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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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モブリット「分隊長が最近変だ」ニファ「あらやだ元から変じゃないですか」

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  1. 1 : : 2014/06/10(火) 22:43:01
    モブリット「分隊長が最近変だ」ニファ「あらやだ元から変じゃないですか」

    ハンジ「モブリットを口説こう!!」ニファ「分隊長よしきた!!」~ハンジの恋愛方程式~
    http://www.ssnote.net/archives/18166
    と同時進行の、モブリット視点versionです(///∇///)

    どちらも楽しんで頂けたら嬉しいです!!
  2. 2 : : 2014/06/10(火) 22:43:35
    兵舎の食堂の夕食は、確かにいつもだいたい同じ様な味付けで、飽きると言えば飽きるかもしれない

    でも、最近の分隊長は、本当に食事にあまり手をつけない

    モブリット「分隊長、食事が進んでいないようですが…」

    副官をやっている身としては、しっかり食べて貰わないと困る

    この人に何かがあったら俺のせい

    常にそう思いながら、副官を勤めあげてきた

    何故食事をしっかりととらないのか

    体調でも悪いのか

    俺がその顔色を伺うべく、分隊長の顔を覗くと、一瞬だけ目があった

    だが次の瞬間、分隊長は俯き、俺から視線を外した

    もしや何か気に食わない事でもしたかな…

    思い当たる節がなく、首を傾げた
  3. 5 : : 2014/06/10(火) 22:50:17
    結局分隊長は、食事もそこそこ、きちんと食べるよう促す俺の言葉も無視して、部屋に帰ってしまった

    モブリット「…はあ…」
    ついついため息がもれた

    分隊長の様子が変だと思い始めたのは、最近だ

    食欲がないのは、女性特有の月のもののせいかな…なんて思っていたが、さすがに期間が長すぎた

    トレイに残された、殆ど手がつけられていない夕食

    その内のパンだけを紙にくるんで…

    俺は食堂を後にした
  4. 6 : : 2014/06/10(火) 23:03:35
    分隊長の部屋に、せめてパンだけでも届けようと思いながら歩いていると、横合いから声がかかった

    ペトラ「モブリットさん、こんばんは!良いところに!!」

    リヴァイ班の紅一点、ペトラだった
    小柄でくるくると良く動く大きな瞳の彼女は、調査兵団でもとても人気だった

    オルオ「モブリット副長、こんばんは、今日は分隊長はいねぇんですね」

    ペトラの隣にいた男…オルオは、年齢にしては少し老けて…げふん…大人びた顔をしていた

    モブリット「やあ二人とも。所でいい所にってなんだい?」

    ペトラ「あっそうそう!!次の実験に使う器具の材料を調達したので、見ていただきたくて」

    モブリット「それはご苦労様だったね。分隊長は部屋に行かれたから、俺が確認しておくよ」

    と言うわけで、ペトラとオルオに連れられて、夜の運動場へ足を運んだ
  5. 7 : : 2014/06/10(火) 23:14:57
    モブリット「本当に沢山すまなかったね、リストまで作ってもらって…分隊長に渡しておくからね」

    オルオ「モブリット副長っていつも分隊長のおしりにくっついてるイメージあるんすけど、最近はあまり一緒にいないっすね」

    オルオのその言葉に、少し胸が痛んだ気がした

    ペトラ「オルオ!!しりにくっついてるだなんて失礼ね!!ばか!!」

    オルオ「いでっ…殴るなよ、ペトラ…」

    頬を膨らませて怒るペトラに頭を叩かれたオルオは、心なしか嬉しそうにみえた

    そんな彼らを見ていると、悩みなど吹き飛んでしまうくらい愉快な気分になった

    モブリット「君たちは仲がいいな…ははは」
    俺は自然と笑みがこぼれた
  6. 9 : : 2014/06/10(火) 23:22:39
    彼らと別れた後、材料のリストとパンを持って分隊長の部屋に行った

    確か食事の後、部屋に戻ると言っていた

    部屋の扉をノックしたが、返事はなかった

    もう一度ノックをし、今度は声を掛けてみる

    モブリット「分隊長、いらっしゃいますか?」

    だが、部屋からは返事も反応も、返って来ることはなかった

    俺はまた、ため息をついた



  7. 10 : : 2014/06/10(火) 23:31:29
    何だか最近、本当に変だ

    何がって…分隊長がだ

    食欲はないし、いつも顔が赤い
    突然話し出したかと思ったら、突然押し黙る

    そして俺と、目を合わせようと、しない

    業務にまで支障をきたしそうなくらい、意思の疎通が図れていない気がする

    副官として失格だ

    どうしたら良いだろう

    何か俺に問題があるのなら、教えてもらいたいが、とにかく話すらまともにしてもらえそうにない
  8. 12 : : 2014/06/11(水) 12:26:23
    とりあえず部屋に戻るべく廊下を歩いていると、後ろから誰かが駆けてくる音がした

    モブリット「…ニファ」

    ニファ「モブリット副長!!こんばんは!!」

    ニファは振り向いた俺の前でピタッと立ち止まり、敬礼をした

    モブリット「やあ、相変わらず元気だね」

    ニファ「副長は…元気じゃないんですか?最近は生き急ぎすぎです!!とか、あんたほんとに死にますよ!!とかの名言も発しないですし…」
    ニファの心配そうな顔

    モブリット「俺は…元気だよ」
    班員に余計な心配はかけたくない

    俺は笑顔で言葉を発した


  9. 14 : : 2014/06/11(水) 12:50:47
    ニファ「元気には見えないんですけどね~。そういえば、ハンジさんも元気が無かった気がするなあ…」

    やっぱり端からみてもそう見えるか

    少し、話してみようか…

    モブリット「なあ、ニファ、最近…」

    ニファ「はい?」

    モブリット「分隊長が変だ」

    俺は意を決してそう言った

    俺の真剣な眼差しを、大きな瞳で受け止めるニファ

    次の瞬間…

    ニファ「…あらやだ、元から変じゃないですか!!あはは」
    そう言って、愉しげに笑うのだった


  10. 15 : : 2014/06/11(水) 13:07:13
    モブリット「元からって、君ね…」
    俺はこめかみを指で押さえた

    ニファ「ハンジさんは変わってますもん。でも強くて凛々しくて頭が良くて、眼鏡とって髪を下ろしたらすっごく綺麗で、胸も結構柔らかくて大きくて…憧れです!」
    ニファは何故か両手をわきわきと動かしながら、そう言った

    モブリット「む、胸…?」
    そんなもの分隊長にあったか、記憶を探ろうとすると、ニファに小突かれた

    ニファ「こらぁ!!想像しない!!これだから男はやあねぇ…あはは」

    モブリット「ニ、ニファ…俺は真面目に…」

    ニファ「えっ!?真面目にハンジさんの胸を妄想しているんですかっ!?」

    モブリット「ち、ち、違う!!いい加減にしてくれよ、ニファ」
    俺は頭を抱えた
  11. 18 : : 2014/06/11(水) 15:02:09
    ニファ「私はハンジさんとよくお風呂ご一緒しますからね♪いいでしょう!?副長!!」

    ニファはにやにやと笑みを浮かべながらそう言った

    モブリット「いや、いいでしょうと言われても…」

    ニファ「羨ましいくせに~うふふ」

    モブリット「…断じて、羨ましく、ない!!」
    俺はきっぱりそう言い放った

    ニファ「あ、そうですか…てっきり副長はハンジさんが好きなんだと思っていましたが、違うんですね~」

    モブリット「な、なんでそうなるんだ…」
    はぁとため息をつく俺に、ニファはちらりと目をやった

    ニファ「…まあいいです。それより、私はハンジさんが元気ないのが非常に気掛かり。誰のせいなんだろ…私の大好きなハンジさんの元気無くすような事をする人は…切って捨てるつもりです!!」

    ニファは拳をにぎりしめながらそう言った

    モブリット「ニファは、分隊長が本当に好きなんだね」
    何だかわからないが、自分の気持ちをストレートに外に出すニファを、羨ましく思った

    ニファ「大好きですよ!?部下として!!モブリットさんだって、好きでしょう?嫌いならあんなに世話やけませんよ~ね!?」
    ニファはそう言ってにっこり笑うと、俺の肩をぽんと叩いて、立ち去った
  12. 19 : : 2014/06/11(水) 15:29:55
    部屋に戻り、先程渡せなかったペトラ達の書類に目を通す

    ふと、先程のニファとの会話が頭によぎる

    分隊長が元気がない理由…それに自分が関わっているというのは何となくわかる

    ということは、俺はニファに切って捨てられるんだな

    そう考えると、不謹慎にも笑ってしまった
    まっすぐなニファが可愛らしいし羨ましいと思った

    明日は普通に朝食をとってくれるだろうか…

    結局書類に目を通していても、頭の中は分隊長の事でいっぱいになる

    だめだ、仕事にならない

    今日の所は諦めて、休む事にした

    朝になればきっといつも通りの、元気な分隊長だといいんだけどな…

    密かに期待しつつ、睡魔が訪れるのを待った



  13. 22 : : 2014/06/11(水) 16:59:54
    翌朝

    いつもの時間に起床し、身なりを整え、油断していると伸びてくる髭を剃る

    清潔には気を使ってきた
    見た目も、出来る限りきちんと、整えていたつもりだ
    分隊長はいくら男勝りの変人とはいえ、一応女性だから

    いつも側に控える身として、なるべく邪魔にならないように、煩わしい存在にならないように、心がけてきた

    調査兵団に入ってしばらくしてから、分隊長の側仕えとなってから今まで、ずっとこうしてきた

    そう、朝だけじゃない
    昼夜問わず、俺自身が行動を変化させたようなことは何一つ無かったはずだ

    行動が変わったのは分隊長だ…

    そうこうしている間に、時間がきた

    いつもの時刻に分隊長室をノックする
    これもずっと続けていた日課だった

  14. 23 : : 2014/06/11(水) 17:16:01
    午前七時半

    きっかりに分隊長の部屋の扉をノックする

    モブリット「分隊長、おはようございます」

    しばらく待つと、今回は返事が返ってきた

    ハンジ「…あ、あー!!ちょっと、まだ支度ができてないんだ」

    慌てたような分隊長の声に、少し頬が緩む
    返事が返ってきた事に、ほっとした

    モブリット「…では、外でお待ちしていますから、ごゆっくりどうぞ」

    そういえば、支度が出来ていないんだと言うようになったのも最近だな

    前までは寝間着のままだろうと、ぐしゃぐしゃの頭のままであろうと、そのまんま平気で俺を部屋に入れていたのに

    俺は首を傾げた
    心境の変化でもあったんだろうか…

  15. 26 : : 2014/06/11(水) 19:12:33
    しばらく部屋の前で待っていると、分隊長が出てきた

    爽やかな笑顔を見せている…良かった、元気なようだ

    だが、なにか変だ

    ハンジ「おはようモブリット、待たせたね」

    笑顔で挨拶をする分隊長の何が不自然なのか、すぐにわかった

    モブリット「おはようございます、分隊長。ところで…眼鏡は?」

    俺の言葉に分隊長は、はっと顔に手を当てる

    あるはずの位置に眼鏡がないことを確認したのだろう

    その瞬間、分隊長の顔が朱に染まったように見えた

    ハンジ「わ、忘れてた…待ってて…」
    分隊長は慌てて部屋に逆戻りした

    眼鏡を忘れるなんて、今まで一度もなかったはずだ
    分隊長はやはり何かがおかしい

    しかし…さっき垣間見せた恥ずかしげな表情

    それが、いつになく魅力的に見えた

    いや…だめだ、慌てて首を振る
    昨夜のニファの話のせいか、妙に意識してしまう

    自分は副官、自分は部下
    心の中で自分に言い聞かせた
  16. 27 : : 2014/06/11(水) 20:16:06
    部屋から眼鏡を掛けて出てきた分隊長の顔は、やっぱり赤かった

    眼鏡を忘れた事がそんなに恥ずかしかったのか

    その瑞々しいとも言える表情に、思わず見入ってしまいそうになる
    だが、寸前で堪えて、いつも通りの笑顔を作った

    他愛の無い会話をしている最中、また分隊長は急に俺から視線を逸らした

    顔に何かついているのかな…?

    少々不安になりながら、食堂へと足を運んだ

  17. 32 : : 2014/06/12(木) 11:31:20
    ハンジ「いただきまーす」
    そう言ってパンをぱくつき始めた分隊長

    良かった、今日は食べてもらえそうだ

    大きく口を開けて、パンにかじりつく姿は何だか可愛らしく思えた

    なんて思った瞬間

    ハンジ「おいひい…ウグッ…」
    分隊長がパンを喉に詰まらせた

    モブリット「ぶ、分隊長、慌てすぎです!!水、水!」
    俺は慌てて分隊長の口に、水が入ったコップを宛がう

    そして、ドンドンと背中を叩く

    やがて、分隊長はふう…と息を吐いた

    モブリット「はあ、良かった…パンを喉に詰まらせて窒息死…なんて笑われますよ…分隊長」
    俺もふぅと息を吐いた

    ハンジ「あ、危なかった…ありがとう、モブリット…君は命の恩人だよ」
    そう言って微笑む分隊長の目には涙が溜まっていた

    苦しかったんだろう、全く…
    本当にいつも生き急ぎすぎなんだからな、この人は

    俺は心の中でそう思いながら、ハンカチで涙を拭いた
    モブリット「いえ、命が助かって良かったです」

    言葉に出してそう言うと、分隊長は小さく頷いて、顔をまた赤くした




  18. 34 : : 2014/06/12(木) 17:42:01
    今日は良かった
    分隊長が朝食を全て食べてくれた

    パンを喉に詰めるというハプニングはあったが、大事には至らなかったし

    …至ったら困るけどね

    昨夜渡しそびれた書類を分隊長に手渡し、今日の任務につくために移動する

    分隊長は書類に目を通しながら、時折頷いていた

    仕事をしている時の分隊長の表情は、とても凛々しい…ニファも言っていたけど、俺もそう思う

    ふと窓に目をやると、明るい日差しが窓から射していた

    今日はいい天気だ

    そう思いながら両手を伸ばして伸びをした

    何だか視線を感じて分隊長をちらりと伺うと、俺を凝視していた

    最近そんな感じで見られる事が多い気がする

    何かついているのか…

    モブリット「分隊長?」
    そう声を掛けると、分隊長は慌てて視線を反らす

    ハンジ「いやあ、いい天気だねえ!!」
    すっとんきょうな声でそう言う分隊長の顔は…

    朝なのに夕日が差している様に、朱に染まっていた

  19. 35 : : 2014/06/12(木) 23:30:32
    駐屯兵団本部に向かう道すがら、他愛の無い町の風景に目をやる

    トロスト区は以前の巨人襲来で、かなりの被害が出た

    だが逞しく生きる人々は、笑顔で生き生きと輝いていた

    子ども達も元気だ

    自然と頬が緩む

    こういう笑顔を守るために戦っている
    …そう信じていた

    隣を歩く分隊長も、同じ気持ちだろう

    副官として側につくようになって早5年
    信頼関係は確立されていると思っていた

    だが最近はどうだろう…

    どうも首を傾げる事が多くなってきた

    機嫌良く先程までにこにこしていたのに、今はまたため息をついて、俯いている

    感情の起伏がもともとはっきりしていて分かりやすいはずなんだが

    最近の分隊長は本当に分からなかった

    一度ゆっくり話をしなければならないかもしれないな…

  20. 36 : : 2014/06/13(金) 10:01:17
    駐屯兵団での打ち合わせも滞りなく済み、外へ出た時にはすでに昼を過ぎていた

    分隊長は話し合いに満足したからか、足取りも軽く、まるでスキップでもし始めそうな程だった

    モブリット「うまく話が進んで良かったですね、分隊長」

    ハンジ「うんうん、ずっと考えていたのが形になりそうで嬉しいよ、ありがとうモブリット」
    そういってにかっと笑う分隊長は、皆が抱く、底抜けに明るいイメージに沿った物だった

    だが本当の分隊長は、皆が抱くイメージとは少し違う
    普段人には見せないだけでいつも何かに悩み、苦しんでいる

    人一倍優しく責任感の強いこの人の背負う何かを、少しでも軽減させてあげられたらと思いここまでやってきた

    この人の側に配属されてもう五年以上がたつ
    まさかここにきて、意志の疎通に支障をきたす様な状況になるとは、思いもしなかった

    モブリット「分隊長お腹がすきませんか?本部に戻っても昼食時間はとうに過ぎてしまっていますし、何か食べて帰りましょうか」

    心の中の不安はとりあえず横に置いて、さしあたって生きるために必要な食事について提案する

    ハンジ「うん、そうしようか」

    モブリット「何が食べたいですか?」
    俺の問いに、分隊長はきょとんとした顔を見せる

    ハンジ「あ・・・えっと・・・」
    立ち止まり、顎に手をやって真剣な眼差しで思考に耽る分隊長

    とても絵になると思う・・・考えている内容は昼食の事だけど

    モブリット「何でもいいですよ、ごちそうしますから」

    ハンジ「えっ?いやいやいいよそんなの、昼ごはんくらい自分で出すよ!というか君の方が給料少ないじゃないか・・・私がおごるよ!」
    分隊長は首をぶんぶんふった

    モブリット「確かに俺の方が給料が少ないですけど・・・まあたまにはいいじゃないですか」

    ハンジ「・・・う、うん」
    そういって頷く分隊長の顔は、また赤く染まっていた



  21. 37 : : 2014/06/13(金) 10:30:18
    結局分隊長が食べたいと言ったのは、屋台のフィッシュアンドチップスだった

    白身魚のフライと、薄くきった芋のフライだ
    香ばしい香りが食欲をそそる

    昼下がりの公園の木陰のベンチで、少し遅めのランチタイム

    この空間だけを切り取ると、とてもじゃないが巨人の脅威にさらされている様には思えない
    そんなうららかな午後

    美味しいと顔を綻ばせる分隊長を見ているだけで、なんだか自分がお腹がいっぱいになりそうだった

    ハンジ「モブリットは、食欲がないの?」

    分隊長を気にしていたせいか、自分の食事の手が止まっていた

    モブリット「いえ、食欲はありますよ」

    ハンジ「なら、良かった」
    そう言ってにっこりと笑う分隊長が、なんだかとても・・・可愛らしく思えた
  22. 38 : : 2014/06/13(金) 10:47:54
    ふいに真剣な表情に変わる分隊長

    食事の手も止まった

    何か思い悩んでいる、そんな風に見える

    俺には、話してはもらえないだろうか
    いつもなんでも話してくれていたと思っていた

    だが最近はめっきり俺に相談してくる事が少なくなった
    ・・・頼りにならなくなったのかな

    ふと、分隊長の表情が悲しげに歪んだ

    笑っていたと思ったらこうだ

    情緒不安定なのだろうか・・・
    どうしたら、落ち着く事が出来るだろうか

    モブリット「分隊長・・・?大丈夫ですか」
    俺にできる事と言ったら、差し障りなく声を掛ける事くらいだ

    分隊長ははっとした表情で俺を見て、はかなげにほほ笑む
    ハンジ「あ、ちょっと考え事してた、大丈夫だよ」

    その表情がなんとも切なく頼りなげに見えて、思わず抱き寄せたい衝動に駆られた

    そうすれば落ち着くというのならそうしよう
    だが、本当にわからない

    今は見守るしかない、そう思った

  23. 39 : : 2014/06/13(金) 11:15:28
    兵舎に戻ってからは、事務処理に追われた

    黙々と書類に打ち込むその姿もまた凛々しい

    分隊長の真剣な表情は、とても美しく思う

    もちろん見惚れている暇などなく、てきぱきと書類整理に勤しむ

    そんな矢先、分隊長室に珍客?が訪れた

    ニファだった

    彼女はふろセットを抱えてにこにこしていた

    ニファ「ハンジさん、おふろいきませんかー!って、お仕事中でしたか」

    分隊長を風呂に誘いに来たんだ

    ニファは分隊長と風呂に入るのを楽しみにしているらしい

    殆ど事務処理も終えているし、疲れがたまっていそうな分隊長が少しでもリラックスできたら、そう思い、分隊長を風呂に送り出した

    ニファの捨て台詞「副長はハンジさんの裸でも妄想しつつ書類処理頑張ってくださーい!」

    この一言だけは余計だけど、ニファの明るさにはいつも助けられている、そう感じた
  24. 41 : : 2014/06/13(金) 17:05:28
    分隊長が風呂に行っている間に、残った書類を全て片付け、今日の任務終了

    窓の外から、夕焼けの朱色が部屋に射していた

    そろそろ暗くなる時刻

    部屋に明かりを灯し、簡素なソファに腰を下ろしていると、急に眠気が襲ってきた

    少しだけ目をつぶろう

    分隊長が風呂から戻るまで、しばしの間…静かな一時を過ごす
  25. 42 : : 2014/06/15(日) 11:46:43
    ふと頬に違和感を感じた…強烈な、痛み

    その感覚に、何事かと目を開くと…

    ハンジ「ぷ、ぷ…」
    分隊長が、俺の頬をつまんで伸ばして、笑っていた

    モブリット「…ぶ、ぶんひゃいちょう!?何が起こったのかとおもふぇば…」
    言葉を発したが、両頬を引っ張られて思うように発音出来ない

    案の定、分隊長は楽しそうに笑っていた

    頬は痛い、だが分隊長がこうして笑うのを見るのが久しぶりで…

    自分は痛みと戦いながらも、ほっとしたのだった

  26. 43 : : 2014/06/15(日) 12:01:11
    モブリット「ああ、うたた寝していたらいきなり酷い目にあった…」
    俺は、やっと解放された頬をさすりながら、分隊長にそう言った

    ハンジ「ごめん、ついつい…どこまでのびるかなってね」
    分隊長のいたずらっぽい笑みを見るのも久しぶりで、胸が熱くなった

    モブリット「…まあ、いいです。分隊長が楽しそうな様子を見られて何より」

    ハンジ「…うん、楽しいよ」
    俺の言葉に、笑顔でそう言う分隊長は、とても晴れやかで、見ているこっちも晴れやかな気分になれそうだった
  27. 44 : : 2014/06/15(日) 12:14:01
    突然分隊長が、俺の手を、ぎゅっと握った

    ハンジ「あのさ、モブリット…お願いが、あるんだけど…」
    分隊長は、俺の顔を上目使いで見ながらそう言った

    モブリット「な、何ですか、分隊長?」
    突然の態度の変化に、思わず声が上ずってしまった

    ハンジ「明後日、休暇だよね?」

    モブリット「はい、そうですね」

    ハンジ「…一緒に…出掛けない?たまには…どう、かな?」
    頬を赤く染めながら、分隊長は恥ずかしげにそう言った

    これは、もしかして、そういうことなのか…?

    目の前に、頬を染めながら、何処かに行こうと誘う異性
    …そう、だったのか

    そこで、俺は全てを悟った気がした
    だから…

    モブリット「はい、是非そうしましょう。折角の休みですから、のんびり出来るところに行きたいですね」

    ハンジ「うん」
    こくん、と頷く分隊長は、とても調査兵団の幹部には見えないくらい、可愛らしかった

    モブリット「行き先は…考えておきますね、っと…何処か行きたい場所とか、やりたいこと…とかありますか?」

    ハンジ「…ううん、任せるよ。のんびり出来るところでいいよ」
    分隊長はそう言って、握っていた俺の手を離した

    モブリット「了解いたしました、分隊長」
    分隊長の赤く染まった顔は、得も言われぬ程美しく見えて、俺の手から逃げたその手に、自分の手を重ねた
  28. 47 : : 2014/06/15(日) 15:06:41
    夕食をいつも通り食べ終えて、分隊長を部屋に送る道すがら、何げない会話をした

    分隊長は以前と同じ様に、にこやかな笑顔を見せてくれていた

    当たり前だと思っていた日常は、実はとても貴重な物なんだと、何となく思った

    ハンジ「じゃあモブリット、明日はいつも通り、明後日は…よろしくね」

    分隊長は部屋の前で、にっこり笑ってそう言った

    モブリット「はい、こちらこそ、よろしくお願いいたします。おやすみなさい、分隊長」

    ハンジ「おやすみ、モブリット」
    照れたような笑みを浮かべて、分隊長は部屋に消えた
  29. 52 : : 2014/06/16(月) 11:11:34
    さて、分隊長を部屋に送り終えて自室に戻った俺は、ふぅと息をついた

    分隊長の態度の変化の理由が、何となくだがわかった今、すべき事は、明後日のプランを立てる事と、自分自身の気持ちと向き合う事だ

    明後日はのんびり出来る場所…静かな所がいい

    少し遠出をしてみようか

    頭の中で、壁内の地図を思い浮かべながら、良い所がないか探す

    ある場所に思い当たり、頷く…あそこなら静かで、だがいろいろ楽しめそうだ

    行き先は決定した

    後は、自分の気持ちだ

    まあ、分隊長は少々変わっているから、あんな態度をとるからと言って、間違いなくそう、だとは限らない

    だが、そうだとすれば、全てに合点がいく

    自分は分隊長をどう思っているのか

    敬愛する上司だ、それは間違いない

    危なっかしい所があるから、放っておけない

    生活習慣に乱れがあるから、常に体調管理に気を配らなければいけない

    …俺は母親の様だ

    ふと垣間見せる真剣な眼差しや、自然に溢れ出すような笑顔、心の底にある寂しげな部分

    それらを全て引っくるめて、分隊長を守りたいと思っている

    そうだ、俺は…
    分隊長に惚れている、のかもしれない

    自分も気がつかない間に、そうなっていたのかもしれない

    何にせよ、明後日にゆっくり話す機会があるだろう

    明日は任務終わりに、いろいろ準備しなきゃな

    とりあえず今日は早めに就寝する事にした



  30. 56 : : 2014/06/16(月) 16:46:01
    翌朝いつも通りに分隊長を起こして、いつも通りに任務をこなした

    今日は兵舎で夕食を食べる時間がないかもしれない

    明日の準備に今から買い出しだからだ

    分隊長はというと、ニファと買い物に行くらしい
    ちょうど良かった、いろいろと準備をする事は分隊長には内緒にしたかったからな

    別れ際、ニファは俺に勝ち誇った様な笑みを浮かべて
    ニファ「今日は私、分隊長とデートなんです♪邪魔しないでくださいね、副長」
    と言っていた

    よほどそのデート、を楽しみにしていたんだろう
    ニファは任務中に何度も、今日の予定を分隊長に確認に来ていた

    本当に愛すべき人物だと思う

    彼女に愛されている分隊長は幸せだろう
    ・・・女同士だが

    さて、変な妄想になる前に、さっさと買い出しに行こう

    明日は準備のために朝も早い、必要な物を書いた紙片手に、町へと向かう事にした
  31. 57 : : 2014/06/16(月) 17:15:19
    町で必要な物を買い揃え、部屋に戻った

    途中で厨房に行って冷蔵庫に物を入れて・・・

    分隊長はニファと楽しくやっているだろう

    あの二人は本当に仲がいい
    同年代の友人があまりいない分隊長にとって、まさに妹の様な、そんな存在だ

    明日のために今日は早めに、一風呂あびて寝る事にした

    明日行く場所は、分隊長に気に入ってもらえるだろうか

    そんなとりとめもない事を考えながら、風呂にはいって就寝した
  32. 60 : : 2014/06/17(火) 10:20:47
    早朝―

    朝食の準備で忙しい厨房のすみっこに陣取って、孤軍奮闘していた

    昨日の買い出しはそう、食材を手に入れるためだった
    卵やハムや野菜で、簡単なお弁当作りだ

    卵は牛乳と砂糖を少し加えて卵焼きに

    ハムと野菜はパンにはさんでサンドに

    一口サイズに切った肉を焼いて串に刺す

    それらの事をてきぱきとこなす自分は、きっといい嫁になれると思う

    ・・・貰い手があれば、の話だが

    そうして、自分でつくった弁当を見て自己満足の笑みを浮かべて、少々調理担当に茶化されながら、厨房を後にした

    部屋に戻ってもう一度身なりを整えて、分隊長の部屋に向かった


    部屋の扉をノックをすると、返事が返ってきた

    ハンジ「モブリット、ちょっと待ってて、今支度してるから」
    焦った様な声が・・・

    モブリット「分隊長、あわてないでゆっくりでいいですから。自分外で待ってますね」

    ハンジ「う、うん、ごめんねモブリット、すぐ行くから」

    そんなやり取りを扉越しにして、一人兵舎の厩に向かった


  33. 61 : : 2014/06/17(火) 11:38:36
    兵舎の厩で自分の愛馬に荷物を載せて、後は分隊長が来るのを待つだけだった

    今日は馬で少し駆けた場所に行くつもりだった

    休日のために兵団の馬を使うのは気が引けたが、一応団長の許可は取った
    何に使うまで聞かれる事もなく、すんなり許可が下りてほっとしたのは内緒だ

    分隊長の愛馬も元気そうだった
    さきほど人参をやってきた

    勝手に外にだすのははばかられるので、とりあえずは自分の馬だけを連れてきた


    しばらく待っていると、やがて兵舎の建物の影から声がした

    ハンジ「モブリット、おはよう」

    声のした方向に顔を向けると、分隊長は何故か建物の影から顔だけをひょこっと出していた

    モブリット「おはようございます、分隊長」

    ハンジ「あ、今日は馬で何処かに行くんだ」
    分隊長は俺が連れてる馬を見て、はっとした様な顔を浮かべた

    モブリット「はい、少し遠出をしようかと・・・分隊長も馬の支度を」

    ハンジ「あ、うん・・・」
    分隊長は何となく落ち着かなさそうな表情を浮かべながら、建物の影から出てきた

    その姿を見て、自分が至らなかった事を痛感した

    モブリット「分隊長・・・」
    分隊長はワンピース姿だった

    髪はおろして、小さな髪飾りでこめかみのあたりを飾っていた

    ハンジ「ご、ごめん!この格好では馬に乗れないよね。着替えてくるよ」
    そう言って身をひるがえしかけた分隊長の手を、あわてて握り、引き留める

    驚いたように目を見開く分隊長の頬は、完全に朱に染まっていた


  34. 62 : : 2014/06/17(火) 12:23:41
    俺は、こんな時に掛けるべき言葉を、自分の頭の中の辞書から引っ張り出そうと、今までにないくらい頭をフル回転させた

    だが、こんな時に限って、適切な言葉が浮かんでこない

    思わず首を横に振った
    そして、ふうと息を吐く

    モブリット「そのままで、いいですよ、分隊長」

    俺はそれだけ言って、分隊長の腰のあたりに両手を添えた

    ハンジ「え、え?」

    慌てた様な分隊長を後目に、腕に力を加えて、よいしょとその身体を馬の上に乗せる

    馬の背に対して横向きに、座らせたのだった

    モブリット「さ、行きましょうか」

    ハンジ「え、え?待ってモブリット、これはどういう・・・」
    分隊長はまだ自分の今の状況が理解できていないようだった

    モブリット「スカートなんですから、またがれないでしょう?だから横に座って頂いただけです」

    ハンジ「いや、そうなんだけど、君は・・・どうするの?」
    分隊長は顔を真っ赤にしながらそう言った

    モブリット「どうするって・・・」
    俺はあぶみに足をかけて、ひょいといつもの様に馬にまたがった

    分隊長の、後ろに

    ハンジ「ふ、二人乗り・・・」

    モブリット「分隊長、危ないですから、しっかりつかまっていてくださいね」
    分隊長の片手を自分の腰に、もう片方はしっかり手綱をにぎらせた

    それを確認した後、愛馬に脚で出立の合図を送った





  35. 63 : : 2014/06/17(火) 15:08:25
    分隊長を前に乗せて、兵舎の門までゆっくり駆ける

    分隊長は、ぴくりとも動かなかった
    ただ、俺の腰にしっかり手を回して、服の裾を握っていた

    門には勿論、門番の兵士がいた

    手を上げて挨拶をすると、何やら紙を握らされた

    兵士「副長に言付けです。お気を付けて」
    兵士は珍しそうに俺達を見ながらそう言った

    モブリット「言付け?何だろう…ありがとう」

    ハンジ「い、行ってきます」
    分隊長は門兵に、蚊の泣くような声でそう言った

    門の外に出て、その言付けを確認した俺は、吹き出しそうになった

    モブリット「…全く…」
    こめかみを押さえて、呻くように言葉を発した

    ハンジ「言付けって何だったの?」
    そう、後ろを振り向いて聞いてくる分隊長に、ひきつった笑顔を見せる

    モブリット「…大したことではありませんよ」

    言付けの内容は…

    分隊長に今聞かせるわけにはいかない、そんな内容だった

    ともあれ、いつもより幾分スピードを抑えて、目的地に向かって愛馬を走らせた

  36. 64 : : 2014/06/17(火) 17:37:59
    小一時間程馬を走らせ、一旦休憩をとることにした

    兵団の馬ならまだまだ駆ける余力はあるが、人を二人乗せ慣れていないから、念のため

    後は、まだ朝食をとっていなかったからだ

    先に馬から降りて、分隊長に手を差し伸べると、その手をとって、ひらりと地面に降り立った

    その弾みで、スカートがフワリとまくれあがった

    ハンジ「うわわ、やってしまった…」
    分隊長は慌ててスカートを押さえたが、時は既に遅し

    俺の目ははっきりと、分隊長の下着の色まで把握した

    いや、見たくて見た訳じゃない
    見えてしまった、それだけだ

    モブリット「分隊長…はしたないですよ」
    俺は眉をひそめてそう言った

    分隊長は頬を赤らめて、だがにやりと不敵な笑みを浮かべて言葉を発する
    ハンジ「モブリット、見たな~?」

    モブリット「分隊長の下着の色は、薄いピンクでした」
    ふん、と鼻を鳴らしてそう言った
    見たものは見た、だから正直に…

    ハンジ「うわあ、見るなよ、エッチ!!」

    モブリット「見せないで下さいよ、そんなもの」

    ハンジ「そんなものって、ひっどいなぁ!!」
    分隊長は頬を膨らませた
  37. 72 : : 2014/06/18(水) 12:13:03
    木陰に腰を下ろす分隊長に、水とパンを差し出す

    ワンピースからのぞく脚はすらりとしていて、足首なんかは華奢で、こんな身体であれほどの立体機動をやってのけるんだと思うと、心底尊敬した
    才能というやつなのかもしれない

    女だという事をあまり普段意識させない分隊長は、男性よりも女性に人気がある
    ニファにしかり・・・だ

    だが、実はだれよりも女性らしいところがあるんじゃないかなと、思い始めていた

    意図的になのかどうかはわからないが、女性らしいところを見せていないだけの話だ

    こうして女らしい格好をすればそれなりに・・・いや、十分に一目を引くと思う

    髪もおろしていて、いつもとは180度雰囲気が違う

    ニファの命令?なんだろうが、朝から一生懸命慣れないワンピースを着て、髪の毛を撫でつけていたと思うと、無性に愛しさがこみ上げてきた

    パンを口に運びながら、機嫌良さそうに笑顔を見せる分隊長に、つられて笑顔になりながら
  38. 73 : : 2014/06/18(水) 12:19:14
    それから、また目的地へ向かって進む

    しばらく進むと、突然分隊長が甘えたような声を出してきた
    ハンジ「ねえ、モブリット」

    モブリット「な、なんですか?」
    突然そんな声色で話かけられて、どきっとした

    しかも言った言葉が
    ハンジ「あのさ・・・我慢できない・・・」

    吹き出しそうになったのを寸前でこらえて、辛うじて言葉を発する
    モブリット「はぁ?なんですか突然、トイレですか?」

    ハンジ「違うんだ。その・・・跨りたいというか・・・」
    恥ずかしげにそう言う分隊長の言葉に、俺の頭の中がパニック状態になった

    モブリット「ま、跨りたい?」
    この人何言ってるんだ、真昼間から・・・いや、俺の頭がおかしいのか・・・?

    俺は必死に頭を振った

    ハンジ「違う、そういう意味じゃない!我慢できないし跨りたいんだけど・・・」
    我慢できない、またがりたい、何て言われたらいやでもそう思ってしま・・わないか?

    モブリット「そういう意味ってなんですか?!事故ってしまいそうですから、おとなしく黙っててくださいよ」
    動揺しすぎて馬に影響が出てはいけない、深く息を吸って落ち着かせようと試みた

    ハンジ「違うんだ本当に、馬に、跨りたいんであって・・・」
    そうだよな、そうなんだ、馬に跨りたいという意味に決まってるんだ、やっぱり俺はどうかしてる・・だが

    モブリット「駄目です!そんな格好で馬にまたがるのは却下です!」
    そんなややこしい言い方をする分隊長が悪い

    俺は全力でその提案を却下した・・・決して腹いせではない・・・と思う






  39. 74 : : 2014/06/18(水) 14:35:08
    山間部をしばらく馬で進んで、目的地に到着した

    山合に拓けた盆地の様なこの場所には、湖があった

    山に囲まれた緑の世界に、美しく青い湖

    山から流れ出す石灰岩が湖の底に溜まり、白い湖底が、水を鮮やかなブルーに彩っている

    馬を降り、スカートをはためかせて湖に向かって駆け出す、分隊長

    ハンジ「何ここ!凄い!!凄く綺麗!!どうなってるの!?」
    興奮気味に叫びながら…

    良かった、気に入ってもらえた様だ

    俺は馬を木に繋いで、ご苦労様の意味もこめてニンジンをくわえさせ、たてがみを撫でてやりながら、息をついた

    ハンジ「モブリットー!!早く早く!」
    湖の縁で手を振る分隊長は、やっぱり子どもの様にあどけなく見えた

  40. 75 : : 2014/06/18(水) 14:50:54
    モブリット「お待たせしました、分隊長」
    分隊長の側に歩み寄ると、ワンピースの裾が地面につくのも構わずしゃがみこんで、湖に手を突っ込んでいた

    ハンジ「これは…石灰質なのかな」
    白い泥を手に取りながら、分隊長は言った

    モブリット「そうです。回りの山々から流れ出す石灰岩が貯まって、白い湖底が作られた様です」

    俺の言葉に、分隊長はうんうんと頷いた

    ハンジ「神秘的だよね…」
    分隊長は湖の水でパチャパチャと白い泥を洗い、立ち上がった

    湖の奥を見つめるその表情はとても凛々しく、また美しく見えた

    神秘的な風景に、見事にはまっているなどと思うのは、言い過ぎだろうか…
  41. 76 : : 2014/06/18(水) 16:36:31
    ハンジ「ねえ、モブリット」
    分隊長が、突然振り向いた
    その表情は、少し困ったような、不安な様な…そんな風に見えた

    モブリット「はい、何でしょうか」

    ハンジ「…まだ、怒ってる?」

    まだ…と言うのは、さっきのあれか
    跨がるとかいう話

    モブリット「…いえ、怒ってなどいませんよ…最初から」
    そう、自分が一瞬でも勘違いしたのに腹が立っただけだ

    ハンジ「ふぅん…不機嫌そうに見えたけどなあ…」

    そうだ、分隊長に八つ当たりをしたと言えなくもない

    モブリット「いえ、怒っていません。強いて言うならば、自分に腹が立ったと言いますか…」
    首を振り、小さな声でそう言う俺に、分隊長は笑顔を見せる

    ハンジ「モブリットはさ…いつも悪くないよ。余計な事を言ったり、しでかしたりするのは、私!」
    そう言って、肩にぽんと手を置いた

    確かにその通りなのかもしれない

    だが、そういう所も引っくるめて…好きなのかもしれないな

    この人を慕う者達はね

  42. 79 : : 2014/06/18(水) 17:23:25
    しばらく湖を散策していたが、分隊長がお腹を空かせたため、先に昼食にすることにした

    木陰にシートを敷いて、そこに分隊長に座ってもらった

    ハンジ「モブリット、食べ物持ってきたの?野戦糧食?」
    分隊長の頭の中では、外で食べるものは野戦糧食…遠征時や、緊急時のカロリー重視の食べ物…がまず浮かぶようだ

    モブリット「違いますよ」

    シートの上に包を置くと、分隊長は包を剥がしにかかった

    ハンジ「わ、どうしたのこれ…いつのまに」

    包の中は、勿論俺が自己満足で作った弁当だ

    モブリット「朝作ったんですよ。お口に合うかどうかは分かりませんが」

    濡れた布巾を渡しながらそう言った

    ハンジ「肉まである!!凄い!!美味しそう!!」
    分隊長は目をキラキラと輝かせた

    モブリット「さ、どうぞ召し上がって下さい」

    ハンジ「うん、うん!!いっただきまーす!!」
    分隊長は元気よくそう言って、弁当に手を伸ばした
  43. 84 : : 2014/06/18(水) 21:51:29
    分隊長は、俺をお母さんお母さんと呼ぶようになった

    弁当がそんなに気に入ったのか
    口うるさい俺への当て付けなのか、はたまたその両方か…

    喜んで食べてくれるのは有りがたいし嬉しいが、お母さん、は内心複雑だ

    そういう意味、で俺を見ていたんだろうか、とかいろいろ考えて、少々複雑だ

    ハンジ「お母さん」
    またお母さん、と呼んだ
    口の中に肉を入れたまま

    モブリット「…口の中にものを入れて話さない…っと、何です、分隊長」
    ついつい注意してしまうのは悪い癖か

    ハンジ「お母さん、肉食べないの?」
    お母さん呼びが、どうやら分隊長の中で定着したらしい

    モブリット「お母さん…いや、俺は朝つまみ食いしましたので、それは分隊長の分ですよ」
    肉を食べない俺に気を使っているらしい

    ハンジ「お母さんも一緒に食べようよ!!ほら、あ~ん」
    また、何かやらかし始めた…

    冗談じゃない、俺はお母さんであって子どもじゃないんだから、あ~んなんて…

    いやまて、何かが違う!そうだ、俺はお母さんじゃない!!

    モブリット「いや、食べるなら自分で食べますから…」

    ハンジ「お母さん遠慮しない、ほらほらあ~んしなさい、あ~ん」

    モブリット「分隊長、俺で遊ばないで下さいよ!!」

    結局口に肉を押し付けられて、あ~んを強要されたのだった…パワハラだ…
  44. 85 : : 2014/06/18(水) 22:20:56
    ハンジ「あー、美味しかった!!満腹満腹!!ご馳走さまでした!!」
    分隊長は満足そうにお腹を叩いた

    モブリット「良かったです、沢山食べて頂けて」
    後片付けをしながら、空っぽになった弁当ケースを見て、何となく嬉しかった

    ハンジ「お母さんのお弁当は最高だね!!」
    分隊長は笑顔でそう言った

    モブリット「俺は…お母さんに任命されたんですね」

    ハンジ「うん、優しいお母さんだ!!」
    分隊長はにっこり笑った

    何となく腑に落ちないが、お母さんでもまああながち間違ってはいないなあと思った

    やってる事は、母親と同じだからね

    モブリット「さて、腹ごなしに散策の続きをしましょうか」
    俺は立ち上がりながら、言葉を発した

    ハンジ「何だか眠たいんだけど…」
    分隊長は眼鏡を額に上げて、目を擦った

    モブリット「食べた後直ぐに寝るのは良くありません。綺麗な場所があるんで、お連れしたいんです」

    ハンジ「綺麗な場所?」

    モブリット「はい」
    分隊長はしばらく俺の顔を見ていたが、やがて微笑んだ

    ハンジ「それは楽しみだね、行こう!!」
    分隊長はひらりと立ち上がり、俺の腕に自分の腕を絡めた

    こんな行動にどきっとするようでは、お母さんとして、失格だな
  45. 88 : : 2014/06/19(木) 11:52:51
    一度だけ、幼い頃に行ったことがあるこの神秘的な場所

    その中でも一番、自分の中で印象的だったその場所に、分隊長を案内した

    ピンクの小さな花・・・スイートピーが群生している場所だった

    湖の隣にある、天然の花畑

    分隊長は、その花畑を一目見るなり俺に、興奮気味に話しかけてきた

    ハンジ「モブリット・・・綺麗な花。しかもたっくさん」

    モブリット「綺麗でしょう?あれをお見せしたかったんですよ」
    俺の言葉に頷く分隊長

    ハンジ「凄いね、うん、綺麗だ」
    そう言って花ばたけに目を凝らすその表情もまた、美しく輝いているように見えた
  46. 89 : : 2014/06/19(木) 11:53:33
    分隊長は俺の腕からひらりと抜け出ると、その花畑の中に入って行った

    ただその足取りはゆっくり、注意深く

    花を踏みにじらない様に

    立ち止まった分隊長は、しゃがみこんで花とにらめっこ・・をしている様に見えた

    その姿からは、壁外で勇ましい立体機動をするなんて、到底想像できない

    普通に、いや普通以上に、女性らしい

    しばらくすると、分隊長がスカートをふわりとさせて、立ち上がった

    そして、俺の方を振り向いて、真摯な眼差しを向けて言葉を発する
    ハンジ「モブリット」

    何度も何度も、呼ばれ慣れている、俺の名前
    だが今回は、何故かどこかが違う様に感じた

    モブリット「はい、何でしょう」
    俺はいつも通りの返事をした

    分隊長のスカートが、風でふわりと膨らんだ
    それと同時に、その顔に、ふわりと笑顔がこぼれる


    その笑顔に思わず目を奪われた瞬間



    ハンジ「私は、君が好きだ」

    耳に入ってきた言葉は・・・小さく、だがはっきりと、聞こえた



  47. 90 : : 2014/06/19(木) 12:08:51
    俺はその言葉の持つ意味を、理解していた
    そう、言われるかもしれないと、心の中で期待していた

    だから、正直嬉しい

    だがそれと同時に、言いようのない不安にさいなまれる

    俺でいいのだろうかと・・・立場も力も、行動力もないこんな俺が、あの人と釣り合うとは思えなかった

    そうだ、行動力と勇気さえあれば、分隊長の口からこんなことを言わせる前に、なんとかできたはずだ

    分隊長の方が、勇気があったという事だ
    いつでもそうだ、戦場でも、そうだ

    分隊長の視線を受けながら、そんな事を考えていると、分隊長の表情が曇っているのがわかった

    この状況で、こんな不安げな表情を見せて、俺は何をやっているんだろう

    何か、言わなければ・・・


    モブリット「分隊長」
    なんとも気の利かない俺の言葉・・・
    何も言葉が出てこない

    ただ笑顔を見せなければと、必死に笑った

    分隊長は、真摯な視線を俺からはずさない

    ハンジ「私は君が好きだよ」

    もう一度、もっとはっきりと大きな声で、そう言った

    俺は、思わず目じりが熱くなった
    寸前の所でそれが決壊しないようにしながら、もう一度、笑う

    モブリット「ありがとう、ございます」

    やっぱり、気の利いた言葉は降りてこなかった

    だが、それを聞いた分隊長は何故か
    ハンジ「我慢できない・・・」

    とぼそっと呟いて、俺に歩み寄る

    我慢できない?と聞こえたような気がしたが・・・

    そう思った次の瞬間

    幅跳びの要領で、大ジャンプをしてくる分隊長の姿が俺の目の前に・・・

    慌てて受け止めるべく身構えた



  48. 91 : : 2014/06/19(木) 13:56:01
    俺は必死に、分隊長の身体を抱き止めようとしたんだが…

    モブリット「うわっ・・・!」
    その勢いと、ジャンプ力が想像を遥かに越えていて、分隊長に押し倒される形で、二人で地面に倒れた

    ハンジ「ちょっと・・・ちゃんと受け止めてよね」
    分隊長は憮然とした表情で、そう言った

    モブリット「そんなの、受け止められるはずないじゃないですか・・・あんなに助走をつけてダイブしてくるなんて・・・」
    そうだ、普通に駆け寄って来ると思った矢先の、あの大ジャンプ、対応しきれるはずがない

    ハンジ「ちょっと、ジャンプしただけだよ」

    モブリット「あなた、自分の身体能力を舐めてるでしょう?」
    分隊長は自分が驚く程に身軽だと、知っているはずなのに…

    ハンジ「手加減したもん・・・ああ、雰囲気が台無しだよ、君のせいで」
    分隊長は、不服そうな表情で、そう言った

    モブリット「雰囲気をぶち壊したのはご自分じゃないですか・・・」

    ハンジ「違うよ、君がしっかり受け止めなかったのが悪いんだ」

    分隊長が重いからでしょう!!

    なんて冗談でも言えるはずもなく

    モブリット「・・・はいはい、俺が悪うございました」
    諦めたような顔つきで、そう言うしかなかった

    すると、分隊長は突然、俺の頬をつんつんとつつく

    ハンジ「すねてる、すねてる・・・ふふ」
    そう言って、楽しげに笑った
  49. 92 : : 2014/06/19(木) 15:46:28
    モブリット「とりあえず・・・退いていただけませんか?重たいんで」

    ずっと組み敷かれた状態では、正常な判断が出来なさそうなので、そう提案した

    ハンジ「いやだね。私を受け止めなかった、バツだよ。退かない」
    だが、分隊長は首を振って拒絶した

    モブリット「・・・すみませんでした、もう少し勢いがなくて、もう少し軽かったら受け止められたと思うのですが・・・」

    謝らなきゃいけないのかな、と思い、誠意を持って…とまではいかないが、一応謝ってみた

    案の定、分隊長は首を振る
    ハンジ「違う、そうじゃない」

    モブリット「・・・俺の鍛え方が足りずに、あなたに恥をかかせてすみませんでした」
    もう一度、別角度から謝ってみる

    ハンジ「それも、違う」
    分隊長はまた、首を振った

    モブリット「・・・なんですか・・?」
    それ以上何を言っていいやらわからず、分隊長に尋ねた

    分隊長は、真摯な眼差しを、俺に向けた

    ハンジ「返事を聞いてない・・・私を受け止めるのか、受け止めないのか、その返事をもらってないよ」

    そうか、そうだ
    忘れかけていたが、告白されたんだった

    モブリット「・・・そうでしたね」

    ハンジ「そうでしたよ」

    俺は、分隊長の身体を乗せたまま、上半身を起こした

    分隊長の顔にかかる髪を、そっと後ろに解かすと…

    分隊長は、くすぐったそうに身じろぎをした

    その顔は、朱に染まっていた
  50. 93 : : 2014/06/19(木) 15:47:36
    分隊長の赤く染まった顔、眼鏡越しにもわかる、少し潤んだ瞳

    その全てが芸術的なまでに相まって
    言葉よりも先に、行動に出そうになる

    その衝動を必死に、水面下で抑える

    ふぅと息を吐き、自分が思ってきた事を、分隊長に話し始めた

    モブリット「あなたの様子が最近、変わっているのに気が付いて・・・正直不安でした」
    髪を、下ろして髪留めで飾って、普段そんなことを一切しない分隊長が…

    どれだけ勇気がいっただろう
    想像がつかない…しかもその勇気は、俺に気持ちを伝えるために出したものだった

    そんなことを思いながら、分隊長の髪を手で何度もすいた

    ハンジ「うん」

    モブリット「俺が何かやらかしたのかと、ずっとそう思っていたんです」

    何の相談もしてくれなくなった、と勝手に思い込んでいて、半分拗ねていた自分が思い浮かぶ

    ハンジ「うん・・・ごめんね」
    分隊長が、頭を下げた

    俺は、首を振る
    モブリット「いいえ、謝るのは自分の方です・・・よく考えれば、わかる事、だったんですから」

    髪をすいていた手で、分隊長の頬に触れると…
    分隊長は一瞬肩をびくっと震わせた

    ハンジ「わかりやすかった?」
    首を少し傾げて、俺の顔を覗く分隊長

    真っ赤な分隊長の頬は、熱を帯びたように熱かった

    モブリット「・・・後から考えれば、そうですね。あの時は、まったく思い至りませんでしたが」

    そっと頬を撫でると、
    ハンジ「きっと、近すぎて、わからなかったんだよ」
    分隊長はそう言って、微笑んだ

    モブリット「確かに、そうですね、近すぎて・・・わからなかった」

    その微笑みは、何よりも大切な、宝物の様に思えた
  51. 94 : : 2014/06/19(木) 16:59:53
    モブリット「俺は…あなたが好きです」
    頬を撫でる手を止めて、言葉を発した

    分隊長はじっと、俺を見つめていたが、

    ハンジ「…ふぅん、どんな風に?お母さんの立場として?」

    試すような口調で、そう聞いてきた

    モブリット「…どんな風に?そう…ですね」
    何と言っていいのか分からず、しばし悩んだ後、俺の脚の上に跨がる形の分隊長の身体を、抱き寄せた

    分隊長は、俺の胸に顔を埋めて、大きく息を吸い込んだ

    ハンジ「お母さんの…匂い」

    モブリット「違います、俺は男ですから…因みにお父さんと言うのも、無しです」

    ハンジ「だって…卵焼きの匂いがするもん…だから」

    分隊長は顔を上げて、笑顔を見せた

    どうしようもなく愛しいこの笑顔を、ただただ自分で独り占めしたくて、両手を分隊長の頬に添える

    モブリット「もう、お母さんでいいです」

    そう言って、分隊長の唇に、自分のそれをそっと触れさせた
  52. 95 : : 2014/06/19(木) 17:26:43
    ハンジ「…お母さんはさ、キスはしてくれるもんね」
    唇を離した第一声が、これだ

    あくまで俺はお母さんらしい

    モブリット「そう、ですか」
    俺は、分隊長の眼鏡を外し、自分の胸のポケットにしまった

    ハンジ「眼鏡をとられたよ…お母さんに」

    モブリット「お母さんにキスをされて、こんなに顔が赤くなるものですかね」
    頬を撫でながらそう言うと、分隊長は口を尖らせる

    ハンジ「なるよ、多分…んっ」
    もうお母さんだとは言わせない様なキスを、分隊長に施す

    苦しいのか、たまに漏れる声が余計に俺の身体の何処かを刺激して、尚一層唇を密着させた
  53. 96 : : 2014/06/19(木) 17:27:31
    唇を離すと、目の前に瞳を潤ませた分隊長の顔があった

    ハンジ「…お母さんは、エッチだ」

    モブリット「俺は、お母さんではありませんし」
    分隊長の真っ赤な頬を撫でながら、静かにそう言った

    ハンジ「…お母さん…」
    分隊長はボソッと呟いた

    モブリット「…まだ言うんですか。そうですか」
    剣呑な眼差しを向けてそう言うと、分隊長は首を振った

    ハンジ「冗談…モブリットはお母さんじゃない、うん!!」

    モブリット「わかって頂けたら、いいんです」

    ハンジ「モブリット、何だか怖いなあ…」
    分隊長は口を尖らせた

    モブリット「優しいですよ、お母さんみたいに」

    ハンジ「お母さんじゃないんだろ?言ってる事がおかしいよ…あはは」
    分隊長は、俺の胸に顔を埋めて、楽しげに笑った
  54. 97 : : 2014/06/19(木) 17:28:26

    俺の腕の中のこの人は

    よく暴走し、よくキテレツな行動をする
    危なっかしい事など日常茶飯事

    それも全ては夢の実現のため
    真っ直ぐに見据えるのは遠い未来の理想郷

    この限りなく手の掛かる、だが限りなく愛しい存在を

    男として、副官として、そしてお母さんとして…

    守っていく決意を、新たにする

    やることは今までとさして変わりはない

    ただお互いがお互いを、いつも近くに感じられる様に…

    支えあい、励まし合い、時には抱き締めあう

    そうして、未来への暗くて苦しい道のりを、乗り越えて行く

    いつか、明るい場所に辿り着ける、その日まで

    ―完―
  55. 98 : : 2014/06/19(木) 17:39:04
    お母さん(///ω///)♪何か可愛くて想像してしまいますね(笑)そして文章力!!もう本当に凄いです!!本当に88師匠の作品大好きです!!次も期待してます!!!
  56. 99 : : 2014/06/19(木) 17:49:24
    >EreAni師匠様様☆
    モブリットお母さん(///∇///)
    こんなお母さんがほしい!!
    師匠のような、何処か可愛らしい感じが出せたらと思って書いたので、嬉しい(´;ω;`)
    文章力…wいやん誉めすぎ(///∇///)
    私も師匠の作品愛してますよ!!
    いつもありがとう(´;ω;`)
  57. 100 : : 2014/06/19(木) 18:24:58
    ものすごく感動しました!
    ここまで完璧なモブハンをはじめて読みました!
    また美味しいのをよろしくおねがいしますっ(*・∀・*)ノ
  58. 101 : : 2014/06/19(木) 18:32:28
    読んでいる間ずっとドキドキニヤニヤしてました!
    お母さんは外せないんですか、そうですかw
    モブさん、お幸せに!!

    執筆お疲れ様でした!次回作も期待してます!
  59. 102 : : 2014/06/19(木) 18:32:36
    >ハンジもどきさん☆
    いつも読んでくれて、コメントもくれて、ありがとうございます♪
    感動したと言って頂けて嬉しいです!!
    完璧なモブハンを初めて…(´;ω;`)嬉しすぎて泣いてしまう…一番の、誉め言葉です
    私はモブハン伝道者として、モブハンだけは誰にも負けないものを、書き続け…たいと思います!!
    ちなみにハンジ視点の方は、まだ少し続きますんで、うふふしてて下さいw
  60. 103 : : 2014/06/19(木) 18:35:12
    >キミドリさん☆
    読んで頂き、ありがとうございます♪
    ニヤニヤしていただけて本望ですぅ!!(///∇///)
    お母さんに拘るモブリットww

    ハンジ視点の方はまだ少し続きますので、もしよければその後を|д・)のぞいてやって下さいw
  61. 104 : : 2014/06/19(木) 21:45:42
    モブリットとハンジさんの関係。
    それを忠実にすべてが原作と重なりとても素敵な作品でした。
    僕も今日、モブハンが好きになりました!
    最後にまさかのおかあさんと、実にイチャラブって感じで口角があがりました(笑)
    ニファ、オルぺトもいい味だしてました。
    総合的にやっぱり素晴らしかったです。尊敬です。
    これからもがんばりください。
  62. 105 : : 2014/06/19(木) 22:09:16
    >てんさん☆
    原作を意識して書いているので、その言葉がすごく、嬉しいです!!
    モブハン好きになってくれたんですか!!
    この上ない幸せです…(´;ω;`)
    モブリットお母さんは、うふふ、ですねw
    ニファも書いていて楽しかったです!!
    素晴らしいなんて、ほんとうにありがとうございます!!
    尊敬…(///∇///)だめよーだめだめw
    ハンジ視点では、この先の話を少し書きますので、そちらももしよければ、|д・)してやってくださいw
  63. 106 : : 2014/06/19(木) 22:14:51
    >>105
    見ますよちゃんと、|д・)します(笑)
    引き続き期待であります!
  64. 107 : : 2014/06/19(木) 22:15:34
    >てんさん☆
    ありがとうございますw
    によによw
  65. 108 : : 2014/06/20(金) 16:02:57
    Ms.88のお話を読むと、かっこいいモブリットくんと愛らしいハンジさんに出会えます。前にも言ったかもしれませんが、僕にはこういうハンジさんは絶対に書けないので、とても羨ましいです。執筆、おつかれさまでした!
  66. 109 : : 2014/06/20(金) 16:38:42
    >Artさん☆
    読んで頂きありがとうございますm(__)m
    原作ではかっこいいハンジさん、可愛いところもあっていいんじゃないかと思って書きました
    私はあなたみたいに感動できる話を書きたいです
    ありがとうございました!!
  67. 110 : : 2014/06/20(金) 22:05:33
    執筆お疲れ様でした!自分の中で新しいモブリットを垣間見た気がいたしました!
    男らしいモブリットと、可愛らしいハンちゃんにキュンキュンです♪
    いろんな方面で恋人を守るモブリットの気持ちが真っ直ぐで、彼とハンジさんの関係に魅了されました。
    素晴らしいssをありがとうございます♪
  68. 111 : : 2014/06/20(金) 23:59:48
    >ダーリン☆
    読んで頂き、ありがとうございます!!
    私が書くと、どうもかっこよくなりますね…愛ゆえに…
    ハンジさんは、戦っている時意外は可愛くあってほしいなあと…(///∇///)
    コメントありがとうございました!!
  69. 112 : : 2014/06/21(土) 13:05:09
    執筆お疲れ様です。

    乙女なハンジと男らしいモブリットに思わずニヤニヤしてしまいました(笑)

    ハンジとモブリットの性格・関係も原作に忠実で容易に妄想(笑)出来ました!

    新鮮フレッシュな美味しい(意味深)SSをありがとうございます♪
  70. 113 : : 2014/06/21(土) 15:27:53
    >Mさん☆
    読んで頂き、ありがとうございます♪
    可愛らしいハンジさんもたまにはいいよね!!
    モブリットは私が書くとかっこよくなってしまってw

    妄想たぎって頂けたら本望であります!!
    ハンジ視点はもう少し踏み込んだ美味しいおまけをつけてますのでw
    よければ|д・)してくださいw
  71. 114 : : 2014/07/25(金) 15:38:24
    良い!凄く良い!思わずニヤニヤしてしまいそうな素敵なssでした!またモブハン書いてください!
  72. 115 : : 2014/08/05(火) 00:40:15
    >マルコファンさん☆
    読んで頂き、ありがとうございます♪
    モブハン大好きなんで、これからも書き続けます♪
    また遊びに来てください!

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fransowa

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