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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

サシャ「アルミン、私...  (下)

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  1. 1 : : 2015/09/06(日) 04:46:54



    ・・・・・初めての試みですが、文字数の事も考えてみた
    まさかの前後ぶった切りで、





    〝サシャ「アルミン、私...  (上)„  の続きとなります。

    URL⇒ http://www.ssnote.net/archives/38544



    アルミン×サシャ です。



    そもそも私の書き散らしている
    何だかよく分からないこれらに関しましては・・すでに
    こんなものでは済まないくらい無駄に長文なものはもっと
    あるのですが、人が減って来た昨今にしては、
    そして私の書くような訳の分からないこれらにしては
    この短期間で500もの破格のカウントが出ていますので
    スクロールの重さという観点からも半分辺りで割って見ました。
    (これが本当に半分で済めばいいのですが;)



    細かい注意点などは上記URLのリンク先
    冒頭を参照ください。
  2. 2 : : 2015/09/08(火) 00:55:43


























    ギッ・・・・ガッ・・チャ・・・・






    アルミン「さ、サシャ~・・・・?
      ゴメン、折角ユミル達にあそこまで
      気を回してもらったのに遅く
      なっちゃ・・・・って・・・・」ピタッ・・




    ―――・・・―---・・・・






     部屋に足を踏み入れた僕の耳に不意に
     届く静かな音・・・・





    サシャ「フシュルル・・・・...zssss...」




     そこには自らのベッドで寝息を立てて
     横たわるサシャの姿が。





    アルミン「ありゃ・・・・;」




     これは残念。こんな事ならもっと
     早くに帰ってくれば・・・・・


     と、思ったのは最初の一瞬だけだった。




    アルミン「っ・・・・、、、、」バフン...
       ギシッ・・・



     僕は彼女のベッドに腰掛けると、
     直ぐ真横で思ったよりもずっと綺麗な
     顔で寝息を立てているサシャを見た。




    サシャ「フシューーーー・・・・」





    アルミン「(もっとだらしなく口をあけて 
       涎とか垂らしてる姿を想像して
       たんだけど・・・・)」マジマジ・・




     無意識下で惰眠を貪るサシャを近くで
     眺めていられるというのも・・・・
     これはこれで悪くない。






    アルミン「(熱のほうはどうかな・・・)」ススッ・・・




     昨晩まで少々熱っぽかった彼女の
     額をもう一度確認する僕。




    アルミン「・・・・・うん、これならまあ・・」
       スッ・・・・



     クリスタの話ではそもそもサシャ自身、
     普段から平熱が高めとの話だけど、
     今、掌で触ってみた感じでは、
     汗こそかいているけど昨日よりも
     熱は下がっているみたいだ・・・・




    アルミン「・・・・・・」




     僕は眼下で静かに寝息をたてる
     サシャへの静観を続ける。

     彼女の寝相は仰向けでもうつ伏せでも
     なく、側面に背中を丸め、
     若干うずくまる様にして寝ている・・・

     ・・・・のだが・・・・




    アルミン「(・・・・あれ、そういえば・・・)」



     女子では長い髪を訓練時に邪魔に
     ならない様結っておく人の方が
     多数派だし、サシャもその例に漏れず
     既にポニーテールが板についている
     訳だけど・・・・




    アルミン「(寝る時もそのままなんだ・・
       サシャは。)」


     


     まあ、言われてみればサシャの様な
     性格なら縛ったままで寝て癖がついて
     しまうとか・・その辺の細かい事は
     あまり気にしないのかもしれない。








    サシャ「ムフー・・・・....スゥゥ・・・・・」




    アルミン「・・・・・・」スッ・・・・サラッ・・・



     特に何をしようと言う訳でも無しに
     サシャの首筋から背中にかけてを
     撫で下ろす。


     ポニーテールに持ち上げられている部分、
     うなじの髪の生え際からその手に
     伝わるサシャの体温を感じ取る。



     部屋の中は当然ランプも消灯した後で
     真っ暗な為、今ほんの僅かな視覚の
     頼りになっているのは窓枠から微かに
     入り込む月光の反射光くらいの物だ。

     ・・・なので、こうした状況では
     目で注意深く観察するよりこの手で
     触れていたほうがもっとサシャを
     近く、大きく感じる事ができる。



  3. 3 : : 2015/09/08(火) 00:57:27






     ・・・・うん、やっぱりサシャは
     普段から体があったかいみたいだ。
     熱が下がったであろう今でもその
     体温は僕自身と比べて高めである。

     
     そのまま指先でサシャの肩を滑らせて
     背中に手のひらを置く所まで来た
     僕は・・・やはりそこで指先と視線を
     停止させる。




    アルミン「・・・・・・。、、」




     違和感。



     ――背中の中心、つまり人体の
     構造で言えば丁度今この時も脈動を
     続けているサシャの心臓の真裏に
     位置するところで、僕の触覚が感じた
     違和感・・・・それは





    アルミン「(明らかに・・・寝息のリズムと
       脈拍のリズムが合ってない(察))」
       thinking...



     心臓の跳ね方を感じ取る分には
     この躍動分の吐息を全て鼻から
     出そうとすれば間違いなく
     その鼻腔からは更なる強風が
     巻き起こるはず。しかし・・


     実際サシャの寝息自体は非常に
     穏やかで、しかもサシャの背中を
     更に注意深く掌で探ってみると・・




    アルミン「(・・・背中に結構な力が入ってるな
       ・・・まったくリラックスしている
       感じではない・・・・つまり)」
       ススッ・・・



     僕はサシャの耳に掛かっている髪を
     指で退けてその頬を撫でるのと同時に
     サシャの感覚でも直ぐにその様な
     状況が迫っていると分かる様に
     半開きにした唇をサシャの顔の正面へ
     近づける.....



    アルミン「・・・・・・」

    サシャ「――――」




     ―――瞬間。サシャの寝息がほんの一瞬。
     一瞬ではあるが排出の途中で
     不自然に止んだ。 


     ・・・・・・

     ・・・・やっぱりか・・・・。



     僕は一旦口を閉じ、今度は顔の
     移動をサシャに悟られない位の速さで
     彼女の側頭部へと近づけると





    アルミン「・・・・フッ=3」





     その寝耳に一思いに息を吹き込んだ。




    サシャ「ッッッイヒィっっっ!!!??!?!」
        ビグンッ!!!!!!




     直後、覚醒直後とは思えないほど
     威勢の良い飛び起き方を見せるサシャ。


     ・・・言わなくても分かると思うけど
     絶対に真似してはいけない事なので
     居眠りしている友達などには
     やらないように。





    サシャ「ナッ・・・なな;;
       何をしてくれるのですか
       アルミィィん・・・・!!!;
       (バクバクバクバクバク・・・・・)

       私の聴覚をご存知でしょう?!;
       今ので確実に私の命日が
       早まりましたよ!!!!(涙)」
       ミッカ クライ!!;;;





     やっぱり・・道理で寝顔が綺麗すぎると
     思ったんだ。それに普段から
     鼻呼吸を心掛けて居ても
     大体の人は睡眠中には不覚にも口で
     呼吸をしてしまいがちだ。




     きっとサシャの常人離れした
     三半規管にとって今の風鳴りは・・・・
     突然寝床の真横で大砲を
     撃発されるのと同じくらいの
     衝撃が襲い来る感じだったのだろう。

  4. 4 : : 2015/09/08(火) 01:00:13





    アルミン「(苦笑)・・・ゴメンよw;余計に
       脅かすつもりはなかったんだけど。

       ・・・でもサシャ、狸寝入りで
       僕が何かするまで待ってる
       君も悪いってw」ゴメンゴメン





    サシャ「フムゥ・・・;(訝)・・・私は・・・

       私が物言わぬ状況でじっと
       していたらば、果たして
       アルミンがどのように私を
       愛でて下さるのか・・それが
       気になったからこうして
       いたのですが・・・・」ブツブツ・・・





    アルミン「そうかい?それは・・・
       悪い事しちゃったなぁ・・・」





    サシャ「あなた、あんまり悪いと思って
       居ないでしょう…?アルミン」ムスン





    アルミン「うん、実はそんなにはね」




    サシャ「マッ・・・!///;(カァァァ・・!!!)

        あ、あのですね!!私はわりと
        本気でアルミンの出方とか、
        趣向とか・・そういう面にも
        興味があって・・それで・・///

        こんな!!!///」ワナワナ・・!





    アルミン「あのね、サシャ・・?」グッ


       コツン


    サシャ「んっ;」オズオズ・・





     隣に腰掛けたままこちらに対して
     猛抗議をかけてくるサシャに顔を
     近づけて額を合わせ、零距離で視線を
     外さず語りかける僕。


     この姿勢で話しかける意図としては・・
     僕自身もサシャの目から自身の視線を
     逸らしようのない状況を自ら作る事で


     どれだけ心の芯からそう思っているか
     ・・・それを明確に伝える目的がある。


     思った通り、少しは僕の誠意を
     感じ取って引け気味になる心境が・・
     揺れ動くサシャの瞳から読み取れる。






    アルミン「もし仮に僕が君の寝たふりに
      気がついてなかったとしようよ」





    サシャ「はぁ・・・・?;」




    アルミン「君の意識はすっかり夢の世界に
       旅発ってしまっているのに・・・

       そんな状況で僕だけがサシャの
       身体に触れて何かしらの充足感を
       得たって・・・そんなの僕一人の
       愉しみにしかならないだろ?」




    サシャ「・・・・??・・・??(困)」ンンンン・・;???




     彼女に一切悪気がないのは分かる。


     しかし、本当に僕の言いたい事を
     理解するのが難しい、といった感じに
     その小首を捻じ曲げるサシャ。


     そんな彼女を見ている今も・・・
     やっぱり僕にとっては心が綻ぶ
     安らぎに満ちた時間だ。



     何をしていてもサシャは可愛い。


     ・・・クリスタとは別の系統の可愛さだ。





    アルミン「分かりやすく言うと・・・

      僕はね、“君を感じている僕を
      君にも見てもらいたい”んだ。

      君が本当に寝てしまっているのに
      僕だけサシャを楽しんでたら、
      ・・・目が覚めた時、君はどう思う?」




    サシャ「そッ・・・それはズルいですね!!;
       私もアルミンと一緒にそういった
       楽しみを享受したいに決まって・・・
       ハッ・・・・・




    アルミン「・・・・そういうこと///。。」グッ




     それだけ言うと僕は・・
     彼女と合わせた額をそのままに
     瞼を深く閉ざす。





    サシャ「・・・・・・///」




     当然目を閉じて居るので
     サシャの顔も見えないけれど・・・
     開かなくても手に取るように分かる。

     ・・・サシャも今の僕と全く同じ顔を
     しているという事くらいは。



  5. 5 : : 2015/09/08(火) 01:03:10





    アルミン「...3週間だよ。」






    サシャ「ええ・・・3週間ですね///」





    アルミン「自分でもよく耐えられたな・・・って
      そう思ってる。いっそ全てバレても
      良いから、ハンナやフランツみたいに
      人目を気にせずこうして君の手を
      取りに行けたら・・・・って」
      グッ・・・・



     隣り合ったサシャの右手と僕の左手が
     互いの指を絡めあってしっかりと
     握り合う。




    サシャ「・・・・奇遇ですね・・・・・・


       私も・・・
       アルミンと同じ気持ちでしたよ///
       ・・・あの二人はズルイんです・・・;

       入団当初から仲良かったから
       誰も二人がベッタリとしていても
       不審には思いませんし・・・・」
       ゼッタイカゲデナニカ ヤッテマスヨ!!!///





    アルミン「し・・・仕方ないよ・・・;
       それにずるいとかっていうのは・・
       少し違う気がする;w」
       イイヤ、ゼッタイヤッテナイヨ・・w;





    サシャ「あ、そうそう・・・そうです
       思い出しました・・・」ゴソゴソ・・・





    アルミン「・・・・・?」




     サシャが何やら僕と繋いでいない方の
     手で布団の枕付近を(まさぐ)る。





    サシャ「ジャンじゃジャ~ん♪」スポッ




    アルミン「あ・・・・そういえばそれ・・」




     サシャが枕カバーから引き出した
     その手に握っていたのは二枚の干肉、
     そして有事の際に支給される
     非常食も兼ねた、固形食だった。


     今は手元が暗いのでそこまで気にも
     留まらないけれど。


     そのビジュアルも味も、匂いも
     食感も。全てが味気無い、
     パサパサの油粘土の様なコレが・・・

     僕らの食欲をポジティブな方向へ
     持っていってくれる事はあまり無い。





    サシャ「さっき水を汲みに行く
       ついでに・・・アニの所まで
       分けて貰いに行ってたんです。

       ・・・・アルミン、私の身体を
       拭いてくれるのにつきっきりで
       結局今晩のご飯・・・食べてなかった
       ですよね・・・?///」タベテクダサイ♪




     そうだ・・そういえば昨晩の事が
     あったので食中毒の蔓延を防ぐため、

     当然普段通りの献立が振舞われる事は
     無く、昨日同様に干し肉と固形食が
     配られたという訳だ。


     ・・・・しかし、僕は元々サシャほど
     何か胃に入れておかないと正気を
     保てないと言うほど食に対しての
     執着はないし(とはいってもやはり
     日々の過酷な訓練を考えると
     食事抜きはかなり厳しいけど)。

     ・・それにどうせ明日は調整日で
     今日は一刻も早くサシャの顔を
     見に来たかった。その一心で
     あの好タイムを叩き出したのだから、
     

     無論、そんな事に気が行く筈も無い。
     



    アルミン「ありがとう...それじゃありがたく
      頂こうかな・・・っと、さすがに
      灯りくらいつけようか・・・」




    ~ランプ着火~




     さっきの今まで、互いの息遣いと
     触れ合うその手の感覚だけから
     感じとっていたサシャの姿が・・・
     
     軟らかい火の光に照らし出されて
     露になる。




    アルミン「あ・・・・・///!」



     サシャのその服装を見て思わず
     固まってしまう僕。


     僕としたことが。先ほど背筋の
     ラインに触れる時、その衣服の
     露出具合にも気が行く機会が
     あったって言うのに・・・・



     サシャ自身を感じ取る事に夢中で
     全くその服装の全様に感づく事が
     できなかった。



     ・・・言わずもがな、サシャがその身に
     纏っていたのは・・・僕とユミルの
     不在時に着替えたのか・・・・僕にとって
     最も思い出深い彼女の余所行き(ディアンドル)姿だった。



  6. 6 : : 2015/09/08(火) 01:06:13






    サシャ「・・・・フフン//アルミンはこれが
       お好きなんですよね ♥」





    アルミン「ああ・・・・うん!凄くイイよやっぱり。。

      君のその姿を見てると、どんなに辛い
      訓練の疲れも一瞬で消し飛ぶようだ」
      ホゥ...///




    サシャ「・・・・(苦笑);まったく、
       変わってますよ・・・アルミンは・・
       本当に・・・wあの頃は私も

       “あの二人”の心境が今一
       自分の感覚と当てはめて理解
       する事が出来ませんでしたが・・・」





     きっと今サシャが言っている
     “あの二人”というのは・・・

     話の流れから察するに、自らと
     身体的な接触を交換条件に干し肉の
     譲渡の恩恵を与えてくれていた・・・・

     ミリウスとサムエルの二人の事だと
     予想される。



     その時点では自らの半身に触れる事で
     各々局部を大きくしながら息を荒げる
     男子達の心境を理解し難い様子の
     彼女だったが・・・・





    サシャ「私が何でもお願い事を叶えますと
       詰め寄っているのに、

       そういった気持良くなれそうな
       条件を求める事もせず、
       ただ服を着て見せてくれ・・・・

       ・・・ですからね・・ホント・・・
       アルミンてば変わった性格を
       してると思います///;」




     僕と一線を越えることになったあの
     夜に、自らの感覚においても
     男子の自慰すら上回る快楽と噂される
     ソレを覚えた彼女には・・・・

     今ではそれが相応におかしな
     要求であったと認識できる様に
     なったらしい。




    アルミン「それ程君のその姿が魅力的
      だったって事さ。

      ここだけの話・・・クリスタ一筋の“あの”
      ライナーですら、君のその姿を見て
      一瞬求婚する自分の姿が
      頭を過ぎったらしいからね(笑)」
      モグモグ・・・





    サシャ「え、えっw;それって
       アレですか!!!?ライナーが
       私のこの格好を見て求婚を
       考えたって事ですか!!?;; 」






    アルミン「っていう話だよwまあ、
       ほんの一瞬だけだったらしいけど」
       ボロッ・・ モソ...





    サシャ「ははぁ・・//道理で時折
       調理中に熱い視線を感じた
       訳です・・・私はてっきり調理中の
       お肉を必要以上に横取りされるの
       ではと、常に気を張り巡らせて
       いるようでしたよ・・・・;」












    アルミン「そういえばライナーとコニーだったよね。
       一緒にあの大猪の肉を君と
       調理場で焼いたのは。」






    サシャ「ええ、そうですそうです。

       あれほど豪快に、それも
       大手を振るってつまみ食いを
       行えたのは初めてでしたから・・
       
       あの日のあの肉の味は
       忘れませんとも・・・ぇえ//」
       ジュルリ・・・ 




     よかった。食欲が無いって
     話だったけど、こういった過去の
     話を想像して涎を流せるくらいの
     元気は相応にあるようだ。




    アルミン「へぇ・・・・・。でもさ、
       あの肉は・・事実サシャが仕留めた
       獲物から剥ぎ取ったものなんだし
       別につまみ食いって判定には
       ならないんじゃないの?」
       ゴクッ・・・



    サシャ「・・・私の故郷でもおそらく
       昔ながらの考え方でいけば当然
       そういうことになると
       思うのですが・・・その辺は
       知っての通りです。

       アルミンの方がそういった
       都の事情には詳しいと
       思いますがね。

       都会の考え方では狩ったもんの
       総取り・・・とは行かないものです。

       前にも言った通り、
       人類皆兄弟なんですよ。。」




    アルミン「サシャは本当に立派だと思うよ・・。

      僕だったら古くから教えられてきた
      事を周囲の都合で無理矢理
      捻じ曲げられてしまうような事が
      あったら・・・ちょっと考えちゃうな」
      ムグムグ・・・ ギチ・・・




  7. 7 : : 2015/09/08(火) 01:09:23


    サシャ「私もです。結局おと...(ゲフン!)
       父に仕方の無い事なんだと
       何度も何度も言い聞かされて

       ようやっと渋々ながらに
       受け入れられた様なもの
       でしたから・・・。その教育が
       なければ、私が仕留めた獲物を
       第三者に掻っ攫われるなんて・・・

       そんなことになったら恐らく
       幼少期の私なら・・・

       そんな無法者には一切の躊躇無く
       矢を放って居たかも知れません。」




    アルミン「^^;」







     しかし・・・・




    アルミン「猪の肉かぁ・・・・僕も少しでいいから
      食べてみたかったな・・・・」モグムシャ




    サシャ「・・・・何を言ってるんです??
       アルミン・・・?」




    アルミン「・・・・んむ?」ムグムグ





     ・・・・まさか?






    サシャ「今あなたがその手に
       掴んで半分噛み千切って・・・

       お口の中でよく咀嚼されて
       いるのが何を隠そう・・・

       その大猪の肩の辺りの
       お肉ですよ??」





    アルミン「ゴクッ. . ...ンえっ!!?!?」
       ホントニ!?







    サシャ「私がそんなウソをアルミンに
       つくと思いますか><;」





     まあ、それは最もな意見だな・・・


     しかしこれは驚いた・・・・
     

     何に驚いたって・・・・




    アルミン「これ・・・すっごくクセもなくて
       美味しいよ・・・・?おまけに
       兵団で配られてる牛を潰した
       干し肉と比べて・・・凄く軟らかくて
       口あたりもいい。」



     サシャとのお喋りが楽しすぎて
     手元の干し肉に対する違和感が直ぐに
     出てこなかったけれど。

     意識して味わってみればこれは・・・




    アルミン「うん・・・普段の干し肉とは
       全然違う・・・・・」ンマイ





    サシャ「まだそれでも香草の内片方の
       臭み消ししか使ってないんです。

       肉が柔らかいのは・・・私の
       乾燥と燻し加減のなせる業デスよ」
       エッヘン♪




    アルミン「これは・・・本当に美味しい。
      大変なご馳走だ…有難うね、サシャ?」





    サシャ「いえいえ、どういたしまして・・
       ・・・というかですね・・・

       私達二人、命がけで山まで取りに
       いった香草のお陰でその味が
       出来上がったのですから。

       それくらい当然の分け前ですよ。
       寧ろこの干し肉は私とアルミン
       だけの財産です///」ムフフン




  8. 8 : : 2015/09/08(火) 01:11:26





    アルミン「・・・しかしあの時は生きた心地
       しなかったよ・・・;

       兵団3年間で何度も
       “あ、これ僕死んじゃうかな”
       って思う事はあったけれど・・・

       あれだけ直接的な死の香りを
       嗅がされたのはあの時が初めて
       だった気がするよ」



     そう・・・僕はエレンやミカサと違って
     シガンシナで直接巨人を見た訳では
     無いから・・・・




    サシャ「・・・・今だから言いますけど。
       アルミン・・?あの時実は・・・

       私自身はともかく、あなただけなら

       ・・・私、確実に助けられる自信が
       あったんですよ・・・・?」




     ギュッ・・・




    アルミン「・・・・・・?え・・・?」





     そう言うと、先ほどまで
     握り合っていたその手に篭る力が
     強まる。同時にサシャの汗腺から
     染み出す汗が、僕の指に熱を与え・・


     あの時サシャが単身その胸に掲げた
     覚悟を物語る。





    サシャ「それは精神論とか根性論とか・・
       気持ちの問題だけでなく・・・
     
       ちゃんとした根拠があっての
       事です。あの時私が背負っていた
       矢筒にはですね・・・試射用の
       普通の矢尻の物とは別に・・

       というか通常狩猟に持ち出す場合
       こちらが主となるのですが・・・」




    アルミン「・・・・っ」ゴクリ・・・








    サシャ「猛毒が矢尻に仕込まれた毒矢が
       入っていたんですよ。」





     ―――毒矢。





     それくらいの知識なら当然僕にだって
     幾らかは引き出しの中に仕舞ってある。



     サシャのような狩猟を生業にする
     民族には"ある意味"・・いや、
     "ある意味"などという暈した言い方を
     せず、生計を立てる為の意味で、
     そして何より・・・自らの命を護る為
     という意味で・・・・無くてはならない
     必須科目と言えるのかもしれない。


     それがいったいどの程度の毒性を
     持った代物だったのか・・・


     僕の目の前で使用された訳では
     ないので何ともいえないけれど。
     



    アルミン「毒と一口に言っても・・・色々
       あるんだよね。草花の毒性が
       強い部分から抽出する方法とか・・

       動物が持っている毒を使う
       方法とか・・・もしくはその両方を
       混ぜて使うとか・・・・」




    サシャ「私の一族に伝わるものの
       中ではまあ・・・植物毒が殆どです。

       変わった物の中では色の派手な
       毒ガエルを使うものもありますが

       ・・・あれは生きたカエルが
       手元にいないと毒の加減が
       難しく、あまり塗る量が
       多すぎると肉が殆どダメに
       なってしまいます。

       ・・・ですからやはりアルミンが
       仰るとおり草花から取り出すのが
       私達の故郷では一般的でしょうか」



  9. 9 : : 2015/09/08(火) 01:14:28







    アルミン「それって・・・あのヒグマを
      殺せるほど強い毒だったの・・・??」





    サシャ「・・・・・・?」
        キョトン・・・・




     え・・・・?




    サシャ「いえあの・・・アルミン??
        私あなたの目の前でその
        毒矢を使って大物を仕留めた
        じゃないですか・・・・?」



     ま・・・まさか・・・・・!!!!!






    サシャ「え、ええ・・・・、あの・・・・
       今しがたアルミンが美味しく
       平らげた大猪・・・・の・・・アレ
       なんですけど・・・・」




    アルミン「(あの巨体を額への一撃で
       仕留めた....アレが!?!!?!!!)」
      ガバッ!!!



     当然僕はその場でサシャと繋いで
     いた手を離すと大きく開け放った
     口へと指を突っ込もうとして・・・・




    アルミン「ッッ・・・・!!!」ぐっ




    サシャ「ギャァアア!!!!!???;;;
       アルミンッッ!!!??!」ガババッ!!
       ナニヲスルダァーーーッ!!?!



     力の限り吼えながらも押し倒しに
     来たサシャにその両腕をしっかり
     抑え付けられた。



    アルミン「はッ・・・・!?離してよ!?

      あんなッ・・・あんなデカいイノシシを
      一発で即死させるような猛毒だよ?!

      幾ら口から入っても大丈夫な種類
      だったとしても・・・・!」ウゎアア!;;


     厳密にはあの時額を打ち据えた
     止めの一射を含めて、相当数の矢が
     身体には刺さっていた気もするけど・・

     この際そんなことは些細な問題だ。


     問題なのは・・・あの巨体が、まるで
     糸が切れたかのように事切れる程の
     即効性の猛毒。そんな毒が・・・

     幾ら経口摂取で効力を発揮しないとは
     言われてもそんな楽観的な気分で
     いられる訳は無いという話だ。




    アルミン「もし・・・もしだよ・・!!?
       僕が口の中を切ってたりしたら」
       ガクガクブルブル・・;;






    サシャ「それは・・ほら///;昨日あなたと
       落ち着いて接吻を交わした時に
       ・・・くまなく舌先で確認しました
       から・・・。何処にも触れて
       痛がるような箇所は・・・
       ありませんでしたよね・・・?//」







    アルミン「・・・・・・///;」



     


     そう言う目的もあって・・・
     あの積極性だったのか・・・・; 





     ・・・大体分かってきたぞ・・・。

     
     サシャのあの(▪▪)私物スペースに
     陳列されていた用途、名称共に
     バラバラだった怪しさ満点ともいえる
     遮光瓶の数々・・あれが・・・
     あれらがきっと矢尻に塗られる事に
     なる猛毒の数々なんだ・・・・。



     さすがに※猛毒です※なんて
     紙を貼っておくわけにもいかない。



  10. 10 : : 2015/09/08(火) 01:20:02




    アルミン「つ、つまり話を戻すと・・・・・?」






    サシャ「エエ・・・あの時私がヒグマに
       矢を命中させる事さえできて
       いれば・・・まあ、惰性で5、6歩は
       走って来る事にはなっていたと
       思いますが・・・その場合私が
       なんとしてもアルミンの方へ
       走っていくのを止める積もり
       でしたから・・・・」




    アルミン「なんって無茶な事を・・・・・;;;;」




     僕の視界が不意に歪んでいく。
     無理も無い事だ。あの時僕は・・・


     ひょっとしたらサシャを
     身代わりにして助かる可能性だって
     あったんだから・・・

     
     そんな結末が・・・・・・


     ・ ・ ・




    サシャ「あ・・・アルミンッ。。。ウソ、
        ああ、あのちょっと?!
        

        あなた泣いてるんですか?!」
        オロオロオロ、、、、



     僕の様子を確認するなり右往左往する
     サシャだけど・・・正直僕の心情は・・・
     今、それどころではない。




    アルミン「あんな・・っ・・あんなところで
      キミとお別れする事になってたり
      したら僕は・・・僕は・・・・ ・・」




     ダメだ。とても考えられない。



     ・・・というか考えたくも無い。



     尤も、僕とサシャの親睦がより一層
     深まったのはその後の事だけれど・・・





     ――――そんなのは関係ない。




     そう、全く関係が無い。




     何故なら僕はそれ以前に既に
     充分彼女に特別な感情を抱いていたし
     

     そんな感情が無かったとしても。


     ・・その時点でサシャは・・・僕ら104期
     全員にとっても掛け替えの無い…
     大事な仲間だったんだから。



  11. 11 : : 2015/09/10(木) 02:46:46






    アルミン「・・・・  ・・・・、、」ズスッ・・・↓






    サシャ「あ、あの・・・・アルミン・・・

       何か・・・私・・・その・・・、


       ....ごめんなさい・・・・」シュン....






    アルミン「いや・・・・・確かにあの時、
       あの場を過ぎたからこそ僕は
       君がどれだけ無茶な事をしようと
       してたかって・・・そんな事が
       言えるけど・・・あの場で最も
       無力だったのは僕で・・・
     
       サシャはそんな僕を護ろうとして
       そこまでの覚悟を決めてくれて
       たんだから・・・今更僕が君を
       責められるわけが無いよ・・・・」
       ギュッ・・・




    サシャ「・・・・・ッ・・!」




     そう言って隣にいたサシャの両肩を
     しっかりと抱き寄せる僕。


     一瞬は戸惑ったサシャだったけれど、
     直ぐに彼女もその手を僕の背中に
     回してくれた。





    アルミン「改めて・・・こうして君が無事に
       生きてて・・・本当に良かった・・・!」




     ギュゥゥッ・・・





    サシャ「まったく・・・アルミンはまた・・・
       一人でおかしな事を言ってますね」
       ワシワシ



     僕の背中に回されていたサシャの
     掌が・・・僕の後頭部を、まるで愛馬の
     首元を撫でるように掻き毟る






    アルミン「ッ??:」クシャッ・・





    サシャ「“私が無事”で・・・ではなくて、

       “二人とも無事”で・・・ですよ。

       アルミン。あなたが一緒に
       居てくれなかったら・・・私も、
       そして“この子”も。どっちも
       今この世には居ませんから」
       ニッ・・・///





    アルミン「っ・・・ぁ・・////」





     また見てしまった・・・このサシャの顔。

     今度はむず痒そうな笑顔に混じって、
     その身に宿すもう一人に代わって
     その感情を表すような・・・この笑顔。


     未だ身体に明らかな変調が見えている
     訳でもないため、こうしたサシャの
     振る舞いは浪漫のない言い方をすると
     ぬか喜びになってしまう可能性すら
     ある訳だけれど・・・・


     多分、今サシャが本当は僕の子を
     授かって居なくても。


     ・・・それが何らかの形で明らかに
     なっていたとしても・・・彼女は
     同じようにして、同じ笑顔を僕に
     見せてくれた事だろうと思う。






    アルミン「サシャ・・・ちょっと良い?//」






    サシャ「///???なんでしょう?」




     隣り合ってベッドの際に座っている
     この姿勢では互いに向かい合うには
     腰から上を捻る必要があるので

     僕はその場に座ったままの姿勢で
     サシャだけに一度起立するように
     身振りで促す。





    アルミン「・・・・ぃッ・・・よっ..と」



    サシャ「っぉぅ??♪」グラッ



     僕の要求にあっさり応じた
     サシャの真後ろに座り直した僕が・・・

     目の前で立っているサシャを
     横向きにさせてから抱きかかえる
     ようにして自らの膝上に乗せる。



     僕が立っている姿勢であれば
     所謂これは・・“お姫様抱っこ”と
     言われる保持体勢だ。



     薄手の布地越しに彼女の体重で
     しっかりと押し付けられる事で感じる
     確かな温もり。


  12. 12 : : 2015/09/10(木) 02:49:09







    サシャ「あッ・・・あの///;
       重くないですか??アルミン??」
       ワタワタ・・・




    アルミン「幾らなんでもそれはないよw

       僕だって一応あの地獄のような
       訓練に3年間生きたままついて
       来たんだよ・・?;

       立体機動装置の慣性に最低限
       負けない身体も出来てるんだし、
       君一人の体重くらいで音を
       上げてたら・・・それは兵士と呼べる
       基準に達してないって教官に
       判断されちゃうよ・・・;」





     そう。あの、女神がそのまま
     愛らしいお人形さんの姿を借りて
     この世に降臨したかのような
     クリスタですら・・・立体機動装置の
     負荷に耐えられるように重ねた
     鍛錬で、よくみれば腹筋だって
     割れているのだ。



     ・・・それは例に漏れず僕にしてもそう。


     それくらいの鍛錬について
     いけなければ巨人を打ち倒すとか
     それどころじゃなく、

     いつ機動装置の操作を誤って
     激突死という無様な結末を迎えるか、
     それすら冗談話でなく現実的な
     障害となっていた事だろう。



     ・・・そんな体たらくでは教官の口から
     言い放たれた“囮にも使えん”という
     行き過ぎた様な叱責も全く的外れと
     言うわけでもない。



     けれどこんな僕でも一応は
     そういった最低限のラインを
     潜り抜けるだけの研鑽は重ねてきた。


     ・・・故に今、僕はこうしてサシャの
     体を膝に乗せてその腹部に腕を回し、

     落ち着きをもってその体温を
     感じ取る事に専念できる訳だ。

     

     サシャの腹部に載せた僕の手が
     彼女が身に纏うディアンドルの
     結紐部分に触れる。


     今はすっかり体調の関係で
     なりを潜めてしまっているとはいえ
     あれだけの食欲を備えながらも
     腕を回して見ればこんなにも華奢な
     サシャの腹回り。



     ・・・やはり注意深く触ってみても
     そこに何か腹筋以外の膨らみが
     収まって居るような感覚は・・


     ・・・未だ感じられない。  
     当然といえば当然だけど。





    サシャ「アニッたらもう、酷いんですよ

       私が何か彼女の動揺を誘う話題を
       口にしてしまったのが原因とは
       言え・・・私のお腹を思いっきり…

       こう・・・・!ケッ飛ばしたんですよ!;
       
       ァァ・・思い出しただけでお腹が,,」
       イツツ・・・;




    アルミン「い、一体君はアニに何をして、
      そのお返しにお腹への蹴りなんて
      行き過ぎた報復を・・・・;」





    サシャ「別に私はアニを蹴っ飛ばしたり
       なんて暴挙には及んでませんよ!!

       ・・・ただちょっと確認させて
       貰いたい事があったので
       彼女の下穿きを下着もろとも
       前置きなしに剥ぎ取っただけです」
       プンプン=3





    アルミン「寧ろよく殺されずに済んだね!?!;

       それ、男子がやってたら
       首の骨が折れるまでサンドバックに
       されてたよ・・・!間違いなく(汗)」






    サシャ「だって…仕方ないじゃないですか
       話の流れでどうしても一応
       この目で確認しておかなきゃ
       いけなかったんですから。


       それは勿論私だっていきなり
       服を脱がされたら例え相手が
       女子であっても多少焦りはすると
       思いますが・・・でもだからって
       何もお腹を蹴る事....;」
       ムゥ・・・;





    アルミン「それって一体どんな話の流れ;(嘆)」







    サシャ「;そ、それはおいそれと
       公言できる内容ではないです。
       黙秘権って奴です!!!」





    アルミン「(・・・)ふうん・・まあ、
      そういうことなら仕方ないな」
      ・・・デ、ヤッパリツルツルダッタノ?//





    サシャ「そうですね!諦めて下さい!」フフン;
       エエ!キレイサッパリデシタ!サスガ アニ!





  13. 13 : : 2015/09/10(木) 02:52:10

     

     



     そう言いながらも
     苦笑交じりに彼女の腹部を擦る
     僕の右手。こうしていると僕も
     改めて意識し直してしまう。



     もし此間のアレが本当に実を結んで
     いるのなら・・・・僕とサシャは・・・。。




    サシャ「!」




     あ。




    サシャ「//////アルミィン♥w,,,」





    アルミン「う、うん・・・・ちょっとゴメン。
       流石にそっちの方を
       意識してしまったというか・・・

       ちょっと、一旦降りてw;」




     流石に隆起した僕の一部が自らを
     押し上げようとする感覚に
     気がつかない筈は無く、赤面した
     サシャは僕の顔をひきつった笑顔で
     首を傾げるように覗き込んでくる。



     イジワルな笑顔もこれほどまでに可愛い。





    サシャ「ううん?良いんですよ私は。

       寧ろ私・・・この3週間、アルミンからの
       アプローチが途絶した理由は
       私の不備にあるのではと・・・

       内心恐ろしくて仕方が
       なかったんですから・・・。

       アルミンが何事も無くこういう感情を
       私に向けてくれるというのが
       今分かって…結構私ホッとしてます」
       (溜息&赤面)




    アルミン「サシャに不備って・・・!w

       どんな思い当たる節が
       あったっていうのさ!!

       僕は寧ろそれが聞きたいかな。
       サシャ・・・一体それはどういう
       心当たりがあって・・・」





    サシャ「いッ!!言えるわけ無いじゃ
       無いですかもう!!!///

       私の気のせいならもうそれで
       良いんです!! ね!!!?

       ハイ!!もうこの話はオシマイです!!」
       オワリオワリ!!   






    アルミン「すっっっごく気になるなァ・・・;」
       ニヤァリ・・・



     ・・・・まあ、こうは言いながらも
     ここまでのサシャの話の流れと・・・
     
     それから先ほどの清拭の際に彼女が
     見せた恥じらいの様子などからして
     その理由は大体の見当がついている
     訳だけどね・・・・。





    サシャ「!!!!!っぁああもう!!また
       その顔!!;;///あれほど止めてと
       言っているのにアルミンあなた!!!

       それから地味に硬くなったモノを
       私の臀部に押し付けないで下さい!
       ほら!しつこい(ヒト)って嫌われますよ!」




        
    アルミン「うーん・・・嫌われるのは・・
        嫌だな…。それじゃ仕方ないか」
        ギュッ・・





     つまらなそうに言い捨てながら、
     膝の上に座ったサシャの体の向きを
     僕と同じ向きにずらし、その胴体を
     抱きとめる腕に一層力を込める僕。


     会話を途切れさせて一瞬の間を
     作ったのは僕の意図的な誘導だ。


     このままサシャが何も
     切り出さなければサシャが何かと
     ひた隠しにしているソレについて、
     早速この場で不意打ちを掛けて
     見ようと思う。


     ・・・折角のこんな機会だ。
     今この瞬間だって僅かたりとも
     無駄にしたくは無い・・・。そう、
     色々と労力や手間を惜しまず
     僕なんかの為に頑張ってくれた
     あの二人の為にも。




  14. 14 : : 2015/09/10(木) 02:55:09



     クリスタなんて僕と入れ替わる為、
     ただそれだけの為に女子の命より重い
     髪を切り落としてしまったんだ。

     この辺は当然僕が頼み込んだ事でも
     無いので若干ここまでする
     必要あったの・・?と思うところでも
     あるけれど・・・




    アルミン「・・・・・・」



    サシャ「・・・・・・」
       ドキドキドキ




     ・・・、結果としてこの状況は
     問題なく完成したのだ。


     完全な自由時間ともいえる調整日を
     目前にして夜の部屋の中でサシャと
     二人きり。この期に及んで何の進展も
     成果も持ち帰れないようであれば
     僕には即座に甲斐性無しの仔鹿野郎の
     烙印が押される事となり・・・


     壁外遠征の度に多大な大損害を
     産み出していた在りし日の
     調査兵団の人達のような責め苦を
     請けてしまったところで何も文句は
     言えない。




    アルミン「・・・・・ッ」グッ・・・


    サシャ「~~・・・」
        ソワソワソワ...




     さて、充分な無言の間を設けた。

     幾らサシャでも、この状況で
     無言のままに自らを抱きしめる僕が
     次に何を言い出そうとしているのか・・

     流石に見当もついている事だと思う。


     サシャの背中に密着させた
     僕の胸板は・・・僕の昂りと
     血液の循環速度を彼女の背中へ
     正確に伝える。

     元々この姿勢に移行した直後から
     平静を保って見せていたサシャの
     全身も・・・互いの口が閉ざされてから
     意識を向ける先が僕の身体だけに
     なってしまった今・・・


     僅かながら…しかし確実に震えていた。


     
     
    サシャ「・・・・////」ピクピク・・・・



     しかし本当に変わったものだと思う。


     以前のサシャなら・・・屋外訓練の際
     平気でコニーと取っ組み合いに
     興じたりしてたっていうのに、
     それで異性に対して何の意識を持つ
     事もなかったあのサシャが。



     ・・・更に乳房を(まさぐ)られても何とも
     思わなかったというこのサシャが。




    アルミン「・・・・・」ギュゥゥ・・・・




     ただ何も言わずに身体を密着
     されているだけで、次に僕の口から
     どのような言葉が吐き出されるのか。

     その様な逡巡に身を震わせる、
     歳相応の少女然とした姿を僕だけに
     見せてくれている。
     


     よし・・・まずは・・・・





    アルミン「・・・・サシャ?///」




     彼女の首筋に唇を寄せて、
     声と吐息を同時に浴びせながら
     問いかける僕。ユミルのやり方を
     さっそく実技で応用させて
     貰う事にしよう。



    サシャ「はっ!はイっ!?何でしょうか
       アルミンっっ!!」ヒクヒク
       ゾクゾク**







     うん、効いてる効いてる。

     これは正直自分が押されていると
     認識できている状況下において
     結構堪えると思う。その辺の威力は
     身をもって体感済みだ。



     若干上ずった声から察せられるその
     心境は・・・そうだな・・・。やはり何か
     明らかに僕の言いだしそうな事に
     対して警戒している心境が現れている。



     しかし、あまり時間を掛けてサシャの
     反応を愉しんでいる猶予も無い。




     ・・・まずは直球だ。





  15. 15 : : 2015/09/10(木) 02:58:08







    アルミン「・・・・していい?」









    サシャ「ッッ!!!!!!////」ビクッ





     サシャの肩が縄張り争いの渦中に
     激昂する野良猫のように跳ね上がる。





    サシャ「え・・えっと、して・・いいとは。
       どのような事を・・・?ですか?//

       その、具体的にお願いしマス?;」
       フルフルフル・・・




     ううん・・。聞かなくても分かるとは
     思ってたけど・・まあ、こう来る事も
     当然想定内。というより思った通り。





    アルミン「・・・・当ててごらん?
      

      ・・・・因みに当てられなかったら・・
      僕もそろそろ辛抱の限界だから
      この場でサシャが嫌がっても
      無理矢理・・・・」ググッ・・



     サシャの腹部に回していた腕の内
     片方を背面へと持っていく僕。
     この間のサシャがそうしていたのを
     見たので、今なら僕にもこの服を
     自然に剥ぎ取る事は可能だ。





    サシャ「かっ!!!////勘弁して下さい!??
       (ヒィィ!!?)スミマセンそのっ!!!
     
       アルミン私ッ・・・・!!!今日はちょっと!!

       ・・・・ちょっと///!!!!!!」
       ガババッ!!!!




    アルミン「・・・・・^^;」




     流石に本気で言った訳ではないけど
     サシャにしてみればそんな事を
     見通せるはずも無い。

     問いに対する回答も無く僕の膝上から
     飛び上がって離脱し、両腕を
     自らの腰の辺りで交差させるサシャ。

     ランプの灯りで充分分かるほど
     その顔は真っ赤だ。 



     ・・・当然ながら僕が何を要求して
     いたか、彼女には考えるまでも無く
     理解できていた様子だ。

     ・・・・いや、この状況ではそれしか
     考えようは無いけどね。





    アルミン「じょ・・・・冗談だって///;

      っていうか聞くまでも無く
      分かってたって言うのに何で
      僕に聞いてくるのさw(訝)」




    サシャ「そッ・・・それは///それは勿論
       私だってアルミンと同じでその・・・

       そうしたかったからで・・・!///」




    アルミン「・・・嬉しい事言ってくれるじゃない」





    サシャ「ああでも、ダメなんです!!今日は!
       なんとか・・あの、明日まで
       待っては頂けないでしょうか?!

       明日の夕刻以降なら何とか・・・
       何とか私、アルミンのご期待に
       お答えできると思いますから!!」
       ネ!!?;





     ・・・ということらしい。まあ、
     今この場にいる僕の気持ちとしては
     その意見には全く以って賛同的だ。


     ・・・何せいくら時間を作ってくれた
     とはいってももうそろそろ良い
     頃合になる。これから部屋の中で
     お互いそれなりの姿になってから
     一仕事行おうとすれば、



     流石にユミルとの気まずい
     思い出を更に増やしてしまう事になる。




     ・・・或いは今この瞬間も
     ひょっとしたら今か今かとユミルが
     外で壁に耳を当てて待っているかも

     ・・・という想定すらもこの際
     行き過ぎた考えではないと思える。



  16. 16 : : 2015/09/10(木) 03:01:24





    アルミン「(溜息)・・うん、分かったよ。
      流石に僕だって幾ら我慢が
      できなくたって、嫌がる君を無理矢理
      押し倒すなんて考えても居ないよ。

      ・・・だから安心して。」





    サシャ「(ホッ//)・・・いえ、それは勿論・・

       アルミンのそういった思慮深さを
       私が疑う訳無いじゃないですか。

       わかって頂ければいいんですよ」
       ソソクサ




     大体わかってるとはいえ、その
     明日の夕刻まで頑なにコトに及ぶ
     のを良しとする事ができない理由は
     正直気になるけれど・・・





    アルミン「(まあ、それも明日になれば
       分かる事なんだし、別に良いかな)」




     恥じらい、焦る彼女の姿をこうして
     見られただけで今日は良しとしよう。


     僕の方から押して行き、サシャの都合で
     その申し出は却下されたのだ。
     この場合は僕の不戦勝だ。


     よって後々何か無かったのかと
     二人に詰め寄られても、これなら
     言い逃れできる大義名分に成り得る。






    アルミン「・・・その割には結構本気で焦って
       僕の上から飛び退いてたけどね
       ・・サシャ。(苦笑)」
       ニコニコ・・・






    サシャ「だっ・・・/// だって!!
       そうしている間中もアルミンの
       男性的な部分が私の足の間に
       グイグイと押し込まれて
       くるんですよ!!??////

       つ、つい本能的に・・・やられる!!
       って思っちゃって・・・!!」






    アルミン「ひどいなぁ・・・」ニヤァ
       (あの顔)  








    サシャ「むっ!!??!またその顔!!!(涙)
       減点1です!!!!」(๑`^´๑)





    アルミン「えっ何??点数とか付け始めたの?!」







    サシャ「ええ!!私が何度やめてと
       申しても止めてくれませんので
       もうこの際減点方式でガンガン
       取り締まっていく事にしました!!

       折角アルミンは可愛らしいお顔を
       してるのですからその顔
       止めてくださいよ!!!」
       アニメデドウナルカ カンガエタクモナイ!!






    アルミン「・・・もし減点が規定値を
       下回ったらどうなるの>??


       ・・・というかそもそもその
       区切りは大体何点くらい>??


       一度に一点以上つく事が
       あったりするの>?


       何をすれば減点を帳消しに
       出来るの>??」
       ((ズズイッ⇒






    サシャ「あ・・・?///ぅあ・・・それは

       ・・・・ぇぇっと・・・そのっ・・・」ジリ..
       グルグルグル・・・・・






     まったく、適当なことを言うから。






    サシャ「ご...ごめんなさぃ、特に
       考えて無かったです・・・・(;'∀')」
       






    アルミン「うん・・・・知ってた・・・(*‘∀‘)」
       ケロッ




  17. 19 : : 2015/09/10(木) 03:13:49








    サシャ「ッッ・・・・!!!」
       (・ˇ﹏ˇ・///;) ムグゥ....










    サシャ「(溜息)....」ハァ・・・





     流石に押して引いてのやり取りも
     体力的に億劫になってきたのか、
     溜息混じりに背を丸めるサシャ。





    サシャ「止めましょう、もう//;

       私にはアルミンと口で言い合って
       どうこうできる程の知恵は
       ありません....↘↘;」



    バフンッ




     そう言いつつ僕の隣に再び座り込む
     サシャ。そして僕の横からその片手を
     握ると正面下方から僕の顔を
     覗きこむようにしてもう片方の
     自分の手を僕の大腿部に置く。



    サシャ「・・・・なので、まったく
       勝ち目のない(そっち)での
       言い合いではなく・・・、
       圧倒的に私に分のある(こっち)
       押させて貰おうかと思います///」
       フフフフ...///!!(ジリジリ)





    アルミン「ぇ・・・・;」ビクッ
       (;'∀')




     ―攻守交替。
     その瞬間、僕は確かに自身が優勢に
     立っていた筈の盤面がサシャの
     手によってひっくり返されるのを
     感じ取る。



    サシャ「ムッフフゥ...///
       もうお腹が空いてしまって
       空いてしまって・・しかしようやく
       あなたをゆっくり食べてしまえる
       時間がやってきました。

       ユミルとクリスタには感謝しなければ
       いけませんね・・?」ニタニタ」

     ジュルリッ・・・



     直後、サシャが艶めかしく歪めた
     唇の隙間から他の人と比べてみても
     長いその舌を這わせて、何とも妖艶な
     舌なめずりをしてみせる。   


     食べ物を前にしながらも食欲が無いと
     言って居たはずの彼女から、不意に
     とてつもなく強い貪食の気迫を感じ、
     思わず背筋に緊張が走る僕。



     サシャ本人が赤面しながらも、
     その強烈な食欲を向けているのは
     勿論言うまでも無く・・・・;




    アルミン「あ・・・あの・・・サシャ;君・・・・
       お腹空いてないんじゃ・・・

       っていうか何か・・・・
       言ってる事がおかしくない・・?
       ここには今食べ物なんて何も
    サシャ「言った筈です・・・・アルミン、
       あなたは私の副菜であると・・・!」
       ズイッ・・・・!!!(フシュルル・・!!)


     さらに詰め寄るサシャの顔。
     息が興奮した馬みたいに荒い・・・・




    アルミン「オヤツから若干だけど
      位が上がってる!!(涙目)」
      (ノД`)・゜・。
       

  18. 20 : : 2015/09/10(木) 03:15:14

       


    サシャ「更に言わせて貰いますと・・・

       別にお腹が空いていない訳では
       ありません。ただ、これまで普段
       口にしていた物を食べたいと
       思えないだけです。

       ・・・・そう、唯一」ググイッ




    アルミン「・・・・・//////」






    サシャ「...アルミン、あなたを除いては。」
       ェヘヘヘヘ・・・٩( ᐛ )و





    アルミン「―――--ッ」ゾクッ
       ゴクンッ・・・






     ――・・・喰われる。




     瞬時に迫りくるサシャの顔から
     そう連想した僕はその身を震わせた。



     しかし、その身を縛りつけてくる
     この何とも言えない感覚の正体は・・・
     単純な捕食される側の心に芽生える
     恐怖心だけではなかった。


     この言い知れない動悸にも近い
     高鳴りを引き起こす感情の正体・・・
     それはきっと・・・・


     「期待」だった。


     僕は今・・・詰め寄るサシャに
     気圧されながらも、彼女に食べられて
     しまう事を心の何処かで期待している。




     ・・実際自然界でこのような事を
     考える生き物はいないと思うし、
     その時が来ればきっとどの様な
     矮小な生物であっても、

     己の身を最大限に奮い、迫りくる
     捕食者の牙を、そして自身の
     身に降りかかる最期の瞬間を
     振り払おうとするのだろう。


     

     しかし・・その中にもひょっとして
     一握りくらいは・・・・



     今、僕がそう感じているように、
     目の前で大口を開けて迫りくる
     天敵に対し・・・


    “この生き物の糧になれるなら
     そんな末期(さいご)も悪くないかも”

     ・・・といった感情を抱く事も
     果たしてあるのだろうか。 
     


  19. 21 : : 2015/09/13(日) 00:18:34




    ◇⚠危険!!これより相当な間特に強い性的(そんな)描写が挟まれます!・・
    というか最早行き過ぎで汚らわしいです!!⚠◇




    嘔吐しそうな方は飛ばしを強くお勧め致します><;
  20. 22 : : 2015/09/13(日) 00:20:58











    サシャ「アルミン、もう私我慢の限界です・・・
       あなたを頂いてしまっても・・・?」
       ズイッ・・・・






     思考が半分ほど食欲に支配されて
     しまっているかの様に、迫りくる
     サシャの双眸にはどこか靄が掛かって
     いるように見えるが・・・それは多分

     サシャの顔が近すぎることによって
     その唇から洩れ出でる吐息が
     重なって見えてるからだと思う。



     ここで僕がサシャを拒む理由も特に
     無いんだけど・・・まあ、何というか

     あと一息といったところの・・・
     心の準備的なものは誰にでもある。


     特に、先程まで僕の方がサシャを
     押していた気持ちでいたのに、
     その立場を急に逆転された今では
     尚更だ。






    アルミン「う、うん、それは別に良いんだけど
      ・・・ちょっと待ってね?;」





    サシャ「そんな悠長な事を仰ってると
       ユミルが戻って来てしまいますよ?

       私はアルミンを美味しく頂く
       だけですから何も恥ずかしい事は
       有りませんが・・・・そうなれば
       むしろ恥ずかしい思いをするのは
       部分的に露出しなければいけない
       アルミンの方では・・・?」ニヤニヤ...




     そういう知恵だけは働くんだ・・・!?



     というか完全に今、サシャから見た
     僕はお食事感覚になってるし・・・!




     普通露出してなくてもそこは
     恥ずかしがるところだと思う・・・・;





    サシャ「さぁさぁ、早いところ観念
       してしまって下さいアルミン///


       長く間を置けば置くほど
       ユミルが帰ってくるまでの時間は
       確実に縮まるんですよ」
       リーリーリー~(ジリジリ・・)






    アルミン「ぅうん・・・・・;」ウジウジ・・・






     まあ・・・仕方がない。
     サシャの言う通り、時間が経過するほど
     ユミルに目撃されてしまう確率は
     上がることになる。


     僕だって別にサシャの奉仕を
     受けるにあたって、そう言った事に
     対して乗り気じゃない・・・

     とかそう言う心境ではなく、単に
     急な立場の転換に平常心を揺すられた
     だけで、本心を言うなら3週間もの間
     お預けだったサシャとの性的な
     楽しみに興じたいといった願望は
     それなりに強く持っている。



     先程ユミルに不意を打たれただけで
     あのように暴発してしまったのが
     その良い証拠でもある。




     ・・・・しかし問題はそこなんだ。





    アルミン「じゃ、じゃぁ、、まだ少し
      恥ずかしさはあるけど・・・

      お願いしちゃおうかな・・・・。

      でもさ、その前に・・・
      ちょっといいかな?」





    サシャ「やった!!!!やっとアルミンを
       食..。。、って何ですか??

       ちょっと??」ウン?




     歓喜一色から怪訝そうな顔へと
     瞬時に切り替わるサシャ。





    アルミン「サシャが口でその・・・、///

       そう言った事をしてくれるって
       いう申し出は僕としても凄く
       嬉しいんだけど・・・・・」







    サシャ「・・・けど??..どうしたのですか?
       何かそうしてしまうことで
       アルミン的には不都合でも・・?」
       ウン・・・?






     そう言って心底不思議そうに顔を
     傾けるサシャ。・・・冗談半分で
     言ってるのかと半分疑っていたけど・・


     今のサシャは本気で・・・
     夕食の蒸かし芋とパンを目の前に
     した時と同じ輝き方をしている・・;


     つまり彼女の目には今の僕が
     完全に食べ物として映っている・・・
     そう言うことなんだと思う;



  21. 23 : : 2015/09/13(日) 00:22:50





    アルミン「いや、ね。僕的にというより
      気にするのはむしろサシャの方だと
      思うんだけど・・・;」オズオズ...







    サシャ「私が??
       それはまたどんなw;」
       フハッ・・・





     心底理解できなさそうな顔で
     含み笑いを放つサシャ。





    アルミン「さっき・・・・//君も匂いで
       気がついただろ・・・?

       僕・・・その・・・///;さっきの
       ユミルのアレで一回出ちゃってる
       から・・・ほら、汚れちゃってるし
       それに・・・匂いだって」
       キタナイヨ,,




    ガバッ...




    アルミン「ッぁ・・・・・」グラッ



     僕が言い切るのを待たずに
     飛びかかって来るサシャ。

     そのまま互いの身をベッドに
     沈み込ませ、それでも尚僕の肩口を
     押さえ込みにくるその握力には
     傷病人のような弱弱しさは一切
     感じられない。




    サシャ「フッ・・・ふふ・・・ゥフフフ・・///」






     ――完全に獲物を目前に捉えた
     狩人(イエーガー)の気迫をその身に纏い、
     迫り来るその姿。


     ディアンドル姿がここまで攻撃的に
     見えるのも不思議な感じだ。
     その目はすっかり給餌を目前にして
     お預けを食らった犬猫の様に平静さを
     失っていた。






    サシャ「それがっ・・・余計に私の辛抱を
       利かなくしちゃってるんですよ
       ・・・・??////

       この匂いっ・・・・さっきからもう、
       堪らないんですっ・・・!」
       ハッ・・・//フッ・・・///





     鼻先に掛かる彼女の吐息が・・・
     如何に彼女の体温が高温へと達して
     いるか、その熱でもって僕に全てを
     物語っている。





    サシャ「こんなにいやらしい匂いを
       先程からプンプンさせて・・・!//

       もう少し我慢をなんて言われる
       私の身にもなって下さい・・・」



     その身を欠伸の締めくくりに入った
     野良猫のように伸縮させて僕に詰寄る
     サシャ。当然彼女の体のあちこちが
     僕の身体にも摺り寄せられるので・・・

     
     当たり前の様に摩擦の度、僕の興奮も
     その勢いを増していく事になる。





    アルミン「・・・・・///なん・・・だかなぁ・・・
      いや、別に意地悪をしようと
      した訳じゃ無いんだけど・・・

      そもそも悪臭ではあっても
      そんな良い匂いじゃ・・・・;///」
      クンクン・・・





    サシャ「それは生き物的な見方で言って
       しまって・・・雄であるあなたの
       感じ方でしかありませんよ。

       ・・・さっきのユミルだって・・・少し
       様子がおかしかった事に
       気がつきませんでしたか?
       アルミン・・・?」スンスン・・・スハァ・・//



     言動の一つ一つが、表情の移り変わり
     それぞれがサシャの物にしては
     妙に艶っぽい。・・・というより
     色っぽい。


     おまけに今はすっかり密着していて
     しかもランプの位置の関係で逆光に
     なってしまっているけど・・・


     この、ディアンドルという
     服の作りの関係で大きく開け放たれた
     襟元からは、やはり強調された胸元が
     覗き込める。

     また、更にこの服のよく出来ている
     デザインの一部としてアンダーバスト位置が
     タイトに括れている事から普段よりも
     より胸周りが強調される事となり・・・


     つまりどういう事かと言うと、
     サシャくらいの胸囲でもこの服で
     屈んだりすれば・・・・




     そこには見事な・・・正に飛び込みたく
     なる様な素晴らしい谷間が出来上がる。

     この隙間を見せ付けられて
     視線の行く先を奪われない者が
     居ると言うのなら、それを僕は
     同じ男子とは断じて認めない。
     

     女子だったら別にいいけど。



  22. 24 : : 2015/09/13(日) 00:26:55




    サシャ「本当は・・・明日の夕刻まで
       何としてもアルミンとは本格的な
       事に及びたくない理由があった
       のですが・・・///もう私も・・・
       
       体が火照ってしまって
       それ所じゃありません・・・。

       このまま・・・してしまいますか?
       本当に・・・///」






    アルミン「それはっ・・・///それは流石に
      マズいって・・・・!今からお互い
      そう言う格好になって何か
      やってれば・・・きっとユミルがもう(ry
    サシャ「この際ユミルにどんな気を遣う
      必要が・・・?私だって・・・この三週間
      物凄くアルミンとしたかったんです。

      私はもう・・そんな恥ずかしさを
      意識なんてしてませんよ・・?」


      ズズ・・・ ギシッ



    サシャ「いえ・・・なんでしたらもう・・・」




     僕を仰向けのまま真上からベッドに
     抑え込み、熱気をはらんだ顔を
     互いの鼻が触れ合いそうになる
     距離まで近づけてくるサシャ。





    サシャ「私、ユミルが居たって平気で
       アルミンと愛し合ってみせます。
       私とアルミンがどれだけの
       仲であるか・・・知って貰える
       ・・、これは良い機会ですよ。

       さっきはついうっかりとはいえ
       アルミンの貴重な絶頂一回分を
       ユミルに横取されちゃって
       ますし・・・ねぇ?///」



     
     逼迫した状況に迫られ、
     ろくに頭の回らない僕の頬を
     真上から垂れたサシャの髪先が
     くすぐってくる。

     先程までの僕なら両手離しの
     二つ返事でこのサシャの申し出に
     応じていたのはまず間違いない。



     ・・・しかし今目の前で顔面を
     赤熱させるに至る程の高揚を
     迎えているサシャと違い、今の僕は
     中途半端に冷静である。
     


     ・・・それが問題なんだ。







    アルミン「わ、わかったよ・・・ちょっとじゃあ、
      離れてくれる・・?ユミルのズボンを
      またクリスタのスカートみたいに汚して
      しまうから・・・」ググッ・・・






    サシャ「っ」





    ドスン





     ―――そう聞こえたのは僕の視界が
     完全な闇に封じ込められたのとほぼ
     同時の頃合だ。



     真っ暗になった世界の中で同時に
     僕の顔に密着する熱気の篭る何か。

     そして口一杯に焼ける様な熱さを
     持った何かが這いずり回ると・・・

     同時に後頭部を強く何かに
     押えつけられる感覚を覚える。






    サシャ「もっ・・・無理・・♥ですっ――
       ハフッ、、、、




     言うまでも無く、密着してきた
     何かとはサシャの顔、そしてその
     中でも今、最も僕に対する情熱で
     むせ返る様な熱気を放ち続ける
     唇であり・・・



     僕の唇をこじ開け、口腔粘膜を
     容赦なく蹂躙しにきた何かとは
     彼女の舌以外に無く、




     僕の頭を離すまいと押えつけ、
     ・・・否、引き付ける何かとは、
     やはり彼女の片腕に他ならなかった。 







    サシャ「ハフッ・・・・チュッ・・・・クチュッ・・」
    アルミン「!!!!?!///プァッ・・・ ぁふっ・・・」


      ググイッ・・・!





     とてつもない力で引き寄せられ、
     顔を離す事すら許されない。

     危うく肺の中の空気を全て
     吐き出しそうになってしまった僕は、
     そこで辛うじて一回分の息継ぎに喘ぐ。


     しかし先程の彼女がにやけ半分に
     述べていた揶揄がまるで間違ってなど
     いないかのように・・・




     僕の内部を情欲の限りに貪りに来る
     彼女の舌使いは・・・この僕を
     “食らい尽くす”為の事しか
     考えていない様子だった。




    サシャ「ん。。。ッフ・・・・・・モゴモゴ・・レル...」
       ピチャ・・・



    アルミン「ッ・・・///ッ・・・!!!!!」




  23. 25 : : 2015/09/13(日) 00:31:23



     ・

     

     ・・



     って・・・・!

     


     ちょっと・・・これは・・



     苦しい!!本当の本気に・・息がッ・・!




     全体重でのしかかってくるサシャの
     胸の膨らみから、あばらにかけての
     確かな重みが・・・・


     僕の肺の中に先ほど辛うじて
     少しだけ飲み込めた酸素を搾り出す
     ように押し付けられる・・・、、、


     当然それだけでなく、密着させた顔は
     縦に横にと縦横無尽にその向きを
     変えながら、僕の内部を余す所無く
     嘗め回し・・・・



     その間も、全く顔を離させて
     くれないほどのプレッシャーを
     かけてくるお陰で鼻による呼吸すら
     満足に行うことができない。


     しかしその代りにサシャ本人の
     吐息と鼻息は凄まじい風圧でもって
     僕の顔面にぶつけられる・・・・


     ハッキリ言ってしまって気が
     狂いそうになる熱気が今も僕の
     顔面に覆いかぶさってきている
     最中だ。




    アルミン「ンムッ(サシャ)・・・--!!ンン"ッ(サシャっ)...ァ」




     未だ意識があるうちにと
     本気で命と意識の危険を感じて
     彼女の背中を叩こうとしたのも束の間。
     
     僕の下半身に、更に掛けられる事になる
     非情な追い討ちによって、僕が降参を
     伝えようと掲げた平手は瞬時に
     硬直する事になる・・・・。。

     


     ・・・・いや、「非情」とは
     大分違うのかもしれない。

     
     ・・というのも今この瞬間のサシャは、


     餓死寸前の空腹状態で蒸かした芋を
     掴み取った彼女の姿をそのまま
     体現したかのように・・・


     一心不乱の貪食衝動に突き動かされる
     かのような情熱に満ちていたから。





     サシャの手が延ばされた到達地点・・・
     それは重ね重ね言うまでもない部分。
     





    アルミン「ッ・・・・・・・・!!!!!ッ」
      ビグッッッ、、





     ――僕の視界に火花が走る。




     明確に僕自身の腰より下から迸る痺れ。
     血液が血管中をのた打ち回るかの様な
     ・・・・そんな未知の感覚が
     襲い掛かってきた。


     さしずめ体の芯から稲光が
     逆流するかのようなその衝撃に、

     まるで実際の雷が天から地に向けて
     打ち放たれる様に・・



     確かに天地が逆転する錯覚を
     おぼえる僕。





    サシャ「ッ・・・マフ・・・ムふっ・・・・!!///」
       ゴソゴソ・・・・ ズルッ・・





    アルミン「ッムッ..グ...ウッッ・・・・」
      ✧✧チカ✧チカッ・・、、




     借り物であるユミルのズボンの
     中に入り込み、その部位をまさぐる
     サシャの右手。サシャ自身の体温も
     今の僕と遜色無いほどに高まっては
     いるはずだけど・・・・部屋の外気に
     晒されていた分、侵入と同時に
     感じた彼女は少し冷たくて、、



     その不意打ちとも言える冷気が
     かえって・・・・






    アルミン「・・・・・・っっ」






     極度の熱気による自我の崩壊を

     目前とした僕の最後の堤防を・・・

     実にあっさりと決壊させた―――



  24. 26 : : 2015/09/13(日) 00:33:52






    ―――――――――――ッ








    サシャ「 ! 」ピクッ




    アルミン「っ・・・--- ---―///」
       ブルブルッ・・・ ・・



     




     一度(ひとたび)・・・そして二度(にたび)と首根っこから
     脊髄もろとも引き抜かれそうな衝撃に
     背筋を躍らせる僕。

     
     しかし、その絶頂の引き金となった
     部位は、未だサシャの掌に包まれ、
     まるで無痛針の管を通して体中の
     煮えたぎる血液を排出するかのような
     感覚で吐精を続けていた。




    サシャ「っ・・・///・・・・♥・・・」
       ニチャ・・・クチュッ・・・


     僕の身体の芯から吐き捨てられる
     熱い体液。・・それがその手に塗れる
     感触に気を取られて、サシャが
     口元にかけるプレッシャーを一旦
     弱めてくれたのはまだ良かった。


     たった今まで鼻呼吸の妨げになるほど
     激しかったサシャのキスが僅かに
     緩む時間が与えられたから。


     

    アルミン「っ・・・///・・・・///」フスッ・・・スゥッ..



     しかし、絶頂の片手間、何とか
     鼻で息継ぎをしながら必死に
     飛ぶ寸前で繋ぎとめていた
     僕の意識は・・・・

     射精に打ち震える僕の性器を
     弄繰り回すサシャの右手によって
     再び崖っぷちに突き放される。
     

     

    サシャ「・・・っ・・・プはっ・・・///」




     とうとうサシャの口淫から開放される
     僕の唇。一気に豊富な酸素を得られる
     復活の機会を得た僕は必死に
     酸素不足に喘ぐ肺とそこから
     枝分かれする全身の血管に酸素を
     送り届けようと大きく口を開けるが




    サシャ「アッハハァ・・・・♥!!!!すごぃ、
       凄いですよアルミン!!!ほら、こんなに!
       こんなにグチャグチャです!!
       (ズルゥッ。。ネチャ、、、、)
       
       コレ全部今あなたが出したんですよ!
       なのにまだこんな!!!」
       パンパンデスヨ!!

       クチャ・・



    アルミン「イギッ・・♥// ぁぐっ・・・?!?」
       ガクンッ・・・



     僕が出したばかりの粘液を
     巻き込んで繰り返されるサシャの
     執拗な手淫が・・・ガラ空きである筈の
     僕の喉笛を打ち震えさせ、

     中々思い通りの呼吸を許してくれよう
     とはしない。




    サシャ「ほらっ・・・///先ほどアルミンが
       ばっちいから触るのは止した方が
       良いといっていたモノですよ・・・?」
       ツツツ・・・・ ネトッ・・・




     とうとう強引に搾り出されたソレを
     僕の眼の前に掲げてみせるサシャ。

     何という量だろう、、衣服の
     中からサシャがその手を引き抜く際に
     相当そちらにも付着してる筈なのに・・・

     自分で目を疑うほど、その白液は
     サシャの手指に膜を張っていた。




  25. 27 : : 2015/09/13(日) 00:37:22






    サシャ「こんなに出してしまって・・・。

       この間私に向かって必死に
       牛や馬のようには行かないと
       言っておきながら何ですか?
       この量は...♥(レロッ・・・,,ヌチュ・・)

       (クチュ・・)プフッ・・ほハッ(ほらっ)・・・///
       (ゴグンッ・・)...ぷはっ...全然汚く
       なんてありませんよ・・・?」




     馬乗りになって僕を抑えながら
     掲げた掌に絡みつく“僕”を、
     わざわざ見せ付けるように舐め取って
     そこから咀嚼し、飲み下す様を
     晒すサシャ。


     きっと僕の自制心に揺さぶりを
     かけるためだとかそんな先回りな
     考えは彼女の脳味噌には存在しない。


     この行いというのは・・・彼女の
     愚直なまでの僕への気持ちだけが
     行動に反映された精一杯の
     アピールに過ぎない。




    サシャ「当然ですよね・・?//もう、
       この“アルミン”を、私は3週間も前に
       たくさん頂いて・・・既にそれは
       私の体の一部になってるんです。

       ・・・それも新しい命の芽として・・・
       ・・・いえ・・・、、
       私達が愛し合った証として。」





    アルミン「ハァ・・・・・ハァ・・・・?!//」




     言いたい気持ちは良く分かるけど・・・

     けど・・・流石に聞いているだけで
     全ての平常心が吹き飛ばされそうに
     なってくる。


     何より眼の前で言い知れぬ熱気に
     突き動かされるサシャの瞳は・・・

     いつも通りにこれ以上なく透き通った
     輝きを放っているのだ。これらの
     歯が浮くような台詞を・・・彼女は一切
     下心を交えずに発している。





    サシャ「・・・それなら・・汚いだなんて
       考える事がもうすでにおかしい
       とは・・・そうは思いませんか??

       それにアルミン、あなたはどうせ・・・
       "自分の味"なんて確かめようとも
       したことがないのでは・・?」
       クチャッ・・・ペロッ・・・



    アルミン「っ・・・・!?///////」
       フラッ・・





     朦朧とする僕の視界で辛うじて
     確認できたのは・・・その手の小指部分に
     未だ橋を渡しながら残っていた
     “僕自身”を舐め取り、ソレを
     舌に乗せたまま仰向けに倒されていた
     僕を引き起こし・・・・



    サシャ「っふふぁぃふぇ(この際です)っ、、、///
       あははふォ(あなたも)・・ひふぉひふぃふぁは(一口いかが)?」ニチャッ・・



     その流れのまま窄めた唇を
     近づけてくるサシャの顔だった。




    アルミン「っ///・・・;」グッ・・・




     ・・・この時の僕は・・・間違いなく
     頭がどうにかしていた。

     ・・・しかし結果として僕が
     どんな状態であろうと・・・

     サシャが自らの愛情表現として
     眼の前にこうして迫らせた唇を
     拒むなんて事は多分出来なかったと・・




     そう思う。
  26. 28 : : 2015/09/13(日) 00:41:43





     結果として僕は・・・そのサシャの
     口付けを躊躇なく受けに行く形で
     サシャの抱擁に自らも組み合う
     格好となった。


     
     (いや)・・・・やっぱり躊躇は
     それなりにあった。


     ・・・それというのも、サシャには先ほど
     言及されたけど・・・別に僕もソレの
     味を知らないという訳では
     なかった。


     さりとてここで誤解がないように
     注釈を入れると、当然僕には
     自ら行った吐精による排出物を
     進んで飲み込みに行くなんていう
     一風変わった習慣は一切ない。


     また、試した事もない。
     ソレについては本当にサシャの
     言う通りだったけど・・・・


     しかし、ソレそのものがどんな味か、
     それはイヤというほど思い知らされて
     来ているんだ。



     ・・・・主に今までに
     兵団を去ることになった素行があまり
     良くない男子・・・そして自己の欲求と
     自我が強すぎる男子・・・、


     異性との接触が悉く禁じられる
     兵団の規則の厳しさに一線を
     踏み越えた数多くの彼らのソレを。
     自らの舌で、喉で、時には
     乱暴に注挿された末、気管にと。


     それはもう地獄の釜の中で
     煮立つ“何か”の上澄みを
     ぶち込まれるような・・・そんな気分。




     その不快感極まる喉越しを
     記憶の棚から引き出しつつも、

     瞬時にその棚を蹴飛ばすように
     閉める僕。・・・もしそんな事を
     思い出してしまったら...
     強すぎる嫌悪感のあまり、

     サシャの気持ちが一心に
     籠められているこの口付けを
     一瞬でも躊躇してしまいそうな
     ・・そんな気がして。




     しかしそんな僕の頑なな覚悟は・・・






    ユミル「おっとと・・・!///;
       オイ芋っ!!!;;流石にそれは勘弁して
       やれって・・・!おいお前もだ!!

       (グイッッ)そのガッツは大した
       もんだが、お前・・それ相当
       いやな思い出がある顔だろ・・!」





    サシャ「っムグ・・・////ぁ・・ユミ・・る・?
        って・・、その、い、いつから」
        オズオズ・・・///(モゴモゴ)





    アルミン「・・・・////」フゥ・・・




     急に僕らの間に割って入ってきた
     ユミルによって遮られる事になった。

     突然の闖入者・・というより、
     お互い情事に必死に没頭するあまり、
     全くユミルの入室に気づいて
     いなかった訳だけど、サシャも僕も、
     頭に血が上りきっていたお陰で
     そこまで慌てる事もなかった。
     





     ・・・僕に至っては借り物の
     ユミルのズボンに一度の手洗いでは
     まず落ちないくらいの立派な
     シミを作っただけでなく


     判脱ぎの格好で見事に局部を
     露出していたけれど・・・・
     申し訳ないが今は心の余裕も酸素量も
     足りなくてそれどころでは無い






    ユミル「ぁあ・・・・あ~~・・・

       いや、私が部屋に入った時は
       もうお前ら顔必死になって
       くっつけ合ってたぞ...//

       丁度芋がそいつの珍しき宝モノを
       掴みにいったあたりかな,,,」
       ハイッテミタラ スッゲェコトニナッテタ





     僕らが余りに物怖じしないものだから
     ユミルも若干リアクションに
     困っている様子だ。
  27. 29 : : 2015/09/13(日) 00:47:44





    サシャ「そ・・・・そふ・・・↓↓デフか・・//

       あ・・・アフヒン・・・?///なんふぁ・・
       見られひゃいまひたね・・・?
       ふぃっかり・・・・;/////」


     





    アルミン「ハァ・・・...ハァ...../// ..ンハァッ」
      フラフラ・・・・




     グラつく視界の片隅でユミルと
     サシャが何か言っている・・・しかし
     今の僕の頭ではその会話の内容も
     何も理解が追いつかない。この場で
     僕がかろうじて動いている頭で
     考えていたことは、


     一つ、
     とりあえず呼吸を整える時間的猶予が
     与えられて助かった、、という事と、



     二つ、
     ユミルがなぜか今この場で僕と
     サシャのキスを中断してくれたことに
     よってその猶予が手に入ったという事。

     

     二つ目の事実に対しては、普段の僕なら
     既に手遅れと分かっていても即座に
     赤面しながらズボンを穿き直すのが
     通常の反応だと思うけど、


     残念ながら今この時はそれ所では
     無い。もしこのまま先程のサシャの
     攻撃的極まりない接吻が僕に迫って
     いたなら・・・

     間違いなくそこで酸欠の臨界に達した
     僕はサシャの腕の中で気をやっていた
     だろうから。




    アルミン「・・・・・・っ・・・・・。。」





    ボスンッ...。。 。





     瞬きの度にチカチカと明滅する景色に
     強烈な目眩を覚えて起こしていた
     半身をベッドへと投げ出す僕。

     部屋の景色も二人の顔も、その全ての
     色彩が反転した僕の世界の中では
     点滅を繰り返す。




    サシャ「ふぁ、、ふぁい丈夫ですか!!?
       ひ分が優れませんか!!アルミン!?」
       アタフタ・・・//




    ガクガク...




     口に含んだ物を飲み込むことも忘れ
     僕の肩を一心に揺さぶってくる
     サシャだけど、正直今は逆効果・・・。。


     

     揺すられれば揺すられるほどに
     僕の世界の脆弱性は増すばかりだ。





    ユミル「いや・・・・今更だろお前よ・・;

       端から見てたらそいつが
       お前に喰われてる様にしか
       見えなかったぜ・・?」
       モウケダモノ ダヨw






    サシャ「(ゴグンッ...)しっ・・
       仕方ないじゃないですか!?

       私だってずっとずっと・・・
       アルミンとこうして触れあえる
       日を心待ちにして・・・毎晩・・・
       その・・・・!!!!(赤面)それが、

       いきなりあのような匂いを
       嗅がされてしまったら!!///」



     顔を赤面させつつも抗議の声を上げる
     サシャ。・・・・やっと口に入っていた
     ものを嚥下したようだ。





    ユミル「凄かったもんなぁ・・・お前。

       それまでお前が1人でする事なんて
       無かったから・・・この最近は
       随分ご無沙汰なんだなと思ったぜ

       ・・・私もクリスタもな。・・・だからこそ
       ここまでしてお前ら二人の
       自由時間を取り付けてやったり
       した訳だが・・・・」

       ヘラヘラ





    サシャ「・・・むぐ・・・///」
       カァァァ・・・・





  28. 30 : : 2015/09/13(日) 00:51:19


    ユミル「っつかお前ら・・・すっげー
       匂いだなコレ・・・ってうわ!!

       なんてこった!!貸してやった私の
       ズボンが!!(泣笑)
       一体キスだけで何回絞れば
       ここまででろでろになんだよ
       芋ぉ・・・・;」ウァァ、、、(デロ~ン・・・・)






    サシャ「い・・・一回・・だと思いますケド・・
       何ですかユミル・・?あなた
       その顔・・まるで嫌がっている様な
       顔には見えないんですけど・・・」





    ユミル「いっ・・?!嘘だろオイ!!
       犬とか家畜じゃねーんだからよ!!
       この量はちょっとばかりヤバいって
       (未だ勃ってるし)

       そりゃまあ・・・嫌がるも何もなぁ、
       
       兵団で禁欲生活に喘いでるのは
       何も男共やお前だけじゃ
       ないんだぜ?」ムッフフン///♪






    サシャ「・・・・つまり?;」
       ジト・・・・



       


    ユミル「いや・・・折角嗅ぐ事ができる
       貴重な匂いだしな・・・この機会に
       十分堪能させて貰おうかと・・・///」
       キガエタラ コレ ヨコセヨ(クンクン)








    サシャ「ユミル貴女!!!ꐦ°᷄д°᷅)
       まさかアルミンの匂いで
       発情されているのですか!!!!?

       私の旦那さん(アルミン)から離れて下さい!!!
       (ムッキャァァァァアア!//)
       何か今の貴女からは言いしれない
       危険を感じます!;;;



    ユミル「ッははは・・//まさかぁ・・・」フイッ
       モジモジ///






    サシャ「ウソをおっしゃい!!(;゚Д゚)
       何かモジモジしてるじゃ
       無いですか!!!

     
       アルミンからこぼれた物も、
       何もかも!!誰がそれを汚物と
       罵ろうと全て残さず私のモノです!!!

       ・・・そもそも貴女、女性限定・・・
       いえ、クリスタしか眼中に
       無いはずでは??!」
       イロンハミトメマセン!





    ユミル「っはは・・・お熱なこって。

       冗談だよ。そいつは洗って返して
       くれりゃ何も言わねーって。

       さっきはクリスタの履き物で私が
       そいつに迷惑掛けちまったんだ
       からな・・・・」






    サシャ「フゥーーーッ・・・フゥーーッ・・(クワッ)」






    ユミル「分った分かった;もう止めろ
       芋・・・。お前、久々に本能に忠実に
       なり過ぎたせいか・・野性化が
       進み過ぎだ。それじゃいよいよ
       獣だぞ・・・・;


       あとよ・・・芋、私が止めてやった
       から未遂に終わったけど・・・
       アレだけは今後勘弁してやれよ。

       そいつもそいつ(アルミンもアルミン)だ。
       お前の気持ちを真正面から
       逃げずに受け止めてやろうって
       覚悟は対したモンだし、芋への
       気持ちにも一切嘘がないってのは
       見てて分かったが・・・

       気をやっちまう寸前で自分でも
       気づいてなかったろ・・・」スッ・・・



    ズッ・・・




    アルミン「・・・・??///」




     ようやくだ。・・・ようやく頭が正常な
     運転を行える様になってきた今・・・

     近寄ってきたユミルが力無く
     放り出される僕の腕を持ち上げ、
     その袖を捲りあげる。



  29. 31 : : 2015/09/13(日) 00:55:14





    サシャ「あっ・・・??!ちょっとユミル!!

       アルミンに近づかないようにと今
       私確かに警告をしましたよね…!ꐦ」
       ガルルル・・・・!!!






    ユミル「ああ・・・・まだ出てやがる・・・

       ほら芋・・・お前も見とけこいつを。」
       ズイッ・・






    サシャ「ぅ・・・?うん・・?なんですか
       ・・・?アルミンの・・・腕ですか?


       あ、さぶいぼ出てますね・・・
       アルミン、余程私とのあの・・
       接吻が気持ちよかったので?///」





    ユミル「バカ芋がっ!!!違→ぇよッ!!
       こりゃ"じんましん"だ!!!

       おまけに“そいつ”を絡めた口で
       お前に迫られた瞬間のこいつな・・
       気持ちよさとは別の・・
       どうみてもヤバい震え方
       しちまってたんだぞ・・・」





    サシャ「ぇっ・・・え・・・・?!?

       つまり・・・どういう事なので
       しょうか・・??それって・・」
       サーーー・・・・|||||






    ユミル「相当"そいつ"に嫌な思い出でも
       あるって事だよ・・・!いいか芋?
       そいつはただのさぶいぼじゃねえ」
       クイッ・・・




    アルミン「・・・・・?なっ・・・何・・?ユミ・・・」




     僕の顎を握り拳の先で持ち上げた
     ユミルが・・・珍しく真面目な顔で、
     真面目な唸り声を響かせる。





    ユミル「やっぱ喉の方がヒデぇな・・・(俯)

       巨人とどっこいのオツムを持つ
       アホなお前にもちゃんと
       理解できる様に・・・出来るだけ
       簡単に説明してやる。

       このじんましんってのはだな・・・・
       早い所が“できもの”だ。普通は
       それぞれ身体に合わない食べモンを
       口にしたりって時にこういった
       ブツブツが出てくるんだが、、」




    サシャ「???;  ???」





    ユミル「これが、どういう訳か
       そういった特定の食い物を
       口にせずとも気分的にどうしても
       耐えられないモノを近づけられたり

       ・・・・平たく言って、
       “もの凄ぇ嫌な気分”を
       味合わされる事によって
       出てきちまう場合がある。」



    サシャ「すると何ですか!!?
       
       アルミンは・・・・アルミンは
       私との接吻が途轍もなく嫌で
       この様なできものがっ(ry
    ユミル「だぁからッ!!!最後まで聞け
       この芋豚がよっ!!!」ムギュ


    サシャ「んむぎゅっ!!!!」
        Σ(;>ω<)




     ユミルが思いっきりサシャの
     鼻っ柱を抓みあげる。

     かなり痛そうな攻撃だ・・・・。。







    ユミル「んな訳がねえだろ_?
       現にコイツは平気で私等の前でも
       お前にキスしに行ってんだろうが。

       さっきお前が強要したキスに・・
       いつもと全く違う点があっただろ!
       普通はそっち先に気付けよ!!」
       イライラꐦ





    サシャ「あっ・・・!?ま、まさかアルミン・・!」




    ユミル「まさかじゃぁねーだろッ!!
       そうだ、今まだお前の口から
       匂ってる“その”匂いだよッ!!
       
       お前だったら自分(テメー)の××××飲めって
       迫られたら飲むか?!?いや、
       飲みたいと思えるか!!??」
       ガミガミ!!




    サシャ「ぇ・・・?ア、・・ううん・・・・;
       そう・・、ですね・・、私・・・
       アルミンの身体の一部なら
       一切合財余すところなく美味しく
       頂いて差し上げる自信があります
       けど・・・・確かに・・・自分で自分の
       ・・・・と言われれば少し・・・・↘↘」
       メダマ ダッテ ペロペロデキマス;。。





    ユミル「っっ...(ドン引きや・・・)」
       スザッ・・(((; ・`ω・´)


  30. 32 : : 2015/09/13(日) 00:58:50







    アルミン「ゆ、ユミル・・・・(ハァ・・・)///
      君の気持ちも嬉しいし...、正直
      さっきは助かったけれど・・・///」
      ゴホッ.。 ハァハァ・・
       





    サシャ「あ、アルミン、やっと意識が・・?!」





    ユミル「・・・おい、無理すんな;」






    アルミン「僕は・・・自らの意思でああしたんだ
      ・・・・。。だからユミル、君が
      そんなにサシャに目くじらを立てる
      必要なんて・・・・」
      メダマ ペロペロハヤダケドネ;




    ユミル「いいや、ダメだ。見過ごせねーな。
       ・・・下手すりゃお前・・・
       死んでたかもしんねーんだぞ...」





    サシャ「ヒッ・・・?!し、死っっ・・・!?」
       ビクンッ・・ガクガクガク・・(;´Д`)





    アルミン「っ・・・?;(嘲笑)

      何をいってるのユミル・・・;
      じんましんは確かに症状が酷い人に
      よっては楽観視できるものじゃない
      かもしれないけど・・・・それで
      死に至るかもなんて・・・少しばかり
      大袈裟すぎるって・・・・」ゴホッ・・エホッ・・





    ユミル「・・・・ホントにそう思うか・・・?
       これだけ時間が経ってるのに
       そんなに息苦しさを感じて
       咳込んでる今の状態が・・・お前、

       本当にまともな状態だと
       言い切れるのか・・・・・?」






    アルミン「・・・・・・?;」ゴホッ....






    ユミル「お前の言う通り・・・腕や身体の
       どっかしら、それこそ痒くて
       じっとしてられねえ、位で
       済む部位にそいつが出る分には...

       死ぬなんて大袈裟に聞こえるかも
       しれねーよ。・・・・・しかしお前の
       場合は・・・さっき見たら喉の方まで
       しっかり回ってやがった・・・・!」





    アルミン「・・・・・・・・」






    ユミル「普通に考えりゃ当然の事だが・・

       そのできものが、だ・・・。

       気管の方に思いっきり出たり
       してみろ・・・・さっきの息苦しさは
       本格的に致命的な圧迫感になって
       ・・・・下手すりゃ窒息死だ」




    サシャ「・・・・っっ・・・・」
       ゾゾゾッ・・・・・・




     ユミルの発する説明の深刻性を正しく
     認識したのか…声を失って俯くサシャ。





    アルミン「ッ・・・ちょっと、ユミル!!
       言っていい事とそうじゃない事が
       あるって・・・・!ホ、ホラ、サシャが
       黙り込んじゃったじゃないか!!」
       チョット、ソンナキニシナイデサシャ!!





    ユミル「言っちゃいけねー事・・・だと?

       黙ってりゃお前が芋とのキスで
       永眠しちまったかもしれない
       っつーのにか・・・・?」ユラッ・・・




    アルミン「・・・・っ」ゾッ・・・





     ――寒気。ユミルの眼に宿った
     冷たい光が僕の心を震え上がらせた。





    ユミル「お前らみてーな無理くりする
       奴等も私は嫌いじゃねー。
     
       ・・・けどよ、命に関わる何かを
       適当に誤魔化しながら付き合いを
       続けるのは頂けねえ。


       それが本当にヤバいと思うなら・・
       ちゃんとサシャ(そいつ)に伝えろ。
       そいつはバカだから・・・・

       お前がマジにあの世に旅立っても、
       暫くはアッチの具合が良すぎて
       口を訊けないんだと勘違いする
       だろうしな・・・。窒息してるお前を
       目の前にしても・・・・・。」





    サシャ「あ・・・ユミ・・・・・アル・・・
       アルミン・・・・??!?(ブルブル・・)
       私っ・・・私・・・?!?

       あれは・・・アレをアルミンにも
       強要しようとした私の行いは・・・
       そんなに・・・そんなにマズかった
       のですね・・・・?!!?」ガクガクガク・・





    アルミン「・・・・・・」




  31. 34 : : 2015/09/13(日) 15:55:19






     何という事だろう・・・。最早
     彼女の顔面はランプの灯りでも
     ハッキリそうと分かる程青白く、



     とても健常者のそれとは言い難い。
     


     この、既に絶望しかその目に見いだせは
     しないだろうというサシャの
     問いかけに・・・本当なら僕は力一杯に
    彼女を抱きしめながら、
     
    “そんな事無い”と言ってあげたい
     所だが・・・既に簡単な勢い任せの
     虚勢で誤魔化せる程彼女の中の
     恐れの感情は小さく無かった。



     それ程までにユミルの真剣な眼差しと
     サシャにでも分かる説明は分りやすく、
     且つ的を射ていた。


     ・・・・・認めない訳に行かない。


     恐らく死にはしなかったにしても・・・


     あのまま僕がサシャの唇を経由して
     自身の分泌液を嚥下していたら・・・


     確実に意識を持っていかれる程度の
     呼吸困難には見舞われていた事だろう。








    アルミン「・・・・サシャ・・・・?」





    サシャ「・・・・、・・・・・、・・・・、」
       ガタガタガタガタ・・・・





    アルミン「お願い、サシャ、顔を上げて
      ・・・少し僕の話を」




    サシャ「ぁ・・・アルミィン....↘↘↘;

       私・・・私ッ・・・・ヒグッ・・・」
       グジュ・・・・




    アルミン「泣かないで・・・・!こんな息苦しさ
      なんかより・・・君が涙を
      流してるのを見なきゃいけない
      事のほうが・・・僕にはずっと
      苦痛なんだから・・・!だから・・ね」
      ススッ・・・




    サシャ「でもッ・・・・私ぃ....!!!
       自分の・・気分が・・昂って
       しまったのを・・・良いことにっ・・

       そんな・・・!アルミンの身体に障る
       程苦痛になるような事をっ・・・
       無理矢理っっ...」
       グスッ・・・  ズズッ・・・




     駄目だ。これは相当堪えてる様子だ・・

     僕がちょっと涙を拭いに行って
     簡単に気にすることはないなんて
     気休めを言い放っても・・・今の
     サシャには暖簾に腕押し、柳に風、、


     ・・実際僕が逆の立場でもこうなる筈。


     仮にも自身の熱気を抑えられない
     余りに・・・愛する人に苦痛を強いて
     しまったのだから。




     僕だって、サシャが必死に気にせず
     続けて欲しいと訴えてきたあの日も・・・

     やはり初めての貫突に鮮血を滴らせる
     彼女の肢体と、その苦悶の表情を
     認めてしまっては・・・流石に並みの
     罪悪感ではなかった。


     結果、それを上回るほどの覚悟と
     強い思いが篭ったサシャの抱擁と
     その言葉が僕の背中を後押しして
     くれた訳だけれど・・・・

     今回のサシャに関しては殆ど
     サシャ自身の暴走に近い。
     勿論僕自身はまったくそこまで
     気にしてはいないが・・・・

     サシャにとってそうは行かないのは・・・
     またしても言うまでもない。
     


  32. 35 : : 2015/09/13(日) 15:58:37



     ・

     ・

     ・



     ・・・少し考えた僕は未だこちらを
     直視すらしてくれずに部屋の
     板張りにへたり込むサシャの
     顔を覗き込み・・・・・





    アルミン「・・・・・・っ」
       ・・・ペロッ





    サシャ「フひッ・・・?!」ビクッ





     彼女の頬に伝う雫を・・・舐め取った。






    アルミン「っ・・・っつ・・ハハ・・;
      やっぱり・・・しょっぱいな・・・↓;」




     僕の舌先に走るピリピリとした塩気。
     不意を突かれた形になるサシャの顔は
     思わぬ形で僕からの接触が行われた
     事に驚きを隠せない様子だ。
     




    サシャ「ア・・・・ルミン・・・??」
       グズッ・・・





    アルミン「ほらほら・・・・、まだ泣き止んで
      くれないようだと僕はもっと
      君の涙で塩っ辛い思いをして
      喉が渇いちゃうと思うんだけどな…
     
      サシャはあえて僕にそんな
      辛い思いをさせたいのかい?」
      クスクスッ?(ペロッ...)
      




    サシャ「きゃひッ・・・・ww;
       や、やめて下さいってアルミン!!
       く、くすぐったいでっ..す・・!//」
       ヒャッハハ・・;




    アルミン「あれぇ・・・?そこは・・・
       くすぐったい・・・じゃなく
      『こそばい』…じゃなかったっけ」
       ペロペロッ・・・





    サシャ「ひゃっ・・・!!//w
       ひひっっ・・・!!!やめっ・・・!!


       やめ――ーーッッ!!w;」
       バタンッ ..バタバタ






     まあ・・・手段はともかくとりあえず
     サシャがこうして笑ってくれるなら
     僕だってサシャの眼球くらい平気で
     舐めてあげられようというものだ。



     ・・・・逆にされる立場だったら
     流石にイヤだけど。





    ユミル「(なんっつーかこいつら・・・・)」
       マジマジ・・・・・





    アルミン「ほらぁ、いくら舐めても流れて
      くるんじゃ、君が言ったみたいに
      もう目ん玉舐めちゃうよ、、?
     
      いいの?まだ泣き止まないの??」
      ベロッ・・・



    サシャ「止めッ・・・!!ひゃめへくださッ!!!
       (イヒヒヒ!!!!!)これはそういう涙じゃ
       ないんですってッば・・・
     
       あひひヒヒヒヒ!!!!」ギャハハハ





    ユミル「(私居るって事完全に頭ン中から
        忘れ去っちまってるだろ・・!;)」
       ヘンタイフウフ ドモガ・・・・!!!





    アルミン「あっははは・・・」


    サシャ「っひひひはっwあっは・・!!」






    ユミル「(本ッ当..馬鹿夫婦以上だな)」
       フッ....






    思わずユミルですらも飾らない微笑を
    漏らしてしまう程に暖かい笑みを
    弾ませあう二人の笑い声と、
    その残響が・・・・


    夜明けも程近い女子宿舎周辺に
    静かに染み渡った....

  33. 36 : : 2015/09/13(日) 16:00:50





    ◆◆◆以下、過激な描写は一時緩和されます◆◆◆







    ~それより少し前~





    ―男子宿舎・エレン部屋―




    ベルトルト「~~~~・・・・zzz」
       



    クリスタ「プッ・・・・////クススッ・・・!?//
    ・・・プヒ・・・///」プルプル・・・




    エレン「どうだ、この光景を見られた
       だけでも男子部屋に忍び込んだ
       甲斐もあったってもんだろ・・・
       (嘆息)」



    ライナー「奴は俺達の部屋の中でも
      夜更かしにはめっぽう耐性が
      ないからな・・・長く話し込んでれば
      これが毎日見られる訳だ・・・・(含笑)

      ・・・どうだクリスタ・・・傑作だろぅ?」
      プルプル・・・



    三人の目前には、決して安定している
    訳ではない寝床の上にて異国の
    舞踊格闘技の技の1つを彷彿とさせる様な
    奇天烈なポージングで寝息を立てる
    ベルトルトの姿が。



    両腕と頚部を支点として倒立の要領で
    全身を逆さまにし、腰で捻られた半身は
    前後に開脚した足と直角の方向へと
    向けられている。



    ・・・このような無理のある姿勢で本当に
    休養になっているのか、甚だ疑問である。





    クリスタ「っていうか・・・起きてるよね・・?
       起きてるんだよねこれ・・・?///

       私こんな格好、起きてたって
       ゼッタイ無理だよ・・・・?!こんなの
       息苦しいに決まってるよね・・・・?」
       ピクピク・・・・




    エレン「これがベルトルト(こいつ)の健やかな
       寝相なんだよ。・・・因みに毎日
       そのパターンに七つくらい
       バリエーションがあって、
       それも不定期で変化する
       からな・・・最近じゃ占星術にも
       使えんじゃねーかって事で
       新たな注目を集めてる」




    ライナー「ヨガの眠りだな。まさに。」




    エレン「ネタが古すぎんだろ」




    クリスタ「あんなに一杯変身できちゃったら
      きっといつもどれに変身しようか
      迷っちゃうよね!!//」





    ライナー 「知ってるのかクリスタ!!?」
    エレン「知ってんのかオイ!!!」
       ビシッ



  34. 37 : : 2015/09/13(日) 16:02:39



    ~数分後~






    ライナー「それからな・・・、おいクリスタ、
      これ見ろこれ!!」カサカサ・・・  パサ





    クリスタ「何これ・・・・紙、、・・絵・・?
       あっ・・・すっごい!!!上手!!!
       誰描いたのこれ!!!??」
       ウッワーー・・・・!!



    エレン「ああ・・・それか・・・・;」




     ライナーがクリスタに手渡したのは・・・
     クシャクシャに丸められた
     ような皺跡が残る、一枚の
     スケッチだった。


     そこには胸から上だけを
     炭とパンだけで描かれたと
     思しき・・・・104期一番の逸材に
     とてもよく似た貌が描かれていた




    クリスタ「これ・・・?///」
      フワフワ



    浮き足立つテンションを隠しもせず
    エレンの顔を何度も伺うクリスタ。




    エレン「はぁ・・・?いや・・・なんで俺・・・。
       
       俺はそこまで芸術的な才能を
       無駄な方向に発揮しようと
       思った事はねえし・・・・
       そもそもミカサ(そいつ)を描く
       理由が無えだろ・・・・」




    ライナー「まあ、真っ先にそう疑われても
      おかしくは無いだろうな・・・

      何せ付き合いが最も長いのは
      お前だ、エレン。・・・しかし実際の
      エレンの絵心を知ってりゃその
      嫌疑も晴れて潔白となる。」





    エレン「そりゃオレの絵がそこまで
       壊滅的だっていいたいのか」




    ライナー「そこまで言いたい訳じゃない。
      ・・・サシャの絵を知ってる人間なら
      そうそう簡単に人の絵心を
      不当に評価する事もないだろ・・・」





    クリスタ「アレは・・・・・;;(滝のような汗)
      すっっごいよね・・・・!;

      何ていうか・・・うん、
      狂気を呼び覚まされそうな
      心の叫びを感じる筆跡というか・・」




    エレン「あそこまでいったら最早
       呪いが込められててもおかしく
       ねえな・・・・;。

       10秒以上見つめてたら流石に
       気が狂いそうになったし」





    ライナー「ともかくこいつだが・・・・」
      パサッ・・




    クリスタ「うんうん・・・・?」




    ライナー「作者が依然として不明なんだ」





    クリスタ「・・・・え?」




    ライナー「落ちてたのは男子宿舎の・・・
       水浴び場の脱衣所なんだが、
      
       誰に聞いても関与を認める
       奴は居なかった。」




    クリスタ「ミカサと近しい間柄で・・・
      エレンより絵心がありそうな
      男子って言ったら・・・それは・・・」
      ンン・・?





    ライナー「そう。当然その次は真っ先に
      アルミンの奴に疑いの目が向いた。」




    エレン「だがありゃ違うな。

       確かにあいつも絵心はある方だが
       ・・・あいつ自身が違うと
       言ってたんだ。そんなウソをつく
       理由も無い。」




    クリスタ「でも・・・分かんないな・・・
       なんでだろう・・・?これだけ
       上手な絵が描けるなら・・・

       自慢できると思うんだけど・・
       何で自分が描いたって名乗りを
       上げないんだろうね?その人」




    エレン「知るかよ・・・。大方
       恥ずかしがってんのか、
       極度の腰抜けか・・・・

       そのどっちかだろ。それに
       ここまで達筆となると・・・・」




    ライナー「ああ。その手腕を認められた場合
      色々と厄介ごとが増える恐れも
      あるな・・・。面倒を避けたいと
      思う奴なら・・・当然そんな事
      自分から公言するとも思えない」






    クリスタ「面倒・・・・・?ええっと・・・
       それって一体・・・・」





    エレン「簡単な事だ。禁書も
       持ち込めない、色々と規則の厳しい
       兵団の中で・・夜のネタを
       量産できる技量がそいつにあると
       知れればそりゃ当然・・・(ムガッ
    ライナー「おいエレンッ!!!!天使(クリスタ)に向って
       なんて事を吹き込むつもりだ!!!
       
       俺達の穢れ無き神の偶像を
       お前は俗な知識で貶めようと
       言うのか!!!」




    エレン「ムググアッ・・・!!」ジタバタ・・





    クリスタ「う、ううん・・・;

      よく分からないけど男子は男子で
      色々事情があるんだね;なんだか・・
      その絵を描いた人も大変なんだね」
      (慈ィィ・・・↓↓)





    ライナー「(・・・・結婚したい・・・!)」




    エレン「・・・・・;」
  35. 38 : : 2015/09/15(火) 01:15:05






    ~翌朝・早朝~






    ―流し場―





    ミカサ「・・・・・・・・・(黙)」



    ザッ・・ザッ・・・・




    エレン「~~~,,,おう。」
       ショボショボ



    ガコッ・・ザバッ・・・




    ミカサ「・・おはよう、エレン(輝度3割増)」




    クリスタ「おはよ~...ミカサぁ・・・・・」
      ファァァア・・・↑↑(๑˃̵ᴗ˂̵)و(グググ・・)





    ミカサ「・・・・男子の部屋は楽しかった?」






    クリスタ「ぅ~~ん...!(伸ッ。。)
      すっごくね!あまりに楽しくて
      時間を忘れて話し込んじゃった!
      ライナーなんかもう揺すっても
      起きなかったし(笑)」




    エレン「・・・・後で言ってやれよ、
       散々起こしたのに涎垂らして
       地響きみてーな鼾かいて
       寝てたって。あいつ、死ぬほど
       悔しがると思うぞ(せせら笑い)」
       ハハ・・・・



    ミカサ「・・・・・・クリスタ。」




    クリスタ「ん?何?ミカサ。」






    ミカサ「・・・・有難う。その・・・・
       アルミンの為に。。。私も・・・

       とても家族の一人としてあなたと
       ユミルに感謝している。」




    クリスタ「い、いいっていいって!!!///

      第一サシャは私達二人にとっても
      大切な友達なんだよ?それは・・
      勿論アルミンだって同じ。

      ミカサにそんな風に言って貰える
      程・・・私たいした事してない。。

      私自身、結構愉しんじゃってたしね」
      フフッ//



    ミカサ「そう・・・・。

       あと、もうひとつ。」





    クリスタ「・・?もう一つ?」





    ミカサ「その髪(みじかいの)も・・・似合っている。

       とても・・・綺麗だ。」




    クリスタ「ぁ、・・・有難う。。//」
       テレ....






    エレン「・・・・・・・。。アレ、そういや
       アルミンはまだかよ」ウィ~・・
       ザブザブ・・・ ジャパッ





    ミカサ「アルミンの方には・・・ユミルも
       いる。・・・ので、まず寝坊は
       ないと思って居たのだが」
       マダコナイ




    クリスタ「~、、ぁ、でもユミルは結構
      寝起き良くないよ。

      ・・・・プハッ・・・
      っていうか朝は弱いほうかな..」
      ジャバジャバ・・・ 




    ミカサ「そう...ではこのまま自室に帰る
       クリスタに同伴させて貰う事に
       しよう。」





    エレン「いや・・・ユミルがどうかは
       知れねえけどよ・・・
       アルミン(あいつ)は朝結構早起きな方だぞ・・?
       あいつが普通に寝坊とかってのは
       考え辛いけどな・・・」




    クリスタ「・・・・・//^^;」





    ミカサ「・・・・・・(無言の訴え)」
       ジィッ・・・・






    エレン「な・・・なんだよお前ら・・・・
       二人して・・・オレが何か変な
       事言ったか・・・・?;」






    ミカサ「・・・・何でもない。」
        エレン、ワカッテナイ





    クリスタ「ま、まあ・・・//エレンらしいと
      言えばらしいかなぁ;」   
      ウン、ショウガナイ





    エレン「何だよ気になるな!!!」
       フンフン!!




    ミカサ「・・・では、状況をよく理解できて
       いないエレンは少し此処で待って
       居て欲しい。私はアルミンと
       サシャを起こしに行ってくる・・
       ので。」




    エレン「ぁ・・??  ぁあ。
       早くしろよ。別に予定も無ぇけど

       ・・・此間の腹筋の続きも教えて
       くれんだろ?あと・・・なんか、あの
       踊りながら鍛えるような奴も。」




    ミカサ「勿論。その時間はしっかり
       確保してエレンをみっちり
       鍛えなおして差し上げる・・・ので。
       その辺りの心配は全く要らない」




    エレン「っし・・!忘れんじゃねーぞ!」
       (オレも必ず卒業までにミカサの様な
       腹筋を手に入れてやるぜ・・!)
       コキッ・・・パキッ・・・




    ミカサ「・・・・エレン、その間接を
       鳴らすのはあまりやらない方が
       良い・・・。炎症を起こす恐れが
       ある・・・」タマニヤルケド
       




    エレン「そういう過保護なのは
       別に良いんだよ!鍛錬の仕方を
       教えてくれりゃな!!」




    クリスタ「ぇっと・・・じゃ、い、いこうか・・?
      ミカサ・・・・・?;」







  36. 39 : : 2015/09/15(火) 01:24:13





    ―女子訓練兵宿舎・クリスタ部屋前―







    クリスタ「い、一応どうなってるか
       全然分かんないし・・・ノックして
       呼びかけてみるね・・?///」
       ドキドキドキ・・





    ミカサ「・・・・・・・(コクリ)」
       ・・・タノム。




    トンッ トンッ!




    クリスタ「ユ、、、あ、イヤ、サシャ・・・?
      サシャ~~?起きてる~~・・・?;」




    ミカサ「・・・・・・」






    ―――――--・・・。






    クリスタ「あれっ・・・・;おかしィな・・・
       サシャなら眠っててもこの位の
       声を聞けば目を覚ます・・はず
       なんだけど・・・・///」オズオズ・・・





    ミカサ「・・・・つまり。そういう事・・・
       なのでは」グッ・・・
       (ドアノブに手を掛け)






    クリスタ「まッ・・・まってミカサ!?;;」





    ミカサ「・・・・何か?」ピタッ・・・






    クリスタ「やっぱ・・・やっぱいっちゃうの??//」
      ドキドキドキドキ・・・・・




    ミカサ「自分で気づいていないのなら
       教えておくけれど・・・・クリスタ。」
       チョイチョイ




    クリスタ「なッ・・・何ッ・・・かな?!///;」
      ドッキンドッキン・・・





    ミカサ「今最もこの戸の向こう側が
       気になっているのは貴女では?」




    クリスタ「ッ!?!?///ええっ・・・?!い、イヤ!
       そう見える!?わッ・・私はその・・ね!
       一応サシャも大事な親友だし。。。


       ソレはもう初めて恋愛感情を
       抱いた男子と一晩同じ部屋で
       過ごした翌日にどうなってるか
       なんて事を少し考えただけでも 
       ~~(ウンタラカンタラ///////




    ミカサ「・・・・・・(小さな溜息)クリスタ。」






    クリスタ「うんッ!?///」
         ビクッ(パチクリ)





    ミカサ「・・・・凄く楽しそう。」

       ガチャッ・・・・ ギッ・・・




    クリスタ「ちょ待ッ・・・////!!!!」キャーー!!w
       (嬉)




    ..それ以上無駄な掛け合いを続けても
    流し場に待たせるエレンの首を長く
    させてしまうだけと判断したミカサは・・

    一切何の躊躇も無く、目を白黒させて
    落ち着きを見せられないクリスタの
    不意を突き…その伏魔殿の戸を開け放つ。




    クリスタ「・・・・、、?、、、、??」
       チラッ・・・  チラッ・・・//



    ミカサ「・・・・・・・・」




    動く彫像のような静けさで戸口を
    踏み越え、厳かに入室するミカサ、
    そしてその直ぐ後ろでわざとらしく
    平手を顔面に覆い被せて、
    その指の隙間から部屋の様子を伺う
    クリスタの両名が目にした光景とは…






    アルミン「~~~、~~!」
       シーーー・・・ッ!!;(;>☝<)




    サシャ「スゥ.....フヒィ~~~~,,,」
       ムニュムニュ.....






    ミカサ「(・・・・・アルミン(小声))」




    クリスタ「っっ・・・・!!!////」ファァァ
      (歓喜の極みの表情)






    ディアンドル姿でしまりの無い微笑みを
    浮かべつつ・・・アルミンの左腕を
    しっかりと抱きかかえたまま熟睡する
    サシャの姿だった。

    ・・・抱きつかれている当のアルミンは
    その目に薄らとクマを浮かべながらも
    既に意識は覚醒している様子で、

    二人に向って必死に静止を訴えている。


  37. 40 : : 2015/09/15(火) 01:29:56






    ミカサ「(・・・集合場所にこれなかったのは
        こういうこと・・。(小声))」





    アルミン「(ご・・・ゴメンミカサっ・・!;でも、
       でもこれをご覧よ・・・ッ!!?こんなに
       気持ち良さそうに熟睡してるサシャを
       起こして出て行くなんて僕には・・
       僕にはちょっと..;;(小声))」
       グゥカワ、、、////;




    クリスタ「・・・・・////」トットット・・・・




    ・・・・と、そこで無言で二人に
    近づいていったクリスタが・・・・。。




    クリスタ「すっかり熟睡してる・・・サシャ。。
      最近じゃ滅多にこんな事
      なかったんだよ?

      きっと・・・きっとアルミンとこれだけ
      長く一緒にいられたのが嬉しくて
      安心したんだよ・・・ほら、」
      ギュッ・・・  ググッ・・・




    アルミン「(ぁっ・・・ちょっと!!!止めっ・・
       クリ..スタ・・・ 、・・??(小声))」




    自身の制止も聞かずにサシャの腕を
    静かに掴むと・・・そっとその腕を解く
    クリスタ。必死に制止を訴える
    アルミンだが・・・しかし




    アルミン「ぁ・・・・?!あれ・・・・」




    サシャ「フスーーーーッ..シュルルルル....」
       ムニャ。。。。




    クリスタ「・・・ね?やっぱり、全然起きない。

       サシャってホントに限界まで
       疲れが溜まってると本当、
       何しても5時間くらいは
       起きないんだ・・・・。でも
       最近は全然それもなかったの。

       ちょっとその・・色々あって
       サシャも・・・夜更かしとか・・・
       してたから・・・////;」
       カァァ・・・・




    アルミン「そう・・・・なんだ、、でも、
       良かった・・・・(溜息)もしかして
       このまま今日はサシャが
       起きないなら僕はこのままかと
       思ってたんだからね・・;」
       ヨッコイショ・・・  (ギシッ)




    フワッ・・・・...・・・・...




    クリスタ「っ・・・・////」ピクン



    ミカサ「・・・・・・・・・/」フイッ




    アルミンの起立と同時に室内の空気が
    流動し、部分的に滞った匂気を二人に
    届ける。。。



    女子にとっては殆ど嗅ぐ機会の無い。
    その奇妙で鼻孔に突き刺さる・・・・
    時間の経過した生鮮魚類と栗の樹木の
    花弁の匂いを掛け合わせたような
    匂いは勿論・・・・・・・





    ミカサ「・・・・アルミン。。」





    アルミン「・・・・・な、なんだい・・・?」フラッ・・~
      ウツラ...ウツラ・・・





    ミカサ「その辛そうな眠気を払拭する
       為にも・・・一度全身で水を浴る事を
       お勧めする・・・・//因みに、、

       それは・・・あなたのズボンでは
       無い・・・。違う?

       ユミルか・・・サシャのものか・・・
       何れにしても」




    アルミン「~~?、、;」
      シパシパ・・・・




    ミカサ「・・・・、これは、よく洗っても
        一度で綺麗におちるかどうか//」
        ・・・・スンスン。。。///



    意識そのものは覚醒しているアルミンでは
    あったが・・・ミカサが近づいてきてから
    見せたその行動を見るまで自らの
    身なりにまでは気が回らなかった。


    しかし、自身に近づいて来た彼女が、
    その下半身の惨状に思わず赤面しながら
    鼻孔を上下させる姿を見て徐々に、、、




    アルミン「っ・・・・、、
       
         ・・・・・・・・・・・・・・、、、

             ・・・ッッっ!!!!」





    そう、徐々に。自らの置かれた状況を
    正しく認識し直すと顔面を蒼白色へ
    豹変させ・・・、その背に緊張を走らせた。






    アルミン「ごっ!!!ごめんっ!!!僕ちょっと
       ・・・・ッ!!!か、体洗って

       ッ・・・・来るね,,,,////」ヨロッ・・
       カァァァァァ....////!!






    顔に集まる血液の所為で体温は
    炎の様な熱を帯びながらも・・・


    反面その身振りは、今にも吹けば
    消えてしまいそうに弱弱しく、


    ・・まるで蝋燭の火の様な怪しい足取りで
    部屋を後にしたアルミンだった・・・






  38. 41 : : 2015/09/15(火) 01:35:13






    ~アルミン退室後~







    ミカサ「・・・、・・・・・、、」
       スン、、、スンスン、





    クリスタ「これは・・・・///うん、
      なんか・・・本当に・・不思議な・・//」クン
      キョウミブカイ ニホヒ...





    ミカサ「アルミンが相当な量の××××を
       行って××××を撒き散らさな
       ければこうまで部屋中に匂いが
       充満する事は無いはず。
       (※真顔)
       ・・しかしベッドの状況を見る限り
       そのような染みはおおよそ一点に
       集約していて広範囲にわたって
       散乱している訳では無いようだ。
       (ツラツラツラ・・・・)

       ・・つまりアルミンの××××は
       相当な回数××××されたものの
       その殆どがサシャの××××へと
       ××××たと推測できる・・・。

       きっとあなた達二人の望み通り…
       昨夜のアルミンとサシャは本当に
       仲睦まじく度重なる性交に及(ry
    クリスタ「間違った事言ってないけどッ・・!

       間違った事いってないけどさ!!!

       真顔でツラツラと言わないでッ!!??
       スッごく生々しいよミカサ!!!(涙)」
       イヤァァァア!!!!; (;//˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )





    ミカサ「・・・・・すまない///、しかし
       私は一つだけ・・・・クリスタ。貴女に
       しっかりと確認を取っておきたい
       事があったのを思い出して・・・

       それで・・その話をするのに・・・・」
       エット....ウン..





    クリスタ「確・・・・認・・・・・?って・・・・
       えっと・・・それは一体どんな・・?」

      




    ミカサ「サシャとアルミンの事について。
       
       私は・・確かに二人が屋外で
       二人がそういった営みを
       しっかりやり遂げる所まで
       この目で見ている。・・・ので、
       後はサシャの身体の都合次第で
       いつその時が来てもおかしくは
       無いと思い、半ばそうだと
       決めつけていたけれど・・・

       実際の所、本人に確認をとった
       訳では無い。」





    クリスタ「・・・・・・?うん?」







    ミカサ「だから・・・その、サシャについて
       正しい情報を正確に把握して
       居そうな貴女に今の内にきちんと
       言葉にして聞き直しておきたい」






    クリスタ「・・・・・・。いいよ、私が答えられる
      事なら・・・何でも聞いて?」ウン。






    ミカサの顔が先程の様な能面を
    彷彿とさせる無表情から、若干年頃の
    乙女を思わせる朱の色に彩られるのを
    視覚で捉え、既に何を訊かれるのか
    心の中で理解しながらもそう返答する
    クリスタ。







    ミカサ「サシャのお腹の中には・・・・

       もう、アルミンの赤ちゃんが
       宿っている・・・、という認識で
       間違っていない…のだろうか///」







    クリスタ「・・・・・・・・うん♪
              間違ってないよ。


       ・・・ただ、私達はもっと前から
       二人の関係が続いてると思ってた
       訳だけど、それが違うって事が
       アルミンの申告で分ったの。

       ・・・・それで、サシャの周期を
       私達二人でも計算した上で
       ちゃんと確認し直したら・・

       その一番確率の高そうな日に
       2人とも初めて経験したんだって//


       ・・・ミカサが見たのが・・・その、
       二人の初めての日だと思う..よ」






    ミカサ「そう・・・・・・。



        ・・・・・そうか。有難う///

        ・・・・・・・クリスタ・・・・・」




    クリスタの目前でやや俯き加減になって
    礼の言葉を述べるミカサの表情は・・・





    クリスタ「・・・・・・・////」





    まるでその報告が、自分の身に
    もたらされた祝福であるかの様に

    その顔に湛えた喜びを一切
    隠せないでいる・・・・、彼女にしては
    非常に珍しい笑顔で輝いていた。






  39. 42 : : 2015/09/15(火) 01:41:16







    ユミル「んぁあ・・・??(ファァァア・・)

       おお、、、クリスタ・・と、
       ミカサか・・?か。

       丁度いい。私も寝不足でかなり
       グロッキーなんだが・・・一緒に
       ベッドのシーツを洗うン手伝って
       くれねぇ・・・・?;ちっくしょ、
       芋の奴・・・自分のベッドだからって
       好き放題やりやがって・・・///

       こんな有様じゃできるだけ
       早い所洗っちまわねーと、
       休み明けまでに部屋に残った
       匂いそのものが消せなく
       なっちまわーー...;」ゲンナリ,,






    ミカサ「それは・・・色々と大変だった様だ
       ・・・すまなかった。私も今日は
       エレン達と大事な話があるので
       丸々は無理だが・・・今からアルミンが
       水浴びを終えるまでに・・
       せめて一枚シーツを洗わせて
       貰おう・・・・」シズシズ,,,

       バサッ・・・・・





    ユミル「いや・・・そこまでお前が謝るのも
       なんか違わないか?」ン?;






    ミカサ「アルミンは・・・私の家族。
       だから家族が何か周りの人に
       迷惑をかけたなら・・私も共に
       迷わず頭を下げよう。

       ・・・そもそもあなた達二人は
       アルミンの為にも昨晩色々と
       暗躍してくれた様だ。

       クリスタにあっては...(振り返り)」
       カミノケ...




    ユミル「ぁ~~・・・イヤ、マジそんな
       気にすんなって。用事あんだろ?
       それなら・・・シーツも私らで
       何とかする。」 フリフリ






    クリスタ「そうそう!!///
       私のこれだって結局反対する
       ユミルを押し切って私が勝手に
       やったんだし。」






    ユミル「それは流石にやりすぎだと
       思ったけどな・・・でも、どうだった。

       途中キモチワリぃ悲鳴が
       聞こえたが・・・アレは別に
       教官とは無関係・・・なんだろ?」





    クリスタ「う、うん!;私は・・

      教官がすぐ隣で一度足を止めて・・
      もう駄目かと思ったんだけど・・
      何とか大丈夫だったよ!//

      あの悲鳴は・・・その、ライナーが・・・
      私に淹れてくれたお茶の残りを
      全部膝に溢しちゃって..;(苦笑)」





    ユミル「(嘲笑)ッッハ;w

       アホか・・・あのゴリラ・・・・
       間抜けとかそういう次元じゃ
       ねえだろソレ・・;結果論で
      
       大丈夫そうだったから最早
       何もいわねーけど・・・

       もしそれで教官がもっかい
       重い腰を上げちまったらどう
       責任を取ってくれるつもり
       だったんだよ・・・;」





    クリスタ「あ、なんか・・・ライナーがね?その時は..


      "俺がベルトルトと事に及んでいるという
      驚愕の状況を演じてでも、クリスタには
      注意を向けさせん!!!”

      ・・・って、凄い気迫で
      言い放ってたよ・・・・?;
      (ベルトルトはこの世の終わりみたいな
      顔をして猛反対してたけど・・;)」
       





    ユミル「あいつら演技じゃ無くて本気で
       そういう間柄なんじゃね→の?」







    クリスタ「ちっ・・・!!///違うよ!!!!



               ・・多分;(ボソ)。。」






    ユミル「多分じゃまだ分かんねぇなあ!!

       それにネタも上がってんだぞw

       ライナー(あいつ)の奴、兵站行進の時も、
       妙にアルミンにくっついて
       走ってやがるからな・・・・
       
       ひょっとしてあいつ等二人・・・
       密かにデキ(ry..
    クリスタ「ユミルが言うと冗談でも笑えない!!

      ら・・ライナーは・・・!きっと違うよ!!」
      オドオドオド。。



      




    ミカサ「・・・・・・・。」
       (溜息....。)


  40. 43 : : 2015/09/18(金) 02:22:17








    ~流し場~







    エレン「・・・・お?」ムクッ





    アルミン「や・・・やぁ//;」





    エレン「何だよお前だけか??
       ミカサはどうしたよ・・~ツ(欠伸)

       っつかお前・・・・」ジィィ・・・・↓
       (下方向凝視。。。)






    アルミン「ぃ・・・・言いたいことは分かるから
      あんまり見ないでくれるかな・・;」





    エレン「(思案中...)・・・・。

       ・・・・・なるほど。」ポン=3






    アルミン「今何を納得したんだい?エレン・・;」






    エレン「・・・・いや・・つまりアレだろ・・・。
       お前はこれから風呂に水浴びに
       行くところで・・・」




    アルミン「、 、;」
      ウンウン、




    エレン「その前にその誰のだか分からない
       ズボンをここで洗ってこうと
       してたが・・・オレが居たから
       そのまま風呂に向かおうと・・
       今がちょうどこの辺りだろ」
       ドウダ!アタッテルダロ!





    アルミン「珍しくエレンにしては状況の把握が
      成ってる・・・・・・!(戦慄;)」






    エレン「的確に当てられたってのに
       なんでバカにされる気分を
       味わわなきゃならねぇんだ..」
       ブツブツ・・・




    アルミン「って・・・そんな事言ってる場合じゃ
      ないか・・・!ミカサも待たせて
      しまってるんだし、早くお風呂で
      流して来ないと・・・・!」タタッ






    エレン「おい待てアルミン。
       ・・・オレも一緒に行く。」ガッ





    アルミン「はっ!!?!//い、
      イヤだよ!!!恥ずかしい!!!!!!!

      前寝てるときにやっちゃった
      時だって相当恥ずかしい思いを
      したんだ!!!いいから
      ほっといてくれよ!///」




    エレン「・・・・・いや、あのな。

       どうせお前がそれ終わるまで
       オレもミカサも待つ事に
       なるんだ・・・。そもそもお前、
       その格好で部屋までタオルを
       取りに戻る気か・・・・・・?


       悪いがもうこの時間じゃ
       ベルトルトもライナーも起きてる
       頃合いだし・・・もしそうなら
       今部屋まで戻った方が
       事実を知った人数の頭数分だけ
       恥ずかしい事になるんじゃねぇか」
       




    アルミン「・・・・・・~~~、、、」
      ムムム・・・・・/////;






    エレン「何より・・・オレとお前とはもう・・・
       "家族"同然だ・・・・。そうだろ」





    アルミン「よく真顔で言えたもんだよ・・///」
      シブシブ・・・





    エレン「・・・?オレも全く同じ事を
       お前に言われた記憶が
       あるんだが・・・・。気のせいか?;」





    アルミン「気のせいじゃないかな、きっと」
       スンッ





    エレン「分かった分かった;じゃ、
       タオル取ってくるから少し
       待ってろ・・・・」タッ、、




    アルミン「っあ・・・!ま、待ってくれエレン!」





    エレン「・・・・?何だよ・・・・」ピタッ・・





  41. 44 : : 2015/09/18(金) 02:24:11



    アルミン「さっき君は・・・僕の状況を
      随分的確に当ててたけど・・・

      肝心な所を随分都合よく避けて
      言ってた気がする・・・・!

      クリスタから・・・何か聞いてるの??;
      その・・・・僕の、、というか
      僕と・・・」





    エレン「・・・・サシャの事だろ??
       聞いたよ。オレも、ライナーも
       ベルトルトもな。」







    アルミン「・・・・・具体的には・・・どんな風に?」





    エレン「具体的にってそりゃ・・・・

       普通にそのままだよ。
       お前とサシャが付き合いだした
       ・・・・ってな。その後押しする為に
       お前に化けたクリスタが男子部屋に
       来てお前をサシャと一晩
       二人っきりにしてやるんだ・・・
       って息巻いてな」








    アルミン「((ホッ・・)つまり僕とサシャが
       どこまで行ってるかまでは・・・
       まだ・・教えられてない・・・のかな)」









    エレン「しかし・・また随分派手にやった
       もんだな・・・・;最近お前があまり
       外に行って気分転換してこない
       もんだからライナー辺りは相当
       心配してたんだが・・・・

       ・・・・そんだけ派手にやったなら
       心配いらねえか・・・・


       しかし一体何回やったらそんなん
       なるんだ・・・・;っつかその汚れ方
       ・・・?」ウァァ、、、;





    アルミン「っ・・・!!///昨日は・・・・ッ!
      一回もサシャとはシてないよ!!!
      サシャがどうしてもって言うから!」





    エレン「・・・・ウソ付け、じゃあその
       染物みたいに立派なシミは何だ。

       それに朝起きて来れないほど
       お眠だったんだろ、その様子じゃ」




    アルミン「これはッ・・・手と口で2回ずつ・・・

      そのッ・・・・(プルプル・・・)」






    エレン「(溜息)、、まあいい、取りあえず
       風呂に急ぐぞ。すぐ持ってくる。、
       誰か来ても直ぐ隠れられる様に
       しとけよ」





    アルミン「分かった・・・・・・;」
       









    ―水浴び場・男子風呂―




    ガパッ・・・

         ジャバ・・・・



    エレン「しっかし・・・お前が・・・
       よりによってサシャと・・・な。」





    アルミン「ぅん・・・・・、意外・・・だったかな?」
      ザッパザッパ(ズボン手洗い中)






    エレン「クリスタから聞いた
       その瞬間だけはな。・・けど、
       オレが思ってた感じとしては・・
       別にそうでもなかった」






    アルミン「・・・・・え」







    エレン「ああ、意外といえばそりゃ意外
       ではあったんだ。・・・ただお前には
       ああいう・・・何というか

       極端な言い方かもしれないが
       “サシャ”や・・・そうでなきゃ
       “ユミル”みたいな・・・」







    アルミン「っ////(ユ、ユミル??;)」
       ドキッ・・・






    エレン「ああいう、お前の手を自分から
        引っ張ってくれるような相手が
        合ってるんじゃねえかってな。

        あと・・・あいつらはどっちも
        お前が持ってない物を持ってる
        タイプだ。...似た物同士よりは
        ・・・そういうのも良いんじゃ
        ねえかって・・・


        ・・・・そう思ってた。


        あくまでオレ個人の見方だ」






    アルミン「・・・・・エレン・・・・・、、」






     僕が自分で想像していたよりも・・・
     エレンは・・僕の事を良く見ていて
     くれていた・・・。その事実が・・・・
     何故だか今はこんなに嬉しい。









  42. 45 : : 2015/09/18(金) 02:27:32







     普段から自分の事だけで手一杯で・・・
     何が何でも訓練成績上位を勝ち取って
     調査兵入団の確実な切符を
     手に入れる為。



     ・・そして思い出すだけで憎き
     巨躯の仇を駆逐する為・・・・・
     


     その目的だけを日々の糧に、この
     力強い瞳を燃え上がらせ・・・過酷な
     鍛錬に毎日飛び込んで行く彼が――





    エレン「ミカサもきっと同じ事を
       言うと思うが・・・・オレは
       似合いだと思うぞ。

       芋だの放屁だのと104期じゃ
       散々な言われようだが・・・・

       あいつも、結構可愛いところ
       あるよな(苦笑)」フハハッ))






    アルミン「っ・・///ぅ、うん・・・・
      そ・・・そう・・・、僕も思う・・・かな」




     ここへきて、まさか。


     まさか僕との色恋話に
     添える花として、自らの笑顔を
     咲かせて見せてくれるなんて。


     ――勿論エレンの笑顔を見た事がない
     ・・・等と言う訳では無い。


     ミカサと比べても当然直情的なエレンは
     よく笑うし、よく怒鳴るし、よく怒る。



     けれどこういった笑顔に至っては・・・






    エレン「まぁ・・アレだなwお前の感じ方も
       興味が無い訳じゃないが、

       アイツの方がお前のどんな所を
       本気で気に入ったのか・・・それは
       ちゃんと一度聞いてみて―な」
       ニッ・・・・







    アルミン「(エレンが・・こんな話で笑顔を見せる
       なんて初めてな気がする・・・!)」




     咄嗟過ぎるその振りには僕も流石に
     気の利いた対応が出来なかった。





     本当にこの顔は滅多に見る事の
     叶わない物なんじゃないかと思う。



     ・・・そもそも訓練兵団に
     入団してからの彼は・・・


     恋愛感情なんて事に頭の余剰スペースを
     割ける程、生易しい訓練兵生活を
     送ってはいない。
     


     真面目一辺倒…というのとは少し違う。



     それしか・・・“巨人を狩る事”しか
     結局今の彼の中には無いんだ。









    エレン「・・・・しかしだなアルミン。。(神妙)」





    アルミン「・・・・・???」





    エレン「クリスタなんかの話から考えると・・
       お前の“あの時”の反応も
       なるほどって事になるんだが・・


       それなら尚の事サシャの手綱を
       お前の方でも少しは握って
       やんなきゃ駄目だと思うぞ・・・
       オレは」




     急にその表情に影を落として僕を
     諭すような口調になるエレン。




     ・・・一体何を言いたいんだ・・?






    アルミン「???・・・;??え、ええっと・・・
       エレン・・?君が言いたいのは一体」






    エレン「いや・・・、お前もその時の状況が
       どうだったのかなんて一々
       小っ恥ずかしくて口には出来ない
       だろうと思うが・・・・流石に
       お前が血を流すほどハードな
       愉しみ方をするサシャを、
       お前の方でも少しはセーブして
       やれって・・・。そう言いたいんだ
       オレは」






     思い出されるのは勿論、あの日、
     エレンに目撃されてしまった僕の
     履物に穿たれたサシャの初めて証。。。





    アルミン「っっ・・・・?!!!///」
      カァァァ・・・・





    エレン「・・・・お前だってそんなでも
       一応男なんだからよ・・・やっぱり
       そう言うところはビシッと(ry






    アルミン「あれはッ!!!・・・だから・・
       違うんだってば・・・・・!!!」アタフタ;






    エレン「何がどう違うってんだよ・・;
       ほら、もういいから上がろうぜ。

       洗い物も大体良い感じだろ?
       流石にミカサをこれ以上
       待たせるのも悪いだろ」
       カコンッ・・・





    アルミン「(何て説明したら良いんだもう、、)
      ううッ・・・」ギュッ・・、ボタボタ・・

      パンッ、パン!







    <ミカサ「急ぐ必要は・・・無い」>





    水浴び場のついたて越しに届いたのは
    隣で同様に水浴びと洗物を平行して
    行っていたミカサの声だった。




  43. 46 : : 2015/09/18(金) 02:30:28






    アルミン「(そういえば・・誰かこんな時間に
       入ってくるなんて珍しいなと
       思ってたけど・・・・)」




    エレン「・・?!・・・ぁあ、お前も
       入ってたのか・・・・(溜息)

       ならそう言えよまったく」





    <ミカサ「折角アルミンが水浴びするなら・・
       私もシーツを洗いながら汗を
       流してしまおうと思って。」>

       ザバ・・・バシャッ・・・





    エレン「・・・・・お前・・もう朝の走りこみ
       行ってきたのか」






    <ミカサ「それ自体はわりと陽が上る前に
        終わっている・・・・。
        今日は久々に二人とのお出かけ。

        ・・そんな時に私一人だけ
        汗臭いのもどうかと思った」>




    エレン「・・・・・それは別にどうでも
       いいけどよ・・・、今、お前が
       水浴び場で態々洗ってるその
       シーツってのはまさか・・・・・」
       ジロリ...




    アルミン「っっ」ビクッ




     僕は必死でその場に黙り込みながらも
     衝立一枚隔てた向こう側にいる
     幼馴染に慈悲の救いを求める祈祷を
     行ったが...





    <ミカサ「・・・・アルミン、申し訳ないが
       エレンも薄々気づいていると
       思うので、ここはお互い家族である
       という事実も踏まえて、
       あえて隠しだてはせずに喋って
       しまっても・・・・?」>




    アルミン「う・・・、うん、いいんじゃ・・・
      ないかな・・・(肩落とし)」
      ガックリ・・・




     僕の必死の祈りは通じなかったらしい。





    エレン「・・・・あ~、、いい。別に
       態々説明までしなくてもな・・・

       今のお前らのやりとりで大体
       なんとなく分かったしな・・・


       ・・・・・しかしアルミンお前・・・」
       チラッ




    アルミン「何…?;」






    エレン「最近そういや全然夜抜け出して
       無かったと思えば・・・・

       たまに爆発するとお前、
       凄まじいな・・・・(畏)」



     そう言いつつ、薄ら汗を浮かべて
     後ずさるエレン。






    アルミン「どっ、どういう意味さ!!!?」






    エレン「どういう意味もへったくれも
       ねえって・・・、お前本当に気を
       つけろよ・・・?

       っつってももう卒業までも精々
       2ヶ月そこらだから・・・・
       そんな気にする事でもないかも
       知れないけどな。
       
       お前ら二人ならあっという間に
       子供作っちまいそうな気がして
       おっかねえよ」





    <ミカサ「・・・・・」>






    アルミン「・・・・・。。;う、うん・・・・
      それはまあ・・・↓気をつけるよ。
      僕が一番自分で分かってるからさ・・
      一度火がついちゃうと歯止めが
      利かなくなるのは、、」






    エレン「・・・・。おし、じゃあとっとと
       上がるか・・・」





     話の途中から急に張り合いの
     なくなった僕を見て暫し何かを
     考える様子を見せたエレンだった
     けど・・・・彼もあまりそういう間に
     長く黙り込んで何かを思案する
     タイプじゃ無いので、直ぐにその身を
     翻して脱衣所へと足を運び出す。






  44. 47 : : 2015/09/18(金) 02:33:34



    ガチャ・・・・   バタン。。




    アルミン「・・・・・・・」




     僕がエレンの言葉を受けて自身の中で
     逡巡したのは・・・一々言うまでも無く
     サシャとの間に既に芽生えてしまって
     いるかもしれないそれについてだ。



     そのタイミングにあわせてミカサも
     沈黙を続けてはいたけれど・・・

     今日町まで繰り出してミカサが
     しようとしている話は間違いなく
     “それ”についての話であるハズ。




    <ミカサ「・・・アルミン。エレンはそこに
        居ないの?」>




    アルミン「ああ、今先に出たよ。。・・・

      それからミカサ、とても言うのが
      遅くなってしまってすまない・・・・。

      本当は君の顔を見ながら直接
      言いたかったんだけれど・・・
      今丁度二人きりになれたから
      この場で言わせて。

      ・・・・あの日は・・・ありがとう。」




    <ミカサ「・・・・・・?」>





    アルミン「結局教官には殆ど僕らの
      無断外出はバレてしまっていた
      けれど・・・・・それでも。

      ・・・僕が今でもこうしてサシャと
      触れ合える場所にいられるのは・・
      全て君のお陰だ。

      ・・・・本当に有難う、ミカサ」






    <ミカサ「・・・・アルミン。あなたは私の
        大事な家族だ。エレンと同じ位
        私にとって無くてはならない
        存在であるし、そんなあなたには
        どうせなら毎日を楽しく
        過ごして貰いたいと思うのは
        当然の事・・・・。」>





    アルミン「・・・・・・・」






    <ミカサ「だからあなたが気にする事は
        何も無い。あれは私がしたくて
        勝手にした事だ・・・・。

        何より・・・

        アルミンが私にとっての家族なら・・・
        そのアルミンがサシャとの間に
        子を授かったというのなら、
        それは私にとっての大事な
        我が子も同然だ」>





    アルミン「・・・・・聞いたんだ・・・あの二人から?」







    <ミカサ「・・・念の為。私も
        アルミンとサシャがそれに励んでいる
        所は申し訳ないながらも
        周囲の監視を含め見届けさせて
        もらったが・・・・
     
        その後の経過まで全て把握して
        いた訳では無かった。

        だから正確な情報を手に入れる
        必要性は・・遅かれ早かれ確かに
        あった。・・・全てはあなたと
        サシャの今後の為、。」>






    アルミン「なんだか・・・・本当にキミには
       助けて貰ってばかりな気が
       するなァ・・・・(溜息)
       申し訳ない気持ちで一杯だ・・・」






    <ミカサ「言ったはず。あなたが
        気にする事なんて何も無いと。


        それから・・・・・」>






    アルミン「・・・・・・・?」






    <ミカサ「まだ気が早いと思うけれど、

        おめでとう・・・アルミン。

        無事サシャがあなたの子を
        産む事ができた暁には、
        三番目で構わないのでぜひ
        私の腕に抱かせてほしい。」>






  45. 48 : : 2015/09/18(金) 02:35:49







     衝立一枚。僕と彼女の間に
     聳える障害物はそれだけで、今は
     互いに衣服も何も身に着けてはいない
     ハズだけど・・・ されど、

     これだけ距離も離れているし、
     何よりその顔色も見えやしない
     状況において・・・・





    アルミン「・・・・・有難う。ああ、約束するよ。

      ただ、とりあげるお産婆さんとか
      までカウントに入れると3人目では
      なく4人目になるかもしれないけど・・
      それでもいい・・・かな?」






    <ミカサ「なら、その役割は可能な限り
        私が請け負おう。」>







    アルミン「それじゃ3番目でも4番目でもなく
      キミが一番最初になるかもねw
      ・・・でも、それもいいかもしれない」





     きっと彼女はこの衝立の向こうで
     笑っていたと思う。


     永い付き合いだから、という訳でもなく
     ・・・・何となくそうだと分かった。





    <ミカサ「話が長引いてすまない。
        きっとエレンは既に脱衣所で
        着替え終わってアルミンと私を
        待っている事だと思うけど・・・」>





    アルミン「あぁ…。間違いなく僕らがこうして
      内緒話をしてるのは気づいてて

      その上で気を遣ってくれてるとしか
      思えないな。こんなに長話なら
      幾らなんでも確認しにこないのは
      おかしい」





    <ミカサ「・・・どうせ今日エレンを交えて
        私がしたい話はそれについて
        なので・・・別に内緒にする意味も
        それほど無い・・・。

        それからアルミン、
        今更かもしれないが・・・

        構わないだろうか。全てを
        エレンに話してしまっても」>





    アルミン「・・・・・全然構わないよ・・。寧ろ
       それを考えれば必然的に僕と
       キミ達の行く先が分かたれる事は
       避けられないんだ。当然、
       事がすべてうまく運んだとしても
       ・・・・そうでなかったとしても。


       ・・・・そういう話は・・・僕も
       出来るだけ早くに三人一緒に
       したいと思ってたから」







    <ミカサ「・・・・そう。その言葉を聞いて
        安心した。では・・私達も
        そろそろ上がろう。

        服を着替えたら・・納屋から
        馬を二頭借りている。

        あなた達の部屋の近くに
        繋いであるのでそこで
        先に待っていて欲しい。」>






    アルミン「・・有難う、馬まで用意して
      くれてたんだ・・・。じゃあ、
      また後でね。。」







  46. 49 : : 2015/09/18(金) 02:41:23




    ~丁度その頃~






    ―女子訓練兵宿舎・クリスタ部屋―





    サシャ「~~~、、、、(ゴロン・・)
       ムニャ・・・、、んッフフフ・・///
       アルミヒィン....ずっと・・・一緒、、

       スピィ―→、、、、、、」ギュッ・・・





    クリスタ「・・・・・^^;」
       ヨクネテルネ、、;




    ユミル「鬱陶しいだろ、叩き起こして
       さっさとシーツ洗いを
       手伝わせようぜ。」





    クリスタ「そんな・・・、可愛そうだよ!
      こんなぐっすり熟睡してるのに・・!
      私・・・、サシャが起きるまで待つ。
      洗濯は私がそのあとやるし・・・
      ユミルは何かやりたいことあるなら
      やってていいよ>?」ジッ・・・




    ユミル「・・・・・嫁ほっぽって私一人
       お出かけする訳がねーだろうが・・
       (唸,,)しっかし本当にコイツよく
       寝てやがんな・・・いつもなら
       ほんの僅かな物音で目を
       醒ますってのに・・・・」





    ・・・二日続く位に長い調整日には、
    折角の連休でもある為、先述の通り
    里帰りに休みを費やすものが大半を
    占める事になるが・・・


    一身上の都合により、そうした特定の
    故郷を持たない、或いは持っていても
    特に帰る理由も無い例に該当する
    ユミル、クリスタの両名は・・・


    城壁都市の町等に繰り出す場合を除けば
    殆どの調整日をこうして普段通り宿舎で
    過ごす。





    クリスタ「~~~/////」ヨシヨシ
      (ナデナデナデ・・・・)




    サシャ「zzz、、、sssss」






    ユミル「・・・・・・・・」
      (頬杖&仏頂面)




    日々にメリハリなど何も無くとも
    クリスタと共に居られさえすれば何も
    毎日に不満のないユミルにとって、

    同室の仲間が、調整日には丸一日
    野山の獣を狩りに出かける都合上
    クリスタとの二人きりの時間が結果的に
    増えるこの調整日という日取りは・・
    中々に悪い気がしない退屈な一日
    だった訳であるが・・・・





    サシャ「・・・・・・、 フシュー-・・」





    今はそのクリスタの膝にちょっとした
    障害物がとりついてしまっている。






    ユミル「ったく・・・・折角昨日一晩で
       あんだけ仲良く宜しくやってン
       だからよ・・・今日もそのまま
       一日中添い寝してりゃいいのに。

       調整日で昼なら教官の巡回も
       当然無い訳だし・・・あんまし声
       上げないならヤリ放題だってのに
      
       ・・・・なぁ???」





    クリスタ「・・・・・・私に「なぁ?」とか言われても
      そんなの分からないって・・・//;

      それにアルミンだって昔から一緒だった
      あの三人で色々話し合わなきゃ
      いけないんだし・・・仕方ないよ。。」




  47. 50 : : 2015/09/18(金) 02:44:41














    ユミル「(溜息~~)しっかし昨日の
       こいつらときたら凄かったぜ・・
       本当に。お前にも見せて
       やりたかったぜクリスタ。」
       モウミダレマクリ!





    クリスタ「・・・・・///ううん、そういえば・・
      その辺の事全然聞いてないんだけど
      ・・・・その、サシャがこんなに
      熟睡してるのにアルミンがあんな風に
      クマまで作ってたってことは・・・??」
      モジモジ・・・






    ユミル「・・・・興味あるのか??」
       ニヨニヨニヨ






    クリスタ「ああ、うん・・・?えっとね;、
      興味とかそういうのとは少し違って
      ・・・ほら、サシャが起きてから色々と
      話が食い違ったりしても・・
      アレでしょ??;;」アッハハ;





    ユミル「 興 味 が お あ り で ?」
           ズズンッ




    クリスタ「ッッ;;;」
       ビクンッ






    口の端を見えない糸で吊り上げて
    いるかの様なイヤらしい笑みは
    そのままに・・・有無を言わさぬ気迫を
    全身に纏ってその様に迫るユミル。





    クリスタ「きょ・・・ううん!!興味あるから!!!
      だからイジワルしないで教えて!?
      ねえいいでしょユミル!!?//」キッ!
      カァァァァ。。。。





    ユミル「最初ッから素直にそう
       いっちまえばいいんだよ。

       全く、誰も見聞きしてる
       ギャラリーなんて居ないのに女神様は
       体裁ばっかり気にしやがる。

       同室のダチがイチ早く男女の一線を
       越えたんだ。素直にテンション
       上げて猥談くらいに興じられない
       ようじゃ・・・女子失格だぜ。」






    クリスタ「そういう聞いてるだけで
       恥ずかしくなってくる言い方は
       もうしなくていいから!

       ・・・・で、どうだったの???
       サシャとアルミンは・・・その・・・

       ユミルの見てる前でも・・・その、、
       何回か・・・・?」






    ユミル「・・・・?はい?何回か・・・

       その後は何でしょうか。女神様?」
       (耳にワザとらしく手を添えて)





    クリスタ「ゆっ。。。ユミルゥゥゥ!!////ꐦ°᷄д°᷅)」
       フシュゥゥゥウウウウ!





    ユミル「・・・・分かった分かった。


       ・・・分かりましたよ女神様。

       それじゃあ女神様が気になって
       仕方が無い芋とムッツリ君の
       進展具合についてだが・・・・」




    クリスタ「っ・・・!(固唾飲み込み)」ゴクッ・・;



  48. 51 : : 2015/09/18(金) 02:46:07


    ユミル「見てるこっちが悶絶しそうな位
       デレデレだった。もうありゃ・・
       今から二人目を心配した方が
       良いかもだな・・・。

       挙句にゃ目ン玉舐め回すとかって
       いう高レベルなスキンシップに
       及ぼうとしてたし、、、、」
       ウヘァ・・・オモイダシタダケデヌレソウ





    クリスタ「ひぇっ・・・?!?///め、、、目?!;;」






    ユミル「ああ、、、、まあ、それは芋が
       冗談半分で言ったのをアルミンの奴が
       気を紛らわす為にやっただけ
       だろうけどな・・・」





    クリスタ「しかもアルミンがサシャにしてたの!?」
      ヤバイ!チョットミタカッタカモ!!!;;





    ユミル「休み明けには眼球ぺロリストって
       二つ名を定着させてやろうと
       思ってる。・・・全く、隣でその様を
       見せられるこっちの身にもなって
       貰いたいもんだぜ」
       スコシデモ コウフンシタ ジブンガユルセネー・・;





    クリスタ「その渾名は流石にあんまりだから
      やめてあげない??;」




    ユミル「じゃあ、二百歩譲って
        馬鹿夫婦2号だ。あいつら・・
        本番にこそ及ばなかったが
        私がいる前でも平気で毒抜き
        しまくってたぞ・・・いや、
     
        これが私でなくクリスタだったなら
        少し違ったのかも知れない
        けどな・・・・とにかく、物凄い
        勢いで(じゃ)れ合ってやがった。
        
        幾らなんでも人目を憚らない
        にも程があるだろ・・」




    クリスタ「でも・・・羨ましいなぁ・・・//

       それってユミルは二人にとって
       最も無防備な瞬間を曝け出しても
       安心できる仲だって事でしょ?
       
       ・・・私素直にあなたが羨ましいよ・・
       ユミル・・・・」ガックリ・・・





    ユミル「けど、合体までは行かなかった。
       ・・・私はそれが見たかったんだから
       そこまで行かなかったのは正直
       消化不良だわ・・・(俯)」ゲンナリ・・





    クリスタ「ユミルって・・・本当、素直だよね
      ・・・。ちょっと、この場に私以外にも
      誰か居たりしたら・・・軽蔑してた
      かもだけど・・・ユミルのそういう
      正直すぎるところは・・・嫌いじゃ
      ないかも・・・;」ヨッポドミタインダネ




    ユミル「いや、クリスタだって
       見たいだろ!!!?///

       芋がどんな風にして腰振んのか、
       とか、最後はどの組み方で
       いくのか、、とか!!手や口だけしか
       昨日はやらなかったが、アレ
       きっと本番まで行ったら
       物凄い事になるぞ?」ナァ?!
       ギシッ!!!





    クリスタ「ちょっ・・・ユミル!いくらなんでも
      欲望に忠実過ぎ!!(;〃Д〃;)
      


      それに大きな声出さないで!?;
      折角ぐっすり寝てるサシャが
      起きちゃうかもしれないじゃない!」
      シッ!!!





    ユミル「良いっつの、別に起きたって!
       寧ろ起こして聞きたい位だぜ、
       昨日は何でアルミンの奴と
       やらなかったのかってな」






    クリスタ「そんなの一々聞かなくても大体
       昨日の事を思い出せば分りそう
       じゃない・・・?ほら、何か下を
       随分気にしてたし・・・・↓↓」





    ユミル「~~~???わっかんねーな・・
       今迄そんな事全く気にしてなかった
       奴が何でいきなり・・・・?;」





    クリスタ「それは・・・サシャにしか分らない
      事だと思うよ・・・・。それに
      女子だけでお風呂に入ってて
      気にならない事でも流石に大事な
      人に見せるとなると・・・やっぱり
      違ってくると思う・・・。恥かしさの
      基準とか・・・・・ねぇ。」




  49. 52 : : 2015/09/22(火) 01:41:38





    ユミル「・・・・・」
       ジッ・・・・・







    クリスタ「・・・・、な、何かな・・?ユミル・・・?」





    ユミル「・・・・・や。別に」






    クリスタ「あ。!分かった!!この格好だよね!?
      似てるでしょ!!」(りりしい眉)





    ユミル「まあ・・・金髪だしな。そりゃ
       格好までそのままなら一瞬そう
       見えなくも無いが・・・・」





    クリスタ「・・・・・ねーユミル??(ニヤッ・・)」






    ユミル「ぁ~、違いますよ~。
       違いますからね~。」ヒラヒラ






    クリスタ「何が違うの!?まだ私何も
      言ってないよ!!」フンス=3







    ユミル「ミカサの奴にも何か盛大に
       勘違いされてたけど・・・

       どうせお前も私がアルミン(あいつ)が好きだった
       とか・・・・思ってたクチだろ・・?」
       ジロリ・・・





    クリスタ「・・・・・・・違うの>?」
      キョトン,,,





    ユミル「・・・・や・・・まあ・・・・アレだな。
       (ギッシッ・・)ミカサには違うって
       言ったし、実際お前の前だから正直に
       言うけど・・・・・気になる、
       くらいの感情なら無くも無かった。

       ・・・主にお前と同じ髪色であの
       ナリだからな・・・単純に異性としては
       お前を重ねられたって
       言うのと・・・」




    クリスタ「ユミルってどれだけ私本位で
       周りを見てるの・・・?,,,(恐)





    ユミル「前から言ってるだろ?お前は
       私の嫁なんだから当然私は
       普段からお前の事しか考えて
       ないってよ」




    クリスタ「そ・・・そう・・・;///まあそれは
      それでいいとして・・・(ググッ・・)」




    サシャ「ムニャ・・・・?」ズッ・・





    クリスタ「あッ・・・サシャ!!!?」
       オキチャッタ!??




    サシャ「ァルミン~~♪ 今日は町に
       向うんじゃ無かったのですか?!

       私と一緒に昨日の続きを??!」ガバッ
       ン~~!!!(チュ~~)




    クリスタ「ねっ・・・寝ぼけてる!!!!ちょッ!!

      サシャ!?起きて起きて!!!わたし!!!!

      アルミンじゃ無いって!!!!!?」
      ガックンガックン!




    勢いがありすぎて最早悪意すら感じる
    壮絶なまでの寝ぼけ方で、アルミンに
    扮したままのクリスタに抱きつき直すサシャ。




    拭いきれない眠気でしょぼくれた目を
    翳ませながらも窄めた口をその顔面へと
    近づけて行く。









    クリスタ「ちょっと!見てないで助けてよ
       ユミル!?」




    ユミル「こりゃいいや(笑)ちょっと一回
       やってみてくれよ?

       相手が芋なら練習にも持って来い
       だしな・・・。因みに芋だけどな、

       すっげー攻撃的なのが長く続く
       から・・・・・・気をつけろよ?
       舐めてるとアイツみたいに意識を
       もってかれちまうかもしれないぞ
       ・・・酸欠で。」ケラケラ





    サシャ「んン~~~~~⇒」
       ムチュゥゥ。。。






    クリスタ「いや~~~~~~~~!!!!!///;」






  50. 53 : : 2015/09/22(火) 01:49:09





    ―訓練兵宿舎・エレン部屋近辺―






    ミカサ「待たせてしまって済まない・・・。
       早速出発しよう」





    エレン「・・・まあ、色々とごたついてた
       からな。誰が待たせたとか
       気にする所でもないだろ。
       
       折角滅多にない連休なんだ。
       ・・少しくらいのんびりしたって
       誰も文句は言わねえよ

       ・・・・それよりもどうすんだ?馬は」




    ミカサ「それは勿論、(ポム)此方の一頭に
       私とエレンで二人乗(ry...
    エレン「体重から考えてオレとアルミンでこっち
       じゃねえか?よく考えてみたら」




    ミカサ「(´・ω・`)」





    アルミン「エレン・・・本当に良く考えて・・(呆)」
      ババッ・・ ストン





    エレン「ん・・・・?何っあっ、おい
       アルミンお前ッ....」







     ・・・流石に見ていられない。
     エレンの鈍感さは並大抵じゃない…
     
     どころか、場合によってはその行いに
     悪意すら感じられる程辛辣な物も
     多分に見受けられる。



     僕は有無を言わさずエレンの選択肢を
     奪う為・・・そして少しでも僕の為に
     奮闘してくれるミカサの為に、
     傍らの一頭に飛び乗って鼻先を切る。






     パシンッ!
            ドドッッ!!





    アルミン「先に行くよっ??着いてきてミカサ」



    ドドッ・・  ドドッ・・・・・ 







    エレン「なんなんだいきなりよ・・・!
       (バッ) 

       ほら、行くぞミカサ!!!」
       バッ!!!




    ミカサ「(エレンの後ろ・・・・!!)」パァァァ..!!
       (表情輝度及びハイライト:5割増し)



  51. 54 : : 2015/09/22(火) 01:51:39



    ~その数分後~





    ―女子訓練兵宿舎・クリスタ部屋―








    クリスタ「んッ・・・!!ムグフッ・・・ェフッ・・・」ジタバタ
       ビクンッ・・・・ビグンッ・・


    サシャ「ムヒュフフフ....ンホッ・・・・ピチャッ」
       グィグィ・・・・







    ユミル「ぁ・・・・これヤバそうだな・・・;」
      (最初は面白いと思って見てたけど)






    寝ぼけたサシャの侵攻を
    防ぎきれなかったクリスタは結果その唇を
    奪われる格好となったが・・・

    今度は本当にユミルの警告通り
    酸欠の兆しが見え始め、その身を力なく
    震えさせる。


    半分サシャの顔が密着している事により
    その顔をハッキリとは確認できないが

    間違いなくその抵抗は息継ぎによる
    酸素補給を必死に行おうとする
    ところから来るものである。




    クリスタ「ムぐぐがッ(しんじゃう!)ムグガクッ!!ムググ!!(しんじゃう!ユミル!!)
       ぐぐぐぐっ.....(ピクピク)




    ユミル「ほれッ芋!!とっとと起きろ!!
       ・・・・・っつーーーーの!!!!」
       ッパパ――ンッ!!




    ユミルの全力を乗せた張り手がサシャの
    臀部、つまりクリスタに覆い被さりながらも
    後方に突き出された尻にクリーンヒットした。



    部屋中に破裂音が反響し、その残響は
    鳴き龍となってその場に居る三人の
    鼓膜を揺らす。





    サシャ「ッッッむグッ!?!???!(ぷはっ)

       ひぎゃぁぁああああああ!!!
       痛っ・・・・いったぁぁあぁぁい!!!

       おっ・・・おっ・・・ぉおっ;;!!」
        ピョンピョン(。(゚( ;^ω^)゚。






    唐突に貰った平手打ちの余りにも
    膨大なダメージに堪らず飛び起き、
    肉食獣から逃げ惑う小型動物の様に
    ピョンピョンと跳ね回るサシャ。





    クリスタ「ハァーーーッ...!ハッ・・・!!ハッ・・・!!」
       ヒュッ・・・ヒュゥゥ↓↓(lll´д`)





    酸素不足の末に昨晩のアルミン同様
    視界の明滅まで行き着いたクリスタだったが
    なんとかこれにより九死に一生を得た。





    ユミル「・・・・ワリwど、どうだった・・・?」
       オソルオソル・・





    クリスタ「ユミルもッ・・・やってもらえばッ//!」
      ꐦ°᷄д°᷅)檄オコプンプン丸ダヨ!






    サシャ「はっ・・?!ぁ、アルミンはッ!!??
       アルミンは一体どちらへ・・・?!

       先ほどまで確かに私と濃密な
       接吻を・・・・!;」キョロキョロ





  52. 55 : : 2015/09/22(火) 01:56:59





    ~それより一時間ほど後~






    ―城壁都市・トロスト区・市場周辺―





    ―町酒場―






    アルミン「はい・・・・とりあえずこれ・・・
       お酒とかじゃなくてお茶だけど・・」




    エレン「別に構わねーよ何だって。

       ・・・・で、ミカサ。手短に行こうぜ。

       ・・・・話ってな何だ?宿舎で三人
       集まってそれで簡単に
       済ませられないって事は・・・相当 
       重い話なのか・・・・?」グイッ・・(ゴクッ)




    ミカサ「・・・・・」

    アルミン「・・・・、っ」





     僕とミカサの視線が交差し・・・直後、
     僕はミカサによる最終確認に頷いて
     了承の意を伝える。とうとうエレンの
     耳にも・・・それを伝えるべき時が
     やってきたのだ。


     しかし、こんな時までミカサに
     頼りっきりというのも何か意気地が
     無い様に感じてどうにも心象が
     宜しくない。ここは僕が率先して
     先陣を斬ることにした。





    アルミン「っ・・・・エ、エレン・・・その!!
      僕ッ・・・僕・・・・・・・!」
      ガタガタガタ・・・・!






    エレン「・・・・ああ・・?」





    アルミン「さっき君には気をつけろって
      言われて咄嗟に頷いちゃったけど
      ・・・・実はもう僕ッッ・・・・!!!」





    エレン「・・・・ああ。」







    アルミン「もう、サシャと・・・の、その・・・!!
      出来ちゃったかも・・・しれないんだ
      ・・・・・//////あの、子供っ・・・////」
      カァァァ・・・・・





    エレン「・・・・だろうな。・・・いや、別に
       そんな驚きはないんだけどよ、
       実を言うと。」






    アルミン「  え  」






    エレン「・・・・何ていうのか・・・昨日
       クリスタにお前らの事を聞いて
       それからか・・思い返してみりゃ
       お前ら急に・・・何か互いを極端に
       避けるようになったなと・・・
       そう思ってな。それで・・・・

       もしかしたらお前位の勢いが
       あったらこりゃもう行く所まで
       行ってるかな・・・と。」





    ミカサ「・・・・そう。なら・・話は早い。

       もしそうなら・・・エレン、
       残念だけどアルミンは・・・・兵団(ry
    エレン「いいんじゃねえか?」




    アルミン「」
    ミカサ「」





     余りに唐突な言葉に・・・ほぼ同時に
     言葉を失う僕とミカサ。

     

     ・・・・それは驚きもする。僕とミカサが
     こういった話をエレンも交えて
     する上で・・・まず起こりうると
     考えてたのは、僕が兵団以外の進路を
     選ぼうとした際の…猛烈な反対だった。




    エレン「・・・何固まってんだよお前ら・・・

       ・・・あ?もしかして・・・オレが
       アルミンの志望先を非難するとでも
       思ってたんだろ・・・・;

       
       ・・・・そんな事する訳ねえだろ・・
       っつか、アルミンとサシャがそういう
       事になんなかったとしても・・・

       オレは別にミカサやアルミンの進路を
       とやかく言う気は無いぞ。」





    ミカサ「本当に・・・?!私は・・・実は
       ずっと前から調査兵団への入団を
       希望してたのだけれど」




    エレン「は・・・?いやだから何でお前が
       調査兵団なんだよ(呆)。

       オレが母さんに内緒にしてたのを
       バラした上にお前も一緒になって
       壁の外に行くなんて止めろとか
       言ってきたくせに・・・」ジロッ





    アルミン「(・・・結構とやかく言ってる・・・)」
       ガクッ・・・↓↓↓





  53. 56 : : 2015/09/22(火) 01:59:57

    アルミン「とっ・・・、ともかくさ?僕はその・・
      サシャと、もしできてしまって
      いたら・・、仮定の話になるけど、
      お腹の赤ちゃんの事も考えると
      調査兵団は勿論の事・・・普通に
      駐屯兵団っていうのもあまり
      良くない気がするんだ。

      内地に向いたいって思考には
      どうにも乗り気になれないけど・・・
      それでも。

      サシャに良い食べ物を沢山食べて
      貰って・・・子供にも元気に育って
      欲しい・・・。そう考えてる。


      こういう事なのかな・・・大事な人が
      できるっていうのは。
      “家族”ができるっていうのは。

      あまり喜べる事じゃ無いけど
      ・・・不思議とね・・・・・」





    ミカサ「・・・・・・」



    エレン「・・・・・・」








    アルミン「前ほど・・兵士を目指して僕自身が
       やりたかった事っていうのが・・・
       思い出せなくなってきてるんだ。

       前まではどうすればこの矛盾した
       王政をあるべき姿に正せるのか・・・
       考えてばかりだったのに・・・。

       最近ではちょっと考え事をすれば
       そこには何時も・・・サシャが居る。

       僕、なんかもう、サシャの事しか
       考えられなくなっちゃって・・・;」




    グッ





    アルミン「・・・・・・っ」




     その場で俯いたまま固まるしかない
     僕の肩を・・・力強く握り締める両手。


     顔を見なくてもそれがどちらの腕か、
     直ぐに分かった。





    ミカサ「・・・・・大丈夫。あなたは何も
       おかしくなんか無い。

       私は・・・5年以上前から・・・
       ・・・・ずっとそうだから・・・!

       これからもきっとこの気持ちは
       変わらないだろう・・・。

       あなたは私と同じだ。」





    アルミン「ミカサ・・・・・・」






    ミカサ「だから・・アルミン。
       あなたには安心して、自分の中の
       サシャへの気持ちを疑わずに
       前へ進んで欲しい。私も・・・

       きっとすぐにそこ(▪▪)に追いついてみせる

       ・・・・だから・・・・」ギュッ・・・






    エレン「・・・・大体そいつの言う通りだろ。

       オレからは特に改めてお前に
       言う事なんてねえ。さっきも
       言ったけどよ・・・お前らお似合い
       だと思うぜ。オレは。

       後はサシャの悪食に愛想を
       尽かされない様に稼ぎ捲らなきゃ
       だな・・・(苦笑)大変だぞ・・・
       サシャの餌代は。家畜なんかより
       よっぽど手が掛かるものと
       覚悟しといたほうが良い」
  54. 57 : : 2015/09/22(火) 02:07:50







    アルミン「あっ・・・!そ、そうか、そういえば
       彼女へのお土産を買っていって
       あげなきゃ・・・・!」スッパイモノ。。。!





    ミカサ「酸っぱいものがいいなら・・・
       石榴などもおススメだ・・・
       ビタミンも豊富。」





    エレン「っし・・・・、じゃあ若干重めな
       話もこれくらいにして・・・
       市場でも冷やかしに行くか・・・!」
       ガタッ・・



    ミカサ「っ・・・・あ」




    エレン「っ・・・?どうした、ミカ・・・」





    ???「ぉ・・・・?おおっ!!?
      どうしたどうした!!おいお前ら・・?!」




    アルミン「あっ・・・・・!?」




     酒場に響き渡る聞き覚えのある声。。


     その声の主は・・・・





    ハンネス「こんなところでばったり出くわす
      なんてな・・・!ん?私服って事は・・・
      何だ・・・・・??おいまさか・・」ニタニタ





    エレン「勘弁してくれよハンネスさん。。;
       昼真っから酒場でへべれけか・・?

       訓練兵(おれたち)に隊服を着ないで
       こんな所でサボりなんかやらかす
       暇があると思うか・・・・?;

       調整日だろ・・・普通に考えてよ・・・」
       タノムゼ・・・↓↓





    ハンネス「・・・・ナッハw冗談だ冗談。。

      しかしお前らなんだって一体・・・
      ・・・ぉ・・・アルミンお前・・・・」





    アルミン「あ、、お久しぶりです・・・
      ハンネスさん・・・・」スス・・・





    ハンネス「・・・・・・・??」




    アルミンの姿を見るなり何故かその顔を
    斜めに捻るハンネス。




    ミカサ「・・・・アルミンが・・・・
       どうかしたの・・・・?(汗)」




    ハンネス「いや・・・気の所為か・・・・お前ら
       3人共随分面構えも立派に
       なっちゃいるけどよ・・・・特に
       アルミン・・・お前だけ何か・・・何かな・・」
       ンンッ,,,,>?






    アルミン「忙しいところ邪魔しちゃっても
       悪いし・・・僕達もう・・・・」
       オドオド・・・




    ハンネス「アルミンお前・・・ひょっとして・・・
       コレ(▪▪)か!?ぇえ!?当たりだろ!!」
       ニヘヘ・・・・




    ミカサ「!??」




    エレン「なんで分かったんだ!!?」





    アルミン「エッ・・・ちょっ・・・////」








    ハンネス「うぉっ!!マジかよおい!!
       半分冗談だったのにまさか
       マジで当たっちまうとはな!!!!

       こりゃめでてぇ//!!!おい酒!!
       酒飲もうぜ!!!」




    エレン「何だよマグレかよ・・・

       ・・・っつか15に酒勧めるんじゃ
       ねーよ・・・てんで駄目な駐屯兵の
       お手本じゃねーか・・・・」シラ~~・・





    ハンネス「何をッ!!?こんなでももう
       部隊長だぞオレは!??てんで駄目とは
       心外だな!!!未来の上官に向って
       生意気な!!」オリャッ!

       グリグリグリ



    エレン「イギギギッ!;オ、オレは調査兵に
       志願するんだ!!そうなりゃ
       ハンネスさん直属の部下としては
       世話になりゃしねえぞ!!!」
       グォォァァ。゚・(>Д<)・゚。ァァァア



  55. 58 : : 2015/09/22(火) 02:10:42






    ハンネス「おっ!!一丁前に言いやがってこの!!
      しかし残念だったな!兵団が違っても
      所詮兵士ってのは階級には
      抗えんものなのさ!!だから
      今の内に俺と酒盛りでもして
      仲良くしといたほうがお前らの
      今後の為に・・・・」
    エレン「それッ・・結局ハンネスさんが
       酒盛り仲間を増やしてぇだけじゃ
       ねえか?!」



    ハンネス「ッハハハ!!!そうとも言うな!」
      ムハァ・・・・///





    エレン「うっぉッ・・・!!!!!酒臭ッッッ!!」
       ウゲェッ・・・





    アルミン「・・・・(クスッ)・・・・」






    ハンネス「・・・・本当にな・・・なんだか
       大人びちまったな。ミカサも
       エレンも立派になったが・・・・

       やっぱりお前一人だけ何か
       少し違って見えら・・・・」




    ミカサ「見た目で・・・分かるものなの?」





    ハンネス「所帯持ちには分かっちまうのさ。

       何となくな・・・。俺にだって
       そういう時期はきっとあった。

       これから家族の柱になんなきゃ
       ・・・って考えてる奴の目は・・・
       やっぱり一風違って見えるもんだ」
       ウンウン





    エレン「おっさん子供居たっけ・・・?」
        ジロジロ・・・・




    ミカサ「そういえば私も見たことが」
        ジロジロ・・・・  






    ハンネス「やめろっ!!そんな目で見るな
       お前ら!!!子供が居る居ないの
       問題じゃねーの!!!たとえ伴侶
       一人でも家族を背負ってくって
       いう心構えがだな・・・・・!!」
       ウン・・??イイカ?!






    ミカサ「アルミンなんてもうこの歳で
        一人作ってしまったのに↓」




    エレン 「っあ、、」
    アルミン「あっ!?」





    ハンネス「ブフゥッッ!!?!?」ブシャッ!!!!
       (お冷噴出し)



    アルミン「アゥぁッ!!?Σ ૮(꒦ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )」
       ビシャッ・・・・!

       

    ミカサ「ぁ・・・・、済まない・・つい」





    エレン「“つい”じゃねーよオイ!!!
        どうすんだ!!!外部に・・しかも
        駐屯兵の部隊長にバレちまった
        じゃぁねーかっ!!!」



    アルミン「ぅぁあ・・・・;↓↓」
       (ビショビショ・・・・)




    ハンネス「オイオイマジか!?!?

       アルミンお前っ・・・!おめでた
       なのかっ・・・?!っていうかお前!!
       訓練兵科の方はどうなんだ?!

       大丈夫なのかよ!!相手の子は?!」
       ガックンガックン



     そんなことより今引っ被っちゃった
     ハンネスさんのお酒臭い水を早く
     拭いたいんだけど・・・

     何というか驚きと同時に・・・
     どちらかというと喜びを前面に
     押し出して僕の肩を揺すりにくる
     ハンネスさん。



    アルミン「だからっ・・・ええと、その・・・

       皆には内緒にしながらというか・・・
       おめでただって分かったのも・・
       その心当たりがあるのも一月の
       内だから・・・まだ周りには何とか
       バレずに済んでるというか・・・

       だから・・!お願いです、どうしても
       今兵団を追放される訳には・・
       経済的にもっ・・・;」ブルブル・・・



    ハンネス「・・・なるほどつまりヤッたのは
       そんな前って訳でも無いんだな!!」




    アルミン「こ、声が大きいよ!!!
       恥ずかしいから大声出さないで!!」
       イヤァァ!!!///



  56. 59 : : 2015/09/22(火) 02:15:37






    ハンネス 「ぁあ・・・?追放・・?!いやいやいや!!
       そんな密告とか・・・詰まらん事
       しねーぜ!!!大体そんな事して
       俺に何の得がある!?」ナッハハ!






    エレン「だよな・・・!!年中任務中に
       酒かっくらってへべれけに
       なってやがるのに部隊長の威厳も
       権限も何もあったもんじゃ
       ねえよな・・・・!(ホッ・・)」


       
    ハンネス「おっまっえっは!!一言余計なんだよ
      エレンよぅ!!!」グリグリグリ





    エレン「ぐぬぁっ!!グリグリ(それ)やめろって!!」





    ハンネス「それより非番って事はお前ぇ・・・
      さては今町にそのお相手の子も
      買い物に来てるなんて事ぁ・・?」
      ソワソワ・・・・・;
      




    アルミン「残念だけど・・・今日は来てないよ・・
      具合があまり良くないっていうから
      ・・・宿舎でお留守番さ」





    ハンネス「くっそぅ・・・マジか・・・!(悔)
       
       そいつぁ凄ぇ見たかったぜ!!
       ・・・・なあ、お前らは知ってんだろ
       ・・・その子は可愛いのか!?
     
       可愛くねえ訳がねえよな!!??
       コイツがこの顔で嫁が可愛くねえ
       訳がねえよな!!?」アァン!?




    アルミン「何それ!?ちょっとそれどういう
       理屈さハンネスさん!!?

       僕の身なりと相手の見てくれが
       どう関係あるって言うの?!?(憤)」
       ꐦ°᷄д°᷅)=3ムッスン!!




    ハンネス「のわッ!!チクショそんな怒んなって・・
      
       ・・・・・っで?どうなんだよオイ!!w
       可愛いんだろ!!?なあ!!
       可愛くってそれはもう利発そうな
       お嬢様とか・・・!」ソワソワソワ






    エレン「・・・まるで我が子の嫁を気に
       してるみてぇなはしゃぎっぷり
       だな・・・;」




    ミカサ「一言で言ってしまうと・・・
       男子の基準でどうなるかは
       よく分からないのだけれど・・・・
       可愛いと言ってしまっても
       間違いではない筈・・・・(クルッ)」ネ?

    エレン「ああ・・・男子目線で言わせて
       貰っても・・・サシャは一応美人の
       括りに入ってるから安心していい
       …だがあいつは…(汗)」





    アルミン「何!!?だがアイツは!!??その先は
      一体なにが言いたいの!!?」





    ハンネス「おおっ?!?恋人のお名前は
       サーシャってのか!!良い名前だ!
       ・・・で、何だその先は!!

       言っとくが恋に障害ってのは
       つきものなんだ。ちょっとやそっと
       目を瞑れねえ位じゃ男として・・」





    アルミン「間延びしないよ!!サ、シャ、!!!

       それに僕は彼女の何処を
       とったって不満な所なんか・・!//」




    ハンネス「ホラホラ、少し水でも
      飲んで落ち着けって・・・(ゴトン)」






    アルミン「おじさん・・・この店はジョッキに
       並々注がれた××××みたいな色の
       御冷を客に出すの・・・?(辛辣)」


  57. 60 : : 2015/09/22(火) 02:19:03







    ハンネス「んなッ・・・・!?貴様言うに事欠いて
      この崇高なる飲み物を指して・・・

      ××××だとッ・・!!?見損なったぜ・・・!
      少しでも大人になったと思った
      俺の目が間違ってた・・・!(モウイイヨコセ!)

      (ゴグッ・・グビッ・・・)プハッ!!
      ・・・・で?何だった、その続きは・・?!
      コイツの彼女に一体どんな難点が・・」
      グェップ・・・





    アルミン「しつこいなもう!何でもいいだろ!?」
      プンプン!!!





    ミカサ「・・・・見た目はそこそこ整っている

       ・・・のだけれど。少し常識が
       通じない所も有るというか。
       たまに芋を盗んだり・・・・;」

    エレン「・・・・まあ、率直に言って
       ・・・ちょっとバカなんだ;

       あ、いや・・アルミンと比べたら
       相当かな・・・。わ、悪口じゃねえぞ!
       事実だからな!?」




    ハンネス「・・・・・」





    アルミン「(事実だけに何も言えない・・)」
       ヌグググ・・・・;





    ハンネス「・・・・そんだけか?」





    エレン
    アルミン  「・・・えっ」
    ミカサ






    ハンネス「・・・・いや、だからよ・・・!
       少々おバカで・・・?その・・・なんだ
       空腹に耐えかねて芋盗むとか・・・
       それだけかって聞いてんだよ!」グ
       (グビグビ...)





    アルミン「そ・・・そんだけ・・・って・・
       ううん・・・・・。。。」







    ハンネス「(ブハッ!)・・・そんなのお前ぇ・・!
       欠点の内にも入ってねえじゃ
       ねーか!!!この俺を見ろ!!
       
       うちの家内なんかこんな
       飲んだくれの俺ですらちゃんと
       家に稼ぎを持って帰りさえすれば
       暖かく家族として毎日の労を
       労ってだな・・・・(ry

    エレン「いや、迷惑かけてる側が偉そうに
       言う事じゃねえだろ・・;ていうか
       飲んだくれな自分が周囲に大きな
       迷惑になってるってわかってて
       (ソレ)止めらんねーのかよ!」






    ハンネス「ぁあ!!やめらんね―な!!
       やめられる訳がねえ!!!(こいつ)
       俺の仕事や使命とは何の関係も
       無い・・・ただの趣味だ!!

       仕事と趣味を一緒くたにしちゃ
       いけねえ・・・//(ヒクッ)こいつぁ
       大事な事だぜ・・・?」




  58. 61 : : 2015/09/22(火) 02:20:50



    エレン「その隊服と肩に下げた鉄砲は
        今が趣味を持ち込んじゃマズイ
        仕事中だって証じゃねえのかよ
        ・・・おっさん・・・;」 




    ハンネス「ぁっ・・・?///おっと、そうかw
       そうかも知れねえ・・(グビッ・・・)
       ・・・・プハッ(ゴトン!!)

       ・・・だがこれで・・・ウップス,,,
       これで証拠隠滅だ・・・・何処にも
       俺が仕事中にこいつをやってた
       証拠は無い・・・だろ・・・??」




    エレン「駄目だこのオッサン・・・・
        早く何とかしないと・・・・(焦)」




    ミカサ「・・・・アルミン、久々に
       ハンネスさんにも会えて楽しいのは
       私たちも同じだが・・・

       そろそろ市場に出かけないと。」
       オミヤゲモカワナイト。。




    アルミン「あっ・・・そ、そうだね・・!

       じゃあ、あの・・・せわしなくて
       ごめんなさい、ハンネスさん・・
       その、僕らもう行かなくっちゃ!」




    ハンネス「・・・お、おう・・?そうか・・・

       まあ、アレだな・・・頑張れよ・・・
       って言うかそうそう次は絶対
       その子連れて来いよな!!?

       そうしたら密告は無しにしといて
       やる!!忘れんじゃねーぞ!!!」
       ゲハハハ!




    アルミン「なっ・・・?!?;そんな!!
       告げ口する理由なんて
       無かったんじゃないの・・・・!!?」
       (ヒドイ!)





    ミカサ「・・・・アルミン。」
        フルフル・・・




    エレン「ぁあ。そうだぞ。少しは
        ハンネスさんの気持ちも
        考えてやれよ」
        グッ・・




     そう言いながらやけに達観した
     面持ちで二人して僕を諭しに来る。

     

     その心はというと・・・・




    エレン「あの歳になって・・・未だ子宝にも
       恵まれねえから・・・もう半ば
       俺達がおっさんの養子みてぇな
       感覚になっちまってるんだよ・・!」



    ミカサ「・・・ならばせめて孫の顔を
       産む事になるアルミンの
       お嫁さんを一目見たいと思うのは
       当然の親心・・・・!」ウン・・!






    アルミン「君達二人・・・波長が合っちゃうと
       凄まじくえげつない殺傷能力を
       持つんだね・・・・!!!(汗)

       まるで巨人のうなじを削ぐ為に
       携えた2本の刃みたいだよ・・・(引)」





    ハンネス「うん・・・お前ら結構ヒデーな・・・;
       回復薬(ビール)飲んでなかったら
       間違いなく致命傷だったぜ・・↓↓」
       ガクッ・・・


  59. 62 : : 2015/09/24(木) 00:45:03














    ハンネス「(オイ・・・おいミカサ!(小声))」




    ミカサ「・・・・?」



    エレン、アルミンが代金を支払いに
    カウンターまで出向いている間に小声で
    ミカサを呼び寄せるハンネス。






    ミカサ「・・・・何?ハンネスさん・・・・」





    ハンネス「いや・・・本当今日は
      偶然だったが・・三人共大きくなった
      ・・・アルミンの吉報があったから話題に
      出さねえようにしてたが・・・
      やっぱりその・・・・なぁ。

      俺としては・・・何度頭を下げても
      ・・・特にお前とエレンに対してだけは
      ・・・・本当に頭が上がらねえんだ・・

      あの時は本当に・・・・」




    ミカサ「ハンネスさん。私もエレンも・・・・
       あの日ハンネスさんが巨人に
       立ち向かおうとしていれば
       間違いなく助からなかった。

       それだけは忘れないで
       居てほしい・・・・」





    ハンネス「そう言うけどな・・・・!
       そんなに・・・そんなに簡単に
       割り切れる事じゃねえんだ
       これは・・・・・・!!結果どうあれ・・・
      
       俺はあの時兵士としての使命を
       ・・・投げ出した事になるんだぞ
       ・・・??!それを・・・!!!」



    ミカサ「・・・。そこまでで。

       もう・・・エレンもアルミンも
       勘定を終える・・・・それじゃあ・・

       ハンネスさんもお仕事頑張って」





    ハンネス「ぁっ・・・おいじゃあちょっと待て!
       あのなミカサっ・・・!!」オタオタ





    ミカサ「?」





    ハンネス「お前ら三人とも確かに見違える程
       立派になった・・・。しかしやっぱ
       その中でも昔から一番お前が
       しっかりしてる。

       エレンもそうだが・・特に話の
       通りならアルミンは色々と
       一筋縄じゃ行かねぇだろ・・・。。

       あの二人を・・・頼むぞ」グッ・・





    そう言うと力強くミカサの肩を
    握るハンネス。





    ミカサ「・・・・頼まれなくても。喜んで」




    余計な言葉は不要とばかりに
    ミカサもそれだけ返すと静かに頷く。






    ハンネス「あとこれは余計なお節介かも
       しれねえけどな・・?」ニッ・・・



    ミカサ「・・・・・!」



    不意に、背を向けたその後方で何やら
    ハンネスが声色を変えたのを感じ取るミカサ。
    瞬時にしてその背筋に一種の緊張が
    走ったが、その緊張とは
    今のミカサにとって・・・・、、




    ハンネス「お前ら(▪▪▪)も、作るなら早めにな・・・?」
       ニッヘヘヘ・・・




    ミカサ「なっ・・・・////
        

        何をいきなり言い出すの//


        早めに・・する必要性が・・・//」
        カァァァ////////




    ・・あまり心臓に良くない緊張感であった。


  60. 63 : : 2015/09/24(木) 00:47:15





    ハンネス「イヤイヤぁ・・・・簡単な事だろぉ・・・?

       思い出してみろよ・・・町で
       お前らがつるんでた時・・・・

       お前やエレンはともかく、
       アルミンはどんな境遇に
       陥りがちで・・・・それを
       毎回お前ら二人が
       (というか主にミカサによる)
       どうしていたのか・・・もう
       忘れちまったのか・・・・?」






    ミカサ「ッっ・・・・・・!!!!」




    ミカサの全身に落雷の如く鳴り響く
    警告音。





    ミカサ「孤立・・・・!・・・・

       周囲からの・・・いじめ・・・・・・!!!

       大変だ・・・アルミンの子供に・・・
       友達がいなければ・・・・!!

       きっとアルミンがそうだった様に
       ・・・・・・!!!」ババッ・・
       ギラッ・・・






    エレン「うぉッ・・・!?何だ何だ・・・;
       背筋がッ・・・!気味悪いな畜生ッ」
       ゾクゾクゾク



    ミカサの鋭い眼光を受けたエレンは・・・
    視線の有無に気が付くまでも無く
    その気迫を察知した自身の危険信号に
    打ち震える。





    ハンネス「・・・・まあ、そういう事だ・・・・」
       ポン=3




    その口から酒気を洩らす悪魔の囁きが…




    ミカサ「有難う・・・ハンネスさん。。
       教えて貰わなければ・・・手遅れに
       なる所だったかもしれない・・・!

       こうしてはいられない」グッ・・





    いずれ戦場の女神の二つ名を欲しい侭に
    する彼女の戦意に火を放つ。





    ミカサ「私もエレンと・・・一刻も早く・・・」
       ✧ギラギラ・・・・✧




    酒場を後にしながらも・・・その先は
    あえて口にせず、全身からもやの様に
    立ち昇る気迫のみを残してハンネスへと
    別れを告げるミカサだった・・・・





    ハンネス「(さて・・・これで来年辺りが非常に
       楽しみになってきやがったなぁ・・


       しかしアルミンのガールフレンド・・・???
       ・・・いや、嫁か・・・!気になるぜ・・!)」
       ゲヘヘヘ・・・・・






  61. 64 : : 2015/09/24(木) 00:49:04






    ―城壁都市・トロスト区・市場周辺―






    ―パン屋―





    アルミン「ぅうん・・・・サシャと言えば
      やっぱりパンだと思って・・・一応
      寄ってはみたんだけどな・・・・;

      折角こんな色々美味しそうなパンが
      並んでても・・・サシャが好んで
      食べてくれなきゃなぁ・・・・」



     ミカサは金物屋に用があるというので
     一端別行動として・・・僕とエレンで
     食べ物関係を当たってみる事に。



     この見廻りで何とかサシャを
     満足させてあげられるような酸っぱい
     食べ物達を首尾よく集めないと。



    エレン「すっげ~・・・イイニオイ・・・・( ´Д`)」

       ガサガサ・・・ビリッ・・・



     店から発せられる何とも言えない
     素晴らしい香りに頬を緩ませた
     エレンが早速何か買っている・・・・




    アルミン「・・・早速買い食いかい・・・?;
      まったくキミは本当に・・・↘...って
      あれ・・・・・・

      それ・・・なに?エレン。」





    エレン「ああ・・・珍しいから
       買ってみたんだ!なんでも調査兵の
       保存食や壁外物資として壁の外に
       置いとくのにも使われるくらい
       日持ちするらしいぞ。酵素が
       どうとかで・・(モグモグ)」モソモソ・・・




     エレンがその手に握っていたのは
     四角く薄い板状にカットされた・・・
     パンなのか固形食糧なのかよく
     分らない真っ黒な物体だった。





    アルミン「・・・ど、どうなの・・・・?美味しい?」





    エレン「趣味は分れるだろうが・・・
       オレはいけるな。一口いくか?

       そういう味だって触れ込みだから
       試しに一個買ってみたんだが・・」





    アルミン「じゃあ・・・少し頂くね。(モソ..)



    (ムグムグ・・・・)・・・・・!!え・・・!

       これって・・・・パン・・だよね・・?!」



     一口齧った僕に走る新たな味覚。

     そう・・・そのパンらしきものは何と・・・




    アルミン「何か・・・パンなのに酸っぱい・・?」
       




    エレン「まあそうなんだろうな・・・
       パン屋で売ってるって以上は・・
       それも間違いなくパンの
       一種だって事だろ」





    アルミン「よし・・・まずは一個買っていこう!」
       (フンフン)





    エレン「即買いかよw」
        ムシャムシャ・・・





    アルミン「いや・・・これは興味深いよ・・・!

       もしサシャが少し好みに
       合わないと言っても・・・こういう
       珍しい食べ物なら少しは彼女の
       気を引けるんじゃないかなって」
       ワクワク




    エレン「・・・そうか(笑)まあ・・・・
       いいんじゃねぇか。

       お前がそう思うんなら」
       (いい顔してやがんな・・)




  62. 65 : : 2015/09/24(木) 00:52:22



    ~同時刻~





    ―日用品店並び・石鹸屋前―




    アニ「あ」
    ミカサ 「あ」





    アニ「本当に・・・・ばったり会ったね。
       ・・・で?アンタは何を・・・」





    ミカサ「、サシャの御使い。

        ・・・・そういうアニは。」





    アニ「・・・・サシャの御使い。

      っていうか昨日言ったよね。まあ・・・
      私もアンタから聞いてるけどね」




    ミカサ「・・・・・。私も丁度切れ味が
       落ち始めてきたのでサシャのと
       同時に買ってしまった。

       ・・・・しかし・・・なぜ今まで
       何の手入れもせず、それで
       気になる事も無かったサシャが・・
       こんな時期になって・・・?」




    アニ「いや・・・;冷静に考えて
      原因になりそうな事なんてさ・・・
      一つくらいしか無いんじゃないかな」
      アンタモタイガイダネ....






    ミカサ「・・・やはり・・・アルミンが・・?

        私はどうしてもそうは思えない。
        アルミンは他人の外見的特長を
        批難したり・・・あまつさえ
      
        それを理由にそれまでの
        付き合い方を変えたりする
        性格ではない・・・・」
        ウウム・・・




    アニ「・・・・じゃあ・・・
       あいつの自意識過剰しか
       ないんじゃない・・・・(フイッ)」 



    サシャ本人から事の真相を
    聞いているのでアニにはどういった
    理由で彼女が自ら局部の体毛処理を
    決意したのかは知っている訳であるが…


    それを敢えてミカサに事細かに
    伝えるのは少々プライバシー保護の
    観点からもよろしくないと判断し、
    それ以上多くを語ろうとしなかった。

    が。




    ミカサ「・・・・!ひょっとして・・・
       アルミンの方はつるつるだから
       交わった時に不快感を伴った・・・
       という事も考えられるか・・・」
       ウム・・・?





    アニ「何で知ってるんだいあんたが!!?//」






    ミカサ「何でって・・・私はアルミンの
       家族だ・・・当然それくらいは
       把握している。

       家族の健康状態に気を張巡らす
       のも・・・大事な仕事・・・」



    アニ「・・・~~まあいいや;

       ・・・・・で、アンタはアンタで
       石鹸屋に何か用が?」





    ミカサ「私が自分で使う分と・・・

       昨晩サシャとアルミンが
       盛り上がったお陰でユミルの
       部屋に盛大に匂いが残って
       しまったから・・・何か布団の
       シーツを洗うのに適した洗剤か・・

       芳香剤でもと。」




    アニ「相変わらず・・・なんかすっごい事に
      なってるんだね・・・あの二人は。」
      (溜息)

  63. 66 : : 2015/09/24(木) 00:57:02








    ミカサ「そういえばアニ・・・あなたは
        サシャに事の成り行きを
        何処まで・・??医務室で一緒に
        話をしていたみたいだけれど。


        確認する前に勢いで昨日の事を
        言ってしまった・・・」





    アニ「・・・・あんたは家族だから
       勿論アイツの事は・・・全部
       知ってるんだよね。」






    ミカサ「・・・おおよそ」





    アニ「・・・じゃあ別に私が知ってる
       事位なら・・・ネタバレには
       ならないね。

       ・・・・・多分全部聞いてると思う。
       出来ちゃったんでしょ・・?
       しかも一回目で。」



    ミカサ「・・・(溜息)サシャに聞いたの?」





    アニ「ああ。交換条件でアルミンとの
       間柄を聞いたらね。何か
       包み隠さず全て吐いちゃって。

       正直そこまで言ってくれなくても
       良かったんだけど」



    ミカサ「ならばアニにも気を遣う必要は
       無い・・。念の為言っておくけれど
       ミーナには・・・」



    アニ「・・・分かってるよ・・・;っていうかさ

       ・・・・・もう知ってる奴が殆どじゃ
       ないのかな・・あいつらの事。」





    ミカサ「そんな事は無い。

        サシャに妊娠の疑いがあると
        把握しているのは・・・兵団では
        アルミンとサシャ本人を除外して

        私、エレン、ユミル、クリスタ
        ・・・そしてあなた。

        現状この5人だけだ。エレンの
        部屋の二人は・・クリスタから
        話がいっているので恋仲に
        なっている事くらいは
        把握していると思うが、
        それ以上は知らないはず。」





    アニ「・・・・なるほどっ・・・ねぇ・・(伸..)

       じゃあ・・・どうせあいつの部屋に
       あんたも行くんだろうし・・・
       多分、あいつ、それの使い方
       知らないって言うだろうから。

       私が御使い頼まれたコイツを
       渡すついでに・・・教えてやりなよ。

       ソレを頼むって事は
       処理し終わった姿で頑張る気
       満々なんだろうし・・・」





    ミカサ「・・・了解した。(ハシッ・・)

        ・・・・これは・・・いい香りだ。
        いつもあなたが使っている
        物と同じ石鹸・・・?」




    アニ「そうさ。・・・・あいつ、なんだか
       自分の匂いにまで気を遣ったり
       しちゃってさ・・・あんなに
       食べ物以外で嬉しそうに笑う
       所は初めて見た気がしたよ。」






    ミカサ「・・・・・・・」






    アニ「あんなのを見せられちゃうと・・
      少し恋愛って物に興味が
      沸いちゃうのも分かる気がする」






    ミカサ「アニは・・・10位入りも
       ほぼ暫定で決まりと言っていい。

       志望は内地の憲兵だったと
       記憶している。・・・・それなら・・」




    アニ「・・・・うん?」






    ミカサ「あなたなら・・・きっとそんな
       相手も直ぐに見つける事が
       叶うのでは。」








    アニ「・・・どうしてそう思うの?」





    ミカサ「どうしてと言われても。

        ・・・あなたは・・美人だから。
        ・・・そうとしか言い様がない」




    アニ「―――・・」
       パチクリ・・・





    ミカサ「・・・・?」





    アニ「――本気で言ってるの?」




    ミカサ「嘘をつく理由が無い・・・」





    アニ「・・・・そいつはどうも。

       ・・・でもアンタに言われると
       何か・・・少し不安・・というよりも
       見劣りしそうで何だかね・・・」



  64. 67 : : 2015/09/24(木) 00:59:58





    ミカサ「・・・・つまり???」





    アニ「私的には美人って言葉じゃ
       アンタみたいなのが正に
       そうなんじゃないの?って
       言ってるの。黒髪だし・・・・

       顔立ちも違うから周囲の目を
       引くじゃない?」





    ミカサ「私は・・・お母さんに貰ったこの
       容姿を誇りに思っているし
       唯一お母さんが居た事を
       証明できる姿だから。
       不便に思った事は勿論・・・・
       不満に思ったことも無いけれど。

       しかしここだけの話を・・
       アニ。あなただけにするとしよう」




    アニ「???」






    ミカサ「私は・・・アニ、あなたの様な、
        この壁の中で普通に居ても
        おかしくない髪色に顔立ち、
        そして眼の色を・・・・少しだけ。
        羨ましいと思った事くらいなら

        ・・・有りもした。」




    アニ「・・・・・・うそ..」






    ミカサ「嘘じゃない。本当。」






    アニ「いやッ・・今のはそういう
      “うそ”じゃなくってね。

       すっごい意外・・・って意味で
       つい口をついて出たんだよ;


       それよりあんた…今羨ましいって
       (本当意外だな・・・!こいつの
       性格なら外見的なコンプレックスなんて
       歯牙にもかけなさそうなのに)」




    ミカサ「別に何かこの容姿で不便が
        あった訳でもない。

        町の子供達には等しく
        奇異の視線を向けられたし
        石を投げられたことも無かった
        訳では無いけれど。

        私にはアルミンとエレンが
        居たから・・・そういった事は
        何の問題でもなかった。」




    アニ「・・・じゃあなんで・・・」






    ミカサ「っ・・・その・・・その方が・・・
        その・・・・////」





    アニ「(ああ・・・この顔は。)」




    ミカサが顔をうっすらと高潮させると
    同時に未だ口にすらされていない
    後に続く言葉を瞬時に予測するアニ。


    アニに限ったことではなく・・・

    まず普段から一貫して鉄面皮を
    崩さないミカサがこの顔に変貌する
    時は・・・その後口にする名前は一々
    聞かなくとも想像に難くない。




    ミカサ「エレンの隣に居るには
       そのほうが似合いではないかと
       ・・・そう思うときもあったから。

       この、エレンから巻いて貰った
       赤いマフラーも・・貴女の様な
       金の髪ならもっと見栄えが
       しそうだ。」




    アニ「・・・・・・成る程ね。

       いやでもあんたさ・・・それは
       やっぱり考えすぎ。」





    ミカサ「わかっている。

        そう思ってしまっていた
        頃の私は・・・まだ考えがそこまで
        達観していなかった。これは
        あくまで過去の考えだ。

        今はこんなに丈夫な体と・・・
        闇にこの上なく溶け込む黒髪を
        授けてくれたお母さんに・・・
        とても感謝している」




    アニ「お陰でアルミンの入浴姿も
       安心して覗き見できるワケだね」
       イヤ~ンナカンジ(ㅍ_ㅍ).....





    ミカサ「・・・・そういうこと。

        それでは・・・私はこれで。」
        カエリモキヲツケテ ノシ





    アニ「ああ。二人に宜しくね。


       ・・・あんたも頑張って。」





    ミカサ「・・有難う・・・ 頑張る。」





  65. 68 : : 2015/09/24(木) 23:22:06






    ~十数分後~





    ―市場・青果店前―






    ミカサ「・・・・・どう?サシャへの
       お土産探しは・・・捗っている??」





    アルミン「やあ、そっちの用事は
      済んだんだねミカサ。

      ・・・・うん、大分いい感じだよ。
      パン屋では珍しいものと
      興味深いもの、二つ手に入ったし・・・
      
      キャベツのピクルスも手に入れた。
      あと今はザクロを見てるんだけど・・
      どれがいいかな?できるだけ
      美味しそうなのを買っていって
      あげたいんだ」ヒョイッ・・・・




    ミカサ「アルミン・・・今あなたが握って
       居る分は申し訳ないけど全て
       元の位置に戻して・・・、

       、、できればこんな具合の物を
       選定する事をおススメする。」
       スッ・・・




    アルミン「・・・・?なんだか薄汚れてない?
       こういうのの方がいいの?」





    ミカサ「収穫を行ったり常日頃から
       口にしたりという訳ではないので
       確かな事は言えない。
       ・・・こればかりは経験則だ。

       ・・・しかしその経験則の中でも
       こういった細かくひび割れている
       モノには・・・今のところ選んで
       後悔した試しがない」





    アルミン「そっか・・・・、うん、有難うね
       ミカサ。僕なんか・・・食べ方すら
       あまりよく知らないからさ・・・

       見た目が赤くて綺麗で大きいのが
       いいんじゃないかって勝手に
       思い込んじゃってたよ。」




    ミカサ「・・・それは勿体無い。

       私がその分は出すので・・・
       あなたも自分で食べる分を一つ
       買ったほうがいい・・・」
       カラダニ イイ・・・・・



    アルミン「いっ・・・いいよいいよ!
       自分で買うからさ!!!」





    ミカサ「そう・・・。

       ではアルミン。帰路に着く前に
       コレを・・・。」スッ・・・



    アルミン「・・・???」




     そう言って小さな簡易包装が施された
     包みを僕に手渡してくれるミカサ。




    アルミン「これは・・・・?」



    ミカサ「開けてみて。」




     包みを開けて中から出てきたのは・・
     平べったい形の櫛だった。


     女子で髪を梳かすのにブラシ等を
     顔洗い場で使っている人は見たことが
     有るけれど・・・少しこの形は見た事が
     無いというか・・・その意匠にはどこか
     異国の情緒を感じる。

     それと一緒に油のようなものが
     入った瓶も出てくる。



    アルミン「これって・・・・」




    ミカサ「それは・・・普通に街の
       木工用品店には置いていない。

       まず使われている木材が
       壁の中ではあまり使われない
       もの。私が持っているこの形見の
       櫛を見本にして作って貰っていた。

       卒業を期に新調する積もりで
       依頼していたが・・・丁度いい機会
       なので・・・これを・・・・」




    アルミン「?」





    ミカサ「この度あなたと結ばれた
       サシャへのお祝いとして・・・
       私から送りたい。

       この櫛に使われている木は・・・
       お母さんの故郷では特に櫛に
       使うと良いとされる木だ。
       一緒に入っているその油を
       櫛に塗ると尚良い。

       サシャはあまり自身の髪を
       念入りに梳かしたり、
       いたわったりといった事に
       神経を向けないから・・・。

       アルミンからも薦めてみてあげて。」


  66. 69 : : 2015/09/24(木) 23:23:33




    アルミン「あ・・・・有難う・・・・?

      でも・・いいの?そんな・・・これだって
      そんな貴重な木材を使って・・・それも
      ミカサのお母さんの形見を
      原型にして職人さんか何かに作って
      貰ったんでしょ・・・?;

      大分お金だって掛かってるんじゃ・・」





    ミカサ「アルミン。」
       ジロッ・・・





    アルミン「ウ・・・うん?何???」
       ビクッ






    ミカサ「こういうものは・・・
       お金の問題ではない。
       私がこの(▪▪)マフラーを決して
       新しいものに買い替えようと
       しないのと同じ・・・

       それに新調しようとはしていたが、
       形見の方も全く破損はない。

       私は問題なくこれまで通り此方を
       使える。」






    アルミン「じゃ、じゃあ・・・・有難う。

       きっと大事に
       使って貰えるように・・・僕からも
       お願いして渡すよ。」






    ミカサ「無理強いするつもりはない。

       もしサシャ本人がそれ程これを
       必要としないようなら・・・その時は
       普通にアルミンが私に返却して
       くれればそれでいい」






    アルミン「そんな緩い感じでいいのかな・・?」





    ミカサ「いい。

       そもそも本人が欲しいと
       言っている訳でもないものを
       私がこうして勝手に渡そうと
       しているだけだ。

       渡される人間側に迷惑があるのに
       押し付けるのは失礼・・・」




    アルミン「そこまでは・・・流石に言わないと
       思うけどね・・・。。うん、
       とにかくこんな素敵な物を
       有難うね・・・僕じゃ思いも
       付かない贈り物だったよ」





    エレン「おう、ミカサの方も買い物は
       大体済んだのか??」





    ミカサ「・・・・今日済ませるべき用事は
       全て済んだ・・・」




    エレン「じゃ・・・そろそろ宿舎にッ・・
        戻るかッ・・」(伸び..)




  67. 70 : : 2015/09/24(木) 23:25:42




    ~帰り路~




    ―馬上―





    アルミン「・・・・・・」



    ドドッ・・・ドドッ・・・・




     何だか久々にこうして三人気兼ねなく
     町を練り歩いて羽を伸ばせた気がする。


     期せずして懐かしい人にも会えたし・・


     次に町に来る時は是非サシャも
     連れて来るようにと念を押されたけど
     ・・・・・・
     
     
     次に会う時には・・・僕とサシャは
     場合によっては同じ性になってたり…



     ・・・・なんて事は流石に考えすぎかな。




     ともかく、いつかはハンネスさんの耳にも
     伝えなきゃいけなかった事だ。

     発端はミカサのうっかり発言とはいえ
     そこは感謝しておく所なのかも
     しれない・・・・・




    アルミン「っ・・・・・・」クルッ・・・




     ドドッ・・・ ドッ・・・  ドッ・・・・



     僕が振り返るその後方で・・・


     二人乗りであることを考慮してか
     やけに距離を離して走る・・・・



     エレンが鞍を一任されている馬。



     後続距離と陽の傾き具合から・・・
     一瞬エレンの表情が随分と強張って
     見えたのは気のせいだろうか。





    ~エレンサイド~






    エレン「・・・・おい・・・ミカサお前・・・
       今何つった・・・・;」




    ドドッ・・・・ドドッ・・・・



    一方此方エレンとミカサの跨る
    馬上は・・・一瞬顔をこちらに向けたアルミンが
    察知したように・・・非情に重苦しい
    緊迫感が圧し掛かる修羅場と化していた。



    しかし、その修羅場というのも・・・・






    ミカサ「聞こえなかったならもう一度
       言おう・・・・」ギュゥッ・・・・




    その身に緊迫感と重圧を感じるのは
    背中に密着するミカサの力強い抱擁と


    その言葉のプレッシャーに。


    今正に気圧されているエレン一人に
    とっての認識であった訳だが・・・・





    ミカサ「アルミンに遅れを取るわけには
        いかない・・・・。エレン。

        私達もすぐに子作りを」
        ギュゥ・・・





    エレン「ちょっと待てお前!!!!!
        あのッ・・・//あのな!!!!

        お前当たり前に子作りって
        さらっと言いやがったけどよ
        ・・・・・!!まず・・・・!!」オドオド・・・;




    色々と突っ込みどころ満載の
    急な提案にどこから突き崩して
    いくべきか流石に焦ってしまうエレン。





    ミカサ「、、、、?」キョトン・・・




    エレン「ッ・・・・!!!(舌打ち)」





    対してミカサの反応はこのような
    有様である。・・・態々首を後ろに
    回さずとも、その背にもたれ掛かる
    感触で・・・彼女が意に介さない心情を
    傾げ首によって表しているのが分かる。





  68. 71 : : 2015/09/24(木) 23:28:35







    エレン「・・・・・(溜息)....;

        チッ・・・何なんだ一体・・・!
        色々あるけどまずよ・・・

        何で今いきなりこのタイミングで
        そんな事を言い出すんだ!?」



    ドドッ・・・・・   ドドッ・・・・・   ドドッ





    ミカサ「・・・・・・・」




    エレン「・・・・・・」






    ミカサ「・・・・友達・・・大事・・・・!!」
        ギュッ・・・・




    エレン「・・・・・・!?・・・・・?!」




     いや・・・・・




    エレン「意味分かんねえよ!!!!?」





    ミカサ「ハンネスさんに言われて
       思い出したの・・・・・!

       アルミンは町の中でも私達という
       友達が居なければ・・・常に
       周囲からのいじめに晒されていた
       ・・・・!やはり同年代で共に手を
       取り合える友人は必要不可欠・・!

       だからエレン・・・!私と・・・!!」
       ガバッ



    エレン「だ  か  ら  !!!! 

       そこで何でいきなりオレに
       話が飛んで来んだよ!!!!
       
       オレとお前は家族では有るけどよ
       …まずそこがお前のおかしいと(ry
    ミカサ「・・・・・エレン・・・・」
        グッ・・・





    エレンの抗議の声を途中で
    断ち切ったのはミカサの真面目一色と
    いえる澄んだ声色だった。


    吹き抜ける風と蹄音とでそこまで
    音量差を機敏に感じ取れる訳でも
    無いが・・・、


    そこは、直接ミカサの肺と胸が
    押し付けられる自らの背中から来る
    振動でそう判断するエレン。






    エレン「なんだよ・・・・」シブシブ






    ミカサ「この状況に浮き足立って
       少々勇み足になってしまったのは
       ・・・・私も謝る。・・・しかし
       これだけ言わせてほしい。」




    エレン「・・・・・・」





    ミカサ「あなたはきっと・・・アルミンと違って
       私とエレンとではその様な
       契りも交わしていないから
       いきなり子作りがどうとか
       言う事に抵抗を感じている・・・、

       それで間違いではない?」




    エレン「きちんとわかってんなら
       どうして先にそっちの話を
       しねーんだお前は・・・・!
       ひょっとしてワザとオレを
       困らせようとして・・・・」






    ミカサ「・・・わかった。ならばその話を
       やはり先に済ませてしまおう」
       グイッ




  69. 72 : : 2015/09/24(木) 23:30:43







    エレン「!””」





    そう言うとしっかりとエレンの背に
    顔の側面まで寄りかかり、体重を
    預けていた姿勢から・・・・・



    今度は彼女の声量でも問題なく
    言葉が伝わるように・・・まるで耳打ちを
    するような姿勢になって語りかけてくる
    ミカサ。




    ミカサ「本音を言わせて欲しい・・・。


       私は・・・やはりどう考えても
       ・・・エレン、あなた以外の人と
       我が子を後世に残す未来が
       想像出来ない。だから・・・。

       ・・・・エレン。私と・・・けっ」
       ギュッ・・・



    ミカサ「!?」






    不意に背後に回されたエレンの後ろ手に
    握られるミカサの右手。



    手綱は片手で保持している様だ。




    エレン「・・・・・・そこまでにしとけ。」




    ドドッ・・・ドドッ・・・・・  ドドッ・・




    ミカサ「エレン・・・?!私は。。
     
        私は冗談ではなく本気でッ・・・」





    エレン「お前が今も昔もそんな冗談
       言わねえのはオレとアルミンが
       良く知ってる・・・。

       ただ今お前が言おうとしてる
       言葉のその先は・・・・・」





    ミカサ「・・・???;」





    エレン「男であるオレがお前に対して
       言わなきゃいけない台詞だろ・・?

       それを今こんなところで先に
       言われるオレの立場にも
       なってみろよ・・・!」




    ドドッ・・・・  ドドッ・・・・




    ミカサ「・・・・っっ・・・!!////」






    焦りの表情から一転。雲間から
    差し込まれた朝窓に照らされる
    かの如く、光り輝くミカサの表情。


    折角の輝かしい笑顔も残念ながら
    エレンには見えていないが…それでも。




    ミカサの考える事くらいなら全て自身の
    心の中にも見えているとばかりに・・・





    エレン「だから・・・その時が来るまで
       ちょっと待ってろよ・・・な。。

       オレはアルミンと違って・・・まず
       どうしても調査兵団に
       入団しとかねえといけねえんだ・・」
       ググッ・・・



    エレン自身も、ミカサには見えない
    その笑顔を・・・・吹き抜ける風に晒して
    力一杯輝かせて言った。






    エレン「別に一年くらい歳が離れてたって
       ・・オレ達の子供なら仲間はずれも
       無いだろ・・・・?」ニッ・・・





    ドドッ・・・・・   ドドッ・・・・





    ミカサ「・・・・・・エレン・・・・・!////」







    ミカサ「出来れば子供は二人以上・・・」アノ・・
    エレン「そういう具体的な話は
        そん時が来てからな!!!!(焦)」






  70. 73 : : 2015/09/24(木) 23:34:55















    ~夕刻~






    ―女子訓練兵宿舎・クリスタ部屋―





    サシャ「(ボケーーーーッ・・・)」
       アルミン・・・マダデスカネェ・・・




    ユミル「天気もまあまあだったから
       結局一通り洗って干したけどよ・・
       やっぱり・・・・」クンクン・・・




    クリスタ「う、うん・・・なんか・・・やっぱり
       サシャの周囲だけその・・・////」
       ニオウネ...//////




    サシャ「マ"ッ!!??!・・・な、なんですか
       二人してそんな、臭い物を
       煙たがるような視線で私の事を
       口々に・・・ッ!!!」ヒドイ!!



    ユミル「実際そーだって言ってんだよ・・
       なあ芋。具合も昨日よか大分よく
       なってんだろ。・・・まずお前自身が
       風呂で洗濯されて来いよ。

       昨日あいつとあんなに
       くんずほぐれつお楽しみ放題
       だったお前がここにいちゃ・・・
       成る程そりゃ匂う訳だよ」
       イイカゲン フクモ キガエロ



    サシャ「あぅッ・・。、あのですね!!まだ
       私にはここで先に行水できない
       理由というかそのッ・・・・!!」
       ドギマギ・・・;





    クリスタ「・・・・・??」






    サシャ「・・・・・,。。っ!!!!」ピクン
        ガバッ!!!





    その時、部屋の窓の方へとその
    顔を向け、主人の帰りを察知した
    忠犬の様に飛び起きるサシャ。





    サシャ「馬二頭ッ・・・きっと・・・きっと、
       アルミン達ですよッ・・・!!!

       やった!!やっと帰ってきました!!」
       ヘッヘッヘッヘっ・・・・・!!!(´ω`)=3=3


     バタバタ・・・・!!!







    ユミル「相変わらずどういう
       変態聴力してやがんだよ・・・(呆)
      
       耳澄ましても何も聞こえねーぞ・・」




    クリスタ「・・・でもサシャの察知は今まで
       百発百中だもんね・・・--;

       さてッ・・・ミカサ達が帰って
       来たんじゃ・・・どうする?ユミル、
       私達は。」





    ユミル「不本意だが・・また一晩
       空けてやろうって言うんだろ?
       部屋をよ。・・・ならアレだ。

       ミカサらの部屋でまた女子会だなw
       どうせあいつらも連休で
       暇してんだろ?」





    クリスタ「アニには煙たがられると
      思うけどね・・・;そういえば
      ミーナは・・・里帰りだっけ。」







    ユミル「確かな。おおこれで気兼ねなく
       芋とアルミンの話に花を咲かせられる
       じゃねーか。」ポン=3





  71. 74 : : 2015/09/24(木) 23:36:33






    クリスタ「エッ・・・あれ?ちょっとまって、
       アニってこの事について何処まで
       知ってたっけ・・・?!?」ン・・?アレ??





    ユミル「この際んな細かい事どうでも
       良いだろ・・・。それにどうせ
       医務室でサボり同士宜しく
       やってやがったんだ・・・。

       っつか、今此処で聞けば
       それが一番手っ取り早ぇ。

       ・・・おい芋!!!」



    サシャ「はっ・・ハヒ!何でッ・・・

       何でありましょうか!?」ビクッ
       クルんっ




    ユミル「お前・・・なんで、んな所で早速
       マッパになってやがるんだ(汗)」





    クリスタ「・・・・・(//・_・//)」
    (無意識の内に視線はお腹と胸部へ)





    サシャ「いいぇ、ほらっ・・・

       私・・・、ミカサが帰ってきたら
       一緒にお風呂行く約束して
       ますので!!!すぐいけるように 
       準備をと・・・、余所行きも
       一緒に洗わないと行けませんので」
       ヌギヌギ・・・






    ユミル「・・・・・まあ、別にそれは
       いいが・・・・


       ああ、そうだった・・・おい、芋。
       お前・・・アニには何処までアルミン
       との事喋ったんだ?

       情報の食い違いがあっても
       面倒な事になる。此処で私らに
       正直に教えろ」




    サシャ「え・・・・、

        えっと・・・・・、


        ・・・・・・、全部です//」






    ユミル「・・・・全部?」




    クリスタ「・・・て、本当に全部??^^;」







    サシャ「ええ・・・。あの・・・お二人に
       まだ話していないような
       アルミンとの情事の事細かな内容から
       ・・・一度で子を授かってしまった
       事実まで・・・・」ハッ・・///(*ノωノ)







    ユミル「何だとオイ!!?!!!!」
        ズルイ!!!




    クリスタ「サシャ、あなたちょっと
       口軽すぎだよ!!!!!」
       。゚・(>Д<)・゚。




  72. 75 : : 2015/09/26(土) 18:30:42



    トントンッ・・・・



    サシャ「アッ・・・!!!////」パァァァ・・!




    <ミカサ「・・・サシャは居る?」>




    サシャ「ハイハイハ一イっ!!!お待ちして
       おりました!!ええ、首を長くして
       待ってましたよ!!」イソイソ
       (寝間着姿でタオル&洗濯物持参)


    ガチャッ・・・



    ミカサ「待たせてしまって済まなかった。
       これが頼まれていた品物・・と・・・
       それから・・(ガサガサ・・)」




    サシャ「・・!!ま、まさかそちらの袋は・・!」



    ミカサ「あなたがアニに頼んでいたという
       品物だ・・・(ハイ)」





    サシャ「ぉおおお・・・・!!!(クンクン・・・)

       ・・・・これは素晴らしい香りです!!!
       これで私もユミルとクリスタに
       臭い女呼ばわりされずに
       済みそうです!!!!」ヤッタ!




    ユミル「ぁ~あ~、もう良いからとっとと
       行ってこいよ・・・。」シッシッ





    クリスタ「じゃあ・・・・、なんだか
      よく分からないけど、サシャを
      宜しくね・・・・!ミカサ。」
      イッテラッシャイ



    ミカサ「よろしく頼まれた。」ペコリ




    サシャ「ほら、ほら!!急ぎましょうミカサ!
       急いで綺麗にならなければ!

       ご一緒にアルミンやエレンも
       帰って来てるんですよね!?」グイグイ
       ハヤク アルミンニ アイタイデス!!





    ミカサ「サシャ・・・ひとまず落ち着いて・・」
       ドウドウ・・・





    ドタドタドタ・・・・








    ユミル「じゃ・・私らはとっととミカサの
       部屋に向かうとするか・・・。

       こうしちゃ居られねえ。いっつも
       ムッツリしながらふて寝のフリ
       しやがって・・アニの奴、芋が態々
       洗いざらい白状したって事は、

       こういう話にもしっかり興味が
       有るって事じゃねえか・・・・!

       芋とあいつの事細かな状況とやら
       ・・・全部ゲロするまで寝かせて
       やるもんかよ・・・・」






    クリスタ「う・・・うん・・そうだね・・・///」





    ユミル「・・・どうしたんだクリスタ・・・?何か
       耳まで真っ赤だぞ・・さてはお前、
       今夜辺りまたまた夜通しで
       お楽しみに興じられる芋を
       羨ましがってたりなんか・・・・」
       ニヨニヨ・・・・






    クリスタ「うん・・・、そうじゃ無いんだけど・・」
      (それは少し羨ましいけど)







    ユミル「じゃあ何だよ・・・・一体お前何を
       考えてそんなにモジモジ・・・」





    クリスタ「サシャ、お腹はまだ分からないけど
      何か胸の方・・・ひとまわり以上は
      確実に膨らんで無かった・・・?//」
      オイヌカレタカモ..






    ユミル「・・・・さぁな。芋の裸体なんて一々
       凝視してねーし・・・。でも本当に
       デキてんなら張ってきたりしても
       不思議じゃねえだろ」イコウゼ






    クリスタ「・・何かすっごく意識しちゃうね・・・

      サシャ・・・、もうお母さんなんだよ//」






    ユミル「ぶっはっwww笑かすなよ

       全っ然らしくねぇww
       お母さんってw ヒッ・・ヒヒツ・・ハッ

       "お母さん”てお前!!!!」
       バンバン!!





    クリスタ「ね!!w//全然似合ってない;//
       (ゴッホ・・ゲホッ;)
       けど本当にサシャ・・大丈夫かな・・

       何か・・すっごく心配になって
       来ちゃった。今更だけど・・・;」
       ソワソワソワ・・





    ユミル「心配ねぇだろ・・・何せ相手は
       104期随一のムッツリ天才悪魔、
       あのアルミンだ。

       ・・寧ろ芋が持ってる野生動物スキルを
       受け継いで・・・その上おまけに
       あいつの悪魔回路が搭載された
       驚異のジュニアが産まれたりでも
       してみろ。

       両親ですら手に負えない
       とんでもないモンスターになるかも・・」





    クリスタ「サシャの身体能力でアルミンの
       機転と知識があったら・・・本当
       それって完璧超人だよね・・・;」
       チョットコワイカモ・・・




    ユミル「どっちも性欲すげえから
       子供もトンでもねえ淫売か
       助平野郎になることは恐らく
       避けられねえけどな・・・」
       アトショクヨクモナ

  73. 76 : : 2015/09/26(土) 18:31:14


















    ー訓練兵宿舎・エレン部屋ー





    アルミン「~~~・・・・~~」
      イソイソ・・・




    心ここに在らず・・という表現すらもはや
    行き過ぎでは無いと言うほどに
    意気揚々とした振る舞いで別室訪問の
    準備を進めるアルミンを遠巻きに眺める
    ライナー、ベルトルトの二人。


    ・・・そして帰着直後という事もあって、
    これから共に水浴びに向かう為
    そのアルミンの様子を傍らで眺めているエレン。





    ライナー「しかし・・・あのアルミンが・・・
      まさか俺達の中で誰よりも早く
      結婚する事になるとはな・・(遠い目)」




    ベルトルト「いや・・まだ結婚っていうのは
       意識が早すぎなんじゃないかな;

       それにもし・・・婚約前提だったと
       しても、よく考えてみれば僕達の
       部屋の面子じゃ寧ろ自然な
       気がするんだけど・・・」




    ライナー「・・・・それもそうか。
      顔良し、頭良し、で・・・・
      単純な頭の良さ以外にも色々と
      あいつは機転が利くしな・・。

      おまけに度胸もあるとなれば・・・
      なるほど、サシャみたいに伴侶に
      護られる事を必要としない程
      型破りな女なら・・・アルミンの様に
      自身の足らない頭を補ってくれる
      相手はまさにうってつけだ。」
      ウンウン




    アルミン「散々な言い様だなぁ・・;」
      キコエテルヨ・・・






    エレン「サシャんとこ持ってく土産を
       纏めたなら早いとこ風呂行こうぜ。

       調整日だから教官の事を気に
       掛けなくて済むのは気楽で
       いいが・・・やっぱり折角の休み
       なんだし早い所準備してやれよ。

       あいつもきっと今日一日留守番で
       首を長くしてるだろ」






    アルミン「それはもうエレンに言われなくても
      勿論さ・・・!よし、早く行こう!!」
      ウキウキ・・・









    ライナー「だがベルトルト・・休みに一泊って
      事はその・・・なんだ・・・・・・・


      ・・・・・・・なあ。」ゴホッ・・・ンン!!







    ベルトルト「一々そんな事僕に聞かないで
       くれないか・・・;っていうか
       それ位察してくれよ…ライナー…」





    ライナー「・・・・!!!そうか、今やっと
      分かっちまった・・・・!アルミンの奴・・・・!!
      最近夜間のお手洗い回数が急に
      目減りしてたのは・・・・・!!」ハッ!?
      ソウイウコトダッタノカ・・・??!





    ベルトルト「 お そ い よ !!!! 」
        フツウ サキニソッチ キヅクダロ !!!





  74. 77 : : 2015/09/26(土) 18:38:27







    ―訓練兵宿舎・水浴び場―





    ―女風呂―





    ミカサ「では・・・泡の方は充分たてた?」





    サシャ「ええ・・・!これくらいたっぷり
       あれば大丈夫ですか??;」ドキドキドキ





    ミカサ「(頷き)必要充分な量だ。
       これが最も肌を傷つけない
       為に必要な手順なので、次回から
       一人で行う際は決して
       横着しないように。」





    サシャ「もっ・・勿論ですとも!!

       して・・・次は・・?;」ドキドキドキ







    ミカサ「・・・・とりあえずその緊張を
       ひとまず落ち着かせて、肩の力を
       抜いて欲しい。緊張のあまりそこに
       刃が触れた際にでも急に動かれて
       しまうと・・当然手元が狂って
       とても危ない」チャキッ・・・





    サシャ「はっ・・・ッハハ・・はひ・・・・!//;
       しっ・・・深呼吸、深呼吸・・・」
       スッ・・・ハァ・・・・スゥ・・・・ハァ・・・




    ミカサ「・・・・やはりやる前にもう一度
       聞いておいた方がいい・・

       サシャ・・・?」




    サシャ「ハイッ、なんですか!?(ビクッ!)」
       キヲツケ!!




    ミカサ「(嘆息..)言うまでもない事だが
       ・・・これは本来手鏡等を何とか
       駆使して一人でやること・・・。

       当然この様に誰か他の人に
       やって貰えるなら・・その方が
       処理そのものは迅速かつ的確に
       済ませることができるだろう。

       ・・・けれど当然場所が場所だ。
       神経の密集位置でもあり、
       大きく手元が狂った場合・・・
       いくら刃渡りがそれほどでも
       無いとは言え大動脈の側で刃を
       何度も往復させる事にもなる
       訳なので・・・それなりの信用が
       必用なはず・・・・」




    サシャ「・・・・・・」ブルブル・・・・





    ミカサ「・・・・本当に私でいいの?

       そんなに震えているのでは寧ろ
       綺麗に出来なくても自分で
       やった方がいいのでは」




    サシャ「い、いいえっ・・・!初めてですし・・
       それに何よりこの後のアルミンとの
       事を考えるなら・・・///やはり
       手抜きがあっては困ります。
       こ、この震えも初めての試みに
       多少弱気になってるだけです;

       ミカサの事は信頼してますから・・!
       どうか一思いにその刃で私の
       後顧の憂いを断ち切・・・いえ、
       削ぎ落としちゃって下さい・・・!」
       ビクビク・・・





    ミカサ「・・・そう言うことなら。(チャッ)

        ・・・・それでは、取りかかるので
        その桶に腰掛けて・・・足を
        出来るだけ開いて貰える
        だろうか・・・」




    サシャ「んっ・・・・////はい、これで
       宜しいですか・・・・?;

       いえしかし・・・これは中々に
       恥ずかしいですね・・・」




    その本数や長さもさる事ながら、
    元々の毛質の太さや色も関係して、
    ミカサやユミルに比べれば大分控えめに
    見て取れる、サシャの花弁周囲に生え揃う
    控えめなそれらが、ミカサの冷ややかな
    視線に晒される。



    ミカサ「・・・・・・」シゲシゲ・・・



    サシャ「/////////」




    暫く続く無言の静観。


    当然ミカサにはサシャの羞恥心を
    いたずらに煽る意図などはなく、単に
    その毛並みと大凡の処理範囲を把握する
    為の観察を行っているだけであるが・・・




    サシャ「あっ・・あのゥ・・・///そろそろ」




    その様なところまで気を回す余裕がない
    サシャ自身は当然、自らの奥地を
    隅から隅まで観察される、その未知なる
    感覚に身悶えを禁じ得ない様子だ。


    危うく新たな愉しみの境地を
    切り拓かんとする彼女の緊張と高揚を
    一周させて捻じ切ったのは・・・・





    <アルミン「サシャ~~!?ひょっとして
       君も今そっちに居るの!?」>
       オ~イ!




    <エレン「おい止せアルミン。女の風呂ってのは
      只でさえ長いんだろ。手を
      止めさせればその分この後の
      お楽しみが減るんじゃねえのか」>




    ―不意に男湯より響いて来た
     想い人の呼び声だった。





    サシャ「ひっ!!!!!???」ビクーーーーンッ!!!

       ガコンッ!!!!




    ミカサ「!!」


  75. 78 : : 2015/09/26(土) 18:39:50


    全身の腱に掛かった急激な緊張で
    腰掛けた桶ごと宙に浮くサシャの身体。


    ・・もし既にミカサが剃毛に取りかかって
    しまっていたら、間違いなく手元が
    狂って居たことだろう。


    流石にこれには常時平静なミカサも
    冷や汗を走らせて心拍を急増させる。




    ミカサ「アルミン・・・・・!詳しいことは
       説明出来ないのだけれど・・!

       今、少し取り込み中だ。
       出来れば声を掛けるのは控えて
       貰えると助かるのだが・・・・!」




    <アルミン「アッ・・う、うん!!ゴメンよミカサ!?!
       それにサシャも・・・!もう僕らも
       直ぐに出るからさっ・・・!何だか
       事情は解らないけれど、急がず
       ゆっくりね!!!!」>
       ゴメンネ~~!;



    <エレン「ほら見たことか。お前も随分
      サシャの落ち着きの無さが
      感染(うつ)ってきちまってるよな。

      ・・・やっぱアレすると性格まで
      似てきちまうモンなのか・・?」>





    <アルミン「そんな話聞いた事も無いよ!!
       恥ずかしい事面と向かって真顔で
       言わないでくれよエレン・・!;//」>



    ペタペタペタ・・・・・・

             バタンッ・・・




    ミカサ「・・・・大丈夫。もう行った」




    サシャ「スハッ・・ハッァーー・・・;ハァ・・;

       い・・・生きた心地が・・・しなかっ・・
       たです・・・・(フルフル・・)」 



    ミカサ「・・・緊張するあなたの気持ちも
       理解できない訳では無いが・・
       
       同時に少しあなたのその昂り方は
       行きすぎている感がしないでも
       無い・・・・アルミンが居たのは衝立の
       向こう側で・・あなたの前には
       こうして私しか居ないのだから

       ・・・何もそこまで緊張しなくても。」 





    サシャ「すッ・・・済みませんね、お手数を
       掛けてしまって・・・///;
       何で・・・・でしょうかね^^;

       最近私本当に・・・アルミンの事になると
       胸がその・・一杯になってしまって。

       今もほら、何かお胸がこれまでと
       触った感じに変化がありまして」
       ホラホラ



    ミカサ「・・・・・。」
       ムニュムニュ




    無言でサシャの乳房を触るミカサ。




    ミカサ「・・・・普段他人のこう言った部分を
       注意深く触ることが無いので
       正確な事は言えないが・・・大分
       張っているように感じる。

       これはもう間違いなくそういった
       兆候の現れかと考えられる」




    サシャ「何と・・・・!!!ということは・・!!!
       とうとうお乳が出るのですか?!

       私のここから・・・・・!??!(ジュルリ)」






    ミカサ「・・それはまだ早いと思う。


       ・・それにまさかとは思うけれど・・・
       サシャ・・。。あなたは自分で
       作り出したものを循環させて
       自らの食欲を満たすつもりで
       居たり等という事は・・・;」ジロリ・・・ 



    サシャ「ハッ・・・?!(ビクッ)

       や・・・ヤですねぇ!!!///(ジュルリ)
       
       幾ら私でもその様な欲張った事を
       考えている訳が・・・!(ゴシゴシ・・)」






    ミカサ「いや・・・欲の問題とかじゃなくて
       ・・・そういうのは・・・人として
       どうかと・・・・(引き..)」




    サシャ「ぁあっ・・??!;;何ですかミカサ!!
       その、自らの糞を食さないと
       腸内環境を健全に保てない
       ウサギを見るような目は!!!

       しっ・・・心配せずともここに
       貯蔵されている分は間違いなく
       アルミンの赤ちゃんの為にとって
       置きますよ!!?だからっ、;だから
       そんな目で私を見ないで下さい!」




    ミカサ「もういい・・・;、解ったから
       早く済ませてしまわないと。

       泡も全部落ちてしまったから
       そこから準備を頼む・・・」





    サシャ「ああっ・・・す、済みません!!!;」
       アタフタアタフタ



  76. 79 : : 2015/09/26(土) 18:43:28




    ~小一時間後:夜六時頃~






    ―女子訓兵宿舎・クリスタ部屋―




    トントンっ





    <アルミン「さ、サシャ・・?!もう戻ってる~?!」>




    ・・・・・・・・



     戸口越しに室内に声掛けする僕だけど
     ・・・しかし、それに対する応答は無く・・・




    <アルミン「・・・まだ戻ってないのかな・・・
       
       ゴメン、開けるよ・??良い??」>



    ギッ・・・・




     当然休日で教官の巡回もお休み
     とはいえ・・・基本的に男子が女子の
     部屋にお邪魔する事は兵団の規則で
     禁じられている為、これだって
     バレればタダでは済まない。


     しかし、こうしていても
     仕方が無いので、その戸口に手を
     掛ける僕。




    アルミン「・・・・・」キョロキョロ



     やはり部屋の住人は皆不在のようだ。
     ランプも付いていないし、消灯の際に
     立ち篭めるオイルの匂いもそれほど
     感じられない為・・・きっと
     部屋を空けてからずっと誰も戻っては
     来ていないのだろう。



    アルミン「(クリスタとユミルは・・・また僕らの為に
       席を外してくれたのか・・・)」



     あの二人には・・・ミカサ同様本当に
     頭が上がらない。

     ・・・・きっと彼女らの助力が無ければ
     こうして僕が大手を振るって
     (勿論厳密には振るって居ないが)

     サシャと密会を行うことなど
     出来よう筈もない。




    アルミン「(しかしどうしよう・・・。こうして
       一応部屋には一足早くお邪魔
       してしまったけど・・・

       女子の部屋を物色する訳にも
       行かないし・・・とりあえず
       いきなり戻ってきたサシャを
       脅かすのも悪いし・・・
       
       灯りだけでもつけておこうかな)」
       ガタガタ・・・




    フワッ・・・・



    アルミン「っ・・・・!」



     その時、僕の鼻腔を優しく突き抜ける
     一つの香りが。

     ・・・これは・・以前この部屋に
     お邪魔した時には感じなかった物だ。




    アルミン「(けどこの匂い・・・どこかで・・・)」
      ウウン・・・ (シャッ・・・・・)



     マッチを擦った瞬間に手元に広がる
     一握りの閃光。立ち昇るリンの燃える
     匂いでその香りがかき消され、
     
     同時に起こした火がランプの油芯へと
     移ったその直後





    ヒュッ・・・・





    サシャ「ぁぁあアルミンッ!!!」ッッドスン!!

       ぎゅぅっ・・・・!!!




    アルミン「っっッ!!!!??!!?」ギクッ!!!!





     いきなり頭上から鈴のように
     弾むサシャの声が響いたかと思うと・・


     急に僕の背中と脇腹に走る衝撃。


     驚きに全身を硬直させる僕の身体は
     しっかりと抱きしめられて自由を
     奪われると・・・そのまま不完全な
     バックドロップのような体勢で後方に
     あったベッドへと、急襲者(サシャ)の体諸共
     引き倒される。


     恐らく天井の梁か何かにしがみ付いて
     僕の来訪を待ち受けて居たのだろう。

     一々やることが滅茶苦茶だ。


     後方に抱きつくサシャを僕の体が
     押しつぶす形になっているので、
     背に押し付けられたサシャの
     柔らかさが全身で感じられる。



  77. 80 : : 2015/09/26(土) 18:46:56






    サシャ「あっははは!!!会いたかった
       ですよ!!!アルミン!!ああもう本当に
       会いたかったです!!!」ウリウリウリ
       グィグィグィ




    アルミン「ぼっ・・・//僕も同じ気持ちだった
      けどさッ・・!!!でも流石に今のは
      危なかったよ!!!小火でも
      起こしちゃったら危ないだろ!!」



     少し諌める様に叫ぶ僕だが・・・当然
     内心そこまで怒ってなど居ない。

     直ぐ後ろで全身を主人に
     擦り付けてくる愛犬のように喜ぶ
     サシャと同じ心境である・・・。


     僕だってサシャとこうして
     二人きりになれる時間というのは
     心が躍る。




    サシャ「そこはほら!!さっきの
       お返しです!!お風呂場で
       あなたの声がいきなり聞こえた
       その時は・・・私の全身がそれはもう
       
       驚きのあまり鹿の跳躍の如く
       飛び跳ねたんですよ。」



    アルミン「そ・・・、ソレは悪かったって・・・;
       第一サシャの聴力なら男湯に
       誰か人が居るかどうかなんて
       事になる前に・・・脱衣所に
       人が来た時点で判りそうじゃない」





    サシャ「あッ・・・あの時はですね・・・///
       ちょっとその、、かなり集中して
       事にあたっていたので・・・全く
       周囲にそういった気を巡らす
       余裕など無かったんですよ・・!」
       オドオド・・・





     ―その背から直接伝わる鼓動が
     教えてくれるサシャの動揺。





    アルミン「ゴメンよ;。そんなに驚かせて
      しまうなんて本気で思って
      なかったんだ・・・・」







    サシャ「・・・いいでしょう、この際
       私が譲歩してそこはアルミンを
       許して差し上げますが・・・。
       (ムスッ)

       しかしまったく、アルミンは・・・
       事あるごとに私を脅かして・・・

       そんなに私に早死にして
       欲しいのかと最近では私、
       変な疑いすら持ち始めて
       いるのですが・・・」ジロジロ・・




    アルミン「そんな!縁起でもない!!!」
      ガバッ!!!




    サシャ「フフフ//冗談ですよ。。;

       焦るアルミンを充分愉しませて
       貰いましたから・・・ひとまず
       これくらいで勘弁して差し上げ
       ましょう・・・

       ・・・・そろそろお腹が苦しくなって
       来ましたし・・・・(グフフフ・・;)」





    アルミン「あアッ!!、ご、ゴメン!!!
       もう君一人の身体じゃないって
       言うのに・・・!!僕としたことが
       つい君と居られるのが嬉しくて
       うっかり・・・!!!!」ババッ





    サシャ「(フゥ・・・)なんでそこでアルミンが
       そんなに恐縮してるんですかw

       私が急にアルミンを脅かすために
       こうして無理な姿勢で抱きついた
       だけなのにww

       ・・・・改めまして、アルミン、、
       ようこそいらっしゃいました//」
       ツツ・・

  78. 81 : : 2015/09/26(土) 18:49:10



     ディアンドルではないけれど、
     名が体を現すかの様に
     腕捲くりしながらも、わりと
     かっちり着こなされたブラウスと・・・

     長いスカートを履いたその姿で
     裾を摘みながら恭しく一礼してみせる
     サシャ。


     まったく、たまにこうしてお淑やかな
     所作を行われると、元々彼女が備える
     外見的な麗らかさと相まって

     その破壊力は計り知れないものとなる。

     ・・・オマケにそれが急な不意打ちとも
     なると思わず赤面してしまう自分を
     抑える手立てすらない。



     だがしかし、ここで言い忘れた
     重要な事が一つ。




    アルミン「あッ・・・、う、うん///
       今更だけどその・・、お・・・
       お邪魔しま・・・ス・・・・・//」



     今この部屋に来て・・僕は初めて
     サシャの顔を見ることになる訳だけど。


     ・・・・ついに目前に姿を現した彼女の
     出で立ちに・・僕は暫し目を奪われた。





    サシャ「・・??」




     サシャの姿に釘付けになるしかない
     僕の目の前で首を傾げて此方を伺う
     彼女。・・・ここで普段ならば彼女の
     うなじから纏められた仔馬の尻尾(ポニーテール)が…
     無邪気に揺すられるところだが。


     ――何と。





    アルミン「(サシャが・・髪を下ろしてる・・!!)」




     言うまでもなく僕の脳天から
     爪先までを射抜くような勢いで
     駆け抜ける極雷。


     そこに居たのは、まだ乾ききって
     いないことで束ねられていない
     淑やかな長髪に肩をくぐらせる・・・
     僕が初めて見るサシャの姿だった。








    アルミン「・・・・・・・!////」
       ジィィ・・・・
     

     

    サシャ「あ、ああw//これですよねw(フリフリ)
       何だか、髪が乾く前に縛って
       しまうと・・・ミーナが凄く怒るので
       ・・・;一応湿っぽくなくなるまで
       いつも手拭を当てて頑張って
       乾かしてから縛ってるんです。

       ・・・それでも寝る時に
       縛っちゃ駄目とか、色々言われて
       しまいますが・・・。。」




    アルミン「それはまあ・・・そのまま
       寝ちゃったら大変な事になる
       だろうっていうのは想像に
       難くないよね・・・・・」



    サシャ「それは幾ら私でも分かりますが・・
       しかし翌日の訓練中も結局
       束ねた髪を解く事もないんです
       から・・・少し考えすぎだと
       思うんですけどね。。
       

       で!今日はお風呂上がってからも
       出来るだけ早く貴方の顔が
       見たかったので・・・・///
       こうして若干お見苦しい姿を・・」
       アンマリ ミナイデモラエルト・・・・・///






    アルミン「・・・・いや、お見苦しいとかそんな」
      ゴクッ・・・・





     ・・・先に言っておこう。僕は・・
     確かにサシャのポニーテール姿が
     大好きだ。別に僕自身の我侭で
     いつもと違う彼女が見たいから・・


     とか、そういった事情で彼女に
     イメージチェンジを強要する様な不遜な
     行いに走る事は誓って無いだろう。



     ・・・・しかし、だからといって
     目の前でポニーテールでなくなった
     サシャの姿を見て何らかの喪失感を
     覚えたりだとか・・・いつも通りの
     サシャの方が良いとか・・・

     そういった自分勝手な感情を抱く事も
     ・・・同じように無い。




    アルミン「・・・・・綺麗・・・だ・・サシャ・・・」
       ボソッ・・・




     無意識にもその様に口に出して
     見蕩れてしまう僕。


     その心情はまるで・・・・今まで
     振り返った事が無い坂道の登頂から

     初めて目にする素晴らしい眺望に
     思わず歩くのを止めて見入ってしまう
     あの感覚にとてもよく似ている。


  79. 82 : : 2015/09/26(土) 18:53:09



     後ろ髪を一つに纏めているのが
     当り前であり、その姿しか知らない
     僕の目の前に居たそのサシャは・・・


     何というか、とても大人びた感じの・・

      
     一言で現して“お姉さん”と
     呼ぶに相応しい外見をしていた。





    サシャ「あっ・・・アルミン・・・綺麗だと
       言って貰えたのは非常に嬉しい
       事なのですが・・・///

       大丈夫ですか??なんか目が
       どっかいっちゃってますよ」
       フリフリ




     半ば棒立ちでサシャの貌に見入る
     僕の目の前で平手を振りかざす彼女。








    アルミン「うんッ・・・あの、サシャ・・・
       勿論普段の君だって今の君に
       負けも見劣りもしない程
       愛らしいけど・・・!なんていうか
       今の君は・・・何か本当に、
       “年上のおちついたお姉さん”
       みたいな感じがして・・・とても・・・

       その・・・

       う、美しいと思うよ・・・・・!」



     ・・・思わず、綺麗だとか、可愛いとか
     そういう言葉より背伸びした言葉で
     彼女にこの気持ちを伝えたくなる程に。


     それはとても(あで)やかでありながらも…
     サシャが元々持っている健やかさも
     同時に見せ付けてくれる姿だった。

     


    サシャ「何言ってんですかアルミン!!」
       ムッスン!!




    アルミン「  !!?  」




     最大にしても余りある賛美を
     贈ったつもりの僕を何故か叱咤する、
     大人びたサシャ。

     元々垂れ目気味な目元を反対に
     吊り上らせて怒って見せても尚、
     その姿は流麗だ。
     




    アルミン「ご、ごめん!!何か気に障る
       事でも言ってしまった?!
       あ、あまりにも見慣れてない
       君のその姿が様になってた
       から・・・つい・・・!」





    サシャ「そうじゃありませんって!!!
       今アルミン私に対して何と
       言いましたか?!」





    アルミン「へ・・・?い、いや・・

      “美しい”って・・・・・////」
      カァァ・・・・





     何度も言わせないで欲しい・・・。
     これはこれで結構言う方としては
     気障で恥ずかしい台詞なんだから・・・




    サシャ「違いますぅぅ?!!!!!

       そ・の・前・!!」ググッ



    アルミン「・・・・ひっ」




     勇ましい顔つきで僕の眉間に
     鼻先を迫らせるサシャ。

     凛々しい彼女も僕にとっては
     立派なご褒美だ。





    アルミン「その・・前・・・ぇ・・?いや・・・
      
      えっと・・“・お姉さん・・・」




    サシャ「、、、ええ、お姉さん(▪▪▪▪)・・?!」




    アルミン「・・みたい”・・・だって・・・・;」
       




    サシャ「ちっがぁぁあう!!!違います!!」
       ウギャァァア!!!↑↑




    アルミン「うわっ;」ビクッ



    サシャ「“みたい”じゃありませんよね!!!
       お姉さんですよね!!!私・・・!!?

       私、アルミンより1歳年上ですよ!?

       そこは紛れもないお姉さんで
       良い筈なんですけど!!!!」
       ガルルルル・・・・



    アルミン「な、なんだそんな事か・・・;」
      フゥ・・・;





     と、ここで、密着していた身体を
     離す際に、そして髪留めから
     解き放たれて踊るサシャの長髪が
     空を切る事によって、

     辺りに漂い・・・僕の鼻を擽ってくる
     ・・・・・“あの”香り。


  80. 83 : : 2015/09/26(土) 19:03:33



    アルミン「あっ・・・なんか・・・サシャ・・・
       君、凄く良い匂いしない・・・?
       
       これ・・・なにかの・・・花・・?」





    サシャ「えっ・・・・ア、アルミン・・

       その距離でもやっぱり
       分かりますか!?!?」アハッ!!?
       コロリ



     ・・・僕の言葉を聴くなり大喜びして
     肩を弾ませるサシャ。これは相当
     嬉しかったみたいだ。使う石鹸を
     変えたのだろうか。


     ・・というか相変わらず感情操作が
     チョロすぎるよサシャ・・・・。

     
     餌を与えれば直ぐに尻尾を振る
     犬のような所も・・・彼女の
     可愛らしいところではあるけれど、

     これから先、その身を案じ
     続けなければいけない身の上として・・
     こんな事では気が気じゃないよ・・・






    サシャ「実は私、アニに愛用の石鹸を
       教えて貰いまして・・・!それを
       今日から使うようにして
       みたんです!!ど、どうですか・・?!

       この香り、アルミン的には・・・
       邪魔にならないですか?私は
       元々鼻が他の人より利くみたい
       なので・・・若干強すぎる感が
       あるのですが・・・」クルッ・・




     そんな心配をする僕を他所に・・・
     
     無邪気にスカートの裾を
     舞い上がらせてクルリとその身を
     翻すサシャ。それに伴ってやはり
     再び広がる香りの輪。






    アルミン「・・・うん・・いい香りだと思うよ。
      何より心が落ち着くというか。」




     ・・・・しかし成程、何処かで
     嗅いだことのある匂いだとは
     思っていたけれど・・・・。

     アニとなると、確かにそこまで
     近寄る機会がある訳でも無いので
     直ぐに思い出せなかったのも納得だ。




    サシャ「そ、それはそうとアルミン・・」
       アノゥ・・・


    アルミン「????」



    不意にその姿のまま若干困った様な
    顔をするサシャ。



    サシャ「折角褒めて貰ったすぐ後に
       この様な発言はみっともないと
       言われてしまいそうですが・・・」





    アルミン「・・・・・?」






    サシャ「昨日よりも体調が回復して
       きたというのもあってか・・その、
       
       私、今・・所謂腹ペコなのですが…」





    ・・ グ ググギュゥゥ~~・・・・・






    アルミン 「---」

    サシャ「---」






     ・・・無言で見つめ合う僕と
     サシャとの間に響き渡る..跳ね橋を
     下す際に響く軋音かと聞き紛う程の
     大音響。。。
  81. 84 : : 2015/09/28(月) 03:14:40


    アルミン「!!サシャ、食欲が戻って
      きたんだね!!?」ガバッ!!



    サシャ「っ!?//い、いぇいぇ・・!
       相変わらず食の細さというか・・
       今までの様に蒸かした芋を
       盗みたいと思える程では
       ないんですよ・・・。お腹は
       空いてるんですけど・・・

       やはり食べたいと思える物に
       若干の偏りが・・・」




    アルミン「何でもいいよ!!君が少しでも何か
       食べたいって元気を取り戻して
       くれたなら!!よ、よかった・・・・!」
       ギュッ・・・




    サシャ「まあそれというのもですね・・

       この部屋にアルミン、貴方が入ってきた
       直後から・・・何か食べ物匂が・・・」
       ジュルッ・・・




    アルミン「じゃ、じゃあ折角だし・・・早速
      ご飯にしようよ!!町まで行って…
      君が食べられそうな酸っぱい物を
      幾つか見繕ってきたんだ!」
      ゴソゴソ・・・




    サシャ「何と、それは嬉しい気遣いです!!
       楽しみですね・・・
      
       アルミンが街から見つけ出してきた
       酸っぱいご馳走の数々とは・・・」
       ジュル・・・




    アルミン「まず・・・はい、これは野菜も摂った
      方がいいと思って・・・
      キャベツのピクルス(ザワークラウト)!メインは
      今出すからつまみながら食べてよ。」




    サシャ「漬物ですね!!?
       兵団のご飯では作るのに一手間
       かかるせいか殆ど出ませんから
       丁度食べたかったんですよ!!
       早速頂きです~~」カポッ・・・



    アルミン「・・・それから・・・。これが
      今日の主食みたいな感じなんだけど
      ・・・・君の舌に合うと良いな・・・・;

      もし不味かったら言ってね・・?
      一応他にも食べ物はあるからさ。
      食後にザクロもあるからね」
      ガサッ・・・  コトン・・・




    サシャ「・・・・・???
          ・・アルミン・・・・、コレは」
       ムシャムシャ・・シャキシャキ




     早くも漬物を齧るサシャの
     奇異なるモノを見つめる視線が・・

     僕の手で皿に乗せられた
     ソレに向けられる。凡そその反応は
     街でエレンがそれを齧っていたのを
     目にした僕の反応と変わらない。




    サシャ「これ・・あの、たまに野戦食とかで
       出る・・固形食ですか?
       でも・・・何か色が・・・・」クロイ・・?




    アルミン「僕も最初見たときはそう思った
      んだけど・・・何とこう見えてこれで
      パンなんだって・・・。」




    サシャ「こっ・・・これが・・・パァン・・・??」
       シゲシゲ・・・




     薄くカットされたソレを一枚摘み上げ
     裏表よく観察するサシャ。

     まあ、その気持ちは僕にも良く解る。




    アルミン「僕はそのまま食べても
      美味しかったんだけど・・はい、
      良かったらこのクリームチーズも
      塗って食べて。これはなんだか
      変わってて・・・パイナップル
      味だって・・。酸っぱそうだった
      から買ってみたんだ」




    サシャ「(ハムッ・・・)・・・ムおっ・・こ、これは
       ・・・・予想以上に美味しい・・・!
       固形食より全然美味しいですよ!?

       そのままでも充分イケますが・・・
       成る程、クリームチーズもかなり
       合います!!!」アマズッパイ!ウマイ!
      



    アルミン「プンパニッケルっていうらしいよ。

      ライ麦の全粒粉を使った生地と酵母で
      発酵させてから物凄い長時間かけて
      焼き上げる作り方が他のパンと違う
      所らしくてね・・・。
      
      カラメルも入ってるから、甘かったり
      酸っぱかったりして意外と
      美味しいでしょ。」




    サシャ「ふむ・・・モチモチとしたこの食感が
       何とも言えません・・・普段
       食べているパァンとこれでは
       全く趣が違いますね・・」
       キャベツモ ンマイデス



     僕が思い描いていた想像以上に
     食が進む様子のサシャはモリモリと
     キャベツを、パンを貪る。


     その食いっぷりは見ているだけで
     僕の不安を払拭してくれる。
  82. 85 : : 2015/09/28(月) 03:17:22






    アルミン「・・・・・」ガサッ・・



     しかし今日のお土産の中で一番の
     隠し球はこれではない・・・。同じく
     パン屋で購入した本日一番の高額商品
     ・・・・これこそが最もサシャに見せて
     あげたかった品物だ。


     卓上に並べた漬物と薄いパン。
     それらに手を着け、一端井戸水で
     喉を潤したサシャが、さて二巡目には
     どちらから手を着けるべきかと
     目を泳がせているその目の前に・・・
     僕は無言で一つの紙袋を差し出した。





    サシャ「・・・・・・!?」



    ガサッ・・・




     それは、先ほどのプンパニッケルが
     封入されていたのと同じ紙袋。

     手に取ったサシャ本人も、
     その手触りから内容物がパンであると
     いち早く察するとその目を一際
     輝かせる。





    サシャ「な・・・・何ですかコレは・・・・!?

       先に出さずにこのタイミングで
       差し出してくる辺りなにやら
       ただ者ではない感が漂って
       いますが・・・・・?!」ゴクッ・・・





    アルミン「サシャの予想通りだよ。

      実を言うとこれこそ今日君に一番
      食べて貰いたかったパンなんだ。

      ・・・口に合うといいんだけど」





    サシャ「ふむ・・・!?先程のパァンだけでなく
       此方もアルミン一推しのパァンであると
       ・・・・?!」
         



    ゴソゴソ・・



     僕の言葉に一層胸に抱いた希望を
     膨らませたサシャは、渡された袋から
     その平べったい円形フォルムの
     パンを引っ張り出す....





    サシャ「こっ・・・コレ・・・は・・?!」





     掴みだしたサシャが思わず
     言葉を詰まらせながらも凝視する
     ソレ(▪▪)は・・・・・・


     ・・・・大分デフォルメされては
     いるものの、確かにとある動物の
     頭部をモチーフにしたであろう造形の
     ・・・菓子パンだった。この耳、この口、
     そして頭の大きさなどから・・・

     大雑把にもそのモデルは"クマ"かなにか
     であると・・一目でそう判断できる。



     しかしデフォルメという要素を
     前提にしても・・・このクマ?には非常に
     不可解にして奇妙な特徴があった。






     ・・・というのもこのクマ、何故か顔の
     正中線を境にして・・・

     完全な左右非対称(アシンメトリー)なのだ。

     ・・・・それはもう線を引いたように、
     というより全く別の体毛のクマの顔を
     無理矢理半分ずつ掛け合わせた様な・・・
     そんな外観だ。

     しかし異なっているのはその
     カラーリングだけではない。

     こちらから見て左側、つまりクマの
     右半面は・・・・通常の白い生地に
     チョコの線と干しぶどうのアクセントで円らな
     瞳の無邪気な表情のクマが象られて
     いるのに対し・・・


     その対となる左半面は・・全体的に
     チョコ、若しくはカラメルが練り込まれたと
     覚しき黒生地の顔に・・・・
     
     通常生地との巧みなマーブル模様で
     顔の端まで裂けそうなおぞましい口が
     描かれている。

     そして紅花色素か何かとクコの実の
     紅色で彩られた、生き物のそれとは
     到底思えないほど歪な形をした赤眼。
     

  83. 86 : : 2015/09/28(月) 03:22:50






    サシャ「し・・・・白くて黒い・・・クマ・・?!」
       ガタガタ・・・・・




     半分だけ切り取ったフォルムを見れば
     暢気で可愛げのある印象で充分
     済むのだけど。。・・・・何分、


     その対面がどうにも邪悪・・・というか
     不気味な印象を見る者に与えてしまう。

     ・・・しかしどのような凝った意匠が
     施されようと、それにパンという名が
     付く以上・・・・最も重要な要素は
     決して見てくれなんかじゃない。

     

     ――そう、味である。




    サシャ「ほ・・・本当に居たなんて・・・!!
       アニの言葉は・・・嘘などでは
       無かったというのですか・・・?!

       しかし…しかし本当に壁外には・・
       このような奇天烈な出で立ちの
       クマが・・・・・?!」ガタガタガタ・・・




    アルミン「・・・・??^^;」




     肝心の味を気にしている僕を尻目に
     顎に手を添えて唸りながらその
     クマ(?)を見つめるサシャ。

     このフォルムにどこか見覚えでも
     あるのだろうか。




    アルミン「よかったらさ・・・それ、
       食べてみてよ。まあ・・・見た目の
       作りもかなり凝ってるから
       どこから食べようか迷う気持ちも
       理解できるけどさ」




    サシャ「仰る通り・・・これは大分・・・
       なんというか食べるのすら
       勿体無い素晴らしい造形美です。

       あの・・・・、私これ食べる前に
       自らの手で絵に描き残しても
       宜しいでしょうか・・・・?」クルッ



     少々照れくさそうにして、
     振り回す後ろ髪に続いて僕に
     上目遣いで聞いてくるサシャ。
     ・・・・可愛い。・・・・
     うん、その表情はとても
     可愛いんだけど・・・・


     僕は彼女がその芸術的センスを
     遺憾なく発揮した際に産み出す、

     人知すら遥かに超越した地獄絵図を
     脳裏に思い浮かべ・・・・




    アルミン「いや・・・うん;そのクマの絵は
      僕が何となくで今描いとくから・・
      君は是非そのパンが湿気っちゃう
      前に美味しく食べちゃってよ^^;」



     その申し出をやんわりとやり過ごした。





    サシャ「そ・・それもそうですね・・・味・・・
       味のほうもソレはもう
       気になりますからね・・・!(ジュルリ)

       ・・・!あ、じゃあ丁度いいです!
       この子・・・丁度イイ感じに顔が
       真っ二つですから・・・私とアルミンで
       半分こしませんか・・・・!?」
       ワクワク




    アルミン「ッ!!!?////」ドキッ





     赤面しながら申し出るサシャ。
     その手には胸の位置に両手で此方に
     向けて掲げるクマの顔。

     ・・・・・なんだか彼女の一つ一つの動作が
     一々僕の感性をくすぐってくる。





     そのいじらしくも可愛らしい動作も
     さる事ながら、サシャの行う
     愛情表現の中でも特に上位に
     位置するとされる・・・食糧の配分。

     そんなご褒美を前に一瞬揺らいで
     しまう僕だったが・・・




    アルミン「いっ・・・いいよいいよ!それは・・・
       そのパンは君の為に買って
       きたんだからさ・・・・!

       それに折角食欲の方も大分
       戻ってきたんでしょ?;」



     何とか本来の狙いを思い出して
     済んでのところでその甘い誘惑を
     断ち切る僕。・・・そう。今この場で
     クマの顔面を寸断されては困る
     理由が・・・そのパンの身にあるのだ。


  84. 87 : : 2015/09/28(月) 03:26:57


    サシャ「そ、そうですか・・・?

       私的にはこのクマさん・・・
       とてもアルミンに似てて可愛いと
       思ったのでこれは是非一緒に
       ご賞味頂こうと思ったのですが↓」





    アルミン「似てる!!!?それのどの辺が僕に
      似てるって言うの!?サシャ?!!」






    サシャ「いや…そっくりじゃないですか…

       ああ、いえ、単純な外観がそうだと
       言ってるんじゃないですよ?

       この二面性というか・・・普段は
       ほら・・・そんな可愛らしいお顔を
       して焦ったり慌てたりして見せて
       くれる貴方ですが・・・・

       ・・・・・時折何か降りて来ては
       いけないモノが乗り移ったかの様に
       顔が豹変する時が・・・・;;;
       (ガタガタ・・・)」






    アルミン「そんなに酷いの!??
       僕の含み笑いって!!?」



    サシャ「そんなに酷いんですよ!!!!(即答)

       本誌掲載であまりに酷かったから、
       描いたご本人が後刷りで自主的に
       修正した程なんですよ!!!?」
       ダカラモウヤメテ クダサイヨ!!?





    アルミン「そこまで言われちゃうと・・・うん・・

       今後は本当・・・気をつけるよ・・・
       あ、うん・・・じゃあその。
       僕の分とか気にせずソレ、
       食べちゃってよ。」




    サシャ「そ、そうですね・・・(クンクン)
        

        ・・・・・あ、いい匂い・・・・♥
        そ、それでは頂きます・・・//」




     きっとサシャが僕から嗅ぎ取った
     ものの中で最も食欲をくすぐる物を
     挙げるならそのパンが唯一ソレらしい
     匂いを放っていた筈だ。




    サシャ「それでは・・・出来る事なら
       可愛いお顔を拝見しながら
       頂きたいのでこちらの凶悪な
       お顔の方から頂くと
       致しましょうか・・・・」
       ァア~~ン・・・・



     パクッ




    サシャ「(モグ・・モグ・・・)」




     余程お腹が空いていたのか随分と
     掘削範囲が大きな一口でもって・・・


     クマの左側の耳が欠損した。






    サシャ「(モグッ・・・ゴクッ..)こっ・・これは
       なんとも・・・///甘ったるい
       味の中にチョコのほろ苦さと
       牛乳のまろやかさが入り混じって
       ・・・・(モグモグ)」




     ・・普段兵団で食べているものと
     それが全く趣の違うモノである事は
     言うまでもない。使われている材料、
     それからその調理にかかっている
     手間から考えても…。その菓子パンと
     呼ばれる趣向品は・・・そもそも単純に
     お腹を膨らませる為だけの
     モノではない。

     僕が買ってきたのも街行く
     お客さんの目を少しでも惹く為に
     店頭に掲げている・・・所謂
     看板商品である。


     本来なら僕が気軽に手を出せるような
     値段じゃないけれど・・・それを
     喜んで食べてくれる彼女の顔が
     見られるなら・・・




    サシャ「!!」ピタッ・・・・




     モグモグと咀嚼を繰り返すサシャの
     動きが・・・3、4口目にはいった所で
     何かに気づいたようにその動きを
     止めた。・・どうやらそのパンの最も
     売りとなっている部分に到達した
     みたいだ・・・。




    サシャ「うっ・・うまッ・・・・・!

       ・・・こんなパンが・・・都には
       出回っているんですか・・?!

       よ・・・涎が・・・ッ・・・・!!
       (ムシャムシャムシャ..)」




     そう、全体的に平べったくもあり、
     しかし妙に重量感があるそのパンの
     中核には・・・焼き上げる前段階で
     木苺、野苺、杏を使ったジャムが
     たっぷりと仕込まれているのだ。

     元々甘酸っぱいそれらのジャムは
     パンを焼き上げる際の過熱でもって
     さらにその中に隠された甘みを
     引き立たせる。
  85. 88 : : 2015/09/28(月) 03:29:14





    サシャ「あっ・・・アルミン、スミマセンが
       お、お水を・・・お水のおかわりを
       頂いても・・・??///」ムシャコラ..ムシャコラ




    アルミン「(微笑)ッ・・・よかった、思ったより
      随分食欲があるみたいで・・・!

      ・・・はい、お水ね」




    サシャ「このっ・・・果実のジャムと生地の
       合わせ技が・・・!しかも生地に
       練りこまれた牛乳の脂肪分が
       この上なく食欲を刺激して
       くれるんですよ・・・!酸っぱくて
       幾ら食べても飽きません・・!」
       モグモグモグ・・・




    アルミン「・・・・・////」




     ・・・・・良かった。


     それは僕が心から安堵を
     覚えられた瞬間だった。

     サシャが食欲不振を訴えた瞬間から…
     僕の中には絶えず彼女を気遣う
     気持ちが渦巻いていて、

     その感情はまるで下っ腹の辺りを
     常にムカムカさせるような不快感を同時に
     振りまいていたけれど。





    サシャ「・・・ムッフフフ・・・//

       モグモグモグ・・・・
             ・・ゴクッ・・プハッ・・

       はぁ・・・・こんな・・・
       こんな美味しいパァンがこの世に
       存在するなんて・・・・///」ウットリ・・



     彼女のこの顔を見られただけで、
     その暗雲は全て綺麗に吹き飛んだ。

     
     ・・・今は顔面が半分まで減ったその
     クマの顔を皿に乗せて、これから
     半分を味わって食べるところまでを
     想像して身悶えしているのか・・・

     
     両手で顎を支えるような格好をして
     恍惚の表情を浮かべているサシャ。

     一体食べ物だけにどこまで彼女の
     気持ちが昂っているのか判らないが、
     明らかにその表情は行き過ぎた恍惚に
     赤熱している。



     ・・・正直に言うと少しおっかない。



     今横合いからこのパンを奪おうとする
     不逞の輩が現れようものなら・・・
     恐らくサシャは斧でも鉈でも
     持ち出して、その不届き者を容赦なく
     ひき肉にしてしまう事だろう。


     そんな事を考えながらもサシャの
     要望通りクマの絵を覚描きしていた
     僕へと向き直ったサシャが




    サシャ「・・・成る程、アルミンが
       これを半分こにしたがらなかった
       その理由が今になってやっと
       判りましたよ・・・・(プフゥ・・)

       中々味な真似をしてくれますね・・」
       グフフフ・・




     ニンマリと笑いつつそう言った。




    アルミン「ま、まあ・・できれば食べた時に
      気づいて貰いたいじゃない^^;」
      シャッ・・シャッ・・・・




    サシャ「ええ、アルミンの計らい通り
       その狙いはバッチリ私の驚きを
       射止めましたよ。この製法は
       革新的ですよ・・・。

       きっと安い品物では無かった
       筈です」




    アルミン「君がそんな風に笑顔で食べ物を
       口にしてくれたんだから。

       僕にとってそれ以上の事は無いよ」



  86. 89 : : 2015/09/28(月) 03:32:32





    サシャ「・・・お気持ちは有難いですが、
       その気持ちが判った今・・・やはり
       この残り半分は私とアルミンで
       一緒に食べましょう?

       ・・・流石にこれ全部
       食べてしまったら食後のザクロが
       少し苦しいかもしれません」





     そう言って皿に乗せた顔を更に
     半分に分割するサシャ。


     ・・・まあ、仕込みのタネに驚いて 
     貰った後ならその申し出を断る理由も
     特に無い。・・・僕もこんな贅沢なものを
     口にした事は殆ど無いし・・・






    アルミン「じゃあ・・・ありがたく頂こうかな。」





    サシャ「・・・おかしなアルミンですねw
       これは元々貴方が買ってきた物
       ですのに。」




    アルミン「それもそうだったかな・・w」
      モグッ・・・・




     その断面を一口齧ってすぐに広がる
     豊かな酸味。そして蜜か砂糖か、
     とにかく酸味と丁度いい具合に
     引き合いの取れた甘さが口一杯に
     広がってくる。

     パン生地その物の柔らかさも
     まるで普段支給されているパンとは
     モノが違う。
       




    アルミン「うん、美味しい。」




    サシャ「ぇえ、やっぱり食事は
       一人より誰かと摂る方が
       美味しいです///」




     一口齧るたびに僕の隣で
     笑みを溢すサシャ。


     彼女の裏表が一切無い、
     幸せそうなこの顔が拝めれば・・・
     それだけで僕が生きる為一生懸命に
     なれる理由になる。


     彼女の笑顔がいつ見ても・・・
     これまで見たどの笑顔より幸せそうに
     見えてしまうのは・・・きっと僕自身が
     そのような心境で彼女を見つめ続けて
     いる証であると。


     ・・・そう思えた。


     
  87. 90 : : 2015/09/30(水) 20:06:52




     未だに外気に晒して湿っ気を
     飛ばす事を目的とした、
     解き放たれたままのサシャの後ろ髪。


     漸くその髪にも若干の軽やかさが
     戻ってきたところで・・・僕は彼女に
     渡すものがあったのを思い出す。


     
     ・・・別に、今渡すのでなくても、
     彼女と僕がこのパンを食べ終えてから

     ・・・・いや、話の重要性を考えれば
     普通の人が相手なら寧ろそうして
     然るべきなのだというのは
     よく考えなくても解っていた。

     

     ・・・けれど・・・相手は“あの”サシャだ。


     
     僕があえてこのタイミングを選んだのは
     今こそが彼女の最も心が弾んでいる
     瞬間であると断じていたからに
     他ならない。





    アルミン「あ、サシャ・・・実は・・・
      食べ物とは別に・・・君に渡したい物が
      あったんだ・・・・」




    サシャ「な、何でしょうか!?私に・・・
       アルミンから贈りたいもの・・ですか?!」
       ナンデスカ?!





    アルミン「あ、あのね、実を言うと
      僕って言うより・・・その・・・贈り主は
      ミカサなんだけど・・・」




    サシャ「??・・・・???」モグ・・・





     僕の発言に菓子パンをパクつきながら
     その小首を90度傾げるサシャ。

     
     彼女の思考能力では当然、それが
     どういう事かと瞬時に先読みする
     事など不可能だ。




    アルミン「このミカサからの贈り物を君に
      手渡す前に・・・是非聞いておきたい
      事というか・・答えて欲しい事が
      あるんだけど・・・」





    サシャ「???、?・・・ええ、構いませんが
        ・・・・一体それはどのような」






     ミカサからの贈呈品を受け取る為に
     自らが僕と交わすべき質疑応答とは
     一体何なのか・・・サシャにそんな事が
     解るはずもないけれど。




     それは・・極々簡単な事で・・・


     
     順序から言ってしまったら・・・
     少し遅すぎるタイミングと成って
     しまったけれど。


     それでも、一度は必ずこういった形で
     僕の方からサシャに対して
     聞かないといけない事だ。



     その問いは実にシンプルで・・・
     至極単純な物・・・そして既に一度
     済ませてしまったようでいて僕の
     感覚ではまだ済んでいなかった
     唯一の質問。



  88. 91 : : 2015/09/30(水) 20:09:02





    アルミン「・・・・サシャ?」




    サシャ「なんですか??」モグモグ
       ンッ・・?




    アルミン「既に君には中途半端では
      あるけれど“あの日”に君と
      重なる前に聞いた言葉・・覚えてる?」




    サシャ「・・・???あの日・・・?
      
        言葉???えっと、、すみません、
        具体的にどんな話だったか
        教えていただいても・・?」
        モグッ・・・




    アルミン「あ、いいよいいよ!ここで直ぐに
       どんな内容の話だったか
       出てこないなら・・・。それを
       しっかりやり直しておきたいから
       君に今こうして聞き直したんだ。

       じゃ・・・じゃあ、いいかな・・・
       サシャ・・・・」ギュッ・・・





    サシャ「、? 、、?!え、
       あ、ふみませんア、アルミン・・?!何か・・・

       ひょっと待ってください、私まだ
       これ、食べへる途(ry...




     会話の途中から真面目な眼差しを
     彼女に向けながら、その両肩を掴む僕。


     流石のサシャもこれから僕が何か
     そういった行為に及ぼうとして
     いるのかと雰囲気から察すると、
     急いで咀嚼を進めようとする。





    アルミン「ううん・・・大丈夫。ゆっくり
       噛んで食べて。食べながら聞いて
       くれればいいから。」





    サシャ「・・・・?、ふぁぃ・・・??///;」
        モグモグ・・・







    アルミン「順序がずれてゴメンね・・・・サシャ?」






    サシャ「・・・・・、、」





    アルミン「――僕と結婚して欲しい。」





    サシャ「―――――」ピタッ・・・





     僕のこの一言を受け、顎を含める
     全身の動きを一瞬硬直させると・・・


     その姿勢のまま両目を真ん丸に
     見開くサシャ。その顔に浮かぶ色は・・

     驚愕の色からほんの一瞬だけ、
     本当に無いといってもいい位の瞬間
     だけ答えに詰まるというか・・・恥らう
     ような色彩の変化を見せたけれど・・・



    サシャ「・・・・・・))」ゴグンッ..



     直ぐに僕がどういう気持ちで
     今の一言を言い放ったのか直感で
     理解すると一気に咀嚼していたパンを
     嚥下し、




    サシャ「ぇえ・・・・私も・・・・・・・。

       私も貴方とでしたら・・・・
       たとえ“この子”の存在が
       無くても・・・共に添い遂げようと
       いう意思を持つのは時間の
       問題でした。では私からも・・・」





    アルミン「・・・・・・!」




     これまでに二回程見ただけで
     それっきりだった・・・・“あの顔”で
     語り返してくれた。




    サシャ「そのお願い、多分二回目だと
       記憶してますけど・・

       喜んでお受け致します・・・///


       是非私を・・・・
       貴方のお嫁さんにして下さい。。

       え、えっと、ふつつかもの?

       ・・・ですけどね・・・・・;」
       ペコッ・・・




     その笑顔に滲み出す単純な喜びとは
     違った感情は・・・今日初めて見る
     サシャの髪型と相まって、非情に
     僕にとって感慨深いものだった。


  89. 92 : : 2015/09/30(水) 20:11:13


     普段の彼女の振る舞いを見ている
     だけでは・・・実際彼女がそこまで
     混み入った事を考えながら毎日を
     過ごしているとは到底思えないが。



     ・・・・しかしここ数日で確実に解った
     事が一つ。・・・・それは・・・・



     アレだけ単純そうな思考を持つサシャ
     ですらも・・・周囲の誰もがその
     詳細までは掴みきれないほど緻密な
     罠狩猟で日々の生計を立てていたり・・


     または完全に食べ物だけにしか興味が
     無いように見えて、実際周囲の目と
     文化の違いを気にするあまり、
     全く別の言語ともいえる位
     表現に差がある故郷の言葉遣いを
     矯正する努力だけは怠って
     いなかったり。



     つまり彼女には彼女で表には決して
     見せない顔と、それに付随する思考が
     確かに備わっているのだ。


     普段から少しどころか大分抜けた
     行動が目立つのは・・・演技とまでは
     言わないけれど、その二面性の反動と
     いってもいいのかも知れない。


     
     
     気さくで、明るくて、細かい事を
     一つも考えずに、ただ自身の胃袋を
     満たす事だけを日々の糧としている
     様な・・・そんな印象しか無いサシャ
     だが・・・・



     “その”サシャの静かな笑顔は・・・

     ・・・普段殆ど見せない、彼女の内側
     ともいえる一面が・・・確かに表に
     晒される、その貴重な一瞬だったのだ。





    サシャ「・・・・??w///どうしました?
       アルミン?確か貴方はこの質問を
       済ませた後・・・何か私に渡すべき
       ものが有るとか、そんな事を
       仰っていた気がしますが。
     
       ・・・それもミカサから・・・・?」




    アルミン「・・・・あ、、、う、ううん・・・///」





     ああ・・・しまった・・僕とした事が・・・


     この組み合わせは非常に強力だ。
     サシャがたまに見せるこの雰囲気と・・
     そしてこの姿。


     ・・・これではまるでサシャではない
     誰かが目の前にいるような気さえ
     してしまう。




    アルミン「・・・え、えっと・・・これ・・・・
       なんだけど・・・・。」クシャッ・・




    サシャ「・・・っ・・・、こ、これは・・?!」



     僕が手渡したものが彼女の手に
     渡るなり、それがどういった趣の物か
     理解し、その目を爛々と輝かせる
     サシャ。平常運転に移った彼女の
     笑顔に、思わず僕も心の中で
     安堵の息を漏らしてしまう。


     ・・・いつもと違う彼女の笑顔に
     戸惑ってしまう感覚も悪くは無いけど、

     やっぱりサシャは・・・こっちの
     サシャの方がそれらしい。




     髪型の方は未だ解いたままだけれど。 





  90. 93 : : 2015/09/30(水) 20:13:29






    アルミン「僕と君の結婚祝いにって・・・
      ミカサがくれたんだ。

      髪を梳くブラシの一種・・・・
      らしいんだけど。ミーナやクリスタの
      使ってるものと大分形が違うでしょ?

      ミカサのお母さんの故郷・・・
      つまり東洋から渡った伝統工芸の
      一つなんだって。」





    サシャ「ぇえ・・・・、ええ!これはまた
       随分と・・・場所を取らない簡素な
       造りで助かります・・・!これなら
       懐に楽々仕舞い込んで
       おけますし・・・・!それにこの

       緻密にして華々しい彫刻が
       なんとも・・」マジマジ・・・・





     その櫛のフレームにあたる部分には・・・

     ミカサからこの櫛の複製依頼を
     受注した職人の勤勉さと、
     弛まぬ職人気質が存分に伺える程の・・・

     それはそれは精細にして見事な
     花々の彫刻が咲き乱れていた。





    サシャ「こんな・・・こんな素晴らしい
       物を・・・本当に私なんかが
       頂いてしまっても・・・・・?///」




    アルミン「・・僕も、ミカサには重ねて確認を
       取ったよ。元々彼女が
       自分で使うつもりだった
       みたいだし。・・・けれど彼女は・・・

       君だからこそそれを自ら進んで
       進呈してくれたんだ。」




    サシャ「・・・・・!」
       キラキラ・・・・




    アルミン「君に是非使って欲しいと言ってね。

      それから・・・これ、この油も
      櫛になじませると髪にいいらしいよ。

      ・・・女子のおめかしって事になると
      流石に僕も知識不足だから、
      その辺はクリスタとかに聞いた方が
      確実だとおもうけど・・・・」
      コトッ・・・・





    サシャ「・・・、成るほど・・これは・・
       (スンスン・・・)きっと花の種から
       絞った植物油でしょうね・・・!
       いえいえ・・・こんな・・・・

       こんな素晴らしい物を突然
       頂いてしまって・・・私・・・、
       この喜びを何て表現したら
       いいか・・・・(ジワッ・・・)」




     余程その贈答品が彼女の琴線に
     触れたのか・・・堪らず瞳を潤ませる
     サシャ。・・・よかった。思っていた
     以上に・・・これはサシャにとって
     有り難いものだったらしい。 



  91. 94 : : 2015/10/06(火) 02:29:16


    ~それより少し前~









    ―女子訓練兵宿舎・ミカサ部屋―







    ダンダンダンッ!!!



    <ユミル「ノックしてもしもぉ~~~し」>





    <クリスタ「ね、寝てたらゴメンね~~??
       アニ・・・かミカサはいるかな?」>





    アニ「・・・・・・・・・。」
        (THE・狸寝入り)





    <ユミル「オイ、これ十中八九居留守だぞ。
       もう面倒だし入っちまおうぜ」>




    <クリスタ「ダメだよ勝手に入るなんて!!!
       もし本当にアニが居るとしても
       居留守を使うって事はゆっくり
       休みたいだけかもしれないんだし
       ・・・・・・

       せめてミカサが帰ってくるまで
       待ってようよ・・・」>






    アニ「・・・・・」ギッ・・



     トンッ・・・   トンッ・・・・





    <ユミル「チッ・・・しゃぁねーな。女神様が
      そういうなら奴が帰ってくるまで
      待ってるとするか・・・・」>





    ギッ・・・・   ガチャ・・・




    ユミル「・・・・お」







    アニ「・・・・・・なに。」





    ユミル「なんだよ・・・居るなら最初から
       出て来いよな。」






    アニ「たまの休みくらい騒々しくない
      部屋でぐーたらしたいって私の
      気持ちが分からないかな」





    ユミル「・・・たまの休みくらい、普段
       そこまで踏み込まないっつう猥談
       やら恋バナやらに花を咲かせよう
       って心意気は無いのかよ」





    アニ「ない。・・・・全然ない。」





    ユミル「2回言うほど大事な事なのかよ・・」






    アニ「ああ。その通りさ。

      ・・・私が男つくった挙げ句に
      ピンクのスカートやお花の髪飾りで
      めかし込んでウキウキしながら
      デートに出かけるような・・・・

      そんな女に見える??」






    クリスタ「プヒッ・・・/////」




    ユミル「ンナッ・・・・!!!////(カァァァ・・・!!!)

       テメ・・・・っ!!!そのネタどこで
       手に入れやがった・・・??!」



    アニ「さぁね・・・・・(含み笑い)

      でも・・・私にもそんな女子力が
      少しで良いから欲しいよ・・・


      とてもじゃないけど私は自分で
      自分が可愛いと信じきれる自信が
      無いし。」ニヤニヤ




    ユミル「珍しく笑い顔を見せたってのに
       すげームカつくな!!!///

       畜生・・・分かった、芋だな?!
       芋の奴が情報を漏らしやがったな
       ・・・・!!」





    クリスタ「プヒヒ・・・クスッ・・・////」





    ユミル「クリスタッッ!!テメーも笑いすぎだ
       っつ-----ッの!!!!」ムギュッ
       (頬っぺた抓り)




    クリスタ「はふゅっっ///;」
      ギリギリ・・・・






  92. 95 : : 2015/10/06(火) 02:31:30






    アニ「・・・なんでそんな恥ずかしがる
      必要があるの?良い歌じゃない。

      寧ろ人目をはばからずどんどん
      口ずさめばいいじゃないか」
    (私が賭けたのはここからだから..の顔)





    ユミル「ちッ・・・・////;チクショウ・・・!!!
       目一杯バカにしやがって・・・!

       んな事すりゃ間違いなくお前等
       全員で私を笑い者に・・・・」





    ミカサ「・・・・そんなことはない。

       私は又聞きでしか聞いていないが
       …あなたの鼻歌はとても素晴らしい
       歌詞で綴られていると思う。」
       ヌッ・・・・・





    ユミル


    クリスタ 「っっ!!!?!??」ビクッ!!×3


    アニ






    クリスタ「あ、お、お帰りミカサ・・・
      お邪魔してるよ・・・?;」






    ミカサ「いらっしゃい・・・ミーナも居ない
       事だし、空きのベッドを使うなら
       使って貰っても構わないが・・・・」





    アニ「(ぇえ・・閉め出さないの・・・?な顔)」






    ミカサ「・・・・・」チラッ・・・





    ユミル「・・・ンだよその目は・・・・」




    ミカサ「私やアニも居るので気分が
       盛り上がっても二人でそういった
       事を始めないように。

       今日はアニが唯一1日中
       ナメクジのような自堕落な生活を
       送れる事を楽しみにしている
       連休の内の一日だ・・・流石に
       この時ばかりは普段部屋の消灯
       起床時間をうるさく聞いて貰って
       居る以上思う存分自堕落な生活を
       満喫して欲しい。」





    アニ「そういうこと」
       ゴロンチョ。




    クリスタ「(・・・なんかちょっとかわいい)」





    ユミル「ゴマアザラシみてえな動きで
       こっちみんな。」





    クリスタ「ごまあざらし・・・?って何??;」





    アニ「・・・・・壁外に居るって
      言い伝えだけが一人歩きしてる
      生き物だよ・・・・。その生き物が
      生息してる生活圏すら・・・
      "氷の大地"っていう架空の
      場所だけどね・・・・」





    ユミル「・・・お前が知ってるのも驚き
       だけどな。・・・何だ?壁外の文献にも
       意外と興味津々なのか?」




    アニ「・・・・まあそんなところかな・・・

      ・・・これ以上は悪いけどゆっくり
      寝られる時間に響くから
      話しかけないでくれるかな」
      モッソモソ・・・・





    ユミル「まぁ待てよ・・・・」
       ガシッ・・





    アニ「何だい・・・・?」
      イラッ・・・・





    ユミル「・・・私らがここにきた目的はな・・・
       アニ、あんたが芋から直接聞いた
       って言うお話について詳しく
       聞かせて貰う為なんだよ。」



  93. 96 : : 2015/10/06(火) 02:35:01






    アニ「・・・・・それで?」
       ムスン・・・







    ユミル「素直にゲロしちまうまで私は
       何度でもお前を揺すって起こすぞ。
       
       手っとり早く安眠したいならまず
       ・・・・・・」






    アニ「・・・・そういえばさぁ」







    ユミル「・・・・・・・?」







    アニ「私はともかくあんたも相当壁外の
      知識に明るいみたいだけど・・・・」






    ユミル「・・・・あぁ?」






    アニ「壁外の知識っていえば・・・特に
      詳しいのが一人男子にも
      居たじゃないか・・・・?」
      ニヤァッ・・・






    ユミル「っ・・・・!!」
       ゾクンッ!!







    アニ「そう・・・たしか"アルミン"の奴も
       不自然なくらい壁の外の知識には
       明るかったよねぇ・・・??

       ・・・これって何かの偶然なのかな」
       ニヤニヤ・・・





    しなやかなアニの肢体を包み込む
    タオルケットの狭間から・・・顔半分が
    陰に塗りつぶされた彼女の邪悪な笑みが
    覗き込んでいる。



    人前で笑うこと、それ自体が極めて希な
    アニが見せる姿だけに・・・その姿には

    やはり普段では感じられない不気味さと
    ・・・それとは相反する若干のいじらしさが
    同時に漂っていた。





    ガシッ・・・・




    ユミル「っ!!?」
       Σ(;゚Д゚)↩






    ミカサ「ユミル・・・今夜は寝かさない・・・」




    クリスタ「そうだよ・・・!サシャの為に潔く
      身を引いたからこそ・・・・・二人の事が
      気になって気になって仕方が
      無かったんだよね・・・??

      そうなんだよね・・・??」
      ガバッ・・・




    ユミル「ちょ待ッ・・オイ、私は別にそんな//
    ミカサ「アルミンの事なら・・・私が良く
       知っている・・・・。というより
       ほぼ一部始終を見ていた・・・。

       ・・・・ので」ガシッ・・・




    アニ「・・・・・・....(ニヤッ・・・)」
      モゾモゾ・・・・





    ユミル「あぁッ・・・・・!!!クソッ・・!!
       嵌めやがったな・・・・!!?」





    クリスタ「今日は失恋したユミルの為に
      朝までだって付き合うからね・・・!」
      ギュッ・・・




    ユミル「(こっ・・こんなハズじゃ・・・!!)」





    ミカサ「・・・というわけでユミル・・・先ずは
       あなたがアルミンを意識する様に
       なったきっかけから聞いて
       おきたい・・・・。

       いつからあなたはアルミンを
       そういう目で見始めていたの・・?」
       キラキラ・・・・





    クリスタ「そッ・・・それはもう・・・壁外の知識を
      アルミンにも負けない位覚えようと
      する位だから・・割と入団初期から・・・
     
      とかだよね・・?!・・・・・ね!?!」ソワソワソワ







    ユミル「~~~~~~~~!!!!!」








    ―――声にならない、ユミルの叫びが
       響き渡った・・・・・・。







  94. 97 : : 2015/10/06(火) 02:37:12







    ~それより数分後~







    ―女子訓練兵宿舎・クリスタ部屋―





    サシャ「・・・・しかし私・・・ミカサには
       本当に何から何までお世話に
       なりっ放しです・・・」






    アルミン「そうだね・・・・・・って、
      それについては僕も君の事
      言えないや・・・。

      ミカサには会ったその日から
      ずっと助けられて来たから・・・」




    サシャ「いえ・・・この櫛にしても
       そうですが・・・ミカサには
       それ以外にも色々と助けになって
       貰っているのです。例えば・・・

       アレなど。」スッ・・・




    アルミン「・・・・・・?」






     サシャが指差す先にあったのは・・・
     花瓶に活けられた・・・というより一応
     延命用に張られた水の中に茎を
     差し込まれたような格好で
     飾られている幾輪かの・・・・見た目には
     白を基調とした、星型のような形をした
     ・・・少し奇妙な花。


     よく見なくてもその花からは何か
     言い知れない奇妙なオーラが
     放たれており、恐らくそれは・・・


     細まった花弁の先がヒョロヒョロと
     間延びした末に全て下へと垂れている
     姿から感じられるものだろう。


     
     花自体はそれほどおかしな色を
     していないが・・・、その花から伸びた
     赤っぽい蔦の様な部分が恐らく
     否応無しにおどろおどろしい印象を
     与えてくるのだと思う。



     ・・・・しかしあの花が一体・・・


     


    アルミン「・・・・あれが・・・どうミカサと
      関係が有るの・・?というより
      サシャ・・・・あの花って・・・」





    サシャ「あれは・・・・先に言ってしまうと、
       前アルミンにもお話した・・・

       “毒矢の先に塗る毒”の元になる

       植物なんです。」





    アルミン「ッッ・・・・・」






     当然、そのように聞けば
     聞き手としてその背に走る怖気を
     抑える事は敵わない。






    アルミン「(これが・・・・この花が・・・・!?あの
       冗談みたいな大きさの猪を一撃で
       仕留めた猛毒の・・・)」





    サシャ「その花は私より広い範囲を
       朝の日課で走りこむミカサが
       見つけてくれた事で手に入った
       代物なんです。

       私の故郷で聞いていた呼び名と
       ミカサが教わった呼び名は
       違うようですが・・・」
       キョウチク・・・?トカナントカ。



    アルミン「・・・・・・・・・;」シゲシゲ・・






    サシャ「ああ・・・・、一応念の為ですが
       お手を触れませんようにね。

       毒矢として使用できる様に
       するには・・・その花が実らせた
       種子から更に幾つかの手順を
       経て毒を煮詰め出して抽出
       してから、やっとですが・・

       父の話では、その植物の茎を
       野外での食事に際して簡易的な
       串として使っただけで死人が
       出たという逸話も聞いてます。」




  95. 98 : : 2015/10/06(火) 02:42:36






    アルミン「(・・・今まで考えもしなかった
       事だけど・・・・)」



     もし・・・もしも巨人に“毒”という
     ものが少しでも通用するのであれば・・


     これ程の猛毒なら或いは・・・・
     多少の行動抑制に役立ったりは・・・・
     しないだろうか。


     そんな事を考え込んだのも一瞬の事。




    サシャ「この毒がもし“巨人”にも
       効くのだとすれば・・・恐らく
       量的に言ってしまえば此方の瓶
       一個分あれば簡単に10m級の
       巨人の命を奪える位の毒性が
       ある計算になります。

       実際殺すことが出来た大型の獣の
       体重や大きさからざっと
       比べれば・・・の話ですが。

       ・・・しかし」





    アルミン「まさか・・・・」






    サシャ「情報の真偽は定かでは
       有りませんが・・・過去それを
       試みた結果、“巨人”には
       こういった毒も一切通用しなかった
       という話を・・・父から一応聞いては
       居ます。残念な話ではありますが」





    アルミン「・・・・・・」





     僕の思考を先読みする様にそんな話を
     始めたサシャの顔は・・・何時にも増して
     真面目な顔つきになっていた。


     確かに・・・これほどの猛毒。

     
     矢の先に塗っておいたと言うだけで
     あの大きさの猪を屠れる
     脅威の毒性を以ってすれば・・・


     量さえ用意できれば充分巨人に
     対しても現実的な対抗手段と
     なり得た事だろう。


     ・・・そう、例え殺す事は出来なくとも・・




    サシャ「せめて毒が少しでも
       効くのなら・・・私達の受け継いだ
       知識は人類の大きな力となった
       ハズなんですけどね・・・;

       残念ながらこればかりは
       そうもいかなかったようで、、」
       シュン・・・




    アルミン「君が落ち込んでも
      どうしようもないって。

      ・・しかし今の君の様に…そうやって
      生態の一切が謎に包まれた巨人に
      対抗する手段を考え続けて来た
      人達が居たからこそ・・・

      僕達が座学で習っているような
      巨人の討伐方法や、立体起動装置が
      世に産み出されたんだ。」





     僕としてはこの時点では珍しく
     真面目な顔で話すサシャを
     元気付ける積りしか無かったけれど・・・






     
      
    サシャ「・・・・そ、それでですね!!
      
       その・・・アルミン・・・私・・・!

       いきなりこんな事を言われても
       困るとは思うのですが・・・

       どうしても私・・・アルミンに
       言っておきたい事が・・・

       あったんです・・・・・!!、、」
       ソワソワ・・・





    アルミン「・・・・・・?」






    サシャ「その・・・ええっと、、、;」



     何かを言いかけてその先を
     躊躇しているサシャ。

     
     この時・・・僕はこの後サシャの口から
     放たれる一言を全く予期できては
     居なかった。・・・だからこそ・・・
     “その一言”が彼女の口から放たれた
     瞬間・・・それから暫くは目の前が
     真っ白になりそうな驚愕に襲われた。









    サシャ「アルミン・・、私...


       …貴方が志望するのと同じ…
       “技工科”を目指して
       みたいんです・・・・・!」






  96. 99 : : 2015/10/08(木) 00:46:19






    ~丁度その頃~







    ―男子訓練兵宿舎・エレン部屋―







    ライナー「前から気になってたんだが・・
      一つ聞いて良いか・・・??」





    ジャン「・・・質問の系統にも寄るが」






    連日に及ぶ調整日に際して
    同室の仲間であるコニー、そして
    マルコの二人が共々帰郷する為、

    こうした期間には馬が合わないエレンが
    居るという状況と差し引きしても
    多少の退屈しのぎを目的として
    この部屋に来訪する機会が増える、
    ジャン・キルシュタイン訓練兵。






    ライナー「・・・・どこと無く言葉に棘が
      ある所を見るに・・・これから俺が
      する質問はどうにもジャンにとって
      聞かれたくない質問である可能性が
      否めない気がするんだが・・・・」






    ジャン「・・奇遇だな。俺もまだ
       聞かれてもないのにこれから
       される質問が素直に答えたくない
       類のモンなんじゃないかって気が
       してたところだぜ・・・。

       これも三年間苦楽を共にして
       歩んできた結果身に着いた
       以心伝心って奴なのかもな」






    ライナー「・・・どうする?聞くのは
      止しといた方がいいか?」






    ジャン「いや・・・・試しに言ってみてくれ。

       前もってそう聞かれちゃ流石に
       門前払いって訳にもいかねえだろ。

       こっちは休日に邪魔してる
       立場でもあるんだしな」




    ライナー「じゃあ…遠慮なく聞くが…
      おま(ry
    エレン「お前どうして故郷も親も無事なのに
      進んで家に帰ろうとしねえんだよ!!」





    ジャン「空気読めよこの死に急ぎ野郎が!!
       
       外伝でちょっと触れたろうが!!!
       家に帰ったら帰ったで色々俺にも
       有るんだよ!!!察しろよ!!」





    エレン「色々って何だよ!!お前みたいな 
       不肖の息子の為に弁当まで
       持ってきてくれる良い
       お袋さんじゃねぇか!!!

       せめて心配掛けてる分その
       馬みたいな面だけでも見せに
       行ってやったらどうなんだ!?
       ぇえ!?ジャンボ!!!!」 
       ガバッ




    ジャン「!!!テメェ!!!分かりきってて
       油注ぎに来てんだろ!!!

       その名を口にするなと何度
       体に言い聞かせてやりゃ
       理解できんだ!?!!」
       ガタッ・・・







    ライナー「(溜息)・・・お前ら・・・たまの休み位
      静かにさせてくれないか。


      ・・・流石に俺も今日くらいゆっくり
      させて貰いたいからな・・・今ここで
      何かおっ始めるなら躊躇無く
      ミカサを呼ぶぞ。

      ・・・言っておくが、あっという間だ。

      エレンの名前を口にした際の奴の
      聴力は・・・“あの”サシャを
      凌駕するからな・・・。」






    エレン「・・・・・・・・」スッ・・・





    ジャン「・・・・チッ・・・・。流石に休日にまで
       こんな馬鹿の為にミカサを
       働かせてやる訳にゃ
       いかねえか・・・」




    ベルトルト「・・・・・・;」





  97. 100 : : 2015/10/08(木) 00:49:35








    ジャン「・・・そういやよ・・・俺もここに
       邪魔した時から一個聞きたくて
       どうしようもない事が
       あったんだが・・・」





    ライナー「・・・・?」





    ジャン「今日は・・随分と長い事
        腰巾着がお留守じゃねえか。

        竿磨きに出かけてるにしちゃ
        精が出すぎじゃねえのか」




    エレン「・・・一応聞いておくが・・・そりゃ
       アルミンの事を言ってんのか。」






    ジャン「他に誰が居んだよ。」







    ライナー「;(・・何て説明すりゃいい(超小声))」






    ベルトルト「(まあ、普通気にするよ。
        ここはエレンに一任しよう。
        (超小声))」 




    ジャン「奴はお前と一緒で開拓地からの
       入団で実家も無かった筈だし
       親も居ねえと聞いてる。

       ・・・事実これまでの調整日で
       部屋にいなかった事も無いしな。

       ・・・とすると居ねえって訳じゃ
       無ぇだろ。こりゃ一体・・・」






    エレン「・・・・アルミンならサシャの所に
       行ってるぞ。今日の夕方からな。」






    ジャン
    ライナー  「   」
    ベルトルト 





    ジャン「・・・・悪ぃ・・・ちょっと今耳に蠅が
       たかった所為か・・・?

       よく聞こえなかったんだが・・・」






    エレン「・・・?;清潔にしてねぇから蠅が
       たかるんだろ・・・?ちゃんと
       綺麗にしとけよそれくらい・・・


       アルミンならサシャん所・・・もとい
       クリスタ達の部屋に行ってるっつの
       ・・・・三回目は言わないからな」




    ライナー「お、おいエレン!!?
      いいのかそんなあっさり!!!」
      ガバッ





    エレン「いいのかって・・・何がだよ;」






    ライナー「あいつらの事に決まってる
      だろうが!!卒業までできるだけ
      事を荒立てない為には情報の
      漏洩は・・・」





    エレン「いや・・・そんなのどうせタカが
       知れてるだろ・・今や俺達くらいの
       間柄でこの事に気付いてないのは
       こいつ含めてマルコとコニーだけ
       だし・・・。コニーなんてよく
       サシャとつるんでるんだから
       真っ先に気付いても良さそうな
       もんだけどな・・・」






    ジャン「・・・・なんだよオイ・・・??!
       聞いてねぇーぞ・・・・・・・!!

       マジか・・・・?マジであの芋女と
       女みたいな巾着が・・・?」





    エレン「・・・まあ、そりゃ言った覚えは
       ねえしな・・・。言わなくても
       気付けよ・・・って言いたい所だが
       俺達も結局クリスタに説明されるまで
       気付く事はなかった。

       通常あいつに隠し事をさせたら
       大概こっちが見抜く頃には
       時効になってる。」








    ジャン「・・・って事はだ・・・女子側は
       クリスタが知ってるって事はほぼ
       全員その話題筒抜けって事か・・?!」





    エレン「・・・・さぁな。まあ、そうなってて
       充分おかしくは無いだろ。」






    ジャン「・・・・・」ガタッ・・







    エレン「・・・・オイ、どこ行くんだジャンボ?」





    ジャン「…トイレだ。あと次その呼び方したら
       足で返事してやるからそう思え」






    ライナー「・・・・・」ガタッ・・・


    ベルトルト「・・・・」スッ・・・






    ジャン「おいおい・・・おいおいおい(苦笑)

       お前らもコイツの肩持つのか??
       だって気になるだろ・・・

       卒業を目前にして最後になるかも
       知れねえ、退屈な連休に・・・そんな
       面白い話を聞いてみすみす
       見過ごせるかよ・・・・?」



  98. 101 : : 2015/10/08(木) 00:54:06




    ライナー「いいか、ジャン・・・。俺達は
      エレンの肩を持ってるんじゃない。

      今ここに居ない・・アイツの肩を
      持ってるんだ。最後の休みに
      なるかもしれないなら・・・尚更
      邪魔者を見逃すわけに行かない。

      ・・・・そうだろう?」





    ベルトルト「ジャン・・・・僕はあまり
       そういった恋愛とか・・・
       男子女子の間柄での付き合いや
       駆け引きといった事情に明るい
       訳じゃ無いけど・・・・・・

       ここは同室の仲間としてそっと
       しておいてあげるのが一番だ・・・

       それが当たり前なんじゃないかな
       ・・・・・」






    ジャン「・・・・・お前が喋ってんの見るのは
       何時ぶりだ・・・・?炊事当番が
       偶然被った半年前に流しで
       突然遭遇したゴキブリに我を
       失ってたあの時以来か・・・・・?

       ・・・つまりそんだけお前ら部屋の
       お仲間全員でアイツを邪魔しないで
       居てやろうっていう腹か」





    エレン「まあ・・・俺が逆の立場でも
       恐らくそうして貰いたいと
       思うだろうからな・・・・。
       分かったら潔く諦めようぜ。」





    ジャン「待て・・、ちょっと待て。


       お前だったらだと・・?

       お前に好きな女子なんて
       居るのかよ・・・?!!

       いつもミカサが気に掛けて
       くれてんのに平気で突っぱねる
       甲斐性なし野郎のお前に・・・??

       ・・・冗談だろ」







    エレン「・・・あ?」イラッ






    ジャン「・・・いや・・、だってそうだろ・・・w;

       見た目が美人なだけじゃねえ・・・!
       あんだけ何処を見渡しても
       非の打ち所も見当たらねぇ完璧な
       ミカサを・・・理由も無しに
       突っぱねるお前に普通の感性が
       備わってるとは到底思い難ぇよ・・・


       俺はてっきり昔から仲良かった
       所為もあって女よりも同室の
       アイツの方がイイのかと本気で
       思ってた位なのに」






    エレン「よう・・・ジャンボ、
       やっぱ二人で表行こうぜ∑b」ビッ
       パキッ・・・ピキッ・・・





    ジャン「…よし…腹に蹴りを入れてくれと
       言い出したのはお前だからな。

       ミカサが来るまで精々俺を
       愉しませろよ・・・この死に急ぎ
       ホモ野郎が・・・!」ゴキッ・・・





    ガシッ 
    ガシッ







    エレン
         「!?」
    ジャン





    …同時に二人の肩に乗せられる、、
     強烈な殺気の込もった掌。






    ベルトルト「・・・止すんだ。ここで君達がする
       喧嘩には何の利益も信念も
       見出す事ができない。

       ・・・それくらい、僕にだってわかる」
       ゴゴゴゴゴ・・・・





    ライナー「ジャン・・・・。ホモという悪口を
      簡単に口にするな・・・!この世に
      どれだけ謂れの無い疑いで心象を
      貶められてる奴がいると思ってる…?
     
      ・・・・・かく言う俺もその一人だ」
      ズズズズズ・・・・・








    エレン
       「(無言で見つめ合い)」
    ジャン







    双方の安い怒りが瞬時に消し飛ばされ・・・


    一瞬の目配せで二人の間で審議が
    既決する程に。



    その二人に向けられた気迫は相当な
    物であった・・・・・





    エレン「・・・・わかったよ。俺だけでなく
       アルミンまで中傷の引き合いに
       出されたのは正直癪だが・・・・

       ここは二人に免じて怒りを
       飲み込んでおいてやる。」
       (手打ち)




    ジャン「よく考えて見りゃお前の
       印象を語る上でアイツの悪口まで
       言うのはお門違いだった・・・
       そこだけは詫びといてやるよ。

       これ以上のいざこざは無しだ」
       (手打ち)




    事有る毎に衝突を繰り返した三年間。



    どつき合いが始まる度に対人戦績を
    参考にしたオッズを元に賭けが
    開始される程の喧嘩っ早さを
    互いに有する二人だが・・・



    その分、互いに身を引く事の意義や
    大切さについても・・・この頃には
    きちんと身についていた。







    ライナー「・・・・分かればいいがな」

    ベルトルト「・・・・・・」






    ・・・二人から放たれていた尋常ではない
    殺気がそうさせたというのがこの場では
    最も大きかったが・・・。


  99. 102 : : 2015/10/08(木) 22:39:35






    ジャン「・・・・しっかし・・・・何度聞いても
       意外だな・・・。

       何がどう転ぶとあの二人が
       宜しくやることになるんだ・・・・?
       その切っ掛けっていうのか・・・

       有体に言えば馴れ初めって奴が
       知りたいな。・・・是非とも」





    本気で頭を抱えている様子のジャン。


    彼は自分の気になった事はそのまま
    正直に全て口に出してしまう傾向が
    強い為、そのような発言に一切自分を
    偽るような物は無い。


    そのような心情を充分理解している
    からか・・・




    エレン「俺も事実を耳にした時は
       正直驚きだったが・・・

       クリスタの話じゃそれほど
       前々から密接なやり取りが
       あったって訳じゃないらしい」



    今しがた取っ組み合いの喧嘩1歩手前まで
    いった犬猿の仲とも言える同期相手にも
    一切の軋轢すら感じられない口調で
    そう返すエレン。



    これらには互いの持つ
    気持ちの切り替えの早さと適応力の強さ、

    そして状況判断力も大きく
    手伝っているのかもしれない。



    ライナー「何だったか・・・一緒に野山まで
      ピクニックに出かけたりして・・・
      そこから一気に進展があったとかな。

      アルミンもあんな顔して中々やるもんだ」
      ハッハッハッハ





    エレン「元々アルミンは奥手で鈍感な
       所もあるがあれで女子受けは
       大分良さそうだからな。

       別に不自然だとは思わないが」






    ベルトルト「(こういうの、“お前が言うな”
        っていうんだよね・・・本来なら)」






    ジャン「( お 前 が 言 う な )

       “そこまで”の道のりだって
       気になるぜ・・・・。流石にいきなり
       “ピクニック行こうぜ”・・・
       ・・・・ってなノリにゃ行かねぇだろ」

       

       


    ライナー「・・・そうだな。その前までで記憶に
      残ってる出来事といえば・・・

      ぁあ・・・・そういやあの猪騒動が
      あったか。あの時は・・・アルミンは
      ジャンの側についてただろう。

      何かサシャにそんな気を寄せている
      雰囲気は無かったのか?」






    ジャン「・・・・いや?全くそんな前兆は
       見せて無かったし・・・芋女は
       芋女で仕留めた肉の塊に
       夢中だったんだろ・・・?あの
       イベントは正直何の切っ掛けにも
       なっちゃ居ないと考えてるが」




  100. 103 : : 2015/10/08(木) 22:41:55






    エレン「まあ・・・何はともあれ・・・だ。

       結果としてアルミンは
       サシャの奴を選んで・・・この先も
       上手くやっていくつもりでいる。

       …だからできる事ならオレは全力で
       アイツの背を押してやりてぇ。」






    ジャン「・・・結構マジな感じなのか、

       ・・・・奴ら同士も。」





    エレン「オレ同様に家族を早い段階で
       亡くしてるからな・・・アイツは。

       そういう部分に関して遊び半分で
       臨む事も恐らくねえよ。」





    ジャン「アルミンの奴は・・・まだ分かる。

       アイツはそういう事に関して
       冗談を持ち込む奴じゃ無えだろう
       ・・・・だが芋女は大丈夫なのか・・?

       好感を抱く部分は人それぞれだと
       思うからな。一概に俺がアイツの
       人格を否定するつもりもねえが・・

       俺ならアイツを人生の伴侶に
       したいなんて思うのは・・・少し
       躊躇っちまうけどな・・・↓↓」




    エレン「・・・・・。。。」




    ライナー「。。。。。。」




    ベルトルト「。。。。。。」






    これまでの流れを考えるなら・・・彼の
    歯に衣着せぬこの意見に、誰かしら
    即座に反論をぶつけるのも
    自然な流れかと思えたが。



    サシャ・ブラウスという異性に
    纏わりついて払拭されない、強力な
    マイナスイメージを彼が素直に吐露する
    その姿に・・・



    咄嗟には異を唱える事が
    できなかった三人・・・・・。



    そう、よくよく考えてみれば彼女も
    そこまで難のある性格でもなく・・・
    見た目にしても成績面にしても・・・
    そこそこは(▪▪▪▪▪)、マシなのである。


    壊滅的な座学成績と食欲が絡んだ際の
    予測も付かない暴挙の数々を除けば。



    ・・・尤もこの場で全員が有無を言わさず
    一瞬とはいえ言葉を失ってしまったのは

    何より“それら”が原因であるのだが。






    ライナー「ま・・・まあな・・・人には必ず
      何かしら一つ二つの欠点もある。

      それに・・・アレだ。座学を一切
      視野に入れない実技の成績なら・・

      あいつはひょっとすればミカサ、
      アニの二人に続く好成績卒業者に
      滑り込むかもって話だぞ。

      ・・・・女子の中ではな」





    エレン「まあ・・・サシャ(あいつ)サシャ(あいつ)
       中々いいところもある奴だぞ。

       アルミンには直接言ってやったが
       ・・・・あいつとアルミンじゃ・・・
       特技の持ち味が全く異なる。

       似た者同士より・・・・

       頭の良い奴と頭の弱い奴・・・、
       体の頑丈な奴と少し頼りない奴・・・
       吊り合いは取れてると思うんだ・・・

       ・・・・オレは。」






    ジャン「何考えてるか全く解らねぇ奴って
       点では双方見事に共通してるな・・・。

       思考パターンが読めねぇ理由は
       見事に真逆だが;」






    ライナー「アルミンならサシャの手綱も上手く
      引けるだろ・・・;あくまでアイツが
      サシャに振り回されずに居られれば・・・
      ・・・・の話だが。」






    ジャン「しかしそうなるとアイツは・・・

       いや、あいつ等?か・・・・。
       奴ら二人・・・進路はどうするんだ?」





  101. 104 : : 2015/10/08(木) 22:46:41











    ―女子訓練兵宿舎・クリスタ部屋―









    アルミン「・・・・・・・・!!;」






     “技工科への編入、及び
      転向に際する凡その採用基準”




    1.座学成績、それも特筆して
     立体起動装置の簡易分解整備、
     若しくはその操作性に対する
     理解が深い者である事




    2.成績上位10位以内で訓練兵科を
     卒業した者である事




    3.上記二つに該当せずとも技術面で
     他者に無い特殊な技能を
     有する者である事




    4.守秘義務の厳守に信がおける者である
     ・・・と訓練教官が判を押せる者である事









     思い出そうとするとコレくらいしか
     今は頭の中から引っ張りだせない
     けれど・・・たしかこの中の1~3までの
     どれか、そして・・・必須条件として

     最後の4つめに来る条件さえ満たして
     いれば・・・誰であってもその
     門を潜る事は出来るハズだ・・・




     しかし・・・・!!






    アルミン「(肝心の・・・その必須条件が・・
       ・・・現状一番の障壁となりそうな
       気がしてならない・・・!!!;)」




     守秘義務の徹底は・・・これはもう
     何を差し置いても外せない条件だ。


     技工といえば何といっても・・・


     まあ、進む方向によって多少
     事情も異なるだろうと思うけれど。


     その内部構造が一切兵士達には
     明かされず、非公開とされている
     立体機動装置の様に・・。


     決して他言の出来ない情報を扱う
     機会も当たり前のようにある。





     ・・・・噂に聞いただけではあるけれど
     酒に弱くてあまりにも直ぐ自制心を
     無くしてしまう様な人員では・・・幾ら
     その方向に有望視されている者でも
     情報の秘匿を優先して不採用の
     烙印を容赦なく押されるらしい。





    アルミン「(そこへきて・・・サシャは・・・;)」





    サシャ「・・・・???」








     いたって真面目な顔で小首を傾げ、
     僕の目を正面から見据えているサシャ。


     ・・・どうやら今この瞬間に思いつきで
     言い出した事でもなく・・・彼女の
     技工科志望意識は・・・それなりに
     考え抜いた末の答えだったのだと
     理解できる。


     ・・・・それはまあ、マズい事でも
     何でも無い。・・・おまけに採用基準で
     言ってしまえば・・・座学という大きな
     穴こそ抱えてはいるものの・・・、


     “知性が存在しない”、つまり獣と
     そう大差ない人類の仇敵を
     制圧するのにも応用できそうな・・・


     “罠”の知識、そして技術が。
     狩猟民の出自故に、彼女には高水準で
     備わっている。


     彼女のアイデア次第では投じる
     資材にもよって・・・おそらく
     対巨人用の拘束装置の一つ、二つ位
     本気で考案、実現もできる事だろう。



     何より暫定卒業順位の期待値が
     並々ならずに高い。


     それさえ抑えられればまず採用条件の
     大半には目を瞑って貰える・・・。。




     しかしそれらはあくまで
     サシャにとってこの進路を
     有望視する為の希望的観測のみを
     取り挙げた物に過ぎない。



     ・・・・そう、サシャには教官に
     押して貰えない可能性が極めて高い
     判が一つだけ存在する・・・・。


     言うまでも無く条件、その4つめだ・・・





  102. 105 : : 2015/10/08(木) 22:49:24







    アルミン「(常日頃からあんな事(▪▪▪▪)をしていた
       サシャに・・・守秘義務の厳守も
       減ったくれもない・・・!

       ・・そう判断されてしまうのは
       自明の理だ。“それ”を不採用の
       条件に持ってこられたら・・・もう
       ぐうの音も出ない・・・・!)」



     それはそうだ・・・。たかが芋とはいえ
     あれだけ盗奪を繰り返して、厳罰を
     喰らいながらも音を上げて兵団を
     去らないのが既に奇跡のような話で・・

     普通ならあの厳罰は盗みを働く様な
     不届き者の心をへし折る為の制裁でも
     あるというのに。




    サシャ「アルミン・・・・さっきから随分
       長く黙り込んでしまってますが・・

       大丈夫ですか?どこか体の具合が
       悪いとかじゃ・・・・無いんですよね」




    アルミン「あ、うん・・・別にそんなんじゃ
      無いんだ・・・・!!;ただ・・・ね・・・・」





     ・・・・?いや、待てよ・・・?


     それってひょっとして・・・逆に
     好印象なのか・・・?これだけの
     責苦に一切音を上げない精神力。


     まあ、盗みを決意する動機も、
     罰走に耐え抜く信念の強さも・・・・


     どちらも彼女の尋常ではない
     “食欲”からきてるだけだから・・

     あまり情報秘匿の観点から見て
     有望視されるとも思えないけど;






    アルミン「・・・・ただね、サシャ。君の気持ちも
      良く判るんだけど・・・やっぱり
      色々考えてみても、君が技工を
      目指すには・・・壁が大きすぎるかも
      しれない。

      ・・・・まだ結果が発表されてない
      卒業成績次第で事情も大きく
      変わってくるだろうけど・・・」





    サシャ「そっ・・・・!それは勿論、
       私だって分かってます!!!

       技工なんて・・・言葉を聞いただけで
       何をすればいいのか私自身
       ちっとも理解できませんから・・;」
       オタオタ・・・;





    アルミン「僕も君とはできれば一緒に
      居たいけどね・・・やっぱり自分に
      一番合ってそうな進路を選ぶのが
      いいと思うんだ・・・・。」





    サシャ「・・・それが解らないから・・・
       こう考えるようにしたんですよ・・
       私・・・・。。」シュン。。。







    アルミン「・・・・・、、」






    サシャ「昨日アニとも丁度同じ事を
       話したんです・・・・。

       それで・・・自分が一体どんな
       “兵士”になりたくて・・・
       ここまで必死に頑張ってきたのか
       ・・・・・・・。

       私、どうしても分からなく
       なってしまってて・・・;」





    アルミン「・・・・・・・・」






     僕と・・・同じだ。



     尤も僕の場合どうしてそうなったのか
     ・・・その理由も、きっかけもハッキリ
     しているのだが。


     ・・・・そう、言うまでも無く、
     今僕の目の前に居る彼女の存在だ。



     僕にとってエレン達同様に調査兵団
     一択で纏まっていた志望兵科は・・・



     彼女との生活を第一に考えながら
     先見の明を見出していこうと
     する上で・・見事にエレン、そして
     あの教官からも勧められていた
     “技工”へと切り替わった。



     全てのきっかけはサシャの存在。




    アルミン「(僕も・・・サシャと何も変わらない。
       彼女と一緒に居たいから・・・

       彼女ともう一人これから
       “増えるかもしれない”家族を
       確実に養わなければいけないから

       ・・・僕は率先してこの道に
       舵を切ることに決めた。

       ・・・そしてこの道を選ぶ事に
       何も後悔などしていない。)」




  103. 106 : : 2015/10/12(月) 23:49:22





    サシャ「やっぱり・・・私が目指すには
       少々無理がありますかね・・・..」
       シュン....





    アルミン「ぅうん・・・↪ ↩
      
      そんな事ないよ・・・!第一
      考えてみたら・・・此間の件で僕にも
      しっかり芋泥棒の前科が
      付いちゃってるんだよね・・・

      だからそう考えれば・・・
      寧ろ僕だって君とたいして
      条件の上では変わらないかも
      しれないんだ。」





    サシャ「そ、そうでしょうか・・・・;;

       私はともかく・・・アルミンが上手く
       行く見立てが減るというのは・・・

       あまり素直に喜べないんですけど」







    アルミン「ともかく・・・ね、;あまり固く
      考える事もないんだよ・・・?

      そもそも、絶対の目標は・・・
      僕ら二人、何事も無く卒業する事。
      ・・・・それこそが重要なんだ。

      僕のみでも技工に入る事ができれば
      ・・・例え途中で君の状態を周囲に
      隠しきれなくなっても、ただ一緒に
      居られる時間が減るというだけで
      ・・・別に二度と逢えなくなる訳じゃ
    サシャ「つまり!!“技工”に進めなければ
       アルミン!!、、貴方と離れ離れの
       時間が増えるって事ですよね!!?;」





    アルミン「まあ・・間違いじゃ無いんだけどね。」





    サシャ「では却下です!!!私は何としても
       貴方と共に居られる道をとります!

       少しでも長くアルミンと一緒に
       居たいんです!!」ギュっ





    アルミン「あ・・・//有難う・・・僕も・・・
      そういう意味でなら君と大体同じ
      気持ちだよ・・・サシャ」
      ギュッ・・・





     真隣に座っている姿勢からきつく
     抱きしめてくるサシャの鼓動が
     僕の二の腕に伝わってくる。



     肩に頬を摺り寄せて来る様はまるで
     子供や子犬がお気に入りの玩具を
     決して誰にも渡すまいと
     意地になっている様を髣髴とさせる。


     しかしこの状態でその様に密着すると・・・





    アルミン「サシャ・・・、その、髪がグシャグシャに
      なっちゃうよ・・・?結った方が
      いいんじゃないかな・・・?」




    サシャ「あ、そうですか・・・・???


       別に私は・・・そういった事
       そこまで気にしないから
       いいんですけど・・・」




    アルミン「君のそういうところも奔放で
      魅力的だけど・・・折角ミカサも君の
      その髪を労ってくれたんだから、
      一応そういう所には少しくらい気を
      向けてみても良いんじゃないかな」






    サシャ「ふむ・・・・ではアルミン。」ゴホン=3






     ここで一つ咳払いをして此方に
     向き直るサシャ。







    アルミン「・・・・?」





    サシャ「このような纏まった時間の
       確保できる機会に貴方と二人で
       ゆっくりできるよう、クリスタと
       ユミルの二人にもとり計らって
       貰えたのです。折角ですから
       私は・・・この機会に是非とも
       あの日以来行っていない
       アレをですね・・・・...ええ///・・

       是非とも...あの・・・・」
       ボソボソ・・・



     深く俯いてその様に告げる
     サシャの顔が・・・その角度に比例して
     赤熱していく。その顔がすっかり
     見えなくなる頃には耳なんて
     まるで鶏の鶏冠のような色に
     なってしまっていた。


  104. 107 : : 2015/10/12(月) 23:53:16







    アルミン「あ・・・うん・・・・それはその・・・勿論
      僕も・・・君が良いと言ってくれるなら
      それは大歓迎というか・・・

      けど、。大丈夫なの?昨日は何か
      それが出来ない不都合があった
      みたいだけど・・・体調的に
      病み上がりで優れないとかだったら
      別に無理をしなくても・・・;」




     勿論こんなのは方便でしかない。
     
     いや、サシャの体調を第一に考えている
     というのは方便でも何でもなく
     そのままの事実だけれど・・・

     サシャが少しでもその気になって
     くれていると言うのなら・・・僕は
     今すぐにでも彼女の手を引いて
     しまいたい位の気分なのだが・・・。


     ..やはり直接本人に確認を取った
     訳ではないので、昨日彼女が本格的な
     行為に及ぶのを拒んだ理由が
     どうしても気に掛かる。





    サシャ「た、体調ですか!!?いえいえ!!

       体調そのものは・・・昨日から
       そこまで・・・、ええ、激しい運動を
       控えたいと思う程では無かったん
       ですけど・・・・ちょ、ちょっと
       色々と^^;」アヒヒ・・・




     ・・このように、その理由については
     どうにも僕には進んで話したい事では
     ないらしく・・・、話の核心に近づこうと
     すると一気に護りに入られてしまう。

     しかしここでその問題とやらに
     サシャ自身対策を講じているのを
     思い出したのか・・・





    サシャ「(ハッ)・・・・そ、そうです!
      
       私、アルミンの目を気にしなくても
       良いように・・・それについての
       対策もバッチリ済ませたのです!
       だから今日は大丈夫です!!

       ・・・・なので、、アルミン!?」
       ガバッ!



     ・・・・勢い良くこちらに向き直って
     問いかけて来るサシャ。






    アルミン「・・・??」





    サシャ「そういった事を始めるに
       あたって・・・このままの状態と
       いつもの髪を結った状態と・・・

       アルミン的にはどちらが見た目として
       お好みですか・・?」ギュッ・・・



     そう言うと彼女は照れくさそうに
     しながらも自分で後ろ髪を掴んで
     簡易的にポニーテール姿になって
     見せてくれる。



     ・・・やっぱりサシャはこの顔でこそ
     可愛いのだと再確認した瞬間だった。
     先にも言ったけれどどちらのサシャも
     元が変わるわけじゃないから相応に
     魅力的ではある。

     
     ・・・しかしおそらく今日はじめて
     見る事になったサシャの顔よりも・・
     此方の記憶に馴染みのある彼女の
     顔の方が・・より彼女らしさを
     感じてしまうのは言うまでもない。


     凛として居ながらも健康的な魅力が
     遺憾なく発揮させるこのヘアスタイルこそ
     彼女の象徴と言ってもいい。





    アルミン「じゃぁ・・やっぱりいつも通りの
      君がいいかな・・・///

      何といっても見慣れてるし・・・」





    サシャ「了解です!では暫しお待ちを・・」
       ゴソゴソ・・・





     そう言うとポケットから髪留めの
     結紐を取り出してそれを咥えながら
     後ろ髪の結束にとりかかるサシャ。


     最近になるまでその行動の殆どに
     女子らしさがそれほど感じられない
     サシャだったけど・・・だからこそ
     こういう、たまにしか見る事の
     できない女性らしさの漂う仕草は
     見ていて心が緩んでしまう。





    サシャ「っ、し!バッチリです!!さ、さて

       ではアルミン・・・そろそろ・・
       あの・・・///」ソワソワ・・・






  105. 108 : : 2015/10/12(月) 23:56:22






    アルミン「そうだね…、折角サシャもその気に
      なって誘ってくれてるんだし、ここで
      僕が断る訳にもいかないよね//」





    サシャ「ぇっ・・・!?//いやあの!!!

       それではまるで私だけがその様な
       事を我慢できないみたいな
       聞こえ方しませんか!!?

       私そんなに淫らな女子じゃ
       ありません!!!///」フンスッ




    アルミン「ぇ~・・・・?でも...

       僕は淫らなサシャもそれはそれで
       魅力があっていいと思うんだけど

       ・・・健康的で。」





    サシャ「・・・・・そう・・・なんですか??//;」




    アルミン「うん。だって、そういう事に
       積極的になれるってことは
       体が健やかな証拠だろ?

       それって別に悪い事じゃ無いと
       思うんだ。僕個人としては。

       妙にそれを不健全だと言って
       意識しすぎる人や、過剰に隠そうと
       する人もいるけれど・・僕は
       そういうのは少し違うと思うな」





    サシャ「ふ・・・ふむぅ・・・///」
       モクモクモク・・





    アルミン「思い出してみれば・・そういえば
      サシャはさ・・・、」




    サシャ「、、ハイ?」





    アルミン「僕と初めてしたあの日まで・・・
      一人で発散したりした事は無くて・・

      あの夜に初めて一人でもそこに
      触れるのが気持ちイイ事なんだって
      理解できたんだよね・・?」




    サシャ「・・・・・・・/////////」





     いきなりする話にしては少しばかり
     直球過ぎたかな・・・






    サシャ「え、ええ・・・そう・・・ですけど///;

       しかし全く、困ったものですよ・・・
       私ったら、あれからアルミンと
       一緒にああいった行為に
       興じられないのが我慢できなくて
       ・・・・毎晩・・一人で・・・・その、
       
       ・・・アレを。。//////」
       カァァァ・・・





    アルミン「たまに部屋の中で聞こえてたって
       いう夜泣きの意味が分かった?w//」




    サシャ「ぇえ・・・良く分かりました・・・↓↓//

       皆さん年頃で発情なさってたん
       ですね・・・・何だか恥ずかしいです。

       あの声の意味に気付けなかった
       過去の私自身にしてもそうですが

       ・・・知ってしまった途端それを
       熱心に毎日行ってしまう
       今の私も・・・・///;」





    アルミン「だから恥ずかしがる事無いんだって
      ・・・それは君が健康体である証拠
      なんだから。

      恥ずかしがる事じゃないって証拠に
      僕も言うけど・・君とこうして
      関係を持つまで僕だって・・・
      ほぼ毎晩夜は一人でしてたんだし」





    サシャ「・・・・本当ですか!?////」
       ビクッ





    アルミン「うん・・・・まあ、本当なんだけど・・
      
       ・・・・そんなに意外かな」




  106. 109 : : 2015/10/12(月) 23:59:51







    サシャ「いっ・・・意外ですよ!!

       こういった事に全く関心の
       無さそうなアルミンがまさか・・!」




    アルミン「それこそ先入観さ・・・;//

      だって、君の話が本当なら
      “あの”クリスタだって夜に・・・
      それも女子であるユミルと慰め
      合ってたって話でしょ・・・?;///」





    サシャ「そ、そうでした!!!!!(Σガ~ン)

       何という事でしょう!?では
       クリスタは、子供を残すことも
       出来ないというのに女子同士でも
       身体を持て余している・・とっても
       淫らな女性という事に・・?!?」
       イヤ~~ンナカンジ!!!




    アルミン「せっ・・・・性欲を発散する為なら
      それもある意味仕方ないよ・・・!

      兵団の規則で通常僕らみたいな
      異性同士の係わり合いは
      禁じられてるんだから!」





    キース「ほう・・・・良く
       理解できているではないか。

       だからこそこういった連日の
       休みには妙な気を起こす馬鹿が
       跡を絶たないので睨まなければ
       いかん此方も気が気ではないがな」




    アルミン「そうそう、折角の休みなんだ
       ・・・か....r






    サシャ「   」






     -――()が・・・止まった気がした。


     ・・・(いや)・・僕の中の体内器官の
     幾つかは・・おそらくこの状況を知覚
     し続ける脳を含めて、本当に止まって
     いたんだと思う。





     それほどまでにその声の主は・・・




     
     当たり前のように、突然そこに居た。




     雑然としたサシャの私物スペースの
     直ぐ脇で・・・石像のようにその身に
     纏っていた沈黙のヴェールを払って
     僕らの目の前へと歩を進めてくる
     キース教官。


     いつからそこに居たのかと考えれば・・

     それは恐らくサシャが梁の上に
     隠れていた段か・・・それより前から
     その場に居たのだろう。



     僕は言いかけた所で全身に巡っている
     筈の血液が全て抜け落ちてしまった
     かのような錯覚を覚え、隣で結った
     ばかりの髪を小刻みに震わせる
     サシャを見る。・・・勿論、首を動かさず
     目だけを横に流して。

     ・・・というより首を動かす事が
     叶わなかった。



     サシャに至っては恐怖のあまり
     今に失禁してしまっても全く
     おかしくない状況だ。


     それくらい尋常ではない震え方を
     してしまっている。





  107. 110 : : 2015/10/13(火) 00:04:40








    サシャ「..・・....・・..・・」
       ガクガクガクガク・・・




     仕方の無い事だ。サシャには
     人並みはずれた感覚器官が元々
     備わっている。それなのに
     今になるまで全く教官の存在に
     気付く事が出来なかったのだ。


     鋭敏な感覚を持つものほど不覚にも
     接敵を許してしまった際の身体に
     返ってくる驚きの反動は大きい。

     ・・・ましてサシャには自身による
     芋泥棒の前科が多すぎるあまり
     104期訓練兵中、教官に対して
     随一の苦手意識が強く根差して
     しまっている。






    キース「・・・どうした。今の今まで
       喋っていた元気は何処へ行った。」





    アルミン「・・・・・・・;;;;;」
      ガクガクガク・・・





     教官が何か言っている。


     とてもじゃないけれど今の僕達には
     己の耳から入ってくる音より
     自身の鼓動と、その鳴動に比例して

     血流が体内を駆け巡る轟音等が
     大きすぎて、満足に周囲の音を
     聞き取る事なんてできやしない。





    キース「・・・聞こえているのか、アルレルト。

       ・・・何か勘違いしている様なので
       一つ言っておいてやるが・・・

       私は貴様を・・・まして隣で
       小鹿のように震えている
       ブラウスに制裁を加える為に
       この場に居るのではない」





    アルミン「・・・・!?・・・・・?!?!」



    サシャ「..・・..・・..」
      (((ガタガタ・・・)))





    キース「・・・・話はほぼ最初から
       聞かせて貰ったが・・・・
       やはりそうか・・・貴様等、

       “あの”罰走前夜の時点で...」





    アルミン「・・・・・ハッ・・・ァッ・・・あ、あのッ・・・・」
       (((ガタガタ・・・)))



     
     とりあえず教官が語りかけてくる
     この現状で無言を貫くのはマズイと
     思い…何とか腹から声を振り絞ろうと
     身を奮い立たせる僕だが・・・

     ・・・しかしどんな言葉を口にすれば
     いいのか、それ以前に思うように
     呼吸を促す事すらままならない。






    キース「・・・しかし、私の聞き間違えで
       なければ・・・貴様等の"そうした"
       接触はあの夜が初回であり・・
       現在で既に3週以上経過している
       という事になるな。

       ・・・体調から見るには的中の線で
       見てほぼ間違いないと・・・・」
       ギロッ・・・



    アルミン
         「ッッッッッ!!!」ババッ!!!!
    サシャ   (心臓を捧げよ!!)




     ――その眼光に、僕ら2人は瞬時にして
     心臓を鷲掴みにされた。

     3年間に及ぶ、地獄と呼ぶにも生温い
     訓練生活の中で・・嫌と言うほど
     その身に受けてきた教官の恫喝の数々。

     
     その辛苦なるトラウマの数々が
     僕らの背筋を反射的且つ無条件下にて
     屹立させる。

     
     脳が。身体が。もう既に教官の指令と
     目配せに即応するように出来上がって
     しまっているのだ。




  108. 111 : : 2015/10/13(火) 00:06:28






    キース「・・・・言った筈だ・・・私が
       こんな場所に息を殺してまで
       じっとしていた理由は・・・・・
       貴様等への制裁が目的ではない。


       ・・それが目的ならば貴様ら
       2人共々・・前々回の兵站行進で
       山に捨てているところだ」




    サシャ「ヒッ・・・・ぁヒィ・・・・;;;;」
       ガタガタ・・・・




    アルミン「・・・・・・・;」
      ガタガタ・・・・




     僕も彼女の事を言えないけれど・・・
     サシャってば凄い顔になってる・・・

     さっきまであんなに可愛いと
     思えた顔が・・・張り付いた絶望と恐怖で
     クシャクシャになってしまっている。
     おまけに鼻水と涙まで出始めている。




     ・・・今すぐ拭ってあげたいけれど・・

     
     まずこの状況で僕がするべき事は・・・!




    アルミン「ブッ・・・無礼を承知の上で伺いますが
      ・・・・・!!!では教官・・・教官は一体・・・

      あの・・・・そのっ・・・・・!」ブルブル・・





     駄目だ・・・!教官自身が鉄槌を下しに
     この場に降臨したわけではないと
     二度も言及しているこの状況でも・・・

     やはり体中に回りきってしまった
     神経毒のように僕らの身を縛り上げる
     教官の威圧感は簡単に無視できる
     ものでは無い・・・・・!





    キース「・・・・その有様では会話すら
       おぼつかんな・・・


       ならば暫し待ってやる。先ずは
       呼吸を落ち着かせろ。会話が
       出来る段になったと判断でき次第
       挙手しろ。・・・無論貴様等2人
       揃ってだ・・・・」
       
       ッ・・ギシッ・・・




    アルミン「・・・・・??!」




    サシャ「!?」





     そう言うと・・なんと驚きに目を見開く
     僕らの前であろう事か対面のベッドに
     腰を降ろす教官。



     ・・・これには流石に僕とサシャも
     反射的にその姿勢と表情とを崩して
     驚愕してしまった。


     無理も無い。教官が気をつけの姿勢を
     取る訓練兵の前でその姿勢を
     崩すことなど・・・・ましてその視点を
     僕等訓練兵より下の位置に
     持ってくるなど・・・

     机に向って事務仕事を行っている
     時以外に殆ど有りはしないからだ。




  109. 112 : : 2015/10/13(火) 00:08:56







    アルミン「あのっ・・・教官ッ・・・!?僕等はッ・・

      いえ、自分達の処置等は・・・
      一体どのような・・・・」



    サシャ「ッ・・・・ッ・・・・」




     驚きの余り今度は不意に肺から
     押し出された空気で口をつくように
     先の一言が吐き出された。






    キース「・・・・会話が出来る状態になったら
       どうしろと言った・・・私は。」






    アルミン「しっ!!失礼致しましたッ!!」ババッ
      (挙手)


    サシャ「ッ!!!!」バッ!!
       (挙手)








    キース「・・・・宜しい。では何から始めるか
       ・・・・まず貴様等の処遇について・・・
       ・・・か?・・・・貴様が一番気になって
       仕方が無い事といえば・・・」





    アルミン「・・・・・・・;;;;」
       フルフルフル・・・・




     当然といえば当然だし、
     何も隠す理由は無いけど・・・ここで
     その問いに首を大きく振れるほど
     今は僕もサシャも落ち着いてはいない。

     何せ制裁の目的ではないと言っては
     居ても・・・、、

     ならば、“除隊扱いとして
     処断を下しに来た訳ではない・・・”

     との言葉にしても一言も教官は
     口にしていないのだ。





    アルミン「(覚悟を決めろ・・・・!そして無茶を
       承知の上で・・・なんとか・・・!!

       何とかサシャだけでもこの場を
       見逃してもらえる説得を・・・!!!

       即喰らい付きに行ける口上を
       考えるんだ・・・・・!!

       教官相手に口答えをする事になる
       ・・・・!!歯の1本や肋の1,2本は・・
       覚悟しろ・・・・・!!!)」ググッ・・・;;






    キース「・・その調子で身構えられていては
       会話にならん。勿体ぶらずに
       言い渡すぞ・・・貴様等の処遇に
       ついてだが・・・・」





    サシャ「っっ....」
             ゴクッ・・・・
    アルミン「・・・・・!!!」






     固唾を呑んで身を強張らせる僕らに
     言い渡された結論は・・・・





    キース「・・・どうもしない。そのままだ。

       貴様等2人共…卒業までな。
       取り敢えずは。


       全てはブラウスの事後経過次第
       だったがな・・・。私がここで
       貴様等の乳繰り合い寸前まで
       盗み聞きに労力を傾けねば
       ならなかったのも、本人達の
       供述からより正確な情報を
       得る為でもある。」





    サシャ「・・・・・!」





    キース「貴様とアルレルトの接触が3ヶ月前で
       最初だと言うなら・・・ギリギリ
       そういった見過ごせぬ発作が
       起こるまでに卒業に漕ぎ着ける
       やもしれない。

       ・・・・そこは天に祈るか・・・
       若しくは気合と根性で何とか
       誤魔化すんだな。

       ・・・但し周囲に隠しきれなくなった
       なら・・私はその場限りで貴様等
       2人を揃ってここから
       叩き出さざるを得ない訳であるが」





    アルミン「つ・・つまり・・自分達には・・

       一刻の猶予が与えられたと見て・・
       よ・・・宜しいのでしょうか・・・??!」



    サシャ「・・―――!!」





    キース「・・・・そのような意味でも
       間違いでは無いが。

       しかし何故隊規違反に即刻
       処される筈の貴様等がそのような
       待遇を受ける事になるのか・・・

       今一度その頭で考え直す事だな」






    アルミン「ッ・・・はッ!!!!」ドン!!

    サシャ「ハヒッ!!!」ダンッ!!


  110. 113 : : 2015/10/13(火) 00:16:28






    キース「(溜息),,,貴様等の様に、本来
       開拓地でその一生に幕を閉じる
       ような豚共を一端の兵士に
       育て上げるのに・・・・・

       一体どれだけの手間と労力と・・・
       糧食と・・・おまけに金が消費されて
       いるのか。

       そこまで考えればこの時期に
       発覚した隊規違反を指して
       おいそれと開拓地送りにする方が
       兵団にとっては寧ろ大きな損失と
       なるのだ。



       ・・・これが入団から極めて初期の
       出来事でもあったなら・・・
       先に言った通りそのまま山暮らし
       に移って貰っても何ら困る事は
       無かったのだがな・・・」ジロッ・・





    サシャ「(ビクッ)」





    キース「それから・・私が此処でこうして
       貴様らと話しをしている
       もう一つの理由についてだが。」




     教官がここで僕らとするべき
     もう一つの話・・・。


     そんな物に当然今の僕では思い当たる
     節などがあるわけではないが。

     それが自然と僕達にとってそこまで
     構え直して答えるべき事では
     ないのだと・・・、教官の目つきが
     変わるのを見て悟った僕。


     しかし、この教官の目の色・・・。
     此処から先、僕達の身の振りを恐らく
     左右されかねない・・・真剣な話になると
     瞬時に直感した僕は・・・・ 



     ポン・・・




    サシャ「っ・・・・!」↩
       バッ




    アルミン「(落ち着いて・・!君の思った事、
       全てに自信を持って・・!!

       迷わずに教官の質問に答えて・・・!
       僕もそうするし・・・直ぐ隣で
       ついてるから・・・・!(小声))」



    サシャ「ッ・・は、はいっ・・・・!!」
        グシグシ・・・



     恐らく教官にも筒抜けであろう
     声がけを行う。それを機にサシャの
     両目に、その肩に・・一気に生気が
     戻り始める。僕がさっきから
     気になって仕方が無かった頬の
     腫れ跡と垂れかけの鼻水をも一気に
     ブラウスの袖で拭って目前の教官に
     向き直るサシャ。


     その眼差しはとても凛々しかった。




    キース「貴様ら2人にこの場で聞き直す
       べき事があったのを思い出してな

       ・・・特に貴様。」スッ





    サシャ「ッ!!!」ビクッ





    キース「そう、貴様だブラウス訓練兵・・

        貴様だけ(▪▪)なのだ・・・
        今期我が南方訓練兵団の門を
        叩いた者の中に於いて・・・・」




    アルミン「・・・・・・??!」 






    キース「その正しくも一つ目にあたる門を
       潜っていなかったのは。」





    サシャ「ハッ・・・!は・・・・?!?私・・・が・・

       デスか・・・・?!」
       ブルブル・・・・




     僕が行った声がけで取り戻した
     気力など、教官の一言で簡単に
     風前の灯のように揺らいでしまう
     サシャの焦り様が・・・見ていてとても
     ハラハラしてくる。

     しかし教官の言う言葉の意味に
     我が耳を疑いたくなってくる気持ちは
     隣に居る僕にしても彼女と同じである。


     サシャにだけ・・・?兵団の正規なる
     手続きの中で踏まれていない物が
     何かあると、そう教官は言っているのだ




  111. 114 : : 2015/10/13(火) 00:20:57






    キース「・・・・・そうだ。

       それについて・・・今貴様に改めて
       問いかけるが・・・。

       覚悟は充分か、サシャ・ブラウス。
       私の言葉が冷静な心で以って
       捉えられて居るなら・・・

       その場で敬礼を行え。
       隣で固まってるアルレルトが察する通り
       ・・・これは貴様の今後を左右する
       重要な問いかけだ。心して答えろ」





    サシャ「――はッ!!!!何時でも
       準備は出来ています!!!」ダンッ!!
       (心臓を捧げよ!!)



     これ以上の気迫はこの場で
     搾り出せないであろうという見事な
     敬礼で、彼女の拳がブラウス下に
     並んでいた双丘に勢い良く喰い込む。



     ――大変な事に気が付いた。

     ・・いや・・・サシャの元々のスタンスと
     これから僕と彼女が予定していた
     スケジュールからそれは当然の
     事であるが・・・やはり今日も彼女は
     胸に肌着を着用していない。


     そしてあまりに威勢よく行われた上に
     今尚自らを鼓舞させる為に強く
     押し込まれる拳で・・・その丘の輪郭が
     クッキリと現れてしまっている。


     今この場の緊迫をすっかり忘れて、
     その輪郭に見入ってしまう自分には・・

     それがたとえ一瞬の間の事とはいえ
     正直嫌気が差してしまった。


     ・・・こんな時に一体僕は何て事を考えて
     ・・・・・!!




    サシャ「・・・・・///ッ・・!」ニッ☆




    アルミン「っ////」





     そんな自問自答に心の中で頭を
     抱えていた僕に対し・・・隣で敬礼を続ける
     サシャが、一瞬だけ此方に流し目で
     ウィンクを送ってくれた。

     
     ・・・きっと、“自分の事は心配するな”

     ・・・という彼女なりの意思表示で
     送ってくれた合図なのだろう。


     自分の事で胸が一杯の筈なのに・・・
     こんな状況で僕に対してまでそんな
     気配りをしてくれるサシャにはかなり
     自制心を揺さぶられたけど・・・・




    アルミン「(でも・・・不思議と・・・・)」





     反面、その心は驚く程落ち着いて
     いる事に気が付いた・・・。



     ここまで思考がフル回転の最中、
     色々な思考が僕の頭を駆け巡っては
     いたものの・・・その実サシャが教官の
     問いかけに見事な敬礼で返事を
     してから・・・・時間にして5秒も
     経ってはいなかった。



  112. 115 : : 2015/10/13(火) 00:25:25








    キース「ならば サシャ・ブラウス・・・・



       貴様は―――――--


       貴様は何しに此処へ来た・・・・?」








    アルミン「     」







    サシャ「・・・・・・・・!!」







     そうか・・・改めて言われて見れば・・・




     初っ端からサシャが教官に受けた
     恫喝の最中の質問は・・・・!名前の
     反復こそ周囲の皆と同様だが、

     その後の問い一つ目がよりにもよって
     ・・・!!“右手に持っているもの”へと
     移ってしまっていた・・!




     サシャ一人に対してだけ。



     通過儀礼にて最も大事な問いとなる・・・
     その後の地獄の様な訓練兵生活を
     耐え抜く信念となり得る“それ”が
     済んでいなかったのだ。



     この問いに対するサシャの・・・



     いや・・・“今のサシャ”が本心から
     言い放つ答えとは一体・・・・・







    サシャ「ッ・・ぅ私は・・・・!!私っが・・!

       ここにきたのは・・・!!」
       ググッ・・・





     悩んでいる訳ではない。


     隣に固まっているしかない僕にも・・・
     既にサシャのそうした心情を読み取る
     事くらいは出来るようになっていた。


     そう・・・・きっと・・・サシャ(彼女)が口にしたい
     言葉は・・・既に決まっている。


     そんな僕の緊張の堰を切る様に。

     
     サシャは言葉を詰まらせながらも・・
     一息でその答えを述べた。





    サシャ「・・・自分の故郷ッ・・・・いえ!!!!

       私の…私の大事な家族(▪▪▪▪▪)をこの手で…!
       そして・・・・

       心臓をかけて護る為ですっ・・・!!!」
       ギュッ・・・・・!!






    キース「・・・・・・・・・・・」






     ―――沈黙。

     


     サシャの全霊が籠められた返答に、
     教官はその場では特に返答を口に
     しないまま・・・今度は僕の方に
     向き直って問いかけてくる。





    キース「・・・・コイツは自身の意気込みを
       こう語っているが。

       貴様はどうだ。アルレルト・・・?


       貴様は・・・・
       此処へ来た時・・・私に何と言った?

       何をする為に・・(いや)
     
       “何の為に此処に来た・・・?!”」






     言いかけてからそう言い直した
     教官が・・・三年余りも前に僕が言った
     “その言葉”を正確に記憶してくれて
     いたという事実が・・・僕の心を後押し
     してくれる決定的な一手となった。





    アルミン「人類の勝利の・・・・
        ・・・役に立つ為です…ッッ!!!」

      ドンッ...!!




     あれだけ見事な返しを見せられたら・・
     僕もそれに負ける訳にはいかない。
     そして・・・当初の意気込みを一字一句
     違える訳にもいかない。


     ・・・これが・・・・・

     これこそ僕が兵団へやってきた
     理由であり、その信念をやっとここまで
     繋いできた、ただ一つの理由だからだ。


     人類の勝利…、その先に"大切な家族"の
     幸せも同様に在るのだからそれは
     決して誤った認識では無い。


  113. 116 : : 2015/10/13(火) 00:30:20









    キース「・・・・そうか。」







    アルミン「・・・・・・・!!!!」


    サシャ「・・・・・・・!!!!」






     僕等2人、共に教官の次なる言葉が
     述べられるまで・・・その拳を降ろす気は
     なかったが・・・・






    キース「・・・そうだな。


        ・・・・おい、もういいぞ・・・
        “休め”」






     それは意外と早くやってきた。







    キース「それでは・・・アルレルト。貴様に
       一生添い遂げるとか抜かしている
       そこのブラウス訓練兵についてだ。


       ・・困った事にその様な穀潰しでも
       我が南方訓練兵団、104期の卒業
       予定者の中に於いて・・・

       “非常に厄介な事に”・・・
       総合暫定順位、9位で兵科選択権を
       持ってしまう事に・・現時点では
       なっている訳だが。」






    サシャ
       「!!!!????」
    アルミン




     喜びに抱き合いたい位の爆弾発言が
     教官の口から飛び出したが・・・

     まだ教官の話は終わっては居ない。




    キース「しかしそいつの主張ではどうにも
       通常選択される三つの兵科では
       無く・・・・・、その志望先は“技工”
       だという話では無いか。

       幾ら座学成績が部屋中で
       中間とはいえ・・・それでも流石に
       妥協できる成績ではない」





    アルミン「  」ノシ





     ・・・何か真面目な話の最中だったハズ
     なのだが・・・物凄く気にかかる一言が
     教官の口から飛び出した事に
     呆気にとられ・・僕は思わずその場で
     教官に向かって挙手していた。





    キース「・・・何だ」






    アルミン「少し・・・良いでしょうか・・?
       あの、サシャに少し確認したい
       事が・・・・」






    キース「・・・・いいだろう。
        終わったら伝えろ。」





    アルミン「さ・・・サシャ・・??;」





    サシャ「なッ・・なんですかアルミン!?
       真面目な話の最中に・・?!教官に
       怪訝な目を向けられてしまったら
       どうするのですか!!」ソワソワ・・・




    アルミン「キミの部屋で座学の最下位って・・・
       キミなんじゃ無かったの・・・?」




    サシャ「・・~??;何言ってんですか!!!

       此間渡された通知表では私、
       座学成績5でしたよ!!!

       それは..アルミンと比べたら
       倍の差があるかもしれませんが、
       エレンやコニーが3の所へ来て
       私は真ん中です!!私そんな
       おバカな子じゃありません!!!」




    アルミン「あっ・・?!?!ええぇ_!_?
      
       そっ・・・そうなの・・・・・;」





    サシャ「私嘘ついてません!!!」
       クワッ!!!





    アルミン「・・・・・・・・」クルッ↪(;゚Д゚)





    キース「(頷き..)」





  114. 117 : : 2015/10/13(火) 00:32:37







    アルミン「い・・・・意外過ぎる・・・・・!!!!」
      ガックリ・・・・ORZ




    サシャ「なっ・・・・!ヒドい!!!!」
        (;´・ω・)




     成程・・・いやしかし、そこまで意外だと
     嘆く程ではない・・・のか・・・?

     別に座学というのは数の計算などに
     留まらず・・・全教科の総合で見ている
     訳だから・・・。あれ程見事に違う
     生活圏の言葉をあそこまで丁寧な
     口調で入団までに完璧にマスター
     しているサシャは・・・、、

     考えてみればそういった意味では
     寧ろバカであるハズがない。





    アルミン「なぁんだ・・・ユミルの方が君より
      座学成績が下だったのか・・・;

      いや・・それも十分意外だけど・・」
      ホッ・・・





    サシャ「いぇ・・・ですからアルミン、あなたは
       一体何を言ってるのですか・・と」
       ピシ




    アルミン「ぇ・・・・?何・・・・・・?何なのサシャ、
       その・・・ミカサにパンを貰えると
       思ってやっぱり貰えなかった・・・
       あの時と同じ顔は・・・・・?!」
       ガクガクガク・・・・



    サシャ「私達のお部屋で最もお勉強が苦手
       なのは…あの(▪▪)クリスタですよ。」





    アルミン「     」







     嘘だ。






    アルミン「あれ・・・?いや…だってクリスタって
       ・・・・一人しかいないよね」




    サシャ「ええ、ですからあの(▪▪)クリスタですって」




     うそだ・・・!!





    アルミン「あの・・・僕等の女神の成績が・・・!?」





     ウソだ・・・・!!!!!





    アルミン「エレンやコニーと大差ない
      レベルだって言うの・・・・‼?」
      ワナワナ・・・・





    キース「理解に苦しむかもしれんが・・・・

       まあ見た目と成績が比例しない
       好例でもある。いや・・・好例とは
       言うべきではないか・・・・」





    サシャ「誰にだって得意不得意は
       あります・・!それは神様であっても
       私達人間と一緒なのです・・」
       ホウ....↘↘






    アルミン「(聞かなかった事にしよう....)」





  115. 118 : : 2015/10/13(火) 00:37:57





    キース「・・・・そろそろ良いか。」






    アルミン「あぁっ・・・・

       も、申し訳有りませんッ!!」バッ





    キース「そんな・・・今期の兵士中でも
       座学成績ど真ん中程度の頭脳で
       跨ぐには・・・技工の敷居は聊か
       高すぎる。そいつ個人で
       入って来られても・・・先方は
       荷物の編入に迷惑するだけだ。
       ・・・・・そこで・・・・・」





    アルミン「・・・・・・!!!」






    キース「貴様が漸く人類の役に立てるか
       どうかが試されるのだ。

       先ずは貴様もそいつと同じ技工に
       移って・・・ブラウスの足りなさすぎる
       理解力の補助となってやれ。」




    アルミン「ハッ・・・はいッ・・・?!!!」






    キース「貴様が把握しているかは知らんが
       ・・・ブラウスの工学知識は思いの他
       高い。特に禁猟区の山々に無断で
       ばら撒くように設置している
       野生動物用のスネアトラップ・・・。

       アレを巨人規格で何とか実現
       できるなら或いは・・・・・

       その実現は大きな人類の反撃の
       一手と成り得るだろう」




    アルミン「(僕の考えと殆ど一緒だ・・・!)





    サシャ「(バッ・・・・バレてた・・・!?!?!?)」
       ギクッッ!!!!





    キース「あれだけ広範囲にわたって
       無造作に仕掛けておきながら
       誰にも気づかれないと思う所が
       貴様の座学成績に反映されない
       愚かしさとでも言うべき
       所だな・・・・・、、」ジロリ・・・





  116. 119 : : 2015/10/16(金) 02:29:58






    キース「とにかくだ・・・・アルレルト、
       貴様の座学成績なら技工はほぼ
       素通りのような物だ。結論を纏めて
       言う。“人類の勝利に貢献する為”
       ・・・・そいつの知識、そして技術を
       ・・・・人類のこれからに活かせる様
       尽力しろ・・・・


       私がこの場で貴様らに言うべき
       言葉は・・・・・それだけだ。」






    サシャ「ッ・・・・・!!!!」
       フワァ・・・・!!!





    アルミン「ッッ・・・・!!!!は、ハイ!!!!!」
      ドンッ!!!







     この場で改めて教官から貰った
     この言葉に・・・正に肩の荷が下りる様な
     安心感に力一杯の敬礼で返事を返す。

     いや・・・・肩の荷なんて甘い表現では
     到底物足りない。


     つい先程まで・・・教官が僕らに対して
     どういった処置を下すのか全く
     予測のできない状況下では・・・まるで
     全身に流れる血が全て溶けた鉛と
     入れ替えられてしまったかのように・・・

     身じろぎ一つ、呼吸一つに難儀する程の
     緊張に襲われていたのだから。


     間隣に居るサシャも、あまりの喜びに
     自身の密猟に関しても全てが教官には
     筒抜けだった事実を忘れ去り、
     両手離しで歓喜してしまっている。 





    キース「それから・・・ブラウス。貴様が
       無断で野山にコレでもかという程
       仕掛けまくっている罠の数々は…

       卒業までに一つ残さず回収しろ。
       ・・本来なら兵団権限で独房行き
       どころか・・・憲兵団管轄で密猟の
       罪に問われてもおかしくは無い」
       ギロッ・・・・





    サシャ「ひっ・・・・イひぃッ・・・・?!?!?
       (ビクンッ!!!!)
       ハ、ハイ!!!!それはもう、
       間違いなく・・・!!全部綺麗に
       片付けますからッ!!どうか・・・!!
       どうか豚箱行きだけは・・・・!!!」
       シュバッ・・・   




     必死に土下座をするサシャ。




     ・・・・・うん、確かに・・・考えてみれば
     密猟の規模から考えても・・・
     それは中々見捨てては置けない
     問題でもあった。しかし本当に
     良かった・・・既に教官の目に留まって
     居てくれて・・・・・。


     もしこれが最悪のタイミングで教官に
     発覚していたら・・・





    キース「この一年・・・何時でも貴様を
       そうしようとすればそれが出来た。

       しかしその技術と手際を何とか
       密猟以外に活かせはしないかと・・
       それを考えた結果こうなって
       いる。・・・理解できたなら
       全霊をもって人類勝利に心臓を
       捧げろ。

       あともう一年もすれば・・・
       貴様は母親となっているのだろう。

       少しは慎みも覚えろ」




    サシャ「!!!!」




    アルミン「(教官にまで言われると・・・
       なんかやっぱり凄く意識しちゃう
       なぁ・・・・;)」
       



  117. 120 : : 2015/10/16(金) 02:31:51




     しかし意外だ・・・僕のような・・・
     体力的にも団体行動のお荷物に
     なるような兵士を技工に向かうよう
     示唆する教官の気持ちはまだ
     理解できるけど・・・・サシャの様な
     上位10人級の総合成績を持つ
     優秀な兵士を・・・


     教官なら絶対に調査兵団や駐屯兵団の
     先遣隊辺り勧めてくると思ったのに






    キース「・・・ブラウスの様な成績上位者を
       技工に送り出す私の真意が・・・
       それほどまでに図りかねるか・・?

       ・・・・アルレルトよ。」







     ――実に心臓に悪い。

     多分気のせいとかじゃなく・・・
     教官には人の心の声まで聞こえる
     地獄耳(デビルイヤー)が備わっているに違いない。







    アルミン「え、えぇ・・・・あの・・・!

      ・・・・・・・正直に言えば。」







     そう、正直に言うならそうなんだ。

     僕のような・・・本当に巨人の餌位しか
     有望な役割が思いつかない人員なら
     ともかく。“あの”・・・もとい、
     “この”教官の考え方なら・・・

     サシャくらい動けるなら、多少
     周囲との連携に目を瞑ってでも・・・
     単騎であっても刃を取って心臓を
     捧げに行くべきだと言うはず。


     幾ら既に身重であるとは言え・・・





    キース「昔・・・・昔とは言っても精々
       15年程前・・貴様らが産まれて
       間もなくといった頃までなら・・・

       私とてこんな事は考えも
       しなかっただろうな。

       そもそも自分が訓練兵団の
       教官を受け持っているだなどとも
       思っては居なかった」 





    アルミン「・・・・・・・・」





     教官の過去に何があったのか。
     僕はそれを殆ど知りはしないが・・・


     話に聞いた限りでは・・・、そして資料を
     見た限りでは。今目の前に居る、
     この“キース・シャーディス”という
     教官は。史実上初となる

     
     “存命での代替え”によって、現団長を
     勤める“エルヴィンスミス団長”へと
     ・・・・調査兵団の長の座を
     受け渡している兵士である。


     そして交代を迎える前の
     前団長としてのキース現教官といえば
     ・・・・資料から解釈するには、

     それこそ本当の意味での“死神”と
     呼べる程に壮絶なる修羅場を
     駆け抜けてきているとされる。


     巨人討伐の記録数もさることながら・・・
     遠征で出した犠牲者の数も同様に
     尋常では無いのだ。


     ・・・それも、自身を後衛や中間地点に
     置きながらの陣形ではなく・・・



     現在採用されている物とは全く
     趣を異にする・・・団長自身をほぼ
     最前線に置きながらの特攻陣形・・
     ・・・いや、言い方を変えれば猪突猛進
     陣形と形容できなくも無いその
     無茶苦茶な陣形で。



     壮絶な数の死傷者を出しながら・・・

     しかし巨人討伐の成果そのものが
     示す様に・・・自身も積極的に先頭へ
     身を投じながらその成果である。 



     ・・・それが名誉除隊扱いであったのか、
     それとも病気除隊などにあたるのか・・
     それらに関しても僕には凡そ
     知り得ない上に知ってどうしようと
     いう事でもないけれど・・・



    キース「しかしそれから数年の間に・・・

       そんな考えを改めるべき機会に
       見舞われる事になった。

       それからは・・・ただ戦いに身を
       投じて心臓を捧げるのみが
       兵士に求められる事ではないと・・・
       そう考えるようにも
       ・・・・なっていた。」




     けれど・・・・やはり今僕の目の前に
     居る教官の目は・・・今までに一度も
     見た事の無い目をしていた。



     その脳裏には・・・瞼の裏側には。



     きっと教官が未だ教官では無かった
     頃の記憶が駆け巡っているんだろう。


  118. 121 : : 2015/10/16(金) 02:37:01



    ギッ・・・・




    アルミン「・・・・・・!」ハッ


    サシャ「ッ!」




     そこまで言うと教官はベッドから
     腰を上げ、部屋の扉へと歩を進める。





    キース「・・・長話になったが・・・

       話は以上だ。幾ら調整日とはいえ
       兵団の規律がある以上断じて
       それに目を瞑るわけには
       行かんのだが・・・・

       同室の人間が気を配って
       人払いまで済ませている上に
       貴様等が揃いも揃って健全な
       性欲を持て余しているなら・・・
       ここで私がどのような釘を
       刺した所で無駄だろう」






    アルミン「(ごもっともです);」





    サシャ「(緊張のあまり、私・・・今
       それどころじゃないんですけど)」





    キース「精々後日にやり残しが無い様に
       するんだな・・・・。出来得る限り
       物音を立てない様に。

       貴様らの行為が事情を知らない
       訓練兵の目に留まればそれだけで
       貴様らへの処分に手を焼く事に
       なるからな・・・・。」





    アルミン「は・・・はィ・・・////」






    キース「それから」





    アルミン
        「?」
    サシャ    






    キース「子供が産まれたなら・・・その時は
        私の所へ見せに来い。

        訓練兵に志願しろとまで
        無理には言わない。・・・が、
        その代り・・・

        この世に生を受けた事、
        それ自体を“誇りに思える”
        様な・・・そんな倅になるよう
        大事に育てろ。


        ・・・・以上だ。」




        
    ギッ・・・・

          バタン・・・・






     このような・・・非常に教官らしからぬ
     言葉を残して・・・部屋に残されたのは
     今度こそ僕等二人だけとなった。 






    サシャ「っっっぷひぃ.....; 

       い、生きた心地皆無でした・・・・!」 
       ホンキデ チビリソウ デシタ・・・・;;  

       ギュッ・・・



     謎の嘆息と共にそう口にして
     肩を落とすサシャ。


     同時に心を落ち着ける為か僕の
     手を握ってくれた彼女の掌には・・・
     
     此方の握るタイミングによっては
     不快感すら芽生えかねない程、
     普通ではない脂汗が滲み出ていた。


     タイミングによっては、という言葉からも
     分かる様に・・・大体今は僕もサシャと
     変わらない状況だ。






    サシャ「わっ・・・・;

       アルミン、手汗すごいですww;
       って、私もですか・・・;」アヒヒ;
       ニギニギ・・・




    アルミン「思い出すね・・・;そういえばさ、

        君が初めて僕を意識してくれた
        あの時も・・・実を言うとあれは

        生命の危機に瀕した人間の
        本能が起こす誤作動みたいな
        切っ掛けだったんだよ・・?

        それがまさか・・・こんな//;」



     そう・・・これは僕個人の勝手な
     憶測でしかないけれど・・・元々は
     サシャの中に僕という一個の人間に
     向けられた好意と呼べる物があった
     訳ではなく・・・“あの時”の・・・


     ヒグマに追いかけられた上に、
     同伴の僕が脳に近い部位を蜂に
     刺されるという極限状態に落ち着きを
     無くしたサシャの脳が起こした
     “釣り橋効果”という誤作動で・・・

     あの時初めて、サシャの中に眠っていた
     人間本来の原初的欲求が、僕という
     異性に対して発現したに過ぎない。



     つまり、それまでのサシャは
     僕をそういう目で見たりなんて事も
     無かった・・・ハズなんだ。
    (性交に関して話をした時はその場で
     襲われても文句が言えない様な提案を
     してきたサシャだけど・・・

     多分あの時の彼女はそこまで
     行為そのものをそういった目で
     意識して見てはいなかったと思う。)


  119. 122 : : 2015/10/16(金) 02:43:14







    サシャ「・・??・・・・~~??;

       私、アルミンの言葉がたまに
       難しすぎて理解しきれない時が
       あるのですが・・・それはつまり
       どういう意味で・・・」





    アルミン「まあ・・・あまり深く考えなくても
       いい事かな・・・」スッ



    グイッ・・




    サシャ「おっ・・・///あ、あの!?

       えっ!? ・・・あ//」




     やっと教官の脅威が去った所で・・・
     僕もちょっと抑えが利かなくなって
     いたのかもしれない。

     
     未だ完全には気持ちの切り替わって
     いないサシャの肩を両手で掴むと・・

     
     無意識のうちに自身の鼻先を
     サシャの鼻先へと詰め寄らせる。





    アルミン「っぁ・・・・・・・」





     こういうのはやっぱり言葉で
     とっかかりを作る前に先ずは勢いで
     もって行くべきだと思い・・・・、

     一思いに開いた口をサシャの震える
     唇へと重ねに行く。




    サシャ「ンむッ・・・・・/////」



     よく思い出してみれば・・・本格的な
     性交に至ったあの一回を除いて・・・
     僕とサシャのやり取りは殆どサシャが
     押しに回った挙句、結局僕が何故か
     頭を下げられるような結果に
     終わってしまっている。


     ここらでいっそ僕が逆にサシャに
     積極的に当たってみても・・・
     悪いという事は無い筈。

     これまでの経験で何となく分かって
     きた事だけど・・・サシャはそもそも
     相手に攻めてぶつかって行くよりも
     受身に入る事の方が圧倒的に多い。


     普段のユミル達とのやり取りを
     見ていても・・・その傾向はやはり
     顕著に現れている。



     ・・・・・つまり物凄く砕けた言い方,,


     いや、俗な言い方をするなら・・・・・
     サシャという少女は間違いなく・・・・





    アルミン「フッ・・・・むグッ////」ギュッ・・




     ――被虐趣向持ち(マゾ)だ。





    サシャ「ッッ!!!??///」




     最初は口付けだけで終わらせる・・
     そんな予定だったけれど・・・


     教官の重圧から解放された今。


     そして教官の許しまで貰ってしまった
     事実の元・・・晴れて何の警戒も要らなく
     なった事で、きっと僕も頭の中にある
     何かの制御弁が完全に吹き飛んで
     しまったんだろう・・・・
     


    アルミン「ッ・・・・・ッ・・・・・!」




     気付けば僕は彼女の口を自身の口で
     塞ぎつつも・・・片腕で頭部を逃がさない
     様に抑えながら、もう片腕はサシャの
     スカート越しでも一切の躊躇を
     見せずに・・・その渓谷へと
     進撃させていた。





  120. 123 : : 2015/10/16(金) 02:48:30



     そして彼女の動揺が頂点に
     達したと判断出来次第、すかさず
     全体重をかけて・・彼女の上半身を
     完全にベッドへと深く沈み込ませる。

     
     ・・・これで頭を抑えていた片手は
     フリーとなった。此方の腕はそのまま
     ユミルから貰った情報を活かして
     サシャの弱所とされる向って右側の
     乳房へと重ねる。攻めの手を一切
     緩める気はない。




    サシャ「モガッ(ちょっ)・・・ムググァッ(アルミン)・・!?
       モガガッ(そこはっ)・・・!!」


     バタッ・・バタバタ・・・・!




     サシャは僕が攻め込ませる舌先に
     抗いながらも必死に何かを訴えようと
     しているけど・・・生憎今のこの・・・

     完全に僕がサシャをベッドへ
     押し倒している体勢では・・・流石に
     僕ほど非力であっても並みの抵抗で
     離脱する事などは叶わない。

     


    サシャ「ムググググ!!///;;;」
       フルフルフル




    アルミン「・・・・・ムムッ・・///」



     いよいよ首を左右に振りながら
     その頬に一筋の涙を走らせるサシャ。

     
     その涙は半分笑い混じりである
     事からも・・・そこまで拒絶の色が
     濃く現された物では無いと直ぐに
     理解できた。

     ・・しかし、両足の付け根へと伸ばして
     二枚の布地越しに彼女の秘所への
     刺激を続ける左手にも・・・

     遥か奥底から届きそうな程の湿り気を
     感じられた事だし、一応これ位で
     一旦は身を引いてみる事にする。

     このまま続けてまた今までの僕の様に
     服を洗濯しないといけない有様まで
     追いやってしまったら・・・流石に悪い。





    アルミン「ぷはっ・・・・/////ハフッ・・・」




    サシャ「ヒッ・・・ハヒッ・・・////」



     顔を離した途端に解き放たれる
     互いの熱気。外気を巻き込みながら
     放熱する事で同時に舞い込んで来る
     サシャの石鹸の香り。


     ・・・これは非常に気分が盛り上がる。


     匂い一つでここまでモチベーションに
     変化が現れるなんて。




    サシャ「ぁっ・・・・アルミンッッ・・・貴方・・

       貴方・・・、、いきなり過ぎます・・!
       折角済ませてきた準備を・・
      
       場所…あの…いきなり触られ・・

       いッ・・・・ぁぅ.../////」パクパク・・




     混乱と同様のあまり・・・思った事を
     正常に言葉に出来ていないサシャ。

     視線は伏目がちに左右を行きつ戻りつ、
     その吐息は高鳴る鼓動に震えながら。



     彼女が何を言いたいのかは言葉が
     バラバラでも大体把握できるけど、

     正常に言葉を発することも出来ずに
     狼狽するしかない・・・そんなサシャが、
     今はとにかく愛らしい




    アルミン「たまには男の僕が積極的に押して
      行かなきゃいけないと思って・・・//」






    サシャ「気持ちは嬉しいですけど!!
       でもビックリしちゃいます!!もっと
       ちゃんと順序だてて服を脱ぐとか
       そういったところから・・・・!」





    アルミン「それはそうとサシャ・・・?
       何か君・・・少し胸大きくなって
       ・・・・ないかな?いや・・・すこし
       触り心地がなんか・・・」
       ワキワキ・・・




    サシャ「ぅわァ!!;;何と真面目に私が
       抗議しているのに見事に話は
       私のおっぱいへと脱線です!!!;;;

       私の話を聞いてくれてますか!!?
       アルミン!!?;;」ギャァァァァ!!!↑↑

    ガバッ





    アルミン「うん・・・・?しっかり聞いてるよ?
      じゃあ・・・服から失礼していいの・・?」


      スッ・・・



     一切動じる素振りを見せずに彼女の
     ブラウスの首元から順にボタンを
     外しに掛かる僕。




    サシャ「エッ・・・ええ・・;あの・・・うん、
       順番をちゃんと守ってくれるの
       ・・・でしたら・・・まあ..////」
       モジモジ・・・

  121. 124 : : 2015/10/16(金) 02:56:32





     どうやらそう言う事らしい。
     まあ流石に僕も服を着たままの
     サシャを責め抜いて後片付けを
     増やす積りはなかったし・・・。

     そこまで考えて居る内に僕の手は
     あっという間にサシャの胸元を匿う
     ボタンを取払っていく。

     つくづく・・僕は考え事をしていた方が
     自身を冷静に御する事ができる、
     そんな性分の様だ。




    アルミン「ぁ・・・・やっぱり・・・サシャ?」



     途中で手を止めて・・・

     
     はだけたブラウスの間から露出した
     その二つの母性の象徴を見つめる僕。





    サシャ「その様です。ミカサにも聞いて
       みて・・・やはり通常より少し
       張っていたりする事からも・・

       その、私のそこからももう
       そろそろ牛さんの様に出るものが
       出てくる様です・・・!///」
       ソワソワ・・・




     恥じらい半分・・・何故か非常に大きな
     期待をチラつかせながら我が胸を
     見下ろすサシャ・・・。

     まさかとは思うけど;




    アルミン「あの・・・サシャ・・・・?まさか君は・・」





    サシャ「だっ駄目なんですか!!?

       アルミンもミカサ同様私のこの
       好奇心を・・・元から断とうと
       言うのですか!!?」ガバッ!!!
       プルン...



    アルミン「(まだ何も言ってないんだけど;)」
      タジッ・・・;




     涙を浮かべつつ、露になった両胸を
     揺らして詰め寄るサシャに苦笑い
     するしかない僕・・・・



    アルミン「あの・・・まだ僕君に何も言って
      ないんだけど・・・駄目って一体・・」
      アハハ・・・;





    サシャ「お乳の事に決まってるじゃ
       ないですか!!だって、
       ミカサってば酷いんですよ!!」
       
     


    アルミン「じゅッ、順序だてて話してってば・・;
      ミカサが・・・えっと、何だって?」





    サシャ「普通自分のここから幾らでも
       アレが出てくる状況と聞いたら
       少し頂戴したくなるのが人情じゃ
       無いですか!!!
      
       少しくらい飲んでみたいと思う
       私は・・・果たして間違って
       いるのでしょうか!?

       アルミンはどう思います!!!?」




    アルミン「どうって言われても・・;

       それは排泄物とは違う括りだし・・
       それを分泌する機会が永遠に
       やってこないであろう男の僕に
       聞かれてもなぁ・・・;返しに困るよ」





    サシャ「ミカサは一も二も無く・・・

     “そういうのは人としてどうかと・・”
          (キリッ・・・・)

       ・・・なんて言ってきたんですよ!!?
       普通気になるじゃないですか!!

       幾ら自分のだってやっぱり
       気になります!!!不味ければ
       赤ちゃんにあげるのもどうかと
       思いますし!!!!」



    アルミン「そんなに力説されても・・(困)

      でも…女子のミカサがそう言うって
      事は・・・やっぱりそれは・・・」
      ゥゥン・・・・




  122. 125 : : 2015/10/16(金) 03:00:34






    サシャ「ヤダヤダヤダ!!!イ・ヤですぅぅ!!
       
       絶対私は自分で自分の味を
       確かめて見たいんです!!」ブンブン
       イヤァァァ!!!





    アルミン「うん・・・、別に止めはしないから
       サシャがそうしたいっていうなら
       僕はそれで良いと思うんだけど・・」





    サシャ「・・・・え?


       ・・・・・ほ、ホントですか・・・??」
       ケロッ・・・






    アルミン「うん。別にそんな・・・」





    サシャ「ミカサや・・・他の誰にも
       言わないで居てくれますか??」
       ジィィィ・・・・




    アルミン「言わないよそんな事態々..(苦笑)」





    サシャ「ぁっ・・・アルミぃん・・・・!!!////

       も、もう大好きです!!

       もう...もう私より先に貴方に
       差しあげます!!

       それでもし貴方が美味しいと
       言ってくれたら私も自分で
       確認してみます!!
       それならいいですよね!!?」




    アルミン「え、いいの?//」




    サシャ「ええ!!アルミンにだけ、
       特別にですよ!!誰にも言っちゃ
       駄目ですからね!!!?」
       ナイショデスヨ!!




    アルミン「・・・気持ちは嬉しいんだけどさ・・

      サシャ・・・。母乳(それ)・・・そもそも
      誰の為に君の体から出てくる
      物なのかすっかり忘れてない・・?」




















    数分後...





    サシャ「えっと・・・靴まで脱ぎ去って
       本当の意味で産まれたままの
       姿になるのは・・・お互い初めて
       ・・・ですね。。///」




    アルミン「・・・・ミカサとエレン含めてで
      いいなら・・・さっきお風呂で皆
      こうだったと思うけど・・・」




    サシャ「そういう事じゃありません!!

       お互いの姿が見えてるかどうか、
       ッて事が重要なんです!!!///

       一々言わせないで下さい!!!」
       カァァァ・・・





    アルミン「う、、うん、だから冗談だって・・・
      それくらいなら僕だって一々
      サシャに教えられなくても
      意識できてるけど・・・」





    サシャ「ムゥゥ..!!><;やっぱりアルミン
        たまに私に凄くイジワルな
        感じになりません!?私、
        本当にアルミンに愛されて
        居るのでしょうか・・・?!
      
        ・・・なんだか不安になって
        しまいますが....」





    アルミン「前に、サシャだって抵抗できない程
      苦しんでた僕を喜んで攻めて
      来たじゃないか....?(ジロッ・・)

      あれと一緒だって.....」






  123. 126 : : 2015/10/17(土) 20:47:18





    サシャ「ッ・・・;それを言われると少し
       私にも非があるような無いような
       ・・・・!!;しかし・・・アルミン・・・、
       先程のアルミンの言葉で一つ
       思ったんですけど・・・・」





    アルミン「・・・・・?なに?」






    サシャ「アルミンとエレンは・・・相当昔からの仲
       ・・・なんですよね?」





    アルミン「そうだよ」





    サシャ「ではミカサは・・・エレンとは
       どれほど昔から親交があったの
       でしょうか・・・・?」





    アルミン「ミカサは・・・ある日、
      身内の不幸でね・・・帰る家を失なって
      しまったんだ。


      本当に・・・突然の事だったらしい。

      そしてある日エレンが紹介してきた
      その日に・・僕は彼女と初めて
      知り合ったんだよね・・・。

      ある日突然、

      “こいつ、今日からオレの
       家族になったミカサな”

      ・・・みたいに言われてさ。流石に僕も
      あの時は頭が追いつかなかったよ」
      ハハハ・・・;





    サシャ「・・・・・ははぁ・・・;」






    アルミン「ともかく・・・それからなのさ。
       帰る場所も両親も、何もかもを
       突然無くした彼女を・・・・

       不器用ながらも自分の家族として
       快く迎え入れてくれたエレンが
       彼女にとって自分の命以上に
       大事な存在となったのは」




    サシャ「成る程そうでしたか・・・

       私は・・・そういった入り込んだ
       所までミカサの事を把握して
       いませんでしたので・・・・

       あの2人こそ、いつになったら
       御互い意識して一緒になるのかと
       ・・・・内心少し気にかけて
       居たのですが・・・・」
       イツモ オセワニ ナッテイルダケニ





    アルミン「エレンとミカサはね・・・;

       確かに互いの絆と・・・特にミカサの
       思い入れは強いけど・・色々
       難しいと思うよ・・・、あの2人が
       今の僕達みたいになるのは・・・。

       時間さえあればいずれそうなる
       時はやって来るんだろうけど・・・」





    サシャ「・・・・・ふむ、、、、;」
        モゾモゾ・・・









    アルミン「そ、それはそうとサシャ・・・・?
       野外でやらざるを得なかった
       前回と違って今度は部屋の中で
       こうして僕ら安心して服を脱いで
       居られる訳だけど・・・・」




    サシャ「ひっ」
       ッババ!!!





     僕の言葉と視線に即応して、今まで
     隠していたその一箇所を更に庇う様に
     縮こまるサシャ。
       





    アルミン「もう僕は君の裸とか何度か
       見てると思うんだけど・・・///

       何でそんなに必死に隠すのさ;」





    サシャ「それはッ・・・その!折角なので、
       こういうのは寸前になってから
       お見せしようかと・・・」




    アルミン「(・・・まあそういわれても・・)」ポリポリ



     前もってこうしてサシャが見せた
     反応で・・・何故彼女が昨晩あと一歩を
     許してくれなかったのか、それが
     簡単に分かってしまった僕だけど・・・


     しかしこうしていても何も始まらない。

     



  124. 127 : : 2015/10/17(土) 20:49:48
     






    アルミン「じゃあ・・・その、初めても・・
      いいかな?///」ギッ・・・




    サシャ「い・・・イイ・・んですけど、
       やっぱり普通に始めるのってこれ
       結構恥ずかしい・・ですね;」



     自身の股間を隠す両手はそのままに
     ベッドに背中から倒れこむサシャ、

     そしてその肩を押さえながら
     詰め寄って問いかける僕。



     先にも言った通り、既に互いの格好は
     つま先から頭まで・・何も纏っていない。 





    アルミン「・・・でしょ?・・だからさっきは
      勢いに任せて僕が自分から押して
      いったんだけど・・・」




    サシャ「成る程そうでしたか・・・それは
       折角の気遣いを突き放して
       しまう様な対応をとってしまって
       申し訳なかったです。。

       ・・・・ですが」ジッ・・・





    アルミン「・・・・・・・・うん?」






    サシャ「相応に恥ずかしさもありながら・・

       やはり私はこうして貴方の顔を
       良く見ながら事に及べる今、
       この瞬間が・・・中々に幸せですよ。

       此間と違って・・・灯りでアルミンの
       お顔も良く見えます。

       ・・・私は今、貴方から見て
       どんな顔をしてますか?」





    アルミン「どんなって聞かれても・・・難しいね。

      笑ってるようにも見えるけど
      ちょっと恥ずかしそうにしている
      風にも見える…けど割と自然体だよ。

      少なくとも今の僕より緊張して
      無さそうだし・・何よりその・・・・」




    サシャ「・・・・何より???」





    アルミン「・・・・・綺麗だよ、、うん。とってもね」




    サシャ「っ・・・・。。嬉しいです・・・//
       有難うございます、アルミン」



     そう言ってはにかむと、僕の目の前で
     ずっと覆い隠していたその部分を漸く
     手放しにして晒すサシャ。


     予想していた通りにそこには・・・・




    アルミン「やっぱり・・・・・
       それ、気にしてたんだ・・・;

       ・・・でもなんで今になってそんな」




    サシャ「エッ・・・!え!?!??アルミン、

       私がこれを気にしていたのを
       気が付いて・・・というか、
     
       私の“コレ”が今まで気になって
       いたとかそういうのは・・・
       無かったのですか・・・?!!!」





    アルミン「・・・えっと、何て言ったらいいのかな
     
      ・・・そもそも思い出そうとすると
      確証がないから僕自身も不安に
      なっちゃうけれど・・・


      ひょっとして僕、何かキミのそこが
      気になる様な反応を見せちゃったり
      してた・・・のかな・・?;

      サシャがそこまで気にする程だから
      ・・・・ひょっとしてまさか」




    サシャ「!!?、、すみません!!ではあの、

        質問をさらに返してしまって
        悪いのですが・・・!状況を簡潔に
        する為に・・・私からアルミンに
        簡単な質問をしても
       
        ・・・・宜しいでしょうか??;」





    アルミン「うん、いいよ。その方が
       キミにとって分かり易いなら、
       それがいい。」





  125. 128 : : 2015/10/17(土) 20:52:16









    サシャ「アルミン・・・は・・・、えっと、
       
       “ここ”に余計なものが生えて
        いる女性が相手でも・・

       特に気にしないのですか・・・?//」






    アルミン「う・・・うん?別に気にしないよ・・?

       ていうか・・・余計だなんて。

       人間の体毛の中でも頭部や局部に
       ここまで集中的に毛が密集してる
       って事は・・・そこが身体の中でも
       特に大事な部分であるって
       証拠だと思うんだけどな。」





    サシャ「ソッ・・・その理屈は何となく
       わかります!!ですが!!!」




    アルミン「・・・・・?」




    サシャ「アルミンは!!アルミンは
       ご覧の通り綺麗まっさらの
       つるつるじゃないですか!!?

       その状態の貴方と、毛の生えた
       私のそこが密着してしまったら・・

       その、、ひょっとしてアルミンに
       とっては不快ではないのかと・・・

       そう...思ってしまいまして..」
       シュン...





    アルミン「なるほど・・・そんな事・・・態々
       気にしてくれてたんだねw;

       ・・・まあ、そうだね。
     
       成長の度合いが周囲に比べて
       少し遅い僕は・・見ての通り
       こんなだからね、既に此間の
       サシャくらい生え揃っている
       同期の皆にはよくお風呂場で
       からかわれてしまうけど・・・」
       





    サシャ「ふむ・・・・;?」






    アルミン「それでサシャを嫌いになったり
       する訳無いじゃないか(苦笑)

       そんな事を平気で言う男がいたら
       …そんな人、超大型巨人に蹴られて
       死んでしまえばいいと思う。」





    サシャ「ほ・・・本当に・・・ですか??;」






    アルミン「誓って本当だよ。どれほどの
       密度かはキミの話だけで
       分かる事じゃ無いけれど、
       ともかく・・・

       もし君がその部位の手入れを
       怠って“話の中のミカサ”程の
       濃さになってしまっても、
       それで僕がキミを嫌いになって
       しまったりなんて・・・そんな事
       絶対ないからさ;(薄笑)」





    サシャ「私いつそんな事アルミンに
       話しましたっけ!!?」





    アルミン「言ったよ確かに!!キミの昔を
       振り返った回想で・・・キミ達
       女子部屋で親交が深い数人分の
       そっちの毛の事情は全て
       僕の耳に入っちゃってるよ!!;

       ミカサがジャングルだっていう
       驚きの情報までしっかりとね!;」





    サシャ「やだ私ったら本当ですか!!!?


       ・・ッて,,そうじゃありません!!;

       ということは・・という事は
       私・・・別にこのようにツルツルに
       しなくても・・・??;」ブルブル・・・





    アルミン「うん、。僕は別に・・・そのままの
       キミで全然いいよ・・・///

       キミがジャングルなら僕は
       ジャングルなサシャでも全然
       いいっていうか・・・///寧ろ
       好きになってあげられる」




    サシャ「いえ・・;、残念ながら私は
       何もしてなくてもああでしたので
       ・・・どう頑張ってもミカサのように
       この部分に立派なジャングルを
       手に入れる事はできないと
       思いますが・・・すみません:」
       ガクッ・・・




    アルミン「え!?;いや、別にそんな
       謝らなくても!!?」アタマヲアゲテ!?




  126. 129 : : 2015/10/17(土) 20:55:17





    サシャ「だって・・・、だって、
        理由は良く判らないのですが・・

        中にはそういった立派な
        毛並みを好みとする人も・・・
        居るみたいなので・・・・・
        例えばクリスタなど...;」ボソッ





    アルミン「えッ・・・・?!クリスタって、毛深い人が
       好みなの!!?!??」






    サシャ「ち、違いますって!!ほら!

        私、言いませんでしたか!?

        ユミルが自身のそこを指して・・
        “この方がクリスタは喜ぶ”と
        言っていた事について!!//」






    アルミン「ああ・・・///それはきっと・・

       サシャは知らなくて良い事だよ・・

       っていうか知らないままで居て
       欲しいかな・・・・僕としては・・・・」





    サシャ「・・・・そ、そうデスカ(察し..)」






    アルミン「うん・・・・・」















    アルミン「・・・・・・」




    サシャ「・・・・・」





     この状態のまま経過した時間は
     おおよそ一分ほど。

     事に及ぼうとしたその矢先に
     サシャの毛の話へと話題がすっかり
     シフトしてしまい・・・完全に
     開始の切っ掛けを失ってしまったが・・

     この状況を気まずいと思っているのは
     目の前で僕を見つめるサシャも
     同様みたいだ。


     ・・・・しかしやはりこうしている時間は
     正直惜しい。ここは少し場違いな
     導入でも仕方が無い。




    アルミン「・・・・・・、」スッ・・・



    サシャ「ッ・・・!」ピクッ





     無言で肩を抱えて片膝を彼女の
     股間に迫らせ、逃げ場を無くす僕。

     しかしサシャがここで"何故か"小声で
     必死に抗議してくる





    サシャ「(ぁッ・・・アルミン!!アルミン!!
        ちょっとマッテクダサイ!!!
        ストップ!!!止まってください!
        (小声))」




    アルミン「・・・・???」
       ピタッ・・・





     一体何があったのかと固まる僕だが





    サシャ「(誰だかまでは分かりませんが・・!
        教官ではない誰かが・・・それも
        一人ではなく数人で・・・
        私達の様子を伺ってますよ・・・!;

        聞き耳を立ててるだけなのか
        どこか、隙間から見ているのか
        定かじゃないですが・・・

        外に何人か・・・確実に居ます(▪▪▪)・・・!
        (小声))」




    アルミン「(あぁ・・・そう・・・・;(小声))」






     ちょっと前の僕なら・・・まあ、焦って
     右往左往しながら、取り敢えず服を着て
     急いで表を確認しに行っただろうか。


     ・・・でも生憎今の僕はなんというか・・・





    アルミン「(サシャは・・・気になる?
       誰だかわからない人に僕とキミが
       こうして嬌声交じりに組み合う
       様を見られたり聞かれたりするの。

       僕は・・・何か今なら勢いで君と
       最後までいけそうな気が
       するんだけど・・・後々君が
       恥ずかしい思いをするなら・・・

       此処で一旦手を止めて外を
       確認しにいくか・・・若しくは
       周りに見えないよう布団の中で
       するっていう手も・・あるには
       あるけれど(小声))」



     こんな提案を冷静に寄越せる程
     落ち着いていた。・・・何故だろう。

     
     身体そのものは早くサシャと一つに
     なりたくてうずうずしているって
     いうのに。


  127. 130 : : 2015/10/17(土) 20:57:44






    サシャ「(な・・なるほど!!アルミン頭良いです!

        布団の中というのも・・それは
        それで何か良さそうです・・!
        (小声))」




    アルミン「(・・・でしょ?どうする?本当に
       そうする?後片付けが少し
       手間になっちゃうけど・・(小声))」





    サシャ「(ぇえ・・、ですがやはりその案は
        却下で!!布団の中という場所で
        アルミンと愉しむのも良いんです
        けど…それではこの…、

        折角確保した誰も居ない
        部屋の中でアルミンと2人きり、
        というこの状況を活かしきれて
        いません・・・!私はアルミンのお顔を
        よく見ながらそういった事に
        及びたいのです!///(小声))」






    アルミン「(そ・・・そうなの?;(小声))」






    サシャ「ぇえ・・、なので・・・・!」ムクッ
       スゥッ...






     小声で話すのを止めてその様に
     言ったサシャは僕に押し倒されていた
     半身を起こし、大きく肺に息を
     吸い込んだ。




     ――――まさか







    サシャ「あ、あのっ!!どなたかは
        存じませんが・・・!!見たいのなら

        見たいでかまいませんので!!
        できれば隠れていないで
        お顔を見せては頂けませんか!!

        アルミンは大丈夫だそうなので・・!

        私もあなた方(▪▪▪▪)の事を把握した
        上でなら・・・何とかなりそう
        ですので!!できれば
        名乗りを挙げて頂けると
        非常に助かるのですが!」




     一瞬危惧した僕を目前にして・・・
     以上のように、とても堂々とした態度で
     
     僕にとっては居るのか居ないのか、
     それさえ定かではない観察者へ向けた
     声明をあげるサシャ。


     しかしサシャが居ると断言している。


     きっとその、一人ではない“誰か”は
     ・・・確実にそこに居るのだろう。


     そう覚悟していた僕の予想を遥かに
     超える事実が・・・その、“誰か”の
     返答で明らかになる。





    <アニ「あ、あのね・・・そう言って
       貰えるとは流石に思っても
       見なかったんだけど...!」>






        アニ!!!?????




     当然この時我が耳を疑ったのは
     言うまでもない。普段からそんな事に
     欠片も興味を見せない印象が強い
     彼女が・・・よりにもよって。





  128. 131 : : 2015/10/17(土) 21:00:08


     ・・・しかし・・・





    アルミン「(い、いや・・・それはまだ許容の
       範囲内だ・・・!)」




     そう・・・幾ら澄ましていたって、
     アニも年頃の女子・・・!全然そういう
     事に興味があったって自然だし、
     寧ろそういうのもイイと思うけど・・!

     と、とにかく・・・!


     サシャは『数人』と言った・・・!

     
     それって言うのはつまり・・・・




    アルミン「(アニと・・・誰だ?!少なくとも
       アニに同伴する形で誰かがそこに
       居る事になる・・・!すると同じ
       部屋に居るはずのミカサは・・・??

       いや・・・その部屋にお邪魔しに
       行っているであろうユミルにクリス(ry
    <ジャン「ぁあ、;流石にコレは・・・なぁ」>





    アルミン「   」




     完全に停止しかけていた思考を最速で
     再始動させる事を余儀なくされる僕。



     ・・・・無理も無いと思う。



     その脳裏に瞬間的に立てた
    “最悪の仮定”を・・・次なる傍観者の
     一言によって見事に実証されて
     しまったからだ。





    <エレン「申し訳ねえ事に・・・
      お前とサシャの事把握してる奴、
      多分今ここに全員いるぞ;

      ・・ああ、流石に覗き見する奴が
      居ない様にだけは見張ってるが」>









    -――前言撤回。








    アルミン「(サシャっ・・・!!!ゴメン・・・・!

       流石に・・・流石にこれは・・!!!

       恥ずかしくて今にも死にそうだ!!

       ゴメン・・・・!意気地なしで
       ホントにゴメンよ・・・!!!
       (小声で号泣))」




    サシャ「(ぁあッ・・か、可愛そうなアルミン!!;
        (ヨシヨシ!;)安心してください!
        私も相当恥ずかしいです!!!//

        し・・・しかし・・・・///:(小声))」




     先程までの互いの態度とは
     打って変わって・・・今度は反対に
     僕より冷静にこの場の状況に
     冷や汗を流すサシャ。

     流石に彼女も、複数人と当たりを
     つけてはいたものの、その傍観者が
     これほどの大所帯であるとは
     予測して無かったのだろう。

     今こうして冷静にしていられるのが
     不思議なほど・・これは普段の彼女なら
     きっと赤面してベッドへ隠れて
     しまってもおかしくない状況だ。


     ・・・さらにもう一昔前の彼女なら・・

     何事も無く男女相手でも恥らい無く
     己の裸体を人目に晒す事も
     できたのかもしれないけれど・・・



     今、彼女が冷や汗を流しながら
     毅然としていられるのは、きっと
     目の前でこんなに狼狽している
     情け無い僕を勇気付ける為なんだろう。

     
     ・・・思い出してみれば山でヒグマに
     襲われたあの時と、全く同じ目を
     しているサシャに・・・思わず僕は
     見蕩れてしまっていた。





    サシャ「(さ、流石に言ってしまった手前
       やっぱりお帰り下さいと言うのも
       潔くありません。

       何より私が今此処でアルミンと
       したかった事は、その程度で
       中断して良いほど軽いことでは
       ないですし・・・(小声))」





    アルミン「(サシャって・・・危機的状況に
      陥る程、意外と肝が据わるんだね・・・

      なんか憧れちゃうな・・(小声))」






    サシャ「(そんな立派なものでは
        ないですけど・・・!;結局私、
        アルミンとしたくてしたくて
        落ち着かないだけですし//
        (小声))」

  129. 132 : : 2015/10/17(土) 21:03:20






     ・・・等と小声でやり取りしていた
     僕達だが・・・・





    <ミカサ「済まない、アルミン。
        どうしても貴方達2人の
        状況が気になって仕方が無いと
        言って聞かないものだから。
        
        こうして聞き耳だけ立てるのを
        見逃しているが・・・当然
        知ってしまった以上あなたも
        気にするはず。今すぐ全員
        この場から駆逐するので
        何とか安心して続きを・・・」>
        (ゴキッ・・・)





    <ジャン「っぉい!!!マジかよ!!!?」>




    <ユミル「オイオイ・・・オイオイオイオイ!!(困)

      流石にお前とはいえ私ら全員を
      相手にして・・・なぁ?;」>



    <クリスタ「駄目だってッ!!っユミル!!?
       寧ろここは私達が素直に
       邪魔せず引き退がるべきだと
       思うんだけど!!!(でも本当は
       一番気になる人)」>




    <ライナー「ミカサが暴力に訴えるなら
       俺は迷わずハウスするぞ・・↓↓
       どう足掻いても血を見ることは
       避けられんだろうし・・・何より
       そこまでして盗み聞きってのも
       ・・・・なぁ」>




    <ベルトルト「…(アニがここから居なくなるなら
        僕も特にここに残る理由は…)」>





    <エレン「っていう事だ・・・・まあ、
       安心してだな・・・・」>






     外から次々に聞こえてくる声。



     参ったな・・・本当に思いつく限り
     全員集まってる・・・


     っていうかいつから聞いてたんだ・・;

     


     もう既にそれだけで恥かしさ極まって
     悶死してしまいそうな位の事実
     なんだけれど・・





     しかし何故だろうか。




     サシャの姿に勇気を貰ったのか、
     それとも単に僕がヤケを起こした
     だけなのか。



     今、この時僕の頭は・・・






    アルミン「・・・・・ごめん、サシャ?キミは・・・」






    サシャ「・・え、ぇえ?私は・・・ハイ。


       私は・・・大丈夫です。


       貴方が隣に居てくれるなら・・

       
       アルミン・・・私...
       どんな時でもへっちゃらです」

       ニコッ・・・・






    アルミン「まだ・・・何も聞いてないんだけどな」






     やはり何故だかとても落ち着いていた。





    サシャ「聞かれなくたって分かりますって
       ・・・もう、貴方の意思は・・・

       私の中にもこうして間違いなく
      “居る”んですから・・・」






    アルミン「そっか・・・・うん。そうだね;

       ・・・その通りかもしれない。」






  130. 133 : : 2015/10/17(土) 21:05:05




     そうして2人だけのやり取りを
     したその後・・・僕は恐らく今まで
     生きて来た内で最も度胸の要る返答を
     部屋の向こう側に居る全員へと
     返す事になるが・・・・




     その顛末自体はきっと特に言って
     聞かせる程重要な事ではない。

     


     ――当日宿舎に残っていた全員に
     “何故か”想い人とセットの全裸姿を
     お披露目する事になるという
     謎の気恥ずかしさも然り...




     ――それから暫くその格好のまま
     特に僕達2人が何をするでもなく、

     真面目に将来の事や目標、どんな家に
     住んでどんな家族構成を目指して
     いるのか・・・なんて話に華を咲かせる
     謎の没頭感然り...



     ―― 一体何がどうなるとこんな状況が
     出来上がることになるのか・・・本気で
     不思議そうにしているジャンに
     ここまでの話をその格好のまま
     僕が簡潔に教えるという
     非常にシュールな一時にしても然り...



     ――ここまでで一体何回、そして
     どの様な体勢で“事を行った”のか、
     気になって仕方が無い様子の
     ユミルを前にして、

     一度しか行っていないその“姿勢”を
     本気で実技演習にて行って
     見せようとした瞬間、横から炸裂した
     女神の頭突きで失神するユミルの
     意識に必死で2人して呼びかける
     という何だかよく分からない
     状況にしても然り...



     ――聞きたいだけの事を全て
     聞き終わった皆が、流石に空気を
     読み直して各々自主的に
     退室してくれたその後には・・・



     当然朝まで時間を忘れるほど必死に
     求め合ってしまう現実もまた然り。




     どれもたった一つの事実を押しのけて
     説明するほど重要な事ではない。




     …―それはとても単純なものだから





    サシャ「アルミン、私...」





     ――そう、とてもとても単純で

     



    アルミン「サシャ、僕も...」







     一々口に出して言う迄も無いこの感情。






     偏にそれこそが・・・僕達のこれからを
     創っていく全ての理由になるから。









    サシャ 「貴方の事が堪らなく好きです」
    アルミン「君の事がどうしようもなく好きだ」


















    -end-
  131. 134 : : 2015/10/17(土) 21:08:14













    ―あとがきてきな何か―






    ハイ、これにてよく分からない
    変態の御脳によって紡がれていた
    稚拙なるお話も取り敢えず形式上は
    やっとの御仕舞いです!いやしかし、

    カップリング物が大好きな私ですが
    何となくSSの真骨頂である、

    “何故かいきなりその二人が仲が良い”

    ・・そんな状況を、不器用にも
    書く事の出来ないこんな性格が祟り、

    結局二人がどうして惹かれ合い、そして
    どの様にしてくっついたか。そこまで
    書くのにこれだけ遠回りをして
    しまわないと気が済まないという
    融通の利かなさ。

    なんか・・・一つ目の話から物凄く
    どうでもいい回り道をする為だけに
    延々と書いていた気がします。

    普通に終わらせるのは止めよう、
    しかし、とにかく当該カップリングの
    純然たる絡みの1から10まで、それを
    執拗なまでに飽きるまで書いてみようと
    した結果…何と


    “どこまで書いても結局飽きる事は無い”


    という最早呆れ果てるしかない
    驚愕の事実が明らかになりました。


    なので当初彼女の出産後その
    子息が何と双子でそのまま南方訓練兵団
    入団...とかいう所まで視野に
    入れていたプランBを急遽切り替えて
    (プランだ?ねぇよそんなモン)

    こうした締めへと持っていく形に。
    一体コレがプラン幾つに該当する
    締めだったかは見当も付き兼ねますが・・・


    それを本気で書こうとすれば一体
    あと何ヶ月続くか分かったものでは
    ないですからね・・・・!!(ノ∀`)
    (駄目だこいつ・・早く何とかしないと..)



    ・・ではこのような見るも無惨な趣味の産廃物を
    あろうことか最後まで見て下さった貴方に
    無上の感謝を抱きつつ・・・引き続き、やっと
    頓挫していた未完のお話の方へシフトさせて
    頂こうと思います。


    貴方の残してくれるPV数を原動力に
    今日も狂喜する駄目人間、夢馬がお送りしました。(๑´▿`๑)



  132. 135 : : 2015/10/17(土) 21:08:35
    乙!


    サシャとアルミン良かったです!


    あと、読みやすかったです!
  133. 136 : : 2015/10/17(土) 21:11:42
    >>京月 さん

    こ、こんなお早くレスを頂けるなんて!!嬉しすぎて
    泣きそうです(本当に)


    こんなものが読みやすいと言われる日が来るなんて・・・、
    本当に・・・生きてて良かったです。

    お蔭さまで今晩の夕飯は美味しく頂けそうで御座います。(*‘∀‘)



    繰り返し、ご感想!!有難うございます!!!
  134. 137 : : 2015/10/17(土) 23:48:29
    乙です!


    丁寧な描写で光景が目に浮かぶようでした!


    次の作品楽しみにしてます!
  135. 138 : : 2015/10/18(日) 00:07:01
    >>まだまだお さん

    ご感想ありがとうございます(゚o゚;;!!

    何と、、、今日は(日付跨いでますから正確には違いますが)
    2つもレスを頂いてしまいました....!?


    しかも私はただ自分が楽しくなりたくて書いているだけなのに、
    それを期待されてしまうなんて、、
    やはりこれほど幸せなことなど他に有り得ないでしょう、、!

    私も、次なる作品を書かせてもらえる事を、
    我ながら楽しみにさせて頂きます!!(≧∇≦)
  136. 139 : : 2015/10/18(日) 20:47:02
    お疲れ様です、ムゥマさん(๑•̀ㅂ•́)و✧

    上巻からよんでましたが、いつも通り読み応えのあるお話でしたね!

    キュンとくるとこもあり、笑えるネタばさみもあり。


    キース教官に少しニヤリとした私でした笑


    社畜リヴァイさんシリーズも再び期待してますよ!


    あのシリーズもだいすきです、楽しみにしてますね(´ω`*)
  137. 140 : : 2015/10/19(月) 02:23:36
    >>ミツミ さん

    ご感想ありがとうございます!!みっちゃんさん!・'(*゚▽゚*)'・*:

    誰かに読んで頂けるだけでなく更にそれを指して読み応えがある

    、、、などという有難いお言葉を貰えるだけで申し訳ないくらい
    有難い気持ちになってしまいます´д` ;

    どのような話にも結局おふざけが入ってしまうのはもう
    病気みたいなものかもしれませぬ。


    あちらのリヴァイさんシリーズこそ
    誰が見て得をするものでもない、完全自分本位だと常々思っていますので、、

    みっちゃんさんのように、
    ごく稀にそう言った信じられない程有難いご期待を下さる方がいると、
    時々まだ夢から醒めてないんじゃないのかと思ってしまいます。

    兎に角、此度もご感想、ありがとうございました!

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ne5716

夢馬

@ne5716

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