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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

進撃のウォーキングデッド season2 ep2 犠牲の果てに

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loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

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  1. 1 : : 2014/06/15(日) 17:02:15
    season2 ep1 限界点 の続きです。
    http://ssnote.net/archives/16142
  2. 2 : : 2014/06/15(日) 21:35:57
    待ってましたぞ!
  3. 3 : : 2014/06/16(月) 11:15:51
    いぇーい
  4. 4 : : 2014/06/17(火) 00:00:39
    期待!
  5. 5 : : 2014/06/18(水) 21:29:17
    まってます!
    楽しみ!!
  6. 6 : : 2014/06/19(木) 09:21:05
    期待
  7. 7 : : 2014/06/19(木) 15:32:12
    期待期待超期待
  8. 8 : : 2014/06/19(木) 17:22:20
    おぉ…こんなに待っていてくれる人が(;_;)
    皆様、本当に感謝します。
    今夜投下します!
  9. 9 : : 2014/06/20(金) 03:00:38
    エレン「そう都合良く動物でもいるもんじゃないよな。」

    ジャン「死骸には手をつけるなよ。奴らの食い残しだ。消毒したってしたりねぇ。」

    少しでも食料の足しになればと、森に狩りにでたエレンとジャンだったが、たたでさえ不慣れな上にこの状況下で獲物が簡単に見つかる訳がなかった。

    エレン「ハイスクールの時の美人体育教師を覚えてるか?」

    ジャン「あぁ、アンカ先生だろ?ありゃアバズレだぜ。生徒を食いもんにして免職になったって話だ。」

    エレン「マジかよ…密かに憧れてたのになぁ。」

    ジャン「キース部隊長は何やってんのかね。」

    エレン「あの人のお陰で俺ら転属できたんだよな。いや、転属しなきゃ今頃こんな事には…」

    ジャンは立ち止まるとエレンの肩を叩いた。

    ジャン「よせ。アンカ先生もキース部隊長も過去の話だ。前を向こう。」

    エレン「…そうだな。ライナーがいれば今頃獲物の一つも見つかってるんだろうが…」

    ジャン「なんだよ、俺への当て付けか?」

    そういう訳じゃないと言わんばかりにエレンは首を横に振った。

    ジャン「ミカサとは話してるのか?心配なのはわかるが、伝わらないことだって…」

    エレン「おせっかいならよしてくれ。」

    エレンはミカサの話になると舌打ちをうち、足早に先に行ってしまった。




    ジャン(こいつはいつもそうだ。思いを一方的にしかぶつけられなくて、受け取ろうとしないで。)

    ジャン(大体何だ?ここまで来れたのも俺がいたからじゃないのか?ライナーのことだって俺が気にしてないとでも?)

    気付くと銃のホルスターに手をかけていた。
    それと同時に嫌悪感に襲われる。

    ジャン(待て、何をやってんだ俺は。ちょっとしたイラつきでこんな…)

    目つきからも精神的に相当参ってることが伺える。
    銃のグリップから手を離しエレンを追おうとするジャン。






    アルミン「…ジャン?」

    声に振り返るとアルミンが深刻そうな顔で立っていた。

    ジャン「なんだよ、そんなおっかない顔して。」

    アルミン「…ベルトルトがエレンを呼んでいてね。」

    ジャン「…俺はまだ辺りを探してみるから。」

    アルミンの来た方向に戻るジャン。








    アルミン「ジャン…君は今何をしようとしていたんだ…?」

    ジャン「…何でもねぇよ。ちょっと気が立ってただけだ。」

    すれ違いざまにアルミンが突き刺すように言った。一瞬足を止めたが、ジャンはすぐに足を進めた。
  10. 10 : : 2014/06/26(木) 04:49:57
    アルミン「エレン、ベルトルトが呼んでいるよ。」

    エレン「あぁ、わかった。すぐ戻るよ。」

    アルミン「その…ジャンの事なんだけど…」

    アルミンは露骨に顔を曇らせた。

    アルミン「君はジャンの事を信用しているのかい?」

    エレン「なんだよ、いきなり…10年以上の付き合いだ。今更信用も何も…」

    アルミン「彼は危険かもしれない。」

    エレン「は?どういうことだよ?あいつを馬鹿にするつもりなら、アルミンでも許さねぇぞ。」

    アルミンはじっとエレンを見据えていたがやがて、

    アルミン「ごめんごめん。どうかしてたよ。」

    エレン「気が立つのもわかるけどさ、やめてくれよな。」

    エレンは肩をすくめると駅へと歩き出した。









    アルミン(あの時のジャンの目は、一瞬本気だった。僕はあんな目をした獣を、何人も見てきた。)

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「ようベルトルト。どうした?」

    エレンは駅へと戻り、ベンチに座るベルトルトの隣に腰掛けた。

    ベルトルト「やぁ。急に呼び戻してすまないね。」

    エレン「なんか珍しいな、この組み合わせ。いつもはライナーがいて…」

    エレン「あ…」

    エレンはベルトルトの心情を読み取り、急いで口を閉じた。

    エレン「安全も確保したし、こっちでもそろそろライナー達の行方を追ってみるよ。」

    ベルトルト「…けて…いか…」

    ベルトルトは俯いて呟いた。

    エレン「え?」




    ベルトルト「ライナーを、助けてくれないか。」

  11. 11 : : 2014/06/30(月) 18:45:33
    ベルトルトいいやつやな…
    期待!
  12. 12 : : 2014/07/06(日) 02:09:32
    お待たせして申し訳ありません。
    私事で少しゴタゴタしていました。
    明日夜になるかもしれませんが、更新再開いたします。
  13. 13 : : 2014/07/06(日) 05:14:33
    おいついた…
    期待してるぞ!

    元ネタしらんけどw
  14. 14 : : 2014/07/07(月) 04:04:20
    エレン「おいおい…心配すんなよ、ちゃんとこれから…」

    ベルトルト「ライナーは、決して精神的に強くない。タフではあるけど、意地を曲げられなくて追い詰められていくタイプなんだ。」

    ベルトルトは膝の上に置いた拳を握りしめた。

    ベルトルト「そう、あの時だって…」

    エレン「…あの時?」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    大尉「おめでとうブラウン曹長。いや、ブラウン少尉。君のパナマ戦における活躍が上に認められたよ。」

    ライナー「お褒めに預かり光栄です、大尉殿。」

    大尉「君にはこの部隊を任せる。私も栄転が決まってね、来月付けで少佐を拝命する。」

    ライナー「それは…おめでとうございます。」

    敬礼をするライナーの肩を軽く叩いた。

    大尉「楽にしたまえ。」

    ライナー「はっ。…ところで大尉殿、フーバー軍曹の昇進はいつ頃に?」

    大尉は咳払いをすると、露骨に顔を曇らせた。

    大尉「…彼は私の命令を無視し、敵将校を射殺した。先程自主退役という形をとってもらったよ。」

    ライナー「なっ…」

    この大尉は戦闘指揮官としては実に無能であった。功を焦り、自らライナーら近衛を率いて突撃したものの、あっという間に部隊に囲まれてしまったのである。

    ライナー「お言葉ですが、彼の狙撃があったからこそ我々は今ここにいます。」

    大尉「いや違うな。我先にと功を横取りしたのだ!そもそも将校を真っ先に撃つなど聞いたことがない!」

    ライナー(それはアンタの無謀な策のせいだろうが…!)

    ベルトルトは高台から近衛隊を援護という指示だったが、瞬く間に指揮官が窮地に陥った為、敵の志気を削ぐ策に出たのだ。

    将校の頭が撃ち抜かれるのを合図に、ライナーが的確な指示を出し敵部隊を殲滅できた。

    大尉「指揮官の命令に従えない兵はいらん!」

    ライナー「…その命令が、正しくなかったとしてもですか?」

    大尉「ブラウン少尉!口を慎みたまえ!私は君の上…ぐはぁっ!!」

    大尉が言い終えるまえに、ライナーが渾身の右ストレートを放っていた。大尉は壁に激突すると、意識を失い床にずり落ちた。

    ライナー「失礼、大尉殿。少尉なんぞクソ食らえであります。」

    ライナーは自らの襟章を引き千切ると、大尉に向かって投げ捨てた。

    ライナー「建前ばかりを優先して何が指揮官だ、何が軍だ。」

    言い捨てるようにして部屋を後にした。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ベルトルト「結局その後、部下の発言から大尉の無能っぷりが露呈してね。ライナーは昇級取り下げという形で助かったんだけど、見向きもせず軍を去っていった。」

    エレン「上司を殴ったことを考えると、寛大な処置なのにな。」

    ベルトルト「自分を許せなかったんだろう。過ちは過ち。とらなくてもいい責任をライナーは被った。」

    ベルトルト「彼のおかげで今や僕は部隊長だ。」

    肩書きだけのね、と空を見上げて言った。
  15. 15 : : 2014/07/07(月) 04:20:04
    ベルトルト「虫がいいのはわかってる。ライナーは勝手な行動をした。でもそれでも、僕の大事な親友なんだ。…もう、大切な人を失いたくない。」

    エレンにはベルトルトの気持ちが痛いほどわかった。ミカサと離れ離れになった時は気が気でなかった。

    ベルトルト「本当は僕自ら行きたいんだけど、アニのこともあるからね…。今離れることはできない。」

    線路で体育座りをするアニは視線がまだ虚ろであった。

    エレン「ベルトルト安心してくれ、必ずライナーとクリスタを連れて帰る。」

    エレンはベルトルトの手を強く握った。

    ベルトルト「…すまない。」

    「話は聞いたぜ!」

    ベンチの影からコニーが現れた。

    コニー「エレン、俺も連れていってくれ。ライナーの奴俺の愛車まで持っていきやがって。」

    エレン「ああ、助かるよ。お前のフットワークは頼りになる。」

    コニー「ってことだベルトルト。他のみんなには適当にごまかしといてくれよ。特にジャンは何言うかわかんねぇからな。」

    エレン「ミカサやアニは任せたぞ。」

    二人は荷物をまとめると、駅を後にした。




    ベルトルト「二人とも、ありがとう。…ライナー、どうか無事で…。」
  16. 16 : : 2014/07/07(月) 04:21:56
    トルトルベさん

    今までかなりベルトルト影薄かったので、出してみました(笑)

    進撃のリヴァイ兵長さん

    ありがとうございます!気合い入れて頑張ります!
  17. 17 : : 2014/07/10(木) 14:39:42
    どれくらい歩いただろう。

    シャドウを森の半ばくらいに止めてから随分時間が立った。

    自分のやっていることは正しいのか。

    そもそもあそこまで意地になって飛び出した理由は?

    クリスタを助けるというのは本当は建前で、自分自身が許せないだけなんじゃないか?

    ライナー(…いや、今は考えるな。もうすぐ集落だ。)

    ライナーがたどり着いた集落は、まだ未捜索のエリアでクリスタ生存の可能性をライナーに信じさせているものでもあった。

    ウォーカーの襲撃に注意しながら、一軒家の戸を開ける。

    ライナー(とりあえず気配はないな。)

    二階はほぼ空の状態になっていて、誰かが隠れている可能性があるとしたら一階だった。

    ライナー(これは…まだ新しいぞ。)

    ゴミ箱からつい最近開封したであろう、缶詰を発見した。

    しかしこれだけではクリスタがいたということにならない。

    ライナーは収納スペースの前で足を止めた。

    何かを感じたのか、ボウガンを構えながら、戸を横にずらす。










    ライナー(薬莢か…?これは、間違いない!)

    毛布や空のペットボトルなど、明らかに誰かが隠れていた痕跡があり、転がっていた薬莢がライナーを確信させた。

    自分が持たせた、ブローニングHPの9mmパラペラム弾だった。

    9mmという弾丸は、一番多く流通しているのだが、軍仕様のものは市販のものと区別がつくようになっている。

    現にクリスタに与えたブローニングは、ライナー達が救出に当たっていた仲間のものであった。

    ライナー(クリスタ…近くにいるんだな?待っててくれ…)
  18. 18 : : 2014/07/16(水) 06:37:24
    トレーラーの窓からアニを見ているアルミンとミカサ。

    アルミン「アニ…ずっと塞いだままだね。」

    ミカサ「ああなってしまうと心配もしたくなる。あまり話したことがない私が慰めても、効果はないのだろうけども。」

    路線に体育座りしたアニからは生気が感じられない。

    アルミン「そんなことはないよ。かつての日常の世界の人間関係なんて、今この世界では意味をなさない。」

    ミカサ「それでも…私は何故かアニが苦手。」

    アルミン「何で?」

    ミカサの目線は動物用の罠を作っているジャンに向けられた。

    ミカサ「自分の思ったことを正直に言う。そしてその思いはいつも正しいのだけど、言い方が反感を買うことが多い。」

    アルミン「彼に…似ているね。」

    ミカサ「そう…。でも私はそれがたまらなく羨ましい。私は、言えないのだから。」

    ジャンと一瞬視線が合ったが、すぐに逸らした。

    アルミン「君は…ジャンと何かあったのかい?」

    ミカサ「…いいえ…なにも。」

    ミカサはポーカーフェイスだが、嘘は下手だ。

    アルミン「質問を変えていいかな?…君はジャンを信用できるかい?」

    ミカサ「それは…どういう意図?」

    アルミン「エレンとジャン、二人が仲違いしたら君はどっちにつくのか、ということだよ。」

    ミカサは首を徐々に激しく振り、アルミンを睨みつけるようにして言った。

    ミカサ「エレンとジャンは親友。そして二人とも15年間一緒に生きてきた。もちろん私も。ので、そんなことは有り得ない。」

    アルミンはしばらくミカサを見据えたが、

    アルミン「…ごめん。悪ふざけが過ぎたね。」

    と、トレーラーから降りた。








    アルミン「…有り得るんだよ。」

    アルミン「最悪の事態は、想定しておくべきなんだ。」

    ミカサには聞こえない声で呟いた。

  19. 19 : : 2014/07/21(月) 16:18:37
    戻れない。

    このまま森の先に進むよりも、来た道を戻った方がみんなと合流できる可能性もある。
    だが戻れば確実にウォーカーに遭遇する。
    極限状態での「思い込み」がクリスタを森の奥へと誘っていた。

    残弾はあと5発。
    それが自分の命。

    クリスタ(!?この道は危ない…!)

    クリスタの行く先には多数のウォーカーがひしめいていた。

    クリスタ(駄目だ…やっぱり引き返そう。)

    パキッ

    踵を返したクリスタであったが、運悪く小枝を踏んでしまった。

    「ギャァッ!」

    数体のウォーカーが素早く音に反応した。

    クリスタ(しまった…!)

    全速力で来た方向に走り出す。
    だが所詮は女の体力。いずれ追いつかれる。

    ーーーーーーーーーーーー

    ライナー「いいか?複数を相手にする時は、その全てを一度に相手にしないことだ。」

    クリスタ「でも…どうやって?」

    ライナー「まず相手と距離を取れ。身を低くして全力疾走だ。もし森にいたなら、木を盾にするようにしてジグザグに走れ。」

    ーーーーーーーーーーーー

    やはり追いつかれそうになったが、ライナーの助言通り、木々の横を通り抜けるように走ると、ウォーカーは見事に木に衝突した。

    「グァッ!」

    そう、ウォーカーは嗅覚や聴力が発達しているのだが、その一方で視力は衰退している。

    クリスタ(やった、うまくいった!)

    クリスタは再び走り出した。

    ーーーーーーーーーーー

    ライナー「距離を取ったら次は先制攻撃だ。自分と一番近い敵の足を撃て。」

    クリスタ「足?急所じゃないの?」

    ライナー「これは敵を殲滅する為のプランじゃない。自分が生き延びる為のものだ。」

    ライナー「足を撃ち抜けば当然転倒する。それでうまくいけば、後続もそれに躓き進軍速度が落ちる。」

    ーーーーーーーーーーーーー

  20. 20 : : 2014/07/21(月) 16:30:12
    ライナーの言う通りであった。
    先程の走行はバラバラに向かってくるウォーカーを列にさせるものだった。

    クリスタを狙いをすまし、先頭のウォーカーの右足を撃ち抜いた。

    転倒したウォーカーに躓き、後続も転倒する。
    計4発で四度これを繰り返した。

    ーーーーーーーーーーー

    ライナー「次が一番重要だ。残りの弾丸は必ず一発は残しておくこと。何故だかわかるか?」

    クリスタ「…どうしようもなくなった時に自害する為?」

    ライナー「軍のマニュアルでは大正解だが、ブラウン式では不正解だな。」

    ライナー「答えは″最後の希望″だ。」

    クリスタ「希望?」

    ライナー「弾が無くなれば絶望しかない。しかし一発でも残っていれば、まだ何かできる可能性はある。現に俺はその一発で危機的状況から何度も生還した。」

    クリスタ「じゃあ最後の一発は、ライナーの御守りだね!」

    ライナー「ハッハッハ御守りか!そいつぁいいな!」
  21. 21 : : 2014/07/21(月) 18:42:50
    ブラウン式素晴らしい!
  22. 22 : : 2014/07/21(月) 23:04:40
    クリスタ(そうは言っても…このままだと追いつかれる…!)

    クリスタの脳内に自害″の二文字がよぎる。

    クリスタ(いや違う。私は戦うって決めたんだ…″希望″は捨てない!)

    しかし善戦虚しくもクリスタの体力は底をつき、あっという間にウォーカーに囲まれてしまった。

    クリスタ「あ…あぁ…」

    徐々に追い詰められ、恐怖のあまり腰を抜かしてしまうクリスタ。

    クリスタ(ごめんライナー。希望はもう、ないや…)

    これから無惨に首や顔を食いちぎられて死ぬのだろう。

    ダズを殺し、フランツも自分のせいで死に、ミーナも救えなかった。
    きっと楽には死ねない。

    自害しよう。痛い思いをするくらいなら。

    クリスタはブローニングを喉元に突き付けた。




    タンッ!!













    最後の一発はクリスタではなく、空に消えていった。

    ウォーカーが一斉に空を見上げるが、すぐに視線をクリスタに戻す。

    クリスタ(自害する勇気すら、私にはないのか。)

    クリスタ(あぁ、ウォーカーの顔が近付いてきた。いよいよか…)


    しかしウォーカーはクリスタに食いかかることなく、地面に倒れこんだ。

    後頭部に刺さったボウガンの矢を見てハッとした。

    それと同時に周囲のウォーカーの頭に矢が振り注ぐ。

    ライナー「クリスタ!こっちだ走れ!」

    何年か振りに聞いた気がする、ライナーの声だった。
    ライナーは数m先の木の上からボウガンを放っていた。

    態勢を立て直し、屍を乗り越えライナーの下に駆け寄る。

    クリスタ「ライナー!!どうしてここに…」

    ライナー「銃声が響いたからな。すぐ近くで良かった。…希望を捨てなかったんだな、偉いぞ。」

    勇気のない行動がライナーに自身の存在を気づかせたのだ。

    結果的にそれは勇気ある行動となった。
  23. 23 : : 2014/07/22(火) 01:40:02
    ライナー「とにかく走るぞ!キリがない!」

    ライナーはクリスタの手を取り駆けた。

    ーーーーーーーーーーーーー

    エレン「何事もやってみるもんだな。」

    エレンはライナーの足跡を判別し、見事に追っていた。前回のライナーのやり方を注意深く見ていたのと、コニーの勘の良さが合わさった結果であった。

    コニー「昨日の雨で土がぬかるんでるからな、ライナーの奴は足がでかいしブーツだろ。判別つきやすいぜ。」

    エレン「…コニー。ちょっと気持ち悪いぞ。窃盗の他にストーカーもやってたのか?」

    コニー「やめてくれよな。コソコソ系が得意なだけだ。」

    更に森の中腹でシャドウを発見したことから、二人は確信していた。

    ライナーは近くにいる、と。



    コニー「おいエレン!」

    視力と聴力のいいコニーが何かに気づいた。

    コニー「多分誰かが追われてる!2時の方角だ!」

    エレン「ライナーとクリスタか?!急ぐぞ!」

    ーーーーーーーーーーーー

    ダッダッダッ!

    クリスタ「ハァ、ハァ…!ライナー、もういいよ!このままじゃ二人とも…手を離して…」

    ライナー「馬鹿!諦めるな!」

    クリスタに合わせながらの移動では限界があった。ライナー一人ならとっくに逃げ切れていただろう。

    クリスタ「…!」

    汗でクリスタの手が離れる。

    ライナー「!うぉぉぉっ!」

    しかし、すかさずライナーがその手を握り返し引き寄せる。

    クリスタ「…どうして!」

    ライナー「俺の目が黒い内はな、もう誰も死なせはしない!…死なせてたまるか!」

    クリスタ「ライナー…!」






    タンッタタンっ!

    「ギャッ!」

    後続のウォーカーが倒れ出した。

    エレン「ライナー!こっちだ!」

    ライナー「…エレンか?!」

    コニー「ヒーローもいるぜ!」

    坂の上からエレンとコニーがウォーカーを撃ち抜く。
  24. 24 : : 2014/07/22(火) 01:52:17
    エレン「コニー!とにかく撃ちまくれ!」

    コニー「わかってるっての!」

    クリスタとライナーが坂を駆け上がるのを二人が必死に援護する。

    ライナー「よし!奴らをまくぞ!もう少し頑張ってくれよ、クリスタ!」

    クリスタ「うん、大丈夫!」

    森の中腹に来る頃には完全にウォーカーを振り切っていた。

    コニー「はぁ、はぁ…ここまで来りゃもう平気だろ…」

    ライナー「あぁ。…その、なんだ。今回は勝手してすまなかった。本当に助かった。」

    バツが悪そうに謝るライナーの脇腹をコニーが小突く。

    エレン「礼ならベルトルトに言えよ。あいつがお前のために頭を下げたんだ。」

    ライナー「ベルトルトが…」

    ライナーの目にかすかに光るものが見えた。

    コニー「全くだぜ。礼としてシャドウは返してもらうかんな。」


    いや、そうはいかん。
    何でだよ?!
    あれは坊主には乗りこなせんからな。


    クリスタ「エレン、勝手に飛び出してごめんなさい。」

    エレン「いや、たいしたことことじゃないさ。ミーナを助けようと一番に動いたクリスタは勇敢だ。ただ…」

    エレン「謝る相手が違うんじゃないか?」

    エレンが親指でライナーを指す。

    クリスタ「あ…」

    クリスタ「…ライナー。」

    ライナー「ん?何だ?」









    クリスタ「助けてくれて、ありがとう。」

    そこにはもう、自分のことを卑しく言うクリスタはいなかった。

    ライナー「…ああ、どういたしまして。
  25. 25 : : 2014/07/24(木) 14:30:40
    ベルトルト「ジャン、どこへ?」

    ジャン「森だよ。いい加減食糧確保しねぇと。」

    狩り用の罠は仕上がったようで、肩からぶら下げている。

    ジャン「それよりエレンとコニーはまだ戻らねえのか?」

    ベルトルト「そ、そうだね。遅いな。」

    ジャン「どこほっつき歩いてんだか。」

    ジャンは森へと歩き出した。


    ミカサ「ジャン。」

    ミカサが待っていたかのように立ちふさがった。

    ミカサ「狩りに出るなら私も連れて行って。」

    ジャン「やめておけ。エレンにどやされるぞ。」

    ミカサ「望むところ。何かしていないとおかしくなりそうで。」

    ジャン「…勝手にしろよ。」


    森に連れ立って入ったはいいものの、会話が続かない。先程がお互いに流し目で見やっては、視線を戻してばかりいる、

    ジャン「…なぁ。」

    ミカサ「…ねぇ。」

    同じタイミングで歩みを止め、顔を合わせた。

    ジャン「…………ぷっ。」

    ミカサ「…………ふふっ。」

    こんな些細なことで、急に今までのことがどうでもよく思えた。

    ジャン(そうだ、些細な事じゃねぇか。今まで過ごした15年に比べりゃ。)

    ジャン「なぁミカサ。」

    ミカサ「何だろうか。」

    ジャン「今まで通りでいいよ。三人一緒だった15年間のままで。」

    ミカサの顔が曇った。

    ミカサ「でも、それではジャンが…」

    ジャン「俺はミカサとエレン、どっちが欠けても嫌だ。それが壊れるくらいなら…元通りで…」

    ミカサ「…ありがとう…ごめんなさい。」

    ジャン「どっちなんだよ。」

    二人に笑顔が戻った。
  26. 26 : : 2014/07/24(木) 14:32:20
    アッと驚くハマフエフキさん

    何気にこのepで一番好きなシーンです。
  27. 27 : : 2014/07/24(木) 14:33:58
    次の投下でep endになります。今回は大分お待たせしてすみませんでした。
    見て下さってる方には本当に感謝です。ありがとうございます。
  28. 28 : : 2014/07/24(木) 18:20:30
    期待です‼︎
  29. 29 : : 2014/07/26(土) 17:11:58
    ヤバい
    面白い!
  30. 30 : : 2014/07/29(火) 05:54:41
    ベルトルト「!!ライナーだ!クリスタもいる!」

    駅に向かってシャドウを走らす姿を双眼鏡を覗くベルトルトがいち早く発見した。



    ライナー「すまん、ベルトルト。心配をかけた。」

    ベルトルト「…もうこれっきりにしてくれよ。頭がおかしくなりそうだった。」

    おかえしと言わんばかりにライナーの胸をど突いた。

    アルミン「お帰り。ライナー、クリスタ。」

    クリスタ「ごめんなさい…迷惑かけて。」

    アルミン「よそう、疲れも溜まっているはずだ。早く休んだ方がいい。」

    アニが線路から腰を上げると、ライナーに飛びかかり回し蹴りをはなった。

    ライナー「うおっ…!!」

    アニ「…アンタまでいなくなったら、どうすればいいのよ。」

    蹴りをすんでのところでガードすると、そのままアニを抱きしめた。

    ライナー「そのとおりだな。本当にすまなかった。」




    ベルトルト「…あれは…ジャンか?」

    ベルトルトは目を見開いた。血まみれで鬼の形相をしたジャンがこちらに向かって走ってくる。

    アルミン(ジャン一人?まさか一緒に行ったミカサは…?!)

    アルミンは懸念していた最悪の事態を想像した。

    ジャン「ハァ…ハァ!エレン、エレンはどこだ!」

    ベルトルト「どうしたんだジャン?!その血は…?」















    ジャン「ミカサが撃たれた!ちくしょう!エレンの奴はどこ行ったんだ!」

    season2 ep2 end





    次回予告

    「…わかった。最善を尽くす。」

    「もし二人共目を覚まさなかったら、どちらかだけが目を覚ましたら。」

    「私は…ジャンについていく。

    season2 ep3 愛が壊れたとき

  31. 31 : : 2014/07/29(火) 05:55:26
    名無しさん

    豆しばさん


    ありがとうございます!
    これからもよろしくお願いします!
  32. 32 : : 2014/07/29(火) 05:56:40
    今回は少々ベタな展開になってしまいましたが、個人的には好きです。

    よろしければ、感想等よろしくお願いします。
  33. 33 : : 2014/07/31(木) 09:05:35
    続きがめちゃくちゃ気になります!
    すごく面白いです
  34. 34 : : 2014/08/01(金) 14:04:51
    ミカサが撃たれる役か
  35. 35 : : 2014/08/04(月) 12:23:30
    続きはまだかな?
    面白かったし次が気になります
    期待です

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kazumax

ジョン@四聖剣とは虚名にあらず

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