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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレン「最後の」 グリシャ「聖戦」 ③ ※進撃×インディ・ジョーンズ

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  1. 1 : : 2016/06/17(金) 12:44:15
    進撃×インディ・ジョーンズ、最後の聖戦、第3話になります。


    よろしくお願いします<m(__)m>
  2. 2 : : 2016/06/17(金) 12:45:57









    ナチスに捕らえられたエレンとグリシャは長テーブルのすえられた部屋へと連行されていった。
    そこにはナチスの将校たちと、エレンに背を向けて座る男がすでに待っていた。

    ベルトルトとアニは男のそばによって軽く頭を下げた。




    その様子を苦々しげに見つめながら、エレンはグリシャに尋ねた。






    エレン「おい、なんであいつがナチだってわかったんだよ!?」
    グリシャ「寝言で分かった。」

    エレン「へぇ・・・・・・・・・・・・えっ?」






    寝言だって!?
    冗談だろ!?






    エレン「・・・・・・。」
    グリシャ「・・・・・・。」




    あまりにも気まずくて呆然とするエレンに対し、気まずそうな笑みを浮かべるグリシャ。






    グリシャ「お前があの女を信用するからだ!」
    エレン「お前なぁ・・・・・・。」



    「私も言ったはずだよ・・・・・・・・・・・・人を簡単に信用しないようにとね。」






    背を向けて椅子に座っていた男はすっと立ち上がった。
    それは、エレンやグリシャが見知っている男だった。





    グリシャ「私は常々、コレクションのためなら母親を売る男だと思っていた。
    だが、こんな奴らに祖国と魂を売る男だとは知らなかったよ。





    ・・・・・・・・・・・・エルヴィン。」






  3. 3 : : 2016/06/17(金) 22:00:11






    金髪を七三に分けた、見るからに神経質そうだった男は笑みを浮かべた。
    その笑みは、先日エレンに見せた温和そうなものではなく、冷酷そのものといってよかった。


    エルヴィンはグリシャの非難に眉を動かすことすらせず、アニから手帳を受け取ると、中身を確認し始めた。





    エルヴィン「私は聖杯を追っているだけだよ、グリシャ。ナチスとは協力関係にすぎん。」
    エレン「ぐ、この裏切り者が。」





    憤懣やるかたないといった様子でエルヴィンをにらみつけるエレン。
    と、ここでエルヴィンはあることに気が付いた。






    エルヴィン「さて、エレン・イェーガー博士。手帳のページが破り取られているが、これはいったいどういうことかな?」
    アニ「聞く必要はありません、エルヴィンさん。」





    と、ここでアニが口をはさみ、エルヴィンから手帳をとってエレンに見せびらかすように近づいてきた。




    アニ「あんたに聞く必要なんかない。切り取ったのは聖杯のある寺院までの地図。それはキースが持っている。」
    グリシャ「!! お前、キースまで巻き込んだのか!?」




    アニの推論は正鵠を得ていた。


    エルヴィンは涼しい顔をして、「キースは目立つ。すぐに捕まるだろう。」とつぶやく中、エレンはきっぱりと言い放った。






    エレン「そいつは無理だろ。キースはもう二日も前に現地に飛んだんだ。運がよけりゃもう聖杯を手にしてるかもな。」
    エルヴィン「ほう?」


    エレン「あの地方の言語に強く、行く先々に友人がいる。一度溶け込んじまえば見つけ出せねえよ。」






    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







  4. 4 : : 2016/06/17(金) 22:00:53








    キース「誰か、英語が話せるものはいないか!? いや、水は魚にでもやれ!」




    一足先に聖杯探索の出発点である中東、ハタイ共和国の町、イスケンデルンに到着したキースは、現地の物売りたちにもみくちゃにされて苦戦していた。
    それもそのはず、キースは英語しかしゃべれないのだから。







    キース「英語を喋れるものは! いや、私は菜食主義者だ。鶏はいらん。くっ、言葉が全く通じんとは・・・・・・。」





    砂漠気候特有のからっとした暑さに、汗だくになりながら移動するキース。
    すると、後ろから不意に「キース博士?」声をかけられた。


    振り向くとそこには、ガタイの良い大男が立っていた。





    ライナー「キース博士じゃないですか!?」
    キース「むっ、ライナーか。しばらくぶりだな。」





    嬉しそうに握手を交わすライナーに対し、キースもわずかに口角を上げた。
    ライナー・ブラウンはエジプトに住む発掘王であり、よくエレンとコンビを組んでは宝物の発掘調査を行っていた。


    今回も、エレンたっての頼みで仕事を引き受けた次第である。






  5. 5 : : 2016/06/17(金) 22:04:54








    ライナー「それで、エレンもここに?」
    キース「いや、エレンは父親に会いに行った。」





    とそこへ、黒いスーツを身にまとった男が二人、キースとライナーの元へと近づいてきた。





    男「ようこそシャーディス博士。現地の博物館からお迎えに上がりました。」
    キース「ほう、それはご苦労だったな。」





    男たちの後をついていくキースとライナー。





    キース「現地の博物館か。」
    ライナー「そんなものはないですよ。」





    ライナーがぼそりとつぶやくと、二人の男はくるりとキースのほうを向いた。






    男「身分証(ペーパー)を。」
    ライナー「ああ。新聞紙(ペーパー)ならここにあるぞ。読みかけでよければ。」





    ライナーは懐から読み終えた新聞を取り出し、男たちの目の前に広げ、





    ライナー「おらぁッ!!」
    男「おうふッ!!」

    男「なに!?」





    不意にタックルをかまして男を一人倒し、もう一人の男と乱闘になった。
    町中が大騒ぎになる中、ライナーは大声で叫んだ。





    ライナー「早く逃げろ!」
    キース「もう嗅ぎ付けたのか!」





    もう一人を殴り倒し、キースの手を引っ張っていくライナー。
    ちょうどいい小屋の中にキースを入れ、入り口の前でライナーは構えた。





    ライナー「さあ、どっからでもかかってきやがれってんだッ!!」







    ブロロロロロ・・・・・・





    不意に後ろから音がしてライナーが振り返ると、扉が閉まったトラックが走り去るところだった。
    キースが入った小屋の入り口は、実はナチスのトラックだったのである。






    ライナー「なっ!? し、しまった!!」




    呆然と立ち尽くすライナーを残し、小屋に擬態していたナチスのトラックは、キースを乗せて走り去っていった。








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







  6. 6 : : 2016/06/17(金) 22:05:31








    そうとは知らないエレンとグリシャは背中合わせの二脚の椅子に座らされ、一本の太いロープで胴体を縛られていた。
    エレンは両手を前に、グリシャは背中の後ろに縛り上げられた。




    とここで、ベルリンからアニ宛に電報が届いた。






    ベルトルト「総統閣下からだ。アニ、君にアーリア大会への出席を命じている。」
    アニ「私に?」

    エルヴィン「聖杯捜索の経過報告も求められるだろう。グリシャの手帳を持っていけ。それでご機嫌をとるんだ。」


    アニ「分かりました。ベルトルト、現地で落ち合おう。」



    ベルトルト「それと、イェーガー父子はどうする? 殺しておいたほうがいいんじゃない?」
    アニ「いや、万が一地図が手に入らなかったときに必要になる。」


    エルヴィン「アニの言うとおりだな。まだ生かしておこう。」






    話が済むとエルヴィンとベルトルトは一足先に部屋を出て行った。
    近づいてくるアニを、エレンは苦々しげに見つめた。






  7. 7 : : 2016/06/17(金) 22:11:12








    アニ「あんただって、聖杯のためなら同じことをする。学者とはそういう生き物だ。そうだろう?」
    エレン「見損なうな。俺はてめえとは違う。」






    ぎろりとした目でにらみつけるエレンに、アニはそっと顔を近づける。
    エレンの耳元まで近づくと、そっとささやいた。







    アニ「あの時のあんたは、素晴らしかった。」
    グリシャ「ああ、私もそう思うよ、アニ・・・・・・。」






    夢のような一晩のことを思い出して、グリシャは思わず表情を崩した。



    が、振り返るとアニはエレンと濃厚な口づけを交わしているところであった。
    苦々しい顔で正面へと向き直るグリシャ。






    と、ちょうどそこへベルトルトが再び部屋に戻ってきた。



    ベルトルト「車の準備ができたよ、アニ。」







    アニがその唇をエレンの唇からゆっくりと離すと、途端に冷静になってつぶやいた。



    アニ「これが、オーストリア式のさよならだ。」







    アニがふいといなくなってしまうと、今度はベルトルトがエレンの前に現れ、






    ベルトルト「それで、これがドイツ式だ。ふんッ!!」
    エレン「へぶッ!!」

    グリシャ「あだッ!!」






    顔面を思いっきりグーで殴られ、のけ反ったエレンの頭がグリシャの後頭部を直撃した。







    エレン「・・・・・・・・・・・・オーストリア式のほうが断然いいな。」
    グリシャ「同感だ。」






    アニとベルトルトが部屋を去った後、二人は虚しそうにつぶやいた。







  8. 8 : : 2016/06/18(土) 13:06:06








    エレン「さて、逃げるぞ、親父。キースが心配だ。」
    グリシャ「んん? 大丈夫じゃなかったのか?」

    エレン「口から出任せだ。自分の博物館で迷う男だぞ?」


    グリシャ「・・・・・・・・・・・・そうだった。」







    グリシャはそう呟きながら、生真面目ながらどこか抜けている友人の姿を思い出していた。
    しかも極度の方向音痴と来た日には、聖杯の捜索なんて到底望めないだろう。







    エレン「俺の上着の右ポケットの中を探ってくれ。」
    グリシャ「なぜだ?」

    エレン「中にライターが入ってる。縄を焼き切るんだ。」


    グリシャ「名案だな。」






    縛られている両手を必死に動かして、何とかエレンのライターを取り出すグリシャ。
    何とかライターの火をつけ、両手を縛る縄に近づけようとする。

    が・・・・・・





    グリシャ「あつっ。」



    よりによってカーペットの上にライターを落としてしまった。
    足を延ばしても届かないので、何とか火を消そうと息を吹きかけるグリシャ。







    フーッ! フーッ!!


    ゴオオォオオォォォッ!!








    グリシャ「・・・・・・・・・・・・ジュニア、話がある。」
    エレン「しんみりした話なら後にしてくれ。」

    グリシャ「・・・・・・・・・・・・床が燃えてる。」


    エレン「はああッ!? なんでッ!?」






    火を吹き消そうとして燃えあがった炎は、瞬く間に長テーブルへと燃え広がり、部屋全体が炎に包まれ始めた。







    エレンとグリシャは必死になって、縛りつけられている椅子を動かした。






  9. 9 : : 2016/06/18(土) 13:49:02








    さて、ナチスの将校たちやアニ、エルヴィンは車に乗り込み、それぞれの目的地へと出発するところであった。
    先にアニの車がベルリンへと向けて出発する。



    続いて、エルヴィンの車が出発しようとしたとき、将校の一人が車に近づいてきた。






    エルヴィン「なんだ?」
    将校「報告です。イスケンデルンにてキースを捕縛。地図を確保したとのことです。」

    エルヴィン「ふふふ、そうか・・・・・・。」






    アニの報告を聞き、エレンよりも先に手を回して人を遣っていた甲斐があったとエルヴィンは笑みを漏らした。






    将校「ベルリンの総統閣下より電報です。」
    エルヴィン「なんだ?」

    将校「機密保持のため、アメリカ人の父子を抹殺せよとのことです。」





    エルヴィン「ふふふ、これでイェーガー父子もおしまいだな。」


    ベルトルト「私が始末してきます。君たちは僕についてくるんだ。」
    将校たち「はっ!!」


    エルヴィン「出してくれ。」






    エルヴィンを乗せた車はブルンヴァルト城を走り去っていき、ベルトルトは踵を返して城の中へと戻っていった。






  10. 10 : : 2016/06/18(土) 16:43:23







    グリシャの失態で部屋が燃え上がる中、エレンとグリシャは何とか炎から逃れようと必死に椅子を動かしていた。





    エレン「親父ッ!!」
    グリシャ「なんだッ!!」

    エレン「親父ッ!!」
    グリシャ「なんだッ!!」


    エレン「暖炉へ移るぞ! 煙を避けるんだ!!」
    グリシャ「ああッ!!」





    火のない暖炉へと必死に椅子を動かしていくエレンとグリシャ。
    炎は部屋中に燃え上がり、逃げ場が徐々に狭まっていく。





    エレン「よし、何とか手首の縄が緩んできたぞ。」



    必死に手首を動かし、縄をほどこうとするエレン。
    と、そのはずみで暖炉の中の壁にある秘密のスイッチを押してしまった。





    ガコンッ!

    ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・




    エレン「えっ?」
    グリシャ「これは!?」





    壁と床がぐるりと回り、反対側の壁に出た。
    そこはなんと、ナチスの将校たちがたむろする通信室となっていた。


    壁と床はぐるりと回って、元の燃える部屋へと戻ってきた。







  11. 11 : : 2016/06/18(土) 16:43:53







    グリシャ「どちらも最悪の状況だな。」
    エレン「もう少しなんだ、もう少しで・・・・・・・・・・・・あっ!」





    ガコンッ!

    ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・





    壁と床が再び回転し、今度は反対側の部屋で止まってしまった。
    やばいやばいと焦るエレンとグリシャ。


    そんな彼らとよりによって、年増の女将校と目が合ってしまった。





    とりあえず微笑むエレンとグリシャ。
    微笑み返す女将校。






    年増「敵だあああぁぁぁッ!!」







    ジリリリリリリッ!!


    けたたましいサイレンの音が鳴り響くなか、エレンは再びスイッチを押した。






    年増「殺れ! 撃ち殺せッ!!」



    年増が叫ぶ中、ほかの将校たちが壁と一緒に回転するエレンたちを銃撃してくる。






    グリシャ「うおおッ!?」
    エレン「あぶねッ!!」





    壁は再び回転して元に戻り、エレンはついに手の縄をほどいた。





    エレン「よし!!」
    グリシャ「!! ほどけたのか!?」

    エレン「ああ、今ほどくから待ってろ!」





    エレンは二人を椅子に縛りつけている縄をほどき、二人は煙突の筒の中へと隠れた。







  12. 12 : : 2016/06/19(日) 23:24:29







    年増「早く行きなッ! 撃ち殺すんだッ!!」



    年増が大声で指揮を執る中、壁を半回転させて将校たちが燃え盛る部屋へと移動していく。
    そこには二脚の椅子とほどかれた縄があるだけだった。





    将校「クソ!」
    将校「どこ行きやがったッ!!」




    と次の瞬間、エレンとグリシャが煙突の筒の中から飛び降りて、エレンは将校たちに殴り掛かった。
    運動がからっきしダメなグリシャは壁に張り付き、隠しスイッチを押して壁を回転させる。



    ぐるぐると壁は回転し、回転が止まった時には、エレンに殴られた一人の兵士がゆっくりと壁に寄りかかって倒れるところであった。





    エレン「!! ここに隠しスイッチがあったのか・・・・・・よし!」




    ようやくエレンは、自分がうっかり踏んでいた隠しスイッチを見つけた。
    エレンは暖炉の近くにあったヒトラーの胸像を手に取ると、壁の隙間に挟み込んで回転しないようにした。


    二人はナチスに没収されていた自分の荷物を取り戻すと、城内を必死に走って逃げ回りはじめた。






  13. 13 : : 2016/06/19(日) 23:25:09







    ベルトルト「僕の後についてくるんだ。」



    ベルトルトが将校を引き連れて、冷静に二人の後を追う。







    エレン「しまった! ここは行き止まりだ!」
    グリシャ「やれやれ。」





    城の中を逃げ回っていた二人は、なんと行き止まりの空間に出てしまった。
    焦るエレンに対し、グリシャはのんびりとしていた。





    エレン「クソ、どっかに隠し通路は!?」
    グリシャ「こういう時こそゆっくり座って考えるんだ、ジュニア。」

    エレン「お前なぁ。」






    グリシャはそう言って肘掛椅子にゆったりと身をゆだねた。
    と、ここで突然大きな物音がして、石の床が突然に螺旋階段へと形を変え始めた。





    エレン「えっ!? うおっ!? おわああぁああぁぁぁッ!!」



    立ち位置が悪かったエレンは螺旋階段を見事に転げ落ちていった。






    グリシャ「そうすれば解決の糸口だって見つかるものだ。」



    グリシャが座った肘掛け椅子は、螺旋階段を開くための隠しスイッチだった。
    落ち着き払ったグリシャは、息子が転げ落ちた階段を下りて行った。






  14. 14 : : 2016/06/19(日) 23:25:55







    城の外は、川に面していた。
    外の雨はすっかり上がったようで、太陽の光が差し込んでくる。


    浅瀬に停められたモーターボートを見て、エレンはまたボートかよと思わずつぶやく。





    が、ボートに代わるものを、エレンはすぐに見つけ出した。





    エレン「よし、これで逃げよう。」



    エレンはそうつぶやくと、モーターボートをつなぎとめている縄をほどき始めた。






    グリシャ「まったく。お前はいつもこんな目にあっているのか?」
    エレン「今日はまだマシなほうだ。」

    グリシャ「私には信じられんよ、まったく・・・・・・。」





    そういってボートの上にいるエレンに荷物を渡すグリシャ。
    が、エレンは荷物をグリシャに押し戻すと、モーターボートを降りて無人のまま発信させた。







    グリシャ「あれに乗るんじゃないのか!?」
    エレン「いや、今回はこっちだ!」






  15. 15 : : 2016/06/19(日) 23:26:14








    ややあって、ナチスの将校たちが城から出てきた。
    ベルトルトが水上を走り去っていくモーターボートを見て叫んだ。





    ベルトルト「ボートに乗って逃げたぞ! 君たちもボートに乗るんだ!!」




    将校たちがボートに乗り、準備を整えている。
    まさにそのとき。





    エレン「ひゃっほうッ!!」



    巨大な木箱の中から、サイドカーのついたバイクが飛び出した。
    バイクにまたがったエレンは猛スピードで走り去り、ナチスの将校二人を川に突き飛ばして逃走し始めた。







    ベルトルト「しまった! 追えッ! 逃がすなッ!!」







  16. 16 : : 2016/06/19(日) 23:41:25
    クリスタルスカルまでやってくださると個人的に嬉しく思います。期待です^^
  17. 17 : : 2016/06/19(日) 23:48:07
    期待ありがとうございます(∩´∀`)∩

    四部作書いていきたいと思いますので、いつになるかはわかりませんが、頑張りますね
  18. 18 : : 2016/06/20(月) 00:25:49

    前にスターウォーズのパロも書いてましたよね?

    進撃の巨人だけでなく、スターウォーズその物の原作愛を物凄く感じました。そのお陰か、読んでいてとても気分がよかったです

    完結まで、気長にゆっくり楽しませて頂きますね^^


    あと、ヘビ・・・要りますか?w
  19. 19 : : 2016/06/20(月) 00:49:49
    ハイ(∩´∀`)∩

    スターウォーズと進撃のコラボは、実は一番最初に書いて、失敗して消した作品でした。

    その後も何度か挑戦して、ようやく形になった次第です。
    ここまでの賛辞をいただけて、本当に報われた気分です(´;ω;`)



    あ、ヘビは・・・・・・勘弁してくださいまし<m(__)m>
  20. 20 : : 2016/06/20(月) 15:59:42







    ナチスを出し抜き、得意げになって森の中を爆走するエレン。
    グリシャは渋い顔をしながらサイドカーに収まっていた。






    エレン「はは、出し抜いてやったぜ。」
    グリシャ「そう簡単にいけばいいがな・・・・・・。」





    勿論そう簡単には行かなかった。



    エレンとグリシャの後ろから爆音が聞こえてくる。
    振り向くと四台のバイクに乗った屈強な男たちが、エレンを追ってきていた。






    エレン「く、しっかりつかまってろよ!」
    グリシャ「む、無茶はしないでくれ!」





    アクセルを握りしめ、全速力で森の中の道を駆け抜けていく。
    その後ろを、ナチスのバイカーが全力で追っていく。


    曲がりくねった道を通り抜け、熾烈なデットヒートを繰り広げる。






    Y字路をエレンは左へと曲がり、下り坂を下っていく。
    バイカーも三人がエレンの後を追ったが、残る一人は右の坂道を登っていった。


    途中で右に曲がったバイカーは道を外れ、先回りをしてエレンを迎え撃つ魂胆であった。






  21. 21 : : 2016/06/20(月) 16:00:03








    グリシャ「検問所が見えてきた!」
    エレン「突っ切るぞッ!!」







    検問官が引き止めるのも構わず、エレンは検問所のバーを突き破った。
    と、その先の行く手に、先回りしたナチスの姿が見えてきた。


    エレンはとっさに左手でオーストリア国旗のついた棒を手に取ってへし折った。






    エレン「おらあッ!!」
    バイカー「ぐあッ!!」




    銃を構えようとしていたちょうどその所へ、エレンはバーをバイカーの腹部に叩き込んだ。
    バイカーは吹き飛ばされ、バイクはまっすぐ進んで横転。





    バイカー「ぐああっ!」
    バイカー「うおわッ!!」




    後ろをついてきていた二人のバイカーを巻き込んだ。







  22. 22 : : 2016/06/20(月) 16:00:26








    さて、最後に残ったバイカーは慎重にエレンの後ろをついてきた。





    エレン「クソ、振り切れねぇ。」




    左手に棒を持ったままエレンは爆走するもののバイカーはしつこく食い下がってきた。
    前輪を持ち上げ、ウィリーの状態でサイドカーに乗り上げてグリシャを狙ってくる。





    いったん引いたものの、今度は左側へとバイクを進め、並走してきた。
    左手に銃を持ち、銃口をエレンへとむけようとするバイカー。


    その瞬間、エレンは左手の棒を投げつけた。






    ドゴォオォンッ!!


    バイカー「ぐああぁッ!!」






    投げつけた棒がタイヤの前輪の中に入り、バイクは煙を上げながら空中を舞った。
    バイカーは思いっきり地面へと投げ出され、ついにエレンはナチスの追撃を振り切った。






    エレン「どうだ? 今度こそ振り切ってやったぞ!」



    得意そうに話すエレンであったが、グリシャは仏頂面のままであった。






  23. 23 : : 2016/06/20(月) 16:01:02








    さて、しばらく道なりに進んでいくと、分かれ道が見えてきた。
    分かれ道の看板には、二つの都市の名前が刻まれていた。






         ← ベルリン    ヴェニス →





    エレンが右に曲がろうとすると、急にグリシャが止まれと喚きだした。






    エレン「何なんだよ!」
    グリシャ「行き先が違うぞ!」

    エレン「何言ってんだ!? 俺はこれからキースと合流する。」


    グリシャ「手帳はベルリンにある。」
    エレン「地図はキースが持ってんだぞ!?」


    グリシャ「地図だけでは聖杯にたどり着けんのだ!」









    エレン「・・・・・・・・・・・・そうかい。それ早く言えよ。」



    エレンはエンジンを止め、グリシャの話に耳を傾け始めた。







  24. 24 : : 2016/06/20(月) 16:29:49










    グリシャ「いいか、聖杯の寺院には命を奪う三つの試練が存在する。」
    エレン「ブービートラップか。」

    グリシャ「ああ。それを無事に切り抜けるヒントを古の文献の中から発見したのだ。」


    エレン「そいつはすごいな。で、そのヒントってのは何なんだよ。」



    グリシャ「・・・・・・。」


    エレン「・・・・・・まさか!?」
    グリシャ「覚えなくていいから手帳に書いておいたんだ!」






    居直るグリシャにエレンは呆れ顔になった。
    やっぱり親父は、俺が出て行ったころと何ら変わってない。






    エレン「ナチスのお尋ね者が本拠地のベルリンに行けってか!?」
    グリシャ「そうだ! 何よりも聖杯が大切だからな!」

    エレン「じゃあキースは?」


    グリシャ「キースだって同じことを言うだろう!」






    グリシャ・イェーガーという男は聖杯のためならこんなことをしても平気なのだ。






    エレン「神よ・・・・・・自分の身を捨てる殉教者になれと仰せですか。」




    バシンッ!


    エレン「いってッ!! なにしやがんだクソ親父!!」
    グリシャ「神を冒涜するんじゃない。」






    それからグリシャは真剣な顔になって、言い聞かせるように話し始めた。





    グリシャ「いいか、エレン・・・・・・これは考古学を越えた戦い。善と悪の戦いだ。
    聖杯がナチスに奪われたら、この世界は暗黒に閉ざされる。分からないのか!?」


    エレン「理解できねぇよ! テメエは聖杯にとりつかれてる! 母さんだって愛想をつかすにきまってるッ!!」



    グリシャ「・・・・・・・・・・・・カルラは、分かってくれていた・・・・・・。」
    エレン「じゃあなんで母さんが病気だってことに気が付かなかったんだ!? テメエが殺したも同然じゃねぇかよッ!!」




    グリシャ「・・・・・・・・・・・・カルラは、私に病気のことは隠していた。それで・・・・・・・・・・・・そのまま・・・・・・。」








    沈黙が、二人を包みこむ。






    ややあってエレンは、黙り込んだままバイクをベルリンへ向けて進めていった。








    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







  25. 25 : : 2016/06/21(火) 23:24:45








    ドイツ第三帝国帝都ベルリン






    夜の帳が下りた首相官邸前の広場では、ナチスによるアーリア大会が華々しく行われていた。



    建物という建物には鉤十字の垂れ幕がかけられ、
    多くの若者たちがナチスの軍服をまとい、
    鉤十字を掲げて行進した。





    そして、一段高い台の上の中央には、かの独裁者、アドルフ・ヒトラーが大会の様子を微笑ましいといった表情で見守っている。
    その左右をゲッベルスやゲーリング、ヒムラー以下、ナチスの要職を占める幹部たちがずらりと勢ぞろいしていた。


    その中に混じり、アニも大会の様子を見守っていた。






    広場の中央では、大きな火柱が上がっていた。





    ぱちぱちと音を立てて燃えているのは、こともあろうに本の山であった。
    トーマス・マンやアインシュタインなど、ナチスが退廃的、反ドイツ的とみなした本が次々と、燃え盛る炎の中へと投げ入れられていく。


    20世紀という時代に行われた焚書という行為に対し、アニは煮え切らない表情を浮かべていた。









    さて、広場の一角では一人の将校が気絶させられ、服を奪われていた。
    ナチスの軍服を着込んだエレンがグリシャにそっと近づくと、グリシャは苦々しげにつぶやいた。






    グリシャ「我々は、聖ならぬ地(・・・・・)の巡礼者というわけだな。」


    エレン「反吐が出るな・・・・・・アニを探してくる。」
    グリシャ「頼んだぞ。」







  26. 26 : : 2016/06/22(水) 00:59:49






    アーリア大会の途中、アニはナチスの幹部たちの中から抜け出し、浮かない顔をして回廊を歩いていた。
    すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。





    エレン「こんばんは、レオンハート博士?」





    冷静な口調の中に怒りをにじませるエレンに、アニは心底驚いた。






    アニ「あんたが、なぜここに!?」
    エレン「手帳を返してもらうぞ!?」




    エレンは乱暴にアニのコートの中へ手を突っ込むと、ひったくるように手帳を取り戻した。





    アニ「今更なぜ手帳を?」
    エレン「テメエらナチに燃やされちまうのは気に入らねぇからな。」


    アニ「ふん、私は聖杯のために彼らを利用してるに過ぎない。」




    アニにしてみれば、焚書をするようなナチスと同列に扱われるのは心外であった。


    と、ここで突然、エレンはアニの首を右手で締め上げた。
    エレンにとって、アニがまたしてもうまいことを言っていることが気に食わなかったのである。



    殺気だったエレンは、静かにつぶやいた。





    エレン「うまいこといいやがって・・・・・・・・・・・・ぶっ殺すぞ? 今ここで?」
    アニ「ぐっ、ここが、どこか、分かってるんだろうね?」





    現在置かれている状況を思い出し、エレンは怒りをようやく沈めて手を離した。
    そのまま何も言わず、エレンはアニにくるりと背を向けると、ずかずかと歩き出した。






  27. 27 : : 2016/06/22(水) 01:03:17








    エレン「親父、手帳は取り戻した。ここにはもう用はない。」
    グリシャ「ああ、さっさと立ち去るに限るよ。」






    言葉を交わすのもそこそこに、広場から立ち去ろうとするエレン。
    が、そこに大勢の人が押し寄せて、エレンとグリシャは人並みに飲まれてしまった。





    グリシャ「な、なんだ!?」
    エレン「一体どうなって・・・・・・・・・・・・ん?」




    人ごみに流されていった先に待っていたのは・・・・・・・・・・・・なんとヒトラー総統であった。




    驚きのあまり目を丸くするエレン。
    ぴたりと動きを止めて動かないヒトラー。


    両者はじっと見つめあったまま、エレンにとっては気まずい時間が過ぎていく。






    ややあって、ヒトラーはエレンが手に持っている手帳に目を落とした。
    この状況はヤバイ、ヤバすぎる!!




    ぱっとエレンの手から手帳を取り上げるヒトラー。




    すると、ヒトラーは側近からペンを受け取り、手帳に何か書き込み始めた。


    エレンの胸に手帳を押し付け、ヒトラーは側近を伴って去っていく。
    ぽかんとした顔でエレンは手帳を受け取り、中身を確認すると、そこにはこう記されていた。






             “アドルフ・ヒトラー”






    エレン「・・・・・・・・・・・・サイン貰っちまった・・・・・・。」



    エレンは複雑な表情で独裁者のサインを見つめた。







  28. 28 : : 2016/06/22(水) 01:04:30
    以上で、第3話が終了になります。
    次回もよろしくお願いいたします<m(__)m>

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hymki8il

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進撃×インディ・ジョーンズ ~最後の聖戦~ シリーズ

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