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エドガー「人類の」 キースン「天敵」 ミナト「…巨人?」 【"一ヶ月"編】

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  1. 1 : : 2013/11/02(土) 03:48:45
    エドガー「人類の」 キースン「天敵」 ミナト「…巨人?」 【トロスト区攻防戦編】のつづき。

    RTT2 DbS×進撃の巨人
  2. 2 : : 2013/11/02(土) 03:54:50

    ―朝・厩舎

    ネス「おっ、ミナト、エドガー、エリオット。みんなおはよう」

    エドガー「おはようございます、ネス班長」

    キースン「おはようございます」

    ミナト「おはようございます。シャレットもおはよう」

    シャレット「ヒヒーン」

    ミナト「はっはっは、髪はやらないぞ」ササッ
  3. 3 : : 2013/11/02(土) 04:43:43
    ネス「…ん?お前達、馬の世話をしにきただけじゃないのか。今日は三人揃ってどこかへ行くのか?」

    ミナト「はい。今日はハンジ分隊長達と共に旧調査兵団本部まに向かうんです」

    ネス「旧調査兵団本部…なるほどな。三人共、エレン・イェーガーがいた訓練兵団で立体起動を学んでいたんだったな」
  4. 4 : : 2013/11/02(土) 05:19:37
    ネス「短い間とはいえ共に学んだ同期。…やっぱり気になるか」

    ミナト「ええ…トロスト区の戦いの後、私達も心配で…」

    ネス「そうか。―三人共、折角同期に会いに行くんだ!あんまり暗い顔で行くんじゃないぞ?」

    ミナト「…はい!」
  5. 5 : : 2013/11/02(土) 07:15:18

    ―旧調査兵団本部

    ハンジ「ついたついた! それじゃ早速リヴァイ達の所に行こうか!」


    ペトラ「あ。ハンジ分隊長じゃないですか。もういらしてたんですか?」

    ハンジ「やあペトラ!…いやねぇ。早くエレンに会いたくてさぁ〜」

    モブリット(どうか分隊長が生き急ぎませんように生き急ぎませんように生き急ぎませんように…!!)

    エドガー(モブリットさんかわいそう…)
  6. 6 : : 2013/11/02(土) 07:20:38
    ペトラ「エリオット達も来てたのね。ハンジ分隊長のお手伝い?」

    キースン「手伝いというか…無理を行ってついてこさせてもらったんだ。エレンとは少しの間だけど一緒に訓練してたから」

    ペトラ「そうだったの。それでわざわざ?…優しいのね?」クスッ

    キースン「ありがと、ペトラ。…でも、俺より優しい人が君の近くにいると思うけどな」ポソッ

    ペトラ「?」

    キースン(オルオは良い子だと思うんだけどなぁ…)
  7. 7 : : 2013/11/02(土) 07:24:25

    リヴァイ「来るのが早すぎやしねぇか、クソメガネ」

    ハンジ「酷いなぁリヴァイ。善は急げって言うじゃない。私はそれを実行してるだけだよ!」

    リヴァイ「……」

    エドガー(あああ…すごく怖い顔してる)

    キースン(でも分隊長動じてない…)

    ミナト(流石奇行種…)
  8. 8 : : 2013/11/03(日) 00:11:19
    リヴァイ「…で? 何でてめぇら三人までいるんだ」

    ハンジ「彼らはなかなかいい腕してるからさ。何かあった時に動ける兵士は多い方がいいでしょ?」パチッ

    エドガー(ハンジさん…!ありがとうございます)

    リヴァイ「…ならいい。くれぐれも足手まといになるような真似はするんじゃねぇぞ」
  9. 9 : : 2013/11/03(日) 00:14:01
    ハンジ「…今日のリヴァイは機嫌が悪いのかい?」

    エルド「はは…」

    モブリット(ほとんど分隊長のせいだと思います…兵長が予定していた時間よりずっと早いし。早いし!)
  10. 10 : : 2013/11/03(日) 21:25:09

    オルオ「おい、エレン!ハンジ分隊長がいらしたぞ」

    エレン「え?もう?随分早いですね」

    オルオ「さあ…しかし、お前の友達も来てるみたいだからな。…気を利かせてくれたのかもな?」

    エレン「友達…?」(もしかして、いやいやもしかしなくてもミカサか?ミカサなのか?)

    オルオ「そんなトコで考え込んでねぇで早く行くぞ」
  11. 11 : : 2013/11/03(日) 21:36:18

    エレン(いざ行ってみたら黒髪は黒髪でもミカサじゃなかった。ミナトの方だった)

    キースン「…ごめんね」ボソッ

    エレン「え」ギクッ

    キースン「…がっかりさせたみたいだったから」

    エレン「い、いや、そんなつもりはなかったんだけど―」アセアセ

    キースン「わかってるよ。期待させて悪かった」スタスタ

    エレン「……」(しまった…折角来てくれたってのに、悪いことしちまった…)
  12. 12 : : 2013/11/03(日) 23:20:24

    エドガー「―エレン!」

    エレン「あ、エドガー…」

    エドガー「久しぶりですね!無事で何よりです。トロスト区での活躍も聞きましたよ」

    ミナト「壁に空いた穴を塞いだのは君だったんだって?トロスト区を奪還できたのも君の働きあってこそで…」

    エレン「……」

    エドガー「…エレン? どうかしましたか?」

    エレン「―!」ハッ
  13. 13 : : 2013/11/03(日) 23:23:19
    エドガー「どうかしましたか?まさかどこか具合でも」

    ミナト「それはいけない。何かあったら困るからな…ハンジ分隊長に予定の相談をしてこようか?」

    エレン「い、いや!何でもねぇんだ。少しぼーっとしちまっただけ」

    ミナト「ならいいが…くれぐれも体調管理には気を付けるんだぞ、エレン」
  14. 14 : : 2013/11/04(月) 01:05:36
    エドガー「けど、貴方が元気そうで安心しましたよ。トロスト区や104期生の話を聞いたのは戦後の混乱の最中でしたから…貴方の話も人伝に聞くしかなくて」

    エレン「そうか…お前らにも心配かけちまってたんだな」

    ミナト「気に病む必要は無いさ。こうしてまた会えたんだ、それだけで万々歳だよ」

    エレン(…いや…そうとも言えねぇんだ。だって、俺はさっき…)
  15. 15 : : 2013/11/04(月) 01:08:00


    キースン『…ごめんね』ボソッ

    エレン『え』ギクッ

    キースン『…がっかりさせたみたいだったから』


    エレン(…一言謝っといた方がいいよな…あいつだって俺のこと気にしてわざわざここまで来てくれたんだから)
  16. 16 : : 2013/11/04(月) 01:13:21

    エレン「―オルオさん!エリオット見ませんでした?」タタッ

    オルオ「エリオット?あいつならさっき中庭に出て行ったが…」

    エレン「ありがとうございました!失礼します!」ダァッ

    オルオ「…どうしたんだ、あいつ?」
  17. 17 : : 2013/11/04(月) 01:16:32

    ―旧調査兵団本部・中庭

    キースン「……」

    エレン(オルオさんの言ったとおり、本当にいた…)

    キースン「……」

    エレン(勢いできちまったけど、何て声かければいいんだ、俺…)ウーン

    キースン「…何してるの、エレン」クルッ

    エレン「」バレテタ
  18. 18 : : 2013/11/04(月) 01:24:16
    エレン「…さっきのこと、謝りにきたんだ。わざわざ来てくれた相手に、あんなこと言わせちまって」

    キースン「ああ。…気にしてないから大丈夫。誰だって心に待ち人がいる中で別人が現れたら、あんな態度もするさ」

    エレン「え?」

    キースン「オルオから聞いた。彼は友達が来てるって説明したんだろ?」

    エレン「あ…ああ。そうだけど」

    キースン「君の友達といったらまずアルミンとミカサじゃない?特に、ミカサは君のことをとても大切に思ってる」
  19. 19 : : 2013/11/04(月) 01:32:53
    キースン「君はミカサが来るんじゃないかって、心のどこかで期待してたんだろうね」

    エレン「…わかんねぇ。けど、もしかしたらそうなのかもしれねぇ」

    キースン「ミカサはエレンを無二の家族として見ているけど、彼女が大切なのは君だって同じなんでしょ?なら、多分そうだよ」

    エレン「…そっか」

    キースン「今度ミカサに会ったら、今日の分までたくさん話してあげなね」

    エレン「ああ。そうするよ」
  20. 20 : : 2013/11/04(月) 01:36:36
    グンタ「―おーい、エレン!エリオット!そろそろ集まってくれ!ハンジ分隊長が準備万端で構えてる!!」

    エレン「あ…すみませんグンタさん!今行きます!」タタッ

    キースン「ごめん、すぐ行くから十秒待って」タッ

    グンタ「裏の開けた土地だ、そこにみんないるからな!」

    タタタ…

  21. 21 : : 2013/11/04(月) 01:37:51


    ?『ねぇ、エレン』

    ?『君はさ、彼女のことが。ミカサのことが』

    ?『とっても大事なんだね』


  22. 22 : : 2013/11/04(月) 02:43:23


    ―調査兵団本部

    ユミル「んっ? あそこにいるの、ミナトたちじゃないか?」

    クリスタ「あっ、ホントだ! 三人共ー!!」ブンブン!

    コニー「マジか! おーい! エドガー、エリオット、こっちこっちー!!」ブンブンブンブン!
  23. 23 : : 2013/11/04(月) 02:49:49
    ダダダダダ…

    コニー「エドガー!!」バッ

    エドガー「こ、コニー!?」

    コニー「おう!さっきユミルがおめーらを見つけたんだ。手を振ったんだけど反応が鈍かったから、この俺が直々に走ってきてやったぜ!」フフン

    エドガー「」ジワッ

    コニー「え!? ど、どうしたよ、もしかして今の痛かっt」ギョッ

    エドガー「―よかったぁああああ〜〜〜〜!!!」ギュウゥゥゥ!!

    コニー「お、おう?! …あだだだだ!いてぇいてぇいてぇ!」
  24. 24 : : 2013/11/04(月) 02:56:24
    エドガー「よかった、生きてた…ホント、よかった…!」グスグス… ギュー

    コニー「…おう。お前もお帰り。壁外調査、行ってきたんだろ?」

    エドガー「はい…ありがとう、コニー」グス…

    ミナト「エドガー、コニーを放してやれ。痛そうだぞ」

    エドガー「あっ…ごめんなさい、コニー。私ったらつい…」パッ

    コニー「ま、いーってことよ」(ホントはけっこう痛いんだけどな)ズキズキ
  25. 25 : : 2013/11/06(水) 01:15:46
    クリスタ「三人共無事帰ってこれたんだね…って! エドガー、どうしたの!?」タタタ… ギョッ

    エドガー「すみませ…貴方達も奪還作戦に加わっていたと聞いて私…私、本当に心配で」

    キースン「この話を聞いてから今まで、ずっと落ち着かなくてね。君達の顔を見て安心したらしい」

    クリスタ「そうだったの…ありがとう」ナデナデ

    エドガー「わっ…」

    アルミン(天使のナデナデ…)

    ライナー(結婚しよ)

    ベルトルト「……」
  26. 26 : : 2013/11/06(水) 01:23:22

    ミナト「サシャやユミルも無事でよかったよ」

    ユミル「お前らの方こそ。初めての壁外調査だったんだろ?お疲れさん」

    アルミン「壁外調査といえば…今回は途中で引き返してきたんだって?」

    キースン「ああ。壁の異変を聞いてすぐに戻って来たんだ。けど…時間がかかってしまって」

    ミカサ「一度壁外に出てしまえば移動は至難の技。それは仕方の無いこと」

    キースン「でも…話を聞いていて思うんだ。もっと早く帰還できていたのなら、こんなに犠牲はでなかったんじゃないかって」

    アルミン「エリオット…」
  27. 27 : : 2013/11/06(水) 01:32:03

    エドガー「マルコが…死んだ…?」

    ジャン「ああ。俺が見つけたんだ、あいつを。でも…誰もあいつの最期を見た奴はいねぇんだ。どんな最期だったのかわからねぇんだよ」

    エドガー「そんな…嘘でしょう…?」

    ベルトルト「嘘じゃないよ。マルコは…死んだんだ。死んでしまったんだよ」

    エドガー「…ベルトルト」

    ベルトルト「マルコ・ボットはトロスト区奪還作戦に従事し、そこで巨人に殺された。…もう彼はいないよ」
  28. 28 : : 2013/11/06(水) 01:36:18
    エドガー「私達が…私達がもう少し早く到着できて、いれば。加勢できていたら―」

    ジャン「―エドガー。ベルトルトの言う通り、マルコは、巨人に殺されちまった…けどな、それはお前達のせいなんかじゃねぇ」

    エドガー「ジャン…」

    ジャン「マルコが死んだのも…他の奴らが死んだのも…全部、全部…」
  29. 29 : : 2013/11/06(水) 01:36:41


    ジャン「巨人のせいだ」


  30. 30 : : 2013/11/07(木) 05:53:08
    ライナー「何だ、ジャン。まるでエレンみたいだな」

    ジャン「はぁ? 馬鹿言うなよ。俺を死に急ぎ野郎と一緒にするんじゃねぇ。…調査兵団に入ったのも俺の意志なんだからな」

    ライナー「…そうだったな。お前は自分で自分の兵士としての生き方を決めたんだ」

    ジャン「そうだよ。だから死に急ぎ野郎なんて関係ねぇの」

    ライナー「悪かった、悪かった」ハハハ…

    ベルトルト「……」
  31. 31 : : 2013/11/07(木) 06:05:35

    ライナー「お前達は一足先に、立派な兵士になったんだよな」

    エドガー「立派とはまだ言えませんが…訓練兵からは卒業しましたね」

    ライナー「俺たちもこれから、兵士として人類を守るために壁外に行くわけだ。…その時はお互い、生き延びような?」

    エドガー「ええ、もちろんです。頑張りましょうね、ライナー」

    ライナー「ああ。俺は兵士として最善を尽くす。絶対に生きて帰ってやるさ」

    ベルトルト「……」

    キースン「……」

  32. 32 : : 2013/11/07(木) 06:10:47


    ?『ライナーが言ってた。自分のことを兵士って』

    ?『それはごく普通の言葉のはずなのに、兵士を語るライナーを姿を見ている時の君の表情は…まるで…』

  33. 33 : : 2013/11/07(木) 06:21:59

    ―旧調査兵団本部

    ハンジ「…どうして私は雑巾を握りしめているんだろう?」

    モブリット「掃除をしているからですよ」ザッザッ

    ハンジ「…何でかなぁ?」

    モブリット「リヴァイ兵長の本来の予定を分隊長が乱したせいで遂行できなかった。だから手伝え、と仰ったからですよ」ザッザッ

    ハンジ「モブリット…もしかして怒ってる?」メセンガアワネー

    モブリット「いいえ。真面目に掃除をしているだけです」ザッザッ
  34. 34 : : 2013/11/08(金) 01:02:48

    エルド「何だか悪い気がするな、お前らにまで手伝わせちまって」

    エドガー「とんでもありません。私、掃除とか洗濯とか好きですし」

    グンタ「部屋も片付いてるもんなぁ」

    エルド「兵長の部屋に少し生活感を足した感じだよな、エドガーの部屋は」

    グンタ「だな。ちょっと納得したぜ」

    エドガー(リヴァイ兵長の部屋…私、気になっちゃいます…)
  35. 35 : : 2013/11/08(金) 01:11:31
    ミナト「なぁ、新しい雑巾は無いか? 使い過ぎて今使っていたものが破けてしまったんだ」

    グンタ「雑巾ならここに沢山あるぞ。ほら」つ雑巾

    ミナト「ありがとう。…それにしても、ここは随分と掃除のしがいがある場所だな?」

    エルド「まったくだ。…正直、掃除とだけで丸々一日二日は潰れそうだよ」

    グンタ「けど、お前達が来てくれたからな。少しは早く終わらせられそうだ」

    エドガー「全力で手伝いますよ〜。グンタ、エルド!」

    エルド「はは、ありがとな」
  36. 36 : : 2013/11/08(金) 01:29:35

    リヴァイ「―やり直しだ」

    エレン「」


    キースン「ねぇペトラ…リヴァイ兵長って掃除にすごく厳しいよね」ヒソヒソ

    ペトラ「兵長は潔癖だからね。どんな汚れも見逃せないのよ」ヒソヒソ

    キースン「エレンの掃除、そこまで問題があるとは思わないんだけどなぁ…」ヒソヒソ

    リヴァイ「おい。そこの二人も話してばかりいねぇで手を動かせ」

    ペトラ「はっ!すみませんでした、兵長!」

    キースン「すみませんでした!」
  37. 37 : : 2013/11/08(金) 01:42:21

    エレン「はぁ…問題があるとは思わないんだけどなぁ」オソウジリトライ

    オルオ「ふっ…甘いな新兵」オソウジヘイチョウスタイル

    エレン(頭部の装備まで揃えてきたよオルオさん!)

    オルオ「部屋の四隅を見てみろ…ぱっと見た時はきづかねぇかもしれねぇが、兵長やこの俺が見れば…」ホコリフワフワ

    エレン「あっ」

    オルオ「これでやることはわかったな?…今度はしくじるんじゃねぇぞ新兵」スタスタ…

    エレン(…真似は似てないけど、掃除単品で見れば似て…いや、やっぱ似てないか…)
  38. 38 : : 2013/11/08(金) 02:17:47

    ピカピカ

    ハンジ「いやー、すごいねぇ!あの薄汚さが嘘のようだよ!汗を流した甲斐があった!」

    リヴァイ「お前は言うほど掃除してねぇだろ…」

    ハンジ「窓とかきちんと拭いたよ?リヴァイじゃ届かないような高い場s」ドゲシッ

    リヴァイ「削ぐぞ」ゲシゲシッ

    ハンジ「ちょ…痛い!痛いよリヴァイ!そんなにいじめないで!!」ゲシゲシ

    リヴァイ「これはいじめじゃねぇ。躾だ」ゲシゲシッ

    エドガー(し、躾だなんて…リヴァイ兵長って怖い…!)
  39. 39 : : 2013/11/08(金) 03:39:57


    ?『これはリヴァイ兵長の言葉らしいんですけど』

    ?『躾に一番効くのは痛みなんですって』

    ?『…アナタもきちんと躾てあげれば、良い子になりますか?』


  40. 40 : : 2013/11/08(金) 03:45:57

    ―調査兵団本部

    ハンジ「すっかり遅くなっちゃったね。食堂はまだあいてるから食いっぱぐれる心配は無いけどさ」

    モブリット「とはいえ、あんまり余裕はありませんよ。食堂を使うなら早く行かないと」

    ハンジ「そうだね。パッと行って晩御飯済ませちゃおうか!」

    ミナト「ええ、そうしましょう」

    エドガー「お腹がすきました…」

    キースン「パン、少し分けてあげる」ボソッ

    エドガー「!」パアァァァ
  41. 41 : : 2013/11/08(金) 03:50:22
    ミナト「久しぶりに戦闘や訓練以外で空腹を感じたな」

    キースン「俺も」

    モブリット「あんなに掃除をしたのは私も久しぶりですね」

    ハンジ「私も私も〜」

    モブリット「…分隊長はそんなにやってないでしょ?梯子登って本当に一番上の窓ガラスしか拭いてなかったじゃありませんか」

    エドガー(シュール)
  42. 42 : : 2013/11/08(金) 03:55:54
    ハンジ「あれ? バレてた?」

    モブリット「バレてたも何も、下の方の窓は全部私が拭いたんですよ?知らないはずが無いじゃないですか」

    エドガー「ハンジさん…」

    ハンジ「やめて!そんな汚い物を見るような目はやめて!」

    キースン(パンは半分エドガーのお皿に置いておこう…)ポン
  43. 43 : : 2013/11/09(土) 01:01:16


    ?『駆逐してやる…』

    ?『お前ら巨人は、一匹残らず!』

    ?『この世から、駆逐してやる!!』

  44. 44 : : 2013/11/09(土) 01:06:15

    ―調査兵団宿舎

    ベルトルト「ライナー、君は戦士だ。…このこのはきちんと、わかっているよね?」

    ライナー「…ああ。大丈夫だ。俺は戦士として、必ず任務を遂行して見せる」

    ベルトルト「頼むよ、ライナー。アニだって、憲兵団で頑張ってるんだから…たった、一人で」
  45. 45 : : 2013/11/09(土) 01:09:53
    ベルトルト「全ては僕たちが故郷に帰るために必要なことだ。何としてもやり遂げないとならない。壁の中に未来は無いんだから」

    ライナー「わかってる、わかってるさ…」

    ベルトルト「わかっているのなら、もう少し人付き合いを考えてくれよ。君は彼らと話をすると、すぐに兵士になってしまう」

    ライナー「…すまん」
  46. 46 : : 2013/11/09(土) 01:12:49
    ベルトルト「コニーやサシャ、クリスタ…彼らを避けるのは確かに難しい。けど、話をするにしてももう少し上手くやってくれ」

    ライナー「……」

    ベルトルト「それから…エドガー。彼との会話も避けて」

    ライナー「エドガーもか?あいつとはあまり話はしてないぞ」

    ベルトルト「はぁ…自分では気付いていないようだけど。ライナー、君は…」
  47. 47 : : 2013/11/09(土) 01:13:29

    ベルトルト「エドガーと話をする時は、必ず。兵士に戻ってしまう」

  48. 48 : : 2013/11/09(土) 01:18:22
    ライナー「…そうなのか?」

    ベルトルト「あぁ、それも重症でね。大して会話もしていないはずなのに、兵士になってしまう。…彼の雰囲気に呑まれて」

    ライナー「雰囲気…」

    ベルトルト「エドガーは僕たちと違って身も心も成熟した大人だ。そして、尚且つ真面目な兵士…彼の持つ雰囲気に同調して、君の兵士の面が強調されてしまうんだよ」
  49. 49 : : 2013/11/09(土) 01:23:26
    ベルトルト「この同調は君だけじゃない。他の兵士にも起こっている。…兵団の空気がどこか変わったことに、君は気がついていたかい?」

    ライナー「言われて見れば…訓練兵団でも、だらけてたような連中が少しキビキビ動くようになったな」

    ベルトルト「そう、それだ。兵士はより兵士らしく、そして戦士までも兵士になってしまう…これは僕達にとって脅威だよ」
  50. 50 : : 2013/11/09(土) 01:27:05
    ライナー「ベルトルト、まさかお前―」

    ベルトルト「話にはまだ続きがあるよ、ライナー。…君はエリオットをどう思う?」

    ライナー「エリオット?あいつは、そうだな…物静かで大人しい感じのやつだ。アルミンと親和性がありそうな」

    ベルトルト「そう、アルミンだ。彼はアルミンと同じく、頭がきれる男だよ」
  51. 51 : : 2013/11/09(土) 06:37:52
    ベルトルト「彼の頭脳はアルミン同様、人類にとって有益だ。…しかも、この世界にはない情報まで持っている」

    ライナー「人類の助けになるものは、そのまま俺達にとっての脅威になる…」

    ベルトルト「ああ、簡単なことだよ。それにね?厄介なことに彼は僕らを気にしているみたいなんだ。積極的に僕らを追うことはしなくても、顔を合わせた時、彼は必ず僕らを見ている」

    ライナー「…気付かれたのか?」

    ベルトルト「あくまで違和感程度じゃないかな? でも、安心はできないよ」
  52. 52 : : 2013/11/09(土) 06:42:19
    ライナー「なるべく、あの二人とは関わらない方が良いのか…ミナトもだよな?」

    ベルトルト「当たり前だろう? 彼女だって彼らに近い人間だ。それに立体機動も上手い。最悪の事態に陥った時、彼女に目を付けられたらおしまいだよ」

    ライナー「…そうだよな」

    ベルトルト「ライナー、しっかりしてくれよ。悪魔の末裔とそれに加担する奴等にに惑わされないでくれ」
  53. 53 : : 2013/11/09(土) 06:45:15


    ベルトルト(104期兵だけでも厄介なのに…ここにきて更に面倒な奴らが増えるなんて)

    ギュッ…

    ベルトルト(これはもう…先手を打って殺してしまった方が良いのかもしれない…幸い、一人だけならなんとかなりそうだし…)
  54. 54 : : 2013/11/09(土) 06:46:54


    ベルトルト(エリオット・キースン。恨みがある訳じゃないけど…死んでもらった方が僕らの利益になる…)

  55. 55 : : 2013/11/09(土) 06:55:59

    ―調査兵団本部・食堂

    ゲルガー「今日の食事は妙に味が良いような…」モグッ

    ナナバ「ああ、今日の食事当番はエドガーなんだって。彼は料理が得意らしくて」

    ゲルガー「へぇー、あいつがねぇ。意外な特技だな」モグモグ

    ナナバ「調査兵団の食事の出来って波があるけど、こういうのにあたれるなら悪くないよね」モグ

    ゲルガー「俺は安定して美味いモン食いてぇなぁー」モグモグ
  56. 56 : : 2013/11/09(土) 07:05:30
    ミナト「ナナバ、ゲルガー、おはよう。隣いいかな?」

    ナナバ「もちろん。どうぞ」

    ミナト「ありがとう」

    ゲルガー「なあミナト。今日の食事当番、エドガーだって知ってるか?」

    ミナト「ええ。昨日の夜、はりきっていたから。…その様子だと、口にあったようだね?」

    ゲルガー「ああ、メチャクチャ美味いぜ!お前も早く食えよ!」

    ミナト「そんなに急かされずとも、今から食べるよ」

    ナナバ「…ん?」
  57. 57 : : 2013/11/09(土) 07:10:41
    ミナト「ナナバ?どうかした?」

    ナナバ「いや…あなた達は大体三人一緒にいるじゃない?エドガーがいないのはわかるけど、エリオットはどうしたのかなって」

    ゲルガー「確かに。一緒じゃないのは珍しいな」

    ミナト「…食堂にはいないようだ」

    ナナバ「時間的にみて食べ終わったって訳じゃないだろうね。となると、まだ部屋にいるのかな?」
  58. 58 : : 2013/11/10(日) 06:28:33
    ミナト「変だな…彼がこの時間まで寝ているなんて」

    ナナバ「心配だったら後で見に行ってあげたら?」

    ミナト「…そうしようかな。しかし、曲がりなりにも男性の部屋に私が入っても構わないものだろうか」

    ゲルガー「そういうことなら俺もついて行くか? 一応それなりに付き合いあるし」

    ミナト「じゃあ、お願いするよ。ありがとうゲルガー」
  59. 59 : : 2013/11/10(日) 06:34:35

    ―調査兵団宿舎・キースンの部屋の前

    ミナト「呼んでも反応が無い。寝ているんだろうか」

    ゲルガー「熟睡してんのか?―エリオット、入るぞ」ガチャッ

    ギシ… ギシ…

    ゲルガー「おーい、エリオット。寝てんのか?らしくねぇ…ぞ…」

    ミナト「…ゲルガー? どうしたんだ?」
  60. 60 : : 2013/11/10(日) 19:13:27
    ゲルガー「ミナト! 来るな!!」

    ミナト「え?」ビクッ

    ゲルガー「お前はとにかく人を呼んで来い! 救護班もだ!」

    ミナト「わ…わかった。呼んで来る!」ダダッ

    ゲルガー「……」

     「うー…ぅー…」

    ゲルガー「…わりィ、今外す」シュルッ
  61. 61 : : 2013/11/10(日) 19:18:11
    キースン「―ぷはっ…ありがと、ゲルガー。助かったよ」

    ゲルガー「馬鹿野郎。全然助けられてなんかいねぇよ…どっちかってえと手後れだろ」

    キースン「ちゃんと命はあるし。そんなことないよ」

    ゲルガー「…こんなひでぇコトされてもか?」

    キースン「そうだよ。カラダの傷はきちんと治るしね…」

    ゲルガー「…手、こっち伸ばせ。足はその後だ」

    キースン「わかった」

    バタバタバタ…
  62. 62 : : 2013/11/10(日) 19:22:39
    ミナト「ゲルガー! 救護班を呼んできたぞ!」

    ゲルガー「来たか。…中に入ってくれ、手当を頼む」

    救護班「了解だ」

    ナナバ「どうしたんだい、一体…」

    ゲルガー「ナナバか…お前らには後で説明する。…今は何も聞かないでくれ」

    ナナバ「あ、あぁ。わかったよ、ゲルガー」
  63. 63 : : 2013/11/11(月) 05:38:54

    ―医務室

    エルヴィン「自白剤?」

    医務官「ええ。彼の体からは幾つか薬物が検出されています。その中には自白剤の類もありました」

    ハンジ「しかもかなり無茶苦茶されたんでしょ? …話を聞くにしても難しいかもしれないね」

    医務官「こういう場合、精神的な問題が多くありますから。せめて体だけでも治してからの方がいいでしょう」
  64. 64 : : 2013/11/11(月) 05:43:09
    エルヴィン「だが…あまり悠長なことは言っていられないぞ」

    ハンジ「エルヴィンの言うことももっともだけど。これは…流石に難しいよ」

    エルヴィン「……」

    医務官「ハンジ分隊長の言う通りです。―エルヴィン団長、どうか猶予を」
  65. 65 : : 2013/11/11(月) 05:50:25

    ―調査兵団本部

    ミナト(キースンさんが、襲われたらしい。ゲルガーが部屋に入って見たのは、手足を縛られてベッドに繋がれた彼だった)

    コツコツ…

    ミナト(しかもご丁寧に口と目まで塞がれていたらしい…これじゃあ身動きができるわけがない)

    コツコツ…

    ミナト(一体、どこの誰が彼にあんなことを―)

    ドンッ

    ミナト「あっ…!」
  66. 66 : : 2013/11/11(月) 06:01:48
    ベルトルト「わっ。ごめんねミナト。大丈夫かい?」

    ミナト「ベルトルト…大丈夫だ。こっちこそすまない。考え事をしていて、前を見るのが疎かになっていた」

    ベルトルト「気にしないで。誰だってこういうことはあるよ」
  67. 67 : : 2013/11/11(月) 06:53:07
    ベルトルト「…けど、珍しいね。君が周囲への注意を怠るなんて…何か余程のことがあったのかな」

    ミナト「考え過ぎだよ、ベルトルト。…じゃあ、また」スタスタ

    ベルトルト「またね」フリフリ
  68. 68 : : 2013/11/11(月) 06:56:54
    ベルトルト(あの様子だと、彼女はエリオットの異常に気が付いたみたいだ)

    カツカツ…

    ベルトルト(再起不能になる位の薬、本来仲間であるはず兵士…男達への不信感と恐怖心)

    カツカツ…

    ベルトルト(これでもう、彼は無力化できた)
  69. 69 : : 2013/11/11(月) 06:58:42
    ベルトルト(けど…命は奪ってない)

    カツカツ…

    ベルトルト(戦士なら、こんな半端なマネはせずに殺すべきだっただろうか)

    カツカツ…

    ベルトルト(…僕も、ライナーのこと言えないや)

  70. 70 : : 2013/11/11(月) 07:04:43

    ―医務室

    キースン「……」…スゥ

    エドガー「…まだ、目を覚ましませんか」

    ミナト「ああ。眠ったままだ」

    エドガー「一体…誰がこんな酷いことを」

    ミナト「まだわからない。ただ、兵士の中に犯人はいるのでは、という話だ。…君も昨夜どうしていたかたずねられただろう?」

    エドガー「けど、兵士の中に…こんなことをする人間がいるだなんて」ワナワナ
  71. 71 : : 2013/11/11(月) 17:53:17
    ミナト「私も信じたくないよ…しかし、実際にこんなことが起きてしまっているんだ。事実として受け止める他―」

    ザワザワザワ… ドタバタ

    エドガー「…どうしたんでしょう?外が騒がしいような…」

    ミナト「何かあったのかもしれない。エドガー、見て来てもらえないか?」

    エドガー「わかりました。彼のこと、よろしく頼みますね」ガタッ
  72. 72 : : 2013/11/11(月) 17:58:05

    エドガー(みんな忙しそうですね…誰か、話ができそうな人は…)キョロキョロ

    ミケ「」テクテク…

    エドガー(丁度いい所に!)「ミケさん!少しよろしいですか?」

    ミケ「…構わないが。どうした?」
  73. 73 : : 2013/11/11(月) 18:01:18
    エドガー「さっきから何やら騒がしいのですが…何があったかご存知ありませんか?」

    ミケ「お前はまだ知らないのか。ハンジが巨人を生け捕りにしていたことは知っているな?」

    エドガー「はい。ソニーとビーンですよね」

    ミケ「その二体の巨人が今朝殺された。それで大騒ぎになっているんだ」

    エドガー「え…?」
  74. 74 : : 2013/11/11(月) 19:11:48
    ミケ「犯人は立体機動装置を所持していた。兵士で間違いないが、特定には至っていない」

    エドガー「あの巨人は貴重な被験体だったのですよね? みんなその重要性は十分に知っているはずなのに…」

    ミケ「……」

    エルヴィン「ミケ、エドガー。二人して何を話しているんだ?」
  75. 75 : : 2013/11/11(月) 19:14:48
    エドガー「は…ソニー、ビーン殺害の話をたずねていました」

    エルヴィン「…ほう、そうだったか。君はこの騒ぎを今知ったんだな」

    エドガー「はい、そうですけれど…?」

    エルヴィン「」スッ
  76. 76 : : 2013/11/11(月) 19:15:35

    エルヴィン「君には何が見える? 敵は何だと思う?」

    エドガー「え…それは…」

  77. 77 : : 2013/11/11(月) 19:16:06


    エドガー「       」



  78. 78 : : 2013/11/11(月) 20:38:14

    ―医務室

    ミナト「…遅い。遅過ぎる。エドガーはどこに行ったんだ?」

    コンコン

    ミナト「エドガー!! 遅かったじゃないか一体どこまでいっt」バッ

    ミケ「」

    ミナト「」
  79. 79 : : 2013/11/11(月) 20:49:46
    ミナト「すいません分隊長…」

    ミケ「いや、構わない…。あと、エドガーだが。彼は今エルヴィンの所にいる。しばらく戻って来れないだろう」

    ミナト「エルヴィン団長のところに?」

    ミケ「内容までは俺も知らないが…医務室で君が待っているからと言伝を頼まれてな」

    ミナト「そうだったんですか。ありがとうございます」
  80. 80 : : 2013/11/11(月) 20:54:21
    ミケ「ところで…エリオットの様子はどうだ?」

    ミナト「まだ目を覚ましてくれないんです。昨日からずっとこのままで…」

    ミケ「…そうか」

    ミナト「医務官の話では、薬が抜け切るにも時間がかかるとかで…今は寝かせておく以外、方法が無いって」

    ミケ「……」
  81. 81 : : 2013/11/12(火) 07:23:32
    ミナト「もし、ずっと目を覚まさなかったらどうしよう」グスッ

    ミケ「…まだ一晩だ。明日には目を覚ますかもしれない」

    ミナト「…そうですよね。明日には…明日には目を覚ましてくれるかもしれませんよね」グス…

    キースン「……」…ピクッ

    ミケ「!」
  82. 82 : : 2013/11/12(火) 07:27:26
    ミケ「今、指先が動いた」

    ミナト「え…!?」ガタッ

    キースン「…んん」

    ミナト「キースンさん! 私です、ミナトです! わかりますか?」

    キースン「……」…コク

    ミナト「あぁ…! 良かった…!!」
  83. 83 : : 2013/11/12(火) 07:30:17
    ミケ「医務官を呼んで来る。意識が戻ったんだ、本格的な治療も始められるだろう」スクッ

    ミナト「ありがとうございます、お願いしま―」

    キースン「っ!」ビクッ

    ミナト「…え?」

    キースン「…ぁ」
  84. 84 : : 2013/11/12(火) 07:34:40
    ミナト(何だ、今の…まるで何かに怯えているかのような…)

    キースン「……」…フィッ

    ミナト(丁度、ミケ分隊長が…立ち上がった時だよな。座っていた時は何もなかったのに…)

    ミケ「…では、行ってくる。彼を頼むぞ、ミナト」

    ミナト「は…はっ。了解です」
  85. 85 : : 2013/11/12(火) 10:55:27

    ―調査兵団団長執務室

    エドガー(どうしましょう…半ば強制的にこんな所まで連れて来られてしまいました…私、なにかおかしなことを言ってしまったのでしょうか)ドキドキ

    エルヴィン「―エドガー・クレーマン」

    エドガー「は、はっ!!」ビクーン!

    エルヴィン「そんなに緊張しなくていい。楽にしなさい」

    エドガー「は…はい…」
  86. 86 : : 2013/11/13(水) 08:04:07
    エルヴィン「君をここに呼んだのは他でもない。ある作戦に参加してもらうためだ」

    エドガー「作戦、ですか」

    エルヴィン「ああ。君は私の問いかけに見事に答えてくれた。当作戦へ参加する資格がある」

    エドガー「かなり重要な作戦とお見受けしますが…私のような者が参加してもよろしいのですか?」
  87. 87 : : 2013/11/13(水) 16:25:10
    エドガー「御存知の通り、私はこの世界の人間ではありません。出自も不明な部外者である私が、そこまで重要な役目を負うというのは…」

    エルヴィン「だからこそともいえる。君達は我々の世界のしがらみから外れた存在だからな」

    エドガー「…つまり、この作戦はこの世界の人間に的を絞ったものだと?」

    エルヴィン「察しが良くて助かるよ」
  88. 88 : : 2013/11/13(水) 19:53:20
    エルヴィン「詳しい内容は作戦に従事する者が決まってから通達する。それまではいつでも動けるよう待機していてくれ」

    エドガー「了解しました。ご期待に添えるよう、尽力致します」ドンッ

    エルヴィン「ああ、よろしく頼む」

    エルヴィン(本当ならば後の二人にも作戦に参加してもらいたかったが…仕方ない。エドガーにのみ動いてもらうことにしよう)
  89. 89 : : 2013/11/13(水) 20:01:45

    ―医務室

    医務官「うむ…まだ薬の影響が残っているようだね」

    キースン「手も痺れて、よく…動きません」

    医務官「全身の痺れ…痛みは無いんだね?」

    キースン「」コク

    医務官「君に使われた薬は、かなりタチの悪いものだ。場合によっては後遺症も残る」

    ミナト「こ、後遺症!?」

    医務官「端的に言えば、体の自由がきかなくなる。まず兵士は続けられない」

    ミナト「そんな…」

    医務官「だが、こうして意識はきちんと戻った。時間がかかるだろうが薬はきちんと抜けるはずだ。…それまで辛いだろうが、頑張るんだよ」

    キースン「…はい」
  90. 90 : : 2013/11/13(水) 20:06:26
    ミナト「…どれくらいで、元に戻るでしょうね?」

    キースン「すぐには、無理だろうね。次の壁外調査…参加出来るかな」

    ミナト「……」

    ドタドタドタ… バタバタ

    ミナト「…やかましいですね」

    キースン「…誰か、来る」

    バターン!!
  91. 91 : : 2013/11/13(水) 20:11:45
    オルオ「…よお」ゼエゼエハアハア

    ミナト「今の足音は貴方達だったのか…」

    ペトラ「…ご、ごめんねうるさくて。オルオが走るもんだから私も思わず…」ゼエハアゼエハア

    オルオ「これが走らずに…いられるか」

    ペトラ「き、気持ちは…わからなくも、ないわ…」

    ミナト「もしかして二人共」
  92. 92 : : 2013/11/13(水) 20:16:25
    オルオ「エリオットの話を聞いた。…ひでぇことする奴もいたもんだな」

    キースン「わざわざ、ありがと」

    ペトラ「! …その喋り方は?」

    キースン「薬のせい、みたい。しばらくすれば、治るらしい」

    オルオ「らしいって…何だよそれ。絶対じゃないのか?」

    キースン「……」クス

    オルオ「おい、笑い事じゃないだろが」

    キースン「ごめん。でも、ね?」
  93. 93 : : 2013/11/13(水) 20:21:10
    キースン「オルオ、さっきから。リヴァイ兵長のマネ、してない。…俺が最初に、会ったオルオに戻ってたから」

    オルオ「」ハッ

    ペトラ「そういえば…確かに」

    ミナト「似てないマネをするより、素の方が絶対良いなぁ」

    オルオ「ななななにいってやがr」ブシャアアァ

    ペトラ「あーあ舌噛んだ」
  94. 94 : : 2013/11/13(水) 20:28:26
    キースン「ハンカチ血塗れ」

    オルオ「お前のせいだぞ、バーカ。バーカ!」

    キースン「ごめん」アハハ

    オルオ「ったく…」

    ミナト(…オルオが近くに立ってても、キースンさんはなんともない。ペトラも医務官さんも平気。どうしてミケさんはダメだったんだろう?)
  95. 95 : : 2013/11/13(水) 22:07:03

    〜翌日

    キースン「しばらく、お別れ」

    エドガー「ですね。…療養とは聞いていますが、早く戻ってこれるといいですね」

    キースン「ああ。俺もそう思う」

    ミナト(キースンさんの件についてだけれど。彼もまたエレン同様隔離措置がとられることになった)

    ミナト(エレン同様といっても彼が他人に危害を加えることを危惧しているわけじゃない。むしろその逆だ)
  96. 96 : : 2013/11/13(水) 22:24:02

    エルヴィン『誰が君を狙ったかわからない以上、ある程度の防衛は必要だ』

    キースン『防衛…避難?』

    ハンジ『うん、そういうことだね』

    リヴァイ『…で? 何故俺達の所が選ばれたんだ?』
  97. 97 : : 2013/11/14(木) 07:37:38
    ハンジ『兵士達を調べたんだけど、エリオットが襲われた時の所在がわからないのがほとんどでね。確実に無関係とわかって、かつ隔離が可能なのがあなた達の所だったんだよ』

    リヴァイ『…エレンの件もある。どさくさに紛れて何かされないとは限らないと思うが?』

    ハンジ『調査兵団本部と旧調査兵団本部はかなり離れているし、彼をリヴァイ達の所に行かせることは通達しないよ。そこは心配しなくても大丈夫』

    リヴァイ『…そうか』

    ハンジ『あと…もう一つ理由はあるんだよね』ニシシ

    リヴァイ『…何だその嫌な笑は』
  98. 98 : : 2013/11/15(金) 20:59:32
    エルヴィン『彼を襲撃した人間は、どうやら大柄らしくてね』

    ミナト『エドガーやオルオは平気でも、ミケ分隊長やエルヴィン団長に近くに立たれると竦んでしまうんです』

    エルヴィン『この事実から、犯人も体格でかなり絞れて来た。…そして、彼の近くにいても怯えさせることのない実力者を選んだ結果がこれだ』

    ハンジ『いやぁ、人類最強が小さくてよかったよね〜。これでリヴァイまでミケみたいだったらどうなってたことk』ゲシッ

    リヴァイ『それでさっきからニヤニヤしてやがったのかこんのクソメガネが…』ゲシゲシッ

    ハンジ『ちょ、いたっ! 痛いよリヴァイ!!』ゲシゲシッ

    リヴァイ『黙れ』ゲシゲシゲシッ
  99. 99 : : 2013/11/15(金) 21:09:21

    ミナト(…あのリヴァイ兵長の目の届く場所に行くんだ。心配は無いだろうけど)

    ミナト(大柄な兵士が犯人…一体、誰だというんだ?)



  100. 100 : : 2013/11/15(金) 21:19:23

    ―調査兵団本部・中庭

    エドガー「」カリカリカリカリカリカリカリカリ

    ゲルガー「うわぁ何だアレ」

    リーネ「わかんない…」

    ナナバ「一心不乱に何かを書き留めているね…」

    リーネ「…ゲルガー、何やってるのか聞いて来てよ」

    ゲルガー「やだよ…お前が行けよ…」

    ナナバ「…私が聞いて来る」テクテク
  101. 101 : : 2013/11/15(金) 21:23:32
    エドガー「」カリカリカリカリカリカリカリカリ

    ナナバ「やあ、エドガー。何をしているのかな?」

    エドガー「…情報をまとめています」カリカリカリ…

    ナナバ「そうなんだ。何の?」

    エドガー「秘密です」カリカリカリカリカリカリカリカリ

    ナナバ「…秘密かあ」

    エドガー「ええ」カリカリカリカリカリカリカリカリ
  102. 102 : : 2013/11/15(金) 21:26:12
    ナナバ「何かまとめてるみたいだけど、内容は秘密だそうだよ…」

    ゲルガー「何も聞き出せてねぇじゃねぇか…」

    ナナバ「あの"邪魔者は去れ"と言わんばかりのオーラを目の前にして会話を続けるだけの図太さは私にはないよ…」

    リーネ「…どんまい、ナナバ」
  103. 103 : : 2013/11/15(金) 22:20:31
    ゲルガー「しかしよ…エドガーのやつ、一体何をまとめてるんだろうな?」

    ナナバ「周りを見たり、紙に目を落としたり…せわしないよね」

    リーネ「秘密と言われたら気になるものだけど」

    「「「教えてくれないだろうなぁ…」」」

    エドガー「」カリカリカリカリカリカリカリカリ
  104. 104 : : 2013/11/15(金) 22:25:46
    カリカリカリカリカリカリカリカリ

    エドガー(兵士達の体格。ミケさん位…いや、少なくともエルヴィン団長以上の人間が犯人…)

    カリカリカリカリカリカリカリカリ

    エドガー(オルオ以下の身長は除外。私も平気だった…)

    カリカリカリカリカリカリカリカリ

    エドガー(この条件は男性にのみあてはまり、女性はその時点で除外される…と)

    カリカリカリカリカリカリカリカリ
  105. 105 : : 2013/11/15(金) 22:34:08
    スクッ

    エドガー(この世界の人々は、私達がいた世界の人々に比べて大分体格が良い人が多いけど…それでも、あれだけ大きな人は少ない)

    エドガー(少ないのに…その少ない人間の中に、よく知っている人が二人もいるなんて…なんて偶然なんでしょう)

    ギュッ…

    エドガー(ライナー、ベルトルト…貴方達は無関係ですよね…?)

  106. 106 : : 2013/11/15(金) 22:51:22

    ―旧調査兵団本部

    キースン「」パシュッ ヒュッ… スタッ

    ペトラ「もうすっかり動けるようになったね。これなら明日の壁外調査にも参加出来るかも」

    オルオ「ま、不自由なく動けるようになって良かったな」

    キースン「二人のおかげ。ありがと」

    オルオ「喋り方がまだたどたどしいのが気になるが…」

    ペトラ「体はよくなったんだもの。そっちだってこれから良くなるよ」

    キースン「……」コク
  107. 107 : : 2013/11/16(土) 00:24:00
    エルド「おーい、三人共! そろそろ戻ってこい!」

    グンタ「壁外調査の作戦、もう一度見直すぞ」

    オルオ「了解!」

    ペトラ「すぐ行くね! …エリオットも、ほら!」

    キースン「…ん」


    ―息つく間も無く過ぎ去る時間。

    ―調査兵団内部で起こる不可解な事件。

    ―巨人に抗う人類は果たして、新たな道を切り拓くことができるのか?

    ―異界の兵は、彼らの力になれるのか?

    ―自由の翼は、今再び壁外へと羽ばたいた。


    つづく


    ネス(シャレットが明日に備えて髪を食わせろと訴えて来るんだが、どうすりゃいいんだ…)

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haruchiya0618

ハル

@haruchiya0618

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エドガー「人類の」キースン「天敵」ミナト「…巨人?」 シリーズ

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