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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

進撃のウォーキングデッド season3 ep1 極寒の地にて

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  1. 1 : : 2015/01/28(水) 00:24:10
    前回の続きです。
    http://www.ssnote.net/archives/29777
  2. 2 : : 2015/01/28(水) 09:43:42
    待ってました!
    期待です!
  3. 3 : : 2015/01/29(木) 04:19:35

    マイアミから北西へ。
    吐息はすっかり白く染まり、「寒さ」がひしひしと牙を剥く。

    そんな中、一人の青年が頬を赤くして一本道を走り抜ける。

    コニー「この先にボロいが一軒家を見つけた。暗くなる前に移動しよう。」

    ライナー「車はどううする?」

    ユミル「どれもこれもガス欠寸前だ。置いていく他ねぇだろ。」

    この季節における野宿は死を意味した。体温と体力が奪われる中でも、脅威は当然の如く君臨する。

    ミカサ「エレン、行こう。」

    エレン「…ああ。」



    この三ヶ月で先頭を行くのは、ライナーとコニーの役割になっていた。
    コニーは頼もしくなった。以前のような小物ぶりはすっかりなりを潜め、一行を引っ張ってきたのだ。

    ライナー「周りが開けすぎているのが気に食わんが…とにかく休もう。」

    家の中はかなり廃れていた。物資など残っていないだろう。

    ハンネス「…」

    クリスタ「…」

    全員とっくに限界を超えていた。
    衣服はボロボロ、肌は黒ずんでいる。

    特にここ一ヶ月は辛い道のりであった。
    物資の確保がロクにできず、ひとつの拠点に留まれなかったのだ。
    ウォーカーの襲撃にあっては逃げ回る毎日。

    それでも1人も欠けることなく生きてきた。

    ベルトルト「…」

    手に取ったペット用の缶詰を凝視する。
    こんなものでも口にしないよりかはマシか。

    ベルトルト「くそっ。」

    腹の虫を感じながらも、人間としての矜持がそれを阻む。
    床に投げ捨てられた音が虚しく響いた。

    ライナー「これからどうする?現在地がわからない、ノースカロライナ辺りか?」

    エレン「…」

    ライナー「おい、しっかりしてくれよエレン!お前がリーダーなんだぞ!」

    エレンの胸倉に掴みかかるが、止めるものはもはやいなかった。
    誰もが不信の眼差しを向けている。

    ミカサ「ライナー、やめて。」

    ライナー「…ちっ。」

    哀れむようなミカサの訴えに渋々手を離す。
  4. 4 : : 2015/01/31(土) 21:44:41
    コニー「みんなやばいぞ!ウォーカーが集まってきやがった!」

    ハンネス「またか…一体どこに行けばいいんだ…」

    束の間の休息はすぐに破られた。

    ユミル「ここじゃないどこかだ。行くぞ!」



    一行は結局来た道を戻り、車に乗り込んだ。
    行く宛のない走行、無駄にガソリンを減らす行為。

    ライナー「ん、ありゃ…」

    ライナーが何かを見つけ、後続に停車の指示を出した。

    ライナー「刑務所だ。しかもご丁寧にフェンスで囲まれてやがる。」

    ユミル「しかし、建物の近くにはウォーカーがわんさかいるぞ。」

    その刑務所の構造はこうだ。
    ゲート(内側からのみ開閉可)→フェンス(中に通行スペース有)→中庭→ゲート(外側からも開閉可)→刑務所本棟

    コニー「自殺行為だな。せっかくフェンスがあっても奴らがいるんじゃ…」

    ミカサ「いえ、あのゲートは特殊。中庭にさえ入ってしまえば、ひとまず外界とは接触が断てる。」

    ベルトルト「でも中庭に入るとしたら…誰かがフェンスを破って、内側からゲートを開けるしか方法がない。」

    それはナンセンスな案だった。フェンス内の通行スペースにも、ウォーカーが確認できた。
    フェンスをこじ開ける暇もないだろう。

    エレン「…俺がその役をやる。」

    ミカサ「えっ…?」

    ハンネス「本気か?」

    周りの面々が思いもよらない発言に目を丸くした。

    ライナー「待て。今のお前には任せられない。」

    エレン「大丈夫だ、やらせてくれ。」

    ライナー「…エレン、ヤケになっているんじゃないか?」

    死に場所を探している、エレンはそんな目をしていた。

    ライナー「大事な人を失ったのはお前だけじゃない。俺とベルトルトも、アニを失った。」

    エレン「…」

    ライナー「しかしこれまで必死に生きてこられたのは、守るべきものが他にもあったからだ。」

    エレン「あぁ、わかっている。」

    ライナー「何をだ?建前だけ並べても、取り繕えるのは上辺だけだぞ。」

    一瞬即発の雰囲気が二人の間に流れる。

    ハンネス「まぁ待て。どちらにしろそれしか方法がないのなら、行くしかないだろう。俺もついていく。」

    ユミル「親父、ひっこんでろよ。老体に響くぞ。」

    ハンネス「馬鹿言え、まだまだ現役だ。」

    ライナー「しかし容易に賛成はできん。」

    ベルトルト「いや…やろう。それなら僕に考えがある。」

    ーーーーーーーーーーーーー

    作戦の内容は、
    1、フェンスの外側から音を立てて、ウォーカーをおびき寄せる。
    2、その隙にフェンスの右側からエレンとハンネスが中庭に侵入。
    3、内側からゲートを開け、車両ごと侵入。

    というものであった。

    ただ音を立てるということは、他のウォーカーまで集めるという危険を伴う。
    そうなった場合、最悪二人は孤立する。

    時間との戦いであった。


  5. 5 : : 2015/01/31(土) 22:03:00
    ガシャン!ガンガン!

    クリスタ「うすのろ、こっちよ!」

    コニー「おら、食いつけ食いつけ!」

    クリスタ達が必死にフェンスを叩き、ウォーカーの注意を引く。


    アァァァァ…

    徐々にウォーカーが引き寄せられる。

    エレン「行こう。」

    ハンネス「あぁ、任せておけ。」

    好きを見計らい、二人がフェンスをこじ開ける作業に取り掛かった。

    エレン「中に入ったらどうすれば?」

    ハンネス「ゲートまで走れ。俺は穴を塞がなきゃならん。」

    エレン「一人で大丈夫か?」

    フッとハンネスは鼻で笑った。

    ハンネス「そこまで老いぼれちゃいない。お前は余計な事は考えるな。」

    ハンネス「エレン、一つだけ言っておく。お前が死ねば、残された嬢ちゃんはもっと悲惨な思いをすることになるぞ。」

    エレン「…」

    ハンネス「よし、行け!」

    縦150cmほどの穴を拵え、エレンはそれをくぐると全力で駆けた。



    コニー「お、おい!こっちだよ、どこ行くんだ!」

    ユミル「まずいな、親父達の方に戻っていきやがる…」

    本能的な行動か、ウォーカーの群れは音に興味を失い、定位置に戻っていった。


    ガァッ!

    ハンネス「うぉっ!」

    エレン「ハンネス!」

    ハンネス「振り返るな!今がチャンスだ!」

    エレン「くっ!」


    ベルトルト「みんな、車に乗り込め!」

    陽動部隊が動き出した。

    ハンネス「ちくしょうが!離せこのっ…」

    ユミル(親父…!!)

    我先にとフェンスを掴むウォーカーを蹴飛ばし、必死に穴を塞ぐ。



    エレン「すまん、待たせた!」

    ようやくエレンはゲートに取り付き、レバーを下げ開門した。


    ガァァァ!

    一部のウォーカーが雪崩れ込もうと迫る。

    タンッ!

    エレン「急げ!中に入られると厄介だ!」

    ダンッ、ダンッ!

    ハンネス「手前らはお呼びじゃねぇ!帰れ、帰れ!」

    穴の養生が終わったハンネスも駆けつけ、ショットガンを撃ち込む。

    ライナー「俺で最後だ、閉めろ!」

    シャドウが入ってきたのを見計らい、エレンとハンネスが二人がかりでゲートを閉じた。



  6. 6 : : 2015/02/05(木) 20:56:54
    エレン「何とかなったな。」

    ライナー「ああ。…それとさっきは言い過ぎた、すまん。」

    エレン「良いんだ、お前の言ったことは間違っちゃいない。」

    お互いまだ引きずる所があるのだろう、会話はぎこちなかった。

    エレン「それにしてもハンネス、とても聖職者とは思えない振る舞いだったな。」

    ハンネス「そんなもんは村と一緒に焼き払ってきたよ。これが俺本来の姿だ。」

    ユミル「この子にして、この親有りって奴。私の性格は明らかに親父譲りだ。」


    一行は火を炊くとその中心でキャンプをとった。

    ベルトルト「おかしなものだね。すぐそこにウォーカーがいるのに、今日はよく寝れそうだ。」

    ミカサ「感覚ごズレてきている。そもそも基準もわからないので。」

    疲労が極限まできている。緊張の糸が切れて、今にも眠りに落ちそうだった。

    ライナー「なぁクリスタ。この間歌っていたやつ、また聞かせてくれ。」

    クリスタ「えぇ?嫌よ、恥ずかしい。」

    ユミル「いいな、いっちょ子守唄代わりに聞かせてくれよ!」

    コニーがおもむろに口笛を鳴らす。

    クリスタは空を見上げると、やがて歌い出した。


    紅茶は冷めちゃったし
    なぜ朝が来たら起きなきゃいけないんだろう
    そんな事を考える
    朝から降ってる雨のせいで
    窓ガラスが曇って何にも見えやしない
    それに例え見えたって、淀んだ雲しか見えないし
    だけど壁の写真をふと見ると
    そんなのもわるくないかな
    って思えるの


    歌い終え、視線を火に移す。
    ライナーを筆頭に静かな拍手が起こる。

    ミカサ「クリスタは詩人。情景が容易に想像できた。」

    ハンネス「本来なら悲しいんだろうが、そんなのも悪くない、って思えるな。」

    ベルトルト「ごめん、少し休んでいいかい?限界だ…」

    エレン「構わない。俺が見張ろう。」

    エレンがそう言うと流石のライナーも頷きバッグを枕に横になった。


  7. 7 : : 2015/02/05(木) 22:44:35
    エレン「…」

    キャンピングカーの上に陣取り、じっと目の前を見つめる。
    ウォーカー達がフェンスに群がっているが、どうにかできる訳でもない。
    ミカサの見立ては当たっていた。



    コニー「隣いいか?」

    エレン「どうした?早く休めよ。」

    コニー「いや、何か寝付けなくてさ。少し話し相手になってくれ。」

    返答は聞かず、エレンの横に腰掛けた。

    コニー「俺って馬鹿だろ?だからここぞって時に頼りにされなくて、いつもエレン達が先陣切ってるのを歯がゆく思ってたんだ。なんだよ、俺もやれるのにって…」

    コニー「けどいざ先頭に立ってみると、全然想像と違った。自分の判断一つで状況が左右されて、下手すれば皆の命も危険に晒す。」

    銃を握る手がかすかに震えていた。

    コニー「なんかさ、今になってジャンの気持ちがわかったんだ。情けない話しだけどさ。」

    エレン「…」

    コニー「あっ、すまん…」

    エレン「いや、いいんだ。もっと聞かせてくれるか?ジャンとは色々あったんだろ?」

    コニー「ああ、そうだな…あいつと田舎町まで、銃を調達しに行った時の話は傑作でさ。」

    コニー「…でさ、〜〜が〜〜で…」

    エレン(…ジャン。お前は最後に、俺に何を伝えようとしたんだ?)

    ーーーーーーーーーーーー


    ベルトルト「昨日はすまない。お言葉に甘えて、すっかり寝てしまったよ。」

    ユミル「全くベルトルさんの寝相はとんでもねぇな!何度蹴られた事か…」

    ライナー「言ってやるな。こいつの寝相は軍内でも有名だったからな、相部屋の俺らが何度被害にあったことか。」

    簡単な朝食を済ませる。徐々にだが、皆に笑顔が戻りつつあった。

    ハンネス「なぁ、ここからどうする?安全は確保したとはいえ、一時的なもんだ。」

    ミカサ「そうね。進路も退路も塞がれてる。」

    エレン「中にどれだけ奴らがいるかわからないが…ここより寒さはしのげる。物資もあるかもしれない。」

    皆が一斉に刑務所本棟を注視した。

    ライナー「だが今度はそう簡単にはいかんぞ。見ろ、あの渡り廊下の奥のゲートの奴を合わせれば、ざっと60はいる。」

    本棟のウォーカー達はこちらには気づいていなかったが、遠目からでもかなりの数が確認できた。


    コニー「おいベルトルト、あれ…」

    ベルトルト「ああ。僕の本職だ。」


    クリスタ「どうしたの、二人とも?」

    ベルトルト「皆、あの見張り台を見てくれ。狙撃にはもってこいだ、なんとかなるかもしれない。」



  8. 8 : : 2015/02/08(日) 21:40:54
    監視棟か。高さ10mほどの見張り台がゲートのすぐ横にそびえ立っていた。

    ベルトルト「僕があそこから援護する。」

    ライナー「なら俺も行く。」

    ベルトルト「いや、君はエレン達と行くんだ。奥のゲートを塞ぐには人手がいる。」

    珍しくベルトルトが主張をした。

    エレン「本当に一人で平気か?孤立する分危険も増えるぞ。」

    ベルトルト「それは好都合だね。こっちにウォーカーが引き付いてくれれば、事はスムーズに運ぶ。」

    ライナー「…お前の悪い癖だな。」

    ベルトルト「何とでも。それが僕の役割だ。」

    ーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「ゲートを出たら四方を守り合って前進する。目的は他にある、進路を塞いだり向かってくるウォーカーのみをやれ。」

    エレン「メンバーは、俺、ライナー、ユミル、コニー。他はフェンス越しに、ウォーカーを引き付けてくれ。」

    ハンネスの反対はなかった。しかし別の所から意見が上がった。

    ミカサ「私も入れて。その方が確実。」

    エレン「いや、駄目だ。」

    ミカサ「どうして?クリスタもユミルも銃をとって戦ってる。私だけ指を咥えている訳にはいかない。」

    漁村を後にしてから、エレンはミカサから銃を取り上げていた。

    エレン「万が一の事もある。こっちに誰かが残るべきだ。」

    ライナー「エレン、俺もミカサに来てもらった方が…」

    エレン「個人的な問題だ。口を出さないでくれ。」



    ライナー「…」

    ミカサ「…わかった。ただし、銃は持たせてもらう。それが条件。」

    エレン「好きにしろ。」

    ベレッタF91をミカサに手渡した。

    ーーーーーーーーーーーーーー

    ハンネスとクリスタに合図にし、門を開ける。

    エレン「行くぞ、1m以上離れるな!」

    エレンを先頭に、左翼にユミル、右翼コニー、殿ライナーといった菱形の陣形で進みだした。

    ベルトルト「…!!」

    ベルトルトは真っ直ぐ監視台を目指した。近寄るウォーカーを、スナイパーライフルの銃床で殴り飛ばす。



    ユミル「フッ!」

    もはや慣れた手つきでナイフを頭部に見舞う。動作を終えると、すぐに列に戻った。

    コニー「おいおい!何だあの完全装備野郎は!」

    詰め所からヨロヨロ出てきたのは、防護服にヘルメットを着用したウォーカーだった。
    ライナーが後方からボウガンを射ったが、ヘルメットに弾かれた。

  9. 9 : : 2015/02/08(日) 22:18:31
    コニー「くそ!」

    デザートイーグルを構える。

    エレン「よせ、今銃は使うな!気付かれたら終わりだぞ!」

    ここで無闇に銃声を鳴らし、奥のウォーカーに察知される訳にはいかなかった。

    ユミル「私がやる!…ぐっ、こいつ!」

    ユミルが相手取ったが、ナイフは喉元で止まった。

    コニー「ユミル!うおぉぉ!!」

    ユミルが押さえつけている隙に、コニーがヘルメットのバイザー部分を開け、ナイフを突き刺す。

    コニー「はは!見たかってんだ!」

    機転を利かせた発想に思わずユミルも笑顔になった。

    エレン「ライナー、手を貸せ!」

    二人がウォーカーの相手をしている間に、フェンスのチェーンを巻きつけゲートを塞ぐ。


    タンッ!

    ベルトルトの援護射撃が始まった。周囲のウォーカーは、見張り台へと向かっていく。

    ライナー「こっちはもう大丈夫だ!見張り台へ行け!」

    コニーらに指示を飛ばしながら、必死にフェンスを押さえつける。






    ベルトルト「…」

    タンッ!タンッ!

    スコープに標的を捉え、トリガーを絞る。その動作の繰り返し。

    ベルトルト(これで大分こっちに引き寄せた。あとは…)

    ガァッ!!

    ベルトルト「やかましいんだよ、ギャアギャアと!!」

    ライフルをその場に置いた。
    そして右手にブローニングHP、左手にコンバットナイフを構え、階段に殺到するウォーカーの群れに突っ込んでいった。



    ユミル「待ってろよ、ベルトルさん!!」

    クリスタ「待ってユミル、あの数じゃ…!」

    10体以上のウォーカーが階段を上っていった。剥き出しではないので、外からは様子が見えない。
    聞こえるのは銃声とうめき声のみ。

    しばらくして両方が止んだ。

    コニー「ベルトルト!」

    二人が一目散に駆け込む。



    ユミル「うっ…?」












    壁一面血が走っている中で、真っ赤な屍達の上に座り込む黒い影。
    影は、笑っていた。

    ベルトルト「や、やあ…」


    コニー「お、おお!やあ、じゃねえよ!大丈夫か、噛まれてないか?!」

    ベルトルト「平気みたいだ、は…はは…」

    ユミル「気色悪りぃな、ったく。気でも触れちまったのか?」

    呼吸を荒げながら、薄い笑顔を貼り付ける男に肩を貸し、階段を降りた。
  10. 10 : : 2015/02/12(木) 23:53:59
    バタン!

    エレン「…」

    ライナー「無人か?」

    エレン「いや、よく見ろ。」

    入ってすぐの看守室では、変わり果てた姿の看守が横たわっていた。

    ユミル「大方早い時期に襲われたんだろうな。中で争った形跡がない。」



    コニー「うおっ!気をつけろ、監房の中にもいやがるぞ。」

    寝床を確保する為、D棟と書かれた扉を開けた。

    ミカサ「衛生環境がいいとは言えないけども、外よりはマシ。毛布もある。」

    監房のウォーカーを片付けると、各々が陣どり始めた。



    ライナー「…」

    クリスタ「ライナー?大丈夫?」

    ライナー「あぁ、体はピンピンしてるぜ。しかしこの世界では、精神の方が先に参っちまうみたいだ。」

    クリスタ「みんな感謝してるわ。」

    ライナー「そうだな、ジャン代理は辛いぜ。」

    珍しく悪態をついてみせる。

    クリスタ「…エレンの事?」

    ライナー「リーダーはあいつだ。しかし、隠し事をされるとは心外でな。ベルトルトにしてもそうだが、あの時正直に話してくれれば結末は違ったかもしれん。」

    ライナー「俺は、それが許せない。」

    それを聞き、クリスタは首を横に振った。

    クリスタ「許せないことなんてないよ。それはきっと、ライナーが許さないだけ、許したくないの。」

    ライナー「…」

    クリスタ「私はもう、とっくに許した。」

    ライナー「何をだ?」


    クリスタ「弱かった自分…」

    表面的な変化だけではない、見えない所で着々と何かが動き始めていた。

    ーーーーーーーーーーーー

    ベルトルト「いいかい?」

    下のベッドにベルトルトが腰かけた。

    エレン「随分と無茶をしたな、お前らしくもない。」

    ベルトルト「たまには働かせてくれ。」

    エレン「だがしかし、勇気も履き違えば蛮勇になるっていうだろ?」

    ベルトルト「…狙撃手ってね、役割上最も安全な配置なんだ。気配を殺し、黙々とスコープを眺める。
    仲間が死んでいくのを見ている事しかできない時もある。」

    スナイパーライフルを抱え、まっすぐエレンに答える。

    ベルトルト「そのせいなのかもね、時々自己犠牲に走りたくなるのは。」

    エレン「お前…」



    ベルトルト「エレン、良く聞いて。汚れ役は全て僕がやる。ライナーには綺麗なままでいて欲しんだ。
    贅沢を言うと、君にも。」

    ベルトルト「僕にはもう失う物がない。だけど君達には、まだ守らなきゃいけないものがある。」

    エレン「…アニが死んだのはお前のせいじゃない。誰のせいでもないんだ。」

    アニの名を口にした瞬間、ベルトルトの目が血走った。


    ベルトルト「アニの事を慈しんでくれるのなら誓ってくれ。僕にだけは、非情でいるんだ。
    助けられない時は見捨てろ、囮が要るなら使え、不要になったら切り捨てろ。」

    急に立ち上がると、エレンの腕を鷲掴みにした。

    エレン「痛っ、おい!放してくれ!」


    ベルトルト「…?!…す、すまない。」

    バツが悪そうに独房から出て行った。




    エレン「俺に、これ以上どうしろってんだ。鬼になれとでも言うのかよ…」

    掴まれた左腕を摩りながら、一人呟いた。




  11. 11 : : 2015/02/14(土) 06:03:17
    〜翌朝〜

    ユミル「看守室から地図を拝借した。見てくれ、私達のいる棟の先にCBAと棟が三つ続いてる。武器庫や食料庫はさらにその奥だな。」

    エレン「今日中に他の三つの棟まで確保したい所だな。」

    ミカサ「ちょっと待って。みんな疲労が溜まってる。もう一日でいいから、休ませてあげられない?」

    エレン「安全の確保が先だ。ここもまだ安全だとはいえない。」

    ミカサ「…どうしてあなたは自分の事ばかり!」

    エレンの胸倉に掴みかかった。

    ユミル「お、おい!やめろって!」



    ハンネス「皆、見張り台まで来てくれ!おかしなもんがいやがる!」

    ーーーーーーー

    ライナー「見てくれ、あの木の左側だ。」

    双眼鏡をエレンに手渡す。

    エレン「あれは…」

    あいも変わらずフェンスに群がるウォーカーの中に、金髪の女性が立っていた。
    こちらをじっと見つめている。

    エレン「何かの間違いじゃないのか?人間ならすぐに襲われるはずだ。」

    ベルトルト「いや、それがどうも違うんだ。彼女が手に持っているものが見えるか?」

    それは鎖だった。
    そしてそれは、両腕を切断されたウォーカーに繋がれていた。

    コニー「顎まで切り落としてるな。考えたもんだ、あれならウォーカーの群れの中でも素通りできる。」

    ハンネス「知ったような口ぶりだな。」

    コニー「ああ、前にちょっと同じような事をしてな。」

    クリスタ「エレン、どうするの?」

    エレン「…とりあえず話をしてみる。ベルトルト。」

    ベルトルト「ああ、君の判断に任せる。合図があればすぐに撃つ。」

    エレン「行くぞ、ライナー。」

    ライナーは相槌を打って答えた。





    ゲートをくぐりフェンスの内側まで行くと、女性もそれに応えるように動いた。

    「良かった、このまま無視されるのかと思ったよ。」

    エレン「下手な真似はするな。狙撃手がいる。」

    「銃の類は持ってないよ。武器はこれだけ。」

    おおよそ身の丈に合わない刀を抜いてみせた。

  12. 12 : : 2015/02/14(土) 06:24:39
    エレン「どうだかな。何故ここに?入った所を見ていたのか?」

    あの刀はお飾りではない。今までの経験から、全身が警鐘を鳴らしていた。

    「たまたま通りかかったんだ。あの見張り台の子と目が合ってね。」

    ライナー「…このままじゃ進展しないぞ。」

    背後でライナーが呟いた。

    エレン「…今までに殺ったウォーカーの数は?」

    「さぁ?数えてる暇なんかないからね。50は超えてる。」

    ライナーがボウガンを構え直した。

    エレン「なら、殺した人間の数は?」

    ライナー「?」

    拍子抜けした顔でエレンを伺う。

    「二人だね。恋人と親友だ、この手で始末した。」

    エレン「…そうか。」


    エレン「色々済まなかったな。俺はエレン、立ち話も何だ、中に入らないか?」

    「助かるよ、もう一日中歩きっぱなしでさ。」

    「私はナナバ。この子達は…」

    言いかけたが、刀に手を掛けると一瞬でウォーカーの首を落とした。

    ナナバ「….いや、何でもない。」

    ーーーーーーーー

    「…シッ!」

    回し蹴りでウォーカーを吹き飛ばすと、ペットボトルを片手に金髪の女性は走り出した。




    アニ(しけた街だね、ほとんど物資が残ってない。)

    周囲を警戒しながら、薄汚い小屋の戸を開ける。



    ジャン「…」

    アニ「しっかりしな。」

    毛布にくるまり、苦しげに息をするジャンに水を飲ませる。
    漁村脱出時の熱は予想以上に長引き、移動すらも困難になっていた。

    ジャン「…っ。俺に構うんじゃねぇよ、行け…」

    アニ「すぐに良くなる。それまでは留まるよ。」

    ジャン「お前もわかってんだろ?一つの場所にずっとはいられない、いずれ襲われる。」

    これは身を以て学んだ事だった。

    ジャン「わかったらさっさと行け。置いてけよ…」

    アニ「馬鹿言ってんじゃないよ。」

    ジャンの胸倉を掴み上げる。

    アニ「私はあの漁村で死ぬつもりだった。それをアンタは余計なお節介で助けたね。ならそのアンタの命をどうしようと、私の勝手だ。」

    ジャン「…」

    言い返す力も残ってなかった。

    アニ「明日だ、明日ここを出る。早く寝て、体を休めろ。もうおぶるのはごめんだよ。」

    ジャン「…へっ。」
  13. 13 : : 2015/02/15(日) 05:34:33
    ーーーーーーーー

    コニー「ナナバをどう思う?」

    ユミル「さぁな。ただ何か一物抱えてやがるのは確かじゃねぇか?」


    ユミル「で、そんな話をするためにわざわざ呼び出したのか?」

    他の棟を捜索するエレン達に対し、コニーらは居残り組であった。
    クリスタやミカサらを残し、コニーはユミルを庭に呼び出した。

    コニー「いや、あのさ…」

    コニー「こんな気持ちになったのは初めてだから、よくわからないけど、こんな世界だから言っておきたいんだ。」

    ユミル「…」


    コニー「ユミルが好きだ。」

    それを聞き、ユミルはため息をついた。

    ユミル「で、だから何だってんだ?」

    コニー「は、はぁ?聞いてたのか?俺は…」

    ユミル「もう世界は機能していないんだ。そんな中で色恋はないだろ。」

    ユミル「いつ死ぬかもわからない。お前のその感情が、もしもの時に誰かの足枷になるかもしれない。私はそんなのまっぴらごめんだ。」

    コニー「…」

    ユミルは見向きもせず、ゲートに戻っていった。





    ハンネス「いいのか?俺も最初は思うとこあったが、中々真っ直ぐな青年じゃないか。」

    ゲートをくぐると、待っていたかのようにハンネスが立っていた。
    どうやら全て聞かれていたようだ。

    ユミル「…怖いんだよ。繋がりが強くなればなるほど、失った時がさ。」

    ユミル「手に入れる時は時間がかかっても、失う時はあっという間だろ?それが、世界だ。」

    ハンネス「しかしその繋がりは希望にもなり得るんじゃないのか?お前の言う、クソッタレの世界で。」

    ユミル「エレンやベルトルトを見たろ?私はああなりたくない。」

    二人はユミルにとって、絶望の象徴だった。

    ーーーーーーーーーー

    エレン達は順調に進んでいた。

    ナナバが先頭に立ち、ほとんどの障害を片付けたのだ。私はまだ信用がないから、と刀を抜きウォーカーを数体難なく排除した。

    ライナー「見事な剣技だな。誰かに習ったのか?」

    ナナバ「いや、独学さ。こうならざるを得なかったんだ。その辺りは、説明する必要はないだろ?」

    彼女はどこか含みがあるような物言いをする。

    エレン「ここに来る前はどこに?」

    ナナバ「集落にいたんだ。ソリが合わなくてね、抜けてきた。」

    迎え入れておいて何だが、何か隠し事があるとエレンは踏んでいた。
    いきなりの追及は、なるべく避ける。


    エレン「ウォーカーをどけたら少し休もう。俺が見張りを…」

    ナナバ「いや、君達は休んだ方がいい。私が起きてるよ。」

    ライナー「しかし…」

    ナナバ「あはは。寝首なんて掻かないさ。やる気ならとっくにやってるよ。」

    二人は顔をあわせると、監房のベッドに横になった。






    エレン「…」

    ドンドン!

    エレン「頼む、開けてくれ!もう奴らがすぐそこに…」

    「お前が見捨てた人間の数は?」

    エレン「…ッ、0だ!信じてくれ!」

    「そうか、お前は…」


    ジャン「嘘つきだ。」




    エレン「…はっ?!」

    いつの間にか眠っていたのか、酷い寝汗をかいていた。

    ナナバ「悪夢?」

    ナナバか外からタオルを投げ入れた。

    エレン「そんなんじゃない。」

    ナナバ「隠す事じゃない、正常な証だ。私もしばらくうなされた、恋人を失った時にね。」

    彼女はどこか遠い目をしていた。

    ナナバ「詮索はしない、お互い様さ。ただ心のケアが必要だね、君もライナーも。」

    上のベッドではライナーがうなされていた。

    アニの名こそ呼ばなかったが、うわ言のように何かを繰り返している。
  14. 14 : : 2015/02/16(月) 21:36:47
    更新されてました!!
    ありがとうございます!
    期待です!
  15. 15 : : 2015/02/17(火) 02:09:28
    foxさん

    いつもありがとうございます!
  16. 16 : : 2015/02/19(木) 03:30:56
    ーーーーーーーーーーー

    アニ「囲まれた!突破するよ!」

    ジャンに肩を貸し、森林の中を駆け抜ける。

    運の悪いことにウォーカーの群れに出くわしてしまった。
    この状態では部が悪い。

    ジャン「ハァ…ハァ…!もう無理だ、一人で行け!」

    アニ「やれるならとっくにやってる!」



    「用意、撃て!」

    ダダダダダダ!!!

    アニ「!!」

    とっさの出来事にアニはすぐさま身を伏せた。
    頭の上ではまだ弾丸が飛び交っている。

    「よーし、もういいだろ。」

    男の制止で銃撃が止む。

    アニ「…アンタら、御構い無しに撃ったね?」

    「ヒュー、運がいいな。バイターと見分けがつかなくてよ、悪いね。」

    リーダー格のリーゼント男は悪びれる気配もなかった。

    「一緒に来てもらおうか。」

    アニ「素直に従うとでも?」

    「おいおい、その兄ちゃん助けてぇならそうした方がいいぞ。」

    ジャンの具合を見る。
    熱はかなり上がっていた。

    アニ「ちっ…」





    「俺だ、開けろ。」

    アニ「これは…」

    6mはあるだろうか、巨大なバリケードに驚く。備え付けの機銃、要塞化された門。
    これなら容易に襲撃もされない。

    門が開く。そこは見たこともない光だった。


    「ようこそ、ユートピアへ。」

    ーーーーーーーーーーーー

    エレン「この先を曲がると武器庫だ。しかし…」

    ライナー「あぁ、気乗りはせんな。薄気味悪いし、嫌な予感がする。」

    道がかなり入り組んでいて、懲罰用の独房がいくつもあるようだった。
    武器は一旦諦め、食料庫を目指す。



    ライナー「おぉ、こりゃあ…」

    食料庫の扉を開けると、思わず笑みが溢れた。
    魚の缶詰や、肉の加工食品。看守用にか、酒の小瓶まであった。
    ここ三ヶ月、間違いなく口しにしていない物ばかりである。

    ナナバ「二ヶ月分はありそうだね。」

    エレン「ああ、コニー達を呼んでD棟に搬入させよう。」


    ユミル「おお、懐かしの肉よ!」

    ハンネス「ん?そいつも持っていくのか?」

    ライナー「ああ、一杯ひっかけたい気分でね。アンタもどうだ?」

    エレン「…」



    D棟に物資を移動させると、一行は食事にありついた。
    なにせ久々のまともな食事だ、誰もが舌鼓を鳴らす。

    ユミル「クリスタ、そうがっつくなって。缶詰は逃げないぞ。」

    クリスタ「う、うん…」

    ライナー「いいじゃないか、上品ぶる事はないだろ!寝床も食料もある、これで無事に冬を越せるってもんだ!」

    酒瓶をラッパ飲みし、陽気に話す。もう足元には空ビンが4〜5本転がっている。
    ペースも早く、いつものライナーらしくない。

    ハンネス「おいおい、その辺にしとけよ…」

    ライナー「うるせぇ!好きなだけ飲んで何が悪い!」

    ガタッ

    エレン「いい加減にしとけ、もう終わりだ。」

    見かねたエレンが小瓶を取り上げる。

    ライナー「…はっはっは。こいつぁ、傑作だぜ。」

    ライナー「返せよ。」

    ライナーも立ち上がり、据わった目でエレンを睨む。
    それに対し、エレンは首を横に振った。


    ライナー「うぉぉぉぉぉ!!」

    いきなりエレンに殴りかかった。

    エレン「ぐっ…この!」

    負けじと殴り返すが、相手はヘビー級のライナーだ。怯む気配もない。
  17. 17 : : 2015/02/19(木) 03:58:38

    クリスタ「ちょ、ちょっと!」

    ハンネス「やめないか、お前ら!」

    ナナバやミカサ、ベルトルトが羽交い締めにしてようやく止まる。

    ライナー「放せミカサ!おぉぉぉぉ!!」

    ミカサ「落ち着いて…!」

    エレン「フッー…!フッー…!」

    まさに一瞬即発の状態だった。
    少しでも距離をとらせようと、皆が間に割って入る。

    ライナー「なぁ、わかるかエレン…俺はジャンの代理じゃねえ…!」

    エレン「!」

    ジャンの名前に過敏に反応する。

    ライナー「お前に、俺の気持ちが、わかるかって聞いてんだぁ!!」

    ベルトルト「お、おい!」

    クリスタ「大丈夫、一旦落ち着こう?大丈夫だから…」

    クリスタがライナーをあやしつつ棟を出る。
    場所を変えて落ち着かせる気なのだろう。目でこちらに合図をした。



    ベルトルト「すまないエレン。今回はライナーが悪い。」

    ナナバ「派手にやったね。すごい腫れ上がってるよ。」

    濡らしたハンカチでエレンの顔を拭う。

    ミカサ「エレン、ちょっと話をしよう。」

    エレン「…」

    ミカサ「こっちは大丈夫。クリスタが心配、そっちをお願い。」

    ーーーーーーーーーーー

    刑務所〜中庭〜

    クリスタ「ストレスが積もるのもわかる、でもあんな発散の仕方はライナーらしくないよ。」

    クリスタ「帰ってエレンに謝ろう?」

    ライナー「いや、俺は謝らない。」

    聞かん坊のように首を横に降る。
    シャドウに跨り、エンジンをかけた。

    クリスタ「やめなさい。」

    すかさずキーを抜く。

    クリスタ「一人でどこに行くつもり?」

    ライナー「飲み足りないんだよ、お前も来るか?」

    クリスタ「え…?」

    ライナー「無理だろうな。いい子ちゃんのクリスタが、そんなことできる訳ないよな。」

    挑発するように高笑いをする。

    クリスタ「…」

    手にしたキーを、じっと見つめた。

    ーーーーーーーーーーー

    距離をとってベッドに腰掛ける。

    ミカサ「ベルトルトはああ言ってたけど、あなたにも問題はある。ライナーはずっとあなたを支えてきたのに、それを振り払うような事をして。」

    ミカサ「意見を跳ね返されようが、八つ当たりされようがずっと側にいてくれた。私でも、悔しい位。」

    エレン「ならさっさと離れればいいんだ。」

    ミカサ「それは本気で言っているの?このままでは皆の信用も失う、またジャンの時のような事が起こる。」

    エレン「!」

    脱力したようにうなだれるエレンが一変し、ミカサに掴みかかった。

    エレン「お前も、ジャンの事を言うか!!」

    ガッ!

    するとミカサはその手をひねり上げ、エレンを押し倒す。

    エレン「なっ…!」

    警官を退職して、初めてエレンに「力」を行使した瞬間だった。

    ミカサ「あの時何かが違っていたら、ジャンを救えたかもしれない。もちろん私にも責任がある。しかし!」

    ミカサ「それはもう過去の話、もう変えられない事実。でももう同じ事を繰り返すのはやめよう。」

    エレン「あ…」

    ミカサ「しっかりしなさい…しっかりしろ、エレン・イェーガー!!」


    エレン「…!!」

    起き上がるとすぐ庭へと走り出した。


    面と向かってなど、何て言えばいいかわからない。だけど何か言わなければ、おそらくこの先ずっと後悔する。
    だから走った。今度はしっかり伝えるために。

    ガシャン!

    エレン「ライナー!!」

    庭へのゲートを開け、力のままに叫ぶ。

    しかし目にしたものは、戦友の姿ではなく、唖然と口を開ける皆の姿だった。











    ベルトルト「エレン、ライナーがいない…クリスタもだ…」

    ゲート前に倒れているウォーカーの呻き声と、解放された門が風に揺れる音。
    二つがシュールに、静かに刑務所に響いた。


    season3 ep1 end


  18. 18 : : 2015/02/19(木) 04:06:30
    次回予告

    「理想郷なんて、あるはずがない。」

    「人の本質は支配されることにある、その役を私がやっているまでだ。」

    「正しいが、間違っている。矛盾ってやつか。」



    season3 ep2 矛盾のラストパラダイス
  19. 19 : : 2015/02/19(木) 04:08:22
    これにてエピソードエンドとなります。
    いかがでしたでしょうか?

    ちょっと散らかりすぎちゃってるのかな…という気持ちもあります(ー ー;)
    感想等、よろしくお願いします。
  20. 20 : : 2015/02/19(木) 08:22:25

    黒トルトさんの戦闘シーンが圧巻でした。そして、いよいよ総督登場ですね

    本編を知ってる私には散らかってる印象はありませんでした。

    お疲れ様でした。次回を楽しみにしています
  21. 21 : : 2015/02/19(木) 08:41:55
    最高です!
    ウォーキングデッドのストーリーを上手くいじっているのでドキドキワクワクです!
    進撃のウォーキングデッド最高!
  22. 22 : : 2015/02/19(木) 19:33:03
    本編でベス死んじゃって病みました、、、
    こっちでアニが生きて元気なのが救いです笑
  23. 23 : : 2015/02/19(木) 23:18:29
    mtmountさん

    ベルトルトやっぱり影薄いから、扱いが難しいです…笑
    次作もよろしくお願いします。
  24. 24 : : 2015/02/19(木) 23:19:29
    foxさん

    そう言ってもらえると嬉しいです(^-^)
  25. 25 : : 2015/02/19(木) 23:21:44
    名無しさん

    アニは個人的に描きやすいキャラでもあります。
    本作ではテコンドーの使い手としましたが、蹴りがいいですねー
  26. 26 : : 2015/02/21(土) 22:39:07
    次作です。
    http://www.ssnote.net/archives/31808

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