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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

サシャ「アルミン、私...  (上)

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  1. 1 : : 2015/08/16(日) 05:07:28




    ====前書き的な何か====






    ハイ!御久しぶりでございます、



    最近お盆だというのに忙しすぎるあまり
    全く色々な事に着手できず仕舞いの
    日々ですが・・・皆さまは如何
    お過ごしでしょうか(´・ω・`)


    私は相も変わらずと言った感じです。

    ・・・まあ、変わらず書きたいと思える
    ことがあり続ける事は自分にとって
    喜ばしい事ですので特にそれについて
    嘆いたりはしないのですが・・・

    取り敢えずやっぱりあと三人くらい
    身代わりが欲しいですね(爆笑)

    そうでもなければ自分が書きたいと
    思う物全て形にする暇がありませぬ;



    ・・・そんな事を言いつつも
    またまた書きかけが片付く前の
    掛け持ちを始める事にしてしまいました。


    私の執筆活動的なものってなんか
    こんなのばっかりですね。(ノД`)・゜・



    しかし書かずに居れば思い立ったものが
    端からどんどん消えて行ってしまうこの
    焦燥感、。いえ、実は書きたい話を
    これと同じようにして既に3~4つは
    パァにしてしまっているので今回のように
    まだ書き始められただけで私にとっては
    幸いというか何というか・・・・

    ゲフン!(`・ω・´)下らぬ前書きは
    これくらいにして・・できるだけ
    簡易的に以下、注意点、です。



    ・以前書かせて貰いました

     サシャ×アルミン モノの続きで・・・


    物凄く簡略化して言いますと
    天才悪魔ことアルミンと、芋娘ことサシャの二人が
    紆余曲折を経てホニャララな関係になってしまいました、、、

    というお話の続きであり、


     

    ―RUN!RUN!RUN!―


    http://www.ssnote.net/archives/19842

    からつづくお話となります。


    (さらに上記のお話は遡れば

     ‐サシャ・ブラウスの生態- 

    http://www.ssnote.net/archives/19197

     の続きとなっております。
     ややこしくてすみません。)

    したがってコレやその前のものを
    ご覧になられていない方には
    なんのこっちゃ、って感じの
    お話になると思います。

    何か色々スミマセン。ですがいつか
    コレの続きを・・!と思って居ましたので
    やっと着手できる踏ん切りが付きました。



    ・強烈且つ稚拙な性描写が恐らく
     高確率で挿し込まれます
     ・・ので、嘔吐したくない方は
     お気を付け下さい・・・


    ・上記に伴い、強いキャラ崩壊要素も
     あると思います。これについては
     まあ・・今更ですね。


    ・お話を紡ぐ上での矛盾点、色々
     あると思います。


    ・話の性質からして殆ど心配ないですが、
     とりあえず原作全巻読んでいれば
     ネタバレの心配はないかもしれません。

     (とは言っても当然書いてる人間は
     原作全巻の予備知識は持っています。
     したがって無意識下のリークは充分
     有り得ますので基本有で考えて下さい)



    ・たまに唐突にメタなネタを
     挟む事があります。


    ・お惚気全開!!とにかくサシャと
     アルミンが莫迦夫婦宜しく惚気ます。

     その辺り苦手な方も嘔吐が
     危ぶまれる為、気をつけられたし、
     です;


    ・改行スペースが見ての通り携帯幅
     ですので見て居て苦痛かもです



    ・基本コメント大歓迎ですが、
     方針もありますので頂けた場合
     返信を致しました後に一定時間後
     非表示にさせて頂くと思いますが。
     何とぞご了承くださいませm(__)m


     何かありましたら、下記にでも是非↓


    http://www.ssnote.net/groups/541/archives/3
  2. 2 : : 2015/08/16(日) 05:08:38










    ==============








     ・・・厳密に言えばそれはあまり
     適当な言い方ではない。





     今回の事象を正しく認識するなら
    “それ”が始まっていたのはこれよりも
     3週間程前のことである訳だし・・・・



     ・・そして事が此処に至るまでに
     僕が“彼女”と行った事を考えれば
     こういった事態に突入する可能性が
     あるのは至極もっともな事では
     あったんだけれど・・・・




     ともかく。




     始まりは…サシャのこの一言であった。








    「アルミン・・・私・・・本当におめでたに
     なってしまったかもしれないです・・・」














    アルミン「   ―――――っ」







    ガシャァァンッ!!!!  カラカラッ...カコン!






     僕の片耳に緊張混じりなサシャの声で
     耳打ちされたのは以上の一言。




    ユミル「うわッ!!何だよオイッ!!!?」
        ババッ!!



     僕の右隣にサシャ、そして
     左隣にユミルが居る今のこの状況は・・・
     訓練兵団宿舎の一棟、食堂の配膳台に
     順に並んでいる最中の事である。




    クリスタ「ちょっ・・大丈夫!?
       えっと・・・布巾!!誰か布巾ある!?」




     サシャの発言から受けたあまりの
     衝撃に一瞬無言の間を空けて固まった
     僕は・・・明日の過酷な訓練を無事
     生き抜くために必要不可欠な
     熱量源ともいえる夕食を盆ごと
     取り落としてしまう。



    アルミン「・・・・・・・ ・・・・・・、、」




     言葉の意味は当然すぐに理解できた筈。

     しかしその意味をもう一回頭の中で
     租借する段になって・・・僕の全身と
     意識は石のように固まってしまった。




    サシャ「(ちょッ・・アルミン!?私の言葉の意味が
        上手く伝わらなかったですか?!

        ええと・・・!その!!私その!!、

        此間のアルミンとの「アレ」で
        赤ちゃん出来ちゃったみたい
        なんですけど・・!!!?(小声))」
     
     


     一瞬茫然自失に陥って固まる僕に
     言葉の意味が今一上手く通じなかった
     為と誤認したのか、更にストレートな
     追い討ちの言葉を耳打ちしながら

     足元に散らばってしまった食器と
     シチューの具、そしてパンを
     同じように床に転落した僕の
     お盆に拾い集めるサシャ。




    アルミン「(ィッ・・意味ならちゃんと
      “おめでた”で通じてるよ!!!
      それよりもサシャっ・・・!!それって
      ・・・それって・・・、、・・・・!!?(小声))」




     ようやく頭と体を再稼動させる
     余裕を取り戻した僕の目に、一つの
     大きな違和感がとまる。




    サシャ「・・・・・?;」






     漠然としてはいるが到底見過ごす事が
     出来ないその違和感は…僕と一緒に
     なって落ちたシチューの具を必死に
     拾い集めるサシャから感じられる物だ



  3. 3 : : 2015/08/16(日) 05:09:51


    クリスタ「はっ・・・・はいはい、!!
       布巾持ってきたよ!!大丈夫
       アルミン・・・・!?

       あぁっ・・・シチューは全部駄目
       になっちゃったね・・・。(フキフキ)

       (…でも、私今日あんまり入らない
       から…半分あげるよ!;(小声))」
       ヒソヒソ




    ユミル「・・・・おい、女神様よ。
       こんな言い方はアレかも
       しんねーけど・・・そりゃそいつが
       ひとりでにやらかした粗相だろ?

       何でお前が自分の分をそいつに
       ペイしてやんなきゃならねえ
       流れになるんだ?そんなんだから
       いつまでたってもお前、背が
       伸びねぇんだよ。
       サシャ(イモ)を見ろよ。
       張り切った食い意地のお陰で
       背だってガタイだってそこそこ・・」





    サシャ「よかった・・・パァンだけは
       無事みたいですね。

       はい。」




    アルミン「・・・・・・・・・・?」




     床に散らばった僕のシチューの具を
     早々とお盆に全て回収したサシャは、
     そう言って僕にそのお盆と自分の
     お盆に載せられていたシチューの椀を
     差し出してくる。

     その行動の意味が全く理解できない(、、、、、、、、)僕は
     暫し疑問符を頭上に浮かべてサシャの
     顔を覗き込んでしまっていたが・・







    サシャ「私・・・ちょっと今日、食欲
       ありません。丁度いいので
       このシチューはアルミンが
       美味しく頂いて貰えませんか?」





     その一言に・・・場の空気が
     一瞬にして凍り付き・・・・




    全「    !!!??    」



     ――直後、まるで焼石の床に
     その氷塊が投じられたかのように・・
     一気にして爆ぜ上がった。






        ざわッ.....!!!!!




     サシャのその一言が耳に届いていた
     周囲の者達を発信地点として瞬く間に
     広がっていく戦慄の波紋。・・そして
     夫々の動揺が入り混じるどよめき。







    ライナー「おい!!!誰か!!!担架だ!!!
        担架を急いでもってこい!!!

        ・・・・・大丈夫か..サシャ!!!
        自力で立てるか!!?」ババッ!!




     配膳係の持ち場を離脱し、
     脱ぎ捨てた三角巾を放り投げて
     慌ててサシャの背中をさすりに来る
     ライナー。

     その目には一切冗談の色なんて無く、
     戦闘中に重症を負った兵士に
     意識を強く持つように訴えかける
     衛生兵のような緊迫感を全身に
     纏わせていた・・・。
     



    サシャ「失礼ですね!?ちゃんとこうして
        二本のあんよで立ってるじゃ
        ないですか!!!なんですか
        いきなり!!!?」ムカァ!!




    コニー「やべえ…!!食中毒じゃねえのか?!
       もしそうならサシャがやられる程の
       ヤバい雑菌(ヤツ)かもしれねえぞ・・!!?

       この食事全部廃棄処分に
       した方がいいんじゃ・・・!;」
       ゾゾッ・・・・




    サシャ「まだ今日の夕食分は口すら
       付けてないんですから
       そんな訳ないじゃ無いですか!!

       どうしたんですか!皆一丸となって
       ・・・何か言う事が変ですよ!!?
       寄ってたかって私をバカにして
       そんなに楽しいですか?!」
       





    ジャン「おい・・・まだ芋女が飯を摘み食い
       してねえって・・・本当にこの飯
       大丈夫なのか・・・?!なんか毒でも
       入ってるんじゃ・・・・・」タジ...;







  4. 4 : : 2015/08/16(日) 05:13:42








    アルミン「・・・・・・・・・!!!!!」ザワッ・・・




     念の為言うけれど・・・・周囲の
     皆の意識はいたって正常で・・・この
     サシャに対する反応も全くおかしな
     物ではない。明らかにその心身に
     看過できない重篤な変調をきたして
     いるのは・・・他でもない、目の前の
     サシャ自身である筈なんだ。
       
       


    サシャ「・・・・全くもう・・・皆して
        一体何事ですか・・・」ブチブチ・・




     まず・・・サシャが他人に自分の
     取り分である食べ物を分け与えた
     なんて前例は・・・入団式のあの日

     彼女が教官に対して渋々行った
     只一度の分配以外無かった事。

     ・・・なのでどう考えてもそれは
     あり得ない話である・・・ばかりか、
     普段のサシャなら、今しがた床に
     零した僕のシチューの具なんて、
     その場で手掴みで拾い上げた後
     何の躊躇も無く自らの口に詰め込みに
     行くのが当然なんだ。



     ・・・それを…!床に落ちて廃棄しようと
     する食べ物を見逃すだけでなく
     自分のシチューを他人に丸々無条件で
     譲渡するなんて・・・






    アルミン「(・・・・正気の沙汰じゃない・・・!!)」
       ゴクッ・・・
     



    ガシッ




    サシャ「・・・・・?ちょっと、アルミン?;」




     サシャの肩を掴んで真正面から顔を
     凝視する僕。自分でも分かるくらい
     この両手は今も震え上がっている。




    アルミン「皆の言う通りだよ・・・!
      サシャ、キミ本当に大丈夫・・??!

      キミが食べ物を前にして食欲を
      訴えないなんて・・・そんなの、
      巨人が人間を目の前にして
      何もしてこないような物だよ・・!

      それは皆焦って心配にもなるよ・・!」
      オロオロオロ・・・・!




    サシャ「ぁあ・・・!アルミンまで!!?

        何でですか!!確かにちょっと
        珍しい、くらいに言われる事は
        覚悟してましたけど、そんなに
        私が夕食を口にしたがらない
        事実はいけない事なんですか!」





    アルミン「いけないとかそういう事じゃ
       無いんだ・・・!!ただ・・・!」





  5. 5 : : 2015/08/16(日) 05:14:08






    ・・・ギィィ・・・・・・.....!!!






    .....ォォオオオオ・・・・・・





    全「!!!!!!!」





     その時、不意に中途半端に開かれた
     食堂の扉から吹きすさぶ漆黒の闇。





    キース「貴様等・・・流石に今回は単発の
       放屁では説明のつかない
       騒がしさがあった気がするのだが
       …納得の行く説明をして貰おうか」



    最初にウォールマリアが破られたその日、


    初めてその突破口から顔をのぞかせた
    巨人と目が合った人は・・きっとこんな
    心境だったのではないかと
    体感できる位の怖気が・・・サシャの異変に
    慄く僕達訓練兵全員を襲った。






    ミカサ「食欲が無いと訴えるサシャを
        皆で医務室に担ぎ込もうと
        していた際に起こった喧騒です」
        (挙手)




     その凍りついたどよめきの中、
     比類ないほどに強靭な精神力を持つ
     一人・・すなわちミカサが、至って
     冷静にありのままの事実を告げる。
     


     ・・・・しかしそれに対して・・・・






    キース「なん・・・・・だと・・・・?!」ザワッ・・




     驚きにその双眸を見開き、
     同時に訝しげにサシャを睨む教官。
     教官のこんな顔、初めて・・いや、

     芋を毟り渡された時以来な気がする。





    ガチャ・・・ッ  カッ  カッ カッ




    キース「それは聞いて捨て置く訳にも
       行かぬ問題だ・・・・!そいつが
       つまみ食いして腹を壊すとなれば
       ・・・・・ 

       明らかに食中毒の疑いが強い・・!
       今日の配膳分全て家畜の餌として
       処理し・・・一先ず今晩の食料には
       備蓄の干し肉と固形食糧を充てよ」
       スンスン・・・・



    ライナー

    コニー  「はッ!!!!」ドンッ
         (心臓を捧げよ!!)
    ベルトルト





    キース「・・・腐敗匂等はこれといって
       感じないが・・・・・ムゥ・・・、、

       おい貴様等!!ブラウス以外、
       このシチューを口にした者は
       本当に居ないだろうな!!!」





    アルミン「ぃっ・・・お、!!居りません!!」ドンッ!
       (心臓を捧げよ!!)





    サシャ「はっ・・・・・・はわ・・??!
        あわわわ・・・・・・!!!」
        ヘナヘナヘナ・・・・↓↓



     急ぎ足で食堂中ほどへと歩を進め、
     シチューを中心にその匂いを
     嗅ぎ取りつつ、眉をひそめる教官。
     その挙動に一切ふざけている様子など
     なく、事実貴重な食料を、たとえ一食分
     とはいえ訓練兵全員分をまかなえる量、

     躊躇無く事実上の廃棄処分に処す
     決断を下す教官。


     これには流石にサシャも只ならぬ
     雰囲気を感じ取らざるを得ない程に
     追い詰められ・・、自らの迂闊な一言が

     全訓練兵分の夕食が納屋行きと
     なった事に強い怖れを感じたのか、

     堪らずその場に屈み込んでしまう。



  6. 6 : : 2015/08/16(日) 05:21:26





    ユミル「おいッ!!芋!吐くのか!!??
        少しでイイから堪えろ!!!!

        ッ・・、誰かバケツ持って来い!!!!」
        ビッ!!



     
    クリスタ「辛かったら無理しちゃ駄目だよ!!
       ユミル!!サシャをとりあえず
       表に運ぼう!!?」グイッ




    キース「此処で吐かせれば二次感染の
       恐れがある!!!急いで運び出せ!!

       三角巾を持っている者は
       口に巻け!負傷者介抱の際の
       手順通りに接するように!!!

       吐寫物に直接触れる事は勿論
       飛沫からでも充分二次感染に
       繋がる!!細心の注意をもって
       介抱にあたれ!!いいなッ!!!?」



     ・・・サシャが食欲不振を訴えた直後から
     緊迫感そのものはあったけれど、
     教官の存在によってその場は充分
     一つの異常事態の只中に叩き落され、
     皆騒然となった。





    ―医務室―






    アルミン「・・・・・・・・」





    サシャ「あ・・・・あはは・・・なんかその・・・
       もう私なんて言えばいいのか・・」
       ムクッ・・・




     食堂で蹲ったサシャが本格的に腹痛に
     悶えている食中毒患者であると
     誤認した教官に指示され、傍に居た
     クリスタとユミルに運び出されたサシャは
     真っ直ぐにこの医務室へ担ぎ込まれた。


     彼女の近場に居た僕も
     その移送係に自然に同伴し・・・




     そして今に至る。






    サシャ「ユミルやクリスタには・・・・随分と
       心配をかけてしまいましたね;」
       (溜息)



     これはきっと二度とお目にかかれない
     貴重な光景だろう。何とあのサシャが
     食事抜きの罰走の末に辿りつく
     野外でのダウンではなく・・・
     医務室のベッドに重篤人として
     横たわっている光景だなんて。

     まあ、勿論実際の所そこまで
     サシャ自身が体調を崩している訳では
     無いんだけど。



    アルミン「全くだよ・・;クリスタはともかく・・・
       あのユミルが本気で君に肩を貸しに
       行くなんて・・・僕でも初めて見る
       光景だった。君がここに
       担ぎこまれてからもずっと
       心配して声を掛けてくれてたし・・
       
       でもやっとこうして二人きりに
       なれたね・・・・:」







    サシャ「ええ。それこそ本来私が
        今日アルミンにしなければいけない
        話だったのですが・・・」




     そう・・、食中毒騒動の一色で
     騒然とする食堂の中ではすっかり
     頭の片隅に追いやってしまっていた
     事実ではあるけど・・・・

     そもそもこの騒動のきっかけとなった
     サシャによる驚愕の一言。





    アルミン「・・・・その・・・・・サシャ、さっき
       君が僕に耳打ちしたあの言葉・・・」





    サシャ「・・・・・・・、ひょっとして
       アルミン・・・私が言った言葉・・
       冗談だとか思ってないでしょうね」
       ジトッ....



    アルミン「ッ・・;」



     そう言うと半月状に伏し狭めた目で
     横たわったサシャが僕を睨めつける。


  7. 7 : : 2015/08/16(日) 05:23:42





    サシャ「最初に言っておきますが、
       判定の真偽は未だともかく・・・

       私は冗談とか嘘になる事は何も
       アルミンに対して口にしていません。

       それは・・・あの日初めてあなたに
       私の全てを見てもらった時も
       同様です。確かに私言った筈です。

       ・・・日取り的にそう言う日(▪▪▪▪▪)であると」






    アルミン「確かに君はあの時・・・
       ああ言ってたけど・・・」




     思わずサシャの向けてきた視線から
     目を背け、一月程前の夜更けに
     彼女と重なったあの日の情景を
     思い出す僕。


     ・・・あの日から僕とサシャは
     周囲の目を気にしたりといった
     理由もあって実はそうした行為に
     及んでいない。それでも・・・・
     
     僕にとってあの日の情景は・・・

     サシャが初めて見せてくれた
     表情の数々は・・・。昨日の事のように
     鮮明に思い出す事が出来る。


     サシャが恥らいながらも全てを
     許してくれた事実も。そして・・・




    サシャ「…何故顔を逸らすのですか?
       ・・・・アルミン??」ンン??



     “それ”を最後まで完遂してしまえば
     おそらく戻る事のかなわない領域に
     お互いその足を踏み入れる事に
     なってしまうと・・・。意味を噛み砕いて
     しまえばそういう趣旨に該当する
     言葉を投げかけてきながらも、

     僕に最後までするべき行為の貫徹を
     催促してきた彼女の顔も。
     

     
    アルミン「、、、、、;」




     どうしても気まずい顔にはなって
     しまうけど・・・それでも当然僕には
     彼女の心境が手に取るように分かる。
     
     彼女は・・・・




    サシャ「私は・・・嬉しいですよ。
        アルミンと・・・その・・
        ・・・アレなのですから・・//」



     そう、僕が心の底でそう思って居る
     様に・・・その事実を、僕とそういった
     形で結ばれる事となったこの事実を
     彼女はきっと喜んでいる。

     それこそ・・・訓練兵として
     無事卒業できるか否か、そして
     全訓練兵の中でほんの一握り。

     たった十人の先着順にしか許されない
     兵科選択権を得られるかどうか。

     そういった事に皆が神経を尖らせて
     いるこの時期に際しても・・・ 






    アルミン「・・・いやそもそも君がさっき言った
      事だけど・・・、あれは一体
      どういう所からそうかもしれない、
      ・・・って結論に至ったんだい?

      僕としてはその根拠が聞きたいん
      だけど・・・」



     きっと彼女のこの顔は、それらの
     事柄に関する焦りや不安よりも・・・
     僕との今後をどう歩んでいくべきか・・

     きっとその事実を僕と同じように
     考えているのだろうから。

  8. 8 : : 2015/08/16(日) 05:27:53





    サシャ「そ・・・そうですよね。
       まずその辺りの説明からする
       べきですよね。状況の判断に
       秀でたアルミンにはその辺り、
       きちんと説明しないと。

       まず一つに・・・
       先程も言いましたがこの所
       食欲がすぐれません。」




     …それは大問題だ。このところ、という
     言葉が表すように・・・、その言葉が
     事実であるならサシャの身体に異変が
     起きていたのは今日が初めてでは
     無いという事になる。


     ・・・あれ以来そこまで二人きりで
     居られた機会は無かったし、
     あまり近くでサシャを見て居られる
     時間も多くは無かったけど・・・・







    サシャ「・・・ユミルやクリスタには
       不信感を募らせない様・・・
       何とかコレまで無理をして
       口の中に詰め込んで
       きましたが、きっと赤ちゃんが
       おナカの余剰スペースをしめて
       しまっているのでしょう。

       ・・・今日はついに何も食べたいと
       思えないほどに食欲も落ち込んで
       しまいました。」





     突っ込みどころその1。





    アルミン「あの・・・サシャ;座学でも
      君達女子ならギリギリ習ってると
      思うし、そうでなくても君の場合
      牛や馬の様子で解ってるよ・・ね?;

      普通なら、つい一月前とかに
      ああいう事をしたからって直ぐに
      お腹が出て来たりなんてことは・・;」





    サシャ「そッ・・それ位私だって少しは
       考えました!!しかし、ならば
       この食欲の変化はどう説明を
       つけるのですか?お腹になにか
       外へ出て行かないものがあると
       考えるなら・・・それが一番自然な
       結論だと私は思いました!」






    アルミン「それは・・・・ぅうん・・・・;」




     しかしサシャの訴えは尤もでもある。
     女性のそう言った事に関する知識は
     当然必要のない知識として、兵団の
     座学時間でも特に教えて居ないし、

     寧ろ下手に教えてそれらの盲点を
     上手く突いた上での男女関係を
     築かれてしまっては色々と問題が
     有るとでも思われているのか・・・


     図書室にもそう言った文献に関しては
     徹底して置かれていない。

     これも一種の情報統制だ。・・故に
     そういった知識に関してはこの
     僕ですらもあらゆる同期の又聞きを
     統合した結果の推測か・・・若しくは


     これまで“そういった”問題を
     起こした末に兵団を去る事になった
     女子の異変やその噂から大まかに
     予測を立てる位しか出来る事は無い。



     まず・・・・




    アルミン「どんなに早くても一月二月で
      お腹が張ってくる・・・とかは
      無いと思うんだ。大体大まかに
      見当をつけるなら、此間のあれで
      見事にサシャと僕が結ばれて
      しまったのだとすれば・・・

      多分子供が生まれるのは一年
      経たないかどうかといった
      所だと僕は考えてるけど」



  9. 9 : : 2015/08/16(日) 05:31:51



    サシャ「・・・・~~////」↘↘




     僕の目の前で起こしていた
     上体を咄嗟にベッドの布団へと
     沈めるサシャ。顔の辺りから
     くぐもった呻き声が聞こえてくる・・・




    アルミン「どッ・・!?どうしたの!?
      大丈夫かい!!?ひょっとして
      気分が・・・・・!!!」バッ





    サシャ「具合がおかしいとか
       そう言うのじゃ・・無いです!///

       ただその・・・そのっ・・・//てが・・
       てがッ・・・///てがっテぇ・・・」
       バタバタ・・・・





    アルミン「ッ・・?!手が痛むの!!?
       ちょっと待ってて!すぐ水枕を・・!」




    サシャ「っ違いますッて!!!(ガバッ)
       だから・・・その・・!アルミンの
       その、結ばれる、って言い方が・・
       なんか私・・どうしても恥ずかしく
       感じてしまったもので・・・!」
       (ダウパー語録其の壱「てがてぇ」
       ...恥ずかしい,照れ臭い,等の意..)




    アルミン「そ・・・・、そう・・・:///
       まあ、どこか痛むとかじゃ
       ないなら良かったよ・・・・」
       ホッ・・・;





    サシャ「アルミン・・・・」





    アルミン「何だい・・?」




    サシャ「あの日は半ば冗談半分であなたに
       お聞きしましたけど・・・

       ここでもう一度今度は真面目に
       聞いても良いですか?」




    アルミン「ッ・・・・////」




     そう問いかけながらも上目遣いで
     ベッドに腰掛けたサシャが
     覗き込んで来る仕草は・・・
     とてもその問いかけにNOという言葉を
     返せる余裕が持てない程に僕の心を
     貫いた。


     この顔でお願い事をされたら僕は・・
     きっと無条件降伏に次ぐ絶対服従を
     余儀なくされてしまうだろう。

     それ程の破壊力を秘めた・・・
     純粋すぎる眼差しが僕の眼下で
     煌めいていた。








    サシャ「あの・・・子供の名前はなn(ry...
    ユミル「おい芋ッ!!!具合はどうだ!!
       見舞いに蒸かしたての芋
       持ってきてやったんだ!!
       これ喰ってとっとと身体治せ!!」


    クリスタ「ユ・・ユミル;サシャは今具合悪くて
       モドしちゃいそうな位なんだから
       ・・・芋なんて喉を通らないよ・・;」
       (フー・・フー・・)カチャカチャ・・



    ドバンッ!!!!

        バタバタバタ



    アルミン「!!!????!」
       ガタッ

    サシャ「ッナァアアアアアア!!!??」
       ギャァアアアアア!!?

       ビクンッ!!!!×2




     突然の乱入者に背筋を弓なりに
     反らせて飛び跳ねてしまう僕とサシャ。


     サシャのとんでもない一言をさらに
     一刀両断する形で医務室に
     雪崩れ込んで来たのは・・・・
     
     ふかし芋を握りしめたユミル、
     それに続いて

     御粥入りの器と匙を危なっかしくも
     抱え、頬を朱に染めながら
     自らの吐息で粗熱を冷まそうと
     しているクリスタだった。
  10. 10 : : 2015/08/16(日) 05:34:59



    アルミン「ッ・・?!・・・!?!」
       ドッキン・・ドッキン・・ 



     きっとサシャの衝撃的な
     一言の全容を聞きとられては
     居ないと思うけど、これは中々に
     心臓に悪い。



    サシャ「ハッ・・・はうぁ・・・・!!」
       (;゚Д゚)ガタガタガタ・・・!!



     一方完全に今の問いかけを
     ユミルやクリスタに聞かれて
     しまった物と思い込み、止め処なく
     滲み出るその脂汗と震えを
     隠し通せる余裕も無いサシャ。

     ・・・・これではうまくごまかせる物も
     思うように行かなくなってしまう。



    アルミン「・・・・・ッ!;」



     クリスタ・・・そしてユミル。
     サシャのルームメイトである
     この二人だが・・・冷静に考えるなら
     僕なんかより、そして座学の成績から
     考えても、もし本格的にサシャが
     おめでたという事になっているなら

     サシャ本人よりも寧ろこの二人の方が
     先に異変を察知するはずだ。


     恐らく高確率でそうならなかったから
     今こうして僕とサシャの間で
     その情報が共有される事になった
     訳だけど・・・・・・





    ユミル「ぁん・・・?どうしたお前ら。
        芋ばかりじゃなく・・・お前まで
        ずいぶん顔色悪いな」ズイッ・・




    クリスタ「し・・・仕方ないよ・・何だかんだ
       食堂ではみんなごたごた
       しちゃって・・・私達と一緒に
       サシャの看病に付きっきりだった
       アルミンはまだ夕食何にも口にして
       無いんだから。

       ・・・・はい、サシャはあんまり
       食欲ないみたいだしアルミンも
       良かったら御粥、少し食べる?」
       ン?



     そう言って匙に掬った御粥から
     立ち昇る蒸気の向うに微笑む女神。

     
     ・・・・結婚したい。




    アルミン「あ・・・アリガトウ・・・////」





    サシャ「・・・・・・フムゥ」ジットォォ・・・・




    アルミン「ハッΣ(;゚Д゚)!?」





    サシャ「へえ。そうですか。ハイハイ
       ・・・ふむ。」フイッ・・・




     先程までの戦慄もどこへやら、
     掌を返したかのようにヘソを
     折り曲げるサシャ。

     拗ねた顔もこれはこれで可愛い.。。

     ・・・・じゃない!;



    アルミン「・・わわっ・!!ホ、ホラ!!
      クリスタが君の分って・・・ほら!!
      折角だから食べよう??!サシャ!!」
      カチャカチャ



     むくれてソッポを向いている
     サシャに対して必死にその匙を
     差し出す僕だったが・・・そこで
     またも何か引っかかる感触が
     僕の心の中にはあった。




    アルミン「(・・・・まてよ・・・なんか・・・・
       なにかおかしい気が・・・・)」








     違和感の発端を探して最初に
     引っかかったのは・・・その器。




    アルミン「(幾らサシャだからってこれ・・
       病人に持ってくる分にしては・・
       少し量が・・・・)」ズッシリ・・・



     そう、深めの器に盛られた御粥は・・・
     どう見積もっても身体が弱っている
     者の為だけに拵えた量では無く、
     これくらいの量ならば今の僕が
     全て平らげても相応の満腹感を
     得られるであろうと推測できる。

     ・・・まあ、サシャだから、と言われれば
     これだけなら別段気に留めなかった
     のだけど・・・もう一つ気になったのは


  11. 11 : : 2015/08/16(日) 05:39:25






    アルミン「(そう言えばさっきクリスタ・・?!)」





     さっきクリスタは確かに・・・
     その匙に掬った御粥を僕の口元に
     勧めてきた。それって・・・・




    アルミン「(この状況では明らかに妙な
       事じゃないだろうか・・・)」


     仮にも食中毒の疑いを掛けられて
     こうして医務室へ担ぎ込まれた
     サシャに持ってきた食事を・・・
     この量だと二人の分を一緒に
     食べる為に持ってきたような、
     そんな感じにしかとても・・・・




    ユミル「・・・・ほらよ。粥だけで
       満足できねえなら芋でも
       崩して具にしちまえよ」ポイッ

       ポチョム
     


     ユミルが不衛生にも手掴みしていた
     ふかし芋を器中央に放り込んで来る。

     粥を四散させて沈み込む芋。
     どう見てもこのビジュアルは
     病人に出す療養食ではない。



     ・・・そして食事を受け渡す事だけ
     済ませると二人は医務室端の
     少し離れた場所にある椅子に腰かけ・・



    ユミル「・・・・・・・」ジロジロ


    クリスタ「・・・・///」ニヘニヘ




     僕とサシャの挙動を見守るようにして
     その場で落ち着きだしたではないか。
     それも訳知り顔で多くは語るまいと
     したその身振りが非常にもどかしい。


     僕の頬と心の中に、同時に滴る
     冷や汗が滑り落ちる。




    アルミン「・・・・・・・あの・・・;クリ・・
       い、いや、ユミル・・・?」






    ユミル「ぁ・・・・?何だよ。」




    アルミン「君達・・・サシャを看病しに
       来たんじゃ・・ないの?」




    クリスタ「そうだよ///」




     その問いに答えて来たのは僕が
     問いかけたユミルでは無く・・・頬を
     染め上げて此方を見つめるクリスタ。



    アルミン「・・・・・・」




    ユミル「・・・・お前・・・あれだろ」




     状況の整理と、「もしや・・・」
     と頭の片隅に過ったその最悪の
     展開に向けて心の準備をしていた
     僕の耳に・・・いつのまにか歩を
     詰めて接近してきたユミルの
     囁きが沁み渡った。

     じわじわと・・・まるで心を溶かし、
     蝕んでいく猛毒か強酸のような
     不気味さをもって。

  12. 12 : : 2015/08/16(日) 05:41:06




    ユミル「芋女とお前のカンケイが誰にも
       バレてないと、本気で今の今まで
       そう思ってたんだろ・・・・?


       ・・・残念(ざぁんねん)でしたァ・・・・!
       もうとっくに知ってるっての。

       少なくとも私とクリスタは・・な」
       ニヨニヨ






    アルミン「」





     予想できてなかった訳じゃない。
     寧ろ今正にその一言を言い放たれた
     時の為に心の準備と覚悟の用意を
     してたっていうのに・・・まるでその
     心象を見透かされていたかのように
     もっとも心がガラ空きの状態で
     強烈な一撃をお見舞いしてくるユミル。


     しかしてその衝撃的な曝露は・・・




    サシャ「・・・・・・・(白目)」ガクガクガク・・



     そんな覚悟さえしていなかった
     サシャにこそ覿面の効果をもたらした。 


     ・・・・そして




    クリスタ「・・・で?あの・・・その!
       そろそろなんだよね・・?!
       二人は・・・いつからだったの?!」
       ソワソワ・・・////



    アルミン「・・・・・・・ごめん、クリスタ・・
       あのッ・・・?;」




     耳に平手を添えて、
     もう一度お願い、のジェスチャーを
     行う僕。嘘だと言ってほしい。



    ユミル「面倒くせ~なもう・・・・・
       お前らやる事とっくに済まして
       そういう関係になってんだろ?!

       陰でコソコソされるのも
       スッキリしねーからよ・・・・!
       私等の前では隠さなくていいって!

       そう言いたいんだよ」イライラ☆



    クリスタ「おッ・・・!!おめでとう二人とも!!」




    サシャ「(;゚Д゚)・・!??・・?!??」
        パクパクパク



    ユミル「・・・・で、決まってんのかよオイ」






    アルミン「・・・・何が:」





    ユミル「・・・何って…子供の名前だよ」





    サシャ
        「―――――ッッ!!!!!」
    アルミン    





    医務室を擁する一棟の宿舎が、
    僕とサシャの声なき悲鳴に・・・
    ・・・人知れず包まれた。




  13. 13 : : 2015/08/17(月) 02:34:21







    ―十数分後―







    アルミン「ね・・・根掘り葉掘り聞かれたね・・・」
      ゲンナリ・・・↓↓





    サシャ「うぅ・・・・済みませんでしたァ・・
       しっかりバレずにうまくやってる
       ものと思っていたのですが・・・」



    アルミン「うん・・・サシャには隠し事は
      無理だと思うからさ・・・そこは僕も
      攻めたりする積もりはないって。
      気にしないでよ

      ・・・・むしろ僕らの関係が全くあの
      二人に気づかれてなくて、
      このまま日数が経過してから・・・
      最悪のタイミングでそれが
      発覚してしまったら・・・僕は
      あの二人にどんな制裁を下されて
      しまうか、恐ろしくて夜も眠れない
      くらいに悩んでしまった程だから・・・

      かえってあっさりバレてて
      安心したよ。(苦笑)」
      ハハ・・・;




    サシャ「しっ・・・しかしアルミン・・・!
       私達二人のそういった関係は
       さておき…、そのっ・・・;!

       “アレ”についてまでユミル達に
       しっかり把握されてしまっていた
       というのは・・・流石に・・・!」
       アタフタ・・・




     意外な事にサシャの割と緩めな頭でも
     恋愛関係以上に肉体関係の有無が
     割れてしまっているのは問題である、
     と認識できているらしい。

     まあ、あの二人の態度を見る限り
     至ってこちらに協力的ではあるので
     それについてはそこまで心配する
     こともないと思うんだけど・・・





    アルミン「いや・・・でもそれについては
      困ることばかりでも無く、ユミルや
      クリスタを通じてサシャ本人にも
      正確に把握できてない情報を
      得られた訳だから・・・思わぬ収穫には
      なったよ・・・・?」




    サシャ「その異変に関しては私だって
       自分で真っ先に気づいて
       ましたよ!もともとあれが
       始まるとどうにも食欲が
       落ち込むといいますか・・・少々
       鬱屈な方向へと物事を考え
       がちになってしまうのですが・・・

       ここのところ明らかにその
       周期の到来が遅れていましたから」





    アルミン「・・・・でも、その周期の
      細かい刻み方とか・・・細かい見方を
      した上での日取りはサシャより
      クリスタやユミルの達の方が詳しく
      分かってたじゃないか」ジロッ





    サシャ「・・・・ゥッ・・・それは・・・まぁ。」
       シブシブ





    アルミン「・・・・・・・」




     当然の事ではあるが僕ら男子には
     完全に謎のベールに包まれており、
     更に男女間のそうした営みすら
     全面的に禁止されている以上
     それについて知る機会など殆ど
     無いとされる、所謂“生理周期”


     蛇の生き血を啜る際にもサシャが
     ちらっと触れていた、体外へと
     血が出て行く時・・・というのも恐らく
     これについての事だろう。
     

     行為の最中にサシャ本人が
     僕に一応前もって警告して来たように、
     あの日のサシャは正に“作る”事を
     目的とした性交を行う上では
     “一応それに適した”日取りであると
     いう事であったが・・・その辺りも
     ユミルとクリスタの供述を纏めていくに
     つれてもっと細かく把握することが
     できた。
     
     
  14. 14 : : 2015/08/17(月) 02:36:47




    ――数十分前・同医務室内にて――







    アルミン「・・・で・・、その・・・お二人は
       いつ頃から僕達のその・・・・
       
       なんて言ったらいいのかな・・・;
       か・・・関係に気づいていたの・・?」




    ユミル「質問したいのは寧ろこっち
       なんだけど・・・なァ・・・・」
       ンン? イイノカ?



     うな垂れる僕の顔を真下から
     見上げるように顎を傾けて屈み込む
     ユミル。物凄く意地の悪い顔だ。

     町にいたときは、よくこうして脅しを
     かけてくるいじめっ子がいた事を
     今になって思い出させる。



    クリスタ「ほら!!ユミル?!!そういうの
       よくない!!一応二人だって
       たった今まで私達に自分達の
       関係が知られてないと
       思ってたのに、それが全然
       隠し通せて無かった事を
       知っちゃって動揺してるんだから

       そんな二人の心境を少しは
       考えてあげなきゃ!」




    ユミル「(舌打ち)っ・・・本当に女神様は
       お優しいこって。・・・ま、いいや。

       ・・・それに触れる前によ・・・
       一ついいか?」



     ユミルの顔から意地悪なニヤけ面が
     薄れ、割と真面目な顔つきで、
     サシャというより僕に対して
     質問を投げかけてくる。



    アルミン「な・・・なんだろう・・;」
       ビクビク・・・





    ユミル「そう身構えんなってよ(ガシッ)
       
       (私達は当然この事実を部屋の
       外には一切漏らしちゃいねえ
       訳だが・・・

       当然お前らの事について
       知ってるのが私達だけじゃない…
       ってぇのは、流石に察しのいい
       テメーなら・・・気がついてるよな?
       (小声))」ンン?



     僕の首に腕を回し、顔を近づけた上で
     僕にだけ聞こえるように
     耳打ちしてくるユミル。

     その心は下手にサシャにこの言葉の
     意味を理解させて無駄な動揺を
     誘わないように・・というユミルなりの
     気配りの表れか。(若しくはクリスタの
     お叱りを受けない為の配慮か。)

     意外とこういうところから察するに、
     ユミルにもクリスタ以外の友達に
     気配りができる優しさがほんの少し
     くらいなら備わっているらしい。

     ・・・あとどうでもいいけど肩に胸が
     当たっている。



    アルミン「(・・・・教官でしょ・・・?君達の
       他に気づいてる人がいるとしたら
       ・・・・って話なら。


       きっと君達が僕らの関係に
       気がついてたって言うのは・・・
       あの日の罰走を受ける時に
       サシャがしてきたキスを目撃
       されたのが決定打になってると
       予測してるけど・・・

       教官にはもう既にあの日しっかり
       バレちゃってたよ。

       二度とするなって釘を刺された。
       正直に全て白状するけど僕と
       サシャが“そういう事”に
       及んだのは・・後にも先にも
       あの日の未明だけだからね。

       クリスタにもそう伝えてもらえると
       助かるんだけど・・(小声))」



    ピタッ・・・・



     ここまで正直に洗いざらい事実を
     吐露した僕に肩を回したユミルは・・・
     一瞬その身を強張らせた。
  15. 15 : : 2015/08/17(月) 02:39:32


    ユミル「・・・・マジで?」



    アルミン「・・・・・?;」




     何か僕の供述に自らの予測から
     大きく逸脱した予想外の展開が
     発覚したのか、若干緊張した声で
     声を潜めることすら忘れて
     問いかけてくるユミル。

     ・・・肩にかかる荷重の増加に伴い、
     ユミルの胸が更にのめりこんでくる。
     そろそろいろいろな意味で
     離してほしい。これで僕がまた
     サシャ以外の女子にそういった
     意識を向けていると思われて
     しまったら、本格的にサシャからは
     浮気者認定を喰らってしまいかねない。

     僕はあの日にサシャ一筋で
     生きていくと決めたんだ。




    アルミン「何も嘘は言ってないけど・・・」




    ユミル「・・・・・まあ待て、ちょっと
        タンマな。少し嫁と話してくる」
        パッ・・・




     やっとユミルの腕から解放される僕。
     ユミルが何やらクリスタとヒソヒソ話を
     しにいっている隙に、サシャが
     こちらに心配そうな顔をして
     寄って来る。



    サシャ「な・・・なにを聞かれたのですか
       アルミン・・・??;」ソワソワ・・・



     まあ、せっかくユミルが声量を抑える
     配慮までしてくれたのだし、ここで
     いらない情報まで丸々サシャの耳に
     入れるのは好ましいことではない。




    アルミン「僕らがどの段階で君と仲良く
      なってたのか・・・大体のことを
      教えてくれってさ。もうほとんど
      二人にはバレてるみたいだし、

      クリスタはともかくユミルに関しては
      下手に隠しても逆効果だと思った
      から・・・正直に教えたよ。

      僕達がそういう関係を持ったの
      だって・・・結局はあの日だけだしね?」




    サシャ「ま・・・まあそれは仰る通り・・
       ですけど・・・;あ!?

       アルミン!!??まさかとは思いますが
       例の干肉密造計画についてユミルに
       情報を横流ししたり・・なんて事は
       してないでしょうね!!?」ガシッ!!



     瞬時に滝のような汗を滲ませて
     神に縋るかのように僕の両手を
     握りこむサシャ。

     現在は食欲が落ち込んでいるという
     ことだけれど・・こういう備蓄食料に
     向けられる危機感はまだ普通に
     残っているようで、いつもの
     サシャの片鱗を覗く事ができた僕は
     少し笑みを零して安心してしまった。



    アルミン「まさか(笑)キミとの約束だろ。

      …それに山でヒグマに襲われる
      一歩手前まで追い込まれたり、
      蜂の一刺しをお見舞いされたり
      なんていう途轍もない苦心の末に
      ようやく二人で手に入れた成果
      じゃないか。・・心配しなくても
      その分け前をサシャ以外の人に
      譲ろうなんて言わないよ」クスクス




    サシャ「(ホッ・・・)」




     僕の返答に心底安心したという様子で
     自らの胸を撫で下ろすサシャ。


  16. 16 : : 2015/08/17(月) 02:42:02





    アルミン「早くおいしい干し肉が
      できるといいね。」ニッ



    サシャ「ぁ、ぇえ・・・・///」




     と、ちょっといい感じの雰囲気に
     なったかな、という僕達二人の元に、
     もう一度とばかりに話し合いを終えた
     ユミルが寄ってくる。もう少し
     そっとしておいてほしかった。



    ユミル「疑うわけじゃねーけど・・・

       本当の本当か??マジで・・・・
       あの日だけ???」



    クリスタ「あの・・・サシャが夜中に着替えて
       部屋を抜け出したあの日が・・?
       初めて・・・??;」ダラダラ・・





    サシャ「そこまでバレてたんですか??!!」



    ユミル「バレバレだっつの。
       調整日に馬を二頭借り出して
       ほうほうのていで帰ってきたかと
       思えば・・・・帰ってくるなり
       すぐさま私達を置き去りにして
       やたら時間かけて念入りな
       水浴びをしてやがるから・・・

       寝床をガサ入れしてみたら
       案の定布団の下に余所行きを
       丁寧にたたんで隠しやがって。

       どんなアホでも夜中に逢引き
       しに行くって想像がつくぜ」



    サシャ「あわぁぁぁぁ・・・////;」
        ガタガタガタガタ・・・



     正に、穴があったら入りたい、と
     その目が物語っているようだ。
     サシャの顔面は見る見るうちに
     食べごろを迎えた野苺のように
     赤くなっていく。




    クリスタ「う・・・・うん;あのね、
       水浴びや着替えはともかく・・・

       あの日のサシャ、自分では
       気づいてなかったのかも
       しれないけど・・・その...//
      
       すっごく可愛かったから・・ね。
       服装とかそういうのじゃなくて・・
       今まで見せもしなかった、
       “恋する女子”って感じが
       本当滲み出てたものだから・・・

       流石に私でも今日のサシャは
       なにか違う・・・ってすぐに
       気がついたな・・・・//」



    ユミル「メスの匂いを辺りかまわず
       プンプン撒き散らしやがって
       この芋女め!!!wそんでやっぱり
       あの後ムッツリ君と
       朝までコースですか。」





    サシャ「(/////プルプル......)」




     あまりの恥ずかしさに震えを
     抑えきれず、悶死寸前のサシャ...。





    ユミル「・・・しかし予想外と想定通り、
        こりゃ同一判定だな。

        ・・・どうする?クリスタ。」




    クリスタ「ぅうん・・・・、どうするって
      言われても・・・。

      でも、良いんじゃないかな??

      思ったより進んでなかったのは寧ろ。


      もしこれで10週目過ぎる
      頃だったら・・・・(ヒソヒソ)」

    ユミル「いや、そんな吐いてなかったし
       それは最初から違うって
       分かってたんじゃね(ヒソヒソ)」


    クリスタ「でも・・・3だと今度は
       少し早すぎない?(ヒソヒソ)」


    ユミル「んなこと知らねーよ。
        芋女の体内構造だぞ。寧ろ
        私らと同じだと思わない方が
        すんなり解決するだろ(ヒソヒソ)」




     何やら二人して審議を行っている
     真っ最中のようである。
     会話の内容を断片的に聞き取って
     みるには・・・恐らくサシャの身体的な
     コンディションについてのあれこれを
     議論しているのだろう。

     つまり僕のはっきりとした供述が
     得られる今日この瞬間まで、僕達の
     関係の詳細に関してはユミルも
     クリスタも知ってはいなかったと
     言う事になる。・・・まあ当然といえば
     当然の話だけど。
  17. 19 : : 2015/08/17(月) 23:49:20




    アルミン「えっ・・・と・・・二人して
      いろいろお話してるところ
      悪いんだけど・・・つまりどういう
      感じなのかな?君達二人は・・

      サシャの体調に関して何か
      本人以上に詳しく知ってそうな・・
      そんな印象をどうしても
      受けるんだけど・・・」




    ユミル「・・・・・」

    クリスタ「・・・・・」




     無言で互いの目を合わせた
     二人だったけど・・・元より僕に
     説明をするつもりはあったようで、

     先に口を開いたユミルがこう言った。




    ユミル「確か・・・お前には情報提供って
       形で・・前に一回世話に
       なってるよな。・・・例のアホ共が
       つけたしょうも無い知恵で・・・
       うちの食い気しかねえもう一匹の
       アホを買収してた・・・
       例の干し肉の件についてだ」



     僕の脳裏に、サムエルとミリウスの
     顔が一瞬走馬灯のようによぎった。

     うん、一応二人とも死んでは
     いないけれど。





    サシャ「・・・干し・・・肉・・・?」ピクン





     ・・・あ。



    ユミル「あの時は助かったぜぇ・・・w
       何せ芋女は中々取引場所まで
       の尾行を許さないくらいに
       徹底した撒き方を心得て
       やがったし、

       そうなるともう男子の情報が
       無ければ奴らの取引現場を
       抑えるのは至難の業だったからな

       ・・・しかしおかげで奴らの
       宝物を潰す事ができた。

       心から礼を言うぜ(ヘッヘ・・・)」



    アルミン「ッッ。。。。!!」ブルブルッ....



     ユミルが下卑た笑みと同時に
     己の目前でわきわきと蠢かせる
     掌が意味する破壊と・・・・

     その破壊をもたらされた、
     同胞の末路をうっかり思い出し、
     そして仔細に想像してしまう僕。


     どこであると説明する必要も無い
     その箇所が思わず縮み上がる
     恐怖に襲われる。




    サシャ「ちょっと待ってください・・?!
        今干し肉がどうとか
        言いましたかユミル!???

        ・・・そしてア・・・アルミン・・・!?
        なぜあなたまでそのような
        訳知り顔でユミルの話を・・・!」
        ガタガタ・・・・



     ぁあ、、しまった・・・やっぱり流石に
     聞き流しては貰えなかったか・・・。



    クリスタ「しっ・・・仕方なかったんだよ
       サシャ・・・!私とユミルは本気で
       あなたの事を心配してたの!!

       だから・・・・・!」



    サシャ「まさか・・・そして私の大事な
       取引先の情報を横流しした
       男子の諜報員というのは・・・!
       もしや・・・・」ガタガタ・・・




    アルミン「イヤ・・・・、本当にごめんよ^^;

      僕にもそんなつもりは更々
      無かったんだ・・・ただユミルに
      聞かれたままに情報を
      流してしまっただけで・・・」




    サシャ「~~~~;」




     無言でその場に蹲るサシャだったが・・・
     つい最近製造の目処が立った
     自家製干し肉の存在感が功を
     成したのか・・・・






    サシャ「ぅう・・・・わ、分かりました・・・

        お二人はあくまで私の“身”を
        心配してくれた末にこうした
        弊害もあることを知ってて
        私の為にあえてあそこまで
        したと…そういう訳なのですね」
  18. 20 : : 2015/08/17(月) 23:52:01



     何だろう、やけにサシャにしては
     いつもより物分りが良すぎる。


     通常のサシャなら・・・食べ物、しかも
     乾燥しているとはいえ肉類に関しては
     殊更に妥協を許さないはず。

     それこそ己の身などどうでもいい、
     位に考えてもよさそうなもの。

     しかし・・・・





    サシャ「・・・・・///」




     やはり、今僕達の目の前で何か
     物思いに耽って俯くサシャは、
     いつもの彼女とは違う雰囲気を
     纏っていた。



     そう、あの日を境に僕とのあれこれが
     サシャの性知識を大きく変えたのは
     紛れも無い事実なので・・・それが
     大きく影響しているに違いない。 





    アルミン「しかしそうか・・・まさか二人は
       それで・・・・」




    クリスタ「ユミルの話だと・・・何か
       その二人の要求はサシャの
       提示条件を遥かに超えるほど
       過激になってたみたいだから・・・

       もしもその二人がサシャ相手に
       最後の一線を超えたりしても
       何も無いように・・・二人で
       サシャの周期をしっかり
       監視して記録してたんだ。」
       ゴメンネ;




    ユミル「本格的にやべえって日は
       無理に部屋に引き留めてでも
       外出を許さないようにな。」






    サシャ「・・・・な・・・なんと;//
        そ、そういえば何かお二人
        揃って頑なに私の外出を
        許してくれない日があった
        ような・・・・・」





    アルミン「・・・・普通気づくでしょ;」






    ユミル「因みに・・・お前ら二人が
        どこぞに出かけてから
        帰ってきて・・・事に及んだ
        夜に関してだけど・・・・」





    アルミン「・・・・・・(ゴクリ・・・!)」






    ユミル「超絶危険日。(笑)」
    クリスタ「かなり危ない日なんだよね☆」





    サシャ「や・・・やはり・・・!;」ダラダラ・・





    アルミン「(チ~~~ン....)」
       (呆然・・・・・・)




    アルミン「ちょっ・・・サシャ!!!?
       あの時キミ、“一応そういう日”
       って言ってたけど・・・一応とか
       そういう程度じゃ済んでない
       じゃないか!!?

       超がつけられてるよ!!!」



    サシャ「うっ・・嘘は言ってないじゃ
        無いですか!!!

        それにその可能性があると
        示唆されて・・それでも私の
        申し出に乗ってくださった
        アルミンは・・・・!」




    アルミン「っ・・・・;」





    サシャ「私と一緒で、二人が結ばれた
        証として子を欲してくれて
        いたからこそ、最後まで
        ご一緒してくれたのでは
        ないんですか?!」
        グッ・・・



     ・・・そう言い放ちながら力強く
     直向な涙目を僕に向けてくるサシャ。

     その顔は・・・ダメだ。その顔で
     迫られたら勿論僕は・・・・





    アルミン「ぅ・・・ご、ごめんよ・・・
       君の言う通りだ・・・僕も・・・・

       あの時は・・・いや、あの時
       だけでなく今でもサシャ・・・
       キミと・・・・その/////,,」ハッ..




     自分自身の本心を正直に吐露せずには
     居られない。僕も結局はサシャと同じ。

     一個の生き物として、そして
     彼女の手を引く異性として。

     彼女の事が他の何を差し置いても
     欲しいと思ったからあの日、あの時

     意を決してああしたのだという事実を
     思い出し・・・それを言葉に代えて
     彼女に謝罪を述べる。



     しかしその最中・・・
     不意に隣でまじまじと見つめる
     二つの視線に硬直する。


     言うまでも無くその二つの視線の主は






    クリスタ「(ホッコリ・・・・*)」


    ユミル「(ニヤニヤニヤ・・・・・)」



  19. 21 : : 2015/08/17(月) 23:59:19





    アルミン「あっ・・・うわっ・・・!その//!!
       これ以上はその・・・ちょっと
       人前でする話じゃないというか
       ・・・・流石の僕でも恥ずかしいと
       いうか・・・・;」ダラダラダラ・・・ 




    ユミル「はぁああ~~ん?

        何を言ってやがるんだかな
        このムッツリ君は・・・・

        まだまだお楽しみはこれから
        だっつう時に・・・」





    アルミン「ぉ・・・お楽しみって何さ;」
       ジリ・・ジリ・・・・ 







    ユミル「聞きたい事は山程あるんだ。

        まず・・・そうだな。
        ××××した時の体位とか・・」




    クリスタ「あとほら、ほら!!やっぱり
       Aは飛ばしてないのかとか!!//」
       



    ユミル「ンな事聞くまでも無いだろw
        こいつら見ろよ。たった一回で
        Dまで一撃で突破してるんだ。
        
        そんな事聞いても何も面白みが」



    クリスタ「分かってないなユミルは!!

       ・・・サシャだよ!!?
       サシャが好きになった相手と
       どんな風にこう・・・顔を
       もっていくのか・・・とか、
       すっごく気にならない?!」






    ユミル「・・・・気にならない。

        どんな姿勢でヤったのかは
        気になる。」ナァ、オシエロッテ






    クリスタ「ちょっとユミル下品!!!!!」ゴスッ
       (女神の頭突き)   





    サシャ「//////////」プスプスプス・・・・・




     これはもう限界ギリギリまで
     追い込まれてしまっているな・・・・

     もともと僕ら二人で言い合ってた
     話の内容も充分サシャ自身感極まって
     しまう程の内容だったから・・・

     もうきっとサシャも限界が近いだろう。




    アルミン「あ、あの・・・二人とも、
       サシャがあまりに恥ずかしすぎて
       もう本当に蒸発してなくなって
       しまいそうな勢いだ;

       ユミルの質問にもクリスタの
       質問にも・・サシャの体調に関して
       詳しく教えてくれたお返しに
       きちんと僕が答えるから・・・・

       少し部屋から外して話を
       しない・・・・?」ソワソワ・・



     サシャの羞恥心をこれ以上
     つつき過ぎない様にと僕なりに
     配慮したつもりだったけど・・・




    サシャ「あっ・・・・アルミン?!私をおいて
       どこかへ行ってしまうので?!?」

     


     寧ろ自分の与り知らないところで
     暴露大会を行われる事のほうが
     恥辱の極みといった様子で狼狽する
     サシャ。


     こうしてみると・・・以前の知識や
     一般常識にやや欠けたサシャとは
     打って変わって・・・今のサシャは
     まるで・・・まるで本当に・・・・

     恋に恋する乙女って感じの
     振る舞いしか見せていない・・・

     これはクリスタが浮き足立っていろいろ
     聞きたくなってしまうのも
     分からなくはない・・・;



     何よりそういった感情を振るう際
     いちいち頬まで赤らめて
     恥らい混じりに目を泳がせる彼女は・・


     食い気だけに走っていたこれまでの
     彼女と比べて凄まじいまでの
     差異(ギャップ)を生み出しており・・・・


     ストレートに言って・・・その様子は
     半端ではなく可愛いんだ。


     そもそも食い気が
     表に出すぎてみんな忘れがちでは
     在るが・・元々彼女は容姿が整っている。


     背丈も、体つきも、平静時にその身に
     纏う雰囲気も。

     それらはどこまでも女子達全員の
     平均から見て高水準で纏まっている。



     普段の行いが少々破天荒すぎて
     数々の顔芸ばかり皆の印象の中には
     色濃く残ってしまっているが・・・



     顔に至ってはハッキリ言って美人だ。


     それだけは断言できる。


     ユミルに対して一切の容赦なく
     キングオブブサイク等という酷い
     称号を投げつけるコニーでさえも・・

     サシャを指して不細工とは
     決して形容しない。


     皆本心では分かっているのだ。




    サシャ「・・・・・・・」






     ――サシャは・・・可愛い。






  20. 22 : : 2015/08/19(水) 02:50:09





    ユミル「あーー・・・いいかな?
       お二人さんよ・・?」ズイッ





    アルミン「ッぅわぁっ!!!!!」ビクーンッ!!!





    暫し考え事に俯いていた僕の顔を
    ユミルが真下から覗き込んでくる。






    クリスタ「えっと・・・つまりね、私達的には・・・」




    そうしてクリスタは簡単に・・・
    自分達の予想していたサシャの凡その
    身体的なコンディションとの実際の
    食い違い、そしてこれからどのように
    事を運ぼうと考えていたのか、
    その腹を語り始める。隣で常に
    ニヤニヤした顔を元に戻せず
    話し続けるユミルと共に。



    ・・・・今気づいたけど、ユミルの
    このニヤニヤは・・・僕達をからかう
    為だけに作っている顔ではなく、
    同室の友人に初めてできた恋人・・

    つまり僕とサシャの関係を素直に
    喜んでくれているようにすら
    見えてもくる。




    ユミル「何にやけてんだムッツリスケベ」
       ジロリ・・・・





    アルミン「いや・・・別に(笑い抑え)」




    ユミル「・・・何か知らねえけど
       イラつくな・・・その顔・・・」
       


     そう考えるとユミルにも珍しく
     平凡な女子らしい可愛さを感じる。

     どことなくクリスタとは
     別の意味で・・・ユミルは何か僕達とは
     違う人種というか、身に纏ってる
     雰囲気が違うと感じる時があったから。





    クリスタ「・・・・とにかくね!サシャが
      おめでただっていうのは私と
      ユミルの間ではもう決まりでしょ
      ってことで経過を見守るのみって
      積もりだったんだけど・・・」




    ユミル「まさかまだ本格的なつわりまで
       到達すらしてなかったとは
       思ってなかったわけだ。

       ・・・・私達の大体の予想じゃ・・・
       もう二月、三月位前には
       お前らやることやり終わって
       るんじゃねぇかって
       目方をつけてた訳だが・・・・」


       !?



    アルミン「!?い、いや、ちょっとまって!」




    ユミル「何だよ」





    アルミン「二月とかって・・・僕は正直な話・・
      そんな二人きりで一緒に居た事とか
      ・・・分り易く言ってハンナと
      フランツみたいなお付き合いを
      サシャとしてた訳じゃないよ?!

      どころか急激に僕らの仲に進展が
      あったのだってさっき僕が
      言ったように三週間前の調整日
      からだよ・・・・?」




    クリスタ「うん。」




    アルミン「その前から僕とサシャに何か
      そういう兆しがあったっていう
      その根拠は・・・・一体・・;」



    クリスタ「根拠っていうか・・・
       何だろうね。ああほら、
       結構前だけど・・・アルミン、
       私にサシャの事を聞いてきた
       事があったでしょ。」



    アルミン「・・・・あ;」




    クリスタ「あの時は私・・・私がサシャと
       同室だからそれでただ単に
       気になって聞いてきただけかと
       思ってたんだけど・・・・

       後でミカサに何となく、
       今日アルミンにこんなこと
       聞かれたんだ~って言ったら・・・

       丁度その日にミカサもあなたに
       同じ事を訊かれたって言うから」




     迂闊。



    アルミン「・・・;成る程ね・・・・」




     我ながら迂闊すぎた・・・・。
     そういえばそうだ。

     こういうところは僕自身抑えきれない
     探究心に自分でも頭を抱えてしまう
     事が時折ある。というか、やっぱり
     恐るべし、女子同士の情報共有力・・・;



     ・・・待てよ・・・ということは・・・


  21. 23 : : 2015/08/19(水) 02:52:51



    アルミン「まさか・・・僕が同じ質問を
       した人全員・・・??!」ゾクッ・・・






    ユミル「お?・・お??⊂(^ω^)⊃w」




     僕が一抹の不安に己の身を
     震わせるのを見ると、再び厭らしい
     笑みを湛えて両腕を開き、
     左右に小刻むなステップを交えて
     覗き込んでくるユミル。



     ―その身振り、少し鬱陶しい。






    クリスタ「ううん・・・ミカサの他にどれ位の
      人にそれ聞いたのか分からないけど
      ・・・・多分その心配は無いんじゃ
      ないかな。女子の間だけじゃなくて
      もし誰かと誰かが妙に仲良いね、って
      噂が立つと・・・男子との間でも
      それなりに話が回ってくるし。」




     前言撤回。・・・否、恐るべし・・・
     女神の情報収集能力。




    クリスタ「あと・・・ほら。野外往復訓練で・・
       皆が助けに来てくれたとき
       二人とも随分仲よさそうに
       微笑みあってたし
       (14巻限定版DVD参照 )」




    アルミン「(ここでまさかのメタか・・;
       いや、限定版とはいえ一応
       お話の一環ではあるしあながち
       メタではないのかな。)」







     ・・・でもそれを聞けて一応安心した・・
     この二人だけに気づかれている分には
     僕としても・・・


     そんな事を考えながらほっと
     胸を撫で下ろす僕・・・しかし




    ユミル「なあ、それもそうとさっきの
       質問の続きだけど。」





    アルミン「ぁぁ・・うん、・・・質問・・?
       いや・・・だからそれは、素直に
       答えるのも吝かじゃないけど
       できるだけサシャへの配慮とか
       そういうのも・・・」





    ユミル「違ぇよ馬鹿。もっと前のだ。」




     もっと・・・前の質問。





    ユミル「お前に聞かされた芋女との
       馴れ初め話で一旦中断されてた
       話だが・・・ほら、お前らの
       乳繰り合いを把握してる奴が・・

       私達以外に居るって事に
       気づいてるか?って話だ」






    サシャ「ちッ・・!!ちちく,,,,(ry//////」
        カァァァアア・・・





    アルミン「正直に言うとあの時はあまり
      乳繰り合っていないよ・・・;

      お互い下のほうばかり気になって
      たから・・・。でも次があるなら
      そうしてみたいかもね。サシャって
      けっこう胸もあるみたいだし」



     ムッツリと言われるのは僕も
     心外なのでこの際どんどん自分を
     前面に押し出していこうと思う。

     その末に二人にどう思われようと
     気にしない。寧ろそうしたほうが
     僕のサシャに対する気持ちは
     目の前の二人には細かく伝わると・・

     そう思えるから。



     


    サシャ「細かく言うことないです
        アルミン!!!!!!」ギャァアア//!!
        ガバッ!!




    ユミル「芋な、向かって右の先っぽが
       異様に弱いぞ。攻めるなら
       そっちを重点的に...
    アルミン「・・・・成る程そういう情報は
       正直助かるよ..ユミル・・」ニヤァ・・
       (あの顔)





    サシャ「あんまり私が居る前で
       そういったお下劣な会話を
       楽しまないでください!!!///

       あとアルミン!!その顔やめてって
       言ったじゃないですか(泣)!!
       
       次やったら嫌いに
       なっちゃいますよ!!!」
       



    アルミン「ゴメンよ(苦笑)、ついつい君の事で
       面白おかしく話せる相手が
       いるのが楽しくって。」

     


     サシャの意外な羞恥基準がどんどん
     明らかになっていく。僕としても
     彼女の知られざる側面が知れると
     いうのなら、これ程喜ばしい事は無い。
     


  22. 24 : : 2015/08/19(水) 02:57:00



    ユミル「なんだよ芋女、お前そんだけ
       元気あるなら芋くらい食えよ。

       食欲無いのは分かるがよ・・
       食うもん食わなきゃ力つかねーぞ」



    サシャ「ぅぅう・・・分かってますよ
        それくらい・・・でもこればかりは
        なんとも・・・」




    アルミン「・・・それでユミル・・?
       その話がどうかしたの?

       僕が言ったように・・・教官が
       それに気づいているのは僕だって
       知ってるけど・・・」



    サシャ「え・・?あれ、えっと・・?」



     何かに気づいたように顎に手を
     添えるサシャだが・・・きっと彼女の
     理解力は僕達の3歩手前で停滞してる
     事だろうと容易に推測できるので
     今は申し訳ないけどユミルとの話を
     先決にさせてもらう。

     何せサシャは此間の様子では
     僕達に本気で芋泥棒の濡れ衣が
     着せられたままだと思い込んでいる。

     アレが第三者による偽装工作であって、
     しかもそれすら教官は見抜いた上で
     僕達を無罪放免同然の処分で見逃して
     くれたというのに。


     ・・・そしておそらく今ユミルが
     僕に言いたいのはきっと・・・



    ユミル「教官だけじゃねえだろ・・・?
       あの時お前達を庇おうとしてた
       お人よしはよ・・・?」



    アルミン「・・・・意外だな。ユミル・・・君も
       気づいてたんだ。・・・いや、
       僕も正直言うと本人に確認を
       とっては居ないからあくまで
       推測に過ぎないけれど・・・」


     その、僕らがまるで芋を盗み出した
     かのような状況を作り出した第三者。



    ユミル「・・・まあお前がそれを
       把握できてるなら別に良いや。

       クリスタがさっき話したように・・・
       ミカサ(あいつ)はそれ以前からクリスタ同様に
       お前が芋に向けてる気持ちを
       知ってるものと思ったほうがいい」



    アルミン「まあそれについては・・・今更
      焦ったりはしないかなぁ・・・」



     ミカサとの付き合いの長さは
     言うまでもない。あの時もすぐに
     何の疑いもなく夜間の教官巡視から
     僕らの発見を遠ざけてくれた協力者が
     ミカサであると確信していた。


     ――すっかり忘れていたけど
     僕はまだそれについてミカサに
     きちんとお礼を言ってない。

     
     ・・・後でサシャとの間柄を報告する
     ついでにちゃんと頭を下げたいな。



    サシャ「・・??!・・・・?ちょと待って下さい?!
       ユミル達はもしかしてあの日・・・!

       私とアルミンが芋泥棒の嫌疑を
       かけられて無実の罰を科せられて
       居た日に・・・私達が本当は
       
       清廉潔白だと分かって
       黙ってたんですか!?」




    ユミル「(呆)・・・・おい、芋。

       嫌疑も何も・・まずお前は普段その
       罪状の筆頭に挙げられる常習犯で
       ・・・もしあの日お前らが芋泥棒で
       収まってなかったら今頃お前ら
       開拓地行きだったんだぞ・・;


       そんなことも理解できずに・・;」




     サシャが見せるあまりに鈍感な
     状況把握能力に目頭を押さえるユミル。



  23. 25 : : 2015/08/19(水) 03:00:19



    クリスタ「は・・・はは;」






    サシャ「・・??ぇ?・・ええっと」





    アルミン「(苦笑)・・・やっぱりね。

       ・・・・あのね、サシャ?簡単に
       説明するけど・・・勿論盗みも
       立派な罪だから芋を盗めば当然
       あの日教官にもらったような
       お叱りを受ける羽目になるけど・・

       もしもあの日、教官が実施した
       二度目の巡回に引っかかって
       ・・・外であんな格好でいる
       ところを見られてしまって
       いたら・・・
       
       どうなってたと思う?」




    サシャ「・・・・・!?そっ・・それは・・・!!

        すごく恥ずかしい思いを
        してたとおもいます!!!!」




    アルミン「^^;・・・それもそうなんだけど
       ・・・あの、ほら、規則にも
       あるじゃない。もし男子と女子で
       そんな間柄になって居る事が
       発覚して・・・それで行くところまで(、、、、、、、)
       行っていると判断されて
       しまったら・・・・?」





    サシャ「・・???」





     あれ・・・ここまで言ってもまだ
     首を傾げている・・・いや、しかしそれは
     さすがに彼女も理解していた筈。





    アルミン「ほら・・・、あれだよ;
       もっと分かり易く言うなら
       もし君のおなかが大きくなったり
       してしまったら・・・?」





    サシャ「訓練兵団を去ることに
        なっちゃいます!!?」
        (;゚Д゚)ガビーーーン!!






     やっと思い出してくれた;



     ここまで分かりやすい説明をして
     ようやくそこに認識が辿り着いた・・


     実際おかしなことだとは思う。
     あの日、サシャが僕に子作り的な
     意味で最後までの完走を促して
     くれた時なんかは自分でもそれを
     理解した上で、兵団を辞する事すら
     視野に入れた上で僕と・・・・・ 



    サシャ「そ、それは少し困りますね!!
       せめてお腹の赤ちゃんの分まで
       しっかり食糧を頂いてから
       でなければ・・・・!私もこの子も
       飢えて死んでしまいます?!」




     そう言いながら未だ膨らんですら
     いない下腹部をさすりながら
     言い放つサシャ。



    アルミン「・・・・;話を戻すけど・・・・
       つまりそう言う事さ。

       あの日君と僕には芋なんて
       盗んでいる暇は無かったのに
       その痕跡はその場にしっかり
       残されていて・・・・・しかも
       態々教官に声を掛けてまで、
       その後の巡回を中断させてくれた
       人がいるんだ。」






    サシャ「な・・・何という事ですか・・・!
       私はてっきり・・・!

       蒸かし芋を狙う同業者の方に
       邪魔な存在として冤罪を
       かけられたのではないかと
       内心憤慨してしまってました・・!」




     ・・・心配しなくてもそこまでして
     蒸かし芋をフラゲしたいと思う人は
     (しかも取得制限無視)サシャしか居ない。
     同業者なんていない。


  24. 26 : : 2015/08/19(水) 03:04:29





    アルミン「・・・流石に僕だってすぐ分るよ・・
      キミが生で芋に齧りつくかどうかは
      さておき・・・食べかけのものを
      捨てて立ち去るなんてこと
      するはずないから。サシャはもっと
      食べ物を大事にする。」





    サシャ「あ...アルミン・・!(歓喜)

       、、;えっと・・・、しかしそうなると
       私達はその、教官をうまく
       足止めしてくれた方に
       助けられた形になるのでは・・?!」





    アルミン「・・・・だから、僕とユミルは
      丁度今その人について話し合って
      たんだよ。・・・・まあ、
      その人って言うのも結局は
      ミカサなんだけど」




    サシャ「!!!??」ビクッ





    アルミン「そう言えばサシャ・・・あの日
       キミはたしか・・・・」




    サシャ「ぇえ・・・・;人物の特定こそ
       出来ませんでしたが・・・・それでは

       ・・・あの日、アルミンと私が
       事を終えて夜明け近くにお外で
       裸んぼになっていたあの時・・

       遠くで見て居た人影というのは…!


       ぁあッ・・・!??ああァァァア...!!!//」
       (;//ノ△ノ)ガクガクブルブル・・・・・!!




     すっかり忘れていた謎の傍観者の
     素性に心当たりが出来た途端に
     その場に蹲り、顔を更に真っ赤に
     させるサシャ。

     この恥じらいに行きつく果ては
     一体どれくらいのリアクションが
     用意されているのだろう。

     それも気になりはするけど今は・・・



    ユミル「まあ・・・大体そんなとこか

       兵団の卒業までもご存知の通り
       あと2ヶ月ちょいだ。
       もっと前からお前らが
       お盛んだったっていうなら
       ここからが最も気を抜けねえ
       所ではあった訳だが・・・・
       その心配も無くなった。」



    クリスタ「・・・・でも、そう考えると
      卒業間近になってからがきっと
      一番サシャにとっても辛い時期に
      差し掛かると思うんだ。

      だからアルミン・・・私達と
      一緒に・・・サシャの事、宜しくね」




    アルミン「・・・・///うん。有難うね二人共。

       ・・・でも本当にクリスタは
       優しいんだな・・・勿論ユミルも」




    ユミル「・・・・(フイッ)フン」




    クリスタ「当たり前じゃない。
       大事な・・・友達だもん。

       今迄同じような形で兵団を
       出て行かなきゃならなくなって
       しまった女子も結構居たけど・・

       その人達とは違ってサシャと
       アルミンの事はこうして知ることが
       できたから。二人が望んで
       そういう関係になれたんだったら

       ・・・・私は精一杯その背中を・・・
       押してあげたいなって。」

  25. 27 : : 2015/08/20(木) 02:21:07




    アルミン「・・・・・・」




     ううん・・・やはり女神。
     どう足掻いてもクリスタは女神だ





    クリスタ「ただその・・二人とも仲が良くて
       お互いをよく想い合ってるのは
       いいんだけど・・・」






    アルミン
        「?」
    サシャ 






    クリスタ「いつ誰が来るかわからない
      お外で裸っていうのは・・
      ちょっと・・///」




    サシャ「」




    クリスタ「ほら、!もしそういう気分を
      どうしてもお互い抑えられなく
      なったら・・・私達が何とか
      部屋を空けてあげるから・・・!
      せめてそういうのは部屋の中で・・・
      やろう?////;」




    アルミン「流石に勢いがあったとはいえ
       アレは自分でもどうかと
       思ったよ・・・;今度からは
       流石に外で全裸はやめるよ・・

       とはいっても結局あれも
       サシャの発案なんだけどね・・」





    クリスタ「サシャはその...;私達と結構
      しきたりの違う故郷で育ったせいも
      あるのかわからないけど、結構
      大胆な子だから・・・アルミンが
      気をつけてあげてね:」





    アルミン「う、うん・・・干し肉の交渉を
      行う際も平気であの二人に胸を
      触らせたりするくらい恥じらいが
      無かったみたいだしね・・・:」






    サシャ「ちょっとアルミン?!!
       流石に私でも外で一切何も身に
       着けないことを何とも思わない
       訳ないですよ!!

       さも私が野原を全裸で
       徘徊する事に慣れきっている
       奇特な人間だと決め付ける様な
       言い方はやめて下さい!!!」





    ユミル「・・・で、お外でマッパで二人して
       元気に寝技の練習してたんだろ。

       何だよ、後尾行ければよかったな
       あの日・・・・(舌打ち)


       ・・次やるときあったら言えよな」





    サシャ「あったとしてももう二度と
       お外ではしません!!!////」ガバッ




     そう力強く言い放つと布団の中へと
     頭部を完全に潜り込ませるサシャ。


     ・・・本当に以前の彼女とはとても
     同一人物と思えない。

     
     ・・・きっとその彼女の恥じらいを
     目覚めさせたのは他でもない
     僕なんだろうけど。


     ・・・しかしもしそうであるのなら・・・




    アルミン「はは・・・w それじゃあ・・・
      もう結構な時間だよね・・・。

      二人とも有難うね。お粥は
      サシャが食べ切れなければ
      僕が全部食べるから・・・。

      もういくらもしないうちに
      消灯時間だろうし・・・。

      サシャはここに寝ていて平気なの?」 



     ・・・それはそれで感慨深い。





    クリスタ「今晩はね。教官の許しも
       出てるから部屋まで戻らなくて
       いいって。・・・よほどサシャが
       体調を崩したことに
       驚いてるんだと思う・・・」




    アルミン「ぁあ・・・それはまあ・・・うん。
       でも・・・・・」



     そうだ、事はそう楽観視できる
     問題ではない。



     サシャ自身はこの時点で自身の
     身体に来たしている異変を訴えた上で
     食欲の減衰をも同時に主張してる
     けど・・・。


     二人の話を統合するに、未だサシャの
     経過では本当に抑えきれない
     嘔吐感などに襲われる段階にすら
     差し掛かってはいない。
  26. 28 : : 2015/08/20(木) 02:27:52



    サシャ「少しくらいなら・・・おかゆも
       入りそうなのですが・・(ジィ...)

       お腹が減らないことがこんなに
       鬱屈に感じるなんて・・・

       (溜息)どうしても考えが
       良くない方向へと向いて
       しまいます・・;」ウジウジ・・・




     ・・・つまりこの先この程度の不調は
     比較にならない程の体調不良に
     襲われるだろうサシャを・・・・



     教官の監視に引っかかる
     ことなく秘匿しなければならないと…



     これはそういうことなんだ。




     僕らの間に一晩で起こった事実を
     現場を抑えた訳でもなく、
     いとも簡単に見抜いた教官を相手に・・


     

     果たしてどこまで誤魔化しきれるのか。
     とてもじゃないけど勝算と呼べる物が
     存在するとは思えない。





     
     ・・・けれどそれでも。






    サシャ「・・・・?どうしたんですアルミン?
       折角お二人が持ってきてくれた
       食事なんですから・・もう既に
       冷め切ってしまっては居ますが、
       早く消灯時間になる前に
       二人で食べてしまいましょう?」
       ウン・・?





     ・・・僕はサシャと共に居る道を望んだ。




     勿論折角ここまで訓練兵科を
     修了したのだから、サシャが
     言うように食糧的な意味でも
     いけるところまで粘れたらそれに
     越したことは無いけれど




    アルミン「・・・そうだね。じゃあ頂こうか」




     もしあっさり教官にバレてしまった
     その末に、今まで兵団を去っていった
     同胞と同じ道を辿ることになっても。





    サシャ「いた~だきます..」パシン




     サシャだけを見送る様な真似はせず
     その時は僕も一緒に後を追う事に
     しよう。とてもじゃないけど
     サシャ一人で子供を生み育てよう
     なんて・・・故郷に帰るのだとしても
     危なっかしくて放っておけない。




    アルミン「食欲は・・・いつものキミから
      考えると相当落ち込んでるみたい
      だけど・・・大丈夫?どれくらいなら
      いけそう・・?」



     匙で掬った粥をサシャの顔へと
     近づけながら問いかける僕。



    サシャ「ぇえ、それですけど・・・・

       貴重な食糧を持ってきて頂いた
       手前食材への感謝を忘れずに
       手を合わせてはみたものの・・・

       殆ど喉を通りそうな気配が・・;」
       ヒトクチ、フタクチクライナラ,,,,




     これはひどい。相当な重症だ・・・

     

     ・・・・ではなくて。







    アルミン「・・・・そう。うん、キミがそう
      言うんだから本当に気が滅入る程の
      食欲不振なんだね・・・・

      ・・・それはそうと・・・・」タジッ...;




     振り返りつつ苦笑いをする
     僕の後ろには・・・・




    クリスタ「Σ^^;(ギク)」
       


    ユミル「・・・なんだよ」




     当然未だ退室していない二人の姿が。


     食事シーンとはいえまだまだ
     僕とサシャを二人きりには
     してくれないらしい。

     二人きりになった途端に何を
     しようと言う訳でもないけれど、
     やっぱり久しぶりに誰にも
     邪魔されずにサシャと話をして
     いたいと思ったけど・・・・







    ユミル「まあそう邪魔者扱いするなよ」
       ニ~ヤニヤ




    クリスタ「う、うん。一応・・・ね、
       ここにアルミンが看病に来てるのは
       教官も知ってるから・・・

       私達がこの場で同室してないと
       きっと教官が確認に来ると
       思うから。・・・ね;」



    アルミン「成る程・・・そうだね;教官には
      既に釘を刺されちゃってる以上
      僕もこれ以上サシャと親密に
      し過ぎるのを教官に目撃されると
      まずいって言うのはある」 





     まあ、どの道時間もそれほど
     無いから仕方ないか・・・


  27. 29 : : 2015/08/20(木) 02:30:39





    アルミン「ほら、サシャ、あ~ん....」







    サシャ「ぁ、ハイは・・・ぁっ・・・・






     僕の差し出した匙に恐る恐る
     食いつこうとする淡水魚のように、
     口腔を開け放つサシャの上気した
     顔が近づいてくる。

     
     しかしここでどうもサシャの口から
     もれ出でる吐息が妙に熱を孕んでいる
     事に気がついた。




    サシャ「っむ。」パクン




    アルミン「ごめん、サシャ、ちょっといい?」




    サシャ「??」モグモグ




     砕いた芋と粥を咀嚼するサシャの
     前髪をたくし上げて自らの額を
     重ねる僕。この行いに関しては
     殆ど慌てることなく咀嚼を続けている
     彼女の上目遣いと僕の視線が交差する。




     ・・・・やっぱりだ。






    クリスタ「(わ・・・結構自然にいった・・!//)
       あ・・・まさか・・・・?」





    ユミル「・・・・マジかよ。・・・芋だぜ?

       馬鹿と巨人は風邪ひかねえって
       言い伝えはガセだったのかよ」





    アルミン「・・・まだそうとは
      決め付けられないけど・・・相当
      熱あるよ。ひょっとしたら
      そうかもしれない。

      ・・・まあ、体調的なものだから
      僕には判断できないけど・・・

      確かにサシャなら単なる風邪、
      なんてことはなさそうだし・・・・
      これもそういった体調変化の
      一環なのかな。。。」ソッ・・・





    ユミル「・・・でもよ、もしそうだって
        事にできるなら・・・誤魔化すには
        うってつけじゃねえか?」




    クリスタ「・・・・無理だよ。。。ユミルも
       忘れた訳じゃないでしょ・・?

       今までできちゃった子達みんな・・
       最後は体調不良を訴えて医務室に
       篭ったけど結局隠し切れなかった
       もん・・・・」






    ユミル「そりゃ腹が出てきちまえば
        流石にな。・・・しかし芋と
        コイツの言う通りならそっちは
        まだセーフのはずだ。

        卒業までの期間なら・・ゲロゲロ
        モドす頃には差し掛かっちまう
        だろうが。。腹の方はギリで
        出てこないだろ」
      



    サシャ「ぅッ・・ゲロゲロって;」





    アルミン「まぁまぁ、心配な二人の気持ちも
      分かるけど・・・今は食欲の優れない
      サシャ本人が頑張って
      食べてるんだしあまり不安に
      させないであげよう・・?」ハイ・・ァ~ン





    ユミル「(舌打)ッ・・・後先考えずに
       芋を孕ませたお前が一番
       暢気してんじゃぁーねっつの!」
       ペシン!






    アルミン「ぃテっ・・・;」





    サシャ「ちょっとユミル!私の大事な
       大事なえらし旦那様に
       乱暴しないで下さい!!!」ムッ!






    ユミル「・・・・やらしいダンナ様?」
       イヤ、イチイチイワナクテモシッテル






    アルミン「ひどいよサシャッ!!!
       否定はしないけどさ!!!」
       ウワァ;





    サシャ「違っ、、;!!あの!えらしい・・
       というのは私の故郷では愛らしい、
       という意味でして・・・・!!ぇえ!」
       ヤラシイ⇒チガウ!




    アルミン「どの道ひどいや!!!」
       オンナミタイッテコトダネ!!?






    サシャ「そっ・・!そんなァ!!」
        ガーン!!!





    ユミル「どっちでも間違いじゃねえし
       この際どうだっていいんじゃ」
       (溜息)




  28. 30 : : 2015/08/20(木) 02:32:58




    サシャ「とっ・・!とにかく!!ユミル!
       乱暴はやめて下さい!私は無理矢理
       アルミンに組み伏せられた末に
       こうして居る訳ではないんです!

       寧ろ半ば強要したというか・・;
       あの時強く迫ってしまったのは・・・
       私の・・・///方ですし・・・・・」
       ジリッ・・・




    クリスタ「~~///(興味津々!)」






    ユミル「ヘいヘい・・・・」シブシブ
        


     ・・と、ここでシブシブと引き下がる
     ユミルが何か思い出したように




    ユミル「・・・・ああ、、そういえばよ」




    アルミン「・・・?」




    ユミル「なんかさっき・・・つい
       聞き流しちまってたけど・・・

       こないだの罰走の時・・・か?
       何?お前らキスとかしてたの>?」
       ニタァ・・・




    クリスタ「えっ!!!??」





    アルミン「!!?」


     今頃こんな事を聞いてきた・・・。

     しかしこのユミルの反応は
     明らかにおかしい・・。クリスタは
     どうやら本気で聞こえてなかった上に
     その場でも気づいて無かったのかも
     しれないけど・・・

     ユミルの地獄耳ならあのわずかな
     間でも僕が言ったことを聞き漏らす
     筈なんて無い・・・・つまり・・・




    ユミル「おっかしぃな~・・・私達遠ざかる
       お前ら二人をず~~っと
       見てたけどそんな様子には
       見えなかったんだけどなぁ・・・」
       



    アルミン「・・・・・・」





    ユミル「そもそもお前らさ・・・・本当に
       付き合ってる訳・・・?私達二人は
       何となく中良さそうにしてる
       お前ら二人と・・・朝帰りしてきた
       芋を見てそう結論付けた
       だけだが・・・・そういえば
       お前らがそういう関係である
       ・・・その、証っていうの?

       そういうの・・・なんか
       見せてもらって無いような気が」
       ナァ・・?メガミサマ??




     ・・・つまりこういうことか・・・。

     


    クリスタ「う・・・!///ウン!!!そうだね!!!!

       それはもう・・・!何ていうか
       ユミルの言う通りだね!!!!

       そういえば私達見てないや!!//」
       ワクワクワクワク!!!!




     女神は完全にご乱心。これは
     完全に孤立した・・・。

     最早この場に僕らへ救いの手を
     差し伸べる女神は不在だ・・・・


     ・・・・仕方が無い。


  29. 31 : : 2015/08/20(木) 02:38:36




    アルミン「ア~~... コホンッ!!!(咳払い)

       ・・・・サシャ?」
       カタッ・・・




    サシャ「???何ですか?アルミン」




     匙を盆に置き、改まった態度で
     問いかける僕をキョトンとした目で
     見上げるサシャ。


     当然サシャの状況把握能力では
     二人が何を期待して浮き足立って
     いるかまでは想像もできないだろう。


     ・・・この場においてその鈍感さは
     ・・・意を決した僕にとって好都合では
     あったけれど。




    アルミン「御免ね^^;」



    グイッ



     サシャの一つ縛りされた後ろ髪の下に
     右手を潜らせ、彼女のうなじを
     引き寄せると・・・・



    サシャ「っ?・・・っあ...


    アルミン「ッ」




     呼吸を置かずに二人が見ている前で
     一思いに顔を重ねる。




    サシャ「ッッム、、、、!!!?




     突然の不意打ちに荒くなった
     サシャの鼻息が僕の頬をくすぐる、、。







    クリスタ「(大歓喜)ぅひゃぁ・・・//!!!」




    ユミル「なぁんだよ、随分簡単に
       いっちまったなオイ・・・w

       でもこれはこれで・・・」ニヨニヨ
       ウォッ、ネチッコイ




    サシャ「ムグググ・・?!?」





     ・・・残念、折角ここまでしたのだから
     雰囲気のあるやり方に挑戦しようと
     思ったのに・・・不意を突かれた
     サシャ本人はそれ以上僕の進入を
     許してはくれなかった。


     ・・・というか、物凄い抵抗を
     受けてしまった。


     それ程までに心の準備が整って
     居なかった模様。



    アルミン「ぶはっっっ・・・」



    サシャ「ぷはぁ!!!!!」




     流石に噛み付かれはしなかったけど
     本気で気が動転したサシャなら
     やりかねないかも・・・

     ・・・そう思いながら口元を拭う僕に




    サシャ「ちょッ・・・??!?ちょっ・・・・
        ちょっっと・・?!?いきなり
        何なんですかアルミン!!??
       
        二人が見ているまん前で・・・!!
        よりによって接吻を・・?!?」



     顔を真っ赤にしてそう訴えるサシャ。
     ・・・・・・接吻て・・・・・。




    ユミル「芋、お前よ・・・一体その丁寧語は
       いつどこで習得してきたんだ??;

       仮にもお前のオツムじゃその
       言語領域だけで相当な
       場所をとっちまってる気が
       するんだけど・・・・」




    アルミン「・・・言葉遣いに関しては多分
      何いってもダメだと思うよ、
      ユミル・・・;サシャ、そこだけは
      物凄くガードが固いんだ。

      ・・・たまに慌てると口調戻るのに」




    サシャ「そっ・・そんなことありません!
       私はこれがいたって自然な
       しゃべり方ですから!!ええ!」
       



    アルミン「・・・・・・・ふむ。」



     どさくさに紛れて、且つ雰囲気の
     欠片も無い終わり方をした上に
     もううやむやな空気にされて
     しまったものの・・・・



    アルミン「(サシャとキスしてしまった//)」



     それも今度はユミルとクリスタの見ている
     目の前で。雰囲気こそ無かったけど・・
     完全に二人の僕を見る目はそれまでと
     変わっていた。

     ・・・うん、無茶をした甲斐はあった。



  30. 32 : : 2015/08/22(土) 17:39:38






    アルミン「サシャには恥ずかしがられて
      消化不良で終わっちゃったけど、
      こんな感じで?//」フタリトモ





     僕達二人の気持ちを確かめ合う
     行為というよりはユミルとクリスタの
     悪ノリに、敢えて加担した末の
     罰ゲームみたいな結果に終わって
     しまったが・・・

     不思議な気持ちではあるけど
     何か、こんな風に弄られるのも
     悪い気はしない。サシャと一緒なら
     それすらもまた、楽しめる。






    クリスタ「ぅ。・・うん、サシャも別に
       嫌がってる感じじゃないし、
       これなら、まあ、合格かな!;」
       




     どうやら一応女神の御眼鏡には
     適った様子。

     ・・本当に良かった(安堵)・・何せ
     ここでアウト判定が出て居たら
     僕自身がこの場でミリウスとサムエルの
     後を追う3人目になっていたかも
     しれないんだ。




    ユミル「押しが足りねえんだよな。
       あの位の抵抗で引き下がってちゃ
       男じゃねえ。あそこで更に
       押し倒しながら舌を(ry,,,
    クリスタ「今そういうのいいから!!!!」
       (頭突き)



    ゴスっ!!!!





    アルミン「・・・・・^^;」






    クリスタ「・・・それじゃあ二人の仲良しな
      所も充分見せて貰ったし・・・
      余り長くは無理だけど、
      今度こそ二人っきりだね!」
      Σb(*・ω<)~⋆ グッ







    ユミル「・・・ま、私たちがゆっくり
       歩いて教官室に医務室からの
       退室を報告しに行くまでに
       退散しなきゃだから・・・

       どっちにしても僅かな
       時間でしかないけどな。

       けどお前なら早そうだから
       何とか一発気合入れれば
       いけんだろ!!!頑張れよ!」バンバン!
       ガンバレガンバレデキルデキル!!!





    アルミン「(ごほっ;)は、早いって・・・!?
       何言ってるの!!!?///」





    クリスタ「ほら!!くだらない事
      言ってないで早く行くよユミル!!
      あんまり私達が報告に行くの
      遅れると教官が来ちゃうかも」
      グイグイッ




    ユミル「明日どうだったか
       ちゃんと聞かせろよ~!」ズルズル..
       バハハ~イ♪




     意外と力強いクリスタの二の腕に
     牽引されつつ医務室から無理やり
     退場させられるユミル・・・・と、
     振返りつつ汗を浮かべた笑顔で
     手の平を振るクリスタ。


     その様子はまるで働き蟻が巣に
     獲物を持ち帰ろうとして
     いるかのようである。








    ――バタン,,,







    ........そして時は今に至る。






     結局二人の話から状況を纏めると、
     僕らが行った“そうした”やり取りは
     ほぼ確実に実を結ぶコースで
     完了してしまっているという事、


     そしてそのタイミングから考えれば
     今から訓練兵団卒業までの間であれば
     サシャの身体に外見的な異変は
     恐らく現れる事はないという打算が
     一応は通用するという事。


     ・・・しかし一番の問題として
     卒業間近のつわりなどといった
     身体的変調はもっともピークに
     差し掛かるであろう事から、
     僕達はその事実の秘匿に全力を
     尽くさなければいけないと言うこと。



     ・・・これらは常に地上に睨みを
     きかせて次の来訪者を待ち受けている
     地獄の門番のような洞察力を持つ
     教官相手にやり遂げるには・・・



     かなり無茶な賭けになる。



     しかし、バレても死罪に処される
     訳ではない。そこは重く考えすぎず、
     努めて自然体で行きたいところ。

     変に肩肘を張って緊張していれば
     すぐに教官はこちらの挙動不審を
     察知する。



     僕がしっかりサシャを支えて
     あげないと。

  31. 33 : : 2015/08/22(土) 17:41:11




    サシャ「・・・それはそうとアルミン・・・」





    アルミン「・・・・?なんだいサシャ?」







    サシャ「先ほどは何故お二人も
       目の前に居るというのに突然
       私に接吻を・・・・?///;」






    アルミン「ぁあ・・・あれね(苦笑)」




    サシャ「いぇ・・・、誤解されたくないので
       先程の弁解を先にさせて貰いたい
       んですけど・・・、私、アルミンと
       口付けする事自体、全然嫌では
       ないですよ??…寧ろしたい位です。


       ・・・なのにあのとき、
       あそこで思わず突き放して
       しまったのは・・・その、



       あまりに恥ずかしかった
       ・・・・からで・・・・////」ゥゥン...;↓





    アルミン「・・・・w知ってるから。気にしないで。

       二人もきちんと理解して
       くれてたし。

       ・・・・寧ろキミがああいった事で
       人目を気にして赤面できる様に
       なった事には素直に喜んでる
       くらいに見えたよ」





    サシャ「つ・・・つまりアルミンは、
       あの二人に私達の口付けを
       最初から誇示するつもりで・・・!?

       なんて大胆な・・・・;」




    アルミン「僕だって別に好き好んで
       二人に見せびらかしたかった
       訳じゃないよ・・。・・・ただあの場で
       ああしないと二人ともが
       納得してくれないような・・・

       妙な空気をユミルに
       造られちゃってね・・;」
       ソレデシカタナク。





    サシャ「ユミル、一番下の根っこは
       素直ですけど普段はあんな感じで
       本当に性根が捻くれすぎて
       ますから・・・あんまり真面目に
       相手をしちゃダメですよ;」





     サシャにまで言われてるよユミル。





    アルミン「・・・僕としては二人に
      見られる位で物怖じするほど
      サシャとの間柄は軽い気持ちじゃ
      無いからね。・・・今はあの二人を
      入れて教官とミカサくらいしか
      僕達の関係を把握してる人は
      居ないと思うけど」




    サシャ「!!?教官まで知ってるんですか?!」




    アルミン「さっき言ったじゃないか!!?
       ・・・って、アレ、;あ、そうか、
       教官が実はその事実に気づいてる
       って事は・・・まだサシャには
       言ってなかったっけ・・・」





    サシャ「じゃあもうおしまいでは
        ないですかァアアアアア!!?」
        ウワァァァアアン!!!





    アルミン「ちょッ・・??!;」




    サシャ「せ、せっかく赤ちゃんの
       存在さえバレなければまだまだ
       毎日食事にありつけると
       思ってましたのに!!!

       私たち、もうおしまい
       なんですね!??開拓地でひもじい
       思いをするか、さもなくば・・」ガシッ
       ウルウルウル・・・・!




     僕の両手を握りこみ、涙目を
     潤ませて叫ぶサシャ。


     その言葉の続きは・・・ひょっとして
     開拓地以上に向かう足取りが重くなる
     場所・・・全くのあてずっぽうだけど
     サシャ自らの故郷を思い描いて
     いるのか。




    アルミン「ちょっとサシャ!!おちついて!

       それならまだ大丈夫だから!!」





    サシャ「大丈・・・夫・・・?;」
        ヒック・・グスン






    アルミン「僕達が揃ってあの日時間外に
       外出してたのはばれてる!!!
       けど、その結果キミがどうなって
       しまったかまではまだバレて
       ない筈なんだ!!」





    サシャ「ほ、本当ですか・・・・?;;;」
        グジュグジュ・・・





    アルミン「本当だって!・・だから、ね。

       ホラ・・・そろそろ二人も教官に
       報告を終えてる頃だと思うし、
       僕も行かなきゃ・・・・」スッ・・





    サシャ「それでは・・・その・・・できれば
       お帰りになる前に・・・・


       お休みのキスとかを
       頂いても・・・・?////」





     なるほど、それくらいは
     あってもいいと僕も思う。



  32. 34 : : 2015/08/22(土) 17:42:31



    アルミン「いいよ///誰も見ていないなら
       落ち着いてできるだろうし。
       
       ・・・どこがいい?」



     前置きに、おやすみの、と
     ついて来たので一応その
     接触部位を尋ねる僕。





    サシャ「っ・、、・・あ、いえ・・・
        では、こ、ココに・・・・」サワッ・・




     一瞬だけ口先を尖らせようとした
     サシャは何かに考えを巡らせると、
     慌てて自身の前髪を除けて額を
     露出させる。






    アルミン「・・・?w口じゃなくて良かったの?
      僕はどっちでも全然大丈夫
      なんだけど・・・・」




     ・・・と、いうよりも、折角これだけ
     久しぶりに二人きりで触れ合える
     のだからそのほうがイイ・・・と
     思っていたけれど





    サシャ「いいぇ・・、何か私自身実感は
       ありませんが・・・さっき診て貰った
       限りでは・・・私、少し熱っぽい
       んですよね?・・もしそうなら・・・

       私から何かアルミンに感染(うつ)したくも
       ありませんし」





    アルミン「・・・・そう?僕は・・・キミが僕に
      感染(うつ)してくれてそれで早く
      体調を持ち直してくれるなら
      そのほうがいいんだけどな・・・」
      ググッ・・・





    サシャ「ちょちっ・・・ちょっと
       待ってください??!///
        
       しょれってアルミン…!貴方がただ単に
       口でしたいだけでは・・・?!//」
       ドキドキドキ・・・!





     焦りの余り口調も定まらないサシャ。
     ・・・まあ、その考察は何も間違ってない。





    アルミン「・・・そうとも言うけど・・・

       ・・・・ダメかな?サシャは嫌??」




     自分の気持ちに正直になるなら
     そういうことになる。

     さっき不発で終わってしまった分の
     消化不良が、僕の心の中に
     わだかまりとして残ってしまって
     いるのだ。


     ――これは是非ともしっかりと
     仕切り直しを行い、ここでサシャから
     貰う温もりを明日からの毎日に
     費やす糧としたいところ。








    サシャ「・・・・。・・・・・;」チラッ・・
        オズオズ・・・・





     無言でオドオドしながらも僕の目を見て
     感情を読み取ろうとするサシャ。

     元々サシャはこういった、

     “考えるより、感じろ”

     といったような・・・・言葉や
     説明による訓練内容の理解よりも
     実際に体を動かす段になって初めて
     自らの真価を発揮するようなタイプ
     なので、基本連携行動などを
     苦手とするところはあるけれど、


     他人の呼吸や動きに自らの
     連携を合わせて行くのは意外と
     得意だったりもする。


     ・・・・そんなサシャが、今僕が動かさずに
     彼女へと向けている視線の意味を
     物言わずに理解し・・・そしてやがて
     意を決したように深呼吸についで
     固唾を飲み込む。






    サシャ「・・・わ、わかりました・・!///

    少々気恥ずかしさはありますが、
       ゃ、やりましょう!是非とも...

       で、ですが教官に見つかって
       しまっては大変です。あまり
       長いのは・・・・」





     揺れる事の無い僕の視線から
     その意を汲んでくれたのか、
     とうとうサシャも腹を決めてくれた。




  33. 35 : : 2015/08/22(土) 17:45:00



    アルミン「うん、じゃあいくよ?」ズイッ



    サシャ「あ;



     不意打ちというほどの勢いは
     持たせなかったけれど、まだ本格的な
     心のカウントダウンを始めていない
     サシャの両肩を抱きとめて、
     僕は早々とその唇に自分の唇を
     挟み込んだ。両目は互いに閉じている。

     ・・・その方が瞬間的に刺激を受ける
     感覚器官が限定されて濃密な
     触れ合いを感じ取ることができる
     様な・・・そんな気がしたから。



     ・・実際やってみればそう感じた。


     
     見えない世界で、僕の唇とサシャの唇、
     そして舌先が触れ合っているだけ
     なのに、触れても居ない互いの
     顔の体温は吐息に混じって確かに
     伝わってくる。きっとサシャも
     今僕が感じているものと同じ
     感覚の波に揉まれている最中だ。

     


    サシャ「んふっ・・・・」


    アルミン「ふぁッ・・・」




     長びかせる事に乗り気でなかった
     サシャの方が、寧ろ舌使いのピッチを
     上げ始めていた。


     唐突に少し真面目ぶった薀蓄を
     挟んでしまうけれど…僕達のような
     恋仲に収まった者同士が度々
     互いの気持ちを確かめ合うために
     行う、この口付け。・・つまり
     接吻(キス)についてだけれど、


     家畜や動物を飼っていない人から
     すれば意外な事実かもしれないし、
     例えそうであっても知っている人は
     知っていると思うけど・・・


     言葉を持たない動物同士でも、
     この口付けを用いて相手の意思を
     推し量ったり、自らの気持ちを
     伝えたり、仲直りをしたりすることが
     ままある。


     犬も、猫も、馬も、鳥も。
     皆僕らがするのと同じ様にキスをする。



     まあ、それぞれ細かく区分すると
     鳥類のように給餌行動の一環として
     行っているのが人間のそれと同じに
     見えるだけだったり、馬の場合なんか
     にはキスの直後に蹴りが飛んでいく
     ケースもあったりするけれど・・・


     細かいことを気にしないで考えると、
     この行為はもっとも生き物同士で
     互いの気持ちを伝え合うのに有用な
     手段であると・・・僕は考える。



     何も余計なことは考える必要がない。



     自らの触れたいように相手に
     触れに行き、それに対して
     パートナーが返す感触のみの返事に
     何度でも応じる。そうして
     互いの口内体温を何度も反芻し・・・・


     
     やがてどちらともなしに
     顔をゆっくり離してゆき・・・
     自ら閉ざしていた世界をひらく。


  34. 36 : : 2015/08/22(土) 17:45:45



    サシャ「フムゥ・・・・・////

       これは・・・・なかなか....」





     今度は比較的落ち着きながら
     終始したため、互いに呼吸の乱れも
     それ程ない。短時間とはいえ
     しばらく瞼を閉じていた為
     すぐ近くにあるサシャの顔への
     ピント調節が合わずにその顔が
     ぼやけて見える。



     ・・・けど、その顔は間違いなく
     今しがたの余韻に浸る笑顔で
     綻んでいるというのが分かった。






    アルミン「うん・・・これは・・・何というか
      すごくいい。思ってたよりも
      凄く心が落ち着いてる。

      サシャも結構良かった?」





    サシャ「ええ・・・教官のことも
       有りますからそういう訳に
       行きませんが・・・もっともっと
       して居たかったくらいです。

       それほどまでに・・・・///」チラッ





    アルミン「???」





     少々の躊躇いと同時に伺いを
     立てるような視線を寄越すサシャ。





    サシャ「何というか・・・クリスタの
       持ってきてくれたお粥より
       アルミンの方がおいしかったです」
       ジュルッ・・・・///
     





    アルミン「食べ物じゃないんだから!!!;
      味とかじゃなくってもっとこう・・;」








    サシャ「いいえ。アルミンはどの部分も
       美味しく頂ける私のおやつです。
       (キッパリ)そこは譲れませんね」
       ナンカ アマイアジガシマス





      折角雰囲気ある感じだったのに
      思わぬ新境地を開拓されてしまった;


      ・・・道理で殆どサシャの唾液が
      こちらに滲んでこないと思ったら。  


      ・・・・ともあれ、こういった
      やり取りにまで食欲を持ち込んで
      くるのはなんというか・・・実に
      サシャらしいけど。



      僕としては当然複雑な心境だ・・・






    アルミン「・・・・ああ、そうだった//

      僕もそろそろ戻らないとだけど・・
      サシャ、キミは今の感じだと・・・

      こういうものなら口にしやすい、
      とか、食べてみたい、って言うものは
      何かあるかい?」



     僕は彼女に聞いておこうと思っていた
     事柄を思い出してそう聞いた。


     次回の調整日も近いことだし、
     折角だから市場まで足を運んで
     僕の手持ち限度とサシャの
     要望に合うものがあればこっそり
     買って来てあげようという算段だ。





    サシャ「それはアルミン以外で、という
       意味ですか?」





    アルミン「当然だよね;」







    サシャ「・・・・アルミン以外で・・
       食べやすそうなモノ・・ですか・・。

       ぅうん・・・。。」ポクポクポク....





     いや、そんなに僕以外のもの、という
     選定条件に頭を抱えられても・・・;





    サシャ「しいて言うなら。」






    アルミン「うん?」





    サシャ「すっぱいものが食べたいです。」






    アルミン「酸っぱい・・ものか・・・」



     とすると果実や・・・食物繊維や
     汗となる塩分も摂る事を考えたら
     ザワークラウト(キャベツのピクルス)とかが
     やっぱり適当なのかな・・・。

     果物もいいかもしれない。
     いずれにしてもサシャに関しては
     体調不良故の多少の変動はあったと
     しても・・・基本好き嫌いは殆どない筈。

     その辺は見つかったもので何とか
     するとしよう。


  35. 37 : : 2015/08/23(日) 02:33:11





    アルミン「じゃあ、サシャ。お大事にね?

      話の流れでは多分病欠って形で
      明日からの訓練は暫くお休みに
      なるかもだけど・・勿論お見舞いには
      毎日来るからさ」




    サシャ「・・・・///ええ。・・・・ですが
       宜しいのですか?アルミン・・?

       コニーの様に普段から私と
       ふざけ合ったりする仲なら
       まだ分かりますが・・・

       いきなり付きっきりに
       なったりしたら何か疑われて
       しまうのでは・・・」




    アルミン「・・・・いっそ隠さず堂々と
       してみる・・?それこそハンナや
       フランツみたいにさ。」



    サシャ「いッ・・・??!!いえいえ!!!
       まだ、私達の間柄でそういうのは
       ・・・??!早すぎるというか、
       心の準備とかが・・・!!」





    アルミン「・・・・;追い詰めるようなことを
       言いたくないけどね^^;

       その、ハンナやフランツがまだ
       踏み込んでない階段を、
       僕達はもう既に2段、3段先まで
       上っちゃってるんだけど;」
       ハヤイトカハ ナイヨ;,,






    サシャ「そッ・・・!そんなことない筈です!
       あの二人だって見ている限りでは
       相当・・・・!!ええ、かなり進展が
       ある筈ですよ!!!」フンフン!!




    アルミン「(本人達に確認を取るまでも
       ないけど、あれはどう考えても
       キス(A)にすら到達してないよ・・・・)
       ・・・・まあ、そうだね。安心して、
       冗談だよ。

       ハンナやフランツは特殊なケースなんだよ。
       僕らみたいにこの時期に二人の
       仲に急な進展が・・・ってなると
       どうしても疑念の目はそっちに
       向き始めるから・・・こういう事は
       いたずらに見せびらかさない
       ほうがいい。」



     ・・・しかしそれもユミルが自身の
     内で暴れまわる言い触らしたい衝動を
     抑えられたらの話だけど。



     ・・・あんな様子じゃ多分普通に誰でも
     気がつくと思うから・・気にするだけ
     無駄だとおもうけど。




    アルミン「それじゃあ・・・お休みね。サシャ」



    サシャ「おやすみなさいです、アルミン!
       こういう時だからさっさと
       言ってしまいますけど・・私・・・
       アルミンの事が本当に好きです。

       日を追う毎にこの気持ちが・・
       私の中で大きくなっていくのが
       分かるんです・・・・」



     上体を起こした長座の姿勢で
     ベッドに腰掛けるサシャ。


     彼女は静かに両目を伏せて両掌を
     胸の前で重ねると、極寒の冬空の下
     暖かいスープを飲み下した直後の様に
     ・・実に穏やかな笑顔を浮かべる。


     とても・・・、とても綺麗で優しい笑顔。
     普段の快活で破天荒な彼女が
     同じ人間として形作る表情とは
     到底思えない。



     …まあ、例えにどうしても食べ物が
     絡んできてしまうのは、どうしても
     サシャから払拭できない、飽くなき
     食へのイメージがそうさせて
     しまうのだろう。
  36. 38 : : 2015/08/23(日) 02:35:52


     


    アルミン「・・・・・..///」






    サシャ「大きくなってるのはきっと
       アルミンへの好意だけでなく
       私達の愛の証も同様ですが」
       サス・・・




     胸の前に組んでいた手をお腹へと
     もって行くサシャ。思わず
     気が早いでしょ、と雰囲気のない
     指摘を飛ばしてしまいそうになって、
     それを寸前で喉奥に押し留めた
     僕が見たものは・・・・

     
     一瞬前に見たものよりも更に
     慈しみ深い色が滲み出たサシャの微笑。





    アルミン「・・・・・・っ//////」




     それは思わず見蕩れずには居られない
     ・・・というよりも、サシャの見せた
     笑顔の中でももっとも異質な感情が
     溢れる表情でもあり・・・

     薄らと開いた目に潤む輝きは、
     今度こそ本当に全く別人と言える程の
     それだった。


     ・・しかしその別人のような
     変貌を見せたサシャは本当に一瞬で
     霞のように消え去り、すぐにいつもの
     笑みを取り戻すと


     

    サシャ「っあ、ハハ;なんかスミマセンね//

       急に感傷に浸ってしまって。
       ほら、急がないと。」



     退室の間際にまたも引き止めて
     しまった事に負い目を感じてか、
     苦笑いする。



     ・・・僕としてはとても珍しいものを、

     ひいては彼女への見方が180度は
     変わりそうなモノを拝めたので
     寧ろお礼を言いたい位なんだけど・・・


     


    アルミン「き、気にしないでよ!
      サシャの笑顔が見られるだけで・・
      僕だって凄く元気が沸いて
      くるからさ・・・・、うん、その・・・」




    サシャ「、、」





    アルミン「僕もだ。僕も・・・こうしている間に
      もっともっとキミのことが・・・」



     疑いの余地はない。サシャが
     あんな表情で自分の感情を
     表せるなんて。


     その事実がいまだ信じられなくて・・・


     これほどまでに鼓動は高鳴る。


     運動もせずにこの心拍数というのは・・
     普段ならまず体の心配をしてしまう
     けど、今はそんなの全然気にならない。


     間違いなく僕は今・・・サシャしか
     見られない程の盲目に陥って
     しまっている。





     恋は心の病であると謳った詩は
     数え切れないほどあると思うけど・・・
     それは本当にその通りだと思う。



     これは酷くなったら最悪の場合
     本当に落命しかねない。







    サシャ「有難うございます(微笑)

        では今度こそ本当に・・・

        おやすみなさい、アルミン。
        愛していますよ」ニコッ





    アルミン「お休み、サシャ。
       ・・・僕はサシャよりも、もっと
       サシャの事を愛してるよ///」




    サシャ「あっ。。。!ズるぃッ・・

    ――――バタン...!






     思わず意地悪をしてしまった。
     こうでもして気を紛らわさないと・・・






    アルミン「(ドキドキドキドキ・・・)
      (あ、危なかった・・・・・!!

      何がどう危ないのって言われたら
      とても説明が難しいけど・・・・!

      とにかく危なかった!!人の顔を
      見ただけでこんなに意識を
      揺さぶられたのは間違いなく
      初めての経験だ・・・!)」




     僕の中の何かが確実に弾けて
     しまいそうな・・・そんな感覚だった。


     もう彼女との関係は一般的に見れば
     行くところまで行っているものだと、
     短い付き合いながら思っていた
     ところだけど・・・・とんでもない。




     ・・・とんでもなかった。




     この感じ・・・



     きっと、恐らく僕が今サシャに
     抱いている感情には・・・



     まだ“先”がある。



     まだまだもっとずっと深く、
     一度のめり込んだなら決して
     抜け出すことの叶わない・・・

     途方もない海の底よりも
     深そうな・・・そんな“先”が。




    アルミン「・・・・」



     そんな思いをひとまず頭の奥へと
     仕舞い込み、僕は足早に自室へと
     その足を弾ませる。



  37. 39 : : 2015/08/23(日) 02:40:25





    ―訓練兵宿舎・エレン部屋―





    ライナー「おう、遅いお帰りだな、アルミン。
      サシャの容態はどうだった。


      クリスタが見舞いに行くと聞いて
      俺も無性に医務室に向かいたい
      衝動に駆られたが・・
      (あと結婚したい衝動とか)
      そこは空気を読んで女子達の団欒の
      空気をぶち壊しにしないよう配慮
      したぜ・・・...」フッ...



     そう語りながら握りこぶしを固めつつ
     唇を噛み締めるライナー。
     相当な葛藤を押さえ込んでこうして
     自室にて待機する道を選んだのだろう。
     いつもながら見上げた精神力だと思う。


     流石はみんなの兄貴分。
     ・・・こんなに女子に対しても
     堂々たる紳士っぷりを発揮していては
     それは変な噂だって立つ。
     


     つくづく頭が下がるよ・・・..っていうか





    アルミン「女子達の団欒の空気って・・・;

      本来なら僕はその団欒をぶち壊しに
      してしまう対極たる存在のハズ
      なんだけど…」





    ライナー「ああ?wそうだったな悪い悪い!」
      HA HA HA HA !!!  





     これは絶対悪いと思ってる
     笑顔じゃない。だからといって
     ユミルのようにからかい混じりの
     笑顔でもないからリアクションに
     困るんだ。


     ・・・ライナーはまだいい。


     僕がこんな自分の外見にコンプレックスを
     抱えている事も一応は理解して
     くれてるから。もっと問題なのは
     それを分かっていながら
     私利私欲の為に・・・・-―・・・ん?





    アルミン「・・・;あれ、エレンは?
       いつもならこの時間ベッドで
       筋トレしてるハズじゃない」
       キョロキョロ






    ライナー「・・?ああ、エレンか。

       あいつは・・・珍しくミカサの所に
       行ってるぞ。時間が時間だし
       教官の巡回開始と鉢合えば、
       発覚の場所によって相当面倒に
       なるから気を付けろと言ったが。


       まあ、色々な意味で心配ないだろ。
       あいつら二人なら。」





    アルミン「・・・うん、それもそうだね。」




     その意見には極めて同意だ。

     エレンとミカサの組み合わせなら・・・
     あらゆる観点から見ても、
     何かあったとして問題視される事は
     まずないと思う。

     これもまたもやハンナやフランツとは異なる
     理由だけど・・・“あの二人なら”
     何も間違いが起きる心配がない。

     おまけにミカサは絵に描いたような
     成績優秀者で模範的訓練兵、
     その筆頭。不公平と後ろ指を
     さされる事もなく・・・彼女に関しては
     かなりの我侭が通じそうな
     気がする程だ。それほどまでに、
     ミカサが得ている信頼は・・・大きい。



     ――そう、あの(、、)教官に
     ・・赤でも黄色でもなく、見て見ぬフリ
     というカードを切らせてしまう程の
     信頼感。

     

     ここへきてまた思い出してしまった。
     僕とサシャがこうして何事もなく
     (無くはないけど)兵団に居続ける
     事ができるのは・・・彼女(ミカサ)のお陰だ。

     この感謝の念が、今もって膨れ上がる
     サシャへの気持ちでうやむやになる
     その前に・・・早いところ御礼を言いに
     行かなければ。




  38. 40 : : 2015/08/23(日) 02:43:14






    アルミン「・・・しかしエレンがミカサに…

       って。何だろうな、結構気になる
       かも。逆なら分かるけど」




    ベルトルト「どうもアルミンが言うように・・・
       その“逆”のような感じだったよ。


       食堂で・・・ミカサがエレンに何か
       話しかけてるのを見たから、
       多分用があるのはミカサの方
       なんじゃ・・・ないかな」





    アルミン「(久しぶりに喋るの見た気がする)
       あ・・・、有難うベルトルト。やっぱり
       そうなんだ。」




     さて、それでもやはりこういう
     タイミングでとなると気にはなる。



     まさか・・・ミカサの口からエレンに・・?



     いやいや、それは無い。間違いなく。


     ミカサの性格は・・・空気が読めない
     観点からも鑑みて、恐らく
     エレンよりも僕が一番良く知っている。



     ミカサはエレン以外の人間に
     基本的にお節介を焼かないし、
     第一、僕自身と今回の件について
     認識を共有するその前にエレンに
     飛び越して話の概要を伝える筈は無い。




    アルミン「まあ・・・帰ってきたらエレンに
       聞けばそれが一番早いかな。」



     エレンなら直接尋問がもっとも近道だ。


     嘘を付こうとすれば耳で判別できるし
     そもそも嘘自体滅多に付かない。

     隠したいようなことでも大抵
     聞いてるうちに面倒くさくなって
     全部白状してしまうから。




    アルミン「(おっと、そういえばお返しを
       忘れていた・・・・)」(あの顔)
      (アルミンに 電流 走る――!)
     




    アルミン「サシャ、随分参ってる
      様子だったよ。食べ物を前にして
      元気が出ないなんて産まれて
      初めてだってさ。まあ、無理も
      無いよね。なんていっても
      あのクリスタお手製のお粥を
      一口しか呑み込めなかったんだから」
      シレッ...



    ライナー「    」ガタッ!!
      (ライナーにも 電流 走る――!)




    ライナー「お・・おい・・・・アルミンお前・・・!!

       いや・・・嘘だ・・・そんな筈は無い・・
       よな・・・・!ああ、ハハ・・・いや、
       スマン。何でもない・・・・(脂汗)


       俺とした事が・・まさかアルミンが
       そのクリスタ手製の料理を結局
       平らげたんじゃ・・・なんて下らん
       勘違いを(ry
    アルミン「うん、とっても美味しかったよ」
       (輝かんばかりの笑顔)









  39. 41 : : 2015/08/23(日) 02:45:26








    ―訓練兵宿舎・屋外・エレン部屋付近―




    ザッ・・・ザッ・・・



    エレン「(しっかし珍しいな・・・
        休みの日も自主トレ三昧の
        ミカサ(あいつ)が・・・今度の調整日
        一緒に出かけようだなんてな。

        ・・・それもアルミン同伴か・・・
        何か折り行った話しでも
        あるのか・・・?普通何もねえって
        事はねえよな・・この感じ)」



    エレン「(そういやアルミンといえば・・
        あいつまだ頑なに口を割ろうと
        しないんだよな・・・。

        何でだ・・?あいつ自身にそんな
        趣味が無いのはオレが知ってるし
        
        ・・・ずっとあれから注意して
        見てはいたがそれらしい男子が
        あいつの周りをうろついたり
        なんてことは無かったし・・・)」
        ウウム・・・



    顎に手を据えてそこまで達者ではない
    己の頭脳を傾けるエレン。


    ・・・彼は、故あって未だにアルミンと
    サシャの密会があった夜、


    彼が男色の気に己を抑え切れなかった
    男子訓練兵の手によって辱めを受けたと
    勘違いしきっている様子であり、


    大事な幼馴染に擬似性交を強いた
    だけでなく、あまつさえその激しい
    暴行の末、排泄腔からの出血をも
    余儀なくさせた仮想上の憎き怨敵を
    血眼で探し出そうとしている
    最中でもある。



    エレン「(しかし日は流れアレから早くも
        3週間が経とうとしてる。

        アイツはまるでそんな奴
        存在しないかのように振舞うし
        ライナーの問いかけにもまるで
        口を割ろうとしない。

        そこまで庇う必要がある奴
        なのか・・・?;)」


    実際アルミンの帰還時、エレンが
    その臀部に認めた血痕はサシャの
    敷物にされていたアルミンのズボンに
    当たり前のように付着したサシャ自身の
    血痕であり、その日の事実はおろか

    二人の関係すら知り得ないエレンには
    何をどう考えても辿り付ける真実では
    無いのだが。





    エレン「(・・・まあいいか。どうせ今度の
        調整日、久しぶりに三人で
        出かけるんだ。・・ミカサも
        引き込んで尋問すりゃ流石の
        アルミンも観念するだろ・・・・)」



    心のどこかでつい先ほど同じ様なことを
    考えていた幼馴染がいるとも知らずに
    歩いていたエレンの耳に、その騒音は
    突然届いた。



    ドダァン!!!!  ドタドタドタ!!


    「アッーーーーーーー!!!!!」
    「ヨセッ!!!ヨスンダライナーー!!!」
    「ゥウオオ!オレハノンケヲヤメルゾーー!!」




    エレン「ッ・?!?!あ、あいつら・・??!
       何馬鹿騒ぎしてやがんだ!!!
       
       もう教官出歩いてる時間だぞ!!」
       ダダッ・・・




  40. 42 : : 2015/08/23(日) 02:48:27





    ―訓練兵宿舎・エレン部屋―






    ――ッバタン!!!!






    エレン「おいッ!!お、お前ら一体・・・?!

        ・・・・・?!??」




    部屋に飛び込んだエレンの目に
    それ以上の衝撃をもって飛び込んで
    きたその光景とは・・・・・




    アルミン「ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!!!」
       ジタバタジタバタ



    ベルトルト「止せっ!!ライナーーーー!!!
       人間(ノンケ)に戻れなくなる!!!!」




    ライナー「構わん・・・!!男は度胸・・・!!
      何でも試してみるのさ・・・・・!!

      戦士たるもの常に毎日が新たな
      世界への挑戦なんだ・・・・!」
      フッハハハハ・・・・(ドカッ ゲシッ)




    そこには“高い高い”をされるように
    両脇をライナーの豪腕でがっしりと
    掌握され、宙ぶらりんになっている
    アルミンの姿が。

    必死の抵抗を試みて
    グルグルパンチや腰の入っていない
    バタ足をライナーめがけて(主に顔面)
    繰り出しつつ、声を限りに暴れている・・・


    という何とも理解しがたい光景が
    完成…否、現在進行形で出来つつあった。


    ・・・しかし全くといっていいほど
    高笑いしているライナー本人に
    ダメージは無い様子。


    どうやら鍛え方がまるで違うようだ。



    その光景は、エレンが未だ城壁都市に
    住んでいた・・その最後の日。


    無力な民が巨人に摘み上げられ、今正に
    無残にも喰い殺されようかという
    光景に重なって見えるようだった。





    アルミン「はッ・・・離してくれッッ!!!ライナーー!!
       僕がッ・・!僕が悪かったから!!!
       だからそれだけはァァアア!!!」
       ギャァアアア!!!






    ライナー「言い訳無用!!!さっき食ったばかり
      ということはだ・・・・!アルミン・・・・!!

      今お前の唇はクリスタの手料理と同じ
      味がするって事だ!!!!

      それを訊いてこの俺がッ・・・・!!
      この俺がクリスタの手料理の味を
      みすみす見逃すだなどと・・・・!!」
      (口窄...)




    エレン「フンッッ!!!!!」





     ドゴフッッ!!!!!!





    ライナー「ごはっっッ・・・???!?!?」ヨロッ・・・






    特に理由の無い過剰制裁(ドロップキック)が―――・・・

    ・・・・・ライナーを襲う――!!




    ・・・実際に理由はそれなりにあるし、
    襲うというよりは最早正当な叱責でも
    有った訳であるが。ともかく、
    お決まりの暴力(ごほうび)がライナーを襲った。

  41. 43 : : 2015/08/23(日) 02:52:22








    エレン「よう・・・ライナー・・・目は・・
       醒めたか・・・(ハァ・・ハァ・・・..ッハァ;)」



    息も切れ切れにそう睨み付ける
    エレンの眼差しにやっと正気に戻った
    らしいライナーは自分の手の平を
    まじまじと見つめ、恐ろしげな顔で
    そのまま頭を抱え込む・・・・




    ライナー「お・・・俺は一体・・・・今
       何をしてたんだ・・・・?!

       気のせいでなければ・・・
       アルミンの悲鳴が・・・聞こえた・・
       ような・・??!」ガクガクブルブル・・・




    アルミン「た・・・・助かったァ・・・有難う、
       ェレン・・・・(ビクビク・・・・)」




     ハァ・・・死ぬかと(男としての尊厳が)
     思った・・・・。これでやっとナレーションを
     平行できる・・・・





    エレン「・・・で?こりゃ一体何の騒ぎだ?」





    アルミン「ま、待って!!もう流石に時間が
       まずいよ!!おまけに今の騒音じゃ
       間違いなく教官の地獄耳(デビルイヤー)
       察知されてる!!!

       皆、早く消灯して布団に潜るんだ!

       話は教官が去った後に簡単に
       するからさ!!ね!?>エレン?!」



    エレン「そ、そうだなッ・・・!
       アルミンの言う通りだ・・・!
       この段でまだ教官がここに到達
       してねえのは最早奇跡だ・・・・!

       早く寝るぞ!!!」



    ライナー「アッ・・・アルミン・・・!!一旦寝に入る前に
       ・・・・す、すまなかった!!!!
       本当に済まない事をした!!??

       俺としたことが・・・急にアルミンとの
       会話の途中に周りの音が
       遠ざかっていって・・・!
       気が付いたら・・・・!!!」ガバッ!!



    アルミン「(い、いいっていいって!!
       ともかく今は頭を上げて!?
       早く布団にッ・・・・!!!(小声))」




    ベルトルト「(ラ・・イ・・ナーー!!!ホラ!!!
        早く布団に入るんだ!!!(小声))」
        グググギギ・・・



     床板に頑なに押し付けた額を
     一切離そうとせず、土下座の姿勢で
     僕に対して侘びを入れるライナー・・・;

     どうやら本気で自制心を失っては
     居たようだけど今、この場で
     僕に謝罪をするライナーのこの
     誠意もまた・・・僕の目からは
     どう見ても嘘偽りの類ではなかった・・



    アルミン「(分かったから!!本当!!僕に
       済まないと本気で思ってくれて
       いるならその謝意の表明として
       でもいいから早く床に付いて
       くれないか!!;この通り!!)」



     謝罪に誠意は必要不可欠だけど、
     相手が望まないことを頑なに
     続ける事が必ずしも罪滅ぼしに
     なるかといえばそうではない場合が
     殆どだ。・・・ならばこの場合は少し
     卑怯だけれどこう言う他ない。




    ライナー「っっ・・・・;」スゴスゴ・・



    ベルトルト「(溜息...)」



     やっと引き下がってくれたライナーが
     無言でベッドへと上っていく。

     まるでお叱りを受けた大型犬が
     飼い主に向ける顔も無く小屋へと
     戻っていくかのようだった。
  42. 47 : : 2015/08/25(火) 01:13:29




     教官の到来と僕らの沈黙は実に
     タッチの差で・・・もう少し僕らが・・・
     特にライナーが床に着くのが遅ければ
     恐らくアウトだったのではないかと
     言うくらいだった。


     無論教官が去ったからといって
     即座に寝床から離脱するなどという
     行為はもっての外で、


     過去に教官の生体レーダーの感知精度を
     甘く見て同様の蛮行に走った末に
     懲罰を食らった訓練兵は後を絶たない。


     
     うまく教官をやり過ごすには、
     最低でもそこから教官が
     女子宿舎エリアへ移動するまでは
     待つ必要があり・・・普通ならそこまで
     時間が経過するまで横になっている
     内に・・・皆その日の訓練の疲労が
     全身に広がって、完全に沈黙
     してしまう。


     僕はエレンが寝に入っては居ない事を
     口頭で確認すると・・・、
     床に入ったままの状態で、直ぐに
     教官の再接近を察知できるくらいまで
     落とした声量でここに至るまでの
     簡単な説明をエレンに行った。


     幸いエレンは僕の真隣だから・・・
     小声で話をするには最も位置的に
     好都合だ。・・・しかし余程悪いと
     思っていたのか僕の説明がエレンに
     済み次第謝罪を始められるように
     ライナーが聞き耳を立てていた様だ。


     この音量でよく聞こえた物だと思う;






    ―十数分後・エレン部屋―




    アルミン「・・・まあ、そういう訳だよ。」




    エレン「そうか・・・安心したぜ、
       まさかよりによってライナーが
       新たな道に目醒めちまったのかと
       思ったぞ・・・オレは;」



    ライナー「本っっっ当にスマン!!!
      アルミン!!!お前が時折そういった
      目を一部の男子共から向けられて
      いるのを心から気にしてるって
      言うのを知っていながら俺は・・・!
      俺は・・・・!!こんなんじゃ・・・
      自分の欲に走って自分を見失う
      なんて体たらくじゃ・・
      “兵士”失格だ・・・・・!」グゥ・・!
      ドスン



    ベルトルト「・・・・・・・」



     ライナーが握りこぶしを床に打ち込む
     音が部屋に空しく響く。暗闇の中に
     あってその顔がよく見えなくっても・・

     今のライナーが先ほどクリスタへの
     想いで(ライナーの暴走の原因はあくまで
     クリスタであって僕目当てではない)
     自分を見失ってしまった事に本気で
     悔恨に嘆いているのが良く分かる。








    アルミン「き・・・気にしないでよライナー・・;

      それにさっきの君を見れば誰が
      どう見ても心此処に在らずな
      状態だというのは一目瞭然だったよ」




    ベルトルト「・・・僕からも済まない。

       ライナーは・・・その、言い辛い
       事ではあるけど、僕らの村に巨人が
       攻めてきたあの日のトラウマか・・・

       時折精神が極限まで
       追い詰められるとああして
       別人のように変貌してしまう事が
       あるんだ・・・」





    エレン「そこまでクリスタ命だってのは
       恐れ入るが・・・;にしても
       鬼気迫るものがあったぞ」





    ライナー「す・・・スマン・・・・」



     みるみる(というか聞く聞く、かな)
     声量が落ちていくライナー。

     悪いと思っているのも充分分かったし、
     これ以上自分を罪の意識で追いやる
     彼をそのままにしておきたくない。

  43. 48 : : 2015/08/25(火) 01:24:20





    アルミン「もういいんだよライナー。

      僕だって、あそこまで君が我を失う
      と想像が及ばなかったとはいえ・・

      君が気にすると分かっててあの話を
      振ったんだ。・・・その、お互い様さ。

      だから・・僕も本当にごめんね、
      ライナー。」




    ライナー「なッ・・!お前が詫びる理由が
      分からん!話を逸らさないでくれ、
      俺は真面目に・・・・!」



    エレン「(溜息)...おいライナー。
       そこが生真面目なお前の
       悪いとこその1だ。

       アルミンもいい加減
       謝りっぱなしのお前に嫌気が
       さし始めてんだとよ。

       ・・・だからその辺にしてやれ」




    アルミン「っちょ・・エレン;何も
       そこまで・・・!」




    エレン「そこまでも何も・・・
       ・・・そのまんまだろうが・・」
       ムスッ・・




     空気読まないにも程があるよエレン・・。





    ライナー「・・・・・!そ・・・それもそうだな・・・
      俺とした事がエレン・・お前に
      空気の読み方を教わる羽目に
      なるとは・・・我ながら本当に
      不甲斐ないぜ・・」





     ・・・しかしそういう空気の読めない
     率直な意見がこうして有効に働く
     人間も居るというのだから、
     人付き合いというものは難しい。





    エレン「おいちょっとまて、それは
       どういう意味だ(訝)」



     そのまんまの意味だよ・・エレン・・。




    ライナー「それじゃあ・・これっきりだ」
      バフン



    アルミン「っぁ」


    ライナーが僕らのベッドまで移動してきて、
    僕の右手を力強く握り締め、



    ライナー「済まなかったな、アルミン。
       ・・だが、もし次にサシャの
       見舞いに行くときがあったら・・・
       俺も行っていいか?

       クリスタの手料理は・・・全男子
       垂涎の供物だからな。

       ・・その、香りだけでもいいから
       楽しんでみたい。」




     そう言った。流石はライナー。
     どこまでも清々しい





    アルミン「勿論さw;・・・それにサシャが
       食べ切れなければきっとライナー
       にも処理係のお鉢が回ってくるよ」




    ライナー「そんな・・・!よりにもよって女神より
      賜りし食物を処理だなどと・・・!

      俺にはそんな資格は最早・・・・!;」
      ヌグゥ・・・





    エレン「おいライナー!さっきのは
       一体どういう意味・・・!(苛)」





    アルミン「・・・・そうだ、エレン、君は・・・
      何か用があってミカサの所まで
      出かけてたって話だけど」





    エレン「、、・・ああ・・・それな。
       
       そういやそれに付いてもお前に
       言っとく事があったんだ。
       良かった寝る前に思い出せて。」




     エレンは話を逸らすのが簡単で
     実にチョロい。






    エレン「ミカサの奴がよ・・・次の調整日・・・
       つまり明後日か。お前も連れて
       一緒に出かけないかってよ。

       場所までは聞いてないが・・・」




    アルミン「ミ・・・ミカサが?」



    エレン「ああ、珍しいだろ。
       でもまあ丁度いい・・・。オレも
       お前には折り入って訊いて
       おかなきゃならねえ事がある
       訳だしな・・・」ジロリ・・・




    アルミン「ッ・・・;?な、なにかな・・?
       今聞けば・・いい事じゃないの?;」



     何だ・・・?エレンが・・・ミカサ同伴で
     僕に訊きたい事って・・・?!

     い、いや・・そんなに話題に上がる
     候補は多くないけれど・・・!



    エレン「いや・・どうせお前は上手く
       誤魔化すし、今は聞かない。

       まあ、そういう訳だから
       明後日、お前空けとけよな。」
       シレッ


  44. 49 : : 2015/08/25(火) 01:26:42






    アルミン「う、うん・・けどたったそれだけの
      用でミカサの所まで行ってたんだ。」



    エレン「勿論それだけじゃねえ。
       ・・・というのも、此間の話だが・・
       オレの筋トレ・・特に腹筋について
       あいつがイチャモンつけて
       きやがったんだ。・・・何でも

      “そんなのじゃ効率がガタ落ち”
      
       …とか何とか言ってきやがってな
       

       ・・・それであいつなりの正しい
       腹筋のやり方と、体幹トレーニングの
       仕方を(ry...
    アルミン「(成る程・・後半は興味無し・・・・
       さてそうなると・・・)」


     場所をどこにするかミカサから
     指定されてないと言うことは
     十中八九どこかへ行くことそれ自体が
     目的ではなく・・・それはつまり

     僕ら3人で揃うことに彼女なりの
     意義がある・・・そういう用向きという
     事になる。率直に言ってそれは
     話し合いの類だろう。

     それも、訓練後のちょっとした時間で
     事足りない話題となると・・・

     きっとミカサ的にそれなりに真面目な
     話になる筈だ。・・・まあ間違いなく
     僕とサシャについての話だと思う。
     
     それならそれで丁度いい。
     僕も彼女には例の件について
     礼を言わなければいけなかったし・・・
     もしそこでエレンの耳にもサシャの話が
     入るのだとすればその時点で
     エレンの分だけアレについての
     変な誤解も解くことができる。



     ・・なら、当然僕としてはサシャへの
     差し入れも買っておきたいから
     行き先については城壁都市内の
     市場が望ましい。それに際して・・


    エレン「・・・おいアルミン!おい!!聞いてんのか
       お前!!」ブンブン



     エレンが暗闇の中でも構わず
     僕の目の前で掌を振りかざす。

     ・・・全然聞いてなかった。



    アルミン「ゴメンよ・・・つい考え事をね。
       ・・・で、何?」



    エレン「明日は腹痛でサシャの奴も
       出てこれねえんだろ?
       だからオレ達揃って見舞いに
       いってやろうって事だ。

       腹痛っつっても“あの”
       サシャの事だ。パンくらい
       食えるんだろ?土産をもって
       行ってやろうって・・・」



    アルミン「ぁあ・・・、それはね、さっきも
       少し触れたけど・・クリスタの作った
       お粥ですら一口くらいしか
       喉を通らなかったくらいだから・・
       多分お土産は要らないと思うよ」




    エレン「マジかよ・・・?!あいつそろそろ
       死ぬんじゃねぇのか・・・?;」



     そう、これが普段の彼女を良く識る
     者の見せる当然の反応。其れ程までに
     ・・・サシャ=食べ物 ...というイメージは
     皆の意識の中に強く根ざしてしまって
     いるのだ。・・きっと今床に付している
     彼女を目の当たりにした日には皆
     本気で心配してしまう事だろう。
  45. 50 : : 2015/08/25(火) 01:31:38



    アルミン「・・・・・」




     しかし・・・本当にさっきのサシャには・・・



     意表を突かれたどころじゃない位の
     凄まじい衝撃を受けてしまった・・・



     心射抜かれんばかりとはこの事だ。



     時間が経って、こうして思い出す
     だけで・・・いや、想像という付加が
     かかる分だけ・・・より鮮明に先ほどの
     彼女の表情が暗闇に思い浮かべられる。



    アルミン「(あの顔は・・・・)」


     そう、あの時サシャが一瞬だけ僕に
     魅せたあの貌は・・・今まで見た事も、
     感じた事もないサシャの感性を
     匂わせるその貌の正体は・・・・




     おそらく“母性”だと・・僕は思う。




     それは当然今までのサシャから
     感じ得るハズの無い感性でもあり
     今まで抱く機会すら一切無かった筈の
     感情でもある。



     その切っ掛けとなれた事には
     喜びすら感じるし早く彼女の
     支えとなって大手を振って協力できる
     立場につきたい心も考えると・・・


     できれば皆にはどうにかして
     僕と彼女の関係について
     早い段階で理解して貰ったほうが
     色々と動きやすくは在るけれど・・・


     流石に教官の耳に届く可能性まで
     考えるとそれはまだ考える事ではない。

     ・・勿論、どこから綻びが出るとも
     知れた物ではないから、いつ教官に
     事実が発覚しても大丈夫な様に
     備えだけはしておかないと。




     ・・・主に心の備えしか無いけどね。






    アルミン「それじゃあ・・・そろそろ皆
       お休み・・・(欠伸)...

       明日は訓練終わった後
       皆でサシャのお見舞いだね」





    エレン「・・・だな。」






    ライナー「グゴゴゴゴガガガ.......」






    アルミン「…いつもながら早いね・・・寝るの;」





    ベルトルト「ライナーは5秒あれば充分
       休眠移行できるからね。

       ・・・じゃあおやすみ」




  46. 51 : : 2015/08/25(火) 01:33:55






    ―翌日・一時限・座学―







     やっぱりというかクリスタの話どおり
     というか、サシャは昨日からの
     体調不良が響いて今日の分の講義は
     丸一日お休み、という運びとなった。


     医務係の人の検診結果ではどうも
     風邪に近い症例でありながら咳が
     目立つわけでもなく、

     しかし高温に達している体温や
     全身の倦怠感、そして時折襲い来る
     嘔吐感などから・・


     “細菌性胃腸炎”と診断された。


     風邪などの菌が胃腸に入った際、
     免疫不全などによって現れる
     胃腸の炎症が引き起こす・・・

     まあ、簡単に言うと食中毒とは
     また違った…所謂、“お腹の風邪”
     というやつだ。


     ・・・しかし実際に彼女の食欲不振は
     別のところから来ているモノだと
     僕らは知っているので正直それが
     大々的に発覚されるよりは良かったと
     思っている。


     ・・・まあ、実際は・・


     ひょっとすると今までも同じような
     状況に陥りつつ医務室に駆け込んだ
     女子が相当数居ながらにして
     おめでたの事実が発覚しなかった
     というのは・・・

     その時点で不調を診慣れている
     医務係の人には症状の真偽は
     当然分かりきっていたけど
     せめてもの情けで最後まで擁護して
     貰えていたのかもしれない。

     書物で少し調べたが、診断の末
     サシャにあてられた症例には
     現在のサシャ自身の症状とは
     明らかに一致しない内容も多い。

     まあ、事実ではないのだから
     当然の不一致なんだけれど・・・





    コツン



    アルミン「・・・・、」



     考え事に耽り込んで座学講義の
     内容すらそっちのけな僕が机に
     置いている手に丸まった紙屑が
     ぶつけられる。

     ユミルの寄越した伝言だろう。

     紙だって貴重な資源なんだから
     粗末には扱って欲しくないものだ




    アルミン「~~~・・・・」カサカサ・・


     包みを解き、綴られた一文に
     目を通す僕。

     正直に言って読む前からユミルの
     聞きそうな事など予測できる。




     「昨日は結局やったのか!?」




     ――これである。つくづく
     そういう事しか頭に無いというか・・・

     よっぽど欲求不満なのか・・・
     いずれにしても少し頭の中を
     見てみたくなるくらいだ。



    アルミン「(・・・・いや、待てよ?)」



     その時点で僕は・・・思い出した。
     そして首を傾げた。大きな違和感に。

     自らの心身にいつの間にか
     現れていた一つの大きな違和感に・・
     


    アルミン「(そもそも僕は・・・いや、
       僕のほうこそ・・・・ユミルの事を
       糾弾できない程に・・・)」



     そう、サシャとこうした関係に
     陥るまでの僕といえば・・・・

     素直に白状してしまえば“あの”
     ユミルすら欲求発散の糧として
     妄想の中でお手伝いして貰うほど
     旺盛な自身の性欲に頭を抱える
     くらいだったというのに・・・。

     あの日、あの夜明けを境にして・・・・






    アルミン「(そういえばあれから自分一人
       ですらそういった処理を・・
       行っていない・・・?!)」




  47. 52 : : 2015/08/25(火) 01:39:46





     これはこれで僕自身充分驚愕の
     事実である。サシャとの一件が
     あまりに僕の中では大きすぎて
     たまたま忘れてしまっていただけ
     では・・・?というのも尤もな見方では
     ある。・・・しかし


     それにしても極端すぎる。・・・いや、
     ストレートに言ってしまってこれは
     “異常”だ。先述の通り・・・というか
     僕が自己処理の空白日程を心の中で
     反芻していたのは三週間前、つまり

     サシャと事が起こったあの日の事
     なので、先述というにはあまりにも
     日が離れすぎている先述だけれど・・・

     あの時点では、僕は自分で行う
     所謂ガス抜き的な“一人作業”を・・
     数日間(▪▪▪)サボっただけでも
     充分決壊が危ぶまれる所まで
     貯蔵物が蓄えられてしまっていた・・・



     それが今ではどうだろうか?


     あれからもう3週間は僕自身で
     貯水池の放水を行って居ないのである。 


     何か生物的に一つの目的を
     達成したから、その機能に一旦の
     落ち着きを見せた・・とかではない。

     おそらく。・・・前ほど顕著では
     無いとは言え・・・依然僕に備わっている
     健全すぎる性欲はそのままだ。

     何か変な趣味に目覚めたという事も
     一切無い・・・ハズだ・・・・



     パコン



    アルミン「っ」



     あまりに返事が遅いだけでなく
     僕が単身考える人になってしまって
     いるので更に落ち着きをなくした
     ユミルが次弾を僕の脳天直撃コースで
     寄越してくる。

     もし当たり所が悪く教官に
     バレるコースでリバウンドしてしまったら
     どうするつもりなんだ全く・・・。

     いくら今の座学担当がキース教官じゃ
     無いからって・・・。。何々・・・?



     カサカサ・・・・







     「あの短時間で!?マジかよ!!

      芋にも聞いたけど赤くなるだけで
      何もいわねえし!もうそういう
      意味でとって構わないんだな!?」





     ・・・・・何をどうしたらそこまで
     テンションを上げられるんだろう。

     第一ユミル的には僕とサシャに
     どういった形で関わりあえれば
     最もオイシいんだ・・・・??? 

     そこがまず理解できない。
     出来ればそれを教えて欲しい位だ・・・。


     僕とサシャがそういった行為に及ぶ
     その場を抑えて、恥じらいながら
     悶絶するサシャを指差してひけらかす
     事とか・・・?いや・・・まさか・・・・クリスタと
     一緒になって僕達と・・・イヤイヤイヤ。


     それは流石に妄想にしても突飛過ぎる。
     こんな事直接問いかけたら確実に
     暴行を受けてしまうだろう。
     


     ・・・おっと、この問いかけに関しても
     僕が依然頭を抱えっぱなしだから
     とうとうユミルも痺れを切らして
     鉛筆のスローイング体勢に入ろうと
     している。流石にあんなものを
     投げつけられたら洒落にならない。 
     

     先っちょから飛んできたら間違いなく
     刺さるじゃないかまったく
     

     カツカツ・・・パサ・・・




     「まあ、すごかったよ。
      結局乗り気じゃ無かった
      サシャの方が積極的でね。」




     僕は迷う事も無く、紙面に
     筆先を走らせるとこれだけ
     綴って返した。


     漠然とし過ぎているが、
     事実しか言ってはいない。


     こういう手合いはできるだけ具体的な
     情報を与えず、悪戯に好奇心の燃料と
     なる油を注がないのが最も無難な
     接し方だ。・・・その上で本人のご想像に
     全てお任せするとしよう。




  48. 53 : : 2015/08/25(火) 01:43:02





     サシャは今この場に居ないし
     講義中にユミルの好奇心の煽りを
     喰らって困る人は・・・まあ、
     クリスタしかいないハズだ。

     ・・・しかし・・・
     
     ・・・見た感じではそのクリスタですらも・・・




    クリスタ「~~~//////」




     ・・・・いつもなら講義中の筆談なんて
     即刻止めるべきだとユミルの手元を
     制止しにかかる筈の女神までもが…、
     


     なんとサシャの情事がそこまで
     気になってしまっているのか
     ユミルが綴る次弾に一緒になって
     書き込むメッセージをああでもない、
     こうでもないと言い合っている。




     ・・・今講義の真っ最中なんだけど・・・:






    教官「(\ファン!/)
       





    ユミル
       「Σ(;゚Д゚)↩!」
    クリスタ




    アルミン「(あ、見つかった;)」



     ユミルがクリスタの反対を押し切って
     余程刺激の強いメッセージを紙面に
     したためたせいか、二人がその紙片を
     取り合う競り合いに入った段で・・・


     とうとう教官の頭上に大きな感嘆符が
     飛び出した。心なしか聞いた事もない
     甲高い効果音まで聞こえた気がする。

     コレには流石に眼鏡で温厚な教官も
     注意に行かざるを得ない。




    ライナー「(なッ・・・?!?お、おい・・・まさか
       ・・・俺達の女神が・・・?!なんだって
       こんな・・・・?!(小声))」



    ジャン「(ぁ~ぁ、オレ知らね,,,)」




    コニー「(オイオイオイ!こんな貴重な事って
       あんのかよ!!ユミルはともかく
       あのクリスタが・・・授業中に・・;)」





    ベルトルト「(まあ・・あれは完全に自業自得
        じゃないかな・・・(小声))」




    アルミン「(・・・・・・;)」





     心が痛むけれど・・その上で
     申し訳ない限りだが僕には全く
     この場合擁護する余地が無い。






     ユミルはともかく、史上初となる
     女神の口頭注意を受けるその姿に・・・
     その場の全訓練兵は戸惑いを
     隠せない様子だ。


     しかし、流石は女神。叱られて
     うな垂れるその姿すらそこから漂う
     品格は隣でぶー垂れているユミルとは
     対極の存在だ。罰として立たされている
     その間にも絶えず後光が
     差し込んでいる。
     




    ライナー「(しかし・・・アレだな。見ていた
      限りではユミルの奴・・・アルミンと何か
      文面のやり取りをしてた様に
      見えたが・・・(小声))」




    ベルトルト「(その様だね。・・・アルミンは
        至って平静にしてたから、
        教官には感づかれてすらいない
        みたいだけど(小声))」







  49. 54 : : 2015/08/25(火) 01:45:42




    ライナー「(俺の気のせいかもしれんが・・・
       最近アイツ、変わったな。(小声))」







    ベルトルト「(・・・ユミルが?ごめん、悪いけど
        普段から彼女を良く見てる
        訳じゃ無いし、僕にはちょっと
        わからないかな・・(小声))」



    ライナー「(違う!!アルミンだろ!!!何でそこで
       ユミルに話が飛ぶ!!?アイツは
       今も入団当初も何も変わって
       無いだろう!!相も変わらず・・・
       女神(クリスタ)を振り回しては
       今この瞬間のように迷惑を
       掛けていやがる・・・; (小声))」



    ベルトルト「・・・・・・・」



    ライナー「(全く、アニだけでも素行不良者は
       充分だってのに、もう一人の
       こっちは人の迷惑を楽しむ
       趣味まで兼ね備えてるときた。

       おまけとばかりに普段の成績は
       ちゃっかり及第点に達していて
       狡猾な面も持ち合わせてるから
       殊更にタチが悪い。クリスタに
       ついた虫の中では間違いなく
       最も脅威となる害虫だ(小声))」




    ベルトルト「(・・・しかしその害虫が睨みを
        効かせているお陰で・・

        君の敬愛なるクリスタは
        異性の害虫にはたかられずに
        済んでるじゃないか(小声))」




    ライナー「(そこがまた憎らしいんだ!(小声))」
      ムゥ・・・・!!!





    ライナー「(・・・じゃなくてだな。そうだ、
       アルミンだ。あいつ・・・随分・・・
       最近になって落ち着いてきたと
       思わないか?(小声))」



    ベルトルト「(??そうかな。僕には特に
        これといって目に留まるほど
        以前の彼と違うところが
        有るようには感じな・・・(小声))」
        ピタッ




    ライナー「(っ・??!・・・って、ああ、
       みつかりそうになった訳じゃ
       ないのか・・どうした、急に・・・

       何か引っかかる点でも…?(小声))」



    ベルトルト「(そういえば・・・・彼・・・
        最近・・・(小声))」




  50. 55 : : 2015/08/25(火) 01:47:29




    ライナー「(どうした?アルミンが最近・・・?
       何なんだ一体??(小声))」ガタッ・・





    ベルトルト「(夜中・・全然トイレ(、、、)に行って
        ないな・・・。あの日の・・・ほら、
        夜更けに彼が帰ってきた
        日からだよ。僕の眠りが浅くて
        起きた日は・・・いつも彼が
        床に着いてるのにとても
        違和感を感じてたんだ。

        以前ならどんなに疲れてても
        2日に一度は姿を消していた
        筈のアルミン()が。(小声))」




    ライナー「((溜息)・・・まったく、同じ
       男子ながら驚嘆を通り越して
       最早賞賛に値する位の
       旺盛っぷりだぞ・・・;
       

       …無論健康な証拠だから何も悪い
       事はないんだが・・・アルミンの
       見てくれでもし夜間俺達以外の
       部屋の奴らとそんな事に
       打ち込んでる最中にばったり
       出くわしちまったら・・・・

       そりゃ襲われても何も文句は
       言えないぞ・・・・;(小声))」




    ベルトルト「(例え聞えてないにしてもそこは
        言わないでおいてあげなよ。
        彼、相当気にしてるだろ…;
        (小声))」


    ライナ「(馬鹿、気にしていればこそだ。
      自分の容姿にそういった自覚が
      あるならもっと自分で気をつける
      べきなんだ。・・・だから此間の様な
      目にあう。・・・まさかアイツ・・・
      此間のアレで心に大きな傷を
      負った反動で・・・感情の起伏に
      働く何かを失ってしまったとか・・
      そんなんじゃないだろうな・・・;
      (小声))」



    ベルトルト「(…そろそろ講義中の私語も
        止めにしよう;ライナー。それに
        この話題・・僕らの憶測だけで
        進めるにはもう大分失礼な
        話になってきてるぞ;(小声))」




    ライナー「(それもそうだな。おっと、
       そういえば今日は2時限の後には
       クリスタとサシャの見舞いだったな。
       サシャの奴・・少しでも食欲が
       戻ってりゃいいんだが(小声))」
       ジュル・・・





    ベルトルト「(これは・・・完全におこぼれを
        ねらってる獣の目だな・・・;)」












  51. 58 : : 2015/08/25(火) 23:07:32




    ―丁度その頃・医務室―




    サシャ「・・・・・・・」




    サシャ「・・・・・・・・」




    サシャ「・・・・・・・・・・・」





    サシャ「(暇です・・・・・)」



    言うまでもなく特に何もする事のない
    彼女の心は現在凄まじいまでの勢いで
    押し寄せる退屈の波と格闘している
    真っ最中であった。




    ゴソゴソ・・・・




    サシャ「・・・・ぅうむ。」




    そもそも体調不良とはいえども
    床に伏したきりにならねば耐えられない
    というほどの苦痛が襲い来る
    訳でもなし・・・・



    サシャ「(しかし・・・食欲といえるものも
        今はこれといって・・・↓↓

        勿体無い限りです...ここを
        抜け出して今炊事場へ
        忍び込めればおイモ食べ放題
        だと思うのですが・・・!)」




    ・・・しかしその光景を脳内に思い描いて
    見ようとも・・・・一切湧き上がっては
    来ない、愛しきその食欲。




    サシャ「これは最早拷問ですよ・・・!(ムハァ!)
       ・・ぁあ、もぅじっとせぇれれん..((もうじっとしていたくない))

       アルミぃン..おりとぜんね(ry...((わたしせつないで...))

       ギッタン・・・バッタン・・・・




    ガチャ・・・。





    サシャ「ッっっっ!?!?」ビグッ!!!





    アニ「・・・どうも,,;」




    突如サシャにとっては
    何の気配も察せられずに開かれた
    医務室の扉。・・・というよりも普段の
    彼女の五感であれば確実に扉に手を
    かける前に来訪者の気配に気づく事が
    できる筈であったが・・・・

    あまりの退屈と寂しさにベッドに
    のた打ち回って不満をわめき散らして
    いた為、全くそこまで察知が
    追いつかなかった様だ。




    サシャ「あ、あ、あ、あ!!?アニ?!
       あなた、こんな所で一体
       何をやっているのですか?!

       まだ時間的に2時限の訓練が
       始まったくらいのハズでは・・!?」
       (マズぃです・・・!き、聞かれた・・?!)」
       ドッキン・・ドッキン・・・・!!!!





    アニ「いや、あんたこそ何やってるの;
      ベッドの上でそんなパンダみたいに
      転がって....;」







    サシャ「・・・??;あの、まず“ぱんだ”とは
       一体何なのでしょうか・・・;」
       パァンノ イッシュデスカ?




    アニ「ああ・・・そう。アレだよ熊みたいな
      生き物の事・・・。。白くて黒いんだ。」
      (ギッシ・・・)ヨッコラショ・・・・




    その様に気だるげに言うと、サシャの
    座る真隣のベッドに横になるアニ。



    サシャ「し・・・白くて黒い・・・熊・・?!?
       私今までヒグマならそれなりに
       生きてるの見た事ありますけど・・

       そもそも白いのすら見た事
       ないですよ・・・?!なんなんですか、
       その不可思議極まりない・・・

       っじゃなくって!あ、アニ!?
       あなたなぜ今此処に・・・??!」ババッ





    アニ「・・・なんだ・・・あんたが腹痛なんて
      いうものだから…もう今夜あたりが
      峠なんじゃないかって思ってたけど
      ・・・全然元気そうだね(溜息)」(ㅍ_ㅍ)
      



    東洋の御神体を模った巨大な銅像の様に
    頬杖を突いた姿勢で横になり、サシャを
    じっとりとした目で見つめるアニ。




    サシャ「質問に答えてくださいって!」




    アニ「えっと・・・あんたの看病・・・とか?」
      ゥウン・・?



    サシャ「サボりですね。」





    アニ「なんだよ、分かってるなら
      最初から聞かないでくれる(溜息)」
  52. 59 : : 2015/08/25(火) 23:11:59








    サシャ「アニあなた・・・大丈夫なんですか?
       今の時期は特に卒業に向けて皆
       しのぎを削っている真っ最中
       なのでは・・・・?
      
       憲兵団を目指しているあなたなら
       とくにそのあたりは・・・;」





    そう言ってあまり彼女らしくない
    心配を向けるサシャ。




    アニ「・・・・いいんだよ。今日は
       採点に響かない分だから。
       ちゃんと計算してサボってるの。

       ・・・それよりあんただって・・・」




    サシャ「・・・?;」
        ギクッ・・




    アニ「壊滅的な座学成績はともかく、
       立体機動とか総合評価でみたら
       ひょっとしたらひょっとするかも
       ・・・なんて言われてるようだけど…

       今日の座学に兵站行進は・・
       出とかないとマズいはずだよ。
       ・・・あんたの成績では。

       それが・・・なんだろう、
       今さっきからのあんた見てると・・」






    サシャ「な、なんですか?
        一体何が言いたいので・・・」
        タジ..タジ...





    アニ「まるでもうそういうのは
      どうでもいい・・・みたいな、
      
      ・・・もっというと何か別の所を
      見てるような気がするんだけど」




    サシャ「・・・・・・」





     ――別の所・・・







    極論言ってしまうと・・・自分は兵士に
    なったとして・・・その末にたどり着く
    未来像として。




    具体的にはどういった自分の姿を
    夢見ていたのであろうか?






    アニの一言を受けて、自らが
    訓練兵団の門扉を叩いたそもそもの
    理由を思い出そうとするサシャ。


    父親から勘当紛いの追い出しを喰らい、
    無理矢理入団しただけなので特に
    理由も目的もハッキリとはして
    いなかったのか・・・?



    否。




    彼女には彼女なりに、本気で自身の
    故郷にまでふりかかる食糧難をどうにか
    したいという強い願いも目的意識も
    あったハズだった。それらは
    アルミンに対して野山で語った内容と
    凡そ遜色ない事実である。



    ・・・ならば。





    サシャ「(私がなりたかったのって・・・)」






     もっとも平凡そうではあるが
     確実に食いっぱぐれもなく、最も
     入団が容易に思える駐屯兵団・・?




     それともやはり皆が憧れる、
     成績優秀者にしか志願を許されない
     エリート集団・・・偉くなれば肉だって
     食べ放題といわれている・・・
     “あの”憲兵団・・・・?



     一番皆が望まない行き先だけれど
     死に瀕するリスクと引き換えに
     もしかしたら今まで誰も見た事がない
     食糧を見つける事が出来るかも
     しれない・・・調査兵団・・・?






    サシャ「(どれも・・・どれも考えれば
       考える程…違う気がしてくる・・)」





    アニ「・・・・・・」




    急に黙り込んで俯くなり、その顔が
    見る見る暗い表情に落ち込んでいく
    サシャを・・・未だに変わらず頬杖枕の
    横向き寝で見つめていたアニだったが…



  53. 60 : : 2015/08/25(火) 23:14:38






    アニ「いや・・・、うん。そう深く
       考え込まないでよ。悪かったね、

       ・・あんた具合悪いのは本当みたい。
       私も静かにしてるから・・
       もう寝たら?」




    サシャ「・・・眠くないんです・・・。
       じっとしてると・・寧ろ
       ある考え事をしてしまって・・・
     
       どんどん体が熱くなってきて
       しまって。。」ハァ・・・・





    アニ「・・・そうなんだ。」





    サシャ「ぇえ・・・」






    アニ「・・・・」




    暫し無言でサシャの憂いの表情を
    見つめるアニだったが・・・





    アニ「ねえ、ひょっとしてあんたさ」






    サシャ「・・・?何ですか?」





    そこまで切り出して・・・・





    アニ「・・・ごめん、やっぱなんでもない」




    サシャ「何ですか!!??気になります!!」





    アニ「だから何でもないんだって。

       よく考えてみればそんなの
       有り得ないしね・・・・・・」フイッ






    サシャ「何が有り得ないんですか!?

       私的には寧ろアニが仰った
       白くて黒い熊なんていう
       動物のほうが十分有り得ないん
       ですけど!!!?」






    アニ「本当にいるんだって。

       壁の外の文献で見た事あるんだ。
       今度絵を書いて見せてあげるって。

       体半分が黒くてもう半分が白い・・
       出ベソのクマなんだ」ウン、イルンダ






    サシャ「それ絶対幻獣とかの類ですよ!!」





    アニ「(微笑)・・・少しはいつもの
       あんたに戻れたかな。

       あんまり暗い顔して悩んでる
       あんた見てると・・・私までなんか
       気分落ち込んでくる。」






    サシャ「ァ、アニ・・・・・」





     
    アニ 「色々あるんだろうけど・・・
       今あんたがそうしたいと思った
       生き方をするのが・・・一番
       良いんじゃないのかな。
       
       ・・・あいつ(、、、)もきっと
       そう言うと思うよ・・?」





    サシャ「・・・・そう...そうですよね。

       ぇえ。・・・・そうですよ!!

       私一人でなく・・・そう、
       “アルミン”と決めたんですから
       今更なにか希望兵科で悩むなんて
       そんな必要は・・・・・!」グッ
       ウン・・・・!!!





    そう言って一人、力強く
    握り締めた拳を胸に遠くを見つめる
    サシャを・・・真横で飛び起きた
    アニの、滅多に見られない全開眼が
    驚愕の眼差しを向けて固まった。









    アニ「 ア ル .....ミ ン ?」ギクシャク








    サシャ「ぇ・・・・?・・・・・・・あ」ピタッ






    アニ「ウソちょっとあんた・・・・

       アルミンだったの!!?!??

       あんたと・・・ア ル ミ ン!!!??」
    ガバッ!!!!!





    サシャ「アッ・・・アニ・・・・・!!!まさか、
       あなたって人は・・・???!!?」
       ワナワナワナ・・・・!!!!!





    アニ「当たり前でしょ!!?カマかけた
       だけのつもりだったのに・・・

       本当にあんたが色恋沙汰で
       そんな風に物思いに耽ってて・・・

       ・・・しかも・・・・!しかも・・・・
       その相手が・・・・アルミン!!?」
       ガバッ!!



    ガシッ



    サシャ「ヒぃ?!;」



    あまりの驚きに未だに真ん丸く
    見開いた目を光らせて迫るアニ。


    自身の両肩を掴みつつ迫ってくるその
    緊迫感にただならぬモノを感じ、
    流石のサシャも気押されて
    しまっている様子。

  54. 61 : : 2015/08/25(火) 23:17:34



    アニ「ウソちょっと!詳しく
       聞かせてよ!!それは私も凄く
       興味がある!!・・・ダメかい!!?」





    すっかりいつもの冷静沈着キャラを
    維持できない程頬まで紅潮させて
    興奮交じりに問い詰めてくるアニ。





    サシャ「ううッ・・・?!!;ダメってことは
       無いんですが・・・そもそも
       あなたにしてもクリスタやユミルにしても
       なぜそこまで他人の色恋沙汰に
       必死になれるんですか・・・?!
       私にはそれがどうしても・・・」
       ジリジリ......






    アニ「~~~、そういう風に出来てる
       ものなんだよ、乙女ってのは。」







    サシャ「ウ・・・うむゥ・・・お、乙女・・・
        ですか・・・成る程・・・;」






    アニ「分かった!!じゃあ交換条件だ!
       どうせあんただって眠くは
       無いのに此処にじっとしてなきゃ
       いけない訳でしょ。

       もしあんたがそれについて
       包み隠さず言ってくれるなら
       私の方も何だって聞きたい事に
       答えるからさ、ね,,,?

       こうしていたって後2時間は
       退屈なままなんだし、、、

       それでさっきあんたもあんな風に
       退屈そうに謎の呪文を唱えながら
       パンダみたいな運動を・・・・」








    サシャ「!!!!!!」ビクッ











    サシャ「・・・・聞いたんですか」ゴゴゴゴ・・






    アニ「・・・・うん;?」




    サシャ「私がここでのた打ち回りながら
       口ずさんだその呪文とやらを・・!

       アニは聞いて覚えているの
       ですか・・・?と・・・・・!私は今、
       そう聞きました・・・・・!」
       ゴゴゴゴ・・・!!!




    直後、サシャの全身から迸る怒気の硝煙。




    凡人にでも容易に察する事ができるその
    確かな殺気は・・・格闘を嗜むアニの
    脳内へ瞬時にして緊急事態警報を
    鳴り響かせる程の危険さをはらんでいた。






    アニ「(ビクッ)あ、いや・・・その;
      聞こえはしたよ?・・・でも。
      何喋ってたかまでは覚えてないって
      そんなの・・・;」ダラダラダラ・・・・





    サシャ「そうですか・・・それなら・・・
       それならいいんです・・・・」フゥ・・・





    威嚇体勢から一気に覇気を失わせて
    しぼんでいくフクロウの様に・・・
    徐々に普段の温和なサシャに戻っていく。


    その様子を最早固まって見届ける
    しかないアニ。




    アニ「(初めてこいつを怖いと思った;)」
       ゾゾッ.......





    サシャ「・・・い、いいでしょう;」





    アニ「ぇ・・・?いや、いいって何が??」
       ビクビク・・・!!





    サシャ「何言ってんですか!!アニ、
       あなたの方から私に言って
       来たんじゃないですか!!

       私とアルミンの膠着状況が
       どうなってるのか気になると!!」




    アニ「あの・・・膠着って言葉・・・
       使い所よく考えたほうがいいよ・・;
       それってくっついて離れない
       モノの意味も指すから…;それだと
     

       四六時中あんたとアルミンが
       そんな感じに仲睦まじく
       やりまくってると勘違いされ・・・」
    サシャ「こッ・・・・!!!///言葉のあやです!」
        カァァァ・・・!!!///





    アニ「(本当なんだな・・・こいつと・・
       ・・あのアルミンの二人が。。)」





    以前ならばまず簡単に見る事すら
    叶わなかった・・・サシャの恥辱に
    狼狽する様子。そうした光景を実際
    その目で確認する事で・・・



    今目の前に居るのが今まで自らの
    知っていた、色気よりも喰い気・・・
    というスタンスを地で行く野生児では
    なくなっている事を再認識するアニ。


  55. 62 : : 2015/08/25(火) 23:19:59






    アニ「そ・・・そういえばそうだった。
      悪いね、焦ってド忘れしちゃって。


      しかし未だに信じられないよ・・・
      なんであんたが・・・その・・・

      ・・・・アルミンなの?」




    サシャ「なんでと問われましても・・・・

       そんなの・・・まるでそれこそ
       なぜ人は芋を食すのか、という
       難題に匹敵する質問ですよ・・・;

       どうするのですか?本当にアニが
       私の質問にも何でも答えてくれる
       のでしたら・・・私もその辺
       此処に至るまでを簡単にご説明
       しますが・・・あ、でもしかし!!;」 





    アニ「・・・しかし?;」




    サシャ「あの・・・その、ユミルの耳には
       絶対に入れたくない情報も
       その中には必然と含まれて
       しまうので・・・(主に猪干し肉)


       できれば・・いえ、
       できなくてもこれらについて
       ユミルとは一切情報を
       共有しないと誓ってくれますか?」
       ビクビク・・・





    アニ「・・・・い、いいけど。。別に私が
      あいつに協力する理由ないし・・;」





    サシャ「で、ではそうですね・・・まず
       私とアルミンが此処まで
       親密になったのも、元はというと
       ・・・・・・・・

       ・・・・・

       ・・・

       ・・

       ・






    ~十数分後~





    サシャ「・・・・と、いうわけなのです。
       ・・・・ぇえ/////」




    アニ「・・・・・・はぁ///。」





    干し肉に関しては外出の目的として
    直接絡んで来る為、説明を避けて
    通れないのは勿論の事・・・サシャの
    頭でも、説明していい事と、まずい事が
    あるのは理解しながらも・・・


    結局自分にはそういった取捨選択を
    行うのは不可能と判断した末に、
    自身の身体に今正に起こり始めている
    変調の兆しと、その理由も含め・・・



    全てを洗いざらい白状してしまった
    サシャ。・・・当然口頭説明の中には
    アルミンとの行為の内容、回数、
    その場の状況など、別にお茶を
    濁してもいいような情報まで有ったため

    (この辺りはユミル達にすら未だ
    サシャ自らの口からは説明していない。)

    既にサシャの顔は日没寸前の陽光の様に
    鮮やかでありながら淡い真紅に
    染め上げられていた。




    アニ「・・・・・・・~~~」
       スゥゥ.....




    一通りの話を聞いてから緊張していた
    自身の背骨を鳴らしつつ、深呼吸を
    行ったアニの、第一印象は・・・・ 





    アニ「(思ってたより(すっご)い事になってる・・)」
      ....////////////




    聞いているだけでこちらが
    じっとして居られなくなるほど
    話の内容が過激であった為、アニの顔も
    サシャ同様に茜色の鞠に金の頭髪を
    載せたビスクドールの様になって
    しまっている。




    アニ「・・・・っていうか、初めての
      経験がそんな大冒険で・・・しかも
      超えちゃマズイ一線まで
      平気で超えておきながら・・・」




    サシャ「・・・・・//////」
        モジモジ・・・





    アニ「それでその一回きり・・・
       今日までの三週間あまり
       全然何もしてないの・・・?;」






    サシャ「だって・・・!だって・・・!
       変にアルミンとくっつきすぎて
       しまえば事実が明るみにィ・・・;」





    アニ「いやまぁたしかにさ・・・
       そう言われて見れば全然私達
       女子ですら(ユミル・クリスタは除外)
       気がつかなかったけどね。

       はぁ・・・・またしかし・・・すっごい
       事になっちゃったんだねあんた。」
       ジロジロ・・・・





    サシャ「うぐ・・・・;」




  56. 63 : : 2015/08/25(火) 23:23:10



    アニ「・・・・でさ、大まかにはどうする
       つもりなんだい?あんた自身。」




    サシャ「どうって・・・」




    アニ「だって、あんたあいつと
       ずっと一緒に居たいから・・・
       最後の一歩を自分から引き込んで
       戻れない方を選んだんでしょ・・?

       あいつの性格なら私だって
       分かるよ。・・・あんたが強く
       迫らなきゃ・・・絶対あいつだけの
       都合でその一線は越えない。

       そこにはあんたの強い意志も
       あったから、そうした筈なんだ」





    サシャ「・・・・・それは間違い・・ないです
        ・・けど・・・・↓↓」





    アニ「ああ、やめやめ、やめよう?
       折角さっきやっといつもの
       あんたに戻って少し話しやすく
       なったと思ったのに・・・

       またその調子に戻られたら
       話がどんどん暗くなる。


       ・・・けどね、やっぱり別に難しく
       考える事はないと思う。」





    サシャ「・・・といいますと?」





    アニ「単純に言えば・・・あんたは
       このまま壁外っていういつ
       死んでもおかしくない死地に
       赴く事になる調査兵団以外に
       志願すればいいんだ。

       一番良いのは、やっぱりユミルや
       クリスタ達が言うように・・・卒業まで
       あんたの体の状態を悟られずに
       そこにたどり着ける事だね。

       ・・・後は・・・」




    サシャ「・・・・後は?」ゴクリ




    アニ「アルミン(あいつ)が技工に進んで
       それなりにいい恩給を得られる
       とこに配属になる事かな。

       ・・・大丈夫。あいつ、総合成績じゃ
       体力に大きな問題があるから
       10位入りして憲兵ってのは
       流石に無理だけど・・・

       座学はほぼ全訓練兵中ダントツ
       1位だから。」





    サシャ「で、でもそれって・・・
        一時的とはいえ私とアルミンが
        離れ離れになってしまうのでは」
        ガクガクブルブル・・・・







    アニ「そんなに青い顔しないでよ;

      離れ離れって言っても・・・所属が
      近ければ週一で会うくらい全然
      できる。3週間我慢できるんでしょ
      (苦笑)」






    サシャ「そっ、それはそれです!!///

        私はこのお腹の中の大事な
        アルミンとの赤ちゃんをできるだけ
        二人で常に見守りたいのです!
        それは女性として当然の
        願いでは!?;」







    アニ「言いたい事は分かるけど・・・
       ほら、未だ私はそういうこと
       経験無いしね・・・。」






    サシャ「その言い方はズルイです....;」
       ウググ・・・;







    アニ「反対におもわしくない
       事の進み方を説明するけど・・・

       一番恐れられる、良くない
       パターンが・・・あんた達二人が
       卒業前にそこまでデキてるって
       発覚する事だよ。」







    サシャ「わ、分かってますよ・・・;」





    アニ「いいや、あんたもそれなりの
      覚悟はしてるかもだけど、
      あまり正確には脅威の度合いを
      把握できてないと思う。

      まず開拓地にでもどこでもって
      言うけど・・・今、その食糧を
      生産してる開拓地すら酷い
      食糧難なんだ。

      何故って・・・当然生産された
      穀類、作物、その他食物は・・・
      開拓地の労働者より今の私達とか
      城壁都市、内地で行動している
      兵士に優先して回されるから。


      当然飢えて死ぬ程ではないと
      思うけど・・・」


  57. 64 : : 2015/08/25(火) 23:27:13



    サシャ「・・・・・ッ」
        ゴクッ・・・







    アニ「間違いなく今の半分くらいしか
       ご飯にはありつけなく(ry・・・
    サシャ「そ、それは嫌です!!!!!!」
       ガバッ!!!!!!




    アニ「・・・でしょ。
       
       だから・・・まず大事なのは、
       あいつが・・・アルミンが
       あんたの子供の親だと
       発覚する前に何とか技工方面、
       つまり何かの拍子でいつ
       死んじゃうか分からないような
       兵科に入らないで仕事に就く、
       これが一番なんだ。

       うまくすれば内地に住めるかも
       知れない。」






    サシャ「内地・・・ですかぁ・・・。

       私は正直・・・そこへ向かう位なら
       父の張り手を喰らう覚悟を
       背負ってでも・・・まず一度は
       自分の故郷に帰る事が目標ですね」






    アニ「・・・なんだ。ちゃんとそういう事
       心に決めてるんじゃないか。

       ・・・変に心配して損したよ・・・
       それならそうすればいいと思う。

       きっとあいつも・・・あんたの
       意見に反対なんてしないよ。

       あんたと一緒に・・どれだけ怖い
       お父さんなのか知らないけど・・

       “娘を傷物にしやがって”

       なんて言われる事も覚悟して・・・
       きっとあんたと一緒に並んで
       頭を下げてくれるよ」






    サシャ「・・・・・////」






    アニ「お父さんに報告するってのは・・
       私も物凄く賛成できる。

       きっと・・毎日あんたの事を
       心配してくれてる筈だから。」





    そう言って自分の掌を見つめる
    アニの顔に・・・平時には見せない
    暖かさを感じたサシャは、無言で
    その言葉に頷いて返事を返した。






    サシャ「・・・・・はぁ///
       とても勇気の要る告白でしたが・・・
       アニに全て聞いてもらえて。

       そして相談に乗って貰って。
       
       ・・・私なんだか少し肩が軽く
       なった気がします。今日は
       本当に有難うございました・・・
       アニ。」ニッコニコ///






    アニ「ウン・・・;まあ、それは
       結構な事だけど・・・あの。、

       こっちの交換条件の事は・・
       いいの?」ナンカ オワロウト シテナイ?;






    サシャ「ハッ!!!?     
       わ、忘れてました!!!
       もう、早く言って下さいよアニ!!」
       モォォオ!!(。◕ˇдˇ​◕。)






    アニ「だから!!ꐦあんたが勝手に綺麗な
      終わり方しようとしたから
      態々教えてやったんじゃないか!!」







    サシャ「そ、そうでした?!!!;
       それは、反対に失礼しました!!?」
       スミマセン!!!






    アニ「(溜息)....で、その、
       あんたの交換条件って
       一体何なのかな・・・・。

       何でもって言っちゃった上に
       あんたの話を全部聞いちゃった
       手前あんまり声を大にしては
       言えないけど・・・

       余りにも無茶な事は聞かないでよ」
       オドオド....





    サシャ「ええ!そんなに難しい
       事ではないはずです!
       ただ、私には“それ”を
       してみよう(、、、、、)と思った事が無かった
       から全くやり方が理解できない
       だけで・・・アニやミカサなどは
       きっと・・・話を聞いた上では
       その限りではない筈ですので!」
       ギッシッ・・・・





    アニ「・・・・・・・.....???;」
       ピクッ・・・





    ・・・等と、ところどころ直接的な
    言及を避けつつ何故かアニの座る
    ベッドへと移動した上で・・・

    そそくさとアニの真隣に密着して
    座るサシャ。その顔は若干
    気恥ずかしそうな笑みに震えている。。





    アニ「(な・・なんだ・・・・?!何だろう・・・
       上手く言えないけど・・何だか
       凄い嫌な予感がするんだけど)」





  58. 65 : : 2015/08/25(火) 23:43:17






    アニのうなじに滲み出す嫌な汗。




    と、次の瞬間―――





    サシャ「あのーー・・・///;ゴメンなさいね、
       アニ。アレから日も大分経って
       ますし…もしあなたの“ココ”が
       以前と違ったお手入れをされて
       居ますと質問のしようがないので
       ・・・先に確認をさせて
       貰いますよ・・・・・?」




    ドスッ・・・
            グイッ......!!








    アニ「ッッッ!!!?!??/////////」





    ベッドの縁に二人で並んで腰掛けて
    居た状態から・・・抵抗させる間も、
    問い返す間も与えず、不調を訴えている
    人間の動きとは思えないくらいの
    鮮やかさで。



    アニの両足の正面へと顔を向けて
    しゃがみ込んだサシャは・・・・・・




    アニの下衣・・・つまりズボンを
    勢い良く引き卸したのだった・・・・





    ―――――っっっ






    「ッッぁぁあああああぁぁぁああ
     ぁぁああああぁぁぁぁあぁ!!!!??!!!」







    上記のような絶叫を上げながら
    その場を全力で離脱しようとする
    アニだったが・・・・


    ずり下ろされた下衣に両足を
    雁字搦めにされた状況でその様な
    回避動作が上手く行えるはずも無く。



    直後には得意の足技も放てず、
    肉厚な桃尻を晒しつつ体の正面から
    床に倒れこむ事に。


  59. 66 : : 2015/08/26(水) 02:32:27






    アニ「へぶっっ!!!!!!//」
       バターーーーーンン!!!!!





    サシャ「ああ、はいはい、暴れないで
       下さいねアニ~・・・流石に今の
       一瞬では良く見えませんでした」
       グイッ・・





    アニ「ぴ゚ゃッッ///////!?!?!?!?」
       ビクッ!!!!!





    なんと、それだけでは飽き足らず、
    床に全身を叩きつけられ、更には
    足の拘束とあまりに大きな動揺で

    咄嗟には身動きが取れないアニの
    桃尻に手を伸ばすと…おもむろに
    その割れ目を開帳するサシャ。



    これには流石に気が動転していた
    アニも未知の奇声と血の叫びを上げて
    抵抗の意思を喚き散らす。






    アニ「ナッ・・・・ななななッぁぁああ!!
       どこ触ってるんだい!!!!??

       アンタもユミル(ソッチ)側の人間だった
       ッていうの!!?!?

       っていうかストップ!!!!!!!!ꐦ
       それ以上何かシたら教官に
       言いつけて・・・い、いやその前に
       泣くまで蹴っ飛ばすよ!!!???(怒)」
       ギャァギャァ!!;






    サシャ「ふぅん・・・、!!あ、ああ!
        やっぱりそのままですね!
        良かった!!安心しました(溜息)」





    アニの怒号もどこ吹く風と冷静に
    その谷間の奥底を眺め終わるとその
    眺望に満足が言ったかのように両手を
    アニの臀部より離すサシャ。



    プルンッッ....



    血流の圧迫から解き放たれ、
    サシャの手形が残った
    アニの白桃が・・・元の形状へと
    小さく弾んで元に戻る。





    アニ「・・・・何を納得したか知らないけど
       ・・・私に急にこんな事をして・・・

       ちゃんと私にも理解できる理由を
       話してくれなきゃ・・・;!!!ꐦ」
       ピクピク・・・・プルプル・・・




    臀部が弾むリズミカルな振動に
    負けじと震え上がるアニの双肩。




    怒り爆発、5秒前。




    足の拘束さえ冷静に外せれば
    (勿論その場合一時的に半裸と
     なってしまう訳では有るが)
    直ぐにでも怒りの踵落とし(ネリチャギ)をサシャの
    ポニーテールに落雷させる事すら
    いとわないという怒気を纏い・・・




    今ゆっくりとその上体を起こすアニ。





    しかし更に追い打ちをかけるかのように
    その場でサシャが行ったのは・・・・・





    サシャ「ふむ・・・↓↓しかし“ここ”から
       どのようにしてアニの“その”
       状態まで綺麗にできるのか、
       それを是非ともご教授願いたく・・」




    ズルっ




    アニ「  」
      (;゚Д゚)パクパク・・・





    自身の恥部を現在のアニと同じように
    露出してみせる、という理解に苦しむ
    行動であった・・・・・





    ・・・・・――――――ッッ!!!!





    本日何度目となるか分からないが、


    声にならない程の高音域に達した
    アニの渇いた叫びが・・・



    医務室から宿舎全域へと響き渡った。。。
  60. 67 : : 2015/08/27(木) 22:22:45







    ~アニの絶叫がほぼ無人の宿舎に
     響き渡っていた丁度そのとき~









    ―訓練場周辺・山林エリア―








    キース「どうした貴様らァ!!!!!

       何やら調子の出ないものが数名
       居る様だな...!!大方この兵団での
       しごきとも、もうじきおさらば
       出来ると思って内心弛み切って
       居たのだろうが・・・・!

       甘いぞ豚共が!!!!」
       パッカ パッカ パッカ.....





    木々に陽光を遮られ、
    仄暗く冷めた空気が漂う林道。

    木々達の放つ植物由来の揮発性物質が
    鮮やかに薫るその山道を一心不乱に
    駆け抜ける訓練兵一同。



    ミカサ率いる先頭位置から
    大分離れた位置....つまり今正に教官が
    跨って列に並走させている馬の蹄音と

    教官自身の渇を入れる怒声が響き渡る
    最後尾付近。。。。否、正真正銘の
    最後尾に彼の姿はあった。







    アルミン「ゼハッ・・・・ゼッ・・・ゴホッ・・・」
      ギッシギッシ・・・・




    ライナー「・・・ッ・・・・・ッ・・・」
       ドッドッドッド......






    何の荷物も持たずに行う走り込みで
    あったとしても結果は同じ事になると
    予想されるが・・・



    その上更に立体機動装置一式に相当する
    重量を持った荷袋が....容赦なく
    アルミンの残り少ない体力を削っていく。




    ライナー「(・・・・気のせいか・・・アルミン・・)」



    しかし隣でアルミンと並走する、
    最後尾に陣取る理由が一切無い筈の
    ライナーはこれまでに見慣れた彼と
    今そこにいる彼の相違点に気がつく。





    ライナー「(少し・・・ペースがいつもより
       安定しているな・・・呼吸にも
      “まだ”いつもより余裕がある。、

       これまでなら・・・この辺り、
       佳境も近くなるとダズ同様に
       逆流の兆しを見せ初めて顔色も
       相当悪くなってくる筈だが・・・

       足もいつもより上がっている・・
       これは・・・・)」




    自身にとっての最高速を大きく下回る
    歩調であるため、その様に冷静に
    分析していたライナーに・・・





    アルミン「ゼッ・・・・ハッ・・・ラ....イナーー・・・・?!
      聞い...てるのか・・・・?!さっきカラ・・・」





    考え事をしていた為耳に届いて
    いなかったのか、そのように呼びかける
    アルミンの声が。





    ライナー「ぁあ,,わ,,,悪い!何か言ったか!!

       ...というか...お前喋ってる
       ,,余裕なんて,,無いだろう,,,

       そんな余裕があるならッ,,
       前だけ見て走れッ,,,,,,」





    アルミン「前からッ..ゼェ,,,ハッ、、、、
      言ってる,,,,だろっ!、、、

      僕につかなくて,,,,いい!!!;

      君には君の...採点基準がッ,,,,,」
      ハァハァ・・・・・・!!!





    ライナー「・・・・・;・・・・・・;ハッ・・・
       ・・・・悪いがよく聞こえんな・・・、
       
       今日こそッ,,,ダズを抜ける様、、
       意地を見せてみろッ...」パンッ






    そう一言だけ発破を掛けると荷袋を
    平手で弾くライナー。




    彼が顎で示すその先には数メートル先で
    アルミンと似たようなよろけ方をして
    走る屍と化しているダズの姿が。





    ――彼の花畑も恐らく程近い。



  61. 68 : : 2015/08/27(木) 22:26:42




    アルミン「ハッ・・・・ハッ・・・・い、いわれ・・・
      無くたって・・・・!!フゥ・・・ハァ・・・・;」
      ヨロヨロ・・・





    しかし、その様に意地を見せてみようとも
    これ以上の加速は望めそうに無い程
    這う這うの体である彼の隣に・・・






    ユミル「だぁクソっ...!!!ゼェ・・・

      ガハッ・・・・座学の時間(さっき)立たされてた
      モンだから調子でねェ―ー!!」
      ハァ、、、ッ!!ハァ、、、、



    タッタッタッタ.......




    アルミン「(その割に余裕綽々に喋ってる
       様に見えるのは僕だけか・・??!)」
       ハァハァ・・・・;





    ・・・・さらに増える並走者。




    言葉の内容とは裏腹に、
    やはりいつもであればこの様な順位に
    甘んじているはずの無いユミルが
    並んで来る。




    ライナー「なんだ・・・・ハッ・・・ちょっかい出しに
      来たのかッ・・・?!ハァ・・!

      止めてやれ・・・!こいつだって,,,
      必死にだなっ......」





    ユミル「馬ッ鹿,,,,逆だっっ,,つーの!!」
      ガバッ




    アルミン「ッぁ!!??、、、、、ッ!!?
       、、、、!??」
       ギシッ,,,,ギシッ、、、、、



    そう言い放つと、何とライナーと
    反対側、アルミンの真隣にぴったり
    着いて並走していたユミルは・・・・


    突然彼に手を回してその片耳に唇を
    近づけた。






    ライナー「!!?!??」




    キース「.........」パッカパッカ・・・・




    ユミル「(イッつもこの辺で走らないから
      、、、、良くはわかんねーけどッ,,,

      随分と,,,頑張ってるじゃねーのッ
     
      芋もきっと退屈してんだ,,,
      気合入れて走れよッ,,,ヘヘッ(小声)」





    アルミン「ッッ、・・・・・ッ。。。。。、、」コクン
       タッタッタッタ・・・・




    きっと、彼女なりに最大限の
    エールを送りに来てくれたのだろう。


    酸素が足りず、乳酸の異常増加に
    全身が悲鳴を上げているせいで
    いつもの半分程しか考える頭が
    働かないアルミンはそう判断し・・・
    そして無言で頷いた。



    ライナー「ぉぃユミルっ・・・・!

      教官も見てる目の前でッ.... 

      そこまでしてアルミンにッ・・・」
      キッ....





    ユミル「ぉお、怖い怖いッ。。。。

      ハッ。。。じゃぁな、。。私は
      そろそろ向こうで,,,,

      茹で上がったタコチューみたいな
      顔になってる女神様をからかいに
      行かなきゃだっ,,,,」ヒャハッ♪
      ダダッ・・・・




    ドドドド・・・・・






    そう言い残すとあっという間にダズを
    追い抜かし、遥か前方を操り人形の
    ような姿勢で駆けるクリスタに
    絡みに行くユミル。







    アルミン「(“タコチュー”ってなんなんだ・・?!

       っていうかそんな余裕だったのか
       ・・・・!!くそっ・・・男なのに
       こんなっ,,,情けなさすぎだ!!)」
       ゼッ...ゼェ、、、、、




  62. 69 : : 2015/08/27(木) 22:29:08





    ライナー「まったくっ,,,あそこまで、、、
      頑張ってる人間をコケにするっ、、、
      女ってのもっ、、、実に珍、、、
    アルミン「ライナーッ・・・!!!少しっ・・・・ペースを
      。。。。上げるよッ。。。。」ゼヘ・・・




    ライナー「ぁ・・・ぁあ・・?

       無理するな・・?!意地を見せるのは
       、、そりゃ、、、大いに結構な、、、、
       事だがなッ。。。。此間みたいに
       ゴール前で、、、、貴重な飯を、」



    ダダッ。。。。。!!







    ライナー「おッ・・・?!」





    アルミン「(とっとと走りきって・・・

       サシャに・・・会いにっ、、、
       行くんだ・・・・!この地獄を、、、、

       乗り切ればッ・・・!)」ハァ・・ハァ・・・!






    ライナー「(オイオイ大丈夫か・・・・;)」






    アルミン「(サシャに・・・サシャに会えるんだ!!)」
       ガシャッ・・ガシャッ・・・!





    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



    行進コースもいよいよ佳境に差し掛かり、
    先頭のミカサは既にゴール地点にて
    黙々とヒンズースクワット及びブルガリアンスクワットの
    交互セットによる追い込みをかけている頃。




    そしてそれに連なるエレン達、運動成績
    優良者達がそのシュールな光景に
    息も絶え絶えになって、見ている事しか
    出来ないでいる頃。




    ・・・・最後尾に居ながらにして、
    その体力も既に風前の灯に等しい
    アルミン()の双眸には・・・・いかなる逆風にも
    消されんとして燃え盛る炎が宿った。









    ~それより数分後~






    ―医務室―







    アニ「まったく・・・・そういうことなら
      そうと・・・先に口で説明してよね・・

      ・・・いきなり脱がされるから
      まさかあんたにこの場で大事な
      貞操を奪われるんじゃないかと
      本気で焦っちゃったじゃないか..」
      ハァ。。。。



    サシャ「ゥッ・・・グエ・・・・・・・(ピクピク)

       しかしだからって貴女・・・・!
       お腹にッ・・・お腹に一撃入れる
       非道な人が果たして居ますか?!

       もしこれでアルミンの子が・・・!!」
       ゲフ・・・




    アニ「安心しなって・・・さっきのあんたの
      話から考えれば“まだ”そういう
      段階じゃないから・・・。。(溜息)」





    既に落ち着きを取り戻し、
    サシャによって摺り降ろされた下履きを
    履きなおしたアニが床に這い蹲る
    サシャを見下ろしていた。






    アニ「・・つまりあんたは・・・・いままで
      ほっといたその無駄毛を、どうやって
      処理すればいいのか気になってた。
      ・・・そういう事でいいんでしょ」





    サシャ「わッ・・・分かってくれて
       いたのでしたら私がアニの痛い
       蹴りを貰う理由などどこにも
       ないじゃないですかァッ・・・・!」
       (ノω`;)・゜・。オフゥゥ....;





    アニ「・・・それはあんたがいきなり何も
       説明せずに脱がした罰ってことで」
       huh???





    サシャ「ぅうう、、、お腹に穴が
       空くかと・・・・;」メソメソ・・・・・





       
    アニ「・・・ほら、そういうのいいから。
      気になるんでしょ?どうやって
      そこを綺麗に処理してるのか。。

      ていうかいい加減ズボン履いて;」 





    ・・・自身は既に着衣の乱れを正して
    居るが、サシャについては未だ
    半裸である現状に溜息を吐いて目頭を
    抑えるアニ。


  63. 70 : : 2015/08/27(木) 22:31:48






    サシャ「わ・・・・分かりましたよ・・///
       ・・・・・で、肝心のその・・・
       この部分の毛を綺麗になくす方法
       ですけど・・・・?」スルッ・・・




    ズボンを履きなおしながら問いかける
    サシャ。




    アニ「別に何も難しい事しないよ・・
      剃るだけ。あんただって一回くらい
      水浴び場で誰かやってるの見た事
      ない・・・?(まあ、私も誰か居る時には
      やらないけどね・・・・)」




    サシャ「そル・・・?いえ、私が水浴びを
       している時にその様な事を
       単身行っている人は・・・一度も
       目にした記憶が。」
       ソモソモ ドウ ヤルノカサエ....;





    アニ「(まぁ・・・それもそうか。
       普通は・・誰も見てないところで
       一人でするもんだよね....)」
      (溜息.....)






    サシャ「まさか・・・一本一本、
       引っこ抜くなんていうんじゃ・・
       ないですよね・・??!」ガクガク・・・





    アニ「そう思うならやってみなよ。
      ここで見ててあげるからさ; 」





    サシャ「イッ!!?いえいえ!!!そんなの
       絶対に御免です!!!?

       私試しにやってみましたけど
       一本目で悲鳴を上げましたから!!

       ユミルには突然ニワトリみたいに鳴くな!!
       ・・・ってお叱りを受けて
       しまいましたし・・・・!

       あんなのこれ全部でやって
       しまったら・・・・!死にますよ!!!?」
       ゼッタイ血トカデマス!!






    アニ「(や っ た ん か い。)」
       ガックリ.....;






    アニ「あー・・・じゃあ何て言おう・・

       ほら、こういうのに適した
       剃刀っていうのがあって・・・

       それを肌に平行に滑らせて
       ・・・所謂“削ぎ落とす”ワケだよ。
       そういった部分の毛をね。」
       ゴホン





    サシャ「ハッ・・・刃物を、、このような
       デリケートな部分に当てに
       行くのですか!?そっ・・・そんな
       正気の沙汰とも思えない事ッ・・!」





    アニ「そう・・・?まあ、ホントの最初は
      確かに皆そう考えるだろうね。

      ・・・でもさ。まずそれを
      聞いてなかったんだけど・・あんた、
      何で今になって急にそこを気に
      しだしたんだい・・?その・・・・

      毛の量の程度で言ったって、
      あんた位の量なら・・・殆ど気に
      ならないと言うか・・・あんた自身
      有ったほうが落ち着くって言ってた
      じゃないか・・体洗ってる時・・・」







    サシャ「・・・そッ・・・それはァっ・・・
       その・・・・;・・・うう・・・」モジモジ・・








    アニ「・・・無理には聞かないから
      そんな恥ずかしそうにしなくて
      いいけどね。誰にだって心境の変化
      位あったって別に・・・
    サシャ「あっ・・そのですね・・・・;
       アルミンが・・・・ッ・・・





    アニ「・・・・・、、??」







    サシャ「アルミンと組み合う事になった
       あの日ですが・・・月明かりが
       ちょっと当たったとき・・・見えて
       しまったんですよ・・・・!!」





    アニ「・・・・・・うん?」




    サシャ「アルミンの××××・・・・!!
       まっさらなツルツルだったんですよ!!?

       それに対してどうですか・・??;
       この私の有様は・・・!

       あの時は暗かったですし、
       きっとアルミンも触って気づいて
       いたのかも知れませんが、、


       ・・心優しきアルミンの事です・・・・!

       見てみぬフリをして私の
       “これ”については触れない様に
       してくれていただけで・・・
       本当は・・・心の奥底では・・・!!
       私のこのジョリっとした手触りに
       ・・・・・!!(ぁぁああ・・;)」ビクビク;
       ((((;゚Д゚))))






  64. 71 : : 2015/08/27(木) 22:34:29





    アニ「・・・・考えすぎだと思うんだけど;」





    サシャ「いいえ!!気にしますってゼッタイ!
       ・・・・ハッ・・・??!ま、まさか・・・!!

       あれから三週間もの間・・・・!!
       アルミンとご無沙汰なのも・・・!!?

       それが原因で避けられてる
       だけなのでは・・・・・!!!!?」
       ガクガクブルブル・・・・!!






    アニ「うん、そ れ は な い。」
          (キッパリ断言)  





    サシャ「ナッ・・・・!?なんでそう
       言い切れるんですか!!?
       アニ・・貴女にアルミンの気持ち
       なんて・・・・!!」




    アニ「分かるよ。それくらい。
      私だって、自分のここに生えてる
      だけでも違和感感じて嫌だから
      定期的に処理してるけど・・・

      別に、もしそういう相手が
      私にたまたま見つかったとしても
      ・・・・///私ならそういうの、
      多分気にしないと思うし。。」






    サシャ「それ結局アニの意見じゃ
       ないですか!!!?私が気になって
       仕方ないのはあくまでアルミンの
       見方なんですって!!!も、もし
       これでアルミンに嫌われて
       しまったら私ッ・・・!!私ッッ;;!!!!」
       ゥゎァァ...;;!!





    アニ「・・・その位で嫌いになるような
       相手なら馬に蹴られて
       死ぬべきだと思う・・・・」
       ゲンナリ・・・・↓↓






    サシャ「分かりました!!私の考えすぎと
       言うアニの意見も充分汲み取り
       ましたから!ですからとりあえず
       その方法だけでも教えて下さい?!

       別に教えて何かアニに損する事が
       あるわけでも無いんですよね!?」
       ズビッ・・・






    涙目になり、鼻を啜りながら縋りつくサシャ。







    アニ「ぅッ・・・分かった、分かったって!
      とりあえず鼻かんで;」







    ~更に数分後~












    サシャ「ふむ・・・はあ・・・すると
       それ専用の用途に特化した
       形状のナイフが・・・あるのですね?」





    アニ「そう。私のも部屋に戻れば
       あるけど・・・,,,あ、待って、。

       医務室ならひょっとして・・・」
       ガタッ・・・




    ガサ・・・ゴト・・・・




    そう言って戸棚を物色するアニ。
    引き出しをまさぐる事数分・・・・



    アニ「あ、あった!ほら、
       私の持ってるのとは少し
       形が違うけど・・・こんな風に、
       先が平たいんだ」チャッ・・・



    サシャ「・・・・ふむ、物凄く小さな・・・
       鉈のような見た目ですね・・・

       成る程、削ぐ事にしか使わない上
       男性が顔の髭などを落とすのにも
       使うから・・・先端は尖ってない
       ・・・というわけですか・・・フムフム」
       シゲシゲ・・・





    アニ「一応言っとくけど・・・盗んじゃ
       ダメだよ・・?」ワカッテルヨネ





    サシャ「私を盗賊か何かと勘違い
        してませんか!??;;」
        ワタシ タベモノシカ ヌスミマセン!!





    アニ「食糧限定でもそれ充分な
       罪だから・・・↓」




  65. 72 : : 2015/08/27(木) 22:36:43








    サシャ「と、っともかく・・・これは
       どうにかして私の手持ちで
       手に入れます!!流石に使用する
       部位が部位です・・・あなたや
       他の人に借りようとするのも
       あまり宜しくないでしょう・・!」
       ムゥ・・・





    アニ「驚いた・・・・;あんたも一応
       そういう気配りできるんだね」







    サシャ「流石に分かりますよそれくらい
       ・・・!それに聞いた限りでは
       それなりの慣れも必要な
       感じです・・・;少し誤って
       地肌を切ってしまうリスクも
       負わなければならないのですから」






    アニ「さっきも説明したけど・・・やる時は
       多少見え辛くても絶対に石鹸で
       泡をつけてからやるんだよ?

       ・・・そうしとけばまず殆ど肌を
       派手に切る事はないからさ。

       ・・・まあ、最初のうちはどうしても
       すこし肌に赤みがでるかも
       しれないけど・・・」






    サシャ「・・・あ!そうでした!!アニ、
       あなたにもう一つ聞きたい事が
       あったんです!!

       今のあなたの言葉で
       思い出しました!!」ヨカッタ!!!







    アニ「・・・・?何だい?もう一つ??」
       ウン?







    サシャ「あなたがいつも水浴びの時に
       これでもかってくらい体に
       つけてるあの泡・・・!!あの石鹸
       です・・・・!!」






    アニ「ああ・・・あれか。。」





    サシャ「あれ・・・備え付けの
       じゃない奴ですよね・・・?!

       なんか凄くいい匂いするんで
       いつも気になってたんですけど
       ・・・・・・!」








    アニ「・・・・自分じゃ結構気づかない物
       だけどさ・・・前ちょっと、

       私自身の体臭が気になった事が
       ・・・・あったから。

       それで町まで出たときに少し
       値の張る石鹸を買ったんだ。
       紫の花から絞った油の奴ね。

       それが結構よかったものだから・・
       今も使ってるんだ」チラッ・・・





    サシャ「・・・・!!」







    アニ「・・・・次の調整日っていうか
       明日か。。市場行くから・・

       買ってきてあげようか・・・?;」








    サシャ「!!!!は、ハイそれはもう是非!!

       や、やったぁ・・・・!!;これで私も
       放屁臭とは無縁な、花の匂い
       香る女子に・・・!」グッ・・!!






    アニ「・・・・・・・」






    そんな言葉と共に両腕で作った
    握り拳を抱きしめ、本気で嬉しそうな
    顔をするサシャ・・・と、その様子を
    繁々と見つめるアニ。






    アニ「(本当・・・こいつ変わったよ・・・
     こんなに…人を変える物なんだね・・)」




     ――恋っていうヤツは・・・・・・







  66. 73 : : 2015/08/27(木) 22:41:57




    サシャ「あ、勿論御代はきっちり
       支払いますからね!!!蓄えは
       ちゃんと有りますのでその点は
       ご安心を!!!」エッヘン!






    アニ「・・・・一応いっておくけど、
       市場の品物って・・・物々交換じゃ 
       買えないからね・・???;

       セミの抜け殻とかじゃ
       取り替えて貰えないから・・・・」





    サシャ「ナッ・・・?!!!あ、アニ!!
       私を馬鹿にしすぎです!!!!

       それにっ・・・”!!!何ですか!
       その“せみ”とは!!!?

       また私の知らない生き物の
       名前か何かですか!??」






    アニ「(ああ・・そうか・・この“世界”には
       たしかセミも・・・・)ううん、
       ごめん。悪かったね。流石に
       あんたでもお金くらい持ってる
       よね。

       ・・ちょっとイジワル言っただけ」







    サシャ「と、ともかくそういうこと
       ですから・・・え、ええと、
       まずはそのアニ愛用の石鹸と・・・」
       エット・・・




    ガチャ・・・・






    サシャ「・・・・!!!」




    アニ「あ・・・・;(しまった)」






    突如開かれた医務室の扉。
    そこから真っ先に覗かせた顔を
    見るなりその顔一杯に輝かんばかりの
    笑みを溢すサシャとは対照的に・・・




    退却の機を逸してしまった己の
    不手際に舌打ちして悔やむアニ。





    そんな二人の目の前に




    ドタドタ・・・





    アルミン「サシャ!!具合のほうはどう!!?」
       ゼェ・・ゼェ・・・




    ミカサ「花壇からトマトを一つ
       拝借して来た・・・体にいいから
       食べて・・・・」




    ライナー「さっきから姿が見当たらないが・・・!
      女神(クリスタ)はもう先に着いてるのか・・・
      (キョロキョロ)
      って・・アニお前ッッ!!こんな所で
      悠々とサボり三昧か!!!!?」
      ウォォォ!!  




    ユミル「うっせぇよこのゴリライモ!!
       病人の部屋で大声出すな!」






    どのような経緯でこうなったかは
    知れないが上記の通りの四人が
    次々に雪崩れ込んでくる。








    アニ「(チッ・・・ついつい時間を忘れて
       話し込んじゃったよ・・・全く、、)」
      フイッ・・





    サシャ「・・・・・////」ニヘニヘ


    アルミン「/////」ニコニコ




    アニ「・・・・(・・・・そんな調子じゃ
       今さっき事情を聞いた私じゃ
       無くたってバレバレだよ・・・;)」
       グイッ




    サシャ「!」



    無言で肘をサシャの脇腹に
    突き立てるアニ。



    アニ「(ホラ・・・顔。そんなニヤニヤしてたら

       どっからどうみてもあんた達
       そういう、良い仲にしか見えない
       よ・・・今・・;(小声))」





    サシャ「ハッ!!!?」ビクッ
        (;゚Д゚)






    アニ「(それじゃ・・・御代はまた後でね。
       私が立て替えとくから。後・・・
       剃刀のほうはうまく手に入れなよ
       (小声))」
      ポン・・・





    そう言い残し、ライナーの長い説教が
    始まる前にとその場をのらりくらりと
    抜け出していくアニ。






    サシャ「(あ、有難うですアニ!!!
        今日はとても為になりました!!
        このお礼もいずれ!!(小声))」





    アニ「っ、、、」フッ・・・





    無言で去っていくアニの顔は・・・
    誰にもその表情が見えない出入り口に
    差し掛かったその瞬間だけ・・・
    微かな笑顔に緩んでいた。




  67. 74 : : 2015/08/30(日) 16:53:21






    ~数分後~




    サシャ「それはそうと・・・アルミンあなた
       いつにもましてお疲れみたい
       ですよ・・・大丈夫ですか?

       さっきから膝が笑いを
       堪えられない様子ですが・・・」
       ソワソワ・・



    ミカサ「今日は後半が行進だったから・・
       ...どうぞ。」
       (4等分トマトを皿に載せ)




    ライナー「ぁあ、でもこいつにしては
      いつもより頑張ったんだぞ。

      何と今日はあのダズを追い抜いて
      ラストでドベ2に返り咲いた!
      お前もやるときゃやるんだな!」
      (頭ワシワシ)



    ユミル「・・・・・」




    アルミン「や、、、やめてよ///;
      返り咲きって言ったって所詮
      ビリから数えて2位じゃないか...

      素直に喜べないよ...」




    サシャ「・・・・へぇ!頑張ったんですね、
       アルミン!私、そういう
       やる気に満ちた人、大す...
       ....ぁあ//、いえ!凄く偉いと
       思いますよ!!ええ!!」ニッ!
       (ムッシャムシャ・・)




    アルミン「あ・・、ありがとうね;」





    ライナー「そ・・・それはそうと・・・(キョロキョロ)
      クリスタは一体どうしたんだ?

      エレンもベルトルトも、皆で
      コイツの見舞いに行ってやろうって
      話だったのに」





    ユミル「クリスタならちょい理由が有って
      遅れてくるってよ・・・」






    ライナー「よかった・・・・一応来る事は
       来るのか・・!(クリスタノ手料理・・!)」
       ゴクッ・・・




    ユミル「・・・・・・」




    アルミン「二人とも急遽教官の
      手伝いで出ちゃってるからね。

      きっとこっちは無理だと思うよ。
      エレンは一応様子見に来るって
      言ってたけど・・殆どそんな時間も
      無いんじゃないかな・・・ 

      
      ・・・まあ・・・とはいっても」キョロキョロ





    ユミル「・・・ああ。どうせクリスタもじき
      来るんだ。そんな大勢じゃ
      この部屋が窮屈だろ」






    ミカサ「・・・おいしい?サシャ。」






    サシャ「・・・ええ、他のものよりは・・
       まあ喉に入っていきますね・・・

       けどやっぱり私の求める酸味と
       トマトのそれは少し・・・;」
       (モッチャモッチャ)




    ミカサ「好き嫌いは良くない。
        これから毎日一個づつもぎって
        くるので欠かさず食べるように。

        食べるものを食べなければ
        回復は望めない」






    サシャ「ぁい・・・・・;」ウワァ・・・





    ライナー「しかし・・・今日は随分後半で
       無茶をしたようだったが・・・
       そこまで参ってる感じではないな
       ・・・大丈夫なのか?アルミン。」




    アルミン「ああ・・・、辛い事は相当辛かった
      けど・・なんていえば良いんだろう。

      いつもより体が重くない・・って
      いうのかな・・・これまでより
      バテるまでの猶予が先に伸びた
      様な・・・そんな感じなんだ。

      筋肉痛も・・それ程じゃない。」




    ライナ-「そうか。卒業を間近という
       ところまで来てお前もようやく
       これまでの修練が身について
       来たのかもな。・・・何にせよ
       それは良い傾向だ・・・。

       お前のこれまでやってきた
       事が無駄じゃなかったって
       証拠でもある。
       もっと胸を張ってけよ」バンッ




    アルミン「アフッ(ゴホ),,有難うw;」

  68. 75 : : 2015/08/30(日) 16:56:01








    サシャ「あ、そ、そうでしたミカサ・・!
       実は私、あなたに折り入って
       お願いしたい事が(小声))」



    ミカサ「・・・・?・・・・何か。」
       (片耳をサシャに預けつつ)




    サシャ「(ミカサ・・・、明日貴女は・・
        やっぱりいつも通り自己鍛錬で
        一日潰す予定ですか??(小声))」




    ミカサ「(明日は・・・違う。久しぶりに・・
        アルミンとエレンも一緒に町まで出る。
        ・・・けれどそれが何か(小声))」






    サシャ「(そ、それは丁度良かったです!
        私・・・私、今とても町まで出て
        買いに行きたい物がありまして!
        (小声))」









    ユミル「しっかしさっきはクリスタにしても
      傑作としか言いようの無い
      最高の顔になってたけど・・・
      お前の顔もすごかったよなw

      ダズはいつも通り野原の草花に
      きたねぇ恵みの雨を降らせてたが・・・
      お前大丈夫だったのかよ」
      ニヤニヤ





    アルミン「前回は不覚にも戻してしまった
       けど・・・今日は大丈夫だったよ;」




    ガチャッ!!



    エレン「おうサシャ~~・・・
       大丈夫か??何も喉を通らないって
       話だが・・・無理矢理でもなんか
       食っとけよお前・・・・、

       ただでさえ普段からあんな
       食ってるお前が・・いきなし
       何も食わなくなったら
       死んじまうぞ・・・・」



    アルミン「やあ、エレン。」




    ミカサ「(エレン・・・!)大丈夫・・
        トマトだけは今無理矢理
        食べさせている・・・ので、
        サシャが餓死する心配は
        今のところ・・・無い。」



    エレン「そんなんで食ったうちに
       入るのかよ・・・;それに
       トマトばっか食ってると
       ヘタレになるらしいぞ・・・
       前読んだ本に載ってたんだ。
       間違いねえ」




    ミカサ「アルミンが読む書物なら
       ともかく・・・そのエレンが読んだ
       本はあてにならない・・・。
       そんな情報、聞いたことも無い。。」





    アルミン「僕も・・・それは聞いたこと無いなァ」
      




    エレン「なんだよ!!オレはできるだけ
       食わねえ様にしてるから
       ヘタレにならずに済んでるぞ!!?
       これはもう臨床実験で
       証明されてるようなモンだろ!!」




    ミカサ「私は収穫時期には毎日
       食べるようにしている・・しかし
       ヘタレではない・・・」




    アルミン「^^;」
















    サシャ「~~~・・・・」
    ミカサ「・・・~・・・~」



    アルミン「(・・・まただ・・・)」




     しかしさっきから気になってたけど、
     各々の会話の合間を縫ってサシャと
     ミカサが何かを話し合っている。

     

     サシャの表情は何か真剣な風なので
     僕としても何を話し合ってるのか
     気になるところだけど・・・小声で
     話し合っているという事は何か
     こっちに聞かれたくない事なんだろう。




  69. 76 : : 2015/08/30(日) 16:58:01








     

    ミカサ「(・・・つまりサシャはそれ(、、)
        私に代わりに買ってきて欲しい
        ・・・そう言いたいの?(小声))」






    サシャ「(そうなんですー!;私は
        体調不良の建前もありますし
        明日も一日宿舎で安静にして
        いるように教官にもきつく
        言われてしまっておりまして
        (小声))」




    ミカサ「(こうして声を潜めていると
        言う事は。(小声))」





    サシャ「(ええ;できる事ならアルミンには
        内密に・・!まあ、何が何でも
        内緒というわけではないので
        無理にとは言いません!もし
        ミカサがそうするべきだと
        思うのならばアルミンには
        隠さずとも・・・(小声))」




    ミカサ「(分かった・・サシャ、貴女を
        立てることにする。
        安心して欲しい...(小声))」




    サシャ「(あ、有難うございます!!

        。。幾らほどする物なのか
        存じませんけど・・・以前
        普通のナイフを金物屋さんで
        一通り見た感じでは、これくらい
        有れば足りますか?(小声))」
        ジャラッ..




    小声で耳打ちしながら通貨の詰まった
    小さな巾着をミカサに渡すサシャ。



    ミカサ「・・・・・・」



    その袋の重量を持って確認してから
    更に一応中身まで空けて確認した
    ミカサは・・・・




    ミカサ「(・・これでは多すぎる位だ。
        この半分も要らない筈(小声))」




    溜息混じりにそう言った。





    サシャ「(よかった!足りてるんですね!
       それでは、一応今はそれを
       そのまま持ってってくれませんか?
     
       貴女アニと同室でしたし・・、
       そこから余剰分を彼女に渡して
       もらえると助かります・・・!私
       アニにも先ほど立替を頼んで
       しまっているので・・・(小声))」




    ミカサ「(・・・・了解した(小声))」
       ジャッ・・・・(懐に仕舞う)





    アルミン「・・・さっきからどうしたの>?
       二人とも・・・(何かの取引を・・?;)」






    ミカサ「・・・全く何でもない。

        ・・・・特にアルミンには最も
        関係の無い話・・・・な、ので。
        気にしないで貰いたい。」
        シレッ・・・




    サシャ「(ミカサッ・・・あなた嘘付くの 
        下手すぎます・・・!!(ぅゎぁ・・))」





    ガチャッ




    ライナー「!!!!おお、クリッ・・・・




    クリスタ「サシャ~、、大丈夫??
       具合は悪くなってない???」ヨタヨタ
       チャプッ・・・



    ライナー「・・・スタ・・・???お、おい大丈夫か!
       重いだろ!!持つぞ」ワタワタ



    部屋に入ってきたクリスタが抱えていたのは
    水が満杯に湛えられたバケツのみ。

    出来立ての蒸気を燻らせる女神の供物を
    期待していたライナーは一瞬その光景に
    固まってしまうが・・・彼女が持っている
    物を認めるなり急いでその運搬に
    手を差し出す。



  70. 77 : : 2015/08/30(日) 17:00:50






    ユミル「なぁゴリラ・・気持ちも分かるが
      クリスタだって私らと同じ訓練を
      ちゃんと首位に噛り付いて
      来てるんだ。そんくらいの荷物、
      別に手を貸しに行かなくたって
      余裕だよ。あんま過保護にすんな」






    ライナー「っ・・しかし、それにしたって
      これは一体・・・(料理・・・)」
      チャプチャプ・・





    クリスタ「ああ!うん・・えっとね・・

       サシャが・・昨日の様子だと食欲
       全然無いみたいだしミカサが
       トマトもって行くっていってた
       から・・今日は食べ物持って
       来なかったんだ;・・ほら、
       パンも喉を通らないみたいだし」



    ライナー「」チンチロリ~ン...!




    ユミル「今日見た顔芸の中で今の
      お前の顔が一番の最高傑作だぜ
      ゴリライモww!!!

      どうせお前クリスタの持ってくる
      食い物のおこぼれに預かろうって
      下心全開魂胆だったんだろ?!!」
      ヒャハハハ!!?(バンバン!)




    アルミン「・・・・^^;」





     絶望に凍りつき、硬直するライナー()の周囲を
     小さな反復横跳びのようなステップで
     行き来しつつ彼の背中を平手打ちする
     ユミル。――正に外道。






    ライナー「・・・・クリスタ・・・・」






    クリスタ「・・・・うん?」






    ライナー「これ、飲んでいいかな」フルフル・・・






    クリスタ「・・・・いいけどそれ、ただの
       井戸水だよ・・・・?^^;」
       アト、ソトデツカッテル桶・・・・






    ライナー「オレは一向に構わんッ!;;!」ガバァッ
       ウォォォオオ!!!







    ジャブジャブ...







    ユミル「うっわw、マジで飲んだ(いった)よコイツ。

        よっぽどクリスタ手製の飯を
        食いたかったんだな・・・だが
        10年早ぇぞw」ニヘヘ....



     がむしゃらになって桶の水を直飲み
     しているライナーをにやけ面で
     蔑み混じりに見ているユミル・・・

     相当悪い顔になっている。

     
     ・・・・・しかしそれはそうと
     この水は一体・・・





    アルミン「ねえ、そういえばあの・・・このお水」







    クリスタ「あ!そうそう!もうそれも
       考えたら時間もあんまりないし
       ・・・・・!とりあえず!!」パンパン!



    アルミン「・・・?」




     手拍子を鳴らす彼女の隣には、
     医務室に備え付けてあったものか
     乾いた手拭をいくつか肩にかける
     ユミルが相変わらずニヤニヤとしながら
     立っている。

     ・・・どうでもいいけど近頃ユミルは
     こんな風ににやけてばかりだけど・・
     それなりに本人もこういった状況を
     楽しんでいる証拠なんだろうか・・・・



  71. 78 : : 2015/08/30(日) 17:05:37





    クリスタ「とりあえず、男子は全員退室!!

      サシャ、昨日も体調の関係で
      水浴びできなかったから・・これから
      体中綺麗にしなきゃなの!・・・だから、
      ・・・・ね!」グイグイッ






    エレン「お、、おう・・・サシャ、
        大事にな。なるだけ食って
        早く良くなれよ!!」ドタドタ・・



    ライナー「そ、、そりゃ仕方ないな・・
       クリスタ、お前も体調を崩さないよう
       気をつけるんだぞ??」




    ガチャ・・・ドタドタ・・・




    ・・・バタン。




    アルミン「・・・・・^^;」




     クリスタの言葉と同時に彼女とユミルの
     二人に背を押され、医務室を強制
     退室させられる二人。・・まあ、
     そういう事では仕方が無い・・・

     ・・・って・・・・





    アルミン「・・・・?」





     ・・・・男子は退室・・・って・・・





    アルミン「何で僕はまだ此処にいるの;」クルッ





    ミカサ「はい、アルミン。」パサッ





    アルミン「・・・?」



     ミカサの手から渡されたのは
     一枚の濡れ手拭。既に先ほどの桶に
     浸した後ミカサの腕力でしっかり
     余計な水分が絞りきられた
     後なんだろう。物凄い硬さで
     捻れている・・・・ッじゃない!!





    アルミン「あ、あの・・・・僕もそろそろ・・^^;」
       ヘヤニ・・・・




    ガシッ




    ユミル「・・・今更何言ってんだお前・・?//
       ・・・ぇえ?なあwもうお前ら・・
       お互い裸で仲良しこよしな
       間柄なんだろ・・・?なら・・・
       体拭くくらいなんて事ない
       ハズだよなぁあ・・・???」
       ウェヘヘヘヘ 





    サシャ「はっ・・?!ハヒッ!!!??///」
       ガバッ!!!!





    アルミン「!!!!!!????」






     それはそうかもしれないけど・・!!!
     この場合はそういう問題じゃない!!


     流石のサシャもユミルとクリスタのこの
     計らいには顔を真っ赤にして

     膝まで被っていた掛け布団を全身に
     着込む様にして羽織ってしまう。


     それはそうだ。普通だったらそんな・・・






    ミカサ「サシャ・・・何故恥ずかしがるの?」



     いや!普通恥ずかしいよ!!
     ここにいるのが本当に女子だけなら
     まだしも・・・・!



    サシャ「!??」




    クリスタ「そうだよ、?私たちは勿論いつも
      サシャとは一緒に水浴びしてる
      んだから・・・お互い裸なんて
      見慣れてるじゃない・・?」キョトン




     一番こんな状況の歯止めになって
     くれそうだと思ってた女神まで・・・!!

     ・・しかもその顔を察するに本当に
     何も問題は無いと思っている様な・・
     まさに平然とした顔で首を傾げる
     クリスタ・・・





    ユミル「…加えてコイツは私達すら見た事ない
      お前のあんな顔やこんな顔を・・・
      
      同じように素っ裸で見せ合った
      仲なんだろ・・?どう考えても
      恥ずかしがる理由はねえなぁ・・・?」
      ニタニタ・・・




     うん・・ユミルに関しては相変わらず
     僕達の置かれてるこの状況を誰より
     楽しんでる顔だけど・・・

     いやいや・・!流石にこれは女神の
     意向に異を唱えるのも覚悟の上で
     サシャの気持ちを僕も一緒になって
     擁護してあげなければ。


  72. 79 : : 2015/08/30(日) 17:08:27






    アルミン「ぁ・・・あのさ!;言いたい事も
      分かるけど・・・!やっぱりそれって
      サシャにとっては大分恥ずかしい
      事なんじゃないかな・・?

      この場に居るのが本当に女子だけか、
      若しくはその・・・僕だけ・・だったり
      って状況なら・・・サシャもそこまで
      恥ずかしがらない・・と、思う・・けど」
      フイッ・・



    サシャ「!! 、!」コクコクッ!!




     僕の視線に合わせて激しく頷くサシャ。
     やっぱりだ。・・とりあえず本人に
     聞かずにこうして異を唱えてしまった
     けど、僕のあてが外れていなくて本当に
     良かった・・・。



    クリスタ「・・・・ぅうん・・・↓まあ、
      サシャのその気持ちも分かるには
      わかるんだけど・・・一応昨日と一緒で
      いつ教官が来るか分からない事には
      私たち女子が全員部屋の外で
      待ってる訳にも行かないんだよね。

      それに今日はサシャの体を拭いて
      あげるって用向きも教官の耳に
      入ってはいるから、もし医務室まで
      教官が来ても部屋の中までは
      確認していかない筈だし」



    ユミル「そんな状況で私らだけお外で
      待機してたら部屋の中は一体
      どうなってるって話になるわな」
      ニヤニヤ





    アルミン「だっ・・だったら僕は居なくても
       良くないかな??!

       そもそもそれ以前にさっき
       男子だけ退室させられた筈なのに
       僕だけここにこうして残ってたら
       ・・・絶対エレン達におかしいと
       思われちゃってるよ!!!!」





    クリスタ「それはその・・これだけ経っても
      呼び戻しに来ないって事は

      エレンもライナーも・・アルミンがこの場に残る
      事に何も違和感が無いって
      事なのかもね・・・・・^^;」




    ユミル「女子認定、オメデトウございます。

      ・・ここまで来ると性別不詳属性も
      最早特殊技能だよな・・・。お前、もう
      別に女子でもいいんじゃねえか?

      兵服だってどうせ一緒なんだし」





    アルミン「ひ  ど  い !!!」
         (涙目)




    ミカサ「・・・アルミン、私達が全員
       部屋の外に待機していた場合の
       問題はユミル達の言うとおりだと
       して・・・

       あなたがこの場で一緒に
       サシャの身を清めるのには・・
       サシャ自身の心を落ち着かせて
       あげるという目的も同時に
       含まれている・・・」ウン。





    アルミン「いや、そうは言うけどミカサ?!

       彼女をよくご覧よ!!落ち着く
       どころか顔を真っ赤にして布団に
       塞込んじゃってるじゃないか!!

       こんなんじゃ恥ずかしい思いを
       させるだけで・・・!」




    サシャ「ッ!!っ!!」ウンウン!!






    ユミル「ったく・・・ぁにが不満なんだよ・・

      ぉい芋!!!なんだ?自分がこの場で
      一人だけ裸になるのが怖いなんて
      事を言い出すんじゃないだろうな?!

      夏場は女子宿舎で唯一裸族になる
      お前が!!??」ヘェェェ?!ソウナンデスカ!?   








     衝撃の暴露その1。





    アルミン「サシャって裸族だったの!?!!?」





    サシャ「ユミルゥゥ!!!!!それは!!
       それはアルミンの前では言わないって
       お約束をッッッ!!!!」ギャァアア!!!

  73. 80 : : 2015/08/30(日) 17:12:16






    ユミル「この状況下で女々しくも怖気づく
      お前が悪いんだよ。芋女。」チッ





    サシャ「女々しくってユミルあなた・・;
       私は女なんですから女々しくて
       当たり前じゃないですか・・・!

       寧ろ女らしく振舞う事に尽力する
       この姿勢を褒めて欲しい位で…!」
       ウググ・・・;



    アルミン「(・・・で、クリスタ・・?;サシャって
       本当に部屋の中ではその・・・
       アレだったの・・・・?;(小声))」
      ドキドキ・・・・





    クリスタ「(ぁ・・・うん、でも夏の本当に
       暑い間だけね!!ほら・・・、
       サシャって代謝もすっごくイイから
       私達の部屋の中でも一番汗かくの。
       
       普通に考えてあれだけ食べた物を
       全部体の熱量に変えるんだから
       何の不思議も無いけどね(小声))」






    サシャ「クリスタまで!!私の知られざる過去の
       痴態を勝手にアルミンに
       吹聴しないでくださいって!!(涙)」






    ミカサ「・・・サシャの言いたい事も
       少しは理解できた・・しかし
       何が不満で現状に尻込みして
       しまっているのか・・・

       それを簡単に教えて貰いたい。

       ・・・まさかとは思うが・・・私達が
       裸にならないという事が
       不公平だと・・・・?」グッ・・



    サシャ「!?」



     そういいつつも、身振りだけとはいえ
     上着に手を掛けるミカサ。

     ・・・マズイ。ミカサなら本当に
     やりかねない・・・・!


     しかしやっぱりミカサもどこか
     考える事がサシャとは別方向にすこし
     脱線している。そんな事になったら・・
     たとえミカサが良くても後の二人が




    クリスタ「ぅん・・・まあ、サシャが将来を
      誓い合った大事な相手って意味での
      信用も考えれば・・私は別に・・・///」
      グッ・・・




    アルミン「!!!!????」




     そう言うと恥らい混じりに顔を
     赤らめつつも伏目がちなその
     表情でミカサ同様いつでも上着を
     取り払える意向を示す女神・・・


     って・・・何この状況!!??


     マズイマズイ・・・!この流れは流石に
     なにかおかしい!!何故かモテる
     ダメな男が美少女集団に囲まれて
     あたふたするお話とかじゃ
     ないんだから!!





    ユミル「ま・・・アルミンだしな。別に
       見られてどうって事もないな」
       ウン、マジデ。





    クリスタ「ね!“アルミン(▪▪▪▪)”だし・・ね!^^//」






    アルミン「二重引用符に重ねてルビまで
      ふられた!!!(絶望した!!!)」
      ウァァ↓↓....;

  74. 81 : : 2015/08/31(月) 03:05:36





     しかしマズイ・・・。この様子を見るに
     皆本気で言っている。まずこれは
     皆の正気を疑うべき状況であり、

     一月以上前の僕であったなら
     ここで絶命することも覚悟の上で
     ここにいるメンバー全員の
     衣服を身に纏っていないあられもない
     姿を見ることを決意する事
     だったろうけど・・・不思議な事に。

     そんな欲求に自制を掛けられる僕が
     今、ここには居る。サシャが直ぐ
     目の前で見ているから・・とかではない。


     きっとこれは・・・・この感情は・・・・





    サシャ「・・・メです・・・」ボソッ・・




    アルミン「・・・・?」






    サシャ「絶っっっ対にダメです!!!!
       皆さんの裸をアルミンに見せつけよう
       だなんてそんな・・・・!!そんなの・・!

       私そんなの絶対耐えられません!!
       そうするくらいなら今直ぐ
       ここで脱ぎますから!!////」プルプル
       グイ・・・




     顔を真っ赤にしたサシャが膨れっ面で
     そう講義する。少々僕にとって
     予想外の反応ではあったけど・・一応は
     事態が変な方向へ転ばずに済んで
     よかった・・・・  と、思う僕を他所に




    クリスタ「(ユミル!!ユミル!??焼餅だよ!!?サシャが
       ・・・・あのサシャが私達に焼餅
       焼いてるんだよ!!?//(小声))」
      カワイイネ~!///





    ユミル「(まあこの発想は正直あったが・・

      まさかミカサが言い出すとはな。
      あいつ見かけによらず結構
      やるなw(小声))」
      カワイイネ~~?




    ミカサ「(ムフン・・・・)」






     何かは分からないが全員計画通り・・
     といったような怪しい笑みを
     その顔に貼り付けている。

     クリスタに関してはやはり一切
     その顔に悪意を仄めかす色なんて
     出してはいないけれど・・・・・。
     
     それでもやはり女子特有のノリが
     発揮された場合の彼女が如何に
     恐ろしげな存在であるかは・・・
     よく再認識できたと思う・・・・


     女って恐ろしい・・・・





    サシャ「も、もしそんなことをすれば・・!!
       アルミンがお三方の裸体に
       興味心身になってしまった挙句…

       私に興味を失ってしまいます!!!」
       (涙目)ガタガタ・・・・!





    アルミン「ええ”!!?!!」
      ソンナフウニオモワレテタノ!?!?





    ユミル「声に出して講義するほど
      動転するかよ・・・wしかし芋よぉw
      クリスタはともかく・・・

      小さい頃から一緒に居るっていう
      ミカサ(コイツ)や…こんな私が・・果たして
      お前の大事な旦那さんとやらを
      本気で誑かすかもと焦るもんかねww」
      ヘッヘヘ・・?



     下卑た笑みでベッドに居るサシャを
     ねめつけるユミル。いじめる事も
     人によっては一種の立派な
     愛情表現であると・・・どこかで読んだ
     本に書いてあった気がするけれど、
     その時は信じられなかった
     その言葉も・・・・今この二人を
     見ていると何となく分かる気がする。


     ・・・・可愛さ余って憎さ百倍・・・・・
     というのとは少し違う気もするけど。





  75. 82 : : 2015/08/31(月) 03:08:49





    サシャ「アルミンの性的な好奇心は・・
       私同様にとても旺盛ですので・・!
       えぇ・・・・!!///;気は抜けません

       きっとユミルが本気になって
       アルミンを籠絡しに掛かってしまった
       日には・・・・;;」ジリジリ・・・





     しかしそんなユミルのなじりにも
     一切気後れを見せず赤面しながらも
     強い目つきで訴えるサシャ。

     自分でもそういった好奇心について
     否定する気はないけど・・・やっぱり
     他人に指摘されると結構恥ずかしいな





    ユミル「へぇぇ・・・?!こんな(▪▪▪)私でも????」
      ニッタァァ・・・・





    サシャ「・・・・・・・!;///
       そんなユミル(あなた)でも・・・です!!!

       ハッキリ言いますがユミルは
       自分が思っているほど異性に
       卑下されるようなひどい外見では
       ありませんし・・・!、

       私気づいてるんですからね!!
       昨日・・・昨日ユミルにがっしりと
       肩を組まれてる最中・・・!!//;

       ぁあ・・・アルミン・・・
       アルミンあなた・・・・・!」プルプル






    アルミン「(ま、まさか!!!!?)/////」
       ビクンッ!!!!!






    サシャ「不自然に前傾姿勢になって
       屈んでたじゃないですか!!!

       あれって・・!!あれって、、、
       ユミルにべったりされて、、その・・
       そういう(▪▪▪▪)気分になってたって
       事ですよね・・・??!!////
       (//;ノωノ)

       そういう気分になって
       大きくなったアレを隠そうと
       不自然に屈んでみせていたって
       事です・・・よね...///」カアァァァ...







    アルミン「(ば・・・バレてた――!!!??)」
       ⚡ピシャアァ⚡(;゚Д゚)⚡ァァァン!!!⚡
       ( 背景に稲妻トーン。)







    ユミル「へっへぇぇえ・・・???

       あんな風に言ってますが・・
       マジですか・・・・?」グリン↩





     マズい・・・・ユミルの顔が・・・
     ユミルの顔が・・・今世紀最大の輝きに
     満ちている・・・!!人を食い物にする事を
     何よりの楽しみとするその笑顔も
     勿論健在だけど・・今目の前で僕に
     ()異の視線を向ける彼女の爛々と輝く
     その目には・・・何か見たことのない光が
     同時に宿っているような気がした。。

     しかしこんなユミルの詰問にすら
     一切声を張り上げて異を唱える
     余裕が無い現状の僕は・・・・



       
    アルミン「・・・・・//////;;」コクン...





     素直に頷く他無かった。

     当然だ。この場合サシャにばっちりと
     僕の様子を抑えられている以上、
     偽りの釈明を行ったところでそんなの
     逆効果でしかないし・・・なにより
     そんな下らない嘘をサシャ相手に
     つきたくもない。

     ・・・僕は事実ユミルでそんな(▪▪▪)気分に
     なったりもした。その事実は、
     サシャとこうした関係を築く前まで
     遡れば動かしようのない事実でも
     ある。そこはコニーのように悪態を
     ついて誤魔化していい部分でもない・・







    ユミル「・・・・・・/;」タジッ...
        マジデ



     ・・・これに対し、腹の底から予想外な
     返しだったのか・・一瞬表情が固まる
     ユミル。・・・張り手か最悪グーが飛んで
     くるかとお腹に力を入れて
     踏ん張っていた僕の全身にも不意な
     ユミルの表情による肩透かしが
     炸裂する。





     ・・・・アレ。なにこのリアクション・・・


  76. 83 : : 2015/08/31(月) 03:12:55




    クリスタ「(名状し難い歓喜の極に沸く表情)」
       パァァァァ・・・・・・!!!!!





     それらの反応とは正反対に歓喜に沸く
     女神の笑顔。・・こんな状況にあっても
     彼女の笑顔はどこまでも透き通り、
     ・・・そして光り輝く陽光の如く
     迷える僕らの全身を照らし出す。


     ――結婚した...、、っと危ない・・!


     そうだ、僕にはもうサシャという
     心に決めた女性がいるのだから・・・




    クリスタ「ウソウソウソ!!?本当に!??
      ホントの本当に!???!ねえアルミン?!//」




    アルミン「いや・・・そんなテンション
       上げられても正直困るよ・・・;

       確かに僕にはサシャしか
       居ないって心には決めてるよ。

       けれど・・・体は当然そういう
       理性だけで抑えきれるほど
       まだ落ち着く時期にさしかかって
       無いんだ・・・。だからサシャには
       その辺誤解して欲しくなくて・・
       正直に白状したん・・・だけど・・//」




    ユミル「・・・・・フン・・・///」





     驚きの余波が抜けないのか未だに
     何も僕に対する追い討ちを
     掛けては来ないユミル。


     ・・・・相当ビックリしたんだな。


     しかしそれはそうと・・・・





    アルミン「いくら教官に話を通して
       あるとは言っても・・・もう
       消灯まで時間もそんなに無いよね
       ・・・はやくしないとまずいんじゃ」






    クリスタ「あっ!!!そ、そうそう!!そうだよ!!
      色々聞きたい事はあるけど
      まずサシャの体を綺麗に拭いて
      あげなくちゃ!!・・・じゃあ、サシャ??

      恥ずかしいとは思うけど、
      大丈夫・・・?」ウン??





    サシャ「え・・・ええ・・!クリスタ達が
       同じく産まれたままの姿に
       なるくらいでしたら迷い無く
       私はアルミンにもこの場で裸体を
       晒す覚悟くらいあります・・・!

       なんたって未来のお婿さん
       ですから・・・・!///」




     そんなに気合を入れなくても・・・;
     そもそもこの状況を無理矢理
     仕向けたのはこの場に居る女子三人の
     謀の意向であって・・・僕にしてみれば
     無理にサシャの清拭に参加しなくても

     普通に退室させられた
     他の男子同様に部屋で待機している
     方がサシャの羞恥心を悪戯に
     刺激する事も無いと理解しては
     いたのだけど・・・






    サシャ「・・・・・あ、でもその・・・
       ちょっといいですか///」チョイチョイ




    ミカサ「・・・・?」
       ナニ?





     そういうとミカサのみに手招きし、
     なにやらぼそぼそと耳打ちする
     サシャ。・・なんだろう





    ミカサ「・・・・分かった。それ位は
       配慮しよう・・・・」スッ・・・
       ボソ...




    クリスタ「・・・、あ、なになに??」



    ユミル「・・・・ぁあ?;」




     次いでミカサから二人へ耳打ちされる
     サシャからの伝言。



    クリスタ「ぁあ∼∼・・・・成る程ね!!」




    サシャ「なんだよ芋ぉ....お前が
       恥ずかしがってたのって
       そんな事かよ・・・っつか何で
       今更になってから・・・・;」




    アルミン「・・・・・???^^;」




    クリスタ「勿論だよ!!、私達もそこまで
       男子の感覚がよく分かって
       ないとはいっても・・・流石に
       そこまでやっちゃったら・・
       アルミンだってそういう気分に
       なっちゃうの分かるもん!!

       それくらいは心配しなくても
       ちゃんとするつもりだったよ!

       っていうか、それくらいなら
       サシャ一人でも大丈夫でしょ??」




    アルミン「????、、???」






     何だろう。僕にだけはサシャの意向が
     届いていないから今一何が言いたいのか
     良くわからないけれど・・

     しかしこの様子から察するには・・・
     僕は無暗にその部分に踏み込まない方が
     無難なのかもしれない。





  77. 84 : : 2015/08/31(月) 03:15:30



    サシャ「な・・・なんだぁぁ・・・・
       そうだったんですね///!!!;


       私てっきり・・・・皆さんそのような
       気分になってしまっているので
       全身衣服を剥ぎ取られて
       体の隅まで拭かれてしまうのかと
       心配してしまって・・・・!!;

       しかし、そうですか・・
       それなら別に何も恥ずかしがる
       事も無いのです・・・・!」ヨッコイ・・・
       ググッ・・・・


    ファサッ・・・・・





    アルミン「(いいッ!!???!?)」




     そう言うと・・・思わず固唾を飲み込む
     僕の眼前で着ていたシャツを
     臆さず脱ぎ去るサシャ。




    サシャ「っふぅ・・・・・///」
        プルン・・・




     ・・・といったような擬音が聞こえて
     きそうな動きを見せて・・・実に
     あっけなくサシャの鎖骨の直下に
     ぶら下る二つのお月様が揺れた。

     どうやら胸部肌着はつけて
     いなかった様だ。・・もっとも
     有志の目撃証言によってサシャが
     胸部肌着をあまり平時から
     着けようとしないのは周知の事実では
     あったけれど・・・・




    アルミン「わわっ・・・・///」




     当然見たことがあるとはいえ
     とっさに曝け出されたら一応は
     こういうリアクションを見せずには
     居られない。そこまでお互い
     裸を見慣れた仲と言う訳でもないから。




    サシャ「それでは申し訳ないですが
       お願いしても宜しいですか・・・?
       その・・・できればアルミンに背中を
       お願いしたいのですが///」



     自ら上半身に何も纏っていない姿に
     なったと言うのに今度は先ほどの
     恥じらいが殆どなりを潜めたような
     様子で僕にそう語りかけてくるサシャ。

     しかし僅かに染まる頬が、かろうじて
     残っている羞恥心を僕に伝える。、


     ・・・やはりサシャは可愛い。





    アルミン「う・・・うん!背中だね・・?わかった!
      (しかしサシャがさっきまで
       気にしてた事って一体・・・・;)」



     それも僕への配慮の一つなのか、
     あくまで恥じらいからのモノではなく

     僕への気遣いの笑顔とともに背面の
     清拭を僕に願い出てくれるサシャ。


     当然その言通りにする僕。






    サシャ「・・・・・////」





     さっきまでの恥じらいがあったから
     クリスタ達に小声でとっていた確認が
     何であったのか、僕としては非常に
     気にはなる・・・しかし。




    アルミン「(僕の耳にだけ入らないように
       してたって事は・・当然僕には
       聞かれたくない事なんだしね。
        
       無理に聞こうとも思わないけど)」
       グッ・・・



     そう、僕が気になるかどうか、
     そんなことよりも・・・

     サシャ自身の意向が何より
     優先されるべきだ。


     そう考えながら僕の手に握られた
     濡れ手拭が・・・サシャの背中に乗った。







    サシャ「ン∼∼∼・・・何か不思議な気分ですね」




     サシャの体格は・・・身長に関しては
     僕より4~5センチ高い程度、エレンと
     そう変わらない訳だから女子にしては
     ユミル程ではないとはいえ割と
     恵まれた体つきで、体重に関しても
     常に食べ物を求めて徘徊する彼女の
     習性から自ずと知れるように、
     少なすぎる程ではない。

     しかし実際その背中にこうして
     布越しにとは言え触れてみると・・





    アルミン「(思ったより・・・狭い背中だ・・)」




     一日中ベッドに寝て居なければ
     ならなかったせいか、濡れ布巾で
     触れた瞬間、僕の掌にも伝わる
     サシャの自身の体表に浮いた油分を
     絡め取る感触。

     汗と濡れ布巾が残す水分をまとい、
     部屋のランプの灯りを受けて輝く
     肩甲骨が..僕の握る布巾に押されて
     艶めかしくずれ動く。


  78. 85 : : 2015/08/31(月) 03:20:25



    サシャ「ッ・・・クスッwククッ//(プルプル)

       こそばいいねや・・・w


       ....ハッΣ(;゚Д゚)」
       ・・・・・・・・・シマッタ!!!!




    アルミン「な・・・何となくだけど・・
      くすぐったい、っていう
      意味でしょ?そんなに気にしないで
      普通に喋ればいいじゃないかw」





    サシャ「分るのですか!?」バッ




     慌てて振り返るサシャの縛られた髪が
     振り回される。と同時に脇腹から
     意識して見ない様にしていた
     丸みが僕の視界に飛び込んで来る。



    アルミン「キミの身振りや表情をみてれば
      それ位は・・・・ね。」



     さて、折角こうした事を任せて
     貰えた訳だし・・・少しは自分の欲求に
     忠実になったって怒られはしない筈だ。
     
     背面からサシャの片腕を持ち上げ、
     そのまま布巾を持った手を脇の下から
     サシャの正面へ這わせる僕の掌。



     前回のサシャとの一件以来・・・・


     というか、“この部分”については
     あの時ですら殆ど意識して触っては
     いない気がする訳だけど・・・

     それがまさかこの様な・・・他なる女子
     三人と同じ場に居ながらにして
     サシャ公認で触れる事になるなんて。


     ・・・・そう思いながらしっとりと濡れた
     布布巾伝いに僕の掌に収まる
     胸部の膨らみ。



    サシャ「・・・・///」



    アルミン「/////....」




     流石にこういった部分を拭き取る段に
     なるとお互い口が閉ざされてしまう。

     ・・・そういう部位である以上それは
     仕方のない事だと思う。しかし
     布越しとは言えこうしてゆっくりと
     丁寧に触感を確かめてみると改めて
     思う事だが・・・




    アルミン「(不思議な感触だな・・・これ・・)」
      フヨフヨ・・・・




     女子のこの部位に触れる事すら
     叶わずその触感の具合に想いを馳せる
     男子たちは・・・度々この部位の
     触り心地を自身らの身体に
     置き換えた場合、

     二の腕の筋肉に該当しない部分の
     柔らかさこそがソレと同一である

     ・・・という意見を主張する者が
     居るけれど・・・・





    アルミン「・・・・」フニフニ・・・



     うん。自分の腕を触ってみても
     この感触とはまるで違うな・・・。

     ならば何処に置き換えればこの感触を
     もっと具体的に表せる・・・?

     臀部の方も・・・・なんか違う気がする・・
     (ムニ・・・)




    アルミン「・・・・・(ゥウム・・・)」




    サシャ「あのぅ・・・アルミン..///

       さっきから一カ所から手が
       進まないばかりか、何かご自身の
       部分と触り比べては唸っている
       ご様子ですが・・流石に私も
       恥ずかしいので程々にしては
       貰えませんか;//」



    アルミン「あゝっ!!ゴメンよ!!!うん!
       時間もそんなないしね!!!」
       ゴシゴシ・・・・





     背面から僕もサシャの胸部を拭いたり
     しているけれど、足やお腹の辺りなど
     クリスタとミカサも分担してサシャの全身を
     くまなく拭き取っている。

  79. 86 : : 2015/08/31(月) 03:24:54



    ミカサ「やはり・・・サシャ。あなたは
       全身の筋量やそのバランスは
       素晴らしいし、どの様な状況でも
       全身の支えを失わずに維持できる
       あの平衡感覚は私にも
       真似するのが難しい持ち味では
       あるが・・・・

       これでは少し腹筋がだらしない。
       折角の背筋力と腰の粘りが
       勿体ない。もっと私の様に
       成るまで鍛錬に打ち込むべき..」
       グィッ



    サシャ「ヒョホハッ!!!??(//ノД`)・゜

        ちょッ・・、いきなりそんな強く
        お腹を押さないでッ・・・

        イはッ・・・!!!あはヒッ..!!」
        シタバタ・・・!!



    ミカサ「・・・ほら。この程度で
       音をあげるのが良い証拠。

       具合が良くなったら私と一緒に
       腹筋だ・・・・。今の内でなければ(▪▪▪▪▪▪▪▪)
       激しい運動はできないでしょう?」




    サシャ「ッ・・・;///」ピクン・・・


    アルミン「・・・・・」



     ミカサのこの言葉に一瞬固まる
     サシャ・・と、後ろでサシャの
     脇を拭く僕。




     そう言えばこの部屋でドタバタして
     いて・・・改めてミカサには
     話をした上で此間のお礼を言うのを
     忘れていたけど・・・

     今の反応から見るには
     ひょっとして、僕達の関係はもとより
     サシャのおめでた疑惑もミカサには
     正しく認知されているのだろうか。




    クリスタ「でッ・・・でも流石にミカサの腹筋は
       どう見ても男子より凄い事に
       なってると・・思うよ・・・?///

       サシャがどんなに頑張っても
       そこまで行けるとはとても・・;」
       カッチカチダヨ・・・?//




     そう言うとシャツ越しにミカサの
     お腹を擦ってそういうクリスタ。

     

    ミカサ「・・・・・・」



     ・・・そう、この物言わぬ静かな表情と
     研ぎ澄まされたような横顔からは
     想像もできないような八つの起伏が・・

     そのシャツの下には隆々と
     並んでいるのだ。それこそ
     エレンですら初めて見た時には
     思わず絶句してしまったような
     見事な腹筋が。


     ミカサから見れば・・ライナーの
     歪みない腹筋すらまだまだ
     鍛錬の途上にある未完成なものに
     しか見えないかもしれない。


  80. 87 : : 2015/08/31(月) 03:26:46





    サシャ「ほんと・・・ミカサの腹筋は
       人類の神秘ですからね・・・」
       ハァ・・・・



     確かに先程ミカサが言ったように、
     サシャ自身の腰回りを今こうして
     拭き取りながら触ってみると
     腰部をしっかりと固めつつ、
     急激かつ強大な負荷にも耐えられる
     柔軟さを持つサシャの背筋力は
     見事な物だと思う。



    アルミン「∼∼∼・・・」ゴシ...ゴシ...



     この腰があるからこそあのような
     デタラメかつ直感的な機動に
     身体が追いついて行けるのだろう。


     ・・・・これはこれで充分人体の
     神秘たる領域に踏み込んでいると
     ・・・・僕は思う。



    ユミル「おっ?おっ・・??(^ω^)どうした
       ムッツリ君よ・・・?芋女の
       ケツに大分近い位置を入念に
       触りに行ってるが・・・・
       安産型の尻に見入ってるのか?」
       ニヒヒヒヒ...





    アルミン「なッ・・・・!!///ちっ!!
       違うよッッ!!!////;;」





    サシャ「あちょっ・・・!!!

       あ、アルミン!!???下はッ・・・!!
       下は私が自分でできますからね!!?
       
       ココから下はくれぐれもお手を
       入れずにお願いします!!??///」
       ガバ!!!!!!



     それまでの落ち着きはどこへやら、
     急に飛び跳ねて腰下を抑えるサシャ。


     ・・・・そうか、それを気にしてたのか・・




    アルミン「あ、あんしんしてよ・・・!;
       大丈夫!僕だって流石にそれ位
       解ってるって!!!!ちょっと。。
       ユミル・・・・!///あまり心臓に悪い
       からかい方しないでくれないか」
       ムスッ・・・




    ユミル「だってなぁ・・・明らかに芋の
       腰つきに見入るお前の目が
       助平親父のソレだったからなぁ・・

       否定はしないだろ?お前だって」



    アルミン「まあ・・・サシャは馬に乗るのも
      立体機動の慣性耐久もピカ一だから
      ・・・この腰は僕でも羨ましいと
      正直思ったさ・・・。でも本当、
      それだけだよ。変な事は考えてない」
      ムスッ・・




    ユミル「はあ、さいですか」
        チェッ・・・ツマンネ。





    サシャ「(ホッ・・・)」



  81. 88 : : 2015/09/01(火) 01:29:21




     しかし勿論僕だって女子全員の
     身体をそこまで注意深く観察している
     訳ではないけれど・・・


     サシャのこの体つきは何というか・・・


     幾ら調理場から無断借用と言う名の
     窃盗行為で他の人よりちょっと多めに
     熱量を摂取していたとしても・・・

     (しかもこの場合は大体教官に発覚
     された後、折角摂取した熱量も全て
     罰走に消えるし、結局それ以上の
     熱量消費を強いられる為、あまり
     盗奪自体に意味は無い。)


     そして例の干し肉流通ラインが
     今も正常に機能していたとしても。


     それだけで説明がつかない位に
     このサシャの体格は・・・なんというか
     ・・・内地育ちの貴族程とは
     言わないけれど、それに近いと
     言える位にはいい肉付きだと思う。



     ・・・まあこれはミカサにも言える
     事だけれど。幾ら自分の身体を
     徹底的に苛め抜いたとて、その
     元となる栄養素が不足していれば
     しっかりとした身体が形作られる事は
     無いはず。



     骨の元となる物然り・・・・
     肉の元となる物然り・・・・・・
     血の元となる物も更に然り。
     


     その元となる熱量を・・・



     
     きっとサシャは配給の干し肉でもなく
     そして毎日支給される食事以外で・・



     此間の“アレ”のようにして調達して
     いるものと考えるのが妥当だ。







    サシャ「ふぃぃ,,,,,お陰さまで全身
       さっぱりです!!!
       有難う御座いますね!!
       アルミン、ミカサ、クリスタ!!
       ・・・・それからユミルも。」ニッコリ
       ゴソゴソ・・



     そう言いながら何事も無かったように
     再び胸部肌着を身に着けず
     一枚のシャツのみを身に纏うサシャ。


     そんな着こなしじゃ、ふとした弾みで
     直ぐに胸のラインが出てしまうと
     思うんだけど・・・


     今更言っても気にはしてくれないと
     言うものだろう・・・相手がサシャでは。







    ユミル「・・・・いや、私は別に芋の
       拭き掃除には参加してねーけど」





    サシャ「何言ってるんですか、
       ずっと教官が近づいてこないか
       どうか・・外に気を張り巡らせて
       くれていたじゃないですか。。

       私、ユミルのそういうさりげなく
       気遣ってくれるところ、すっごく
       尊敬してます」 エエ、トッテモ






    ユミル「・・・調子のいいヤツだなwえ?
       男が出来て随分と余裕が
       出てきたモンだ・・・つい此間まで
       芋齧っちゃ部屋の中で平気で
       屁ぇブチかまして・・・・

       物音聞いて駆けつけた教官に
       毒ガス攻撃を食らわせてた
       奴がよww」





    サシャ「ユッ・・・・ユミルゥぅぅぅ!!!(涙目)」
        ウワァァァアアア;;;!!











    クリスタ「でも本当にたまにだけど・・・

       私たちと同じ食べ物を食べてて
       なんでこんなに物凄いのが
       出てくるんだろうって・・・
       そう感じる事はあったよね・・・?

       ねえ、サシャ・・・貴女本当に干し肉と
       芋以外食事で出されたものの
       他に口にしてる食べ物って
       無いの・・・?

       アレはどう考えても・・;」




     クリスタにここまで言わせるということは
     相当な大量破壊兵器がサシャによって
     投下されたと言う事だろう・・・;


     思わず僕自身、サシャの放屁が
     そこまで危険なのかと想像しただけで
     身震いしてしまう。。


  82. 89 : : 2015/09/01(火) 01:32:20



    サシャ「なっ・・・なななな!!
        何も!??!?ええ、当たり前じゃ 
        ないですかッ!!それ以外では
        そもそもそこら辺に生えてる
        ペンペン草くらいしか食べる物
        なんて・・・・」




     これは確実に何かヤッてる。
     前科一犯どころじゃないな・・・

     相当日常的な食糧確保手段が・・・・





    ユミル「さて・・・おしゃべりもそろそろ
       仕舞いだ・・・(スック・・・)


       明日は調整日一日目で
       浮き足立つ連中も多い。

       今夜の教官の巡回は恐らく
       不定期で入るぞ。そろそろ
       部屋に向かわないとだな」



     そういって立ち上がるユミル。




    アルミン「あ・・・そうかそういえば・・・・」




     そう。クリスタの話では昨日は
     医務室に強制的に一泊させられた
     サシャもようやく自室へ戻る事が
     叶うと言う訳だ。

     ・・・・しかし体調不良故に、
     明日からの、調整日一日目、
     そして二日目まで自室安静が
     命じられているので、あまりサシャ
     本人にとって嬉しいことかどうかは
     分からないけれど。


     ・・・・まあ、ここよりは断然良い筈だ。






    ミカサ「・・・では私はこれで・・・

        ・・・・・アルミン。」




    アルミン「ああ・・!おやすみミカサ。

       明日はどこで待ち合わせる?」



    ミカサ「・・・・、ぁ・・・・・

       ・・・、それでは・・・顔洗い場で
       落ち合おう。エレンも顔を洗いに
       起きてくる筈なのでそこで
       再びそれぞれの部屋まで荷物を
       取りに戻って・・・それから出発だ」





    アルミン「・・・・?」





     一瞬何かを言いかけたミカサが、
     何かを思い出したようにその言葉を
     喉奥へ仕舞い込むとその様に
     提案して来る。


     別にそれぞれ荷物を準備してから
     水汲み場に集合でもいい筈なのに。


     何故そこに一度集まってから
     もう一度自室に戻る必要が・・・?



     ・・・などと考えていた僕の視界の
     外から・・・なにやらサシャの狼狽する
     様子と、慌てふためく声が
     飛び込んでくる。




    サシャ「ちょッ・・・クリスタ・・・?!
       あなた・・・一体何を・・・?!

       あっ!!ちょっ・・ちょと!!
       ダメダメダメダメですって!!!!
       ッアーーーーーー!!!!!!


    バタバタバタバタ・・・・!!!!





     アルミン「・・?!?!」バッ↩





     あまりに唐突かつ、ただ事ではない
     サシャの叫び声に何事かと振り返った
     僕の目前にあったのは・・・とても
     理解に苦しむ光景で有りながら・・・



     おそらく104期訓練生中誰が
     この光景を目の当たりにしたとしても


     今の僕同様、驚愕にその身を貫かれて
     居た事だろうと自信を持って
     言える程の・・・・衝撃の光景が
     広がっていた。










  83. 90 : : 2015/09/01(火) 01:35:56





    ~これより僅か数分後~ 







    ―訓練兵宿舎・エレン部屋―







    ライナー「・・・・・・・・・」ズゥゥゥン・・・・・・↓↓↓







    ベルトルト「大分凹んでるみたいだね・・・
       ライナー・・・・。本当に何も
       なかったのか・・・?これだけ
       長い間口を聞かないでじっと
       してるなんて・・・相当つらい事が
       有ったんじゃないのか?」




    エレン「ッ・・・フッ・・・ふっ・・・・

       さぁ・・・なっ!!・・・・ほっ・・・・

       何もないったら・・・何も無かった。

       (溜息....)
       ライナーがありつけると
       思ってたクリスタの飯とやらが
       出てこなかったのに相当期待を
       裏切られたそうだが・・・・」





    普段なら相方のアルミンに足の固定を
    任せて行うはずの腹筋運動を
    何とか一人で行うエレンがそう答える。




    エレン「そんなの、勝手にあてにする
       そいつも悪い。

       ・・・・・おいライナー!
       いつまでもしょげてないで
       足抑えてくれよ!!!別に足に
       乗っかるだけでもそうして
       落ち込んでられるだろ!!」





    ライナー「・・・・・・・・」ショボーン・・・




    しかしベッドで死体のように
    横たわるライナーは依然として
    こちらに顔すら向ける気配も見せず・・・
    相変わらず沈黙を守っている。



    ここが明け方の屋外ならばカラスが
    予期せぬ朝飯を見つけたと勘違いして
    たかりに来る事請け合いな
    生気の無さである。





    ベルトルト「ほ・・・ほら、ライナー・・・!
       明日は折角久々に二日連続の
       調整日だっていうのにそんな
       葬式前夜みたいな雰囲気で
       どうするんだ....?!」
       ゲンキダソウヨ...





    エレン「お前本当に精神(メンタル)面の
       耐久性にはムラがあるよな・・・!

       鍛錬に関しては狂気じみた
       忍耐力を見せるお前が・・・
       こういったことに関しちゃまるで
       紙切れみたいな弱弱しさ・・・・


  84. 91 : : 2015/09/01(火) 01:38:24





    トントンッ・・・・










    エレン「おっと・・・アルミンか。
        やっと帰って来たな。全く
        サシャの身体拭くのに一体
        どんだけ掛かって・・・てアレ・・・

        そういや・・・幾らアルミンでも
        普通に女子の身体拭くのに(ry





    トントントン!






    エレン「ぁああッるっせえな!!!
       大体ノックいらねえだろ!!!
     
       (ドドッ・・・ガチャッ!!!)

       聞こえてるって!!いいから
       教官来る前にとっとと入って
       腹筋の足お・・・さ....
       





    ベルトルト「・・・・・・・・?どうした・・・エレ・・・
       ( 顔 面 蒼 白 )





    部屋の戸を開け放したまま、
    今がいつ教官が来るとも知れない
    状況であるか、それすら忘れて固まる
    エレン、そしてベルトルトの両名。





    ・・・数秒の沈黙を破ったのは
    以下に綴るエレンの一言。







    エレン「オイ・・・・ライナー・・・お前の失意を
       一瞬で吹き飛ばす女神様が
       来てくれたぞ・・・・・・;

       喜べって」ガタガタ・・・・






    ライナー「・・・・・・?・・・・
     
         ・・・・・・・・・・・・!!!?!?」
         ガバッ!!!?






    エレンの言葉通り、今まで人形遣いが
    その手繰り糸を放り出していたものに
    突然息を吹き込んだ操り人形の様に
    飛び起きるライナー。




    戸を開けた外の闇を背にしながら、
    その身に浴びる部屋の灯りを何倍にも
    増幅させるその姿は・・・瞬く間に
    失意のどん底に叩き落されていた彼に
    魂と呼べるものを吹き込んでいく。





    ライナー「おっ・・・お・・・おお・・・?!!


        何で・・・・?!何でおま・・・・・


        おい・・・クリ・・・・っていうか


        それ・・・お前・・・??!!!」
        ワナワナ・・・!!
        



    しかし同時に彼の思考回路を正常には
    働かせてくれない程の混乱を与える
    その違和感は・・・その場で固まる
    エレン達にも等しく目に留まっていた。





    クリスタ「っへへ・・・き、来ちゃった////

       驚くのも無理ないけど・・・
       教官来ちゃうと大変だから・・・!
       早く入れてくれると嬉しいかな!!」
       タジタジ・・・




    そこに立っていたのは・・・
    アルミンのシャツを着て、アルミンの
    上着を羽織り、アルミンの靴を履く・・・・


    先程より大分髪が短くなった(▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪)・・・・


    ・・・・・クリスタの姿だった。





  85. 92 : : 2015/09/01(火) 01:40:39






    ~数分前~







    ―医務室―






    シャキッ・・・・  ファサッ・・・・・






    クリスタ「えっと・・・この位?・・・」
       ドウ・・?ユミル・・?





    ユミル「おわ・・・お前マっジで躊躇無く
      ()ったな・・・!;あらためてお前って
      言い出したら絶対にやるまで
      引かない人間だったのを
      思い知らされたわ・・・・(ウワァ・・↓↓)」
      キラキラノ オグシガ・・・・モッタイネーー・・;



    クリスタ「もう!人の切り落とした髪の毛
       弄ってないでちゃんと見て?!

       ・・・ど・う?!もう少し???
       それともこの辺もっとこう・・・
       みたいな所ある???!」シャキッ✧!



     そう言うと全く気にしない様子で更に
     包帯切断用の鋏を自らの前髪付近に
     持っていこうとするクリスタ。

     


     
    ユミル「まッ・・!!!待て待て待て!!!!!!!!!!!
      それ以上イく必要ないって!!!
      
      教官来たら背中向けて狸寝入り
      してりゃいいんだろ?!?だったら
      切るのは後ろだけだって;;;」
      アタフタ・・・



     物凄く貴重なユミルの情けない
     狼狽顔。こんな彼女の慌て方、
     他では滅多にお目にかかれない。


     希少価値がある光景だ。





    アルミン
        「・・・・・!!:」
    サシャ






     これには流石の僕らもただただ
     凍りつくしかなかった。

     ・・・つまりこの二人が僕らに内緒で
     共謀していたもう一つのイベントと
     いうのが・・・・・





    クリスタ
      「入れ替わりドッキリお泊り会~♪」
    ユミル     イェ~~~~イ♪
        (両手を正面から組合い)





    アルミン「・・・・・・・!?・・・・・;」
       ポカーーーーン・・・・・



    サシャ「・・・・・・・・;!!?」
        ボッケーーーー・・・・






     ・・・・そして残るは沈黙のみ―――







    ユミル「おい何かリアクション取れよ。
      折角ヒトが盛り上げようとして
      やってるのにそんな顔で黙ってる
      奴がいるかよ」ペチンッ!!






    アルミン「あでっ・・・・!!;」





    サシャ「えっと・・・あのですね・・・・」




    アルミン「待って・・・サシャ、僕が
       突っ込むよ・・・・
       (額に手を添えながら)

       流石にクリスタまで共謀してるんだ・・・

       ユミル発の後先考えてない
       無謀な計画では無いと思うから・・
       ここはあくまで論理的に話を
       持ち掛けないといけない。」
       ッツツゥ・・・・・・・;




    ユミル「おいなんつった今」イラッ☆







    アルミン「まず一ついいかな・・・・二人共?」





    クリスタ「一つじゃなくていいよ!
       何か聞きたい事があるんでしょ?
       何でもどうぞ~!」スッ・・スッ・・



     今しがた自ら鋏で切り落とした
     ばかりの髪に櫛を通しつつ、色々な
     角度から僕の後ろ髪を見定め、

     鏡の中の自身の髪を出来るだけ
     それに近づけようと集中している
     クリスタ。・・・うん、全く僕の訴えを
     聞いてくれそうな気配は彼女から
     感じ得ない。



     その周りで切り落とされていく
     クリスタの分身を、まるで荒削り
     されていく金の装飾の欠片を
     一粒も残さず回収せんとする勢いにて

     箒と塵取りに操られているユミル。



     何かに取り憑かれた様な目をしてる…



  86. 93 : : 2015/09/01(火) 01:43:43





    クリスタ「~~♪、♪」





     
     ・・・しかし髪を切ったら切ったで
     やはりクリスタは美し・・・(ゴホン!)






    アルミン「二人とも・・・正気なの?

       バレたら僕とサシャだけでなく
       関わり合いになった部屋に居る
       全員が終わりだと思うんだけど」






     僕は出来るだけ簡潔に、


     そしてこれから二人が行おうと
     している大博打について回るリスクを
     努めて冷静に分かりやすく表す事を
     優先し・・・事実だけをそう突きつけて
     みた・・・・



     しかし・・・・





    クリスタ「そうだね~~、やるならやっぱり
       徹底的にバレないようにしなきゃ
       ・・・ね!!だからホラ、こうして
       私は出来るだけアルミンの長さに
       近づけてるんだけど・・・どう?
       
       すこしは似てきた・・・かな??」
       ウン??(ファサッ・・)




     自らがこれから手を染めようと
     している隊規違反への深刻性など
     微塵も感じさせない可憐な身振りで
     僕と同じ位にまで梳きこんだ
     ショートボブ一歩手前の髪を・・・・


     クルリと身体ごと一回転して見せ、
     室内の空気に舞わせるクリスタ。



     ・・・悪いけどこの姿に心を
     動かされない人がいたなら、
     それは最早ヒトではない。 


     今サシャに頬を抓られたら
     僕は土下座しながらこう言うよ。




     “ごめん、でもやっぱり
      君の友達は可愛すぎるよ”



      ・・・・・・と。





    ユミル「ンな下らない確認をいちいち
       取るなって・・・大体なんで
       クリスタ(ソイツ)が荷物運ぶ手間を
       考えた上でそんなダボついた服を
       着てきたのか少しは考えろって」
       (溜息)





    アルミン「・・・まさか・・・・;」





    クリスタ「うん!アルミンはこの服を
       着て私達の部屋に向かってね!

       あ、アルミンの服は私が着てく
       から!あと靴もね!!そうしないと
       教官は初歩的な所でちゃんと
       靴の数も見てるから・・・
       ばれないようにうまく・・・ね!」
       ヌギッ・・・




    アルミン「わッ・・・うわッぁ・・・!!」

    サシャ「ちょッ・・・!見ちゃッ・・・
       見ちゃ"メッ"ですよ!!!アルミン?!!」
       ガバッ・・・!!




    ユミル「wッww(せせら笑い)」




    クリスタ「大丈夫~♪ほら、下は
       渡河訓練用の軽装だから~♪ネ!」
       ホラホラ☆


     ...そう云うなり服の下に身につけていた
     漆黒のスポーツビキニと純白なる
     女神の柔肌のコントラストを
     強調してくるクリスタ。ランプのみが
     頼りの室内にあっても尚、その肌は
     浮世離れした輝きを放っている。

     




    アルミン「(ジッ・・・・)」



    サシャ「(ジロ・・・・)」




    アルミン「(ゴメン・・それでも充分・・・
       ・・・・充分眩し過ぎるよ・・・)」
      ガックリ・・・・・




    サシャ「ァアア・・・;アルミンがすっかり
       クリスタのお着替え姿で骨抜きにィ
       ・・・・・;!!!!」アルミン!!シッカリ!!



    ガックン・・・ガックン・・・・




     必死にサシャが僕の脳を揺らしてくる
     けれど・・・仕方が無いよ。

     クリスタの生着替えをこんな
     至近距離で見せ付けられてしまったら
     どんなに色欲に乏しい人でもその
     あまりの眩しさに眩暈を感じずには
     いられないよ・・・・。



  87. 94 : : 2015/09/01(火) 01:46:30





     そう、たとえそれが裸でないとしても。
     女神の肌がいつも以上に露出する、

     ただそれだけの事で・・・
     日差しに含まれる紫外線の如く、
     その眩しさは容赦なく男子(ぼくら)の心を
     焼き付ける。 



     更に追い討ちを掛けるかのように・・・


     今からクリスタがその身に
     纏おうとしているのが今僕の
     着ている服で・・・引き換えに僕がこの、

     
     掌の上で未だクリスタの体温と
     ほのかな香りを放つ衣服をkn.....





    ガックリ・・・・






    サシャ「アルミィィィィン!!!!!」
        オキテクダサイ~~~~!!;;;;






    ユミル「オイ、茶番もいいがとっとと
       ソイツを着ちまってくれ。

       私の嫁が折角親友の為に一肌
       脱いだ上に我が身を賭してまで
       危険な綱渡りをしようってのに…

       お前らのヘマでそいつが
       頓挫した暁には・・・・」ギロッ






    アルミン「わ・・・わかったよ・・・;
      (ドキドキドキドキ)

      けどこんな事考えてるなら
      先に言ってよ・・・僕だってクリスタが
      着る事を知ってさえいれば
      それを考えてちゃんと新しい服に
      着替えて来たのに・・・・!」
      ブチブチ・・・!




     そうだ・・・僕はあまりにサシャに
     会いたいが為に、訓練が終わった
     その足で・・・これから水浴びに
     向かう事まで考えて、


     洗うために置いておいた部屋着だけを
     着こんでこうして彼女の元へ
     駆けつけたというのに・・・


     その焦りが完全に裏目に出てしまった。


     事もあろうにこれから洗う筈の
     汚れたお召し物を女神に着させる
     などという無礼極まりない行いを・・・


     僕は・・・・!





    クリスタ「はいはいはい~、着ちゃってね!
       スカートも・・・、はい!
       履いちゃって!!!(ズボッ・・)


       ・・・・わぁぁwアルミン、やっぱり
       スカート似・合・う~⤴︎♪」
       ツンツン⇒





    アルミン「なんかノリノリだね・・クリスタ・・(涙目)」
       グスン・・・・



    ユミル「初めて男子の部屋に泊まるから
       テンション上がってんのか・・;

       おい、クリスタ。奴等なら多分
       平気だと思うが・・・本当にヤバいと
       思ったら悲鳴を上げろよ。

       無理矢理連れ込まれたっつえば
       多分向うに全部行くだろ」
       (ペナルティが)




    アルミン「(ド汚い発想だ・・;)うう・・・
       足元がスースーする....

       こんな姿見られたら僕は
       調整日明けから立派な変態の
       仲間入りだよ・・・・・;;」
       (上下共にクリスタ スタイル)
       アトイイニオイスル・・・・///



    サシャ「が・・・我慢ですよアルミン!!
       部屋に着くまでの辛抱です!!」
       ファイトデスヨ!!; アトニオイハカガナイデꐦ!!





    ユミル「いや・・・教官がいつどういう形で
      来るか分かんねーんだ・・・一応
      スカート(それ)脱がずにずっと履いてろよ」






    サシャ「!?い、いえ、だって、普通
       寝るときスカートって
       履かないじゃ無いですか!??!」






    ユミル「だから念の為だっつの。
      どっちにしてもそいつの髪は
      伸ばす事が出来ねー以上寝て
      誤魔化すしか無い訳だが・・・・

      まあ、こっちは私が上手くやる。

      クリスタはまず死に急ぎ野郎(エレン)
      ゴリラ共に状況の説明を
      分かりやすく済ませてなるだけ
      早く配置に着けよ。

      ・・・多分いつも通りなら先に
      男子部屋の方から回る筈だ」





  88. 95 : : 2015/09/01(火) 01:49:36



    クリスタ「うん・・・・!頑張るよ私・・・!
       頑張ってアルミンの声真似も
       練習したんだし!

       ッッ・・・ゴホン!

       “可愛い女の子だと思った・・?
        残念・・・僕でした・・・・・!”
        (ニタァァ・・・・(高再現度))


       ・・・ほら・・・ね!!アルミンって
       声高いから真似るの簡単なんだ」
       ニテルデショ!!?






    アルミン「似てるけど!!!似てるけどさ!!!

       よりによってなんっって台詞を
       採用してくれてるの!!!!?
    (クリスタの顔でその表情は勘弁してよ!!!;)

       しかもそれ公式でも何でもなく
       コラのネタじゃないか!!!
       僕そんな事言った覚えないよ!!」
       イヤァァ!!!;;;;






    サシャ「び・・・びっくりしました・・・

       アルミンの“あの”顔までそっくり
       真似てしまうとは・・・あらためて
       ・・クリスタ・・・恐ろしい子…です・・・!?」
       ドキドキドキドキ・・・・(ヒィ・・・)






    ユミル「ハイハイお前ら、もうおふざけも
      マジでそれくらいにな!?

      やばいってもう!!!

      見ろ!!教官が一番向こうの
      篝火を消し始めた!!ゴリラ共の
      小屋に辿りつくのもじきだぞ!!」
      ハリアップ!!!



    サシャ「あ、ク、クリ・・・じゃ無かった!
       アルミン!?ほら、行きますよ!!」
       グッ  フラフラ・・




    アルミン「間違えたね!!?今、素で僕とクリスタを
       間違えたんだねサシャ!!?

       酷過ぎるよこんなの!!!(涙)」
       グスグズ・・・・




    ユミル「じゃあなクリスタ!!上手くやれよ!!」
      パシンッ!


    クリスタ「ユミルもね!!!」
       パシンッ!









     ・・・こうして僕とユミルとサシャは
     男子宿舎・・つまり僕の部屋に向かう
     クリスタとその場で散開し・・・医務室を
     後にした。


     まだ陽が出ていたうちの香しい
     空気が夜風と混じり、頬に心地良く
     当たっては流れて往く星空の下・・・

     本来ならば体調不良でそれどころでは
     無い筈であるサシャにその手を引かれ、
     走る、夜の宿舎周辺。



     何だか唐突にあの日の事を思い出して
     懐かしくなってしまった。

     サシャと山に出発した日は
     もう既に朝方だったけれど・・・
     その時に感じていた感慨深さは
     今感じているものと全く同じだ。


     サシャと一緒になって走っていると・・
     どこまででも遠くへこの手を引いて
     行ってくれる…そんな気さえしてくる。
     

     ・・・まあ、実際今僕等が目指している
    行く先は直ぐそこにあるクリスタ達の
     部屋なので・・こうした風情ある
     情景もほんの僅かな時間で直ぐに
     現実に引き戻されてしまったけど・・・。





  89. 96 : : 2015/09/02(水) 02:54:13

    ~丁度同刻~




    ―女子宿舎・ミカサ部屋―



    キース「.....................」





    カッ・・・・カッ・・・・・......ガチャ...



    ....バタン。




    ミカサ「・・・・・(ムクリ)」




    アニ「・・・・・・・・」





    順序的に先に教官が回ってくる事になる
    部屋にて未だ床に着く気は更々無いのか
    教官の巡回をやり過ごした直後に
    その身をベッドから起こすミカサ。


    服装を見るにそれは、まだこれから
    部屋の外へ赴こうという意思が
    充分に感じられる着こなしである。



    ミカサ「・・・・・」
        ギシッ・・・



    ・・・・しかし珍しくこの時間帯に未だ
    目が冴えていたアニが小声で問いかける。




    アニ「ねぇ・・・・まだ動き出しちゃ
      早いんじゃない・・・。

      教官もバカじゃないんだ・・・
      もう少し待たないと幾らあんたでも
      バレると思う・・・」




    ミカサ「・・・・アニ。貴女がこの時間まで
       寝に入ってないのは珍しい。

       ・・・ならば丁度良い・・・・」
       カタッ・・ゴソゴソ・・・





    アニ「・・・・・・?」




    自身の促した注意喚起に対する
    応答では無く何やら渡す物でも
    思い出したのか自身の収納スペースから
    何かを取り出すミカサ。
    .....と、それを横になりながら、
    目だけで追うアニ。



    ミカサ「・・・・・。(ジャラッ)

       ・・・・何の立替を請け負ったのかは
       まだ確認していないが・・・貴女も
       サシャから何か委託されていると
       聞いている。この中からそれに
       必要な分を持っていって欲しい」




    アニ「(ムクッ・・・)何このお金・・・・

       っていうか多っ...これってまさか
       ・・・サシャから預かったの・・?」




    ミカサ「(コクッ)」




    アニ「・・・・・私が頼まれたの
      石鹸だけだし・・・こんな要らないよ。

      …まあ、そういう事ならその分だけは
      貰っておくけど・・・・(ジャ・・チャラ...)


      しかしこの大金・・・ミカサ、
      あんたはサシャに何を頼まれたの」




    ミカサ「・・・・アニなら問題ないと思うが
       内密に頼む・・・毛剃り用の剃刀だ」






    アニ「・・・・ああ、やっぱり・・・。

       っていうかそれでもこれは
       多すぎるでしょ・・・;。

       あのさ・・・

       別にそこまで気にする事じゃ
       ないと思うけど・・・こんな大金を
       あいつ・・一体どこで手に入れて
       るのかな・・・・;」




    ミカサ「・・・・アニ。恐らくサシャが
       何かしら兵団の規則に触れる
       事を日頃から行っているのは
       事実だと言えるが・・・

       多分今貴女が想像したような
       悪質なものではない事は確か」





    アニ「・・・・・うん、別に私も
       本気であいつがそこまで
       ヤバい奴だとは思ってないけど。

       (女子の宿舎内で・・何か私物や
       金品が紛失したなんて届出は
       今まで一度も無いし・・・・。)」






    ミカサ「・・・・では私は少し出てくる。

       経験則ではもう大丈夫だと
       高を括っているが。・・・もし
       不在の間に教官が来たなら
       そのときは上手く頼む・・・」
       ギッ・・・




    そう言い残すと夜間に溶け込む色で
    統一された布地の服を上下に着込み、
    部屋を後にするミカサ。




    アニ「・・(溜息)ああ。精々気をつけて」




    何も詮索をする気は無いが・・・・

    調整日前だと言うのに何をそこまでして
    教官発覚のリスクを負ってまで屋外に
    赴く必要があるのかと、溜息混じりに
    ルームメイトの優等生を見送るアニ。



    ミーナ「zzzz。。。。zzz」
        ゴロン・・・


    傍らの寝床にはすっかり熟睡して
    寝息を立てながら涎を垂らす
    もう一人のルームメイトが。





    アニ「・・・・・だるい。・・・寝よ...」
       グデッ・・・・(ボフッ・・)


  90. 97 : : 2015/09/02(水) 02:57:02






    ―男子宿舎・エレン部屋―







    ライナー「しかしたまげたぞ・・・
      どうしたって一体こんな・・・

      しかもお前その服装・・・い、いや
      ・・・服とかよりもまず・・・;;;」
      ボタボタボタ....



    ・・・・そんな擬音が聞こえてきても
    全く不思議の無い位大量の脂汗を
    滴らせるライナー。しかし
    “それ”についてはライナーだけでなく
    エレンもベルトルトも同様に何事かと
    注視する視線をはずす事が出来ずにいる。



    この場の全員の視線を一手に
    集めて離さずにいるその部分とは
    言うまでも無く・・・ 




    クリスタ「ど、どうかな・・?///
       短いのも・・これはこれで
       似合ってる・・・?」
       フワッ...



    肩上まで梳いた事により空気を
    取り込みやすくなり、動くたびに
    ふわふわと宙に浮かぶ様な金髪が..


    ライナーの平常心を一撃で粉砕する。




    ライナー「にっ・・・似合わない訳が
      ないだろう!!!長いのもそりゃ
      女性的な魅力が増すのかも
      しれないが、それを切ったからと
      いってクリスタの魅力が損なわれるなど
      あり得ん!!!!!


      ・・・あえてもう一度言おう!!!
      似合ってるな!!!・・・ああ!!!
      物凄く似合ってるぞクリスタ!!!!」
      ガバァッ!!!(ゥォォォオ!!)


    ガッ!!!




    クリスタ「ッ・・Σσ^^;
      あ、有難う・・・ライナー・・・」



    クリスタの両肩をしっかりと掴み、
    その様に力の限り叫ぶライナー。


    (しかし教官が来る事を一応は
    頭の片隅に置いているのか、
    かろうじて小声ではある)





    エレン「いや・・・似合ってるとか
       似合ってない以前によ・・・

       クリスタ、お前それ・・・・どう見ても

    ベルトルト「悪いけど皆・・・!もう教官が
       いつここに顔を見せても
       おかしくない時間帯だ・・・・!

       調整日前夜だから入り順を
       ずらして来てるみたいだけど・・!
       ここが前半である事は
       間違いないんだ・・・!早く
       全員ベッドに入ったほうが良い」




    ライナー「そ・・・、それもそうだな・・!」






    エレン「おぃックリスタお前・・とりあえず
       こっち来い・・・その格好なら
       アル・・・ミ・・・」ピタ





    クリスタ「よ。。ッと・・・

       ・・・・あ、ここだよね?;
       アルミンの寝床って。」ギシギシ・・






    そこには既に迷わずエレンの真隣の
    寝床にスタンバイするクリスタの姿が。




    エレン「・・・・・・;あ、ああ。」




    暫し無言で彼女の行動に
    たじろぎながらも・・・つい先ほど
    自身の口から出掛かっていた言葉を
    再び反芻し、心の中でそれを察する
    エレン。



  91. 98 : : 2015/09/02(水) 02:58:54


    エレン「(クリスタ(こいつ)・・・最初からこうする
        つもりでここまで来たのか・・?

        ってことは今・・・自然に考える
        なら・・・クリスタの部屋には・・・?!)」





    クリスタ「(っフフ・・・///何か凄くドキドキ
       しちゃうね・・・!この時期で
       こんな事して、見つかったら
       私たち落第かもね!!(小声))」
      ワクワク・・*




    エレン「(全くだぜ・・・!っていうか
        独房直行だろ、容赦なく・・・;

        理由は後でたっぷりと
        聞かせてもらうけどよ・・・!

        本当、お前らも大したもんだぞ…
        他人のこと死に急ぎとか言える
        立場じゃねえよ..(小声))」





    クリスタ「(私はエレンをそんな風に
       思った事無いよ??

       ・・寧ろ尊敬してるくらい。

       どうしたらあんなに滑落を
       恐れずに高所訓練にどんどん
       挑めるのかっていつも思ってた
       (小声))」




    エレン「((溜息)・・・あんなのはな、
        自分が今高い所に居ると、
        そう認識しなきゃ良いだけの
        話だ。落ちた場合を考えるから
        足が竦む。下を見るから
        玉が縮むんだよ。(小声))」




    クリスタ「((・・?玉・・?)・・・へぇ・・!すごいな
       エレンは・・・。その言い分は
       理解するだけならできるけど・・

       多分実際に出来る人ってそうそう
       いないと思うんだ。(小声))」





    エレン「(バカにする訳じゃねえけどよ
       ・・・・その素質ならお前にも結構
       あると思うぞ・・・;(小声))」




    小さな溜息混じりに布団の中で・・・
    背中越しにそのように呟くエレン。


    その心中には、自分に負けず劣らず
    怖いもの知らずな真隣の同期の姿が。












    ガタッ・・・  ガチャ・・・




    全「・・・・・・・!」





    教官の気配が・・・極限まで
    研ぎ澄まされた全員の神経に突き刺さる。




    キース「・・・・・・・」




    先ずは各ベッド前、及び下駄箱に揃う
    外履きの確認。




    ・・・・実はこうした見回りを必要とする
    要因として・・・過去に同じような不祥事が
    全く無かったわけではない。



    現104期に至るまで・・・キース教官が
    監督義務を一任されて居る間だけで・・

    凡そ10件に上るか否か、その程度の
    そうした(▪▪▪▪)不祥事は、確かにあった。




    在る者はただ単純に消灯時間も
    失念して話し込んだ挙句そのまま訓練の
    疲れから寝入ってしまった所を発見され。



    在る者は自身の性的欲求を抑えきれずに
    異性の宿舎にどうにかして忍びこもうと
    徘徊していた際に発見・捕縛され。


    また在る者はどこから巧みに
    持ち込んだのか、どうにかして
    手に入れたボトルで心躍る酒盛りへと
    洒落込もうと意気込んでいたまさに
    その時、運悪く教官の目に留まり・・・・




    そうして今まで・・割と数多くの訓練兵が
    何らかの厳重注意、若しくは
    退団の憂き目に遭ってきた。
  92. 99 : : 2015/09/02(水) 03:02:11




    キース「・・・・・」






    屋内を静かに闊歩し、
    次いで各寝床に着いている頭数、
    そしてその様子をざっと流し見していく
    キース教官。



    長年の感覚で、幾ら訓練兵が狸寝入りを
    決め込もうとその場に張り詰める
    緊迫感等から意識の有無が分かるように
    なっていたが、大人しく各自の宿舎から
    出ずにいるならば規則上何の問題もない。



    ・・・なのでその辺りに関しては教官自身も
    殆ど踏み込んでくる事は無かったが・・・




    キース「・・・・・、」
        ピタ




    カッ・・・・





    クリスタ「(!??!?)」



    エレン「(マジかよ・・・!!!
        冗談だろ・・・!!!)」



    不意に板の間の軋みがエレンと
    クリスタのベッドの真横で止まる音を
    感じ取る全員。




    ライナー「(かっ神よ・・・・!いや、クリスタ以外の
       神様がもしいるなら・・・・今だけ・・
       今だけで良いからクリスタを護って
       やってくれ・・・・・!!
       
       い、いや・・・!
       
       いっそここでオレが飛び起きて
       教官の注意を惹くか?!)」




    ベルトルト「(ライナー・・・妙な気を起こさないで
        くれよ・・・!!まだ・・まだそうと
        決まったわけじゃない・・・!)」






    キース「・・・・・・・」




    布団から頭部のみを露出するエレン、
    そしてクリスタの両名の前で明らかに
    静止している教官。

    その闇を切り裂く鋭き眼光が、
    二人を注視しているのは最早
    疑いようの無い事実である。



    ・・・・しかし。




    キース「・・・・・、・・・・・」





    ギッ・・・・   ギス・・ギス・・・





    エレン「(・・・・・・!!!)」
       バクバクバクバク・・・・!!



    数秒間程の間。たった1つの臓器を除き、
    本当に全身を停止させていたエレンの
    全身から・・・


    まるで生きた心地がしない位の
    冷気を纏った緊張感の鎖が・・・・
    一気に解け落ちていく。




    ガチャ・・・・
           ドタン....




    そのまま何事も無く無言で去って行く
    教官の気配・・・・・・





    ―屋外・エレン部屋前―






    キース「(アルレルト・・・自分で気づいているか
        どうか知らんが・・・貴様もアレから
        随分と様変わりしたな・・・

        自制は体力面にも良い方向で
        働きかける事実はあるが・・・

        まあ、余り無理をし過ぎるのも
        良くは無い・・・。今日ばかりは・・
        抜き打ちの巡回は勘弁して
        おいてやろう・・・・)」



    ザッ・・・ザッ・・・・・

  93. 100 : : 2015/09/02(水) 03:05:50




    ―エレン部屋―







    エレン「・・・!行ったな・・・?

       (脱力)・・・しっかし本当に・・・・!!

       カンベンしてくれよな・・・・!!」
       ハァァァ・・・・↓↓;




    ライナー「おいエレン・・・!
      クリスタにだって相応の理由が
      ある筈だろう!!それを聞きも
      しないで・・・・!」






    ベルトルト「でも・・・何事も無くて良かったよ
       本当・・・・(深い溜息)」





    クリスタ「ね~・・・!!本当、息が詰まって
       死んじゃうかと思ったよ!

       立ち止まった時にはもうダメかと
       思ったけど・・・!何だったんだろう
       なんであの時・・・」





    そう、女子部屋ならともかく、
    男子に関しては少しでもおかしいと
    教官が感づけばそれくらいの
    確認はとってもおかしくない筈。




    ライナー「まあまあ・・・!結果オーライって奴だ
      ・・・!俺達は無事でクリスタも
      見つからずに済んだ・・・!それ以上
      この結果に何か言葉が必要か?」
      



    ベルトルト「そうだね・・・何事も無かった。
        それで充分だ・・・」




    エレン「(溜息)..それはそうだけどな・・!

       だがもう二度とやらねーぞ」
       ブツクサ・・・





    ライナー「エレン...;お前もこういう時は
      随分引っ張る奴だな・・・!(溜息)

      折角クリスタがこうして部屋に足を
      運んでくれたんだ・・・先ずは茶でも
      淹れようじゃないか・・・!」
      ハッハッハ・・・




    御機嫌そうにそう言うと
    先程まで篝火に載せて加熱させていた
    ケトルに残っている白湯を茶葉の入った
    ティーポットに注いでいくライナー。




    クリスタ「あ、!そんな気を遣わなくって
       いいって!!!///」ブンブン




    エレン「ったく・・・さっきまでクリスタの
       飯が喰えなかったからって
       死体になってた野郎が・・・
       どんだけの変わり身だよ・・・」
       ジト~~・・・・




    ライナー「気にするなって!こんな来客は
      滅多に無いからな。ッハハハ。
      いやあ、本当に参ったな///」



    先ほどから意味も無くニヤニヤと屈託の無い
    笑顔を湛えっぱなしのライナー。



    余程彼女の突飛な来訪が
    嬉しかったのだろうか、

    最早彼の頭の中に彼女が今こうして
    ここに居る理由がどういったところに
    あるのか・・・そのような疑問は一切
    残っていない。誰が見ても
    一目瞭然である・・・歓喜一色。




    エレン「・・・・・・」



    当然、いつも隣に寝ているはずの
    相方の姿が、なぜか兵団屈指の美少女の
    扮する身代わりとなっている事に
    一番疑問を持っていたのはエレンである。




    ベルトルト「それで・・・その、そろそろ
        聞かせてくれないか・・・?
        エレンも相当気になってる
        みたいだし・・・


        クリスタ・・・君は・・・なぜそんな
        格好で・・・この部屋に・・?」




    エレン「・・・・・!」




    ライナー「全く・・・ゆっくり話せば
      いいじゃないか・・・っとと・・・、
      入ったぞ・・・熱いから気をつけてな
      ・・・・!」



    そう呟きながらも細心の注意を
    払いながら足場の安定しない
    エレンの寝床まで茶を運ぶライナー。





    クリスタ「ア・・・・ありがとうね!ライナー//」
       ニッコリ♪




    ライナー「(クリスタの為なら死ねる)」
      ファァァ・・・・・↑↑↑



    そのまま淹れたての茶を吐息で
    冷ましながら・・それを行う
    クリスタの口から、

    取り敢えず先に伝えるべき事柄が
    一言だけ、簡潔に伝えられる事に
    なる訳だが・・・・



    この数秒後、やはりそんな重大発表を
    予期して居なかったライナーは
    クリスタに淹れた分のついでに
    注いでいた他2名(及び自分)の茶を・・・
    盛大に自らの膝に零し、

    耳にした者が思わず聞いた事も無い
    珍獣の鬨の声かと疑う様な奇声を
    上げる羽目になる。






    クリスタ「みんな知ってるなら別に
       良いんだけど・・・・実はね!

       アルミンとうちの部屋のサシャが
       お付き合いする事になったんだ。

       だから、今日はせめていつも
       一緒に居られない二人の為に
       少しはゆっくり出来る時間をって
       思って・・・///それでこうして
       私と入替わったの」



  94. 101 : : 2015/09/02(水) 23:52:03










    ~更に同時刻~






    ―クリスタ部屋―







    / ィ"ェアアアアアァァァァァ............!! \





    アルミン「っ!??!」ビグッ!!!


    ユミル「!?!」ギクッ!!!!





    三人で部屋へ向かっていた
    ユミル一行だったが、途中どうしても
    サシャのみ一人で水を汲んでいくと
    言い張って聞かなかったため


    万一教官と鉢合わせしても病み上がりの
    サシャであれば多少多めに見て貰える
    だろうとの考えから先に二人で
    部屋へ辿りついたユミル、
    及びアルミンの両名だった・・・・


    が。


    部屋の戸を押して中へ入った途端、
    遥か遠方からこだまする不気味な
    叫び声を聞き取り、思わずその背を
    同時に震い上がらせる。






    アルミン「・・・な・・・何だろう・・・今の声・・・;」
      ドッキ・・ドッキ・・ドッキ・・・・






    ユミル「方角とタイミングからしてお前・・
      まさかお前らの部屋じゃねえのか
      ・・・!?いや・・・もしそうなら
      クリスタがしくじったのか・・・?!

      しかし今の気味悪ぃ声は・・・
      どいつの声だか今一ハッキリ
      しねえ感じだったな・・・」




    アルミン「あそこから此処まで届く声と
      なったら・・ライナーかエレンしか
      居ないと思うけど・・・教官の鉄槌
      を誰かが受けたんだとしても
      それにしては大袈裟すぎる
      悲鳴だと思う・・・・

      でも・・・どっちにしたって・・」





    ユミル「・・・ああ、そうだな、この声量じゃ
      確実に教官の耳には届いてる。
      既に教官が関係してたとしても・・・

      そうじゃなかったとしても・・・。
      時間の問題だ・・・・っと・・・

      いずれにしてもこっちに教官が
      足を向けるまでの時間稼ぎには
      なるといいがな・・・・おっと、
      そこでストップだ」バッ





    アルミン「・・・・・?」




    胸元にゆとりのあるゆったり目の
    ロングシャツにアルミンの背丈では
    丁度良いくらいのロングスカート

    ・・・と普段のクリスタには少々丈が余る
    サイズとは言えども、平時の彼女
    そのままの格好をしたアルミンが

    ユミルの身振りと制止の合図に従い、
    その場で足を止める。




    そこはスペース的に言って一瞬
    工具置き場の様にも見える
    戸棚の前であり・・・・


    部屋のメンバー全員が立体機動装置の
    整備に使う様な工具の類が一箇所に
    纏めてある物かとアルミンは瞬間的に
    判断していたが・・・・





    ユミル「その辺の一角は芋の私物だ・・・

       下手に触んじゃねーぞ。
       私でも煩く言われるし、実際かなり
       やべーモンもゴロゴロしてる
       みてーだからな・・・ま、
       確かに言えることは一個だけだが。


       “触るな”・・・それだけだ。
        ・・・・・いいな分かったか。」
        ジロリ

  95. 102 : : 2015/09/02(水) 23:54:26





    アルミン「・・・・・・・;!」







     ユミルの文言を聞いた僕の
     頭の中の第一声は・・・・・



     “ユミルらしくも無い”



     ...以上の通りだった。


     あのユミルが・・・・。よりによって
     クリスタではなくあのユミルがだ・・・・。

     サシャが何か自分の与り知らない事に
     手を染めているような場合、
     確実にその詳細まで掴まない事には
     絶対に見逃してくれそうに無い、
     この粘着質極まりない性格の
     ユミルが・・・


     “なんだかよく分からないけど、
      ヤベェから触るな”・・・と、
     

     このような発言を行って居るのだ。
     それは彼女らしくないと
     思うのが当然の事だと思う。


     ・・・しかし言われてみてから注視すると
     その辺りに並んでいる物と言えば
     工具ばかりでもなく・・・・


     何やら大きさや内容量がバラバラな
     遮光瓶、通常のガラス瓶と並ぶ
     中には・・・「靴墨」 「ワックス」

     などと不慣れな文体で名札に書かれて
     いながらもその中身は到底名前通りの
     物には見えないといったものが
     殆どであった。


     何やら中身が液体である場合には
     その透明度が極端に悪く、
     明らかに多くの不純物が含有されて
     いる為、既に液体というより糊の
     ような粘度で凝固しているのが
     見るだけで分かる。




    アルミン「(・・・・でも・・この工具は・・・・)」



    次に目に付いたのは当然、
    工具の数々。ペンチも一つではなく
    2~3本分別のサイズが。


    こちらも数種類の径に対応した
    鋼線切断用の金鋏に・・・・


    何かを固定する為の土台一体型の
    万力に金槌と・・・・明らかに
    何かの整備の為というより何かを
    “作る”為にその利便性をフルに
    発揮する工具たちのオンパレードである。






    そして一際アルミンの目を引いたのは
    その中央にて強い存在感を放ち続ける・・・




    ―――“薬研(やげん)”。





    アルミン「(これがクリスタの持ち物だと
       いうならまだ少しの希望と
       楽観的観測感が強まる所
       だけど・・・・;サシャ・・・?
       これが・・・サシャの持ち物・・?)」




     ハッキリ言おう・・・これが、
     この単なる古道具ともいえる
     器具こそが・・・この場で一番
     嫌な存在感を放っている。


     名前だけ聞いたならきっと多くの
     人がその器具の用途もビジュアルも
     思い描く事が困難だと思うから・・
     ここでそれを簡単に説明すると・・


     「薬研」とは。簡単に言うと
     よく薬学等に精通してそうな
     ご老人が薬草をゴリゴリするときに
     使うだろうというイメージが強い・・・

     両手押しの軸付きローラーと、そのローラーに
     合わせた幅の狭い擂り鉢が
     セットになったアレの事である。



     そんなモノが・・・・。


     そんな、風邪薬や飲み薬とは
     殆ど無縁な生活を送っている筈の
     サシャの私物スペースに物言わぬ
     置物として鎮座しているのだ。



     これが、もし仮に、そう仮にだけど
     エレンのおじさんの仕事場に
     置かれていたものだというのなら
     それに何か特別な違和感を感じる
     事なんて無かったと思う。
  96. 103 : : 2015/09/02(水) 23:57:48





     ・・・しかし忘れてはいけない。
     ここはクリスタの部屋にある・・・
     サシャの私物スペースである。



     その古道具が放つ異様な存在感は
     半端ではなく、しかもよく見ると
     鋼を随所に使われていながら
     一切錆付いている形跡がない。

     おそらくこまめに油による
     防錆処理を行っているのか・・・


     それとも単純に。


     錆び付く暇も与えぬほどに
     この器具がサシャの胡坐の中で
     大活躍しているか、その
     どちらか・・・・という事になる。





    アルミン「・・・・・・・;い・・・一体
       こんなもの・・サシャは何に・・」



     考えれば考えるほど恐ろしくなって
     きてしまう。サシャに薬学知識が
     あるなんて聞いたことも無いし、
     そういった、自ら作った何かを
     服用している姿も当然目にした
     試しが無い。一体これは・・・・:




    バタンッ



    サシャ「ハッ・・・ハッ・・・・お、お待たせ
       しましたぁ・・・・!早く、
       早く二人とも寝床にっ・・
       入りましょう!?

       さっき変な声がアルミン達の
       部屋のほうから聞こえては
       来たのですが・・・何と教官の
       足音と気配はそれに気を
       捉われずそのままこっちに
       向ってるみたいなんです!!!」
       イソイデ!!;




    ユミル「・・・・・芋の聴力はこの部屋で
       一番あてになる。こいつが
       言うって事はもうじきか・・・

       おい、急ぎな。クリスタの
       ベッドは・・・おら、ここだ。」
       (バフッバフ・・・)
       




    アルミン「ア・・・・、うん、有難う・・・ゆ・・
       ユミル・・・/////」ギシッ・・・



     意識するなというのが俄然無理な話で
     ・・・今僕が目の前の彼女の誘いに
     従って足を踏み入れようとしている
     領域は・・・“あの”全104期訓練兵
     憧れの女神、クリスタ・レンズの寝床。

     ・・・つまり彼女の恋仲でも無い限り

     僕みたいな一介の男子が簡単に
     この目で拝む事すら適わない
     神の聖域であり・・・


     知らずに来る者には制裁が。
     確信を持ってきた者には天罰が
     下される。


     ・・・・僕が今から自らの身を
     うずめようとしているのはつまり
     そういう・・・・(ry
     (グルグルグル・・・)


    ユミル「っっぁああ!とっとと寝ろよ
       もう!!教官きちまうだろが!!」
       ガシィ!!



    グイッ




    アルミン「うわっ!?!?」



    バフンッ...




    サシャ「(距離約50~~~!!もう、
       もう直ぐソコですよ~;(小声))」




    アルミン「!!!?!?」ドキッ!!!



     ・・・・まずい。。!



     二段ベッドの下段より、サシャの
     小声で叫ぶような警告が聞こえたかと
     思った時・・・。僕は思わずハッとした。


     ベッド上段には、僕・・・つまり

     この場合はクリスタに扮した僕のみが
     この位置で通路側、教官に見えるように
     後頭部のみを布団から露出する
     というのが当初のユミル達との
     打ち合わせ通りの手筈だった。




    ユミル「・・・・・」ギュッ・・・




     しかし、今僕の真後ろには。




    アルミン「(ユッ・・ユミル!!!ちょっと!!!?

       君の寝床はあっちのはずだろ?!
       早く移らないと・・・!!!(小声))」
       アタフタ・・・!!;




     そう、何を考えているのか僕の肩を
     掴む格好で、あろう事か僕の
     本当に真後ろに・・・ユミルが横に
     なったままなのである。




  97. 104 : : 2015/09/03(木) 00:01:12






     必死に講義するもユミルは一切
     口を開く事は無く・・・当然次の瞬間には





    ガッ・・・・

         チャ・・・・・ 
              キィ~・・・.....




    ガタン・・・・



    ギシッ・・・




    アルミン「( ゚Д゚)」




    アルミン「(お・・・終わった・・・!!!!

       もう終わりだ・・・・・!!!)」
       ガタガタガタ・・・・!!!






     教官による発覚の瞬間をこの時点で
     既に4通りほどシミュレーション
     し終わった僕の頭の中に・・・

     教官自身の靴音が奏でる絶望の
     旋律が・・・板の間の木材の軋みと
     合わさって僕の心を締め付ける。



    ギッ・・・・



     一歩・・・・。




    ギスッ・・・・


     二歩・・・・・。



    アルミン「(ッ・・・(ガチガチガチ))」
       ブルブル・・・



     極度の緊張状態のあまり、
     ようやく僕は自分の歯と歯が、
     強い震えのあまりぶつかり合って
     居る事に気がつく。

     しかしそれ以上に驚愕した事実が
     もう一つ・・・それは



    ユミル「・・・・--- ・・・・・」モゾ・・・モゾ・・・・




    アルミン「ッ・・・?!;;;」
       ガクガクブルブル・・・・



     ユミルが・・・何か喋っている。

     それも僕の耳元で。・・・あまりに
     教官への恐怖が大きすぎてこれほど
     至近距離でささやかれているにも
     関わらず、まったく耳に入っては
     こなかったのだ。

     それだけならいざ知らず
     ユミルの両腕が先ほどまで
     掴んでいた僕の肩から離され・・・

     しかし代わりに身体の前面へと
     回された上で何やら動きを見せている。


     ・・・普通これだけ密着しながら
     こんな風にもぞもぞと身動きを
     取られたら気がつかない筈が無い
     ・・・僕自身もそう思ったけれど。


     ・・・生憎今、僕が置かれているこの
     状況は・・・全く普通の状況では無い。

     


    アルミン「(ユミルは・・・結局何がしたかった
       んだろう・・いや、そうなると
       クリスタもグルだったのか・・・?

       二人で共謀して・・・こうして僕を
       自室へと引きずりこんだ上で
       教官に発覚させた上で、

       規則に順じて然るべき
       男子訓練兵としての立場を
       抹殺する・・・
     
       ただその為だけに僕をここまで
       ・・・・?)」グルグルグル・・・・



     極度なる極限状態に置かれたせいで
     ご覧のように既に正常な思考すら
     働かなくなっていた僕の耳に・・・


     ようやくユミルが囁き掛けてくる
     声色が正確に掴み取れるレベルまでの
     鮮明さを持ち始めてきた。





  98. 105 : : 2015/09/03(木) 00:07:50
    ◇⚠危険!!これより少しの間特に強い性的(そんな)描写が挟まれます!⚠◇


    嘔吐しそうな方は飛ばしをお勧め致します><;
  99. 106 : : 2015/09/03(木) 00:10:06










    ユミル「なぁ・・・暴れんなってよ・・・どうせ
      明日調整日だろ?最近溜まってんだ
      って・・・・////」ズスッ・・・・




    アルミン「・・・・?・・・・・・っ」




    ユミル「お前だってそうだろ?
      なあ・・・ちょっとだけ・・・
      ・・・直ぐ終わらせるってホント///」
      グッ。。。。  ギュゥ....




    アルミン「ッ!?!??!?/////」
       (((ビクンッ!!!)))




     ❕❔




     僕の全身が・・・一気に教官への
     恐怖心から、全く種類の違う
     緊張に鷲掴みにされるのが分かった。

     同時にユミルの胸の中で激しく
     跳ねる僕の背筋。


     吹き出る汗。




    アルミン「(そうか・・!!//そう言う…事か!!)」




     僕はユミルの目論見をその時点で
     全て理解した。何も難しい事では無い


     ユミルがベッタリと
     僕にしがみついているこの姿勢は・・・

     僕の肩幅と、クリスタより短い後ろ髪を
     誤魔化す為の目隠しであり・・・・


     今僕の耳元に囁いてきている
     この言葉は・・・僕をクリスタと見立てた
     上での――演技。


     ここまで来てあの日サシャに
     聞かされた衝撃の事実が立証されて
     しまった。




    キース「・・・・・;(またコイツ達か・・・;)」
       クル・・・・



    ギシッ・・・・





    アルミン「・・・・・((;゚Д゚))」





     それも教官の物言わぬこのリアクションで。



     しかし、分かったのはあくまで
     ユミルの思惑と、これによって教官の
     監視の目を欺けるという攪乱効果のみ。



     そんな事よりも今最も僕が
     気が気では無い理由の一つとして・・・





    ユミル「お前だけそうしてても私が
       良くなんないんだって・・・

       少しは相手してくれよ・・・//」
       ゴソゴソ・・・  スルっ





     ユミルの演技が・・・・!!!!
     
     もう既に演技の境界線から大きく

     はみ出してしまっている・・・・!!


     その両手は何の躊躇も無く
     僕のそう言った部分へと伸びて来て
     いるだけでなく・・・明らかに
     此方の反応をも演技に取り込もうと
     しているのか・・・・


     その・・・・あからさまに刺激して
     くるのだ。 









    キース「ッ・・  ッゴホン!!!!」
       (ワザとらしい咳払い)




    ガッ・・・  ギシッ・・・・




    アルミン「・・・////;//」グッ・・・
       ↪(;//ノ△ノ)↩



     言葉で抗議できる筈も無いので
     必至に腕でユミルを制止しようと
     するものの・・・

     忘れてはいけない。相手が
     女子であろうとも・・僕とユミルでは
     力比べなんてするまでも無く
     結果が見えているという事を。


     
     これまでの三週間・・・寝床も無事で
     そう言った気分が自発的に
     起こされなかったのも奇跡の様な
     話であり・・・僕自身"それ"をできるだけ
     意識しないようにしていたから、
     これまで何とかなっていたんだ。


  100. 107 : : 2015/09/03(木) 00:13:08





     こんな状況になってやっと思い出す
     事が出来た。僕自身が自分で
     意識的かつ定期的に捨てなければ
     ならないこの排出物。

     ・・・いや、本来ただ排出する為だけの
     物では無いのでこう言うと語弊が
     あるし、あまり具体的な言い方を
     してしまうと生々しいので今は
     取り敢えずそう言う事にしておくけど

     ・・・つまりこの排出物についてだ。
     


     これには・・・自分の意識で体外に出す、
     そして無意識下に於いて体外へと
     放出される・・・この二つの道以外に、

     ある程度の量であれば

     “そのまま体内に戻って行き、それが
      そのまま運動エネルギーや体調を
      整える栄養素として吸収される”


     という第三の道がある。



     ・・・・これがつまり最近僕の体調が
     すこぶる良好であった原因でもある。


     決壊をその様な形で免れた上、自分でも
     自己処理を意識しなかったから
     ここまで何事も無く自身の性欲を
     目覚めさせずに済んでいた。



     ・・・・ところが今になってこの状況だ。



     もう、辛抱が利く段階を・・・
     とっくに超えていた。








    ザッ・・・・・   ザッ・・・・






    アルミン「(ぅあッ・・ぁぁぁ 、、、、、)」



     いつの間に教官が戸を締めて
     表へ去って行ったのか・・・・全く
     気が付かなかった。



     ・・・つまり




    ユミル「ハァッ・・・/////」




     その瞬間、僕の意識は数秒間程、
     飛んでいたようだ。




     ユミルの吐息が聴覚を揺さぶって
     来たかと思えば、その直後に
     遅れてやってくる全身の痺れ....



     局部から半身へと染み渡る、
     焼け火箸を突き立てられたかのような
     痛みを伴う熱さ。


     全身に走る罪悪感と寒気が・・・
     

     暫く僕に正常な言葉を吐かせてくれる
     余裕などは与えてくれなかった。



     半身に広がっていく温かさは恐らく
     脳が身体に送っている快感の脳波の分
     だけでは無く・・・きっと物理的な物だ。




    アルミン「(やってしまった・・・・

       もう久しく感じてなかった・・・
      

       あの感覚(▪▪▪▪)だ・・・・)」



     クリスタの寝床を汚すわけにいかない・・

     匂いも相当残る筈・・・早く・・・・

     ユミルに抗議の声を・・・・いや・・・

     素直に布団から引きずり出して

     貰えるか・・・・頼・・・・・



    サシャ「や∼∼∼・・・・;

       頑張りましたねぇ・・・・;

       しかしユミル、名演技でしたよ
       ホント。まさかクリスタを慰めて
       あげているのを教官に見つかった
       過去の経験を利用するとは・・・!」
       ウンウン;
       



    アルミン「・・・・・・・・////;」



     やっと意識が正常に戻って来た・・・

     教官の撤退に心底ほっとしている
     サシャが呑気にベッドの淵に
     寄って来て寝床を揺らしながら
     語りかけてくるのが分かる。


     非常に・・・非常~~・・・にキマズい。
  101. 108 : : 2015/09/03(木) 00:15:43






    ユミル「・・・・、・・、?」

        ズルッ・・・




    ネチョッ・・・




    ユミル「.......。。。。」




     あぁ・・・・。ようやくユミルが
     一仕事終えてしまった僕のそこに
     再び手を触れて、何が起こって
     しまったのかを正しく認識した様子だ。




    アルミン「(第一声何て言えば一番
       軽い火傷で済むかな・・・これ//;)」





     僕を抑え込んでいたユミルの全身が
     強張ったのを確認した。・・間違いない
     ここまでなってしまうのは流石に
     ユミル自身も想定外だったらしい。



     さて・・・もうあまり考え込んでいる
     時間も余裕も無い。クリスタの
     スカートはもう弁償する覚悟で
     行くとして・・・僕は一体ここで
     ユミルにどのような制裁を受けるか
     分らないけれど、何よりもまず
     ベッドに匂いが移る、その前に....




    ユミル「あ・・・いや・・・マジでゴメン..な。

        その・・・・ホラ!!!本当にこんな
        簡単にイっちまうとは思わない
        じゃんか・・・・!なぁ・・?;」




    アルミン「    」





     僕は返す言葉もなく驚きに
     固まる事しか出来ずに首を振った。

     ユミルが本気で謝っているのだ。
     これは・・・多分僕だけでなくサシャにも
     向けて。




    サシャ「・・・・?? どうしたんですユミル・・?
       何ですか急に・・・;(苦笑)

       教官だってうまくやり過ごせて
       入れ替わりに成功したこの期に
       及んで・・・何を謝る必要が・・・・・

       ってあれ・・・・ちょっと・・・・


       ・・・・アルミン?



       起きてマスか・・・??



       ぉぉ~~い!ア・ル・ミ~ン?!?」
       ペタペタ





     恐らく真っ赤になる位の熱をもった
     僕の頬にサシャの少し冷めた掌が
     当たる。


     自身の熱気で朦朧としていた最中、
     サシャの体温のお蔭か漸く僕も自力で
     布団から這い出る事が出来たが・・・


     布団から抜け出した事によって
     そこに閉じ込められていた"匂い"が
     一気にサシャの常人離れした嗅覚に
     突き刺さる。




    サシャ「ぅムッ!!!???;;」



     それを察知した瞬間だけは眉間に皺を
     寄せて何事かと言った顔を作った
     サシャだったが・・・・





    サシャ「あっ…♥;アルミン???///」




     その匂いが直近の何処かで嗅いだ
     事のある匂いだと彼女の脳が理解して
     から・・・その答えに辿り着くまでの
     間に彼女の顔は。

     それはもうコロリと変わっていた。



     よし、このタイミングで
     斬り出す他なさそうだ・・・・。




     僕はサシャが何かを慌てて
     言い出そうとする前に、そして
     ユミルが一人で立ち上がろうとする
     僕に制止を掛けようとする前に
     一言だけ言い放った。






     ・・・出来るだけユミルの罪悪感を
     引き出せるように。




     ・・・・・・ユミルが咄嗟に差し出した
     その手を軽く払いのけるようにして。





     ・・・・・・出来るだけ恥ずかしそうにして。






    アルミン「ごめん・・・あの、一人で
       洗って来るからさ・・・///


       桶、貸してくれないかな・・;」
       カァァァ....↘↘





  102. 109 : : 2015/09/05(土) 04:46:19








    ◆◆◆以下そこそこの性的描写は依然
    として頻発しますが、一応そういった特筆すべき過激な描写は落ち着きます◆◆◆











    ―男子訓練兵宿舎・エレン部屋―






    両の膝に満遍なく沸騰した茶を
    引っ被ってしまった為飲み水用に
    汲み置きしてあった井戸水を用いて

    足を冷やさなければならなくなった
    ライナー。・・しかし、首尾よく教官を
    やり過した直後の事であったため、
    流石に彼の断末魔を聞きつけた
    教官の再来を警戒し、暫く
    エレン部屋の全員はクリスタから
    事の詳しい状況を聞けず仕舞いで居た。


    それから数分待ってもどうやら
    怒りの形相に満ち溢れた教官が
    やってくる気配も無い為


    各々、誰からとも無く寝床より
    這い出でてくる。






    エレン「ライナーーー・・・・・;


       お前、クリスタが泊まりに
       来たからってそこまで
       テンション上げて吼える
       事はねえだろ・・・・!!


       お前が明日の調整日を棒に
       振るのは勝手だけどな・・どうせ
       オレ達も連帯責任になるんだ」





    ライナー「仕方無いだろ・・!
        あんな重大発表をいきなり
        聞かされたらそりゃ手元が
        狂いもするぞ・・・・!」
        アチチチチ・・・・
               


    クリスタ「だ・・・大丈夫・・・?ライナー・・・
       ゴメンね・・・いきなり脅かすような
       事言っちゃって・・・」
       ヤケドニナッテナイ??;;



    ライナー「ハッハハ!心配は御無用だぞクリスタ!!
       (自慢の技:からげんき)

      何たって俺は村で巨人に
      喰われかけた時だって火傷なんぞ
      しなかったんだからな!!
      この程度の熱湯屁でもないぞ!!」
      フフン・・・;





    ベルトルト「・・・・・・」






    エレン「ちょっとまて・・・お前ら、
       そんなヤバイとこまでいって
       逃げ延びたのか・・・?!

       すげえ強運だな・・・・;!!」

        




    ベルトルト「それよりも・・・こっちだよね
       問題は。・・・クリスタ(彼女)
       ここまで危険な賭けに出てるんだ。

       一々冗談でないか確認をとる
       必要も無いと思うけど・・・」
       チラッ・・・





    クリスタ「・・・・・・!」コクン・・・

      

    エレン「・・・・・」





    不意に視線を向けてきたベルトルトに対し、
    無言で頷いてみせるアルミンのような
    外見のクリスタ。






    ライナー「だが驚いたな・・・・・

        まさかあのアルミンと・・・
        サシャがな。


        お前らは・・・どう思った?」





    ベルトルト「僕は・・・多分ライナーと一緒さ。
       とにかく意外だったけど・・・

       別にその兆候が全く
       見られなかったって訳でもない。


       丁度それより少し前に・・・
       彼からサシャについての印象だか
       何かを聞かれた覚えがあるから」





    ライナー「・・・それは俺もあったぞ!
        
        ・・・しかしまさかそういった
        頭で聞きに来ているとは
        全く察する事ができなかった
        から・・・何の気もなしに

        "台所のゴキブリ食ってたな!"
        
        ・・なんてデリカシーの欠片も無い
        話を振っちまったぞ・・・;」
        ヤバイ・・ヨナ・・?;





    クリスタ「し・・・仕方ないよ・・・;
       それも事実ではあるん・・だし
       ・・・・;」ガクガク・・・
       (蘇りし在りし日の恐怖)





    ライナー「す、スマンクリスタ!!!

        思い出さなくても良いショッキングな
        記憶を思い出させちまったな!;」
        ワルカッタ!


  103. 110 : : 2015/09/05(土) 04:48:55





    ベルトルト「しかし・・・だ。彼女について
       (ライナー)から"そんな"話を
       振られても尚、(アルミン)彼女(サシャ)に対する
       興味と好感は薄れなかった・・

       そういう事なんじゃないか・・?
       考えようによっては。」






    ライナー「ぁ、ああ・・・・そう言う風にも
       取れるな。」アルミン、懐オオキイナ・・・;







    クリスタ「だよね!!だよね!!!?

       やっぱり二人はそれだけ互いに
       互いを深く知ろうとしてたし、
       そうしてみて改めて一緒に
       居たいって思ったからあそこまで
       仲良くなれた・・・そうだよね!!?」
       ウンウン!!!///





    エレン「言われてみればそんな事も
       あった気はしたが・・しかし
       オレは・・・正直全く気が
       つかなかったな・・・。」




    ライナー
       「「・・まあ"エレン"じゃなぁ・・・・」」
    ベルトルト






    エレン「すると3週間前・・・調整日・・・

       まさか・・・・」






    クリスタ「・・・・・・・;」




    流石のクリスタも二人の大まかな
    関係までは伝える積りで居たが、
    後の具体的な進展具合までは自分の
    独断で伝えるべきではないと
    判断した為、それ以上の情報について
    口を開こうとはしなかったが・・・





    エレン「・・・・・・(成る程な)」



    そこまでの説明をせずとも
    エレン自身には記憶の中に思い当たる
    節もあったため、大体の状況は
    言葉にせずとも伝わったようだ。





    クリスタ「私がこうしてアルミンと同室の
       皆に事情を伝えに来たのは・・・
       皆にアルミンの力になって欲しいから
       ・・・なんだ。

       きっとこれから卒業にかけて・・・

       二人の苦労は増えてくと思うの」





    ベルトルト「・・・・・」



    ライナー「・・・ゥム・・・・。」





    クリスタ「けど・・・・可能な事ならせめて
       卒業まで・・・解散式を迎える
       その日までは普通に二人とも
       訓練兵科をやりきれたら
       なって・・・・。それで・・

       その・・・・。」オズオズ・・・







    ライナー「・・・・当たり前だろ・・・!?

        そこで何故クリスタが萎縮する
        必要がある・・?俺達だって
        アルミンがより良い方向に・・・

        それも出来る事なら
        あいつ自身に向いてる進路に
        進んでくれる事が一番
        望ましいんだ。」





    ベルトルト「ああ・・・彼の成績で兵団を選べず、
       しかも根っから憲兵団に興味が
       無い事まで考えると・・・

       間違いなくエレンと同じように
       調査兵団に入るつもりで
       居るんじゃないかって・・・
       そう思った。

       ・・・しかしもっと正直に思った事を
       言わせて貰うなら・・同時に彼には
       どの兵科も合ってないとも
       思ってたんだ、僕は。」



  104. 111 : : 2015/09/05(土) 04:51:18






    ライナー「まあ・・・気概と度胸は
        有るんだがな・・・それだけで
        どうにもならん事もある。


        俺もこいつとほぼ同意見だ。

        アルミンの奴が・・・そうした
        切っ掛けからサシャとの
        生活の安定にも目を向けて・・・

        自分の能力に最も見合った
        "技工"に進む道も検討して
        くれるなら・・・調査兵になると
        息を巻かれるよりよっぽど
        安心できる」



    エレン「そういや・・・ライナーにベルトルト・・・
       お前らも調査兵団なんだよな・・。

       ミカサに次いで優秀なお前らが
       調査兵志願じゃ・・・今期は相当
       頭のおかしい連中の集まりだと
       誤認されちまうかもな・・・(苦笑)」





    ライナー「・・・そのミカサだってお前が
      調査兵志願と知ってるんだ。
      その時が来れば迷わず内地行きの
      切符を破り捨ててお前について
      行くと言い張るだろ」





    エレン「・・・幾らあいつでもそこまで
       オレに付き纏いはしないだろ・・」




      
    ライナー「(分かって無いな・・・コイツは)」

    クリスタ「(エレン・・幾ら何でもそれはないよ)」

    ベルトルト「(エレン・・・君は本当に・・・;;;)」   
       



    ライナー「ともかく・・・。俺達の最終目的地は
       あの日お前やアルミンに言ったままだ。
       
       その目的地は・・・ローゼより内側に
       ある場所じゃない。あくまで
       “俺達の故郷”は。

       ・・・・壁の外に行かなければ
       たどり着く事は叶わないんだ
       からな・・・。当然その壁外から
       ただ遠ざかるだけの憲兵志願など
       ・・・する理由も無い。
       
       必然、俺達の行き先は壁の外へ
       自ら繰出すことのできる・・・
       調査兵団以外に有り得ん」
       グッ・・・





    エレン「ライナー・・・お前とは
       これからも永い付き合いに
       なりそうだな・・・。

       目的は互いに少し違うにしても…
       どっかの馬面と違って
       お前みたいな度胸ある同期に
       逢えてよかったぜ」グッ・・・




    ライナー「おいおい・・・そう言ってやるなよ。
      動機はどうあれジャンの奴だって
      自分の進むべき道を目指して
      相当な研鑽を重ねてるんだ。

      対人格闘もお前には敵わないとは
      いえ・・・アレ以来大分順位を
      詰めて来ている。

      あれだって立派な努力の形だと
      俺は思うけどな・・・奴をバカにできる
      資格は俺達に無い。」








    クリスタ「ハァ・・・・↑↑
      男子同士のお話ってなんかこう・・
      ザ・青春!!って感じだね・・・!

      もっと女子の話とかするのかな・・
      って・・思ってたんだけど・・・」
      ドキドキ・・・




    ライナー「勿論するぞ!!!主にクリスタの
      話だけどな!!!?そうだそういえば
      クリスタはどこを希望するつもり
      なんだ・・?!兵団の方は・・・?!」




    クリスタ「い・・・いや・・・///;私じゃきっと
       希望兵科の選択権を得られる
       順位にまでは食い込めないと
       思うんだけど・・・」
       ユミルトカ セイセキ イイシ・・



  105. 112 : : 2015/09/05(土) 04:53:42






    ライナー「いやいや!最近クリスタも大分
       得点が上り調子だぞ?

       もしかして、もしかすると
       これはあるかもしれん・・・・!

       だからほら、試しに言ってみて
       くれないかクリスタ・・・?!
       皆クリスタが希望する兵科が
       気になって夜も眠れない
       位なんだぞ」





    クリスタ「えッ・・・?!///ぃや・・・私が??//;

       それは流石に大袈裟だよ・・^;」





    エレン「そうだぞライナー。見え透いた
       嘘付くんじゃねえよ。お前が
       知りたいだけだろそりゃ。

       クリスタの前だからってあんまり
       適当な事ばっか抜かしてると
       今日からお前の渾名は
       ライナスだぞ・・・・(溜息)」




    ライナー「メタな上に世界観まで
      ブチ壊しな二つ名だな・・;分かった、
      認めようじゃないか。確かに
      俺はクリスタという存在を何より心の
      拠り所としている。それは事実だ。

      ・・・というわけで、クリスタ・・・!
      お前の志望兵科をどうか教えてくれ
      ・・・!どうかこの通りだ・・・・!」
      (これ以上無い見事な土下座)




    エレン「おい止せライナ――!
        男が簡単に頭を垂れんなって!!
        みっともねえだろ!!!」





    ライナー「フン・・・;!クリスタという絶対的な
       存在の前ではそんなもの・・・
       俺は平気で投げ捨ててやる。

       俺は何としてでもクリスタの志望先が
       知りたいんだ・・・!エレン(お前は)黙ってて
       貰おうか・・・・!」





    クリスタ「・・・・あの・・・ライナー・・・?
       もし・・・もしだけど・・・・」





    ライナー「なッ・・!?何だ?!何か言ったか
       クリスタ!?」エレン、シズカニ!!(ババッ)




    エレン「(ダメダコイツ・・・)」




    クリスタ「もし私が憲兵団に入って
       内地に言ってみたいって言ったら
       ・・・ライナーはどう思う・・・・?」





    ライナー「・・・・・・ッ・・・憲兵・・・団・・・か・・?!」
       (グラッ・・・)





    エレン「おいおい。故郷はどうした
        故郷は。」カエルンジャ ナカッタノカ;




    ベルトルト「ライナーは最近情緒不安定なんだ。
        あんまり・・気にしないでやって
        くれないか・・・。」スマナイケド↓↓




    エレン「巨人に喰われかけたなんて
       初耳だったが・・・それだけの目に
       遭えば当然精神的に大きな
       怪我くらいするだろ・・・。

       別にそこまで気にしてねえよ。


       ・・・ただアレは流石に・・・・」
       クルッ・・・





    クリスタ「ううん!?だ、だから、例えばの
       話だって・・・!!私はその・・・
       選べないからって言うのもあるし
       困っている人を少しでも多く
       助けたい一心でここまで
       来てるんだから・・・

       勿論志望は調査兵団....」




    ライナー「・・・・・!!!!」パァァァ・・!!
       (心に朝窓)





    クリスタ「...か、駐屯兵団だよ・・・?」
       ウン、、、




    ライナー「・・・・・!?」ドンヨリ・・・・
       (心に暗雲)





    エレン「・・・流石に極端すぎんだろ・・;」





    ベルトルト「・・・・・・・^^;」




  106. 113 : : 2015/09/05(土) 04:58:14





    ―訓練兵宿舎・流し場―





    結局サシャ達の部屋で借りた桶のみでは
    衣服の洗浄に用いるには心もとない為

    その桶で更に屋外流し場に
    備え付けられている大桶まで井戸水を
    湛え、その中でクリスタのスカートを
    一人寂しく洗濯するアルミン。





    アルミン「(深い溜息),,,

       僕一体何やってんだろ・・・^;」
       (ザップザップ・・・・ビジャビジャ)





    既に教官と出くわした場合の
    言い訳などは考えておらず、半ば
    自暴自棄になりながらも、特に己の
    気配を忍ばせるつもりも無く念入りに
    衣服の洗濯に専念するアルミン。


    夜中の空気は先程感じたものより
    更に少し冷え込んでいて、
    冷静さも取り戻した今では少し
    心地良い肌寒さを感じる位である。



    クリスタのスカートを洗う間の
    彼の下半身隠蔽の役割はユミルの
    下穿きが担っている。



    ユミルも相当悪いと思っていたのだろう、



    アルミンが一人でクリスタの衣服を洗いに
    行くのに何とか同伴しようと
    粘っていたが・・・結局は根負けした
    ユミルの方が、無言でアルミンが
    帰ってくるまで部屋で待つ形で
    退き下がった。





    アルミン「(まずいなぁ・・・分かりきっていた
       事ではあるけど・・・かなり後処理が
       面倒なヤツだったみたいだ・・・;

       それもすぐに洗えなかったもの
       だからこんなに頑固な汚れに・・・)」



     サシャには怒られずに済む方向で
     何とか流せたから良かったものの・・
     こっちの汚れは上手く洗い流せそうに
     ないな・・・;でも仕方が無いんだ。
     これは生理現象であり不可抗力。


     当のユミルにもここまでするつもりは
     なかったのは明白だし、僕だって
     唐突な刺激に一堪りも無かった。


     ・・・それだけの話だ。
     誰が悪いという事も無い・・・。
     

     今やっと、こうして自分が汚した衣服を
     清める作業に没頭する事で
     冷やされた頭なら・・如何に自分が
     浅慮な行いに走ってしまったか、
     痛いほど理解できてしまう。


     その場を切り抜けるために取った
     咄嗟の対処とはいえ・・・ユミルには
     悪い事をした。
     

     罪悪感の残るような突っぱね方を
     したのはマズかったなぁ・・・





    アルミン「(後で謝ろう・・・・↓↓)」
       ザプザプ・・・グシャグシャ






     ――まあそれにしても。

     

     物凄い体験をしてしまった。
     

     サシャも居る場において・・・
     あのユミルに(あちら)の世話をされて
     しまったのだから。




  107. 114 : : 2015/09/05(土) 05:00:09





     ――さっきの今なのでユミルが
     そこを握る際の手つきも、握力の
     具合も、頬に吹きかけられる
     甘い隠語の数々も・・・全てが鮮明に
     想い起こされる。



     おまけに今履いているこの(▪▪)ズボン。

     
     これはユミルから借りた物だから
     当然洗ってあるとはいえ先ほど
     僕の意識が飛ぶまで刺激を
     与えてきた張本人の匂いが

     こうしているだけで感じられるのだ。


     それは特に鼻につく体臭や、異臭と
     言った類のものではなく・・・

     言わば先ほどのユミル達の部屋の
     香りと、ユミル本人から放たれている
     他二名とは少しだけ違った
     彼女自身の匂い。



     想像しているだけで先程の様な
     不可抗力とはまた違った勢いにて
     見る見る内に膨張する僕の局部。



     これも・・・本当に仕方が無い事なんだ。

     

     3週間もの不始末は、たった一発の
     誤射で片付くほどに簡単なものでは
     なく・・・欲をいうならやはり自ら、
     意思を持っての発散がどうしても
     必要となってしまう。




    アルミン「(・・・・・///折角サシャの部屋まで
       来る事ができて泊まる事まで
       できるという最大のチャンスでは
       あるけれど・・・よく考えてみれば)」




     そう・・・サシャは食あたりこそ
     起こしては居ないものの、
     具合が良くないのは事実だ。




     
    アルミン「(それなら彼女を目の前にして
       こんな気持ちが抑えられなくなる
       事の方がマズい気がする。)」




     ならやはり・・・“ここで”自分一人で
     居られる今のうちに、やはり2回ほどは
     自ら絶頂まで追いやって・・・・


     片付けられる物は片付けて
     しまった方が良いのかもしれない。





    アルミン「(ともかく先ずはこの神の
      お召し物を洗いきってしまおう)」
      ザッパァァ・・・

      ビチャビチャ・・・・ ポタポタ...




     弁償も視野に入れていた事だし、
     今更嘆いたところで仕方が無い。




     サシャに買ってあげるお土産は
     その分減ってしまうけれど・・・



     
     ・・・うん。仕方ないね。



    パンッ・・  パン・・・・





    アルミン「(大体目に付く分は丁寧に
       擦り洗いして落としたけど・・・
       乾かしてみない事にはまだ何とも
       言えないな・・・。)」フゥ・・・





     さて、とりあえず洗い物は以上だ。




     あとは・・・・・・



    ユミル「まだそんな丁寧に洗ってたのか・・
       もういいって。そいつは私等が
       何とかする。早く部屋に戻ろうぜ」
       クイッ




     ・・・・と、意識を周囲に巡らせた僕の
     感覚に不意に呼びかけてくる声。



     余りにも僕の帰りが遅い事に
     気を揉んだユミルが呼び戻しに来た
     様子だ。・・・けれど先程の事をまだ
     気にしてくれているのか・・・



     普段のユミルからは想像も出来ない
     程・・・その喋り方からは一切不遜な
     態度が見て取れない。



    アルミン「ああ、うん。でももう終わったよ。
       ごめんね、時間をかけてしまって」




    ユミル「お前は謝らなくていいんだよ。
     
       さっきはその・・・・悪かったな。
       けど本当にあそこまでする気は
       無かったんだ。・・・・何をしたら

       ・・・・お前は私を許してくれる?」
       



    アルミン「・・・・・え」
       パチクリ





    ユミル「だっ・・・だから何度も言わすなよ
        ・・・;本当に悪いと思ってるんだ
        私だって。いいから何でも
        言ってみろ。」





     これはまたしても驚いた・・・


     まさかあのユミルが・・・・クリスタ以外の人間に
     ここまで実直に詫びを入れるなんて。



     しかし先述の独白の通り、
     僕だってユミルには悪いことをした
     自覚があるのだ。ここで恥を忍んで
     頭を下げるユミルに強く出る程
     見下げ果てた根性は持ち合せていない


  108. 119 : : 2015/09/06(日) 04:03:37






    アルミン「別にいいよ・・・君は今僕に
      謝るなって言ったけど・・それでも
      僕としては謝らないと君に申し訳が
      立たない。

      ・・・きっとサシャに言われてここまで
      僕を呼び戻しに来たんでしょ?
      ・・・ユミルは。」






    ユミル「半分正解・・・ってとこか。
       ・・・・だが半分ハズレだな。

       “サシャ”が相当お前の様子を
       気にしてたからな、お前が
       出てった後、何が何でもお前の
       後を追おうとしてたから・・・
       私が止めた。」




    アルミン「・・・・・・」





     ユミルがサシャを渾名ではなく名前で
     呼んでいる。これは相当堪えてるな・・




    アルミン「・・・・分かったよ。僕の方はそもそも
      許すも何もユミルには不満なんて
      抱いてないし・・・・我慢が利かずに
      ああなってしまった時こそ・・・・
      それはサシャには悪いと思ったけど。

      ユミルはそういうのあんまり
      気にしない性格だろ?
      ・・・・そう考えてみると

      寧ろ僕はあの場で一人だけ
      気持ち良い思いをしてた訳だから
      逆に僕はユミルにお礼を言うのが 
      この場合道理なんじゃないかなって
      ・・・そう思ったんだけど・・どうかな」





    ユミル「・・・いや、その道理はどう考えても
       おかしいと思うな///」




     ユミルは頬を掻きながらやはり
     引き下がろうとする姿勢を見せない。


     ・・・・彼女のこういう意地の張り方って
     いうのは・・なんというかかなり新鮮だ。


     

     もし・・・もし仮の話だけど。



     僕がサシャと野山に出かけて仲良く
     なったりといったイベントを経て
     居なかったら・・・ユミルにそんな
     感情を抱く機会もあったりしたの
     だろうか。






    アルミン「・・・分かった。それじゃあ・・
       許す条件とかそういうのと
       別に・・・、丁度ユミルに聞きたい
       事が幾つかあったんだ。

       その質問に答えてくれたら
       この話の後腐れはもう一切無しで。

       クリスタのスカートにしても・・・
       もし汚れが落ちきらなかったら
       弁償は僕がするからさ。
       ・・・それでどう?」





    ユミル「・・・・(舌打ち)ッ・・・・・
       本当に気にして無いってんだな・・?

       私が逆の立場だったら普通は
       怒りゲージMAXになって暫く
       口なんか利かないところだぞ・・・」




    アルミン「ああ。誓って本当さ。
       これっぽっちも気にしてなんか
       いないって。・・・寧ろあそこまで
       ユミルが迫真の演技をしてくれた
       お陰で教官を無事欺く事だって
       出来たんだ。

       ・・・もしあの場で入れ替わりが
       発覚してたらなんて・・・
       考えたくもないよ・・・」




    ユミル「ふぅん・・・・↓↓///」ドカッ




     僕の横の桶をひっくり返し、
     不機嫌そうに両頬杖をつきながら
     その上に腰を下ろすユミル。




  109. 120 : : 2015/09/06(日) 04:08:29



    アルミン「あらためて、有難う・・
       っていうか御免ねユミル」





    ユミル「ッ・・?!///は?!
       だからお前が礼言うのも謝るのも
       この場合おかしいだろって;」



    アルミン「いや・・・手でして貰った上に
      その・・・汚しちゃったからね。

      クリスタの服だけじゃなく君の
      手まで。・・・大丈夫?ほら。
      井戸水あるから・・・洗ったほうが(ry




    ユミル「一々調子を狂わせる奴だな
       お前は!!!!ꐦそんなこと
       細々と男が気にする事じゃ
       ねえ→だろぅが!!!」パシン!!





    アルミン「そっちのユミルの方がいいよw
       しおらしくなってる君なんて
       いつもの君らしくない。」
       イテッ;♪

     


    ユミル「フンッ・・芋も極度の変わり者なら
       お前も大概だな・・・。。あらためて
       似たもの同士、くっつくべくして
       そうなったんだって良く理解
       できたぜ・・・

       ああ、後それからな、クリスタの
       スカートだが・・・結局今回のこの
       入れ替わりは自分とお前の為に
       私らが用意してくれたサプライズ
       だから、って事で芋の奴が
       なんとしても立て替えるってよ。

       私も芋一人に全額負担させる
       つもりはない」




    アルミン「・・・そうなの・・・?何だかなぁ・・・
      サシャが弁償する意味が
      分からないんだけど・・・・」






    ユミル「そんなの知るかよ。あいつも 
       お前も相当な変わりモンだよ。

       何を考えてるかなんてもう
       一々気にするほうが手間だ...」
       (溜息)






    アルミン「その見方は結構的を射てるかもね・・
      でも卑下する訳じゃないし、
      そういう部分も含めて僕は彼女の
      事が好きなんだけど・・・

      サシャ程変わってる人はそうそう
      居ないと思うよ・・・」



    ユミル「オイ・・・それはそれでいいけどよ・・

       もしその質問とかってのが
       この場でなくても出来る事なら
       とっとと部屋に戻ろうぜ・・・

       さっきの雄叫びが関係してるのか
       そうじゃねーのか分からないが、
       真相を知った教官がこっちに
       再来してこねーって事はきっと
       クリスタがしくじった訳じゃ
       ねえんだろ・・・・、だがな、
       表でこんな永い間くっ喋って
       たら・・・いつ教官とエンカウントしたって
       おかしくねえだろ・・・・」




    アルミン「ああ・・・・そうだね・・でも、
       この質問は・・・」チラッ





    ユミル「・・・何だ・・・?此処で済ませた方が
       良い話なのか・・・?」






    アルミン「うん、まあ・・・どっちもそういう
       内容の話になるかな。片方の質問は
       サシャに関しての事だし・・・」

  110. 121 : : 2015/09/06(日) 04:12:31





    ユミル「芋女に関しての・・・?」







    アルミン「そう・・・・。あのさ。
      まずさっきのその、彼女が迷わず
      クリスタの服を弁償すると言い出した
      事についてもそうだけど・・・

      彼女の私物スペースにあった工具や
      道具の数々・・・あれって元々
      彼女が故郷から持ってきたものじゃ
      ・・・無いよね・・?」



    ユミル「ああ・・・そうだな。

       あれらの私物の山は・・・日数を
       重ねるごとに徐々に増えて
       いった物だ。最初は精々
       立体機動の最低限の整備位に
       役立つ数しかなかったが・・・


       今じゃちょっとした
       町工場みてぇになっていやがる」




    アルミン「サシャってさ・・・故郷からそんな
      仕送りがある訳じゃないよね・・・?

      あれだけの道具を揃えるのにも
      それなりの元手が必要だったと
      思うんだけど・・・その軍資金って
      何処から来たんだろう・・・・;」





    ユミル「・・・・・・お前、口は固い方か」





    アルミン「何・・・あ、あのまさかユミル・・・」




     ユミルの顔に影が落ちて、一瞬だけ
     物凄く真面目な顔になった。

     これは間違いなく何か彼女についての
     裏事情を知ってる顔だ・・・・




    ユミル「まあ・・・お前の想像はきっと
       半分くらい当たってるよ。

       “それ”がどういう方面の
       想像か知らないけど・・・・

       少なくとも芋があそこまでの
       小金持ちになるにはちょいと
       ばかりまっとうじゃない手段を
       幾つか駆使してる・・・・

       そういう話なんだが」フッ・・・





    アルミン「・・・・・・;」




     “  まっとうじゃない手段。。”





    ユミル「・・・・それでも聞くか?

       ・・・ああ、いや、別にお前の事は
       疑っちゃいない。けどほら・・・

       あいつの知られざる一面を
       知っちまう事でお前と芋の間に
       何かこじれが生じても困るからな」





    アルミン「(そんなこと言われて、
       “じゃあやっぱり止しとくよ”
       ・・・なんて言う男子はこの世に
       居ないと思う・・・・!)」コクッ・・・
       ドキドキドキ・・・




    ユミル「・・・そうか・・・まあ、普通
       そういうよな。」



     最悪サシャが調整日等、訓練以外の
     自由時間に娼館に通いつめて身体を
     削ってでも日銭を稼いでいるのでは・・

     という予測まで立ててしまいながら
     冷や汗混じりに頷く僕。

     サシャが生娘であった事実を自らの
     身体で確認していることすら
     すっかり忘れてしまっていた。




    ユミル「噂くらい耳にしたことが
       あるだろ・・・。アイツが非番の日
       山まで出かけてウサギだの狸だの
       ひっ捕まえてはとって食ってる
       んじゃねえかって・・・例のアレだ」




    アルミン「まあ・・・よく耳にする話では
      あるけど・・・まさか・・・・」





    ユミル「その話はデマでも何でもねぇ。

       最初は芋自身の食欲の犠牲に
       なるだけの存在だったが・・・
       今じゃその辺の小動物の狩猟は
       あいつの貴重な収入源だ」




    アルミン「し・・・狩猟って・・・;もうこの際
       禁猟区だとかそういう当たり前の
       心配は置いておいたとしても・・・

       そんな安定した収入を得られる
       程僕らの自由時間は多くないよ・・?

       それなのに・・・幾ら狩猟民の
       出だからって・・・そこまで首尾よく
       獣を仕留められるなんて・・・
       そんなことって・・・・」



     そう。サシャは手製の弓なども
     所持しているが、銃などに比べれば
     その利便性は遥かに落ちるはず。

     それが・・・その程度の道具だけで
     それだけ安定した収入を得られる
     ものだろうか・・・?

     あれだけの工具を追加購入できる
     元手となる資金を・・・。


  111. 122 : : 2015/09/06(日) 04:16:07






    ユミル「…“罠”だ。芋の奴、恐ろしく
       手先が器用な上に、そういう
       知識に関しちゃ座学成績とは
       正反対にムカつく程優秀だからな
       ・・・そこらの山の猟師があまり
       入ってこない場所片っ端から・・・
       吊り罠(スネアトラップ)だの括り罠だのを
       仕掛けまくって、訓練の後にでも
       走って山まで成果を確認しに
       いってやがるんだ。」





    アルミン「っ・・・・;!!」





    ユミル「工具の中じゃ金切り鋏が
       やたら多かっただろ・・。アレで
       定期整備の時、廃棄になるはずの
       立体機動装置のボロのワイヤーを
       少しずつくすねて・・・・

       そいつを全部(トラップ)に加工して
       やがるんだ。その辺の山、獣道
       という獣道は殆ど奴の地雷原だぞ」   
     


    アルミン「全然・・・・全然気づかなかった・・!」


     いや・・・、彼女が密猟くらいに
     手を染めているのはそこまで意外じゃ
     無かった・・・!けれどまさか・・・まさか
     そこまで生産性を備えた乱獲作戦を
     行っていたなんて・・・・!





    ユミル「とっ捕まった哀れなネズミや
       リス、タヌキにキツネなんてのは
       ・・・・奴が腹ペコならその場で
       美味しく調理されて胃袋に消え、
       それで食いきれないような量は
       毛皮を剥がれて首尾よく全て
       干し肉に姿を変えるわけだ。

       毛皮は全て毛皮商にもってけば
       それなりの額で売れる。
       そうして金の輪が回りに回って・・

       結果、最初只の芋だったあいつは
       ちょっとした小金持ちの
       黄金芋になったって訳だ。

       ・・・・これで大体納得か・・・・?」




    アルミン「・・・ありがとう・・・凄く
      分かりやすい説明だったよ(溜息)」






    ユミル「・・・そうか。少し芋に対する
       見方も変わっちまったか・・?」





    アルミン「・・・いや、正直そんな気は
      していたし・・・僕がサシャと仲良く
      なったあの日も・・・僕らは二人で
      仲良く捕まえた蛇を並んで
      食べたんだ。アレだけの経験を
      したらちょっとやそっとの
      密猟くらい気にはならないよ・・・・

      そもそも彼女は根っからの狩猟民
      なんだ・・・。僕らから見たらそれは
      少しくらい野蛮な行いに見えると
      言う人も居るかもしれないけど」




     僕の言葉を聞くと喉のつかえが
     取れたかのようにユミルが溜息を
     搾り出す。




    ユミル「・・・お前が色々と思慮深い奴で
       安心したよ。お前だったら・・・
       芋を安心して預けられるかもな・・
     
       色々とあいつも危なっかしい奴だ。

       ・・・だから気をつけて見てやってて
       くれ・・・・・。頼むぜ?」





    アルミン「ぁあ・・・。そうだね・・・うん、
       安心して。その役割は僕が
       しっかり受け持つよ。

       ・・・・ああ、そうだ、それは
       いいとして・・・」





    ユミル「・・・・なんだ?ああ、そうか
       もう一つ質問があったんだっけか」





    アルミン「そうそう。・・・今度はサシャに
       関してじゃなく、君への質問
       なんだけど・・・・」






    ユミル「・・・・・・?」





  112. 123 : : 2015/09/06(日) 04:19:07







    アルミン「ユミル・・・君ってさ、異性との
      経験ってそれなりにあるの?」









    ユミル「(゜-゜)」







     ユミルの瞼が、今まで見たことの無い
     可動域まで開かれるのが見て取れる。




    ユミル「あ・・・?えっと、スマない。
       今お前がなんて言ったのか
       よく聞いてなかったわ・・・
       もういっぺン良いかな...」
       タリ・・・・



     おかしいな。そのリアクションで聞こえて
     無いはずは無いんだけど・・・・





    アルミン「いやほら・・・、さっきのアレが
      とても上手だったものだからさ・・
      あれがはじめての経験だとは
      とても思えなくて・・・ねえ、ユミル、
      君は皆より少し歳が上って事も
      あるし・・・その辺色々と知ってたり
      するの?・・・・素朴な疑問なんだけど」




     さあ、ここまで具体的に質問すれば
     聞こえなかったとは言わせない。





    ユミル「・・・・・・・」





    アルミン「(焦ってる焦ってる)」




     ・・・実のところ僕はもうこのユミルの
     リアクションを見られただけで内心
     満足だった。
     
     実際のユミルの趣味は知っているから、
     異性よりも同姓への趣味が勝る以上
     男性経験は無いんだろうという察しも
     ついていたし・・・ 

     ・・・と、そんな事を頭の中で
     考えながら、あくまでも冷静そうな
     表情を崩さずに最も無難な返答を
     模索するユミルを見つめる僕に・・・



     まさかの返答が返される。



     ・・・それもまさかの"人物"の口から。





    ミカサ「ユミルに男性経験は皆無だ。
       気になる男子は居たようだが
       それも自分の部屋の女子に
       取られてしまった。

       ・・・つまり彼女にはクリスタしか
       性的にも精神的にも拠り所が
       無いという事になる」ヌッ・・・・




     ・・・などという供述と共に洗い場の
     影からヒョコリと首だけ出すミカサ。




    アルミン「ぅわぁあああ!!!?!?」
       ドキッ!!!!!



    ユミル「ぃぃっ!!?!?!??!」
       ビクンッ!!!!!




     当然まったく意識の外から
     掛けられた声に飛び上がる僕達。
     ・・・まったく、心臓に悪すぎる。


     ・・・おかげで何を言っていたのか
     いまいち理解が追いつかない・・・・




    ミカサ「・・・。」ペコリ




    ユミル「なッ・・??!///テメェ何故こんな
       所にいやがるんだ・・!?

       っていうかお、オイ・・・今のお前・・
       聞こえたか!!??///」ババッ




    アルミン「・・・?;いや・・・あまりに唐突過ぎて
      ミカサの言葉の内容までは
      頭に入って来てないよ・・・」
      ビックリシタ・・・



  113. 124 : : 2015/09/06(日) 04:22:17







    ミカサ「・・・ではもう一度・・ユミ(ryモグフ
       パシン!!!

    ユミル「ンあっクソ!!!お前はもう
        喋るんじゃねえ!!!黙ってろ!!」




     途中まで喋りかけたミカサの口を、
     ユミルの掌が押さえ込む。




    ミカサ「・・・・~~・・」
        モゴモゴ




    ユミル「ったく///ゴキブリみてえに
       いきなり現れやがって・・・!!」
       グイグイ・・・




    ミカサ「ムグムグ」ペタペタ




     ユミルに口を抑えられている
     ミカサが、その平手にタップを
     繰り返し何かを訴えている・・・。



    ユミル「・・・ったく、何だよ!!!!

        さっきの続きを口にするんじゃ
        ねーぞ!?いいな・・?!」
        パッ・・・



    ミカサ「・・・・ぷハッ。」




    ユミル「・・・で、何でお前はこんな時間に
       しかもこんなところに居やがる」




    ミカサ「あなた達が男女で入れ替わる
       計画を企てて居るのは
       把握していた。・・・ので、
       私は私で教官の後を追って
       あなたたち二人の部屋の巡回に
       尾行を掛けていた。

       いよいよ危ないと判断したら
       外から横槍を入れるために。」



     なんて危なっかしいことを・・・;




    ユミル「・・・・で、その任を終えたお前は
       その帰りの足で私らの話を
       盗み聞きしてたってわけか。」
       ケッ




    ミカサ「人聞きが悪い・・・。私は
        教官ではない気配を察知した
        から此処にとっさに身を隠して
        いただけ・・・そうしたらユミルと
        アルミンが何やら込み入った
        話をし始めた・・・それだけだ。」
        シレッ・・・





    ユミル「・・・・ああ、そう。」クルッ・・
        ゲンナリ・・    




     ミカサのペースにもついていけない、
     という感じで踵を返すユミルだったが




    ミカサ「それよりもユミル・・・貴女の
       手のひらから・・・何かとても奇妙な
       匂いがする。もう1度いいだろうか」
       スンスン...




    ユミル「うわっ!!!?////
        か、嗅ぐんじゃねえ!!!!」ババッ!!
        ビクンッ!





    アルミン「ユミル…まだ洗ってなかったの?///;」





     これは流石に恥ずかし過ぎる。。




    ユミル「い、いや、ホラ!!こんな経験
        滅多に無いからよ!!!せめて
        一人でするときのオカズにと
        思って・・・///・・・な??;」
        クンクン・・・



    アルミン「“な??”じゃないよ!!!!!

       ばっちいから止めてよ!!!/////;;

       そんなネタに使われる僕の身にも
       なってよ!!!!」




    ミカサ「アルミン・・・ユミルが来る前に
       “そのズボン”をそのような
       用途に使用しようとしていた
       あなたが言っても説得力がない・・」
       フム・・・




     !???!!





    アルミン「ちょっ・・・?!?;ミカサ!!!?
      っ君、、いつから見てたの!?///」
       ババッ!!




    ミカサ「割と最初から・・・」






    アルミン「せめて見てるならそういってよ!!
      危なくミカサが見てる前で
      はじめちゃうところだったじゃ
      ないか!!!!//////」




    ミカサ「・・・・・?私が見ている前で
       アルミンが何か気にする事でも・・?」





    アルミン「  」




    ユミル「あ・・・;(察し)」


  114. 125 : : 2015/09/06(日) 04:25:58






    ミカサ「アルミンは・・・私の家族。

        私は家族の成長を常にどこかで
        見守っている・・・。」フゥ・・
        (遠い目)




    アルミン「あ・・・うぁ・・・;;」
       ガクガク・・・




     まさか。




    ミカサ「今更アルミンが恥ずかしがる
       ことは何もない。今迄
       アルミンが一人でそういった(▪▪▪▪▪)行為に
       没頭しているのは何度も見守って
       来たし・・・ある時には一心不乱に
       手を動かしながらもユミルの名を
       呼んでいた時だって(ry
    アルミン「スッ・・!!ストップ!!!!ミカサ!!!!
       もういい!!もう止めて!!!!!////

       キミが僕等の知っている以上に
       裏の事情に精通してるのも
       分かったから・・だからもう
       やめて?!」イヤァァ・・・!!(;;ノωノ)


    ミカサ「そう・・・↘。」
        コレカラガイイトコロナノニ




    ユミル「ぁ~・・・、アルミンお前よ。
       折角クリスタまで一緒になって
       共謀した入れ替わり作戦なんだ・・

       そろそろ芋も寂しくなってる
       頃合いだろ・・、行ってやれよもう。


       ・・・私はここでコイツに少し
       聞きたい事が出来たし・・・な?」
       ポン=3



    アルミン「そのお気遣いは有難く受け取りたい
      所だけど・・変な事訊かないでくれよ;

      ・・・ホントにさ;///」




    ユミル「大∼丈夫大丈夫♪お前が私を
       そう言う目で見てたって事に
       関して詳しく聞くだけだから!//」
       ・・・・ナ!




    アルミン「主にそっちだよ!!!!
       僕が気にしてるのは!!!

       ミカサもあんまり具体的な話は
       避けてよ!?僕だって恥ずかしいと
       思う心は相応にあるんだから///」


      

    ミカサ「・・・・アルミンがそこまで
       言うのなら・・・。」イッテラッシャイ






    ユミル「私は空気読んで半刻くらい
       戻らないで居てやるから・・・

       芋とお楽しみになるならその間に
       済ませろよ」ヘラヘラ///





    アルミン「サシャがもしその気になって
       くれたらの話だけどねっ(憤っ)」
       フンス‐3




    ユミル「そうヘソ曲げんなって....;
       ほら、そのスカートは寄越せ。」





    アルミン「(変な事に使わない・・?..な目)」
       ジッ・・・・・




    ユミル「表に干しといた方が乾くの
       早いだろ!!それだけだっての!!
       ・・・いいから寄越せよもう!」
       パシッ




    ミカサ「・・・・ふむ。大丈夫だ。アルミンが
        丁寧に洗っているので既に

        此方からはそういった匂いは
        感じられない。」クンクン
       (ユミルの右手とクリスタのスカートを嗅ぎ比べ)





    ユミル「だから嗅ぐなッっつーーーの!!!」
       ガバッ!!!!








    アルミン「じゃ・・・じゃあ、お言葉に甘えて
      少しサシャと仲良くしてくるよ・・・。

      でもサシャもそこまで具合は
      良くないと思うし・・・そんなに外で
      時間潰して無くてもいいよ・・・?
      ユミルも。教官が来たら流石に
      マズいし・・・」





    ミカサ「教官は・・もうこれからの時間
       抜き打ちの巡回は行わない。

       既に気配が離れの宿直室まで
       遠退いている・・・ので、今日はもう
       これで調整日明けまで安心だ。

       二日の連休ともなれば里帰りを
       行う者も多く居るからその間も
       巡回は行わないだろう」



  115. 126 : : 2015/09/06(日) 04:28:28




    アルミン「・・・成程ね・・・じゃァ、ミカサ・・
       おやすみ・・ね?。また数時間後には
       ここで会う事になるけど。」




    ミカサ「・・・おやすみなさい。アルミン。

       サシャが意欲的なら是非この
       機会にそういった親睦を深める
       事をお勧めするが・・・あまり
       夜更かしはしない様に・・・」ヒラヒラ




     そう言って無表情で手を振るミカサ。
     ミカサはこれらの言葉を

     普段のユミルの様にからかいの意味を
     込めて言い放っている訳では無く、
     あくまで真面目に言っているので
     非常に返しに困るのだ。




    アルミン「し・・心配どうもありがとうね;」




    ユミル「いってらっせ~」ヒラヒラ





     特に今のような、第三者の居る
     場においては・・・;




     ・・・・こうして僕は・・・何やら女二人で
     する話があるというユミルとミカサを
     その場に残し・・・サシャが一人で待つ
     宿舎の一室へと足を向けた.....






    ~アルミンが居なくなった後の流し場~




    ミカサ「・・・ユミル。」





    ユミル「・・・な ん で し ょ う か ?」




    ミカサ「何で敬語なの」
       アトナンデ ハキハキシテルノ❔



    ユミル「ぅるせっ」ケッ




    ミカサ「・・・・さみしいの?」




    ユミル「ああ、嫁がエレンの所に
       行っちまってるからな。

       ったく・・・。男なんて皆
       盛りのついた犬畜生だからな
       襲われなきゃいいが・・・」




    ミカサ「・・・・大丈夫だ。エレンはクリスタに
       そこまで興味が無い。その心配に
       関してはライナーの方が大きい様にも
       見えるが・・・ライナーは男にしか興味が
       無いという噂もある。」
       ダカラ タブン ヘイキ。




    ユミル「・・・その噂流したの私だわ・・。」
       スマン、ソレジョウダン




    ミカサ「・・・それはそれとして。

       ・・・ユミル・・?私がさみしいのかと
       問いかけたのはそういう意味では」




    ユミル「知ってるっつの。
       一々聞くなよもう・・・・;//

       ・・・・つかお前も本当に何の為に
       ここに居んだよ…明日は3人仲良く
       お出かけなんだろ?とっとと
       寝たらどうだ」フンッ





    ミカサ「・・・・?それではユミルが
        ここで独り寂しく待たなければ
        いけなくなってしまうでしょ?」





    ユミル「・・・・・・・・」







    ミカサ「失恋した"友達"の話し相手に
       なってあげるのは女子間の大事な
       コミュニケーションだと・・・ミーナからは
       教わったが」ウン・・・
       (ユミルの横に体育座り)




    ユミル「・・・意外ですね。お前の口から
       "トモダチ"なんて言葉が
       訊けるなんて。てっきり
       "仲間"とかって他人行儀な
       単語が出てくると思ってたんだが」
       プイッ







    ミカサ「だから何で所々敬語になるの」
        (訝...)






    ユミル「・・・ほっとけ。」
       フン

















    以下、、後編に続き〼


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ne5716

夢馬

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