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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

消えない傷痕 エレアニ

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  1. 1 : : 2017/07/26(水) 22:21:58
    所々でオリジナルのストーリーを挟みたいと思っています。

    投稿は2回目なので、まだまだ文才はないのですが、よろしくお願い致します!m(_ _)m
  2. 2 : : 2017/07/26(水) 22:36:45
    パカラッパラカラッ パカラッパラカラッ


    エレン「父さん、今日はどこへ行くの?」


    グリシャ「着いてからのお楽しみ。」


    エレン「えー、いつも教えてくれてるじゃんか!」


    グリシャ「今日の子は、ちょっとだけ特別なんだ。」


    エレン「早くどんな子か知りたいなぁ。」ワクワク


    グリシャ「エレンは本当に診療が好きなんだね。」


    エレン「うん!俺、大人になったら父さんみたいな医者になりたいんだ!」


    グリシャ「はは、カルラが許してくれるかなぁ。」


    エレン「そこはほら、父さんが何とかしてよ。」ニコ


    グリシャ「ああ、可愛い息子のためだ。やれるだけやってみるよ。」ナデナデ


    エレン「わーい!!父さん大好き!」ギューッ


    グリシャ「これじゃまだ自分で見るのは無理だな。」ナデナデ


    エレン「え…なんで?」


    グリシャ「まだ子供だからだよ。」ナデナデ


    エレン「こ、子供じゃない!!俺はもう大人だよ!」アセアセ


    ヒヒーン


    グリシャ「着いたみたいだね。早く降りないと、置いていくよ?(そんなに焦ることじゃないのに。)」クスクス


    エレン「あ…ま、待って!!」
  3. 3 : : 2017/07/26(水) 22:45:11
    コメント第一号ゲット。期待
  4. 4 : : 2017/07/26(水) 22:54:34
    エレン「ここが…お家?何だか、小屋みたい…」


    グリシャ「こら、エレン。そんなことを言っちゃダメだろう?」


    エレン「ごめんなさい…」シュン


    グリシャ「これからは気をつけるように。ここにはエレンと同じ年のアニっていう女の子がいるんだけど、私がここのお父さんと話している間、その子と遊んでいてくれるかい?」


    エレン「うん、分かった!」


    コンコン


    グリシャ「ごめんください。診療に参りました。」


    アニ「はーい。」ガチャ


    グリシャ「医者のグリシャ・イェーガーと言います。お父さんに話があるんだけど、ちょっといいかな?」


    アニ「今朝来るって聞きました。父さんなら奥にいます。」ニコニコ


    グリシャ「ありがとう。じゃあ、失礼します。お父さんと話している間、この子と遊んでいてくれるかい?」


    エレン「エレンって言うんだ。お前は、アニ…だよな?」


    アニ「初対面の人にお前は無いんじゃない?」ムスッ


    グリシャ「はは、アニちゃんの言う通りだよ、エレン。」


    エレン「うっ…ごめんなさい…」シュン


    グリシャ「じゃあ、二人共、仲良くね。」スタスタ


    アニ「はーい。」ニコニコ
  5. 5 : : 2017/07/26(水) 23:10:45
    エレン「…(また怒られちゃった…)」


    アニ「…(気まずい)」


    エレン「あ、あのさ、アニちゃん。」


    アニ「ちゃんまで付けろなんて言ってないだろ?アニでいいさ。」


    エレン「あ、じゃあ、アニ。アニは、夢はあるのか?」


    アニ「は…?(何、こいつ、夢って言った?夢…?そんなの無いんだけど。)」ポケー


    エレン「あ、な、無かったら、将来こうなりたい!とか、いつかこんなことしたい、とか!」


    アニ「私は…そうだなぁ…」ウーン


    エレン「な、無かったら全然、全然いいんだけど…!」アセアセ


    アニ「…お姫様」ボソッ


    エレン「え?」

    アニ「お姫様になりたい。王女って訳じゃなくて、誰かのお姫様になりたい…何て、私には無理なんだろうけどさ。」ウツムキ


    エレン「無理じゃない!!」クワッ


    アニ「!」ビクッ


    アニ「きゅ、急に大きな声を出さないでくれるかい。びっくりするじゃないか。」ドキドキ


    エレン「夢は、諦めさえしなければきっと叶うんだ。だから、諦めちゃダメだ!」


    アニ「何も知らないから言えるのさ。あんたもさ、気休めの慰めをするくらいなら、笑ってよ。」ハハハ


    エレン「…だったら、俺が貰ってやる。」


    アニ「はっ…!?何いってんのあんた。」


    エレン「うるせぇ!お前が自分の夢を馬鹿にするからだろうが!」


    アニ「私の夢とあんたのそれと、何が関係あるって言うのさ…!!」
  6. 6 : : 2017/07/26(水) 23:20:01
    グリシャ「はいはい、そこまでね。」スッ


    エレン「と、父さん!」


    アニ「イェーガーさん。」


    グリシャ「何があったのかは知らないけど、喧嘩はダメだよ?」


    エレン「け、喧嘩なんかじゃ…」


    グリシャ「ちゃんと謝って。」


    アニ「イェーガーさん、いいんです。私のせいなので。」ペコリ


    エレン「お前のせいじゃないだろ。」


    アニ「うるさいな、あんたは黙ってなよ。」


    エレン「お前なぁ…!」


    グリシャ「はは、じゃあエレン、長居しても悪いし、そろそろ行こうか。」


    エレン「あ、もうお話はいいの?」


    グリシャ「ああ、待たせてごめんね。」ナデナデ


    エレン「ううん、大丈夫!」ニコニコ


    アニ「…(単純なヤツ。)」


    グリシャ「お邪魔しました。また、何かあれば呼んでください。」ペコリ


    エレン「お邪魔しました。」ペコリ


    アニ「はーい。(どうせもう会うことも無いだろうけど、どうしてこんなに気になるんだろう。)」ニコニコ


    グリシャ「行くよ、エレン。」


    エレン「あ、ちょっと待って!」


    グリシャ「うん、いいよ。」ニコニコ


    エレン「アニ、またな!」フリフリ


    アニ「うん、またね。」ニコ


    エレン「父さん、お待たせ。行こっ!」ギュッ


    グリシャ「ああ。」ギュッ スタスタ


    アニ「あ…エ、エレン!!さ、さっき言ってたやつだけど、忘れたら、殺すから…///」


    エレン「おう!」


    パカラッパラカラッ パカラッパラカラッ


    アニ「何言ってんだろ、私…///」
  7. 7 : : 2017/07/26(水) 23:50:57
    パカラッパラカラッ パカラッパラカラッ


    グリシャ「アニちゃんとは仲良くなれた?」


    エレン「父さんにはそう見えた?」


    グリシャ「ああ、父さんから見れば微笑ましいくらいだよ。」


    エレン「ええ…全然だったよ。つい、声を荒らげちゃって。」


    グリシャ「ははは、感情が豊かなのはいいことだけれど、自分と違う意見も受け入れないといけないよ?」


    エレン「自分と、違う意見…」


    グリシャ「ああ、アルミンにしたって、ミカサにしたって、きっとエレンと違う意見を持っているだろう?それを主張し合うときっと言い合いになるんだ。」


    エレン「言い合いはしたくないなぁ…どうすればいいんだろう…」ウーン


    グリシャ「でもね、それでいい。言い合っていい。そして、言い合った結果一つになる必要も無いんだ。意見が沢山あって初めて人は考えることをする。だから、どれだけ自分がくだらないと思った意見も、一度は受け入れる必要があるんだ。」


    エレン「うん、分かった!」ニコ


    グリシャ「はは、良い子だ。」ナデナデ


    エレン「父さん、くすぐったいよ〜。」ニコニコ


    ヒヒーン


    グリシャ「はは、着いたようだね。行こうか、エレン。」


    エレン「うん!」ギュッ
  8. 8 : : 2017/07/27(木) 00:07:40
    ガチャ


    エレン「ただいまー!」


    グリシャ「ただいま。」


    カルラ「おかえりなさい。」


    ミカサ「エレン、おかえり。」


    カルラ「どうだった?エレン。」


    エレン「今日言ったお家には同い年の女の子もいてね、仲良くはなれなかったんだけど、一緒に話して楽しかった!」


    ミカサ「…」ピクッ


    カルラ「そう、良かったわね。」ナデナデ


    エレン「うん!」ニコニコ


    ミカサ「グリシャおじさん、今度は私も連れて行って欲しい。」


    グリシャ「ははは、また今度ね。」ナデナデ


    ミカサ「うん。」ニコ


    エレン「ミカサ、アルミンの所に行こうぜ!」


    ミカサ「うん、行く。」ニコニコ


    エレン「じゃあ行くぞ!」ガチャ


    ミカサ「あ、待って!」タッタッ


    カルラ「二人共ー!遅くなっちゃダメよー!!」


    エレミカ「はーい!」タッタッ
  9. 9 : : 2017/07/27(木) 00:26:10
    エレン「まさか河原にいるなんて、思わなかったぜ、アルミン。」


    アルミン「ごめんごめん、ちょっと風に当たりたくて。」


    エレン「何だ、らしくねぇな。」クスクス


    アルミン「なっ…!僕だってたまには外に出るよ!」


    エレン「ははは、悪い悪い。」


    ミカサ「それより、それは本?」


    アルミン「うん、外の世界について書いているんだ。読む?2人とも。」


    エレン「読む!」


    ミカサ「私も。」


    アルミン「外の世界にはね、海っていうものがあってそこには商人が一生をかけても取り切れないほどの塩があるんだ。」


    エレン「いつ聞いてもすげえなぁ。外の世界ってのは。」


    ミカサ「海…」


    アルミン「それだけじゃないんだ。他にも沢山あるらしい。僕は、本の中に載っている事を見たいんだ。いつか、自分のこの目で!」


    エレン「ああ、いい夢だ。」


    アルミン「夢じゃない。目標だよ、エレン。」スッ


    エレン「ああ、そうだったな。俺は医者になること。」スッ


    ミカサ「私は…エレンとアルミンを死なせないこと。」スッ


    エレン「はは、自分の為の目標でいいんだぞ?」


    ミカサ「これが良い。」テレテレ


    エレン「そうか、じゃあ俺達は3人で道は違えど、必ず目標を達成するんだ!!」グッ


    アルミン「ああ!!」グッ


    ミカサ「うん!」グッ


    ピカッ


    バリバリッッ


    ドォォォォォォォォォォォォォン
  10. 10 : : 2017/07/27(木) 01:30:12
    グラグラグラグラ


    エレン「な、なんだ…!?」


    アルミン「向こうの方が騒がしいよ、行ってみよう!」ダッ


    エレン「そうだな!」ダッ


    ミカサ「…」ダッ


    超大型巨人「…」フシューーー


    「おいおい、なんだよあれ…!!!」
    「巨人…巨人なのか!?」
    「壁の中は安全じゃなかったのか…!?」
    「何mあるんだ、あいつ!」


    エレン「なんだ…ありゃあ…」


    超大型巨人「…」ブンッ


    ドゴォォォォォン


    アルミン「壁に…穴が…早く、逃げないと巨人が…!!」


    エレン「…岩の飛んでいった方に…家が…!」ダッ


    ミカサ「!」ダッ


    アルミン「エレン!ミカサ!そっちは危険だ…!!」バッ


    アルミン「ああ、くそっ、どうすればいいんだ…!」


    「アルミン!!」


    アルミン「!…あなたは!!」


    ーーーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーーー
    ーーーー
  11. 11 : : 2017/07/27(木) 01:45:43
    エレン「あの角を曲がった先に…いつもの家が…母さんが…父さんが…!!」バッ


    ミカサ「…」バッ


    カルラ「あ…エレン、ミカサ…?」


    エレン「母さん…!!!」


    ミカサ「カルラおばさん!」


    カルラ「逃げて、二人とも…見ての通り私は足が瓦礫に潰されちゃってて、もう動かないみたいなの。」


    エレン「この瓦礫をどかせればなんとか…!」ググッ


    ミカサ「私もやる…」ググッ


    カルラ「エレン、あなたなら分かるでしょ?あの人と一緒に色んな患者さんも見てきたでしょう?瓦礫をどかせたとしても、この足はもう動かないの。だから、早く、行って…!」


    エレン「嫌だ…何が何でも、母さんを連れていく…!」ググッ


    ミカサ「嫌…」グググッ


    カルラ「何で…?いつもみたいに言うこと聞いてよ …!!」グスッ


    巨人「…」ドシーン ドシーン


    ハンネス「おい、お前ら無事か!」スタッ


    エレン「ハンネスさん、助けて!母さんが…!」


    ハンネス「おいおい…カルラ、大丈夫か!?」


    カルラ「ハンネス、二人を連れて逃げて。」


    ハンネス「はっ、お前一人を置いていけるかよ、アノ巨人ぶっ殺して、三人全員無事で逃げる!」ジャキンッ


    カルラ「ハンネス…お願いだから…逃げて…」


    巨人「…」ニタァ


    ハンネス「…(こ、これは武者震えだ。ビビってるわけじゃねぇ…!)」カタカタ


    ハンネス「カルラ…すまねぇ。」ガシッ ダッ


    エレン「はっ…!?」


    ミカサ「なっ…!?」


    カルラ「ありがとう、ハンネス…」
  12. 12 : : 2017/07/27(木) 01:55:31
    カルラ「エレン…!反対はしたけど、生きて、必ず、父さんを超えるような、立派なお医者さんになって…!もっとあなたと一緒に居たかった…」グズッ


    エレン「母さん…!母さん!!!」バタバタ


    巨人「…」ガシッ


    カルラ「こんな母親で、ごめんね、エレン。でも、やっぱり…嫌だ…死にたくなんかない…やめてやめてやめてやめてやめて!!!」ジタバタ


    巨人「…」ボキッ


    カルラ「…」ダラーン


    巨人「…」パクッ モチャモチャ


    エレン「あ…うあ…うわぁぁぁぁ!!!!!」


    ハンネス「エレン!暴れんな!!」


    エレン「離せよッッ!!!」バキッ


    ハンネス「っ…!」バッ


    エレン「何でだ、何で母さんを見捨てた!!」ブンッ


    パシッ


    ハンネス「よく聞け、エレン。」


    ハンネス「あの時、お前の母さんを助けられなかったのは、お前に力がなかったからだ。俺が巨人に立ち向かえなかったのは、俺に勇気がなかったからだ…!」グズッ


    エレン「嫌だ…うう…う…」グズッ


    ミカサ「う…うう…」グズッ
  13. 13 : : 2017/07/27(木) 02:02:49
    ー船着場ー


    エレン「…」スタスタ


    ミカサ「…」スタスタ


    アルミン「あ…エレン…!」フリフリ


    アルミンのお爺さん「…」スッ クビフリ


    アル爺「あれじゃあ、相当辛かったんじゃろうなぁ。」


    アルミン「エレン、ミカサ…」


    ハンネス「アルミン、無事だったか。」


    アルミン「ハンネスさん、先程はありがとうございました。」ペコリ


    ハンネス「いや、まだ巨人の侵入前だったからな安全でよかった。俺はまだ仕事が残ってるから、後でな。エレンとミカサのことを頼む。」


    アルミン「はい、任せてください!」


    エレン「…」スクッ


    ミカサ「エレン…?」


    エレン「ミカサ、俺は決めたぞ。」


    ミカサ「え?」


    エレン「医者になる前に。いや、医者を目指しつつ、こいつらを殺す。」


    エレン「駆逐してやる…この世から…一匹残らず…!!」ガシッ


    ミカサ「…」


    アルミン「…」
  14. 14 : : 2017/07/27(木) 02:09:21
    エレン「そう言えばミカサ、父さんを見かけたか?」


    ミカサ「見てないけど、家にもいなさそうだったから、先に逃げたんじゃないだろうか。」


    エレン「先に…か。」


    ミカサ「どうかした?」


    エレン「いや、何でもないんだ。」


    アルミン「エレン、ミカサ!」


    エレン「おお、アルミン!無事だったのか!」


    ミカサ「アルミン、無事でよかった。」


    アルミン「それはこっちの台詞だよ!急に走り出すんだからさ!」


    エレン「俺達は見ての通り、ピンピンしてるぞ。」


    アルミン「はは、なら良かったよ。」クスクス


    少年「も、もう一つだけ…お願いします…!とーちゃんが死んじゃうんです!」


    憲兵A「うるさい!貴様の分は渡しただろうが、さっさと行け!」バシッ


    少年「痛っ!」ズシャッ


    少年「はっ…!ご飯が…!」ヒョイヒョイ


    憲兵A「ははは、落ちたもん食ってんぞこいつ汚ねぇな。」ケラケラ


    憲兵B「ああ、全くだ。」ケラケラ


    エレン「…見てらんねぇわ。」ザッ
  15. 15 : : 2017/07/27(木) 02:18:39
    アルミン「…」ガシッ


    エレン「離せよ、アルミン。」


    アルミン「君が行ったって何も変わらないよ。むしろ場が悪くなるかもしれない。」


    エレン「そんなのやって見なきゃ分かんねぇだろ。」


    アルミン「君はいつもそうだ。もし仮にあの子が余計に殴られたとしても、君はその行動に一切の責任を取れるのかい?」


    エレン「まあ任せろって。」バッ スタスタ


    アルミン「エレン…!」


    ミカサ「アルミン、エレンを信じてあげて。」ガシッ


    アルミン「ミカサまで…分かったよ。」


    憲兵A「あ?何だお前。」


    エレン「いや、食料を貰えると聞きまして。」


    憲兵B「ああ、ほらよ。」スッ


    エレン「ありがとうございます。ほら、少年。これやるよ。」


    少年「え…い、いいんですか…!?」


    エレン「お父さん、危ねーんだろ?少しの足しにしかならないけれど、ほら、持ってけ。」スッ


    少年「ありがとう、ございます!きっといつか、恩返ししますから…!」ガシッ ダッ


    エレン「恩なんかいいのに。」


    「おぉー!!いいぞ、目つきの悪い少年!!」
    「良くやった!!!」


    憲兵A「おい貴様ぁ、よくもまあ我々に恥をかかせてくれたなぁ。」ザッ


    憲兵B「我々を侮辱した罪。今すぐ謝れば許さんでもないぞ。さあ、どうする。」
  16. 16 : : 2017/07/27(木) 02:25:23
    エレン「謝る訳ねーだろバーカ!」ベロロバー


    憲兵A「こいつ…!!」バキッ


    憲兵B「よくも我々を侮辱しやがって…ただじゃ済まさねぇぞ!」


    「おい、いい加減にしろよ!!」
    「食糧置いてさっさと消えろ!」
    「そうだそうだ、帰れ帰れ!!」


    憲兵A「チッ…行くぞ、B!」スタスタ


    憲兵B「こいつら放っておいていいのかよ…!?」


    憲兵A「関わるだけ時間の無駄だ!」スタスタ


    憲兵B「けっ…」スタスタ


    エレン「ってて…」


    アルミン「エレン、無茶しちゃダメだよ。」


    ミカサ「痛そう…」


    エレン「まあ痛いけどさ、良いことした代わりに手に入った痛みは返って心地いいよ。はは。」アハハ


    エレン「まあ、後は食糧取って、とりあえず今日を乗り切らねーとな!」


    アルミン「そうだね!」


    ミカサ「うん。」コクリ
  17. 17 : : 2017/07/27(木) 02:35:39
    ー夜中ー


    エレン「…綺麗だな、星」


    エレン「…母さん…」グズッ


    アニ「誰かと思えば、私の王子じゃないか。」


    エレン「!アニじゃねぇか、何でこんなところに…?」


    アニ「まあ、色々あってね。(目元が赤い。泣いてたんだ。)」


    エレン「てか、王子ってなんだよ、臭いぞ」


    アニ「えっ、私、臭う?」スンスン


    エレン「そういう意味じゃねーよ」クスクス


    アニ「…あまり長居はできないんだけど、隣、座っていい?」


    エレン「おう、来いよ。」ポンポン


    アニ「失礼します。」チョコン


    エレン「今朝ぶりだな。」


    アニ「そうだね、こんなに早く会うとは思わなかったよ。」


    エレン「ああ、もう会えないと思ってた。」


    アニ「私も…って、そんなこと言って、約束忘れてたんでしょ。」


    エレン「約束…?」


    アニ「私の夢の話さ。」


    エレン「ああ、悪い悪い。」ケラケラ


    アニ「本当に馬鹿だね、あんた。」バシッ


    エレン「いてっ。やったな?このっ」パシッ


    アニ「いったいなぁ、私はか弱い乙女だよ?やり返すふりだけでいいじゃないか。」


    エレン「ああ、確かにそうだな。」


    アニ「…何かあったの?」
  18. 18 : : 2017/07/27(木) 02:46:27
    エレン「…あり過ぎた。」


    アニ「…」


    エレン「瓦礫を、どかそうとしたんだ。」


    アニ「?」


    エレン「下には母さんがいて、足は潰れてたから、何とか、担いで…って…」グズッ


    アニ「…」ウツムキ


    エレン「でも、俺、ガキだからさ、そんな力なくってさ…瓦礫なんか、どけられるはずが無くて…」グズッ


    アニ「…」


    エレン「目の前で…言うんだぜ?ああ、もっと生きたかったなって。泣けるだろ、ああ…くそ…!!」ダンッ


    アニ「…」ビクッ


    エレン「俺にもっと力があれば、あんなことにはならなかった。俺は多分、一生この業を背負い続ける。だからこそ駆逐しなきゃなんねぇ、皆殺しにしなきゃなんねぇんだよ。巨人をさ。」ダンッダンッダンッ!


    アニ「やめて、エレン…!手から血が…」ガシッ


    エレン「あ、ああ、悪い。取り乱した。はは、何やってんだ俺。」


    アニ「包帯なら持ってるよ。これでいいかい?」


    エレン「ああ、すまない。」


    アニ「…ごめん。(許してくれないだろうけど、謝って何も出ないのは知ってるけど、せめて、私の中での罪滅ぼしをさせて…)」グルグル


    エレン「っ!痛いなぁ。まあ、自業自得か。」ズキズキ


    アニ「ごめん、本当にごめん。(きっとあんたは私が巨人だって知ったら死ぬほど恨むだろうね。)」グルグル


    エレン「はは。アニが謝る事じゃねぇって。」イテテ


    アニ「出来た。」ビリッ


    エレン「まだ一日も過ぎてねえけど、俺、時々思うんだ。やっぱりあの時、母さんと一緒に死んでおけば、こんなに悲しまずにすんだのかなって。」


    アニ「だめ。それは、絶対。エレンには絶対死んで欲しくない。(こんな事言う資格、私には無いのに。)」


    エレン「はは、何だそりゃ。」
  19. 19 : : 2017/07/27(木) 02:56:09
    アニ「私は、そろそろ行くね。(たった数時間、それだけで変えてしまった。優しいエレンに憎しみを与えてしまった。一生償っても、償いきれない。)」


    エレン「アニ、ちょっと待ってくれ。」


    アニ「…(ああ、今すぐにでも死んで償えたらって思うけれど、それをしても、あんたの傷は癒えないんだね。)」


    エレン「これ、アニにあげようと思って。」ニコ


    アニ「これは…髪留め?」


    エレン「そう。アニ、髪長いからさ、もし邪魔になってたら使ってほしいと思ってな。」


    アニ「ありがとう…エレン、嬉しいよ。(これを見ると、エレンを思い出してしまう…はは。辛いのかな、よく分かんないや。)」


    エレン「アニ、またいつか、会えるよな?」


    アニ「ああ、きっと会えるさ。私達が生きていたら、きっと。(あんたはやっぱり綺麗だよ。清廉潔白ってやつさ。)」


    エレン「またな、アニ。」


    アニ「またね、エレン。(それに比べて私は、何て…醜いんだろうね。)」ザッ スタスタ
  20. 20 : : 2017/07/27(木) 08:23:44
    ー訓練場ー


    キース「貴様の名はなんだ!!!」


    コニー「コニー・スプリンガーです!!」バッ


    キース「腕が反対だ!貴様の心臓は右にあるのか!?」ゴツンッ


    コニー「ってぇ!!!」


    キース「次!!貴様の名はなんだ!」


    エレン「シガンシナ区出身、エレン・イェーガーです!!」バッ


    キース「貴様は何しにここへ来た!!」


    エレン「巨人を根絶やしにするためです!!」


    キース「はっ、貴様では到底無理だろうな!!」


    キース「次!!」


    教官A「まーたやってるよ。」


    教官B「恒例ですからねぇ。」


    教官A「これがあって初めて身が引き締まるってもんなのかねぇ。」


    教官B「自分はそうですね、あそこの子は芋食ってますけど。」


    教官A「あ、半分とか言って、8分の1も渡してないし。」ププ


    教官B「ちょ、やめてください。怒られますよ。」ププ



    ーーーーーーーーーーー
    ーーーーーーー
    ーーー


    キース「これにて本日の訓練を終了とする!明日は朝から訓練があるため、遅れないように。」


    訓練兵「はい!」
  21. 21 : : 2017/07/27(木) 12:37:34
    エレン「…」キョロキョロ


    アルミン「どうしたの、エレン。さっきからずっとそうしてるけど何か探してるの?」


    エレン「ちょっとした人探しだ。気にしなくていいぞ。」


    アルミン「ああ、それなら僕も手伝おうか?」


    ミカサ「私も手伝う。」


    エレン「食堂行ったら会えるだろうし、その時でいいさ。」スタスタ


    アルミン「ん、そっか!」


    ミカサ「そう。」


    エレン「やっとまともに飯が食えると思うとなんか嬉しいな。」ハハ


    アルミン「避難所にいた時だって食べられたじゃないか。」


    エレン「そうなんだけど、何かあの時は餌を与えられてるって感じだったから。」


    アルミン「考え用によればそうもなるのかもしれないね。」


    ミカサ「ここも、似たようなものでは無いだろうか。」


    エレン「何か違うんだよなぁ、精神的なところで。確かに食事が内地ほど裕福という訳では無いけれど、提供者が惰性じゃなく善意で提供してくれてるってのが何だか、嬉しいんだ。」


    アルミン「それに食事を通じて色んな人と仲良くなる機会ができるしね。」


    ミカサ「私は二人がいればそれでいい。」


    エレン「ったく…ミカサ、お前はもう少し周りを見ろ。」ポンッ


    ミカサ「エレンがそういうなら…精進しよう。」
  22. 22 : : 2017/07/27(木) 12:45:28
    ー食堂ー


    ザワザワ ザワザワ


    エレン「お、もう人がいっぱいいるな。」


    アルミン「そうみたいだね、結構早い方だと思ってたのに。」


    ミカサ「私達の席はあるのだろうか。」


    エレン「お、あそこ、ちょうど三つ空いてるぞ。」


    アルミン「僕とエレンでご飯を取ってくるから、ミカサは座っておいてもらえる?」


    ミカサ「うん。じゃあ、先に座っておく。」


    アルミン「頼んだよ。」


    スタスタ カチャカチャ スタスタ


    エレン「お待たせ、ミカサ。」


    ミカサ「ううん、全然待ってない。ありがとう。」


    アルミン「待ち合わせかよ。」


    エレン「え?」


    アルミン「あ、いや、何でもないよ!」アセアセ


    エレン「アルミンは急に変な事言うからなぁ。」


    アルミン「そ、そんなことない…よね?」チラッ


    ミカサ「…私に聞かないで。」


    アルミン「誰か否定してぉ…」ズーン


    エレン「はは。まあ食べようか。」


    ミカサ「うん。」


    エレアルミカ「いただきます。」
  23. 23 : : 2017/07/27(木) 12:53:47
    ガブッ


    エレン「お、このパン、前食べたやつより柔らかいな。」


    アルミン「種類が違うのかな。いや、でもこの前のは何だか湿気たような固さだったし…」


    ミカサ「粘土を食べているようだったけれど、それより食感がいい。」


    エレン「ああ…美味い。」モグモグ


    マルコ「ねぇ、ちょっといいかな?」


    エレン「ん?俺か?」


    マルコ「そう、君だよ。エレン。」


    エレン「え、なんで俺の名前知ってるんだ?」


    マルコ「そりゃあ、あの時巨人を根絶やしにするって言ってたし印象に残っててさ。僕はマルコって言うんだ。」


    コニー「俺はコニーだ、巨人の話を聞かせてくれよ!」


    エレン「うわっ、お前どっから現れやがった。あ!あれかお前、心臓間違えてた奴か!!」


    コニー「うるっせぇな、仕方ねぇだろ間違えたんだから!」


    エレン「お前みたいな気持ちいい程の馬鹿を見たのは久々だ。」ケラケラ


    コニー「なっ…!?俺は馬鹿だが、頭はキレる!」ドヤ


    エレン「そうかそうか。(やっぱり馬鹿だ。)」ケラケラ


    アルミン「エレン、遊んじゃダメだよ。」ペシッ


    コニー「違う、そうじゃなくて…巨人だ、巨人の話!」


    アルミン「コニー、悪いけどその話は…」


    エレン「いや、いいよアルミン。何が聞きたいんだ?」


    マルコ「ありがとう、エレン。」


    コニー「やっぱりまずは超大型巨人だろ!!」
  24. 24 : : 2017/07/27(木) 13:03:20
    コニー「優に壁を超えたって聞いたけど、まじか!?」


    マルコ「えっ、僕は壁の下から上半身が見えるくらいって聞いたよ!」


    アーダコーダ ザワザワ ザワザワ


    エレン「ばーか。そんなにデカかったら俺ら全員死んでるだろ。壁の下から見て、頭が出ているくらいだったから、50mと少しくらいかな。」


    コニー「そうなのか…顔は、どんなだった?」


    エレン「顔?」


    マルコ「コニーは巨人を見たことないらしくて、興味があるんだってさ。」


    エレン「ああ、そういうこt…」


    コニー「エレン?」


    エレン「悪い、今日はここまでだ。この飯、後はやるから食っといてくれ。」ガタッ


    ミカサ「エレン、まだ半分も食べてない。もう少し食べないと。」


    コニー「お、いいのか!?ラッキー!ありがとなエレン!!」ガツガツ


    ミカサ「…」ギロッ


    マルコ「コ、コニー。ちょっとは遠慮した方が…身のためにも…」


    アルミン「ミ、ミカサ?暴れちゃダメだよ。」


    ミカサ「…大丈夫、分かってる、アルミン。これはエレンの意思でコニーに渡されたものだから。大丈夫。大丈夫。」


    アルミン「そ、その割には顔が怖いけれど…」ビクビク
  25. 25 : : 2017/07/27(木) 13:10:56
    エレン「あれ…どこいった…?(やっと、見つけたのに。)」タッタッ


    エレン「やっと、見つけた…アニ!」ゼェゼェ


    アニ「さっきからやたらと誰か着いてくるなと思ったら、あんたかい。」


    エレン「人をストーカー呼ばわりすんじゃねぇよ。」


    アニ「今の行動は完全にそうじゃないか。」


    エレン「ご最もで。」


    アニ「相変わらず、口喧嘩には弱いんだね。」


    エレン「アニに弱いんだよ。その髪留め、使ってくれてるんだな。」


    アニ「ああ…これかい。まあね。」


    エレン「…」ジー


    アニ「な、なんだい。ジロジロ見て。」


    エレン「いや、この2年で何か変わったなぁって。」


    アニ「そりゃあ変わるさ、2年だよ?」


    エレン「あ、分かった。お前、目付き悪くなったよな。」ケラケラ


    アニ「…」イラッ


    アニ「あんたさぁ…ちょっとこっち来て後ろ向いてくれるかい。」


    エレン「え?いいけど。」スタスタ クルッ


    アニ「ふんっ!!」


    ゲシッ


    エレン「ってぇぇ!!」


    エレン「アニ、お前!今の本気だろ!!」ピョンピョン


    アニ「タイキックってやつさ。あんたがデリカシーないこと言うからだよ。」


    エレン「ってぇなぁ。悪かったって。」ヒリヒリ
  26. 26 : : 2017/07/27(木) 13:21:24
    アニ「…まだ、忘れてないのかい。」


    エレン「当たり前だろ。」


    アニ「この前は忘れてたくせに。」


    エレン「だから、悪かったって。」


    アニ「ふふ、あんたらしいや。」


    アニ「…エレン、いいかい。一度しか言わないからよく聞いて。」


    エレン「…」


    アニ「私たちは、今日、初めて話した。私たちは一度も会ったことがなくて、そして、私たちには何もない。」


    エレン「何言ってんだお前。」


    アニ「…私は、あんたのことが大嫌いだから、もう関わるなって事さ。」


    エレン「…冗談だろ?」


    アニ「本気さ。」


    エレン「何でだよ、突然。目つきのことは悪かった。お前がそこまでのコンプレックスとは思わなかったんだ。」


    アニ「そうじゃなくてさ。」


    エレン「じゃあ何でだよ。」


    アニ「これは、私の問題なの。あんたと一緒に居ることで、浮かれている自分が嫌いでさ。」


    エレン「アニがどう思ってるのか知らねぇが、俺はアニと話したい事がまだあるんだ。」


    アニ「あんたは私とは違うんだ。今も、昔も、これからもずっと、多分あんたは清廉潔白で、真っ直ぐで…それでいて…」グズッ


    エレン「アニ…」スッ


    アニ「触らないで…!」バシッ


    エレン「っ…!」


    アニ「あ…ごめん…なさい…もう、行くから。それじゃ。(この2年、あんたの事を思い出すと胸が張り裂けそうだったさ。私の都合ばっかりでごめん。あんたには、真っ白だった昔の私の事だけを覚えていてほしい…)」タッタッ


    エレン「なんだよ…あいつ。」


    アニ「ごめん、エレン…」ボソッ
  27. 27 : : 2017/07/27(木) 13:34:04
    ー男子寮ー


    エレン「くそ…」ボソッ


    ガチャ


    アルミン「あ、エレン!こっちこっち!」フリフリ


    エレン「おう、すぐ行く。それと、アルミン、そっちの二人は?」


    ライナー「俺はライナー・ブラウンだ。ライナーって呼んでくれ。」


    ベルトルト「僕はベルトルト・フーバー。ライナーからはベルって呼ばれてるけど、なんて呼んでくれてもいいよ。」


    エレン「ライナーにベルか、俺はエレンだ。よろしく!」


    ライナー「おう、よろしくな!」


    ライナー「突然だがエレン、好きな人はいるか?」


    エレン「本当に突然だな、いるけど。どうして?」


    アルミン「えっ、いるの!?」クワッ


    エレン「そ、そんなに驚くことじゃないだろ。まあ、振られちまったけどな。」


    ライナー「振られたって、会ってすぐなのに告ったのか…!?」


    アルミン「振られたってことは、ミカサじゃないのか…」


    エレン「いや、告ったとかじゃなくて、一方的に振られたわ。」アハハ


    ライナー「そうか…そいつは何ていう…いや、まずは特徴を教えてくれ!」


    エレン「特徴…目つきが悪くて、スタイルがいい。」


    アルミン「他には?」


    エレン「他に、か。表情豊かだけど、怒ると怖い。あと朝に弱そう。」


    ライナー「弱そうって、それまるっきり想像だろ。」ガハハ


    アルミン「笑い方がクッパだよ。」


    ライナー「クッパ?」


    アルミン「いや、こっちの話。あ、エレン。髪の色は?」


    エレン「ああ、金髪だ。小柄な子。」


    ライナー「…(おいおい、こりゃまさか)」チラッ


    ベルトルト「…(うん、恐らくアニだね。)」コクリ


    ライナー「因みに、そいつの名前って…」


    エレン「アニって奴だ。まあ、名前言っても分かんねぇか。」アハハ


    ライナー「ああ、全く想像がつかん。」ダッハッハッ


    アルミン「さっき言ってた、一方的に振られたってどういうこと?」
  28. 28 : : 2017/07/27(木) 13:42:38
    エレン「あー、まあ、ちょっと、な。」


    ライナー「初対面ってわけでも無さそうだが、いつ会ったんだ?」


    エレン「あの日だよ。壁が壊されて、巨人が入ってきた日。」


    ライナー「何で、その日に…?」


    エレン「俺の父さん、医者やっててな。俺も将来医者になるんだ、って言ったら父さんすげー喜んでてさ。喜んでくれてる父さんを見てて嬉しかったし、興味があったから俺はよく診療について行ってたんだ。」


    ライナー「診療に、か。」


    エレン「ああ、ある日今日は話すだけだから来なくていいって言わたんだけど、どうしても行くって俺が言ったら途中で折れたみたいでそのまま連れていってくれたんだ。」


    エレン「珍しく馬車に乗って、そのまま少しして着いたのがアニの家だったんだ。」


    ライナー「へぇ、そんな事が…アルミンは知っていたか?」


    アルミン「僕も知らなかったよ。」


    エレン「ちょっと話しているうちに仲良くなって、結婚を約束した。」


    ベルトルト「はぁっ!?」


    エレライアル「!」ビクッ


    エレン「ど、どうしたんだよ。急に大声出して。」


    ベルトルト「結婚を約束…!?君は今何歳だと思っているんだい…!?」ガシッ ブンブン


    エレン「だ、だから、ほら!あれだろ?良くあるじゃねぇか。小さい頃に結婚しよーとかそういうやつ!!それだって!」


    ベルトルト「じゃ、じゃあ、本気じゃないんだね…?」


    エレン「はは。アニにその気が無いんだから仕方ねーだろ。」
  29. 29 : : 2017/07/27(木) 13:49:54
    ライナー「それで今日、振られたのか。」


    エレン「金輪際関わんなーって。」


    ライナー「エレン、もういいのか?」


    エレン「は?」


    ライナー「お前はもう諦めていいのかって聞いてるんだ。」


    エレン「お前話聞いてたか?振られたんだぞ、俺。」


    ライナー「だからって諦めるにはまだ早いだろ!そのアニってやつにも何か事情があって言わざるを得なかったんじゃないのか…!?」


    ベルトルト「…(ライナー結構攻めてるねやめといた方が…)」スッ


    アルミン「…(水を指しちゃダメだ、ベルトルト。)」ガシッ クビフリ


    エレン「…(言われてみれば、本当に俺のことが嫌いになったんなら、あの髪留めも捨ててるはずだ。それを…どうして…)」


    エレン「やる…俺はやるぞ、ライナー!アニが好きになってくれなくても、嫌いから普通にするくらいには頑張るからさ、手伝ってくれないか…?」


    ライナー「任せとけ。男に二言はねぇ!」ガシッ


    エレン「ありがとう。で、どうするつもりだ?」


    ライナー「…」


    エレン「おい、お前まさか。」


    ライナー「そのまさかだ。ノープランだ!」ドヤ


    エレン「殺すぞテメェ!」グイッ


    アルミン「え、エレン、抑えて!!これからみんなで考えればいいだろう?」ギュッ


    エレン「あ、ああ。悪い。アルミンの言う通りだ。」
  30. 30 : : 2017/07/27(木) 13:57:21
    ライナー「明日は教官の話によると、立体機動装置の適性検査があるらしい。」


    ベルトルト「そこではアプローチをかけにくそうだね。」


    ライナー「ああ、ジロジロ見てたら変に思われるだろうからな。」


    エレン「じゃあどうするんだよ。」


    ライナー「座学、もしくは対人格闘で勝負する。」


    エレン「何でその二つなんだ?」


    アルミン「あ…そうか!」ピカーン


    ライナー「お、アルミン、お前まさか…キレるな?」


    エレン「当たり前だろ、アルミンは俺達の頭脳だぞ。」


    アルミン「え、エレン、そこまで言われると恥ずかしいよ。」テレテレ


    ライナー「本題に戻るが、それら二つは距離感が近いんだ。(アルミン可愛い)」ウホッ


    アルミン「特に、対人格闘はペアを組まざるを得ない状況に持ち込んだり、それが嫌なら少し腹の立つことを言ってみたりするといいかもね。(何だか寒いなぁ。)」ゾワッ


    エレン「なるほど、2人とも、頭いいな!」


    アルミン「エレンには敵わないよ。」


    エレン「はは、謙遜すんなって俺がアルミンに勝てるのは身体能力と医療に関する知識だけだよ。」


    アルミン「それだけ勝てたら十分さ。」


    ベルトルト「あ、もう消灯時間だよ。」


    ライナー「この作戦を決行できるのは明後日以降だ。まずは明日の立体機動適性検査。これに重きを置け。」


    エレン「ああ、勿論だ。目の前のことから一つずつ、だな。」


    ライナー「そういう事だ。じゃあ、おやすみ。健闘を祈るぞ。」


    エレアルベル「おやすみ。」
  31. 31 : : 2017/07/27(木) 23:20:42
    チュンチュン チュンチュン


    アルミン「エレン、朝だよ、起きて。」ユサユサ


    エレン「ん…あと5分だけ…」ムニャムニャ


    アルミン「もう…ちゃんと五分したら起きてね。」


    エレン「はぁーい…Zzz」


    〜五分後〜


    アルミン「ほら、エレン。五分経ったよ。起きて。」ユサユサ


    エレン「まだ眠い…」


    アルミン「そろそろ起きないと怒るよエレン」ニコニコ


    エレン「はい!起きた!起きたから!」


    アルミン「よろしい。」


    エレン「あ、そうだ。ライナーとベルを知らねぇか?(アルミン、怒ったら怖いんだよなぁ。)」


    アルミン「二人ならもう行っちゃったけど、どうして?」


    エレン「まじか。早いなぁ。アルミンも含めて三人に昨日のことで言っとかないといけない事があって。」


    アルミン「ああ、そういう事なら僕から伝えておくよ。」


    エレン「昨日のアニと診療の時にあったって話。あれは内緒にしておいてくれるか?」


    アルミン「言いふらしたりはするつもり無いけど、理由を聞いてもいい?」


    エレン「振られた時に、今後は初対面のつもりで接してくれって言われてさ。昨日の話が広まったら迷惑だろうからさ。」ポリポリ


    アルミン「はは、やっぱりエレンは優しいや。分かったよ、伝えておく。」


    エレン「おう、頼む!」


    アルミン「それより、早く行かないと遅れるよ?」


    エレン「分かってるって!」
  32. 32 : : 2017/07/27(木) 23:32:18
    キース「先日言ったように、本日は立体機動装置の適性検査を始める、準備はいいな!」


    訓練兵「はい!」


    キース「先頭のものからこちらへ来い!」


    ーーーーーーーーーーーー


    アルミン「…(お願い…!)」グラグラ


    キース「よし、次だ!」


    アルミン「やった!」グッ


    エレン「俺の番か。何か緊張するな、これ。」


    アルミン「僕が出来たんだから、エレンにもきっと出来るよ、頑張って!」


    エレン「おう。」ガチャガチャ


    キース「よし、付けたな?吊り上げろ。」


    グイッ


    エレン「…(何だこれ、意外と難しいな。)」グラグラ


    エレン「わっ!?」グルンッ


    ダラーン


    アニ「…(何をやってるんだい、エレン。)」


    <アハハハハナニヤッテンダヨアイツ
    <キョジンヲネダヤシニスルトカイッテ、アンナコトモデキネェノカ
    <クチダケノヤツナンダナ


    エレン「きょ、教官。もう一度、やらせてください!」


    キース「ダメだ。降ろせ!」


    カチャカチャ


    エレン「もう一度だけ、お願いします!」


    キース「執拗いぞ、黙って見ていろ!」


    エレン「くそ…」ギリッ


    アルミン「え、エレン。」スッ


    ガシッ


    ミカサ「アルミン。今は…そっとしておこう。」


    アルミン「…うん。」
  33. 33 : : 2017/07/27(木) 23:47:27
    キース「本日の訓練は終了だが、検査に失敗した者は後日、再検査をする。それでもダメな場合は田舎へ帰ってもらう!」


    訓練兵「はい!」


    エレン「…(何がいけなかった。体勢?一瞬保てたように思えたが、気のせいか…?)」ウーン


    ミカサ「エレン。さっきのは何かの間違い、私から教官に掛け合ってみようか。」


    エレン「ミカサが何か言って覆るものじゃないだろ。」ハハ


    ミカサ「それも、そう…」シュン


    エレン「でもまあ、元気出た。ありがとな!」ニコ


    ミカサ「うん。」テレテレ


    アルミン「エレン、後でライナーやベルにコツを聞きに行こうか。彼らは上手だったから。」


    エレン「そうだな、それもいいかもしれないな。」
  34. 34 : : 2017/07/27(木) 23:54:19
    ー男子寮ー


    エレン「ライナー、ベル、いるか?」


    ライナー「おお、エレンか。アルミンから聞いてるぞ、こっちだ。」


    エレン「アルミンお前…いつの間に連絡してたんだ?」


    アルミン「色んな人に伝言頼んでね、上手くいったみたいでよかったよ。」


    ライナー「コツが聞きたいんだってな。余りコツってのがないのかもしれねぇが。」


    ベル「その前に、さっきのはどうなったの?」


    エレン「あの時は一瞬止まったと思ったんだ。ここだ!って思って、体勢を保とうとして、気が抜けた瞬間に気づいたら崩れてたんだ。」


    ライナー「急に、か…」ウーン


    ベル「それって、おかしくない?」


    エレン「え?」


    アルミン「どういうこと?ベルトルト。」


    ベル「だってさ、立体機動装置ってぶら下がる時は多分周辺に気を配っているから、装置にまで気は行かないと思うんだよ。」


    ライナー「そうか。急に体勢変わるなんてことがあって、その時に巨人が来たら死んじまうもんな。」


    エレン「俺、ほとんど気を使わない作業もできないって事なのか。何か嫌だわそれ。」ハハハ


    ベル「あ、違う違う。そういう事じゃなくて…何かあると思ってね。」
  35. 35 : : 2017/07/28(金) 00:00:16
    ライナー「まあその何かってのは多分俺らにはわからないだろうから、とりあえずエレンが出来るようになるやり方とかを探そうぜ。」


    アルミン「そうだね。」


    エレン「頼む。」


    ベル「僕は練習あるのみって思うけど。」


    エレン「体勢を保つ時にこんな事したらいい!とか、無いのか?」


    ベル「うーん…気持ちだね。絶対に決めてやる!っていう強い気持ち。」


    ライナー「確かに、精神的な面はでかいかもな。仮に目の前に巨人がいると思って、そいつに襲われてる人がいるとするだろ?」


    ライナー「例えばそうだな、それこそアルミンとかな。」


    ライナー「そいつを絶対守るって気持ちでやるのはどうだ?」


    エレン「適性検査は動かないぞ?」


    アルミン「エレン、例え話だよ。」ボソボソ


    エレン「あ、そうか…それ、いいかもな。試してみるよ!」


    ライナー「なあエレンよ、お前は時々馬鹿になるよな。」


    ベル「ライナー、天然って言った方がいいんじゃないかな。」


    エレン「なっ…失礼だなお前ら。」


    アルミン「あはは…」


    ライナー「まあ許してくれや、こんなことしてる間にも練習は出来るぞ。ほら、行ってこい!」


    ベル「頑張って、エレン。」


    エレン「おう、ありがとな!」


    ライナー「…(天然と言うか、単純なのか。)」
  36. 36 : : 2017/07/28(金) 00:09:57
    ー女子寮ー


    ミーナ「ねぇなぇ、恋バナしようよ!」


    クリスタ「恋バナ?」


    サシャ「何ですかそれ?あ…もしかして、勝った人におかずをあげるやつですか!?!?」


    ユミル「お前は食い意地張り過ぎだ、サシャ。」バシッ


    サシャ「痛いですよ、ユミル!」


    ミーナ「恋バナは、その名の通り、恋の話のことだよ!皆もあるでしょ?」


    サシャ「私は昔から森で過ごしてましたし、お父さんくらいしか居ませんでしたね。」


    クリスタ「恋…?」ポケー


    ユミル「純粋なクリスタちゃんは恋を知らないんだよな〜。」ギューッ


    クリスタ「ゆ、ユミルだってそうでしょ!」ジタバタ


    ユミル「私はクリスタ一筋だから良いんだよ。」ギューッ ワシャワシャ


    ミーナ「え〜、そんなぁ…」


    ミーナ「あ!ミカサ、ミカサならあるでしょ!?」


    ミカサ「恋バナ…?」


    ミーナ「そう、恋バナ!」


    ミカサ「…まぁ、無いことも、無い。」


    ミーナ「聞かせて!エレンとの馴れ初めとか!」


    アニ「…」ピクッ


    ミカサ「馴れ初めと言っても、付き合って、無い。」


    ミーナ「それでもいいから、ね?」


    ミカサ「…エレンとは、エレンの家で一緒に暮らしていた。」
  37. 37 : : 2017/07/28(金) 00:20:35
    ミーナ「え、もう同棲してたの!?」


    ユミル「意外と肉食系なんだな。」


    サシャ「ミカサ、肉を食べるんですか!?」


    ユミル「お前はちょっと黙ってろ。」


    クリスタ「…」キョウミシンシン


    ミカサ「そうじゃなくて、私が…家出、して行き場のなかった私をエレンは助けてくれた。」


    ミーナ「ミカサの御両親は、心配していないの?」


    ミカサ「…うん。でも、きっと私を信じて見守ってくれているから。」


    ミーナ「…(ここはグレゾーンなのかな。あんまり踏み込んじゃ危なそう。)」


    ミーナ「他には?エレンとは何して過ごしたの?」


    ミカサ「特に、これと言ってした事は無いけれど一緒に寝たり、後、お風呂入ったりとかは…した。」カァァァ


    アニ「…(あの女ったらしが。)」


    クリスタ「一緒に…お風呂…?」ワクワク


    ユミル「はい、クリスタはここまでな。」ガシッ


    クリスタ「ユーミールー!耳塞がないで、何も聞こえないよー!」ジタバタ


    サシャ「そんなこと聞いていたら、お腹が空いて来ました…」グゥー


    ミーナ「何でお腹空くの?」フフ


    サシャ「だってお風呂ですよ!?お風呂上がりにご飯を食べるのは最高です!!」


    ミーナ「あはは。ねぇミカサ、もっと聞いていい?」


    ミカサ「良いけれど、その前にさっきからずっと狸寝入りしてるそこの金髪にも話を聞いてみたい。」


    アニ「何だ、バレてたのかい。」


    ミカサ「まあ、あなたにはそういうの無さそうだし、無理して言わなくてもいい。」
  38. 38 : : 2017/07/28(金) 00:30:42
    アニ「なっ…結構な言い草だね、あんた。」


    ミーナ「え、じゃあもしかしてアニにもあるの!?」


    ユミル「お、これは期待できるな。」パッ


    クリスタ「やっと離れてくれた…今どうなってるの?」


    アニ「聞いて驚かないでよ?私はエレ…」ハッ


    ミカサ「エレ、何?」


    アニ「…何でもないさ。忘れてくれ。(自分から墓穴を掘りそうになったよ。呆れるね、本当に。)」


    ミーナ「アニは結婚を約束してるんだよね?」


    アニ「えっ…何でそれを…?」


    ミーナ「え…本当に?」


    アニ「え…あ…ま、まさか、あんた…ハメやがったね…!?」カァァァァ


    クリスタ「ア、アニ、本当に!?」


    ユミル「おいおい、まじかお前。」


    サシャ「披露宴には呼んでくださいね。美味しいご飯がいっぱい…」グゥー


    アニ「うるさいうるさいうるさい!もうとっくに解消してるから、約束してないのと同じだから!」ガチャ ダッ


    ミーナ「あ、アニ、待って!」


    クリスタ「行っちゃった…もう少し、聞きたかったな。」


    ユミル「でもまさか、あいつがなぁ?」


    ミーナ「アニってば、今日までまだ表情変えたの見たことなかったけど、一気に溢れてた感じだったね。凄く取り乱してたし。」クスクス


    ユミル「これで弱みを握れたぜ。」ニヤ


    クリスタ「ユミル、悪い顔してる!」ブニー


    ユミル「いてて、頬をつねるなって!」


    クリスタ「仕返しだもん。」プイッ


    ユミル「さっきは悪かったって。」ケラケラ


    ミカサ「…(エレ…って言いかけてたけど、エレンじゃない…よね?考え過ぎかな。)」
  39. 39 : : 2017/07/28(金) 00:53:36
    アニ「ああ…やっちゃった…どうしよう、迷惑かけちゃうし、こっちから遠ざけたのに。」


    アニ「…馬鹿だ、本当に。こんな様でもまだ、浮かれてるなんて。」


    エレン「おわっ…!?」グルンッ


    アニ「!(エレン…?)」チラッ


    アルミン「ああ、崩れちゃった。どうしてなんだろう。」


    エレン「なぁ、アルミン。仮に、仮にだぞ?」


    エレン「次の検査でもダメだったら、俺はもうここを諦める。」


    アニ「…(もし、そうなったらもう会えないのかな。)」


    アルミン「何を言っているんだ、エレン。弱気になっちゃダメだ!」


    エレン「でも、これだけやって失敗してるんだぞ?本番でも失敗するに決まってる。」


    アルミン「エレン、あまりこういうことは言いたくないけれど…君がそんな体たらくだから、彼女にも愛想つかされたんじゃないのかい?」


    アニ「…(もしかして、私の事?でも、もしそうなら。)」


    エレン「…そうかも、しんねぇな。」ハハ


    アニ「…(違う、そんなつもりじゃ…)」


    アルミン「君は、どうしてここにやって来たんだ。」


    エレン「…」


    アルミン「こんな所で諦めていいの?そんな中途半端な気持ちで、ここへ来たのかい?」


    エレン「違う…!」


    エレン「俺は、強くなって…母さんの敵を取るんだ!!」


    アルミン「ちゃんと目的があるじゃないか。君は昔、言ってたろう。夢は目標は捨てちゃダメだって。」


    アルミン「君自身がそれを忘れている時は、僕がそれを思い出させてあげるよ。だからエレン、もう一度、立ってくれ。」


    エレン「ああ、そうだな。こんな泣き言言ってる場合じゃねぇ。後悔なんてしたくねぇしな。悪いが、アルミン。手伝ってくれるか?」


    アルミン「ああ、勿論さ。(そんな君だから、僕は惹かれたんだ。)」


    エレン「よし、もう一回だ!」カチャカチャ


    アニ「…(後悔、か。エレンと関わってたら、何時か後悔するんだろうな…だからと言って、今関わることをやめても、後悔する。)」スタスタ
  40. 40 : : 2017/07/28(金) 01:03:54
    アルミン「エレン、いい調子だよ。もう少しだ!」


    エレン「ど、どうだ…!」グラグラ


    アルミン「よし、出来た!」


    エレン「どわっ!?」グルッ ダラーン


    アルミン「ああ…最後格好悪い。」クスクス


    エレン「うるせぇな。でも、初めて出来た!」


    アルミン「そうだね、忘れない内にもう一度やろう!」


    エレン「おう!」


    ー食堂ー


    アニ「良かった。ここなら誰もいない。」


    アニ「少し、疲れた。寝よう。」


    ーーーーーーーーーーーーー


    エレン「本当にありがとうな、アルミン、少しは掴めてきたよ。」


    アルミン「ううん、僕は何もしていない。エレンの努力の成果だよ。」


    エレン「はは、謙遜するのはお前の悪い癖だ。お前が居ないと俺は絶対に諦めていた。いつもお前は俺を助けてくれる。自分を誇っていいんだぞ?」


    アルミン「照れるなぁ…」テレテレ


    アニ「…Zzz」


    エレン「あ、しっ…寝てる。」


    アルミン「本当だね、疲れてるのかな。(ん?金髪…目つきは分からないけど小柄。もしかして…)」ジー


    エレン「そんなにじろじろ見なくてもお前の考えている通り、アニだよ。」


    アルミン「目つきが悪いようには見えないけど…?」


    エレン「まあ、今は寝てるからな。怒らせたらやべぇぞ?」
  41. 41 : : 2017/07/28(金) 01:14:18
    アルミン「はは、気をつけるよ。」


    エレン「水だけ汲んで戻ろうぜ。」


    アルミン「うん、そうだね。」


    トクトク トクトク


    エレン「ほら、アルミン。」


    アルミン「ありがとう。」キュッ


    トクトク トクトク


    エレン「よし。」キュッ


    アルミン「じゃあ、戻ろうか。」


    エレン「あ…ちょっとだけ、用があるから先に言っておいてくれるか?」


    アルミン「うん、分かったよ。外で待ってるね。」


    エレン「ああ。」


    アニ「…Zzz」


    エレン「寝顔なんて見たこと無かったっけ。ちょっとだけ…」チラッ


    エレン「…寝顔は笑ってる時くらい可愛いな。」


    エレン「ちょっと暖かくなったからって気を抜くなよ。こんな所で寝たら風邪引くぞ。これは…見習い医師からの見解だと思ってくれ。」ファサッ


    アニ「…Zzz」


    エレン「はは。聞こえてねぇか。じゃあもう行くわ。(傍から見たら俺、滅茶苦茶気持ち悪いか?)」タッタッ


    ガチャ バタン


    アニ「…全く、そういう所がデリカシーがないんだよ、馬鹿。(これ、上着?落ち着く。)」ギュッ
  42. 42 : : 2017/07/28(金) 01:21:27
    アルミン「遅いよ、エレン。」


    エレン「悪い悪い、思ったより手間取って。」


    アルミン「まあいいよ。」


    エレン「部屋に行くか。」


    アルミン「そうだね、今日はもう疲れたし。」グイーッ


    エレン「はは、俺もだ。」


    アルミン「今日は星見えるかなぁ。」


    エレン「さあな、お天道様次第だ。」


    アルミン「え、何だか言い方古めかしい。」


    エレン「うるせぇな、いいだろ?別に。」スタスタ


    アルミン「エレン、怒んないでよ〜。」クスクス タッタッ


    ーーーーーーーーーーーーーーーー


    ー男子寮ー


    アルミン「皆もう寝てるかも知らないから、静かにね。」


    エレン「分かってるって。」


    アルミン「じゃあエレン、おやすみ。」


    エレン「ああ、おやすみ、アルミン。」


    ーーーーーーーーーーーーーーー


    ー女子寮ー


    アニ「…(流石にもう寝たよね…?)」キョロキョロ


    アニ「…(よし、大丈夫そう…)」タッタッ


    アニ「…(不気味なくらい何も無かった。まあ、いい事なんだけどさ。)」ボフッ


    アニ「…おやすみ、エレン…(この上着、返さないといけないけど、やっぱり落ち着く。)」ボソッ
  43. 43 : : 2017/07/28(金) 01:30:49
    チュンチュン チュンチュン


    ミカサ「ん…」グイーッ


    アニ「…Zzz」


    ミカサ「この上着…確か、エレンの…どうしてアニが?」


    ミカサ「いや、たまたま同じだけかもしれない。(たまたま同じ?上着が?そんな事って…?)」ウーン


    ミカサ「エレンに聞いてみよう。」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーー


    キース「適性検査を行う者は前へ!」


    エレン「はい!」


    カチャカチャ


    ミカサ「頑張って、エレン。(結局、聞きそびれてしまった。まずはこれに集中してもらおう。)」


    アルミン「エレン、大丈夫…大丈夫…」


    ライナー「エレン、いけるぞ。」


    ベル「頑張れ、エレン。」


    コニー「エレン、失敗したら許さねぇぞ!」


    アニ「…(お願い。)」


    エレン「…」グッ


    エレン「上げてください。」


    キース「上げろ!」


    エレン「…(大丈夫、俺は、出来る…!)」グラグラ


    キース「…」


    エレン「…」ピタッ


    キース「!」


    エレン「うわぁ!?」グルンッ


    ダラーン


    ミカサ「エレン…!」


    アルミン「エレン…!!」


    ライベル「そんな…嘘だろ…!?」


    キース「イェーガー訓練兵…」


    エレン「きょ、教官。お願いします、もう一度だけ、もう一度だけ!!」
  44. 44 : : 2017/07/28(金) 01:36:49
    キース「いや、合格だ。」


    エレン「はっ…?」


    キース「その立体機動装置を見てみろ。破損しているのが分かるか?」


    エレン「いえ…全く…」


    キース「普通、破損していなければあの様に頭が真下に行くほどまでには回らないんだ。」


    キース「しかし、貴様はその立体機動装置で一瞬だが微動だにせず止まって見せた。それは大いに評価できると私は判断する。」


    キース「よって、エレン・イェーガー訓練兵。貴様は合格だ!」


    エレン「合格…俺が…やった…やった!!!」グッ


    ライナー「何とか、なったようだな。」


    アルミン「目でどうだって言ってるよ。」


    ミカサ「いや、違う。これで私と離れずに済んだと思って、安心している。」


    アニ「…(良かった。これで上着を返せるよ。)」ホッ


    キース「昨日は行わなかったが、本日は引き続き、対人格闘訓練を行う。各自、昼食を取り、準備するように!」


    エレン「!(対人格闘…!)」


    ライアルベル「…(来たか…)」


    訓練兵「はい!!」
  45. 45 : : 2017/07/28(金) 03:30:28
    ー訓練場ー


    キース「全員、揃ったか!これより対人格闘訓練を始める。この訓練を簡単に説明すると、その名の通り対人用訓練だ。」


    キース「襲う側と襲われる側、二手に分かれる。襲う側は短刀を使わなくても、相手を無力化すること。そして、襲われる側は相手の持っている短刀を奪い、無力化した時点で終了だ。」


    キース「ペアは勝手に組んで構わん。各々で高め合えるものを探せ。それでは始めろ!」


    訓練兵「はい!!」


    ミカサ「エレン、良ければ私と組んでくれないだろうか。」


    エレン「悪いなミカサ、今回はライナーと組むって約束してるんだ。」


    ライナー「すまん。」


    ミカサ「…そう。それなら仕方が無い。」


    エレン「向こうの方でやるか。この辺りは人が多い。」


    ライナー「そうだな。」
  46. 46 : : 2017/07/28(金) 03:41:45
    ライナー「じゃあまずは俺が襲う役をやるぞ。」


    エレン「ああ。」


    ライナー「行くぞ、エレン!」ダッ


    エレン「来い、ライナー!」ザッ


    ライナー「オラァッ!」ガシッ


    エレン「おおっ…!?」ズザッ


    ライナー「中々やるな…これなら、どうだッ!」ブンッ


    エレン「っ!」ゴロンッ


    ライナー「!」


    エレン「あっぶねぇ…やっぱりライナーはすげぇ力してんな。」


    ライナー「いや、エレンの受け身も上手かったぞ。突進しても倒れなかったから、少しムキになっちまった。悪いな。」


    エレン「そうだ、お前のその突進も避ければ良かったんだけど、何か捨て身で来てる感じしたな。練習でもしてたのか?」


    ライナー「練習なんかしてねぇよ。エレンと比べると俺の方が力はあるからな、突進が一番かと思っただけだ。」


    エレン「そうか。ところで、ライナー。お前はこの訓練どう思ってる?」


    ライナー「対人ってところの話か?」


    エレン「まあ、そうだな。俺達は巨人に立ち向かうために技術を磨いてる。人と戦うなんてもっての外だろ?」


    ライナー「確かに、そうかもしれないな。だが、俺達は兵士だろ?兵士ってのは呼ばれた時だけ頑張ればいいとかそんなものではなくて、日々精進しなければならないものだと俺は思う。」


    エレン「泥棒でも捕まえるのか?」


    ライナー「さあな、その時になれば分かるさ。それよりエレン、あれ見ろよ。教官の目を盗んで上手くサボってやがる。あのサボってるチビに兵士とは何たるかを教えてやれ。」
  47. 47 : : 2017/07/28(金) 03:50:26
    アニ「…」


    ライナー「おい、そこのチビ。」


    アニ「…」イラッ


    ライナー「こいつがお前に兵士とは何たるかを教えてやるから、ちゃんと教われよ。」ポンッ


    エレン「はっ…!?おいおい、丸投げかよ!」


    アニ「そんなに教えたいなら、教わってやるからあんたから来なよ。」ポイッ


    ライナー「へ…?い、いや、だから、俺じゃなくてこいつが…」


    アニ「何だい?兵士とは何たるかを教えてくれるんだろう?」


    ライナー「う…くっ…うおおおおお!!」ダッ


    アニ「…」スッ シュッ


    スバァーン


    グルッ ドサッ


    ライナー「…」チーン


    エレン「ライナーが…一回転…(やっぱりアニは怒らせない方がいいか…)」


    アニ「…」ポイッ


    エレン「おっ…と」パシッ


    アニ「何だい、あんたはやらないのかい?」


    エレン「やるよ。」


    アニ「怖いもの知らずもいいけど、たまには…いいや、やっぱり何でもない。来なよ。」スッ


    エレン「ああ!(ライナーが俺に突進できた理由は確か力の関係だったよな、じゃあそれは今、成り立つはず!)」ダッ


    アニ「馬鹿の一つ覚えだね。」シュッ スパァーン


    グルッ ドサッ
  48. 48 : : 2017/07/28(金) 04:03:06
    エレン「ってて…」


    アニ「手加減してやったんだ、感謝しなよ。」


    エレン「これで手加減ってお前…本気でやったら死んじまうぞ…」ゾッ


    アニ「…」イラッ


    アニ「じゃあやって見せようか?」スッ


    エレン「ごめんごめん、嘘、嘘!!」アセアセ


    アニ「ふん。じゃあ、もういいかい。」


    エレン「あ、待って…くれ。さっきの技、誰から。」


    アニ「…お父さんが。」


    エレン「親父さんが…すげぇな。(父さんが話してた人か、結局顔は見れなかったな。)」


    アニ「別に。」


    エレン「その技、教えてくれないか?」


    アニ「は?」


    エレン「俺に、教えてくれ。強くなりたいんだ。お前みたいに。」


    アニ「良いよ。けど、一つ訂正させて。」


    エレン「訂正?」


    アニ「私はか弱い乙女さ。」


    エレン「嘘つけよ。」


    アニ「は?」ギロッ


    エレン「はは、冗談だって。そんなに怒るなよ。」


    アニ「あと…さ、初対面の人にお前はないんじゃない?」ジトッ


    エレン「…ふ、はは…ははははは。ああ。そうだったっけな。(懐かしいな。二年前か。)」


    アニ「気をつけなよ。」
  49. 49 : : 2017/07/28(金) 04:21:00
    エレン「なあ、夢はあるか?」


    アニ「そんなもの、とうの昔に吐き捨てたさ。」スッ


    エレン「俺はあるぞ。」


    アニ「へぇ…聞いてあげても良いけど。」


    エレン「まずは、巨人を駆逐する。その後、医者になるんだ。欲張りだと思うか?」


    アニ「…多少欲張りの方が、後々上手くいくさ。調査兵団に入るのかい?」


    エレン「まだ、迷ってる。それに、今決めなくてもいいと思ってる分、精神的に余裕があるんだ。」


    アニ「今は迷って良いさ。その分、後に良い結果になって帰ってくるから。」


    エレン「はは、いい事言ってくれるな。」


    アニ「私もたった今、夢が出来た。」


    エレン「教えてくれよ。」


    アニ「もう、後悔したくない。出来ることは全部やって、それでダメなら仕方ないって割り切れるけど、割り切れない後悔は絶対辛いだけだから。」


    エレン「ああ、いい目標だ。」


    アニ「エレン、この二年、頑張ってこれたのはあんたのお陰なんだ。この髪留めがなかったら、きっと、ダメだった…本当にありがとう。」


    エレン「何だ、饒舌だな。」ケラケラ


    アニ「あんたねぇ…人が真剣に話している時は…!」


    エレン「目を見る、だろ?分かってるって。」ジッ


    アニ「そ、そんなに見なくても…」


    キース「貴様ら、いつまでゴチャゴチャ話しているつもりだ…?」ゴゴゴゴゴ


    エレン「きょ、教官…!こ、これには訳が…」


    キース「問答無用!良いと言うまで走っておけ!!」


    エレアニ「は、はい。」
  50. 50 : : 2017/07/28(金) 22:07:39
    タッタッ


    エレン「くそー、見つかっちまったなぁ。」


    アニ「あんたのせいさ。ったく、喋んなきゃ良かったよ。」


    エレン「おま…それ、本気で言ってんのか?」


    アニ「何が言いたいのさ。」


    エレン「まあいいや。ところで、初対面のフリはもう終わりか?楽しかったんだけど。」


    アニ「ふん、あんたのそういうところが嫌いだよ。」タッタッ


    エレン「あ、急にスピード上げんなって。アニ、悪かったから!」タッタッ


    アニ「分かればいいのさ。」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    ザワザワ



    エレン「はぁはぁ…騒がしく、なってきたな…そろそろ訓練終わりか?」ゼェゼェ


    アニ「そんなことより、あんたさっきからバテバテじゃないか、大丈夫かい?」ハァハァ


    エレン「そういうアニは疲れてなさそうだな。」ゼェゼェ


    アニ「あんたに体力が無さ過ぎるだけさ。」ハァハァ


    エレン「あ、もう、ダメだ…」バタッ


    アニ「ちょっと、エレン!大丈夫かい!?」


    エレン「水と食事をくれええぇぇぇ。」


    アニ「すぐ取ってくるから、待ってなよ。」


    ミカサ「あ…エレン…!」タッタッ
  51. 51 : : 2017/07/28(金) 22:14:35
    ミカサ「これ、飲んで。」


    エレン「おお、ありがとな。ミカサ。」ゴクゴク


    ミカサ「本当に倒れるまで走るなんて…大丈夫?」


    エレン「ははは。助かったよミカサ。」


    アニ「エレン、持ってきt…ふん、何だい、デレデレしちゃって。(もう上着返してやらないよ。)」クルッ タッタッ


    ミカサ「あの金髪のチビは?まさか、エレンを放って行ったの?」


    エレン「アニか?いや、水持ってきてくれるって言ってたんだけど、会わなかったか?」


    ミカサ「会わなかった。」


    エレン「じゃあ入れ違ったのかな。」


    ミカサ「…そうなのだろうか。」


    エレン「ま、戻るか。」


    ミカサ「待たなくていいの?」


    エレン「え?」


    ミカサ「やっぱり、何でもない。行こう。」


    エレン「おう。」
  52. 52 : : 2017/07/28(金) 22:23:13
    〜2年後〜


    エレン「ふっ…!はっ…!」シュッ バシッ


    アニ「うん、中々良いんじゃない?」


    エレン「そうなんだけどなぁ、アニのと比べたらまだまだ何だよ。」


    アニ「そりゃあ私は小さい頃からずっとやってたからね。」


    エレン「…」マシマジ


    アニ「何に見てるんだい、気持ち悪い。」


    エレン「いや、だから身長が伸びなかったのかなって。」


    アニ「は?」


    エレン「あ、いや、昔から身体鍛えたりすると、身長が伸びなくなるっていうだろ?」アセアセ


    アニ「ああ、そうだね。」


    エレン「そういう事だ!(鎮まったか…?)」


    アニ「それじゃあ、今からあんたを縮めて見せようか。」スッ


    エレン「へ…?」


    アニ「ふんっ!」シュッ


    スパァーン


    エレン「いってええええええ!!!!」


    エレン「な、何すんだよ!!」


    アニ「ふん。自分のデリカシーのなさを恨みなよ。」


    エレン「なあアニ。」


    アニ「何だい。また何か変な事言うつもりなんだったら承知しないよ。」


    エレン「はは。ちげーって。あと少しなんだなって。」


    アニ「そうだね。」


    エレン「あと少し経てば、この自主練も終わるし、ここでこうやって過ごす時間も終わるんだな。」
  53. 53 : : 2017/07/28(金) 22:39:34
    アニ「何が言いたいのさ。そんなにこの練習が嫌なら止めればいいじゃないか。」


    エレン「そうじゃなくて、アニと会う口実が無くなっちまうと思って。」ハハ


    アニ「何言ってんだい。馬鹿じゃないの。」プイッ


    エレン「アニと会って4年、か?」


    アニ「そうだっけ、もう忘れたさ。」


    エレン「色んな事があったなぁ。避難所で見かけた時はそんなに変わってなかったと思ったけど、ここでのアニは全然笑ってなかったし。」


    アニ「私にも色々あるんだよ。」


    エレン「氷の女王なんて言われてたな。」アハハ


    アニ「そんな事も、あったね…」


    アニ「って、何これ。別に今日で終わるとかじゃないのにしんみりし過ぎだよ。」


    エレン「悪い悪い。」


    エレン「月が、綺麗だなぁって思ってさ。」


    アニ「…ずっと前から綺麗なままさ。」


    エレン「…本気か?」


    アニ「私にだけ言わせるなんて、本当に卑怯だね///」


    エレン「じゃあ…!」パァァ


    アニ「…でも、もう少し待ってくれないか。」


    エレン「…分かった。気の済むまで待つよ。」


    アニ「期待している返答ができないかもしれないよ。」


    エレン「それでもいいさ、アニが納得して出した結論なら。」


    アニ「本当にあんたは…」


    エレン「良い人ってか?」


    アニ「良くわかったね。まあいいさ、今日はここまでにしよう。」


    エレン「はは、まあな。じゃあ、お疲れ様。」


    アニ「お疲れ様。」
  54. 54 : : 2017/07/29(土) 01:44:43
    ー次の夜ー


    アニ「…」


    ライナー「何だ、話って。」


    ベル「どうしたの急に。」


    アニ「私、エレンと付き合ってもいいかな。」


    ベル「えっ?」


    ライナー「おう、好きにしろよ。」


    アニ「え」ビックリ


    ライナー「但し、情報は漏らすな。1ミリたりともな。」


    アニ「うん…うん…ありがとう、ライナー。」グズッ


    ライナー「なんで泣くんだよ、お前こんなことて泣くような奴じゃないだろ。」


    アニ「だって…絶対ダメだって言われると思ったし、だから、私は…」グスッ


    ライナー「恋愛するのは自由だ。その上で、目的は見失うなよ。」


    アニ「分かってる。」


    ベル「えっと…」キョトン


    ライナー「なんでさっき驚いてたんだ?ベル、急に呼び出されて話があるとかこれ以外に俺は予想がつかなかったぞ。」


    ベル「流石だね、ライナーは。周りのことをよく見てる。」


    アニ「バレてたのかい。」


    ライナー「まあ、相談もされてたしな。」


    アニ「はぁ、緊張して損したよ。」


    ライナー「にしても、エレンのやつも物好きだな。」


    ベル「どういうこと?」


    ライナー「だってよ、こいつみたいな…」ハッ


    アニ「私みたいな…何だい?」ゴゴゴゴゴ


    ライナー「い、いや…何でも、ない、です。」ダッ


    アニ「待て、ライナー!」ダッ


    ライナー「許してえええ!!!」ズルッ


    ベル「あ、転けた。」


    アニ「殺す!」バキッ ドガッ パァン


    ベル「うわぁ…見てらんないや、部屋に戻ろう。」スタスタ


    ライナー「…」チーン


    アニ「ふん。」スタスタ
  55. 55 : : 2017/07/29(土) 01:52:11
    ー女子寮ー


    アニ「ねぇ…ミカサ、ちょっといいかい。」


    ミカサ「何?」


    アニ「ここじゃ話せない、外で。」


    ミカサ「…分かった。」


    ーーーーーーーーーーーーーーー


    アニ「一昨日、エレンに告白された。」


    ミカサ「…それで、何?」


    アニ「は?」


    ミカサ「あなたがエレンに告白されたからといって、私のエレンに対する気持ちは変わらないし、それに…」


    アニ「それに?」


    ミカサ「最近、エレンの態度がおかしかったから、そんな気はしてた。」


    アニ「あんた、凄いね。」


    ミカサ「それを私に言いに来て、自慢のつもり?」


    アニ「そう斜に構えないでさ、話を聞いてくれないかい。」


    ミカサ「そのつもりなのだけれど。」


    アニ「まあいいや。それで私、エレンと付き合ってもいい?」


    ミカサ「…何で私に聞くの。それを決める権利は私には無い。」


    アニ「そっか。じゃあ明日返事するよ。」


    ミカサ「うん。」


    アニ「でも、これだけは忘れないで。」


    ミカサ「?」


    アニ「エレンの家族はあんただけなんだよ。」ポンッ


    ミカサ「…そんな事、あなたに言われなくたって分かってる。」


    アニ「部屋に戻ろうか。」


    ミカサ「ええ。」
  56. 56 : : 2017/07/29(土) 01:59:13
    ー翌日ー


    ミカサ「おはよう、エレン。」


    エレン「おう、おはよう。」


    アルミン「おはようミカサ、どうしたの?目元が赤いけど。」


    ミカサ「え、嘘。(昨日泣いてたこと、バレてないかな。)」


    アルミン「擦ったりでもした?(泣いてたのかな。)」


    ミカサ「実は朝、目脂が良く取れなくて。」


    アルミン「そうなんだ。」


    エレン「何してるんだ、二人共。行くぞ?」


    アルミン「だってさ、行こうか、ミカサ。」


    ミカサ「うん。」


    ーーーーーーーーー一ーーー


    ー食堂ー


    エレアルミカ「いただきます。」モグモグ


    エレン「なあアルミン、今日の訓練ってなんだった?」


    アルミン「今日は午前も午後も立体機動だよ。」


    エレン「苦手なんだよな、あれ。」


    アルミン「はは、エレンは機械に弱いのかな。」


    エレン「素手で戦えるならそうしたいよな。」シュッシュッ


    アルミン「こら、エレン。ご飯中。」


    エレン「おお、悪い悪い。」


    アルミン「…(いつもなら、ミカサが言うのにな。)」


    エレン「ミカサ、元気ないようだけど何かあったのか?」


    ミカサ「…エレン。一つ、聞いていいだろうか。」
  57. 57 : : 2017/07/29(土) 02:05:03
    エレン「ん?」


    ミカサ「エレンにとって、私は何?」


    エレン「ミカサは家族だろ?」


    ミカサ「…ありがとう、エレン。」フフッ


    アルミン「…(ミカサ、嬉しそう。)」クスクス


    エレン「何だお前ら、急に笑って。気持ち悪いぞ。」


    アルミン「エレンほどじゃないよ。」


    エレン「えっ、俺、気持ち悪いか!?」


    アルミン「全く君は…」ハァ


    ミカサ「大丈夫。アルミンは冗談で言っているだけ。」


    エレン「そうか、良かった。」


    アルミン「…(これでやっと、いつも通りだ。)」ニコニコ


    エレン「アルミン。やっぱりお前、気持ち悪いぞ。」


    ポンポン


    アニ「話があるから、いつもの場所で。」ボソッ


    エレン「おう、分かった。」


    ミカサ「…」


    アルミン「…(ミカサが目くじら立てないってことは、先にミカサは聞いたのかな。)」


    エレアルミカ「ご馳走様。」


    エレン「今日も一日、張り切っていくぞー!」


    アルミン「おー!」


    ミカサ「…おー。」
  58. 58 : : 2017/07/29(土) 02:15:06
    キース「それでは、立体機動訓練を開始する!内容は普段と変わらん、指示に従って動け!」


    訓練兵「はい!!」


    エレン「…(これが終われば、アニと話せる。)」ソワソワ


    ミカサ「エレン、落ち着きがない。それでは危険。」


    エレン「そうだな、集中。集中。」


    ミカサ「うん、それでいい。」


    エレン「よし、俺の番だ。」パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ ズバァッ


    エレン「よしっ!」パシュ


    カンッ


    エレン「!やべっ!」シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    ダンッ


    エレン「うっ…くっそ、痛いなぁ。」ズキズキ


    教官A「おい、無事か!!」


    エレン「はーい、動けまs…っ!」ズキズキ


    教官A「どうした!」


    エレン「腕を強く打ち付けたみたいで、多分、打ち身だと思います。」


    教官A「一人で行けるならそのまま医務室へと向かへ!無理ならば付き添いを1人連れて行かせよう。」


    エレン「一人で行けます!」


    教官A「キース教官には私から報告しておく!」


    エレン「ありがとうございます!」
  59. 59 : : 2017/07/29(土) 02:25:47
    ー医務室ー


    エレン「はぁ…折角今日、アニに返事貰えるのにな。下手こいたよ。」


    ガチャ


    アルミン「エレン、大丈夫!?」


    ミカサ「怪我したって聞いたけど。」


    エレン「おお、先生にも手当してもらったし、問題ないぞ。まだ奥から来るような痛みがあるけど、直に治るだろうって。」


    アルミン「良かった。」


    ミカサ「軽い怪我で済んでよかったけど、万が一打ち所が悪かったら、死んでいたかもしれない。」


    エレン「それは反省してる。」


    ミカサ「本当に?」


    エレン「ああ。」


    ミカサ「エレンがいなくなったら、私は…」


    エレン「分かってるって。」ポンポン


    ミカサ「エレン、私と結婚しよう。」


    アルミン「えっ。」


    エレン「それは出来ない。」


    ミカサ「うん、知ってる。」ニコ


    エレン「悪いな。」


    ミカサ「そんなこと、言わないで。」


    エレン「…」


    ミカサ「折角我慢してたのに…もっと、辛くなる…」グズッ


    エレン「…」スッ


    アルミン「エレン、僕が。」


    エレン「ああ、任せるよ。」


    アルミン「ミカサ、行こうか。立てる?」


    ミカサ「うん、大丈夫。」


    アルミン「それじゃあエレン、お大事に。」


    ミカサ「早く、元気になってね。」


    エレン「ああ。」


    ガチャ


    バタン


    エレン「…ごめんなミカサ、ずっと、冗談だ思ってよ。」
  60. 60 : : 2017/07/29(土) 02:36:57
    ー午後の訓練終了後ー


    エレン「…」


    アニ「エレン、お見舞いに。」ガチャ


    エレン「おお、アニ、まさか来るとは思わなかったぜ。」


    アニ「私じゃ不満だったかい?」


    エレン「違う違う、アニはこういうの来ないタイプだと思ってさ。来てくれたことに関しては素直に嬉しいよ。」


    アニ「そうかい。」


    エレン「ああ。」


    アニ「…」


    エレン「…」


    エレン「なあ…俺さ、考えたんだ。」


    アニ「何を?」


    エレン「お前と出会ってから今までのこと。」


    アニ「…」


    エレン「馬車使うくらい離れてた場所に住んでたアニと避難所で偶然一緒になって、同じ年に訓練兵団に入団した。」


    エレン「考えたんだ。考えたら考える程、おかしな話だ。まるで、誰かに仕組まれてるような。」


    アニ「…何が、言いたいの。」


    エレン「いや、運命って言葉は今、この瞬間の為にあるんだなって。」ニコ


    アニ「キザだね、あんた。(何もバレてなかったと安心してる私がいるのが、憎いよ。)」


    エレン「はは、そうかもな。」


    アニ「…この前の返事だけどさ。」


    アニ「付き合おっか、私たち。」


    エレン「いいのか…!?」


    アニ「うん、だから、これからもよろしく。」
  61. 61 : : 2017/07/29(土) 02:45:41
    エレン「はは…嬉しいな、こりゃ。」ズビビッ


    アニ「泣くほどの事じゃないだろ。」


    エレン「俺にとっては、泣くほどのことなんだよ。」グスッ


    アニ「そうかい。」


    エレン「あ、そうだ。明日…確か、休暇だったよな。街にでも行かないか?」


    アニ「あんたがそんな身体じゃ、行くにも行けないじゃないか。」


    エレン「明日には治ってるって、だから、な?」


    アニ「…プランは立てておくんだよ、むやみやたらに行動するのは好きじゃないんだ。」


    エレン「もちろん!」


    アニ「そうと決まれば、外出申請出さないと。」


    エレン「そうだな!」


    アニ「…今日、ここで寝てもいいかな。」


    エレン「は…?」


    アニ「あ、だ、ダメなら、いいんだ…けど、良いなら…////」


    エレン「良いに決まってるだろ。」


    アニ「ありがと。」


    アニ「じゃ、外出申請出してまた来るね。」ニコ


    エレン「おう。(可愛いな、アニ。)」


    ーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「…Zzz」


    ガチャ


    アニ「あれ、もう寝てる、寝るの早いんだ、意外。」


    アニ「ったく、女の子が一緒に寝ようって言ってるんだから、もう少し寄ってくれたっていいだろ。」


    エレン「ん…Zzz」モゾモゾ


    アニ「…おやすみ、エレン。(この幸せが、いつまでも続きますように。)」
  62. 62 : : 2017/07/29(土) 02:55:12
    ー街中ー


    エレン「何か、すっげぇな。何でも出来そうだ。」


    アニ「短絡的だね、あんたは。」


    エレン「悪かったな、短絡的で。」


    アニ「怒るとは思わなかったよ、悪かったね、エレン。」


    エレン「まあいいよ。てか、お前またパーカーかよ。」


    アニ「悪いかい、これしか持ってないんだ。」


    エレン「はぁ、服見に行くぞ。お前に似合うやつ。」ギュッ


    アニ「ひゃっ…///」


    エレン「何だよ。」


    アニ「…手///」


    エレン「恋人同士なんだから、これくらいいいだろ?(アルミン、こんな感じで大丈夫かな。)」


    アニ「////(何何何、急に男らしくなってるし、そんな事されても困るし。ああ、私、今日死ぬかもしれない。)」コクリ


    エレン「服、どこがいいかなぁ。」


    アニ「この辺りじゃ古めかしいのしかないんじゃないのかい。」


    エレン「古着も悪くないぞ?」


    アニ「楽に着れるものが良いんだよ。」


    エレン「なるほど…ちょっと見てみるか。」
  63. 63 : : 2017/07/29(土) 03:34:17
    エレン「あ、これとかどうだ?アニに似合いそう。」スッ


    アニ「ど、どうなんだい。」


    エレン「ちょっと違うかなぁ。」


    エレン「…」ウーン


    アニ「?」


    エレン「あ、これだ!」


    アニ「…あんた、私を馬鹿にしてるのかい?」


    エレン「え、何でだよ。」


    アニ「こんな真っ白なワンピース、私に似合うわけないだろ。」


    エレン「絶対似合うって!ほら、着てみてくれよ!」グイッ


    アニ「ちょ、ちょっと。わ、分かったから、押さないでって。」


    エレン「ほいっ」スッ


    アニ「…笑ったら承知しないよ。」


    エレン「おう。」ニコ


    ーーーーーー


    シャー


    アニ「…どう。」


    エレン「…」ジー


    アニ「な、何がいいなよ////」


    エレン「可愛い。」ニコ


    アニ「!」


    アニ「そ、そうかい///」


    エレン「その服、買うか!」


    アニ「私、そんなにお金持ってないかも。」


    エレン「じゃあ、恋愛成就ってことでさ。」


    アニ「そういうのってお守りとかじゃ。」


    エレン「細かいことはいーの。」
  64. 64 : : 2017/07/29(土) 03:44:57
    アニ「意外と安いんだね。」


    エレン「言ったろ?ここは古着屋だから。」


    アニ「へぇ。」


    エレン「せっかく街まで来たんだ、内地にでも行くか?」


    アニ「私達じゃ行けないでしょ。」


    エレン「そうかもしれないけど、内地の周りの店はいいのありそうだろ?」


    アニ「まだ服見るのかい?」


    エレン「いや、また別のものをな。」


    ーーーーーーーーーーー


    エレン「お、こことか良さそうだ。」


    アニ「何ここ。」


    エレン「装飾品が売ってるんだ。」


    アニ「装飾品?」


    エレン「そ、まあ入ろうか。」


    アニ「なんか緊張する。」


    エレン「大丈夫だって、俺もいるから。」


    アニ「…うん。」


    ガチャ


    アニ「うわ…」


    エレン「アニは指輪とか持ってないんだっけ。」


    アニ「あ、うん。(一つだけ持ってるかな。)」


    エレン「まあまだ指輪は早いか。」アハハ


    アニ「そうだね。」フフッ


    エレン「ペンダントとか、嫌いか?」


    アニ「嫌いじゃないけど…」


    エレン「良かった。これとか、どうだ?」


    アニ「何これ、ハートが欠けてる。不謹慎だね、あんた。」


    エレン「あはは、違うって。ほら、これ、二つで一つなんだ。」カチッ


    アニ「わ…すごい…」


    エレン「こうして、片方ずつ二人で持ってたら、良いことが起きる…気がする。」


    アニ「本当にあんたって単純で短絡的だね。」


    エレン「う…悪い。」


    アニ「まあ、そういうところも好きなんだけどさ。」クスクス


    エレン「!」


    エレン「アニ。」ギュッ


    アニ「や、止めなよこんな所で///」


    エレン「悪い悪い、つい///」


    アニ「ほら、これ買ってもう行くよ///」


    エレン「おう!」
  65. 65 : : 2017/07/29(土) 03:52:57
    ーーーーーーー
    ーーーー
    ーー


    エレン「帰ってきた〜」グイーッ


    アニ「なんか疲れたね、今日は。」


    エレン「色々したもんな。」


    アニ「じゃあ、今日はもう寝るよ。」


    エレン「もう寝るのか、早くないか?」


    アニ「疲れたって言ったの聞いてなかったのかい?」


    エレン「はは、そうだったな、おやすみ。」


    アニ「ん、おやすみ。」


    ーーーーーーーーーーーーーーー


    ー男子寮ー


    エレン「ただいま〜」


    アルミン「あ、エレン、どうだった?」


    エレン「何とか上手くいったよ。」


    アルミン「そんなこといって、ペンダントなんか付けちゃって、幸せオーラしか出てないよ。」


    エレン「あっ…///」


    エレン「こ、これには色々あるんだよ///」


    アルミン「ははは。まあ、楽しめたようでよかったよ。」


    エレン「色々教えてくれてありがとな、アルミン!」


    アルミン「ううん、大丈夫。」


    ーーーーーーーーーーーー


    ー女子寮ー


    アニ「誰もいないはず…」


    ガチャ


    アニ「げ…」


    クリスタ「わぁ、アニ、その服可愛い!」


    ユミル「おいおい、いつもパーカーの癖に急にどうしたよ。」ケラケラ


    ミーナ「アニ、可愛い!」


    アニ「あーもう、うるさいな…着替えて寝る。」ボフッ


    ミカサ「アニは照れているの?」


    ユミル「それしかねーだろ。」ケラケラ


    ミーナ「アニったら、照れちゃって乙女だねぇ。」


    アニ「…///」
  66. 66 : : 2017/07/29(土) 04:17:05
    ー1年後ー


    ザワザワ ザワザワ


    エレン「明日で終わりだな、長かったような、短かったような。」


    アルミン「僕にとっては長かったよ。」


    ミカサ「兵団は決めた?」


    エレン「ああ、憲兵団にするよ。」


    ジャン「は?お前、調査兵団って言ってたろ!!」


    エレン「気が変わったんだ。」


    ジャン「ふざけんなよ、てめぇ。巨人を根絶やしにするとか大口叩いて結局怖気付いてんじゃねぇか!」


    エレン「俺だって考えたんだよ、考えた結果。憲兵で上に昇りつめて、この世界を中から変えようと思ったんだ!」


    ジャン「はっ、失望したぞエレン。お前は信念を貫き通す奴だと思っていたが、飛んだ思い違いだったようだなぁ?」


    エレン「はぁ?ふざけんな、何の目的もないが内地でのうのうと暮らしたいとか言ってる奴とは根っこから違うんだよ!」


    ジャン「うるせぇ…立てよ!」


    エレン「あ?やろうってのか?」ガタッ


    「おおおお!!!久しぶりに始まるぞ!!!」
    「俺はエレンにかけるぞ、お前は!?」
    「俺は…ミカサで!」


    アニ「…(全く、何やってんだか…)」


    ジャンエレ「おらぁ!」バキッ


    「やれやれ!!!」
    「おいおい、そのへんにしとけよー」
    「忘れたのか?今年の対人格闘の成績はエレンがトップなんだぞ?」
  67. 67 : : 2017/07/29(土) 04:24:29
    エレン「ふん!」バキッ

    ジャン「いってぇなぁ!!」バキッ


    エレン「ふ…ふはは…あははは」


    ジャン「何、笑ってんだよ、気持ち悪ぃ。」


    エレン「いや、楽しいなって思ってさ!」ゴツンッ


    ジャン「ってぇ!頭突きはなしだろ!!」


    エレン「はぁ?無しとかねーだろ、そもそもルールなんて決めてねぇんだから!」スッ


    アニ「!(あの構えは…成長の見どころだね。)」


    ジャン「はっ…やってやらぁ!」ダッ


    ジャン「おらぁ!」ブンッ


    エレン「甘いんだよッ!」シュッ


    スパァーン


    ジャン「っ〜〜〜!!!」ズキズキ


    アニ「!」


    エレン「俺の勝ちだ、ジャン。」


    「おおおお!!!!!」
    「エレンの快勝だぞ!」
    「なんだ今の蹴り、1発でジャンを仕留めやがった!!!」


    アニ「…(完璧だったね、今の。)」


    エレン「!」フリフリ


    アニ「…(心配しなくても、ちゃんと見てたさ。)」フリフリ


    ミーナ「おやおや?こんな所からでもイチャイチャしてるのかな?」ニヤニヤ


    アニ「ばっ…そんなんじゃない!///」


    ミーナ「またまたぁ。彼氏が勝って素直に嬉しいって言えばいいのに。」ニヤニヤ


    アニ「違うって言ってんでしょ!///」キッ


    ミーナ「おー怖い怖い」ニヤニヤ


    アニ「ふん///」
  68. 68 : : 2017/07/29(土) 04:44:51
    ー壁の上ー


    エレン「これが終われば、本当に終わりなんだな。」


    ミーナ「エレンはアニと同じとこ行くんでしょ?」


    エレン「まあ、そうだな。」


    ミーナ「エレンはアニに合わせて憲兵に行こうと思ったの?」


    エレン「いや、そういう訳じゃなくて、元々憲兵も視野に入れてたんだ。勉強もしやすいからな。」


    ミーナ「勉強かぁ、もうしたくないや。」アハハ


    トーマス「ミーナは何にもしてなかったろ。」


    ミーナ「え、そんなことない!」


    ミリウス「おいおい、さっさとこれを終わらせようぜ。」


    ナック「そうだな。」


    エレン「はは。俺は憲兵志望だからこんなこと、いう資格もねぇのかもしれねぇが」


    エレン「ここから、人類の反撃が始まるんだな。」


    ピカッ


    ドゴォォォォォォォォォン


    超大型巨人「…」


    班員「は…?」


    ブワッ


    班員「うわぁ!」


    超大型巨人「…」ヒュッ


    ドゴォォォォォォォォォン


    エレン「まずい…壁に穴を開けられた。おい、全員、立体機動に移れ!!こいつを狩ったやつは、スピード出世間違いなしだぞ!」パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    ミーナ「スピード出世かぁ。」


    ミリウス「いいね、それ。」


    ナック「よっしゃあ!」
  69. 69 : : 2017/07/29(土) 04:50:32
    クルッ ダァン


    超大型巨人「…」ジト


    エレン「よう…五年ぶりだな。」


    超大型巨人「…」ブンッ


    ズガガガガガガガ


    エレン「はっ、図体がでかい代わりに動きは遅いのか?(こいつ、わざと大砲を狙ったのか?)」パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    超大型巨人「…」ブンッ


    エレン「鈍いんだよ!!!」パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    エレン「貰った!!!」ブンッ


    超大型巨人「…」フシューーーー


    エレン「うあっ…熱っ…!?」


    エレン「くそが…おらぁ!!!!」ブンッ


    スカッ


    エレン「な…」


    ミーナ「エレン、やったの!?」


    ナックミリ「やったのか、エレン!!」


    エレン「いや…まあいい。(今、消えたような…)」


    エレン「壁に穴を開けられた、巨人が入ってくるぞ。」


    ミーナ「巨人が…」


    ナック「くそ、まじかよ…」


    エレン「何弱気になってんだ、さっきも言ったろ。今巨人を多く殺せばスピード出世間違いなしだ。」


    ミリウス「はは。そうだな。」


    エレン「さあ、行くぞ、俺達の初陣だ。」グッ


    ミーナナックミリ「おー!!!!!」


    パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ
  70. 70 : : 2017/07/29(土) 04:57:08
    巨人「…」バクンッ


    トーマス「う…」


    エレン「トーマス!!」パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    ミーナ「エレン、危ない!!」


    巨人「…」ピョンッ


    エレン「え…?」


    巨人「…」バクンッ


    エレン「う…(くそ、足を食われた。他の奴らは…!?)」


    ミーナ「うあ…やめて…来ないで…!」


    巨人「…」ヒョイッ パクッ モチャモチャ


    ナック「…」ダラーン


    ミリウス「…」ピク…ピク…


    エレン「くそ…!あれは…アルミン、か?」


    アルミン「あ…あ…(ああ、僕は、ここで死ぬのか、一緒に海を見ようって言ってたのに、ごめんね、エレン。僕の夢は叶わなかったよ。)」


    巨人「…」ガシッ


    アルミン「うわぁぁぁ!!!!」ズルッ


    「ばーか…諦めてんじゃねぇよ。」ガシッ


    アルミン「エレ、ン…?」


    エレン「アニに、約束、守れなくてごめんって伝えておいてくれ。」ニコ ブンッ


    アルミン「うっ…エレン!!!」バッ


    巨人「…」バクンッ


    アルミン「うわぁぁぁ!!!!!!!」
  71. 71 : : 2017/07/29(土) 11:56:56
    ーーーーーーーーーーーーーーー


    ミカサ「アルミン!」タッタッ


    アルミン「!(ミカサ…合わせる顔がない…僕なんかが無駄に生き残ったんだ…こんな事なら、あの時一緒に死ねばよかった…)」グスッ


    ミカサ「アルミン、大丈夫?怪我はない?」


    アルミン「…」コクリ


    ミカサ「…」ホッ


    ミカサ「エレンはどこ?アルミン…?」


    アルミン「…」バッ


    ミカサ「!」


    アルミン「…僕達…訓練兵34班…トーマス・ワグナー…ナック・ディアス…ミリウス・ゼルムスキー…ミーナ・カロライナ…エレン・イェーガー…!!」


    アルミン「以上5名は、自分の使命を全うし…壮絶な戦士を遂げました…!!」


    「34班はほぼ全滅か…」
    「まともにやり合えば俺達もそうなるぞ。」


    ライナー「アニ…?」


    アルミン「…ごめん、ミカサ、アニ。エレンは…僕の、身代わりに…」グスッ


    アルミン「僕はッ…何も出来なかったッ…!」


    ミカサ「落ち着いて、アルミン。今は感傷的になっている場合ではない。」スッ


    アルミン「え…?」


    ミカサ「マルコ、本部に群がる巨人を排除できれば、ガスは補給できる。違わない?」


    マルコ「そ、そうだけど…」
  72. 72 : : 2017/07/29(土) 12:12:38
    マルコ「でも、いくらお前がいても、あれだけの数は…」


    ミカサ「出来る。私は、強い。貴方達より、強い。凄く強い。ので、私はあそこの巨人共を蹴散らすことが出来る。」


    ミカサ「一人だとしても、貴方達は腕が立たないばかりか、臆病で腰抜けだ。とても残念だ。ここで指を咥えていればいい。咥えて見てろ。」


    「ちょっと、ミカサ!いきなり何を言い出すの?」
    「あの数の巨人を、一人で相手にするつもりか!?」
    「そんな事、出来る訳が…!」


    ミカサ「出来なければ、死ぬだけ。」


    ミカサ「でも、勝てば生きる。」


    ミカサ「戦わなければ、勝てない。」パシュ


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    「!おい!!!!」


    ジャン「残念なのはお前の語彙力だ…あれで発破かけたつもりかよ。てめぇのせいだぞ、エレン…!」


    ジャン「おい!俺達は仲間に、一人で戦わせると学んだか!?お前らは本当に腰抜けになっちまうぞ!」ダッ


    ライナー「…そいつは心外だな。」スタスタ


    マルコ「…はぁ…」


    サシャ「やい、腰抜け!!弱虫、あほー!!」ダッ


    「畜生…やってやるよ…」


    「うおおおおおお!!!!!!!!!!」
  73. 73 : : 2017/07/29(土) 12:21:49
    ミカサ「…」ザシュ ズバァッ ズバババ


    「なんだあの動き…」
    「何であんなに巨人を狩れるんだよ…!」


    アルミン「…(いや…ガスを使い過ぎてる、あれじゃすぐに無くなる…!)」


    ミカサ「…」プスッ プスッ


    アルミン「!ミカサ!!」パシュ シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    ミカサ「…」ダンッゴロゴロ


    ミカサ「…(ああ、ここで死ぬのか…良い、人生だった。)」


    ミカサ…戦え…!


    ミカサ「誰…?」


    戦うんだよ、ミカサ!


    ミカサ「エレン…?」


    戦わなければ、勝てない…!!


    ミカサ「…そうだ…たたかわないと。それがエレンの望みだから。」ザッ


    巨人「…」ドシーン


    ミカサ「はぁぁぁ!!!!!」


    謎の巨人「…」ドゴッ


    ミカサ「え…」


    アルミン「ミカサ!」ガシッ シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    ミカサ「アルミン、あの巨人は…?」


    アルミン「僕にも分からない、けど、僕らを攻撃する様子はない。」


    謎の巨人「…」ドシャッ


    巨人「…」シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    コニー「おい、見ろよ。弱点まで知って潰したぞ。」


    アルミン「知性があるということなのか…?格闘術だって、心得ているみたいだし。」
  74. 74 : : 2017/07/29(土) 12:26:26
    ーーーーーーーーーーーーーーー


    謎の巨人「…」スッ


    アニ「!(あの、構えは…)」


    巨人「…」ダッ


    謎の巨人「…」シュッ ドゴッ


    スパァーン


    巨人「…」シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    アニ「…(嘘だ…そんなはず、無い…)」


    謎の巨人「…」バタッ


    コニー「力尽きたみてぇだな。」


    謎の巨人「…」シュゥゥゥゥゥゥゥゥ


    ミカサ「!」シュッ タッタッ


    アルミン「あれは…!」


    アニ「…(何で、あんたなんだよ…)」


    ライナー「…ベル」ボソッ


    ベル「…何も言わない方がいい。」ボソッ


    エレン「…」


    ギュッ


    ミカサ「うわああああん…」グスッ
  75. 75 : : 2017/07/29(土) 12:36:09
    トロスト地区で岩を埋めることに成功した
    エレンらは仲間の弔いに集っていた。


    ジャン「マルコ…」グスッ


    アニ「…」


    ライナー「…」


    ベル「…」


    エレン「…」


    アルミン「…」


    ミカサ「…」


    サシャ「…」


    コニー「…」


    ジャン「おい、お前ら、俺は決めたぞ。」


    ジャン「俺は、調査兵団へ行く。」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「…アニ、ちょっといいか。」


    アニ「あんた、本当に死んだと思ったんだ。死に急ぐのも程々にして欲しいよ。」


    エレン「悪かった。」


    アニ「何だい、気が利かないね。こういう時はいつもみたいに冗談いう時じゃないのかい。」


    エレン「結婚、してくれ。」


    アニ「…は?」


    アニ「い、いや、冗談言えって言ったからって言っていいことと悪いことくらい…」


    エレン「…本気だ。まあ、そうは言っても今すぐにとかじゃない。俺、これから身元について裁判にかけられることになっててさ、憲兵団を希望するつもりではいるんだが、調査兵団の方が優勢な気がするんだ。だから、その…「いいよ。」


    エレン「え…?」


    アニ「だから、良いって言ったんだ。(その方が油断が生まれる。)」


    エレン「本気…か?」


    アニ「…何度も言わせないでくれるかい。」


    エレン「はは、やった…夢じゃないよな、これ。」


    アニ「ふんっ。」ゲシッ


    エレン「痛っ!ってことは、夢じゃない。よっしゃぁ!」


    アニ「…蹴られて喜ぶとか、変な奴だね。」


    エレン「はは。もう少ししたら、この前見てたような指輪、きっと渡すから。」


    アニ「今度は私が待つ番だね。遅かったら目移りするかもよ?」


    エレン「え、それはダメ。」


    アニ「ふん、せいぜい頑張るんだね。」


    エレン「おう!」
  76. 76 : : 2017/07/29(土) 12:44:30
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    悪い予感は的中したようで、俺は調査兵団に身元を置くことになった。そして、時は来た。


    エレン「女型の巨人が…アニ…だと?アルミン、お前、憶測で言ってるんなら殺すぞ。」ギロッ


    アルミン「…エレン、残念だけど確証も確信もあるんだ。」


    エレン「は?」


    アルミン「…」スッ


    エレン「これ…ペンダント…?」


    アルミン「…」コクリ


    アルミン「エレンも同じの持ってるでしょ。ペアで買ったもんね、アニと。合わせてみてよ。」


    エレン「…出来ない。」


    アルミン「どうして、エレン。」


    ミカサ「エレン。」


    エレン「出来ない…無理だ。」


    リヴァイ「いい加減にしやがれ。」ダンッ


    エレン「うっ…ぐ…」


    リヴァイ「おい、誰かこいつのペンダントを取れ。」ギチギチ


    エレン「ミカサ…止め…!」


    ミカサ「ごめん、エレン。」スッ


    カチッ


    アルミン「エルヴィン団長。一致しました。」


    エルヴィン「決まりだな、明日、決行する。」


    エレン「まだ、アニって決まった訳じゃないじゃないですか…!!」


    アルミン「エレン!僕らだって辛いんだよ。」


    エレン「うるせぇ、お前には分からねぇよ!」


    アルミン「っ…」


    リヴァイ「どうでもいいが、決行するなら作戦の再確認を始めるぞ。」スッ
  77. 77 : : 2017/07/29(土) 12:51:42
    アルミン「この地下へと誘導し〜〜」ペラペラ

    ーーーーーーーーーーーーーーー


    ハンジ「ねぇミカサ、エレンとアニってどういう関係なの?」


    ミカサ「…訓練兵の時、よく、格闘訓練をしていました。」


    ハンジ「それだけ?何か深いわけがないとあそこまで抵抗しないと思うんだけどなぁ…」ウーン


    リヴァイ「…」


    ハンジ「あ、恋人同士とか!?」


    ミカサ「いえ…その…」


    ハンジ「?」


    ミカサ「婚約者、です。」


    ハンジ「え、婚約?婚約って、結婚するってこと…?」


    ミカサ「はい。」


    ハンジ「…辛いだろうね。」


    ミカサ「…私には、分かりません。けど、大切な人を失う気持ちはわかります。」


    リヴァイ「エレンとそいつがどういう関係かは知らねぇが、俺の仲間が殺されてんだ。手を抜いたらお前らから殺す。」


    ミカサ「…分かってます。」


    ーーーーーーーーーーーーーーー


    エレン「くそっ…どうにかして逃がさねぇと…(どうやれば調査兵団を出し抜ける…?)」ギリッ


    アルミン「…エレン、僕も手伝うよ。」


    エレン「っ…お前、どうして…!」


    アルミン「さっきはごめん、でも、こうするしか無かったんだ。」


    エレン「…どういう事だ?」
  78. 78 : : 2017/07/29(土) 12:57:32
    アルミン「明日、作戦を決行させる。僕らはそれの作成に携えるわけだから、味方の位置は分かるし、それに、いざと言う時の逃げ道だって作れる。」


    エレン「…」


    アルミン「エレン、明日、僕に賭けてみるつもりは無いかい?」


    エレン「…そんな事で、俺が乗ると思ってるのか…?」


    アルミン「それだとアニが死ぬだけだよ。」


    エレン「く…汚いぞ、お前…!」ギリッ


    アルミン「明日の朝までには決めておいてよ。そうじゃないと、準備が間に合わないから。」


    ガチャ


    バタン


    エレン「…」


    エレン「クソ野郎が!!!!!」ダンッ!!


    エレン「…どうすりゃいいんだ…」


    エレン「ペトラさん、グンタさん、オルオさん、エルドさん…俺が裏切ったら…あなた方を殺したやつの為に裏切ったら、怒りますよね…?」


    エレン「…でも、恨まれてもいいって、死んでも…守りたい人なんです。」


    エレン「…言い訳にしか、聞こえませんよね。ごめんなさい。こんな新兵で、ごめんなさい…」グスッ


    ミカサ「…エレン、私も協力しよう。」
  79. 79 : : 2017/07/29(土) 13:03:22
    エレン「ミカサ…!?(今の、聞かれてたのか…)」


    ミカサ「私は、アニが嫌い。何かあればすぐ当たってくるし、そもそも、エレンに近づいたのが許せない。けど、私は、エレンの力になりたい。エレンが悲しむのをもう、見たくない。」


    エレン「…ミカサ。」


    ミカサ「ので、私はエレンに協力しよう。小さな力かもしれないが、上手く使って欲しい。」


    エレン「ありがとう…ミカサ…うっ…うう…」グスッ


    ミカサ「…好きなだけ泣くといい。」ポンポン


    ミカサ「それと、さっきはごめん。これ、ペンダント。」スッ


    エレン「ああ、ありがとう。」


    ミカサ「…明日の作戦、決行を無くすことはもう難しい。」


    エレン「…分かってる。」


    ミカサ「どうするつもり?」


    エレン「…アルミンを、信じてみる。」


    ミカサ「!それは…」


    ガチャ


    アルミン「あれ、ミカサも居たんだ?」


    ミカサ「ああ、アルミン。」


    エレン「…」


    アルミン「どうしたの、エレン、怖い顔して。」


    ミカサ「…私は先に部屋に戻る。」スタスタ


    アルミン「うん、おやすみ。」
  80. 80 : : 2017/07/29(土) 13:11:05
    エレン「…」


    アルミン「ふふ、さっき言ったこと、まだ気にしてるの?」


    エレン「…」


    アルミン「はは、ジョークじゃないか。好きだろう?君。」


    エレン「ジョークにしてはやけにリアルだったが。」


    アルミン「…エレン、ミカサを巻き込まないでもらえるかな。あくまで君とアニのいざこざってことで事を収めたいんだ。」


    エレン「てめぇは、どこまでも…!」グイッ


    アルミン「鬼に金棒って言葉を知っているかい?」


    エレン「…何だそりゃ。」


    アルミン「元々強い人をさらに強くすることさ。」


    エレン「それが何だってんだ。」


    アルミン「僕は昔から、君が嫌いだったんだよ。君が巨人に食われた時はミカサになんて言われるかって焦ったけどさ、悲しくはならなかった。」


    アルミン「君が憎い。憎くて仕方ない。はは、君は僕をクズなんて罵るんだろうね。けど、それが何だ。何かを得るために何かを犠牲にする。それが僕のポリシーなんだよ。」


    エレン「…気持ち悪いよ、お前。」パッ


    アルミン「まあ、せいぜい明日を楽しみにしておきなよ。特等席を用意してあげる。」スタスタ


    ボフッ


    エレン「〜〜〜〜〜!!!!!」


    枕に顔を埋め、放った一言は断末魔のようだった。
  81. 81 : : 2017/07/29(土) 13:31:15
    アルミン「エルヴィン団長。例の件、始まりましたら赤い信煙弾で。」


    エルヴィン「ああ。」


    アルミン「では、失礼します。」ガチャ バタン


    リヴァイ「…あいつは、親友じゃなかったのか。」


    エルヴィン「友情より、我を選んだんだろう。」


    リヴァイ「気の毒だな。」


    エルヴィン「アルミンか?」


    リヴァイ「エレンだ。」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーー


    アルミン「さあ、アニ、こっちへ来てくれ。」


    アニ「…そっちには行けない。暗くて狭いところが苦手なんだ。」


    エレン「なぁアルミン、もういいだろ…!?」


    ミカサ「…」シャッ


    エレアニアル「!」


    アルミン「…ミカサ、何のつもりだい?僕に刃を向けるってことは…」


    ミカサ「ええ、分かってる。これは反逆罪に当たる。」


    アニ「…(どういう…こと?)」


    エレン「アニ、頼む。俺を信じて、こっちへ来てくれ。」


    ミカサ「アニ、心配しなくていい。私はエレンの味方。」


    アルミン「心外だなぁ、僕だってエレンの味方さ。」


    エレン「お前は黙れ。アニ、ゆっくりでいい。こっちへ。」スッ


    アニ「…どうせ死ぬんだ。信じるよ。あんたの事。」スタスタ


    待機組「!?」


    アルミン「アニ、最後に聞きたいことがあるんだけど、どうしてわざとペンダントを落としたりしたの?」


    エレン「わざと…?」


    ミカサ「アルミン、黙って。」


    アニ「わざとじゃないさ。」


    アルミン「狡猾な君がそんな事をするとは僕には到底、思えないんだ。本当は気付いて欲しかったんでしょ。助けて欲しかったんじゃないの?」
  82. 82 : : 2017/07/29(土) 13:39:27
    アルミン「ねぇアニ、違うなら違うっていいなよ。君は殺されることでの救済を望んだんでしょ?だから僕はそれに応えようとしているんだ。ねぇ、教えてよ。」


    エレン「アニ、耳を貸すな。行くぞ。」ギュッ タッタッ


    アニ「…ありがとう。」タッタッ


    アルミン「はぁ…結局聞けず終いか。」


    ミカサ「…」カシャン


    アルミン「…」パシュ


    ミカサ「アルミン、何を…!」スッ


    アルミン「ミカサ、君は僕やエレンが相手だといつも詰めが甘いんだ。」


    リヴァイ「…」ダンッ


    ミカサ「う…離、せ、クソチビ…!」


    アルミン「そこで大人しくしててよ。僕は地上にいる人に指示を仰がなきゃならない。」タッタッ


    ミカサ「アルミン…どうして…私達は親友じゃなかったの…?」


    アルミン「だからだよ。」クルッ


    ミカサ「え…?」


    アルミン「君には、一生かけても理解出来ないさ。」タッタッ


    ミカサ「アルミン!!!」


    アルミン「ここはリヴァイ兵士長が抑えるとすると、エレン達はもう一つの方から出てくるはずです。そちらに総動員で配備して下さい。念のため、待機班の人はここに居てください。では、何かあれば緑色をお願いします。」


    「了解!」
  83. 83 : : 2017/07/29(土) 13:50:36
    ーーーーーーーーーーーーーーー


    タッタッ


    エレン「なぁ、覚えてるか?初めての対人格闘でも、こうやって走ったよな。」


    アニ「あれはあんたのせいさ。あんたがずっと話してくるから。」


    エレン「そうは言ってもアニだって答えてたろ?」


    アニ「まあ、そうだけどさ。そう言えば、あんた、体力ついたんだね。」


    エレン「おう、見ての通りだ!」


    アニ「そっか。」


    エレン「それだけ!?」


    アニ「っさいなぁ、別にいいじゃないか。」


    エレン「あーあ、指輪頼んだのにな。」


    アニ「えっ…誰に?」


    エレン「誰って…店?」


    アニ「そう、なんだ…」


    エレン「あ、悪い。自分で選びたかったとかそういう事か?」


    アニ「いや、受け取れないと思うと悲しくなってね。」グスッ


    エレン「弱気になるなって、まだチャンスはきっとある。」


    アニ「分が悪すぎるよ。あのツーブロックのチビには完敗だったし。」


    エレン「リヴァイ兵長はすげぇからな。」


    アニ「はは、あんた、良いところに行ったんだね。安心した。」


    エレン「お前は俺の親かよ。」


    アニ「ふふ、もしそうだったらどうなってたのかな。」


    エレン「お前みたいなかーちゃん嫌だよ、怖いし。」


    アニ「…」イラッ


    アニ「あんた、本当にそういうデリカシーのないところは変わんないんだね。」
  84. 84 : : 2017/07/29(土) 13:58:20
    エレン「あははは…」ポリポリ


    アニ「…そうだ。指輪といえば…これ、あげるよ。」スッ


    エレン「これ、大切な物じゃないのか?」


    アニ「私にはもう必要ないから、これを頼んだって言う、指輪の代わりにしよう。」スッ


    アニ「あれ、あんた意外と指細いんだね、すぐ入ったよ。」


    エレン「…」


    アニ「何だい。ジロジロと。」


    エレン「いや、何か逆だなと思って。」


    アニ「あんたって、前時代的でもあるよね。」


    エレン「うるせぇ///」


    アニ「…私達、さ。出会った時代が違ったら、上手くいってたのかな。」


    エレン「は?行く訳ねぇだろ。もし巨人居なかったら訓練兵も無いだろうし、お前に蹴られることも、蹴りを習おうとも、まして診療に行こうとも思ってないかもしれない。」


    アニ「…ちょっとくらい賛成してくれてもいいじゃないか。」ボソッ


    エレン「でも、上手く行かなくても、こいつと一緒にいたいって思える様な人にはなってるかもな。」


    アニ「どういうことだい。」


    エレン「精神的な話かな。」


    アニ「…そうかい。」


    エレン「光だ。そろそろ出るぞ。」


    アニ「ねぇ、エレン…」


    エレン「どうした?」


    アニ「いつまでも、待ってるから。あんたがいくつになろうとね。」


    エレン「…待ってろ、すぐに迎えにいくからよ。」
  85. 85 : : 2017/07/29(土) 14:18:17
    ジャン「頼む。お前ら、手荒な事はしたくないんだ。大人しく投降してくれ。」


    エレン「悪いなジャン。それは、出来ない。」バッ


    ジャン「お前ってやつは…!!!!どこまでもミカサを連れていくんじゃねぇよ!てめぇの事だろ、てめぇ一人でやれ!!」


    エレン「…ミカサには、悪いと思ってる。」


    ジャン「そう思ってるなら初めからやるんじゃねぇよ。」


    エレン「…悪い。」


    アニ「…エレン、もういいさ。」スタスタ


    エレン「アニ…?ダメだ、行くな。」


    アニ「あんたと出会って数年だったけど、初めて会った時から、この気持ちは変わってないんだ。だから、何十年後も、何百年後だって変わっていない自信はあるよ。」


    エレン「何が言いたいんだよ…?」


    アニ「希望を捨てるな!私に夢を教えたのは、あんただろう?」


    アニ「なんて、らしくないか。」ニコ


    ジャン「アニ、ありがとな。連れて行ってください。」


    エレン「アニ、待てよ…まだ、話したいことが沢山あるんだよ、結婚して、二人で家庭を作りたかった…」グスッ


    アニ「ごめん、エレン。」グスッ


    エレン「待ってくれ…アニ…!!」ダッ


    ジャン「!おい、エレンを抑えろ!」ダンッ


    サシャ「ごめんなさいエレン、少しだけ大人しくしててください。」ガシッ


    コニー「悪いな、エレン。」ガシッ


    エレン「う…くそ…待って…アニイイイイ!!!!」
  86. 86 : : 2017/07/29(土) 14:42:42
    ーーーーーーーーーーーーー

    アニへの懲罰は、無論、死刑。
    方法は斬首。
    そして、エレンへの懲罰はその執行だった。


    アニ「…あんに殺されるなら、別に構わないよ。」


    エレン「何を馬鹿な事言ってるんだ。お前は生きなきゃならねぇ。」


    調査兵A「さっさとその反逆者を殺せ!!」
    調査兵B「そうだそうだ!!」


    エルヴィン「静まれ!!!」


    リヴァイ「最後くらい、静かに出来ねぇか。てめぇらは。」


    エレン「兵長、ありがとうございます。」


    アニ「…エレン、私さ、本当に楽しかったんだ。今まで。」


    エレン「俺もだよ。」


    アニ「良かった。」ニコ


    エレン「…」


    チュッ


    アニ「ん…乙女のファーストキスをこんな大衆の場でやるなんて、デリカシー無いなんて域を超えてるよ、あんた///」


    エレン「これからは、気をつけるさ。」


    アニ「約束だよ。」


    エレン「ああ、じゃあ。いいか?」


    アニ「うん。エレン。」


    エレン「アニ。」


    エレアニ「来世で、会おう。」


    エレン「…」ズバッ


    ゴロンッ


    エレン「…守れなくて、ごめん。すぐに、行くから。」ギュッ


    ジャン「…死んだ…のか?」


    アルミン「項ごと切ったからね。あれで生きてたらびっくりだよ。」


    ミカサ「何でそんなに冷静でいられるの…?」


    アルミン「僕は自分の行動に迷いがないからね。僕はこれを正しいと思っている。」


    ジャン「お前、おかしいよ。」


    アルミン「そうかな。」


    ミカサ「…」


    エルヴィン「行くぞ。」


    リヴァイ「…ああ。」
  87. 87 : : 2017/07/29(土) 17:46:51
    ー地下ー


    エレン「アニ、俺もずっと、楽しかったんだ。すぐに、行くから。」ザシュッ


    リヴァイ「!おい、エレン!!(こいつ、わざと項から掻っ切りやがった。)」


    リヴァイ「おい、誰か!誰かいないか!!!」


    ミカサ「はい…何事ですか。」


    ミカサ「!エレン!!どうして、こんな…」


    リヴァイ「いいから医療班を呼んでこい!!」


    ミカサ「は、はい!」ダッ


    リヴァイ「何でお前まで死のうとするんだよ。クソが…」


    ミカサ「こっちです!速く!!」


    「これは…」


    ミカサ「何してるんですか、早く、治療を始めて下さい!」


    「申し訳ないけど、もう、手遅れだ。」


    ミカサ「まだ分からない…!!エレンは、エレンは…!!」


    リヴァイ「…ミカサ、エルヴィンに知らせて来い。」


    ミカサ「まだエレンは!」


    リヴァイ「現実を見ろ。そして、お前は今何をするべきか考えろ。」


    ミカサ「エレンは…生きてる…」ダッ


    「リヴァイ兵士長、どうなさいますか?」


    リヴァイ「…後は俺がやっておく。」


    「では、失礼します。」ペコリ
  88. 88 : : 2017/07/29(土) 17:57:13
    エルヴィン「リヴァイ!」


    リヴァイ「来たか、エルヴィン。」


    エルヴィン「…本当に死んだのか。」


    リヴァイ「それだけあの女の存在がでかかったんだろ。」


    エルヴィン「それだけじゃない。最も信頼していた友に裏切られた事が、エレンを精神的に追い詰めたんだろう。」


    リヴァイ「…本当に気の毒だな、こいつは。」


    アルミン「でも、まさか死ぬなんて。」


    ミカサ「アルミン…!あなたは…!」


    アルミン「僕は何か間違ったことをした?調査兵団として、一人の兵士として行動しただけさ。」


    ミカサ「エレンは、あなたのせいで…反省はしている?」


    アルミン「反省…?何で、僕が。悲しいとは思っているよ、昔からの知り合いが死んだんだからね。」


    ミカサ「あなたにとって、エレンは唯の昔からの知り合いだったんだ。」


    アルミン「僕は、人類の勝利を第一に考えただけだよ。」


    ミカサ「…エレンは、憲兵団に行きたかった。エレンは、医者になりたかった。でも、その二つともが上手くいかなくて、それでもエレンなりに奔走してた。ずっと千切れそうな糸を繋ぎ留めていたのがアニだった。それが分かってたから、エレンの最後の望みだって、分かってたから私は…!」


    アルミン「僕は…」


    ミカサ「僕は僕はって、今はアルミンの話をしてるんじゃなくて、エレンの話をしてるの、アルミン。エレンを見て。」
  89. 89 : : 2017/07/29(土) 21:56:48
    アルミン「エレンは、死んだよ。」


    ミカサ「逃げないで。」


    アルミン「死んだ人間は、もう二度と蘇らない。弔いなんて、無駄なだけさ。」


    ミカサ「アルミン!!」


    アルミン「!」ビクッ


    アルミン「きゅ、急に大声を出したらびっくりするじゃないか。」


    ミカサ「アルミン、あなただって分かっているはず。自分が取り返しのつかないことをしたということを。」


    アルミン「違う。」


    ミカサ「始めに本当にちょっとした冗談のつもりだったんでしょ?」


    アルミン「違う。」


    ミカサ「アルミンはエレンが自殺するってことにまで、考えが至らなかった。そうでしょ?」


    アルミン「違う…!」


    ミカサ「確かにあなたは組織として良い選択をしたと思う。けれど、友人としては0点だ。いや、それより低い。」


    アルミン「違う、違う、違う違う違う!!!僕は正しいんだ。君達とは違うんだ…!」


    ミカサ「アルミン、今ならまだ、やり直せる。私はアルミンの暴走を止められなかった責任がある。私と、やり直そう。もう一度。」スッ


    アルミン「僕はもう戻れない。親友を死に誘導しておいて、そんな風にのうのうと生きられないよ…」


    ジャン「おい、金髪クソキノコ。てめぇさっきから聞いてりゃ自分の事ばっかじゃねぇか、ミカサはずっとお前の事を思って話して、お前は自己防衛か?はっ…不公平すぎんだろ。」


    アルミン「ぼ、僕は…キノコじゃない!」
  90. 90 : : 2017/07/29(土) 22:04:05
    ジャン「は?土から生えてて、動きはしない。まさにお前だろ。安全な場所から全く動かない。むしろ自然のキノコの方が勇敢だぞ。」


    ミカサ「ジャン、もう、その辺に…」


    アルミン「ジャン…!君ってやつは…!」ブンッ


    パシッ


    ジャン「やる気あんじゃねぇか、だがな、パンチってのはこうやるんだぞ。おらぁ!」バキッ


    アルミン「っ〜!痛いじゃないか!!」


    ジャン「エレンはもっと痛かったろうな。」


    アルミン「…」


    ミカサ「…アルミン、エレンの、お墓を作ろう。」


    アルミン「…そのつもりだよ。」


    ミカサ「二人が信じてたように、きっと、来世では上手く行くように願って。」


    アルミン「うん。」グズッ


    ジャン「よし、そうと決まれば104期集められるだけ集めてやるしかねぇわな。」


    アルミン「エレンは、喜ぶだろうけど…」


    ミカサ「アニは、どうだろうか。一人でいた方が楽っていつも言ってるから。」


    アルミン「エレンは別って聞いたことあるよ。」


    アルミン「二人のお墓は、きっと、隣に。」


    ミカサ「うん。あの丘の上に。」
  91. 91 : : 2017/07/29(土) 22:15:17
    ーーーーーーーーーーーーーーー

    〜丘の上〜


    ミカサ「エレン、アニ、お疲れ様。こんなお墓でごめん。エルヴィン団長に掛け合ってみたんだけど、世間的には反逆者だから、大きな墓は作れないって言われて。」


    アルミン「…エレン、僕を許さなくていいよ。どうかしていたとはいえ、やったのは僕自身だ。君の幸せを、心から祝福できなかった。ごめんなさい、エレン。」


    ジャン「はっ、死に急ぎ野郎が本当に死ぬとはな。まだ実感湧かねぇぞ。なぁ、もうお前と殴り合えねぇのかよ…う…お前と喧嘩してる時な、何かよく分かんねぇけど、楽しかったんだ…なぁ、エレン。いつか、俺もそっち行くだろうから、そん時はまた相手してくれや。」


    ミカサ「エレン、指輪。貰っておいたよ。」


    ミカサ「アニが羨ましい。私がエレンからもらいたかった。けど、この指輪、裏に名前が掘ってあるから、そうもいかない。」シュン


    ミカサ「このペンダントも、アニ達が付けてるの見てたら、勝ち目がないような気がして。私ももう少しアタックしたら良かったかな。」


    ジャン「一緒に置いとくぞ。花冠だ。」スッ


    アルミン「…」テアワセ


    ミカサ「…」テアワセ


    ジャン「…」テアワセ


    ジャン「よし、行くか。」


    ミカサ「ええ。」


    ビュウウウウウウウウウウウ


    ミカサ「!」


    アルミン「わっ…!?」


    ジャン「飛んでいっちまったな、花冠。」


    ミカサ「エレン達には、必要なかったのかもしれない。」


    アルミン「ミカサとジャンに、ありがとうって言ってるのかもよ。」


    ジャン「いつかお前らも仲直りしねぇとな。」


    アルミン「うん!」


    ジャン「そう言えば、指輪の裏には何て書かれてたんだ?」


    ミカサ「確か…」


    《アニ・レオンハートに永遠の愛を。》
  92. 92 : : 2017/07/29(土) 22:15:38








    ~fin~









  93. 93 : : 2017/07/29(土) 22:16:22
    とりあえず終わりです。
    続き(かどうかわかりませんが)現パロ的な感じの書きたいと思ってます。
    もし宜しければ、お付き合いください。m(_ _)m
  94. 94 : : 2017/07/31(月) 19:02:06
    泣いた。感動した。
  95. 95 : : 2017/08/07(月) 21:42:44
    泣ける。
  96. 96 : : 2017/12/14(木) 19:39:10
    なっ涙が(´;Д;`)
  97. 97 : : 2018/08/14(火) 01:38:52
    最後感激したわ(泣)
  98. 98 : : 2018/08/14(火) 01:39:12
    永遠の愛か…最高だな!
  99. 99 : : 2020/10/06(火) 13:58:54
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
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    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

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    http://www.ssnote.net/archives/84057

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    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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haru

しき

@haru

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