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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

ハンジ「ナナバ、キスしてくれない?」

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  1. 1 : : 2014/07/17(木) 21:54:54
    ※ナナハンです(どちらも♀)
    ※見切り発車なので更新遅いです

    前作「ナナバ『ハンジ、キスしようよ』」とは全く別のストーリーです
  2. 2 : : 2014/07/17(木) 21:58:10



    「セックスは男とするけど、キスは女とするのが良いね」


    いつものように唇を重ねた後、
    彼女は外を眺めながら呟いた。


    何故、突然そんなことを言い出したのだろう。


    彼女も私と同様に、
    この行為を心地好く思っているということなのだろうか?


    窓硝子に透ける
    プラチナブロンドの美しい髪を見つめながら、
    私は少しのあいだ考察した。


    彼女は視線を合わせ、
    まるで自然の摂理とでも言いたげな流れで顔を近付けてくる。


    男と感触の違うそれは、柔らかく、
    そして甘美だ。

  3. 4 : : 2014/07/17(木) 22:00:49


    いつまでも貪っていたくなるような毒性があると感じてしまうのは、
    性が同一だからなのか、
    彼女自身だからなのか。





    …分からないが、確かなことがある。


    脳が融けて、
    そのまま消えていってしまいそうになるこの感覚は、
    彼女とだけしか共有出来ない。



    もう、
    どうしたって抗えないのだ。





    _
  4. 10 : : 2014/07/19(土) 19:38:21





    「いきなり何するんだよ!?」


    突然の出来事に混乱した私は
    彼女を椅子から突き飛ばし、
    脇目も振らず走り出した。


    酒場から宿舎までの道を逃げるように駆けながら、
    頭の中で先程の事を幾度も反芻する。



    一体何故、
    彼女は私に口づけなどしてきたのだろうか。



    いつも通り壁外調査を数日後に控え、
    いつも通り幹部連中で酒場へ行った。


    いつも通りの酒を頼み、
    いつも通りに話をしていた。


    普段と比べて
    特別何かが違っていたということはない。


    彼女の様子も
    “そのとき”までは極めて普通だった。

  5. 11 : : 2014/07/19(土) 19:40:24


    つまり、
    特段計画していたわけではないのだと思う。


    唐突に思いついたであろう、
    意味不明な行為。


    酒が変な風に回って、
    気が大きくなっていたのだろうか?


    それとも
    何か別の理由があるのだろうか?


    頭の中で疑問を巡らせるだけで答えが出るのなら、
    あの瞬間にだって理解できたはずだし、
    あの場から走り去る必要も無かったはずだ。



    結局のところ…
    分からないのなら聞くしかない。



    「なんってことだ……」


    急激に襲ってきた恥ずかしさを打ち消すように、
    私は手の甲で口を拭った。




    _
  6. 14 : : 2014/07/27(日) 23:47:40






    「あの…ナナバ、」


    「あぁ、ハンジ」


    昨夜に起こった“事件”の真相について問いただすべく、
    彼女の部屋を訪ねた。


    「どうしたの、何か用」


    「いやあの…えっと…」


    「そ、その……」

  7. 15 : : 2014/07/28(月) 00:56:06




    「……………あぁ。もしかして、昨日のキスのこと?」



    こちらが言い淀んでいると、
    彼女はいきなり核心をついてきた。



    「……う、うん」


    「ふふ、まさか突き飛ばされるとは思わなかったよ。そんなにびっくりした?」


    「や……ひ、久々だったから…つい」


    「なんだ、リヴァイとしょっちゅうしてるのかと思ってた」


    「へ!?リ、リヴァイとは別にそういうんじゃ…」



    少し外れた会話の内容に
    思わず狼狽する。


  8. 16 : : 2014/07/28(月) 01:00:17



    「…っじゃなくて!そ、そういうナナバこそ、ミケがいるのに何で急にあんな…」


    「えぇ?」



    こちらが酷くまごついているにも関わらず
    彼女の表情は全く変わらない。


    私の名を呼び、
    唇を押し付けてきたあの時と同じだ。


    何処吹く風のその振る舞い。





    …何故だか、妙に苛ついた。


  9. 17 : : 2014/07/28(月) 08:25:51




    「ミ、ミケへの当て付けとか?そういえば、一瞬別の方向を見た気がしたんだよね!」


    根拠も無い思いつきで、
    相手を撹乱してやろうと試みる。


    「……………」



    当てずっぽうもいいところだったのだが、
    彼女は少しだけ押し黙った。


    すぐに返事をしない様子を見る限り、
    核心に触れることが出来たのだろうか。


    確認のため、そのまま畳み掛ける。



    「あ、当て付けに私を利用するのは勘弁してくれよ」


    「………………それは、気のせいじゃない?」



    …もしかして、
    狼狽している?










    「……私はあの時、あんたのことしか見てなかったよ」


    「え…」

  10. 18 : : 2014/07/28(月) 08:28:36



    「…そ、それは……どういう意味?」


    「…………さぁね」


    そう言うと彼女は席を立ち、
    扉の前にいた私との距離を縮めた。


    「…………まぁでも、悪かったよ。ごめん」


    素直に謝る彼女は、
    涼しい顔のまま真っ直ぐにこちらを見据える。


    「……っ」


    その瑠璃色の瞳があまりに美しく、
    思わずたじろいでしまう。



    「…許してくれる?」


    「……う、うん」

  11. 19 : : 2014/07/28(月) 08:41:01


    「よかった。…じゃあさ、」







    …私はその時、
    後退りしたのだろうか。



    それとも、
    身を乗り出したのだろうか。





    一瞬を置いてのち、
    柔らかなものが微かに触れた。





    「…これ、仲直りのしるしね」












    _
  12. 20 : : 2016/06/19(日) 23:13:00



    「ああぁぁもおおおおおぉぉ!!!」


    予想だにしていなかった出来事が立て続けに起こり、
    私の頭は混乱を極めた。


    「けっ、結局何でキスされたのか分かんなかったし………っつ、つーか、何で私また許可しちゃってるんだよ!?」


    頭の中で先程の事を幾度も反芻する。


    一体何故、
    彼女はまた私に口づけをしてきたのだろうか。


    (……考えろ……考えるんだ。)


    酒を飲んでいた風ではなかったし、
    いつも通りの冷静で穏やかな様子に見えた。


    普段と比べて
    特別何かが違っていたということはない。
  13. 21 : : 2016/06/19(日) 23:16:14


    (もっ、もしかして……ナナバの出身地域では仲直りにキスをする文化があるとか…?)


    (尚且つ、酒を飲むとキス魔になるタイプとか……?)


    (………………………イヤ、ないわ)


    (この付き合いの長さで、今更そんなことが露呈するわけない…………。)



    分からない。



    分からない。




    けれど、
  14. 22 : : 2016/06/19(日) 23:17:15



    「…………ッ」



    顔が、
    どうしようもなく火照る。



    身体が、
    淡く痺れる。



    (なんか私………ヘンだ…………)





    彼女のことばかり、

    考えてしまっている。






    _
  15. 23 : : 2018/01/27(土) 07:34:25
    おーもしろかたよー

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