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この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

METAL GODZILLA SILVER RAIDERS 【エヴァ×メカゴジラ×MGS】

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  1. 1 : : 2018/03/01(木) 06:42:18


















    ―――――――――――――――――――――
    NERV(ネルフ) アメリカ支部 フロリダ州







    アメリカフロリダ州に建設されているアメリカのネルフ支部。

    アメリカ側からの情報、資源、輸出などを日本本部に提供するのが主な拠点の一つでもある。

    エヴァは仮設機を数機所持しており、自衛隊にも勝る戦力を有しいる。

    だが、あくまで仮設機であるため、日本の初号機、零号機、二号機に比べれば、性能はあまり良いというものでもない。














    デイビット「ボス、話ってのはなんだ?」


    加持リョウジ「ボスはやめてくれよ。そういう関係じゃないだろ?」


    デイビット「そうか。俺は構わないが」


    加持「そっちになくてもこっちにはあるんだよ」


    加持「加持って呼んでくれ」


    デイビット「…わかった」














    喫煙室でタバコを吹かす二人の男性。

    アメリカ人の「デイビット」、

    そして日本人の

    「加持リョウジ」。

    加持は英語を流暢(りゅうちょう)に喋り、側で大量の煙を吐き出している

    デイビットに話しかける。







  2. 2 : : 2018/03/01(木) 11:56:10









    デイビット「…で、なんだ話ってのは?」


    加持「この前言っていた新型の件なんだけど……」


    デイビット「ああ、俺専用機のあれか?」


    加持「そのことについて昨日、いい知らせと悪い知らせが入ってきたんだが…」


    デイビット「……二つ同時にか?」


    加持「そうだ。まずいい知らせは”すでに機体は完成した”」


    デイビット「…で、悪い知らせは?」


    加持「その機体が、”何者かによって盗まれた”んだ」


    デイビット「なんだと!!?」ガタッ














    デイビットはガタっと立ち上がり、くわえていたタバコをポトリと落とした。














    デイビット「盗まれたって、誰にだ!?」


    加持「現在調査中だ。一部のテロ組織か過激派と推測して、各地をくまなくね」


    デイビット「…なんてこった」


    デイビット「せっかくパイロットになれた矢先にこんなことが……」


    加持「そう落ち込むなよ。俺たちが今総出で取り掛かってるんだ」


    加持「明日か明後日には見つかるはずさ」


    加持「第一、盗んだものが大きいんじゃ、隠す方がほぼ無理な話さ」


    デイビット「…わからんぞ。あっちだって、そんぐらいの対策は考えてると思うがな」


    加持「まあ、見つかるのは時間の問題さ。そのうち…」


    ピリリリリリリリリリリリリリリ














    加持はポケットからの着信音を聞き、携帯に出る。














    加持「ちょっとごめん」ピッ


    加持「はいもしもし?」


    加持「…ああ」


    加持「…ああ」


    加持「…そうか、あったか」


    加持「よくやったな。で、場所は?」


    加持「…マイアミ港だな」


    加持「……わかった。後で確認する」ピッ











  3. 3 : : 2018/03/01(木) 19:51:54






    加持「朗報だぞデイビット」


    加持「見つかったぞ」


    デイビット「本当か?」


    加持「ああ。マイアミ港に定着しているタンカー船に収納されたのを目撃したらしい」


    デイビット「タンカーに?何故?」


    加持「考えられることは二つ」


    加持「極秘の野外演習…」


    加持「または母国への密輸だろう」


    デイビット「野外演習?」


    加持「ああそうだ。今回の機体は水陸両用を目的に開発されたからな」


    デイビット「水陸両用?」


    加持「……お前、自分専用機なのに何も知らないのか?」


    デイビット「・・・・・・・・」














    デイビットは無言で右を向き、右ポケットから新しいタバコを取り出して火をつけ始めた。














    加持「下手にごまかすなよ。何も恥ずかしいことじゃないだろ?」


    デイビット「すまない加持。俺も俺で、資料に目を通す暇がなくてな」


    加持「はいはいわかったから、これやるよ」














    加持はそう言うと、カバンから赤いファイルを取り出し、

    デイビットに差し出した。














    デイビット「これは?」


    加持「お前の機体のデータだ。時間までに十分見とけよ」


    デイビット「時間?」


    加持「例の機体の奪還は、今日の夜20時に決行することになった」


    加持「そのほうが隠密に行動できるからな」


    加持「それまでに見てるといい。暇つぶしにはなるだろ?」


    デイビット「……了解」


    加持「ああ、それとな」


    デイビット「…まだほかにも?」


    加持「お前に是非紹介したい奴らがいるんだ」


    デイビット「奴ら?」


    加持「到着次第連絡するから、よろしくな」


    デイビット「……わかった」














    デイビットにファイルを渡した加持は、用を済ませたように喫煙室を退室し、出口に向かって歩き出した。






  4. 4 : : 2018/03/02(金) 12:33:31
















    ――――――――――――――――――
    19時 マイアミ港近辺 喫茶店






    マイアミ港近辺の喫茶店に一人、茶色いトレンチコートに、黒いサングラスを付けた男がコーヒーを飲んでいた。

    コーヒーを飲み、腕時計に目をやると時刻は午後7時。

    タンカー船に潜入する1時間前。














    男「…そろそろか?」


    ???「失礼、ちょっといいですか?」


    男「?」














    男が腕を降ろすと、そこには男と女の二人が立っていた。

    一人は黒髪に長身で細身の男性、

    一人は青い髪に白いコートを着た女性だった。














    男「何か用か?」


    黒髪の男性「加持さんの趣味は?」


    男「……スイカを育てること」


    男「俺の趣味は?」


    黒髪の男性「タバコ」


    デイビット「……アンタが、ボスの言っていた?」


    黒髪の男性「君がデイビットか…」














    二人は合言葉と思しき言葉をかわし、お互いを本人と認識、

    黒髪の男性はデイビットの前の椅子に座り、女性は二人の間の椅子に座った。














    ハルト「僕は”伊吹ハルト”。よろしく」


    デイビット「伊吹か」


    ハルト「こちらは僕の助手の”アヤナミレイ”だ」


    レイ「……よろしく」


    デイビット「デイビットだ二人とも」


    ハルト「よろしくデイビット」


    レイ「よろしく」














    コーヒーが風にあおられて揺れるなか、デイビットはサングラスを取り、二人に素顔を見せた。














    デイビット「さっそくだが伊吹、ボスから話は聞いてるのか?」


    ハルト「ああ、今回の任務のことも、僕たちの役割も聞いたよ」


    デイビット「そうか。で、アンタの役割ってのは?」


    ハルト「後方で君をバックアップすること……以上だ」


    デイビット「…それだけか?」


    ハルト「ああ。加持さんからはそれしか聞いてないけど」


    デイビット「……ボスは何を考えてるんだ?」


    デイビット「俺だけに機体を回収させるつもりか……!」


    デイビット「無茶をさせやがる……!」


    レイ「心配しないで。アナタのことは、私とハルトがしっかり守るから」


    デイビット「…信頼していいのか?」


    デイビット「こっちは会ったばかりなもんで、信頼できるほどアンタらを知らないんだが…」







  5. 5 : : 2018/03/02(金) 22:07:13





    ハルト「だろうね、それを言ったら、僕も君をあまり知らないんだけど…」


    レイ「デイビット、今は一刻を争うわ。私たちは加持からアナタを任せれてここに来てる」


    レイ「アナタが言うボスがよこした私たちじゃ、不満かしら?」


    デイビット「………わかった。ここはアンタらを信じよう」


    ハルト「ありがとうデイビット」


    デイビット「じゃあ伊吹、ちゃんとバックアップ頼んだぞ」


    ハルト「……デイビット、一つ頼みがあるんだけど」


    デイビット「?」


    ハルト「僕はハルトって呼んでくれ」


    デイビット「……別に構わないが」


    ハルト「良かった……」














    デイビットが時計に目をやると、時刻は7時10分。














    デイビット「そろそろか。いいか二人とも」


    ハルト「もちろんオッケーだ」


    レイ「こっちの用意はできてるわ。後はアナタが動けばいいだけよ」


    デイビット「了解だ」














    デイビットがテーブルに手を付けて立ち上がる。

    するとポケットから携帯が鳴り響いた。














    ピリリリリリリリリリリリリリリ




    デイビット「…ボス?」ピッ


    デイビット「加持、どうした?」


    加持『デイビット、今タンカーの中か?」


    デイビット「いや、まだ潜入してないが」


    加持『なら急げ!予定より早くタンカーの出航が変更になった!』


    デイビット「なんだって?何時に出るんだ?」


    加持『さっき無線を傍受した。20分後の30分に出航するとのことだ』


    デイビット「わかった。今すぐ向かう!」














    デイビットは携帯を切り、すぐさま走り出した。














    ハルト「どうしたんだデイビット!?」


    デイビット「予定よりも出航が早まった!これからタンカーに向かう!」


    ハルト「わ、わかった!!」


    レイ「ハルト、私たちも」


    ハルト「わかってるよレイ」














    ハルトはレイの手を取り、喫茶店の横に停めていたワゴン車のドアを開け、乗り込んだ。






  6. 6 : : 2018/03/02(金) 22:43:26





    ハルト「さあ初仕事だぞレイ」


    レイ「ええ、腕がなるわ」














    ハルトはパソコンをカタカタと滑らかにキーボードを打ち始める。



















    ―――――――――――――――
    マイアミ港




    デイビットは5分かけてマイアミ港に辿り着いた。

    時刻はもうすぐ20分になる。

    デイビットは辺りを見回すが、デイビットはその光景を見て

    「まずい」と思った。

    タンカーと言っても、そこには目視できる限りタンカーは四隻停泊していた。

    これではどのタンカーに乗り込んでいいのかわかるわけがない。














    デイビット「参ったな。どうすればいいんだ?」



    ピリリン ピリリン ピリリン



    デイビット「ん、なんだ?」














    デイビットから聞き覚えのない電子音が鳴り始める。

    探ってみると、発信源は胸ポケットからだった。

    中には耳に付ける小型の通信機が入っていた。














    デイビット「これは……まさかハルトが?」














    デイビットは右の耳にはめ込む。

    するとそこからハルトの声が聞こえた。














    ハルト『こちらハルト。聞こえるかいデイビット』


    デイビット「ハルト、これは?」


    ハルト『レイが君にコッソリ持たせた通信機だ。直接渡せなくて悪かった』


    デイビット「いつの間にこんなものを……」


    ハルト『デイビット、今君はこう思ってるんじゃないか?』


    ハルト『どのタンカーに乗ればいい……違うかい?』


    デイビット「わかってるんなら教えてくれ。あと5分もないぞ」


    ハルト『わかった。今から特徴を伝えるから、急いでくれ』


    ハルト『船名”WORLDRIVER(ワールドライバー)”…』


    ハルト『青と赤のコンテナが矢印だ』














    デイビットが特徴を聞きながら、それに該当する船がないか見回す。

    すると、ここから見て右手前に停泊している船に目を止めた。

    船首には

    ”WORLDRIVER”のロゴ。

    積んでいるコンテナも赤と青の二色。














    デイビット「よし、アレだな!」






  7. 7 : : 2018/03/05(月) 15:56:51





    デイビットはすかさずタンカーに向かって走り出す。

    タンカーは汽笛を上げ、渡るハシゴを回収していた。

    距離は約500m。

    端から見れば間に合うかどうかの状況だった。














    デイビット「クソッ!時間切れか!?」


    ハルト『急げデイビット!』














    デイビットは必至で走り、残り200m辺りでタンカーは港を離れ始めていた。

    100m、90,80,70……。

    そして・・・・・














    デイビット「ダアアアアアアアアアッ!!!」














    デイビットはそのまま勢いよく助走をつけ、タンカーに向けて勢いよくジャンプした。

    伸ばした右手がギリギリでタンカーの手すりを掴んだ。














    デイビット「グッ!!」














    デイビットはそのまま左手も手すりを握らせ、タンカーのデッキに上がった。














    デイビット「……ギリギリセーフだったな」



    ピリリン ピリリン



    デイビット「こちらデイビット」


    ハルト『デイビット、上手くいったかい?』


    デイビット「ああなんとかな。あと一秒でも遅れてたら間に合わなかった」


    ハルト『良かった。成功したみたいだね』


    デイビット「とりあえずはな。本番はこれからだろう?」


    ハルト『そうだね。じゃあ始めるとするか』


    レイ『その前にアナタにやってほしいことがあるの』


    デイビット「レイ?なんだそれ」


    レイ『実はアナタにもう一つ渡しておいたモノがあるの。ポケットを見てみて」


    デイビット「なんだって?」














    デイビットはジャケットのポケットを探ってみると、左ポケットから黒い小箱が見つかった。

    開けてみると、透明な薄い小さなレンズが入っていた。














    デイビット「レイ、なんだこれは?」


    レイ『コンタクトカメラよ。それを目に入れて』


    デイビット「目だと?」


    レイ『大丈夫、入れても全然痛くないから』


    デイビット「一体、なんのために?」


    レイ『それを付けていれば、アナタの見たものを私たちも見ることができる、そのために付けてほしいの』


    ハルト『君と同じものが見えていれば、その状況によってアドバイスもできるからね』


    デイビット「……了解した」


  8. 8 : : 2018/03/05(月) 21:17:29






    デイビットはコンタクトを両目に入れ、瞬きをする。

    付けている感覚はほぼ感じず、いつも通り良好なことを感じ取ったように、上を向いた。

    真っ黒な空、そこに浮かぶ無数の星と欠けていない満月。














    デイビット「ハルト、これでいいのか?」


    ハルト『ああ、こちらも確認した。今君の見ていることがパソコンの画面に映ってるよ』


    デイビット「この通信機といいコンタクトといい、一体どこで作られたんだ?」


    ハルト『あ、それ?実はそれ……』


    レイ『全部ハルトが作ったのよデイビット』


    デイビット「なんだって?」


    ハルト『ま、まあそういうことだよ』


    デイビット「なかなかの器用さじゃないか」


    デイビット「ネルフに来る前は発明家でもやってたのか?」


    ハルト『発明家か……。まあそうだね』


    レイ『ハルトは兄に憧れてこの世界に入ったのよ』


    ハルト『レイ、ちょっと喋りすぎだよ』


    デイビット「お前のお兄さんが発明家だったのか?」


    ハルト『うん、自分にとって、とても素晴らしい、憧れていた人物だったんだ……』


    デイビット「……”だった”?」


    レイ『ごめんなさいデイビット。ハルトは余り、この話は好きじゃないの』


    デイビット「……どういう意味だ?」


    レイ『この任務が終わったらゆっくり話してあげるわ』


    レイ『ハルト、いいかしら?』


    ハルト『分かったよレイ。君の好きにしてくれ』














    デイビット、ハルト、レイは、それぞれの位置につき、

    準備は整う。

    このタンカーに輸送された、彼の専用機を奪還するために。














    デイビット「よし、じゃあさっそく中に入って、下に降りてみるとしよう」


    デイビット「そこに俺の専用機が……」


    レイ『いえデイビット。まずは操舵室に行ってほしいの』


    デイビット「なに?」


    ハルト『機体の奪還が最優先だけど、まずはその船がどこに向かってるのかだけ調べてほしいんだ』


    デイビット「どうして?」


    レイ『行き先がわかれば、今後の行動に予想がつくからよ』


    レイ『そのまま北大西洋方面へ向かえばテストとしての起動実験…』


    レイ『どこかの地域であれば、そこに奴らのアジトがあると推測できるから、まずはそこを突き止めてほしいの』


    デイビット「……日本人は随分と用心深いんだな」




  9. 9 : : 2018/03/09(金) 11:07:26




    ハルト『そんなこと言うなよ。用心するのに越したことはないないだろ?』


    デイビット「だが、操舵室には無論何人か人はいるぞ。どうするんだ?」


    レイ『その時は眠ってもらうしかないわ。アナタ、加持から麻酔銃をもらってるでしょ?』


    デイビット「ああ、これのことか」スチャッ














    デイビットは後ろのホルスターに収納している10口径のハンドガンを取り出す。














    レイ『見つかったらそれを撃って相手を眠らせる、いい?』


    デイビット「わかった。良い夢を見てもらおう」


    ハルト『……じゃあ、始めようか』


    デイビット「ああ。ではまずは操舵室に向かう」


    レイ『了解。健闘を祈るわ』



    プツン














    デイビットはプツンと無線の切れる音を聞くと、ハンドガンをリロード、

    いつでも撃てる状態にすると、まずタンカー周辺を見渡す。

    操舵室と言えば、無論船の上にある場所と推測し、デイビットは登れそうな場所を探し始める。

    辺りは夜に包まれているが、月光のおかげで白夜の薄暗さを照らしていた。














    デイビット「甲板からは行けそうにないな」


    デイビット「中から行くしかなさそうだな」


    ハルト『中には当然見張りや監視カメラがあるだろう』


    ハルト『十分注意して』


    デイビット「ああ、わかってる」














    デイビットは近くのドアを見つけ、中に入った。















    ――――――――――――――――
    ワールドライバー 船内 2F














    デイビット「ハルト、お前今パソコン使ってんだよな?」


    ハルト『え、そうだけど?』


    デイビット「そっちのほうで操舵室のルートとかわかるか?」


    ハルト『な、なんだよいきなり』






  10. 10 : : 2018/03/09(金) 14:22:10





    デイビット「器用なお前なら出来ると思ったんだが…」


    ハルト『デイビット、僕はメカニックなら多少自信はあるけど、コンピューターはあまり強くないんだ』


    ハルト『悪質専門家(ハッカー)でもなければ専門家(クラッカー)でもないしね』


    デイビット「…そうか」


    ハルト『だけど、レイなら大丈夫だよ』


    デイビット「なに?」


    レイ『デイビット、今から船内のマップをそっちのカメラに映すわ。いい?』














    デイビットはそう聞くと、自分の目の前に船内の見取り図のような画面が映し出された。














    デイビット「こ、これは?」


    レイ『船内のマップを、アナタの左目のカメラに映しているの』


    レイ『よく見えるかしら?』


    デイビット「ああ、文句なしに見えるぞ」


    レイ『操舵室に向かうには、そこを直進して、左に見える階段を上がっていくといいみたいよ』


    デイビット「ご親切に感謝する」


    レイ『気を付けてね』



    プツン














    デイビットは利き目に映されたマップ、そして先ほどのレイの言った道筋を頼りに船内を歩き始める。














    デイビット(しかし、こんな大きい船を歩いていながら、まだ誰もいないなんて…)


    デイビット(見張りがこうも手薄なんてこと、あり得るのか?)














    デイビットは不気味な静寂に包まれた船内を、麻酔銃を構えながらコツコツと音を立てて歩いていく。

    すると、レイの言ったとおり、左側に上と下に続く階段が見えてきた。














    デイビット「あそこか。あそこを登ればいいのか?」














    デイビットが階段を上がろうと、脚を踏み始める。

    ……だがその瞬間














    「うわあああああああああああっ!!」


    「な、なんだお前……あああああああああああっ!!」


    「メ、メーデー!侵入者、侵入者が!!!」














    上から数人の男性の悲鳴が聞こえた。

    デイビットは足を降ろし、麻酔銃を構えた。














    デイビット「何だ、今の悲鳴は?」






  11. 11 : : 2018/04/22(日) 20:37:28








    ――――――――――――――
    操舵室







    デイビットは操舵室のドアを開ける。

    今聞こえた悲鳴も恐らくここから聞こえたものと

    デイビットは感じ取り、ドアを開けた瞬間、麻酔銃を構えた。

    だが、そこにあったのは四人の男性の死体。

    床は大量の出血で赤く染まり、身体に触れてみると、

    まだ体温があった。

    殺害者は逃げたのか、人の気配はなかった。














    デイビット「ハルト、見えてるか?」


    ハルト『ああ。酷いな、誰がこんなことを…』


    デイビット「どうやらもう一人、機体を狙っているヤツがいるようだな」


    ハルト『そうらしいね。そうなると厄介なことになるな』


    デイビット「しかし何者なんだ?」


    デイビット「どうしてこの船に機体が積んであると知ってたんだ?」


    ハルト『わからない。だがこうなった以上、一刻を争いそうになる』


    レイ『デイビット、そこにいては危険だわ』


    レイ『多分今の騒ぎを聞きつけて、何人かそちらに向かってくるはず』


    レイ『行き先を確認したら、すぐに離れて』


    デイビット「了解」














    デイビットは航路が示された画面を確認する。

    目標地点は

    北緯32度、西経51度。

    北大西洋の沖合を指示していた。














    デイビット「ハルト、行き先は北緯32、西経51の辺りのようだ」


    ハルト『……フム、大西洋のほぼ真ん中あたりだね』


    レイ『となると、極秘演習の可能性が高いわね』


    ハルト『そのようだね』


    デイビット「せめてアジトが行き先ならよかったが…」


    レイ『ありがとうデイビット。もう十分よ。早くそこから離れて、船内に向かって』


    デイビット「わかった」


    デイビット「早くことを済ませて帰らせてもらう」



  12. 12 : : 2018/05/12(土) 21:54:02






    デイビットは死体を踏みつけないよう足場を見ながら移動する。

    血だまりを踏みつけて痕跡を残さないよう、慎重に操舵室の出入り口へと向かう。














    デイビット「よしレイ、次は船倉内の場所わかるか?」


    レイ『そこから近い通路なら、右の階段を降りて左を真っすぐ行けば行けるルートがあるわ』


    デイビット「わかった。ではこれより船倉内に向かう」


    デイビット「そして俺の機体を返してもらおう」


    ハルト『第三者がまた動いたりすると厄介だな』


    ハルト『デイビット、十分に注意してくれ』


    デイビット「ああ、何者かは知らんが、少なくとも兵器で人を殺せるヤツというのは間違いないからな」


    デイビット「何か正体を掴めそうな手掛かりがあればいいんだが…」


    ハルト『残念だけど、今は無理だ。あまりにも情報が少なすぎる』


    ハルト『顔がハッキリ写った写真とかあればいいんだけど…』


    デイビット「写真?それだけで分かるのか?」


    レイ『ええ、今のテクノロジーなら、写真で身元を調べることぐらい容易よ』


    レイ『だから警官も犯人をすぐに捕まえることができるの』


    デイビット「……大したもんだな」












  13. 13 : : 2018/05/29(火) 16:57:53






    デイビットは左へ行き、そこからまっすぐ行くと

    突き当たりに下へ通じる階段が見えた。












    デイビット「レイ、この階段を降りれば行けるか?」


    レイ『そうね。そこからなら船倉内へ行けるはずよ』


    ハルト『上と違って敵がたくさんいるはずだろう』


    ハルト『それに、先の騒ぎで、警戒してるかもしれない』


    ハルト『気を引き締めて向かってくれ。いいね?』


    デイビット「ああ、わかってる」












    デイビットは麻酔銃の弾数、セーフティ解除を確認、

    いつでも撃てる準備を整え、銃口を向け、進んでいく。












    ――――――――――――――――――――――――――――――
    地下1F 格納庫




    階段を降りると、薄暗い大きな空間にたどり着く。

    オレンジの蛍光で照らされ、大量のコンテナが敷き詰めれている。

    人気はないようで、デイビットが見える位置では、人影は

    確認できなかった。












    デイビット「ここはどうやら格納庫のようだな」


    デイビット「ここに俺の機体はないようだ」




  14. 14 : : 2018/06/06(水) 19:10:25





    ハルト『しかし、妙だな』


    ハルト『上はともかく、下の方も警備が手薄だなんて……』


    デイビット「もしかすると、全員機体の警備に回されたんじゃないのか?」


    デイビット「奴らが何人係でやってるかは知らんが、こうもいないとなると、その可能性はあるんじゃないか?」


    ハルト『かも知れないね』


    レイ『デイビット、前の扉を開けると、そこから二つ目の船倉に行けるわ』


    レイ『そこも今いる場所とほぼ同じ大きさで構成されているわ』


    デイビット「他に機体を隠せそうな場所は?」


    レイ『ないわ。恐らく、その船倉に収納されているはず』


    デイビット「了解だレイ」


    ハルト『くれぐれも気を付けて』














    デイビッドは山積みのコンテナの間を通り抜けながら奥へと向かう。

    すると、前に巨大なバルブが取り付けられたドアが見えた。

    デイビットはバルブに手に触れると、それを半時計周りに回す。

    ギーギーと音を立て、3回ほど回すと、ドアが壁から離れ、開いた。

    奥を見ると、オレンジの光が微かに見えた。














    デイビット「いよいよ…だな……」


    デイビット(まるで蛇の巣に手を突っ込むような感じだ…)














    デイビットは麻酔銃を構え、ドアを音を立てないよう慎重に開け、

    足音を殺しながら暗闇の中を進んでいった。




  15. 15 : : 2018/06/06(水) 19:44:22






    ――――――――――――――
    格納庫 Bエリア




    奥の光に向かいながらデイビットが進むと、レイの言っていた通り、

    先のAエリアとほぼ同じ光景の格納庫へと出た。

    唯一違うと言えば、そこにはコンテナは無く、下には……














    https://pbs.twimg.com/media/DfFhN3GU8AAndGn.jpg














    巨大な銀翼を折りたたんだ白銀のマシンが収納されていた。
  16. 16 : : 2018/06/07(木) 21:18:24




    デイビット「あの機体は……!」


    ハルト『間違いない』


    ハルト『GFM-01、「ガルーダ」だ!』


    デイビット「まさかこんなところで出会うとはな……」


    レイ『喜ぶのはまだ早いわ。問題は、あのガルーダをどう奪還するか……』


    デイビット「そうだな。あの巨大なモノを気づかないように運び出すのはいくらなんでも無理がある」


    ハルト『じゃあ……』


    デイビット「奴らのスキをついてガルーダを起動させて逃げる…それしかないだろう」


    ハルト『……あまり乗り気じゃないけど、多分それ以外ないだろうね』


    レイ『いいわデイビット、乗ってあげる』


    デイビット「そうこなくちゃな」


    レイ『一応聞くけど、アナタ、操縦は?』


    デイビット「まだやってはいないが、資料には目を通してる」


    デイビット「手順ならバッチリだが?」


    ハルト『……大丈夫かい?少し不安になってきたんだけど…』


    デイビット「なに、時間にロスがあっても10秒以内には動かせるさ」


    ハルト『10秒……ね』














    ハルトは自信満々なデイビットとは対照的に冷や汗を少々かきながらデイビットの話を聞いていた。

    これに失敗すれば機体は取り戻すこともできず、

    最悪の場合、彼の死も考えられる。














    「おい、俺たちをどうする気だ!?」


    「お前ら一体なんなんだよ!!?」














    デイビットが無線の通話中、その格納庫の奥から

    男性たちの声が聞こえた。

    まるで誰かに向かって怒鳴りを上げているような言葉を聞くと、

    デイビットはサッと麻酔銃を構える。














    デイビット「今の声は…?」


    ハルト『船員たちか、それともガルーダを盗んだ奴らか…』


    ハルト『それとも、別の第3者かもしれない』


    デイビット「ここに来てようやく人の声が聞こえたな」


    デイビット「だが、さっきの声、ただ事じゃないぞ」


    レイ『彼らにとって良くないことが起こったのだけは確かね』


    デイビット「となると、操舵室を襲った殺し屋か?」














    デイビットはコンテナの影に隠れながら、壁伝いに進んでいき、慎重に進む。




  17. 19 : : 2018/06/20(水) 20:30:37






    デイビットがコンテナの物陰に隠れ、そこからその奥を右目で確認。

    そこからおよそ100m付近に10人の男性たちが手足に手錠をかけられ、身体をロープで縛られて、地面に転がっていた。

    そしてその奥に、その無様な姿を見下ろす男、そして青い髪の女性が立っていた。

    男性は黒いロングコートに淵の広い黒い中折れの帽子、黒い革製の手袋、サングラスを身に付け

    全身を黒づくめにしている。

    青い髪の女性の方は、白いファーコートに赤い革靴、紺色のスーツ、

    茶色いレンズのサングラスを身に付けている。














    デイビット「あれは誰だ?」


    デイビット「サングラスで顔がわからない……」


    ハルト『あれがガルーダを盗んだ首謀者……?』


    レイ『・・・・・・・・・・・・』


    デイビット「だとしたら、アイツらは船員たちか?」














    デイビットはコンタクトカメラを操作、その光景をズームし、

    二人の顔に視点を集中させる。














    デイビット「ここで顔の写真を撮れば身元を調べることができる……」


    デイビット「そうだな?ハルト」


    ハルト『まさか、ここで納めるのか?』


    デイビット「そのつもりだ。あのメガネを取ってくれればいいんだがな……」


    レイ『・・・・・・・・』


    デイビット「……どうしたんだレイ?」


    デイビット「さっきから妙に大人しいが……?」


    レイ『…………いえ、大丈夫』


    ハルト『レイ、どうかしたのかい?』


    レイ『大丈夫よ。気に、しないで…』














    本人は大丈夫と言っても、その声には微かに

    動揺しているかのような反応が混じっていた。














    デイビット(………そう言えばあの女、レイと同じ髪の色だな)


    デイビット(色だけじゃない。髪型もよく似ている)














    奥の光景。

    男は自分の足元に転がっている男性を見下ろすと、

    その男の腹に蹴りをくらえた。














    黒づくめの男「フン!」



    ゲシッ



    男「グフッ!!」


    男2「おい!なにしやがる!!」




  18. 20 : : 2018/07/04(水) 17:51:52




    黒づくめの男「コソ泥がてこずらせやがって!」


    黒づくめの男2「我々からガルーダを奪おうとはいい度胸ですね」


    男「な、何の……話だ…!」


    男2「俺たちはただ、頼まれただけで……」


    黒づくめの男「しらばっくれるな!!」


    黒づくめの男「頼まれてみすみす沖合に向かうバカがどこにいる!?」


    黒づくめの男2「どうせ軍に高値で売りつけるつもりだったんでしょう」


    黒づくめの男2「これはそんじょそこらの兵器とはワケが違いますからね」


    男「ぐ……」


    黒づくめの男「フン、図星か!」


    黒づくめの男「つまんねえ嘘を吐きやがって!」



    ゲシッ



    男2「グハッ!」














    青髪の女性「その辺にしときなさい」














    後ろに控えていたレイに似た髪を持つ女性が単細胞気質の男に命じる。

    女性はハイヒールをカツンカツンと鳴らしながら、その男に歩み寄る。














    黒づくめの男「ボス、しかし……」


    女性「いいのよ、それ以上やると死んじゃうわ」


    黒づくめの男2「プロフェッサーの言う通りだ。その辺にしときなさい」


    黒づくめの男「う、ううぅ……」


    女性「後は私に任せて」














    二人からボス、プロフェッサーと呼ばれる女性は単細胞の男を下がらせると、

    床に転がり、腹を蹴られた衝撃でむせあがっている

    男の顔に手を添えた。














    女性「ごめんなさいね。うちの部下が手荒なことをして」


    女性「上司として謝罪をしておくわ」


    男2「ア……アンタ……アンタ一体……?」














    女性「私は”母”よ」


    男2「え……」


    女性「いずれ”全生命の母親”になる存在よ」


    男2「は……は……?」














    「そこまでだ!!!」


    ザザザザザザザザザザザザザザッ

    ザザザザザザザザザザザザザザッ














    次の瞬間だった。

    コンテナのありとあらゆる隙間から無数の兵士たちが現れ、

    3人を取り囲んだ。

    上、左右前後、斜めに銃口が構えられ、逃げ場も隠れる場所もない

    状況になった。




  19. 21 : : 2018/07/04(水) 19:15:59




    黒づくめの男「ほう、まだこんなに仲間がいたのか」


    黒づくめの男2「さすがにてこずらせてくれただけのことはありますね」


    女性「・・・・・・・・・」














    だが、こんな状況のなかでも、3人は平然としていた。














    デイビット「何をする!離せ!!」


    兵士「もう一人仲間がいたぞ!」














    その中、コンテナの影に身を潜めていたデイビットも兵士に見つかり、デイビットは奴らの仲間と言われ、後ろから捕えられた。














    黒づくめの男2「ん?誰ですかそれ」


    黒づくめの男2「我々以外にも侵入者がいましたか」


    女性「………あらあら、誰かと思えば」


    女性「ネルフの殿方が来ていたなんて……」














    デイビット「お前は一体何者だ!?」


    黒づくめの男2「まずはそちらが名乗るのが人の礼儀でしょう」


    デイビット「俺はその機体のパイロットだ!!」


    デイビット「俺の機体を返してもらうために潜入した!」


    女性「なるほど、アナタが……」


    女性「でも残念ね」














    女性「この機体『ガルーダ』は、私たち『ヴィレ』の所有物よ」


    デイビット「ヴィレ?なんだそれは!?」


    女性「……いけない、少し喋りすぎたわね」














    兵士「貴様ら、さっきから何を喋っている!?」


    兵士「自分たちがどういう状況なのかわかってるのか!?」


    黒づくめの男2「ええ、十分わかっておりますよ」


    黒づくめの男2「でも、あなた方もわかっていますか?」














    黒づくめの男2「自分たちが、もうすぐ死ぬことに」


    兵士「何?」














    ガタン



    眼鏡をかけた黒づくめの男がクイとメガネを上げ、自信満々に兵士に言葉を返した。

    その時、船に何かがぶつかったような衝撃を受けた。

    その衝撃で船が揺れ、立っている者たちは全員少しふらついた。














    兵士「な、なんだ今のは?」




  20. 22 : : 2018/07/04(水) 20:07:07





    女性「迎えが来たみたいね」


    デイビット「迎え?」














    女性はそう言って上を見上げ、天井に目を向ける。

    デイビットも釣られるように上を見上げる。

    するとまた



    ガタン ガタン ガタン ガタン




    またも船にぶつかったような衝撃が走った。

    しかも、今回は連続して。














    デイビット「なんだ、何が起こってる?」


    黒づくめの男「全く、遅かったじゃないか」














    ドゴアアアアアアッ




    その途端、天井の左右から何本もの尖った銀色の物体が突き刺さってきた。

    左右にそれぞれ4本ずつ、計8本の巨大な銀のトゲは

    うねるように動き、まるでそれは人間の指のように動いている。














    デイビット「なんだあれは!?」














    そしてそのトゲはそのまま天井を掴みように天井に向けて曲がると、そのまま天井を大きな音を立てて引きはがした。



    ガシャアアアアアアアアアアアッ



    真夜中の空、月光に照らされたその闇の中に大きな影が船内を覗き込んでいた。

    そこに見えたのは青く細い線のような青い光が2つ。

    そして次に見えたのは、

    銀色の装甲に身を包む、巨大な怪物の姿だった。



    http://sen-ti-nel.co.jp/product-about/1_RIOBOT/images/1_RIOBOT_020_F.jpg














    デイビット「なっ!!?」


    兵士「か、怪物!?」


    兵士「ひ、怯むな!!撃て撃てえええぇっ!!!」














    ダダダダダダダダダダダダダダダッ

    ダダダダダダダダダダダダダダダッ

    ダダダダダダダダダダダダダダダッ




    兵士たちは怪物に向けて銃を乱射する。

    だが弾は、大量の火花を散らしながらはじき返されるだけで、

    そのボディには傷一つもつけられなかった。














    女性「くどいわね、さっさと逃げればいいのに」


    デイビット「一体あれは…なんなんだ!?」


    レイ『デイビット!!今のうちに逃げて!!』


    デイビット「レイ?どうしたんだ急に」


    レイ『いいから早く!!その女から離れて!!』














    デイビットはレイの言葉に不審を感じた。

    今までと違い、レイが感情的になっている。

    何かを恐れているように、デイビットに撤退を命じた。




  21. 25 : : 2018/08/30(木) 14:58:22





    デイビット「くそ!」














    デイビットは怪物にタンカーを揺らされている中なんとか立ち上がり、

    ガルーダの元へと急ぐ。

    だが、脚を踏み込んだ瞬間、


    ダダダダダダダダダダダダッ


    銃声が鳴り響き、彼の足元に火花が飛び散った。














    デイビット「ッ!?」


    黒づくめの男2「おっと。大人しくしていただきませんか?」


    黒づくめの男2「わざわざこんなとこまで来ていただいたのにすみませんが、その機体(ガルーダ)は渡しませんよ」


    黒づくめの男「そこでジッとしてなぁ!」


    デイビット(くそっ!)














    ガルーダは飛行性能に特化した特殊兵器。

    デイビットはガルーダでの逃走を図ろうとしたが、

    敵の方もぬかりはなく、デイビットに銃を向け、動きを止めた。

    デイビットは悔しさに歯を食いしばる。














    女性「さあ、帰るわよ」


    黒づくめの男「了解です」


    黒づくめの男2「よし、回収しなさい」ピピピッ














    メガネの黒づくめの男が無線機に向かって指示をだすと、

    銀色の怪物が右手をガルーダに向けて伸ばしていく。














    デイビット(まずい!ガルーダが!)


    デイビット(せっかくここまで来たのに!)














    デイビットはどうにかしようにも銃口を向けられていては

    下手に動けない。














    デイビット(ここまで…なのか……!?)














    デイビットが諦めかけ、ただただ、ガルーラへ伸びていく

    怪物の手を眺めていた。














    ヒュウウウウウウウウウウウウウッ

    ドゴオオオオオオオオオオオオオッ

    ドゴオオオオオオオオオオオオオッ

    ドゴオオオオオオオオオオオオオッ

    ドゴオオオオオオオオオオオオオッ














    デイビット「ッ!?」


    女性「なに?」クルッ














    突然の爆音にデイビットは顔を上げた。

    女性も爆音のした方へ向く。

    それはデイビットから見て前、女性から見て後ろ、

    怪物の方から聞こえた。

    怪物は右の方からその銀色の機体に、何者かからか

    何発も、砲撃のような攻撃を受けていた。

    さっきの爆音はその被弾から生じたものだった。














    デイビット「攻撃されている?」


    デイビット「一体…誰が?」




  22. 28 : : 2018/10/13(土) 14:51:10
    こういうのが見たかった、期待です
  23. 31 : : 2018/11/27(火) 06:35:04






    その攻撃は砲撃の如く勢いで怪物を狙い撃ち、

    その銀色の巨体は傷つかなくとも突然の不意打ちによろめいた。














    デイビット(なんだか知らんが、チャンスだ!)

    ダッ














    デイビットはまたとないチャンスに身を起こし、

    揺れ動く床の上になんとか立ち上がる。

    怪物から伝わる振動が船内を揺り動かし、

    そこに立つ者は皆が皆身体をふらつかせている。



    タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ




    デイビットはガルーダに向け走り出す。














    黒づくめの男「おい貴様!!」スチャッ














    が、向こう側も走り出すデイビットを放っておくわけもなく、

    単細胞の黒づくめが銃を構える。














    ドゴアアアアアアッ














    黒づくめの男「うおわっ!」ガクン














    だが鳴り止まぬ砲撃にまたも地面は揺れ、男は不意に片膝をついてしまった。

    デイビットはよろめきながらもガルーダの操縦室の出入り口に向かう。














    デイビット「よし、着いたぞ!」














    デイビットはガルーダに辿り着き、操縦室のドアを開ける。














    ――――――――――――――――
    ガルーダ 操縦室




    中に入ると自動で明かりがつき、内部全体が照らし出される。




  24. 32 : : 2020/06/01(月) 22:17:27



    デイビット「よし、動くぞ!」


    デイビット「急いで脱出だ!」










    デイビットは頭に入れた操縦法を思い出しながら、

    操縦席に座り、目の前にズラリと並んだボタンを見渡す。

    まずデイビットは手前にあった赤いスイッチを押す。

    すると画面にガルーダ外の光景が映し出された。

    左には今も攻撃を受けている銀色の怪物、

    その足元には女性と二人の部下が見えた。










    デイビット「よし、ホバーウィング起動!」










    デイビットは今度は上のスイッチを2つ押す。

    すると収納されていた両翼が展開され、ローターが回りだす。

    キュイーーンと音が鳴り響き、船内にローターからの風が

    あたりに吹き始める。

    女性と部下たちはその風を受け、片手で顔をおおう。










    黒ずくめの男「ボス、まずいですよ!!」


    黒ずくめの男2「このままではあの機体が」


    女性「・・・・・・・・・」


    女性「いいわ」


    女性「あれはあの子に預けておくわ」


    黒ずくめの男「ボス!?」


    黒ずくめの男「いいんですか!?」


    女性「一旦退くわよ、来なさい」


    黒ずくめの男「で、でも!!」


    黒ずくめの男2「…行くしかないですね」


    黒ずくめの男2「さすがにここは分が悪い」


    黒ずくめの男「兄貴!!」


    黒ずくめの男2「安心しなさい」


    黒ずくめの男2「『あとの2機』はこちらが持っているのですから」


    黒ずくめの男「そ、そっか。そうだったな兄貴!」


    黒ずくめの男2「さ、帰りますよ」










    三人はそう言うと銀色の怪物のほうへと走っていく。

    すると怪物は三人のもとへ手を伸ばし、目の前に

    手のひらを差し出す。

    三人はそのまま上に乗り、怪物は三人を上げる。

    そのまま砲撃を受けている反対側の左を向くと、

    ザバアっと強い波しぶきをあげ、姿を消した。










    デイビット「なんだ、逃げたのか?」


    デイビット「まあいい、今のうちだ!」










    デイビットは操縦桿を握り、ゆっくりと手前に引く。

    ガルーダは浮上を始め、怪物が開けた穴へ機体の先端を向ける。










    デイビット「行くぞ!」










    デイビットは操縦法を奥へ倒し、ガルーダを推進させる。

    まるでジェット戦闘機が離陸するがの如く

    ガルーダは大穴をくぐり抜け、コンテナ船を脱出した。

    予想外のトラブルが発生したが、デイビットは見事

    ガルーダの奪還に成功した。










    デイビット「よし、やったぞ!!」


    デイビット「ガルーダの奪還、成功だ!!」










    デイビットはコクピット内でガッツポーズをとった。



  25. 33 : : 2020/08/21(金) 14:21:27





    ガルーダは怪物がこじ開けた大穴を抜け、夜空へと飛び出した。

    デイビットが舌を見下ろすと、海にポツンと見えるタンカー船
    「ワールドライバー」と

    その周りには五隻の戦艦が周りを囲んでいた。









    デイビット「あの戦艦、アレが怪物を攻撃していたのか?」


    デイビット「しかし、誰が?」



    ピリリン ピリリン




    デイビットが装着している通信機が鳴り、デイビットは

    通信に出た。










    加持「よぉデイビット、無事か?」


    デイビット「加持、お前か!?」


    加持「待たせたな」


    加持「万一に備えて戦艦をよこしておいて良かったよ」


    デイビット「それじゃああの戦艦は…」


    加持「ああ、俺がよこしたんだ」


    加持「余計なお世話だったかな?」


    デイビット「とんでもない、有り難い助けだった!」


    デイビット「おかげでガルーダを取り戻せた!」


    加持「なら良かった」


    加持「…デイビット、そのまま本部に戻ってくれないか?」


    デイビット「…なぜだ?」


    加持「お前に話さなきゃならないことがあるんだ」


    デイビット「奇遇だな、俺もだボス」


    加持「じゃあ、待ってるぞ」


    デイビット「了解」


    プツン




    デイビットは通信を切り、ネルフアメリカ支部へと向かった。




  26. 34 : : 2020/08/21(金) 16:35:41










    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ネルフ アメリカ支部




    デイビットはおよそ10分のフライトを経て

    ネルフへ帰還した。

    デイビットはコクピットから本部を見ると、

    てっぺんのヘリポートに

    加持、ハルト、レイの姿が見えた。

    デイビットはガルーダを垂直降下させ、

    ヘリポートへ不時着させる。










    デイビット「加持」


    加持「お帰り、デイビット」


    ハルト「良かった、戻ってきてくれて」


    レイ「・・・・・・・・」


    デイビット「なぁ加持」


    デイビット「アンタに聞きたいことがある」


    加持「まずは場所を変えよう」


    加持「話はそれからだ」


    デイビット「……わかった、いいだろう」










    デイビットは目を細めながら加持についていった。










    ーーーーーーーーーーーーーー
    作戦室




    10人が囲めるほどの楕円型のテーブルが真ん中に置かれ、

    椅子が10個置かれた作戦室に入った四人は

    デイビットが片方に一人座り、

    その反対の片方には加持、ハルト、レイの三人が座った。










    デイビット「まずはお礼を言いたい」


    デイビット「みんなのおかげで、無事俺の気体を取り戻すことができた」


    デイビット「ありがとう」










    デイビットはそう言うと、深々と頭を下げた。










    ハルト「デイビット、僕も嬉しいよ」


    ハルト「最初は僕も不満だったけど」


    デイビット「黙れ」


    ハルト「ッ?」ビクッ










    デイビットは不意にハルトを睨みつけると

    ハルトは一歩後ずさった。










    デイビット「加持、俺が聞きたいことはただ一つだ」


    デイビット「コイツらは一体何者なんだ?」










    デイビットは加持の隣に座るハルトとレイを睨みつけながら指差す。

    加持は胸ポケットからタバコを取り出し、一本くわえた。










    加持「なんだお前、まだこの二人を受け入れてなかったのか」


    デイビット「あいにく状況が状況だったからな」


    デイビット「あん時は咄嗟にそうしたが、俺はまだコイツらが胡散臭い」




  27. 35 : : 2020/09/07(月) 17:25:16




    デイビット「特にアンタがな」










    デイビットは真っ先にレイを指差す。









    デイビット「レイ、お前あん時、なんであんな動揺してたんだ?」


    レイ「そ、それは……」


    ハルト「デイビット、それは…」


    デイビット「お前は黙ってろ」


    デイビット「レイ、お前、あの女と何か関係あるんじゃないのか?」


    レイ「・・・・・・・・」


    加持「わかったよデイビット」


    加持「ハルト、レイ、いいかな、話しても?」










    ハルトとレイは互いに顔を見合わせ、レイはコクリと顔を動かす。

    ハルトはレイの意思を確認した後、加持に答えを伝えた。










    ハルト「ええ、おねがいします」


    加持「よし」









    加持はタバコを皿に押し付けて消し捨て、スクリと立ち上がる。










    加持「デイビット、実はな…」


    加持「この二人はヴィレから亡命してきたんだ」


    デイビット「なに、ヴィレ?」









    デイビットはそれを聞くと、

    あの女性の言葉が思い浮かんだ。









    女性《この機体『ガルーダ』は、私たち『ヴィレ』の所有物よ》









    デイビット「あの女、確かにヴィレと……」


    加持「ああそうだ」


    加持「この二人は、お前が見た女の元部下だったんだ」


    デイビット「なんだと…!?」









    デイビットはタバコを不意に口からポトリとこぼした。

    すると、脇のホルスターに入れていた拳銃に手をかける。









    加持「おい落ち着けデイビット」


    デイビット「一体そんな人間がなんでアンタと俺に協力してるんだ?」


    デイビット「あっちのスパイという可能性もあったはずだぞ」


    加持「それは俺も最初は思ったさ」


    加持「けどな、後にそうじゃないとわかったんだ」


    デイビット「…どういうことだ?」


    ハルト「加持さん、それは僕に話させてください」









    ハルトがスクリと立ち上がり、二人に割り込むように声を出す。









    加持「わかった」









    加持は座り、ポケットからタバコを取り出してくわえた。









    ハルト「デイビット、さっき加持さんが言ったとおり…」


    ハルト「僕とレイは、元々はヴィレに所属していた研究員だったんだ」


    デイビット「そのレイとはどういう関係なんだ?」


  28. 36 : : 2020/09/07(月) 18:17:04




    デイビット「それに、俺の見間違いじゃなければ…」


    デイビット「なんであの女と似ているんだ?」


    デイビット「とても偶然には見えなかった」


    ハルト「……デイビット、信じられないかもしれないけど」









    ハルト「彼女はクローンなんだ」


    デイビット「なに?」


    ハルト「彼女だけじゃない」


    ハルト「あの女性も、実は…」


    デイビット「待て待て、するっていうとあれか?」


    デイビット「俺が会ったあの女とそいつは…」


    デイビット「人造人間なのか?」


    レイ「そうよ。私とあの人は、目的のために作られた存在…」


    レイ「クローン人間なの」


    ハルト「レイ…」









    今度はレイが立ち上がり、ハルトにゆっくりと歩み寄る。









    レイ「私はある計画のために作られたの」


    デイビット「計画?」


    ハルト「アース・マザー計画」


    ハルト「それがその計画の名だ」


    デイビット「アース・マザー?」


    デイビット「…あの女も確か『地球の母になる』って」


    ハルト「そうだよ」


    ハルト「あの女は、世界を自分のものにする計画を立てていたんだ」


    ハルト「そして世界を作り直して、自分の理想の世界に生まれ変わらせようとしてたんだ」


    デイビット「……にわかに信じがたいな」


    デイビット「この時代に世直しだなて、テロリストも考えないぞ」


    デイビット「だいたいあの女に、それほどの力があるとも思えん」


    ハルト「確かに、こんな話真に受ける人間なんていないよ」


    デイビット「それでなんだ?」


    デイビット「お前たちが亡命した理由は、そんなママゴトに付き合いきれなくなって嫌になったからか?」


    ハルト「ママゴトか……まぁ確かにそれも一理あるね」


    ハルト「それもあるし、もう一つは個人的なことでね」


    ハルト「この計画が完了したら、レイが処分される予定だったんだ」


    ハルト「だから僕はそうなる前に、レイと一緒に逃げたんだ」


    デイビット「それは壮大な駆け落ちだったな」


    デイビット「で、お前たちはなんで加持のとこにいたんだ?」


    ハルト「逃亡を施設に潜り込んでいた加持さんに手助けしてもらったんだ」


    レイ「彼がいなかったら、私はまた捕まって、ハルトは殺されていたわ」


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著者情報
hinokagututi

ローリン・ナオトLV.50

@hinokagututi

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ゴジラ VS エヴァンゲリオン シリーズ

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