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リヴァイ「王の帰還」 ③ 進撃×ロード・オブ・ザ・リング

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  1. 1 : : 2015/06/26(金) 13:56:08
    進撃×ロード・オブ・ザ・リング、王の帰還の第6話です。


    よろしくお願いします<m(__)m>
  2. 2 : : 2015/06/26(金) 13:57:14








    オスギリアス―――――かつてゴンドールの王宮だったこの都は、疫病や度重なるモルドールの攻撃によって、今や廃墟となっていた。


    そして、ベルトルトがこの都を奪い返してからは、ミナス・ティリスの最終防衛ライン。


    ここが破られれば即ち、ミナス・ティリスは丸腰になることを意味していた。
















    この都市の真ん中を流れるのは大河アンドゥイン。
    その夜霧に紛れて、何艘もの小舟がゆっくりと、東岸から西岸へ向けて漕ぎ出していた。











    船の上には武装したオークたち。

    その中でひときわ醜いオーク―――――アングマールの魔王の副官であるゴスモグが全員に声をかける。







    ゴスモグ「静かに漕げ。」








    彼の号令に合わせ、オークの漕ぐオールの音が小さくなる。
    これ程の大軍であるにもかかわらず、よく統率のとれているオークの軍団はまれであろう。





  3. 3 : : 2015/06/26(金) 14:01:23









    ゴンドール兵「!!!」


    廃墟の上から見張りをしている兵士の一人が、大河を渡ってくるオークの軍勢に気が付いた。











    ゴスモグ「殺せ。」









    ヒュンッ!





    ドスッ! ゴンドール兵「あ”ッ!」


    放たれた矢は、不幸なゴンドール兵の喉を貫き、彼は階段を転げ落ちて絶命した。










    オルオ「!!! こ、これは・・・・・・。」


    エルド「敵の襲撃だッ! 奴ら・・・・・・大河を渡って来てるぞ!!!」






    漸く敵の襲撃に気が付いたエルドが、西岸一帯に兵を展開する。






  4. 4 : : 2015/06/26(金) 14:02:06







    ゴスモグ「速く漕げ。」


    充分近づいたと判断したゴスモグは、小舟を速く漕がさせ始めた。












    エルドは息を潜め、岸辺の近くの建物の柱、その背後に身を隠す。


    隣の柱にはオルオやグンタも身を隠し、密かに剣を抜いた。













    ゴスモグ「剣を抜け。」


    無数のオークたちも剣を抜く―――――そしてそのまま、西岸に接岸した小舟から進撃を開始。












    エルドたちの目の前を、オークたちが走り去っていく。
    エルドは一瞬目を瞑り、そして――――――――・・・・・・・・・・・・










  5. 5 : : 2015/06/26(金) 14:03:01










    エルド「うおぉおぉぉッ!!!」


    オークの前に飛び出して剣を振るった。









    オーク「グオオォオォォッ!!!」


    雄叫びと共に振り下ろされる刃を横に捌き、腹部へ一閃、敵を切り裂くエルド。











    グンタ「俺たちも行くぞ!」


    オルオ「任せとけってんだッ!!!」







    二人も柱の影から飛び出し、後から後からやってくるオークたちと剣を交えた。
    ゴンドールの兵士たちが雄叫びを上げて剣を振るい、モルドールのオークたちの怒号が廃墟の中に響き渡る。














    ――――――――――深夜、オスギリアスにおいて、モルドール軍との戦闘が開始された。










    第6話


    希望と絶望と






  6. 6 : : 2015/06/26(金) 16:52:37






    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




    ~翌朝~







    ガンダルフ『最早一刻の猶予もない、マルコ。ホビットの神髄を見せるのじゃ。』


    マルコ『俺は一体何をすれば?』


    ガンダルフ『お前なら誰にも悟られず、ローハンへの救援の烽火に火を点けられる。』


    マルコ『!!!』


    ガンダルフ『決してしくじるな。』








    ―――――――ゴンドールとローハンには、古い盟約があった。

    もしお互いが窮地に立たされた際、お互いに助け合うというものである。



    そして、救援を求める際は、白の山脈の峰々にある七つの烽火で伝達することになっていた。




  7. 7 : : 2015/06/26(金) 16:53:03












    マルコ「くそ・・・・・・下を見るな! 下を見るな!!!」


    ぶつぶつと呟きながら、必死に崖を登っていくマルコ。









    最初の烽火は、ミナス・ティリスのはるか上。
    山肌から突き出るような烽火台に、薪がうずたかく積まれていた。











    ガンダルフもミナス・ティリスの街から、烽火台へと登っていくマルコを心配そうに見守っていた。






  8. 8 : : 2015/06/26(金) 16:53:50







    何とか絶壁を登り切り、薪の後ろに隠れるマルコ。
    烽火台の近くには小屋があり、見張り番が二人常駐していた。








    マルコ(あれ? あの見張り・・・・・・もしかして酔ってる!?)








    何と好都合。
    二人の見張りは勝手に酒盛りを始めていたのである。









    烽火台の上には大きな鍋と、その上に小さな火のついた燭台がロープで吊るされていた。


    マルコ(よし、今のうちに・・・・・・。)









    鍋に手をかけ、その灯火を取ろうとするマルコ。





  9. 9 : : 2015/06/26(金) 16:54:32






    ブチッ!


    ざばぁあぁぁッ!!!






    マルコ「あっ!」


    鍋を支えていたロープが切れ、中の液体が薪の上にこぼれてしまった。









    マルコ「これは・・・・・・油だ!」











    またしても好都合。
    鍋の中に入っていたのは、勢いよく薪を燃やすための油だったのである。


    漸く灯火を掴んだマルコは油のかかった薪の上にそれを落とした。




  10. 10 : : 2015/06/26(金) 16:54:54







    ゴンドール兵「!!!」


    ゴンドール兵「お、おいッ!!!」








    酔っ払いが気が付いた時にはすでに遅かった。
    マルコはもう崖を降り始めており、烽火は勢い良く燃え上がった。














    炎を見たガンダルフが走り出し、見晴らしの良い場所からアモン・ディンの烽火を見やった。


    ガンダルフ「アモン・ディンにも炎が・・・・・・。」










    果たして、アモン・ディンの烽火から炎が上がった。
    都は、歓声に包まれた。







    ナック「見ろ! 烽火が・・・・・・烽火が上がったぞッ!!!」

    ミーナ「ローハンから救援が来るのね!」

    トーマス「よし、これで僕たちも戦えるッ!!!」



    ―――――――その炎は、兵士たちの心にも、明るい炎を点した。














    ガンダルフ「――――――――希望の炎は、点された。」






  11. 11 : : 2015/06/26(金) 19:01:21









    烽火番「見ろ、アモン・ディンの烽火が燃えてるぞ!」


    アモン・ディンの烽火を見たアイレナッハの烽火番たちが、急いで火を熾しはじめる。









    数分後、松明に火を点けた烽火番が急いで烽火に点火する。
    烽火は勢い良く燃え上がり、その煙は天高く昇っていく・・・・・・。











    烽火番「お~~~~~いッ!!! 烽火が上がったぞ~~~~~ッ!!!」












    アイレナッハの烽火番たちが手を振って合図する。
    すると、その合図に応えるかのように、ナルドルの烽火からも炎が上がった。





  12. 12 : : 2015/06/26(金) 19:02:50







    希望の炎は繋がっていく。











    白の山脈の峰々にある烽火―――――――ナルドルからエレラス、エレラスからミン=リンモンへ。












    赤々と燃える烽火がミン=リンモンからカレンハドへ。












    そして、最後の烽火であるハリフィリアンに、マルコが点した炎が宿った。
















    ~ローハンの都エドラス~




    ジャン「!!! 烽火が・・・・・・点りやがったッ!!!」


    マルコを見送った見張り台に座っていたジャンの目に、ハリフィリアンの烽火の炎が飛び込んできた。












    ―――――――マルコの意志は、遠く離れたジャンに伝わった。





  13. 13 : : 2015/06/26(金) 19:03:41







    ジャンは王宮に向かって走り出した。
    親友が出したものとは知らなかったが、危急を告げる烽火が上がったことを知らせに。








    バァンッ!





    ジャンは王宮の扉を勢いよく開けて叫んだ。


    ジャン「ゴンドールの烽火が上がったぞッ! 救援を求めてやがるッ!!!」






    ローハンの宮廷に緊張が走った。


    ライナー「いよいよだな、アニ。」


    アニ「そうだね、遂にこの時がやってきた。」










    リヴァイ「それで・・・・・・・・・・・・ピクシス。テメエの決断は何だ?」


    宮廷中の視線が、王に集中する。


























    それまで地図に目を落としていたピクシスは目線を上げて言った。


    ピクシス「ローハンは、ゴンドールの救援に応じようぞッ!」





  14. 14 : : 2015/06/26(金) 20:28:59






    カーン! カーン!






    召集の鐘が打ち鳴らされ、ローハンの騎士たちが馬に乗って王宮の前に集まってくる。










    ピクシスも鎧をまとい、王宮の外に出た。
    そして、今や王位継承者となった甥のイアンに話しかけた。



    ピクシス「猶予は二日! 馬鍬砦にて兵を募り、三日目にいよいよ、ミナス・ティリスへ進撃じゃッ!」









    近衛隊長のハンネスが掲げるローハンの王旗を見て、ピクシスは感慨に耽った。










    ―――――――いよいよ、中つ国の命運を賭けた戦いが始まる。

    この戦いで、中つ国の生きとし生けるもの、すべての命運が決まるのじゃ・・・・・・。







  15. 15 : : 2015/06/26(金) 20:31:04







    ジャン「なぁ・・・・・・。」






    ピクシスが決戦に掛ける思いにとらわれていると、突然ジャンに話しかけられた。


    ピクシス「むっ? 何かの?」









    すると、ジャンは剣を抜き、地面にそれを突き立てて跪いた。


    ジャン「頼むッ! 俺を・・・・・・・・・・・・ローハンの騎士にしてくれッ!!!」






    マルコは今、ゴンドールに一人でいる。
    俺はローハンの騎士なって、マルコの待つミナス・ティリスへ迎えに行ってやりたい。









    ピクシスは、ジャンの目を見、そして膝を折って話しかけた。


    ピクシス「さて、ジャンよ。お前は死ねと言われれば死ねるのかのう?」









    ジャンはピクシスをまっすぐ見据えた。


    ジャン「俺は、死にたくはねぇよ!」









    ピクシスはクスリと笑うと、立ち上がって言った。


    ピクシス「正直ものじゃな・・・・・・・・・・・・よかろう。お前をローハンの騎士見習いとする。お前はコニーの部隊に配属じゃ。」


    ジャン「はっ!!!」














    ジャンはピクシスに頭を下げ、忠誠を誓う。
    自分の失態でゴンドールへと向かったマルコのため、ジャンはローハンの騎士見習いとなった。




  16. 16 : : 2015/06/27(土) 01:10:15







    リヴァイも出立の準備をしていると、リコが荷造りをしているのが見えた。








    リヴァイ「おいリコ。お前、戦いに出るつもりじゃねえだろうな?」


    リコ「まさか、私はお前たちを馬鍬砦まで見送るだけだ。」











    事も無げに答えるリコ。
    ―――――――私の役割は、ローハンの盾持つ乙女。


    果たすべきことは、分かっている・・・・・・。














    その素っ気いない様子に、リヴァイはこれ以上追及することを止めた。

















    集結したローハンの騎士たちに、イアンが檄を飛ばす。


    イアン「ローハンの騎士たちよッ! ピクシス王に誓った忠誠を、今こそ果たすのだッ!!!」

















    ピクシスを先頭に、ローハンの騎馬隊――――――およそ二千騎が馬鍬砦へと動き始めた。










    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






  17. 17 : : 2015/06/27(土) 01:30:15








    ~時はさかのぼり、マルコが烽火を点けてから数時間後~










    エルド「く・・・・・・キリがない。」







    次から次から押し寄せるオークの大軍。
    一体何体のオークを切り裂いただろうか・・・・・・数えきれないほどだ。








    手は返り血で黒く汚れ、徹夜で剣を振るい続けたために疲労は極限まで高まっている。








    もう既に何人もの兵が討たれている。
    勇敢な兵でたちあったが、徹夜での戦いは無理があった。










    ゴンドール兵「うわあぁああぁぁッ!!!」


    血で染まるゴンドールの兵士たち―――――――オスギリアスの守備隊は、もはや敗退必死であった。







  18. 18 : : 2015/06/27(土) 01:31:22









    すると、あの冷気に満ちた金切り声が聞こえてきた。


    エルド「・・・・・・・・・・・・ナズグルだ。」








    グオオォオォォッ!!!




    空から飛来するのは、おぞましい翼の影。
    建物の上から矢を射かけていた兵士たちに、三羽の翼は容赦なく襲い掛かった。









    ゴンドール兵「うあぁああぁぁぁッ!!!」





    たちまち何人かの兵士が屋上から落下。


    またある者はおぞましい獣の足に掴まれて地獄へと放り投げられた。





  19. 19 : : 2015/06/27(土) 01:33:18







    冷気を伴った絶望と阿鼻叫喚が、オスギリアスに満ちていく。
    もうこれ以上、ここに留まって戦うことは、不可能だった。











    グンタ「エルドッ!」


    オルオ「これ以上は無理だッ!」





    エルドを支える戦友たちも限界だった。
    普段なら舌から血を流すはずのオルオが、額から血を流している。




















    ―――――――兄貴、俺には、守れなかった。


    エルド「・・・・・・・・・・・・撤退だッ!!! ミナス・ティリスへ撤退しろッ!!!」





  20. 20 : : 2015/06/27(土) 08:59:45
    期待してます
  21. 21 : : 2015/06/27(土) 16:58:13
    期待&お気に入り登録ありがとうございます!
  22. 22 : : 2015/06/27(土) 16:58:28







    ゴンドール兵「撤退だッ!!!」


    ゴンドール兵「馬に早く乗れッ!!!」








    兵士たちが急いで馬に乗り始める。
    エルドとグンタとオルオは、少しでも多くの兵を逃がすため、殿を勤めた。









    ゴッ! オルオ「ぐあッ!」


    頭に重量のある一撃を喰らい、オルオは仰向けに倒れた。









    グンタ「オルオッ!!!」


    エルド「ぐッ!!!」





    エルドとグンタは、剣を振るって前に進むしかなかった。
    文字通り血路を開き、少しでも多くの部下を救うために必死だった。





    あたうる限り戦い続け、エルドとグンタは最後に馬に乗った。
    そして、後ろ髪を引かれるような思いを振り払い、手綱を思いっ切り引いた。











    こうして、オスギリアスの守備隊は破れ、ミナス・ティリスへ撤退を始めたのだった。






  23. 23 : : 2015/06/27(土) 16:59:48












    オルオ「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・。」


    ――――――――くそ、体に力が、入らねぇ。











    オルオが斜め上を見上げると、右足を引きずったオークが、何人かのオークを引き連れて歩いてくるのが目に入った。


    とりわけ醜いそのオークは、魔王の副官、ゴスモグ。












    オルオ「・・・・・・・・・・・・この、醜い・・・・・・化け物め・・・・・・。」


    最後まで意地を通そうとするオルオ。








    すると、ゴスモグは隣のオークから槍をひったくり、
    仰向けに倒れているオルオの心臓にそれを突き立てた。




    ドスッ! オルオ「うぐッ・・・・・・・・・・・・はぁぁ・・・・・・・・・・・・」




    息が抜けるような声を立てるオルオ。
    瞳孔が開き、口は開けたまま、オルオは息絶えた。













    槍をオルオの遺体から引き抜くと、ゴスモグは笑みを浮かべた。


    ゴスモグ「人間の時代は終わった。いよいよ、オークの天下がやってくる。」







  24. 24 : : 2015/06/27(土) 17:29:30






    グオオォオォオォォォッ!!!






    オスギリアスからペレンノールの大草原を逃げていくエルドたちを待っていたのは、3人のナズグルによる追撃であった。







    ゴンドール兵「うわああぁああぁぁッ!!!」


    ゴンドール兵「いやだあぁああぁぁッ!!!」







    次々とおぞましい獣に掴まれ、空中から地獄へと投げ出されていく兵士たち。
    上空からナズグルの金切り声が聞こえ、兵士たちは混乱と恐怖の中、必死に逃げ惑っていた。













    すると、ミナス・ティリスから白い馬に乗り、白い衣を纏った老人が走ってきた。
    老人の前には、小さな人が座っている。














    「見ろッ! 白の乗り手だッ!!!」


    城壁の上に上った住民や兵士たちも、固唾を飲んで見守る。















    ガンダルフ「はぁッ!」







    ブオンッ!!!


    ガンダルフは白い杖を掲げると、その先から白い光が放たれた。








    グアァアアァァァッ!!!

    グオオォォオォォッ!!!








    身を焼くような、強烈な光を当てられ、おぞましい獣たちは追撃を諦めて去っていった。









    おぞましい獣が駆逐されたのを確認すると、ガンダルフは光を収め、エルドの部隊を先導しはじめた。






  25. 25 : : 2015/06/27(土) 19:59:33







    サシャ「開門!!!」








    第一環状区の防衛を任されている指揮官が叫ぶと、鋼と鉄で出来た巨大な扉が開いた。


    オスギリアスの守備隊は、たった百騎余りの敗残兵となってミナス・ティリスへと帰還した。










    サシャ「エルドッ!!!」


    ハンジ「大丈夫かいッ!?」


    同期であるサシャとハンジが、エルドの元へと駆け寄る。










    ハンジ「エルドッ! グンタッ! オルオは・・・・・・どこに?」










    エルドとグンタは思わず顔を背けた。
    オルオの運命がどうなったのか、ハンジは悟って沈黙した。













    エルド「済まない、サシャ、ハンジ。俺は・・・・・・兄貴の遺志を・・・・・・。」


    サシャ「自分を責めないでください! ベルトルトもそんなことは望まないはずです!」
















    オスギリアス陥落――――――――――この知らせはすぐに都中に伝わり、住民や兵士を不安に陥れた。







  26. 26 : : 2015/06/27(土) 20:00:46






    エルドたちを救ったガンダルフの元に、ロッド候の側近であるナイルが近づく。


    ナイル「ロッド候はこの事態を・・・・・・予見されていた。」


    ガンダルフ「予見して何をしたッ!? ただただ見過ごしたなら、ロッド候は何を考えているのじゃッ!!!」










    毒づくガンダルフに、エルドが近づいた。


    エルド「ミスランディア?」











    まるで信じられないというような顔をしているエルドに、ガンダルフは尋ねた。


    ガンダルフ「わしが助けに来たことが信じられんのかの?」


    エルド「いえ、あなたはモリアで亡くなったと聞いていたので・・・・・・。」


    ガンダルフマルコ「「!!!」」












    驚いたガンダルフがさらに尋ねた。


    ガンダルフ「一体誰から聞いたのじゃ!? もしやわしの前に座っているのと同じ、小さき人からか!?」


    エルド「はい!」









    俄かにマルコの顔が明るくなった。


    マルコ「それってもしかして!? エレンとアルミン!?」


    ガンダルフ「二人にあったのか!?」


    エルド「二日前、イシリアンで!」










    エレンとアルミンが生きている。
    絶望の次に、希望がまた、降って湧いた。







  27. 27 : : 2015/06/27(土) 20:02:04






    エルド「ミスランディア・・・・・・・・・・・・二人は、モルグル谷へと向かいました。」










    一気に表情が曇るガンダルフ。


    ガンダルフ「キリス・ウンゴル――――――蜘蛛の裂け目へと向かったのか?」











    マルコ「どういうことなの、ガンダルフ?」


    ガンダルフの表情を見て、マルコも不安を募らせる。















    ガンダルフ「エルド・・・・・・・・・・・・詳しく話を聞かせてくれ。」












    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




  28. 28 : : 2015/06/27(土) 20:02:58








    陥落したオスギリアスの星辰殿の上に、おぞましい獣が止まっている。
    その上に座っているのは、総大将であるアングマールの魔王であった。








    魔王「ミナス・ティリスへの総攻撃の準備に取り掛かれ。皆殺しにするまで攻撃を止めるな。」








    人間世界を滅ぼすべく、魔王は簡単に命じた。
    命令を聞いていたのは、副将であるゴスモグであった。








    ゴスモグ「白の魔法使いはどのように?」








    もっともな問いであった。
    ミナス・ティリス攻略に当たり、ガンダルフは最大の障壁であるからだ。










    すると、魔王は事も無げに答えた。










    魔王「あれは私が、始末する。」



    風見が丘の時とは違い、十全に力を取り戻した魔王。
    身に纏う冷気も凄まじく、黒いフードの中から、実体のない暗黒は白の都を見据えていた。






    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





  29. 29 : : 2015/06/27(土) 20:04:14








    そして時は戻り、今に至る。










    サシャ「ミスランディア・・・・・・・・・・・・ローハンの援軍は、まだ来ないのですか?」


    城壁の上から、不安そうにつぶやくサシャ。












    ガンダルフ「今は・・・・・・お前たちの勇気が最大の防御じゃ。」













    ―――――――――――希望と絶望と。

    光と闇の間で、ゴンドールは揺れていた。









  30. 30 : : 2015/06/27(土) 20:06:30
    以上で第6話は終了になります。


    次回はエレンとアルミンのお話から始まる予定です。


    よろしくお願いします<m(__)m>
  31. 31 : : 2015/06/27(土) 20:28:31
    おもしろかったですヽ(*´▽)ノ

    次はシガンシナ組か、

    よかったてスヨー
  32. 32 : : 2015/06/27(土) 21:54:39
    ありがとうございます!
    やっぱりコメントがあるとやる気が出ますよね!



    次もまた悲しいお話になります。
    次から次へと試練が訪れますので、どうか見守ってあげてください。
  33. 33 : : 2015/07/04(土) 13:49:19
    配役が面白いです、また映画見たくなりました。そういえば風景が似ているような。次回も期待です。
  34. 34 : : 2015/07/05(日) 00:32:51
    ありがとうございます。


    確かに風景は中世ヨーロッパといった空気を色濃く反映していますから、何となく似ているというのも分かる気がします。


    続きも頑張って書いていきますので、よろしくお願いします<m(__)m>

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hymki8il

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進撃×ロード・オブ・ザ・リング ~王の帰還~ シリーズ

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