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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレン「新撰組?」

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  1. 1 : : 2014/05/15(木) 19:44:23
    新撰組はNHK大河ドラマ「新選組!」のイメージでいきます。
    エレン達は巨人化設定なしで、ライナー、ベルトルトも調査兵団にいます。
    アニ、マルコは憲兵団設定で後々出てきます。
  2. 2 : : 2014/05/15(木) 19:44:47
    期待
  3. 3 : : 2014/05/15(木) 19:45:33
    期待だよ~!
  4. 4 : : 2014/05/15(木) 20:04:39
    時期は勝沼の戦い前だけど、何故か山南さんも平助も生きてます(笑)
  5. 5 : : 2014/05/15(木) 20:19:01
    新撰組超好きです!期待
  6. 6 : : 2014/05/15(木) 20:34:31
    「これより、幹部会を始めます。」

    上座の左側に座る、常に笑みを浮かべている男が切り出した。

    「山南さん、局長は?」

    実直そうな顔つきをした男が言った。

    山南「近藤さんは松平容保公のところです。」

    「なぁ新八。最近多くねぇか?近藤さん不在の幹部会。」

    一番入口に陣取る快男児は着物をはだけ、胸をボリボリと掻くとそうボヤいた。

    「左之助、私語は謹め。」

    上座の右側に座る、色男風の男が戒めると左之助と呼ばれた男は、ヘイヘイと悪態をついた。

    山南「では、土方君。本日の議題を。」

    土方と呼ばれた男は、山南を目の端で見て軽く頷くと切り出した。

    土方「先日の谷君や松原の粛正、及び伊東さんの死によって、多くの幹部を失った。」

    向かい合うようにして10の座布団が並べてあるが、そのうち4つが空席になっていた。

    土方「大政奉還が成った今、決戦の時は近い。戦力も十分とは言えないこの状況で、この空席は早めに埋めなきゃならねぇ。」

    「そうは言ってもさぁ、土方さん。隊長に応しい人って?魁さんや尾形さんくらいじゃないですか?」

    最も上座に近い隊長、一番隊隊長の沖田総司がケラケラ笑いながら緊張した場を和ます。

    土方「一人は決めてある。…入れ。」

    「失礼します。」

    その声に永倉と左之助が顔をしかめる。



    襖が開き、一同に頭を下げた男は小柄で胡散臭い眼鏡が特徴の、かつての軍師であった。

    「この度、再び5番隊隊長を仰せつかまつりました。武田観柳齋です。」

    永倉「副長、説明してもらおうか?」

    永倉は納得がいかぬと顔に書いてあるような、露骨な表情で、土方に詰め寄った。
  7. 7 : : 2014/05/17(土) 05:40:54
    土方「知っての通り武田さんは平隊士からやり直してもらった。俺と山南さん、源さんが立ち会って隊長に相応しいと判断した。」

    左之助「河合の件は俺はまだ納得いってねぇぞ。」


    この武田観柳齋という男は、会計方の河合という池田屋事件からの古株に故意ではないとはいえ、罪を被せた。その結果、河合は切腹に処された。

    「左之助、よさないか。武田さんは十分償いをした。」 

    源さんと呼ばれた初老の男性は、新選組でも最年長で試衛館時代からの同士であり、誰からでも慕われていた。

    武田「…河合のことについては一生償っていくつもりです。これからの態度で示します。」

    左之助も永倉も納得がいかない様子だったが、

    永倉「源さんや山南がそう仰るなら。ただ私はまだ武田さんを信用した訳ではない。」

    とある程度折れたようであった。
  8. 8 : : 2014/05/17(土) 07:04:48
    「あのー…」

    おずおずと手を揚げたのは八番隊隊長の藤堂平助。
    参謀の伊東甲士太郎らと行動を共にしていたが、油小路の変の直前に伊東に説得され、新選組へと戻っていた。
    恩師を殺されたことに憤りを感じていたが、近藤の命によるものではなく、平隊士の独断ということで怒りを収めた。

    山南「藤堂君、何でしょうか?」

    藤堂「残りの三席については、誰を推薦するんでしょうか…?」

    土方「残りはひとまず保留とする。島田や尾形らを昇格させる案もあったが、今あいつらには監察に絞って動いてもらいたい。」

    薩長同盟や大政奉還が成った今、いつ幕府と対抗勢力の戦いが起こってもおかしくなかった。
    主に監察とは、偵察や諜報の任であり、新選組の力の一つであった。

    山南「四、七、九番隊の仕切りについては、暫く伍長に任せることにします。皆さん、よろしくお願いします。」

    土方「…おい斎藤。聞いてんのか?」

    何かを考えているのか、一切相槌すら打たない寡黙な男、二番隊隊長斎藤一は土方の問に、微妙な笑顔を返した。

    沖田「あぁ思い出した斎藤さん!この間不逞浪
    士横取りしたでしょ?次の見回り、変わってもらいますからね。」

    斎藤「…承知。」

    剣の腕は沖田に並ぶと言われいる。独学流派だが、不逞浪士からは沖田に次いでこの斎藤が恐れられていた。

    土方「今日の幹部会は以上だ。…解散!」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    パシュー!ギュイィィー!

    ジャン「おいコニー!勝手に隊列を離れるな!」

    ウォールローゼの森では、104期の面々が陣形を想定した訓練に励んでいた。

    ライナー「エレン、出過ぎだ。お前の配置はミカサのバックアップだぞ!」

    エレン「う、うるせぇ!わかってるライナー!」

    訓練兵を卒業し一年が経とうとしてた。調査兵団に入団した、エレン、ミカサ、アルミン、ジャン、ライナー、ベルトルト、クリスタ、ユミル、コニー、サシャはエルヴィンの提案で2班に別れて立体機動を行っていた。

    ミカサ「しかし解せない。なんで104期だけ別行程なのだろう?」

    アルミン「恐らくテストでもあるんだと思う。一週間後には新兵が入ってくるからね。」

    クリスタ「でもその適性を誰が判断するの?」

    ユミル「先輩が見えない距離でつけてるな、こりゃ。気配がする。」

    ユミルの言う通り、彼らの後ろにはリヴァイとナナバがついていた。






    リヴァイ「…私語が多い。うるせぇガキ共め。」 

    ナナバ「やはり、リーダーシップを発揮しているのはジャンとライナーか。彼らなりに、うまくまとめているね。」

  9. 9 : : 2014/05/18(日) 00:09:38
    リヴァイ「巨人共との情勢もかなりまともになってきて、調査兵団も随分と拡大した。今年の新兵の数を考えると、あいつらの中からも班長クラスを選出する必要がある。

    ナナバ「今のところのリヴァイの候補は?」

    リヴァイ「ジャンとライナーだが…あのブスも悪くない。」

    リヴァイが見つめる先には班の最後尾につくユミルがいた。

    ナナバ「ブスって…わかった、彼女の身長がうらやましいんだね?」

    ナナバは否定の言葉が返ってくるのを期待していたが、


    リヴァイ「…ナナバ。何かがおかしい。」

    何って、と返そうとしたナナバだったが、すぐに異変に気づいた。

    ナナバ「何だこの感覚…。ザワザワするような…。」
  10. 10 : : 2014/05/19(月) 17:05:32
    ジャン「?!ライナー!」

    ライナー「あぁ…何だかおかしいぞ。全員右に方向転換だ!森を抜けるぞ!」

    異変に気付いた二人が進路を変えるが、その途端に周囲が光りだした。

    サシャ「な、何ですかこれは!眩しい!」

    ベルトルト「サシャ!離れるな、つかまって!」

    ザワついた感覚と共に一行は光に包まれた。





    リヴァイ「おい…これは一体、どういう状況だ?」

    ナナバ「104期が消えた…?とにかくエルヴィンに連絡を!」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    松平「この忙しい時に、呼び出してすまなかったな近藤。」

    近藤「いえ会津藩の方々と有意義な意見が交わせました。では、私はこれで。」

    新選組局長近藤勇は二条城での会議を終えると、共の島田魁や山崎丞と帰路についた。

    島田「薩長の連中は、かなり早い段階で仕掛けてきそうですね。」

    近藤「ああ、我々も戦を想定して準備をすべきだ。」

    山崎「続々と薩長に靡く藩が出ています。その為にも、会津、彦根両藩との連携を強めねばいけません。」

    肝心の会津がようやく主戦で統一されたところだ。新選組は会津預かりの組織。親である会津の命は絶対であった。

    山崎「?島田さん、あれは何でしょうか?」

    視力のいい近藤が一番早くそれを認識した。

    近藤「む…!人が倒れているのか?」

    近藤は一目散に倒れている者達へと駆け寄ったが、監察方である島田と山崎はその異変に気付いた。

    島田「お待ち下さい局長!その者達、何やら様子が変です!」

    遠目に見てもわかる。髪の色から、身につけているものまで異様だ。異人の可能性が高い。
    この時勢に、異人が数人京で倒れているなんてとんでもないことなのだ。

    近藤「君!大丈夫か!」

    エレン「…う…あんたは?」

    近藤「私は新選組局長、近藤勇だ。」

    エレン「し、しんせんぐみ…?」

    アルミン「な、何だここは…?」

    目を覚ましたアルミンは、異様な光景に理解がついていかなかった。

    島田「言葉が通じる…?異人じゃないのか?」

    近藤「山崎君!隊士を呼んでくれ、彼等を屯所へ運ぶ!」

    山崎「…っ!承知!」

    危害がないことを察すると、一瞬躊躇ったが山崎は屯所へと走り出した。
  11. 11 : : 2014/05/20(火) 04:57:17
    皆様
    期待ありがとうございます。ウォーキングデッドシリーズと同時で進めてますので、更新は遅いですが、頑張ります!
  12. 12 : : 2014/05/24(土) 04:00:11
    土方「…で、そんな話を俺達に信じろってか?」

    屯所に連行されたエレンらは、幹部に囲まれるようにして詰問されていた。

    アルミン「本当です!僕等にとっても、この時代は理解できないものばかりなんです!」

    ライナー「唯一私達に共通するのは、言語のみです。本当に何が何だか…」

    土方はため息をつくと、呆れたように近藤の顔を見た。

    土方「全く勝っちゃんは面倒なもん拾ってきてくれたよな。頭がついていかねぇ…」

    近藤「面倒とは何だ歳。倒れている人を救うのは当たり前じゃないか。」

    エレン「あの、ちょっといいですか?俺達の装備は…」

    立体機動装置は全員外されていた。

    土方「あのおかしなもんなら預かってる。お前らの身元がはっきりするまでな。」

    永倉「それにしても信じ難い話だ。壁に囲まれ、国すら存在せず巨人が蹂躙する世界とは。」

    山南「これは恐らく、時間軸の逆行ではないだろうか?」

    腕組みをし、目を閉じ黙っていた山南が切り出した。

    山南「室町時代に、急に消えた武士が一月後急に戻ってきて、訳のわからぬ話をし出した、という逸話があります。」

    左之助「じゃあ何か、本当にそんな御伽噺みたな世界があるっての?」

    山南「いえ、本来はこの幕末も彼等の世界も到底交わらない別次元のものだということです。」

    そうでなければ、彼等の異様さの説明がつかない、と足した。

    ユミル「とにかくこっちに敵意がないことは認めてくれるか?こうして言葉が通じるんだ、話し合えると思うんだが。」

    ユミルは襖を指差し言った。

    沖田「…へぇ、よく殺気に気付いたね。」

    沖田はそう言うと襖を開け放った。



    ジャン「何だ…こりゃあ…!」

    優に500人は超える隊士が庭に整列していた。

    沖田「僕の命で隊士達はいつでも剣を抜けた。…あぁちなみにあと500人はいるよ。」



    沖田「ようこそ、京へ。ようこそ、新選組へ。」
  13. 13 : : 2014/07/30(水) 06:56:21
    エレン達は新選組の客分扱いとなった。

    一行と幹部の紹介が終わると、各々がそれぞれの行動に移り出した。

    アルミン「佐幕と尊王?」

    山南「ええ。今のこの国、日本は大きく分けて二つの勢力があります。」

    山南「開幕250年日本を治めてきた徳川家を担ぐ一派、帝こそ日本の頂点と仰ぐ一派。」

    ユミル「その徳川と帝ってのはどう違うんだ?」

    山南「帝は王様です。徳川は元々大名で…」

    アルミン(複雑な内部は僕らの世界と似ている。建て前が必要なのはどこも同じか。)



    平隊士「エレン殿、この重たい箱は一体どのようにして使われるのか?」

    エレン「あぁ、これはこうして…木や建物に狙いを定めてだな。」

    ジャン「?!おい死に急ぎ野郎!まさかここで使うつもりじゃ…」

    パシュ!ギュイィィー!

    隊士達からは悲鳴に似た感嘆の声が上がった。

    平隊士「おぉっ!!エレン殿が空を飛んだぞ!」

    武田「さてはあの少年、妖術使いかっ?!」

    エレン「へへっ。こうやって使うのさ。」

    ミカサ「エレン、早く降りてきて。街の人の目もある。軽率。」




    近藤「この三日間で隊士に溶け込んだようだな。」

    土方「こうして見ると一人一人髪の色も肌の色も違うな。」

    近藤「だが黒髪の彼女だけは我々に近い顔立ちをしている。」

    二人の目線の先にはエレンを窘めるミカサがいた。

    クリスタ「局長、副長。お茶が入りました。」

    近藤「む、すまないな客分なのに気を使わせて。」

    土方「茶の入れ方なんて誰に習った?」

    悪くないと言わんばかりに土方は茶をすすっている。

    クリスタ「源さんに教わりました。じっとしていられなくて。」

    ユミル「おいクリスター私にもくれー」

    クリスタ「もー自分でやりなよ。」

    ワイワイガヤガヤ








    土方「…どうすんだ勝っちゃん。ここにいれば確実にあいつらは戦に巻き込まれるぞ。」

    近藤「今の時勢、彼等のような異人が京をうろつけば間違いなく殺される。ここが一番安全だ。」

    土方「それはあいつらを、隊士、として扱うということか?」

    近藤「…あくまで客分だ。あくまで。」

  14. 14 : : 2014/07/31(木) 05:41:43
    永倉「せいっ!まだまだ!」

    二番隊の柔術稽古をライナーは正座しながら見学していた。

    永倉「そこのでかいの。見ているだけではなく、やってみんか?」

    ライナー「おっ、いいのか?俺達の知っているものとはかなり違いそうだが…」

    永倉「見るより感じろ、だ。さぁこい!」

    ライナー「…フッ!」

    ライナーは距離を詰めると、プロレスのスピアーの体勢で永倉にタックルをかました。

    ライナー(どうだ?!この体格差なら下へはいなせまい!)

    永倉「ふんっ!」

    しかし永倉はライナーの肩を受け止めると、右足を刈りライナーを半回転させた。

    ライナー「うおっ?!」

    永倉(ほぉ…ただの突進ではなく、打突の意があったのか。)

    ライナーの肩はしっかり永倉の腹を捉えていた。

    ライナー「駄目だ…完敗だ。」

    永倉「いや、中々やりおる。どうだ、二番隊預かりとして稽古を続けてみんか?」

    ライナー「そりゃ助かる。じっとしていられないタチなんでね。あんたのことは永倉隊長、そう呼べばいいのか?」

    永倉はライナーの胸をど突いた。

    永倉「はっはっは。新八でいい、新八で。」
  15. 15 : : 2014/07/31(木) 15:17:12
    新選組の本拠地である本願寺の本堂を、背の高い男が狭そうに歩く。

    ベルトルト(この国の建て前は天井が狭いなぁ。一々頭が当たりそうになるよ。)

    斎藤「…」

    ベルトルト「わぁっ!さ、斎藤さん?」

    上ばかりを気にしていて、剣の手入れをする斎藤に気がつかなかった。

    斎藤「デカい。島田さんよりも…」

    ベルトルト「へっ?」

    斎藤「この国はお前みたいな巨人は少ない。低く感じでも仕方ないだろうな。」

    ベルトルト(巨人って…なんだか複雑だな。)

    斎藤はひとしきり握りを確認するて、左手に持ち直す。

    ベルトルト「斎藤さん、左利きなんですか?」

    斎藤「ああ。」

    ベルトルト「僕もなんです。まぁブレードは二刀流ですから、あんまり利き手は関係ないんですけど。」

    斎藤「武士の世界では、左利きなど有り得ない。脇差しは左と決まっている。」

    斎藤は刀を脇差しに戻した。

    ベルトルト「有り得ない?」

    斎藤「この国は風習を重んじる。故にそれに従わないと異質に見られる。」

    斎藤「姿格好が少し違うだけで、奇異な目で見られただろう。」

    ベルトルト「あっ…」

    最初に遭遇した隊士達の目は「警戒」に近かった。

    コニー「おーいベルトルト!ミカサが沖田さんと立ち会うぞ!」

    ベルトルト「すみません仲間が呼んでいるので行きます。…あの、また…」

    斎藤「大抵俺はここにいる。気が向けばまた来い。」

    ベルトルト「…はい!」





    斎藤(これでいいのだろう、副長。)
  16. 16 : : 2014/07/31(木) 17:16:30
    期待
  17. 17 : : 2014/09/15(月) 17:51:10
    沖田「準備はいいかい?」

    ミカサ「いつでも。」

    エレン「お、おいミカサ!やめとけ、沖田さん敵うわけが・・・」

    ことの発端はエレンが沖田に稽古を請うたことから始まった。
    まるで子供のように無邪気にあしらう沖田に腹が立ち、ミカサが立ち上がった。

    ミカサ「男だか女だかわからないくせに、刀はもてるのね。」

    これにはさすがの沖田も青筋を立て、二人の立ち合いに人だかりができていた。

    山南「止めなくていいのですか?」

    近藤「なぁに、総司も本気ではあるまい。余興にはちょうどいいじゃないか。」


    ジリッ…

    ミカサ「男女、覚悟。」

    先に仕掛けたのはミカサだった。
    右上から袈裟斬りを仕掛ける。

    沖田「バレバレだよ。」

    それを沖田が左下からなぎ払う。

    ミカサ「…かかった。」

    刀がはじかれた反動でミカサは右に反回転し、そのまま逆手で突きを繰り出した。

    沖田「…なっ!!」

    間一髪のところで沖田の道着をかすめた。

    沖田(なんてやつだ。反応速度が尋常じゃない。それに…)

    ギン!ギィン!!

    沖田(斬撃が、どんどん重くなる…!)

    ミカサ(不毛。この男女は、あのチビに似ている。)



    ザワザワ…オキタサントゴカクニヤリアッテルゾ…

    永倉「ほぉ見事。総司が押されているな。」

    斉藤「だが次第に自力の差がでる。」

    ガッ!

    ミカサ「終わり。これで仕留める。」

    沖田「…」

    ミカサ「?!」

    ミカサが身を低くして中段突きを仕掛けた時だった。

    沖田が左に踏み込みその突きをいなすとミカサの首に木刀を宛がった。

    ミカサ「くっ…」

    沖田「僕の勝ちだね。」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    ミカサ「くそ…男女に負けるとは…」

    エレン「すごいぞミカサ!沖田さん相手にあそこまでやるなんて!」

    沖田「ほんとびっくりしたよ。真剣だったらこっちが危なかったね。ミカサ、君の刀の才、磨いてみないかい?」

    ミカサ「望むところ。すぐに負けを認めさせてやる。」

    沖田「じゃあさ、一番隊預かりな訳だし、その男女っての改めてよ。」

    ミカサは舌打ちをした。

    ミカサ「了解しました。…男女隊長。」

    沖田「…なんだかなぁー…」




    サシャ「はぐはぐ…道場が騒がしいですね、左之の兄貴。」

    原田「どうせ総司の野郎だろ。そんなことよりサシャ隊士、コニー隊士。証拠は完全に消すように!」

    コニー「兄貴について正解だったぜ!メシにありつけるなんてな!」

    原田「つまみ食いもなんのその!新撰組、やんちゃ三人衆!」

    サシャコニー「だぁーー!!」


  18. 18 : : 2014/09/15(月) 17:59:57
    原田「監視だぁ?」

    土方「あぁ。幹部があいつら一人一人に接近することでその役割をはたしてもらう。」

    藤堂「彼らの疑いは晴れたはずでは…?」

    土方「密偵という線はまだ捨て切れない。それにあの立体なんとかという妙な箱は、尊王派に渡ると厄介だ。」

    永倉「私は承服しかねる。彼らの信用を奪うようなことは。」

    土方が舌打ちをする。

    山南「では接し方はそれぞれに任せるというのはどううだろう?隊の預かりにするも良し、個人で接するも良し。」

    近藤「歳、それで折れてくれないか?」



    結局山南の案が採用された。

    永倉のように隊で接するもの、斉藤のように個人で接するもの、原田のようにありのままで接するもの。各々で判断をした。
  19. 19 : : 2014/10/13(月) 22:47:11
    超絶期待してます
    いつまでも待っています!!
  20. 20 : : 2014/10/23(木) 18:37:28
    エルヴィン「ほぅ、では光に包まれ104期は消えたと?」

    ハンジ「寝不足なんじゃないのリヴァイ?」

    リヴァイは事の次第を報告する為、調査兵団本部での幹部会議に臨んでいた。

    リヴァイ「馬鹿も休み休み言え、クソメガネ。昨日は6時間寝た。ナナバも目撃している。」

    ミケ「そのナナバは?」

    リヴァイ「現場検証だ。憲兵のガキ共も立ち会うらしい。」

    モブリット「何故憲兵が…」

    エルヴィン「俺がナイルに頼んだ。ネスやゲルガー達は他の新兵の担当で動かせないからな。」

    調査兵団挙げての訓練の為、本部に残っているのは少数であった。

    エルヴィン「信じ難い事だが、放っておくわけにもいかない。ナナバの報告を待とう。」

    ----------------------------

    ヒッチ「あーもう、だる。なんで私たちがこんな…」

    マルロ「黙って作業を続けろ。これも仕事だ。」





    マルコ「エレン達が消えた…?」

    アニ「何故その情報を私たちに?」

    少し離れた場所で二人はナナバに呼び出された。

    ナナバ「君たちはうちの子達と同期なんだってね。彼らが消えたことはうちの幹部達とナイル師団長しか知らない。表向きは地形調査ということだから。」

    ナナバは草むらを掻き分けるヒッチとマルロを横目で見た。

    ナナバ「非科学的だけど私も確かに消えるのを見た。このまま大事になると、エレン達に脱走の罪がかかり軍法会議ものだ。」

    マルコ「でも消えたとすればどうやって…」

    ナナバ「二人には立体機動を使って周囲を見回ってほしい。彼らが消えたのもその状況下だ。」

    アニ「馬鹿げてるけどやるしかないか。」

    ナナバは頼んだよと言うと、ヒッチ達の方に向かった。

    ---------------------------

    井上「クリスタ、お湯を沸かしてくれるかな?」

    クリスタ「はい、源さん!」

    井上「左之助達がつまみ食いするからに…手伝わせてすまないね。」

    ユミル「おーい、平助。皿はどこだ?」

    やんちゃ三人衆が台所の夕食をほとんど食い尽くしてしまった為、一からやり直しになったのだ。

    井上とクリスタが率先して、ユミルは傍観者でボーッとしていた藤堂も巻き込まれた。

    ユミル「こっちこそすまねぇな、うちの芋女と坊主頭が。」

    藤堂「いえ、ユミルさんにも手伝わせてしまって…」

    ユミル「あー…さん付けはよしてくれ。ユミルでいいよ。」

    井上「クリスタはあっちの世界に家族が待っているんだろう?」

    クリスタ「あの…えっと…」

    クリスタの困った顔を見て井上は察した。

    井上「…いらんことを聞いたね。私には丁度君位の姪がいてね。何だか放っておけないんだ。困ったことがあったら、いつでも来なさい。」

    クリスタ「源さん…」

    ーーーーーーーーーーーーーー

    夕食時は決まって幹部と同席するのが習慣になっていた。

    原田「あのー…」

    土方「お前らの分はねぇ。そこで正座してろ。」

    サシャ「返す言葉もございません…」



    沖田「しかし君らの世界も大変なんだね。まだ15,6だろ?そんな若いうちから戦に出されるなんて。」

    エレン「でも、今は巨人の数も減って壁外調査もしやすくなったんですよ。」

    ジャン「その分死んでいった仲間も多かったがな。」

    山南「我々もここに来るまでに多くの同士を失いました。」

    重い沈黙が流れる。

    原田「なんか似てるよな、俺たちの環境って。」

    近藤「…湿っぽいのはやめよう。よぉーし歳、歌え!」

    土方「…またかよ?!」

    近藤「源さん、おねがいします。そぉーれ!!」

    土方「人の話を……くそ…あぁ~可愛いなぁ~♪」

    多摩に伝わる踊りを近藤たちが披露すると、我先にと永倉や原田も輪に加わった。

    ライナー「よーし。踊るぞベルトルト。」

    ベルトルト「えっ!ぼ、僕は…」

    ユミル「平助、刀をみしてくれよ。」

    サシャ「コニー!今のうちです!」

    井上「こらお前たち!!それは局長の夕食だ、やめなさい!」

    ミカサ「男女隊長は酒に弱い。私には勝てない。」

    沖田「くそっ…底なしかよ…どんだけ飲むんだ君は。」



    気づけば誰もが手拍子を送り、酒に酔いながら宴会騒ぎになっていた。
  21. 21 : : 2014/11/10(月) 18:45:04
    そんな一体感に馴染めない男が一人、そっと席を外した。
    5番隊隊長の武田観柳斎である。

    武田(局長にああは言ったものの、もうここに自分の居場所はないのではないか…?)

    この男は復職して以来、自分の居場所を見出せないでいた。

    アルミン「武田さん!!」

    武田「…む?君はアルレルトと言ったか。何用だ。」

    アルミン「武田さんは、甲州流軍学を修めていると山南さんから聞きました。」

    武田「如何にも。それについては並ぶものなしと自負している。」

    愛用の扇子を広げフンスとふんぞり返る。

    武田「…時代遅れの役に立たない代物だがな。」

    アルミンには聞こえないように言った。

    アルミン「あの、僕に武田さんの軍学を教えてくれませんか?」

    武田「…なんと?!君は正気か?!時代は西洋軍学に傾いているのだぞ?!」

    アルミン「発展しすぎた技術は時に牙を向きます。僕はエレン達と違って、戦闘では役に立ちません。だからせめて自分にできることをしたいのです。」

    武田「!!」

    武田(今、自分にできること…)

    武田「…良かろう。この武田観柳斎、全力をもって期待にお答えしよう。」

    アルミン「よろしくお願いします!先生!」

    夜空に高飛車な笑い声がこだました。

    ------------------------------

    宴会も終わって次の日の正午、こき使われる馬面の少年がいた。



    土方「おい、茶は入れたのか?」

    ジャン「今入れます…!」

    土方「熱すぎるのはごめんだぞ。あと、たくあんを忘れるな。」

    ジャン「はいはい…!わかりましたよ!!」

    土方「…ったく一言多い小姓だぜ。」






    ジャン「くそ…!!なぜこうなった…!」









    事の発端は朝に遡る。ジャン・キルシュタインは二日酔いさながら、縁側に腰掛けてボーッとしていた。

    ジャン(あー畜生。エレンの奴と飲み比べをしたのがまずかったか…頭いてぇ…だがざまぁ見やがれ。早々に潰れてやんの。)



    土方「探したぞキルシュタイン。早く着替えろ。」

    ジャン「は?…なんすか副長。」

    土方「寝ぼけてんじゃねぇ。早く仕度しやがれ。」

    ジャン「?????」

    ジャンは言われるがままに袴に着替えた。




    ジャン「あのー…どこに行くんで??」

    土方「将棋だ。何だ、イェーガーから聞いていなかったのか?」

    ジャン「え?」

    土方「お前らの世界じゃちぇすっていうんだってな。今山南さんと5番勝負の最中でな、今日の対局は落とす訳にはいかねぇんだ。聞いたぞ、お前はちぇすだけは無駄に強いとな。」

    ジャン(はぁぁぁぁぁ?!!!あの死に急ぎ野郎、負けた腹いせかよ!面倒なことを…!!)

    土方「気合入れろよ、一月分の飲み代がかかってんだからな。」

    -----------------------

    ジャン(そこだ。そこからがいけなかったんだ。あまりに山南さんが強いもんだから本気を出して勝っちまった挙句、二人の戦略対談に巻き込まれ、迂闊に発言して副長に気に入られちまったんだ・・・)

    土方「お前、俺の小姓をやれ。拒否?んなもんできる訳ないだろ。」

    ジャン(…エレンの野郎。覚えておけよ。)




    土方「キルシュタイン!たくあんは4つだって言ったろ!!!」

    ジャン「あー!すみませんねぇ!!!」
  22. 22 : : 2014/11/26(水) 15:46:12
    思ったよりも長くなりそうなので、ここで一旦きります。
  23. 23 : : 2014/11/30(日) 17:52:43
    期待して待っています!
  24. 24 : : 2014/12/05(金) 18:43:08
    次作です。
    http://www.ssnote.net/archives/28292
  25. 25 : : 2014/12/07(日) 15:13:53
    グループを作りました。気軽に来て下さい。
    http://www.ssnote.net/groups/1051
  26. 26 : : 2015/01/26(月) 04:40:10
    孤高の天才 episode of ミカサ

    エレン「新撰組?」内の日常サイドストーリーになります。
    本作品では載せきれなかった、一人一人の小話だと思っていただければ。
    http://www.ssnote.net/archives/30775
  27. 27 : : 2015/02/19(木) 18:06:35
    魁先生の自分探し episode of ユミル

    サイドストーリー第二弾です。
    http://www.ssnote.net/archives/31388

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kazumax

ジョン@四聖剣とは虚名にあらず

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