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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレン「新撰組?」2

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  1. 1 : : 2014/12/05(金) 14:39:33
    エレン「新撰組?」の続きです。
    http://www.ssnote.net/archives/16795
  2. 2 : : 2014/12/05(金) 14:56:05
    104期は自分たちに与えられた部屋に集まっていた。

    ジャン「今にも戦争が始まりそうな情勢だとよ。」

    アルミン「元の世界に戻る手立てが無い以上、ここで匿ってもらうのが一番じゃないかな?」

    クリスタ「でも隊にいる以上、戦争に巻き込まれることもあるって局長が行ってたよね。」

    ベルトルト「この世界で死んでしまったら元の世界には戻れないかもしれない。」

    近藤から提示された案は、新撰組の預かりとして正式に客分扱いにならないかというものであった。

    エレン「ミカサ、お前と似たような顔つきの人が多いが、何かわからないのか?」

    ミカサ「何も。ただこの世界は懐かしい感じがする。」

    エレン「近藤さんは信用できると思う。正直他の幹部の人はわからないけど…」

    ライナー「ん?そいつは聞き捨てならんな。新八さんはいい人だぞ。」

    ユミル「平助もいいやつだぞ。優男だがな。」

    各々が意見を言う中、ジャンは一人反発した。

    ジャン「どうだか。俺たちの存在を利用される恐れもある。特に立体機動装置なんかは絶好のカモだぞ。」




    エレン「それでも。」

    エレン「それでも俺は信じたい。宴の席で俺たちに語ってくれた事が本心だって。」

    結局近藤の案を受け入れることになった。
  3. 3 : : 2014/12/05(金) 15:34:14
    ライナー「流派?」

    永倉「そうだ。剣の世界には無数の流派が存在する。振り方から受けまで、それぞれが違う。新撰組では、近藤局長の天然理心流が基礎とされている。が、様々な使い手が在籍しているのも事実だ。ちなみに俺は、神道無念流を修めている。」

    ライナー「そうなのか。俺たちのいた世界では、ブレードに振り方なんてなかったからな。」

    永倉「どれ、振ってみろ。」

    ライナーは周りの隊士の真似をし、刀を振るった。

    永倉「駄目だ。それでは力任せにすぎん。基本はそのブレードと変わらないはずだ。体の一部と考えて、しっかりと踏み込んで振るえ。」

    ライナー「なるほど……はぁっ!!」

    永倉「ふむ。今のは良かったぞ。ライナー、お前は恵まれた体をしている。それに溺れることのないようにな。」

    ライナー「わかったよ、新八さん。」

    永倉「ところであのミカサは経験があるのか?恐らく並みの隊士では相手bになるまい。」

    ライナー「…あー、あいつは特別でな。」




    ミカサ「男女隊長、今日こそその首頂戴する。」

    沖田「ちょっと!!隊長の首狙ってどうするんだよ!というか誰に教わったの、その言葉!」

    ミカサ「島田さんと尾関さんがお芝居をやっていた。ので、使ってみた。」

    ギン!

    沖田「そして相変わらずいきなりだね…!」

    ギン!ガッ!

    沖田(稽古を始めて一週間でこれか…!!そう当たり前のようにできる動きじゃないんだけど?!)





    縁側では、先日ありがたく小姓に任命されたジャンが寝そべっていた。

    土方「またやってるな、アッカーマンの奴。総司相手によくやるぜ。」

    ジャン「あ、副長。お疲れっす。俺らの世界じゃ100年に一度の逸材って呼ばれてましたからね。対人格闘でも、負けた所は一回しか見たこと無い。」

    土方「ほぉ。誰だその一回ってのは?」

    ジャン「リヴァイ兵長。俺らの世界の人類最強の男ですよ。単騎で巨人数体を軽く討伐できます。」

    土方「人類最強とは大きくでたもんだ。総司や斉藤と比べたらどうだ?」

    ジャン「んー…根本的に戦い方が違うもんなー。強いて言えば、空間を限定しないなら兵長が勝つと思います。ガチの一対一だったらお二方に分がありますね。」

    土方「戦い方…か。俺は綺麗ごとにこだわる気はねぇ。」

    ぼそっとつぶやいた。

    ジャン「へっ?」

    土方「そんなことよりだ、キルシュタイン。お前俺の袴はどうした?」

    ジャン「そりゃ庭に干してますけど…」

    土方「傍に冊子が無かったか?」

    ジャン「あぁ。机の隅によけときました。」

    クワッ!

    土方「いいか?二度とあれにさわるんじゃねぇ。わかったか?」

    ジャン「は、はい!わかりました。」

    あまりの喧騒にだらけモードから一気に直立不動になる。
    返事を最後まで聞かずにそそくさと土方は部屋に戻っていった。

    ジャン「な…なんなんだよありゃ…」
  4. 4 : : 2014/12/05(金) 19:13:54
    しれば迷い しなければ迷わぬ恋の道

    の『豊玉発句集』ですね?
  5. 5 : : 2014/12/05(金) 19:22:24
    ありゃりゃぎさん

    御名答!それです。
  6. 6 : : 2014/12/06(土) 00:33:11
    詳しくないけど期待です!
  7. 7 : : 2014/12/06(土) 17:10:05
    期待!!
  8. 8 : : 2014/12/07(日) 14:46:51
    この度グループを設立しました。気軽に来て下さい。
    http://www.ssnote.net/groups/1051
  9. 9 : : 2014/12/09(火) 17:06:14
    皆さん

    期待ありがとうございます。グループ内の雑談に新撰組のキャラのプロフィールのせてるので、詳しくないかたは参考にしてみてください。
  10. 10 : : 2014/12/09(火) 17:34:19
    エレン「謁見?」

    近藤「そうだ。会津藩の藩主であられる松平容保公から呼び出しがかかってな、居城である二条城に行く。」

    クリスタ「私たちだけなのは何か理由があるのですか?」

    広間に呼び出されたのはエレン、ミカサ、ベルトルト、クリスタの四人だけであった。

    山南「町人の目もあります。全員を連れ立って歩くわけにはいかないのです。なにしろ君たちは目立ちますからね。」

    ベルトルト「…すみません。」

    山南「あ、あぁ。そういう意味ではないよベルトルト。」

    近藤「私たちの他に島田君と斉藤君が護衛として同行する。」

    山南「こちらの指示には従って下さい。特に礼儀作法については。街中ではなるべく静かにお願いします。」

    ------------------------------

    藤堂「ダ、ダメです!ダメなものはダメなんです!!気持ちはわかりますが…」

    近藤達が出立して間もなく、屯所内では藤堂が何やらまたわりつかれていた。

    コニー「いいだろ平助さん?なぁ、いいだろぉ?」

    サシャ「餡蜜なるとても甘いものがあると聞きました!!これを食せずにいられますか!そんな殺生な!!」

    原田「頼むよぉ。京の町を見せてやりてぇんだよぉ。」

    ワラワラ

    井上「む、どうした平助。」

    平助「源さん!!助けて下さい!!」




    井上「無茶を言うな左之助。局長不在の今、そんなことができる訳ないだろう。」

    原田「でもよぉ、こいつらだってずっと屯所のなかじゃ窮屈だろ。」

    井上「むむむ…」





    結局土方の指示を仰ぐこととなった。

    土方「馬鹿言え。無理だそんなもん。」

    やはりと言わんばかりに、井上と藤堂がうなだれる。

    原田「頼むよ土方さん。そこを何とか…」

    土方「薩長の奴等にでも出くわしたらどうするつもりだ。」

    原田「うぅ…」

    しかしここで思わぬ援軍が入った。

    藤堂「なら…隊士を数名同行させるというのはどうでしょう?」

    土方「あ?」

    藤堂「一度に大人数が出なければ、目も行き届くと思いますし…」

    藤堂の提案は理にかなっていたが、土方はまだ難色を示していた。

    井上「…私からもお願いします。彼らは自由を束縛された世界から来ました。ここでは不自由なくとまではいかずとも、せめて年相応の思いはさせてやりたいのです。」

    どうか、と頭を下げる。

    原田「源さん…」

    土方「…ちっ。源さんにそう言われちゃあな。」

    原田「じゃあ?!」

    先ほどまでのクヨクヨ感はどこにいったのか、ビシッと立ち上がる。

    土方「キルシュタインらを庭に集めろ。」

  11. 11 : : 2014/12/09(火) 18:11:10
    近藤「どうだ、この世界には慣れたか?」

    エレン「はい、何とか適応しています。これの着こなしにはまだ苦戦していますが…」

    袴の裾を持ち上げる。


    島田「…」ズイッ

    ベルトルト「な、何か?」

    島田「俺よりデカイ奴ははじめて見た。お前、何食ったらそんなにデカくなれるんだ?」


    ミカサ「…」

    斉藤「…」

    ミカサ「何か?」

    斉藤「何も。ただお前は俺に似ている。」

    ミカサ「それは奇遇。私もそう思っていた。男女よりも貴方に剣を習いたい。」

    お互い視線を合わせずに続けた。

    斉藤「俺の剣は人に教えられるような綺麗なものじゃない。沖田さんについていれば問題ないだろう。」


    そうこう話している内に、一行は二条城に到着した。

    クリスタ「ふぁ…大きい…」

    ベルトルト「はは…この世界の建築様式にはほんと驚かされるよ…」

    山南「では、参りましょう。」

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    原田さん「皆の衆!!よく集まった!」

    庭石に片足を乗せ、なぜか上半身をはだけさせている原田に土方は隣でため息をついた。

    ライナー「何だ、何事だ?」

    原田「よぉーく聞けぃ!お前らは町への散策を許可された!!」

    ザワザワ

    サシャ「いやっほぉーーー!!ほっほほぉい!!!!」

    ジャン「おいおいまじかよ…!!」

    土方「落ち着けお前ら!条件があるからちゃんと聞け。」



    土方から提示された条件は

    一、隊士が数名必ず同行する

    一、二人を一組とし、一組ずつ交代で町に出る

    一、二刻(二時間)を目安に屯所にもどる

    以上であった。



    武田「しかし、良いのでしょうか?」

    土方「…渋々だがな。」

    原田「はっはっは!!皆の衆、よきにはからえ!!」

    永倉「己は自分が遊びたいだけだろうが。」





    話し合いの結果、サシャ、コニー組は最後となった。

    サシャ「…」

    コニー「…」


    ユミル「いやぁ、すごい活気にあふれてたな!」

    アルミン「珍しい書物が山ほどあったよ!これ武田さんに買ってもらったんだ!」

    ライナー「うどんは兵団支給のパンとは比べ物にならないほどのうまさだった!また連れて行ってくれ、新八さん!」


    サシャ「…」

    コニー「…」

    ワイワイガヤガヤ

    サシャ「兄貴!私たちの番はまだですか!!これ以上は…!」

    原田「落ち着けサシャ隊士。急いては事を損じるという。今しがた、準備が終わった。いざ、京の町へ!やんちゃ三人衆!」

    サシャ&コニー「だぁぁー!!」

    周平「…あのー。私もいるんですが…」
  12. 12 : : 2014/12/14(日) 17:33:07
    あか
  13. 13 : : 2014/12/31(水) 19:54:16
    期待!!
  14. 14 : : 2015/01/09(金) 23:36:34
    山南「いいですか?容保様が良いとおっしゃるまで、このまま頭を上げずに。」

    エレン(足痛い。)

    ベルトルト(窮屈。)

    ミカサクリスタ「…」ビシッ

    容保「皆の者、顔を上げよ。」

    容保「その者らか、先日言っていた異人とは。」

    近藤「はい。代表として4名を連れて参りました。」

    容保はジッとエレンを見つめた。

    容保「その者、名は?」

    エレン「はっ。エレン・イェーガーと申します。」

    容保「ほう、えれんと?答えよ、この国はどうじゃ?」

    エレンは少し迷った後k、ハッキリと答えた。

    エレン「自分達のいた世界に似ている一方、平和だと思います。」

    山南「?!」

    脇座に座る男がエレンを睨む。

    エレン「もちろん、今の情勢が思わしくないと知った上でです。」

    ベルトルト(エレン?!はっきり言いすぎだ!)

    容保「…はっはっはっ。近藤の申した通り、実直な男だ。そうか、お主の世界ではもっと大きなものが動いているのか。」

    ベルトルト「私の同輩の失礼な発言をお許し下さい。それと、容保様。」

    容保「苦しゅうない。申せ。」

    ずけずけと物を言うエレンに対して、ベルトルトはきちんと礼儀作法を守っていた。

    ベルトルト「我々の存在はどうお考えですか?」

    容保「…というと?」

    ベルトルト「異世界から来たなど、とても信じられる話ではないと思います。何故我々を新撰組に置いて頂けるのですか?」

    すると容保は特大の笑顔を見せた。

    容保「今ここにおるではないか、お主らが。信じるも何も、それが証だ。それに…」

    容保「わしはこの近藤に絶大な信を寄せておる。おっと、山南お主にもな。」

    山南「ありがとうございます。」

    「容保様、そろそろ本題に。」

    先程エレンを睨んだ男が言った。

    容保「そうであったな。もう知っていると思うが、新撰組は会津の預かりだ。とすると、客分とはいえお主らも同じ扱いになる。」

    ミカサ「容保様、それは我らも会津の一兵卒という事でしょうか?」

    容保「お主は…」

    ミカサを見て驚いた顔を見せる。

    近藤「そうではない。容保様は君達を保護してくれると言っているのだ。無論、扱いは変わらん。」

    ミカサ「失礼いたしました。」

    近藤「我々は容保様に命を預けている。それだけの器をお持ちだ。そこにおられる、佐々木様も同じ事。」

    佐々木と呼ばれた男はフンと鼻を鳴らす。

    容保「本日は以上だ。これからも良きにはからえ。」

    一同「はっ。」

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    近藤「どうだ、容保様は?」

    エレン「なんというか…大らかな方ですね。あそこまで寛容とは思いませんでした。」

    山南「緊張したかい?」

    ベルトルト「正座が辛かったです…」

    山南「いや、作法も見事だったよ。君にはその筋の才もあるのかもしれないね。」

    ベルトルト「はは…いつもそういう役回りが何故か回ってくるんです。」

    二条城を出ると、佐々木が待っていたかのように現れた。

    佐々木「近藤殿、礼儀作法は指導を。仮にも殿の御前なのだ。」

    クリスタ「…」

    近藤「申し訳ありません。徹底させます。」

    佐々木はエレンらを一通り見渡すと、ため息をついた。

    佐々木「君が言うのだから、大丈夫だとは思うが。」

    近藤の肩を叩くと、従者と共に去っていった。

    エレン「何ですかあの人。」

    近藤「京都取締役で、見廻組の局長だ。」

    エレン「見廻組?新撰組に対抗しているのか?」

    ミカサ「エレン。発言には気をつけなさい。さっきから失礼極まりない。」

    ベルトルト「本当だよエレン。フォローする身にもなってくれ。」

    山南「佐々木様が嫌いかい?」

    エレン「…自分は好きになれそうにありません。」

    クリスタ「私もエレンと同じです。」

    エレン「局長はどう思っているんですか?」

    近藤は空を見上げ、答えた。

    近藤「私も最初は君達と同じだった。認めてもらえなくて色々いがみ合ったりもしたが、今は共に京を守る同士だ。」

    山南もそれに頷いた。

    近藤「エレン、君にもいないか?そんな人が。」



    (才能ないからってひがんでんじゃねぇよ!)

    (服が破けちゃうだろ?!)

    エレン「…」





    島田「お待ちしておりました。」

    近藤「あぁ、待たせたな。おまささんの所で、何か食べて帰ろうか。」

    山南「良いのですか?」

    近藤「彼らにも息抜きは必要だからな。」
  15. 15 : : 2015/01/09(金) 23:38:38
    新撰組屯所前〜

    ミカサ「団子…甘くて美味しかった。」

    エレン「砂糖をあんなに使ってるなんて。…また食べたいな。」

    クリスタ「すみません局長。ご馳走様でした。」

    近藤「気にすることはない。ちょっとしたご褒美だ。」




    周平「きょ、局長!!」

    屯所に帰ってくるなり、谷周平が息を切らし走ってきた。

    島田「どうしたんだ、そんなに慌てて。」

    周平「原田さんと、サシャさん達が…!」
  16. 16 : : 2015/01/22(木) 17:57:16
    本作品について、読者の皆様にお知らせがあります。
    グループ内の、エレン「新撰組?」についての雑談、に記載しましたので、よろしければご覧くださいませ。

    http://www.ssnote.net/groups/1051/archives/2
  17. 17 : : 2015/01/22(木) 19:02:27
    〜一時間前〜

    コニー「うぉぉぉ!団子うめぇ!!」

    サシャ「おばさん、それです!その一番大きいの下さい!」

    原田「わはははは、焦るな各々方!時間はまだたっぷりあるからよ!」

    ワイワイ

    「嫌だわ…あれ異人じゃない?」

    「それに一緒にいるのは新撰組の隊長だろ?どうなってんだか…」

    周囲の目など御構い無しに騒ぎ立てるサシャ達は、完全に浮き足立っていた。




    不逞浪士A「おのれ、異人が。人様の国で踏ん反り返りおって…!」

    不逞浪士B「どうします、仕掛けますか?」

    不逞浪士C「いや、機を待て。新撰組の原田相手じゃ分が悪い。」



    サシャ「見てください、コニーみたい顔したお面がありますよ!」

    コニー「失礼だな、俺はもっと男前だぞ。」

    原田「おーい、あんま離れんなよ!」


    「今だ!」


    コニー「あん?何だあんたら。」

    不逞浪士C「天誅じゃ!」

    ブン!

    コニー「うお?!」


    ワァァァ!

    周平「原田さん、まずいですよ!薩長です!」

    原田「あんだと!サシャ、コニー!」

    ギン!

    不逞浪士B「おっと、行かせねぇぜ。」

    原田「くそ…周平、屯所に行って応援呼んでこい!」

    周平「は、はい!」



    サシャ「あわわわ!」

    不逞浪士A「おのれ、ちょこまかと逃げおって!」

    サシャ「マズイですよコニー!刀は屯所に置いてきたし、このままじゃ…!」

    コニー「落ち着け、8m級三体相手にした時の方がよっぽどヤバかったぜ。あれ見ろ。」

    サシャ「!」

    コニー「俺が時間を稼ぐ。その隙に!」

    サシャ「はい!」

    ダッ!


    不逞浪士C「待てい!…ぐはっ!」

    コニー「おっと、あんたらの相手はこのコニー様だぜ!」

    ーーーーーーーーーー

    原田「ちっ、手こずらせやがって…コニー!…あ?」

    ヒュン!

    不逞浪士A「がっ!」

    見世物小屋で拝借した弓で、浪士の足をサシャが射抜いた。

    コニー「そりゃ!」

    コニーは浪士が落とした脇差を逆手に持ち、もう一方の浪士を相手取る。

    不逞浪士C「奇怪な剣術を!ぐっ、うわぁ!」



    サシャ「やりましたね!ほっほ〜い!!」

    コニー「見たか、俺様の力!」

    原田「…」


    不逞浪士B「み、壬生浪がぁぁ!」

    サシャ「兄貴!」

    ザンッ!

    原田の槍は浪士の首を捉えた。

    コニー「え…?」

    サシャ「そ、そんな!何も殺すこと…」


    原田「あ?寝ぼけてんのか?」

    原田「殺らなきゃ殺られる。そういう世界で生きてんだよ、俺らは。何か、ただのお人好し集団に見えたか俺らは。」





  18. 18 : : 2015/01/22(木) 19:33:19
    土方「で、応援が駆けつけた時には全て終わっていたと?」

    山崎「はい。万が一の事を考え、町人に扮して監視をしておりましたが、自分の目を疑いました。」

    山崎「彼らは危険です。屈強な薩長の浪士が、まるで子供扱いでした。」

    山南「巨人を相手に戦っている兵士です。それなりの力を持っているとは思いましたが、よもやそこまでとは…」

    緊張した空気が張り詰める。

    土方「勝っちゃん。こうなっちまった以上仕方ねぇ、決断してくれ。」

    近藤「…」

    ーーーーーーーーーー

    「おい…起きろ、アニ!」

    ぼんやり目を開けると見慣れたキノコ頭が目に入った 。

    アニ「マルロ?どうして…?」

    アニ「!!ここは…」

    よく見知ったウォールシーナの街並みではない。
    というか、少なくとも自分の知る世界のものではなかった。

    マルロ「いきなり辺りが光ったと思ったらこれだ。ヒッチともはぐれてしまったようだし、少し歩いたらお前が倒れていた。」

    アニ「ここはどこだい?」

    マルロ「わからん。壁外か?だとしても何か妙だぞ…」


    ガサっ

    アニ「ッ!!」

    マルロ「誰か来る!」

    二人はブレードに手をかけた。


    「おっ、おまんらじゃな。まることひちの言ってたけんぺーちゅうのは!」

    アニ「マルコ?」

    「そうぜよ。はぐれた仲間がいるっちゅうて、探しにきたき。」

    マルロ「…失礼だが、あなたは?」




    「わしか?わしは龍馬。天下に轟く海援隊の坂本龍馬ぜよ!」

    西洋の隊服を身にまとった色男はニカッと笑った。

    ーーーーーーーーーーーーー

    104期には1日の謹慎処分が命じられた。
    もっともサシャとコニーがした行いは正当防衛であったが、街中で目立ちすぎた。

    アルミン「サシャ、コニー。自分達が何をしたかわかっているね。」

    サシャ「…」

    コニー「あぁ…馬鹿でもそれくらいわかるよ…」

    ユミル「幸いお前らと揉めたのは、脱藩浪士だったらしい。事態は重くはならないだろう。」

    ミカサ「だとしても軽率すぎ。あれほど目立つなと副長に釘を刺されたのに。」

    コニー「俺たちのせいで、戦が始まっちまうのかなぁ…」

    サシャは完全に塞ぎ込んでいた。兄貴と慕っていた原田に、恐怖さえ覚えたのだ。

    ジャン「だから聞いてたのか?そういう事にはならなくて済んだんだよ。」

    ベルトルト「正当防衛だった訳だしね。」

    ライナー「ただ局長達としても、なんらかの処分を下すしかなかったんだろう。しかし、それは俺たちの身を案じての事だ。」

    サシャ「私は、正直わかりません。」

    エレン「何がだ?」

    サシャ「左之の兄貴が言ったんです。殺るか殺られるかだって。私達だって巨人を殺します。でも、人殺しなんて…!」

    サシャ「私達が今保護してもらっている新撰組は、人斬りの集団なんですよ。」

  19. 19 : : 2015/01/24(土) 18:32:05
    ジャン「俺たちは、現状を正しく認識していなかったのかもしれないな…」

    クリスタ「で、でもだからって今までの局長達の認識が変わる訳じゃないじゃない!」

    コニー「そりゃあ、源さんはそんな事は言わないだろうけどよ…」

    サシャ「私は、今まで通り接する自信がありません…」

    結局この日は結論が出なかった。出たからといって、どうとなるものでもないが。

    ーーーーーーーーーー

    クリスタ「…」

    次の日、謹慎も解けクリスタは茶の準備をしていた。

    山南「やあ。」

    クリスタ「あ、山南さん…」

    山南「色々と大変だったね。まぁ…君達の世界とは文化も秩序も違いすぎる。こういった事態も起こりえると、しっかり想定しておくべきだった。」

    クリスタ「いや、その…」

    山南「ん?どうかしたのかい?」

    一瞬躊躇ったが、意を決して切り出した。


    クリスタ「山南さんは、人を斬ったことがありますか?」

    山南「…」

    山南「もちろんだ。新撰組に属する人間ならば、誰もが経験している。」

    クリスタ「その、躊躇いはないのですか?」

    山南「…そうだね。尊皇派と言えど、我らと同じく国を憂う同士だ。血も涙も無いとはいかないかな。」

    クリスタ「じゃなあ、何故…?」

    クリスタに背を向けるとはっきり言い放った。




    山南「それが我らの使命であり、矜持であるから。」

  20. 20 : : 2015/01/31(土) 22:24:46
    クリスタ「どうしてそこまで…」

    山南「君たちの言葉で言うのなら…我々は、徳川幕府に心臓を捧げているからだ。」

    クリスタ「わからない…私にはわかりません。」

    目を伏せ、首を横に振った。

    山南「今は真意がわからないかもしれない。しかし、いずれ気付くはずだ。」

    山南「本当に大切なものは、遠ざけておくもの。自らの刃で傷つけてしまわぬように。」

    クリスタ「山南さん…?」

    ーーーーーーーーーー

    アニ「話の半分もわからない。」

    坂本「かぁー!おんしは人の話を聞いとったがか?!」

    マルロ「私もわかりません。何しろ海なんてモノが存在すれば、ここは我々のいた世界ではないという事になります。」

    坂本「だから何回も言うとるぜよ。ここは日本じゃ、おまんらの国じゃない。」

    森を抜けると、目の前一杯に青が広がる。

    マルロ「これは…」

    坂本「これが海じゃき。どうじゃ、少しは信じる気になったか?」

    アニ「嘘だろ…こんな広い中を、渡れるはずがないじゃないか。」

    坂本「それが何と!不可能じゃあないき。あれを見ぃ!」

    得意げに指を指す。

    マルロ「!!なんだアレは?!何かの兵器か!」

    坂本「はっはっはっ!あれこそは海援隊が母船、桜島丸ぜよ!」

    海ですら想像も追いつかないのに、軍艦を見せられては目を疑う事もできない。

    坂本「さぁ急ぐぜよ。まることひちも、あの中で待っとる。」

    アニ「…アレに乗るわけ?」

    坂本「何をそんなに…おまんらが腰につけとるもんの方が、よっぽど奇っ怪ぜ。」

    坂本「立体なんとか装置言うたか?まるで空を飛んでるようじゃったき。」

    アニ(!!)

    マルロ(この男、何故その情報を…)
  21. 21 : : 2015/01/31(土) 22:52:58
    ーーーーーーーーーー

    永倉「副長、一体どういうつもりですか?彼らに切腹まで見せるとは。」

    土方は104期に隊士の切腹に立ち会わせた。

    今は片付けも終わり、庭の片隅で誰もが嘔吐をしていた。

    土方「事態が事態だ。俺らの本来の姿を、しっかりと見せておく必要がある。」

    永倉「それは私も同感だ。だが、いささかやり方が急すぎませんか?局中法度に続き、何もここまで…」

    土方「永倉さん、アンタもわかってるだろ。あいつらは隊士じゃない。かと言って京の人間でも、この世界の人間でもない。ガキの面倒見ながら戦できるほど、ここは甘ちゃんの集まりじゃねぇんだ。」

    永倉「…」

    見開いた目をやがて納得したように閉じ、永倉はその場を立ち去った。



    近藤「歳、いいのか。彼らの事はお前に一任してある。こんな突き放すような形で…」

    土方「あいつらの為だ。これでいいんだよ。」

    幹部に通達された事項は、必要以上の104期との関わりを禁ずる、というものであった。
    最も、彼らの方から距離を置いていたのだが。

    情が命を殺す。
    土方が出した結論は、鬼副長そのものであった。

    これまで半月ほど。共に過ごした時間は決して短くない。
    紡いだ絆は簡単に切り捨てられるものではなく、各々は思いにふけっていた。






    近藤「…」
    (いつか、巨人を絶滅させる。その為なら死んだって構わない。)

    沖田「…」
    (あなたの剣は孤独なんかじゃない。悔しいけど、それだけは認めよう。)

    武田「…」
    (その知識は努力でしか得られない。僕も同じ思いをしたから…)

    藤堂「…」
    (いいじゃねぇか。藤堂平助として生きていることを、誇りに思え。)

    井上「…」
    (なんだか、お父さんができたみたいで…嬉しいんです。)

    永倉「…」
    (新八さんこそ男の中の男だ。俺もいつか、あんたを超えてみせる。)

    斎藤「…」
    (大事に想う気持ちは、きっと伝わってます。口に出すのが照れくさいだけで。)

    原田「…」
    (兄貴!見てくれ、ホワチャアァァ!)(何を!兄貴、こっちのがすごいです。ヒョオォォー!)




    土方「…」
    (ああ、また脱ぎ散らかして…やっぱり俺がいないと、副長はダメダメっすね。)



  22. 22 : : 2015/02/05(木) 20:22:17
    土方「おいキルシュタイン、茶を…」

    土方「ちっ…」

    ーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「…」
    (武士とは何だ?身分か?いや違う、生き様の事だ。)

    ミカサ「…」
    (君には私と同じ思いをしてほしくない。自らの剣で、大事な人を傷つけるような思いを。)

    アルミン「…」
    (河合の墓に誓った。命ある限り、自分なりのやり方で戦い抜くと。)

    ユミル「…」
    (私は藤堂平助です。新撰組八番隊隊長の。)

    クリスタ「…」
    (家族ならいるじゃないか。血の繋がりは無くとも、志を同じくする者達が。)

    ライナー「…」
    (意地を貫き頑固者と呼ばれる。それがどうした、俺にとって至高の褒め言葉だ。)

    ベルトルト「…」
    (恩義に報いたい。俺に居場所を与えてくれた誠の旗に。)

    コニー&サシャ
    「…」
    (馬鹿で結構!それで皆が笑顔になれんだよ!)




    ジャン「…」
    (鬼と呼ばれようが、悪魔と呼ばれようが。近藤さんの為なら演じきってやるよ。)


    エレン「なぁみんな。俺たち、このままでいいのか?よくわからないけど、このままじゃ本当に大切なものを無くしてしまう気がする。」

    ジャン「へっ。言うじゃねぇか。」

    ミカサ「局長は言っていた。誇りと魂、それが誠の旗だと。」

    ユミル「らしくねぇよな、心臓を捧げた調査兵が。」


    サシャ「…行きましょう。私たちの誠を、示しましょう。」

    ーーーーーーーーーーー

    近藤「どういうことだ、これは?」

    幹部達が道場に呼ばれ行ってみると、敬礼をしたまま直立する104期が揃っていた。

    土方「何の真似だ?」

    ジャン「我々の世界の、敬礼です。公に心臓を捧げることを意味します。」

    沖田「腰に差したその刀は?」

    ミカサ「我々の覚悟です。」

    皆がその姿に面食らう中、土方が一歩踏み出した。

    土方「わかってんのかお前ら。それが何を意味するのか。」

    サシャ「重々承知の上です!」

    コニー「そこまで馬鹿ではありません!」

    原田「…」

    近藤「…何故私たちの気持ちを汲んでくれない。君たちを戦に巻き込むことが、どれだけ本意でないかが!」

    近藤が険しい表情で言った。

    エレン「その行為に甘えて、後で後悔をしたくないからです。」

    近藤「!」

    エレン「あの時こうしておけば良かった、あの時伝えておけば良かったと、そう思ってからでは遅いんです。」

    ベルトルト「そしてそれを回避できる力があります。何故なら、我々は兵士ですから。」

    そこにいるのは最早客分ではない、一人一人が自らの足で立っていた。
  23. 23 : : 2015/02/05(木) 20:29:54
    近藤「…見事な敬礼だ。」

    永倉「彼らは少年少女ではない。戦地を何度も潜り抜けてきた戦士達だ。」

    土方「…それがお前らの覚悟か。どうなっても俺は知らねぇぞ。」

    その場に居合わせた隊長達が熱い眼差しを向ける中、土方は一人道場を後にした。






    山南「良かったのですか?無理矢理従わせることもできたはずだ。私の時のように。」

    土方「そうだな。どうも鬼の副長らしくもない。」

    山南「土方さん。あなたの非情な優しさは、きっと届いていますよ。」

  24. 24 : : 2015/02/05(木) 21:53:35
    http://www.ssnote.net/archives/30775

    サイドストーリーです。こちらも合わせて、本編をさらに面白く読んでいただければと思います。
  25. 25 : : 2015/02/19(木) 18:05:37
    サイドストーリー第二弾です。
    http://www.ssnote.net/archives/31388

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kazumax

ジョン@四聖剣とは虚名にあらず

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エレン「新撰組?」 シリーズ

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