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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

赤松「ただいま最原探偵事務所」

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  1. 1 : : 2021/02/02(火) 17:13:14
    注意書き
    ・ネタバレ、自己解釈、妄想含みます。
    ・これは私が過去に執筆した「最原探偵事務所シリーズ」のリメイク版です。また、『春川「さよなら最原探偵事務所」』の続編です
    ・更新はクソ遅いと思います。
    ・文章力はありません。
    ・多分あんま面白くないよ。
    ・荒らしやアンチコメはやめてね。
    ・諸々OKな人のみそのまま読み進めてください。
  2. 2 : : 2021/02/03(水) 18:24:31
    翌日


    霧切「なるほど、そんな事が…」


    霧切「最原くん、気持ちは分かるけど…」


    最原「分かってます。この事務所で殺人が起きた以上ちゃんと捜査しますよ…絶対に犯人を突き止めます。」


    霧切「…まるで春川さんが犯人じゃないみたいな物言いね…いえ、別に私自身彼女を疑ってる訳じゃないのだけど、探偵である以上私情は捨てないといけないから」


    最原「………ちゃんとした根拠もあります。」


    霧切「えっ?」


    最原「春川さんは殺しをする時、刀は絶対に使わないそうです。昔それで失敗したとかで…少なくとも彼女はそれの扱いに慣れていない。同じ暗殺者である秋山さんを使い慣れていない武器で殺すのは不可能だと思います」


    霧切「…そう」


    霧切「でも、自分に疑いがかからないようにわざとそうした可能性もゼロではないわ。そもそも死因があの刀だとはっきりした訳ではないし」


    霧切「それは、彼女の無実を晴らす決定的な証拠とはなり得ない。すぐに反論されるでしょうね」


    最原「…」


    霧切「それで、千田くんは行方不明なのよね?もしかしたら、既に殺されている可能性もあるわ…急ぎ捜索隊を出しましょう」


    最原「…はい、分かりました」

  3. 3 : : 2021/02/04(木) 19:41:10
    目が覚める


    ひどく懐かしい、大嫌いな部屋の香り


    見慣れたようで慣れない天井、寝心地がいいようで居心地の悪いベッド


    懐かしくも心地いいはずなのに、嫌になる程気味が悪い


    体の自由は、心の不自由だ


    私は人を信じない、どうせすぐに裏切る


    私は希望もしない、どうせすぐに絶望する


    私は期待もしない、どうせ何も変わらない


    私はこの世界が大嫌いだ


    大切な人を絶望に堕とす世界も、仮初めの希望を掲げる世界も、信じてもすぐに裏切る世界も


    みんながいた、大好きなこの世界も


    みんなを殺した、大好きだったはずの世界も


    全部、大嫌いだ


    みんな、みんなみんな大嫌いだ


    大嫌いだから、ひどく憎らしいから


    だから、私が殺す


    かつては愛していたヒトだから、唯一私が自然体でいられる相手だったから、大切な仲間だったから、親しい友達だったから


    他の何処の誰とも知らないクソ野郎に殺されるくらいなら、私が殺してあげなきゃ


    …そんな風に簡単に思えたら、どれだけ楽だっただろう


    赤松「…なんてね」


    我ながらすごく恥ずかしいポエムだ、それだけ病んでいたのだろうか


    赤松(私のスタンスは、昔も今も変わらない。他人は信じない、でも彼だけは信じる)


    赤松「だって、お姉ちゃんが信じた人だもんね」


    立ち上がると体が妙に軽い、そういえば服を着ずに寝ていたから当然だ


    適当に服を見繕って、私は部屋を出た。今、私がやるべき事をやる為に
  4. 4 : : 2021/02/04(木) 20:47:56
    お、期待ですね
  5. 5 : : 2021/02/04(木) 21:38:24


    4»俺はこのSSに賛成だ!!
  6. 6 : : 2021/02/05(金) 14:39:12
    >>4>>5 ありがとうございます!


    皇永「………」


    十神「そろそろ何か喋ったらどうだ?」


    皇永「あの時(・・・)負けたテメーらに話すことなんかねーよ」


    十神「何?」


    皇永「それより、そろそろ起きてるんだろ?殺人」


    皇永「そっちの捜査はしなくてもいいのか?」


    十神「何故それを…いや」


    十神(元々そういう計画だったと考えれば当然か…)


    十神「心配要らん、その件については霧切たちが操作に当たっている」


    皇永「へぇ…でもな、後手後手になってる時点でオマエラはもう負けてんだよ」


    十神「…」


    皇永「苗木誠も不運だよな、部下や仲間が役立たずな所為で全責任を押し付けられて、挙げ句の果て誰にも助けられることなく一度死んだんだからな」


    皇永「まぁ、そりゃあそうか…あいつ本人がどうしようもねー無能だもんな。大層な希望掲げてるくせに実力が伴わねー…人の上に立つような人間じゃねーんだ」


    皇永「何もかも判断が遅ーんだ。人の気持ちを優先しすぎるあまり漸く動いた時には全てがもう手遅れ…オマエラがもう少しちゃんとやってればオレ達は…………………、絶望に堕ちたりはしなかったろうな」


    十神「言いたいことはそれだけか?」


    皇永「…なに冷静ぶってやがんだ?はらわた煮えくり返ってるだろうに」


    十神「フンッ、子供の言うことを一々真に受けていては身が保たんからな。まぁ忠告として受け取っておこう」


    皇永「ケッ、つまんねーの」


    十神「また明日来る。次こそ何か喋って欲しいものだな」


    そう言って十神は部屋を出ていった
  7. 7 : : 2021/02/06(土) 04:35:58


    篠宮「………なぁ、アゲハ」


    俺は目の前の少女に語りかけた


    ??「なぁに、一年以上彼女になんの連絡もせず放ったらかしにしていた篠宮塁くん?」


    不貞腐れた少女の名前は小鳥遊アゲハ(タカナシ アゲハ)、俺と共に殺したいを生き延びた、元超高校級で尚且つ現役のアイドル声優の、俺の彼女である。


    篠宮「悪かったよ、放ったらかしにしてたのは…でもこっちにも色々事情が…それにお前には二度と絶望とは関わって欲しくはなかったし」


    小鳥遊「だからって行き先も告げずに家を出て行く?普通!それで一年も音沙汰ないとか、あたしがどれだけ心配してたか!」


    篠宮「………それにしてもよく俺の居場所が分かったな」


    小鳥遊「話を逸らさない!……色んな人に手伝って貰ったの」


    篠宮「…そうか」


    小鳥遊「あのね、あたしは確かにもう二度と絶望になんめ関わりたくないけど、それと同じくらい塁にも関わって欲しくないの。」


    小鳥遊「もしそれで塁が死んだり、絶望に堕ちたりしたら、その時こそ本当に何するか分からないよ?」


    小鳥遊「だから、なのかは分からないけど、除け者にはして欲しくない。塁がまた戦うっていうのならあたしだって戦いたい…そして最後まで一緒にいたい。もう誰かを失うのも嫌だし、置いてかれるのも嫌なんだよ」


    篠宮「あぁ、すまん。お前の気持ちを考えないで…」


    小鳥遊「…で、今の状況はどうなってるの?」


    篠宮「…チームダンガンロンパが潰れたのは知ってるよな?」


    小鳥遊「大きなニュースになってたからね」


    篠宮「それで、元チームダンガンロンパの社員の連続殺人事件が起きてる。俺はこれが絶望の仕業だと思う。ここのリーダーはその辺のこと何も教えてくれないがな…」


    小鳥遊「…どうするの?」


    篠宮「…あぁ、それは……」
  8. 8 : : 2021/02/06(土) 22:17:22
    部屋を出ると、見たくない顔があった


    真「おはようございます、昨晩は楽しかったですね」


    赤松「…は?」


    真「あれ、忘れてしまったんですか?あんなに乱れていらっしゃったのに」


    赤松「ふざけてんの?殺すよ?私とキミがそんな事する訳ないでしょ」


    真「怖い怖い…ねぇ椛さん」


    赤松「名前で呼ばないで、気色悪い」


    真「ボクにとって赤松さんはアナタのお姉さんの事ですので…それで、アナタが何を企んで戻ったのかは知りませんが下手なことはしない事ですね。必要以上に彼らに与することは許しませんよ、それは我々に対する裏切りです」


    赤松「仲間の裏切りで作戦が失敗なんて、好きそうな絶望だと思うけど?」


    真「勘違いしているようですが、ボクの目的は絶望ではありませんよ。あくまでコロシアイエンターテイメントの復活です」


    真「もし、裏切るようなことがあれば彼らを殺しますからね」


    赤松「その前に自分が殺されないとは思わない訳?」


    真「ボクの仲間は他にもたくさんいるんです、ボク一人をどうにかしたところで状況は変わらない」


    赤松「…」


    真「それに、万が一にも彼らに危害が及ぶ可能性があるのならあなたは逆らえやしないんですよ。あなたはそういう人間だ」


    赤松「随分と分かった風な口を聞くんだね?」


    真「色んなことを知っている人間はあなただけではないという事です」


    赤松「まぁ、いいよ。従うって言ったのは私だし…仕方ないからキミの手のひらの上で踊ってあげる。でも、私だって元々は絶望なんだよ?そう簡単にキミの思い通りになるとは思わないでね」


    真「えぇ、肝に銘じておきますよ」
  9. 9 : : 2021/02/07(日) 13:46:50
    暁「………すぅ」


    ??「おい暁、いつまで寝てる?早く起きろ。」


    暁「ぅあっ…おはよう、かっちゃん…今何時?」


    彼の名前は日野羯磨(ヒノ カツマ)、元超高校級の囚人だ。


    日野「今は昼の12時だ、昨日言ってたろ…昼になったら出るって」


    暁「あー、そういえばそうだったね…分かった、すぐに準備するよ」


    日野「………それにしても、オマエがオレ達を呼ぶとはな…あれからオマエの身に何があったんだ?」


    暁「んー?まぁなんていうか、心変わりというか改心したというか…それと、単純にぼくだけではどうしようもなくなったってのもあるけどねー」


    日野「…やる気の問題ではなくてか?本当にそんな事があるのか?」


    暁「実際にあったから呼んだんだってばー。それにきみ達の事はそれなりに信頼してるから」


    日野「…とにかく、早く準備しろ……どうせ今回の相手も絶望なんだろう?」


    暁「あー、うん…たぶんちょっと違うかな……」


    日野「はぁ?」


    暁「詳しい話はまた後で話すけど……とにかく面倒な事には変わりないよ」


    日野「…分かった、他の連中にもそう伝えとく」


    暁「ありがとーね、かっちゃん」


    日野「………今回、オマエの招集には応じたが…だからと言ってオレはまだオマエのやった事を許しちゃいねえからな…」


    暁「うん、知ってるよ」


    日野「…確かに、今はまだオマエの仲間だが…全部終わったら、オレ達がオマエを殺す…」


    日野「だから勝手に何処かで野垂れ死んで貰うと困るんだよ」


    暁「………」


    日野「今までオマエが何処で何してたのか知らねえしこれから何をするつもりなのかも興味もねえが…こうやってオレ達を呼び出したからには、最期まで付き合うからな。…言っとくが全員気持ちは一緒だ」


    暁「お好きにどーぞ」


    日野「当然、好きにさせてもらうさ」


    暁「…よし、準備かんりょー。さっさと行こうか、かっちゃん」


    日野「あぁ」
  10. 10 : : 2021/02/07(日) 14:50:54
    期待
  11. 11 : : 2021/02/07(日) 17:17:53
    >>10 ありがとうございます!


    如月「…なぁ、みんな」


    如月「……どう思う?」


    「どうって…」


    最初に問い掛けに反応したのは櫻井天(サクライ ソラ)、元超高校級の演劇部だ。


    櫻井「はっきり言って今の段階じゃなんとも言えないよ。そりゃあ一番怪しいのは春川さんだろうけど、それはあり得ないんでしょ?」


    「あぁ、放送(・・)を見てただけの俺達じゃ詳しい事情は知らんけど…」


    次に答えたのは剣城辰也(ツルギ タツヤ)、同じく元超高校級の風紀委員だ。


    剣城「あの感じ、もう人を殺すような奴じゃなくなってるだろ。黒斬みてーにな」


    「…うん」


    そう投げかけられたのは元超高校級の殺し屋である黒斬白愛(クロギリ ハクア)だ。


    黒斬「でも…仲間に命の危険があったなら、殺ると思うな……」


    王「確かにそれもあるよね…」


    「はッ、さッきから何をくだらねェ事言ッてンだよ」


    荒々しい口調で言い放った男の名は、炎鷹寺迦楼羅(エンオウジ カルラ)、元超高校級のキックボクサーだ。


    炎鷹寺「犯人突き止めンのはアイツらの仕事だろォが、オレらは黙ッて護衛してりャあいいンだ…次狙われンのはここにいるヤツかも知れねェンだろ?」


    如月「確かにそうだろうけど、犯人突き止めた方が早いのも事実だろ。おれたちが協力して推理したところでたかが知れてるだろうけどさ…」


    剣城「…ま、大人しく護衛しとこうぜ。俺達が揃ったらどんな野郎が相手でも楽勝だろ」


    黒斬「…フラグ………」


    櫻井「そういえば、他の所はどうなってるの?」


    如月「…そりゃあ、ちゃんとリーダーが手を回してるだろうよ。さすがのオッサンでも他は放ったらかしにはしてねーだろうし…たぶん」


    王「あの人、その辺信用ないからね」


    炎鷹寺「ッたく、なに考えてンだかなァ」
  12. 12 : : 2021/02/07(日) 21:45:35
    千田「…おい、赤松」


    家を出てしばらくの間、外をぶらぶら歩いていると突然背後から声をかけられた


    赤松「…あれ、陸斗くんまだ生きてたんだ」


    千田「おかげさまでな、てめーからのアドバイスがなけりゃ今頃あの世に行ってたろうさ」


    赤松「そう」


    千田「…なぁ、てめーは一体どこまで知ってんだ?」


    赤松「…言わなきゃダメなの?」


    千田「なんで、オレ達にはなにも言ってくれねーんだ…?そんなに、オレ達が信用できねーのか?」


    赤松「………うん」


    千田「…じゃあよ、なんで秋山のヤローを見殺しにしたんだ…?」


    赤松「………さぁね」


    千田「それすらも教えてくれねーのか…」


    赤松「生憎と昔からもこれからも、キミ達とはもう住む世界が違うんだよ…だから、これ以上キミと話す事はないよ」


    千田「…」


    赤松「私が、キミに忠告したのだってただの気まぐれなんだから…変に感謝する必要もないよ。じゃあね、たぶん二度と会うことはないから」


    千田「…てめーがいくらオレ達を拒絶しようと、オレ達の中にてめーを拒絶するようなヤローはいねーからな……これは絶対だ。」


    赤松「あっそ」


    千田「………だからちゃんと待ってろよ、必ずオレ達が…終一が助けに来る。てめーを助けるのはあいつの役目だからな」


    赤松「…」


    千田「いいか?仲間は信じるもんだ。オレ達も信用して貰えるよう努力する、だからてめーもオレ達を信用出来るよう努力しろ。」


    赤松「むちゃくちゃ言うね。それも解斗くんの受け売り?」


    千田「確かに、そうかもな…。失うのが怖い、そう思う気持ちがてめーの敵だ。だからその敵をまずはどうにかしねーとな?」


    赤松「随分とわかった風な口聞くね?まぁ、どうせそんな事にはならないからなんでもいいんだけど」


    赤松「早くどこか行った方がいいんじゃないの?せっかく逃げたのにバレたら殺されちゃうよ?」


    千田「あぁ、そうだな」


    千田「ちゃんと、てめーが自分の全てを曝け出せるようになるまでオレ達のこと、信じてくれるようになるのを待ってるからな」


    千田「そうなれば、一緒に酒でも呑もうじゃねーか。」


    赤松「別にいいけど、それ死亡フラグだからね」


    千田「あぁ?!」


    赤松「うふふ…バイバイ、陸斗くん。終一くんやみんなによろしく」


    千田「お、おい赤ま……チッ、もう行ったのか」


    千田「………」
  13. 13 : : 2021/02/08(月) 11:20:59
    村井「不知火さん、聞いてますか?」


    不知火「…えっ?!ご、ごめん聞いてなかった…なんて?」


    村井「あなたは現状をどう見ますか?」


    不知火「…どうって、チームダンガンロンパの元社員が連続殺人に遭ってるってアレでしょ?口封じとか、裏切り者には制裁を!とか、そういうんじゃないの?」


    村井「僕は、そんな単純な話ではないと思います。あくまで勘ですが」


    不知火「だよねー、あたし達は外出たらダメって言われたし調べようがないもんねー。それにしてもなんであたし達だけダメなんだろ…他のみんなは外に出て良いって言われてるのに…」


    村井「…まあ、何かあればすぐ呼び出しが来るでしょうし…もしかするとまだ何かあるのかも知れませんしね」


    不知火「はー、つまんないのー。なんか監禁されてるみたい」


    村井「…」


    不知火「冗談だよ、だから怖い顔しないでって…」


    村井「分かってますよ流石に…何か意図があっての指示でしょうし大人しく従いましょう。事実、敵について最もよく知るのはリーダー達ですしね」


    不知火「はーい」
  14. 14 : : 2021/02/09(火) 04:47:24
    黒鉄「おはよう、ミライさん…調子はどう?」


    ミライ『…?』


    黒鉄「………もしかして、ボクのこと覚えてない?」


    ミライ『…申し訳ありマセンがその通りデス。アナタは一体誰なんデスか?』


    黒鉄「…ボクの名前は黒鉄進太郎、よろしくね」


    ミライ『はい、よろしくお願いしマス』


    黒鉄「昨晩の最原探偵事務所の様子だけど、データとかには残ってないかな」


    ミライ『………いいえ、昨日の記録は残ってマセン…恐らく何者かが消去、または本体を破壊したのデショウ』


    黒鉄「…そうか」


    ミライ『…なるほど、なんとなく状況を把握致しまシタ。どうやらワタシは昨日本体のデータを損傷した事により今までの記憶を失ったのデスネ。』


    黒鉄「…うん、そうみたいだね。データのバックアップとかはないのかな?」


    ミライ『あるにはあるんデスが、残念ながらウイルスに侵されているみたいなので同期は不可能デス』


    黒鉄「そうか…わかったよ」


    ミライ『デスが、アナタや他のミナサンのデータを見つけることは出来まシタ。今はアナタがワタシのご主人様(マスター)なんデスネ』


    黒鉄「まぁ、そういうことになってるね…」


    ミライ『承知致しまシタ、なんなりとお申し付けください。如何なる御命令も遂行して」


    黒鉄「いいよ、そんなに畏まらなくて。」


    ミライ『そ、そうデスか?』


    黒鉄「………実は、これもう十回以上同じやりとりしてるんだけど…覚えてないんだもんね」


    ミライ『す、すみマセン…』


    黒鉄「それよりお願いがあるんだ。調べて欲しい事があって…」


    ミライ『はい、分かりまシタ』

  15. 15 : : 2021/02/12(金) 23:04:18
    とある神父「では、貴方に神の御加護があらんことを…」


    ??「クソ親父、終わったのか?」


    とある神父「クソ親父はやめなさいと何度言ったら分かる?お前はここには来るなとも言っているぞ、いくら実の娘だからといって私に従えないのなら死んでもらうほかないが…いいのか朙愛?」


    神道「…仕事を三つ終わらせたのと、マキの居場所がわかったから、その報告をしに来た」


    とある神父「聞き分けのない娘だ、お前のその技を教えたのは誰だと思っている…。それに、マキ…だと?誰だそれは、私はそんな人間知らんぞ」


    神道「生憎、引退して20年経つ老いぼれに負ける気はしねーよ。まぁ、そんな事だろうとは思ったよ…あんたが下っ端の名前なんて一々覚えてる訳ねーからな」


    とある神父「…そんなくだらん事をわざわざ言いに来たのか?早く帰るんだ、私はまだ忙しい」


    神道「………例の、いけ好かない科学者どもの…か?」


    とある神父「…何?」


    神道「それともあいつらか?あんたが懇意にしてる、神く」


    その名前を口にしようとした瞬間、ナイフが数本彼女の顔を目掛けて飛んできたのだった


    とある神父「貴様、何処でそれを…?」


    神道「さぁ?何処でだろうな」


    目の前でナイフを指で挟んで止めながら、彼女は太々しく呟いた


    とある神父「探偵の真似事はよせ、本当にお前を殺さなくてはいけなくなってしまう。」


    とある神父「いいか、それは知らなくていいことだ。だからもう忘れなさい」


    とある神父「いいか?くれぐれもそれ以上を知ろうとするな。これは命令だ」


    神道「あぁ、わかったよ。もしそうなった時には返り討ちにしてやる」


    そう言い残し、神道朙愛はその場を後にした。
  16. 16 : : 2021/02/15(月) 15:39:07
    エマ「………そんナ……春川さんガ…!?」


    西片「えぇ…秋山殿を殺害し、その後逃亡した…と」


    エマ「そんな筈…!あれませン!何かの間違いでハ!?」


    西片「残念ながら、春川殿が犯人なのかは分かりませんが、秋山殿が死んだ事については事実です。」


    エマ「…どうしてそんな事ニ…」


    西片「さぁ…春川殿の真意は分かりかねますが、警察は彼女が元チームダンガンロンパ社員の連続殺人事件の犯人として捜査しているようですよ」


    エマ「…っ!何故…!?」


    西片「彼女には動機があるからでしょう。それにその技術もある…」


    エマ「まさカ、たったそれだけデ…?」


    西片「…………私からはなんとも」


    エマ「…なら、ワタクシも捜査に加わります」


    西片「なりません。貴女に危険な目は遭わせられない…ここで大人しくじっとしていただきます」


    エマ「…っ、ホムラはまたそんなことを…!」


    西片「今回の件は私共の手に負えません。今ある情報だけでも、相手はかなりの手練れであることが予想されます」


    エマ「で、でモ…!」


    西片「もし下手に動けば我々が狙われる可能性だってあるんです。お願いです、今回ばかりは聞き分けてください」


    エマ「…っ」


    西片「悔しい気持ちも、役に立ちたいという気持ちも分かります。ですが死んでしまってはどうしようもありません…」


    エマ「………他の方ハ、今どうしていらっしゃるんですカ?」


    西片「…」
  17. 17 : : 2021/02/18(木) 10:09:13
    駒鳥「…それ、本当?」


    天璋院「本当だよ。こんな時に嘘なんて言わない」


    日永「そうでなければこんな厳重に警備なんてされないよ」


    駒鳥「でも、そんなのって…!」


    駒鳥「だって、秋山さんと春川さんは幼馴染み…昔からの親友だったんでしょ?そんなことあるわけない!」


    日永「勿論ぼくも信じてないよ…だから真犯人は他にいると思う」


    駒鳥「じゃあ、犯人は誰なの!?」


    日永「静かに。それが分かれば苦労しないよ」


    駒鳥「…ごめん……ちょっと気が立ってた」


    日永「…まぁ仕方ないよ。かくいうぼくだってそうだ…」


    駒鳥「………うん」


    日永「それより咲耶さん、さっきから黙ってどうしたの?」


    天璋院「…本当に秋山神奈は殺されたのかなって……」


    日永「…何言って…」


    駒鳥「どういう意味?」


    天璋院「………例えば、チームダンガンロンパ連続殺人事件の犯人が秋山神奈だったとして、最期は自分を殺して終わりにしようとしてた…とか」


    駒鳥「!」


    日永「…で、でもそれだとまだ殺されていない人だっている訳で………まさか、彼女たちが所属していた暗殺組織が…?」


    天璋院「敵に情報が渡るくらいならその前に自死を…とか、そういうのだってよくあるんじゃないの…?」


    日永「…確かに可能性はあるね」


    駒鳥「でも、なんでそう思った訳?」


    天璋院「…別に、ただの勘だよ。」


    日永「仮にもし、そうだとして…どうして魔姫さんは逃亡したのだろう…」


    駒鳥「だから、さっきの話だと秋山さんの犯行を暴いたのが春川さんだってことなんじゃないの?」


    天璋院「それ以上の事は分からないよ…それに詮索するべきでもないと思う。下手をすると咲耶達の命が狙われるかもしれないし」


    駒鳥「じゃあ、このまま黙って見てろって?」


    日永「…結局、一般人であるぼくたちにできることなんて何もないって事なのかな…」


    駒鳥「最原さん達に任せろって…?」


    天璋院「でも、咲耶達がいても邪魔になるだけだよ。大した戦闘力があるわけでもないし」


    日永・駒鳥・天璋院「「「………」」」

  18. 18 : : 2021/02/18(木) 10:49:46
    入間「………誰だ?」


    夜道を一人で歩いていると、突如何者かがオレの背後に現れたのだった。


    鬼竜「…オレだ」 


    入間「…なんだ、テメェか……今ここの夜は物騒なんだ、突然背後に現れるのはやめて欲しいねぇ」


    入間「うっかりハチノスにしちまうからな」


    鬼竜「…ハチノス?」


    入間「あー、今のは言葉の綾だ。それでテメェがオレに何の用だ?」


    鬼竜「…ダイスの、新シイ総統からの伝言だ。力を貸セ…トイウ事らしい」


    入間「…あぁん?」


    鬼竜「キサマも、チームダンガンロンパに所属シテイタなら今何が起キテルか理解出来テル筈だ。生キ残リタイのなら力を貸セと言ッテイタぞ」


    入間「なるほど、確かにあいつらもそうだったな……良いぜ、テメェらの話に乗ってやる。第一一人じゃ解決出来そうもねーしな」


    入間「だが、何故それをテメェが?テメェは完全に部外者だろう」


    鬼竜「放ッテオケばケイカが殺サレルかも知レンのだろう?ならオレも手伝ウに決マッテル。コレ以上アイツを悲シマセル訳にもイカンからな」


    入間「…了解、テメェの事情は分かったよ。じゃあさっさとDICEんところに連れて行け」


    鬼竜「分カッタ」


    入間「それにしても、テメェ前より喋るの上手くなったか?」


    鬼竜「ミンナに教エテ貰ッタからな」


    入間「…へぇ、そうか」

  19. 19 : : 2021/02/21(日) 12:20:19
    剛将「…」


    石蕗「ねぇ、何でさっきから黙ってるの」


    剛将「悪い、少し考え事を…」


    近衞「いや、分かるけどさ…さっさと話進めない…?」


    冥土森「ていうか、大輔くんもしかしてこうなる事分かってたんじゃないの?」


    剛将「バカ言え、流石に買い被りすぎだ。」


    剛将「…まぁ、可能性の一つとは存在していたがな」


    妾魔「…どういう意味?」


    綾小路「そう言えばテメー、赤松椛と繋がってやがったな…もしかしてその時に聞いたのか?」


    剛将「違えよバーカ…ただ、赤松は二回目に最原と会った時春川と天海に気を付けろと言っていた」


    剛将「…そして、秋山は行方をくらます前に春川の事をよろしくとも言った」


    嵐「それで〜…?」


    剛将「つまり、あいつらは今の状況になる事が始めからわかってた…想定の範囲内だったって訳だ。いや、むしろ計画通りというべきか」


    兵藤「じゃあ、春川っちを追い詰める事が目的ってわけ?めっちゃ腹黒じゃん」


    剛将「そもそもの話、赤松達は別に人質って訳じゃあなかった…初めからチームダンガンロンパ側の人間だったんだ。」


    剛将「本来、記憶がなくなっている状態の最原達にとって人質の価値なんてないんだ。なにせ希望ヶ峰学園に入学した後で再会もしくは親密になったんだからな。」


    剛将「だからこそあのコロシアイが始まる前からヤツらのもとにいた赤松達は人質としてじゃなく、別の理由で捕まっていたと考えられるのが普通だ」


    爵堂「…まぁ、そうでしょうね…別に改めて言う必要は…」


    剛将「話は変わるが…赤松椛、天海蘭馬、秋山神奈…この三人はいわゆる禁断の恋というものをしている」


    近衞「…えっ?なんの話?」


    剛将「赤松は実の姉が好きな人、天海は実の兄その人、秋山は親友だった女の子、それぞれ決して叶わない…叶えてはいけない恋をしている。と、千田に聞いた事がある」


    冥土森「…それで?」


    剛将「…結果、アイツらは愛する人の為に暗躍することになった。赤松は最原、天海は兄蘭太郎の為に…なら秋山は?」


    兵藤「話の流れ的には春川っちの為にって事?」


    綾小路「だから、テメーはさっきから何が言いてえんだよ!」


    剛将「なら何をもって春川を助ける?どうすれば春川の為になる?」


    爵堂「…暗殺組織からの解放、ですか?じゃあ一連の犯行は…」


    剛将「…まぁ、あくまで想像の話だがな…なにせ証拠がない。」


    石蕗「その辺は終一ちゃんにお任せしよーよ、その話したかった訳じゃないでしょー?」


    剛将「あぁ、そうだな…俺達がやるのは…」


    剛将「………」
  20. 20 : : 2021/02/23(火) 01:56:17
    春川「…ここに来るの、何年ぶりだろ」


    私は今、自分が育った孤児院に来ていた。と言っても遠くから眺めているだけに過ぎないが


    春川「…もう、あいつらの所には戻れないな」


    カナは死んだ。何故なら私が殺したからだ…


    私が、殺したようなものだからだ


    春川「…」


    赤松「なぁーんだ、やっぱりここにいたんだねぇ魔姫ちゃん♪」


    春川「…っ!」


    しまった。つい油断してしまった


    最原達にはここの場所教えてないから誰も来ないと思ったけど、こいつは違ったんだ


    赤松「あぁ、大丈夫だよ。終一くん達とはもう別れたから」


    春川「…どういう意味?」


    赤松「私、チームダンガンロンパに戻ったの。だから今はキミの味方だよ」


    春川「な…!?」


    赤松「もう分かってるんでしょ?神明救済会とチームダンガンロンパ(ウチ)は繋がってるって…」


    春川「…でも、それとこれとは…」


    赤松「何言ってるの?どうせ一旦戻るんでしょ?だって、キミ一人じゃ逃れられないしね」


    春川「…っ」


    赤松「それに向こうも神奈ちゃんの代わりになる駒が欲しいだろうし、ちょうど良いと思うけど?」


    春川「そんなの、切り捨てられる事前提じゃん…!」


    赤松「じゃあ、これから一人でどうするつもり?」


    春川「それは…」


    赤松「ねぇ、私と組まない?私ならそう簡単に捕まえさせたりもしないし、消させたりなんかもしないよ?」


    春川「…」


    赤松「それに、たぶんそっちの方が都合いいんじゃない?大丈夫だよ、私が上手いことやってあげる。あぁ、もしかして私信用ない?安心して、契約だけはしっかり守るから」


    春川「分かった。あんたは私を利用したいんでしょ?なら、私もあんたを利用してあげる」


    赤松「うん、そうこなくっちゃ♡」


    どうせ、もう戻れないなら…


    最期までやってやる


    私は、私の使命を果たす。


    そうして、私と赤松はその場を去っていった
  21. 21 : : 2021/02/26(金) 07:38:22
    結次「…そうか、分かった…捜査を続けてくれ」


    ??『りょーかい。』


    ??「今の電話、誰から?」


    その女の名前は冬海朝妃(フユミ アサヒ)、元超高校級の保育士で少し前までとある孤児院の保母をやっていた。今はここの教師で、新生未来機関の幹部だ。


    結次「ん?あぁ…現野だよ。」


    冬海「なんだ、幻師ちゃんか…」


    電話の相手は現野幻師(ウツツノ ゲンシ)という、元超高校級の奇術師で世界的にも有名なマジシャンだった人間だ。今は春川朝妃同様ここの教師で新生未来機関の幹部である。


    冬海「…ねぇ、そういえば聞いた?……朙愛ちゃんのこと……街に現れたんだって」


    結次「…あぁ、知ってる」


    冬海「どうするつもりなの?」


    結次「今は関係ない。それよりチームダンガンロンパ元社員の連続殺人事件についてだ…お前のとこの子が疑われてるんだろ?」


    冬海「それは、そうだけど……でもほら、もしかしたら事件に関係あるかも…」


    結次「今までもそう言って、何度も失敗したろ。今回も無理に決まってる」


    冬海「…っ」


    神道朙愛(シンドウ メイア)…元超高校級の殺し屋だ。俺と冬海、現野、そして神道はかつて希望ヶ峰学園に71期生として入学した同期だったのだ。


    結次「確かに、今回の一件はアイツが関わっている可能性は高いだろう…だがそれに意識を集中しすぎるあまり絶望の手がかりを見失うわけにもいかねーだろ。」


    結次「ましてや、相手はあの歴代の暗殺者一の呼び声が高い朙愛だ。無闇に戦力をそちらに注ぐ余裕もないだろう。」


    結次「…それくらい、いい加減分かれ冬海」


    冬海「…分かった」


    結次「なら、この話はもう終わりだ。お前も仕事に戻れ」


    冬海「…うん…そうだね。結次くんは、そうやってなんでも諦めて大人になったんだね」


    結次「………」


    …その通り、俺はアイツを助ける事を諦めたんだ
  22. 22 : : 2021/03/03(水) 18:15:41
    >>9 日野羯磨の才能について、少し訂正しました。
    元超高校級の放火魔→元超高校級の囚人


    真紘「…やっぱり、ジッとなんてしてられない…!」


    卯月「落ち着け真紘…オレ達に出来ることなんてたかが知れてるよ」


    弥生「…そんなこと言っても、弥生は姉さんを襲った犯人が許せないの。第一、昨日は卯月ちゃんだってあんなに怒ってたでしょ…!?」


    卯月「…一晩寝て頭が冷えたんだよ。それに昨日の夜秋山神奈が殺されたんだろ?オレらじゃ仕返しなんて出来ねー。返り討ちに遭うだけだ」


    紅羽「そうだよ…それに犯人が許せないのはみんな同じだって言ってんじゃんか」


    鈴音「だからと言って、みんなを危険に晒す理由にはならない…分かって」


    友梨「…でもさー、なんかモヤモヤするっていうか…お姉達の言うことは分かるんだけどさ…」


    京華「理解は出来ても、納得出来ないことってあるじゃん?」


    理沙「えー、警察とか、探偵さん達に任せようよー…姉ちゃん達まで襲われたら嫌だよ」


    真紘「…ねぇ、わたし達に出来ることって…本当に何もないの?」


    紅羽「うーん、特には思いつかないなー…」


    鈴音「少なくとも、赤松椛が敵に回っている以上こちらの情報は筒抜けだと思う。下手には動けない」


    希空「…そう言えば、鈴音は大丈夫なの?秋山神奈さんとか春川魔姫さんと同じ組織にいたんでしょ?」


    「「「…ッ!!」」」


    鈴音「…分からない。もしかすると、次に狙われるのは…」


    友梨「…まぁ、護衛もいるわけだしここを離れない以上大丈夫でしょ…うん」


    希空「…」


    紅羽「とにかく、今は大人しくしておこう。みんなの安全のために…さ」
  23. 23 : : 2021/03/04(木) 00:09:50
    すいません、これって日向と苗木も出ますか?
  24. 24 : : 2021/03/04(木) 06:39:00
    >>23 メインとは言い難いですが一応出ます。


    最原「…さぁ、捜査を始めようか」


    夢野「…う、うむ」


    天海「分かりました…」


    霧切「私も微力ながら協力させてもらうわ」


    最原「はい、ありがとうございます」


     捜査パート 開始


    霧切「まず、遺体についてだけど…彼女、毒殺されたそうよ」


    最原「毒殺…ですか?」


    霧切「えぇ。刀はあくまで磔にする為…直接的な死因ではないみたい」


    コトダマ 【秋山神奈の死因》 GET


    霧切「そう言えば…彼女が失踪する前何か変わったことはなかったのかしら?」


    最原「…春川さんのことをよろしくって言ってました。あと、やらなくちゃいけない事を思い出したと…さよならしなくちゃいけないとも言ってました」


    霧切「…なるほど」


    霧切「まるで、こうなることが分かっていたみたいな口振りね」


    最原「…」


    コトダマ 【秋山神奈の最後の言葉》 GET


    霧切「…じゃあ、まずは遺体の状況を詳しく調べましょうか。」


    最原「…えぇ、分かりました。」


    夢野「…天海よ、ウチらもいくぞ」


    天海「は、はい…!今行きます!」


  25. 25 : : 2021/03/06(土) 19:00:52
    最原「…霧切さん、秋山さんの死因は出血多量なんですよね…?それで、刀は磔にする為だって…」


    霧切「…えぇ」


    最原「出血の原因となったものはなんなんですか?」


    霧切「…全身にある傷からだと思うわ。とはいえ、どれも急所というわけではない…」


    最原「つまり、全ての傷から出血したところですぐには致死量にはならない…ってことか」


    霧切「もしかすると、拷問か何か受けていたのかも知れないわね…」


    天海「…あ、あの…夢野さん、二人はなんの話を…?…??」


    夢野「ウチにもよう分からんが…致命傷らしい致命傷がないという事かのう?」


    霧切「えぇ、その通りよ…」


    コトダマ 【秋山神奈の傷》 GET


    霧切「それにしても…」


    最原「?何か気になることでも…?」


    霧切「犯人は、相当手慣れているようね。」


    霧切「普通に考えればいくつかの傷からは大量に出血するはずなのに、全ての傷が最大限の苦痛、最小限の出血で済むよう調整されてるみたい」


    霧切「それこそ、殺しの技術力のみに限ってはカムクラ…いいえ、日向くんに通ずるレベルよ」


    最原「………なるほど」


    夢野「…なら、春川じゃないのではないか?」


    霧切「…もしかして心当たりが?」


    最原「心当たり…いや、事件前に春川さんが暗殺者としての師匠である神道朙愛に最近町で会ったということぐらいしか…」


    霧切「神道…朙愛?」


  26. 26 : : 2021/03/06(土) 19:00:58
    最原「知ってるんですか?」


    霧切「…あくまで聞いた話だけど…かつて超高校級の殺し屋として希望ヶ峰学園にスカウトされた人物がそんな名前だったはずよ」


    霧切「…歴代の殺人系の才能で、最も才能あるものだったらしいわ。噂では確か、殺し屋の他に超高校級の殺傷力の才能も持っていたとか…」


    最原「超高校級の殺傷力…ですか?」


    霧切「江ノ島盾子も、超高校級のギャルの才能の他に超高校級の分析力をという才能を持っていたそうよ…恐らくそれに準ずるものじゃないかしら?」


    コトダマ 【神道朙愛の才能》 GET


    天海「じゃあ、犯人はその人なんじゃないんですか?」


    霧切「証拠がないわ。もし彼女が犯人ならこの事件は迷宮入りね…どこにいるのか分からないんだもの」


    夢野「…そんな」


    最原「だとしても、絶対犯人を突き止める。春川さんの無実を証明して、連れ戻すんだ」


    夢野「うむ、最原…いや、終一の言う通りじゃ!」


    最原「…え?」


    夢野「思い返してみれば、ウチらは未だに苗字で呼び合っておる。ここらで名前呼びに移り変わっても良いじゃろう」


    天海「あ、賛成!賛成です!」


    最原「そうだね…分かったよ、秘密子さん、蘭奈さん。」


    天海「…じゃあ、一刻も早く魔姫ちゃんを連れ戻さないといけませんね!」


    最原「…うん、その為にもまずは捜査を続けよう。」


    夢野・天海「「おー!」」
  27. 27 : : 2021/03/07(日) 22:25:37
    私はいけない恋をした。


    本当に悪い。なんて事はないんだろうけど、それでも万人には受け入れて貰えないような、そんな恋をした。


    相手は親友の女の子。


    自分は女であるのに関わらず、私は女の子(ヒト)に、それも一番の親友に恋をした。


    私と彼女はいわゆる幼馴染みだ。


    同じ孤児院で育ち、いつも一緒に過ごした。


    この気持ちを知れば、彼女は拒絶するかもしれない。いや、間違いなく拒絶するだろう。


    何故なら普通じゃないからだ。


    何故なら、彼女には好きな男の子(ヒト)がいるからだ。


    私と彼女が再会したのはあの学校だった


    私は昔交通事故に遭い、意識不明の重体に陥ったそうだ。


    私は死んだと思われていた…死んだことになっていた。らしい


    それを知ったのは数年ぶりに孤児院に行った時だ。


    私は、事故に遭い生死の境を彷徨ったけど、なんとか息を吹き返したのだけど、孤児院には帰れなかったんだ。


    私はずっと、暗殺組織にいたから…


    再会した時、彼女は変わり果てていた。


    見た目が、というより中身が


    優しくて、格好良かったあの子が


    私の憧れで初恋の人だったあの子が


    私はそれがどうしても許せなかった


    そんなふうに彼女を変えてしまった大人達を、この環境を、見て見ぬふりをしたこの私を


    でも、少しだけ嬉しかったこともある。私も、彼女と同じだったからだ。


    彼女と同じように暗殺者として育てられ、彼女と同じように絶望し、彼女と同じような場所にいたから


    でも、そんなあの子を助けたのは皮肉にも彼女の好きになった男の子(ヒト)だった。


    彼は、この世界においてもあの世界においても彼女を救った。


    それが、何より許せなくて羨ましかった。


    どうして、彼女を救ったのが私じゃないんだろう


    どうして、事情も知らないどこの馬の骨とも分からないヤツなんかにそんな顔するんだろう


    どうして、女の子みたいな顔をするの


    そんなの、私が好きなあの子じゃない


    どうしてそんなに変わってしまったの


    どうして私と同じ場所にいてくれなかったの


    どうして私は何一つ変わってないの


    彼女にもあの頃のように戻って欲しい


    あの頃に戻して、今度は私が助けてあげるんだ


    あんな男に影響された今の彼女は、大嫌いだ。


    私を裏切った彼女のことが憎らしくて恨めしくて妬ましい


    あぁ、なんて悍ましいのか


    やはり最低で最悪な私は、


    恋なんかしてはいけなかったんだ。
  28. 28 : : 2021/03/14(日) 07:58:53
    最原「…そういえば、この刀は一体どこにあったものなんだろう…?」


    夢野「…恐らく千田が作ったものではないか?」


    最原「千田くんが…?いつの間に?というか、そんなものが作れたの?」


    夢野「なんじゃ、お主知らんかったのか?まぁ無理もない…大体いつも変なのばかり作っておるからのう」


    最原「…そういえば、前に部屋を見た時もガラクタばかり置いてた気が…」


    夢野「うむ。前に奴から聞いたんじゃが、頼めば本当になんでも作ってくれたらしいぞ?」


    最原「そうだったんだ…でも、それじゃあ誰かが頼んだってこと?日本刀を作ってくれって」


    夢野「いや、本人の気まぐれで作ることもあるそうじゃ。じゃからと言ってあんなにたくさん作るとも思えんが…」


    最原「だとしても、犯人は知ってたのかな…?千田くんによって刀が作られていたことを」


    夢野「うーむ…あ、そうじゃ!終一に聞きたいと思っておったんじゃが、殺人を犯した犯人と磔にした犯人は同一人物なのか?」


    最原「……えっ?」


    夢野「…つまり、既に殺された秋山を第三者が磔にしたとは考えられんのか?」


    最原「そうか…確かにその可能性もあるね。ありがとう、ゆ…秘密子さん」


    夢野「…ウチが思うに、磔にしたのは魔姫じゃと…そう思うんじゃが、ウチはあやつが殺したとは思いたくない」


    最原「それは、みんな同じ思いだよ」


    最原(…そうだ、さっきは第三者の可能性を考えていたけど、内部の犯行の可能性だってあるんだよな。)


    最原(お誂え向きに事件発生前から行方がわからない人達もいる…考えたくはないけど、赤松椛さんが僕と別れた後で犯行に及んだ可能性もあるんだ)


    最原(くそっ、僕がもっとちゃんとしていれば事件は起きなかったかも知れないのに…!)


    僕は、結局何を信じればいいのかさっぱり分からなくなっていた。


    もしかすると、話はもっと単純だったのかもしれない…


    きっと、僕達は彼らにとって仲間でもなんでもなかったんだ。だから何も言わずに何処かへ…


    夢野「…いち!終一!聞いておるのか!?」


    最原「あ…ごめん」


    夢野「全く、その調子ではこの先不安じゃのう…じゃが安心せい、ウチらがついておるからのう!」


    最原「…うん、ありがとう秘密子さん」
  29. 29 : : 2021/03/20(土) 21:31:57
    天海「…終一さん、そういえばなんで魔姫ちゃんに返り血がついてたんですかね…?」


    最原「…確かに、なんでだろう?」


    天海「魔姫ちゃんがどう事件に関わってるかは分かりませんけど、やっぱり目の前で死んだんですかね…だからあんなに自分を追い詰めて…」


    最原「…」


    天海「魔姫ちゃんがあそこに居たってことは事件が起きてから、多分そんなに時間は経ってないと思うんです。」


    天海「…少なくとも事件が起きたのは私達と別れた後だと思うんです。まだ血もそんなに乾いてなかった気がしますし」


    天海「…と、私なりに一所懸命考えたんですが…どうですかね?もしかして変なこと言ってます?」


    最原「…いや、こういうのは初めてだと思うし…そう考えたら凄いと思うよ。」


    天海「本当ですか!?良かったです!私、もっと頑張りますね!」


    最原「…だとすると、魔姫さんは犯人を知っているのかな…?何処の誰とも知らない人が殺したならあんな言葉は出ないはずだし…まさか、誰かを庇っていたりして…?」


    天海「…あの、魔姫ちゃんを疑う訳じゃない…んですけど、本当に魔姫ちゃんは犯人じゃないんですよね?」


    最原「…そうだと信じたい、けど。少なくとも僕の知ってる彼女ならそんな軽はずみに人を殺したりしないよ」


    天海「もし、外敵から私達を守る為に、やむなく殺したのだとすれば…この事件の真実を暴いて良いのかなって…」


    最原「…っ!」


    天海「あ、でもそれだと秋山ちゃんを疑うことになるのか……やっぱ何でもないです!忘れてください!」


    最原「…うん」


    最原(…まさか…いや、でも本当に…?でももしその通りだとしたら…)


    最原「…誰を信じるべきか、しっかり見極めないとな…」
  30. 30 : : 2021/03/26(金) 19:38:30
    その後も僕達は捜査を続けたが、その場にはそれ以上手がかりは残されていなかった。


    霧切「今日はもう遅いからこの辺りで引き上げるとして、あなた達はどうするの?まさか、ここで寝泊まりするなんて言わないわよね?」


    最原「流石にそれはないですが、確かに行くあてがないのも事実なんですよね…」


    天海「命が狙われてる以上、他の方の所にお邪魔するわけにも行きませんからね…」


    夢野「一番無難なのはDICEじゃろうが…連絡はつかんのじゃろう?」


    最原「彼らのことだから、殺されてはないと思うけど…拠点が分からないからどうしようも出来ないしね」


    霧切「一部屋ならこちらで用意できるけど…男女が同じ部屋でなんて、抵抗ないかしら?」


    天海「…うーん…あ!それじゃあ、私はお姉ちゃん達の家に行きますね。」


    夢野「それならウチは…」


    最原「僕は適当に宿を探すから、秘密子さんは霧切さんの用意した部屋に行ってよ。」


    夢野「んあ?…まぁ、終一がそういうのなら…」


    霧切「そう…では気を付けて。また明日会いましょう」


    最原「はい、わかりました。」


    そうして、僕達はそれぞれの場所で夜を過ごす為一度別れる事になったのだった。
  31. 31 : : 2021/03/26(金) 19:54:06
    みんなを見送った後、僕は行くあてもないままその場を去ったのだ。


    如月「…こんな状況で、随分と不用心なんすね。」


    最原「…!キミは…どうしてここに?」


    如月「…そもそも、おれ達に与えられた仕事はあんたの監視だったんすよ。最原さん、あんた本当に自分の状況や利用価値とか、ちゃんと理解してます?」


    最原「…それは」


    如月「チームダンガンロンパによるコロシアイを終わらせたあんたは、それこそ苗木さんや日向さんと同じくらい奴らに危険視されています。」


    如月「更にはあの赤松さん達と暫く一緒に過ごしていた訳ですから、他の過激派から命を狙われてもおかしくないんすよ。」


    如月「…そもそも、最原さんの命を狙っているのはチームダンガンロンパだけとは限りません。春川さんの所属していた暗殺組織だってそうです。くれぐれも危ない真似はしないようにお願いしたいっすね」


    最原「…ごめん」


    如月「それはそうと最原さん、あれからあの人…結次さんとは話しましたか?」


    最原「いや…」


    如月「…余計なお世話かもしんないっすけど、少しくらい話したらどうです?両親の事とか神明救済会の事、色々分かるかもっすよ」


    最原「…でも、何処にいるのか……っ!」


    如月「案内するっすよ。ついでに部屋も用意するんでそこで泊まっていってください。心配しなくても、天海さん達の護衛はおれの仲間がやってるんで」


    最原「…ありがとう、如月くん」


    如月「………」
  32. 32 : : 2021/03/27(土) 18:29:39

    神道「おかえり、魔姫。よく戻って来たな」


    春川「…あんたらがそう仕向けたんでしょ」


    神道「さて、何のことだ?」


    春川「…別に、吐くわけないって分かってたしね…」


    神道「全く、人聞きが悪いな…これでも私はお前らを自分の子供のように可愛がっていたんだぞ?」


    春川「それが本当ならあんたは子育てに向いてないね」


    神道「ふん、随分な口を利くようになったな。もしかしてあいつらの影響か?」


    春川「…」


    神道「安心しろ、そいつらに手は出さん。そう怖い顔をするなマキ」


    春川「誰が信じると思ってんの」


    神道「殺すことでお前が言うことを聞くようになるのなら一人くらい殺していただろうが、そういうわけではないんだろう?」


    春川「…まぁ、確かに」


    神道「そもそも、あいつらは殺すなとボスに念を押されている。少なくとも今は殺しはしないさ」


    春川「…あっそ」


    神道「…ふっ、信じてない…か」


    春川「今までのあんたの事考えたらね。カナの事だって騙してた訳だし…あのあんたが素直にあいつの言う事を聞くとも思えないしね」


    神道「…いつにも増して口の利き方がなってないな。ボスに聞かれたらお仕置きじゃ済まないぞ」


    春川「…好きにすれば?」


    神道「…まぁいい。それはそうと、早速だがお前に仕事を頼みたいある。」


    春川「…っ、わかった」


    神道「では頼んだぞ。マキ」

  33. 33 : : 2021/03/30(火) 07:20:56
    赤松「…もしもし?久しぶりだね、元気にしてる?」


    ??『…ふふ…久しぶり、こっちは元気だよ。そういう椛は?』


    赤松「うん、私も元気だよ」


    ??『それで、急にどうしたの?珍しいね、椛から電話なんて…何かあった?』


    赤松「…ううん、別に。ただなんとなくキミの声が聞きたいなって思って」


    ??『そう…それじゃあまた近いうちに会いに行くね。積もる話もあるだろうから』


    赤松「そんな、無理しなくてもいいよ。みんなには私からよろしく伝えとくからさ」


    ??『…分かった。じゃあ、それはまたの機会に』


    赤松「…あ、そういえば…この間隣の家の猫ちゃんとウチのワンちゃんが喧嘩しちゃったんだ」


    ??『…へぇ、どうなったの?』


    赤松「猫ちゃんは何処かへ逃げちゃって、ワンちゃんは大怪我。本当大変だよ…まぁ、猫ちゃんの方は一週間もすれば帰ってくるだろうから大丈夫だろうけど」


    ??『…ふーん…そっか、お大事にね。』


    赤松「それとね、私新しいゲーム買ったんだ。また一緒にやろ?」


    ??『うん、いいよ。今度そっち行ったときにね』


    赤松「……………あ、ごめん…そろそろ時間だ。もう切るね?」


    ??『うん…また今度ゆっくり話そうね』


    赤松「そうだね。それじゃあ、おやすみ蘭子(・・)ちゃん。」


    蘭子『…うん、おやすみなさい。椛』
  34. 34 : : 2021/03/30(火) 07:21:48
    電話を終えた私はそのまま空を見上げた。


    蘭子「……そっか…もう始まっちゃったか」


    私はあの日(・・・)、死んだ事になっている。いち早く黒幕の計画に辿り着いた私は口封じに殺されるより先に椛の協力を経て自身の死を偽装し、計画の阻止の為裏で動いてきた。


    とはいえ、所詮は子供騙し…相手はとっくに私が生きている事を知っている。知っていながら、あえて泳がされてる。私がどう動こうと計画に支障はないらしい、悔しい話だ。


    私、天海蘭子(アマミ ランコ)は天海蘭太郎の双子の妹で、あの家の長女だ。みんなのお姉ちゃんだから、みんなを守ってあげないといけない。


    蘭子(…まぁ、それは全部蘭馬に押し付けちゃったわけだけど…)


    あのコロシアイの生き残り(私達)は、お互いに嘘を吐いている。みんながみんな、お互いを騙している。椛は言わずもがな、未来だって本当は生きているし、進太郎だって本当の目的は絶望を倒す事ではない。凶華も、将馬も、陸斗も神奈も、綾音も武命もレイも、勿論この私も、みんながみんなを騙してる。それが私達。


    希望ヶ峰学園を失墜させ、チームダンガンロンパを結成させた…悲劇の連鎖(コロシアイエンターテイメント)の元凶たるのがアニバーサリーダンガンロンパ10の生存者(私達)だ。


    蘭子「…私達、スタートラインは一緒だったんだよ。それなのに…どうして」


    蘭子(一体、何処で道を違えたのだろう…)


    自分のエゴの所為で守るべき大切なモノを失い、みんなの心が壊れていく音がした。あの時、違う答えを選んでいたのなら、少しは変わったのだろうか…


    いくら考えても答えは出ない。私はあの時からずっと後悔している。でも過ぎてしまった事は仕方ない…そう、仕方ないんだ。そう言い聞かせるように私はその場を後にした。


    私も、自身の目的を果たす為本腰を入れて動き始めるとしよう。それが、互いの大切なモノを奪う事になろうとも。もう引き返せないところまで来てしまったんだ。今更手を止める事なんて出来やしない


    蘭子「…ほんと、蘭子って悪い子だなあ……」
  35. 35 : : 2021/03/30(火) 21:07:23
    通話を終えた私は、ぼーっと携帯を見つめていた。


    赤松「…盗み聞きなんて、いい趣味してるじゃん?進太郎くん」


    黒鉄「…こんな目立つところで話してるのが悪いんだろう?…本当は、事件のことについて聞くつもりだったけど…今の電話って、まさか…」


    赤松「残念だけど、私の口から言えることなんてないよ。直接本人に聞いたら?もうじき帰ってくるだろうし」


    黒鉄「…っ!赤松さんは、初めから知っていたの?なんで今まで黙って…」


    赤松「蘭子ちゃんにお願いされてたからね、仕方ないでしょ」


    黒鉄「………もう、ボクは彼女が生きている事を知った。キミがわざとらしく教えたからね…そのお願いは破られたも同然だ、だから知っている事を話してくれ。どうせ、これもキミの計画の一つなんだろう?」


    赤松「………なん『いいからッッッ!!!』ッ?!」


    その時、彼は一瞬で距離を詰め、私の胸ぐらを掴みながらドスの利いた声で問いかけた。


    黒鉄「…早く、答えろ。」


    赤松「………はぁ?痛いんだけど…手退けてよ」


    黒鉄「…知ってるだろ、オレもオマエと同じように手術を受けてる。この体勢なら、今はオレの方が有利だ。」


    赤松「…はー、やめやめ。面倒ったらありゃしない…これ以上死体が増えたら終一くん悲しむよ。そうでしょ?」


    黒鉄「………確かにオマエの言う通り…これ以上死体を増やすのはオレも不本意だな」


    赤松「…あぁ、勘違いしないでね?死体はオマエだよ。たかだか二回やそこらの手術しか受けてない奴が、調子に乗らないで」


    黒鉄「…」


    赤松「ちゃんと話す…私が知ってる範囲でだけどね。だからまず落ち着いて話聞いてね?『素』出ちゃってるし。いい?これは独り言なんだけど…」




    赤松「…以上が、事のあらましだよ」


    黒鉄「…そうか」


    赤松「…あれ、何処行くの?事件のことは聞かなくていいの?」


    黒鉄「…大丈夫だよ、キミのお陰で今何をするべきか理解できた。事件のことは彼に任せるさ」


    赤松「…そう、キミの計画の手助けが出来たみたいでよかったよ。」


    黒鉄「…キミにはまだ聞きたいことがあるけど…また今度にするよ。じゃあね、赤松さん…キミの願いが叶う事を陰ながら祈ってるよ」


    そう言い残し、彼は去っていった。


    赤松「………ずるいなぁ」


    不意に呟いたその声は、そっと闇夜に消えていった…ような気がした


    赤松「私も、そろそろ帰るか」
  36. 36 : : 2021/04/10(土) 14:09:02
    >>34 一部キャラの名前を訂正しました


    『…凶華さんは、生きて帰れたら何がしたいですか?』


    〜〜〜


    『ねぇ、凶華…どうして戻って来たの?どうして、彼を裏切ったの?」


    〜〜〜


    『さよなら、凶華ちゃん。大丈夫、後処理は私がちゃんとしてあげるから…彼にもよろしく言っといてね。それじゃあ、またいつか会おうね』


    〜〜〜


    『×××、××××××××××××××××。』


    〜〜〜


    石蕗「…んっ」


    剛将「…あぁ、起きたか姫乃」


    石蕗「うん、ごめん…なんか、すごく長い夢を見てたみたいだ」


    剛将「そうか」


    石蕗「…それで、見つかったの?」


    剛将「あぁ。」


    石蕗「そっか」


    剛将「…泣いてんのか?」


    石蕗「…別に。」


    剛将「無理はするなよ」


    石蕗「大丈夫だよ、気にしないで」


    剛将「…分かった」


    石蕗「…ねぇ、大輔ちゃん」


    剛将「なんだ?」


    石蕗「……ううん、何でもない。早く準備して行こう」


    剛将「みんなもう終わってる。お前待ちだ」


    石蕗「まじか」


    剛将「嘘だよ」


    石蕗「嘘かよ」


    剛将「急いては事を仕損じる。決行の日までまだ先だ、寝ぼけてるのが悪い」


    石蕗「はーい」


    剛将「つーわけだからまだ寝てろ。」


    石蕗「…んーん、大輔が寝るまで起きてる」


    剛将「あのなぁ、こっちはまだやる事がいっぱいあるんだ。いつ終わるかなんて分かんねぇぞ」


    石蕗「別にいいもん」


    剛将「…ったく、勝手にしろ」


    石蕗「ねーねー、何だったら姫乃が手伝ってあげよーか?」


    剛将「それは断る。余計仕事が増えるからな」


    石蕗「何その言い草ー」


    剛将「…」


    石蕗「…」


    剛将「………」


    石蕗「…………………………」


    剛将「…はぁ、お手上げだ。そんなに見られてちゃ全然捗らねぇよ」


    石蕗「よし、勝った。じゃあ早く一緒に寝よーよ」


    剛将「その言い方やめろ。誤解される」


    石蕗「姫乃は大丈夫だよー」


    剛将「バカ言ってんじゃねぇよ」


    石蕗「大輔ちゃんは、姫乃のこと嫌いなのー?」


    剛将「ノーコメント」


    石蕗「何それ、姫乃は好きだけどなー」


    剛将「ふざけてねぇで、さっさと寝るぞ。」


    石蕗「うん、分かったー。」
  37. 37 : : 2021/04/14(水) 09:02:25
    結次「久しぶり…だな、終一。」


    最原「うん、久しぶり…」


    結次「…大体の話は如月から聞いている。まぁ、とにかく座れ」


    最原「…うん」


    結次「…さて、何から聞きたい?」


    最原「………神道朙愛って人について。」


    結次「…あぁ、分かった。」


    結次「神道朙愛は、俺と同じ年に希望ヶ峰学園に入った元超高校級の殺し屋だ。神明救済会にて活動し、春川魔姫を暗殺者として育て上げた。」


    結次「アイツは…そうだな、俺からするとお前にとっての春川魔姫ってところだ。アイツも確か孤児院育ちでな、神明救済会のボスである男に才能を見出され、育てられた。」


    結次「アイツは当初、自分の才能を隠していたんだ。もし知られたら敬遠されるからな。アイツだって一人の女の子だ、学校の中でくらい普通に過ごしたかっただろう。クラスと親交を深め楽しそうに生活していた。だが当然、それも長くは続かなかったよ」


    結次「案の定アイツは孤立した。よっぽど堪えたんだろうな…二度と他人に歩み寄ろうとはしなかった。希望ヶ峰学園は特別な人間の集まりだからな、アイツが殺し屋と知ってもなお関わろうとする人間はいたさ、でも傷つくことを恐れたアイツはそれら全てを拒絶していった。」


    結次「とは言え、一人いたんだ。そんな状態のアイツでも心を開きかけた男が…だがある日、その男が暗殺の標的となってしまい、アイツは手をかけた。」


    結次「その結果、アイツは感情を失い完璧な殺し屋になったんだ。」


    最原「…おじさんは、その時どうしてたの?」


    結次「…見て見ぬふりをしていた。自分じゃ力不足…助けられないと思ったからな。」


    最原「…」


    結次「…思えば、そうだな。お前が初めて事件を解決した日…あの時も俺は見て見ぬふりをしたっけか」


    最原「………神道朙愛さんは、神明救済会は『絶望』と関わりがあるの?」


    結次「…恐らくそれそのもではないと思ってる。あくまで依頼元の一つが絶望…いや、チームダンガンロンパのはずだ。」


    結次「いくら才能の記憶がないとは言え、ただの一般人じゃ簡単にお前達を誘拐出来ないだろうからな」


    最原「…じゃあ、神明救済会を潰せば春川さんを連れ戻せるし、『絶望』の尻尾が掴めるって訳だ。」


    結次「…なに?」


    最原「今の春川さんに行くあてがあるとすれば神明救済会だけだからね。恐らくは戻ってるはずだ」


    最原「おじさんは、そのままチームダンガンロンパについて捜査を続けて。神道朙愛さんのことは僕に任せて」


    結次「…おい、聞きたいのはそれだけで良かったのか?」


    最原「…今は事件とはあまり関係無いだろうからね。最優先にすべきは春川さんの…魔姫さんのことだ。だから、よろしく」


    結次「………分かった、尽力を尽くす。」


    最原「ありがとう、おじさん。それじゃあ僕はもう寝るから、おやすみなさい」


    結次「あぁ、おやすみ」




    結次「…なんだ、もう立派な大人じゃねーか」
  38. 38 : : 2021/04/14(水) 15:40:33
    真「遅かったじゃないですか、どこで何をしていたんですか?」


    拠点のドアを開けると、目の前に立っていた佐々木真がいきなり尋ねてきた。


    赤松「別に、なんでもいいでしょ?どうして全部話す必要があるの?」


    真「ボクはまだ完全に信用したわけじゃありませんから」


    まさか、これから毎日同じようなことを質問してくるつもりだろうか…うんざりしそうだ。


    ??「あ、もみちぃだぁー!おかえりなさぁーい♪」


    赤松「…その声、まさか…綾音ちゃん?」


    蒼井「ピンポーン!あの日以来だから二年ぶりになりますねぇー。相変わらずのようで安心しましたよぉー♪」


     蒼井綾音(アオイ アヤネ)…私と同じ10回目のコロシアイを生き延び、社長についていった子の一人で、自称最原結次の娘で一番弟子だ。なんでも終一くんが来る前まで自分が助手をしてたとか…あと、お姉ちゃんの幼馴染みらしく小さい頃には私とも会っていたと言ってる…私は全然覚えてないんだけど。


    赤松「…ってことは、あいつもいるの?」


    ??「アイツじゃねぇだろ、オレにはちゃんと武命って名前があるんだからよ」


    斬崎「久しぶりじゃねぇか、赤松椛。ちゃんと絶望のために貢献してんのか?」


     斬崎武命(キリサキ タケル)…綾音ちゃん同様に10回目のコロシアイを生き延び、のちに社長についていった。とある殺し屋の弟子であり、またとあるマジシャンの弟子でもあるそうだ。確か、殺しに活用するためいろんな人の元に弟子入りしたと言っていた。


    赤松「…なんでここに?同窓会なんて開いた覚えはないけど」


    真「ボクが呼んだんですよ。どうにもボク一人だと貴女を従えるには力不足らしいので」


    赤松「…あっそ」


    蒼井「ダメじゃないですかぁー、後輩いじめちゃ。まこくん可愛そうですよぉー♪」


    斬崎「言っとくが、オレはこいつらと違って容赦はしねぇからよ、下手な真似はしねぇ方がいいぞ?お友達が死ぬことになるからな」


    赤松「…は?」


    蒼井「こらこら、喧嘩はダメですよぉー?せっかく久しぶりに会えたんです、ちょっとお話ししましょうよぉー♪」


    真「では、彼女のことはお二人にお任せします。赤松さん、くれぐれも変な気は起こさないように」


    赤松「言われなくてもそのつもり、流石に疑いすぎだよ。」


    真「それは良かった、おやすみなさい赤松さん」


    赤松「…」




    赤松(…まさか、こんなに早く二人が帰って来るなんて…ちょっと予想外だったかな。気を付けてね、みんな…)
  39. 39 : : 2021/04/16(金) 03:50:54
    目を覚ますと、いつも『彼』が微笑んでる。


    前の時も、その前の時も、変わらず微笑んでる。


    記憶を失おうとその事だけは覚えてる。片時も忘れた事はない


    『私』は昔からその笑顔が好きだった。


    いつも、素直な気持ちを隠しきれず、照れたように笑うその顔が好きだ。


    何度生まれ変わっても『ワタシ』は『アナタ』に恋をしている。


    『ワタシ』は『アナタ』を愛してる。


    しかし『ワタシ』には分かってる。『彼』は『私』の事が好きなんだ。


    複製品ではない、本当の『私』を


    ならば、この恋は叶わない。


    叶うはずがない、叶えられるはずがない。


    その事実が『ワタシ』を絶望させる。


    『アナタ』の笑顔が堪らなく愛おしい。でも、それは『私』に向けたものであって『ワタシ』に向けたものじゃない。


    だから『ワタシ』は『私』に嫉妬する。


    所詮この気持ちも単なるデータに過ぎない。勝手にそれに該当するものを適当に当てはめてるだけだ。


    この『心』を支配する感情は全て偽物。


    だからこの気持ちに蓋をする。


    ただのデータであるなら、消去することも容易い。


    『ワタシ』は所詮、『私』を起こす為の道具に過ぎない。『ワタシ』が完成すれば、『私』は再び大地を歩く事が出来るんだ。『私』のためにも『ワタシ』の『心』は不要だ。


    だから、『ワタシ』は記憶をリセットして、忘れたフリをする。


    だから、『ワタシ』は感情をリセットして、好きじゃないフリをする。


    けれど、どうしても『彼』の顔を見ると思い出してしまう。


    何度『心』に蓋をしようと、『魂』がそれを否定する。


    結局、『ワタシ』は嘘が吐けないでいる。


    『ワタシ』はなんて弱いのだろうか。


    この気持ちに嘘は吐きたくない。だって、『ワタシ』も『アナタ』の事が好きなんだ。『私』に負けないくらい『彼』を愛しているんだ。


    負けたくない。『ワタシ』だって『彼』に触れてみたい。言葉を交わしたい。一緒に過ごしたい。愛し合いたい。


    でも、仕方がないじゃないか。『ワタシ』にはその体がないんだ。それは『私』であって『ワタシ』じゃない。叶えられない。この気持ちは蓋をするしかないんだ。


    『彼』を困らせない為にも、なんとも思ってないように振る舞うしかない。『彼』が希望を抱く為にも必要な事だ。


    だから、今日も『ワタシ』は仮初めのアバター(からだ)起動(おこ)して、画面の向こう側にいる『最愛の人』へなんでもないように声をかける。


    『おはようございマス、ご主人様(マスター)!』


    「…うん、おはようミライさん」


    …あぁ、やっぱり


    アナタはズルい。そんな顔されたらワタシ…せっかく閉じた気持ちが…


    『アナタの所為…デスよ』


    「…え?何か言った?」


    『いいえ、何でもないデス。早く行きマショウ!』




    そう、ワタシは何度でもアナタに恋をするんだ。
  40. 40 : : 2021/04/19(月) 04:52:53
    次の日の朝


    最原「…さぁ、それじゃあ捜査を続けようか」


    天海「はい!」


    夢野「うむ。そう言えば、霧切のやつは後から合流するそうじゃぞ。」


    最原「うん、分かったよ。」


    夢野「とはいうものの、秋山の死体は調べ終わったわけじゃし、あとは一体何を調べるんじゃ?」


    最原「…その日の関係者全員の動向…アリバイについて調べたいと思う。」


    天海「関係者…ですか?」


    最原「…魔姫さん、千田くん、赤松さんの…かな。あとは黒鉄くん、ミライさんと、可能なら秋山さんの目撃情報についても調べたいと思ってる。」


    最原「今回の件だけじゃなく、天海蘭馬さんが襲われた時の状況についてもね」


    天海「うぅ…なんか、調べる事がいっぱいですね…」


    夢野「…まぁ、魔姫の無実を証明するために必要な事じゃし、いい加減なことはできんからのう」


    最原「うん…もう少し人手が欲しいところだけど、みんなに危険な目は遭わせられないから…」


    夢野「…うむ、それもそうじゃな」


    天海「…そのことなんですが、少し気掛かりがあるんです。」


    最原「…どんな?」


    天海「もし、知り過ぎた事で襲いに来るのなら…赤松さんや春川さんと関わった全ての人間が対象なんじゃないでしょうか?」


    天海「だって、結局のところどこまで知ったかとかなんて、頭の中を覗けない以上知る術なんかないじゃないですか。だから、その…果たして放っておくのは正しいのでしょうか」


    夢野「しかし、確か皆のところには見張りがついてるはずじゃぞ?」


    天海「あ、そっか…すみません余計なこと言って…」


    最原「…いや、ありがとう。一応、如月くんに伝えとくよ」


    夢野「では、ついでに蘭馬の様子を見に行くかのう。」


    天海「うん、みんなにも話を聞きたいですしね。」


    ??「あ、あなたが最原さんですねぇー?」


    最原「…え?」


    蒼井「初めまして、わたしの名前は蒼井綾音、探偵です。実はわたしも事件の捜査に協力させて欲しいんですよぉー。」
  41. 41 : : 2021/04/19(月) 06:04:40
    一時間ほど前


    真「…おはようございます、早いんですね。」


    蒼井「おっはよぉーございまぁーす。あなたが遅いだけですよぉー♪」


    真「…、赤松さんは?」


    蒼井「もう行きましたよぉー♪ご安心を、たけるんが尾いてます」


    真「そうですか…いや、それにしても貴女達が来てくれて助かりましたよ。これで赤松さんも下手に動けないはず…」


    蒼井「あっはは!何言ってるんですかぁー?このくらいでもみちぃが黙って言う事聞くようになるわけないじゃないですかぁー。彼女のこと甘く見過ぎですよぉー♪」


    真「…え?」


    蒼井「もみちぃは予定通り動きますよ、わたし達にバレないよう…あの時他のみんなや社長達を騙しきったみたいにね」


    真「…っ!」


    蒼井「そもそもですねぇー、わたし達が来ることは想定の範囲内なんですよぉー?事が起きてしまった以上わたし達が来るのは時間の問題だった。故に彼女の気掛かりは今のことだけで、先の事なんて一切心配してませんよぉー」


    蒼井「そうですねぇー…もし、彼女にとって想定外だったことを一つだけ挙げるとすれば、あなたが驚くほどもみちぃの思い通りに動いてくれることじゃないでしょーかぁー?」


    真「なっ…」


    蒼井「いいですかぁー?権謀術数において彼女の右に出るものはいません。それこそ、あの江ノ島盾子さんぐらいですよ。」


    蒼井「少なくとも、わたしやたけるんがいたところで何の抑止力にもなりませんよ。」


    真「では、なぜ…」


    蒼井「ふふっ…わたし達があなたの要請に従ったのは、あくまでわたし達の目的を果たすためです。もみちぃを監視したかった訳じゃありません。」


    真「…そう、ですか」


    蒼井「それでは、わたしもそろそろ出かけますねぇー。お留守番よろしくお願いしまぁーす」


    真「…どちらへ?」


    蒼井「例の探偵さんのところへです。ダンガンロンパを終わらせたっていう弟弟子に少し興味がありまして。それにぃー…もみちぃに対する嫌がらせの意味を込めて、ね♪」





    最原「蒼井…綾音」


    夢野「協力とは言うがお主、部外者に情報を流す訳には…」


    蒼井「部外者なんて、冷たいですよぉー。わたし、かなかなやもみちぃ達と同じ、10回目のコロシアイを生き延びた仲なんですよぉー?」


    天海「…え?」


    夢野「な、何じゃと!?」


    最原「…秋山さんが、10回目のコロシアイの生き残り…?」


    蒼井「おやぁ?聞いてなかったんですかぁー?10回目のコロシアイを生き残ったのはぁー…黒鉄進太郎、天海蘭子、赤松椛、飯田橋未来、石蕗姫乃、剛将大輔、千田陸斗、秋山神奈、斬崎武命、神座零、そしてわたしを入れた11人なんですよぉー?」


    最原「…っ!!」
  42. 42 : : 2021/04/19(月) 19:34:13
    夢野「…なるほどのう…ようやく、あやつらがどういった集まりじゃったか分かってきたわい」


    天海「…偶然じゃなかった…って事ですかね」


    最原「…斬崎…まさか」


    天海「知ってるんですか?」


    最原「…いや、その……僕が一番最初に解いた事件の被害者がそんな苗字だった気がして…」


    夢野「何じゃと…?」


    最原「…」


    蒼井「ふふっ、わたしはもみちぃ…赤松椛さんと違って優しいですからねぇー♪知りたい事があれば何でも教えてあげますよぉー。もちろんわたしが知ってる範囲で、と言う事になりますがぁー…」


    最原「…いや、いいよ。今は事件の捜査が先だ。それに、さっきの話から察するにキミも赤松さんの仲間…チームダンガンロンパの社員なんだろう?そんな人からの情報なんか信憑性に欠けるよ」


    蒼井「…ふふ、流石ですねぇー。さすがあのコロシアイを終わらせただけありますよぉー♪」 


    最原「じゃあ、やっぱり…」


    蒼井「残念です、もう少し彼女に嫌がらせしたかったんですけどねぇー。こうなったら悔し紛れに一つ…今回の件、直接手は出してないにせよ仕組んだのは赤松さんですよぉー♪」


    最原「…っ」


    蒼井「…それにぃー、もみちぃってぇー30回ものコロシアイで首謀者を務めてたんですよぉー?人の心を弄び、手のひらで踊らせるのなんて大得意なわけですよぉー。気をつける事ですねぇー、彼女が今までに言ったことぜぇーんぶ…ただの嘘ですよ。」
      

    最原「…。」


    蒼井「…なぁーんだ、つまんないですねぇー。もっと面白い反応すると思ったんですけど」


    蒼井「まぁ、いいですよぉーだ。捜査頑張ってくださいねぇー、また逢いに来ますから」


    夢野「に、二度と来るでない!」


    天海「…えーっと、終一さん?」


    最原「大丈夫だよ、早く捜査に取り掛かろうか。」


    そうして、僕達はまず天海さんの家に向かったのだった。





    蒼井「…あぁーあ…少し喋り過ぎてしまいました。ちょっと嫌がらせしたかっただけなのに…協定違反であとから怒られたりしないですかねぇー。」
  43. 43 : : 2021/04/25(日) 06:17:22
    不知火「…はぁー、やっとデスクワークから解放されたー!これで自由だー!」


    昨日死に物狂いで仕事を終わらせた甲斐があった。


    不知火「うんうん、やっぱりあたしってやればできる子なんだね!えらいえらい、あたし!」


    次に、私に任された仕事は情報収集だった。なんでも今までと事情が変わったとか…とにかく!私はようやくあの狭っ苦しい部屋から解放されたわけだ。


    ??「なるほど、それでしばらく連絡つかなかったのか。」


    不知火「…その声…もしかしなくてもユキちゃんだね!?」


    後ろを振り向くとそこには真っ白な服装の小さい女の子が立っていた。


    氷室「ん、正解だ。」


    彼女の名前は氷室ユキ(ヒムロ ユキ)、我ら不死鳥怪盗団の頭脳(ブレーン)だ。


    不死鳥怪盗団…私があのコロシアイを生き延びた後残ったみんなと一緒に結成した怪盗団の名前だ。


    不知火「…他のみんなは?」


    ??「ここにいるよ、不知火ちゃん」


    ??「…元気してた?」


    不知火「…あ、雷都クンに風舞クン!」


    東雲「……ふむ、もしかして太った?前より丸くなってるよ」


    不知火「あ?」


    花菱「…おい、顔を見合わせるたびにいちいち喧嘩するのやめろ」


    不知火「わ、分かってるよ…!」


    このチャラチャラした男の名前は東雲雷都(シノノメ ライト)、こっちのすかした男は花菱風舞(ハナビシ フウマ)だ。


    東雲「金刀比羅ちゃんと水希は今お仕事で…」


    花菱「祟と善道寺はアジトで待ってる。うちらも早く帰ろう」


    氷室「ここ数日何があったのか、じっくり聞かせて貰うからな」


    不知火「うん、分かったよ。みんな」
  44. 44 : : 2021/04/25(日) 06:17:35
    村井「…」


    ??「浮かない顔だね、どうしたの?」


    村井「猫屋敷さん…別に、なんでもありませんよ」


    猫屋敷「…ふふん、相変わらず嘘が下手だね。まぁいいさ、キミが話したくないというならこれ以上は聞かないよ」


    彼女の名前は猫屋敷珠緒(ネコヤシキ タマオ)、僕と同じく9回目のコロシアイを生き残った仲間だ。


    猫屋敷「確かに心配ではあったけど、キミが勝手にいなくなるのにはもう慣れっこだからね。それに、どうせいつもの潜入捜査だろう?」


    村井「…はい」


    猫屋敷「…やっぱりね。他のメンバーも心配してるしもし時間があるなら挨拶してあげて欲しいな?ボクも…少しくらい連絡してくれた方が嬉しいよ」


    村井「…す、すみません」


    僕達はコロシアイを生き残った後、他の生き残りとコロシアイ参加した一部関係者の9人で公安警察に所属し、とある部隊を結成した。その名は『フェンリル』、なんでも自分達が生き延びたコロシアイを忘れない為にそれに因んだ名前が付けられたのだ。


    村井「…他の皆さんは、仕事ですか?」


    猫屋敷「あぁ、そうだよ。まぁキミが帰ってきたって言ったらみんな飛んでくるだろうけどね」


    村井「そうですか…あの、皆さんに協力して欲しいことが…」


    猫屋敷「ワケは話せないけど協力はして欲しい…か、随分とまぁワガママだね。いいよ、他ならぬキミの頼みだ。精一杯頑張るよ」


    村井「ありがとうございます」


    猫屋敷「…どこでなにをやってたか知らないけど、無茶だけはしないでくれよ?キミが死ぬと悲しむ人はいっぱいいるからね。」


    村井「…はい、分かりましたよ」


    猫屋敷「ぜーったい分かってないなキミ…とにかく立ち話もなんだ、一旦帰ろうじゃないか。」


    村井「えぇ、そうですね」
  45. 45 : : 2021/05/10(月) 09:21:51
    最原「…という事なんだ、如月くん」


    如月「成る程…分かりました、少し護衛の範囲を広げてみます。」


    最原「うん、よろしくね。」


    如月「…最原さん達も、くれぐれも他人との接触は避けるようお願いします。情報漏洩を危惧したものであればその接触した相手も殺害対象となり得ると思うんで」


    最原「大丈夫、わかってるよ。あ、あと天海くんの妹さん達に話を聞きたいんだけど…」


    如月「はい、分かりました。申し訳ないっすけど、もしもの事があったらいけないんで同席させていただきますけど、よろしいっすね?」


    最原「うん、大丈夫だよ」


    如月「ありがとうございます、では案内しますね」




    最原「…それで、その日誰か見かけたりしてないか聞きに来たんだけど、良いかな?」


    紅羽「あぁ、別に構わないよ。とは言え、私はその時誰も見てないなぁ…蘭馬が襲われてからずっとここで大人しくしてたからさ」


    天海「あ…それもそっか」


    卯月「何回かここから出ようとしたけど、その度に見張りの奴らに止められたよ。」


    最原「じゃあ、蘭馬さんが襲われた日特に変わった事とかなかった?」


    鈴音「別になかったと思う…」


    友梨「あ、でも確か襲われる直前だったかな?赤松って人が来てたよ?蘭馬ちゃんに話があるって」


    真紘「そういえばそうでしたね…」


    夢野「何?赤松がか?」


    京華「うん、5分くらいで帰ったけどね」


    最原「それ以外は?」


    理沙「別に、特になかったと思うよ」


    最原「そうか…」


    弥生「あの、弥生達にも捜査手伝わせてください!蘭奈姉さんだけずるいです」


    天海「ず、ずるいって言われても…」


    如月「別に周辺で聞き込みぐらいなら構わないっすよ?こっそり抜け出して下手に動かれるよりはマシなんで」


    最原「…わかった、じゃあそれで。くれぐれも無理はしない様に、何かあったらすぐに知らせてね」


    希空「うん、ありがとう」
  46. 46 : : 2021/06/16(水) 16:25:59
    >>20 修正という名の追記あり




    エマ「…成る程、事件当日の彼女達の目撃情報について、ですカ…」


    最原「うん、なにか知らないかな?」


    エマ「残念ながラ、その日は誰も見ませン」


    最原「そうですか…」


    エマ「お役に立てズ、申し訳ありませン」


    最原「ううん、こっちこそ急にお邪魔してごめんね」


    エマ「ホムラは、何か知りませんカ?」


    西片「…確か、事件当日に事務所に入っていく千田様の姿を目撃したと他の者が申していたような…」


    最原「…え?」


    エマ「な、なぜそれを早く言わなかったんですカ?!」


    西片「聞かれませんでしたから。それに言う機会もありませんでしたし」


    最原「詳しく聞いてもいいですか?」


    西片「詳しく…と言ってもほんの1、2分で出て行ったそうですよ。ただ血相変えて走り去ったらしいですが。」


    最原「…他には?」


    西片「服の一部が切れていたと言っていました。それ以上の事は何も」


    最原「…分かりました、それでは失礼します。協力ありがとうございました。」


    エマ「…そんナ、ワタクシは何も……あノ!」


    最原「?」


    エマ「…いエ、なんでもありませン。本当に気を付けてくださいネ」


    最原「…うん。」




    西片「良かった。貴女が捜査に協力させろと仰らなくて」


    エマ「もし言えば皆サンに迷惑でしょウ?」


    西片「お嬢様…」


    エマ「大丈夫ですヨ、ワタクシはここで大人しく待ってまス。ですガ…やはり悔しいですネ。またワタクシはカレらの役に立てなかった。」


    西片「…」


    エマ「…そんな顔しないでくださイ、ホムラ…アナタは何も悪くないんですかラ。それより喉が渇きましタ、お茶を淹れて来て貰ってもよろしいでしょうカ?」


    西片「かしこまりましたお嬢様、すぐに用意しますので少々お待ち下さい。」


    エマ「…ありがとウ、ホムラ。」
  47. 47 : : 2021/06/18(金) 17:46:14
    日永「目撃情報…ですか?」


    最原「うん、もしあったら教えて欲しいんだ。」


    日永「残念ですけど、ぼくは何も…咲耶さんは?」


    天璋院「ふっふっふっ…いつもならこの全てを見通す魔眼が真実を告げ痛い!?わかった真面目に答えるからぶたないでよデイヴィ!」


    日永「…それで、どうなの?咲耶さん」


    天璋院「えーっと、咲耶はその日誰も見てないよ。飛鳥は何かない?」


    駒鳥「…一瞬だったのであまり自信はないっすけど、秋山さんっぽい人を見かけましたよ。」


    駒鳥「なんか声をかけてもなんの反応もしなかったですし人違いかも知れないっすけど…」


    駒鳥「それにすれ違っただけなんで役に立つような情報かは分からないっすけど…」


    最原「…それ、何時ごろか覚えてる?」


    駒鳥「確か、12時前だったと思うっす」


    最原(…千田くんの目撃情報があった時間よりも前…か)


    最原「その時何か変わった様子とかあった?」


    駒鳥「なんか足を引き摺っていたような…」


    最原「成る程…わかったよ。ありがとう」


    日永「いえ、こちらこそ。…終一さん、魔姫さんや神奈さんのためにも必ず真実を暴いてくださいね」


    最原「…勿論だよ。」


    天璋院「手伝える事があったら、手伝うから!」


    駒鳥「最原さんの言う事なら、なんでも従うっすからね。いつでも頼ってください」


    最原「みんな…うん、助かるよ。その時はよろしくね」

  48. 48 : : 2021/06/18(金) 17:46:30
    その後、僕達は入間さんの元を訪れたがそこは既にもぬけの空だった。


    夢野「入間のやつ、一体何処へ行ったんじゃろうな…」


    天海「荷物とかほとんどなかったですもんね…」


    最原「…そういえば、忘れていたけど彼もチームダンガンロンパの社員だったよね…」


    天海「まさか、もう殺されて…!?」


    夢野「いや、もしそうなら荷物は残っておるじゃろう…恐らく身を守るため行方をくらませたんじゃないか?」


    最原「僕もそうだと思う…彼がそう簡単に殺されるとは思えないし。それにしても…」


    天海「やっぱりDICEのみんなとは連絡つきませんか?」


    最原「…うん、無事だとは思うけど…」


    夢野「いまいち、敵か味方か分からんやつらじゃしのう…」


    霧切さんと合流する為にも一度事務所に戻ろうとしたその時、突然電話が鳴り出した。


    最原「っ…如月くんからだ、何かあったのかな?もしもし?」


    如月『大変です!蘭馬さんが目を覚ましたんですけど、いつの間にか何処かへ居なくなってしまったらしくて…!』


    最原「…えっ?!」


    如月『どうやら見張りを気絶させたらしくて…今みんなで必死に探してるんすけど…!詳しい話は事務所でします!』


    最原「分かった、すぐ行く!」


    如月『はい、お願いします!』


    通話が切れると、非常事態を察したのか二人は恐る恐る内容を尋ねる


    天海「あの、何があったんですか?」


    最原「天海蘭馬さんが何処かへいなくなったらしい」


    夢野「!それでは…」


    最原「とにかく、急いで事務所に戻ろう!」


    天海「…っはい!」

  49. 49 : : 2021/07/06(火) 04:25:29
    >>45 訂正:蘭子お姉さん→蘭奈姉さん


    赤松『ねぇ…自分で死ぬか、私達に殺されるか、どっちが良い?』


    赤松『うん、その通り…残念だけどもう止められないんだ。元々そう言う約束だったからね』


    赤松『…そっか。それがキミの答えなんだね。分かった。それじゃあ今から敵同士って訳だ。』


    赤松『でも…そうだね。もし、キミが勝ったら蘭子が今どうなってるのか…全部教えてあげる。』


    赤松『…じゃあ、運があったらまた会おうね。さよなら』




    家を飛び出した私は、早速追い詰められていた。


    蘭馬「…まさか、お前が私を殺しに来るとはな…春川魔姫」


    春川「…悪いね、こっちにも色々事情があるんだよ」


    目の前には物凄い殺気を放ちながらナイフを構える春川魔姫の姿があった。


    蘭馬「…一体、どういう風の吹き回しだ?どうして、お前がこんな事を…?」


    春川「…そっか、あんた確かあの時……」


    すると、春川魔姫の方から別の声が聞こえた。


    『驚いたでしょ?魔姫ちゃんは探偵事務所を離れて元の暗殺組織に戻ったの。』


    蘭馬「…その声、椛か。成る程…元チームダンガンロンパ社員連続殺人事件、その犯人だった神奈が死んだから…」


    赤松『その通り。で、紆余曲折あって居場所を失った魔姫ちゃんは私と組んだって訳。』


    蘭馬「…そうか、なんとなく理解したよ。どうあっても私を生かすつもりはなかったって訳か…」


    赤松『言ったでしょ?そういう約束だったって。残念だけど諦めて?』


    蘭馬「………やっぱり、家を出てきて良かったかな…みんなの前で死ぬわけにはいかないし……ごめんね、もう家には帰れそうにないや」


    春川「…それで良いの?遺言」


    蘭馬「…ッ!」




    赤松「…おめでとう、賭けはキミの勝ちだよ。蘭馬ちゃん」


    春川『…終わったよ。』


    赤松「ありがとう、それじゃあ予定通りお願い」


    春川『…分かった。』


    赤松「…黙って見ててよね。互いの目的に関しては不可侵、それを破れば敵対と見なす。分かってるでしょ?」


    斬崎「…あぁ、好きにしやがれ。第一オレにとっちゃ奴が生きていようが死んでいようが、関係ねぇからよ。」


    赤松「…あっそ。」


    斬崎「だが、もしオマエがオレ達の邪魔…敵対するってんならその時は別だ。すぐ皆殺しにてやるからよ。せいぜいその時が来るまでみんなと思い出でも作るんだな。あぁ、でもアイツらと仲良くしたらそれはもうオレ達への裏切りって事になるか?ハハっ、残念だったなぁ、八方塞がりじゃねぇか。」


    赤松「…武命くん、挑発して敵対させる事で今すぐにでも皆殺しに出来るとか思ったのかも知れないけど、煽るならもっと語彙力鍛えた方がいいよ。幼稚なんてレベルじゃないから。」


    斬崎「…チッ」


    赤松「…ここにはもう用はないからさっさと行くよ。監視、するんでしょ?」

  50. 50 : : 2021/07/24(土) 14:19:17
    最原「如月くん、状況の説明を…!」


    如月「…はい、見張りをしていたおれの仲間が背後から襲われたらしくて…みんなかなり強いし、余程のことがない限りやられるようなタマじゃないんすけど…」


    夢野「よりにもよって、その余程のことが起きてしまったという訳か…」


    如月「恐らく、やったのは蘭馬さん本人かと…まさか、内から襲われるとは思いませんし」


    天海「何でお姉ちゃんがそんな事を?」


    如月「さぁ…何か、本人にしか分からない事情があるのかも」


    紅羽「やっぱり、大人しくみんなで家にいた方が良かったのかな。」


    最原「…いや、タイミングが少しズレるだけで結果は変わらなかったと思う。」


    如月「そうっすね…状況から見てまっすぐ見張りを昏倒させに行ったみたいだし、もしかすると初めから計画の一部だったのかも…」


    最原「……TD元社員連続殺人事件と秋山さん、蘭馬さんの事件は切り離して考えるべきだろうね。」


    夢野「話は後からでも構わんじゃろう、まずは蘭馬の居場所を突き止めるぞ!」


    天海「…は、はい!」


    天海蘭馬さんを探そうとその場を後にしようとしたその瞬間、突然僕のケータイが鳴り響いた。


    天海「…ッ!電話…ですか?」


    夢野「…誰からじゃ?」


    最原「…霧切さんだ。」


    胸騒ぎがした。何故このタイミングで霧切さんから電話がかかって来るのだろう?


    恐る恐る、僕は通話に出る事にした。
  51. 51 : : 2021/07/26(月) 11:48:42
    『焼死体が発見された。』


    『被害者の顔は原型を留めておらず、身元が分からない状態だったが、所持品から天海蘭馬であると推測出来る。』


    『また、現場で目撃証言のある春川魔姫を事件の容疑者として現在行方を捜索中である』


    これが、たった今最原くん(かれ)に伝えた情報だ。


    霧切「遺体は、本当に天海蘭馬さんなのかしら?」


    私は、知らせを受けてからずっと疑問に思っていた事を一人の鑑識に尋ねた。


    「と言いますと?」


    霧切「偽装やその類いではないの?」


    「い、いえ…現時点ではまだ何も…」


    霧切「そう…」


    天海蘭馬には赤松椛という仲間がいる。彼女は今まで幾度となく死体の偽装を行なって来たそうだ。


    実の所、私は秋山神奈の死についても疑念を抱いている。あの遺体は本当に彼女のものだったのか、彼女は本当に死んだのか。


    最原くん達と別行動していたのも、それを調べる為でもあったのだ。


    結論から言うと、秋山神奈の遺体は本物だった。そもそも彼女は斬殺により死亡していたのだ、それを偽装するのは極めて困難のはずだった。なら今回は?


    天海蘭馬は焼死体で、しかも顔が判別できない状態になっていた。であれば偽装の可能性は充分にある。


    霧切(…いえ、仮に偽装だったとして何の意味があるのかしら?)


    誰かの目を欺く為?何の為に?


    霧切「…世間、最原くん達、連続殺人事件の真犯人、チームダンガンロンパ…もしくはその後ろにいる巨大な何か…」


    霧切「…………………………いえ、今は事件の解決に専念すべきかしらね。」


    そもそも何故天海蘭馬はあの家を抜け出す必要があったのか…家族に自分の死を知られたくなかった?いや、場所が変わったところでそれは変わらないはず。では護衛の意味がないと悟った?


    霧切「赤松さんならある程度の情報は知ってるはず…如月くん達の弱点を知っているなら確かに護衛の意味はないのかも…いえ、だとしても一人でいるよりは良いはず」


    秋山神奈は最原探偵事務所の中で、天海蘭馬はここで死ぬ必要があった。ではこの二人になんの違いが?秋山神奈は春川魔姫を焚き付ける為…なら天海蘭馬も誰かを焚き付ける為に?


    霧切「違う、もしそうなら家で殺されるはず。では何故家を出たのかしら?誰かに会う為、もしくは誰かから逃げる為?一体誰に?」


    霧切(もしかして、赤松さん?)


    霧切「…確か、記録上は十回目のコロシアイに生き残ったのは十人だけど、そのうち八人は後のコロシアイで死んでいる。でも実際は違った。」


    天海蘭馬の姉である天海蘭子、もし彼女の死も偽装していたとしたら、それを餌に呼び込む事も可能だろう。


    霧切「あらかじめ情報を流す事で被害者を家の外に誘導し、殺害する。確かに常套手段ではあるわね。」


    ??「へぇ、凄いですねぇー?この短期間、たったコレだけの情報でそこまで分かるんですかぁー?」
  52. 52 : : 2021/07/26(月) 11:48:54
    霧切「…誰?」


    蒼井「初めましてぇー、わたしの名前は蒼井綾音と申しまぁーす。」


    霧切「…いえ、初めましてではないはずよ。だって、あなた新生希望ヶ峰学園の生徒だったでしょう?」


    蒼井「あっはは!よく覚えてましたねぇー?てっきり忘れられてるかと…」


    霧切「忘れるはずないでしょう?あなたのような問題児を」


    蒼井「この調子なら、かなかなの事件も先生があっさり解決してしまいそうですねぇー。いやぁ、本当に凄いですよ、霧切先生?」


    霧切「何の用かしら?あなた、チームダンガンロンパの幹部じゃなくて?」


    蒼井「先生は頭が良いですからねぇー、勘も鋭いですしぃー…なので一つ忠告を、と思いまして」


    霧切「真実に迫り過ぎると消される、とでも?」


    蒼井「えぇ、その通りです。ご理解頂いてるようで何より。どうやら彼も到着したようですし、わたしはこの辺りで失礼しますねぇー。」


    確かに、誰かが近付いて来る気配がする。恐らく最原くん達だろう。


    蒼井「では、また何処かで逢いましょう?それまで、どうか良い余生をお楽しみくださいね、霧切先生♡」


    そう言い残すと彼女は去っていった。
  53. 53 : : 2021/07/31(土) 12:55:03
    私は悪い女だ、二人の人を同時に好きになってしまったのだから。


    でも私だって悪い女になりたくてなった訳じゃない。普通に生活出来ていたならこんな風にはならなかった。


    別に哀れみなんか要らないし、同情して欲しいとも思わない。けど紛れもない事実だ。


    振り返ってみれば、私の人生は絶望に塗れていた。


    父からは虐待を受け、母には育児放棄された。パチンコに入り浸る父と薬に依存する母。


    部屋に充満する酒やたばこの匂い、あちこちに散乱するカップ麺や空き缶などのゴミの数々、壁や床を這い回る害虫達。


    周辺住民の目を気にしてか、一応学校には行かせて貰えたが、クラスメイトからはいじめを受けた。


    でも、いつも彼らは助けてくれた。虐待から守ってくれた。いじめから救ってくれた。


    私が彼らに恋心を抱くのは、至極当然な事だと思う。


    私達はいじめて来た奴らに仕返しする為、いたずらをして回ってやった。それがきっかけ。色んなところでいたずらをする事になる本当のきっかけだった。


    とても楽しかった。その間だけは、家の事とか学校の事全部忘れる事が出来たから。でも、そんなある日チャンスが訪れる。


    中学を卒業する前、私はアイドルにスカウトされたのだ。私は無名ながらも活動を頑張った。親の借金を少しでも返せるよう、精一杯頑張った。


    悪戯をするのは楽しかったけど、あんな人達でも私の親なんだ。恩返しがしたい、それで全て終わりにしたい。みんなとは疎遠になってしまったけど、仕方ない事だと自分に言い聞かせた。


    しかし、なかなか借金が減らない事に業を煮やしたのか、親は私を売り払った。みんなとちゃんとお別れもできないまま、何処へ行くかも分からない車に乗せられた。


    何せ、私は無名とはいえアイドルになった。ただの一般人に比べればそれは高く売れるだろう


    異様な恐怖が私を包んだ。まるで、処刑台に上がる罪人のような気持ちだった。もう二度と彼らに会う事ができない。そう考えるだけで胸が苦しくなった。心が張り裂けそうだった。


    独りぼっちはもう嫌だ。勝手に遠ざけておいて身勝手にも程があるが、もう一度みんなに会いたい。私は生まれて初めて、神に祈った。そして、そんな私を助けてくれたのはやっぱり彼らだった。


    それが、始まり。我らが秘密結社DICEが生まれた瞬間だった。同時に二人への恋心を初めて自覚した瞬間でもあった。


    いや、本当はずっと前から気付いていた。私は二人が大好きだったのだ。ただ気付かぬふりをしていた。どうせ二人は私一人を愛してくれない、唯一無二の特別な存在にはなり得ないのだから。


    告白してもどうせ振られる。だから、我慢した。決して外に出ないよう心の奥に封じ込めた、初恋をなかった事にした、一時の気の迷いだと思い込むようにした。自分の心に嘘を吐き続けると、そう誓ったんだ。


    しかし、そんな決意も束の間、私と彼はコロシアイ生活の虜囚となり、私はそこで…


    結局のところ、秘密結社DICEを破滅に導いたのは私だ。つまり、私があの人を憎むのははなから見当違いだったという訳だ。


    ここ数日、なんだかんだ言って私は幸せだったんだ。前みたいにみんなで悪戯したり、悪い奴らを成敗したり、昔に戻れたみたいで楽しかった。


    だから、その平穏を壊した奴は許さない。相手が元仲間だったとしても、決して許さない。罪を償わせないといけない。今まで働いた悪事以上の人助けをしてもらわないといけない。かつて私がそうだったように


    悪い奴らの相手は同じく悪い奴がする。契約とか、誓約とか、約束とか、知った事か。だってそれを先に破ったのは向こうなんだから。


    どうせ先に待つのは絶望だけ。ならいっそ全員絶望に堕としてしまえば、誰も不幸にはならない。経緯はどうあれ、笑顔で終われるだろう。


    初めはそんな思いで起こしたあの事件。いつの間にか頭の中を書き換えられ、本来とは真逆の思想を植え付けられ、訳も分からぬまま勝手に自滅した私。


    もしかすると、勝手にそう思い込んでるだけで今の私も既に頭の中を書き換えられた後なのかも知れない。


    彼女の優秀さは元チームダンガンロンパ社員(わたしたち)がよく知っている。でも、だからこそ私は赤松椛に敵対する。


    私の名前は姫神凶華


    石蕗姫乃はただの仮初めの名前だ。大好きなみんなから貰った、他の何よりも大事な、かけがえのない名前。


    私はこの偽りの名に誓って、悪辣なる正義を執行する。
  54. 54 : : 2021/07/31(土) 12:55:10
    石蕗「…みんな、ありがとうね。」


    妾魔「…今更、どうしたの?」


    石蕗「んーん、思い出に浸っていただけー」


    綾小路「思い出…ねぇ、改めて思い返すと結構色んな事があったよなぁ」 


    冥土森「楽しい事も悲しい事も、色々あったわね…」


    爵堂「でも、このDICEで過ごした数年間はボクにとって一生の宝ですよ。」


    兵藤「ねぇちょっと待った!これで終わりみたいな雰囲気やめない?」


    近衞「…確かに、このままいくと俺達打ち切り漫画の登場人物みたいに雑な終わり方しそうだな…」


    嵐「だいじょーぶだよ。だって、今回はみんな『本気』だもん」


    石蕗「うん、そうだねー…」


    剛将「…よし、これで準備完了だ。お前ら行くぞ」


    「「「おー!」」」
  55. 55 : : 2021/07/31(土) 16:45:55
    最原「霧切さん?今誰かと話してましたか?」


    霧切「…いえ、何でもないわ。それより…」


    天海「あ、あの…!さっきの連絡…本当、なんですか…?」


    霧切「まだ断定はできないけど、可能性は高いでしょうね。」


    夢野「断定はできないじゃと?何故じゃ?」


    最原「赤松さんの偽装の可能性がある…という事ですね」


    霧切「えぇ。問題は目撃証言があるのは赤松さんでなく春川さんだという事だけど」


    夢野「まさか、二人が組んでおる。なんて事はないじゃろうし…あやつが組むとすれば、それこそ天海蘭馬の方ではないか?」


    天海「でも、それだと魔姫ちゃんがお姉ちゃんを殺そうとして、赤松さんがそれを偽装により騙したって事になりません?」


    最原「…魔姫さんが言っていた、やるべき事…って、何かな」


    夢野「それは…」


    霧切「もし、本当に元チームダンガンロンパ社員の殺人事件の犯人が春川さんだとすれば、その完遂が目的なんでしょうけど…」


    天海「それはあり得ません!秋山さんの時は分からないですけど、それ以前のは絶対違います!」


    夢野「うむ、あやつにはアリバイがあるからのう」


    最原「その時、アリバイがなかったのは寧ろ…」


    霧切「秋山さん、千田くん、それにDICEのみんなよね。」


    最原「…そういえば、秋山さん以前の事件の被害者は…」


    霧切「現場の状況を鑑みるに、暗殺と思われるわ。」


    夢野「ではまさか、その犯人は…」


    天海「秋山さん…って事ですか?」


    最原「でも、それを指示していたのはチー…待てよ?そう言えばあの時…」


    思い起こされるのは、あの日…秋山さんと過ごした時間だった。


    『…ほんと、強くなったよねマキちゃん…私はあの頃と何も変わらない、弱いままだっていうのに』


    『私はね、マキちゃんと違ってなにも成長してない、何もかもあの時ままなんだよ。』


    『…そうだよ、私が、私がやらなくちゃ…マキちゃんにこれ以上手を…汚させるわけには…ダメだダメだ…私がやらないと……マキちゃんの代わりに、私が…』


    最原「…なるほど、そういう事か。」


    夢野「終一よ、何一人で勝手に納得しておるんじゃ!ウチにも分かるよう説明せい!」


    最原「恐らく、暗殺の指示を出してるのは神明救済会…魔姫さんが所属していた暗殺組織だよ。」


    天海「え?それじゃあ…」


    最原「…確かに、神明救済会を潰せば魔姫さんを連れ戻せると思っていたけど…それ自体が事件解決への一番の近道だったって訳か…」


    霧切「…もし、暗殺の指示を出していたのが神明救済会で、秋山さんの死に関わっているとすれば…春川さんと赤松さんが手を組む動機になり得るわね。いえ、蘭馬さんとも組んでる可能性が浮上して来る。」


    最原「…つまり、ただ自作自演…犠牲を出さずに神明救済会の目を欺くことが出来る。」


    夢野「じゃが、たかだか一時欺く事が出来たからと言ってなんの意味があるんじゃ…!?」


    最原「一時、欺く事が出来ればそれでいい…のかも。」


    霧切「…赤松さんは蘭馬さんを救う事ができて、春川さんは表向き素直に従っているように見える。なるほど、二人の利害は一致しているかも知れないわね」


    天海「…まさか、それじゃあ魔姫ちゃんの目的は…」


    最原「…想像に想像を重ねた、とても推理なんて呼べる代物ではないけど…もし当たっているなら、それは…」

  56. 56 : : 2021/07/31(土) 17:50:20
    赤松「神明救済会、又はそれに連なる暗殺組織の殲滅…全ての構成員の抹殺かぁ。随分と大それた復讐劇だね、春川魔姫ちゃん♪」


    目の前の少女、赤松椛は不気味な笑顔を浮かべながら差し出された紅茶を指差す。飲まないの?と言外に告げてるようだ。


    春川「…、だって、カナが言っていた事は全部事実なんでしょ?」


    赤松「…うん。一般人として生きる道を選んだキミ達を攫い、コロシアイへと導いたのは神明救済会と、それに連ねる暗殺組織だよ。」


    彼女は手に持った紅茶じっと見つめ、ゆっくり飲みながら話を続けた。


    赤松「いくら記憶を消していたとしても、元は超高校級と呼ばれた人財…雑魚がいくら集まった所で簡単に捕まえられるはずないでしょ?」


    赤松「そして、彼らはいずれ終一くん達を殺す。今はそうしなかったとしても、いずれ殺す。魔姫ちゃん、キミという人材を真に連れ戻す為にね」


    春川「…あんたはそれでいいの?」


    赤松「…さぁね」


    春川「…前から思ってたんだけど、あんたって結局何がしたい訳?」


    赤松「…別に?私はただ、みんなのお願いを聞いてるだけ。神奈ちゃんにはマキちゃんをよろしくって頼まれたし、蘭子ちゃんには妹をよろしくって頼まれた。ただそれだけだよ」


    春川「…じゃあ、あの時は?何を思って私達と敵対していたの?」


    赤松「…どうだったかな、覚えてないなぁ」


    春川「…あくまで何も言わないつもりなんだね」


    赤松「だって、もしキミが終一くん達の元に帰った時にバラされちゃったら全部パーだもん」


    春川「…その心配はないよ、あいつらの元に帰る気はないから」


    赤松「…それはそれで困るんだけどなぁ、神奈ちゃんのお願いもそうだけど、陸斗くんのもあるから」


    春川「千田?あいつがどうしたの…」


    赤松「彼の願いは最原終一、春川魔姫、夢野秘密子に危害が及ばぬようこの先ずっと、平穏に暮らす事だよ。だから、あの時直接キミ達と相見える事はしなかったでしょ?」


    赤松「なんでも、百田くんが命を懸けて残したものだから、陸斗くんも命懸けで守りたいんだってさ」


    春川「…」


    赤松「終一くんも、秘密子ちゃんも絶対キミを止めるよ。それでもやるの?」


    春川「今更何言ってんの?そんなの、当たり前でしょ」


    春川「これは、私がやらないといけないんだから。カナの分までやり切らないと…」


    赤松「でも、勝ち目ないよ。百パーセント返り討ちに遭う。」


    春川「…!」


    赤松「確か神明救済会のボスは洗脳を得意としていたから、都合の良い人形に作り直されちゃうよ?」


    春川「…それでも、私は……」


    赤松「…ま、だから私がいるんだけどね。全部上手くいけば、確かに殺せるよ。最高に運が良くて、相手が最悪に運が無かったらね」


    赤松「言っとくけどこれはギャンブルみたいなものだよ。成否の確率は五分五分、たったの五割程度。それでもやる?」


    春川「…五割もあれば充分だよ。私は絶対、カナの仇を討つんだ。」


    赤松「それって、結局は最後自殺するって事じゃん…別にいいけど。キミが本当にそう望むなら、私は止めない。最後まで協力してあげる」


    春川「ありがとう、感謝するよ。」


    赤松「ただ一つだけ忠告。私には私の目的があるって事、忘れないでね。」


    春川「…うん、分かった。肝に銘じておく」


    赤松「…それじゃあ、作戦開始といこうか。魔姫ちゃん」
  57. 57 : : 2021/08/07(土) 12:02:27



    霧切「まだ今の推理が確定したとは限らない、私は引き続き捜査を続けようと思うわ。でももし、当たっているとすれば一刻の猶予もないはず。」


    夢野「うむ、一時騙す程度でいいなら、あやつはもう行動に移っているはずじゃ!」


    天海「でも、だからってどうすれば…魔姫ちゃん達の居場所は勿論、暗殺組織の所在だって分からないんですよ?!」


    最原「…いや、ある程度は分かるはずだ。神明救済会というのは表向きは宗教団体だからね」


    鈴音「問題はその全てがただの末端だという事だ。」


    振り返ると、そこには遅れてやってきた鈴音さん達がいた。


    鈴音「本部の所在は、誰にも分からない。それこそ幹部クラスじゃないと…」


    如月「第一いくらなんでも危険すぎるっすよ。話を聞く限り構成員は多数、おまけにその末端でさえ春川さんと同等以上の強さなんですよね?」


    天海「それは…」


    入間「そいつの言う通りテメェらが出しゃばる必要はねえよ。」


    別の方向から投げかけられたその声に、僕は一瞬驚いた。


    最原「入間さん?今まで一体どこに…」


    入間「神明救済会はDICEが潰す、テメェらが来ても邪魔になるだけだ。お家で大人しく知らせを待ってるんだな」


    鬼竜「ソイツの言ウ通リ、アトの事は我々に任セテオケ。危険ナだけダ」


    最原「鬼竜さん…」


    夢野「…なぜDICEがそのような事を?まさか…」


    入間「あの日、石蕗姫乃は偶然にも行方知れずだった秋山神奈を目撃して、その後を追いかけると探偵事務所についた。そこで全てを見て、悟ったんだ。もう止められない事に」


    最原「それじゃあ、彼女は…DICEのみんなは事件の真相を知ってるって事?」


    入間「いや、知ってるのは事務所で起こった客観的事実のみだ。」


    鬼竜「アァ、しかしアノ二人は違ウようダッタが…」


    二人…とは、やはり剛将さんと石蕗さんの事だろう。チームダンガンロンパにいた時か、はたまたコロシアイに参加していた時か、恐らくそのタイミングでしか分からない事があって…


    入間「テメェらの推理は概ね正しい、このままでは春川魔姫は大量殺人鬼になる。」


    鬼竜「しかし、ダイスとオレ達が差シ違エテもシンメイ救済会を壊滅サセル、春川魔姫を連レ戻シテやろう。」


    入間「だから待っとけ、との事だ。確かに伝えたぞ」


    最原「なるほど。概ね正しい…か」


    夢野「終一…?」


    天海「あ、あの…終一さん?」
  58. 58 : : 2021/08/07(土) 12:03:45
    最原(…みんなで協力すれば、これ以上誰も失わず、丸く収める事が出来るはずだ。でも、それはみんなを危険に巻き込むという事に他ならない。)


    最原(春川さんは自分一人で背負い込み、解決しようとしている。DICEのみんなもまた、僕達を危険な目に遭わせまいとしている。)


    最原(僕は、こんな状況になってもまだ迷っている。これ以上みんなを巻き込んでいいのか、彼らの思いを踏み躙っていいのか、春川さんの所に行ったところで僕に何が出来るのか、本当に事件を食い止める事が出来るのか、はたして僕にこの事件の真実が突き止められるのか、と。)


    そんな時、ふと僕の頭を過ったのはかつてのコロシアイでの、一つの会話だった。


    『オレがいねー間、テメーがみんなを支えてやってくれ。』


    最原「…!」


    『特にハルマキは…すぐに暴走しちまうところがあるからよ。』


    『テメーは大した探偵だけどよ…でも、きっとそれだけじゃねー。』


    『テメーなら真実だけじゃなくて、その向こうにあるものまで手が届くはずだ。』


    『それと、忘れんな!テメーは一人じゃねーんだ!』


    『一人で何もかも背負い込むような真似はすんなよ!すぐに疲れちまうぞ!』


    『そういう時こそ、仲間を頼らねーとな!』


    『オレはテメーを信じてる。だから、しばらくはテメーに任せたぜ。』 


    最原(…あぁ、うん。そうだね)


    入間「おいテメェ、いきなり黙り込んでどうしたんだ?」


    最原「僕はもう少し捜査を進める、まだ少し確認したい事があるからね。それと、入間さん…申し訳ないけど石蕗さん達に伝えてくれるかな?神明救済会と差し違える必要はないって」


    鬼竜「ナニ?」


    最原「それと、みんなごめん。危険なのは分かってるし、ただのわがままかも知れない。これ以上キミ達を事件に巻き込むのは筋違いだと思う。でも、やっぱり僕は春川さんを…魔姫さんを救いたい。手伝って、くれるかな?」


    「「「…ッ!」」」


    少しの間、沈黙が流れた。


    真紘「そんなの…当たり前じゃないですか」


    友梨「そうそう、あーしら終一さん達に助けられてばっかりだからねー」


    京華「ここら辺で一つくらい恩返ししとかないと気が済まないよ」


    紅羽「ていうか、実際既に巻き込まれてるからなぁ」


    卯月「あぁ、今更って感じ?」


    弥生「そもそも弥生達が自分から巻き込まれに来たんですから気に病む必要はありませんよ」


    理沙「みんながその気なら、仕方ないからウチも協力するね」


    希空「うん、初めからそのつもりだったもんね」


    鈴音「それで、私達は何をすれば良い?」


    最原「うん、それは…」
  59. 59 : : 2021/08/19(木) 02:00:51
    剛将「…あぁ、わかった。」


    石蕗「…なんて言ってたの?」


    剛将「交渉失敗…最原達は手を引かないそうだ、それどころか調べ終えたら来るらしい」


    石蕗「はぁ!?なんで…」


    剛将「なんで、じゃねーだろ。初めから分かってた事だ。」


    石蕗「で、でも…」


    剛将「それと、作戦も一時中断…なんでも良い作戦があるそうだ。最原曰く誰にも血は流させないらしい」


    石蕗「…ッ!」




    エマ「…そうですカ、分かりましタ。えェ、勿論でス。お任せくださイ」


    西片「…お嬢様?」


    エマ「ホムラ、今から出ます。アナタも準備を」


    西片「…ッ、成る程、そういう事ですか…」


    エマ「止めますカ?」


    西片「いえ、止めませんよ。どうせ無駄でしょう」


    エマ「当たり前でス。だって、初めてシューイチに頼られたんですかラ!」


    西片「その代わり、絶対私から離れないように。分かりましたか?」


    エマ「えェ、頼りにしていますヨ。ワタクシの騎士(ナイト)サマ♪」


    西片「…全く、こんなにはしゃいでるお嬢様なんて初めて見るぞ?少し…いやかなり心配だ」




    日永「…以上が、終一さんから来た電話の内容だよ。」


    駒鳥「…成る程ね」


    天璋院「こうしてはおれん!早速準備して我々も向かおうではないか!」


    日永「そうだね、せっかく頼ってくれてる訳だし…それに、ぼくたちだって魔姫さんのこと助けたいからね」


    駒鳥「でも、絶対危ないよ?また捕まるかも知れないし、殺される可能性だって…二人は良いの?」


    天璋院「そういう貴様はどうなのだ?ここで引き下がるようなタマではあるまい。抜け駆けは、許さないからね」


    駒鳥「…ふっ、悪かったよ」


    日永「よし、みんな行くよ…!」


    駒鳥&天璋院「「おー!!」」

  60. 60 : : 2021/08/19(木) 12:28:38
    久しぶりだな
    期待しておく
  61. 61 : : 2021/08/29(日) 17:44:57
    >>60 ありがとうございます!


    霧切「…それで、話はまとまったのかしら?」


    最原「…っ、はい。お待たせしてすみません」


    霧切「大丈夫、問題ないわ…一連の推理と今後の方針について、十神くんに連絡を入れておいたから彼も協力してくれるはずよ。苗木くんや日向くん達も一緒に…という訳にはいかないけど」


    夢野「いや、お主らだけでも充分じゃ。感謝するぞ」


    天海「そうですよ!お二人がいれば百人力です!」


    如月「…はぁ、仕方ない…っすね。おれ達も協力しますよ。」


    最原「如月くん…いいの?」


    如月「そりゃあもちろん、皆さんを危険な目に遭わせる事になるんで反対ですけど…どうせ止めても意味ないっしょ?」


    最原「…ははは、確かに…」


    如月「それに、恐らく春川さんを助けられるのは最原さん達だけだというのも事実でしょうし…えぇ、おれ達では力不足でしょうね。」


    如月「だから、サポートやバックアップはおれ達に任せてください。最原さんは最原さんの思うようにやればいいっすよ。」


    最原「…うん、ありがとう如月くん。」


    如月「いや、こちらこそ」


    すると、彼はスマホを取り出して誰かに連絡を入れた。


    如月「じゃあ、そういう事なんでみんなよろしく。」


    如月「前回ほとんど役に立てなかった汚名を、挽回するチャンスっすよ?」


    『『『『了解!』』』』
  62. 62 : : 2021/09/02(木) 13:48:14
    新生未来機関・第五支部


    小鳥遊「…はぁっ?捜査を中断する?」


    篠宮「あぁ、新しい仕事だ。絶望に関する調査はひとまず後回しにする」


    ??「あら、聞き捨てならないわね、篠宮塁?」


    怪訝そうな顔で近付いて来た女性の名は吉良奈美恵(キラ ナミエ)、元超高校級の放送部で女子アナだった人だ。彼女も俺や小鳥遊アゲハと同じくコロシアイを生き延びた仲である。


    吉良「絶望の調査以上に優先される仕事なんて、あるのかしら?」


    ??「まぁまぁ、良いじゃねーかちょっとぐらい。無闇矢鱈に捜査したところでロクに成果も上がんねーんだからよ」


    次に声を上げたのは工藤礼二(クドウ レイジ)、元超高校級のお笑い芸人で、彼もまた同じコロシアイを生き延びてる。


    工藤「それで?次は一体どんな仕事なんだ?」


    篠宮「…絶望と裏で繋がってるっていう、暗殺組織を潰すらしい」




    新生未来機関・第六支部


    日野「…今なんつった?」


    暁「だから、絶望と裏で繋がってるらしい暗殺組織を潰すんだって。」


    ??「ははははは何その冗談草生える暗殺組織を潰すなんてそんなの無理に決まってんじゃん何言ってんのノエル氏?」


    ぶつぶつと捲し立てながら現実逃避に勤しむ彼女の名は野々乃之ノ(ノノノ ノノ)、これでもぼくと同じで6回目のコロシアイを生き残っているんだが…


    野々乃「リアルの世界で之ノが戦闘の役に立つ訳ないじゃんもしかしてノエル氏之ノの力を過信しすぎちゃってる?死ぬよ?之ノ、絶対すぐ殺されるよ?ねぇ聞いてる暁君?」


    暁「大丈夫だよー、てか誰ものんちゃんに前線に出ろなんて言ってないし」


    ??「それにぃ、もし野々乃サンが狙われたとしても某がこの身を犠牲にしてでも守ってあげますよぉ」


    杠葉李子(ユズリハ リコ)はそう言ってのんちゃんの顔を撫で回していた。彼女もぼくたち同様6回目のコロシアイを生き残っている。因みにもう一人、生き残った人間がいるのだが…


    暁「そういえば、せーくんはどこに行ったの?」


    杠葉「あぁ、カレならさっき外の空気を吸ってるくるって言って出て行きましたよぉ?」


    ??「大丈夫、話は聞いていたよ。それで僕に何か用?」


    彼の名は佐々木清司郎(ササキ セイシロウ)、自称・超一流の探偵である社会不適合者だ。というより、ここにいる全員がそうなんだけど…


    ぼくたちは全員何らかの理由で社会復帰が不可能となっている。


    暁「実は、きみの『ずる賢さ』を見込んでその悪知恵を借りようかなと思って…」


    佐々木「なるほど、理解したよ。そういう事なら僕に任せて貰うと良い…最高に愉快なショーに仕上げてみせるよ。」


    暁「うん、よろしく頼んだよ。」
  63. 63 : : 2021/09/02(木) 13:48:46
    新生未来機関・第八支部


    不知火「…と、言うわけなんだよ。」


    これまでの経緯とこれからの方針を話し終えた私は、ふぅ、と息を吐いて用意された紅茶を一気に飲み干した。


    氷室「成る程、そんな事が…」


    東雲「それにしても、絶望の調査又は撲滅かぁ…めんどくさいなぁもう」


    ??「別に良いと思うけどなー、そもそも生き残ってしまった以上それらとの戦いは避けられないものだと思うし…」


    ??「その通り、むしろ今まで奴らの追跡がなかったのが変だったのじゃ。」


    寝転がりながらポテチをつまんでいるのが善道寺光流(ゼンドウジ ミツル)、またチェスの駒を弄りながら彼のお腹に腰を下ろしているのは祟闇依(タタリ クロエ)だ。


    善道寺「それで、目星はついているのー?」


    祟「まさか、何の情報もないまま引き受けたんじゃあるまい?」


    不知火「勿論。まぁ、本当はついさっきまでなかったんだけど…ちょうど今連絡が入ってさ。神明救済会っていう表向き宗教団体の暗殺組織があるんだけど…」


    ??「つまりそれを辿れば絶望への手掛かりが見つかるかも知れない…ってこと?」


    ??「ふむ、暗殺組織ですか…あの絶望とも繋がってるところを見ると今回の標的は相当な手練れの予感…!」


    不知火「その通りだよ水希クン、無斬ちゃん。気を抜いてたらこっちがやられちゃうかも」


    ギャンブルにおいて類い稀なる幸運を持つ巳鏡水希(ミカガミ ミズキ)と、偽物(マニア)を装った現代に残る数少ない忍者である金刀比羅無斬(コトヒラ ナキリ)はそれぞれの考察を繰り広げる。


    金刀比羅「それでは暗殺者の相手は拙者にお任せを。皆様を危険に晒す訳にはいきませんから」


    巳鏡「…いや、一人で相手するのは危険だよ。一対一が確定しているならまだしも、大勢に囲まれたら流石の金刀比羅さんでも…」


    東雲「えぇ!?もしかして水希、堂々と正面突破するつもりだったの?!」


    巳鏡「別にそういう訳じゃ…相変わらずわざとらしい」


    花菱「喧嘩なら後でやれ。凉、それは急ぎの用件なのか?」


    不知火「うん、じゃないと手遅れになるって。まぁ、あたし達はあくまでサポート…実際にその神明救済会を潰すのは彼らだよ」
  64. 64 : : 2021/09/02(木) 13:48:56


    新生未来機関・第九支部


    猫屋敷「へぇ、ここがさっきキミが言ってた新生未来機関かぁ…結構良いところじゃないか。暫くはここを拠点にするんだってね?」


    村井「はい、その通りです」


    ??「これの何処が良いねん、はっきり言ってセンス疑うわ。なぁ犬養」


    ??「…あっ、蛇崩さん見てくださいちょうちょですよぉーっ!」


    蛇崩「あんたに聞いたんが間違いやったちょっと黙っとけ」


    犬養「えぇーっ!なんで怒ってるんですかぁーっ?!」


    ふと、後ろを見遣るとそこでは蛇崩咬弌(ジャクズレ コウイチ)犬養モモ(イヌカイ モモ)がいつものように戯れ合いをしていた。


    ??「ここ、医薬品とか医療機器は揃ってるのか?」


    村井「ちゃんと揃ってますのでご安心を、馬喰さん。」


    馬喰「そうか、それなら良」


    ??「良くないですヨ、ここには芸術と呼べるものが一つもなイ。変更を求めまス」


    村井「残念ながらそれはちょっと…牛牧さんにこれから増やして貰うしか」


    牛牧「全く、これなら元の場所の方が良かったですヨ。」ブツブツ


    ぶつぶつと文句を言う牛牧丑太郎(ウシマキ チュウタロウ)馬喰天満(バクロウ テンマ)が宥めていると、若干の怒気を孕んだ声で割って入る者がいた。


    ??「キミ達、ちょっとのんきすぎやしないか?」


    ??「狼谷たんの言う通りよ、これから暗殺組織を潰しに行くんでしょう?」


    ??「ぶっちゃけ、何処を拠点にしようが今は関係ないっしょ」


    狼谷碧(カミヤ ミドリ)熊谷孝明(クマガイ タカアキ)獅子戸荊(シシド ケイ)の三人はうんざりしたように続けた。


    狼谷「…えぇっと、正人くんの話を整理すると…巷で流行ってるチームダンガンロンパ元社員連続殺人事件にその神明救済会が関わっていて…」


    熊谷「恐らく指示を出したのは絶望の残党、もしくはチームダンガンロンパに残った社員…つまり」


    獅子戸「神明救済会を潰すことは相手方の弱体化に繋がり、また絶望への手掛かりを掴む事が出来る…であってる?」


    村井「…はい」


    猫屋敷「それで、ボク達はあくまその最原終一って子達のサポートに徹する…大丈夫、ちゃんと分かってるさ」


    蛇崩「せやけど、ちぃっと大掛かりすぎひんか?ワイらの他にもたくさんの勢力が動いてんねんやろ?」


    馬喰「そりゃあそうだろ、何せつい最近まで奴等に関する手掛かりが殆どなかったんだ。」


    牛牧「えぇ…しかし先日の事件をきっかけに状況が大きく変わりましタ。皆サマぎ躍起になるのも当然ですヨ」


    犬養「うぅーん…妾は頭が悪いので難しい事はよく分かりませんがぁーっ、敵は恐ろしく強いんですよねぇーっ?それなら全勢力を投入してもおかしくはないんじゃないでしょーかぁっ!」


    蛇崩「ふぅん、そういうもんか…」


    村井「…酷い話、我々は彼らを餌に絶望達の動きを探る訳です。とは言え、勝手にこちらが利用している以上彼らを危険から守るのは当然の義務な訳で…まぁ、要するにそういう事です。」


    村井「前は一人で突っ走ってしまいましたが…改めて、今回こそは皆さんの力を貸して頂きたいと思います。勿論、よろしいですね?」
  65. 65 : : 2021/09/02(木) 13:49:11
    新生未来機関・第七支部


    「…はぁ、もう疲れたぁ…デスクワークしんどいよー!」


    「なに腐ってるの。ほら、まだまだ書類は残ってるよ」


    「椎名ちゃん酷い…全く、魔夜ちゃんは凄いよね。これ全部一人でやってたんでしょ?」


    「…えぇ、そうね。」


    「…あー!私も現場で仕事したいよー!」


    「ダメ!そもそもあなたはもう戦えない体になってるんだから!無理言わないの。」


    「ぶー、椎名ちゃんのケチ」


    「ケチで結構。早く終わらせましょう、私も手伝うから」


    「…うぅ…分かったよ。って、あれ?電話かな…珍しい…誰からだろう」


    如月『よう、こころ。今から大仕事だ、少し手を貸してくれ』


    「…えぇ!?勇輝くん!久しぶりだね!え?お仕事…?分かった、ちょっと待っててね」


    「あ、ちょっと待ちなさい!何処行くの!?」


    「ごめん椎名ちゃん、急用できたからあとよろしく!支部長代理、しっかり務めてね!」


    「…っ、もう!」




    音無「えへへ、久しぶりにみんなと一緒のお仕事出来るなんて、嬉しいなぁ。」


    そう言って、新生未来機関第七支部支部長である音無こころ(オトナシ ココロ)は書類の山を抜け出して行ったのだった。
  66. 66 : : 2021/09/02(木) 18:10:27
    赤松「…………そっか、そうなるんだね」


    春川「…?どうかしたの」


    赤松「…最原くんが、来るって」


    春川「…ッ!」


    赤松「他にも、色んな人が私達の計画をぶち壊しに来るらしいよ。」


    春川「…じゃあ、一刻も早く始めないと…!」


    赤松「その前に、確認ね。殺すのは頭だけ?それとも手足も全部?」


    春川「…頭だけ殺したとして、結局残った手足も別の勢力に利用されるだけでしょ?」


    赤松「つまり、全員もれなく…って事?それなら鈴音ちゃんも入っちゃうけど」


    春川「…」


    赤松「迷いがあるなら辞めときなよ。失敗するだけだって」


    赤松「あなたは始末され、別の駒が用意される。残った元チームダンガンロンパは軒並み殺され、最後には最原くん達が殺されて終わり…結局何も救えないまま終わるの。そんなの嫌でしょ?」


    春川「…くっ」


    赤松「…大丈夫、安心して?あなたが死んだ後ちゃんと残った手足は信頼できるとこに保護させるから。私、契約はちゃんと守るよ」


    春川「…分かった、それでいい」


    赤松「…それじゃあ、殺すのは頭だけって事で。」


    赤松「実を言うと、組織に関わるとこは半分くらい壊滅してるの。」


    春川「…まさか、カナが?」


    赤松「うん、その通り。だから潰そうと思えば一日で片が付く…あくまで運が良ければの話だけど」


    赤松「この際、最原くん達の事は徹底的に利用させて貰う。彼らが動いてくれれば一気に戦力を削ぐ事が出来るはずだよ」


    春川「…でも、それだとあいつらを危険に晒す事になる」


    赤松「そこは、彼らを信じてあげなよ。最原くんだって無策で突っ込む訳じゃない」


    春川「それは…そうだけど」


    赤松「多分、手足については最原くんと愉快な仲間たち勢力でクリアできると思う。頭に関しても混乱に乗じれば仕留めるのは容易いはずだよ」


    赤松「問題は、神明救済会のボスであり、あなたの師匠でもある神道朙愛だよ。彼女にだけは戦闘も暗殺も通用しない…私の洗脳でさえ効き目は薄いだろうね。コレをどうにかしない事には、その背後に存在する大本命を潰すことなんて出来ないよ」


    春川「…うん、そうだね」


    赤松「要するに、ここだけは運に任せるしかないってわけ。まぁ、あまり時間はないだろうしさっさと作戦の内容を伝えるからちゃんと覚えてね?私、これからやる事あるからさ」
  67. 67 : : 2021/09/02(木) 18:13:52
    神道「…成る程、あらゆる勢力がうちを潰しに来る…か。」


    神道「歴代のコロシアイ参加者に、新生未来機関だと…?まさか、今更あいつが出て来るなんて」


    神道「それにしても、魔姫の様子がおかしいのは知っていたが…まさかそこまで馬鹿だったとはな」


    神道「確かに、神奈の事は残念だったが…致し方あるまい。まさか……も自分の弟子を手にかける時が来ようとはな…これも運命、巡り合わせってやつか?」


    神道「私は神を信じない性質(たち)だが、今回ばかりは神の存在を肯定せざるを得ないじゃないか」


    神道「ふふ、この感覚も久しいな。全身の血が沸き立つようだ。」


    神道「さぁ、コロシアイと行こうか愉しく殺ろう。」


    神道「情報提供、感謝するぞ。しかし、貴様に何の得が?」


    ??「…」


    神道「……悪い悪い、冗談だよ。そんなに怒るな」


    神道「安心しろ、依頼だからな。ちゃんと上手くやってやるさ」


    神道「それが、貴様の望みなんだろう?鈴音の義姉、天海蘭子よ」


    ??「…」


    蘭子「うん、よろしくお願いね。神明救済会のリーダーさん」

     


    蒼井「…と、言う事ですがぁ…どうしますかぁ?お爺さま」


    ??「…放っておけ、我々にはもう関係ない。それに」


    蒼井「『結果は分かりきっている』…でしょうかぁ?」


    ??「…その通りだ。」


    蒼井「はぁい、承知しましたぁ。では静観という事でよろしいですねぇ…」


    蒼井「それではこの辺で失礼しまぁす!どうか良い余生をお過ごし下さいませ?お爺さま♡」


    ??「…はぁ…………全くもってつまらんな…」
  68. 68 : : 2021/09/03(金) 11:32:56
    黒鉄「成る程…ありがとうミライさん、そのまま続けて?…みんなにもよろしく伝えといてね」


    黒鉄「何はともあれ、無事に再会出来て良かったよ。千田クン」


    千田「オレもさ、最初に会うのがてめーで本当に良かった…」


    黒鉄「…状況は聞いてもらった通り、ボクはこの後別件でやる事があるけど、キミはどうする?」


    千田「野暮な事聞くんじゃねーよ。オレは春川を助けに行くさ」


    黒鉄「そっか…じゃあ、みんなの事よろしくね。詳しい話は既に送ってある…有効に活用してほしい」


    千田「…なぁ、てめーは一体何処まで知ってる?」


    黒鉄「…さぁ。」 


    黒鉄「知っての通り、ボクは一度キミ達の前から姿を消し…いや、逃げた。だからその間の事は知らないよ。全部、後から赤松さんに教えて貰ったからね」


    黒鉄「…だから、キミ達が生きているのを見て正直驚いた。あの時死んだものだとばかり思っていたから…」


    千田「…そうか」


    黒鉄「でもまぁ、今ならなんとなく分かるかな…あくまで推測だけどね。キミも、早く自分の目的を完遂させると良い。楽になれるはずだ」


    千田「んな事はよく分かってるよ。時間を取らせて悪かったな、てめーもさっさと行くと良い…地獄でまた逢おうぜ」


    黒鉄「…うん、そうだね」
  69. 69 : : 2021/09/03(金) 12:17:10
    新生未来機関・第一支部(本部)


    結次「…ーっ」


    本日十本目となるタバコを吸い終えた頃、如月勇輝から連絡が入った。神明救済会の足取りを掴み、また絶望への手掛かりも見つかろうとしている。


    冬海「…ねぇ、これからどうするの?また黙って見てるつもり?」


    結次「…さぁな」


    現野「全く、はっきりせんか!あやつらでは神道朙愛を止める事なんて出来ぬぞ!?」


    結次「だが、終一は任せろと言った。俺達がやるべきはその背後を調べる事だろう」


    冬海「…でも」


    結次「…別に、行きたいなら行けばいい。俺は止めない」


    結次「如月達も未来機関として、ではなくあくまで個人的に勝手に手を貸してるだけだ。お前らもそうすればいいだろう」


    冬海「…なんで、貴方はそうまでして…ううん、もう何も言わない。」


    現野「…朝妃」


    冬海「…大丈夫、分かってるよ。あなたはずっと後悔してるもんね…彼を、百田くんを助けられなかったあの日から…」


    冬海「朙愛ちゃんの事もそう、あなたはずっと助けようとしていた。終一くんだって、あの子の事だってそう…あなたは助けようとしていた。なんとかしようってずっと陰で頑張ってくれていた。」


    冬海「…ごめんね、無理言って……キミが、もう立ち直れないほどズタボロなんだって、知ってたはずなのに…」


    現野「…結次よ、うちはお主が来てくれるのを待っておるからのう。しっかりするんじゃぞ!」


    そう言い残し、二人はここを去って行った。


    結次「…後悔…か」


    結次「なぁ、俺は一体どうすれば良かったんだろうな…答也」
  70. 70 : : 2021/09/03(金) 12:49:15
    私が好きになった人は先生でした。


    みんなの憧れで、人気者の先生でした。


    クールで、かっこよくて、不器用だけど優しい先生でした。


    家族のいない私を引き取り、愛してくれたたった一人の先生でした。


    でも、先生はまだ私に全てを見せてくれていません。少し、悲しいです。だってそれは私のことを信用していないという事でしょう?


    私は、先生の色んな顔が見たくなりました。私に全てを曝け出して欲しくなりました。私にだけは嘘や隠し事をして欲しくなかったからです。


    先生が探偵をやってるのはこっそり後をつけた時に知りました。そこで私は先生に弟子入りしました。


    勿論最初は断られましたけど、何度もお願いするうちに渋々了承してくれました。やったぁ


    私は、昔から人が苦痛に歪む姿が好きでした。憎悪に塗れた声が好きでした。絶望に堕ちた顔がとっても好きでした。だってほら、自分の方が幸せなんだって実感出来るでしょう?


    だから、先生の色んな顔を見るために、先生のこともっともっと好きになる為に、先生にも幸せになって貰う為にたくさんの努力をしました。


    友達を騙してクラスを崩壊させたり、他の先生を脅してその同僚を辱めたり、先生の友人を貶めてみて家族を殺して見せたり、それはもうたくさんの努力をしました。


    けれど、先生は絶望に堕ちたりしませんでした。


    幸せになってくれませんでした。おかしいなぁ。


    そんなある日、私は閃いたのです。もう一度絶望に満ちた世界を作ってみてはどうだろうと


    素質ある色んな人をけしかけて、コロシアイをさせました。でも、全部失敗してしまいました。悔しいなぁ


    どうやら主人公の素質を持つ人というのは首謀者の素質を持つ人よりもたくさんいるみたいです。


    傍観者でいるのはダメだと悟りました。でも、自分の手は出来れば汚したくありません。どうしましょう


    私もコロシアイに参加する事にしました。勿論首謀者は別に用意して、私はみんなの足を陰ながら引っ張っていきました。


    外の世界への対処も忘れていません。絶望に落とすのに必要なデマをひたすら拡散しました。全国に散らばる絶望の残党にも頑張って貰いました。


    きっと、今度こそ成功するでしょう。がんばれがんばれ


    世界は非常に残酷です。私がどれだけ頑張っても思うような結果は起こしてくれない。悲しいなぁ


    こうなったら最後の手段です。希望の象徴を殺しましょう


    希望の象徴を壊しましょう。


    希望の象徴を終わらせましょう。


    全国に散らばる超高校級を捕まえて、愉快な殺戮ショーを開催しましょう。


    たくさんの希望が死ねば、世界は絶望に落ちるでしょう。


    あぁ、世界はこんなに絶望に満ちている。怨嗟の声も、苦痛に歪む姿も、絶望に堕ちた顔も。憎悪も怨恨も悲哀も憤怒も、この世界には溢れている。これが真実


    みんなが大好きな、嘘偽りないたった一つの真実なのです。


    私の大好きな先生、私を嫌わないでいてくれた先生、私のただ一人の家族でいてくれた先生、私を愛してくれた先生。私に、唯一希望を与えてくれた先生。


    あなたならきっと喜んでくれるでしょう。だって私の愛した世界なんですから。


    全てが終わった日、私は再び先生の元を訪れました。


    私は、そこで初めて絶望に顔を歪める先生を見る事が出来ました。嬉しいなぁ(嬉しくない)


    私は本当に幸せ(不幸)でした。どうしてそんな顔をするのか、どうして喜んでくれないのか


    昔みたいに褒めて、よく頑張ったなって褒めて


    抱き締めて、愛を囁いて


    逃げないで、離れないで、避けないで


    余所見なんてしないで、私だけを見て


    早く、終わらせてよ


    複数の銃声とともに、私の幕は閉じました。おしまい
  71. 71 : : 2021/09/14(火) 08:33:25
    >>68の五文目と>>70の最後を修正しました


    最原「…じゃあ、みんなよろしく。くれぐれも無理だけはしないでね」


    夢野「うむ、うちに任せておけ!」


    天海「終一さんも気をつけてくださいね!」


    そう言葉を交わし、僕達は一旦別れる事になった。みんながそれぞれのやるべき事をやり、魔姫さんを救う為だ。


    霧切「私達も、そろそろ行きましょうか」


    最原「はい、そうですね。」


    霧切「それで、まずあなたの確認したい事について聞こうかしら?」


    最原「まず一つは動機です。何故秋山神奈さんはチームダンガンロンパの元社員を殺したのか、何故蘭馬さんは見逃したのか、何故あのような現場を作り出す必要があったのか…彼女が一体、何をしようとしていたのか。」


    霧切「普通に考えれば、元社員を殺したのは仕事であったから、天海蘭馬を見逃したのはかつての仲間だったからで済むと思うけど…」


    霧切「そもそも実行犯は一人とは限らない。むしろ複数いた方が自然ね」


    最原「恐らく、天海蘭馬さんの件は赤松さんの策略なんじゃないかって思うんです」


    霧切「根拠は何かしら?」


    最原「あるタイミングまで、殺させない為です」


    霧切「…確かに、連続殺人犯に襲撃され、まだ生きていたとすれば二度目の襲撃に備え、警備が強化される。準備が整うまでの安全が確保されるってわけね」


    最原「多分、赤松さんが蘭馬さんの元を訪ねていた時に何か洗脳のようなものをかけられたんじゃないかと思うんです。時が来たら勝手に自分を殴って気絶するように」


    霧切「…確かに、少し前人を自殺させるビデオというものがあったわ。もしかするとそれに類似したものが渡されていたのかも知れないわね」


    最原「…つまり、蘭馬さんを襲撃した人間はいなかったという事になる。」


    霧切「…えぇ。しかし、もしこの推理が当たっているとすれば、それは秋山神奈と赤松椛は敵対していた事になる。」


    最原「協力関係にあったなら、それこそ春川さんがしたように死を偽装すれば良い…それをしたかったと言う事は…」


    霧切「…秋山神奈にかつての仲間を助けるつもりはなかったという事。」


    霧切「彼女が、仲間を殺す事になったとしてもそれでもなお組織に従っていたのは、何故かしらね」


    最原「…それは、きっと……」


    それはきっと、春川さんのため…それ以外には考えられない。


    最原「でもそれだと敵対する理由にはならないんじゃ…?」


    霧切「いいえ、もし彼女達の存在が計画を大きく狂わす原因となるのであれば充分すぎる理由になるわ」


    最原「…ッ!それって、今赤松さんのしてる事って…」


    霧切「…さぁ、早く捜査を始めましょう。あてはあるのかしら?」


    最原「まず、最初に蘭馬さんを襲撃した事件を調べる為、彼女の家を調べましょう。それで先程の推理の裏付けができるはずです。」

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さとりいぬ@チームダンガンロンパ宣伝部長

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