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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

リヴァエレ×ミカサの覚醒@腐女子=カオス(・∀・)=エロあり、キャラ崩壊ありは当然です。ご注意ください。

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  1. 1 : : 2014/01/18(土) 01:45:11
    お久しぶりです。(初めましての方は、初めまして。)めたんです。ぺこり。。

    「ホモの次は腐女子ですか…」
    「めたんさん、最近、作風変わりましたよね…」

    なんて、以前からお付き合いいただいている読者さまの失望した顔が目に浮かぶようだ…(滝汗)
    とはいえ、思いつきではありますが、書くと決めたからには面白いものになるようベストは尽くします!!

    腐向けですので、苦手な方はもちろんブラウザバック推奨ですよ。
    相変わらずのまたーり進行ですが、某兵長シリーズも近日中に更新したいなあと思っていますので、よければそちらもどうぞお楽しみに。

    …さて、突然ですが、想像してみてください。
    "もしも、進撃の女性キャラが腐女子だったら…?"

    「腐向け?読んでやろうじゃん!」
    そんな心の準備が整った方は、どうぞ先へお進みください。ぐふふふ……
  2. 2 : : 2014/01/18(土) 02:22:36

    エレン…

    幼い頃からずーっと一緒だった、エレン…
    不器用だけど優しくて、いつもまっすぐな、エレン…
    私のたった1人の家族、エレン…

    エレンのためなら、私はなんだってできる。
    命だって惜しくはない。

    エレンの幸せが、私の幸せ。

    たとえ、あなたが私以外の誰かを愛そうとも、

    エレン、あなたは、何よりも大切な私の宝物ーーー…


  3. 3 : : 2014/01/18(土) 02:53:01

    エレンのことならなんでも知っている。
    …そう、思っていた。

    だから、私は動揺した。
    それを隠す余裕さえないほどに。



    ーーー
    ーー


    疲労の影響で、エレンは壁外から帰還してからというもの、ほとんど目を覚ますことなく眠り続けていた。

    ミカサ「エレン…」

    小さく彼の名を呼んでみる。

    エレン「う…」

    掠れた声は、それでも確かにミカサの耳に届いた。
    彼の目蓋がピクリと震える。

    ミカサ「…はっ」

       「エレン、起きた…?」

    エレン「…ミ、カサ?」

    ミカサ「何か、欲しいものはない?」

       「まずは、水を…」


    エレン「…い、ちょう…は……?」


  4. 4 : : 2014/01/18(土) 04:25:34

    ミカサ「え…?」

       「ごめん、いま、なんて…」

    エレン「リ、ヴァイ…兵長は……?」

    今度は、はっきりと聞き取れた。
    エレンは、間違いなく、リヴァイ兵長その人の名を呼んだのだ。
    心臓が、ギュッと握りつぶされるように痛んだ。


    エレン「兵長、どこ…?」

    ミカサ「…リヴァイ兵長なら、今は、会議に」

    エレン「そ…っか……」


    エレンは苦しそうなため息をつくと、そっと目蓋を閉じた。

    ミカサ(どうして…?)

       (どうして、そんな顔をするの、エレン…?)

    手を伸ばせばすぐにでも触れることができる距離にいる。
    …のに、まるで彼が決して手の届かない、どこか遠い場所にいるような気がする。


    ミカサ「…会議が終わったら、戻ってくると思う」

    平静を装った声は、けれど、震えながら宙に消えた。
    沈黙が空間のすべてをどっぷりと飲み込んでいく。

    ミカサ「…どこか、苦しいところはない?」

    言いながら、取り戻せない言葉に後悔した。
    それは、虚しさを助長するだけだとわかっていたから。

    エレン「いや、平気…」

    ミカサ「…そう」


    ねえ、エレン…
    伏せた目蓋の裏で、何を、誰を、思い描いているの…?


  5. 5 : : 2014/01/18(土) 07:00:00

    窓のない地下室で、刻の流れはあまりに曖昧だった。


    エレン「…俺、どれくらいこうしてた?」

    不意にエレンが口を開いた。

    ミカサ「2日…と、半日くらい」

    エレン「さっきさ、戻ってくる、って言ったよな」

    ミカサ「え…?」

    エレン「兵長」

    ズキン、とまた胸が締め付けられる。
    エレンがリヴァイ兵長の名前を呼ぶだけで、どうしてこんなに息がつまりそうになるのだろう。

    ミカサ「言った」

       「…けど、それがどうかしたの?」

    エレン「てことはさ、ここに兵長いたんだよな?」

    リヴァイ兵長は、ずっとここにいたわけではない。
    それでも、会議や任務の合間を縫ってエレンの様子を見に来ていたことは確かだった。

    エレン「…ミカサ?どうした?」

    エレンの怪訝そうな声で我に返る。

    ミカサ「ご、ごめん、なんでもない…」

       「リヴァイ兵長は、忙しいから…」

    エレン「…!」

       「そ、そうだよな…忙しい人だもんな…」

    エレンの落胆は目に見えて明らかだった。
    彼が自分に嘘をつけるような人間じゃないことは、私が一番よくわかっている。
    そう思い当たった途端に、狂おしい何かがこみ上げてきそうになるのを感じた。

    ミカサ「…エレン、ちゃんと最後まで聞いて」

       「兵長は、忙しいから、任務の合間に来てくれていた」

    エレン「あ…」

    エレンの目元が緩みかけるのを、ミカサは見逃さなかった。


  6. 6 : : 2014/01/18(土) 08:14:56

    誰かが廊下を足早に駆けてくる音が聞こえたかと思うと、突然、扉が乱暴に開かれた。

    エレン「!?」

    ミカサ「あ…!」

       「リヴァイ…兵長」

    リヴァイは眉間に皺を寄せてミカサに一瞥をくれる。
    明らかに不機嫌な様子だった。

    リヴァイ「おい、ミカサ」

        「エレンが目を覚ましたらすぐに報告しろと言っただろーが」

    言いながらつかつかとベッドに歩み寄ると、リヴァイはエレンの脇に腰を下ろした。

    ミカサ「す、すみません…」

    ミカサは、リヴァイを頼っていいのだと、悟っていた。
    横柄な態度は未だに気に入らないけれど、彼は、エレンを守るためにここにいるのだ。

    エレンが上半身を起こそうとするのを助けようとして、ミカサは彼の頬がやや紅潮しているのに気づいた。

    ミカサ「エレン、無理しないで」

    エレン「…悪い、助かる」

    リヴァイ「ふん…」

        「ミカサ、こいつの飯をもらってこい」

        「ちょうど夕飯どきだ」

    エレン「兵長は?」

    リヴァイ「俺は後でいい」

        「行け、ミカサ」

    ミカサ「はい」

    部屋を退出する間際、ミカサはふたりを盗み見した。
    エレンは、安心しきった表情でリヴァイを見つめている。
    一方で、こちらに背中を向けて座っているリヴァイの表情は窺い知れない。

    彼は、一体どんな顔で、あの吸い込まれそうになる翡翠色の瞳を、見つめ返しているのだろう…


  7. 7 : : 2014/01/18(土) 12:28:05
    「ホモの次は腐女子ですか…」
    「めたんさん、最近、作風変わりましたよね…」
    ↑気にせず頑張ってね^_^
  8. 8 : : 2014/01/18(土) 19:19:13
    なんかすげえ可愛い人が応援してくれてたお。。うるうる
    うん、頑張るよ、めたん頑張るぅ〜!!!ありがとぉ〜〜〜っ!
  9. 9 : : 2014/01/18(土) 21:42:30

    エレンが、何か特別な感情をリヴァイ兵長に抱いていることは間違いない。

    目が覚めて、最初に見たかった姿がそこに認められなかったときの落胆。
    眠っている間、リヴァイが彼の傍らにいようとしてくれていたことを知ったときの歓喜。
    そして、リヴァイが彼の前に現れた瞬間の、安堵。

    正直、動揺した。
    エレンのそんな表情を見たことがなかったから、ではない。
    それを見たことで、私の中に高揚するものが生まれたからだ。
    私に向けられた感情によるものではないと言うのに。
    どうしてだろう?
    愛おしくて、たまらないーー…


    エレンは、私の前では、絶対に泣き言なんか言わないけど。
    リヴァイ兵長になら、言えるのかな。
    …そうだといいな。

    寂しくないと言えば嘘になるけど、それでエレンが少しでも救われるのなら、私は嬉しい。


    それに、リヴァイ兵長だって、きっとエレンを特別視している。
    最初は、それが彼の任務だからだと思ってたけど、それだけじゃない。
    リヴァイ兵長のあの余裕の失い方が、私の憶測をいたずらにかき乱す。


  10. 10 : : 2014/01/18(土) 22:28:26

    一人分の夕食をのせたお盆を手に、ミカサは地下室へと引き返した。
    地下室の扉を開けようとして、中から漏れてくる声に取っ手にかけた左手が思わず静止する。

    エレン「んん!はぁ、はぁ…っ」

       「だ、だめ、へーちょ…」

       「もう、これ以上、は…」

       「はぁ…はぁ……」

       「ほんとに、ダメですってば…!」

    リヴァイ「うるせえ」

        「何がもうダメなんだよ」

    エレン「うぅ…」

       「だ、だって、もうミカサが戻ってきちゃう…!」

    リヴァイ「はっ 知るか」

        「2日間も眠りこけてたおまえが悪い」

        「…俺が、どれだけ心配したと思ってる」

    にわかに、ベッドの軋む音が激しくなる。

    エレン「あ、あぁ…っ!」

       「ごめ、ん、なさ…い……っ!」

    リヴァイ「謝って許されると思うなよ」

    エレン「や、やだ…!もう許して!!」


  11. 11 : : 2014/01/18(土) 23:47:00

    部屋の中で起きていることは、火を見るより明らかだった。
    エレンとリヴァイが、愛し合っている。
    それは、窮屈で濃密な、ふたりだけの時間。

    ミカサは、身動きをすることもできず、その場に立ちすくみ、悦びに喘ぐエレンの息づかいを、ただ追いかけていた。


    リヴァイ「…言いたいことは、それだけか?」

    エレン「ちが…っ」

       「ちょ、っと…ま、まって…!」

       「んぐっ、…はぁっ、はぁっ」

    リヴァイ「…言えよ、エレン」

    エレン「うぅ…へーちょぉ……」

       「…す、すき」

    リヴァイ「あ?」

        「聞こえねえな」

    エレン「へーちょ、すき…っ!」

       「だいすきっ!!」

    リヴァイ「…ふん」

    エレン「だ、から…はぁ、はぁ…」

       「ずっと、いっしょに…!」

    リヴァイ「…わかってる」

    エレン「あ、はぁぁーーー…っ!」


  12. 12 : : 2014/01/19(日) 00:48:40

    ふたりの熱が、部屋の外にいる私にまで襲いかかってくる。
    身体が痺れて、言うことをきかない。

    やっぱり、エレンは、リヴァイ兵長のこと好きだったんだ。
    あんなに声を乱して、思いを吐き出すほどに。

    そして、リヴァイ兵長も。
    痛いくらいに、エレンが愛しくてたまらないって思ってるのが、伝わってきた。
    私には、わかる。
    私も、そうだから。
    口は悪くても、エレンを何よりも大切にしたいんだ。

    …ああ、なんだ。
    やっぱり、私がふたりの間に入り込む隙なんか、これっぽっちもないんだ。
    リヴァイ兵長の胸に抱かれて、啼いて、悦んでいる。
    本当に、もう私の手の届かないところにあなたは行ってしまった。

    けれど、それでもいい。
    エレンがあんなに幸せそうにしているのだから。
    私にとって、こんな幸せはない。
    むしろ、嬉しくて、胸が苦しいくらい。

    男同士だからおかしいとか不快だとか、ちっとも思わない。
    だって、エレンがあんなに可愛いのは、リヴァイ兵長といるから。
    ふたりが互いを求め合ってるから。
    そんなふたりだからーー…


  13. 13 : : 2014/01/19(日) 09:53:07
    期待です
  14. 14 : : 2014/01/19(日) 21:24:14
    ありがとうございます(>∀<*)♪
  15. 15 : : 2014/01/19(日) 22:04:11

    昂る胸は、まだふるえていた。
    気持ちを落ち着けようとして、深く息を吸い、吐き出す。
    それを幾度か繰り返してから、ミカサは扉をノックした。

    リヴァイ「…入れ」

    リヴァイはエレンの脇に腰掛けていた。
    相変わらず、表情から何かを読み取ることはできそうにもない。
    けれど、先ほどに比べれば、わずかに安らいだ面持ちをしているような気もする。

    エレン「ミカサ!?」

       「ちょ、ま…っ!!」

    ミカサ(…エレン)

    エレンは慌てて布団を引き上げた。
    蒸気した顔がうっすら汗ばんでいる。

    ミカサは、食事をベッド脇の小机に置いた。
    エレンが今すぐに何かを口にできる状態ではないことは、容易に察しがつく。
    エレンは、ミカサと目が合うとふいっと顔をそらしてしまった。

    リヴァイ「ミカサ」

    ミカサ「あ、はい」

    リヴァイ「おまえは自分の夕食をとってこい」

        「早く行かねえと食いっぱぐれるぞ」

        「それから、そのまま休養をとれ」

        「今夜は俺がこいつの面倒を看る」

    ミカサ「わかりました」

       「…おやすみ、エレン」

       「また、明日」

    エレン「ん… おやすみ」


    エレンは、ミカサに背中を向けたままだった。


  16. 16 : : 2014/01/20(月) 01:07:02

    食堂に、人はまばらだった。
    やはり少しばかり食事時を外してしまったのだろう。

    ミカサは、パンがなかなか喉を通らず、スープで流し込むのに苦労していた。
    パンが固いから、という理由だけではない。
    エレンとリヴァイのことが、頭から消えないのだ。


    ーーーエレン『へーちょ、すき…っ!』

          『だいすきっ!!』

       リヴァイ『…わかってる』


    扉越しに聞こえたふたりの会話を、何度も思い返してしまう。
    そして、見てもいないエレンの表情を、身体のうねりを、想像してしまうのだった。
    しかし、次第に、それだけでは何か物足りないような気がしてくる。

    …もどかしくて、狂ってしまいそうだ。


  17. 17 : : 2014/01/20(月) 09:10:49
    んにゃああああリヴァエレ……!?エレリじゃねぇのか……チッ
    あ、失礼( -_-)ジッ
  18. 18 : : 2014/01/22(水) 03:16:30
    およ?(・∀・)
    じゃあエレリもそのうち書きますねww
  19. 19 : : 2014/01/22(水) 05:23:54

    アルミン「ミカサ?」

    背後から急に声をかけられて、ミカサは思わず肩をふるわせる。

    アルミン「ひとり?」

        「隣、座ってもいいかな」

    彼もまたタイミングを逃したのか、夕食のお盆を手にしていた。

    ミカサ「う、うん」

    アルミン「ありがとう」

        「じゃ、よいしょっと」

    アルミンとは、エレン同様、幼い頃からずっと家族同然に一緒に過ごしてきた。
    運動はあまり得意ではないけれど、頭の回転がとても早く、知識もずば抜けて豊富。
    ここぞというときには、いつもアルミンが側にいてくれて、助けてくれた。

    アルミン「ところで、エレンの具合はどう?」

    アルミンが、心配そうな面持ちで尋ねる。
    その質問が投げかけられるのは予想できたはずなのに、ミカサの身体はなぜか凍り付いてしまった。
    妄想の中の艶かしいエレンの残像を打ち消せなくて戸惑う。

    ミカサ「…エレンなら、さっき、ちょうど目を覚ましたところ」

    アルミン「そっか、ならよかった」

    アルミンは一瞬、安堵に胸をなでおろした。
    …が、強張ったミカサの横顔に、一抹の不安を覚える。

    アルミン「ミカサ…?」

        「どうしたの?」

    ミカサ「え…?」

    アルミン「だって、エレンが目を覚ましたっていうのに、ミカサ、全然嬉しそうじゃないから」

        「…もしかして、なにかあった?」

    ミカサ「…なにも、ない」

       「それより、早く食べて」

       「スープが冷める」

    アルミン「あ、うん…」

        「いただきます」

    そうして、彼は特別美味しいともいえない食事にやっととりかかった。
    もともと味気のないスープが、今日は余計薄く感じられる。

    ミカサの皿には、とうに冷めてしまっているだろうスープがまだ半分以上手つかずのまま残っている。

    アルミン(はぁ……)

    アルミンは、そっと心の中でため息をついた。
    ミカサは、あれではぐらかしたつもりなのだろう。

    隠したいことにも気づいてしまうのは、幼なじみゆえの不都合といったところかーー…


  20. 20 : : 2014/01/22(水) 09:44:18

    アルミンになら、言ってしまってもかまわないだろうか。
    先刻、自分が知ってしまったことを。
    それとも、自分の心の中だけにしまっておくべきか。
    …まともな判断が下せるほど、ミカサは冷静ではいられなかった。

    一方で、黙々と食事を口に運びながら、アルミンは考える。
    ミカサだって、もうすっかり女の子なんだし。
    男の僕に言えないことの1つや2つくらいあったって、おかしくはないのかもしれない。
    とはいえ、こんなミカサは普通じゃないし、放っておくわけにはいかないだろう。

    アルミン「…ねぇ、ミカサ」

        「言いたくないなら、それでも構わない」

        「でも、やっぱり、なにかあったんじゃない…?」

    そう言われて、ミカサの心臓は、ドキンと跳ね上がる。

    アルミン「ミカサが、そんなに考えこむってことは、やっぱり、エレンに関係すること?」

    ミカサ「…!」

    ミカサは身体を強張らせた。
    アルミンには、なんでもお見通しなのだ。
    卑猥な妄想の図までもが見透かされていそうで、気持ちの悪い汗が噴き出す。

    アルミン(図星、か…)

    返答に困り果て、そのまま固まってしまったミカサは、アルミンの目をまともに見ることができない。
    思考がギリギリまで追いつめられる。

    アルミンは、ふたりの関係を知っているのだろうか。
    私以外に、誰か、知っている人はいるのだろうか。

    もし、誰も知らなければーー…?


  21. 21 : : 2014/01/22(水) 15:34:18
    >>18
    まじか!ありがとです!(^^)!!(^^)!!(^^)!
  22. 22 : : 2014/01/23(木) 23:14:15

    ミカサ「エレンなら、本当に大丈夫だから…」

       「あまり心配しないでほしい」

    アルミン「え、でも…」

    ミカサ「もし本当に何かあったとしても、アルミンには団長から直接話があると思う」

       「だから、私がいまここで隠しても仕方がない」

       「…違わない?」

    アルミン「それは、そうかもしれないけど…」

    ミカサが言っていることは、一見、筋が通っているような気もする。
    けれど、彼女の言葉は、ときに危険な強がりの表れでもあることをアルミンは知っていた。

    アルミン「…わかった、ミカサを信じる」

        「でも、本当に何かあったら言ってくれよ?」

    ミカサ「…うん」

    アルミンは、私が何かを隠していることなどお見通しなのだろう。
    でも、"それ"が"何"かということまではわからないハズなのだ。
    それに、アルミンは優しいから、私が嫌がることに深入りはしない。

    友人の親切心を逆手に取るような自らの行為には、嫌気がさす。
    けれど、これは自分のためにしていることではない、とミカサは自分に言い聞かせる。
    エレンのためなのだ。
    ふたりの関係を誰が知っているかもわからない現状では、むやみやたらに吹聴するべきではない。

    たとえ、それがアルミンであっても。
    だって、エレンは、私にでさえ、自分の口で言ってはくれなかったのだから。
    きっとアルミンにだって、知られたくないと思ってる。
    …なら、私が言ってしまうわけにはいかない。

    そこまで考えて、ミカサはちぎったパンの最後のひとかけらを口に放り込んだ。


  23. 23 : : 2014/01/24(金) 00:02:05

    食堂でアルミンと別れ、自室に戻る途中でミカサははたりと気づく。
    自分の立体機動装置を一式まるごと、エレンのいる地下室に置き忘れてしまったことに。

    わたしの、バカーー…

    ミカサは重いため息をつきながら、心の中で自分に悪態をつく。
    いくら動揺していたとはいえ、戦闘装備を忘れてくるなんて、兵士失格だ。
    それに、装備は今夜中に点検しておかなければならないというのに。

    ーーーリヴァイ『今夜は俺がこいつの面倒を看る』

    あれは、おそらく『戻ってくるな』という意味なのだろう。
    『今夜は邪魔されたくはないのだ』とリヴァイの目が言っていた。

    とはいえ、装備は回収しなくてははならない。

    仕方ないーー…

    叱責を覚悟で地下室へ引き返すミカサの足取りは、重かった。
    なのに、階段を一段降りる度に、胸の鼓動が高まっていく。
    冷たい風が地下からそろりと吹き上げてきて、いやでも自分の身体の火照りを感じざるをえない。

    ーーーエレン『あ、あぁ…っ』

          『ごめ、ん、なさ…い……っ!』

    一瞬、耳の奥でエレンの掠れた喘ぎ声が響いて、背筋を何かでぞわりと撫でられるような感覚に襲われた。

    私は、一体、何を期待しているというの…?

    そう自分に問うたとき、腹の底から何かがじわりじわりと這い上がってくるのを感じた。
    ミカサは、その正体から努めて目を背ける。
    見つめる先の暗がりの中で、またエレンが啼かされているのではないかと思うと、気が気ではなかった。


  24. 24 : : 2014/01/24(金) 00:53:31

    地下室の扉の前に立ち、ミカサは扉の向こうの空気の動きに神経を集中させる。
    時折、話し声が聞こえるけれど、今ならふたりの邪魔をせずにすみそうだ。
    思い切って、扉をノックする。

    ミカサ「すみません、ミカサです」

       「装置を、置き忘れてしまって…」

    返事を待つも、応答はない。
    やはり、来るべきではなかったのだろうか。
    じわりと額に汗が浮かぶ。

    一拍おいて、内側から扉が開かれると、リヴァイが無言でミカサを招き入れた。
    意外にも、涼しげなリヴァイの表情に少し警戒を解く。

    エレン「やっぱり、それミカサのだったんだな」

       「さっき、兵長が気づいてさ」

       「そのうち取りに戻ってくるだろうって言ってたところなんだ」

    ミカサ「そ、そう…」

    エレン「装備忘れるなんて、ミカサらしくねーな」

       「兵士としての自覚が…」

       「…って俺に言われなくても、ミカサはわかってるか」

       「わり…」

    いつになく歯切れの悪いエレンの言い方に、ミカサはわけもなく緊張する。

    ミカサ「そんなこと、ない」

       「さっきは、私が迂闊だった」

    そう言って、ミカサは自分の装備を拾い上げる。

    ミカサ「…じゃあ、ゆっくり休んで、エレン」

    エレン「ああ、ミカサもな」

       「…さっきは言えなかったけど、俺が眠ってる間、ずっと側にいてくれたんだろ?」

    ミカサ「え…?」

    エレン「さっき、兵長が教えてくれたんだよ」

       「その、だから、おまえもあんまり休めてないみたいだし」

       「今夜くらい、ちゃんと寝ろよな」

    ミカサ「…うん、ありがとう」

    エレン「俺も、早く作戦に参加できるように……って、んぐっ!?」

    ミカサ「!!?」


  25. 25 : : 2014/01/24(金) 01:37:32

    それは、あまりに突然の出来事だった。
    言いかけたエレンの言葉を、リヴァイが唇ごと塞いでしまったのだ。
    ミカサは、目の前の光景にただただ釘付けになっていた。

    リヴァイの唇が、エレンのそれに吸い付く音…
    舌が絡まりあって、互いの唾液が混じり合う音…
    気持ち悪いほど重たい静けさを抱えた地下室の中で、それらだけが唯一、空気を震わせる。

    エレン「ん、んん…っ!」

       「ふ…ぷはっ」

    エレンが身をよじってリヴァイの腕を振りほどく。

    エレン「ちょ、あんた…!」

       「一体、どういうつもりなんですか!?」

    リヴァイ「どういうつもりって…」

        「おまえらがダラダラしゃべってんのが悪いんだろ?」

    エレン「は、はぁ!?」

       「何言って…」

    リヴァイ「それと、ミカサ」

    急に名前を呼ばれて、ミカサはわずかにおののく。

    リヴァイ「何がおまえを迂闊にさせたかは知らねえが」

        「俺たちはこういうことだ」

    エレン「へ、へーちょー!?」

    ミカサ「…はい」

    エレン「いやいや、おまえもなに納得してんだよ!?」

    リヴァイ「ふん…」

        「さすが、エレンのなじみだ」

        「物分かりがよくて助かる」


  26. 26 : : 2014/01/24(金) 02:23:38

    ミカサは、自分の部屋へ飛び込むと、扉をたたくように閉め、その場に崩れ落ちた。

    ーーーリヴァイ「用がすんだならさっさと行け」

           「おまえが早く出て行かないと、その分だけエレンの"ゆっくり休む時間"がすり減るぞ」

           「…ああ、食事は済んでるから、ついでに食器も下げておいてもらえるか」

    その後、ミカサは黙って地下室を飛び出したのだった。



    床に座り込んだまま、乱れた呼吸が整うのを待つけれど、絡み合うふたりの吐息が耳の奥にこびり付いているせいで、ミカサの動悸は治まるどころか荒ぶる一方だった。
    まさか、リヴァイがあれほど大胆な行動に出るなんて。
    あの動揺ぶりからして、エレンにとってもそれは同じことだったのだろう。

    何が、エレンのためだーー…

    次第に、落ち着きを取り戻して、ミカサはふとこぼす。
    ふたりの関係を知っても、誰にも言うまいと決めたのは、私のためじゃなく、エレンのためだとそう自分に言い聞かせた。
    それが、ふたりの幸せを守るならば、と。

    けれど、そんなのは子供染みた言い訳にすぎない。
    腹の底から這い上がってくるソレの正体を、ミカサはもはや無視することができない。
    その、どうすることもできない"悦び"をーー…

    それはどうしようもないほど、ミカサ自身の悦びだった。
    ふたりのためではない、私だけに所属する悦び。

    できれば、その場にとどまり、これから起こることをすべてを見たかった。
    そう思ってしまう自分が恐ろしい。
    けれど、それ以上に、ただ見たいのだという単純な欲求がミカサを支配する。


  27. 27 : : 2014/01/24(金) 03:10:15

    ミカサは、膝を抱えたままその場にうずくまる。
    ふたりの口づけをする姿が、閉じた目蓋の裏に張り付いて消えてくれない。
    そして、そのイメージは、新たなストーリーを求めてどんどんと形を変えていった。

    ***** ***** *****

    リヴァイの唇は、エレンの唇を十分に湿らせると、ゆっくりと首筋へ滑るように降りていく。
    リヴァイの右手がエレンの乳首を優しく、激しく、刺激するとき、左手は腰の辺りをひたすら愛撫した。
    程なくして、エレンの吐息が乱れ始める。

    エレン『はぁ…はぁ…へ、ちょ…』

    リヴァイ『…なんだ』

    エレン『ね、ねぇ、まだ…?』

    リヴァイ『なにが』

    エレン『早く…ぅ…』

       『俺、もぅ、兵長に触ってほしいよぉ…っ!』

    …熱く潤んだ翡翠の瞳に映るその男は、一体どんな表情をしているのだろう。

    リヴァイ『さっきから触ってるだろ』

    エレン『そうじゃ、ん…っ、くて…!』

    リヴァイ『どこをどう触ってほしいんだ』

        『さっさと答えろ』

    エレン『わ、わかってるくせに…!』

       『うぅ…こ、ここ……』

    そうして、エレンは自分の左手でリヴァイの右手を欲しいところに誘導すると、リヴァイは一瞬、薄い笑みを浮かべる。

    リヴァイ『ほう…悪くない…』

        『…で、触るだけでいいのか?』

    エレン『え…?』

    リヴァイ『おまえ、どう触ってほしい、とは言ってないだろ』

    エレン『そんなぁ…ず、ずるい…っ!』

       『お、ねがい…だか、ら…、も、早く…っ』

       『い、イカせてぇ…っ!!』

    ***** ***** *****


  28. 28 : : 2014/01/24(金) 03:25:31

    ゆっくりと目を開けてみる。
    映し出されるのは、闇夜に染まった暗がりばかり。


    目を閉じていた方が、見たいものが視れる。


    …なんて。

    ああ、やっぱり、世界は残酷だ。

    そうひとりごちて、苦笑する。



    残酷なくらい、この世界は、美しいーー…




    ーおしまいー


  29. 29 : : 2014/01/24(金) 03:27:42
    おお!
  30. 30 : : 2014/01/24(金) 03:47:19

    ーおまけー

    ーふたりのチューを見て、ミカサが飛び出して行ってしまった後の地下室にてー

    エレン「へーちょーのばかぁーーーっ!」ポカスカ

    リヴァイ「いててて…」

    エレン「なんであんなことミカサの前でしたんですかぁーーーっ!?」ドカバキ

    リヴァイ「ちょ、ほんと、落ち着いて…」

    エレン「ミカサがもう二度と口きいてくれなくなったら、兵長のせいですからねーーーっ!!!」訴エテヤルゥーッ

    リヴァイ(まぁ、それはそれで…)


        「いや、悪かったって…」

        「だがな、あれはおまえだって悪い」

    エレン「はぁ?」

       「なんでそうなるんですか!?」

    リヴァイ「…だって、」

        「俺のこと無視してミカサとばっか喋るから…」もじもじ

    エレン「ふ…ぇ……?」

       「そ、そんな、こと、で…?」


       「も…」じわぁっ

       「もぉやだぁーーー!!」ふるふるっ

       「こんな三十路ーーーーッ!!!」うぇーんっ

    リヴァイ「まぁまぁ、そう泣くな」

    エレン「泣いてなんかないですよっ!」

       「ぐしっ、ぐしっ!!」

       (※注:これを言わせたかっただけです、すみません。)





    ーほんとに、おしまい。ー


  31. 31 : : 2014/01/24(金) 03:50:02
    今度こそ、おお!

    皆のキャラがw
  32. 32 : : 2014/01/24(金) 04:04:31
    「…な、なんだこれ?」

    書き始める前は、なんとなく面白そう〜♪なんてちょっとノリノリだったんですけど。。
    書き終えたいま、口から出てくる言葉は、「いや、ほんとにもう、なにこれ……?」の一言に尽きます(滝汗)

    何人かの方はお察しかと思いますが、元々はシリーズ化を企んでいました。
    が、腐女子が主人公という設定の難しさに今回かなり苦戦いたしましてorz
    まあ、他の腐女子候補生たちのネタはお蔵入りかな、あはははは……

    とはいえ、また1作品書き上げることができて私としてはスッキリ爽快な気分です。
    こんな駄作ではありますが、感想をお寄せいただけると嬉しゅうございますよ。

    さてさて、ここまで読んでくださったあなた様へ。
    本当にありがとうございました!!
    またどこかでお会いしましょ〜(・∀・)/        めたん
  33. 33 : : 2014/01/24(金) 04:05:28
    ざっくれいくん
    ありがとう!!ほんといつも早いよねw
  34. 34 : : 2014/01/24(金) 04:05:32
    お疲れさまです!
    面白いですよw
  35. 35 : : 2014/01/24(金) 04:06:46
    早いっていうのか?w

    ss待ってます!
  36. 36 : : 2014/01/24(金) 04:09:12
    早いよww
    うん!次はリコさんを仕上げねばwww
  37. 37 : : 2014/01/24(金) 04:32:56
    今さらですが、お知らせです。
    諸事情により執筆終了後にタイトルを変更しました。
    ご不便をおかけした読者様がいれば、申し訳ないです。ペコリ。。
  38. 38 : : 2014/01/25(土) 14:04:17
    おつかれさまでした☻
    めちゃくちゃ笑わせていただきました。笑
    メガネ兵長リコ編も楽しみにしておりますね!
  39. 39 : : 2014/01/25(土) 17:22:56
    submarineさま〜
    コメントありがとう!楽しんでもらえたならよかったですー(・∀・)
  40. 40 : : 2014/01/26(日) 15:30:47
    うはぁ
    なんかめざめそう
  41. 41 : : 2014/01/26(日) 21:24:56
    るーじゅんさま
    いやあ、私の作品で目醒めてもらえるだなんて光栄だなぁ〜♪
    もっとがんばっちゃおうかなぁ〜♪♪(←おい)
  42. 42 : : 2014/01/27(月) 19:30:21
    ふぁー♡
    リヴァエレっすか。♡
    好きだー☻お疲れ様です。急がす訳ではないんですけど、また、面白い作品をお願いします♡
    ほんとにお疲れ様です。これからも、がんばってください♡
  43. 43 : : 2014/01/28(火) 06:29:34
    ひざカクさまー 乙あり!!
    いやあ、たまにそうやってせっついてもらえると、やる気がまたーりと出てきますなぁ〜(・∀・)♪
  44. 44 : : 2014/01/28(火) 17:41:32
    楽しかったです!お疲れ様です!!
  45. 45 : : 2014/01/29(水) 01:44:44
    めぐさま
    ありがとう!!精進しますっ(・∀・)/♪
  46. 46 : : 2014/02/01(土) 12:32:29
    めたんさんが執筆再開してる上になんか覚醒してるww
    るーじゅんさんと共にエレリ期待((

    面白かったです、乙!
  47. 47 : : 2014/02/02(日) 04:55:33
    かなた 
    コメありがと!
    エレリ、お楽しみに〜♡
  48. 48 : : 2014/06/17(火) 22:16:48
    お疲れ様でした☻
    とても面白かったです
    エレリ期待してます‼︎

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