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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

最原「ようこそ最原探偵事務所」

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  1. 1 : : 2020/12/17(木) 20:59:08
    注意書き
    ・ネタバレ、自己解釈、妄想含みます。
    ・これは私が過去に執筆した「最原探偵事務所シリーズ」のリメイク版です。
    ・更新はクソ遅いと思います。
    ・文章力はありません。
    ・多分あんま面白くないよ。
    ・荒らしやアンチコメはやめてね。
    ・諸々OKな人のみそのまま読み進めてください。
  2. 2 : : 2020/12/17(木) 21:32:25
    最原「…朝…か」


    僕の名前は最原終一、元・超高校級の探偵だ。


    殺し合いを生き延びてもう一年が経つ。


    僕たちが外の世界に出た時、白銀つむぎの言葉の殆どが嘘であった事を知った。


    その後は僕たちを拉致した組織から逃げ切る為色んな大変なことがあったけど、今は割愛させてもらう。詳しい内容はまた追々、順を追って話すことになるだろう。


    ともかく、今は春川さんや夢野さんと一緒に探偵事務所を開いている。


    二人とも僕と同じように元・超高校級で、何よりあの殺し合いを共に生き残った仲間だ。


    春川「最原、今日の朝ご飯は何にする?」


    最原「えーっと…それじゃあ…」


    ふと、ハムエッグとサラダ、そしてフレンチトーストを美味しそうに食べてる夢野さんと目が合う。


    夢野「何じゃ?ウチの顔に何かついとるか?」


    最原「いや、別に…春川さん、僕も夢野さんと同じものを貰える?」


    春川「分かった。ちょっと待っててね」


    最原(…こうして見ると、春川さんまるで主婦みたいだな)


    春川「…何か変な事考えてるでしょ?はい、出来たよ。」


    最原「あはは…ありがとう、春川さん」


    夢野「んあー…にしても最近はめっきり依頼が減ってしまったのう」


    最原「それだけ世界は平和だって事だよ。何も悪い事じゃない」


    春川「そうそう。それに生活費なら夢野がマジカルショーで稼いで来てくれるから多少依頼が来なくてもそこまで生活に困らないから大した問題じゃないよ。」


    夢野「う、ウチの魔法は乱用が禁止なのじゃ!」


    最原「あはは、それじゃあご飯も食べ終わったし仕事の準備をしようか。」


    夢野「…それではウチもそろそろバイトに向かうかのう…よいか!お主らは是が非でも依頼人を探すんじゃぞ!」


    春川「はいはい、分かったよ。それじゃあ夢野、いってらっしゃい」


    夢野「うむ、では行ってくる!…んあ?」


    と、玄関の先で夢野さんが立ち止まった。


    春川「?」


    夢野「依頼が来たぞ!今日はバイト休みじゃ!」


    少女「あ、…その、初め…まして…」


    「失踪した兄を、探し出してください!」




    これはまさに序章に過ぎなかった。僕たち三人の運命を大きく変えたあの大事件の…


    そうして、絶望への物語が幕を開けた。
  3. 3 : : 2020/12/17(木) 23:04:58
    最原「…」


    春川さんが片付けをしている間、僕は入ってきた女の子の顔を見て固まってしまっていた。


    最原(間違いない、彼女はあの殺し合いで犠牲になった天海くんの親族だ…!)


    すると、横から春川さんが僕の横腹を突いてきた。


    春川「ほら、固まる気持ちも分からなくはないけど…」


    最原「…あ、あぁ…ごめん。」


    最原「それで、失踪した兄を探し出してって依頼だけど…」


    少女「…はい、実は一年以上も前に急に行方が分からなくなって…色んな探偵さんや警察に捜索をお願いしてたんですけど、それでも見つからなくて…」


    最原「…」


    少女「私、絶対兄にもう一度会いたくて…お金ならいくらでもあります!どうか、兄を探し出してくれませんか!?」


    夢野「んあー…そ、それは…」


    最原「…多分、その兄っていうのは…『天海蘭太郎』さんの事かな?だとしたら、もう…」


    少女「嘘です!あの兄が…お兄ちゃんが死んだなんて…!絶対あなたたちのようにどこかで生きてるに決まってます!だから…」


    春川「…私たちだって、あそこで起きた事が嘘であって欲しかったよ。」


    最原「うん。でもあの世界で起きた事は間違いなく全て現実なんだ、だから乗り越えなくちゃいけない。」


    少女「…私には兄の死を受け入れるなんて出来ません。そんな簡単に諦めたくないです…」


    最原「…そっか」


    少女「だから、暫くここにお邪魔させてください。もしかするとここにいたら兄についての情報が来るかもしれませんし」


    最原「………えっ?」


    少女「それに、私今家出中なので家に帰れないんです。ここが最後の当てだったのでお金も結構ギリギリですし…」


    最原「ちょっ…」


    少女「というわけなので、ここに住み込みで働かせてください!絶対役に立ってみせますよ」


    天海「改めまして、私の名前は天海蘭奈(あまみ らんな)です。よろしくお願いします。私、絶対兄のこと諦めません。もちろん他の皆さんの事も…」


    天海「もし、全員見つける事が出来たら…私とお友達になってください。お兄ちゃんの友達と、私も仲良くなりたいです。」


    そうして、新たに天海蘭奈さんが僕たちと一緒に働く事になった…。


    春川「…なんか、赤松になんとなく似てるね」


    最原「…うん」


    夢野「んあー、ひとつ同じ屋根の下に暮すことになるからといっていやらしい気持ちになってはいかんぞ」


    最原「わ、分かってるよ」
  4. 4 : : 2020/12/19(土) 05:10:04
    最原「…それじゃあ、夢野さんと一緒に買い出し行ってくるから留守番よろしく」


    春川「うん」


    天海「ありがとうございます!」


    夢野「んあー、お主たち喧嘩とかするでないぞ?」


    春川「分かってる」


    それから一時間ちょっと過ぎた頃、買い物を終えた僕たちは横断歩道の前で信号が青になるのを待ちながら他愛もない会話をしていた。


    最原「…ふぅ、それにしてもついいっぱい買っちゃったね」


    夢野「せっかくじゃ、あやつの歓迎会でも開こうではないか」


    最原「うん、そうだね……っ!?」


    信号が青に変わり、横断歩道を渡ろうとすると不意に見覚えのある人影とすれ違った。


    最原「あ、赤松…さん……?」


    夢野「…んあ?」


    勢いよく振り向いたその先には、あの殺し合いで命を落とした『赤松楓』さんに瓜二つの、そして全く違う雰囲気を纏った女の人が歩いていた。


    最原「待って…!!」


    僕は慌てて追いかけようとするが、彼女はこちらを一瞥すると逃げるように去ってしまいあっという間に見失ってしまった。


    最原「はぁ…はぁ…はぁ……今のは一体…」


    夢野「んあー!終一よ、急に走ってどうしたんじゃ!」


    最原「あ、えーっと…実は……いや、なんでもないよ。勘違いだったみたい」


    夢野「な、なんじゃそれは!気になるではないか!」


    最原「…ごめん」


    最原(まだ確定してない情報を伝えても混乱するだけだし…今はまだ言わないでおこう)


    最原(それにしてもどういう事だ?もし本人だったならみんな実は生きているって事に…?ダメだ、分からない事が多すぎる)


    夢野「ん、んあー…何もないのなら早く荷物を持ってくれい…」


    最原「あ、ごめん!」


    そうして、僕たち二人は探偵事務所へと帰るのだった
  5. 5 : : 2020/12/19(土) 12:50:57
    その日の夜


    最原「…痛っ!あれ…?」


    目を覚ますと僕はソファーの下に寝転がっていた。


    最原(…あぁ、そうか。あのまま寝ちゃったんだ)


    事務所に帰った僕たちはそのまま天海さんの歓迎会を開き夜遅くまでお祭りのように騒いだのだった。あたりを見回すと他のみんなも同じように寝静まっていた。


    少し外に出て夜風に当たりながら、僕は昨日見かけた赤松さんによく似た人物の事を思い出していた。


    最原(本当に、実はみんな生きているのか?それとも…)


    僕が見た彼女はとても他人の空似とは思えないほどよく似ていた。いや、あの世界で僕が見てきたまんまだった。


    最原「そういえば、赤松さんには双子の妹がいたって…」


    もし、それが首謀者の嘘でなかったとしたらその可能性は充分にある。


    最原(…ダメだ。僕はまだ彼女たちが生きていることに望みを持っているのか…そんなことはあり得ないとわかっているのに)


    最原「疲れてるのかな…今日はもう寝よう」


    そうして僕は再び眠りについた。
  6. 6 : : 2020/12/19(土) 13:04:08
    最原が部屋に戻った後、それを遠くから見ている人影があった。


    ??「あそこが…あいつの探偵事務所…」


    ??「ようやく、見つけた…」


    ??「絶対、許さない…」


    ??「殺してやる」


    そうして、夜は更けていった。
  7. 7 : : 2020/12/19(土) 13:52:43
    翌日


    最原「ふぁーあ…みんなおはよう」


    夢野「んあー、お主は一体いつまで寝ておるのじゃ」


    春川「もうみんな起きてるよ」


    最原「ん、ごめん…」


    天海「おはようございます、最原さん!」


    最原「うん、おはよう」


    天海「それで、これから何をするんですか?」


    最原「あー…そういえば今日は夢野さんマジカルショーは…」


    夢野「んあー…昨日は休んだからのう、今日は行かなくては」


    春川「私も今日はバイトのシフト入ってるかな…」


    天海「…あれ、もしかしてここの探偵事務所人気ないんですか?」


    最原「うっ…!」


    春川「まぁ、それだけ世間が平和なだけなんじゃないの?」


    夢野「そうじゃ、どこぞの推理漫画じゃあるまいしそう毎日事件が飛び込んでくるはずもなかろう」


    天海「へー、そういうものなんですね」


    すると、ドアをノックする音が聞こえた。 


    「すみませーん、依頼で来たんですけどー」


    最原「あれ?昨日の今日で依頼なんて珍しいな…」


    春川「そうだね…ねぇ、私たちはもうバイトに行くからさ」


    夢野「うむ、今日はお主らに任せるぞ」


    最原「うん、分かったよ。」


    天海「任せてください!」
  8. 8 : : 2020/12/19(土) 16:00:32
    入ってきたのは細身の男性とガタイの良いアフロヘアーの男性、そしてツインテールに髪を結んだ小さめの女性の三人組だった。


    ??「…あー、まず自己紹介から始めた方が良いか?」


    最原「そう、ですね。そうして貰える方がありがたいです。」


    そうか、と呟き彼はこう名乗った


    剛将「俺の名前は剛将大輔(ごうしょう だすけ)、しがない普通のサラリーマンだ。」


    最原「剛将…さん」


    恐らく初対面のはずだが、何故だろう。何処かで見た事があるような、そんな気がした。


    剛将「そしてこの小っこいのが石蕗姫乃(つわぶき ひめの)、こっちのデッカいのが近衞ジョージ(このえ じょうじ)だ。」


    石蕗「どーもー…」


    近衞「よろしくね」


    最原「あ、こちらこそ…」


    剛将「それで、依頼の方なんだが…残念ながらこんな場所では話せない内容なんだ」


    最原「…え?」


    剛将「だから、ちょっと付いてきて貰うぞ」


    そう彼が言い放った瞬間、僕の視界は歪んだ。


    最原「あれ…?」


    天海「最原さん!」


    近衞「悪いがお嬢ちゃんはここでお留守番だ。」


    石蕗「だいじょーぶだよ。ちゃんと今日中には返すからー…」


    天海さんが何かを叫ぶ中、僕の意識はそのまま途絶えていった。
  9. 9 : : 2020/12/19(土) 16:31:07
    目を覚ますとそこは見るからに秘密基地といった雰囲気の、あの殺し合いで命を落とした王馬小吉を彷彿とさせるような場所だった。


    最原「…ここは?」


    剛将「俺たち『DICE』の秘密基地だ。」


    最原「やっぱりそうか…」


    剛将「そう、お前がよく知る王馬小吉が作り上げた悪の秘密組織 その名も『DICE』。あの殺し合いが始まって、総統を助け出そうと乗り込んだ結果間抜けにも捕まってしまいあいつに余計な心配をかけちまった役立たずの無能集団さ」


    最原「…」


    剛将「…安心しろ、別に取って食おうって訳じゃねーよ。ただ、この写真の男の素性を洗って欲しいんだ。」


    差し出された写真に写っていたのは、まさしく王馬くんその者だった。


    最原「…これは?」


    剛将「あいつは死んだ、それは俺たちもよく分かってる。にも関わらず最近よく街で見かけるんだ。他人の空似だとしても、俺たち元メンバーの前に何度も意味ありげに姿を表しやがる。写真に映る以上幻覚の類いじゃねえ。まぁ十中八九名前を騙った偽物だろうが、俺たちには奴の正体を暴く術がない。だからお前に頼みに来た」


    最原「…なるほど」


    剛将「さっきの子供(ガキ)、あの殺し合いで死んだ連中の関係者だろ?こんな話をしたら動揺するに決まってる」


    最原「それで、僕だけに…?」


    剛将「あぁ。多少手荒な真似したのは認めるが、そっちの方がお前も都合がいいだろ?」


    最原「…依頼の内容は分かったよ。それで、もし僕たちが彼の素性を暴いたらその後はどうするつもり?」


    剛将「ふん、どうもしねえよ。あいつが偽物なのか本物なのかをはっきりさせたいだけだ。偽物と分かったんならそれで終わり、必要以上にこっちが動揺する事がなくなるだけだ。」


    最原「…そっか」


    剛将「まぁそういうわけでよろしく頼む。三日後ぐらいに進捗の方を尋ねに行く、一応こっちは悪の秘密組織やってるんでね、所在地や電話番号を教えるわけにもいかねーんだ。」


    最原「分かったよ。」


    剛将「よし、じゃあお前を事務所の方まで送ってやるから少しの間寝てな」


    最原「うっ…」


    また、さっきと同じように視界が歪み僕の意識は途絶えていった。


    気がつくと僕は自分の探偵事務所の前で立っていた。


    最原「なんか、どっと疲れたような…」


    ゆっくりとした足取りでドアの前まで行くと急にドアが開き、物凄い形相でこっちを見つめる春川さん達と目が合った。
     

    最原「えーっと、ただいま?」


    瞬間、僕は春川さんに思い切り殴られた。
  10. 10 : : 2020/12/19(土) 17:28:46
    最原「…痛っ」


    天海「あ、大丈夫ですか…?」


    最原「うん…ありがとう」


    春川さんにぶっ飛ばされた僕はその後、天海さんに治療して貰いながら事情を説明していた。


    夢野「んあー、いくら最原が頓珍漢な事言ったからといっていきなり殴る事ないじゃろう」


    春川「…ふん」ムスー


    天海「あはは、それだけ心配だったんですよ…かくいう私も…」


    最原「まぁ、そんな訳で身辺調査を依頼されたんだよ」


    春川「でも、相手はあの王馬が率いてたっていうDICEなんでしょ?信用できるわけ?」


    最原「うーん、とは言ってもただ彼の素性を暴いて欲しいって内容だったし…」


    春川「ふーん、それで?誰の身辺調査を依頼されたの?写真は?」


    最原「実はそれなんだけど…後でデータ送るって言われたからまだ持ってないんだよね。だから今はまだ見せれないかな」


    春川「…?」


    最原「それより、春川さんにちょっと相談したい事があるんだ。ついてきてくれる?」


    春川「…いいけど」


    最原「夢野さんと天海さんは晩御飯の支度でもしてくれるかな…?」


    天海「はーい!」


    夢野「任せておけい」


    そうして、僕と春川さんは事務所の外に出た。


    春川「それで、相談って?」


    最原「春川さんは…僕が実はみんな生きているかもしれないって言ったらどうする?」


    春川「まだ寝呆けているみたいだからぶっ飛ばす」


    最原「…」


    春川「なに?まさか本当にそう言うつもり?」


    最原「分からない…でも、聞いて欲しい事があるんだ。」


    僕は自分が見たものを春川さんに話した。


    春川「…じゃあ、昨日は赤松を…今日は王馬の姿を見たって事?」


    最原「うん…まぁ、王馬くんについては写真を見ただけなんだけど」


    春川「…成る程、それは確かに天海には聞かせられないね」


    最原「…うん。」


    春川「王馬の写真はあるの?さっきのって嘘なんでしょ?」


    最原「うん、これだよ。」


    春川「…分かった。私もしばらく調べてみる。もしかしたら他にもそっくりさんがいるかも知れないしね。」


    最原「ありがとう、春川さん」


    春川「夢野には…まだ話さない方がいいか。天海の前でうっかり口を滑らせてしまいそうだし」


    最原「うん、そうだね」
  11. 11 : : 2020/12/19(土) 21:02:39
    期待。
  12. 12 : : 2020/12/20(日) 03:08:28
    >>11 ありがとうございます!


    翌日


    春川「…じゃあ、私は今日も一日バイトだから…」


    夢野「今日はウチと天海がお留守番するから最原は昨日の依頼を遂行して来るのじゃ」


    天海「頑張ってくださいね!」


    最原「うん、分かったよ。」


    そうして僕たち二人は事務所を後にした。 


    春川「さっきはバイトあるって言ったけど、実は今日はシフト入ってないし、私も協力するから。一人じゃ厳しいでしょ」


    最原「うん、ありがとう。」


    春川「…全く、一体何処の誰がこんな趣味の悪いことを…」


    最原「そうだね…悪戯にしては度が過ぎている」


    春川「それで、何か手掛かりがあるの?」


    最原「実は全然…」


    春川「…はぁ、まぁそんな簡単に解決できるとも思ってなかったけど」


    最原「とりあえず書き込みを…春川さん?」


    唐突に春川さんが歩みを止めた。


    春川「…百田?」


    最原「……え?」


    春川さんの視線の先には百田くんによく似た姿があった。その姿に顔を変えた春川さんはもの凄い速さで彼の元に走っていった。


    春川「…!待て!」


    釣られて僕も走るがあっという間に見失ってしまった。


    最原(二人とも速過ぎる…!)


    息切れをし、立ち止まっていると今度は目の前に赤松さんによく似た姿があった。


    ??「………」ニコッ


    最原「ま、待って…!」


    しかし、彼女もまたすぐにその場を去って行ってしまった。


    春川「…ごめん最原、見失っちゃった」


    最原「春川さんでも追いつけないなんてね…それより僕も赤松さんらしき人物に会ったよ。逃げられたけど…」


    春川「わざわざ姿を見せてきて…一体何が目的なんだろうね……本当に、ただの嫌がらせのつもりなの?」


    最原「どうだろう…もしかしたら何か別の意図があるのかも知れない。何かを伝えようとしてるのかも」


    春川「…でも、私たちはともかくDICEの前にも現れてるんでしょ?並大抵の相手じゃないのは確かなんじゃない?」


    最原「…うん」


    その後も、いまいち捜査が捗らないまま1日が過ぎた。
  13. 13 : : 2020/12/20(日) 03:58:52
    三日後


    剛将「それで、結局まだ何も分かってないのか…」


    最原「ごめん…」


    剛将「いや、別にいい。大体俺達がもうお手上げだってんでお前らに頼ってるんだ。そうそう文句なんか言えねえよ。」


    最原「それより、今日は来てる人が多いみたいだけど…」


    剛将「なに、他の連中もお前らに挨拶したいんだとよ。」


    最原「へー…」


    巨乳の女性「アタシの名前は冥土森隷名(めいどもり れいな)、よろしくね」


    チンピラ風の男性「オレ様は綾小路司(あやのこうじ つかさ)ってんだ。以後お見知り置きを」


    尖った髪の男性「おれっちの名前は兵藤緋士(ひょうどう あかし)、よろしくなー」


    太った男性「ぼくは嵐達臣(あらし たつおみ)って言うんだー。仲良くしてねー。」


    髪の長い女の子「わたしの名前は妾魔愛華(わらわま あいか)。覚えててね」


    最後に残った男の子「ボクの名前は爵堂侯夜(しゃくどう こうや)と言います。特徴がないので覚えにくいとは思いますがどうぞよろしくお願いします。」


    春川「…ていうか、あんたら仮にも悪の秘密結社なんでしょ?そんな堂々と顔晒して自己紹介までして…大丈夫なの?色々と」


    石蕗「心配しなくても大丈夫だよー…それで捕まるようなら現役やってないし」


    近衞「もし捕まっても簡単に逃げ出せるしな、もちろん『普通の状況』である場合に限るが」


    春川「ふーん…」


    剛将「とにかく、これからは俺達も一緒に捜査するよ。ぶっちゃけこの三日間も裏でこっそり様子見てた訳だが…」


    最原「そうなの!?」


    春川「…だろうと思ったよ、ここ数日やたら視線感じてたし」


    剛将「まぁ、そんな表立って協力…という訳にもいかねえが…こっそりフォローさせて貰う。」


    最原「うん、分かった。」


    春川「確かに人手は必要かもね、こいつらが信用できるかどうかはさておき」


    最原「春川さん…」


    剛将「ふん、それでいいさ。あまり信用され過ぎるとかえって心配になる」


    最原「じゃあ…そういう事で、よろしくお願いします」


    剛将「あぁ、こちらこそ」
  14. 14 : : 2020/12/20(日) 05:29:29
    最原「そういえば、皆さん何か得意な分野とかあるんですか?」


    剛将「探偵に一から十まで教えるのもどうかと思うが…そもそも俺達は殆どが元超高校級か現役の超高校級の集まりだ、得意な事の一つや二つあるに決まってるだろ。例えば…石蕗は元超高校級のアイドルだし、近衞も元超高校級のボディーガードだ。」


    最原「そうなんだ…」


    剛将「石蕗なんかは普通に正体をメディアに公開してるし、普通に芸能活動してるからテレビ関係者も色々苦労してるみたいだがな」


    最原「…それでよく捕まらないなあ」


    剛将「他にも、ハッキングが得意な奴だったり諜報活動が得意な奴もいる。まぁその辺は丁度良いぐらいに得意分野は分かれているよ」


    最原「そっか…」


    剛将「そんな事より、お前の方は何か分かった事とかないのか?心当たりは?」


    最原「…赤松さんについては、双子の妹がいると思うから多分その人だと思ってる」


    剛将「成る程。俺の方はというと、どうも仲間を疑っちまってるよ。」


    最原「…他のDICEのメンバーが?」


    剛将「あぁ。確かに全員が小吉の姿を確認しているがどれも一人でいる時にしか遭遇してない。つまり誰かが嘘を吐いていても分からねーって事だ」


    最原「…」


    剛将「…ん?あれは…見つけたぞ、最原!」


    最原「え!?」


    彼の視線の先には王馬くんの姿が見えた。


    剛将「お前ら、王馬の姿を見つけた!場所は…」


    剛将さんはすぐさまみんなに連絡し彼の後を追った。


    僕もそれに付いて行こうとするが、夢野さんから電話がかかってきて足を止めた。


    最原「夢野さん…?」


    夢野『最原!大変じゃ…あ、赤松が!赤松が…!』
     

    最原「…落ち着いて、夢野さん!」


    夢野『赤松が突然現れたと思ったら、何かを話した後天海が血相変えて外に飛び出して…それで…!』 


    最原「…!」


    夢野『最原よ、赤松達は生きておったのか?もしかして転子やアンジーも…』


    最原「詳しい事は後で話す!だから落ち着いて…あ」


    夢野『…最原?』


    最原「…ごめん、また後でかけ直すよ。」


    不意に、電話を切った僕の目の前に現れたのは赤松さんの姿だった。
  15. 15 : : 2020/12/20(日) 05:45:24


    最原「…赤松……さん…?」


    赤松?「やっと会えたね、最原くん♡」


    最原「…キミは一体」


    赤松?「何言ってるの?赤松楓だよ」


    最原「違う、彼女は死んだんだ。」


    赤松?「なぁーんだ、つまんないの。うん、キミの言う通り私は楓じゃない。」


    赤松「私の名前は赤松椛(あかまつ もみじ)、キミが殺した楓の双子の妹」


    最原「…!」


    赤松「そう、キミが推理を間違えなければ楓は死なずに済んだ。だからキミが殺したもおんなじ。」


    赤松「…あぁ、怖がらないで終一くん?あの子はあそこで死ぬ運命だったの。あんた達がどう頑張ろうとも結果は変わらなかっただろうね。私も別に復讐がしたい訳じゃないよ。」


    最原「………」


    赤松「ただ改めて自己紹介をしようと思ったの♡これが一体何なのか、キミには分かるよねぇ?」


    そう言って、彼女が見せてきたものは…


    赤松「私、あれからチームダンガンロンパに入ったのぉ。元・超高校級の絶望達によって構成された世界的犯罪組織にねぇ♡」


    最原「!」


    赤松「これはぁ宣戦布告だよ。キミがこれをどう受け取ってどう行動するのか分からないけどぉ、多分何も出来ないよねぇ?だって今のキミ達には力も人脈も何一つないんだからね♡」 


    赤松「とことん自分を責めると良いよ、何も気付けなかった不甲斐ない無力な自分を。」


    赤松「まぁ、今すぐ何かするって訳でもないからある程度の猶予はあるだろうけど…」


    赤松「精々頑張って、私達を止めてみせてね。無知で無力な、この狂った世界の主人公さん?」


    赤松「…あー、そうそう。確かこんなセリフだったよね。」


    赤松「『私は信じてるから!だから、キミも自分を信じてあげてね!…ね? 約束だよ。』…使い方、あってるかな?」


    最原「…」


    赤松「…カメラさん、もう切っていいよ。」


    最原「え…?」


    赤松「うぷぷ、もしかしたらいつかの放送で使うかも知れないからね。撮っといただけだよ。ちょっとイジワルだったかな?」


    赤松「さっきねぇ♡キミの探偵事務所にお邪魔してぇ、…蘭太郎くんは実は生きているとか、他のみんなも生きてるとか、色々適当な事吹き込んどいたから今頃パニックになってるだろうねぇ♡」


    春川「最原!」


    赤松「…っと、邪魔が入っちゃうね。まぁ、魔姫ちゃんにも色々お世話になってるからまた挨拶しなきゃいけないね。」


    最原「…?」


    赤松「じゃあね、キミは私の唯一の生き甲斐なんだから勝手に死んじゃ嫌だよ?」


    いつの間にか降っていた土砂降りの雨が僕の体を打ち付けた。
  16. 16 : : 2020/12/20(日) 05:46:07
    春川「最原…あんた何かされなかっ……泣いてんの?」


    最原「…いや、泣いてないよ。それより王馬くんの方はどうなったの?」


    春川「逃げられたよ。全く、逃げ足だけは本物に引けを取らないよ」


    最原「…とりあえず一回事務所に戻ろう。さっきの赤松さん、夢野さん達のところに現れたらしいから…情報共有しとかないと」


    春川「…分かった、あいつらにもそう言っとく。だからあんたもちゃんと心落ち着かせなよ」


    最原「うん、ありがとう」
  17. 17 : : 2020/12/20(日) 06:02:19
    お兄ちゃんが生きている。


    さっき突然現れた赤松さんはそう言った。他のみんなも生きていると、


    天海「お兄ちゃん…!」


    しかし、いくら走り回ったところで影も形も見えない。それはそうだ、そんなに簡単に見つかれば苦労しない。でも、ようやく見つけた手掛かりだ。彼女はこの近くにお兄ちゃんがいるといった。だったら意地でも見つけ出すまでだ。


    そうして、一時間が過ぎ、二時間が過ぎ、三時間が過ぎていった。


    体力が底をつきかけたその時、ようやく兄の姿を確認した。


    天海「っお兄……!」


    しかし、彼はこちらの見るやすぐに振り返りその場を立ち去ろうとする。


    天海「待っ…!」


    天海(どうして逃げるの?私が分からないの?)


    そんな疑問が頭を過ぎる


    天海(それに、全然雰囲気が違う…)


    急ぎ追いかけようとするも体の方はもう限界で私はその場に倒れかかってしまった。


    天海(やば…意識が…もう)


    そういえばどれだけの間走り回っていただろう…


    考える間もなく私の意識はそこで途絶えてしまった。
  18. 18 : : 2020/12/20(日) 06:33:14
    赤松「…あぁーあ、蘭奈ちゃんやっぱり倒れちゃったねぇ」


    ビルの上から様子を眺めていた私は、隣に立つ少女に尋ねた。


    赤松「ねぇ、妹なんでしょ?助けたりしないの?蘭馬ちゃん」


    蘭馬「…別に、家を出てから他の姉妹とも関わりないし。正直殆ど他人だし何処で死のうがなんとも思わないよ」


    彼女の名前は天海蘭馬(あまみ らんま)、天海蘭太郎の妹でそこに倒れている蘭奈ちゃんの姉である。


    赤松「冷たいんだねぇ、死んじゃうかもよ?」


    蘭馬「別に一通りが少ない訳じゃないし誰か一人くらい助けてくれる人いるでしょ。」


    赤松「分からないよぉ?だって世の中腐ってるんだし」


    蘭馬「あんたの方こそ、良いの?このまま放置しとくといよいよ嫌われるよ」


    赤松「…それもそうだねぇ…じゃあもうちょっとだけ様子見てようかな。」


    すると、全身黒尽くめの男が彼女を連れ去って行くのを見た。


    赤松「今のってまさか進太郎クン?…まぁ彼ならちゃんと送り届けてくれそうだしいっか。」
     

    蘭馬「あの人の事知ってんの?あまり見かけない人だけど」


    赤松「んー、昔ちょっとね。それよりもそろそろ時間だよ。一旦戻ろうか蘭馬ちゃん」


    蘭馬「ん、そうだね」


    そうして彼を見送った私達はその場を後にした
  19. 19 : : 2020/12/20(日) 07:41:16
    黒鉄「…」


    追いかけてきた女の子を彼女が飛び出した事務所まで送り届けると、ボクは一人思考に耽ていた。


    ボクの名前は黒鉄進太郎(くろがね しんたろう)、あの殺し合いの首謀者である白銀つむぎの従弟だ。


    黒鉄「…やっぱり、もう止められそうにない…か」


    『いいえ、まだ諦めては行けマセン!きっと何か方法があるはずデス!』


    不意に携帯電話から音声が流れてくる。


    画面を開けるとそこには見慣れた女の子型のAIがこちらを真っ直ぐ見ていた。


    かの有名なロボット博士である飯田橋教授が作り上げた最高傑作のAI、その名も『ミライ』。飯田橋教授の依頼で今はボクが『彼女』の主人ということなるが…


    黒鉄「人工知能が『あるはず』なんて言うものじゃないよ、ミライさん」


    ミライ『さん付けは不要といつも言っていマスよ、マスター。ワタシは人の心について履修済みデスので、どうしても絶対大丈夫という自信は持てないのデス』


    黒鉄「とにかく、もうじき組織はあの計画を実行に移すつもりだ。なんとしても阻止しないと…その為にも」


    ミライ『彼らの協力は必須…ということデスね』


    黒鉄「うん、一度はあの殺し合いゲームを終わらせた人達だ。きっとボク以上の答えを出してくれるはずだよ。」


    ミライ『それで、ワタシのコピーを彼女のスマホに…』


    黒鉄「うん、さっきも言った通り彼の協力は必須。となればこうするのが一番手っ取り早いんだ…」


    ミライ『一応言っておきマスがコピーすると本体より性能が落ちていきマス。あまり乱用することはオススメできマセンが…』


    黒鉄「それでも、並みのAIよりは性能が上だろ?」


    ミライ『それはモチロン、当たり前デス!」


    黒鉄「それより、ボクも次に行動を移さないと…」


    ボクは急ぎ、その場を立ち去った。
  20. 20 : : 2020/12/20(日) 09:10:13
    剛将「赤松椛が現れた…?」


    その話を聞いて、俺はあの場所(・・・・)に捕らえられていた時のことを思い出していた。


    殺し合いが終了した。その報せを受けて真っ先にその場を動いたのは探偵をやっているらしいオッサンと孤児院で先生をやってるっていう女性、そしてマジシャンをやってるという男か女かよくわからん奴の三人だった。


    なんでも、生き残った三人を助ける為に色々準備していたらしい。俺たちもまだ王馬や他の参加者が生きている事を信じ三人の後を追った。途中何人かは撃たれたりしたみたいだが振り向いてもいられなかった。


    なんとか、その場所に着いたがやはり王馬や他の参加者達の姿はなかった。


    オッサンは俺達にも逃げるよう言っていたような気がするがあまり覚えてない。


    俺達がしばらくの間放心していると、そこに殺し合いの首謀者…チームダンガンロンパの社長が現れてこう言った。


    『この場で他の参加者の抜け殻共々死に果てるか、彼らが息を吹き返すまで我々の手駒となり働くか、どっちか選べ』と、


    実は王馬は生きてるんじゃないか…そんな希望をチラつかされた俺達は、首を縦に振ったのだ。


    結局のところ、俺達DICEもチームダンガンロンパの手先だった。


    いるはずもない王馬を救う為に、王馬の立てた信条さえ捨てて、王馬が最も嫌う事をずっとやってきた。皆、心が壊れかかるほどに


    だから、俺達は最原を頼った。あいつなら俺達を小吉の亡霊から解放してくれるのではないだろうか、チームダンガンロンパを潰してくれるのではないだろうか、と。


    これが独りよがりだというのはよく分かっている。自分勝手極まりないのも理解している。


    剛将(それでも、)


    そんな安い希望を、俺達は最原終一に抱いたのだった。
  21. 21 : : 2020/12/20(日) 10:15:49
    期待
  22. 22 : : 2020/12/20(日) 10:25:18
    期待。赤松の双子は展開的に予想出来たけど、百田とか王馬は何なんだろう。
  23. 23 : : 2020/12/20(日) 14:14:46
    >>22>>23 ご期待ありがとうございます!


    最原「…天海さんも目を覚ました事だし、そろそろ情報を整理したいと思うんだけど、いいかな?」


    みんなが頷いたのを確認し、まず最初に僕の身に起きた事を伝える。


    最原「ここ数日姿を現していた赤松さんによく似た人物の正体は、やっぱり赤松さんの双子の妹だったよ。それもチームダンガンロンパの社員だった」


    春川「つまり、白銀の仲間だったっていうこと?」


    剛将「詳しい話は順を追って話すが、殺し合い参加者の関係者は殆どチームダンガンロンパに入ってるぞ。」


    夢野「んあ?」


    春川「…それより、そいつらはまた何か事件を起こすつもりなの?」


    最原「…恐らく。こっちにストレスを与えようとしてるだけの可能性もなくはないけど…可能性は低いと思う」


    天海「…じゃあ、結局みんな生きてはいないんですか?」


    最原「…うん、多分誰かの変装なんだと思う。」


    夢野「それより大丈夫なのか?もうこの場所は奴らに割れておるということなんじゃろ?」


    最原「…暫くの間、拠点を他所に移動した方が良いのかな」


    春川「でも、心当たりなんてあるの?そんな都合良くいい場所が見つかるとは思えないけど」


    『でしたら、ワタシがそのいい場所を提供いたしマス!』


    最原「…え?」


    その時、誰かの携帯電話から突然声が聞こえた。


    天海「な、何…?」


    どうやら天海さんの携帯からだったらしい。声の主は自分の事をキーボくんの妹の『ミライ』だと名乗った。


    最原「一体いつのまに…もしかして、天海さんをここに連れてきてくれた誰かが?」


    ミライ『はい、ワタシのマスターがいずれ必ず必要になると。今はワタシ一人しか居ませんがもうじきお父サマから最原サンにワタシのコピーが送られて来ると思いマスのでその際に他の皆さんにもワタシのコピーを差し上げマスね。』


    春川「…いや、怪し過ぎるでしょ。いらないよ」


    夢野「キーボの妹という時点で怪し過ぎるわい」


    ミライ『あれぇ!?』


    剛将「…なんだったら俺らのアジトに来るか?」


    最原「いや、流石にそれは悪いし…そんなにすぐ仕掛けても来ないだろうから暫くはこのままここに居るよ。それに…」

    春川「それに…?」


    最原「いや、別になんでもないよ。今日はもう遅くなっちゃったしとりあえず休もうか」


    そうして、僕達は眠りについた
  24. 24 : : 2020/12/20(日) 14:29:31
    翌日


    最原(…全然眠れなかった)


    どうやら僕は自分で思っている以上に昨日の事がショックだったらしい。


    最原(…赤松さんの事もそうだけど、百田くんや王馬くん、それに天海くんのこと、気になる。昨日突然現れたキーボくんの妹…そしてそのマスター。気になる事が多過ぎる。そういえば殆どの関係者はチームダンガンロンパにいると言っていた。じゃあ、天海さんも?DICEのみんなは?)


    最原「僕は、他の人から浴びせられる罵詈雑言に耐えられるだろうか」


    きっと、他の人達も赤松さんと同じように僕に恨みを持っているかもしれない。そう考えるとどうも足が竦んでしまう。


    最原(…いいや、真実に立ち向かうって決めたんだ。どんな事でも受け止めてみせる。)


    『コンコン』


    春川「最原?もうみんな集まってるよ」


    最原「うん、今行くよ」
  25. 25 : : 2020/12/20(日) 15:33:44
    昨日、ミライさんが言っていたように僕の携帯に彼女のコピーが送られてきた。


    最原「…えーっと、それじゃあみんなの所にもコピー送るね。」


    春川「…わかった」


    夢野「…うむ」


    最原「それで、これからについてだけど…まず天海さんと剛将さん達に改めて確認したい事がある。きみ達はチームダンガンロンパの社員なのかな?」


    天海「ち、違いますよ!」


    剛将「…まぁ、社員ではないな。」


    春川「社員ではない?」


    剛将「昨日も軽く話したが大体の関係者はチームダンガンロンパについてる。それで、あの殺し合いが終わった後で俺達は二択を迫られた。要するに死ぬか仲間になるかのどっちかしかなかった。それも、王馬達が生きている可能性をチラつかされてな」


    最原「…」


    剛将「まぁそれで奴らの仲間にはなったが、あくまで末端中の末端。計画の内容も何一つ教えてはくれねー。ただ仕事があれば通達される、それだけだ。」


    最原「なるほど…」
     

    剛将「あいつらにとって俺達はただの駒だ、特に何の期待もしてねーだろ。ただ怪しい動きを見せればすぐ殺しにくるだろうが…」


    春川「それが一切来ないって事は今更あんたらがどう動こうが計画に支障はないのか、その行動を含めて計画のうちなのか…」


    剛将「…あぁ。他の奴らも大体そんな感じのはずだ、一部を除いてな」


    最原「赤松さん…」


    ミライ『因みに、天海さんのお姉さんである天海蘭馬サンも赤松椛さんと同じ立場にありマス』


    天海「…!」


    ミライ『そして、ワタシ達が集めた情報によりマスと、彼らがやろうとしている事は「人類史上最大最悪の絶望的事件」の再演デス。」


    最原「な…!」


    春川「人類史上…」


    夢野「最大最悪の…」


    天海「絶望的事件?」


    ミライ『これを止めるには最原サン達の協力は必須、デスからワタシはここに送られてきたのデス。かつての希望ヶ峰学園の学園長である「苗木誠」の指示によって。』


    最原「苗木誠…」


    ミライ『と、ワタシの口から説明出来る事は以上デス。それ以上の事はワタシにも分からなかったので』


    最原「ううん、ありがとう。それだけ分かってるなら充分過ぎるくらいだよ」


    春川「さて、これからどうするの?やる事は大体決まったでしょ?」


    最原「…うん、それじゃあまず三手に分かれよう。春川さんと石蕗さん、爵堂さん、綾小路さんの四人はチームダンガンロンパの動向を。夢野さん、近衛さん、兵藤さん、妾魔さんの四人は引き続き民間からの情報収集と可能なら人材の確保を。僕と天海さん、剛将さん、冥土森さん、嵐さんの五人は捜査を続けよう。」


    春川「うん」


    夢野「ウチに任せい!」


    天海「が、頑張ります!」


    最原「みんな、よろしく頼むよ。」
  26. 26 : : 2020/12/20(日) 23:49:16
    最原「とは言ってみたけど、やっぱりこういうのは性に合わないなぁ」 


    天海「そうですか?様になっていましたよ!」


    最原「…あはは、そういう人といつも一緒にいたからかな」


    剛将「成る程、そいつの受け売りか」


    最原「…それより、何から調べたらいいものか見当もつかないな…第一規模が大き過ぎる」


    最原「…そういえば、今希望ヶ峰学園はどうなってるんだろう?」


    ミライ『あそこは今閉鎖されていマス。勝手に入ると色々問題デスが、どうされマスか?』


    最原「…一応、訪れるだけ訪れてみよう」


    天海「分かりました!」


    そして…


    最原「ここが希望ヶ峰学園…」


    剛将「…思った以上にボロいな」


    天海「ここが閉鎖されてどれくらい経つんですか?」


    ミライ『およそ一年デス』


    冥土森「たった一年でここまで劣化するもんなの?」


    嵐「普通はしないと思うよ…」


    最原「とにかく、捜査を始めよう。何か分かる事があるかもしれない。」


    捜査が始まり一時間が経った頃、


    最原「…はぁ、一時間調べて収穫なしか…」


    赤松「だって、この学園は三年前に私達が襲撃したから。殆どの資料は無くなってるよ」


    最原「!?」


    突如背後から赤松さんに声をかけられ、僕の身体は一気に硬直した。
  27. 27 : : 2020/12/21(月) 01:42:55
    赤松「そんなに警戒しなくて大丈夫だよ、今の私はただの赤松椛。私、仕事とプライベートはしっかり分けるタイプなの」


    最原「…どうして、ここに?」


    赤松「別にぃ?ただキミ達がこの場所に入っていくのを見かけたから声かけに来ただけ。ここを調べても意味がないよって」


    最原「…さっき言ってた三年前にここを襲撃したって話?」


    赤松「そ。ここにあった資料やアイテム、人材も何もかも既に私達が盗っちゃったの♡」
     

    最原「…なんだって?」


    赤松「そうそう、その時の襲撃で希望の象徴である苗木誠は死んじゃったから話を聞く事も出来ないよ。」


    最原「そんな…!」


    赤松「まぁ、私が直接確認した訳じゃないし、そう聞いただけなんだけど。」


    最原「…!」


    赤松「ふふ、流石に今の状況だと終一くんが不利過ぎて可哀想だからヒントあげるね。今回の首謀者(クロ)にはその自覚が一切ないからなんでもかんでも信じてたら痛い目見るよ。」


    最原「…自覚がない?」


    赤松「それと、殺し合いに参加する前のキミの記憶…ちゃんとはっきりさせた方が良いよ。まだあやふやなんでしょ?」


    最原「…どうして、そこまで教えてくれるんだ?」


    赤松「ふふ、私達絶望は計画が失敗する事も悦びの一つなんだよ。」


    最原「…え?」


    赤松「だから、頑張ってこの計画を阻止してみせてね。もし阻止できなかった時にはキミの絶望が、阻止できたら私の絶望が、私を悦ばせる。精々私を楽しませてね」


    最原「…」


    赤松「あぁ、そうだ。頑張ってる終一くんに一つだけ忠告してあげる。魔姫ちゃんと蘭奈ちゃんの事、気を付けてあげた方が良いよ。それじゃあまた今度ね」


    最原「それって、どういう…」


    そう言い残した彼女は僕の問いには答えず、その場を去っていった。
  28. 28 : : 2020/12/21(月) 12:40:33



    その後、剛将さん達と合流した僕は一旦事務所に戻る事にした。


    最原「…」


    剛将「つまり、苗木誠は死んだ事になっているってのか?」


    最原「分からない。でも実は何処かが生きているかのような口振りではあった」


    剛将「…元々絶望の残党ってのは周囲を巻き込んだ究極の破滅願望者の集まりだ。言ってる事の筋は通ってる。これが真っ赤な嘘である可能性は低いだろうな」


    最原「だとすれば既に捕まっているか、そうでなくても自由に身動きが取れない状況下にあるのは確かだと思う。少なくとも今回に限っては協力は難しいかも」


    冥土森「そういえば昔、希望ヶ峰学園では一般人に複数の才能を人為的に与える研究みたいな事をしていたとかなんとか…まさかとは思うけど地下に奴らの拠点がある可能性は考えられないの?」


    最原「…可能性はあると思う。どのみち、あそこに何かあるとすればこの先は向こうも警戒するだろうしこれ以上希望ヶ峰学園を捜査するのは難しい、かな」


    嵐「なるほどねー」


    最原「とりあえず、次は苗木誠の今の状態について調べよう。それと、かつて希望ヶ峰学園で行われていたっていう研究についても調べておいた方がいいかな。」


    剛将「あぁ、そうだな」


    最原「あと、みんなが集まった時に僕達が殺し合いに参加する前の記憶について改めて整理したいんだけど、連絡入れて貰える?」


    天海「あ、はい!」


    最原「…なんだか、赤松さんの手の上で転がされてるような気がするな。いずれも彼女からの情報がなければ進展はなかっただろうし」


    剛将「ふん、絶望の事を理解しようとしねー方がいいぞ。意味ねーからな」


    最原「…うん、そうだね」
  29. 29 : : 2020/12/21(月) 15:01:49
    最原「…それで、みんな進捗はどう?」


    その日の夜、僕達は一度事務所に集まっていた。


    春川「全くと言っていいほど何も起きてないよ。本当にあそこであってるの?」


    剛将「少なくとも、この地域にあるチームダンガンロンパの支部はあの場所であってるはずだ。」


    夢野「んあー、ウチらも全く進展がないぞ。最原達はどうなんじゃ?」


    最原「一応、進展はあったよ。」


    赤松さんにもう一度会った事、それによって得た情報をみんなの前で話す。


    春川「…そういえば、まだちゃんと整理してなかったね。」


    夢野「んあ?あれは全部嘘なんじゃかいのか?」


    最原「多分半分が嘘で半分が本当なんじゃないかな?そっちの方が記憶の信憑性も上がるだろうし」


    春川「それで、結局どうなってたの?」


    剛将「…俺自身曖昧なところはあるが確か、新しく希望ヶ峰学園が設立されて暫くが経ったあと、その制度に対する反対運動が起こったんだ。また同じ事件、人類史上最大最悪の絶望的事件が起きるぞってな。」


    剛将「そして、その過激派集団が超高校級狩りってのを始めた。そんでその過激派集団は実は絶望の残党で今はチームダンガンロンパと名乗ってる。」


    剛将「そして、超高校級狩りから逃れる為に時の学園長は全員の記憶から才能に関わるものを抜き、なんの才能もない一般人として生活させようとした。」


    剛将「世間には、希望ヶ峰学園の生徒は全員事故で死んだと公表するが、当然そんな事をすれば希望ヶ峰学園の信用は地に堕ちたも同然だ。世間から大バッシングを受け、学園は閉鎖するしかなくなった。」


    剛将「しかし、その間にも続々と超高校級は捕らえられた。そして彼らは殺し合いを強要させられていた。」


    剛将「とはいえ、殆どの人間はそれが実際に起きてるとは思わない。それはそうだろう、まさか本当に人が殺し合いしているのを全国放送する訳ないからな。」


    剛将「誰も彼もそれが事実だと信じなかった。いや、信じたくなかったんだろう。またあの絶望的事件が起きるなんて思いたくないからな。多少不謹慎でも見て見ぬ振りをせざるを得なかった」


    剛将「希望に縋るあまり、絶望から目を逸らし続けたんだ。」


    剛将「あぁ、流石は超高校級に認定されるだけの事はある。どれだけ絶望が大きかろうと最後には希望が勝った。最初こそ不評ではあったが徐々にチームダンガンロンパは民衆の支持を集めていったんだ。」


    剛将「そして、そのままズルズルと53回に渡り定期的に超高校級による殺し合いが全国に放送された、という訳だ。」


    最原「…」


    剛将「何故、この殺し合いを苗木誠は止めなかったのか…赤松の話を聞いて合点がいったよ。恐らく力を失ったタイミングで学園を襲撃し、無力化させたんだろうな」


    春川「…ていう事は、無数の隕石や未知のウイルスについては、あいつの嘘だったって事?」


    剛将「似たようなデマは確かに流れていたが、世間を揺るがすほどの大事件にはなってねーよ」


    最原「…ありがとう、なんとなく理解出来たよ」


    剛将「お前らが殺し合いをしてる最中の外の様子については俺達も捕まっていたから知らん。その辺りは天海の方が詳しいんじゃねーのか?」


    天海「…えーっと、多分そんなに変わらないと思います。周りの人はみんな本当に殺し合いが起きてるなんて信じてませんでしたし…私自身も終わったらちゃんと帰ってくるって思ってましたから」


    春川「…」


    夢野「…」


    最原「…ごめん、今日はもう休んでもいいかな。色々疲れたから。」


    天海「…はい」


    剛将「…まぁ、ゆっくり休め」


    最原「うん、ありがとう」



  30. 30 : : 2020/12/22(火) 06:56:30
    その日の夜、僕はなんとなく近くの公園に来ていた。


    最原「…そういえば、百田くんとトレーニングしていた場所もここと似たような感じだったな」


    春川「あれ、最原もここに来たの?」


    最原「春川さん?」


    どうやら先客がいたようだ。彼女も僕と同じように夜風に当たりながらここへやって来たらしい。


    僕と春川さんはそれぞれ近くにあった遊具に腰掛けた。


    最原「…」


    春川「…」


    最原「………」


    春川「………」


    最原「…あの」


    春川「ねぇ、最原」


    最原「…え、なに?」


    春川「最原は、さっきの話どう思った?」


    最原「…やっぱり、ちょっとショックだったよ。本当にあれが見せ物にされていたんだから」


    春川「でも覚悟はしてたでしょ?」


    最原「まぁね。外に出た時世間があまりに普通だったから…誰もあれを本当に起こった事件だなんて思ってないんだろうね。正直僕もその辺りの話は全部白銀さんの嘘であって欲しかったと思ってたし…」


    春川「…そうだね」


    夢野「んあー、お主達もここに来とったのか」


    最原「夢野さん?」


    春川「三人共、考える事は同じだったんだね」


    最原「うん、そうだね」


    夢野「んあー!なんじゃ、二人してニヤニヤしおって!」


    春川「せっかくだし、久しぶりにトレーニングでもする?もう一度、敵に勝つ為に」


    最原「…うん。」


    そうして、僕達はトレーニングを始めた。


    新たに立ち塞がった敵に立ち向かう為に
  31. 31 : : 2020/12/22(火) 07:40:29
    翌日


    最原「もしかすると、苗木誠はチームダンガンロンパ側に付いてるかもしれない。」


    剛将「つまりどういう事だ?」


    最原「いくら資料が残ってるからと言って、そう簡単に僕達全員を捕まえるのはかなり難しいと思うんだ。でも学園長を味方につける事で簡単に捕まえられるんじゃないかな…例えば昨日言っていたデマに乗っかる形で人類の未来の為と口実をつけてもう一度僕達を集めた」


    天海「…確かにそれなら簡単に捕まえられますね」


    最原「昨日の赤松さんの苗木誠は死んだという発言…それまで存在した希望の象徴たる苗木誠が死んだという意味に捉える事も出来るはずだ」


    剛将「なるほど…それなら辻褄は合うな」


    最原「それと、少し確認したいんだけど…みんなは過去の殺し合い参加者の事覚えてる?」


    剛将「…?」
     

    天海「…あれ、どんな人だっけ?」


    最原「…やっぱり」


    剛将「何か分かったのか?」


    最原「恐らく次の殺し合いが放送された時辺りにその記憶を忘れさせる電波か何かを飛ばしてたんだと思う」


    冥土森「そんな事が可能なの?」


    最原「あの殺し合いでは思い出しライトとモノ忘れライトっていうのがあったんだ、多分それと同じようなものを流したんだと思う。殺し合いが終わっても参加者が帰って来ないのを怪しまれない為に」


    剛将「…じゃあ、ミライ(こいつ)のマスターだっていう苗木誠は誰なんだ?」


    最原「名前を騙った偽物か、単純にさっきの僕の推理が間違っていただけで本物って可能性はあるけど…今のところはなんとも言えないかな」


    最原「とにかく、捜査を進めよう。」
  32. 32 : : 2020/12/22(火) 12:21:26
    一方その頃


    夢野「…んあー、聞き込みをしても誰もチームダンガンロンパの事知らんではないか」


    近衞「その辺りの情報収集は大輔らや姫乃らに任せた方が良さそうだな」


    夢野「じゃあ、ウチらは力を貸してくれそうな者を探す事に尽力した方が良さそうじゃな」


    近衞「でも心当たりなんてあるか?」


    夢野「…最原も中々難しい事を言ってくれるのう」


    夢野「そうじゃ、募集をかけるのはどうじゃ?」


    近衞「それだとチームダンガンロンパにも筒抜けにならないか?」


    夢野「んあー、それもそうか…」


    近衞「そもそも、一般人を巻き込んでいいものじゃないだろ、これから戦う相手は」


    夢野「…じゃあ、最原はどういうつもりで…?」


    夢野(まさか、本当の目的は別に…?)


    夢野「ミライよ、そういえばウチらの他に殺し合いを生き残った者はおらんのか?」


    ミライ『勿論いマス。デスがその殆どが現在チームダンガンロンパに所属しており、それ以外も現時点での所在が明らかになってないのデス…』


    夢野「それでは意味がないではないか!」


    ミライ『仕方ありマセン、場所がバレたらまたすぐに捕まってまたコロシアイを強要されてしまうんデスから』


    夢野「んあー…それもそうじゃな…」


    ??「…あの」


    夢野「!?い、いきなり背後から話しかけてくるでない!驚いてしまうではないか!」


    ??「あ、ごめんなさい」


    夢野「…それより、お主は一体何者じゃ?」


    ??「ボクの名前は黒鉄進太郎です。白銀つむぎの従弟で、10回目の殺し合いを勝ち抜いた生存者です。」


    黒鉄「…協力者を、探してるんですよね?」
  33. 33 : : 2020/12/22(火) 20:53:27
    遡る事一日前

    天海蘭奈さんを送り届けた次の日、ボクはまず初めに他の殺し合い生存者に連絡を入れたのだった。


    黒鉄「…じゃあ、そういう事だから…よろしく頼むよ」


    みんな、チームダンガンロンパと戦う為それぞれ準備して来た者達だ。全員が全員、一度は殺し合いを終わらせた者達だ。だから、きっと今回も


    黒鉄「…ミライさん、カムクライズルの所在はまだ分かりそうにない?」


    ミライ『すみマセン。流石、というべきか彼らの居場所だけはどうも…』


    黒鉄「…大丈夫だよ、そんなに落ち込まないで」


    俗に言う『アニバーサリーダンガンロンパ10』、ボクはそれに生き残った。


    ここにいる『ミライ』も、実はかつて飯田橋未来(いいだばし みく)として殺し合いに参加していたが、そこで死んでしまった。これはあくまで彼女の人格をベースにした人工知能に過ぎない。


    因みに、ボク以外の生存者だと今は赤松椛さんしか残っていない。他はあの殺し合いを生き残ったあと何処かしらで命を落としてる。


    天海蘭子(あまみ らんこ)…さっき送り届けた天海蘭奈さんの姉もその一人だ。彼女は10回目に生き残った後、11回目と12回目にも参加していたのだが、その12回目の殺し合いで命を落としてしまった。


    『…じゃあ、行ってくるね。多分今回も大丈夫だと思うけど…もし私が死んじゃったら兄と妹達の事よろしくね、進太郎くん、椛ちゃん。』


    それが、ボク達と交わした最後の言葉だった。
  34. 34 : : 2020/12/22(火) 23:52:40
    黒鉄「そういえば、彼らは今どうして…?」


    ミライ『三手に分かれて捜査してるようデス』


    黒鉄「分かった。それじゃあ…」


    黒鉄「赤松さん、今何処にいるの?」


    赤松『…終一くんの後付けてる』


    黒鉄「じゃあ、今から言う事を彼に伝えてくれる?」


    赤松『…別にいいけど。正直私はキミの味方って訳じゃないからね?信用しちゃって大丈夫?』


    黒鉄「今日の君はオフだから、特に意地悪とかしないでしょ」


    赤松『…まぁいいよ。貸しって事にしといてあげる』


    黒鉄「ありがとう」


    赤松『…キミがどう動こうと勝手だけど、私の邪魔だけはしないでよ?』


    黒鉄「…」


    赤松『私はあくまで終一くんに阻止して欲しいだけなの、分かる?余計な事ばかりしてると殺しちゃうよ。』


    黒鉄「肝に銘じておくよ」


    赤松『…じゃあ、また今度ね』


    黒鉄「…うん、また今度」


    ミライ『…何やら彼女、怒ってマセンでしたか?』


    黒鉄「…流石に少し調子に乗り過ぎたかな?」


    黒鉄「さて、次はさっき連絡入れたみんなと合流しないとだね。」


    そうして、今に至る
  35. 35 : : 2020/12/23(水) 06:19:44

    夢野「お主ら、力を貸してくれるのか?」


    黒鉄「はい」


    近衛「…大丈夫か夢野ちゃん、信用できるのか?」


    黒鉄「信用度の話ならキミ達も同じハズだけど?」


    近衛「…」


    夢野「とにかく、生存者が味方につくなら百人力じゃ!」


    ミライ『相手の方が人数的には多いデスけどネ』


    夢野「…んあー、流石はキーボの妹…空気が読めんところがよう似とる」


    ミライ『AI差別!』


    夢野「こういうのは気持ちの問題じゃ。そうじゃ、気持ちではこちらが勝ってるに決まっておる。だから負ける事などあり得ん」


    ミライ『…そういう考え方もあるのデスね、データに付け加えておきマス』


    黒鉄「…とりあえず、全員の自己紹介はまた、みんなが集まってからで良いですか?」


    夢野「うむ、問題ないわい。では最原や春川達にも連絡を入れるかのう」


    夢野(…んあ?最原からも連絡が来ておる、何か分かったのか?)


  36. 36 : : 2020/12/23(水) 20:11:47
    春川「…夢野、ちゃんと協力者見つけられたんだ。正直無理だろうと思ってたけど」


    送られてきたメールを見ながら、私はそう呟いた。


    春川(それに引き換え、こっちは進展なしか…)


    春川「しつこいようだけど、本当にここであってるの?全然動きないんだけど」


    石蕗「…もしかしたら、拠点を他に移したのかもしれないねー」


    春川「冗談でしょ…じゃあこの二日間無駄に過ごしてたようなものじゃん」


    春川(これじゃあ赤松を尾行していた方がいくらか建設的だったかもね)


    春川「…とにかく、最原からも一度集まるよう連絡が来てるし一旦ここを離れ……え?」


    私は、その建物の中に入っていった者の姿に目を疑った。


    春川「…なんで、死んだはずのあの子が…?」


    どうして生きてる?それより何故あの建物に入っていく?


    石蕗「…どうかしたのー?」


    春川「…あぁ、いや…何でもないよ。早く戻ろう」


    まさか、彼女はチームダンガンロンパに所属していたのだろうか。だとしたら死んだというのは嘘だった?そもそも何故嘘をつく必要があった?


    春川「…まさか、組織も関わっているの?」


  37. 37 : : 2020/12/23(水) 20:42:46
    最原「…それじゃあ、まずは自己紹介から始めようか。僕の名前は最原終一、元超高校級の探偵だよ。」


    春川「私は元超高校級の暗殺者、春川魔姫」


    夢野「ウチの名は夢野秘密子、元超高校級の魔法使…マジシャンじゃ。」


    天海「…あ、私は天海蘭奈です。才能は…ありません」


    ミライ『ワタシは超高校級の人工知能デス!』


    剛将「俺は剛将大輔、元超高校級の心理学者だ」


    石蕗「…名前は石蕗姫乃、超高校級のアイドルだよー」


    近衞「元超高校級のボディーガードの近衞ジョージだ、よろしく」


    冥土森「冥土森隷名、元超高校級はの医者よ」


    綾小路「オレ様は綾小路司、元超高校級の官僚だ。」


    兵藤「おれっちの名前は兵藤緋士、元超高校級のバスケット選手だぜ!」


    嵐「元超高校級の給食委員の嵐達臣だよー」


    爵堂「ボクは爵堂侯夜、超高校級の諜報員です」


    妾魔「…超高校級の文芸部、妾魔愛華」


    黒鉄「ボクの名前は黒鉄進太郎で、才能は元超高校級の俳優です。そして、貴方達のよく知る白銀つむぎの従弟で10回目の殺し合いを生き残りました。」


    ??「オレの名前は皇永ゼツ(かみなが ぜつ)


    皇永「因みに4回目の殺し合いを生き残ったんだけど才能はないからあまり期待するなよ」


    ??「俺は篠宮塁(しのみや るい)、元超高校級のサッカー選手だ。」


    篠宮「俺は5回目の殺し合いを生き残った。」


    ??「ぼくの名は暁ノエル(あかつき のえる)、元超高校級の解剖学者だよ」


    暁「6回目の殺し合いを生き残ったんだ、よろしく」


    ??「おれは元超高校級のテロリスト、如月勇気(きさらぎ ゆうき)だ!」


    如月「物騒な名前の才能だけど、怪しい奴じゃないからよろしく!おれは7回目の殺し合いを生き残ったよ」


    ??「あたしの名前は不知火凉(しらぬい りょう)、8回目の殺し合いで勝ち残ったんだ。」


    不知火「元超高校級のボードゲーム部!よろしくね」


    ??「僕は元超高校級の選挙管理委員の村井正人(むらい まさと)です。」


    村井「9回目の殺し合いを生き残りました。精一杯頑張るのでよろしくお願いします」


    天海「いつの間にか大所帯になりましたね…」


    最原「そうだね…」


    春川「ていうかよくこんなに生存者を集めたね…」


    夢野「んあっ?いや、これは黒鉄が…」
  38. 38 : : 2020/12/23(水) 21:06:42
    最原「…え?春川さんがいた組織が関わってらかもしれない?」


    春川「…うん。最原には昔話したと思うけど、孤児院の頃にいた親友なんだけど、交通事故で死んだって聞いていたのに実は生きていて、おまけにチームダンガンロンパの会社の中に入っていくのを見かけたんだよ」


    最原「…」 


    最原(もしかして、赤松さんが言っていた春川さんに気をつけてあげてって忠告、これの事だったのか?)


    春川「よくよく考えてみれば、いくら才能を失ったからって獄原とか簡単に攫えないでしょ。私で末端なんだから、それ以上がたくさんいる組織が誘拐に関わっていても不自然じゃないでしょ?」


    最原「なるほど…」


    春川「そういえば、あんたの方は何か分かったから招集したんじゃないの?」


    最原「…いや、また確認したい事があったからなんだけど、その必要がなくなったから僕の方からはいいよ。」


    春川「はぁ?何それ」


    最原「…」


    最原「とにかく、捜査の続きは明日にして今日はもう休もう。」


    夢野「んあー、ウチはもうヘトヘトじゃ…」


    春川「…分かった」


    最原「…あ、春川さん…ちょっと良い?」


    春川「殺されたいの?結局どっちなの?」


    最原「…実は」


  39. 39 : : 2020/12/23(水) 22:06:32
    翌日


    最原「おはよう、赤松さん」


    赤松「まさか終一くんの方から会いに来てくれるなんてね♡しかもこんな早い時間に、今日はどうしたの?」


    最原「キミも、殺し合いの生存者だったんだね」


    赤松「あー、進太郎くんに聞いた?」


    最原「ううん、自分で調べただけだよ。」


    赤松「へぇー♡もしかして私について?」


    最原「過去の殺し合いについてだよ」


    最原「そしたらびっくりするくらい色々分かったよ。どうしてチームダンガンロンパが出来たのかとか、苗木誠がどうなったかとか」


    赤松「ふーん、凄いじゃん」


    最原「キミも黒鉄君も、その後何回も殺し合いを生き残ったんだってね」


    赤松「うふふ、もっと褒めてくれて良いんだよ?」


    最原「…調べていたら、周りにいる人で他にも参加して生き残った人がいたんだ。それもクロとして」




    石蕗「…痛っ」


    春川「…何?どうかしたの?」


    石蕗「…んーん、別にー」




    最原「彼女は自分を責めるあまり精神に障害を起こした。だから彼は催眠をかけた。」


    最原「今回のクロ…首謀者は、石蕗姫乃さんだよね?」
  40. 40 : : 2020/12/23(水) 22:10:24


    赤松「…変なの、何でそれを私に確認するの?」


    最原「…キミが仕組んだんでしょ?」 


    赤松「…」


    最原「キミは、石蕗さんにかかっていた催眠を定期的に解いて計画を実行させた。」


    最原「恐らく、この前現れた王馬くんや百田くん、天海くんの姿はキミが変装した姿なんじゃないの?少なくとも最初に現れたのはキミだったんじゃないか?それで彼女を誘き寄せて催眠を解き、自らの手駒にした。」


    赤松「ちょっと違うかな?私は催眠を解いたんじゃなくて別の催眠で上書きしたの。」


    最原「…それじゃあ」


    赤松「…うん、大体今のであってるよ?凄いね♡終一くん♡」


    最原「…春川さんと天海さんに気をつけてって言ったのは、もしかしてその時に何かしらの催眠をかけたって事?」


    赤松「…んー、ちょっと違うかな?単純に放っておくと絶望に染まるかもよって思っただけ、知り合いに似てたからね。確かにちょっと催眠はかけたけど、それはすぐ消えたはずだよ。むしろ、その時に気付いたって感じだね」


    赤松「それにしてもよく分かったね。理由教えてくれる?」


    最原「…本当にただの偶然だったんだ。たまたま赤松さんが殺し合いに参加していた事に気付いて…それで、その後の殺し合いでキミが生き残った方法が…」


    赤松「…そ、適当な人操って人を殺させて、投票でその人を指名した。それの繰り返し。」


    最原「…石蕗さんの事は結構最初の頃から怪しんでいた。いや、彼女一人じゃなくてDICE全員を。」


    赤松「…へー」


    最原「どうにも、僕は赤松さんの手のひらで転がされているような違和感がしたんだ。そして、偶然にも過去の殺し合いの情報を得る事ができた。」


    赤松「それで私に疑いが…うんうん、本当凄いね!でも良いの?私はあくまで陰でコソコソしてただけだよ?キミが言ったように実行犯は…」


    最原「…」




    春川「…いっ!」ビリッ


    石蕗「…ごめんねー、ちょっと邪魔だから捕まっといてくれるー?」


    春川「な…」


    石蕗「さぁ、人類史上最大最悪の絶望的事件の再演、今から開始するよ」


    そうして、長い一日は始まった。
  41. 41 : : 2020/12/23(水) 22:25:27
    夢野「んあ?春川はどこに…?」


    天海「…さぁ?」


    ミライ『緊急事態デス、春川さんが連れ去られまシタ!』


    夢野「な、なんじゃと?!」


    ミライ『それで、連れ去ったのが…』


    近衞「俺達DICEだよ、夢野ちゃん、天海ちゃん」


    夢野「!」


    近衞「大人しく付いて来てくれたら危害は加えないよ。どうする?」


    黒鉄「夢野さん、天海さん!逃げるよ!」


    夢野「…んあっ!」


    天海「きゃっ…」


    黒鉄「みんな、一旦ここは任せたよ!」


    近衞「…ちっ、主人公達相手に一人で勝てる訳ないでしょ…!」


    如月「降参するなら今のうちだぞ…って、逃げやがった!」


    篠宮「そりゃ逃げるだろ…!」


    暁「…って、あれ?」


    不知火「…皇永くん、何してるの?」


    村井「…まさか」


    皇永「いやね、悪いんだけど、オレ実はチームダンガンロンパなのよ。だから邪魔させて貰うぜ。改めまして、オレは超絶望級の主人公(ヒーロー)の皇永ゼツ。以後なんてのは存在しねーから覚えなくて結構だぜ希望(役立たず)共。」
  42. 42 : : 2020/12/23(水) 22:41:50
    黒鉄「…っ!あれは…まさか」


    夢野「エグイサルじゃと!?」


    天海「なんで、街で暴れて…?!」


    5体のエグイサルが地上で暴れて街がパニックになってる。


    黒鉄(…流石に放ってはおけない…か)


    黒鉄「二人共、あいつらはボクが食い止めるから春川さんのところに!ミライが案内してくれるから!」


    夢野「う、うむ!」


    天海「黒鉄さんは、大丈夫なんですか!?」


    黒鉄「流石にキツいけど、放ってはおけない!早く行って!」


    ミライ『皆サン、早くこちらへ!彼なら大丈夫デス!そう簡単に死にマセン!』


    夢野「わ、分かった!」


    黒鉄「…念の為手榴弾を大量に持ち歩いていて良かった。」


    黒鉄は手に持った手榴弾をそれぞれ5体のエグイサルの頭部目掛けて投げつけた。


    黒鉄「壊れろっ…!」
  43. 43 : : 2020/12/24(木) 08:56:06
    天海「夢野さん!私!全然状況が掴めないんだけど!」ゼェゼェ


    夢野「ウチだって分からんわい!」ゼェゼェ


    ミライ『次の角、右デス!』


    天海「考えたら!今襲われたらやばくないですか!?」


    夢野「た、確かに!戦える奴がおらんではないか!」


    ミライ『そのまま突き当たりを真っ直ぐデス!そこに春川サンは…皆サン、ちょっと止まってください!』 


    夢野「な、なんじゃ…!?」


    ミライ『…エグイサル、デス。さっきのとはまた別の』


    天海「な…ど、どうするの?!」  


    ミライ『ワタシが内一体にハッキングをかけて乗っ取るのでそれでなんとか食い止めマス。ですからその隙に行ってください。道順のデータは残しておくので』


    夢野「わ、わかった!行くぞ天海!」


    そして、ハッキングを終え無事エグイサルを乗っ取ったミライは単騎、夢野と天海に追いかけようとするエグイサルの軍団の前に立ち塞がった


    ミライ『ここは、通しマセン!』
  44. 44 : : 2020/12/24(木) 09:47:28
    春川「…まさか、こんなすぐ捕まるなんて…」


    『春川さんは一度チームダンガンロンパに捕まって欲しいんだ。恐らくそこで捕らえられているであろう人物を助け出して欲しいから…』


    昨夜、最原に言われた事はこうだった。あいつは、最初に私を無力化しにかかるとわかっていたのだろう。


    春川「………よし、まずはここから脱出しないと…」


    私は、懐に隠しておいた手榴弾を手に持ち壁に向かって放り投げた。


    春川「…なんであいつら、碌にボディーチェックもしてなかったんだろう」


    春川(まぁ、今はそんな事どうだっていいか…)


    春川「まず、他に誰が捕まってるのか探さないと…」


    すると、通路の向こう側から誰かが走ってくる音が聞こえた。


    春川(そりゃあバレるよね…早くこの場を離れないと…)


    春川が閉じ込められていた牢屋から少し離れた場所にて


    爵堂「…それじゃあ、アナタも暫くここで大人しくしていてください。」


    剛将「…石蕗がそう言ったのか?」


    爵堂「えぇ、姫乃達の計画に賛同できないなら閉じ込めちゃって、との事で」


    剛将「お前らは賛同したのか?」


    爵堂「…はい。ボク自身も総統のいない世界にはなんの価値も見出せないので」


    剛将「その割には結構ずぼらなんじゃねーのか?碌に春川のボディーチェックしなかったろ。何か隠し持ってても知らねーぞ」


    爵堂「…彼女は何か準備する間も無く連れて来られた。何か隠し持ってる可能性は『ドガーンッ』…え?」


    剛将「甘く見過ぎだ、何せ俺達のリーダーの思惑を上回ったんだからな」


    爵堂「…随分と彼らの肩を持つんですね」


    剛将「…ふん」


    爵堂「まぁ、良いですよ。どのみちここからは逃げ出せません。何故なら彼女がいる…それに何より、このエグイサルの集団を突破する事は不可能だ」
  45. 45 : : 2020/12/24(木) 10:15:17

    石蕗「…え?秘密子ちゃん達もう来たの?」


    冥土森「ジョージが失敗するから」


    近衛「仕方ないだろ?殺し合いを終わらせた主人公達に絡まれたんだ。むしろよく逃げてきたと褒めて欲しいくらいさ」


    綾小路「その主人公の一人に助けて貰っといてよく言うぜ」


    妾魔「…あ、春川魔姫も牢屋から逃げたそうだよ」


    兵藤「マジかよ!流石に早すぎだろ!」


    嵐「流石、一度は総統の計画を失敗に終わらせただけの事はあるねー」


    石蕗「…ふん、そんなのマグレに決まってるよ。あんなモヤシ風情に総統が遅れをとるなんて、あり得るもんか」


    近衛「でも、実際どうすんの?このままだと俺らも失敗するよ?」


    石蕗「…関係ないよ。このままいけば絶望的事件の再演は間違いなく成功する。それさえ始まってしまえば苗木誠が復活しようがカムクライズルが現れようがどうしようもできないよ」


    石蕗「そうだー!秘密子ちゃんと魔姫ちゃん、蘭奈ちゃんも仲間に加えよう!せっかく思い出しライトとモノ忘れライトがあるんだもん、有効活用しなきゃねー!」


    石蕗「それに、噂でしか聞いた事がなかった絶望ビデオもあるんだ。そもそも負けるはずないんだよ」


    石蕗「うぷぷぷ」


    一同「「「…」」」


    石蕗「さぁみんな、計画を続けようか?」
  46. 46 : : 2020/12/24(木) 15:40:31
    春川「………クソ」


    私は物陰に隠れながら、さっきまで閉じ込められていた牢屋の様子を眺めていた。


    爵堂「まだ遠くには行ってないはずです、早く捕らえましょう」


    すると彼の部下であろう者達が続々とエグイサルに乗り込んだ。


    春川(…流石に、この数のエグイサルを生身で相手するのは無理があるか……)


    春川「…よし」




    私は、適当な機体に狙いをつけ、それが一人になったタイミングで奴の前に現れ顔を隠した上で倒れ込む事にした。


    すると、そいつは私が誰かを確認する為エグイサルから降りた。


    その瞬間、私はすぐに飛び起きてそいつを気絶させ、エグイサルの操縦席に乗り込む事に成功したのだった。


    春川(まぁ、そんなわけで一通り暴れ回ったんだけど…流石にそろそろバッテリーが切れそうだね…)


    爵堂「…よくもまぁ、ここまで荒らしてくれましたね。でももう終わりですよ」


    春川「…あと3体か」


    最初は10体以上いたのだからそれに比べたら少なくなったとはいえ、これでも生身で戦うのは充分無理がある。


    春川(それに爵堂もいる。何するか分からない以上エグイサルより厄介か…)


    春川「…え?」


    不意に爵堂達の後ろからボールのようなものがいくつか投げられてきた。


    その瞬間、ボールから煙幕が一斉に吹き出し、一瞬で視界を埋め尽くした。


    爵堂「…何!?」


    剛将「春川!天井に向けてありったけをぶちかませ!」


    春川「…っ!」


    私は反射的に天井に向けて残りの銃弾を撃ち尽くした。


    すると、瞬く間にエグイサルが瓦礫に埋もれていったのだった。


    煙幕が晴れた頃には既に爵堂は剛将に組み伏せられていた。


    剛将「…そりゃあそうだ。春川の乗っていたエグイサルのバッテリーが切れるってんならこっちのエグイサルも充電ギリギリのはず、簡単には抜け出せないだろう?侯夜」


    爵堂「いつの間に牢屋から…いや、これだけ暴れられたんだ。簡単に抜け出せて当たり前か…」


    春川「…どうしたの?仲間割れでもした?」


    剛将「…まぁそうだな。計画に賛同出来ないなら大人しくしてろと言われてな」


    春川「…へぇー、あまり信用しないでおく」


    剛将「その方がいいだろうな。知らないうちに俺の頭も弄られてる可能性だってある」


    春川「…これからどうするわけ?」


    剛将「ここに捕まってる、苗木誠とその仲間に用があるんだろ?案内してやるよ。」
  47. 47 : : 2020/12/24(木) 16:41:09


    春川「信用できないって言ったけど?」


    剛将「…信用するしないは任せるよ。とにかく俺は今からそいつらのところに行くからついて来るなら勝手について来い」


    春川「…」




    春川「…ねぇ、あんた達って結局どういう集まりなの?」


    剛将「…最初はたどのイタズラ集団だった。それが、いつのまにか世間を賑わす愉快犯的な犯行を繰り返す悪の秘密結社になった。それだけだ」


    剛将「まず、小吉と俺と姫乃は物心つく前からの幼馴染みでな。隷名と司、ジョージとは小学校から、達臣と緋士は中学、そして愛華と侯夜は高校で知り合ったんだ。昔からよく集まってはどこかしらでいたずらをして回ったよ。」


    剛将「きっかけは本当に些細なものだったが、まぁただの思いつきだな。それで俺達は秘密結社を作った。」


    剛将「元々世の中が辛気臭い事になっていたからな。少しでも世界を明るくしようってのが目的だ。あまり恥ずかしいとは思わなかったよ。単純に小吉とセンスが同じだっただけかも知れねーけどな」


    春川「ふーん」


    剛将「そして、まず最初に小吉が超高校級の総統に認定され、段々俺達も超高校級に認定される事になった。」


    春川「…今回の、首謀者は誰なの?石蕗?」


    剛将「あぁ。実は最初に超高校級狩りに遭ったのはあいつなんだ、それで殺し合いに参加させられた。あいつは生き残る為、そしてもう一度俺達に会う為に人を殺しクロとして外に出た。」


    春川「…」


    剛将「本当はそのまま次の殺し合いにも参加させられるはずだったみたいだが、その前に俺達DICEが攫っていった。お陰で再び殺し合いに参加する事はなくなったが、かなり精神を病んでいてな。それを忘れさせる為に催眠をかけた」


    剛将「しかし、俺の催眠も完璧じゃないのでな。たまにその時の事を思い出したり、自分に都合が良いような記憶を捻じ込むなど、記憶の混濁が見られる事もあった。だからその度に催眠をかけてきたわけだが…どうやらそのツケが回ってきたらしいな」


    春川「…そうなんだ」


    剛将「…本当は、お前らの殺し合いが終わった次のゲームで俺達も参加させられるはずだったそうだ。だが実際には殺し合いゲームは完全に打ち切られた。つまり、お前らは俺達DICEにとっては総統の命を奪った憎き相手であり、命の恩人でもあるってわけだ」


    春川「…」


    剛将「まぁ、お前らを恨むのは見当違いも甚だしいがな。たしかに小吉の計画はぶっ壊されたがそれも仕方ない事だしな」


    剛将「最初にお前らの事務所を見つけたのは姫乃だった。確かその時もあいつは精神に異常を来していた。お前らの姿を目にするなりいきなり『殺してやる』なんて宣ったんだからな」


    剛将「…それで、他に聞きたい事でもあるか?」


    春川「別に。はっきり言って興味ないし」


    剛将「…ふん、まぁそうだろうな。」


    剛将「…とにかく、着いたぞ。ここに苗木誠とその仲間がいる」


    私が連れて来られたのは、さっきの牢屋とは比べ物にならないぐらい頑丈に作られかつ厳重に警備された場所だった。
  48. 48 : : 2020/12/24(木) 19:11:50
    夢野「…はぁ、はぁ、はぁ…何とか入って来れたが…」


    天海「…やっぱり中にもエグイサルがたくさんいますね…これからどうしましょう」


    夢野「んあー…春川を助けに行くべきなんじゃろうが、あやつなら自分で脱出してる気もするしのぅ」


    天海「それにもし戦闘中なら、私達が行っても邪魔になるだけですしね…」


    夢野「…ここに春川が捕まっておるなら、DICEのやつらもいるはずじゃ」


    天海「そもそも、DICEの人達が今回の首謀者なら早く止めに行かないと絶望的事件が…!」


    夢野「しかし、ウチらが行ったところで止められるはずが…」


    天海「…じゃあどうしたら…!」


    夢野「…んあー!最原は一体どこをほつき歩いておるのじゃ!朝早くに勝手に一人で事務所を出おって!」


    天海「ゆ、夢野さん!そんなに大きな声出したら…ああ!やっぱりエグイサルが集まってきますよ!?」


    夢野「こ、こうなればウチがとっておきの魔法を…」


    天海「魔法ってそんな…!」


    エグイサルが私達の元に集まろうとしたまさにその瞬間、突然現れた誰かの手によって瞬く間に薙ぎ倒されていったのだった。


    天海「…え?」


    夢野「んあ?お主は一体…」


    ??「…」


    ??「ツマラナイ(・・・・・)
  49. 49 : : 2020/12/24(木) 19:42:55
    皇永「…そんなもんか?」


    皇永の前に立ちはだかった生存者達は彼一人を相手に苦戦していたのだった。


    皇永「…まぁ、どいつもこいつも頭ばっか使う殺し合いゲームだったみてーだからな。弱いのは当然か」


    如月「はっ、センパイが勝ち残った殺し合いもそうだったんじゃないすか?」


    皇永ゼツが生き残った4回目の殺し合いは、従来通りの学級裁判によるデスゲームだった。


    それに対して5回目は鬼ごっこを、6回目は脱出ゲーム、7回目はバトルロワイヤル、8回目はギャンブル、9回目は人狼ゲームを模したデスゲームだった。5回目を生き残った篠宮で攻撃を避けるだけで精一杯の相手を、他の者達がまともに太刀打ちできるはずもない


    皇永「はっ、実際オレとまともにやり合えてるのがテメー一人とあってはなぁ。足手纏いを庇いながらじゃあオレには勝てねーぞ?」


    如月「ご心配には及ばないっすよ、俺って守るものがある時の方がやる気上がるんで」


    如月(とはいえ、やっぱりキツイか…)


    篠宮「…おい、如月勇気」


    如月「何すか?」


    暁「状況を見るに、他のところでもパニックは起きてるっぽいよ。それに、あの人多対一に特化してるみたい。」


    不知火「うん、ここは分かれた方が得策かも」


    村井「という訳で、ここは任せても良いかな?」


    如月「お好きにどーぞ。まぁこのままじゃジリ貧だしその方がいいんじゃないっすか?」


    篠宮「…じゃあ、頼んだぞ」


    皇永「なんだ、逃げるのか?」


    如月「ただの役割分担っすよ、そんな事よりあんたはおれに集中してな。ボーッとしてたら首落とすからよ」


    皇永「…はっ、良いぜ。ここからが本番ってわけだ。やっぱり足手纏いは邪魔だったか?」


    如月「…さぁ、行くっすよ。センパイ!」
  50. 50 : : 2020/12/25(金) 06:27:31
    赤松「…ねぇ、終一くんはこんな所で油売ってた大丈夫なの?魔姫ちゃん助けに行かないの?姫乃ちゃんの暴走は止めなくていいの?」


    最原「それより、君を放置する方がずっと危険だ。それに僕はみんなのこと信じてるから」


    赤松「ふぅん…よっぽど信頼してるんだねぇ。みんななら思い出しライトにもモノ忘れライト、それに絶望ビデオにだって勝てると思ってるんだぁ?」


    最原「…何?」


    赤松「帰って来た時のみんなはぁ…終一くんの知る今まで通りのみんなかなぁ?それともぉ…何もかも忘れてただのモブキャラになってるかなぁ?変な記憶を捻じ込まれて自分のことをDICEだと思い込んでるかもしれないねぇ♡もしくは、私達と同じ絶望に堕ちてるかも♡」


    最原「…」




    春川「…心ここに在らずって感じだけど、ちゃんと生きてるの?」


    見張りをあらかた片付け終えた後、私達が中に入ると廃人状態になった男の姿を見つけた。


    剛将「拷問とか人体実験とか色々受けてたからな、たしかに今のままだとまともに戦うどころか動く事すら出来ないだろうな」


    剛将「だから、コレを使う」


    春川「それって、思い出しライト…!?」


    剛将「あぁ。姫乃がに持っていたものをくすねて来たんだ、思い出す記憶はもつ設定してある」


    剛将「さぁ、絶望がすぐそこまで迫っているぞ。とっとと起きろ、目覚めの時間だ。元超高校級の希望、苗木誠さんよ」




    夢野「んあー!さっきのやつは何だったんじゃ!いきなり現れたと思えば入間お手製のエレクトボムやエレクトハンマーによく似た強化版を押し付けおって!」


    天海「でも、お陰でエグイサルに対抗出来ますね!なんか、他にもモノクマみたいなのも襲って来ますが…それもさっき一緒に貰ったこの変なメガホンで…」


    夢野「んあー…あやつらは一体何者なんじゃ!?」


    天海「…私、噂で聞いた事あります…全ての才能を持つ希望ヶ峰学園の最高傑作で、2回目の殺し合いを生き残った、カムクライズルって人の事。確か本名は、日向創」




    最原「…それでも僕は信じるよ。だってみんなキミが思ってるほど弱くない。絶望には負けたりしないんだ。」




    苗木「…今は、一体どういう状況…?」




    日向「…ここはあいつらに任せて、外の連中をどうにかしないとな」




    最原「キミの悪事は、今日終わる。僕はキミに、希望(キミにとっての絶望)をプレゼントしに来たんだ」
  51. 51 : : 2020/12/25(金) 23:27:10
    主人公揃い踏みか!クライマックスだな!
  52. 52 : : 2020/12/26(土) 05:30:03
    苗木「…そこまで事態は進んでいたんだ」


    剛将「まぁお前が眠ってる間、色々あったからな。」


    苗木「他のみんなは?」


    剛将「隣の部屋にいるよ」


    苗木「そうか…じゃあまずみんなを解放しよう。」


    春川「…あんまり動揺しないんだね、普通人類史上最大最悪の絶望的事件の再演なんか言われたら大慌てしそうなものだけど…」


    苗木「はは…ボクも色々経験してるからね」


    春川「それで、解放した後はどうするの?」


    苗木「それはもちろん…」




    霧切「…無事に目を覚ましたのね」


    葉隠「だべ!俺ってばめっちゃ心配したんだぞ、苗木っち!」


    朝日奈「…でもさ、苗木なら絶対ちゃんとまた復活してくれるってみんな信じてもんね!」


    十神「…おい貴様ら、こんな所でのんびり談笑している場合か」


    腐川「そ、そうよ!このままだとあの絶望的事件がまた起きるんでしょ…!」


    こまる「…お兄ちゃん、どうするの?」


    苗木「…上に行って、計画を阻止するよ。あの事件の再演なんてさせない」
  53. 53 : : 2020/12/27(日) 11:08:05

    日向「…さてと」


    狛枝「日向クン、あの兵器だけど見た目ほど大したモノじゃないよ。だってボク程度の幸運でどうにか出来るレベルだ」


    日向「あぁ、そうみたいだな」


    狛枝「とはいえ、数が多過ぎる。やっぱり敵の狙いは戦力の分担だと思うよ。それにこれだけ大っぴらに兵器を配置すると言うことは…」


    日向「本命から目を逸らさせる為のフェイク…ってことか…」


    ソニア「私もそう思います。」


    九頭龍「あぁ、よく見りゃどの兵器にも人は乗ってねー。」


    御手洗「うん、それだけだと遠隔操縦の線も考えられるけど…」


    左右田「どれも動きが単調、機械的だ。十中八九プログラムによる操作だぜ」


    豚神「つまりこちらに人数を割くわけにはいかない理由があるはずだ。」


    西園寺「単純に敵の人数が少ないだけなんじゃないの?」


    小泉「でも確かこの作戦を立てたのって一つの会社なんでしょ?人手が少ないのはないんじゃない?」


    澪田「いーや、分かんないっすよ。誰かの独断ってこともあるかもしれないっす」


    罪木「だ、誰かの独断だとして…これだけ大規模になります…かね?」


    辺古山「何を言ってる、その可能性が十分にあり得ることを我々は一番良く分かっているはずだ」


    終里「つーか、ここでぐだぐだ話ししてても仕方ねーんじゃねーか?」


    弐大「応ッ!まずはあちこちに蔓延る兵器、そして暴動をどうにかすることが先決のはずだろう」


    日向「…あぁ、それもそうだな。とにかく考えるのは後にしよう。まずは…」


    「「「兵器を一掃して混乱を抑える!!!」」」
  54. 54 : : 2020/12/27(日) 14:59:47
    妾魔「…あ、姫乃ー…外のエグイサルがもの凄い勢いで減っていくよ…」


    石蕗「…生存者達の仕業?」


    妾魔「それもあるけど、絶望の象徴が参戦したのが強いみたい」


    近衞「…侯夜も大輔 にやられたみたいだな、さっきから連絡が付かない」


    冥土森「って事は苗木誠とその仲間も復活しただろうね…」


    綾小路「ハハッ、だんだんこちらの勝率が下がっていくな」


    石蕗「…うるさいな、いつまでこんなところで何やってるの?他のみんなみたいに早く配置についてよ」


    綾小路「へいへい、分かったよ。新総統の仰せのままに。」


    近衞「相手が相手なんだ、失敗しても怒るなよー」


    冥土森「…じゃあ、後の事はおねがいね。愛華ちゃん」


    妾魔「…うん」


    石蕗「………あー、イライラするなぁ!なんでみんなちゃんと言う事聞いてくれないの?!」


    妾魔「………本当、変わっちゃったね…」


    石蕗「何か言った?」


    妾魔「別に…、わたしも今から全部のエグイサルを遠隔操縦するから話しかけないでね」


    石蕗「分かってるよ。その辺の実力に関しては一番信頼してるからね」


    妾魔「…」
  55. 55 : : 2020/12/27(日) 19:26:44


    苗木誠達と別れた後、私は剛将と共に石蕗の元へ急いでいた。


    春川「…ねぇ、あいつらは大丈夫なの?」


    剛将「お前が思ってるより修羅場を潜ってる連中さ、このくらい慣れてるだろうよ。寧ろそこに俺達異物が混じる方があいつらにとって動きにくいはずだ」


    春川「…なるほど」


    あの後、私達は固まって動くと敵にバレやすく動きにくいという事で四手に別れて上へ向かう事となった。具体的には苗木誠と霧切響子、朝日奈葵の三人と腐川冬子と苗木こまるの二人、十神白夜と葉隠康比呂の二人、そして私と剛将の二人だ。


    春川「…っ!あれは…」


    綾小路「よぉ、まさかお前がオレ様達を裏切るとはな。いや、お前だからこそ裏切ったのか。」


    剛将「…まぁな」


    綾小路「お前がそっちに着くから姫乃のやつ随分寂しそうにしてるぜ?早く逢いに行ってやらなくていいのか?」


    剛将「安心しろ、最初からそのつもりさ」


    綾小路「ハハッ、だろうよ。何せお前はオレ様達の邪魔をしたいんだからな。だが残念、そのまま無傷で見送る訳にはいかねーんだわ」


    綾小路「お前の所為で姫乃に八つ当たり受けてよ、これ以上サボるとマジで殺されそうなんだ。」


    剛将「…それで、どうするつもりだ?」


    綾小路「本来ならネチネチ嫌がらせに徹するオレ様だが今回ばかりはそうもいかねーからな。あぁ、そうだ。皆まで言わなくても分かるよな?オレ様とお前、久しぶりに本気の殴り合いと行こうじゃねーか。」


    剛将「お前、俺に喧嘩で勝った事ないだろ」


    綾小路「分っかんねーよ?オレ様は今まで本気出した事ねーからな。」


    綾小路「とにかく、お前だけは許す訳にはいかねーんだ。何がなんでも、今回に限っては特にな。」


    綾小路「別に逃げても構わねーぜ?その時は、お前のここ最近のお気に入りが酷え目に遭うだけだ。」


    剛将「…どうやらこいつはとにかく俺の邪魔をしたいらしい。悪いな春川、先行っててくれ」


    春川「…まぁ最初からそのつもりだけど」


    綾小路「覚悟しろよ、剛将大輔。今更泣いて土下座したって許してやんねーからよ。」


    剛将「そっくりそのまま返してやるよ、調子に乗って大怪我しても知らねーからな」
  56. 56 : : 2020/12/27(日) 23:35:42
    夢野「んああああああ!!!」


    天海「きゃああああああああ!!!」


    今、二人は大量のエグイサルに追いかけ回されていた。


    夢野「なんじゃあの量は!聞いとらんぞ!!」


    天海「まさか、まだあんなにいたなんて…!」


    夢野「第一、今の今までバラバラに動いとったのが何故急に統制のとれた動きに変わるんじゃ」


    天海「もしかしたら操縦者が変わったとか…?例えば今までは自動操縦させていたけど、途中から誰かが遠隔操縦し始めたみたいな…」


    夢野「んあー!冷静に分析しとる場合か!とにかく逃げなければ…」


    天海「!前からもエグイサルが…!」


    夢野「んあ…ウチはもうダメじゃ、これ以上動けんわい」


    天海「そんな…!諦めちゃダメですよ!」


    冥土森「諦めた方がいいんじゃないかしら?秘密子ちゃんはもう動けないみたいだし。この量のエグイサル相手に勝てるの?」


    天海「…!冥土森さん…」


    冥土森「ごめんなさいね?こっちにも色々事情があるの。大人しく捕まって?」


    天海「…そうは行きません。ここで捕まったらあなた達の作戦は無事完遂してしまう…」


    冥土森「でも、この状況でどうするの?アタシもできれば貴女達を傷つけたくないの、言うことを聞いてちょうだい?」


    天海「…っ!」


    冥土森(…あれ?秘密子ちゃんはどこに…?)


    天海と会話していた冥土森は、その間夢野が何をしていたのか一切の把握が出来なかった。資料では彼女の体力は著しく低く、長い時間走り続けた彼女はこれ以上まともに動く事が出来ないと思っていたからだ。


    夢野「かーっかっかっか!お主ら油断したな?ウチが元超高校級のまほ…マジシャンである事を忘れておったろう!」


    すると、冥土森の視界は鳩で埋め尽くされた。


    冥土森「!あ、愛華ちゃん…!?」


    妾魔『ごめん、少し油断した。今二人はエグイサルの機体の隙間を縫って逆走してるから攻撃も捕獲もできない』


    冥土森「…っでも逆走してるなら最上階からは遠のくはず…!」


    妾魔『ううん、上に行くルートは一つじゃないよ…二人が行ってる先には非常階段がある』


    冥土森「…じゃあ早く行かないと…!」


    妾魔『…エグイサルの配置は終わったから、そんなに急がなくても大丈夫。隷名はそのまま彼女達を追ってくれれば、ジョージと一緒に挟み撃ちにして今度こそ捕まえられるはず』


    冥土森「…えぇ、分かったわ」
  57. 57 : : 2020/12/28(月) 04:59:47

    夢野「…はぁ、はぁ、恐らくさっきの手は二度と通じないはずじゃ。」


    天海「…はい」


    夢野「じゃが恐らくウチらはまた囲まれる。今向かってる先にもエグイサルはおるじゃろうからな」


    天海「じゃあ、どうするんですか?」


    夢野「………」


    近衞「どうも出来ねーよ、ここで捕まるからな」


    夢野「…随分と早いのぅ」


    近衞「俺の仲間が監視カメラでお前らの様子をずっとモニタリングしてるからな。」


    冥土森「…追いついたわよ、秘密子ちゃん、蘭奈ちゃん。今度こそ捕まってもらうわ」


    天海「…!」


    妾魔『…ちょっと待って、ハンマーと爆弾は?』


    近衞「…なに?ハンマーと爆弾?」


    冥土森「…そういえば確かに…貴方達、何処に置いたの?」


    夢野「…はて?何処に置いたんじゃったかのぅ?忘れてしもうたわい」


    妾魔『…!隷名、後ろ注意して!』


    冥土森「…え?」


    妾魔『春川魔姫がもうすぐ来る!』


    近衞「魔姫ちゃんが来るったって、カメラで確認してたんだろ?」 


    妾魔『…いや、大輔と別れてからずっと死角に入ってたみたい。今まで全く気付けなかった。それより、エグイサルを片っ端から破壊してきてる』


    冥・近「「…っ!!」」


    妾魔『…エグイサルの急所や死角なんかの弱点をほぼほぼ理解してるみたい。流石、というべきなのかな』


    夢野「…春川を少し舐めすぎだわい。ただの暗殺者かと思って油断したか?曲がりなりにもあやつは超高校級の暗殺者、そこらの有象無象と一緒にするでない!」


    冥土森「…でも、連絡する手段なんてなかったはず…どうして来るって分かって…!?」


    夢野「なに、ただの勘じゃ。爆発音も何回か聞こえたし間違いなく脱出はしておると確信しておった。ならばここまで来るのにそう時間はかかるまい」


    近衞「…なるほど、ならいつからだ?いつその作戦を思いついた?」


    夢野「少なくともエグイサルの集団に追いかけ回されている時には考えておったわい。監視カメラでこちらの様子を伺っているのも何となく察しがついたのであえて余裕のないフリをしてのぅ」


    天海「そ、そうだったんですか…夢野さん凄いです!」


    冥土森「まんまと嵌められたわけね。やるじゃない」


    近衞「あぁ、魔姫ちゃんだけじゃなく秘密子ちゃんの事も舐めすぎたな。考えてみりゃお前ら二人共殺し合いを生還してんだ。油断していた俺達がバカだったんだ。なぁ、愛華ちゃん」


    妾魔『…』


    夢野「さぁ、刮目するがよい!あやつこそウチら最原探偵事務所一の戦力を誇る『春川魔姫』じゃ!」


    その号令を合図にするかのように、春川は天海と夢野の前に現れたのだった。


    春川「…ねぇ、夢野」


    夢野「何じゃ?」ドヤッ


    春川「…殺されたいの?今の物凄く恥ずかしいから二度とやらないでくれる?」


    夢野「んあ!?」


    春川「そんな事いちいち言われなくたって、こいつらちゃんと蹴散らしてあげるからさ」
  58. 58 : : 2020/12/28(月) 10:20:20
    春川「それより夢野、天海」


    夢野「んあっ…?」
     

    天海「は、はい!」


    春川「何であんたがここにいるの?さっきあんたからのメッセージ見つけて、大急ぎで来たんだけど…?」


    夢野「じ、実はお主を助けに来て…」


    天海「…」コクコク


    春川「じゃあ何で今私があんたを助ける形になってんの?まぁ、いいけど…」


    夢野「す、すまん…」


    天海「あ、あはは…」


    春川「説教は後でするとして、まずあいつらを先に倒さないとね」


    近衞「…随分と簡単そうに言ってくれるな?一応まだエグイサルも結構な数残ってるぞ?」


    冥土森「それにアタシ達もいるしね?」


    春川「…そのエグイサルさ、どう考えてもあの時のやつを再現した欠陥品だよね?もしくは失敗作…流石に弱過ぎる」


    妾魔『…』


    春川「それとも、操縦してるやつが弱いのかな」


    妾魔『いいよ、挑発に乗ったげる。』


    近衞「お、おい愛華ちゃん…」


    妾魔『大丈夫、私はもう大人だよ。今すこぶる冷静、クール、沈着、余裕ある』ブツブツ


    冥土森「…あ、大丈夫じゃないやつねこれ」


    妾魔『…今から二、三機に操縦を集中するから、他よろしく』


    近衞「了解」


    冥土森「任せて頂戴」


    春川「ミライ、今だ!」


    ミライ『了解デス!』


    妾魔『!?』


    二、三機のエグイサルを残し、ほぼ全ての接続を妾魔が一瞬切ったその隙をついて『異物』が混入した。
  59. 59 : : 2020/12/28(月) 10:40:46
    近衞「…な!?」


    冥土森「…操縦権を奪われた…?!」


    妾魔『…!』


    春川「…残念だったね、何処でここの様子を見て操作してるのか分からないけど、あんたの相手は私じゃない…この人工知能だよ」


    ミライ『ただの人工知能じゃありマセン!超高校級の人工知能のミライなのデス!』


    春川「さっき、ここに来る途中でケータイ見つけてさ…天海あんた落としたでしょ?」


    天海「…あ、あれ?!」


    夢野「…そういえば、ミライはみんなのケータイにインストールしておるから、ウチらのどちらか片方がいなくなったところでまだ使えたはずじゃ…」


    天海「…あー、完全に忘れてました…」


    春川「それで、夢野の方はエグイサルにハッキングかけて操縦権を奪ったっていうからこっちでも出来るだろうって思ってさ。」


    春川「接続が完全に切れた状態なら一機とは言わずたくさん乗っ取る事が可能だって思ったわけ」 


    妾魔『…くそ』


    ミライ『流石に全て…とは行きマセンが、ここにあるものなら掌握可能デス!』


    春川「私もまさか、あんな簡単に挑発に乗ってくれるとは思わなかったよ。」


    夢野「流石じゃのぅ、春川よ」


    春川「…あんたも、よくこいつら相手に粘ったね。そこだけは評価してあげる」


    天海「…春川さんって、素直じゃないですね」


    ミライ『ワタシ知ってマス、「つんでれ」って言うんデスよね?』


    春川「殺されたいの?」


    夢野「とにかく、これで目の前の敵に集中できるわい。」


    天海「…そうですね」


    近衞「…おいおい、お前らこそ俺達のこと舐めすぎだぞ?」


    冥土森「かかっていらっしゃい?返り討ちにしてあげる」


    妾魔『…』


    ミライ『…行きマス!』


    春川「天海、これがあんたの最初の大仕事だよ。一刻も早く上にあがって石蕗を止めて…!」


    天海「…はい!」




           春川魔姫VS近衞ジョージ

          夢野秘密子VS冥土森隷名

            ミライVS妾魔愛華


              START!
  60. 60 : : 2020/12/28(月) 11:55:58

    黒鉄「…妙だ。」


    エグイサルを再起不能にした後、ミライから現在の状況を聞いたボクはどうしようもない違和感に苛まれていた。


    黒鉄(彼女が企てた計画が、こんなにすぐ瓦解するなんて…)


    苗木誠が復活し、カムクライズルが現れた時点で勝敗は決したようなものだ。故に、抗いようのない不安感がボクを襲った。


    黒鉄「ボクは、一体何を見落としている…?」


    そもそも、何故自分は今赤松椛が敵であると認識している?答えは明白、ミライを通して最原終一の推理を聞いていたからだ。


    では、何故あの時自分は赤松椛が味方であると認識していた?見事に彼女に騙されていたから?違う、初めから知っていたはずだ。何故なら私の計画の邪魔だけはするなと念を押されていたからだ。邪魔をするなら殺す、と。


    じゃあ、何故自分は彼女に狙われていない?今までやってきた事は彼女の計画の邪魔にはならないからだ。
     

    最原終一が阻止してくれるならばと、見逃されていた可能性もないわけではない。だが、今までの自分の行動からは彼のみで阻止するという結果になる可能性はかなり低いはず、ならばその線は限りなくゼロに近い。


    つまり、全て計画の内という事になる。自分が彼らの仲間に加わる事、過去の殺し合い生存者を集める事、石蕗姫乃らDICEの計画を阻止する事、その全て彼女の思惑通りに動いていると、自分が今生存している事がそれを裏付けている。


    知らないうちに催眠をかけられていた?違う、思考を巡らせた所で認識にズレはない。ならば、記憶を捏造されたか、忘れているのかそのどちらかという事になる。


    推理する上で余分な情報、意識は特に存在しない。となれば一体何を忘れさせられた?そもそも本当に忘却が起こったのか?


    思考を巡らせば巡らせるほど、深い沼にハマっていく感じがした。だが、一つだけ分かることがある。


    黒鉄「このままだと、取り返しがつかなくなる…!」
  61. 61 : : 2020/12/28(月) 21:19:56
    近衞「…かはっ」


    そこには、膝をつく近衞と悠然と立っている春川の姿があった。


    春川「…私は曲がりなりにも元暗殺者だよ、戦闘の訓練も受けている。体格がいいだけじゃ私には勝てない」


    近衞「…それは、どうかな…」


    春川「…諦めなよ、見た感じあんたらは赤松椛みたいに破綻していない。絶望とかそんなんじゃないんでしょ?」


    近衞「…」


    春川「多分、石蕗の為とかそんなんでしょ?綾小路は、脅されて殺されそうとか言ってたけど…その割には余裕そうだしさ」


    近衞「…確かに、総統の死はそれなりに…いや、かなりショックだったし、自暴自棄にもなった事はあるが、姫乃ほど絶望に染まっちゃいないな。はっきり言って、小吉と決めた誰も殺さないって組織の信条を曲げてまで絶望的事件の再演なんて起こしたい訳でもない」


    春川「だったら…」


    近衞「でも、大事な仲間がそう願ってるんだ。だから叶えてやるんだよ」


    春川「…」


    近衞「…あぁ、いや…本当は大事な仲間だからこそこれ以上手を汚して欲しくない。分からないんだよ、何をすればいいのか…ずっと迷っているんだ」


    春川「…そう」


    近衞「なぁ、魔姫ちゃん…俺は何をしたらいい?」


    春川「さぁね、私にはそういうのよく分からないし…自分の信じた事をやり遂げるしかないんじゃない?」


    近衞「…そうか」


    春川「あんたの気持ちはよく分かったよ。でも、私にも守りたいものはあるんだ。私ってなんだかんだ言ってあいつらと探偵やってるの楽しいんだ…今まで通りの何でもないただの日常を守る為なら、あんたらの願いも迷いも全てを踏みにじらせてもらうよ」


    近衞「あぁ、それじゃあまあ、とりあえず決着をつけるか。」


    春川「…うん、そうだね」
  62. 62 : : 2020/12/29(火) 09:21:11
    迷いが晴れた近衞の動きは明らかに鋭いものとなった。


    春川「…っ、なんだ、思ったより動けるじゃん」


    近衞「…ほんと、憎たらしいよ。全然当たんねーんだからな」


    春川「…あんたも避けれるようになってきたでしょ」


    近衞「ハッ、結構ギリギリだけどな」


    春川「…悪いね、さっきも言ったようにこっちも急いでるんだ。」


    近衞「…あぁ、知ってる」


    春川「だからもう、終わらせるよ」


    近衞「あぁ、好きにしてくれ。本気でやって敗れるんなら後悔はないさ」


    そして、その瞬間近衞の横を通り過ぎた春川のナイフによる三連撃を受けた近衛は苦悶の声を上げながらその場に蹲った。


    春川「…本当に切った訳じゃないから死にはしないだろうけど、暫くはまともに動かないと思うよ」


    近衞「…うっ」


    春川「じゃあね、私はもう行くから…天海の事も心配だしね…」


    近衞「…ありがとうな、魔姫ちゃん…姫乃ちゃんの事、ちゃんと止めてやってくれ」


    春川「…うん」


    そうして、一つの戦いの幕が降りた
  63. 63 : : 2020/12/29(火) 10:34:09
    冥土森「…そろそろ降参したらどう?」


    夢野「んあ…あぁ……」


    そこには、満身創痍の夢野が横たわっていた


    冥土森「…確かに、さっきのあなたは見事だったわ。アタシ達みんな騙された訳だし、一気に形勢も逆転された。でもそれはあの場面においての話」


    冥土森「アタシとあなたでは戦闘力が圧倒的に違う。そうじゃなくて?」


    夢野「…確かにウチとお主では戦闘力に違いはあるじゃろぅ、ウチはあまり戦闘向きでもないのでな」


    夢野「じゃが、ここで諦めるわけにはいかんのじゃ!なんとしてもお主をここで倒し先に進まなくては…!」


    そう言って夢野は立ち上がった。


    冥土森「…そのボロボロの体で立ち上がって、何になるというの?」


    夢野「…ふふ、ウチはまだ本当の実力を出しておらん」


    冥土森「強がりにしか聞こえないけど」


    夢野「事実じゃ!まずは食らうがよい、魔法の水じゃ!」


    冥土森「魔法って、そんな子供騙し…っ!?」


    冥土森(これは水じゃない…酸?!)


    冥土森「くっ…」


    急いで後方に飛び退くと、背後から飛んできた鳩の大群にバランスを崩してしまった。


    冥土森「は、鳩…!?」


    冥土森(さっきの…?!いつの間に…!)


    夢野「お次は、魔法の粉じゃ…!」


    冥土森「っ!?」バッ


    一気に目の前まで跳んできた夢野が手から出した粉に警戒し、両腕で顔を覆う冥土森だが、そのあとそれが全く害のあるものでないと気付いた。


    冥土森(甘い香り…目潰しが目的じゃない…?)


    夢野「トドメじゃ…!」


    夢野はマッチを取り出し、先を燃やしたかと思うと徐にそれを放り投げた。


    冥土森「…まさか」


    夢野「とっておきの爆破魔法、食らうがよい!」


    そして、盛大な爆発音と共に冥土森と夢野の体は後方に思い切り吹き飛ばされたのだった。
  64. 64 : : 2020/12/29(火) 11:04:45
    夢野「んあっ」


    冥土森「ぐっ…」


    夢野は爆風と共に転がっていくと、冥土森は壁に打ち付けられた為相当のダメージを受けてしまい体が思うように動かなくなってしまった


    冥土森「まさか…ここまで……くそ、これ以上油断しないって決めたばっかなのに…!」


    夢野「かーっかっかっか…まだまだ油断があったというわけじゃな!」


    冥土森「…あなたも、もう立ち上がれそうにないけど…?」


    夢野「…んあー、確かに今回はちと無茶し過ぎたわい…」


    冥土森「…それじゃあ」


    夢野「じゃが、そもそもウチは一人で登ろうと思っておらん。」


    冥土森「…え?」


    春川「…夢野、ちゃんと勝てたんだ。」


    夢野「あ、当たり前じゃ!」


    春川「…はぁ、でも動けそうにないみたいだね。仕方ないからおぶってあげるよ」


    夢野「んあー、すまんのぅ」


    冥土森「…そう、ジョージは負けたのね」


    春川「…残念だけどね」


    冥土森「…まぁ、いいわ。これでようやく解放されるもの」


    春川「やっぱりあんたも、この計画には乗り気じゃなかったんだ」


    冥土森「そりゃあねぇ…こんなのちっとも笑えないし」


    春川「…そう」


    冥土森「…じゃあ、頑張って阻止してちょうだいね。姫乃ちゃんと…彼の事、正気に戻してあげて」


    春川「…剛将の事?」


    冥土森「…小吉君が死んで、変わってしまったのは姫乃ちゃんだけじゃない。大輔君もなのよ…彼はあなたたちのように計画を阻止したいんじゃない。一連の流れ全てが彼の計画通りなの」


    春川「…どういう意味?」


    冥土森「…さぁ?詳しいことはアタシもよく知らないわ。自分で確かめてもらうしかね」


    冥土森「彼、思い出しライト持ってたでしょ?彼もそれで何かを思い出してるはずよ。」


    冥土森「彼は、あなた達に会った日から何かを忘れた。そして、忘れたままあなた達と過ごし、今日それを思い出した。内容は知らないけど、それが今回の事件に大きく関わってくるはずよ」


    春川「…」


    冥土森「一連の流れ、その全てが彼らの計画通りに動いてる。姫乃ちゃんを止めたところで何一つ終わることはないの。もしかしたら、だからこそ最原君はここにいないのかもね」


    春川「…わかった」


    そうして、春川と夢野は先へ進むのだった。


    冥土森「…あら、随分早いじゃないの?」


    剛将「…」


    冥土森「その様子だと、もう侯夜君も司くんもジョージ君も手にかけてるのね」


    剛将「……あぁ」


    冥土森「………はぁ、もうお終いなのかぁ。みんなとの日々、楽しかったんだけど…」


    冥土森「じゃあね、大輔君。来世のアタシによろしく。それと…」


    冥土森「クソ喰らえ、だよ。この裏切り者」
  65. 65 : : 2020/12/29(火) 16:08:16
    兵藤「ご、ごめん!しくじった…!」


    嵐「んーとねー、ぼくも失敗しちゃったんだー…」


    石蕗「………愛華ちゃん、ちゃんと操縦権は奪い返せた?」


    妾魔「ううん、さっきの人工知能が操っていたのは早いうちに倒したけど、そうこうしてる内に横から別の誰かに掻っ攫われたから…」


    石蕗「…クソ!本当に全員揃って使えないんだから!」


    妾魔「仕方ないでしょ…苗木誠とカムクライズルが現れた時点で負けは決まったようなものだよ。それより…」


    石蕗「…大輔の事?」


    妾魔「…どうやら、他のみんなをライトと得意の催眠で洗脳してるみたい。このままだとここにいるみんなも…」


    石蕗「関係ないよ。その時はまたこれを使って忘れて貰うだけだから…」



    「ここだ!」


    妾魔「…え?」


    苗木「ようやく辿り着いた…これ以上キミ達の思い通りにはさせないよ!」


    石蕗「…くそ、こうなったら絶望ビデオで…!」


    石蕗「…あっ」


    石蕗姫乃が懐から何かを取り出そうとする前に、ジェノサイダー翔によって組み伏せられてしまった。


    ジェノサイダー「ゲラゲラゲラ!この程度なら、あの時のガキ共の方が手強かったっつーの」


    それぞれ兵藤緋士は十神白夜と葉隠康比呂に、嵐達臣は朝日奈葵と苗木こまるに、妾魔愛華は霧切響子によって押さえつけられてしまった。


    春川「…なんだ、もう決着がついてたの」


    夢野「んあー…いいとこ取りをされてしまったのぅ」


    春川「…じゃあ、あとは剛将だけだね。」


    『あー、あー、あー、テステス…テース!マイクテースートー!聞こえてる?聞こえてるよね?』


    と、その時この場にある全ての電子機器から声が聞こえた。


    『私の名前は赤松椛、超絶望級の…そうだね、ピアニストってことにでもしとこうかな。』


    『ご機嫌よう、希望の象徴たる皆皆様。今日は私のコンサートの為に集まってくれてありがとー⭐︎』


    『会場は…最原探偵事務所って事になってまーす!観客席は早い者勝ちだから急いで来てねー♡』


    そうして、突如流れてきた音声はそこで途切れた
  66. 66 : : 2020/12/29(火) 16:36:12
    赤松「…これで、みんな来てくれるかな?」


    最原「…さぁね」


    赤松「うぷぷ、調子に乗って一人で来るからこんな簡単に捕まっちゃって…終一くんってば可哀想だね♡」


    最原「………」


    赤松「…あぁ、そうか……蘭奈ちゃん人質にされたんだからしょうがないか」


    天海「…さ、最原さん…ごめんなさい、私…」


    最原「ううん、キミは悪くないよ…」


    赤松「ふふ、久しぶりの家族の姿に安心しちゃったのかなー?随分と呆気なかったね♡」


    天海「…お姉ちゃん、どうして…」


    蘭馬「…」


    最原「…キミ達は…一体誰なんだ?」


    この場所には、赤松椛と天海蘭馬の他に二人、彼女達の仲間がいた。


    ??「自己紹介がまだだったな?俺の名前は千田陸斗(せんだ りくと)


    千田「百田解斗が宇宙飛行士になるのをちょこっと手伝ってやった…あいつの親友だった男だ」


    ??「私は秋山神奈(あきやま かな)。」


    秋山「春川魔姫ちゃんとは、孤児院時代に親友だったの」


    赤松「それともう一人、私達には仲間がいる。終一くんのよく知る剛将大輔だよ?」


    最原「…何が目的なの?」


    赤松「…えぇ?」


    最原「キミは、石蕗さんに事件を起こすよう誘導した。それに何の意味があるの?」


    赤松「…自分で考えて欲しいようなものだけどなー」


    最原「…まさか、キミは彼女の計画が失敗する事を前提に…」


    赤松「前提っていうか、それ自体が計画なんだけどね」


    最原「…歴代の殺し合い生存者を、『人類史上最大最悪の絶望的事件の再演』というエサで集めて、全員まとめて絶望に堕とす事…それが目的だったのか…!?」


    赤松「…うん、その通り。大正解♡」


    最原「…!」


    赤松「きっと、今のでみんなここに集まるはずだよね。だから…」


    赤松「その時に、この本物の絶望ビデオを流してみんな仲間にするの⭐︎」


    赤松「だから、正直成功してもしなくてもどっちでも良かったわけ。分かった?」


    最原「…」


    赤松「さぁ、絶望のコンサートを始めようか。最後まで聞いていってよね?私が贈る、最初で最後の愛の歌を」
  67. 67 : : 2020/12/30(水) 15:01:18
    春川「…あれ、そういえば天海は?」


    夢野「んあ?そういえば見ておらんのぅ」


    剛将「あいつなら最原と一緒に赤松のとこにいるぞ。」


    春・夢「「!?」」


    突然現れた剛将は、後ろに途中で遭遇した他のDICEのメンバーを引き連れて部屋の出入り口を封鎖していた。


    剛将「お前らも赤松の元に向かうってなら別に止めはしないが…俺の仲間だけは返して貰うぞ」


    石蕗「う、裏切…ってお…い…て…、だ…っれが……なまか…だよ…!」


    剛将「悲しい事言うなよ、俺はお前らの為を思って行動しているだけだ。」


    苗木「…悪いけど、彼女達をすぐに解放する訳にはいかない。」


    剛将「…まぁ、そう言うと思ったよ。」


    剛将「…おい、姫乃」


    石蕗「…なに?」


    剛将「起きろ(・・・)


    石蕗「………っ」


    春川「…!石蕗の耳を塞いで!」


    ジェノサイダー「あぁん?」


    剛将「遅えよ」


    すると、石蕗はジェノサイダーの体を撥ね除けたのだった。


    ジェノサイダー「ありゃ?」


    十神「おい、貴様何をしてる!」


    ジェノサイダー「ゲラゲラゲラ!ごめんなさい白夜様、ちょっとだけ油断しちゃいました!」


    石蕗「………だ…い、…すっ……け…ぇ」


    剛将「…悪いな、もうじき解放するからな」


    春川「…あんた、何がしたいの?」


    剛将「お前に包み隠さず全部教えたとして、それら全てを信じるのか?」


    春川「…確かにそうだね、野暮な質問したよ」


    剛将「…とまぁ、一応これでモノ忘れライトと思い出しライト、そして絶望ビデオもこちらの手中に入った訳だがそれでもなおそいつらを明け渡す気はないか?」


    苗木「…!」


    霧切「この場は、彼の言う通りにしましょう。」


    十神「一応、奴も赤松椛の仲間みたいだからな…あとで全員一斉に捕らえれば済む話だ」


    苗木「…わかった。彼らを明け渡すよ」


    剛将「…賢明だな」


    妾魔「…また後で、私達も洗脳する気?」


    剛将「お前のことだ。どうせその手のワクチンか何かを作ってるんだろ?それを洗脳するのは流石に骨が折れる。他のみんなもいるんだ、洗脳なんてなしに素直に言う事を聞いて欲しいもんだ」


    兵藤「お、おれっち達は確定なのかよ…」


    嵐「痛いのは嫌だよ〜?」


    剛将「…さぁ、行くなら早く行け。行かなければ最原と天海がどうなっても知らんぞ」


    春川「…」


    夢野「は、春川…」


    春川「…分かった」


    そうして、春川達はその場を去った…
  68. 68 : : 2020/12/31(木) 01:35:03

    剛将「…さて、俺達もそろそろ行くぞ」


    妾魔「…ねぇ」


    剛将「まだ何か…もしくは逆らうってのか?」


    妾魔「…違う」


    剛将「じゃあなんだ?」


    妾魔「それ、エレクトボムじゃない?」


    剛将「…は?」


    不意に転がってきたそれに気付いたその瞬間、火気を伴わない爆発が起こった。それにより、ライトとビデオがその力を失った


    剛将「…っ誰だ!?」


    春川「…やっぱり、あんたは先に倒しとく。」


    剛将「…な」


    剛将の背後に突然現れた春川は、彼の持っていたものを弾き飛ばした上でそっと、手の甲に切り込みを入れた。


    それを受けた剛将は体を痙攣させながらその場に倒れた


    剛将「…っ毒か……」


    春川「安心しなよ、その量じゃ死にはしない…じきに治るよ。とは言え、同時に眠気も襲って来るはずだから目を覚ます頃には全て終わってるだろうけど」


    気付いた時には妾魔を残して全員が攻撃を食らっていた。


    剛将「…不意打ちとはいえ、流石だな。」


    春川「…催眠なんてかかってなかったらこんな簡単にはいかなかったと思うけど」


    剛将「そいつは、皮肉のつもりか…?」


    春川「…あんた、結局何がしたかったの?さっぱり意味が分からないんだけど」


    剛将「…ふん、その答えは赤松椛に聞くんだな」


    春川「…は?」


    剛将「俺達は、利害が一致したから協力関係にある。つまり、俺の目的はそこにある」


    春川「…」


    剛将「…こんな毒なかったらじっくり語ってやっても良かったが、どのみちそこまで時間はないんだろう?」


    春川「まぁ、それもそうだね」


    妾魔「…早く行きなよ、私が見張っとくから。」


    春川「あんたのことも、よく分からないんだよね…もしかして、全部知った上で踊らされてたっていうの?」


    妾魔「…まぁね。盗み聞きしてたから……大輔や姫乃、隷名にジョージに司、それから侯夜と達臣と緋士…みんないろんな思惑があったのは知ってたよ。」


    妾魔「でも、だからといって特定の誰かの味方をするかとかなかったから。みんな同じ仲間だったし…結局、面倒がって考えるのを放棄したんだよ。最終的に勝った人について行けばいいかって、自分の意思で選ばなかった」


    妾魔「…言われた事については本気でやったよ。エグイサルの遠隔操縦だってそうだし、本気で人類史上最大最悪の絶望的事件の再演を起こそうとした。それを止める為の捜査も一生懸命やった。裏で赤松椛が絡んでるのも知ってたから」


    妾魔「…要は、私もジョージと同じ半端者だった。それだけだよ」


    春川「…そっか」


    妾魔「…それじゃあ、真の首謀者さんによろしくね」
  69. 69 : : 2020/12/31(木) 05:48:27

    如月「…くっ、あの人一体何だったんだ?」


    如月(変な放送が流れたかと思えば時間だって言ってどっか消えるし…くそっ、決着つけたかったなあ)


    『…き!…ぇ…うき!……ねぇ勇気!?聞こえてるの?!』


    如月「聞こえてるよ、安心して」


    『…やっと繋がった!もう、今大変な事に…』


    如月「知ってる。ていうか、今その人らの割とすぐ近くにいる」


    『…え?!?!なに、どういう事!?』


    如月「…まぁ、色々あってさ。詳しい事情は帰ったら話すよ…とりあえず仕末はこっちでつけるからみんなはそこで待ってて」


    如月(やっぱり、一人で来て正解…だった訳だ)


    『……絶対無事に帰って来てよ?』
     

    如月「大丈夫、俺の命は死神にだって奪われたりしねーよ」


    如月「…さて、どうするか?」


    如月(無理やり強行突破で人質を助けても良い。でも、あの異常な執着を見る限りヒス起こして暴走しかねない…そうなればそれこそ何しでかすか分からないからなぁ)


    如月「…とりあえず他の生存者達にも俺のいる場所教えといて、しばらく様子伺っとくかな」
  70. 70 : : 2020/12/31(木) 07:30:49

    篠宮「…さっきのは一体」


    暁「ねぇ、塁っちー…今の聞いた?」


    篠宮「…あぁ…何がどうなってるんだ?状況は?」


    暁「例のDICEの子達とは別の、真の黒幕がいたってだけじゃないの?」


    篠宮「場所は、一度全員で集まったあそこか…」


    暁「…何をするのか分からない以上、行ってみるしかない訳だけど…わざわざ場所を教えて、みんなを集めて何をしたいんだろうね。全員まとめて爆破!とか?」


    篠宮「爆破程度でおっ死ぬような連中だけならそれでいいだろうが、特にカムクライズルなんかはそれでは絶対死なないぞ?」


    暁「…じゃあ、絶望堕ちさせるとか?」


    篠宮「…それが一番可能性は高いかも知れないが……だとしても全員がそう簡単に堕ちるとは思えない。どちらにせよ全員で集まるのは危険か…」


    暁「とりあえず、近くに行って様子だけ見て来る?」


    篠宮「そうだな」
  71. 71 : : 2020/12/31(木) 18:12:00

    村井「…」


    不知火「ねぇ、正人クン…さっきの、どう思う?」


    村井「…やり方があからさま過ぎます。恐らく罠かと」


    不知火「だよねぇ…」


    村井「…我々はつい先程までチームダンガンロンパの手先であるDICEが起こそうとしていた人類史上最大最悪の絶望的事件を阻止するために動いていました。もしかすると、本当の本命はそちらにあった可能性もあります。」


    不知火「…ふむふむ」


    村井「本命が失敗しそうだから、あえて姿を現し目を欺こうとしている…とはいえ、こちらは確かに可能性としては低いでしょうね。」


    不知火「なるほどねぇ。じゃあもしかして、また本命は別にあるとか?あ、でもこれも低いかぁ」


    村井「…えぇ。あの兵器…エグイサルでしたっけ?あれがDICEの計画の目眩しであった訳ですが…」


    不知火「それすらも赤松椛の計画の目眩しだったんだから、流石にそれ以外に本命があるっていうのは深読みし過ぎたよねぇ」


    村井「…えぇ。ですから苗木誠さんやカムクライズルさんなどの他の生存者を集める事で何かを為そうとしているのか、はたまた何かをして貰うつもりなのか…目的は分かりませんが、表面通り受け取って阻止しに向かうのは得策ではないでしょうね。」


    不知火「じゃあ、無視する?」


    村井「…どうでしょう、他の方の意見も聞きたいですが…一度集まって様子を伺いましょうか」


    不知火「わかったー。それにしても本当謎だよねぇ…エグイサルで分担したかと思えば結局集めようとするんだもん」


    村井「単純に、準備が整うまでの時間稼ぎのつもりだったのかも知れませんね」


    不知火「んー、とにかく行ってみようか。話はそれからって事で」
  72. 72 : : 2021/01/01(金) 09:49:14



    日向「…」


    狛枝「日向クンはどうするの?」


    日向「一刻も早く、赤松椛の元に向かい無力化する。」


    狛枝「まぁ、そうだよね。ところでボクにはわざとそうさせようとしてる気がするんだよね…」


    日向「…たしかに」


    狛枝「敵は実に用意周到で、考え深い…恐らく順当に行けば計画を完遂できた程にね。」


    狛枝「しかし彼らはボク達が集まったこのタイミングで計画を実行に移した。それぞれ少しずつズラして実行したのなら…例えば兵器にやられた街を復興している間に事件を起こされたら対処は難しかっただろうね」


    日向「…」


    狛枝「…どうも、一連の事件の裏にいる人物…この場合は赤松椛さんかな?ボクと同じニオイがするよ」


    日向「なに?」


    狛枝「彼女は、間違いなくボクと同じタイプの人間だよ」


    日向「…とにかく全員集めて、奴の元に向かうぞ」


    狛枝「うん、分かったよ日向クン」
  73. 73 : : 2021/01/02(土) 09:30:03

    >>47の剛将が話したDICEが生まれた経緯について少しだけ修正入りました



    黒鉄「…そうか、もしかして彼女は……だとするとボクのやるべき事は…」


    ミライ『ナニか分かったんデスか?』


    黒鉄「…うん、まぁね……赤松さんは恐らく……」


    ミライ『…なるほど、ではマスターはどうするんデスか?』


    黒鉄「………」




    秋山「…ねぇ赤松ちゃん!そろそろみんな集まってきたっぽいよ?遠くから様子を伺ってるのが殆どだけど…」


    赤松「…そっか、それじゃあ陸斗くんは準備に移って。」


    千田「りょーかい」


    蘭馬ちゃんと神奈ちゃんは外のみんなを相手してあげて?」


    秋山「はいはーい!」


    蘭馬「分かった…」


    赤松「…それにしても、大輔くん遅いなぁ。もしかしてやられちゃったかな?」


    天海「春川さん達を甘く見過ぎたんだよ!」


    赤松「…ふーん、まぁいいや。」


    赤松「それじゃあ…そろそろ最後の曲、いくよ?」




    秋山『はーい、それでは皆々様ー!当コンサートにお集まりいただき誠にありがとうございまーす!』


    秋山『皆様のおかげで当コンサートは大盛り上がり!しかし、この楽しいひと時もそろそろ終盤に差し掛かり、残す時間はあと僅かとなってしまいましたー!』


    秋山『集まっていただいた会場の皆さん!当コンサートの為に盛り上げてくださった皆さんに感謝を込めまして、ラストスパート張り切って行きましょー!』


    秋山「…ふぅ、こんなところかな。」


    秋山「…あれ?」


    秋山神奈が探偵事務所の前に設置した特設ステージにて挨拶をしていると、物凄いスピードで走ってくる誰かが彼女に襲い掛かった。


    春川「何で、あんたがここにいるの…?!カナ!!」


    秋山「久しぶりだね!元気してた?マキちゃん!!」


    事件は、一気に終息へと向かい始めた。
  74. 74 : : 2021/01/02(土) 15:07:11
    春川「何で、あんたがここにいるの…?!カナ!!」


    秋山「久しぶりだね!元気してた?マキちゃん!!」


    夢野「は、春川…と、突然走り出すでない………つ、疲れるではないか…はぁっ」


    苗木「春川さん!どうしたの…!?急に血相変えて…」


    秋山「苗木学園長も来たみたいだね…うん、元気そうで何より!」


    春川「あんた、事故で死んだはずなんでしょ?!なんでチームダンガンロンパなんかに…!」


    秋山「もう、マキちゃんさっきからそればっかり。せっかく久しぶりに会ったんだからもっと楽しい事喋ろうよ!」


    春川「…っ!」


    秋山「…事故に遭ったのは本当だよ。それで生死の境を彷徨ってなんとか一命を取り留めたんだけど…」


    秋山「私が連れて行かれたのは孤児院じゃなくてマキちゃんとは別の、神明救済会が管理してる所だったの。ただそれだけ」


    秋山「孤児院の方には、その時に死んだって言われてたみたいだけど、私はこうして生きている。あれから毎晩後悔したよ、マキちゃんは私の代わりにこんな過酷な訓練を受けていたんだって。もしかしたら既に死んでるんじゃないかってずっと思ってた。だから会えてすっごく嬉しいんだよ!」


    春川「…!」


    秋山「チームダンガンロンパに所属している理由は、基本みんなと同じだよ。人質として選ばれて、捕まって、そのまま流れでね。暗殺者に戻るのも嫌だったし、それよりはいいかなって。その後も汚れ仕事はあったけど人を殺すよりはマシだと思えたし」


    秋山「…まぁ、とにかくコンサートももうすぐ終わるからさ!それまでちょっとだけ遊ぶのに付き合ってよ、思えばマキちゃんと遊ぶのも十年ぶりぐらいかも!」


    春川「…断る」


    秋山「あらら…でもいいの?こっちには人質だっているのに。ねぇ、天海ちゃん!」


    蘭馬「…うん、秋山の言う通りだよ」


    すると、蘭馬に銃口を突きつけられて震えてる蘭奈の姿が現れた。


    天海「は、春川さん…」


    春川「…!」


    秋山「周りで様子を窺ってるみんなもそうだよー?ちゃんと参加してくれないとこの憐れな一般人の頭を吹き飛ばしちゃうから!」


    「「「…!」」」


    春川「あんた…!」


    秋山「ごめんね、マキちゃん。言う事さえ聞いてくれれば酷いことなんてしないよ。私達は、最後まで見届けて欲しいだけなんだ」
  75. 75 : : 2021/01/03(日) 11:18:06

    赤松「すごいね、もう殆ど集まったみたいだよ?」


    最原「…」


    赤松「…さて、最原くんには改めて自己紹介しないとね。私、赤松椛は、実はチームダンガンロンパの社長だったんだぁ。」


    最原「…え?」


    赤松「よくもまぁ、ダンガンロンパを終わらせてくれたね。その節は随分とお世話になっちゃったよ。」


    赤松「という訳で、私が全ての殺し合いエンターテイメントの元凶だよ。」


    赤松「今回に限った話じゃない、全ての首謀者は私だったんだ。」


    最原「…!」


    赤松「さぁ、キミにこの難問が解けるかな?」


    赤松「…また、ちゃんと裁いてくれるかな?私達のこと」


    そう言う赤松さんの顔は、慈愛に満ちた聖母のようだった。


    赤松「私は信じてるよ?だって、私はずっと特等席でキミの活躍を見てきたんだからさ」


    赤松「早く、チームダンガンロンパを終わらせてね。」

  76. 76 : : 2021/01/03(日) 11:18:25
    如月「…どうするんすか?!このままだと彼女らの計画が…」


    暁「とはいえ、流石のぼくもお手上げかなー。あの子達のやろうとしてる事、全然理解できないや」


    篠宮「…お前が分からねーなら、この場の全員無理だろうな…」


    村井「そもそも彼女達は絶望に堕ちた身、彼らには一切の常識が通用しないと聞きます。」


    不知火「…絶望達の考えることを理解しようってのがまず無理な話なんだよ…」


    十神「…クソッ、一体どうすれば…!」


    苗木「…みんな、彼女たちが絶望の残党だから。という理由で理解するのを拒否してるようだけど、本当にそうかな…」


    葉隠「あぁ?どういう事だべ?!」


    苗木「…いや、確かにやってる事は支離滅裂かも知れないけど、それを絶望の一言で済ませるのはどうかと…」


    朝日奈「私たちが相手をしてるのは絶望の残党じゃないって事?」


    苗木「…たぶん」


    腐川「な、何よ…!はっきり言いなさいよ…!」


    苗木「…ただの勘なんだけど、でもかつてボク達が相手していた絶望とは根本的に異なると思うんだ。先に絶望を見据えてないっていうか…わざと失敗しようとしてるように見える」


    霧切「…確かに、私も一連の流れについては不自然に思えたわ」


    こまる「…でも、もし失敗する事こそが目的だとしたら…」


    苗木「…全て、辻褄が合う。むしろ、今までの全ての違和感は理にかなった行為だった事になる。」


    苗木「つまり、彼女達がやろうとしてる事は…」


    皇永「おいオマエラ、こんな所でボサッとしてていいのか?」


    篠宮「…!あいつは」


    暁「ゆっきー!ちゃんと倒さなかったの!?」


    如月「い、いや…途中で逃げられたんすよ!(ゆ、ゆっきー…?)」


    不知火「…あの人相手にしてたらあっという間に時間過ぎちゃうよ…?!」


    村井「…ちっ、貴方達は一体何が目的なんですか!」


    皇永「ハッ、止める気がねーなら今すぐ集まった一般人を皆殺しするが、どうする?」


    苗木「…!」


    皇永「何を馬鹿げた事考えてんだ?オレ達は正真正銘絶望の残党、その行動に意味なんて求めるんじゃねーよ。」
  77. 77 : : 2021/01/03(日) 11:18:39

    日向「…くっ、邪魔をしないでください…!」


    ??「…それは、断る。社長命令だからな」


    狛枝「まさか…日向クンと互角だなんて…!」


    終里「…くそっ、オレ達じゃ足手纏いかよ…!」


    左右田「日向と真正面からやり合う奴なんて初めて見るぞ…!」


    ソニア「社長…というのはやはりチームダンガンロンパの…?」


    九頭龍「恐らくそうだろうな…まさか、こんな隠し玉がいたとはな」


    ??「…カムクラプロジェクトの被験者は、何も日向創だけではないという事だ。」


    日向「…っ、貴方の名前は…?」


    ??「…零」


    零「神座零(かむくら れい)、件の計画の、失敗作だ。」


    日向「失敗作…?」


    零「…俺の身の上話などどうでもいいだろ、そんなモノを話した所でそこに意味などないはずだ。」


    日向「…」


    零「つまらない問答はやめろ。そんな柄じゃないだろ、お前も」


    日向「確かに、貴方の言う通りだ。」


    零「…さぁ、殺し合おうか日向創。ようやく好敵手とも言える相手に逢えたんだ。少しくらい楽しまねーとな?」


    日向「…こちらには楽しんでいる時間などないので、手短に終わらせていただきます」


    零「出来るといいな、絶望の象徴(カムクライズル)
  78. 78 : : 2021/01/03(日) 11:20:07


    赤松『改めまして、私こそがチームダンガンロンパの社長、赤松椛でーす!今まで視聴者たる皆さんにはたっくさんお世話になりましたぁ!本当にありがとうねぇ!』


    赤松『それじゃあ、最後を飾るに相応しいゲストを呼んだから紹介するねー!ダンガンロンパを終わらせた最原終一くんでーす!』


    赤松『いよいよ当コンサートもクライマックスに差し掛かって参りました。みんな、最後まで張り切っていきましょー!』


    春川「くそ…!」


    夢野「さ、最原…」


    天海「…っ」


    秋山「…始まったみたいだね。」


    蘭馬「…うん」


    春川「そこを退け、カナ!」


    秋山「嫌だよ、それじゃあ計画は失敗しちゃうじゃん。相変わらずせっかちだね、マキちゃん」


    夢野「んあー!見た感じお主はそやつの姉妹ではないのか!なぜ天海を傷付けようとするんじゃ!?」


    蘭馬「…あんたらには分からないだろうね、才能に恵まれない底辺の事なんか」


    天海「…お姉ちゃん……」


    蘭馬「…悪いな、蘭奈。あともう少しだけ我慢してくれ」


    天海「…?」


    秋山「さて、最終決戦と行きますか!マキちゃん!」


    春川「…!」
  79. 79 : : 2021/01/03(日) 12:26:54
    赤松「それじゃあ、最原くんに事件を整理する為の時間をあげるね。その間は誰と連絡してくれても構わないよ、多分みんな戦ってる最中だろうからその場合の安全の保証は出来ないけどね。ちゃんと時間内に帰って来ないと…後は言わなくてもわかるよね?」


    そう言って、彼女は僕を解放した。


     捜査パート、開始!


    最原「…さっき、ちょっとだけ外の様子が見えたけど…その時は春川さんも夢野さんも、他のみんなも戦ってる最中だった…」


    最原(つまり、今彼らに連絡は取れない。)


    最原「…まず、今の状況を聞いてもいいかな?ミライさん」


    ミライ『…はい。』


    ミライ『まず春川サン、夢野サン、天海蘭奈サンはすぐそこで秋山サン、天海蘭馬サンと交戦中デス。同じく苗木誠サン以下六名と、篠宮サン以下五名もほぼ同じ場所で皇永ゼツ-サンと交戦中となっておりマス』


    最原「…皇永さんと?」


    ミライ『彼は、チームダンガンロンパの社員でシタ。また、少し離れた地点にて日向サン…この場合カムクライズル-サンと言った方がよろしいでしょうか?と、狛枝サン以下十四名の元絶望の残党の方々が、神座零と名乗る人物と交戦中デス。』


    最原「…うん」


    ミライ『そしてDICEの方々デスが、チームダンガンロンパ社内にて妾魔サン以外の八名は既に春川サンによって倒されてマス。』


    最原「…妾魔さん以外を?」


    ミライ『詳しくは、その場に居合わせた訳ではないので分かりマセンが、恐らく催眠にかかっていなかったからと思いマス。』 


    最原「…」


    ミライ『そして、街や社内に多数いたエグイサルについてデスがほぼ全ての機体が既に破壊されておりマス。』


    最原「…あのエグイサルを?」


    ミライ『次に、他の社員についてデスが今日の時点で社内に残っていた者は全て捕縛済みデス』


    最原「…なるほど」


    ミライ『…すみませんが、千田サンについては今は分かっておりマセン。』
     

    コトダマ 【現在の状況》GET!


    最原「ありがとう、色々分かったよ。」


    ミライ『それで、どうしマスか?』


    最原「まずは、チームダンガンロンパの本社に向かう。」


    ミライ『でしたら、移動はお任せください!適当なエグイサルをハッキングして猛スピードでチームダンガンロンパの本社までお送りいたしマス!』


    最原「うん、頼むよミライさん」
  80. 80 : : 2021/01/03(日) 13:01:28
    最原「…移動の間に、みんなの情報についても整理しよう」


    ミライ『はい。えーっと…まず天海蘭太郎サンの妹が二人居マスね』


    最原「うん。天海蘭奈さんと天海蘭馬さんだよね。」
     

    ミライ『次に、王馬サンが率いていたというDICEの皆サンデス。』


    最原「剛将大輔さん、石蕗姫乃さん、近衞ジョージさん、冥土森隷名さん、綾小路司さん、嵐達臣さん、兵藤緋士さん、爵堂侯夜さん、妾魔愛華さんの9人だね。」


    ミライ『はい。そして、今回の絶望的事件の再演の首謀者は…』


    最原「石蕗姫乃さんがそうで、剛将大輔さんは赤松椛さんの仲間だったね。」


    ミライ『そして、その赤松椛サンは赤松楓サンの双子の妹でシタ』


    最原「…チームダンガンロンパの社長、なんだってね」


    最原「他にも、百田くんの親友である千田陸斗さんや春川さんの親友、秋山神奈さんがいたね」


    最原「さらに、白銀さんの従弟で10回目の殺し合いを生き残った黒鉄進太郎さんもいた訳だ」


    ミライ『そして、キーボの妹であるワタシデスね』


    最原「今回は、ミライさんのお陰で切り抜けられた場面が多かったね」


    コトダマ 【コロシアイ参加者の関係者》GET!


    ミライ『コロシアイ参加者の関係者については以上デスね』


    最原「皇永ゼツさんは、4回目を生き残った人でチームダンガンロンパの社員だったんだね」
     

    ミライ『しかし、後の篠宮サン、暁サン、如月サン、不知火サン、村井サンはこちらの仲間デスよ。同じくチームダンガンロンパを打倒せんと集まった猛者達デス!』


    コトダマ 【コロシアイ生存者》GET!


    ミライ『そして、苗木誠サン、霧切サン、十神サン、葉隠サン、腐川サン、朝日奈サン、苗木こまるサン達は希望ヶ峰学園の教師だった人たちで、かつての希望の象徴と呼ばれていマス。』


    コトダマ 【かつての希望の象徴》GET!


    ミライ『同様に、日向サン、狛枝サン、九頭龍サン、左右田サン、終里サン、ソニア-サン、花村サン、詐欺師の方の十神サン、小泉サン、辺古山サン、罪木サン、澪田サン、西園寺サン、田中眼蛇夢サン、弐大サン、御手洗サン達十六名はかつて絶望の残党と呼ばれ、また絶望の象徴と揶揄される事がありマス』


    コトダマ 【かつての絶望の象徴》GET!


    ミライ『…わざわざ言う必要はないかも知れマセンが最原サン、春川サン、夢野サンは53回目のコロシアイを生き残り、ダンガンロンパという名の殺し合いエンターテイメントを終わらせた張本人、現在は最原探偵事務所を開いている方達デスね。』


    コトダマ 【最原探偵事務所》GET!


    最原「…うん、ありがとうミライさん。これくらいでいいと思う。そうこうしている間に着いたみたいだしね」
  81. 81 : : 2021/01/03(日) 20:16:04
    最原「…ねぇミライさん、ここのマップって出せる?」


    ミライ『少々お待ち下さい。………はい、発見致しまシタ。画像を表示しマスね』


    最原「…よし、まずは地下に向かおうか。」




    最原「…ここに春川さんが捕まっていたの?」


    ミライ『…監視カメラに残った記録によるとそのようデスね。少し離れた所に先程申しまシタ苗木誠サンやその仲間達が捕らえられていた牢がありマス』


    最原(…かつての王馬くんの動機ビデオに映っていた所によく似ている…つまり人質として選ばれた人達もここに捕まっていたという事か)


    ミライ『…最原サン、どうやら53回目以降ここは使われていなかった様デスよ?名前がそのままデス』


    最原「…みたいだね、僕たちの名前が書かれている」


    最原(…?ここは赤松さんの…?)


    そこには、『赤松楓の大事な人 赤松椛の部屋』と書かれていた。


    最原「…赤松椛さんは社長だったんじゃないのか?どうして彼女の部屋が……」


    コトダマ 【地下牢》GET!


    最原「…この辺りは大体調べ終わったかな?」


    ミライ『では、次はどこへ?』


    最原「…じゃあ、次は資料室に向かおう。」


  82. 82 : : 2021/01/03(日) 20:37:50
    ミライ『ここデス』


    最原「…やっぱり、今までの殺し合いについて細かな事が書かれている」


    ミライ『…資料によると、やはりチームダンガンロンパの社員の方が何かしらの形で参加していマスね』


    最原「…うん、でも……1〜10の殺し合いについてはその限りではないみたいだ。もしかしたら、明確にチームダンガンロンパというのが出来たのはそれ以降なのかも知れない」


    ミライ『…確かに、チームダンガンロンパの社員が参加し始めたのは11回目からデスね。因みに前回の生存者が参加するようになったのもこの頃からみたいデス』


    最原「…それまではただ絶望の残党が主催していただけで、彼らにまとまりがあった訳ではないんだね」


    ミライ『赤松椛サンがチームダンガンロンパの社長と言ってる以上、当たり前の事かも知れマセンがかなりの頻度で参加してるみたいデスね』


    最原「…でも、彼女が本当に社長だとして…どうしてわざわざ死ぬかも知れないというリスクを負うんだろう…社長が死ねば必然的に殺し合いそのものが終わってしまう筈なのに」


    ミライ『…彼女が絶望だとすると、おかしくはないのデスけどね…』


    コトダマ 【歴代のコロシアイ首謀者》GET!


    最原「…それにしても、黒鉄さんも何度か生き残っていたんだね…」


    ミライ『…黒鉄サンと赤松椛サンは10回目で共に生き残った者同士の様デスね』


    最原「結構長い付き合いだったんだ…それに」


    最原(この名前、間違いなく天海くんの妹…同じように参加していたんだ。12回目で命を落としてしまったようだけど…)


    コトダマ 【歴代のコロシアイ生存者》GET!


    ミライ『…あ、最原サン!チームダンガンロンパの社員名簿を見つけまシタよ!』


    最原「…見せて貰ってもいい?」


    ミライ『…はい。知ってる人だとDICEの方や赤松椛サンとその仲間の名前が書かれていマスね。それに皇永ゼツ-サンと神座零サンの名前もありマス。デスが…』


    最原「…どうしたの?」


    ミライ『残念ながら、データが改竄、又は破壊された形跡がありマス。ワタシでも復旧は不可能なほど』


    最原「…分かった。」


    コトダマ 【チームダンガンロンパの社員名簿》GET!


    ミライ『次は、どうしましょう?』


    最原「…そうだな……社長室、はどうなってるの?」


    ミライ『破壊されていマス。監視カメラに残った記録から察するに、神座零サンの仕業かと…』


    最原「…じゃあ、妾魔さんに話を聞きに行こう。」


    ミライ『了解デス!』
  83. 83 : : 2021/01/03(日) 22:45:02

    最原「…ここか」


    妾魔「…何が聞きたいの?」


    最原「…え?」


    妾魔「…資料室で話してたでしょ、私に話聞きに行くって…監視カメラで見てたから」


    最原「そ、そうなんだ…」


    最原「…実は、キミが知ってる情報を僕に教えて欲しくて」


    妾魔「…まぁ、そうだろうと思ったけどね」


    妾魔「私が知ってるのなんて、大したことじゃないよ。」


    妾魔「姫乃は絶望的事件の再演を起こそうとして、ジョージは止めさせるべきか共に背負うべきか悩んで、隷名は何が起きても姫乃の味方でいると決めて、司は大輔の思い通りにはさせたくなくて、達臣はみんなが幸せに終われるよう頑張って、緋士はこれ以上自分たちの手を汚したくなくて、侯夜は全てがどうでも良くなっていて、私は自分に与えられた仕事をこなそうとして…」


    妾魔「大輔は、DICEを終わらせようとしていた。」


    最原「…DICEを、終わらせようと?」


    妾魔「…君が、再演事件の謎を解けばDICEは間違いなく終わってたはずだよ。何せ犯人は一緒に捜査していた私達だったんだから」


    最原「…でも、それは赤松さんの催眠……いや、もしかして…」


    妾魔「うん、全部大輔がやった事だよ。一応、赤松椛も手解きを受けていたから多少は出来るかも知れないけど、そんなに複雑なのは出来ないはずだよ。」


    最原「…!」


    妾魔「つまり、大輔がやってた事って…自分で全て仕組んでおいて、それを自分達で解決させようとした…自作自演だったんだよ。」


    妾魔「そりゃあ、みんな乗り気じゃなくなるよね…だって、大輔があからさま過ぎるくらい怪しい動きばかりするからうっすらみんな大輔が裏で糸引いてるって気付いてたのに、計画が最終段階に差し掛かろうってタイミングで君達に接触して事件の解決に向かって誘導し始めるんだから」


    妾魔「みんな、大輔の事を裏切り者だって思うに決まってるよ。」


    最原「…」


    妾魔「でも、確かにここまでの証言があったら殆どの人が姫乃や私達の事悪人だとは思わないよね」


    最原「…なるほど、そうか…!」


    妾魔「大輔はDICEの副総統みたいなものだったから、彼のおかげで小吉が死んだ後もそれなりにまとまってたんだよ。その大輔がいなくなれば、私達はバラバラになる…みんな、普通の生活に戻るしかないだろうからね」


    最原「それが、剛将さんの目的…」


    妾魔「私も、全部把握してる訳じゃないから推測でしかないけど…たぶんそう言う事だと思うよ。」


    コトダマ 【妾魔の証言》GET!


    最原「…ありがとう、妾魔さん。」


    妾魔「…どういたしまして。じゃあ、頑張って。」


    最原「…うん」
  84. 84 : : 2021/01/04(月) 01:25:11
    最原「…」


    ミライ『…最原サン?』


    最原「なんとなく、分かってきたよ。赤松さんが何をやろうとしてるのかが…」


    ミライ『それでは…』


    最原「…その前に、改めて一連の流れを整理しよう。」


    ミライ『えーっと、石蕗サンが春川サンを攫った所からデスね?』


    最原「それで、近衞さんが夢野さんと天海さんを連れ去ろうとして、その時僕は赤松さんの元にいた。」


    ミライ『…でも、黒鉄サンやその他の生存者達によって夢野サン達は逃げ切る事が出来ました。道中エグイサルが街で暴れている事に気付いて、黒鉄サンとワタシはそれらの暴走を防ぐ為に各所で留まりまシタ。』


    最原「夢野さん達がついた頃、春川さんは牢を抜け出し、剛将さんと共に苗木さん達を復活させたんだよね?」


    ミライ『はい。そしてDICEのメンバーと戦いながら上に辿り着きまシタ。そこで赤松椛サンが電波を乗っ取り放送を流しマス。』


    最原「結果、みんなは僕たちがその時いた探偵事務所に集まった…」


    ミライ『…以上が、おおよそ大体の流れデス』


    コトダマ 【事件の経過》GET!


    最原「ありがとう、ミライさん」


    最原(…赤松さんは、あの時自分が社長だと言っていたけど、考えれば考えるほどやっぱり信じられないな…)


    コトダマ 【赤松の証言》GET!


    ミライ『最原サン!希望を持って、絶望に打ち勝ちましょうね!』


    コトダマ 【希望》GET!


    最原「…そろそろ、指定された時間だ。赤松さんの元に戻ろう。」
  85. 85 : : 2021/01/04(月) 02:28:02
    秋山「…あははは!楽しいね、マキちゃん!」


    春川「…!ふざけんな!」


    夢野「んあー!そこを退くのじゃ!」


    蘭馬「断る…気が早いよあんた」


    天海「…っ、ごめんお姉ちゃん!」


    そう言うと、蘭奈は蘭馬を突き飛ばしその場を離れた。


    蘭馬「うっ…蘭奈…」


    夢野「…っ春川!バトンタッチじゃ!」


    春川「…えっ?」


    秋山「…あ、ちょっと!」


    急に春川とハイタッチして場所を入れ替わった夢野は、春川を止めるべく割って入ろうとした秋山の懐に潜り、その体を投げ飛ばしたのだった。


    夢野「んあぁ!」


    秋山「いったた…あ、あれ?」


    秋山はいつの間にか手首にかけられていた手錠が上手い事に引っ掛かり、身動きが取れなくなった。


    春川「…なるほど、やるね夢野」


    蘭馬「…なっ」


    春川「それじゃあ、次はあんただよ。」


    蘭馬「…!」


    迫り来る春川に向けて発砲した蘭馬だが、その弾丸を避けた春川に拳銃を弾き飛ばされ、ナイフの柄の部分で頭を殴られ、そのまま意識を消失させたのだった。


    春川「…よし、早く最原のところに行こう…!」


    夢野「うむ!」


    霧切「彼女たちの方も終わらせたみたいね…」


    皇永「…チッ、流石に希望の象徴も相手にするのは無理があったか……」


    十神「寧ろあれだけの戦力差があって何故勝てると思っていたんだ?」


    こまる「…お兄ちゃん、この人の事は私たちが見張っとくから一緒に行ってあげて?」


    如月「じゃあ、おれたちもこまるさんとご一緒しましょーか」


    苗木「…うん、ありがとう。それじゃあ行ってくるよ!」
  86. 86 : : 2021/01/04(月) 05:21:28
    最原「…戻ったよ、赤松さん」


    赤松「おかえり、最原くん。謎は全て解けたのかな?」


    最原「…」


    すると、突然背後から声が飛んできた。


    春川「最原!無事なの!?」


    夢野「助けて来てやったぞ、最原!…んあ?」


    天海「これら…」


    そこには、いつもの部屋の様子が殆どなく、まるであのコロシアイで何度も目にした学級裁判のようだった。


    苗木「…キミは、学級裁判でもしようって言うの?」


    赤松「……………まぁ、そうだよ」


    苗木(…なっ、急に顔色が変わっ…!?)


    赤松「さぁ、みんな席に着いて?一応余分に作ったからここにいる全員入れるはずだよ?」


    赤松「よし、それじゃあ最後の答え合わせといこうか!」




    ノンストップ議論、開始!


    赤松「まずは、今回の事件の犯人についてだけど…」


    赤松「一体誰だったのかなー?」


    夢野「絶望的事件の再演の話をしておるなら…」


    夢野「犯人は【DICEの石蕗】ではなかったのか?」


    苗木「いや、それは違うはずだよ…」


    春川「赤松、どうせ【あんたが裏で手を回していた】んじゃないの?」


    最原「それは違うぞ!」論破!


    【妾魔の証言》⇒【あんたが裏で手を回していた】


    Break!
  87. 87 : : 2021/01/04(月) 05:45:09
    最原「…いや、今回の件で裏で手を回していたのは剛将さんのはずなんだ。」


    春川「…え?」


    最原「赤松さんもそれなりに関わっていただろうけど、実際に行動に移していたのは彼だったと思うよ。」


    最原「寧ろ、その件に関しては一任していたんじゃないかな。」


    赤松「うん、最原くんの言う通りだよ!♡そもそもあくまで私が剛将くんに聞いた事だから信憑性は薄いのかも知れないけど…」


    赤松「石蕗さんが人類史上最大最悪の事件の再演を起こそうとしたのは本当だったらしいよ?そこで、私達はそれに便乗して事件を起こそうって決めたの。あ、言っちゃった♪てへ⭐︎」


    最原「…妾魔さんの証言もあるし、それ自体は事実だと思うよ。」


    春川「DICEを終わらせる為…そうだね、確かにそう考えれば一貫性も出て来るかも知れない…」


    最原「次に話し合うのは、赤松さん…キミの正体についてだよ」


    赤松「…私の?」


    最原「うん。」




    ノンストップ議論、開始!


    赤松「私の正体について話すのー?」


    春川「赤松の正体と言われても…今更何を話し合うわけ?」


    天海「…【赤松楓さんの双子の妹】とか、そういう事ですか?」


    苗木「確か、ボクの記憶が正しければ…」


    苗木「【10回目のコロシアイにも生き残った】はずだよ」


    夢野「それと、【チームダンガンロンパの社長】でもあったのぅ」


    夢野「これだけの事件を計画し、あれだけ大々的に自己申告したんじゃ…」


    夢野「あやつが今まで起こったコロシアイ、そして事件の【全ての黒幕で間違いない】はずじゃ!」


    春川「実の双子の妹がそのような会社の社長とあっては…」


    春川「赤松も浮かばれないだろうね…」


    最原「それは違うぞ!」論破!


    【地下牢》⇒【全ての黒幕で間違いない】


    Break!
  88. 88 : : 2021/01/04(月) 06:17:21
    最原「実は、春川さん達が捕まっていた牢の近くにみんなの動機ビデオに映っていた人質が収容されていたであろう牢を見つけたんだけど、その中に赤松さんのもあったんだ。赤松さんが全ての黒幕だと断定はできないはずだよ」


    天海「その推理は間違っています!」反論!


    最原「…え?」


    天海「赤松さんの牢屋があったからと言って彼女が黒幕でない証拠にはなりませんよ。」




    反論ショーダウン、開始!


    天海「赤松さんの牢屋があったからと言って」


    天海「彼女が黒幕でない証拠にはならないと思います。」


    天海「そもそも、社長だったとしたら後から捏造も簡単にできるでしょうしね」


    最原「…いや、使われた形跡があるから後から偽装のあだけに作られたものではないと思うよ」


    天海「使われた痕跡があるからなんです」


    天海「そこでお茶していただけかも知れません」


    天海「別の人が入れられていた可能性もあるはずです」


    天海「彼女が社長という一番上の立場である以上誰かにやらせていたに決まっています」


    天海「第一そんな【面倒な事はやらないはず】ですしね」


    最原「その言葉、切ってみせる!」論破!


    コトノハ 【歴代のコロシアイ首謀者 フ
    【面倒な事は/やらないはず】


    Break!
  89. 89 : : 2021/01/04(月) 06:48:41
    最原「赤松さんが黒幕だと思えない理由はもう一つあるんだ。彼女はさっき苗木さんが言った10回目のコロシアイの後に何度も参加して最後まで生き残ってるんだよ。むしろ、平社員レベルの事しかしていないんだ。」


    天海「…え?」


    春川「白銀は確かに最後まで生き残ってはいたけど、冷静に考えればそれってかなり難しいはずだからね。」


    春川「それを何度もやってるっていうなら面倒以外の何物でもないね」


    夢野「んあー…ウチなら絶対途中で心が折れてしまうわい」


    苗木「それも、絶望の残党だとしたらどうって事はないんだろうけど…」


    最原「だとしても、それなら絶対絶望的事件の再演を完遂させる為に行動するはずだよ。それをしないって事は絶望じゃないんだと思う」


    春川「どうなの?赤松…」


    赤松「ノー、コメント…」


    最原「…次は、キミの目的についてだ」




    ノンストップ議論、開始!


    赤松「私の目的ー?みんなを絶望に堕とす事だよー?」


    春川「じゃあ、どうしてそれをしないでこんな学級裁判の真似事なんかやってるの?」


    赤松「絶望の言うこといちいち真に受けてたらキリないよー?」


    夢野「お主が絶望でないというならその言葉にも意味はないぞ!」


    赤松「だから、私は絶望に堕ちた身なんだってば!」


    苗木「じゃあ、キミが絶望に堕ちた理由はなんなの…!?」


    赤松「知らない、昔のことなんて忘れた」


    天海「どうして、そんなに自分の事を話したがらないんですか…?」


    赤松「…だって、カメラ回ってるんだもーん。私にだってプライバシーの権利だってあるよっ」


    赤松「…もう、みんないい加減にしてよ!」


    赤松「私は誰が何と言おうとチームダンガンロンパの社長で」


    赤松「【絶望の残党】なんだよ!」


    赤松「だから、その目的には何の意味もないんだってば!」


    最原「これで真実を暴く…!」偽証!


    【赤松の嘘の証言》⇒【絶望の残党】
      松
       の
        証
         言
           』


    Break!
  90. 90 : : 2021/01/04(月) 07:38:48
    最原「赤松さん…何を言ってるんだよ。キミはあの時本当は自分はチームダンガンロンパの社長でも絶望の残党でもないんだって、早く自分を助けてくれって言ってたじゃないか…!」


    赤松「…」


    赤松「………」


    赤松「……………………………………………… …………………………………………………」


    赤松「あ、あれ?」


    赤松「私、そんな事言ってたっけ?あれれ?」


    春川「どうしたの…?急に様子が…」


    夢野「そ、それより最原!さっきのは本当なのか?!」


    最原「…うん」


    赤松「…あ、あはは!そんなの、ただの冗談だよ。絶望のいう事は間に受けてたら仕方ないって…」


    苗木「…そういえば、今回の事件…負傷者はたくさんいたけど現時点で死者は出てないよ…!?」


    天海「それに、今思えばエグイサルの使い方も雑と言いますか…すぐに全て消耗させようする勢いでしたね…!」


    最原「…キミは、初めから全て成功させる気なんてなかった…剛将さんと協力関係にあったのも恐らく利害が一致したから。」


    最原「そう、剛将さんがDICEを終わらせようとしていたようにキミもチームダンガンロンパを終わらせようとしていた!」


    赤松「…っ」


    最原「キミはあの時言ったよね…チームダンガンロンパを終わらせてねって、少なくともアレは嘘には見えなかったよ。今のキミの反応で確信したよ、あれは間違いなくキミの本音だった。わざわざ謎を解く時間もくれた訳だからね…」


    最原「やっぱり、キミはお姉さんに似てとても優しい人だったんだね」


    赤松「………違う、違うよ終一くん。私はキミが思ってるほど『良い子』なんかじゃない。だって、私はあの日楓お姉を売ったんだから…!」


    最原「…え?」


    赤松「さっきから終一くんの言ってる事って全部推測でしょ!?事実は違うよ、私がコロシアイエンターテイメントを企画した社長なんだよ!私が全ての元凶なの!!私は『良い子』じゃない、『悪い子』なんだよ!お願いだから私を可哀想な敵にしないで!私は許されてはいけない人間なんだよ!!今回時間をあげたのだってただの気まぐれなんだから!!楓お姉を助けられなかったくせに、一丁前に私なんか助けようとするな!!!どうして私を悪者にさせてくれないの!??そんなに優しくされたら死ぬに死ねないじゃない!!!どうしてそれが分からないの!?キミって思ってたよりバカなんだね!!」


    赤松「キミなんかに、私がチームダンガンロンパの社長じゃないっていう決定的な証拠を突き付けれるの…!!?」 

          チームダンガンロンパの
              △
     破壊された□          ⚪︎社員名簿の
              ×
             データ

    最原「これで終わりだ!」論破!


    破壊されたチームダンガンロンパの社員名簿のデータ


    Break!
  91. 91 : : 2021/01/04(月) 08:17:26
    最原「それじゃあ、破壊されていたチームダンガンロンパの社員名簿のデータ…そこから消された人物の名前を言ってみてよ。」


    赤松「…!」


    最原「あれを消したのは、神座零って人らしいんだけどミライさんでも復旧は出来なかった。でもキミがもし社長なら誰が消されているのか分かるはずだよね?」


    赤松「…忘れたよ」


    春川「忘れたんじゃなくて、知らないんでしょ。今更そんな言い訳が通用するはずない」


    最原「…きっと、破壊された部分に本当の社長の名前が記されていたはずだよ。」


    赤松「…言えないよ、だってそれを知ったら間違いなく……あーあ、キミって本当に卑怯だよね」


    最原「…じゃあ、最後に事件を一から振り返ってそれで終わりにするね」


    赤松「…うん、お好きにどーぞ」




    クライマックス推理、開始!


    ACT 1
    事件の始まりは、53回目のコロシアイが終わった直後に既に始まっていたんだ。恐らくその時に本物のチームダンガンロンパの社長は失踪して一度自由になった。だけど、あくまで失踪したのは社長だけ…他の幹部とかは残っていたはずだよ。ダンガンロンパが終わったからと言って人気が0になった訳じゃないだろうしね。そこで恐らく赤松さんや剛将さん達は計画を立てた。この、大きな騒動にまで発展するような一大事件を


    ACT 2
    時は流れ、一週間ぐらい前にDICEは僕たちと接触した。恐らくこの時に赤松さんもその情報を聞いたはずだよ。それで、いよいよ計画を実行に移すことにした。僕たちが捜査を進める一方で石蕗さんは人類史上最大最悪の事件の再演を計画した。剛将さんがわざわざ怪しい動きをして自分が裏で操ってるんだぞってみんなに知らせるような動きをしてね。その結果剛将さんを除くみんなはただの犠牲者になることが出来るからね。


    ACT 3
    人が集まり、捜査も順調だったタイミングで赤松さん達は計画を実行、春川さんや夢野さん達を攫いエグイサルを街で暴れさせた。どうやら夢野さんの方は失敗したみたいだけどね…。戦力を分散させつつ苗木さんや日向さんを呼び戻した剛将さんは、春川さんや苗木さんと共に事件を終息させた。でも、そこで一つのアナウンスが流れた。


    ACT 4
    赤松さんはこの事件を解決するため集まったみんなをこの場所に呼び込んだ。みんなはコロシアイを生き残り、絶望を許さない人ばかりだ…当然あのようなアナウンスを流されて黙っておけるはずがない。キミは天海さんや人質にして僕をここに連れてきた。


    ACT 5
    キミは、僕に時間を与えてこの事件の真実を突き止めさせようとした。赤松椛が最大最悪の敵であると、その決定的な証拠を掴んで自分を絶対の悪者にする事で全て終わらせようとしたんだ。ここにいる全ての人間をその証人とする事でね…。恐らく他の幹部は剛将さんと洗脳か何かして籠絡したんだと思う。そうでなければ黙っているはずがない。エグイサルをわざと消耗しきり、その他全ての事に社に残った財を使い果たし、社員も全て烏合の衆になるよう催眠をかけて、仮に社長が戻ってきたところで何も出来ないようにした。


    最原「これが、この事件の真実だよ。超高校級のピアニスト、赤松楓さんの双子の妹の…赤松椛さん」
  92. 92 : : 2021/01/04(月) 08:28:12
    赤松「凄いね、余計なところまで全部当たってるよ。せっかくの計画が台無し」


    最原「…じゃあ、やっぱりただの冤罪…キミも被害者だったんだね…」


    赤松「…」


    苗木「…ボクも、キミ達には色々聞きたいことがあるけど…それとは別に今回の件については不問にするよ。あらゆる権限を使ってね」


    最原「…とりあえずさ、もう終わった事だし一緒に行こうよ」


    赤松「ううん、ダメだよ。やっぱり『悪い子』にはオシオキしないと…」


    最原「…え?」


    赤松「結果どうなろうと、私が幾度となくコロシアイにおいて首謀者をやったのは事実だし、騒動を巻き起こしたのも事実なんだよ。だから、許される訳にはいかない」


    最原「それって、どういう…?」


    赤松「…千田くん、やっちゃって?」


    千田『………分かった、じゃあや赤松…また地獄で会おうぜ』


    赤松「…うん」


    春川「…!まさか…」


    苗木「…っダメだ!早まっちゃ!」


    夢野「んあ…っ?!」


    天海「…え?え??」


    最原「あ、赤松さん!」


    赤松「…」スゥゥゥゥ


    赤松「今回は私、赤松椛の為にスペシャルなオシオキを用意しましたー!」


    最原「…待っ……」


    赤松「それではー!張り切っていきましょー!…オシオキターイム!!!」


    赤松「それじゃあ、さよなら終一くん。楓お姉には負けちゃったけど実を言うと私もキミの事が大好きだったんだ。」


    最原「…ッッッ!!!」


    そうして、あの時と同じ首輪がどこからともなく飛んできて、赤松さんの首を…


    赤松「…え?」


    捕らえる事はなかった。


    黒鉄「…キミを死なせる訳にはいかないよ、赤松さん」


    最原「…黒鉄さん」


    赤松「…キミなら、分かってくれると思ったんだけどなあ…なんで死なせてくれないかな?」


    黒鉄「悪いと思ってるなら、逃げないでちゃんと償わなくちゃいけないだろ?」


    赤松「………」


    最原「黒鉄さんの言う通りだよ…だから、お願いだからもう死ぬなんて言わないで。今度こそ君たちのことを守らせてよ、赤松さん」


    赤松「…あはは、しょうがないなあ終一くんは」


    そうして、赤松さんの頬に涙が一つ溢れたのだった。
  93. 93 : : 2021/01/04(月) 08:45:00
    数日後…


    最原「赤松さん、もう解放されたんだ?」


    赤松「うん♡そうだよぉ♡会いたかったよぉ終一くん♡♡チュッチュッ」


    最原「…」


    赤松「ごめん、引かないで?悪ふざけが過ぎたなら謝るからさ」


    最原「…何を聞かれたの?」


    赤松「…別に、本当に絶望堕ちしてないかのカウンセリングとか面談とか色々あっただけ…あとはまぁ、本物の社長についてとか…」


    最原「…そうだ、その本物の社長って結局誰なの?あの時は実は知ってそうな雰囲気だったけど…」


    赤松「…本当に聞きたい?後悔とかしない?」


    最原「…うん」


    赤松「…キミのお母さんだよ」


    最原「…!?」


    赤松「最原終一のお母さん…最原初美(さいはら はつみ)、それがチームダンガンロンパの社長の正体だったんだよ。」


    赤松「確か、あの人映画脚本家なんでしょ?だから、そういう演出とか得意なんじゃないの?」


    最原「…まさか、僕の母親が…?」


    赤松「…まぁ、私が調べた限りの話だから真偽の程は分からないけどね。その裏にも誰かいるかも知れないわけだし…」


    最原「…うん、ありがとう教えてくれて」


    赤松「どういたしまして。それより、探偵事務所に案内してよ。」


    最原「…こないだ来たんじゃないの?」


    赤松「今度はお客さんとして招待して欲しいんだよ!」


    最原「…でも、あの日から改修工事があって…」


    赤松「えっ」


    最原「第一、僕たちの事務所どころかここら辺はほぼ全域修復活動に励んでるよ。色々壊されたから」


    赤松「あっ…あー…なんかごめんね?」


    最原「…とりあえず、みんなの所に行こうか」


    赤松「オッケー♪」
  94. 94 : : 2021/01/04(月) 09:05:30
    最原「…という訳で、この人が赤松楓さんの双子の妹の…」


    赤松「赤松椛でーす♪よろしくね⭐︎」


    春川「…春川魔姫」


    夢野「夢野秘密子じゃ」


    天海「天海蘭奈です!よろしくお願いします!」


    秋山「秋山神奈だよっ、そこのマキちゃんの大・親・友!」


    千田「千田陸斗、百田解斗の親友だった男だ」


    蘭馬「…天海蘭馬、天海蘭奈の姉だよ。一応」


    石蕗「…石蕗姫乃」


    剛将「剛将大輔」


    冥土森「冥土森隷名よ」


    綾小路「綾小路司だ」


    近衞「なんだよお前ら険悪かよ!!近衞ジョージだよろしく!」


    兵藤「おれっちは兵藤緋士、よろしくぅ!」


    嵐「嵐達臣だよ〜…ほら〜、みんな仲良く」


    爵堂「…まぁ、色々ありましたからね。爵堂侯夜です、よろしくお願いします」


    妾魔「これ以上喧嘩するなら全員一週間プァンタ漬けにするよ。あ、妾魔愛華だよ」


    「「「一週間プァンタ漬け」」」


    千田「すっげーパワーワード…」


    黒鉄「…えーっと、黒鉄進太郎です」


    ミライ『皆サンご存知超電子アイドル、ミライちゃんデッス!』


    黒鉄「…その無理やりなキャラ付けは?」


    ミライ『キャラ被りを避ける為の苦肉の策デス…人数増えまシタから』


    黒鉄「…あー」


    最原「…DICEのみんなはこれからどうするの?」


    剛将「…俺達は解さ」


    石蕗「解散しないよ、わたし達は…」


    冥土森「…みんなでこれから反省会ね。」


    近衞「報告、連絡、相談をしっかりしなかったから今回仲間割れみたいな事になった訳だからな」


    綾小路「暫くみんな肩肘張ってたからなぁ。全員昔と喋り方まるで違うし」


    妾魔「色々落ち着いたらまた連絡するよ…ありがとうね。それからごめんね、迷惑かけて」


    剛将「…ったく、お前は謝るなよ。愛華は何一つ悪くはねーんだから…むしろ悪いのはお」


    石蕗「全員、だよ。勝手に一人でみんなの分背負いこむな、キモチワルイ」


    剛将「おーおー、酷え言われよう…」


    石蕗「じゃあね、また今度…次に会う時は牢屋の中かな?」


    最原「なんで…」


    石蕗「嘘だよー。姫乃達は捕まったりしないからね、バイバーイ」


    そう言い残し、DICEのみんなは去っていった。
  95. 95 : : 2021/01/04(月) 09:16:25
    苗木「今回はありがとう、助けて貰った上に事件の解決に貢献してくれて」


    最原「いえ、そんな…僕たちはただ」


    霧切「謙遜する事はないわよ、あなたは元超高校級の探偵としてその責務を立派た果たしたわ」


    最原「…はは、そんなに褒めて貰えるなんて…光栄です」


    苗木「…皇永ゼツの身柄はこちらで拘束している。何か聞きたいことがあれば…」


    最原「いえ、その辺りの調査は苗木さん達に任せます。僕は今そういうのは…」


    苗木「…ごめん、少し無神経だったかな」


    最原「…」


    霧切「あなたの母親について、何か分かった事があればすぐ連絡するわ。だからそっちの事は任せてちょうだい」


    最原「はい、ありがとうございます。」


    苗木「…もしかしたら神座零はキミ達の事を狙ってくるかも知れない。それだけ気を付けて」


    最原「分かりました。それでは失礼します」




    霧切「…神座零、一体何者なのかしら」


    苗木「…あの日向クンと互角だったそうだからね…」


    あの後、どうやら霧切さんたちの所に現れたみたいだったけど、見るからに満身創痍って感じだったそうだ。


    苗木「…未だ、水面下でカムクラプロジェクトが施行されている、ということなのかな?」


    霧切「今のところは、なんとも言えないわね…早く皇永ゼツから情報を聞き出さないと…」


  96. 96 : : 2021/01/04(月) 09:29:54
    零「…」 


    初美『たぶん、椛ちゃんならチームダンガンロンパを乗っ取って全て終わらせようとするはずだからその手伝いをしてあげて?』


    零『…良いのか?』


    初美『わざわざ罪を被ってくれるって言うんだもん、邪魔する理由がないわ』


    零「…結局あんたの思い通りにはならなかったな、先生」


    ??「ここに居たんですか?早く社長の所に戻りましょう」


    零「…あぁ、そうだな」


    ??「何を妄想垂れ流してるんだか知りませんが、終わりませんよ。ダンガンロンパ(コロシアイエンターテイメント)は。ぼく達真の絶望がいる限りはね」


    零「…何を興奮している、オマエ」


    ??「…すみません、ぼくとした事が…彼の姿を見たことでつい…」


    零「早く行くぞ、オマエが呼んだんだろ?佐々木…いや、神座真(かむくら まこと)


    真「はい、それでは行きましょうか。」
  97. 97 : : 2021/01/04(月) 09:44:53
    日向「…痛っ」


    罪木「あぁ!すみません日向さん…大丈夫ですか?」


    日向「いや、大丈夫だ罪木…ありがとうな」


    狛枝「まさか、ここまでやられちゃうとはね…かつての絶望の象徴も形なしだよ」


    九頭龍「あぁ、オレ達じゃ全く歯が立たなかったからな…」


    左右田「また相手する時の為にオレらも腕を上げねーとな」


    終里「つっても、どこに敵がいるのかわかんねーんだろ?」


    ソニア「敵が海外にいる事はわかってるんです。こうなったらしらみ潰しで探していくしかありません!」


    田中「だが闇の聖母よ、敵が大地の上に君臨し続けているとは限らんぞ」


    御手洗「それじゃあ、海も空も可能性があるって事だよね?そんなのいくら探してもキリが…」


    日向「…神座零が本当の社長の手先だとするとそう遠くにいないはずだ。でないとあそこまで早く到着はできないだろうからな。」


    西園寺「…ってことは?」


    日向「…俺達は苗木達より広く捜査範囲を広げるだけで良いはず…まぁ、相手が俺の予想通りならの話だがな」


    小泉「…というと?」


    日向「相手も俺と同じ手術を受けてるなら、こちらの予想を上回ってくる可能性の方が高い。みんな、心してかかるぞ」


    「「「おー!!!」」」
  98. 98 : : 2021/01/04(月) 10:00:38
    篠宮「…こんな所に、こんな大きな組織が…?」


    暁「…すっごーい……」


    如月「はい、元々おれはここから派遣されて騒動の鎮圧に向かったって感じっすね」


    如月によって連れてこられた場所は、見るからに子供の頃思い描いた秘密基地のような内装だった


    不知火「なにそれ、ちょーカッコいいね」


    村井「…こんな大規模な組織がどうして今まで世間に知られずに済んだんですか?」


    如月「…まぁ、色々な偽作工作の賜物って訳っすよ。みんなー、ただいま戻りましたっすよー!」


    タッタッタッタッ


    如月「…あれ?」


    ??「とぅ」


    如月「ぐえっ」


    ??「何で勝手に言っちゃったの!?心配したんだから!」


    如月「ごめんごめん…分かったからちょっと離れて…」


    村井「…そちらの方は?」


    如月「あー、このロリっ子はおれと一緒に殺し合いを生き残った…超高校級のフルーティストの王一花(ワン・イーファ)っすよ」


    王「誰がロリっ子か!いちかでもイーファでも、好きな呼び方で良いよ、よろしく。ねぇ、この人たちがさっき言ってた新入り?」


    如月「そうだよ。まずリーダーの所に連れて行くから…」


    王「分かったー。」


    篠宮「…その、リーダーってのは?」


    如月「少し前まで一緒にチームダンガンロンパと戦っていた、最原終一の叔父っすよ」


    暁「…!」


    ドアを開けるとそこには髭を生やした壮年の男性が立っていた


    ??「よう、俺がここ新生未来機関のリーダーである最原結次(さいはら ゆうじ)だ。」


    結次「…表向きはただの学校だが、裏ではひっそり年甲斐もなく秘密基地をやってる。まぁ、同じく水面下で行動し続ける絶望に対抗する為の組織だ。今後ともよろしく頼む」
  99. 99 : : 2021/01/04(月) 10:14:10
    そうして、さらに数週間が過ぎた頃、ようやく街が元通りになってきた。


    赤松「と、いう訳で…」


    秋山「暫くお世話になりまーす!」


    蘭馬「よ、よろしく…!キラッ⭐︎」カァァァァ


    千田「おい、やめとけ…言い出しっぺがやってねー…恥かくだけだぞ」


    蘭馬「もう遅いよ…」


    春川「…どういう事?」


    最原「僕にも分からない…」


    夢野「…まぁ、仲間が増えるのは良い事ではないか!」


    天海「そ、そうですよ!賑やかでいいじゃないですか!」٩( ' ω ' )و


    黒鉄「すみません、チームダンガンロンパが無くなって行くあてがないので…」


    赤松「実を言うと彼もそこの社員だったからねえ」


    最原「そうだったんだ…」


    ミライ『ワタシ達もただ居候するのは申し訳ないので、精一杯働かせていただきマスね!』


    夢野「お主に限ってはなんやかんなで一番場所取っておるからのぅ!まったく、無駄に置き物増やしおって!」


    そこに佇んでいたのは物凄い大きなパソコンだった


    ミライ『む、無駄じゃありマセン!ここにワタシの本体が入っておりマスので!性能は今までで一番高いはずデスよ!』


    最原(なんだろう、この漂うポンコツ臭…流石キーボの妹だ)


    春川「…それより、最原…何か言うことあるんじゃない?」
     

    最原「あ…うん、そうだね。」


    最原「ようこそ、最原探偵事務所へ!」
  100. 100 : : 2021/01/04(月) 10:14:51
    To Be continued…
  101. 101 : : 2021/01/04(月) 10:16:00
    最後までこのような駄作に付き合っていただき誠にありがとうございます。


    実際に期待してる人がいるのかわかりませんが、次回作も乞うご期待ください!

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著者情報
mzb3zabdgy

悟りのさとりい

@mzb3zabdgy

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最原探偵事務所シリーズ リメイク版 シリーズ

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