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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アニ「天国ってあるのかな。」エレン「死んだら人はそれまでだ。」エレアニ

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  1. 1 : : 2017/08/03(木) 19:02:14
    一部設定は原作と異なります。

    何かありましたら指摘していただければ幸いです。
  2. 2 : : 2017/08/04(金) 23:29:41
    ーーーー845年ーーーーー


    突如として俺達の平和は壊された。



    忌々しい巨人どもによってーーーーーーーーー



    ーーーーーー


    ーーー


    ーー



    ミカサ「エレン、起きて。」



    エレン「待って…!」バッ



    ミカサ「!」ビクッ



    ミカサ「エレン…?どうしたの?」



    エレン「それでも、いいから…」フラッ



    ミカサ「エレン…?」ギュッ



    エレン「!」ハッ



    ミカサ「何してるの?」



    エレン「…?俺、何してたっけ?」



    ミカサ「さっきまで寝てて、急に起き上がったと思ったら…何か言いながら歩いてた。寝ぼけてるの?エレン。」



    エレン「ああ、そうかも。」



    ミカサ「そうじゃないかも知れないし、帰ったらグリシャさんに診てもらわないと。」



    エレン「はぁ?いいよ、これくらい。ほら、早く行くぞ。」スタスタ



    ミカサ「あ…」タッタッ



    ミカサ「寝ぼけてても急に歩き出すなんて事、ある?」



    エレン「そんな事だってあるだろ。」



    ミカサ「そんなのエレンには分からない。」



    エレン「ミカサにだって分からねぇだろ?」



    ミカサ「だから、グリシャさんに。」



    エレン「…」



    ミカサ「エレン…?」



    エレン「…あーもう、分かったよ。帰ったらな、帰ったら。」



    ミカサ「うん。」ニコ
  3. 3 : : 2017/08/05(土) 11:01:15
    ーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「父さん忙しそうだったな。」



    ミカサ「うん、診る暇も無さそうだった。」



    ミカサ「あ…」



    エレン「どうしかしたのか?」



    ミカサ「あれ。」



    少年A「おらっ、くやしかったらやりかえしてみろよ!!!」グイッ



    アルミン「そんな事をして、しまうと…君たちと何も変わらないじゃないか…!!」ボロッ



    少年A「っ…こいつ…!!!」バキッ



    アルミン「うっ…」ズルッ



    エレン「!」ダッ



    ミカサ「…」ダッ



    エレン「おい、お前ら!アルミンをいじめるな!!!」



    少年A「へへっ、またエレンかよ…今度こそボコボコにしてや…って、おいおい、ミカサもいるぞ!!!」



    少年B「やべぇ、逃げろ!!!」



    少年ABC「うわぁぁぁぁぁ!!!」ダッ



    エレン「あいつら…俺を見て逃げやがった。」



    ミカサ「…」



    アルミン「…ミカサを見て逃げたんだよ。」ボソッ



    エレン「ほら、立てよアルミン。」スッ



    アルミン「っ…1人で、立てるよ。」フラッ



    エレン「そっか。」
  4. 4 : : 2017/08/05(土) 12:42:27
    ーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「なあアルミン、外の世界の話を聞かせてくれないか?」



    アルミン「もちろん、いいよ!外の世界には〜〜〜〜〜〜」ペラペラ



    エレン「やっぱり、いつ聞いてもすげぇなぁ、外の世界ってのは。」



    ミカサ「凄い。」コクリ



    アルミン「うん、僕は行ってみたいんだ。まずは、この目で海を見たい。」



    エレン「はは、そうなると巨人共を殺す必要があるんだぞ?」



    アルミン「そうだね。でも、いずれはそうなるじゃないかな。」



    エレン「どういう事だ?」



    アルミン「いくら壁の中が百年安全だったとはいえ、その安寧は一瞬で崩れるかもしれないからさ。」



    エレン「そりゃお前ーーーーーー」



    ピカッ



    ドゴォォォォォォン!!!!!



    グラグラッ



    エレン「うおっ!?」



    アルミカ「!?」



    エレン「な、何だ?」



    アルミン「あっちに人が集まってる!」ダッ



    ミカサ「…」ダッ



    アルミン「あ…ああ…」



    ミカサ「…」ボーゼン



    エレン「お、おい!何が見えるってんだよ?」ダッ



    エレン「…なんだよ…あれ…」



    超大型巨人「…」フシュー



    ブンッ



    ドゴッッッッッ!!



    エレン「あ…?」



    アルミン「壁が…壊された?」



    ミカサ「嘘…」



    「うわぁぁぁぁ!!!!!」


    「逃げろぉぉ!!!巨人が、入ってくるぞ!!!」
  5. 5 : : 2017/08/05(土) 13:08:23
    アルミン「まずい…早く、逃げなきゃ…!」



    エレン「あ…瓦礫の飛んでいった方に、家が…!」ダッ



    ミカサ「!」ダッ



    アルミン「エレン…!ミカサ!!」



    アルミン「くそっ…どうすれば…」



    ーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「あの角を曲がれば…いつもの…!」ダッ



    ミカサ「…」ダッ



    エレン「嘘…だろ!?」



    ミカサ「あ…」



    カルラ「う…」ボロッ



    エレン「母さん!!俺が分かる!?」



    ミカサ「カルラおばさん!」



    カルラ「エレン…ミカサ…?」



    エレン「良かった、意識はあるみたいだ。早く瓦礫をどかすぞ、手伝えミカサ!」グッ



    ミカサ「うん…!」グイッ



    グググググググ



    カルラ「だめよ二人とも、逃げて。」



    エレン「どうして…!」クググッ



    カルラ「あなたたちの力じゃ、どうにもならないの。」



    ミカサ「それでも…!」



    カルラ「それに、もし瓦礫が持ち上がったとしても、私は脚がもう動かないの。感覚がなくなってるの。分かるでしょ?だから、ね?早く…」



    エレン「それなら俺が担いで逃げるよ…!」ググッ



    カルラ「ミカサ…!」



    ミカサ「嫌…!」ブンブン



    カルラ「そんな、ミカサまで…最後くらい…言うこと聞いてよ…!」グスッ
  6. 6 : : 2017/08/05(土) 13:22:03
    エレン「…それが、母さんの最後のお願い…?」



    カルラ「…ええ、そうよ。」



    ミカサ「エレン…?」



    エレン「…俺達といるのは、何も楽しいことなんて無かったの…?」



    カルラ「そんな訳…無いでしょ。私の人生、あなた達がいてくれたから…!」グスッ



    エレン「ありがと、母さん…俺、母さんのこと大好きだよ。」ニコ



    ミカサ「エレン…!あなた、まさか…!?」



    エレン「…」



    カルラ「…エレン、今まで何もしてあげられなくてごめんね。あなたが本当にして欲しいこと、何一つ出来なかった。私がして欲しいことだけ言って、あなたの事、一つも考えてなかった…こんな母親で…ごめんなさい。」グスッ



    巨人「…」



    ドシーン



    エレン「だから、さっきから言ってる。母さんは、この世でたった1人の俺の母さんで、俺はそんな母さんだから…いつも、俺達のことを考えてくれてた母さんだから…大好き、だって。」



    カルラ「エレン…ミカサ…最後に、顔をよく見せて。」



    エレン「…」



    ミカサ「最後じゃ、ない…!」ブンブン



    カルラ「二人とも、生まれてきてくれて、本当にありがとう。」ニコ



    巨人「…」ニタァ



    ドシーン



    エレン「…行くぞ、ミカサ。」ガシッ ダッ



    ミカサ「!?…離して…エレン…!!!」ジタバタ



    エレン「暴れるな。1人で走れるのなら前だけ見て走れ。母さんの犠牲をお前は無駄にする気か?」



    ミカサ「だって…カルラおばさんが…!!」クルッ



    エレン「振り返るな!!!!」



    巨人「…」ガシッ



    カルラ「ひっ…やめ…」ダンッ!ダンッ!



    巨人「…」メキッ



    カルラ「あ…」ダラーン



    巨人「…」バキッ ガブッカブッ



    ミカサ「あ…うわぁぁぁぁ!!!!!」



    エレン「…(母さん…ごめん。)」グスッ
  7. 7 : : 2017/08/05(土) 13:29:01
    ーーーーーーーーーーーーーー


    アルミン「あ…!エレン…ミカーー」



    バキッッ!!



    エレン「っ〜~~~!!!」



    ミカサ「何で…カルラおばさんを…!」



    エレン「じゃあ、お前は母さんを助けられたのか…?」



    ミカサ「出来たかもしれない。」



    エレン「無理だな。子供の力であの瓦礫は持ち上げられない。」



    ミカサ「諦めていなければ、持ち上がったかもしれない…!」



    エレン「だから…無理なもんは無理なんだよ!!!!」



    ミカサ「!」ビクッ



    エレン「この世には…諦めなくちゃならない時がある。お前が俺に教えたんだろ。この世界は残酷なんじゃなかったのか?」



    ミカサ「エレンは私に戦わなければ勝てないと言った。あなたは…戦った?」



    エレン「ああ、戦ったさ。その結果がこのざまだ。笑いたきゃ笑えよ。」



    ミカサ「…じゃあ、エレンは私やアルミンが助からないような状況になったら、今と同じように見捨てるの…?」



    エレン「それは…」



    ミカサ「助からないからって、何もせずに…見捨てる?」



    エレン「それとこれではーーー」



    ミカサ「一緒!!!それとこれでは違うってどこが…?ふざけないで。あなたには失望した。金輪際関わらないで。」スタスタ



    エレン「っ…待てよ、ミカサ!!」ガシッ



    ミカサ「触るな…!!」バシッ



    エレン「っ…」



    ミカサ「…」スタスタ
  8. 8 : : 2017/08/05(土) 13:41:03
    エレン「…」



    アルミン「エレン…?」



    エレン「アルミン…見てたか?今の。」



    アルミン「何か言いあってたみたいだけど、何があったの?」



    エレン「…俺が、さ、母さん見捨てたんだ。」



    アルミン「…」



    エレン「脚が瓦礫に挟まれてて、俺とミカサで持ち上げようとはしたんだけど、そんなの持ち上がるわけなくてさ。それでも、どうにかしようと思って…思って…」



    エレン「思ってたんだけど…諦めた。母さんを助けることより、最後の願いを叶えてあげたいって思ったんだ。そうすることによって、ミカサも助かるなら…仕方ないって割り切って。はは、最低だよな、俺。」



    アルミン「…僕は、エレンもミカサも間違ってないと思う。君は感情を殺して被害を最小限に抑えた。対してミカサは、覚悟を決めて助けようと試みた。どっちが間違ってるなんて、言えないよ。」



    エレン「アルミン、慰めならーーー」



    アルミン「慰めじゃないよ。本心さ、君がミカサよりも感情を殺せるなんて思わなかったけどさ。」



    エレン「はぁ?馬鹿にしてんのか?」


    アルミン「違うってば。」



    エレン「はは。なあ、アルミン。」



    アルミン「何?」



    エレン「ミカサのこと、頼めるか?あいつ、1人じゃ寂しいだろうからさ。」



    アルミン「その頼みは、一時的にしか受けられないよ。僕らは三人揃って初めて親友なんだから。」



    エレン「酷いな…お前も。」



    アルミン「今は、ミカサのこと、任せてよ。きっと君と仲直りさせるからさ。」



    エレン「ああ。もう行ってくれ。」



    アルミン「うん、またね、エレン。」スタスタ



    エレン「どうしたら良かったんだろうな…」ゴロンッ



    エレン「母さん…」



    エレン「うっ…ううっ…母さん…ごめん、ごめんなさい…うっ…」グスッ



    アルミン「エレン…(君だって悲しいはずなのに…待っててね。きっと僕が何とかする。)」
  9. 10 : : 2017/08/05(土) 20:25:55
    エレン「…(ミカサ、お前は一生俺を恨むだろうな…それだけの事をした自覚はある。でも、お前を助けたかったんだ…これだけは分かってくれ。)」



    エレン「はぁ…(これから、どうしよう。)」



    ゴォォォォン!!!!



    エレン「!?」



    「おい、早くいくぞ!!!」


    「ちょっと待てって!!」



    エレン「すみません、これは何の騒ぎですか?」



    「はぁ?支援が来たんだろうが、お前も早く行かなきゃ無くなるぞ!!」



    エレン「ありがとうございます。(支援か、早く行かなきゃ無くなる。てことは、また牛耳る奴でも出てくんのか?タチが悪いな。ま、行くか。)」



    ーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「これだけかよ…(よりによってパン一個って…三日後にまた来るとはいえ、厳しいな。)」



    猫「ニャーン…」テクテク



    エレン「なんだなんだ?」



    猫「…」ジッ



    エレン「こ、これか…!?悪いけど、これ1個しかねぇんだわ。我慢してくれねぇかな?」ナデナデ



    猫「ニャーン…」スリスリ



    エレン「…」ナデナデ



    猫「…」スリスリ



    エレン「…分かったよ、少しだけだぞ?」ブチッ



    猫「ニャー…」モグモグ



    エレン「はは。(ミカサもアルミンも、上手く食糧貰えたのかな。)」ギュッ ナデナデ



    猫「…」ゴロゴロ
  10. 11 : : 2017/08/05(土) 20:37:29
    エレン「美味いか?」ブチッ



    猫「…」モグモグ



    エレン「…(話しかけても、返答なんて返って来るわけねぇのにな。)」ナデナデ



    猫「ニャー…」タッタッ



    エレン「あっ…(飯だけ食っていきやがった。)」



    猫「…」ピタッ



    エレン「?」



    猫「…」クルッ



    猫「ニャー…」ニコニコ



    猫「…」タッタッ



    エレン「何してんだ、あいつ。」



    「ありがとうって言ってるんじゃないのかい?」



    エレン「誰だ?」



    「そんな事は良いよ。それよりあんた、三日間それでやって行けると思ってんのかい?」



    エレン「行けるか行けないかじゃなくて、何とかするしかねぇだろ。」



    「…馬鹿だね。」



    エレン「はぁ?何だいきなり。」



    「それで三日持つわけない。一日だって無理なんじゃないのかい?」



    エレン「じゃあなんだよ、お前がくれるとでもいうのか?何にもしねぇくせに口出ししてんじゃーーーー」



    「あげるよ。」



    エレン「は?何でお前が会って間もない俺にそんなもんあげるんだ。」



    「私は猫が好きなんだ。」



    エレン「何言ってんだよ。」



    「猫まで食べようとする奴もいるけど、あんたはしなかった。それだけさ。」スッ



    エレン「本当にいいのか?お前の分が減るけど。」



    「私のは他のみんなが取ってくれてるからさ。あんたにはそういう知り合いがいないのかい?」



    エレン「まあ色々あってな。」



    「そうかい。まあ、それはあげるよ。これからも猫を大切にね。」クルッ



    エレン「あ…お前、名前は?」



    「…ニア、ニア・レオンハート」



    エレン「ニアか、いい名前だな。覚えておくよ。俺はエレンだ、エレン・イェーガー。」



    ニア「聞いてないよ。」タッタッ



    エレン「…いい奴もいるんだな。」
  11. 12 : : 2017/08/05(土) 20:47:17
    ーーーーーーーーーーーーーー

    ー2年後ー



    マルコ「君、シガンシナ区出身なんだよね…!?」



    コニー「巨人の話を聞かせてくれよ!」



    エレン「…(無事、訓練兵団に入れたのはいいものの…何だ、この状況は。)」イライラ



    エレン「おう、いいぞ。(まあ、いいか。)」ニコ



    マルコ「超大型巨人ってどんなだった!?」



    コニー「俺の村では〜〜〜〜。」



    ワーワー キャーキャー


    ーーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「あ…やべ、用事思い出した。悪いけど、抜けていいか?」



    マルコ「うん、話を聞かせてくれてありがとう。」ニコ



    エレン「おう、また話そうや。」タッタッ



    アルミン「エレン、上手く溶け込んでるみたいだね。」



    ミカサ「…どうだっていい。」



    アルミン「何で君はそうやってーーー」



    ミカサ「分かるでしょ?アルミン。」



    アルミン「でもそれは…」



    ミカサ「…分かってる。仕方の無いことだと。でも、今更エレンに近づける訳が無い。二年間何も出来なかった、きっと困っている時もあっただろうに。」



    アルミン「エレンは仲直りすることを望んでいるよ。」



    ミカサ「エレンが言った?」



    アルミン「…うん。」



    ミカサ「アルミンは嘘が下手だから、嘘はつかない方がいい。」ガタッ



    アルミン「あ…待ってよ、ミカサ!」ガタッ



    ミカサ「…(仮にエレンがそう言ったとしても、もう、無理だよ…)」
  12. 13 : : 2017/08/05(土) 20:53:55
    ーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「…」キョロキョロ



    ミカサ「!(あれは、エレン…?何やってるんだろう。)」サッ



    エレン「あ…いたいた。」タッタッ



    サシャ「もう…駄目、です…」バタッ



    エレン「おい、起きろ。」パチンッ



    サシャ「う…」



    エレン「ほら、飯だ。」スッ



    サシャ「!」バクッ



    エレン「うお!?」



    サシャ「これは…パァァァァン!!!!」



    エレン「うるっせえなぁ…!」キーン



    サシャ「これを…私に…?」



    エレン「今日だけだぞ。」



    サシャ「神…ですか!?」



    エレン「猫は大切にしろって言わててな。」ナデナデ



    サシャ「ありがとうござい…ゴホッゴホッ」バンバン



    エレン「水。」スッ



    サシャ「!」ゴクゴク



    サシャ「ありがとうございます…!!!」



    エレン「はいはい。」



    サシャ「もう…ダメ、です。」バタッ



    エレン「お前…!まだ寝るなって!!」ユサユサ



    サシャ「…Zzz…ムニャムニャ…Zzz」



    エレン「チッ…もっと小さい猫でさえ自分で歩いてたぞ。」グイッ



    サシャ「…Zzz」



    エレン「おもっ…」スタスタ



    クリスタ「あ、あのっ!」
  13. 14 : : 2017/08/05(土) 21:09:54
    エレン「何だ?」



    クリスタ「えっと…」



    エレン「あ、お前…もしかして、飯やりに来たのか。」



    クリスタ「そうなんだけど…寝ちゃってる?」



    エレン「ああ、手伝って貰えるか?」



    クリスタ「うん、もちろん!」ニコ



    ミカサ「…(二人居れば大丈夫そうだし、そろそろ行こう。)」タッタッ



    エレン「お前、名前は?」ガシッ



    スタスタ



    クリスタ「クリスタ・レンズ、あなたは?」



    エレン「エレン・イェーガーだ。」ニコ



    クリスタ「よろしく、エレン。」ニコ



    エレン「何でここに来た?」



    クリスタ「えっと…人の役に立ちたかったから。」ニコニコ



    エレン「へぇ…お前、俺とちょっと似てるかもな。」



    クリスタ「え?」



    エレン「ああ、悪い。変な意味じゃないんだ。忘れてくれ。」



    ユミル「適当な笑顔を振りまける所か?」



    クリスタ「誰…!?」



    ユミル「私か?私は、ユミルだ。ほら、変われよ、エレン。女子寮には入れねぇだろ?」



    エレン「ああ、助かる。(こいつ…今まで隠れてやがったな?)」



    ユミル「私以外にも隠れてた奴がいたようだが、お前の知り合いか?」



    エレン「はぁ?知るわけねぇだろ。てか誰だよそいつ。」



    ユミル「まあ気にすんな。行くぞ、クリスタ。」



    クリスタ「えっ…う、うん!」



    スタスタ
  14. 15 : : 2017/08/05(土) 21:18:50
    ー男子寮ー



    ライナー「なあ、いいだろ?」



    アルミン「いや…だから、僕は、その…」



    ライナー「へへ、悪くはしねぇよ。」ガシッ



    アルミン「や、やめて…!!!」ジタバタ



    ガチャ



    エレン「…(隠れてたやつ…か、誰だろう。)」ウーン



    ライナー「マウントを取られないようにするんだったなぁ…?」ガシッ ニタァ



    アルミン「あ、エレン…助けて!!」ジタバタ



    エレン「…」ジー



    エレン「は?」



    ーーーーーーーーーーーーーーー


    ーーーーーーーー


    ーーー



    エレン「何だ、誰が好きか聞いてたのか。」



    アルミン「だから、さっきからそう言ってるだろ!?」



    エレン「そういう趣味のやつに捕まったもんだと思ってたぜ。」



    ライナー「ちょっと待て、俺にそういう趣味はない!」



    エレン「で…誰?」



    ライナー「ああ、挨拶が遅れたな。俺はライナー・ブラウンだ。ライナーと呼んでくれ。」



    エレン「俺はエレンでいい。それで、そっちのは?」



    ベルトルト「へっ…?」



    エレン「へっ、てなんだよ。名前を聞いてるんだ。」



    ベルトルト「あ…僕は、ベルトルトだよ。よく名前を間違われるんだ。だからーーー」



    エレン「宜しくな、ベルトルト。」



    ベルトルト「!エレン…!!!」ギュッ



    エレン「ちょ、やめろよ…!俺にそんなに趣味はねぇ!!」グイッ



    ライナー「ベルトルト…お前…」



    アルミン「ライナーのせいだよ、全く…」



    ベルトルト「そ、そういう訳じゃないよ…!ただ、名前を呼ばれたことが嬉しくて…」グスッ



    アハハハハ
  15. 16 : : 2017/08/05(土) 21:26:41
    ライナー「ところでエレン、お前は誰が好きなんだ?」



    エレン「人にものを聞くときは自分からって聞いた事ないか?」



    ライナー「俺は、クリスタだ!」



    エレン「あ〜あいつか…」



    ライナー「分かるのか!?」



    エレン「まあな。」



    アルミン「もしかしてエレンも…?」



    エレン「なわけねぇだろ、あんなやつ。」



    ライナー「あんな…やつ、だと?」ゴゴゴゴゴ



    アルミン「いくらエレンでも、それは許せないなぁ…?」ニコォ



    エレン「あ…やべ…」ダッ



    ライナー「待て、ゴルァ!!!」ダッ



    ベルトルト「ら、ライナー!!ダメだよ!!」ガシッ



    ライナー「離せ、ベルトルト!勝負は今、ここで決める!!!」ブンブン



    ベルトルト「早まるな!今はまだその時じゃない!!」



    ライナー「…仕方ねぇ。今回は従う。」



    アルミン「おりゃ!!!」ブンッ



    パシッ



    エレン「はは、まだまだだな。」ペチンッ



    アルミン「痛っ!!デコピンはずるいよ!」



    エレン「ずるくねぇだろ。」ニコ



    アルミン「まあそうだけど…」



    エレン「まあ何だ、でも、悪かった。」ペコッ



    ライナー「次、馬鹿にしたらたたじゃ置かねぇからな。」



    アルミン「今度は殴るよ。」ニコ



    エレン「おう。(アルミンのが怖い…)」ニコ



    ベルトルト「エレンも気をつけなよ?僕じゃライナーを足止めするぐらいしか出来ないから。」



    エレン「分かってるって。」ニコニコ
  16. 17 : : 2017/08/06(日) 10:30:51
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    適正テストが終わった。



    エレンは少し手こずっていたようだけど



    ライナーやベルトルト、コニーなど



    みんなの助けもあって上手くいった。



    今日は対人格闘、僕は体が強くないから



    苦手だな。



    キース「本日は対人格闘訓練を始める!!男女で組む場合は体格も加味して各でペアを作れ!!」



    クリスタ「エレン、組まない?」



    エレン「あ、クリスタ。悪いけど、体格に差がありすぎないか?」



    クリスタ「あ…」



    エレン「ほら、ユミルが待ってるぞ。」ニコ



    クリスタ「うん、ありがとう、エレン!」ニコ



    ライナー「おうエレン、組もうぜ。」ガシッ



    エレン「あ…」



    エレン「いや、俺はサシャと…」



    ライナー「残念だったなぁ?サシャはもうコニーと組んでるみたいだぞ?」ニコォ



    エレン「なっ…あいつめ…!!」



    ライナー「と、言うことで、やるぞ。こっちに来い。」グイッ



    エレン「やめてぇぇぇ!!!!!」



    ズルズル



    アルミン「あはは…」
  17. 18 : : 2017/08/06(日) 10:42:28
    ライナー「行くぞ!!!」ダッ



    エレン「めんどくせぇなぁっ!!!」ガシッ ダァン



    バタッ



    ライナー「は…?(何で俺が倒されてる…?)」



    エレン「猫は好きだが、ゴリラは好きじゃないんだ。」ニコ



    ライナー「くそっ…てめぇぇ!!!」ダッ



    エレン「しつこいんだよっ…!!!」スッ



    ライナー「うお…!?(軌道を変えられた…!?)」



    アニ「…」



    エレン「!止まれ、ライナー!!」ダッ



    ライナー「はっ…!?(そんなに急には止まれねぇよ!!)」



    エレン「くそ…!!」バッ



    ドンッ



    ズシャァァァァァ




    ライナー「いってて…」



    ライナー「おい、エレン、無事か!!」



    エレン「ああ、何とかな…お前、ちょっとは前見ろよ。」ダラダラ



    ライナー「悪い、何があったんだ?てかお前、その傷…!」



    アニ「…チビは視界に入らないって?」スッ



    ライナー「えっ…?あ…そ、そうは言ってねぇだろ!?」



    アニ「問答無用。」シュッ



    スパァァァン



    グルッ



    ドサッ



    ライナー「…」チーン



    エレン「久しぶりだな、ニア。本当は何ていうんだ?」ドクドク



    アニ「…アニだよ。エレン・イェーガー。あんたさっきから出血が酷いけど。」



    エレン「だったら医務室にでも連れてってくれよ。酷いやつだな。」



    アニ「あんたはどこからどう見ても猫っぽく無くてね、どうにも助ける気にはなれないんだ。」



    エレン「ははは…」



    アニ「けどまあ、借りも作りたくないし、肩を貸すくらいなら良いよ。」スッ



    エレン「助かる。」ガシッ



    アニ「教官、イェーガーを医務室へ連れていきます。」



    キース「うむ、分かった。」



    アニ「行くよ。」スタスタ



    エレン「…小さえ肩だな。」ボソッ



    アニ「怪我治ったら殺すから。」



    エレン「ゴメンナサイ。」



    アニ「許さない。」
  18. 20 : : 2017/08/06(日) 23:34:46
    〜医務室〜



    医師「擦り傷が酷かったけど、重症にはならなそうだね。」



    エレン「ありがとうございます、訓練にはこのまま参加していいんですか?」



    医師「今日はここで休んでなさい。」



    エレン「え…」



    医師「『え…』じゃない。この後は対人格闘だけみたいだし、傷口が広がって困るのは君だからね。」



    エレン「そんなぁ…」シュン



    医師「私はこれから用があるから、君、この子を見ててくれないかな。」



    アニ「分かりました。(やった、サボる口実ができた。)」



    医師「じゃあ、頼んだよ。」ガチャ



    バタンッ



    エレン「よし…行くか。」ガタッ



    アニ「…」ガシッ



    エレン「もう貸し借り無いんだから、ほっとけよ。」



    アニ「あんたに勝手に動かれたら困るんだよ。」



    エレン「何でだよ。」



    アニ「だって、あんたがいなきゃ…」



    エレン「?」



    アニ「サボる口実が出来ないじゃないか。」



    エレン「何だ、そういう事か。それなら別に気にしなくても部屋に戻ったって言えば良いだろ?」



    アニ「『ここで』絶対安静って言われたんだ。自分の状況、分かってる?」



    エレン「あーはいはい、分かったよ。」



    アニ「…」



    エレン「いくつか聞いても良いか?」



    アニ「必要以上には話すつもりないよ。けど、私からも聞きたいことがあるんだ。」



    エレン「じゃあそれから頼む。」ニコ



    アニ「さっき、私の本名は何だって言ってたけど…何で、ニアが偽名だって分かったの?」
  19. 21 : : 2017/08/07(月) 01:42:37
    エレン「ああ…それは、お前がニアって名乗った時に少し間があっただろ。その時、初対面の人に名前を教えるのか迷ったのかなって思ったんだ。だから確実にニアって名前じゃないとは思ってなかったんだけど…」アハハ



    アニ「へぇ…じゃあ、まんまとハメられたって訳だ…酷いね、あんた。」



    エレン「カマかけたって言ってくれよ。」



    アニ「あまり変わらないじゃないか。それで、あんたの聞きたいことってのは?」



    エレン「あー…(出身地とか、何で来たのかとか…何から聞こう。)」



    アニ「言い忘れてたけど、1個だけだよ。」



    エレン「へ?」



    アニ「私はあんたに一つ質問した。だから私はあんたの質問に一つだけ答える。そういう事さ。」



    エレン「は?それは勝手過ぎんーーー」



    アニ「文句があるならいいよ、何も答えないから。」



    エレン「一つだけ質問させてください。」



    アニ「うん。」



    エレン「…さっきの、ライナーにやってた蹴り、すげえな。独学なら尚更だ。」



    アニ「…あれは、お父さんから。」



    エレン「へぇ、親父さんがあの技術を…お前は恵まれてるな。」



    アニ「あんた…それ、本気で言っているのかい?」ギリッ



    エレン「え…あ、いや…」



    アニ「いいさ、別に。」



    エレン「その格闘術って俺にも出来るか?」



    アニ「質問にはもう答えたよ。」



    エレン「親父さんってのは、お前が勝手に訂正したんだろ?質問の答えじゃねぇよ。」



    アニ「…あんた、詐欺師みたいだね。」



    エレン「昔から…そうでもしなきゃ生きられ無いほど、弱かったから。」



    アニ「そうやって、自分すらも騙してきたんだ。」



    エレン「え…?」



    アニ「いいよ、教えてあげる。」



    エレン「本当か!?」



    アニ「その代わり、条件がある。」



    エレン「何だ?」



    アニ「私がサボりたい時はサボらせること。そして、あくまで対人格闘の時だけの関係であること。休暇はもちろん、食事、他の訓練では一切話しかけないで。」



    エレン「え、それは…」



    アニ「無理ならいいよ。」



    エレン「…分かった。けど、どうしても用がある時は話しかけていいか?」



    アニ「それくらいならね。そろそろ寝なよ、私も話し疲れた。」



    エレン「ああ、おやすみ、アニ。」



    アニ「…」



    エレン「…Zzz」



    アニ「…おやすみ。(寝るの早いな。)」ボソッ
  20. 22 : : 2017/08/07(月) 15:42:45
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    キース「午前に引き続き、対人格闘訓練を行う。内容は変わらん、始めろ!」



    「はい!!!」



    アルミン「エレン、心配だね。」



    ミカサ「…」



    アルミン「行ってあげなくていいの?」



    ミカサ「アルミン、訓練に集中して。」スタスタ



    アルミン「そうだね。(堅物だな、全く…)」



    ライナー「相手いねぇな。」キョロキョロ



    ミカサ「ライナー、相手がいないなら私と組もう。」



    ライナー「あ〜気持ちは嬉しいんだが、体格差があるから遠慮しとく。」



    ミカサ「私はライナーより強い。」



    ライナー「お…言ったな?」



    ミカサ「だからこうして挑んでいる。」



    ライナー「じゃあ…やるか?」



    ミカサ「ええ。いつでも構わない。」



    ライナー「構えは無いのか?」



    ミカサ「要らない。」



    ライナー「はぁ?」



    ミカサ「私は、あなたより強い。だから、そんなものは必要ない。」



    ライナー「舐めてくれるな…後悔しても知らねぇぞ!!」ダッ



    ミカサ「御託はいらない。」



    ミカサ「はぁっ!!!」ドゴッ



    ライナー「ぐふっ…」ドサッ



    ミカサ「大口を叩いていた割には呆気ない。」



    ガシッ



    ライナー「へっ…油断したな、ミカサァァァ!!」ブンッ



    ピタッ



    ライナー「へ…?(何でこいつ、びくともしねぇんだよ!?)」



    ミカサ「だから言った。私はあなたより強い。」ブンッ



    ライナー「あ…(何で俺、足掴んだのに浮いてんだ?)」



    ドンッ



    アルミン「うわぁ!?」ビクッ
  21. 23 : : 2017/08/07(月) 15:47:03
    ライナー「…」チーン



    コニー「何だ何だ!?」



    アルミン「ど、どうしてライナーが降ってくるんだ?」キョロキョロ



    ミカサ「ごめんなさいアルミン、つい飛ばし過ぎてしまった。」



    アルミン「何だ、ミカサか…」ホッ



    コニー「何ほっとしてんだよ、おい、大丈夫か?ライナー!」ユサユサ



    ライナー「…」チーン



    ミカサ「私が医務室に連れていこう。」ガシッ



    アルミン「うん、お願い。」



    ミカサ「アルミン、教官には言っておいてほしい。」



    アルミン「任せてよ!」



    コニー「お、おい、アルミン。ライナーのやつ大丈夫なのか?」



    アルミン「何とも言えないけど、ライナーなら大丈夫何じゃないかな?」



    コニー「そっか、良かった…」ホッ



    アルミン「うん!(それで安心する君もどうかしてるよ。)」



    アルミン「あ…(今、医務室にはエレンが居るんだっけ。)」



    コニー「ん?」



    アルミン「いや、何でもないよ。(もしかしてミカサ、狙ってた…?)」



    アルミン「さて、再開しよう!(流石にそれはないか。)」



    コニー「おう!」
  22. 24 : : 2017/08/07(月) 19:35:18
    〜医務室〜


    ミカサ「まさか、先生がいないなんて…」



    ミカサ「まだ起きてない。ので…寝かせておこう。」スッ



    ボフッ



    ライナー「…」



    ミカサ「…(エレンは、居ないのだろうか。)」キョロキョロ



    ミカサ「あ…(このカーテンの向こう…?これを開ければ…)」スッ



    ミカサ「…」ピタッ



    ミカサ「…(会って、何をすればいいのだろうか。)」




    ミカサ「…(謝罪…?仮にそうするとして、エレンはどんな顔をするのだろうか。)」




    ミカサ「…(何で今更って、怒る?それとも、笑顔で許してくれる…?)」




    ミカサ「…(結果がどうであれ、私にはそれをする勇気がない。)」



    ミカサ「ごめん…なさい。(今は出来ないけど、いつか必ず謝るから…その時は、許して欲しいとは言わない。だから、身勝手な私の話を…どうか、聞いてほしい。)」スタスタ




    エレン「…」




    エレン「…ばーか。お前が殴ったことも、暴言吐いたことも、最初から俺は怒ってねぇって。お前はいつも早計なんだよ。」
  23. 27 : : 2017/08/08(火) 03:43:07
    ライナー「なあエレン、お前とミカサはどういう関係なんだ?」



    エレン「ライナー、まさかお前が盗み聞きとは…感心出来ないぞ。」



    ライナー「盗み聞きとは言ったって、ほとんど何も言ってなかったじゃねぇか。」



    エレン「まあな。」



    ライナー「それで、教えてくれねぇのか?お前らの関係は。」



    エレン「アルミンと同じで幼馴染だ。昔から仲が良くて、俺達は三人でよく遊んだ。」



    ライナー「それだけ聞くと殴るとかそういう話は出てこなさそうなんだが。」



    エレン「巨人が入ってきた時にさ、母さんが死んだんだ。」



    ライナー「母親が…」



    エレン「ああ。瓦礫の下敷きになってて、持ち上げて助け出したらもしかしたら助かるかもしれなかったんだけど、俺ら子どもだったからさ、無理だったんだ。」



    ライナー「…」




    エレン「その時に、ミカサは巨人が来ても諦めなかったんだが、俺は諦めて強引にミカサを連れて逃げたんだ。もちろん、ミカサから見れば俺は悪人だ。育ててくれた親を見捨てて逃げたんだから、当然だろ?」




    エレン「だから、何を言われようとも、何をされようとも平気だった。ただ、生きてて欲しかったんだ。」



    ライナー「エレン、俺は、自分の感情を押し殺してまで取ったその行動は立派だと思う。きっと俺には出来ない。」



    エレン「そう言えば、アルミンにも同じ事を言われたような気がするよ。お前ら似てるよな、慰め方が。」



    ライナー「慰めって訳じゃねぇよ。今の話を聞いて、俺はお前を尊敬してる。」



    エレン「はは、ありがとな。」




    ライナー「なあエレンよ、過去は変えられないんだ。何をしたってな。お前がその行動を悔いたって変えられない。これからずっと背負っていくしかない。」



    エレン「…」



    ライナー「お前だって本当は助けたかったんだろ?だったら、次は助けろ。助けられる奴助けて、お前も生き残れ。男同士の約束だ。」



    エレン「一方的に押し付けてるだけじゃねぇかよ。」



    ライナー「うるせぇな、兵士としては当然だろ?」



    エレン「はっ…お前らしいな。でもまあ、それも悪くないかもしれないな。乗った。俺は強くなる。強くなって、もう誰も死なせない。」



    ライナー「俺も協力するぞ。ミカサをも越えてやろうぜ。」



    エレン「大口叩きやがって…やってやるか!」



    ライナー「おう!」
  24. 28 : : 2017/08/08(火) 14:27:37
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ライナー「エレン、そろそろ訓練が終わる時間じゃないのか?」



    エレン「…Zzz」



    ライナー「おい、エレン?」シャッ



    アニ「…Zzz」



    ライナー「!?(こいつ、いつからいたんだ?)」



    ライナー「…まあいいか、先に行こう。」スタスタ



    ガチャ



    バタン




    エレン「…」



    エレン「…行ったぞ。」



    アニ「…ありがと。」



    エレン「何で狸寝入りなんかするんだ?」



    アニ「医務室で男女二人でカーテン閉めてるとか、変なこと思われたら面倒だから。」



    エレン「それって寝た振りしても変わらなくねぇか?」



    アニ「まあ…そうだけどさ。」



    エレン「そろそろ食事だろ、行くか?」



    アニ「一人で行くよ。」



    エレン「そっか。」




    スタスタ




    アニ「あ…一つ、聞いてもいいかい?」クルッ




    エレン「何だ?」



    アニ「人が死んだらさ、どうなると思う?」




    エレン「悪い…質問の意味がいまいち分からない。」




    アニ「天国行ったりするのかな。それとも地獄?」




    エレン「…俺は、それまでだと思ってる。」




    アニ「…」




    エレン「人は、生きる代償として常に死と隣り合わせだ。だから、いつか必ず人は死ぬ。そこだけは曲げられない。」




    エレン「明日、巨人が攻めてきて俺達は死ぬかもしれないし、訓練に耐えかねて逃亡し、逃亡先で殺される人も出てくるかもしれない。」




    エレン「人が死んだら天国に行くとか地獄に行くとか、そういうのは結局気休めだろ?良い事してれば天国に行く?…ふざけんじゃねぇよ。悪行しなきゃ生きらんねぇ奴は沢山いる。そいつらは皆仕方なくやった。生きる為に。それは…全て悪か?」




    アニ「…世間的に見ればそうかもね。でも、その世間ってのは皆その裕福で、恵まれてる人のことだから何とも言えないよ。」




    エレン「まあ…論点ずれちまったけどさ、気に食わないんだ。俺は。天国とか、地獄とかそういうのが。」




    アニ「へぇ、そうかい。」スタスタ




    エレン「それでも…!」




    アニ「…?」




    エレン「死には必ず意味がある。犠牲には必ず、何かある。俺はそう信じたい。それに…そうじゃないと、報われねぇだろ?」ニッ




    アニ「じゃあ…あんたは、いつ死んでもいいって?」




    エレン「俺は…生きる。生きて、生き続ける、誰よりも。約束したんだ。一人でも多くの人を救うって。」




    アニ「矛盾してないかい?」




    エレン「はは、そうか?俺はそうは思わねぇよ、言ったろ?人は死んだらそれまでなんだ。だから、そうならないようにする。」




    アニ「…まあ、いいさ。じゃあね。」




    エレン「おう、またな!」
  25. 29 : : 2017/08/08(火) 20:07:33
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    アルミン「あ…エレン!」フリフリ




    エレン「お、アルミン。どうかしたのか?」




    アルミン「怪我、酷かったの?包帯巻いてるけど。」




    エレン「ああ、これか。酷いって訳じゃ無かったんだが、顔っていうのと擦り傷ってところで巻かれた。」




    アルミン「じゃあ、怪我自体は大したことなかったの?」




    エレン「おう。」




    アルミン「良かった。」ホッ




    エレン「心配かけたな。」ポンッ




    アルミン「無事で何よりだよ。今日、一緒に食べない?」




    エレン「二人か?」




    アルミン「ミカサと3人でだけど。」




    エレン「んー…」ウーン




    アルミン「どうする?」




    エレン「今日は、やめておこうかな。」




    アルミン「そっか、残念。」




    エレン「まあ、ミカサのこと頼むぞ。」ニコ




    アルミン「うん、もう少し時間はかかるかもしれないけど、待っててね。」ニコ
  26. 30 : : 2017/08/08(火) 20:22:35
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ザワザワ ザワザワ




    エレン「…」モグモグ



    コニー「おいエレン、さっき派手に転んでたけどもう大丈夫なのか!?」



    サシャ「神!パァンを下さい!!」



    エレン「ああ、うるっせぇな、耳元で叫ぶな! 傷口が広がっちまうだろ!?」キーン



    コニー「あ…すまねぇ。」



    サシャ「パァン…」シュン



    エレン「ほら、やるよ。」スッ



    サシャ「!パァン!!!!」ガブッ



    エレン「痛っ!!」



    エレン「指まで噛んでんじゃねぇよ。」ズキズキ



    サシャ「あ…すみません…」



    コニー「おい大丈夫か?エレン。」



    エレン「深くないし、多分、大丈夫だろ。」



    コニー「おいサシャ、お前なぁ…!」



    サシャ「すみません、エレン。」



    エレン「俺がいいって言ってんだから、コニーはサシャを攻めるなよ。」



    コニー「悪ぃ、確かにそうだな。」



    エレン「サシャ、そのパンこの前みたいに喉に詰めんなよ?」ナデナデ



    サシャ「はい!神、ありがとうございます!!!」




    エレン「んじゃまた今度。」スタスタ




    サシャ「…」モグモグ




    ミカサ「…」




    アルミン「…羨ましいって思った?」




    ミカサ「え?」




    アルミン「あはは、顔に書いてるよ。」




    ミカサ「アルミンの勘違い。私は別になんとも思ってない。」




    アルミン「そう?」




    ミカサ「ええ。」
  27. 31 : : 2017/08/08(火) 20:38:04
    エレン「…」スタスタ




    ガシッ




    エレン「!?」ビクッ



    アニ「驚き過ぎ。ちょっと待ちなよ。」



    エレン「何だ、アニか…ってかお前、さっき対人格闘以外では関わらないって言ったばっかだろ。」




    アニ「…」ジー




    エレン「な、なんだよ…」




    アニ「私からはいいのさ。」




    エレン「はっ…!?」




    アニ「ちょっと目閉じてて。」




    エレン「良いけど…?」





    アニ「…」スッ





    エレン「もういいか?」





    アニ「うん。ゴミ、付いてた。」



    エレン「何だ、ゴミか。ありがとな。」



    アニ「…」



    エレン「…ところで、何でさっきからお前、パン握りしめてんだよ。」




    アニ「…あんたに、あげようと思って。」




    エレン「え、俺に?」




    アニ「サシャにあげてたじゃないか。」




    エレン「ああ…別に、俺は腹減ってなーーー」




    グゥーーーーーーーー




    エレン「あ…」



    アニ「ほら、遠慮しないで。」スッ



    エレン「ありがとう、アニ。お前から飯もらったのこれで二回目だっけ。」



    アニ「そういえば、そうだっけ。」



    エレン「何かアニに飯もらうと元気出るな、昔に戻ったみたいで。」モグモグ



    アニ「そりゃ良かったよ。何ならこれからもあげようか?」



    エレン「それだとアニの分が無くなるだろ。」



    アニ「私は少食なのさ。」



    エレン「そうなのか?それなら、サシャにでもあげてくれよ。」



    アニ「…まあ、いいや。これからはしっかり食べなよ。」スタスタ



    エレン「はいよ。」



    エレン「…お前は俺の母親かよ。」ボソッ



    スタスタ
  28. 32 : : 2017/08/09(水) 00:05:33
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「フッ…おらぁ!」シュッ




    スカッ




    エレン「あれ…」



    アニ「フン…」スパァン




    ドサッ




    エレン「何で当たんねぇんだ今ので。」



    アニ「力み過ぎ。あんたがどう動くか、そんなんじゃ手に取るようにわかるよ。」



    エレン「くそ…!」



    アニ「でもあんた、筋が良いね。この前ライナーにぶつかりに行って倒した時も思ったんだけど、反射神経がずば抜けてる。」



    エレン「そうなのか?俺にはよく分かんねぇよ。」スクッ



    アニ「あんたなら、すぐにモノにできるよ。」スッ



    エレン「行くぞ!」ダッ



    アニ「フッ…フッ…(1、2…)」



    エレン「…(こいつ、タイミングを計ってるか…それなら…!)」シュッ



    アニ「フッ!!…(今…!)」サッ




    シュッ




    エレン「おらぁっ!!!」ダンッ




    クルッ




    アニ「な…!?」



    エレン「余所見してていいのか?」ガシッ



    アニ「あ…」




    スッ




    エレン「これで、俺の勝ちだな。」ニコ




    アニ「…あんた、ずるいよ。」




    エレン「え?」



    アニ「あんな所でバク転何か、人間業じゃない。」



    エレン「それはお前が、そうする奴に会わなかったからだろ?」



    アニ「そう考えると良い経験になったよ。」



    エレン「ポジティブシンキングは大事だぞぉ?」ズイッ



    アニ「何か腹立つ。」イラ



    エレン「はは、もっかいやるか?」



    アニ「今度は私が襲うよ。」



    エレン「了解、いつでもいいぞ。」スッ



    アニ「行くよ。」ダッ



    シュッ



    ライナー「あいつら、良くやるよなぁ。対人格闘なのに。」



    アルミン「ライナーが焚き付けたと思ってたんだけど?」



    ライナー「まあ、そうなんだが。」



    アルミン「…隙あり!!!」ドンッ



    ライナー「グフッ…アルミン、お前が不意打ちとは、予想外だぞ。」ガシッ



    アルミン「なっ…!?(何で今ので平然としていられるんだ…!)」



    ライナー「今度はこっちの番だぞぉ?」ニヤニヤ



    アルミン「ぎゃぁぁぁ!!!!!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  29. 33 : : 2017/08/09(水) 01:05:24
    エレン「いてて…相変わらず容赦ねぇな、アニは。」



    アニ「あんたが教えて欲しいって言ったんだろう?私はそれに誠心誠意答えてるだけさ。」



    エレン「分かってるけどさ、もっとこう…優しさ?ってもんがあるだろ?」



    アニ「私は優しいよ。」



    エレン「やたらと当たりがきついじゃねぇか。」




    アニ「それは…(そうしないと、決意が鈍りそうなんて言えないか。)」




    エレン「?」




    アニ「…癖、さ。」



    エレン「そっか。」



    アニ「それだけ?」



    エレン「癖をどうこう言ったって仕方ないだろ?」



    アニ「直せ、とかないのかい?」



    エレン「直しても直さなくても、アニはアニだろ。何も変わんねぇよ。」



    アニ「…相変わらず、変な事言うんだね。」



    エレン「ちょっと嬉しいくせ。」ニヤニヤ



    アニ「…ふん、嬉しくなんかないよ。」スタスタ



    エレン「あ…行っちまった。」



    ライナー「おうエレン、暇になったのか?」



    エレン「おお、ライナー。丁度よかった、すぐやんぞ。」スッ



    ライナー「その姿勢、嫌いじゃないぜ!」ダッ



    エレン「フッ…フッ…(確か、こんな感じで…)」



    ライナー「おらっ!!!」ブンッ



    エレン「フッ…!!(大振りなら、尚更当てやすい。)」シュッ



    スパァン



    クルッ



    ドサッ



    ライナー「いてて…お前…まさか、それ…!」



    アニ「嘘…でしょ…?(今のタイミングの取り方、それに蹴りに入るまでの動作…無駄がなかった。)」ボソッ



    エレン「どうだ?アニ直伝!えっと…蹴りだ!(この蹴りって名前あるんだっけ…?)」ドンッ



    ライナー「名前はどうであれ、今のすげえな!あいつにやられたのと遜色無かったぞ!?」ガシッ



    エレン「そんな事ねぇよ、アニの技術には程遠い。今のはただのコピーだから、これから磨かなきゃならねぇ。」



    ライナー「お前の為なら、俺は何度だって蹴りを受けてやる。こい、エレン!!」バッ



    エレン「いや…止まってやつ蹴るくらいなら、木にクッションでもつけて、それを蹴るよ。」



    ライナー「まあ、それもそうだな。」



    エレン「ほら、もう一回やるぞ。来い!」スッ



    ライナー「ああ!」ダッ



    アニ「…(コピーでもなんでも、こんな短時間であそこまで出来るなんて…私の今まで費やしてきた時間を返して欲しいよ。)」



    アニ「…(あのふざけた身体能力の賜物ってこと…?何にせよ、筋が良過ぎるよ。)」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  30. 34 : : 2017/08/09(水) 18:41:06
    ライナー「ったく…ちょっとは手ぇ抜けよ。」ボロボロ



    エレン「何でお前がそれを言うんだよ。」



    ライナー「ははは、つい、な。」



    エレン「なんだそれ、お前立派な兵士になれねぇぞ?」ケラケラ



    ライナー「その言葉は身に沁みるな。ところでお前、何でその蹴り覚えようと思ったんだ?前の状態でも十分強かったろ。」



    エレン「前のはただ、何も考えずにやってたからさ疲れるんだ。多少の技術さえあれば体力の消耗を抑えられると思ってな。」



    ライナー「でも、一体一なんだから体力なんて尽きてもその頃には相手も尽きてるだろ?」



    エレン「実践が、必ずしも一体一なわけじゃない。大体は多対一なのに加えて、俺らより体躯のでかい相手に囲まれるかもしれない。そんな時、応援が来るまで殴り続けるのは御免だからな。」



    ライナー「お前は立派だな。」



    エレン「ライナー、お前と大して変わんねぇよ。」



    ライナー「ははは。」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




    日々鍛錬を積み、順調に時が流れたと思えた。






    数年がたった頃の事だ。
  31. 35 : : 2017/08/09(水) 18:48:48
    キース「本日は立体機動訓練だ!!各自、指示に従って行え!!」



    「はい!!!」



    ジャン「しゃあ、やってやらァァ!!」パシュッ




    ジャン「エレン、今回はてめぇに負けねぇからな!!先に行って待っといてやらァ!」シュゥゥゥゥ




    エレン「はは、やれるもんならやって見やがれ!!」




    アルミン「エレン、また後でね。」パシュッ




    エレン「おう!」




    ライナー「今回は負けねぇぞ!!」パシュッ




    ベルトルト「僕も。」パシュッ




    エレン「俺だって負けねぇっての!!」パシュッ




    シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「フッ…オラァ!!」ズバァッ!!




    ライナー「甘いな…フンッ!!」ズババッ




    エレン「お…何だよ、かっこつけやがって。」




    エレン「こいつはどうだよっ…!!!」グルグルグル




    ズババババ




    ライナー「っ…エレン、お前…どうやったらそんな動きができんだよ…!」ズバッ




    エレン「へへっ、まだ負けねぇよ…っ!」ズバッ!




    エレン「ん…?」シュゥゥゥゥゥゥ




    ライナー「どうかしたのか?」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「いや…悪いライナー、先行ってくれるか?」スタッ




    ライナー「おう、じゃあ後でな。」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「すぐに行く!」




    エレン「さて…」パシュッ




    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
  32. 36 : : 2017/08/09(水) 19:13:31
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ドンッ!!!



    ズシャッ



    アニ「痛…!(アンカーが良く刺さら無かった…?)」ズキズキ



    アニ「何でもいいけど。木で腕が切れるなんて…(周りに誰もいないかな。)」キョロキョロ




    アニ「よし…(仕方ない、ここは。)」シュゥゥゥゥゥ




    シュゥゥゥゥゥゥ




    アニ「…(もう少し。)」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「アニ…!」スタッ




    アニ「!?」ピタッ




    エレン「お前その傷…大丈夫か!?(今、ガスを出してたのか…?)」タッタッ




    アニ「…(修復に気が行き過ぎて気が付かなかった。見られた…?今の。)」ジー




    エレン「アニ…?」




    アニ「…(もし、そうなら…どうすれば…)」




    エレン「おい、アニ!!」ユサユサ




    アニ「!な、何…?」




    エレン「何じゃなくて、ほら、腕出せよ。」




    アニ「え…あ、ああ…」スッ




    エレン「包帯しかないから、ちゃんと後で医務室行けよ?」グルグル




    アニ「分かってるよ。(どうするって言ったって…どんな方法がある…?)」




    エレン「よし、出来た。一人で立てるか?」




    アニ「…立てるよ。(やっぱり、もし見られてるなら殺すしか…?)」スクッ




    エレン「よし、じゃあ行くか。俺が先頭行くから何かあれば言ってくれ。」パシュッ




    アニ「私はあんたより遅いよ。」パシュッ




    エレン「スピードなら落とすさ。」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    アニ「はっ…はっ…(不意打ちしかない。)」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「…」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    アニ「はっ…はっ…はっ…(覚悟を決めろ…!!)」シュゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「なぁ、アニ、さっきのっーーーーー」




    アニ「はぁっ…はぁっ…!!!」ダンッ!!!




    エレン「がはっ…」ドッ




    ゴロゴロゴロゴロ




    エレン「あ、アニ…?何を…!」ズキズキ




    アニ「はぁ…はぁ…」




    ズプッ




    エレン「ぐ…ふっ…」ゴポッ




    アニ「はぁ、はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…(ごめん、ごめん、ごめん…)」パシュッ




    シュゥゥゥゥゥゥゥ




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  33. 37 : : 2017/08/09(水) 20:09:40
    ザワザワ ザワザワ



    ライナー「なぁ、アルミン。エレンのやつ、遅くねぇか?」



    アルミン「そうだね、いつも一番なのに。」



    アニ「…」



    アルミン「ねぇ…アニ、大丈夫?さっきから顔色が悪いけど。」



    アニ「え…あ、大丈夫。(アルミンは勘が鋭いから、苦手なんだよ。)」ビクッ



    アルミン「そっか、優れないようなら教官に言って先に抜けてもいいんじゃない?」



    アニ「大丈夫だから。」



    ミカサ「…嫌な予感がする。」




    アルミン「ミカサ?」



    ミカサ「あまりにも、遅すぎる。どこかで怪我でもしているのではないだろうか。」



    アルミン「あれは…」



    ライナー「エレン!!」



    アニ「え…?」




    シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ




    エレン「悪ぃ悪ぃ、随分遅れちまったみてぇだな。」スタッ



    アルミン「エレン、何かあったの?」



    エレン「いや、それが…」



    アニ「…(終わった。これで全て終わった。ごめん、お父さん…私、帰れそうにないや。)」




    エレン「何も覚えてねぇんだよ。」



    ライナー「何もって、お前…本気で言ってんのか?」



    エレン「ああ。途中で頭打ったみてぇでさ、そこからさっぱりだ。」



    アニ「は…?(何、こいつ。あれはかなり深く…っ…傷が、ない…!?)」



    アルミン「エレン、その血は?」



    エレン「それが、本当に何も分からねぇんだ。起きたら血がついてるし、方向も分からねぇしでさ。巨人の模型の位置から進行方向割り出したんだが、迷っちまったよ。」アハハ



    アルミン「笑い事じゃないよ、けど、本当に良かった。ミカサも心配してたんだよ。」



    エレン「ミカサが?」チラッ



    ミカサ「…」プイッ



    エレン「アルミン、変な冗談はよせよ。期待しちまうだろ?」



    アルミン「冗談なんかじゃなくて、本当にーー」



    エレン「はは、とりあえず教官に報告に行ってくるよ。」スタスタ



    アルミン「うん…」



    アルミン「ねぇ、ミカサ、どうしてそんな態度とるのさ。」



    ミカサ「…ごめんなさい。いざ、顔を合わせるってなるとまだ…」



    アルミン「もう一度、初めましてからやり直してみるって言ってたじゃないか。」



    ミカサ「次は、ちゃんとする。だから…」



    アルミン「うん、協力するよ。」ニコ



    ミカサ「ありがとう、アルミン。」ニコ



    アニ「…(何も、覚えてない…?そんなの嘘に決まってる。今だってきっと私のことを報告しに行ってるんだ。そうに違いない。)」



    アニ「…(あの傷を治すなんて人間じゃない。エレンはきっと…)」ギュッ
  34. 38 : : 2017/08/09(水) 20:19:30
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    〜医務室〜



    医師「君はもう少し頭を大事にしなよ。」



    エレン「あはは、すみません。つい。」



    医師「今回は外傷は見られないけど、もしかしたら何か別の症状が出るかもしれない。もしそうなったら必ず報告すること。分かったね?」



    エレン「はい!」



    医師「それと、その血だけど、本当に君のものではないんだね?」



    エレン「傷があるって訳でもないですし、そうだと思います。」



    医師「そう。」




    ガチャ




    アニ「あ…」



    エレン「お、アニか!」



    アニ「…」



    医師「どうしたんだい?」



    アニ「今日は…お見舞いに来ました。」



    医師「そうなんだ。」



    エレン「お前が見舞い何て…珍しい事もあるんだな。」



    アニ「あんたは私を何だと思ってるのさ。」



    エレン「あはは、悪い悪い。」



    アニ「怪我は…大丈夫なのかい?」



    エレン「まあ怪我という怪我もしてないようだからな。でも、何で頭なんて打ったんだろ…」



    アニ「…ねぇ、エレン。」



    エレン「ん?」



    アニ「私…今、普通?」



    エレン「何言ってんだお前、おかしくなったのか?」



    アニ「…そっか。」



    エレン「アニ、お前…本当に大丈夫か?(普段なら今ので怒るよな…?)」



    アニ「エレン、一つ、お願いがあるんだけど。」



    エレン「怪我人にか?」



    アニ「怪我人だから。」



    エレン「なら聞く。」



    アニ「…」シャッ



    エレン「何だ、カーテンなんか閉めて。」



    アニ「…服脱いで。」



    エレン「…ん?何だって?」
  35. 39 : : 2017/08/09(水) 20:31:11
    アニ「服を脱いでって。」



    エレン「いや…は?」



    エレン「なんで服なんか…」



    アニ「いいから、ほら。」グイッ



    エレン「ひ、引っ張んなって!自分で脱ぐから!!」



    アニ「…うん。」



    エレン「上だけでいいか?」ヌギッ



    アニ「いいよ。」ジー



    エレン「そ、そんなに見るなよ。」



    アニ「…ごめん、ありがとう、もういいよ。(傷が完全になくなってる。やっぱりエレン、あんたは…)」



    エレン「なんで急に服なんか脱げって言ったんだ?」



    アニ「実は…さ、あんたが頭打ったの私のせいなんだ。」



    エレン「アニの…?」



    アニ「うん。私が体勢を崩してるの見たエレンがさ、庇うような形になって。」



    エレン「へぇ、そうなのか。」



    アニ「でも、その時私、怖くて…エレンが死んだんじゃないかって、すぐに報告しなきゃいけないんだけど、言い出した時になんて言われるか分からなかったから…怖くて…ごめん…助けてもらっといて…自分のことばっかりで…」グスッ



    エレン「…」



    ギュッ



    エレン「何言ってんだよ、アニ、仲間だろ?俺ら。その時は俺がそのほうがいいと判断したからそうしたんだろうし、お前が責任を負う必要は無いよ。」



    アニ「ごめん…ごめん…無事で、良かった…(次から次へと嘘ばっかり…ああ、どんどん腐っていくなぁ。)」グスッ



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「落ち着いたか?」ナデナデ



    アニ「うん…って、いつまで撫でてるのさ…///」



    エレン「可愛くて、つい。」



    アニ「可愛くなんて、無い…!」バシッ



    エレン「いてて。」



    アニ「ふん。もう行くよ。」スタスタ



    エレン「あ…アニ!明日の対人格闘も、よろしくな。」ニコ



    アニ「うん。」ニコ
  36. 40 : : 2017/08/09(水) 20:44:00
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    奇しくも日々は淡々と進み順位が発表された。



    ミカサが主席、エレンが次席である。



    そして今



    彼らの初陣が始まろうとしていたーーー



    アルミン「エレン、次席って本当に凄いよ。」



    エレン「結局、ミカサには勝てずじまいだ。」



    アルミン「僕は僅差だって聞いたけど?」



    エレン「そうだったらいいな。」フキフキ



    アルミン「そう言えば、エレンはずっとアニと仲良かったよね。」フキフキ



    エレン「そんな事ねぇって。」



    アルミン「ずっと一緒だったじゃないか。」



    エレン「対人格闘のときはな。」



    アルミン「そうかなぁ?」



    エレン「それに、俺が思うにあいつには二面性がある。あの立体機動訓練の日、覚えてるか?俺が頭を打った日だ。」



    アルミン「ああ、もちろん覚えてるけど。」



    エレン「あの日からだな、アニの二面性を感じたのは。たまたまあいつの一人言を聞いちまってさ。」



    アルミン「へぇ、何て言ってたの?」



    エレン「それが、アニのやつーーーー」



    ピカッ




    ドォォォォォン!!!




    第34班員「!?」



    超大型巨人「…」フシュー



    ブワッッ



    第34班員「うわぁぁぁ!!!」
  37. 41 : : 2017/08/09(水) 21:09:20
    エレン「チッ…この野郎…」


    エレン「おい、お前ら!!立体機動に移れ!こいつの首をとるぞ!!!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ



    第34班員「!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ



    エレン「…」スタッ



    エレン「何…!?」



    アルミン「エレン…!あの巨人は?」



    エレン「消えた…五年前と同じだ。急に現れて、急に消えやがった。」



    アルミン「そうなんだ、それより、君の判断が無ければみんなあのまま死んでいたかもしれない。ありがとう。」



    エレン「おいアルミン、礼を言うのはまだ早いぞ?こっからだ。入ってきた巨人を蹴散らす。」グッ



    アルミン「はは、君なら本当に出来そうだね。」



    エレン「出来るか出来ないか、じゃない。『やる』んだ。」ニヤ



    エレン「行くぞ!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ



    アルミン「皆、行こう。ここで討伐数を稼げば、スピード出世間違いなしだ。」パシュッ



    第34班員「おおお!!!!」パシュッ




    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「…(第34班はほぼ壊滅だな。残ってるのは、俺とアルミンだけか。)」キョロキョロ



    エレン「!アルミン…!」パシュッ




    アルミン「あ…ああ…」ガタガタ




    巨人「…」ガシッ




    エレン「全く…世話が焼けるな、お前は。(指を切れば…)」ズバッ!



    ギュッ



    アルミン「え、エレン…!」グスッ



    エレン「何泣いてんだよ、俺もお前もまだ死んでねぇんだ。前を見ろ。」シュゥゥゥゥゥゥ



    アルミン「ごめん、ありがとう。」



    巨人「…」ダンッ



    エレン「!(くそ、アルミン持ったままじゃ避けきれねぇ…!)」ギュンッ



    巨人「…」バクンッ



    エレン「うっ…」ドンッ



    ゴロゴロ



    エレン「っ〜〜!」ズキッ



    アルミン「う…え、エレン…?大丈夫…?」ズキズキ



    エレン「ああ、何とかな。お前は?」



    アルミン「僕は少し頭を打ったくらいだけど、エレン、その足…!」



    エレン「ああ、避けきらなくてな。足を食われちまった。お前、先に一人で行けるか?」ドクドク




    アルミン「君を置いていける訳ないだろ!?」



    エレン「お前は、優し過ぎる。俺と真逆だ。けどな、これからはその優しさが大切になる時もあるんだ…分かるな?」



    アルミン「君だって必要だよ、何を言ってるのさ…!」



    エレン「さぁな。自分でもよく分かんねぇけど、俺が時間を稼ぐ内に逃げろってことだ。」スッ



    アルミン「君も一緒に…!」



    エレン「執拗い、お前がいたら足でまといなんだよ。さっさと行け…!!」



    アルミン「っ…ごめん、エレン。先に行って、待ってるから…!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ



    エレン「…待ってる、か。」



    ドシーン...ドシーン...



    巨人「…」ドシーン



    エレン「さて…根気勝負だ。来やがれ!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
  38. 42 : : 2017/08/09(水) 21:23:10
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    アルミン「〜〜〜以上、第34班は壮絶な戦死を遂げました…!!!」グスッ



    ジャン「嘘…だろ?」



    ライナー「次席だぞあいつは…!」



    アニ「エレン…」



    アルミン「ごめん、ミカサ。エレンは、僕を…庇って。」グスッ



    ミカサ「アルミン…顔を上げて。」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ミカサの演説は散々なものだった。



    しかし、皆を焚き付けるには十分だったのかもしれない。




    ジャン「おい…何だあれ。」



    巨人(?)「…」シュッ



    ドォンッ!



    巨人A「…」シュゥゥゥゥゥゥ



    巨人(?)「…」バタッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ



    アルミン「見て…倒れたよ。」



    アニ「!」タッ



    ミカサ「!」



    エレン「…」



    アニ「エレン…?」ギュッ



    アニ「良かった…エレン、本当に。」グスッ



    アルミン「ミカサは行かないの?」ボソッ



    ミカサ「…今は、いい。」ボソッ



    ジャン「…アニは、あんな性格だったのか?」ボソッ



    アルミン「感極まってるんじゃないかな…?(これが、エレンの言っていた二面性ってやつなのかな。)」ボソッ
  39. 43 : : 2017/08/09(水) 23:11:31
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    エレンの処遇は調査兵団に身を置くことで
    落ち着いた。



    エレンがリヴァイ班として壁外調査へ行った時



    女型の巨人は現れた。



    女型「ウォォォォ!!!!!!!」



    ドシーン ドシーン



    ミケ「!」スン



    ミケ「来る。」



    エルヴィン「方角は?」



    ミケ「北…北東…南…っ!?」



    ミケ「…全方位だ。」



    エルヴィン「そうか。」



    リヴァイ「チッ…何しやがった…てめぇ…!!」ジリッ



    エルヴィン「〜〜〜〜死守せよ!!!!」



    「おおおお!!!!!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「…」パシュッ



    ペトラ「エレン、どうしたの?さっきから浮かないかとだけど。」



    エレン「…嫌な予感がします。」



    オルオ「あぁ?てめぇはリヴァイ兵士長たちがミスでもしたって言いたいのか?あ?」



    エレン「いえ、違います。何か、来るような…」



    ???「…」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ



    グンタ「あれは…リヴァイ兵士長か?」



    エレン「…皆さん、あれと十分距離を取って下さい。」



    オルオ「何でてめぇに指図されなきゃなんねぇんだよ!」



    エルド「オルオ、エレンの指示に従え。」



    オルオ「はぁ!?エルド、お前同化しちまったんじゃねぇのか!?あれはどう見たってリヴァイ兵士長だろうが!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ



    ペトラ「ちょっとオルオ!!勝手な行動はーーー」



    ???「…」パシュッ



    ギュンッ



    オルオ「リヴァイ…兵士長?」



    ズバァッッ!!!



    オルオ「がふっ…誰…だ、おま…」ダラーン



    エルド「オルオ!!!」



    ペトラ「まさか、あれは…」



    グンタ「おいおい…」



    エレン「…来ますよ。」



    ピカッ



    ドォォォォォォン!!!!



    「『女型の巨人』だ!!!」



    女型「…」ダッ



    エレン「俺が行きます。皆さんは逃げてください。」スッ



    ペトラ「エレン…!!私達との約束、忘れたの?」



    エレン「これが最善だと考えます。皆さんはリヴァイ兵士長たちに応援を要請してください。」



    グンタ「エレン、お前がやるなら俺達も協力しよう。」



    エルド「そうだぞ、一人でやろうとするな。」



    エレン「…では、ペトラさん、リヴァイ兵士長に応援をお願いします。」ガブッ



    ペトラ「エレン…!!!」



    ピカッ



    ズドォォォォン!!!



    巨人(以下エレン)「…」フー



    グンタ「ペトラ、行け!」



    エルド「俺達がなんとかする!」



    ペトラ「っ…分かった、だから絶対死ぬな!!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ
  40. 44 : : 2017/08/09(水) 23:23:38
    グンタ「死ぬな、だってよ。」スタッ



    エルド「答えるまでもねぇ。」スタッ



    グンタ「エレン、よく聞け。まず俺達が奴を無力化する。その隙に項ごとぶっとばせ。」



    エレン「…」コクリ



    グンタ「よし。行くぞ、エルド!」パシュッ



    エルド「おう!」パシュッ



    女型「…」



    グンタ「…」シュゥゥゥゥゥゥ



    エルド「…」シュゥゥゥゥゥゥ



    グンエル「ふんっ!!!」ズバッ



    女型「…」グラッ



    エレン「…(流石リヴァイ班。もうふらつかせてる。)」



    グンタ「ふん…!」ブンッ



    ガシッ



    グンタ「う…はな、せ…!!」ジタバタ



    エルド「グンタ…!!」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥ



    女型「…」ブチュッ



    グンタ「あああああ!!!!」シュゥゥゥゥゥゥゥ



    エレン「!(ダメだ、感傷的になり過ぎてる。)」ダッ



    女型「…」ブンッ



    グチャッ



    エレン「…(間に合わなかったか。)」



    女型「…」スッ



    エレン「…(え…それってーーーー)」



    シュッ



    スパァン!!!!



    女型「…」アーン



    エレン「…(嘘だろ…?)」



    女型「…」バクンッ
  41. 45 : : 2017/08/09(水) 23:51:02
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    俺はリヴァイ兵士長とペトラさんに救出された



    そして、すぐさま会議が始まった。




    アルミン「良いでしょうか。」スッ



    リヴァイ「何だ。」



    アルミン「女型の巨人の正体が分かりました。」



    ペトラ「誰なの。」



    アルミン「確証は取れていませんが、第104期成訓練兵団の中にいます。」



    ペトラ「だから…それが誰って聞いてるの!」ガシッ



    ペトラ「オルオを、グンタをエルドを殺したのは誰かって聞いてるの…!!!」ユサユサ



    アルミン「い、言いますからーーー」



    エレン「…アニ・レオンハート。金髪で小柄な女性です。順位は第5位だったはずです。」



    ペトラ「アニ、レオンハート…そいつが皆を?」



    エレン「ええ。99%黒でしょう。アルミンから聞いた話と対峙した時の雰囲気、技術、全て彼女に当たります。」



    ミカサ「…真似をしている、というのは考えられないのだろうか。」



    エレン「蹴りだ。」



    リヴァイ「お前の得意なあれか?」



    エレン「あれは元々彼女の技です。彼女から俺が学びました。彼女程キレのある蹴りを繰り出せるものは居ないと言っても過言ではないと考えます。」



    リヴァイ「…そうか。どうする、エルヴィン。」



    エルヴィン「あれを明日、決行する。」



    リヴァイ「だ、そうだ。お前らはもう部屋に戻っていいぞ。」



    エレアルミカ「失礼します。」
  42. 46 : : 2017/08/10(木) 00:04:00
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    アルミン「エレン、ありがとう。」



    エレン「何だ、いきなり。」



    アルミン「僕に協力してくれて。」



    エレン「別にアルミンに協力した訳じゃない。俺はただ、自分に何が出来るかを考えただけだ。」



    ミカサ「エレン…辛くない?」



    エレン「…辛くねぇよ。お前ら、知ってんだろ?昔から俺がこういう奴だってさ。」



    アルミン「辛いなら、辛いってちゃんと言っていいんだよ?」



    エレン「辛くねぇって。」



    ミカサ「…そう。」



    エレン「そろそろ寝ろよ、明日はキツいぞ?」



    アルミン「そうだね、じゃあ、おやすみ。」スタスタ



    エレミカ「おやすみ。」



    ミカサ「もう少し、いていいだろうか。」



    エレン「良いけど、何かあるのか?」



    ミカサ「エレンが泣きそうだから。」



    エレン「だから、泣かねぇっての。」



    ミカサ「嘘。私は分かる。エレンと喧嘩してる時も、エレンの事、見てたから。」



    エレン「喧嘩なんかしてたっけ?」



    ミカサ「まだ、子供だった頃とか。訓練兵団に入る二年前とか。」



    エレン「あぁ、そう言えば、そんな事もあったっけ。」



    ミカサ「ねぇ、エレン。」ジッ



    エレン「何だよ、かしこまって。」



    ミカサ「私は…エレンが好き。マフラーを巻いてくれた時から、いえ、その前からずっと。」



    エレン「…ごめん。ミカサ、その気持ちには応えられない。」



    ミカサ「うん…知ってる。」ニコ



    エレン「悪いな。」



    ミカサ「最後に、一つだけ聞かせて。」



    ミカサ「エレンは、アニが好き。違う?」



    エレン「…お前は…何でもお見通しってか?その通りだ。」



    ミカサ「エレン、覚えてる?あなたが立体機動訓練で頭を打ったって日。」



    エレン「ああ、でも、あの時の記憶がーー」



    ミカサ「嘘。あなた本当は全て知ってるんでしょ?知ってて、敢えて言っていない。恐らく、アニを庇うために。」



    エレン「お前にそんな事分かんねぇだろ。俺はその時の記憶がねぇんだって。」



    ミカサ「私の、目を見て言える?」ジッ



    エレン「ミカサ…」



    エレン「勘弁してくれないかな。」



    ミカサ「…ごめんなさい。」



    エレン「いいよ、もう寝て来い。おやすみ。」ニコ



    ミカサ「うん、おやすみ。」スタスタ



    エレン「…」



    エレン「…何で、俺ばっかりこんな目に。」ボフッ



    エレン「アニ…そろそろあの日のケリを受けようぜ。」ボソッ
  43. 47 : : 2017/08/10(木) 02:14:09
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ミカサ「アニ…?」



    アルミン「どうしたの?」



    エレン「何してんだよ、アニ。こっちへ来い。」



    アニ「…そっちには行けない。」



    エレン「どうしてだ。」



    アニ「暗くて狭いところが苦手なんだ。」



    エレン「嘘だろ?お前よく夜中に歩いてたじゃねぇか。それに、中は電気もあるから、暗くねぇぞ。」



    アニ「私はか弱い乙女なんだ。そんな勝手なことを言わないでほしいよ。」



    エレン「ああ、知ってるさ。だから、来い。俺が側に居る。」



    アニ「あはっ…」



    アニ「あはははははは!!!!!」



    アニ「ははっ…まさか、あんたからそんな言葉が出るとはね。女の子の扱いが分かってきたんじゃないのかい?」



    エレン「お前に教えられたからな。」



    アニ「でも…もう、遅いよ。もっと早く分かってくれてたら、もしかしたら…」スッ



    アルミン「!」パシュッ



    ドタドタドタドタ



    アニ「!?」



    ガッチリ



    アニ「う…くっ…!」スッ



    エレン「!まずい!!」ガシッ ダッ



    パチンッ!!!!




    ピカッ




    ドォォォォォォン!!!
  44. 48 : : 2017/08/10(木) 02:25:43
    エレン「悪い、アルミン。俺に任せてくれたのに、作戦失敗か。」


    アルミン「いや、ここからだよ。エレン、いける?」



    ミカサ「エレン、準備はいい?」



    エレン「ああ、師匠を止めるのは弟子の務めだからな。離れとけよ?」スッ



    ガリッ



    ピカッ



    ドォォォォォォン!!!!



    エレン「ウォォォォ!!!!!!!」



    女型「…」



    エレン「…」スッ



    女型「…」ダッ



    エレン「…」ブンッ



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    女型「…」ガシッ




    バキッバキッバキッバキッ




    アルミン「!壁を登ってる…!」



    ミカサ「逃がさない。」パシュッ



    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ




    ミカサ「…」ズバババッ!!!



    女型「…」ブワッ



    ミカサ「落ちて…アニ。」タンッ




    ドシーーーン!!!!




    エレン「ウォォォォ!!!!!!!」バキッドゴッドンッ



    エレン「…」グチャグチャ




    アニ「…(お父さん…ごめん。)」ツー




    エレン「…(アニ…?)」パッ




    ピキィ




    ピキピキピキピキッ




    リヴァイ「何だ…そりゃあ。」



    ミカサ「水晶体…?」



    ペトラ「出てこい…殺す…!!」ガンッガンッ



    エレン「…すみません、最後の最後で躊躇ってしまいました。」



    リヴァイ「詰めが甘かったな。戦闘の場において『次は』は無い。が、今回は許してやろう。お前の働きがなきゃこいつを捕獲することも出来なかったろうしな。」



    エレン「はい。気を付けます。」



    アルミカ「エレン…!」タッタッ



    ミカサ「怪我はない?」



    アルミン「エレンは無事なの?」



    エレン「まあな、でも、見ての通りアニはあれだ。」



    アルミン「あれは…何なんだろうね。自分の意思で出ようと思ったら出られるのかな。」



    エレン「さぁな。よく分からん。」



    ミカサ「もし、そうだとしたら、外からの声は届いているのだろうか。」



    エレン「…面会できそうならしてみるよ。」
  45. 49 : : 2017/08/10(木) 02:33:08
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    リヴァイ「『女型の巨人』の処遇だが、ここの地下に置かれるらしい。」



    エレン「えっ…ここに、ですか?」



    リヴァイ「不服か?」



    エレン「いえ、そういう訳じゃーーー」



    ペトラ「私は断固反対です!」



    ペトラ「何であんな人殺しをこんな所に置いておくんですか!?さっさと殺してしまうべきですよ!!」



    リヴァイ「水晶体に入っている以上、それは出来ない。とは言っても出てきた時にいきなり巨人化されれば内地の連中は対処できない。それらを加味して、この地下のさらに奥深く。そこに置かれることになった。」



    ペトラ「そんな…!」



    エレン「この地下にそんな場所が?」



    リヴァイ「ああ、俺も知らなかったんだが、隠し通路か何かがあるらしい。」



    リヴァイ「悪いがペトラ、分かってくれ。」



    ペトラ「…兵長がそう言うなら…分かりました。」



    エレン「アニとの面会はいつでも出来るということですか?」



    リヴァイ「不可能ではないが、奴が出てこない限りはーー」



    エレン「構いません。入ったままで。」



    リヴァイ「そうか。」



    ペトラ「…」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    トントン



    エレン「はーい?」



    ガチャ



    ペトラ「ちょっと、いい?」ヒョッコリ



    エレン「ええ、どうぞ。」



    ペトラ「失礼します。」



    エレン「どうされました?」



    ペトラ「質問なんだけど。」



    ペトラ「エレンは、憎くないの?」
  46. 50 : : 2017/08/10(木) 02:52:01
    エレン「アニ…ですかね?」


    ペトラ「うん。だって、何人も殺されて、オルオやエルド、グンタまで殺されて…それでも、憎くないの?」



    エレン「俺…好きなんです、アニのこと。」



    ペトラ「…ん?今、好きって言った?」



    エレン「言いましたけど?」



    ペトラ「でも、エレンは会議の時真っ先にその、アニ・レオンハートって子の名前を出していたしそれに…」



    エレン「殺そうとした、ですか?」



    ペトラ「うん、違った?」



    エレン「確かに、俺は本気で殺す気でした。でもそれは憎んでたとかじゃなくて、彼女の気持ちに応えるためです。」



    ペトラ「どういうこと?」



    エレン「彼女、ああ、アニのことです。いつもは無口で、人当たりが強いくらい何ですけど、根は優しいんですよ。あと自称か弱い乙女で。そんな彼女は対人格闘をしてる時、一番綺麗なんですよ。何だか楽しんでるように見えるんです。その勝負をしていて、今のところ、627勝627敗458分けで。そんな格闘の決着をつけるために本気でやってたんです。」



    ペトラ「へぇ…じゃあ、今回はエレンが勝ったからエレンの勝ちだね。」



    エレン「いえ、巨人体じゃカウントできませんよ。勝手が違いますしね。」アハハ



    ペトラ「そっか。エレンは、その為に…」



    エレン「もちろん、エルドさん達の弔い合戦というつもりもありましたよ。」



    ペトラ「気は使わなくていいよ。」



    エレン「本心です。」



    ペトラ「…オルオはさ、いっつもリヴァイ兵長の真似ばっかりして、舌噛んで…でも、そんなオルオを見てるとみんな落ち着けて…グンタやエルドは〜〜〜一緒に競い合った人達で…そんな、人たちだから、」



    ペトラ「エレンには悪いけれど、私のこの気持ちは簡単には収まらないと思う。」



    エレン「良いですよ、収めなくて。誰かを殺したい、そんな気持ちは誰でも持ってるはずですし、問題ありません。」



    ペトラ「あはは、そうだね。」



    エレン「一緒に、頑張りましょう。現状を打破するために。」



    ペトラ「おー!」
  47. 51 : : 2017/08/10(木) 08:50:50
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「とは言ったものの…アニ、お前が出て来なきゃどうにもなんなぇんだよ。何してんだ、そんなとこで。」



    アニ「…」



    エレン「怖いのか?外が。」



    エレン「まあ、そりゃあ怖いだろうな。でも、それは自業自得だろ?全てお前がお前自身の意思で行ったんだから。」



    アニ「…」



    エレン「言ってたよな、初めて対人格闘した時に。ずるいってさ。



    エレン「なぁ、聞こえてるんだろ?答えろよ。今のお前はどうだよ、逃げ続けて挙げ句、自分の殻に閉じこもって…これからどうするつもりだ?」



    アニ「…」



    エレン「反応無しかよ…チッ…ふざけんなッッ!!!」ガンッ!!



    アニ「…」



    エレン「そんなに俺が信じらんねぇか…?お前にとって、俺はその程度だったのか?」




    ピシッ




    エレン「!」




    パキッパキパキパキパキ




    パリンッ




    アニ「…氷、砕けちゃった。」



    エレン「アニ…良かった。」ギュッ



    アニ「私は、大罪人だよ。」



    エレン「そうだな、知ってる。」



    アニ「…二年前、私はあんたをーー」



    エレン「ああ、『殺そうとした』んだろ?よくよく考えれば、あの煙は怪我を治してるものだったんだな。」



    アニ「何だ…やっぱり知ってるんじゃん。」



    エレン「こんな所で死んでやるかって思ってたら、何か、急に体が熱くなってさ。気付いたら傷が治ってたんだ。」



    アニ「あの時…正直、複雑な気持ちだった。安心したような、落胆したような。」



    アニ「ごめん、エレン。」



    エレン「何謝ってんだ。俺でもお前と同じことをしてる。秘密を見られた人間を生かしておくメリットが無いからな。」



    アニ「はは…ったく、あんたってやつは。でも、そんなあんただから…なのかな。」



    エレン「何を言ってるんだ?」



    アニ「あれからずっと、私は罪悪感に押し潰されそうで…少しずつ嘘をつくのが上手くなった。口を開けば嘘ばっかり。」



    エレン「でも、いつ壊れてもおかしくなかった。」



    アニ「…」



    エレン「お前次第では、俺はお前を助けられる。」



    アニ「そんな事出来ないよ。自分のした事の大きさもう分かってるんだ。」



    エレン「お前の身柄は調査兵団にある。これがどういう意味が分かるな?」



    アニ「…私に、仲間を売れって?」



    エレン「ああ。」



    アニ「…いいよ。これ以上あんたに迷惑かけられないし、それに…調査兵団にいても、きっと迫害される。」



    エレン「それも含めて、俺が何とかする。俺はお前に生きていて欲しいんだ。頼む、アニ。」



    アニ「…」



    エレン「まあ、少し考えてくれ。俺はまだここにいーー」



    ガチャ



    リヴァイ「おい、エレン、終わりだ。」
  48. 53 : : 2017/08/10(木) 09:16:19
    アニ「!」



    リヴァイ「おい…エレン。その女、起きたのか?」スタスタ



    アニ「ヒッ…」ギュッ



    エレン「大丈夫…大丈夫だから…」ギュッ



    リヴァイ「…何のつもりだ。」



    エレン「すみません兵長。ここは、通せません。」バッ



    リヴァイ「てめぇ…自分が何をやっているのかーー」



    エレン「分かってますよッッ!!!」



    エレン「どうせ人はいつか死ぬんだ。だから…惚れた女の一人くらい、守りたいじゃないですか。」ニッ



    リヴァイ「…覚悟あっての行動か?」



    エレン「はい。」



    リヴァイ「なら…今、ここで殺されても文句はねぇな?」スッ



    エレン「それなら貴方を殺してでも俺はアニを守ります。」スッ



    アニ「エレンじゃ勝てない…やめて…!」



    エレン「『出来るか出来ない』かじゃないんだ、アニ。『やるしかない』んだ。」



    アニ「私を守って死ぬなんて馬鹿げてるよ…あんた。」



    エレン「そうか?俺にはそうは思わねぇけど。」



    リヴァイ「…」ダッ



    エレン「っ…速ッ…!」シュッ



    リヴァイ「そんな蹴りで止められると思ってんのか?」ガシッ



    ブンッ



    エレン「グハッ…くそっ…まだ、だ…!」ダッ



    リヴァイ「来い。」ザッ



    エレン「フンッ…!」ブンッ



    リヴァイ「そんな大振りが当たると思ってんのか…?(これはフェイントだな。)」サッ



    エレン「手数も足数も多ければ一発くらい当たるでしょ…!」ブンッ シュッ



    リヴァイ「フン…雑だな。」サッ



    エレン「…」ガシッ



    エレン「本命はこっち…!(よし、掴んだ。)」ブンッ




    ピタッ




    リヴァイ「甘いんだよッ…!!」ドスッ



    エレン「グハッ…く、そ…」ガクッ



    アニ「!エレン…!!」



    リヴァイ「全てにおいて、甘い。スピード、体力、筋力、巨人の力に頼り過ぎだ。」フキフキ



    エレン「どうして…貴方は…!」



    リヴァイ「どうして…だと?こいつが仲間を殺したからだろうが。」ガシッ



    アニ「ヒッ…」ビクビク



    エレン「待って…下さいッッ!!!」



    リヴァイ「茶番に付き合ってる暇はねぇんだよ。」



    エレン「違います。アニには、まだ利用価値があります。ここで仲間の情報を吐かせるのが上策かと。(これで無理ならやべぇな…)」



    リヴァイ「あぁ…?利用価値?だから何だ、ここにいればこいつはいずれ死ぬぞ。今のペトラの精神状態なら会うことすらまずいだろうな。」ギチギチ



    アニ「う…ぐるし…」



    エレン「だからって…!!!今、ここで殺さなくたっていいじゃないですか…!(だから頭の固い奴は苦手なんだよ…!!!)」



    エルヴィン「リヴァイ、その辺にしておけ。」



    リヴァイ「チッ…遅せぇよ。」パッ



    アニ「ゲホッゲホッ…」ガクッ



    エレン「アニ…!」ダッ



    エルヴィン「エレン、待て。」バッ



    エレン「そんな…エルヴィン団長まで…!団長なら分かるでしょう?アニを使えばきっと、巨人を炙り出せるはずです。」



    エルヴィン「彼女がまた裏切らないとも限らない。」



    エレン「それは…」



    エルヴィン「彼女が裏切って、陣営の中央で巨人化したらどうする?炙り出した仲間と手を組んでいて、背後から襲わたら?」



    エレン「アニはそんなことーーー」



    エルヴィン「何故言いきれる。この世に『絶対』はない。君にはどんな根拠がある?」
  49. 54 : : 2017/08/10(木) 09:38:54
    エレン「言いきれません。」



    リヴァイ「なら…」



    エレン「もしアニが裏切れば俺がアニを殺します。」



    エルヴィン「君にそれが出来るのか?」



    エレン「今度は躊躇いません。」



    エルヴィン「…この事は、一度本部へ持ち帰って検討する必要がある。リヴァイ、着いてきてくれ。」



    リヴァイ「本部を呼べねぇのか?こいつらは逃げるぞ。」



    エルヴィン「その心配はない。」



    リヴァイ「何故だ。」



    エルヴィン「本部へ向かいながら話そう。」



    リヴァイ「チッ…仕方ねぇな。おいエレン、変なことは考えんなよ?」ジトッ



    エレン「はい。」



    ガチャ



    エルヴィン「では、後ほど。」スタスタ



    リヴァイ「…」スタスタ



    エレン「はぁ〜〜〜怖かったぁ。」ガクッ



    アニ「ごめん、私のせいで。」



    エレン「アニのせいじゃねぇって。言ったろ?自分のためだ。」



    アニ「でも、私がいなきゃあんたは傷つかなかった…」ウツムキ



    エレン「『でも』も『だって』ねぇよ。そんな悲しい顔すんな。頼むからさ、笑ってくれ。」



    アニ「…うん。」ニコ



    エレン「笑顔は可愛いけど、作り笑いは下手だな。」アハハ



    アニ「む…乙女が笑ったんだよ?そんな言い方ないじゃないか。」



    エレン「はは、悪い悪い。」ナデナデ



    ガチャ



    ペトラ「エレン、エルヴィン団長が来てたけど…っ!」



    ペトラ「起きたんだ、その子。」



    エレン「ペトラさん…」



    ペトラ「エレン、何でこっちを見て悲しい顔をするの?好きな人が起きたんでしょ?良い事じゃない。」スタスタ



    エレン「…」



    ペトラ「ねぇ、さっきから黙りこくって…どうしたの?」ピトッ



    エレン「っ…」ゾクッ



    エレン「す、すみません。何でもないです…」カタカタ



    アニ「…(エレン、震えてる…どうして?)」ギュッ



    ペトラ「あらあら、手なんか繋いじゃって…ラブラブじゃない。」ニコ



    アニ「そ、そういうのじゃないです…!///」



    ペトラ「うふふ…じゃあ、また後でね。」ニコ




    スタスタ




    エレン「…」



    アニ「エレン…?」



    エレン「アニ、あの人には絶対に近づくな。殺される。リヴァイ兵長より危険だ。」



    アニ「どうして…?あのチビの方が強そうだけど。」



    エレン「強いとか、弱いとか、そういう問題じゃない。単純に…危険だ。あの人は怒りをコントロール出来る。」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ペトラ「エレンには悪いけれど、絶対に仇は取るからね。オルオ、グンタ、エルド…」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  50. 55 : : 2017/08/10(木) 10:06:05
    エルヴィン「これより、アニ・レオンハートの処遇についての会議を始める。」



    エルヴィン「私は拘束を続けるべきだと考えるが、意見がある者は?」



    ハンジ「はいはーい。」スッ



    ハンジ「実験とかは出来るの?」



    エルヴィン「巨人化できる以上、外に出てやる実験というのはリスクが高い。要するに、難しいと考えてもらいたい。」


    ハンジ「エェェェェェェェェ。」ガクッ



    エレン「はい。」スッ



    エルヴィン「何だ。」



    エレン「私は反対します。」




    ザワッ




    アルミン「エレン…?」



    エレン「彼女は、訓練兵団所属中から度々精神疾患が見られました。情状酌量の余地はあるかと。」



    エルヴィン「つまり?」



    エレン「拘束、ではなく、解放。」




    ザワザワ




    「正気かよ、お前…」



    「俺でも変な事を言ってるって分かるぞ。」



    「何を…?」



    リヴァイ「うるせぇぞ、お前ら!!まだ喋ってんだろ、黙って聞け。」



    エレン「ありがとうございます、兵長。」



    エレン「解放、というと語弊があるかもしれませんが、俺は彼女に利用価値があると考えます。」



    エルヴィン「ほう。」



    エレン「きっと壁内には、彼女の他に巨人になれる者がいる。特に疑いが強いのは同郷である、ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバーですが、共に順位は上位で一筋縄では行かないでしょう。」



    エレン「仮に彼らが巨人化できるとしてどのような巨人なのか。彼女のように特殊な能力を持っているのか。これらを知ることは我々にとって大きな進歩にもなります。」ドンッ




    シーン...




    ミカサ「…私は、エレンの考えに賛成です。」



    アルミン「僕も賛成です。」



    エレン「お前ら…ありがとう。」



    エルヴィン「確かに、メリットは大きいだろう。しかし、彼女が逃げ出す可能性もあり、それに加えて嘘を言うとも考えられないか?」



    エレン「逃げ出した場合や裏切った場合、俺が責任をもって殺します。ですが、嘘は簡単には見抜けませんので、彼女を常に最前線で行動させるのは如何でしょう。」



    エルヴィン「覚悟は伝わった。最前線で行動させるということは敵に奪還されるリスクもあるということだ。よって、そこはまた考えよう。」



    エレン「団長…!」



    エルヴィン「しかし、君の言っていることなら拘束状態でも十分可能だが?」



    エレン「それじゃ…ただの奴隷じゃないですか。」



    エルヴィン「うむ…何か、意見のある者は?」



    リヴァイ「…ここには、そいつに殺意のあるものは巨万といる。それについてはどうするつもりだ?」



    エレン「それは…」



    アルミン「人は…生涯に一度は誰かを恨みます。それは、人が人であるための性と言っても過言でないでしょう。今回は『不運にもそれが大量に起こった。』ただ、それだけのことではないでしょうか。」



    リヴァイ「死んでるんだぞ…?」



    アルミン「死からは何も生まれない。しかし、死には必ず意味がある。どんな形であれ、きっと報われる。ある人が僕に言ってくれました。僕は、その言葉を胸に今まで生きてきた。だから、彼らの死を無駄にしたくない。彼らが死んだことで、アニの情報が手に入った。そう、言ってあげたいんです。」



    エレン「アルミン…」



    リヴァイ「…勝手にしろ。」



    エルヴィン「決まりだな。アニ・レオンハートの処遇については〜〜〜〜」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  51. 56 : : 2017/08/10(木) 14:34:50
    エレン「ハァ…ハァ…(くそ…何で忘れてたんだ…!!!)」タッタッ



    エレン「ハァ…ハァ…(ペトラさんと二人じゃないか…!)」タッタッ




    ガチャ




    エレン「アニ…!!」ゼェゼェ



    ペトラ「あら、エレン。おかえりなさい。」ニコ



    エレン「何で…ペトラさんしか居ないんですか…?ここは地下室ですよ!?」グイッ



    ペトラ「な、何をそんなに怒ってるの…?さっきから怖い顔してるけど…」



    エレン「とぼけないでくーーーー」



    アニ「ペトラさん、どうですか…?」ハッ



    エレン「アニ…!怪我はないのか?なにかされたり…?」パッ



    アニ「な、何とも無いけど…?」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ペトラ「あはは、エレンも随分早計だなぁ。」クスクス



    エレン「本当に申し訳ありません!!ペトラさん。てっきり俺は…何かされてるものかと…」ドゲザ



    ペトラ「そりゃあ仇を討ちたいって思うし、今すぐにでも殺してやりたいけど…それは、今じゃないから。とりあえず私は席外すね。」



    エレン「今って…何してたんですか?」



    ペトラ「アニちゃんに服貸してあげたの。可愛いでしょ?」



    ペトラ「アニちゃん、またね。」ニコ



    アニ「はい。」ニコ



    エレン「じゃあさっきいなかったのって、服、着替えてたのか…」



    アニ「一時的にね。」



    エレン「はぁぁぁぁ。心配して損した。」クタクタ



    アニ「心配って…何の?」



    エレン「アニが殺されてるんじゃないかって。」



    アニ「ペトラさんいい人だよ?」



    エレン「だから、それは…!」



    アニ「それより…どうなの?」



    エレン「どうって何が?」



    アニ「服…憲兵にいた時にちょっと違うの着た方がギャップがあっていいって言われたんだけど。」



    エレン「へぇ…」ジー



    アニ「ジロジロ見るな…!///」バシッ



    エレン「いてて。俺はいつものアニの方が好きだな、慣れてるからかも。」



    アニ「これは…?」



    エレン「何か、似合ってない。」



    アニ「フン…もういいよ。今度から着ない。」



    エレン「あはは…ごめんごめん、そんなに怒るなって。アニに似合う服、今度探そうぜ。」



    アニ「うん。」ニコ




    ガチャ




    リヴァイ「楽しんでるところ悪いが、外出許可は出ていないぞ。」



    エレン「リヴァイ兵長、でも…調査兵団に身柄を置くって…!」



    リヴァイ「ああ、そうだ。それは調査兵団の都合だろ。服なんか見に行って殺されでもしたらどうする。情報どころかその女共々死んじまうんだぞ?お前は、どう責任を取る。」



    エレン「それならーーーーーーー」



    アニ「エレン、いいよ。我慢するから。」



    エレン「でもさ、アニ…」



    アニ「良いから、もう。」



    リヴァイ「エレンから聞いたかもしれねぇが、てめぇの身柄は調査兵団に置く。許可がない限り、ここから出た時点で逃亡と判断する。こちらからの質問に嘘をついた場合は、エレンが死ぬことになってる。覚えておけ。」



    アニ「え…エレン…が?」



    エレン「…」



    リヴァイ「じゃあな。」スタスタ



    アニ「どういうこと…?エレン。」
  52. 57 : : 2017/08/10(木) 16:48:53
    エレン「…(ここでそれは嘘だなんて言ったら、兵長にまじで殺されそうだな…真の情報も得られない可能性もある…仕方ねぇ。)」



    エレン「こうするしかなかったんだ。」



    アニ「どうして…?」



    エレン「覚悟を見せろなんて言われてな、自分の命を提示した。それだけだ。」



    アニ「私から正しい情報を引き出す為…?」



    エレン「やっぱり、アニは頭が良いな。」ニコ



    アニ「何であんたがそんなこと…!?」



    エレン「何でって…それが最善策だと思ったからさ。」



    アニ「違う。あんたの最善策は私を見捨てることだったはず。」



    エレン「アニも守る上での、最善策だ。」



    アニ「私は別に、死んでも良かった。」



    エレン「まだ言ってんのか?お前。」



    アニ「だって…!」



    エレン「死んでもいい奴が、人殺そうとしてまで、嘘ついてまで生きようなんて思わないだろ。何か目的があったんじゃないのか?」



    アニ「っ…それは…」



    エレン「俺に教えてくれないか?」



    アニ「あ…」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「お前の蹴り、すげぇな。独学なら尚更だ。」



    アニ「お父さんから。」



    エレン「へぇ…それ、俺でも出来るか?」



    アニ「質問には答えたよ。」



    エレン「さっきのは〜〜」



    アニ「あんた、詐欺師みたいだね。」



    エレン「そうでもしねぇと生きられなかったから。」



    アニ「いいよ、教えてあげる。」



    エレン「本当か!?」



    アニ「ただし、あくまで対人格闘だけの関係であること〜〜〜」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    アニ「あははは…こんな時に思い出すなんてね。」ツー



    エレン「え…!?あ、アニ…!?それは、笑ってんのか?それとも、泣いてる?」



    アニ「え…?あ、何か、昔のこと思い出しちゃって。」



    エレン「え?お前、そんなに老けたっけ?」



    アニ「…殺すよ?」



    エレン「ごめん!!!!」



    アニ「ふふ、冗談さ。」ニコ



    エレン「あはははは…(分かってても怖ええよ。)」



    エレン「今でこそ冗談だって分かるけど、前は本当に分からなかったからなぁ。」



    アニ「本気で言うわけないじゃないか、当たりが強かったのは認めるけどさ。」



    エレン「今は、なんて言うか…良い感じに丸くなったな。」ニコ



    アニ「どういう意味さ。」クスクス
  53. 58 : : 2017/08/11(金) 01:32:59
    アニ「…エレン、もし、私の話があんたにとって突飛的で…それでも、信じてくれるって言うのなら耳を貸して。」



    エレン「ああ…もちろん、信じるさ。」



    アニ「嬉しいよ。」ニコ



    エレン「聞かせてくれるか?」



    アニ「うん。」ボソボソ



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    エレン「まじかよ…」



    アニ「だから、私はそこへ帰るために戦ってたの。」



    エレン「お前にも…事情があったんだな。」



    アニ「こんな話…信じてくれるのかい?」



    エレン「当たり前だろ?アニの事は信じてる。」



    アニ「私…さ、時々、自分が分からなくなるんだ。」



    エレン「俺を殺そうとした時から、だろ…?」



    アニ「え…どうして…?」



    エレン「まずはアニの話を聞くよ。」



    アニ「あの日…エレンが生きてて、安堵と落胆が同時に来たって言ったよね。」



    アニ「その時、自分が自分じゃなくなってるような…エレンにはずっと生きてて欲しいっていう気持ちと殺さなきゃっていう真逆の気持ちと戦ってるうちに…」



    エレン「もう一人のアニが生まれた。率直に言えば、二面性が出来た。違うか?」



    アニ「…」コクリ



    アニ「自分でも、今はこっちだなって言うのがだんだん分かってきて制御できるようになったから任務を遂行する時は何も感じないって自分に言い聞かせてやってきたんだけど…それでもまだ不完全で、時々勝手に顔を出すの。こいつを殺せ、早く。早くって。」



    エレン「ずっと…戦ってたんだな。」



    アニ「丁度、この前。私が調査兵団の罠に掛かった時、本当は捕まるつもりだったんだ。」



    エレン「え…?」



    アニ「でも…『エレンを捕まえて故郷へ、無理なら殺せ』って、そうやって何度も私に言ってくる内に、地下の前で完全に制御出来なくなって…ごめん、本当に。」



    エレン「…いいよ、もう。」



    アニ「良くない…!私は、償わなきゃならない。」グスッ



    エレン「それはこれからでいいじゃないか。俺だって協力する。」



    アニ「それだと、またあんたに迷惑かけることになるよ。」



    エレン「俺は、もっとアニの事が知りたいんだ。二人で一緒にやり直そう。俺達二人なら、きっと…どこまででも行ける。」



    アニ「また…あんたを殺そうとするかもしれないよ。」



    エレン「アニに俺は殺せねぇよ。」



    アニ「実力の話かい?」



    エレン「両方だ。」



    アニ「…私は、大罪人だから。」



    エレン「じゃあお前は、どうして違う服なんか着てみようと思ったんだ?俺は、お前と居たいんだ。世間なんか関係ない。俺は、アニが好きだから。」



    エレン「アニは…どうしたいんだよ?」



    アニ「私は…」
  54. 59 : : 2017/08/11(金) 02:31:00
    アニ「やっぱり…無理だよ。今のままじゃ。」



    エレン「どうやったらアニといられるんだ?」



    アニ「さっきも言ったように、まずは罪を償わないと。」



    エレン「じゃあ、そうだな…」ウーン



    アニ「…」



    エレン「それが終わったら、考えてくれるか?」



    アニ「…それまで、生きてたらね。」



    エレン「不謹慎なこと言うなよ。お前は必ず俺が守るから。」



    アニ「そういう問題じゃ…無いんだよ…」



    エレン「…何かあるのか?」



    アニ「実は私たーーー」




    ガチャ




    エレン「ペトラさん。」



    ペトラ「ごめんね、邪魔しちゃって。」



    ペトラ「お腹減ってない?ご飯あるよ。」ニコ



    アニ「ありがとうございます。」ニコ



    ペトラ「ここ、置いておくね。」カチャカチャ



    エレン「あの、ペトラさん、さっきは…」



    ペトラ「いーのいーの。気にしないで、事情は分かったから。あんな話した後だもん、そりゃ勘違いするよね。」アハハ



    エレン「すみません。」ペコッ



    ペトラ「いいから。ほら、もう皆待ってるから、早くご飯食べよ?」



    エレン「あ、ちょっと待ってください。」



    エレン「なあアニ、今…何て言おうとしたんだ?」



    アニ「別に、何も?」



    エレン「また機会があったら聞かせてくれよ。」ニコ



    アニ「だから、何も言ってないって。」アハハ



    ペトラ「ほら、早く!」グイグイ



    エレン「す、すぐ行きますから!アニ、じゃあまた後で!」スタスタ



    アニ「…(私もあんたも近いうちに死ぬって言ったらあんたはどう思うのかな。予言のつもりかって笑う…?)」フリフリ



    アニ「…(違うんだ、エレン。私とあんたが死ぬのは殺されるからじゃない。『寿命』なんだよ。)」
  55. 60 : : 2017/08/11(金) 13:32:44
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    私は、自分が持っている情報を全て話した。




    あのクソチビは拷問なんか考えていたらしい




    けど、私が大人しく話すと言ったらエルヴィンとかいう団長が止めた。




    別に、拷問されても良いんだけどさ。




    エレンが死ぬのは嫌だから。




    私とエレンが囮になって、まずライナー達を唆す。




    私とエレンがライナーとベルトルトに捕まったらミカサとクソチビが助けてくれることになっている。




    敵に回したくないチビだけど、味方だと心強い。




    ただ、二人が巨人化した時に限って私達も応戦する。




    エレンにはその気は無いらしいけどーーーーーーー




    エレン「…(アニを人質にして近づくのは気が滅入るが、アニも承諾したし…仕方ない。)」



    アニ「う…ライ、ナー…」グスッ



    エレン「ほら、早くこっちへ来い。俺にこいつを殺させるな。」



    ライナー「おい、エレン…アニを離せ。」



    ベルトルト「卑怯だぞ…!!!!」



    エレン「は?何言ってんだ。お前らが大人しく投降すればいいだけだろ。」スーッ



    ライナー「!(よし、これで巨人化すれば…!)」



    アニ「ひっ…!」ドクドク



    ライナー「な…!?」



    エレン「ぷっ…あはははは!!!!!」ゲラゲラ




    エレン「はぁはぁ…笑い疲れた。何で巨人化しねぇか気になってんだろ?」




    ライナー「お前…まさか…!」



    エレン「ご明察。うちには実験が大好きな変人がいてな、そいつが巨人化を抑える薬物を作ったんだよ。」クスクス



    ベルトルト「貴様ァァァ!!!!!」ダッ




    ライナー「待て!!ベルトルト!!!」ガシッ




    ベルトルト「ライナー!?早くしないとアニが…!」




    ライナー「今突っ込んでもアニは殺される…!」




    エレン「…」ニヤニヤ




    アニ「ライナー…もう、いいから…私を置いて逃げて…」




    ベルトルト「そんなこと出来るわけ無いだろ…!?」



    ライナー「エレン、てめぇは情ってもんがねぇのか…?お前の蹴りは誰から学んだ…!?そこに居る、今、お前が殺そうとしている奴じゃないのか!?」




    エレン「はぁぁぁぁぁぁぁぁ?」




    エレン「情に流されて死ぬくらいなら…元凶を殺した方がましだろ?」




    ライナー「…」ブチィ




    ライナー「もう…我慢ならねぇ…!!!」スッ




    ベルトルト「でもそれだと…!」




    ライナー「俺が何とかすーーーーー」




    ギュインッ




    リヴァイ「…」ヒュンッ




    ライナー「!?」バッ




    ミカサ「はぁぁぁぁ!!!!」ザシュッ




    ベルトルト「くっそぉぉぉ!!!!!」バチバチ




    エレン「悪い。失敗した。」ガブッ




    アニ「あんたには…迷惑かけられても嬉しい限りさ。」バチバチ




    ライナー「お前…まさか…!?」バチバチ




    アニ「悪いね、ライナー。私はもうこっち側さ。」





    ドォォォォォォン!!!!





    リヴァイ「来るぞ。(殺せなかったか。)」




    ミカサ「すみません、躊躇いました。」




    エルヴィン「…」パシュッ




    アルミン「…(やるのか。)」




    ジャン「行くぞ、お前ら!!!!」




    「おおおおお!!!!!!!」




    超大型巨人(以下ベルトルト)「…(アニ…君は汚れた民族と違うって言っていたじゃないか…!!!)」フシュー




    鎧の巨人(以下ライナー)「ウォォォ!!!!(アニは…俺が殺す!!!)」




    女型の巨人(以下アニ)「…」フー




    進撃の巨人(以下エレン)「ウオォォォォ!!!!!!」
  56. 61 : : 2017/08/12(土) 03:36:57
    ライナー「…」ダッ




    ドスンドスンドスンドスン





    エレン「…(前となんにも変わってねぇなぁ…?)」ガシッ




    ライナー「…(オラッ!!!)」ブンッ




    エレン「!?」ザザーッ




    アニ「!(エレン!)」




    エレン「…(あの鎧が厄介だな…何とかしねぇと。)」チラッ




    アニ「…」コクリ




    ライナー「…(アニ…てめぇは…!)」ダッ




    アニ「…」スッ




    ライナー「…」ドスンドスンドスン




    アニ「…」サッ




    ライナー「…」ダッ




    アニ「…」サッ




    ライナー「…(何でこいつは蹴ろうとしない…?構えはしているのに。)」




    アニ「…」




    エレン「…(良いぞ…アニ。)」ジリッ




    ライナー「…(こっちが本命なのは、見え見えなんだよッ…!)」ブンッ




    エレン「…(今だ!)」ガシッ




    アニ「…」ピキピキ




    シュッ




    ガキィン




    アニ「…(チッ…やっぱり、硬化じゃ壊せない。エレン、頼んだよ。)」




    エレン「…(任せろ。)」ギチギチ




    ライナー「…(く…関節技だと…?引き剥がしてやる。)」グググッ




    エレン「…(完全にきまってる。もう剥せねぇよ。)」ブチブチ




    アニ「…(援護するよ。)」ガシッ




    ライナー「…(くそ…足まで…!)」グググググ




    エレアニ「…」ブチブチブチブチ




    ライナー「ぷはっ…くそ…!」ダッ




    アニ「…(逃がさないよ。)」ダッ




    エレン「…」ダッ




    アニ「…」ピタッ




    エレライ「?(アニ…?)」




    アニ「…」ブチブチ




    アニ「ふぅ…」




    エレン「…(アニ…?何してんだ?)」




    ライナー「…(情でも湧いたのか…?)」




    ベルトルト「ライナー今のうちに逃げるよ…!」ダッ




    ライナー「お前の方は…!?」ダッ




    ベルトルト「この結果を見ればわかるだろう!?」パシュッ




    ライナー「そうか…くそッ…!」パシュッ




    ギュインッ




    ライナー「来てるぞ…兵長が…!」




    ベルトルト「一筋縄じゃ行かない相手だ。僕が囮になる、ライナーは先に。」スタッ




    ライナー「だめだ、俺も…」




    ベルトルト「アニが裏切って…君まで死んだら!!故郷へ帰れなくなるだろう?」




    ライナー「それはお前が…!」




    ベルトルト「君じゃなきゃダメなんだ!!!君でないと、きっと上手くいかない。」パシュッ




    ギュインッ




    ライナー「待て、ベルトルト!!!!」




    ミカサ「待つのはあなた。」




    ライナー「!ミカサぁ…!!!(くそ、逃げるしかねぇ。)」パシュッ




    ギュンッ




    ミカサ「逃がさない。」パシュッ




    ギュインッ





    ライナー「くそ、くそくそくそくそ!!!!」




    アニ「ごめん…何か、頭が痛くて。」フラッ




    エレン「!」スッ




    ドサッ




    アニ「ちょっと、だけ…休ませて。」




    エレン「…」ブチブチ




    エレン「待っとけよ、すぐに医療班のところ連れて行く。」ガシッ




    アニ「…」ギュッ




    エレン「…」パシュッ




    ギュインッ




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  57. 62 : : 2017/08/12(土) 21:10:21
    スタッ




    エレン「ハンジさん!医療班は!?」




    ハンジ「超大型にやられたよ。その子…何かあったの?」




    エレン「急に頭が痛いって…ハンジさん、何か心当たりはありますか?」




    ハンジ「いやこんなことは初めてーーーーー」ハッ





    エレン「何か…知ってるんですね?」





    ハンジ「実は…薬を投与したんだ。」





    エレン「は…?」





    ハンジ「巨人化抑制剤だよ。」





    エレン「何を言っているのか分かりません。」





    ハンジ「私はその子を信用出来なかった。だから、少しだけ、仮に巨人化して裏切った時に対応出来る程度だけ投与した。」




    エレン「でも、それは人体に影響は無いって言ってましたよね!?」





    ハンジ「極端に耐性がなかったのかもしれない。」





    エレン「っ…ハンジさん、あなたはさっきからーーーーーー」





    アニ「ゴホッゴホッ…」





    エレン「!」





    エレン「話はまた後でしましょう。早く行かないと。」パシュッ





    ギュインッ





    ハンジ「…(あの薬を味方に使うのは失敗かな。)」




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  58. 63 : : 2017/08/12(土) 22:04:33
    アニ「…」





    エレン「様態は…?」





    医療班「様態自体は悪くない。」





    エレン「よかった…」ホッ





    医療班「ただ…」





    エレン「まだ…何か?」





    医療班「落ち着いて、聞いてくれ。」





    エレン「俺は落ち着いてますよ!!早く、言ってください。」





    医療班「…起きないかもしれない。」





    エレン「…は?(起きないって言った?嘘だろ。巨人化抑制剤だぞ?そんな効果ある訳…耐性がない?だからって植物状態なんかなる訳…)」





    医療班「いわゆる、植物状態というやつだよ。」





    エレン「へぇ、植物状態…はは、そっか。」





    医療班「もちろん、起きる術はある。」





    エレン「何でもします。教えて下さい。」





    医療班「彼女次第なんだ、全て。植物状態と言うのは意識が完全に無くなっている訳では無い。ずっと眠っている、即ち、彼女の気持ち一つで起きられる事もあるんだ。」





    エレン「そんなの…どうやって…」





    医療班「毎日、声をかけるとか他にも起きたいって思わせることを言えれば起きるはずだ。」





    エレン「…分かりました。他に病状は無かったんですね?」





    医療班「ああ、無いよ。」





    エレン「ありがとうございます。」





    アニ「…」





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  59. 64 : : 2017/08/12(土) 22:37:12
    〜本部〜




    エルヴィン「なるほど…植物状態か。」





    リヴァイ「戦場から離れていい理由にはならねぇぞ。」





    エレン「申し訳ありません。」





    ミカサ「お言葉ですが兵長、仲間が怪我を負った時に真っ先に治療させるのは悪い事でしょうか?」





    エレン「やめろミカサ。」





    リヴァイ「安全な場所に置いておけばいい。」





    ミカサ「それだと手遅れになるかもしれません。」





    エレン「やめろって。」





    リヴァイ「そいつ一人を守ることとは鎧と超大型を狩ることより重要か?」





    ミカサ「はい。」





    リヴァイ「そいつが、何人もの兵士を殺しーーーーーーーーーーーー」





    エレン「俺が!!!!全て…独断でやったことです。責任は俺が取ります。だから…どうか、ミカサを責めないでください。」ガタッ





    アルミン「エレン…」





    エレン「すみません、出過ぎた真似をしました。」





    エルヴィン「…本題に戻るが、戦力が減った事は我々にとってマイナスでしかない。これをプラスにするにはどうすれば良いと思う?」





    アルミン「超大型巨人はリヴァイ兵長により討伐されました。もちろん、次に鎧の巨人、ライナーを討伐出来れば最良と言えます。」





    エルヴィン「しかし、鎧の巨人が単体で攻めてくるとは思えない。」





    アルミン「はい。アニの言っていた他の仲間と言う者とともに攻めてくる可能性が高いかと。」





    エルヴィン「それなら…」





    ミカサ「対巨人兵器を作るのは…どうでしょうか。」






    アルミン「対、巨人平気…」





    ハンジ「それだよミカサ!!」





    エルヴィン「確かに良いかもしれないが、今までだってそうしようとした。しかし、材料がない。」






    ハンジ「それなら、大丈夫。」





    エレン「俺、ですか?」





    ハンジ「硬化ならもうマスターしたんだよね?」





    エレン「アニほどではありませんが。」





    ハンジ「十分さ。エルヴィン、聞いてくれるかい?」





    エルヴィン「ああ。」





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  60. 65 : : 2017/08/12(土) 23:04:15
    エルヴィン「では、ミカサ、ハンジの案で決定する。各自、解散。」




    「はい!!」




    エレン「…」タッタッ





    ミカサ「アルミン、エレンはどこへ?」





    アルミン「アニのところだよ、きっと。」





    ミカサ「そう。」





    リヴァイ「…」スタスタ





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





    アニ「…」





    エレン「〜〜でさ、今日はミカサが冴えてたんだ。俺も機転が利く様になりてぇよ。」





    エレン「それに、兵長が超大型を討伐してさ、昔の仲間が死ぬって言うのは何か、変な気分だけど兵長はすげぇよな。俺も強くなりたい。皆、守れるように。」





    エレン「アニは将来、どうなりたい?ミカサや兵長みたいに強くなりたいか?それとも、アルミンやエルヴィン団長みたいにまとめ役か?」





    エレン「…ごめんな。結局、守れなかった。偉そうな事ばっか言って…アニのこと、全然見てなかった。」





    エレン「もっと…強くなりたい。もっと…」





    リヴァイ「さっきから聞いてりゃ、卑屈ばっかじゃねぇか。」





    エレン「兵長…盗み聞きですか?」





    リヴァイ「そいつが今こうなっているのは、てめぇのせいじゃねぇだろ。」





    エレン「でも、俺がアニをもっと見ていれば!!」





    リヴァイ「どうにかなったのか?」





    エレン「少なくとも、止めることは出来たはずです。」





    リヴァイ「いい加減にしろ!」





    エレン「…」ビクッ





    リヴァイ「そいつの現状も鎧を殺せなかっこともてめぇだけの責任じゃねぇ。何でもかんでも抱え込むな。」





    エレン「じゃあ、何のせいにすればいいんですか…?俺は…兵長と違って何かのせいにしないとやっていけないくらい、弱いんですよ。」






    リヴァイ「俺だって強くねぇ。仲間の死は辛い。だがな、そいつはまだ死んでねぇだろ。」





    エレン「…」





    リヴァイ「お前らにはまだ、『これから』がある。前を向け。お前が望んでいなくても、時間は進むぞ。」スタスタ





    エレン「兵長は…好きな人と一生を添い遂げられなかったら辛いですか?」





    リヴァイ「…さあな。」





    エレン「はは、何ですかそれ。」





    リヴァイ「…さっきは悪かった。」





    エレン「え?」





    リヴァイ「それだけじゃねぇ。お前をぶっ飛ばしたことも、そいつの首を絞めたことも、そいつが起きたら、謝っていたと伝えてくれ。」





    エレン「俺らは怒ってませんよ。」





    リヴァイ「そうか。」スタスタ




    エレン「髪留めして寝てたら寝癖が凄いことになるぞ。」スッ





    アニ「…」サラッ





    エレン「また、来るから。」ナデナデ





    エレン「…」スタスタ





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  61. 66 : : 2017/08/13(日) 00:01:19




    ライナー達が攻めてくることは無かった





    エルヴィン団長は兵長を恐れたのではないか





    と言っていたけれど、どうなのだろうか。





    対巨人兵器も完成し、航空機も完成した。






    体制はまさに磐石のものとなった。






    アニはまだ、眠っている。






    アルミン「ミカサ、今日も行ける?」




    ミカサ「エレンも誘っていいだろうか。」




    アルミン「うん、いいよ。」




    ミカサ「行ってくる。」タッタッ




    ミカサ「あ…エレン!」フリフリ




    エレン「ミカサか、どうかしたのか?」




    ミカサ「今から、ジャンとご飯を食べに行くんだけどエレンも来ない?」




    エレン「二人で楽しんでこいよ。」




    ミカサ「エレンは?」




    エレン「俺はいいよ。」ニコ




    ミカサ「そう…じゃあ、行ってくる。」




    エレン「おう!」フリフリ




    ミカサ「…」タッタッ




    アルミン「どうだった?」




    ミカサ「来ないって。」




    アルミン「まあ、そうだろうね。」




    ミカサ「後、二年…」




    アルミン「暗いことばかり考えちゃダメだよ。」




    ミカサ「でも…二年以内にアニが起きなかったら…!」




    アルミン「エレンはずっとアニの側にいるんだね。」




    ミカサ「アニが羨ましい。」




    アルミン「はは、相変わらずだね、ミカサは。」




    ミカサ「馬鹿にしてる?」




    アルミン「そういう訳じゃないよ。」




    ミカサ「そう。」




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




    アニ「…」




    エレン「アルミンとミカサはまだご飯食べに行くんだってさ、仲良いよな、本当に。」




    エレン「アニは多分、行けって言うかも知らないな。そうした方がいいかもしれないんだけど、休みの日くらい一緒に居たいからさ。」




    エレン「髪、整えないとな。」スッ




    チョキンッチョキチョキ




    エレン「…」




    ガチャ




    ハンジ「エレン!!!」




    エレン「わっ!?」ジョキッ




    エレン「あ…不揃いになっちまった。」




    ハンジ「薬が出来たよ!!」




    エレン「本当ですか!?」




    ハンジ「ああ、けど、これで起きるとは言えないんだ。」




    エレン「と、言うと?」




    ハンジ「簡単に言うと細胞を少しいじるんだ。」




    エレン「それ、安全なんでしょうね?」




    ハンジ「…どうだろう、分からないけど…これしか方法がない。」




    エレン「…」




    ハンジ「やめておくかい?」




    エレン「いえ…やって下さい、お願いします。」




    ハンジ「じゃあ、やるよ。」スッ




    プスッ




    アニ「…」ドクンッ




    エレン「アニ…!?」




    ハンジ「いや、まだだ。効果が現れるまで少し時間が必要なんだ、エレン、見ていてくれるかい?」




    エレン「はい、何かあったらすぐにお知らせします。」




    ハンジ「頼んだよ。」スタスタ




    エレン「アニ…頼むぞ。」ギュッ




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  62. 67 : : 2017/08/13(日) 03:17:18


    アニ「…ん…?」




    エレン「…Zzz」ギュッ




    アニ「エレ、ン…?ここは…?」




    アニ「確かライナー達と戦ってて、そこで急に頭が痛くなって…」




    エレン「アニ…起きて…Zzz」




    アニ「寝言で言うんじゃないよ。」ナデナデ




    ガチャ




    ハンジ「あ…!」




    アニ「しーっ。」シー




    ハンジ「起きたんだね、アニ。体調はどう?」




    アニ「特に問題ありませんよ?」




    ハンジ「君、5年くらい寝てたんだよ。」




    アニ「え…!?」




    アニ「あ…(大きな声出しちゃった。)」バッ




    ハンジ「今回の件は私に問題があったんだ。本当に申し訳ない事をした。」ペコッ




    アニ「良くわかりませんが…もう、結構ですよ。」




    ハンジ「これからは気をつけるよ。それじゃあ、後は二人で楽しんで。」スタスタ




    ハンジ「あ…そうそう、アニが寝てた間、ずっとエレンが話しかけたり、髪切ったりしてたんだ。感謝しなよ?」




    アニ「はい、もちろんです。」ニコ




    ハンジ「じゃあね。」スタスタ




    アニ「ありがとね、エレン。」




    エレン「ん…Zzz」ギュッ




    アニ「…///(可愛い)」
  63. 68 : : 2017/08/13(日) 03:33:29

    エレン「ん…ふぁ〜。」




    アニ「おはよう。」




    エレン「おはよう…ん?」ゴシゴシ




    アニ「…」ニコ




    エレン「アニ…か!?アニだよな、なぁ!?」




    アニ「うるっさいなぁ。私以外、誰に見えるのさ。」




    エレン「いつも通りの、アニだ。」ニコ




    アニ「ごめんね、心配かけちゃって。」




    エレン「アニは危なっかしいからさ、いつも心配してるよ。」




    アニ「実は、ずっと声かけてくれてたの…知ってるんだ。」




    エレン「聞こえてたのか?」




    アニ「うん。毎日、どこからかエレンの声が起こったこと言ってくれてて、私も早くそっちへ行きたいって思っても、周りは真っ暗で道が分からなかった。」




    アニ「でも、やっと見つけた。エレンが居てくれなかったら、きっと私死ぬまで寝続けていたのかもね。」




    エレン「アニは朝弱そうだもんな。」




    アニ「そういうも話じゃないよ。それに、ここは泣くところじゃないのかい?」




    エレン「いつもいつも泣いてたら水分が足りなくなるだろ?」




    アニ「涙一つじゃ変わらないよ。」




    エレン「俺、泣く時は決めてるんだ。」




    アニ「へぇ…いつさ?」




    エレン「アニが結婚する時。」




    アニ「はぁ?何馬鹿なこと。」




    エレン「いつかはアニも誰かと結婚するだろ?晴れ晴れした舞台に涙は似合わないかもしれないが、祝福の言葉は出てこないからさ。」




    アニ「…馬鹿だね、本当に。」




    エレン「でも…一つだけ、聞いても良いか?」




    アニ「何さ?」




    エレン「罪は償えたか?」




    アニ「どうだろうね、私は一生かけても償えないと思っているから。」




    エレン「なら、俺がアニを許す。」




    アニ「あんたが許したところでーーーーーーー」




    エレン「世間の目は気にしないんじゃなかったのか?」




    アニ「…ずるいよ、こういう時だけ。」




    エレン「5年だ。」




    アニ「何のこと?」




    エレン「5年間、アニ以外の女に目移りしなかった。俺じゃ…ダメか?」




    アニ「5年間、髪の毛切ったり、爪切ったり、他にも…色々としてくれたみたいだね。本当にありがとう。」




    エレン「あ…(さっき、髪の毛切るのミスったんだよな…)」




    アニ「私は…あんたがいい。」




    エレン「ありがとう、アニ。(バレなきゃいいけど…)」




    アニ「もう少し喜ばないのかい?」




    エレン「え?あ…ああ。(髪の毛のことしか頭になかった。)」




    アニ「まあいいや、とりあえず顔洗ってくるよ。」




    エレン「あ…ま、待ってくれ!」
  64. 69 : : 2017/08/13(日) 10:30:22


    アニ「顔洗ってからでいいかい?少し気持ち悪くてさ。」




    エレン「それなら俺も一緒に…」




    アニ「いいよ、そんなの。エレンは心配性だね。」スタス




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




    ジャー




    バシャバシャ




    アニ「あれ…?」




    アニ「エレン、散髪の才能ないのかな。」スタスタ




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




    ガチャ




    アニ「ねぇ、エレン?」




    エレン「すみませんでした!」ドゲザ




    アニ「何が?」




    エレン「その…髪を…」




    アニ「ああ、これかい。エレンはどう思う?」




    エレン「ちょっと変だ。」




    アニ「ふ〜ん?」




    エレン「もう少し、切るか。」ニコ




    アニ「失敗しない?」




    エレン「なめんなよ?」




    アニ「じゃあ、お願いしようかな。」
  65. 70 : : 2017/08/13(日) 11:02:32
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「あと2年だな。」



    アニ「感覚がよく分からないんだ。」




    エレン「ずっと寝てたから、そりゃそうなるだろうな。」




    アニ「あんたは5年無駄にしんだろう?」




    エレン「無駄にはしてねぇよ。」




    アニ「そっか。」




    エレン「ほら、出来た。」




    アニ「また後で見るよ。」




    エレン「可愛くなってるぞ。」ニコ




    アニ「ありがとう。」




    ガチャ




    ミカサ「エレン、アニが起きたって!」




    エレン「おかえり、ミカサ。」




    アニ「ミカサ、久しぶりだね。」




    ミカサ「随分、遅かった。心配した。」




    アニ「戦力の話かい?悪かったよ。」




    ミカサ「違う。あなた自身のこと。」




    アニ「あんたが?」




    ミカサ「ええ。あなたは仲間だから。」




    アニ「うん、ありがとう。」




    アルミン「エレン…!!」




    エレン「おお、アルミンも来たのか。」




    アニ「あんたも久しぶり。」




    アルミン「良かったよ、無事で。」




    アニ「何してたって訳じゃ無いからね。」




    アルミン「あれ…髪、切ったんだ?」




    アニ「エレンに切られた。」




    エレン「はぁ?お前が切ってくれって言ったんだろ?」




    アニ「言ってないし、それよりエンが失敗するからだよ。」




    エレン「それは…悪かったよ。」




    アニ「もういいよ。」




    ミカサ「アニ、可愛い。」




    アニ「馬鹿な事言ってんじゃないよ。」




    ミカサ「別に嘘って訳じゃ…」




    アルミン「ミカサ、行こうか。」




    ミカサ「うん。」




    エレン「アルミン、ミカサ、またな。」




    ミカサ「うん、アニはお大事に。」




    アルミン「またね。」ニコ




    スタスタ




    アニ「気を使ったのかな。」




    エレン「なぁ、アニ。」




    アニ「なんだい?」




    エレン「俺と、結婚してくれ。」




    アニ「私からも一つだけ…聞いてもいいかな。」




    エレン「何だ?」




    アニ「天国って…あるとおもう?」




    エレン「天国か…」










    エレン「あったら、いいな。」ニコ
  66. 71 : : 2017/08/13(日) 11:54:35
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    アニとエレンの結婚式は控えめなもので終わった





    本人の要望とまだアニに恨みを持っている兵士を気にかけてのことだ





    アニはとても綺麗だった。





    少しして、子どもができたらしい元気な女の子だ





    アニはエレンに似たら心配だと言っていたけれど、エレンはアニに似てほしいって





    どうなるのが正解なんだろう





    エレン達の寿命は刻一刻と迫っている。






    エレン「あと二ヶ月って、何か実感わかねぇな。」




    アニ「そんなことばっかり考えるんじゃないよ。ほら、エナも怒ってる。」




    エナ「?」




    エレン「まだ喋れねぇだろ。」




    アニ「この前私、ママって言われた。」




    エレン「え?本当か!?」




    アニ「うん。」ドヤ




    エレン「ほら、エナ、パパだぞ?」




    エナ「パ?」




    エレン「そう、パパだ!」ニコ




    エナ「パ!パ!」ニコニコ




    エレン「ほら、アニ!パパって言った!」




    アニ「パって言ってるのさ。」




    エレン「そんなぁ…」ガックリ




    エナ「…」ナデナデ




    エレン「慰めてるのか?ありがとうな、エナ。」ニコ




    エナ「パ!」ニコニコ




    ガチャ




    エレン「あ…来たのかな。」




    アニ「ノックくらいしてほしいけどね。」




    リヴァイ「うるせぇな。」




    エレン「ははは、すみません。」




    リヴァイ「俺はもう兵長じゃねぇよ。」




    エナ「リヴァ!リヴァ!」ペシペシ




    エレン「あ…こら!」




    リヴァイ「ガキを怒鳴るんじゃねぇよ。殺すぞ。」




    エレン「あはは、すみません。」




    エレン「あ、兵長。この前の話ですけど…」




    リヴァイ「ああ、受けよう。」




    アニ「ありがとうございます、本当に。」




    リヴァイ「てめぇらの為じゃねぇ。ガキのためだ。」




    エレン「優しくて、人の心が分かる子になって欲しいんです。」




    リヴァイ「俺が鍛えてやるよ。」




    エレン「それは程々に…」アハハ




    アニ「エナ、今日からはこの人と一緒に過ごすんだよ。」ニコ




    エレン「きっと、良くしてくれるから。」ニコ




    エナ「ママ!パ!」ニコニコ




    リヴァイ「もう行くぞ。」




    エレアニ「よろしくお願いします。」ペコッ




    リヴァイ「ああ。ほら、お前も何か言え。」ヒョイッ




    エナ「ママ!パ!」キャッキャッ




    エレン「元気な子になれよ。」ニコ




    アニ「戦いなんか無い時代になればいいね。」




    リヴァイ「じゃあな。」スタスタ




    エレン「行っちまった。」




    アニ「そうだね。」




    「パパ!!」




    エレン「今の…エナか?」




    アニ「多分、そうだろうね。」




    エレン「そっか。」ニコ




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





    エレンとアニが死んで十数年が経った。




    エナ「リヴァイおじさん、今日は行かないの?」




    リヴァイ「ああ、すぐに行く。」




    エナ「今日は何がとれるかなぁ。」ワクワク




    リヴァイ「今日はエナもやるんだぞ。」




    エナ「はぁ〜い。あ、今日もパパとママの話を聞かせて!」




    リヴァイ「兎をとれたらな。」




    エナ「やった!」ニコニコ




    俺達は狩りをして暮らしている。




    エナは筋がいい、てめぇらの子どもだけはある




    初めこそ何で狩りなんかして暮らすんだって言っていたが、てめぇがやってた言ったらすぐに納得した。いい子だな。




    リヴァイ「エレン、てめぇの子は立派に育ってるぞ…」ボソッ



    エナ「リヴァイおじさん、早く!!」



    リヴァイ「分かった分かった。」



    だから、安心して見ていろよーーーーーーーーーーー
  67. 72 : : 2017/08/13(日) 11:55:07






































    ~fin~








































  68. 73 : : 2017/08/13(日) 11:55:34
    本作はここで終了です。
    宜しければ他作品もお願いします。
  69. 74 : : 2017/08/13(日) 16:04:47
    最後が泣けるよ、、
    最高だった!
    これからも頑張ってください!
    なつみかんさん!
  70. 75 : : 2017/08/13(日) 21:23:04
    >>74
    セイウチさん、ありがとうございます!
    至らない部分しかありませんが、嬉しい限りです!
  71. 76 : : 2017/08/17(木) 14:08:09
    感動、泣ける(涙)
  72. 77 : : 2017/08/17(木) 15:32:05
    泣きながら読んでしまった。
    柄でもないのに…
  73. 85 : : 2017/12/11(月) 00:37:31
    なっなんだ?涙なんてとっくに枯れ果てたと思っていたんだがまだあったみたいだ
  74. 86 : : 2020/10/28(水) 13:40:48
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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haru

しき

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