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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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リヴァイの日常

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  1. 1 : : 2014/04/23(水) 13:58:25
    リヴァイの日常

    題名通り、リヴァイの日常を追ってみます

    ネタバレは基本単行本+特典dvd

    エルヴィン・スミスの日常もぜひご賞味あれ
    http://www.ssnote.net/archives/12763

    こちらはハンジ・ゾエの日常
    おまけも満載なので、ぜひ読んでもらえたらうれしいです
    http://www.ssnote.net/archives/14403
  2. 2 : : 2014/04/23(水) 13:58:44
    朝日が東から上る頃

    むくっと目を覚ます

    部屋を見渡すと、見慣れた風景が目の前に広がる

    年期の入った天井は、人の顔の様なシミができている

    俺はいつもこいつとにらめっこをしながら眠りにつく

    この部屋に入った時から、毎日天井を磨いていたがどうしてもとれず・・・

    仕方なしに一緒に住むことにした
  3. 3 : : 2014/04/23(水) 13:58:56
    ・・・言い忘れていたな

    俺はリヴァイ

    名前は売れているらしい
    人類最強の男としてな

    だが、実際の俺は、そんな高尚な者でもなんでもねぇ
    ただのちんぴらあがりの兵士だ

    時代が英雄を欲していた
    だから、その冠をかぶってやっているだけの、ピエロだ

    調査兵団団長、エルヴィン・スミス
    こいつに半ばむりやり調査兵団に入らされてから早数年

    俺は兵士長として、調査兵団の要となるような行動を余儀なくされた

    余儀なくされた・・・と言えば聞こえが悪いか

    確かに最初は無理やりいやいや、戦っていた

    だが、この調査兵団の狂人どもの中にいるうちに、この変わり者たちがいかに崇高な目的で動いているかを理解するようになり・・・

    俺はそれを、少しでも助けたいと思うようになった

    そうなるのに、時間はかからなかった

  4. 4 : : 2014/04/23(水) 14:02:22
    ベッドから体を起こすと、布団からちいさな埃が舞い散る

    「・・・・ちっ」
    俺は舌打ちをした

    とにかく埃、ちりが大嫌いだ
    俺の天敵なんだ

    少しでも目につくと、すぐにはたきを手にとりたくなる
    そして、埃をすべて叩きおとし、雑巾でふきたくなる

    お前らもそうだろ?
    ・・・え、違う?そんな事思ったことがねぇ?
    きたねぇ生活してるんだな…お前ら


    なるべく埃がたたないよう、そーっと布団をめくる
    それでも埃はたつ

    くそっ・・・なんでこんなに埃が立ちやがる
    俺は昨日布団を干したつもりだ、十分時間をかけて、叩いたつもりだ

    なのに・・・

    いや、まあいい

    とりあえず不機嫌な表情を顔に張り付けながら、おれはベッドから降りた

  5. 5 : : 2014/04/23(水) 14:23:24
    一番でございます!期待でございます!ロメ御姉様!
  6. 6 : : 2014/04/23(水) 15:51:48
    リヴァイだ!!期待です!!
  7. 7 : : 2014/04/23(水) 16:14:15
    リヴァイ視点の新作ですね!天井のシミからとても楽しいです!心から期待です。
  8. 8 : : 2014/04/23(水) 16:37:29
    >執事君☆
    ありがとう!一番のりだね♪がんばるね^^

    >EreAni師匠☆
    リヴァイですよぉぉ!私の愛情いっぱい注ぎ込んじゃいますw

    >アートさん☆
    リヴァイの日常を愛情たっぷりでお届けします♪
    天井のシミww
    そんなことをしてそうなのでwリヴァイはw
  9. 9 : : 2014/04/23(水) 16:37:54

    朝一番にやる事といえば決まっている
    まあ、皆そうだと思うんだが、まずは窓を開け、空気を入れ替える

    何?エルヴィンも同じだったって?

    ・・・ちっ、一番にやる事を変かえるかな


    ・・・・・・・だがしかし、結局頭を巡らせても、朝一番にやる事が他に思いつかない

    だから、仕方なしに窓をあけた・・・くそっエルヴィンとお揃いみたいで腹が立つ・・・


    気にしすぎだって?

    ・・・お前らには俺の苦労なんてわかりゃしねえから、そんな事が言えるんだ・・・

    俺があいつにどれだけ苦渋をなめさせられたか、知らねえから言えるんだ


    ・・・あぁ?嫌よ嫌よも好きの内?
    勝手に言ってろ、クソくらえだ

  10. 10 : : 2014/04/23(水) 16:42:52
    次にやる事は・・・そうだな、洗顔と歯磨きだ

    ・・・普通さきに服に着替えないかって?
    あのな、お前ら、よく考えてみろ

    洗顔した時に、石鹸が服に飛び散るかもしれねぇだろうが
    歯磨き粉が兵服についてとれねえかもしれねえじゃねえか

    だから、俺は着替える前に兵服を着るんだ

    ・・・寝間着が汚れるだろうって?

    ばかだなお前ら
    浅はかすぎるぞ

    まだ俺のことをよく理解していないらしい

    俺はな、毎日寝間着を着替えるから、今着ているこれは洗濯だ

    俺の清潔さに、抜かりなど、無い
  11. 11 : : 2014/04/23(水) 16:44:46
    着替える前に、歯磨きをするんだ!の間違いですわ

    おほほほほ・・・グスン
  12. 12 : : 2014/04/23(水) 16:57:17
    次にやる事は、髪の毛のセットだ

    セットとはいえ、俺の髪は直毛だから、へんな寝癖が付いていねえ限りはなにもしなくて大丈夫だ

    今日は・・・後ろ頭の一か所がぴょんと逆立っていた

    ・・・ちっ面倒だな
    直毛の寝癖って取れにくいんだぞ、本当に

    ・・・そのままの方がかわいいって?

    なぁおい、お前ら俺に何を期待してるんだ・・・?

    とにかく寝癖を何とかしなくちゃいけねぇ
    頭を水で濡らして、片手で押さえた


    兵服は、前日に清潔なものをハンガーにかけておいた
    何時ものブラウスに、白いスカーフ

    ・・・よだれかけじゃねえぞ?
    それをささっと着用していく

    スラックスをさらりと履き、立体起動装置のベルトを着ける

    これが結構面倒だ

    だがもう毎日毎日やっている事だから、慣れた

    手際よくそれらの作業をこなす

    最後にブラウンのショートジャケット・・・自由の翼の紋章付き・・・を羽織れば、調査兵団兵士長リヴァイの完成だ

    ・・・寝癖がなおってねぇって?

    あぁ・・・どうするこれ?なおらねぇ・・・帽子でも被るか

    俺は盛大にため息をついた

  13. 13 : : 2014/04/23(水) 17:05:41
    リヴァイ編キタ━(゚∀゚)━!

    続き楽しみにしております!
  14. 14 : : 2014/04/23(水) 17:08:31
    しばらく鏡の前で、後ろ頭の寝癖と格闘を繰り広げていたわけだが、結局はどうにもこうにも治らず、あきらめた

    ああ、人生なんてな、諦めが肝心なんだ
    俺はいろいろな事を、諦めながら生きてきた

    たとえばそう、あの天井のシミ

    何度雑巾でこすろうともとれやしねえ

    いらついて思わずスナップブレードで削いでやろうかと思ったくらいだ

    しかもな、俺はあまり身長が高くねぇ

    あまり、高くねぇだけだ・・・低くはねぇ

    決して低くはねぇ・・・断じて・・・

    で、だ
    身長が高くないと、不都合が多々生じてくる

    例えば、掃除の時に高いところに手が届かねぇ
    部下より身長が低い事が多いから、威厳がたもてねぇ
    周りにいる人間はほとんど俺より高い奴ばかりだから、いつも見下されている気がする

    まあ、そんな所だな
    ・・・そんな些細なことだって?

    ふん、身長に悩みのねえ奴なんかにわかってたまるか俺の気持ちをな!








  15. 15 : : 2014/04/23(水) 17:15:30
    リヴァイ編来た~
    期待です(^-^)
  16. 16 : : 2014/04/23(水) 17:23:28
    まあ、寝癖もついてやがるし、身長はどうしようもねえ
    仕方なしにそのまま、部屋をでた

    現在時刻6時55分
    朝食は7時からだ

    ジャストなタイミング

    部屋を出ると、あまり人影は見当たらねぇ
    まあまだ兵士達は支度すらしてねえかもな

    俺は早い方なんだ

    だがな、これまた悔しいことに、俺より早い奴がいやがるんだ

    ほこりとチリの次にやばい、俺の天敵がな
  17. 17 : : 2014/04/23(水) 17:26:42
    食堂に入ると、すでにその天敵は悠々と朝食に舌鼓を打っていた

    現在時刻6時59分
    おい!7時から朝食なはずだろうが
    なんでもう食べてやがるんだ・・・くそっ

    食堂のばばあは時間厳守しろよ!
    ちょっとばかし面がいい奴だからって、特別扱いすんな!

    と言いたいところだが、墓穴を掘りそうだから言わねえ

    悠々と朝食をとっている奴はスルーして、俺は食事をとりにカウンターへ向かう

    「あ、リヴァイ兵長さん、今日も早いね!さあ、たんとおあがり!」

    トレイにのせられたパンと、明らかに人よりも盛ってあるであろう、スープ
    今にも器からあふれんばかりだ

    「・・・ああ、ありがとう」

    「兵長さんは私の息子みたいで本当に可愛いんだ」
    食堂のばばあはそう言って、慈しむ様な目で俺を見た

    「・・・ああ、そうか、そりゃ、ありがたいな」

    どうやら本気でそう思ってくれているらしい、この食堂のばばあ・・・いや、おばちゃんは、毎朝そう言ってくる
    たまに頭まで撫でられるんだ

    母親のぬくもりなどとうの昔に忘れた俺にとって、このばばあ・・・おばちゃんこそが母親みてえなもんかもしれねぇな

  18. 18 : : 2014/04/23(水) 17:30:01
    盛られたスープを一滴もこぼさぬ様慎重に、テーブルに運ぶ

    俺の天敵・・・奴からなるべく離れた場所に移動しようと足を踏み出した瞬間

    「やあ、リヴァイ、おはよう。こっちへこないか?」
    おもわずぞくっとするような、色気のある声が、俺にかけられた

    「・・・ああ」

    本当は嫌だ、といいてえ
    だがな、無用な争いは避けてえんだ、俺は平和主義だからな


    どの面さげて平和主義って言ってるって?

    ・・・この面下げて言ってんだよ!削ぐぞお前ら・・・

    仕方なしに俺は、奴の隣へトレイをもって移動した
  19. 19 : : 2014/04/23(水) 17:44:48
    「リヴァイ、寝癖がついているぞ?」
    俺の天敵が、馴れ馴れしく俺の後ろ頭に触れてきやがった

    くそっ触るな!!
    …と言いたいところだが、俺は平和主義ry

    まあ大人だから、そんな事は言わねえんだ
    ・・・言えねえんじゃねえ、断じてねぇ、俺だって奴に逆らえるはずだ、そうだそうに違いねえ

    ・・・なぁそうだといってくれ


    「寝癖がとれねえんだ、朝から格闘したんだがな」
    おれはパンをつまみながら、ぼそっと言った

    「そうなのか、ちょっと待ってろ」
    エルヴィンはそう言うと、兵服のポケットからなにやら取り出した

    「これをな、塗ったら多少はましだろう」
    そう言いながら、何かを俺の後ろ頭の寝癖に塗って撫でつけているような動作をした

    「・・ああ、すまない」
    どうやら、自分が使っているポマードを付けてくれたようだ

    「リヴァイ、ましになったぞ」
    エルヴィンはなんだか嬉しそうに頬をゆるめてそう言った

    「・・・そうか、すまない」
    俺はまた、そう言った

    こういう時に何て言えばいいのか、それ以外に思いつかなかったからだ

    こいつは俺の天敵エルヴィン・スミス

    何をやらせても完璧で、何を考えているかわからない奴で、俺を無理やりここへ連れてきた奴だ

    だが、俺の居場所を見つけてくれた奴でもある

    俺の複雑な胸の内が、よけいに俺をあまのじゃくにさせているのかもしれなかった


  20. 20 : : 2014/04/23(水) 17:48:24
    兵長!とてもわかりますよ!
    身長があまり高くないと友達から
    見下されてる気分になりますよね…
    私はアニの身長もないので…

    期待です!
  21. 21 : : 2014/04/23(水) 17:48:57
    期待です!ファイト‼︎
  22. 22 : : 2014/04/23(水) 17:50:00
    >葉月さん☆
    リヴァイ「よう葉月、元気みてえだな。また遊びに来てくれ」

    コメントありがとうございまーす♪

    >ぬこさん☆
    リヴァイ「よおぬこ、一緒に掃除しねえか?」

    コメントありがとうございます^^がんばります♪

  23. 23 : : 2014/04/23(水) 17:51:39
    >かとさん☆
    リヴァイ「よお、かと!身長のことは気にするな、低くても何でもできるぞ、ああ」

    コメントありがとうございます^^
    兵長の日常楽しんでいただけましたら幸いですv

    >コハクくん☆
    リヴァイ「よおコハク、いつも元気だな。今度一緒に掃除でもするか?」

    コハクくんコメントありがとう♪がんばるからね!
  24. 24 : : 2014/04/23(水) 21:28:18
    「リヴァイ、今日のスープはコンソメ味だ。なかなか絶品だったぞ」
    すでに朝食を食べ終えているにも関わらず、相変わらず俺の隣に腰を据えたまま、動こうとしないエルヴィン

    「ああ、旨いな」
    俺はぼそっと口を開いた

    じっと見られていて非常に食べづらい
    なんで帰らねえんだこいつ・・・

    ちらっと横目で奴の顔を伺うと、奴もこっちを見ていて、思い切り目があってしまった

    「パンに浸して食べるとまた旨いぞ」
    にっこり微笑みながらそう言うエルヴィンに、俺はついに苦情を言う事を決意した

    「なあエルヴィン・・・じっと見られていたら食べにくいんだがな」

    「そうだよな、ああ。だが一人で食べるのはさびしいだろう。だから一緒にいてやろう」

    ・・・それが迷惑なんだというのがわからんのかこいつは・・・

    「さびしくねえよ」

    「お前は昔から、素直じゃないからな。ははは」

    ・・・ちっもう、勝手にしやがれ

    絶対嫌がらせしてやがると思うんだ、エルヴィンは・・・
  25. 25 : : 2014/04/23(水) 21:47:38
    結局俺が食べ終えるまでそばにいたエルヴィンは、俺が食べ終えると同時に執務室に消えて行った

    ・・・もっと早く仕事に行けよ、何のために早起きしてんだ

    と突っ込みを入れたかったが、やめた
    奴の早起きは、あれだろ

    年寄りほど早く起きるっていうやつだ

    ああ、そうに違いねぇ

    俺は部屋に戻る事にした


    今日はひたすら書類処理と、巨人の実験に付き合うといういやーな役があたってやがる

    憂鬱な日だ

    特に巨人の実験・・・

    俺の天敵第二号が必ずおまけでついてきやがるからなぁ・・・

    巨人も嫌だが、おまけがもっと嫌だ

    ちっ・・・くせになってしまった舌打ちが、また出てしまった

    眉を顰めながら廊下を歩く俺に、兵士たちはみな一様にびくつきながら挨拶をしてきた

    俺は野獣か猛獣か何かか?と思いながらも、この不機嫌な顔ばかりはどうすることもできねぇ
    またため息をついて、部屋にもどった


  26. 26 : : 2014/04/23(水) 22:02:44
    部屋の扉の前に、一人の兵士が立っていた

    「あ、兵長」
    俺の姿を見て、駆け寄ってくる女性兵士

    「ペトラか」
    俺は不機嫌な顔そのままで、その兵士の名前を呼んだ

    「処理していただかなければならない書類をお持ちしました、兵長」
    俺の不機嫌な顔を見慣れているペトラは全く意に介することなく笑顔でそう言った

    「ああ、すまない」
    俺は書類を受け取ると、ペトラは頭をさげた

    「兵長失礼します」
    そう言って、踵を返そうとするペトラに向かって、俺は

    「ペトラ、時間はあるか?紅茶が飲みたい」
    そう言った

    すると、ペトラは輝くような笑顔を俺に見せた
    「はい、兵長!美味しいのをお入れしてきますね」
    そういうと、まるでスキップをするような足取りで立ち去った

    その後ろ姿をしばらく見送った後、俺は部屋に入った
  27. 27 : : 2014/04/23(水) 22:22:50
    「はぁ・・・」
    部屋に入るなりため息がでた

    とりあえず机に書類の束をばさっと置き、ベッドに横になる

    埃がたつ

    いらだつ

    ・・・・・・・・掃除だ掃除しかねぇ

    そう思ってまた天井を見ると、奴がにやりと笑ってやがる

    「お前いつもばかにするんじゃねぇよ・・・にやにやしやがって」
    おれは天井の奴に向かって毒を吐いた

    「・・・いつか駆逐してやるからな・・・」

    そう言っておいて、はたきを手にぱたぱたとしだすと、扉がノックされた

    「兵長、紅茶をお持ちしました」
    角のない、まるい声

    そうか、ペトラに紅茶を頼んでいたんだった

    「入ってくれ」

    俺はそう言うと、はたきを手に扉に向かった

    「あら、兵長掃除ですか?」
    手に持っているはたきをみて、ペトラが目を丸くした

    「ああ・・・ベッドに横になるとな、埃がたちやがるんだ」

    「・・・あ、そうですか・・・」

    ペトラが苦笑したように見えたが、気のせいだろう

  28. 28 : : 2014/04/23(水) 22:24:15
    飲んでみたい!(ヨダレ)
    期待!
  29. 29 : : 2014/04/23(水) 23:29:54
    私も兵長くらいきれい好きだったら
    自分の部屋も汚くないのかな…ww
    期待です!w
  30. 30 : : 2014/04/24(木) 11:20:47
    >ハンジもどきさん☆
    リヴァイ「飲んでみたいのか・・・ほらよ」つ紅茶

    期待ありがとうw

    >かとさん☆
    リヴァイ「掃除は毎日やれよ?」

    私もリヴァイがほしいですわwwww
    動く掃除機しかもいけめんw
  31. 31 : : 2014/04/24(木) 11:25:49
    この前実家に帰ってたらゴキブリがつくえの上で二匹死んでた


    リヴァイに来て掃除して欲しい
  32. 32 : : 2014/04/24(木) 11:28:06
    まぁ二年間掃除してなかったから仕方ないけど
  33. 33 : : 2014/04/24(木) 11:50:08
    まだかな?
  34. 34 : : 2014/04/24(木) 17:24:32
    >名無しさん☆
    リヴァイ「二年間掃除してねぇだと・・・ちっしかたねえ俺が掃除してやる・・・」

    すみませんw
    今から更新しますので、しばしおまちくださいませ
    机の上にゴキブリはやだぁぁw
  35. 35 : : 2014/04/24(木) 17:44:31
    「兵長、ここに紅茶を置いておきますね」
    ペトラは執務机に紅茶を置いた

    「・・・ああ、すまない」
    俺は座って紅茶をいつものスタイルでたしなむ

    どんなスタイルかって?

    カップの取っ手をあえて持たずに、上から掴む様に飲む、トレンディな飲み方
    ・・・らしい。
    俺の部下の一人がそう言っていた

    変わった持ち方だとよく言われるがな、この持ち方だと、器の上部を持つから、すごく熱いものでも持てるわけだ

    ・・・まあ、飲む時にちょっとしたコツがいるがな

    一口すすると、ほのかな香りが鼻を通り、気分が良くなる
    コーヒーではこうはいかねえ
    なんだか後味も残るだろ?

    紅茶は爽やかな飲み心地で、俺は断然紅茶派だ

    ペトラがじっと俺が紅茶を飲むのを監視してやがる
    「・・・どうした?ペトラ」
    俺はちらりとペトラに目をやり、いつもの不機嫌そうな口調のまま言った

    ペトラは一瞬背中をびくっと震わせたが、また笑顔を見せる
    「兵長、紅茶のお味はいかがですか?」

    ・・・なんだ、それを気にしていやがったのか
    確かに苦虫をかみつぶした様な顔で飲んでいたかもしれねえ

    俺はもっと、表情を豊かにする努力をしなきゃならねえかな

    ・・・いやまて
    表情豊かな俺ってどうだ

    ・・・無理だろ?そうだよな

    やっぱり俺は、俺のままでいい






  36. 36 : : 2014/04/24(木) 17:52:04
    「ペトラ、お前のいれる紅茶は、旨い」
    俺はそう言って、また一口すすった

    その時のペトラの表情
    ヒマワリがいきなりつぼみから花が咲いたような、そんな感じだ

    俺がそんな表現の仕方をするのは不自然かって?
    ・・・ばかいえ俺はもともとロマンチスt・・・ぶっかんだ

    これじゃあまるっきり、オルオじゃねえか・・・ちっ

    まあこんな感じで、完璧に思える俺もこういう一面があるっていう事だ
    いくら人類最強でもな

    完璧に見えないって?
    ・・・あぁそうか。そんなに俺に削がれてえんだな

    「兵長、良かったです!!うれしいです!」

    まさに輝くような笑顔のペトラ

    もう少し何か言ってやれば、もしかしてもっと喜ぶのか?
    ・・・だめだ、気の利いた言葉一つ浮かばねえ

    結局俺はいつものように

    「ああ、ありがとうな。下がっていいぞ」
    といつも通りの口調でそう言うのだった
  37. 37 : : 2014/04/24(木) 18:01:47
    書類に目を通しながら、ふと考えを巡らす

    ペトラの事だ
    あいつはオルオと仲がいいが、どうやら俺に惹かれているらしい

    ・・・だがな、俺はあいつのことは部下以上でも部下以下とも思っちゃいねえ

    折角なんだから食っとけばいいって?
    …お前ら何考えてやがる

    そんな簡単に女を抱くほど俺は器用じゃねえんだよ

    案外真面目だって?
    ・・・案外も何も、女性関係で俺より真面目なやつなんて見たことが・・・あった

    一人、思い当たるやつがいる

    ある意味変態だと思う

    まああとでどうせ会う機会があるから、その時に紹介してやるよ
  38. 38 : : 2014/04/24(木) 18:17:44
    書類の処理なんざじめじめしててやってられねぇ

    だが、これも兵士長としての仕事なわけで
    人類最強だからといって、事務仕事はしなくていい、なんて特例をエルヴィンが許すはずが無くて

    ・・・だから俺はやはり真面目にそれらの仕事もこなす

    書類に目を通しながら、たまにペンを走らせ、処理済みの印をおす

    そんなことを一時間以上ぶっ続けで行う

    そうこうしている間に、例の時間がやってきてしまった

    そろそろ、呼びに来る頃だろう

    11時ジャスト開始
    ということは、5分前に来るはずだ
    やつもきっちりしているからな

    10時55分になった
    その時

    コンコン
    「兵長、いらっしゃいますか、お時間です」

    ほらな、きやがった

    俺は立ち上がり、扉を開けた

    その向こう側には、手本になるような敬礼を施した男がたっていた

    「兵長よろしくお願いいたします」

    「ああ、じゃあいくか」
    俺はその男と共に、気の進まない場所へと向かった

  39. 39 : : 2014/04/24(木) 18:29:49
    この男の名前はモブリット

    第四分隊の副隊長を務めるほどの男だが、見た目はただの優しそうな男だ

    兵士というには穏やかな表情をいつも顔に張り付けているのか、もともとそうなのか・・・
    その辺はわからないが、こいつが先ほど俺がいっていた、女性関係の変態、だ

    その理由か?それもおいおい教えてやる

    「兵長、今日も申し訳ありませんが、よろしくお願いしますね・・・」
    ため息交じりにそうつぶやく奴の表情は、少しばかり曇っていて、なおかつ疲れがみえた

    ・・・まだ、午前中なのにな?

    「お前、今日も疲れてやがるな・・・大丈夫か?」

    「は、はい・・・まあ毎日の事ですから」
    そういいながら、はかない笑顔を見せるこいつは、長生きできねえんじゃねえかと、ふと心配になる

    何しろこいつの上司は無茶ばかりする変態で、こいつはいつも振り回されてばかりだからな

    「あまり無理せず、休めよ?モブリット」
    俺は心底気の毒になって、そう声を掛けた

    何しろこいつは休みまでその上司に合わせてとりやがるから、年中ずーっと行動を共にしている事になる

    そのうち全部血でも吸われて枯れ果てるんじゃねえかと心配になる


    っと、そうこうしている間に、例の巨人の実験場についたな

    さてさて・・・嫌な時間が…始まる



  40. 40 : : 2014/04/24(木) 18:47:37
    おぉ!兵長も紅茶派ですか!
    一緒で嬉しいww
    期待ですっ
  41. 41 : : 2014/04/24(木) 21:24:39
    期待ーーーーー♪
    そして、紅茶ありがとー♪リヴァイ!
  42. 42 : : 2014/04/24(木) 21:32:09
    こんばんは。
    ついにリヴァイ兵長の日常を覗き見…ですか…
    あっ、ごめんなさい私、兵長の目が怖くておそらくお会いしても直視出来ないと思います。
    優しい方だって事は、分かってるんですよ。←日頃、リヴァイ兵長に対して私が思う事、でした♪
    続き、期待してます。
  43. 43 : : 2014/04/25(金) 08:16:16
    >かとさん☆
    リヴァイ「よう、かと。また来てくれたんだな。紅茶派仲間同士仲良くしてくれ」
    いつもコメントありがとうございます♪

    >ハンジもどきさん☆
    リヴァイ「紅茶旨かっただろ?今度はお前が淹れた紅茶も飲ませてくれ」
    いつもありがとうございます♪

    >数珠繋ぎさん☆
    リヴァイ「よう数珠繋ぎ。お前は俺が怖いか…いや、気持ちは解る。だが一度話してみたいな」
    コメントありがとうございます♪頑張ります♪
  44. 44 : : 2014/04/25(金) 11:24:44
    調査兵団本部の中庭に、問題の実験場があった

    だたっぴろい広場に、二体の巨人が繋がれている

    周りには駐屯兵がかなり離れた距離から眺めている

    …一応警備なはずなんだが、半径5メートル以内には絶対だれも入ろうとはしねぇ


    そんな中、半径一メートル以内に侵入している奴がいた

    「ソニーーーーお利口さんだねぇ。さあ、なでなで、してあげようね」

    ・・・あほうな事を言ってやがる、ちりとほこりの次に嫌な、俺の天敵・・・・

    「ああ、またバカやってやがるな、モブリット・・・」

    「はい、そうですね・・・もう、いつものことですが」
    こめかみのあたりを指で押さえて、つらそうなモブリット・・・頭痛でもしてやがるんだろうな

    「とりあえず、お前はちょっとそこで休んでろ・・・俺が行く」

    俺はモブリットをその場に残し、バカやってる奴の背後に近づく

  45. 45 : : 2014/04/25(金) 11:24:57
    「ビーンはほんと、イケメンだよねぇ。惚れてしまいそうだよ。うん」
    そういって、どう見てもイケメンじゃねぇ間抜けずらに、手を触れようとするばかの髪を後ろに引っ張る

    「てめぇばかか。近づきすぎだ」
    俺はぼそっとそう言った

    奴はぐるっと俺の方を振り返った
    紅潮した顔、メガネの奥でぎらぎら光る瞳

    ・・・だめだ、いっちまってやがる

    「やあリヴァーイ。君もソニーとビーンを可愛がりに来てくれたの?うれしいよーうふふふ」
    そう言いながら、俺の頭をわしゃわしゃと撫でてくる

    こいつの名前はハンジ・ゾエ
    第四分隊の分隊長だ・・・モブリットの直属の上司に当たる

    まあ見たらわかるだろうが、巨人が大好きな変態だ
    背は俺より10センチは高い
    すらっとした体系でわかりにくいが、こいつは女だ

    …一応な
  46. 46 : : 2014/04/25(金) 11:30:12
    普段は至極冷静で、よく頭もまわるやつなんだが、巨人にかかわると突然興奮状態になり、手がつけられなくなる

    俺とは昔からの付き合いだ
    俺が調査兵団に連れてこられた時からの、知り合いだからな

    まあ、その話は後程・・・

    そんな感じで、巨人相手に暴走している奴を監視するために、俺は奴の背後で仁王立ちしておくことにした

    「今日はねぇ・・・いろんなものを見せてみて、何に反応するかを試すよー」

    ハンジはそう言うと、横に置いていたどでかい革袋から何やら取り出した

    「まずはね、ほらこれ、おいもさんだよ!君たちのためのフォークがあればいいんだけど・・・あいにくないから、箒の柄の部分にぶっさして食べさせてあげるね、よっ」

    ハンジは箒の柄に、いもをさし、それをソニーという巨人の口元へ持って行った

    「さあ、たあんとめしあがれ」
    笑顔でそういうハンジを後目に、俺は顔をひくつかせていた

    ・・・母性本能のあらわれのような、優しげな眼を巨人に向けている奴に、まともな将来が待っているのか、はなはだ疑問だと思った


  47. 47 : : 2014/04/25(金) 11:34:14
    おいハンジ、あまり近づくな、あぶねえぞ」

    「大丈夫だよーおとなしい子たちなんだからさ、心配性だなぁリヴァイは」
    俺の忠告に対して、顔すらこちらに向けずにそう言い放つハンジ

    ・・・もう、俺は知らねえ・・・
    頭から食われりゃいいんだ

    本気でそう思ったその時

    限界まで近寄ったハンジが、一瞬の隙をついて巨人にかぶりつかれそうになった

    「わっ!」

    俺は奴のマントをぐいっと後ろにひっぱった

    「だから、言っただろうが…馬鹿が」

    「・・・あ、あ、あぶなかったぁあああしっかしソニーの力ってすごくない?一本拘束具がぬけちゃったよーあぶないあぶない」

    だめだ、こいつ反省すらしやがらねぇ

    ちらりと後ろを振り返ると、これまた頭をかかえているモブリットの姿があった

    ・・・あいつ毎日こんな目に遭ってるのか・・・本当に気の毒だ
  48. 48 : : 2014/04/25(金) 13:44:34
    ハンジΣ(゜Д゜)

    リヴァイ、どーぞ
    ⊃ハイビスカスティー
    抹茶もどうぞ
    ⊃お抹茶+和菓子

    期待ーーーーー♪
  49. 49 : : 2014/04/25(金) 19:10:04
    モブリット…毎日大変ですね
    お疲れ様ですm(__)m
  50. 50 : : 2014/04/25(金) 19:33:49
    モブリット...
    日常っぽいですね!凄い期待!!
  51. 51 : : 2014/04/25(金) 20:05:23
    期待(*≧艸≦)
  52. 52 : : 2014/04/26(土) 07:51:54
    >ハンジもどきさん☆
    リヴァイ「よう、ハンジ。ハイビスカスティか…ずずっ…うまい。抹茶か…ずずっ、にげぇな。和菓子うまい」

    いつもありがとう!!
  53. 53 : : 2014/04/26(土) 07:52:49
    >かとさん☆
    リヴァイ「ようかと。モブリット気の毒だろ…」

    コメントいつもありがとう!!
  54. 54 : : 2014/04/26(土) 07:53:54
    >きっしりんさん☆
    リヴァイ「よう、きっしりん。はじめましてだよな。よろしく頼む」

    はじめまして♪頑張りますので、また遊びに来てくださいね♪
  55. 55 : : 2014/04/26(土) 07:55:15
    >jcなっちさん☆
    リヴァイ「よう、なっち。はじめましてかな。また遊びにこいよ」

    はじめまして♪また遊びに来てくださいね♪
  56. 56 : : 2014/04/27(日) 22:56:42
    期待してます♪(・ω・)ノ
    あとリヴァイ兵長に差し入れです
    つジャスミンティー
  57. 57 : : 2014/04/28(月) 08:38:27
    おはようございます。

    素敵な差し入れが沢山届いてますね。

    よかったら、兵長、モブリットと一緒に召し上がってください。

    ⊃味付け海苔

    …いやぁ目の前にあったので(^_^;)続き、楽しみにしてます。
  58. 58 : : 2014/04/28(月) 08:56:06
    >>ジャスミンさん☆
    リヴァイ「よお、ジャスミン、なんだかお前、いい匂いがするな・・・そうか、その紅茶をいつも飲んでいるからか・・・いただこう、グビッ・・・うまいなこれ。茶葉を分けてくれねぇか?」

    期待ありがとうございます♪
    がんばりますね!
  59. 59 : : 2014/04/28(月) 08:59:13
    >>数珠繋ぎさん☆
    リヴァイ「よう、数珠繋ぎ。そうなんだ、差し入れが豊富でハンジにいつも狙われていてな・・・ちょっとその辺に括り付けておいてくれねぇか・・・?お、味付け海苔か。飯がいくらでも食えそうだな」

    モブリット「数珠繋ぎさん、私も兵長と一緒にありがたくいただきますね^^ありがとうございます^^」

    いつも遊びに来てくださってありがとうございます!!
  60. 60 : : 2014/04/28(月) 09:47:07
    「おいてめぇハンジ・・・いい加減にしやがれ。命がいくつあっても足りねえだろうが。バカが」
    俺はついに限界に達した

    もともと気が長い方じゃねえんだ俺は

    ハンジの髪の毛をぐいっと引っ張って、こっちを無理やり向かせた

    「な、なんだよ、リヴァイ・・・痛いじゃないか」

    ハンジは恨めし気な目で俺を見た

    「うるせえ、人の話を聞くときくらい顔をみやがれ!」

    「・・・うーん、リヴァイ、ちょっと老けたんじゃない?顔に疲れが見えるよ」
    俺の頬を手で触れながら、眉をひそめるハンジ

    「疲れるに決まってるだろうが!こんな茶番に付き合わされて・・・!」

    「年を取ると、愚痴っぽくなるよねぇ・・・やだやだ」
    ハンジはそう言って、首を横に振った

    「年を取るって、お前とかわらん年だ!ばばあが!」

    「なんだよ、リヴァイおじさん」

    「・・・おじさんじゃねぇ!!」

    売り言葉に買い言葉の喧嘩の火ぶたが、まさに切って落とされかけたその時

    「お二人とも!!いい加減になさって下さい!人の上に立つお方たちなのに!!わきまえてくださいよ!」

    間に割って入ったモブリット

    顔が蒼白を通り越して、土色に見えた

  61. 61 : : 2014/04/28(月) 09:54:26

    「すまんモブリット、お前本気で顔色がおかしぞ」
    俺の言葉に、モブリットははぁ、とため息をついた

    「いえ、兵長。悪いのは分隊長ですから、兵長が謝られる事では・・・しかし、兵長でも御しきれないのであれば、最終手段は一つしかありません・・・」

    モブリットがため息まじりにつぶやいた

    「こんな変態の手綱をとれるやつなんか・・・いた」

    俺はモブリットと顔を見合わせた

    「兵長、連れて行きましょう」

    「ああ、協力は惜しまねぇぞ」

    俺とモブリットは、一時戦線協定を取り交わした

    「ちょっとぉ!何勝手に話をすすめてるんだよ?何の話なんだよ?手綱やらなにやら・・・うわぁ!!」

    俺はハンジをひょいと抱きかかえた

    「実験は終わりだ。すまねぇが、お前らあと片付けだけ頼む」
    俺は部下とその場にいる駐屯兵に声をかけて、モブリットと、抱えたハンジと共にその場を後にした

    「は、は、離せよ!」
    ハンジはじたばたと暴れるが、あいにく俺は関節をきめて、動けなくしている
    多少あばれたところで、歩くのに支障はねぇ

    ただ、口をふさいではいねぇからうるせえ

    さっさと目的地に向かう事にした

  62. 62 : : 2014/04/28(月) 10:26:53
    目的地の扉をこんこんとノックする

    「入ってくれ」

    その言葉に俺とモブリットと、その他一名は部屋に入室した

    「エルヴィン、こいつに説教をたのむ」

    俺は抱えていたその他一名の奇行種を、エルヴィンの執務室の床にどさっと下ろした

    「・・・ハンジ、また何かやらかしたのか」
    エルヴィンはこめかみをおさえてため息をついた

    「な、何もしていないよ・・・巨人の実験を頑張っていただけなんだ…ほんとだよ、エルヴィン」
    蚊の鳴くような声でそう言うハンジ

    先ほど俺やモブリットと話していた時とは、あきらかに雰囲気が違った

    「先ほど、分隊長は巨人に頭を食われかけました・・・それを兵長が救ってくださったのですが、それに対してお礼もなく、逆に邪魔もの扱いをされていました。団長、もう手に負えません」
    モブリットはエルヴィンに懇願するように話した

    「・・・そうか、またか」
    エルヴィンはため息をついた

    「この奇行種の手綱は、もはや誰も御せない。お前しかいねぇ、エルヴィン頼んだぞ」

    俺はそのまま踵を返して、団長室を後にした

    モブリットがあとからついてきた

    「兵長、団長にお任せしてよろしかったのでしょうか」
    モブリットは土色の顔をしながら、それでもなおハンジの事を心配している様子だった

    「まあ、大丈夫だろう。ちょっといてえ思いはするかもしれねぇがな」

    「い、痛い思いって、いったい何を施されるのですか・・・?」

    モブリットの顔が、ほんのり紅潮した

    「お前はわからねぇか?男女が二人っきりで密室でやる事といえば・・・」

    俺のその言葉に、突然踵を返すモブリット
    「あああ、だめですそれ!お止めしてきま・・・うぐっ」

    俺はすかさず、モブリットの顔を手で押さえた

    「・・・冗談だ。お前、あんな奇行種がいいのか?物好きだな・・・」

    俺のため息交じりの言葉に、モブリットは顔を真っ赤にした

    「わ、わ、わ、何をおっしゃっているのでしょうか、兵長。おっしゃる意味がわかりません。私はただ分隊長をお守りしたい一心で・・・」

    「ボランティア精神が旺盛なんだな。そういう奴、たまにいる」

    「ボランティアって・・・なんですかそれ・・・」
    モブリットは泣きそうな顔をした
  63. 63 : : 2014/04/28(月) 10:51:26
    リヴァイ兵長のペトラの笑顔の表現の仕方、私と同じです!ペトラは向日葵みたいな、輝かしい笑顔ですよね!
    期待しております。頑張ってください。
  64. 64 : : 2014/04/28(月) 11:56:22
    >>蘭々さん☆
    そう、そうなんですよ!!
    まさにぱぁっと大輪の花が咲くみたいな、明るい笑顔なイメージですね。
    太陽の様な・・・

    期待ありがとうございます^^がんばります!
  65. 65 : : 2014/04/29(火) 08:56:30
    モブハン!☆▽☆
  66. 66 : : 2014/04/29(火) 15:52:41
    結局そのまま、手持無沙汰になったモブリットを伴って俺の部屋へ戻った

    書類の整理を手伝ってもらおうと思ってな

    モブリットはこういう事務処理にかけても迅速で丁寧な仕事をする

    おもな任務はハンジの手綱取りだが・・・

    ハンジの持っていない部分をおぎなっているのがモブリットなのかもしれねえ

    凹凸がかみ合っているというのか・・・

    ま、その辺は俺にはよくわからねえ
    くっつくなら勝手にくっつけばいい話だからな

    ん?俺とハンジにあらぬ噂がある?
    あぁ?俺とハンジがそういう関係だと?

    ・・・冗談も休み休みいえ!
    そんな関係になったことなど一度も・・・


    ・・・さあ書類がたくさんあるな

    気合をいれて処理するかな
  67. 67 : : 2014/04/29(火) 15:55:28
    話をそらした?んなわけねぇ

    断じて、ねえんだ

    詮索はするな、いいか?
    人間だれしも後悔するもんだ…自分の行動に対してな

    そう言う事だ
    悪い、夢だった
    そう、悪い夢を見ていたんだ

    ・・・これ以上詮索してきた奴は勇気があるな

    おれのスナップブレードが、唸りを上げるからな・・・


    おまえらしつこいな!
    詳しく教えられるわけがねぇだろうが!
    そんなに知りたいならハンジに聞け!

    ってホントに聞きに行くなよ?!
    ・・・ちっとんだ墓穴をほっちまった・・・

  68. 68 : : 2014/04/29(火) 15:58:53
    「兵長顔色が悪いですが、どうされたのですか?」

    そんなことを思っている間に、顔でもゆがんできていたのだろう
    モブリットが心配そうに俺の顔を眺めていた

    駄目だ…奴の目をみれねえ

    罪悪感がおれの心を支配していた

    奴の純粋な恋心・・・俺は応援してえんだ本当だ、信じてほしい

    過去の過ちは・・・もう繰り返さないからな


    と、心の中で懺悔をしておいて、口に出してはこういう

    「大丈夫だ、心配いらねえ。ちょっと過去のことを思い出して気分が悪くなっただけだ」

    そういって、また書類に視線を戻した

    「兵長、紅茶をお入れしてきますね。本当に顔色がよくないです、すこし、リフレッシュしてください」

    「・・・ああ、助かる」

    モブリットのすごいところは、この気配りだな

    かゆいところに手が届く、そんな副官としてはうってつけの人材

    俺の副官になってくれねぇかな・・・
  69. 69 : : 2014/04/29(火) 16:06:03
    モブリット、優しい!
  70. 70 : : 2014/04/29(火) 17:57:45
    >>58
    どうぞ♪
    つジャスミンティーの茶葉(←大量)
    よければモブリットにもわけてあげてください!(^^)
  71. 71 : : 2014/04/30(水) 11:39:44
    >>65
    >>69
    ハンジもどきさん☆
    リヴァイ「ようハンジ。たしかにモブリットは優しいな。まあ俺も案外優しい」
    モブリットはほんと優しいです!
    理想の男です!

    >>ジャスミンさん☆
    リヴァイ「よぉジャスミン。おっ茶葉ありがとう。早速モブリットにもわけるな。エルヴィンにも分けとくか・・・うるせえしな」

    素敵なおすそ分けありがとうw
  72. 72 : : 2014/05/02(金) 13:33:14
    モブリットが入れてくれた紅茶をいつものスタイル・・・持ち手を持たず、カップの上を持って飲むスタイルで楽しみつつ、書類に視線を這わす

    いい香りが鼻腔から全身に流れ込むような、そんな感覚

    自然と体から力が抜けてリラックスできる

    やはり紅茶はいい

    書類を処理しながら、ふとモブリットに目をやる
    真面目に椅子にすわって書類とにらめっこをしている横顔を見ながら、声をかける

    「なあモブリット。お前本当にあいつが好きなのか?」

    「・・・えっ!いきなりなにをおっしゃってるんですか・・・兵長」
    モブリットは背中をぶるっと震わせて、顔をこっちにむけた
    …真っ赤な顔をしていた
    わかりやすい奴だ

    「俺にはわからねえ・・・奴のどこに魅力を感じるのか・・・俺は奴とは長い付き合いだが、まったく女として魅力を感じねえんだが・・・」

    俺は首を傾げた

    「兵長・・・私にもわからないんです。あんなに生活力のない女性なんて、一緒になれば苦労しかしないと思うのです」

    「だよな」
    俺は頷いた

    「ですが・・・なんでしょうか。遠くを見据える目が好きだといいますか・・・目標に向かってひたむきなあの方を見ていると、自分も元気をもらえる気がするんです。その後ろ姿が好きなのかもしれません」

    「そうか・・・どのみち物好きな奴だという事は変わりないな、モブリット」

    「まあ、そう言われても仕方がありませんね・・・反論の余地は、ありません」
    モブリットはそう言って、肩をすくめた

    「ま、俺は応援するぞ。そうだな、お前と奴は、凹凸がぴったり合ってて案外似合いかもしれん」

    「・・・ありがとうございます」
    そう言ってはにかんだような笑みを浮かべるモブリットを、なんだか少しうらやましく思った

    ・・・かもしれねぇ




  73. 73 : : 2014/05/02(金) 13:48:44
    書類の処理を終えてしばらくそのまま他愛のない会話をしていると、ハンジが戻ってきた

    「はぁ・・・つかれた・・・」
    ハンジは髪を乱して疲れ切った表情をしていた

    「大丈夫ですか?分隊長」
    すぐさまモブリットが駆け寄りそう声を掛けた

    「あ、大丈夫だよモブリット」
    ハンジは力なく微笑んだ

    「なにされたんだ?ハンジ」
    俺の問いに、ハンジは首をぶんぶん振った

    「な、な、な、何もされてないよ!うん!されてない!」

    いきなり挙動不審になるハンジに、いぶかしげな視線を送るモブリット

    「何があったんですか?ハンジさん」
    モブリットは少し声を低くして言った

    「な、何もないって、モブリット・・・顔が怖いよ」

    「そうですか」

    なおもいぶかしげな目線を送ってくるモブリットに、ハンジはついに観念した
    「あのね、ちょっと・・・トイレ掃除をしてきた・・・」

    「・・・はい?」

    「でね、モップをもっててふざけてたら、エルヴィンが本気で怒っちゃってその・・・」

    ハンジは地面に足でのの字を書いた

    「その・・・なんです?」
    モブリットの声がさらに低くなった

    「ちょっとその・・・ベッドに連れて行かれて・・・」

    「連れて行かれて?」

    モブリットの尋問じみたものが繰り広げられる中、俺は悠々と紅茶に舌鼓を打っていた

    「少し、危ないところだったけど、途中でやめてくれたから、事なきを得た、かな・・・」

    「・・・」
    モブリットの顔色が土色に変わっていた

    「ハンジお前な・・・ちゃんとトイレ掃除してりゃ、そうならずに済んだんだ。怒らせたお前が悪い」

    「・・・はい、そうです。ハンジさんが悪いです」

    ハンジは顔を真っ赤にして怒った
    「なんだよ!セクハラにあったというのに、私が悪いみたいな!おかしいじゃないか!」

    「おかしくねぇ。お前がトイレ掃除を怠るのが悪い」

    「はい、その通りです。セクハラでもなんでもされたらよかったのです」
    モブリットは完全に怒っているようだった

    普段怒らないやつほど、怒らせたら怖いっていうしな





  74. 74 : : 2014/05/02(金) 13:52:54
    「セクハラでもなんでもされたらよかったって・・・本気でいってるのかい?モブリット」
    ハンジがショックを受けたように目を見開いた

    「そうですね。あなたがきちんとなさらなかったのが悪いんですし」
    モブリットはふんと鼻を鳴らしてそう言った

    「モブリットひどいよ、君までそんなことを言うなんて・・・」
    ハンジは突然俯き背中をふるわせ始めた

    それを見たモブリットはちょっと焦った様子であわてて声を掛ける
    「す、すみませんハンジさん、言いすぎました。大変な目に遭いましたね・・・大丈夫でしたか?」

    「うん、大丈夫だよ」
    ハンジはちらっと顔をあげて、そう言った

    その様子を未だじっと紅茶を飲みながら観察していた俺だったが、ついに口を出すことにした

    「なあおい、お前ら・・・痴話げんかやいちゃいちゃは、自分の部屋でやってくれ。ここは俺の部屋だ」

    その言葉に二人は弾かれたように俺の方をみて、二人そろって顔を真っ赤にするのだった

    ・・・まったく、やってられねぇな

    世話の焼ける奴らだ
  75. 75 : : 2014/05/02(金) 14:02:44
    書類の処理も終え、今日の仕事はすべて終了した
    何となく手持無沙汰になったため、部屋を出ようと扉を開けると、目の前にペトラが立っていた

    「ペトラ」
    俺はそう声を掛けた

    ペトラはびっくりしたような表情で俺を見ていたが、やがて笑顔になった
    「兵長、こんばんは」

    確かに、いつの間にか夕方から夜に移り変わっていた
    仕事も終わって一息ついているはずのこの時間になぜペトラがここにいたのか
    わからないがとりあえず声を掛ける

    「何か用か?」

    俺の言葉に、ペトラは口をパクパクさせていた

    ・・・金魚みてえ

    というのは心の中でとどめておいて、その様子をしばらくうかがう事にした

    「あの、兵長、その」

    しどろもどろなペトラの口調
    おれは根気よくその言葉を待ってやる事にした

    「どうした?」

    「あの、兵長・・・今日は、お暇ですか?」

    ・・・今日はというか、今日はもうほとんど終わりかけなんだが
    という言葉も心の中にとどめておいて、別の言葉を口にする

    「今からか?特に用事はねぇな。夕飯食べに食堂に行こうと思っていたところだ」
    俺の言葉に、ペトラは一瞬ぱあっと華が咲いたような顔をした




  76. 76 : : 2014/05/02(金) 14:50:37
    ペトラは顔を真っ赤にしながら、なおも口を2,3回ぱくぱくさせる
    ・・・面白ぇ、口には出さないが

    「あのですね、兵長もしよかったら・・・その、外に食事でもしに行きませんか?もしよかったら・・・」

    二回ももしよかったら、を言いやがった
    大事な事だから2回言ったのか?

    顔が異常なほどに赤い

    ・・・熱でもあるのか?なんて事は言わねぇ

    わかっている
    ペトラの気持ちくらい
    わかりやすいぐらいだからな

    かといってその気持ちに応えてやるような余裕が、今の俺には無い
    自分より大切なものを安易に作っちまうことができねぇ今の立場

    それは、エルヴィンも、ハンジも、同じだ

    かといって、飯を食いに行くくらいは付き合ってもいいだろうとは思う
    いや、下手に期待させるよりはきっぱり断った方がペトラのためか

    「兵長・・だめ・・ですよね」

    ペトラは途端に沈んだ表情になった

    困った・・・
    どうする

    「いいぞ、暇だからな。美味しいところを知っているか?ペトラ」
    俺はそう言ってやることにした
  77. 77 : : 2014/05/02(金) 22:16:45
    こんばんは。
    ペトラ…よかったね♪
    きっとまた、ぱぁっと可愛い笑顔になるんだろうなぁ。
    …ハンジさんは大丈夫でしょうか
    …その…上司からのセクハラについては…
    どきどき期待です。
  78. 78 : : 2014/05/02(金) 22:57:05
    ペトラ可愛いな~早く笑顔が見たい~
  79. 79 : : 2014/05/05(月) 20:22:27
    ペトラかわゆい!!
  80. 80 : : 2014/05/05(月) 21:10:19
    >>77
    数珠繋ぎさん☆
    コメントありがとうございます♪
    ペトラ、原作ではあまり報われない…ですからね
    ここでくらいね(ノ_・。)
    ハンジさんのお仕置きかあwうふふw
  81. 81 : : 2014/05/05(月) 21:11:58
    >>杞憂さん☆
    ペトラの笑顔は明日書きます♪
    頑張ります!!


    >>妹姫☆
    ありがとう♪
    やっぱりハンジさんが一番書きやすいですw
  82. 82 : : 2014/05/05(月) 22:54:30
    結局トロスト区では一番美味しいと言われている、よく行くなじみの酒場兼料理屋に行く事になった俺達

    ペトラはそわそわと落ち着きがなく、突然上ずったような声で話しかけてきたと思えば、顔を真っ赤にして俯いたりしていた

    「兵長は、何が好きなんですか?」
    やっと落ち着きを取り戻したペトラが俺に問い掛けた

    「ん?食べ物か?…オムレツかな」
    俺はしばし考えてそう答えた

    一番好きなのは間違いなく紅茶だがな

    多分ペトラが聞きたいのは紅茶以外の解答だろう

    「オ、オムレツですか!!」
    ペトラは俺の顔を覗き込んでそう言った

    その時ちょうど俺もペトラの方を見ていたため、思いきり間近で目があった

    ペトラはまたまた顔を真っ赤にして俯いた
  83. 83 : : 2014/05/06(火) 20:42:25
    こんばんは。
    くわあペトラ可愛い(^_^)
    思わず小さくガッツポーズです♪
    オルオが惚れるのも納得ですよ~。
    期待ですよ~。
  84. 84 : : 2014/05/07(水) 09:23:53
    >数珠繋ぎさん☆
    こんにちは^^v
    ペトラかわいいですよねぇ!!
    オルオww
    期待ありがとうございます♪
  85. 85 : : 2014/05/07(水) 09:50:48
    こうもストレートに顔に感情を出されると、俺もどうしたらいいのかわからなくなる
    実は、かなり『苦手』だったりする

    何がって・・・
    こういう状況が、だ

    巨人に囲まれている方がまだましかもしれねえ
    巨人のうなじを削ぐのは『得意』だからな

    何せ俺は自他供に認める口下手だ
    必要性がない限りはぺらぺらと話したくもねぇし、大体こんな時にかけてやれるような気の利いた言葉は、俺のボキャブラリーの中にはねえ

    どうしたものかと考えていると、ペトラがまた声を出した
    「へ、兵長、今度兵長にオムレツを作って差し上げますっ!」

    隣にいるペトラを見ると、何故か完璧な敬礼をしているペトラの姿が目に入った

    ・・・なぜ敬礼するんだ?

    完璧な敬礼をするその姿とその真摯なまなざし、だが、発した言葉はオムレツを作るという・・・

    それを見た俺はつい

    「・・・ふ、ふ」
    笑ってしまった・・・口元を手で覆って

    「あっ、兵長笑いましたね?!今、笑ったでしょう?!」
    ペトラが顔を真っ赤にして頬を膨らます

    「ふん、俺だってたまには笑う」
    俺は鼻を鳴らした

    「私は真剣なんですよっ」

    「真剣に言うセリフとは思えねぇから笑っちまったんだよ」
    頬を膨らますふぐのようなペトラの顔をみて、また笑いがこみ上げてくるのを、俺は必死に抑えた

    「兵長!!」
    ペトラはますます顔を赤くした

    「変な顔すんな・・・ペトラ」

    「へ、へ、変な・・・あっ」
    俺は膨らんだペトラの頬を、両手でぶしっとつぶしてやった

    「そんな顔になっちまうぞ?ペトラ」

    「あ、あ、あ」
    挙動不審になるペトラ

    おい、なんて可愛らしい動物・・・いや動物じゃねえ、部下なんだ
    自然にまた頬が緩みそうになった

    「腹減った。急ぐぞペトラ」
    そう言って部下に差し出す俺の右手

    真摯に俺を想ってくれている部下に対してできる事といえば

    ・・・そうだ、こうして手を差し伸べてやる事だ

    ペトラはごしごしと服で右手を拭いて(その時点で俺の笑いの沸点は限界だったがなんとか耐えた)、俺の手を握りしめた



  86. 86 : : 2014/05/08(木) 11:09:49
    料理屋に着き、お互い差し向かいで座った

    ペトラは料理を皿に盛ってくれたり、酒をついでくれたり・・・世話しなく動いてくれていた
    ただ一切俺と目線を合わそうとはしなかった

    「おいペトラ」
    俺が名を呼ぶと、一瞬こちらを見るが、すぐに目を逸らす

    「はい、なんでしょうか兵長」
    かろうじて聞こえるくらいの小声で返事が返ってきた

    「お前は、好きな物は何なんだ?」

    「あ・・・えっと、そうですね・・・あの・・・」
    ペトラは急にもじもじとしだした

    「・・・なんだ、トイレか?」

    「ち、違います!!あの・・・」
    ペトラは真っ赤になって俯いていた

    「じゃあ、なんだ」
    俺はそんなにきつく言ったつもりはないんだが、ペトラはびくっと背中を震わせた

    「私の好きな・・・物・・・は・・・」

    どんどん赤くなっていくペトラの顔に、思わず釘づけになる

    「・・・」
    俺はその様子を固唾を飲んで見守った
  87. 87 : : 2014/05/08(木) 11:25:33
    「へ、兵長!!」
    ペトラはいきなり机をバーンと叩いた
    料理の皿が机の上で踊って音を出した

    「な、なんだペトラ・・・」
    俺はいきなりのペトラの行動に面食らった

    「わた・・・私は!!兵長が・・・そのその!!すっごく・・・」
    ペトラは立ち上がり、拳を握りしめてそう言葉を発した

    「・・・ペトラ?」
    ペトラの口からなにが飛び出すのか予想ができず、俺は目を白黒させた

    「すっごく・・・かっこいいと、思いますっ!!」
    そう叫ぶ様に言って、繰り出される完璧な敬礼

    その姿に、俺は・・・

    ついついうっかり

    「ぷ・・・ぷぷぷぷ・・・くくっ」
    腹を抱えて、笑ってしまった・・・もう、何十年も、こんな笑い方をしたことがなかったというのに

    「兵長・・・また笑いましたね・・・私はすごく真剣なのに・・・」
    ペトラは大きな瞳に涙をためはじめた

    「いや・・・すまないペトラ。まさかこんな人の多いところであんなことを言われるとは予想できなくてな・・・」
    俺はペトラの涙を拭いてやるべく、ポケットからハンカチを取り出し、それを頬にあてた

    「兵長・・・兵長私・・・兵長が好きです・・・」
    ぐすぐすと泣きながらかすれるような小さな声で、だが確かにペトラは言った

    こんな時に、俺はどうやって答えてやればいいだろう

    俺の気持ちは、どうすれば伝えられるだろう

    俺はハンカチでつぎつぎ流れ落ちる涙をぬぐってやりながら、しばし考えた
  88. 88 : : 2014/05/08(木) 11:41:44
    「ペトラ、とりあえず座れ」
    未だ立ったままのペトラを座らせて、俺はふうと息をついた

    「ペトラ、お前の気持ちは確かに受け取った。ありがとう」
    俺はそう言って、ペトラの頭を撫でた

    ペトラは涙にぬれた顔を上げて、俺をじっと見つめた
    その潤んだ大きな瞳は何かを雄弁に、俺に語りかけているように見えた

    「迷惑、なのはわかっています・・・兵長・・・でも、伝えておきたかったんです」
    蚊の鳴くような小さな声で、ペトラはそう言った

    俺の考えを理解しているのか、ペトラは

    自分より大切なものを安易に作っちまうことができないと考えている、俺の心の中を

    「ペトラ・・・」
    俺は泣きぬれる部下の名前を呼んだ

    「兵長、わかっています。兵長が私の気持ちに応えられない事も。私は応えて欲しいとも、思っていません・・・だって、足枷にはなりたくないんです、私は」

    「・・・」

    「でも、それなら好きだなんて言うべきではなかったんです、それも、わかっているんです・・・なのに、言ってしまって、私は兵長を、困らせていますね・・・すみません」


    「・・・ペトラ、店を出るぞ。外の風に当たりたい」

    俺は立ち上がり、ペトラに手を差し伸べた
  89. 89 : : 2014/05/08(木) 11:50:51
    店の外に出ると、すこしひんやりした風がふわりと頬を撫でた
    泣いていたペトラの頬を冷やすのに十分な風だ

    繋がれた手と手の温かさを感じながら、俺はペトラの手を引いて夜の街を歩いた

    静まり返る町と同様、俺たちも一言も言葉を発する事もなく、兵舎の近くまできた


    「なあペトラ」
    ふと立ち止まり、ペトラの方に向き直る

    「はい、兵長」
    やっと涙が収まったのか、声は元気がないものの、涙声ではなくなったペトラの声が俺の耳に届いた

    「お前の思っている通り、今の俺は、お前の気持ちに応えられない」
    俺はきっぱりそう言った

    「はい・・・兵長」
    ペトラは項垂れた

    「お前のことは・・・可愛いと、思う」

    「・・・兵長」
    ペトラは顔を少し上げた

    「部下としてではなく、一人の女として、可愛いと思う」

    「兵長・・・」
    ペトラは顔を上げて俺の目を見た
    俺を見つめるその大きな瞳は、またみるみるうちに潤んでくる

    「だが、俺には将来の約束をしてやれねえ。だから、お前の気持ちに安易に応えてやることが、できねえんだ。わかってくれ」

    「兵長・・・はい」
    ペトラは泣き笑いの様な表情を浮かべた


  90. 90 : : 2014/05/08(木) 12:06:50
    「兵長は・・優しいですね」
    ペトラは涙を流しながら、笑顔でそう言った

    「どこがだ・・・本当に優しい奴なら・・・」

    本当に優しい奴なら・・・
    今ペトラに可愛いなどと言わないだろう

    気持ちに応えてやれないのならば、せめてきっぱり断る事こそが、優しさだというのに

    俺には・・・どうしてもそれが出来なかった

    「兵長は、優しいです」
    大きな瞳から涙をぽろぽろとこぼしながら、それでもなお笑顔を見せるペトラのその瞳に吸い寄せられるように

    俺はその頬に手を伸ばす
    …その頬は触れるととても柔らかく、涙にぬれてしっとりとしていた

    ペトラは一瞬背中をぶるっと震わせる
    だが、その大きな瞳は俺から視線を離さない

    なんて意志の強い瞳だ
    俺はその瞳に目を奪われた

    その雄弁な瞳が語り掛ける事は・・・

    『兵長が好きです』

    その言葉

    俺はその瞳に抗う事が、できなかった

    頬を撫でていた手を顎にかけ、上を向かせる
    大きな瞳が驚いた様に一瞬見開かれたが、そっと閉じられる

    その瞬間、俺はペトラの唇に、自分の唇をそっと触れさせた

  91. 91 : : 2014/05/08(木) 12:18:50
    「ペトラ」

    俺がそう名前を呼ぶと、ペトラは目を開けて微笑む
    「はい、兵長」

    その微笑みはまるで、霧が晴れたかのような、晴れやかなものだった

    「明日は早い。部屋に戻って寝るぞ」

    そういって差し出す俺の手を、ペトラはしっかりと握る

    「はい、兵長」

    ペトラの晴れやかな微笑み
    それをみているだけで、俺まで晴れやかな気分になった、そんな気がした
  92. 92 : : 2014/05/08(木) 12:20:05
    自分の部屋にもどり、着替えて布団にもぐりこむ

    ペトラの気持ちに応えられないのに、その唇を奪ってしまう俺
    多少の自己嫌悪に陥りつつ、頭の中でいろいろなことを考える

    泣かせたまま、終わらせれば良かったのか
    キスをしてしまって、良かったのか

    どれが正解なのか、わからねえ

    常にそうだ、何が正解なのかわかったことがねえ

    この先どうなるかわからない、俺たち

    ペトラも、そうだ
    いつ、命を落とすかわからない

    ならばせめて・・・生きている間に一つでも思い出があったほうがいいのか
    残される者がつらい思いをするくらいなら、そんな思い出などない方がいいのか

    その答えは、一生でねぇだろう

    だがさしあたって、ペトラを笑顔にした
    その事は評価するべきか・・・

    ふう、俺はため息をついた
  93. 93 : : 2014/05/08(木) 12:31:51
    考えても始まらねえ

    俺は立ち止まっている暇はねぇんだからな

    とにかく前を向いて、必死に羽ばたくしか、今はできない

    このどうしようもねえ状況を打破することが叶えばその時は―

    改めてペトラと向き合えばいい

    そのためにも、今ここで羽ばたきを緩めることはできない

    全速力で、飛び続ける



    俺は俺のやり方で

    人類を勝利に導く

    死んでいった仲間の分の翼を背に、高く飛び続ける

    それが俺の、与えられた使命なのだから



    ―完―
  94. 94 : : 2014/05/08(木) 16:56:50
    いいお話だのー(´д⊂)
    そして兵長!私にも!
    ペトラと同じのやってーー! ←嘘です すいません
    長文失礼しました。
  95. 95 : : 2014/05/08(木) 19:56:45
    ロメ姉、お疲れ様~
    とてもいいssでした♪
  96. 96 : : 2014/05/08(木) 20:25:48
    カッコイイwwww

    文章がスマートですb
  97. 97 : : 2014/05/08(木) 21:01:33
    とても楽しい内容でした‼︎
    ありがとうございました❗️
  98. 98 : : 2014/05/08(木) 21:32:03
    こんばんは。
    すっごく良かったです。
    兵長にキスしてもらえて、ペトラも幸せだと思います。
    たとえこの恋が、実らないにしても…。
    ペトラに勇気をくれる、大切な思い出になったと思います。
    次回も期待してます。
  99. 99 : : 2014/05/09(金) 10:10:42
    >いちごわさびさん☆
    リヴァイ「読んでくれてありがとう。なに、おなじのをしてほしいと・・・?もしや、あれか・・・考えておこう」

    最後まで読んでいただきありがとうございました!!

    >ぬこたん☆
    リヴァイ「俺の話、最後まで見てくれてありがとう。ほら、これやるよ」つ『紅茶』

    ぬこたん読んでくれてありがとう♪なでなで♪

    >虎さん☆
    リヴァイ「かっこいい・・・俺の事か?!」

    読んでいただきありがとうございます♪
    スマートな文章でしょうか?!うれしいです^^

    >あにたん大好き人間さん☆
    リヴァイ「よう、お前はアニが好きなんだな・・・なるほど、確かに美人だな」

    読んでいただき、こちらこそありがとうございましたぁ!!
    最敬礼っ!びしいっ!

    >数珠繋ぎさん☆
    リヴァイ「よお数珠繋ぎ。いつもありがとうな。ペトラは幸せだっただろうか・・・だといいんだが」

    いつもありがとうございます!
    ペトラにも華を持たせてあげたくて、こう展開してみました!
    次回もまた頑張りますので、応援よろしくお願いしまーす♪
  100. 100 : : 2014/05/09(金) 10:28:59
    >>100ゲット‼︎
  101. 101 : : 2014/05/11(日) 20:13:55
    兵長!!
    早くしてあげてくださいよ!?
    じゃなきゃ、私が天使ペトラ様をいただきますよ!?

    姉さん...
    最後の方で一気に涙腺崩壊しました...
  102. 102 : : 2014/05/12(月) 09:27:44
    >妹姫☆
    コメントありがとう!
    兵長もついついペトラの可愛らしさにほだされてね
    涙腺崩壊ですか・・・ありがたいお言葉です!
  103. 103 : : 2014/05/13(火) 00:09:05
    久しぶりにここへきたら完成してた!w
    お疲れ様です!
    最後のほう、すごい感動しました
    進撃の世界では恋はなかなか叶わないですもんね・・・。
    今後も兵長の活躍に期待です!
  104. 104 : : 2014/12/27(土) 20:07:02
    あれ?これ二人ご飯たべました?
  105. 105 : : 2015/03/24(火) 22:15:15
    へいちょとペトラはお似合い(*^^*)
    素晴らしい作品でした(^o^)v

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fransowa

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