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仮面ライダーぼっち11
- やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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- 1 : 2014/01/22(水) 09:33:49 :
- 雪ノ下VS三浦!
炎と氷の女王の対決!因縁の戦いにライダーの力が加わって……
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- 2 : 2014/01/22(水) 09:56:11 :
- チャイムが鳴り、四時間目の授業が終わる。
昼休みに突入し、一気に弛緩した空気が流れる。
ニ年F組の教室は、今日も喧騒に包まれていた。
いつもはぼっち飯のためのベストプレイスがあるのだが、今日は雨なので仕方なく教室でむしゃむしゃと飯を食っている。
しかし本当に昼休みの教室というのはうるさいな。
そして、そんな喧騒の中心にいるのが教室の後ろでたむろしている連中だ。
サッカー部の男子ニ名にバスケ部男子ニ名。そして女子三人。
その華やかな雰囲気から、彼らが上位カーストに位置する連中だと一目でわかる。
ちなみに由比ケ浜もここに属している。
その中でもひときわまばゆい輝きを放つ二人がいた。
葉山隼人。
それがあの連中の中心にいる人間の名だ。
サッカー部エースで次期部長候補。
眺めていて気持ちのいい人物ではない。女子の目線からすると、雪ノ下雪乃も同じように映るのかもしれない。
「いやー、今日は無理かな。部活あるし」
「別に一日くらい良くない?今日ね、サーティーワンでダブルが安いんだよ。あーしショコラとチョコのダブルが食べたい。」
どっちもチョコやないかーい!はっはっはっはは!ルネッサーンスッ!
声を荒げているのが葉山の相方三浦優美子。
金髪縦ロールに、風俗嬢かと思わせるほど着崩した制服。スカートなんて、履く意味がないほどに短い。
三浦の顔立ちは整っているが、その派手な格好と頭悪そうな言動のせいもあり、俺の嫌いなタイプだ。
「悪いけど、今日はパスな。それに優美子、あんま食いすぎると太るぞ?」
「あーしいくら食べても太んないし。」
そう言っていた某行列ができる女弁護士は今ぶよぶよに太ってるけどな。
三浦のそんな姿を想像すると、笑いが吹き出る。
「食べ過ぎて腹壊すなよ?」
「だーからー、いくら食っても大丈夫なんだって。ね、ユイ?」
「やーほんと優美子マジ神スタイルだからねー。足とかきれいだし。……で、あたしちょっと」
「えー、そうー?でも雪ノ下さんとかの方がやばくない?」
「確かに!ゆきのんはっ」
「……」
三浦の無言の圧力により、由比ケ浜が黙る。
何これ封建社会?こんな気使わないといけないなら俺一生ぼっちでいいわ。
「あの……あたし、お昼ちょっと行くところがあるから」
「あ、そーなん?じゃぁ帰りにあれ買ってきてよ。レモンティー。あーし今日飲み物買ってくるの忘れちゃってさー。パンだし、飲み物ナイトきついじゃん?」
そんぐらい自分で行けよ。
「けどあたし帰ってくるの五限の直前になるからちょっと無理っていうか……」
由比ケ浜がそういうと、三浦が飼い犬に手をかまれたような表情を浮かべた。
「は?ユイさー、この前もそんなこと言ってなかった?最近付き合い悪くない?」
「やー、やむにやまれぬ事情というか……」
由比ケ浜のその弁解も、三浦の怒りの炎に油を注ぐ結果となった。
「それじゃわかんないから。あーしら友達じゃん?隠し事とかよくないと思うんだよねー」
なんだそれは、友達どころか家族にだって言えないことはあるはずだ。三浦のそれは、ただの脅迫だ。
「ごめん……」
「だからごめんじゃなくてー、なんか言いたいことあるんでしょ?」
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- 3 : 2014/01/22(水) 10:35:17 :
- あほくさい。こんなの相手をいじめたいだけじゃねぇか。
普通ならスルーするところだが、由比ケ浜には借りがある。
それにあいつは、もう俺の仲間だ。
それから、もう一つ。
気にいらねぇンだよこの野郎。
「おい、そのへんで」
「るっさい」
だが俺も男だ。そう言われて引くわけにはいかない。
「いい加減にしろよ、三浦。お前は由比ケ浜の上司にでもなったつもりか?誰にだって隠し事の一つや二つあるだろうが。それともお前は聞かれればなんだってこいつらに話すのか?違うだろ?」
三浦の眼光が強くなる。俺を敵として認識したのだろう。
「何?あんたいきなり出てきて偉そうに」
「比企谷八幡。通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」
「ひ、ヒッキー。いいよ。あたしなら大丈夫だから。優美子……ごめんね?」
「はぁ、またそれ?あんたさっきから謝ってばっかだけど」
「謝る相手が違うわ。由比ケ浜さん」
キィィィっ!と、いつものけたたましい蝙蝠の鳴き声とともに現れたのは、雪ノ下雪乃だ。
すいません、登場シーンもうちょっと何とかなりませんか?
三浦も耳を押さえている。
「由比ケ浜さん、自分から誘っておいて待ち合わせの場所に来ないのは人としてどうかと思うけど。遅れるなら連絡の一本でもしたら?」
「ごめんね。でもあたし、ゆきのんの連絡先知らないし……」
「そうだったかしら?では今回は不問にしておきましょう」
「ちょっと!あーしたちまだ話し終わってないんだけど?」
「話、ね。これは笑わせてくれるわ。てっきり類人猿の威嚇だとばかり思っていたから」
「なっ!?」
「気付かなくてごめんなさい。あなたたちの生態系にくわしくないものだから」
「あんたねぇ……。もう許せない!行け!ベノスネーク!」
三浦の声に呼応して、鏡から紫色の蛇のモンスターが現れる。
そしてその口から毒液を放射する。
あの野郎っ……!
しかし流石は雪ノ下。とっさにその場で身を転がしてその攻撃を回避する。
毒液がかかった床が溶けた。
「驚いたわね。こんな芸当ができるなんて」
「……にするの……」
由比ケ浜がつぶやく。
「は?何よユイ。言いたいことあんなら言えば?」
「あたしの友達に、何してるのって言ってるのっ!」
それは言外に、もう自分と三浦は仲間ではないと言っていた。
「……へぇ、そういうこと言うんだ。なら、二人まとめてっ!」
ベノスネークが再び毒液を放射する。
「ドラグレッダー」
その蛇に向かって、ドラグレッダーが体当たりをくらわす。
「はぁ!?」
ドラグレッダーがそのまま三浦に攻撃する。
教室内が今までとは全く別の喧騒に包まれる。
大慌てで逃げ出すクラスメイト達。
あとには俺達三人と、三浦、葉山が残った。
「へぇ……。驚いたわ。この龍、誰のモンスター?」
「俺だよ。三浦」
「通りすがりの仮面ライダー、ね。あれ冗談じゃなかったんだ」
「冗談にしたかったんだけどな」
「だったらあんたも」
「やめろ」
唐突に口を開いたのは葉山だ。
「お前たちが何をしようとしてるのかは知らない。でも、危ないことだというのはわかる。やめろよ、そんなの。争う理由なんてないだろ!」
おいおい、この状況でそんなことが言えるのか。
「葉山君、関係ない人は黙っていてくれないかしら。それにね、戦う理由ならあるわ。私はこの愚かな類人猿に殺されそうになったのだから。あとね、私の大切な友達を傷つけた罪は、許せない」
「ゆきのん……」
「だ、だが。やられたからやり返すんじゃ、何も解決にはならないだろ」
「解決するわ。この女を、消せばいいのよ」
雪ノ下さんまじぱねぇっす!
「はぁ?偉そうなこと言ってるけどあんたに何ができ」
「できるわ」
ポケットから蝙蝠のカードデッキを取り出す。
「へぇ……。そういうこと」
「あなたの罪、償ってもらうわよ?」
「気に食わないんだよ。あんたみたいなやつ」
「「変身!!」」
氷の女王と煉獄の女王。長きにわたる争いの始まりであった。
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