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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

アニ「これは一体…」 ※現パロ・ホラー

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  1. 1 : : 2014/08/28(木) 15:46:39
    よく耳にしないだろうか…




    都市伝説とは、現代発祥のもので根拠が曖昧なもの


    20世紀後半、外国のとある民俗学者が初めて提唱し、爆発的に世間に知られるようになった


    その内容は、根拠が無くても奇妙なリアリティを感じさせるものが多い


    恐怖を感じさせるものの、不思議な魅力がそこにある


    例えば、ベッドの下の斧男、下水道のワニ、客の消えるブティック…などがそれに当たる


    酷く荒唐無稽な[噂]にもかかわらずそう感じさせる






    その本質は人の狂気や闇に由来するのではないか…







    「これは友達の友達から聞いたんだけど…」







    [それ]は[友達の友達]を介して広がる


    徐々に尾ヒレを付けていきながら…


    ーーーーーー
    ーーーーー
    ーーーー
    ーーー
    ーー
  2. 2 : : 2014/08/28(木) 15:48:44


    刺すような日差しが私を包む


    久しぶりの外の空気に思わず伸びをした


    私の名前は[アニ・レオンハート]25歳


    とある警察署に勤務している


    最近起きた事案の処理に手こずり、署に暫く缶詰だった


    エレン「先輩!」


    こいつは私の後輩、[エレン・イェーガー]歳は私より一つ下だ


    エレン「暑いですねー、この時期の外回りはホント嫌になりますよ」


    そう言って右手を顔の前でパタパタさせて扇ぐ


    辺りには蝉の声


    アニ「何か掴めたの?」


    エレン「いや、さっぱり」ニカッ


    アニ「はぁ…ちゃんと仕事しなよ」


    エレン「す、すみません」シュン


    あ、落ち込んだ


    アニ「冗談」クスッ


    アニ「外に行くついでに、プリン買ってきてあげるから元気出しな」


    エレン「!? ほんとうですか!?」パアッ


    こいつは見ていて飽きない


    短時間の間に表情をこんなに変える


    というか、そもそもこいつが仕事をおざなりにするなんて思ってない


    誰よりも真面目で真っ直ぐな人物だ


    そのストイックさにも好感を持てる


    すると、急にエレンは神妙な面持ちになった


    エレン「…進展が無いっていうのは、皆が同じ証言しかしないからなんです」


    アニ「…」


    エレン「最近殺害されたボザド氏も、やはり同様の[妄言]を吐いていたようで」


    エレン「そもそも数センチの隙間に人なんか入れないでしょう」ニガワライ


    アニ「しきりにこう言ってたんだっけ?」


    アニ「部屋の隙間から何かが覗いている、赤い目の何かが…って」


    エレン「そうですそうです」


    エレン「で、調べたんですが、殺害された3人のうち2人は[薬物中毒者]だったようです」


    アニ「…」


    エレン「とは言っても、[軽い]ですけどね」


    エレン「鑑識医のほうでも、やはり薬物反応ありだったようで」


    アニ「1人は?」


    エレン「そう、だからわからないんですよ」


    エレン「その1人ラングナー氏からは全く検出されなかった」


    アニ「…」


    エレン「全て薬物の副作用による、幻覚では片付けれないんです」


    アニ「…何か裏がある」


    エレン「…ええ」

  3. 3 : : 2014/08/28(木) 15:50:31
    謎が深まる


    被害者は3人


    オルオ・ボザド


    グンタ・シュルツ


    イルゼ・ラングナー


    ボザドさんとシュルツさんからは薬物反応が見受けられた


    しかし、ラングナーさんからは見受けられなかった


    被害者は男性2人に女性1人


    接点は無し


    唯一共通しているのが妄言


    だがこれを妄言で片付けられるのか


    どうも彼らが嘘を言っているように思えないのが現実だった


    隙間から除く何か…


    それは一体…



    エレン「ところで先輩、プリンの方を…」ウワメ


    アニ「ん?ああそうだね」
















    ギロ…



















    アニ「!?」





    まさにギロという効果音がふさわしい視線を感じる


    まるで獲物を狙う蛇のような…


    文字通り蛙ように一瞬固まる


    この視線が何処からなのかを特定はできなかった


    なぜならエレンと私以外に誰も居なかったからだ


    真っ昼間の署の入り口で立ち尽くす


    エレン「…先輩?」


    心配そうにエレンが見つめてくる


    アニ「いや…なんでもないよ」


    何だったのだろう


    いや、こんな話を聞いたから変に意識したんだ


    気のせいだ


    そう思おう


    私は視線の主を見つけることなく署をあとにした




    ーーーーーー
    ーーーーー
    ーーーー
    ーーー
    ーー
  4. 5 : : 2014/08/28(木) 21:34:04
    これは期待!
  5. 7 : : 2014/08/30(土) 19:50:55
    >>5
    ありがとうございます
  6. 8 : : 2014/08/30(土) 19:54:22
    期待です!
  7. 9 : : 2014/08/30(土) 20:31:44
    >>8
    頑張ります
  8. 10 : : 2014/08/30(土) 20:31:53


    アニ「はぁ…コンビニはやっぱ涼しい…」


    夏のジトジトした湿度を全て拭う涼しさ


    署の中はクールビズ推奨なので冷房が効いてない


    やっぱコンビニは最高の避暑地だね


    ただ、自動ドアじゃない店舗はドアが開け放たれてたりするけど



    中に入った私は、真っ先にプリンの場所を確認する


    アニ「ん? あれは…」ジッ


    プリンを手に取った時に、雑誌コーナー不意に目がいった




    見慣れた後ろ姿


    思わず声をかけた


    アニ「ジャン先輩、なにしてるんですか? サボってるんですか? クズですね」


    捲し立てると、背中に冷水をかけたように驚き振り返る


    ジャン「な、なんだよ人聞きがワリィな!?」


    この馬面の男が[ジャン・キルシュタイン]先輩


    歳は私より3つ上で、階級は警部補


    片手には如何わしい成人向けの雑誌


    アニ「本当の事でしょう? 貴方が途中で消えたからあの後大変だったんですよ」


    現在の連続殺人事件より前の事案、[窃盗事案]に手を付けている時に、この人は姿を消した


    私だけで片付けられたからいいものの、今回連続殺人事件が舞い込んできた


    突然大きな事件が来たもんだから、私は右往左往した


    酷いもんだよ…


    ジャン「ワリィワリィ、まあ上手く流したんだからいいじゃねえか! な??」


    ジャン「まあこれで手打ちにしようや!」スッ


    そう言って手を差し出してくる


    アニ「嫌です」プイッ



    即答してやった



    ジャン「相変わらず手厳しいな」ニガワライ


    アニ「当然です」


    アニ「ほんと、上に報告しますよ?」ジト


    ジャン「う…、な、なあ何でもするから勘弁…な?」ウワメ


    アニ「男の上目遣いなんて止めて下さい気持ち悪いです」


    この人は何から何まで適当だ


    まあ、ある意味適当だから交流するのに楽な部分もあるけど




    正直嫌いじゃない




    飄々としていて不真面目だけど、決めるとこは決める


    そんな人だから憧れている部分もある


    ただ、言ったら調子に乗るから言わないけど


    アニ「…はぁ、帰りますよ? ほら早く?」プイッ


    会計を手早く済ませて、コンビニを後にした


    ーーーーー
    ーーーー
    ーーー
    ーー
  9. 11 : : 2014/08/30(土) 22:31:51

    数時間ぶりに自分の職場に戻った


    私の所属は刑事部だ


    刑事部の中でも、更に機動力に長けた捜査を行う為に設立された部隊がある


    私はその[機動特殊捜査先行隊]で職務に当たっている


    略して機特隊だ


    もう一度言う、略して機特隊だ



    ……別に復唱に意味は無い(一度言ってみたかった///)



    構成員は私とジャン先輩、新人のエレンと隊長のハンネス


    人数は少ないものの、そこそこに成果を上げているため存続している


    主に捜査一課の[食べ残し]を片付ける


    要するに回されてきた事案や、早急解決が認められるものが主な職務だ


    アニ「レオンハート巡査部長、ただいま戻りました」


    ジャン「同じく」


    アニ「…」ツネリ


    ジャン「!?」ビクッ


    ジャン「キルシュタイン警部補、戻りました!!」


    エレン「お疲れ様です!!」スッ


    エレンが立ち上がり敬礼する


    ハンネス「おー、戻ったか」


    この人が[ハンネス]隊長だ


    説明はこれ以上は蛇足なので省く


    先輩以上にフリーダムな人とだけ言っておこう


    アニ「ほら、プリンだよ」スッ


    エレン「わあ! ありがとうございます!!」ニコッ


    アニ「ふふ」


    まったく可愛い子だよ


    あ、恋愛感情とかは無いからね!


    ジャン「おら、よろしくやっているかよ? エレン??」スッ


    エレン「触らないで下さい」


    ジャン「んだと…!?」


    私がジャン先輩に接する態度と少し違う


    本気で避けている態度だ


    二人の間に何があったのかはまた今度話そう


    ハンネス「まあギクシャクせず気楽にやってこうや」


    こういう時には隊長は役に立つ


    ジャン「ちっ!」サッ


    エレン「…」サッ


    アニ「はぁ…」


    ハンネス「で、今回の事案に解決の糸口は見えたか?」


    皆が一様に首を横に降る


    ハンネス「んまあ、内容が内容だからな」


    ハンネス「レオンハート、もう一度事件の概要を話してくれ」


    アニ「はい」






    今現在まで3人殺害されている


    被害者とその素行については前述の通り


    殺害のされ方が特殊で、被害者全員身体中の骨を骨折


    まるで、無理に狭いところに閉じ込めたかのように歪な折れ方をしている


    被害者が生きている状況ではこういった殺害は不可能だろう


    だが、予め殺害していたらどうだろう


    死後硬直が始まってからは、多少難が有るがこういった状況にする事は恐らく可能ではある


    その方法を取らないとなると…






    概要を説明している最中に背筋が凍る


    皆も口には出さないが、人間の力では無理な話だ


    事件を撹乱するにしても、相当に骨が折れることだ


    複数人による犯行なのかもしれないが…


    それでもこんな短時間に犯行を行えるのか


    謎が謎を呼ぶ…


    アニ「以上です」


    辺りに静寂が訪れる


    暫しの静寂をジャン先輩が払拭した


    ジャン「なんか…都市伝説で言う[隙間なんたら]とか[引きずりなんたら]みたいだな」アセダラ


    非現実を口にし、一同に困惑の表情が浮かぶ


    いや、各々が思っていたことを代弁されたことに困惑しているのか


    エレン「そんな非現実口にしないで下さい…だってあるわけ無いでしょう」


    エレン「時間の無駄です」


    ジャン「あん!? 俺は感想を言っただけで…」


    エレン「それが無駄なんです…もう少し警察官としての自覚を持ったらどうですか?」


    ジャン「んだとてめぇ!?」ガバッ


    エレン「やめて下さい服が破けちゃうじゃないですか!?」


    アニ「あんたらそこまで」ブン


    蹴りが綺麗入り二人が転ぶ


    エレン「…っ…すみません」


    ジャン「って…ここまでしなくていいだろうが」


    アニ「まったく…冷静になりな」


    ハンネス「ふぅ…まああれだ」


    ハンネス「ジャンの言ったことは、非現実だ」


    ハンネス「だがな、そこから今回の事件のヒントがあるかもしれない」


    アニ「隊長…」


    ハンネス「頭に入れておくってことだ」スッ


    そう言ってハンネス隊長は部屋を出て行った
  10. 12 : : 2014/09/02(火) 19:41:43
    今までの事件とは全くテイストの違うものに、一同はただ狼狽するだけだった


    果たして本当に科学では証明出来ない[モノ]の仕業なのか


    エレンの読み通り、人間の仕業で何か裏があるのか


    ダメだ、頭が回らない、休憩室に行こう


    そう思い立った私は、部屋をあとにした
    ーーーー
    ーーー
    ーー

  11. 13 : : 2014/09/02(火) 21:01:01

    アニ「ふぅ… やっぱこういう時はココアに限るね」


    頭を悩ませた時はいつも此処に来てこれを飲む


    コーヒーじゃないのは、別に苦くて嫌いなわけじゃないから


    普通に飲めるから


    エレン「先輩!」


    声のする方を見ると、エレンがココアを両手に駆けて来る


    エレン「ありゃ、もう飲んでたんですね」


    エレン「さっきのプリンのお返しをしたくて… 先輩だいたい休憩室でココア飲んでるじゃないですか?」


    なんと!


    私の行動、好みまで言わずとも把握しているとは…恐ろしい子…


    アニ「別にお返しなんていいのに…」


    エレン「いえいえ」


    アニ「ねえ…アンタはどう考える?」


    不意にさっきの話を持ち出す


    一瞬目を丸くした彼だが、すぐに真剣そのものの表情になった


    エレン「もちろんジャン先輩の言う[都市伝説]または[残留思念]の犯行なんて考えられません」


    アニ「でも、科学じゃ説明が付かない一歩手前まで来ているよ?」


    エレン「…絶対裏があるんです! 姉さんの時だって…」


    アニ「エレン…」





    エレンには5つ離れた姉がいた


    [ミカサ・イェーガー]、私の以前の上司だ


    だが、2年前に起きた連続殺人事件に巻き込まれ殉職した


    被害者は全員女性で数十名にも上り、この中には事件を追う捜査官も含まれている


    犯人は捕まり表向きは解決されたが、未だにも多くの謎が残されている事件だ


    特に殺害方法が特殊で、外傷無く[全身の血液を抜き取る]といったものだ


    その方法から[吸血鬼]の仕業と、世間を恐怖に陥れた


    その外傷無く血液を抜き取る方法は未だに解明されておらず、犯人も留置所で心臓麻痺によって息を引き取った


    捜査はここで名目解決、として打ち切られた




    しかし、捜査の打ち切りに私は納得しなかった




    だが捜査の継続を申し出ようにも、新人の私の話なんて誰も聞く耳持たずだった


    そして事件が無かったかのように忘れ去られた


    誰もがこの事件から避けて行くように…





    エレン「この事件も解決して…いつかは姉さんの真相も…」


    アニ「…」


    エレン「なんで[あいつ]がついていながら…くそ!!」




    あいつ、と言うのはジャン先輩だ


    ミカサ先輩とジャン先輩は恋愛関係だった


    弟のエレンも認知していただろう


    そんな彼女を守ることさえ出来ず[見殺しにした]と憎悪しているんだろう



    エレン「先輩…絶対解決しましょう!」


    アニ「…」


    彼の目からは強い信念が伝わってくる


    真っ直ぐ見つめるその瞳


    アニ「ああ…そうだね」


    飲み終えたココアをゴミ箱に捨て、見落としを考慮し再度聞き込みに行くことにした

    ーーーー
    ーーー
    ーー
  12. 14 : : 2014/09/02(火) 21:03:56
    >>11の最後を少し変えました
  13. 15 : : 2014/09/04(木) 04:12:21
    期待!!!!!
  14. 16 : : 2014/09/05(金) 22:14:06
    >>15
    ありがとうございます
  15. 17 : : 2014/09/05(金) 22:14:14
    私達は再度聞き込みを開始した


    だが、空振りばかりでそれらしい情報は得られずだった


    脳裏に浮かぶのは、エレンの真剣な眼差しと先輩の最後の笑顔


    このままでは終われない


    数週間の粘り強い捜査から、ある一人の人物に辿り着いた






    アニ「妙に垢っぽいね」


    エレン「ええ…外からこうでしたら、恐らく室内は…」


    廃墟寸前かというような風貌のビル


    人の出入りがあるように到底思えない


    気は進まないが、車から降りて入り口に向かった


    アニ「…いくよ」




    此処に例の[薬物]を被害者二人に売りつけた人物が居るらしい


    鑑識の方では、近年世間を騒がせている[脱法ハーブ]の類だと結果が出た


    しかし、新しい規制をすり抜けるように、化学成分を少しだけ変えた脱法ハーブが[合法な新製品]として今も流通している


    効能や種類などを完璧に把握にたどり着けていないのが現実だ


    ひょっとすると、常識では考えられない作用が存在するかもしれない


    ラングナーさんが服用していなかったのをみると、引っかかる点がある


    だが、ほんの少しでも解決の糸口があるのなら躊躇する必要はない




    エレン「うわ…やっぱ中は酷いですね」


    顔を引きつらせてエレンが言う


    無理もない


    そこら中カビだらけ、しかも生ゴミが散乱している


    そのゴミを漁る無数の小さな蟲が蠢く


    それを見るだけで、胃の底からさっきのカップラーメンが上がってきた



    奥に入るにつれて辺りを包む臭気が酷くなる


    饐えたような酸っぱい臭いが包み込んでくる…


    アニ「あまり長居したくないね」


    喉の直ぐそこまで上がってきている


    でも後輩の前だから、カッコ悪いところは見せれない


    エレン「…」


    彼もとうとう無言になった


    顔色が悪いので限界が近いのだろう



    暫く歩いていると扉に突き当たった


    ボロボロに錆びている金属製の扉だ


    エレン「ここ…ですかね」


    アニ「…」






    なんだろう…






    心の何処かでノブを握る手を必死に止めようとしてる






    開けたら終わり







    私の第六感が層告げる






    エレン「どうしたんですか?」


    心配そうに見てくる


    アニ「いいや…」


    再びノブに手を掛ける















    ギロ…













    まただ!


    今度は近い


    どこからか私を見ている


    得体の知れない何かが…


    同時に下腹部に重いものが降りるような感覚


    極限の緊張感に足が竦む


    脈拍が上がるのを感じる



    はは…



    こんな感じ、中学の時の告白以来だよ




    エレン「先輩大丈夫ですか?」


    アニ「…」


    エレン「自分が開けます」


    返答も返せずにいると、躊躇なくエレンが扉を開いた


    錆びついて開きが悪かったが、肩を入れながら押す


    その時には気味の悪い視線は消えていた
  16. 18 : : 2014/09/05(金) 22:50:16
    私達は戦慄とした



    目の前の光景が浮世離れしていたからだ



    先ほどとうって変わって錆びた香り



    まるで髪を撫でるように鼻腔を擽る…



    美しいまでに散らした鮮血



    歪に折れ曲がり、バラバラになった胴体



    こちらを見据える、孤独な頭部



    人間技じゃない…



    エレン「ほ、本部に連絡を入れましょう!!!!」


    取り乱す後輩


    いくらなんでもこれは冷静にいられない


    アニ「…!?」


    再びあの視線だ…


    ジっとこちらを見ている


    視線の感じる方へ目を向けると、部屋の奥に歪な影が揺れる







    ひたひた…


    ひたひた…


    ひたひた…


    ひたひた…


    ひたひた…


    ひたひた…


    ゆっくりと静かに揺れる4足の[それ]は、確実に近づいてくる


    それは紛れもない[視線の主]だ


    それは血濡れの身体をブルブル震わせ、焦点の定まっていない瞳から紅い涙を流す


    在り得ない方向に折れ曲がった首、そして口から唾液をだらだら垂らしている


    先月に大事故を起こしたハーブ服用者がフラッシュバックした



    ひたひた…


    ひたひた…


    ひたひた…


    ひたひた…


    元々は人だったのだろう


    微かな面影残るそれは、[化け物]と認識しても支障ない


    本能的にこいつと正面からやり合わないほうが良いと感じる


    次に私が取った行動は


    アニ「っあ!! あんた!早く逃げるよ!?」


    エレン「っあ! はい!!」


    幸いゆっくり追って来るそれは、私達の足にはついて来れてない




    アニ「っくう!! なんで閉まってるのよ!?」


    ロビーに行くための階段に繋がる扉が完全に閉まっていた


    もともと立て付けは悪かったが、乱雑に閉められたようでビクともしない


    そして扉には鮮やかな紅色


    誰が閉めたのか明らかだ


    エレン「どいて下さい!!!!」



    ガスッ!!!!!!!



    エレンが強引に蹴破ろうとするが反応がない



    ひたひた…


    ひたひた…


    後方の通路の曲がり角から、ゆっくりと紅い顔を出す


    その表情は笑っているような…怒っているような…入り混じって判別出来ない


    そして静かに近づいてくる


    ひたひた…


    ひたひた…




    ガスッ!!!!!! バタン!!!!!!!!



    やっとの想いでドアが開く










    うううううぅあああぁぁあああああああぁあああああああああぉおおおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…









    男か女かも分からないうめき声のようなものを出すと同時に、化け物が尋常じゃない速さで追いかけてくる


    今までの鈍い動きが嘘のように


    べちゃべちゃ!!!!


    べちゃべちゃべちゃべちゃ!!!!!!!!


    アニ「前だけみて走りな!!!」


    エレン「ぅあ! は、はいぃっ!!!!!!!」


    奴がすぐ後ろまで来ていたのがわかった



    おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおううううあああああああああああああああ!!!!!!



    背中に何かが触れる



    うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!!



    生暖かい何かが背中を伝うが、後ろを見ずに走った


    ーーーーーー
    ーーーーー
    ーーーー
    ーーー
    ーー
  17. 19 : : 2014/09/18(木) 12:24:16
    >>17
    >>18
    を少し変えました
  18. 20 : : 2017/02/09(木) 22:52:53
    期待(つω・`。)けど放置は辞めて( ゚д゚)クワッ

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アニ・レオンハート捜査官の奮闘記録 シリーズ

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