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雪ノ下「睡眠薬を仕込むわ」どきどき 紅茶「ぽちゃん」

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  1. 1 : : 2013/12/04(水) 19:40:33
    14作目。【奉仕部TeaPack事変】シリーズでは2作目となります。
    前作の八幡編で彼の身に何が起きていたのかをお届けします。デレ成分多めです。

    まだまだ拙い文ですが、頑張ります。
  2. 2 : : 2013/12/04(水) 19:49:08
    雪ノ下(姉さんに頼んで手に入れたこの睡眠薬…つい比企谷君の紅茶に混ぜてしまったわ…///)

    雪ノ下「どうぞ」

    由比ヶ浜「ゆきのんありがとっ!」

    八幡「…わりいな」

    雪ノ下「味はどうかしら?」そわそわ

    由比ヶ浜「うん!相変わらず美味しい!ゆきのんはやっぱり何でも出来るね!」

    八幡「…ティーパック」

    雪ノ下「…!!」ビクッ

    雪ノ下(彼の鋭さは天下一品…もう気付かれたのかしら)

    八幡「変えたか?雪ノ下」

    由比ヶ浜「ふぇえ⁈ヒ、ヒッキー急に何言い出すの⁈セクハラ反対!ヒッキーマジキモい!!」あわあわ

    雪ノ下「」

    雪ノ下(とんでもない勘違いをしているのね由比ヶ浜さん…でも、助かったわ)

    八幡「おい、お前が何言ってんだ…俺は茶葉の話をしてんだよ。その、ぱ…パンツじゃねえ」きょどきょど

    由比ヶ浜「……え?………っ///」カアァ

    雪ノ下「セクハラはその辺りにしておきなさい。通報するわよ?ゲス谷君」はぁ

    八幡「…俺がわりいのかよ」げっそり

    雪ノ下「当たり前でしょう?」きょとん

    雪ノ下(あなたは悪くないわ…でもごめんなさい比企谷君、あなたが寝るまでの辛抱よ)

    由比ヶ浜「…///」こくこく

    八幡「わかったよ…んで、変えたのか?」

    雪ノ下「あら、嫌に素直ね。逆に不気味だわ………ごめんなさい、不気味なのは常だったわね…失言した事謝るわ」しれっ

    雪ノ下(あの比企谷君がこんなにもあっさり引き下がるのはおかしいわ…)

    八幡「素直に認めても罵声浴びせるとか。逃げ道はねえのかよ…」じと

    雪ノ下「何を言っているのかしら…人生から逃げている様な男が」

    雪ノ下(彼を罵倒するのはいけないとわかっているのだけれど…それでも彼の軽快な切り返しが来るのを待ってしまう……これも愛よね?)

    八幡「待て、俺は結果的に人生に敗走しているだけであって一度として自分から逃げた事はねえ!」

    由比ヶ浜「でも敗走しちゃうんだっ⁈」

    八幡「はあ?んなの当たり前だろ。」ニヤリ

    由比ヶ浜「何で自信満々だしっ……!」

    雪ノ下「本当に卑屈ね……で、何故そう思ったのかしら?」

    雪ノ下(そろそろ核心を突くべきね…本当に気が付いているのかどうなのか…)

    八幡「ほっとけ。…なんつーか何となくだよ。強いて挙げんなら苦味が増したっつーか…」

    由比ヶ浜「んー…そうかなぁ?」コクッ

    雪ノ下「…残念ながら比企谷君の検討違いね。たまに新しい茶葉を買いに由比ヶ浜さんと出掛けるけれど、ここ最近はずっと同じものを使っているもの」

    雪ノ下(なるほど…苦味が増していたから変わったと思ったのね…それは薬の苦味なのだから由比ヶ浜さんが気付かないのも無理はないわ)

    由比ヶ浜「あ、そいえば最近買いに行ってなかったもんね!今度いこーよゆきのん!」だきっ

    雪ノ下「そうね…楽しみだわ」ニコッ

    雪ノ下(何故か由比ヶ浜さんと買い物に行くと目的のお店に辿り着くまでに1時間は費やしてしまうのよね…まあ、楽しいのだからいいけれど)

    八幡「…」ペラッ

    由比ヶ浜「あ、それでさ!今日は新しいお菓子持って来たの!」

    雪ノ下「ふふ…それは楽しみね。この間言っていたパンさんのお菓子かしら?」

    八幡「……」うつらうつら

    雪ノ下「」ぴくっ

    雪ノ下(来た…本当に効いたわ!どうしましょう!やった///)

    八幡「……」こつん

    由比ヶ浜「そうそう!それ……って、ヒッキー??」

    雪ノ下「…」じー

    雪ノ下(確実に眠っているわね…わくわくが…止まらないわ)

    八幡「…すー」Zzz

    由比ヶ浜「ありゃ、ヒッキー寝てる?」おーい

    雪ノ下「ええ……そのようね」パタン

    雪ノ下(ボーナスステージに突入といった所かしら。手加減なんてしないわ。)

    八幡「すー…すー」Zzz

  3. 3 : : 2013/12/04(水) 19:49:19
    雪ノ下「比企谷君、起きなさい。今は部活動の最中よ?」ゆさゆさ

    雪ノ下(さ、触ってしまったわ…///い、意外と筋肉があるのね…)

    雪ノ下「こ、こらー…」さわさわ

    由比ヶ浜「ゆきのん?別に起こさなくてもいいんじゃない?多分ヒッキー疲れてるんだよ」じー

    雪ノ下「そういう訳にも行かないわ。私はこの部の長として部員の規律を正す必要があるもの」さわさわ

    雪ノ下(このまま起こす素振りもなく放置してしまったら触れないじゃない。由比ヶ浜さんは可愛らしいけれどやはりネジが足りていない部分があるようね…ま、まあそれを補って余りある程彼女は可愛らしいのだけれど)

    由比ヶ浜「…ゆきのんは真面目だねーっ!だったらもっと強くゆすらなきゃ起きないんじゃないかな?」ゆさゆさ

    雪ノ下「」ぴくっ

    雪ノ下(何故由比ヶ浜さんが比企谷君に触るのかしら…それも、私がまだ触っていないところを……というか、そんなに強く揺すっては比企谷君が起きてしまうじゃない…もう)

    雪ノ下「ゆ、由比ヶ浜さんは紅茶を飲んでお菓子を食べていてはどうかしら?」さわさわ

    由比ヶ浜「うーん…あ、でもほら!ゆきのん1人にヒッキーの事さわ……押し付けちゃう訳にもいかないしっ⁈連帯責任みたいな!」ゆさゆさ

    雪ノ下「いや、だけれどこれは部長としての仕事なのだから一部員である由比ヶ浜さんの手を煩わせる必要はないのよ。ええ。」くしゃくしゃ

    雪ノ下(ひ、比企谷君の髪の毛…意外と柔らかいのね)

    由比ヶ浜「いやいや!ゆきのんこそ部長なら休んで紅茶を飲んでればいいんじゃないかなー?」もみもみ

    雪ノ下「いえ、それには及ばないわ」くしゃくしゃ

    雪ノ下(由比ヶ浜さん…強情ね。引きなさい!)

    由比ヶ浜「いやいや…」もみもみ

    雪ノ下「いえいえ…」くしゃくしゃ

    八幡「う…うぅ…」

    雪ノ下「!?」びくっ

    由比ヶ浜「わっ!」ビクッ

    雪ノ下「ひ、比企谷君?」

    雪ノ下(お、起きてしまったかしら)

    八幡「すー…すー」

    由比ヶ浜「ね、寝てるよね」

    雪ノ下「え、ええ……」

    雪ノ下(このまま由比ヶ浜さんと争っているのは時間の無駄ね…だとしたら、共同戦線に持ち込むしか道はないわ)
  4. 4 : : 2013/12/04(水) 20:33:26
    雪ノ下「…由比ヶ浜さん。今日は、寒いと思うのだけれど、どうかしら?」

    由比ヶ浜「え?どしたの急に…まあ、もう冬だし寒いけど…」

    雪ノ下「そうよね。こんな寒い中寝てしまっていては、比企谷君は風邪を引くわね。」

    由比ヶ浜「…!」

    雪ノ下「今日は私もあなたも膝掛けのような暖を取れる物を持ってきていないわ。違う?」どきどき

    雪ノ下(あと一息…乗りなさい、由比ヶ浜さん)

    由比ヶ浜「ち、ちがわないっ!全然違わないよゆきのん!」どきどき

    雪ノ下「そうよね…このまま彼を放って置けば確実に風邪を引く。なら私は同じ部員としてそれを見過ごす訳にも行かないのではないかしら」どきどき

    雪ノ下(…作戦通り)

    由比ヶ浜「そ、そうだよね…ヒッキーが風邪引くの分かってて放置なんて、出来るわけないもんね!」

    雪ノ下「ええ、だからその…古典的な手法になってしまうのだけれど、人肌で暖めるしか方法は無いと…思うのだけれど///」

    雪ノ下(い…言ってしまったわ…///)

    由比ヶ浜「…ゆきのん///そ、そうだよね!うん!そうだそうだ!それしかないよっ!!」

    雪ノ下「なら決まりね。まったく、彼には手を焼くわね」ぴとっ

    雪ノ下(く…くっついてしまったわ。心臓の音が伝わって起きてしまわないかしら…///)

    由比ヶ浜「あ、ゆきのんずるい!あたしもっ!」ぴとー

    雪ノ下(由比ヶ浜さんが相手でも少しは嫉妬してしまうものね…でも、まだ彼は私のものではないのだから我慢しなくてはね)

    雪ノ下「由比ヶ浜さん。私が左側を暖めるから由比ヶ浜さんは右側をお願い出来るかしら?」

    雪ノ下(これが最善の妥協案ね)

    雪ノ下「さ、さて…暖めてあげなければいけないわね…はぁ///」さすさす

    由比ヶ浜「ひ、ヒッキーって意外と背中広いんだね///」さわさわ

    雪ノ下「ええ、そうね…文化祭の時にも彼の背中には頼もしさを感じてしまったもの…///」さすさす

    雪ノ下(あの時の彼は本当に…)

    由比ヶ浜「あの時のヒッキー、カッコよかったよね…」さわさわ

    雪ノ下「ええ……」さすさす

    由比ヶ浜「あ!ゆきのんがヒッキーの事認めた!珍しいーっ!」あはは

    雪ノ下「あ、あくまでこれは一般的なものの見方をした場合であって…別に……別に………いえ、嘘よ。……あの時の彼は、本当に格好良かったわ。」ふふ

    由比ヶ浜「……うん。素直でよろしーい!」えへへ

    雪ノ下(由比ヶ浜さん相手に見栄を張っても意味がないものね……だとしたら、もう少し自由にしてみようかしら)

    雪ノ下「そうね、ならこれは…あの時のご褒美という事にしようかしら」ぎゅう

    雪ノ下(ひ、比企谷君の頭に抱きついてしまったわ…///あ、比企谷君の匂いがする……不思議と落ち着くわね)

    由比ヶ浜「あー!ゆきのんズルイ!!次あたし!」

    雪ノ下「あ、あと5分。いえ、7分待ってもらえないかしら…///」

    由比ヶ浜「時間伸びたっ⁈ダメだよ!そんなに抱きついてたらヒッキー窒息しちゃうもん!」むー

    雪ノ下「…仕方ないわね。…くんくん……はぁ///はい、どうぞ。」

    雪ノ下(こ、これで一応満足しておくとしましょう。わ、私としたことが緊張してしまって膝が震えているなんて…)

    由比ヶ浜「えへへ…じゃあ失礼してっと……あ、ヒッキーって髪の毛柔らかいんだね!」ぎゅー

    雪ノ下「ええ」さわさわ

    雪ノ下(由比ヶ浜さんよりも私の方が先にその事を知っていたのよ。…なかなかの優越感ね…///)

    由比ヶ浜「しかも結構良い匂いするし!小町ちゃんと同じシャンプーなのかな?」くんくん

    雪ノ下「そうかもしれないわね」さわさわ

    雪ノ下(腕を枕にして眠っているから、二の腕の筋肉が収縮して程よい硬さになっているわ……これが細マッチョというものなのかしら…///)

    雪ノ下「二の腕…///」にぎにぎ

    由比ヶ浜「ふぇ?二の腕がどうかしたの?」

    雪ノ下「え、ええ…なかなかの二の腕よ。何故だかずっと触っていたくなるもの」にぎにぎ

    由比ヶ浜「どれどれー?……お、おお!ヒッキー意外と筋肉ある!」にぎにぎ

    雪ノ下「あ、足も暖めてあげなければいけないわね…」さわさわ

    八幡「」ぴくっ

    雪ノ下「あ♪」

    雪ノ下(ふふ…比企谷君ったら、太ももが弱いのね。…こうかしら)

    雪ノ下「ふふ…」さわさわ

    八幡「ぅあ…」ぴくっ

    雪ノ下「はぁ…はぁ…///」さわさわ

    雪ノ下(足を触る為に前傾姿勢になると必然的に顔が近くなるのね……こ、こんなに比企谷君の顔が…ちかくに…///)

    八幡「っふ……ぁ…」ぴくっぴくっ

    雪ノ下「ひ、比企…がやくん…///」すー

    雪ノ下(これは…たまたま唇が重なったとしても……仕方のないこと)

    雪ノ下「はぁ…///」すー
  5. 5 : : 2013/12/04(水) 22:23:05
    雪ノ下「はぁ…///」すー

    由比ヶ浜「ゆきのん!!ストップ!ストーーーップ!」

    雪ノ下「ひゃ…ひゃい!」びくっ

    雪ノ下(い、いけない…由比ヶ浜さんの存在をすっかり忘れていたわ)

    由比ヶ浜「ゆきのん今なにしようとしたの?」じー

    雪ノ下「…何の事かしら」キリッ

    雪ノ下(…誤魔化すわ。ええ、誤魔化しますとも)

    由比ヶ浜「キス…しようとしたよね?」

    雪ノ下「なんのこ

    由比ヶ浜「ゆきのん!!」

    雪ノ下「ちゃ、ちゃんと言ったら……お、怒らない?」しゅん

    由比ヶ浜「…ちゃんと言ってくれれば怒らない!ていうか、気持ち分かるから怒れないもん…」

    雪ノ下「ごめんなさい……比企谷君の顔が近くにあると思ったら、顔が勝手に近付いて行ってしまったのよ」

    由比ヶ浜「てことは…ゆきのん、やっぱり………」

    雪ノ下「…///」こくん

    雪ノ下(とうとう、由比ヶ浜さんにばれてしまったわね。軽蔑されてしまうのかしら…)

    由比ヶ浜「……そっか!なんとなくそうなんじゃないかなーっとは思ってたんだ!……言ってくれて、ありがとね」ニコッ

    雪ノ下「お、怒っていないの?あなたが彼の事を好きだと、知っていたのに」

    由比ヶ浜「うーん…まあ予想はしてたからね!あ、でも…」

    由比ヶ浜「ゆきのんは親友だけど…でも正々堂々とさ、戦おう!負けないからねっ!」えへへ

    雪ノ下「由比ヶ浜さん……ええ。そうね」にこっ

    雪ノ下(これでもう…気兼ねする必要はなくなったのね…)

    雪ノ下「ありがとう。由比ヶ浜さん…では、先手を打たせて貰うわ」ぎゅー

    由比ヶ浜「あ!!ゆきのんせこいよ!」ぎゅう

    雪ノ下「こら…私に抱きついてどうするのよ…///」

    由比ヶ浜「えへへっ!なんとなーくね!」ぎゅう

    八幡「…ふがっ!」

    雪ノ下「あら、いけない…比企谷君が窒息してしまうわね///」ぎゅー

    雪ノ下(どうしましょう…)

    由比ヶ浜「ちょ、いやいやゆきのん⁈言葉と行動が一致してないし⁈」

    雪ノ下「ええ。だけれど…離れたくないのだもの///」ぎゅー

    由比ヶ浜「ゆきのん1回認めたらスイッチ早いね……」あはは

    雪ノ下「ね、寝ている男に何をしようと、寝ている方が悪いのだから良いのよ」

    雪ノ下(寝かせたのは私だけれど…私は悪くないわ。睡眠薬で寝てしまう方が悪いのよ)

    由比ヶ浜「とんでも理論だっ⁈」さわさわ

    雪ノ下「と言いつつ由比ヶ浜さんも触っているじゃない…まったく」

    由比ヶ浜「えへへ…なんかヒッキーって触りたくなるんだよね!普段は絶対触れないからさ…」

    雪ノ下「ふふ、確かにその通りね…」ぎゅう

    ーキーンコーンカーンコーン

    雪ノ下「あら、もうこんな時間……時計、壊れているのではないかしら」ぎゅう

    由比ヶ浜「ヒッキー触るのに夢中だったからね…じゃあもう本当に起こそうか」

    雪ノ下「名残惜しいけれど…だいぶ触ったものね。起こしましょう」

    由比ヶ浜「ヒッキー!おーい起きろー!」ばんばん

    雪ノ下「比企谷君、起きなさい。起きて、私を見なさい」ぼそぼそ

    雪ノ下(催眠療法というものを勉強しておけば良かったかしらね)

    由比ヶ浜「ゆきのん!耳元で囁くの反則だよ!罰則だよ罰則!」ゆさゆさ

    雪ノ下「あら、罰則とは何かしら?」ふふ

    由比ヶ浜「うーんとね…卒業までヒッキーに触れないとか?」

    雪ノ下「そ…それだけは勘弁してくれないかしら…この通りよ」さすさす

    由比ヶ浜「仕方ないなあ…って、どの通りだし⁈」

    雪ノ下「ふふ…ごめんなさい、気をつけるわ」くすっ

    由比ヶ浜「うん!えへへー……っと、本当に起こさないと帰れなくなるね!」ばんばん

    雪ノ下「ほら、起きなさい…」ゆすゆす

    雪ノ下(ほ、本当に起きないわね…薬の分量を間違えたのかしら…)

    由比ヶ浜「ヒッキー……ヒッキーってば!」ゆさゆさ

    八幡「ん…」むくっ
  6. 6 : : 2013/12/04(水) 22:27:06
    由比ヶ浜「あ、やっと起きた!ヒッキー寝過ぎ。もう部活終わりだよ?」

    八幡「…ああ。もうそんな時間か…ふあぁ…」ぼー

    由比ヶ浜「…///」

    雪ノ下「…///」

    雪ノ下(ま、マズイわね……直視できないわ///)

    八幡「わりいな、寝ちまって…」

    由比ヶ浜「べっ、別に大丈夫だよ!依頼人も来なかったしさ…///」あはは…

    雪ノ下「そうね…比企谷君が寝ていても問題はなかったわ……起きている方が問題があったかもしれないわね」くすっ

    雪ノ下(起きていたらあんなに楽しい時間は過ごせなかったものね)

    八幡「へいへい…」

    雪ノ下「…さて、満足したことだし帰りましょうか。」

    雪ノ下(今日のところは…ね)

    八幡「おう、じゃお先に。」

    由比ヶ浜「またねヒッキー!」ぶんぶん

    雪ノ下「さようなら」ふりふり

    雪ノ下「では私達も帰りましょうか。由比ヶ浜さん、分かっているとは思うけれど今日の事は…」

    由比ヶ浜「もちろん!2人だけの秘密。ね!」

    雪ノ下「ええ。では帰りましょう」

    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    ーその夜ー

    雪ノ下「うふふ…///」ぎゅー

    パンさん人形「」

    雪ノ下「今日は幸せだったわ…///明日も、明日も睡眠薬使ってしまおうかしら…///」ぎゅー

    パンさん人形「」

    雪ノ下「でも…2日続けてだと由比ヶ浜さんに怪しまれてしまうかもしれないわね……どうしたらいいのかしら?」ぎゅー

    パンさん人形「」汗


    ーピロピロピー


    雪ノ下「メール?誰かしら………由比ヶ浜さんだわ………な…」

    雪ノ下(用事が出来たから明日の部活にはこれない……?)

    雪ノ下「や、やったわ!これで、これで心置き無く睡眠薬を比企谷君に飲ませる事が出来るわね///」ぎゅー!

    パンさん人形「」汗

    雪ノ下「こうしてはいられないわ…作戦を建てて、あとあと…あ、お気に入りのボディクリームもいつもより多めに付けなければいけないわね…あとは、リップクリームもお気に入りのものを…よし、やるぞー♪」
  7. 7 : : 2013/12/05(木) 00:24:45
    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    ーキーンコーンカーンコーン

    雪ノ下「」シュバッ

    ースタスタ

    ースタスタ

    ーガラガラ

    雪ノ下「」スタッ

    雪ノ下(準備完了よ…大丈夫。作戦はきちんと建てたもの…あとはシナリオ通りに行動するだけ……寝かせてしまえばこちらのものだものね)


    ーガラガラ


    雪ノ下(来たわね…)

    八幡「うす」

    雪ノ下「こんにちは比企谷君。いつにも増して目が腐っているわね」そわそわ

    雪ノ下(まずはいつも通りの愛情表現から始めるわ…)

    八幡「昨日あんまり寝れなかったんだよ……ふぁあ」

    雪ノ下(あら…軽快な切り返しが来ないわね…まあいいわ、次に連絡事項を通達)

    雪ノ下「由比ヶ浜さんは今日来れないそうよ。昨日彼女から連絡がきたの」ぺらッ

    八幡「そうか。あいつも来ねえんなら今日は帰って良いか?眠いんだよ」

    雪ノ下(なんですって…?そ、阻止よ)

    雪ノ下「ダメよ」

    八幡「はあ?いやで

    雪ノ下「ダメよ。そうね、部長命令とするわ」

    雪ノ下(部長命令…これでダメなら実力を行使するしか……)

    八幡「はあ……わーったよ」

    雪ノ下「…不服そうね。」

    雪ノ下(ごめんなさい比企谷君…でもこれでシナリオ通りに運べるわ)

    八幡「不服、か。まあそう見えるかもな。…とにかく眠いんだよ、早く帰って寝たいのが正直なとこだ」

    雪ノ下「…ならここで寝れば良いじゃない。寝にくいのだとしたらブレザーでも枕にしたらどうかしら?」

    雪ノ下(作戦その2よ!比企谷君の匂いや体温をより感じるために、その邪魔なブレザーを脱いでもらうわ…)

    八幡「…まあ、寝て良いんなら寝るけどよ。でもブレザー枕にしたら寒いわさすがに」

    雪ノ下「…仕方ないわね。なら紅茶を淹れてあげるわ。…私も少し暖まりたいと思っていたのだし」すっ

    八幡「……わりいな、頼む」

    雪ノ下(決まった……警戒されるかもしれなかったけれど…私の勝ちね)
  8. 8 : : 2013/12/05(木) 00:26:17
    ーーー



    雪ノ下「どうぞ」コトッ

    八幡「ん、いただきます」カチャ

    雪ノ下「だいぶ挨拶や礼儀は身について来たわね」クスッ

    八幡「まあな…ここに来た当初お前に散々躾けられたからな」ごくっ

    八幡「お、美味い…やっぱり少し苦味はあるがトータルとしてみるとすげえいい味だな」

    雪ノ下(昨日より睡眠薬の量を増やした代わりに砂糖の量も調整したのよ)

    雪ノ下「驚いたわ…素直に味を評する事が出来るのね」

    八幡「それぐらい言えるだろ…お前は俺をどこまで捻くれてると思ってんだよ…」ごくっ

    雪ノ下「あら、あなたは世界の誰よりも特別……特別、捻くれていると思っていたわ」ニコ

    雪ノ下(あ、危ない…つい本音を言ってしまうところだったわ…///)

    八幡「世界一捻くれてるとか…ある意味すげえ評価だなおい」


    雪ノ下「そうかしら?…正当な評価だと思うけれど。」ニコ

    雪ノ下(ええ、本当にあなたは特別だもの…///)

    八幡「そうかよ……」うと、うと

    雪ノ下「ええ…」ニコニコ

    八幡「……雪ノ下、すまん。もう寝るわ…紅茶、どうもな」脱ぎ脱ぎ

    雪ノ下「1人で服を脱ぐ事も出来ないのね……ほら」スッスッ

    雪ノ下(眠くなると途端に従順になるのね…ふふ、可愛い///)

    八幡「…わり……Zzz」

    雪ノ下「ほら、顔を上げなさい…枕にしたから」スッ

    八幡「う……すー…すー…」

    雪ノ下「……」ジー

    雪ノ下(寝た?寝たわね)

    雪ノ下「ふふ」スッ

    雪ノ下「比企谷君…///」ぴたっ

    雪ノ下(ブレザーがないとこんなにも体温を感じるのね……に、匂いはどうしら)

    雪ノ下「…くんくん///はぁ…わ、悪くないわね…くんくん」

    雪ノ下「か、肩に頭を預けてもいいかしら?比企谷君?」

    雪ノ下「ああ、構わないぜ。雪乃…///きゃー///」

    雪ノ下「じゃ、じゃあ失礼するわ…///」こてん

    雪ノ下「…///」ぼっ

    雪ノ下(ど、どきどきが…鳴り止まないわね……胴に抱き付いてもいいわよね)

    雪ノ下「…比企谷君」だきっ

    雪ノ下「…暖かい。落ち着くわ。とても、安らかな気持ち…///」ぎゅう

    雪ノ下「……はっ⁉︎」

    雪ノ下(お、落ち着きなさい私。もしかしなくとも…今の状況なら何をしても誰も見ていないのだから問題なんか何も無いのではないかしら…)

    雪ノ下「か、顔を近くで見てもいいかしら?比企谷君…?」

    雪ノ下「ああ…いいぜ。雪乃……ふふふ///」

    雪ノ下(いつもはパンさん人形を使ってのごっこ遊びだけれど…まさか本人を目の前にして出来るとは…)

    八幡「すー…すー…」

    雪ノ下「…///」

    雪ノ下(比企谷君の鼻息が当たる……こんなに近くに…)

    雪ノ下「………いい?比企谷君?」

    雪ノ下「ああ。来いよ、雪乃………///」

    雪ノ下(由比ヶ浜さん…ごめんなさい。我慢なんて出来そうにないわ)

    雪ノ下「……ん///」ちゅっ

    雪ノ下「ん……っは……ふぁ…///」つー…

    八幡「すー、すー」つー…

    雪ノ下「はぁ…///き、きしゅ……しちゃった///」

    雪ノ下(ダメ…頭がぼうっとするわ……寝ていても私をこんなにするなんて…ダメな男ね…///」

    雪ノ下「も、もういっかい………んむ」ちゅう

    雪ノ下「んぁ…///はむ…」ちゅ…

    八幡「…っ」つー…

    雪ノ下「……はぁ、はぁ///」

    雪ノ下(お、美味しい……///これは…中毒性があるわね。ちゅうだけに……いえ、なんでもないわ……)

    雪ノ下「なんだか…幸せ過ぎて眠くなってきたわね…///」ぴとっ

    雪ノ下「……はちまん」うと

    雪ノ下「……すき、よ」うと、うと

    雪ノ下「…だいすき」すー…
  9. 9 : : 2013/12/05(木) 01:54:58
    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    ???「…ん!ゆきのん!」ゆさゆさ

    雪ノ下「ん…」ぱちっ

    由比ヶ浜「あ、起きた…ゆきのん?」

    雪ノ下「ゆ、由比ヶ浜さん⁈用事があったのでは…」

    由比ヶ浜「うん、用事が終わってさ。気になったから来てみれば……ヒッキーはまた寝てるし。ゆきのんはヒッキーの膝で寝てるし…」じとー

    雪ノ下「ち、違うのよこれは…最初はもたれ掛かって寝ていたのだけれど、比企谷君の呼吸が苦しそうだったから仕方なく膝に…」

    雪ノ下(…由比ヶ浜さん、怒ってるわ…どうしましょう)

    由比ヶ浜「仕方なく…ねえ?」じとー

    雪ノ下「う、うぅ…ごめんなさい。側にいたかったのよ…」

    由比ヶ浜「…はあ。まったくゆきのんは。最初から素直に言ってれば良いのに……1回嘘ついたから、罰ね!」にしし

    雪ノ下「罰……は…い、いや…卒業まで触れないのは嫌よ…」うるうる

    由比ヶ浜「え、ええ?いや昨日のやつは冗談だって!うーんとね…じゃ、じゃあ…ヒッキーのほっぺに、キスしても…いい?」

    雪ノ下「え…」

    由比ヶ浜「ダメ…かなぁ?」

    雪ノ下(私は…由比ヶ浜さんに隠れてキスしたのに……こんな真っ直ぐな願いを断る権利なんて私にはないわ……)

    雪ノ下「いえ…構わないわ。……ごめんなさい、由比ヶ浜さん。」

    由比ヶ浜「えへへ…じゃあ、遠慮なく…んっ……へへ///」

    由比ヶ浜「…もう、謝らないでね?」

    雪ノ下「…ええ」

    雪ノ下(分かっていた事だけれど…目の前で見せつけられると、落ち込むものね……)

    由比ヶ浜「そろそろ帰る時間になるし、ヒッキー起こそっか!」

    雪ノ下「え、ええ…そうね」

    雪ノ下(胸が、痛いわ……)

    ーーーーー

    ーーー



    八幡「ん…」むく

    雪ノ下「…寝起きでも目が腐っているのね。今日はもう部活おしまいよ?」

    由比ヶ浜「ヒッキーおはよー」

    八幡「ほっとけ…ああ、おはよう」ごしごし

    八幡「あれ?由比ヶ浜、お前今日来ないんじゃなかったの?」

    由比ヶ浜「気付くの遅いし!…まあそれは別に良いじゃんっ!」

    八幡「……まあそうだな。で、今日は終わりなんだろ?」

    雪ノ下「今日はもうお終いと言った筈よ?同じ事を2度言わせないでくれるかしら…」

    雪ノ下(…由比ヶ浜さんばかりね)

    八幡「へいへい。んじゃあ俺帰るわ。またな」ガタッ

    由比ヶ浜「またねヒッキー!」ぶんぶん

    雪ノ下「さようなら。」ふりふり

    八幡「あ、雪ノ下。ブレザーで枕作ってくれたのお前だろ?…悪かったな、手間かけさせて。んじゃ」

    雪ノ下(比企谷…くん……///)

    雪ノ下「え?ええ。べ、別に良いのよそれくらい。まあ確かに手間と言えば手間だったのだけれ

    ーガラガラ

    ースタスタ

    雪ノ下(私のバカ‼︎ごちゃごちゃ言っている間に帰ってしまったじゃない…)

    雪ノ下「あぁ…」しゅん

    由比ヶ浜「ゆきのん。あたし達も帰ろっか!」だきっ

    雪ノ下「ええ…そうね。」

    雪ノ下(由比ヶ浜さんは…本当に優しいわね。今日は少し暴走してしまった……反省しないといけないわ)

    由比ヶ浜「あれれ?ゆきのんが抱き付いても怒らない…熱でもあるの⁈大丈夫⁈」

    雪ノ下「由比ヶ浜さん…抱きつかれても怒らない時だってあった筈よ?…まったく……ふふ、帰りましょうか」

    由比ヶ浜「うん!えへへ…」
  10. 10 : : 2013/12/05(木) 01:57:16
    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    ーキーンコーンカーンコーン

    雪ノ下「」スタスタ

    雪ノ下(昨日は本当にやりすぎてしまったわね…今日は、睡眠薬は使わないわ!……たぶん)

    ーガラガラ

    雪ノ下「」スタ

    雪ノ下「…まだかしら」そわそわ


    ーガラガラ


    雪ノ下(来た!)

    八幡「…おっす」

    雪ノ下「こんにちは比企谷君。今日は昨日程は目が腐っていないわね」そわそわ

    八幡「みゃ……まあな」

    雪ノ下「みゃ?あなたが噛むなんて珍しいわね。とうとう舌も腐ってきたのかしら?」くすっ

    雪ノ下(みゃ。だって!可愛らしい噛み方ね)

    八幡「たまたまだ…」

    雪ノ下「…?そう。」

    雪ノ下(あら?比企谷君が…冷たい……何かしたかしら…いえ、色々としてはいるのだけれど…ど、どうしたらいいのかしら……)

    八幡「あ、ああ…」

    雪ノ下「…比企谷君、あなた今日いつもと少し様子が違くないかしら?」

    雪ノ下(ひょっとして…嫌われたのかしら……そんなの、いや…)

    八幡「そ、そうか⁈」

    雪ノ下「そうよ。いつも私と話すときは1度ちらっとこちらを見た後すぐに視線を逸らすのに今日は1度もこちらを見ていないじゃない。」

    八幡「…え?」

    雪ノ下(あ…比企谷君が引き谷君になってる…どうしましょう…早く挽回しなければ本当に嫌われてしまうかもしれない…)

    雪ノ下「勘違いしないように付け足して置くけれど、私があなたの癖をここまで把握しているのは、いつあなたが欲望のままに動き出そうとも即座に対処を講じられる様にするために仕方なく観察しているだけであって決して私個人の趣味などではないわ。決してよ」

    八幡「…んなこたぁ分かってるよ。つか怖えから睨むなよ……」

    雪ノ下「わ、分かっているのならいいわ。…それで?」ちらっ

    雪ノ下(ふう…今のは上出来だったわね)

    八幡「あ?なにが」

    雪ノ下「直前の会話すら記憶していられない程あなたの脳が貧相だとは思わなかったわ…だから、いつもと様子が違うのは何故?と、そう聞いているのよ」

    八幡「あ、ああ…それか」

    雪ノ下「…」ジー

    雪ノ下(一体、どうしたのかしら……嫌われて、いないわよね…?)

    八幡「あのだな、きの


    ーガラガラ


    由比ヶ浜「ゆきのんやっはろー!ごめんごめん少し遅れちゃった!」

    雪ノ下「…こんにちは由比ヶ浜さん」

    雪ノ下(由比ヶ浜さん…あと1分遅く来れなかったかしら…はぁ)

    八幡「だからごく自然に俺を省くのを辞めろよ」

    由比ヶ浜「あはは、ごめんつい。ヒッキーもやっはろー」

    八幡「出来心で省くとか小学生でももちっとマシな理由があんぞ……」

    由比ヶ浜「ヒッキー反応良いからついやっちゃうんだよ。あ、でもあたしヒッキーはどこに居ても見つけられる自信あるから!」ふんす

    八幡「それはそれで怖えよ…」

    雪ノ下(由比ヶ浜さん…かなり攻めて来ているわね…今日は由比ヶ浜さんも居る事なのだし私が暴走する確率も低い……だったら、使うわ!)

    雪ノ下「由比ヶ浜さんも来た事だし、紅茶でも淹れ

    由比ヶ浜「あ!!!そうだゆきのん!」

    八幡「声でけえよ…」

    雪ノ下「そんなに怒鳴らなくとも聞こえているわ。…何かしら由比ヶ浜さん?」

    由比ヶ浜「あ、えーとね…ここに来る途中に城廻先輩に会ったんだけどさ!ゆきのんに相談したい事があるから生徒会室まで来てくれないか?って!」

    雪ノ下「城廻先輩が?なんの用かしら」

    由比ヶ浜「さ、さあー?あたしには話さなかったからさー」あはは

    雪ノ下「そう…なら少し席を外すわ。もしあまり遅くなる用だったら先に帰って貰っても構わないわ」

    雪ノ下(城廻先輩の頼みなら、無下にする訳にもいかないものね…帰っても構わないとは言ったものの、彼らは帰らないのでしょうね。ふふ)


  11. 11 : : 2013/12/05(木) 01:57:36
    ーガラガラ

    ースタスタ

    ースタスタ


    平塚「ん?雪ノ下じゃないか、どうした?お手洗いか?」

    雪ノ下「平塚先生…下品な言動は控えて下さい。城廻先輩が呼んでいたということなので生徒会室に向かっている所ですが」

    平塚「城廻?…おかしいな」

    雪ノ下「…?何がですか?」

    平塚「いやなに、城廻なら今までずっと職員室で一緒だったがそんな事は一言も言っていなかったからな」

    雪ノ下「…!」

    雪ノ下(という事は…由比ヶ浜さんのでまかせと言う事ね……確かに、強引な話題の転換だった……何を企んでいるのかしら?)

    平塚「ん?どうした雪ノ下、黙り込んで。具合でも悪いのか?」

    雪ノ下「い、いえ…すいません先生、部室に戻ります」


    ーダダダダッ


    由比ヶ浜「ゆきのん、ゆきのん!!ヒッキーが!!!」はぁ、はぁ

    雪ノ下「由比ヶ浜さん?」

    平塚「どうした由比ヶ浜…とにかく落ち着いて話せ」

    由比ヶ浜「…ヒッキーが、ヒッキーが!!あたし…どうしよ」

    雪ノ下「…平塚先生、部室に向かった方が早そうです。由比ヶ浜さん、一緒に来てくれるわね?」ぎゅっ

    由比ヶ浜「ゆ、ゆきのん……」きゅ
  12. 12 : : 2013/12/05(木) 01:58:48
    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    平塚「とりあえず保健室に運んで、今は状態も多少落ち着いたが……さて、どいういことだ?」

    由比ヶ浜「…」

    雪ノ下「…」

    平塚「黙っていては話が進まないのだがな…月並みな事を言いたくはないが、怒らないから言ってみたまえ」ぽん

    由比ヶ浜「はい……あた


    ーガラガラ


    保険医「平塚先生、ちょっと…」

    平塚「はい。…少し席を外す。比企谷を見ていてくれ」


    ースタスタ

    ーガラガラ


    由比ヶ浜「…どうしよ、あたし」

    雪ノ下「落ち着いて、一つずつ教えてくれないかしら…」

    由比ヶ浜「…あたし、ヒッキーに薬を……」うるうる

    雪ノ下「…」

    雪ノ下(やはりそうだったのね…昨日部室で由比ヶ浜さんに起こされた時にカバンの位置が少しズレて居たのが気にはなっていたのだけれど…)

    雪ノ下「その話は、あとでしましょう。私も…あなたにちゃんと話さなければいけない事があるもの…もちろん、平塚先生にも言うわ」

    由比ヶ浜「うん…一緒に、ちゃんと話そう……」

    雪ノ下「比企谷君には……平塚先生と話してから言うか決めましょう?」ぶるぶる

    由比ヶ浜「ゆきのん?」

    雪ノ下「…みっともない話だけれど、本当の事を話して彼に嫌われるのがとても…とても怖い」うるうる

    雪ノ下(本当に…怖いわ)

    由比ヶ浜「…うん」


    ーチクタク


    ーチクタク



    八幡「う…」ガバッ

    由比ヶ浜「ヒッキー!」ダキッ

    雪ノ下「比企谷君…!」きゅっ

    雪ノ下(良かった…起きてくれた…!)

    八幡「んぁ⁈…ちょ!なにやってんのお前ら⁈」

    八幡「つか、ここどこだ⁈」

    雪ノ下「…保健室よ」きゅ

    雪ノ下(絶対…離さない)

    由比ヶ浜「…ヒッキー急に倒れちゃったの。具合どう?気持ち悪かったりしない?」ぎゅう

    八幡「そういや、急に目眩がしたんだった…つーか、あの…そろそろ離れてくれませんかね」

    雪ノ下「…そうよ、由比ヶ浜さん。比企谷君が苦しそうだわ」

    雪ノ下(せめていつも通りに振舞わなければ彼に心配を掛けてしまうわね…)

    八幡「いや雪ノ下、お前もその…手を離して貰えるとありがたいんだが…」

    雪ノ下「ダメよ。これは手を握っているのではなく脈を取っているだけだもの。部員の健康状態を把握するのも部長の仕事の内だわ」きゅっ

    雪ノ下(そうよ…離したくないから離さないのではないわ。脈よ!文句は言わせないわ)

    由比ヶ浜「」むー


    ーガラガラ


    平塚「目が覚めたか、比企谷。」

    八幡「先生?どうしたんすかこんなとこに」

    平塚「おいおい、それが保健室まで運んでやった恩師に言う言葉かね?」

    八幡「先生が運んでくれたんですか…すんません、なんか疲れてたみたいで。」

    平塚「疲れてた…か」ちらっ

    由比ヶ浜「」しゅん

    雪ノ下「」しゅん

    雪ノ下(あの顔…恐らく何か分かったのでしょうね…)

    八幡「ええ…まあでも、もう大丈夫そうなんで。…心配かけました」

    平塚「ふむ。まあその様子なら問題なさそうだな。君たち、今日の所は帰りたまえ。」

    八幡「うっす」

    由比ヶ浜「はーい…」

    雪ノ下「ええ」

    八幡「じゃあ、失礼します…」

    由比ヶ浜「あたし達は部室に荷物あるから、取ってから帰るね!」

    八幡「ん、そうか…じゃあ」


    ースタスタ


    平塚「ふう…では、一度部室に行こうか」
  13. 13 : : 2013/12/05(木) 02:00:52
    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    平塚「比企谷の症状だが、保険医の見たてでは強振薬の副作用に酷似しているそうだ。……なにかいう事があるのなら、言ってみたまえ。」

    雪ノ下(強振薬?睡眠薬ではないの?)

    由比ヶ浜「あ…あた、……あたしです!」ぐすっ

    雪ノ下「由比ヶ浜さん…」

    平塚「…言ってごらん」ティッシュ渡し

    由比ヶ浜「ひ、ヒッキーに…睡眠薬を飲ませて、イタズラしようと思って……でも、睡眠薬とかどこで買えばイイかわかんなくて…ぐすっ……街の薬局とか歩いてたらなんかそれっぽいお店みつけて……ちょっと怪しかったんだけど、それで…」ぐすっ

    平塚「……そうか。理由はまあ聞くまい……それで、偽物を捕まされたという訳だな」はぁ

    雪ノ下(…由比ヶ浜さんは、嘘をついている……私の真似をしようとしたのでしょう?なら…庇う必要なんてないのよ)

    雪ノ下「先生、今の話には1つ言っていないことがあります」

    由比ヶ浜「!!ゆきのん…!」

    雪ノ下「…いいのよ」にこ

    平塚「…大方想像はついたが、言ってみたまえ」

    雪ノ下「はい……」


    ーーーーー

    ーーー



    平塚「ふむ…春乃の奴、妹になんてもの渡しているんだか……」はあ

    由比ヶ浜「ごめんなさい…」

    雪ノ下「…すみませんでした」

    平塚「これは……比企谷には、話せないな」

    由比ヶ浜「え」

    雪ノ下「い、良いのですか?」

    雪ノ下(……彼に、知られなくて済む…?)

    平塚「ん?なんだ、言われたいのか?」

    由比ヶ浜「」ぶんぶん

    雪ノ下「……嫌です」

    平塚「うむ、素直でよろしい。……君たちも充分反省したようだからな。ただ、今後の事を考えて、薬は没収させて貰うがいいな?」

    由比ヶ浜「はい…」すっ

    雪ノ下「…どうぞ」すっ

    雪ノ下(比企谷君に知られるよりは、没収の方が断然マシだものね)

    平塚「確認しておくが、雪ノ下。お前の方の薬は強い副作用はないのだろうな?」

    雪ノ下「ええ、安全性を第一に姉さんにはお願いしていたから間違いないはずです」

    平塚「うむ。…なら良い。ではもう遅い、気を付けて帰りたまえ」

    由比ヶ浜「はい!」

    雪ノ下「はい…」

    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    雪ノ下「はあ…」ぎゅー

    パンさん人形「」

    雪ノ下(私のせいで、由比ヶ浜さんはあんな事をしたようなものだものね…)

    雪ノ下(明日から、どんな顔をして会えばいいのかしら……)


    ーピロピロピー


    雪ノ下「メール……由比ヶ浜さん?」すっ

    雪ノ下「……由比ヶ浜さん」うる

    雪ノ下「……」ぽち

    雪ノ下(由比ヶ浜さんには本当に、いつもいつも励まされるわ……)

    雪ノ下「そうよ。もう反省もしたのだから進まなければ行けないわね。」ぎゅー

    パンさん人形「」

    雪ノ下「薬には頼らないわ…正々堂々、ね」ぎゅー!

    パンさん人形「♩」

    雪ノ下「よし、明日からも頑張るわ♪」
  14. 14 : : 2013/12/05(木) 02:02:20
    ーーーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーー



    雪ノ下「…」

    雪ノ下(由比ヶ浜さんと、比企谷君。どちらが先にくるのかしらね)


    ーガラガラ


    由比ヶ浜「やっはろーゆきのん!」

    雪ノ下「由比ヶ浜さん。こんにちは。…昨日はメール、ありがとう。とても、その…励まされたわ///」

    由比ヶ浜「ううん。あたしもゆきのんからのメールで元気出たし!今日からはちゃんとズルしないで頑張ってこー!」ぎゅっ

    雪ノ下「ええ…負けないわよ?」くすっ

    由比ヶ浜「うん!じゃあ、いつも通り頑張ろ?」にこっ

    雪ノ下「…ええ」


    ーガラガラ


    八幡「おう」

    雪ノ下「こんにちは比企谷君」

    雪ノ下(体調は平気そうだけれど…少し暗いわね)

    由比ヶ浜「ヒッキーやっはろー!」

    八幡「由比ヶ浜もう来てたのか。」

    八幡「あー…お前ら、昨日はその…心配掛けて悪かった。体調管理にはこれからもっと気を付ける」ぺこり

    由比ヶ浜「ヒッキー…」

    雪ノ下「…顔を上げて頂戴、比企谷君。今回の事はあなたが気に病む必要はないわ…」

    雪ノ下(悪いのは私達なのだから……)

    八幡「いや…そうは言うがな……」


    由比ヶ浜「ヒッキーは悪くないって!だからそんな悲しそうな顔しないでよ…」しゅん

    雪ノ下「ええ、私達はあなたが体調管理が出来ていなかったなんて思っていないわ。だから、その…由比ヶ浜さんの言うとおり、そんな顔をしないで頂戴…」しゅん

    八幡「お前ら……」うる

    雪ノ下(本当の事を言わないのは卑怯かもしれないけれど…けれど、そんな顔をして欲しくない……通じて頂戴)

    八幡「分かった!…ありがとな」

    由比ヶ浜「ヒッキー!」パァァ

    雪ノ下「分かってくれて良かったわ」ほっ

    雪ノ下(よかった…本当に)


    ーガラガラ


    平塚「お、全員揃っていたか」

    雪ノ下「平塚先生、ノックをしろとはもう言いません。入る前に大声を出して下さい。」

    由比ヶ浜「要求が原始的になった⁈」

    八幡「…んで、今日はどうしたんすか?」

    平塚「なに、用という程でも無いんだがな。たまには君たちと同じ時間を過ごそうかと思ってね」ニヤ

    八幡「…そうっすか」

    雪ノ下(今の顔…何か嫌な予感がするわ……)

    由比ヶ浜「あ、じゃあ先生お菓子たべる?」がさごそ

    平塚「お、気が利くな由比ヶ浜。貰おうか」

    雪ノ下「そういうことなら、紅茶を淹れるわ…」

    由比ヶ浜「ゆきのん?」

    雪ノ下「…分かっているわ」

    雪ノ下(先生が何をする気かは知らないけれど、嫌な予感しかしない…)

    平塚「まあまあ、せっかく来たんだ。今日はわたしが淹れよう。雪ノ下、君は座っていたまえ」ニヤ

    雪ノ下「はあ…」

    雪ノ下(昨日の事がある手前、強く出る訳にもいかないわね)

    八幡「先生、紅茶なんて淹れられんすか?見た感じ生活能力すげえ低そ……ガファアアッ⁉︎

    由比ヶ浜「ああ!ヒッキーが凹んだ⁈」

    平塚「比企谷?わたしの生活能力が、どうした?」しゅー

    八幡「ゴフッ……い、いやあ、ははっ…平塚先生の生活能力ならそれはそれは美味しい紅茶が淹れられるんだろうなーと思いましてね。はは……」

    由比ヶ浜「ヒッキー意思弱すぎ…」

    平塚「うむ。分かれば宜しい……さて、紅茶が入ったぞ」

    由比ヶ浜「…」ジッ

    雪ノ下「…」じー

    雪ノ下(見ただけではやはり良く分からないわね…)

    八幡「ああ、どうも。んじゃいただきます」ごくっ

    平塚「どうだ?比企谷」ニヤ

    八幡「ん……ティーパック」

    雪ノ下「」ピクッ

    雪ノ下(…まさか!)

    由比ヶ浜「」ピクッ

    八幡「…変えたか?」

    八幡「」ドサッ

    平塚「くっく……くははは!さーて比企谷は寝たな。では、君達は帰りたまえ。しっしっ」
  15. 15 : : 2013/12/05(木) 02:03:51

    雪ノ下「彼に何をするつもりですか?」キッ

    雪ノ下(比企谷君を殴って視線を反らせている間に薬を仕込んだのね…… 迂闊だったわ)

    由比ヶ浜「…先生?」じっ

    平塚「なあお前達、寝ている男に何をしようとも…問題無いと思わないか?」

    由比ヶ浜「…ゆきのん理論だ!」

    雪ノ下「他人に使われると腹立たしいものね…」

    平塚「さあ…比企谷を渡して貰おうか…じゅる」

    由比ヶ浜「ヨダレ垂れてるし…」

    雪ノ下「瞳孔も開いているわね…」

    雪ノ下(比企谷君を守る為には…戦わなければいけない……彼の為なら、頑張れるわ!)

    由比ヶ浜「ゆきのん!」ダッ

    雪ノ下「ええ…!」ダッ


    ー私と由比ヶ浜さんの2人は平塚先生(独身)の魔の手から必死に比企谷君を守った


    気が付くと3人共疲弊し、動く力さえ残ってはいなかった


    そんな私達は話し合いの末、この先誰もティーポットを使用する事を禁止としたわ


    そんな協定が出来てから、比企谷君が紅茶を淹れる係になった。


    味はまだまだ未熟だけれど…



    好きな人に淹れて貰う紅茶の味は…



    八幡「紅茶、入ったぞ」カチャカチャ



    ー不思議とキスの味がするの

  16. 16 : : 2013/12/05(木) 02:08:48
    という訳で【奉仕部TeaPack事変】シリーズ2作目、雪ノ下編をお送り致しました。

    今前作の八幡編で何が行われていたのか。というのが今回のお話です。
    さて、次は由比ヶ浜編ですが彼女が何を思い、どう行動していたのかを見て頂けたらと思います。
    そんな【奉仕部TeaPack事変】シリーズは以下をどうぞ。http://www.ssnote.net/series/182
    ではまた…
  17. 17 : : 2013/12/06(金) 00:06:24
    面白い
    由比ヶ浜のやつも早くみたい
  18. 18 : : 2013/12/06(金) 00:52:05
    >>17
    サシャ好きさんこんばんは&コメントありがとうございます(^人^)
    明日の夜中か真夜中には投稿し終えていると思うので、お待ち頂ければ嬉しいです^ ^
  19. 19 : : 2013/12/06(金) 00:55:45
    >>18
    楽しみに待ってます
  20. 20 : : 2014/02/14(金) 04:19:47
    ほぉ・・・ 悪くない・・・
  21. 21 : : 2014/04/19(土) 23:09:06
    雪ノ下「選んで、私たちを信じるか?それとも先生を信じるか」

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lk1231

卯もみ☃

@lk1231

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