ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品は執筆を終了しています。

進撃の巨人Another 第39話 『帰路と遭遇』 ――第57回壁外調査編 No.13――

    • Good
    • 8

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/03/18(火) 00:59:24

    進撃の巨人Another 第39話 『帰路と遭遇』

    ――第57回壁外調査編 No.13――

  2. 2 : : 2014/03/28(金) 20:26:12

    ――――壁外調査翌日(配属32日目)――――


    ―――――――― 
    ―――― 
    ――


    女型の巨人『……』グワッ


    黒髪の巨人(その…構え…)


    女型の巨人『……』ブンッ!!


    ドカァッ!!


    黒髪の巨人『!!』メキメキメキ!!


    バキバキバキ ドシーン!!


    女型の巨人『……』


    黒髪の巨人(お前…ア…)
  3. 3 : : 2014/03/28(金) 20:27:06


    …エレン


    …!?


    逃がさない…エレン


    …誰だ?


    ??【必ず、君を捕まえる】


    エレン(誰だ?姿を現せ!!)
  4. 4 : : 2014/03/28(金) 20:27:44


    ?の巨人『……』


    黒髪の巨人『…!?』


    仮面の巨人【必ず…また君の元へ向かう…覚悟しておいてくれ】


    黒髪の巨人(誰だ、お前は!?)


    仮面の巨人『……』スーーッ


    黒髪の巨人(待てっ!…消えた…でもあの声…俺は…どこかで――――)


    ――
    ――――
    ――――――――

  5. 5 : : 2014/03/28(金) 20:28:30

    エレン「…はっ!?」ガバッ

    エレン「……」キョロキョロ


    シーン…


    エレン「…夢、か」

    エレン「そっか。帰って来たんだったな…壁外から」


    スッ スタスタ


    エレン「俺は…これからどうなるんだろうな」

    エレン「…とりあえず、“皆”のところへ向かうか…俺の…負け…くっ!!」

  6. 6 : : 2014/03/28(金) 20:28:52

    ――――――――

    リヴァイ「…おう、エレン。起きて来たか」

    ハンジ「おはよう、エレン」

    モブリット「おはよう」

    エレン「あぁ…おはようございます」トボトボ

    リヴァイ「…ほら、さっさと席につけ。朝飯だ」コトッ

    エレン「…ありがとうございます」スチャ
  7. 7 : : 2014/03/28(金) 20:29:10

    ハンジ「今日は私が作ったんだよ?ねっ、見た目綺麗じゃない?」

    モブリット「ええ。見た目だけは…ですが」

    ハンジ「なんだよぉ、モブリットぉ!!」プンス

    リヴァイ「現に美味いとも言えねぇだろ」ズズッ

    エレン「あはは…ハンジさんが作ってくれたんですね…」

    ハンジ(エレン、憔悴《しょうすい》しているって感じだね)ジーーッ
  8. 8 : : 2014/03/28(金) 20:29:35

    リヴァイ「……」ズズッ

    エレン「……」カチャカチャ

    ハンジ(うぅーん…空気が…)モグモグ

    モブリット(どうも慣れない…)モグモグ

    リヴァイ「…ん?おい、ペトラ。コーヒーを注いで…っ!!」

    エレン「…!!」ピクリ
  9. 9 : : 2014/03/28(金) 20:30:01


    シーン…


    リヴァイ「…すまん。俺はもう行く」ガタッ

    ハンジ(リヴァイ…君も仲間がいなくなったことに動揺して…)

    モブリット(兵長…貴方も仲間を尊ぶ人だ…心中お察しします)グッ

    エレン(ペトラさん…オルオさん…グンタさん…エルドさん…大勢の調査兵団の先輩方)

    リヴァイ(まずいな…俺もまだ引きずっていたとは…エレン、すまん)スタスタ

    エレン(あの人達はもう…いないんだ。死んだ仲間はもう…帰って来ないんだ)
  10. 10 : : 2014/03/28(金) 20:30:36

    ハンジ(まずいね。空気が悪い…どうしようか)チラ

    モブリット(こればかりは仕方がありません。我々は見守って少しの励ましを送る事しか…)

    ハンジ(そうだね。それに…いつまでもくよくよはしていられない)

    モブリット(ええ。我々には、次にやらなければならないことがありますから!)

    ハンジ(その為に、今は情報をまとめて策を練らなければ!!)

    モブリット(エレン、今は辛いだろうけど、現実を受け止めて次に繋げるんだ!!――――)

  11. 11 : : 2014/03/28(金) 20:42:45

    ――――調査兵団 本部――――


    ザッ!


    ジャン「壁外調査翌日の早朝から本部へ出向とは…お前も真面目だな」

    アルミン「そう言うジャンだって、ついて来てくれたじゃないか」

    ジャン「…ったりめーだ。このまま終わってたまるかよ」

    アルミン「僕もこのままエレンが中央へ引き渡されるのを黙って見過ごすつもりはないよ」

    ジャン「…やっぱ、お前の推測通りになりそうなのか?」

    アルミン「うん。まだ中央からエレン召還の要請は来ていないはずだけど、間違いない」
  12. 12 : : 2014/03/28(金) 20:43:04


    スタスタ スタスタ


    ジャン「お前、昨日から必死に報告書まとめてたもんな」

    アルミン「覚えているうちにやっておかないと!って思ってね」

    ジャン「…俺はお前みたいに頭良くないからな。証言だけでも力になるつもりだ」

    アルミン「ありがとう。作戦を立てるにあたって、証拠となりうる要素は多い方が助かるよ」

    ジャン「エレンを…このまま引き渡すわけには…いかねぇからな」

    アルミン「うん…戦いは、まだ終わっていないからね」
  13. 13 : : 2014/03/28(金) 20:43:31


    コンコン ガチャ


    エルヴィン「やぁ、朝早くからご苦労様。よく来てくれた」

    アルミン「はっ!」バッ!

    ジャン「……」バッ!

    エルヴィン「アルミン。昨日、君から時間が欲しいと言われたが、おそらくは…」

    アルミン「はい!今回の壁外調査での報告及び、エレン召還対策の作戦立案です!」

    ジャン「自分は、彼の立案を裏付ける為の証人の1人として参上しました」
  14. 14 : : 2014/03/28(金) 20:44:05

    エルヴィン「うむ。私も近いうちに訪れるエレンの王都召還の策が必要だったところだ」

    エルヴィン「是非、君達の力も借りて、エレンを調査兵団に留める策を講じたい」

    アルミン「まずは、報告書をご覧いただきたいです」スッ

    エルヴィン「…なるほど。『女型の巨人』並びに『仮面の巨人』に関する報告だね」

    アルミン「はい。僕達がその2体の巨人と遭遇し、戦闘に入った時の報告です」

    ジャン「自分もその場に居合わせ、2体の巨人と対峙しました」
  15. 15 : : 2014/03/28(金) 20:45:10

    エルヴィン「『女型』を初め、『仮面』にも知性がある事は確認されている…私の目にもね」

    アルミン「はい。彼らは故意に調査兵の馬を狙ったり、アンカーを避けたりしていました」

    アルミン「そして、敢えてこちらへ止めを刺す事をしなかった」

    エルヴィン「それは『不要だったから』なのか、『躊躇したから』なのか…」

    アルミン「それは、まだはっきりとは分かりません…ただ…」

    アルミン「『仮面』が『女型』に対して、指示の様なものを出していた仕草がありました」
  16. 16 : : 2014/03/28(金) 20:45:33

    エルヴィン「…!!」

    アルミン「……」

    ジャン「……」

    エルヴィン「アルミン…ここに書かれている事は…確証があるのか?」チラ

    アルミン「はい。自分はそう“直感”しました」

    ジャン「……」
  17. 17 : : 2014/03/28(金) 20:46:08

    エルヴィン「直感、か…うむ」

    アルミン「……」

    ジャン「……」

    エルヴィン「仮に…『女型の巨人』の正体が“そう”だとしたら…」

    エルヴィン「『仮面の巨人』の正体も…“そう”だと?」

    アルミン「…はい。僕達も…そうでないと信じたいですが」
  18. 18 : : 2014/03/28(金) 20:46:55

    エルヴィン「…104期訓練兵の中に、エレンと同じ力を有する者がいる」

    エルヴィン「そして現段階において、その可能性が最も高い2人…それが“彼ら”だと?」

    アルミン「…はい」

    エルヴィン「…ここには、更にもう1つ、その確証を得る為の立案があるようだが?」

    アルミン「はい…近日中に復帰できるはずなので、“彼”に協力してもらうつもりです」

    エルヴィン「なるほど。その彼の復帰もまた…絶好の機会という事か――――」

  19. 19 : : 2014/03/28(金) 20:48:43

    前半が終わりました

    またまた一ヶ月ぶりの本編再開です
    お仕事が始まったら、毎日の更新すら危うくなるかもです

  20. 20 : : 2014/06/15(日) 22:14:30
    Anotherへ手を付けたのは、2ヶ月ぶりでしょうか...

    お待たせです。40話まで完成したので、少しずつ投稿を再開します!(๑و•̀ω•́)و
  21. 21 : : 2014/06/15(日) 22:14:35



  22. 22 : : 2014/06/15(日) 22:14:46

    ――――同時刻 ウォール・ローゼの壁際(トロスト区・カラネス区間)――――


    パシュッ スタッ


    ユーク「…ふぅ、無事に壁内に着地」

    アニ「ありがと。アンタに掴まっていたおかげで、私は楽だったよ」

    ユーク「周囲には、誰もいなかったよね?」

    アニ「それは、大丈夫さ。私が見回した限りでは、まだ誰も壁の付近にはいなかったよ」

    ユーク「壁の死角部分に隠れて登り降りしたけど、見られていないのなら上出来だ」

    アニ「順調だね」
  23. 23 : : 2014/06/15(日) 22:15:00

    ユーク「それじゃあ、馬を繋いだ森の所まで行こうか」

    アニ「馬…残っていると、楽なんだけどね」

    ユーク「…多分、大丈夫さ。人がいるような森じゃなかったし…多分ね」

    アニ「くすっ、自信なさげだね。今更、不安になったのかい?」

    ユーク「…ほら、行こう。人が来ないうちに」

    アニ「ふふっ、さっきまでとは、まるで違うね…わかったよ。私はアンタについて行くから――――」

  24. 24 : : 2014/06/15(日) 22:15:20

    ――――(馬を繋いだ)付近の森―――― 

    ユーク「…よかった。ちゃんと居たよ」サスサス

    アニ「ふふっ、よかったね」クスリ

    ユーク「いつまで笑っているんだい?そんなに、自身の無い俺が可笑しかった?」

    アニ「ううん、そんな事ないよ?それに、私はただ微笑んでいるだけ」

    ユーク「まっ、いいけどね。まだこの戦いも終わっていないし」

    アニ「そうだったね。帰還して初めて今回の作戦も終わりだったね」
  25. 25 : : 2014/06/15(日) 22:15:38

    ユーク「…失敗したけどね」

    アニ「そんなの…結果がどうなるかなんて…終わってみないと、誰にも分からなかったさ」

    ユーク「でも…」

    アニ「それに、そういう哲学的な事は、アンタの方がよく分かっているじゃないか」

    ユーク「…あの確率の話?」

    アニ「うん。『真実は蓋を開けて見ないと分からない。でも、だからこそ面白いんだ』って」
  26. 26 : : 2014/06/15(日) 22:15:56

    ユーク「確かに、ついこの前に俺が君に言った事だったね」

    アニ「私の中では、強く印象に残った言葉だったんだ。だから、大切にしたいと思って…」

    ユーク「そっか…アニが一つ成長したのなら…それでいい事にしておこう」

    アニ「また、私をアンタの子供のように扱って…私はアンタに保護され続ける事もないのに」

    ユーク「……」

    アニ「……」
  27. 27 : : 2014/06/15(日) 22:16:12

    ユーク「…帰ろう。これからも戦いは続く。だから、次の準備をしないと!」

    アニ「手綱外したし、そろそろ移動しない?」

    ユーク「そうだね。話し込む癖に注意しないと…ほら、こっちへ」

    アニ「…森の中へ行くの?」

    ユーク「そうだよ?」

    アニ「来た道を戻るのじゃあ、ダメなのかい?」
  28. 28 : : 2014/06/15(日) 22:16:40

    ユーク「今は朝だから、住居が少ないといえど、これから人の往来もあるだろう」

    ユーク「その時に、わずかな人にでも俺達の姿を見られるのは、極力避けたいんだ」

    アニ「……」

    ユーク「その目撃事実が、いつ誰を伝ってしまうか…不安材料は残したくない」

    ユーク「だから、時間が掛かっても森を介入した方がいい。その時間の余裕も残っている」

    アニ「わかったよ。なら断然、森の中を行った方が安全だね――――」

  29. 29 : : 2014/06/15(日) 22:23:07

    ――――森の中――――


    ザッザッザッ


    ユーク「……」ユラユラ

    アニ「……」ユラユラ

    ユーク「…和《のど》かな森だね」

    アニ「うん。動物の鳴き声や木々のざわめきが、寧ろ心地よく感じる」

    ユーク「アニもなかなか良い感性が磨かれてきたね」

    アニ「これもアンタが教えてくれた事でしょ?」
  30. 30 : : 2014/06/15(日) 22:23:28

    ユーク「そうだったっけ?」

    アニ「去年、訓練所の近くの森で肝試ししたでしょ?その時さ」

    ユーク「あぁ、アニが怖くて震えて、俺にしがみ付いていた時の話だね?」

    アニ「むっ、確かに怖かったけど、しがみついてまではいなかったさ」ムスッ

    ユーク「…からかっただけだよ?」

    アニ「知っているさ」
  31. 31 : : 2014/06/15(日) 22:24:22

    ユーク「…森はいい。今、こうして戦っている事も忘れさせてくれるかのようだ」

    アニ「…突然、どうしたの?」

    ユーク「いいや?戦いの緊張感に、少し疲れたの…かもね」

    アニ「…今の内に休んでおきなよ?森の中にだって、そんなに長い時間居られないでしょ?」

    ユーク「分かっているさ。ただ、こうして森の生命のざわめきを聞くと、心が落ち着く」

    アニ「アンタは、いつでもロマンチックだね。私もこういうの…割と好きだけどさ」
  32. 32 : : 2014/06/15(日) 22:24:43


    ザッザッザッ


    ユーク「このまま、誰にも気付かれる事なく…」

    アニ「ん?」

    ユーク「任務も終えて、故郷に帰って…」

    アニ「ユーク?」

    ユーク「そして…ずっと君と一緒に…」チラ

    アニ「……」
  33. 33 : : 2014/06/15(日) 22:25:04

    ユーク「そんな小さくて…でも俺にとっては、大きな夢が…無事に叶ったら…」

    アニ「アンタ…」

    ユーク「俺達にも、ようやく平穏が訪れるのに…」

    アニ「それは…」

    ユーク「そうすれば…もう、誰にも偽ることなく…平穏に…ん?」

    アニ「…どうしたの?」
  34. 34 : : 2014/06/15(日) 22:26:37

    ユーク「…小屋がある」

    アニ「小屋?」

    ユーク「ほら、保護色で見えにくいけど、そこの樹木の間から見えるでしょ?」

    アニ「ほんとだね。少し煙も出ているし、誰か住んでいるのは間違いなさそう」

    ユーク「…避けて行こうか。隠密に通り過ぎよう」

    アニ「うん。素通りが賢明だろうね。焦らず進めば、気付かれる事も…」
  35. 35 : : 2014/06/15(日) 22:27:15


    ドンッ! ガシャン!!


    ユーク「ん?」

    アニ「何の音?」

    ユーク「…あの小屋の中から聞こえて来たね」

    アニ「何か起こったって事?」

    ユーク「…行ってみよう」

    アニ「え?たった今、素通りしようって…」
  36. 36 : : 2014/06/15(日) 22:27:43

    ユーク「…俺の勘がね」

    アニ「勘って…アンタらしくもない」

    ユーク「少し気になって…それに、もし小屋の主が救援を欲しているとしたら…」

    アニ「だからって、私達が首をつっこむ理由にも…ならないじゃないか。今、私達は…」

    ユーク「それは分かっている。まだ任務は終わっていない」

    アニ「それに、人に見られるリスクを一番警戒していたのは、アンタで…」
  37. 37 : : 2014/06/15(日) 22:29:19

    ユーク「ごめん。だけど、俺のワガママを聞いてほしいんだ」

    アニ「……」

    ユーク「確かに、誰かが応援を求めているという根拠もない。その義理もない」

    ユーク「だけど、勘が疼《うず》くんだ。あの小屋で、俺に影響を与える何かがあると…」

    アニ「…わかったよ。アンタについて行く。私の心は…既に決まっているから」

    ユーク「ありがとう。信じてくれて…それじゃあ、行ってみよう」
  38. 38 : : 2014/06/15(日) 22:30:31


    ガチャ ギィィ パタン


    ユーク「…お邪魔します」キョロキョロ

    アニ「……」ジーーッ

    ユーク「誰かいらっしゃいますか?」

    アニ「……」キョロキョロ

    ユーク「…進んでみようか」

    アニ「うん。警戒はしなよ?アンタ、たまに油断するから」
  39. 39 : : 2014/06/15(日) 22:31:01


    ソローリ コソコソ


    ユーク「……」ソローリ

    アニ「…ねぇ、あそこ」ギュッ

    ユーク「ん?」チラ

    アニ「ほら、そこの戸が少し開いているよ」スッ

    ユーク「…アニは、後ろに居てね?」

    アニ「わかった。気をつけてね」
  40. 40 : : 2014/06/15(日) 22:31:34


    ガチャ ギィィ


    小屋の主「…ぐっ、あいたた」

    ユーク「っ!大丈夫ですか?」

    アニ「……」

    小屋の主「ん?君は誰だ、少年」

    ユーク「森を通りがかった者です。この小屋から大きな物音が聞こえて駆けつけました」

    アニ「怪我しているようなら、手当てしないと」
  41. 41 : : 2014/06/15(日) 22:34:36

    小屋の主「すまんな、少年達。歳のせいで腰が弱くなってしまってのぅ…」

    ユーク「立ち上がるのが困難でしたら、肩をお貸しします。さぁ」

    小屋の主「あぁ、ありがとう。お嬢さん、そこの箱を取ってくれんかの?」

    アニ「…これ?」スッ

    小屋の主「あぁ、薬が入っておる。取っておくれ」

    アニ「わかりました」スッ
  42. 42 : : 2014/06/15(日) 22:35:19


    ヨロヨロ


    ユーク「…とりあえず、椅子に掛けましょう」

    小屋の主「助かったよ、少年。歳を取ると、こうも身体の自由がきかんとはな」

    ユーク「倒れた衝撃で他の箇所も怪我をしているかも知れません。診てみましょう」

    アニ「……」

    小屋の主「初対面なのに、すまん。力を貸してくれ」

    ユーク「ほら、アニも薬を持ってきて、手伝って!――――」

  43. 43 : : 2014/06/15(日) 22:36:53

    ―――――――― 

    ユーク「ご主人は、鍛冶屋だったんですか」

    鍛冶屋(小屋の主)「あぁ、ここで鉄を叩いとる。もう長いことな」

    アニ「……」

    鍛冶屋「2人とも、さっきは助けてくれてありがとう」

    ユーク「いいえ、どういたしまして。お困りのようでしたので」

    アニ「…どうも」
  44. 44 : : 2014/06/15(日) 22:37:18

    鍛冶屋「はっは。このお嬢さんは、少し気難しいようだね。それとも恥ずかしがり屋なのか」

    アニ「……」フイ

    ユーク「…こういう子なので、お気になさらず」ニコッ

    アニ(余計な事を…)ムスッ

    鍛冶屋「君達が偶然通りかからなかったら、鍛冶の火も消せずに、危ういところだった」

    ユーク「…ええ、偶然ですよ」
  45. 45 : : 2014/06/15(日) 22:37:44

    鍛冶屋「どうして、こんな森の中を?」

    ユーク「帰る途中でして…」

    アニ「……」コクリ

    鍛冶屋「少年達は、もっと壁の内側から来たのか?」

    ユーク「ええ。縁あってシーナの内側に居まして」

    アニ(こんなお爺さんに、話してもいい事なの?)チラチラ
  46. 46 : : 2014/06/15(日) 22:38:15

    鍛冶屋「…そうか。詳しくは聞かん。それぞれ理由はあるだろう」

    ユーク「…恐縮です」

    アニ「……」

    鍛冶屋「少年達よ、今は急ぎの用かの?」

    ユーク「え?」

    アニ「……」ジーーッ
  47. 47 : : 2014/06/15(日) 22:40:38

    鍛冶屋「急いどらんのなら、少し儂《わし》の仕事を見て行かんか?」

    ユーク「あなたの…仕事をですか?」

    鍛冶屋「あぁ。これも何かの縁。少年、君と話をしてみたい。よいかの?」ニッ

    ユーク「……」

    アニ(ユーク…きっと、アンタは…)

    ユーク「…分かりました。半日は余裕がありますので、少しだけ仕事をお邪魔します」
  48. 48 : : 2014/06/15(日) 22:41:01

    鍛冶屋「そうか、そうか。結構、結構!では、見ていきなさい!」

    アニ(やっぱり、アンタはその道を選ぶ…でも、私はアンタを…)

    ユーク「アニは、どうする?」チラ

    アニ「…私?」

    ユーク「アニはまだ眠いようなら、俺が仕事を見ている間、休ませてもらったらどう?」

    鍛冶屋「儂は一向に構わんぞ?長旅で疲れているなら、休んでいなさい、お嬢さん」
  49. 49 : : 2014/06/15(日) 22:41:48

    アニ「じゃあ…そうするよ。ごめん」

    ユーク「いいよ?体力を回復しておいてね?また、忙しい日々が始まるから!」

    アニ(忙しい日々…あぁ、作戦や任務の事だよね。分かっているさ)コクリ

    鍛冶屋「じゃあ、お嬢さんは適当な部屋を使って、休みなさい。少年は儂と仕事場へな?」

    ユーク「はい。お供します。アニもまた後でね?」

    アニ「うん。また後で」コクリ
  50. 50 : : 2014/06/15(日) 22:42:14


    スタスタ ガチャ バタン


    アニ「……」

    アニ(ユーク…)

    アニ(あいつは…何を考えて、ここで時間を潰そうとしているんだろう?)

    アニ(時間は…そんなに残っている訳でもないのに…どうしてこんな寄り道を…)

    アニ(でも、ダメだ。今の私には分からない…いや、この先ももしかしたら…ずっと…)

    アニ(…置いていってほしくない。もっと頼ってほしい…私のユーク――――)

  51. 51 : : 2014/06/15(日) 22:54:41



  52. 52 : : 2014/06/15(日) 22:56:08
    くぅ~、久しぶりに本職をこなした感が否めない(´-ω-`*)

    読んでくれている方、これからもよろしくお願いします。

    この話は、あと2日くらいに分けて完了します~。1、2日後くらいにまた来ますね~
  53. 53 : : 2014/06/15(日) 22:59:04
    コメントロックしたままでしたね。すっかり忘れていましたよ。申し訳ないです(。ノωノ)
  54. 54 : : 2014/06/15(日) 23:10:02
    続ききたー!!
    やっぱりおもしろいですね!
    そして相変わらず優しいユーク!!
    期待だよー!
  55. 55 : : 2014/06/17(火) 00:41:52
    >>54 いちごちゃん
    ありがと~。また応援よろしく~(*・ω・)/'''♪


    【宣伝】
    エレン「同じ夢に向かって」②【リレーSS】 | http://www.ssnote.net/archives/15500

    リレー繋いできました!今日は稀にみるほどに冴えていて、アイデアが出ましたよ!私なりの本気です。o(`・ω´・+o)ドヤァ
  56. 56 : : 2014/06/17(火) 20:17:48



  57. 57 : : 2014/06/17(火) 20:18:20

    ――――鍛冶場――――


    ガララッ


    鍛冶屋「さぁ、ここだ!」

    ユーク「立派な仕事場ですね」

    鍛冶屋「長い事、やっておるからのぅ。儂の人生がここにあるといっても過言ではない」

    ユーク「1人の…人生が…ここに」

    鍛冶屋「…感慨を感じるには、少年はまだ青いぞよ?」ニヤリ

    ユーク「ん?あ、いえ、そんな偉そうなつもりは…」
  58. 58 : : 2014/06/17(火) 20:18:46

    鍛冶屋「構わん。少年が何かを持つ者だとは、すぐに直感できた。単なる興味じゃよ」

    ユーク「興味…ですか」

    鍛冶屋「ふっ、まぁ、固く考える必要もない。とりあえず、見ていなさい」

    ユーク「はい。そうします」

    鍛冶屋「仕事には集中はするが、話し相手もほしい。頼めるか?」

    ユーク「ええ、勿論です。お仕事を見せてもらうわけですから――――」

  59. 59 : : 2014/06/17(火) 20:19:22

    ――――――――

    鍛冶屋「…なるほどな。少年達は、憲兵団じゃったのか」

    ユーク「ええ、彼女と共に10位以内に入れまして。その道を選びました」

    鍛冶屋「うむ、下手に壁の外へ出て命を落とせば、お嬢さんも悲しむだろう。良い選択じゃ」

    ユーク「……」

    鍛冶屋「…心に迷いがあるのか?」ピタッ チラ

    ユーク「…え?」
  60. 60 : : 2014/06/17(火) 20:19:46

    鍛冶屋「見ずとも、少年の言葉から推測できるわい…何かが違うと感じておるのか?」

    ユーク「…いいえ。選択は正しかったと考えています…でも、俺達は…」

    鍛冶屋「何も言わんでいい。言ったところで、儂には解決できんじゃろうからな」

    ユーク「…はい」

    鍛冶屋「…鉄を打つんじゃ」カンッ

    ユーク「…鉄?」
  61. 61 : : 2014/06/17(火) 20:20:09

    鍛冶屋「儂も少年の頃の歳には、ずっと悩んでおった。自分の進む道が正しいのかどうか」

    ユーク「……」

    鍛冶屋「そういう時は、無我夢中で鉄を叩いたものじゃ」カンッ!カンッ!

    ユーク「…すると、どうなるんです?」

    鍛冶屋「鉄を叩き、洗練するほどに、儂の中の迷いも晴れるような心情じゃった」ジューーッ!

    ユーク「そして、鉄を打つ事こそが、自分の道だと…分かったんですね?」
  62. 62 : : 2014/06/17(火) 20:20:43

    鍛冶屋「その通りじゃ。見てみよ、これが鉄の光沢じゃ」スッ

    ユーク「…こんなに綺麗な色をした鉄は、見たことがありません」

    鍛冶屋「…じゃが、まだ足りんのだ」ゴォォ メラメラ

    ユーク「え?まだ火にかざすんですか?」

    鍛冶屋「この光沢すら、まだ途上じゃ。更にその上がある」カンッ!カンッ!

    ユーク(また叩き始めた。この主人は、己の技術の限界を決めていないのか?)
  63. 63 : : 2014/06/17(火) 20:21:54


    カンッ!カンッ!カンッ!

    ジューーッ!


    鍛冶屋「…よし。真の光沢じゃよ」スッ

    ユーク(これが…この主人の人生を表す、技術の結晶。凄く綺麗だ)

    鍛冶屋「この鉄を何に使うか、少年には分かるかの?」

    ユーク「…見たところ…銃の部品だとお見受けします」

    鍛冶屋「その通りじゃ。じゃが、これは…そんじょそこらの代物ではないぞ?」ニヤリ

    ユーク「え?それは、どういう…」
  64. 64 : : 2014/06/17(火) 20:24:28

    鍛冶屋「まぁ、ゆっくり見ていきなさい。そろそろ完成へ近づくじゃろうからのぅ」

    ユーク(この主人…一体、どういうつもりだろう?)

    鍛冶屋「次は、鍛錬した鉄を部品として、組み立てをしていくぞよ。こちらへ…」

    ユーク「…はい」

    鍛冶屋「今回は、鉄の仕上がりも良い。上手く行きそうじゃ。話も楽しかったしのぅ」

    ユーク(主人…とても楽しそうだ。確かに俺も有意義な人生観を教授された…この歳でなお)

  65. 65 : : 2014/06/17(火) 20:24:50

    ――――小屋の付近―――― 

    鍛冶屋「いよいよ実践じゃ。組み立てた銃の性能を見るぞよ?」

    ユーク「話をしながら横で見ていましたけど、完成したんですね」

    鍛冶屋「まっ、実際に使えるかどうかは、やはり試してみんと分からんわい」ガッハッハ

    ユーク「…だから、こんな人気のほとんどない森の中で鍛冶屋の作業を?」

    鍛冶屋「まぁ、そういうことじゃ…あまり、見られていいものでもないのでのぅ」チャキッ

    ユーク「…はい。確かにそうですね」
  66. 66 : : 2014/06/17(火) 20:25:17


    バーーッン!

    バサバサバサ!ザワザワ


    鍛冶屋「うむ。見事、成功じゃ!」ワッハッハ

    ユーク「……!」パチクリ

    鍛冶屋「なんじゃ?あまりの威力に驚いたかの?」ニヤリ

    ユーク「…はい。正直、驚きました。今まで見た事のあるどの銃よりも威力が高く、それに」

    鍛冶屋「…命中率も高そう、とな?」

    ユーク「はい。弾道の軌道が全くブレていなかった…この性能の高さには…驚愕です」
  67. 67 : : 2014/06/17(火) 20:25:59

    鍛冶屋「…まるで、弾の動きが見えていたかのようじゃな」

    ユーク「いや、そんな大それた事では…見えた事には、間違いありませんが」

    鍛冶屋「正直者じゃな。確かに、稀にそんな動体視力の持ち主はおる。少年もその一人じゃ」

    ユーク「しかし、それにしても、この性能は…」

    鍛冶屋「これが、儂の人生の結晶じゃよ」

    ユーク「……」
  68. 68 : : 2014/06/17(火) 20:27:10

    鍛冶屋「憲兵団として、儂は危険じゃと思うか?」

    ユーク「…正直、わかりません。自分が判断するには…経験も知識も…」

    鍛冶屋「ふっ、少年はまだ若い。倫理観の分別が出来るわけもない」

    ユーク「……」

    鍛冶屋「じゃが少年よ、決して君は無能ではない」

    ユーク「……」
  69. 69 : : 2014/06/17(火) 20:27:40

    鍛冶屋「儂は、君の中に光る何かを感じた。じゃから、君を信じてこれを見せたのじゃ」

    ユーク「俺を…信じて?」

    鍛冶屋「おそらく君は、儂のこの武器を見ても、捕まえようとも思わんと思ってのぅ?」

    ユーク「確かに…そう…かもしれませんね」

    鍛冶屋「…小屋に戻ろう。見られるのも困る。話は小屋に戻ってからじゃ」スタスタ

    ユーク「はい。分かりました」
  70. 70 : : 2014/06/17(火) 20:28:13

    鍛冶屋「ふっふっふ。成功じゃ、成功じゃ!」スタスタ

    ユーク(…そっか。この主人は楽しんでいるんだ。鍛冶屋という人生を。だから鉄を打つ)

    ユーク(普通なら、こんな危険な武器をつくる者は異端者として扱われる)

    ユーク(だけど、この主人は配慮を欠かさずとも、そんな批判は絶対に気にしていない)

    ユーク(自分が鍛冶屋として人生を歩む事を決めたその時から、自分に正直に生きている)

    ユーク(その懸命な姿勢は、間違いなく尊敬の対象だ。俺が進み道も…きっと――――)

  71. 71 : : 2014/06/17(火) 20:29:28



  72. 72 : : 2014/06/17(火) 20:29:32
    今日はここまで~((((っ・ω・)っ

    残りもう少しあります
  73. 73 : : 2014/06/19(木) 20:49:38



  74. 74 : : 2014/06/19(木) 20:50:07

    ――――小屋の中――――

    鍛冶屋「ふぅ、疲れたのぅ」

    ユーク「ええ、お疲れ様でした。いい物を見せて戴きましたよ」

    鍛冶屋「ふっ、それは何よりじゃ。ところで…」

    ユーク「何ですか?」

    鍛冶屋「…頼むから、通報なんかしないでおくれよ?」

    ユーク「ふふっ、あれだけ意気込んで語っていたのに、本当は恐れていたんですか?」クスッ
  75. 75 : : 2014/06/19(木) 20:50:32

    鍛冶屋「念の為、確認しておこうと思っての。君に釘を刺す役割もあるんじゃ」

    ユーク「存じていますよ?大丈夫です。この事は内に留めておきますので」ニコッ

    鍛冶屋「確かに、儂の作る武器は王政にとっては、脅威になり得る代物かもしれん」

    鍛冶屋「じゃが、儂はそんな事には興味はない。儂の興味は最高の鉄を打つ事にある」

    鍛冶屋「ただ…それだけなんじゃよ…はぁ」

    ユーク「そう溜息をつかないでください。その想いは、横に居て十分に伝わりましたから」
  76. 76 : : 2014/06/19(木) 20:52:05

    鍛冶屋「男の約束じゃ。君は儂の事は内に留める。いいかの?」

    ユーク「ええ。承知しました」コクリ

    鍛冶屋「その代わり、儂も君達の事は内に留めよう。等価交換じゃ」

    ユーク「え?」

    鍛冶屋「…誰にも知られたくはないのじゃろう?」

    ユーク「……」
  77. 77 : : 2014/06/19(木) 20:52:30

    鍛冶屋「そう警戒しなくてもよい。さっきも言ったが、儂は君達の動向には興味はない」

    鍛冶屋「じゃが、わざわざ若い者が2人して、こんな森をコソコソと通過する意義はない」

    鍛冶屋「それこそ、誰にも見られたくない、という理由が常套《じょうとう》。違うかの?」

    ユーク「…あなたには、敵いませんね」

    鍛冶屋「ふっ、どれだけ生きていると思っとる」ガハハ

    ユーク「…では、約束です。お互いに今日の事は知らない、と」
  78. 78 : : 2014/06/19(木) 20:53:01

    鍛冶屋「あぁ、約束じゃ…お嬢さんはどこにおるのかの?」キョロキョロ

    ユーク「…多分、本当に寝ているんでしょうね。疲れているようでしたので」

    鍛冶屋「そうか、そうか。まぁ、若い者は多少無理しても、死にゃせん!」ワハハ

    ユーク(多少の…無理…ね)

    鍛冶屋「ほら、起こして来なさい。お昼にしよう」

    ユーク「分かりました…お昼までご馳走になります」スタスタ

  79. 79 : : 2014/06/19(木) 20:53:28

    ――――――――

    鍛冶屋「お嬢さんは、ぐっすり眠れたみたいじゃな」ガハハ

    アニ「……///」モグモグ

    ユーク(すぐ照れちゃって…くすっ)チラ

    鍛冶屋「そうじゃ、少年。君の名前をまだ聞いていなかったな」

    ユーク「…ユークと言います。『ユーク・トラス』です」

    鍛冶屋「ほう、なかなか変わった名前を持つのぅ」
  80. 80 : : 2014/06/19(木) 20:54:23

    ユーク「そうかもしれませんね。自分では、よく分かりませんが」

    鍛冶屋「そちらのお嬢さんは?先程、ユークは『アニ』と呼んでいたようじゃが?」

    アニ「…『アニ・レオンハート』」

    鍛冶屋「可愛らしさと勇ましさの両方を持った良い名じゃな」

    アニ「……」コクリ

    鍛冶屋「親に感謝じゃな」
  81. 81 : : 2014/06/19(木) 20:54:52

    アニ「……!」ピクリ

    鍛冶屋「ん?どうかしたかの、お嬢さ…」チラ

    ユーク「…あなたは、この先もこの森の中で生きていくおつもりなのですか?」

    鍛冶屋「ん?あぁ、そのつもりじゃ。儂は今の業《わざ》を集大成とするつもりじゃよ」

    ユーク(よかった。踏み込まれる前に話を逸らすことが出来た)

    アニ(お父さん…また思い出しちゃった)
  82. 82 : : 2014/06/19(木) 20:55:15

    ユーク「ええ、それが良いと思います。あなたは自分の道を既に見定めていらっしゃった」

    ユーク「先程見せて戴いた業の精度が、その何よりの根拠です。頑張ってください」

    鍛冶屋「若い者に励まされる程、まだまだ老いぼれてはおらんわい。がはは!」

    ユーク「ええ。その洗練された腕で、これからも良質な鉄を鍛錬していってください」

    鍛冶屋「人生は、常に修行。儂もいつまでも挑戦者じゃ。決して頂点になったつもりもない」

    ユーク「非常に高く、それでいて良い志だと思います。その姿勢、見倣いますよ」
  83. 83 : : 2014/06/19(木) 20:55:47


    ワイワイ ペチャクチャ


    アニ「……」チラ モグモグ

    アニ(ユーク…このお爺さんと随分と話し込んだみたいだね…いつものユークだね)

    アニ(でも、こうやって人と深みに嵌《は》まって、人間味が取れなくなると、益々…)

    ユーク(アニ…しばしばこちらを見てくるけど…心配しているのかな?)チラ

    ユーク(確かに主人との談話は、俺に何か影響を及ぼし得るものとなっただろう)

    ユーク(でも、俺は俺達の道を見誤ったりはしないから、安心して、アニ?)
  84. 84 : : 2014/06/19(木) 20:56:24

    鍛冶屋「ところで、ユークよ」チラ

    ユーク「…はい?」ピタッ

    アニ「……?」

    鍛冶屋「今のこの壁の中の世界…お主はどう思っておる?」ジッ

    ユーク「この…世界の事…ですか?」

    アニ(それは…私達にとっては…滅ぼすべき…)
  85. 85 : : 2014/06/19(木) 20:56:53

    ユーク「…『100年』という言葉」

    アニ(え?)チラ

    鍛冶屋「ん?」

    ユーク「人類がこの壁の中へ避難し、平穏が保たれたのは約100年間」

    鍛冶屋「そうじゃな。この壁の中の人間なら、誰でも知っておる事じゃ」

    アニ(ユーク…何が言いたいの?)
  86. 86 : : 2014/06/19(木) 20:57:14

    ユーク「だけど、その『100年』という言葉は、ずっと昔からも使われ続けて来た」

    鍛冶屋「…そうじゃ」

    ユーク「一体、いつから『100年』なのか、その真相は誰も知らないし、知ろうともしない」

    鍛冶屋「…うむ」

    ユーク「この矛盾は、誰によって画策されたものなのか…その実態こそ…」

    鍛冶屋「…やはり、君は儂が一目見て見込んだ男じゃ…そう、その通りじゃよ」
  87. 87 : : 2014/06/19(木) 20:57:56

    ユーク「……」

    鍛冶屋「人類は、いつしか平和に溺れ、恐怖を忘れておった」

    アニ「……」

    鍛冶屋「この巨大な壁が出来た経緯も、その方法すら不明じゃというのに、それに安堵し…」

    鍛冶屋「更には、壁の外の世界にも一切の興味を示さなくなった…その根底は恐怖じゃ」

    鍛冶屋「壁外への恐怖が人の心を侵食し、次第に変えていった…そして、その『策謀』は…」
  88. 88 : : 2014/06/19(木) 20:58:34


    ガシャンッ! ダダダッ!!


    ユーク「…!?」クルッ

    アニ「……」ジッ

    鍛冶屋「…なんじゃ?コソ泥か?」ガタッ

    ユーク「…見て来ましょう」

    アニ「私も行く」

    鍛冶屋「待て、落ち着くのじゃ。危険な時は、事を荒立てずに、慎重を期せよ」
  89. 89 : : 2014/06/19(木) 20:58:56

    ユーク「…分かりました。危険な真似はしません」

    アニ「……」コクリ

    鍛冶屋「よし。騒音がした仕事場へ行ってみようかの」

    ユーク(主人の仕事場での騒音…もしや?)

    アニ(午前の事はよく知らないけど、今は特に騒動には巻き込まれたくないものだね)

    鍛冶屋「…嫌な予感が当っていなければよいがの――――」

  90. 90 : : 2014/06/19(木) 21:00:37

    ――――再び鍛冶場――――

    鍛冶屋「…なんと!」

    ユーク「仕事場が荒らされている…それに」

    アニ「窃盗と見て、間違いないだろうね」

    鍛冶屋「…むっ!!」

    ユーク「さっきの銃が…無くなっている」

    アニ「銃?」
  91. 91 : : 2014/06/19(木) 21:01:36

    鍛冶屋「儂が先程、完成させた代物じゃ…あれが人の手に渡るのはマズイ!」

    ユーク「ええ、あの精度の武器は、一般に出回れば危険です。即刻、回収しないと!」

    アニ「でも、どうやって?犯人は既に逃げているのに…」

    鍛冶屋「くっ、この老いぼれの足が効かん事を見越しての犯行か…下衆め」

    ユーク「…俺達が追います」

    アニ「ユーク!?」
  92. 92 : : 2014/06/19(木) 21:01:59

    鍛冶屋「じゃが、少年達には関係はない…保管能力が甘かった儂の落ち度じゃ」

    ユーク「そうも言っては居られません。あの武器の殺傷リスクを考慮すれば当然です」

    アニ「そんなに凄い武器なんだね」

    ユーク「…あぁ。あんな武器を所持していることが知られれば…ただでは済まないだろうね」

    鍛冶屋「…すまん。少年達よ、頼んだ…取り返してきてくれ」

    ユーク「ええ、お任せください。すぐに追い掛けます。あなたは小屋で待機を!――――」



    To be continued...

  93. 93 : : 2014/06/19(木) 21:02:13

    【あとがき】

    帰路の最中、小屋で遭遇した1人の鍛冶職人

    彼の生き様が青年に与えた影響は、大胆にして繊細な人生観の小さな変化

    だが、その小さな変化にこそ、将来《さき》の大成の兆しを含んでいる

    彼は、己の求める真理に近づく事が出来るのか。その一期一会を彼は――――

  94. 94 : : 2014/06/19(木) 21:04:27

    【投稿完了 / 話数 / タイトル / URL】

    ――本編――

    【執筆中 第40話 『部屋』 ――第57回壁外調査編 No.14――】
    (http://www.ssnote.net/archives/12392)

    【14/06/19 第39話 『帰路と遭遇』 ――第57回壁外調査編 No.13――】
    (http://www.ssnote.net/archives/12390)

    【14/02/19 第38話 『制約』 ――第57回壁外調査編 No.12――】
    (http://www.ssnote.net/archives/8191)

    【14/02/17 第37話 『奪...』 ――第57回壁外調査編 No.11――】
    (http://www.ssnote.net/archives/8190)

    【14/01/16 第36話 『罅《ひび》』 ――第57回壁外調査編 No.10――】
    (http://www.ssnote.net/archives/6412)

    【14/01/14 第35話 『連携』 ――第57回壁外調査編 No.9――】
    (http://www.ssnote.net/archives/6411)

    【14/01/12 第34話 『駒の数』 ――第57回壁外調査編 No.8――】
    (http://www.ssnote.net/archives/5377)

    【13/12/31 第33話 『タイキ』 ――第57回壁外調査編 No.7――】
    (http://www.ssnote.net/archives/5376)

    【13/12/24 第32話 『特質』 ――第57回壁外調査編 No.6――】
    (http://www.ssnote.net/archives/5206)

    【13/12/20 第31話 『敵の敵』 ――第57回壁外調査編 No.5――】
    (http://www.ssnote.net/archives/5204)

    【13/12/17 第30話 『隠す者』 ――第57回壁外調査編 No.4――】
    (http://www.ssnote.net/archives/4699)

    【13/12/15 第29話 『ハツゲン』 ――第57回壁外調査編 No.3――】
    (http://www.ssnote.net/archives/4697)

    【13/12/06 第28話 『キタイ』 ――第57回壁外調査編 No.2――】
    (http://www.ssnote.net/archives/4287)

    【13/12/05 第27話 『夜明け』 ――第57回壁外調査編 No.1――】
    (http://www.ssnote.net/archives/4235)

    【13/11/30 第26話 『蓄積』 ――憲兵団配属編 No.18――】
    (http://www.ssnote.net/archives/3742)

    【13/11/27 第25話 『帰る先』 ――憲兵団配属編 No.17――】
    (http://www.ssnote.net/archives/3554)

    【13/11/23 第24話 『隠れる』 ――憲兵団配属編 No.16――】
    (http://www.ssnote.net/archives/3249)

    【13/11/21 第23話 『行き互い』 ――憲兵団配属編 No.15――】
    (http://www.ssnote.net/archives/3189)

    【13/11/18 第22話 『次世代』 ――憲兵団配属編 No.14――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2988)

    【13/11/15 第21話 『鍵《ヒント》』 ――憲兵団配属編 No.13――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2740)
  95. 95 : : 2014/06/19(木) 21:04:39

    【13/11/10 第20話 『懐古、そして展望』 ――憲兵団配属編 No.12――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2440)

    【13/11/08 第19話 『待つ者』 ――憲兵団配属編 No.11――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2307)

    【13/11/06 第18話 『以心』 ――憲兵団配属編 No.10――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2219)

    【13/11/05 第17話 『志と命』 ――憲兵団配属編 No.9――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2140)

    【13/11/04 第16話 『選ぶ』 ――憲兵団配属編 No.8――】
    (http://www.ssnote.net/archives/2041)

    【13/11/03 第15話 『悪癖』 ――憲兵団配属編 No.7――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1992)

    【13/11/02 第14話 『クチは...』 ――憲兵団配属編 No.6――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1943)

    【13/11/01 第13話 『ドウキ』 ――憲兵団配属編 No.5――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1886)

    【13/10/31 第12話 『人柄』 ――憲兵団配属編 No.4――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1841)

    【13/10/30 第11話 『危機と嬉々』 ――憲兵団配属編 No.3――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1815)

    【13/10/29 第10話 『見上げる先』 ――憲兵団配属編 No.2――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1748)

    【13/10/28 第9話 『辛辣』 ――憲兵団配属編 No.1――】
    (http://www.ssnote.net/archives/1702)

    【13/10/10 第8話 『本物』 ――トロスト区奪還編 No.5――】
    (http://www.ssnote.net/archives/805)

    【13/10/10 第7話 『捨てる』 ――トロスト区奪還編 No.4――】
    (http://www.ssnote.net/archives/800)

    【13/10/10 第6話 『側』 ――トロスト区奪還編 No.3――】
    (http://www.ssnote.net/archives/796)

    【13/10/10 第5話 『指令』 ――トロスト区奪還編 No.2――】
    (http://www.ssnote.net/archives/795)

    【13/10/10 第4話 『再び』 ――トロスト区奪還編 No.1――】
    (http://www.ssnote.net/archives/793)

    【13/10/10 第3話 『解散式の夜』 ――はじまり編 No.3――】
    (http://www.ssnote.net/archives/792)

    【13/10/10 第2話 『見たもの、見るもの』 ――はじまり編 No.2――】
    (http://www.ssnote.net/archives/791)

    【13/10/10 第1話 『4人目』 ――はじまり編 No.1――】
    (http://www.ssnote.net/archives/790)
  96. 96 : : 2014/06/19(木) 21:04:50

    ――番外編Ⅱ――

    【投稿完了 / 話数 / タイトル】

    【14/04/15 第8話 『誓いと愛の祈り』】
    (http://www.ssnote.net/archives/13432)

    【14/03/26 第7話 『酒の苦みと甘み』】
    (http://www.ssnote.net/archives/12393)

    【14/03/15 第6話 『未来へ得た情報』】
    (http://www.ssnote.net/archives/11415)

    【14/03/02 第5話 『顕現せし、覇の素質』】
    (http://www.ssnote.net/archives/10837)

    【14/02/22 第4話 『隠則ち、公の如し』】
    (http://www.ssnote.net/archives/10085)

    【14/02/10 第3話 『月が魅せる情緒』】
    (http://www.ssnote.net/archives/9406)

    【14/02/01 第2話 『追い掛ける背中、超えるべき高み』】
    (http://www.ssnote.net/archives/9101)

    【14/01/21 第1話 『永遠の言葉』】
    (http://www.ssnote.net/archives/8195)
  97. 97 : : 2014/06/19(木) 21:05:10

    ――番外編――

    【14/01/10 最終話 『天賦、覚醒の刻 ――誓いは、信念の果てへ――』】
    (http://www.ssnote.net/archives/6413)

    【13/12/29 第17話 『左眼が見つめる先』】
    (http://www.ssnote.net/archives/5860)

    【13/12/25 第16話 『花火が照らす、彼女の靄《もや》』】
    (http://www.ssnote.net/archives/5229)

    【13/12/14 第15話 『寒気は夜の森、温もりは隣』】
    (http://www.ssnote.net/archives/4702)

    【13/12/10 第14話 『ずっと傍に居る人』】
    (http://www.ssnote.net/archives/4373)

    【13/12/04 第13話 『求めるは近き、見つめるは遠き』】
    (http://www.ssnote.net/archives/3949)

    【13/11/30 第12話 『頼れる背中、見えない顔』】
    (http://www.ssnote.net/archives/3487)

    【13/11/24 第11話 『各々が想う、護るべき玉』】
    (http://www.ssnote.net/archives/3066)

    【13/11/17 第10話 『訪れた、運命との出会い』】
    (http://www.ssnote.net/archives/2668)

    【13/11/12 第9話 『宿願の味は、未知の味』】
    (http://www.ssnote.net/archives/2257)

    【13/10/27 第8話 『まだ見えぬ、信念の未来』】
    (http://www.ssnote.net/archives/1550)

    【13/10/24 第7話 『眠り姫と騒動姫、掌を見下ろす者』】
    (http://www.ssnote.net/archives/1374)

    【13/10/15 第6話 『敵と願望』】
    (http://www.ssnote.net/archives/1078)

    【13/10/14 第5話 『お楽しみ♪』】
    (http://www.ssnote.net/archives/1040)

    【13/10/13 第4話 『熟練者で未熟者』】
    (http://www.ssnote.net/archives/941)

    【13/10/12 第3話 『広い視野を持って』】
    (http://www.ssnote.net/archives/923)

    【13/10/12 第2話 『私も見つけよう、安心する場所』】
    (http://www.ssnote.net/archives/878)

    【13/10/11 第1話 『私が見つけた新しいおもちゃ』】
    (http://www.ssnote.net/archives/845)
  98. 98 : : 2014/06/19(木) 21:08:06

    ――その他――

    【14/05/15 【特別共通企画】 アルミン「壁の中のタブー」 / アルミン「主人公交代宣言?!∑(OωO; )」 エレン「俺は疲れた(ノ´・ω・)ノ」】
    (http://www.ssnote.net/archives/16752)

    【執筆中 【アニ聖誕祭特別編】 アニ「私達のひっそり誕生日」】
    (http://www.ssnote.net/archives/12645)

    【14/02/07 ――104期相談所編―― 第2話 ユーク「恋の三角関係?」】
    (http://www.ssnote.net/archives/5371)

    【13/12/08 ――104期相談所編―― 第1話 ユーク「勉強の方法が分からない?」】
    (http://www.ssnote.net/archives/4493)


    ――雑談――
    【随時更新中 My.Loと進撃の巨人Another】
    http://www.ssnote.net/groups/24


    ――その他情報媒体――

    【随時更新中 SS Pedia記事 『進撃の巨人Another』】
    http://dic.ssnote.net/articles/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BAAnother


    【Twitterアカウント:My.Lo(進撃の巨人Another)】
    https://twitter.com/MyLo0922

  99. 99 : : 2014/06/20(金) 22:36:34
    面白いですね、続きが気になります
  100. 100 : : 2014/06/20(金) 23:57:01
    >>99 クリアニ命さん
    毎度ありがとう~!続きは、明日更新するね!
  101. 101 : : 2014/06/21(土) 06:28:27
    更新されてる!!もう、ずっとこればかり楽しみにしてましたw
  102. 102 : : 2014/06/21(土) 22:42:16
    アニエレ狂さんとは気があいそうです‼︎
  103. 103 : : 2014/06/21(土) 23:04:28
    あっ、40話更新するのすっかり忘れてた。Zz...ッ!Σ(´oωo`*)ガタッ!

    土曜出勤だと、勘違いしちゃいますね...来週も土曜出勤...ハァ(笑)

    では、次のお話へ行くよ~ε======((((っ・ω・)っアイアンマン!

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
MyLo0922

My.Lo

@MyLo0922

この作品はシリーズ作品です

【進撃の巨人Another】 シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場