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【僕の嫁がこんなに奇行種なわけがない】~in駐屯兵団 前編~

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  1. 1 : : 2014/04/23(水) 20:42:26
    こんばんは。執筆を始めさせていただきます。

    前回までのシリーズ、【僕とハンジと、時々、巨人】に続き…

    新シリーズ、突入です!!!

    前回までのあらすじ…

    かくれんぼゲームで、リヴァイから«3兵団の長を全員口説き落としてみろ!»という課題をだされたハンジは、エルヴィンを口説く事に

    成功する。

    そして、紆余曲折を経て、モブリットはハンジにプロポーズをし、2人は婚約する。

    しかし、罰ゲームは続行する、と言い張るハンジ。はてさて、どうなることやら…

    そして、申し訳ありませんが、ゆっくり更新になります。よろしくお願いします。

    では、どうぞ…

  2. 2 : : 2014/04/23(水) 20:53:19
    ※モブリット視点から物語を進めます。

    僕は、ついに実現させた。

    ずっと想い続けたひと…ハンジ.ゾエと婚約した。

    僕は走った。愛しい彼女のもとに。

    モブリット 「ハンジさ~ん!」

    ハンジ 「…モブリット!」

    迎えてくれる、彼女の笑顔…

    幸せだ…僕は…

    モブリット 「ハンジさん…」

    ハンジ 「モブリット…」

    見つめ合う2人。手を取り合って…

    モブリット 「ハンジさん…僕は…」

    ハンジ 「モブリット…」

    分かってます…僕たちは…

    ハンジ 「ごめんね!」

    へっ???

    ハンジ 「私…他に好きなひとができたの!」

    はいぃぃっ!?

    ハンジ 「このひとっ!」

    笑顔でハンジさんと腕を組むそのひとは…

    「すまんのぅ、モブリット…」

    ピクシス指令!?

    モブリット 「そっ…そん…な…」

    ハンジ 「やっぱ、年上がいいかなって。」

    ピクシス 「照れるのぅ、ハンジ。」

    ハンジ 「照れ屋さんなんだから、もう。」

    笑い合う2人…幸せそうに…

    嘘だ…うそだぁぁぁっ!!!
  3. 5 : : 2014/04/23(水) 21:15:48
    モブリット 「ハンジさぁん!」ガバッ

    …僕は飛び起きた。

    どうやら、夢だったらしい。よかった…。

    汗ぐっしょりになっていた僕は、額の汗をぬぐい、息をついた。

    ハンジ…さん…

    あなたの心は…どこにも行かないですか…

    僕の心は、あなたのそばに、ずっといます。あなたの心を疑ってしまう僕は…ひどい男…でしょうか…

    モブリット 「あっ、いけない…」

    ハンジ分隊長を起こしに行かなくちゃ。

    僕はあなたの…副官なんだから。
  4. 6 : : 2014/04/23(水) 21:30:17
    <ハンジの自室にて>

    コンコン…

    モブリット 「分隊長…入りますよ?」

    ガチャ…

    部屋に入ると、なんと分隊長は起きていた。

    もとい、起きて着替えまで済ませていた…。

    モブリット 「分隊長…どうしたんですか…」

    ハンジ 「ん、おはよう、モブリット。」

    愛らしい、飾らない笑顔。いつものハンジさん。

    モブリット 「おはようございます…」

    ハンジ 「今日は私、ちょっと出かけるから。」

    モブリット 「えっ、今日ですか!?」

    ハンジ 「そ。」エヘ

    モブリット 「でも…今日は溜まった書類を整理するって…」

    僕の言葉に、ハンジさんは僕の両手を握りしめ、

    ハンジ 「お願い…ダーリン…」

    反則だ。

    そんなうるうるした瞳で、そんな頼まれ方をしたら、断れないのは決まっている。

    それでも断れる、という方はいますか?あなたはどうですか?

    ハンジ 「じゃ、行ってくるね、モブリット。」

    モブリット 「はいはい。」

    僕はふてくされた表情で答える。

    ハンジ 「書類片付けたら、モブリットも来てよ。」

    モブリット 「…どこへ行くつもりなんですか。」

    僕の問いに、ハンジさんは楽しくって仕方ない、といった笑顔をみせ、

    ハンジ 「駐屯兵団!」

    モブリット 「駐屯兵団?なんでそんな所に…」

    ハンジ 「ん?ひ~み~つっ。」

    そんなの悲しいじゃないですか。僕とあなたは婚や…

    ……チュッ。

    不意に、優しくキスされる。まったくこの人は…

    モブリット 「…いってらっしゃい。僕も必ず後から行きますから。」

    ハンジ 「うん、待ってるよ。」

    この人は…これだから…大好きなんだ、僕は。
  5. 7 : : 2014/04/23(水) 21:41:49
    ※ここからハンジ視点になります

    私は、ウォール.ローゼの賑やかな繁華街をスキップしていた。

    周りには、他にスキップしてる人なんていないけど、楽しい時は、楽しそうに歩かなくちゃね。

    さて、何を買おうかな。みんなは何がいいと思う?

    …と、私は、ある店のショーウインドウの前に足を止める。

    ハンジ 「」

    大きなダイヤが美しいネックレス。

    以前、モブリットとこの前を通って、私は思わず声を上げた。

    『ねぇねぇモブリット、これ、かわいいよ!」

    とは言ったものの、

    『これ、買って!』

    とは言わなかったけどね。知っている人もいると思うけど、調査兵団のお給料っていうのは…

    ハンジ ………ハァ…(~_~;)

    …だからね。彼からプレゼントされれば、そりゃ嬉しいけどさ。けど、あんな光モノ、私が身につけたって似合わないよ、ね。

    さて、やっぱお酒にしようかな。私がいつも飲んでるやつにしよう。

    誰に会いに行くかは…もうみんな分かるよね。

  6. 12 : : 2014/04/26(土) 09:35:40
    <調査兵団本部にて>※ここからはモブリット視点です

    僕はため息をついた。

    なんで書類ってのは、こうもおもしろいように溜まっていくのだろう。

    モブリット 「ん?」

    僕は、ふと1枚の書類を手に取った。

    うわ…またリヴァイ兵士長のサインがいるやつだよ…早く行ってくるか。

    僕は、リヴァイ兵士長の自室へ向かった。
  7. 13 : : 2014/04/26(土) 09:43:14
    <リヴァイの自室にて>

    リヴァイ兵士長は、相変わらずの不機嫌顔で僕を出迎えた。

    リヴァイ 「…またサインか。」

    どこかの人気アイドルみたいな台詞をこぼすと、リヴァイ兵士長はサラサラと書類にサインした。

    モブリット 「いつもすみません…」

    僕は深々と頭を下げる。すると、リヴァイ兵士長から意外な言葉をかけられる。

    リヴァイ 「…クソメガネは、駐屯兵団にいるのか。」

    モブリット 「!?なぜ、それを…」

    リヴァイ 「いいから行け。何度も言うが、自分の女の管理くらい、しっかりやれ。」

    モブリット 「…しかし…まだ書類…が!?」

    僕はリヴァイ兵士長に壁際まで迫られ、凄まれる。

    リヴァイ 「…エルヴィンに怒鳴られるのと、嫁を他の男にとられるのと、どっちがいい?」

    僕は即答した。

    モブリット 「行きます!行ってきます!!」

    他の男って…ハンジさんあなたは…何をしようっていうんですか!?
  8. 14 : : 2014/04/26(土) 10:08:34
    ※ここからはハンジ視点です

    私は、元気よく駐屯兵団本部の門の前に立った。

    ハンジ 「たぁのもぉぉぉっ!!!」

    やっぱ第一声はこれだよね。別に道場破りをしに来た訳じゃないけどさ。

    門番をしている兵士の1人に声をかけられる。

    門番 「…ハンジ分隊長…何かご用ですか…?」

    なぜか顔がひきつっている。私が上官だからって、緊張しなくていいんだよ。リラックスリラックス。

    ハンジ 「ピクシス司令、いる?」

    門番 「あの…どういったご用件で…」

    ハンジ 「うん…まあ、色々とね。」

    私は言葉を濁した。要は口説きに来たんだけどさ。

    ピクシス 「わしに何か用かの。」

    門の奥から、駐屯兵団の司令であり、南側領土の最高責任者である、ドット.ピクシスが現れる。

    慌てて敬礼する門番たち。

    私は、ピクシスに向かって上品な笑顔をみせる。…なるべくね。

    ハンジ 「ピクシス司令…私を出迎えてくださったんですか…?」

    大人な色気のある笑みを浮かべながら、言ってみる。…なるべくね。

    ピクシス 「いや、とてつもなくでかい声が聞こえたからのぅ、何事かと思って見に来たんじゃ。」

    そう言い、懐からスキットルを取りだし、酒をあおる。

    その姿に、苦々しげな表情を浮かべる側近の兵士。

    …何て名前だったっけ…

    側近 「司令!お酒を飲むのはもうお止めください!勤務中ですよ!!」

    ピクシス 「アンカ、何を言っておる。これは水じゃ、水。酒のうちに入らんよ…」

    そう言ってまた1口飲んで、しっかり酔って赤くなった顔を私に向け、

    ピクシス 「…で、わざわざ調査兵団の分隊長殿が、何か用かの。」

    私は、手土産の酒と、おつまみの入った袋をみせ、

    ハンジ 「ちょっと…親睦を深めに…」

    手土産を見たピクシスの目が輝く。

    ピクシス 「ほう、そうか。そうじゃの。兵団同士、親睦を深める事は重要じゃ。のう、アンカ。はっはっは。」

    私の肩を抱き、中へ招き入れるピクシス。

    第一段階、クリアってとこだね、うん。

    私はそのまま客間に通される。できれば2人っきりになりたいんだけどな…。
  9. 17 : : 2014/04/26(土) 12:35:11
    アンカ 「司令、いい加減にしてください!!」

    ピクシス 「少し位いいだろう、アンカ。」

    アンカと呼ばれた女性兵士は、呆れ顔で肩をすくめる。

    アンカ 「…本当に、少しの間だけですからね。」

    ピクシス 「分かっとる分かっとる。のう、ハンジ。」

    ハンジ 「はい。」

    私は上品に首を傾ける。

    アンカ 「…では、失礼します…」

    疲れきった表情をみせ、アンカは出ていった。

    …なんか、モブリットみたいだな。私は素直にそう思った。

    女版モブリット。そういえば、私の副官でフィアンセのモブリットは、いつ来るのかな…。

    ピクシス 「…うむ。いい酒じゃ。」

    さっそく手土産の酒を開け、満足げな表情をみせるピクシス。

    …よし、私も飲むぞ!

    かくして、宴会はスタートした。
  10. 18 : : 2014/04/26(土) 12:47:07
    ※ここからは、モブリット視点です

    僕はさっそく駐屯兵団へと向かった。

    でも…いざ行ったとして、何と言えば良いのだろう。

    いや、言ってやる…思いきって…

    僕のフィアンセを…取り戻しに来ましたぁっ!!!

    …なんてね。

    そんなことを考えてるうちに、駐屯兵団の前まで来ていた。

    門番をしている兵士が、不思議そうにこっちを見てくる。

    …よし…。

    モブリット 「…すみません…調査兵団第4分隊副長、モブリット.バーナーですが…ハンジ.ゾエ分隊長はこちらに…」

    アンカ 「あっ…もしかしてハンジ分隊長の…」

    そう言って駆け寄ってきた1人の女性兵士。彼女の心底ほっとした表情から、僕はすべてを悟った…。

    モブリット 「…ハンジ分隊長がご迷惑をおかけしまして…申し訳ありませんっ!」

    深々と頭を下げる僕。

    アンカ 「こちらこそ…司令は酒とおつまみにつられて今、客間に…本当にすみません…」

    と、彼女も深々と頭を下げる。

    そして顔を上げると、僕たちは笑い合った。

    アンカ 「…私、アンカ。アンカ.ラインベルガー。」※アニメガイドブックを参照しました

    モブリット 「僕はモブリット.バーナー。ハンジ分隊長の副官をやってます。」

    彼女は笑った。

    アンカ 「…お互い、苦労してるってことですね。」

    モブリット 「ですね。」

    彼女とは、気が合うようだった。
  11. 19 : : 2014/04/26(土) 12:55:53
    僕はアンカさんに連れられて、客間へと向かった。

    その途中、お互いの上官への不満や苦労を打ち明けては、そのたびに笑い合った。

    …なんだか、心が軽くなった。

    あっという間に客間の前まで来て、僕はドアの前に立つ。

    中から聞こえてくる声に…心が重くなる。

    ハンジ 「抱っこ~、抱っこにゃ~。」

    ピクシス 「おお、おお、わしもまだ若いもんには…よっと、ほら、どうじゃ。」

    ハンジ 「わ~い、にゃはは♪」

    …………はぁ…。

    そんな僕の肩に手を置くアンカさん。

    アンカ 「私が司令を説得するので、あなたはハンジ分隊長をお願いしますね。」

    モブリット 「はい…すみません…」

    ドアをノックする。

    モブリット 「ハンジさん?モブリットです!帰りますよ!?」
  12. 20 : : 2014/04/26(土) 13:08:26
    ふと、静かになる。

    バタァン!!!

    モブリット 「わぁっ!?」

    いきなりピクシス司令…に抱えられたまま飛び出してきたハンジさん。

    僕はよろめき…倒れそうになり、思わずアンカさんの肩をつかみ…

    その結果…

    モブリット 「あ…」

    アンカ 「あ…」

    アンカさんを、押し倒すかたちとなり、僕とアンカさんはしばし顔を見合わせた。

    なぜか僕は自分の顔が紅潮するのを感じてしまう…。

    アンカさんは、ふっと微笑んだ。

    僕も…ぎこちなく微笑み返していた。

    ピクシス 「ありゃりゃ…」

    あっけにとられた様子のピクシス司令の声を聞き、僕は恐る恐る顔を上げた。

    ハンジ 「」

    ハンジさんが…ショックを受けた様子で目を見開いている。

    …まずい。

    モブリット 「ごっ…ごめんなさい…!」

    アンカ 「いえ…」

    僕はようやくアンカさんの体から離れる。まだ顔が熱い…どうなってるんだよ、もう。

    ピクシス 「さて…そろそろお開きにするかの、ハンジ。」

    重苦しい空気が漂う中、ピクシス司令がそうきりだす。

    ハンジ 「うん…そうだね…」

    そう言うハンジさんは、まだ呆然とした様子だ。

    違うんだ、ハンジさん。これはちょっとしたハプニングで…。

    弁解しようにも、言葉が出ない。

    僕とハンジさんは、お互いに無言のまま、駐屯兵団をあとにした。

    帰り道、ハンジさんは一言も僕と口をきいてくれなかった。

    一言も…。

  13. 21 : : 2014/04/26(土) 13:31:27
    <調査兵団本部、ハンジの自室にて>

    モブリット 「ハンジさん…機嫌直してくださいよ…」

    ハンジ 「」

    モブリット 「あれは偶然…事故なんですよ。」

    ハンジ 「」

    モブリット 「アンカさんとは…今日初めてお会いしただけで、特別何かあるわけじゃ…」

    ハンジ 「私にはね…」

    ハンジさんが突然口を開く。僕はドキリとした。

    ハンジ 「私には…分かるよ。いつもそばにいたんだもん。モブリットとはさ。」

    いたって…過去形ですか…。

    ハンジ 「モブリット、私といて、疲れてるんでしょ。あのアンカって子と一緒にいる方が、心が軽くなるって、思ってるんじゃない?」

    僕は、心の中でちがう、ちがうと叫んでみたが、口から飛び出してこない。

    胸がいっぱいすぎて、うつむくことしか、できない。

    ハンジ 「もう…」

    ハンジさんは、僕の顔をのぞきこんだ。悲しそうな顔だった。

    ハンジ 「無理しなくていいんだよ。私はこれからもモブリットのこと…大好きだからさ。」

    僕は、こんなにも悲しい大好きを、今まで聞いたことがなかった。

    こんなにも愛しい人の口から…。

    モブリット 「ハ…ハンジさ…」

    やっと僕の口から言葉が出たが、もう遅い。ハンジさんは部屋を出ていってしまった。

    ドアの、パタンと閉じる音。

    そして机の上に溜まった書類の1枚が、はらりと床へと、落ちた…。

    ~後半へ続く~

  14. 22 : : 2014/04/26(土) 13:37:25
    以上で前半を終了させていただきます。

    2人はどうなってしまうのか…続きは後半に持ち越しです。

    モブリット×アンカ…略してモブアン?

    新ジャンルでしょうか…すでに出回っていたらすみません。私にとっては、初めての試みでした。いかがだったでしょうか。

    後半は今、下書きを執筆中です。早ければ、今夜。遅くとも明日には、スタートできると思います。

    またよろしくお願いします。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました。では…

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kaku

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