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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

キミと白昼夢

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  1. 1 : : 2016/03/06(日) 23:56:40
            ~前書き的なもの~




    はい、おひさしぶりです(´・ω・`)夢馬です。


    まず・・・・


        最 近 忙 し す ぎ で す(;´Д`)




    皆さまにとっては心底どうでもいい事で、私にとっては
    余命の算出に関わってくる程の懸案事項ですが・・・・


    まあ、忙しすぎてss的な物が全く書けません。

    ・・・まあ、言っても何の実りも無い愚痴などは捨て置き、
    ・・・このままではいかん、と言う事で、

    取り敢えず書きかけを先に書き上げるのが先決と
    知りながらも、新たに一本書き始める事で何とか
    空き時間捻出と執筆意欲に火を着けるべく
    一念発起した次第です。


    お話的に最初に書かせて頂いた、ハン×エレ ものの続きで・・・


    この御話では既に色々あってハンジさんとエレンの
    カップリングが出来上がっています。

    時系列は壁外遠征直前と言う事になっておりまして・・・


    つまり壁の外でのアレコレすらも、未だ経過していない
    頃の話として書かせて頂いてます。





    取り敢えず、以下、簡易注意事項へ、、

  2. 2 : : 2016/03/06(日) 23:57:03






           ※今更かもしれませんが※


    当SS的な何かの中で、ハンジさんは “女性(一応)”として
    描かれています。

    ・・・もう既に作画兵団の 方々や造形師様方の立派な活躍により
    彼(女)の雌雄判定は ほぼ確実なものとされてはおりますが、

    まだ今以て、 BL的リヴァ×ハン帝国の牙城を崩させまいと
    最後まで 戦い抜く歴戦の勇士が生存しているのもまた
    事実ですので、 そこは誤解の無きように最初に
    申し上げておきます。



          ※著しく凄まじい猛烈なキャラ崩壊※


    先ずハンジさんです。こちらのハンジさんに関しては出来るだけ
    原作的な、理知的でおしとやか、かつどこか抱擁感溢れる
    素敵な人として描いていきたい腹積もりでしたが、
    その辺りも色々ぶち壊しです。

    余りにもぶっ飛んでしまっている部分も多少ありますので
    ファンキー描写、要注意です。

    (ファンキー:おびえている・いやなにおいのする・一風変わった)


        ※改行形態の一時変更・セリフ等の一時改変※



    本文からですが・・・携帯縦画面に収まる改行形態・及び、
    キャラ名後のカッコにまたまた戻してみました。


         ※いつも通りの、原作、TV、スピンオフ全話
         ネタバレ、そしてそこかしこに転がる矛盾と、
         深刻なキャラ崩壊。そしてパロディ要素※



    原作全巻の既読に、アニメ全話と、限定版付属DVD全話に関する
    ネタバレ要素アリの方向でお願いします。・・・ただし、設定の
    不備などに関しては・・・公式ですら各所に矛盾点と
    断定はできないものの、それと思しき記載も散見されるため、
    その辺も大目に見て貰えたら有難いです。




    ※性的な描写はあってもそこまでドロドロしないと思います※




    ・・・それらに帰属するジョークは当然有々ですので、普通に
    チェックは入れてますが、 危ないと思ったら、
    ◆◆◆←こんな感じの警告線を挟みます。
    どうしてもエロスを払拭しきれない、そんな人間。




             ※頂いたレスについて※

    書き込みは可能ですし、万一何かお言葉を頂ければそれは
    どの様な方向性にしろ有難くレスを返させて頂いた上で
    一定時間経過後、非表示に切り替えると思いますが、そこは
    ご容赦の程をm(__)m



  3. 3 : : 2016/03/06(日) 23:58:49


















    トロスト区の襲撃、そして人類史上
    初の壁の奪還を成し遂げてから
    僅か数ヶ月。



    オレ達南方訓練兵団卒で、生き残った
    104期生の多くがその後調査兵団の門を
    叩く事になり、必然的にその大半が
    壁外遠征調査に臨む事になる
    一週間程前・・・



    ――つまりオレとハンジさんが
    そういった関係を持ってからも
    それなりの月日が経った頃、

    壁外遠征に向けた陣形練習もいよいよ
    本腰に入り、最近は調査兵団遠征組
    全員参加のもと、

    壁内にあって壁の外同様の陣形移動を
    想定した訓練が行える程度の広大さを
    有する平野部で訓練を開始して数日目。



    オレはといえば、自身の複雑な経緯も
    手伝った結果ではあるものの・・・・



    特別作戦班、
    つまり、“あの”リヴァイ兵士長による
    指名要員のみで構成される巨人戦の
    エキスパートともいえる精鋭部隊、

    通称『リヴァイ班』への引き抜きという、
    訓練兵卒直後の身の上では非常に
    稀となる待遇を受け入れることになった。


    ・・・実際これは引き抜きや、選定なんて
    大層なものじゃなく、早い話が
    単なる“監視”でしかないというのは
    当然理解していた。


    ・・・単純な戦力の都合で選別されるなら
    オレが選ばれてミカサが選ばれないのは
    どう考えても辻褄が合わないからだ。




    ・・・でも。



    それでもやっぱり内心、高揚が
    抑えらないのは事実だ。

  4. 4 : : 2016/03/07(月) 00:00:15




    何故って、そんな事は言うまでも無い。





    別にこれは、陣形の中でも特に荷馬車に
    次いで手厚い待遇を受けられる場所で
    並走できる安心感だとか、そういった
    ところから来る物じゃ無い。



    この高揚の理由は・・・単純にして明快な、
    一々考え直すまでも無いオレの中の
    一つの感情。それは間違いなく・・・・・




        ―――"憧れ"だ。





    今日この日まで、どんなに苛烈を極める
    人道外れた訓練にも折れることなく
    オレ自身を奮い立たせて来たのは、

    勿論母さんを目の前で喰われた
    あの日の憤怒の感情が全てだ。


    ――しかし、オレ自身にはもっとずっと
    昔から・・・壁外という“外の世界”に
    対する憧れがあった。



    その憧れの世界を、更に
    壁外遠征の常連であり

    同時に対巨人戦の玄人集団でもある
    この人達と、並んで駆ける事が出来る。



    遠征そのものが俺達一兵卒からしても
    そんな楽観的な事を言ってる場合では
    ない位の地獄である事は・・・当然
    理解できている。



    、、しかし何たって生まれて初めて
    壁の外に行こうって言うんだ。



    誰だって・・・・
    どんな奴だって・・・心のどこかに
    少しくらいは期待の感情があったって
    おかしくない筈だ。




    内地に移住する事しか頭に無いとか
    言っていた、いつかの誰かみたいな
    奴を除外すれば。



    ・・・そいつもどんな心変わりが
    あってか結局オレ達と同じく調査兵団に
    志願した。



    あいつにも家畜より少し
    人間寄りの思考が残っていた。
    ・・・そういう事なんだろう。




  5. 7 : : 2016/03/07(月) 00:03:36













     ・・・・・さて、ここに至るまでの
     大まかな状況整理はコレくらいにして、
     
     今オレが本当に頭を抱えなきゃ
     いけないのは・・・今正に自分が
     置かれている“この状況”だ。






     なん・・・だった・・・・?オレは・・・・





     さっきまで・・・誰かと一緒に、
     訓練後の疲労困憊状態で・・・






     “何かの”昔話を聞いてた・・筈だった。





     ――――それなのに。






     何故か今オレは・・・・





     “あの日”の食堂に居る。




     壁の外に行く事自体が沙汰の外と
     嘯き、巨人相手にゃどうしたって
     勝てっこない、そう抜かしたアイツに
     思った通りの事を言ってやった・・・



     “あの夜”だ。





    ???「やあ!立派な演説だったねぇ...!!

      しかしキミはまた随分と・・・

      他の皆と比べて壁の外に対する
      興味が人一倍大きいみたいだ。

      私と一緒だね。キミとなら…これから
      三年続く、地獄とそう変らないとさえ
      噂される訓練生活だって、難なく
      耐え抜いていけそうだ。

      改めて・・・よろしくね!!

         “エレン”    」





    ガッ!!!







     ――そう言ってこれでもかって位の
     笑顔をオレに向けながら両手を
     握りこんでくるのは・・・


     凄まじい位の既視感が感じられる
     外見でありながら・・・

     
     間違いなく(▪▪▪▪▪)104期生の中には
     居なかったハズの面だった。




  6. 8 : : 2016/03/07(月) 00:05:50







    エレン「いや・・・・っていうかよ、


      まず・・・  お 前 誰 だよ・・・・・」






     オレはまず真っ先に思った通りの事を
     口にした。・・・口にしながらも・・・

     目の前のこの、"記憶にない"訓練兵に
     対する幾つかの突っ込み所を頭の中で
     行き来させながら。






    ???「えっ・・・ぇええ...;ヒドいなもぅ・・?

      確かに知り合ってからの日は浅い
      けれど・・・これだけ仲良く一緒に
      過ごした私の顔を突然忘れるなんて」
      (落胆)





     疑問点・その一。


     “こいつ”のいう事には・・・
      ちょくちょく矛盾がある。


     今こいつはオレの事をよく見知って
     いるような口ぶりをしてみせたが、
     明らかに先の第一声は初対面の相手に
     向ける態度だった。





    エレン「一緒に・・・・???いや・・・;
      オレにはそもそも町で仲良かった
      奴なんてあいつら二人だけしか・・・」



     ・・・・待て、“あいつら”って・・・・




     一体どの“あいつら”だ・・・・・?




     思い出せねえ・・・・・。




     いつもなら・・・思い出すとかそれ以前の
     事のような気がする位なのに・・・





    ???「・・・・大丈夫???;

      何だか顔色が良くないみたいだよ?
      医務室・・・一緒に行く?」ズイッ




     疑問点・そのニ。





     ここは夕食真っ最中の食堂内。

     ・・・・その筈なのに、
     オレも目の前のこいつも、何故だか
     普段着の平服でなく訓練兵用の
     兵服を着ている。






    エレン「(そもそもこいつ・・・・・)」





     疑問点・その三。





     ・・・・どっち(▪▪▪)だ????;




     ここまで顔を近づけられて・・・
     顔からその下まで凝視して、それでも
     まだ・・・こいつが“どっち”なのか、
     その見解が全く定まらない。


  7. 9 : : 2016/03/07(月) 00:07:38






    ???「ンん~~~・・・・??

      何だいその目は・・・私の全身を
      そんな目で・・・

      さてはエレン・・・。。キミってやつは

      ・・・訓練兵団入団初日に
      私の“見分け”にしくじった
      教官殿と同じ目だろそれ・・・・!!」
      ワナワナ・・・・・




     この声には凄く聞き覚えがあるし、
     全く聞き慣れない声でもない。


     ・・・・だがそれでも、声質からして
     既に“どっち”なのか判別が効かない。



     髪型は肩に掛かるかどうかと言う位の
     ぼさついた跳ねっ毛の長髪一歩手前。
     目が良くないのか眼鏡をかけている。



     ―――この、性別すら早計に
     判断できたもんじゃないという
     外見こそが・・・オレの良く知っている
     “あの人”とまったく同じ特徴でも
     あるのに・・・何故か。



     今すぐには、“その人”の顔はおろか
     名前すら自分の力では思い出す事が
     出来ない。何なんだ・・・?



     こりゃ一体・・・・この状況は・・・・






    ???「ぁあ~~・・・そうかそうか!
      そりゃぁ無理もない事だ!!

      何たって私はキミの記憶の中には
      “居ないはず”の・・・それでいて
      キミの中にしか“居るはずのない”
      人間だからね。

      初めまして、私の名前は・・・・

        “ハンジ・ゾエ”   」






    エレン「  ハ ン ジ さ ん  !!? 」




     オレの心の中の靄が、部分的にでは
     あるものの、一気に晴れる。


     そうだ、ハンジさんだ・・・・!

     今、混乱に襲われている最中でもある
     オレの前でカラカラと笑っているこの
     “見覚えの無い同期”は・・・・




     オレと同じ位の年恰好をした・・・



     髪を結っていないハンジさん、
     その人だった。


     
     という事は・・・





    ?ハンジ?「アッハハハハwやぁっと
       思い出してくれた!!

       そうだよね?一緒に寝た事さえ
       あるキミが、その夜伽の相手でも
       あるこの私を忘れようなんて
       そんな薄情な事は無いよね」
       






    エレン「ッッッ!!!!(ブホッ)」




     突然の不意打ちに、当然オレは
     盛大に吹き出す。食卓に乗っていた
     冷めたシチューのその断片を。




  8. 10 : : 2016/03/07(月) 00:09:50






    ?ハンジ?「・・・・なんだいエレン??(ニヤニヤ)

       今更そんな事くらいで慌てる
       理由が何かある>?」グイグイ




     更にニヤケながらも突如オレに
     ヘッドロックをかけて胸部を頭に
     密着させてくるハンジさん。


     その感触は・・・最近直接触れた
     その時より、更に『平面』で、
     直に鎖骨の起伏が感じられるくらい
     厚みの無い懐だった。





     いや、正直に言って“全く無かった”。





    ?ハンジ?「・・・・自分でやっといてなんだけど
       エレン・・・・?キミ今凄く・・・・

       いや!!!もっンの凄く失礼な事を
       考えていない・・・?ぅうん!?!!

       考えてるよね!!!??

       今、キミの頭の中には矢継ぎ早に
       “ウォール・ハンジ”という単語が
       降っては湧いて、行っては戻ってを
       繰り返している最中…
       
       そんな感じな訳だけど」キリキリ・・・




    エレン「ぐぇっ・・・・・!!!!(ゴフッ)

      なんッ・・・オレの・・・心を読ん・・・・」
      ゴホッ





     その指摘は既に勘が良いとかそんな
     程度の話じゃなく、オレの頭の中を
     駆け抜ける固有名詞を一字一句
     間違えることもなく読み上げ、

     その怒りを二の腕に込めて
     締め上げてくるハンジさん。

     何故だかその心情はオレの方にも
     手に取るように解る・・・何故か。




    ?ハンジ?「いや・・・何故ってキミね。

       ここは・・・よりによって
       キミの『夢の中』だろ。
       そう考えれば当然の事じゃないか。

       今この私が考えている事がキミに
       ダダ漏れなのも・・・
       キミが私の事をどう考えているか、
       それが私に筒抜けになって
       しまうのも・・・

       極々当たり前の事さ。」





     ・・・・・・夢。




     ・・・・・・夢の・・・・中?





    エレン「・・・・そうか・・・・それじゃオレは・・

      ハンジさんの昔話を聞きながら・・・
      あのまま寝込んじまって今
      こうしてるのか・・・・」




    ?ハンジ?「ま、そういう事になるね!


       ・・・・・・で。

       どうだい??直接見たわけじゃ
       無いから・・・これはキミが勝手に
       想像した・・・キミくらいの年の頃の
       私、というワケなんだけど」





    エレン「・・・・どうって・・・・聞かれてもな」





    ?ハンジ?「まったくつれないな!キミは!!

        もっとこう・・・・さっき驚いて
        見せてくれたように見慣れない
        私の姿に新鮮なリアクションを
        見せてくれたって・・・・」




    エレン「(溜息)・・・・いや、そりゃ・・・なぁ。

      オレの夢オチってネタが既に
      割れてるんだ・・・。

      ・・・という事は考え直して見れば
      こりゃオレの空しい一人語りでも
      ある訳・・・・」
    ?ハンジ?「ぁあもう!!!可愛くない!!!
        (むぎゅぅっ)
        キミはそういうところが
        本当に可愛くないな!!そこまで
        賢い頭を持ってる訳でも
        無いんだから細かい事
        気にすんなって!!!」

  9. 11 : : 2016/03/07(月) 00:12:56







    エレン「じゃあ、ハンジさん・・・あの、

      さっきから肋骨がごつごつして
      とても痛いので…できればあまり
      拘束に力を入れないで
      欲しいんですけど・・・・」
      キイテマスカ




    ?ハンジ?「拘束じゃない!!!!
       抱き締めてんの!!!!ほら・・・!
       こう、ハグ的なアレだって!!!;」
       チガウッテ!!!



    エレン「でも・・・あの、この感触・・・・・

      何かアルミンに抱きしめられてる
      みたいで・・・・(引き攣り)」
      シカモ、オレノ妄想・・・・



    ?ハンジ?「キミはいっぺん意識を失う
       ところまでいってみた方が
       いいのかもしれないな!!」ンンン"!?#
       ギリギリギリ!!!




    エレン「痛ッ・・・・!!!痛ぇぇェェ!!!離ッ・・・

      離ひへふがッ・・・(ゴホッ)」パンパン!!!





    ?ハンジ?「・・・・口は災いの元って
        良く言うだろ?

        解ったら・・・自分の夢だからって
        軽々しく私の逆鱗に触れない
        様に、、精々言葉を選びながら
        喋る事をおススメするよ」
        ムスッ・・・




     非常に見慣れない、縦にも横にも
     サイズダウンしたハンジさんが
     目の前でふてくされている。


     こうして見ると同年代だったとしても
     ハンジさんの原型が既に頭の中で
     出来上がってるせいで・・・

     
     ・・・少し可愛らしく見えてしまう。

     
     ・・・更に怒りを買いそうだから
     流石にストレートには言えないが。


     オレがハンジさんと知り合ったのは…
     当然調査兵団に入団してからの事で、

     その時点でのハンジさんの身長は
     オレよりずっと年上でありながら、
     オレと殆ど変らないくらいだ。

     年齢を考えて、それは男にしては
     低身長にあたるだろうが、勿論
     女にしては平均より若干高めなはず。



     そんなハンジさんが今は・・・



     オレより少し低い背丈、
     恐らく同年齢の男子であるオレと
     どっこいかそれ以下というくらいの
     体格、肉付きの姿をして、そっぽを
     向きつつ、しきりにオレの方を
     目だけでチラチラと見ている。


     オレから見てどんな印象を受けるのか
     …どうしても口で言って欲しいらしい。




     そんな素振りだ。


     ・・・・当然変な話だとは思う。
     

     ―――そりゃそうだろ?
     これは結局オレが勝手に見てる夢で・・

     目の前のハンジさんにはオレの考えが
     筒抜けだってだけでなく、そもそも
     突き詰めてしまえば目の前の

     “これ”は“オレ自身”だと
     言ってしまっても間違いじゃ
     無いはずなのに。





  10. 12 : : 2016/03/07(月) 00:16:56








    ?ハンジ?「ん~~・・・それはちょっと
        傷付くなぁ

        キミがどう思うかはともかく
        として・・・今此処に居る私を
        “これ”だなんて、まるでモノを
        指すかのように・・・・」





    エレン「・・・・・・・」





    ?ハンジ?「そんな目で見ないでくれよ。

        コレはたしかにキミの
        深層心理が作り出した
        夢なのかもしれない。

        ・・・けどね、、?」




    エレン「・・・・・?」




    ?ハンジ?「夢なんて結局・・・いつも
        覚めた頃には綺麗さっぱり
        忘れているモノだろ?

        更に思い出そうと
        躍起になってもそれすら
        叶わない事だってある。

        どんなに印象の強い夢を見たと
        しても・・・人はいつかそんな夢は
        忘れてしまう。そんなもんさ」





    エレン「それは・・・まあ」





    ?ハンジ?「だったらさ・・・、

       ここに居るこの私がキミの空想の
       産物だとか・・・そういった詰らない
       前置きは抜きにして、せめて
       私とのお喋りを愉しむ位の
       気概を見せておくれよ。

       私はキミの・・・割とそういった
       竹を割ったような分かり易い
       性格を気に入ってもいるんだから」





    エレン「・・・・・・・」






    ?ハンジ?「・・・・・ね?  どうだろう。」






    エレン「・・・・それも・・・そうですね。

      じゃあその・・・・ハンジさん・・・?」





    ハンジ「ぉっ・・・・やっと素直に話を
      訊いてくれる気になったな!!
      
      何だいなんだい!?!」
       ワクワク




      

    エレン「・・・・束ねるのに足りないくらいの
      その髪も・・・ハンジさんらしさが
      あって・・・それはそれで結構
      似合ってます。」





    ハンジ「ッ・・・アッハハ!!?///w


    成程、やれば出来るじゃないか..!
     でもなんか複雑な気分だな・・・・

      別にこれセットしようとしたとか
      長さに拘りがあって切り揃えたとか
      じゃなく・・・単に工作用のナイフで
      適当に長すぎないように刈り揃えた
      だけだから・・・・・;」




    エレン「(やっぱりそんな感じか・・・;)
      ・・・・それもそうとハンジさん・・・

      その髪の跳ね具合というか・・・
      重そうな感じ・・・まさかとは
      思いますが・・・」ジッ・・・・






    ハンジ「やめてっ!!!!

       その先はホント言わないで!!!!;

       仕方ないだろ!!!?この歳でも
       苦手なものは苦手なんだって!!!」





    エレン「いや!!苦手とかそういう・・・ッ!!

      、、そんなだから教官に間違われ(ry・・
    ハンジ「だからだよ!!!!/////」







    エレン「・・・・・・え・・・・・?」






    ハンジ「キミの耳にも伝わってるだろ…?

       私が訓練兵団入団当初、
       当時の訓練教官の采配ミスで
       最初だけとはいえ・・・男子宿舎に
       単身ぶち込まれた経緯が・・・」





    エレン「・・・・・まさか・・・;」




    ハンジ「それから・・・・、、、それからずっと
      おフロが苦手になっちゃったんだ。

      当たり前だろ??まさか開き直って
      男共と一緒に水浴びするわけに
      いかないしさ・・・・!(汗)

      決してその・・・不潔な状態に抵抗を
      覚えなかった訳じゃないんだ!!」
      フルフル





    エレン「・・・あの・・・・なんか・・・すみません。
      オレ・・・凄く失礼な勘違いを・・・」




    ハンジ「いや・・・・良いんだ。こうして
       キミが分かってくれたならそれで。

       キミさえ分かっててくれれば。
       私は・・・誰にこの悪癖を罵られても
       構いはしないよ。何たって・・・」
       ズイッ・・・





    エレン「っ・・・・;」))




    ハンジ「私が自分の裸を晒せる相手は・・・

       もうキミだけだと
       心に決めたからね。・・・どうかな?
       まったく今の私にキミが
       興奮してくれそうな期待は
       持てないけど・・・すこしその無謀な
       賭けに挑戦してみても・・・・

       構わないかな」ジリジリ・・・





     何か・・・・変だ。


  11. 13 : : 2016/03/07(月) 00:19:32







    エレン「・・・すみませんっ・・・あの、
      ハンジさん・・・これ、、」




    ハンジ「・・・ン。なんだい?」




    エレン「本当に・・・これまだ
      オレの"夢"ですか?なんか・・・オレ、
      ハンジさんが今何を考えてるのか
      全然分からなくなって
      来たんですけど」




    ハンジ「おやぁ・・・?奇遇だね・・・

      実は私の方もなんだ・・・・

      なぁ。・・・・エレン・・・・???//」
      ググッ・・・






     急に真面目な顔になって、
     オレに詰め寄ってくるハンジさん。



     年恰好が変っていたって直ぐに分かる。
     ハンジさんの"この姿勢"は・・・
     主にオレの反対を押し切って自らの
     意思で身体を重ねに来る時のそれだ。


     この雰囲気を出されてしまったら・・・
     もうオレがどんなに抵抗しても、
     その意思は押し返せない。


     ・・・それはきっとハンジさんが
     この体格まで逆行した今でも
     そう変らないだろう。



    ハンジ「これって本当に・・・・“夢”だと
       思う・・・・・?」ジリッ・・・




    エレン「それは・・・一体どういう意味で・・・」




    ハンジ「言葉のまんまさ・・・。

       それをもっとも手っ取り早く
       確認する為に・・・キミと私が
       夜毎行ってる対人格闘でも
       行って見ようかと・・・ふと
       思ったんだ。」サワッ・・




     此方に迫ってきた時点ではオレの
     肩を掴んでいた右手を徐々に胸元へと
     移動させ、指先だけシャツの襟元の中へ
     這わせてくるハンジさん・・・

     に、ソックリな特徴を残した、
     オレが想像の中で作り出したであろう
     オレと同じ年恰好のハンジさん。

     
     コレが本当に全てオレの想像した
     夢ってことで片付けていいのか。
     そいつはオレ自身が実は一番
     気になっていた。


     というのも、何といってもまず・・
     色々と感覚が生々しい。
     本当にそこに居るとしか思えない
     位に・・・この手の体温も、汗も、
     普段より小さく感じる掌も。

     全てが想像の産物とはとても思えない。


     何たって寝る前にハンジさんの
     訓練兵時代の話を聞いていたのは
     事実だが・・・その頃の容姿をここまで
     細かく聞いた訳でもないし、
     
     頭の中でこのようなハンジさんの
     姿を、オレは想像してすらいない。



     
     ―――しかしながら、夢である、
     というのはまず間違いない様だ。


     今気付いたが・・・


     オレもハンジさんも、さっきまで
     食堂に居た筈なのに、今オレが
     詰め寄られているこの場所は、
     間違いなく宿舎のベッドだ。


     オレの心境に合わせて、
     いつの間にか切り替わるこの景色が、
     それを証明している。



  12. 14 : : 2016/03/07(月) 00:21:58






     ・・・・・なんて、冷静に分析してる
     場合じゃねえ・・・・・!!
     
     この妙な流れに興奮しちまったのか・・
     このままじゃ明らかにそういう(▪▪▪▪)夢を
     見ちまう。


     折角こんな、現実では拝む事すら
     叶わないハンジさんの姿を
     目の前にして勿体無いとは思うが。

     
     あくまでオレの空想と考えると、
     先程喜んでくれたハンジさんには
     悪いと思いつつ、この流れを
     うまくかわすしかないと考えた。





    ハンジ「・・・・・なんてね。」パッ・・
       ギシッ



    エレン「っ・・・・!?」
      グラッ




    ハンジ「折角こんな状況を
      楽しめるんだから・・・ねぇ?」
      ヒョイ、、バッバッ




     寝床に押し倒されて、すっかり
     そっちのスイッチが入ってしまったかと
     思ったのも束の間、オレの上から
     あっさり飛びのくハンジさん。


     そのまま自分の縮んだ手足を広げて
     くるりとその場で一回転してみせる。

     


     ・・・そうか、これはオレの夢だから・・・


     オレが、心からそれを望みさえ
     しなきゃ・・・事がそんな方向に進む事も
     無いって訳か・・・





     しかし






    ハンジ「夢の中とはいえ・・・

       折角キミの学び舎たる南方訓練兵団(ここ)
       お邪魔できたんだ。それも・・・
       こんな・・・・まるでキミと同じ
       くらいの見てくれでね?

       夢でも何でも構わないからさ・・・

       この際だから、私に見せて
       欲しいなぁ」ニヤァ




    エレン「・・・・見せるって・・・えっと、
      スミマセン、一体何を・・・・」





    ハンジ「そんなの1つしかないじゃん!
       
       ...決まってるだろ、キミの・・・
       訓練兵時代の色々さ。」



  13. 20 : : 2016/03/07(月) 23:36:21











     オレが今今考えてすら居ないことを
     目の前でニヤけるハンジさん(多分15歳ver)
     は突然口にした。








     ・・・・本当に夢なのか・・・これ・・・;?









    ハンジ「ここはキミの夢の中な訳だろ??

      現に今だって・・・ホラ。」バッ






    エレン「・・・・・、、、  ッ?」ハッ








     見慣れないハンジさんの表情と
     挙動にすっかり気を取られていた
     オレは・・・その場でハンジさんが
     大仰に振り回すリアクションに呼応して
     改めて周囲の景色が既に宿舎ではない
     場所に変っている事に気が付く。



     ・・・・成程。


     オレが想像すれば・・・
     その時と場所に飛べるって訳だな。


     大体理解できた。


     ハンジさんが見せて欲しいと
     口にしたその瞬間、まず最初に
     思い起こされたその場所、
     時間と言えば当然・・・





  14. 21 : : 2016/03/07(月) 23:37:14








    ~南方訓練兵団・野外訓練場~




    キース「貴様は何者だッ!!!」




    アルミン「ハッ!!シガンシナ区出身!!

      アルミン・アルレルトですッッ!!」
      ババッ




    キース「そうか、
      惑星の原生生物みてぇな名前だな!!
      親につけてもらったのか!!!」




    アルミン「祖父がつけてくれました!!!!」





    ハンジ「おっほははは!?♪

       アレが教官職に就かれた
       キース前団長!!?随分またこれは・・・
       様変わりしたもんだな...
       (感慨...)

       いや、しかし羨ましいなぁ!!
       私もやって貰おうかな!!

       列に並んでればきっと順番が
       やってくるんだろこれ?!(小声)」
       ワクワク



    エレン「ぁあ・・・;まあ。

      なんか・・オレやその他数人は
      アレやられなかったんですけど・・
      どうも既に巨人関連でトラウマ
      もってて兵団に来てる奴には
      必要ないとかで・・・

      今のハンジさんくらいニヤニヤして
      浮かれてればお声が掛かるかも・・・
      
      ....っていうかですね。
      1つ良いですか・・・?;(小声)」




    ハンジ「何だい?」




    エレン「普通にハンジさんここに並んで
      ますけど・・・これは一体どういう
      状況なんでしょう(小声)」




    ハンジ「ッンな事聞かれたって私が
       分かる訳無いだろ!!w

       何たってここはグッスリ
       寝てるキミの夢の中なんだ。

       細かい事気にしてたらキリが
       無いよ!」






     それもそうか・・・。


     見れば他の皆も・・・こうしてオレの隣に
     本来ならこの場にいなかったはずの
     人間がいる事に対してすら・・何も
     不思議そうな顔はしていない。


     ・・・もっとも小声とはいえ
     完全にふざけて私語を連発している
     その軽率さを凝視する白い目は
     相当突き刺さってくるが



  15. 22 : : 2016/03/07(月) 23:39:18






    キース「貴様は何しにここに来た!!!」




    アルミン「人類の役に立つためです!!!」




    キース「そうか!!!ならば貴様には
      物資を運んだり戦ったり殖えたり
      して貰った上で巨人の餌になって
      貰おう!!!...三列目!!
      後ろを向け!!」グイッ!!




    ババッ!!!!





    ハンジ「ブホッ!!(爆笑)」


    エレン「ちょっ・・・!!ハンジさん!!
      幾ら夢の中とはいえ・・・・!
      流石にやばいですって!!!(小声)」





    ハンジ「だって・・・・!だって!!!w

       あんなの反則だろ・・・・!
       何!!?あんなに面白い事に
       なってたのか!?キミ達の入団の
       通過儀礼っていうのは!!!」




    エレン「いや・・・確か・・合ってるのは
      精々最初の方だけで・・・

      後半あんな事言ってなかったような
      ・・・気がするんですけど(汗)(小声)」




    ハンジ「でも・・・ww(ブフッ)」
       ヒィヒィ





    キース「おい・・・貴様。

      良い度胸をしているな。何が
      可笑しくて腹を抱えている。」
      ゴゴゴゴゴ....!





    エレン「(やべッ・・・・・・・!!!)」





     ここが夢の中だと言うなら・・・


     非常に恐ろしい事になるのは
     言うまでも無い。


     何故・・・実際"現実"に目の前に教官が
     いる訳でもないのにここまで
     震え上がらなければならないか、




     そんな事、一々説明するまでも無い。






    キース「貴様は何者だ!!!!
      その緩みきった面の理由を
      言って見ろ!!!」ゴゥッ・・・!!




    ハンジ「ヒャハッ・・;w」ビリビリ




     流石に教官の檄に少しは気圧されたか、
     その声量に上体を撓らせるハンジさん。

     

     ここがオレの夢の中でしかないとは
     言え・・・・、、、

     いや、夢の中だからこそ教官に対する
     オレ達104期生全員に植え付けられた
     その恐怖心は、現実以上に強大な
     物として映し出されるはず。


     これは中々洒落にならない迫力だ。
     しかしそんな教官による補正付きの
     恫喝に対し・・・・



  16. 23 : : 2016/03/07(月) 23:41:51







    ハンジ「は!
       シガンシナ区出身!!ハンジ・ゾエ
       であります!!!」バッ!!





     今迄以上に光り輝く笑顔で
     力一杯返すハンジさん。



     ・・・いや、ちょっと待った・・・・




    エレン「(シガンシナ出身だったのか・・?!
       ハンジさんは・・・!!)」




     等と少し考えてしまったオレだが

     別にソレも少し考えれば分かる事で、
     正確なハンジさんの出自を聞いてない
     以上は・・・オレ自身の記憶が
     そのままこの場で影響したって
     何の不思議も無い







    キース「ハンジ・ゾエか・・・・。

      東洋の人斬りみてぇな名前だな!!!
      入団の式中に笑っていた莫迦は
      貴様が初めてだ!!!

      ならばゾエ!!!
      貴様は何が可笑しくて今もそんな
      ふざけた面をしている・・?!

      まさかとは思うが、
      此処がどういった場所か・・・
      それすら理解出来てない程の
      阿呆の癖に兵団の門を叩いた等と
      言う訳では・・・・
    ハンジ「正しく理解しています!!!」




    キース「・・・・・。ならば言って見ろ。

      此処がどのような場所であるか・・・

      そして、貴様は一体何しに
      ここに来た・・・・・..!」




     ヤバぃ・・・・



     教官は既に頭突きの予備動作に
     入っている。勿論、ハンジさんの
     顔面も充分その射程内に
     収まっている。何か教官の神経を
     逆撫でする一言をハンジさんが
     口にしようものなら次の瞬間には・・・!




    エレン「・・・・・・ッ(ゴクッ)」



     既に3年間、散々教官の
     殺人的な頭突きのモーションを
     目の当たりにしてきたオレには、

     教官のうなじから全身へと流動する
     力の奔流すら見えてくる程だ。


     今が“入団の儀式”の最中である事も
     頭に入れれば・・・教官がハンジさんの
     言葉を待たずに鉄槌を下す可能性も
     十二分にある。


     激発はもうすぐ次の瞬間かもしれない。




    ハンジ「人類存続を叶える為の糧として、

      人類存続を繋げる鎖として、

      そして人類存続の礎として
      死ねる様・・・・、、最低限の教育を
      受ける為に我々は此処に居ます!!」




  17. 24 : : 2016/03/07(月) 23:49:17






     一寸の迷いなくそう言い切ってみせる
     ハンジさん。流石は調査兵団のベテラン
     にして最古参兵士組だ。

     この辺の返しにはあの恰好で
     いながらにして不思議な貫禄すら
     感じてしまうほど。









    キース「・・・・そうか、ならば

      “貴様ら”ではなく・・・
      “貴様自身”は何故ここに居る!!」







    ハンジ「それは勿論!!!!!!

      "壁の外で巨人に遭う為"だけに!!!!」
       バッ!!!




    エレン「(ちょっt・・・・・、、)」





     しかしやはり中身はいつも通り、
     安定のハンジさんであった・・・・・




     そしてそれは・・・一切何の嘘偽りも、
     欺きもない満面の笑みだった。








    キース「    ふんッッ!!!!!   」





    ドガッッッッ!!!!!!!!!!!






    ハンジ「あ"ぃッ・・・・・・・つ!!!!!!;;」
      グラグラ・・・・






     オレが見た中でも・・・



     サシャが喰らった数々の頭突きを更に
     上回る、文句無しの剛撃が炸裂した。



     そのあまりの威力に背中をくの字に
     曲げながらも、軽めの一撃で
     地に膝をついてうずくまった誰かと
     違い、未だに薄ら笑いに涙を
     浮かべて持ち堪えるハンジさん。





  18. 25 : : 2016/03/07(月) 23:50:50









    ハンジ「ぉお、、、、いッてぇ・・・・;w」クラクラ
       ジンジン・・・・・////





    キース「・・・・・(コイツ・・・・)」





    エレン「(凄ぇな・・・当たったら一番痛い
       頭頂部にクリーンヒットした筈・・・

       それもかなりイイ音がした。
       
       ・・・なのに・・・・)」





    キース「もう一度聞くが・・・貴様、
      気は確かか・・・?今の頭突きで
      少しは正気も戻っただろう・・・?

      貴様の希望兵科はどこで・・・・
      貴様の目的は何だ・・・・??

      もう一度言って見ろ.....!」
      ズイッ・・・・




     再び、その位置からでは流石に
     頭突きの威力も半減するであろうと
     思える程の至近距離でハンジさんを
     見つめる、教官の悪鬼のような両目。



     しかしやはり言うまでも無く





    ハンジ「は!!希望兵科は無論調査兵団!!!!

       私は正気で一体でも多くの巨人と
       遭遇する事を自らの願いとし・・・

       “その全容の解明”を何よりの
       悲願として己の心臓を捧げる
       所存でありますッ!!!!」バッ!




     ハンジさんの目に宿る光は
     教官の威圧にも一切蔭る事無く
     口以上に物を云っていた。

     教官も初めてだったんだろう。

     自分の渾身の頭突きを喰らった
     入団初日の若造が・・・ここまで
     見事な敬礼を返してくるなんて
     事は。




    キース「・・・・・・・・・・・・・」



     驚きこそ顔に出すような事は
     無かったが・・・完全に目の前の
     訓練兵志願者が普通ではないと
     判断した教官は、その場で暫く
     固まっていた。




    ハンジ「~~~」ニッコニコ




    キース「(・・・ここまで先行きが不安な莫迦は
      初めて見たな・・・・・・)
      ・・・・ならば精々貴様には
      他の兵士の身代わりとなるべく、
      大いに役立つ巨人の餌として
      大成して貰わねばな・・・・・!!!

      2列目、後ろを向け!!!!」







    エレン「(はッ・・・ハンジさん!!?ちょっと、
       大丈夫ですか頭!!(超小声))」




    ハンジ「(っはははw;大丈夫、大丈夫だよ!

       念願のキース殿の叱責をまさか
       この身に受けられる僥倖に
       預かれるなんて!!
       もう嬉しくて泣いちゃいそうな
       位だよ!!(超小声))」




    エレン「(~~~;ハンジさんってやっぱり
       被虐的な(そういう)趣味もあったんですか…
       (超小声)」





    ハンジ「(失礼なッ!!純粋な憧れだよ!!!

       闘魂注入的なアレだよ!!!?
       (超小声))」アザッス!!!




    エレン「(はぁ,,,,;(超小声))」





    ハンジ「さて・・・入団の儀式の後は・・・
       そうだな、次はやっぱり
       立体機動の適正とか是非
       やってみたいな!」



     その場で小声で話す事をやめた
     ハンジさんの言葉に応じるように・・・

     目まぐるしく遷り変わる周囲の景色。





  19. 26 : : 2016/03/07(月) 23:55:20






    エレン「・・・・・ハァ(溜息)」







     そこは・・・あっという間に“あの日”の
     “その場所”だった。


     忘れもしない。どういう訳か(▪▪▪▪▪▪)オレの
     試験用ベルトのみ破損していた所為で
     登竜門となる訓練兵団にすら
     入団できずに終わるんじゃないかと・・・

     そういった意味では、ある意味最も
     訓練兵時代に苦い爪跡を残す事に
     なった、あの立体機動装置の適正を見る
     試験だ。




    ハンジ「はは~~・・・・楽しみだなぁ!
       キミはこれでしょっぱなから
       躓いたんだろ??!そんなに
       実際の感覚と違うのかな」





    エレン「え・・・?えっと・・・ハンジさんは・・・
      この適正試験やった事は・・・・・」




    ハンジ「??

       ぅん、無いよ!私の頃は・・・まだ
       練習台(こういうの)無かったからね!
       
       とにかく身体が出来たら
       ぶっつけで練習用のくたびれた
       立体機動装置着けさせられて・・・
       後は転びまくって、体で覚えろ!!!

       ・・・って感じだったよ!
       あの頃は眼鏡が何度も壊れて
       大変だったなぁw」ケラケラ
       アッハハハ



    エレン「無茶苦茶だ・・・・・」




     胸を張って背中を反らしながら
     笑うハンジさんの外見に、一瞬だけ
     何かの違和感を覚えたオレだったが




    キース「オイ!!!!貴様ッ!!!!!
      貴様の番だ!!!!!!

      地面にぶつけるだけでは飽き足らず
      まだ頭突きが足りないのか!!?
      直ぐにベルトを着用して
      位置につかんか!!!!」 





    ハンジ「っは~~い!」ババッ






     やはり教官の激にもなびかず
     笑顔でベルトを取り付けると・・・

     台の下で吊上げを待つハンジさん。


     ・・・・まああの人の事だ。

     
     普通にやろうとしたって素通り
     出来るくらいに立体機動への
     慣れは大きい筈だし・・・もしダメでも
     夢の中じゃ退団もクソもない。


     そう思って安心して見ていた
     オレだが・・・・・



     


     ―――認識が甘かった。






    ヒュンッ・・・ヒュンッ・・・・ ヒヒュンッ!!!




    ハンジ「ヒャッハ~~~~~~!!!!!

       な、何だコレ!!!めっちゃ
       楽しいぞ!!!???もうこれ・・・

       適正判断用とかじゃなく、
       遊具として兵団の敷地内に
       設置してくれないかな!!?!?」
       アッハハハハハ♪!!




    エレン「・・・・・・・・・;;;」




    全員「―――――――」




    キース「・・・・・・」





     あまりに予想外の行動に出た
     ハンジさんに言葉を失った教官を含む
     オレ達全員の耳に断続的に届く
     その音は・・・


     器具の吊り上げロープに身を任せ、
     縄跳びの用途を逆にしたような・・・

     もっと分かりやすく言えば
     鉄棒で逆上がりを繰り返すような
     動きで空中縦回転を続ける
     ハンジさんの全身が空を切る音だった。




  20. 27 : : 2016/03/08(火) 00:00:51







     吊り上げる為に張られるロープの
     支持部は、可動式のジョイントに
     なっていて、全身の傾きに応じて
     その支持部をどの方向にも
     回転できる様になってはいるが・・・


     オレの時同様、普通は吊り上げの最中に
     頭が真下に行くようなことがあれば、
     その勢いで僅かに上部がしなる
     張力が働き、頭が地面にぶつかる・・・・

     
     筈なんだが。





    ハンジ「ぅぉぉぉおお!!楽しい!!!

       これっ・・・・!
       楽しいぞエレンン"!!!!!

       段々頭に血が上って・・・
       最高にハイって奴だァ――ッ!!!」


     ブォンッ!!  ブォンッ!!!!  ヒュオンッ!!




     頭が真下に向うその瞬間だけ、
     器用にロープの根元を両手で
     掴むハンジさんは、この上なく
     楽しそうに回転を続けていた。。




    キース「・・・・・・・・・・」ジ~~ッ・・・・

      ツカツカ・・・・・・





    エレン「・・・・・あ;(察し)」




     狂ったように笑いながら
     回転を続けるハンジさんに叱責を
     飛ばすでもなく、装置の牽引を
     緩める様、台のレバーを握る
     トーマスに命令を下すでもなく、
     無言でその場に近寄る教官。


     顔こそ動いていないが、
     上から下へと数回往復を繰り返した
     教官の視線の流れから・・・
     オレは否応無しに教官の取る
     次の行動を察した。





    キース「・・・・、・・・・、・・・・ッ」
      タンッ



    エレン「うわッ・・・(目逸らし)」





    キース「ぬんっ!!!!!!!」


      ド ゴ゙゙ ッッ!!!!!!



    ハンジ「 ぴギャッ!!!!!!☆ 」
       グラッ・・・・ 

             ズザザッ・・・


     自重を目一杯のせた回転運動の最中、
     後ろ回りに応じて真下から
     振り上げられたハンジさんの後頭部に
     ・・・・タイミングを見計らって
     踏み込んだ教官の頭突きが盛大に
     叩き込まれた。



     こいつは痛ぇ・・・・・!!!!



     っていうか・・・教官も相当痛い筈だ・・!

     その打撃に乗っている重みは・・・
     教官の踏み込み+ハンジさんの全身が
     回転する際の遠心力だ。


     これが夢などで無く、実際に
     再現されようものならば当然
     教官の方にだって計り知れない
     大ダメージがある筈・・・・




    ハンジ「~~~~~キュゥ...」
       ブラン・・・・



     その一撃のあまりの重さに
     気を失い、そのまま地面に頭を
     ぶつける事でやっと停止する
     ハンジさん。....の、全身。



    エレン「ッ・・・・(ハンジさん・・・・・!!)」
      バッ・・・




     幾ら夢の中とはいえ・・・やっぱり
     あれだけ強く頭を打ったりすれば
     そりゃ心配にもなる。


  21. 28 : : 2016/03/08(火) 00:05:05






    キース「イェーガー・・・・、貴様こいつとは
      さっきから仲が良さそうだったな
      ・・・・!こいつを医務室に運んで
      介抱して来い。呼びかけに
      応じなければ冷や水でも何でも
      顔に浴びせてたたき起こせ。いいな」
      キッ・・・・



     それだけ短く言い捨てると、
     何のダメージも無いような足取りで
     次の奴の適正を見始める教官。


     夢の中とはいえ・・・相変わらず
     やばいくらいの石頭だな・・・・







    エレン「いッ・・・よっと....は、
      ハンジさん・・・!?ほら、医務室まで
      負ぶっていきますよ!
      オレの声聞こえてますか!?」
      ユッサ))ユッサ))




    ハンジ「ぁ~~~・・・・んひひひへへ、

       な、なんとかね~~・・・・」
       クラクラ




    グッ・・・・





     完全に脳震盪が危ぶまれる必殺の
     一撃を受けてしまったハンジさん
     だったが、夢の中というのも助けに
     なったのか、早くも此方の呼びかけに
     応えられるくらいの回復を見せていた。





    エレン「・・・・・、、??;」





     と、ここでやはりハンジさんの
     同年代近くまで縮んだ身体を背負った
     オレの背面に留まる違和感。




    エレン「(何だ・・・?この感覚・・・。。
       何か・・・・・変な・・・・・・・・・・)」





    キース「何をしている!!!
      とっととその馬鹿を持って行かんか」




    エレン「ハッ.....はい!!!!」バッ!!
      ビクンッ!



     ダダッ・・・・







          ―医務室―





    ガチャッ・・・・


              ドタドタ・・・・



    エレン「ほら、着きましたよ!!とりあえず
      ベッドに横に・・・・、、、あ・・・・・」
      ピタ・・・・





  22. 29 : : 2016/03/08(火) 00:08:31






    ???「・・・・・・・・・・・・・・」
      ジッ・・・・







     いちいち夢の中であると
     忘れてしまいそうな位、背中に
     負ぶさった身体からは体温も
     体重も生々しく感じられるので、

     たとえ醒めれば全て忘れて
     しまうんだろうと分かっていても

     背中でのびたままのハンジさんの
     容態を本気で心配してしまう心は
     やはり抑えようも無い....



     ....と、そこで急ぎ足で
     医務室に駆け込んだオレをマジマジと
     見つめる視線と目が合う。

     オレは咄嗟に足を止め、
     空きのベッドにぐったりとした
     ハンジさんを横たわらせると、
     既に先客としてそこに寝転んでいた
     そいつの名前を口にする。






    エレン「・・・・初日っからサボりかよ・・

      お前、そんなんでよく憲兵に
      なれたよな・・・・アニ。(呆)」







    アニ「・・・・?ゴメン。私、あんたに
      名前教えた憶えないんだけど。

      それと言ってる意味、
      良くわかんないから。私が
      憲兵志望だって事も言ってないハズ
      だし・・・それに・・・・」ナレタ・・・??





    エレン「・・・・ああ。そうだったか・・?
      (面倒くさいな・・・夢だってのに)






    ハンジ「あれ??エレン、その子は・・・」
      フラフラ・・・





    エレン「ああ、こいつは・・・・」






    ハンジ「キミと一緒に入ってきた顔の中に
      居なかった子だけど・・・まさか」





    エレン「ええ、あの・・・そうじゃなくって
      こいつは・・・今言いましたけど
      憲兵に進んだんです。

      だから・・・」




    ハンジ「マジで?!?じゃあエリート中の
      エリートって事?すっげぇじゃん!」
      ワッハハハ!  ガッ




    アニ「・・・??;・・・・??いや・・・そもそも
      あんた・・・・???;
      (こんな奴いたっけ・・・?;)」
      オドオド・・・




    エレン「ああ、ほら・・・一応頭強く打った
      直後なんですから・・・大人しく
      しててくださいよハンジさん」




    アニ「(それになんで敬語・・・)」



  23. 32 : : 2016/03/10(木) 00:14:30












    ハンジ「しかしアレだな・・・キミは・・・・」
       (ジッ・・・・)





    アニ「なっ・・・何・・・・?;ジロジロと・・・・」




    ハンジ「とても親近感を感じる面持ちだ・・
       (主に鼻のあたりとか・・・・)

       憲兵志望って事だけど・・・
       是非とも仲良くなりたいね・・・」
       ウフフフ・・・





    アニ「ちょっと・・・か、顔近いって・・・・;」
       ウッ・・・・




    エレン「気にする事かよそんなの一々」







    アニ「そんなのってあんたね・・・・一応
       私これでも女子なんだけど。」
       ムッ・・・





    エレン「・・・・尚更だろ、女子同士なら
      そんなの別に・・・・・」





    アニ「・・・・さっきから言ってるけど。

       ・・・・あんた本当に何言ってるの?」
       キッ・・・





    エレン「・・・・・・・・?、な、なんだよ・・・
      そこまでおっかねえ顔する事・・・・」
      タジッ・・・





    ハンジ「おりょ・・・・?」





    アニ「女子同士ってあんた・・・・

       そいつ普通に男じゃないか」






    エレン「・・・・・はぁ?;

      失礼な事言ってんじゃねえよ!
      流石に怒られるぞ!?
      ハンジさんはこんなでも女・・・・」



     本心から滲み出た嫌悪感を
     露にして睨みを効かせてくるアニの顔。

     やっぱり怒った時の顔は普段の
     比じゃねえ迫力だ・・・・



     だが今はそんな事よりも






    ハンジ「・・??・・・・ン?」パタパタ






    アニ「こんなでも・・・って言われてもね。
       悪いけどどこからどう見ても
       普通に男子だよ。

       何・・・?まさかそんなつまらない
       冗談で私をからかってる
       つもりなのかな」...イラッ




  24. 33 : : 2016/03/10(木) 00:16:28







    エレン「・・・・・ッだから・・・・!」







    ハンジ「ぉお!!?

       お、オイオイエレン!!!ちょっとこれ
       見てくれ!!!大変だ!!!」ウワァ






    エレン「ハンジさんも何か言って下さいよ!!
      悔しくないんですか!?
      こいつ本気でハンジさんの事を・・」
      クルッ





     そう言いかけて振り返ったオレの
     視界の中に・・・・



     色々な意味で自分の目を信じられなく
     なるものが飛び込んできた。






    ハンジ「何か知らないけど本来無いはずの
       モノが・・・ツいてるんだけど!!!」
       ブラーン・・・・・






    エレン「   」


    アニ「   」







     オレ同様にその場にいたアニまでも
     声を失って固まっちまったのは
     言うまでもない。その場で振り返った
     目の前に居るハンジさんの露出された
     下半身には・・・本人が言う通り、
     
    “本来ならそこに在る筈の無いモノ”が
     たしかにぶら下っていたからだ。


     ・・つまり今オレの目の前にいながら、
     自分の股下を覗き込んで目を輝かせて
     いるハンジさんはまぎれもなく・・・






     ―――――“男”だった。








    アニ「ッ―――/////」バッ↩







    エレン「えっ・・・・?アレ・・・そんな・・・・
      それは・・・一体・・・・・」





    ハンジ「アッハハハハ!!!?凄い、スゴイ!!こりゃ
       驚いた!!!!」ブランブラン・・・






     いや、こっちの方が遥かに驚いてる・・・





    ハンジ「見た目だけじゃ無い・・・感覚まで・・・

      フム、フムフム・・・・!(グニグニ)
      こりゃ実際に生えていないと
      想像もできない感覚だな・・・・・

      一体どういう事かは知らないけれど

      ・・・こりゃ間違いなくホンモノだ!
      エレンについてるのとまるっきり
      同じだもの!! ねッ??!」ガバッ



    ズルッ・・・・




    エレン「うわッ・・・!!!ちょっ、、と

      ハ ン ジ さ ん!!!??」
      ナニスルンデスカ!!




     何を思ったか急に飛び掛ってきて
     オレのズボンを下ろしてくる。

     言われて見れば・・・

     そして近くで確認して見れば確かに
     その通りだが、オレのと外見が全く
     同じ風になっている。


     個人差が出やすい部分だから
     これは単なる偶然では無いと思えるが
     ・・・今は正直な話それどころじゃ無い。





  25. 36 : : 2016/03/10(木) 00:21:43













    アニ「あんたら・・・・..あんたらさ・・・・!!

     
       そういう間柄を責めはしないけど
       ヤるなら他所でやってくれない
       ・・・・・・??!(震え声)」ガタガタガタ・・





     医務室のベッド布団に包まり、
     こっちを見ないようにしながらも
     本気で震え上がるアニの声が、
     オレの正気を呼び戻す。


     その声は・・・激怒の一歩手前か、
     はたまた本心からの恐怖の表れか。


     ともかく聞いて直ぐ分かるほどに
     揺れていた。





    エレン「ほ、ほら、ハンジさん・・・!
      もう分かりましたから!!
      何でか知りませんが今ハンジさんは
      男の身体で・・・あそこに居るのは一応
      女子なんで!!仕舞ってくださいって
      これ!!」ババッ





    ハンジ「ぇええ...!?堅い事言うなよエレン・・!!

      折角こんな滅多に無いチャンス
      なんだよ!?この期を逃して一体
      いつ確かめろっていうのさ...??」
      ジタバタ.....






    エレン「そこまでして何を確かめたいのか
      知りませんけど・・・!とにかくオレが
      困るので本当、下を履き直して
      下さ・・・・・」
    ハンジ「・・・・フフン! イ ヤ だね!!!

       何故なら今私の身体には前々から
       気になっていたキミの体の具合を
       自ら体感する事ができる器官が
       偶然にも備わっていて・・・

       その上ここは夢の中。
       何をしたって後腐れは残らないし
       面倒事だって残りはしないだろ!

       ・・・・それともエレン・・・キミはまさか」
       ジリジリ・・・・





    エレン「っ・・・・??;」ビクッ・・・





     ハンジさんの発言は聞かなくても
     簡単に理解できる。

     恐らくハンジさんが次に言う言葉は・・・
     オレが今心に抱えている不安と全く
     同じ内容であるという事が。






    ハンジ「此処が“夢の中”である事を
       考えて、寝ている間の“粗相”
       なんていうちっぽけな不安要素を
       天秤に掛けた上で・・・

       私の知的好奇心を妨げようと
       してるんじゃぁないよね・・・・・?」
       ニヤニヤ・・・・





    エレン「・・・・・・・・!!;」




  26. 37 : : 2016/03/10(木) 00:23:45





     やっぱりそうだよな・・・・



     ここがオレの夢の中で、相手が
     オレの夢の中で勝手にオレの想像した
     ハンジさんだって言うなら・・・・


     オレの考えてることが筒抜けなのも
     そりゃ当然の事....
    ハンジ「まぁったく ..!!キミはまだそんな事
      真面目に考えてるのか・・・・!(呆)

      本当頭がカチカチなんだな・・・・!
      
      単刀直入に言うけれど・・・
      エレン・・・?それはキミの思い違い
      って奴だよ。」





    エレン「・・・・・?!」





    ハンジ「この夢はね・・・・キミと、それから
      私の夢がどういう訳かごっちゃに
      なって出来てる夢なんだと思う。」





    エレン「・・・・・??!オレと・・・ハンジさんの
      夢が・・・・・・?!?」





    ハンジ「そぅ!・・・・夢の系統としては・・・

      それが、自分の見ている夢だと
      自覚認識できるという・・・・
      よく言われる、明晰夢(めいせきむ)って奴だね」





    エレン「メーセキ・・・・夢・・・・ですか・・・???」





    ハンジ「夢の内容を自分で思い通りに
      出来るっていう、中々に楽しそうな
      夢の事だよ。私も見るのは初めて
      だけど・・・まさかキミの夢に
      お邪魔した上、これをセットで
      見られるなんてね・・・・

      何だろう、一緒に添い寝して
      たのが関係してるのかな?」
      ンッフフフ




    エレン「・・・・・・・・」






     なるほど・・・全然分からん・・・・・。





    ハンジ「・・・・あ~~・・・・。。

       難しく考えなくてイイんだよ?
       要するにエレン・・・。キミと私は
       今・・・自分達である程度好き勝手に
       弄る事ができる世界の中に居る。

       そうい事なのさ」





    エレン「いや・・・・・・・あの・・・・・」





     突然そんな事を言われてもな・・・・。



     第一ハンジさんが言った通りだが・・・
     夢の中であればこそ、そういった・・・


     “そっちの想像”が膨れ上がる夢を
     見てしまうのはマズい。それも
     これはオレ一人で見ている夢でなく
     ハンジさんにも端を発してるモンだと
     いうことになる。



     ・・・・そうなれば絶対に
     後始末が面倒な結果に・・・・



  27. 38 : : 2016/03/10(木) 00:26:19






    ハンジ「まったく・・・これだけ面白い
      事になってるって言うのにまだ
      そんなつまらない事に向ける
      思考を残しているのかキミは。

      そんなに気にしたって勿体無いだけ
      だと思うけどね・・・。ま、悩むなら
      好きなだけ悩めばいいと思うよ。

      何せここでは時間もある程度
      自由に塞き止める事が出来る
      みたいだ。・・・・ご覧??」チョイチョイ






    エレン「・・・・・・・・!」






     ハンジさんが指差す先では・・・・



     布団に包まった状態のアニが、まるで
     そのまま時を止められたかのように
     沈黙を守っていた。





    ハンジ「この通り、キミと私が
       会話に集中している限り
       彼女を蚊帳の外に置く事も
       出来る様だ。

       私の局部(ここ)にこうして
       備わっている、本来ある筈の無い
       部分も・・・・成程、キミ自身の
       感覚を元に造られているから
       見た目がキミのソレと同じに
       出来てるんだろうねぇ」
       ニギニギ・・・




     成程・・・そこは理解した。





    エレン「・・・・真顔で硬くして見せないで
      下さい;」





    ハンジ「ぅわっ・・・本当だッ・・・!!

       何だよこれ、すっげー硬い!!!
       いや、これは正にキミのと同じ
       硬度だけど・・・やっぱ自分に
       生えてるとなると全然違うな!」
       スゲー!





    ハンジ「・・・・・・・・」ジッ・・・・・






    エレン「何ですか・・・・その目は・・・・;」
      サッ・・・・





     マズい・・・・猛烈に嫌な予感が





    ハンジ「嫌な予感だって・・・?それは嘘だろ
      エレぇン...////」ウフフフ・・・・

      ジリ...ジリ...





    エレン「止めて下さい...!

      ハンジさんの事は本心から好きです。
      愛してます。・・・でも今・・・
      ハンジさんは“男”ですよね・・・??」
      ザッ・・・・





     ここは・・・心が読まれていようが
     なんだろうが・・・頑とした
     意思表示をしなければ・・・・




  28. 39 : : 2016/03/10(木) 00:33:29







         “()りたい”




     !!?






    ハンジ「意思表示・・・・???

       一応聞いてあげるけど・・・そりゃ
       一体どういった意思表示かなぁ」
       ウズッ・・・・



     何だ・・・・今・・・・・・





          “確かめたい”



     また・・・・・・・・・!!!




        “そこへ達してみたい”




     そうかこれは・・・・・・・!!!




      “キミが感じるのと同じ感覚(モノ)を”




    ハンジ「そう..///

       それが・・・私の、いわゆる“本心”
       って奴さ。エレン、キミの心も
       先程からそんな感じで私の方に
       どんどん流れ込んでくるんだけど。

       何故かな・・・キミの本心では・・・」





    エレン「・・・・・・・・」






    ハンジ「こうして私に語りかける内容とは
      全くの正反対に・・・それを愉しみに
      しているような気持ちしか
      流れ込んでは来ないんだけど」





    エレン「・・・・・オレにソッチの趣味があれば。

      その通りなのかもしれませんが・・・・

      でもスミマセン・・・・。オレはその」





    ハンジ「・・・・・・・・」




    エレン「・・・・・・・・」





    ハンジ「―――」




    エレン「―・・・・・」











     暫くの沈黙。



     何せ夢の中なので10分位その状態が
     続いたような気もしたが、反対に
     10秒も続かなかったと思えば
     その程度にしか感じられない沈黙を
     破ったのは・・・・・




    ハンジ「・・・・・っはぁ・・・w;


       やっぱりダメかぁ・・・・

       エレン、キミは・・・・リヴァイの
       太鼓判も頷けるほどの頑固者だなァ

       ・・・この程度の揺さぶりじゃ
       流石になびいてくれないようだ」
       ヤレヤレ





     根競べから投降したとばかりに
     溜息を吐くハンジさんの方だった。

     姿形こそ退行していてもその仕草は
     普段のあの人そのもの。



  29. 40 : : 2016/03/10(木) 00:35:00







    エレン「・・・普通の感性で普通に気が
      進まない事を断っただけですよ・・・・;


      ハンジさんがどうしてもって
      言うなら・・・少し考えなくもなかった
      ですけど・・・・、、」オズオズ・・・




    ハンジ「なんだよ!!!じゃあ勿体ぶらずに
       貸してくれたっていいじゃん!!!

       どうせ減るもんじゃ無いだろ!!?
       それともこの先誰か別の人に
       譲る為にとっといてあるのか?!
       キミの“後ろの初めて”は!!!」
       ブーブーー!!!





    エレン「減りますよ!!!!!(怒)

      減るというか・・・!
      男の尊厳的なものが
      崩れてしまいそうな気がします!!!」




     そもそもそういう(▪▪▪▪)目的の為に
     備わってるものじゃない。


     出すべきモノを出す。
     それだけの部分であり、逆に何かを
     招き入れる為の場所じゃない。





    ハンジ「いいじゃんかもう!!

       なんなら私のこっちもキミに
       あげるから!!な!!?それで
       おあいこだろ!?」グイッ





     そう言いながら多分本気で自分の
     尻をこっちに向けてくるハンジさん。

     
     いい加減頭が痛くなってくる...





    エレン「 全 ッ 然 そういう問題じゃ
      ないですよね!!!?;

      二重の意味でオレに男を
      捨てろって事じゃ無いですかソレ」
      ウワァァァア....!;





    ハンジ「まったく・・・・!!!

       何から何まで注文が多いなぁ・・・;
       折角私にもキミと同じ視線で
       愉しめる好機が巡ってきたって
       言うのに・・・・

       何故この行幸を素直に心行くまで
       堪能させてくれないものかね・・・

       まあ、いいよ??
       キミがダメだというならあそこの
       “彼女”に頼み込んで正しい場所(▪▪▪▪▪)
       貸してもらうって手もあr・・・・」
       フフン・・・?;





    アニ「ッ !  ?  」

       ビ クン ッッ!!!





     ハンジさんが視線を向けるのと同時に
     何事も無く先程の状況の続きのように
     オレ達のやりとりを見ていたアニが
     全身を竦ませる。


     縮まり、直伸する背筋に、
     見開かれる真っ青なアニの両目。



     身震いと同時に全身に纏ったのは・・・



     対人格闘なんかの時に、オレを
     蹴り倒しに来る時のそれと同じ気迫。

     ベッドに腰を落としながらも、
     その目は完全にハンジさんを
     敵として睨みつけていた。




  30. 41 : : 2016/03/10(木) 00:36:59







    ハンジ「おっほ///そんなおっかない顔で
      睨まないでってば~♪可愛いお顔が
      台無しだよ?」ニヘニヘ







    アニ「普通に話しかけて来てるけどさ・・
      あんた、自分の格好をよく考えな。

      ・・・・それ以上こっち来たら
      前歯を折る。脅しじゃ無いよ・・・」
      ギッ・・・  ググッ・・・






     ついにベッドから重い腰を持ち上げて
     両拳を掲げるアニ。既にいつでも
     ハンジさんの足を払える状態だ。


     この気迫じゃ本当に予告通り、
     足元を崩してからの下段蹴りで
     口元を抉られても不思議じゃない。






    ハンジ「ん~~~・・・・・

       まあ、尤もな意見だよね。

       幾ら夢の中でとはいえ・・・・
       私は今正に、いたいけな少女を
       意のままに蹂躙しようと画策する
       強姦魔になろうとしていた訳だし。

       そう考えれば・・・まあ前歯の
       2本や3本くらいはあげちゃっても
       イイのかな。何せ夢だし・・・・」
       ジリジリ・・・・






    アニ「ちょっ・・;それ以上はホントにッ・・・!」
      ギリッ・・・






     ヤバいな・・・ハンジさんは・・・

     オレがハンジさんの好奇心に
     付き合ってくれなきゃ本気でアニを
     襲うつもりでいる・・・・・





    エレン「ハンジさん・・・・!止めて下さい;

      そいつはやるって言ったら本気で
      やりますよ・・・それも並大抵の
      痛さじゃ・・・・」





    ハンジ「・・・成程、私に彼女の記憶が無い
       以上・・・今そこに居る彼女は
       キミの記憶が映し出した人間って
       ことになる訳だ。・・・そのキミが

      “やめたほうがいい”と進言して
       くれるのだから・・・それは勿論
       やめといた方が懸命なのかも
       しれないね」





    エレン「分かったなら早く下を・・・・;」





    ハンジ「でも イ ヤ だよ。

       私は、キミが感じるのと同じ感覚を
       どうしても知りたいんだから。

       ・・・聞けば男女で比較すれば
       男と女じゃ快感の境地に
       達した際の気持ちよさには
       決定的な差があるって話だ。

       ・・そんなの馬鹿馬鹿しい
       ジンクスだって事くらい私だって
       考えなくても理解してる」




  31. 45 : : 2016/03/11(金) 00:40:26










    エレン「・・・・・・!;」






    ハンジ「だって、男と女の両方の感覚を
       同様に経験できる人間なんて
       居るはずが無いんだから。

       ・・・例え両方の性のシンボルを
       備えている人間が稀に居たんだと
       してもだよ・・・・。それは、既に
       “どっちもある”人の
       感覚でしかない。純然たる
       それぞれの感覚を享受出来る
       訳じゃ無いんだ・・・・」クドクド・・・





    エレン「・・・・ハンジさんの言う事は・・・」






    ハンジ「キミには回りくどくて少し難しい
       物言いに聞こえてしまうって??

       ゴメンね。じゃもっと
       分かりやすく行こうか。私は・・・

       私は知りたいだけなんだよ。」





      “さっきから言っている通り”



     
    “私は…もっと良くキミを知りたいだけだ”






    エレン「・・・・・・・・」





     まただ。


     また・・・・オレの頭に
     直接流れ込むように入ってくる、
     ハンジさんの心の声。




    ハンジ「・・・・・・・」





     同時に目の前にいるハンジさんの
     目が・・何も言葉を交えずに、
     ただ静かにオレを見つめている。



     年齢が大幅に遡った事が
     影響してなのか普段より少し
     大きく感じる、その眼鏡越しの目。




    エレン「・・・・(溜息)分かりましたって・・・・

      ハンジさんが・・・そこまで真面目に
      オレの・・・というか男の方の
      感じ方が気になってるんだって事は
      ・・・もうちゃんと理解しました。
     
      だからその・・・夢の中とはいえ・・・
     “ソイツ”にそんな感じで迫るのは・・
      止めてやってくれませんか」







    ハンジ「っ・・・・!分かったって・・??!
       じゃ、じゃあエレン、
       やっと観念して私と・・・・・!」
       ✧キラキラ・・・・✧
     



     直後、掌どころか全身を鮮やかに
     翻したかのように顔色を輝かせる
     ハンジさん・・・・・
     


     本当に・・・この人は・・・・;






  32. 46 : : 2016/03/11(金) 00:41:45









    エレン「ぇえ、分かりましたから;
      正直、かなりイヤですが・・・・

      どうしても。・・・どうしても
      ハンジさんがそっちで愉しんで
      見たいっていうなら....」ウッ・・・




     苦渋の決断をしぶしぶ下すオレの顔を
     見るハンジさんの目が・・・今度はまた
     一瞬何を考えているかわからない、

     “空っぽな表情”へと変わる。





    ハンジ「・・・・・そんなにイヤ...??」






    エレン「・・・・・ええ、そんなにイヤです。

      正直に、嘘は言いません」





    ハンジ「・・・いや、あのさ、夢にお邪魔する
       ついでで悪いんだけど・・・

       キミの記憶の中に・・・ほら、
       あのキミの幼馴染、アルミンと
       キミが若干そういった関係に
       踏み込みかけた記憶があった上に
       ・・・・


       ペトラの話じゃお城の脱衣所で
       裸でじゃれあってたって話
       だったからさ・・・私てっきり」





    エレン「・・・・・!!!!!!!!!」カァァァァァアア
      (顔面沸騰状態)







    ハンジ「ゴメン・・・ちょっと早とちり・・
       しちゃってたかな」
       (本気で気まずそうな顔)






    エレン「・・・、、!!  ・・・・っ」





     必死に何か弁解しようと頭と口を
     動かそうとするオレだが・・・・

     当然思うように言葉が出てこない。



     それはそうだ。



     今此処は夢の中であり・・・


     正直に自分が思ったことがそのまま
     行動に現れちまうんだ。



     “あの時”アルミンの奴に迫られて・・・
     『ちょっとでも』おかしな気持ちに
     なった本心は・・・今間違いなく
     ハンジさんにも筒抜けになってる
     訳だから。





  33. 47 : : 2016/03/11(金) 00:44:37








    ハンジ「ぁあ・・・・(察し)
       うん、ゴメンよ?;

       悪かった、いやホントにね。

       彼の容姿も考えた上で・・成程。。

       キミの記憶頼りに覗いてみた
       情報通りでは・・・・彼もそれなりに
       ソッチの場数は踏んでいそうだ。

       ・・・ともすれば、だ。
       キミがそんな気になるのも
       別段責められた事じゃ無い」
       ウンウン、、、





     これで真面目にフォローされてるってのが
     分かってしまうのは余計に悲しい。







    エレン「・・・・気持ちの問題ですよ・・・・」





    ハンジ「そう細かいところまで気にする
      事かな;考えようによってはだよ?」




    エレン「・・・・・?」

       
       




    ハンジ「キミは世間体や一般常識を
       気にしてそこを強く否定して
       るのかもしれないけど・・・

       同じ男同士だからこそ、彼も
       キミがどうしたらその気になるか
       分かったんじゃないかな。

       容姿が中性的なだけじゃ中々
       そこまで相手をその気に
       させるのは難しいと思うよ」






    エレン「・・・・あいつの場合は・・・というか
      オレ達の場合は・・・訓練兵時代の
      規則が厳しかったから・・・

      その皺寄せでああいう身の振り方を
      身に着けたってだけの話です。

      昔からの付き合いだからあいつの
      要領の良さは誰より知ってます」
      ムスッ・・・








    ハンジ「そう暗い顔しないでよ。

      別に珍しい事じゃないって。
      兵団の規則が厳しいのは
      キミらの代で始まった事じゃないし
      私達女子にだってキミら男子と
      似たり寄ったりな欲求は備わって
      居るんだから。

      ・・・かく言う私だって
      こんな外見だからそういう事が
      一度も無かったわけじゃ無い」



  34. 48 : : 2016/03/11(金) 00:47:17





    エレン「ッ・・?!?!ほ、ホントですかそれ!!?」






    ハンジ「ウン。本当だよ。(アッサリ)

       ・・・・まあ、その時分の私も
       キミと似たような意地というか
       固定概念は少なからずあったから

       ・・・寝床で夜這い喰らっちゃった
       時なんかは、丁重にお断り
       しちゃったんだけどね。

       それから先も続く訓練生活に
       軋轢が生じないように、やんわりと
       拒絶するのは・・・何とも複雑な
       心境だった。」






    エレン「…それも相手から来たんですか;」





    ハンジ「そりゃそうさ~。何せ
      この背格好と面構えだよ?w

      何か~・・・同じ宿舎で過ごしてて
      どうしても異性として
      意識されちゃってたらしくてね。


      ・・・・そういやナナバの奴も・・・
      私とは違った系統で引く手数多
      だったらしいよ」シミジミ...






    エレン「・・・女子にも・・・色々あるんですね・・」






    ハンジ「それでどうって訳じゃ無いけどね。

      結論、そういう葛藤に揺れる君の
      気持ちも・・分からないわけじゃ無い、
      ってことさ。」ポンポン




     未だオレを両腕で抱き留めたまま、
     なだめる様に背中に手を載せてくる。
     

     その態度の中には、それまでオレに
     迫って来てた時のような雰囲気は
     完全に無くなっていた。






    ハンジ「・・・・・ぁあ、悪かった;悪かったよ。

      ホラホラ、抱っこしてやるから
      そう気を落とすなって・・・・・」ヨシヨシ

      ポンポン=3




    エレン「・・・・・・・・」





    ハンジ「~~~~・・・」
       ヤレヤレ



     直後、世界が暗転し、その中で

     ハンジさんがオレに圧し掛かってくる。




    エレン「・・・・・・!」





     これは・・・おそらくハンジさんの方で
     何かしら、夢の中の“世界”を
     模様替えしたんだろうか。


     腰掛けた医務室のベッドの感触は
     そのままで・・・景色だけが黒一色に
     塗りつぶされる。


     ・・・しかし、決して暗いわけではなく
     お互いの姿形はクッキリと視認できる、
     そんな不思議な状況の中




  35. 49 : : 2016/03/11(金) 00:49:56






    ハンジ「じゃ・・・、、これならどうだ」





     吐息だけで直ぐに分かる位
     熱気をもったハンジさんがオレに
     覆いかぶさってくる。



    ムニュッ・・・・



    エレン「あっ・・・・・・??」





     胸板に感じる、先程までと明らかに
     異なる違和感。


     見た目には全く変っていないといえる
     ハンジさんの全身は・・・・その時確かに




    ハンジ「・・・・ホラ、喜びなって、
       これなら文句無いだろ・・・・?

       “女の子”だぞ・・・・??」




     軟らかかった。





    エレン「・・・・・・・・これは・・・・あの・・・また
      随分と・・・・・////」ドキドキ




     リアクションに困る。そんな感触だった。


     いや、正直に言って、かなり新鮮で・・・





    ハンジ「フン・・・・・////

       まぁ・・・・キミが素直に嬉しそうに
       してくれているからあえて
       暫くこのままで居てあげるけど・・

       私の我侭も後でちゃんと訊いて
       欲しいものだよ。本当に・・・・」
       フンス=3




    エレン「・・・・あの、ハンジさん・・・・
      コレってつまり・・・・」




    ハンジ「ぁあ・・・・・?////;

       言葉にしなくたって分かるけど・・

       そうさ、。キミの“夢の中”で
       産まれたモノではなく・・・・

       実際に私が身を以って経験した・・
       正真正銘、半分近くの人生を
       遡った姿さ。」





    エレン「・・・・・・・・!」




     これが・・・・




     これがハンジさんの訓練兵時代・・・
     




     ―――つまり、





    エレン「オレと・・・同い歳くらいの
      ハンジさん・・・なのか・・・・・!!?」
      ドキドキ・・・・






    ハンジ「だからそう言ってるじゃないか!
       さっきから!!」
       フンフン///
       





  36. 50 : : 2016/03/11(金) 00:52:05





     これは…改めてそう訊くとやっぱり…





    エレン「・・・すみません、ハンジさん。

      失礼を承知の上で、いいですか・・・・?」





    ハンジ「いわなくても分かってるけど・・・

       試しに云ってご覧?」




    エレン「呼び捨てで・・・いぇ、あの、。
      普通に同期に接する感じで
      話しかけても・・・良いで..
    ハンジ「良いよ。(キッパリ)

       その為に・・・・

       私は“この姿”でキミの夢に
       お邪魔してるんだからさ。」





    エレン「・・・・・・・ッ!!」






    ハンジ「私も・・・・アレだよ、ほら・・・

       何というか・・・キミと同じ視線に
       立ってみたかったんだ。
       一度で良いから。」




    エレン「・・・・オレとハンジさんの身長・・・

      別に殆ど変らないじゃないですか」






    ハンジ「キミは実に馬鹿だな!!!(呆)

      身長的な意味で言ったんじゃない!
      私は...私はキミの・・・・!」↓↓







     言いかけてその視線をオレから外し、
     何も無い真下に向けるハンジさ...


     ・・・・いや。





    エレン「・・・・オレの・・、、その先は
      何だよ・・・・・・?“ハンジ”??」





    ハンジ「ッ/////」








     目の前に居る“その人”が同期で、
     且つ同じ視線に立つ人間なら。



     こんな距離感だろうか。




     それ自体確かな事ではないが・・・




     体勢を逆転され、オレの腕によって
     ベッドに抑えつけられるハンジさんの
     全身はとても・・・・


     とても暖かくて軟らかかった。




    ハンジ「急にキたな・・・ズルいぞそれ・・・・
       反則だ..///;(カァァァ・・)

       キミは・・・その辺ちゃんと
       分かってないんだ。

       仕方ない事だってのは分かる。
       過ごしてきた年月も、性別も
       違うんだからね・・・・」




     オレの腕の中で縮こまり、
     ぶつくさと口篭るハンジさんは・・・
     もう既に外見といい身振りといい
     本当にオレの同期にいても
     おかしくないくらい、
     普通の女子のものだった。



     フランツみたいな奴と違って同年代の
     女子とこんな関係を持った事がない
     オレが言えた事じゃ無いが。



  37. 51 : : 2016/03/11(金) 00:55:01



    エレン「・・・・ちゃんとオレの頭でも
      分かる様に順序立てて
      話してくれよ・・・・

      難しくて何言ってるか分からねえ」
      グッ・・・




     ハンジさんの背中に回した両腕の内、
     利き腕と逆の手で、俯いていた頭を
     掴み、静かに視線を向き直らせる。






    ハンジ「ッ・・・キッ・・キミは・・・ねっ!!///
       分かってないんだ、、
       キミと私で・・・幾つ離れてると
       思ってるんだ・・・!

       倍近く違うんだよ....???
       たまに不安になる私の気持ちが
       キミに・・・・」



     直後、みるみるうちに潤みだす
     ハンジさんの両目。心の声まで
     聞かなくても直ぐ分かる。

     これは今にも泣き出す感じだ。



     ・・・しかし・・・・




    エレン「・・・・???・・・・????;」





     全く理解できない。





    エレン「えっと・・・ちょっと、途中で
      素になっちゃってスミマセン・・。

      何がですか・・・・?不安って・・・・」





    ハンジ「ホントのホントに
      分かんないのかよ!それだけ歳に
      差があるって事は・・・年を追うごとに
      キミと私の間には大きな外見的
      差異が・・・・・!!!;」アタフタ・・・






    エレン「・・・なんだそんなことですか・・(汗)」
      ハァ・・・・・・







    ハンジ「!  !  !」




     石像のようにその動きを、
     それから表情を止めるハンジさん。




    ハンジ「・・・前々から・・・
       常に思っていた事だけど、エレン。

       やっぱりキミって奴は・・・・」




    エレン「・・・・はい?」





    ハンジ「大分普通じゃ無いな・・・・!?」







    エレン「・・・・よくわかりません。
      アルミンやミカサにはたまに
      言われますが・・

      オレから言わせりゃあいつらだって
      あまり人の事言えないと思うし、
      それ言ってしまったらハンジさん
      なんて、オレ以上に個性的じゃ・・・」





    ハンジ「個性的な面の話をとりあげて
      言った言葉じゃない!!

      私が言いたいのはキミの考え方と
      その感受性についてだよ....!

      何というかキミは・・本当に極たまに
      とんでもないくらい目の付け所
      っていうか・・・論点がズレてる
      時があると思うんだ・・・・・!」





    エレン「・・・オレ自身どう思われても
      構いません。そう思うのは…
      ハンジさんの自由ですから;」
      サラリ



  38. 55 : : 2016/03/12(土) 02:45:44













    ハンジ「(まさに、“どこ吹く風?”って
       顔しながら言いやがってコイツぅ・・!)
       
       ・・・・いいか?こんな事
       言いたく無かったけど・・・さっきの
       キミの返しがあまりにアッサリ過ぎた
       ものだから敢えて言おう・・・・。。



       キミが私位の歳になった時・・・

       私はもう子供を産むのも
       いよいよ無理があるんじゃないか
       ってくらいの・・・いい歳した
       おばちゃんだぞ・・・・?!!

       それでキミは本当に・・・・!」ワナワナ





    エレン「???;・・・・何でそんな当たり前の事


      っ、、!(ポン)旦=3

      ぁあ、!成程。つまりそうなる前に
      作ろうって事でs・・・・・
    ハンジ「そ う い う 所 だ よ !!!」
      クワッッッッ!!!!!!  




    エレン「っ!!??;」ビクッ!!!






     突然鬼のような形相で凄まじい
     剣幕を上げるハンジさん。



     ...かなりおっかねえ顔だ。



     まるで昔絵本で読み聞かされた・・
     子供にしか見えない土地神の、
     “良くない方のやつ”みたいに、
     極限まで釣り上がった目でオレの目に
     睨みをきかせてくる。





       もう一度言おう。





              本気で怖い。





    ハンジ「そういうところに真っ先に
      着眼するのがキミのおかしな所だ!
      
      普通“空中で撒き散らした”
      なんてところから導入するのは
      明らかに話の流れ的にも
      デリカシー的にもありえないだろ!」
      ブッチャケアリエナイ!





    エレン「!!?、;今その話関係ありますか!?」
      シカモ 時系列 メタデスヨ!!






    ハンジ「うるさい!!いいからキミは
       ちょっと黙って聞いてなさい!!」
       ギッッ!!!!





    エレン「⇐っっ・・・・;」コクッ



  39. 56 : : 2016/03/12(土) 02:47:23





     本来なら到底聞こえる筈も無い
     "ギラギラ"などと言った金属音に近い
     擬音すら聞こえてきそうな、
     鋭角に狭まったその両目。


     暗闇で不意に見てしまったら明らかに
     失禁は免れないって位の迫力を
     見せつけ、肌に突き刺さる様な視線を
     向けてくるハンジさんの気迫に
     思わず無言で頷くオレ。



     そうだった・・・・すっかり忘れていた。


     兵長の言葉を。



     こんなナリになっていても・・・・
     目の前にいるのは、調査兵団の中でも
     怒らせると最も手の着けようがないと
     恐れられている・・・・
     

        “あの”ハンジさんだ




    ハンジ「私とキミと・・・ここまで関係が
      親密になったところへ来て、今更
      “本当に私なんかで?”なんて

      臆病風に吹かれた発言をする
      つもりは無い。けど…それでも、だ。」





    エレン「―――はい」




    ハンジ「一時の勢いだけでこの先も
      ずっといつまでも何とかなるほど
      私とキミの間にあるものは
      生半可ではないんだ。

      私もキミの事はとても大切に
      想っているし、キミと私だけしか
      居ないこんな場所なら一切の
      照れも無く言う事が出来る。


      ―――エレン。私も・・・・


       “私も キミを愛している”」






    エレン「っ・・・・。。。。。」





     先程まで怒り心頭大爆発といった
     表情だったのが嘘のように落ち着いた
     表情となっているハンジさんの
     顔だが・・・・それとは反対に、

     オレの上体に重なってくる、
     細くて柔らかな体から伝わってくる
     心音が、ドンドンと跳ね上がって
     いくのが肌で感じられる。





    ハンジ「"キミが巨人だから"とかじゃない。

      勿論それすら含めた上で―――
      難しい理由なんていちいち口にする
      必要が無い位に。

      私はキミがとても愛おしい訳だけど」





    エレン「・・・・・はい・・・・・」





     歳の頃が違うとは言っても
     ここまで真面目なハンジさんの顔
     というのは・・・あまり見る機会が無い。


  40. 57 : : 2016/03/12(土) 02:50:15







    ハンジ「・・・それを今一度伝えた上で
      確認しておきたい事があるんだ。

      ・・・割と本気で聞くけど、マジメに
      返して欲しい。“男の子”なら・・
      逃げずに答えてくれるね??」

      ググッ・・・・




     オレの服と、ハンジさんの服。
     二つの布を隔てて尚、強い鼓動が
     迫ってくる。それも・・・先程とは違い、
     ハンジさんの胸元には服のみならず
     微々たる物とはいえ振動を
     伝えにくくする“厚み”が増している
     にもかかわらずだ。





    エレン「何・・・でしょうか・・・・・」




     今、この状況になってから
     気が付いた事だが、ハンジさんが
     そうしたのか・・若しくは

     アニも見ている目の前で
     この状況を続ける事にオレ自身が
     音を上げてしまったのか、

     周囲の景色はいつの間にかオレ達
     (アルミン、ライナー、ベルトルト)
     の居住スペースである宿舎の一室に
     変っていた。服装も、それにあわせて
     御互い普通の平服になっている。


     同室メンバーの気配は・・・今は未だ
     感じられない。


     オレは普段から着ている長袖シャツに
     通常の下履き、ハンジさんは同様の
     下履きにミカサやアルミンも着ている
     様なボタン留めの長袖シャツ姿だ。


     もう一度言うが、確かに全身が
     触れ合うこの感触から言って、
     目の前のハンジさんが本来あるべき
     性別に戻っているのは間違いない。


     ・・・・間違いないが、それでも、やはり
     外見的には先程までと何も変っている
     ようには見えない。




    ムニュッ・・・・・





    エレン「・・・・・・・・...////」




     今も無言で押し付けられる、
     若干の膨らみを備えたその部分に
     関しても。“触れれば分かる”
     その程度であって、外見的にはまるで
     ・・・・・・・


  41. 58 : : 2016/03/12(土) 02:55:39







    ハンジ「ん"ンンっ!!(咳払い)=3

       ・・・エレン?私は今どういう
       話をしている最中だったかな・・・」
       ジロリ・・・・





    エレン「・・・・・・スミマセン。あまりにも
      触り慣れのしてない感触だった
      もので・・・つい;」ムニムニ・・・





    ハンジ「・・・・・まあ。とても興奮してくれて
       いるようなので今回のみお咎め
       無しにしてあげよう。

       ・・・しかしそれはそれ、
       これはこれなんだけどね・・。

       ・・・エレン、キミはまた
       何か私にウソを付いてる様だ。」





    エレン「・・??!な、なんですかウソって!?」





    ハンジ「おやおや?何だい、その
       明らかに予想外ってカンジの反応。

       じゃ、聞くけどね・・・

       ・・・・キミの本心は、
      "女の胸に触れるのはハンジさん(わたし)
       初めてじゃないが・・・・"と、
       言っているんだけれど。

       ・・・・・これについては。。」ギリッ
       ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・





    エレン「いッ・・??!?!;」





     馬乗りに近い姿勢で、静かにオレの
     襟元を掴むハンジさん。



     先程見せた激昂の表情に少しづつ
     近づいていくハンジさんの顔が
     直ぐ目の前にある。





    エレン「違います!!そ、っ・・・それは
      そう言う意味じゃなくって・・・!

      オレが触った事あるっていうのは
      ・・・・あの!ほら、」





     そう"それについては"態々言葉に
     しなくたって、ここまで頭に
     思い描けば・・・・




    ハンジ「・・・・・・ッ!!!??エレンお前ッ・・・!

       これは・・・さっきの・・・・・!!

       、、、  ・・・・、、」




     オレの本心に基づく記憶が
     言葉も必要とせずハンジさんに
     伝わったのか、その概要を理解した
     ハンジさんは・・・直ぐに掴んだ
     襟元を離してくれた。


     良かった。夢の中とはいえ余分な
     替えの無い部屋着がやぶけちまう
     所だった・・・



     

       
    ハンジ「・・・・ぁ、;ああ・・・・なんだ・・・・

       そういう・・・・そういう事・・か」
       (深い溜息,,)ホウッ・・・・




     ・・・・そう、言うまでも無くオレが
     過去触った事のある女のその部分と
     言えば・・・腕を掴んでくる際などに
     時折当る事のあったミカサ、
     それから・・・対人格闘で寝技をしかけて
     来る際など、

     ――つまりオレが死に物狂いで
     アニによる容赦の無い関節極めから
     逃れようとする最中に押し付けられる

     ・・・コレとは比較にならないあの
     “厚み”d...
    ハンジ「   おいィ    」ニコッꐦ






    エレン「な"っ・・・!?!」




     刹那、オレの首下、丁度顎の辺りに
     両掌による圧迫が静かに襲い来る。





    ハンジ「ああ、そうだとも・・・
       あのボインちゃんには敵わない
       だろうさ・・・・!ムグググ・・・!!」
       ギリギリギリィ・・・・



    エレン「ゴはッ・・・・  
      は、は、、ハンじ...さんッ・・・」
      カハッ。。。。



     パンパンパン!!



     夢の中であることを考えてか、
     随分と情け容赦の無い締め付けだ・・・

     ハンジさんが何故急にこんなに
     怒り出したのか理解は出来ないが・・・


     ここは“大きさ”の比喩に対して
     腹を立てたのだと推測する。
     それしか…思い当たるフシは無い。
     
     オレは釈明に訴える本心を
     ハンジさんにぶつける様に

     霞んでいく視界の中、必死に胸中で
     唱え続ける。


     声を搾り出すのもかなわない
     状況ではあるが・・・幸いここは
     夢の中だ。声に出せなくても、

     心底から叫べばその声はきっと
     届いてくれるはず。


  42. 59 : : 2016/03/12(土) 03:01:24






     “大きさなんて関係無い。

          オレはただ―――”





    ハンジ「・・・・っ」Σピクッ






      “大事な人の感触をいつもと
       違う形で感じられた事実が・・・

       とても新鮮で嬉しかった”





    ハンジ「――--.....」グググ...





     “寧ろ・・・この控えめな厚みってのが
      とても同期の体格を意識させられて
      
      
      かえって興奮というか・・・
      なんというか・・・”


    スルッ・・・・



    ハンジ「....もう普通に喋れるだろ///

       そんな恥ずかしい心の声を
       ガンガンと頭の中に響かせるのは
       勘弁してくれないか..///」






    エレン「・・・・..(息継ぎ)」プハッ・・・




    ハンジ 「・・・・分かった。

       キミが大きい方にしか眼中に無い
       なんて趣向じゃ無いのはちゃんと
       分かったから。それ以上は
       本当に恥ずかしいからやめてくれ」
       フイッ・・




    エレン「ゲホッ・・・じゃ、じゃぁ・・・

      は、ハンジさん!!?」ガバッ




    ハンジ「・・・・・何かな////」
       ホゥッ・・・///






    エレン「控えめな胸も愛嬌があって
      オレは大好きで.....ッ
    ハンジ「結局口でも言うのかッッ!!!///

       もういいって!!!なんか惨めに
       なってくるだろ!!!(涙目)」



    エレン「惨め!!?何でですか!」



    ハンジ「だってそうだろ・・・!
      こんな・・・ッ・・・その・・・

      近くでよく見ても分からないような

      ・・・映像化のキャラデザ盛りがなきゃ
      アンダーに影すら落ちない
      絶壁だぞ・・・・!?!どう考えたって
      大きいのに比べたらッ・・・・」





    エレン「・・・・大きい方が女性らしいって・・・

      ・・・・そんなの誰が決めたんですか?」





    ハンジ「ぅっ・・・・・・」




     確かにオレもこの姿のハンジさんを
     夢の中で初めて見た時には、その
     体格からも性別を断定できずにいたが
     ・・・これはそういう問題とは少し違う。





  43. 60 : : 2016/03/12(土) 03:05:12







    エレン「・・・理由らしい理由なんて無い
      ですよね・・・?アルミンのヤツなんて・・

      あの通り勿論男だから胸もクソも
      ないですけど・・・

      男子の中じゃ本気で結婚を
      考えてるツワモノだって居る位
      ですよ。・・・勿論そいつは
      アルミンの事...男としては
      見て無いとか言ってますし」





    ハンジ「・・・・・・・・・」
       ムスン・・・・





    エレン「そんな事で拗ねないで下さい。

      オレの意見とか関係なく
      大きい方が良いんですか?ハンジ
      さんは・・・・」




    ハンジ「・・・・・・」





    エレン「・・・・・・」





     そっぽを向いていたのは本当に
     少しの間でしかなく、オレの言葉が
     気休めでないというのが直ぐに
     通じ合った気持ちで分かる
     
     “この世界”だからこそなのか――




    ハンジ「・・・・っいや・・・・

      キミがこれで良いって言うなら・・・

      これ位でもまあ、悪くないかな・・・・」
      フフッ・・・・

     
     トントンッ


     コロリと顔色を変えて輝く笑顔。

     敬礼をする時と同じ様に拳を心臓の
     位置で弾ませながらそう返してくれた。

     



     分かってくれたなら・・・それでいい。



    ハンジ「・・・・しかしだ。

      エレン。キミの言い分に頷いた上で
      この小ささに関する不便も一つ位は
      言わせて貰うよ?」
       




    エレン「イイですよ別に・・(どうでもイイ面)」





    ハンジ「イイや。言わせて貰うね。

       それについても釈明して
       おかないと・・・私が単に見栄えを
       気にして自らの身体的コンプレックスに
       頭を抱えていた憐れな女って
       黒歴史が残るだろ」





     非常に申し訳無い事だが・・・

     本当にどうでもいい・・・・



  44. 61 : : 2016/03/12(土) 03:07:27





    エレン「・・・別にいいじゃないですか。
      それを知ってるのはこうして
      直接話を伺ったオレだけなんですし」




    ハンジ「これくらいしかないから・・・
       来るべきキミと私の跡取りには
       ひもじい思いをさせてしまう
       だろうって懸念が残るんだよ・・・」



     まるで人の話を聞いていない。





    ハンジ「そう考えるとやっぱり
       私としてはもう少し大きい方が・・」
       ムニムニ





    エレン「そんな事気にしてたんですか・・
      ハンジさん・・・・・;」





    ハンジ「そんな事とは何だよ!!」キッ






    エレン「・・・・そんな事ですよ・・・だって
      ハンジさん・・・・忘れてませんか?」





    ハンジ「何さ・・・・・忘れてるって

       、、、、ぁっ・・・・・・・・・」






     口にするまでも無くオレの心が
     ハンジさんにも伝播する。





    エレン「その姿から・・・十年以上
      経ったハンジさんの姿なら・・・・

      "もう少し"増えてるじゃないですか」



     オレの言葉を受けて、すっかり
     忘れていたとばかりに明るさを
     取り戻すハンジさんだったが、やはり
     その表情も長くは続かない。




    ハンジ「そうだった・・・・!


       ・・・・そうだったけど・・・・!!

       でも!!更に“もう少し”
       欲しいんだよ!!欲を言うなら・・・

       原作絵でも直ぐにそうと
       分かる位の安心の厚みが・・・・!!」
       motto motto!!!






    エレン「・・・・それは諦めてください(汗)

      そもそもハンジさんに限った事じゃ
      ないですけど・・・原作じゃ皆
      そんなに一目で分かるほど
      盛られて無いですって・・・・」







    ハンジ「・・・・それもそうだな・・・・・」
         (´・ω・`)



     オレの言葉にそれ以上胸に関する
     話題で食い下がるのはやめる事に
     したのか・・・今度は宿舎の内部を
     しげしげと眺め始めるハンジさん。





  45. 64 : : 2016/03/12(土) 17:03:13









    ハンジ「っほほぅ・・・これが・・・

       “キミ達”の部屋か・・・」




    エレン「・・・・・・・・」




     夢の中とはいえ、つい此間まで
     過酷な訓練の最中、唯一心と身体を
     休ませることが許されていた(ねぐら)


     ここまで鮮明に思い出せるのは
     寧ろ納得だ―― 






    ハンジ「・・・さて。エレン?訓練時代の
       感慨に浸ってる所悪いけど・・・

       先程の本題に戻ろうか」






    エレン「本題・・・?本題って・・・・・」




     話の本題・・・・?


     もう“胸に関して”は大体結論が
     纏まってるハズ・・・・




    ハンジ「 そ っ ち じゃ 無 い 。」
       ズイッ



     今度はそこまで感情的なアプローチが
     飛んでこなかったものの、
     ハンジさん的には至って真面目かつ
     重要な話であるのか・・・その顔には
     やはり冗談の欠片すら見えていない。



    ハンジ「・・・もう。しっかりしてくれよ。

       私が真面目な話を始めようとした
       矢先――・・・邪な気持ちで私の
       胸元に全神経を集中させてたのは
       ・・・・誰あろうキミじゃないか」
       マッタクモウ





    エレン「邪な気持ちなんかじゃ無いです!!
      純粋かつ、至って正当な理由で、
      自分はハンジさんの胸周りを高く
      評価した積りです!!!!」ドンッ!!
      (心臓を捧げよ!!)








    ハンジ「どういたしまして...(溜息)

      よし、じゃあ真面目なお話の続きだ。

      気持ちの準備は良いかい?エレン。
      私の質問に・・・考え込まず、
      素直に思ったことをそのまま
      答えて欲しい。」




     いつになくこれは・・・
     ハンジさんのそれにしては真面目な
     表情だ。どうやら本当に大事な話を
     したいらしい。





  46. 65 : : 2016/03/12(土) 17:05:33








    エレン「・・・・分かりました。何でも
      聞いて下さ・・・・・

    ハンジ「よし、じゃあ聞こうか。

      エレン、キミは・・・私だけでなく
      “ミカサ”にも同じ愛情を・・・・

      すぐにでも向けられる
      心の用意はあるかい?」





    エレン「―――――――」





     正直に言おう。。


     今の一瞬だけでは・・・ハンジさんが
     オレに何を言いたいのか、本当に
     意味が分からなかった。


     分からなかったが、、それも一瞬の事。


     やはり想っている事が直ぐに
     伝わるというこの勝手の良さは・・・
     非常に助かる。




    ハンジ「・・・・そういう事。しかしコレ位の
       質問で答えに窮するなよ・・・(困)

       ここは即答で首を縦に振って
       貰わなきゃ困るところだった
       っていうのになぁ。」




    エレン「・・・・・・・・・・・・・・」






      そういう事か・・・・・。





    ハンジ「別に私は・・・御互いいつ死ぬか
       分からないから・・とかって
       意味“だけ”でキミに
       こんな事を聞いたんじゃない。

       もう理解できたみたい
       だけど・・・最初に言った通り、
       私とキミじゃ・・・・・」
    エレン「それはできません。」






    ハンジ「・・・・・うん?」




    エレン「だから・・・、、オレが歳を重ねて
      いったら、その時は年齢も近しい
      ミカサのヤツと・・・よろしくやってくれ

      ・・・・そういう事を言いたい訳
      ですよね。ハンジさんは。」








    ハンジ「~~・・・・・ちょっ・・と穿った
      言い方になってるけど、
      大体そんな所かな。

      随分物分りが良くなった
      じゃないかエレェン~♪(ナデナデ)

      ・・・しかし気のせいかな、何だか
      物分りの良いキミの思考に反する
      返答が聞こえたような気が・・・

      コレは私の気のせいだよね」
      ニヤニヤ・・・・




  47. 68 : : 2016/03/12(土) 17:12:18













    エレン「いえ。気のせいじゃ無いです。

      オレとアイツは“そういう形”で
      家族にはなりませんって

      オレは確かにそう言ったつもりです」






    ハンジ「そりゃまたなんで・・・・・」




    エレン「・・・忘れたんですか?

      ミカサ(あいつ)には・・アルミンが居るじゃ
      ないですか。鈍い鈍いと言われた
      オレでも分かります。

      確実にアイツら・・・・
      此間古城の拠点で・・・その・・・//」
      ゴニョゴニョ...




    ハンジ「・・・それはそれ、コレはこれだろ?

       彼女はその上でキミとも
       関係を持つのはやぶさかではない
       と・・・そう言ってた訳だし・・・・」





    エレン「それ普通に考えてトンでもない
      発言ですよね!!!重婚ですよね!!!?」




    ハンジ「イヤイヤ・・・落ち着けってエレン・・・。

       黙ってれば誰も気が付きは
       しないって・・・・。彼女が
       東洋系の子を授かっても、
       そうでなくても・・・遺伝の関係から
       言って何も問題は無い・・・。

       アルミン()だってその辺、
       幼馴染のキミなんだから、
       大目に見てくれるはずさ・・・・」
       ネ? ネ??





    エレン「ちょっと色々言いたい事が
      多すぎて、ハンジさんへの抗議が
      追いつかないんですが!!!

      とりあえず一言いいですかね!!?;;」
      ガバッ!!!
       



    ハンジ「~~何だよもう、そこまで
      目くじら立てちゃって・・・・」





    エレン「胸の事だけであそこまで
      目くじらを立ててたっていうのに、
      その落ち着きようは絶対
      おかしいですって!!!!!」









    ハンジ「~~~。。エレン。
       キミはもう少し女ってものを
       学ぶ必要がありそうだ。我々はね、
       キミら男連中と違ってワリと
       過去のしがらみに固執するような
       執着よりも・・・

       利益というか・・・(じつ)を取る。

       キミが私をそういう目で見て
       くれるのは心の底から嬉しいし、
       こんな"今"がとても幸せな
       毎日として・・・できればいつまでも
       続いて欲しいと思っている。」



  48. 69 : : 2016/03/12(土) 17:13:24





    エレン「オレだって当たり前にそう
      思ってます。・・・しかし
      オレ達にはどうあがいても
      壁の外まで行ってやらなきゃ
      いけない事が・・・」






    ハンジ「そう、次回の遠征でキミの
       有用性と調査兵団の存在意義を
       十二分にお偉いさん達に証明して
       ・・・」





    エレン「・・・・・・・」





    ハンジ「いつしかそうして積み上げた
       成果が功を成し、最初に奪われた
       壁の奪還にも成功する、
       その先まで。。。

       私はキミとの間に手に入れた
       この繋がりが消えない事を・・・

       何より願って止まない。
       その気持ちには私もキミも、全く
       違いなんて無いだろう」





     そんな事は・・・今更
     確認し合うまでも無い事だ。




    ハンジ「それまでの間に・・・いや、
      次の遠征が終わった直後でもいいな。
      
      ともかく私も手遅れになる前に・・・
      その・・・///キミと今しか出来ない
      仕事をこなしておきたい気持ちが
      ある訳だが」





    エレン「・・・・/////返す言葉にかなり
      困るんですけど・・真面目な話・・・

      なんですよね」





    ハンジ「その通りだ。こういうのは
       命あっての物種だし・・・

       例えこの先無事にやって
       いけたんだとしても、私の場合は
       うっかりしてると"期限切れ"
       なんて事もあり得る。

       ・・・エレン、キミはまだまだ
       若いから心配ないけどね」





    エレン「ぇ・・・いや、ハンジさんまだ
      
      そんな焦る歳じゃ・・・・!?」





    ハンジ「何でキミがそこで驚くのかが
       私にとっては非常に驚きだよ!

       こういうのはね!!
       まだ大丈夫、まだイケる、、、
       って認識が非常に危険なんだよ,,
       (苦笑)


       ・・・例えばキミのお母さんは・・・
       幾つ位でキミをお腹に
       身籠ったのか・・・大体でいいから
       考えてみなさい。」






    エレン「・・・・・・・・・」






    ハンジ「・・・・そもそもの話だけどね、

      人一人が新しい命を
      自分の身体から切り分けて
      作ろうって言うんだ。

      当然死んでもおかしくない
      体力だって消耗する。

      ・・・だからエレン、もし
      “その時”が来るとしたら・・・

      それはそんなに先の事じゃない。
      その心の準備だけは・・・どうか
      しておいてくれないかな」




  49. 70 : : 2016/03/12(土) 17:15:42








    エレン「…分かりました。それについては…
      オレもそういうつもりで居る事に
      します。・・・けど問題はその先ですよ

      ・・・なんでそこでオレが
      ハンジさんから離れてミカサ・・・って
      話になるんですか?」






    ハンジ「私が・・・キミに申し訳ない気持ちを
      抑えきれないと思うんだ。多分。」 





    エレン「・・・・・・」





    ハンジ「・・・・その時が来たらね。」





    エレン「・・・・ちょっと待ってください、
      じゃあその・・・・オレとハンジさんが
      一仕事終えた後に来る事になる
      ・・・オレとハンジさんの
      “新しい家族”については
      どうなるんですか?」



    ハンジ「・・・・そりゃぁエレン・・・・
       真面目な話をしちゃったら・・」




     返す言葉も若干苦しそうに聞こえた
     ハンジさんの言葉の後半は―――


     心の声になって、途中までは
     オレにも聞こえてきた。





     “そりゃ勿論・・・私だってキミと
      私の間にできる大事な子だもの。
      
      本心で言うならつきっきりで
      育児に専念したい所さ。・・けれど
      恐らく・・・・・



     
     そう、途中までしか聞こえなかった。

     その心の声を遮ったのは―――・・・









    ライナー「・・・・・おい、お前ら・・・

       じき消灯時間だろ・・・。
       取っ組み合いに興じるほど
       仲がイイのは結構だが・・・

       さっさと大人しく寝た方が
       身の為だぞ・・・・」




    エレン
       「 ッ!!? 」
    ハンジ



     ガバッ・・・・・





     一体どういう事なのか・・・・


     同室の仲間であるライナーの声だった。


     周囲の景色は先程のまま、宿舎室内。



  50. 71 : : 2016/03/12(土) 17:18:44




    ライナー「特にハンジ。お前・・・今月で
       教官の頭突き何回目だ?

       元々一風変ったモノの考え方を
       するお前の頭だが・・・これ以上
       強く打ったら本気でお前の
       将来が心配だ」ハヤクネテクレ




    ハンジ「あッ・・・?あ、ぁあ、

       ぁ~~~そ、そうだね(アハハッ;)
       大人しく寝てなきゃまた
       頭ゴチンだ・・・大人しくしてるよ・・」




    エレン「・・・・・・・・・・・・・・」




     咄嗟のライナーのフリに事も無げに
     返したハンジさんだったが・・・・・

     この物腰を見るに、やっぱり今
     ハンジさんは普通に同室の一員として
     認識されてるようだ。





    エレン「(・・・・・ということはまさか。)」



      グッ・・・・・   Σ))ペタペタ




    ハンジ「わッ/////・・・」




     ・・・・やっぱり、無くなっている、、




    ハンジ「ちょっ・・・エレンッッ!キミは・・・・!!

       いきなりそんなところに手をッ」



     ガッ・・・・




    ハンジ「  っおふッ・・・・!?///  」




     ・・・・逆にこっちは有る。



    エレン「(やっぱりハンジさん・・・また
       男に戻ってる・・・・・、、、、)」マジマジ・・
      ググッ・・・・





    ライナー「ッ・・・・ぉいおいエレンおまッ・・・
      どこ握って・・・・!!」(ギョッ)





    ハンジ「~ッぁあああ、、↓↓↓:

       ヒッ...ひっ…↓(;゚Д゚)(ガタガタ・・)

       力が抜けてイクぅ....!!!!;;;


       エレン、、!マジで勘弁して!!!」
       ヘナヘナヘナ・・・・





     集中のあまり自分がどこを
     握ったまま考え事に没頭しているのか
     ・・・そんなことにすら気が向けられ
     なかったようだ。





    エレン「ッぁ・・・・!!
      スミマセンッ・・・・・ハンジさん・・・!」
      パッ・・・・




    ハンジ「ひっ・・・ひッ・・ふゥ・・・・/////」カタカタ
       プルプル・・・




    ライナー「・・・・どうでもいいが・・・
       なんでお前今、敬語で謝った・・・;」




    エレン「(ッ・・・!面倒臭ぇな・・!)
      あ、ああ、つい動転してな・・
      大丈夫だったか?済まねえ...」




     例え夢の中であっても、
     そういう都合は通さなければ
     ならないらしい。



  51. 74 : : 2016/03/14(月) 13:50:09









    ハンジ「ハァッ・・・・フゥ・・・・な・・・何これ・・・!
       (滝の様な脂汗)

       何これ怖いッ・・・!(ゾゾゾッ)
       私の中にあった好奇心が・・・

       今の感覚に全部持ってかれた!!!
       未だかつて無い苦痛と、底の
       見えない恐怖を感じたぞ・・!」
       ガクガクブルブル・・・・・




     そりゃ無理も無い。
     種の存続に関わる最重要器官を
     ・・・割と力を込めて握り絞められて
     たんだからな。





     しかし・・・・・





    エレン「~~~~・・・・」キョロキョロ





    アルミン「....んっ・・・・(モゾモゾ)

      アレ・・・・まだ
      灯り消してないんだ・・・・

      早く寝ようよ・・・教官が来たら
      僕ら全員お尻ペンペンだよ..」
      ムニャムニャ・・




    ベルトルト「zzzz,,,,zzZZZZ」




     ハンジさんの夢も混ざっている
     所為なのか・・・若干おかしい所も
     いくつかあるな・・・

     まずそんなケツを叩かれるなんて
     軽い罰で済むはずが無いだろうし
     (やられるとしたら棍棒とかで
     腰の入ったフルスイングだな)


     何より部屋のレイアウトが・・・・




    エレン「(ベッドの数まで含めて
       本当にそのまんまじゃねえか…)」





     これだとハンジさんの寝床が無い。
     どうしろっていうんだこの状況・・・







    ライナー「ほら、何してるんだとっとと
      寝床につけ。」





    エレン「いや・・・ちょっと待てよ。

      ベッドが人数分無いだろうが」





    ライナー「・・・?今更何を・・・・。。
      お前らは寝床が共有だろ。

      部屋数の関係でどうしても頭数が
      合わなかったからな・・・グーパーで
      この結果になったのを素直に
      受け入れたのはお前らだろう。

      ・・・それともなんだ、エレン。
      たまには趣向を変えてオレと
      寝るか」


  52. 75 : : 2016/03/14(月) 13:51:50






    エレン「(突っ込んだら負けな気がしてきた)

      ・・・・分かった。そういうことなら
      “いつも通り”大人しく寝るから
      灯りは消しちまってくれ・・・」スゴスゴ





    ・・・・

    ・・・

    ・・







    ハンジ「(♪~寝床が足りないから
       どうしようかと思ったけど・・・
       上手くいったな!(小声))」エレントソイネ!
       ♪ワクワク♪




    エレン「(~~;やっぱりハンジさんの
      テコ入れだったんですか・・・;

      しかもグーパーって・・・
      別にどうせ夢なんだからこんな
      面倒な事しなくったって...(小声))」





    ハンジ「(いやぁ・・・キミは本当~に
       考え方が味気無いな。

       形はどうあれ折角こうして童心に
       返る事が出来たんだ。
       こんな楽しみ方をしたって
       バチは当らないと思うんだ(小声))」





    エレン「(そうですか・・・(小声))」ハァ・・・




     布団の中。
     うつ伏せでも仰向けでも無い体勢で
     横になるオレの背にハンジさんが
     抱きつくような格好で語りかけてくる。






    ハンジ「(そうそう。キミにとっては
      つい此間の景色に過ぎないかも
      しれないけど・・私にとっては
      訓練兵時分なんて・・・そりゃもう
      懐かしくて涙が出ちゃうくらいに…
      ・・・・、、ぁツッ..;(小声))」Σビクッ






     会話が途切れるのと同時に
     オレの背後で小さく跳ねる
     ハンジさんの細身な身体。




    エレン「(っ・・・・?大丈夫ですか・・?
      
      ああ・・・ほら、片腕がオレの下敷きに
      なってるから・・・;退きますから
      引っ込めて下さいって(小声))」

  53. 76 : : 2016/03/14(月) 13:55:17







    ハンジ「(違うっ・・・て;wそうじゃない
       そうじゃない。今のは・・・
       恥ずかしながら"成長痛"って
       奴さ・・・“確か”ね。

       年齢と同時に記憶まで逆行して
       しまったから・・あの時の痛みまで
       思い出しちゃったみたい(小声))」



    エレン「(成長・・・痛...って・・・ああ・・!
      
      オレもありましたそんなの!
      膝が痛くて痛くて・・・とてもじゃ
      ねえけど眠れないって時期が・・・。。


      意外です・・・ハンジさんにもそんな
      時期があったんですね…(小声))」





    ハンジ「(失敬な奴だなキミは!!(憤)
       二次成長に伴う痛みもあったし
       先程キミも確認したように
       初々しい時期が私にもあったよ!

       その弄り方は流石にちょっと
       傷ついた!;;(小声))」
     




    エレン「(いやあの・・・そういう意味じゃ
      なくって・・・人によってそういうの
      無い奴も居たみたいなんで・・・

      ほら、例えばさっきのライナーとか
      あっちで寝てるベルトルトとか・・
      あいつらはそんなの一切無かった
      みたいだし。

      ・・・あとアルミンの奴なんかは
      オレと歳変らないのに一年以上
      時期がずれてましたよ・・(小声))」





    ハンジ「(・・・人間なんだから個人差あって
       当然だろ?中には全く無いって
       ケースも珍しく無いんじゃ
       ないかな(小声))」




    エレン「(・・・・なるほど・・・・
       そんなモンですかね(小声))」





     突然成り行きでこんな状態に
     落ち着きはしたものの・・・・


     オレとハンジさんの話はとても
     大事なところで中断されてしまって
     そのままだ。


     ・・・互いの将来に関わる大事な事でも
     あるので、できる事なら今
     この場であってもその続きを....





    ぎゅっ....





    エレン「・・・・・!」






     そこまで考えかけたオレの肋に、
     一際強めの力で抱きしめる腕が
     絡み付く。




  54. 77 : : 2016/03/14(月) 13:57:31







     そうか・・・そうだな。


     声に出さなくても・・・・





    ハンジ「(そうだよ・・・ちゃんと聞こえてる。

       だからキミには改めて
       言っておこう(小声))」





    エレン「(・・・はい・・・?(小声))」




    ズズッ・・・





     聞き返す素振りと同時に少しでも
     ハンジさんの声を聞きやすい方へと
     首を捻ったオレだったが

     同時にハンジさんの方も、オレを
     抱き締めていた両腕の位置を少し
     ずらして、身体を動かす。





    ハンジ「....済まなかった 」





    エレン「    !    」





     同時に、直前までと同じ声量で
     ありながら一気に近づくハンジさんの
     声が・・・オレの耳元でそう囁く。


     普段聞きなれたその声より
    身体の年齢が遡った事で若干
     音域の高くなったその声は、

     ・・・しかしその声質とは裏腹に
     オレの耳にどこまでも優しく
     染み渡ってくるようだった。




    ハンジ「先程の私の提案だけど・・・・

      さっきの今で申し訳ないが
      忘れて欲しい。言う事が
      コロコロと変って申し訳ないと
      反省はしている・・・・けれど。。。」





    エレン「・・・・・・・・」





    ハンジ「そんな反省以上に・・・
       あの提案は“無いな”って・・・

       言ってしまった自分の方が
       暫く考えてから猛省したよ。

       キミが私に同じ事を言ったら・・・
       成程、それはたしかに即答で
       お断りするハズだよ...おまけに
       張り手だってくれてやるかも
       しれない」




     良かった。



     ハンジさんのその言葉を聴けて・・・

     オレはこの上なく安心した。








    エレン「謝ることなんて無いです・・・・

      そういう風にオレの気持ちを
      理解してくれたなら・・・それだけで
      オレとしては充分ですから。」



     オレには・・・さっきの提案を、
     ハンジさん自らが強い本心で言って
     いた場合、それを自身の意地だけで
     跳ね除ける自信が無かった。


     ハンジさん自身が本当に強く
     それを望んでいるなら・・・・当然
     それを頑なに拒絶できる自信も。




     それがオレに気を遣った上での
     提案であり・・・尚且つ今一度
     その有意性を考え直してくれたと
     いうのなら・・・




  55. 78 : : 2016/03/14(月) 14:00:20






    ハンジ「なんだか・・・なぁ・・・・

      この夢が現実だったらいいのにと
      ・・・本気で思ってしまうよ。

      このまま目が覚めても・・・
      キミと私がこうして同じ時を
      刻める世界だったら・・・。。

      ――そんな風にね。」





    エレン「(・・・なるほど)」






     原因なんて勿論分からないし、
     醒めてみない事にはこれが本当に
     オレとハンジさん二人で見ている夢なのか
     そうでないのかすら確かじゃ無いが




     この“夢”を見た事に何らかの
     理由があるとするなら・・・・
     それは間違いなくハンジさんの
     “その意思”だ。



    ゴロッ...





    ハンジ「 っ! 」



    エレン「あ・・・スミマセン。
      急に驚かせてしまって。

      ちょっと・・・いいですか?」



     布団の中で身体の向きを反転させ、
     ハンジさんの方へと向き直るオレを、
     灯りの消された真っ暗な中にあっても
     何事かといった表情で見つめる
     ハンジさんの視線を確かに感じる。


     この辺りの感覚は・・・すでに
     目に見えなくても、息遣いや身体の
     竦み方で分かってしまう。


     例え短い付き合いとはいえ・・・
     文字通り、裸の"つき合い"という一切の
     距離感がない触れ合いをそれなりに
     重ねてきたからな。




    ハンジ「・・・・エレン。キミはすっかり忘れて
      いる様だけど;(笑)

      キミの考えている事はたった今
      この時であっても・・・;」ヒクヒク・・




    エレン「なら話が早いですよね。

       ・・・していいですか?」




    ハンジ「・・・・・・・・」





     一瞬の間をおいて。





    ハンジ「“していい?”ってキミねw

       さっきの今で忘れてるのかな??
       私は今キミと同じおとこの...



     そう返してきたハンジさんが
     全て言い切るのを待たずに――




    エレン「っ」



    ハンジ「ぉムッ」



     オレはハンジさんの唇を塞いだ。



     オレの考えてる事は大体理解できて
     いたと思うが、まさかここまで
     躊躇無くそうしてくるとは思って
     なかったのか、

     顔が重なった瞬間のハンジさんは
     この暗闇でもすぐにそうと分かるほど
     あからさまに困惑の色を隠せずに
     いたが・・・それも僅かな間の事で






  56. 79 : : 2016/03/14(月) 14:01:49







    ハンジ「っ・・・、、、・・・―-///」



     いつも通りの調子でおかまいなく
     口の中程まで容赦なく舌を入れて来る
     オレを目前で見つめると・・・

     素直に応じるように瞼を伏せ、
     全身の緊張を解いて受身になった。




    エレン「・・・・・・・」




     更に近くに抱き寄せようと
     掴みかかるオレの手にも一切抵抗を
     見せず、逆に身を寄せてくるその肩は
     いつもよりずっと細くて頼りなく、

     丁度成長の節目に差し掛かって
     鈍い痛みを持ち続けているという
     両膝は、妙に熱っぽかった。




    ハンジ「っ・・・は...

      ~~・・・~~・・・、、、、

      もうっ・・・本当に・・いつも突然
      来るんだからなキミは・・・・!」





    エレン「・・・・これだけ近くにハンジさんが
      居て・・抑えが効かなかったので。
      いつもの事ですけどすみません。」





    ハンジ「~~いいよ、キミのそういう、

       行き先を良く確認もせずに構わず
       突っ走ってしまう性格も含めて…

       エレンの全てが好きなんだから。

       しかしキミそんな事よりも」ニヤニヤ





     ああ、その言葉の続きは先程から
     ダダ漏れになっているハンジさんの
     心の声から、すでに先が読めている。


     オレをからかう事が楽しみなあまり、
     こっちの本心を聞き入れる心の余裕が
     未だにないらしい。


     ・・・そもそもそんな言葉でオレが今更
     動じると本気で思っているのだろうか。





    ハンジ「男の子のままの私とこんな濃密な
      口付けをして昂れるなんて・・・

      存外キミもそっちの素質が
      あるんじゃないの・・・?//」ン?ン~?
      ニヨニヨ





    エレン「・・・そこにいるのがハンジさんなら
      ・・・どんな姿でもオレにとっては
      一緒です。オレがどんなにイヤだと
      思う事でも・・・相手がハンジさんで
      あって、それを本当に望んでくれる
      っていうなら・・・」



  57. 82 : : 2016/03/19(土) 12:24:23











    ハンジ「どんな・・・・姿でも・・・・?」




    エレン「ええ。どんな姿でぁ,,,

    ハンジ「 そ れ だ ぁあああああ!!!」
      ガバッ!!!!




          !!???





     突然大声を上げて寝床から飛び起き、
     未だに唖然としながらその様子を
     見上げるしかないオレの両肩を
     掴んで抱き起こすと、
     
     灯りが消された暗闇でも分かるほど
     爛々と輝かせた目で興奮を露にする
     ハンジさん。



    ハンジ「それだ!!それだよエレン!!!!

       ここが何でもやり放題な夢の中で
       ・・・何か遣り残した事が無いかと
       さっきからずっと気に掛かって
       いたことがやっと分かったよ!!!

       これもキミのおかげだ!!」





    エレン「ちょっ・・・ハンジさん!!
      落ち着いてください!!!
      今ここでそんな大声を上げたら・・!!」




    ハンジ「それどころじゃないって!!
      ここだったら・・誰にも気を遣わず、
      幾らでもアレ(▪▪)ができるじゃないか!!」





    エレン「あ・・・アレ(▪▪)って・・・・???」




     言いかけてからハンジさんの本心を
     汲み取ろうとして・・・改めて
     そうするまでもない事を思い出した。


     何故ってそりゃ・・・



     この人がこんなにまで目を輝かせて
     はしゃぐのは――――




    ハンジ「巨人化の実験さ!!!!

       ここならどんなにでっかくなって
       暴れたって平気のへっちゃら
       じゃないか!!

       キミの供述通りなら15m級の
       身体を動かして、岩を持ち上げた
       時は・・・、、最初こそ怪しかったけど
       結局意識を取り戻して、
       “自分の意思”で巨人の身体を
       動かせたんだろう!?」





    エレン「ま、まぁ・・・・;その感覚は確かに
      ありましたが・・・・」





    ハンジ「!!!

       なら問題ないはずだ!!
       夢の中(ここ)でも充分その練習を
       行える公算は見込めるよ!!!

       ぃやあ~~!!こんな簡単な事に
       今の今まで気が付かなかった
       なんて!!」 ワクワクワク





    エレン「・・・・・・」






     やっぱりハンジさんは・・・こうだよな。


     誰に変人と蔑まれようと...


     狂人と見放されようと....


     やっぱりハンジさん(この人)は・・・・





    ハンジ「さぁさぁっエレン!!?
       こうしちゃいられないぞ、、!!
       
       とっとと表へ繰り出して・・・
       月を見た大猿のように思う存分
       暴れまわるんだ!!!!」ハヤクハヤク!





     こうして楽しそうに騒いでいる時が
     一番この人らしい。




     
  58. 83 : : 2016/03/19(土) 12:28:50





     

     らしいのだが....





    エレン「あ・・・あの・・・・ハンジさん・・・
      スミマセンがこの状況・・・流石に
      庇いきれないかもしれません・・;」
      ガクガク・・・・・







         <●>   <●>








    キース「・・・・・・・・・・」
      ジィィィ・・・・・




     興奮のあまり、
     いてもたってもいられない
     という様子で床の間に立ち上がる
     ハンジさんを、ベッドの柵部分から
     見つめる、闇をも吸い込むような
     眼が二つ。


     まるで獲物に喰らいつく寸前の
     蛇のように、その眼はこちらを注視
     していた。




    ハンジ「  ぁ・・・・・??;  」
       ダラダラダラ・・・・・






    キース「・・・・消灯時間は・・・とっくに過ぎて
      いる筈だが。余程騒ぎ足りぬと
      見えるな」ズズズズ・・・・






    ハンジ「あっ・・・あはは・・・あはっ・・・」
       ガタガタガタ・・・





    エレン「(合掌)」







    ァ"ッッ―――――!!!!!!!






    ・・

    ・・・

    ・・・・




     それから明けの明星が輝くまでの間、
     宿舎より遠く離れた独房から
     こだまするハンジさんの絶叫が・・・
     夢の中で夢を見るオレ達104期全員の
     寝耳に響き続けた、、、、。
     




        ~翌朝(夢の中?)~





         ―野外訓練場―






    エレン「だ・・・大丈夫ですか。ハンジさん?;

      なんか結局・・夢の中で一睡して
      夜が明けてるっていう・・・
      よく分からない状況になってますが」





    ハンジ「ぁっ・・・つつつ,,,,;

      それはそれで良いんじゃないかな・・
      折角この夢という場所を最大限
      楽しめる方法を思いついたん・・・
      だからさ・・・・,,,ぉぅ・・・イタタ・・・」
      ヨロヨロ・・・




  59. 84 : : 2016/03/19(土) 12:30:16


    エレン「立ってるのも辛そうですけど・・・
      昨晩一体どんな壮絶な折檻が・・・」
      オソルオソル・・・





    ハンジ「あの後めっちゃお尻ペンペンされた;;

      トゲ付き棍棒(モルゲンシュテルン)でね...」ゲンナリ・・
      ヒリヒリ・・・





    =ハンジの現在公開可能な情報①=


       モルゲンシュテルン


    異国より伝わりし又の名を明けの明星(モーニグスター)
    形状はメイス(合成棍棒)に近いが、
    先っちょにトゲトゲが付いてるから
    殴られると洒落にならない位痛いぞ!

    っていうか、言うまでも無くこんなので
    殴られたら、当たり所を限定しなくても
    充分致命傷は免れないから、
    みんなは間違ってもこんなもので
    誰かのケツを殴ったりしないでね!






    ライナー「教官の部屋にあった"アレ"でか・・・!

      見せしめ用の飾りじゃなかったのか
      ・・・・;」ゾゾゾ・・・・





    アルミン「というよりあんなので殴られて
      よく無事だったね・・・・」シラ~~・・・




    ハンジ「無事なもんか・・・!本気で尻が
       割れるかと思ったよ・・・!
       (ヒリヒリ...)
       今だってあまりの激痛に
       自分のお尻の大きさすらピンと
       こないんだ。よく見ておくれよ、
       ひょっとしたら、いや
       ひょっとしなくたって普段の数倍
       大きくなってるんじゃないかな」
       チョットアルキヅライシ





    エレン「(なんか・・自然に溶け込んで
      他の奴とも普通に喋ってるな・・)」





     先程も言ったように・・・

     何故か夢の中で一睡してから翌日の
     朝を迎えた今は・・・屋外で馬術訓練を
     行う直前といったところだ。






    ハンジ「そんなことより・・・!!
      ぅフっ・・ウフヘヘ・・・!!(ジュルリ..)

      ぇ、エレン・・・?忘れてないよね??
      昨日私がキミに話した事・・・!

      ここなら・・・この夢の中でなら
      今すぐにだって私が巨人がらみで
      試してみたかったあんな事や
      こんな事が・・・・!」ワクワクワク・・・




    エレン「忘れてません、忘れてませんから
      どうかよだれをふいて・・・今だけは
      少し大人しくしててください。」




  60. 85 : : 2016/03/19(土) 12:33:04





     今これからの時間が馬術訓練だって
     言うなら・・・山林コースに入る事を
     考えればこれから人目に付かない
     場所へ移動することは可能だ。






    ハンジ「いちいち細かいなエレンは!!
       どうせ夢なんだからさ~~!
       こう、ガッ!!と噛み付いて

       ぱぱっと大きくなっちゃおうよ!
       折角、後始末や体裁といった面倒を
       気にしなくていい場所にいるのに」
       ネェネェ!!



    エレン「・・・そういう訳にもいきませんって
      ・・・だいたい“ここ”は夢だから
      まだいいと思うかもしれませんが・・

      もし“夢を見ている”・・・つまり
      寝ているオレの方まで寝ぼけて
      自分の手に噛み付いちまったり
      したら・・・・!」ヨクカンガエテクダサイ!



    ハンジ「ぉお・・・!キミ、そういう事に
       関してはよく考えてるんだな!

       ・・・じゃあこうだ!
       噛み付くのではなく・・・
       “夢の外”でキミが手にできる
       ハズの無い刃物か何かを
       取り出して自傷に繋げればいい。

       それなら“誤作動”は起きない。
       ・・・・・だろ?」





    エレン「・・・・・まあ、それなら・・・。。

      けど本当に念の為人目を避けて
      やりますよ。幾ら夢の中だと
      言っても・・・
     
      仲間に討伐されるのだけは
      勘弁ですから。」




     一匹残らず駆逐してやるとか
     言って置きながら、そのオレが
     駆逐されたんじゃ、いくら
     夢の中とはいえ笑い話にもならない。




    ハンジ「成程。その辺の配慮は・・・済まない。
      少し私も足りなかったよ。

      そういう事ならできるだけ
      人目を避けて行った方がいいか・・・」
      ゥゥム・・・





     こういう事に関しては至って真面目な
     姿勢を見せる。やはりそこは
     いつも通りのこの人だ。
     



  61. 90 : : 2016/03/19(土) 12:49:31











    キース「よし、全員揃ったな!!今日の
      馬術訓練内容だが!!!

      普段とは異なる取り決めのもとに
      行ってもらう!!!......







     夢の中であるというのに
     律儀に説明を行う教官の言う事には..







    アルミン「普段慣れてる馬を使っちゃ
      ダメ・・・なのか・・・・。

      うまく言う事きいてくれれば
      いいんだけど・・・」





    ハンジ「ほうほう、、、、成程」




     アルミンの言葉通り、
     自分が普段乗り慣れた馬ではなく

     主に他人に慣れた馬を無作為に
     指定するので、各々その馬を
     使用するように、、とのことだった。




     ――ただし。





    ミカサ「・・・・・・・・・」



    ズンッ―・・・・ズンッ――・・・・・






    エレン「...おいミカサ。お前・・・、、
      教官の話し聞いてたか・・・?

      お前が跨ってるそいつは・・・」


       




    ミカサ「この黒王号()は決して私と教官以外に
      気を許す事は無い…ので。仕方が無い

      教官にも確認は取ってある。」フイッ




    キース「・・・・・・(頷)」





     “一部”例外有りとのこと。






    ハンジ「うっひゃぁ・・・・!おいおいエレン!!
       ミカサが跨ってるアレ・・・!!

       同じ品種とは思えないくらい
       馬鹿デカイけど・・・あれ・・・

       馬なの??;」



    エレン「ぁあ・・・・;オレの主観も
      混ざってるんで実際のサイズより
      大分図体がデカくなってますが・・・

      どういう訳かミカサ(あいつ)のいう事しか
      聞かない、えらく獰猛なヤツなんですよ

      ・・・アイツは何か名前までつけて
      可愛がってますが・・・・」


  62. 91 : : 2016/03/19(土) 12:51:34




     それにしてもハンジさんの言う通り…




     夢の中であるにしたってデケぇ・・・・
     歩く度にどう考えても蹄の音には
     聞こえない地響きがするし、
     雨が降った後でもない地面に
     抉りこむような足跡まで残しやがる。





    ライナー「名前といえば・・・おいエレン。
       お前の馬、そりゃ確か・・・」





    エレン「・・・・・ぁ?コイツが何だって・・・
      (グラッ)
      

      っ・・あっ・・コラ、落ち着けっコイツ!!」
      パシッ






    ジャン「よう、死に急ぎ・・・・!調子はどうだ?
      俺は良いぜ・・!すこぶるな・・」
      ヨロヨロ・・・       ドドッ・・
           パカッ・・






    エレン「(そうか・・この馬は確か..)チラッ

      よく言うぜ・・フラフラじゃ
      ねーか。他人にかまってる
      暇なんてあるのか?」





    ジャン「チッ..(舌打ち)いいか死に急ぎ・・・!

      お前は俺の愛馬を手に入れた
      つもりかもしれねーが・・・!!

      だが免許がねえ!!!そのじゃじゃ馬は
      この俺にしか乗りこなせ(ry..

      /ヒヒーーン!!\






    ドドッ・・・・!!!!!ブオンッ!!! ドガッ





    ジャン「のわぁああああああああ!!」
       グラッ・・・・  グォッ




    エレン「うわっ!アブねえ、、
      あっちいけよお前ッッ!!!」





    ライナー「あの、ジャンをぶん投げようと
       してるヤツ・・・あれも確か・・:」





    ベルトルト「アニがいつも乗ってるヤツ。。。
        じゃなかったかな」







    アニ「(松風....)」






    ライナー「そういやアイツもずっと
       同じ馬だよな・・・

       アイツは・・・・流石に名前なんか
       付けてないだろうな」ハハハ




    ベルトルト「・・・・・・・・・・」





  63. 96 : : 2016/03/21(月) 23:23:51
















    ハンジ「ちょっとちょっと!!
      どうするのさ!!何か・・・・・」
      パッカパッカ・・・・




    ズシン・・・・  ズンッ・・・・





    ミカサ「・・・・・・・・・」ヌ~~ン・・・






    ハンジ「めっちゃミカサ、あんたに
       ついてくるカンジじゃ無いか!?
       森の中で孤立できないじゃん
       このままじゃ!!」ドウスンノサ!!





     その様だな・・・しかも当のそいつは
     オレ達と同じ進路をとる事に何の
     戸惑いも無く、さも当たり前のような
     顔をして手綱を引いている。




     …あとどうでもいいけどホントデケェな…





    エレン「・・・おいミカサ。」






    ミカサ「・・・・・何か。」ガガッ・・ドガ

      ブルルンッ・・ブフッ・・・・  





    エレン「“何か”じゃねえよ。

      お前、こんな訓練の最中まで
      付きまとわれるこっちの身にも
      なってみろ。お前だけ特例で
      いつも通りの馬に乗れんだから、
      一人で走りこみでもなんでも
      してくりゃいいだろうが。」





    ミカサ「・・・その必要は無い。」






    エレン「・・・・なんだって?」





    ミカサ「その必要は全くないと言った。

      何故なら黒王号は既に
      私の呼びかけならどれ程
      距離が離れていようと直ぐに
      駆けつけてくれるし・・・

      本気で走らせると野が荒れる。
      褒美として与える人参の本数も
      他の馬とは桁が違うから・・・

      できれば激しい運動はさせたくない。

      ・・・ので。」





    エレン「それが理由なら何でオレの方に
      ばっかり金魚のフンみたいに
      ついてくんだよ!!他に誰だって…」





    ミカサ「・・・エレンは普段乗り慣れた
      馬に乗れていない。

      その馬は・・・ジャンのお気に入りの
      馬だから。」 





    エレン「だったら・・・?

      だったら何なんだよ…!慣れない馬を
      手懐けるのに必死なんだ、

      一人にさせてくれたって・・・・」!





    ミカサ「・・・・・(指差し)」スッ・・・





    ハンジ「・・・お・・・?」





     何も言わずに馬上から人差し指を
     伸ばすミカサ。言うまでも無く
     その先には




    ミカサ「一人では・・・・無い。

      ハンジさ・・・・(ゴホンッ)

      ハンジもあなたに随伴している。
      私がエレンについて行っては
      いけない道理も・・・・ない」

      ズズズ・・・


  64. 97 : : 2016/03/21(月) 23:25:55






    エレン「・・・・どうでもいいけど今お前、
      なんで呼び直した・・・・;」 






    ミカサ「細かい事は・・・気にしない。

      ともかくそういう事。

      あなたとハンジは・・・なにやら
      この訓練中に人目を離れて
      “したい”事があるようだが・・・
      そうはいかない。
      (※訳・私だけ除け者は認めない)」
      ゴゴゴゴ・・・・・




    ハンジ「!!!?何かめっちゃ
       誤解招いてないか!?大丈夫!!?
     
       なぁ、エレン!今私ちゃんと
       メンズだよね!!!?
       レディースじゃないよね!!?」
       ウン!?





    エレン「オレに訊かないでくださいよ!!!
      只でさえ外見だけで判別するのは
      不可能に近いのに!!!!」カッ!!





    ハンジ「~~~・・・・・;;;」
      シクシクシクシクシク・・・・・





    エレン「っぁあ!!ホラ、
      泣かないで下さいって!!

      そう言う意味で言ったんじゃ・・・!」





    ミカサ「~~~・・・・」
      ジトッ、、、、、、、、、





    エレン「おッ・・・お前もお前だミカサ!!

      何だよその目は!!!まさかオレと
      ハンジさんが一緒に居るのが
      気に食わねえってのか!!

      はっ・・ハンジさんは・・・男だろ!!?」
      (1/2の確率に賭けました)






    ミカサ「―――-・・・」





    ハンジ「(ウンウンウン!!)」ペタペタ
       (胸部触診)






    エレン「(なッ・・・何焦ってるんですか!?
       自分の身体なんだから、
       今“どっち”なのか位把握
       しといてくださいよ!!(小声))」





    ハンジ「(そんな事言ったって
       仕方無いだろ!?コレが自分でも
       じっとしてると分からない程
       違和感ないんだし!!フム・・フム!
       ウン!全然無いからオトコノコだ!
       (小声))」ペタペタ





    エレン「(ぁの・・・・;そっち触るより
      下に行った方が確実なんじゃ
      ないですかね・・・・・(小声))」オソルオソル







    ハンジ「(ぁあ"ん!?(怒)こっち()じゃ
       どの道触っても分からない程しか
       無いと、キミはそう言いたいのか!
       エレン!!?(怒鳴っても小声))」






    エレン「(いっ・・!決してそういう意味では
       ・・・・!ただ、絶対そっちの方が
       分かりやすいかなと・・・・(小声))」





  65. 98 : : 2016/03/21(月) 23:28:08







    ミカサ「コホンッ・・(咳払い)

      二人が何をそこまで焦っているのか
      詮索する気は無いが・・・・

      エレンが妙な趣味に目覚めでも
      したら大変だ。私には・・・エレンを
      監視する義務がある」ジロリ・・・








    ハンジ「っ!? !?へ、変な趣味って..

     私がっ!?私の事言ってるのか!!?」
      ゥソンッ!!!?






    エレン「落ち着いてくださいハンジさん!!!

      調査兵団の中じゃ勿論、訓練兵の
      括りで見たって巨人に会いたくて
      よだれ垂らす人は充分
      変わった趣味だと思われます!!」(焦)







    ミカサ「・・・・それもあるが・・・・

      それだけではない。エレン・・・
      私は本気で心配している。

      ・・・・主にあなたの貞操を」






    エレン「何・・・・言ってんだ・・・お前・・・?;」
      ジリッ・・・






    ミカサ「・・・・・・・・」







    ~以下ミカサ回想...~


    ・・・
    ・・




    -昨晩・女子部屋付近・野外にて-
       (※あくまで夢です)




    ミカサ「何やら怪しい物音がすると思えば。

      ・・・しかしこんな時間に何処へ
      出かけるつもりだったのか・・・
      聞いても無駄なのだろう。」ギリギリ・・
      (※サシャ背面に馬乗り中)




    サシャ「ヌぐッグゥ・・・・・!!
      (明日に出される分のツヴィーベル(タマネギパン)
      今夜の内にネコババしようという
      こんな日に限って・・・!!!!まさかの
      ミカサと鉢合わせとは・・・!
      私、タイミング悪過ぎです...!)」





  66. 99 : : 2016/03/21(月) 23:30:10






    ミカサ「・・・・大方明日出される夕食の
      パンを先に入手しようという所か。

      行っても良いが・・・貴女が余分に
      食べてしまうと、それは必然的に
      エレンの食べる分や他の皆が
      食べる分に響く。・・・・ので、それは
      一個までしか認められない」ヌッ..





    サシャ「それでは摘み食いの意味も
      何もあったもんじゃないです!?!!

      はッ・・・離してくださいミカサ!!
      私の・・・!私のお腹が黙って
      くれないんですぅ~~~!!!!」
      グギギギ




    ミカサ「あまり暴れて貰っては困る。

      未だ教官による巡視も
      終わっていない時間帯だ...
      ここで大声を上げられてしまうと
      私はあなたを...




        パシーン.....ッ!!!






      \ァ"ッーーーー.....!!!!/








    ミカサ「    」

    サシャ「    」





    サシャ「・・・・な・・・なんでしょう今の・・・
      甲高い怪鳥の如き雄叫びは...??;」
      ガクガクブルブル・・・・




    ミカサ「・・・・・・・・」
    (地獄耳(デビルイヤー)起動中...)






       パシンッ....!! パシンパシン!!



    \ァッー!!↑アッーー!!!↑教官殿ッ↓↓
          激シスギマス..アッーー!↑↑/








    サシャ「ぁっ・・・あわわ・・・・ウワッ・・!!」
      (※元々獣並み)ブワワッ




    ミカサ「・・・・・・・・・・・・・・・」
    (※聴覚から得た情報を脳内再現中..)






    ミカサ「・・・・サシャ。」





    サシャ「は、はひっっ!!
      なんでございましょうか!!?(ビグッ)」





    ミカサ「あなたは・・・このまま自分の部屋へ
      大人しく戻る。今起きてきたのは
      トイレに行く為で・・・

      道中『なにも聞かなかった』。

      ・・・・・それでいい?」





    サシャ「っ!!!、、、っ!!」コクコクッ!!!!
       (激しく同意)





    ミカサ「・・・懸命な判断。

      あなたがもし盗みをはたらいて
      それが発覚すれば・・・今ああして
      折檻を受けている“誰か”と
      同じ目に遭うことになる。

      ・・・言うまでも無くあなた自身が」
      (あの声は・・まず間違いなく..)






    サシャ「~~~~~~~~;」
      (ガタガタガタ・・・・・・・)







  67. 100 : : 2016/03/21(月) 23:31:52








    ・・
    ・・・


    ~回想・終~







    ミカサ「・・・・エレンには嗜虐に昂る性癖も、
      男色の気も・・・・・・
      今のところ、辛うじて(▪▪▪▪)無い...

      また、そういったものにある日突然
      目覚められても困る・・・・!(焦)」ソワソワ






    エレン「何だオイ!!?その目はッ!!!

      しかもちゃっかり『かろうじて』
      とか言いやがって!!!なんだよ
      “かろうじて”ってのは!!!」(憤)
      フンフン!!




    ミカサ「“アルミン”はっ、、!!
      まだ..家族だから・・・・!だから・・!
      だからまだ・・・、まだそういう
      アレじゃない・・・!そう、私は
      判断している・・・!

      だから...エレン…!"そっち"に
      行っちゃダメ…!!」(ノД`)つ イカナイデ
      オロオロ。。。。






    ハンジ「ははぁ・・・wエレン、ミカサの
      証言で裏も取れたけど・・・
      キミは随分アルミン(あの子)とも仲良く
      してた様子じゃないか...(ニヤニヤ)
      全くもって隅に置けないねぇ・・・」
      ン....?? ンン..>?






    エレン「 誤 解 で す ッッ!!! 」





    ハンジ「・・・・ま、そっちの事は後でも
       良いんだけどさ・・・折角の
       馬術訓練時間なんだし・・・

       夢の中とはいえそろそろ
       出発しようよ。別に教官殿の
       先導とかも無いんでしょ。」
       チョイチョイ




    エレン「しかしあのっ・・・・!!
      アイツは間違いなくどこまでも
      追ってきますよ・・・?;良いんですか」






    ハンジ「勿論良くは無いだろうさ・・・
       無論、キミ自身がね。

       夢の中でどうなのかは分からない
       けど・・・あそこにいる彼女が
       “キミの体質”をまだ知る前の
       彼女ならね。

       ・・・しかしキミが幾ら口頭で
       嗜めたって、それで大人しく
       引き下がってくれるとも思えない」





    エレン「・・・・・・・・・」







  68. 101 : : 2016/03/21(月) 23:35:19






    ハンジ「まあ、いいじゃないの。
       ここは夢の中で・・彼女くらいに
       だったら、それがバレてしまっても
       ・・・・・さ。」





    エレン「・・・ハンジさんがそう言うなら・・・。

      でも、ホントどうなっても
      知りませんよ。」ジロリ...





    ハンジ「へーきへーきだって!!!彼女が
       君の身を最も案じているのは
       既に分かりきってる事だしね。」  
       ホラ、イコイコ!



    パシンッ!   カポッカポッ・・・





    ミカサ「・・・・・・・・」



    ブルルッ...


    ズン・・・・  ズンッ・・・・




    エレン「(面倒な事にならなきゃ
       良いけどな・・・・)」パシンッ










    ~数分後・山林エリア~










    ハンジ「っつぁ~~...;;

      しっかしお尻が痛い。。!ジンジンする!!
      本当に効いたよ、教官殿の折檻は!」
      ヒィィ.....





    エレン「夢の中なんだし、それくらいの
      痛みは無かった事に出来そうな
      ものなのに・・・できないんですか?」




    ハンジ「毎度言わせてもらうけど。
       やっぱりキミはそういうところ
       考え方が味気無いな。

       折角この時分の団長殿...

       もといキース教官殿に頂いた
       お叱りをそんなホイホイと
       無かった事にしようだなんて...
       折角の貴重な経験値が
       勿体無いじゃないか」




    ミカサ「・・・・・・・・・」
      ジ~~・・・・・・




    エレン「・・・・;そんな事言ってるから
      誤解されちゃうんですよ・・・!

      いや、誤解というよりもホント
      アレですよね・・・ハンジさんって
      叩かれるのとか好きなんですね・・?」
      (若干引き気味)





    ハンジ「だぁかぁら~~~!!単純にそういう
       趣味に私が傾倒してる訳じゃ
       ないんだって!!わ、私はただ・・・・」
       ピタッ・・・・





    ミカサ「~~~~~~」
      ジロジロジロ・・・・








  69. 102 : : 2016/03/21(月) 23:36:52





    ハンジ「ねえ・・・・エレン?今・・・
       ふと思ったんだけど。ちょっと
       いいかな。関係ない話に飛ぶよ?」 






    エレン「なんでしょうか(溜息)」





    ハンジ「ミカサのあの目つきを見るに・・・
      きっと彼女は私がキミと密接に
      触れ合ってる所を見て、どうにも
      面白く無さそうな感情をあえて
      表に出しているカンジに見える
      訳だけど」




    エレン「・・・・それがどうかしたんですか?

      あいつがオレの身の回りを過剰に
      気にするのは今に始まった事じゃ
      無いですよ・・・・」




    ハンジ「そうじゃ無いって・・・

       さっきから今まで何度か
       試してみたんだけど・・・・

       どうやら彼女、私が男の子・
       女の子、どっちの姿でそこに
       居ても、それがキミの隣で
       ある以上・・・羨望というか
       嫉妬の眼差し的な“あの目”に
       ほとんど違いが見えないんだ

       そこで考えて見たんだけど」





    エレン「・・・・・・?」






    ハンジ「エレン・・・。キミが女の子に
      なっちゃったらどうなのかな?」





    エレン「  っ   」
       Σビクッ





     背中に冷たい手拭を突然
     叩きつけられた様な・・・そんな感覚が
     不意にオレを襲った。









     一言、正直な言葉で今の心境を
     語るなら・・・




     猛烈に 嫌な 予感がする。






    エレン「何言ってるんですかもう....」ハハッ




     そうだ、ここで焦って取り乱すのは
     かなりマズい。至って冷静に、
     笑い半分で茶化すように話を逸らし・・・
     
     そしてハンジさんの興味を、
     どこか別の話に向ける。
     そうしなければ・・・・・

     今しがたオレにそんな突拍子も無い
     問い掛けをしてきたハンジさんの
     表情は・・・完全に、巨人絡みの考察に
     頭をフル回転させている時のあの人と
     同じで、・・・・まるで.....
    ハンジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・エレン?」
       ニコニコ


     カポカポ



    エレン「な・・・なんですか・・・」ビクビク・・・




     気が付いたら真となりすれすれを
     並走しているハンジさんの馬。






    ハンジ「・・・・・・丸聞こえ。」ニヨニヨ☆



  70. 103 : : 2016/03/21(月) 23:39:57






    エレン「(ッ・・・・・!!!!)い、いや!
      あのですね、ハンジさん・・!?

      ハンジさんが自由に自分の性別を
      替えられるからって、オレも
      それができるなんて事は・・」ヒクヒク・・




    ハンジ「なんで???

       単純に考えて出来ない道理は
       無いよね??キミと私の夢が
       1つになっているからこそ、

       キミ自身の身体感覚を流用して
       私の体もこうして両性自由と
       なってるんだ。・・・だったら、
       私の感覚をつかってキミが
       そうすることだって・・・・」
       チラリ・・・・




    エレン「ッっ・・・・!!!!」ゾクゾクゾクッ






     ヤバい・・・・・!!!




     ハンジさんの眼鏡が、僅かに差し込む
     木漏れ日を反射させてその下に
     怪しく歪む視線を隠す。

     しかし、上から誰かが釣り上げて
     るんじゃないかってくらいに不自然に
     上がった口角が・・・ハンジさんの
     考えている事をイヤというほどに
     分かりやすく現していた。



     ・・・・こうなればもう、素直に
     直訴するしかない。考えている事が
     筒抜けで・・・オレがどんな風に
     誤魔化そうともハンジさんに
     芽生えてしまった好奇心を他所に
     逸らす事ができないのなら・・・・




     いっそ素直にお願いするしかない。





     幾ら此処が夢の中だっていったって・・・





     “女装”なんて・・・そんな事は・・・・






    ハンジ「あっははは!!!エレンエレン!!??

      キミは何だかとても愉快な勘違いを
      しているようだからそのお願いと
      やらを、態々口にする前に・・・

      私がその勘違いを1つ訂正して
      あげようじゃないか」






    エレン「(ダメだ・・・全然・・・全く・・!
       事態が好転しそうな気配が
       見えない・・・・・!要するに
       今隣に居るハンジさんは・・・
       
       ・・・・・・・間違いなく。。。。)」






     自分が気になった事を極限まで
     突き詰めないと気が済まないといった

     ・・・まるで捕獲された巨人を目の前に
     目を輝かせている時のこの人と全く
     同じ状態だ。






    ハンジ「・・・・・ね!?キミもそう
       思わないかな・・・・・!!?

       “ミカサ”!!!!!」クルッ↩





    ミカサ「  !  」ピクッ





    エレン「!!?」





     畜生!!やられた!!!!!まさか・・・
     このタイミングでまさかそっちに
     振るなんて・・・・・・!もしこれで
     あいつまでオレの事を・・・・



    ミカサ「・・・・・ と て も 興 味 深 い。」
      kwsk kwsk kwsk kwsk kwsk kwsk

      ジリジリ・・・・・





    エレン「ッ!!?!??!?」ビクッ




  71. 104 : : 2016/03/21(月) 23:44:51







    ハンジ「よっし!!決まりだ!!!じゃっ・・

      エレン!??一思いにイってみようか!

      私もキミがもう一方の人生を辿って
      いた場合の姿には・・とても興味が
      あるからね・・・・」ワキワキ・・・・





    ミカサ「大丈夫・・・エレンは間違いなく
      性別が変わってもエレンだ。」






    エレン「ちょっと・・・・!本気で勘弁して
      下さいって!!オレの本音は
      ちゃんと聞こえてますよね!!?

      オレはそんな、女の格好なんて
      死んでも御め...
    ハンジ「だぁ~~かぁ~~ら。。。

       言ってるだろ??そうじゃ無いって」





    エレン「“そうじゃない”・・・って;?」
      ジリジリ・・・・






    ハンジ「“女装”じゃないよ。

       キミの性別がそっくりそのまま
       女の子になるだけだから、
       格好は今のままで良いんだよ??

       それから、
       キミが何か意識する必要も無い。
       私がこうして心の中で
       何度も何度も・・・・
       (エレンは女の子エレンは女の子
        エレンは女の子エレンはエレンは(ry....)
       繰り返し念じるだけで、ホラ、」








    エレン「(!!?)」







     急に襲い来る首筋と肩への違和感。


     その理由に気が付くまでに
     オレ自身の身体に起きた異変が
     どの様なものであるか理解したオレは。





    エレン「ぅわッ!!!??な、なんだよコレ!!!!」
      ウァァ......!?







     堪らず馬上で悲鳴を上げた。







    ハンジ「ぅうおおおおおぉ!!!!??

       エレンお前ッ・・・・本当、ミカサが
       言った通り・・・女子になっても
       エレンだな!!!お団子に結った
       その髪型も似合ってるけど・・・・

       ケドそんな事よりあのッ・・・・」
       ワナワナ・・・・・・!!:





    ミカサ「エ・・・・レン・・・・・!?(ジワッ・・)」






    エレン「っ・・・!?ッ・・・・!?!なんだよこれ・・!
      肩周りが妙に重苦しいというか・・・」
      ズッシリ...






    ハンジ「なんだそのでっかいもの!!!!(涙)

      何でだよ!!何で私の感覚から
      その姿になるんだよ!!!!

      こんなの絶対おかしいよ!!!(号泣)」
      (ノД`)・゜・。






    ミカサ「・・・・・・・・」ポロッ・・・





    エレン「なんだよとか言われても
      正直困ります!!!!オレだって
      ハンジさんの方で無理矢理この
      姿に変えられただけだから、
      何が何だか・・・・・!!」オロオロ・・・


  72. 105 : : 2016/03/21(月) 23:46:59







     はしゃぎ捲っているハンジさんの
     反応から、そして自身の身に憶える
     強烈な違和感と体積比の大幅な
     変化から、今オレの姿がどうなって
     いるのかは鏡を見るまでもないが・・・

     あえてそれを確認する為、
     手綱を握るもう一方の片手で
     引き抜いたブレードに
     “その顔”を映し込み・・・・、、

     そこで初めてハンジさんとは
     違った理由で半ベソをかいている
     ミカサの奴の心境を理解した。






    エレン「(おいおい・・・・こりゃ・・・)」









     ――――母さん。







     そう、まるで・・・母さんがオレと
     同じ位の歳で訓練兵に志願してたら
     まさにこんな格好だろうってヤツが・・・




     その刀身には映っていた。



     
     ・・・・・若干目つきが悪かったが。





    ハンジ「へぇぇ・・・・キミの母上は・・・

       そんな感じの人なのか・・・・
       いや、素直に御見逸れしたよ。

       私のような目鼻立ちからしたら
       嫉妬しか覚えないくらいの
       綺麗どころだ。」







    ミカサ「エレン・・・・・。」グズッ








    エレン「・・・・なんだよ。睨んでみたり
      泣いてみたり、忙しい奴だな。」
      スンッ



    ミカサ「・・・・とても・・・・。とても綺麗だ。


      其方に移ってもいいだろうか?」
      ググッ・・・





     一回りも二回りもデカい馬上から本気で
     こっちへ移乗する姿勢をとるミカサ。






    エレン「・・・・飛び移ってそれから
      どうする気だよ・・・・(溜息)」




     何故だろうか、この時点でもう・・・


     こいつの考えている事も、ハンジさんの
     “心の声”同様に・・・・鮮明に
     聞こえてくるようだったが、
     それをあえて聞き直す。





    ミカサ「昔のように・・・抱きしめて欲しい。」





    エレン「・・・・・・・・・・・・(溜息)」




     オレがお前を抱きしめてやった
     事なんかあったかよ・・・と、悪態を
     ついてやる気も起きなかった。


     あまりにもミカサの奴の心の中に・・・


     “あの頃”の景色がなだれ込むように
     思い起こされていたから。


     その景色の中で眩しい位に
     輝いていたのは、他でもない・・・・
     

     オレとミカサを両腕で抱えるように
     して笑顔を弾けさせる懐かしい(かお)


     
     5年前に目の前で奴らに奪われて・・・・


     
     そして今、何故かここに在る貌に
     よく似た・・・・オレもよく知っている
     その貌だったから。



  73. 106 : : 2016/03/25(金) 23:18:45








    エレン「・・・・少しだけだぞ。なんか
      胸がかなり出っ張ってるせいで・・
      お前を抱えながらじゃ流石に
      姿勢が安定しないからな・・・・」
      シブシブ・・・・





    ハンジ「貴様イヤミかッッ!!!!!!(血涙)」
       キャァァァアアア!!!!!(ʘ言ʘ╬)




    エレン「そんなんじゃないですって!!!
      そんな怒らないでくださいよ!
      お、オレだってこうなりたくて
      こうなった訳じゃ・・・・」




    ハンジ「どうだかなッ!!!

       ...!?きっとアレだ!さっき
       医務室にいた金髪お団子の
       ボインちゃんだろ!!あの子に
       組み伏せられた際のふくよかな
       感触がキミの深層心理に根深く
       残っててそれで・・・!!!!(ハッ)

       そうかそれだ・・・!!道理で髪型も
       似てる訳だ!!!!」
       ケッキョク オオキイノガオスキデスカ!! ソウデスカ!






    エレン「(もうこれ何言ってもダメな
       カンジだな・・・・。(諦))」



     勿論、実際ハンジさんが言うような
     事も・・・全く無い訳じゃないのかも
     しれない。何せ髪型も少し似てたし・・


     母さんの姿に似たんだとしても、
     この胸周りは流石に・・・・そうだ、
     アニよりも・・・でかい。








    ミカサ「、、、っ  」トンッ



     ドスッ,,,





     ハンジさんの縛りつけるような
     痛々しい視線と羨望の眼差しを交互に
     受け流しながらそんな事を考えていた
     オレを他所に、

     緩やかな並走状態から苦も無く
     オレの跨る馬へ乗移ってくるミカサ。



     ・・・抱きしめて欲しいという要求が
     あったから手綱を持つ両腕の間に
     挟むような格好でオレの前を
     少し空け、そこにミカサを乗せる。





    エレン「~~・・これだと引きづらいから
      お前手綱持てよ。」






    ミカサ「・・・・わかった。それでもいいけれど
      ・・・そのかわり、、エレン?」





    エレン「なんだよ」





    ミカサ「もっとしっかり抱きしめてほしい」





    エレン「一々注文が多い奴だな...(舌打ち)」




    ミカサ「それと・・・あまり気にして無い
      様だから言っておくけれど、
      
      その姿に合わせて・・声もちゃんと
      女子のそれになっているのだから..

      あまり乱暴な言葉遣いは..

    エレン「どうでもいいだろ!?お前はオレの
      母親かよ!!!」ギュッ・・





    ハンジ「あ~~!!!ず、ずるいっ!!!
      私もエレンと一緒の馬に乗る!!!」
      ジタバタ




    エレン「3人乗りは流石に無理ありますよ
      ハンジさん;只でさえこいつ、
      オレより重いのに.....」



  74. 107 : : 2016/03/25(金) 23:20:59







    ハンジ「エレン!女の子の体重をいたずらに
       卑下するのはよくないぞ!#」





    エレン「??馬鹿にして言ってるんじゃ
      ないので卑下じゃないですよ;

      筋トレしただけ体重増えてるん
      ですから寧ろ褒めてる位です」
      ムシロ ウラヤマシイ






    ミカサ「(エレンに褒められた..)」ドヤァ...
       




    ハンジ「まあ・・・ミカサがそれでイイってんなら
       いいんだけどさぁ...

       ミカサ以外の女子とかは
       絶対、皆気にしてるんだから
       気をつけなよ・・・?」





    エレン「??;わ、分かりました。何で女子が
      そんな事を気にしてるのか、
      その理由の方は正直理解出来ません
      けど・・・以後気をつけます;」






    ハンジ「うむ、分かれば宜しい!!(ググッ)

       っせーの,,....・・・・ッとう!」






    ドスン=3!






    エレン「うゎッ・・・・!!
      本当に乗ってくるなんて!!

      危ないですよ!!落馬しちゃったら
      どうするんですか!」~ヨロヨロ






    ハンジ「どうせ夢の中なんだし平気平気。

      そんな事より折角キミがこんな
      面白い事になってる状況で
      何もしないなんて、そっちの方が
      どうかしてる☆」モニュモニュ







    エレン「ファッ!!?(ビクッ)なっっっ・・・!!

      止めて下さい!!/////

      なに揉んでるんですか!!!!」






    ハンジ「いや――ー・・・改めてこうして
       触って見るとすごいなと思って。

       ホント・・・何なのさこれ・・・」
       ムギュゥ....





    ミカサ「エレン・・・・胸周りのカサはとても
      立派だけど、これでは少しバランスが
      良くない。腹筋を中心にもっと
      上体をくまなく鍛えるべき..」
      グイグイ




     ミカサに押し付けられる背中と、
     後ろから挟み込まれたハンジさんの
     手で鷲掴みにされるその感触。


     元々“自分には無いはず”の
     余分な部分が出っ張ってるだけでも
     普段から比べて違和感がすごいのに、
     これだけベタベタ触られるとあまり
     いい気はしない。






    エレン「・・・・・・・」ムッスゥ....






    ハンジ「ぉ~~??おいおいエレン、
       キミまさか・・・・ふてくされて
       るのか!?」





    エレン「・・・・そもそも自分でこの格好に
      なりたくてなった訳でも
      ないですし」ス~ン・・・・





    ミカサ「・・・・エレンは自分でその程度
      にしか思っていないのだろうけど、
      本当に勿体無い。

      ここが夢の中でなければ・・・・
      アルミンにも見せてあげたい位に・・

      本当に生き写しだ」パカッ パカッ..





     どうでもいいが・・・ジャンの奴の
     お気に入りが気の毒だな。

     夢だから気にも留めず
     三人跨ってても普通に
     歩ってるが・・・、、そういや、
     オレが手綱を握ってた時より
     今の方が格段に大人しくなって
     やがる・・・・・




  75. 108 : : 2016/03/25(金) 23:24:48





    エレン「・・・今お前普通に夢って
      言ったよな。」




    ミカサ「細かい事は気にしない」
      モット ツヨク シガミツイテ




    ハンジ「・・・・・・・・。ねえねえミカサ・・・?」





    ミカサ「・・・・?なんでしょ...(コホン=3)
      ・・・・なに?・・・“ハンジ”」






    ハンジ「んっとね...、(超小声で耳打ち)」
      ゴニョゴニョ・・・






    エレン「・・・・???」




     手綱を握っているのはミカサで、
     その後ろにしがみつく形で
     オレ>ハンジさん..という乗り順に
     なっている訳だが、そのオレに
     何故か聞こえないような形で、
     身を乗り出し、ミカサの耳元で
     何かを呟くハンジさん。

     年齢を大きく退行したため、
     普段よりもっと高めに聞こえる声で..

    そのヒソヒソ声の中で、唯一
     聞き取れた単語があった。


     ・・・その聞きなれた名前・・・
     いや、この際引き摺らずに言って、
     ミカサ(こいつ)と同等に馴染みの深い
     “幼馴染”(アルミン)の名前と、それに続く
     何らかの問いかけを耳にした途端...





    ミカサ「ッーーーーー===////」
      カァァァァ・・・・・・・・・・




    エレン「・・・・・?」





     急にミカサの全身が強張り、
     明らかに気まずそうにして黙り込む。


     この反応は・・・ごく稀にこいつが
     見せることがある反応だ。


     町から離れて開拓地に入る前までだと
     ・・・丁度、これと同じ反応を見せたのは
     ・・・確か母さんにある質問(▪▪▪▪)をされた
     時だったか。。


     母さんの質問は覚えてるが・・・


     肝心のミカサが母さんに対して
     どんな答えを返したのかは
     分からない。・・・・何故なら、
     その時のこいつも今と同じ感じで
     俯いて・・・オレにだけ聞こえない
     蚊の鳴くような声で母さんに
     耳打ちしていたからだ。
     

     その時の母さんの質問は確か・・・






    “ミカサ、あなたは・・・将来

       何かしてみたい事とか、

           やってみたい仕事、


     そうでなければ・・・・・

      『こんな風に過ごしてみたい』

     
      ・・なんて事を考えてたりはする?”
      

     



    エレン「(そんな感じだったな・・確か。)」




     そう、その時のこいつの反応と今の
     この態度は・・・全く同じ感じだ。


     ・・・まあ、答えが分からない以上
     オレが何を聞いても無駄なんだろう。


  76. 111 : : 2016/03/27(日) 15:02:42












    ハンジ「んっン~~~???どうしたの真っ赤に
      なっちゃってぇ~♪

      その様子だとやっぱりミカサ・・・
      キミは・・・・」





    ミカサ「しっ・・・失礼するッ・・・・////

      ぁ、っぇ、エレン・・・その・・・・」
      クルッ↩





    エレン「、、?あ?どうしたいきなり・・・」





    ミカサ「・・・・・・」ジィィィ・・・・




    ミカサ「短い間だったがとても楽しかった。

      もう一度・・その顔をよく見て
      おきたくて。

      とても・・・名残惜しいが、一先ず
      貴女とはこれでお別れ。


      夕食には・・・いや、
      訓練が始まるまでには
      “戻って”来るように」



     ハンジさんの質問を受けた途端

     その答えを返す事も無く、急に
     黙り込んだミカサは、
     不意に手綱も離して振り返ってから
     オレの顔を暫く見つめると、

     急にそんな訳の分からない言葉を
     口にした。








    エレン「いや・・・・オイ、お前・・・」





     言いかけてから、、本当に一瞬の
     事だったが、それはとても言葉に
     現すのが難しい感覚だった。

     今の今までしがみついていた
     ミカサの胴体が、まるで煙のように
     実体を感じないものになったかと
     思えば・・・・気付けばそこに居た筈の
     ミカサは、そこに“居なかった”




    ハンジ「・・・・フフ~フ♪,,,,

       あの様子じゃ・・・彼女ら(▪▪▪)も相当
       お楽しみみたいだなァ...」ウフフフ・・





    エレン「ハンジさん・・・・あいつに一体
      何言ったんですか・・・・・」(溜息)





    ハンジ「ん~~~・・・・、、、内緒ッ♪

       エレンには言ってもピンと
       こないだろうしね~・・・。

       ただ1つだけハッキリしたよ。
       きっと・・・今まで此処にいた
       彼女(ミカサ)も・・・私達と大体
       同じだ。

       どうやってここまできたのかは
       分からないけど。

       彼女なら今更何をやってのけても
       驚きはあまり無いやw」





    エレン「・・・・そうですか。」(溜息)








  77. 112 : : 2016/03/27(日) 15:04:40






     相変わらずなんだか良く判らないが。
     

     しかしこれでハンジさんがずっと
     やりたくて仕方無かった巨人化実験(ア レ)
     誰にも見られずに行う事ができる。



     ・・この際だ、さっさと・・・・



    ハンジ「さぁさぁエレンっ!!!?

      待ちに待ったこのときがやってきた!
      まだ夢の中という縛りがあるけど・・・

      とうとう15mのキミの肩に乗って、
      その景色を眺められる時がね・・・!」
      ワクワクワク・・・・





    エレン「そんなに焦らないで下さいよ・・・・
      今言い出そうと思ってたところ・・・
      なんで・・・、、、す・・・・・・

              あれ、そういえば」





     ここで1つの疑問に気付く。






    エレン「・・・・・まさかとは思いますけど・・

      この体で巨人化したからといって
      15m級の女型になるなんてことは・・」
      (ハッ)






     言いかけてからしまった、と思ったが
     時既に時間切れ。





    ハンジ「本当にキミは・・・よくよく
       変なところでだけとても冴えてる
       時があるよね・・・・w?

       キミのような勘のイイ子は
       嫌いだよ・・・・・」ニエッ・・・




    エレン「っ・・・・」ゾクッ・・・





     ハンジさんのその笑みに、
     オレは思わず全身を身震いせずには
     居られなかった。気付けばオレ達
     二人は、今まで跨っていた
     馬上ではなく、普通に地面の上に
     向かい合っていた。


     場所はあいかわらず鬱蒼と生い茂った
     樹が乱立する森林地帯だ。


     そして“嫌い”という単語を
     口にした割に、その顔に満面の笑みを
     浮かべるハンジさんの顔を・・・


     木々の隙間から差し込む光が
     部分的に映し出す。



     どうやらここまで来て、

     “やっぱりやめましょう”なんて事は
     言わせてくれないらしい。

     両肩に掛けられた腕からも相当な
     握力でプレッシャーがかけられてるし
     ・・・なにより・・・・




    ハンジ「そりゃぁそうさ~~・・・・

       こんな面白そうな状況・・・
       例え夢でも二度と立ち会えない
       だろうからね。

       ミカサが言っていた言葉を
       冷静に反芻するなら・・・・

       “まだ時間はある”。
       だからエレン??」ギュッ・・・





    エレン「・・・・・・(溜息)はい。。。。。」




     オレは盛大に溜息をついた。


  78. 113 : : 2016/03/27(日) 15:06:41






     オレの両手を握るハンジさんの
     本心から流れ込んでくるその言葉に、
     最早この口で返す気力すらも
     絞り出せずに。







     “もっとキミの事を私に教えて?”






    エレン「(・・・・まあ、どうせ夢なんだ・・・)」
      チャキッ・・・   
            ジャッ・・・




     投げやりにそう考えると・・・
     オレは乗馬中から身に着けていた
     ブレードを抜剣する。




     さっきハンジさんには言った事だが・・
     これまで通りに自分の手に
     噛み付いて“それ”を試みるのは
     かなり危険だ。幾ら夢の中とはいえ・・


     そんな事をすれば最悪の場合
     寝ぼけて居る間に、オレが今寝ている
     “何処か”が吹き飛んだって
     まるでおかしくない。






    エレン「えっと・・・じゃあ、試しに
      やってみますから・・・少し離れて
      居て下さいよ・・・・?」ドキドキ・・・
      チャキッ






    ハンジ「ウンウン!!ちゃんと木陰から
       見守ってるから、うまくいったら
       できれば私の“内側”に直接
       語りかけてみて!

       (ここ)なら・・・それが可能なはずだ」





    エレン「分かりました・・・。

      でも、万が一、うまくいっても
      また意識が安定しなかったり、
      暴れるような事があったら・・・

      逃げてくださいよ。例え夢でも
      嫌ですから。」





    ハンジ「分かったよもう..

       キミは本当に心配性だな。
       危ないと思ったら何とかする。
       だからホラ、早く早く~~~!!」
       リーリーリーー!!





    エレン「・・・・(溜息)」





  79. 114 : : 2016/03/27(日) 15:08:05






    ############






    ~丁度その時・少し離れた木陰から~





    アニ「・・・・・・・」





     なんだろう・・・・何となく気になって
     尾行()けてきちゃったけど・・・




    アニ「(なんか・・気のせいかな・・・・;)」




     馬がいなくなった上に知らない女子が
     居るように見えるんだけど。




    アニ「(あんまり目..良くないんだよね・・
       この距離だと分かり辛いけど・・・

       それでも・・・・)」




     この距離で、しかも私のこの視力で
     ここまでクッキリと見分けがつく
     身体のラインをした女子なんて・・・

     居なかったはず。


     しかし・・・・




    アニ「(あの位の身長であの胸・・・・)」




     私もせめてアレ位の身長があったら…


     そう思わずに居られないシルエットだ。



     ・・・けど今はそんな事より・・・





    アニ「(ともかくあの二人は・・・
       何をする為にこんな森の奥まで
       こそこそと・・・・?)」ジリッ・・




     この距離だと少し視力的にも
     物足りないので、もう少し二人に
     近めの樹に身を預け、

     再び身を乗り出した私の目に・・・・
     信じられないものが映りこんだ。


     それまでの私は・・・・


     “一体何が目的で?”なんて
     心の中で思いながら、
     結局どういう訳かさっきまで
     『二人の男子』だったはずのペアが
     男女の連れ添いになってた時点で・・・


     この後どんな事が起こるのか
     大体の予想はついていた・・・・というか
     内心少し位、“期待”する心も
     無いわけじゃなかった。


     ・・・けれど・・・・・




    アニ「・・・?!??!」



     思わず身を隠す事も忘れて
     乗り出す私の視線の先で、腰から
     引き抜いた刃を自分の掌に添えた
     “そいつ”が取った行動に・・・・


     そして時間を置かずにその場に
     巻き起こる事になる、光の膨張に・・・・。



     私は愕然としてその場に立ち尽くした。





     ――そいつの正体こそ・・・私達(▪▪)が地べたに
     這い(つくば)ってでも見つけ出さなければ
     ならない探し物だったという事実に。







     ――――ただ、立ち尽くしていた。







    #################




  80. 115 : : 2016/03/27(日) 15:09:46







    ~場所は戻り....






    ハンジ「うっひゃぁぁああ!!!!

       やった!!やったなエレン!!
       一先ずうまくいった!!

       しかしキミね・・・・・・!」
       ガクガクブルブル・・・



    シュゥウウウウウウ...........



    ?エレン?「「・・・・・・・」」





     どうやら巨人化自体は
     上手くいったようだ。意識の方も・・・

     しっかりしている。実際に巨人に
     なった時より・・・成程、ハンジさんの
     声もしっかり聞こえるな。

     ここなら時間の経過で
     “操縦”に支障が出るなんて事も…
     多分ないはず。




    ハンジ「元の姿で巨人化した時も、
       全身キリリと引き締まった
       ナイスマッチョだったから
       若干そんな気はしてたけど・・・

       その・・・そのスタイルの良さは・・
       もうなんだか嫉妬を通り越して
       泣けてくるよ....」ウッ・・ウッ・・・





    15mエレン(♀)「「・・・・・・」」





     眼鏡を外して拭わないと
     どうしようもないというくらいの
     見事な泣きっぷりを見せる
     ハンジさんの反応で・・・今、
     自分がどんな姿で巨人になったのか、

     
     大体察することができた。





    =それはそうと・・・これ、
     ハンジさんには聞こえてますか?=





    ハンジ「ぅッ・・・ふぐぅぅ・・・・;しかし
       なんて・・・なんて完成された
       肉体美・・・・・;!(ゴシゴシ・・)

       プロポーションだけでなく
       身長と各部の肉付きまで
       完ッッ璧じゃないか・・・・!!」
       キラキラ・・・・





    =ハンジさん・・・・??;=





    ハンジ「何だってこんなにまで・・・
      壁の外で見てきた“彼ら”とは
      うって変わって・・キミの“巨人”は
      造形美抜群なんだ・・・??(オロオロ)


      ぁあ!!うん!バッチリ聞こえてるよ!!
      何かな?エレン??」




    =良かった、聞こえてるんですね。
     どうやら身体の方は普通に
     動かせますけど・・・・

     ・・・・・・・・どうしますか?=





    ハンジ「乗る乗る!!!!
       乗るに決まってるだろ!!?

       この日をどんなに夢見た事か!!

       さぁ、!早く私をそこに乗せて
       くれないかな!!こう・・・かがんで
       肩を・・・、、いや、手で拾い上げて
       ・・・・??イヤイヤ、まずは摘み上げて
       貰って口の中をよく見せて
       くれたりとか・・・(ハァハァ)///」





    15mエレン(♀)「「・・・・;」」





     相変わらず誤解してしまいそうに
     なるが・・・本っ・・・当にこの人は。。



  81. 116 : : 2016/03/27(日) 15:11:53








    =どんだけ巨人好きなんですか・・・;=





    ハンジ「前にも言っただろ~~?;
       別に私は巨人が“好き”な
       訳じゃ無いってさ・・・・。

       ただ…どこまでも、どこまでも..


       果てしなくどこまでも。
      “彼等”の事が気になって仕方が
       無いんだ。」




     =・・・・・・・・・・=





    ハンジ「キミと出会い・・・、
       巨人というものに抱く概念が
       更にがらりと変わる事になる
       その時まで、私は“彼等”の事を
       てっきり生物の括りに入る
       存在なのかと・・・そう思っていた。」





    =無理も無いですよ。幾らでかい
     とはいえ・・・人のカタチして
     こうして動き回ってるんですから= 





    ハンジ「・・・そうだね。

       普通誰が見たって・・・・


       私達“人類”と同じ格好をして
       いるのにその“人類”を
       喰らう事にしか興味を示さない
       ・・・・そんな存在を、まさか

       生き物じゃないのかも・・・
       なんて思いもしないはずだ」




    =それを分かって貰えただけでも
     オレが人類にとっての害だけで
     終わらない理由になるなら・・・

     オレにとってそれ以上の事は=




    ハンジ「こらこら、エレン。

      キミねぇ・・・。(溜息)

      他のみんながどんな目でキミを
      見ているか・・・勿論私だって
      知ってるし、そんな視線を受けて
      キミがどんな気持ちになるかくらい

      ・・・容易に想像がつくさ。しかし
      だからこそだ」ピタッ




    15mエレン(♀)「「・・?」」




     15m級の巨体となったオレの足に
     掌ををかざし、片手で寄りかかる
     ハンジさん。


     以前の感覚では・・・こんな微かな
     モノが触れる感覚までは流石に
     拾い切れなかった気がするが。


     今はハッキリとその手が触れる
     感触が伝わってくる。




  82. 117 : : 2016/03/27(日) 15:13:36







    ハンジ「ウン。やっぱり・・・ちゃんと
       皮膚があるとそこまで
       即・火傷しちゃう!ってほど熱くは
       感じないモンなんだねぇ・・・・」
       ソレデモ スコシハアツイケド




    15mエレン(♀)「「・・・・」」






    ハンジ「だからこそ・・・キミには
       分かる筈だよ。エレン・・・?

       私は・・・私の中には・・・・

       そんな(おそ)れが、欠片でも見えるかい?
       キミが人類に弓引く脅威と
       なるんじゃないか・・・なんて
       危惧する感情の欠片でも・・

       “心の中”から汲み取る事が
        できるかな?」 




     
     そんなの言われなくたって分かるし、


     言わなくても伝わるんだろうな・・・



     こうしてオレに触れに来てくれる
     “この人”からは・・・・

     ここが夢の中だからとかでなく、
     現実の世界にあったとしても・・・・





    =・・・三人して大砲で吹っ飛ばされる
     寸前まで行ったときは・・・オレ、正直

     ここまでだと思いました。
     勿論そこで死ぬつもりも
     なかったんですけど・・・兵団の中に・・

     いや、壁の中にはオレの居場所なんて
     無いんだと思ってしまいました。


     ・・・けど=




    ハンジ「うっふふふふ・・・・///」スリスリスリ






    =・・・・あの、ハンジさん、これ結構
     真面目なハナシ・・・・・=






    ハンジ「ぁあ!!?何々!?

       いやあ、危ない危ない・・・・
       こんなに美しい女型の美脚に・・・
       何の警戒も無く頬ずりできる
       なんて・・・嬉しくて楽しくて
       気が狂っちゃいそうだ!!」
       ウッヒャヒャヒャ・・・




    =・・・・・(溜息)....じゃああの、
     ハンジさん。そのまま頬ずりを
     しながらでいいので・・・簡単な事だけ
     聞いてくれませんか=





    ハンジ「うん~~~♪♪何々~~??」
       スリスリ・・・・





  83. 118 : : 2016/03/27(日) 15:15:38




    =こんなオレを信じてくれて・・・


     手を差し伸べてくれて・・・

     本当に有難う御座います。オレが
     今生きて兵団にいられるのは・・・=





    ハンジ「よっし、!!じゃ、エレン??
       さっそくいってみようか!

       そうだな・・・まずはその、、
       白魚のような指で私を掴みあげて
       ・・・こう、首下に」ワクワクワク♪



     ・・・・・興奮のあまりオレの言葉は
     心半分位しか届いていないようだ。


     まあ、これはこれで
     この人らしい反応だ。



     心底思える。



     オレは―――




     オレはこの人を好きになって
     本当に良かった。





    “私もキミを好きになれてよかったよ”





    15mエレン♀「「  !  」」





    ハンジ「アッハハハ、通じた通じた♪

       しっかし変な感じだなぁ、
       夢の中なんだから話すのも
       話さないのも同じ気がするのに」
       ペタペタ




     たった今首下に乗せたハンジさんが、
     オレの頬に平手をあててそんな事を
     口にする。

     どうにも・・・ この“口にしてない”
     つもりの事まで伝わっちまうのは、
     オレ(から)ハンジさんの方へ行く時の方が




     より一方的にダダ漏れな気がする...





    ハンジ「そんな事無いはずなんだけどなぁ~

      私は・・・常にキミの事、知りたい、
      知りたい、って念じてるからね。

      その度に君の心は手に取るように
      聞こえて来るよ」






    15mエレン♀「(なるほど・・・・)」




     つまりオレ自身がこうして
     ハンジさんの内心まで気遣って
     覗こうとしない限り、勝手に聞こえて
     来るってことは・・・無いわけか。




    “フフン、♪キミのそういう気が効く所も
     私は好きだよエレン。・・・しかし、
     気遣いのできる男性は素敵だけど
     そんなに眠くて辛かったなら途中で
     言ってくれたって良かったのに・・・”




    =・・・??何の事ですか??っていうか
     声で直接喋るかそうじゃないほうで
     喋るのか、どっちか1つにしませんか;

     少し混乱しますよこれ・・=




  84. 119 : : 2016/03/27(日) 15:18:14





    ハンジ「ごめんごめん。何のことかって
       言えば・・ほら、私とキミが
       あの廃城で出会ったその日だよ・・・

       私はついつい楽しくなって
       キミに朝までつき合わせて
       しまったじゃないか。」




    =その事ですか。・・・仰られる通り
     眠かったのは事実ですけど・・・でも
     それ以上にオレは

     ハンジさんの嬉しそうな顔をずっと
     目の前で見ていられるだけで…=





    ハンジ「ふ~~む・・・・?w

       まったく、嬉しい事言って
       くれちゃってこのこのっ♪
       (パタパタ)

       さて・・それじゃお話も
       これくらいにして・・・そろそろ
       始めようか!!ねえエレン!!!」
       キラキラキラ






    =分かりました、何からやってみますか=





    ハンジ「じゃあ・・まずは運動性のテストだ!
       元のキミと女型のキミとで
       どれだけ差があるのか・・・

       とりあえずバク転でもしてみて!」





    =・・・このままバク転したらハンジさん
     もれなく転落するじゃないですか・・=





    ハンジ「そっかそっか!!☆
       私ったらつい楽しくて
       舞い上がっちゃってたよ。なら
       まずは・・・・」






     心底今このときが楽しくて
     堪らないといったハンジさんの
     心の声を耳の直ぐ傍に聞きながら、

     オレ自身も、もっとこんな楽しそうな
     ハンジさんを長く感じて居られたら…


     そんな事を考えていた正にその時。





  85. 120 : : 2016/03/27(日) 15:19:27






    カッッッ!!!!!!!!





          ズガァァァァンッッ!!!




     ――陽光を遮る木々の下で、
     辺りが一瞬真昼の明るさになったかと
     思えばそれと同時に空気を揺らす
     巨大な爆音が響く。
     






    15mエレン♀「「!!」」 ググッ・・




    ハンジ「ぉおわッ!!!  な、なんだなんだ!

       っていうか今の光は・・・・!? 」
       ヨロッ



     思わず光と轟音が轟いた方向へ
     顔を向けるオレと、その首の動きに
     よろめきつつ、同じようにその
     音と光に反応するハンジさん。


     その光には・・・ハンジさん自身、
     強烈な既視感があるような反応だった。




    ハンジ「今のは・・・すごく
       そっくりだったけど・・・

       いや・・・しかし・・・?;」ブツブツ・・・




     オレがその光を、そして音を聞いても
     直ぐにはその感覚に思い当たる節が
     無かったのは仕方が無い事だ。

     その音と、光の発生源となっている
     当の本人(▪▪▪▪)からはそれを
     客観的に見たときの感覚がいまひとつ
     理解しづらいからだ。


     ハンジさんがたった今眼前に広がった
     光を目にして、頭の中で何を重ねたのか
     



     ・・・それを知った時には、



     既にそいつ(▪▪▪)は“そこにいた”







    女型「「・・・・・・・・・」」



         ズンッ――・・・・






     女型・・・・オレと同程度か・・・
     15mに少し及ばないかというくらいの、
     金髪の女型巨人だ。



  86. 121 : : 2016/03/27(日) 15:22:38






    ハンジ「えッ・・・?!?!?

       ぇえええええ!!!?!???

       なんだなんだ!?こんなに・・・・
       こんなにまでも美人の女型が
       2体も間近で見られるなんて・・・!

       私は夢でも見てるんだろうか??!」
       アワワワワ




    =落ち着いてくださいハンジさん!!
     その通りですから!!=








     そう・・・、今いる場所が
     壁の内側であるとかそんな事以前に・・・
     ここは夢の中だ。



     いつ何が起きたって不思議は無い。



     ハンジさんが若返った上に性転換
     したって、ミカサの馬が世紀末覇者の
     愛馬並みに巨大化したって、
     オレの胸にリンゴ並みに肥大化した
     余計なものが付いたりしたって、
     全く何がおかしいという事も無い。



     ・・・・しかし。




    15mエレン♀「(オレはこんな奴・・・
         5年前に見た記憶もないし
         想像した事すらねえぞ)」




    ハンジ「(エレン、なぁエレン!!
       聞こえる?!目の前にいる
       あの女型だけど!(小声))」
       ペッタペッタ





    =聞こえてはいますけど・・・

     こういう時こそさっきのアレで
     会話すればその方が早いんじゃ・・・=





    “あっ、そうか!!それもそうだな!!
     なら改めて・・・エレン・・?あの女型。

     視界に入ってるはずの私をすぐ食いに
     やってこない所を見るにどうやら
     『普通の巨人』ではない様子だ”






    =そうみたいですね=






    “更に・・あの子が出てくる瞬間に見えた
     あの光と音だけど・・・キミ自身には
     あまりピンとこないかもしれないけど

     キミが15m級の巨人を出した時のと
     殆ど同じものだった”



  87. 122 : : 2016/03/27(日) 15:24:08






    15mエレン♀「(つまり・・・・)」





    “そう、もしかして・・・・もしかすると
     だけど。あそこにいる、"彼女"も・・・・
     キミと同じで、知性持ち(▪▪▪▪)の・・・・いや”






    “巨人になる事が出来る人間なんじゃ
     …ないかなって。そう考えたんだけど”






     ハンジさんの推測は、オレの考えとも
     そう変わりはなかった。

     そこにいるそいつは巨人であるにも
     かかわらず、トロスト区で真っ先に
     オレに襲い掛かってきた巨人共と
     違って、ただ此方を見つめて警戒する
     のみだったからだ。




     しかし、じっとしていられるだけじゃ
     その目的も意図も分からない。






     どうすりゃいいんだ・・・?この状況・・






    ハンジ「う~~ん・・・・正直な話このまま
      美しい女型2体のキャットファイトが
      見られるんじゃないかって物凄く
      期待しちゃってたんだけど・・・」




    =勘弁して下さい。・・・あいつが
     “普通の巨人”だって言うなら
     折角ここが夢の中だっていうのも
     あるし、ハンジさんを護る為に
     何とかしますけど・・・別に何もして
     こないなら無理にちょっかい出す
     必要だって無いはずです=





    ハンジ「キミはなんというか・・・
       夢の中だからかな、いつに無く
       保守的な考え方だね。

       普段のキミなら一片の躊躇も無く
       “駆逐してやります”とか
       言っちゃいそうなのに。」





    =・・・・それもそうですけど。

     結局これ・・・夢ですからね。夢の中で
     駆逐したってこれといって特に・・・=








    ハンジ「うっわ・・すっげードライな
       発言だなエレン・・・;

       ・・・でも安心してくれ!男から見た
       女性の好みは分からないけれど、
       プロポーションならキミの方が
       上だから!!」Σbグッ





    =いや…;そんな優劣は心底どうでも..=







     そこまでハンジさんとのやり取りを
     終えて・・・ふと気が付いた。



  88. 123 : : 2016/03/27(日) 15:27:00






    15mエレン(♀)「(待てよ・・・?ハンジさんの
         心の声も"知ろう"とすれば
         聞き取れるってんなら・・

         あの女型に、もし“中身”が
         居るなら・・・・?)」





     ひょっとしたら・・・その意図が読める
     可能性だって無くはない。



     そう思いつき、集中してそいつに
     視線を向けたのだが、それとまさしく
     ほぼ同時に・・・







    女型「「――・・・!」」 ググッ・・・!






    ハンジ「んっ!!??」





     ついに状況は動いた。


     ゆっくりとした動きで両手の
     握りこぶしを持ち上げてゆき、
     視線と同じ位の高さで止める。



     これと同じ格好を・・・オレは何度も
     見て頭に焼き付いているし、
     それを知らないだろうハンジさんも、
     既にこのポーズを先程『医務室』で
     目の当たりにしている。


     ――そう、今しがた急激に目の前の
     そいつから感じられるようになった
     強烈な殺気と共に向けられたこの構え。





    15mエレン(♀)「「・・・・っ」」ヒョイッ・・




    ハンジ「おわっ・・・ちょっ、エレン・・!?」




     未だ距離はあるので、今の内にと
     ハンジさんを肩から下ろす。


     このタイミングで急襲をかけてこない
     という事は、狙いはハンジさんでなく
     オレという事になる。




     ―――そして再び目の前のそいつに
     向き直り、意識を集中させた時



     その心の声は、断片的に・・・

     そしてせわしなく聞こえてきた。







    “   あいつらを...呼ぶべき?


     そんなヒマは無い   ずっと  
         

     ずっと   探していた  こいつを



     早く  遠征で捕えるまでもない


     今ここで    ―――終わらせる”





    ズドッ!!!!!!!





    15mエレン♀「「ッ!!!!!」」ザッ!!!






     “心の声”が打ち切られるのと
     ほぼ同時。その身を屈ませて踏み込む
     無駄の無いステップで一気に間合いを
     詰めてくる女型。


     もしこの構えがオレの良く知ってる
     ものと同じなら・・この後に続く型は
     現状3通りは予測できる。





     ―1.高確率で牽制の下段。



     ――2.下段を意識させてまさかの中段。



     ―――3.意表をついて開幕必殺の上段。




     ――――――全て蹴りだ。




     頭では分かっていても、
     素足で地面を抉りながら急接近して
     蹴りかかって来るこの気迫には
     やはり気圧されてしまう。




  89. 124 : : 2016/03/27(日) 15:29:01








    15mエレン♀「(見えたっ・・・!!この高さ・・

        中段か上段はあってもまず
        下は無い・・・・!)」スッ・・・



     15m近いタッパが生み出す破壊力と
     同じく15m近いオレ自身の防御が
     どこまで通用するか定かじゃ無いが、
     真正面から受ける事ほど無謀な賭けは
     ありえない。


     可能な限り回避で捌ききれない分を
     腕で受け流そうとするオレだったが・・・




     またしてもここで予想も出来ない
     とんでもない横槍が飛んでくる。




    ヒィィィ・・・・・・・・ン!!!!   

               ドスドスッ!!!





    女型「「っ!!?」」 Σピクッ





     森の奥から突如飛来する二本の
     アンカー付きワイヤー。二つの銛は
     オレの頭の遥か後方から、

     狙い澄ましたように女型の両口端へと
     突き立ち・・・・

     

     そして―――――







    ピクシス「 私 が ッ・・・・来た !!!!!!!!」









    女型「「!!?ッ!!!???」」ババッ








    ハンジ「―――ッ!!!(絶句)」





     ギャギギギギギギ。。。。。。。!!!!



     唸りをあげるワイヤー巻取り機構の
     音と同時に、その雄たけびが

     高らかに、高らかにオレ達3人(?)の
     耳に突き刺さる




  90. 125 : : 2016/03/27(日) 15:30:24









    ピクシス「美女の女型が2体も
       居ると聞いて!!!!!!!!!」クワッ!!







    女型「「ッ・・・!!;」」ブォンッ!!!!






    ピクシス「おっと危ない♥」ヒュオンッ・・・





     今今までオレに向けていた
     刃物のようなギラついた殺気を
     一瞬で崩し、尋常じゃない勢いで
     急接近してくるピクシス指令をめがけて
     慌てて平手を振りかざす女型。



     ・・・不覚にも少し可愛い気のある
     反応に見えてしまった。


     しかし、そんな女型による迅速な
     対処にも動じず、風に舞う
     タンポポみたいな動きで苦も無く
     やり過ごす指令。ここまで来ると
     変態姓も立派な狂威・・・・いや;、


     脅威となる。





    ガサがサッ!!!  バキッ




    ピクシス「フフフハハハハ!!!!良い!!実に良いぞ!!

       背丈、体格、体つき!!顔の良さ!!!

       骨盤から背筋、脚部に至るまでの
       流れるようなその造形美!!!

       そして何といっても豊満な
       臀部と胸!!!!貴様等2体ッ・・・!

       間違いなくワシが見てきた中で
       最高の美貌を持つ巨人ッッ!!」
      (´⊙౪⊙)<ヒィィャッハァァァ!!!!!






    女型「「・・・・!!・・・・・!!!」」ガタガタ・・・
      ブルブル・・・₍₍(´;ω;)⁾⁾






    15mエレン♀「「・・・・・;」」





     オレに向けていた戦意は一体
     どこにいっちまったのかという位に
     萎縮し、見間違えでなければ全身を
     震えさせている女型。






    ピクシス「どちらでも良い!!さあ喰え!!!
       (ババッ!!!)

       ここが・・・!!
       貴様等何方かがワシの・・・
       棺じゃぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
       パシュパシュッ!!!!



     キュィィィィイイイイイイイイイ!!






    女型「「っっ」」ビクッ





    ピクシス「喰えぇぇええええええぃッ!!」
       ギュァァアアアアアアア!!




  91. 126 : : 2016/03/27(日) 15:33:00










    女型「「キィャァァアアアアアアアアアアアアアアアア

       ァアアアアアア"ア"!!!!!!!!」」








     血の慟哭(さけび)



     そいつが放ったのは正にそんな表現が
     一番しっくりくる恐怖の断末魔だった。






    ハンジ「い"ッ・・・・!!!!(耳塞ぎ)」ビリビリ





     あまりに強烈な悲鳴だった為、
     オレもハンジさんも思わずその場で
     両腕を前方に掲げ、両目を瞑って
     身を竦ませてしまう。


     この全く訳の分からない状況を
     一体どうやって終結にもっていけば
     いいのか・・・そんな事を一瞬考えた
     オレの意識は・・・その瞬間を限りに、



     とても都合のいい所でブラックアウトした。


     







    ~~壁外遠征陣形練習用宿舎の一室~~





    ~数分前~






    エルド「見ての通り・・・・

      とても起こそうって気になれない程
      気持ち良さそうに寝てまして・・・;」





    リヴァイ「・・・・・・・・」





    ペトラ「うわっ・・・うわッ・・・・!!///」
      (メッチャラブラブじゃないですか!)





    オルオ「(畜生ッ・・・!爆発しろッ!!)」





    グンタ「本当に・・・仲のいい家族にしか
       見えないな・・・これじゃあ・・・」





    休憩時間の定刻を過ぎても集合場所に
    姿を現さない二人を確認しに、休憩室へと
    足を運んだエルドの報告を受け、

    当事者達の居る部屋へと踏み込んだ
    特別作戦班一行が目にしたのは・・・・


    互いに離すまいという意思すらも
    感じられるほどにしっかりと抱き合い、
    額を密着させたまま寝息を立てる・・・・


    エレンとハンジの姿であった。



  92. 127 : : 2016/03/27(日) 15:35:36







    リヴァイ「グンタ・・・・音響弾を寄越せ」
       (´・ω・`)つ






    エルド「・・・・兵長、ここでぶっ放すと
      窓ガラスが外に飛散して
      散らかっちゃいますよ・・・・:」





    リヴァイ「チッッ・・・・!!!」
     (物凄く忌々しげな舌打ち)





    ペトラ「(本気でやろうとしてたんだ..)」






    リヴァイ「・・・なら濡れ手拭を持って来い。
       顔に乗せて何秒で起きるか
       言い当ててやる。」





    ペトラ「(やり方が一気に陰湿になった!;)」




    グンタ「いえ・・・頭が密着してる上に
      この姿勢だと・・引き剥がすまでに
      多分目が覚めるんじゃ・・・・」




    オルオ「兵長!!もう普通に蹴っ飛ばして
      起こしちゃいましょうよ!!!」




    ペトラ「い、いえ!!ここは是非、
       耳元で、静か~~↓↓に、

       “オハヨ~ゴザイマス!!”で!!!」






    リヴァイ「(イライラ・・・)」








    ハンジ「っ・・・んむ・・・ふがっ・・??:

       ふぁっ・・・ァ――あ・・・

       よく寝た良く寝た・・・・ってありゃ。
       (眼鏡ON)

       どうしたのさリヴァイ・・・?
       それに皆様方まで。」チャッ・・





    リヴァイ「どうしたのじゃねえ・・・・・

       お前がうちの新入りとお盛んに
       なってる内にどれだけ時間が
       経過してるのか、まだそれに
       気がつかねえ程寝ぼけて
       やがるのか・・・?」キッ・・・・




    ハンジ「しっ・・・失敬な/////!!!!

       ヤッてないよ!!!

       きょ、今日はね;;;!!?(汗だく) 」
       アタフタ・・・・





    ペトラ「――――-」



    オルオ「-――――」





    リヴァイ「ッ(舌打ち)・・・・お前ら二人が
       してるかしてないかなんざ
       どうでも良い・・・!

       そいつもとっとと起こして・・・
       早いところ馬を引っ張って来い。


       それとクソ眼鏡・・・!
       お前には、陣形に関して別途
       連絡事項があったのを忘れたか」




    オルオ「(・・・・?)」



  93. 128 : : 2016/03/27(日) 15:36:48





    ハンジ「ぁっ・・・ぁあ、ああ!!!

       それな!ウンウン;!ちゃんと
       覚えてるって!エルヴィンにも
       すぐ行くからって伝えといて!!」
       ガババッ




    エレン「ムガッ・・・...」zzz





    リヴァイ「・・・・まだそいつは起きねえのか
       ・・・・おいエレ・・・・」
    ハンジ「・・・・待って。あのさリヴァイ・・・」
       ピタッ・・・




    リヴァイ「何だ」





    ハンジ「エレン(その子)・・・
       とっても疲れてるみたいなんだ。

       今日の訓練ばかりは・・・半日でも
       いいから休ませてやってくれない」





    リヴァイ「おいおい・・・・

       疲れてるのは誰だって同じだろ。

       ・・・その理屈が通じるなら
       エルヴィンの奴なんざ巨人に喰われる
       までもなく永眠しちまうぞ」






    ハンジ「~~~もう~;そういうンじゃ
       ないっての!私が言いたいのは
       ・・・ホラ、もっと内面的な疲れだよ!!」





    リヴァイ「・・・・・・・・」






    ハンジ「言うまでも無く彼には・・・その
       “体質”のおかげで我々
       一兵士には想像もできない心労が
       日々圧し掛かってくるワケだ。

       いくら兵団の、ひいては人類の
       切り札的存在と、表で祭り上げて
       いても・・・皆が皆、彼の素性を
       信じ切っているワケじゃ無い」





    オルオ

    ペトラ
      「「「「・・・・・・」」」」
    グンタ

    エルド
       






    ハンジ「そう渋い顔しないでってば;

       私のようなのはともかくとして…

       すぐ傍で今にでも15mに爆ぜる事が
       できる人間が居るとしたら・・・
       ちょっと神経質な人なら
       それほど落ち着かない事はない。

       キミ達は充分人間らしいよ。
       私なんかと違ってね」




    リヴァイ「自分の欠点を頭で理解してるなら
       何故ソレを改善しようとしねえ。

       お前、副長がいなけりゃ
       今頃命はあっても腕の2、3本は
       巨人に喰われてるところだぞ」




    オルオ「(3・・・・)」




  94. 129 : : 2016/03/27(日) 15:42:37





    ハンジ「私はもうこの通り、
       エレンに心の底から
       ゾッコンだからね。正直
       暴走した彼に食べられちゃうなら
       そんな最期も悪くは無いと
       思ってる。」





    リヴァイ「・・・・意外だな。お前に限っては
       どっかの誰か様と違って・・・・

       喰われるのだけはゴメンだと
       言うとばかり思っていたが。」






    ハンジ「(思い出し...)...ぁあ、うん。

       ちょっと流石に・・・ああ(▪▪)までは
       なりたくないかな・・・;」
       アッハハハ;





    リヴァイ「ならそいつをとっとと起こせ。
       それが済んだらお前はエルヴィンの
       とこまでダッシュで行って来い」





    ハンジ「だぁ~~か~~ら!!!!
       寝かせてあげようって、
       さっきからそう言ってるじゃ
       ないか!!?

       大体彼はこの班の囲いの中だろ?

       陣形に関しては・・・はぐれようも
       何も無いんだから乗馬以外に
       特に練習することなんて無いじゃ
       ないか・・・・」ヌググ...



    リヴァイ「なら馬に乗ってるだけでも
       充分その練習になる。

       異論は認めねえ・・・そいつは
       ウチの班員だからな」



    ハンジ「チィッ!(舌打ち)融通の利かないヤツ!

       全くもう・・・(シブシブ)

       ホ~ラエレン、起きなさい~~。
       起きないとチュ~しちゃうぞっ
       (ガバッ)
       ・・・って、起きてもしちゃうけど」
       ムグッ





    ペトラ「ッッ!?!????」



    オルオ「!!!!!?」ガリッ





    エレン「(ムゴッ・・?)・・・ッ!!!?/////

       ファッ・・ふごッ・・・・!?!?」ジタバタ



    ハンジ「ん~~フフフフ///♥
       おふぁよ~((おはよう))ふぇえン~((エレン~))♪」
       チュパッ・・・




    エレン「お、おはようッ・・・ござぃまっ・・・
      (ゼーーーハーーー・・・・!!)

      えっ・・・!アレ・・・!??み、皆さん・・!?
      あッ・・・まさかハンジさん、
      時間・・・・!!!!」ガバッ





    ハンジ「私もキミもすっかり
       熟睡しちゃってたみたいだね~。

       なんだかとても長い長い・・・

       記憶に残りそうな位内容の濃い
       夢を見てた気がするんだけど・・
       キミはどう?」






    エレン「(夢・・・、?)

       あ、ああ、そういえば確か・・!
      (オレも何か忘れようがない位の・・)

      なんでしたっけ・・・!どうも・・・
      (お・・・思い出せねえ・・・・!)


      すみません・・・!『ここ』まで
      出掛かってるのに・・・・!」






    リヴァイ「・・・・・お前がアホ面こいて
       眼鏡と抱き合いながら見てた
       夢の内容なんざ心底どうでもいい。

       とっとと顔を洗って40秒で
       支度しろ。・・・これは命令だ」





    エレン「っ・・・!ハッ!!!!」ババッ





    ハンジ「(ぁ~あ・・・夢とはいえ・・
       とっても良い所だったのにな。)」





     まあ、それが例え夢の中であっても
     …普段見られないキミの姿を見られた。



     普段知ることの出来ないキミを知れた。



     それだけで・・・良しとしようか。




    ハンジ「(今日は・・・夢の中のエレンや
       あの子を手本にして少し
       お団子っぽく纏めてみようかな)」
       グイッ・・・



     そんな事を考えつつ、そうするには
     若干足りないかもしれない後ろ髪を
     掴みながら・・・

     此方をさり気なく横目で注視する彼に
     向かってこう言った








    ハンジ「髪型だけでも良いから・・・
      もっとそれ伸ばしてさ。

      またいつかキミのお団子姿を
      私やミカサに見せて欲しいな・・・?

      きっと似合うハズだ^^」






    エレン「    」





     その表情でもって―――私の見た夢が
     私だけのモノでなかった事実を、
     彼は間違いなく私に伝えていた。





















    ――・・・to be continued ?




  95. 130 : : 2016/03/27(日) 15:48:14
    お疲れ様。

    続きも期待してます。

    ピクシス指令のところのシーンに笑ってしまったwww
  96. 131 : : 2016/03/27(日) 21:27:42
    執筆お疲れ様でした。
    最後のピクシス司令は反則ですよ笑
    今回も楽しませて頂きました。
  97. 132 : : 2016/03/27(日) 23:00:55
    ピクシス怖いです!^_^;
  98. 133 : : 2016/03/29(火) 05:06:32
    なかなかええやん
  99. 134 : : 2016/03/29(火) 05:14:24
    ~あとがきてきななにか~



    ・・はい,というわけで、時間の都合で
    今ようやくあとがきてきなものを書く時間を
    確保できたのでありがたきレスへのお返事もかねて
    やってきた次第であります|д゚)

    いやぁ…豪雨と雹の影響で週初め早々散々です
    (´・ω・`)SS的な物を書きたいだけでなく
    お絵かきもしたいし、ゲームもしたいし
    部屋の片づけや庭の畑の手入れもしなければ
    ならないし、そのほ(以下略

    ともかくわずかな時間を見つけてのハン×エレでした。
    すでに星の数ほどやりつくされていそうな
    性転換ネタや退行ネタ、それから夢オチネタなど
    とにかく一度やってみたかったコテコテなもの達を
    一緒くたにしてみました。

    タイトルはやはり
    某林檎さんの楽曲名の一つから。

    ・・結果、レスを頂けた方のお言葉を鑑みるに
    すべてピクシス指令が持って行ってしまったようです。
    ・・・・どうでもいいですけど、あの人、モデルになった人と
    顔似すぎですよね。(;´Д`)

    エレンの性転換、それが反映された巨人化、
    巨乳等の要素で,万一それを知っている
    方ならピンと来るかもしれませんが、
    某サークルさんの♀エレン本が話のモチーフに
    なっています。、、無論無断借用に当たらぬよう
    殆ど内容は関係ない感じで書いていますが。
    作者さんの公式で描かれて以来、一部で
    かなり♀エレンは見るようになりましたが、
    やはりあのサークルさんの♀エレンは可愛いです。


    >>直方正典 さん

    ご感想、ありがとうございます。
    この二人のお話は私の趣味を今の形に落ち着かせる
    きっかけとなった話でもあり、ほかにあまり見る機会のない
    組み合わせでもありますので、できるだけ気長に
    楽しく書けたらなって思ってます('ω')



    >>カンツォッティさん

    似たようなことを何度も言ってしまって
    申し訳ありませんが(;'∀')
    私の書くようなものでたとえほんの僅かでも
    ”楽しい”などと感じてもらえるというのなら,
    こんなに有り難いことはありません。
    私にとってはこの趣味を今も続けられるきっかけとなっている
    貴方が今でも私のこんなどうしようもない物を
    見て下さっているというその事実だけでご褒美です|д゚)


    >>山びこ さん

    度重なるレス、ありがとうございました<m(__)m>

    ・・やはり指令はやり過ぎましたか(; ・`д・´)
    ・・・・でも、実際自分の口の中めがけて
    執拗に飛び込んで来ようとする小さいおっさんが
    あたりをビュンビュン飛び回ってたらかなり怖いと思います。
    ええ。

    >>133 名無しさん

    ありがたきレス、ありがとうございます!
    人に好印象を持ってもらえる話などを、私が狙って書くのは
    もはや不可能に近いので、私が好き勝手に書きなぐった話を
    閲覧者さんがそう感じてくれるのは言い表しようのない
    幸せです。

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ne5716

夢馬

@ne5716

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