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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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東方白霧郷〜The Niebla blanca

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  1. 1 : : 2015/06/25(木) 21:25:45
    http://www.ssnote.net/archives/36579

    ↑前回の続きです。
  2. 2 : : 2015/06/25(木) 21:26:11

    〜注意書き〜

    ・スレ主東方にわか。

    ・文章力皆無。

    ・シリアス

    ・血の表現あり

    以上の事を理解した上で拝見お願いします
  3. 3 : : 2015/07/01(水) 07:44:22
    人間は一人では何も出来ない
    故に仲間を欲する


    「はぁ…今のは危なかったぜ」

    「スゴいね、僕の攻撃ヲ避けるナンてネ、君が初メてダよ」

    魔理沙の頬は切り裂かれ血が滴っている。

    「まさかその小サナ箱かラ出ル光線でヨけるとはネ」

    (ここは逃げるか…?今の私じゃあいつの攻撃を避けるので精一杯……)

    (…諦めるなんて私の性に合わないな)

    自嘲気味に笑う魔理沙、その瞳には迷いはなかった。

    (まずは相手の目を潰すか…)

    魔理沙の周りから光弾が現れる。

    「ワーお、スゴい手品ダね、マジシャンみたいダ」

    「じゃあその手品にやられてもらう…ぜ!」

    光弾が加速し、男に接近する。
    男の方も既のところで避ける、幾つかの弾が男の腕を掠めていく。

    「アブないあぶナイ」

    「一回避けたからって気を抜きすぎだぜ」

    避けられた光線は急旋回し男に迫る。今度の一撃は予想外のものらしく全弾命中する。
    衝撃で土煙が舞う。

    「どうだ…?流石にアレでは死なないだろうけど」

    土煙が晴れ、男の姿が見える。
    男は無傷のまま立っていた、だがその姿に明らかに先程までと違う点が存在していた。

    「羽……だと…!?」

    男の後ろには蝙蝠を彷彿とさせる羽が生えていた。
    そして男の漆黒のコートは純白のコートへと変貌していた。

    「羽で全身を覆っていたのか…」

    「ご名トウ、この羽ハ最後まデ隠し通ソウと思ってたんダケドね」

    「こんなにもハヤクバレちゃうとは思ワなかったヨ」

    再び光弾が現れ男に迫る。

    「オナジ手はナンどもキカないヨ」

    再度同じように避ける男、光弾は旋回し男の足元を狙う。

    光弾は男の足元の地面に被弾し、土煙が舞う。

    「ゲホッ…ゲホッ……」

    男は羽を大きく動かし土煙を払う、男の視界に魔理沙は存在しなかった。

    「恋符・マスタースパーク!!」

    背後から声が聞こえ振り返る──否、振り返る既のところで視界が光に包まれた。

    「はぁ…はぁ…ゼロ距離マスパだ…流石に無傷はないはず…」

    巨大な光線は次々と大木を薙ぎ倒し土煙を巻き起こす。
  4. 4 : : 2015/07/05(日) 18:26:14





    「ついに始めたわね……こっちまで来なければいいのだけれど」

    本来ならば霊夢が異変解決するのだが、霊夢は良く言えばマイペース、悪く言えば面倒臭がりなのである。

    とはいえ、それでも異変解決をサボる理由にはならない事を霊夢自身重々承知の上。

    霊夢は誰にでも等しく接している、それは良く言えば誰にでも公平な人、それは裏を返せば誰に等しく他人に興味がないということになる。

    だが──

    「……はぁ」

    啖呵切って飛び出して行った魔理沙を多少は心配しているし、本当は自分がやらなきゃいけないという事も分かっている。

    「…仕方ないわね…」

    霊夢は身体を起こし、お祓い棒を手に飛び立つ。

    「向こうの方ね…」

    出せる限りの速さで事の起きている場所へ向かう。




    男は魔理沙に肉薄し、身を捻り蹴りを放つ。
    それを紙一重で交わす魔理沙。
    魔理沙の左腕は裂傷を負い血を流している。

    態勢を立て直す為上空に出る魔理沙。

    「ぐっ……はぁ、はぁ」

    (このままじゃ防戦一方…)

    チラリと周囲を見渡す魔理沙、そこにある物を発見する。

    (あれを利用すれば…一か八か、賭けに出るか)

    ギュンと地上に向かって突っ込み──予想通り男は魔理沙を狙って落下地点に駆ける。

    魔理沙は地面スレスレのところで減速させ着地する。
    土煙で少し視界が悪くなる、互いに場所は把握している。

    男が手刀を振り落とし、魔理沙が剣を振り上げる。

    バキィッと剣が折れる音が響く。
    男の方も目を見開いていた──剣の手ごたえのなさに。

    そして魔理沙は左手に持っていたミニ八卦炉を男の頭に向ける。

    「恋符・マスタースパーク!!」

    ミニ八卦炉から放たれた光線は男の頭を包みこんでいく。
    男は吹き飛ばされ、地面を2、3回転がる。

    「今度こそ…効いたはずだぜ、頭を狙ったんだ…無傷なはずが…ない…」

    「グァ…グァァぁぁぁ!グゥァァァ!」

    男は甲高い断末魔を上げて地面をのたうち回る。

    悲鳴はやがて鳴り止み男は顔に怒りの表情が浮かんだ。

    「……」

    男から大きな『気』のようなものが発され、魔理沙は気圧される。
    たまらず目を閉じてしまう。圧が収まりゆっくりと目を開ける魔理沙。

    「…なっ…!?」

    男の姿に驚愕する魔理沙、コートには所々に黒のアクセントが入っている。胸部分に黒字でX字に交差している。
  5. 5 : : 2015/07/08(水) 20:08:26
    「グゥゥゥ…」

    男は一息置き、大きく呼吸する。

    「ガァァァァァァ!!!!」

    男が咆える、空気が振動し木々が揺れる、だがそれだけではなかった──。

    「いって…何だ…?」

    ──魔理沙の左手首に激痛が走る、手首に目配りすると内出血を起こし大きな青あざが出来ていた。

    「…これは…まさかあいつが…!?」

    相手はただ咆えただけ…そう、ただそれだけなのだ。
    別段何かをしたわけではない、本当に咆えただけ。

    「何だ…一体アイツは何を…!?」

    「ガァァァァァァ!!!」

    「うぐっ…!」

    今度は左足首に激痛が走る。

    (今一瞬だけだが…あいつの目が赤くなったような…)

    (アイツの視界から消えれば攻撃を喰らわないか…?)

    「いっちょ試してみるか…!」

    そこで真偽を確かめる為の作戦を練っていたがそれも全て背後から聞こえた声により掻き消された。

    「霊符・夢想封印!!」

    背後から聞こえた声の方へ身体を向けると眩しいほどの光に包まれた。
  6. 6 : : 2015/07/10(金) 07:40:58


    意識が回復し目を開ける、まず視界に入ったのが茶色い木材で出来た天井、次に横の方からワイワイと宴会でも行ってるかのような騒ぎが聞こえる。

    ここどこ?

    まずその疑問が浮かぶ、取り敢えず身体を起こすと少し頭がふらつく。
    長時間横になっていたからだろう、で身体を起こした先では信じられない光景が広がっていた。

    まずほうきに跨って団子を頬張っている白黒の女、次に杯にたっぷり満たされてる酒を勢いよく飲んでる紅白色の服を着た女。
    そして更に目を疑う光景があった、掌程の大きさの人形が動き回っている、人形が白黒のほうきに跨った女に引っ付いたと思ったら爆発した。
    目の前で殺人が起きたのだが…と思ったが人形は桃色の粉を撒き散らしただけみたいだ。

    他にも色々と変な人たち(コスプレ?だと思う)がいたがここは割愛しよう。あまりの光景に動けずにいた僕に紅白女が僕に気づいた。

    「あ〜やっと目が覚めたみたいね〜」

    酔っているのか、ほんのり顔が紅く口調も変だ。もしかしたら元からこの口調なのかもしれないが。
    相手が何をするのか分からないので警戒しておく…が相手は何をする様子もなく、僕の前に立った。
    紅白女を僕の腕を掴んで結構の力で引っ張る。

    女の子とは思えない程の力で…もしかしたら女装趣味の人だったりするのかな?…いや、まぁ別にそういうのは悪いとは言わないよ?だって個人の趣味だし、ね。
    だから僕は相手がたとえ女装趣味の変態だったり、ショタコンでたろうと僕はそれを否定しないよ…多分。

    とくだらない冗談は置いといて、今この子に逆らっても何もならないと思うので取り敢えず引きずられるがままについていく。

    「紫〜これから外来人入れるのやめてくれないかしら〜?異変解決って案外骨が折れるのよ〜」

    ついていったら突然女の子が何もないところに向かって話し始めた、そうとう酔ってるみたいだ…酒癖悪そうだな…と考えていたら度肝を抜かれる出来事が起きた。

    女の子が話しかけた空間に亀裂が走り空間が裂けた、中から一人の女性が出てきた。

    …………もしかして僕ってまだ気を失ってるのかな?それとも僕は某仮想世界にでもログインしたのかな?
    いや、あの某仮想世界でもこんな空間転移するやつあったっけ…あったような気がする…。
    でもまあここがゲームの中なら何か納得出来た気がする、それにしても現代科学って恐ろしいな。
    女の子が僕の腕を掴んでいるんだが、感触が妙にリアルだ、カヤバすげえな。
    などと僕がこの現象に対し四苦八苦していると空間の裂け目?っていうかすきま?みたいなのから顔を出している女性が口を開いた。

    「霊夢、そこの外来人さんは私が幻想郷に連れてきた訳じゃないわよ?」

    「あんたしかいないじゃない、こんなこと出来るの」

    「本当に私じゃないのよ?そこの坊やを連れてきたのは私以外の…誰かですわ」

    会話聞いたけどなるほどね、全くわからん。外来人?見たとこ俺とこの人達に相違点あんまなさそうに見えるんだけど…?
    これもゲームの設定だったり?

    ん…?んん…!?
    考え事してて気づかなかったんだが、ここ神社じゃね?お賽銭箱あるし鳥居もあるし。
    神社で宴会(コスプレパーティー)やっても大丈夫なのか…。
    更に今気づいたんだがここ性別女しかいなくないか?僕以外全員女とかToLoveるじゃあるまいし。

    ああ、そうか。女子会って事だな。女子会なら男子がいなくても納得なり。
    ってそれよりもここが仮想世界の中じゃないかどうか調べないとな。

    取り敢えず右手を振ってみる、反応なし。次に左腕を振ってみる、反応なし。
    うん、なるほど少なくともここは現実なのかな?

    いや、待てよ…ここがアンダーワールドの可能性が少しあるので、宙に紋をきる。
    反応なし…ここは現実だ。
    ああ、そうか夢という可能性があるな。明晰夢だったか何だかで夢の中で二次元キャラを口寄せしてしまったみたいだ。

    ここが夢か現実じゃないか確認するには──。
    いつの間にか話されてた腕を持ち上げ手首部分に歯を立てて軽く噛みちぎる。
    痛い、これは紛れもない現実のようだ。
  7. 7 : : 2015/07/11(土) 12:05:11
    その後女子会にお邪魔して自己紹介させられた(強制的に)。
    だってものっそい形相で睨んでくるんだよ、紅白服の子。

    「あの…一ついい…ですか…?」

    「…なによ」

    軽蔑したような目で睨みながら答えてくる。

    「ここってどこ…ですか?」

    おずおずと初っ端から疑問に思ってたことを聞くと、白黒のほうきに跨っていた女の子が代わりに答えた。

    「ここは幻想郷って言うんだぜ」

    幻想郷ねぇ……

    は?……はっ?

    幻想郷?何それ新しいゲームか何か?

    「幻想郷、忘れられたものが集う場所よ」

    と、白黒女子の言葉に付け足すように言う紅白女子。

    …あのさぁ…

    「突然そんな事言われても信じられませんて…」

    「まぁそれが普通の反応ね、でもこれが真実なのよ」

    「あんたもさっき見たでしょう?紫がスキマから出てくるところ」

    女性がスキマと言う物から顔を出す、そして上品そうな喋り方で紅白女子と話す絵面。

    「あれって手品や何かの類じゃなくて?」

    「当たり前じゃない、それに手品だとしてもどんだけ高度な手品なのよ」

    紅白女子の言葉に僕はごもっともです、と心の中で言う。
    一つ疑問が解決したが更に新たな疑問が浮かぶ。

    「じゃあその、あなた…じゃなくてえーとえーと…」

    名前を知らないのでどう呼べば分からず戸惑ってる僕に助け船がきた。

    「こいつは博麗霊夢って言うんだよ、後私の名は霧雨魔理沙だぜ」

    今まで気づかなかったが白黒女子──霧雨魔理沙の男っぽい口調は中々様になっている。

    「なるほど、ありがとうございます、……博麗さんや霧雨さんもその…あのスキマ?みたいな能力って使えるんでしょうか?」

    しっかり御礼を言い質問する、能力って普通に考えて有り得ないんだが…さっきのアレを見た後じゃあねぇ…。

    「まぁあるわね、私は『主に空を飛ぶ程度の能力』、魔理沙の方は『魔法を使う程度の能力』よ」

    空を飛ぶ…更に魔法も使えるのか…。
    どちらの能力も十分すごいのだが、やはり空を飛ぶ、というのは魔法を使う能力に見劣りするだろう。
    だが紅白女子──博麗霊夢は"主に"と言っていた、ここがミソなのだろう。

    「で、あなたの能力は?」

    「え?僕…ですか」

    突然の質問にドギマギしてしまう、自分の能力を言うべきか、それとも無いと言うべきか…。
    まだこの人達を完全に信じたわけじゃない。

    「能力なんて…僕にはないです」

    「嘘だな」

    バッサリと霧雨魔理沙に否定された。

    「さっきコウモリみたいな翅を生やして縦横無尽に飛び回ってた癖に、どの口が言うのだか」

    コウモリみたいな翅…縦横無尽に飛び回る?
    空は飛べるけどコウモリ翅なんて見覚えもなければ聞き覚えもない。

    「え?…どういうことですか?」

    「惚けるのはなしだぜ、さっき思いっきり飛んでいたじゃないか、それにお前に睨まれたら腕に激痛が走るとかどんな能力だよ」

    さっき…?僕はこの世界に来てからすぐに気を失ったんだ。
    僕が気を失っている間に一体何が…?
    おまけに能力の事までバレてる。

    「すいません、本当にどういう事か分かりません」

    「記憶喪失…じゃないかしら?」

    口を開いたのは日に照らされキラキラと輝く鮮やかな金色の金髪ショートヘアの女の子、頭部には焼けるように赤いカチューシャが飾られている。服装は青のワンピースで肩周りはフリル状になっており白い布で包まれている。
    胸元、腰回りを結んでいるリボンはカチューシャと同じ色鮮やかな赤色。

    お前に顔が人形みたいに綺麗に整っており、日に照らされているのがなんとも色っぽい、透き通る様な美麗な壁色の瞳に思わず心が奪われた。

    「記憶喪失ねぇ…あんた、最後に見たものって覚えてる?」

    博麗霊夢の言葉にハッと我を取り戻し、数秒考え口を開く。

    「最後に見たのは…周りは木で埋め尽くすされている場所で目が覚めたんだ、その後僕は気を失った」

    皆がこの事象に頭を唸らせていると、宴会の途中で寝たのか横になっていた女の子──烏みたいな羽の生えた人が目を覚ました。
    すると女の子の目つきが変わりギラギラと光りどこから出したのかカメラを取り出していた。

    烏女は僕たちの目の前に飛んできてこう言った。

    「どうも!毎度お馴染み清く正しい射命丸 文です!」

    かなり元気はつらつな声に唖然としてしまう。

    「あー新聞ならいつもありがたく利用させて貰ってるわ、火をつけるのに」

    と軽口を叩く博麗霊夢。
    読んであげなよ…と心の中で言っておく、本当に言ったら天に召されそうだから。

    「ちゃんと読んでくれてますよね!?」

    願望混じりに叫ぶ──射命丸文を他所に3人はまたもや頭を捻っていた。
  8. 8 : : 2015/07/12(日) 15:39:58

    「ちょっと無視しないで下さいよ!!」

    目に涙を浮かべ叫ぶ射命丸文にため息混じりに返答する金髪ショートヘアの美少女。

    「今ちょっと話してる途中だからすこし静かにして貰えないかしら?」

    なんとも冷たい返答に射命丸文は悲しそうに肩をすくめた。
    流石に可哀想だと思ったので声を掛けることにした。

    「あの…大丈夫ですか?」

    声を掛けたら射命丸文はカメラを構え僕を撮り始めた。
    そろそろ本当に頭が追いつかなくなってきた。

    「外来人さんですね!少々写真を撮らせてください!」

    言葉を言い切る時にはもうシャッター音が止んでいた。

    「謎の外来超人現る…明日の一面はこれで決まりですね!」

    おい待てや真実が1割しかないとかタチ悪い冗談はやめておくれ…いやむしろ真実が1割あるからタチ悪いのか…。
    パトラッシュ…僕もう疲れたよ…。
    そして僕は考える事をやめた…。

    「まぁ記憶喪失は一旦置いておくとして、あんた宿はどうする気よ」

    「霊夢ん家に泊めさせればいいんじゃ?」

    「嫌よ、経費がかさむだけじゃない」

    「それは可哀想だろ」

    魔理沙の提案をバッサリと切り捨てる博麗霊夢。
    そこまでバッサリ言われると結構来るよ。

    「魔理沙の家に泊めさせてあげればいいじゃない」

    「私の家も無理なんだよ、家の中ゴチャゴチャしてて私一人寝るので精一杯なんだよ」

    「そう、じゃあアリスあなたに頼みたいのだけれど…」

    「無理なら無理って言ってくれ…」

    下手な優しさは時に凶器にもなりうるからね。

    「うーん…そうね、まぁいいわよ」

    「へっ?」

    予想外の返答に素っ頓狂な声が漏れる。

    「情けとかじゃなくて?…」

    「ええ、丁度一部屋余っているしね」

    感謝感激雨嵐、神はここにいたのだな。

    「ん、そうかじゃあアリス、その外来人の面倒を見てやってくれ」

    「分かってるわよ、それじゃあ行くわよ」

    「え?──おわぁぁぁ!?」

    いきなり袖を鷲掴みにされて飛ばれたら皆びっくりするよね。

    それからなんやかんやあって彼女──アリスの家に着いた。

    広範囲に広がる木々の群れの中に佇む一軒の洋風な家。
    彼女の印象に合っているな。

    アリスがドアノブを回しゆっくりとチーク材で出来ている普通より少し大きめ(に見える)扉を開ける。

    「お邪魔します…」

    他人の家に住まわせてもらうのだ、ここら辺はしっかり挨拶しないと無礼だろう。

    「適当に座っていて、今ご飯作るから」

    「はい、ありがとうございます」

    「そんな賢まらなくていいわ」

    そう言われても、右も左も分からなかった俺を泊めてくれるんだ、しっかりと礼儀よくないと失礼だろう。
    でも相手がそんなに賢まらなくて良いと言っているのだしここはご厚意に甘えるべきか…。

    「は──うん、じゃあそうさせてもらい──う」

    なんかかなり変な喋り方になったが多分大丈夫だろう。
    椅子に腰掛け部屋を見渡す、可愛らしい人形なとがあり、やはり女の子なんだなぁと痛感させられる。ってあまりジロジロ部屋を見るのは失礼なので机に視線を下ろす。

    ふと──机の上に置いてあった広辞苑並の分厚さを誇る本に目が止まる、表紙は汚れているのか字が消えているのか分からないがなんて書いてあるのか読めない。

    取り敢えず本を手に取りページを開いてみる、開いたページには良く分からない術式や単語らしきものが書いてあった。

    その中で辛うじて読めた単語があった。

    「デア…ヴェルト…フリーデン…?」

    アルファベットで書いてあったそれの意味を頭の辞書で繰っても全然わからなかった、他のページには何語かも分からない言葉しか書かれてないので本を閉じた。
  9. 9 : : 2015/07/14(火) 07:43:25
    アリスはどうやらすこぶる料理が上手みたいでかなり美味しかった(小並感)

    「それで、何か聞きたいことはある?」

    「もうたくさん、幻想郷について詳しく、妖怪とかここは何でもありですか、向こうの世界に帰れますか」

    などなどたくさん質問しまくる、取り敢えず帰ることが出来ないとかなり困る。
    帰れても帰れなくとも僕は生涯孤独だから、関係ないのだけれども。

    アリスはもう天人の様に優しくてどの質問にも一つ一つ答えてくれた。
    アリスへの質問コーナーが終わった途端睡魔が襲ってきたので客室まで案内してもらい死んだように眠った。そう、本当に死んだようにと後々アリスが言っていた。






    目が覚め、気づくと僕は暗く深い穴をゆっくりと落下していた、光という光は全くなく永遠に落ちるのではないかと焦燥感に襲われる。

    不意に生々しい鉄の匂いが鼻をつく、それと同時に手に何かの飛沫がかかった、更には悲鳴が周囲のあらゆる所から聞こえる。
    赤い液体の飛沫が顔を、手を、服を濡らす、その血はどんなに拭っても消えずどんなに洗っても消えない。

    手が肉と肉に食い込む感触が蘇る、手が何か硬い物にぶち当たる、だがそんなのも意に介さず断ち切る。
    抉り取った心臓は微かに脈動している、そんな脈動も着実に止まり始める。思わず力が入ってしまい握り潰してしまうが、そんなもの気にせず次から次へと心臓を抉り、脳髄を引きずり出し、体を真っ二つに裂き、体を爆発四散させる。

    辺りが血に染まったところで、悲しい悲壮感に襲われる、自分は孤独で仲間がおらず、対等と呼べる立場の者がいない。
    目に何か熱いものを感じる、それが頬を伝い血のシミを一つ一つ浄化させていく。

    そして気づけば僕が目の前に立っていた。

    「なっ…!?」

    あまりの驚愕に気づくことが出来なかった、もう一人の僕は眼前まで接近していた。
    もう一人の僕は腕を限界まで後ろに引き絞っている、限界まで引いたところで指を揃え突きを放ってきた。

    突きは僕の体を貫く。

    「ッ!!」

    そこで目が覚め体を叩き起こす、そこで何かに思いっきり頭をぶつけた。
    視界がハッキリしない中必死に目を擦り何があるのか確認してみると金髪美少女が額の部分を抑えていた。

    「あ…ごめんアリス」

    そこで僕は状況を理解したので、アリスに謝る。

    「いたた…一体どうしたの?魘されてたけど」
  10. 10 : : 2015/07/14(火) 07:57:14
    「あー…そのちょっと嫌な夢を見てしまってな…」

    枕に頭を預けて仰向けのまま話す、ああ、あれは嫌な事件だったな…。

    「なるほどね…どんな内容なのかは詮索しないわ…早く朝食にしましょう」

    僕の顔を少し覗き込み大丈夫そうと判断したらしくアリスは立ち上がり部屋を出て行った。

    僕も取り敢えず体を起こし朝食の前に顔を洗いに行く。

    「お日様あったかー」

    陽を浴び伸びをすると井戸で水を汲み顔を軽く洗い流す。
    眠気も吹き飛びスッキリしたので朝食を取りに行く。


    朝食を食べ始めたがアリスの寝間着がかなり可愛かった。
    いつも着ているらしいあの服とはうって変わって少しラフでいてその中でも女の子らしさがあり、ところどころにアクセントが付けられていた。
    少し体を屈めるときに胸元が少々見えそうになるのでに目線が行ってしまう。
  11. 11 : : 2015/07/17(金) 07:59:04
    「顔が赤いけどどうかしたの?」

    「えっあっ、いや大丈夫です」

    アリスの言葉に咄嗟に否定の言葉を述べる、アリスはその様子を見て「ふふ」と笑っていた。

    「それで、この後の予定はどうするのかしら?」

    「この後の予定…」

    「何も考えてないのね」

    少し呆れ気味にため息を吐くアリス。



    この後結局博麗神社行ったり魔理沙さんの家に行ったりとかした。

    やっぱりこの幻想郷は何故か女子率が異常に高い、ハーレム状態ですもん。
    鼻の下伸びまくりっすよ。

  12. 12 : : 2015/07/20(月) 19:16:45
    何事もなくこの幻想郷に順応していた僕は長い停滞の中を悠々と浸っていた。
    いつまでもこんな日常が過ぎればいいと、そう思っていた。

    だが僕は忘れていた、この摩訶不思議な世界──幻想郷では"異変"が起きるということを。





































    その日、幻想郷は──紅く染められた。






  13. 13 : : 2015/07/22(水) 10:31:22


    http://www.ssnote.net/archives/37388
  14. 15 : : 2016/12/02(金) 18:52:13
    蟻力神:http://zzleshirts.com/p128.html
    五夜神生精片:http://zzleshirts.com/p741.html
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    同仁烏鶏白鳳丸:http://zzleshirts.com/p255.html

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