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エドガー「人類の」 キースン「天敵」 ミナト「…巨人?」 【第五十七回壁外調査編】

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  1. 1 : : 2013/11/16(土) 00:27:27
    エドガー「人類の」 キースン「天敵」 ミナト「…巨人?」 【"一ヶ月"編】のつづき。

    RTT2 DbS×進撃の巨人
  2. 2 : : 2013/11/16(土) 00:36:33
    ドドッ ドドッ ドドッ ドドッ

    エルヴィン「長距離索敵陣形、展開!」

    ドドッ ドドッ ドドッ ドドッ…

    エドガー(今回の作戦…うまく行けばいいのですが)

    エドガー→エルヴィンに随伴


    ミナト(大きな被害の無いようにしなければ)

    ミナト→ネス班

    キースン(エレンを護るのがここでの仕事…何があっても、遂行してみせる)

    キースン→リヴァイ班
  3. 3 : : 2013/11/17(日) 00:10:45

    ネス「―奇行種だ! シス、ミナト! やるぞ!」ジャキッ

    シス&ミナト「了解!」ジャキンッ

    パシュッ パシュッ ザザザ…

    アルミン(平地での立体起動…! 巨人に直接アンカーを打つのは至難の技なんだろうけど、こう戦うしかないんだ)

    ―ドオォッ シュウゥゥ…
  4. 4 : : 2013/11/17(日) 00:15:34
    ミナト「…右翼側から、陣形を突っ切って接近する巨人が来ます」

    シス「また奇行種か…」

    ネス「連戦か…仕方ない、やるぞ。アルレルトや新兵達になるべく会わせたくないからな」

    ザッ
  5. 5 : : 2013/11/17(日) 00:20:28
    ドン ドン ドン ドン ドン…

    雌型の巨人「」

    ドン ドン ドン ドン ドン…

    ミナト「あ…あいつ乳があるな。雌型の巨人って、珍しいんだよな?」

    シス「ああ、かなりな」

    ミナト「ピクシス司令がご覧になったら、さぞお喜びになるだろうな」

    シス「俺もそう思う」

    ネス「お前ら…」
  6. 6 : : 2013/11/17(日) 00:28:42
    ドン ドン ドン ドン ドン…

    ミナト「…あいつ私達を無視して行きそうですよね?」

    ネス「だから奇行種なんだ。…さっきと同じように、もう一度行くぞ! シス、馬を頼む!」パシュッ ヒュンッ

    シス「了解!」

    ミナト「」パシュッ ヒュンッ

    ドン ドン ドン…

    雌型の巨人「」
  7. 7 : : 2013/11/17(日) 00:34:02
    ドン ドン ドン…

    雌型の巨人「」グワッ

    ミナト「うっ!?」ビンッ

    ネス「ミナト!」(ワイヤーを掴まれたのか!)

    雌型の巨人「」グイッ

    ミナト「うぁっ…!」

    ネス(このままじゃ彼女が殺られる…!)ザザザッ

    シス「ネス班長! 馬を!!」パッ

    ネス「シス!」
  8. 8 : : 2013/11/17(日) 00:41:18
    バチンッ

    ミナト「―人類を舐めるな、巨人!!」バシィッ

    雌型の巨人「!」

    シス「な…何を!?ミナトはワイヤーを掴まれて、立体起動を封じられた筈じゃ」

    ネス「…片側の装置を、捨てたのか!」

    シス「なっ!? そんな無茶な!それじゃマトモに立体起動なんて出来ませんよ!」

    ミナト「―っらぁ!!」ブンッ

    雌型の巨人「」サッ パキパキ…

    ガキイィン!!

    ミナト「んなっ…!? 刃が通らない!?」
  9. 9 : : 2013/11/17(日) 00:49:35
    雌型の巨人「」ガシッ

    ミナト「あ、うぐ…!」ギリギリ…

    シス「ミナト!! このままじゃ握り潰されるぞ!」

    雌型の巨人「……」

    ミナト「〜〜ッ!」ギリリッ

    ―ザシュッ!

    ネス「雌型の指を切ったか!」

    ミナト「」ヒュウッ…

    シス「く…! 落ちるか! 間に合え!!」

    ドドッ ドドッ…
  10. 10 : : 2013/11/17(日) 02:21:24

    ―ガシィッ!

    シス「―っし! 回収成功!」

    ネス「でかした、シス! 一度距離をとるぞ! アルレルトと合流する!」

    雌型の巨人「……」シュウウゥゥ…

  11. 11 : : 2013/11/17(日) 02:27:26

    アルミン「ネス班長! あの奇行種は?」

    ネス「あのまま左翼側に走って行った。本来ならば仕留めねばならなかったんだが…」

    ミナト「…あの巨人は、普通と違う…刃が、通らないんだ」ゴホッ

    アルミン「み、ミナト!? その姿は一体…」

    シス「あの雌型とやりあったんだ。ワイヤーを掴まれて、脱出する時に立体起動装置を半分ぶん投げた」

    アルミン「何て無茶を! …ところで、刃が通らないってどういう意味だい?」

    ミナト「皮膚がまるで岩のように硬くなったんだ…しかも奴は、うなじを手でかばっていた」

    アルミン「何だって…」
  12. 12 : : 2013/11/17(日) 02:31:06
    アルミン「つまり、あの雌型の巨人は自分達の弱点を理解しているということだね?」

    ミナト「ああ…おそら、く」ゴホゴホッ!

    シス「アルレルト! こいつは怪我人だ、あまり喋らすな」

    アルミン「すみません。…けど、この会話は有意義でした。何せ…あの雌型が。エレン同様巨人の体を纏った人間だということがわかったんですから」

    シス「…!」
  13. 13 : : 2013/11/17(日) 18:45:55
    アルミン「通常、巨人は自分の弱点をかばう様なマネはしませんし…奇行種だってそんな行動をとるなんて話も聞いたことがありません。しかも…」

    ネス「刃が通らなかった…アンカーが刺さる体に、刃が通らないなど考え辛い」

    ミナト「こちらの攻撃に合わせ、変質したように見えました」

    シス「それじゃますます…アルレルトの言う通りじゃないか」
  14. 14 : : 2013/11/17(日) 18:51:31
    ネス「…あの奇行種に暴れられたら、かなりの被害が出る。煙弾は撃ったがこればっかりは詳細を伝えねばならないだろう」

    ネス「シスに頼みたいところだが…ミナト一人で馬に乗るのは難しいだろうからな。俺が行く」

    アルミン「報告なら自分が行きましょうか?」

    ネス「陣形の中とはいえ新兵のお前を一人で行動させることは避けたい。お前はシス達と一緒にいろ」

    アルミン「了解です」
  15. 15 : : 2013/11/17(日) 18:58:25
    ドドッ ドドッ…

    ミナト「面目無い…シス、貴方には面倒をかける」

    シス「気にするな。あの大きさの巨人に握り潰されかけたんだ…生き延びられただけでも万々歳だ」

    ミナト「…ありがとう」

    シス「立体起動装置だって無茶な使い方をしたんだ。体の負担だって相当だろう。大人しくしていろよ」
  16. 16 : : 2013/11/18(月) 09:43:39
    ドドッ ドドッ ドドッ…

    エルヴィン「…刃が通らない巨人だと?」

    ネス「はっ…しかも奴は、弱点を理解しうなじを効率的にかばってくるようで」

    エルヴィン「右翼側からやって来た奇行種…いや…」

    エルヴィン(裏切り者…か)

    ネス「奴…雌型の襲来で右翼索敵も甚大な被害が出ています…が…」

    エルヴィン「…ああ」
  17. 17 : : 2013/11/18(月) 09:44:42
    カチャ


    エルヴィン「作戦は、続行だ」


    ドオォォォォ…
  18. 18 : : 2013/11/19(火) 23:32:40
    アルミン「かなりの被害を受けているはずなのに、撤退は無し…」

    シス「まだ何の成果も得られていないからな…予定している場所まで進みたいんだろう」

    アルミン「ですが…このまま行くと、巨大樹の森にぶつかってしまうのでは?」

    ミナト「巨大樹…?」

    シス「言葉通りの場所だ。巨大な木々が生い茂る森で…ま、観光名所だな」
  19. 19 : : 2013/11/22(金) 00:34:45
    ドドッ ドドッ ドドッ…

    ネス「―お前達!」

    アルミン「ネス班長!」

    ネス「このまま前進する。巨大樹の森には入らず、迂回路を進むぞ」

    ミナト「…その後は」

    ネス「ある程度進んだら、樹上で待機だ。とにかく今は黙って従うんだ。…いいな?」
  20. 20 : : 2013/11/22(金) 00:40:39
    ―リヴァイ班

    キースン「空の色…嫌な、感じ」

    エルド「右翼壊滅…タチの悪い奇行種も出ているみたいだからな」

    グンタ「さっきから伝達も騒がしいしな…それもその奇行種のせいなのか?」

    ペトラ「―ペトラ・ラル、戻りました!」

    リヴァイ「戻ったか、ペトラ。…俺達はこのまま前進だ」

    ペトラ「ハッ!」
  21. 21 : : 2013/11/22(金) 00:45:55
    ドドッ ドドッ ドドッ…

    エドガー(巨大樹の森…立体機動には最適な空間…)

    エドガー(そこに我々が向かう目的は…)

    ドドッ ドドッ ドドッ…

    エドガー(裏切り者の…あぶりだしと、捕獲…)

    エドガー(兵団内の裏切り者…誰かもわからないその人物。それを、探し出す…)チラッ

    エルヴィン「」

    エドガー(エルヴィン団長…貴方は、どこまでも遠くを見ることができる方なのでしょうね)

    エドガー(私には…ここまでの犠牲を払わねばならない決断をすることは…)
  22. 22 : : 2013/11/23(土) 00:35:46
    ―巨大樹の森・外縁部

    ネス「ここらでいいだろう。木に登るぞ」

    シス「ミナト、俺に掴まれ。お前ごと引っ張り上げる」

    ミナト「すまない、お願いする」ギュッ

    ムニッ

    シス「」

    ミナト「…シス?」

    シス「―何でもない。何でもない!」ブンブン!

    アルミン(ボインの責め苦か…これが壁内だったら役得だったろうに)
  23. 23 : : 2013/11/23(土) 00:44:34
    ヒュッ スタッ

    アルミン「本当に大きな木だなぁ…これだけ登ってもまだ上がある」

    ネス「ここまで来れる巨人はまずいないからな。油断は出来ないが、戦闘はしなくてすむ」

    アルミン「あの…ネス班長。我々はこれから何を―」


    ネス「……」

    ネス「待機。待機だ。この場を動くな」
  24. 24 : : 2013/11/27(水) 01:22:49

    ドン ドン ドン ドン ドン…

    雌型の巨人「」

    ドン ドン ドン ドン ドン…

    アニ(エレン…ライナーから聞いた通りの場所を攻めたけど、見当たらなかった…)

    アニ(まさか、間違って殺してしまった?)

    アニ(そんなハズはない…奴らの中にエレンはいなかった…となると、ライナーが手にしていた情報は…?)

    ドン ドン ドン ドン ドン…
  25. 25 : : 2013/11/29(金) 00:33:00
    ジャン「アルミン! ミナト!お前らも此処に来たか」

    アルミン「ジャン! それに…みんなも!」

    クリスタ「ミナト、どうしたの? 大丈夫?」

    ミナト「奇行種にやられてな…情けない姿を見せてしまった」

    ライナー「奇行種? 右翼側から現れたっていうヤツか?」

    アルミン「多分、そいつで間違いないよ。運動精度が他の巨人に比にならない奇行種…」

    クリスタ「…アルミン?」
  26. 26 : : 2013/11/29(金) 00:42:25
    ジャン「どうしたんだよ、アルミン。歯切れが悪いな」

    アルミン「あぁ…その奇行種のことなんだけどね。僕は奴がただの奇行種だとは思っていないんだ」

    クリスタ「どういうこと?」

    アルミン「実は―」

    ネス「アルレルト! 話がある、こちらに来い」

    アルミン「は…ハッ! …ごめんみんな。呼ばれたから、行くね」

    クリスタ「う、うん。行ってらっしゃい」

    アルミン「」パシュッ ヒュッ

    ジャン「…ミn」

    シス「こいつにあんま喋らすな、怪我にさわる」

    クリスタ「…後でアルミンから話は聞けるよ、ジャン。ね?」

    ジャン「ああ…そうだな」


    ライナー「……」
  27. 27 : : 2013/11/29(金) 00:46:58
    シス「…ミナト。あの子らにあの奇行種の話はするなよ」ボソッ

    ミナト「…わかった。ネス班長がアルミンを呼んだのも、あれ以上話をさせないためだよな?」ボソボソ

    シス「多分な。あの新兵達には悪いが、雌型の話はおあずけだ」ボソボソ…

    ミナト(雌型の巨人…か。あいつは確かに、私を殺そうとした…)

    ミナト(…けど)
  28. 28 : : 2013/11/29(金) 00:47:47


    ミナト(私を握り潰そうとした、あの時…あいつは。ほんの少し…躊躇っていたような…)


  29. 29 : : 2013/12/02(月) 01:13:57

    ドン ドン ドン ドン ドン…

    アニ(考えてもみろ、人類の希望とまつりあげられたエレンが、そうそう危険な場所に配置されるわけがない…)

    ドン ドン ドン ドン ドン…

    アニ(恐らく、ライナーの情報はニセモノ。となれば…エレンの居場所は…)

    雌型の巨人「」クルッ

    ドン ドン ドン ドン ドン…


  30. 30 : : 2013/12/02(月) 01:22:29
    ―リヴァイ班

    エレン「ここが…巨大樹の森」

    キースン「立体機動に、最適」

    オルオ「ああ、新兵は初めてだったな?平地違って、ここじゃ立体機動も制限されねぇ」

    エルド「俺達にとっても有利な場所ってことだ」

    キースン「…観光地?」

    ペトラ「エリオットは誰かに話でも聞いたの?詳しいわね」

    キースン「聞きかじった、程度」
  31. 31 : : 2013/12/04(水) 22:30:34
    グンタ「観光地とはいっても、今はピクニックにはこれないけどな」

    エルド「巨人を駆逐出来れば、これるかもしれないけどな」

    オルオ「ああ、違いねぇ」

    エレン「…そう、ですよね」

    キースン「……」
  32. 32 : : 2013/12/04(水) 22:40:53
    キースン「…音がする」

    エレン「? 何も聞こえないぞ?」

    ペトラ「私も何も…」

    オルオ「お前、耳が良いんだったか?どんな音が―」

    ゴオオオオオオ

    「!?」

    ペトラ「な…何の音…!?」

    グンタ「すぐ後ろからだ!!」

    エルド「まさか、お前が聞いたのはこいつか?」

    キースン「」コク
  33. 33 : : 2013/12/04(水) 22:43:27
    リヴァイ「お前ら、剣を抜け」シャッ

    リヴァイ「それが姿を現すとしたら」

    リヴァイ「一瞬だ」

    ドドドドドドド…

    雌型の巨人「」


  34. 34 : : 2013/12/04(水) 22:46:44
    グンタ「クッ…この森の中じゃ事前に回避しようが無い!」

    エルド「速い!!追いつかれるぞ!!」

    ペトラ「兵長!!」

    オルオ「立体機動に移りましょう!!」

    リヴァイ「……」

    キースン「…兵長?」
  35. 35 : : 2013/12/08(日) 02:52:27

    リヴァイ「―チンタラ走って来やがって…」ボソッ

    エレン「…え?」

    ―ズドドドドドド…

  36. 36 : : 2013/12/08(日) 02:59:56
    ―巨大樹の森・深部

    エルヴィン「準備は整ったようだな」

    ハンジ「ああ。あとはあいつがここまで来てくれるだけでいい」

    エドガー(この装置で本当に、あんなにも大きな巨人を捕らえることができるのでしょうか…)ドキドキ

    ハンジ「おや、不安って顔してるね?―まあ見てなって!これから実演したしたげるから!」
  37. 37 : : 2013/12/09(月) 00:29:36
    ドドドドドドド…

    エドガー「! この音…」

    ハンジ「ついに来たね。…エルヴィン」

    エルヴィン「」スッ

    エルヴィン「―撃て!!」


    ―ズドドドドドド…


    雌型の巨人「!!」
  38. 38 : : 2013/12/09(月) 00:33:27
    エドガー「す、すごい…!」

    ハンジ「ふふ、どうだい? 見事なものだろう?」

    エドガー「はい…!」キラキラ

  39. 39 : : 2013/12/23(月) 00:14:50
    ハンジ「さて……雌型も捕らえたことだし、エドガーも準備してね」

    エドガー「はい、了解しました」

    エルヴィン「リヴァイももうじき戻ってくるだろう。それまでミケとエドガーは待機していてくれ」

    ミケ「ああ」
  40. 40 : : 2013/12/23(月) 00:21:57
    パシュッ スタッ

    エドガー「…こうして見ると、何だか痛そうです」

    ミケ「…巨人相手に同情しているのか?」

    エドガー「いえ…ただ、外見が私たち人間に似ているものですからつい。…すみません、不愉快な思いをさせてしまいましたでしょうか」

    ミケ「いいや、そうじゃない。気にしなくていい」

    …パシュッ スタッ

    エドガー「あ…」
  41. 41 : : 2013/12/23(月) 00:32:46
    ―リヴァイ班

    キースン「―兵長、待って、下さい」

    リヴァイ「…何だ?」

    キースン「私、も。途中まで行きます」

    リヴァイ「何故だ。どこにその必要がある?」

    キースン「この森は広いです。何かあったら、伝達が困難。先程の、場所と私たち、の待機場所は離れています。…その中間地点に私が立てば、先程の作戦地点から、人が離れる時間を、減らせます」

    リヴァイ「…バカ言え。お前はまだ本調子じゃねぇだろ。一人で立たせるのはまずい。かといって特別作戦班の本来の役割を蔑ろにはできねぇ」

    キースン「私、立体機動での移動だけ、なら。自信、あります。…伝達にも」

    リヴァイ「……」
  42. 42 : : 2013/12/23(月) 00:52:10
    リヴァイ「…エルド」

    エルド「何でしょうか?」

    リヴァイ「さっき言った通りだ、そっちはお前に任せた。……それから。ここから先はなるべく長く直進しろ。エリオットが戻りやすいようにな」

    エルド「了解しました、兵長」

    キースン「兵長…!」

    リヴァイ「とっとと行くぞ。早くしろ」

    キースン「はいっ」
  43. 43 : : 2013/12/23(月) 00:57:40
    パシュッ パシュッ ヒュッ パシュッ

    キースン「兵長。ありがとう、ございました。私の言葉、聞き入れてくれて」

    リヴァイ「お前の案は悪く無かった。礼なんざいらねぇよ」

    キースン「…そうですか」

    リヴァイ「―お前はあの…一番太くてデカい木の上で待機してろ。何かあったら煙弾か…人をよこす」

    キースン「了解、です」
  44. 44 : : 2013/12/23(月) 01:04:22

    ―巨大樹の森・深部

    エドガー「リヴァイ兵長が戻って来ましたね。エルヴィン団長のところへ向かわれましたが」

    ミケ「リヴァイが来たか。これで漸く作業に移れる…と思いたいが」

    エドガー「先程の報告…ですよね」

    ミケ「刃が通らない巨人…これにどう対処するべきか…」
  45. 45 : : 2013/12/24(火) 22:43:27
    エドガー「まずは私たちも一度削いでみませんか?話だけは聞きましたが…実際にその様をみてみたいのです。その様子を観察すれば、新たな策が浮かぶかもしれませんし」

    ミケ「とはいえ、刃を無駄にするのもな…まずはエルヴィンに指示を仰ぐか」

    パシュッ スタッ

    エルヴィン「二人共。リヴァイが合流した、そろそろ始めてくれ」

    ミケ「エルヴィン、エドガーから提案があるんだが」

    エルヴィン「提案?」
  46. 46 : : 2013/12/24(火) 23:00:07

    エドガー「――ですので、その刃が通らない状態というものを直接確認したいのです」

    エルヴィン「…ふむ。確かにそれも有用だな。うなじだけでなく、身体の複数の部位で試すと」

    エドガー「話によれば、刃はすぐに使い物にならなくなるとのことですから…試行回数は抑えていきたいと思っています」

    エルヴィン「いいだろう。―ハンジ。お前はエドガーと組んでくれ。リヴァイとミケはうなじの右側にまわれ」

    ハンジ「了解。―じゃ、エドガー行こうか!」ヒュッ

    エドガー「はいっ。―リヴァイ兵長とミケさんも、よろしくお願いします!」ヒュッ
  47. 47 : : 2013/12/25(水) 00:44:50
    ―巨大樹の森・外縁部

    ナナバ「骨が折れてるからね…一応応急処置はしたけど、あまり激しく動いちゃ駄目だよ」

    ミナト「ああ…わかった。わざわざありがとう、ナナバ」

    ナナバ「女性の肌を男に触らせるのもどうかと思っただけだよ。気にしないで」

    シス「…終わったか?」ヒョコ

    ナナバ「ああ。もうこっち向いていいよ」
  48. 48 : : 2013/12/25(水) 00:49:11
    シス「…にしても、長いな。まだ作戦は終わらないのか?」

    ナナバ「煙弾は上がっていない…特に問題は起こっていないとは思うけど、少し心配だね」

    ミナト「森の中に入って行った団長達…皆、怪我がなければいいが…」

    シス「……」
  49. 49 : : 2013/12/25(水) 01:00:07
    ―巨大樹の森・深部

    ハンジ「うーん。やっぱり何度試してもダメなもんはダメだね。…どうやら、雌型の巨人は任意の場所を硬化する能力を持っているらしい」

    エドガー「……」ジーッ

    ミケ「何か思いついたか?」

    エドガー「硬化…任意…再生…弱点…」ブツブツブツブツブツブツブツブツ

    ミケ「」
  50. 50 : : 2013/12/25(水) 01:07:15
    ハンジ「…エドガー?大丈夫かい、」

    エドガー「―はっ!? す、すみません…つい、うっかりしてしまいまして」

    リヴァイ「…それで?何か策は浮かんだか?」

    エドガー「ええ…少々、人を要しますが…」

    エルヴィン「…聞かせてくれ」

    エドガー「了解しました。ではまず――」
  51. 51 : : 2013/12/25(水) 01:15:08
    エドガー「リヴァイ兵長。ミケさん。あなた方お二人で巨人の頭部の切断は可能ですか?眼球付近を起点に、こう…輪切りにするような形で」

    ハンジ「輪切り?」

    リヴァイ「…不可能ではないが。どうするつもりだ?人間がいるとすれば、頭の中じゃなくうなじに埋まっているんだぞ?」

    エドガー「先程の実験の結果、雌型の巨人の効果は表皮にのみ適用されていたように見えました。ですので…巨人の体内、内臓や皮下組織は硬化できないと判断しました」

    ミケ「…つまり」

    エドガー「眼球を起点に雌型の巨人の頭部を輪切りにした後、巨人の内側の諸々を削ぎ体内からうなじにいるとおぼしき人間を掘り当てます」

    リヴァイ「」

    ミケ「」

    ハンジ「」
  52. 52 : : 2013/12/25(水) 01:20:08
    エドガー「巨人には再生能力があるので、内部の肉を削ぐ際は急がねばなりません。通常の戦闘とは勝手が違いますので、兵を多く用意していただきたく…」

    エルヴィン「―わかった。今から準備にとりかかろう。ハンジ、兵を集めてくれ」

    ハンジ「りょ、了解…」パシュッ


    ハンジ(やべえぇえええええ!エドガーってば何て作戦考えるんだよおおおおおお!!)
  53. 53 : : 2013/12/25(水) 01:24:33

    ハンジ(兵士たちはエドガーの話を聞いて一斉に硬直していた。…無理もないよね)

    エルヴィン「…総員、準備はいいな」

    リヴァイ「ああ」

    ミケ「勿論だ」

    ハンジ「うん」

    エドガー「いつでもどうぞ」

    一同「」コクッ

    エルヴィン「」…スッ
  54. 54 : : 2013/12/25(水) 01:24:56


    エルヴィン「―かかれ!!」


  55. 55 : : 2013/12/25(水) 01:33:13
    リヴァイ「」ザシュウゥッ

    ミケ「」ザシュウッ!

    雌型の巨人「!?」

    リヴァイ「チッ…一気には無理か」

    ミケ「中心がどうしても残るな…もう一度やるぞ」

    リヴァイ「ああ…」ジャキッ
  56. 56 : : 2013/12/25(水) 21:59:16
    ―ザシュッ!!

    ミケ「頭頂部は落としたぞ!」

    エドガー「肉を抉り出します!急いで!」

    ハンジ「蒸気でよく見えないね…!」

    モブリット「く…!」

    エドガー「頭骨に添い刃を当てます、そうすれば効率良く削げるはず…!」
  57. 57 : : 2013/12/25(水) 22:10:29
    ミケ「大分うなじに近付いたな」

    リヴァイ「もうじき、ヤツのうなじの中にいるヤツに会える…中でションベンもらしてねぇといいんだが…」

    雌型の巨人「」

    エドガー「いい加減、出て来たらどうですか? あなたは完全に包囲されています…逃げられは、しませんよ!」ザシュッ!!

    雌型の巨人「」

    アニ(逃げられはしない、か…)
  58. 58 : : 2013/12/25(水) 22:55:21


    雌型の巨人「――――――!!」

    ビリビリビリビリビリビリ…

    一同「!?」


  59. 59 : : 2013/12/25(水) 23:03:52
    リヴァイ「…てめぇ…びっくりしたじゃねぇか」

    エドガー「い、今のは…一体…」

    ミケ「―!」バッ

    ミケ「巨人が迫って来ているぞ!そこら中から…!」

    ズシン ズシン ズシン ズシン…

    リヴァイ「オイ…てめぇ…さっき何かしやがったな」

    雌型の巨人「……」
  60. 60 : : 2013/12/25(水) 23:19:21

    エルヴィン「発破用意を急げ!」

    ミケ「エルヴィン!先に東から来る、すぐそこだ!」

    エルヴィン「荷馬車護衛班、迎え撃て!!」

    荷馬車護衛班「!?」

    荷馬車護衛班「無視だと!?奇行種なのか!?」

    荷馬車護衛班「三体突破します!!」
  61. 61 : : 2013/12/25(水) 23:21:27
    エルヴィン(雌型の巨人を狙っているのか!)

    荷馬車護衛班「全方位から巨人出現!」

    エルヴィン「―全員戦闘開始!!雌型の巨人を死守せよ!!」

    「「「!?」」」
  62. 62 : : 2013/12/25(水) 23:26:54
    荷馬車護衛班「くそ…キリがない!」ザシュッ

    ミケ「」ザシュウゥッ

    ハンジ(雌型の巨人が呼び寄せたのか…?)ザシュウッ

    エドガー「く…雌型の巨人め!捨て身の策を講じてくるとは!」ギリッ

    エルヴィン「……」
  63. 63 : : 2013/12/25(水) 23:27:24

    エルヴィン「全員一時退避!!」
  64. 64 : : 2013/12/25(水) 23:30:38
    リヴァイ「オイ…エルヴィン」

    エルヴィン「やられたよ」

    リヴァイ「…何って面だてめぇ…そりゃあ」

    エルヴィン「敵にはすべてを捨て去る覚悟があったということだ。まさか…」

    エルヴィン「自分ごと巨人に食わせて、情報を抹消させてしまうとは…」
  65. 65 : : 2013/12/25(水) 23:36:25
    エドガー「―畜生!!」ダンッ

    エドガー「あと少し…あと少しだったのに!!あンのクソ雌型が…!!」ギリギリ…

    ハンジ「エドガー、落ち着いて…仕方無いよ。あんなの、予測できなかった」

    エドガー「けど!頭まで見えていたんだ!肉の中からブロンドがのぞいていた…せめて、顔だけでも確認していれば!!」

    ハンジ「ブロンド…?」

    エドガー「肌の色は白!…恐らく、雌型の中身はガワと同じく女だ…!!」
  66. 66 : : 2013/12/25(水) 23:42:20
    エルヴィン「総員撤退!!」

    エルヴィン「巨人達が雌型の巨人の残骸に集中している内に馬に移れ!」

    エルヴィン「荷馬車はすべてここに置いて行く!」

    エルヴィン「巨大樹の森西方向に終結し陣形を再展開!カラネス区へ帰還せよ!!」
  67. 67 : : 2013/12/25(水) 23:45:52
    エドガー「……」

    ハンジ(…エドガー、余程悔しかったのかな…?さっきの作戦といい、普段の彼とは違いすぎて…)

    ヒュッ スタッ

    リヴァイ「エドガー。お前に一つ頼みがある」

    エドガー「…なんでしょう」
  68. 68 : : 2013/12/26(木) 01:49:03
    リヴァイ「俺の班員が向こうにいる。直ぐに動ける…状況の分かっているお前に合流してもらいたい」

    エドガー「了解です。リヴァイ班のみなさんですね?」

    リヴァイ「途中のポイントにエリオットを立たせている。…六人揃って戻ってこい。いいな?」

    エドガー「はっ!」パシュッ
  69. 69 : : 2013/12/26(木) 01:54:21


    キースン「……」

    キースン(さっきの声?は何だったんだろう…巨人の群れは俺を無視して兵長が向かった方へ行ってしまったし…)

    …パシュッ

    エドガー「―キースンさんっ!」

    キースン「エドガー?」

    エドガー「リヴァイ兵長から、あなた方と合流するように命じられました。他のみなさんはどこに?」

    キースン「…あっち」ユビサシ
  70. 70 : : 2013/12/26(木) 02:03:49
    パシュッ パシュッ ヒュンッ

    キースン「…そう。あれは雌型の、叫び声」

    エドガー「ええ…雌型の巨人は叫び声をあげ、巨人を呼び寄せ…自分自身を食わせ、姿を消しました」

    エレン「巨人を呼び寄せた…?」

    オルオ「マジかよ…とんでもねぇヤツだな、雌型の巨人の中身はよ…」

    エルド「そこまで追い詰めていたのか…うなじの中には、一体誰がいたんだろうな?」

    ペトラ「金髪に白い肌の…女? そこまで絞れたけれど、巨人に食われてしまっているから真相は闇の中、か」

    グンタ「むしろ蒸気の中にかもな…」

    キースン「…蒸気」
  71. 71 : : 2013/12/26(木) 02:10:57
    キースン「…ねえ、エドガー。君は、雌型の中身が、食われたの。見た?」

    エドガー「いいえ…蒸気に遮られて、よく見えなかったので…」

    キースン「…そう」

    オルオ「何かひっかかってそうな顔だな、エリオット?」

    キースン「もしかしたら、だけど。雌型の中身…生きてる」

    オルオ「は?」
  72. 72 : : 2013/12/26(木) 02:17:29
    エレン「まさか…雌型の巨人は他の巨人に群がられて食われたんだろ?それじゃあ逃げようが無いぞ」

    キースン「そうともいえない。もしかしたら、中身は立体機動装置。きちんと使える状態で、巨人化した、かも。…エレンより、雌型、巨人化慣れてる」

    エレン「確かに…あそこまで自在に巨人の身体を動かせるのなら、そうかもしれねぇけど…」

    オルオ「立体機動が使えるんなら…雌型の中身が兵士に紛れ込むのも難しくはねぇだろうな」

    エルド「みんな、とにかく今は兵長たちと合流しよう。俺たちだけで雌型とやりあうのは分が悪すぎるからな」
  73. 73 : : 2013/12/27(金) 02:34:59
    ペトラ「普通の巨人とは勝手が違うものね。うなじを削げない巨人と戦うには、特殊な戦い方をしなくてはいけないだろうし…」

    エドガー「リヴァイ兵長たちがいる場所はそう遠くありません。巨人も今は雌型の残骸に夢中ですから、このまま馬を飛ばせばすぐ―」


    ――カッ!!


    グンタ「今のは…!?」

  74. 74 : : 2013/12/27(金) 02:35:15


    雌型の巨人「」


  75. 75 : : 2013/12/27(金) 02:37:33
    グンタ「おい!出たぞ、雌型の巨人だ!!」

    ペトラ「本当に中身が無事だったなんて!」

    エルド「全員立体機動に移れ!」パシュッ!

    「「「了解!」」」パシュ パシュッ!!
  76. 76 : : 2013/12/27(金) 02:43:39
    オルオ「雌型め…俺達を探してやがったのか!?」

    エルド「エドガー!兵長たちは?!」

    エドガー「合流予想地点まではまだ先です!」

    エルド「くっ…!」

    グンタ「やはり、雌型の巨人は早すぎる!ふりきれない!」
  77. 77 : : 2013/12/27(金) 03:50:03
    エドガー「戦闘は避けられないか…?!」

    エルド(エレンだけでも、兵長のところへやらないと…!だが、エレン一人で行かせようとしても反発しかねない…)

    エルド「―エリオット、お前はエレンを連れて一足先に戻れ!」

    エレン「!?」

    エリオット「…俺が」

    エルド「このままじゃ追いつかれて全員やられる!エレンだけは守り抜け!いいな!」
  78. 78 : : 2013/12/27(金) 03:54:23
    エレン「ま、待って下さい!俺も戦います!」

    エルド「ダメだ!お前は戻れ!」

    エレン「でも!刃がきかないならそれ以外の方法でしか奴は倒せないじゃないですか!俺が巨人化して戦えば」

    ペトラ「あなたの能力は自分を守るためだけに使いなさい!今使っては駄目よ!」

    エレン「く…!」

    キースン「エレン…言う通りにして。お願い…」
  79. 79 : : 2013/12/27(金) 22:39:49
    エルド「エドガー!煙弾をっ」

    エドガー「はい!」カチャ

    エルド「グンタ、オルオ、ペトラ、エドガー!俺達で雌型を足止めするぞ!」

    エルド「幸い俺たちは本隊の近くまで戻ってきているようだ。兵長が来てくださるまで、持ち堪えるぞ!」
  80. 80 : : 2013/12/27(金) 23:03:07
    エレン「俺も、みなさんと一緒に!」

    エルド「これが最善策だ!お前は行け!」

    オルオ「俺たちの腕を疑ってんのか!?」

    ペトラ「エレン…私たちのことが信じられないの?」

    エレン「…!」

    キースン「……」
  81. 81 : : 2013/12/29(日) 13:08:20

    エレン「我が班の勝利を勝利を信じています!ご武運を!」

    キースン「―後、お願い、します」

  82. 82 : : 2013/12/29(日) 13:13:34
    エレン「……」

    キースン「…エレン。もう少し速度、上げて」

    エレン「…わかった」

    キースン「エルド、グンタ、オルオ、ペトラ、エドガー。みんな強い。…負けない。だから、安心して」
  83. 83 : : 2013/12/29(日) 13:16:07

    リヴァイ「あの煙弾…方角。間違いねぇ」

  84. 84 : : 2013/12/30(月) 01:08:36
    パシュッ ヒュウゥッ

    エレン「! リヴァイ兵長!!」

    キースン「兵長っ」

    リヴァイ「お前らだけか。他の四人…いや、五人はどうした」

    エレン「雌型の巨人と交戦中です!俺を退避させるために…!」
  85. 85 : : 2013/12/30(月) 01:13:28
    リヴァイ「…おい、エリオット。お前はエレンを連れてこのまま戻れ。すぐ先でミケたちが待機している」

    キースン「了解です」

    リヴァイ「俺は五人に加勢してくる。…今度こそ、雌型の中身を引きずり出してやる」

    エレン「兵長…」
  86. 86 : : 2013/12/30(月) 07:31:20


    ―調査兵団本部・宿舎

    コンコン

    キースン「エドガー、ちょっといい?」

    エドガー「…どうぞ」

    ガチャ

    キースン「…夕飯、食べないの」

    エドガー「食欲がありません」

    キースン「何も食べないの、良くない。パンと、付け合わせだけ持って来た。…食べて」

    エドガー「……」
  87. 87 : : 2013/12/30(月) 07:36:29
    キースン「た・べ・て」

    エドガー「…置いておいてください。後でいただきます」

    キースン「わかった。…ミナト、心配してた。ちゃんと食べてね」

    エドガー「…はい」

    キースン「今日のこと、ショックなのわかる。けど、君が悩んでも仕方ない…」
  88. 88 : : 2013/12/31(火) 00:29:17
    キースン「…あの子。アニが裏切り者、だったなんて。俺も、信じたくない」

    エドガー「エレンたちも…そうでしょうね」

    キースン「多分きっと。あの子たちは三年を共にしている。俺たちよりも、確実に傷ついているはず」

    エドガー「…巨人の力を持つ兵士。エレンと違い、人類に牙を剥く巨人…アニは一体、どんな存在だったのでしょうね」
  89. 89 : : 2013/12/31(火) 00:37:12

    ―調査兵団本部・医務室

    ミナト「」モグモグモグモグ

    シス「大丈夫か…って大丈夫そうだな。もう食ってるのか」

    ミナト「体力を回復させるようにと言われたからな。とりあえず食事と睡眠をとろうと思って」

    シス「ま、元気そうで何よりだ。怪我の具合はどうだ?」

    ミナト「思ったよりは酷くないらしい。…骨が繋がるまでは安静にしていろとは言われたが、変な折れ方ではなかったそうだよ」

    シス「それでも折れてるんだから、しばらくは動けないじゃないか…くれぐれも無理はするなよ?」

    ミナト「ああ、大人しくしているつもりだ」
  90. 90 : : 2014/01/05(日) 01:41:05
    シス「そうそう。エリオットは今日から本部に戻るらしいぞ」

    ミナト「そうなのか?もう…?」

    シス「ああ。エドガーと一緒に歩いていたところで聞いたんだ。ミナトはまだ聞いていなかったのか?」

    ミナト「ああ、初耳だよ。というか、帰って来てからまだ話もしていない」

    シス「ああ…バタバタしていたからな。無理もないか」
  91. 91 : : 2014/01/05(日) 01:56:15
    ミナト「あの奇行種…雌型の中に人間が入っているだなんて驚いたよ。…確かに、普通の巨人とは全く強さの次元が違ってはいたが…」

    シス「エレン・イェーガーも巨人になれるらしいが、それを凌駕しているというのは聞いた。…巨人化にも練度とやらがあるのかね」

    ミナト「…何より驚いたのは、中身の話だ。まさか知った顔だったとはな」

    シス「お前の同期だもんな、一応」

    ミナト「短い間だったけどな。訓練で組んだこともある。…何というか、とっつきにくい子でな。私は苦手だった」
  92. 92 : : 2014/01/07(火) 00:32:57
    ミナト「そう話したことのある相手ではないし…とにかく冷たい印象だったが。意地の悪い子ではなかったと私は思っている」

    シス「冷たいのに?」

    ミナト「ああ…もし仮に彼女が冷たい人げ…巨人?だったとしたらだ」
  93. 93 : : 2014/01/07(火) 00:33:29


    ミナト「私は本当に握り潰されていただろうから」


  94. 94 : : 2014/01/07(火) 00:46:18

    ――調査兵団本部・裏庭

    キースン「あー、いー、うー…えー、ぇー…」

    ガサガサッ

    キースン「」ビクッ

    オルオ「そうビビるなよ。俺だ俺」

    キースン「…オルオ」

    オルオ「喋る練習してたのか?」

    キースン「…そう」

    オルオ「壁外調査から帰って来た日くらいすぐに休んでもいいじゃねぇか。体壊してちゃ意味ねぇぞ」
  95. 95 : : 2014/01/07(火) 00:49:55
    キースン「でも。気、抜いたら。喋れなくなりそうで」

    オルオ「…そうか。なら、止めはしねぇけど。一人で遅くまでうろつくなよ、まだお前を酷い目に合わせた野郎は捕まってないんだからな」

    キースン「…気を付ける。ありがと、オルオ」
  96. 96 : : 2014/01/07(火) 00:51:41

    キースン「うー、いー、あー…」

    キースン「あー、いー、うー、えー…おー」



    ベルトルト「……」

  97. 97 : : 2014/01/07(火) 00:52:27


    ベルトルト「…悪魔の、末裔め」


  98. 98 : : 2014/01/07(火) 01:02:22

    ―地下

    ハンジ「困ったね。まさか自分自身をこんな形で封じ込めるなんて」

    ハンジ「全く、巨人という存在はつくづく不思議だよ」

    ハンジ「本当は君にも色々話をききたかったんだけど、それは当分お預けだろうね…」


    ハンジ「そうでしょ?アニ・レオンハート」


    ―捕らわれた裏切り者は、巨人の力を手にしていた。

    ―裏切り者は、一体何をなさんとしていたのか?

    ―人類の敵は壁の外だけにとどまらない。


    つづく


    ベルトルト「僕は…僕らは。必ず故郷に帰るんだ」

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著者情報
haruchiya0618

ハル

@haruchiya0618

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エドガー「人類の」キースン「天敵」ミナト「…巨人?」 シリーズ

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