ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

リヴァイ「ペトラ、聞け。伝えたいことがある」These:真心

    • Good
    • 7

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/01/08(水) 21:40:54
    伝えたいことがあるシリーズの別冊的なお話。

    【リヴァイ×ペトラver.】

    自己満足ssになりそうです。
    ので、大人の話です(笑)

    お付き合いくださる方は、これを頭の隅っこに置いてやってください。別冊なので、のんびり更新です。
  2. 2 : : 2014/01/08(水) 21:42:21
    おお
  3. 3 : : 2014/01/08(水) 23:50:59
    >2
    エレアニさんコメントありがとうです!
  4. 4 : : 2014/01/08(水) 23:55:47

    リヴァイ「右に一体…左に二体…」


    ペトラ「兵長、増援を集めて来ました!」


    リヴァイ「ペトラ、お前は下の兵士を介抱しろ。 残りの全員は、右を支援しろ…」


    リヴァイ「俺は左を片づける…」


    ペトラ「へ…兵長ッッ!?」

    エルド「…!?」

    グンタ「っ!?」




    リヴァイは退却後、エルヴィンに呼ばれて部屋に出向いていた。


    廊下を歩きながら、その日死んでいった部下の顔を思い出しては、彼らの想いと死に際を、自身の心の安らかな部分に弔っていた。



    「最後まで聞いたのか?こいつは…」


    「ええ、きっと。だって…」

    「安心したように眠っている…」



    こう言ったのは確か…と思い返すリヴァイの頭の中に、ペトラ・ラルの名前が浮かんだ。
  5. 5 : : 2014/01/09(木) 01:16:08
    エルヴィンの部屋に入っていくと、既にハンジとミケ、その他分隊長らが集まっていた。


    ハンジ「あ、リヴァイ最後だ」


    リヴァイ「…」


    ミケ「…スンスン…女の匂い…?」


    リヴァイ「は?」


    ハンジ「えっ、リヴァイから女の匂い?リヴァイ今日は女なの?」


    リヴァイ「日替りなわけねぇだろクソメガネ…」


    ミケ「…スンスン…」


    エルヴィン「…みんな、揃ったな?」


    リヴァイ「ちっ…」


    エルヴィン「それでは、私から一通り作戦内容と目的について説明する。質問は後ほど受け付ける」



    エルヴィンが作戦について説明を始めると、次第に他幹部が顔を曇らせ始めた。


    リヴァイ「…おい、エル…」


    ミケ「リヴァイ、残念だがまだエルヴィンの説明が終わっていない」


    リヴァイ「…」


    リヴァイは、この作戦にエルヴィンがどんな成果を見込んでいるのか、全く想像ができなかった。
  6. 6 : : 2014/01/09(木) 01:55:28
    ペトラは宿舎に戻って、エルド、グンタ、オルオに今日のリヴァイの姿について力説していた。


    ペトラ「…お前の残したその意志が、俺に力を与える…約束しよう!!俺は必ず!!巨人を絶滅させる!!」


    グンタ「おおー!!」


    エルド「名演技だな!!」


    グンタとエルドの拍手喝采を受け、満足げなペトラ。


    オルオ「まあ俺が見ていれば、もっと忠実に情熱的に再現できたがな!!」


    亡くなった兵士役のオルオの言葉を無視し、ペトラは嬉しそうに話し続ける。


    ペトラ「リヴァイ兵長ってすごく仲間思いだなって、改めて実感したなぁ…」


    グンタ「いつも近寄りがたい雰囲気なのに、いざとなったら熱い」


    エルド「ギャップに惚れるよな」


    オルオ「俺と似たような傾向だな」


    ペトラ「また一緒に戦えるかなぁ…」


    オルオ「俺も忘れるなよ?お前を助けられるのは俺しかいねぇんだぞ?」


    ペトラ「もうオルオうるさい…」


    ペトラは溜め息をついた。


    ペトラ「また、ペトラって、呼んでほしいな…」


    グンタ「ははっ…ペトラはリヴァイ兵長にゾッコンだな」


    エルド「可愛いな、ペトラは」


    ペトラ「そ、そんなんじゃないっ!!私は兵士として…」


    オルオ「ムキになる所もいじらしいな」


    ペトラ「…オルオ気持ち悪い」
  7. 7 : : 2014/01/09(木) 03:16:22
    リヴァイは会議が終わった後も、エルヴィンの部屋に残っていた。


    エルヴィン「そんなにこの作戦が気に入らないのか?リヴァイ?」


    エルヴィンはさもショックだという顔をした。


    リヴァイ「…俺はお前の判断には従う」


    エルヴィン「じゃあ何故ずっと私の部屋で悶々としているんだ?」


    エルヴィン「気になることがあるなら言え」


    リヴァイは腕組みをしてイライラと眉間にシワを寄せていたが、やがて口を開いた。


    リヴァイ「…地下街に俺の部下を連れて行くのが気に入らねぇ」


    エルヴィン「…?」


    リヴァイ「巨人を倒すために地下を利用するっていうお前の考えは理解できる…巨人の生態から考えても、新たな壁外調査航路の開拓案としても…」


    リヴァイ「だが、ただ地下に調査設備やら通路を設けただけじゃあ、成果は上げられねぇ」


    リヴァイ「地下街っていう環境を、まともな兵士が扱えると…本当に思ってんのか?」


    リヴァイ「そんなことは、俺を地下街から引き摺り出してきたお前が、一番よく分かってるはずだろうが…」


    エルヴィンは黙ってリヴァイの言葉を聞いていた。


    リヴァイ「…いいか、あそこは普通じゃねぇ。腐った性根持った人間の巣窟だ。ある意味巨人よりたちが悪ぃ…」


    リヴァイ「お前だって、部下を人間に殺され、殺させたくはねぇだろう…エルヴィン」



    エルヴィンはリヴァイが話し終えてからも、しばらく静かに考えていた。


    そして、ぽつりと一言洩らした。


    エルヴィン「…すまなかった、リヴァイ」



    リヴァイはエルヴィンの目に、その誠実さを確認した。


    リヴァイ「…さっきも言ったが、俺はお前に従う」


    リヴァイ「別に降りもしねぇし、仕事はきっちりやってやる。俺以外の適任もいねぇしな…」


    リヴァイ「まあただ、感想を言ったまでだ…」


    リヴァイは部屋を後にした。
  8. 8 : : 2014/01/09(木) 04:53:08
    ペトラたち一般の調査兵団員に、地下街調査計画が伝えられたのは、幹部会議後程なくしてからだった。


    グンタ「俺たちは壁外調査をする兵士じゃなかったのかよ…」


    エルド「地下街調査ってなんか語呂もいいし、冗談かなんかだろ…?」


    ペトラ「地下街って、かなり危ない所なんじゃないの?」


    オルオ「怖かったら、俺の胸に飛び込んで来ても構わんぞ?ペトラ」


    ペトラ「あっそ」


    グンタ「でも、行くのは選ばれた兵士だけらしいな」


    エルド「そうなのか」


    ペトラ「もし選ばれたら、リヴァイ兵長に会えるかな…」


    オルオ「リヴァイ兵長がそんなジメっぽいとこ行くかよ?」


    グンタ「分からないが…今週中にはメンバーが発表されるんじゃないか」


    エルド「かえって壁外よりも怖そうだよな」


    ペトラ「無法地帯だもんね…」


    オルオ「全員選ばれた暁には、俺が引導してやらんこともない」


    グンタ「オルオだけ選ばれろよ」


    エルド「がんばれオルオ」


    ペトラ「帰って来なくてもいいよ」


    オルオ「素直じゃねぇな、照れんなって。お前ら」


    エルド「お前ポジティブすぎるだろ…」
  9. 9 : : 2014/01/09(木) 10:15:55
    エルヴィンら幹部は、地下街調査に出る兵士の選抜をしていた。


    ハンジ「この子どう?モブリットっていう素直そうで可愛げな青年!」


    ミケ「難しいな…戦績がいい兵士が必ずしも適しているとは限らんし…」


    エルヴィン「その辺は、リヴァイに訊いてくれた方が確実だな」


    リヴァイ「丸投げかよ」


    ハンジ「全部で何人?」


    エルヴィン「初回だからな、様子見で4、5名程でいいだろう」


    ミケ「グンタ・シュルツ…なかなか強そうな匂いがする…採用」


    リヴァイ「どっから匂いすんだよ」


    エルヴィン「オルオくんは戦績も素晴らしいし、いい感じだな」


    ミケ「リヴァイは誰かいないのか?」


    リヴァイ「ああ?そうだな…じゃあこいつ、エルド・ジン。…勘だが」


    ハンジ「リヴァイ、この子は?討伐補佐数すごいよ!」


    リヴァイ「…?」


    ハンジはリスト上のペトラ・ラルの名前を指差した。


    リヴァイ「…」


    リヴァイはリストを押し戻した。


    リヴァイ「…女は極力避けたい」


    ハンジ「あー、そうだよね…強姦に遭わないとも限らないしね…って、私は?」


    リヴァイ「てめぇはどっちかよく分からねぇんだから、気にするな」


    ハンジ「ひでぇ」


    エルヴィン「ではこのメンバーで通達する、担当は一人につき一人でいく。以上だ」


    リヴァイ「結局大した意見は求めずに決めたよな…お前ら」
  10. 10 : : 2014/01/09(木) 12:06:57
    期待
  11. 11 : : 2014/01/09(木) 13:15:30
    数日後、地下街調査選抜メンバーが発表された。


    グンタ「うおっ!?俺の名前あるし…ミケ分隊長につけって」


    オルオ「俺はエルヴィン団長につくのか。腕が鳴るぜ…」


    エルド「リヴァイ兵長とか何の冗談だよ…!?」


    ペトラ「何で私だけ…」


    ペトラが落ち込む。


    グンタ「よく見れば全員男だ、もともとの条件かもしれん…」


    エルド「たしかに、地下街に女の子が行くのはな…ペトラ」


    オルオ「あれだ、俺の帰りを甲斐甲斐しく待っててくれたらいい」


    ペトラ「リヴァイ兵長も行くんだ…」


    エルド「何か言伝てがあったら伝えるからな?」


    ペトラ「ありがとう、エルド…ちょっと考えてみる」


    ペトラは掲示板のリヴァイの名前を食い入るように見つめた。
  12. 12 : : 2014/01/09(木) 14:18:45
    >進撃の巨人人類最後の翼 さん

    わーい!ありがとうございます!!
  13. 13 : : 2014/01/09(木) 14:21:15
    地下街調査出立の日。調査団員は正午に会議室に集められた。


    エルヴィン「今日は半日程度を使って、皆には地下街の状態を調べてきてもらう」


    エルヴィン「担当は先日内示された通りだ」


    エルヴィン「まず、私とオルオ・ボサド団員は、北側通路を中心に探索する」


    エルヴィン「ミケ分隊長とグンタ・シュルツ団員は、西側通路を」


    エルヴィン「ハンジ分隊長とモブリット団員は、東側通路を」


    ハンジ「よろしくねモブリット!」


    モブリット「は、はい!」


    エルヴィン「そして、リヴァイ兵士長とエルド・ジン団員は、南側通路を頼む」


    リヴァイ「…」


    エルヴィン「今回は初の調査であるから、生きて出てくればまずはそれでいい」


    エルド「生きて出てくればって…」


    エルヴィン「調査項目は、この紙にまとめてある。各自目を通しておくように」


    エルヴィン「何か不安なことがあれば、リヴァイに訊いてくれ」


    グンタ「リヴァイ兵長に…?」


    エルヴィン「それでは、出陣する。心臓を捧げよ!!」



    一同「はっ!!!」
  14. 14 : : 2014/01/09(木) 15:27:26
    調査出立の日、地下街調査以外の全ての団員には休暇が与えられた。


    ペトラ「エルドたちみんないないと、変な感じする…」


    ペトラは昼食後、一人お茶を入れぼんやりしていた。


    ペトラ「…みんなに、何かお菓子でも作ってあげとこうかな…」


    ペトラ「…ちょっとだし、兵服のままでいっか」


    ペトラは彼らの帰還祝いの準備材料を調達するため、街へと繰り出した。



    久々にやって来る街は、少しずつウォール・マリアの惨劇から立ち直りつつあるのか、以前に劣らない活気があった。


    ペトラ「…みんな何が食べたいだろう」


    ペトラはふらふらと人混みを縫って歩く。


    とその時、ある古い酒屋の前を通りすぎようとしたペトラは、その酒屋の中から人が一人出てくるのを目にした。


    ペトラ「あれ…憲兵…?」


    その中年憲兵は、酒でも煽ってきたのか、目がゆらゆら揺れている。


    ペトラ「昼間っから羽振りがいいわね、憲兵様は…」


    ペトラは呆れたような眼差しを憲兵に向ける。


    すると、中年憲兵は辺りをちらちら見回して、すぐ脇の暗い商店街に入って行った。


    ペトラ「…?」


    ペトラは何か違和感を感じ、気がつけばそっと彼の後をつけていた。


    ペトラ「あれ…確かにこっちの方に…」


    ペトラは先程とはうって変わって、人のいない通りをきょろきょろと見回した。



    「おい…お前、何の真似だ…」



    ペトラがハッとして後ろを振り向くと、いつの間にか中年憲兵がペトラを睨んで立っている。


    ペトラ「…!?」


    憲兵「調査兵団ごときが…俺たちの邪魔するんじゃねぇよ…」


    ペトラ「…何の話?」


    ペトラはキッと憲兵を見つめる。

    憲兵はその表情を見てニヤリと笑った。


    憲兵「…しらを切るつもりか、本当に何も知らねぇのか…」


    憲兵はペトラの顔を手で掴んで引き寄せた。


    憲兵「怪しい芽はつぶさねぇとな…」


    その瞬間、ペトラは自分の腰に回りそうになっていた憲兵の腕を掴み、捻りあげた。


    ペトラ「私も一応、兵士なの。なめた真似しないで」


    憲兵「…ふん、盛んな猫だな…嫌いじゃねぇぜ?」


    と、その時、ペトラの後頭部に衝撃が走った。


    ペトラ「…っ…!?」


    ペトラはそのまま地面に崩す折れた。
  15. 15 : : 2014/01/09(木) 16:06:40
    ペトラ!! 期待( ̄^ ̄)ゞ
  16. 16 : : 2014/01/09(木) 16:32:20
    >ミルク兵長 さん

    感謝です!敬意を!!
  17. 17 : : 2014/01/09(木) 16:32:49
    面白い!
    大期待です♪───O(≧∇≦)O────♪
  18. 18 : : 2014/01/09(木) 16:34:59
    リヴァイはエルドを率いて、南側通路に潜入していた。


    エルド「…寒い…」


    リヴァイ「…日が当たらねぇしな…」


    エルドはほとんど廃墟に近い建物の奥から時折見える、獣のような目を確認した。


    リヴァイ「…おい、あんまり見るな」


    エルド「…!」


    リヴァイ「…兵士であっても、自分より弱けりゃ何でもする…できるなら関わらない方がいい奴らだ…」


    エルド「この通りには…まだ人がいるのですか?」


    リヴァイは少し間をおいてから囁く。


    リヴァイ「俺たちが今いるこの南側通路は通称、"壁外"と呼ばれている」


    エルド「えっ…!?」


    リヴァイ「盗人よりも殺し屋の類が多い通路だ…下手すりゃ殺られる」


    リヴァイ「それから、いろんな取引の会場としても有名だ…」


    エルド「…取引とは…?」


    リヴァイはちらっと後ろを見遣る。


    リヴァイ「…お偉方、まあ憲兵相手が多いな」


    エルド「…っ!憲兵!?」


    リヴァイ「だから敢えて憲兵も野放しにしてやがるのが…ここ地下街だ」



    エルドはしばらく絶句した。
  19. 19 : : 2014/01/09(木) 16:37:01
    >進撃の阪神 さん

    いつもお名前見ております!嬉しいです!!
  20. 20 : : 2014/01/09(木) 17:05:17
    面白い!!ペトラさぁぁん><
  21. 21 : : 2014/01/09(木) 17:07:55
    ペトラは頭の激痛で目を覚ました。


    ペトラ「…ここは…」


    暗く、寒い部屋の一室である。

    カビのような臭いと、煙草の臭いが入り混じっていて気分が悪い。


    見ると、両手足には手錠を掛けられている。


    ペトラ「何っ…!?これ…っ!?」


    ペトラが起きたのに気づいた中年憲兵が、物陰の中から出てきて、彼女の倒れている床にしゃがみこんだ。


    憲兵「やっと起きたか、姉ちゃん」


    ペトラ「…!!」


    憲兵「お前が俺たちの仕事を邪魔するから、こんな目に遭うんだぜ?」


    ペトラ「仕事…?何を…っ…んっ…!?」


    憲兵はペトラの髪を撫で、首筋をなぞった。


    憲兵「お前…名前は」


    ペトラ「…」


    憲兵「ふん…可愛いなその顔…」


    ペトラは憲兵から顔を反らす。


    憲兵「…お前、好きな男はいるか?」


    ペトラ「…?」


    この時ペトラの頭の中に突然、さっきまで緊張で忘れていた様々な顔が浮かんだ。


    エルド…

    グンタ…

    オルオ…


    …リヴァイ兵長…



    憲兵「もしいたら…すまねぇな」


    憲兵は腰からナイフを取り出し、ペトラの上着を裂きだした。


    ペトラ「…!?やめ…」


    憲兵はペトラの口に、裂いた衣服を詰め込んだ。


    憲兵「調査兵団…ペトラ・ラル、か」


    憲兵はペトラのシャツの刺繍を指でなぞり、呟いた。
  22. 22 : : 2014/01/09(木) 17:10:06
    >シンゲキックス さん

    感激です!!憲兵いかんやつです!(笑)
  23. 23 : : 2014/01/09(木) 17:11:53
    注意です。
    憲兵はナイルさんではありません。

    もう一度言います。
    ナイルさんではありません(笑)

    ナイルさんはいい人です。
  24. 24 : : 2014/01/09(木) 17:18:00
    リヴァイは慣れた様子で暗がりを進んでいく。


    エルドは時折躓きながら、その背中を追った。


    エルド「…リヴァイ兵長」


    リヴァイ「…何だ」


    エルド「兵長は…地下街にお詳しいんですか?」


    リヴァイはエルドのその質問の意図を汲んでか、急にエルドを振り返った。エルドは狼狽える。


    エルド「…あ、あの、失礼な質問でした…申し訳ありません…」


    リヴァイ「…」


    リヴァイ「…いや」


    リヴァイ「俺がこの場所に詳しいのは…」



    リヴァイ「俺が地下街上がりだからだ」


    エルド「…!?」



    と、その時、ふとリヴァイが足を止めた。


    リヴァイ「…」


    エルド「…兵長…?」


    リヴァイ「エルド…耳を澄ませ」


    二人はじっと聞き耳を立てた。


    そして程なく、エルドがハッとしてリヴァイを見た。


    エルド「兵長…!この声は、おそらく…」


    リヴァイ「…やっぱりか」


    リヴァイはさっと周囲を見渡した。



    リヴァイ「ペトラ…」
  25. 25 : : 2014/01/09(木) 17:34:40
    ハンジはモブリットに、最近の巨人研究について延々と話し続けていた。


    モブリット(…ハンジ分隊長って、ちょっと変わってらっしゃるのかな…)


    モブリット(でも、僕たちのいる東側通路、なんか思ってたより普通なんだよな…)


    モブリット(もっとこう…ゾンビっぽいのとか…)


    モブリット(ハッ!いけないいけない!!安全第一モブリット!!)


    モブリット(とにかく、ハンジ分隊長がうっかりどこか行かれてしまわないように、ちゃんと話を聞いていよう…)
  26. 26 : : 2014/01/09(木) 18:08:40
    ペトラはその頃、憲兵に馬乗りに組み敷かれていた。


    憲兵「ペトラ…」


    憲兵はペトラのシャツの中に手を入れ、その膨らみと突起を弄ぶ。


    ペトラ(…っ)


    憲兵「ペトラ、お前、初めてか?ああ?」


    憲兵は口を塞がれているペトラに話し掛ける。



    ペトラ(…気安く名前呼ばないでよ)


    ペトラ(私がペトラって呼んでほしいのは…あんたなんかじゃ…)



    憲兵「ふん…残念だったなぁ…好きな男とやりたかっただろ…?」


    憲兵「こんなに固くして…恥ずかしいなぁ、ペトラ」


    憲兵はペトラの最後のシャツも裂いた。


    ペトラ「ううっ!!うっ!!」


    憲兵「黙ってろ…取引が始まるまでに、俺が解しといてやる…」


    ペトラ(取引…だから何よそれ…っ)


    憲兵はペトラの白い豊かな胸に顔を埋めた。
  27. 27 : : 2014/01/09(木) 18:20:54
    ペトラァァアア!!!
  28. 28 : : 2014/01/09(木) 18:22:37
    リヴァイはチッと舌打ちして、エルドに向き直った。


    リヴァイ「お前はエルヴィンに伝達しろ…」


    リヴァイ「このまま真っ直ぐ脇目も振らずに走りゃあ、すぐ地上に出る」


    リヴァイ「そしたら、北側入口に向かって地上をもう一度走れ。そろそろエルヴィンたちは上がってくるはずだ…北はそれなりに危ねぇが、短けぇからな」


    エルド「リヴァイ兵長は…」


    リヴァイ「…俺はペトラを連れて帰る」


    リヴァイは心配そうなエルドの顔を見て鼻を鳴らした。


    リヴァイ「すぐ見つかる…ここに関しては…俺はもともと結構詳しい」


    エルドを見送ったリヴァイは、真っ直ぐにとある建物を目指した。


    リヴァイ(おおかた、憲兵か…)


    リヴァイ(…クソが…)
  29. 29 : : 2014/01/09(木) 18:23:50
    期待です!!!
  30. 30 : : 2014/01/09(木) 18:26:48
    >由貴さん、美笠さん

    ありがとうございますっ!クライマックスです!!
  31. 31 : : 2014/01/09(木) 18:29:21
    ミケとグンタは、こちらも特に問題なく、しっかり調査を遂行し、やがて出口付近である。


    グンタ「何も危ないことがなくて良かったですね」


    ミケ「西は比較的平和らしいからな、リヴァイいわく…スンスン…?」


    グンタ「分隊長?どうされましたか?」


    ミケはしばらく空気をかぎ分けていたが、やがて呟いた。


    ミケ「…リヴァイとエルドが離れている…」


    グンタ「ええっ!?」


    ミケ「…エルドは地上にいるが…」


    ミケ「リヴァイは…まだ南側にいる…スンスン…」


    グンタ「どういうことでしょう…?」


    ミケ「スンスン…」


    ミケ「…女…?」


    グンタ「…?」


    ミケ「…これは…前に会議の時…リヴァイからした…」


    ミケは毅然とした面持ちで、グンタを見た。


    ミケ「地上に出る。エルヴィンと合流する」
  32. 32 : : 2014/01/09(木) 18:34:40
    憲兵はペトラの乳房を揉みしだいては、その小さな突起を口の中で転がす。


    ペトラ「…っ!!…んっっ!!」


    ペトラは身をよじって逃れようとする。


    憲兵「ペトラ…いい表情だぜ…?」


    憲兵「好きな男以外にされる気持ち、教えてくれよ?」


    憲兵「お前は辱しめを受ける…もっと居心地いい所で遊んでやる…」


    憲兵「調査兵団なんて、誰がいつ死んだって構わねぇんだろ?」



    ペトラはその言葉に、心が激しく痛んだ。


    ペトラ(…誰が…)


    ペトラ(誰が…死んだって構わないって言うの…っ!)


    ペトラ(私たちが…どんな思いで戦っているかも…)


    ペトラ(あんたたちは知らないで…っ!!)



    憲兵はさらに、ペトラのベルトを外し出した。


    憲兵「足も手錠かけちまったからまた裂くが、許せよ?」


    憲兵はペトラの太ももをなぞる。


    ペトラ「…っ!!」
  33. 33 : : 2014/01/09(木) 18:34:46
    憲兵削いでやる…
  34. 34 : : 2014/01/09(木) 18:36:51
    >シンゲキックス さん

    同感です、書いてて殺意を覚えました…
  35. 35 : : 2014/01/09(木) 18:41:24
    エルヴィンとオルオはちょうど地上に出たところだった。


    なぜか息の荒い二人。


    オルオ「エルヴィン団長…奴ら…なかなかの曲者でしたね…」


    エルヴィン「全くだ…」


    オルオ「子どもかと思って話し掛けたら…」


    エルヴィン「食べ物をくれと言われ…」


    オルオ「さらにはお父さんお母さんがほしいと言われ…」


    エルヴィン「銃を向けられた…」


    オルオ「なぜに…」


    エルヴィン「しかも彼らには…」


    オルオ「足がなかった…」


    エルヴィン「やっと振り切ったが…」


    オルオ「リヴァイ兵長…生身以外の人間がいるなんて教えてくださらなかった…」


    エルヴィン「リヴァイ…許さん…」



    と、その時、遠くからエルドが全速力で駆けてきた。


    オルオ「エルド?」


    エルヴィン「なぜ彼は一人なんだ?」


    エルド「団長!!ご報告が!!」


    エルヴィン「…?」
  36. 36 : : 2014/01/09(木) 18:48:21
    リヴァイは建物の中の様子に耳を傾けていた。


    リヴァイ(ここだな…)


    そして彼は立体起動装置のアンカーを発射し、静かに建物の屋根に飛び乗った。


    リヴァイ(…ったく…)


    リヴァイ(わざわざ止めて…)


    リヴァイ(お前は連れて行かせなかったんだが…)


    リヴァイはひび割れた硝子窓から中へ飛び込み、トンっ、と着地する。


    リヴァイ(ちっ…汚ねぇな、畜生…)
  37. 37 : : 2014/01/09(木) 18:52:34
    エルヴィン、オルオ、エルドは南側通路入口を目指して急いだ。


    エルヴィン「リヴァイがいるならば、まだ命は助かる可能性も十分にあるが…」


    エルド「リヴァイ兵長、間に合うでしょうか…?」


    オルオ「ペトラァァァっ…うっ…なんでお前が…っ…」


    エルド「お前が泣いたところで何も解決しないだろうが!!」


    オルオ「だけどよぉ…」


    すると前方から、ミケとグンタが姿を現した。


    エルヴィン「ミケ!ちょうど良かった」


    ミケ「リヴァイが…危険かも知れん…あと」


    ミケ「女がいる…」


    エルヴィン「さすがだミケ、そういうことだ。行くぞ!」


    グンタ「どういうことだよエルド!?」


    エルド「そういうことだ!!」


    グンタ「マジかよ…」
  38. 38 : : 2014/01/09(木) 18:56:43
    期待!
  39. 39 : : 2014/01/09(木) 18:58:39
    >蘭々@アニ さん

    ありがとうございますっ!敬礼!!
  40. 40 : : 2014/01/09(木) 18:59:35
    >>39
    それほどのことでもありません!
    本当に期待!
  41. 41 : : 2014/01/09(木) 19:05:23
    憲兵はペトラの下着を裂いてしまったところで、天井から物音が聞こえたような気がして、一旦その手を止めた。


    憲兵「…」


    ペトラ(…)


    ペトラは寒さに耐えながら、どうにか逃げる方法を考えていた。



    憲兵「…気のせいか」


    憲兵「ちょっと気分が下がっちまったか?ペトラ…」


    ペトラ「…」


    憲兵「寒そうな格好だな。まあ俺がしたのか」


    憲兵はペトラの裸体を舐めるように見た。そしてポケットから小瓶を取り出し、アルコールを煽る。


    ペトラは目を反らして耐える。


    憲兵「ペトラ、そういえばお前、泣かねぇな…」


    憲兵「泣き顔もそそるだろうなぁ、ペトラは」


    そう言うと、憲兵は自身のベルトを解きはじめた。


    憲兵「おっと、まだここの様子は見てなかったな?」


    憲兵は脱ぐのをやめ、ペトラの下半身に手を伸ばす。


    憲兵「早まっちまったら、ペトラも気持ちよくねぇもんな?」


    ペトラはぎりぎりと歯を食いしばった。



    「おい」



    憲兵とペトラはハッとして声のした方を振り返る。


    ペトラ「…!!」



    リヴァイがブレードを構え、憲兵を睨んで立っていた。



    リヴァイ「おい…」



    リヴァイ「その女…俺の部下なんだが」
  42. 42 : : 2014/01/09(木) 19:12:38
    仕事駆逐してきます!

    続きは後ほど!!
  43. 43 : : 2014/01/09(木) 19:19:40
    続き気になります!お仕事頑張って下さい!
  44. 44 : : 2014/01/09(木) 19:26:17
    >美笠 さん

    ありがとうございます!心臓はリヴァイに捧げつつがんばります!(笑)
  45. 45 : : 2014/01/09(木) 19:37:39
    リヴァイ!!いけぇ!!
    良い話だわ!!続きが気になるな~
  46. 46 : : 2014/01/09(木) 20:40:08
    期待!!
    頑張って下さい(*´ー`*)
  47. 47 : : 2014/01/10(金) 16:45:49
    >両儀式 さん
    >由貴 さん

    元気出ました!がんばります!!
  48. 48 : : 2014/01/10(金) 16:46:26
    ぼちぼち再開です。
  49. 49 : : 2014/01/10(金) 16:50:09
    憲兵はリヴァイを、苦々しげに一瞥した。


    憲兵「…これはこれは、兵士長殿」


    地下の空気よりも、さらに冷えた口調で言い放つ。



    ペトラ(…ほんとに…)


    ペトラ(…ほんとに兵長…が…)



    憲兵「あんたがわざわざここまで出向くってことは、この女、さぞかし値が張るんだろうな」


    憲兵「ふん…全く、運が悪いぜ…」


    時間の感覚も失われたその場所で、彼らが探るのは互いの腹の内だけである。


    リヴァイ「てめぇら憲兵がここに来るのは、どうせこそこそと妙な約束事を結びたい時だけだ」


    リヴァイは憲兵を見据える。


    リヴァイ「残念だが、俺はそれに関して何の興味も関心もねぇ…やりたきゃ勝手にやれ」


    リヴァイ「勝手にやってくれねぇから、俺がお前の邪魔をすることになるんだ…」


    リヴァイ「てめぇらの遊びの余興で、他人の部下を軽々しく扱うんじゃねぇ」
  50. 50 : : 2014/01/10(金) 17:04:49
    >>19
    私の名前を知ってるなんて。。。
    ありがたすぎる!!!

    後、超絶期待*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
  51. 51 : : 2014/01/10(金) 17:06:58
    憲兵はイライラと目を細める。


    憲兵「部下、か。聞いて呆れるな」


    憲兵「ろくでもねぇ生まれのあんたが、巨人相手に無敵のヒーローか?」


    憲兵「…今のあんたの顔、なかなか壮快だぜ?」


    憲兵「…古巣に帰ってきて、楽しくて仕方ねぇんだろ?兵士長さんよ?」



    ペトラ(…古巣…?)



    リヴァイは刃を向けたまま微動だにしない。



    ペトラ(こいつは…)


    ペトラ(何を言ってるの…?)



    リヴァイ「…言いたいことはそれだけか?」


    リヴァイ「まあ、まだまだ色々文句もだろうが…」


    リヴァイ「お前も俺も、お互い用はねぇだろう」


    憲兵はフッ、と鼻で笑う。


    憲兵「あんた…誰かに惚れたこと、あるか?」
  52. 52 : : 2014/01/10(金) 17:12:54
    一匹残らず、憲☆兵☆駆☆逐!

    あと、期待!
  53. 53 : : 2014/01/10(金) 17:41:24
    >エレアニ さん

    駆逐兵団結成!!

    ありがとうございます!
  54. 54 : : 2014/01/10(金) 17:44:30
    リヴァイは表情を変えない。


    憲兵「なあ?俺はあるぜ…?」


    憲兵「苦しいもんだよな?」


    憲兵「そいつが危なっかしくて見てられねぇなら尚更だ…」


    リヴァイ「…お前が一体何の話をしてやがるのか、俺にはさっぱり分からねぇが」


    憲兵「あんたたちみてぇに、どんなに人が死のうが、平気で次から次へと戦場へ兵士をつぎ込む人間には分かるわけねぇな?ああ?」


    リヴァイ「…」


    憲兵「…俺はな?あんたたち調査兵団の壁外調査を潰したいんだ…永遠的にな」


    憲兵「今日の取引次第だったんだが…とんだ邪魔が入ったもんで、大きく予定の修正をすることになるが…」


    憲兵「あんたたちを潰す考えは変わらねぇ」


    憲兵「調査兵団がどれだけ偉いか知らんが…」


    憲兵「…人を殺した奴がその態度か?」
  55. 55 : : 2014/01/10(金) 17:56:26
    兵長すげーかっこいい!
  56. 56 : : 2014/01/10(金) 18:33:49
    >3k猫 さん

    リヴァイはやっぱり男ですよね!
  57. 57 : : 2014/01/10(金) 18:35:09
    3人の間に重々しい空気が流れた。


    リヴァイ「…俺が」


    リヴァイは静かに口を開いた。


    リヴァイ「…もし俺が、お前の大事な人間を守りきれず殺してたとしたら」


    リヴァイ「それは俺が背負うべき宿命だ」


    憲兵はリヴァイの言葉に、乾いた笑いを漏らした。


    憲兵「…リヴァイ兵士長」


    憲兵「あんた、この女に惚れてるか?」


    その時、リヴァイの背後から拳銃を向ける音がした。
  58. 58 : : 2014/01/10(金) 18:51:55
    兵長逃げて。・゜・(ノД`)・゜・。
  59. 59 : : 2014/01/10(金) 18:53:36
    いつの間にかリヴァイの背後に現れた男は、そのまま黙ってリヴァイの後頭部に銃口を押し充てる。


    憲兵「…振り向くんじゃねぇぜ?兵士長殿…」


    リヴァイ「…」


    ペトラ(兵長…!)


    憲兵は動かないリヴァイを見て嘲笑う。


    憲兵「…俺は取引の前に、この女…ペトラを俺のものにする。よーく目に焼き付けることだな…」


    そう言って憲兵はペトラに跨がり、その胸をわし掴んだ。


    ペトラ「っ!!」


    憲兵「あんたがペトラに惚れてることを祈るぜ…?リヴァイ兵士長」
  60. 60 : : 2014/01/10(金) 19:16:28
    エルヴィンたちは南側通路入口へとひた走る。


    エルド「間に合ってくれよ…!ペトラ!!」


    オルオ「…っうっ…!!ペトラァァァっ…!!!」


    グンタ「ミケ分隊長、リヴァイ兵長たちの匂いは…」


    ミケ「ああ、近づいている…!」


    街の人間たちは、彼らのそのただならぬ様子に道を空ける。


    エルド「やはり地上を回ると時間を食うな…」


    エルヴィン「…急がば回れだ。土地の者ですら、地下は迷宮だと言う…必ずしも北から直進すれば南側にたどり着く、という地形でもないらしい…」


    エルド「…っ…兵長…!!どうかご無事で…!!」


    エルドはぎりぎりと歯を食いしばった。



    そんな彼らを、とある兵士が偶然目撃していた。
  61. 61 : : 2014/01/10(金) 19:37:39
    リヴァイは眉間に深いシワを刻んで憲兵を睨んでいた。

    しかしその目には、先程までにはなかった黒い光が宿っている。


    リヴァイ「…ペトラ」


    リヴァイ「…寒かっただろう」


    リヴァイ「俺は今から少しの間、昔の俺に還るが…」


    突然リヴァイは恐ろしい速さと力で背後の男を蹴り倒した。


    そしてその腕を踏みつけ、刃で指を落とした。


    地下街に男の悲鳴が響き渡る。


    リヴァイ「…指くらいで喚いてんじゃねぇ」


    リヴァイは刃の血を拭う。


    と、次の瞬間には、向かってきた憲兵の攻撃を受け止める。


    リヴァイ「失望させたらすまねぇな…ペトラ…」


    リヴァイの刃と憲兵の銃口が重なる。


    憲兵「やっと本物のあんたが見られたな…」


    憲兵「化け物めが!!」


    リヴァイが拳銃のある手を叩き切ろうとする瞬間、憲兵は空いた手に隠し持っていた短刀を抜いた。



    拳銃は憲兵の手首から先と共に床に落ち、リヴァイの右肩には短刀の刺し傷から血が止めどなく流れている。



    リヴァイ「…腐っても憲兵、か」


    憲兵は片手を失くしたことにまるで気づいていないかのような、殺気を帯びた表情で笑っている。



    リヴァイ「面白ぇ…」
  62. 62 : : 2014/01/10(金) 20:16:09
    ハンジとモブリットの二人は、東側通路を抜けるはずが、いつの間にか地下街の中心部へと下ってきてしまっていた。


    モブリット「分隊長…ここは一体どの辺なんでしょうか…」


    ハンジ「…ちゃんと地図見てたんだけどなー?」


    モブリット「…分隊長は、地図が読めない女性ですか?」


    ハンジ「えっ?モブリットは私のこと女に見えるの?」


    モブリット「えっ!?」


    ハンジ「モブリット、君って子は…」


    モブリット「す、すみません分隊長!!私はその、決して変な思いは…」


    ハンジ「ほんっとにいい子だなぁっ!!」


    モブリット「…はい?」


    ハンジ「私、モブリットのそういうとこ、好きだ!!」


    モブリット「えぇっ!?」


    何の状況改善もなされない二人はさらに中心部へと迷い込む。



    と、その時、ハンジとモブリットの前方から人影が現れた。


    ハンジ「おや?」


    モブリット「…あれは…?」
  63. 63 : : 2014/01/10(金) 20:20:12
    期待!
  64. 64 : : 2014/01/10(金) 23:03:37
    期待
  65. 65 : : 2014/01/11(土) 10:36:50
    >EreAni さん、ミルク兵長 さん

    ありがたき幸せ!そろそろ収束です!
  66. 66 : : 2014/01/11(土) 17:41:11
    期待*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
  67. 67 : : 2014/01/12(日) 00:31:48
    続きはよ!
    続きはよ!
    リヴァペト下さい‼︎
  68. 68 : : 2014/01/12(日) 15:39:57
    ふなっしぃぃいいいいい!!
    リヴァペトのR18は好きじゃないんだが、これはいいぜ( -_-)ジッ
  69. 69 : : 2014/01/12(日) 18:36:38
    すばらしい・・けど兵長こえーっス・・
  70. 70 : : 2014/01/12(日) 19:04:59
    >66
    進撃の阪神 さん
    ここまでお付き合いくださったあなたに、敬意を!!

    >67
    わか さん
    お待たせいたしましたっ!!ありがとうございます!!ビシッ

    >68
    るーじゅん さん
    リヴァイとペトラは難しいですね…このままご期待に沿えるといいのですが…汗

    >69
    3k猫 さん
    リヴァイさんちょっとやり過ぎましたかw
  71. 71 : : 2014/01/12(日) 19:05:23
    再開します。
  72. 72 : : 2014/01/12(日) 19:07:33
    リヴァイと憲兵に露になる狂気に、ペトラは思わずむせ返りそうになる。


    すると憲兵はリヴァイを凝視したまま、ペトラを手の無い腕で抱き上げ、短刀を持つ手をペトラの首筋に当てがった。


    憲兵「あんたら調査兵団の兵士として死んだあいつのためにも…俺は引けねぇ」


    憲兵「ずっと憎かったんだぜ…?ああ?」


    リヴァイ「…」


    憲兵「…ここでお前とお前が目にかけてやってるペトラ、こいつを殺しただけで終わるのは気に入らないが…」


    憲兵「…足しにはなるだろうよ」


    憲兵が短刀の手に力を込め、リヴァイが憲兵に刃を舞わせた。



    その時。



    「貴様ら、動くな」



    リヴァイと憲兵が声のした方を振り向いた。



    そこには、憲兵団師団長ナイル・ドークが銃口を向けて立っていた。
  73. 73 : : 2014/01/12(日) 19:13:05
    憲兵はナイルの顔を見ると、目を細めて呟いた。


    憲兵「お前か…」


    ナイルは冷静に口上を始める。


    ナイル「…少々外の騒ぎが気になり、駆けつけました」


    憲兵はハハハッと可笑しそうに笑う。


    憲兵「余程暇してるようだな、ナイル」


    ナイル「…内地を調査兵団員らが血相を変えて走っており、慌ただしかったものですから」


    憲兵「師団長になっても、お前の神経質はちっとも変わらん…」


    憲兵「真面目すぎても出世できない世界だと、何度言っても聴かないな」


    ナイルは憲兵の言葉には答えず続ける。


    ナイル「今しがた私は、あなたが女性を暴行し、リヴァイ兵士長と打ち合っていらっしゃる所を発見しました」


    憲兵「ふん…そうか。だがお前には、俺の方が悪人に見えているようだな」


    ナイルが銃口を向けていたのは、憲兵の方であった。


    憲兵「全く残念なことだ」


    リヴァイ「…ナイル、俺は連行に応じても構わない。従おう」


    ペトラは困惑した。


    ペトラ(…憲兵が、憲兵を…?一体どうなってるの…?)


    ナイル「無論だ」


    ナイルは憲兵から目を逸らさずに答える。


    ナイル「リヴァイその他関係者は、我々の上官が何を目的にここにいるのかの証言をしてもらう。…そこで気を失っている者もだ」


    ナイルは、戸口付近で指を失った男が失神していたのを思い出した。


    憲兵「なんだナイル…お前が横領なんぞに今更目くじら立てるのか」


    ナイル「いえ、問題が違います」


    ナイル「あなたには、あなたが市民と王都の安寧秩序を脅かす可能性のある密約を目論んでいる、との嫌疑が上がっています」
  74. 74 : : 2014/01/12(日) 19:27:24
    憲兵はじっとナイルを見つめる。


    憲兵「…お前の調べか?」


    ペトラ(…例の取引を…あの人は追っていたって言うの…?)


    ナイル「もちろん、横領の事実があればそちらの話もお聞きしなければなりません」


    ナイル「…語弊があるかもしれませんが、今回彼女の犠牲のおかげで、あなたを問い質す都合のいい名目ができました」


    ナイルは毅然とした口調で言い放つ。



    ナイル「以上の事実より、私はあなたを連行すべきと判断します」



    しばらく誰も口を開かなかった。



    憲兵「…いつからそんなくだらん正義感に身を費やすようになったのか…」


    憲兵「市民と王都の安寧秩序?たいそうご立派なことだな」


    ナイルは硬い表情のままである。


    ナイル「それが我々の本来の務めでしょう。それから…」


    ナイル「私に対する侮辱的言動は、あなたの進退にとって、不利に働くことになります」


    憲兵は黙ってナイルを睨んでいた。


    しかし、やがて力なく乾いた笑いを漏らすと、彼は短刀を放り投げた。



    憲兵「血が、足りねぇ」
  75. 75 : : 2014/01/12(日) 19:41:26
    ナイルが憲兵を連行して行った後、残されたリヴァイは、倒れているペトラの元にひざまずき、彼女に自身の上着を被せた。


    リヴァイ「…汚ねぇが、我慢しろよ」


    ペトラ「…」



    リヴァイは、ナイルが気づいて置いて行ったペトラの手錠の鍵で、ペトラを開放した。



    ペトラは口の衣服を吐き出すと、咳き込みながらリヴァイに土下座した。


    ペトラ「兵長…!!私のせいで…こんな事態に…!!」


    リヴァイ「…みっともねぇからやめろ」


    リヴァイ「こりゃあもう着られねぇな…」


    リヴァイは切り刻まれたペトラの下着を手にした。


    リヴァイ「また一生懸命バラしやがったな…あの憲兵」


    ペトラ「兵長!!それはもう!!結構ですので!!本当に!!わざわざ検分なさってもだめです!!」


    リヴァイ「ほう…」


    リヴァイはあまり関心なさげな表情で、ペトラの衣服を取り上げ取り下げする。



    リヴァイ「なあ、ペトラ…」



    その時、リヴァイとペトラのいる建物の入口辺りから、何やら騒々しい声が聞こえてきた。


    「ダメです分隊長!!人の家に勝手に入っては!!」


    「大丈夫、ナイルがいいって言ってたんだし」


    「分隊長の勘違いです!!ナイルさんは《どこでも好きなように忍び込んで死ね》とおっしゃったんです!!ちゃんと人の話は聞いてください!!」


    「お邪魔しまーす!」


    ハンジとモブリットが部屋に姿を現した。



    そこには誰もいなかった。
  76. 76 : : 2014/01/12(日) 20:27:28
    ハンジ「あれー?おかしいなぁ、なんか人の声が聞こえた気がしたんだけど」


    ハンジは残念そうに口を捻る。


    モブリット「しかし、なんかすごい部屋ですね…」


    モブリットがハンジの後ろから部屋を覗き込んだ。


    モブリット「散らかってますし…血まみれですし」


    ハンジ「あ、しかも手錠まである」


    モブリット「…ちょっと待ってください…!!分隊長、この布切れ…」


    ハンジ「うえぇ!?これ私らの兵服じゃん!?」


    モブリット「調査兵団の紋章もついてますし…」


    ハンジ「ちょっとこれ何!?ここ何があった!?」


    モブリット「分かりませんが、エルヴィン団長に報告をした方が…」



    そんなハンジとモブリットの会話を、リヴァイとペトラは隣部屋のクローゼットの中に身を潜め、息を殺して聴いていた。


    リヴァイ「…」


    ペトラ「あの…兵長…」


    リヴァイ「まだ喋るな」



    ハンジとモブリットが部屋を歩き回る音が聞こえる。


    ハンジ「なんでナイル何も教えてくれなかったの!?さっきすれ違って話したのに!!」


    モブリット「男を二人連れてましたよね、一人は憲兵だったと思いますが…」


    ハンジ「死んでるのか何なのか分からない男がナイルに引きずられてたけど、可哀想とか思ってる場合じゃなかった…」


    モブリット「分隊長はナイルさんに嫌われてますよ絶対」


    ハンジ「とにかく!!エルヴィン見つけようエルヴィン!!」


    地図も見ずに走り出すハンジの背中をモブリットが追う。


    モブリット「分隊長!!生き急ぎ過ぎです!!」
  77. 77 : : 2014/01/12(日) 20:59:31
    二人の声と足音が遠ざかったのを確認したリヴァイは、ふっ、と溜め息をついた。


    リヴァイ「…行ったか」


    リヴァイ「ハンジのやつに見つかると後々面倒だからな…」


    リヴァイ「だが何であいつら南にいるんだ…迷子か」


    ペトラ「…兵長、あの」


    リヴァイ「あ?」


    ペトラ「少し苦しいです…」


    リヴァイ「…ああ、悪い」


    リヴァイはペトラの背中に回していた腕の力を弱めた。


    リヴァイ「お前が寒いだろうと思った」


    真っ暗で何も見えない中、ペトラは身の振舞い方も分からず、ただ困惑して固まっていた。


    リヴァイ「しかしでけぇ衣装箪笥だな…普通に立ってられる高さだ」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「…他の箪笥には服が残ってるかもしれねぇな」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「…そのままじゃ帰れねぇから、この建物を探してみる」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「お前はこの中に隠れてろ」


    ペトラ「…」


    リヴァイ「俺がいいと言うまで、出てくるんじゃねぇ」


    ペトラ「…」


    リヴァイはペトラから身体を離し、手探りで扉に手を当てた。



    その瞬間、リヴァイは背中から抱き付かれていた。


    ペトラ「…行かないでください」
  78. 78 : : 2014/01/12(日) 23:00:00
    ナイルは慣れたように男二人を引き摺り、南側通路入口から地上に出た。



    と、そこへちょうど、エルヴィンたちがようやく到着した。


    エルヴィン「…?ナイルじゃないか」


    ナイル「ああ、お前たちか」


    グンタ「…この方は?」


    エルヴィン「憲兵団のナイルだ、師団長を務めている」


    エルド「ミケ分隊長の鼻、流石だ」


    ミケ「ナイルの匂いはすぐ分かる」


    ナイル「お前昔からそう言うがいい加減やめろ」


    エルヴィン「ナイル、リヴァイを見かけなかったか?」


    オルオ「あと俺のペトラを!!」


    ナイル「それなら片付いた。だからさっさと帰れ」


    グンタ「しかし、リヴァイ兵長たちは…」


    ナイル「あいつらはちょっと話を聴いてからそっちに返す」


    エルド「では、ご無事なんですね?」


    ナイル「ああ。まだ地下だが、リヴァイは詳しいだろうから勝手に出てきてもらうことにした」


    オルオ「ペトラは怪我、無かったですか!?」


    ナイル「…ペトラというのかは知らんが、一緒にいた女性は目立った外傷はないようだった」


    エルヴィン「その者たちは?」


    エルヴィンが憲兵とその取引相手を訝しげに見る。


    ナイル「まあ、いろいろだ…」


    ナイルは疲れたように肩を落とした。


    ナイル「…もう行ってもいいか。でないと、この者が出血多量で死にそうだ」


    エルヴィン「ああ、引き留めてしまってすまなかったな」


    ナイル「はやく帰れ。もう騒動を起こすな」


    エルヴィンたちはナイルを見送りながら、ホッと息を漏らした。


    グンタ「兵長が一緒ならもう安全だな」


    ミケ「…ちゃんと一緒にいるようだな…スンスン」


    オルオ「全く…世話焼かすなよな…」


    エルド「あんだけ泣いてたくせに」


    オルオ「はっ?泣いてないんだが!?泣いてないんだが!?ばぁぁぁーか!!」


    エルド「はいはい」



    と、そこへ、ハンジと息を切らしたモブリットが走ってきた。


    ミケ「あ、ハンジ」


    エルヴィン「すっかり忘れてたな」


    ミケ「何故彼らは北から走ってくるんだ」


    ハンジ「エルヴィン!!ミケ!!」


    モブリット「…分隊長…南から北に出て来れた…意味が分からない…」


    エルヴィン「なんだ、どうした」


    ハンジは見てきたことを説明する。


    グンタ「千切れた兵服…」


    エルド「手錠…」


    ハンジ「君たちの話を聞く限り、ペトラの兵服だよね…?」


    ミケ「まあ…リヴァイがそうなることはないだろうからな…」


    グンタ「しかしナイルさんは、リヴァイ兵長と一緒だから大丈夫だと…」


    ハンジ「うわぁ」


    ミケ「まだ一緒だな…スンスン」


    エルヴィン「私は…リヴァイを信じている」



    オルオ「うわぁぁぁぁぁペトラァァァァァ!!」
  79. 79 : : 2014/01/13(月) 00:01:35
    暗闇の中で、二人は静止した。


    リヴァイ「おい、離せ」


    ペトラ「嫌です」


    リヴァイ「服を探しに行けねぇ」


    ペトラ「探さなくていいです」


    リヴァイ「じゃあお前はその格好で帰るのか」


    ペトラ「帰らなくていいです」


    リヴァイ「…」


    ペトラはリヴァイの肩に顔を埋めた。


    その鼓動が、リヴァイの背中に伝わる。


    ペトラ「兵長にずっとお会いしたかったんです」


    ペトラ「仲間を助けてくださる兵長の姿を、はやく見たいと…一緒に戦いたいと」


    ペトラ「誰よりも仲間を大切にしてくださる兵長の暖かさを、私はあの時から忘れられませんでした」



    リヴァイは思い出していた。



    最後まで聞いたのか?こいつは…


    ええ、きっと。だって…


    安心したように眠っている…



    ペトラ「憲兵に言われました。《調査兵団なんて、誰がいつ死んだって構わねぇんだろ?》って」


    ペトラ「そんなふうに思われてるなんて…」


    リヴァイ「…」


    ペトラ「だから、兵長がいてくださると安心するんです」


    ペトラ「ただ単に、兵長が強いからってだけじゃなくて」


    ペトラ「兵長の思いが優しくて、それだけで」


    ペトラ「どんな絶望の中でも、生きられるような気がして…」


    ペトラ「また近くで兵長の声を聴きたいと…」


    ペトラ「できるだけ近くにいたいと…」



    リヴァイはじっとペトラの言葉を聴いていた。


    彼女が口を閉じても、彼は動かなかった。


    彼女の生身の身体は、彼のシャツを通しても、とても温かかった。


    リヴァイ「…ペトラ」


    ペトラはその声の中に、あの時と同じ芯を感じてハッとした。



    リヴァイ「ペトラ、聞け。伝えたいことがある」
  80. 80 : : 2014/01/13(月) 09:12:18
    ♪───O(≧∇≦)O────♪
  81. 81 : : 2014/01/13(月) 12:45:05
    来るぅぅぅ!
  82. 82 : : 2014/01/14(火) 18:55:04
    来たぁぁぁぁぁあ!!
  83. 83 : : 2014/01/15(水) 07:15:43
    ふぅ、しばらく更新できなくて申し訳ありません…

    期待に沿うリヴァペトではないかもしれませんが、リヴァイとペトラのキャラを大事にする方向で終わらせたいと思います!!
  84. 84 : : 2014/01/15(水) 07:20:14
    リヴァイは静かに口を開く。


    リヴァイ「俺が戦い続けられるのは、俺を信じてくれる人間がいるからだ…お前みたいにな」


    リヴァイ「その信頼が、俺に力を与える」



    リヴァイ「だから今、俺は困ってる…さっきからお前の言い方が、俺に戦う以外のものを求めている感じがあるからだ」



    リヴァイ「お前はさっき、俺の近くにいたいと言った。だが…」


    リヴァイ「それは本当に、お前の"一人の女"としての気持ちなのかどうか。よく自分に訊いてやった方がいい」



    ペトラ「…」



    リヴァイ「お前はまだまだ若い。甘えたい時期もたまにはあるだろう」


    リヴァイ「その"近くにいたい"って気持ちは、友達か、兄貴か、まあ下手したら父親に対してのそれと同じかもしれねぇ…」



    リヴァイ「正直俺だって、裸のお前を見ても何も思う所がないわけじゃねぇ。そこまで簡単に男は捨てられない」


    リヴァイ「…簡単に言えば、今から俺がお前を抱くこともできるだろうってことだ」


    リヴァイ「さっきから胸も当たってんだ…一丁前に何の真似だ」



    ペトラは自分の顔が熱くなるのが分かった。
  85. 85 : : 2014/01/15(水) 07:43:36
    リヴァイは続ける。



    リヴァイ「お前は構わないと言うかもしれねぇ…だが」



    リヴァイ「今ここで許してしまえば、それはお前の逃げだ。俺とお前はもう、それまでだろう」



    リヴァイ「お前は俺が地下街上がりだということも知らなかっただろうが?それでも、ここで満足だと言うのか?」



    リヴァイ「お前の中にいた俺と、今の俺は同じか?今までのお前と、今俺にしがみついてるお前は同じか?」



    リヴァイ「俺はお前に確認したい…ペトラ」



    リヴァイ「俺を今ここで、切り捨てる覚悟はあるか?」



    ペトラは息を飲んだ。



    リヴァイ「俺はこれからも戦い続ける…逃げたりなんかしねぇ」



    リヴァイ「だからもし、これから先も…俺の近くに、って考えるんだったら」



    リヴァイ「…お前も、俺から逃げるな」



    リヴァイはペトラの手に自身の手を重ねた。



    リヴァイ「今はこの手を離せ、ペトラ」
  86. 86 : : 2014/01/15(水) 10:44:57
    ペトラはリヴァイの硬い手のひらの感触を、じっと目を閉じて確かめていた。



    その手は、彼女が思っていたよりもずっと大きく、リヴァイがリヴァイその人でないような気すら起こさせた。



    ペトラはいつしか泣いていた。



    憲兵に何をされようとも、決してこぼさなかった彼女を許すかのように、その涙は温かかった。



    《俺から逃げるな》



    リヴァイの言葉の意味が、ただただ、彼女を安堵させた。



    微動だにしないリヴァイの背中で、ペトラは彼の鼓動を静かに自身の身体に焼き付ける。



    彼女は彼からそっと離れた。
  87. 87 : : 2014/01/15(水) 12:57:40
    リヴァイはペトラを残して衣装箪笥から抜け出し、扉を閉じた。



    リヴァイ(…ペトラ)



    リヴァイ(…がっかりしたか?)



    リヴァイ(つまらない男だと、思ったか?)



    リヴァイ(…女は、得意じゃねぇらしいからな。俺は)



    リヴァイ(なあ、ペトラ…)



    リヴァイ(…男は…お前みてぇに、"きっと"とか…考えるのが怖いことがある…)



    最後まで聴いたのか?こいつは…


    …ええ、きっと。

    だって…

    安心したように眠っている…




    リヴァイは衣装箪笥の扉の前にひざまずき、目を閉じて敬礼をした。



    リヴァイ「…あの時は、お前に救われた」



    リヴァイ「俺はお前の無事を、心から求めていた…ペトラ…」



    リヴァイの握りしめた拳に力が入る。



    リヴァイ「お前への、正直な気持ちだ」




    ペトラは暗がりの中、声を必死に抑えながら涙をこぼした。
  88. 88 : : 2014/01/15(水) 13:07:02
    かなりカッコイいこのSS!!羨ましい!期待!
  89. 89 : : 2014/01/15(水) 13:20:00
    >EreAni さん

    ハードボイルド・リヴァイが好きなんです。

    なんとあと2、3レスで終了というw
  90. 90 : : 2014/01/15(水) 13:22:25

    数ヵ月後。


    エルヴィン「リヴァイ。例のエレン・イェーガーの身柄を引き受けるに当たって、特別作戦班を結成することにする」


    ハンジ「いよいよ始まるねぇ…!?早くおいで…エレン…!!」


    ミケ「…ハンジは、とりあえず嬉しそうだな…」


    エルヴィン「班員を選定してもらいたいんだが、すぐに決められるか?」


    リヴァイ「もう決めてある」


    リヴァイはエルヴィンにリストを渡す。


    ハンジ「…おお!!なんか懐かしい顔ぶれじゃない?」


    ミケ「これは…」


    ハンジとミケがリストを覗き込む。


    ハンジ「モブリットは外してくれたんだねー、助かる助かる!」


    ミケ「彼はハンジの保護者だもんな」


    エルヴィン「うむ、私は異論ない。早速通達することにしよう」


    エルヴィン「オルオ・ボサド、グンタ・シュルツ、エルド・ジン、それから…」


    エルヴィン「ペトラ・ラル。以上4名で間違いないな?」


    リヴァイ「ああ。問題ない」


    リヴァイは迷う様子もなく答えた。
  91. 91 : : 2014/01/15(水) 13:34:48
    特別作戦班結成の内示はすぐに4人へ伝達された。


    グンタ「俺たちがこんな大役を…」


    エルド「通称、"リヴァイ班"…」


    オルオ「ふん、安心しろ…お前らのことは俺が守ってやるさ。特にペトラは俺の…」


    エルド「ペトラ、嬉しそうだな」


    グンタ「なんか、いい顔してるよな」



    グンタ、エルド、オルオは、通達を何度も何度も読み返すペトラを見て微笑んだ。



    一方のリヴァイは、エルヴィンと共に、エレンのいる地下牢へと足を運ぶ。




    ペトラ(兵長…)



    リヴァイ(ペトラ…)



    ペトラ(今度は、絶対にあなたから逃げません)



    リヴァイ(今度は、きっちりお前の力を発揮しろ)



    ペトラ(故郷の父にはもう知らせましたが…)



    リヴァイ(お前の父親から随分まめに便りが来るが…)



    ペトラ(私は兵長を、心から尊敬しています)



    リヴァイ(まだ嫁にやるには早いと念を押してある…どういうことか知らねぇが)



    ペトラ(私の全てを捧げます)



    リヴァイ(…俺もお前から逃げねぇ)



    ペトラ(…兵長、あなたに感謝を)



    リヴァイ(仲間を救ってやれ。そして…)



    ペトラ(あなたの力に!!)



    リヴァイ(俺にまた、力を与えろ)




    結果は誰にも分からない。


    しかし、彼らを繋ぐそれぞれの想いは、彼らが共にその翼を開く定めを導いた。


    彼らリヴァイ班に、人類の希望は託されたのだった。
  92. 92 : : 2014/01/15(水) 13:45:08
    シリーズ番外編【リヴァイ×ペトラver.】

    完!!


    リヴァイとペトラで濡れ場がなくてすみません(需要あればそういうのまた書きますね)。


    自分の男の美学を、リヴァイに注いだ結果こうなりましたァァァァァ!!←


    お付き合いいただきました皆様に、敬意を!!
  93. 93 : : 2014/01/15(水) 14:39:33
    カッコイい(笑)好きこーゆの!
    次も期待!
  94. 94 : : 2014/01/15(水) 14:54:38
    おーーーーーめっちゃ、よかったです(=゚ω゚)ノ
  95. 95 : : 2014/01/15(水) 15:37:47
    >EreAni さん

    最後までありがとうございます!その言葉でやる気が起きます!!
  96. 96 : : 2014/01/15(水) 15:39:47
    >ミルク兵長 さん

    自己満足ssでしたが、ありがとうございました!

    自分の好きなリヴァイが書けました☆
  97. 97 : : 2014/01/15(水) 15:47:34
    シリーズ他作

    第1弾【リヴァイ×エルヴィン】
    http://www.ssnote.net/archives/6228

    第2弾【エレン×リヴァイ】
    http://www.ssnote.net/archives/6266

    第3弾【エレン×クリスタ】
    http://www.ssnote.net/archives/6316

    第4弾【エレン×アルミン】
    http://www.ssnote.net/archives/6485

    第5弾【リコ×ジャン×サシャ】
    http://www.ssnote.net/archives/6917

    第6弾【アルミン×クリスタ】←執筆中
    http://www.ssnote.net/archives/7294
  98. 98 : : 2014/01/15(水) 16:28:49
    いやぁ、良かった!
    実に良かった!
  99. 99 : : 2014/01/15(水) 16:43:31
    >進撃の阪神 さん

    嬉しすぎて涙が…ありがとうございます☆
  100. 100 : : 2014/01/16(木) 17:10:01
    めっっっっちゃよかった!
    素晴らしいssをありがとう!
  101. 101 : : 2014/01/17(金) 08:12:32
    >3k猫 さん

    最後まで見ていてくださったことに、本当に感謝です…

    個人的に一番好きなリヴァイとペトラの形になったかと!!
  102. 102 : : 2014/01/17(金) 17:57:35
    すっごくよかったです(`・ω・´)
    好きな作品です★

    またリヴァイとペトラの作品を
    書いていただけたら…と思います!
    次回も期待してます!
  103. 103 : : 2014/01/17(金) 22:01:02
    >mi さん

    お目通しいただき、ありがとうございました!!

    そのお言葉が、自分に力を与えます…!!とか言ってみる(笑)

    リヴァイとペトラの裏エピソード、また書かせていただきますね!
  104. 104 : : 2014/01/24(金) 18:33:41
    あの私占いツクールでリヴァペトの小説をかかせてもらってるんですけど・・
    その・・この内容少しパク・・お借りしてもよろしいでしょうか・・?(;^ω^)
  105. 105 : : 2014/02/08(土) 06:02:17
    >>104
    すごく今更で申し訳ありません!!気がつかなくて…

    こんなので良ければご自由にお使いください!!
  106. 106 : : 2014/03/25(火) 22:30:00
    リヴァイかっこいー!わしもペトラみたいに涙が止まらない。・°°・(>_<)・°°・。これの続編みたいなの書けませんかね?あでも、別に無理なら書かなくても大丈夫です(≧∇≦)Artさん!!乙です!
  107. 107 : : 2014/03/25(火) 22:58:42
    >>106
    ありがとうございます!見つけてくださって僕は本当に嬉しいです。
    リヴァイかっこいいですか!良かった…!
    続編!ペトラが死ぬまであたりの裏エピソードをまた書きましょうか!
  108. 108 : : 2014/03/27(木) 17:21:28
    うぉぉぉぉ!続編!お願いします(≧∇≦)
  109. 109 : : 2014/07/05(土) 21:30:14
    これ好き。・゜・(ノД`)・゜・
    リヴァペトが一番好きになった。
    またかいて~ヽ(*´∀`)ノ
  110. 110 : : 2014/07/05(土) 22:08:22
    か、かっこいいい!
    続編楽しみです!
  111. 111 : : 2015/07/21(火) 02:30:14
    憲兵を削いだらいいのにぃ~。
    最高だよなこの小説、モブリットの
    「ハンジ分隊長!生き急ぎすぎです」が好きだな俺は。リヴァイはペトラが好きで間違いねぇな。ó∀ò
    ナイル・ドークさんはあの憲兵の元部下なの?てかあのあとペトラまさか、「裸」ですか?リヴァイどう思ったんだwwww
  112. 112 : : 2015/07/21(火) 02:39:21
    俺もリヴァペト書こうかなぁ。
    ねえどう思う?いやぁけど
    この作者マジ神だよ。憲兵がムカつくけどね。いっそナイルとボリス、マルロとヒッチその他新兵以外の憲兵団上官はへいちょうに削がれろよ。
    死を体験してこそ貧弱野郎と改めて分かるだろう。あの憲兵削ぐ絶対削ぐ、
    ペトラに辛い思いさせやがって、胸糞わりいぜまったく。俺が兵長の立場ならまずは手足を切断して頭と胴体をめったざしにしてから発声気管をピーするわwwwwペトラは神様で間違いねえ
  113. 113 : : 2015/07/21(火) 02:40:35
    ボリスがあの場に居たらどうなってたんやろwwww
  114. 114 : : 2015/07/22(水) 13:04:53
    このssのアニメ化がみたい!

    おもしろかった!
    甘いだけじゃなくてかっこよかった!
    リヴァペトふえろ~!
  115. 115 : : 2015/08/01(土) 06:16:40
    名前の通り、です!!!
  116. 116 : : 2015/11/02(月) 11:27:30
    何このss!
    カッコいい!
  117. 117 : : 2016/05/30(月) 17:11:04
    いい話ですね!
  118. 118 : : 2020/10/10(土) 22:23:39
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=53
  119. 119 : : 2020/10/26(月) 23:12:20
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
chi_i_bi

Art

@chi_i_bi

この作品はシリーズ作品です

Series進撃の何か伝えたい人々 シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場