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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレンを記憶ありでループさせてみた(タイトル募集中)

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  1. 1 : : 2019/11/13(水) 02:50:03
    「エレン!」

     俺を呼ぶその声と、パシュッパシュッ──と、立体機動装置のアンカーの射出音が微かに聴こえた。
     だが、また少し沈んでいくにつれその音も聴こえなくなり、聴こえるのは自分の鼻と口から発せられる、コポコポ──という空気が抜けていく音、そして魚が水を掻いて泳いでいく音だけになる。
     俺を呼んだ『誰か』の意思も関係なく、どんどん俺の身体は海の底へ向かって沈んでいく。
     身体の中の酸素が尽き、薄れゆく意識の中で今までの俺の記憶が新しい方から順に脳裏に浮かぶ。

     ──ああ、これがアルミンの言ってた《走馬灯》ってやつか…。

     ──最期まで皆には迷惑かけちまったな…。

     ──特にミカサとアルミンには精神的苦痛を、ヒストリアには大きな重荷を背負わせちまった…。

     ──でもこれで、これで良いんだ。父さんとクルーガーの言ったように、ミカサとアルミンを守れた。これであいつらは『自由』になれるんだ──。

     もう何も考える事はなく、無心で記憶を辿る。地鳴らしを発動させた時の記憶、ジークと《座標》に行った時の記憶、サシャが死んだ時の記憶、『エレン』が初めてマーレに上陸した時の記憶、『エレン』が初めて海を見た時の記憶、全てを知った時の記憶、ロッド・レイスに囚われた時の記憶────。

     そして記憶は物心つく前まで遡り、産まれたばかりの頃のものにたどり着いた。

     その記憶は長髪の男が赤子を抱きしめている姿で、その後ろ姿は、どこか後悔を噛み締めているような雰囲気だった。

    『エレン』

     ──父、さん…?

    『お前は、自由だ──』

     俺の意識は、そこで途切れた。

    ********************

    「ハッ──」

     目を覚ますと目の前には周囲の緑の風景と黒髪の女子の顔があった。ここ数年、毎日のように見てきた顔で、その顔には小さな微笑みを浮かべていた。

    「ミカサ……お前、髪が伸びてないか……?」
    「…そんなに寝ぼけるまで熟睡してたの?」
    「いやっ、なんかすっげー長い夢を見…て…」

     ──いや違う…これは夢なんかじゃなくて…。

    「エレン…どうして、泣いてるの?」
    「……え?」

    ********************

    「言うなよ、俺が泣いてたとか…」
    「言わない。……でも、急に涙が出てくるなんて、一度おじさんに診てもらったら?」
    「言えるか、そんな事」

     ミカサにぶっきらぼうに言い放ち、家までの道のりを歩く。本気で心配しているのは分かるのだが、だからこそ少々腹が立つ。
     そしてウォール・マリアからシガンシナ区へ入るための門を潜ろうとすると、そこに一人の兵士が立ちはだかった。
    「何泣いてんだあ、エレン。」
    「…ハンネスさん。俺は泣いてない」
    「またミカサに何か怒られたのか?」
    「はぁ?…って、酒臭っ」

     ハンネスさん──だけじゃない。ここの門兵の身体からはアルコール臭が漂い、真面目に仕事をしていないことが窺える。
     すると、ハンネスさんが「どうだ、お前らも一緒に」と誘われたので「じゃあ一口だけ」と誘いに乗り、一口飲ませてもらうことにした。

    「おっ、美味い……これ、結構高かっただろ?」
    「わかるかエレン。この酒、瓶一本で120シナもしたんだ」
    「はっ…そんな金があんなら家族のためにも使ってやれよ」
    「言うようになったじゃねえか、エレン」
     俺とハンネスさんはそう言って笑い合い、拳をこつん、と叩き合わせた。
    「じゃあそろそろ行くよ、ハンネスさん」
    「おう、気をつけて帰れよー」

     別れの言葉を交わし、終始ポカーンとしていたミカサを連れて帰路へ着いた。
     道中、ゴーンゴーン──という鐘の音が街中に響き渡り、調査兵団の帰還を告げた。

    「調査兵団が帰ってきたか…行くぞ、ミカサ」

     帰還した調査兵団の面々の状態は実に酷いものだった。
     頭などを怪我をして包帯を巻いている者、四肢が無くなっている者──。
     酷い顔だ。俺が初めて壁外調査から帰ってきた時も、こんな顔をしていたのだろうか。
     その時、民衆の中から一人の老婆が出てきて、キース団長に話しかけた。
    「……あの、息子のモーゼスが見当たらないのですが、一体どこにいるのでしょうか…?」
     それに対して、キース団長は、
    「モーゼスの母親だ、持ってこい」
     と、一言だけ団員に命じた。
     そしてその団員が持ってきた物は……腕。
     人間の、片腕だった。
  2. 2 : : 2019/11/13(水) 02:51:33
    「それしか、取り返せませんでした」
     キースと周囲の団員はそのまま俯いた。
     モーゼスの母親は、号泣しながら絶望したような目でキースを睨み、叫んだ。
    「でも、息子は……役に立ったんですよね……?何か直接の手柄はなくても、息子の死は、人類の反撃の糧となったんですよね…!?」
     その言葉にキースは一瞬絶句し、「もちろん!」と続けるがすぐに項垂れて言った。
    「いや…今回の調査で、いや、今回も……何の成果も、得られませんでしたっ!!!私が無能なばかりに、ただ悪戯に兵を死なせ!奴等の正体を!突き止めることが出来ませんでしたぁ──ッ!」

    「……帰るぞ、ミカサ」
    「う、うん」
     ──俺たちは『あの日』、何で残酷なことをしていたのだろうか。

     そのまま俺たちは無言で帰路へ着いた。家へ帰ると、母さんと父さんがいて、それぞれ家事と診療へ行く準備をしていた。
    「おかえりなさい」
    「遅かったのね、2人とも」
    「いや、まあ色々あって…」
     薪を木箱に入れ、食卓に着いて用意されていたシチューを食べる。
     だが幾ら待ってもミカサが俺が調査兵団に入りたいという旨を言及する様子がない──とそこで俺は思い出した。今回俺はそれらしい言動を全くしていない。ミカサが何も言わないのも当然。なので自分で言うことにした。

    「父さん、母さん、俺…調査兵団に入りたい」

     それを言った瞬間、母さんは顔を青くしながら俺に駆け寄り、肩を強めに掴んで叫んだ。

    「何を考えているの!?壁の外に出た人類が、どれだけ死んだか分かってるの!?」
    「ああ、分かってるよ」
    「……エレン、どうして外に出たいんだ?」
    「外の世界を見てみたい。巨人の謎を知りたい。『自由』に……なりたい」
     数秒、俺と父さんの視線が交差する。そして、視線を先に外したのは父さんだった。
    「そうか…船の時間だ。そろそろ行くよ」
    「父さん!エレンを説得して!」
    「カルラ、人間の探究心とは、そう簡単に抑えられる物ではないよ……エレン。」

     父さんは俺の名前を呼び、少し間を置いて言った。

    「帰ったらずっと秘密にしていた地下室を見せてやろう」

    『エレン・イェーガー』がいるであろう場所を見ながら。
  3. 3 : : 2019/11/13(水) 02:53:07
    力尽きました…。
    ここで好評なようなら、今度pixivの方で続き上げたいと思います。
    その時にはこのスレにURL貼るので、よろしくお願いします。
  4. 4 : : 2019/11/13(水) 03:17:06
    あ、進撃の世界の金の単位がわからなかったので「シナ」という単位を勝手に作りました。
    1シナ=100円と思っていただければ。
  5. 5 : : 2019/11/24(日) 09:09:10
    更新まだ?
  6. 6 : : 2019/11/25(月) 10:25:30
    >>5
    ここではもう更新する予定はありません。
    ここで取り敢えず評価を見て、良いようならpixivってサイトに載せる予定だったので。
    一応続きは考えてありますので今しばらくお待ちを…
  7. 7 : : 2019/11/25(月) 10:53:12
    シナって中国に対する差別語だから止めた方がいいぞ
  8. 8 : : 2019/11/25(月) 10:54:00
    エレンでやる意味ないだろこれ、支部でやった所で星2、3個付く程度で終わるわ
  9. 9 : : 2019/11/25(月) 11:00:43
    >>7 マジっすか…。

    >>8 まあそれならそれでいいんですが…。最新話と最後のコマ、最終回の音から妄想しただけの奴なんで…

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spica_yuuki

朝霧 紫織

@spica_yuuki

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