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八幡「青鬼の館?」

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  1. 1 : : 2014/01/20(月) 01:13:55

    住宅街からほんの15分ほど歩いた山の中にある空き家

    いつからそこにあるのか
    誰が住んでいんたかも
    分からないその館には
    お化けが出るという噂があった
  2. 2 : : 2014/01/20(月) 01:15:29
    雪乃「ここがその噂の館ね」

    八幡「確かに不気味っちゃ不気味だな」


    由比ヶ浜「や、やっぱり調査とかやめない?危ないよ」

    雪乃「とはいえ平塚先生からの依頼ですもの。途中で投げ出すのも悪いわ」


    そう、今俺たちは平塚先生からの依頼でこの噂の館の調査に来ていた
  3. 3 : : 2014/01/20(月) 01:16:57
    由比ヶ浜「ヒ、ヒッキー....」


    八幡「俺も帰りたいが今引き返したら間違いなく平塚先生の鉄拳が飛んでくるからな。帰るに帰れん」

    由比ヶ浜「うぅ、、、」

    そんな中、聞きたくない声が飛び込んで来た
  4. 4 : : 2014/01/20(月) 01:24:03
    陽乃「ひゃはろーー!!」

    八幡「え?雪ノ下さん?」

    雪乃「姉さん!?どうしてここに?何の用かしら?」

    陽乃「雪乃ちゃんたちが楽s…危ない所に行くって聞いて心配になって飛んで来たんだよー」

    八幡「今明らかに楽しそうっt」

    陽乃「何かな比企谷くん?」ニッコリ

    八幡「何でも御座いません」
  5. 5 : : 2014/01/20(月) 01:25:52
    由比ヶ浜「えと、平塚先生から聞いてきたんですか?」

    陽乃「そだよー!静ちゃんから雪乃ちゃん達が噂の館の調査に行くって聞いてね。楽しそうだけど、ちょっと心配でね」

    八幡「確かにここ最近、興味本位で中に入る奴が増えてきてるみたいなんすよね。」

    由比ヶ浜「それで行方不明になった生徒も何人かいるって…。」



    陽乃「ふむふむなるほど、それで静ちゃんにこの館の調査を頼まれたんだね?」
  6. 6 : : 2014/01/20(月) 01:27:45
    八幡「まぁ正式には生徒から平塚先生へ直接調査依頼があったみたいですけどね。先生は時間がないから俺達が代わりにって感じです」


    雪乃「分かったなら、姉さんは帰って頂戴」

    陽乃「え?なんで?私も行くに決まってるじゃない」

    雪乃「だからこれは遊びじゃ…」

    八幡「やめとけ雪ノ下。この人は言い出したら何が何でも引かない人だ。諦めろ。それに心配してくれてるってのは恐らく、本当だ」

    雪乃「…はぁ…、分かったわ。では行きましょう」
  7. 7 : : 2014/01/20(月) 01:30:11
    陽乃「比企谷くん、ありがとね」ボソボソ

    八幡「いえ、別に」ボソボソ


    なんだかんだ、いい姉なのかもしれないな


    由比ヶ浜「うぅ、やっぱ怖いね。何かあったらヒッキー助けてね?」

    八幡「え、嫌だけど?俺が命を懸けて守るのは戸塚だけって決めてるし」

    由比ヶ浜「ヒッキーほんと最低っ!」

    陽乃「早く行くよー!」

    八幡「ほら、行くぞ」

    由比ヶ浜「う、うん…」

  8. 8 : : 2014/01/20(月) 01:32:57
    館の扉前

    八幡「ん?扉空いてんぞ。誰か先に入ってんじゃねぇか?」

    雪乃「そのようね。私たちも入りましょう」


    館の中1F

    八幡「中は思ったより綺麗だな」



    由比ヶ浜「あ、あそこ誰かいるよ」

    どうやらやはり先客がいたみたいだ
    ちょっと話を聞いてみるか
  9. 9 : : 2014/01/20(月) 01:33:46
    八幡「あ、あのー」


    たけし「うわぁぁっ?!」

    えー、話しかけただけでこんなに驚かれるとかいつ以来だよ
    あ、昨日以来だったわ


    卓郎「おいおい、たけしビビり過ぎだろ」

    美香「確かに死んだ魚に後ろから話しかけられたらビックリするだろうけどさ、それでも大袈裟よ」
  10. 10 : : 2014/01/20(月) 01:34:25
    死んだ魚って何?
    死んだ魚の目とは言われるけど俺本体は魚じゃないからね!…じゃないよね?

    雪乃「いきなりこちらの魚が驚かせてしまってごめんなさい」

    魚でした

    卓郎「いや、こっちのたけしがビビりなだけだ。気にしないでくれ。あ、俺の名前は卓郎。んでこいつが」

    美香「美香よ。よろしく。」

    たけし「あ、たけしです。」
  11. 11 : : 2014/01/20(月) 01:35:15
    なるほどこいつらは3人でこの館に来たわけか
    リーダー格が卓郎とかいう奴だろうな
    うん、イケメンだし納得

    さて、こっちも自己紹介しないとな

    八幡「えっと、俺の名前は比企谷八幡だ」

    雪ノ下「私は雪ノ下雪乃よ」

    由比ヶ浜「由比ヶ浜結衣です」

    陽乃「私は雪ノ下陽乃。雪乃ちゃんのお姉さんでーす」
  12. 12 : : 2014/01/20(月) 01:36:32
    卓郎「改めてよろしくな」



    一通り自己紹介が終わり
    互いに館に来た理由について話しあう事になった
  13. 13 : : 2014/01/20(月) 01:37:17
    館1F

    卓郎「なるほど、あんた達はこの館について調査に来た訳か」

    八幡「あぁ、そっちは?」

    卓郎「俺らも似たようなもんだ。噂の真偽を確かめるってのと、まぁ肝試しみたいなもんかな」

    美香「ほら、ここってお化けが出るって言われてんじゃん?」

    由比ヶ浜「あ、それ聞いたことあるかも。逃げ帰ってきた友達が青いお化けが出るって…」

    陽乃「青いお化け?」

    美香「はい、まぁ噂が誇張してるだけかもしれないですけど」
  14. 14 : : 2014/01/20(月) 01:38:26
    雪乃「お化け、ね。はっきり言ってくだらないわね」

    八幡「俺も同意だが、それでも行方不明者が出てんだ。何か関係あるかも知れねぇな」

    雪乃「………否定はできないわね」

    陽乃「まぁまぁ二人とも、それをハッキリさせるために調査に来たんでしょ?調査する前から決めつけても何も解決しないよ?」

    八幡「たしかに雪ノ下さんの言う通りだな」

    卓郎「そうと決まれば調査開s」

    パリーンッ!!

    一同「!!」
  15. 15 : : 2014/01/20(月) 01:39:35
    たけし「い、いまの…」

    由比ヶ浜「何かが、割れた音…?」

    美香「誰か、いるのかな?」

    たけし「か、帰ろうぜ?なぁ卓郎」

    卓郎「ったく、まだなんも調べてねぇだろうが」

    たけし「で、でも」

    卓郎「ちっ、ならてめぇだけで帰りゃいいだろ」

    たけし「う、うん」
  16. 16 : : 2014/01/20(月) 01:41:53
    そう言ってたけしは扉の前まで行ったのだが、おかしな事に扉の前で立ち尽くしたままだ
    怪訝に思った卓郎が声をかける

    卓郎「何してんだたけし。帰るならさっさと帰れよ」

    たけし「そ、それがさ、卓郎。扉…開かないんだ…」

    卓郎「はぁ?ふざけんなっ」

    そういって卓郎が扉に手を伸ばす

    ガチャガチャッ

    卓郎「あ、開かねぇ。マジかよ、これ」

    この時、確かに全員が戦慄した
  17. 17 : : 2014/01/20(月) 01:50:58
    美香「私達、閉じ込められたの、かな」

    卓郎グループの美香が泣きそうな声で尋ねる
    だが誰も返事をしない

    ただ重苦しい空気が漂う

    八幡「(…このままジッとしてても変化は起きないだろうな。何か、何かきっかけは…)」

    そうだ、一つだけある
  18. 18 : : 2014/01/20(月) 01:52:29
    八幡「さっき、何かが割れた音したよな?俺、ちょっと見てくるわ」

    雪乃「比企谷くん?!き、危険よ!」

    由比ヶ浜「そうだよヒッキー!何言ってるの!?」

    八幡「いやでもこのまま何もしないって訳には行かないだろ」

    陽乃「でもこの状況で単独行動は…」

    八幡「何が割れた俺なのか、それを確かめに行くだけですよ。すぐに戻ってきますから」
  19. 19 : : 2014/01/20(月) 01:53:04
    美香「ちょっと、あ、あんた、怖くないの?」


    八幡「ん、怖いな。でも他の誰かにこんな役目を押し付けるわけにもいかんだろ」


    美香「…………」

    八幡「それに何かあっても一人の方が気兼ね無く逃げれるしな。」

    むしろステルスヒッキー発動中は認識すらされないレベルだし
    お化けにも気づかれないかもな

    八幡「んじゃ、行ってくるわ」

    由比ヶ浜「気を付けてねヒッキー」

    八幡「おう、何かあったらすぐ戻るし、お前らも気をつけろよ」

    そうして俺はその場を後にした
  20. 20 : : 2014/01/20(月) 01:54:13
    廊下

    八幡「(確か、こっちの方から聞こえてきたはずだよな)」

    突き当たりまでに幾つか部屋があったがすべて鍵がかかっていた

    八幡「(入れる部屋が一つもないまま突き当たりまで来ちまったけど…ここは空いてんのか?)」

    突き当たりの部屋の扉に手を伸ばす
    ガチャッ

    八幡「(お、空いてるみたいだな)」
  21. 21 : : 2014/01/20(月) 01:55:00
    中に入るとそこはキッチンのような造りをした部屋だった

    八幡が周りを見渡すと皿の破片が落ちてあった

    八幡「(さっきのは皿が割れた音だったのか)」

    何が割れた音なのか
    それを説明するために俺は皿の破片をポケットにしまった
  22. 22 : : 2014/01/20(月) 13:39:22
    さっさと皿の破片を見せて皆を安心させようと
    八幡は早足で皆のいる場所へ戻る

    しかし、皆がさっきまでいた場所に戻るとそこには

    誰もいなくなっていた
  23. 23 : : 2014/01/20(月) 13:41:27
    八幡「(え!!??いやいや!いなくなっていた、じゃねぇぇぇ?!)」

    まさか皆で俺を置いて帰ったのか?
    とそんな考えが頭をよぎる

    八幡「(初対面で俺を置いてけぼりにするとか何その無駄なチームワーク)」

    八幡は軽くショックを受けながら
    自分もさっさと帰ろうと館の入り口の扉を開けようとした

    ガチャガチャッ

    八幡「(?!)」

    が、扉にはしっかり鍵がかかっていた
  24. 24 : : 2014/01/20(月) 13:42:15
    八幡「(どういう事だ…?鍵がかかってるって事は、まだ皆この中にいるってことだよな)」

    冷静になって考えれば、八幡が単独行動をしようとした時の雪ノ下達の反応は演技などではなかった

    たとえ卓郎達が勝手に調査へ行くと言い出しても、彼女達は八幡を待っていたはずだ

    館から出ていないのなら
    考えられるのは一つしかない

    ここから離れなければいけない何か、が起きたのだ
  25. 25 : : 2014/01/20(月) 13:43:19
    この時、ふと八幡は由比ヶ浜の言っていた[青いお化け]の事を思い出した
    そして焦燥に駆られる

    お化けなんて非科学的だ
    そんな事は分かっている
    分かっているが考えれば考えるほど、この状況に焦る

    八幡「とにかく、誰か見つけて話を聞かないと…」

    八幡は二階へ向かった
  26. 26 : : 2014/01/20(月) 13:47:36
    部屋を一つずつ確認するがやはり鍵がかかっている部屋ばかりだ

    八幡(どこか空いてる部屋はねぇのか…)


    八幡は当てもなく扉を一つずつ確認していく
    そして


    ガチャッ



    八幡「開いたっ」

    鍵のかかっていない部屋を見つけた
  27. 27 : : 2014/01/20(月) 13:48:19
    しかしその部屋には誰もいなかった

    八幡「(誰かいると思ったんだがな…。まぁいいか、なにか手掛かりを探すか)」

    ガタッ

    八幡「!」

    クローゼットの中から音がする

    そして八幡がクローゼットを開けるとそこには

    ガタガタガタガタガタガタガタガタ

    ひたすら震えているたけしがいた
  28. 28 : : 2014/01/20(月) 13:50:10
    八幡「たけし、くん?」

    たけし「」ガタガタガタガタ

    八幡「なぁ、一体何があったんだ?」

    たけし「」ガタガタガタガタ

    もはや会話ができる状態ではなかった
  29. 29 : : 2014/01/20(月) 13:52:06
    八幡「(一体何が起きてんだ?こんなになるなんて普通あり得ねぇぞ)」

    たけし「あっ…ぉ……に」ガタガタガタガタ

    八幡「え?」

    たけしが何かを言おうとしている

    八幡「もう一回言ってくれ」

    そして、たけしが震えながら必死に紡ぎ出した言葉は

    たけし「あ、おお…に」

    【あおおに】だった
  30. 30 : : 2014/01/20(月) 13:52:47
    たけしはその一言を言うと
    またクローゼットに閉じこもった

    ただクローゼットを閉める前に
    クローゼットの中にあったという鍵を八幡に渡した

    八幡はそれを受け取ると
    「ありがとう」
    それだけ言ってその場から去った


    八幡「(鍵が手に入ったのは良いがどこの鍵だこれ?)」

    八幡が歩いていると、奥の方の部屋で音がした
  31. 31 : : 2014/01/20(月) 14:01:26
    ガチャッ

    そっと扉を開ける


    するとそこには美香がうずくまっていた


    八幡「美香さん、だったっけか?」

    八幡が声をかけると美香は驚いた様子で顔を上げた

    美香「あ、あんたは…っ。無事、だったんだ。良かった…本当に、良かった…」

    美香は何かに怯えていたようだが八幡の顔を見ると心底安堵したような表情を見せた
  32. 32 : : 2014/01/20(月) 14:02:13
    八幡も美香が無事なのを確認するとホッとしたが
    悠長な事を言ってられない状況に変わりない
    八幡は何が起きてるのかを理解すべく美香に尋ねる


    八幡「美香さん…だっけか?悪い、何があったのか詳しく教えてくれ、頼む」

    美香「う、うん」
  33. 33 : : 2014/01/20(月) 14:04:23
    回想

    たけし「あいつ1人で行くなんて凄いよな」

    美香「あんたみたいなビビリには絶対無理でしょうね」

    たけし「うっ」

    由比ヶ浜「ヒッキーほんとに大丈夫かなぁ…」

    雪乃「大丈夫よ由比ヶ浜さん。彼はああ見えて、いえ、見た目通りゾンビなのだからお化けとも仲良くできるわ、安心して」

    由比ヶ浜「ゆきのんそれ安心できないよ?!」

    陽乃「(雪乃ちゃんもやっぱり心配なんだね)」
  34. 34 : : 2014/01/20(月) 14:43:44
    美香「…あんた達って、仲良いんだね」

    由比ヶ浜「え?うん、だって友達だもん!」

    雪乃「まぁあの男は違うけれど」

    美香「え、違うの?」

    雪乃「彼は友達も恋人もいない正真正銘のぼっちよ。仲良しの人間なんて存在しないわ」

    美香「へぇ、けっこう格好いいし人気あると思ったんだけどね、目死んでるけど」

    雪乃「っ?!か、格好いい?彼が?それはあり得ないわよ美香さん」

    由比ヶ浜「それはないって美香さん!ヒッキーとかまじヒッキーだし格好いいとこなんてないよ!」

    陽乃「2人ともそれ比企谷くん本人が聞いたら多分泣くよ?」

    美香「ははは…」
  35. 35 : : 2014/01/20(月) 14:46:05
    美香が苦笑いをしていると
    卓郎が異変に気付いたのか皆に呼びかける

    卓郎「おい、なんか…音しないか?」

    一同「え?」

    ズシン ズシン

    確かに音が聞こえる
  36. 36 : : 2014/01/20(月) 14:52:57
    陽乃「向こうの扉から聞こえるわね」

    たけし「何かが近づいてきてるんじゃ、、」

    雪乃「皆立って!すぐに動ける準備をしておいて!」

    雪乃の判断は正しかった
    皆が息を呑んだ次の瞬間

    ばんっ

    突然扉が開いた
  37. 37 : : 2014/01/20(月) 14:56:28
    勢いよく開かれた扉から出てきたのは

    ブルーベリーの様な色をした
    2mは優に超える怪物だった

    怪物の頭は歪に膨らみ
    顔の半分以上を黒い目が覆っていた


    怪物の姿を確認したと同時に
    一目散に全員が走り出した
  38. 38 : : 2014/01/20(月) 17:35:55
    美香「そこから先はあまり憶えてないの。他の人の事を気にする余裕なんて無かったから」

    八幡「そりゃ、そうだろうな」

    八幡はようやく理解した
    皆が姿を消した理由
    たけしが怯えていた理由
    たけしの言っていた[あおおに]とは何かを

    八幡がしばらく考え事をしていると
    ガチャッ

    後ろから、扉の開ける音がした
  39. 39 : : 2014/01/20(月) 17:36:53
    八幡「…っ?!」バッ

    八幡「…あ、お前は…」

    美香「卓郎っ」

    卓郎「お前らも生きてたかっ!美香!それに、ひき…ヒキガエルくん?」

    台無しだな

    八幡「まぁこの際気にしてられん。それより無事だったんだな」

    卓郎「あぁ、マジで焦ったけどな。あんなのが実在するなんて思って無かったしよ」

    八幡「俺はまだ見てねぇが、嘘じゃないのは分かったよ」

    美香「これからどうしよう」
  40. 40 : : 2014/01/20(月) 17:37:46
    八幡「とりあえず美香さんは卓郎と一緒に行動してくれ。俺はこの鍵の使える部屋を探す」

    美香「部屋を探すって、あいつが徘徊してるのよ?!」

    八幡「百も承知だ。でも何もしなければ結局皆死ぬ。ならやるしかねぇだろ」

    卓郎「そう、か」

    八幡「そうだ。んじゃ俺は行く。卓郎も美香さんも気を付けろよ」

    美香「美香」

    八幡「は?」

    美香「美香って呼んで」

    八幡「いや、何言って」

    美香「呼んで?お願いだから…」

    八幡「お、おう。気を付けろよ美香」(そんな顔されて断れっかよ)

    美香「死なないでね八幡」

    八幡「そっちこそ生き延びろよ」

    名前を覚えられていたことに少し喜びを感じた八幡だった
  41. 41 : : 2014/01/20(月) 17:38:54
    廊下

    八幡「適当に鍵穴にさしてくしかねぇか」


    そういって八幡は一階に降り
    本当に手当たり次第に鍵穴に鍵をさしていく


    ガチリッ

    八幡「え、ビンゴッ!」

    ガチャッ


    八幡が鍵を開けて入った部屋は
    図書室?のような部屋だった

    八幡「本ばっか置いてあんな…。ん?」

    机の上の鍵を見つけた

    八幡「これもどっかに通じる鍵、みたいだな。」

    手を伸ばし鍵をつかみ取る
  42. 42 : : 2014/01/20(月) 17:40:13
    ズンッ



    鍵を取ったのと同時に部屋全体が激しく揺れた
    そして同時に書棚の陰から巨大な人影が出現した


    八幡「なっ!?」

    室内の照明が巨大な人影の姿をあらわにする

    歪に膨れ上がった頭部
    顔の半分以上を覆い尽くす巨大な目
    そしてブルーベリーのような青い肌

    八幡「ホントに、あおおに…みたいだな。」

    対峙している八幡の全身が震える
    こいつが何者かは分からない
    だが捕まれば殺される
    それさえ分かれば恐怖するには充分だった
  43. 43 : : 2014/01/20(月) 17:41:02
    ダッ

    青鬼より先に八幡が出口へ疾駆する
    が、青鬼は見た目に反して俊敏な動きで八幡に迫る

    八幡「(くっそ、巨体のくせに動きが鈍くねぇ)」

    八幡もそれなりに体力には自信があったが青鬼は予想以上だった
  44. 44 : : 2014/01/20(月) 17:41:51
    ガシッ

    青鬼が八幡の左腕を掴む

    八幡(くっ、ここまでかっ)

    青鬼がニタァ、と大きな口を開く


    そして

    ザシュッ

    鮮血が飛び散る
  45. 45 : : 2014/01/20(月) 17:42:38
    しかしそれは八幡の物ではない

    八幡「まさか、こんな形で役に立つとはな」
    八幡の右手には皿の破片が握られていた

    そしてその破片の一閃は見事に青鬼の左目を潰すのに成功していた

    青鬼が怯んだ隙に八幡はまた走り出す
    青鬼は追ってくる様子は無かった

  46. 46 : : 2014/01/20(月) 17:45:43
    館二階・???


    由比ヶ浜「ゆきのん、皆大丈夫かな」

    雪乃「分からないわ。けれど、私達はここにいれば取り敢えずは安全よ」

    たけし「卓郎たちも無事かなぁ」

    今雪乃達がいるのは、たけしが隠れていたクローゼットのある部屋だ
    そしてその部屋のクローゼットの裏に隠し扉があるのを雪乃が見つけたのだ

    隠し扉の先は狭い通りになっていて
    突き当たりに新しい扉があった
    しかしその扉は案の定鍵がかかっていた
  47. 47 : : 2014/01/20(月) 17:46:32
    雪乃「この先の扉が開いていたら、脱出の大きな糸口になっていたかもしれないのにね」

    由比ヶ浜「残念だね…。でもここにいれば怪物からは襲われる心配はないんだよね?」

    雪乃「ええ」

    怪物が扉から入ってきたらクローゼットの裏の隠し扉に逃げ込めばいいだけだ
    隠し扉の大きさからして怪物は入ってこれないからだ

    それに狭い隠し扉側から襲ってくる心配もない

    ここにいる限り怪物に襲われて殺される事はない
    しかし、それはその場凌ぎでしかないのも事実である
  48. 48 : : 2014/01/20(月) 17:47:35
    たけし「でも雪ノ下さん、隠し扉なんてよく気付きましたね」

    雪乃「クローゼット付近の床に擦った跡があったから気になって少し確認してみただけよ」

    由比ヶ浜「ゆきのんすごーい!」

    雪乃「でもね、ここは絶対の安全が保証される代わりに、あの先の扉が開かない限り、脱出の糸口を見つける事も不可能なのよ」
  49. 49 : : 2014/01/20(月) 17:48:21
    由比ヶ浜「でも仕方ないよ。ゆきのん体力ないんだもん。出て行って見つかったらそれだけで…」

    雪乃「ほんと、自分の不甲斐なさに腹が立つわ」

    由比ヶ浜「ゆきのん…。ヒッキーを信じよ?ヒッキーならなんとかしてくれるよ!いつだってヒッキーは私達を救ってくれたもん!」

    雪乃「…そうね。彼なら、比企谷くんならこんな状況でも私達を…。信じましょう、彼を」

    由比ヶ浜「うん!」

    雪乃「私達も、ここでなにかできないか、考えましょう」
  50. 50 : : 2014/01/20(月) 17:49:35
    廊下

    八幡は青鬼から逃げ切り美香達のいる部屋へ向かった

    青鬼に掴まれた左腕が痛むが
    骨は折れてはいないようだ

    そして部屋に着くが、そこには卓郎と美香の姿はなかった
  51. 51 : : 2014/01/20(月) 17:50:11
    八幡「(あいつらも何か手掛かりを探しにいったのか…?)」

    八幡は心配になったが
    卓郎みたいなしっかりした奴が一緒なら美香も安全だろう
    そう自分を納得させた

    だがこの時八幡は気づいていなかった
    いつも通りの八幡なら気づけた事が


    八幡は知らなかった
    この考えが見当外れだという事に
    そしてそれが惨劇を引き起こす事になることも
  52. 52 : : 2014/01/20(月) 17:51:04
    渡り廊下

    美香「ねぇ、卓郎。やっぱり部屋でジッとしてた方が良かったんじゃ」

    卓郎「んな事言っても、あいつだけに任せてもいられないだろ」

    美香「そ、そうよね」


    といっても鍵が空いてる部屋は全然なく闇雲に歩き回っているため
    非常に危険な状態である
  53. 53 : : 2014/01/20(月) 17:51:50
    卓郎「これからどうするか…」

    美香「まず、やっぱりたけしとか他の人を見つけるべきなんじゃない?」

    卓郎「そうだな」

    卓郎が同意してまた歩き出す

    美香「ねぇあの扉、すこし開いてるわ」

    卓郎「本当だな。行くか」

    卓郎がそっと扉を開ける
  54. 54 : : 2014/01/20(月) 17:52:41
    卓郎「?何にもないな」

    その部屋には人はおろか家具も椅子くらいしか置いていなかった

    床にはノートが散乱し
    おもちゃのボールなども転がっていた


    美香はドライバーを見つけると
    気休めにポケットに入れた

    美香「この部屋に手掛かりはなさそうね」

    卓郎「だな。戻るか」

    そう言って卓郎が部屋から出ようと扉を開ける

    そしてそこにはあの怪物が立っていた
  55. 55 : : 2014/01/20(月) 17:53:49
    怪物のやたらと大きな片方の黒目の中には、呆然とたたずむ卓郎と美香の姿が映り込んでいる
    何故かもう片方の目からは血が流れていたが
    それが余計に気持ち悪さを引き立たせていた

    美香は必死で自分を奮い立たせた

    美香「……なんなの、これ?」

    そしてようやく言葉が漏れた

    美香「なんなの、これ?」

    同じ台詞を繰り返すが、卓郎からの返答はない
  56. 56 : : 2014/01/20(月) 17:54:39
    怪物が低くうなった

    卓郎「美香」

    卓郎の囁きが耳に届く

    卓郎「悪く思うなよ」

    ……え?

    その言葉の真意を確かめる暇もなく、美香は激しく腕を振り払われた
  57. 57 : : 2014/01/20(月) 17:56:45
    突然の事で美香はその場に尻餅をつく

    怪物の視線が美香に向けられた
    その隙を狙って卓郎は怪物の横をすり抜けその場から走り去る

    美香「卓郎!」

    呼び止めたが返事はない。
    すぐに足音は聞こえなくなった

    美香は床に座り込んだまま、呆然と虚空を見上げる

    美香が裏切られた悔しさや怒りよりも先に感じたのは寂しさだった
  58. 58 : : 2014/01/20(月) 17:57:34
    怪物がゆっくりとこちらへ近づいてくる

    美香は座り込んだまま、じりじりと後ずさった

    卓郎に裏切られ、生きることを諦めようとした美香の頭に一つの声が蘇る

    「そっちこそ生き延びろよ」

    彼のあの一言が再び美香を奮い立たせる
    イヤだ。死にたくない
    まだ死ねない

    美香はドライバーを握りしめ、尖った先端を怪物へと向けた
  59. 59 : : 2014/01/20(月) 17:58:28
    美香「来ないで!」

    ありったけの大声を張り上げる

    「それ以上近づいたら刺すわよ!」

    怪物を睨みつけたまま、ゆっくり立ち上がる

    扉までの距離はわずか数メートルだが、その前には怪物がたちはだかっている
  60. 60 : : 2014/01/20(月) 17:59:26
    この状態で扉に向かって駆け出すのは自殺行為だ


    さぁ、どうする?


    美香は頭をフル回転させる

    にらめっこに飽きたのか、怪物がついに右足を動かした
  61. 61 : : 2014/01/20(月) 18:00:10
    もうダメだと覚悟したその時

    グラッ

    怪物がわずかにバランスを崩した

    片目が見えていないため、床にあったボールに気づかなかったのだ
  62. 62 : : 2014/01/20(月) 18:52:14

    今だ!

    美香は駆け出した

    美香「元陸上選手を舐めないで!」

    そう叫びながら、廊下へ飛び出ーーー
    いや、飛び出す事はできなかった
    途方もない力で左脚を引っ張られ部屋の中へ引き戻されたからだ

    怪物がしっかりと美香の左脚を掴んでいた


    美香「離してよ!」

    美香は怪物の手の甲にドライバーを突き立てる
    突然の反撃に驚いたのだろう
    怪物の力が緩んだ

    美香は素早く左脚を引き抜くとすぐに立ち上がろうとした
  63. 63 : : 2014/01/20(月) 18:53:20
    しかし突然、視界から怪物が消え失せた
    同時に美香の身体が宙に浮かび上がる
    なにが起こったのか把握する前に、右手の先に激しい痛みが走った

    どうやら怪物は彼女の指に食らいついたらしい

    美香「イヤ……やめて」

    美香はかすれた声をだした

    美香「お願い…助けて」

    彼女の願いを聞きいれてくれたのか、怪物の口から右手が離れた
    そのまま勢いよく床に叩きつけられる
  64. 64 : : 2014/01/20(月) 18:54:07
    美香は噛まれた右手に目をやり、悲鳴をあげた

    美香「いやぁぁああぁあああっ!!」

    人差し指と薬指の第二関節から先がどこにも見当たらない。
    突き出した骨の周りから血が溢れ出す

    怪物は命乞いする美香を助けたわけではない
    齧ったおやつがただこぼれ落ちただけだったのだ
  65. 65 : : 2014/01/20(月) 18:54:42
    美香「返して……あたしの指を返してよ…」

    怪物はゆっくりこちらに顔を向ける
    そしてまたこちらへ近づいてくる

    無理だ。こんな化け物に勝てるはずがない

    美香が諦め、怪物が美香に手を伸ばしたその時

    激しい轟音と共に怪物の身体が横に揺れ、美香は物凄い力で引っ張られた
  66. 66 : : 2014/01/20(月) 18:56:23
    何が起きたのか、美香はまだハッキリとは理解できていない

    ただ分かるのは、目の前にいる少年が自分の手を引いて助けてくれたということだけだが
    今はそれだけ分かれば美香には充分だった

    どれくらい走っただろう
    怪物の姿は見えなくなっていた

    美香「八…幡」ハァハァ

    八幡「ここまでくりゃ、ひとまずは、安心だろう」ハァハァ

    八幡達は元いた部屋にまた戻ってきていた
  67. 67 : : 2014/01/20(月) 18:58:29
    美香「ねぇ、どうして八幡があそこに?」

    八幡「どうしてって、お前のすげぇ悲鳴が聞こえてきたからな。何かあったのかと思って」

    美香「助けに、来てくれたの?」

    八幡「まぁ…そういう事になんのかな」

    八幡から話を聞き美香はあの時何が起きたのかを理解した

    美香が怪物に掴まる直前に
    悲鳴を聞いて駆けつけた八幡が部屋にあった椅子で怪物の頭を殴つけ
    その隙に美香の手を引いてその場から逃げることに成功したらしい
  68. 68 : : 2014/01/20(月) 18:59:01
    八幡「それより卓郎は…」

    どうした?と聞く前に美香が八幡に抱きつき胸に顔をうずめた

    八幡「ちょっ?!おい何して…っ」

    美香「お願い…お願いだから少しだけこうしていさせて?」

    八幡「…」

    どうやら美香は泣いているようだった
  69. 69 : : 2014/01/20(月) 18:59:39
    八幡「落ち着いたか?」

    美香「うん、ごめんね」

    八幡「!」

    八幡は美香が涙を拭いているその時、美香の指がなくなっていることに気づいた

    八幡「お前、その指…」

    美香「う、うん。あの怪物にね。でももう血もおさまってきてるし、大丈夫」

    八幡「…すまん」

    美香「どうして八幡が謝るのよ。八幡がいなかったら、あたし死んでた。だから凄く感謝してるの」

    そう言って美香はニッコリ笑った。

    その後八幡は卓郎が何をしたのかを美香から聞いた
  70. 70 : : 2014/01/20(月) 20:01:14

    誰しも自分が一番可愛い
    自分が助かるためなら簡単に他人を裏切る

    それは卓郎も例外でないことは
    普段の八幡なら気づくことがでかたはずだった

    それに気づけなかったのは極限状態の中、自分を優先し他の事に気が回らなかった八幡の怠惰のせいだ

    そんな事を考えていると

    美香「八幡?」

    美香が怪訝そうに八幡の顔を覗き込む
  71. 71 : : 2014/01/20(月) 20:06:09
    八幡「え、あぁ…」

    美香「どうしたの?」

    八幡「いや、俺がもっとしっかりしとけばって」

    美香「何言ってるのよ!この指の事は八幡のせいじゃないってば。だから気に病まないで?」

    八幡「…そうは言っても」

    美香「八幡!八幡はあたしの命の恩人なの!だから…そんな顔しないで…」

    八幡「…そっか。美香、ありがとうな。これからは、できる限りお前を助けられるようにするから…」

    美香「ふふ、ありがと八幡。今のあたしには八幡しかいないの。だから、信じてるね」

    八幡「あぁ。とりあえずその怪我の応急処置をしよう」

    そういって八幡は部屋にあった救急箱の蓋を開けた
  72. 72 : : 2014/01/20(月) 20:11:15

    ???

    八幡が図書室で鍵を見つけたりと調査している時、陽乃も同じように館の調査をしていた

    陽乃は青い怪物とすでに4回も遭遇していた
    しかし最初以外はいずれも遠くから先に発見できていたため逃げ切る事は容易だった

    だがやはり怪物は遠くから見ただけも神経を削られるらしく
    流石の陽乃にも疲労の色が見えていた

    これも誰かが側にいれば幾分かは気が楽になるのだろうが
    不運にも陽乃は今のところ誰とも会う事ができていなかった

    しかしそんな中でも陽乃はしっかりと脱出の手掛かりを集めていた
  73. 73 : : 2014/01/20(月) 20:24:53

    一つ目はこの館の地図を発見したことだ
    地図を見ると屋根裏部屋から外に通じるルートが存在することが判明した

    つまり屋根裏部屋に辿り着く事が出来れば脱出できるのだ

    次に陽乃は風呂場で二階応接室の鍵を入手し応接室に向かい、応接室でピアノの鍵盤に記された暗号を確認した

    陽乃「(この暗号から四ケタの数字を導き出せたけど…この数字の使い道が分からないなぁ)」

    陽乃は考えながらも暗号の使えそうな部屋を探すが結局見つけられなかった

    陽乃「やっぱ誰かと合流して情報を共有しないとダメそうね」

    陽乃は八幡と合流することを決め、八幡を探す
  74. 74 : : 2014/01/20(月) 20:27:22
    書斎



    八幡「ここは…書斎か。ってことはこの鍵は書斎の鍵みたいだな」

    美香「ふぅ、何の鍵か分かって一歩前進ね」

    八幡「あぁ」


    八幡は美香の指に包帯を巻いて応急処置をした後
    美香と共にまた調査を再開し
    八幡の持っていた鍵が書斎の鍵である事が判明したのである
  75. 75 : : 2014/01/20(月) 20:28:08
    美香「あの怪物に遭遇しなかったのは幸運だったわね」

    八幡「だな。にしてもこの部屋、手掛かりになりそうなのは…この金庫くらいか」

    八幡の目線の先にあるのは古びた金庫だ

    美香「でも手掛かりって言っても、金庫の番号分からないと意味ないわよ?」

    八幡「適当に数字打ち込むとか?」

    美香「そんなことしてる間に皆死ぬわよ」

    八幡「そりゃそうだ」
  76. 76 : : 2014/01/20(月) 20:31:33
    八幡「(だがどうする…ノーヒントで開けるのは非現実的だな。ならやっぱり…)」

    美香「八幡?」

    八幡「あぁ、悪りぃ。考え事してた」

    美香「なにか思いついた?」

    八幡「雪ノ下さんと合流しようと思う」

    美香「どっちの?」

    八幡「姉の方だ。恐らくだが妹の方は由比ヶ浜と一緒にいるだろう。んであいつは体力が無いからな、2人でどっかに隠れてる可能性が高い」

    美香「へぇ…」

    八幡「姉の方は逆に調査している可能性の方が高いだろう。何か掴んでるかも知れない」

    あくまでこれはただの八幡の推測だが
    八幡は確信に近いものを感じていた
  77. 77 : : 2014/01/20(月) 20:33:05
    美香「あの子達の事、よく理解してるのね」

    八幡「同じ部活メンバーだからな」

    美香「本当に…」

    それだけ?
    美香はその先を口にできなかった

    八幡「さて、そろそろ行くぞ。モタモタしてらんねぇしな」

    美香「うん」
  78. 78 : : 2014/01/20(月) 20:33:37
    廊下

    陽乃「比企谷くんどこにいるのかなー」

    のんびり振る舞っているようで陽乃も内心はビクビクしていた

    あの怪物が頭から離れないのだ
    今までは遠くから見つけられていたが目の前に急に現れたら…
    そう考えると不安で仕方がなかった

    早く比企谷くんに会いたい
    その気持ちだけが時間が流れていくにつれ大きくなっていく
  79. 79 : : 2014/01/20(月) 20:35:22
    そんな時

    陽乃「!」

    陽乃は見てしまった
    怪物が奥の通路を歩いているのを

    見つからないように陽乃は息を殺す
    汗が頬を伝う
    どのくらいの時間が過ぎただろう
    数分だったかもしれないし、数秒だったかもしれない

    そう錯覚するほど陽乃は緊張状態にあった

    どうやら気づかれなかったのだろう
    怪物は何もなかったかのように通り過ぎていった



    陽乃「…ふぅ」


    その時、安心した陽乃の前に人影がヌッと現れた
  80. 80 : : 2014/01/20(月) 20:36:30
    陽乃「いっ.....!!」モガモガ

    八幡「しーっ!大声出さないで下さいっ!俺ですから」ボソボソ

    陽乃「ぷはっ。ひ、比企谷くん......」

    八幡「やっと見つけました」

    陽乃「それは私の台詞だよ」

    八幡「まぁ、とりあえずついて来て下さい。美香も待ってるんで」

    陽乃「......うん。(美香?これは後でゆっくり話聞かないといけなそうね)」
  81. 81 : : 2014/01/20(月) 20:39:07
    書斎

    美香「おかえり八幡。大丈夫だった?」

    八幡「おう。雪ノ下さんと無事合流できだぞ」

    陽乃「あれ?ここ、鍵かかってなかったっけ?」

    八幡「図書室で見つけた鍵で開いたんですよ」

    陽乃「なるほどね…」

    八幡「雪ノ下さん、何か手掛かり見つけました?」

    陽乃「あ、うん。この館の地図を手にいれたよ」

    八幡「ホントですか!さっそく見せてもらってもいいですか?」

    陽乃「うん、いいよ!」
  82. 82 : : 2014/01/20(月) 20:40:17
    美香「なるほど…屋根裏部屋までいければ出れるってことよね」

    八幡「そうなるな。地図をみるとこの書斎の奥が和室、和室の階段をのぼれば屋根裏部屋繋がってるわけだな」

    美香「もしかして私達出られるんじゃない?」

    八幡「いや、どっちにしろこの金庫のロックが解けねぇ限り手詰まりだろ」

    陽乃「金庫?」

    八幡「はい、これですよ。四ケタの数字を打ち込まないといけないんですけど手掛かりがなくて」

    陽乃「あーーーっ!ごめんね比企谷くん!」

    八幡「え?」
  83. 83 : : 2014/01/20(月) 20:41:21
    陽乃「応接室で暗号解いてたの私すっかり忘れてたよー!」

    八幡「暗号って?」

    陽乃「ピアノの鍵盤に暗号があってね、それを解いたら四ケタの数字が出てきたの」

    八幡「それって!」

    美香「ってことは、パスワード分かるんですか!?」

    陽乃「うん!任せといて!」

    そういって雪ノ下さんは金庫に四ケタの数字を打ち込む
  84. 84 : : 2014/01/20(月) 20:45:13
    ピーッ

    陽乃「あ、開いたよっ」

    八幡「鍵が二つも入ってるな」

    美香「とりあえずこの部屋の奥の扉試してみましょう」

    ガチリ

    八幡「やっぱここの鍵みたいだな」

    陽乃「さ、いこっか」
  85. 85 : : 2014/01/20(月) 20:47:33
    和室

    書斎の扉を抜けると和室が広がっていた

    美香「けっこう広いわね」

    八幡「…」

    陽乃「比企谷くん?」

    八幡「おかしいな」

    陽乃「何が?……!」

    周りを見回すと陽乃も気づいた

    美香「え?ちょっと、何がおかしいのよ!?」

    どうやら美香は気づいていないらしい
  86. 86 : : 2014/01/20(月) 20:52:20
    八幡「よく見てみろよ。地図に描いてあるはずのもんがねぇだろ」

    美香「あるはずのもの……」

    美香も和室を見渡す

    美香「あっ…」

    言われて美香も気づく

    美香「階段が…ない?」


    そう、この部屋にはあるべき屋根裏部屋へ続く階段がなかったのだ
  87. 87 : : 2014/01/20(月) 20:56:31
    八幡「くそ、どうなってんだよ」


    陽乃「う〜ん、おかしいね。ここに階段があるはずなんだけど…」

    しかしそこに階段はなく壁があるだけだ

    美香「ここまできたのに」

    引き戻そうかと考えた時

    ガシャァァン

    何かが壊された音が館内に響く
  88. 88 : : 2014/01/20(月) 20:57:29
    八幡「なん、だ?」

    陽乃「皆!急いでバリケードを作って!やつかもしれない!」

    陽乃の切羽詰まった声を聞いて八幡も我にかえる

    音がしたのは書斎の方だ

    たとえそれがあの怪物の仕業でなかったとしても
    先手を打たなければならない

    それが勘違いであっても用心はするに越したことはないのだ
  89. 89 : : 2014/01/20(月) 20:58:59
    三人で急いでその場にある机や椅子を扉の前に配置し、ガムテープで固定する

    そしてそれから間も無く
    ガンッ ガンッ
    という扉を叩く轟音が響く

    やはり怪物がここに迫っているらしかった

    マズイ
    こんなものすぐに破られる

    八幡は頭をフル回転させてこの場を切り抜ける策を考える
  90. 90 : : 2014/01/20(月) 21:00:16
    どうすればいい、なにをすればいい?!
    八幡は焦りを押し殺し冷静に考えようとするが
    すればするほど焦りは大きくなる

    ガンッ ガンガンッ

    八幡がモタモタしている間もあの怪物は御構い無しに迫ってきている

    陽乃も何か策を考えているようだが八幡同様焦りが先走りして考えがまとまらない

    八幡「くそっ、くそっ、くそ!!」
    焦りが苛立ちに変わる

    その時、八幡を穏やかな空気が包む
  91. 91 : : 2014/01/20(月) 21:01:18
    八幡「え?」

    美香「八幡、落ち着いて。」

    八幡「美香…」


    美香は八幡を抱きしめ
    頭を胸に抱き寄せた

    美香「八幡は、あたしを守ってくれるんでしょ?」

    八幡「…」

    美香「あたし、信じてるから。あたしには八幡しかいないの。だから、あなたと生きてここを出たいの」

    八幡は目が覚める

    八幡「そうだな。生きてここからでるんだ。」
  92. 92 : : 2014/01/20(月) 21:02:37
    ガンガンッ ガンガンッ

    バリケードが破られるのはもうすぐだ
    しかし八幡はさっきより遥かに冷静になっていた

    そして考える


    地図を見る限り、屋根裏部屋に繋がってるのはこの部屋からだけだったはずだ

    そして金庫にあったもう一つの鍵は間違いなく、この部屋から屋根裏部屋に行くための扉の鍵だ

    ならば必ずこの部屋にあるはずだ
    屋根裏部屋に続く道が
  93. 93 : : 2014/01/20(月) 21:05:16
    八幡が本来階段があるべき場所の壁をもう一度じっくり調べてみる


    八幡「!」

    八幡「(ここだけ壁の材質が違う?他の部分は石なのにここだけまるで…)」

    八幡はポケットに入っていた皿の破片を取り出し

    八幡「一か八かだっ」

    ザクッ

    思い切り壁に突き刺し引き裂いた
  94. 94 : : 2014/01/20(月) 21:07:42
    一同「!」

    美香「これは、隠し階段?」

    八幡「みたいだな。まさか隠し階段になってるとは思わなかったが…。よし行くぞ、時間がない」

    そして三人は階段を駆け上がる
  95. 95 : : 2014/01/20(月) 21:11:49
    屋根裏部屋

    八幡「ここが屋根裏部屋か」

    陽乃「あれ?地図だとドアが一つなのに、二つあるよ?」

    美香「本当ね」

    八幡「ん?この部屋にも地図が置いてあんぞ」

    陽乃「ほんとだ…。それに、私の地図と微妙に違うわ」

    確かに二つの地図には違いがあった
    この部屋の地図と陽乃の地図との違い
    それはこの部屋に繋がってる部屋が和室ともう一つあることだった

    そして八幡は気付く
    そのもう一つの部屋というのが
    たけしくんがいた部屋だという事が
  96. 96 : : 2014/01/20(月) 21:13:46
    八幡「この部屋は、たけしくんがいた部屋とも繋がってるんだ」

    美香「たけしがいた部屋?」

    八幡「あぁ、間違いない。」



    八幡は数秒考え、そして一つの答えを出した
  97. 97 : : 2014/01/20(月) 21:16:51
    八幡「美香と雪ノ下さんは、先にこの部屋から外に出て下さい。俺は他の皆をこの部屋に連れて後から脱出します」

    美香「な、何言ってるのよ!」

    美香が驚いたような声を出す


    八幡「いや、他の奴等見捨ててはいけないだろ」


    美香「そ、それだったら私もついて行くわ!」


    八幡「お前こそ何言ってんだ!別に先に出とけって言ってるだけだろ。俺も皆連れてすぐ行くんだし」
  98. 98 : : 2014/01/20(月) 21:18:24
    美香「ふざけないで!それでまた館内に戻って、あいつにつかまったらどうするのよ!」

    八幡「でも」

    美香「それでつかまってあんたが死んだらあたし…あたし生きていけないよ」

    美香が大粒の涙をこぼす

    八幡「美香…それでも俺は」

    陽乃「ダメだよ比企谷くん。皆引くつもりないんだから」

    八幡「まさか、雪ノ下さんまで来るつもりですか?」

    陽乃「むしろ私がここに残るって言うつもりだったんだよ。比企谷くんに先に言われちゃったけどね」

    八幡「…」
  99. 99 : : 2014/01/20(月) 21:19:31
    陽乃「私だって雪乃ちゃん達を見捨てたりしたくない。結局皆同じなんだよ」

    八幡「(そうだよな。皆を助けたいって思うのは俺だけじゃない。当たり前だ)」

    八幡「戻るのは、危険ですよ」

    美香・陽乃「百も承知(だ)よ」

    まったく、せっかく逃げ切れたのに
    もったいないことをするなぁ
    ま、俺も同じか

    八幡「んじゃ行きますか」

    美香「うん」
  100. 100 : : 2014/01/20(月) 21:20:11
    陽乃「あ、比企谷くん。あとね、これ」

    八幡「え?」

    そういって陽乃は八幡に鍵を渡した

    八幡「これは?」

    陽乃「この部屋の壁にかかってたの。多分マスターキーよ。これで玄関の鍵も開けれるはずだよ」

    八幡「なるほど、これがあれば屋根裏部屋と玄関、二つの出口を開放できるのか」

    ズンッ

    館内にまた響く足音
  101. 101 : : 2014/01/20(月) 21:21:41
    八幡「ちっ、どうやらバリケード越えてきたみたいだな」

    美香「急ごう」

    八幡「!…悪りぃ、ちょっと先に行ってくれ」

    美香「どうしたの?」

    八幡「ちょっと、な」

    陽乃「詳しくは聞かないけど、後ろからスカート覗いたりした、分かってるよね?」

    八幡「しませんよ?!」

    美香「八幡最低…」

    八幡「しねぇっつってんだろ!?」

    2人はたけしのいた部屋に続く隠し通路へ先に入っていった
    そして八幡は…

    ???「」
  102. 102 : : 2014/01/20(月) 21:22:53
    たけし部屋


    雪乃「外が騒がしいわね」

    由比ヶ浜「あの怪物、かなぁ」

    たけし「うぅ…」



    雪乃「比企谷くんも姉さんも無事かしら」

    由比ヶ浜「ヒッk」


    ドガシャァァァッ

    由比ヶ浜「」ビクッ

    たけし「うぁぁ、な、何が起きてんだ」

    雪乃「(比企谷くん…)」
  103. 103 : : 2014/01/20(月) 21:23:33
    ガチャッ


    一同「!!」


    陽乃「お、ひゃっはろー!雪乃ちゃん達も揃ってるじゃん」

    美香「八幡ほんとにパンツ見てない?!」

    八幡「見てません。ほんとに見てません」


    雪乃「姉さん、比企谷くん…っ」

    由比ヶ浜「ヒッキー!!」

    たけし「み、美香」


    八幡「よぅ、なんとか無事みたいだな」
  104. 104 : : 2014/01/20(月) 21:24:10
    雪乃「えぇ、あなたに心配されるまでもないわ。でもどうやってここに?」

    八幡「屋根裏部屋がここの部屋と繋がってたんだ」

    雪乃「つまりあの扉の先は屋根裏部屋だったのね」

    八幡「ま、ここに皆集まってたのは運が良かった。屋根裏部屋から外に通じるルートがある。」

    由比ヶ浜「ヒッキーそれほんと!?」

    八幡「あぁ、この通路越えれば外に出られる」

    たけし「や、やったぁ!」

    八幡「んじゃ、いくぞ」

    六人は屋根裏部屋に向かった
  105. 105 : : 2014/01/20(月) 21:26:43
    屋根裏部屋


    八幡「これは…」

    屋根裏部屋はついさっき見た景色とは一変してまるで廃墟のようになっていた

    陽乃「さっきの音、まさかあの怪物が…」

    美香「外に続く扉が壊されてる…」


    由比ヶ浜「どうするの…?」


    八幡「…まだここにマスターキーがある。玄関から出る事は可能だ」


    雪乃「それしか手はないみたいね」
  106. 106 : : 2014/01/20(月) 21:27:16
    しかし危険だ
    あの怪物、もしかしたら知性があるのかもしれない

    ただ怒り狂って扉を破壊したのか
    狙って扉を破壊したのか

    それは分からないが、知性があるとしたら玄関付近に潜んでる可能性もある

    八幡「とはいえ、行くしかねぇよな」
  107. 107 : : 2014/01/20(月) 21:28:39
    玄関付近の廊下

    陽乃「見たところあの怪物はいないわね」

    雪乃「でも油断は禁物よ」

    美香「あいつ、あの巨体に反して凄く俊敏だから気をつけて」

    ゆっくりと六人は玄関に近づく

    八幡「雪ノ下さん、これを」ボソボソ

    陽乃「マスターキー?なんで私に?」ボソボソ

    八幡「この中じゃ一番足早いでしょう」ボソボソ

    陽乃「比企谷くんの方が早いと思うけど?」ボソボソ

    八幡「俺は一番後ろにいますから。せめて、しんがりくらいは俺に任せて下さいよ」ボソボソ

    陽乃「でも…」
  108. 108 : : 2014/01/20(月) 21:31:20
    八幡「雪ノ下さんにしか頼めないんです」

    陽乃「そ、そっか」

    八幡「お願い、できますか?」

    陽乃「…いいよ。でも、その代わり」


    八幡「?」


    陽乃「お願いだから死なないでね」


    八幡「…はい」



    そして六人は玄関が見える所まで来た
  109. 109 : : 2014/01/20(月) 21:31:56
    陽乃「じゃあ、そろそろいくよ」

    陽乃の一言で皆が気を引き締める


    そして陽乃の合図で全員が走り出す
    それと後ろの扉からブルーベリー色の怪物が現れたのはほぼ同時だった
  110. 110 : : 2014/01/20(月) 21:32:35
    怪物が現れた瞬間全員が恐怖に襲われるが
    陽乃だけは怯まず前だけを見て全力で走った
    そして鍵を開け扉を開ける

    陽乃「さぁ皆!!こっちよ!!」


    陽乃の声で全員がまた前に向き直し
    たけし、由比ヶ浜に続き雪ノ下も扉の外へ出る


    このペースなら全員逃げ切れる
    そう八幡が安心した瞬間

    ヴォオヴォオオオオオオオオオオオ
    耳を塞ぎたくなるような怪物の咆哮が館内に轟く
  111. 111 : : 2014/01/20(月) 21:33:46
    八幡「……っ?!」

    耳が麻痺したような錯覚すら覚える

    美香「あっ」ガッ

    美香が咆哮に気を取られ
    転倒する

    八幡「くっ」

    美香と出口まではもう目と鼻の先だ
    ここで美香を死なせるわけにはいかない

    八幡「うっおおおおお」

    八幡は美香の手を掴むと強引に出口の方へ放り投げた
  112. 112 : : 2014/01/20(月) 21:34:26
    そしてその一瞬の隙をつき、怪物は八幡の左腕を掴んだ


    これで八幡以外の五人は脱出に成功した


    美香「八幡!!!」

    雪乃・陽乃「比企谷くん!!」

    由比ヶ浜「ヒッキーーーーー!」


    美香達が悲鳴にも似た声で八幡を呼ぶ
    しかし、その声は虚しく

    ボギュッ

    八幡「…っがぁあ、ああああああ!」

    八幡の掴まれていた左腕の骨が砕ける音と八幡の悲鳴に掻き消された
  113. 113 : : 2014/01/20(月) 21:35:29
    それを見ていた全員が青ざめた顔をしている
    中でも美香と由比ヶ浜は涙を流していた

    八幡が力なくうな垂れる
    怪物は抵抗をやめた八幡を見ると
    ニタァと笑い大きな口を開けた

    怪物の顔が八幡に近づく


    だがその時笑っていたのは怪物だけではなかった
  114. 114 : : 2014/01/20(月) 21:37:23
    支援
  115. 115 : : 2014/01/20(月) 21:38:00
    八幡「ったく、遅ぇよバカ」

    八幡が不敵に笑う
    すると


    卓郎「うおおおおおおおおおっ!!」

    ビチャビチャッ

    玄関の影に身を潜めていた卓郎が
    ボトルの中に入っていた液体を怪物にぶちまける

    怪物も突然の事に動きが止まる

    そしてその一瞬の隙をついて卓郎はもっていたマッチに火をつけた

    そして


    卓郎・八幡「俺達の勝ちだ」


    怪物を中心に爆発が起きる
  116. 116 : : 2014/01/20(月) 21:40:39
    八幡と卓郎が爆風によって館の外へ飛ばされる
    2人が外に飛ばされたのと同時に館の入口の扉は再び閉まる

    あれで怪物が死んだかは分からないが無事全員脱出には成功した


    八幡「いっ、てぇぇ」

    卓郎「爆風ってあんなに強いのかよ、舐めてたぜ」




    陽乃・雪乃「比企谷くん!」
    由比ヶ浜「ヒッキー!」
    たけし「卓郎っ」
    美香「八幡!」

    少ししてから皆が八幡と卓郎の元へと駆け寄る
  117. 117 : : 2014/01/20(月) 21:41:39
    由比ヶ浜「ヒッキー!ヒッキー!良かった…えぐっ、良かったぁぁ」

    八幡「お、おう」

    由比ヶ浜はずっと泣いていた
    俺の無事を心から安堵してくれているようだった
  118. 118 : : 2014/01/20(月) 21:51:58
    雪乃「比企谷くん…比企谷くん…うぅ、うあぁぁ、ぁああ」

    雪ノ下は俺の胸に抱きついて来ると、人目を気にせず泣き出した
    普段なら他の人には絶対見せないであろう子供のような泣き顔をしていた

    雪乃「死んだら…っ、どうするつもりだったのよぉ…」ポカポカ

    雪ノ下が俺の胸の前で何度も腕を振り下ろす

    八幡「いてて…わ、悪かったよ」

    こんなにも雪ノ下が心配してくれてるとは
    ハッキリ言って予想外だった

    八幡「ありがとな、雪ノ下」

    雪ノ下はまだ泣いているのか、返事はなかった
  119. 119 : : 2014/01/20(月) 21:53:11
    陽乃「比企谷くん…」

    八幡「雪ノ下さん…」

    まさか雪ノ下さんまで、、、


    陽乃「雪乃ちゃん泣かせたら許さないって私言ったよね?」

    八幡「((((;゚Д゚)))))))」おぅふ

    そんなに現実甘くないようだ


    陽乃「私も…心配したんだからね」

    八幡「え?」

    陽乃「だから約束。今後は、雪乃ちゃんだけじゃなく、私も泣かせるような事…しないでね?」

    そう言った雪ノ下さんの目にも涙が溜まっていた

    八幡「…すみません」

    今の俺にはそれしか言えなかった
  120. 120 : : 2014/01/20(月) 22:00:02
    美香「八幡」

    美香がむすっとした顔で近づいてくる
    その表情は安堵と怒りとが混ざっているようだった

    八幡「美香?」

    スッ

    八幡「ちょっ、おい美香?」

    美香「」

    美香は無言のまま俺に抱きついて来た
    そしてしばらくして口を開けた

    美香「八幡、あたしを助けてくれたのは、嬉しかった。けど、自分をもっと大切にして」

    八幡「…」
  121. 121 : : 2014/01/20(月) 22:00:23
    美香「八幡が犠牲になって生き延びたってあたし、きっと耐えられないよ。」

    美香は静かに泣いていた

    美香「あたし、これからもずっと八幡と一緒にいたい。だから、だから危険な事しないで。お願いだから…」

    八幡「…分かったよ。悪かった」

    美香はしばらく泣き続けた
  122. 122 : : 2014/01/20(月) 22:00:41
    たけし「卓郎、大丈夫かよ」

    卓郎「あぁ、あいつに比べりゃな」

    たけし「あいつと、何かあったのか」

    卓郎「…まぁな」
  123. 123 : : 2014/01/20(月) 22:01:22
    回想

    屋根裏部屋

    八幡「そこにいるんだろ。出て来いよ」

    卓郎「…気づいてたのか」

    八幡「ついさっきだけどな。何してんだ」

    卓郎「たまたまお前等を見つけてな、それで後をつけてきただけだ」

    八幡「そうか」
  124. 124 : : 2014/01/20(月) 22:02:02
    卓郎「美香、生き延びてたんだな。お前が助けたのか?」

    八幡「あぁ」

    卓郎「その…悪かったな」

    八幡「馬鹿か、謝るなら俺じゃねぇだろ」

    卓郎「そう、だな」

    八幡「どうしてあんな事をしたんだ?」


    卓郎「あの時は無我夢中で、どうかしてたんだ。美香には本当に悪いと思ってる」

    八幡「なら自分で会って直接言うんだな」
  125. 125 : : 2014/01/20(月) 22:04:04
    卓郎「そうしたいのは山々だが、それは…できないかもな」

    八幡「…死ぬつもりか?」


    卓郎「……なんで…そう思った?」

    八幡「さぁな、なんでだろうな。それで、お前何考えてんだ?」

    卓郎「さっき、ガソリンとマッチを見つけた。それで」

    八幡「あの怪物を倒すってか?無理だって自分でも気づいてるだろ」

    卓郎「…っ」
  126. 126 : : 2014/01/20(月) 22:05:26
    八幡「奴はああ見えて凄く俊敏だ。対峙したらそんな隙なんてない。」

    卓郎「不意打ちなら」

    八幡「あれが隙を見せるのは、獲物に気を取られている間だけだろうな。また誰かを犠牲にするつもりかよ」

    卓郎「…」

    八幡「美香を見捨てたのは許される事じゃねぇけどな、勝手な自己満足で死ぬのはもっと許されねぇぞ」

    卓郎「ならどうすれば…」

    八幡「自分で考えろ。ただ逃げはすんな。無様でも自分としっかり向き合え。どれだけ惨めでもな」
  127. 127 : : 2014/01/20(月) 22:11:24
    卓郎「…そうだな。なら一つ俺の作戦に乗ってくれないか?」

    八幡「作戦?」


    卓郎「あぁ、さっきのお前達の話を聞いて思いついたんだ。俺なりのせめてもの贖罪だ。あの怪物に一矢報いてやる」


    八幡「それで…勝算はあるのか?」

    卓郎「賭けになるが、ある。それでも乗ってくれるか?」



    八幡「…分かった、乗ってやる。それに…」

    卓郎「?」

    八幡「俺も、やられっぱなしは好きじゃない」
  128. 128 : : 2014/01/20(月) 22:14:02






    卓郎「んで、本当はあの時全員が逃げ切った後、後ろから隙だからけの怪物に一発ぶち込んで俺も扉から出る予定だったんだかな。」


    たけし「そんな事が」

    卓郎「あいつがつかまったのは予想外だったが、まぁ結果オーライだろ」

    美香「結果オーライじゃないわよ」
  129. 129 : : 2014/01/20(月) 22:19:13
    卓郎「!…美香……」

    重たい空気が漂う

    卓郎「……その、なんだ。すまなかった」

    美香「許すわけないでしょ。あんたはあたしを殺そうとしたのよ?」

    卓郎「…あぁ。それは本当に悪かったと思ってる…」

    美香「謝ったって絶対に許すつもりはないわ」

    卓郎「…」
  130. 130 : : 2014/01/20(月) 22:19:41
    美香「って、本当なら言うつもりだったわ」

    卓郎「え?」

    美香「でも、あんたは八幡を助けてくれた。あんたがいなかったら、八幡は間違いなく死んでいたわ」

    卓郎「…」

    美香「だからあんたにはムカついてるけど、感謝もしてる」

    卓郎「美香…」

    美香「八幡を助けてくれてありがと。これで、あたしを置き去りにしていったのは、チャラにしてあげるわ」

    卓郎「…美香、ありがとな」

    美香「ふん、わ、分かったらさっさと皆のとこ行くわよ」

    卓郎「あぁ、そうだな」

    たけし「ま、待ってくれよぉ」

    卓郎「おら、行くぞたけし」

    この時、三人はいつも通りの三人グループへと戻っていた
  131. 131 : : 2014/01/20(月) 22:20:42
    八幡「話は済んだか?」

    美香「うん、ありがと」

    八幡「俺は何もしてないがな」

    美香「ううん、ちゃんと話し合えって、言ってくれたでしょ」

    八幡「いや、それは普通だろ」
  132. 132 : : 2014/01/20(月) 22:21:52
    美香「それでも感謝してるのっ」ダキッ

    八幡「おい!わ、分かったから離れろって」

    美香「やーだ!」

    八幡「お、おい」

    美香「言ったでしょ?側にいてって」

    八幡「…ったく。わぁったよ」

    美香「ふふ、八幡だーい好きっ」


    こうして俺達の館の調査は幕を閉じ、街に戻る事になった

    ただ帰り道、ひたすら周りからの視線が痛かったのは言うまでもなかった

  133. 133 : : 2014/01/20(月) 22:22:41
    その後
    平塚先生は八幡達から話を聞き、八幡の怪我の様子から
    あの館が危険であると判断し学校に報告
    学校側も危険と見なし
    総武高校全校集会であの館への立ち入り禁止を決めた

    しかし総武高校の生徒の立ち入りがなくなっただけで
    町内ではいまだに面白半分であの館に忍び込む人間が後を絶たない

    その人達がどうなったかを知る者は誰もいない

    ただ今も尚、あの館の噂を八幡は耳にする

    青いお化けが出る、と


  134. 134 : : 2014/01/20(月) 22:27:17

    良スレだった
  135. 135 : : 2014/01/20(月) 23:04:14
    感想ありがとうございますっo(^▽^)o
  136. 136 : : 2014/01/21(火) 17:58:15
    美香って人可愛いな

    見たことないけど
  137. 137 : : 2014/02/14(金) 04:10:44
    これは本ネタ使ってるのか?
  138. 138 : : 2014/02/16(日) 20:15:57
    いいねー

    おもしろいよー
  139. 139 : : 2014/04/22(火) 00:35:29
    乙乙
  140. 140 : : 2014/08/18(月) 05:28:13
    良スレでした。美香わいい
  141. 141 : : 2014/11/23(日) 17:24:23
    これは青鬼復讐編を少し真似したのかな
  142. 142 : : 2014/11/24(月) 15:10:21
  143. 143 : : 2015/07/16(木) 17:11:35
    うまいな
  144. 144 : : 2015/07/17(金) 22:29:18
    乙。ひろしは出なかったな
  145. 145 : : 2016/10/20(木) 21:37:19
    ひろし「解せぬ」
  146. 148 : : 2017/01/21(土) 06:24:39
    最近アプリ出てたな

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