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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレン「最終章・vsタイタンファミリー編Final、終わりとそれから」

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  1. 1 : : 2015/02/21(土) 18:07:14
    前作はこちらから↓
    http://www.ssnote.net/archives/30860
    長かった(長過ぎた)このシリーズもいよいよ最終回です。
  2. 2 : : 2015/02/21(土) 18:12:37
    【現在公開可能な情報】

    〇これまでのあらすじ

    タイタンファミリーの計画を阻止するため、巨人に覆われた都心部へと乗り込んだイェーガーファミリー。オーディン、フレイを除く七神兵を倒した彼らはタイタンファミリーアジトへ向かい、最終決戦へと臨む。
  3. 3 : : 2015/02/21(土) 18:41:04
    期待!!
  4. 4 : : 2015/02/21(土) 19:03:56
    期待!((遅れた…
  5. 5 : : 2015/02/21(土) 22:07:48
    2ヶ月前から読み始めた小5男子です                    超期待です
  6. 6 : : 2015/02/21(土) 22:26:14
    >>3>>4>>5
    期待ありがとうございます!最後まで全力で頑張ります!
  7. 7 : : 2015/02/21(土) 22:44:16
    -新宿区-

    ブロロロロ...

    キキィ

    リヴァイ「この建物が、奴等のアジトか。」

    エレン「はい。」

    エルド「見た目は何の変哲もないただの陸上競技場だな。」

    ミカサ「前に突入に使った穴は修復されているよね。」

    アルミン「てことは、侵入方法は...」

    ミカサ「壁を壊す。」

    アルミン「やっぱり...」

    ミカサ「はぁ!」

    ザシュザシュ

    バルドル「炎も使わずに...すごいもんだね。」

    リヴァイ「さっさと行くぞ。」

    エレン達はタイタンファミリーアジトへと侵入した。

    テクテクテク

    エレン「一般兵はいないんだな。」

    ミカサ「彼等では相手にならないと判断したのだろう。」

    サシャ「実際、今となっては普通の兵士は目じゃないですからね。」

    エレン「...お。」

    トーマス「来ましたね。」

    オルオ「わざわざ向こうから出向いてくる奴は、もう一人しか残ってねぇな。」

    テクテクテク

    エレン「フレイ...」

    フレイ「よくここまで来た。褒めてやろう。」

    コニー「てめー!ミケさんとグンタさんはどうしたんだ!」

    フレイ「あの二人か、彼等なら紅の業火(ヘル・フィアンマ)で灰となったよ。」

    リヴァイ「...」

    ミカサ「みんな、この場合の対処法は覚えているわね?」

    エレン「ああ。数人残して先へ」

    フレイ「5人だ。」

    エレン「!?」

    フレイ「5人までなら無条件で通してやる。元々俺一人で全員を相手取れるとは思っていない。だから、ここを通る5人を選べ。」
  8. 8 : : 2015/02/21(土) 22:56:39
    これが最終章か…
    終わったら毎日の楽しみがなくなるなぁ…
  9. 9 : : 2015/02/22(日) 00:05:29
    ちょうどジャンプ+でリボーンやりはじまったから嬉しいぞい
  10. 10 : : 2015/02/22(日) 00:05:31
    ヴィンデチェの方々は来ないんでしょうか
  11. 11 : : 2015/02/22(日) 01:17:37
    なんとなくリヴァイ残りそうな気がする・・・
    期待です
  12. 12 : : 2015/02/22(日) 19:11:20
    >>8
    そのように言って頂けて感無量です。最後までよろしくお願いします。
    >>9
    ヴィンディチェも来ないですね。今居るメンバーで最後まで行きます。
    >>11
    リヴァイは強いですからね。期待ありがとうございます(^-^)
  13. 13 : : 2015/02/22(日) 19:34:34
    エレン「5人...誰にする?」

    トーマス「単純に強い方から5人で良いんじゃないでしょうか?オーディンの方が強いのは明白なんですし...」

    コニー「いや、フレイをなめないほうが良い。こいつかなり強いぜ。ていうか...」

    エレン「?」

    コニー「俺は残る!こいつとは決着を着けなくちゃならねぇ!」

    ミカサ「分かった。それに合わせてメンバーも考えた。」

    エレン「どうなるんだ?」

    ミカサ「オーディンの元へ行くのは、エレン、アルミン、サシャ、リヴァイ、バルドルよ。」

    アルミン「エレン以外に僕とサシャは分かるとして...どうしてバルドル?」

    バルドル「そんな言い方しないでよ~。」

    アルミン「ご、ごめん。いや、でも!」

    ミカサ「バルドルの力がより発揮されるのはオーディンとの戦いよ。だからこうした。それに、メンバーなんてあまり関係ないのよ。フレイを一瞬で倒して、加勢に向かえば同じだから。」

    フレイ「そんなこと出来るとでも?」

    ミカサ「さぁ。とにかく、他に異論がないならこれで決定よ。」

    リヴァイ「異論はない。」

    エレン「それで良いぜ。」

    バルドル「よし、それなら早速行こう。」

    サシャ「通り過ぎたところを後ろから...何てことはないですよね?」

    フレイ「バルドルが居るんだ。そんな真似はできんよ。」

    エレン「じゃあ行こうか。」

    トーマス「頑張ってください!エレンさん!」

    エレン「お前らもな!」

    テクテクテク

    エレン達5人はフレイの横を通り過ぎ、奥の通路へと進んで行った。

    フレイ「さて、あの5人も行ったことだし...始めよう。」ボウッ!

    フレイの右手にレーヴァテインが握られる。

    ミカサ「そうね...」

    全員「開匣!」
  14. 14 : : 2015/02/22(日) 19:44:05
    コニーの勇姿が眩しいぜ!!(まだ戦ってない)
  15. 15 : : 2015/02/22(日) 21:05:24
    リボーンも進撃も好きなんで、しかもオリジナルストーリーがおもしろい!
    「ので、応援している、、」
  16. 16 : : 2015/02/22(日) 22:47:54
    最後までライバネインは出てこなかったか...
  17. 17 : : 2015/02/22(日) 22:51:43
    >>15
    ありがとうございます!
    >>16
    忘れていた訳ではないのですが・・・すみません。
  18. 18 : : 2015/02/22(日) 23:13:50
    ドシュゥ!

    全員の匣が一斉に開匣される。

    フレイ「5人一斉に相手となると面倒だな。」

    コニー「それなら、さっきもっと通してやればよかったじゃねぇか。」

    フレイ「別に構わんさ。(数を減らしていけば同じ。弱い奴から...狩るまでだ。)」

    ボッ

    フレイのレーヴァテインが炎に還る。

    フレイ「紅の業火(ヘル・フィアンマ)!」

    ボアッ!

    トーマス「いきなりかよ!」

    バッ!

    5人は四方八方に跳びこれを回避する。

    ミカサ「(散らばった...いや、散らばされた?まさか、奴の狙いは...)」

    エルド「何とか避けれたな。」

    シャッ

    エルドの背後にフレイが忍び寄る。

    フレイ「(まず1人!)」

    コニー「エルドさん!」

    ブオンッ!

    空気を切る音が鳴り響く。

    その音を鳴らしたのは、エルドの晴鉄槌(マルテッロ・ディ・セレーノ)だった。

    エルドは前を向いたままフレイを攻撃したのだ。

    フレイ「なに!?」

    バッ

    フレイは間一髪これを回避する。

    フレイ「(一番弱い奴を狙ったつもりだったが、弱い分戦闘経験は豊富か。俺の戦略を予め察知していたとは...)」

    コニー「極光(アウローラ)!」ダッ!!!

    フレイが後ろへ跳んだところにコニーが攻撃を仕掛ける。

    フレイ「(早い!だが、防御すれば事足り...攻撃が、見えない!?)」

    コニー「ニの型、残照。」

    ドスッ!

    コニーの突きがフレイの右肩に命中した。

    極光太陽流ニの型、残照は人間の眼が必ず持つ盲点へと突きを繰り出し、相手に攻撃を視認されない技である。

    フレイ「(一撃もらったか。ここはいったん体勢を整えなければ...)」

    ザッ

    フレイ「!?」

    ミカサ「まだよ。」
  19. 19 : : 2015/02/23(月) 00:39:07
    最初から全部読んできました!最後まで頑張ってください!
  20. 20 : : 2015/02/23(月) 07:31:57
    コニーの技カッケえええええええ!!!!期待だあああああ!!!
  21. 21 : : 2015/02/23(月) 18:58:26
    期待っす
  22. 22 : : 2015/02/23(月) 20:09:47
    エルドかっこいい!
  23. 23 : : 2015/02/23(月) 21:02:53
    >>19
    こんな長い話を全部読んでくださってありがとうございます!
    >>20
    コニーの勇姿、最後まで見届けてあげてください。
    >>21
    期待ありがとうございます!
  24. 24 : : 2015/02/23(月) 21:29:46
    シュッ!

    ミカサが繰り出す鋭い斬撃が、フレイの頬を掠める。

    オルオ「(形態変化(カンビオ・フォルマ)斬撃モード(モード・スパダ))」

    ザシュッ!

    フレイ「がっ!」

    オルオの斬撃モードとなった電気棒(ブリッツバー)がフレイの背中を切り裂いた。

    コニー「トドメだ、行け!トーマス!」

    トーマス「任せろ!破壊拳(プーニョ・ディ・デストロジオーネ)!」

    コオオオオオオ

    トーマスが巨大な嵐の炎を右拳に纏い、それをフレイへと突き出した。

    フレイ「...お前だな。」

    トーマス「は?」

    ガッ!

    フレイはトーマスの足を払い彼の体勢を崩す。それと同時に、レーヴァテインを再び炎へと還す。

    フレイ「紅の業火(ヘル・フィアンマ)

    ボアッ!

    トーマスの頭上から放たれた赤い炎の波が彼を除く4人に襲い掛かった。

    ミカサ達はやむなく2人から距離を取る形でこれを回避する。

    トーマス「(敢えて俺だけ攻撃しなかった!?何のつもりだ...)」

    疑問を抱きつつトーマスは起き上がろうとする。その瞬間...

    ガシッ

    フレイがトーマスの後頭部を力強く掴み、地面へと叩き付けた。

    トーマス「何しやがる!」

    フレイ「この傷跡、フレイヤにやられたものだな。バルドルの他にフォルセティも裏切ったはずだが、どうして傷を治さなかった?」

    トーマス「俺よりも重傷の奴が居たからに決まってんだろ!それにこの程度の傷、屁でもねぇ!」

    フレイ「そうか。その慢心が...お前の敗因だ。」

    コニー「トーマス!今助けるぞ!」

    遠くからコニーの声がする。

    フレイ「とっくに手遅れだ。」

    トーマス「え?」

    ドクンッ

    ブシャッ!

    トーマスの全身から血が噴き出した。

    フレイ「紅炎の血(ポイズネスフィアンマ)、発動だ。」
  25. 25 : : 2015/02/23(月) 22:03:48
    トーマスはがんばった
  26. 26 : : 2015/02/23(月) 23:20:00
    まあ、なんだかんだで10位以内のやつでもない正直モブみたいなもんだし…
    でも、期待‼︎
  27. 27 : : 2015/02/24(火) 07:31:35
    皆ひどいぞ!?↑↑
  28. 28 : : 2015/02/24(火) 20:33:06
    モブごときがここまで良くやった あとはゆっくり休め
  29. 29 : : 2015/02/24(火) 21:33:44
    トーマスの顔覚えている人なんてそうそういないだろ
  30. 30 : : 2015/02/24(火) 21:52:09
    トーマスが活躍したSSランキングならトップ3に入るのではと内心(勝手に)思っています。

    >>26
    期待ありがとうございます!
  31. 31 : : 2015/02/24(火) 22:22:54
    紅炎の血(ポイズネスフィアンマ)とは、傷口から相手の体の中に嵐の炎を流し込み、内側から相手の体を破壊する技である。この技を受けた者は致命傷免れず、バルドルはフレイが持つ厄介な技の一つとしてこれを挙げていた。

    しかし、この技は相手を素手で3秒以上掴まなければいけないという大きすぎる弱点を持っていた。そのため、多対一の戦闘で使われることはまずないと、誰もが考えていた。

    だがフレイは、敵の人数を確実に減らすための策としてこの技の発動機会を常に伺っていた。それが、分かれ目だった。

    コニー「トーマス!」

    極光(アウローラ)を使いフレイ達に超高速で接近していたコニーは、この事態に対し急遽攻撃を止め、トーマスを安全な場所へ避難させた。

    ミカサ「コニー、トーマスの容体は?」

    コニー「まだ息はある。でも、いつまで持つか...」

    ミカサ「ここは彼の生命力に賭けるしかない。今はフレイを倒すことに専念よ。」

    フレイ「彼女の言う通りだ。もし雑念混じりで戦いに臨むならば...今度こそ殺されるぞ。」

    サッ

    フレイは右手を口の前に持っていく。

    フレイ「巨人化した俺の手によってな。」

    ガリッ カッ!!!



    -大広間-

    エレン「てっきりここにアニ達が待ち伏せてるもんだと思ってたんだが、居ないみたいだな。」

    アルミン「アニ達との決着も着けておきたかったんだけど...」

    バルドル「彼女達はそもそも防衛戦力に組み込まれてないのかもよ。」

    サシャ「どういう事ですか!?」

    エレン「(まさか...アニ...)」
  32. 32 : : 2015/02/24(火) 22:43:02
    期待
  33. 33 : : 2015/02/25(水) 19:05:42
    >>32
    期待ありがとうございます!
  34. 34 : : 2015/02/25(水) 19:45:18
    -入り口付近-

    コニー達の前には、全長15メートルのトラが居た。

    ミカサ「これがフレイの巨人化。」

    コニー「ああ。性能は突入前に言ったとおりだ。」

    オルオ「パワーがある上に素早いんだろ。」

    エルド「厄介なことこの上ないな。」

    コニー「はい。あと、嵐獣の咆哮(ハリケーンブレス)にも注意してください。」

    フレイ(巨)「注意とは、無駄なことを...」

    バッ!

    エルド「!?」

    フレイは一瞬にしてエルドの背後に回り込む。

    フレイ(巨)「嵐獣の咆哮!」

    ゴオオオオオオオ!!!

    フレイの咆哮により、エルドの身体が吹き飛ばされる。

    バンッ

    エルドの身体は壁に叩き付けられて動きを止めた。彼は意識を失っていた。

    オルオ「一発で!?」

    バッ!

    コニー「オルオさん、後ろ!」

    フレイ(巨)「遅い!」

    ブオンッ! バキッ

    フレイが前脚でオルオの身体を打ち上げた。

    オルオ「(何つー重さだ...)」

    フレイはオルオの落下点に先回りし、追撃を加えようと目論む。

    コニー「やらせるか!」

    コニーは極光(アウローラ)を発動させ、フレイの前脚へと斬りかかる。

    ザシュッ!

    コニー「おし!」

    フレイ(巨)「それがどうした。俺には口があるぞ!」カパァ

    フレイが大きく口を開いた。

    フレイ(巨)「嵐獣の咆哮!」

    ゴオオオオオオオ!!!

    再び赤い炎の咆哮が放たれる。しかし、その咆哮は誰にも当たることなく壁へと衝突した。ミカサがオルオを咆哮の軌道上から逃がしたのだ。

    オルオ「...すまねぇな。ミカサ。」

    ミカサ「礼には及ばない。」
  35. 35 : : 2015/02/25(水) 20:50:38
    ミカサ無双がやっと見れそうだ…!
    期待しかないな!
  36. 36 : : 2015/02/26(木) 19:54:02
    >>35
    期待ありがとうございます。果たしてミカサの活躍はいかに!?
  37. 37 : : 2015/02/26(木) 22:31:17
    フレイ(巨)「ミカサに助けられたか。だが、お前を殺すのが少し遅れてしまっただけだ。」

    オルオ「くっ...(確かに奴の言うとおりだ。悔しいが、俺の力じゃ歯が立たない。くそ、調査兵団の幹部だっていうのに情けねぇ!)」

    ミカサ「オルオ、あなたに頼みがある。」

    オルオ「頼み?何だ。」

    ミカサ「隙を見てトーマスとエルドを逃がして欲しい。」

    オルオ「なっ!?」

    コニー「それって...(オルオさんにも逃げろって言ってるようなもんじゃねぇか。)」

    ミカサ「咆哮は避けることができたが、フレイの前脚による攻撃を受けて、あなたの身体はもうボロボロなはず。あなたなら、自分が今何をすべきか分かっているはずよ。」

    オルオ「...分かってるよ。だけどよ、あいつはそれすらも簡単にはやらせてくれなそうだぜ。」

    フレイ(巨)「当たり前だ。貴様等は一人として生かしては返さん。」

    オルオ「だとよ。」

    ミカサ「大丈夫。私とコニーで確実に隙を作り出して見せる。」

    コニー「おう、任せろ!」

    ミカサ「ので、私も進撃匣を使おう。」

    コニー「えぇ!?」

    フレイ(巨)「進撃匣だと!?その匣は守護者しか使えない物ではなかったのか!?」

    ミカサ「もちろん、守護者しか使えないわ。」

    フレイ(巨)「なっ!?」

    コニー「ミカサ、訳が全く分からないんだが。」

    ミカサ「進撃匣の起源を忘れたの?」

    コニー「え...何だったけ。」

    ミカサ「はぁ...覚えてないならもう一度言おう。進撃匣は初代イェーガーファミリーの守護者が巨人に対して進撃するために使った匣兵器よ。」

    フレイ(巨)「二千年前の話か。」

    ミカサ「その通り。そして、私は初代嵐の守護者の生まれ変わりよ。」

    フレイ(巨)「何だと!?」

    コニー「そういやそうだったな。」

    オルオ「待てよ。てことは...トーマスの進撃匣は元々お前の物だったってことか!?」

    ミカサ「ご名答。」

    テクテクテク

    ミカサはトーマスの元へ歩み寄る。そして、右手の中指から嵐のイェーガーリングを、ポケットから進撃匣を抜き取った。

    スッ ボウッ

    すぐにミカサは自身の右中指にイェーガーリングを装着し、嵐の炎を灯した。そして...

    ミカサ「開匣。」

    ドシュゥ!
  38. 38 : : 2015/02/27(金) 07:38:49
    トーマスのマフラーはミカサの物だったのか…!
  39. 39 : : 2015/02/27(金) 19:06:12
    ミカサにマフラー=鬼に金棒
  40. 40 : : 2015/02/27(金) 20:11:15
    トーマスの存在意義が一気に減った...
  41. 41 : : 2015/02/27(金) 21:41:17
    >>40
    確かに
  42. 42 : : 2015/02/27(金) 22:02:33
    逝ったかトーマス……(切実)
  43. 43 : : 2015/02/27(金) 22:12:50
    >>40
    どれだけミカサが強くてもボス・エレンの嵐の守護者はトーマスですから彼はなくてはならない存在です。
  44. 44 : : 2015/02/27(金) 22:39:30
    ミカサの首に赤いマフラーが巻かれる。

    ミカサ「このマフラー、久しぶりの感触ね。」

    フレイ(巨)「(ミカサが進撃匣を手にしたか。厄介だな...)」

    ミカサ「コニー、あなたも出し惜しみする必要はない。」

    コニー「分かった...極光(アウローラ)(メーテレ)!」

    フレイ(巨)「また例の技か。」

    ミカサ「では、まずはオルオが二人を抱えるまでの時間を稼ぐとしよう。オルオ、頼んだ。」

    オルオ「それはこっちのセリフだ!」ダッ

    オルオがトーマスの元へ走り出す。

    フレイ(巨)「やらせ」

    コニー「やらせるか!」ダッ!!!

    コニーは超高速で地を駆け、フレイの後ろ足に接近する。そして、剣を振るう。

    フレイ(巨)「!?」

    ブンッ!

    コニーの剣は空を切った。

    フレイ(巨)「そう簡単にやらせると思うか!?」

    ミカサ「思う。」

    フレイ(巨)「なっ!?」

    ミカサはフレイの顔のすぐ近くにいた。

    ザシュッ!

    ミカサが嵐の炎を纏ったブレードでフレイの両目を切り裂いた。

    フレイ(巨)「ぐあああ!(何だ今のは!?こいつはここまで速くなかったはずだぞ!)」

    ミカサの高速移動の正体を探ろうとするも、フレイは視力を奪われている。しかし、オルオとコニーははっきりとその姿を見ていた。

    オルオ「(両足から炎、さっきの高速移動は嵐の炎をエレンがグローブでやってるみたいに逆噴射したのか。しかし、嵐の進撃匣の効果は把握していたが...こんなことも出来るのか。)」

    オルオはミカサのその技術に感銘を受ける。事実、大空の炎に比べて格段に推進力が劣る嵐の炎は移動の補助に使うには色々と難点があるからだ。トーマスの場合はどうしても移動力が足りなくなった時、着地点の調整を捨ててスピードを上げることしか出来ていなかった。

    回避ならまだしも、正確に攻撃目標に近づくには相当の技術と練度が必要とされるのだ。

    オルオ「(それだけ使った回数が多いってことか。)」
  45. 45 : : 2015/02/28(土) 21:02:32
    >>43
    そうですね、
  46. 46 : : 2015/02/28(土) 22:47:07
    ミカサ「コニー!視力が戻る前に一気に畳みかけよう!」

    コニー「了解!」

    ダダッ!!!

    二人は一斉にフレイに斬りかかる。だが、フレイは二人の攻撃を回避した。

    ミカサ「...動物なのは見た目だけではないようね。」

    フレイは視力を奪われながらも、強化された嗅覚と聴覚で攻撃を察知し回避した。

    二人はその後も猛攻を続けるも、回避に専念したフレイに攻撃を当てることができない。結局、追撃を加えられないままフレイの視力が回復してしまった。

    オルオ「(くそ、ここでかよ。)」

    フレイが目を開いた時、丁度オルオが二人を背負い終え出口に向かっていた。

    フレイ(巨)「終わりだ。」カパァ

    フレイが大口を開け、嵐獣の咆哮の準備をする。

    それに対しミカサは居合切りの構えを取る。だが、彼女とフレイとの間には約15メートルの距離があり、フレイは彼女の行為を無駄なものとして構わず咆哮を放とうとする。

    しかし、ミカサが居合切りを開始した途端、フレイは恐ろしく強烈な殺気を感じた。その殺気を受け、彼は豊富な戦闘経験からくる無意識の反射で跳び上がった。

    ミカサ「大切断(グランデ・タリオ)

    シュッ

    ミカサが自らの剣を水平に振るう。次の瞬間...

    ズバッ!

    フレイの後ろ脚は切り落とされていた。

    ズドォン!

    後ろの脚を両方失い、フレイは地面に倒れこむ。

    オルオ「(今の内だ!)」タッタッタッ

    コニー「(何だ今の...ミカサのリーチの外にいた筈のフレイの脚が切るなんて、まるでかまいたち...)」

    ミカサ「トドメよ。」ダッ!

    ミカサがフレイのうなじへと斬りかかる。

    フレイ(巨)「くっ!」バッ!

    フレイは前脚のみの力で地を駆け、ミカサと距離を取った。

    フレイ(巨)「(オルオを逃がしてしまった。いや、今となってはそんなことはどうでもいい。問題なのは今の技だ。俺はミカサの剣から巨大な炎の刃が超高速で放たれたのを見た!あれも進撃匣のなせる技なのか...)」

    フレイが思案に暮れていると、ミカサの首にかけられているマフラーが独りでに匣に戻った。
  47. 47 : : 2015/02/28(土) 23:07:53
    ミカサ無双の始まりだ!((わくわく
  48. 48 : : 2015/03/01(日) 13:17:54
    大切断!アマゾンか!?
  49. 49 : : 2015/03/02(月) 19:51:28
    >>48
    懐かしい!(笑)
  50. 50 : : 2015/03/02(月) 20:12:12
    フレイ(巨)「...なるほど。そういうことか。」

    コニー「へ?」

    ミカサ「さすがはフレイ。頭が良いのね。」

    コニー「はぁ?どういうことだよ。」

    ミカサ「今のを見て、私のさっきの技の仕組みを見極めた。そうでしょう?」

    フレイ(巨)「ああそうだ。今の大切断(グランデ・タリオ)と言う技、あれはお前の赤いマフラーに貯蓄されている全ての炎を一度に放出する技だな。」

    ミカサ「御名答。でも、それが分かったところで何が変わるのかしら?」

    フレイ(巨)「変わるさ。一度使えば兵器が匣に戻るということは、その間隙が生まれる。それを知っているか否かでは戦局は大きく変わってくる。」

    ミカサ「...」ドシュゥ!

    ミカサは無言で赤いマフラーを再装着する。

    ミカサ「怪我人は逃がした。ここからが本番よ」

    コニー「よし来た!」

    フレイ(巨)「来い!完膚なきまでに叩きのめしてやる!」



    -世界樹の間、手前-

    エレン「この先にオーディンが...」

    リヴァイ「心の準備は出来てるな?行くぞ。」

    バルドル「あ、待って。皆に着けておいてほしいものがあるんだ。」

    そう言うと、バルドルは懐から一つの匣を取り出した。

    ボウッ ドシュゥ!

    バルドルが匣を開匣する。中から出てきたのは7つのブレスレットと1つのヘッドフォンである。

    バルドル「各々1つずつ装着して。」

    エレン「ああ、これが例の匣だな。」

    アルミン「例の匣?」

    エレン「ハンジさんが造ったんだ。何でもバルドルの能力を最大限活かせる装置らしいぜ。」

    アルミン「ふぅん。」

    エレンの説明を聞いた後、皆はバルドルの匣から出てきたブレスレットを1つずつ着ける。バルドルはブレスレットに加えてヘッドフォンも装着した。

    バルドル「これで準備はオーケー。」

    サシャ「では、今度こそ行きましょうか。」

    エレン「ああ...」

    エレンは世界樹の間の扉にドアノブに手をかける。

    エレン「行こう。」

    ギィィィ
  51. 51 : : 2015/03/02(月) 21:01:41
    EXバーナーを期待してしまったw
  52. 52 : : 2015/03/02(月) 22:05:29
    オーディンは巨人化できるんですか?
  53. 53 : : 2015/03/03(火) 19:46:42
    >>52
    もちろんできます。
  54. 54 : : 2015/03/03(火) 20:20:52
    扉が開かれた。

    エレン「よぉ、久しぶりだな。オーディン。」

    オーディン「来たか、イェーガーファミリーの諸君。そして...我が愛する孫よ。」

    バルドル「僕相手に嘘は無しだよ。僕のことなんて"もう"愛しちゃいないでしょ?」

    オーディン「それはあくまでお前が私に敵対しているからだ。今すぐ彼等を切り捨て、私の元に戻るというのであれば、私はお前を歓迎しよう。」

    バルドル「歓迎するかは別として、受け入れてくれるのは分かってる。でも、僕はもう決めたんだ。エレンさん達と共にあなたを倒し、ラグナロクを阻止するって。」

    オーディン「...どうやら、私は教育の仕方を間違えてしまったようだな。だが、武術の指導を後回しにしたのは正解だったよ。」

    アルミン「まさか、バルドルが裏切ることすらも...」

    オーディン「ああ。想定していたよ。」

    サシャ「孫を信じないなんて、それでも実の祖父ですか!」

    オーディン「現に裏切った以上、そのようなことを言われる筋合いはない。」

    エレン「バルドルが裏切ったのは、お前がそんな奴だから」

    バルドル「エレンさん、その事はもう良いよ。裏切ったのは僕の意志で、おじいちゃんが良い人だとか悪い人だとかは関係ない。だから、敵を倒すことだけを考えて。」

    エレン「...分かった。みんな、やるぞ。」

    全員「開匣!」

    もう既に開匣済みのバルドルを除く、4人の匣兵器が匣から展開される。

    オーディン「やれやれ、今日だけで二度も蠅共の相手をせねばならぬとはな。」シャッ

    オーディンの右手に主神の槍(グングニール)が握られる。

    リヴァイ「二度だと?俺たち以外に誰が...」

    エレン「やっぱりか。」

    アルミン「え、どういうこと!?」

    オーディン「私から説明してあげよう。」パチンッ

    オーディンが指を鳴らす。すると、世界樹の幹が霧に包まれ始める。

    リヴァイ「(何をする気だ?)」

    バルドル「大丈夫、攻撃をする気はない。でも、心の警戒は解かないで。」

    しばらくして、今度は霧が徐々に晴れていく。

    エレン「!?...アニ...」

    そこには、世界樹の幹に磔にされているアニの死体があった。
  55. 55 : : 2015/03/03(火) 20:27:29
    期待
  56. 56 : : 2015/03/04(水) 19:57:34
    >>55
    ありがとうございます!
  57. 57 : : 2015/03/04(水) 20:22:09
    サシャ「そんな、アニがどうして...」

    アルミン「アニはタイタンファミリー側に付いた筈だ。それなのに何故アニがここで死んでいる。」

    エレン「...戦ったんだな、お前と。」

    オーディン「その通りだ。レオンハートファミリーボス・アニ
    レオンハートは、愚かなことに貴様の言葉に従い私に戦いを挑み、そして殺された。部下の二人と共にな。」

    エレン「ライナーとベルトルトも殺したのか!?」

    オーディン「ああ、貴様のお陰でな。」

    エレン「!?」

    オーディン「貴様が彼女に戦う道を示したばかりに、彼女達は死んだ。その結果、貴様等は裏切り者に罰を与えることができたわけだ。」

    エレン「俺は、そんなつもりで言ったんじゃ」

    オーディン「貴様が何と言おうが、アニ・レオンハートの死は変わらない!そうだ、彼女が最後に何を思って死んだか教えてやろうか?」

    オーディン「"死にたくない"だ。」

    アルミン「嘘だ、アニはそんな弱い人間じゃない!奴が言っているのは出ませさ。だよね、バルドル。」

    バルドル「...」

    アルミン「バルドル?」

    オーディン「弱い人間等と言うものではない。生きる意志を持ち、死を恐れる者こそが強い人間だ。」

    エレン「ああ、そうミカサも言ってたな。そして、生きることが最優先だとも言っていた。なのに...俺は...アニを殺してしまった。俺は、アニのことを助けるふりをして、あいつの命をないがしろにしていたんだ!」

    サシャ「そんな、エレンが殺したわけじゃありません!」

    エレン「いや、俺が殺したようなもんだ!...アニ...ごめん...」ガクッ

    エレンは力なく膝を突く。彼の表情は、虚ろなものになっていた。

    リヴァイ「確かに、アニを殺したのはお前かもしれんな。」

    アルミン「なっ、兵長!?」

    リヴァイ「お前のした選択は間違いだったのかもしれない。だがな、どの選択が正しいかどうかなんてのは誰にもわからない。だから、過ぎ去った事を後悔するもんじゃねぇ。立ち上がれ!少なくとも、そこで膝を突いて呆然としていることは正しい選択では無い筈だからな。」

    エレン「兵長...すみません。」ムクッ

    バルドル「エレン、おじいちゃんの言う通り、アニさんは最後に死を恐れて死んでいったのかもしれない。でも、それが即ち自身の選択を後悔したと言うわけじゃない筈だ。寧ろ、おじいちゃんの心に映る彼女の最期の戦いの姿は自分の選択に胸を張り、凛としているよ。だから、エレンさんはそんな彼女のためにも、オーディンと死ぬ気で戦うんだ。それが今、エレンさんがすべきことだから!」

    エレン「...そうだな。」

    ゴクゴクッ

    エレンは死ぬ気丸を2錠取り出し、飲み込んだ。

    ボウッ!

    エレン「オーディン、お前を死ぬ気で駆逐する!」
  58. 58 : : 2015/03/05(木) 07:20:34
    ライナー達が死んだ!?
  59. 59 : : 2015/03/05(木) 18:37:53
    べ、べ、ベルトルトが死んだ!?嘘だろ
  60. 60 : : 2015/03/05(木) 21:21:28
    >>58>>59
    前作で描写は入れたのですが表現が分かり辛かったみたいですね。反省です。
  61. 61 : : 2015/03/05(木) 21:45:09
    エレン「行くぞ!」

    ダッ

    エレンの掛け声を合図に、エレンとリヴァイの二人が動き出した。

    エレン「うおおお!」

    先にオーディンを間合いに捉えたのは、エレンだ。彼は拳を構えると同時に炎の噴射を用いて一瞬で背後に回り込む。そして、拳を突きだす。

    ガキィン!

    エレンが放った第一撃はグングニールに防御されてしまった。

    オーディン「心が見える私に、そのような小賢しい真似は無意味だ。」

    リヴァイ「なら正面から堂々と斬るまでだ!」

    リヴァイが二本のブレードを振るう。しかし、それをオーディンは紙一重で躱す。いや、正確に言えばその回避は紙一重ではなく、最小限の動きで行われたものだった。

    オーディン「ぬん!」

    オーディンは渾身の力でグングニールを振るい、エレンとリヴァイを薙ぎ払った。

    アルミン「堕落弾!」ズガン!

    サシャ「雷光の矢!」ピシュッ!

    オーディン「(近接攻撃を行う二人が離れた所を狙い撃ち。攻撃の手を切らさぬつもりか。まぁ、悪くはない策だが...)」

    ババッ

    オーディンは二人の攻撃を難なく回避した。

    オーディン「(この程度の攻撃、当たるものか。)」

    アルミン「これならどうだ!」ズガン!

    オーディン「ぬっ...小癪な真似を!」ボウッ

    オーディンは右手から炎を放ちアルミンが放った弾に当てた。すると、その弾から煙が立ち上る。

    アルミン「(煙幕を撃とうとしてもばれちゃうか。でも、注意は引き付けられた。)」

    アルミンがこう考えたのを見て、オーディンは咄嗟にエレンとリヴァイを払い飛ばした方へと顔を向ける。その時既に、二人はオーディンを間合いに捉えていた。
  62. 62 : : 2015/03/07(土) 18:17:20
    エレン「うおおお!」シュッ

    エレンがオーディンへと右ストレートを放つ。それを彼は当然のように回避する。だが、その先にはリヴァイの攻撃が待っていた。

    ダッ

    横っ飛びでその攻撃も回避するオーディン。しかし、攻撃の連鎖は止まらない。

    サシャ「雷光の矢!」ピシュッ!

    放たれた矢をオーディンがグングニールで弾き飛ばしている間に、再び二人は彼を間合いに捉える。今度はリヴァイが先に攻撃を繰り出した。

    ブンッ!

    触れたものを消滅させる彼のブレードは、グングニールを持ってしても防御は不可である。そのため、彼はこの攻撃を避けざるを得ない。そして、回避行動によってスキが生まれている間にエレンがすかさず彼の懐に潜り込んだ。

    オーディン「(良いコンビネーションだ。だが、夢を見るのはここまでだ。)」

    バルドル「(これは!?)」

    オーディンが虹の炎を用いて爆弾とその爆発から自分を守る防御壁を創り出す。

    ドゴオオオン!

    オーディンの目の前を中心に爆発が発生する。しかし、エレンとリヴァイの二人は爆発を回避していた。

    オーディン「(馬鹿な。今奴らは、私が爆弾を創り出すよりも早く退避を始めていた。攻撃の絶対的チャンスであったにもかかわらず!)」

    エレン「サンキュー、バルドル。」

    リヴァイ「助かった。」

    オーディン「なるほど、貴様の仕業だったと言う訳だな。バルドル。」
  63. 63 : : 2015/03/07(土) 21:03:52
    バルドルの死亡フラグがヤバい
  64. 64 : : 2015/03/07(土) 22:29:34
    さっきの二人の回避こそが、バルドルの匣兵器によるものである。

    バルドルの匣兵器の効果、それはバルドルとブレスレットを装着している者とのタイムラグ0での思考の共有である。これにより、心を見ることでオーディンが爆弾による攻撃を繰り出そうとしていることを察知したバルドルが、その瞬間に匣兵器の効果を発動することで、エレンとリヴァイは実際に爆弾が生み出されるよりも早く回避行動に移れたのだ。

    効果の持続時間は1秒と短く、全ての攻撃をこの力を適用して先読みすることはできないが、それでも今回のような不意打ちを避けるのに大きな役割を果たす。

    オーディン「心を見ることができるだけかと思っていたが、こんなことまで出来るとはな。」

    バルドル「僕の方こそ驚きだよ。まさか物体を意のままに創り出せる"虹の炎"なんてものが存在して、しかもそれをおじいちゃんが使いこなせるなんてね。」

    エレン「物体を意のままに!?」

    リヴァイ「爆弾と防御壁を何もないところから創り出したのは俺も見たが、奴はどんな物体でも創り出せるのか?」

    バルドル「現実に存在するものなら、恐らく何でも創れる。」

    エレン「そうかよ。それでもやることは変わらない。攻めて攻めて攻めまくる!」

    オーディン「それはさせんよ。何故なら...」

    ボオウッ!

    オーディンが虹の炎を発生させる。生み出された虹の炎は徐々に形を作っていき、最終的にはミサイルの形に変化した。

    オーディン「お前たちはもう私に近づくことすらできないからだ。」

    ドシュドシュドシュゥ!

    十数発のミサイルが一斉にエレン達に襲い掛かる。

    サシャ「どどどどどうしましょう!?」

    アルミン「落ち着いてサシャ!」

    リヴァイ「とにかく撃ち落とすぞ!」

    アルミンは青煙銃、サシャは稲妻の矢、リヴァイは飛炎斬でミサイルを撃ち落とす。しかし、ミサイルは次々と生み出され攻撃の手は休まることを知らない。

    また、遠距離攻撃を持たないエレンはそれを黙って見ているしかないことを歯がゆく思っていた。

    エレン「(本当なら、今の内に攻撃を仕掛けたい所だが、あの爆撃の嵐の中をくぐり抜けてオーディンの元へ辿り着けるとは思えない。でも、だったら俺は何をすれば...)」
  65. 65 : : 2015/03/08(日) 17:19:42
    依然として放たれ続けるミサイルを撃ち落とし続けるリヴァイ達。

    リヴァイ「(このままじゃ埒が明かねぇ...)」

    防戦一方のこの状況を一同は危惧し始める。そんな中...

    エレン「切望(ブラーマ)を発動しようと思う。」

    エレンが一つの提案をした。

    元々の作戦では、エレンは切望を発動させるつもりはなかった。何故なら、この技は一度発動させてしまえばオーディンを倒すまで解除不可であり、後戻りはできないというリスクがあるからだ。その上、技の発動中は確かにエレンの戦闘能力は格段に上がるが、その分仲間との連携を全く取れなくなると言う欠点もある。

    バルドル「...わかった。」

    それらのことを踏まえた上で、バルドルはこれを承諾した。他の皆も同様に承諾した。

    エレン「...オーディン!」

    オーディン「何だね?」

    エレン「お前を...倒す!」

    ガリッ

    エレン「切望(ブラーマ)!」

    ボアアア!

    エレンの体が炎に包まれる。その炎はすぐに消え、エレンは先程までとは何ら変わりない姿を見せる。

    オーディン「ほう。それがロキを一人で倒すに至った技か」

    ミサイルによる攻撃を続けつつも、事前に得ている情報からエレンを警戒する。だが、その警戒は...

    シャッ

    オーディン「!?」

    ドゴオッ!

    無意味だった。
  66. 66 : : 2015/03/08(日) 19:01:46
    毎回思うんだけど本当に惹きつけられる書き方しますね…尊敬します
  67. 67 : : 2015/03/08(日) 21:17:50
    今更だけど切望ってなんだっけ?
  68. 68 : : 2015/03/08(日) 21:52:27
    >>67
    切望=心から強く望むこと、たって願うこと。
  69. 69 : : 2015/03/09(月) 21:40:37
    >>66
    私はまだまだ未熟者です。
  70. 70 : : 2015/03/09(月) 22:11:10
    オーディン「ぐあっ!」

    エレンの攻撃を食らい壁までオーディンは壁まで吹き飛ばされる。

    エレン「...」シャッ

    切望(ブラーマ)を発動したエレンは攻撃の手を休めることなく、オーディンに追撃を加えるべく彼に接近する。

    ガキィン!

    エレンの拳は今度はグングニールに受け止められた。だが、防御成功をオーディンが認識した時にはエレンは次の一手に出ていた。

    バキィッ!

    オーディンの顔面へと強烈な蹴りが叩き込まれる。再び彼は壁まで吹き飛ばされかけるが、壁へと達する前に受け身を取った。そして、なおも追撃を続けるエレンの攻撃を防ぐために防御壁を展開する。

    ガッ!

    エレンの攻撃はその防御壁によって止められた。直後、防御壁のわずかな隙間からグングニールが飛び出した。常人はおろか歴戦の強者ですら極めて回避が困難な奇襲。しかし、切望発動により死ぬ気の到達点に達しているエレンはこれすらも難なく回避する。だが、オーディンの攻撃がこれで終わるはずが無い。

    エレンがグングニールを回避した直後、防御壁の表面に虹の炎が流れ出始める。次の瞬間...

    ガガガガガガガ

    虹の炎が無数の小さな刃へと形状を変えエレンへと襲い掛かった。この近距離では、さしものエレンでも全てを回避することは不可能であり、彼は数枚の刃を食らってしまう。だがそれは、考えられる全ての回避パターンの中で最もダメージの少ない回避方法であった。

    リヴァイ「(なんて野郎だ...エレン。)」

    刃の雨の攻撃を凌いだエレンは、渾身の右ストレートで防御壁を壊し、すぐさま蹴りを繰り出す。その一撃をグングニールで受け止めたオーディンは、二撃目が加えられる前にエレンと大きく距離を取った。

    オーディン「はぁ...はぁ...」

    アルミン「すごい、完全に押してる!」

    サシャ「まさかここまでエレンがすごいとは...」

    リヴァイ「確かに、あの動きは人間を超えてやがる。だが、それでもおかしい。オーディンが弱すぎる。特に攻撃に対する反応がさっきまでが嘘みたいに鈍くなってやがる。」

    バルドル「それは、今のエレンが思考していないのが原因だ。」

    アルミン「...そっか。頭で考えて動くことが出来なくなるという切望唯一の弱点が、逆にオーディン戦いおいては最大の利点になっているのか!」

    バルドル「これは、思わぬ結果だったね。」
  71. 71 : : 2015/03/10(火) 22:14:07
    4人が現状を分析している間も、エレンの攻撃は止まらない。

    ボウッ! ギュイイイン!

    ドゴオッ!

    オーディン「ぐあっ!」

    超高速で移動し、一撃一撃も強力なエレンの猛攻を前に、オーディンは手も足も出せないでいた。

    オーディン「ぬん!」ボボウッ!

    再び防御壁を創り出し、オーディンはエレンの攻撃の手を止めようと目論む。現に、これがエレンにダメージを与えることが出来た唯一の戦い方である。

    だが、エレンはそれを見て無駄だといわんばかりの表情を浮かべる。そして、彼は最大速度で防御壁へと突っ込んだ。

    ギュイイイン! バゴオン!

    エレンの渾身の突進の前に、防御壁が粉砕した。そして、オーディンの懐に潜り込んだエレンは手刀でオーディンの胸を貫いた。

    オーディン「ぐ...ぬ...」

    シュッ ドガッ!

    続けて、エレンは顔面へと右ストレートを繰り出した。

    アルミン「やったか!?」

    バルドル「いや...まだだ。」

    オーディン「ぐぅ...さすがの...強さだ。ロキを...一人で倒しただけの事はある...だが、それでも私を倒すには足りん!」

    オーディンは自身の右手を口元に近付ける。

    ガリッ カッ!

    リヴァイ「巨人化か...」

    サシャ「一体、どんな姿になるのでしょうか。」

    一同は警戒しつつ光が完全に消えるのを待つ。間もなく、光は消え全員が目を開けた。

    アルミン「これは...」

    リヴァイ「ほう、そう来たか。」

    目の前に現れた17メートル級の巨人は布でできた衣で体を覆っていた。
  72. 72 : : 2015/03/10(火) 22:18:14
    期待
  73. 73 : : 2015/03/11(水) 22:40:20
    >>72
    期待ありがとうございます!
  74. 74 : : 2015/03/11(水) 22:58:36
    衣服を纏っているという、これまでで一番人間に近い姿をした巨人の姿に、一同は何とも言えない不気味さを覚えていた。

    オーディン(巨)「さて、まずはエレンの攻撃を凌ぐ装備を整えるとするか。」

    ボオオッ!

    オーディンがその巨大な身体を虹の炎で覆った。すると、虹の炎は兜と鎧の形に姿を変える。もちろん、うなじもしっかり覆っている。

    リヴァイ「おいオーディン。今まで巨人化した連中は新たな力を手に入れていたが、お前の場合はどうなんだ?」

    オーディン(巨)「...」

    リヴァイ「見えたか?」

    バルドル「うん。おじいちゃんの巨人化は、炎の量の上昇が肝らしい。今まで、スタミナの限界から虹の炎で創りだせる物質にも限りが幾らかあったみたいだけど、巨人化することでほぼ無限に物質を創り出すことが可能になるみたいだ。」

    アルミン「ほぼ無限に...」

    エレン「...」コクッ

    エレンは了解したと言うように軽く頷いて見せる。そして...

    ボウッ!

    オーディンへの攻撃を再開した。エレンは初めに右腕を使えなくしようと、右肩周りの筋肉を削ろうと考える。

    シュッ ガギィン!

    オーディン(巨)「無駄だ。この鎧はダイヤモンドに次ぐ硬度を持っている。幾ら貴様でも、全ての力を込めた拳でなければ破ることはできん。」

    全ての力を込めるとは、全身の細胞が死ぬ気になる死ぬ気の到達点において、さらにその炎を攻撃に使用する部位に集めるということである。それは、その部位以外が完全に無防備になることを意味する。

    アルミン「(これでは、幾らエレンと言えどもなかなか攻撃することが出来ない。)」

    バルドル「焦らず、確実に攻撃できるスキが出来るのを待つんだ!」
  75. 75 : : 2015/03/12(木) 22:18:32
    -入り口付近-

    ミカサ「はぁ!」シュシュッ

    コニー「うおおお!」ブンッ

    ミカサが大切断(グランデ・タリオ)を披露してから約3分、二人はフレイへ猛攻を続けていた。逆に言えば...

    3分間、フレイは二人の死力を尽くした攻めを凌ぎ続けていた。

    コニー「三の型、昇日!」

    ズバッ!

    コニー「(当たった。けど、浅すぎる...これじゃあ動きを鈍くさせることすらできてねぇ。)」

    フレイは決して全ての攻撃を避け続けているわけではなかった。この3分で、二人はフレイに百を超える攻撃を浴びせている。だが、その全てが次の攻撃への支障が無い軽微なものだった。手足の腱等、傷つけられれば面倒になる部位への攻撃は避けるか別の部位で庇うなどして凌いでいた。

    行動が制限されるような傷でなければ、治癒能力を持った巨人の体に対してその傷は無意味なものとなる。彼は、巨人化のメリットを最大限に活かした戦い方を行っているのだ。

    コニー「(まずい、早くしねぇと...)」

    ミカサ「(コニーの極光(アウローラ)(メーテレ)が解ける。)」

    この時、コニーが極光・纏を発動してから4分が経過。残された時間は、僅か1分だった。

    それに気付いたミカサは、あちらこちらへと動き回るフレイを追いかける中でさりげなくコニーに接近した。

    ミカサ「出塁するから返して。」ボソッ

    ミカサは小声で指示を伝えた。巨人化によって聴覚が強化されているフレイもそれを聞き取ったが、意味がいまいち理解できない。そして、コニーはというと...

    コニー「了解!」

    彼はミカサの言葉を理解していた。理由はもちろん、野球用語だからだ。
  76. 76 : : 2015/03/13(金) 09:38:12
    そういえばコニー野球坊主だったなぁ〜
  77. 77 : : 2015/03/13(金) 20:09:52
    コニーは良くも悪くも野球坊主だなぁ...
  78. 78 : : 2015/03/13(金) 21:17:21
    >>76>>77
    山本武と笹川了平を掛け合わせたような存在ですから(笑)
  79. 79 : : 2015/03/13(金) 21:43:44
    極光(アウローラ)(メーテレ)強制解除まで残り55秒、ミカサは縦横無尽に動き回るフレイを全力を以って追いかける。しかし、単純なスピードではフレイの方が明らかに素早く、なかなかフレイを間合いに捉えられないでいた。

    だが、ミカサはそれでもフレイとの追いかけっこを続けていた。それは、ミカサがフレイのある行動を狙っていたからである。

    そして、その行動は極光・纏解除まで残り50秒の時に来た。

    ザッ

    ミカサから距離を取り続けていたフレイが突如として足を止める。狙いは一つ、自分を追いかけ突っ込んでくるミカサにカウンターの一撃を叩き込むためである。

    フレイは巨大な獣の腕をミカサへと振るう。しかし、それこそがミカサの狙っていた行動であった。

    ボウッ!

    右手から勢いよく炎を噴出し、それによる推進力でミカサはフレイの攻撃を回避する。

    フレイ(巨)「(この反応、最初からこれを狙っていたのか!?)」

    ミカサ「はぁ!」ダッ!

    跳躍と同時に足の裏から炎を噴出し、遥か高く跳び上がるミカサ。上空には、ミカサとフレイのうなじの間に遮るものは無い。

    フレイ(巨)「(上を取られた!?)」

    ミカサが居合切りの構えを取る。これはまさしく、先程の大切断(グランデ・タリオ)発動の構えであった。

    フレイ(巨)「...(予想通りで何よりだ。)」

    何と、フレイはミカサのここまでの動きを全て読んでいた。ミカサがフレイのカウンターを狙っていたように、フレイはミカサが自身のカウンターに更なるカウンターを仕掛けてくるところを狙っていたのだ。

    しかし、ミカサは当然その事を知らない。今上空で大切断を放ってしまえば、その攻撃を既に読んでいるフレイに避けられてしまい、彼女の進撃匣が匣の中に戻ってしまう。そうなれば、彼女の戦闘能力は一気にがた落ちし、そのスキにフレイに倒される可能性が高い。

    ミカサ「大切断(グランデ・タリオ)

    ミカサが技の名前を声に出すとともにフレイは横へと跳び攻撃を回避しようとした。しかし、フレイは攻撃を回避できなかった。いや、そもそも...

    フレイ(巨)「(攻撃が来ないだと...まさか、今のはフェイント!?)」
  80. 80 : : 2015/03/14(土) 17:21:16
    次の瞬間...ミカサは自身の足から炎を噴出し、高速で地面へと降り立った。

    ミカサ「大切断(グランデ・タリオ)」シュッ

    ミカサの大切断発動に際し、フレイはうなじを斬られることを恐れて咄嗟に体勢を低くした。もしミカサの攻撃がうなじを狙ったものであれば、うなじより高い位置にある背中が少し削ぎ落とされる程度で済むからだ。

    しかし、ミカサの狙いはうなじではなかった。彼女はあくまでチャンスメーカーだからだ。

    ズババババ!

    フレイの全ての手足が一気に斬り落された。

    ミカサ「コニー!」

    コニー「おう!」ダッ!!!

    コニーがフレイのうなじへと跳びかかる。全ての手足を失ったフレイにはもう成す術はない。

    コニー「四の型、暁!」

    ザシュッ!

    コニーの斬撃は、うなじの中に居るフレイの本体をしっかりと捉え、フレイの背中を切り裂いた。

    直後、ミカサもまたフレイのうなじへと跳びかかり、フレイの身体を巨人体から切り離した。

    コニー「ふぅ...何とか間に合ったな。」

    コニーがそう呟いた瞬間、彼の極光・纏が強制解除された。

    コニー「フレイはまだ生きてるのか?」

    ミカサ「ええ。意識は失っているようだが、息はある。」

    コニー「そっか...良かった。」ボソッ

    ミカサ「...ええ。とにかく、これで残る敵はオーディンだけとなった。」

    コニー「そのことなんだけど、俺はオーディン戦の加勢は辞退させてもらうよ。極光がもう使えないんじゃ、足手纏いになるだけだ。」

    ミカサ「わかった。では、コニーにはフレイが目を覚ました場合に備えて見張りをしてもらおう。私はエレンの元へ加勢に行く。」

    コニー「ああ。俺の分も頼んだぜ。」
  81. 81 : : 2015/03/14(土) 22:42:02
    -世界樹の間-

    エレン「...」シュッ

    ガギィィン!

    オーディン(巨)「無駄無駄!」

    ヒュンヒュンヒュンヒュン!

    オーディンの鎧から無数の棘が発射される。エレンはそれをギリギリで躱す。

    エレンは依然として、超硬度の鎧で身を包んだオーディンにダメージを与えることが出来ないでいた。

    アルミン「(このままではまずいぞ。エレンは常に反撃のリスクを負いながら攻撃しているのに対して、オーディンは今のところリスク0。このまま続けていればエレンが倒される可能性の方が高い。)」

    リヴァイ「おいてめぇら、エレンに加勢するぞ。」

    サシャ「出来るならそうしたいですけど、無理です!エレンの動きに全くついていけません。足手纏いになるだけです!」

    リヴァイ「だとしてもだ。このままあいつ一人に任せていても勝ち目は薄い。アルミンとバルドルはそのことに気付いているはずだ。」

    バルドル「...」

    リヴァイ「なぁに、ちょこまか動いているだけでオーディンにとっては十分迷惑なはずだ。欲張る必要はねぇ。分かったら...行くぞ。」

    アルミン「はい。」

    サシャ「...分かりました。」

    ダッ!

    サシャの返事を聞いてすぐに、リヴァイはオーディンの所へ走り出した。

    オーディン(巨)「雑魚が、黙って見ていればよかったものを。」

    オーディンはリヴァイ目掛けて無数の棘を飛ばす。

    キンキン! ブシャッ

    リヴァイ「ぐっ...」

    数千の棘を弾き切れる訳がなく、傷を負うリヴァイ。その時、エレンが自身に背を向けているオーディンのうなじ目掛けて全身全霊の拳を放った。

    リヴァイ「(どうやら上手くい...!?)」

    バシィ!

    エレンは、その拳がオーディンのうなじを捉える直前に彼の平手打ちを食らった。

    リヴァイ「(馬鹿な、完全な死角だったんだぞ。防御や棘を飛ばすならまだしもあんな正確にカウンターを出せるわけが...)」

    オーディン(巨)「死角?それは違うぞ。」

    リヴァイ「なに!?」

    オーディン(巨)「何故なら君が見ていたからだ。心が見える私には他人がその時見ている景色を見ることが出来る。そして、先ほど君は私の背後からうなじを攻撃しようとする彼の姿を見ていた。だから、死角に居るはずの彼を正確に叩けたという訳だよ。」

    リヴァイ「(俺のせい...だと!?)」

    オーディン(巨)「お陰でようやく攻撃をクリーンヒットさせることが出来た。礼を言うよ、足手纏いの兵士長。」
  82. 82 : : 2015/03/15(日) 22:03:49
    なん...だとッ!?
  83. 83 : : 2015/03/16(月) 21:18:47
    リヴァイ「(この俺が、足手纏い...)」

    アルミン「つまり、僕達の援護は全てオーディンを助けるだけってこと?」

    サシャ「いや、下手したら私達がここでエレンの戦いを見ているだけでもオーディンの助けになるという可能性も...」

    バルドル「その心配は無いよ。心を見るにはその対象となる人物を見なければいけないから、僕達が距離を取っている限りおじいちゃんは余所見をしなければ僕達の心を見ることはできないんだ。」

    アルミン「そうか。なら...リヴァイ兵長!一旦下がってください!」

    リヴァイ「...ああ。」

    リヴァイは、何もできないばかりか味方の足を引っ張ったまま引き下がることに怒りを覚えながらも、一時戦線離脱することを決意する。ちょうどその時、瓦礫の中から姿を現したエレンと目があった。

    リヴァイ「く...」ダッ!

    オーディン(巨)「潔く引き下がるか。賢明な判断だ。」

    エレン「...」ボウッ!

    再びエレンが単身オーディンに攻撃を仕掛けた。

    リヴァイ「(エレンの野郎のあの面、自分がやるから黙って見ていろってか...)」




    -入り口付近-

    フレイ「...うぅ。」

    コニー「あ、もう起きたのかよ。」

    フレイ「俺は...生きているのか。」

    コニー「殺す必要が無いからな。だけど、無理にその拘束から逃れようとしたらそうもいかないからな。」

    コニー「そんなことしたくないけど。」ボソッ

    フレイ「...まぁ、とにかく生かしてくれたことには礼を言っておこう。」

    コニー「お、おう。思ったより素直だな。それなら...礼ついでに一つ聞いてもいいか?」

    フレイ「何だ。」

    コニー「俺達の力も、オーディンの力も良く知っているお前から見て、この戦いでの俺達の勝率はどの程度なんだ?正直に答えてくれ。」
  84. 84 : : 2015/03/17(火) 19:44:52
    リヴァイ...
  85. 85 : : 2015/03/18(水) 22:29:19
    フレイ「お前たちの勝率か...そうだな。突入前の戦力からの予想で言えば、5%前後と言ったところだ。」

    コニー「5%前後...やっぱり、厳しいのか。」

    フレイ「ああ。だが、先程のお前たちとの戦いを通してその予想は変わった。」

    コニー「どういうことだ!?」

    フレイ「お前たちには俺たちにとって大きく不足している力が備わっている事を知った。絆の力だ。」

    コニー「絆?意外だな。そんな抽象的な事を持ち出してくるなんて。」

    フレイ「確かに抽象的な事ではあるが、実際の戦闘ではそれが表立って現れる。そして、今回の戦いにおいて俺はそれを見た。」

    フレイ「大切断(グランデ・タリオ)という、放てば隙だらけになる大技を囮や味方の攻撃への繋がりとして使うなどなかなか出来る事ではない。あれは仲間を信用していたからこその行動だ。そして、そういう事が出来ると言うのは大きな武器となる。」

    コニー「さっきの戦いをそういう風に見てたのか。それで、最終的な勝率はどのくらいなんだ?」

    フレイ「...3割と言ったところだ。」

    コニー「3割か...厳しい数字には変わりないけど、だいぶ希望が見えてきたな。」

    フレイ「この数字は、お前たちの未知数な戦闘力をやや低めに概算して出したものだ。場合によってはこれよりも高まる可能性もある。ただ...」

    コニー「?」

    フレイ「これはあくまで連携して戦ったと仮定した場合のものだ。もし...エレン・イェーガーのような一人で七神兵と渡り合えるようなものが単騎でオーディンに挑んでいるようならその場合は...」

    コニー「その場合は?」

    フレイ「勝率はやはり、5%前後にまで下がるだろう。例え、そいつがどれだけ強くてもな。」



    -世界樹の間-

    エレンとオーディンの一騎打ちは表向きには五分五分のまま進んでいた。しかし、巨人の身体にさらに超硬度の鎧を纏っているオーディンと違い、エレンの身体にはじわじわとダメージが蓄積されていた。

    オーディン(巨)「(どちらかと言えば私の方が優勢ではあろうが、逆転の一撃が来る可能性は十分ある。ここは、あれを使ってさっさと終わらせるべきか。)」

    バルドル「気を付けてエレン!おじいちゃんは何かを使う気だ!」

    エレン「!?...」

    オーディン(巨)「イェーガーファミリー、貴様らに今から、虹の炎の真価を見せてやる。」
  86. 86 : : 2015/03/19(木) 10:45:30
    伏線立てるの上手いですね!
    学習しなければ…
  87. 87 : : 2015/03/19(木) 20:49:48
    >>86
    伏線というよりフラグ建築ですね(笑)
  88. 88 : : 2015/03/19(木) 21:13:58
    リヴァイ「虹の炎の真価だと...バルドル、それが何かは分かるか?」

    バルドル「どうやら、さっきとは逆の力らしい。」

    アルミン「創造の逆だから...破壊の力!?」

    バルドル「気を付けてエレンさん!これから放たれる攻撃は、恐らく今までの比じゃない!」

    エレン「...」コクッ

    ボウッ!

    エレンは僅かに頷いて見せてからオーディンへと攻撃を仕掛ける。それを見て、オーディンは虹の炎を炎や雷に変化させエレンへ襲い掛からせた。

    シャシャシャシャッ

    エレンは高速移動でそれらの攻撃を全て回避する。しかし、炎雷の雨は止むことを知らず、さらには無数の槍がエレンへと雨の中に加えられる。

    シャシャシャシャッ

    明らかに攻撃の苛烈さはエレンの対処能力を超えていた。しかし、彼は全てを回避し続けられていた。その理由は一つ。回避ルートが既に用意されていたからである。

    バルドル「罠だ!」

    バルドルはこう叫ぶと同時に匣兵器でエレンと思考を連結させる。だが、この時死ぬ気の到達点にあるエレンの全細胞は、回避のみに力を使っておりバルドルの思考は届かない。

    エレンがオーディンの凄絶な攻撃を回避し続けている最中、オーディンの指から一筋の光線上の炎が放たれた。その直径は約15cm。

    その炎はちょうどエレンにとって極めて避け辛いタイミングと位置で放たれた。そのため、彼は防御を選択した。

    バルドル「避けろぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

    唯一、イェーガーファミリーサイドで攻撃の正体を知っていたバルドルはこう叫んだ。しかし、彼の声がエレンに届く時にはもう全てが遅かった。

    エレン「!?」

    音も無く、エレンの胸を炎の光線が貫いた。エレンの胸の真ん中には...

    直径15cmの空洞が開けられていた。
  89. 89 : : 2015/03/20(金) 17:25:10
    エレンが死んだ!
  90. 90 : : 2015/03/20(金) 23:30:54
    エレン「...」

    ドサッ

    アルミン「ああ......エ、エレェェェェェン!!!」

    地面へ落下したエレンの胸の穴からは、止めどなく血が流れる。しかし、死ぬ気の到達点にあるエレンはこれだけの重傷を負いながらも即死を免れていた。

    タッタッタッタッ

    オーディン(巨)「おや、ちょうどいいタイミングだね。ミカサ・アッカーマン。」

    アルミン「ミカサ!?」

    ミカサ「アルミン...エレンは...」

    アルミン「エレンは...し」

    リヴァイ「まだだ!化け物みたいだが、こいつはまだ死んじゃいねぇ!バルドル、何か手は無いのか!?」

    バルドル「そんなの...無いよ...エレンさんだって、まだ生きているとはいっても辛うじて延命しているに過ぎない。もう1分もしない内に...」

    ミカサ「ふざけたこと言わないで!エレンは死なない!」

    サシャ「ミカサ、エレンが死んで辛いのは分かります!でも逃げないでください!」

    リヴァイ「まだ死んでないと言っているだろう!」

    バルドル「でも、助けられる方法は無い!」

    ミカサ「無くない!まだある!」

    サシャ「ミカサ!兵長!いい加減現実を見てください!」

    ミカサ「あなたこそ決めつけないで!」

    サシャ「だってこんなことしている場合ではないじゃないですか!私達だっていつ殺されるか...アルミンも何とか説得を」

    アルミン「助けられるかも...」

    全員「!?」

    アルミン「助けられるかもしらない。賭けみたいな方法だけど...要は、あれだけの傷をも治せる生命エネルギーを与えればいいんだ。」

    バルドル「...なるほど、その手があったか!」

    リヴァイ「心を見たのか。俺達にも教えてくれ。」

    アルミン「すいません。教えている暇はありません。」

    タッタッタッタッ

    アルミンはどこかへ向かって駆け出した。

    オーディン(巨)「お前の考えている作戦、やらせるわけにはいかん!」

    ヒュンヒュンヒュンヒュン!

    何かを画策し動き出したアルミンに対し、オーディンはその策を妨害するために槍の雨をアルミンへと飛ばした。

    アルミン「(しまった!避けられな...)」

    ミカサ「はぁ!」

    リヴァイ「うぉぉ!」

    キンキンキンキン!

    アルミン「ミカサ!兵長!」

    ミカサ「アルミン、奴の攻撃は私達が防ぐ。その間にエレンを助けて!」
  91. 91 : : 2015/03/21(土) 21:51:18
    オーディン(巨)「雑魚共が、鬱陶しい!」

    ボウッ!

    炎の波が二人に襲い掛かる。二人は各々の渾身の攻撃で炎を吹き飛ばした。

    リヴァイ「さっさと行け!」

    アルミン「はい!」タッタッタッタッ

    オーディン(巨)「やらせん!」

    キュイン!

    オーディンの指先から虹の炎の光線が放たれる。

    ミカサ「(しまった!この攻撃は妨害が出来ない!)」

    攻撃への対処を完全に二人に任せていたアルミンは、オーディンに背を向けており、この炎の光線が放たれるのを視認出来ていなかった。ミカサ、リヴァイ、サシャは新たな犠牲者を生んでしまったと絶望しかける。しかし、アルミンはこの光線を回避した。

    オーディン(巨)「バルドル、また貴様か!」

    タッタッタッタッ ピタッ

    アルミンが足を止めた。その場所は、世界樹の傍であった。間もなく、彼は手に持っている青炎銃を世界樹に生えている実の中の一つに向けた。

    ズガンッ!

    実と樹を繋ぐ枝が銃弾によって切断される。重力に従って落下する実を、アルミンは丁寧にキャッチした。

    アルミン「後はこれをエレンに食べさせるだけだ!」

    ミカサ「なるほど、人間を巨人化させるほどの炎を内包している世界樹の実を食べさせれば、確かにエレンを助けられるかもしれない。」

    サシャ「でも、巨人化に成功し、尚且つ自我を保てる確率は10000人に1人なんですよ!確率が低すぎます!下手をしたら巨人化したエレンが私達に襲い掛かってくることだって...」

    ミカサ「大丈夫。エレンは絶対に巨人化に成功する。これは願望でも妄信でもなく、確信よ。」

    タッタッタッタッ

    アルミンは無事に世界樹の実を持って、倒れているエレンの元まで辿り着いた。

    アルミン「さぁ、食べるんだ。」

    アルミンはエレンの口に強引に世界樹の実を突っ込む。エレンは最後の力を振り絞り...

    ゴクッ

    その実を呑み込んだ。
  92. 92 : : 2015/03/22(日) 10:37:43
    あ…((察し
  93. 93 : : 2015/03/22(日) 15:16:29
    紅の業火(ヘル・フィアンマ)の様に上に小さい文字を書くのはどうするんですか?
  94. 94 : : 2015/03/22(日) 16:03:16
    >>93
    ruby機能ってのがあるんだよ
    詳しく知りたかったらあるるみんのあじとで誰かがわかりにくく解説してるから見てね
  95. 95 : : 2015/03/22(日) 16:38:12
    >>94ありがとうございます!!
  96. 96 : : 2015/03/22(日) 22:23:28
    エレン「...」

    アルミン「どうだ...?」

    一同はエレンの安否を見守る。すると...

    ボオウッ!

    全身から大量の虹色の炎が噴き出始めた。

    リヴァイ「何て炎だ。」

    サシャ「あ、見てください!エレンの胸の穴が、みるみる塞がって行きます!」

    エレン「......!?」

    ドクンッ!

    エレン「ぐっ...あああああああああ!!!!!」

    突如、エレンが苦しみの声を上げ始めた。

    ミカサ「エレン!?」

    オーディン(巨)「世界樹の実を摂取したことによる副作用が現れたようだな。言っておくが、実一つを丸ごと摂取した場合の巨人化成功確率は、通常の100分の一程度しか無いぞ。」

    サシャ「それじゃあ、成功率は100万分の1ってことですか!?」

    エレン「うあああぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!」

    アルミン「やはり、ダメなのか...?」

    ミカサ「いえ、必ず成功する!」

    エレン「あああああああああ!!!!!」

    カッ!

    建物に覆われている筈の世界樹の間に、一つの雷が落ちる。その瞬間、眩い光が一同を包み込んだ。

    ズシィン!

    リヴァイ「こいつは...」

    バルドル「成功...したのか...?」

    そこには、15メートル級の巨人が立っていた。

    アルミン「(不思議だ。この姿、何故か見覚えがある。)」

    エレン(巨)「...スッ」

    エレン(巨)「グオオオオオオオオオ!!!!!」

    サシャ「これは、まさか...」

    オーディン(巨)「ふはははは!どうやら、自我を保てていないようだな。いやはや、お前達は良くやったよ。お陰で、私が手を下すまでも無くお前達を殺すことが出来る。エレン・イェーガーの手によってな!」

    バルドル「(確かに、自我を失った巨人が世界樹を取り込んでいるおじいちゃんに攻撃することは無い。このままではエレンさんの攻撃対象、いや捕食対象は間違いなく僕等だ。)」

    エレン(巨)「...」スッ

    エレンはアルミン達の方を向いたまま拳を構える。

    オーディン(巨)「さぁ、やってしまえ!」

    エレン(巨)「グオオオッ!」

    エレンは咆哮した瞬間、ぐるりと体の向きを変える。

    オーディン(巨)「なっ、まさか!?」

    バキィッ!

    エレンが放った拳が、オーディンの顔面へと叩き込まれた。
  97. 97 : : 2015/03/23(月) 09:22:08
    エェェェェェェェェレェェェェェェェン!!!!!!!!!!!
  98. 98 : : 2015/03/23(月) 16:57:13
    イェェェェェェェェェガァァァァァァァァァ!!!!??
  99. 99 : : 2015/03/23(月) 22:30:40
    ズシィイン!

    オーディンの巨体が地面に倒れ込んだ。

    オーディン(巨)「(どういうことだ!?奴は自我の保持に失敗したはず。なのに何故私を攻撃できた!?)」

    サシャ「やっぱり、エレンは自我を保てているということですか?」

    アルミン「でも、オーディンはエレンの心を見たうえで自我の不保持を確認したんでしょ?それならやっぱり自我は働いていないんじゃ...」

    リヴァイ「だが、自我が無いならオーディンを攻撃することはあり得ないはずだ。」

    バルドル「切望(ブラーマ)だ。エレンさんの切望はまだ解除されていなかったんだ!」

    アルミン「あ...なるほど!」

    バルドル「だから僕等にもエレンさんの心が見えなかったんだ。そして、切望がまだ続いているということは...」

    ミカサ「エレンは、巨人の身体に取り込まれていない。つまり、巨人化は完全に成功したということね。」

    サシャ「奇跡です!」

    バルドル「まぁ、種を明かせば奇跡でも何でもないんだけどね。」

    サシャ「へ!?」

    ミカサ「バルドルが以前、巨人化の才能は遺伝すると言ったのを覚えているだろうか?」

    サシャ「はい。一応...」

    ミカサ「エレンの先祖は巨人化能力者だったのよ。」

    アルミン「ええ!?それって、例の前世のエレン?」

    リヴァイ「初代イェーガーか。」

    ミカサ「その通りよ。」

    オーディン(巨)「どうやら残念なことに、巨人化を成功させてしまったらしいな。だが、特別な力を持たぬただの巨人では、私に勝つことはできんぞ!」

    ヴォン

    オーディンの右の手のひらに、巨人の身体に見合うほど巨大な槍が握られた。

    オーディン(巨)「ぬおおお!!!」

    ブオンッ!

    オーディンはエレンの首を目掛けて槍を水平に振るった。エレンはその攻撃を身を屈めて回避し、オーディンへの懐へと接近する。

    オーディン(巨)「(切望が解けていないだけあって大した反射速度だ。しかし...)これが避けられるか!?」

    ドシュドシュドシュゥ!!!

    オーディンの足元から無数のミサイルが放たれ、エレンに襲い掛かる。15メートルの巨体がこれを躱し切れる筈が無く、爆撃を正面から受けエレンは体勢を崩される。

    オーディン(巨)「はぁあ!」

    ドゴオッ!

    オーディンはグングニールでエレンの巨体を薙ぎ払った。

    オーディン(巨)「他愛もない...」

    エレン(巨)「グオオオオオオオオオッッッッ!!!!」

    ボァアッ!

    オーディン(巨)「な...に...?」

    ミカサ「全身を、大量の死ぬ気の炎で覆った?」

    リヴァイ「どうやら、エレンもただの巨人じゃないらしいな。」
  100. 100 : : 2015/03/24(火) 17:02:20
    オーディン(巨)「さしずめ炎の巨人と言ったところか。だが、炎を纏った程度では何も変わらんぞ!」

    ヒュンヒュンヒュンヒュン!

    オーディンは再び無数のミサイルを放つ。しかし、エレンは避けようとする素振りを見せない。間もなく、ミサイルはエレンの身体に命中した。だが...

    バルドル「爆発しない?」

    サシャ「ミサイルがエレンの身体に触れた瞬間、風化したように見えましたが...」

    ミカサ「恐らく、大空の調和の能力によるものだろう。」

    ダッ!!!

    エレンは地面を蹴り、オーディンとの距離を一気に詰める。そして、右拳で思い切り殴りつけた。

    ガキィッ

    オーディンはエレンの拳を槍で受け止める。

    リヴァイ「あの槍、調和の効果が効かないのか。」

    オーディン(巨)「調子に乗るな!」

    ブオオンッ! バキャッ

    オーディンの槍での薙ぎ払いによって、エレンの顔面が吹き飛ばされた。しかし、エレンは構わずオーディンの懐に潜り込む。

    エレン(巨)「ガアアアアアッッッ!!!」

    バゴオッ!

    エレンが放った強烈なパンチは、オーディンの腹を吹き飛ばした。

    オーディン(巨)「(顔を吹き飛ばされてもお構いなしに突っ込んでくるとは...こいつ、巨人化に慣れているな。)」

    リヴァイ「今のところは互角ってところか。」

    サシャ「エレンは勝てるのでしょうか...」

    ミカサ「勝てるのかじゃない、勝たせるのよ。私達の手で。」

    アルミン「加勢に向かうつもり!?」

    ミカサ「ええ。一対一で互角ならば、私達が加勢すれば優勢になる。」

    リヴァイ「事はそう簡単にはいかないぞ。あいつらの戦いは別次元のものだ。下手に手を出せば足手纏いになるかもしれない。」

    ミカサ「あら、随分と弱気なのね。」

    リヴァイ「弱気じゃねぇ。ただ、事実を言ったまでだ。」

    ミカサ「それが弱気だと言っているのよ。勝利を掴むチャンスなのに、手をこまねいているなんて臆病者か馬鹿のすること。例え、そのチャンスがピンチと表裏一体なものだとしても。」

    リヴァイ「わかった。だが...」

    ミカサ「心配しなくても、あなたなら出来る。リヴァイ兵士長なら。」

    リヴァイ「...また前世の記憶関係の根拠か?まぁ、そこまで言われちゃ黙って見ているわけにはいかねぇ...やってやるよ!」
  101. 101 : : 2015/03/24(火) 21:53:29
    エレン(巨)「グオオオッ!!」

    ドゴオッ!

    エレンの左フックがオーディンの右脇腹に叩き込まれる。だが、オーディンは怯むことなく槍をエレンへと振り下ろした。

    ズシャァ!

    エレンの回避はやや遅れ、右腕が切り落とされてしまった。互角の戦いにおいて、腕一本の欠損は大きい。

    オーディン(巨)「(一気に片を付け...!?)」

    ミカサ「(グランデ)...」

    オーディン(巨)「ぬぅ!」

    ミカサ「切断(タリオ)!」

    ズバッ

    ミカサがオーディンの背後から大切断(グランデ・タリオ)を繰り出した。突然の死角からの攻撃に、オーディンは反応が遅れて頭部の上半分を切り落とされる。

    オーディン(巨)「蠅が!」

    ボオオッ

    オーディンは巨大な炎の球を創り出し、ミカサへぶつけようとする。

    ザシュッ

    オーディン(巨)「なっ!?」グラッ

    オーディンは右足の腱を削ぎ落され、バランスを崩す。

    リヴァイ「おいおい、蠅だの足手纏いだの罵るのは勝手だが、忘れるのはさすがに酷いんじゃねぇか?」

    バルドル「(やっぱり、おじいちゃんはエレンの攻撃の対処に全神経を注いでいたみたいだね。反応が遅すぎる。)」

    オーディン(巨)「おのれ...小蠅共がうろちょろしおって...邪魔だ!」

    オーディンの足元に巨大な爆弾が生み出される。次の瞬間...

    世界樹の間一面を大爆発が包み込んだ。

    オーディン(巨)「貴様らごとき、いつでも吹き飛ばせるということを忘れるな!」

    リヴァイ「くっ...半端ねぇな。」

    ダンダンダン!

    爆発による煙に包まれた世界樹の間の中に、大きな足音が響き渡る。直後...

    エレン「グオオオオオオオオオ!!!」

    咆哮が鳴り響いた。

    オーディン(巨)「(今の時間で、身体を再生されたか...)」

    ミカサ「みんな、気を引き締めて。恐らくこれが...」

    エレン(巨)「ガァア!」

    ダッ!

    ミカサ「最終ラウンドよ。」

  102. 102 : : 2015/03/25(水) 18:10:21
    シュッ

    一瞬でオーディンの懐に潜り込んだエレンは、すぐさま右ストレートを放つ。が、オーディンに避けられる。

    オーディン(巨)「ぬん!」

    バシィッ!

    オーディンはエレンの足を勢いよく払った。これにより、エレンの体勢が崩れる。その瞬間、オーディンは槍を構える。

    オーディン(巨)「死ね。」

    オーディンがエレンをうなじの中の本体ごと真っ二つにしようと、槍を一気に振り下ろそうとする。

    ザクッ ビリビリ

    オーディン(巨)「!?」

    突然の電撃に、オーディンの手が一瞬止まった。その隙にエレンは転がりながらオーディンと距離を取った。

    バルドル「ナイス、サシャさん!」

    エレン(巨)「グオオオ!」ダンッ!

    再びエレンはオーディンに接近戦を仕掛ける。

    シュッ ガギィンッ!

    シュッ ガギィンッ!

    ブオッ キイン!

    次々に繰り出される攻撃を、オーディンは槍で的確に防御する。

    オーディン(巨)「いい加減大人しく...」ガバァ

    オーディン(巨)「せい!!!」

    ドゴオッ

    オーディンは全身全霊の力で槍を振り上げ、エレンの身体を打ち上げた。

    オーディン(巨)「(飛行手段を失った今、空中で攻撃を回避する術はない。今度こそ終わりだ。)」

    オーディンが勝利を確信した。その時...

    カッ!!!

    強烈な閃光が、オーディンの視力を奪った。

    オーディン(巨)「(これは、雨の守護者の閃光弾か!?)」

    アルミン「今だ!」

    ミカサ「大切断(グランデ・タリオ)!」

    リヴァイ「旋回炎舞(せんかいえんぶ)!」

    ザシュザシュ!

    リヴァイとミカサの二人が放った必殺技により、オーディンは両足の腱を削がれ、自身の体を支える力を失った。

    ちょうどその時、エレンが地面へ着地した。そして、拳を構える。

    アルミン「...いっけぇぇぇエレンェェェェン!!!」

    エレン(巨)「グオオオオオオオオオ!!!」

    バゴオオン!!!
  103. 103 : : 2015/03/25(水) 22:45:59
    エレンの渾身の右ストレートが、オーディンの首を中の本体ごと吹き飛ばした。

    ズドン!

    オーディンの本体が壁へと叩き付けられると共に、周囲の壁が崩壊し、彼の身体は瓦礫の中に埋もれた。

    バルドル「やった...」

    サシャ「オーディンを...」

    アルミン「倒したぞ!!!」

    リヴァイ「ふぅ...」

    ミカサ「念のためトドメを」

    ズシィィン!

    アルミン「エレンが倒れた!?」

    バルドル「全ての力を使い果たしたんだろう。どうやら決着はギリギリだったみたいだね。」

    ミカサ「エレンを巨人のうなじから出してくる。」

    タッ

    ザシュッ

    ミカサが巨人のうなじの肉を削ぎ落す。すると、エレンの本体が姿を現した。ミカサは彼の身体を引っ張って、本体を巨人体から引き剥がした。その時彼は意識を失っていたが、ミカサが彼を抱きかかえようとしたときにちょうど目を覚ました。

    エレン「んん...」

    アルミン「あ、起きた。」

    エレン「えっと...確か俺は胸に穴を開けられて...」

    サシャ「あれ、やっぱり自我が無かったんですか?」

    バルドル「初めての巨人化で、記憶が混濁しているだけだと思うよ。」

    エレン「あっそうだ。オーディンは!?倒せたのか!?」

    アルミン「お陰様でね。」

    リヴァイ「今トドメを刺しに行くところだ。」

    エレン「そっか、あいつだけは殺さなきゃダメだったな...」

    ミカサ「ええ。トドメは私が刺して来よう。」

    エレン「...分かった。頼む。」

    ミカサがオーディンが埋まっている瓦礫の方を向く。その時、瓦礫の中で何かが光った。

    ミカサ「エレン!」

    ドン!

    ミカサが突然、エレンを勢いよく突き飛ばした。

    エレン「てめっ、何を...!?」

    次の瞬間、ミカサの胸を虹色の光線が貫いた。
  104. 104 : : 2015/03/26(木) 03:38:33
    しぶといなオーディンw
  105. 105 : : 2015/03/26(木) 11:17:01
    フリーザ並の生命力だ
  106. 106 : : 2015/03/26(木) 17:57:25
    期待
  107. 107 : : 2015/03/26(木) 22:08:30
    >>105
    原作でも恐ろしくしぶといのに映画で復活までしちゃったフリーザには及びません(笑)
    >>106
    期待ありがとうございます!
  108. 108 : : 2015/03/26(木) 22:37:09
    ドサッ

    ミカサは、力なく地面へと倒れ込んだ。彼女の胸の穴からは大量の血が流れ出していた。そして、彼女の命の灯は...

    完全に消えていた。

    オーディン「ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...」

    リヴァイ「あの野郎、まだ戦う力が残っていやがったのか。」

    エレン「ミカサ!!!」

    エレンは大声でミカサの名を呼ぶ。しかし、応答は無い。

    エレン「このままじゃ...そうだ!世界樹の実を食べさせるんだ!そうすれば、俺の時みたいに...」

    アルミン「無駄だよ。」

    エレン「なんで!?」

    アルミン「エレンは、死ぬ気の到達点の状態だったから心臓を失いながらも僅かながら延命していた。でも、ミカサは...もう、この時点で死んでいるんだ!」

    エレン「はぁ!?そんなことまだ分かんねぇだろうが!」

    リヴァイ「エレン、いい加減にしろ。本当はお前も...いや、超直感を持つお前なら尚更わかっているはずだ。ミカサはもう助けられないと。そして、お前はミカサに、戦いで仲間が死んだらその現実から逃げろと教わったのか!?お前が今すべきことは何だ!?」

    エレン「俺が今すべきこと...それは...オーディンを倒すことだ。」

    リヴァイ「分ってるじゃねぇか。」

    エレン「そうと決まれば...」ガサゴソ

    巨人化が解けてから、超駆逐モードが解除されていたエレンは、もう一度超駆逐モードになるためにポケットから死ぬ気丸の入ったを取り出す。そして、その中から2錠を取り出しそれらを呑み込んだ。

    ボウッ

    エレンの額に炎が灯る。

    次の瞬間...

    シュゥゥ

    炎が消えた。

    エレン「え...なんで...なんでだよ!おい!」

    オーディン「ガス欠か。どうやら勝負ありのようだな。」

    リヴァイ「そういうお前も炎が尽きかけてるんだろう?」

    オーディン「彼には及ばんよ。そして、それを言うならお前も例外ではないはずだ。」

    リヴァイ「チッ...」

    サシャ「二人とも、後は私達に任せてください。」

    アルミン「僕達はまだまだ炎が使える。元の力は二人にかなり劣るけど、今のオーディンなら...」

    エレン「いや、あいつは俺がこの手で倒す。」

    アルミン「なっ!?」

    オーディン「...ほう。」
  109. 109 : : 2015/03/27(金) 13:09:54
    オーディンUZEEEEEEEEEE!!!!
  110. 110 : : 2015/03/27(金) 19:25:06
    アルミン「何を言っているんだ!?君はもう炎が...」

    エレン「大丈夫。」

    サシャ「勝ち目はありませんよ!」

    エレン「...勝ち目とか、そういうのは関係ない。それによ...」

    エレン「"勝てないと分かっていても死ぬ気で戦いに挑む男はカッコいい"...ミカサから俺への最初の教えだ。最後ぐらい、カッコいい所を見せてやらないと。」

    リヴァイ「分かった。なら、行ってこい。」

    エレン「はい。」

    テク テク テク

    オーディン「まさか、お前がここまで愚かな男だったとはな。もう一度虹の炎に貫かれるがよい!」

    オーディンの右の人差し指から虹の光線が放たれる。それをエレンは...避けた。

    オーディン「ほう、避けるか。ただの人間には避けられないはずだが、超直感の影響か。」

    エレン「ごちゃごちゃうるせぇよ。」

    ダッ

    エレンがオーディンの元へ駆け出す。そして、エレンがオーディンの間合いに入った瞬間、オーディンが彼へと槍を振るおうとする。

    エレン「(ここだ!)」ダッ

    パシッ

    エレンは、オーディンが槍を振るう直前に彼の手を掴んだ。そして、間髪入れずにその手を引く。すると、彼の身体は自ずと手と一緒に引っ張られる。

    シュッ

    バキッ

    オーディン「がっ!」

    エレンは、自分の方へと引き寄せたオーディンの体に蹴りを入れた。その蹴りは、一般の高校生のそれと同程度の威力だったが、エレンほどではないにしろガス欠状態のオーディンにそこそこのダメージを与えた。それにより、オーディンの槍を握る力が弱まったのを彼は見逃さない。

    グイッ

    オーディン「ぬっ!?」

    カランカラン

    エレンは槍を握ると力一杯その手を引き、オーディンの手から槍を引き抜いた。

    リヴァイ「なんだあいつ、普通の対人格闘に慣れてやがる。普段から喧嘩でもしてんのか?」

    アルミン「いや、エレンは...少なくとも僕と出会ってから、恐らく生まれてから一度も喧嘩なんてしたことありません。」

    リヴァイ「なに!?じゃあ、あの技術はどこで...」
  111. 111 : : 2015/03/27(金) 22:54:56
    エレン「男らしく、お互い素手で行こうぜ。」

    オーディン「くっ...おのれ!」

    シュッ

    オーディンが右拳を突き出す。それをエレンは左腕でガードするが、直後エレンの右側から蹴りが襲い掛かる。

    バキッ

    エレン「ぐっ...」

    エレンはオーディンの蹴りを受け仰け反る。その隙を叩こうとオーディンは右ストレートを放つ。

    ダッ

    オーディン「!?」

    エレンはオーディンの攻撃を躱しつつ懐に潜り込む。そして、オーディンの首を抱えるように絞めた途端、腰を入れて彼の身体を浮かせる。

    エレン「うぉりゃ!」

    バンッ!

    エレンはオーディンを背負い投げ、彼の身体を地面へと叩き付けた。

    オーディン「このっ!」バッ

    オーディンはすぐさま起き上がり、エレンと若干の距離をとる。そして、右手の人差し指をエレンに向けた。

    アルミン「この距離では!」

    オーディン「死ねぇ!」

    パシィッ!

    オーディンが虹の光線を放つよりも早く、エレンが彼の右手を叩き上へと向けた。結果、虹の光線は天井へと放たれた。

    エレン「これで決める!」

    ガシッ

    エレンはさらにオーディンへと近づき彼の右腕を右手で掴み取り、それと同時に左手で彼の顎を掴み上を向かせる。それと同時に、エレンは彼の足の間に右足を入れ、彼の身体を押し体勢を崩す。それと共に、彼の右足が浮き上がる。そして勢いよく...

    ヒュン バキッ

    オーディンの左足を蹴り上げる。

    オーディン「ぬおっ!」グルン

    ドサッ

    オーディンは空中で一回転した後、地面に無様な姿で落下する。

    エレン「アルミン、ブレードを貸してくれ!」

    アルミン「あっ、うん!」ヒュン

    ガシッ

    エレンがアルミンからブレードを渡してもらっているうちにオーディンは身体を起こし退避しようとする。しかし、身体を起こしたところでブレードを受け取ったエレンに拘束された。そして、エレンはオーディンの首筋にブレードを突きつける。

    エレン「やっと、お前を殺せるぜ。オーディン。」
  112. 112 : : 2015/03/28(土) 09:28:15
    ド、ドラゴンボールがあれば...
  113. 113 : : 2015/03/28(土) 21:39:13
    オーディン「ま、待て...命だけは...」

    アルミン「...この期に及んで命乞いか。」

    オーディン「バルドル、お前は祖父が殺されるのを黙ってみているというのかい?」

    バルドル「うん。」

    オーディン「なっ!?」

    バルドル「最初から覚悟してきたことなんだ。だから...ごめんね。」

    エレン「だそうだ。全く、最後の最後まで救いようのない愚図だな。でも、それに感謝しないと。ここまで愚図が相手なら、殺す事に何も躊躇はねぇ。」

    グッ

    エレンがブレードを握る手に力を加える。

    オーディン「待て!」

    エレン「死ね!」



    エレンの手は...動かなかった。

    バルドル「エレン?」

    エレン「(な、何でだ...今から殺すのは救いようも無い愚図なんだ。それなのに...殺せない。情とか、そういうのじゃなく...怖いんだ。殺すのが。人の命を奪うということが...)」

    アルミン「エレン、早く!」

    エレン「(俺は今更何を言っているんだ。俺はもうロキの命を奪っているんだ。それなのに...怖い..."自分の意思で"他者の命を奪うことが、こんなに怖いなんて...)」

    オーディン「...その甘さ。」

    ドカッ!

    エレン「がっ!」

    エレンの心の迷いを突き、オーディンがエレンを突き飛ばした。

    オーディン「命取りになったな。」

    オーディンがエレンに人差し指を向ける。

    リヴァイ「死ぬのはてめぇだよ。」

    ザシュッ

    オーディンの首が、宙を舞った。

    エレン「すいません。俺...」

    リヴァイ「それでいいんだ。」

    エレン「...え?」

    リヴァイ「それでこそ...」

    ミカサ「エレンよ。」

    エレン「!!?」

    リヴァイ「あ?どうした。」

    エレン「いや、その...何でもありません。」

    エレン「(今のは...気のせい......か。)」

    サシャ「でも、これで私達の勝利ですね。」

    アルミン「うん。これで、世界を守ることが出来た。けど...何でだろう?全然嬉しくないや。ミカサが...ミケさんが...ペトラさんが...グンタさんが...ライナーが...ベルトルトが...アニが...死んだからなのかな?」

    エレン「...(俺達の行動は正しかったはずだ。だけど、こうして仲間を失ってしまった。世界を救うことは何よりも重要なものだ。だけど、それだって今を生きる人々の命が救われただけで、オーディンが危惧していたことが実現すれば、俺達のこの行為が人類を終わらせたことになる。一体、どうだったんだ?)」

    ???「知りたい?」

    エレン「え?」

    突如、世界樹の間にエレン達一行の誰のものでもない声が響き渡った。声がした方を向いてみると...

    そこに、不思議な格好をした少女が立っていた。

    ???「知りたいなら教えてあげるよ。貴方達には、その権利があるから。」
  114. 114 : : 2015/03/29(日) 19:05:19
    アルルミンさんか!? 
  115. 115 : : 2015/03/29(日) 19:07:46
    >>114
    不覚にも笑ったwwww
  116. 116 : : 2015/03/29(日) 22:01:48
    >>114
    Σ(・ω・ノ)ノ
  117. 117 : : 2015/03/29(日) 22:36:00
    エレン「なっ、お前何者だ!?」

    アルミン「タイタンファミリーの残党?」

    リヴァイ「(声が聞こえる直前まで全く気配を感じなかった。まるで、その時まで存在自体がなかったかのように...)」

    ???「あれれ、警戒されてる感じ?一番警戒されなくて、雰囲気にも合ってる姿をチョイスしたはずなんだけどなぁ。」

    サシャ「姿をチョイス?訳がわかりません。」

    バルドル「(心が見えない。どうなっているんだ。)」

    ???「やっぱり、警戒を解くには名乗るのが一番だね。」

    ノルン「ボクの名前はノルン。世界樹の精だよ。」

    サシャ「ボクっ娘でしたか!?」

    アルミン「驚く所そこじゃないでしょ!」

    エレン「世界樹の精だと...」

    ノルン「うん。ボクが姿を見せるのは、オーディン一族を除けば貴方達が初めてよ。だから、誇りに思っちゃっても良いからね。」

    エレン「...(何て言うか、話し方に威厳が全く感じられん。)」

    アルミン「オーディン一族を除けばってことは、オーディン一族には見せたんだね?」

    ノルン「そうだよ。オーディン一族には皆に姿を見せたかな。そこで生首になっちゃってるオーディンにも見せたよ。バルドル君にはまだ見せてないけどね。」

    アルミン「なら、オーディンに人類が2000年後に絶滅することを告げたのは君かい?」

    ノルン「...ちょっと違うかな。ボクは2000年後の未来を彼に見せてあげただけだよ。」

    エレン「未来を...」

    ノルン「そうそう、ボクが教えてあげたかったのはそれだよ。貴方達、彼の計画を阻止しちゃったことが、正解なのか気になってるんでしょう?だったら、貴方達も2000年後の未来を見てみない?もっとも、未来のデータを送るのって結構疲れるから、一人にしか見せてあげないけど。」

    サシャ「精霊に疲れとかあるんですかね。」

    バルドル「まぁ、見れる人が一人ってことはそれは自ずと決まってくるよね。」

    エレン「...俺?」

    バルドル「もちろん。」

    エレン「良いのか?」

    リヴァイ「お前がボスなんだ。当たり前だろう。」

    エレン「...分かりました。じゃあノルン、その2000年後の未来を俺にも見せてくれ。」

    ノルン「うん。送る前に補足しておくけど、今から見せる未来は起こりうる限りの全ての未来の内の1000個だから。」

    エレン「1000個!?」

    ノルン「しかも、それを1秒で送っちゃうから脳に結構負荷が来ちゃうの。見た後はかなり疲れると思うから覚悟して。」

    エレン「マジか...とにかく、分かった。最悪でも死ぬことは無いんだよな?」

    ノルン「うん!...多分。」

    エレン「なっ、多分かよ!でも、ここまで来たんだ。覚悟を決めて見てやるよ!」

    ノルン「はーい!では...」

    ポンッ

    エレン「!?」

    ノルンがエレンの頭にそっと手を置く。

    ノルン「送信しまーす!」
  118. 118 : : 2015/03/29(日) 22:57:02
    【現在公開可能な情報】

    〇ノルン

    年齢:?
    誕生日:?
    血液型:?
    身長:自由自在
    体重:自由自在
    性別:どちらにも
    所属:世界樹の精
    属性:全部
    一人称:ボク
    今回の姿のモデル:フェアリーテイルのメイビス
    http://pic.prepics-cdn.com/toubun0510/18885631.gif

    エレン達の前に現した姿は年端もいかぬ少女だが、その正体は世界樹が人間に意思を伝える際に生み出す思念体。その姿は自由自在で話し相手や状況に合わせて変化する。一人称だけは一定。
  119. 119 : : 2015/03/30(月) 09:59:05
    ボクっ娘キマシターーーーーーー
  120. 120 : : 2015/03/30(月) 14:35:24
    送信しまーす!って軽いなww
  121. 121 : : 2015/03/30(月) 18:22:02
    >>120
    疲れはしますがノルンにとってはそれぐらい簡単なことなんですよ(笑)
  122. 122 : : 2015/03/30(月) 19:11:07
    ノルンが未来のデータの送信を宣言した直後、エレンの頭に無数の情景が流れ込み始めた。その情景はどれもこれも荒廃した世界の様子であった。

    エレン「(これが、2000年後の世界!?どれをとっても人類が滅亡している世界ばかりじゃねぇか。俺達のした事は、間違いだったのか?)」

    エレンが絶望しかけたその時...彼は、ある光景を見た。

    エレン「ぐっ...!」ドサッ

    アルミン「大丈夫!?」

    エレン「ああ...大丈夫だ...問題ない。」

    ノルン「2000年後の未来はどうだった?貴方の疑問の解答は見つかったかな?」

    エレン「そうだな、一つ言える事は...オーディンの気持ちが、分かったような気がするよ。」

    サシャ「じゃあ...」

    エレン「流れ込んできた2000年後の世界の情景は、酷いものばかりだったよ。」

    エレンの言葉に、一同は黙り込む。

    エレン「8割方は戦争のせいなのか、どこもかしこも荒廃していた。残りの2割も一見すると平穏だが、元は都市だったところは廃墟群になってて、人の姿は一つも見当たらなかった。」

    アルミン「それなら僕等のした事は...間違いだったの?」

    エレン「そう、思いかけた。だけど、俺は次々と流れる凄惨な未来の中に、人類が生き延び平和に暮らしている未来があるのを見た。それは1000の未来の中に1つか2つしかなくて、うっかりしてると見落としちまいそうなぐらいの数だった。でも、例え確率が0.1%しかなくても、希望があるなら、俺達のした行動は間違いだったとは言えないと思う。もっとも、正しいとも言えないけどな。」

    ノルン「確かに、貴方の言う通りだよ。それなら、貴方の疑問の答えがわかるのは2000年後になってからだね。」

    エレン「...そうだろうな。でも、やっぱりタイタンファミリーがしてきたことは間違いだったと思う。」

    ノルン「と言うと?」

    エレン「だって、人生って元々やり直しのきかないものだろう?その事は、人類という種としての生涯にも言えることだと思うんだ。本当は、やり直すチャンスなんて無い。滅びの運命が待っているのなら、それを受け入れるしかないんだ。大体、人類っていうのは地球に星の数ほどいる生命体の内の一つの種類でしかないんだ。それなのに、人類が滅びるのが嫌だからって地球の時間を止めるのはおかしいと俺は思う。もし、どうしても滅びるのが嫌だって言うのなら、時の流れに逆らわず、自分達でその未来を避ける努力をするしかないんだ。運命から逃げちゃダメなんだ。」

    エレン「どれだけ辛い運命だとしても、それに真っ向から挑んでいくしかないんだ!」

    ノルン「...フフッ、フフフフフッ。」

    エレン「な、なんだよ...」

    ノルン「それが"正解"だよ、エレン・イェーガー君。」ニコッ

    ノルン「貴方達のした事が"正しい"か"間違い"かは分からないけど、"正解"であることはボクが断言するよ。だからさ...胸を張って良いんだよ。」

    エレン「ノルン、ありがとう。」

    ノルン「どういたしまして。さぁ、待っている人たちの所に帰りなよ。」

    エレン「そうだな...帰ろう。」
  123. 123 : : 2015/03/30(月) 20:50:35
    地獄の釜からミカサが這い上がって待ってるのか?
  124. 124 : : 2015/03/30(月) 22:25:52
    -タイタンファミリーアジト前-

    クリスタ「エレン達...無事かな。」

    フォルセティ「彼等ならきっと大丈夫でしょう。」

    トーマス「ぐっ...自分が弱かったばかりに、最後の最後でエレンさんのお力になれないなんて。」

    ユミル「足手纏いにならなかっただけ良かったんじゃねぇのか?」

    トーマス「なんだと!?」

    オルオ「おいトーマス、傷が治りきってない癖に大声出すな。」

    クリスタ「ユミルも、そういう事言っちゃだめだよ。」

    ユミル「クリスタがそう言うなら...」

    ジャン「...おい、終わったみたいだぞ。」

    テクテクテク

    クリスタ「あっ、みんな!」

    フォルセティ「戻って来られたということは...」

    エレン「ああ。勝ってきたぜ。」

    トーマス「さっすがっす!」

    ユミル「まさか本当に勝っちまうとは。」

    エルド「ん、ミカサはどうしたんだ?意識が無いのか?」

    エルドは、エレンに背負われているミカサの容体を尋ねる。

    エレン「ミカサは......死んだ。」

    トーマス「な!?」

    クリスタ「そんな...」

    エレン「俺の不甲斐無さが原因だ。ミカサは、最後に俺を守って死んだんだ。」

    ジャン「ミカサが...」ボソッ

    エレン「...ミカサだけじゃない。ミケさんが、グンタさんが、ペトラさんが、アニが、ライナーが、ベルトルトが、この戦いで命を落とした。俺達は、大事な仲間を失っちまった。でも...失ったものはもう取り返せない。だから、俺達は前を向いて生きていくべきだと思う。それこそが、死んでいった仲間への一番の弔いになると思う。」

    クリスタ「うん...そうだね。くよくよしてたら、逆に皆を悲しませちゃう。」

    エレン「ああ。だから...胸を張って、帰ろうぜ。」



    こうして、エレン達一行は東京都心部から去って行った。戦いの過程で捕縛したイズン、イズーナ、フレイ、フレイヤ、トールの5人の七神兵は、エレンの判断で解放された。彼等は去り際に、これから世界を旅する意思を語っていった。

    そして、次の日。一行は東京を発ち、シガンシナ町へと到着した。
  125. 125 : : 2015/03/31(火) 20:32:58
    -シガンシナ駅-

    エレン「...戻ってきたな、シガンシナに。」

    アルミン「うん...」

    バルドル「そうだね。」

    エレン「お前は来るの初めてだろ。」

    トーマス「てか、何でお前らがシガンシナに来てるんだよ。」

    バルドル「だって、他に行くところが無いんだもん。」

    エレン「シガンシナにだってお前の家があるわけじゃないだろ。」

    バルドル「エレンの家に泊まる!」

    エレン「なっ!?」

    フォルセティ「ご心配無く。アパートを既に手配しております。」

    バルドル「ええ!?」

    エレン「(仕事早っ...)」

    テクテクテク

    エレン「あ、ジャンさん、どこへ行くんですか?」

    ジャン「用は済んだんだ。とっとと学校に帰るんだよ。お前達とこれ以上慣れ合うつもりは無いんでな。」

    トーマス「何だと!?」

    ジャン「じゃぁな。」

    トーマス「おい、待ちやがれ!」

    コニー「んん?」

    サシャ「どうかしましたか。」

    コニー「今ジャンさん、学校に帰るって言ったよな。」

    トーマス「それがどうしたってんだよ。」

    コニー「いや、あの人の家って...学校なの?」

    全員「あ...」

    アルミン「まさか...ね。」

    エレン「いや、あの人ならあり得るぞ。」

    ユミル「あいつ、そんなに学校が好きなのかよ。気持ち悪っ。」

    エレン「まあまあ。とにかく、俺達も自分の家に帰るとしようぜ。」

    アルミン「それなら、ここで一旦お別れだね。」

    コニー「次に会うのは学校だな。」

    トーマス「では、また明日。」

    エレン「じゃあな。」
  126. 126 : : 2015/03/31(火) 20:43:32
    雲雀さん…あ、ここではジャンか
  127. 127 : : 2015/03/31(火) 23:39:17
    確か雲雀さんも学校(あるいは近く)で暮らしてる疑惑があるなww

    "う"ん、"ま"ぁいいや。
  128. 128 : : 2015/04/01(水) 00:12:38
    ジャンさんはミカサ好きだったんだもんなぁ~
    うまいこと隠してるなぁ~




    ...あっ
  129. 129 : : 2015/04/01(水) 13:39:51
    >>127>>128
    マルコ「ジャンが応接室に来いって言ってたよ。」
  130. 130 : : 2015/04/01(水) 14:09:06
    -エレン宅-

    ガチャッ

    エレン「ただいま~。」

    タッタッタッ

    カルラ「エレン!こんなに長い間どうしたの!?連絡一つくれないし...母さん、心配したんだからね。」

    エレン「ごめんごめん。」

    カルラ「あれ、そう言えばミカサは?」

    エレン「!?...ミカサは......(母さんには、今回の戦いはおろかマフィアのことだって教えてないんだ。いきなりミカサが死んだなんて言うわけにはいかないよな。)」

    エレン「ちょっと用事で...まだ帰って来られないんだ。」

    カルラ「...そう。さて、久々にエレンが帰って来たことだし、今日の晩御飯は母さん腕によりを掛けちゃおうかな。」

    エレン「本当!?楽しみだなあ。」

    カルラ「じゃあ、早速買い物に行ってくるわね。留守番お願い。」

    エレン「うん!」

    ガチャッ

    エレン「...(帰って来たんだな。こうして、また日常生活に戻れたのもミカサのお陰だ。)ミカサ...ありがとう。それと...」

    エレン「ごめん。」



    この日から、エレン達にいつも通りの生活が戻った。彼等はタイタンファミリーとの戦いが夢であったのではないかと思うことさえあったが、東京に残る巨人の大群のニュースを聞く度に、現実であったことを思い知らされた。残った巨人達は2週間後、自衛隊の力によって殲滅された。

    また、帰還から1週間後に今回の戦いで死んだ7人の葬式がエルヴィンの手でファミリー総出で行われた。もちろん、エレン達も参列した。当初の予定ではアニ達の葬式は行われない予定だったが、エレンの嘆願を受けたエルヴィンの厚意によって他の4人と一緒に弔われた。

    それから、さらに2週間が経った。
  131. 131 : : 2015/04/01(水) 18:56:28
    キーンコーンカーンコーン

    トーマス「よっしゃ、これで今日の授業も終わりだぜ。」

    アルミン「じゃあ、帰るとしようか。」

    エレン「そうだな。」



    アルミン「それじゃあまた明日。」

    エレン「おう。」

    テクテクテクテク

    ガチャッ

    エレン「ただいま。あ...」

    カルラ「エレン、あなたに用事みたいよ。」

    エルヴィン「やぁ、エレン。」

    エレン「せ、先代...どうして日本に?」

    カルラ「先代?」

    エレン「あ、いや...」

    エルヴィン「君に伝えなければいけないことがあってね。とりあえず、私が宿泊しているホテルまで来てくれるなかな?」

    エレン「良いですけど。」

    エルヴィン「ではご婦人、息子さんをお借りしていきます。」

    カルラ「どうぞ。いってらっしゃい、エレン。」

    エレン「行ってきます。」



    -ホテル-

    エルヴィン「ここだ。」

    エレン「(うわぁ、スイートルームだ...)」

    ガチャ ギィィ

    テクテクテク

    エルヴィン「そこの椅子に掛けてくれ。お茶を出そう。」

    エレン「どうも。」

    ガタッ

    エレンはエルヴィンに促されて椅子に腰を掛ける。

    エレン「それで、伝えなければいけないことって何ですか?」

    エルヴィン「1つは...欠員となってしまった霧の守護者についてだ。」

    コポポポ

    エルヴィンは紅茶をティーカップに注ぎながら答える。

    エルヴィン「アニ・レオンハートの事を軽んずるわけではないが、守護者に欠員が出たままというのはあまり良い事態ではない。そこで、早めに新たな霧の守護者を決めてほしいのだ。」

    ゴトッ

    エルヴィンはティーカップをテーブルの上に置く。

    エルヴィン「遠慮せず飲んでくれ。」

    エレン「あ、はい。いただきます。」

    ズズッ

    エルヴィン「さて、話を戻そう。新たな霧の守護者だが...私としては、ユミル当たりが適任ではないかと思うのだが。」

    エレン「ユミルですか...」

    エルヴィン「君のファミリーの守護者は皆、君の親友だからね。どこか別の所から引っ張ってくるよりも、元はタイタンファミリーの一員とはいえ君のクラスメイトである彼女が守護者になるのが一番かと思ったんだ。どうかね?」

    エレン「良いですよ。俺も、その方が気持ちが楽です。」

    エルヴィン「そうか。では、ユミルには先に君の方から話しておいてくれ。」

    エレン「分かりました。」

    エルヴィン「では、もう1つについても話させてもらおう。一応、こちらの方が本題だ。」

    エルヴィン「エレン、君に正式に100代目イェーガーファミリーボスに就任してもらいたい。」
  132. 132 : : 2015/04/01(水) 20:30:35
    あれ?
    エルヴィンって調査兵団編で死んで無かったっけ
  133. 133 : : 2015/04/01(水) 23:06:37
    >>132
    一度死にかけましたが助かっています。
  134. 134 : : 2015/04/01(水) 23:38:44
    エレン「え...今すぐ、ですか?」

    エルヴィン「ああ。」

    エレン「でも、俺はまだ学生で」

    エルヴィン「その点なら心配しなくていい。高校にしろ大学にしろ君が学生を卒業するまでは、ファミリーを統治する権限は私が持つ。今すぐにしてもらいたいことは、君が次のイェーガーファミリーボスであることを示すということだ。」

    エレン「...」

    エルヴィン「君がマフィアのボスになることを拒んでいたのはミカサから聞いている。だから無理強いはしないが、すぐに断らないということは絶対に嫌だというわけではないのだろう?」

    エレン「はい。でも、なりたいという訳でも...」

    エルヴィン「そうか。継承を正式に表明することは後戻りのできない選択だ。だから、考える時間を与えよう。明日、返事を聞かせてくれるかな?」

    エレン「明日ですか...分かりました。」

    エルヴィン「1つ言っておくが、私に気を遣って引き受けるということだけは止めてくれよ。マフィアのボスという仕事は、生半可な覚悟では務まらないからな。」

    エレン「はい。」

    エルヴィン「では、また明日。」

    エレン「はい、失礼しました。」

    ガチャ ギィィ バタン

    テクテクテク

    エレン「(さて、どうしたもんか...とりあえず、公園にでも寄って考えるか。)」



    -シガンシナ第二公園-

    辺りが夕焼けに染まる中、エレンは一人、公園のベンチに腰を掛け、明日のエルヴィンへの返答をどうするかについて考え込んでいた。

    エレン「(俺は...どう答えるべきなのだろうか。やっぱり、先代の言う通りマフィアのボスは半端なものじゃないし、迷ってる時点でなるべきじゃないんだろうな。明日断ったからと言って、永遠にマフィアのボスにならなくなるわけじゃないし...)」

    エレン「(しっかし、俺も変わったな。ちょっと前までの俺なら、こんな話は一瞬で断ってたのに。何度か仲間と共に戦っていくうちに、皆で力を合わせて何かを成し遂げる楽しみを覚えちまったからかな。って、別にマフィアじゃなくても出来るか。それとも...死んでしまったミカサを、喜ばせたいからなのかな...)」

    エレン「(だけど...そもそも俺に、マフィアのボスとしての器なんてあるのだろうか。もしあったとしても、ボスになることが自分にとって悔いのない選択なのだろうか...)」

    ??「おいおい、そんなに暗い顔してどうした?」

    エレン「!?」

    突然声を掛けられ、エレンは顔を前へ向ける。彼の前には、やや茶色がかかったトゲトゲ頭の少年と、銀髪で目つきの悪い不良、そして中学生にしては長身の男の奇妙な三人組が立っていた。

    ??「俺達で良けりゃ、相談に乗ってやるよ。」

    エレン「(.....................誰?)」
  135. 135 : : 2015/04/02(木) 13:27:25
    良ければ俺がボスになりまs...あ、駄目?
  136. 136 : : 2015/04/02(木) 20:31:36
    >>135
    エルヴィン「駄目」キッパリ
  137. 137 : : 2015/04/02(木) 21:10:29
    ??「山本、その人知り合いか何か?」

    山本「いや、初めて会うぜ。」

    ??「ええ!?」

    山本「そんなに驚くことかよ、ツナ。」

    ??「普通見ず知らずの奴に、相談に乗るとか言わないだろうが!」

    山本「そうか?」

    ツナ「獄寺君の言う通りだよ...」

    エレン「...(何だこいつら、相談に乗るとか言って来たくせに今度は俺を置いて自分達だけで話してやがる。)」

    ツナ「あの、突然話しかけて本当にすいません。でも、もしあなたが話したいなら、相談に乗りますよ...て、赤の他人に相談することなんてないですよね。」

    エレン「ああ...(いや、ここは敢えて第三者の意見を聞いておくべきかも。)」

    ツナ「そ、そうですよね。」

    エレン「あっ、その...やっぱり良いですか?」

    ツナ「?」

    エレン「相談...」

    山本「ほら獄寺、やっぱり相談に乗ってほしいってよ。」

    獄寺「それは十代目がご丁寧に対応なさったからで、てめぇみたいに軽い態度で話しかけられたらなぁ...」

    エレン「その...言っていいのか?」

    ツナ「どうぞどうぞ。」

    エレン「えっと...(マフィアのことは言えないから)実は今日、生徒会の役員に立候補しないかって言われて...」

    獄寺「けっ、優等生かよ。」ボソッ

    エレン「(感じ悪っ!)」

    ツナ「き、気にせず続きをどうぞ。」

    エレン「やってみたいって気持ちが無いわけではないんです。でも、その職務を全うできる自信がなくて...迷ってるんです。」

    ツナ「なるほど...」

    山本「やり切る自信が無いか...生徒会活動に興味はあるんだろ?」

    エレン「ええ、まあ。」

    山本「それでやりたいっても思ってる。なら、やってみれば良いんじゃね?」

    獄寺「相変わらずあっさりした言い方だな。」

    ツナ「でも、山本の言う通りだと思うよ。」

    エレン「あの、すいません。少し言い方に語弊がありました。やってみたいって気持ちが無いわけではないって言ったんですけど...実際には、分からないんです。その仕事をやりたいのかどうかが。」

    山本「ん~、そうなって来ると複雑だな。」
  138. 138 : : 2015/04/02(木) 21:13:44
    【現在公開可能な情報】

    〇ツナ、獄寺、山本

    並盛中学校に通っている中学2年生。この作品の設定の元となったマンガの主要人物である。
  139. 139 : : 2015/04/03(金) 00:06:05
    おわああああ!!ツナ達が出てきたああああ!!!
  140. 140 : : 2015/04/03(金) 08:54:37
    え?え!?え!!?マジで!!?え!!???きた!!!???ツナきた!!!?????







    fooooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
  141. 141 : : 2015/04/03(金) 12:19:39
    まず10代目って呼ばれてるのに気が付かないエレン
  142. 142 : : 2015/04/03(金) 13:13:48
    ツナ「あの、もし自分がその仕事をやりたがってると確信できれば、悩みは晴れそうですか?」

    エレン「ええ、それはもちろん。」

    獄寺「となると、探すべきなのはやりたがってるか確かめる方法ですか...」

    山本「でもよ、やりたいやりたくないに理屈があるときもあるけど、大抵は理屈なんて無いと思うぜ。だから、それを確かめる方法はなかなか無いと思うんだけどな。」

    エレン「...やっぱり、そうですよね。相談に乗ってくれてありがとうございました。」スッ

    エレンは挨拶をすると、ベンチから立ち上がり、公園から立ち去ろうとする。

    ツナ「あっ、待ってください!」

    エレン「はい?」

    ツナ「あの、その仕事がやりたいかどうか確かめる方法何ですけど...その仕事がやりたいかを考えるんじゃなく、自分が今やりたいと思っていることがその仕事に合っているかどうかを考えたらどうでしょうか?」

    エレン「自分が今...やりたがっていること...」

    エレン「なるほど。何だか、答えが出せそうな気がしてきました。」

    ツナ「本当ですか!?良かった~。」

    獄寺「さっすが十代目っす!」

    エレン「本当に、ありがとうございました。」

    タッタッタッタッ

    山本「良かった良かった。」

    獄寺「十代目は本当にお優しい。あんなどこの馬の骨とも知れないやつにここまで親身になられるなんて。」

    ツナ「俺も自分でビックリしたよ。よく分からないけど、彼から親近感みたいなのを感じたからかな。」

    獄寺「親近感?」

    ツナ「うん。生徒会なんて興味を示したことすらないのに、彼と俺は境遇が似ているような気がして。」

    獄寺「マフィアのボス候補である十代目と似た境遇...ですか。」

    山本「無いと思うけどなぁ。」

    ツナ「俺もそう思うよ。さぁ、帰ろっか。」
  143. 143 : : 2015/04/03(金) 16:57:06
    似た境遇:変な家庭教師が現れた。
  144. 144 : : 2015/04/03(金) 18:26:10
    -次の日、シガンシナ中学校屋上-

    コニー「お、来た来た。」

    アルミン「やぁコニー。」

    ユミル「ったくエレンの奴、急に呼び出しやがって。一体何の用だ?」

    サシャ「集められたメンバーから言って、マフィア絡みなのは確かですが...」

    クリスタ「そう言えば、エレンが居ないね。てっきり先に屋上に言ってたとのかと思ってたよ。」

    トーマス「エレンさんならジャンの野郎を呼びに行ったぜ。」

    サシャ「ジャンさんをですか!?」

    ユミル「これはただ事じゃ無いな。」

    テクテクテク

    クリスタ「あ、来たみたい。」

    エレン「お待たせ。」

    ジャン「忙しいんだ、5分で済ませろよ。でないと咬み殺す。」

    エレン「は、はい!済ませます!」

    アルミン「(まさか本当に連れてくるとは...)」

    エレン「咬み殺されたくないから、早速話させてもらうぜ。今日どうして皆に集まってもらったかと言うと...」



    -ホテル-

    コンコン

    エレン「エレンです。」

    エルヴィン「...入り給え。」

    エレン「はい、失礼します。」

    ガチャッ ギィィ

    テクテクテク

    エルヴィン「では早速、昨日の問いの答えを聞かせてもらおう。」
  145. 145 : : 2015/04/03(金) 18:27:38
    >>143
    でも本家は生きてる
  146. 146 : : 2015/04/04(土) 00:39:17
    エレン「...引き受けます。」

    エルヴィン「本当かね?」

    エレン「はい。」

    エルヴィン「そうか。昨日の様子から、てっきり断られるかと思っていたのだが...良い意味で予想外だったよ。しかし、どうしてイェーガーファミリーボスを受け継ぐことを決断してくれたのかな?」

    エレン「自分がやりたいことを考えたんです。そしたら、イェーガーファミリーを皆で受け継ぐことが、それを成し遂げるための近道かもしれないって思って...」

    エルヴィン「やりたいこと?」

    エレン「はい。先代には、ミカサ達のお葬式の時に2000年後の未来のことは話しましたよね?」

    エルヴィン「ああ。」

    エレン「俺達の選択によって、この世界は...いや、世界にとってはどうってことないのかもしれませんが、人間にとっては茨の道を進むことになりました。この選択が間違ってるとは思ってません。でも...だからこそ...この世界がより良い未来になるように、自分達も何らかの形で行動したいなと思ったんです。」

    エレン「今日、皆にその事を話しました。そしたら、皆そのことに賛成してくれました。」

    エルヴィン「具体的には何をするつもりなのかな?」

    エレン「そうですね...とりあえず、戦争で自滅する未来だけは避けたいので、まずは戦争撲滅運動でも起こしましょうかね。」

    エルヴィン「ほほう、マフィアの活動とはかなりかけ離れているように感じるが。」

    エレン「はい。だから、何度かマフィアになるのはどうなんだろうって思いもしたんですけど、何をするにも人数や力は必要だと思うんです。」

    エルヴィン「なるほど。マフィアとはかけ離れた目的の達成のために、イェーガーファミリーを利用しようというわけか。」

    エレン「...はい!俺の思うように利用させてもらいます!」

    エルヴィン「面白い...よかろう。では、君にイェーガーファミリーボスの座を継承することを決定しよう。君が全ての学生を卒業したら、ファミリーをどんな風にしようと君の勝手だ。」

    エレン「ありがとうございます!」

    エルヴィン「継承式やその他諸々の連絡は後日またしよう。今日はもう帰って良いぞ。」

    エレン「分かりました。失礼します。」

    テクテクテク

    ガチャッ ギィィ バタン

    エルヴィン「君が創り上げる新たなイェーガーファミリーを、私の命がある限り見届けさせてもらうよ。」



    -ホテル入り口-

    コニー「あ、来たぜ!」

    クリスタ「エレーン!」

    エレン「お前ら、何でここに?」

    トーマス「エレンさんのイェーガーファミリー100代目ボス継承決定を祝おうと思いまして...」

    アルミン「今晩、皆で焼き肉を食べに行くことにしたんだ。だから、皆でエレンを呼びに来たんだよ。」

    エレン「焼き肉かぁ...それは楽しみだ。」

    サシャ「肉、肉、肉、肉、肉、肉...」

    ユミル「サシャ、一旦落ち着け。」

    サシャ「これが落ち着いてられますか!エレンも来たんですし、早く行きましょう!」

    コニー「そうだな。」

    エレン「あれ、ジャンさんは?流石に来ないか。」

    アルミン「ジャンさんなら現地集合だよ。」

    エレン「えっ!?あの人来るの!?」

    トーマス「バルドルとフォルセティも来ますよ。」

    エレン「本当に全員集合ってわけか。それじゃあ、サシャが暴走する前に行くとしよっか。」

    全員「オー!」

    こうして俺達は歩き出した。

    2000年後の未来をより良いものにするという、果てしなく遠くのゴールへと向かって。

    そのゴールへは一人では絶対に辿り着けない。

    皆と一緒でも、辿り着けるかは分からない。

    だけど、俺達ならできるはずだ。

    運命によって、ミカサによって導かれた俺達なら...













    -完-
  147. 147 : : 2015/04/04(土) 00:43:21


    非常に面白かったです
    最後にツナ達を出した所やしめ方が流石だなと思いました
  148. 148 : : 2015/04/04(土) 00:43:22
    家庭教師ヒットマンMIKASA!、これにて完結です。
    執筆開始開始から一年と、非常に長くなってしまいましたが、最後まで続けることが出来たのは読んでくださった皆様、コメントをくださった皆様のお陰です。本当にありがとうございました。
  149. 149 : : 2015/04/04(土) 00:46:33
    >>147
    ご声援ありがとうございました。
    最後にツナ達を出すのはかなり前から考えていましたが、高評価を頂けて嬉しいです。
  150. 150 : : 2015/04/04(土) 00:56:09
    やっぱり巨人の錬金術師を再開するんですか?
  151. 151 : : 2015/04/04(土) 02:02:21
    オイラの楽しみが1つ終わった...

    今まで乙。
  152. 152 : : 2015/04/04(土) 10:45:39
    あぁぁぁ……終わってしまった………
    俺の楽しみが………

    長い間執筆ご苦労様でした!
  153. 153 : : 2015/04/04(土) 11:01:02
    お疲れ様でした!ちょっと楽しみが減って残念な気もしますが、、、。リボーン本家のキャラが出てきてちょっと驚きましたが、上手い具合に登場させていてすごいと思いました!
    これからもがんばって下さい!!!
  154. 154 : : 2015/04/04(土) 16:18:39
    >>150
    誠に勝手ながら、巨人の錬金術師は原作の超展開によりストーリーの収集がつかないので再開の見通しはないです。
    >>151
    第一話から最終回までずっと読んでくださってありがとうございました。
    >>152
    度々コメントをくださってありがとうございました。とても励みになりました。
    >>153
    ありがとうございました。ツナ達を出して良かったです(笑)
  155. 155 : : 2020/10/28(水) 13:09:42
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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