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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

アニ「 尽きる 」   ※❕百合エロ注意❕※

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    • 7

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  1. 1 : : 2014/12/24(水) 01:48:15



    ―まえがき―






    はい、おひさすぶりです!!(;・∀・)

    すっかりあと少しで来年という寒々しいこの近頃。
    皆様どうお過ごしでしょうか。忙しい?ええ、
    やはり忙しいでしょうね・・・><;かく言う私もです。

    今回は単発に近い規模になると思いますが(多分短いです)



    時系列は104期訓練兵時代としまして、
    前からやってみたいと思っていた、ミカ×アニです。



    ネタ自体の方向性は大分纏まっていたのですが、
    決定的な踏ん切りというか、燃料が足りず、
    (端的に言って私のテンションですね。)
    尻込みしていたのですが・・・その推進力をつい最近
    頂いた為に、こうして書いてみる事としました。
    他のも進めたい~でも時間がナイ(;'∀')♪

    書かずに居たら~♪劣化する♪ということで書きます。


    本当は全て纏めて書いてしまって、それから手直しを
    交えつつ貼る・・という、最初の物と同じ手法を
    試してみようかと思っていましたが・・やめました。

    やはり、人間いつ交通事故でおっ死んでしまうか
    定かではありませんし、それは私も同様なので、

    折角楽しんで書いたものはやはり書いた傍から
    こっそりと深夜に貼っていく・・コレですよ(;'∀')


    さて・・・くだらなすぎる上に読んでも最早何の得にも
    成らない前書きてきなものは置いておいて、
    手っ取り早く(?)注意事項といきませう。



  2. 2 : : 2014/12/24(水) 01:49:17






              ❕❕注意❕❕






           ※エロいぞッッ!!!!※



    未だかつて私が書いたものの中では寧ろエログロ描写を
    付けなくて済むモノの方が圧倒的少数にある最中、
    タイトルに態々注意喚起するくらいなので、
    全キャラ性欲を持て余すことになりそうです。
    もういっそキモいでもいいかもしれません。

    やると決めたらまっすぐ☆



    更に今回のコレは終始助平なだけでなく、
    身の毛がよだつほど幼稚な描写でネチネチと
    そういった物を書き綴ります。威力倍増。

    端的に言ってしまって、90%のエロ、後の5:5はギャグ、
    シリアスらしきもの、といった比率で構成される予定。


    むしろ楽しい楽しいと言いながら自分の書いたもので
    ダメージを同時に受けながら書いてます。
    一種の“毒の沼地”の様なものですね。

    ・・ので、そういうのが駄目な人(&女性にもキツいかも)は
    本当申し訳有りませんが、読まない方が絶対に良いと
    思います。



        ※すごく・・・キマシです・・※


    カップリングっておまっ・・・!どっちも女じゃぁ
    ねーかッ!!....な、方、申し訳有りませんが、
    読まない事を強くお勧め致します。バックスペースキーを
    押して頂く手間を取らせてしまい、本当に申し訳
    ありません。登場キャラ、そして事に及ぶのはほぼ全て
    女性兵です。百合毒純度100%






      ※改行形態の一時変更・セリフ等の一時改変※


    実はこれが一番試しとしてやって見たかった事でも
    あります。まず第一に、改行を少し伸ばしてあります。
    ・・ので、PCの人にとっては幾らか読みやすくなるか。


    非常に読み辛い話で読みやすさを考慮するのも
    おかしな気配りですが・・^^;

    あと、台詞括弧の前に、キャラ名を入れない方式で
    今回は試しにやってみています。話の説明が常に
    アニ視点で進みますので、これはちょっと面倒くさい
    かもしれませんが・・・頑張りますので許して下さい。



      ※いつも通りの、原作、TV、スピンオフ全話
       ネタバレ、そしてそこかしこに転がる矛盾と、
       深刻なキャラ崩壊。そしてパロディ要素※


    先ずキャラ崩壊です。アニは完全にミカサにやられて
    しまっていますので従来のツンデレサービスは美味い事
    機能してくれないと思います。次にサシャ。変態です。
    ・・・ただただ、変態です。済みません。




    中途半端に、しかし長くなってしまいましたが、
    一応注意喚起は以上となります。色々と
    問題のある内容になると思うので何かあったら
    その都度書き記しますので。

    こんな糞の様な覚書全てに目を通してくださった貴方は
    私にとって神にも等しき存在であります。
    お手数をお掛けしました事を心よりお詫び申し上げます。
  3. 3 : : 2014/12/24(水) 01:56:06










    当たり前の事だけど・・・・







    訓練兵団に入団する際、
    頭に叩き込まれる知識の中に、その場所で厳守するべき
    規則と言う物を同時に詰め込まれる。この中で一番
    複雑な問題を持っているのが・・・一番かどうかは
    分からないけど、男女間での接触、交流について。




    これはつまり―――ストレートに言って、
    性的な接触全般を指してそう言ってるのは言うまでも
    無い事だ。私は色々事情が複雑だから年齢その他
    生い立ちなんか適当にでっちあげてる訳だけど、




    周りのこいつらの歳といったら、今正にそんな事を
    知りたくて、やってみたくてうずうずしてる年齢だと
    思うから・・これは結構難しい問題なんだと思う。



    しかし、それは安易にどちらか一極端に決めることが
    出来ない問題だ。何故かなんて言うまでも無いね。
    無理に抑え込めば押すな、逃げるなと同じで、
    反発する力が生まれ、


    逆に全て見逃せばこの人類活動領域の縮小に喘ぐ
    総人口を更に悪戯に増やす結果となり兼ねない。



    しかもその増える人工から子を産む分の女性兵一人分の
    戦力を失うという負のおまけつき。
    訓練兵団において・・・話をしたり、普通に
    友人として接するくらいなら何の問題も無いが、
    しかし、その一線を越えてしまうと、
    結構これに関してだけはうるさい。




    しかしそこはやはり思春期真っ只中の少年少女達。




    ハンナやフランツのような正統派を除いても、
    別にそういったコトに没頭する奴等が居ない訳じゃ
    ない・・。けど、居たとしても、教官にバレれば
    罰則に等しい強化メニューの増加が待ち受けているし、
    もしもばれずに宜しくやってたとしても、一度そうして
    覚えてしまった快楽を忘れることなんてできるワケもない。


    ・・だから、前者なら水増しした訓練内容の
    あまりの過酷さに耐えかねて兵団を去るし、
    後者なら、そういった行為に没頭した成れの果てに、
    番にされた女子は不自然にもどすようになった時点か、
    例えそれをうまく隠せてても、いずれ物理的に兵士を
    続けられない腹周りになったその時点で、強制的に
    兵団を辞めさせられる。


    現に今迄そうして兵団を去った者は両手の指に
    収まるかどうか、というくらいいる。


    もちろん、女性兵が身籠った場合両者どちらかの申告が
    無ければ父方の男子訓練兵は発覚しないから、
    女子の脱落者の方が多いのは言うまでも無い。




    だからというのか何なのか・・・
    私ら女子は、そういった性事情に関して・・
    同姓同士での発散についてだけなら、
    男子よりも割と多めに見られている。



    どの程度許容されるかといえば、
    例えば夜中に“そういった目的で”他所の部屋に
    寝ていたとしても月に数回くらいなら
    見てみぬふりをされるくらい。



    男子の話と比べればまさに破格の待遇だ。
    男子の場合、一度でも見つかれば重い罰則と
    死ぬほど痛い頭突きが待っている。
  4. 4 : : 2014/12/24(水) 02:00:02





    ――なので、当然こういった風潮が出来上がれば
    どの部屋にも一人は、所謂“処理係”が自然と
    在籍するようになってくる。無論、ユミルやクリスタ
    の様に、特定のパートナーとの関係頻度が多い
    って女子も少なくはないけど・・私らの部屋にも当然
    それはいる・・というか、自然とその役割は
    決まっていた。そいつの名前は・・・






    ミカサ。 



    ・・・・ミカサ・アッカーマン。




    身長170㎝ ・・・・68㎏。
    これより2センチ程背が高い、並の男子とも
    張り合える体格のユミルより更に体重が5キロも重く
    その数値が表す通り、凄まじく着痩せする
    屈強な全身筋量を、タイトに着こなした隊服の下に
    隠し持つ。

    しかしその外見自体は非常に清楚且つ
    凛としていて、基本仏頂面がベースであるものの、
    一応は黒髪の麗人ってやつだ。顔の造形は、
    東洋人とかいう特殊なルーツが関係してるのか

    はたまたしてないのか、かなりの別嬪で、正直この顔が
    ライナーの奴を叩き伏せるなんて想像もできない。
    ・・・が、実際に実技訓練中にそのような光景が
    数回お披露目されている。



    話は戻って・・・“その役割”についてか。ただ
    決まっているといっても、別に相談して
    そうなったとか、年功序列でそうなったとかでもなく、
    勿論あいつにそういう趣味が強く備わってるとかって
    いう理由で決まったわけじゃない。



    そもそも決まったと言うよりも・・“自然と”
    そうなっていたのだ。・・切っ掛けは・・簡単な事だった。



    訓練兵団入団当初、過酷な訓練と教官のしごきにも
    皆何とか耐えられるようになり、もうそろそろ脱落者が
    これ以上出ないんじゃないかって頃合に・・



    その催し物は開かれた。開かれたのは私らの部屋で・・
    主催者というか、言いだしっぺは、そういう
    女子同士でのじゃれあいを最も好む、ユミルだ。



    元々あいつには強烈なまでにそっちの()があったし、
    同室のクリスタとは入団初日からそういう関係だった
    らしいけど、多分その辺りですこし変わった事に
    挑戦してみたくなったんだろう。私らの部屋に
    親しくなり始めた女子の面子を集めて・・



    唐突に“じゃれあい”をしてみようと言い出した。
    互いに身体を慰め合い、先に達した方を敗者としながら
    誰がこの慰め合いにおいて最も上手か、詰まるところが



    その場の女子の輪の中で一番の


    “床上手”を決めようと言い出したのだ。


    無論全員強制参加。



    嫌がるミーナも、それを庇うクリスタも。
    無関心決め込もうとベッドの上で我関せずのまま
    横になってた私も無理矢理パーカーと下を剥ぎ取られた。


    こめかみに後ろ回し蹴りを叩き込んでやろうかと
    その時は本気で思ったが、意外にもそれを制して
    きたのはミカサだった。そんな馬鹿げた催し物、

    最も無関心を決め込みそうなのが他でもない
    アイツだと思ってたから・・ちょっとその時は
    意外だった。しかしすぐにその認識は少し
    違ったものだと理解した。あいつは・・


    あの場で部屋の和を優先したに過ぎなかったんだ。
    あいつ自身がそういったユミルと同じ趣味を
    持っているわけでも、そういった女子同士の
    情事に興味を抱いている訳でもない。
    ただ・・・皆がいがみ合わずに済む場を優先
    してたってわけだ。

    ともかくそうして、ユミルの思惑通り、教官の
    巡回までの間、くじで適当に決めた組み合わせで
    女子同士の慰め合いがトーナメント方式で行われる
    事になった。きっとクリスタ相手に相当ならして
    いたと言うのもあって、ユミル自身かなり自信が
    あったんだろう。


    現に、最初に当たった時は、私も少し危なかった。
    アレは相当男役(タチ)で場数を踏んでいる、やらしい手つきだ。
    過程はどうであれまず先に結果を言ってしまうと・・


    これは先に言ってしまってるから既に言うまでも
    無い事だと思うが、ミカサの圧倒的大勝利だった。
  5. 5 : : 2014/12/24(水) 02:05:49




    見た目の大人しさと、非常に淡白そうな物腰、
    そして本気でそういった事に興じられるのか、と
    見ているだけで怪しいミカサだったが・・・



    とんだダークホースだった。まず最初に当たったのが
    サシャ。手だけで5分としないうちに4回は
    強制的に絶頂させられ、反撃も何も出来ずに
    嬌声を上げつつ腰砕けに。涎まで垂らして
    だらしないことこの上なかった。まるで
    やることやった後の牛や豚みたいだ。



    次に犠牲となったのがミーナ。
    手だけしか使わないのはサシャと同じだったけど、
    何やら終始耳元に小声で囁き続けている様子で、
    手による刺激というよりも寧ろそちらの
    言葉攻めでもって、数えるのも面倒な勢いで


    ミーナの背中は活け締めされる過程で
    脊髄に串を入れられた大型魚みたいに跳ね続けていた。
    身体の無事を疑うくらい痙攣してたけど、
    まあ意識はあったから大丈夫だったんだろうね。



    ・・そして私。正直私はそれまでミカサに対して
    そんな気持ちもなかったし、ユミルの攻めにも
    辛うじて気をやらずに耐え抜いた自負もあるから
    前の二人がそういった事に耐性が備わっていなかった
    ばかりに簡単に絶頂まで持ってかれたんだと思ってた。

    もっと言うなら、その時点で私はあまりミカサ(アイツ)
    気に入らなかった。うまくは言えないけど雰囲気とか
    顔つきが駄目だったのかもしれない。

    訓練中も何をしている時もその目に一切輝きを宿す事は
    なく、しかし、いつでもその顔つきは凛としていて
    一つの事柄しか見ずに生きている・・そんなアイツの
    佇まいに無意識の内に忌避感が芽生えてたんだと思う。




    私も人のことは大概言えないので・・これは
    恐らく同属嫌悪だった。・・・そしてその同属嫌悪が・・・・
    アイツと身体を重ねた時からまったく別のものに
    変わってしまった。




    ・・・まず結果から言ってしまうと。



    時間こそ少しかかったが、私は成す術も無く
    抵抗心を奪われ、ミカサに気絶させられる事になった。




    そこに至るまでの流れだけど・・・・




    私はユミルの催し物に積極的に参加する気なんて
    さらさらなかったので、ユミルにされたときも
    一切抵抗をしなかったし、こちらから攻める事も
    一切しなかった。これぞ名付けて“マグロの構え”。
    色ボケや、性欲倒錯者には最もキく、
    抵抗よりも痛いリアクションだ。


    ミカサと当たったときもまったく同じ対応で、
    ユミルの時同様に耐え切る腹積もりで
    ミカサの対面に座って見せた。



    私の独白だけっていうのもなんだし、



    そろそろここらで、その時の様子と、
    その後の顛末、そして今に至るまでの事を
    少し思い出してみるとしよう。






  6. 6 : : 2014/12/24(水) 02:14:52







    ――女子部屋・ミカサのベッド





    「・・・どうしたんだい?ミーナやサシャの時は早速
     始めてたっていうのに。さっきからだんまりで
     見つめてるけど・・私にはそういう趣味ないんだけど」





    「・・・・・・」





    返事をせずに、ただこちらを見つめているミカサ。
    いや・・・ただ見ているだけではない・・?

    何かを観察されている様な・・・・

    何か・・この目を・・この吸い込まれるような
    瞳を見つめていると・・自分の中身を全て
    覗き込まれているような・・・・そんな気がしてくる

    (いけない。私自身人見知りってのもあるから
     当然こんな風に見つめ合ってれば変な気分に
     だってなるよ・・。そういう作戦ね。)


    そうと分かれば私もミカサ(こいつ)の目を見る必用は
    全くない。その場で首を回れ右して時が過ぎるのを
    待つことにしたが・・・・




    「・・・・・」





    そんなのお構いなしに私の横顔をまだ凝視してるミカサ。
    流石の私も、その状況に嫌気が差して、
    横で頬杖を突いてこちらの様子を伺うユミルに
    講義の声を上げてやった。





    「・・・ねえ。こういう状況でまだこの意味の
     分からない事を続けるつもりかい?さっきからコイツ、
     ただ見てるだけじゃないか。」





    極めて面白くなさそうにいってやったつもりだったが、
    ユミルから返ってきた返答に私は自らの耳を疑った。




    「いや・・お前、横向いてて気付かないフリか?
     まさか本当に触られてるのに気付いてないのか?」




    まさに、キョトンとした声を返してくるユミル。



    ユミルの横ではクリスタが両掌を口元に当てて
    顔を真っ赤にさせている。・・・と、そんな
    状況判断をおいておき、私はそのユミルの言葉に
    顔を真正面に向け・・そして一瞬全身から血の気が
    引くのを感じとった。何処に引いていったのか?


    それは分からない。けど確かに全身が瞬時に
    凍りついたのが自分で分かった。



    信じられない事だけど、パーカーを
    着てないから、当然肩は素肌が露出している。


    なのに。

    ・・全く感じなかった・・・、

    いつの間にか左肩にはミカサの右手が添えられ、
    反対の左手は、私の脇腹をさするように
    指の腹で撫で回していたのだ。




    「っ・・・・////!!!?」




    完全に虚を突かれ、引いた血の気が一気に戻っていく
    その際、心臓の鼓動も同様に高鳴る。顔もみるみる
    熱くなってくる。



  7. 7 : : 2014/12/24(水) 02:18:42




    ――不意打ちってのは・・格闘において
    かなり威力の大きい先手必勝の一撃だ。



    何しろ、攻撃を受ける方は全く防御する思考も
    回避する準備も出来ていないからだ。簡単に言うと・・・


    そのような状況では、全身が、ギョッとする。
    誰であってもこれは避けることが出来ない。


    猫同士が曲がり角の出会い頭に全く相手の音や気配を
    察知できずにお見合いをした際に、冗談のような
    高さの跳躍をしてみせるのと丁度同じだ。



    その時点で私の体と、心の平静は既に崩されて
    いた・・・。




    「・・・・・・・・」



     モゾ・・・スル・・・・・・・




    「クッ・・・・!!」




    腹の辺りを撫で回していた左手。知らず知らずの内に
    その指先を下着の内部に滑り込ませて来るミカサ。
    一切抵抗をしないと決め込んでいた私も、流石に
    平常心を崩された今、攻め込まれるのはマズイと
    判断し・・その手の侵入を両手で阻もうとした。





    しかし...いや、咄嗟に抱いた対抗心に応じる形で




    「・・・・・・っ。」



    スッ・・・・・


    「・・・・!?」





    そのままこの機に乗じて一気に畳み掛けてくるかと
    思いきや、その手をあっさりと引くミカサ。
    また・・・。まただ・・・またあの目で
    私を見つめている。





    「っ・・・・!;」

    ギリッ・・




    私には全くミカサの意図が見えなくなっていた。
    普段の冷静な私なら・・そんな簡単な事に
    気付かない筈はなかった。しかし・・・
    駄目だったんだ。その場でどうあがこうと、
    もう、その時点で私に“勝ち目”は無かった・・・。

    いや、もうその、“勝ち目”という思考が全くダメ。
    ミカサの行っていることを、“攻撃”と認識している
    時点で私に平時の思考を保ち続ける余裕なんて
    全然無くなっていた。恐らくこのまま待っていれば
    再びミカサは先程と同じ事をするだろう。

    そして・・・繰り返しこちらが抵抗すればそれも
    同じ結果を生むことになる。そこまで分かっていた。
    そこまで分かっていて・・私はいつの間にか心の内で
    不意にこう考えてしまっていた・・。


     “もしまた抵抗すればミカサの指は
      今私が触って欲しいと思っている
      場所に届かず、何度でも引き返してしまう・・・”



    (触って貰う事を・・“求めている”・・?私が・・!?)



    そう・・ミカサがやっていることは不意打ちでも
    何でもなく・・ただの焦らしだったんだ。
    正攻法で来ても頑なに拒む私相手には押し通しが
    有効的でないと判断して、こんな風に緩急をつけて。


    私に考える時間と、血の巡りが充分に行き届く
    間を与えながら・・・私を“その気”にさせる
    為に焦らしているだけだった。





    「・・・・////・・・//」




    そう自分で理解できてしまったら、もう流される
    だけだった。次にミカサの手がそこへ這い寄って来た
    その時・・・私は抵抗する気持ちも、構えも
    解いて、ミカサにされるがままの姿になった。


    私が全ての意思を手放したと理解するとミカサは・・
    私の両肩を静かに抱き寄せ、その胸の内へと
    包み込んで来た。他の二人には見せなかった慰め方。
  8. 8 : : 2014/12/24(水) 02:21:40




    反抗的な思考を全て投げ捨ててしまった
    後、私がその身を預けたミカサの胸の内は・・・





    とても落ち着く場所だった。





    ――なんというかとても・・・ほっとするんだ。
    母性とか、そういうのとは・・きっと違うんだと思う。
    ただ、その包容力は、一言で表せる物じゃなかった。
    何より、こんなに優しい抱擁であるというのに・・・


    ミカサ本人の顔はちっとも笑ってなんか
    いないんだから。まだこの顔が優しく微笑みかけて
    きたりでもすれば、“母性”という単語を瞬時に
    連想できたのかもしれない。




    しかし・・ミカサは笑わない。




    怒っているわけでも、嫌そうにしている訳でも、
    まして退屈そうにしているわけでもない。


    まるで猫の下顎を撫でるように・・・その
    指先を滑らかに私の秘所でくねらせる。




    「っ・・・ァッ・・・!!!/////」

     ビクッ



    ついに堪える気構えも放棄した私の口から
    身体の悦びを代弁する嬌声が絞り上げられる。




    ~~~~♪(\ヒュ~~♪/)




    その様子を横で見ながら、口笛を吹きつつ、
    ミカサの手腕に感嘆の意を示すユミル。

    自分が手練手管を用いても喘がせる事が叶わなかった
    私がこんなに単純な手に引っかかったのが余程
    愉快だったんだろうか。・・いつもなら余りの屈辱に
    歯軋りしてるところだけど・・・



    「ッ・・・!!くっ・・ゥ////」




    私の歯軋りは全く違う感情の篭ったものになっていた。




    (もうこのままイけるところまで連れていって欲しい)




    ――私の頭の中には・・もうコレしかなかった。



    そんな熱気と快楽に支配され、荒れる吐息を
    肩で示しながらも私は、自分をここまで
    虜にしてしまう張本人が一体どんな顔で、
    この指先を動かしているのか、


    当然何度もその顔に意識を向ける。
    ・・・けれどミカサの顔は・・・やっぱり
    特に変化といえる程の変化が無い。


    矛盾をしている事になると思うが、これは・・・この顔は。

    “無表情”ってやつとも、何か違うんだ。
    ある程度ミカサと付き合いが続いた今なら何となく
    分る。こいつは・・元々“こういう顔”なんだ。
    “ある一人”を見る時以外の顔は全てこう。


    そう理解した私は・・その時から強く
    想う様になった。・・想うようになってしまった。





    (ミカサ(こいつ)にも・・私を感じて欲しい)


  9. 9 : : 2014/12/24(水) 02:32:41











    私が抵抗の意思を丸投げしてから・・






    私自身の記憶は2度目の絶頂を迎え終わるまでの
    ものしか無く、次に意識を取り戻したのは、
    実に翌朝の事であった。


    その朝は・・・気を失う前から身を置いていた
    ミカサのベッドで始まった。




    「――――・・?――?・・」




    徐々に覚め行く意識。腕に摺れる感触から
    今いる場所が布団の中で、自分の格好が
    下着姿であるという事が順番に理解されてゆき・・・


    そして二の腕に当たる体温に意識の全てを奪われる。






    「・・・・・・・おはよう」





    身長の関係か、半裸の私を暖めるようにして
    抱えて眠っていたのかは分らないが、
    頭上からミカサの声が聞こえた。



    「・・・・//////////」




    つまり今私が鼻先をうずめているのは
    寝巻きを着たミカサの胸元という事になる。
    頬に当たる布越しの起伏と突起物。
    就寝に際して当然下着は着けてないんだろう。




    「・・・?、まだ起きていなかった?」




    おかしいな、というニュアンスを含み、
    私の鼻先が当たっている鎖骨を震わせ、
    そう問いかけるミカサに




    「・・おきてる。おはよう・・・」





    私はとりあえず答えを返した。






    「そう・・なら起きぬけで悪いが、
     早速自分のベッドに戻って欲しい。」

     ズッ・・・モゾモゾ



    そう言うと、淡々と。本当に淡々と
    昨日私がユミルに脱がされた服を、布団の中で
    手渡してくるミカサ。




    「あ・・あのさ、私あのあと・・・」



    「ミーナやサシャは意識まで喪失する程では
     なかったが・・・あなたはどうやら違った。

     3回目から少し反応がおかしくなってきて・・・
     4回目には既に痙攣すらしなくなっていた。

     やりすぎてしまって申し訳ない。
     ユミルに言われてももうしないので、
     安心してほし・・・


    「なっ・・・!?いや、そんな!!もうして
     くれないなんて嫌だ!!お願いだから・・・!」


    そう言いかけたミカサに、私は不意に抱きついて
    その様に捲くし立ててしまう。言いかけたところで
    流石に私も、自分の落ち着きの無さを恨んでしまった。


    けれど、本当に無意識だった。意識する暇なんて
    与えられる間もなく・・身体がミカサの“あの”
    温もりを手放すまいと喰らいついてしまったんだ。




    「・・・・・・・?アニ?」



    「お願いだから・・またしてくれないか・・?
     お願い・・・・。」




    「・・・・・・」



    「あの・・・こんなにぐっすり眠れたの、
     本当に久しぶりなんだ。おまけにこんなに
     寝起きもすっきりしてる。これは・・・
     きっとあんたのお陰なんだよ。・・だから」

     オドオド・・・・



    「・・・・・そう言うことなら・・構わない。
     同室の仲間が困っているのを見過ごせない。」



    そう言うと、素直にウン、と頷き、これを
    やけにあっさりと快諾してしまうミカサ。



    (本当・・よく分らない奴だな・・・・///!)


    結果はオーライだけど、やっぱりミカサ(こいつ)の考えは今一
    理解できない・・・・



    「しかし、やはり今はとりあえず服を着て戻ってほしい」

     グイ


    「わ、わかったよ!ゴメンね!?」



    ―本当によく分かんない。


  10. 15 : : 2014/12/25(木) 04:58:54









    渡された服に頭を通して・・
    昨日あのままおちて何もしてなかったせいで留めた
    ままだった髪止めを外し、纏めていた後ろ髪を下す。



    (っつ・・癖着いちゃったよ・・・朝から水浴び
    しなきゃいけないのかなこれ・・・)



    じくじくと痛む生え際に舌打ちをしていると、
    遠巻きに見ていたミカサが



    「すまない。外しておくべきかとても迷ったが
     女子同士とはいえあまり他人の髪にはむやみに
     触るべきじゃないって教わってたから・・・」




    少しだけ申し訳なさそうに告げた




    「誰に教わったんだい?母親?それとも」





    「それは勿論、母さん」




    「・・そう。良い母親を持ったんだね。
     ・・でも私らみたいにあんな部分まで触り合ってて
     今更そこを気にするというのも、正直どうだろうね」




    「それを言われると、返す言葉が無い。」





    しかし、別にこれと言って表情を変えずに言うミカサ。




    「冗談だよ。・・それよりさ、私にどいてほしかった
     なら・・・あんたの力なら簡単に持ち上げて
     ベッドまで運べたんじゃないの?」



    何て返してくるのか、少し気になって聞いてしまった。




    「・・・・・」





    しかしその返答は・・私にとって半分意表を突かれる
    というか・・足元を掬われる内容となる物だった。
    主に、自分のこの質問によって。






    「アニ・・・あなたはさっき私に、寝つきの良し悪しに
     ついて力説していたが・・昨晩、あなたは本当に
     熟睡できていたの?」




    「・・・?いや・・・・・・」

    (そんな質問をしてくるって事は・・・
     私が寝てる途中に寝苦しそうにしてたとか
     そんな事なのだろうか。・・しかし全然記憶にない)


  11. 16 : : 2014/12/25(木) 05:03:12




    「・・・何でそんな事聞くんだい?」





    「あなたが4度目に気をやって・・・そのまま意識が
     無くなった状態で寝息を立て始めてから暫くして
     だったけれど・・・普通では無かった。

     ・・・魘され方が。悪ければあと少しで過呼吸に
     陥る恐れもあるというくらいの、それは見事な
     魘されをしていた。」




    「・・・うそだ」




    「嘘では無い。本当。」



    全然記憶にない。・・でも、言われてみれば、
    本当に嫌な夢を見て飛び起きる場合、
    私はその寸前まで必ずその夢を見続けている。


    ・・という事はその夢を憶えていない理由が
    有るとすれば・・・・




    「昔エレンが魘されていた時と同じ処置を施したら・・
     アニはそのまますっかり落ち着いて寝付いたので、
     私も仕方が無いからそのまま寝間着に着替えて、
     ミーナも同時に床に着いた。」




    (じゃあ、その場であの催し物は中断されたって事か。
     まったく、中途半端でやめる位ならやらなきゃ
     いいんだ。きっとあまりにミカサがやり手だった
     ものだから怖気づいたに違いない・・・あれ、
     っていうか・・・・////)




    「その・・処置って何・・・・?」




    聞かなくたって当然分かってはいたけど、
    ・・つい聞いてしまう。





    「あなたが目覚めるまでやっていた通り。
     抱っこして・・頭と背中をさする、それだけ。」




    ・・・・・・・・・・・・



    「・・・・・・!!!;//////」
     カァァァァァァ・・・・





    「その時ユミルは・・・・・」





    「とても面白そうな顔をして見ていた。
     クリスタは“可愛い”の言葉を繰り返し連呼
     しながら一緒になって私と共にア二の頭を
     撫でていた・・・・サシャは・・・・


    「もっ・・・!!///もういい!!もう聞きたくない///」





    「・・・そう。だがこれだけ言わせてほしい。
     普段皆とあまり関わり合いたがらないアニが
     珍しくもてはやされて私も少し心が和...

    「だからもういいって!!!!/////」




    荒げた息と体温を下げるまで少しの時間を
    使って・・それから



    「大体あんた、女の髪はむやみに触るべきじゃ
     無いんじゃなかったの。頭、普通に撫でてる
     じゃないか」


    ふくれっ面を見せつけてやったが




    「それはそれ。これはこれ、だ。非常の事態にアニを
     過呼吸から救うのに必要な犠牲だった」



    そんな事は全く意に介さないミカサ。



    「物は言い様だね・・・まあ、ありがとう」



    丹精に嫌味を込めて、全然ありがたくない言い方をした。


  12. 17 : : 2014/12/25(木) 05:04:10


    スクッ・・・




    と、そこでミカサが立ち上がる。


    立ち上がるや否や自分のベッドに敷かれたシーツを
    てきぱきとはずし、畳み始める。まだ・・・
    空の色から見ても少し起床時間まであるはずだ。





    「・・・どうしたの?一体何を・・」






    「・・・・シーツを洗いに行く。折角なので
     ついでに水浴びも。あなたとミーナはまだ
     良かったが・・サシャが一番ひどかった。
     私の身体にもサシャの匂いがべったりだ」




    (サシャ・・・って。。ああ・・・そういえば。
     私を早々とベッドから追い出したかった理由が
     それだった訳ね。)



    「クジラみたいに吹いてたからね・・・私も
     一緒に寝てたからミカサと同じになってる
     はずだけど・・・そんなに匂う?」
     クンクン



    あまり私自身には感じられないが・・一瞬だけ、
    微かに眉間に皺を寄せるミカサの表情を見るには・・
    あいつ自身には明確に分るんだろう



    「私には分かる・・・。分泌液だけならまだしも、
     最後のは別のもまき散らしていた。洗わずに
     放置して私が作ったシミだと思われたら心外だ」



    「・・マジで(うぁぁ・・)」
     クン・・;



    それを聞いて尚更肌寒くても水を浴びなきゃ
    いけない気がしてきた。



    「あんたが行くなら・・・・私も一緒に行こうかな」




    「・・・それがいい。・・・それよりもアニ。」
     バサッ・・・



    「何。」




    くじら(●●●)とは?」




    「・・知らないなら気にしなくていいよ。」





    「・・・そう・・・」



  13. 18 : : 2014/12/25(木) 05:08:12





    ―女子水浴び場・浴場―



    例の如く、この季節。しかも時間も早朝だから
    例え冬だったとしても朝じゃ薪を焚く準備なんて
    されちゃいない。時間もおしいから、素早く
    服を全て脱いだ私とアニは、早々に井戸水で
    全身を清めてしまおうと浴場へ駆け込む。




    「ッ・・・サむ・・・・・」
     ガチガチガチガチ・・・・



    立毛筋総決起。羽をむしられた雌鶏と同じ模様になった
    自分の肌を見て、余計身の毛がよだつ。



    「・・・・・・・・」
     シャッ・・シャッ・・・・



    「・・・・・・・・・」

    そんな私を尻目に、水を浴びるでもなく乾いた布で
    背中を拭いていくミカサ。別に寒い季節ではないが
    時間も時間なのでそれなりの低気温のはずなのに・・

    こいつは身じろぎひとつしてない。おまけに
    出たばかりでは立っていた鳥肌も、徐々にその
    成りをひそめ始めていくじゃないか。



    「ミカサ・・、あんた何やってるのソレ・・?」



    「かんぷまさつという。これも母さんに教わった、
     壁の中に無い習慣だ。やると・・寒くなくなる」





    「うそだ・・・それは絶対ウソだ」





    言いながらも、私はミカサがそんなウソをついて
    私の様な人間をおちょくる性格じゃないのを
    知っているのでそれ以上ミカサには何も追及しなかった。


    「・・・・・・・」
    ッシャ・・・ッシャ・・・・



    そんなミカサの方も・・私がそう認識しているのを
    正しく理解して、空気を読んでいるのか・・・
    黙って自分の背中、それから場所を移すようにして
    今度は正面を擦り始めた。




    (しかしつくづく・・・・この身体は)





    見事・・・としか言いようがない。
    誰かが聞いたときに言ってたっけか・・・。
    何でそこまで徹底的に鍛えているの?って・・・
    そう聞かれた答えが・・・・




    (“エレンを守る為だから”)





    ・・・まっすぐすぎるだろ・・・
    それに普通は、その台詞は性別の立場が
    逆転されてた時に言う筈の台詞だろうに。
    そもそも、単純にどれだけ身体を苛め抜いた
    所で・・・この現在も困窮した食糧事情の中、

    兵士に安定して供給されるのは芋や野菜、そして
    小麦粉のみというこんな質素な献立で・・いったい
    どこからアレだけの身体をつくる栄養素を得てるんだ・・



    「・・・・・・・・」
    ガタガタガタガタガタ・・・・



    そんな、この場に於いて考えても仕方ない事を
    思いながらもやはり身体を動かさないのでは何も・・
    私にとっての、この極寒の事態は好転しやしない。
    しぶしぶと水を汲みに行こうとする私の背中に・・



    グッ・・・・ムニュ


    二つの冷たい脂肪の膨らみと、反対にとても
    熱を帯びた逞しい腹筋が密着してきた。


    「っ!!??ちょっとミカサ・・?!」



    「疑わずにアニもやってみればいい。、

     このようにもう私はすっかり温まっている。
     アニも引き締まった良い身体をしているが、
     私よりは脂肪の付きが良いのだから、寒さには
     少し強い筈だ」


    そう言いながらも、私の腹回りをギシギシと
    両手で張った布の往復で摩擦してくるミカサ。



    「ちょっ・・・ちょっとッ・・・暖かいのは
     良いんだけどあんた・・・・!」



    「・・・・?」
     グイグイ
     


    今迄そんな気分になった事は一度も無かったのに・・
    昨日あんなことがあったから。


    「・・・とにかくその、離れよう。恥ずかしいんだよ」



    「恥ずかしい?女同士だが・・アニは恥ずかしいの?」



    心底理解できないって声で返して来た。多分
    全くふざけてはいないんだろう




    「ああ・・恥ずかしいね。恥ずかしいというよりも
     ・・素直に言っちゃっていいかな。昨日の
     あんたを思い出して・・そういう気持ちに
     なってしまいそうなんだ。今この場でその気を
     起こされたって困るだろ・・?あんたもさ」



    「・・・それは困る。」
     ススッ・・



    「・・・・・・・・・」



    ・・・凄くあっさりと断ち切られた気がして
    ある意味少し傷付いた。まあ、そういう風に話を
    ふった私も悪いんだけどさ。ミカサの性格だって
    そろそろ分かって来てるんだしこうなることだって
    充分想像できたのに。




    (もう少し黙っていればまだミカサは私に
     抱き付いたままでいてくれたのかな・・・)


  14. 19 : : 2014/12/25(木) 05:12:53




    それまでのアタックも中断し、まるで
    何事も無かったかのように温まりきった自分に
    被せる冷や水を桶に貯め始めるミカサ



    ギゴッ・・・ギゴッ・・・・




    ザバッ・・・・・!!



    「フぅ―・・・・・・・!」
     ピチャ・・・パチャ・・・



    「・・・・・・・・・」



    艶やかな黒髪と、鍛え上げられたその肢体は、
    もう既に城とか宮殿に置いとけばそのまま彫像として
    飾れるくらいに完成された美しさで、これまで
    全く興味を持てなかったのがまるで嘘の様に・・・

    それからの私の中には物思いに耽れば直ぐに
    ミカサの事ばかり浮かぶ様になってしまっていた。





    ―女子水浴び場・脱衣所―



    地獄のひと時を耐え抜き・・・冷水で冷えきった髪を
    タオルでふき取りつつ・・・私は先に上がった
    ミカサを見る。視線の先で、洗ったばかりのシーツに
    シミが残っていないかしげしげと眺めているミカサ。


    「ぅうっ・・・やっぱ朝から水浴びは応える・・・・」

    ブルブルブル・・


    「・・・・・・・・アニ。未だ起床時間まで少し
     間があるが・・・少し付き合って貰える?」



    珍しい事にミカサから何らかのお誘いだ。




    「それは一体どういうお付き合い?」





    「別に変った事ではない。・・ただ、あまり他言したい
     類の事ではないので今こうしてアニと二人で
     居られる状況だからこそ誘ってみた。随分と寒そうに
     しているアニにとっては悪い申し出ではないと思う」


    珍しくミカサにしては回りくどい言い方で返してきた。


    その場では詳しくは説明してくれないみたいだけど、
    これは裏を返せば、他の皆には内緒だよってことなのか。

    それは・・・・・・内容がどうであれやっぱり気になる。
     


    「いいよ、付き合おう。・・でも、
     ホントに変な事じゃ無いんだよね・・・?」



    「・・・・無い。」
     頷き。






    ―訓練場・納屋併設・家畜飼育小屋―



    そうしてミカサに連れてこられたのは・・全く私が
    予想もしていなかったところだった。


    「そういやあんた・・・何故かこっちの飼育当番も
     いくつか買って出てたね。」


    ・・・それも、別に何か成績に響く訳でも無いのに。
    もう二人、無償で家畜の飼育係に名乗りを上げているのが
    いたな・・・クリスタとサシャか。クリスタは・・・まあ
    なんとなく分る。あいつは自分にとって得に成らない事を
    何故か率先してやりたがるし・・馬にとてもよく懐かれる
    傾向が強いから。サシャも、家が狩猟を生業にしてたから
    っていうのもあるのか、馬を嗜めるのには随分腕に
    憶えがありそうだから。・・しかしそうなるとミカサは?


    ・・たしかこいつはこれと他にも・・・宿舎併設の
    花壇で野菜の栽培の管理も手掛けてた筈。普段部屋に
    居る様子を見る限り、暇さえあればいつも筋トレばかり
    やってるミカサだけど・・こんなに他の場所でも色々
    手広くやってたらそれだけで余りの自由時間なんて
    無くなっちゃうんじゃ・・・


    「・・・・・・・・」キィ・・・・


    ゴソゴソ・・・  バサッ・・・



    考え込む私を尻目に幾つかある鳥小屋の扉を開け、
    水浴びしたばかりだというのにお構いなしにその
    飼育スペースに侵入すると・・・何匹か、
    その場で目を付けたじっとしている矮鶏(チャボ)
    両手で持ち上げていく・・・。
  15. 20 : : 2014/12/25(木) 05:18:05




    「・・・・・・・」
    モフッ・・・・バサバサ・・




    「・・・・あった。最近は収穫が多くて助かる。」




    その時点でミカサが何を探していたのか既に分かって
    いたが・・・それがミカサの目当てだった。



    「・・・卵か。」



    「・・・・そう。飼育係を請け負う事、それ自体には
     何も得点を得られるような要素は無い。・・しかし、
     皆が面倒に思っているこの作業を買って出れば・・

     目立たない程度の物色は免除される。・・役得。」
     モフ・・・



    目当ての球体を二つ確保すると、未だ鬨の声を上げる
    時間がやってきていないのでやる気の欠片もみられない
    羽毛の塊を元いた場所へ戻すミカサ。



    「あんたがネコババなんて意外だね。」




    「無断借用では無い。教官には織り込み済み。
     仮にも食糧に関する事だ・・。その飼育作業を
     訓練兵に一任する時点で既に物色のリスクは
     付きまとうから、縛りつけても意味が無い。」



    ・・・なるほどね。まあ、当然と言えば当然か。
    しかしそれを拝借して一体・・・





    鳥小屋から退出して花壇のあたりまで進み、ミカサは
    その卵を一つ私に手渡すと、当たり前の様にこう言った



    「すこし口当たりが慣れないかもしれないが
     栄養価は非常に高い。無理なら私が貰うので、
     いけそうならこの場で飲んでしまって。」



    「・・・・え?飲・・・?」




    「・・・・ぁっ・・・」
    パキャッ・・・ズル・・・



    その場でおもむろにベルトのバックルに卵を打ち付け、
    片手で器用に顔の上に持ってきた卵を割ると・・・
    生のままそれを口に全て落とすミカサ。
    呆気にとられる私を気にも留めず、モグモグと
    口の中に落としたそれと、唾液を絡ませて嚥下した後の
    消化促進を高めようとしている。廃棄される殻は花壇の
    肥料へ。無駄が無い。



    そういう事か・・・。たしかにコレを摂取してるなら、
    他の通常食のみを摂ってる奴等とは雲泥の差がつく。
    ・・・けどしかし・・・・



    「(モゴ・・・ゴクン・・・)・・・?」
     ペロリ....


    (何の躊躇も無く生でイった・・・・?!)



    隣で信じられない眼つきで眺めていた私の視線に気付き、
    口に入れた全てを飲み下すと、殻との間に引かれた糸を
    振り払い、舌なめずりをして此方に向き直すミカサ。


    「・・・・衛生的には大丈夫な筈。今まで一度も
     当たった試しはないから。・・無理そう?」


    「・・・ぅ・・・いや・・・・!」



    やっぱり少し勇気は居るよ。オムレツとかに
    なってくれれば多少は生な方が私も好みだ。・・けど
    全くの生ってなると流石にこれは・・・!
  16. 21 : : 2014/12/25(木) 05:25:30


    「・・・・・・・・!;」


    「無理をしなくていい。それなら私が」





    (な・・なるようになれっ・・・!)


     バキッ・・・ズリュ・・



    「あ・・・アニ、ちょっと」



    「ぅあ・・・・?」



    ジャリッ・・・・




    不器用に慣れない手つきで顔の上で割ってしまった為、
    結構な量の殻まで一緒に口に入ってしまった。




    (うえっ・・・!モロだ・・・・!!モロに
     入った・・・!)



    ジャリジャリと不快な感触が口に広がる。
    流石にもうコレは飲み込むわけにいかないので
    吐き出そうとするものの・・・



    「待って。」



     ガシィ




    その寸前、という所で、ミカサが私の口を抑えこんでくる



    ・・口を開けたまま親鳥の餌を待つ雛鳥のような
    姿勢のままミカサに抑えつけられる私。



    「もったいないから。じっとしてて」



    それだけ言うと、ぽっかり空いた私の
    口の中を覗き込み、割れた殻を器用に指で抓みだす
    ミカサ。ミカサの指が・・・私の唇、そして舌へと、


    普段決して口に入れる事のない粘度を持った液体を
    掻き分け、混入した異物を絡め取り・・触れてくる・・・



    「ぁ―――っ・・・・//////;」
     ゾクゾク・・・


    そりゃ、変な気分にだってなる。口の中にも
    性感帯って奴はあるらしいけど・・これは予想してたより
    ・・・大分クるものがある。

    神経を集中した指先で私の口内をまさぐる事一分強。
    その間、ミカサの肘や二の腕が私の胸部に触れてくるので
    そっちはそっちで妙な感覚に襲われる。



    「・・・もう大体とれた。大丈夫だ」
     ・・・スッ





    「ぁ・・・・・ん・・・////」
     ゴグン・・・・



    口の中一杯に溜まってしまった唾液と同時に
    あまり良いとは言えない口当たりのそれを
    一思いに嚥下する。一気に顔に上った熱気と共に・・



    喉を滑り落ちていく粘液。それに伴う体内の摩擦すらも
    身体に熱を与える要因として働きかけてくる。
    味なんて吟味してる暇は無かった。・・しかし


    お蔭でもうすっかり寒くは無い。






    「ふぅ・・・;」


    少し・・危なかった。朝っぱらから折角水を浴びたのに
    また下を穿き替えたくなってしまう所だった。まだ
    ミカサに抑えられていた頬が熱を持ってる。



    「それで大分熱量が摂取できる。そろそろ戻ろう。」




    (寒くなくなった理由は卵の熱量のせいだけじゃないけど)



  17. 22 : : 2014/12/25(木) 05:27:58




    ミカサの事が気になりだしてしまってからというものの、
    何気ないその行動全てにそういった意識が
    生じてしまうようになったのは・・結構考え物だ。



    ・・・現に今でもそう。



    今までなら訓練や講習、または班行動の一環以外で
    こんなふうに二人で行動することなんて無かったから。



    此処に連れて来て、私の身体を気遣った末に、
    ミカサなりの手向けとして私に何かをしてくれたのも、
    ミカサの意思によるものだと考えるだけで・・・




    「・・・・//////」




    こんなにも、高鳴る。


    鼓動だけじゃ無く、心の中の何かが。







    ・・・それから程なくして一日が始まる。


    部屋で寝ていたミーナを叩き起こし、一限へ向かう
    準備を済ませて部屋を後にした。

    腰と背中がイタイとしきりに訴えていたが、
    多分前日、慣れない回数の痙攣で負荷がかかって
    いただけだと思う。ミーナ自身、イタイイタイとは
    言っていても顔は全く不快な顔では無かったから。


    ・・・此処にも一人、ミカサにそういった目を
    向け始める奴が居た。まあ、あんなに上手に
    相手をされてしまったらそういう気分になるのは
    仕方が無い。




    ―座学講義中・訓練兵宿舎―





    ミカサの技量と、それを相手にした場合の危険度を
    私に、サシャ、そしてミーナという三匹の子豚を
    供物にしてまんまと推し量ることに
    成功したユミル。やっぱりあの後、私の容体が
    急変したこともあってか、その場で会合は中断された様だ


    良いように使われた気がして癪な気もするけど、
    あれ以上犠牲者が増えなかったのは私個人としては
    良かったなと、内心思っている。・・何故かって?




    「・・っ・・っ・・/////」
    ズッ・・・ゴス・・・  スト・・・・



    「~~~~~~~」
     チラチラ




    昨日私の前にミカサの手にかかった二人がどうにもおかしい。
    まだ一限の講義も始まって間もないというのに
    もう既に昨日の事で頭が一杯になっちゃってるのか、


    かなり頻繁にこちらで筆記に集中しているミカサの方
    ばかりを見てくるんだ。ミーナは絶えずもじもじ
    しながらもチラ見の回数が半端じゃないし、


    サシャに至っては何かに憑りつかれた様に
    手にした鉛筆で机の木目の隙間や年輪の亀裂など
    といった割れ目に刺突を繰り返す動作に没頭している。
    動作が意味深すぎるだけでなく

    目なんか明後日の方向にイッちゃってる。

    アレは本気でもう手遅れな状態だ。
  18. 23 : : 2014/12/25(木) 05:30:49

    あれじゃあ・・・
    あの様子では間違いなく一日終わったらミカサに
    白羽の矢が立ってしまう。ミカサを独占したいという
    程の事じゃないけど・・一番の問題はそのミカサだ。




    昨日は偶々ユミルがあのように仕向けたから、
    その催し物に素直に参じて、ああして自らの手腕を
    披露して見せたんだろうけど・・しかし、

    ミカサ自身は別にああいった事を楽しんで行っている
    フシが殆ど見受けられない。何と言ってもまだ誰も、
    ミカサに対して攻勢に出ている者がいないからだ。



    けど先にも危惧した通り、あまり夜伽の申し出が
    集中しちゃうと・・・流石にミカサもそこまで
    大人数の相手をするのが億劫になっちゃうかもしれない。

    同じ部屋だったのは私にとっても結果的には
    役得だけど・・・・。





    ・・・――気になる。





    ―――非常に気になる。ミカサが攻められた場合、
    その時はたしてあいつはどんな反応を見せてくれるのか。




    一番憂慮されるのは、やはりとんでもない
    真正のマグロなんじゃないかって事だけど・・・



    攻めるのが得意だって事は、自分がどうされると
    気持ちいいのか分かっているからそのように
    相手を刺激できる、という考え方を大きくして
    いけば・・その可能性は少ないのかもしれない・・?



    そう言う意味じゃミカサとユミル(あいつ)がぶつかってみて
    くれれば直ぐにそれが分かって助かったんだけど・・・
    起きなかったことを悔やんでも仕方が無い。
    ユミルの狡い性格じゃ、多分負けるとわかってる
    勝負を一々仕切り直す事も・・無いだろうし。

    クリスタにもミカサをどうこうできるとは到底思えない




    ――そう思った時点で、私の当面の目標は決まった。






    (とりあえずやられてばかりじゃなくミカサにどこまで
     お返しが効くか試してみよう。サシャやミーナは・・
     あの調子じゃ多分それどころじゃないだろうしね・・)


  19. 26 : : 2014/12/26(金) 03:21:23












    ― 二限終了後・放課後 ミカサ部屋 ―





    「よ~っす」


    「おじゃましま馬―!!」


    「お、お邪魔します~」



    やっぱり今日も来た別室の三人。



    「いらっしゃ~い。」



    「折角来てもらったとこ悪いけど、ミカサなら
     今いないよ。花壇と飼育小屋の当番で出てる。」



    ミカサ不在の為、今部屋には私とミーナしかいない。




    「なんだ、いないのかあのムッツリは。っつか
     花壇に家畜の世話って・・あいつもクリスタの同類か
     何かか?やっても何にも無いのにな」



    ユミルに限ってはミカサ目当てで来ているのでは
    無いんだろうけど、つまんなそうにしてそう言い放つ。



    「・・あいつのどの辺がムッツリなの。」



    「ムッツリだろ~・・どう形容したって。普段あんなに
     澄ました顔してて、いざ事をおっぱじめたらあの通り。
     ああいうのをムッツリと呼ばずして何て呼ぶ?」



    「いや・・・そういうことヤッてる最中もずっと
     すまし顔だった気がするけどね。」




    「やけに庇うじゃねーの。さては昨日のあいつのが
     そんなに良かったのか?んw?そりゃあ夢心地
     だったんだろうなぁw何せあやしつけられた
     子猫ちゃんの様にミカサの腕の中で眠ってた
     くらいだし・・・なぁ?w」



    「あ・・っはは・・うん、その・・良く寝てたかな」



    そう言ってクリスタの方を振り返るユミルだが、
    流石にクリスタも意識のある私の前では
    寝に入った私を見ている時と同じリアクションは
    取り辛いようで、ひきつった笑顔を浮かべている。



    「・・・・・・・・」


    まあ今までの私ならここで躊躇なく怒りの腎臓後ろ蹴り(キドニーソバット)
    叩き込んでダウンをとってやるところなんだけど、
    昨日の今日で私も気分がいい。そんな大人気の無い事は
    しなかった。・・・いや、それよりもむしろ・・




    「・・どう思って貰っても構わないけど。気持ち良すぎて
     寝つきが良かったのは事実だし・・・」




    素直にそう言って胸を張ってやれる気すら起きてくる。



    ――・・・それほどまでに・・・・



    それほどまでにあいつの腕の中は居心地が良かった。



    「ふ~ん・・・随分と手籠めにされたご様子で」
     ニヤニヤ




    「寧ろあんたもやって貰ったらどうだい?私が
     先に当たらなかったらあんたがミカサとやる
     つもりだったんだろ?今日その続きをやるの?」



    ・・どうせあんな終わり方したんだ。
    続きをやろうだなんて言う筈も無い。



    「ああ。やるぞ。ただ、クジの順番なら次は
     クリスタだけどな。」


    意外な一言で返して来た。



    「・・・本気?・・ミーナとサシャを見たでしょ。
     もう別にやって見なくてもあいつが一番上手って
     事でいいんじゃないのかい?時間の無駄だと思うけど」



    そう。そんな無駄な時間に自由時間を割かれたら、
    消灯後に私がミカサと楽しめない。




    「こういうのは相性ってのも大きいからな。一応だよ。
     なんだ?あまりにミカサが良かったから今日もして
     欲しいってか?そんなにいいのか?あいつが?」




    「・・・・・・」



    「・・まあいいや、そんな訳でまだ順番じゃ後クリスタ(こいつ)
     の後に私が控えてるからな。そこのモジモジしてる
     雌豚以下と、後ろの涎だッらぁ..な芋豚。おめーらは
     その後だから」ニヤニヤ

  20. 27 : : 2014/12/26(金) 03:26:02




    「めっ・・・!!違うよ!!“雌豚以下”じゃなくて
     “家畜以下”!!!間違えないで!?」




    「尚の事酷えじゃねえか・・しかもその発言を吟味すると
     そりゃ、家畜の中で雌の豚が最低位に来るって事か?
     雌豚様に失礼じゃないか?流石に」



    「あっ・・その・・・;;;それはぁっ;;
     どっちが酷いとかじゃなくって!!」




    「あ~、はいはい。いいから。もう分かったから。」




    「ちょっとユミル!!すると涎だらぁな芋豚とはまさか
     私の事を言って
    「オメー以外にだれが居んだよ」




    「(シクシクシク・・・・)」




    「ほらほら、泣かないのサシャ・・。ユミルの口が
     悪いのは今に始まった事じゃないでしょ。これくらい
     平気で流せなきゃ・・・」




    「口が悪い・・??変だな女神様よ?確か此間は口淫(オーラル)
     私が6回勝ち越してる筈なんだが・・・そんなに良く
     無かったか?もっとイキ狂わせられたいのか?」
     レロ・・



    「そう言うのが、口が悪いって言うの!!!//////」




    何だか漫才を見ているみたいだ。




    (しかし・・うん、口淫(オーラル)か・・・)



    それも一考に値するな・・言われてみれば昨日結局
    ミカサは手しか使ってない。こっちも使われたら厳しい
    だろうけど手で駄目なら口って言う手もある。
    まあ、まだこっちはミカサが触られた際の反応すら
    分かってないからまずはそこからかな・・



    「ま、どっちにせよだ。アイツ自体の耐久性が
     今一分らないからな。攻めるのが上手いからって
     必ずしも防御が厚いとは限らねえ。案外複数で
     砂にしちまえや簡単に落ちるかもしれねー」




    「なんかまるで皆でミカサを討伐しよう、みたいな
     感じになってるね・・・///」




    狼狽しながら言うクリスタ。




    「だぁってなあ・・?やられっぱなしは癪だろ?お前も」




    「・・私は・・別に、夜の寝つきが良くなれるなら
     どうでもいい。でもまあ・・それであいつも気持ちよく
     なってくれるんならそれもありかなと思ってる」



    この言葉に暫く目を丸くしてたユミルだったけど




    「あのさ・・・お前、変な事聞いてもいい?」




    「・・・聞かなくていい。変な事なら。」
     フン



    「じゃ、変な事じゃないから。」



    「なんだよもう。それなら確認なんかとらないで
     最初から直接聞けばいいじゃないか」



    「お前・・・ひょっとして昨日の今日でミカサ(あいつ)
     できちゃった・・とかじゃないよな?」



    「私をおちょくりたいなら好きなだけおちょくれば
     良いと思うけど・・別にデキてるとかじゃないから。
     ミカサの性格を知ってれば分る事でしょ。
     あいつには・・・あいつの目には。・・ね」




    そう・・あいつが想いを馳せる事が出来る定員は一名だけ。






    それも同性愛には興味も関心も無い筈。私だって別に、
    今ミカサを想って抱いているこの感情が恋愛感情とか
    そういうモノなのかと問われると答えるのは難しい。


    ・・・全く以て違うと、頭から否定できないところ
    からして似たような物なんだろうけど。




    「・・・ふーん・・・なんだかな。弄り甲斐無ぇなぁ。」



    もっと反発してくる私を楽しみにしてたのか、
    この上なく退屈な心情を遺憾なく表すユミル。


    突き甲斐の無さを実感した今、こうした言葉を吐いてくる
    という事は、その言葉には挑発的な意味合いは一切なく


    本気でやるせない気分なんだろう。

  21. 28 : : 2014/12/26(金) 03:30:01




    「お前が本気でアイツを狙ってるってんならそれは
     それで面白いと思ってたんだけど・・・」




    「あんたとクリスタみたいに、(てい)の良いパートナー
     みたいな関係は望めないだろうさ。きっと。
     ミカサは―――多分アレ、そういうのは邪魔なだけだ」

     


    ミカサは・・・・強い。身体だけの話じゃなくて。



    心は・・・心の芯の強さはそれこそ身体の比じゃない。




    手前勝手な印象で、私に似ている・・と思った事もあった。


    ・・・連携行動よりも単独で動いた方がずっと力を
    発揮できる、この私と。・・けど、ミカサのあの強さは
    私のそれとはやっぱり根っこの部分で何かが違う。


    それはきっと“戦う理由”の違いであり・・・・
    もっと簡単に言って“誰の為に戦うか”の違いだと思う。



    故に・・・ミカサにパートナーは必要ないし、
    ミカサ本人がそういった物を傍に置こうとは基本的に
    しないだろうと・・そう、勝手に想像できてしまう。



    けど、だからこそ・・私は考える。




    私は・・・どういう形であれば、あいつにとって
    “傍に居て欲しい”人間に成れるのか・・・・。
    それが知りたい。どうしても知りたいから。





    ――勿論そんな路が本当にあるのなら、だけど。






    「―――随分とまあ可愛らしい顔をして物思いに耽る
     もんだな。・・お前がそういう顔もできるなんて、
     割と信じ難い光景だよ。いや、マジで。」




    ユミルの口は相変わらずだけど、その目にはもう
    私をバカにしようとか、怒りに駆らせようって意思が
    全く無くなってるのが分かった。目の前のサンドバッグは
    これ以上殴ってもまるで心地よい音を上げないと
    正確に把握したからだろう。




    「・・そうかい。でもそれは私自身も少し戸惑ってる
     位なんだ。他人を、まして女をこういう目で
     見た事って・・今まで無かったから。

     そういう意味じゃ・・女同士で随分と仲良くやれてる
     あんたらは・・今の私にとって中々模範的な先輩って
     感じがする程だよ。いっそあんたらみたいな関係に
     私とミカサもなれたらいいのに・・って、素直に想う」



    「・・・・ほー。」




    私の言葉に心底気分を良くしたのか、ユミルは
    私にとっては初めてとなる、本気で機嫌がよさそうな
    顔をつくって感嘆の声を上げると、こう続ける。


    「こりゃ昔々ある人から聞いた受け売りだけどな。
     ・・まああんたら位の歳からすれば大分偉大な
     先達の言葉だし間違いじゃないと思うから、

     尤もらしくこの場で借りさせてもらうけど・・
     パートナーと仲良く過ごす3つのコツを教えてやる。」




    「・・・・・?」




    「1つ、相手を思いやる事、 2つ、互いを信じ合う事、

        ・・・そんで最後に3つ目。

     ――――愛し過ぎない事。コレなんだってよ」
     


    ・・・・・・・



    「・・・・ごめん、凄く良い事言ってると思うし、
     その言葉には心底なるほど・・・って気もした。

     ・・・・でも、あんた多分、それ全部自分では
     守れてなさそうな気がしない・・・?;」






    「そう言われちまうと痛いけどなw・・でもま、
     そういう事だ。私とクリスタという相性の良さですら
     こうしてうまく行かない事も多々ある訳だから
     ましてそれがお前とミカサなんて水と油みたいな
     組み合わせじゃ簡単に行かない方が納得だろ」
     ニッ


    これは珍しい物をみてしまった。ユミルの綺麗な笑顔。
    いままでコイツの笑顔といえば、下卑た、厭らしい、
    人の不幸を蜜の様に甞めまわす顔しか見た事が
    無かったって言うのに、それらとは反して・・・



    コイツの飾らない笑顔って奴は、意外と
    綺麗なんだということが今分かった。クリスタが
    こんな奴を大事に思えるのも・・今この瞬間だけは
    大いに納得。



    (しかしそんな事は置いといて・・・・だよ)



    ・・・何だろう・・どこからそういう話の流れに
    なってたのか知らないけど・・なんかこれ・・・



    私の恋愛相談みたくなっている気がする。




    最早こんな事を自覚できるって事は私は・・
    本気でミカサをそういう目で見始めているんだろうか。
  22. 31 : : 2014/12/26(金) 22:52:03








    ガチャッ・・・・



    「・・・・・いらっしゃい」



    噂をすればなんとやら、だ。ミカサが帰ってきた。



    「邪魔してるぜ。土いじりの帰りか?」



    「お疲れ様です~♪ミカサ~」
     デレデレ


    「、丁度収穫間近のものが仕上がっているので
     下見をしてきた。明日の夕飯は少し豪華になる。
     ・・サシャにとっては吉報だろう」



    「ほ、ホントですか!!?」
     イヤッターーーー!!



    「そんな嘘をつく理由は無い」



    「ちなみに何が付け足される予定なんですか?!
     ミカサの作る野菜は壁の中ではあまり流通していない
     品種なので毎回楽しみにしているんですよ!!」


    「・・紫の艶っぽいのと緑の細いの。」


    「あの油で炒めると絶品な奴ですね!!!?も、もう
     それを聞いたら明日までとても待てません!!」
     ダラダラ


    「・・・サシャ;、涎、涎。」
     ゴシィ!!



    「むグッ・・」




    「それはそうとお疲れ様、ミカサ。飼育当番
     だけじゃなく野菜の管理までなんて偉いね。
     私そっちの管理までは分らないから馬の面倒しか
     見られないよ」



    「私は元々母さんに教わっていたから日課になっている
     だけの話。クリスタにはクリスタにしか出来ない
     事が沢山ある。ので、私が特別クリスタに褒められる
     理由も無い」







    (知らず知らずの内に皆の中心になっている。
     自分から話かけていくわけでも・・快活に振舞って
     皆の気を引いているという訳でもなく。あくまで
     ・・・自然に。これがミカサ。

     その物腰は寧ろ近寄り難いといわれたって
     仕方が無い類のものであり、要するに無愛想と
     呼ばれるものなのに・・)



    「帰ってきて早速悪いんだけど、今日お前、
     炊事当番じゃないよな?」



    「特にトレーニング以外する事は無い。」

     

    「よし、んじゃどうせするなら昨日の続きだな」



    「・・昨日の?とは」
    (そんな事より筋トレしたい)



    「もう忘れたのかよ・・・ほら、お前と
     アニでやったきり中断しちまってただろ!
     アレの続きがまだ残ってるんだよ次はお前と
     クリスタな。」



    (最初のうちにあいつに感じていた同属嫌悪の原因でも
     あるけれど・・そんな感覚がどうして唐突にこんな
     好意のようなものに変異したのか。これには・・・
     本人に確認を取ったわけじゃないのであくまで推測に
     過ぎないけどちゃんと理由もある。
     本当に“多分”。・・“何となく”だけど・・・)



    「・・それは・・別に構わないのだけど。
     シーツを・・・折角洗ったばかりだ・・。もし
     クリスタもサシャ並に盛大に広げるとなると
     ・・・場所の移行を考えて欲しい」



    「・・・いや、コイツならそこまで心配いらねーだろな。
     元々そんなに派手にやらかすこともないし」



    「ちょ、ちょっと///あの、本気でやるつもりなの?
     冗談だと思って黙って聞いてたけど・・!」




    (多分・・・ミカサ(あいつ)は・・・)



    「は?やるに決まってんだろ?全員ぶつかんなきゃ
     やる意味が無いだろーが。あ、後ミカサな。
     もし心配なら私が自分のシーツを持ってきてやる。

     クリスタので湿る分には一向に構わないからな、私は。

     せいぜいクリスタに足元掬われねー様用心しろよ?
     私の嫁はそりゃもう激しいぞー・・」



    「大体理解している。安心して」



    「ゆッ・・・ユミルっ・・・・!!;恥ずかしい事
     言わないで!!」





    ()をその手にかけたことがある。)


  23. 32 : : 2014/12/26(金) 22:54:29




    「じゃ、ちょっくら私はシーツを取りに行ってくるから
     準備して待ってろな?」


    「準備ってなによもう!!」



    ガチャッ・・・





    「(いいな・・私もミカサに・・・)」



    「(明日の夕飯が待ち遠しい・・・!)」
     ソワソワ・・・



    (それがどの程度昔のことか分らないし、確実に
     そうだとは言えないけど・・もし私の直感が確かなら、
     ミカサは12歳になる前に・・そっちの初めて(▪▪▪)
     既に捨てている。そう考えるとあの異様な落ち着き
     払いっぷりも・・・鍛錬に打ち込む姿勢も充分
     納得がいく。)







    ――人は・・・人を殺めてしまうと、何か一つ、
    取り返しのつかないものを失うという。
    それが何であるかは人それぞれで・・・精神的な物で
    あったり、そうじゃなかったりもするらしいけど・・



    私の場合(▪▪▪▪)は、それ以来、今まで通りのような
    安眠が出来なくなった。単純に言って・・・


    見られる夢の系統がかなり限定されるようになった。


    言うまでも無く寝起きのいい夢はその中には一切ない。
    夢を見さえすればその大抵は寝汗をかいて飛び起きる様な
    内容のものばかり。


    程度はやっぱり様々だけど・・


    ――とてもつらいんだ。夜、寝たのに疲れが全く抜けない
    っていうのはさ。・・・だから・・・


    たまに珍しく安眠できる夜があるとすればそれは・・


    昨日ミカサに抱かれて寝た時同様に・・・
    “夢を見ずに済んだ”夜だけだ。





    「っしぃ!持って来たぞシーツ!夕飯まで時間も
     あんまりねーし、手っ取りばやくやっちまおう」



    「もう・・何が何だかだよ・・・なんでこんな・・
     無理に身体をいじり合うみたいなさぁ・・・;」


    「・・・クリスタ・・気が進まないのなら、
     ユミルにそう言った方がいい。私はどちらでも
     構わないが・・あなたがもし本当に嫌なのなら
     私はそちらの意思を優先する。・・ユミルとクリスタ、
     どちらの意見が理に叶っているか、それ位なら
     私にもすぐに分る」
     (ウン)


    「・・・・・・ミカサ・・・貴女って本当に」



    「私の嫁なら・・・逃げないよな?」
     ニヤニヤニヤ



    「逃げるとか・・・そう言うのじゃないから」
     (プクーーッ////)




    「あっ・・あのぅ・・もしクリスタ乗り気じゃないなら
     私が先でも・・?」モゾモゾ・・・




    「始める前から濡らしてる奴は後に回ってくれよ。
     そもそもお前昨日ミカサに瞬殺されてるだろ」






    たかが夢見の問題だと・・この感覚を知らない人は
    言うだろうけど・・・私にとってはそうじゃない。


    時間の感覚すら曖昧になってくる断続的な悪夢は・・・
    それを見る度、僅かずつではあるけれどしかし確実に…



    ()を・・・()られるんだ・・・。



    心を、なんて言われると形も見えない事だし
    みんな抽象的な捉え方をすると思う。けどここで言う、

    “削れて減っていく”心って奴には・・・形も、

    残りの重さも存在するんだ。それが全て無くなれば・・

    間違いなく“自分”を失うことになる。
    そうなる前に、本能で分るんだ。このまま悪夢を
    見続けて尚そこから逃げようとすれば・・
    間違いなく自分が・・・




    ―――――“尽きて”しまうのだと。



  24. 33 : : 2014/12/26(金) 23:01:38



    私の場合は・・・殺めた規模が規模だったし、
    一緒にこの運命を背負う仲間も居た。



    だから余計にこの罰の重さがよく実感できてしまった。
    これが仮に私一人で背負ったものなら・・・・きっと
    自分が狂ったんだろうと思って、それで終わりだった。



    けど、運が悪いことに私には…共に戦う“仲間”が居た。



    私の傍で私と同じように壊れていく・・“仲間”が。
    それがマズかった。


    一人は元々内向的な奴だったから、何とか今の私同様に
    ギリギリのところで持ち応えてるけど・・・



    後の“もう一人”は。



    身体は無駄にデカくて丈夫で、心もそれなりに
    頑丈な奴だったけど・・・


    その心で耐えられる重圧は、“種類”がまるで違った。
    過酷な訓練や試練に立ち向かう強かさはたしかに
    大した奴だったけど・・・・

    他人の人生を大量に奪うという、良心の呵責なんて
    生ぬるい言葉じゃとても済まない罪悪感は・・・
    そいつの心を見事に真っ二つにカチ割ってしまったんだ。



    割れた心は決して一つに戻ることも無く…常にどちらか
    片方の心しか持てない有様になってしまった。




    そうして実際身近に居た仲間の心の傷って奴を
    見せ付けられた私達の症状が・・同じように悪化するのは
    ・・そう時間の掛かることじゃなかった。

     





    けど・・・・そこに 






    「いや・・、いいよ、やろうミカサ。どうせ皆も
     やってるんだし、私もやんないと不公平(?)
     だもんね・・!・・・で、その、ちょっと
     いいかな・・?」



    「何・・・・?」



    こうしてミカサ(あんた)が現れた。寝汗をかいて飛び起きて
    ・・汗疹に悩まされるのにも飽き飽きしてた私に・・

    “普通に眠れる”心地良さを・・あんたは思い出させて
    くれた。勿論それは夢見の問題だけを語った場合の
    話で・・・さっきユミルと話している最中に自覚
    し始めているように・・・

    私の中には今やミカサ(あいつ)に対して、特別な感情が
    生まれつつあった。



    私はこの感覚を・・割と本気で大事にしたいと思っているんだ。




    訓練兵を上位で卒業して、やっとの事で憲兵になり・・
    そして内地へ漕ぎ着けたとしても。


    この悪夢が覚めない限り私は・・・


    どちらにしても一生かけてゆっくりと死んでいくような
    毎日を送る事になる。それはつまり・・・


    今、こうしてミカサ(あんた)に抱くことが出来た気持ちをも・・・
    同時に失ってしまうことを意味している。


    そうならない為なら私は何だってしよう。
    ミカサ(あんた)が、エレン(あいつ)の事を
    …どんな事をしてでも生き永らえさせようとするように。

    私もあんたと一緒に、エレン(あいつ)を護る…命という名の、壁となろう。


  25. 34 : : 2014/12/26(金) 23:05:45






    ・・なんてね。



    そんな気障な事を今さら言ったところで
    私の罪は帳消しにはならないし、背負った使命も依然
    未遂のままだ。私が溺れてしまったこの酷い運命は・・
    きっと何をしようと無かったことになんて成りはしない。


    いずれ落し前(▪▪▪)をつけるべき時は必ずやってくる。
    だから・・せめてその時まででいい。


    その時までミカサ(あんた)の傍に居させて欲しい。

    そして・・心地のいい夢を見させて欲しい。

    いつか必ず覚めることになるその夢を。







    「随分長いことだんまりだったな。今夜ミカサと
     どうやって楽しもうか考え込んでたのか?」



    「・・・まあ、そんなところだよ。・・で、
     一つ聞きたいんだけど、いいかなユミル」




    「・・・何だ?」




    「何で昨日私がやる時は上下肌着姿に剥かれてたのに
     クリスタはシャツもスカートも身に着けたままで
     いいのかな。・・・これは立派な差別じゃないかい?」



    「いや・・・差別も何も・・なあ。着たままでも
     いいって言ったのミカサだし。そもそもミカサも
     シャツは着てるしな。」(下はパン1だけど。)



    「・・・え?」



    「ほら・・、さっきクリスタが聞いてただろ?
     恥ずかしいんだけど、脱がなきゃ駄目?ってさ。
     そしたらミカサの奴・・“別に着たままでいい”
     っつうからさ。」



    「なにそれ・・・」



    「いや・・でもこれはクリスタに相当分が悪い。
     ひょっとしてアイツ、クリスタの弱みを
     知ってるかもしれねーな・・・」



    「・・・??;」




    皆が距離を取って眺める中で・・・
    ミカサのベッドでクリスタとミカサが立ち膝を
    突いた姿勢でお互いの肩を掴んで、さあどうしようかと
    いった風に互いの目を見つめている。


    まあ、流石というかなんというか・・・

    圧巻の兵団綺麗所ツートップ。その貴重なワンショットだ。
    この二人が同じベッドの上で今から絡み合おうって
    言うんだから、もしこんな光景をどこかで男子が
    見ていようものなら・・・・


    たとえ今が深夜で教官とのエンカウントの
    危険性があったとしても。また、頭突き確定であっても
    そんなのお構いなしでこの宿舎周辺に野次馬が
    集まるだろうと思う。




    なんなら、女子だって集まるだろうね。ミカサは・・・
    見た目が見た目だから、そういう趣味が無い奴にだって
    モテてしまう。


    アルミンあたりとディアンドル着込んで酒場で並んでたら
    本気でどっちが女か客はわからなくなると思う。
  26. 35 : : 2014/12/27(土) 04:54:02





    「・・・・・・」



    「・・・・///」





    そんなミカサがカットシャツのみを下着一枚の
    上に羽織って、肩を預けあっているのが・・・



    「(な・・なにも皆して凝視しなくても)」



    言わずと知れた“あの”クリスタ。



    ライナーあたりが見てたらベソかきながら
    “もう結婚しちゃえよ!”と野次を飛ばしてきても全然
    おかしくないこの状況。



    サシャ、ミーナの時と違い、見つめ会う二人。
    このまま私と同じ作戦でくるのか・・?と
    固唾を飲んで見守っていたときだった・・・



    「・・・クリスタ・・・、」


    「ぅあっ?!な、なに、ミカサ!!?」



    まだどちらとも攻め始める前に、
    不意に話しかけたのはミカサ。そしてなんと



    「・・・触ってみる?」
     ヒラッ


    「っっ!!?・・・!?;え!?」



    二つ程しかボタンを留めていないカットシャツの裾を
    捲って見せるミカサ。身に着けているものといえば
    シャツとショーツだけなのでその仕草は、
    仕草だけを見れば非常に煽情的なものだ。


    ・・しかしやはり仕草をどうこうしていようとも
    その顔自体はいつものミカサ・・・じゃ無かった。



    なんとあのミカサが



    「・・・・////するなら・・早く応えて欲しい」
     


    「ッ・・・・!」
     ゴクン・・・


    赤面して伏せた目をベッドへ落としている・・・



    元から冷静でなかったクリスタは、今まで一度も
    見た事のないミカサの恥じらいという顔色を目前に
    生唾を呑み込んで凝視するほかないといった様子。


    まるで生まれたての子猫を両手で胸元まで抱え上げた
    少女の様に、不思議な震え方をしている。
    今にも押し倒してしまいそうな雰囲気だ



    「あっ・・あんなのアリなの・・・??!」



    「・・・・・・・・・」




    これには私も思わず開いた口が塞がらない。

    私の横で見ているユミルも、黙り込んだままかなり
    渋い顔をしてる。相当旗色が悪そうな顔でも
    ありながら・・半分嫌な予感が当たった、っていう様な
    痛烈な顔をしている。


    これは・・間違いなく言えるけど、絶対に演技だ。
    ・・そうでなかったら今まで私達の見て来た
    ミカサこそが偽りだって事になる・・しかし、



    「あいつにあんな器用な真似が本当にできるの・・・?」




    とにかくそれが、今私の頭の中で考えられる
    唯一の事柄であった。


  27. 36 : : 2014/12/27(土) 05:42:58





    「・・・こりゃ駄目だ。詰みだよ。ああなったらもう
     クリスタは止まらねー。ホラ、あいつってさ、
     いつも私とだから・・ミーナとかサシャみたいに、
     受け身で居るだけじゃ“まず”イけないんだよ。

     自分も相手をよがらせて・・それからじゃないと。

     人の為に何かしてやりたいっていうあいつのクセが
     そういうトコにも現れちまってる訳だ。」


    「・・・・・・」



    「しかもあいつって本性は割と攻撃的だから…こうなりゃ
     元気がなくなるまで突っ走るぞ。・・・ホラ見ろ」




    バスンッ




    「っ・・・・!」
     ギッ・・・



    「ッ・・・!!ふっ・・・ンッ・・・」
     ギス・・・ギッ・・・




    兵団最低身長の人形の様なクリスタの身体が・・
    まるで、もう辛抱できないといった様子で



    ライナーを投げ飛ばす屈強なミカサの肢体を、
    喰らい付くような接吻を交えつつベッドに張り倒した。




    これも・・・明らかにミカサ自身、自ら身を引いて、
    後ろに倒れ込むようにしてまるでクリスタを
    床の間に引きずり込むように“押し倒され”ている。



    それからクリスタの猛攻が続けられる事3分近く。
    これだけ3分が長く感じたのは久しぶりだ・・・


    それほどまでに・・・クリスタの攻めは、普段の
    彼女からは全く想像できない程に・・・激しかった。

    これだけ激しい攻めだったら・・ユミルの言葉は
    冗談でも誇張でも何でもなかったのかもしれない。


    その顔に纏った凛とした気品はそのままに、
    それでも大きな透き通る瞳を熱気に曇らせて
    ミカサに小さな体をぶつけていくクリスタ。


    自身のスタミナの消耗などお構いなしで繰り出される、
    膝を股間に割り込ませての局部への刺激。並行して絶え間なく
    行われる・・接吻の応酬。その攻めの全てに
    一切の手加減が感じられない、そういう意味では
    非常にクリスタらしい、まっすぐなアプローチだ。





    しかし目前の、クリスタの情欲が見ているだけで
    伝わってくる激しい組合いの様相とは裏腹に・・・


    それに組み伏せられているミカサの顔を見た私の心に、
    その光景とは全く真逆の冷たい“何か”が這い寄り、



    そして去っていくのを感じる・・・




    ・・・・感じてしまう。





    上からベッドに抑え付けられ、クリスタの必死の
    接吻に貪られているミカサの顔が・・・
    一瞬しっかり見えてしまったからだ。





    (さっきまでの恥じらいの欠片も無い・・
     私の相手をしている時と全く同じ・・・!
     “あの”目・・・・・!)



  28. 37 : : 2014/12/27(土) 05:46:13






    想像以上だった・・・・・






    想像以上にミカサは・・・・





    ・・ダメだ、怖くて言葉にできない。





    今自分で見たものを信じたいとも思えない。





    まるで家畜の交配がスムーズに終わる様に
    絶頂を促すかのような・・その、手つき。



    サシャの時とは違い、全く激しさこそないものの
    クリスタの苛烈な口付けの合間、息継ぎの為に
    顔を離すその瞬間の僅かな間・・。


    息が乱れて肩が踊っているその隙にあっという間に
    攻守を逆転し、押し倒されながらも自らに
    馬乗りになっているクリスタの秘所に指を潜りこませ、

    ほんの僅かな刺激でもって…本能に暴走した
    クリスタを行動不能にさせてしまうミカサ。


    マウントをとっている筈のその小さく細い背が・・
    見えない何かによって肩から真上に吊られる
    ように小刻みに跳ね、次第に猫背になっていき・・・



    「っぁっ・・・・クヒッッ!!!!!」




    そのまま歯軋りまじりに大きく上体を丸め、絶頂に伴い
    苦悶の表情に顔を引き絞るクリスタ。


    絶頂を迎えてもまだ刺激を与える手を止めない
    ミカサの指の動きに呼応して・・まるで局部に
    向かって引っ張られている様に背を丸め、
    繰り返し、ビクン、ビクン、と痙攣を続けている。


    見様によっては腹部に立て続けにボディブローを
    受けている様にも見えるその光景。しかし
    クリスタの下腹部から全身の筋繊維に走っている
    電気信号は・・痛みによるものでは無く、
    むしろその真逆の性質を持っているものだ。



    苦しそうにしか見えないその顔ですらも、やっぱり綺麗だ




    「・・・・・っふっ・・」




    「ハッ・・・・・あっ;・・・・・」

     ドスン・・・・・


    一度その身が達してしまえばもう下になっている
    必要は無いとばかりに、腕も使わず軽々と腹筋の
    力だけで起き上がったミカサがクリスタに
    行った追撃は・・・ある意味サシャに
    加えた追加攻撃よりも熾烈な物だった。


    ・・もしくは、サシャの様な終始獣じみた受け身で
    善がり続けるのと違い、


    一度目の絶頂までに自身の性欲と体力の殆どを出し切って
    しまったが為、糸の切れた操り人形のように
    横たわって肩を上下させているクリスタの姿が・・


    ミカサの追い打ちをより無情なものとして演出している
    のかもしれない。



    まな板の上で三枚に卸される直前、
    最後の抵抗を示す川魚の様に・・力なく跳ねる
    クリスタの痩身。息も絶え絶えになりその目に宿る
    光も最早消えかけている。


    私の様にそのまま気絶してしまう状況を憂慮してか、
    この時点で遂に追撃の手を止めるミカサ。

    それまで目の前のクリスタにのみ向けていた意識を
    此方に向けて、その一部始終を眺めていたユミルに
    言い放った。



    「終わった・・・。少し夕食まで時間はあるが・・
     どうするの?次は・・あなたが“する”の?ユミル?」




    「あ~・・いや・・・それにしちゃ、ちょい
     時間が逼迫してるだろ。私は飯の後にしとくかな」




    辛うじて軽口で応対してるユミルだけど・・・
    それなりに自分との豊富な経験があるだけに


    ここまでストレートかつ短時間のうちに
    クリスタが続行不能に陥るのは予想外だったらしく、
    その物腰にはやっぱり若干の焦りが見える。




    ミカサはミカサで夕飯までのわずかな時間でもと
    何事も無かったかのようにその服装のまま腹筋を
    始めている。
  29. 38 : : 2014/12/27(土) 05:52:06



    「完膚なきまでの・・・やられっぷりじゃないか」


    「ああ・・・まあどの道ミカサ(ヤツ)相手に押し切れるとまでは
     思っちゃいなかったけど・・ここまで的確にこいつの
     弱い所を突いてくるなんてな・・ちょい甘く見過ぎた。

     お~い・・大丈夫かクリスタ・・ありゃ・・
     だめだなこりゃ・・」



    そう声を掛けてクリスタの頬をペチペチと叩いているユミル



    「・・・・・・・・」



    私は私で色々な意味でショックが大きかったというのも
    あるけど、相手は“あの”ミカサだ。ぶっちゃけ
    これくらいの事で一々全ての希望を失っていたら
    キリがない。確かに途中まであいつが見せていた、

    第三者から見ればどう考えても演技だと分かる
    あの表情の急変と、その変り身には度肝を抜かれたが・・・・

    底知れない技術の幅を持って此方の意識を刈り取りに来る
    ミカサを目前にして…その身を賭してまで(もっともアレ
    だと本能的に襲い掛かってしまっただけの様にも見えるが)
    攻勢に移ってくれたクリスタのお蔭で。

    たった一つだけ。一つだけ、私は今回の観戦結果から
    有益な情報を得られた。今も何事も無く腹筋をしている
    ミカサだが・・その下着には若干のシミができていた。
    ・・つまり、


    (あのクリスタをその気にさせるまでに見せていたのは
     確かに演技だったかもしれないけど・・ミカサ自身が
     完全なマグロだとか不感症ってわけじゃなさそうだね。
     せめて、“感じられる”だけの感覚があるなら・・!
     何とかなるかもしれない・・)


  30. 43 : : 2014/12/27(土) 20:42:57







    きっと、恐らく先程組み合いになった際、馬乗りになった
    クリスタが、勢いに任せてミカサの局部に与えた愛撫が
    まったくのノーダメージではなかったという。
    希望的観測。その証拠となる痕跡をやっとつかめた。


    しかしミカサの感性ではキスだけでああなるとは
    考えづらい。どっちにしてもミカサの攻めの手が此方に
    迫る前にどれだけ迅速に攻勢に移れるかそれがカギだ。



    ――ミカサにも、一応、“そういう”感覚は
    ・・ある・・・・!それが分かっただけでも今日は
    良しとしよう・・そう自分に言い聞かせ・・・
    とりあえずは夕飯を挟んでからの消灯までの時間を
    心待ちに・・色々考えてみることにした。



    「ね、ねえミカサ、寝る前の時間だけど、私も
     後でお願いしてもいい・・かな?」
     ドキドキ


    「別に構わない。ミーナのベッドなら。」
     ギッシギッシ


    「やった!!!じゃあとでお願いね!」



    ユミルの見立てでは・・・ミカサは・・普段の訓練の様子、
    そして日常生活の間なども含めて・・かなり細かく私達の
    クセや性格を見ているらしいという見解に辿り着いた。

    その理由については、今まで一度も性的な接触を
    したこともなければ、その相手がそういった
    事に及んでいる場に居合わせていた経緯がある訳で
    ないのにも関わらず・・ぶっつけ本番で、あまりにも
    的確に各々の弱点を効果的に突いてきたからだ。


    まずサシャは・・・あまり難しい相手では無いし、
    正直、食欲と性欲が高すぎるだけで、特筆して
    上げる性癖があるとすれば軽度の被虐趣味・・・つまり

    マゾ(そっち)の気がある位なので、少々乱暴に相手をすればそれだけで
    簡単にイかせることができるのを見抜いていた。


    ミーナは、性交的な(そういう)欲求自体はサシャ程強く持ってないけど
    強めの羞恥心と若干内向きな性格、それから豊富な
    妄想力があるから、直接刺激するまでも無く
    その気を引きだすような隠語の羅列と言葉攻めで充分攻略
    可能であると理解して、実際その通りになった。


    説明の順序を入れ替えてクリスタの場合も同様。

    ユミルとクリスタの情事をミカサに見られていた
    経緯はなかったみたいだけど、そこは普段の生活の中で
    見続けたクリスタの人間性からあの結果に辿り着いた・・
    そんな所なんだと思う。


    ・・・そして私。私の場合は・・・何だろうね。
    焦らし・・なのかな。待たされるのも嫌いだし、
    緩急をつけてくる搦め手みたいなやり方が苦手だって
    言うのもある。けど・・やっぱりミカサ自身がどうして
    あのやり方で私を問題なくおとせると直感的に
    理解できたのか・・・それだけはかなり気になる。


    まあ何だかんだ言っても、結局私はまだあいつとは
    一度しかそういった事をしていないんだし、
    折角そのきっかけを今こうして掴む事ができて、
    おまけに同じ部屋の仲間同士という恵まれた
    環境に置かれている訳だから・・・焦る事もないか。



    これからその辺はゆっくり時間をかけて探っていけばいい
    ・・そう考えている内に・・・夕飯の時間がやってきた。
  31. 44 : : 2014/12/28(日) 02:12:19





    ―訓練兵宿舎・食堂―




    「ミカサの野菜が食べたいです~・・・」
     グゥゥウウ....(パクパク)



    「食べながらお腹鳴らす程待ち遠しいのね、サシャ;」



    「クリスタ、大丈夫か?まだ意識回復してから時間経って
     ないけど・・・お前、呼びかけても全然
     返事無かったんだぞ・・」


    「う、うん。大丈夫だよ。ちょっとミカサとのアレで
     必死になり過ぎちゃって・・ちょっと軽い貧血
     みたいになっちゃってただけだから。」


    「ふ~ん・・。まあ、しっかり食って栄養摂れよな。
     ・・・しかし・・失神する程良かったなんてな・・
     普段の私とやってんのとは雲泥の差だったみたいだな」
     ニヤニヤ



    「うっ・・・・・!///」



    「あんなに必死になって覆いかぶさっていくクリスタは
     確かにユミルとの情事の最中にはお目にかかれません
     よね・・・ッアイタタタタ!!!
     ヒョッ・・(ちょっと・・) ユフィル、いふぁいでひゅ!!(ユミル、痛いです!!)
     ギリギリギリ・・・・




    「あん時のクリスタが未だかつて無い程に激しかったのは
     認めてやるが、お前に言われるとなんか腹立つんだよ」
     ギュゥウウウ




    「・・・・・・・・・」
     モグ...モグ...





    「しかしミカサがあんな頭脳的な手段で逆に
     クリスタを誘惑するなんてね。私もてっきり
     サシャや私にしたみたいに普通に攻め切られて
     終わりかと思ってたのに・・・」



    「いや・・クリスタ(コイツ)は受けよりどっちかってと
     攻めだから。普段はカマトトぶってそんなそぶり
     見せやしねーけどな。あと相手が私だからってのも
     あるし。」



    「ま・・間違った事言ってないけどもう止めてユミル//
     顔から火が出そうだから・・・いくら距離が開いてる
     からって一応同じ場所で男子がご飯食べてるんだよ」



    「良いじゃねえか。女神様の意外な一面を皆に知って
     貰えば。・・まあ、つまりそういう事だ、
     
     普段私とやってばかりいるから・・完全に自分上位で
     攻めにきてくれないかっていうミカサ(あいつ)
     ハニートラップにまんまと飛び込んじまった訳だな。」


    「飛び込んだは良かったけどそのまま逆にやられちゃった
     けどね・・・。私も全然あの最中の事は記憶に
     残ってないんだけど・・始める前のあのミカサの顔は
     ・・・やっぱり反則だよ・・・・・」チラッ・・



    「・・・・・・・・・なに」
     モグモグ。




    「あの・・もう一回あの顔やって見せてくれない?
     ミカサ・・??」




    「・・何故?・・必要ないはず。」
    (ムグ・・)



    「そんなこと言わずに!ねえ~!良いじゃないのよ↑!!」
     ウワァアン!!!


    ガタッ



    「だめよ・・・だめだめ。」
     ボソリ・・・(モグ)




    「うわっ・・クリスタが遂に壊れてしまいました」
    (さっきも壊れてましたが)
  32. 45 : : 2014/12/28(日) 02:14:26


    「さっきは出来たのに今やらないって事はミカサお前・・
     ひょっとして恥ずかしいのか?」
     ニヤニヤ



    「・・・・・・・」





    「ひょっとしてお前、それはあそこにエレンが
     居るからとかそういう・・・・」





    「言いがかりは良くない。この場でやって見せる
     理由が無いから却下しただけ。」(余所見)
    (エレンが今どの位置に居るのかさり気なく目で追う)



    「めちゃめちゃ気にしてるじゃねえか」



    成程・・・エレン・・・エレンね。


    まあ、そんな事は最初から分りきってた事だけど・・
    ミカサの平常心を容易く切り崩せる刃があるとすれば
    それは正しく・・・・


    エレン(あいつ)しかいないだろうね・・・



    そう思いつつ、離れたテーブルでぶっきらぼうに
    パンを貪っているその一人の男子を頬杖で
    傾げた視界の先に見やる私。



    エレン・・・・。エレン・イエーガー



    ミカサが唯一心を開く存在であり、その身を捧げる
    全てでもある。ただそれだけの熱意を向けられているにも
    関わらず当の本人は、全くあいつに何か好意を向けて
    やったりする訳でも無く、どちらかというと突き放して
    いる・・・どうやら嫌ってる訳じゃ無いみたいだけど・・


    そう言えばだけど先程ミカサが見せたあの表情・・・
    確かにアレは、女子の仲間内でのみに限った場合は・・
    滅多に見られる顔ではないが、恋バナをエレンの話に
    持って行きさえすれば、実は割と容易に見る事が出来る
    表情でもある。同様に、エレンとの接触が長引く
    環境では、割とミカサの表情が崩れる事は多い。


    ・・・まあ、恋バナでエレンの話なんかをミカサにふれば、
    それは良かったとしても、今度はミカサが普段の調子を
    完全に失って、別の意味で面倒な事になってしまうので


    みんなあえてその話題に触れようとはしないんだけど・・



    そしてそれとは関係の無い事だけど
    どういう訳かエレンは対人格闘訓練においては
    ミカサより私と当たる事が多い。せっかく幼馴染で
    格闘もお手の物なんだから、私なんかじゃなくて
    ミカサに頼みに行けばいいのに。


    多分、過度なお節介焼きを嫌がっているような面も
    あるんだろうとおもう。


    境遇を同じくする幼馴染としてもう一人アルミンが
    いるけど・・別にアルミンに対してはそういう目を
    向けたりはしてないみたいだ。
  33. 46 : : 2014/12/28(日) 02:16:13

    しかしエレンか・・・こういった情事にエレンを
    連れ込む事さえできてしまえばそれでほぼミカサの
    平常心と鉄面皮は簡単に崩せてしまうっていうのは
    簡単に想像できるけど・・・


    そんなのは本末転倒だ・・・。
    何よりそれをした時点でそこはミカサとエレンの
    独壇場になるんだろうし、エレンが大人しくミカサと
    そういった事に没頭するかどうかもわかりはしない。


    おまけに教官に見つかれば厳罰どころの話じゃない。


    折角わかっているミカサの弱点としては見過ごせない
    ものだけど・・・これは没案だな・・・・




    「ミカサの野菜・・・・」
    (ムシャムシャ・・・)



    「そんなに食べたいの・・・;あ、でもなんだっけ、
     あの・・蒸かした芋を潰して、酸っぱいしょっぱい
     味付けして緑の野菜あえるやつ・・あれは
     私も大好きだなぁ・・・」



    「ポテトサラダ・・・。しかしアレをつくるには
     他に酢と卵と油が必要になる・・提供できる
     機会が限定される・・・」



    「や、やめてください!何かの嫌がらせですか?!
     只でさえ食べたくて食べたくてお腹が黙って
     くれないこの状況で・・・!鬼の所業ですよ!!」
     グゥゥ....;




    「・・・そんなに食べたいのならサシャにだけ特別に
     後で先に食べさせよう。だから今は辛抱して」





    「え”!???!?いいんですか?!??!」
     ガバッ!!! ガタン!






    突然飛び上がるサシャに何事かと
    目を丸くする食堂の全訓練兵達。


    ざわ・・ざわ・・・・



    「・・いいけどあまり騒ぐのは良くない。」



    「い、いや、ミカサ、まずいでしょ・・・?
     いくら当番を任されてるからって栽培してる
     野菜をちょろまかしちゃうなんて、バレたら大変だよ?!」


    小声で諭しにかかるミーナだったが・・




    「・・・いい。別に・・・減る物でもない」




    「・・・え?いや・・サシャがどれだけ
     大喰らいかミカサだって知ってるでしょ・・?
     減るものじゃ無いって・・・・;」



    キィ・・・・




    「おい・・貴様ら、今しがた大きな物音がした
     気がするのだが・・・食事は静かに取れと・・・」



    「サシャが噯気した音です」
    (挙手)




    「っな!??」ビクッ・・



    「(プルプル・・)」



    「・・・・・っまた貴様か・・・・!!
     少しは女としての恥じらいを憶えられんのか・・!!!」

    ギィィ・・・パタン・・・



    「毎度毎度私に変な誤解を招く誤情報を追加していくの
     やめてくださいよミカサぁ~~~!!!!」



    「・・安全に野菜が欲しいのではないの?」



    「ありがとうございます」キリッ



    そうして残る夕飯時間を教官の警戒心を刺激しない様
    静かに過ごしきって各々の部屋に戻ったその後だった・・



    この時のミカサの言葉の真意をミーナ含め、
    その場の全員が理解したのは。
  34. 47 : : 2014/12/28(日) 02:21:39

    ―女子宿舎・ミカサ部屋―




    ガチャ・・・




    「・・・・・・・・・・」



    「お、やっと戻ってきた・・・って、おお、
     本当に持ってきやがったぞ。大丈夫なのかよ」



    皆とは遅れる形で部屋に帰ってきたのは・・・
    片手で抱える籠の中に、二種の野菜を幾つか
    詰め込んで持ってきたミカサだった。

    壁の中では一般的に出回っていない珍しい
    品種らしいけど、緑のがキュウリ、そして黒っぽいのが
    ナスというらしい。


    「やったーーーーー!!!本当に持ってきて
     くれるなんて!!!ミカサ、もう大好きです!!!」
     ガバッ・・・



    「いや・・でもこれさ・・・、緑の方は確か生でも
     齧ってそれなりに食べられてたけど・・・
     サシャが涎垂らしてまで食べたいって言ってたのは
     こっちの黒い奴の油炒めだろ・・?

     この姿のまま持ってきてどうするんだい?一体」




    「・・・・・・・・・・」

    「・・・・・・・・・・」

    「・・・・・・・・・・」



    「ミカサ!!!コレは何の嫌がらせ・・・!!!!!」
     ワナワナ・・・・




    「・・落ち着いてサシャ。食べさせてあげるとは
     確かに言ったが。コレを調理して食べるのは
     あくまで明日の夕食」



    「やっぱり嫌がらせではないですかぁぁああ!!!
     もういいです!どっちも生で齧りつきますから
     私にそれを・・・・!」カカッ



    「っ!」ヒュバッ



    「ふぁっ!!?」



    もう暴れる自身の食欲の悪魔を抑えきることなど
    出来ないといった様子でミカサの抱える籠から
    収穫物を強奪しようと両手を伸ばして飛びかかった
    サシャだったが・・

    瞬時に籠を小脇に抱え直し、半歩身を躱しつつ、
    片手で飛びかかって来たサシャの首根っこを掴むと、

    常識外れな腕力で首元を支点にしてぐるりと
    振り回し、自らのベッドに投げ伏せるミカサ。


    「ぐへっ・・・」
     ドスン!



    「落ち着いてと言った・・・ヤケを起こさずとも
     ちゃんとサシャには食べさせてあげる」スッ



    そして籠からおもむろに取り出したその一本で、
    ピタピタとズボン越しにサシャの秘所を打ち付けつつ、
    今にも密着しそうな程近付けた口からこう言い放つ





    「上では無く・・(こちら)の口で」




    「はっ!!?・・はひ!???////」




    「なっ・・ちょっと!!!!////」



    (やっぱりそういう事か・・・変だと思ったんだ。
     一応規則や決め事には真面目に従うアイツが
     サシャを嗜めるためとは言えフライングゲットを
     許すなんてね。)

  35. 48 : : 2014/12/28(日) 02:27:54




    「・・・わかったら選んでくれればそれを使って
     あげる。先程約束しているユミルとやった後になるが」
     チラッ



    「いや・・、別に芋がそっちで楽しみたいってんなら
     先にそれで遊んでても良いけどな、別に私は」



    まだミカサ対策に有効な手段が思いつかないのか
    直接的な対局を避けようとするユミル。


    ....“別に”って二回言ってる。



    「・・・そう。ではサシャから・・?それとも
     ミーナにする・・・?」



    籠から数本取り出した二種+αを並べながら
    問いかけるミカサ




    「はっ・・・!ハイハイ!!私先で!!!」


    「あっ・・!ずるい!!」



    「・・・では。この4つの中から選んで。」



    そう言って右から二番目の緑色を持ち上げ、自身の顔の
    直前に持って来ながらこう言い放つ。



    「因みに私のおすすめはこの、2番目の“エレン”」




    「っ・・・・・・?!」


    瞬時、表情と素振りを固まらせるサシャ&ミーナ。


    「お薦め以外ではこの場にある中では一番大きい
     “ジャン”」(一番右のナスを取り上げ)


    「“エレン”より小さいこの“アルミン”」
     (左から2番目のキュウリを握り)



    「・・!!?!?」


    4つある内の三つを淡々と説明していくミカサだが・・・
    余りの突拍子もない発言に全員閉口しながらも
    口を全開にして固まっている・・・・

    と、数秒してから耐え切れずにミーナが
    突っ込みを入れた。



    「ちょッ・・・!!チョットマッテ!!!ミカサ・・??;
     あの・・ひょれってひょっとして・・//」




    ミカサの爆弾発言にまだ滑舌が安定していないミーナ



    「・・・寝ている間に採寸した“エレン”は別として
     他の三種は目測なのであまりその縮尺は正確では
     ないが・・名称元に準拠したサイズを選んで
     もぎ取ってきた。安心して選んでほしい」



    「目測ってあんた・・・・;」



    「見た事があるのかよオイ・・・;」



    「“ベルトルト”と“ライナー”もあったのだが・・・
     こうなるとは知らずに、今朝、浅漬けにするべく
     バラバラにしてしまった。済まない・・・アニ」
     シュン・・・・



    「どうしてそこで私にあやまるのかな!?:」
  36. 49 : : 2014/12/28(日) 02:30:03



    「ぇえええ・・・!!それってひょっとしてまさか、
     この“ジャン”より長大な二振りだったのでは
     ないでしょうねミカサ・・・・!!?」



    「その比ではない・・。大きすぎると炒め物としても
     油を吸い過ぎてしまうため漬物にしてしまった。」
    (合掌)


     
    「そうですかぁ・・・↓“ジャン”では少し物足りなさそう
     なのですが・・この際突起物を重視してこっちの
     “エレン”でガマンするべきなのでしょうか・・・」




    本気で手に取って悩んでいるサシャ。



    「いや・・ジャンで不満ってお前・・・これでも十分
     軽く馬並じゃねえかよ・・・これで満足できないって
     お前・・・;」(ナスをしげしげと眺め)



    「あの~・・それはそうとその、一番左の
     アスパラは・・・・?まだ説明してないよね・・
     まさか・・・・」



    「これは・・・“コニー”。枠外品」




    「ブはっ・・・!!!!!」




    クリスタの問いかけに、忘れていた、とばかりに
    取り付けた様に解説するミカサ。どうやらサイズ的に
    白羽の矢が立つとは思わなかったようだが
    取り敢えず比較用に持ってきた、という感じだ


    このある意味残酷な仕打ちに本気で噴き出すユミル。


    「コニーっておまっ・・・・!!(ごほ)
     コレ、芋女じゃ入ってる事にすら気付かねえだろ!!」
     Σ ポキ


    「あ」



    爆笑しつつ持ち上げたアスパラが真っ二つに。




    「ぁああああ、コニーが!!!!
     コニーのジョニーが真っ二つに!!!!」


    「・・・廃棄処分は勿体ない・・ユミル、
     責任をもってこれは今ここで食べてしまって」


    「やだよこんなお粗末なサイズ。しかも生で
     食うもんじゃないだろアスパラって」



    「あ、はいはい!!それなら私が食べます!!
     生でもいいので私に!!」



    (まったく・・このテンションには流石に
     ついて行けないよ・・・流石の男子連中も
     この有様を見たらゲンメツするだろうね・・)
  37. 50 : : 2014/12/28(日) 08:24:16



    そうしてごたつく事数分。



    結局先発はサシャという事になって、ぶー垂れながらも
    その後に控えるミーナ含め、皆の視線が
    ミカサのベッド上のサシャへと集中していた。

    因みに先の大洪水をうけ、ミカサの意向によって
    今ミカサのベッドにはサシャの尻下に敷く形で
    サシャのコートがセッティングされている。


    恥じらいも何もないサシャは既に上は肌着、
    下は何も履いてない。といった格好。



    「うう~~~ん・・・・悩みます・・
     いっそこれ全部試すのは駄目なんですか?」



    「どうせ一種類あればサシャが数回気をやるには
     十分なのでこの際一つにしてもらいたい」
    (訳: 贅沢言うな )



    「むっ・・、ムム・・言いますねミカサ・・・!」
     ウ~ン・・




    それでも尚目前の3本と睨めっこするサシャに、
    流石に面倒くさくなったのかその中の一本を
    やおらつかみにかかり、手早くサシャを
    組み伏せにかかるミカサ。


    グッ・・・・ドサッ


    「っ!!?み、ミカサ、ちょっとまだ私
     どれがいいか決めてなっ・・・・!!」



    「消灯までの時間もそんなに長くは無い。
     決まらないのなら私があなたにとっての
     最適解を与えてあげよう」


    「・・最適って・・!あなたそれは“アルミン”
     じゃないですか!!?でこぼこをとって大きい方の
     “エレン”で来るなら分りますけど何故アル・・」
     ピタッ・・・

    心の準備も何も出来ていないサシャは咄嗟の不意打ちと
    ミカサの掴みあげたモノを見て抗議の声を上げるが・・

    その次の瞬間、ミカサがその手にしたモノをサシャの
    挿入口に狙いを定めて静止した瞬間・・・・




    「ヒィッ!!・・・・あ、あのぅ、ミカサ・・・・
     まさかとは思うのですがあなた・・・・!!!」



    「まさか?いや。間違いなく今あてがっている
     場所がこの“アルミン”の目的地。」


    そっち(▪▪▪)は違いますよ・・・!?そっち(▪▪▪)は・・!モノを入れる場所じゃァ・・?!?」
     ガクガクガクガク・・・・!


    「前の初めてを“とっくに無くしている”サシャでは例え
     この中のどれを用いても、本当に満足はできないでしょ…?
     しかし後ろ(こっち)なら初めての筈。」
     グッ・・・


    「っ・・?!?な、何故それを・・・っ
     ヒィ!!?じょ、冗談ですよね!!やめて、ヤメてミカッ・・




    ずぶっ


     


    「アッ―――――――――!!!!・・・・・





    絶叫。



    サシャの絶叫と、その後に続く、ミカサの情け無用な
    往復挿入運動に触発された嬌声が・・・
    女子宿舎一帯に割れんばかりに響き渡った。
  38. 51 : : 2014/12/28(日) 08:27:22





    「マジでイっちゃってんな。クリスタの激しさとは
     まるで真逆だ。盛りのついた獣じゃねえか・・・

     リアルで“ンホォ”って言う奴初めて見たわ・・」
     (どん引き)



    「“んぎもぢぃぃ”・・もね。よく人前であの声が
     あげられるモンだと思うよ。どん引きっていうか・・

     イヤ・・・もう、むしろ好きだね。あそこまで
     潔く獣みたいな声を上げられるのは清々しいよ」
     (でもやっぱりどん引き)




    「お”っ・・・・・!!!アグッ・・!!!」
     ビグッ・・・



    「っていうかさ・・さり気なくミカサがまた
     爆弾発言投下したけど・・サシャが、
    “初めてをとっくになくしてる”って言ってたの、
     あれってその・・・・」



    相変わらずモジモジと身を捩らせながら
    聞いて良い事なのかどうか恐る恐る伺いをたてるミーナ。



    「・・どうでもいいけどお前・・モジモジし過ぎだろ。
     まさかとは思うが毛虱持ちか・・・?それとも
     南京虫・・・・・」



    「大丈夫だよ!!?つるつるだから大丈夫だよ!!!」




    「そうか・・ならいいんだけどよ(汗)」
     スザッ・・





    「そう言いながらも距離を取るのが何か心に突き刺さる!」






    「サシャは・・・既に入団から一月としない内に
     初めてを失っている・・・というか、」


    此方の話が耳に入っていたのか、サシャの面倒を見る
    その片手間に、こちらの話にも参じてくるミカサ。

    相変わらずその下ではミカサに抑えつけられ、
    四つん這いにされたサシャが喘ぎ狂っている。



    初めて(ソレ)はあくまで私が確認した“中では”初めてである
     というだけで・・・あの手馴れた感じでは恐らく。


     ・・・ここに来るまでに既に初めてを喪失している。
     ・・・それも多分、今現在度々行っているのと
     同じ方法で。」



    「・・・・?」



    ミカサの言い方に何か回りくどい感じがしてならない私は
    ミーナ同様に首を傾げる。しかし視界に入っていないので
    今この場では気づいていなかったが、ユミル、そして
    クリスタは、若干引きつった笑顔を浮かべつつ、
    私とミーナの後方で我関せずの表情を作っていた。



    この二人は既に・・“ソレ”について正しく把握
    出来ていたんだと思う。同室の仲でもある事だし、
    別にそれは不自然な事じゃない。

  39. 52 : : 2014/12/28(日) 08:29:50




    「え・・ちょっとまって、その・・サシャが経験済みって
     だけでも十分驚きの事実なんだけど・・そんな頻繁に
     やってたら・・・・!その・・マズいんじゃ・・??」
     ダラダラ・・・


    ミーナの頭に過ったのは、この時点に至るまで、
    訓練兵団にて思春期に騒ぎ出す情欲に負けた結果、
    退団を余儀なくされていった仲の良かった
    女子訓練兵の面々・・・・




    「い~や・・・別に“マズくはない”。いっくらやっても
     お前が気にしている様な“意味では”
     全然マズいことはねー・・。・・ただ・・・
     人としてはどうかと思うけど・・な;」



    珍しくユミルの声にいつもの様なはきはきとした
    感じが無い。そこで振り返って初めて気が付いたけど、
    クリスタの顔はもっと気分が優れない感じに見えた。


    「いやぁ・・クリスタから初めて聞いた時は我が耳を
     疑ったもんだ。今までもせめて武士の情けだと思って
     黙っててやったけど・・ミカサがここでカミングアウト
     しちまうってんじゃこりゃあもう・・言っちゃっても
     仕方ないよな・・?なあクリスタ・・・?!?」
     ゾクゾクゾク

    そして何故か今度は徐々に語気が強まっていくユミル。
    取り上げられたおもちゃの使用許可が再び下りる
    その瞬間を、目前に控えた子供の様な無邪気な光が・・
    その目に宿り始める。


    「ぅ・・・ううん・・ひ、人にはそれぞれ
     誰にも知られたくない事ってあるんだし・・
     やめてあげよう・・?ね?ミカサ・・;」



    「あ”っぐぁっ・・・・・!!!ヒギ*」



    ・・しかしまだ頑なにミカサに事実の隠ぺいを
    呼びかけるクリスタ。相当サシャにとって
    他人に知らせないであげた方が良い“何か”を
    この三人は知っているらしい。


    というか皆普通に話をしているけど今この瞬間も、
    部屋の中にはサシャの喘ぎ声が跳ねまわっている
    真っ最中だ。・・・何この状況。




    「私はそれでも別に構わないが・・・・
     ミーナはそういう訳にもいかなそうな顔をしている」
     チラッ・・



    「そ・・・、そりゃあもう・・あの・・///
     そこまで聞いてしまったら聞かずには
     寝付けないかもっていうか・・・!」モジモジ//


    「だからモジモジすんな。見ているこっちまで
     なんかムズムズしてくんだろうが・・・(怒)」

  40. 53 : : 2014/12/28(日) 08:39:40




    「アニは・・・気にならないの?知らないんだよね?
     ミカサたちが言ってる事については」



    「・・・ああ。知らないよ。でも別に・・・
     私はどうでもいいかな。サシャが他言しづらい様な
     楽しみを持ってるなら別に言わないであげても
     いいんじゃないかなと・・・思ってるんだけど」



    「(言いたい。思い切り曝露してやりたい)」
    ムズムズムズ

    「(知りたい。聞きたい。理解したい)」
    モジモジモジ


    「・・・・・・・・」


    このミーナとユミルの雰囲気からしてもう
    この話題はここでおしまい。って訳にはいかない
    風にしか見えないので・・・諦めることにした。


    「ミカサが言ってしまうつもりなら別にそれで
     いいんじゃないか・・・。クリスタが必死に
     庇ってあげてるところ悪いけど、多分ここで
     切り上げてもどうせユミルが後々こっそりミーナに
     教えるんだろうし・・。そうなるなら私も
     一応は頭に入れておいた方がいい情報かもしれないし」


    「ゴメン、サシャ・・・別に約束してた訳じゃ無いけど
     ・・・あなたの秘密・・私もう守り切れそうにないや
     ・・・;」ガクッ・・・


    その場に膝を突いて涙するクリスタ。

    何だろう。俄然気になってきてしまった。
    クリスタがここまでのリアクションをとらざるを得ない
    サシャの性癖・・・?



    「・・・別に私も一々説明しなくて良いとは
     思っていたが」チラッ


    ミカサも私とおおよそ同意見の様子だが、
    しかしその視線の先に居たユミルがそれを
    聞き入れようとはまるでしていなかった。




    「さて・・じゃあミカサとクリスタのお許しも
     出ちゃった事だし、一丁曝露タイムといきますか」


    すっくとその場で立ち上がると、現在待機中である
    ベッド上の“ジャン”(ナス)を握り上げると、それを私達二人に向けて
    こう語り出すユミル。


    「さっき、私が言ったけど・・・あいつは
     どうしようもない“ヤリマン”ではあるものの・・

     相手が相手だったから今まで何事も無く無事で済んで
     いたってだけの話だ。いや・・普通の人間だったら
     むしろ無事で済むほうが俄然おかしな話なんだが」


    何だろう・・・?私の感じ方が間違ってないなら・・
    ユミルの言葉はなんか矛盾している様な気が・・



    「サシャは・・その持前の野性動物に近い生活環境で
     得た動物的直観と・・優れた身体能力を持っているが
     ・・・それらを得る代償としてそこについてくる
     原初的欲求まで人並み以上に増してしまった。つまり

     “たべたい”“生き延びたい”“子を残したい”

     この三つの強さが既に人間のそれでは無い」




    「そこで芋女は考えた。“ヤル事はヤリたい”・・けど
     バカみたいにやってれば今迄兵団を追い出された
     奴等と同じ末路を当然自分も辿る事になる。

     そうなりゃまともな人間になるまで帰ってくんな
     とまで言われた故郷の親父さんに顔向けできない
     ばかりか・・・それよりも深刻な問題として
     兵団の飯にありつけなくなる事実が待ってる」


    語り部を繋げるかのようにミカサに続いてそう述べるユミル。
    その目はじつにイキイキとしている。他人にとっての
    よからぬ事を精一杯楽しんでいる、いつものユミルだ。
    その風格、正に外道。



    「サシャってそんな事言われて入団させられてたんだ・・」
  41. 54 : : 2014/12/28(日) 08:43:37



    「中々私達にも言おうとしなかったけどな。最近聞いた。

     んで続きだが・・・しかしそれでも芋女の性欲は
     黙っちゃいられなかった。盗めば何とかなるとはいえ
     それでも兵団で供給される飯じゃ到底満足できない
     異常な食欲。抑えきれない食欲は別の欲求となって
     暴れまわる事になる。私も随分コイツの面倒は
     見てやったが・・・ダメなんだよ。コイツの性癖じゃ」



    「え・・?ダメって?」


    「こいつの身体が欲してるのはあくまで“本番”であって、
     私等が楽しんでるような性感帯の刺激のみでは、
     イけはしてもまたすぐヤリたくなっちまうんだ。
     倍々ゲームというか・・相手にしてもキリがねえ。」


    「・・じゃあどうしたんだい・・・?まさか・・
     それでもう耐え切れずに誰か男子を相手にして・・」



    「いや、だから言ったろ。いくらやっても
     問題の無い相手だって。普通の男子相手にしたら
     それで孕んで終いだろ・・?」



    ぞっ・・・・・・



    ナスの切っ先を此方に向けたユミルの眼光が・・
    私の脳内の警戒心を司る部位をなんとなく
    突っついてきたような気がした。

    その眼光が訴えかけようとしている事実を
    理解しかけた瞬間、私の背筋に走る一抹の不安。


    私が不安に思ってるのは・・今一個思いついた
    予想が・・“もし当たってたら”という思いが
    そうさせているんだろう。しかしてその不安は・・
    見事に的中する事となった。



    「馬術訓練の時よ・・・?“こいつ”がこんな
     名前を口にしているのを聞いた事無いか・・・?」


    そう言い放ちながら手にしたナスを
    ひらひらと弄ぶユミル。



    「・・・こいつ?」


    「こいつってユミル・・・えっとどういう意味・・」






    「“ブッフヴァルト”」





    「!!!!!!!!!!ハッ・・・!!!!
     ハヒッッッ・・・!!!!!//////」ガクガクガク




    「!・・・おっと。・・どうどう・・」ッパシン!

    ユミルの口にした固有名詞を耳にした途端、
    それまでとは比較にならない反応を見せ、

    一気に体力の大半を失ってしまいそうな気のやり方を
    見せるサシャ。その快楽に我が身を暴れさせるサシャを
    半ば調教師のように躾けるミカサはそれに合わせて
    攻めと拘束の手を更に強め、時折尻を叩いている。

    野菜の行き先を今度は正しい方の入り口に入れ直した
    ようだ。・・いや、どっちも決して野菜を
    いれるべき場所じゃないんだけど。



    ・・・それにしたってもう10分以上
    イき続けてるっていうのに、凄まじい体力だ。



  42. 55 : : 2014/12/28(日) 08:51:57




    そしてその名称に直ぐにではないが
    徐々に思い当たるフシを見つけ出し・・・

    それが“何の名前であったか”一生懸命に
    首を捻るミーナ。捻る方向に揺れるおさげ。


    「・・・?・・・・・???」


    私はもう思い出した。思い出してしまった。


    「う~~ん・・・・??と・・どっかで
     聞いた事あるような・・・!!お、思い出せない・・

     っていうかさっきの言葉の意味が分かんないよユミル。
     あなた何を指してこいつって言ったの・・」



    「マジで」



    「マジでだ。私も流石にビビりました」



    「えっ・・!?わかったのアニ?!」




    「寧ろあそこまで言われて分かんないのかい?
     ならいっそわかんないままの方がいいかも・・・;」
    (まじまじとサシャを見つめ)



    「き、気になるよ!!ねえ教えてお願い!!
     そんな謎かけみたいな言い方じゃ分かんないって!」


    そしていともあっさりと、それについての“答え”を
    提示するミカサ。


    「・・・ブッフヴァルトとは・・ジャンのお気に入りの
     馬の名前。ジャンが勝手に名付けているだけだが」







    「あ!そうか!!そうだった!!ジャンがたまに
     ブツブツとそんなこと言ってて!!“あれ・・・
     そんな森みたいな名前の男子いたかな?”って
     いっつも気になってたんだけど・・・・」ハッ



    「いや・・あの・・・なんでそこで馬の
     名前が出てくるの・・・・?;」タラ・・・




    「あ、理解したぞコイツ。」




    「いや、ちょっとまって!!こ、これは
     僅かな可能性に流した汗であって・・!;
     まだ私はその意味を全部理解したって訳じゃ・・!!」



    次第に汗だくになり、私同様の“推測”・・もとい、
    さっきからミカサやユミルが散々回りくどく
    チラつかせてきたその“回答”に異を唱えようとするミーナ。

  43. 56 : : 2014/12/28(日) 08:53:50



    「現実から目を背けるなよ。つまりは“そういう”事だ。

     “幾らやっても問題のない”相手。おまけに
     万が一見つかっても教官の厳罰は受けねえし、
     ある“係”を買って出ればそのチャンスは幾らでも
     あるときた・・・それじゃあ手を出さない道理はねえ、
     そう思ったサシャが選んだ夜のお相手がなんと・・
     事もあろうかそのジャンのお友達だった訳だ」



     ―――――っ!



    「さっ・・・サシャ・・・・!あなた幾ら何でも
     それは女を棄てすぎだよっ・・・!!!」
     ポロポロッ・・・



    残酷にも真っ直ぐ突きつけられた事実に
    膝を落とし、どん引きというより素直に憐みの
    涙を床に落とすミーナ。



    「そんなに辛い思いしてるならっ・・・!!どうして
     もっと早くに打ち明けてくれなかったの・・・?!
     皆で頑張れば・・そこまでしなくても何とか
     なったかもしれないじゃない・・・!」ボロボロ


    「いや・・私が散々相手してもダメだったんだし。
     お前が知っててもどうこうできたとは正直
     思わねーよ・・・しかしまあ、そう思うなら、
     あいつがミカサという捌け口に出会えたのはこの場合
     寧ろ喜んでやるべきなんじゃねーの?これだけ
     “人間”が相手でイキ狂えるなら・・もうそっちに
     頼らなくて済むかも・・・」チラッ・・







    「ンホぉッ・・・//!!!!!いっ・・///!!イイです!!!//

     堪りませんミカサッッ!!!!そのまま・・そのまま
     一番奥にィッ!!!私の一番奥に出しッ・・・」ビグッ!!!ビグン!!



    「・・・・残念だけど・・野菜の先端からは
     サシャの期待しているモノは出ない・・・」
     ズブズブ...









    「やっぱ駄目かもな・・・・」




    「サシャぁぁあ・・・!!;;;」



    「そりゃまともな人間になるまで帰ってくんなって
     言われるよ・・・・;」
  44. 57 : : 2014/12/31(水) 04:40:29



    ――ミカサによるサシャへの責苦(但し本人は至ってご満悦)は
    それから数分続き、やっと絶頂に伴う痙攣に使われる
    余力すら尽きて来たという時点で切上げられた。



    考え様によっては私の時よりも更に酷い状態
    なんじゃないかってくらいの見事な放心状態で、
    仰向けに倒れているサシャ。その傍らに、
    まるで戦死者を弔うかのように膝を付き、、
    そのサシャの片手を握って泣き崩れるミーナ。




    「・・・・・・・・・」
     フキフキ・・・



    私は別に何も悪い事してないのに・・・
    という言葉が、その光景を眺めつつ
    サシャの雫に塗れた自らの手と“アルミン”を拭く
    ミカサの表情から微かに感じ取れる。



    うん・・まあその通りだと思う。




    もしもこのままサシャの性欲を解消させずに
    放置していたなら・・・ユミルの情報が正しければ

    サシャは近々、その強すぎる自身の原初的欲求に負けて
    単身納屋に向かってしまうところだったんだろうから、

    そう言う意味ではここまで完膚なきまでに徹底した
    快楽攻めを施せばサシャの単細胞ならきっと、


    ブッフヴァルト < ミカサ  といった具合の優先順位を


    頭ん中に構築できるはずだ。

    人ならざる習慣から大事な仲間を救い出す。

    ――ちゃんと道理も通ってる。



    「ミーナ、次、どうする?」



    しかし、一片の空気も読まずに聞くミカサ。



    「うっ・・ううん、私は・・今日はいいや・・
     サシャの話し相手になってあげたいから・・」
     グスッ・・


    「ハヒッ・・フフ・・ウフフ・・・///」
     ピクピク



    「・・・・・・」



    ・・・とはいうものの、別にサシャ自身は全く思いつめてたり
    、自身の抑えきれない欲求に難儀している様子は
    無いように思える。今だって半分意識が飛びながらも、
    その顔は締りのない笑顔に歪んでるし、目なんか
    二日月みたいに細まった上に瞳が瞼の裏に潜りこんで
    しまっている。正直だらしないことこの上ない。

    この顔にはおそらく現状への満足こそあったとしても、
    自身の性や食に対する貪欲さに対して嘆いたり
    苦悩したりなんて感情は微塵もないと思える。

  45. 58 : : 2014/12/31(水) 04:43:07



    「・・・そう。・・・では・・次は・・」クルッ



    「・・・っ」ビグッ




    目が合いそうになったユミルが不意に脊髄反射でもって
    その視線を受け流す。


    「あの・・・ミーナも別に順番とかよくてユミルも
     どうでもいいなら・・私・・お願いしてもいいかな?」


    皆に進んでミカサに当たっていく動機が無いのなら私が
    相手をして貰ったって構わない筈だ。第一私がミカサを
    欲する理由はこの場にあっては・・多分他の誰ともその
    目的が全然違うから。


    「おお・・・そ、それでいいなら、
     そーすりゃいいんじゃねえかな?・・」



    冷や汗交じりに私の申し出を推進するユミル。
    そんなに警戒するくらいならそもそも部屋に
    来なきゃいいのに。




    「・・・・別に構わない。」





    ・・ただ・・相手をして貰えるのは嬉しいけど、色々と
    不安に思う事はある。まず第一に・・・先程目にして
    しまったショッキングな光景を・・果たしてこれから
    ミカサに身体を預ける上で私自身が払拭できるのかどうか


    ・・という事。私は端的に言って、気持ち良ければ
    それでいい、というようなミーナやサシャとは少し事情が
    違うし・・勿論快楽攻めであわよくばミカサに一泡
    吹かせてやろうと画策しているユミルとも違う。
    見た目の感じでは・・まあ、クリスタの感性が
    今のところこの中では最も私に近いんだろうと思う。
    ・・けど、やっぱりなにか違う。


    「じゃあ・・お願いしようかな。もしかしたら
     寝る前にもお願いするかもしれないけど・・
     いいの?」



    私がミカサにも気持ちよくなってほしいと思うのは・・
    つまるところ、ミカサにも、“私”というものを
    感じて欲しいからだ。もっと言ってしまうと・・・


    “私を見て欲しい”。私がどれだけあいつに
    抱かれて安堵に浸れているか。それを知って・・

    あいつにも少しは良い思いをして貰いたいんだ。
    所詮これだって自分よがりな自己満足だとは思うけど・・

    私だけ気持ちよくなってそれでおしまい、
    って言うのがどうにも耐えられない。
    結局初めてあいつに抱かれて惰眠を貪る事が出来た
    昨晩にしても・・・気持ちの良い思いをして
    眠っていられたのは私だけで、その私を寝床から
    追い出すわけにもいかない心境だったあいつにとって


    それは単純に、サシャの残した匂いに耐えながらも
    じっとしていなければいけない苦痛な時間だったのかも
    しれないんだ。



    「・・・いいけど、寝る前になるなら・・・」




    「私のベッドで、ね。分かってる。きっとまた昨日みたいに
     そのまま寝ちゃうと思うしそれでいいからさ」




    「・・・そう。わかった。」



  46. 59 : : 2014/12/31(水) 04:50:46



    そして更に。



    先程のサシャの面倒を見ていた時の様な・・・
    組み合っている相手の事を人として見ているのか
    もしくは見えていないのか、それすらも
    分からないような・・・


    あの“目”に見つめられて果てる事が出来た所で・・
    それが心の安らぎに直結しうるのかどうかという話でもある。




    「では・・どうする?あなたはどれを選ぶ・・?
     ・・・・アニ。」




    昨日までの私ならそこまで気にする事も無かったの
    だろうけど・・たった今終わったサシャとミカサの
    一件より寧ろクリスタとの絡みが私にとって非常に
    印象に残ってしまっていた。



    相手をして貰う本人の立場なら・・あの程度気にも
    留めない表情の起伏だったんだろうけど・・


    やっぱり素面で脇から見ていると非常に堪えるものが
    ある。そんな事はきっと微塵も考えていないのだろうけど
    ・・まるで、億劫な夜の相手を面倒な片手間ながらも
    渋々請け負っているような・・そんな錯覚すら
    覚えてしまいかねない。




    それくらいに、熱気の欠片も感じる事のできない・・




    とても澄んだ、暗い目を、していたから。





    「私は・・そういうのはいいよ。あんたがいい。
     モノとかじゃなくて・・あんたを感じさせてくれれば
     それで・・いいから」




    「・・・・かまわないの?どう考えても此方の方が
     欲求を満たすには最適な形状だと思う・・・」





    そう言いつつも、本当にいいの?という顔をして
    並べた野菜を籠にしまいつつ私に確認を取るミカサ。




    「折角持ってきてもらってサシャにしか使う機会が
     無かったのはご愁傷様だけど・・私は・・。

     あんたに男子とのアレコレを重ねてこういう事を
     頼んでるんじゃないんだよ・・・・わかるかい?」



    「・・・・・・・」



    そんな問いに暫く本気で考え込むような間が
    置かれてたけど・・結局帰ってきた答えは・・・



    「すまない・・私にはよく分からない。どの女子も
     性交したい欲求を抑える為だけに私にこういう事を
     申し出てきているのだとずっと思ってたから・・・

     当然アニもその一人だと思ってた。切っ掛けこそ
     ユミルの言いだした事が始まりであったから、
     アニが自発的に私を求めてああした結果に陥った
     のではないと・・それ位は分かっていたが。」



    「・・・・・・」




    「できるだけ私自身も・・相手が男子に抱かれている事を
     意識できるように努めてきた。そうした経緯がある
     以上は・・・少し、アニの感性を理解できるのには
     時間がかかると思う」



    やはり理解に苦しむ、といった旨の応えだった。



    やっぱり・・やっぱりミカサ自身にはこういった事を
    楽しんで行っているという認識は一切無かった。
    分かっちゃいてもこうまで包み隠さず言われると
    ・・・・やっぱり・・“堪える”。


    「そう・・か。まあ、普通ならそうだよね・・
     いや、こっちが謝るべきだよ。ゴメンね、変な事
     言っちゃってさ・・・」 


    ダメだ・・・。こんな心境で・・・しかも
    周りに皆の目がある中で。“そんな気分”になんて
    成れようハズも無い。今日は・・もしこれでミカサに
    慰めて貰えたとしても・・肉体はともかく心まで
    安らげるとはとても思えない。



    「・・ただ、その意図は明確には理解できないが・・
     そう落ち込まないでほしい。大まかな感じ方としては
     ・・あなたの感覚は少しクリスタやユミルのそれに
     近い・・・というのは分るから」



    今の私の心境としてはこのような、ミカサにとって
    破格の優しさが込められた気遣いの言葉すらこの胸に
    突き刺さる思いだった。





    そもそも・・同性愛っていうのともちょっと違うし。





    この感覚を・・なんて表したらいいんだろう。何て表したら
    ・・・目の前のこいつは心から納得してくれるだろう


  47. 60 : : 2014/12/31(水) 04:57:41





    「いや・・今日は止そう。ゴメン。こっちから頼んで
     おいて・・急にやめようだなんて言ってしまって。
     でも・・少し・・今日は体調が優れないみたい」


    「・・・本当に?大丈夫?アニ・・・?
     慣れないものを朝から食べさせてしまったせい・・?」



    「いや・・卵は多分大丈夫だから・・アレは
     本当に助かった。うん、有難うね;」



    「(・・・・卵?;)」



    「ユミル、そろそろ私達もサシャを連れて戻ろう。
     時間的にも長居するのは悪いよ」



    「アヒ・・イヒヒヒ・・・・」クラクラ・・・☆



    「サシャ・・・!きっとまともな生活が出来る様
     皆で協力して・・あなたをそこから救い出して
     みせるから・・!それまで・・・!」グッ・・;



    「いや・・“皆”って;。私は別に・・サシャが
     馬とよろしくやっていようがなんだろうが別に
     構わないんだけど・・・;そもそも本人あんまり
     思いつめてる感じないしね」


    「そ・・そうですよミーナ・・・///ウフフフ・・////

     慣れてしまえば…納屋で事に及ぶ緊張感と・・家畜との
     交わいというのも中々クセになったり・・・(ハァハァ///)」
     ガシッ....



    「ひっ・・・・ヒィッ!!?」
     ビクッ!!




    「・・驚いた・・あれだけ絶頂させたのにまだ
     性交に気を傾けられる体力が余ってるなんて・・」
     (サシャ凄い)



    「良かったじゃねえか。本格的に家畜以下への入門
     第一歩をレクチャーしてくれる大先輩が現れたぞ。

     これを機にブッフヴァルトに初めてを
     あげちまうってのはどうよ」



    「初めてで下手したら死ぬわよ!!!」
     イヤァァァァ.....!!!!!



    「だ・・大丈夫ですよミーナ。とりあえず脚に
     蹴られない様にだけ気を付けて・・・それから
     相手をその気(▪▪▪)にさえさせてしまえば・・・
     後はもう入るか入らないかだけで・・(ry」
     グッ・・・!



    「生々しい助言は止めてサシャ!!もうそのまま
     何も言わずに自分のベッドで大人しくしてて!!;」



    「・・・・・・・・・」





    そんな茶番が暫く続き・・ようやく自立歩行できる位の
    体力がサシャに戻ってから・・3人は自分達の部屋へと
    戻って行った。


    私達の部屋には当然私達三人のみが残り、
    今も消灯時間を前に各々の時間を過ごしている。


    季節柄の櫛通りの悪さと格闘しながらも
    自らのお下げを解き、就寝に向けて解かしているミーナ。


    僅かな時間を見つけてでも、という気構えの元、
    まるで機織り機のような凄まじい速さで
    上体を起こし続け、自らの腹筋を苛め抜くミカサ。


    ・・・そのミカサの腹筋運動の脚部を抑える役を
    買って出ている私。




  48. 61 : : 2014/12/31(水) 05:05:45






    なんだか・・・・よっぽど女子達の相手をしている
    間よりも・・こうして筋トレしている今の方が
    格段にイキイキとしている気さえしてくる。



    そう言った行為に際して流されている汗では断じて無い。


    しかし今、間違いなく私の目前には・・・
    上昇する心拍に追いつく呼吸を行うため、鼻孔による
    吸気だけでは間に合わない理由からその艶やかな唇を
    尖らせ、熱気が宿った吐息を断続的に絞り続ける
    ミカサの姿があった。


    「っ・・・・シュッ・・・フシュッ・・・・////・・・」


    「・・・・・」


    クリスタの熱気が籠りに籠った接吻を全てその
    唇に受けながらも、全くその熱気にあてられるといった
    様子も見せなかったあのミカサが・・・・



    「フッッ・・・フハッ・・・・・・/////」



    顔を真っ赤に上気させても・・まだ自身に鞭打つその手を
    緩めようとはせずに・・・更なる熱気を蓄えていく。


    消費されていく酸素、運動量に比例して蓄積していく
    乳酸。その限界が近づくにつれて更に勢いを増す、
    ミカサの吐息に含まれる二酸化炭素。ミカサの
    身体から絞り出される、使用済みの気体と
    排熱が織り交ぜられた吐息。


    その熱気は勿論・・正面で胡坐の格好で脚部を
    しっかりと固定している私の顔に、降りかかってくる。


    なんだか・・高揚する気分と共に非常にやるせなく
    なってくる。そういった身体のふれあいでは今のところ
    一切ミカサの呼吸を乱すことに成功していないのに・・・
    今この場にあってはそれがこんなにも容易く手に届く
    場所にあるのだから。



    「・・・・・・・」



    ここで私に天啓が閃いた。・・・いや、この場合は
    正しく天啓ってよりも悪魔の囁きってほうが
    しっくりきそうなもんだけど・・。

    ―――今ミカサは・・・
    自身の限界の向う側まで体幹を駆動させる
    鍛錬の真っ最中。ミカサの性格なので・・・その
    自身にかける情けの無さといったらそれはもう
    筋金入りのものだ。暫く喋れなくなるくらいに
    呼吸が乱れるまでは多分これを繰り返すはず。



    ・・そこでもし・・私がミカサを攻めたてたら。




    「ハッ・・・ハフッ・・・・!!!・・・フゥッ・・・!!」




    果たしてミカサはその平常心を保っていられるのだろうか。
  49. 62 : : 2014/12/31(水) 05:14:00


    「ハッ・・・!ハッ・・ハッ・・ハッ・・」




    徐々に近づいてくる限界にその吐息の感覚も短くなり、
    私の顔にあてられる熱気も当たり前に強くなっていく。
    その熱さから・・既にミカサの体内がどれだけ
    灼熱の熱気に支配されているか想像するまでも無い。



    「・・・・///////」


    脚を胡坐で抑えているこの格好であれば・・・
    意識を傾ければ度々擦れる、ミカサの臀部の体温も
    充分私の足首に伝わってくる。・・それどころか



    「フッ////フゥッ///....!!」



    今はミカサの膝を抑えているこの手でさえも・・
    段々と腹筋運動の速度が落ちて来た今なら両方お留守に
    できる。この手を自身の胡坐をかいている脚に回せば・・
    容易にミカサの局部に手が届いてしまうんだ。



    私は・・いつの間にかこの感覚をまるっきり勘違いした
    形でとらえてしまっていた。ミカサ自身にとっては

    己の限界を今日も一歩先の世界へ伸ばす為だけに
    躍起になって行っている筈のこの反復運動を・・・

    手前勝手にも私の身体に必死になって息を荒げている、
    そんなミカサを想像して・・すっかり“その気”に
    なってしまっていた。思えば先程のチョンボが
    マズかったんだろうと頭では分かっている。


    そしてこんな事を考えてしまう私自身、どうしようもない
    下種であると。こんなんじゃ・・弱みにつけ込もうとした
    挙句に力で屈服させる・・ユミルと対して変わらない。

    肉欲に身を任せて馬にハシるサシャとも変わらない。


    でも・・・それでも私は・・・


    直ぐ目の前で、紛う事なき意識の混濁に
    近づきつつ上気するミカサの顔を見ながら・・・
    “その感情”を抑えることができなかった。


    どうしてもできなかった。





    (今なら――――墜とせる。・・・間違いなく。)




    クリスタとの交わりを見ていて、ミカサにも
    相応の感受性がある事はもう分かってる。
    ここまで心拍が整っていなければ・・どんなに不器用でも
    力惜しで確実に意識を飛ばすことができる。


    そんな事をして何か意味なんてあるのか・・・?



    意味なんてない。・・ただ・・“ミカサのその顔”が
    見てみたいから。・・・その為だけに私は・・・・



    初めてそこでミカサを・・・





    ―――犯したいと思った。




    いや・・、本気でやる前から悪い事しちゃうなって
    思ってはいた。だから・・・いよいよミカサの動きが
    限界に尽き果てようとしたその時・・・


    私は泣いて(▪▪▪)謝った。




    「ゴメン・・・ミカサ。ホント、本ッ当にゴメン・・ね」




    ズルッ・・・



    「・・・・!・・・・・!・・・!////?!ぁニッ・・?」





    別に涙までわざとらしく流して、後後言い逃れしやすい
    ように演出したかった訳じゃ無い。
    でも自然と(ソレ)は流れていた。

    単純な話だ。こんな事したら・・普通は絶対に嫌われる。
    一時の欲に負けてしまったばかりにミカサに嫌われてしまう
    自分を想像して・・その時私は無意識の内に泣いていたんだと思う。


    しかしそれでも止まらない。
  50. 63 : : 2014/12/31(水) 05:24:08



    ミカサの脚部を抑えていた足と腕を解く私。


    対して、とっくに限界を超えた極限状態の靄の中、
    残すところあと数回分の往復運動のみに全神経を
    集中させていたミカサの全身は・・、あっけなく
    その場に崩れ落ちた。

    仰向けに倒れながらも私を呼ぶ声には意識の焦点すら
    定まっている感じがせず、首を此方に起こす余力も
    残っていないのか、真上を向いたまま・・・

    全身に取り入れる酸素を肺から必死にかき集めている。
    そんな状態。


    乱れる呼吸と暴れる脈動に支配されながらも・・
    脱力しきった両の脚を投げ出して足りない酸素量に
    呻きを上げるミカサ。



    「ッ・・・?!」



    そんなミカサを眺めている時間も惜しい私は・・ミカサの
    履いていた普段着用パンツの前ボタンを全て外し・・
    下着ごと擦り下せる場所まで擦り下すと、
    遂にその中心地にまで顔を寄せる事に成功する。



    「っ・・ふぁっ!?ぁ、アニ!?何
     やってんの?!ちょっ・・・・ぁイテッ・・!!痛ッイタタタタ!!!」


    今頃異変に気付いたのか、ミカサを脱がして押し倒す
    私に本気で驚き、、慌てて櫛を引き抜こうとした途端、
    絡まった櫛に振り回されるミーナ。



    「これがっ・・・ミカサの・・・・!!!」



    今迄運動に全力をもって臨んでいた為、当然熱気に
    蒸れているそこは・・行為に際してのそれとは明らかに
    違うと言っても、やはり濡れていた。いままで見て来た
    何れの女子とも違った感触の黒い毛並みが・・・

    少々多めに生え揃ったその場所に目を奪われる私






    今の私にとって・・その原因などは重要ではなかった。
    正常な反応をとれない程乱れたミカサがそこにいて、
    その秘所はミカサ自身の熱気で湿っている。その
    事実だけが私を・・・


    「(もう..堪んなぃっっ...///!!!)」



    私を熱くさせてしまった。
  51. 66 : : 2015/01/10(土) 23:26:37



    「ァニッ・・・・!ど・・・・したの・・一体・・・?!!」
     ハヒッ・・・ヒュッ・・///




    自らの両足を開いてそこを凝視する私の視線が
    気になるのか・・または吐息が敏感な位置にかかるのか。

    その身を捩じらせながら悲痛な吸気音を搾り出すミカサ。
    その目も普段のような冷ややかな眼差し等では
    断じて無く・・・やっと首を起こして此方を凝視
    出来るほどに回復したそのミカサの目は・・・・


    下瞼が競り上がり、何かに怯えるような潤いを湛えていた





    「・・・・!!!!!///////」
     ゾクゾクゾクゾク......!



    全てが・・新鮮だった。そして胸と肺の
    間辺りから何かが這い上がってくるような感覚に
    私は思わず身震いしてしまう。



    初めて・・・初めてミカサが私で感じている。

    感じるだけでなく・・すぐ傍に来ている絶頂を
    予感しているのか・・・怯えている。


       “あのミカサ”が・・


    ―――畏れているんだ。




    こんな顔を見てしまって最早・・・





    「止められるわけないって・・・!」
     ガバッ!!!



    「アニやめてッっ・・・・・・!!!!!!」



    「いっ・・・?!!!////」



    最後の辛抱も振り切って目の前に開かれた
    ミカサの秘所に鼻先を潜り込ませる私。


    聞いたことも無い様な上ずった声で必死に抗うミカサ。


    やっと外れた櫛とこんがらがったアホ毛を
    やっちまった顔でさすりながらも、此方の状況を
    認めるや否や顔を真っ赤にして座り込むミーナ。

    流石のミーナも・・言葉を失って凝視している。



    「ハッ・・・??!?アグッ・・・・・・・・!!!!」



    ミカサの艶やかな表情という目を疑うその光景を。


    「フグ・・・フッ・・・・・//」



    息苦しさなんて全く苦にならない。



    汗をかいて少し甘酸っぱい香りのするミカサのそこを
    先程画策していたように口淫で攻め落とす為に


    必死に下の唇を探し当てようとする私。
    中々多めに生え揃っているものが鼻をくすぐって来る。

  52. 67 : : 2015/01/10(土) 23:28:39


    「クッ・・・・!!!!!」


    当然ミカサもやめてと口にしている以上、その腰を
    退こう退こうと動かしているものの・・

    私の両腕が自分の恥骨をしっかり抑え込んでいる
    この状況を冷静に分析できていないあたり・・これは
    本気で動揺している。ミカサの動揺する姿。

    それを見られただけで・・私まで何もしていないのに
    滾って来る。



    「アニ・・・・!!あなたには・・・そういうユミルみたいな・・・
     感・・情・・・・無かったハズ・・・だ・・・・!!」




    「・・・・・・フハっ・・、その筈なんだけど。
     ・・・どうしてだろうね・・私も私自身でも
     もう何が何だか分かんない・・・。

     もういっそ私が・・あんたをそういう目で
     見てるとしたら・・あんたはどう思う?」



    既に体力的な抵抗じゃ私をどうこうできないと
    思ったのか、私を揺さぶろうとしてくるミカサだけど・・


    もう、その姿が逆効果・・・・。


    「・・・・・・!!ッ・・・」
     ギリ・・・



    「ゴメン・・多分呼吸が整ってからじゃ・・
     私はあんたを追い詰められないかもしれない。

     だから・・辛いかもしれないけど・・ね?」



    顔を一旦ミカサの股間から離し、その上気しきった
    紅面とハの字に寄せた眉根で・・呼吸も辛々に
    睨みつけてくるミカサの顔を間近で凝視する。


    そうして語りかけながらも片腕でミカサの頭を抱え・・・
    むずがる赤子をあやすように私は揺すった。



    「ぅぁ・・・・!ア・・・・ハッ・・・」



    脳を揺すって、気道を圧迫させて。



    今より更に意識の混濁に追い討ちをかけるため。



    こんなやり方・・当然私だって良くないって思った。

    何より危ない。こんなのは・・私が愉悦に浸れるって
    だけで・・朦朧とする意識の中、成す術も無く
    突き崩されるミカサからしたら、拷問でしかない。


    でも・・それでも。それが充分分っていても・・・


    「フーーッ・・・・フー・・・・/////////」


    苦熱に歪むミカサの顔はとても美しかったから。


    私にはとてもその手を緩めようなんて思えなかった。
  53. 68 : : 2015/01/10(土) 23:30:42


    頭と同時に片手も下に這わせているから・・
    この顔に差している朱の色は・・・最早息苦しさだけが
    原因で浮かんでいるものじゃない。


    再び拍車をかけられた意識の混濁に、
    とうとう言葉による抗議も出来なくなり、
    表情にすら抵抗の意思が見えなくなったミカサ。




    「わ~・・・・//////す・・スゴッ・・・」
     ゴソゴソ・・・・


    先程サシャの一件でその気を一時的に削がれたミーナ
    だったけど。今更になってまた火がついてしまった
    みたいで・・先程より若干此方に身を乗り出し、

    ベッドの下から此方を覗き上げている。
    もぞもぞとしたその動きと片方しか見当たらない
    腕からして隠す気も無いんだろうけど・・・


    見えはしない位置で・・間違いなくシてる。




    「そんなとこで見てないで・・あんたも一緒にする・・・?
     見られてると・・私も流石に全く恥ずかしくない
     って訳にいかないんだけど」



    若干接近しながらも此方を上目遣いで覗き込む
    ミーナだったけど・・・・


    「う・・ううん・・、そんな///私にはそっちの世界に
     入っていける勢いないって・・・・!//

     私、ここで・・・ここでいいから!」
     モジモジ・・・・



    「・・・・・・・・・・」



    やれやれだ・・・。

    言葉攻めに放置プレイ好きって・・。
    サシャに比べれば大分ノーマルな部類に入るけど・・・
    こいつもこの顔で結構アレなのかもね・・・


    おっと、私も冷静にこんなこと思ってる場合じゃない。
    ミカサに小休止を与えるのは体調を慮る上では
    いいのかもしれないけど・・折角普段追いやれない
    ところまでいけた今この状況を・・無駄にはしたくない。


    グイッ・・



    「・・・・!?//////」


    「ハフッ・・・ぃフヨ・・・・ミファファ・・・・(ミカサ)!」



    肺胞に空気が満ちるのを許さないように・・
    今度こそその両足の付け根にある入り口に
    自らの口を触れさせる私。



    「ふァッ・・・・・!!!ヒっ///・・イギッ・・」



    真っ暗で蒸し暑い股座にいるから私には見えないけど、
    多分ミーナの目にはしっかりと、その歯を喰いしばって
    震えるミカサが見えていることだろう。
    ・・・そんな声が、震える全身から大股を通して、
    挟み込まれた私の頭蓋に響く。
  54. 69 : : 2015/01/11(日) 22:44:59




    喰いしばる奥歯とその抑え目な痙攣は・・
    まだミカサ自身に抗いの意思がある表れだ。
    その事実が更に私の熱を増長させる。



    口は塞がれているから言葉で責め抜く事は叶わないけど
    ・・・代わりに私の舌はミカサのその、もう一つの
    唇の中程にまで切っ先を突き入れて這い回っている。



    本来なら受け入れるはずではないモノに攻め込まれつつも
    ・・・その私の舌による刺激に堪らず腰を跳ね上げる
    ミカサ。その度に大腿に圧迫されるこめかみも、
    額に押し付けられる恥丘の温もりも・・・
    今の私には全てが火に注がれる油だ。



    「っ・・ぁに・・・顔を離っ・・て・・!そこ(▪▪)は・・・!そこは
     口をッ・・・...けて良・・・・場所っ・・・なぃ・・・・!!
     不潔だ・・・・・・!」



    ブルブルとその身を震わせながらも、消え入りそうな
    声で、そう懇願するミカサ。その声は・・
    この状況を打開したいが為に思い付きで言ったり
    しているのではなく、本当に、そう思って口にしている
    ・・そんな思いがその声色からはヒシヒシと
    伝わってきた。


    ・・・しかし、そこで気が付いたけど・・
    これがもしミカサの本心から言っている言葉だと
    するなら・・ミカサはまだ誰とも“口”では
    そこをどうこうし合った事は無いという事だ。


    その事実を再確認した私は・・・更に今のその状況を
    逃すべきではない絶好の好機と確信した。




    「何・・・?不潔な場所って・・。私の事を気遣って
     そんな事言ってくれてるのかい・・・?」



    「っ・・・!・・・・・////・・・・ハッ・・・」



    ミカサの一挙一動その全てが・・私の気分を
    盛り上げてしまう。多分・・今とても私は悪い顔に
    なっていると思う。それこそユミルの事を
    糾弾できない程に。


    ミカサの鉄面皮もどうこう言えないくらいに・・・
    かなり酷い顔になってる筈。




    ・・・ただ、感じてはもらえているけど、
    やっぱり最後の砦は相当強固なのか・・・


    この様子では行くところまでまだ達していない。


    けれど、そこまで行ってないという事は。
    裏を返せば・・・



    まだ・・・まだ追いやれるという事。



    全てを投げ出されてしまえばこちらの“攻め”は
    “護り”の消失と共に無くなるが・・・・




    まだ抵抗の意思がある内なら・・





    ――――まだ、鳴いてくれる。



    そのまだ聞けぬミカサの(こえ)を聞く為に・・・




    その為だけに。更に私は舌先を加速させようとする。
  55. 70 : : 2015/01/11(日) 22:48:08


    しかし




    「アニ・・・・っ・・ねえアニ!ちょっと!!」
     ブルブル・・・・




    私はミカサの腰を逃がすまいと抱えるのに
    精一杯で、後ろから必死に小声で呼びかける
    ミーナの声に気が付けなかった。



    その時のミーナの顔は・・多分真っ青だったと思う。
    直後に私の顔がそうなっていたのと同じように。





    キィ・・・・・・・・・





    「・・・・おい。消灯時間だ・・・・・」





    ゾクッッッ・・・・・・・!!!!!





    戸の狭間より切り取られた宵闇に浮かぶ
    死神の半身。踵を返さずともその光景が
    充分脳裏に浮かんだ。








    ――――――教官。






    ―――――――教官に・・見られた。







    つい今しがたまで灼熱の業火を躍らせ火の手を上げていた
    焚火に・・まるで濡れた大風呂敷を被せるかの様に。



    私の心に燃え広がっていた焔は、ものの見事に
    鎮火させられた。引いていく体温と血の気。


    最悪の痴態を目撃された羞恥心で下がった体温と
    入れ替わりに上昇していく顔面の熱さ。




    ・・そして戦慄...。




    「(どうしよう・・やっちまった・・・どうなるんだ
     こういう場合・・・。一体どんな罰則が待ってる?

     明日の訓練では皆に笑われながらサシャと並んで
     仲良く走らなきゃいけないの・・?)」


    ・・・今後に考えられる様々な懸念を脳裏に浮かべ、
    青くなりながらミカサの股間から顔を離し・・・

    ゆっくりと教官の方を向こうとした私に・・・
    教官の口から意外な言葉が発せられた。




    「そのままでいい。・・・時間の規則はキッチリと
     守ってもらうが・・貴様らのような盛りで
     “それ”を我慢しろというのがそもそも生物の理に
     反しているのだ。・・まだ規則を守って
     男子訓練兵と事に及ばない点だけは評価してやる。
     ・・・・ただな」




    「・・・・・・・・・・・・;;;;;;」
     ガクガクガクガク・・・・





    「あまり飛ばしすぎて無茶をするな。
     アッカーマンの様子をよく見ろ・・・。」




    「・・・・・・?;;」




    教官が割り込んで来たことで、呼吸を整えるきっかけを
    得たというのに・・未だにその身を起こそうとも
    しない目の前のミカサをよく見ると・・・


    「ッ・・・ッッ・・・・!・・・!!!・・・・!!」


    「っ!!!?ちょっと・・み、ミカサ!!!?
     大丈夫なのアンタ!??ねえ!!しっかり!!」

    ユサユサ・・・・


    息をせず、小刻みに震えているミカサ。
    どう見ても正常ではないその容体に激しく平常心を
    かき乱され、ミカサをゆする私だが・・・・

  56. 71 : : 2015/01/11(日) 22:50:04


    「・・・・熱痙攣だ。・・そのままにしていても
     数分で収まるだろうが・・見ての通り、呼吸も
     止まっていて、こちらの対応次第では充分危険な
     事態に発展しかねない状態だ。

     ・・・貴様がここまで色を好む奴だとは認識
     していなかったが・・普段おとなしい奴が
     何とやらとはよくいった物だ。大事な仲間を
     少しは労わってやることだな・・・


     ・・灯りは消していくぞ。目を覚ましたら・・
     アッカーマンには充分な水分を与えてやれ」



    ギッ・・・・



    バタン・・・・





    「っ・・・っ・・・よ、よかったぁ・・・・;;
     ホント、どうなっちゃうかと思ったんだよ
     ・・・・?!!」ブルブルブル・・・


    その場にへたり込み、半べそをかくミーナ。



    「それは・・ミカサに酷い事をした挙句
     教官に見つかった私の事・・・?それとも今こうして
     気を失ってるミカサの事・・・・?」ハァ・・・↓



    言いながら、私も大きな脱力感に見舞われ、盛大に
    吐き出した溜息と同時に、痙攣が落ち着いたミカサを
    見やる。意識があるのか無いのか定かじゃ無いが・・


    教官がさっき言ってた通り、もうなんとかやばそうな
    感じじゃ無くなってる。顔色も・・先程みたいな
    青白い色じゃない。


    「・・・・・・・・・・・」



    しかし、遅れてじわじわとやってくるこの悔恨。




    ・・・・やってしまった。



    ・・・・これは勿論教官に見つかった事だとか
    そんなどうでも良い事に対しての感情じゃない。
    目の前で静かに横たわる・・

    私の慰み者として乱暴されたミカサに対しての
    想いだ。静かに立てている寝息の様な呼吸と、
    伏せられた瞼。整った呼吸に応じて上下する
    そのワイシャツの双丘は・・先程私が攻めたてた
    事による体温の上昇で、その下の肌着を透けさせて
    いた。
  57. 72 : : 2015/01/11(日) 22:54:46



    「そうだ・・水を・・汲んで来てやらないと・・。
     ミーナ・・そいつ・・看ててもらっていい・・」
     ヨタヨタ・・



    「いっ・・いいけど・・アニ、ちょっと大丈夫?
     足元フラフラだよ・・・?」




    「大丈夫だよ・・これくらい。私よりミカサ(そいつ)の方がもっと
     酷い目にあわされてる・・。」



    ギッ・・・・


    「じゃあ・・・、ちょっと行ってくるけど・・
     もし私が帰ってくるまでにそいつが目を覚ましたら
     ・・・本当、ゴメンって言っといて・・;

     私からも・・当然謝るけどさ・・・」
     グズ・・・・





    「いい。」




    「!!?」




    私がミーナに頼んだ言伝の内容に返事をしたのは・・・
    横たわりながらも、先程の姿勢のまま、微動だにせずに
    瞼だけをぱっちりと開けたミカサだった。




    「私はあなたを・・許そう。アニ・・あなたが
     そんな顔をする必要は無い。」



    「ちょっ・・・!あんた、大丈夫なのかい?
     頭は痛くない・・?!息は・・?苦しくないの?
     ねえ・・??!」


    ガバッ・・


    慌てて駆け寄り、ミカサを抱き寄せる私。
    その全身はぐったりとしてはいるが・・
    意図して全身の力を抜いていたのか、抱え上げた
    私の事を心配させまいとしてその直後、

    腹筋と背筋に込めた力と同時にその上体を自力で
    起こす。


    「大丈夫だ・・・もう、大丈夫。
     いらない心配を掛けた・・・・途中声だけ
     聞こえたのだけど・・返事ができなかった。
     ・・・すまない。」


    「!!?」


    そう言うと目を伏せて謝るミカサ。



    「・・いや・・いやいや・・ねえ・・?

     何であんたが私に謝るんだい・・・?普通どう考えた
     ってこの状況・・私が悪いだろ・・?私がさっき
     アンタにどれだけ酷い事したか・・」
     ブルブル・・・・



    「アニ・・・何故泣いてる・・・?あなたらしく
     無いからやめてほしい」



    「あ・・あの、ミカ・・さ?」



    その状況を隣から見ていたミーナが恐る恐る
    話しかけて来る。



    「もしかしてあのさ・・ミカサ、さっき
     何があったかちゃんと覚えてない・・の?」



    「・・・・・!」




    その問いに直立させた背を、抱き付いている
    私にしか分からない程僅かに揺らし・・
    暫しの間を置いてからミカサはこう答えた。



    「何か・・・?何かあったの?私に。アニが
     謝るようなことが・・・・?」



    「ミカサ・・・・あんた・・・?」



    「・・や・・やっぱり・・・!息止まっちゃってたんだもん、
     そりゃいくらミカサだって、意識が飛ぶ位するよ・・・!」



    「すまない・・・。よく、覚えてない」





    ――――嘘。



    私には・・・すぐにそれが分かった。


    別に・・・?ミカサの表情からそこまで感情を
    読み取れるほど私とこいつはそんな深い間柄じゃ
    無かった・・・・。・・けど。


    ミーナの質問に返事をするまで、どこか
    困っていたようなコイツの顔が・・・・・
    今、自分の意識の不確かさを主張した瞬間から、
    いつもの、何て事の無い普通の顔に戻ったからだ。


    その瞬間・・私は心の底から理解した。

    ミカサ(こいつ)は・・・!さっき私にあそこまで
    された仕打ちに対して、心の底ですらちっとも憤りを
    感じてなどいない。
  58. 75 : : 2015/01/13(火) 03:43:59



    心が・・・重い。



    結局それから私が行くと食い下がったのにも関わらず
    水汲み場までは自分一人で行けると主張するので、
    私もミカサに同伴する事にした。



    心に絡みつく鎖の重さと同様に・・その足取りも、重い。



    ミカサにこっぴどく嫌われなかったのは結果論としては
    唯一の救いだけど・・自責の念が優るこの場合は
    寧ろそっちの方がつらい気持ちになってくる。

    これならまだ・・・私の行いを糾弾するとか、
    おまけに張り手の一つくらいもらった方が気が安らぐ。


    ・・別にそうしたことでけじめをつけたいだとか
    そういう正統性がある訳じゃ無いんだ。・・ただ、
    さっきのミカサの下手過ぎるウソの付き方からして・・


    アレは間違いなく、私がミカサに対してした事の
    意味を・・理解できていない証だ。つまり・・・・


    “自分にはよく分からないが、アニには何か
     ああしなければいけない理由でもあったんだろう”


    ・・と、いう考えの元に下された判断である事は
    まず間違いない。


    要するにミカサは何故私が悪い事をしたと思っているのか
    ・・それすらまるっきり理解できていない。



    そんな事なら・・まだ私が気負いする理由を
    理解した上で罰をくれた方がずっと・・ずっと
    私の気持ちを伝えられる公算がある。


    嫌われもしていないし・・そもそも嫌うだけの
    嫌悪感に転じる“好意”の欠片すらも・・・


    ミカサの中にはないんじゃないか?・・・・・・と


    考えれば考える程心が重苦しくなってきて・・
    ミカサの後ろについて歩きながらもその首がどんどん
    下向きに落ち込んで行ってしまう...


  59. 76 : : 2015/01/13(火) 03:46:57


    ・・しかし一応今は外出厳禁の時間帯だし、
    周囲の篝火が一切無い今の状況だと頼りになるのは
    月明かりだけ。下を向いていては危ないので元通り
    顔を前に向ける。



    雲の切れ間に差し込んだ白光が、ミカサの横顔を
    撫でる。真っ白な肌に・・真黒でありながらも
    月明かりを照り返して輝く艶やかな黒髪。
    その対照的な明暗と、研ぎ抜かれた刃を思わせる
    端正な顔付き。鼻とかもスッとしていて
    そこは私としてもかなり羨ましい。




    さっきのアレで汗まみれにしてしまったワイシャツは
    着替え、今はカットシャツにカーディガンを
    羽織っているミカサ。下はスカート。首元には
    お馴染みのマフラーが設えられていて、その顎先を
    若干隠す形ですっぽりと包っている。


    いつも思っていたけど・・大事な物だっていうのは
    よく分かってる。何てったって訓練中ですら
    泥水に塗れたり汗だくになったりする場面以外ほぼ
    皆勤賞でミカサの首を防護している装備品って
    くらいだから・・余程の思い入れがあるんだろう。


    最初は、寒くも無いのにマフラーを巻いてる、
    ちょっと変な奴、くらいにしか思ってなかった。



    教官からしてもミカサの成績が成績だけに文句を
    つける理由も無いといった感じだ。


    しかしやっぱり・・会話が少しも無いのは気が重いし、
    思い切ってソレについてでも聞いてみようか。





    「あんた・・前から思ってたんだけどさ。そこまで
     寒く・・ないんだよね?・・・・寒くなくても・・
     そのマフラーを外さないのは・・・何故?」



    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



    私の問いに対して、ミカサは足を止めもせず、
    かといって歩きながら首を此方に向けるでもなく、
    そのまま少し無言で歩き続ける。




    少しの間があって・・若干俯き加減になった首と
    首元のマフラーに右手を触れさせる素振りに
    私が気付いたその時・・ミカサは質問に対してまるで
    答えになっていない言葉でこう返してきた。




    「アニは・・・もしかしたら・・昔の私と
     似ているのかも・・知れない。」





    「・・・・今なんていった?」





    しかしこの問いに対しても・・・・・
  60. 77 : : 2015/01/13(火) 03:49:17





    「私は・・とても・・“寒かった”んだ。
     父さんも・・母さんも、目の前で大した理由もなく、

     ・・ただ屋探しの邪魔だった・・それだけの理由で
     簡単に・・私だけを残して殺されてしまった。」





    「・・・・・・・・・」





    「私は・・・唐突に。本当にその日、唐突に・・・
     一人になって・・しまった・・。


     帰る家も、ただいまを言う相手も。


     ――お帰りを言ってくれる相手も最早いない。」




    「・・・・・・・・」




    「そう考えたら・・途端に・・身体が凍えそうになった。
     とても・・・・・“寒かった”。・・・しかし・・・
     そんな私に・・マフラー(これ)を巻いてくれたのは・・・エレンだ。」


    ギュッ・・・・



    そう言いながらもマフラーを摘み上げ、今迄より
    さらに深くその内包部へと顔を潜らせるミカサ。

    静かにその双眸を伏せ、そこにある確かな温もりに
    心から安堵して、その内に自らの吐息を籠らせる。



    「・・・・・・・・・・・」



    思わず。・・・思わずだけど・・




    完全に見蕩れてしまっていた。



    とても・・綺麗な顔。。
    見ているだけでこちらの胸の内にまでその吐息が
    沁み渡ってきそうな・・純粋な安堵の表情。



    訓練中の凛々しくも精悍な顔付きでもない。




    いつも見せている愛想の無い鉄面皮でもない。



    エレンに付いて回り、挙句に鬱陶しそうに
    押し退けられても付きまとうのを決して
    諦めようとしない時の仏頂面でも・・・ない。




    エレン(あいつ)が傍に居たら、まず見られないというような・・・
    ミカサの警戒心が一切感じられない程に綻んだその顔。

  61. 78 : : 2015/01/13(火) 03:51:23

    普段滅多に見られない程の希少価値がある光景だけに、
    ミカサにここまでの感情を持たせることができる
    エレン(あいつ)の存在は・・・それだけミカサにとって大きく、絶対な
    物なんだろうね。



    ・・・以前、何の物怖じもなくこいつが、



    “私はエレンの為なら何でもできる”と言っていたけど

    ・・・あれは・・間違いなく本気で言ってたんだろう。



    ・・そして、アイツの事を想って、これだけ幸せそうな
    顔が出来るって言うのに・・・やっぱりこいつが
    エレンに抱いている感情は、恋心などとは違う物なんだ。




    「昨日のアニも・・そうだった。・・・とても・・
     とても寒そうにして震えていた。

     ・・だから・・私にはあなたをベッドから
     追い出そうという気持ちにはなれなかった。」



    「・・・・・」




    「・・・・・アニ?」




    「・・・・何。」




    「・・・・良かった。聞こえていないのかと」





    「聞こえてはいるよ・・けど、恥ずかしくて
     なんて返せばいいのか思いつかなかっただけ」




    「何故恥ずかしがるの?寒いときは暖かい寝床で
     寝たいと思うのは当然の事・・・」



    「まあ・・間違っちゃいないよ。それ自体は。
     でも別に今はそこまで特別寒い季節でも無い。」




    「・・私は・・季節や気温の事を言っているのではない」



    ミカサの言いたい事は何となく分かる。


    “寒い”という言葉が直ぐにそのまま私に
    当て嵌まる訳ではないけれど・・ミカサの言う感じと
    私の内に募っていく感情は・・多分同じ。



    “誰か心から安らぎを与えてくれる人”を
    望むと言った点では。しかし明らかに違うのは――――




    ミカサと私では、“奪われた側”と



    そうでない側、つまり“奪う側”という・・・



    全く真逆の立場だ。全く逆の筈なのに・・・・




    どうしてこんなに・・・・



    ―――傍に居て落ち着くのだろう。




    「・・・・・・・・」



    話をそらしながらも自分を見つめる私の
    視線に気が付いたのか・・ミカサは



    「アニ・・・・・・?」




    「・・・今度は何だい?」



     
    「今夜は・・・一緒に寝る?」




    ごく当たり前の様に。本当にストレートに
    そう聞いてくる。
  62. 79 : : 2015/01/13(火) 03:53:58






    ――――正直、一緒に寝たい。



    「い、いいよっ・・・//そんな、この流れで
     私がそんな事あんたに頼んだらそんなのまるで・・」




    「・・・まるで?」




    ――――何もせずとも、ただ添い寝してくれるだけで、
        大分夢見の方はまともになるのが
        よく分かったから。



    「まるで私があんたに甘えてるみたいじゃないかッ・・!//
     二人だけならともかく部屋にはミーナだって
     いるんだ・・・・!そんなの・・恥ずかしすぎる」



    「・・・・気にし過ぎだと思うが。たとえそうだとしても
     ・・・寝苦しい思いをして辛くなるくらいなら・・

     ・・・・いっそあまえてしまえばいい。」





    ――――だからこそ・・このミカサの魅惑的ともいえる
        添い寝の申し出を・・わざわざ気を
        遣ってまで差し伸べてくれる手を払いのける
        のは・・正直断腸の思いだ。


    ヒタッ・・・・



    「!!?」
     ビクッ!!!!



    と、そこで不意に私の両手にかぶさる非常に冷たい何か。


    そっちに全く意識と視線を向けていなかったから
    状況を理解するのに数秒の時間を必要としたけど・・



    それは、私の両手をミカサが握りこむ感触だった。



    ――――冷たい。とても冷たい・・・手。



    「昔・・アルミンが」




    「・・・・?」



    「“手が冷たい人はその冷たさに反して、
      心の中が温かい人だ”という迷信を
      私に教えてくれた事がある。」



    「聞いた事ならあるけど・・まあ。迷信というか
     体温だけで心まで冷たいんじゃないよ、って
     言いたい人がそう言いだしたんじゃない」


  63. 80 : : 2015/01/13(火) 03:55:56



    「それもあると思うが。・・アルミンはこうも言っていた。

     誰かが誰かの手を握れば、当然どちらかの手は
     もう片方より冷たい。冷たい人には・・相手の手が
     温かく感じる。だから・・人の心の温かさが、
     よく理解できるのではないか、・・・と。」


    「・・・・・・・・」



    「自分が相手の手を温かいと思っている時は・・
     その相手は反対に此方の手を冷たいと感じている。



     ・・・あなたにはこの手が今冷たく感じるかも
     しれないが」



    「・・・・」





    「私には今何故かアニ(あなた)がとても暖かい。この暖かさと
     同時に・・もう少し私もあなたの事を・・・
     知っておきたい・・だから。」




    ・・・・だけど



    「・・うん・・・。有難う。気持ちは凄く嬉しいよ。

     ・・ただ、やっぱり今日は止そう?それ位さっきは私
     ・・・アンタに悪い事しちゃったなって・・・・そう思ってて・・」




    「・・・・・・・・・」




    自分が先程、ミーナの追及に対して即席の嘘でその場を
    切り抜けていた事実を、今その場で時間をかけて
    思い出そうと・・ミカサが若干の処理時間に挙動を
    停止したその間に、私は間髪入れず





    「さっきは・・・・本当に・・・ゴメン。
     アンタが覚えて居なくてもなんでもコレだけは・・

     ・・・言わせて。相当・・・苦しかった筈だ・・」




    ・・謝った。




    「・・・・・・・・・・」




    握られていた手を、今度は私が逆に握り返す格好に
    なっている。私の掌の体温が部分的に移り、
    冷たさと温かさが疎らとなったミカサの手を・・・
    力一杯握りながら。

    私は、先程の非礼を詫びた。私がああした行動に
    至ってしまった理由がもしミカサに理解できないのだとしても。

    それでミカサが意識を失う寸前まで呼吸も逼迫するような
    地獄を味わってしまったのは紛れも無い事実なんだ。

  64. 81 : : 2015/01/13(火) 04:00:47





    「・・・・ごめんなさい。」




    「・・・・・・・・・・」




    俯いた顔を上げるのには大分勇気が必要だったけど・・、



     “謝る時はちゃんと相手の目を見て言う事”



    こういう教えもちゃんと父さんから受けていた私は・・・
    何とかミカサの目をその場で正視して、一切の
    誤魔化しの無い謝意をその口に述べる。



    「・・・・・・・・・・・・・」




    しかし当のミカサだが・・・やはり本当に参った、
    という目をしている。・・いや、実を言うと
    殆どその表情に変わりはないのだけど・・・・

    いつもの表情をできるだけ崩さずに、しかし
    今こうして返答に詰まって沈黙を余儀なくされている
    ミカサの頭の中は・・・きっとこの私の謝罪に
    対しての最も無難な斬り返しを探すのに必死になって
    いることだろう。それが・・・手に取るように
    分かった。



    ・・いや、文字通り、“手に取っているから”分かった。



    ・・・何故なら握りこんだミカサの手に汗が・・・
    瞬く間に滲み出て来たから。



    「もう済んだ事だと・・あんたは言ってくれると思う。

     ・・けど私は・・息さえ止めて全身を震わせる
     アンタを目の前にして・・本気でやり過ぎたとあの時
     後悔した。何度も・・何度もあんたは止めてと
     言ってたのに・・やめてあげられなかった・・だから」



    そこから更に間を置いて・・・・・




    「・・・・わかった。何だか分からないまま許すと
     応えるのは・・もう止そう。

     あなたが・・・そこまで私に悪いと思っているのも理解した。

     ・・・・・・・・・アニ?」


    握られた両掌を胸の高さまで静かに持ち上げ、
    小首を傾げて私の名を呼びかけるミカサ。


  65. 82 : : 2015/01/13(火) 04:03:53



    「・・・・・な・・何だい・・・?」




    「正直な話を少しだけしよう。・・・・あの時だが。」





    「う・・、うん。」




    「私は・・・・息苦しさとは別に、正直な所・・・

     激しく気をやってしまいそうなところ・・その
     一歩手前だった。だから・・・私はあなたに
     “やめて”と必死に懇願していた。」




    「え・・・・・・・//;」





    「・・・つまり・・・かなり気持ちが良かった。
     あのまま意識が途切れる前に身体の絶頂の方が来て
     いたら・・・。
     
     私は“あなたの”ベッドをびしょ濡れにする所だった。」





    「あ・・・・・・そ、そう・・なの・・・・?」





    「そう・・・・。だから・・そもそもあなたに
     謝られても私にはどう答えていいのか、とても返事に・・

     困ってしまう。・・・ただでさえあのような場所を
     口で・・・その・・・・//////」



    ミーナ程あからさまではないが、赤くなってその身を
    若干捩らせるミカサ。月夜の灯りの下では頬に差し込む
    紅色も・・そこまで明確には判別できないけど・・・


    ミカサの姿で伏し目がちな顔をして、このリアクションを
    とられるというのは・・・


    何というかあまりにも破壊力が大きすぎる。



    「あ・・・その、一つ聞いて良い・・?
     そもそもあ・・・あんたはその・・さ」





    「・・・・・・?////」




    「“一人でしたり”とかって・・・あるの・・?」





    「・・・・・・・・・・」




    流石に・・ミカサに対しては遠回り過ぎる質問かな。



    「あ・・・一人でソコ(▪▪)を慰めるたりしたこと
     があるのか?・・って事だよ」




    「・・あると言えば・・ある。・・もう随分前になるが。
     ・・・・エレンを想像して・・・何回か・・・」



    どえらい事を聞いちゃった。


    その想像の相手というのは十中八九予想通りだけど。

    ・・・ミカサが自慰をしていた事実を・・・
    自分の口で告白したというその事実が・・


    「(ドキドキドキドキ)」


    私の鼓動を静かに、そして確実に高鳴らせていた



    「町に居た頃と開拓地に居た頃だったけど」




    「早いね!?」




    歳の頃から言って・・それじゃあ12よりずっと前
    って事になる。どれだけ性知識を身に着けるのが
    早かったのか・・・。それとも無意識の内に
    そうした行為に及んでいたのか。



    「だから・・・私自身、サシャの様に情事に際して派手に
     気をやってしまった場合には・・かなり後片付けに
     困る惨状になるのを自分で分かっていた。

     ・・・それが・・私があの場で何度もあなたに
     制止を促した理由だ。・・・つまり・・・・」



    「・・・・・・・・」



    「アニ、・・・あなたは・・・そこまで謝らなければ
     いけない程、私に対して苦痛になる事をしていた
     という訳でも・・・ない。」


  66. 83 : : 2015/01/13(火) 04:06:11



    ミカサが・・・感じてくれていた。




    「そ・・・・そうだったの」




    ・・・この・・私で。



    「・・・・そう。」





    何というか・・その事実を聞けただけで・・・・
    もう今日の収穫としては充分過ぎた。


    その事実を知ることができただけでなく、
    それをまさか・・・・


    ミカサ本人の口から聞く事が出来るなんて。



    水汲み場の深井戸に着きながらにして、
    本来の目的である水汲みをまだ行わずにこうして
    話し込んでしまうのは時間的にどうかとも思っていた。


    けれど・・こうしてミカサと普段決してできない話に
    入れ込む事が出来たのは・・私にとっても非常に大きな悦びだった。



    「じゃあ・・その・・ミカサ・・・・?」



    「・・・何?アニ。」



    「今夜は・・・ご一緒していい・・かな。
     そんな・・・もうゆっくり寝られるほど・・・・
     時間ないだろうけど・・・・・////」




    並々ならぬ恥かしさと同時に口籠る私の問いかけに対して・・
    当のミカサは実に障りのない澄んだ声色で・・・



    「分かった。・・・一緒に寝よう。アニ。」



    そう応えた。




    今思えばミカサ自身も・・・少しエレンの事が
    恋しくなったりしていたのかもしれない。



    それでも何でも・・・ミカサ自身が、そうした気分で
    私を寝床に迎えてくれるというのは・・中々
    悪い気がしなかった。


    ほんの少しであっても・・ミカサ(あいつ)が私の温もりを
    意識してくれるのであれば。




    ―――今はそれほど嬉しい事は無い。


  67. 84 : : 2015/01/13(火) 04:09:39







    それから深井戸で汲めるだけの水を汲んで・・
    部屋に置いておく分まで分担して持ち帰った私達は、
    先に寝に入ってしまったミーナを一瞥してから
    共に同じ床に入った。今夜は・・私の寝床だ。



    「アニ・・・あなたの使用スペースは・・
     いつも整合性に欠けている。もう少し日頃から
     整頓を心掛けるといい・・・」


     ゴチャァ・・・・


    「・・・ゴメン。今日アンタが一緒に寝るって
     分かってればもう少し綺麗にしておいたんだけど」



    ストレートに散らかってるって言わない所も・・
    コイツらしい。




    「・・・・あんたのベッドで寝る・・・?」



    「・・・・それでもいいが・・・・・」



    暫しの間



    「私がアニのベッドに居た方が・・・・後後
     アニが恥ずかしく思わずに済むのでは」



    ・・・そういうところはしっかり考えてるのか。



    「ミカサ、おやすみのキスとかあんた知ってる?」



    「お休みの・・?それは普通に口と口でするのとは違うの?」



    「それだと普通におやすみでも何でもないからね。
     ・・まあ人によってはそうする人もいるかも知れないけど・・。」




    スッ・・・



    ッ・・・・―――



    私の掌が掻き分けたミカサの額に・・・
    静かに唇を触れさせる。



    「・・・・と、こんな感じにすると・・・
     寝つきが良くなるというおまじないらしい・・・・」」




    「・・・・そう。良い事を教わった。」
     (エレンにいつかやってあげよう)



    「・・・・・・・」


    「・・・・・・・」



    狭い布団の中、正対して凝視し合う事数秒。




    「(・・・・してはくれないのか)」
     ガックリ・・・








    「そ・・、それじゃ明日も早いんだし・・
     オヤスミ・・・ミカサ。」ググ・・・・


    気まずくなって背中をミカサに向け、丸くなる私。


    「・・・オヤスミ。アニ。」


    そう言った直後、


    ゴソゴソ・・・・・・・・チュッ



    「ィッッ・・?!」
     ビクッ!!



    片腕を私の腹部に回し、もう片方の手で後ろ髪を掻き上げ、
    露出した私のうなじに不意打ち同然に口付けをしてくる
    ミカサ。


    「いっ・・・いきなりおどかさないでよ!!」



    「・・・すまない。少し意外性があった方が
     いいかと思った。必要以上に脅かすつもりは・・
     無かった・・・・」シュン・・・



    「あ、うん・・そんな怒ってるわけでもないから・・。
     うん・・有難う(?)・・・ね。」



    「・・・・・おやすみ。」



    「ぁあ、おやすみ。」




    そう交した一言を最後に・・私達はあっという間に
    深い眠りに落ちて行った。


    私は・・ミカサの少し重い腕にその身を抱かれて。


    ミカサは・・そんなミカサの腕に抱かれて
    いつもより高い体温をその身に宿しながらも
    安寧の色をその顔に浮かべる私を抱いて。


    重く・・・静かに・・・



    眠りに落ちて行った


    ・・・・・

    ・・・

    ・・

  68. 85 : : 2015/01/13(火) 04:12:37



    ・・

    ・・・
    ここは・・・?何処だ・・・・?
    それよりもこの景色・・・周りの街並みの大きさ・・
    今私は・・・?それよりも何か全身が縛りつけられる
    様にされていて身動きが取れない・・・




    ・・・なんだ・・折角ミカサと一緒に寝られたって
    いうのに・・見る時はやっぱり見てしまうもの
    なのか。


    しかし、この感じだと・・悪い夢とはいっても、
    番付的に言ってさほど大したものじゃない。



    5つ段階があるとしたら精々2か1ってとこだろう。
    まず本当にヤバいくらいの悪夢なら・・
    色が着いてない。それに上も下も左右も分からない。
    アレにくらべればこれはまだ随分マシな方の
    夢だと思う。





    しかし・・依然として身動きが取れない。


    現在の状況を理解もできず、身動きも満足にとれない
    その身体を捩らせる私に・・辛うじて視界の端に
    収まる高台から高らかに叫ぶ老人の声が響いてくる。



    「フハハハハハ!!馬鹿め!あがけばあがくほど身体を
     しめつけるだけよのう!!それは、先なる奪還作戦にて
     散って逝った、30過ぎの童貞の陰毛だけを
     よりあわせた荒縄じゃッッ!!いかに知性を持つ
     女型の巨人といえどそれを千切ることなどできぬわ!」




    あれは・・たしか壁の南側領土を束ねる最高責任者。
    ・・ピクシー・・?とかいったかな・・・たしかそんな
    名前の老人だ。頭は相当切れるようだが、天才と変人が
    紙一重とよく言うように、そいつはどうも変態サイドに
    傾倒してしまっているという話だった。


    巨人に対して普通の人間と決定的に異なる視点を
    もっているとの理由で・・全兵士から恐れられていると
    聞いたことがある。


    しかし今のこの状況・・私は・・・・・




    “巨人と化して”捉えられている・・・っていう
    状況なのか・・・・それはまあいいんだけど・・・



    しかし何てモノで縛り付けてくれてるんだ。
    いくら夢だとしても・・こんなのあんまりじゃないか。
    そんなモノで無力化される巨人の気持ちも少しくらい
    考えて欲しい。



    聞きたくも無かった原材料からは想像もつかない強度で
    全身に絡みつくその剛縄は・・悪い夢見の所為か
    先程そいつが言い放ったようにどんどんと私を
    締め付けてくる。
       

    「フフハハハハ!!動けまい!!立ち上がれまい!!
     辛ければ遠慮なくその美しい口を開けて
     喚くが良い!!さすればこの儂自ら――――!!!!」

     ババッ!!!!




    その場で唐突に着ている衣服を全て取り払う老人。



    ―――――――!!!???





    ―――何だコイツ・・・・!?!!!?




    「その美しい口の中へ飛び込んで行ってやるからのう!!!!!!」


     ダダダダダダダ・・・・・!!



    何だコイツ!!!!!!!!!?????
  69. 86 : : 2015/01/13(火) 04:14:52



    「フフフフハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!







    ・・・・・・・‐―――ぁぁァァぁあああああ!!!!!



    「ッッッ――――――!!!!!」





    ガバッ!!!!!!!!




    「フウーーーーッ・・・!!!フゥーーーーー・・・・
     フーーーーーー・・・・・・・!!!」キョロ・・キョロ・・・・・!!




    「ぁ・・・あ・・に・・?どうしたの・・・?!」ゴシゴシ





    ここは・・・・いや・・わかってはいたけど・・
    ああ・・夢っ・・か・・・・



    ・・・・・!!!




    「ムグッ・・・・・!??!」パシッ!!!




    「・・・・アニ??!」




    ババッ・・・・!!!!!ダダダダ・・・・!





    バタンッ!!!!



    急にこみ上げるその吐き気に溜まらず跳ね起きて、
    戸口から外へ飛び出す私。





    「ッーーーーー!!!ぅオェッ・・・・・・!!!ガハっ・・・!!!ケほッ・・・・」



    地べたに四つん這いになり、襲いくる嘔吐感に抗うように
    食道から吐瀉物がやって来ない様に背を丸めて
    必死に咳込む私。



    「アニっ・・・大丈夫っ・・・・!」
     ダダ・・・・・!!


    チャプッ・・・



    必死の形相で飛び起きて蹲る私に駆け寄り、先程汲んで来た水を
    籠めた水袋を片手に、丸めた背をさすってくれるミカサ。




    「ゥゥッ・・・ぇっ・・・・カハッ・・・////;;」



    「どうしたの・・・・!気持ちが悪いの・・・?!
     っ・・・・!!もしかしてアニ・・・・・・!!」




    「ヒュー・・・ヒュゥ・・・・・・・;?」




    「・・・・・・つわり?」
     タラ・・・・



    「・・・・・!ッんなわけ無いでしょ!!・・・・ハァ・・・!!
     ェほっ・・・!サシャでさえ馬と交尾してまで
     瘤持ちにならないように踏ん張ってるっ・・・
     ってのに・・・!ハァ・・・・!!!」



    「・・・・・・;」



    「ここまで内地に行く為ッ・・・一生懸命バカみたいに
     辛い訓練に・・・耐えて来た毎日を無駄にするワケっ・・・
     無いだろ・・・・・・?;」ハァ・・ハァ・・


    ゴグッ・・・


    そう言い放ち、ミカサが差し出してくれた水袋から
    冷たい井戸水を喉奥へと流し込む。



    一気に引いていく吐き気と眩暈。
  70. 87 : : 2015/01/16(金) 04:20:52


    白み始めた空と・・・部屋の中から寝ぼけて呻きながら
    這い出てくるミーナ。


    時間的に言って、もう全く二度寝する暇も無いと
    分り切った事で早くも憂鬱な心境の中・・・



    またそこから私のだるい一日が始まろうとしていた。








    ・・・to be.. continued..??
  71. 88 : : 2015/01/16(金) 04:24:58




    ――急なあとがき的ななにか――




    はい、すみません!って言いますか、誰にどう
    スミマセンと謝るべきなのかと問われると
    非常に答えづらいのですが(誰に頼まれるでもなく
    私の楽しさ優先で勝手に書かせて貰ってたものですし)

    書きたいネタがこの話限定でもあまりに多すぎて、
    このままダラダラやっていると、ミカサとアニの
    デレデレしたなにかだけで2~300は平気でいって
    しまいそうなので(それも数か月かけて)

    こりゃいかん、ということで、一応この辺りで
    一旦区切りとさせて頂きます。

    多分前後編みたいな感じで、次に後編を
    書かせて頂くと思います。この話だけでもあり過ぎて
    困っているネタですが、他の話も仕事の忙しさも相まって
    立ち往生状態ですので、一旦そちらにも目を向けて
    みようかと思います。

    ・・で、そんな忙しい貴様がなぜSSに割く時間を
    そんなものに費やすと言われると何だか立つ瀬も
    ないのですが、この度こんな私の趣味全開だけで
    書かせて貰った変態文章に少しでも目を通して
    下さったり、あまつさえお気に入りなどしてくれた
    方々への感謝の念があまりに大きかったので、
    普段書かないお絵かきをしてみました。
    アニ嬢単体のやっつけです。

    一応若干のエロ注意というのと構図もデフォルメも、
    画力も壊滅していますので、最早誰状態だと
    思いますが、怖いもの見たさな方、居られましたら
    ↓までどうぞ。因みに絵の方向性が方向性なので、
      一応ギリギリな書き方ではありますが、
      ダウンロードにパスワードを設定させて頂きます。
      キーは四桁で「 ani1 」 となります。

    http://uproda.2ch-library.com/lib853619.jpg.shtml


    御召し物はcanzoneさんのご意見を反映させたものとなっております。
    キミドリさん、ありゃりゃぎさんのご意見分差分も
    時間を見つけて後で描いてみるつもりです。


    それでは長々とすみません。

    こんな変態過ぎる何だかよく分からないものを
    ここまでお読みいただき、本当に有難う
    御座います!!('◇')ゞ ̄


  72. 89 : : 2015/01/16(金) 09:38:33

    執筆お疲れ様でした( ´ ▽ ` )ノ

    いやはや、これはヤバイwwwwとにかくヤバかったですwwwww

    コロコロコミックを読んでる小学生が初めてヤンジャンを見てしまったような衝撃を受けましたwww

    お野菜遊び、お馬さん遊び、腹筋からの口責めとか色々と新世界を見てしまいましたwww

    それと、教官が神タイミングで降臨したシーンは吹くどころの騒ぎじゃなかったですwwww

    こんなハイレベルなエロギャグ混合SSは初めてですよ!!

    それと、あとがきのイラストすごい上手くてビックリしました((((;゚Д゚)))))))
    て、手書き!?なんてマルチな才能をお持ちなお方なんだ!!

    ちなみに多くのアニイラストでは鼻の形が没個性になっているものが多いですが、こちらでは原作寄りの形状なところが非常に好印象でした(=゚ω゚)ノ

    そして、スパッツ採用ありがとうございました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
  73. 90 : : 2015/01/16(金) 13:33:40
    >>89
    Canzoneさん

    なんだか・・そんな意味でヤバいといってもらえるなんて今でもまだ何か夢を
    見てるみたいです・・(O_O)

    てっきり、頭の中ヤバいといわれるのを
    覚悟の上で楽しむことしか考えずに書いていたのですが・・

    ありがたや・・( ; ; )

    因みに手書きとは言っても身体の輪郭に関しては当然ベジエ曲線でなんどでも修正出来るので
    あまり手書きとは言えませんが(・・;)

    鼻に関しては同感です!
    ただ目はアニメ風にしてしまいましたが。
    何はともあれ、とりあえずはアニと
    認識してもらえて嬉しいです(。-_-。)
  74. 91 : : 2015/01/16(金) 18:14:15
    (出血多量死)
  75. 92 : : 2015/01/16(金) 18:14:51
    あ、画像即保存しました
  76. 93 : : 2015/01/16(金) 18:33:42
    あ、どうもです!
    くわっ(°Д°) さん!いつもコメント
    誠にありがとうございます!
    このようなものでお返しになるか
    怪しいものですが、日頃より貴重な
    コメントたくさん頂いてますからね!(≧∇≦)皆様が居なければ私の今の
    充実した毎日は成立致しません。

    いつもありがとう御座います。。
  77. 94 : : 2015/01/21(水) 21:52:31
    お疲れ様です!!
    わくわくしながら読めました( ; ; )
    ミカアニは何しても美しいヾ(。>﹏<。)ノ゙
  78. 95 : : 2015/01/21(水) 22:11:00
    いいえいえ!!このような品の無い、
    おまけに自分本位でしかないおぞましい
    物を読んで頂けただけで!お疲れ様などという言葉も
    勿体ない!一区切りの着け方も尻切れトンボですし..

    ですが、書きたい事はまだまだ大分ありますので、
    落ち着いたら、また楽しく書かせて頂こうと
    思います。

    ミカサも暇があったら描いてみたいのですが・・・
    アニと比べて特徴を出しづらくて難しいですね、
    多分描こうとしたら・・・。
  79. 96 : : 2020/07/23(木) 18:57:28
    語彙力があるっていいなぁ
  80. 99 : : 2022/02/17(木) 00:25:40
    >>96
    ああっ、なんという事でしょうか、、!
    これだけの年月が経過して今までで気がつく事もなく無返信でした。。
    今迄は少しでも読みづらさを軽減するため少しでも空き時間出来たら
    誤字脱字の修正的な校閲紛いな事をやっていたのですがそれもこれだけ
    日数が空いた結果、貴重なご意見に今気がつく結果となってしまいました。

    今更どうなる事でも御座いませんが、
    しかしそれでも、自分のどうしようもない趣味の産廃物に
    御目を通して頂けた感謝だけでも、2年越しにはなってしまいますが
    ここに申し上げたい限りです。

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ne5716

夢馬

@ne5716

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