマルコ。






    「ッ!?」


    とここで、クリスタは・・・・・・近づいてくるもう一体の超怪獣の気配に気が付いた。







    上空から鋭く切り裂くような羽音と甲高い鳴き声が嵐のように響き渡る。

    振り向いたクリスタが声を失い、マルコがあっと声を上げた。







    「あれは・・・・・・・・・・・・キングギドラッ!!」












    「ゴジラが復活したか・・・・・・。

    この時代の人間どもは救いようのない馬鹿どもだ。」




    キングギドラの視覚を通して、ライナーはディスプレイに映し出されたゴジラを眺めて呟く。

    Motherの船内にて、ライナーはキングギドラを操作するコンピューターに、ゴジラ抹殺の司令を下した。







    「やれ。キングギドラ。」




    大きな両翼を羽ばたかせ、キングギドラはゴジラに相対するように地面に降り立った。

    100m級ゴジラをも上回る、140m級のキングギドラがゴジラを睨み付け、ゴジラも負けじと睨みを利かせる。









    現代人の業が生み出したゴジラか。

    未来人の遺伝子技術が生み出したキングギドラか。












    __________決戦の火ぶたは、切って落とされた。









  104. 104 : : 2016/08/29(月) 13:47:45








    激しい雷撃が、ゴジラを襲う。


    キングギドラの口から吐かれる三本の黄色い稲妻が火花を散らす。






    遠巻きに決戦を眺めているマルコやクリスタのところにさえ、その凄まじい地鳴りのような衝撃が伝わってくる。






    「ゴジラが、押されてる!」

    「クリスタ!! ここも危ないかもしれない!!」





    三本の激しい雷槍は、ゴジラをもたじろがせるほどに強力で、押されていくゴジラは背びれを青く光らせ、口から青い放射熱線を放つ。

    その熱線の威力はまさに段違いであり、初代ゴジラと比べてさえ数段強力なものになっていた。






    ドゴォオンッ!!




    熱線はまっすぐキングギドラの体に命中し、爆発する。

    キングギドラは、しかし、平然としてこの熱線を受け切った。




    少し驚いたゴジラがもう一度熱線を浴びせると、今度はキングギドラが本体を覆うように翼を閉じ、熱線を防ぎきって見せた。






    かつてないほど凄まじい打ち合いにクリスタとマルコが身じろいでいると、キングギドラが力強く羽ばたいた。

    ゴジラの熱線を飛んで躱し、キングギドラは上空からゴジラに襲い掛かった。





    突然の襲来にゴジラは吹き飛ばされ、その巨大な体が雷のような凄まじい音を立てて横転した。





    「うわぁッ!!」

    「きゃっ!!」




    激しい振動がマルコとクリスタを襲う。

    地面へと倒れたゴジラに、キングギドラが容赦なく襲い掛かる。



    その巨大な体で、上空からキングギドラが何度も何度もゴジラを踏みつけ始めた。






    ◇◇◇◇◇








  105. 105 : : 2016/08/29(月) 13:52:09








    「ふん、心配するまでもなかったみたいだな・・・・・・。」







    Motherの中から戦況を眺め、ライナーはほっと胸をなでおろしていた。

    伝説の怪獣もしょせん2世紀前の遺物かと、高を括っていたのである。



    と、ここで、Motherの計器が反応を示した。

    ディスプレイに表示されていたのは、アニのせいで現代人に奪われたKidであった。








    「ん? これは・・・・・・Kidが近づいてきているのか。あきらめの悪い現代人め!!」





    ライナーが思い切り毒づき、迎撃の態勢を取り始める。

    このとき、ライナーの注意は完全に外へと向かっていた。











    ドゴオォンッ!!




    突如、爆発音が響き、Motherの船内が大きく揺れる。

    驚いたライナーが振り向くと、そこには・・・・・・・・・・・・――――――

















    暫くして、ジャンがKidを降り、不気味な沈黙を続けているMotherへと乗り込んだ。






    「な、何だこりゃ?」



    船内はバラバラにされたアンドロイドたちが至る所に転がっており、ジャンは言葉を失った。

    さらに奥へと進んでいき、Motherの操縦室に入ると。






    「一足、遅かったじゃないか。」

    「!! アニに・・・・・・・・・・・・ベルトルト!? このアンドロイドは敵じゃなかったのか!?」


    「プログラムを書き換えたのさ。今は私の味方だ。」






    アニとベルトルトが、既にジャンを待ち構えていた。

    アニの足元には、ベルトルトにのされて気絶しているライナーもいる。






    (女って怒らせると怖えな)


    ジャンは密かに、震える思いであった。







  106. 106 : : 2016/08/29(月) 13:53:12







    「さて、仕上げと行こうか。」





    アニはベルトルトに目配せをする。

    ベルトルトはゆっくりと頷き、そして、スーパーコンピューターに向かってこぶしを繰り出した。








    __________バアァアンッ!!


    スーパーコンピューターが激しい火花を散らし、沈黙。







    その瞬間、ゴジラを何度も何度も何度も何度も踏みつけていたキングギドラの頭からも火花が飛び散った。

    洗脳パルスが突然に破壊されて、キングギドラは仰向けに転倒、巨大な地鳴りを響かせた。






    「!! いったい何が起こったの!?」

    「分からない。でも、これで何とか勝てるよ!!」





    突然の形勢逆転に歓喜するクリスタとマルコ。




    起き上がったゴジラは仕返しとばかりにキングギドラの尻尾を掴むと、何度も何度も何度も何度も地面にたたきつけ、その度に巨大地震のような揺れが北の大地に走る。

    ゴジラはそれからジャイアントスイングで、キングギドラをぐおんぐおんと豪快に投げ飛ばし、大地は巨大な爆弾が炸裂したかのような揺れに見舞われた。







  107. 107 : : 2016/08/29(月) 13:55:17









    Motherの船内からゴジラの逆転劇を眺め、ジャンとアニは一安心だったが、同時に不安にも見舞われていた。

    と、その時、船内にアナウンスが流れた。






    『タイムワープまで、あと10分前。』




    Motherには緊急時に、元の時代に戻れるように自動タイムワープが設定されていた。

    いかにも用意周到なライナーらしい緊急脱出装置である。



    このアナウンスを聞いて、ジャンは気を失っているライナーに毒づいた。





    「このまま逃がすわけねぇだろ。現代をこんなにめちゃくちゃにしやがってよう。」

    「同感だね。私も彼をこのまま返す気はない。」





    ここで、ジャンとアニが目線を合わせた。

    それから、2人はまるで古くからの友人同士のような笑みを浮かべた。





    「アニ、俺に名案があるんだが。」

    「奇遇だね。私にも名案がある。」





    ふたりは頷くとライナーを残し、ベルトルトを引き連れてMotherの操縦室を後にした。






    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  108. 108 : : 2016/08/29(月) 15:41:28








    「!! ゴジラが!?」

    「泡を吹いているわ。ゴジラ・・・・・・。」






    マルコとクリスタが心配そうにつぶやく。



    未来人の洗脳コントロールがなくなったとはいえ、キングギドラは強大な怪獣であった。

    引力光線で攻撃を仕掛けてゴジラに近づき、それからキングギドラはその長い首で胴体と腕、それから首に巻きつき、ぎりぎりと締め上げた。





    口からブクブクと泡を吐き、体をビクンと震わせて苦しがるゴジラ。




    ゴオォッ!
    ゴオォォッ!!



    すると、ゴジラの口が青く光り、まるで放射能熱線を飲み込むようにエネルギーを体内にため込んでいく。














    ・・・・・・・・・・・・ッドオオォンッ!!



    次の瞬間、ゴジラの体表から強烈なエネルギーが放たれた。







    ゴジラの必殺技―――――――“体内放射”




    口から放たれる放射能熱線を、体中から放つ。

    ゴジラの体を締め上げていたキングギドラは強烈な体内放射をもろに喰らってしまい、たまらず吹き飛ばされて仰向けに転倒した。






    更に、ゴジラは容赦なく仰向けに倒れたキングギドラに放射能熱線を浴びせる。






    ゴオオォォッ!!

    バキャァッ!!





    キングギドラは哀れにも中央の首をもぎ取られ、ゴジラは雄叫びを上げた。







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  109. 109 : : 2016/08/29(月) 16:15:09








    さて、Kidに乗り込んだジャンとアニは、コンソールの前に座ったベルトルトに指示を出した。





    「よし、準備はいいか?」

    「やって、ベルトルト。」



    「了解。テレポーテーションスタート。」





    ベルトルトが素早いタイプでテレポーテーション装置を起動させ、Kidから放たれる光にMotherが包まれていく。

    コンソールの前に3Dで表示されたMotherがテレポーテーションで移されていく。


    ジャンは小さくガッツポーズをしてつぶやいた。





    「・・・・・・・・・・・・やったぜ。」










    ゴジラが雄叫びを上げるユトピア平原。

    その一角に、突然光が降ってきた。





    やがてその光は円盤の形をとって、Motherはユトピア平原へとテレポートしてきた。









    「う、うぐ・・・・・・・・・・・・。」



    漸く気が付いたライナーは緊急脱出のためのタイムワープが起動していることに気が付いた。

    それに、自分がテレポーテーションさせられたことにも。







    「アニの奴め・・・・・・・・・・・・くそ、ここはどこだ!?」




    周りの状況を確認するためにスイッチを押し、窓のシェルターを開ける。

    すると、窓の外には・・・・・・・・・・・・。








    「ごっ!? ゴジラッ!?!?」








  110. 110 : : 2016/08/29(月) 16:21:36








    ゴオオォォッ!!


    ドゴオォオォォンッ!!






    ゴジラは容赦なくMotherに放射能熱線を浴びせ、Motherはライナーもろとも吹っ飛んで大破した。








    いったいこれは何なんだと首をかしげるゴジラ。

    と、ここでゴジラは、戦意を喪失して空を飛び、ユトピア海へと逃げていくキングギドラを睨み付けた。






    ゴオオォォッ!!



    怪獣王は非情にも放射能熱線を浴びせ、青い熱線はキングギドラの巨大な黄金の左翼を貫いた。





    体内放射を全身に浴び、
    放射の熱線によって中央の首を吹き飛ばされ、

    挙句に左翼を貫かれて、満身創痍のキングギドラは墜落していき、



    ユトピア海に勢いよく突っ込んで、巨大な水しぶきが上がった。






    キングギドラはそのまま、ユトピア海の深い深い海の底へと沈んでいった・・・・・・・・・・・・。







  111. 111 : : 2016/08/31(水) 21:44:20
    面白いですね
  112. 112 : : 2016/09/02(金) 12:21:46
    >>111
    ありがとうございます(∩´∀`)∩
  113. 113 : : 2016/09/02(金) 12:23:30








    キングギドラを駆逐し、Motherをライナー後と吹き飛ばし、悠然とユトピア平原を横切っていくゴジラ。

    まさに怪獣の中の王たるにふさわしい威厳でもって移動していくゴジラを見つめ、マルコが呟いた。







    「これで、キングギドラの脅威は去った。でも・・・・・・ゴジラは、いったい誰が止めるの?」












    同刻、ミットラスの官邸の動きもにわかにあわただしくなっていた。






    「ゴジラ、キングギドラを駆逐後、ユトピア区の都市部に向かって進撃中!!」

    「くそ、キングギドラの代わりに、今度はゴジラが来るぞ!!」






    キングギドラを駆逐するための切り札、救世主―――――ゴジラは一転して、今度は人類の脅威と相成った。


    ・・・・・・・・・・・・いつの時代も真に残酷なのは人間である。





    さて、ザックレーをはじめとする閣僚たちがあれやこれやと指示を飛ばす中、エルヴィンは再び苦笑いを浮かべて呟いた。








    「凶報だな・・・・・・・・・・・・ゴジラが、戻ってきた。」








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  114. 114 : : 2016/09/02(金) 12:58:50








    現代に蘇ったゴジラは、その巨大な咆哮を、ユトピアの摩天楼の間に響かせた。

    ズシン、ズシンと重い足音を響かせ、紅蓮の炎と黒煙を巻き起こしていく。





    ユトピア区の防衛を任されている指揮官、ミケ・ザカリアスは通信機に向かって指示を出した。







    「メ―サー戦車、前進ッ!! ゴジラを迎え撃てッ!!」





    ビルとビルの間を、メーサー戦車隊がまっすぐに進んでいく。

    パラボラアンテナのような砲身をゴジラにまっすぐに向け、静かにその時を待つ。






    「撃てッ!!」




    ミケの合図で、メーサー戦車から青い雷土が一斉に放たれた。



    http://livedoor.blogimg.jp/rorikonn7/imgs/1/f/1f35bbfd.jpg







    雷土はゴジラに命中。


    火花を上げてエネルギーがはじけ、黒煙が立ち込める。






    「よしッ!!」



    戦車の中に乗るナナバが小さくガッツポーズする。

    ゴジラに対して電気系統の攻撃が有効であるのは、過去のデータを見ても確かなことであった。










    だが、そのためには火力が足りなかった。








  115. 115 : : 2016/09/02(金) 13:36:30








    ゴオオォォッ!!



    突如、黒煙の中から青色の光線―――――放射能熱線が放たれ、メーサー戦車のうちの一機を吹き飛ばした。







    「ゲルガアァァッ!!」



    ナナバが大声で叫んだその時、黒煙の中から、ゴジラは再びその巨体を現した。

    かの怪獣の体は、メーサー戦車の雷土の集中砲火を浴びたにもかかわらず、まったくの無傷であった。







    「そ、そんな馬鹿な・・・・・・。」



    ナナバが見上げると、ゴジラの怒りに満ちた双眸がこちらを見下ろしていた。

    危険を感じたナナバが戦車を後退させながら雷土を放つ。





    だがそれは、火に油を注ぐ結果となってしまった。







    ゴオオォォッ!!




    ゴジラの放射能熱線が再び炸裂。

    展開していたメーサー戦車は、薙ぎ払われるように熱線を浴び、爆発、炎上した・・・・・・。










    部下であるナナバやゲルガーを失い、ミケはスクリーンの前で呆然と呟いた。



    「そんな・・・・・・ユトピアの街が・・・・・・。」







    それは、38年前に進撃してきたゴジラの恐怖の再来であった。

    建物という建物は紅蓮の炎に包まれて、深夜のユトピアを赤々と照らし出した。




    その中を、巨大で黒い塊―――――――ゴジラはゆっくりと移動していく。








    ユトピア区は完全に壊滅し、ゴジラは次に、王都ミットラスの一角―――――ストヘス区へと歩みを進め始めた。








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  116. 116 : : 2016/09/02(金) 14:04:10







    クリスタとマルコは、車でゴジラを遠巻きに追いかけながら、ストヘスの街が壊滅していく様をただただ眺めるしかなかった。







    「これじゃあ、まるで・・・・・・・・・・・・38年前と同じじゃないか。」

    「・・・・・・。」






    マルコが絶望に沈んだ顔でつぶやき、クリスタが静かに沈黙する。



    沈黙のうちに、クリスタは・・・・・・・・・・・・ゴジラの激しい怒りを感じ取っていた。



    自らの住処を追われ、放射能によって怪物にされ、あまつさえ人類に利用されて今度は滅ぼされようとしている。

    こんな身勝手な人類に、怒りを感じないほうがおかしいのだ。







    物思いにふけって依然クリスタは沈黙したままに座っていた。

    が、ふと上を見上げると、Kidが車の真上を飛んでいるのが見えてきた。






    「!! マルコ!!」

    「ん? あれは!? きっとジャンとアニだ!!」







    ◇◇◇◇◇







  117. 117 : : 2016/09/02(金) 14:28:59







    「ジャン!!」

    「悪かったな、クリスタ。心配をかけてよう。」





    Kidから降りてきたジャンにクリスタが駆け寄ると、ジャンは彼なりに優しい言葉をかけた。

    クリスタは一瞬案したような表情を浮かべ、それから、恐怖におびえたような顔をのぞかせた。






    「ジャン・・・・・・・・・・・・ゴジラは、ゴジラは怒り狂ってる。」

    「クリスタ?」


    「聞いて・・・・・・ゴジラは、もうあの時のゴジラザウルスとは違う。」






    それからクリスタは、自分が感じ取ったゴジラの内面をジャンやマルコ、アニに話し始めた。

    ジャンは静かに目をつむり、それからゆっくりと頷いて答えた。






    「・・・・・・・・・・・・ゴジラは、俺たち人類を敵とみなしたってわけか。」

    「私・・・・・・ゴジラより、私たち人類が恐ろしい。」






    小動物のようにぶるぶると震えるクリスタの言葉に、アニが暗い表情で答えた。






    「“悪魔の祖先”・・・・・・。」

    「えっ?」




    「私たち未来人はあんたたち現代人のことをそう呼んでた。

    でも、何のことはない。


    あんたたちが“悪魔の祖先”なら、私たちは・・・・・・“悪魔の末裔”だった。」






    悔恨をにじませたアニの言葉に、現代人たちが沈黙する。

    ややあって、アニは決意を秘めた表情を浮かべた。







    「ゴジラを現代に蘇らせたのは、私たちだ。

    私に・・・・・・・・・・・・考えがある。」







    するとアニは一人でKidに乗り込んだ。

    まもなくKidは宙に浮き始め、まぶしい光に包まれたかと思うと、次の瞬間には跡形もなく消え去った。









    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  118. 118 : : 2016/09/02(金) 15:47:15








    『ゴジラは、現在、ストヘス区に、向かって、侵攻中です。付近の住民は、直ちに、避難、して、下さい。』






    真昼のストヘス区。





    中央にひときわ高く聳え立つストヘス・ツイン・タワーを中心に、日の光を映して燦然と輝く摩天楼。

    眩しいばかりのビル群は、しかし、人気がなくて閑散としていた。




    ゴジラ接近を告げる警報が虚しく響く。



    そんな中、変わった二人組がこっそりと街の中を走っていた。







    「フランツ!! やめようよ!! ここは立ち入り禁止なのよ!!」

    「ウォール公国のピーター・アーネットに何を言うんだい? 僕は戦うレポーターなんだぞ、ハンナ?」

    「ゴジラと戦ってどうするのよ!!」

    「いいからいくぞ!」





    レポーターのフランツとカメラマンのハンナは、こっそりと、ゴジラを撮影するためにビルの中へと潜入した。












    官邸では、ストヘス区を最終防衛ラインとする首都ミットラス防衛作戦が立案されているところであった。

    指揮官のエルヴィンは街の中にメーサー戦車を配置し、ゴジラをここで殲滅させる覚悟。



    だが、エルヴィンの脳裏から、不安が去ることはなかった。





    「・・・・・・・・・・・・おそらく、我々の全軍を投入しても、火力が不足するでしょう。」




    エルヴィンの見通しは暗かった。

    たとえ玉砕覚悟でゴジラに挑んだとしても、ゴジラを駆逐することはできない。





    それでも、エルヴィンは臆することなく作戦を立案した。


    「しかしながら、ここで戦わなければ、われらの負けは決定的になります。戦わなければならないのです。」






    エルヴィンの言葉に、ザックレーはゆっくりと頷く。


    こうして、ストヘス区において、ゴジラ迎撃作戦は行われることとなった。






    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  119. 119 : : 2016/09/02(金) 15:50:02








    「くそ、無茶すぎるッ!!」





    エルヴィンから作戦を通信で聞かされ、ジャンは思わず机をバンと叩いた。



    ジャンは今、王都ミットラスの中央区にあるとあるモニター室の中にいた。

    そこにはマルコやクリスタも一緒にいる。





    ジャンにしても、エルヴィンが全滅覚悟の作戦を遂行しなければならないことは分かっていた。

    やり場のない怒りをジャンは飲み込み、震える声でエルヴィンに問いただした。






    「どうしても・・・・・・・・・・・・やるんですか?」

    『・・・・・・・・・・・・そのつもりだ。』






    ややあって、モニターの電源が入り、ストヘス区のビル群へと進んでいくゴジラの姿が映された。





    __________もはや、一刻の猶予も、残されていない。










    プルルルッ! プルルルッ!





    突然、モニター室に携帯の着信音が響き渡った。

    携帯を取り出し、電話に出たのは・・・・・・・・・・・・マルコだった。






    「もしもし、ロッド会長?」

    『やあマルコ君。』






    電話の相手は、ロッド会長であった。

    このタイミングに電話をかけてきたのを不審に思いながら、マルコは話をつづけた。







    「会長はもうミットラスに避難されましたか?」

    『いやあ。私は今一度・・・・・・・・・・・・ゴジラに、会いたかったんだよ。』



    「・・・・・・・・・・・・えっ?」







    ロッドはそういうと、社長室の机の上に携帯を置いた。

    マルコが必死に叫ぶ声など、彼の耳にはもう届かなかった。



    ロッドは窓に向かって歩いていき、ミットラス商事の本社ビルから外を覗いた。







  120. 120 : : 2016/09/02(金) 15:51:08








    そんな彼の目の前に・・・・・・・・・・・・ゴジラは、姿を現した。








    不思議なことに、ロッドとゴジラはしばらく見つめあっていた。

    お互い、果てしなく巨大化して、暴走するように時代を駆け抜けてきた身である。





    両者の間には、相通じるものがあった。




    だが、ロッドは・・・・・・・・・・・・ゴジラが嫌う、人間の残酷さを体現するものでもあった。






    __________ロッドは悟った。




    ゴジラは、かつて自分を救ってくれたゴジラザウルスとは、もう変わってしまったのだと。

    自分が必死になって築き上げたものを、ゴジラは容易く踏みつぶしていくだろう。





    ゆっくりと、ロッドは頷き、両手を広げる。


    そして、ゴジラは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・















    熱線を吐いて、ロッドを本社ビルごと吹き飛ばした。








    「ロッド会長ッ!!!」




    携帯から聞こえてくる轟音に、マルコは悲鳴のような大声を上げた。

    次の瞬間、モニターに映されたのは、ミットラス商事の本社ビルに、ゴジラが突っ込んでいく姿であった。








    同刻、官邸はいよいよ緊張に包まれていた。


    モニターに映される、ストヘス区へ進撃するゴジラの姿を見て、エルヴィンがいよいよ、攻撃の合図を下そうとしていた。







    まさにその時だった。

    官邸に、緊急通信が入ってきた。







    『ストヘス区上空に巨大なエネルギー反応をキャッチしていますッ!!』








  121. 121 : : 2016/09/02(金) 15:53:13






    __________その瞬間、天に黄色い稲妻が走った。






    激しい光に気が付いたゴジラが見上げると、そこには・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの140m級の巨体を誇る怪獣が、再び姿を現した。







    その場に居合わせた官僚たちは思わず立ち上がり、我が目を疑った。

    エルヴィンでさえ、驚愕のあまり、言葉を漏らした。






    「あれは・・・・・・・・・・・・キングギドラ、なのか!?」







    ジャンやマルコ、クリスタのいるモニター室にも、その巨大な姿が映し出された。

    クリスタやマルコが目を見張る中、ジャンは冷静につぶやいた。






    「いや、ありゃキングギドラじゃねえ。胴体と真ん中の首、両翼が機械化されてやがる。

    名前を付けるなら――――――――“メカキングギドラ”だ。」






    ゴジラに吹き飛ばされた中央の首、

    穴をあけられた両翼、

    胴体を銀色の機械に置き換えた怪獣――――――“メカキングギドラ”






    http://bandai-a.akamaihd.net/bc/img/model/b/1000091247_6.jpg







    電子音の混じった甲高い鳴き声をあげ、メカキングギドラはぐるりとストヘス区を旋回。

    それから、メカキングギドラはゴジラと対峙するように、ストヘス区の摩天楼の間に着陸した。


    暫くして、モニターを見ていたジャンは、はっとしてつぶやいた。







    「まさか・・・・・・・・・・・・あいつが?」








  122. 122 : : 2016/09/02(金) 15:57:26








    中央の首の真下。



    そこにある円盤の中には、操縦席が設けられていた。




    Kidを改造して組み込んだ操縦席。

    その中に座って、一人の女性は、モニター越しに100m級のゴジラと対峙した。





    (やっぱり、怖いもんだね・・・・・・。)




    浮足立つような、根源的な恐怖をその女性は感じていた。

    何せ、相手はあのゴジラだ。



    操縦桿を持つ手がおのずと震える。





    でも、自分でしでかしたことだ。

    自分でしっかりとケリをつける。



    そうでなければ、私はあの人たちに顔向けができない。






    覚悟を固め、アニは操縦席に搭載したコンピューターに話しかけた。






    「準備はいいかい? ベルトルト?」

    『いつでも。』






    アニが手に力を込めて操縦桿を握り、メカキングギドラが甲高い鳴き声で咆哮する。






    __________ストヘス区決戦。



    アニは勇気を振り絞り、メカキングギドラでゴジラに戦いを挑んだ。







  123. 123 : : 2016/09/04(日) 14:21:28







    決戦はまず、中央の首が青と赤の稲妻――――プラズマ光線を放って始まった。


    左右の首もゴジラに向かって黄色の引力光線を放ち、ゴジラへと稲妻を集中させる。






    メ―サー光線とは比較にならないほどの閃光、威力、爆発の大きさに、官邸にいる閣僚たちは軒並み沈黙した。






    「我々にできることは、何も、ありませんな・・・・・・。」




    エルヴィンでさえ、こうつぶやくのが精いっぱいだった。

    それくらい、現代の科学力と未来の科学力には隔たりが存在した。




    ゴジラとの戦いで傷つき、200年以上海底で眠っていたキングギドラを引き上げてサイボーグ化した怪獣、メカキングギドラ。




    事実、ゴジラはメカキングギドラのメイン・ウェポンであるプラズマ光線、引力光線の集中砲火を受けて、じりじりと後退させられていた。

    当たらなかった引力光線が周囲のビルを勢い良く破壊していき、遠くのビルの屋上から戦闘を覗いていた軍人たちが慌てて撤退していく。







    後退させられたゴジラは、しかし、負けじと放射能熱線をまっすぐに放つ。



    熱線はメカキングギドラの胴体に直撃。

    バチバチとコクピットの計器から火花が噴き出し、アニを襲った。





    「ぐうっ・・・・・・。さすが、これだけじゃダメだね。」



    飛び散る火花の中で、アニは必死に操縦桿を握りしめる。

    ゴジラの胴体めがけて稲妻を集中させ、放射能熱線で押してくるゴジラを後退させようと必死に戦った。




    両者の光線が激しく飛び交い、周囲のビルを巻き込んで破壊していく。

    ストヘス区の輝くようなビル群が、たちまちのうちにこぼたれていく。




    するとどうだろう、集中砲火を浴びたゴジラはよろめき始めた。






  124. 124 : : 2016/09/04(日) 14:22:15







    「!! 見て、フランツ!! ゴジラがよろめいてる!!」



    ビルの中からゴジラとメカキングギドラの決戦を撮影していたハンナは興奮気味に叫んだ。

    が、よろめいたゴジラはそのまま、二人のいるビルへと倒れかかってきた。





    「!! まずい・・・・・・・・・・・・逃げるぞッ!!」



    そういってフランツは興奮しているハンナを引っ張ってビルの中を走って逃げ、そして・・・・・・。






    ドゴオォオォォンッ!!




    ゴジラは稲妻に押されて仰向けに転倒。

    そのままビルに突っ込んで、巨大な音と共に、瓦礫の中へと埋もれていった。





    「ダメ押しだ。」



    続いて、アニはストヘス・ツイン・タワーの東棟にプラズマ光線を放った。

    プラズマ光線によって東棟が傾き始め、ひと際高い建物の半分がゴジラに襲い掛かる。







    ドオオォオォォンッ・・・・・・・・・・・・





    凄まじい地鳴りに一瞬音が吸い取られ、炸裂し、それから静寂に包まれた。












    「よし、ゴジラに接近する。」




    ゴジラを捕獲しようとアニは、メカキングギドラに搭載されているAI、ベルトルトに話しかける。

    ベルトルトはゴジラに接近していくアニに注意を促した。







    『ゴジラはこの程度じゃ死なない。注意して。』







  125. 125 : : 2016/09/08(木) 01:26:02
    ゴジラお好なんですね(*^◯^*)
    期待っす!
  126. 126 : : 2016/09/10(土) 00:54:58
    >>125
    大好きっす(∩´∀`)∩
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩
  127. 127 : : 2016/09/10(土) 01:36:14






    ゴオオォォッ!!






    沈黙を突き破ったのは、瓦礫に埋まったはずのゴジラが口から吐きだした放射能熱線。

    直撃を喰らったメカキングギドラのコクピットから再び火花が飛び出す。





    「ぐっ、まさか・・・・・・。」



    瓦礫の中から体を起こしたのは、怒りに燃えるゴジラの恐ろし気な立ち姿。




    「ッ!!」



    殺気に満ちた、無機質な瞳に射すくめられ、背筋へ氷のように冷たい恐怖が駆け抜ける。

    あまりの恐ろしさに目を見開き、冷や汗を流す。





    『アニ、飛んで躱すんだ!!』


    恐怖という感情をプログラミングされていないAI、ベルトルトが的確なアドバイスを出す。





    ゴオオォォッ!!


    次の熱線を飛んで躱したメカキングギドラは、そのままゴジラに向かって突進していき、その巨体をゴジラにぶつけた。





    「う゛ッ!!」



    一瞬、凄まじい衝撃がコクピットの中に走る。


    それでもアニはコンソールを操作。

    キングギドラの左右の首が、それぞれゴジラに噛みついた。






  128. 128 : : 2016/09/10(土) 01:36:43







    右の首がゴジラの左手首に、左の首がゴジラの首に噛みついて、悲鳴のような咆哮を上げるゴジラ。

    それでもゴジラは力を振り絞り、至近距離から放射能熱線を撃ってきた。




    ドゴオォンッ!!


    青い閃光は、メカキングギドラの銀色の右翼を貫いて破壊。




    「しまった!!」


    バランスを崩したメカキングギドラはそのままゴジラに突っ込み、メカキングギドラはゴジラもろともストヘス・ツイン・タワーへ突進。





    __________ストヘス・ツイン・タワー、完全崩壊。





    ガラガラと音を立てて崩れていくツイン・タワーの中から、何とか体制を立て直そうとアニは必死にレバーを操作した。

    再びメカキングギドラが浮かび上がり、空中へと逃れていく。




    だが、これは失策であった。


    すぐに体制を直したゴジラにとって、空中に浮いている140m級の怪獣は、格好の的であったのだ。





    ゴオオォォッ!!


    容赦のないゴジラの放射能熱線が、メカキングギドラの左翼を貫いた。





    「うああッ!!」


    その瞬間、コンソールから再び火花が吹き出し、アニを襲った。

    続いて、突如として巨大な重力がアニの小さな体に圧し掛かる。





    「ぐうぅッ!!」


    銀色の翼を撃ち抜かれ、空中でバランスを崩したメカキングギドラは、そのまま仰向けになって地面へと落下。





    「ぐあああッ!!」


    ドォンという衝撃をストヘス区中に響かせて、メカキングギドラは、摩天楼の間へと落下した。






    墜落の衝撃たるや凄まじく、あまりの負荷にアニの体が激しく揺らされ、アニはコンソールの角に頭を強打。

    そのままアニは気を失い、額から血を流して、そのままがっくりと椅子の上でうなだれた。







  129. 129 : : 2016/09/12(月) 00:23:28







    「アニ!! 早く逃げてッ!!」


    その様子をモニターで見ていたクリスタが思わず叫んだ。





    「アニ、どうしたってんだよッ!!」



    焦燥にかられたようにジャンも叫び、マルコも心配そうに見つめているさなか、

    コクピットの中は、けたたましい警報音に包まれていた。





    『アニッ!! 起きて! しっかりするんだッ!!』




    ベルトルトは、自らがAIであることを忘れてしまったかのように、アニの名前を何度も呼んだ。

    AIの中に、本物の魂が宿ったかのように。


    何度も、何度も、なんども、なんども・・・・・・・・・・・・








    「・・・・・・・・・・・・うるさいね、ガンガン鳴らすのを、止めな。」





  130. 130 : : 2016/09/12(月) 00:24:10







    吐き捨てるように言うと、意識を取り戻したアニはレバーを思い切り引いた。

    途端に、仰向けになっていた140mもの巨体がグオンと起き上がる。



    あまりに突然に起き上がったためにゴジラは驚愕し、一瞬身じろいで隙が生じた。


    その一瞬の隙を突き、アニはコンソールのスイッチを押した。






    バシュッ!! バシュッ!!



    サイボーグ化されているメカキングギドラの金属の胴体から、四つのワイヤーにつながれたアンカーが発射。

    それぞれがゴジラの手足を捕らえると、ワイヤーを通じて高圧電流がゴジラに放たれ始めた。




    バチッ! バチィ!!



    ウォール公国の誇るメーサー戦車の放つ電撃よりも強力な電流が体内を駆け巡り、ゴジラは悲鳴のような咆哮を上げる。

    メカキングギドラの誇るゴジラ捕獲装置も、いよいよ大詰め。





    『アニ、マシンヘッドだ。』

    「分かっている。」



    そう答えたアニは、会心の笑みを浮かべてコクピットの天井にある巨大なレバーを思い切り引く。




    ガコォンッ!!



    メカキングギドラの腹部から、巨大なマジックハンドのようなマシンヘッドが飛び出す。

    そして、マシンヘッドはゴジラの胴体をがっちりと掴み、激しい電流を流し始めた。




    暴れるゴジラを掴んで離さず、高圧電流を流し続けるメカキングギドラ。





    と、次の瞬間、メカキングギドラの胴体が浮き上がりはじめ、100m級もの巨体を誇るゴジラを、まるでクレーンゲームのごとくに上空高く持ち上げ始めた。






  131. 131 : : 2016/09/12(月) 00:24:59







    「よし、ゴジラを海底深くに沈めてやる。」



    ゴジラを捕獲したアニは、操縦桿を握りなおしてメカキングギドラの行き先をミットラス湾へと向けた。

    電流を流されながら、海へと運ばれていくゴジラ。





    『アニ、ゴジラが暴れてる。これ以上あの熱線を食らったらこのメカキングギドラでも耐えきれないよ。』


    ベルトルトがそういった次の瞬間、ゴジラは自らを挟み込んでいるマシンヘッドを両手で叩き、電流を止めた。





    ゴオオォォッ!!


    電流による苦痛から解放されたゴジラは再び熱線をメカキングギドラに放射。




    火花を散らしながら、限界を迎えたメカキングギドラは、海へと墜落していき・・・・・・・・・・・・ドオオォンと大きな水しぶきを上げた。



















    『アニ・・・・・・・・・・・・タイムワープ10秒前。』






    しばらくして、メカキングギドラのコクピットであるKidが、海底から浮上してきた。





    メカキングギドラに捕獲されたまま、ゴジラは深いわだつみのそこへと沈んでいった。







    暗い海水の中から光降り注ぐ青空のもとに飛び出し、アニは今一度、Kidの中からウォール公国を眺めた。




    「・・・・・・。」



    今まで感じたことのなかった望郷の念にふっと駆られ、その視線の先にいるだろう自らの先祖に向かって、アニは静かに呟いた。






    「さようなら。私の国・・・・・・。」






    Kidの機体に稲妻と光が走り、アニは23世紀の未来の世界へと還っていった・・・・・・・・・・・・。













  132. 132 : : 2016/09/12(月) 00:26:06





























    深い、深い、わだつみの底・・・・・・・・・・・・。



    マシンヘッドで捕らえられ、沈んでいったゴジラは・・・・・・・・・・・・放射能熱線でメカキングギドラの胴体を吹き飛ばした。










    ゴジラは・・・・・・・・・・・・死なず。






                         続く






  133. 133 : : 2016/09/12(月) 00:33:57
    以上で、第二作、「ゴジラVSキングギドラ」は終了になります。


    いやあ、私にしては長い時間がかかってしまいました(;´・ω・)

    次回作、「ゴジラVSメカゴジラ」は、映画を見直してから執筆していきます(*^^*)



    最後に、たくさんの星をいただき、感謝感激雨あられです(*^▽^*)



    ありがとうございました(∩´∀`)∩
  134. 134 : : 2016/09/12(月) 21:17:39

    夜遅くまで執筆お疲れ様でした!
    前作に続く進撃のゴジラ、今回も良い作品でした!

    前回書いたコメに書きましたが、人生で初めて見たゴジラ映画でもあり、また今では愛読の一つである「進撃の巨人」とのコラボは、僕にとって正に「待ってました!」と言うほどの展開でした!

    あれから随分と経ってもういい年ですが、こうして見返してみると、この作品って今までのゴジラ映画にはなかったいろんなシュエーションがてんこ盛りでしたね。

    恐竜、タイムマシン、アンドロイド、戦うヒロイン……。
    こういったハリウッド要素が取り入れていたのも、この作品の大きな見どころだったんだな……って自分なりにちょっと実感しました(笑)


    長々とすいませんでした。
    次回の「VSメカゴジラ」も頑張ってくださいね!
    こっちも「エヴァゴジ」頑張っていきます!!
    期待のコメありがとうございます!
  135. 135 : : 2016/09/13(火) 11:29:26
    >>134
    ゴジラ愛のこもった熱いコメント、ありがとうございます(∩´∀`)∩


    私が初めて映画館で観たゴジラ映画は「ゴジラVSデストロイア」でしたw

    ナオトさんはもしかすると私より年上ですかね(^^;
    デストロイアを観たとき、私は小学一年生か二年生でした。

    あの頃は毎年ゴジラ映画が封切られて、いい時代だったなぁとしみじみ感じており、幼いながらも非常に印象深いです



    長々と熱く語っていただきありがとうございます(∩´∀`)∩

    エヴァゴジ、期待してます!!
  136. 136 : : 2016/09/13(火) 21:32:35
    執筆お疲れ様でした。
    シン・ゴジラしか知らない俄か者ですが、あの映画とMGSさんの作品のおかげで、今迄未知だったカテゴリーの面白さに目覚めそうです。
    シリーズ二作品共、世界観の混ざり具合が絶妙で、久しく感じていなかった、ssを読んだ後のカタルシスを感じられて幸せでした(*・ω・*)
    次作品も期待しております。
  137. 137 : : 2016/09/15(木) 00:27:02
    >>136
    月子さんにこんなコメントを頂けるなんて、わたくし思わず飛び上がって喜んだ次第です(∩´∀`)∩

    本当にありがとうございます!!



    そうですか、いよいよゴジラ沼に足を踏み入れそうですかw
    ぜひぜひと手招きをしておきたいなと思いますw


    次回作も頑張りますので、よろしくお願いいたします<m(__)m>
  138. 138 : : 2018/01/27(土) 21:38:38
    ゴジラは攻撃できない。われわれファーストオーダーしかゴジラの倒し方をしれないぞ。

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
hymki8il

進撃のMGS

@hymki8il

この作品はシリーズ作品です

ゴジラ×進撃の巨人 シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場