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チノ「もう友達じゃないです」

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  1. 1 : : 2016/02/25(木) 01:09:05
    たけまんです!
    百合豚ブヒブヒたけまんです。
    ブヒブヒします。
    ちまちま更新していけたらなーと思っております。
  2. 2 : : 2016/02/25(木) 01:19:13
    チノ「もうココアさんとは友達じゃないです!」




    そんな言葉を言われたのは何日前だったっけ?


    あんなに怒ってるチノちゃんを見るの初めてで、私怖くなって謝れなくって…


    そのまま散々無視されて…何日経ったっけ?



    ココア「…」


    リゼ「おいココア…いい加減謝ったらどうだ?」


    ココア「うん…」


    リゼ「いや、ココアだけが悪いとも思えないんだけどな…ほら……な?」


    ココア「うん…」



    リゼ「…話聞いてるか?」


    ココア「うん…」


    リゼ「…」


    ココア「うん…」


    リゼ「コーヒー飲むか?」


    ココア「……うん」


    リゼ「分かった、ちょっと待ってろ」


    ココア「ありがと、リゼちゃん」




    今日もチノちゃんと話す事ができないまま、家に居るのも気まずくなって、私は今リゼちゃんの家にお泊まりしています。


    みんなに迷惑かけてばかり…あーあ…



    ココア「チノちゃん…」



    謝るのって、こんなに難しかったっけ?
  3. 3 : : 2016/02/25(木) 01:21:13
    早速続きが楽しみです…!期待です
  4. 4 : : 2016/02/25(木) 01:33:14

    〜〜〜〜〜


    チノ「え…?」


    ココア「ごめん、チノちゃん!
    せっかく楽しみにしてくれてたのに!」


    チノ「…」


    ココア「まさか追試になるだなんて思ってなくて…!
    だからまた今度に……」


    チノ「…バカ」


    ココア「へ?」


    チノ「ココアさんのバカ!
    私、明日のためにあんなに準備したのに!
    あんなに楽しみにしてたのに!」


    ココア「ち、チノちゃん…」


    チノ「やっぱりココアさんはどうしようもないです!
    どうしようもなくどうしようもないです!
    何でそんな理由で…っ!」


    ココア「本当に…ごめん…」


    チノ「明日じゃないとダメだったのに…!」


    ココア「え、どうして…」


    チノ「!
    …もういいです」


    ココア「え、いやっ、絶対また今度ーーー」



    チノ「もうココアさんとは友達じゃないです!」



    ココア「…………え?」


    チノ「私、ココアさんと絶交します」


    ココア「え…そんな…」


    チノ「もう話しかけないでよッ!」


    ココア「…!」


    チノ「あ………」


    チノ「…自分の部屋に戻ります」



    〜〜〜〜〜



    どうしてあの日じゃないとダメだったのかな?


    聞いたら教えてくれるかな?


    教えてくれないよね、そうだよね…。



    リゼ「おまたせ…ほら、コーヒー」


    ココア「……ありがと」


    リゼ「熱いからゆっくり飲めよ?」


    ココア「うん…」



    私はコーヒーを一口すすった。


    …………苦い。
  5. 5 : : 2016/02/25(木) 21:58:18

    ココア「…」


    リゼ「なあココア」


    ココア「…なに?」


    リゼ「まだ理由分かってないみたいだな」


    ココア「…うん……」



    理由…あの日じゃないとダメだった理由…




    リゼ「私の意見を言わせてもらうと、その答えはココアが自分で見つけないとダメだと思う」


    ココア「そっか……
    …リゼちゃんはチノちゃんから理由教えてもらったの?」


    リゼ「ココアから話聞いた後、真っ先にチノに聞きに行ったよ」


    ココア「…」


    リゼ「私も聞くまで思い出せなかった…
    というか、聞いてもピンと来なかったかな」


    ココア「…そっか」


    リゼ「焦るな、とは言わないけどさ、早めに謝らないと余計に謝りづらくなるぞ?」


    ココア「分かってるよ…」


    リゼ「…だよな」


    ココア「……最近さ、眠れないんだ」


    リゼ「その上でコーヒーはまずかったな…」


    ココア「ううん、いいの
    …ずっと起きておけばいいだけだし」


    リゼ「それはダメだろ…
    …荒療治すぎるけど睡眠薬とか持ってこようか?」


    ココア「ううん、いい」


    リゼ「まあ体にも良くないしな…」


    ココア「…」


    リゼ「……いっしょに寝ようか」


    ココア「………」


    リゼ「その方が落ち着くだろ?」


    ココア「……………うん」
  6. 6 : : 2016/02/25(木) 23:03:10


    リゼちゃんの子守唄に耳を預けて、私は目を閉じた。


    リゼちゃんが隣にいてくれたからかな?


    段々と意識は沈んでいって、気づけば私は木組みの街にいた。


    隣に見慣れた学校の制服を着たチノちゃんがいて、朝日が照らす街を2人で歩いていくんだ。


    私たちは何かを話してるんだけど、内容は何も分からなくて。


    しばらく歩いてるとマヤちゃんとメグちゃんがこっちに気づいて手を振るの。


    見慣れた学校の制服を着たマヤちゃんとメグちゃんが。


    そしてまた、4人で歩いていくの。


    学校へ。




    チノ「ココアさん…?
    どうしたんですか?」




    そうチノちゃんが言ったの。突然聞こえて。



    どうして?


    って聞こうとして気づくの。





    私、泣いてる。














    ココア「……っ」



    カーテンの隙間から差し込む光。


    久々の眠りに久々の夢…そしていつもと変わらない、足りない朝。


    今日も学校は休んでいる。


    リゼちゃんはもう起きているみたいで、机に朝食と置き手紙だけを残して消えていた。




    『ちょっと用事があるから、ゆっくりくつろいでてくれ。』




    ココア「……」



    さっきまで見ていた夢を思い出した。


    本当ならこうなっていたはずの夢を。


    しばらくして喪失感に苛まれて、被っていた布団を抱きしめた。


    少しだけ、ほんの少しだけ暖かかった。


    喪失感は、消えない。
  7. 7 : : 2016/02/28(日) 01:32:04

    ーーーーー
    ーーー
    ーー




    リゼ「おはよう、チノ」


    チノ「リゼさん…どうしたんですか?
    今日はバイトの日じゃなかったですよね?」


    リゼ「バイトの日じゃないと来ちゃダメなのか…?」


    チノ「あ、いえ!そういうわけじゃ…」


    リゼ「…ふふっ、分かってるよ」


    チノ「むー…」


    リゼ「…で、なんで来たかぐらい分かってるだろ?」


    チノ「………はい」


    リゼ「もういい加減許してやれないのか?」


    チノ「分かってます…分かってますけど…」


    リゼ「けど?」


    チノ「私から 絶交する なんて言っちゃったから、言い出せなくて…」


    リゼ「じゃあ、チノはもうココアのこと許してるってことだよな?」


    チノ「それは……」


    リゼ「…」


    チノ「そう言われると…多分私は許せていないです」


    リゼ「そうなのか?」


    チノ「私のワガママだっていうのは分かってます…
    だけど、このワガママだけは突き通したいんです」


    リゼ「チノが怒るのも分かるけど…
    正直度が過ぎてる気がしてならないんだ」


    チノ「だって…ココアさん何にも覚えてないじゃないですか!
    そりゃあ、ココアさんにとってはあの日はどうでも良かったかもしれないですけど…」


    リゼ「きっと他のことに意識がいってただけだって」


    チノ「そうだとしても、私はまだ思い出せていないと思ってます」


    リゼ「…どうして?」


    チノ「思い出してるなら、謝りに来てくれるはずですから」


    リゼ「…そっか」


    チノ「それこそ、リゼさんはココアさんの現状を分かってますよね?」


    リゼ「ああまあ…そうだな
    私の家にいるぐらいだし」


    チノ「ココアさん…元気ですか?」


    リゼ「…」



    リゼ「ああ、元気だ」



    チノ「そうですか…それなら良かったです」


    リゼ「心配しなくても、ココアはちゃんと思い出してくれるって、な?」


    チノ「…はいっ」


    リゼ「…」



    私は嘘をついた。


    あんな衰弱しきったココア、チノには見せられないから。


    その事をチノに伝えて、チノに余計な心配をかけたくなかったって言えば聞こえは良いけど。


    でも違う。


    私はただ、チノにココアの現状を伝えた責任を負いたくなかっただけ。


    私は弱い。


    2人の事情を知っておいて、何もできない。


    ……最年長なのにな。笑えてくる。
  8. 8 : : 2016/03/03(木) 21:06:47
    ーーーーー
    ーーーー
    ーー




    千夜「…はぁ」


    ココアちゃん…今日も学校来なかったな…



    青山「…あら?
    千夜さん…どうかされたんですか?」


    千夜「あっ…私ったらごめんなさい…
    お仕事中にため息なんて…」


    青山「人間ですもの、感情のコントロールが効かない日があっても不思議じゃありません」


    千夜「でも…」


    青山「普段あまり落ち込んだ様子を見ないものですから、珍しいと感じてしまいまして…」


    千夜「そう…ですか?」


    青山「はい…
    他にお客さんも来てないですし、迷惑でなければ少しお話しませんか?」


    千夜「……」



    私は口で答えず、青山さんの向かいに座ることで問いに返事をした。


    そしてポツリポツリと話し始める。



    千夜「実はココアちゃんとチノちゃんが喧嘩…じゃなくて…絶交してしまって…」


    青山「まあ!
    それは本当ですか?」


    千夜「はい…
    始業式が始まる数日前の事です…」


    青山「そんな大変な事が…
    …でも、一体どうして?」


    千夜「…追試」


    青山「追試?」


    千夜「私たちの学校、3年生に進級する前にテストを受けさせられるんです…
    ココアちゃん、チノちゃんの入学祝いにはりきっててそのことをすっかり忘れちゃってて…」


    青山「テストの成績がかんばしくなく、ココアさんは追試を受けなければならなくなった…という事ですか?」


    千夜「そうです…
    それで…その追試の日が問題だったんです」


    青山「日付が…?」


    千夜「その日は…ココアちゃんとチノちゃんがお出かけする予定の日だったんです」


    青山「お出かけ…」


    千夜「チノちゃん、その日を心待ちにしてて…
    約束を破られて怒っちゃって…」


    青山「そうですか…」


    千夜「私、あんなに落ち込んでるココアちゃん初めて見て…でもどうすればいいのか分からなくて……」


    青山「…千夜さん、1つお伺いしてもいいですか?」


    千夜「……はい…?」


    青山「どうして、チノさんは怒ったのでしょうか?
    こう言っては何ですが、お出かけなら別の日に行けばいいだけなのに…」


    千夜「…それは、その日がココアちゃんのーーー」



  9. 9 : : 2016/03/09(水) 02:20:23






    ーーーーーーーーーー




    ココア「……チノちゃん」




    もう夕方ぐらいかな?


    何もせずただボーッとしているだけで1日が終わってゆく。


    あれ?私そもそもなんでリゼちゃんの家にいるんだっけ?


    分かんないな分かんないな分かんないな分かんないな分かりたくないだけだけど。



    ココア「…誰か」



    そう呟いた時、もう私の力じゃ永遠に開くことはないってぐらいに長い時間閉ざされてた部屋のドアが開いた。



    ココア「ち、チノちゃーーー」


    リゼ「チノ?
    ココアお前どうした…?」


    ココア「あっ…リゼちゃ…あ………
    おかえり……なさい」


    リゼ「………ただいま」




    しばらくリゼちゃんとお話した。


    お話…って言っても、リゼちゃんが戦車とかについて熱く語り続けるってだけなんだけど。


    ただ、それでよかった。独りが嫌だった。


    私はリゼちゃんに膝枕をしてもらって、ただリゼちゃんの話を聞き続けた。


    そんな私の心を知ってか知らずか、リゼちゃんは無反応な私にずっと話しかけていた。


    子どもをあやすような目で私を見ながら。


    頭を撫でられている。心地いい。


    このままずっとこうしていたい。


    いや、こうされていたい。


    独りは嫌。
  10. 10 : : 2016/03/28(月) 12:49:32
    続き期待してます!!!
  11. 11 : : 2016/03/30(水) 16:13:54


    ーーーーー



    依然ベッドの中。


    何をするわけでもなく、ただ寝ているだけ。



    ココア「……ねえ、リゼちゃん」



    私を抱きしめ、頭を撫でてくれている人に話しかける。



    リゼ「ん?」


    ココア「私、チノちゃんと話さなくなってからずっとリゼちゃんに甘えっぱなしだね」




    現に今も、こうして甘えてるし。



    リゼ「まあ…そう、なるかな」


    ココア「誰かに甘えるなんてさ、お姉ちゃん失格だよね…」



    その前に私は、チノちゃんの中で人間として落第なのかな。



    リゼ「そんな事ないと思うぞ?
    誰だって誰かに委ねないといけない時はある」



    そう言ってリゼちゃんは、より一層私を抱きしめた。



    ココア「…」


    リゼ「むしろ私はココアが羨ましいよ」


    ココア「どうして…?」


    リゼ「だってさ、甘えることができてるから…
    私は誰かに甘えるなんてできそうにないよ」


    ココア「…」


    リゼ「恥ずかしいんだよ、弱いところを見せるのが」


    ココア「…弱いところ」


    リゼ「弱い自分を受け入れられないっていうか、認められないっていうか…」


    リゼ「弱さを認める『強さ』ってのもあるって私は思ってる
    そういう意味じゃ、私はココアに敵わないよ」


    ココア「…」



    私は無言で顔をリゼちゃんの胸にうずめた。


    そうか、今の私はチノちゃんに弱さを見せてしまっているんだ。


    晒してしまっているんだ。


    だから『お姉ちゃん失格』なんて思ったんだ。


    だって、お姉ちゃんは妹の前では凛としてなきゃいけないから。


    …。


    チノちゃんが今の私を見てどう思ってるかなんて分からないけど、このままの私を晒し続けるのは嫌かな。


    だったら…。



    ココア「ねえ、リゼちゃん」


    リゼ「うん?」




    ココア「高校最後の一年、ずっとここにいてもいい?」


    リゼ「…え?」
  12. 12 : : 2016/03/30(水) 16:22:12

    ココア「もう『rabbit house』には帰れないよ…
    チノちゃんにも、マスターにも、ティッピーにも会う資格があるなんて思えないから」


    リゼ「で、でもだからって…!」


    ココア「なんでもするよ?
    メイドさんでも何でもいい、ここに住まわせて」


    リゼ「……そんな…」



    ココア「ダメ…かな」


    リゼ「いや、ダメってわけじゃない…
    むしろ歓迎してくれると思う…」


    ココア「ほんと?
    なら…」



    リゼ「でも!
    ココアはそれでいいのか!?
    チノとこんな風なままで…!」


    ココア「いいよ、もう」


    リゼ「…は?」


    ココア「私のせいでこんな風になっちゃったんだから、私にチノちゃんと仲直りする資格なんてないもん」


    リゼ「…!」


    ココア「…だから今日、『rabbit house』に私の荷物取りに行くね?」


    リゼ「……」


    リゼ「…わかった」



    やっぱり私は弱いよ。


    こんな死んだ目したココア見てしまっただけで怖くなって、結局2人を仲直りさせることもできない。


    私こそ友達失格だよ。



    リゼ「…クソッ」
  13. 13 : : 2016/03/30(水) 16:44:55


    ーーーーー


    このまま何もできないのが嫌だった。


    でも私じゃ、怖くてココアに何もしてやれない。


    だから甘えた。



    …。



    あれからすぐ、私はマスターに電話をかけた。




    タカヒロ「…そうか」


    リゼ「私が弱いばっかりにマスターを頼ることになって…その…」


    タカヒロ「いいんだよリゼくん、何かしてあげる事が裏目にでるのを恐れてしまうはよく分かるから」


    リゼ「…」


    タカヒロ「だからリゼくんを咎める気はないよ…
    それに、僕にこうして電話をかけてくれている時点で君は『ココアくんに対して何かしてあげられている』じゃないか」


    リゼ「そう…かな…」


    タカヒロ「そうだよ
    …だけどねリゼくん」


    リゼ「…はい」


    タカヒロ「何もしないよりはきっと、何かしてあげた方がいいと僕は思うな
    リゼくんは、ココアくんに対してたくさんの『何か』をしてあげているって気づいてるかい?」


    リゼ「え…?」


    タカヒロ「君は1人でココアくんを受け止めてくれていた、だからこそ危ういバランスではあるけどココアくんは壊れずにいられている」


    リゼ「…」



    タカヒロ「君は委ねられるままでいたかい?
    慰めたり、話しを聞いたり、してあげただろう?」


    リゼ「…はい」


    タカヒロ「それはココアくんのためにリゼくんが行った事であり、ココアくんにとってプラスとなっていた」


    リゼ「…」


    タカヒロ「だから自分を責める事はないよ
    …むしろ褒めるべきだ、よく頑張ったね」


    リゼ「マスター…私……わ、私…」




    タカヒロ「後はお父さんに任せなさい」




    リゼ「…はい」



    その言葉を聞いて、肩の荷が降りた気がした。


    何だろう、解放されたと思った。


    そして私は泣いた。わんわん泣いた。


    自分の弱さとか、そういうのを全部涙に乗せて、そして電話を切った。



    今の私なら、ココアに何かしてあげられる。


    きっと何かできる。


    そう思いながら勢いよく自室のドアを開けた。




    リゼ「ココ……ア…?」




    そこにはもう、ココアはいなかった。
  14. 14 : : 2016/04/04(月) 08:25:07

    ーーーーー


    ココア「…」



    思い立ったが吉日。善は急げ。


    私は適当な理由づけで自分の中に折り合いをつけて『rabbit house』へと向かった。


    夕日がそろそろ顔を引っ込める頃。


    …暗くなる前には戻らなきゃな。


    ……。


    扉の前で今動けなくなっている。


    …単純に、怖い。


    怖いけど…開けなきゃいけないもんね。


    じゃないと、私の荷物手元に置いておけないし。


    開けなきゃ。


    チノちゃんと会うのが怖いけど、開けなきゃ。


    そう決心した時、扉は私の意志とは関係無しに開いた。



    タカヒロ「やあ、ココアくん待ってたよ」


    ココア「あっ…なんで…」


    タカヒロ「ついさっきリゼくんと電話しててね、そろそろ来る頃かなって思ってたんだ」


    ココア「そうですか…リゼちゃんが…」


    タカヒロ「荷物をまとめに来たんだろう?
    何か不自由があれば何なりと言ってくれ」


    ココア「ありがとうございます…
    …あの、チノちゃんは?」


    タカヒロ「今日は何だか体調が良くないみたいでね…今は部屋で眠ってるよ」


    ココア「えっ…!
    チノちゃん熱でもあるんですか!?」


    タカヒロ「大したことじゃないよ、しっかり休めば大丈夫な程度の風邪さ」


    ココア「そう…ですか…」


    タカヒロ「さ、立ち話もなんだし入ろうか」


    ココア「…はい」



    私は扉をくぐった。
  15. 15 : : 2016/04/11(月) 20:02:39
    期待
  16. 16 : : 2016/04/15(金) 10:39:02
    扉を開けると、嗅ぎ慣れたコーヒーの香りが出迎えた。



    タカヒロ「コーヒー、淹れたんだけど」


    ココア「あっ…いただきます…」



    早くリゼちゃんの家に帰りたかったけど、それよりもコーヒーが飲みたかった。


    何だろう、落ち着きたかったのかな?



    ココア「…」



    コーヒーの水面に映る自分の顔を見る。


    久々に見た私の顔はひどくやつれてて、目もどんよりしてて、髪はボサボサで…


    …ああ、こんなんじゃダメだな。


    マイナスの考えを全て吞み込むようにして、コーヒーをひとくち含んだ。



    ココア「あ…特製ブレント」


    タカヒロ「すっかり味を覚えたね、ココアくん」


    ココア「…えへへ、ありがとうございます」



    最初はこのコーヒー、インスタントと間違えたっけ…


    あの時はティッピーをモフモフしたいだけだったな…


    チノちゃん、私のこと変な目で見てたな…


    それで私、チノちゃんのお姉ちゃんになりたくって…


    でも、お姉ちゃんにはなれなくって…


    …友達ですら、いられなくなって。



    タカヒロ「…ココアくん」



    そう言いながらマスターがハンカチを差し出してくる。



    ココア「え?…なんで?」


    タカヒロ「泣いてるからだよ」


    ココア「あっ…」



    言われて気づいた。


    私、泣いてる。



    ココア「あれ、おかしいな…
    涙が止まんないよぉ…あれ…?」


    タカヒロ「…これで拭きなさい」


    ココア「…」



    言われるままにハンカチを受け取り、目の辺りに当てた。


    ハンカチが湿ってゆく。


    涙はまだ、止まらない。
  17. 17 : : 2016/04/24(日) 15:13:47
    めっちゃ続き期待してます!
  18. 18 : : 2016/04/24(日) 17:49:35
    涙も止まって、落ち着いて、コーヒーをまた一口飲んで。


    私は今度こそ、荷造りを始めた。


    『元』私の部屋に向かうために階段を上がろうとした時に



    タカヒロ「さっきも言ったけど、チノは自分の部屋で眠っているよ
    …最後に顔を見てやってくれ」



    なんて言われてしまった。


    チノちゃんの顔なんて見たらまた泣きそうになっちゃうから見に行かない。



    …なんて思いながら、扉の前にたどり着く。


    そして開いた。



    ココア「えっ?」


    シャロ「あらココア、久しぶりね」


    千夜「ココアちゃ…っ!」



    2人が座ってる。



    ココア「あれ?なんで2人が…」



    あ、また幻覚の類かな?



    シャロ「こんなに荷物あるし、1人でやってたら日が暮れちゃうでしょう?
    私たちも手伝ってあげるわ」


    千夜「っ…!
    なんでそんな風になっちゃってるの…?」


    ココア「え?」


    千夜「そんなにやつれて…!
    どうしてそんな風になるまで放っておいたのよ!?」


    シャロ「ちょっ、千夜!」


    千夜「黙ってて!
    今私はココアちゃんとお話してるの!」


    ココア「えっ、ちょっと待」


    千夜「どれだけ心配したと思ってるのよ!
    ここにも来ないし学校にも来ないし!」


    ココア「これ幻覚じゃ…」


    千夜「幻覚!?わけのわからないこと言わないで!
    私たち親友でしょう!?
    どうして今まで何の相談もしてくれなかったの!」


    ココア「え、千夜ちゃん待っ」


    千夜「もう散々待ったわよ!
    ここでも学校でも甘兎庵でも!
    …それともまだ待てって?
    何日も何週間も!まだ待ってって言うの!?」


    ココア「それは…」


    シャロ「……その辺にしときなさい、千夜」


    千夜「でも…!」


    シャロ「いいじゃない、別に」


    千夜「え?」


    シャロ「遠くに行くとか、実家に帰るとか、一生会えなくなるとか、そういうんじゃないでしょ?
    ただ下宿先がリゼ先輩の家になるだけなんだから、何も止める必要ないじゃない」


    千夜「…じゃあこのままでいいって言いたいの?」


    シャロ「ココアの意思を尊重したいってだけ」


    千夜「……そう」


    ココア「あの…えっと…」


    シャロ「時間食っちゃったわね…
    早く片付け始めるわよ」


    ココア「あ、うん…」


    千夜「…」
  19. 19 : : 2016/04/24(日) 18:14:46
    シャロ「そう言えばココア、あんたリゼ先輩に迷惑かけてないわよね?」



    荷造りしながら久々にお話。



    ココア「えーと…それは…」


    シャロ「はぁ!?
    まさかあんた迷惑かけっぱなしってわけ!?」


    ココア「いやぁ…」


    シャロ「全く…
    これから本格的にお世話になるんでしょう?
    そのままでいいわけ?」


    ココア「良くないとは思ってるよ?
    だけど、何もする気が起きなくて…」


    シャロ「それでリゼ先輩に甘えちゃってるの?」


    ココア「っ!」


    シャロ「まあ、別にいいけど
    …ただ、これからはダメよ?
    リゼ先輩にばっかり甘えてちゃ、リゼ先輩への負担がバカみたいになっちゃうじゃない」


    ココア「そうだよね…
    甘えてばっかりじゃリゼちゃんにも悪いよね…」


    シャロ「あーもー!そうじゃなくて!」


    ココア「え?」


    千夜「私たちのことも頼って、ってこと」


    ココア「千夜ちゃん…」


    千夜「そもそもリゼちゃんばっかりズルいわ!
    毎日ココアちゃんと同じベッドで一緒に寝てる、なんて言ってたし!」


    シャロ「そこ?」


    千夜「でも独り占めなんてズルいと思わない?」


    シャロ「〜〜!
    ま、まあ多少は…そう思うかも……」


    千夜「でしょう?
    だからココアちゃん!リゼちゃんの家じゃなくて甘兎庵に来ましょう!」


    ココア「え!?」


    シャロ「そうは言っても空き部屋ないでしょう?」


    千夜「私の部屋にいればいいじゃない!」


    シャロ「リゼ先輩の家の方が圧倒的に快適でしょ!」


    千夜「独り占めは阻止しなきゃ!」


    シャロ「次はあんたが独り占めしようとしてんでしょ!」


    千夜「え?」


    シャロ「とぼけんな!」


    ココア「あ、あの〜」


    シャロ「…ん?」


    ココア「千夜ちゃんの気持ちは嬉しいんだけど、やっぱりリゼちゃんの家に下宿するよ」


    千夜「どうして?」


    ココア「リゼちゃんの家、空き部屋たくさんあるし、執事さんもメイドさんもボディーガードさんもたくさんいるし…」


    千夜「…」


    ココア「甘兎庵に行くより迷惑かからない気がするっていうか…だから…」


    千夜「…ふふっ、分かってる」


    ココア「えっ…?」


    千夜「全く〜、ココアちゃんったら本気にしちゃって〜
    ほんの冗談よ〜?」


    シャロ「ダウト」


    千夜「リゼちゃん独り占めズルい…」


    ココア「ぷっ…!あははははは!」


    千夜「!」


    ココア「もう千夜ちゃん!
    笑っちゃうから!」


    千夜「…よかった」


    ココア「え?」


    シャロ「気づいてないの?
    あんたずっと笑ってなかったのよ?
    リゼ先輩から聞く限りでも、この部屋に入ってきてからも」


    ココア「あっ…」



    確かにそうだ。


    笑ったのいつぶりだっけ。



    千夜「やっぱりココアちゃんは笑顔が一番よ」


    ココア「……えへへ、ありがと」




    久しぶりに2人と話せて、気持ちがすごく軽くなった気がした。


    根っこにはまだチノちゃんのことが残り続けてるけど…。


    でもこれなら、チノちゃんの顔を見ても泣いたりしない…かな。
  20. 20 : : 2016/04/24(日) 21:55:18


    ーーーーー



    シャロ「……よしっ、と」


    ココア「ふぅ…終わったぁ…」


    千夜「何とか暗くなる前には終わらせられたわねぇ…」


    ココア「ありがとう2人とも!
    2人がいなかったらどんなに時間あっても足りなかったよ…」


    千夜「別にいいのよ〜」


    シャロ「……この部屋、ちょっと寂しくなっちゃったわね」


    ココア「仕方ないよ…
    それに、『元に戻った』って言った方が正しいんだし」


    シャロ「…まあ、そうかもしれないけど」


    ココア「よしっ!
    じゃあ私リゼちゃんの家に行くね?」


    千夜「あ、待って!
    家まで一緒に行きましょう?」


    ココア「ううん、大丈夫だよ」


    千夜「え、でも…」


    シャロ「千夜」


    千夜「シャロちゃん…」


    ココア「…ありがと」


    千夜「…暗くないだけで危ないことに変わりはないから、気をつけてね?」


    ココア「ありがと、千夜ちゃん」


    シャロ「これで帰り道に怪我したなんて言ったら許さないわよ?」


    ココア「分かってるよ〜!
    …それじゃあ2人とも、またね」


    シャロ「…うん」


    千夜「ええ、また学校で」


    ココア「えへへ……うんっ」




    そして私は部屋を出た。


    目指すはリゼちゃんの家…じゃなくて。


    チノちゃんの部屋。




    ーーーーー




    千夜「ココアちゃんあんなに元気になって…
    本当に良かった」


    シャロ「そうね…
    まさかあの短時間でここまで元気になるなんて思ってもみなかったけど」


    千夜「…ねえ、シャロちゃん」


    シャロ「うん?」


    千夜「どうしてココアちゃんが部屋に入ってきた時あんなこと言ったの?
    あんなのシャロちゃんの本心じゃないでしょ?」


    シャロ「…ほら、ココアを本当の意味で元気にできるのは…今回だけはチノだけじゃない」


    千夜「親友としては悔しいけど…そうね」


    シャロ「結局さ、今の私たちにできることなんてココアとお喋りすることだけなのよ」


    千夜「…」


    シャロ「だからどうにかなるって願うぐらいしかできない…
    せめてココアのこと、そしてチノのことを信じましょ?」


    千夜「……ええ、そうね」
  21. 21 : : 2016/04/25(月) 00:00:49




    ーーーーー



    ココア「…」



    そっとチノちゃんの部屋の扉を開ける。


    すると、ベッドには寝息を立ててぐっすり眠っているチノちゃんがいた。



    ココア「っ…チノちゃん……」



    やっぱり泣きそうになっちゃう。


    でもダメ。


    お別れに涙はいらないもん。



    ココア「ごめんねチノちゃん…
    こんなのでごめんね…」


    ココア「結局チノちゃんから逃げて、そのままでいようとする弱い私でごめん…」


    ココア「チノちゃんがあんなに怒ってた理由も分からないままでごめんね…」


    ココア「あははっ、ごめんしか出てこないや…」


    チノ「…」


    ココア「?」



    何だろう、机の上に紙がビリビリに破かれて放置されてる…



    ココア「…カレンダー?」



    4月のカレンダーだ。


    でも何でこんなにビリビリに…


    何を思いついたわけでもなく、切れ端を元の形へと並べてゆく。


    するとカレンダーはある程度元の形へと戻った。


    …何だか、パズルみたいだった。



    ココア「ん?」



    1日だけ赤ペンでグルグルと囲われている日があった。


    その日は…私とチノちゃんがお出かけする予定の日だった。


    …そして、私がチノちゃんと友達ですらいられなくなった日。




    ……そして。




    ココア「…そういう事だったんだね」



    やっと理由を見つけた。


    私がチノちゃんにあんなに言われてしまった理由を。


    合点がいった。納得せざるをえなかった。



    ………。



    やっぱり私、最低だよ。
  22. 22 : : 2016/04/25(月) 08:18:03



    ーーーーー


    チノ「…」



    ココアさん、行ってしまいました…


    私が起きてるって分かってくれれば…いや、これも言い訳ですね。


    私は仲直りするチャンスを自分から棒に振った大バカです。


    …今から追いかけて間に合わないかな?


    もう無理なんでしょうか…



    タカヒロ「いいのか、チノ」


    チノ「…!」


    タカヒロ「チノは狸寝入りが上手じゃないからな
    ココアくんの目は誤魔化せても、俺の目は誤魔化せないぞ?」


    チノ「だってもう…ココアさんは行ってしまったし…」


    タカヒロ「本当にそれでいいのか?」


    チノ「っ…!
    だって!私は悪くないもん!」


    タカヒロ「そんな事を聞いてるんじゃない!」


    チノ「!」


    タカヒロ「チノ!
    今お前は人生という長い目で見た最大の損失をしようとしているんだぞ!?」


    チノ「…」


    タカヒロ「ココアくんとこのままでいいのか!?
    それがお前の本心なのか!?」


    チノ「…そんなわけないっ!
    私だってココアさんと仲直りしたいよ!」


    タカヒロ「だったら何故お前から歩み寄ろうとしない!?
    ココアくんが完全に閉ざしてしまったなら、お前から行くしかないだろう!」


    チノ「そうだけど…!」


    タカヒロ「本当は俺だってここまで言うつもりなかったよ…
    まさかここまでこじれるだなんて思ってなかった」


    チノ「…」


    タカヒロ「分かるだろう?
    …お前は分かってくれるだろう?」


    チノ「…」


    タカヒロ「…大切な人を永遠に失うに等しいんだぞ?」


    チノ「…!」


    タカヒロ「いいや、もう2度と会えないわけじゃないもんな…
    たまたま街で見かける日だってあるだろう」


    チノ「…うん」


    タカヒロ「その時…ココアくんを見かけたお前はどういう反応をするんだろうな?
    赤の他人?気づかないふり?」


    チノ「…」


    タカヒロ「ココアくんだって、きっと同じ反応をするんだろうな…
    それを見た周りはどう言ってあげればいいか分からなくなる」


    チノ「…めて」


    タカヒロ「そしてモヤモヤしたまま家に帰って、そのまま寝る…どうだ?」


    チノ「やめてよ!」


    タカヒロ「だったらお前はそのちっぽけなプライドをやめろ!」


    チノ「っ!」


    タカヒロ「チノ…俺が今ここまで怒ってる意味をよく考えてくれ…」


    チノ「…」


    タカヒロ「もちろん、お前とココアくんのためっていうのが一番だ
    だって俺はお前の父親だからな」


    チノ「…他に何かあるの?」


    タカヒロ「…」


    チノ「お父さん…?」





    タカヒロ「…父親っていうのは、娘が1人減るだなんて耐えられないんだよ」



  23. 23 : : 2016/04/25(月) 14:59:39


    待ってるからな、と言ってお父さんは階段を降りて行きました。


    私がこうやってじっとしている間にも、ココアさんはリゼさんの家へと向かってるのかな?


    ココアさんがリゼさんの家に着いた時が、本当の本当におしまいなんでしょうか?


    おしまいになったら、さっきお父さんが言ってたみたいになっちゃうのでしょうか?


    嫌。


    千夜さんの声がここまで聞こえてたから分かったけど、ココアさんは元気じゃなかった。


    リゼさんは多分、私に気を使ってくれてた。


    そんなになるまでってどんなになるまでだろう。


    私が見たことないココアさんを見るのは、少し…いや、すごく怖い。


    痩せこけたココアさんなんて、想像したくない…


    笑顔じゃなくて、目が曇ってるココアさんなんて…


    そんなココアさん見たくない…


    …じゃあ逃げる?


    私もココアさんと同じように、ココアさんから逃げる?


    それでいい?


    …元気じゃないココアさんなんて、見たくないもん。



    でも…もう2度と元気なココアさんを見ることもできなくなる?


    私がここで逃げたら、もうココアさんとおしゃべりするなんて叶わない?


    いや…叶わない。


    私が何とかしないと、もうココアさんは私に目を向けることなんてない。


    ……それは嫌だ。


    ココアさんとずっと一緒にいたいっていう気持ちを、たった1日の怒りで塗りつぶすことなんて…


    そんなことできるわけない。


    私はココアさんに救われた。


    ココアさんがいなかったら、今の私はいない。


    こんなに、みんなに心を開けていない。


    ちっぽけなプライド…。


    違います。そんなんじゃありません。


    ただのワガママです。


    私のちっぽけなワガママで、ココアさんと2度と笑いあうことが出来なくなるなんて




    チノ「絶対に嫌だ」



    だって、ココアさんは私の大切なーーー。
  24. 24 : : 2016/04/25(月) 15:29:40


    ーーーーー


    階段をドタドタと駆け下りる。



    チノ「お父さん!私…!」


    タカヒロ「ああ、行ってらっしゃい」


    千夜「ココアちゃんをよろしくね」


    シャロ「頼んだわよ」


    チノ「皆さん……!
    はいっ!行ってきます!」



    それから一心不乱に木組みの街を走りました。


    頭は空っぽにして、脇目も振らずにリゼさんの家の方向へ。


    きっと、いつもの道だ。


    この道を走っていけばココアさんに会うことができる。



    チノ「はぁっ…はぁっ…!」



    喉がかわく。足が痛い。指先が痺れてきた。


    休みたい。



    チノ「はぁっ…ダメ…!」



    休んだら、ココアさんは家に着いてしまう。


    着いてしまって、玄関をくぐったらもう…!



    チノ「はぁっ…はぁっ……
    …あっ!」



    石につまずき、地面に投げ出された。


    膝を擦りむいた。血が出てる。


    立ち上がらなきゃ…走らなきゃ!



    チノ「はやくしないと!はやくしないとダメなのっ!」



    叫びながら立ち上がる。


    そしてまた走る。



    どうしよう、どんどんリゼさんの家に近づいていく。


    もしかしたらもうーーー。



    チノ「うわあああああ!!!!!」



    その『もしも』を考えて、涙を浮かべてしまう。


    それでも走る。


    サンダルが脱げた。リゼさんの家が見えてきた。


    だけど走る。とにかく。


    可能性にかけて、走る。



    チノ「…!」



    そしてリゼさんの家にたどり着いてしまった。


    …。



    でも、居た。


    間に合った。


    今まさにインターホンに指を伸ばす彼女が居た。



    私はカラカラに乾いた喉を、さらに痛めつけて叫ぶ。


    大きな声で、大好きなその人を呼ぶ。



    チノ「ココアさん!!!」


    ココア「…!」



    もう辺りは暗くなりかけていて、ポツポツと街灯が辺りを照らし始めていた。




    ココア「…チノちゃん?」


    ココアさんが、こっちを向いた。
  25. 25 : : 2016/04/25(月) 21:21:38


    ココア「…どうして?」


    チノ「どうして?
    そんなの決まってるじゃないですか…」


    ココア「私、カレンダー見たよ」


    チノ「…」


    ココア「どうしてあんなにチノちゃんが怒ったのか、よく分かった
    …そして、忘れちゃってる私は最低だなって思ったよ」


    チノ「そう…ですか」


    ココア「こんなのがお姉ちゃんを語るだなんて無理だよ…
    結局何も分からないからってチノちゃんから逃げて、挙句追っかけてきてもらって」


    チノ「それは…」


    ココア「それは?」


    チノ「それは…そうかもしれません」


    ココア「…」


    チノ「私たちにとって大事な日を忘れてたり、怖くなって私から逃げたり…
    本当、しょうがなくどうしようもないココアさんだと思います」


    ココア「あはは、面と向かって言われるとやっぱり傷ついちゃうな…」


    チノ「でも、そもそもこんなことになったのは私のせいです
    …私が日付にこだわったせい」


    ココア「ん?私が追試だったからでしょ?」


    チノ「違います…」


    ココア「だって私が追試なんかにならなきゃなんの問題もなくお出かけできたんだよ?
    こんな事にならなかったんだよ?」


    チノ「違います…!」


    ココア「ここまで悪化しちゃったのは、私がチノちゃんから逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて…って逃げたからだよ?」


    チノ「違います!」


    ココア「だから私が全部悪いよ?
    そんな私はチノちゃんに許してもらう資格なんて無い」


    チノ「なんでそんな事…っ!」


    ココア「だって事実だもん
    …私がチノちゃんと一緒にいたら、チノちゃんいつかまた傷ついちゃう」


    チノ「そんなの分からないじゃないですか!」


    ココア「分かるよ」


    チノ「…え?」


    ココア「私ね、リゼちゃんにもマスターにもシャロちゃんにも千夜ちゃんにも迷惑かけちゃったんだ
    今はこうしてチノちゃんにも迷惑かけてる」


    チノ「…」


    ココア「だからね、これからは誰にも迷惑がかからないような生き方をするの
    そりゃあ、リゼちゃんのお家には多大なご迷惑をおかけすることになるけど…」


    チノ「…」


    ココア「だからもうチノちゃんとはバイバイするの
    …ね?それがお互いのためなんだよ?」


    チノ「…」


    ココア「お姉ちゃんどころか、友達ですらいられない私にはもう…こうするしかないの」


    チノ「…」


    ココア「……じゃあね、チノちゃん」





    チノ「……はい?」




    ココア「え?」
  26. 26 : : 2016/04/25(月) 21:59:55
    チノ「終わりですか?」


    ココア「え?…え?」


    チノ「…なんでそんなに自虐的なんですか?」


    ココア「だってこれが事実…」


    チノ「私の怒りを理不尽だとは思わなかったんですか?」


    ココア「最初は思ったりもしたよ?
    けど、日に日に薄れていった…かな」


    チノ「私もココアさんから逃げてましたよ?
    ココアさんが謝ってくれるって決めつけて、ただそれを待つだけだったんですよ?」


    ココア「…」


    チノ「ねえココアさん?
    どうして全て自分のせいにしようとするんですか?
    そうやってまた逃げるんですか?」


    ココア「あっ…」


    チノ「こんな事言える立場じゃないですけど!
    私は今…こうやってココアさんに歩み寄ろうとしています」


    ココア「…」


    チノ「だからココアさん、逃げないでください…
    これ以上離れないでください…」


    ココア「私は……逃げてなんか!」


    チノ「逃げてます!」


    ココア「っ!」


    チノ「だって、近づこうとしてるはずなのにどんどん遠ざかっていきますよ…?」


    ココア「それは…」


    チノ「どうして逃げるんですか?
    何がここまで遠ざけるんですか?」


    ココア「そ、それは…それは…」


    チノ「私はココアさんがいないと嫌なんです!」


    ココア「…!」


    チノ「ずっとずっと、ココアさんやリゼさん、千夜さんにシャロさん…マヤさん、メグさんも!
    いつまでも変わらずにずっと一緒にいたいんです!」


    チノ「この中から誰が居なくなっても嫌だけど、私は一番ココアさんが居なくなるのが耐えられないんです!
    大好きなんです!ココアさんの事が!」


    ココア「チノ…ちゃん…」


    チノ「私、心のどこかでココアさんは強い人って勘違いしてました…
    今回のことも、ココアさんが謝ってくれたら許そうと思ってたんです…」


    ココア「…」


    チノ「私の方が最低です…
    荒らすだけ荒らして、後処理は全てココアさんに任せて…
    結局わがままばっかりの、ダメな子どもです」


    ココア「…」


    チノ「等身大のココアさんと向き合えてなかったんです…
    だから私も悪いんです…」


    ココア「……」




    チノ「…ごめんなさい」




    ココア「……!」
  27. 27 : : 2016/04/25(月) 22:46:48
    チノ「ココアさん、ごめんなさい
    わがままを言ったこと、どうか許してください」


    ココア「ち、チノちゃん…頭上げよう?ね?」


    チノ「…許してくれるんですか?」


    ココア「許すも何も…だってホントに謝らなきゃいけないのは私の方で…」


    チノ「だから…!
    これはお互いが謝れば済む話なんです!」


    ココア「…」


    チノ「無理矢理すぎましたけど、私は謝りましたよ?」


    ココア「…そう、だね」


    チノ「……謝ってくれないんですね」


    ココア「チノちゃんの言う通りだよ
    …私、怖いの」


    チノ「…」


    ココア「仲直りはもちろんしたいよ?
    けど、こうやってまたチノちゃんのこと傷つけちゃったらって考えると…
    私が耐えられないの…チノちゃんのこともう傷つけたくないの…」


    チノ「…」


    ココア「そう考えたら、怖くなるの
    だから謝ことができない…
    …あはは、弱いよね」


    チノ「…」


    ココア「傷つけるぐらいなら、もうお話できないほうがまだ私は救われる…かな」


    チノ「それだと私が傷つきます」


    ココア「…」


    チノ「さっきも言ったじゃないですか!
    ココアさんと2度とおしゃべりできないだなんて耐えられないんです!
    なんでそういう風な考えをするんですか!?
    私の気持ちを少し考えれば分かるでしょう!?」


    ココア「それはそうだけど…」


    チノ「だからココアさんはしょうがなくてどうしようもないんです!
    こんなに大好きって伝えてるのに!
    なんでまだ逃げようとするんですか!?」


    ココア「…」


    チノ「ココアさん…
    お願いだから…そんな事言わないで…!」


    ココア「…」


    チノ「あなたは私にとって…かけがえのない家族なんです…!
    だから行かないで!
    妹のわがままぐらい聞いてよ!」


    ココア「…え」


    チノ「だってあなたは…
    ココアさんは私の大切な…!」











  28. 28 : : 2016/04/25(月) 23:19:53









    ーーーーー






    シャロ「で、今日のパーティーって何なのこれ?」


    千夜「ほら、2人がお出かけしようとしてた日の仕切り直しよ?」


    シャロ「最初からみんなで祝えばよかったのに…」


    リゼ「まあまあ、そう怒るなって…
    結局、独り占めしたかったってだけだろ」


    千夜「まあ!チノちゃんも!?」


    リゼ「『も』ってなんだよ…」


    シャロ「リゼ先輩は気にしなくて大丈夫ですよー!」


    リゼ「え?お、おう…」


    タカヒロ「すまないな、みんな
    娘のわがままにここまで付き合わせて」


    リゼ「あ、マスター!
    いや、いいんです…楽しいですし」


    シャロ「振り回されるのは慣れっこっていうか…」


    リゼ「ま、今日はチノと千夜が入れ替わってるけどな」


    千夜「?」


    シャロ「全く…
    それで?今日の主役はお寝坊かしら?」


    リゼ「うーん、どうだろ?
    ちょっと見てこようかな」


    タカヒロ「ああ、大丈夫
    チノが起こしに行ってるから」


    リゼ「そうですか…
    …って、やっぱり寝てるし」


    シャロ「私たちは早起きして色々準備したってのに…」


    千夜「まあまあ、どうせ私たちもここに並んでるお料理頂くでしょう?
    それに主役は…ね?」


    シャロ「…確かに、主役に手伝ってもらうのは野暮よね」


    千夜「でも良かったわね〜
    チノちゃんとココアちゃん、またお友達に戻れて」


    リゼ「ああ、それチノの前では禁句な」


    シャロ「どうしてですか?」


    リゼ「それを言うとな、あいつドヤ顔するんだよ」


    千夜「ドヤ顔?」


    リゼ「そして言うんだ…
    『友達じゃありませんっ!』って」


    シャロ「え?」


    リゼ「まあまあ、続きがあってな…
    『私たちはーーー』」














  29. 29 : : 2016/04/25(月) 23:23:02



    チノ「起きてください!
    みんなもう来てますよ!」


    ココア「すぅ…すぅ…」


    チノ「『ココアちゃん木組みの街に来て3年目おめでとうパーティー』始まっちゃいますよ!」


    ココア「っ…う〜ん…」


    チノ「もう…!
    ねぼすけ!バカ!バーカ!もう知らないです!」


    ココア「…んぁっ、待ってぇ…」


    チノ「やっと起きましたか…」


    ココア「えへへへへ、おはよう…チノちゃん」


    チノ「おはようございます」








    チノ「お姉ちゃん!」












  30. 30 : : 2016/04/25(月) 23:23:14




    おわり
  31. 31 : : 2016/04/25(月) 23:25:57
    終わりました!
    なんか途中迷走しまくりました!

    返事はしませんでしたが、期待コメ、本当に励みになりました!
    皆さんありがとうございました!

    迷走したまま着地しちゃって、あまり納得はいっていませんが…まあ、終わりです

    ここまで読んでくださった方々、こんな作品を読んでくださいまして本当にありがとうございました!


    ではまたいつか!
  32. 32 : : 2016/04/26(火) 00:47:40
    お疲れ様でした。
  33. 33 : : 2016/05/13(金) 20:27:30
    お疲れ様でした。
  34. 34 : : 2016/08/31(水) 23:34:27
    結局、チノちゃんはドヤ顔で、私たちは姉妹ですって言うの?
    恋人とか夫婦とかップルじゃなくて?
  35. 35 : : 2016/09/01(木) 02:04:39
    >>34
    題材にしたのはあくまで『姉妹愛』ですので
  36. 36 : : 2017/03/15(水) 21:12:04
    あらやだ素敵
  37. 37 : : 2020/10/26(月) 23:05:13
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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donguri

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