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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

Re:ゼロから始める学園生活【ダンロン×リゼロ】

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  1. 1 : : 2016/12/24(土) 14:01:26
    あてんしょん

    ・2作目のダンロンクロス作品。今回はダンガンロンパ×Re:ゼロから始める異世界生活のクロス作品です。

    ・リゼロはアニメ見ただけのにわかです。レムりん可愛かったです。

    ・今回も主軸がダンロンなんで、カテゴリはダンロンのみとさせてもらいます。

    ・好きなキャラの贔屓感が半端ないです。

    ・キャラ崩壊

    ・更新遅

    ・前回の作品と同じように、クロス先のキャラに似せたダンロンキャラが出てくる可能性はありますが、リゼロにいるキャラ自体は出てこないはずです。

    ・更新遅

    ・更新遅

    ・レムりん可愛かったです。



    それでも良ければ見ていただけると嬉しいです。



    ご感想、ご指摘などは
    http://www.ssnote.net/groups/1770/archives/6
    御手数ですが、このスレに書き込んでいただければ喜びます。







    目次
    ・chapter1 → >>2->>19
    ・chapter2 → >>27->>70
    ・chapter3 → >>71-
    ・chapter4
    ・chapter5
    ・chapter6
  2. 2 : : 2016/12/24(土) 14:02:08





    一発


    また一発


    その度に俺はゲロ吐きそうになるが、そんな暇すら、アイツは与えてくれない。


    痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い


    痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…………


    ………………_________________
















    「はっ!?」


    目が覚めると、見覚えのある天井があった。


    そっか、俺は舞園ちゃんを殺して…クロになって…


    痛くて気持ち悪いオシオキを受けて…それで…それで………


    えっ!?


    状況が整理できたと同時に、俺は寝ていたベッドから飛び起きる。


    死んだはずの俺が、生き返っている…?そんなことがあるのか…?


    いいや、そんなことあるはずがない…よな?


    なら、俺はどうしてこんなところにいるんだ…?
  3. 3 : : 2016/12/24(土) 14:02:35
    冷静になって、考えられる可能性は一つ。


    偶然にも生き残った。


    確かにバカみてぇに痛かったし、意識を失う程だったかもしれない。


    だけど、やっぱ人間の身体は丈夫で、あんな硬球数百発じゃあ死ななかった。


    だから俺は、このベッドの上で寝かされている。


    それなら全てが繋がるし納得ができる。


    ………でも、やっぱり………


    残るのは、俺が生き残った喜びなんかじゃなくて、舞園ちゃんを殺しちまった悲しみだった。


    彼女を殺しちまった俺なんかを…あいつらが受け入れてくれるのか…、いや、そもそも俺自身が、彼女を殺しちまった俺なんかに耐えられるのか…。


    潔く、オシオキで死んだ方がマシだったかもしれないな…。


    「でも、仕方なかったじゃねえか!!!」


    誰に対して言うわけでもなく、ただ必死に叫ぶ。


    「そもそもあのアマが俺を殺そうとしたのが悪いじゃねえか!!!!」


    「俺の何が悪いんだ!!!そうだ、正当防衛だ!!!俺は何も悪くねえ!!!!」


    「あのアマが、あのアマが────────」






    舞園「あのアマって、誰のことですか?」



    桑田「へっ…?」
  4. 4 : : 2016/12/24(土) 14:02:59
    桑田「あ…あ…ぎゃああああああああああああ!!!!!!」


    今度は違う意味で叫んだ。


    これこそ仕方ねえじゃねえか!誰だって、殺した女が幽霊として俺の部屋に出てきたらこええよ!!


    あぁ、呪い殺されるのかな…。


    舞園「どうしたんですか?!人を幽霊を見るような目で見て…」


    いいや!!俺は幽霊を見てんだよ!!


    変な冗談はマジで怖いからやめろよ!!


    桑田「ど、どうしてお前が生きているんだよ!?」


    舞園「…?」


    桑田「だってお前は…俺を殺そうとして…返り討ちにしたのに…………」


    と、ここで俺は、ある疑問に気付く。


    どうして俺が、こんな大声で叫んで、腕をブンブンと振って幽霊を追っ払おうとしているのだろう…という疑問に。



    そもそも、俺はあのオシオキを受けた。人間の身体が丈夫だったとしても、さすがに骨の数10本は持ってかれるはず…


    にも関わらず、俺の身体はバリバリ健康。普通に野球が出来ちゃうレベルだ。


    んで、目の前に現れた舞園ちゃんから推測できるのは…




    いや、俺に難しい話はわかんねえ。


    それより、どうして舞園ちゃんがここにいるんだ…?確かに俺は、舞園ちゃんを殺したはずなのに………

  5. 5 : : 2016/12/24(土) 14:03:20
    舞園「そんなことより…桑田くんにお願いがあるんですけど…」


    桑田「俺にか?」


    舞園「はい、桑田くんに……。」


    目の前の女は、俺にニッコリと笑う。


    こんな状況じゃなけりゃ、アイドルの笑顔なんて嬉しい限りなんだけど……


    やっぱ、裏があるようにしか思えない。


    ってか、そもそも幽霊の願いなんざ聞けねえって!それに相手が俺だ!やっぱ何されるかわかったもんじゃない!!


    桑田「………他を当たってくれ。」


    舞園「ダメなんです!」


    今度はドッと俺を押し倒す。こういうのは男として、いい意味でドキドキする展開だろうけど、今の俺は、悪い意味でドキドキしている。


    舞園「桑田くんじゃなきゃ…ダメなんです。」


    桑田「…はぁ。」


    舞園「お願い、聞いてくれますか…?」


  6. 6 : : 2016/12/24(土) 14:03:44
    桑田「素直に聞くわけねえだろ…」

    桑田「…『殺させてくれ』なんて願われて、素直に聞くやつがいるか?」


    舞園「…そんなこと願っていませんよ?」


    桑田「いいや、俺はお前に殺されかけた!覚えてねえなんて言わせねえ!あの時の夜…お前が苗木の部屋で待ち構えて、俺に向かって包丁を向けて!!」


    桑田「俺の運動神経があったからなんとか防げたけど、お前が始めたコロシアイだ!!」


    桑田「お前はあのせいで…俺がどれだけ苦しい思いをしたかも知らないんだろうなあ!!」


    桑田「硬球を何発も腹で受けて、何度もゲロりそうになった!!!お前だって、ああやって苦しんで死んでほしかった!!!!」


    桑田「お前なんて、お前なんて────────」











    あれ、おかしいな………。


    俺の身体が、俺の横にある…?


    なんで、なんで俺は………












    舞園「妄想もそれくらいにしてください。」


    舞園「おやすみなさい、桑田くん。」
  7. 7 : : 2016/12/24(土) 14:04:03




    桑田「ッ…!」


    …また、この天井か…?


    …………


    桑田「いや、今度こそおかしい!」


    そう、俺は俺の身体を見た!俺の頭と身体が離れた瞬間を見た!!!


    なのに、なんで………


    なんで俺は、生きているんだ…?



    自分の頬をつねって確認してみる。


    …夢じゃねえ。



    さっき、舞園に殺されるのが夢だったのか…?殺されるっていうトラウマを再現した夢…


    いや、夢なんかじゃねえ。あの苦しさは…あの痛みは…決して夢なんかじゃねえ…。


    だとしたら、どうして俺はここにいるんだ…?


    桑田「あんな苦しい思い…もうしたくねえよ…」











    舞園「どんな苦しい思いですか?」

  8. 8 : : 2016/12/24(土) 14:04:28
    桑田「うわあああああああああああ!!!!!!!」


    舞園「?!…何を驚いているんですか?私ですよ私、舞園です。」


    桑田「なんで…なんでお前がここにいるんだよ!!」


    舞園「えっと…来ちゃダメでしたか…?」


    桑田「どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!!」


    舞園「えっと…ちょっと悩み事があって…」


    桑田「来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな!」


    舞園「えっ、あの…」


    桑田「来るなっつってんだろぉ!!!!」





    ぐちゅ…





    聞きなれない音が鳴った。





    どこからこんな音が鳴ったんだ?





    あぁ、そうか………





    舞園「………ナイフ投げっぽく。」





    俺の“目”か………




  9. 9 : : 2016/12/24(土) 14:04:52
    桑田「ああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ!??!!?!??」


    舞園「本当は頭に直撃して即死してほしかったんですけど…そう上手くは行きませんよね。」


    舞園「あそこまで拒まれちゃったら…さすがの私も、アイドルとして落ち込んじゃいますよ…。」


    ポトッと落ちた包丁を、舞園は拾う。


    舞園「それにしても、包丁投げっていいですね。こっちまで血が飛んできませんし、校則に書いてあった『人にバレずに』ってのも実行できそうです。」」


    桑田「オマエは狂ッテル…!オマエお前おまおまえお前お前おmば…」
    舞園「うるさいですね。」


    も一本…



    桑田「ああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっ!?!!?!」



    どうして…どうしてどうしてどうじてどうじてどうしどすいじどうしsてどうじsてどうじつぁ



    舞園包丁一本しかなかった…俺覚えてる



    どう……………じて………………2本………………





    舞園「おやすみなさい、桑田くん。」



    __________________………………


  10. 10 : : 2016/12/24(土) 14:05:12




    桑田「ッ…!」


    今度は驚かない。なんとなく、状況の察しがついてきたからだ。


    …ここにメモ帳があります。


    このメモ帳に…そうだな、「桑田参上!」とでも書いとくか…


    このメモをよぉーっく覚えていてほしい。俺の予想が正しければ、次死んだ時、ここに戻ってきたら…このメモは消えているはずだ。


    …と、その直後、ドアの隙間から、一枚のメモ用紙が落ちてくる。


    …おそらく、舞園からだろう。『私の部屋に来い』って感じに…あっ、前と同じパターンだな。


    …これってもしかして、今度こそチャンスが来たんじゃないか?


    舞園ちゃんに、リベンジできるチャンスが…!
  11. 11 : : 2016/12/24(土) 14:05:34




    野球の甲子園でも、ここまで緊張することはなかった。


    最初は…まあアイドルの部屋だからなって思っていたけど…今はそもそも命がかかっているからな。


    模擬刀での反撃…そこから、俺がなんとか舞園ちゃんを説得できれば…今までのこともなかったことにできる…。


    チャンスはほんの一瞬だ…。成功…してくれ…!



    ガチャ…と扉を開ける。


    目の前には、包丁を構えた舞園ちゃんが…


    舞園「うわああああ!!!!」


    予測通り…後ろにある模擬刀で包丁を叩き落として─────────




    桑田「…模擬刀は!?」


    ふっと後ろを向く。


    直後、俺の心臓に一突き…舞園ちゃんの持っていた包丁が………


    なんで…なんで模擬刀の位置がずれてんだよ…!


    いてぇよ………クソ………


    桑田「舞……園……ちゃん…………」






    舞園「……ごめんなさい、桑田くん。」


    舞園「…私は、アイドルだから……。」





  12. 12 : : 2016/12/24(土) 14:05:53




    桑田「ッ…何度目だこれ。」


    天井を見ることもなく、俺はベッドから飛び上がって


    さっき書いたメモを確認してみる。


    桑田「やっぱりか。」


    何も書いていない。俺の書いた「桑田参上!」って文字は、すっかり消えていた。


    俺は、タイムリープしている。


    俺が舞園ちゃんを殺した事実、俺がメモに「桑田参上!」と書いた事実…


    それが全て消えていることから、事実をなかったことにされている…


    んな非現実的なことは起こらねえだろうけど、やっぱりこうとしか考えられない。


    毎回同じベッドで目覚めることも不自然だったが、これなら話が付く。


    ゲームのコンティニューで例えれば、ここはセーブポイント。んで、俺は死ぬ度にここでやり直すことが出来る。


    死んでから発動するタイムリープ…、俺はこの能力を『死に戻り』と名付けることにしよう。



    としたら、チャンスは一度きりなんかじゃなくて、もっとあるんじゃないか?


    舞園ちゃんを止めるチャンスが…!!

  13. 13 : : 2016/12/24(土) 14:06:12
    前回の失態は、もちろんあの模擬刀の有無にある。


    模擬刀があそこにあれば、あの場は凌げて、舞園ちゃんがシャワールームに逃げたところを、俺が説得することも可能だった。


    しかし、その模擬刀は位置をずらされていた。理由はわかんないけど、とりあえずずれてた。


    としたら、部屋に入って確認することは、まず模擬刀の位置、あとシャワールームの建付けについて。


    説得材料も増やさなきゃいけねえな。


    とすると…あの学級裁判が一番役に立つんじゃないか?あの学級裁判での出来事全ては、そのまま舞園ちゃんの犯行に繋がる。


    最終的に、俺が『死に戻り』できる…と伝えれば、もしかしなくても俺と舞園ちゃんが結ばれハッピーエンド!よっしゃ!



    よし、考えはまとまった。



    それじゃあ、舞園攻略線、開始だ!
  14. 14 : : 2016/12/24(土) 14:06:35




    桑田「まーいぞーのちゃっ」


    わざとチャラそうに振る舞いつつ、模擬刀の位置を確認しておく。


    メモの置いてあるデスクの上か。


    舞園「こんばんは。桑田くん。」


    ニコッと笑いかける舞園。きっと、既に殺す準備は万端なんだろうな。


    桑田「それで、なんでこんな夜遅くに呼び出したんだ?」


    舞園「………桑田くん。」





    舞園「死んでくださいッ!」


    やっぱりか!


    桑田「ッ!!」


    模擬刀で舞園の攻撃を防ぐも、舞園はすぐに包丁を振り下ろそうとする。


    桑田「ゴメンな、舞園ちゃん。」


    バットを振る感覚で、舞園の右腕を模擬刀で殴る。


    舞園「あがっ…!」


    舞園は、苦しさのあまりもがいているようだが…


    俺はお前のせいで、それ以上の苦しみを味わったんだぜ…?


    落とした包丁は俺が拾った。舞園に俺への反撃はできない。


    俺が包丁を拾っている隙に、シャワールームへと逃げ込んだ。


    さて、ここからが…俺の腕の見せ所だな。
  15. 15 : : 2016/12/24(土) 14:06:57
    桑田「舞園ちゃん。」


    舞園「こ…来ないでッ!」


    桑田「………。」


    自分では拒むなって言う癖に、俺が来たら拒むのか…。
    なんて矛盾した奴なんだろうな…。



    桑田「言っておくが、俺に殺意はない。まず、そこだけは理解してもらいたい。」


    桑田「確かに、お前は俺を殺そうとした。というか殺した、言うなれば憎いやつだよ。」


    舞園「…??」


    桑田「だけど、憎いからって理由で人殺しをするのは、最初だけだ。」


    桑田「改心…っていう言葉を使うのが正しいのか、頭悪ぃ俺にはわかんねえけど………」


    舞園「………。」


    桑田「俺は、またお前を含めた全員で、平和な学園生活を送りたい!」


    舞園「そんなの…できませんよ………。」


    桑田「舞園ちゃん…これは、俺の勝手な予想だが、アイドル関連のビデオを見せられたんだよな?」


    舞園はコクリと頷く。


    桑田「なら簡単だ。この学園から出たら…お前が新しいアイドルを築けばいい!周りから忘れられたなら、また覚えてもらえるように努力すればいい!」


    桑田「俺がいうのもなんだが…諦めなかったらなんとかなると思うぜ?」


    舞園「…そんなわけ…ないじゃないですか………。」
  16. 16 : : 2016/12/24(土) 14:07:58
    舞園「こんなに努力した!こんなに頑張った!嫌な思いもした、辛かった…だけど、アイドルになるために頑張った…。」


    舞園「それなのに、こんな学園に閉じ込められて…一生閉じこもっていろなんて言われて…」


    舞園「新しいアイドルを築くなんて簡単に言いますけど…無理ですよ。絶対に無理です……。」


    桑田「…花音。」


    舞園「…?」


    桑田「俺のいとこの…妹みてぇな奴だ。たかが俺と一緒に居たいからって理由で…そんな理由だけで、俺が適当に出した課題に、全力で取り組んでいた…。」


    桑田「今思えば、あいつ程可愛い奴はいないよ…。お前みたいに『できない』って諦めている奴なんかよりも、何百倍…いや、何千倍も可愛い。」


    舞園「………。」


    桑田「できないだとか、無理だとか…俺そーゆー言葉が大ッ嫌いだよ。それも、お前は超高校級だろ?できるできないじゃなくて…やるんだよ。」


    舞園「もう嫌なんです…勝ち取った『超高校級のアイドル』って肩書きを…捨てたくないんです…。また一から努力するのが嫌なんです………。」


    桑田「誰も努力しろーなんっつってねえよ。俺だって努力は嫌いだ。ただな…」


    桑田「諦めているやつはもっと嫌いだ。」
  17. 17 : : 2016/12/24(土) 14:08:15
    桑田「お前が言っているのは、諦めたその後の話だ。俺はそんな話してねえぞ?」


    桑田「アイドルの肩書きを落としたくないなら…落とさねえように、最後の最後まで足掻けよ。」


    桑田「そこには努力も何もいらないはずだ。ただ、諦めちゃダメだっていう意志さえあれば、どうにだってなる。」


    桑田「俺はそうしたぜ?仲間の命がかかっていようが…俺が死にたくない、まだ生きることを諦めたくないっていう意志があったから…最終的に、完全にコテンパンにされたけれども…」


    桑田「でも、俺は生きることを諦めなかった。オシオキされている中でも、ずっと諦めなかった。…だから俺には手に入ったんだと思う。」


    桑田「この、『死に』─────────」


    桑田「ガハッ?!」


    急に何かに心臓を掴まれたような感覚に陥った。


    舞園が…いや違う。こいつは何もやっていない。


    じゃあなんだ…!?何がどうなって………


    舞園「…桑田くん!?」


    アイドルに心配される日が来るなんてな…。


    あっ…やば………意識が…………______________





  18. 18 : : 2016/12/24(土) 14:08:38
    「___………桑」


    「____………桑田」


    「___________………桑田くん!」








    舞園「_____________………桑田くん!!!」


    桑田「ハッ!?」


    …見覚えのある天井。


    隣にいる舞園。


    …また死に戻ってきたのかな。


    舞園「良かった…桑田くん。」


    舞園「いきなり吐血して、すっごい具合悪そうで…死んじゃったらどうしようかと思っちゃいました。」


    ………ありゃ?


    舞園「……改めて、ありがとうございます、桑田くん。」


    舞園は俺に頭を下げる。


    桑田「…俺、何かしたっけ…?」


    舞園「…何言っているんですか!私を説得してくれたじゃないですか!…あれがなかったら、私は桑田くんを…」


    よく見てみると、舞園の…いや、舞園ちゃんの右腕は包帯で巻かれていた。



    つまり…死に戻っていない…?


    桑田「えっと…その包帯って……俺が模擬刀でやっちゃったやつだよな…?」


    舞園「…はい。でも、桑田くんが責任を感じることはありませんよ!」


    …感じてないんだなぁこれが。
    ああでもしないと包丁落としてくれないだろうし、作戦通りっちゃあ作戦通りだったからよ。


    つまり、今回は死に戻っていないってこと…だよな?



  19. 19 : : 2016/12/24(土) 14:10:17
    桑田「よっしゃああああああああ!!!!」


    舞園「!?」


    急に飛び上がった俺に、舞園ちゃんは驚いた様子だけど、今の俺には関係はない。


    桑田「あがっ!?」


    舞園「ダメじゃないですか…まだ安静にしていないと………。」


    桑田「ってことは、今回学級裁判は起こらねえってことだよな?!」


    舞園「…はい!たぶんそのはずです!」


    桑田「いよっしゃあああああ!!!!」


    念願の俺の目標達成!やっぱこれ舞園ちゃん俺に惚れちゃったんじゃね?!


    舞園「だ…だから…安静にしていないとって…!」


    桑田「なあ舞園ちゃん、今の俺イケてる!?」


    舞園「…はい、とっても。」


    いよっっっっしゃああああああああ!!!!!!!


    どーだ見たか苗木!今俺は青春街道まっしぐらだぜ!!


    舞園「…でも、まだ苗木くんの方がイケイケですね。」


    桑田「…ありゃ?どうして俺の考えが…」


    舞園「ふふっ…だって………」




    舞園「エスパーですから。」



    桑田「………アポ?」






    chapter1 イキキル・シニモドル END
  20. 27 : : 2016/12/25(日) 17:32:45



    痛い、痛い………


    こんなの…もうやめろよ………


    俺は…………俺………は……………___________











    桑田「…ッ!」


    気分の悪い夢を見たみてぇな、尋常じゃない汗のかき方。


    ってか、たぶんその『悪い夢』ってやつを見たんだと思う。


    今でもちょっとだけ覚えている。


    知らねえ女が、変な形のしたナイフで、俺のハラワタを掴んで…俺を殺した………


    まさか、あれは夢じゃなくて…現実、だなんて言わねえよな…?


    夢と見せかけて、実は俺が死に戻ってきた………なんて、そんな意味のわかんねえことで、またニューゲームだなんてゴメンだからな。

  21. 28 : : 2016/12/25(日) 21:59:37
    舞園ちゃんにはあんな格好いいことを言っておきながら、俺もぶっちゃけ努力は嫌いだ。


    だけど、諦めが悪い。


    言うなれば、女のコにアタックすることは諦めないけど、女のコの趣味に合わせようと俺が努力することはない…みたいな。


    ってか、俺にかかれば女のコの方から俺の趣味に合わせてくれるし、俺がその努力をする必要はないっつーか?


    と、そんな話はどーでも良くて、やっぱようやく、舞園ちゃんの殺害計画を止めることができたんだし、それすら死に戻ってなくなるってのが、俺的にちょっと嫌なだけだ。



    舞園「…桑田くん、さっきからニヤニヤしてどうしたんですか?」


    桑田「うおっ!?いつの間に…」


    舞園「さっきからいました。もう人殺しなんてしませんよ。桑田くんが説得してくれたじゃないですか。」


    桑田「……おぉ、そうだったな。…ってか、またエスパーか?」


    舞園「はい。」


    …つまり、死に戻っちゃいない、と。


    桑田「…それより、なんで舞園ちゃん、俺の部屋にいるんだ?」


    舞園「…あっ、すっかり用件を忘れるところでした!2階が解放されたって、さっき苗木くんが言っていたんです。それを伝えに来ました。」


    桑田「…それだけ?」


    舞園「期待外れでしたか?」


    桑田「………。」


    舞園「ふふっ、あまり期待しないでください。チャラい男性、あまり好みじゃないので。」


    舞園ちゃんは、にこりと俺に笑いかける。


    …その笑顔が逆に、俺のハートに突き刺さる。


    クソッ、クソッ…!絶対振り向かせてやるからな、舞園ちゃん!
  22. 29 : : 2016/12/26(月) 00:23:05



    苗木「桑田クン…!」


    桑田「おぉー、苗木じゃねえか。…っつーか、最近舞園ちゃん以外見ていなかったな。」


    苗木「それより、大丈夫だったの…?舞園さんに、殺されかけたって…」


    桑田「おうおう大丈夫大丈夫。精神的にはやばいけど肉体的には問題ナッシング!っつーかさ、俺のことを殺しかけた女を説得してしかも受け入れる俺ってマジイケメン?優しすぎね?」


    苗木「…あはは、元気そうで何よりだよ。」


    ………ちーーーーっとも元気じゃないわッ!


    表向き元気に振舞っているけど、俺既に何回も死んでいるからな!あの痛い思いだけは、舞園ちゃんですら忘れていても俺は覚えている!!!


    クッソ…死なないとタイムリープできないとか、マジこの能力使えなさすぎだろ…。


    苗木「良かった…。他のみんなも心配していたんだよ!2階の探索もいいけど、見かけたら、声かけてあげてね。」


    桑田「おー、悪ぃな苗木。そうするわ。」


    …あんなメンツから心配?想像できねえな。
  23. 30 : : 2016/12/26(月) 00:25:49



    桑田「おっ?割と広いプールだな…誰か泳いでいるみてぇだし?」


    プールで泳ぐ影をじっと見つめて、それが朝日奈だとわかるのに、そう時間はかからなかった。


    桑田「おーい、朝日奈ー!」


    朝日奈「プハァ……あっ、桑田!」


    と、心配した様子で俺に近付いてくる。


    改めて、スク水着ている朝日奈見てると、結構ダイナマイトボディだよな。


    なんて感心しつつ、実際俺の頭の中は、スク水を着た舞園ちゃんの姿ただ一つ。


    ウッヒョー!今度舞園ちゃんプールに誘ってみよっと。


    朝日奈「ところで、大丈夫だったの?その…舞園ちゃんと」


    桑田「ん?俺はバリバリ元気よ。ただ舞園ちゃんは…右腕を………」


    朝日奈「舞園ちゃんの右腕は仕方ないよ…。桑田が責任感じることはないよ!うん!」


    桑田「俺が責任?んなもん感じてねえよ。」


    朝日奈「…それはそれで問題な気が…」


    桑田「あれが俺の頭で考えられる最善だ。骨折でもさせないと、舞園ちゃんは包丁落としてくれなさそうだったからな。」


    朝日奈「えっ!?じゃ、じゃあ…、偶然当たって砕けちゃったっていうのは嘘…?」


    桑田「…誰がんなこと言ったんだ?」



    朝日奈「ま、舞園ちゃんが…」


  24. 31 : : 2016/12/26(月) 00:26:31
    桑田「は?舞園ちゃんが?」


    朝日奈「自分が攻撃するのを必死に防ごうとして…それで、模擬刀で防いだら、偶然骨が折れちゃったって…」


    桑田「いやいや、あれは不慮の事故なんかじゃなくて俺の意図通りだよ。」


    朝日奈「えっ…なんで…?自分を殺そうとした恨み…?」


    桑田「正確には、殺そうとしたってより殺した恨みだけど……まあそれもありだ。」


    朝日奈「…それもありってことは、他にも?」


    桑田「舞園ちゃんが『人を殺そうとした』って感じで責任感じてほしくなかったからだな。」


    桑田「俺が右腕骨折させりゃあ、舞園ちゃんは俺を殺そうとした、俺は舞園ちゃんを骨折させたでお互い様だろ?うっひょー、さすが俺、あったまいいー!」


    朝日奈「舞園ちゃんに、責任を感じさせないために…?」


    桑田「こー見えて、美少女への配慮の気持ちは1番だからな!」


    朝日奈「…桑田、アンタいい奴じゃん…!」


    桑田「おうよっ!」


    本当は舞園ちゃんに、包丁を落とさせるためだけで、深い意味はなかったんだけどな…。


    とりあえずイケメンアピールしとく、さっすが俺、策士~
  25. 32 : : 2016/12/26(月) 11:36:00



    桑田「うわっ、広ッ!ここ図書館か?」


    十神「…静かにしろ。読書中だ。」


    あっ、よく見た顔。


    桑田「よーっす十神。んだお前、読書なんてするんだな。」


    十神「貴様には耳か脳がついていないのか?読書中だ、ちょっとは静かにしろ。」


    桑田「………あいよー。」


    …なんかムカつくなアイツ。まあなんだっていいけど。



    …そういえば、花音が『ライトノベル』っつーのにハマってたかな。


    お土産に持ち帰ったら、きっと喜ぶだろうな。



    と、本棚を探してみるが…


    桑田「あれ?それっぽいのねえな。」


    ギリシャ神話?これライトノベルってやつっぽいな。


    とりあえず、これでいっか。
  26. 33 : : 2016/12/26(月) 17:33:47
    他はぶっちゃけトイレとか教室とか、俺にはどーでもいいところだった。


    プールがある時点から、もしかしなくてもバッティングマシーンとかがないかなーとか思ってたけど、そう都合がいいわけではなかった。


    …いや、あのオシオキを受けてから、あれと向き合う勇気もねえわ。野球自体がトラウマになりつつあるような…


    石丸「では、2階で見つけたことを報告しあおうではないか!」


    朝日奈「プールがあったよ!プール!あとプールも!」


    大神「そのプールの更衣室は、筋トレマシンなどの設備の整っている部屋だったな。」


    山田「図書室がありましたぞ。…漫画やラノベの類のものはありませんでしたがな。」


    腐川「あ、あんな紙切れ同然のもの……文化の産んだ汚物よ!なくて当然だわ!」


    山田「なんですとぉ………!!!」


    腐川「あんなフィクションじみた話……読むだけ無駄だわ!それなら、アタシの純愛物語の方が………」


    言い争っているところ悪いけど、正直、今の俺からしてみたら、そのラノベとか漫画みてぇなフィクションじみたことですら、現実と置き換えられちまうんだよな。


    それを言うと、前回みたいに気を失うパティーンになっちまうから、言わねえけどな。


    『死に戻り』………


    何がどうなって、こうなっちまったのか…俺にはわかんねえけど………


    まあ、きっと悪い意味はないよな!この力のおかげで、舞園ちゃんが救えたようなもんだしな!!
  27. 34 : : 2016/12/27(火) 17:25:01
    特にそれ以上の何かがあるわけでもないので、とりあえずここで解散となった。


    桑田「おっ、舞園ちゃんだ!舞園ちゃー………」


    舞園「苗木くん。」


    俺の方は見向きもせず、舞園ちゃんは苗木のところへと行った。


    ちくしょう…、苗木ばっか…羨ましいな!


    苗木「どうしたの?舞園さん。」


    ちくしょう…こうなったら盗み聞きだ!


    告白大会なんて始まったら俺がぶっ飛ばしてやる!もちろん苗木を!!


    舞園「…どうして、モノクマは2階を解放したんだと思いますか?」


    しかし、話している内容は意外なことに、このコロシアイ学園生活についての話だった。


    つまり真剣…マジな話。俺みたいなチャラ男には、確かに縁のない話だな。


    苗木「……舞園さんが、人を殺そうとしたことを打ち明けたから…?」


    舞園「タイミング的にはそうでしたが、やはりどうも納得が行かない……、もしかして、モノクマには何か意図があったのではないかと……。」


    舞園「だって、このまま人も減らずに最上階まで解放されちゃあ…モノクマの野望も打ち砕けませんか?」


    苗木「……確かにそうだね。これには、モノクマの意図があるのかな…?」


    舞園「わかりません………でも、何かおかしい気がするんです………。」


    苗木「……そうだね、頭に入れておくよ。」


    舞園「はいっ!」
  28. 35 : : 2016/12/29(木) 10:57:45
    つまり…よくわからん。


    オシオキのところまでは俺の頭にあるが、それ以降の話は俺は死んでいるからわからない。


    だからこそ、これは俺の推測になるわけだが………___、推測だってよ、俺らしからぬフレーズだな。



    んで、その推測によると、俺がオシオキされた直後、2階が解放される予定だった…。


    だけど、今回は俺がオシオキされるどころか、舞園ちゃんすら死んでいない…にも関わらず、モノクマは2階を解放させた。


    それに対して、舞園ちゃんや苗木は警戒してるっつーわけか。それなら納得だ。


    ……モノクマにも、何かあるのか?


    このタイミングはやっぱ何か仕組んでいるよな…。例えば、モノクマも死に戻りができる、とか………。



    霧切「考え事かしら?」


    ひょこっと現れた霧切に、俺は思わず腰を抜かす。


    桑田「うおっ!?」


    霧切「あなたのような人が考え事をしていて、不思議に思って声をかけてしまったの。悪かったわね。」


    桑田「…俺ってどんな人間に見られてんだ?俺だって、考え事の一つや二つくらいするぞ!」


    霧切「それじゃあ、何を考えていたか教えてもらえるかしら?」


    桑田「………ダメだ。」


    死に戻りのことは言えない…、これが前提となる話だから、死に戻りのことを理解してもらわねえと言えねえよな…。


    霧切「人には言えない話ってことかしら?」


    桑田「間違ってねえけど違う。そもそも人に話せない話ってことだ。」


    霧切「………どういう、意味かしら?」


    桑田「俺の説明力じゃあ、これ以上は無理だ。まあ気にせず、お前はお前の好きなようにやれよ。」


    霧切「…そう。」
  29. 36 : : 2016/12/29(木) 14:26:20
    夜時間になったもんで、みんな部屋の中へと帰っていく。


    もちろん、俺も同じように部屋へと戻った。


    んで、俺が部屋に帰ってからすぐやったことといえば………


    桑田「うおおおおおおお!!!!!」


    とりあえず叫んだ。


    マッジで…俺のこの悩みを誰にも相談できないってのがキツすぎる……。


    信じてくれとは言わないから、誰かに『死に戻り』のことを言いてえ!!!


    桑田「俺は、死にも────────────」


    桑田「グゥッ?!」


    人に言うだけじゃなくて、言葉に発するだけでも無理なのかよ…ッ!


    俺に何をさせてえんだこの能力は…ッ!


    …と、文句を言ったところで誰かが解決してくれるわけではないし、とりあえず寝よう。


    寝て明日に備えるとしよう。
  30. 37 : : 2016/12/30(金) 00:40:27



    桑田「監視…?」


    霧切「えぇ、私がその仕事を受けたの。」


    朝起きると、なぜか部屋の中に霧切が立っていた。


    …ここにいる女子、勝手に部屋の中に入ってくるからこええな。


    桑田「っつか、なんで俺の監視なんて?」


    霧切「怪しいからでしょう。わからないの?」


    桑田「いやわかんねえよ。」


    霧切「…とにかく、あなたは私に監視されるの。いいわね?」


    桑田「……んまあいいよ。見られて恥ずかしい生活はしてねえからな。」


    桑田「ただし、俺のデートとか邪魔したらマジ許さねえからな!」


    霧切「………あなたがデートなんてできるの?」


    桑田「失礼な!見てわかるとおりモテ男だろ俺は!」


    霧切「まあなんだっていいわ。そのデートの邪魔ってのはするつもりもないし興味もないわ。」


    桑田「おう、サンキューな。……。」


    霧切「どうかしたの?桑田くん?私の顔なんか見て………」


    桑田「っつか、デートしね?」


    霧切「は?」


    桑田「いやだから、霧切と俺でデートしたら、お前は俺を監視できる、俺も女のコと有意義な時間を過ごせるで両者win-winじゃね?っていう…おぉ、俺あったまいー!!」


    霧切「……は???」


    桑田「まあ霧切も割と顔はイケるしー、舞園ちゃん程ではないにしても、デートくらいならしてやってもいいっつーか?」


    霧切「…はぁ。まあいいわよ。デート、してあげるわ。」


    霧切「でも勘違いしないでね。私はあくまで、監視のためにデートするんだから。」


    桑田「へいへい。」


    よっしゃあああ久しぶりの美少女とのデートだぜ!!気合い入るぅぅぅぅう!!!!
  31. 38 : : 2017/01/05(木) 12:03:07



    桑田「………なあ、霧切ちゃん?」


    霧切「ちゃん付けしないで。気分が悪い。」


    桑田「お、おう。」


    霧切「………で?」


    桑田「あー、いやー……手、繋いだりとかは…」


    霧切「遠慮させてもらうわ。」


    …うへぇ…厳しいっすね霧切さん。


    せっかくのデートなのに、これじゃ監視と殆ど同じじゃねえか!


    っつか、監視なのか……はぁ……


    桑田「学校の中だけしかデートができないってのも、結構キツイところだよなー…やっぱ霧切ちゃ…さんも、遊園地とか行きたい系?」


    霧切「遊園地は嫌いなの。」


    桑田「…じゃあ、水族館とか…。」


    霧切「人が多いところは嫌いなのよ。むしろ、学校の中くらいが丁度いいわ。」


    桑田「………。」


    霧切「そもそも、どんなデートスポットがいいなんて言われたところで、私はあくまであなたの監視だから。」


    桑田「冷てぇ…ひやっとするぜ。もっと人に優しくしないと、泣いちまうぞ?」


    霧切「………。」


    ついには無視ですかー…、デートでここまで精神ズタボロにされたの初めてだわ。
  32. 39 : : 2017/01/09(月) 19:06:47



    霧切「………。」


    桑田「………。」


    霧切「………私の顔を見てどうかしたの?何かついているかしら?」


    桑田「………。」


    霧切「言葉に発してくれないとわからないわ。」


    桑田「なんでお前が俺の部屋にいるんだよ。」


    霧切「夜時間に怪しい動きをされないとは限らないからよ。」


    桑田「はぁ?いやいや、いくらデート中だからって、寝ているところまで監視されたらそれ…監視どころかストーカーじゃねえか!!」


    桑田「マジで、お前の身体も心配だしぃ?っつか、俺別にどこも怪しくねえから、今日はここで解散としようぜ、な?」


    霧切「ダメよ。」


    桑田「わかった、じゃあどうして俺を怪しいと思ったか言ってくれね?それで俺が納得したら監視してもいいってのはどうよ。」


    霧切「…納得してくれるのよね?」


    桑田「んまあ、納得できる理由だったらな。」


    霧切「それならいいわ。話させてもらうわね。」
  33. 40 : : 2017/01/09(月) 19:07:29
    霧切「まず、なぜあなたが怪しいかって話だけど…その冷静さよ。」


    霧切「模擬刀で防ぐ…なんて、殺されることを予知していなければ、普通じゃできないことでしょう。」


    霧切「朝日奈さんの話によると、模擬刀による防ぎも、何か意図があったようだし…状況の分析力が高すぎる。」


    ……まあ、殺されることを知っていたからなあ。


    霧切「あとは、自分を殺そうとした女性を説得したっていうのも、なかなかおかしな話…でも、お人好しな苗木くんもいることだし、これは怪しいと呼べる材料とは呼びにくいわね。」


    それも、俺が死に戻りする理由だったからな。


    霧切「あとは、昨日言っていた、『話せない話』っていうのもそうね。さすがに単純すぎるかもしれないけど、怪しいことに変わりはないわ。」


    桑田「…うーん、やっぱ霧切の可愛さに免じて納得してやろう!」


    霧切「一番納得されたくない理由ね。」


    桑田「っつーか、今の霧切の話を聞いていると、『俺が舞園ちゃんの事件のことを知っていた』可能性があるっつーことだよな?それのどこがおかしいんだ?」


    桑田「たまたま、舞園ちゃんの計画を知っちまっただけかもしれないだろ?」


    霧切「若しくは、桑田くんが黒幕で、事件について知っていた…とか。」


    桑田「霧切にとって一番厄介なのは…」


    霧切「もちろん後者よ。」


    桑田「ですよねー。」
  34. 41 : : 2017/01/09(月) 19:08:01
    桑田「んま、俺が黒幕の可能性はないって断言するわ!…もちろん、霧切にゃ信用してもらえないだろうし、今日一日だけ監視してくれてもいいぜ?」


    霧切「言われなくてもそうするつもりよ。」


    桑田「…でも、大丈夫なのか?寝なくて…」


    霧切「あまり寝れないのよ。仕事柄上。」


    桑田「仕事…柄…?」


    霧切「なんでもないわ。」


    桑田「そういえば、霧切ちゃんの才能って……」


    霧切「ナン・デモ・ナイ。……あと、ちゃんはやめなさいって。」


    桑田「うおっ!?すっかり忘れてたわ、ははっ。」


    桑田「んま、今日は夜まで霧切に監視されるってわけね。まあ監視されてるのは慣れてるしー?俺ってイケてるからファンに監視されても仕方ないんだよなー。」


    霧切「冗談にも程があるわ。やめて。」


    桑田「…こりゃまた随分な嫌われようだな、俺。」


    霧切「当然よ。あなたみたいなチャラ男、好きじゃないの。」


    桑田「偏見だぁ…俺そんなチャラ男じゃねえし。」


    霧切「何言っているのかしら。」


    桑田「ひでえ…あまりの扱いの酷さに泣いちまうぜ、俺。」


    霧切「……………。」


    桑田「無視だけはやめてくれよ。」
  35. 42 : : 2017/01/09(月) 19:08:26



    桑田「んー、おはよー。」


    霧切「…………。」


    桑田「…………。」


    寝てるな、コイツ。


    立ちながら寝るなんてめちゃくちゃ器用なことしてんな。


    っつか寒いだろ。こんな格好で寝ていたら風邪引いちまうだろ。


    俺をずっと監視するなんて結局無理じゃねえか…女のコに無理なんてさせたくないんだけど、俺。


    まーこう見えて、俺ってば優しさの塊だし?こんな霧切でもやっぱ心配してあげちゃうのが優しさなんだよねー。


    …いいや、ベッドに寝かせてやろう。


    桑田「よっ…」


    と、霧切を持ち上げたと同時に………



    桑田「ぐおっ!?」


    地面がひっくり返った。


    霧切「………何しているの。」


    桑田「いでで……お前が寝てたから、ベッドまで移動させて寝かせようとしてたんだよ…!!俺の超優しさ踏み躙るとか最低じゃねーかお前!」


    霧切「…寝てた?」


    桑田「うん。」


    霧切「………そう、ごめん。」


    桑田「…謝る前に、この固め技やめてくれね?」
  36. 43 : : 2017/01/09(月) 19:09:23



    霧切の固め技から無事解放された俺は、とりあえず何かすることにした。


    こいつとのデートは二度とごめんだ。


    っつーことで、俺は他の女のコとデートしなきゃいけない。


    腐川は論外、オーガも……ちと怖ぇな。


    セレスは別の意味で怖ぇしやめとこ。んで、霧切もダメとなると、俺がデートできるのは………


    不二咲、朝日奈、江ノ島、そして舞園ちゃんの4人だな。


    舞園ちゃ~ん!!って飛びついていきたいけどここは必死に耐える。それが俺。


    ここはあえて、朝日奈んとこでも行って好感度あげるのがベストだろうな。


    スポーツに関しちゃあ、俺も野球やっているわけだし?あいつの単純なハートをつかむのは楽勝ってか?


    桑田「おっしゃあああ!!今日も一日頑張るぞおおおお!!!」


    霧切「うるさいわね。」


    …まだいたのかよこいつ。
  37. 44 : : 2017/01/09(月) 19:09:32



    やっぱプールにいたか。


    朝日奈「あっ、また来た!お~い、桑田~!」


    桑田「よーっす。デートしよーぜ!」


    朝日奈「……はっ!?デート!?」


    デートって単語を聞いた瞬間に顔を真っ赤にして俺を見つめる朝日奈。純粋なやつだなー。


    桑田「あーいや、男女で一緒に出かけることをデートっつーんだけど…まさか、恋人同士でやるようなアツいあれでも想像したか?」


    朝日奈「あっ……あーっ!そ、そういうことだったんだね!!!」


    自分の勘違いがあまりにも恥ずかしかったのか、プールの中にブクブクと潜っていく朝日奈。


    舞園ちゃんと違って、こいつは素直な性格が出てくるからそこも可愛いなー。


    もちろん、俺にとっては舞園ちゃんが一番だけどな!


    桑田「それで、俺とデート、してくれるか?」


    朝日奈「うん、学校探索…面白そうだし、いいよー!今から着替えてくるからちょっと待っててね!」


    と言えば、すぐに更衣室に駆け込んで行った。


    ………陸上選手になれるんじゃないかってくらい速かったな。
  38. 45 : : 2017/01/09(月) 19:10:01



    朝日奈「お待たせー!…って、こんなこといったら本当のデートみたいじゃん!」


    本当のデートなんですけどー…。


    桑田「まあいいじゃんか!雰囲気だけでも楽しもーぜ!」


    朝日奈「……うん、そうだね!それで、デートするにしても…どこに行くの?」


    桑田「そーなんだよな…この施設は狭すぎて、デートっつってもデートになんねえ!それが問題なんだよな…」


    朝日奈「あともう一つ、問題があるんだけど…」


    桑田「…何が言いたいかはわかるけど、なんだ?」


    朝日奈「あそこでずっと私たちを見ている霧切ちゃんって…」


    桑田「…ただの監視らしーぜ。」


    朝日奈「そ、そっか………。」


    朝日奈怖がらせてんじゃねえよ霧切!
  39. 46 : : 2017/01/09(月) 19:10:36



    朝日奈「…ねえ、桑田。」


    桑田「ん?どうしたよ、朝日奈。」


    朝日奈「桑田ってさ…コロシアイ、怖くないの?」


    桑田「んー………」


    少し考えてみるも、正直死に戻りがあるからなー…


    桑田「嫌かって聞かれたら間違いなく嫌だって答えるけど、怖いかって言われると迷うな。」


    朝日奈「怖くないの…?」


    桑田「怖くない…わけじゃねーけど、慣れた…ってのもあるかもしれねーな!」


    朝日奈「慣れたって…この異常な環境に?」


    桑田「セレスが言っていたみたいに、適応してきているのかもな、俺が。」


    朝日奈「……私はまだ怖いよ。」


    桑田「………。」


    朝日奈「さくらちゃんとか、桑田が、私のことをこうやって励まそうとしてくれるおかげで、『あっ、今日も頑張ろう』ってなるんだけど…」


    朝日奈「でもやっぱり、私みたいな頭悪いのは狙いやすいだろうし、ちょっと怖いんだよ……。」


    朝日奈「私……どうしたらいいのかな………。」


    桑田「んー…………。」


    女のコが悩んでいる!行けっ、桑田!舞園ちゃんを説得したテクニックで、朝日奈をキュンとさせてやれ!!


    桑田「なあ、朝日奈、プール行かね?」


    朝日奈「…えっ!?でもさっき、プールには…」


    桑田「いいからいいから、先行ってて。」


    朝日奈「えっ、あっ、うん………。」
  40. 47 : : 2017/01/09(月) 19:11:10



    朝日奈「あっ、桑田!………どうしたの、その格好。」


    桑田「ん?どっからどー見たって、水着じゃねーか!」


    朝日奈「それはわかるんだけどさ…」


    桑田「プールに行って泳がねえってのもアレだからな!一緒に泳ごーぜ!」


    朝日奈「えっ、あ、うん………?」


    男はちょっと強気で行く方がいいんだぜ!
    プールでデートとか…夏休みのリア充かってんだ。


    ちなみに、水着に関してはモノクマに交渉したらくれた。



    桑田「うおりゃあああ!!」


    泳ぐ度にバシャバシャと水がかかる。にも関わらず、朝日奈はむっちゃ静かに泳いで、しかも結構速い。


    朝日奈「自分から誘っておいて、全然泳げていないじゃん!」


    ………お前が速すぎるだけだろ!


    桑田「クソッ…負けてたまるもんか…!」


    俺も更に速度を上げて、朝日奈を追いかける。



    朝日奈「ふぅー、疲れたー!」


    ノビーっと気持ち良さそうな朝日奈


    桑田「うへぇ…当分水には入れねえ…」


    に対して、俺は完全に疲れちまった。


    朝日奈「またやろーよ!苗木とか舞園ちゃんとか、色んな人誘ってさ!!」


    桑田「…そうだな!毎回は無理だけど、たまにはこういう水泳大会も悪くねえかもな!」


    朝日奈「えへへ、私を励ましてくれてありがとね、桑田!」


    桑田「おうよっ!俺ってばやっさし~からな!何かあったらいつでも頼んでくれよ!」


    朝日奈「うん!」


    …これ、堕ちたな朝日奈。
  41. 48 : : 2017/01/09(月) 19:11:38



    朝日奈とプールデートしてどっぷり疲れた俺は、とりあえず部屋に戻ってきた。


    もちろんこのまま休んでしまおうと思っていたのだが、現実そうも行かない。


    『オマエラ、体育館に集まってください!』


    ったくー…またあの動機ってやつかよ?


    俺がハーレム帝国築き上げるまでちっと待ってくれね?モノクマさんよ


    とか心の中で叫んでも意味はないので、指示どおり体育館に行くことにした。



    体育館に来たら、苗木以外は全員来ていた。


    その苗木も、俺が来たすぐ後くらいには、既に体育館に居た。


    モノクマ「オマエラ、全員集まったね!」


    というと、体育館ステージから、ボヨヨ~ンとかいうダッセェSEでも鳴りそうな勢いでジャンプして座った。


    もっかい言うぞ。


    ダッセェ
  42. 49 : : 2017/01/09(月) 19:12:07
    モノクマ「オマエラ、おはようございます。」


    石丸「学園長!今は夜です!」


    モノクマ「おっ、よく気付きましたね石丸クン。オマエにはモノクマメダル5000枚プレゼントしましょう!」


    石丸「お気持ちだけ受け取っておきます!学生たるもの、お金のやり取りはしてはならないので!」


    どーでもいい。


    すっげーどーでもいいこのコントから大体話が始まる。


    モノクマ「ちぇっ、石丸クンもなかなか頑固だね…。まあいいや、オマエラには、また新しい動機を用意させてもらいました!」


    モノクマ「じゃじゃーん!ふーとー!」


    …どこからどう見ても封筒だった。


    もしかして…写真でも入っているのか…?


    モノクマ「自分の名前の書いてあるやつを開けて、その目で確認してみてください!」


    指示されるままに、俺たちは自分の封筒を取って、中身を確認した。
  43. 50 : : 2017/01/09(月) 19:12:31
    『桑田怜恩クンは、実は死に戻っている』


    ……………えっ。


    なんであいつが…あいつが知っているんだよ!?


    っつか…これバラされたらマズくね…?死んじゃうんじゃね俺………


    ガタガタと歯が震えているのがわかる。いいや、歯だけじゃなくて、脚から腕から…全身が震えている。


    俺は、モノクマに恐怖心を抱いているのだろうか。


    だって、この事実を知っているのは…俺と………


    この能力を、俺に与えた誰かだけのはずだから………



    桑田「………まさかな。」


    偶然の産物だ。深い意味はなく、テキトーに死に戻りって書いたんだろ。そうだ、そうに違いない。



    他のみんなも、その秘密を見て俺と同じように震え始める。


    苗木「ねえみんな、みんなでこれを公開し合わない?そうすれば、動機としては効果がなくなるんじゃないかな…?」


    桑田「それはダメだ!」


    咄嗟の否定。俺の焦り具合がよくわかるな。


    桑田「……いや、ダメだ。人にこんなの見せたら…俺死んじまうよ………」


    比喩なんかじゃなくて、本当に死んじまう…。


    苗木「……で、でも…コロシアイを起こすよりは…」


    大和田「俺も反対だ。」


    不二咲「ぼ、ボクもぉ…まだ無理かもしれない。」


    舞園「私も反対ですね。さすがにこんなの知られたら困ります。」


    苗木「…そ、そっか。ごめんねみんな。」



    特に話し合いが発展することもなく、俺たちはみんな部屋へと戻った。


    不安と恐怖に押しつぶされながら…
  44. 51 : : 2017/01/09(月) 19:12:58



    朝起きると、また今日も霧切が俺の部屋にいた。


    桑田「ったく、まだ監視なんて続けているのかよ…?いい加減諦めたらどうだ?」


    霧切「………何を言っているの?」


    桑田「何が?だって、お前が俺の部屋にいる理由なんて、監視以外ないだろ?」


    霧切「確かにあなたが怪しいから、監視をする…というのが目的だけれど……」







    霧切「私は、今日初めてあなたの監視をするのよ?」
  45. 52 : : 2017/01/09(月) 19:13:28
    …………は?


    桑田「な、何言っているんだよ………。」


    初めて監視………?そんな冗談やめろよ……マジで………


    おかしいだろ………そんなの………


    おか………し…………


    桑田「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


    霧切「急に大声出さないで。…何?私がいることがそんなに不満なの?」


    桑田「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」


    霧切「…さすがにうるさいわよ。何?私に監視されることで、何か不都合なことでもあるのかしら?」



    桑田「………いや、何もねえ。」


    落ち着いた。落ち着いたはずだ。


    冷静に考えろ……俺………、どうしてまた、タイムリープが起こったんだ…?


    俺にとってのタイムリープができるのなんてただ一つ……



    『死に戻り』が起きた。それも、俺が寝ている間に………



    じゃあ、どうして目覚めたのがここなんだ?前回は、舞園ちゃんが手紙を置いてくる部屋だったけど…



    セーブポイントが、更新されたってことか……?
  46. 53 : : 2017/01/09(月) 19:13:56
    んで、一番の問題は、俺がどうして死んだかってことだ。


    死因すらわかんねえんじゃ、いつまで経っても死に戻るだけで進展しない。


    ………結構ピンチじゃね?


    また同じ日常を繰り返して、死んで、また死に戻りして……


    本格無限ループ入ってくるじゃんこれ……。


    霧切「どうしたの?今度は浮かない顔して…そんなに私に監視されるのが嫌かしら?」


    桑田「ちと考え事をしているだけだ。お前は首突っ込むな……。」


    ってか、これ死因特定するにしても、今回分の命は落としたんじゃね?


    あぁクッソ!!せっかく朝日奈落としたのに、それすらもパーになったのかよちくしょう!!



    あと、俺が死んだ日とかも把握しておかなきゃな。


    霧切が監視するって言い始めた翌日の夜…つまり、明日の夜だな。


    って、結構早くね?


    んじゃ、明日の夜は眠らずにちょっと待機してみるとするか。俺の身体に何があったのかを確かめるためにも……


    うっし、作戦は決まったし、今日一日はちと眠るか!


    明日に備えて、な!
  47. 54 : : 2017/01/09(月) 19:14:24



    目覚めると、既に朝になっていた。


    人間24時間も寝られるものなんだな。と、今日初めて知った。


    霧切「………。」


    目の下に隈ができている。やっぱり監視はしていたんだな。


    っつか、そこまで監視しなくてもいいだろ?普通。


    わざわざ24時間も寝る演技して、俺が何をするっつーんだよって話だし。


    ったく…


    桑田「生きているか?霧切。」


    霧切「…あなたのせいで、一睡もできなかったわ。」


    桑田「ははっ、そりゃワリーな。っつか、そんな隈できるまでしんどいんだったら、俺の監視なんてやめたらどうだ?」


    桑田「っつっても、お前はそんな簡単に食い下がらないよなー。悪ぃ悪ぃ。」


    霧切「でもあなたの言う通りね…さすがにキツいわ。ベッド借りるわね。」


    桑田「おう、構わねーぜ!」


    さて、じゃあ今度は、俺が監視する番だ。


    もちろん、俺を殺した奴を…な。
  48. 55 : : 2017/01/09(月) 19:15:05



    死んだ。



    いや、殺されたって表現が正しいだろうか?



    深夜の1時くらい、静まり返っていく学園内に対して、俺の心臓はバクバクとどんどんうるさくなっていく。


    その緊張の一瞬…、奴が来た。



    十神「…寝ているな。…ん?」


    十神「こいつは霧切…いや、確かにこの部屋は桑田が使っていたものだが…まあいい。俺には関係のないことだ。」


    というと、十神は霧切に対して、深くナイフを突き立てる。


    霧切からは大量に血が出ている。たぶん即死だ。


    桑田「あ………」


    つい声が漏れてしまった。


    十神「…桑田か。そんなところにいたんだな?霧切をここに寝かせて囮にでもするつもりだったのか?それにしては、情けない声が漏れたな。」


    桑田「うッ…」


    十神「出てこいよ、桑田。」


    桑田「あ……あ…」


    十神が俺を引きずり出した直後、俺の心臓に一突き、霧切を殺したのと同じように、俺を殺した。



    ………今回俺を殺したのは


    間違いなく、十神だ。
  49. 56 : : 2017/01/09(月) 19:15:57



    桑田「んー、死んだ、おはよう。」


    霧切「意味深な発言ね。桑田くん、おはよう。」


    桑田「まーた見慣れた顔が…」


    霧切「あら、私たちは面識があまりないはずだけれど?」


    桑田「俺にはあるんだよ、十分にな。」


    にしても、今回俺を殺したのは十神だったのか…あの性格からやりかねないとは思っていたが、説得はマジキツいな…


    と、今目の前に、都合の良い女がいるじゃねえか…と気付く。


    桑田「霧切。」


    霧切「何かしら?」


    桑田「俺を監視するんだろ?それは好きにやってくれ…だが、俺も条件がある。」


    霧切「まだ監視のことについては一言も発していないのだけれど……、まあいいわ。条件って?」


    桑田「十神を……」



    桑田「コロシアイさせねーように説得してくれないか?」
  50. 57 : : 2017/01/09(月) 19:16:22
    霧切「は?」


    困惑したよーす。そりゃ最もだ。だって十神が人を殺そうとしているなんて、本人しか知らないはずだもんな?


    桑田「どうして俺が、十神が人を殺そうとしているかーなんてことを知っているのか、ってのは考えないでくれ。説明できない事情がある。」


    桑田「別に、俺を疑っても構わないけど、できれば十神を説得してからにしてほしい。」


    霧切「…どういうことかしら?」


    桑田「十神が人を殺そうとしているってのは事実だ。んで、コロシアイを望まない俺にとって、これだけは避けたいわけよ。協力…してくれね?」


    霧切「そう、私も今、ようやくわかったことがあるわ。」


    落ち着いた様子で俺を見ると、小さな声で…でもハッキリと言った。



    霧切「あなた、黒幕の内通者よね。」
  51. 58 : : 2017/01/09(月) 19:16:47
    桑田「は?」


    霧切「あなたが黒幕の内通者なんでしょう?誰が人を殺そうとしているなんて、そんなの察知できるはずがないわ。」


    霧切「人が死んでから犯人を特定することはできても、人が死ぬ前に犯人を特定するなんて…『探偵』でもできるはずがない。」


    桑田「ちょっと待ってくれよ…俺が黒幕の内通者なら、どうして俺がコロシアイを止める必要があるんだ?」


    桑田「それなら、よりコロシアイを起こしやすくするために、この情報は黙っておくべきじゃねーのかよ!?」


    霧切「例えば、その情報自体がガセだとしたら?」


    霧切「私と十神くんの間でイザコザを起こさせ、よりコロシアイを起こしやすくするようにする…見方を変えれば、そういう意図がある可能性だって出てくるわ。」


    霧切「というか、知っているなら自分から防ぎなさいよって話。私に言わせることにも、何か意図があるように感じるわ。」


    霧切「どうなの桑田くん?何か反論はある?」
  52. 59 : : 2017/01/09(月) 19:17:04
    桑田「あるよあるある!!!…って、騒ぎ立てたところでお前にゃ敵わねーってことはよーっくしっている。」


    桑田「だけど、頼む…、俺を黒幕の内通者だと疑うのは後で、今は…十神の説得に協力してくれないか………?」


    桑田「このとーりだッ!」


    土下座、それはまさしく土下座。


    ははっ、俺みっともねー、コロシアイを起こさないーなんて、一番最初に人を殺しちまった俺が言えた立場じゃねーよな…


    霧切「………滑稽ね。」


    桑田「なっ…!?」


    霧切「起きてからじゃ遅いのよ、何事も。だからこそ、あなたがどれだけ滑稽な姿を見せたところで、私が信じるのは私だけ。」


    霧切「残念ね。桑田くん。あなたを監視する必要もなくなったわ。」


    霧切「さようなら。」


    というと、霧切は俺の部屋から出ていった。


    桑田「………なんでだよ。」


    桑田「なんでなんだよぉぉぉぉ!!!!!」
  53. 60 : : 2017/01/09(月) 19:17:32



    セレス「あら、桑田くん。」


    霧切はもう頼りにならねえ、ってことで、なんとかセレスに交渉してみることにした。


    桑田「頼む…説得、してくれないか?」


    セレス「それは無理な頼みですわね。ワタクシ、そんな人を殺そうだなんて考えている人、近付きたくもないです。」


    桑田「頼む、セレス…お前しか、頼れないんだよ。」


    セレス「あらあら、随分と頼れる人が少ないんですね。人は見かけによらずとはまさにこのこと…ですわね。」


    桑田「………。」


    セレス「少々、私の『賭け』に付き合っていただけないでしょうか?」


    桑田「賭け…?」


    セレス「あなたが賭けに勝てば、十神くんの説得…とやらも考えて差し上げますわ。しかし、もし私が賭けに勝てば………」


    セレス「あなたの『秘密』。…教えていただきますわよ。」


    桑田「……。」


    そいつぁ…ちとまずいぜ、セレスさんよ。


    でも、確かにこの条件なら、俺が勝てば行ける…よな。


    ………うっし。


    桑田「受けて立つぜ!セレス!」


    セレス「うふふ、そう来なくては…」
  54. 61 : : 2017/01/09(月) 19:17:54
    完膚なきまでに…とはまさにこのことだろーなって思った瞬間だった。


    セレス「チェックメイトですわ。」


    俺とセレスがやった賭けってのは、まあ見てわかるとーりチェスだ。


    実のところ、女のコが急に『チェスがやりたい』なんて言い出すから、俺はそれに合わせて、仕方なくチェスをやっていたこともあった。


    だからこそ、俺はセレスが持っている賭けの中から、チェスを選んだ。



    どこで、俺が勝てるなんて思ってしまったのだろうか。


    さすがは超高校級のギャンブラー、俺の考えが手に取るようにわかる…とでもいうのだろうか。


    俺はなす術なく終わった………。


    セレス「呆気なかったですわね。」


    セレスは、自分の髪をクルクル回しながら俺の方を見る。


    桑田「待ってくれよ…俺、この秘密知られたら死んじまう…」


    セレス「関係ありませんわ。あなたが賭けに応じたのでしょう?」
  55. 62 : : 2017/01/09(月) 19:18:20
    セレス「騒がしいですわね。まあいいでしょう、冥土の土産に、ワタクシから少々、アドバイスをしてあげましょう。」


    セレス「賭けは、相手の立場に立つことが重要なのです。あなたも先ほど、あなた自身がやろうとしたこと、全てを封じられましたよね?」


    桑田「あぁ、お前の的確な駒の配置に、俺は完敗だったぜ…」


    セレス「それは、ワタクシがあなたなら、どこで駒を配置するだろう…と、あなたの立場になったからです。」


    セレス「例えば、それは交渉なんかでも同じこと…。相手が欲しいものや、相手の望むものを、相手の立場にたってもう一度考えてみる…」


    セレス「それはお金か、人材か、情報か…それは人それぞれでしょうけど、少なくとも、『頭を下げて納得する人』なんて、いるわけがないでしょう。」


    セレス「今回の賭けもそう。あなたは十神くんを説得することに、やけに盲目的になっていた。だからこそ、己の秘密を公開する…ということ、それに対して楽観的になってしまったのでしょう。」


    セレス「だからこそ、私の才能について…自分が死ぬかもしれないリスクについて…まあ、それ以外にも、様々なリスクやデメリットに目が向かなかった…違いますか?」


    桑田「いや、間違っちゃいねえ。」
  56. 63 : : 2017/01/09(月) 19:18:55
    桑田「よーーーーーやくわかったぜ…ありがとうな、セレス。」


    セレス「今更わかったところで、あなたには死という選択肢しかないのでしょう?今更ワタクシに感謝したところで遅いのでは?」


    桑田「…なあ、セレス。耳の穴かっぽじって、よーっく聞けよ…」


    桑田「俺は、『死に戻り』だッ!!!!!」


    言い切った………ははっ、言い切ってやったぞ!!


    なんだ、この身体にはなんともねえじゃねえか!ははっ、俺だけ損した気分だな!!!


    …しかし、先ほどまでとの光景に、少し違和感を感じた。



    桑田「…セレス?」


    セレスがいない。今まで目の前で、一緒にチェスをやっていたセレスが、なぜか突然と消えた。


    …いや、『なぜか』なんて、俺が使うべきではないだろう。そもそも、あいつは俺の秘密を知りたがっていた。その状態から急に消えるなんて…


    つまりこれは、秘密をバラした俺じゃなくて、秘密を聞いてしまった方に、影響が及ぶ…ってことじゃねえのか?


    だとしたら、本当にセレスには悪いことをしちまったな…



    決めた。


    また死に戻る。そして、また霧切に交渉してみせる。


    …としたら、俺にはまずやることがある。


    それは『材料集め』だ。


    もちろん、霧切が納得するだけの…な。
  57. 64 : : 2017/01/09(月) 19:20:20



    桑田「モノクマ!出てこいよ!!」


    モノクマ「ん?なんでしょうかね?」


    桑田「交渉だ…全員のあの秘密、俺にだけ教えろ。」


    モノクマ「それはできないよ!」


    桑田「俺が『コロシアイをする』って言ってもか?」


    モノクマ「………そんなの、ただの口約束でしょ?それに、キミが捨て身覚悟でボクの正体バラした後にコロシアイ起こしても、ボク的に困るだけだし………」


    桑田「それでも、舞園ちゃんのコロシアイで、この事態が悪化するはずだったお前の計画…崩れつつあるんだろ?その中で、俺からの協力ってんのは、なかなかいいと思うがな。」


    モノクマ「一理あるね。…でも、全員はさすがに無理かな。」


    桑田「なら、数人とかでも…」


    モノクマ「…3人分ならいいよ。その方が面白そうだからね。」


    桑田「…じゃあ、教えてくれ。」


    モノクマ「ただし条件。コロシアイっていいながら、その情報だけ漏らされちゃえば困るからね。ボクつきっきりで、ちゃんと殺してもらいます!」


    桑田「かまわねえよ。俺は聞きたい3人は…十神、霧切、そしてセレスだ。」


    モノクマ「うぷぷ…それじゃあ発表いたします!」
  58. 65 : : 2017/01/09(月) 19:20:43
    モノクマ「まずキミが最も気になっているであろう十神クンの動機だね。彼の動機は…」


    モノクマ「十神クンの秘密…それは…」


    モノクマ「彼が末っ子の弱小であることだよ!」


    桑田「………???」


    モノクマ「十神家はね、子孫をたくさん作って、その中で蹴落とし合いをするんだ。」


    モノクマ「その中で、末端の更に末っ子に位置する十神クンは、当時最弱と言われた中で、見事御曹司の名誉を勝ち取った。」


    モノクマ「でも、そんな最弱雑魚な十神クンが、今の十神家を継いでいるーだなんて外にバラしてしまえば…十神家の威厳なんてなくなっちゃうからね!」


    桑田「なるほどなぁ…殺人に及んでも仕方ねえってことか。」


    モノクマ「そして、後は残りの2人についてだけど…さほど知りたいわけじゃないだろうし、適当に済まさせてもらうね。」


    モノクマ「セレスさんの本名は『ヤスヒロタエコ』。それが、彼女の隠したい事だよ。」


    桑田「…名前だけか?あいつが日本人だなんて、全員知っていただろ?」


    モノクマ「さあね、ボクにはわかんないよ。人のことなんて。」


    モノクマ「んで、最後に霧切さんの隠したいことだけど…」


    モノクマ「彼女が手袋をしている手には、隠したい傷があるそうですよ!」
  59. 66 : : 2017/01/09(月) 19:21:15
    さて、情報は大方出揃ったな。


    桑田「へへっ、ありがとよ。」


    俺は隠し持っていた包丁で…


    モノクマ「ボクへの暴力は校則…?!」


    自分自身を突き刺した。


    モノクマ「………迂闊だった。」


    モノクマ「キミにそこまでの覚悟があるなんてね。」


    モノクマ「ま、いっか。これはこれで面白そうだしね。」


    モノクマ「うぷ、うぷぷぷぷぷぷぷぷ………」



    痛みはまだ響く。


    覚悟はあったにしても、やっぱ痛ぇもんは痛ぇ。


    もっと楽に死ぬ方法を考えるべきだったな…毒とか。


    それも、今度モノクマに交渉してみるか……。


    自殺用の毒…ははっ、響きが悪ぃな。



    目が覚めると、やはり霧切が横に居た。


    霧切「おはよう、桑田くん。」


    桑田「………おはよう、霧切。んで、どうしてお前がここにいるんだ?」


    霧切「監視よ。」


    桑田「………そうだろうな。」


    霧切「何か言いたげな顔ね?私が監視するのに、何か文句でもあるの?」


    桑田「んー、お前の監視に関しちゃどうとも言えねえけど…まあお前に言いたいことはあるな。」



    桑田「交渉だ。」
  60. 67 : : 2017/01/09(月) 19:21:50
    霧切「交渉…?」


    桑田「俺はお前の秘密を知っている。…偶然見えちまったんだよ。」


    霧切「……それを交渉材料とするつもり?それじゃあただの脅しよ。」


    桑田「ズバリ、お前の秘密は、隠したい傷が手にあるってことだ。」


    霧切「…話聞いてる?」


    桑田「そもそもお前が筋違いなことを言っていたからな。あくまでこの情報は、お前に、俺の情報がいかに信憑性があるかってことの証明だ…さて本題に入るぞ。」


    桑田「俺はお前以外にも、いくつか秘密を見ている人物がいる。…セレスと十神だ。」


    桑田「そこで交渉だ。セレスの秘密は人を殺すほどではなかったからスルーとして…十神…あいつの動機が問題なんだ。」


    桑田「お前には、その十神の動機の情報を提供する。そのかわり、お前が俺の代わりに、あいつを説得してくれねえか?それが条件だ。」


    霧切「どうしてあなたが行かないの?」


    桑田「俺がバカだからだよ。お前のが数倍頭いいだろ?」


    霧切「……どうしてその3人だけなの?」


    桑田「さっき言ったはずだぜ?たまたま見えちまったんだよ。俺の角度から見えるのはちょうど3人だった。ただそれだけだ。」


    桑田「まあ十神の場合ちょっと特殊だけどな。その動機の意味を、一度モノクマにも確かめた。」


    霧切「………?」


    桑田「興味を持ってもらえたな。これ以上話を聞きたきゃ…」
  61. 68 : : 2017/01/09(月) 19:22:10
    霧切「卑怯ね。興味を引くために少し話を漏らすなんて…」


    桑田「交渉スキルってやつだ。」


    霧切「…わかったわ。私がなんとか十神くんを説得してみせる。だから…」


    桑田「わぁーった。んじゃ言うぞ。」


    桑田「十神の動機は『自分が末っ子である』ってことだ。十神家のしきたりなのか、頭首を決める時は、毎回多数の兄弟同士で蹴落とし合いをするそうだ。」


    桑田「そんな数多くいる中で、末っ子である十神白夜が、御曹司となった今…それは、十神だけじゃなくて、十神家全体の威厳に関わることだそうだ。」


    霧切「…確かに、殺してもおかしくなさそうね。でもどうして、モノクマが教えてくれたのかしら?」


    桑田「ややこしいからじゃね?やっぱ、御曹司ってのも複雑なんだろうな。」


    霧切「じゃあ次の疑問。どうして無関係なあなたが、私にそんな情報を提供したのかしら。」


    桑田「そりゃ…コロシアイなんてしたくねえからだ。」


    霧切「………」


    桑田「それに、お前と信頼を築けば、俺の保険にもなりそうだからな!」


    霧切「…はぁ。」


    呆れた…という顔をしていた霧切だったが


    なぜか、笑っているようにも感じた。
  62. 69 : : 2017/01/09(月) 19:22:35



    霧切「読書中に失礼するわね。十神くん。」


    十神「…何の用だ、霧切。」


    霧切「少しお話がしたいのよ。ねえ」


    霧切「『完璧』って…なんだと思う?」


    十神「…いきなり何を言い出す。完璧とは、つまりこの俺のことだろう。」


    霧切「…少し違うわね。」


    十神「俺が完璧ではないというのか?」


    霧切「だって、あなたは今焦っているもの。」


    霧切「モノクマからの動機発表から、今に至るまで…少なからず、あなたは多少焦っているはずよ。」


    十神「……何が言いたい。」


    霧切「焦っているあなたは、絶対に完璧とは呼べない状態ってことよ。」


    十神「お前が言いたいことはわかった。俺があの程度の動機に、動揺していると言いたいんだな?」


    霧切「えぇ、その通りよ。」


    十神「……お前に、俺の何がわかる…!」


    霧切「あなたは誇りに思っていいはずよ。最弱末っ子と言われながら、十神家の勝者を勝ち取った…。確かに、裏をかけば、十神くん以外の十神家の人が弱かった…今の十神家は弱いってことになるかもしれないけど…」


    霧切「最弱から這い上がって、強く生きたあなたは、少なくとも胸を張れるんじゃないかしら。」


    十神「…なぜ貴様が、俺の動機を知っている……!」


    霧切「………探偵の勘、かしらね。」
  63. 70 : : 2017/01/09(月) 19:24:25



    桑田「やったな霧切!十神を言い包めることが成功したみたいで…」


    霧切「あなたの情報がなかったら、無理だったでしょうね。…まさか、本当に戦意があったとは思わなかったわ。」


    霧切「そして、あなたにはもう一つ感謝しないといけないの。…彼との会話の中で、私の中にあった『記憶』が蘇りつつあった…」


    桑田「…と、言いますと?」


    霧切「私の才能は『超高校級の探偵』。…あなたのおかげで、思い出せたわ。」


    桑田「俺は何にもしてねえよ?むしろ、事件を事前に食い止められたのは、お前の実力でもあるんだし、さ。」


    霧切「…案外優しいのね。桑田くんの癖に…生意気よ。」


    桑田「……ハァ?」


    生意気ってンだよ?!俺どーゆー風に見られてるワケ!?


    ……まあとりあえず、解決したんだし、いいんだけどな。






    chapter2 週刊少年イセカイノーベル END

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ACAOT7126

ふぃん

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