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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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ゴジラ VS エヴァンゲリオン ~伝説の破壊神~ 後編

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  1. 1 : : 2018/02/21(水) 23:10:47
















    山根恵美子「もう黙って見てはいられません!」


    恵美子「私は喜んで裏切り者になります」


    尾形秀人「裏切り者?」


    恵美子「ええ。芹澤さんと約束したことがあるんです」


    尾形「芹沢さんと?」


    恵美子「あなたにも内緒にしといた秘密です」


    恵美子「…だけど、今となってはこの約束を破ります」


    恵美子「……あの日のことです」


    恵美子「私が萩原さんとお尋ねしたあの日のこと……」














  2. 2 : : 2018/02/21(水) 23:18:22
















    恵美子「一体これは…?」


    芹沢大助「そうです」


    芹沢「水中の酸素を一瞬にして破壊し尽くし、あらゆる生物を窒息死させ、そのあとで液化してしまう…」


    芹沢「”オキシジェン・デストロイヤー”」


    芹沢「つまり、液体中の酸素破壊剤です」


    芹沢「もし、これの砲丸大のものが一個あれば、それこそ東京湾一円の海中も一瞬にして死の墓場と化すことも可能なのです」















  3. 3 : : 2018/02/21(水) 23:26:54















    尾形「芹沢さん、今日は折り入って頼みがあるんです」


    芹沢「…頼みって何だ?」


    尾形「オキシジェン・デストロイヤーを使わせてほしいんです」


    尾形「あなたに頼むより他に方法がないんです」


    芹沢「…尾形、恵美子さんから僕の秘密を聞いたんなら、僕があれを使わない理由が分かったはずだ」


    芹沢「僕ははっきり断る」















  4. 4 : : 2018/02/21(水) 23:37:39















    芹沢「尾形、許してくれ」


    芹沢「もしこれが使用できるなら、誰より先にこの俺が持って出たはずだ」


    芹沢「だが今のままでは、恐るべき破壊兵器にすぎないんだよ」


    尾形「……よく分かります」


    尾形「だが、今ゴジラを防がなければ、これから先、一体どうなるでしょう?」


    芹沢「尾形、もしもいったんこのオキシジェン・デストロイヤーを使ったら最後、世界の偽政者たちが黙って見ているはずがないんだ」


    芹沢「必ずこれを武器として使用するに決まっている」


    芹沢「原爆対原爆、水爆対水爆……」


    芹沢「そのうえ更にこの新しい恐怖の兵器を人類の上に加えることは……」


    芹沢「科学者として、いや、一個の人間として許すわけにはいかない」















  5. 5 : : 2018/02/21(水) 23:45:13
















    尾形「今この不幸を救えるのは芹沢さん、あなただけです!」


    芹沢「・・・・・・・・・・・・・」


    尾形「芹沢さん!」


    芹沢「・・・・・・・・・・・・・」


    芹沢「尾形、君たちの勝利だ」


    芹沢「しかし、僕の手でオキシジェン・デストロイヤーを使用するのは、今回一回限りだ」















  6. 6 : : 2018/02/21(水) 23:51:04
















    芹沢「尾形、大成功だ!」


    芹沢「幸福に暮らせよ」


    芹沢「さよなら……」


    芹沢「さようなら!」


    尾形「芹沢さん!芹沢さん!!」















    ギャオオオオオオオオオオオォォォォォォッ















  7. 7 : : 2018/02/23(金) 21:02:09

















    ―――――――――――――――――――――――
    第3首都東京国立物理化学研究所 第一室





    第3首都に設立された物理科学研究所。

    その第一室の椅子に一人の男性

    「山根健吉」

    がうつ伏せで寝ている。

    しばらくか、つい先ほどかは定かではないが、その眠りから男性はいきなり飛び起きた。

    何かにビックリしたかのように飛び起きた男性は額の汗をぬぐうと、その手で頬杖をつき、フウと一息吐く。














    山根「今の夢は……」


    山根「どうして、あんな夢を……」














    山根は5秒ほど独り言をつぶやくとガタッと立ち上がり、洗面所へ向かった。















    ―――――――――――
    洗面所



    山根はメガネを胸ポケットにかけ、電動式の蛇口に手を出して水を出させた。

    両手の平で皿を作り、水をためると、それを自分の顔面にかけ、顔を洗い始める。

    その作業を4回ほど繰り返すと、尻ポケットからハンカチを取り、顔を拭いた。














    山根「どうして僕には覚えない光景が夢に……?」


    山根「なんだろう、何かの予兆……なのか?」














    そう考える中、山根の携帯がポケットから鳴った。

    山根が画面を見ると、それは姉

    「山根ゆかり」

    からだった。

    姉のゆかりは20代からニュースキャスターを務めており、

    今年でちょうど50歳を迎え、それでも尚現役で励んでいる。














    山根「もしもし、姉さん?」


    ゆかり『健吉、今どこ!?』


    山根「え、物理研究所だけど?」


    ゆかり『今すぐニュース見て!早く!』


    山根「え、ああ」














    山根はただ事でないゆかりの焦った対応に少々戸惑い、

    そこから一番近い食堂に向かい、そこに天井に吊るされている

    テレビの電源を入れた。

    山根は適当にニュースのやっていそうなチャンネルを押し、切り替える。

    画面には男性のキャスターが映し出され、画面前の人々に向かってお辞儀をしたところだった。














  8. 8 : : 2018/02/24(土) 00:17:17
    やはりデストロイアが今回のカギの一つになるかもしれませんね!!!
  9. 9 : : 2018/02/25(日) 05:48:48
    これは自分の勝手な想像ですが碇ゲンドウは芹沢博士の生徒だったのではないかと思っています!!芹沢博士は恐らくユイにもデストロイヤーを見せていたのではないかと思っています!!勿論ゲンドウとユイが付き合っていることも知っていてしかもゲンドウがゼーレと接触していたことも知っていてユイにこの研究はゲンドウには教えるなと警告していたかもしれません!!芹沢博士が言っていた世界の偽善者たちとはゼーレのことだったのではないでしょうか??考えすぎですかね??そして芹沢博士はゲンドウを信用してはいなかったのではないでしょうか??科学を誤った方向に導く科学者の一人になるかもしれないと!!!
  10. 10 : : 2018/03/01(木) 20:21:11
    >>8 >>9
    なるほど、そういう設定もいいですね。
    碇夫婦も今後の物語に絡ませていきたいですね。
    前編に引き続き、素晴らしいコメありがとうございます!
  11. 11 : : 2018/03/01(木) 20:21:14





    キャスター「8時になりました。ニュースをお伝えします」


    キャスター「昨日午後4時ごろ、アメリカフロリダ州南部にて、地下で爆発事故が発生しました」


    キャスター「警察の調べによりますと、現場からはC4爆弾の残骸、そして6人の男性の死体が見つかりました」


    キャスター「さらにその死体の中には日本人の『伊集院研作(いじゅういんけんさく)』氏(58)がいることが判明しました」


    キャスター「伊集院氏は1995年、国際物理学賞を受賞した名誉教授で知られ……」














    山根は呆然と立ち尽くし、リモコンがスルリと手から落ちた。

    山根は、信じられず、信じたくない報道を受け止められず、近くの壁に背中をつけた。














    山根「嘘だろ?先生が……?」


    山根「どういうことだよ姉さん!」


    ゆかり「落ち着いて健吉!私だって信じられないのよ」


    ゆかり「あの博士が急に亡くなるなんて……」














    電話越しに聞こえたその声はすすり泣きが交わっていた。

    彼女もまた、突然の悲劇を、弟同様受け取め切れずにいた。














    山根「姉さん、大丈夫かい?」


    ゆかり「……ええ、ごめんね。一番辛いのは、アナタなのに、姉の私が泣いちゃって…」


    山根「僕も、急に取り乱しちゃって……」














    二人はなんとか言葉で支え合うと、徐々に落ち着きを取り戻した。






  12. 12 : : 2018/03/01(木) 21:57:05
    伊集院博士が死んだんですか!!!ショックです!!!ところでひょっとしたら芹沢博士はゲンドウに面と向かって君はその天才的な頭脳を誤った科学の方向へと導こうとしていると言ったかもしれませんな!!!性格上あり得そうな話ですな!!!
  13. 13 : : 2018/04/09(月) 21:57:54
    4月になっていよいよアニメ映画ゴジラ第2弾が来月に公開されますね!!!見に行きますか??
  14. 14 : : 2018/04/28(土) 18:15:10
    今月はお忙しかったようですね。アニメ映画の方も僕は見にいく予定です!!!
  15. 15 : : 2018/04/30(月) 14:55:20
    もしシンジのママさんのユイさんの複製品にG細胞を注入したらどうなるのか想像出来ませんね!!いや碇ゲンドウならやりかねないですかね??
  16. 16 : : 2018/05/01(火) 21:26:05
    >>12 >>13 >>14
    更新できずにお待たせしてすいませんでした。
    毎度コメを下さりありがとうございます。
    もうすぐ映画上映ですね。無論見に行きますよ!

    >>15
    碇夫婦を出すとしたらせめてキーパーソンとして出したいですね。
    少し検討してみます!
  17. 17 : : 2018/05/01(火) 21:26:08



    山根「姉さん、これって、やっぱり……」


    ゆかり「テロか、恐らくは過激派のせいかもしれないわね」


    山根「他に何か分かったことは?」


    ゆかり「無いわね。今さっき速報でテレビ局(こっち)にも飛び込んできたから」


    山根「・・・・・・・・・・」


    山根「姉さん」


    ゆかり「なに?」


    山根「何かわかり次第僕のほうに連絡してくれるかな?」


    山根「些細なことでもいいから」


    ゆかり「い、いいけど…どうして?」


    山根「どうして先生が殺されたのか、僕も調べたいんだ」


    山根「いいかな?」


    ゆかり「………わかったわ健吉」


    ゆかり「でも、無茶はしないでね」


    山根「わかってるよ」



    ピッピッピッピッ














    山根がゆかりと電話中、スマホがキャッチフォンを受け取る音が鳴った。














    山根「ごめん、キャッチが入った。一旦切るね」


    ゆかり「ええ。後は任せて」


    山根「うん。それじゃ」














    山根はゆかりと電話を切り、通話を切り替える。

    画面には「非通知」と表示されていた。














    山根「誰だ?」ピッ


    山根「もしもし?」


    「山根さんですか?僕です。碇です!」














    電話の主は一週間前、偶然にも出会い、

    そしてトウジ、ケンスケと共にお茶を頂いた少年

    シンジの声だった。














    山根「碇君?どうしたんだい?」


    シンジ『先生、僕、先生にまた会って話がしたいんです』


    シンジ『どこか、空いている日とかありますか?』


    山根「話って、オキシジェン・デストロイヤーのことかい?」


    シンジ『………はい』


    山根「悪いけど碇君、僕はアレに関しては……」


    シンジ『わかってます。でも、今の僕たちには……』


    山根「碇君わかってくれ。僕じゃ力にはなれない」


    山根「あの兵器を、もうこの世に蘇えらせたくはないんだ…!」














    その山根の声には、かすかにすすり泣く声が混じっていた。

    シンジはそれを聞くと














    シンジ『山根さん…ごめんなさい』


    シンジ『夜遅く……すいませんでした』


    ガチャッ ツーーッ ツーーッ ツーーッ














    電話を切った。

    山根はイスに座り、テーブルに顔を当て、

    誰もいない静かな食堂でただ一人

    涙を流した。




  18. 18 : : 2018/05/01(火) 21:26:10















    ――――――――――――
    翌日




    ゴジラ凍結から2週間。

    シンジとレイが留守を任されて2週間。

    ゴジラは全く動く気配を見せず、

    あれだけゴジラを撮っていた野次馬たちもスッカリ減っていた。














    レイ「碇くん、山根博士、どうだった?」


    シンジ「ダメだった。『僕じゃ力になれない』って…」


    レイ「…そう、残念ね」


    シンジ「どうして山根さん、オキシジェン・デストロイヤーについて話したがらないんだろう…」


    レイ「…何か個人的なことがありそうね」


    シンジ「同じ科学者のリツコさんならわかるかな?」


    レイ「赤木博士は今忙しい。聞くのは難しいと思うけど」


    シンジ「…また掛けてみようかな」


    レイ「………ねえ碇くん」


    シンジ「ん?」


    レイ「いっそ、直接行くのはどう?」


    シンジ「え、行くって?」


    レイ「研究所。名刺をもらったから、場所はわかる」


    シンジ「ええ?いくらなんでも……」


    レイ「ダメだったら明日またやる。どう?」


    シンジ「……そうだね、行かないよりはマシだろうし」


    レイ「鈴原くんと相田くんも……」


    シンジ「そうだね。一応聞いとくよ」














    二人は校内で分かれ、シンジは自分のクラスへ向かった。

    トウジとケンスケはもう来ており、いつもみたいに何やら

    話をしていた。














    トウジ「よぉシンジ」


    シンジ「おはよう二人とも」


    ケンスケ「どうだ最近。何かわかったか?」


    シンジ「ううん。山根さんも、何も話してくれなくて…」


    トウジ「あのセンセイほんま頑固やなぁ」


    トウジ「こっちは一大事っちゅうんに、なんで教えてくれへんねん?」


    ケンスケ「そりゃあゴジラを倒した兵器だもん。きっとすっごいパワーを秘めてるからじゃないか?」


    シンジ「まあなんにせよ、ネルフでも未知の兵器だからわからないけど、多分そうだろうね」




  19. 19 : : 2018/05/01(火) 21:26:14



    ケンスケ「どうするんだ碇?」


    ケンスケ「このままオキシジェン・デストロイヤーが作れなかったら……」


    シンジ「僕、もう一度会ってみるよ」


    シンジ「どうしても知りたいんだ。山根さんがどうして、そこまであの兵器を作りたくないのか…」


    トウジ「ええでシンジ。それでこそエヴァのパイロットや!」


    ケンスケ「会うって、また行くのか?」


    シンジ「うん。今日研究所に行って、話をしてこようと思う」


    トウジ「よっしゃ。ワシも行くで!」


    ケンスケ「じゃ、俺も行こうかな」


    シンジ「いいの、二人とも?」


    ケンスケ「僕も一応いろんなことは見ておきたいからね」


    トウジ「シンジ一人じゃ、入る前に追い出されるかもしれんしのぉ」


    シンジ「……ありがとう!」














    シンジは尋ねるまでもなく、二人は一緒に行くことを約束した。














    ケンスケ「あそうだ」


    ケンスケ「なあ碇、今日実はな……」


    シンジ「え、なになに?」


    ケンスケ「転校生が来るんだって」


    シンジ「転校生?」


    トウジ「おおそやったそやった。スッカリ忘れとったわ」


    シンジ「へぇ、どんな人?」


    ケンスケ「なかなかの美男子なんだってさ!」


    シンジ「美男子?」



    キーーンコーーン カーーンコーーン













    ケンスケが転校生の話を持ち込んですぐに5分前のチャイムが鳴った。

    教室のドアを開け、先生が入ってくる。














    「起立!」

    「礼!」

    「着席!」



    先生「みんなおはよう」


    先生「授業に入る前に、みんなに重要なお知らせがあります」


    先生「このクラスに、新しい友達が増えることになりました」


    シンジ(さっきケンスケが言ってた転校生か)


    シンジ(美男子って言ってたけど、どんな人なんだろ?)














    シンジは半ば興味津々でドアに目を向ける。














    先生「じゃあ入ってきて」



    ガラリ














    ドアを開け、入ってきたのは、噂通り男子学生だった。

    髪は銀髪に染まり、眼は微かに赤く、肌はとても白い。

    背も女性の先生の頭一つ分ほど高い。














    「やだ、かっこよくない?」

    「すごいキレイな肌…」




    シンジの隣から女子生徒のヒソヒソ声が聞こえた。














    先生「それじゃ、自己紹介お願い」














    渚カヲル「”渚カヲル”です。よろしくお願いします」














    銀髪の少年

    ”渚カヲル”は

    みんなに向かって深く礼をした。




  20. 20 : : 2018/05/02(水) 07:27:38
    更新ご苦労様でした!!!15の件検討していただきありがとうございます!!シンジとレイ2人だけがあのデストロイヤーの威力を見たら2人だけの秘密にしますかね??カヨルが登場しましたな!!また楽しみですね!!しかし今回のゴジラにあのデストロイヤーが効くと言う保証もありませんからね!!!ゴジラは知能が高く学習能力も半端ないですからね!!!一度見た技や兵器はゴジラには通じませんからな!!ゴジラの皮膚は耐久度もチートですから!!ゲンドウがユイさんと結婚したのはデストロイヤーの事を聞き出したかったためではないかと僕は思いますね!!もちろんゼーレからの指示もあったかもしれませんがね!!カヨルでもゴジラには頭を抱えることでしょうな!!どんな苦労をするかはそこも楽しみにしていますよ!!!この作品のゴジラはどのゴジラシリーズのを出していますかね??忘れちゃいました!!
  21. 21 : : 2018/05/03(木) 21:22:29
    いかなるロボット兵器でもゴジラには勝てませんよね!!エヴァでもガンダムでも!!!ユイの複製品にG細胞を注入して新たな怪獣が出たらエヴァはその怪獣も相手にしなけらばなりませんね!!しかもゴジラとその怪獣と三つ巴の戦いに!!そうなったら最悪ですね!!
  22. 22 : : 2018/05/06(日) 06:48:27
    もし何かのはずみでゴジラの体液がエヴァの体内に入ってしまったらどうなるでしょうね??想像してしまします!!
  23. 23 : : 2018/05/15(火) 21:47:33
    >>20
    カヲル君は是非とも出してほしいと要望をいただいてましたので、このタイミングで出すことにいたしました。
    三人の活躍を見守っていてください!

    >>21
    それ言ってしまうとエヴァも「増殖都市」のメカゴジも敵うかどうか不満ですね(震)

    >>22
    確かそれ、公式ネタであったような……
  24. 24 : : 2018/05/15(火) 21:47:35









    先生「それじゃあ渚君の席は……碇くんの隣でいいかしら?」


    カヲル「わかりました」ニコリ














    先生は空席になっているシンジの隣をカヲルの席に決め、

    カヲルはニコリと笑顔で礼をし、シンジの隣へ向かっていった。














    カヲル「よろしくね」


    シンジ「よろしく、渚君」


    カヲル「えっと、碇くん、でいいのかな?」


    シンジ「うん、そうだよ」














    二人はお互いの名前を確認し合うと、カヲルはシンジに向かって

    手をのばし、握手を求めた。














    カヲル「よろしく碇くん」


    シンジ「こっちこそ」














    二人は優しく握りあい、笑顔を交わした。














  25. 25 : : 2018/05/15(火) 21:47:38












    キーーンコーーン カーーンコーーン

    キーーンコーーン カーーンコーーン





    ――――――――――
    昼休み





    午前中の授業が終了し、お昼休みのチャイムが鳴る。

    ケンスケは手作りのお弁当、トウジはコンビニで買った

    大量のパンを机の上に出した。














    トウジ「さあ来たでぇ、飯の時間やぁ♪」


    ケンスケ「相変わらずトウジはパンばっかか」


    トウジ「ええやろ別に」


    ケンスケ「…あれ?シンジは?」














    ケンスケは、いつもなら一緒に食べにくるシンジが来ないことに

    気づき、辺りを見回す。

    すると、横にカヲルを連れて教室を出て行こうとする彼の姿が

    目に入った。














    ケンスケ「あれ、シンジどこ行くんだ?」


    ケンスケ「渚と一緒に」


    トウジ「なんやて?」














    トウジは出て行こうとするシンジに口の横に平手を寄せて

    声を出した。














    トウジ「お~いシンジ~!」


    トウジ「どこ行くんや~~!」


    シンジ「ごめん、ちょっと食堂行ってくる!」


    トウジ「食堂?」


    シンジ「うん、渚くんが案内してほしいって」


    ケンスケ「なんだ付き添いか。じゃあ仕方ないか」


    シンジ「ごめんね、じゃあ後で」














    シンジはそう言い、カヲルと一緒に出て行った。














    ケンスケ「アイツも大変だな、ゴジラで手一杯って時に転校生の面倒見なんて」


    トウジ「……なあケンスケ」


    ケンスケ「うん?」


    トウジ「アイツ、シンジにやたらくっついてへんか?」


    ケンスケ「…別におかしくないだろ?隣同士なんだし」


    トウジ「せやけどアイツ、シンジの肩に手ぇ乗せとったで?」


    トウジ「もしかするとアイツ……」


    ケンスケ「考えすぎだって。それよりほら、食べよ食べよ」


    トウジ「・・・・・・・・・」














  26. 26 : : 2018/05/15(火) 21:47:41















    ――――――――――
    1F 食堂



    シンジはカヲルを連れ、普段滅多に行かない食堂へと連れて行った。

    教室の5~6倍はある広い一室にずらりと並ぶ長方形のテーブルと椅子。

    出入り口から見て奥にはパンを売っている購買屋、

    その右には6人の調理師が食事を作っている厨房が見える。














    シンジ「ここが食堂だよ」


    カヲル「へぇ、ここがご飯を食べる場所か」


    シンジ「ここで食券とか、パンを買って、みんな色んなモノを食べるんだよ」


    カヲル「フウン、いいところだね」


    カヲル「……ねえ碇くん」


    シンジ「なに?」


    カヲル「碇くんは、何が好きなの?」


    シンジ「え?」


    カヲル「この食堂で、碇くんは何が好きなの?」














    突然の質問に少し戸惑いを見せたシンジだったが、

    すぐに答えを言った。














    シンジ「いや、僕はその、ここでは食べたことなくて…」


    カヲル「え、そうなの?」


    シンジ「いつも、家で作ってきて、教室で食べてるから」


    カヲル「碇くん、料理ができるのかい?」


    シンジ「う、うん、簡単やヤツばかりだけど……」


    カヲル「…すごいんだね、碇くん…」


    シンジ「あ、ありがと…//」


    カヲル「」クスッ














    シンジは少し照れて赤くなり、頬を人差し指でポリポリかいた。

    カヲルはそんなシンジを見てクスッと笑った。














    カヲル「……碇くん、ちょっと待っててもらっていい?」


    シンジ「え?」














    カヲルはそう言うと、パンの購買部へ向かっていった。

    そしてガラスケースのパンを指さしながら店員にパンを注文した。














    カヲル「お待たせ碇くん」


    シンジ「渚君、パンが好きなんだね」


    カヲル「まあね」


    カヲル「……今日天気もいいし、屋上で食べない?」


    シンジ「え、屋上?」


    カヲル「ここの学校って屋上行っていいみたいだからさ、そこで一緒に食べないかい?」


    シンジ「…そうだね!」














    二人は片手に今日の昼飯を持ち、屋上へと昇っていった。




  27. 27 : : 2018/05/16(水) 05:07:39
    意外な早い更新でしたね!!シンジはパンが相当好きらしいですな!!それにしてもカヨルはこの作品でも異質な存在感を出してますね!!シンジはゴジラ対策をカヨルに相談しますかね??しかしエヴァとゴジラの差はお互いに怪物だと言う差なだけなのだと改めて思いますね!!
  28. 28 : : 2018/05/19(土) 11:50:01
    ゴジラ見に行きましたよ!!次回作はキングギドラが登場するらしいですな!!!この作品でもまさかと思いますがギドラが登場するなんてことはないでしょうと思いますが!!
  29. 29 : : 2018/06/02(土) 18:04:18
    >>27 >>28
    僕も見に行きました!
    まさかのギドラには驚きましたね!出るとしたらどのような感じなのか、次回に期待ですね!
    あともう一つ言うと、ギドラは出さない予定です(謝)
  30. 30 : : 2018/06/02(土) 18:04:21






    ―――――――――――――――
    屋上




    二人は屋上へ上がると、そこには10人近い生徒たちがワイワイ喋りながら弁当やパンを食べていた。

    新東京都市がほぼ一望でき、なんら変わりない、

    いくつものビルがそびえている光景が広がっている。

    そして、あの破壊神の巨像も。














    カヲル「碇くん、あそこで食べない?」


    シンジ「う、うん」














    カヲルはフェンスの一角を指さすと、シンジの手を握って彼を引っ張った。

    そこからはフェンス越しに、あのゴジラの凍結した姿が見える。

    二人は座り、シンジは弁当箱、カヲルは紙袋からぱんを出した。














    カヲル「…ねえ碇くん」


    シンジ「ん?」


    カヲル「あれ、なんだと思う?」


    シンジ「え?」














    カヲルはパンをかじりながら、フェンスの外を指さす。

    指していたのは、ゴジラの巨像だった。














    シンジ「あれって、あの怪物のこと?」


    カヲル「うん。どうしても、気になっちゃって…」


    シンジ「あれは、ゴジラって言うんだ」


    カヲル「ゴジラ?」


    シンジ「うん。みんなはそう呼んでる」


    カヲル「どういう意味だい?」


    シンジ「意味?意味は……えっと……」


    シンジ「・・・・・・・・・・・・・」


    シンジ「ごめん、わかんない…」


    カヲル「……そう」


    カヲル「結構大きい像だけど、なんかのイベントがあるの?」


    シンジ「…う、うん、まあね」


    シンジ(渚くんには言わないほうがいいよな)


    シンジ(まだ、知り合ったばっかなんだし)


    カヲル「だけど、なんか変な形してるね、アレ」






  31. 31 : : 2018/06/18(月) 22:01:44




    カヲル「とても、この世界に棲む生物には見えない……」


    カヲル「あの概念のない姿、とても……禍々しい……」


    シンジ「どうしたの、渚君?」














    シンジはゴジラを見つめるカヲルに声をかける。

    カヲルは一度目を閉じ、シンジに振り向くと同時に目を開け、

    ニコリとほほ笑んだ。














    カヲル「いや、なんでもないよ」


    カヲル「ごめんね碇くん、せっかくの食事なのに…」


    シンジ「気分でも、悪いの?」


    カヲル「大丈夫だよ。ありがとう」


    シンジ「良かったらさ、これ飲んでよ」コポポ














    シンジは持ってきた水筒を開け、フタのコップに中身を注いだ。

    中からは、彼お手製の豆腐とネギの具入りの味噌汁が出てきた。














    カヲル「これは?」


    シンジ「味噌汁。パンには合わないと思うけど、良かったら」


    カヲル「碇くんが作ったのかい?」


    シンジ「う、うん」


    カヲル「じゃあ、お言葉に甘えて」














    カヲルはシンジの手からそっとコップを取り、それを包み込むように両手で持ち














    カヲル「いただきます」ペコリ














    と言い、ズズズと微かに音を立てて口に入れた。














    カヲル「……美味しい」


    シンジ「本当?」


    カヲル「美味しいよ碇くん」


    シンジ「良かった。口に合って」


    カヲル「君は凄いね。こんなに美味しい物を作れちゃうなんて」


    シンジ「よ、よしてよ。そこまで言われるほど僕は……」


    カヲル「いつか君の手料理も食べてみたいな」


    シンジ「えぇ!?」














    カヲルの要求にシンジの心はは嬉しさから驚愕へと一転した。

    まさか、まだ会って間もない、しかも男子にこんなことを言われるとは、

    シンジはただあんぐりとした。














    シンジ「それ、本気で言ってるの?」


    カヲル「そう聞こえるかい?」


    シンジ「………いや、多分」


    カヲル「良いよ別に。君がどう思ってくれたって、僕は構わないよ」


    シンジ「う……うん……」


    カヲル「………そうだ碇くん、一つ取引をしないかい?」


    シンジ「え、取引?」



    ガシッ













    するとカヲルは不意にシンジの胸ぐらを掴むと、彼の頭を

    自分の頭まで引き寄せた。














    シンジ「え!?ちょ、ちょっと!!?」


    カヲル「今日の放課後、僕に付き合ってくれるかな?」


    シンジ「へ?」


    カヲル「君に贈りたいものがあるんだ」














    カヲルは耳元でそうつぶやき、階段へと向かっていった。














    シンジ「渚……くん?」




  32. 32 : : 2018/08/04(土) 17:21:18





    ドアを開き下へ降りていくカヲルの後ろ姿を見届けるシンジは

    3秒ほどキョトンとしていた。

    「贈り物ってなんだろう?」という疑問が頭に渦巻く中、

    誰かがドアを開け、屋上に来る。

    それは赤い布に弁当箱を包んだレイだった。

    しかもカヲルが出て行ってほんの10秒、まるで

    すれ違うかのように。

    レイはすぐにシンジに気づくと彼の元へ歩いて行った。














    レイ「碇くんこんにちは」


    シンジ「やあ綾波」


    レイ「もしかして、お昼ご飯?」


    シンジ「う、うん」


    レイ「碇くんが屋上で食べるなんて珍しいわね」


    シンジ「ま、まあ今日は天気もいいしさ」


    レイ「天気がいい日も来てなかったけど?」


    シンジ「う……」


    シンジ「じ、実は、友達に誘われて……」


    レイ「もしかして、さっきの男子?」


    シンジ「うん、一緒に屋上で食べようって言って」


    シンジ「だけど、すぐに帰っちゃって…」


    レイ「じゃあ、一緒に食べてもいい?」


    シンジ「う、うん」














    レイはシンジの横に座り、弁当箱を膝に置く。

    結びを解き、箱のフタを開けると、中には

    おにぎりが1個、厚焼き玉子が二切れ、ウインナーが二個、

    ほうれん草のおひたしが入っていた。














    シンジ「美味しそうだね。綾波が作ったの?」


    レイ「ううん、赤木博士が」


    シンジ「リツコさんか」


    シンジ「もしかして、弁当は全部?」


    レイ「うん。いつも博士が作ってくれてる」


    シンジ「いいなぁリツコさん、料理が出来て」


    シンジ「ミサトさん、いっつもレトルトばかりだし」


    レイ「だから碇くんが作ってるの?」


    シンジ「うん、あまり偏った食事はいけないからさ」


    レイ「誰に料理を教わったの?」


    シンジ「教わってないよ。家にあった本を見て覚えただけ」


    シンジ「だから、普通のヤツしか作れないんだ」


    レイ「……ねえ碇くん」


    シンジ「ん?」


    レイ「今度、もし良かったらでいいんだけど……」


    レイ「私のお弁当、作ってもらってもいい?」


    シンジ「え、綾波の?」


    レイ「私、碇くんのお料理、もっと食べてみたい」


    シンジ「綾波………」


    シンジ「わかったよ綾波」


    レイ「ありがとう」ニコッ














    レイはかすかに笑顔を見せ、シンジは少し頬を赤らめた。




  33. 33 : : 2018/08/04(土) 17:34:17





    レイ「ねえ碇くん」


    シンジ「ん?」


    レイ「これあげる」ヒョイ














    レイは自分のウインナーをシンジの弁当箱に入れた。














    シンジ「え、いいの?」


    レイ「うん。私のワガママを聞いてくれたお礼」


    シンジ「あ、ありがとう」














    二人は箸を持ち、食事を始めた。

    さっそくシンジはレイからもらったウインナーをいただく。

    ウインナーは冷めているが柔らかく、とても美味しい。

    シンジはすぐさま白米に手を回す。

    だが、シンジは食べている最中、あることに気づいた。














    シンジ(待てよ、確か綾波って……)


    シンジ(肉食べられないんじゃなかったっけ?)


    シンジ(……じゃあこのウインナー、もしかして)


    シンジ(食べられないから渡したんじゃ……?)














    そんな素朴なことが頭によぎりながらシンジは弁当を食べた。














    シンジ(あとで聞いてみようかな……)


    シンジ(……いや、別にいいか。美味しかったし)




  34. 34 : : 2018/08/28(火) 20:09:23















    ―――――――――――――――
    放課後





    放課後、生徒たちは荷物をまとめ、下校の準備をし、帰宅していく。

    シンジも机の教科書、ノートをカバンに入れ、身支度をする。














    カヲル「碇くん、準備できたかい?」


    シンジ「あ、うん。もう少し」


    カヲル「慌てないでいいからね」














    カヲルはすでに身支度を済ませ、カバンを肩にかけていた。

    シンジも待たせてはいけないと思い、

    すぐにカバンのチャックを閉じた。














    シンジ「ごめん、お待たせ」


    カヲル「じゃあ、行こうか」














    カヲルがそう言うと、シンジの肩に手をおく。

    すると奥から














    「ちょっと待てや転校生!」














    男子の怒鳴り声が聞こえた。

    声の口調からシンジはすぐに誰かわかった。

    トウジだった。














    シンジ「え、トウジ!?」


    トウジ「お前いつまでシンジにベタベタしてんねん!」


    カヲル「……ベタベタ?」


    トウジ「男同士朝から晩までくっつきおって!」


    シンジ「や、やめてよトウジ!!」


    トウジ「シンジ、ワシもお前のためや思うて大目に見といたがもう限界や!」


    カヲル「………なんかよくわからないけど、僕ひどいことしちゃったのかな?」


    シンジ「渚君は悪くないよ!」


    ケンスケ「なあ三人とも、それぐらいにしとかないか?」


    ケンスケ「ねえ転校生くん、悪いけど碇はこれから俺たちと予定あるんだよ」


    ケンスケ「今日はこれまでにしといてもらえるかな?」


    シンジ「あっ……」














    シンジはハッと思い出した。

    それは今朝、自分で決めた

    研究所に行き、山根健吉に会いに行くことを。














    カヲル「なんだ、そういうことだったのか」


    カヲル「じゃあ仕方ないね」


    シンジ「ごめん渚君…。僕スッカリ忘れてて……」


    カヲル「いいんだよ別に」


    カヲル「じゃあ、僕は行くよ」


    カヲル「みんな、また明日ね」ニコリ














    カヲルは潔く身を引き、ニコリと笑顔を送り、教室を出て行った。














    トウジ「ケッ!最後まで嫌な奴やで!」


    ケンスケ「トウジもういいだろ」


    ケンスケ「碇もほら、もう行こうぜ」


    シンジ「……うん」














    シンジは一人、罪悪感を感じながら二人と共に下駄箱へ向かった。

    外にはすでにレイが待っていた。




  35. 35 : : 2018/09/23(日) 21:07:11






    ケンスケ「よぉ綾波、お待たせ」


    シンジ「ごめんね、遅れちゃって」


    レイ「大丈夫。私もさっき終わったところ」


    トウジ「ほなら行くで、出発や!」














    四人は肩を並べて校門を抜け、

    普段の帰り道とは反対の道を進んでいく。

    こういう用事や予定とかなければまず通らない見慣れない道。

    四人は夕陽に照らされたオレンジの道を歩くこと約10分。

    海沿いに設置された巨大な建物が見えてきた。

    白い長方形に巨大なガラスが貼られている。














    シンジ「あれかな?」


    レイ「うん」コクリ


    ケンスケ「あそこが研究所か」


    トウジ「やっと着いたか」














    入り口はちょうど、かけられた橋を渡って真正面に見えた。

    四人は小走りで向かい、およそ1分ほどで到着。

    自動ドアが開くと、入り口にいた女性スタッフが声をかけてきた。














    女性「あら、アナタたちは?」


    シンジ「あ、あのすいません。山根博士は、いますか?」


    女性「山根……室長の山根のことかしら?」


    レイ「そうです。私たち、先生に用があるんです」


    女性「………もしかしてアナタたち」


    女性「碇シンジ君と、綾波レイさん?」














    女性は二人の名を言うと、二人は同時に目を一瞬見開いた。

    「なんで名前を知っているんだ?」

    その疑問を二人はすぐさま問いかけた。














    シンジ「え、どうして僕の名前を…?」


    女性「実は室長から、君たちが来たらこれを渡してほしいって頼まれたの…」カサッ














    女性はジャケットの内ポケットからカサッと音を立て、

    何かを取り出した。

    それは白い封筒だった。














    レイ「これは?」


    女性「見てないからわからないけど、多分手紙じゃないかしら?」


    シンジ「先生が僕たちに……?」


    ケンスケ「あの、今先生は?」


    女性「いないわ。1時ごろに出て行っちゃったから」


    トウジ「えらいはよぉ帰ったのぉ」


    女性「そういうことだから、アナタたちも早く帰りなさい」


    女性「もうすぐ日が暮れるから」


    シンジ「あ、ありがとうございました」














    シンジ達はお礼を言い、外へ出た。














    ケンスケ「それで、なんだそれ?」


    シンジ「先生が僕たちにって預かってたヤツらしいんだ」


    トウジ「せっかくや、見てみようや」


    レイ「そうね。私も気になるわ」


    シンジ「わかった」ピリッ














    シンジはもらった封筒のとじ目をピリッと破き、息を吹いて

    中身を膨らませた。




  36. 36 : : 2018/09/23(日) 21:07:16





    中を見ると、三枚折の紙が2枚入っていた。

    シンジは中に手を入れ、紙をつまんで取りだす。














    レイ「それは?」


    シンジ「手紙……かな?」パラッ














    シンジはその紙を開くと、そこにはこう書かれていた。



  37. 37 : : 2018/09/23(日) 21:07:20





    ―――――――――――――――――
    拝啓 シンジ君、レイさん


    突然の手紙、失礼します。

    二人に話したいことがあるので、

    明日までに指定した場所に来てほしい。

    場所は別紙に記しておきます。


    山根より
    ―――――――――――――――――




  38. 38 : : 2018/09/24(月) 20:27:53





    トウジ「ほぉ、あのセンセの手紙やな」


    ケンスケ「碇たちに話したいこと?」


    シンジ「………もしかして」


    レイ「オキシジェン・デストロイヤー?」


    シンジ「いや、でも先生は、あれは二度と作れないって……」














    シンジはその手紙の後ろにあったもう一枚を前に出して見てみる。

    手紙の内容にあった、来てほしい場所を記している紙である。














    ―――――――――――――――――



       六道山公園 廃研究所



    ―――――――――――――――――














    シンジ「六道山公園……廃研究所?」


    ケンスケ「あんなとこに研究所なんてあったか?」


    レイ「ここからなら、電車で90分ね」


    ケンスケ「行くのか、碇?」


    シンジ「……行くよ」


    トウジ「よっしゃ、ほならワシらも……」


    シンジ「二人はいいよ」


    トウジ「ハァ?なんでや?」


    レイ「手紙に書いてある、二人だけで来てほしいって」


    ケンスケ「……どうやらこの先は、俺たち一般人は関わり禁止みたいだね」


    シンジ「ごめん二人とも。後は大丈夫だからさ」


    トウジ「……しゃあないのぉ」


    レイ「ありがとう鈴原君、相田君」


    レイ「あとは私と碇くんに任せて」


    ケンスケ「…わかったよ。気を付けて行けよ」


    トウジ「ハァ、ここまで来てホンマ白けるでぇ」














    四人は研究所の前で分かれ、トウジとケンスケは帰宅。

    レイとシンジは最寄りの駅に向かった。














    ―――――――――――
    新箱根湯本駅




    二人は最寄り駅の箱根湯本までたどり着き、

    そこから電車に乗車した。

    ここから六道山公園まではおよそ90分。

    二人にとって、ちょっとした遠出となった。














    シンジ「・・・・・・・・・・・・」


    レイ「・・・・・・・・・・・・・」


    シンジ「ねえ綾波」


    レイ「なに、碇くん」クルッ


    シンジ「僕、最近よく同じ夢を見るんだ」


    レイ「また、お母さんが消える夢?」


    シンジ「違う。電車に乗る夢」


    シンジ「ちょうどこんな感じだから、ふと思い出してさ」


    レイ「……そう」














    レイはつぶやくように返事をすると、

    シンジの隣に座った。




  39. 39 : : 2018/10/13(土) 19:25:25





    外はだんだんと暗くなり、道路にそって建てられた街灯が明かりを照らし始めていく。

    道路、都内のビル群。

    そして、あのゴジラもライトを照らされていた。

    その周囲にはヘリが3機飛び交っている。

    レイはふとその光景を目にするとシンジに話しかけた。














    レイ「ねえ碇くん」


    シンジ「ん、なに?」


    レイ「あそこ、見て」


    シンジ「あれ……ゴジラのこと?」


    レイ「何してるのかしら?」


    シンジ「なんだろう。ここからじゃ見えないけど…」


    レイ「博士、もう改造は終わったかしら?」


    シンジ「……どうかな」


    シンジ「アイツが動き出す前に、済んでくれればいいんだけど……」

















    ――――――――――――――――――――――
    ゴジラ周辺 関係者以外立入禁止区域




    先ほどレイの目に止まったここゴジラの巨像エリアでは、

    マコト、シゲルの指揮のもと、大規模な作業が行われていた。














    シゲル「よーし、そこで縛れ!!」


    マコト「緩みのないようしっかりだぞ!!」














    ゴジラ監視役担当の

    ”日向マコト”と”青葉シゲル”

    の二人は、軍隊の指揮を取りながら、

    ゴジラの巨像に

    何本、何十本、何百本もの鋼鉄製ワイヤーを縛り付けていた。

    3機のヘリが上空までワイヤーを持っていき、

    それをゴジラの肩に待機していた兵が受け取り、肩にかけ、

    下の兵がガッチリと固定。

    しかもこの時点で、

    まるで網にかかったかのように、ゴジラの身体は

    がんじがらめ状態になっていた。














    シゲル「ここまで縛っておけば、動いても少しは時間を稼げるだろう」


    マコト「ああ。だが念には念を入れておこう」


    シゲル「いつまで続けるきだよ。昼間っからずっとこうしてんだぞ?」


    マコト「グダグダいうな。早くついてこい」


    シゲル「へいへい」














    シゲルはマコトの後に渋々付いていき、

    ゴジラの拘束作業を続けた。




  40. 40 : : 2018/10/13(土) 19:59:38





    ―――――――――――――――――
    六道山公園





    およそ90分の電車の旅を終え、

    二人は山根の手紙に記されていた六道山公園に到着した。

    この中にある廃研究所に山根は二人の到着を待っている。














    シンジ「着いたよ綾波」


    レイ「この中に研究所があるらしいけど」


    シンジ「でも、どこだろう。ここ初めてだから…」


    レイ「……私、心当たりがあるわ」


    シンジ「え、ホント」


    レイ「うん、付いてきて」














    見慣れない公園の中、シンジはレイの後についていく。

    とても広い公園で都内ではたまに見かける緑のエリア。

    街頭に照らされた公園はもう、緑の世界から暗い世界へと変わっていた。

    そしてその暗い公園を歩くことおよそ3分頃、














    レイ「碇くん、あそこ」














    レイが指を指したその先には

    古い大きな建物があった。

    建物としての原型は留めているものの、

    かなり放置されていたのか、所々壁にヒビが入っており、

    窓ガラスはほぼ全て割れていた。














    シンジ「あそこに、博士がいるのかな?」


    レイ「ねえ碇くん、あそこ見て」














    レイは研究所の出入り口付近にバイクが停めてあるのに気づく。

    欠陥してるとは思えないほどピカピカで、

    ハンドルにはヘルメットがかけてある。














    レイ「誰か来てるみたいね」


    シンジ「じゃあやっぱり、ここに博士が…!」


    シンジ「行こう綾波!」


    レイ「ええ」














    シンジは駆け足で廃研究所へと向かった。




  41. 41 : : 2018/10/28(日) 16:14:38





    ―――――――――――――――
    廃研究所





    二人はボロボロになったドアの前まで来ると、シンジが

    ドアノブに手をかける。

    ドアノブは錆びており、握るとパラパラと塗装が剥がれ落ち、

    ギィギィと音がなった。

    シンジはそのままドアを押し開ける。

    そして中をのぞくと……














    ガチャッ

    シンジ「お邪魔しま~す」














    シンジはそっと中を覗き込むが、中は真っ暗。

    人の気配は感じられない。














    シンジ「山根博士?」


    レイ「博士、いますか?」














    二人は山根の名を呼ぶが、その暗闇から返事はない。

    シンジは携帯を取り出すと、その携帯に付いているライトを付けた。

    ライトに照らされたのはガラスや落ち葉が散乱した廊下。

    その奥を見てみると、ドアがいくつか見えた。














    シンジ「行ってみよう綾波」


    レイ「ええ」














    シンジはレイの手を握り、ライトで前を照らしながら

    彼女を引っ張っていく。

    歩くたびに、パキッ、パリッ、と落ち葉やガラスを

    踏みつける音がする。














    ――――――――――――
    1号室





    最初に辿り着いたドア。そこには「1」と記されていた。

    シンジはドアを開けると、そこには人影はなかった。

    床には割れた試験管、丸椅子などが転がり、

    ドアのすぐ横には木製のタンス。

    中は空のビーカーが5個ほど並んでいる。














    シンジ「いない……みたいだね」


    レイ「ねぇ碇くん」クイクイ


    シンジ「ん?」














    レイがシンジの袖を引っ張る。

    シンジがレイの方を向くと、レイが奥を指さしていた。














    シンジ「どうしたの?」


    レイ「あそこの部屋、見て」


    シンジ「ん?」














    シンジがライトを向けると、奥のドアが開いていることに

    気づいた。

    周りと違ってそこだけ唯一開いているドアに

    シンジはかすかに違和感を感じた。




  42. 42 : : 2018/11/01(木) 23:36:00





    シンジ「なんだろう、あそこだけ開いてるね」


    レイ「もしかして、あそこに山根博士がいるんじゃ…?」


    シンジ「……行ってみよう」














    シンジは小走りでレイを引っ張っていき、奥の部屋へ向かう。

    ドアは約45度半開きになっており、

    ドアにはプレートが貼られてあった。

    だがそのプレートには


    ―――――――――
     理   長 
    ―――――――――


    の2文字しか残っていなかった。














    シンジ「理……長……?」


    レイ「『理事長室』じゃないかしら、ひょっとして」


    シンジ「なるほど、理事長室ね」














    シンジは納得するようにうなずくと、

    ドアノブに手をかけ、そのまま引いて開く。

    中は当然真っ暗。

    シンジはライトを照らすと、真正面に大きな机が照らし出された。














    シンジ「先生、山根先生?」


    レイ「博士、いますか?」














    二人はライトで周りを照らしながら山根の姿を探す。

    だがそこには山根の姿はなかった。

    ただ大きな机があるだけだった。














    シンジ「いない…のかな?」


    レイ「見当違いだったかしら?」














    二人は山根を探しながらその部屋を歩き回っていると














    コツッ


    シンジ「ん?」














    シンジは足に何かがぶつかった感触をかんじた。

    それは小石、ビン、試験管などの小さい物でなく、

    もっと大きなモノだった。

    シンジは「何だ?」と感じ、

    ライトを向けると














    一人の大人が床に倒れていた。

    しかも頭からは血が流れていた。














    シンジ「うわあああっ!!」














    シンジは恐ろしい光景に悲鳴をあげ、携帯を落としてしまった。

    レイはその悲鳴を聞くとすぐにその大人に駆け寄った。














    レイ「大丈夫ですか!?」ユサユサ


    レイ「しっかりしてください!」ユサユサ














    レイは身体を揺さぶり、意識を確認する。

    返事はないが、その身体にはまだ体温があった。














    レイ「碇くん、手伝って!」


    シンジ「う、うん!」




  43. 43 : : 2018/11/06(火) 22:06:11





    シンジは駆け寄り、身体を仰向けにするよう肩を持ち上げる。

    そしてそのまま横向きから倒れ、身体の前面が上を向く。

    だがその大人の顔を見た瞬間、二人は驚愕した。














    シンジ「あっ!」


    レイ「山根博士!?」














    なんとその倒れていた人物は山根健吉だった。














    シンジ「どうして、博士が!?」


    レイ「碇くん救急車!早く!」


    シンジ「う、うん!」














    一人困惑するシンジだが、レイは適切な判断で

    シンジに救急車を呼ぶよう伝える。














    シンジ「もしもし、救急車お願いします!」


    シンジ「六道山公園にある、廃研究所です!」


    シンジ「…はい、お願いします!」


    シンジ「綾波、ひとまず外に運ぼう!」


    レイ「ええ」














    救急車が来てすぐ乗せられるよう、

    シンジは山根を担ぎ、レイはその背中を支え、

    ゆっくりと彼を外まで運んだ。




  44. 44 : : 2018/11/09(金) 20:25:05





    ――――――――――――――
    新東京病院 待合室




    シンジ「先生、大丈夫かな?」


    レイ「大丈夫よ」














    今から30分前。

    山根は救急車で、ここ

    「新東京病院」に運ばれた。

    そして今は手術室で緊急のオペを受けている。

    シンジとレイは山根の無事を祈りながら座って待っている。














    看護師「碇さん、綾波さん」


    シンジ「は、はい!」


    レイ「はい」














    看護師に呼ばれ、二人は立ち上がると、

    走りながら駆け寄った。














    シンジ「博士は無事ですか!?」


    看護師「落ち着いてください」


    看護師「無事終わりましたよ」


    シンジ「よ、良かったぁ」


    レイ「今会えますか?」


    看護師「残念だけど今は麻酔が効いてるわ」


    看護師「明日なら大丈夫ですよ」


    シンジ「そう…ですか」


    レイ「……仕方ないわ碇くん」


    レイ「出直しましょう」


    シンジ「そうだね」














    レイはシンジの手を取り、病院を後にした。














    シンジ「博士、一体何があったんだろう?」


    シンジ「あんな研究所に来てほしいって言って、そこで倒れてるなんて……」


    レイ「明日詳しく聞いてみましょう」


    レイ「どう考えても、ただ事じゃないようだし」


    シンジ「うん、そうだね」














    明日は日曜日。

    帰りの間際、二人はコンビニにより、夜食のお弁当を買って行った。

    シンジは幕の内とインスタントの味噌汁。

    レイは梅のおにぎりを二つ購入した。




  45. 45 : : 2018/11/27(火) 20:14:11





    ――――――――――――――
    ミサトのマンション




    帰ったのは午後10時近く。

    シンジは風呂を沸かし、その間に二人は食事の準備を始める。

    シンジはヤカンに火をかけ、レイは箸とコップ、

    麦茶をテーブルに置く。














    シンジ「今日はもう遅いから、これでいいかな?」


    レイ「うん、ありがとう」



    チン



    シンジ「お、出来た」














    後ろで聞こえた電子レンジの音を聞き、シンジは

    温めていた弁当を取りに行った。














    レイ「」コポポポポポポポ














    レイはインスタントの味噌汁にお湯を入れ、手前と奥、

    シンジと自分の所に置く。

    向こうからシンジが来ると、レイは椅子に座った。














    シンジ「お待たせ綾波」


    レイ「大丈夫。いただきましょう」


    シンジ「うん」パカッ














    シンジは弁当のフタを開けると、モワッと湯気が、

    シンジの顔面に向かって立ち昇った。














    シンジ「いただきます」
    レイ 「いただきます」














    二人は声と手をを揃え、ペコリと頭を下げ、箸を手に取った。














    シンジ「美味しい」モグモグ


    レイ「……美味しい」ズズズ




  46. 46 : : 2018/12/21(金) 19:44:04





    二人はほっこりしたような表情を浮かべ、

    向かい合って夜食に買った弁当とおにぎりを

    口に入れていった。

    気が付けば時計はもうすぐ12時になろうとしていた。














    シンジ「もうこんな時間か」


    レイ「食べたらすぐ眠ったほうがいいわね」


    シンジ「そうだね」


    レイ「私、先にいい?」


    シンジ「あ、うん。お休み綾波」














    先に食べ終えたレイはおにぎりのプラスチックの包み紙を

    丸めて捨て、奥のミサトの部屋に向かった。

    シンジも早く寝ようと、弁当の白米と残ったおかずを

    口に流し込んだ。

    そのせいでシンジの頬は少し膨らんだ。














    シンジ(まずい、さすがに入れすぎた……)














    シンジは冷蔵庫からペットボトルに入った緑茶を取り出し、

    そのままラッパ飲みで口に入れる。

    徐々に口の中身をお茶と共に飲み込んでいき、

    ようやく落ち着きを取り戻す。














    シンジ「よし、じゃあ僕も寝るか」














    シンジも自分の寝床に向かい、居間の明かりを消した。














  47. 47 : : 2018/12/21(金) 19:44:07















    ――――――――――
    翌日




    夜が明け、眩しい日光が照り付ける。

    いつもと変わらぬ常夏の朝が来る。

    時刻は6時30分。

    シンジは寝ぼけ眼でうっすらと眼を開け、

    上半身を起こす。














    シンジ「朝か」



    ジューー ジューー



    シンジ「ん?」














    シンジはドアの先から何かが音を立てているのに気が付く。

    まるでそれは何かを焼いているかのような音だった。














    シンジ「なんだ?綾波か?」














    シンジは立ち上がり、ドアを開ける。

    そこには、

    居間のキッチンでレイが何かを焼いていた。














    シンジ「え、綾波?」


    レイ「あ、碇くん。おはよう」


    シンジ「え、なにしてるの?」


    レイ「朝ごはん、作ってるの」


    シンジ「ええぇ?」














    それは意外、意外過ぎるものであった。

    あの綾波がご飯を作っている。

    そんな彼女を一度も見たことがないシンジは

    ただただ、口を開けっぱなしで驚いていた。














    シンジ「驚いたな。綾波も料理を作るんだ」


    レイ「碇くんみたいに上手じゃないけど、一応」


    シンジ「凄いね、誰に教わってるの?」


    レイ「赤木博士。週に一回は教えてくれるの」


    シンジ「リツコさんが?」


    レイ「うん」


    レイ「『はなよめしゅぎょう』とか何とか言って、いつも教えてくれるの」


    シンジ「へ、へえ……」














    シンジは若干首を後ろに引き、苦笑いを浮かべた。














    シンジ(リツコさん、一体綾波にどうなってもらいたいんだ……?)




  48. 48 : : 2019/01/16(水) 19:43:33




    シンジ「じゃあ僕、他のを用意するよ」


    シンジ「綾波は、パンでいい?


    レイ「うん、ありがとう碇くん」














    シンジは台所の棚から6枚切りの食パンを取り出し、

    それを脇にはさんで持ち、冷蔵庫からジャムとマーガリンを

    両手で持ち、テーブルに運んで行った。

    運び終えたら次にコップと牛乳、フォークを二本と箸を二組

    持ち、テーブルに並べ、準備を進めていく。














    シンジ「綾波、まだ?」


    レイ「待って、今皿に乗せるから」


    シンジ「わかった」














    シンジは先に座り、レイの初めての手料理を待つ。

    「一体何を作ったんだろう」と

    ワクワクし、シンジは台所を覗き込みながら待っている。














    レイ「お待たせ、碇くん」


    レイ「どうぞ」コトッ


    シンジ「ありがとう、綾波」


    シンジ「………え?」














    シンジの前に出された料理は見たことも無い料理だった。

    色は白で真ん中あたりは黄色く、端っこは真っ黒に焦げてしまっている。














    シンジ「綾波、なにこれ?」


    レイ「目玉焼き」


    シンジ「目玉焼き!?」














    それは言われないとわからないぐらい、目玉焼きとは

    ほど遠いものだった。

    黄身は見る影もなく潰れており、端っこは真っ黒。

    シンジは目を丸くしながら呆然としていた。














    シンジ(で、でもまぁ練習中なんだし、こうなるのは当然だよね……)


    シンジ(綾波の気を悪くするのも悪いし……)


    シンジ「あ、ありがとう綾波」


    レイ「ごめんなさい。まだ上手に焼けなくて」


    シンジ「いいんだよ。そのうち上手く焼けるようになるよ」


    レイ「……うん」


    シンジ「じゃあほら、いただこう」


    レイ「ええ」














    二人は向かい合って座り、手を合わせ、

    「いただきます」とお辞儀をした。




  49. 49 : : 2019/02/03(日) 06:51:38





    シンジ「食べたらすぐ病院に行こうか」


    レイ「ええ」


    シンジ「なにか、果物とか買ってってさ」


    レイ「そうね」














    今日は山根に会いに行く日曜日。

    二人は朝食を食べながら段取りを決めていく。














    シンジ「」モグモグ


    シンジ(やっぱりちょっと焦げ目が多い分苦い……)


    シンジ(だけど味は悪くない…)


    シンジ(……ちょっとイケるかも)














    シンジはレイお手製の目玉焼きを味わい、

    苦味を感じると顔が歪み、普段食べている感触を感じると、

    その歪みが消えた。














    レイ「」モグモグ


    レイ「」モグモグ














    だが、そうしているシンジに対し、レイは

    表情を一切変えず、箸で一口分に分け、

    それをヒョイヒョイと食べている。
















    ――――――――――――――
    20分後




    シンジ「ごちそうさまでした」
    レイ 「ごちそうさまでした」














    二人は20分後、ようやく完食。

    シンジは食器を片し、レイは冷蔵庫に戻すモノを運んだ。

    シンジは皿とお椀を慣れた手つきで洗い、

    サッと食器を洗い終えた。














    シンジ「じゃあ行こうか」


    レイ「うん」














    二人はカバンを持ち、玄関を開け、

    外に出た。




  50. 50 : : 2019/02/11(月) 17:49:34
















    ――――――――――――――――
    新東京病院




    電車を乗り継いでいき、昨日山根を運んだ病院へと二人は

    到着する。

    平日は8時30分からだが、休日は30分遅めの9時からの

    開院となっている。

    シンジは携帯の時計を見ると、9時まであと10分だった。














    シンジ「少し早すぎたね」


    レイ「10分なんてすぐよ。このまま待ってましょう」


    シンジ「そうだね」














    二人は入り口近くに置かれたベンチに座り、病院が開くのを

    待つことにした。














    シンジ「………今のうちに、博士に聞いておきたいこととかまとめておこうか?」


    レイ「そうね」


    レイ「博士には色々と聞きたいことがあるし」


    シンジ「じゃあまずは……」


    レイ「・・・・・・・・・」


    シンジ「・・・・・・・・」


    レイ「・・・・・・・・・」


    シンジ「・・・・・・・・」














    二人は話し合いながら、聞きたい質問を相談し、整理していく。

    そして気が付けば時刻は9時になり、

    白衣を着た女性が入り口の自動ドアのカギを開け、

    病院を開いた。














    シンジ「お、時間だ」


    レイ「じゃあ、行きましょう」















    ―――――――――――
    1階 受付




    レイ「すみません、山根健吉さんの面会に来たんですが」


    受付「山根健吉さんですか?」


    受付「ちょっとお待ちください」カチカチ














    受付に座る中年の男性はデスクトップパソコンで

    山根の部屋を検索する。














    受付「山根さんなら、南棟の301号室ですよ」


    レイ「ありがとうございます」ペコリ














    レイはお礼を言い、南棟に向かう。

    この病院には4階まであり、病室は南、東、西の3つの棟にあり、

    北の方には医療器具や手術室、薬局や売店などの設備が置かれた

    構造となっている。














    ――――――――――――
    南棟 3階




    二人はエレベーターで3階に付くと、すぐに301号室へと

    向かった。














    シンジ「番号だと、こっちだよね」


    レイ「あそこよ碇くん」














    レイは端から2番目の病室を指し、速足で向かう。

    シンジはそのままドアを開けようとしたが、

    シンジは不意に手を止めた。




  51. 51 : : 2019/02/11(月) 18:26:43





    シンジ「え?」














    そのドアには

    「面会謝絶」

    のプレートが貼られていた。

    面会謝絶、

    すなわち、患者の面会を断ることである。














    シンジ「なんで、どうして?」


    レイ「どういうこと?」














    二人は呆然としたが、今は一刻を争う時。

    ここで立ち止まっているわけにはいかない。

    そう感じたのか、

    レイはドアを少し開け、中を覗き込む。














    シンジ「お、おい綾波!」














    シンジはそれを見て焦り、彼女を止めようとしたが














    レイ「碇くん静かに」ヒソヒソ


    シンジ「え?」


    レイ「中にもう一人、誰かいる」ヒソヒソ


    シンジ「!?」














    シンジはその言葉を聞いて少し動揺する。














    シンジ「確かなの?」ヒソヒソ


    レイ「うん、顔は見えないけど、そばに誰か座ってる」ヒソヒソ


    シンジ「僕にも見せてよ」














    シンジはレイの頭の上に頭を持っていき、ドアの隙間を覗いてみる。














    シンジ「ホントだ!」ヒソヒソ


    シンジ「…………女の人?」














    シンジはその人物の足元を見てみると、紅のヒール靴を履いた

    細い足が目に入った。














    ガラガラガラガラガラガラ














    シンジ「あ、綾波!」














    レイは押し入るかのようにドアを開け、部屋に入った。

    シンジもアタフタしながら後に続く。

    みると、そこには確かに女性が山根のベッドのそばに丸椅子で

    腰かけていた。














    女性「ちょっと何あなたたち!?」


    レイ「山根博士に会いに来ました」


    女性「あなたドア見なかったの?」


    女性「面会はお断りよ、さっさと帰ってちょうだい!」


    シンジ「お断りって、僕たちは博士に呼び出されてきたんです!」


    女性「とにかく今はダメよ!」


    女性「健吉は今、話せるような状態じゃないの!」


    レイ「………あなた、博士の身内ですか?」


    女性「え?」














    さっき女性が山根を名前で呼んだのを聞き、レイは

    すぐさま感づくように聞く。

    すると女性は軽く深呼吸をし、さっきとは違う

    落ち着いた声で喋りだす。














    女性「ええそうよ」


    ゆかり「私は山根ゆかり」


    ゆかり「健吉の姉よ」


    シンジ「博士の、お姉さん!?」


    レイ「やっぱり」














    ゆかりはポケットから名刺を取り、二人に見せる。




    ―――――――――――――――――
    ニュース東京ウィークス


    山根(やまね) ゆかり


    〒122-0023
    第3首都東京西区東京スタジオ
    TEL.001-023-1222
    ―――――――――――――――――




  52. 52 : : 2019/03/20(水) 19:46:28





    シンジ「ニュース東京って、テレビの人なんですか?」


    ゆかり「そうはいっても女優じゃないわ」


    ゆかり「冴えないキャスターやって、なんとか食べてってる感じだけど」


    レイ「ゆかりさん、私は綾波…綾波レイです」


    シンジ「僕は碇シンジです!」














    レイとシンジもゆかりに名前を言い、ペコリとお辞儀をする。














    ゆかり「健吉のお知り合いって言ってたけど、ホント?」


    シンジ「は、はい!」


    ゆかり「あなたたち中学生?」


    シンジ「そ、そうですけど?」


    ゆかり「…もしかして、エヴァのパイロットさん?」


    シンジ「!?」ギクッ














    余りに偶然とは思えない感にシンジは一瞬目を丸くする。

    シンジは首にたれた冷や汗を拭い、














    シンジ「はい、そうです」














    自分の正体を打ち明けた。














    ゆかり「やっぱりね。健吉がアナタに近づいた理由もわかったわ」


    シンジ「どうしてわかったんですか?」


    ゆかり「女の感」


    シンジ「え」


    ゆかり「…っていうのは嘘」


    ゆかり「私も仕事柄いろんな情報が耳に入って来てね」


    ゆかり「エヴァのパイロットは碇という少年…というのを小耳に挟んだのよ」


    ゆかり「それがアナタだとは知らなかったけどね」


    シンジ「…なるほど」


    レイ「ゆかりさん、私もパイロットです」


    ゆかり「あらそう。改めてよろしくね」














    「う~ん、うるさいなぁ。なんの騒ぎ?」














    三人が喋る中、そのすぐ後ろから弱々しくか細い声が聞こえる。

    山根が包帯が巻かれた頭を起こし、目を覚ました。














    ゆかり「け、健吉!」


    山根「あれ、姉さん、来てたのかい?」


    シンジ「博士!」


    レイ「博士、目覚めたんですね」


    山根「あれ、シンジ君にレイさん、来てたのか」














    ゆかりはその健全な状態を見ると、目に涙を浮かべ、ガバッと抱き着いた。




  53. 53 : : 2019/04/19(金) 21:37:17





    山根「うわっ、ちょっと姉さん!!?」


    ゆかり「良かった、ホントに良かった!!」














    ゆかりは健吉の胸に顔をうずめて泣きじゃくった。

    山根は泣いて身震いする彼女の頭に手を添え、そしてなでた。














    山根「ごめんね姉さん、心配かけて」


    山根「碇くんもレイさんも」


    シンジ「無事でホントに良かったです」


    レイ「」コクリ














    レイは無言で頭を下げると、

    コツコツと音を立てて歩み寄る。














    レイ「博士、一体何があったんですか?」


    山根「え?」


    レイ「どうしてあの建物で倒れていたんですか?」


    山根「建物……?」














    山根は頭に右手を当て、目を泳がせる。














    山根「…そうだ、僕はあの時」


    山根「そ、そうだ、ディスクは!!?」














    山根は何かを思い出したのか、ベッドから起き上がり、

    ウエストバッグが置かれたテーブルに駆けていった。

    シンジ、レイ、ゆかりの三人も後を追う。














    シンジ「ディスク?」


    ゆかり「ディスクってなにそれ?」


    山根「」ゴソゴソゴソゴソ














    中身をかきみだしながら、山根は何かを探していた。

    そしてその動きがピタリと止まる。














    山根「あった……無事だった……!」


    シンジ「それは?」














    シンジが覗き込むようにそのディスクを見ると

    表面は真っ白で、黒い文字のような模様が見えた。














    レイ「博士、それはなんですか?」


    山根「僕と伊集院博士の研究成果……っていうところかな」














    山根がそのディスクをベッドテーブルに置く。

    シンジ、レイ、ゆかりがそのディスクを見ると、

    その表面には


    「PROJECT OD」


    と、黒いマジックで書かれていた。




  54. 54 : : 2019/05/02(木) 15:38:45





    ゆかり「プロジェクト…OD?」


    シンジ「ODって、何ですか博士?」


    山根「今君たちが知りたがっているヤツだよ」


    レイ「…まさか」














    この頭文字、そしてレイとシンジが知りたがっているモノ、

    この2つのヒントを聞いた時、レイは察する。














    レイ「Oxygen(オキシジェン) Destroyer(デストロイヤー)


    山根「……そうだよ」


    山根「このディスクには、その製造法が記されている」


    ゆかり「なんですって!?」


    シンジ「このディスクにですか!?」














    シンジは驚愕した。

    最初は「もう作れない」と宣言された最強の兵器。

    その製造法が記されたデータが、今目の前にあることに、

    シンジは驚きを隠せなかった。














    ゆかり「健吉、ホントにこれに、オキシジェン・デストロイヤーの設計図が………?」


    山根「ああ、伊集院博士が、僕に残していってくれたんだ」


    シンジ「すごいですよ博士!」


    シンジ「じゃあさっそくオキシジェン・デストロイヤーを…」














    シンジがディスクに手を伸ばした瞬間、

    横にいたゆかりがすかさずそのディスクを取り上げた。











    ゆかり「ダメよ」


    シンジ「え?」


    ゆかり「健吉、アナタ忘れたの?」


    ゆかり「恵美子おばさまとの約束を」


    山根「姉さん……?」


    ゆかり「死ぬ前に私たちに”もうあの兵器を蘇らせないでほしい”って……」


    ゆかり「あの時二人で、約束したでしょ?」


    山根「…それは」


    ゆかり「これのせいでおばさまは……」














    ゆかりはディスクをポケットに入れ、

    サッと方向転換すると、ドアを開け病室を出て行った。














    シンジ「あ、ゆかりさん!」


    山根「姉さん、待って!!」














    山根は突然の姉の行動を見て起き上がろうとしたが、

    まだ身体に力が入らなかった。














    シンジ「綾波、博士をお願い!」














    シンジはレイにここを任せるよう言うと、

    ゆかりの後を追った。














  55. 55 : : 2019/05/26(日) 22:51:47





    ―――――――――――――――
    病院 屋上




    シンジはゆかりの後を追っていくと、屋上に辿り着いた。

    ゆかりは後ろを向いたまま立ちすくんでいた。

    シンジはゼエゼエと息を切らしながら彼女から20mほど後ろで立ち止まった。














    シンジ「ゆかりさん、ディスクを返してください…!」


    ゆかり「ダメよ、これは、これだけは絶対に……!!」


    シンジ「どうして…!?」


    ゆかり「私の叔母「山根恵美子」と約束したの!」


    シンジ「叔母って……その人に何があったんですか?」















    ―――――――――――――――
    病院 301号室




    レイ「博士、お姉さん…ゆかりさんはどうしてあんなに?」


    山根「あれは…そうだな、家庭の問題…みたいなものだよ」


    レイ「家庭?」


    山根「さっき姉さんが言っていた恵美子っていうのは、僕の叔母なんだ」


    レイ「その叔母さんと、何かあったんですか?」


    山根「恵美子叔母さんは、元婚約者だったんだ」


    山根「オキシジェン・デストロイヤーの生みの親である…」


    山根「芹沢大助博士の」


    レイ「ダイ……スケ?」




  56. 56 : : 2019/06/01(土) 15:01:51





    レイ(じゃあ資料に書いてあったダイスケ博士は…)


    山根「叔母さんは誰よりもあの兵器を恐れていた」


    レイ「どうして?」


    山根「博士はあの兵器で死んだんだ」


    山根「…いや」


    山根「死を覚悟した、というのが正しいかな」


    レイ「……博士、良かったら聞かせてくれませんか?」


    レイ「どうしてダイスケ…芹沢博士は死を覚悟したんですか?」














    ゆかり、健吉の姉弟が語り始める。

    芹沢大助、山根恵美子の過去の出来事を。














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著者情報
hinokagututi

ローリン・ナオト

@hinokagututi

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ゴジラ VS エヴァンゲリオン シリーズ

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