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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

永久の想い

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  1. 1 : : 2016/09/08(木) 10:28:49
    初めてまして「煎茶」ですっ!進撃の巨人ラヴの腐脳の持ち主で御座います
    その中でも 「リヴァイ×エレン」が1等大好物‼‼///
    とりあえず、2人の結びつきを書けたらいいなぁ〜と思い書いたので、誤字、脱字あるやも知れませんが、気長に見てやって下されば嬉しいです。







    人は生まれ変われるのだろうか?...。
    永悠の時を越え、魂で結び付いた恋人達はまた出逢い、そして遥かな時の約束を果たせるのだろうか...。

    エレン「ふぁぁぁ〜...ねむ...」

    アルミン「おはよう!エレン、...また夢で眠れなかったの?」

    エレンは毎晩、夢に悩まされていた。
    それは酷く切なくて、暖かく、そしてとても残酷な夢…遠く遠く...何千年も永悠の記憶 思い出せるのは咽せ返る蒸気と高い高い壁...そして、血の色...そして何故か消え欠けた自分の傍で静かに見守ってくれる男性の姿だった。

    エレン「ん...まぁ..何なんだろうなぁ〜...何か意味があるんだとは思うんだけどよ...」

    アルミン「...そうだね ニコッ..」

    自分の顔を見ながら、刹那気な表情を浮かべた親友に不思議そうに話し掛ける。

    エレン「アルミン?なんでお前までそんな顔すんだよ?」

    アルミン「え?...あ、ごめんゴメンっ!」

    アルミンは取り急ぎ平静を装いエレンに笑い掛ける。
    彼には永悠の記憶が有る。
    けれども、その事をエレンには伝えていない...。
    あの時代がどれ程過酷で、エレンを苦しめていたのかを知っているから...言い出す事は出来なかったのだ。

    アルミン「そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?」

    エレン「...だなっ!ニコッ!」
  2. 2 : : 2016/09/08(木) 11:05:09
    今は20××年 エレンは15歳になった。
    今の時代では普通の高校生として、明るく元気に過ごしている それでもまぁ...血の気が多く、上級生にも納得出来なければ向かっていく相変わらずの「死に急ぎ野郎」ではあるのだが、アルミンやミカサが居てくれるお陰でこっ酷い怪我をすることも無く、穏やかな幸せを謳歌している。

    エレン「...はぁ〜!...」

    派手に溜息をつく。

    アルミン「なに?大きな溜息なんか付いて」

    エレン「なぁ、アルミン...今のこの平和な時間ってさ 本物だよな?...何かさ..おれ、すっごく大切な事忘れてる気がすんだよ」

    アルミン「エレン..それは...」

    何かを模索しているエレンに応えようとした時、不意に声を掛けられ言葉を飲み込んだ。

    ミカサ「エレン、アルミン、おはよう」

    エレン「おぅ!おはようミカサ」

    アルミン「おはようミカサ」

    普段と変わらない挨拶をする。
    ミカサはとても感が良い、下手な事を言えば直ぐバレてしまうだろう...そう考えたアルミンは無難な話を振る。

    アルミン「今日は体育祭の準備だったね?ニコッ」

    ミカサもアルミンと同じく、記憶を持っている...それもアルミンとは比べ物にならないほど鮮明に...だからこそ今、平穏な時代に生きるエレンに辛く苦しかったあの時代の記憶を取り戻させたくないのだ、もし、エレンが記憶を取り戻し(あの人)と再開してしまったら自分はもうエレンには必要とされないのではと...。

    ミカサ「そう、看板建てとポスター貼りがある」

    エレン「看板建て...ミカサ1人で十分じゃねェ?」

    ミカサ「エレンとアルミンの分は私が引き受ける...ので、問題無い」

    アルミン「僕の分までって...(^_^;)」

    手首を捻りコキコキ鳴らすミカサに苦笑しながら学校へと歩く。
    何気無いこの時間はとても穏やかで、あの時代に生命を賭けて戦って居た事が嘘のようだとアルミンは思った。
  3. 3 : : 2016/09/08(木) 12:16:49

    3人連立って校門をくぐると、エルヴィン学校長と生徒指導のミケが目に入り挨拶をする。

    アルミン「おはよう御座います エルヴィン学校長、ミケ先生」

    エレン「おはようございます!」

    ミカサ「おはよう御座います」

    エルヴィン「あぁ、おはようニコッ..ミサカ、お兄さんはまだ来ないのかな?」

    ミカサ「……。」

    エルヴィンの問にミカサは答えようとしない。

    ミケ「... スンスン ...エルヴィン、もう直ぐ来るようだ...」

    ミケは相変わらず鼻が効く、スンスンと鼻を啜りミカサの兄を感じ取ったようだった。

    エレン「ミカサ!お兄さんが居たのか?」

    アルミン「あ...」

    ミカサ「......答えたくない」

    言い淀むミカサの態度にアルミンが気付きすかさずフォローする。

    アルミン「エレン!早く教室行かないとっ!エルヴィン学校長、ミケ先生!お先に失礼しますっ」

    エレン「アルミン?!ちょっ!!何なんだよっ!」

    ごねるエレンの背を押し校内へと走る。
    その姿を見送りミカサが口を開く。

    ミカサ「エルヴィン学校長...エレンの前で兄の話しを振らないで下さい 迷惑です」

    エルヴィン「....君は、記憶が有るのだね?」

    ミカサ「...だったら何ですか?...」

    運命はなんと残酷なのだろとミカサは唇を噛む。
    かつて、エレンを看取った (男性) はエレンの夢に出て来るその人なのだ...しかも今は自分の(兄)として転生し、今度は教師としてこの高校に赴任して来るというのだ。

    ミケ「...ミカサ、運命ってのは思い通りには行かないものだ」

    ミカサ「グッ...」

    拳を握り締めミケを睨む ミカサ自身、ミケやエルヴィンが悪い訳では無いと理解している...それでもエレンと(兄)であるその人を会わせたく無いと思ってしまう...。

    エルヴィン「ミカサ、エレンはまだ記憶を取り戻してはいないのだろう?そう警戒しなくても大丈夫なのでは無いかな?」

    ミカサ「...」

    低くよく通る声でミカサを諭す、昔と変わらず人を惹き付ける不思議な声色だとミカサ思う。

    ミカサ「...そうですね...少し過敏になり過ぎました」

    ミケ「彼も記憶は無いのだろ?.エレンと逢ったとしても記憶が戻る事は無いかもしれない」

    ミカサ「...そうですね...失礼しました 兄は空港から直接来るそうです..」

    それだけ応えると頭を下げ、足早にその場を離れる。

    ...(願わくばエレンがあの人に惹かれませんように...)

  4. 4 : : 2016/09/08(木) 13:18:24

    エレン「ムスッ...」

    アルミンの突然の行動にあからさまに不機嫌な顔をして自分の席にドカリと腰掛ける。
    自分はただミカサに(兄)が居た事を聞きたかっただけなのだが、いきなり背を押され教室へと連れて来られたのだから、納得出来なくて当然である。

    アルミン「エレン〜...機嫌直してよ?ね?これ上げるからさ」

    紙パックの苺ミルクをエレンに差し出す。

    エレン「...一応貰っとく」

    受け取ると早速ストローを差してちと口すする。

    エレン「うま...チュルチュル...」

    アルミン「にこっ//」

    苺ミルクで少しだけ機嫌の直ったエレンを見てホッと胸をなで下ろす。

    ジャン「お、いいもん飲んでるじゃねえか」

    エレン「!!」

    軽口を叩きエレンの持っていた紙パックを横取りして飲む。

    ジャン「ジュルルル...ズズズ!」

    飲み切った後の渇いた音が響き、エレンが無言で立ち上がる

    エレン「テメェ...よくもおれの苺ミルクを...」

    ジャン「はぁ?!ダラダラチビチビ飲んでっから要らねえのかと思ったんだよ!」

    エレン「あ゛ぁ゛っ?!何言ってやがんだ!この馬面‼‼」

    アルミン「エレンッ!落ち着いて‼また買ってくるから!」

    お互い額を押し付けあい、一色触発の最悪なテンションの2人を何とか収めようと必死のアルミン...。
    力では2人に叶うはずも無く案の定弾き飛ばされてしまった。

    アルミン「つ!... あれ?...」

    吹っ飛ばされた筈の体が宙に浮いている...
    自分の腰を抱えて居たのはミカサだった。

    ミカサ「大丈夫?」

    アルミン「あ、ありがとうミカサ」

    ミカサはコクリと頷き、アルミンを降ろすとエレンとジャンの首を掴んで押さえ込む。

    ミカサ「エレン、貴方は直ぐカッとなる...悪い癖」

    エレン「痛てっ!...離せッ!」

    ジャン「Ψ(`∀´)Ψケケケ‼まぁーた怒られてやんの!」

    ミカサに注意されるエレンを見て揶揄うジャンに一言。

    ミカサ「ジャン、今度エレンにちょっかい出したいのなら私が相手する」

    無表情のまま掴んだ手に力を込めて話す。
    エレンの事となると本当に恐いミカサである。

    ジャン「ゾゾゾッ:(;゙゚'ω゚'):軽い遊びだって!そんな本気になんなよ!」
  5. 5 : : 2016/09/08(木) 20:56:55
    本気になったミカサに勝てる者などほぼ皆無...。
    (ミカサには逆らうまい..)
    両手を上げ降参ポーズを取るジャン。

    ジャン)「もうしねぇから許してくれ〜っ!」

    ミカサ「...分かればいいの」

    いつもの飄々とした顔でエレンを椅子に座らせる。

    エレン「...握力強過ぎんだよ!」

    ミカサ「? そう?...いつも通りなのだけど」

  6. 6 : : 2016/09/08(木) 22:35:01
    アルミン「ほらエレンニコッ 苺ミルクじゃ無いけどフルーツミルクも好きだよね!」

    エレンをなだめ、自分の分で買ったフルーツミルクを渡す。

    エレン「これ、アルミン、お前の分だろ?」

    エレン「いいんだ エレンが飲んで?ボク別のが飲みたいから」

    エレンが気兼ねせず飲めるように配慮して言葉を選ぶ
    周りの人達に気遣い、エレンをなだめすかし、時には厳しくいさめる.本当に賢い。
    そうこうしているうちに、何やら廊下が騒がしい、それとなくジャンが廊下を覗く。

    ジャン「おー 新しい教師が来たみたいだぜ」

    ミカサ「...」

    エレン「新しい先生?」

    アルミン「今日から来るって週報に書いてあったね」

    エルヴィンに連れられエレン達のクラスに近付くその人はミカサの兄、リヴァイだった。
    彼はエレンと同じく記憶は無い だが、エレンが夢で見ているようにリヴァイも又夢の中の少年を思い考えていた。

    エルヴィン「今日からこの学校の教員として指導して下さる リヴァイ.アッカーマンさんだ」

    リヴァイ「今日からよろしく頼む」

    エレン「あの人は……」

    リヴァイと名乗ったその男性を見た瞬間何かがエレンの内を駆け巡る。
    言い様のない不安... 切なさ...そして安堵感...色々な気持ちが一気にエレンを埋め尽くして行く。
  7. 7 : : 2016/09/09(金) 06:13:11
    エレン「ズキッ...何だ?...これは...」

    胸が痛む、ズキズキと...記憶が溢れ出す、その度に直に脳内を針でつつかれた様な痛みに魘われる。
    それでも彼から目を離す事は出来ない...。

    エレン「あの人は...おれは...あの人を知っているのか?...」

    ミカサ「エレンっ!」

    アルミン「...エレン...」

    悲しい、切ない、愛おしい...言葉では言い表せない感情に包まれる。
    (リヴァイ)...その名をエレンは知っていると思った、何故かは分からない...でも自分はこの人をとてもよく知っているのだと感じる、不意に視線が合う、ドクリと心臓が跳ねる、早鐘のように速まる鼓動。
    (息が出来ない...)
    エレンの意識はそこでぷつりと途切れた...。
  8. 8 : : 2016/09/09(金) 07:21:52
    突然倒れたエレンを支えたのは...ミカサやアルミン、ジャンでも無く、リヴァイだった。
    誰よりも早くエレンの元に駆け寄りその体を支える。
    リヴァイ自身何故か分からなかったが、身体が動いた
    彼、(エレン)が倒れた時、本能的に(彼の傍に居なければ)と感じたからだった。
    エレンの体を支えた瞬間、身体中に電流が走る。

    (約束を果そう)

    瞬間的にそう感じた。
    これが何を意味していたのか等分からないが、ただ、彼(エレン)を守りたい、傍に居たいと思ったのだ。

    ミカサ「エレンっ!?」

    リヴァイからエレンを奪う様に抱きしめる。

    アルミン「ミカサっ保健室に連れていくよ!」

    ミカサに声をかける。

    ミカサはコクっと頷き、エレンを抱え立ち上がる。

    ミカサ「...兄さん、エレンは私達が連れていく」

    リヴァイ「...分かった」

    ミカサに抱えられ教室を出ていくエレンの姿を見送りながらリヴァイは言い知れぬ感情を抱いていた。
    それは永久の時を越えて果たせなかった想いの所為なのだとは思いもしない事なのだが...。

  9. 9 : : 2016/09/09(金) 11:54:52
    エレン「...いっ...? あれ??ここは...」

    自分の目を覚ました場所を確認する どう見ても教室では無い事は確かだった。

    ミカサ「エレン、目が覚めたのね?気分はどう?」

    心配そうに自分を見つめ言葉少なに手を握る幼なじみにエレンは尋ねる。

    エレン「おれ...どうしたんだっけ?確か教室ニコッ居たよな?...なんで保健室で寝てんだ??」

    アルミン「覚えてないの?...君は教室で倒れたんだよ」

    蒼碧の瞳を自分に向け、自分の顔を覗き込むアルミンの応えに倒れる前の事を考えて頭を搔く。

    エレン「...えっと...確か、新しい先生が教室に入って来て...それから...目が合った瞬間に呼吸が苦しくなって...」

    ミカサ「...その時何か思い出した?...」

    (何か思い出した?)

    ミカサの問いにエレンは顔を歪める。
    思い出したと言うよりも、感じたと言った方が正しいのでは無いのかと...。
    エレン自身、ハッキリと永久の時代の記憶を思い出した訳では無かった、ただ漠然と(彼)を生まれる前から知っていて(彼)に出逢わなければ成らなかったのだと感じたのだ。

    エレン「いいや...なんて言えばいいのかなぁ...こう...目が合った時、心臓が跳ねて動悸がして...胸が詰まるってか..苦しくて懐かしくて...それでいて切なくてさ..息する事さえ忘れちまったんだ...」

    エレンは正直な気持ちを伝える。
    その言葉を聞いてミカサはアルミンを見た、昔から(正しい答えを導き出す力)に秀でたアルミンなら良い答えをくれると信じて。

    ミカサ「...アルミン...」

    アルミン「...ふぅ...ミカサ、1からエレンに教えてもいいかな?僕は今エレンに話すべきだと判断したけど」

    ミカサ「...アルミンがそうした方が良いと判断したなら...それに従おう...」

    微かな不満を含んだ応えにアルミンは苦笑する。
    ミカサの気持ちも良く解っている、それでも、永悠なあの時代でエレンとリヴァイ兵長が交わした約束...アルミンは聞いていたし、覚えている...。

    (どんな世界に生まれようと必ずまた逢おう)

    消え欠けたエレンを抱えて戻って来たリヴァイ兵長かエレンに掛けた言葉をアルミンは忘れる事が出来なかったのだった。
    完全な記憶が戻っている訳では無い、それでもその言葉はエレンとリヴァイ.二人だけの切れない絆なのだと。


  10. 10 : : 2016/09/09(金) 13:27:23
    一呼吸置き静かに話し掛ける。
    何も憶えていないエレンが興奮しないよう丁寧に解説していく。

    アルミン「エレン君は前世とか、生まれ変わりとか信じる?」

    エレン「?...どうかな...でも否定はしないかも?」

    アルミン「とりあえず否定的でなくて良かったよニコッ...今から話す事はとても信じられないだろうけど、全て本当に有った話だよいいね?」

    エレン「おう!分かった」

    ミカサ「......」

    砂の雪原や氷の大地そして海の事を語り合った時と同じく興味深々のエレン...それに対して浮かない表情のミカサ...。
    そんな2人を交互に見ながら話し出す...永悠の時代の事を..自分の知る限りの記憶をエレンに聞かせる。

    アルミン「僕達は皆、何千年も昔から幼なじみでね、そして同じ時代を生命賭けで戦ってきたんだよ...」

    エレン「...そんな昔からおれ達繋がってんのか...」

    ミカサ「そう、そして私はエレンの恋人」

    エレン「えっ?!///」

    アルミン「ミカサ...それは君の願望でしょ?嘘はダメだよ?」

    ミカサ「...チッ!...」

    アルミン「...恋人では無かったけど、ミカサはいつもエレンを大切に思っていたのは事実だから
    ね?エレン」

    ミカサのあからさまな舌打ちに苦笑しながらも話しを続ける。

    アルミン「僕達は3つの高い高い壁の中で暮らしてた 壁の名は、ウォールマリア、ローゼ、シーナ」

    エレン「...壁...」

    アルミン「うん、その壁の中で人間は(巨人)と呼ばれる脅威から守られて暮らしていたその壁は百年以上壊された事は無く人々は安心しきって暮らしていた...ところが、その壁はある(巨人)によって破壊され平穏な時間はいとも容易く崩された」

    エレン「巨人...っ.」

    ミカサ「エレンっ...大丈夫?...聞きたくなければ聞かなくていい..」

    エレン「...平気だ!...アルミン続けてくれ」

    アルミン「!...うん...破壊された壁からは大小様々な巨人が入り込み逃げ惑う人々を喰って...当時のエレン君のお母さんも...」

    エレン「...」

    ミカサ「...喰われたの...破壊された壁が家を崩して.その時私達はまだ子供で...力も無くて...助けられなかった」

    エレン「...喰われた...」

    エレンの中にその時の断片的な記憶が蘇る...。
    薄気味悪い笑みを浮かべた(巨人)が瓦礫を掻き分け、その女性を玩具の様に捻り噛み砕く姿を。
    ...飛び散った血飛沫がスローモーションの様に宙を舞い...地面に赤い血花を咲かせているのを...。

    エレン「っ...」

    頬を涙が伝う、その残酷なシーンが遠い日の自分の目の前で起こった事なのだと理解した。

    ミカサ「...エレン...」

    エレンの頬を伝う涙を拭いエレンの手を握りしめる。

    エレン「ミカサ...」

    アルミン「...大丈夫?...」

    話しを一旦止めエレンとミカサを気遣う...。
    その残酷な瞬間はエレンとミカサの記憶だ...アルミンは黙って2人が落ち着くのを見守る。

    エレン「...ごめん、アルミン続けてくれ...おれ..ちゃんと思い出したいんだ...どんなに残酷だろうと...」

    ミカサ「エレン...」

    アルミン「ん...分かった、僕が知り得る限りの記憶を伝えるから...」

    真っ直ぐにエレンとミカサを見つめ話しを続ける。

    アルミン「...それから僕達は避難して開拓地で暮らして、「訓練兵団」に行くんだ 色々なしんどい訓練を受け...そして上位の成績で「調査兵団」に入団する...」

  11. 11 : : 2016/09/09(金) 14:14:03
    エレン「「調査兵団」...」

    「調査兵団」その響きがエレンの中にまた1つ小さな記憶を照らし始める。
    アルミンはそれ迄の出来事を出来るだけ簡潔にエレンに伝える。

    アルミン「...そしてエレン、君は巨人に成れる人間だったんだよ だから君の監視役として(リヴァイ兵士長) がその任に着いた」

    エレン「リヴァイ...兵士長...」

    ミカサ「...」

    エレンは夢の中の男性を思い出した...。
    (リヴァイ兵長...)
    その姿が何故かついさっき出会った教師の姿と重なって... 胸の奥が熱くなって行くのを感じる。

    エレン「そうか...おれはなんで..兵長を忘れていたんだろう...」

    (そうだ...なぜこんなも大切な想い出を忘れていたんだ...)

    誰よりも強く優しくて...それでいて感情を伝える事が誰よりも不器用な(リヴァイ兵長)を...。
    巨人に成れる忌わしい自分を傍に置き、その不器用な愛情で見守ってくれた恩人を...。
    消え欠けた自分を抱きしめ、「また逢おう」と言ってくれた...その声を忘れまいと決めていた筈なのにと。

    アルミン「...どうかな?...エレン、少しは思い出せた? 君が毎日見ていた夢は...その頃の記憶なんだよ」

    エレン「思い出した...すっげぇ大事な約束を忘れてた...」

    ミカサ「...思い出したの...あいつの事を...」

    エレン「アイツって...ドンだけ兵長嫌いなんだよ?」

    ニカっと笑う。
    その笑顔は迷いの無いエレンの笑顔だった。

    ミカサ「...仕方無い...あいつはいつもエレンを私から奪う...ので...嫌い」

    エレン「アハハっ!..仕方ねぇだろ?おれが惚れたんだからさ」

    ミカサ「ムゥ...」

    ストレート過ぎるエレンの答えにむくれるミカサをアルミンがなだめる。

    アルミン「ミカサ、諦めなってエレンとリヴァイ兵長は誰にも切れない絆の糸が有るんだよきっと...」

    ミカサ「...エレン、もしアイツが襲ってきたら私を呼んで...然るべき報いを...」

    アルミン「こらこら!ミカサ、仮にも今は兄妹何だから」

    エレン「!?リヴァイ兵長がミカサのお兄さん?!」

    ミカサ「......一応...」

    アルミン「驚きだよねぇ〜」

    にこっと微笑んでエレンとミカサを見る。
    (これからが大変かもな...)
    これから先の事を考えると気が重いがまぁ何とか成るだろうと浮かんだ楽観的な考えを心の奥にしまい込む。
  12. 12 : : 2016/09/09(金) 16:02:51
    リヴァイ「どうしてあの少年は俺を見て...」

    リヴァイは考えあぐねていた。
    教室で倒れた少年の事を...何故か身体が動いた。
    倒れると思った瞬間躊躇い無く少年を抱えていた...。

    (俺はアイツを知っている...)

    子供の頃から見続けている夢...。
    砂埃...瓦礫と化した町...見たことも無い巨大な怪物...血の匂いと咽せ返る蒸気...。
    見慣れないジャケットと薄刃の刃物 そして今にも消え欠けた少年。
    その傍らに立つ男が、(自分)なのだと何故か分かる...。
    這い出してきた少年を抱えるとその少年は自分の腕の中で笑いながらその生命の炎を終えた...。

    リヴァイ「...パラパラ...エレン.イェーガー...か」

    生徒資料に目を通し、エレンの名を確認する。

    (何故ここまであいつが気になるのか...確かめたい)

    エレンが居るであろう保健室に向かう。
    自分が見続けて来た夢の少年...それがエレンならどうしても自分で確かめたいと思ったのだった。


    ー 運命は巡る 永悠な時間と想いを託して ー


  13. 13 : : 2016/09/09(金) 22:53:01
    保健室の戸を開く。
    窓際のベッドに寝ているエレンの側に行きその顔を覗き込む。
    少し癖のある髪、意志の強そうな眉、長い睫毛...
    顔立ちはどちらかと言うなら、綺麗な方だと思う。

    リヴァイ「...やっぱり...夢の少年と同じだ...」

    目尻に掛かった前髪を払ってやろうと手を伸ばした瞬間にエレンが目を開いた。

    エレン「!!?」

    リヴァイ「よぉ...具合はどうだ?」

    伸ばした手を引っ込めるのも何だと思い、髪を払ってから引っ込める。

    エレン「?!.あのッ...」

    リヴァイ「...何だ、元気そうだな?」

    アルミン達から話しを聞き、エレンは過去の記憶を取り戻している...だが、今自分に触れてきたリヴァイは記憶が戻っているのだろうかと思う。

    リヴァイ「エレン.イェーガーだったな?...お前は俺を知っているのか?」

    自分の感じた感情が何なのか確かめたくて問うてみる。

    エレン「えっと...その...なんと答えれば良いのでしょうか?」

    問われた答えに困るエレン。
    自分は永悠の時代の記憶を持っていてリヴァイの事を良く知っている...だが、リヴァイの問いはリヴァイ兵長として問われたのかそうでないのか?...答えに詰まり訪ね直した。

    エレン「あのッ...おれがもしも、もしもですよ?...貴方のことを知ってると言ったらどうするんです?」

    リヴァイ「そうだな、もし知っているなら答えて欲しい事がある」

    エレン「答えて欲しいこと...?」

    自分を真っ直ぐに見据えるエレンの大きな瞳は翡翠色で光に照らされると金色にも見える...。
    リヴァイは思う (この瞳を俺は知っている)と。

    リヴァイ「...これから話す事は、俺が子供の頃から見ている夢の話だ」

    エレン「夢の?...」

    エレンは黙ってリヴァイの話しを聞こうとじっと見据える。
    そんなエレンを見ながら、子供の頃から見続けている夢を話す。

    リヴァイ「...いつもその夢を見て目を覚ますんだ 高い壁、砂埃、咽せ返る蒸気と血の匂い..そして、見たことも無い不気味なデカイ化物...そしていつも出てくる少年」

    エレン「?!...」

    自分が見ている夢と同じものを兵長も見ていたのかと驚きで目を丸くする。

    リヴァイ「...で、その少年は俺の腕の中で静かに逝くんだ...いつもそれで目が覚める」

    エレン「...そうなんですか...」

    そこまで聞けば、リヴァイがまだ記憶を取り戻していないのだと理解した。

    エレン「それって、おれなんかに話していいんですか?...」

    リヴァイ「その少年にお前は良く似ている...だから話せばなにか分かるんじゃ無いかと思ってな」
  14. 14 : : 2016/09/11(日) 20:32:36
    エレン「...実はおれも見ていたんです (夢)を」

    リヴァイ「...どんな夢だ?」

    少し躊躇いが有ったが、素直に話す。
    自分が視ていた夢を...。

    エレン「先生の観た夢とほぼ同じ何ですけど...その時、おれはある男の人に抱えられてて、死んじゃんうです だけど、その人は (どんな世界でもまた逢おう)って言ってくれて凄く安心出来てとてもおだやかな最期でした。」

    そこまで話し、リヴァイを真っ直ぐ見つめる。
    あの時、(また逢おう)と言ってくれたリヴァイ兵長を。
    見つめるエレンの真っ直ぐな瞳は、リヴァイの奥深くに眠る記憶を呼び起こす。
    胸の奥で少年が話し掛けてくる (思い出して下さい) と...。

    リヴァイ「っ...」

    エレン「先生?...」

    自分を見るエレンをマジマジと見詰める。
    記憶を辿る為に...。

    (必ずまた逢おう)

    リヴァイ「!...」

    エレン「あのっ...先生?...」

    リヴァイ「......」

    リヴァイの様子に恐る恐る顔を覗き込む...。





  15. 15 : : 2016/09/21(水) 11:14:00
    訝しげに眉間に皺を寄せエレンを見るリヴァイ。

    リヴァイ「...」

    エレン「あのっ...先生?」

    リヴァイ「エレン」

    急に名を呼ばれドキリと心臓が跳ねた。
    その声はあの頃と同じでそれでいてとても心地の良い声色だ...。
    何も変わっていないと エレンは思った。

    エレン「...リヴァイ兵長...おれが分かりますか?」

    リヴァイ「待たせたな」

    エレン「!...お久しぶりですね...兵長」

    (久しぶり)と言うのが正しいのかは分からない、
    けれど、今の気持ちを示すのなら一番しっくり来るとエレンは思う。

    リヴァイ「フッ...相変わらず元気そうじゃねぇか」

    エレン「ヘヘヘッ//そうですね!兵長もお変わり無さそうで安心しました!」

    リヴァイ「不思議なもんで、何度転生しても見た目は変わらんらしいなエレンよ」

    そう言ってエレンの頭をクシャりと撫でる。

    エレン「まさか、ミカサのお兄さんに成ってるとは予想できませんでしたけどね?」

    リヴァイ「そうだな しかも、お前の担任になるとは予想外の展開だ」

    本当にまた出逢えるなど誰が想像出来るだろうか。
    2人の絆の糸が過去から未来へ、そして今また繋がった。

    エレン「ニコッ..どんな形にしてもまた兵長に逢えた...おれはそれだけで満足です!」

    リヴァイ「こんなモンで満足出来るのか?お前は、俺はまだまだ足りねぇけど」

    エレン「へっ?」

    間の抜けたエレンの声を無視してリヴァイはエレンを抱き締める。

    エレン「?!//...兵長?」

    リヴァイ「...やっと...逢えたな...エレン」

    あの時代自分の腕の中でその生命を終えたエレンを今しっかりと抱き留める。
    辛い事ばかりのあの時代から穏やかで平和な時代に生まれたエレンを。

    エレン「...兵長、おれも逢いたかったです」

    自分の最期を看取って泣いてくれたリヴァイにエレンは笑顔で応える。

    エレン「兵長が(また逢おう)って言ってくれたから..こうしてまた逢えたんですよ」

    正直な気持ち...リヴァイのその言葉が無ければ生まれ変わる事は無かったとエレンは思う。

    (また逢おう)

    ただそれだけの言葉だったが、あの時の自分には充分過ぎる暖かい気持ちの篭った言葉だった。

  16. 16 : : 2016/09/21(水) 14:30:45
    リヴァイ「約束は守る為にある」

    エレン「はい?...?」

    一瞬の出来事。
    目の前にリヴァイの顔が近づいて思わず目を瞑ったその刹那 唇に触れる感触に目を開き固まる。

    (//////息できないっ//////)

    リヴァイ「そう固くなるな、捕って喰いはしない」

    エレン「そう言う問題じゃっ//////」

    リヴァイ「なんだ? 喰って欲しいのか?」

    からかわれて居るのか本気なのか...どちらとも取れる応えに思わず逃げ腰になる。
    どちらにしても、エレンはリヴァイの行動に逆らえない
    強制されている訳では無い、リヴァイの言葉が、態度が、触れて来るその手が 「嫌」でない
    口下手なリヴァイの優しさが嬉しくてたまらない。

    エレン「リヴァイ兵長っ///今貴方は「先生」ですよ?!///しかもここ!...学校ですっ///」

    リヴァイ「学校じゃ無ければ良いのか?」

    エレンの言葉をサラリと交し更にエレンに近付く。

    リヴァイ「Kissの仕方も精通も俺が教えてやったんだが覚えてるか?」

    エレン「!!///今それを言います?!」

    (そうだ...兵長はこう言う台詞平気で言えちゃう人だった///)
    ジリジリとベッドの端まで追い詰められ、いよいよ逃げ場を失う。

    エレン「兵長っ///落ち着いてくださいぃ〜!//」

    リヴァイ「落ち着くのはお前の方だ」

    リヴァイのひんやりとした手のひらが頬に触れピクリと肩が跳ねる。

    (あ...兵長の手、相変らすつめたいな...)

    そんな事を考えていると不意に保健室のドアが勢い良く開かれ見慣れた相手が怒りを含んだ声を上げながら近付いてくる。

    ミカサ「今すぐエレンから離れて...」

    リヴァイ「よぉ、遅かったな?ミカサ」

    静かに怒っているミカサ、それを気にもせず受け流すリヴァイ。
    間に取り残されたエレンは気が気では無い。

    エレン「ミカサっ!何怒ってんだよ」

    ミカサ「...エレン、キスしてた」

    エレン「?!//////なっ!何言ってんだ!!///」

    ミカサ「私はキスしてたと言っただけ...エレンは嘘が付けない」

    まんまとミカサに乗せられてしまった。
    エレンは真っ赤になった顔を逸らし誤魔化そうとする

    ミカサ「...まぁいいの...エレンは何も悪くない 悪いのは兄さん」

    ギロっと睨み付けながらエレンのそばに行シャツを脱がせ、首筋や胸元を確認して溜息を付く。

    リヴァイ「クククッ...何もしてねぇよ」

    エレン「兵長っ!!余計な事言わないで下さい!」

    ミカサ「その様ね...でも、エレンはこれから普通に幸せになるの その相手は貴方では無い」

    棘のある言葉にエレンは少しだけ表情を曇らせる...
    それを見逃さなかったのはリヴァイだった。

    リヴァイ「エレン、相手を選ぶのはお前、そして俺だ 他の誰の言う事も聴く必要は無い」

    エレン「!!」

    リヴァイ「いいかエレン 記憶が戻る前ならお前を1人の生徒として見ていただろう...でも今は違う俺はまたお前と出逢えた」

    ミカサ「...だから何?貴方は今の今までエレンの事覚えて居なかったのに」


  17. 17 : : 2016/09/22(木) 09:46:15
    そう言われてしまえばそうだと黙り込んでしまう。

    (好きで忘れていた訳じゃねぇ)

    言葉には出さず心の中で呟く それでも思い出してしまったのだから諦められるはずも無い。

    リヴァイ「それでも、エレンとの約束を果たす為に俺は居る」

    ミカサ「認めない」

    エレンを抱え込み(あんたには渡さない)とばかりに睨みを聞かせるミカサ。

    エレン「ちょっと待て!ミカサっおれの意見は無視かよ?!」

    ミカサ「エレン、過去に縛られる必要なんて無い 今は平和な時代...そして貴方も自由を謳歌出来るの」

    平和な時代...確かにそうだとエレンは思う。
    (過去の約束)にリヴァイを付き合わせる必要は無いのかも...と。

    リヴァイ「相変わらず過保護だな?ミカサエレンはお前の弟じゃねぇ自由な時代だと言うならエレンにその自由を選ばせてやれ」

    ミカサ「エレンは自由 私はただ、エレンを穢す輩から守っているだけ」

    リヴァイ「...穢す輩とは俺を指しているのか?」

    眉間に皺を寄せ静かに怒りを貯めている。
    そのリヴァイを睨み、闘志剥き出しのミカサ...お互い1本も引かない状況に眩暈がするエレン。

    エレン「あのなぁ〜...いい加減にしろよ?ミカサ!おれの尊厳はどこ行った?!いつもいつもおれを無視して話しを進めるの辞めてくれ!」

    ミカサ「エレン...」

    エレンの強い口調にションとする。
  18. 18 : : 2016/09/22(木) 10:22:39
    アルミン「...何か...不味い状況になってる...」

    保健室の外で入り損ねたアルミンが中の状況を見守る
    (どうしたらいいんだろ...)
    考えあぐねて居るとぽんっと肩を叩かれる。

    ジャン「アルミン?何してんだ?こんな所突っ立って」

    アルミン「ジャンっ!」

    ジャン「怪我でもしたのか?オレが手当してやるよ」

    中の修羅場を知らないジャン、アルミンの手を引き保健室の中に踏み込む。


  19. 19 : : 2016/09/28(水) 12:03:20
    エレン「アルミンっ」

    抱き着いたミカサをべリベリと剥がしアルミンの元に駆け寄る。
    残念そうなミカサと対照的に表情を変えないリヴァイ

    ジャン「?!...なんだっ?...」

    状況が飲み込めないジャンが固まっている。
    ミカサの独特な気配とリヴァイの発する無言の威圧感がそうさせているのだが...。

    アルミン「エレン、兵長とは話が出来たんだね」

    エレン「あぁ にこっ!」

    アルミンの問に応えてリヴァイを見る
    人懐っこい笑顔をリヴァイに向けて大きな目を細める

    リヴァイ「フッ...(昔と変わらんな...)」

    ミカサ「...チッ!」

    エレンの表情に納得出来兼ねるミカサは小さく舌打ちしてリヴァイを睨む。

    ジャン「?!」

    アルミン「ミカサそんな怖い顔しないで」

    リヴァイ「アルミン」

    ベッドから立ち上がり、アルミンとエレンの前に歩み寄る。

    リヴァイ「久しいなアルミン」

    アルミン「はい リヴァイ兵長もお変わりなくて安心しましたニコッ」

    リヴァイ「あぁ、エレンのそばにお前が居てくれて良かった」

    アルミン「エレンとまだ話をされますか?何でしたらエレンを家まで送って頂けると有難いのですが」

    にっこり微笑んで尋ねる。

    リヴァイ「あぁ、俺は構わん エレンはどうだ?」

    エレン「はいっ!兵長と帰りたいです!」

    ミカサ「ムッ...」

    大きな瞳をことさら大きく見開き素直に喜ぶエレンを
    リヴァイは穏やかに見つめ頷く

    ジャン「えっと...(汗)...皆さんお知合いで?..それに兵長って何のことだ?...」

    固まったままのジャンが尋ねる。

  20. 20 : : 2016/10/03(月) 10:00:44


    アルミン「ん...ジャンもその内思い出すかもね」

    ジャン「?...思い出す??」

    分からない と言った困惑した表情を浮かべアルミンみ視線を向ける。
    まぁ、無理も無い。エレンでさえ記憶を取り戻していなかったのだからアルミンはジャンの肩をぽんと叩き小さく笑う。

    ジャン「...意味わかんねぇ...思い出すって何のことだよ?...」

    アルミン「そうだねぇ 前世の記憶かな」

    それでも訝しげに首を捻るジャンにエレンが横から茶々を入れる。

    エレン「馬には分かんねぇだろうぜ?何たって(馬)だから」

    ジャン「うま馬言うなッ!!この死に急ぎ野郎!!」

    エレンの襟首を掴んで顔を睨み付ける

    エレン「!服が破けちゃうだろうがッ!!」

    エレンも負けじとジャンに掴み掛る。

    一触即発の2人を黙って見つめていたリヴァイが2人の顔を掴んで引き剥がす、綺麗に喰い込んだ指がこめかみをミシミシと圧迫する。
    相変わらずの握力。

    ジャン「う゛ッ?!!い゛ででででッ゛!!!」

    エレン「ぎゃぁっ!!すみませんッ !兵長!!」

    ミカサ「エレンっ!」

    アルミン「あ...(汗)」

    リヴァイ「...いい加減にしておけ二人共」

    一言言うとこめかみからパッと手を離し解放する
    解放され頭を抱えその場に座り込む2人にアルミンとミカサが駆け寄り声をかける

    エレン「大丈夫かい?ジャン、エレン」

    ミカサ「...エレン痛む?」

    ジャン「うう...」

    エレン「平気だって...サスサス...」

    頭を擦りながら答える2人にリヴァイが話し掛ける。

    リヴァイ「少し頭を掴んだだけだ鍛え方が足りねぇ様だな?」

    エレン「すみません!」

    ミカサ「...兄さん、エレン至極ふつうの高校生 鍛える必要等ない」

    アルミン「アハハ...」

    エレン「ミカサ!黙ってろ」

    ミカサの口を押さえ黙らせるエレン。

    ミカサ「むぐ...」

    エレン「兵長.えっと...リヴァイ先生? そろそろ帰りましょう!」

    立ち上がり、リヴァイの前に立つ。

    リヴァイ「そうだな、ミカサ、アルミン、それにジャンお前達も帰るぞ」

    ジャン「は、はいっ!」

    アルミン「はいっ」

    ミカサ「...」

    三人三様それぞれの思いを抱え、立ち上がりリヴァイに従う。
    それを見ながらクスリと笑うエレン。

    リヴァイ「なにがおかしい?」

    エレン「リヴァイ兵長の指示で動いていたあの頃を思い出してしまいました」

    リヴァイ「...そうか」

    笑顔で答えるエレンの頭をぐしゃぐしゃと撫でる
    指に絡む少し癖のある柔らかな髪が心地よい。

    エレン「えへへ//」

    ジャン「...あんな顔出来んだ...」

    アルミン「ニコッ...なかなかいい笑顔だろ?」

    嬉しそうに笑ってみせる。

    ミカサ「...ブツブツ...ハナレロ.チビチビチビチビ...」

    呪いの呪詛を吐くミカサ。

    アルミン「...ミカサ(^_^;)」

    リヴァイ「おら、全員付いてこい送ってやる」

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