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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレン「シャドーモセス事件」 ② 進撃×MGS

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  1. 1 : : 2016/03/03(木) 23:07:24
    進撃×MGSのコラボになります。


    結構長くなってしまうと思うのですが、よろしくお願い致します<m(__)m>
  2. 2 : : 2016/03/03(木) 23:46:11











    「はっ! はっ! はっ!」






    雪の降りしきる雪原の中を、一人の男が走っていく。
    男は身に付けたステルス迷彩装置のおかげで、他の兵士たちから怪しまれずに施設を抜け出すことができた。








    だが・・・・・・・・・・・・








    「・・・・・・・・・・・・そこにいるのは分かっているよ。」

    「!!」







    ステルス迷彩で逃走を図った男―――――――――アルミン・アルレルトは、一人の女性に見つかってしまった。







    (そんな・・・・・・・・・・・・ステルス迷彩を見破るなんて。)




    観念したように、アルミンはステルス迷彩の装置を切った。
    途端に、ヒュンという音と共に、雪原上に金髪童顔、青い瞳を持つ青年が現れた。








  3. 3 : : 2016/03/03(木) 23:47:18









    その女性は、背丈が低く、自分と同じ金髪碧眼の女性だった。
    なぜだろう・・・・・・・・・・・・アルミンはその、氷のように冷たい瞳に恐怖を感じなかった。


    下手をうてば、殺されてしまうかもしれないのに。









    「僕を・・・・・・・・・・・・殺すつもりかい?」



    そっとアルミンは、金髪の女性に尋ねる。
    対してその女性はごくあっさりと答えた。









    「いや、あんたは一般人だ―――――――もちろんただの一般人じゃないけど。殺す理由は無いよ。」

    「そう・・・・・・・・・・・・。」







    彼女の瞳は驚くほど冷たかった。
    まるで、心の中に氷の壁を作っているような、そんな感じだ。









  4. 4 : : 2016/03/03(木) 23:48:06









    「君・・・・・・・・・・・・名前は何て言うの?」

    「・・・・・・・・・・・・アニ・レオンハート。」







    おずおずと尋ねるアルミンに対し、その女性――――――――アニは淡々と答えた。


    すると、アニの周りに犬が集まってきた。
    この犬の犬種に心当たりのあった僕は、アニに話を振った。








    「その犬・・・・・・ウルフドックだね?」

    「意外だね・・・・・・技術者は動物さえ見分けられるのかい?」







    表情こそ変わらないが、口調がほんの少し柔らかくなった気がする。
    アニは愛おしそうにウルフドックの家族を撫でまわし、懐からエサを取り出してはウルフドックたちに与えていた。








    「君って、優しいんだね?」

    「やれやれ・・・・・・・・・・・・あんたは随分と変わった人間だよ。」

    「そうかな?」

    「今の自分の状況が見えていない・・・・・・・・・・・・こんな状況で私と話せるなんて、変わり者以外の何物でもない。」







    冷静に考えてみたら、その通りだと思う。
    何で僕は必死になって、アニにしゃべりかけているんだろう・・・・・・。








  5. 5 : : 2016/03/03(木) 23:48:36








    「この子たちは・・・・・・私と同じだ。」



    すると、アニは少し表情を和らげて、ウルフドックを撫でまわしながら話しかけてきた。









    「身勝手な人間の都合で作られて、捨てられた子たちだ。ウルフドックは私の家族なの。」

    「・・・・・・・・・・・・そうだったんだね。」








    アニがどんな人生を送ってきたか、分かるはずもない。
    でも、言葉の端々からは、理不尽な、踏まれ続けるような人生を送ってきたのだということが伝わってきた。








    「さぁ・・・・・・・・・・・・もう戻るんだね。」

    「・・・・・・・・・・・・分かった。」







    きっと逃げ出せば、僕は殺されてしまうだろう。
    それに、僕は既に、逃げる気力を失ってしまっていた。



    僕は静かに、ステルス迷彩のスイッチを押し、元いた軟禁場所へと戻っていった。












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇











  6. 6 : : 2016/03/04(金) 16:57:27








    武器保存棟。






    エレベーターに乗ったエレンは、漸く地下二階から一階へと戻ってきた。









    「!! 大佐。」

    『何だ?』

    「さっきあったはずの戦車が無くなってるぞ。」








    エレベーターのドアが開いて、エレンはすぐに違和感に気が付いた。
    もしかすると、戦車がこの先、待ち構えているかもしれない。









    『用心するんだな。』

    「言われなくとも。さて・・・・・・。」








    エレンはリヴァイとの通信を終えると、さっき調べた周波数を打ち込んで通信をかけた。







    『!! あなたは・・・・・・さっきの!?』

    「逃げおおせたところを見ると、お前、素質があるんだな。お前が大佐の姪、ミカサだな?」








  7. 7 : : 2016/03/04(金) 16:57:59








    ミカサは看守の服を着こみ、顔でばれないようヘッドマスクをつけていた。
    少し訝し気な様子で、ミカサはエレンに尋ねてきた。







    『あなたは、誰?』

    「お前の伯父に嵌められて、こんな僻地にまで来た哀れな男だ。」

    『一人で? 武器も持たずに? 馬鹿げてる。』

    「説教はもう勘弁してくれよ・・・・・・・・・・・・リヴァイ大佐みたいだ。」







    『あのチ・・・・・・・・・・・・リヴァイとはどういう知り合い?』

    「腐れ縁だ。」

    『名前は?』

    「これまで名前が必要になったことはない。」







    すると、ミカサはハッとしたように尋ねてきた。







    『もしかして・・・・・・・・・・・・エレン・イェーガー?』

    「そう呼ばれたこともある。」

    『伝説の男・・・・・・・・・・・・あなたが・・・・・・・・・・・・。』






    名前を聞いて驚くミカサ。
    それほどまでに、伝説の男の英雄譚は、兵士たちの中に浸透していた。


    ミカサはヘッドマスクを取り、素顔をさらしてエレンと話し始めた。








  8. 8 : : 2016/03/04(金) 16:58:36








    『さっきはどうも。味方だとは思わなかった。』

    「俺は分かったけどな。」

    『なぜ?』

    「・・・・・・・・・・・・目だ。お前の目は戦士の目じゃなかった。」

    『新兵の目とでも言いたいの?』







    少し不機嫌そうに話すミカサ。
    対してエレンは、少し表情を緩め、愛おしさをにじませるように話し始めた。








    「いや、お前の目は・・・・・・・・・・・・人を慈しむ目だった。」

    『いきなり口説くなんて、流石は伝説の男。』

    「逢えば伝説じゃなくなる。現実を見りゃ幻滅するさ。」

    『そうでもない。』








    するとミカサは、話題を変えるようにある男の話を持ち出してきた。







    『それにしてもエレン。あなた、エルヴィン・イェーガーとはどういう関係? まさか、兄弟?』

    「俺に家族はいない。」

    『では、どういうこと?』

    「さあな、あの野郎に直接聞いてみるだけだ。それよりも情報を教えてくれよ。」








  9. 9 : : 2016/03/04(金) 16:59:03









    一転して、エレンは真剣な表情になった。







    「お前はこの演習に最初から参加していたな? いったい何があったんだ?」

    『私も演習には当日に参加したばかりだ。ので、詳しいことは・・・・・・。』

    「構わない。まず、この基地は何だ? ただの核兵器廃棄所だとは思えない。」

    『・・・・・・・・・・・・連中のやりそうなこと。あなたは本当に何も知らされていない。』







    ミカサはため息をついた。
    軍の上層部がどれ程黒いものなのか、ミカサは新兵ながら、リヴァイを通じてよく知っていた。







    『いい、エレン? ここは表向きは核兵器廃棄所だけど、本当は違う。アームズテック社のダミー会社が所有する民間の基地。』

    「!! 民間の基地!? ここがか!?」

    『メタルギア開発のための。』

    「くそ、大佐め・・・・・・・・・・・・。」








    思わず毒づくエレン。


    リヴァイ大佐のことだ。
    恐らくこれくらいのことは知っていて、俺には黙っていたに違いない。








  10. 10 : : 2016/03/04(金) 16:59:43








    『そして、その模擬核弾頭発射演習のために、次世代特殊部隊とFOXHOUNDが招集された。』

    「何でFOXHOUNDが?」

    『メタルギアの開発を極秘裏に進めるため。FOXHOUNDは今だ影の部隊。ので、隠密行動にはもってこい。』

    「だが不自然だ。模擬核弾頭発射演習ならこれまでだってやってきたはずだ。何で今回に限って?」

    『メタルギアの正式採用を決定するための最終的実戦演習――――――私はそう聞いた。』

    「ふん、怪しいもんだな・・・・・・。で、テロリストたちの目的は分かるか?」

    『ごめんなさい・・・・・・・・・・・・蜂起の後、私はサネス社長と捕まってしまった。ので・・・・・・そこまでは。』

    「・・・・・・・・・・・・そうか。」









    テロリストの要求はビッグボスの遺体だった。
    だが、本当にそれだけなのだろうか、今となっては怪しい。








    「そう言えばお前、サネス社長からPALキーを預かっただろう?」

    『大事にしている。』

    「奴らによく奪われなかったな。」

    『女は男と違って引き出しをいくつも持ってる。』








    ・・・・・・・・・・・・ミカサはどこにキーをしまったんだろう。
    探す楽しみが増えたな。










  11. 11 : : 2016/03/04(金) 17:00:13








    『サネス社長と会ったのね。保護したの?』

    「・・・・・・・・・・・・死んだ。」

    『!?』

    「心臓発作だった・・・・・・・・・・・・オルオ局長と同じだ。」

    『局長も心臓発作?』

    「二人続けてとなれば偶然とは考えられない。」

    『でも、私にも心当たりはない。』

    「そうか・・・・・・・・・・・・。」









    「メタルギアの開発者のことは知ってるか?」

    『アルレルト博士のこと?』

    「そうだ、そいつは無事なのか?」

    『たぶん、北にある核弾頭保存棟の地下二階――――――その研究室フロアにいる。核発射のプログラムを強いられていると思う。』

    「それが終わるまでは、生かしておくつもりだろうな。」

    『早くしないと・・・・・・。』

    「ああ、起爆コード解除が間に合わなかったときのために、メタルギアの破壊方法も聞いておきたいからな。」

    『!? エレン、まさか・・・・・・アレとやりあうつもり!?』

    「別に今回が初めてじゃない。」

    『・・・・・・。』









    ミカサは思わず口を噤んだ。



    伝説の男――――――――噂には聞いていたが、生身で二度もメタルギアを破壊したというのは、今まで到底信じられなかった。
    でも今、エレンから直接話を聞いて、さもありなんと思ってしまった。








  12. 12 : : 2016/03/04(金) 17:01:35







    「それで、北の核弾頭保存棟へ行きたいんだが、扉が閉まっている。ミカサ、お前、セキュリティ・レベル5のカードキーを持ってるか?」

    『ええ、持ってる。』

    「よし、俺はこれから博士の保護に向かう。」

    『私も行く。』

    「ダメだ、新米はどこかに隠れてろ!」

    『新米じゃない!』

    「口だけではだめだ・・・・・・・・・・・・敵に向かって一瞬でもためらったら終わりだぞ? 二度も幸運は続かない。」














    『私・・・・・・すぐに引き金が引けなかった。指を引くだけで、相手の命が終わってしまうと思うと、怖かった・・・・・・。』



    ミカサは、震えるのを押し殺すような声で呟いた。









    「訓練で的を撃つのとはわけが違う。」

    『軍人になるのが、夢だった。実戦に向けて、毎日毎日、訓練してきた。でも・・・・・・。』

    「もうやめたいか?」







    無線越しに、ギリリという音が聞こえてきた。
    拳を握り、勇気を振り絞っているのが、分かった。


    ややあって、決意を固めたように、ミカサは話し始めた。








  13. 13 : : 2016/03/04(金) 17:02:13










    『やめられない。やめるわけにはいかない。』

    「人を殺してショックを受けないのは、異常者だけだ。今は生き残ることだけを考えろ。」

    『ここから生きて帰れたら、ゆっくり考える。』







    すると、今まで真面目に話をしていたエレンが、突然、くだけた口調になった。






    「分かった、言い方を変える・・・・・・・・・・・・俺の邪魔はするな。」

    『食えない男。あのチビから聞いた通り。』

    「ははっ、ほら、言った通りだろ?」

    『えっ?』

    「現実に直面すりゃ幻滅するってな。」

    『ふふ、そうみたい。』








    それから俺たちは、しばらく無線越しに笑いあった。
    この殺伐とした、残酷な空間の中で、俺たちは暫くの癒しをここに見出していた。








    『分かった、エレン・・・・・・・・・・・・おとなしくしてる。』

    「博士を救出したら合流しよう。それまでPALキーはお前が持っていてくれ。」

    『気をつけて、エレン。核弾頭保存棟への扉を開けたらコールする。』








    そう言ってミカサは、俺との通信を切った。










  14. 14 : : 2016/03/04(金) 17:32:41
    期待してます
  15. 15 : : 2016/03/04(金) 18:29:46
    >>14
    頑張ります!!
  16. 16 : : 2016/03/04(金) 18:46:48
    いつの間にかメタギア消えてた(´;ω;`)
    期待です!








    朝起きたらメタギアSS消えていたの巻(´・ω・`)
  17. 17 : : 2016/03/04(金) 18:49:06
    >>16
    原稿は保存してありますので、そこまで来たらまたあげ直します。
    ゼロからのリトライだよ。
  18. 18 : : 2016/03/04(金) 18:56:36
    >>17アタナトハウマイコーラガノメソウダ  (ナンカカタカナニナッテルタスケテ)wwwww
  19. 19 : : 2016/03/04(金) 21:38:09









    ミカサが扉を開けてくれるまでの間、エレンは一階の倉庫を物色し、取り敢えず使えそうなものを探すことにした。


    すると・・・・・・・・・・・・







    「大佐!」

    『なんだ?』

    「遂に、遂に見つけたぞ・・・・・・・・・・・・。」

    『だから何だ!?』








    「段ボール箱だッ!!」


    すがすがしいほどの笑顔で、エレンは段ボールを手に取った。








    『段ボール箱? 何それ!?』


    不思議がったミーナが通信に割り込んでくる。
    すると、エレンは段ボール箱について熱く語り始めた。







    「段ボール箱を馬鹿にするな。段ボール箱は古来から潜入の必需品だ。」

    『そんな古い手に騙されないよ、エレン。』

    「そんなことはない! 俺は段ボール箱を使って今まで任務をこなしてきたんだぞ!?」







    『懐かしいな、エレン・・・・・・ザンジバーランドを思い出すな。』

    『!! エルドさんまで!?』





    エルドまで通信に割って入ってきた。








    「アウターヘブンでもお世話になりました。段ボール箱は万能です!」






    かつてザンジバーランド騒乱を共にしたマスターと、エレンは懐かしい思い出に耽った。


    さらに・・・・・・・・・・・・







    『らしくなってきたな、エレン。』

    『!! 大佐まで!?』

    『いつものように段ボール箱で敵の目を欺くんだな?』

    「勿論だ、任務を続行するッ!!」







    意気揚々とエレンは通信を切った。








    「・・・・・・・・・・・・私が、私がおかしいのかな。」


    通信機の向こうで、ミーナがぼそりと呟いた。









  20. 20 : : 2016/03/05(土) 02:00:30











    さて、エレンが段ボール箱を見つけて喜んでいる間に、漸く核弾頭保存棟の大きな扉が持ち上がり始めた。







    『扉を開けた、エレン。』

    「ああ、すまねえな。じゃあお前はここで―――――――『じゃあ私は先に行ってる。』

    「!! 待てッ! お前、ここでおとなしくしてるって約束じゃ!?」

    『気が変わった。』

    「自棄になるな! そう言う時が一番危険だ!」







    すると、通信機が暫く沈黙した。
    ややあって、ミカサから答えが返ってくる。






    『私、自分が本当にこの道に進むべきなのか、戦いの中で答えを探してみる。』

    「奴らは殺しのプロだ! 死ぬぞッ!?」

    『核弾頭保存棟で会おう、エレン!』







    そう言ってミカサは通信を切った。









  21. 21 : : 2016/03/05(土) 02:01:45









    「くそ、ほっとくわけにもいかないな・・・・・・。」



    愚痴りながらもエレンは、漸く開いた核弾頭保存棟への扉をくぐった。








    そこは広い廊下となっており、そのさらに先にもう一つ巨大なドア、その外は雪原となっていた。
    エレンはタバコを一本取り出し、ライターで火を点けた。









    『あーッ! エレン、タバコ吸ってるの!?』



    すると突然、ミーナが通信をかけてきた。








    「ああ、吸ってるぞ。」

    『タバコは体に悪いのよ!? それにエレン任務中でしょ!?』

    「ミーナ、タバコだって任務に役立つことはあるんだぞ?」

    『言い訳してもダメッ!!』







    ぴしゃりというミーナに対し、エレンは笑って答える。








    「あながち言い訳でもないぞ? 例えばホラ、ふぅ~・・・・・・。」



    口から煙を吐くエレン。
    すると、煙の中に赤い線が一本、浮かび上がってきた。






    『!! エレン・・・・・・これは!?』

    「赤外線センサーだ。これに触れたら扉が閉じて、ガスが出てきてイチコロって寸法だろ。」

    『・・・・・・。』






    言い負かされて悔しかったのか、押し黙るミーナ。
    エレンは少し得意げになってミーナに話しかけた。







    「なっ? タバコも役に立つだろ?」

    『・・・・・・・・・・・・エレンのイジワル。』







  22. 22 : : 2016/03/05(土) 02:32:40










    センサーをかいくぐり、扉をくぐって、エレンは漸く雪原へと出た。
    雪原の向こうには、核弾頭保存棟が見える。




    と、突然、エレンの無線機に通信が入ってきた。







    『エレン、気を付けろ。』

    「!!」

    『その雪原にはクレイモア地雷がセットされている。地雷探知機を使え。』

    「誰だ?」

    『“ディープ・スロート”とでも名乗っておこう。』

    「ディープ・スロート・・・・・・・・・・・・ウォーターゲートの内部告発者か。」

    『そんなことはどうでも良い。』







    いきなり連絡を取ってきた正体不明の男。
    先ほど倉庫から手に入れた戦利品の一つである地雷探知機を使うと、成程、確かに地雷の反応があった。



    地雷を回収していきながら、エレンはその男――――――ディープ・スロートと通信を続けた。
    警戒しながらエレンは探りを入れる。







    「バースト通信じゃないな。近くにいるのか?」

    『いいか、お前の行く先にM-1戦車が待ち伏せしている。』

    「!! お前は誰だ!?」

    『・・・・・・・・・・・・ファンの一人だよ。』








    そう言って男は一方的に通信を切った。









  23. 23 : : 2016/03/05(土) 02:33:41










    ドォンッ!!


    「!!」






    突然、耳をつんざくような音と共に、大砲の弾がエレンめがけて飛んできた。
    咄嗟に横に飛びのき、間一髪、砲弾を躱すエレン。









    向こうを見ると、果たしてそこには、M-1戦車が近づいてきた。








    「やるじゃないか、イェーガー!」



    戦車の中から声が響いてくる。


    ハッチが開き、中から出てきたのは巨漢の男――――――上半身裸の、筋骨隆々とした大男だった。








    「ここは(レイブン)の縄張りだ。アラスカに狩人は似合わん。迷い込んだとしても、見逃すわけにはいかん。」



    男の肩に、黒い鴉が一羽、とまった。
    くそ、山猫(オセロット)の次は(レイブン)かよ。









    「挨拶代わりの一発だったが、良く避けたな。」

    「くそ、テメエ・・・・・・・・・・・・何者だ?」

    「俺か? FOXHOUND部隊の一人――――――――ライナー・ブラウンだ。」









  24. 24 : : 2016/03/05(土) 02:34:53









    巨漢のシャーマン――――――ライナー・ブラウンはそう言うと、もう一発砲弾を撃ってきた。







    ドゴオォオンッ!


    「ぐあッ!!」







    爆風を躱しきれず、吹き飛ばされて地面に投げ出されるエレン。








    「ハッハハハハ・・・・・・いいぞ、その調子だ。跪くがいい!」



    ライナーは豪快に笑い、機関砲を撃ってくる。











    (くそ、冗談じゃねえぞ・・・・・・・・・・・・こっちはピストルとグレネードしかねえんだよ!)



    素早く体を起こし、岩陰に隠れるエレン。










    狩人(イェーガー)よ、大地を這いまわるがいいッ! さあ、本番と行こうかッ!!」








  25. 25 : : 2016/03/05(土) 12:05:35
    ファンってなんでしたっけ(´・ω・`)
    昔動画で見たことあるような気ががが





    ブースト!頑張れえええ!
  26. 26 : : 2016/03/07(月) 00:08:51
    >>25
    頑張ります(^^ゞ
  27. 27 : : 2016/03/07(月) 00:09:20







    『エレン、無事か!?』

    「何とか、でも危なかったですよ、マスター。」




    通信を入れてきたのは、エルドだった。
    実戦経験が豊富で、司令官としても、鬼教官としても名の通った男。




    『いいか、エレン・・・・・・・・・・・・いつ何時でも成功するイメージを持てッ! もう一度お前が何を持っているのかを確認しろッ!!』




    一旦冷静になり、エレンはもう一度手持ちを確認した。
    手に持っているのは、ピストルに、グレネード・・・・・・・・・・・・






    「・・・・・・・・・・・・いける。」



    エレンは呟き、グレネードのピンを抜いた。








  28. 28 : : 2016/03/07(月) 00:10:19








    バシュウッ!


    グレネードは小さな爆発を起こし、次の瞬間、金属片をまき散らし始めた。
    途端に、M-1戦車の計器が使用不能になってしまった。






    「!! あの男、チャフグレネードを。」



    戦車の中でライナーは呟き、それからにやりと笑った。







    「くそ、どこだッ!!」



    戦車に同乗していたゲノム兵の一人がハッチを開け、直接エレンを視認しようと上半身を覗かせた。






    バァンッ!


    「ぐあッ!!」






    その瞬間、戦車に接近していたエレンがSOCOMピストルを発射し、ゲノム兵の脳天を撃ち抜いた。
    それからエレンはすぐさまグレネードのピンを抜き、丁度開いたハッチの中へグレネードを投げ入れた。








  29. 29 : : 2016/03/07(月) 00:11:23








    ドゴオォオンッ!!






    次の瞬間、グレネードが戦車の中で炸裂し、中からゲノム兵が外へと吹き飛ばされた。
    戦車からは黒い煙が上がり、砲台は完全に沈黙した。






    「はぁ・・・・・・案外あっさりとけりがついたな。」



    ホッとしながらゲノム兵に近づくエレン。
    と、ゲノム兵がその手に何かを握っているのが見えた。





    「これは・・・・・・・・・・・・カードキーか。」



    セキュリティ・レベル3の扉を開けるカードキーであった。
    エレンはしっかりとカードキーを頂くと、そのまま核弾頭保存棟へと歩き出した。

















    「ふいーっ、全く無茶な奴だ。戦車にグレネードで挑んでくるなんてな。」



    黒煙を上げる戦車の残骸から、真っ黒になったライナーが上半身を覗かせる。
    彼はそれ以上追撃することをせず、核弾頭保存棟へと走っていくエレンを見送っていた。







  30. 30 : : 2016/03/07(月) 00:12:10








    ライナーは通信機を起動させ、エルヴィンと通信機をつないだ。






    「で、いいのかこれで? みすみすカードをくれてやったようなもんだぞ?」

    『どうだ、あの男は?』






    ライナーにわざとエレンにカードを渡させることで、エルヴィンはまだエレンを泳がせておくつもりだった。
    ライナーは少しにやけた表情でエルヴィンにエレンの印象を話し始めた。






    「あいつを甘く見ないほうがいい。確かにボスの目には狂いはない。戦場に息吹を吹き込んでくれる。あんたと同じだ。流石はあんたの―――――――『私の気持ちが分かったか?』







    すると、ロシアの山猫が横やりを入れてきた。








  31. 31 : : 2016/03/07(月) 00:13:10








    『奴は私が仕留める。』

    「腕を斬られて逃げ帰ってきたそうじゃないか、旧ソ連(イワン)の大将?」

    『何とでも言え魔術師(シャーマン)が! 私はあいつを愛してしまったようだ。あいつを可愛がってやりたい。』









    拷問のスペシャリストは舌なめずりをするように呟く。
    そこへ、窘めるようにエルヴィンが通信に出た。



    『まだだ・・・・・・まだ泳がせておけ。』








    それからライナーは遠くを見て、独り言をつぶやくように言った。



    「俺はあの男ともう一度戦うことになる。」










    『いつもの予言か?』

    「そうだ、イワンの大将。背中に彫った(レイブン)が、奴を欲しがっている。」






    ライナーの背中には、鴉の刺青が彫られていた。
    それはまるで、漆黒の翼を羽ばたかせるように、傍からは見えた。







    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








  32. 32 : : 2016/03/07(月) 05:09:18








    核弾頭保存棟









    「異常はないか?」

    「ああ、異常なしだ。」





    つなぎを着て、ガスマスクを被った兵士たちが、ひそひそと話し合っている。
    侵入者ありとの報を聞いて、兵士たちは警戒の度を強めていた。











    「・・・・・・・・・・・・ぷはッ。」



    さて、部屋の片隅で段ボール箱の中に隠れていたエレンは、気配が消えたことを確認すると、段ボールの中から出てきた。










    「それにしても大佐、ここにたくさん積まれている箱の中身は・・・・・・・・・・・・。」

    『ああ、“全部”核弾頭だ。』

    「置きっぱなしかよ・・・・・・・・・・・・サネス社長の言うとおりだな。」

    『費用や人員は限られてる。当然処理能力にも限界がある――――――実情はこんなもんだ。』







    ここに集められていたのは、解体するためという名目で集められた核弾頭。
    実際のところは、しかし、核弾頭処理能力に限界があり、こうやって無造作に核が積み置かれていた。





    もしこれが、メタルギアに搭載されれば・・・・・・。





    全く・・・・・・・・・・・・ゾッとしないな。








  33. 33 : : 2016/03/07(月) 06:09:24








    そう言いながらエレンは再び段ボール箱を被り、核弾頭保存棟の中を移動していく。


    傍から見たら何ともマヌケな感じがするが、そこら辺に箱が積まれたこの状況では、段ボール箱に入って潜入するのが一番のカモフラージュになるというのがエレンの意見だった。










    さて、広い核弾頭保存棟の中には、階段を昇って下を見下ろせる、手すりのついた足場があり、その足場に下の階へと行けるエレベーターがあった。



    段ボール箱を被ったまま、足場へと続く階段を昇っていくエレン。
    傍から見たら本当にマヌケそのものだが、当の本人は大真面目であったから、手のつけようもない。



    しかも・・・・・・・・・・・・







    「ん!? ただの箱か・・・・・・。」



    肝心のゲノム兵がこんな調子であり、こんなお粗末な隠れ方をするエレンに、却って意表を突かれていた。









    「よし、エレベーターの前についたな。」



    エレンは段ボール箱から抜け出し、エレベーターのスイッチを押した。
    ここまで敵に見つからなかったのは、勿論、段ボール箱のおかげだけではないのだが、本人は全て段ボール箱のおかげだと固く信じているのである。








    とにもかくにもエレンは、地下二階――――――アルミンの研究室があるフロアへと辿り着いた。








  34. 34 : : 2016/03/07(月) 15:31:00
    ゲノム兵がたまにゲ無能兵に見えてしまう病気(´・ω・`)

    いつも見てますヨー!
  35. 35 : : 2016/03/07(月) 19:45:30
    >>34
    いつもコメントありがとうございます<m(__)m>

    進撃×スターウォーズシリーズ完結しましたので、そちらもよろしくお願いします<m(__)m>

    個人的にはエピソードⅢ推しです。
  36. 36 : : 2016/03/07(月) 20:16:29
    目の前でマウスをあらぶらせる自分がいた
  37. 37 : : 2016/03/07(月) 21:54:05







    目の前にある自動ドアが開くと、そこはエアシャワー室となっており、その先にもう一つ自動ドアがあった。
    特に警戒もせず、エレンは先へと進む。


    すると・・・・・・・・・・・・








    「!!」


    途端に、息が苦しくなった。
    慌てて引き返し、エアシャワー室へと戻るエレン。





    (くそ、この先の空間は・・・・・・・・・・・・ガスが充満してやがるのか。それに・・・・・・あの床・・・・・・・・・・・・。)









    プルルルッ! プルルルッ!


    突然、エレンの無線機に、あの男から通信が入った。







    『エレン、気を付けろ。この先はガスが充満している。それに、床には高圧電流が流されている。』







    やっぱりか・・・・・・・・・・・・。
    それにしても、このディープ・スロートという男、一体何が目的なんだ?








    『このフロアの北西に、配電盤のようなものがある。それを破壊しろ。』

    「そこまで行けねえぞ? 気合を入れて電流の上を走れってのか?」







    実はエレンには、アウターヘブンにて高圧電流の流れる床を気合で駆け抜けた過去があった。
    もう二度とあんな思いはごめんだと思っていると。








    リモコンミサイル(ニキータ)を使え。』







    ディープ・スロートはそう言って、通信を切った。








  38. 38 : : 2016/03/08(火) 02:24:33








    __________さて、どうしたもんだろうか・・・・・・。







    暫くの逡巡の後、エレンはミカサへと通信を入れた。







    「無事か・・・・・・・・・・・・ミカサ?」

    『敵から奪った服装で偽装してる。ばれる心配はない。』

    「いや・・・・・・おまえのその、歩き方を見ればばれるぞ?」

    『どういうこと?』

    「いや、何でもない・・・・・・・・・・・・それより、お前、この基地にニキータミサイルはあるか?」







    ・・・・・・・・・・・・妙に色っぽい歩き方をしているだなんて、口が裂けても言えない。
    はい、そうですよ。お尻に目が行きましたが何か?








    『そう言えばこの建物の地下一階、格納室にニキータは置かれている。搬入されているのを見た。』

    「!! 本当か!?」

    『気を付けて、警備は厳重。でもどうして?』








    「ミカサ・・・・・・・・・・・・ディープ・スロートの名前に聞き覚えはあるか?」

    『ディープ・スロート・・・・・・・・・・・・ウォーターゲートの内部告発者?』

    「ああ、ディープ・スロートを名乗る男から、地下二階の高圧電流の配電盤をニキータで破壊しろと通信が入ってきた。」

    『!? 私にもそれは分からない。』

    「そうか・・・・・・。」







    敵でもないが、味方でもないと言ったところか。
    ディープ・スロート・・・・・・・・・・・・いったい何者なんだ。






    『ごめんなさい、力になれなくて。』

    「いや・・・・・・・・・・・・今のところはそいつの言葉を信じるしかなさそうだ。」

    『分かった。気を付けて。』







    通信を切ると、エレンは再びエレベーターへと乗り込んだ。








  39. 39 : : 2016/03/08(火) 03:16:37








    さて、ミカサの協力もあり、エレンは首尾よくニキータを手に入れ、地下二階へと戻ってきた。







    __________よしッ!



    エレンは大きく息を吸い込み、それからガスが出ている区画へと飛び出した。






    バシュウッ!


    呼吸を止め、集中力を高めてエレンは、ニキータミサイルを発射。







    ニキータミサイルは小型のカメラが仕込まれており、遠隔操作が出来るのであるが、それにスペースを取られて、火薬の量は意外と少なくなっているシロモノであった。
    だから、配電盤に正確にミサイルを当てる必要がある。







    エレンは慎重にカメラを通じてミサイルを操作し、そして・・・・・・・・・・・・






    ドゴオォオンッ!


    ミサイルは見事目標に命中、配電盤を破壊した。
    ゴオオと唸るような音を立てて、高圧電流が止まった。







    (全く・・・・・・・・・・・・ザンジバーランド以来だな。)







    少し懐かしい気持ちに浸りながらも、エレンは急いでガスが噴き出し続ける廊下を走っていく。
    突き当りを左に曲がり、その先にあったエアシャワー室へとエレンは駆け込んだ。







  40. 40 : : 2016/03/08(火) 03:17:33









    「ふぅ・・・・・・・・・・・・何とか切り抜けたな。」



    ガス地帯を切り抜け、エレンはホッと一息ついた。
    その安堵の表情は、しかし、次の瞬間には恐怖の滲む表情に変わった。











    (うわあぁあぁぁッ!!)
    (ぐあぁッ!!)






    扉の向こうから、エレンの耳に飛び込んできたのは、兵士たちの悲鳴と、空を斬るような鋭い音。











    銃を構え、そっとエアシャワー室の扉を開けるエレン。
    その瞬間、むっとするような生臭い匂いが鼻を突く。








    「何だ・・・・・・これは・・・・・・・・・・・・。」



    エレンの目に、斬り殺されて血まみれになった兵士たちの死体がゴロゴロと転がっているのが映った。
    廊下の奥の曲がり角から、奇妙な声が聞こえてくる・・・・・・・・・・・・










    川西能勢口、絹延橋、滝山、鴬の森、皷滝、多田、平野、一の鳥居、畦野、山下、笹部、光風台、ときわ台、妙見口・・・・・・・・・・・・








    「・・・・・・ッ!」



    聞こえてくる声はもはや意味不明を通り越して、狂気そのものであった。






  41. 41 : : 2016/03/08(火) 19:08:08








    すると、曲がり角から、胸を引き裂かれた兵士がフラフラと歩いてきた。







    「ゴ、ゴー・・・・・・スト・・・・・・・・・・・・。」



    兵士はその場で倒れ、血の海の中に沈んだ。







    「くそッ!」



    エレンは曲がり角へと走り出す。
    その先に待っているものへと向かって。



    すると・・・・・・・・・・・・






    ドガガガガガッ!!
    うわああぁあぁぁ・・・・・・・・・・・・あ゛ッ!!




    銃声に続く断末魔の悲鳴。
    そして廊下に響き渡ってくる、意味不明な記号群。


    血も凍るような思いがする中、エレンは曲がり角を曲がった。







    そこには・・・・・・・・・・・・空中に仰向けに浮かんで痙攣する兵士の姿。







    「!? どうなって・・・・・・ッ!?」



    次の瞬間、ヒュンッという音と共に、兵士の下にあの男が現れた。








    「!! お前は・・・・・・あの時の!?」








  42. 42 : : 2016/03/08(火) 19:34:14









    姿を現したサイボーグ忍者は串刺しにした兵士を地面へと投げ捨てると、そのまま研究室の中へと入っていった。







    「大佐、あの忍者がまた!」

    『エレン! アルレルト博士が危ないッ! 急げッ!!』






    急いで後を追いかけるエレン。
    すると、研究室から大きな悲鳴が聞こえてきた。







    「うわあぁあぁぁぁ、来ないでえぇぇッ!!」



    研究室に入ると、高周波ブレードをもった忍者が、部屋の片隅にペタンと座り込む金髪童顔の男に近づいていた。
    アルレルト博士は恐怖のあまり、その場で失禁してしまった。







    「おい、俺はそいつに用があるんだ。そいつを殺させはしないぞ?」



    エレンは後ろから、忍者に向かって銃を向けた。







    サイボーグ忍者はゆっくりとこちらを向き、エレンの姿を認めると、待ちわびたように呟き始めた。







    「待っていたぞ、エレン。」

    「お前は・・・・・・・・・・・・誰だッ!?」

    「敵でも味方でもない。そんな下らない世界を超越して帰ってきた。お前と決着をつけるために。お前との戦い。ただそこにのみ快楽がある。」








    「な、何なんだよ、これ・・・・・・・・・・・・。」



    恐怖におののき、体を震わせながら、二人の様子を眺めるアルミン。








    「これじゃまるで、アニメじゃないか・・・・・・・・・・・・。」







  43. 43 : : 2016/03/08(火) 21:15:28









    「俺に恨みでもあんのか!?」

    「そんな陳腐な感情ではない。ただ、お前とのひと時を楽しみたい。お前を殺すこと。お前に殺されること。どちらも同じだ。」

    「ちっ、忍者野郎め。そこまで俺にこだわるってなら、今決着をつけてやる!」









    「う、うわあぁあぁぁッ!!」



    悲鳴を上げて、アルミンは近くにあったロッカーへと身を隠した。
    バタンと勢いよくロッカーの扉を閉めるアルミン。








    「フン、いいだろう。特等席で見ているがいい! 私とエレンの決闘をなッ!」









    まるで、エレンの目には瞬間移動をしたように見えた。
    サイボーグ忍者は一気に間合いを詰めてエレンに近寄ってきた。






    「!?」(は、速ッ!?)






    ガキィッ!


    咄嗟にエレンはSOCOMピストルで刃を防いだ。
    刃が当たって火花を散らす中、エレンはサイボーグ忍者目がけて弾を撃った。







  44. 44 : : 2016/03/08(火) 21:16:29








    が、すぐさまサイボーグ忍者は後退し、超人的な動きで弾を鮮やかに躱した。
    その動きがあまりにも速過ぎて、エレンの網膜には残像しか映らないほどだった。



    弾を躱されたエレンは咄嗟に後退、間合いを取ろうとする。






    「やるじゃないか、エレン? だがなッ!」

    「なっ!?」





    すぐさま忍者は間合いを詰め、再びエレンに斬りかかってきた。






    ザシュッ!


    「うぐッ!」





    斬撃のすべてを躱しきれず、右肩から赤い鮮血が飛び散る。








    「武器や装備に頼り過ぎだ! 戦いの基本を思い出すがいい!」

    「!!」







    __________この言葉、昔、どこかで・・・・・・・・・・・・







    そう、あれは・・・・・・・・・・・・俺がまだ新米だった時。
    FOXHOUNDに入りたて、マスター(エルド)から地獄のしごきを受けていたころの話だ。







    『エレン・・・・・・・・・・・・戦いの基本は何だと思う?』

    『き、基本ですか?』





    先輩のFOXHOUND隊員に尋ねられ、俺は困惑していた。
    すると、その男は笑ってこんなことを言ったっけ。






    『エレン・・・・・・・・・・・・戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない。』







  45. 45 : : 2016/03/08(火) 21:17:48
    期待です!!
  46. 46 : : 2016/03/08(火) 21:22:48
    >>45
    いつも期待コメントを頂き、本当にうれしいです(*^^*)
    頑張ります!
  47. 47 : : 2016/03/08(火) 21:57:39








    「う、うおおぉおぉぉッ!!」






    バキィッ!!


    咄嗟に俺は銃をしまい、刀を振るってくるサイボーグ忍者の顔面に右ストレートを叩き込んだ。







    「ぐああッ!!」



    サイボーグ忍者は後ろにのけ反り、空中で弧を描いてから仰向けに倒れた。








    「ぐっ・・・・・・。」



    拳がビリビリと痛む。
    当然だ・・・・・・・・・・・・素手で金属を殴れば痛いに決まっている。








    忍者はすぐに起き上がり、後ろに飛びのいて俺と距離を取った。
    すると、刀を地面に突き刺し、歓喜に堪えない様子で。







    「いいぞ、エレン。戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない!」

    「!!」






    そう言うと忍者は格闘の構えを取った。
    呼応するように、エレンも格闘の構えを取って間合いを測る。







  48. 48 : : 2016/03/08(火) 22:12:35








    __________次に思い出されたのは、アウターヘブン。





    敵要塞に先駆けて潜入したその男を、俺は助け出した。
    要するにその男は捕虜になっていたのだが、駆け付けた時、俺にはどうしてもそいつが捕虜には見えなかった。


    その後、その男は俺を無線でサポートしてくれ、FOXHOUNDの総司令官でありながら、アウターヘブンの総司令官を務めていたビッグボス打倒の力になってくれた。






    俺は、その男を尊敬していた。
    なのに・・・・・・・・・・・・





    __________次に会ったのは、ザンジバーランドだった。


    敵同士として・・・・・・・・・・・・







    その男は結局、アウターヘブンを生き残り、ザンジバーランドの司令官となったビッグボスを裏切れなかったのだ。








    「さあ、もっと痛みをくれッ!」



    忍者は叫びながら、俺に殴りかかってきた。








    文字通りの鉄拳を繰り出してくる忍者。
    全身が強化骨格に覆われた忍者の一撃は、まさに規格外―――――――巨人の一撃のようだった。







  49. 49 : : 2016/03/09(水) 00:00:52








    一撃を防ぐ俺の腕の骨の髄にまで伝わってくる、ビリビリとした衝撃。
    歯を食いしばって、ジンジンと痛む拳を繰り出す。







    「もっと、もっとだッ!!」






    殴り、殴られ、衝撃は体を駆け抜ける。
    痛みが体の中を貫いて、意識を覚醒させる。



    拳と拳、血と血、それだけあれば十分だった。
    そこに、言葉は要らなかった。









    「このパンチッ! 俺はずっと待っていたッ!!」



    次第にダメージが溜まっていき、鈍い痛みが体の中に蓄積していく。
    忍者のほうも、サイボーグの体に電流が走り始め、火花が散る。









    俺たちは殴り合った――――――――かつて地雷原で殴り合った、ザンジバーランド騒乱の時のように。







  50. 50 : : 2016/03/09(水) 00:01:39








    バキィッ!!


    「ぐはあぁあぁッ!!」







    やがて、エレン渾身の一撃がサイボーグ忍者の腹部に、めり込むように入った。
    忍者はがっくりと片膝をつき、見上げるようにエレンを見つめた。









    「効いたぞ、エレン・・・・・・・・・・・・思い出したか、この俺をッ!?」

    「あり得ねぇ・・・・・・・・・・・・ザンジバーランドで死んだはずだ!?」








    激しく息を取り乱しながらエレンが叫ぶ。
    すると・・・・・・・・・・・・







    「グアアァァアァァァッ!!」







    再びサイボーグ忍者が体全体を震わし、頭をガクガクと動かし始めた。








    「ッ! また発作か!?」



    そう言っている間にもサイボーグ忍者は両手両足を床につき、ガンッ、ガンッ、ガンッと頭を床に打ち付け始めた。
    何度も、何度も、何度も何度も何度も・・・・・・・・・・・・









    「く、薬がアぁアァァッ!! 俺が、俺が消えるうぅゥうゥぅぅッ!!」



    打ち付けながら叫ぶ。
    叫びながら頭を何度も打ち付ける。










    やがて忍者は立ち上がり、ステルス迷彩を起動させると、何か訳の分からぬことを叫びながら走り去っていった。







  51. 51 : : 2016/03/09(水) 01:07:08








    呆然として、エレンはリヴァイに通信を入れた。








    「グレイ・フォックス・・・・・・・・・・・・あいつはグレイ・フォックスだッ!」

    『!? 馬鹿な・・・・・・あいつはとっくにザンジバーランドでくたばったはず!?』







    リヴァイもまた、すぐには受け入れられなかった。






    6年前―――――――1999年に起こったザンジバーランド騒乱のことは、リヴァイにとっても忘れられないものだった。


    FOXHOUNDの総司令官として、エルドと共にエレンへ無線で指示を出し、ザンジバーランドを陥落せしめた。
    その時、グレイ・フォックスはビッグボスと共に死亡したはずだったから。






    フォックス―――――――このコードネームは、部隊の中でも最強の証。






    指揮官になる前、リヴァイもフォックスのコードネームを使っていた時期があり、のちにその称号を受け継いだ男。
    それがグレイ・フォックスだった。







  52. 52 : : 2016/03/09(水) 01:08:22







    『そう、殺されたはず。でも生きていたのよ。』

    『!! どういうことだ・・・・・・・・・・・・ペトラ?』






    すると突然、ペトラがグレイ・フォックスのその後の消息について話し始めた。







    『私がFOXHOUNDのメディカル・スタッフになる前の話よ。遺伝子治療(ジーン・セラピー)の実験台にされた兵士がいたらしいわ。』

    『初めて聞く話だ。』

    『リヴァイさんが除隊した後の話だから。私の前任者―――――――ハンジ博士が担当していたの。』

    『ハンジ博士?』

    遺伝子治療(ジーン・セラピー)を導入した張本人よ。』

    『ちっ、その実験体が・・・・・・・・・・・・グレイ・フォックスだったって訳か。』

    『ええ、彼は無理やり蘇生させられた。強化骨格と麻薬づけにされて・・・・・・。恐らく様々な遺伝子治療(ジーン・セラピー)の初期実験が行われたはず。』

    『・・・・・・・・・・・・惨い話だな。』







    その結果として誕生したのが、今のゲノム兵たちであった。
    常軌を逸した科学者の狂気に嫌悪感を覚えながら、エレンは尋ねた。






    「で、そのハンジとやらはどうなったんだよ?」

    『亡くなったわ・・・・・・・・・・・・二年前の研究所の爆発事故に巻き込まれて。』






  53. 53 : : 2016/03/09(水) 01:09:43








    「ペトラ・・・・・・・・・・・・なぜ今まで黙っていた?」

    『・・・・・・・・・・・・機密事項、だったから。』

    「それだけか?」

    『・・・・・・。』






    そのままペトラは沈黙した。
    場の空気を変えるように、リヴァイがエレンに話しかけた。






    『だが妙だな・・・・・・なぜあの野郎はエレンをつけ狙う?』

    「あの様子じゃもう正気じゃねえのは確かだ。」

    『戦闘意識のみで生きているということか。』

    「或は俺と決着をつけるつもりか。いずれにしてもあいつはまた現れるだろうな。」








    『そしたら、また戦うの? 彼を殺すまで?』



    ペトラは、少し感情の入った声でエレンに尋ねる。
    対してエレンは、ひどく感情の籠らない声で答えた。








    「そうだな・・・・・・あいつはそれを望んでいるのかもしれない・・・・・・。」



    そう言ってエレンは通信を切った。







  54. 54 : : 2016/03/09(水) 15:00:12










    「おい、いつまでロッカーに隠れている気だ?」







    さて、戦いが終わり、エレンはロッカーの中に姿を隠したアルミンに声をかけた。








    「えっ、君は・・・・・・仲間なの?」

    「俺に仲間はいない。いつも一人だ。」

    「一人・・・・・・・・・・・・君も、オタクかい?」

    「はぁ? いいから出て来いよ。」






    すると、恐る恐るといった感じで、アルミンはロッカーの中から出てきた。








    「確かに・・・・・・・・・・・・君は他の戦闘員とは違う服装をしているね。」

    「お前がメタルギア開発チーフ―――――――アルミン・アルレルトだな?」

    「ああ、うん。僕を知ってるんだね?」

    「ああ、ミカサから聞いた。」







    すると、アルミンは少し目を輝かせ、食い気味に尋ねてきた。







    「ミカサから? 彼女、無事なのかい?」

    「ん? 面識があるのか?」

    「うん、彼女、なかなか魅力的な歩き方してたから。お尻なんか振っちゃってさ。」

    「だよな・・・・・・・・・・・・あっ。」






    ニヤニヤした表情で見つめられ、慌ててエレンは咳払いをした。







  55. 55 : : 2016/03/09(水) 15:20:10








    「あ、あいつなら無事だぞ。サネス社長から預かったPALキーを持ってる。それよりお前に聞きたいことがある。」

    「何かな?」

    「・・・・・・・・・・・・メタルギアのことについて聞きたい。」







    少し恥ずかしそうな表情から、途端に真剣な表情になるエレン。






    「え? メタルギアかい?」

    「そうだ。メタルギアが開発された真の目的は何だ?」

    「移動可能な戦域ミサイル防衛(TMD)だよ。核ミサイルを撃墜する、あくまで防衛のための兵器さ。」

    「ふざけるなッ!!」






    突然エレンはブチ切れ、アルミンの胸倉をつかんで持ち上げた。





    「な、何するのッ!?」

    「今回のメタルギアが単なる核搭載歩行戦車じゃないことは分かってる!」

    「核・・・・・・一体、何のことだ!?」

    「しらばっくれるなッ! テロリストたちはメタルギアで核攻撃を仕掛けようとしてるんだぞ!?」

    「彼等は、TMDのミサイル・モジュールを利用して、廃棄核弾頭を撃ち出そうとしているんだろうッ!?」

    「違う。この基地で行われていた演習は初めからメタルギアによる模擬核弾頭発射が目的だった! 奴らはそれをそのまま占拠し、利用してるんだ!」







    そう言ってエレンはアルミンの胸倉から手を離した。
    すると、アルミンは数歩下がり、焦点の合わない目で呟き始めた。








    「まさか・・・・・・嘘だ・・・・・・・・・・・・REXに、核が・・・・・・・・・・・・。」







  56. 56 : : 2016/03/09(水) 16:56:51









    「まさか・・・・・・・・・・・・本当に知らなかったのか?」

    「武装は全て別の部署で作られていたんだ。本体への組み込みは社長が直接指揮を執っていた。」

    あの社長(サネス)が?」

    「武装の内容についても、詳しくは知らされていなかった・・・・・・・・・・・・バルカン砲、レーザー、レールガン・ユニットがあるということしか。」









    「レールガンだって?」

    「磁場を使って超高速の弾丸を撃ち出す兵器さ。SDI構想で一度ポシャった企画だけど、リバモア国立研究所とアームズテック社が共同開発して小型化に成功したんだ―――――――REXの右肩に装備されている。」

    「メタルギアは核発射専用の兵器だ。思い当たるフシはねえのか?」

    「確かに、REXの背中には8発のミサイルを装填できるミサイル・モジュールがある。でも、それが初めから核ミサイルを発射するためのものだったってこと?」

    「ああ、だがそれだけとは思えない。メタルギアで通常核を発射する実験なら、これまでに収集データがあるはずだ。」

    「・・・・・・・・・・・・まさか、いや、ひょっとして・・・・・・・・・・・・。」







    そう言うとアルミンは部屋の隅っこ―――――――スーパーコンピューターのほうへと歩き始めた。







  57. 57 : : 2016/03/09(水) 16:58:56









    「REXの共同開発元、リバモア研究所では、新しい核兵器を創るプロジェクトも行われていた。ノバやニフといったレーザー核融合実験装置とスパコンを使ってね。」

    「もしその仮想実験室で新型核兵器が開発されていたら・・・・・・。」

    「仮想データだけじゃ実戦配備は出来ない。実際の発射データが必要だ。因みにこれがそのスパコンの一部だ。」

    「これが?」

    「うん。これらを繋ぐと仮想空間での実験が出来る―――――――あくまでも理論上のことだけどね。」

    「・・・・・・・・・・・・その理論をより具体化するための演習だった、ってことか。」

    「でも、REXは彼らに乗っ取られ、核戦争が起ころうと・・・・・・している・・・・・・・・・・・・。」








    「・・・・・・・・・・・・僕は、なんてことを。」



    アルミンはその場でがっくりと膝をつき、両手をついた。
    拳をギリリと握りしめ、涙声になって、アルミンは何度も床を叩いた。







    「クソ・・・・・・・・・・・・クソォッ!! 僕が馬鹿だった・・・・・・・・・・・・世界滅亡の片棒を、担ぐなんて・・・・・・。」







  58. 58 : : 2016/03/09(水) 17:49:09
    >>38

    はい、お尻に目が行きましたが何か?で吹いたwww




    期待!
  59. 59 : : 2016/03/09(水) 20:52:02
    >>58
    エレンくん、お尻にばっかり目がいってて、自分で書いて自分で笑っていましたw
    期待ありがとうございます!
  60. 60 : : 2016/03/09(水) 20:52:20







    切歯扼腕、落涙―――――――あらん限りに悔しがり、同時に、罪の意識にアルミンは怯えた。
    ややあって、アルミンはおもむろに語りだした。







    「・・・・・・・・・・・・僕のおじいちゃんは、マンハッタン計画に関わっていたんだ。」

    「マンハッタン計画―――――――原子爆弾の開発プロジェクトか。」

    「おじいちゃんは死ぬまでそのことを悔いていた。そして、僕の父さんが生まれたのは、1945年8月6日・・・・・・。」

    「成程・・・・・・・・・・・・お前の祖父が関わった原子爆弾が、日本の広島に初めて落とされた日か。皮肉だな。」

    「うん。親子三代―――――僕らのDNAには、核兵器で苦しむっていう運命でも刻まれてるのかな・・・・・・。」







    アルミンはゆっくりと立ちあがり、悲しげな目でエレンを見据えた。






    「科学は人の生活を助ける―――――――僕はそう信じて研究してきた。それが・・・・・・僕らは結局、利用されただけだった。科学の平和利用だなんて、アニメでしかない。」

    「泣き言は要らねえよ。現実を見ろ。」





    エレンの声は鋭く、厳しかった。







    「メタルギアはどこだ? この基地のどこにある?」







  61. 61 : : 2016/03/09(水) 21:23:28








    「・・・・・・・・・・・・REXは今、地下整備基地にある。通信等の遥か北さ。だけど道のりは遠いよ。」

    「同じ所に起爆コードを解除するシステムが?」

    「恐らくは、地下整備基地の司令室の中だ。最初から発射実験が仕組まれていたとすると、弾道プログラムも済んでいるはずだ。ここ数時間、僕が呼ばれていないところを見ると、僕は用なし――――――つまりは準備完了ってことだ。」

    「ミカサが起爆コード解除のためのPALキーを持っている。ミカサと合流しよう。」

    「解除がダメなら、破壊するしかないね。僕が案内するよ。」






    すると、エレンは怪訝な顔をした。





    「お前がいても邪魔なだけだ。」

    「REXを破壊するには僕が必要だよ?」

    「必要なのはお前じゃない。お前の知識だけだ。」






    エレンがそう言うと、アルミンはまるで睨みつけるような鋭い目線で、エレンを見据えた。





    「メタルギアREXは僕が創った。だから、僕が破壊する。」

    「・・・・・・・・・・・・頃合いを見計らってここから脱出しろ。」

    「いったいどこに逃げればいいっていうの?」

    「はぁ、分かった。安全なところから無線で指示をくれ。」

    「ふふ、そうこなくっちゃね。ああ、心配しなくてもいい、僕にはこれがあるからさ。」






    アルミンは胸に手を当てる。
    すると、ヒュンという音と共に、アルミンの姿が消えた。






    「さっきの忍者と同じ、ステルス迷彩だ。ホントはFOXHOUNDに支給される予定だったんだけどね。」

    「分かった・・・・・・・・・・・・ミカサに護衛させる。合流したらまた連絡する。」

    「うん。それじゃあエレン・・・・・・・・・・・・気を付けて。」






    カツカツカツと、足音が遠ざかっていく。








    「さて、行くとするか。」



    エレンもまた、アルミンの研究室を抜け、地下一階にいるミカサの元へと歩き出した。







  62. 62 : : 2016/03/09(水) 21:24:47
    以上で②は終了になります。
    次回もよろしくお願い致します<m(__)m>
  63. 63 : : 2016/03/10(木) 16:36:20
    乙です!
    次回作も期待してます!

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hymki8il

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進撃×MGS ~シャドーモセス事件~ シリーズ

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