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八幡「カクサンキボウ?」

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  1. 1 : : 2014/01/24(金) 17:55:22
    かなり長編になります


    教室

    由比ヶ浜「ねぇねぇヒッキー!モノログって知ってる?」


    八幡「モノログ?なんだそれ?」


    由比ヶ浜「えっとねー、ネット上で色々な人の呟きを見たり、自分で呟いたりできるの!」


    八幡「あー、それ聞いたことはあるわ」

    由比ヶ浜「それでね、私も始めてみたんだけど、ヒッキーもやらない?」

    八幡「断る」


    由比ヶ浜「即答だ!?」
  2. 2 : : 2014/01/24(金) 17:56:16
    八幡「お前な…そろそろ気づけ。友達がいない俺がそれを始めたところで誰が見るんだ?」

    由比ヶ浜「あ…」


    八幡「な?分かったなら諦めろ」

    由比ヶ浜「えー、でもー」


    ガラッ

    平塚先生「授業始めるぞー」


    八幡「ほら、先生来たぞ。さっさと自分の席に戻れ」


    由比ヶ浜「むー、分かった。それじゃまたね」

    八幡「へいへい」

  3. 3 : : 2014/01/24(金) 17:56:59


    キーンコーン カーンコーン

    昼休み
    屋上

    八幡「ふぅ…」


    屋上、それはまさにぼっちにとってのベスト プライス

    晴れの日は陽射しが気持ちいいし
    風も心地良い
    さらに周りに誰もいないため、自分だけの時間を十二分に満喫できる

    今日もここで最高の昼休みを過ごすはずだった

    のだが


    八幡「…どうしたんだ、葉山?」

    葉山「やぁ、ヒキタニ君。探したよ」


    どうやらそうはいかないらしい
  4. 4 : : 2014/01/24(金) 17:57:35
    八幡「探してた?トップカーストのお前が最下層カーストの俺をか?」

    葉山「はは、俺はそんなカースト気にしてないんだけどな」


    八幡「けっ、御託はいい。用件だけ言えよ」


    葉山「そうだな、そうするよ。実は、ヒキタニ君に頼みたい事があるんだ」

    八幡「頼みたい事だと?」


    葉山「あぁ。最近、いろはの様子が変なんだ」

    八幡「一色の様子が?」

  5. 5 : : 2014/01/24(金) 18:00:34


    葉山「どうも、何かを思い詰めていたような感じでね。それでつい先日彼女、入院したんだよ」


    八幡「マジかよ…」


    葉山「家で急に倒れたらしい」


    八幡「あの一色がか。信じられないな」


    葉山「俺も最初は驚いたよ。だからお見舞いに行ったんだ」


    八幡「んで、どうだったんだ?」


    葉山「ひどくやつれていたよ。何かあったんだろうと思って色々聞いてみたんだが、何も言ってくれなくてね」
  6. 6 : : 2014/01/24(金) 18:01:32
    八幡「まさか頼みって」


    葉山「そのまさかかな。いろはのお見舞いに行ってあげて欲しいんだ」

    八幡「はぁ?なんで俺が…」


    葉山「君になら、彼女も何か話してくれるかもしれない。それにヒキタニ君が見舞いに行ってあげれば、きっと喜ぶと思うし」


    八幡「いや、俺と一色はそんなに関わりないだろ」


    葉山「そうかな?俺はいろはは君には心を許しているように思えるんだが」

    八幡「ないだろ」


    葉山「俺達には言えなかった事でも、君になら話してくれる可能性がある。君なら彼女の力になってあげられるかもしれないんだ」


    八幡「いやいやなんでだよ。お前にすら話さない事なんか、俺にはもっと話すわけないだろ」


    って、あれ?


    八幡「俺[達]?」


    葉山「あぁ、戸部も見舞いに行ったんだよ」


    八幡「戸部がか。それで?」


    葉山「…口すらきいてくれなかったそうだ」


    八幡「それかわいそ過ぎんだろおい」


    葉山「頼む、お願いできないか?」


    八幡「…はぁ。わぁったよ」

    葉山「ほんとか!」

    八幡「一回くらいなら行ってやる。だがお前も来るのが条件だ」


    葉山「分かった。ありがとうヒキタニ君!」

    八幡「おぅ」

    葉山「それじゃ、また放課後」


    そう言って葉山は教室に向かった

  7. 7 : : 2014/01/24(金) 18:02:50
    放課後

    病院


    八幡「ここが一色の入院してる病院か。一色はどこにいんだ?」


    葉山「えっと、いろはの病室は確か四階だよ。階段で行こう」

    八幡「了解」

  8. 8 : : 2014/01/24(金) 18:03:43
    病室


    ガラッ

    葉山「いろはー、入るぞー」


    いろは「あ、葉山先輩…」



    八幡「よぅ、一色」

    俺も葉山の後ろから遅れて姿を見せる

    いろは「ふえぇ?!せ、せんぱい!?」

    一色がもの凄く驚いた様子で俺を見る

    八幡「話しかけただけでそんなに驚くなよ。昔のトラウマとか思い出しちゃうだろうが」

    いろは「あ、いえ、その…せんぱいが来てくれるなんて、思ってなくて、凄く意外で…」

    まぁ葉山から聞いてなければ来てなかったがな
  9. 9 : : 2014/01/24(金) 18:04:16
    八幡「それで?単刀直入に聞くぞ一色」

    いろは「え?」


    八幡「お前、何があったんだ?」


    いろは「…」

    一色が俯いて無言になる


    八幡「言えないか?」

    俺が再度尋ねると
    一色は口を開いた


    いろは「信じてもらえるか、分からないですけど、聞いてくれますか?」


    八幡「まぁ、聞くだけならな。いくらでも聞いてやる」

    いろは「あはは、やっぱり、せんぱいはせんぱいですね」

    八幡「当たり前だろそんな事」

    一色は少し微笑むと
    話を切り出した
  10. 10 : : 2014/01/24(金) 18:05:53

    いろは「せんぱい達は、モノログって知ってますか?」


    葉山「もちろん知ってるよ」

    八幡「当たり前だ」※名前だけ


    いろは「じゃあ、そのモノログの呪いの噂は、知ってますか?」


    葉山「あぁ、少しだけなら。俺も聞いたことがあるよ」

    八幡「聞いたこともないな。どんな内容なんだ?」


    呪いの噂なんてのは初耳だ
    いやまぁモノログ自体そんなに知らないが
  11. 11 : : 2014/01/24(金) 18:07:21

    いろは「まぁ、簡単に言えば名前を呟かれた人が死ぬってやつですよ」

    八幡「は?どういう事だ?」


    名前を呟かれたら、死ぬ?



    いろは「正体不明のアカウントがあって、そのアカウントに名前を呟かれた人は二週間後に死ぬっていう呪いです」

    葉山「僕が聞いた噂も、そんな感じだった」


    名前を呟かれたら死ぬなんていくらなんでも…


    いろは「私、呟かれちゃったんですよ」

    八幡・葉山「!」

    そう言って一色はモノログの画面を開いた
    そこには



    ????
    一色いろはさんが亡くなられます。拡散死望
    送信日9月10日23時10分
  12. 12 : : 2014/01/24(金) 18:08:29

    葉山「まさか、本当に…」


    八幡「でもそれって…どうせイタズラだろ?それで人が死ぬなんて…」

    いろは「もう、死にました」

    八幡・葉山「え?」


    いろは「私の友達が、呟かれた二週間後に本当に死にました」

    葉山「そ、それは偶然かもしれないじゃないk」


    いろは「3人、死んじゃいました」

    一色が葉山の言葉を遮って告げる

    いろは「私の友達、3人とも…」


    八幡「3人…か」

    それが本当なら笑い事じゃ済まないぞ
  13. 13 : : 2014/01/24(金) 18:10:03

    葉山「何か、呪いを防ぐ方法とかはないのか?」



    いろは「誰かに【拡散】してもらえば、助かるっていう噂がありました」

    葉山「拡散?」

    いろは「誰かに代わりに『○○が亡くなられます。拡散死望』って文を拡散してもらうんです。そしたら死なずに済むって…」

    葉山「ならさっそく俺が…」

    いろは「でも、それは嘘でした」

    葉山「…っ?!」


    いろは「それを信じたAちゃんが、Bちゃんのために文を拡散しました」

    葉山「…」

    いろは「でも拡散してすぐに次はAちゃんが呟かれました。そして二人とも、結局死んじゃったんです」

    八幡「…」
  14. 14 : : 2014/01/24(金) 18:10:33

    いろは「助かる方法なんて、最初から存在しなかったんですよ…っ」

    一色が泣きそうな声で口を動かす


    いろは「それどころか、助けようと、した、人まで…呪いの対象に、されてしまうんです…っ」

    泣きそうになりながらも一色は必死に言葉を紡いだ


    俺も葉山も
    一色にかける言葉が見つからなくてただ黙り込んでしまった
  15. 15 : : 2014/01/24(金) 18:11:50

    いろは「あはは、すみません、空気重くしちゃいましたね。やっぱ誰にも言うべきじゃなかったかな、こんなこと…」

    葉山「そ、そんなことは…」

    八幡「別に、いいんじゃねぇの?」



    いろは「え?」


    八幡「誰にも言えず、1人でずっと溜め込んでたんだろ。ならここで全部吐き出しちまえよ」


    いろは「…」


    八幡「少なくとも、今のお前は1人じゃないだろ。俺達がいる」


    いろは「せん…ぱい」


    一色の涙腺がついに決壊した
    ポタポタと雫がベッドに落ち、染みを作っていく
  16. 16 : : 2014/01/24(金) 18:12:29
    八幡「さっきも言ったろ。話を聞くだけならいくらでも聞いてやるって、受け止めてやるから、今くらいは誰かを頼れ」


    いろは「……し…たく……い」

    一色の肩が震える


    いろは「…私…、死にたく…ないよぉ…っ」


    葉山「いろは…」


    いろは「まだ…まだ生きてたいよぉ…うぅ、うあぁぁ…ああぁあ」


    気づけば俺は無意識のうちに一色の頭に手を乗せ
    わしゃわしゃと撫でていた
  17. 17 : : 2014/01/24(金) 18:15:31
    いろは「せんぱい…?」

    あ、やべ


    八幡「わ、わりぃ。妹が泣いてた時の癖で、つい…」


    いろは「あ、い、いえ…」

    俺は慌てて手を一色の頭から離す

    ちょっと変な空気になって会話が止まってしまうが
    その沈黙は葉山が破ってくれた

  18. 18 : : 2014/01/24(金) 18:17:53
    葉山「それよりいろは、他にこの一件に詳しい人に心当たりは、ないか?」

    いろは「詳しい人なんて…あ」

    葉山「心当たりがあるのか?」


    いろは「詳しい人とかじゃないんですけど…」

    一色は間を置いてから言葉を続ける

    いろは「うちのクラスにもう1人、名前を呟かれた人がいます」



    葉山「それは、本当か?」

    いろは「はい。呟かれたのはもう10日くらい前ですけど…」

    10日前だと!?
    多く見積もっても4日もねぇじゃねぇか
  19. 19 : : 2014/01/24(金) 18:18:50

    葉山「あと4日くらいしか時間がないな」

    葉山が苦虫を潰したような顔でつぶやく


    八幡「そう、だな。だが出来る限りの事をするしか俺達に手はない」

    となれば俺のやる事は決まっていた

  20. 20 : : 2014/01/24(金) 18:19:47

    八幡「葉山!モノログってどうやってやりゃいいんだ?」


    葉山「ヒキタニ君?」


    八幡「俺モノログやったことねぇんだよ!俺もモノログやるにはどうすればいいんだ?」

    葉山「…け、携帯からモノログのページを開いてアカウントを作ればいいだけだけど…」


    俺は携帯電話からネットに接続し、モノログを検索してモノログにアクセスした
  21. 21 : : 2014/01/24(金) 18:21:25

    八幡「これか、IDとか入力していけばいいんだな…」

    葉山「ヒキタニ君…?何を…?」



    八幡「ん、簡単な事だ。あった、これで、よし」

    俺がケータイの操作を終えると同時に病室に着信音が鳴り響いた


    いろは「これは…モノログの新着通知音?」

    一色が自分の携帯でモノログを確認する

    いろは「!……こ、これって…」

    葉山「どうしたいろは?」


    葉山が一色の携帯を覗き込む


    葉山「!」


    葉山の顔が驚愕で青ざめる

    葉山「ヒキタニ君…君は…っ」


    八幡「んじゃ、始めるぞ。命懸けの調査開始だ」


    ????
    比企谷八幡さんが亡くなられます。拡散死望
    送信日:9月12日19時25分

  22. 22 : : 2014/01/24(金) 18:22:16
    葉山「ヒキタニ君、これは、どういうつもりなんだ…?」

    八幡「何がだ?」

    葉山「何がって、これで君も死ぬかも知れないんだぞ!」


    八幡「なら、死なないように解決策を見つけりゃいいだけだ」

    葉山「そんな簡単な事じゃないだろ!」


    八幡「それでも、嫌だったんだよ」


    葉山「え?」
  23. 23 : : 2014/01/24(金) 18:23:45
    八幡「一色は呟かれて当事者だけどよ、俺は蚊帳の外。実際に危ないのは一色だけ。そんなの、何か嫌なんだよ」

    この言葉に嘘はない


    八幡「一色が死ぬかも知れない恐怖に襲われてるのに、俺だけノーリスクなんて、そんなんじゃ一色の不安を心から共感して支えてやれるわけねぇだろ」


    葉山「…」


    八幡「俺はぼっちだ。独りには慣れてるし、むしろ望んでるまである。けどな…」


    八幡「大切な後輩が死にそうになってる時でも、蚊帳の外で『はいそうですか』って納得なんかできねぇんだよっ」

    いろは「せんぱい…」


    八幡「うまく言えねぇけど、俺も一色と同じ立場に立つ。んで絶対助かる方法を見つける」

    葉山「…」

    八幡「それに、なんつーか自分追い込んだ方が力発揮できんだよ」


    葉山「…。そうか、そうだった。君は、いつもそうだった」

    ポチポチ


    八幡「葉山?」


    ピロリロン

    八幡「モノログの通知音…葉山まさかお前!?」


    ????
    葉山隼人さんが亡くなられます。拡散死望
    送信日:9月12日19時30分
  24. 24 : : 2014/01/24(金) 18:25:06
    いろは「葉山先輩まで…っ」


    八幡「葉山お前っ」


    葉山「いろはの友達は1人にしか拡散されなかったから亡くなった。拡散の仕方に問題があったんじゃないかって、そう思ったんだけど」

    葉山は少し笑いながら

    葉山「どうやらアテが外れたようだ」


    八幡「お前、嘘下手だな。馬鹿過ぎて言葉が出ねぇよ」

    葉山「その台詞、ヒキタニ君には言われたくなかったかな」


    俺達が話し込んでいると部屋の扉が開き看護婦が顔を覗かせた
  25. 25 : : 2014/01/24(金) 18:26:05

    看護婦「すみません、そろそろ時間ですので退室願えますか?」

    葉山「あ、すいません。分かりました」


    八幡「それじゃな、また来るわ」


    いろは「は、はい。気をつけて…」


    八幡「あぁ」



    葉山と2人で病院の外に出た
  26. 26 : : 2014/01/24(金) 18:27:23
    葉山「とりあえず今は2人とも、いろはの友達以外、ヒントも何もない訳だ」

    八幡「…そうだな」


    葉山「ヒントが無いんじゃ、どうしようも無いから別行動をしてまずはヒントを見つけよう」

    八幡「ヒントを見つけたら2人でそれを追うってことか」

    葉山「あぁ、お互いに何かを見つけられたら連絡し合おう」

    八幡「…分かった」


    葉山「気をつけて」


    八幡「……」


    八幡「…葉山…何でお前まで拡散したんだ?」


    葉山「そうだな…俺も蚊帳の外は嫌なんだ」


    八幡「お前って結構冷静にものを見るタイプだと思ってたんだがな」

    葉山「それ、褒めてるのかい?」


    八幡「さぁ、分からん。ただ、らしくないって思ってな」



    葉山「いろはを放っておけないのは俺も一緒だよ」


    八幡「そうか…ありがとな」


    葉山「うん、じゃあまた連絡するよ」


    八幡「ああ、じゃあな」

    俺は葉山に背を向け帰路につく






    葉山「君も…放っておけないんだよ」

    ふとそんな言葉が聞こえた気がした
    しかし俺は振り返らずそのまま歩みを進めた
  27. 27 : : 2014/01/24(金) 18:30:27
    自宅


    八幡「さてと、どうしたもんか」


    俺は久しぶりに真剣に頭を働かせた

    一色を助けるのはもちろんだが
    このままでは一色の友達とやらのタイムリミットが先にきてしまう


    一色の友達も助けるならば
    タイムリミットはさらに短くなる
  28. 28 : : 2014/01/24(金) 18:32:27

    その友達が呟かれたのは10日くらい前だと一色は言ってたが…やはり本人と話して送信日をはっきりさせた方がいい
    もしかしたら予想よりも時間が残されていない可能性があるからだ


    一色がそのクラスメイトの名前と連絡先を俺に教えてくれたわけだが

    八幡「多田愛子…か」


    どんな子だろう

    一色は仲の良い友達だから助けてあげてほしいと頼んできた
    あの真剣具合から恐らく本当に親友なんだろう



    しかし一色と仲が良いということは…やはりギャルなのだろうか

    だとしたら俺の手に余る
    葉山に行かせた方が得策だが、あいつにもあいつの仕事があるだろう
    勝手は言えない、なら


    八幡「やるしか、ないか」


    俺は意を決して多田愛子に電話をかける
  29. 29 : : 2014/01/24(金) 18:32:51
    prrrr… prrr


    ピッ

    「は、はい、もしもし?」

    え、すげぇ可愛い声が聞こえてきたんだけど


    「どちら様、でしょうか…?」


    しかも言葉遣いもギャルとは思えない
    これは助かった

    ってそうじゃない、知らない電話番号から電話がかかってきたんだ
    かなり不安にさせちまってるはずだ
  30. 30 : : 2014/01/24(金) 18:33:57

    八幡「あ、あの、俺は二年の比企谷だ。いきなり悪い」

    愛子「比企谷さん、ですか。どうして私の電話番号を?」


    八幡「それは、一色に教えてもらったんだ」

    愛子「いろはちゃんに、ですか?」

    八幡「あぁ。その、君もモノログの呪いに呟かれたって聞いてな」


    愛子「…はい。私も、呟かれました。このままいけば、9月17日の18時35分に私は…」


    9月17日、あと5日か
    予想だと4日だったが、これは嬉しい誤算だ
  31. 31 : : 2014/01/24(金) 18:35:52

    八幡「その事なんだが、今俺達は呪いの調査してるんだ」

    愛子「呪いを、調査、ですか?」


    八幡「そうだ。呪いの原因を突き止めて、死の連鎖を止めたいって思ってる」


    愛子「それって、私も助かるってこと、でしょうか?」

    八幡「…あぁ」


    どうしても5日という残り少ないタイムリミットが俺の頭につっかえて
    『助けてやれる』とはっきり言ってやることができない

    一色のようにまだ時間が残っていれば何か掴めるかもしれないんだが…

    そんな事を考えていると受話器から

    「本当に私、助かるんですか!」

    という愛子の希望を見つけたかのような声が聞こえてきた
  32. 32 : : 2014/01/24(金) 18:37:28

    そうだ、この子も一色と同じで不安なんだ
    不安に押しつぶされそうに
    なりながらも今を生きてるんだ


    俺はこの子を助けたいと思った
    だからこそ、言う


    八幡「大丈夫だ。きっと助かる方法を見つける」


    愛子「比企谷さん…っ」


    電話越しでも愛子が泣いているのが分かった


    愛子が泣き止んだであろうタイミングを見計らって話を続ける
  33. 33 : : 2014/01/24(金) 18:38:14

    八幡「明日、放課後に会えるか?もう1人も含めて話し合いをしたいんだが」

    愛子「はい、大丈夫です。でも…」

    八幡「?」

    愛子「比企谷さんの顔が分からないので、私の教室まで迎えに来てくれませんか?」


    八幡「お、おぅ、別に構わないが」

    愛子「ありがとうございます!あ、でも、クラスにもう1人多田という名字の子がいるので…その、」

    八幡は直感的に嫌な予感を感じ取った


    愛子「私のことは『愛子』って呼んで迎えにきて下さい」

    予感的中


    八幡「え!?」

    愛子「お願いしますね、比企谷さん」

    八幡「ちょっ…」


    愛子「ではおやすみなさい。また明日お会いしましょう」

    プチッ

    ツー ツー


    八幡「( ゚д゚)」

    明日もハードな一日になりそうだ
  34. 34 : : 2014/01/24(金) 18:40:50
    9月13日
    放課後

    廊下

    八幡「(気が重い)」

    二年が一年の校舎にいるというこの現時点で、かなり俺は目立ってしまっている

    なのにあろう事か俺は今から更に目立つアクションを起こさなければならないのだ


    一色と仲が良い友達
    ギャルではなかったが、それでもかなり上位カーストの人間だろう

    そんな人間を下の名前で呼び、教室から連れ出す


    待って待って何その無理ゲー
    絶対クラス全員から変な視線を受けるだろ
    最悪、愛子に想いを寄せてる子なんががいれば敵意まで飛んでくる


    八幡「つっても迷って時間無駄にするわけにもいかねぇか…」
  35. 35 : : 2014/01/24(金) 18:41:22
    ガラッ


    俺は愛子のいる教室の扉を開けた
    当然クラス中の視線が俺に突き刺さる

    そして俺は

    八幡「愛子、いるかーっ?」

    愛子の名を呼んだ


    ガヤガヤ ガヤガヤ

    クラス全体がどよめく
  36. 36 : : 2014/01/24(金) 18:42:04

    モブA「い、いま多田さんの事名前で呼んでなかった?」

    モブB「よ、呼んでた。多田さんとは、ど、どういう関係なんだろ」

    モブC「てか誰だよあの人」

    モブD「誰かなんて関係ない。ここで奴を消せばすべて丸く収まる」


    おいモブD、あまり強い言葉を使うなよ
    弱く見えるぞ?
    ってかまじお前ヒョロッヒョロだな
  37. 37 : : 2014/01/24(金) 18:43:05
    期待!
    大作の予感がする
  38. 38 : : 2014/01/24(金) 18:44:11

    クラスが一通り騒ぐと
    人混みを掻き分けてこちらへ近づいて来る女子がいた


    そして俺の前までくると

    ???「本当に名前で呼んでくれるなんて思ってませんでした。先輩って、可愛いですね」

    そう言ってその女子は笑った


    えー?
    これが愛子さん?やだなにこの可愛い生物


    八幡「えと、君が、た、多田さん?」

    愛子「はい♪あ、それと私の事はもう名前で呼んで下さい」


    八幡「いや、それはちょっと…」



    愛子「ダメ、ですか?」シュン


    八幡「さぁ葉山が待ってる、行こう愛子」

    大丈夫、俺に不可能はない



    愛子「……ふふっ、やっぱり先輩は可愛いです」

    そう言うと愛子は俺の腕に自分の腕を絡めてきた

    八幡「なっ!?」

    愛子「さぁ、行きましょう」

    八幡「お、おう」

    俺はクラス中から溢れ出す殺意を感じながら葉山のいる部屋へ向かった

  39. 39 : : 2014/01/24(金) 18:45:01
    空き教室


    葉山「やぁ、来たかい」

    八幡「悪いな、少し遅れた」

    葉山「構わないよ、それより早速だが皆で呪いの解決策を考えよう」

    八幡「あぁ」



    俺達3人は机を囲むようにして椅子に腰掛けた


    愛子「でも呪いを止めるって、どうしたらいいんでしょう…?」


    葉山「…」
    八幡「…」
  40. 40 : : 2014/01/24(金) 18:46:27

    葉山「モノログ自体を止めてしまえば、この正体不明のアカウントも呟くことができないんだが…」


    八幡「…集中アクセス…」


    葉山のモノログを止めるという発言
    もしかしたら呪いを止める方法を見つけたかもしれない

    愛子「え?」

    八幡「愛子!モノログで集中アクセスが起こって呟けなくなったことって今までにあったか?」

    愛子「は、はい!あります!」


    八幡「なら集中アクセスを起こしてサーバーダウンさせれば、呟きをとめられるかも…」

    葉山「意図的に集中アクセスを起こす、か」
  41. 41 : : 2014/01/24(金) 18:47:40

    八幡「同時期に多数の人に呟いてもらえれば可能かもしれない」

    葉山「多数って、本当にかなりの数の人にだよね…」

    八幡「インターネット上で一斉に呟くようお願いを拡散させれば、もしかしたら…」

    葉山「イタズラだと思われる可能性が高いけど、何もしないよりはいいよね」

    愛子「なら、パソコン室に行きますか?」

    葉山「3人いるんだから分けて行動したほうが広がりやすいと思う」

    愛子「あ、そうです…ね」
  42. 42 : : 2014/01/24(金) 18:48:40

    葉山「ヒキタニ君は自転車でネットカフェを回ってくれないかな?ネットカフェでお客達に呟くよう言って欲しいんだ」

    八幡「…分かった」

    葉山「予告時間は17日の18時35分だから、18時25分くらいから呟くよう言って回ろう」

    愛子「はい」

    八幡「イタズラと思われないように呪いとか噂とかは伏せておくか。詳細は言わないであくまで面白い企画ってことにしておこう」

    葉山「そうだね。なら俺は近くのパソコン教室を回るよ。愛子さんはパソコン室でインターネットから書き込んでいってくれるかな?」

    愛子「分かりました」

    葉山「じゃあさっそく始めよう」
  43. 43 : : 2014/01/24(金) 18:49:58
    街中

    八幡「あー駄目だ!!ネットカフェの客誰も信じちゃくれねぇ!!!」

    自転車を走らせ続けて俺が知ってるネットカフェは全部回った


    八幡「くそ!『こいつバカじゃね?』って顔されただけだ!」

    何の理由もなく一斉に呟こうなんて相手にされる訳ねぇのか…?

    くそっ!もっと効果的な方法無いのかよ…
  44. 44 : : 2014/01/24(金) 18:51:03

    街は帰宅ラッシュで混み合ってきている
    いっそここで「呟いてくれ」って叫んでみるか?

    いや、気が狂ったとでも思われるのがオチだな

    …もう俺にできることはねぇか…?

    さっき買ったMAXコーヒーを飲みながら街行く人々を眺めていると
    ある光景が目に入った


    カメラを向けられ、マイクを握り締めた女性
    そしてその周りを囲む男性が数人いる

    八幡「(テレビの現地取材でも来てんのか…)」

    それを見てあることを思いつく

    八幡「一番効果的かもしれねぇよな」


    俺は飲み干したコーヒーの缶を捨て、テレビの取材班の方へ足を進めた
  45. 45 : : 2014/01/24(金) 18:54:11

    小南「はい!小南です!私は今、五月橋町に来ています!」

    小南「今この町で話題になっているイチゴをふんだんに使ったデザートをご紹介したいと思います!」

    小南「皆さんデザートというとカロリー多めで甘いという印象をお持…っちょ!?なに!?」


    八幡「テレビの前の皆ぁぁ!!9月17日の18時25分にみんなでモノログに呟こうぜ!いいことあるかもしれねぐあぁっ」


    俺は一言言い終えるとあっけなくスタッフに取り押さえされた

    その後説教をくらい散々な目にあいながら家に帰った
  46. 46 : : 2014/01/24(金) 18:55:30


    自宅




    八幡「だーっ、俺だけ収穫なしかよ」

    どうやら葉山も愛子も掲示板の書き込みがうまくいったらしい

    『面白そうだから書き込みをしてみる』等の返信があり
    順調に拡散に成功していた


    葉山&愛子:拡散成功

    俺:テレビで痴態を晒す


    おい俺だけ明らかにヤバイじゃん
    足どころか身体まるごと引っ張っちまってる


    八幡(俺も、明日こそは何か見つけねぇとな…)


    俺は横になって瞳を閉じた
  47. 47 : : 2014/01/24(金) 18:57:42


    9月14日


    教室



    葉山「(ヒキタニ君は…休みか?)」

    三浦「隼人ー?どしたん?」

    葉山「え?あぁ、いや何もないよ」


    三浦「ヒキオの席見てたけど…」

    由比ヶ浜「あ、そういえばヒッキー今日休みなのかな」


    三浦「あ、ヒキオのこと心配してあげてたんだ。隼人優しー」


    葉山「あはは…あ、そういえば優美子はモノログやってたよね」

    三浦「うん、やってるけど…それがどうかした?」

    葉山「モノログの呪いって、知ってるか?」

    三浦「うーん、噂だけね。詳しくは知らないよ」


    葉山「そっか…」


    三浦「どしたの?」


    葉山「いや、なんでもないよ」


    葉山「(やはり、噂程度の話しか聞けそうにないか…。ヒキタニ君は恐らく調査のために休んだみたいだな)」

    平塚「さぁ、授業始めるぞー」


    葉山「( 頼んだよ、ヒキタニ君)」

  48. 48 : : 2014/01/24(金) 19:01:38



    街中



    今日もネットカフェを回ってみたがこれといった収穫はなかった


    八幡「くっそ…」

    俺はまたMAXコーヒーを飲みながらベンチに腰をおろした

    どうしたもんか
    そう考えていると
  49. 49 : : 2014/01/24(金) 19:02:11


    ???「ねぇ。キミ」


    八幡「あ?」


    小南「キミ。この間テレビの中継に乱入してきた子よね?」

    突然声をかけられてビックリしたがテレビという言葉で思い出した

    八幡「あ、ああ…あの時はすみませんでした」

    小南「もー勘弁してよね。私あの後すごく怒られたんだから」

    八幡「…すみません」

    小南「ただの好奇心なんだけど何であんな事したの?」

    八幡「…」
  50. 50 : : 2014/01/24(金) 19:02:56


    小南「言ってることはふざけてたけど目が真剣だったのよね、キミ」

    信じちゃくれないと思うが…話してみてもいいか…
    もしそれで何か情報が手に入れば儲けモンだ

    八幡「モノログの噂…聞いたことありますか?」
  51. 51 : : 2014/01/24(金) 19:04:34




    小南「モノログの死の予告…」


    八幡「信じられないと思いますけど、実際に後輩の友達が3人死んでるんですよ」


    小南「…面白いかもしれないわね」


    八幡「面白い…?」

    自分でも分かるくらいに不機嫌な態度になっちまった

    小南「あ、ごめん。言い方が悪かったわ…。私どうしてもテレビの人間だから…」


    八幡「話しても無駄だったな」

    小南「待って!そういう情報はたぶん私集めやすいと思うの」

    八幡「…」
  52. 52 : : 2014/01/24(金) 19:06:03

    小南「そのモノログの噂がどこから出始めたのかとか。調べられるかも」

    八幡「本当ですか?」

    小南「どこまで調べられるか分からないけど…協力させてくれる?」


    八幡「…なんでですか?」


    小南「…なんでって?」


    八幡「なんであんたが協力してくれるのかってことです」


    小南「うーん、なんでだろ」

    八幡「は?」

    小南「…私、仕事がレポーターだから…どんな所にも首を突っ込んでいかなきゃいけないの。それが体に染み付いちゃったかな」


    八幡「…」
  53. 53 : : 2014/01/24(金) 19:06:38

    小南「これ私の電話番号。キミのも教えてくれる?」

    八幡「…分かりました」


    小南「よろしくね。私は小南 麗」


    八幡「俺は比企谷 八幡です」

    小南「比企谷くんね。何か分かったら連絡してあげるわ」

    八幡「はい、よろしくお願いします」

    小南「まかせておいて」


    それから俺は小南さんと別れ、特に行くところも無いから家に帰ることにした
  54. 54 : : 2014/01/24(金) 19:11:51




    自宅



    家に帰り玄関で靴を脱いでると、小町の靴が目に入った


    八幡「小町、帰ってたのか?」


    小町「あ、お兄ちゃんおかえりー」

    小町が漫画を読みながらこっちに手を振る
  55. 55 : : 2014/01/24(金) 19:13:55

    八幡「おう、ただいま。ところで小町、お前モノログってやってたか?」


    小町「呟くやつでしょ?やってないよー」


    八幡「そうか…やろうと思うなよ」

    小町「え?いきなりどうしたのお兄ちゃん」

    八幡「いいから、絶対やるんじゃねぇぞ」


    小町「…うーん、分かった」

    小町は納得してくれたようだったが怪訝そうな顔をしていた
    そして数秒、間を置いてから口を開いた
  56. 56 : : 2014/01/24(金) 19:15:32

    小町「……お兄ちゃん、小町に何か隠し事してないよね?」


    八幡「…してねぇよ」


    小町「ほんとに?」


    八幡「ほんとだ。俺が嘘なんかついたことねぇだろ」

    小町「嘘しかついたことないと思うんだけど…」

    八幡「うっせ」


    そう言って俺が自分の部屋へ向かおうとすると

    小町「お兄ちゃん」

    八幡「ん?」


    振り返ると不安そうな、それでいて真剣な顔をした小町がいた
  57. 57 : : 2014/01/24(金) 19:16:31

    八幡「なんだ?」

    小町「小町はお兄ちゃんのこと、なんだかんだ言っても、大好きなんだよ」

    八幡「い、いきなりなんだよ」

    小町「だから、危険な事はしないでね?」

    八幡「…」

    小町「小町、お兄ちゃんがいなくなっちゃったら、やだよ…?」


    八幡「…わぁってるよ。心配すんな」


    そう言って俺は自分の部屋に入った

  58. 58 : : 2014/01/24(金) 19:17:27



    自室


    ブブブブブッ

    携帯のバイブ音がポケットから聞こえる

    八幡「電話…?」

    携帯のディスプレイには着信表示が出ていた
    相手は小南さんだった
  59. 59 : : 2014/01/24(金) 19:18:18


    八幡「もしもし?」


    小南「比企谷くん?小南だけど」

    八幡「ああ…どうも…」


    小南「こっちで色々調べてみたんだけど…モノログの死の予告の噂は、去年の11月くらいから出てきてるみたい」

    八幡「大体1年前か…」


    小南「もう少し噂の出所を追ってみるわ。また何か分かったら連絡する」

    八幡「あ、はい。ありがとうございます」

    俺は携帯電話をポケットにしまった

    別れてからすぐに調べ始めてくれたのか…
    いい人だな


    とりあえず収穫はあった

    今日はここまでだろうな
    タイムリミットは

    あと3日
  60. 60 : : 2014/01/24(金) 19:19:58



    9月15日

    五月橋町ローカルテレビ局




    安藤「おい!小南!お前JSネットサービスのインタビュー行ってくれねぇか?」

    小南「えぇ?それ山崎さんの担当でしょ?」

    安藤「山崎は別件で埋まっちまったんだよ!頼む!」

    小南「はぁ…分かりました」

    安藤「すまねぇな。これが構成資料だ」

    そういって安藤さんは自分のデスクへ戻っていった

    私は構成資料と原稿をパラパラとめくって確認作業を始めた
  61. 61 : : 2014/01/24(金) 19:21:26

    小南「なになに…JSネットサービス…急成長した訳と五月橋町を想う気持ちとは…?」

    小南「著しく変化していくインターネット社会。常に新しいことに着目し会社を急成長させた阪本圭吾専務に五月橋町の今を聞く」

    はぁーっ、くだらないわね


    スタッフ「小南さん!車の用意できました!」

    小南「分かった」

    私は荷物をまとめて車へ向かった

  62. 62 : : 2014/01/24(金) 19:23:33


    私はJSネットサービスに着くと阪本専務のオフィスへと通され、インタビューを始めた

    私が質問してそれを阪本専務が答える
    それを何度か繰り返していく




    阪本「まぁ私も1年前は営業として足を棒にしていたからね」


    小南「1年でここまで出世されたのは相当な努力があったからこそなんでしょうね」


    阪本「ははは!努力だけで出世できたら誰も苦労しないよ。努力と才能…かな。才能が無い奴は努力しても無駄だよ」

    小南(…うっ、嫌な奴…)

    小南「才能があったとしても努力をしないと意味が無い、ということですね!今日はありがとうございました」

    阪本「あぁ、時間丁度だ。30分で終わって良かったよ。次があるものでね」

    小南「お忙しい中ありがとうございました」

    阪本「これも仕事だよ」
  63. 63 : : 2014/01/24(金) 19:26:09

    私は立ち上がってオフィスの出入り口へと歩を進めた

    ふー、努力の辺りは全カットね…


    扉を開けようとすると丁度、社員と思われる男性が扉を開けて入ってきたので会釈を交わす

    社員と思われる男性はそのまま阪本専務の元へと駆け足で向かっていった


    社員「阪本専務。モノログで阪本専務の名前が呟かれていた件ですが」

    阪本「あぁ、どこのバカがやったのか分かったのか?」

    社員「いえ、それがアクセス元を探っても出てこなくて…」

    阪本「何をやってる!?我が社はネットワークに特化した企業だぞ!?それが調べられないとはどれほど無能なんだ!!」

    社員「す、すみません!!全力は尽くしてるのですが…」


    モノログで…呟かれた?
    私は比企谷くんのことが頭によぎった

    私は開けた扉を閉めて踵を返した
  64. 64 : : 2014/01/24(金) 19:27:24

    小南「あ、あの、モノログで名前を呟かれたんですか?」

    阪本「ああ。私の名前がな!!亡くなります等とふざけた内容だ!!」

    小南「その話を詳しく聞かせて下さい!犯人を特定できないんですよね?」

    阪本「お前たちマスコミはいつもそうだな!ネタになりそうとなったら首を突っ込んでくる!やめたまえ!」

    小南「お願いします!聞かせてください!」

    阪本「言っただろう?今日は予定が詰まってるんだ。また改めて取材に来たまえ」

    小南「時間が無いんです!」

    阪本「しつこいな…まぁいい。明日なら時間を作れるが…?」

    小南「分かりました。ではまた明日、改めてお伺いさせていただきます」

    阪本「ふん」


    私はオフィスから出ると比企谷くんに電話をかけた

  65. 65 : : 2014/01/24(金) 19:31:03




    自室




    携帯電話の着信…。誰だ…?
    ディスプレイを見る

    八幡「…小南さんか。もしもし?」


    小南「比企谷くん?小南だけど、明日五月橋駅に来れる?」

    八幡「行けますけど何でですか?」

    小南「詳しいことは会ってから話すから、明日昼過ぎに五月橋に来て」

    八幡「わかりました」


    小南「あ!私服でなるべく大人に見える服で来て!」

    八幡「はぁ?」

    小南「いいから!」

    八幡「…分かりました」

    小南「よろしくね!」

    電話は切れてしまった

    明日、か
    きっと何か掴んでくれたんだろう


  66. 66 : : 2014/01/24(金) 19:32:22



    9月16日



    五月橋駅


    八幡「小南さん!」

    小南「あ、比企谷くん」


    八幡「今日はどうしたんですか?」

    小南「昨日JSネットサービスっていう会社のインタビューに行ってきてね」

    八幡「インタビューに?」

    小南「その会社の阪本って人もモノログに呟かれてたの」

    八幡「そいつも…」
  67. 67 : : 2014/01/24(金) 19:47:08

    小南「モノログのアクセス解析とかしてるみたいだから上手くいけば何か情報が得られるかもしれないわ」


    八幡「なるほど。モノログの中まで見れる会社なら何か聞けるかもしれないですね」

    小南「でしょ?」

    八幡「もしかして大人に見える服装を指定したのって」


    小南「そうよ。比企谷くんも一緒に話を聞けるようにするためよ」

    八幡「あ、ありがとうございます」

    小南「では、行きましょう」

  68. 68 : : 2014/01/24(金) 19:48:16



    JSネットサービス会社





    阪本「お待たせした」


    小南「昨日から連続してですが、よろしくお願いします」


    阪本「あぁ、よろしく。で、モノログの件でいいのかな?」


    小南「はい。モノログの呪いの噂はご存知ですか?」

    阪本「ああ、勿論知っている」


    小南「昨日も聞いた話ですけど、阪本さんの名前が呟かれたということでよろしいんでしょうか?」


    阪本「あぁ。1年ほど前にも少女が呟かれていたのを見たことがあるが…」

    阪本「まさかこの私の名前が呟かれるとはね」

    小南「1年前にも…ですか?」

    阪本「ああ」


    小南「その話を詳しく聞かせてください」

    阪本「大した話ではないが…」


    小南「お願いします」
  69. 69 : : 2014/01/24(金) 19:50:41

    阪本「…あれは、確か去年の9月頃だったはずだ」

    阪本「私はまだ営業マンとして営業先を回っていたよ。そして営業先から帰ろうとしている時に、少女の自殺現場に遭遇してしまった」

    小南「それで…?」

    阪本「少女の携帯には『城嶋 郁美さんが亡くなられました。拡散死望』と残されていたんだ」

    八幡「(死んだ時にも呟かれるってのか…)」

    阪本「その下には『城嶋 郁美さんがまもなく亡くなられます』などとも書かれていた。その文は死ぬ5分前に呟かれていたようだ」


    八幡「(死の5分前にも呟かれる?)」


    阪本「名前は…城嶋 郁美と言って総武高校の生徒だったはずだ」

    八幡「(俺たちと同じ学校…っ!?)」



    阪本「…私の話は、これだけだが…?役には立たないと思うが…」


    小南「貴重なお話ありがとうございます」

    阪本「さぁ、話は終わった。帰りたまえ」

    小南「本日は本当にありがとうございました」


    俺たちは部屋を出た
  70. 70 : : 2014/01/24(金) 19:53:34

    小南「何か、役に立つ情報は手に入ったかしら?」

    八幡「えぇ」

    小南「それは、良かったわ」



    八幡「…小南さん、本当にありがとうございました」

    小南「え?」


    八幡「小南さんがいなかったら多分、八方塞がりで成す術なく死んでました」

    八幡「だから、本当にありがとうございました」


    小南「改めて言われたら照れるわね。こちらこそ力になれたなら、良かったわ」

    八幡「んじゃ俺はそろそろ行きますね」

    小南「えぇ、何かあったらまた頼って頂戴。力になるわ」

    八幡「ありがとうございます。それじゃ」


    俺は携帯を取り出して
    葉山に電話をし、今日手に入れた情報を全て伝えた

    頼んだぞ葉山
  71. 71 : : 2014/01/24(金) 19:54:55


    放課後



    空き教室




    葉山「ありがとう、ヒキタニ君。君が手に入れてくれた情報無駄にはしないよ」

    八幡『おう、今お前学校にいるんだよな。頼んだぜ』

    葉山「あぁ、勿論だ」

    ピッ

    電話が切れた

    愛子「比企谷さんからですか?」

    葉山「うん。やっぱりヒキタニ君は凄いね。僕達が手に入れられないような情報を掴んでくれていたよ」

    本当に凄いと思う
    限られたこんな短い期間でここまで情報を集めるなんて

    葉山「じゃあ今からヒキタニ君が教えてくれた情報をまとめるね」
  72. 72 : : 2014/01/24(金) 19:57:02

    ・モノログの噂が出始めたのが去年の11月であること

    ・正体不明のアカウントは人が亡くなる五分前と亡くなった時にも呟くこと

    ・正体不明のアカウントはその手に特化した会社でも出所が掴めないこと

    ・そして、この学校に在学していた城嶋 郁美という人間も呪いで去年の9月に亡くなっていること

    この四つを俺は愛子さんに伝えた
  73. 73 : : 2014/01/24(金) 19:57:57

    葉山「ヒキタニ君は、きっとこの城嶋 郁美という人間が呪いの解決の糸口になると言っていたよ」

    愛子「え?どうしてですか?」


    葉山「簡単な事さ。呪いの噂が出始めたのは去年の11月だ。そして城嶋さんが呪いで亡くなったのは去年の9月」

    愛子「そっか…。城嶋さんが亡くなったのは呪いが噂になる、前なんだ」

    葉山「この人が呪いに深く関わってるのは間違いないだろうね」

    愛子「でもこんな情報どうやって?」

    葉山「ヒキタニ君が言うにはテレビ局の人の力を借りたらしいよ」

    愛子「す、凄いですね比企谷さん」

    葉山「さぁ、職員室に行ってこの人の事を聞きに行こう」

    愛子「はい!」
  74. 74 : : 2014/01/24(金) 19:59:44


    職員室



    葉山「平塚先生」

    平塚「ん?どうした葉山。お前が私の所に来るなんて珍しいじゃないか」

    葉山「えぇ、少し聞きたい事がありまして」

    平塚「なんだ?」

    葉山「『城嶋 郁美』という人物に心当たりはありませんか?在学中に亡くなってるのですが」

    平塚「…」


    やはり、知ってるいるのか


    葉山「その反応、どうやら知っているようですね」


    平塚「あぁ。どこで彼女の名を?」

    葉山「ヒキタニ君からです」
  75. 75 : : 2014/01/24(金) 20:01:12

    平塚「ちっ、あのバカまた余計な事に首突っ込んでるんじゃないだろうな…」

    葉山「平塚先生、教えて下さい。彼女の事」

    平塚「別に私も詳しくは知らんよ。クラスを担当していたわけでは無いからな」

    葉山「知っている事、少しだけでもいいんです。お願いします」


    平塚「…仕方ない。比企谷に鉄拳制裁することで手を打つよ」

    平塚先生が堅く拳を握りしめていた
    ヒキタニ君、割りと本気ですまない
  76. 76 : : 2014/01/24(金) 20:02:04

    平塚「城嶋は萩原 結という子と仲が良かったらしいんだ」

    葉山「萩原 結?」

    平塚「あぁ。しかし2人とも…その、いじめられっ子だった、みたいなんだ」


    葉山「いじめを苦に2人とも自殺したんでしょうか?」

    平塚「なんとも言えん。ただ城嶋は確かに飛び降りだったみたいだが、萩原の方は修学旅行先で行方不明になったとは聞いている」

    葉山「行方不明?」

    平塚「そうだ。そして城嶋が亡くなったのはその数日後だ。私が知ってるのはこれくらいかな」
  77. 77 : : 2014/01/24(金) 20:03:02

    葉山「城嶋さんの自宅の住所を教えてもらえませんか?」

    平塚「おいおいさすがにそれは…」

    葉山「お願いします、時間がないんです!」


    平塚「どれだけ頼まれてもこれだけは」

    「俺からもお願いします、平塚先生」

    一同「!」
  78. 78 : : 2014/01/24(金) 20:04:23

    平塚「比企…谷」

    愛子「比企谷さんっ」

    葉山「ヒキタニ君!」


    八幡「遅れて悪りぃな」

    葉山「待ってたよ」



    八幡「平塚先生、お願いします。俺たちに城嶋の住所を教えて下さい」

    平塚「…」

    八幡「お願い、します」

    平塚「お前がそれだけ頭を下げるという事は、今回のこれはそれだけ大切な事というわけだな」

    八幡「はい」

    平塚「…少し待っていろ」

    平塚先生は立ち上がって一冊のファイルを取りに行った
    そして紙を一枚抜き取り

    平塚「これだ」

    俺たちに手渡した
  79. 79 : : 2014/01/24(金) 20:05:03
    愛子「この住所、ここからかなり近いですね」

    八幡「そうだな、早速行くぞ」

    平塚「待て比企谷」

    八幡「え?」

    先生が俺の肩を掴む


    平塚「危険な事は、するなよ?」



    八幡「…うす」

    俺は短く返すと歩を進めた

  80. 80 : : 2014/01/24(金) 20:07:33



    城嶋家



    葉山「着いた、ここだ」

    八幡「もう陽が落ちる、急ごう」


    ピンポーン

    インターホンを鳴らす


    愛子「誰も、でませんね」

    ピンポーン

    再度インターホンを鳴らす

    しかし返答はない


    葉山「ヒキタニ君、どうs」

    八幡「よし突入」


    葉山「決断早いな」


    作戦は常にガンガンいこうぜだ
  81. 81 : : 2014/01/24(金) 20:08:38

    ガチャッ


    八幡「鍵、かかってねぇな。あのー、誰かいませんかー?」


    愛子「返事ありませんね」


    電気もついていないし、空き家にでもなってるかのようだ

    葉山「ヒキタn」

    八幡「おじゃましまーす」

    葉山「」


  82. 82 : : 2014/01/24(金) 20:09:20



    城嶋家1階


    葉山「どこから探す?」

    八幡「二階に決まってんだろ」

    愛子「どうしてですか?」


    八幡「高校生の、しかも女子だろ?なら絶対に自分の部屋ってのを持ってる」

    葉山「なるほど、それなら確かに二階にある可能性の方が高いね」


    ギシッ

    もうだいぶ古いのか歩くだけで木の床が軋む

    八幡「(おいおい、ほんとにここ誰ももう住んでねぇんじゃねぇか?)」

    ゆっくり階段をのぼり、城嶋郁美の部屋と思われる部屋を見つけた
  83. 83 : : 2014/01/24(金) 20:10:26

    愛子「ここ、でしょうか」

    八幡「みたいだな」


    俺は部屋に入るとすぐに目に入った一冊の本を手に取った

    葉山「それは?」


    八幡「日記帳だ」


    日記をつけてたなら
    きっと自殺、いや、呪いに殺される少し前までの日記も書いてるはずだ

    八幡「この辺りだ、読んでみよう」
  84. 84 : : 2014/01/24(金) 20:11:15

    日記帳

    9月15日
    修学旅行から帰ってきた

    結…ごめんね…。私…一緒に死のうって言ったのに…


    9月16日
    死んだはずの結が夢に出てくる…。死んでなかったの?


    9月2 1日
    生 きて るの?あの 鍾乳洞 で 私を待って るの?

  85. 85 : : 2014/01/24(金) 20:12:17

    八幡「…なんだ、これ…」


    葉山「平塚先生の行ってた通りだ。結という人は修学旅行先で行方不明になったらしい」

    八幡「行方不明…」

    葉山「でもこの日記には死んだと書かれてる。つまり城嶋さんは萩原さんが死ぬ所を見たんだよ」


    愛子「修学旅行先の鍾乳洞で何かあったんじゃ…」

    八幡「あったんだろうな、確実に。ここからは推測だが」

    俺は自分の考えを話す
  86. 86 : : 2014/01/24(金) 20:13:04

    八幡「恐らくこの2人は修学旅行先で死ぬ約束でもしたんだろう。でも城嶋が裏切って萩原だけが修学旅行先で死んだ」

    俺は続ける


    八幡「そして、裏切られた萩原の呪いで城嶋は死んだ、そう考えるのが妥当だろうな」

    葉山「そのよう、だね」

    八幡「だとしたら呪いの発生源は修学旅行先で死んだ萩原結だ」


    葉山「それで間違いないだろう」


    愛子「で、でもどこの鍾乳洞なんでしょう?」


    この部屋にもう手がかりはないのか…?
  87. 87 : : 2014/01/24(金) 20:14:15

    愛子「あ、比企谷さん。これ」

    八幡「ん?」


    愛子の見つけた紙を見る

    八幡「これは、修学旅行のしおり!よくやった!」


    愛子「えへへ…」

    修学旅行2日目
    行き先 T県 鍾乳洞

    これだ!
  88. 88 : : 2014/01/24(金) 20:16:24

    八幡「分かったぞ!T県だっ」


    葉山「T県…すこし遠いな。今からは行ける場所ではないか」


    愛子「もう帰らないとお母さんが心配するかも…」


    八幡「…そうだな。今日はここまでにするか。収穫は十分あったしな」


    そうして俺達は城嶋の家から外に出た


    葉山「ヒキタニ君、君は愛子さんを送ってあげて」


    八幡「ん、了解」

    そう言って葉山は俺たちと別れた
  89. 89 : : 2014/01/24(金) 20:17:06

    八幡「んじゃ、俺たちも行こうか」

    愛子「え、でも比企谷さん帰るのがかなり遅くなっちゃいますよ?」

    八幡「んな事言ってもこんな時間に女の子1人で帰るのは危ないだろ」


    愛子「あ、ありがとうございます」

    八幡「別に構わん」


    俺たちは歩き始めた
  90. 90 : : 2014/01/24(金) 20:18:01

    八幡「なぁ、愛子」

    愛子「はい?」


    八幡「お前は明日、鍾乳洞じゃなく、一色の見舞いに行ってやってくれないか?」

    愛子「え?」

    八幡「はっきり言って、鍾乳洞は呪いの発生源だ。危険すぎる」


    愛子「で、でもそんな…」


    八幡「なんつーかな、お前には生きててほしいんだ」


    愛子「比企谷さん…」


    八幡「…ダメか?」


    愛子「…いえ、比企谷さんがそう言うなら、そうします。私の事を想っての事でしょうし…」

    八幡「わりぃな」
  91. 91 : : 2014/01/24(金) 20:19:24



    愛子「でも…」

    八幡「ん?」


    愛子「明日は私のタイムリミットです。だから、本当はタイムリミットぎりぎりまでずっと比企谷さんの側にいたかった、です」


    八幡「な、なに言い出すんだよ」

    愛子「あ、ち、違うんです!そのっ、比企谷さんから離れたくないなって」

    違ってねぇ!?

    愛子「比企谷さんのことを信じてない訳じゃないんですよ?」


    愛子「でももし私が明日呪いで死んでしまったとしても、側に比企谷さんがいれば、死ぬ直前でもきっと、安心できるかもって…」
  92. 92 : : 2014/01/24(金) 20:23:42

    八幡「…そうしてやりたいのは山々だけど、鍾乳洞に愛子が来るのは、本当に危険だ。だから…」


    愛子「分かってます、私は明日鍾乳洞には行きません。でも、その代わりと言っちゃなんなんですけど…今日だけは比企谷さんとずっと一緒に、いたいです」

    八幡「…え?」


    それって…


    愛子「比企谷さん、今日は私の家に泊まって行って、下さい」

    八幡「( ゚д゚)」
  93. 93 : : 2014/01/24(金) 20:24:41

    愛子「やっぱり、嫌ですか?」

    八幡「…嫌、ではないが…いいのか?」

    愛子「はい!」

    八幡「…わぁったよ。んじゃお邪魔させてもらうわ」

    それで愛子が満足するなら
    一日くらいは我慢しよう

    そう決意して愛子の家に向かう
  94. 94 : : 2014/01/24(金) 20:26:03


    愛子の部屋



    八幡「こ、これが女の子の部屋ってやつか…。緊張するな」


    愛子「あ、あまりジロジロ見ないで下さい…」

    八幡「わ、わりぃ!女の子の部屋とか入ったの生まれて初めてでな」

    愛子「え?」

    八幡「ん?」

    愛子「お、女の子の部屋入ったことないんですか?」

    八幡「まぁな」

    友達いなかったし
  95. 95 : : 2014/01/24(金) 20:26:45

    愛子「そ、そうですか…わ、私が初めてなん、だ…」

    どうしたんだ?
    そんなに俺友達いるように見えてたのか?

    愛子「ひ、比企谷さんは、いま、だ、誰かと付き合ってたり、しますか?」

    八幡「なんでそんなこと」

    愛子「こ、答えて下さい!」


    八幡「い、今は、いません」

    未来に可能性を信じて『今』を強調したが


    愛子「そ、そうですか…前はいたんですか…」

    愛子は勘違いして受け取ったらしい
  96. 96 : : 2014/01/24(金) 20:27:42

    八幡「間違いのないように言っておくが俺いままで彼女なんていたことねぇぞ」

    愛子「ほ、ほんとですか!」


    八幡「うーん、あ、訂正するわ。よく考えたら彼女どころか女友達もいなかったわ」

    愛子「えっ、ええ!?」

    そんな純粋に驚かないで
    地味に傷つくから
  97. 97 : : 2014/01/24(金) 20:29:04

    愛子「あ、あの。私と比企谷さんは、友達、なんでしょうか?」


    うーんどうなんだろ
    友達?後輩?調査仲間?
    どれも当てはまりそうだな

    まぁでも…

    八幡「友達、になんのかなぁ」

    と、口にすると

    愛子「そ、そうですか!え、えと…えへへっ」

    八幡「愛子?」


    愛子「あ、いえいえ、私が比企谷さんの初めてなんだなぁって」

    その言い方誤解を生むから絶対に誰にも言ってはいけませんよ?
  98. 98 : : 2014/01/24(金) 20:29:43

    八幡「友達ってのがどんなのか、いたこと無いから分からんが、愛子みたいな奴なら友達でも楽しいんだろうな、とは思ったよ」

    愛子「比企谷さん…。ありがとう…ございます」


    八幡「ちょっ…泣くなって!」


    愛子「すいません、嬉しくてつい…」



    八幡「お、俺は明日が早いから、も、もう寝るわ」

    明日T県の鍾乳洞にいくならここを6時には出るつもりだ
  99. 99 : : 2014/01/24(金) 20:30:52

    愛子「そ、そうですか」

    八幡「んじゃ俺は布団敷いて寝るわ」

    愛子「あ、あの、比企谷さん。そのことなんですけど…」

    八幡「ん?」


    愛子「私の部屋、このベッド1つしかないんです…」

    八幡「……ナンテコッタ」


    寝れるかぁぁぁぁぁっ
  100. 100 : : 2014/01/24(金) 20:31:50


    9月17日
    朝5時30分



    結局寝れなかったのは言うまでもない
    愛子はぐっすり寝てるようだったが…

    まぁいい

    八幡「そろそろ支度してここを出るか」

    俺は昨日のうちにある程度荷物をまとめていたので時間はさほどかからなかった

    八幡「行ってくるわ」


    俺は眠っている愛子に向かってそう言って扉を開ける
    すると
  101. 101 : : 2014/01/24(金) 20:32:35

    愛子「いってらっしゃいです。比企谷さん」

    愛子の声が聞こえた

    八幡「わり、起こしちまったか?」

    愛子「いえ、いつもこれくらいに目を覚ますので」

    八幡「そっか」

    その割りに愛子は眠そうにしていた

    八幡「んじゃ、俺は行くな」

    愛子「はい、気をつけて」

    八幡「うい」


    そういって部屋を出て、玄関の扉を開く
  102. 102 : : 2014/01/24(金) 20:33:20

    すると葉山がもう家の前で待っていた

    八幡「早いなお前」

    葉山「なんだか無駄に早く目が覚めてね」

    八幡「そか、なら早速いくぞ」

    葉山「うん」




    その頃愛子は家の窓から八幡の後ろ姿を見つめていた
    そして

    愛子「私だって、眠れるわけないよ…」

    そうつぶやいていた
  103. 103 : : 2014/01/24(金) 20:35:24



    12時


    鍾乳洞



    葉山「思いの外時間がかかったね」

    八幡「まったくだ、急がねぇと」


    俺たちは早足で鍾乳洞へ足を踏み入れた


    八幡・葉山「っ!」


    一歩踏み入れただけで、分かる
    ここは、明らかに危険だと


    血管に氷水を流されたかのような凄まじい寒気が俺たちを襲う


    八幡「いまさら、ひけねぇ」

    自分を奮いたたせ、歩みを進める
  104. 104 : : 2014/01/24(金) 20:37:28

    どれくらい歩いただろうか
    そんなに時間は経っていないはずなのに疲労の色が濃くなる

    さらに少し歩くと
    先に扉があった

    八幡「なんでこんなとこに扉が…」

    そっと扉を開け中に入る

    葉山「なんの部屋だろう、何も置いてないようだけど…」

    確かにこの部屋には何もおいていない
    なんのために作られた部屋なのかも分からない

    葉山「!ヒキタニ君これ」

    葉山が何か見つけたようだ
    どうやらそれは…

    八幡「鍵?」

    葉山から鍵を受け取る
    その瞬間、葉山の顔が驚愕に包まれる
    俺が後ろを振り向くとそこには

    血だらけの女が立っていた
  105. 105 : : 2014/01/24(金) 20:38:34

    八幡「っ?!」

    血だらけの女を確認すると同時にとてつもない力で身体を引っ張られる

    葉山「比企谷っ!!」

    葉山が俺の名を呼ぶ
    なんだよ、ちゃんと読み方分かってたんじゃねぇかよ
    ってそうじゃねぇな

    八幡「葉山っ!来るなっ!」

    俺の声で葉山が動きを止める


    八幡「ここは危険だっ!お前は一旦一色のとこに戻れ!!」

    葉山「だけど!!」


    八幡「いいから早くいけっ!こいつが俺に気を取られてるうちに!!俺なら大丈夫だ!」


    俺を引っ張る力がさらに強くなる

    葉山「分かった…だから」

    葉山「生きて帰ってこい!比企谷っっ!!!」

    ダッ

    葉山が俺に背を向け疾駆する
    そして葉山の後ろ姿が消える
  106. 106 : : 2014/01/24(金) 20:39:52

    それを確認したのとほぼ同じタイミングで俺の身体が宙に浮き、思い切り壁に叩きつけられた


    八幡「ぐっ…あっ」

    肺の空気が全て引きずり出されたかの様に錯覚する

    八幡「(くっそ…)」

    だんだんと視界がぼやけていく

    血だらけの女であろう笑い声がクスクス聞こえる

    そこで俺の意識は途絶えた


  107. 107 : : 2014/01/24(金) 20:40:43



    鍾乳洞入り口



    葉山「はぁっ!はぁっ!…っはぁっ!」


    俺は比企谷くんの決死の覚悟で作ってくれたチャンスにより
    鍾乳洞からの脱出に成功した


    いますぐ引き返して比企谷くんを助けないと
    そんな気持ちを押し殺す

    彼がそれを望むわけがない


    彼が助かることを望んでいるのは
    自分の命じゃない
  108. 108 : : 2014/01/24(金) 20:41:20

    いろはがいる…いや、確か比企谷くんが言うには愛子さんもいるであろう病院に迎えと言ったのも
    きっと何かの策があってのことだ

    ならここで歩みを止めるわけにはいかない
    まして引き返すなんて比企谷くんへの冒涜だ


    葉山「はやく、戻らないと」


    まだ息は整っていないが関係ない

    俺は走りだした


    待ってろ2人とも
  109. 109 : : 2014/01/24(金) 20:42:00



    病室



    愛子「いろはちゃん」


    いろは「え、愛子っ?どうしたの?」


    愛子「いろはちゃんが入院してから、まだ一度も会いに来れてなかったから…」

    いろは「…ありがと。愛子も、自分が大変なのに…」


    愛子「でも私は、信じてる、よ」


    いろは「え?」


    愛子「私は比企谷さんを、し、信じてる…。いや、信じたい…っ」


    いろは「愛子…」
  110. 110 : : 2014/01/24(金) 20:43:12

    愛子「最初はそりゃいきなり電話かかってきてビックリしたし、いろはちゃんの先輩って言っても年上だから実際会うの怖かったし…でも…」

    そういって愛子が言葉を続ける

    愛子「短い間だったけど、比企谷さんはいつも誰かのために一生懸命で、心から私達を助けようとしてくれて…っ」

    愛子の肩が小さく震える

    愛子「自分だって死ぬかもしれなくて不安なのに、皆を元気づけるため自分の不安は押し殺して勇気を振りまいて…」

    よく見れば愛子の目には涙が溜まっている

    愛子「会って間もない、私にまでっ…優しくして…くれて、励ましてくれて…っ」

    ついに愛子の目から涙が零れる

    愛子「だから私…比企谷さんが、側にいると、すごく安心できて…っ、この人なら本当に私を助けてくれるって、そう、思えてっ」
  111. 111 : : 2014/01/24(金) 20:44:33

    いろは「愛子、もう大丈夫だよ」

    愛子「いろは、ちゃん…」

    いろは「せんぱいが、誰かのために必死になれるのは、私もよく知ってる」

    そう、私は知ってる


    いろは「私の依頼の時も、せんぱいは私のためじゃないけど、誰かの大切な場所を守るために、一生懸命だった」

    そして今回の件で
    5日前に先輩がここで見せてくれた瞳は、その時となんら遜色なかった
  112. 112 : : 2014/01/24(金) 20:46:05

    いろは「せんぱいは、私にもその瞳を向けてくれた。私は凄く嬉しかった。だから、私もそんなせんぱいを信じたい」


    愛子「いろはちゃんまで泣いてるよ?」

    いろは「え?」


    …ほんとだ…
    自分でもまったく気がついていなかったけど
    確かに何かが頬を伝う感触があった

    いろは「あれれ、おっかしいなぁ…えへへ」

    愛子「ふふ、いろはちゃんにそこまで言わせるなんて、やっぱり比企谷さんって凄い人だね」

    そういって笑う愛子もまだ涙は止まっていなかった
    けど
    こんなに温かい涙は、生まれて初めてかもしれない

  113. 113 : : 2014/01/24(金) 20:48:18



    鍾乳洞


    ??時??分



    八幡「いっ…つつ」

    頭がクラクラする

    何があったんだっけか…

    気を失う直前の事を思い出す


    八幡「(そうだ、俺は血だらけの女に襲われたんだ)」


    それで壁に叩きつけられて…
    何があったのかを冷静に整理して
    辺りを見渡す


    どうやらさっきいた場所とは違うみたいだ

    あの女に移動させられた…?
    しかし近くにあの女は見当たらない
  114. 114 : : 2014/01/24(金) 20:49:03

    八幡「って、今何時だ!?」


    携帯を見る
    時刻は
    18時03分


    くそっ、かなり長い間気を失っちまってたみたいだ
    もう残された時間が少ない


    八幡「(とりあえず、あの女に見つかる前にここを離れねぇと)」

    俺は鍾乳洞の奥へと歩きだした

  115. 115 : : 2014/01/24(金) 20:49:34

    数分歩いたところで奥に人影を見つけた
    俺は息を潜め、距離を縮めながら人影を見る

    見たところ、血だらけではない
    むしろ普通の人間にすら見える

    その先にまた扉を見つけた


    八幡「(人に見えるからって油断はできねぇ。こんなとこに1人でいるんだ。普通じゃない)」


    今やる事はもう決まっている
    萩原結の死体を見つけることだ

    ならそれを最優先すべきだ

    あいつがいなくなった隙を見て奥の部屋に進めばいい

    そんな事を考えていると
    急に人影がこっちを振り向いた
  116. 116 : : 2014/01/24(金) 20:50:34

    八幡「…っ」

    目が合う

    逃げようとすると

    ???「待って!!はやくそこから離れて!!」


    八幡「!」


    声が聞こえたと同時に悪寒が走る

    俺は振り向かず地面を蹴って横に転がった


    さっきまで自分がいた所を見ると
    そこには血だらけの手が伸びていた

    八幡「…っ」

    ???「はやくこっちへ!!」

    俺はなりふり構わず声のする方向へ走った


    そして俺が扉をくぐり抜けるとその人は扉を閉め鍵をかけた
  117. 117 : : 2014/01/24(金) 20:52:59

    八幡「はぁっ、はぁっ、助かり…ました」

    ???「こんなところで、君は何をしていたの?」

    八幡「…多分、あなたと一緒だと思いますけど…」

    ???「ってことは…君もモノログに…?」


    八幡「まぁ、そうなりますね」


    ???「そっか、君も…」

    八幡「えと、あなたは?」

    ???「あ、ごめんごめん。自己紹介まだだったね。私は宮野雪葉。君は?」


    八幡「比企谷 八幡だ」

    宮野「比企谷くんかぁ、よろしくね」

    八幡「あ、はい。ところで宮野さんはどうやってここを突き止めたんです?」
  118. 118 : : 2014/01/24(金) 20:54:21

    宮野「私がここに辿りついたのは、ほんと偶然なの」

    八幡「偶然?」


    宮野「学校の空き教室の前を通った時に、『呪いの解決の糸口は城嶋郁美だ』って声が聞こえてきて」

    え、それってまさか…

    宮野「城嶋さんは、私のクラスメイトだったから、それを手掛かりに私なりに調べてみて、ここかなって思って」


    八幡「宮野さんって、もしかして総武高校の生徒ですか?」

    宮野「え、どうして分かったの!?ってことは君も?」

    八幡「はい」

    宮野「そうなんだぁ!凄い偶然!」

    八幡「ですね。…って今何分だ!?」
  119. 119 : : 2014/01/24(金) 20:57:25

    急いで時間を見ると
    18時28分だった

    まずい、話し込んでて時間を忘れちまってま


    急いでモノログを確認すると

    八幡「!?アクセス…不可?あ、ってことはあの作戦成功したのか!!」

    宮野「え?え?どうしたの?」

    八幡「あぁ、えと後輩のタイムリミットがあと7分なんですけど、作戦が上手くいって、モノログのサーバーが落ちたんですよ」

    宮野「それって…」


    八幡「はい、これで呪いのアカウントは死の予告を呟けない。助かったんだ」

    宮野「そんな方法もあったんだね!」

    八幡「まぁ、危ない賭けでしたけど」


    喜んでいるとふとニュース欄が目に入った
  120. 120 : : 2014/01/24(金) 21:02:33
    八幡「何だ…これっ」

    宮野「え、ど、どうしたの?」


    八幡「ネットのニュース欄に…っ!」
  121. 121 : : 2014/01/24(金) 21:03:46



    病院
    18時20分




    葉山「ぎりぎり間に合ったっ!」

    俺は病院に入るとすぐさま四階へ駆け上がりいろはの病室に向かった

    ガラッ

    葉山「愛子さん、いろは、いるか!?」


    いろは「は、葉山先輩!びっくりしましたよ」

    愛子「葉山さん…?」


    葉山「なんとか間に合ったみたいだな」

    今は18時23分
    タイムリミットまで残り12分


    あと2分で、あの作戦が実行される
  122. 122 : : 2014/01/24(金) 21:04:47

    いろは「葉山先輩、愛子は…助かりますよね…?」

    葉山「当たり前だ!もうそろそろ4日前に仕掛けていた爆弾が起爆する」

    いろは「爆弾?」

    葉山「あぁ、今日の18時25分に一斉に世界中の人達に呟いてもらってモノログをサーバーダウンさせるっていう爆弾さ」

    一度サーバーが落ちれば復旧には
    10分以上は確実にかかる

    頼む、頼む!!

    愛子「あっ!」

    愛子が声をあげる

    葉山「!」

    愛子さんのモノログのアクセス画面を見ると確かに書かれていた
  123. 123 : : 2014/01/24(金) 21:05:57

    【ただ今混み合っております。しばらくお時間をおいてから再度アクセスしてください。】

    葉山「やった!成功だ!」

    喜びのあまり声をおさえられなかった


    いろは「これで愛子はっ」

    葉山「あぁ、これで5分前の死の予告もできない。助かるはずだ!」

    しかし愛子さんは自分が助かるというのに、不安そうな顔をしていた


    いろは「愛子?」


    愛子「葉山先輩、比企谷さん、は…?」

    その一言に自然と顔をしかめてしまった

    その反応が愛子さんを刺激してしまった
  124. 124 : : 2014/01/24(金) 21:07:12

    愛子「う、嘘…嘘なんですよね?実は外で隠れているとかなんですよね?」

    愛子さんが泣きそうな声でたずねてくる

    いろは「葉山先輩!せんぱいはどうしたんですか!?」

    葉山「…」

    いろは「何とか言って下さいよ!」

    黙っていても逆効果かもしれない
    俺は鍾乳洞で何があったのかを2人に説明した

    いろは「そん、な…っ」

    愛子「いや、いや…比企谷さん」

    葉山「2人とも落ち着い…」

    愛子「いやぁぁあああぁあっ!!!」

    愛子さんはその場に泣き崩れた
  125. 125 : : 2014/01/24(金) 21:07:52

    葉山「愛子さん…」

    愛子さんになんて声をかけるべきか俺が考えていると…

    いろは「な、何ですかこれ!?」

    いろはの叫び声が聞こえてきた


    葉山「どうしたいろは?」

    いろは「葉山先輩、これ…」

    葉山「!?」

    うそ、だろ?

    愛子「どう、したんですか…?」


    愛子さんもいろはの携帯を覗く

    愛子「あ…あぁ…」

    そう、いろはの見せた画面
    それはネットのニュース欄だった
    そしてそこには

    多田愛子さんがまもなく亡くなられます。拡散死望

    と、書かれていた
  126. 126 : : 2014/01/24(金) 21:08:46


    葉山「モノログじゃなくて、ニュース欄だと…?!」

    媒介はモノログじゃなくても、いいっていうのか…?
    なら、こんなのどうすれば…


    いろは「嘘…こんなのって嘘だよ!!嫌っ!愛子が死ぬなんて…っ」

    愛子「う、うぅ…ひっく、比企谷…さん…、助けて…助けてよぉ…ぁああぁあ」


    葉山「くそ!なんでこうなるんだ!!」


    ふと、頭をよぎる
  127. 127 : : 2014/01/24(金) 21:10:44

    こんな時、彼がいたらどうなっているのだろう

    当然、皆を当たり前のように救ってしまうのだろう
    さながら漫画やアニメのヒーローのように

    颯爽と現れ
    全てを塗り替えてしまうだろう
    悲劇すら喜劇に変えて、皆を笑顔にするのだろう


    ならばきっと、彼はこんな結末を許さない
    受け入れない
    悲劇で終わる結末なんかを彼は絶対認めないだろう


    だけど、俺にはできない
    この悲劇を喜劇に変えることなんて
    俺には、何もできない

    俺はヒーローには、なれない

    俺は、君のようなヒーローには…
  128. 128 : : 2014/01/24(金) 21:11:45

    自分の無力を嘆き、全てを諦めようとしたその時、着信音が鳴り響いた

    葉山「…え?」

    突然の事で反応が遅れる

    なぜならそのディスプレイに書かれていた名前は

    比企谷 八幡

    この結末を許さない、たった1人の人物だったからだ
  129. 129 : : 2014/01/24(金) 21:13:05


    葉山「もしもし!比企谷くん!無事だったのか!?」


    【比企谷】という言葉を聞いて
    愛子さんといろはの顔に微かに希望の色が戻る

    八幡『あぁ、なんとかな。それよりニュース欄は見たか!?』

    葉山「見たよ、愛子さんの死の予告が呟かれていた!」

    八幡『愛子はどんな様子だ?』

    葉山「今は少し落ち着いているが、それでもかなり動揺しているよ」

    八幡『そうか…』


    葉山「なにか…なにかこの状況を変える方法は、ないか!?」

    俺はもう彼に頼るしかなかった
    この悲劇を止める事ができるのは恐らく彼だけだ
  130. 130 : : 2014/01/24(金) 21:14:21

    八幡『…』

    しかし反応は好ましいものではなかった

    葉山「比企谷くん?」

    返事はない

    葉山「どうして黙ってるんだ?」

    なぜ、返事がない?
    まさか、諦めたのか…?いや、そんなまさか…


    そんな時、後ろから悲鳴が聞こえた
  131. 131 : : 2014/01/24(金) 21:19:50

    葉山「どうした!?」


    いろは「葉山先輩!愛子が!!」


    愛子「あ…ああっ!血が!!血がっ!!」

    見ると愛子さんの腕から血が噴き出していた

    葉山「なんでだ!!?なんでいきなり血が!!」

    何が起きてるんだ!?

    愛子「と、止まらない!!止まらないよ!!!」

    いろは「し、しっかりして!!」

    葉山「と、とにかく抑えるんだ!!」


    八幡『おい!何が起きてんだ!!?』

    やっと彼から反応が返ってくる

    葉山「突然愛子さんの腕から血が出始めたんだ!!」


    愛子「…止まらない…駄目…!!」

    いろは「愛子ぉ!!」

    どうすればいいんだ!!


  132. 132 : : 2014/01/24(金) 21:21:05


    鍾乳洞

    数分前


    葉山『なにか…なにかこの状況を変える方法は、ないか!?』


    八幡「…」

    はっきり言って、何も思いつかない
    サーバーを落とす作戦が失敗した今
    残り五分もないこの状況で打開できる策を考えつくなんてほぼ不可能だろう

    だが諦める訳にはいかない
    思考を止めるな
    集中しろ

    頭をフル回転させる
  133. 133 : : 2014/01/24(金) 21:21:55

    電話口から葉山の声が聞こえるが気にしてる余裕はない
    俺は聴覚をシャットダウンし意識を全て一点に集中させた

    いま、起きてる事をじっくり分析する

    モノログの死の予告はなぜニュース欄で呟かれた?
    それはモノログがサーバーダウンしたからだ
    簡単な事だ

    簡単な事だからこそ、俺は違和感を感じた

    そして一つの可能性が頭の中で弾けた

    それと同時に電話口から悲鳴が聞こえた
  134. 134 : : 2014/01/24(金) 21:23:34

    八幡「おい!何が起きてんだ!!?」

    葉山『突然愛子さんの腕から血が出始めたんだ!!』

    くそ、まだ35分にはなってねぇってのに

    八幡「葉山ぁぁ!よく聞け!今すぐ愛子を手術室に連れていけ!!!」

    俺は確信はないが
    一つの可能性に賭けた

    葉山『手術室?どうして…』


    八幡「いいから早くしろ!!手遅れになる前に!!」

    葉山『わかった!!』

    通話はきれた

    後は頼んだぞ葉山!

  135. 135 : : 2014/01/24(金) 21:25:27



    病室




    葉山「愛子さん!!俺の背中に乗って!早く!!」


    愛子「え…?」

    葉山「今から手術室に君を連れて行く!!意図は分からないけど比企谷くんの考えだ!何かあるんだ!急いで!!」

    愛子「…っ!はい!」

    俺は愛子さんをおんぶすると手術室へと走った

    いろはも俺のペースについてきて
    愛子の腕をハンカチで覆い血が噴き出るのを抑えていた

    時間は34分
    あと1分

    俺は無我夢中で手術室の扉を開き中へと転がるように入った

    35分になった


    葉山「愛子さん!」

    いろは「愛子!」


    愛子さんを見ると


    葉山「あ…っ」
  136. 136 : : 2014/01/24(金) 21:27:35

    なんと腕の出血が嘘のように止まっていた

    愛子「血が止まった…?」

    いろは「生きてる!!愛子生きてるよ!!」


    俺は安堵した
    あり得ないような事が起きたが
    この事を比企谷くんに伝えようと電話をかける


    葉山「比企谷くん」

    八幡『葉山か!愛子はどうなった!?』

    葉山「どうやら助かったみたいだ。血は止まったし、死の呟きもされてないよ」

    八幡『そうか、良かった。葉山、絶対に愛子を手術室から出すなよ』

    葉山「え?」
  137. 137 : : 2014/01/24(金) 21:32:13

    八幡『恐らく愛子はまだ助かっていない。ただ手術室にいる間だけ、呪いが一時的に止まっただけだと考えていい』

    葉山「ど、どういう…」

    八幡『説明は帰ったらする。どのみちあと少ししたらお前らは手術室から追い出される。そうなったらゲームオーバーだ。大人は呪いなんて信じてないからな』

    葉山「手術室を出たら…?」


    八幡『恐らく愛子は間違いなく死ぬ。はっきり言って今回の一手はタイムリミットが少し延びただけに過ぎない』

    葉山「君は…?」


    八幡『俺はその延びた短時間で、呪いと決着をつける』

    葉山「そうか、ならこっちは任せてくれ、君が呪いと決着をつけるまで、絶対に愛子さんを手術室から出さないよ」

    八幡『あぁ、頼んだ。んじゃ俺は行くとするわ』

    葉山「頼んだよ、ヒーロー」

    八幡『ふん、ヒーローなんて柄じゃねぇよ俺は。ただ…』



    『悲劇では終わらせねぇ』

    通話は、きれた
  138. 138 : : 2014/01/24(金) 21:34:06



    鍾乳洞



    宮野「後輩さんは…た、助かった…の?」

    八幡「えぇ、なんとか…一時的にですけど」

    宮野「…君、凄いね」

    八幡「え?」

    宮野「ううん、何でもない。奥に進もう。この先が萩原さんの行方不明になったって言われてる場所だよ」

    八幡「呪いの発生源、か。行きましょう」

    俺たちは決着をつけるため先に進んだ
  139. 139 : : 2014/01/24(金) 21:34:58

    先に進むとそこは断崖絶壁だった

    宮野「多分、この下に萩原さんがいると思う」

    俺は持ってきたロープを岩に巻きつけ下に垂らした

    俺たちは2人は順番にロープを伝って下へ降りた


    八幡「…うっ」

    案の定、そこには女の子の死体があった

    血だらけで
    足は向いている角度がどう見てもおかしい

    宮野「萩原…さん」

    どうやら萩原結の死体であることも間違いないようだ


    そしてその死体のすぐそばには携帯が落ちていた
  140. 140 : : 2014/01/24(金) 21:36:49

    八幡「うそだろ、この携帯…」

    その携帯はまだ電源が入っていた


    宮野「そんな…去年から…ずっと…?」

    あり得ない事だった


    八幡「とりあえず、この携帯を壊して全てを終わりにしましょう。この携帯が呪いの発生源なのは確実です」


    俺がスコップを取り出し携帯を壊そうとした時

    宮野「比企谷くん!!」


    急に首を絞められた

    八幡「…がっ」


    俺の前には血だらけの女が立っていた
  141. 141 : : 2014/01/24(金) 21:39:07

    八幡「萩原…結…」

    萩原「憎い…私を裏切った郁美が、私をいじめていたクラスメイトが…全てが憎い」

    宮野「やめて萩原さん!」


    萩原「あんたは、雪葉じゃない。私がいじめられてるの知ってたくせに、助けてくれなかったわよねぇ」

    宮野「そ、それは…」

    萩原「あんたが助けてくれたら私はこんな目にあわずにすんだのよ。自分を嫌いになることもなかっ…」

    八幡「ふざけたこと、ぬかしてんじゃねぇぞ」
  142. 142 : : 2014/01/24(金) 21:40:39

    萩原「はぁ?」



    八幡「助けを求める前にお前、自分で自分を変えようとしたのかよ?」

    萩原「…」

    八幡「してねぇよなぁ。始めから助けてもらうのを前提に考えてんだ、当たり前だ」

    八幡「そんな努力もなにもしてねぇ奴が助けてなんてもらえる訳ねぇだろ」

    萩原「…っ、うるさい!お前にいじめられていた私の何が分かる!!?」

    八幡「分かるよ」

    萩原「嘘だっ!!」

    八幡「分かるっつってんだよ!!!」

    萩原「!」
  143. 143 : : 2014/01/24(金) 21:42:33

    八幡「いじめられて、ツライ思いしてんのが、自分だけだとでも思ってんのかよ…」

    萩原「え?」

    八幡「お前、いじめられ始めたの、いつだよ?」

    萩原「…高校からよ」

    八幡「ってことは、小学校や中学校は普通に友達作って遊んでたワケだ。羨ましいねぇ」

    萩原「羨ましいですって?」

    八幡「ふん、あめぇんだよ。そんなのでいじめがツラかった?笑わせる」

    萩原「なにをいって…」

    八幡「俺は、小学校の頃からすでにぼっちだったぜ?」

    萩原「…」
  144. 144 : : 2014/01/24(金) 21:46:30

    八幡「偽の告白や偽のラブレター、触れば菌扱いされて逃げられ、いじめられるのは当たり前、助けてくれる友達はおろか話せる友達すらいなかったよ」

    八幡「中学も酷かったな、告白したら次の日には皆に知れ渡ってて馬鹿にされた。運動会も負けたら全て俺のせいにされた。ずっと1人で耐えてきた」

    萩原「…」

    八幡「ちなみに高校生になった今もぼっちだ。休み時間、話す友達もいないからイヤホンつけて寝たふりしてるし」

    あれ、自分で言っててなんか悲しくなってきたな
  145. 145 : : 2014/01/24(金) 21:50:33

    八幡「でもお前には城嶋がいたんだろ?いいじゃねぇか、1人だけでも味方がいたんだったら」

    萩原「でも郁美は私を裏切った!」

    八幡「違うな。ただ城嶋は自分を諦めなかっただけだよ」

    萩原「え?」


    八幡「どれだけいじめられても、城嶋は自分を変えようとしたんだ。変われると信じたんだよ」

    八幡「それが結果的にお前を裏切るって事になっちまったんだろうけど、それでも本当は城嶋はお前と一緒に変わりたかったんだと思うぜ?」

    萩原「そんな…そんなこと…」
  146. 146 : : 2014/01/24(金) 21:57:36

    八幡「俺もな、学校のとある奴に、『変わらず、今までの自分を肯定するのも強さだろ』って言ったんだ」

    八幡「そしたらそいつ、それは『逃げだ』って言ってきたよ。不覚にも、そうなのかもって思っちまった。まぁそれでも俺は変わってないが」

    萩原「あんたは、そんなぼっちである自分を嫌いにならないの?」

    八幡「ん、ならんな。むしろ好きすぎる。愛してると言ってもいい」

    萩原「ぼっちでいじめられてたのに?」

    八幡「それでも、自分が自分を嫌いになっちまったら、誰が自分を好きになってやれんだよ。誰にそんな自分を好きにさせてやれんだよ」


    萩原「変わってるね、あんた」

    八幡「よく言われる」
  147. 147 : : 2014/01/24(金) 21:59:38

    萩原「私は間違ってたのかな」


    八幡「逃げて、今もこうして同じ場所にとどまってるお前は間違ってるよ」

    萩原「…」


    八幡「けど、選択を間違えてもまだやれる事はある」

    萩原「え?」


    八幡「人生はセーブなんてできないから、選択を誤る事もある。けどそこで諦めるか、進むかは自分次第だろ」


    八幡「…お前は、どうすんだ?」
  148. 148 : : 2014/01/24(金) 22:01:32

    萩原「私は、変われる?」

    八幡「さぁな、俺が知るか。…でも、変わろうという気があれば、変われんじゃねぇの?」


    萩原「…そっか…」

    そういうと萩原は俺から離れて
    携帯を手に取った

    萩原「これで、終わり…ね」


    宮野「何をしたの?」


    萩原「私の呪いのアカウントを削除したの、これで、もう呪いは終わり」


    そういうと萩原の姿はだんだんと薄れていった

    そして最後に俺の方を向いて
    「ありがとう」
    その一言を残していった

    その時の笑顔は呪いなんて憑き物がとれた、1人の高校生としての笑顔だった
  149. 149 : : 2014/01/24(金) 22:03:44

    宮野「終わった、のかな」


    八幡「終わった、と思う。俺は萩原結の強さを信じるよ」


    宮野「そうだよね、うん。私達も帰ろ」

    八幡「了解」


    そうして出口に向かった

  150. 150 : : 2014/01/24(金) 22:04:46


    9月18日


    いろは「せんぱぁぁい!!」

    愛子「比企谷さぁぁぁん!!」


    八幡「お、おぅ」

    2人は俺の顔を見ると一直線に走ってきて飛びついてきた


    葉山「おかえり、比企谷くん」


    八幡「あぁ、愛子が無事ってことは、呪いはちゃんと解けたみたいだな」

    愛子「はい!ありがとうございました!」

    八幡「すっかり元気になったみたいだな」

    いろは「葉山先輩に鍾乳洞で女に襲われたって聞いた時、ほんとに心配したんですからね!!」

    八幡「わ、悪かったよ」
  151. 151 : : 2014/01/24(金) 22:07:48

    葉山「ところで比企谷くん、後ろにいるその女性は誰なのかな?」


    八幡「あー、えっと…」


    愛子「比企谷さん?」ムスッ


    八幡「痛い痛い、腕をつまむな」


    宮野「私は宮野雪葉って言います。総武高校の三年です」

    いろは「せ、先輩だったんですか!」

    八幡「たまたま鍾乳洞であったんだよ。それ以上でもそれ以下でもない」

    愛子「そう、だったんですか…良かった」
  152. 152 : : 2014/01/24(金) 22:14:52

    葉山「あ、そういえば昨日、愛子さんを手術室に連れて行かせたのは何故だったんだい?」


    八幡「あーそれはな、呪いの本体がモノログならサーバーが落ちた時点で俺たちの勝ちだったわけだ」

    葉山「まぁ、確かに」

    八幡「しかし死の予告はネットのニュース欄に呟かれた。媒介はモノログじゃなくても良かった。ではなにを根本の媒介にしているのか、それを考えたんだ」
  153. 153 : : 2014/01/24(金) 22:16:25

    いろは「まさか…電波?」

    八幡「その通りだ、今回の呪いの媒介はモノログでもニュース欄でもない。電波そのものだったんだ」


    葉山「なるほど、手術室は電波を完全に遮断している。だから呪いもシャットダウンできるって…」

    八幡「本当に賭けだったけどな」
  154. 154 : : 2014/01/24(金) 22:20:04

    愛子「比企谷さん!」ダキッ

    八幡「あ、愛子!?いきなり抱きつくなって」


    愛子「私やっぱり比企谷さんを信じて良かったです!」

    八幡「お、おぅ」


    愛子「これからも、私の側にいてくれますか?」


    八幡「…え?」


    いろは「ちょっと待ったぁー!ズルいわよ愛子!」ゲシッ

    八幡「そう言って何故俺を蹴るんだ一色?!」

    いろは「さすがに愛子でも、負けないからね!」

    愛子「私だって、いろはちゃんには譲らないから!」

    八幡「な、何が起きてんだ?」

    葉山「はは、比企谷くん頑張ってね」

    八幡「おい頑張るって何を…って2人とも引っ張るなって!!」

    いろは「さぁ先輩行きますよ!」

    八幡「どこにだよ!」

    愛子「比企谷さんは私と行くんです」

    八幡「だからどこにだって!」


    ったく、なんかこれから騒がしくなりそうだ…
    まぁ、でもこんな生活も悪くねぇかもな


  155. 155 : : 2014/01/25(土) 07:14:36
    面白かった乙です。
    ENDの仕方をヒキガヤを使うことでゲームのEND違うくしたのが素晴らしい。
  156. 156 : : 2014/01/25(土) 09:11:21
    ヒキガヤはこんな行動的じゃないだろ。 呪いとか言っても鼻で笑うぐらいで、こんな最初から積極的にはならんだろ。 あんまり俺ガイルって感じがしなかった。
  157. 157 : : 2014/01/25(土) 16:42:48
    >>156
    そこは妥協しないとssなんだから
  158. 158 : : 2014/01/25(土) 18:19:31
    けど、こんなヒキガエ…ゲフンゲフン!
    比企谷くんも面白かった

    とりあえず乙
  159. 159 : : 2014/02/17(月) 03:36:25
    や…ヤバい…
    不覚にも魅入ってしまった。
    つか、つかつか比企谷が超イケメンなんだけどwww
  160. 160 : : 2014/02/18(火) 08:15:30
    これは本当に良作だと思った
  161. 161 : : 2014/02/18(火) 08:17:03
    コメントありがとうございます!

    これからも頑張ります(^^)
  162. 162 : : 2014/02/21(金) 02:04:25
    えがったで

  163. 163 : : 2014/03/01(土) 02:49:43
    魅入ってしまった。
  164. 164 : : 2014/03/02(日) 16:24:58
    ヤバかった
  165. 165 : : 2014/03/24(月) 07:56:30
    カクサンキボウはゲームですよね?
    ホラーだが楽しいよね
  166. 166 : : 2014/03/31(月) 01:13:44
    良作でした!
    ゲームやったこと無いけど面白そう!
  167. 167 : : 2014/04/02(水) 22:42:52
    凄く良かった!
  168. 168 : : 2014/05/20(火) 14:35:38
    凄い良かった!
    八幡に対して鳥肌たってしまった
  169. 169 : : 2014/07/22(火) 01:45:23
    これはすごい 鳥肌たったよ 
    八幡かっこいいね ボッチにあんなこと出来るのか・・・
  170. 170 : : 2014/08/24(日) 14:48:44
    おもしろかったです!!!                後日談を出きれば作ってください。
  171. 171 : : 2014/08/30(土) 14:41:08
    できれば幽霊に罵倒しながらなっとくさせてほしかった
  172. 172 : : 2014/10/16(木) 22:09:33
    どうしても···気になってしまった···
    「違和感を感じた」に違和を感じた
    いや、細かいだろうけど、なんか気持ち悪いんだよな
  173. 173 : : 2015/01/11(日) 21:04:34
    すっごいおもしろかったです
  174. 174 : : 2015/01/31(土) 10:10:31
    面白かった
    あの八幡がかっこよくみえた
  175. 175 : : 2015/01/31(土) 18:55:12
    乙です!!!
  176. 176 : : 2015/03/06(金) 02:30:14
    流石六氏、今回も面白かったでござる
    六氏のssは外れがなくていい
  177. 177 : : 2015/03/06(金) 04:28:03
    まさか、r作のカクサンキボウと俺ガイルのクロスssが見れるとは…
    それも著者が六氏とは
  178. 178 : : 2015/09/26(土) 22:28:07
    六さんのssは神
    一番好きだわ
  179. 179 : : 2016/04/24(日) 03:51:02
    ぶっちゃけマジで言っていい。六さんの作品ガチで面白いわ w マジでハズレない
  180. 180 : : 2016/05/08(日) 19:50:04
    マジでこれいいわこれからもがんばってくれ

  181. 181 : : 2016/08/12(金) 19:45:22
    久しぶりによ見直して見て思ってしまった。
    手術しつで電波通さないんなら携帯も使えないんじゃ。。。
  182. 183 : : 2016/10/28(金) 19:04:12
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  183. 184 : : 2017/10/12(木) 21:49:33
    面白かったまたかいて
  184. 185 : : 2020/09/28(月) 11:19:11
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986
  185. 186 : : 2022/05/23(月) 18:36:45
    諸君 私はサシャが好きだ
    諸君 私はサシャが好きだ
    諸君 私はサシャが大好きだ

    頑張る姿が好きだ
    芋を食べている姿が好きだ
    笑ってる所が好きだ
    寝てる姿が好きだ
    困ってる顔が好きだ
    絶望する顔が好きだ
    パァンに飛びつく姿が好きだ
    真顔が好きだ
    髪型が好きだ

    平原で 街道で
    城壁で 草原で
    凍土で 屋根で
    草むらで 空中で
    室内で 暗闇で

    この地上で存在するありとあらゆるサシャの行動が大好きだ

    戦列をならべた同志のサシャSSが 更新と共に他厨の心を吹き飛ばすのが好きだ
    結構高く浮き上がったユーザーが サシャSSを見て心がでばらばらになった時など心がおどる

    同志が操作するパソコンのサシャの萌え画像が他厨の心を撃破するのが好きだ
    奇声を上げて燃えさかる激論から飛び出してきた奴を容赦ない罵倒でなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった

    攻撃先をそろえた同志の行列が他厨の心意気を蹂躙してから洗脳するのが好きだ
    恐慌状態の新参者が既に意気消沈してる他厨を何度も何度も攻撃している様など感動すら覚える

    敗北主義の裏切り厨を吊るし上げていく様などはもうたまらない
    発狂している他厨共が私の振り下ろした指がスマホとともに喘ぎ声を上げるR18のサシャのSSにばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ

    哀れな他厨共(レジスタンス)が雑多な反論で健気にも立ち上がってきたの完璧な理論で他厨共の心ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える

    クリスタLOVEのクリスタ厨に滅茶苦茶にされるのが好きだ
    必死に守るはずだったサシャ愛が蹂躙されクリスタLOVEに書き換える様はとてもとても悲しいものだ

    エレン厨の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
    エレンのエロSSに惑わされ害虫の様に地べたを這い回りながら興奮しながら読む時など屈辱の極みだ

    諸君 私は討論を地獄の様な討論を望んでいる
    諸君 私に付き従うサシャ親衛隊同士諸君
    君達は一体何を望んでいる?

    更なる討論を望むか?
    基地外ばっかの糞の様な討論を望むか?
    鉄風雷火の限りを尽くし三千人ほどの閲覧者の心を殺す嵐の様な討論を望むか?
     
    『討論! 討論! 討論!』
     
    よろしい ならば討論(クリーク)だ

    我々は渾身の力をこめて今まさにサシャSSを書かんとする親指だ
    だがこの暗い闇の底で半年もの間堪え続けてきた我々にただの討論ではもはや足りない!

    嫁争奪戦を!!
    一心不乱の嫁争奪戦を!!

    我らはわずかに 進撃ファンの千分の一に満たない敗残ニートに過ぎない
    だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している
    ならば我らは諸君と私で総力100万と1人の軍集団となる

    サシャの可愛さを忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう
    髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう
    連中にサシャの素晴らしさを思い出させてやる
    連中に我々のサシャの愛を思い出させてやる

    天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
    一千人と一人のニートの戦闘団で
    世界を燃やし尽くしてやる


    さぁ……諸君




    サシャSSを作るぞ

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mui

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