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やはり奉仕部はいつも通りである

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  1. 1 : : 2013/12/24(火) 23:22:40
    まったりとした奉仕部の日常。
    第一短編集となります。
    初心者ですが、よろしくお願いします。
    短編ごとに投稿はしますが、完結までは不定期更新になります。
  2. 2 : : 2013/12/24(火) 23:23:22
    『暇潰し』


    八幡「………」ペラ

    雪乃「………」ペラ

    結衣「………」カチカチ

    八幡「………」ペラ

    雪乃「………」ペラ

    結衣「……ねー、ゆきのん」

    雪乃「何かしら」ペラ

    結衣「依頼者全然来ないね」

    雪乃「そうね」ペラ

    八幡「……平穏だって証拠だ、別にいいじゃねぇか」

    雪乃「貴方は依頼を受けるのが面倒臭いだけでしょう?」

    八幡「動かざること山の如しってやつだ、かの武田信玄が言ってるだろ」

    結衣「山田殺し?」

    八幡「こえーよ、全国の山田さん殺されちゃうの?全国の山田さんに謝れよ」

    雪乃「山の如し、よ。後、比企谷くん、貴方が言ってるのはただの屁理屈じゃない…」

    結衣「ねーねー、カラオケ行こうよ!」

    八幡「唐突に何言い出すんだ」

    結衣「だって暇なんだもん」

    雪乃「嫌よ、カラオケなんて…」

    結衣「うー……」

    八幡「カラオケかー、最近行ってないなー」

    結衣「お!ヒッキーはやる気?」

    八幡「だが断る」

    結衣「思わせぶんなし!ちょームカつく!」
  3. 3 : : 2013/12/24(火) 23:24:42
    雪乃「由比ヶ浜さん、暇なのは分かるけど今は部活動中なのよ、そこは我慢して欲しいわ」

    結衣「むー……」

    雪乃「…こうやって由比ヶ浜さんと二人でお話してるだけで、私は楽しいのよ」

    結衣「ゆきのん…」

    雪乃「貴女は…私とお話するのは…嫌なのかしら…」

    結衣「あたしも楽しいよ!そんなこと言わないで!」

    雪乃「そう言ってくれると嬉しいわ…由比ヶ浜さん」

    結衣「ゆきのん…!」

    八幡「まーた、百合百合かよ…お前らホントなんなの?」

    雪乃「部活が終わったら、この前話してた喫茶店…二人で行きましょう?」

    結衣「うん!行く行く!ゆきのん大好き!」ダキッ

    雪乃「暑苦しいわよ由比ヶ浜さん…」ナデナデ

    八幡「どんだけゆりゆりなの?ゆるゆりしすぎだろ…」
  4. 4 : : 2013/12/24(火) 23:26:36
    雪乃「……幻聴かしら?何か不気味な声が聞こえるわ」チラッ

    八幡「おい」

    雪乃「……幽霊だなんて信じてなかったけど、まさか居ただなんて…」

    八幡「ナチュラルに幽霊扱いすんの止めてくんない?幽霊部員でもないんだけど?」

    雪乃「やっぱり幽霊だなんて居ないわよね。不気味な声はきっと空耳だったのね。」

    八幡「存在すら抹消させるのは止めろ。お前の言葉にはジェノサイドの巻物が付属してんの?」

    結衣「意地悪なヒッキーは喫茶店連れて行かないもんね!」

    八幡「……いや、別に連れてってなんて言ってないんだけど。つーか、意地悪って…雪ノ下だってカラオケ断っただろ。」

    結衣「ゆきのんはゆきのんだから良いの!ヒッキーのバーカ!」アッカンベーッ

    八幡「……マジで何なの?差別なの?男女差別なの?理不尽だろ…」

    雪乃「あら、貴方に人権なんてあったのかしら?」

    八幡「理不尽どころじゃねーよ……」
  5. 5 : : 2013/12/24(火) 23:27:54
    雪乃「……そろそろ時間ね。それじゃあヒ………くん、戸締まりお願いするわね。」

    八幡「は?俺がやんの?というか名前ぐらい呼べよ」

    結衣「意地悪なヒッキーには罰だしっ!」

    雪乃「そうね」

    八幡「二人して苛めんの止めてくんない?泣くよ俺」

    雪乃「この程度の罰で済むんだから、寧ろ感謝して欲しいぐらいだわ…あら、でも貴方は罰を喰らって悦ぶ変態さんだったわね…」

    八幡「あ?お前何言っt」

    結衣「ヒッキーの変態!マジキモイ!!」

    八幡「ねえ、ホント何なの?何でそんな息ピッタリで俺を苛めんの?ふたりがけなの?お前らパロムとポロムなの?マジで俺泣くよ?」

    結衣「パロムとポロムって誰だしっ!変態ヒッキー!」

    雪乃「嬉し泣きだなんて…ホント気持ち悪い」

    結衣「ヒッキーのバーカ!」アッカンベーッ

    雪乃「……ハッ」


    ガラガラ ピシャン!


    八幡「…鼻で笑ってんじゃねーよ、マジ何なんだよホント…」
  6. 6 : : 2013/12/24(火) 23:29:25
    八幡「………」

    八幡「ったく…」

    八幡「………」

    八幡「あっかんべー…」

    八幡「………」

    八幡「……可愛かったな…///」

    八幡「………」

    八幡「……って、何言ってんだ俺は…」

    八幡「はぁ…」

    八幡「……まぁ、2回も見れて役得って事で…」

    八幡「………」

    八幡「俺も帰るか…」

    八幡「……マッ缶買おうっと」
  7. 7 : : 2013/12/24(火) 23:31:11
    今日はここまで。
    ネタはある程度出来てるので暇を見つけて執筆します。
  8. 8 : : 2013/12/25(水) 23:07:36
    『ライトノベル』


    ガラガラ


    八幡「うーっす」

    結衣「ヒッキー遅い!」

    八幡「わりっ、飲み物買ってたんだよ……あれ、雪ノ下は?」

    結衣「ゆきのんねー平塚先生に呼び出されて、さっき職員室に行っちゃった」

    八幡「そうなの?何か悪さしたんか」

    結衣「ヒッキーじゃないんだから!」

    八幡「別に俺は悪い事なんてしてねーよ、ぼっちは他人に害を与えないんだよ」

    結衣「捻くれてるからでしょー」

    八幡「あ?首なんて捻ってないぞ?」

    結衣「そういう意味じゃないし!ヒッキーの性格の事だしっ!」

    八幡「ばっか、お前。俺は超紳士でクリーンな男だぞ?捻くれてるだなんて、端からそう見てるからそう見えるんだろうが。」

    結衣「……それくらい分かってるし。何で自分でそう言っちゃうのかなぁ」ボソッ

    八幡「あ?何か言ったか?」

    結衣「べっつにー…何でもないし」
  9. 9 : : 2013/12/25(水) 23:13:27
    八幡「……あ、そうそう、はいコレ」

    結衣「え?カフェオレ……くれるの?」

    八幡「いや、お駄賃は出せよ」

    結衣「織田ちん?誰それ?織田信長?」

    八幡「……そんなニックネーム付けられたら信長キレちゃうよ?妖気纏った刀で斬られるよ?ショットガン乱射されるよ?お駄賃だよ、お駄賃」

    結衣「お駄賃ってどーいう意味?」

    八幡「あれだ、こういう安い物を買ってきて貰ったときに払うバイト代みたいなもんだ……まぁ、頼まれてもないしカフェオレ代貰うだけだから、こういう場合はお駄賃って言わねーけどな」

    結衣「ふーん…じゃあ何でお駄賃って言ったの?」

    八幡「そりゃあ、織田ちんだなんていうアホな返答を期待したからだ」

    結衣「バカにすんなし!アホじゃないし!マジウザい!!……はい、お金」

    八幡「……ん、どうも」

    結衣「カフェオレありがと…エヘヘ」

    八幡「……お金以上のもの貰っちまったな」ボソッ

    結衣「ん?何か言った??」

    八幡「いや、別に……なぁ由比ヶ浜」

    結衣「なーに?」

    八幡「……あまり人前で、お駄賃とか織田ちんとか言うなよ」

    結衣「織田ちんはもう言わないし!…何で?」キョトン

    八幡「……いや、その…わりっ、やっぱ何でもない…」

    結衣「???」キョトーン
  10. 10 : : 2013/12/25(水) 23:19:30
    八幡「さてと、ラノベラノベ…」ガサコソ

    結衣「ヒッキー今日はラノベ読むの?」

    八幡「買っておいたやつがあるからな……あったあった」

    結衣「ふーん…」カチカチ

    八幡「………」ペラ

    結衣「………」カチカチ

    八幡「………」ペラ

    結衣「……ラノベって面白いの?」

    八幡「あ?何だよいきなり」ペラ

    結衣「中二が書いてるようなやつをラノベって言うんでしょ?面白いのかなーって」

    八幡「お前、ラノベ全てが材木座が書いてるようなやつだと思うなよ…」

    結衣「違うの?」

    八幡「例えばー…そうだな、学園物でもラブコメとかそういうジャンルのラノベもあるんだぞ」

    結衣「今ヒッキーが読んでるやつはどういうのなの?」

    八幡「……簡単に説明すりゃ、魔王がマックでアルバイトしてて勇者がテレアポの契約社員で働いてるラノベだ」

    結衣「何それ…意味分かんないし!」

    八幡「まぁ、現実味は無いラノベだよ。大体のラノベはそうだが…」

    結衣「……ちょっと読ませてくれない?」
  11. 11 : : 2013/12/25(水) 23:30:07
    八幡「あ?何でだよ?」

    結衣「読みたいからに決まってるでしょ!」

    八幡「いや、だから……まぁ、いいや…ほら」

    結衣「ん、ありがと」

    八幡「……お前が文字だらけの本なんて読めるとは思えないけどな、現国の教科書ですら読めないだろ?」

    結衣「バカにすんなし!読めるし!……一応」

    八幡「………」

    八幡(コイツ何考えてんの?アホなの?…アホの子でした)

    結衣「………」

    結衣「んー…?」ペラ

    結衣「………」ムー

    八幡(段々と顔が難しくなってきてやがる)

    結衣「ねー」

    八幡「…何?」

    結衣「何で魔王様は日本に来たの?」

    八幡「異世界から日本に流れ着いた…っていうのは物語では在り来たりな話だろ」

    結衣「ん…なるほど」

    八幡(ホントに分かってんのか?)
  12. 12 : : 2013/12/25(水) 23:36:33
    結衣「……やっぱり難しい、かも」

    八幡「だから言ったろ…お前には無理だって」

    結衣「うん…」ショボン

    八幡「………」

    八幡(何でしょんぼりしてんの?そんなに読みたかったのか?)

    八幡「……あ、あのさ」

    結衣「何…?」

    八幡「急にラノベ読んでみたいって…理由は何なの?」

    結衣「だから読んでみたいからって…」

    八幡「そうじゃなくてさ、その、とくに理由無く読んでみたいって思った訳じゃないだろ?何か理由があったから、読んでみたかったんじゃないの?」

    結衣「……ヒッキーが読んでるから」ボソッ

    八幡「は…?」

    結衣「ヒッキーがラノベを読んでるから!」

    八幡「……え、あっ…そ、それってどういう…」

    結衣「……あたしがラノベ読んだりすればさ、その、そういう話をヒッキーといっぱい出来るようになるじゃん…」

    八幡「………」

    結衣「あ、あたしはヒッキーと…もっと色々なお話したいから…///」

    八幡「……そ、そうか」

    結衣「……///」プイッ

    八幡「……ま、まぁ、良いんじゃねーの?わ、悪くはない理由…だと思うぞ」

    結衣「……///」
  13. 13 : : 2013/12/25(水) 23:42:39
    八幡「あー…その、お前ってさ…マンガ、読んだりすんの?」

    結衣「え…う、うん」

    八幡「…普段どんなの、読んでんの?」

    結衣「ど、どんなのって…」

    八幡「あれだ…ジャンルだ、ジャンル。ジャンヌじゃないぞ。」

    結衣「そ、それくらい分かるし!…えと、少女マンガとか…結構有名なのも読んだりするよ?コナンくんとか」

    八幡「コナン読んでんのかよ……少女マンガって、やっぱラブコメもんだよな?」

    結衣「うん…私が読むのはラブコメが多いかな」

    八幡「ん、そうか…良いのあるかな…」

    結衣「……?」キョトン

    八幡「…あー、由比ヶ浜?」

    結衣「な、何?」

    八幡「……ラブコメもんのラノベ、良いの探して貸してやるよ」

    結衣「えっ…?」
  14. 14 : : 2013/12/25(水) 23:49:58
    八幡「ラブコメなら…ほら、読みやすいかもしれんだろ?さっき読んだのも一応そういう要素もあるが、もっとラブコメらしいラブコメのやつをさ」

    結衣「ヒッキー…」

    八幡「なんつーか…好きなジャンルから読み始めれば、いくらお前でも読めるようになるかもしれんだろ」

    結衣「……それ遠回しにバカにしてるし」

    八幡「あ、いや、その…」

    結衣「ねえ」

    八幡「あ、あんだよ?」

    結衣「……ありがと、ヒッキー」

    八幡「っ……!」

    結衣「良いの、貸してね?」

    八幡「……お、おう」

    結衣「エヘヘ…」

    八幡「……///」プイッ

    八幡(雪ノ下も大概だが、俺もコイツに甘いな……はぁ)

    八幡(ラブコメね…あんま読もうとしねーからそんな持ってないんだよな)

    八幡(……今度、本屋行って良いの探してみるか…)
  15. 15 : : 2013/12/26(木) 23:51:33
    『手品』


    結衣「んー…これは難しそう…」ペラ

    八幡「………」ペラ

    雪乃「………」ペラ

    結衣「これなら…出来そうかな?」ペラ

    八幡「……お前さ、本読んでる時ぐらい静かにできないの?」

    雪乃「……不本意だけど、比企谷くんに同感よ」

    結衣「あ、ご、ごめん!」

    八幡「何読んでんの?スイーツ(笑)やら女子力(笑)ある本じゃ無さそうだけど」

    結衣「これ!手品の本!」

    八幡「あー…誰でもできる」

    雪乃「簡単手品…?」

    八幡「誰でもできるだなんて、由比ヶ浜に手品ができると思うか?」

    雪乃「……由比ヶ浜さんには申し訳ないけど、私もそう思うわ…」

    結衣「ちょっと!?」

    雪乃「由比ヶ浜さん…自分のレベルを理解して、それに合わせるというのも大事な事なのよ?上のレベルを目指すのは悪い事ではないわ…でも、高望みという言葉もあるのよ」

    結衣「ゆきのん酷い!二人してバカにしすぎでしょ!?」

    八幡「いや、正論だろ正論」

    結衣「ヒッキーうっさい!一つはできるようになったんだからね!」
  16. 16 : : 2013/12/26(木) 23:52:11
    八幡「……あ?マジで言ってんの?それ」

    結衣「ちゃんと覚えたし!パパにも一度見せたし!」

    八幡「パパさんに同情するわ」

    結衣「どういう意味だぁ!」

    雪乃「あの…一つ良いかしら?」

    結衣「なーに?ゆきのん?」

    雪乃「何故手品を覚えようとしたのかしら?」

    結衣「今度ね!誕生日会でお披露目するの!」

    八幡「誕生日会…?」

    結衣「今度の金曜日、優美子の誕生日なの!それで誕生日会があってね、参加者は一発芸をやる事になってるんだ!」

    雪乃「一発芸…なるほど、それで手品を」

    八幡「リア充様は大変ですな」

    結衣「ヒッキーマジでうっさい!」

    雪乃「覚えたっていう手品…見せて貰って良いかしら?」

    八幡「は?雪ノ下何言っt」

    結衣「え?見てくれるの!?」

    雪乃「ええ、興味があるもの…それに貴女にとっても練習になるでしょう?」

    結衣「ゆきのん…!ありがと!あたし頑張る!!」

    八幡「……俺は置いてきぼりかよ」
  17. 17 : : 2013/12/26(木) 23:52:50
    結衣「それじゃー…ここにコップが2つあります!」

    雪乃「ええ」

    結衣「100円玉を机の上に置きます!」

    八幡「あれか、100円玉が移動してるってやつか」

    結衣「分かってても言うなし!空気読めしっ!」

    雪乃「空気のような存在なんだから空気ぐらい読んで欲しいわね、エア谷くん」

    八幡「何だよエア谷って。何回やっても倒せないの?頭がパーンなの?」

    雪乃「言ってる意味が分からないわ…少し黙ってなさい」キッ

    八幡「は、はい」

    八幡(こえーよ!人殺しの目かよ!ファイヤーもこの、にらみつけるを覚えろよ)

    結衣「えーと…あ、コップにはタネも仕掛けありません!」

    雪乃「…それは最初に言うべきよ」

    結衣「ご、ごめん!…100円玉にコップを被せます!」

    雪乃「ええ」

    結衣「もう1つのコップも置きます!こっちには何も入ってません!」

    雪乃「ええ」

    結衣「この状態でくるくる動かして回します!」

    八幡「説明がアホっぽいぞ」

    雪乃「黙ってなさい」キッ

    八幡「………」
  18. 18 : : 2013/12/26(木) 23:54:06
    結衣「100円玉が入ってるのはどっちでしょう!」

    雪乃「由比ヶ浜さんから見て左…こっちね」

    結衣「………あれ、そうだっけ?」

    雪乃「………」

    八幡「おいおい…」

    結衣「………」

    雪乃「……こっちで間違いない筈よ、続けてくれるかしら」

    結衣「あっ、う、うん!」

    八幡「観客にフォローされるってどうなの?」

    雪乃「……静かにしてくれるかしら」

    八幡(あ、攻撃が弱まった)

    結衣「と、とにかく!こっちに100円玉が入ってます!でも、コップを開けると…!」

    雪乃「……!」

    結衣「100円玉が…!」

    八幡「………」

    雪乃「………」

    八幡「入ってんじゃねーか!」

    結衣「あ、あれ?」

    雪乃「はぁ…」
  19. 19 : : 2013/12/26(木) 23:55:05
    結衣「ゆきのんに溜め息つかれた!?」

    八幡「そら溜め息もつくわ…」

    雪乃「……由比ヶ浜さん、貴女ホントに成功した事があるの?」

    結衣「ぱ、パパに見せたもん!」

    八幡「……お前さ、もしかしてさっきみたいに勘違いしたのを見せたんじゃないの?」

    結衣「か、勘違い?さっきみたいにって…?」

    八幡「だから100円玉が入ってるコップをだよ。さっきのだって雪ノ下がフォローしてなかったらデタラメで成功って事になってたぞ」

    結衣「ううっ……で、でもパパは何も言わなかったし!」

    八幡「そらお前、パパさんの優しさだろうがよ。コップが違うのを知ってて黙ってたんだろ。」

    八幡(まぁ、由比ヶ浜の親もアホって可能性も……流石にそれはないか)

    雪乃「……有り得なくはない話ね」

    八幡「可愛い愛娘ならぬアホ娘が必死に手品やってる姿を見て、言えなかったんだろ。」

    結衣「アホ娘言うなし!てか、可愛いって…///」

    八幡「………まぁ、とにかくお前には手品は無理だって事だよ」
  20. 20 : : 2013/12/26(木) 23:56:08
    結衣「ううー…」

    雪乃「もっと簡単なのにしましょう?貴女にできるレベルのやつを……あればだけれど」

    八幡「……あるぞ」

    結衣「え?」

    雪乃「え?」

    八幡「すっごい簡単なのがある」

    結衣「ホント?あたしにもできる?」

    八幡「誰だってできる、道具要らずだしな。」

    雪乃「そんな手品あるのかしら…見当がつかないわ」

    八幡「まぁ、見てな…今からやってやるから」

    結衣「うん!」

    八幡「まず左手をグッジョブの形にする」( ̄ー ̄)b

    結衣「うんうん!」

    八幡「そして右手で…」

    雪乃「比企谷くん、まさか貴方それは…」

    結衣「ゆきのん?」

    八幡「ん、気付いたか?」

    雪乃「……流石にそれは見抜かれると思うのだけれど」

    八幡「そうか?俺は騙せると思うに賭けるぜ」

    雪乃「……ジュース一本で良いかしら?」

    八幡「ああ」

    結衣「え?え??」
  21. 21 : : 2013/12/26(木) 23:57:25
    八幡「…続きだ。右手で左手を隠していく」

    結衣「う、うん」

    八幡「すると左手の親指が…」

    結衣「う、嘘っ!?親指が無くなってる!?」

    雪乃「………」

    八幡「………」ニヤッ

    結衣「ひ、ヒッキー!?親指どこ行ったの!?」

    八幡「ん?ああ、また隠せば……ほら」

    結衣「親指がある!?」

    八幡「…な、言ったろ?雪ノ下」

    雪乃「はぁぁ……」

    結衣「ゆ、ゆきのん?頭抱えてどしたの?」

    雪乃「……いえ、何でもないわ…それよりも由比ヶ浜さん…」

    結衣「な、何?」

    雪乃「…貴女には手品は無理よ」

    結衣「ゆきのん!?」

    雪乃「諦めなさい、無理なものは無理なのよ。人間、諦めが肝心よ。一発芸は他のにしときなさい……貴女でも出来そうなやつをね?私も探すのを手伝ってあげるわ…きっと、きっと1つぐらいはある筈だから」

    結衣「そんな哀れみの目で見ないで!?あたし何かおかしな事言ったの!?優しくされてんのにすっごい傷付くだけだからぁ!!」

    八幡「……タネも仕掛けもない真性なアホっぷりにはホント驚かされるわ…」
  22. 22 : : 2013/12/30(月) 06:55:03
    『誕生日』


    八幡「………」ペラ

    雪乃「………」ペラ

    八幡「………」チラッ

    雪乃「………」ペラ

    八幡「………」チラッ

    雪乃「……さっきから何?ドアを見たり私を見たり…あまりにも不審過ぎて気持ち悪いわ」

    八幡「あ、いや、別に…」

    雪乃「ごめんなさい、気持ち悪い不審者なのは元からだったわね。思慮不足ということかしら…私もまだまだ未熟ね」

    八幡「反省しながら人の心抉るの止めてくれない?」

    雪乃「この私の考えを上回る気持ち悪さは凄いわね、癪だけど褒めてあげるわ……とりあえず警察に電話して良いかしら」

    八幡「いや、それ全然褒めてないからね?お前攻撃の幅広すぎだろ、バトルマスターなの?……おい、携帯取り出すな、マジで止めろ」

    雪乃「えっ、何故?」キョトン

    八幡「………何故?じゃねーよ、マジで不思議がってんじゃねーよ……後、その顔で首傾げるのは卑怯だから止めろ」

    雪乃「そうね、警察じゃあ手に負えないかもしれないわ…警察だってキモ谷くんを相手にするのは嫌だろうし」

    八幡「あれ、不審者からレベルアップしちゃったの?それとも第二形態なの?俺何者だよ……つーか、俺が言いたいのはな」

    雪乃「由比ヶ浜さんなら今日は来ないわよ」
  23. 23 : : 2013/12/30(月) 06:55:50
    八幡「……いや、俺まだ何も言ってないんだけど」

    雪乃「あら、由比ヶ浜さんの事じゃないのかしら?」

    八幡「………いや、その、合ってるんだけどさ……何で?」

    雪乃「……貴方忘れたの?」

    八幡「あ?何がだよ」

    雪乃「はぁ…一昨日に言ってたじゃない」

    八幡「一昨日?………あ、誕生日会か?」

    雪乃「そうよ、三浦さんの誕生日会があるから部活はお休みするって」

    八幡「……休むってのは聞いてねーんだけどな」

    雪乃「聞いてなくても分かるものだと思うのだけれど」

    八幡「察しが悪くてすいませんね……後、サンキュ」

    雪乃「別に礼を言われるような事はしていないのだけれど…ホント気持ち悪い」

    八幡「礼ぐらい素直に受け取れ……しかし、リア充はホント大変だな、友達の誕生日ある度にお祝い開くだなんてな」

    雪乃「そうね…」

    八幡「毎回毎回そんなんやってたら疲れるだけじゃね?そんなんだったら友達居なくて良いだろ……やっぱぼっち最高だわ」

    雪乃「……私は誕生日会というのは悪くないと思うけれど」
  24. 24 : : 2013/12/30(月) 06:56:18
    八幡「……あ?お前がそんな事言うなんてな」

    雪乃「心外ね、由比ヶ浜さんの誕生日会を開いたのは私よ?」

    八幡「……ああ、そういやそうだっけな」

    雪乃「由比ヶ浜さんは私の大切な…と、友達よ。お祝いをしたいのは当然だもの。感謝の気持ちも込めてね」

    八幡「…感謝、ねぇ」

    雪乃「こんな私に常に前を向いて接してくれてる人なんて初めてだもの…」

    八幡(うわーデレノ下デレ乃さんだー由比ヶ浜が聞いたら嬉し泣きするぜ)

    雪乃「……貴方だって、由比ヶ浜さんには感謝しているでしょう」

    八幡「……あ?俺が?由比ヶ浜に?感謝?何で?」

    雪乃「疑問符ばかり投げ付けないでくれるかしら……そんな事は貴方自身がよく分かってるんじゃなくて?」

    八幡「………」

    雪乃「図星、かしら?」クスッ

    八幡(今日のこいつは何なの?何かおかしいんだけど?)
  25. 25 : : 2013/12/30(月) 06:57:00
    八幡「……結局、お前は何が言いたい訳?」

    雪ノ下「……誕生日会は悪い事ではないということよ、大切な人達と祝い祝われる関係は素晴らしい事だと思うもの」

    八幡(ん?もしかしてこいつ…)

    八幡「……お前、誕生日会やってほしいの?」

    雪乃「え?何かしら?よく聞こえなかったのだけれど?」

    八幡「お前は難聴系主人公かよ、羽瀬川くんなの?…で、誕生日会やってほしい訳?」

    雪乃「誰もそんな事言ってないでしょう?確かに私は誕生日会というのは悪い事ではない、寧ろ良い事だと言ったわ。けど、別にやってほしいという意味には繋がらないと思うのだけれど?勘違いも甚だしいわね。私は一般論として述べただけよ、一般人、というか人からかけ離れてる貴方には理解できないのも仕方ないのかもしれないわね。ごめんなさい…これでも貴方の事はかなりの低レベルで評価してたけど、まだまだ私の認識不足だったわね、ここまでのものだと思わなかったわ」

    八幡(やっぱりな……てか、何で俺を罵倒するのに収束するんだよ)

    八幡「ああ、わりぃな…やってほしくないって事か」

    雪乃「……こういうのは祝う側の祝いたい気持ちが大事なんじゃないかしら?私の一存では行えないものなのよ……そうね、祝ってくれるというのなら、私はそれに従うしかないわね。せっかく祝ってくれるというのにそれを踏みにじるの酷だもの。仕方なく、仕方なくだけど祝われてやっても良いわね」

    八幡(……ホント素直じゃねぇな、こいつ)

    八幡「……まぁ、由比ヶ浜は祝ってくれるだろ。あいつはアホだけど優しくて良い奴だからな」

    雪乃「………だと良いのだけれど」
  26. 26 : : 2013/12/30(月) 06:57:39
    八幡「あ?由比ヶ浜がそういう奴だってのはお前だって分かってるだろ」

    雪乃「違うわよ、私が言いたいのはそういう事じゃないわ…」

    八幡「じゃあ、どういう事だよ」

    雪乃「…貴方と同じよ」

    八幡「俺と?……ああ、そういやお前の誕生日って」

    雪乃「冬休み中な上、三ヶ日だもの…ご家族との都合もあるし、私の誕生日会を開くなんて難しいと思うわ……」

    八幡「……お前、そんな事でやってくれないんじゃないかって不安がってるの?」

    雪乃「そんな事ですって…?」

    八幡「大切な友達、なんだろ?由比ヶ浜の性格を信じろよ。あいつは何が何でもやると思うぞ。」

    雪乃「………」

    八幡(……信じろ、なんて俺の嫌いな言葉だけどな)

    雪乃「はぁ…貴方にそんな事言われるなんて、目眩がしそうだわ…」

    八幡「悪かったな」

    雪乃「……でも、その通りね。………その、あ、ありがとう比企谷くん」

    八幡「……いや、別に礼を言われるような事は言ってねーよ…」
  27. 27 : : 2013/12/30(月) 06:58:07
    雪乃「………」

    八幡「………」

    雪乃「………比企谷くんは」

    八幡「……あ?」

    雪乃「比企谷くんは……い、祝って、くれるのかしら?」

    八幡「……は?え?」

    雪乃「……あ、貴方は祝ってくれるのかと聞いて、るのだけれど…」

    八幡(……何言ってんのこいつ?何なの?どういうつもりなの?)

    八幡「いや、俺は…」

    雪乃「………」ジーッ

    八幡(見つめるの止めてくれませんかね…)

    八幡「……俺とお前は友達じゃねーしな…」

    雪乃「……ええ、そうね。貴方と友達になるなんて御免だわ…」

    八幡「……祝う義理がないっつーか…」

    雪乃「義理……?」

    八幡「……あー、例えばだな。俺の誕生日を祝って貰ってたら、お返しはするつもりはある、そういう事だ」

    雪乃「……8月8日だったかしら?」

    八幡「お前知ってるのかよ」

    雪乃「……大分過ぎてしまったわね…」

    八幡「まぁ…そうだな」

    雪乃「……ねぇ、比企谷くん」ガタッ

    八幡「あ?……って何でこっち来んの?」
  28. 28 : : 2013/12/30(月) 06:58:44
    雪乃「貴方に一つ言いたい事があるわ」スッ

    八幡(ちょ、ちけーよ!マジ何なんだよこいつ!)

    八幡「な、な、何でしょうか」

    雪乃「……遅れてしまったけど、誕生日おめでとう」

    八幡 「…………は?」

    雪乃「それだけよ………あまり近寄らないでくれるかしら、気持ち悪い…」サッ

    八幡「いや、お前から近寄ってきたんだろうが……つか、え?何なの?意味が分からないんだが…」

    雪乃「……祝ってあげたのよ、そんな事も分からないの?」

    八幡「………何故今更」

    雪乃「あら、別に当日に祝えという決まりはないのではないかしら?」

    八幡「そりゃ、そうなんだが…」

    雪乃「……来年は当日に…」ボソッ

    八幡「何か言ったか…?」

    雪乃「何でもないわ。貴方、耳まで腐ってきたのかしら?目に加え耳まで腐るなんて人として終わってるわね………ごめんなさい、始まってもいなかったわね、人じゃないのだから」

    八幡(……ついていけねぇ)   
  29. 29 : : 2013/12/30(月) 06:59:15
    八幡「あー…まぁ、あれだな」

    雪乃「………」

    八幡「義理がどうのこうの言ったからには……お、俺もお前に祝わなくちゃなんねーな…」

    雪乃「………!」

    八幡「……雪ノ下?」

    雪乃「……そ、そう。それなら仕方ないわね、不本意だけれど受けてあげるわ……ホントに不本意だけれど」

    八幡「どんだけ不本意を強調したいんだよ…どんだけ大事なんだよ」

    雪乃「………比企谷くん」

    八幡「……んだよ?」

    雪乃「楽しみにしといてあげるわ」ニコリ

    八幡「………!」

    八幡(不意討ちで笑顔見せるの止めろや…ドキッとするだろうが…)

    八幡(……疲れた、久々に雪ノ下と二人だけになったからか?何か調子狂う…)

    八幡(雪ノ下も普段とちげーしよ……今日のこいつ何なの?影武者とかじゃないの?)

    八幡(明日から休みだしゆっくり休もう…)
  30. 30 : : 2013/12/30(月) 07:04:27
    年内にもう一つ書き上げ投稿します。
  31. 31 : : 2014/01/01(水) 03:06:24
    年内に間に合わなかった…orz
  32. 32 : : 2014/01/01(水) 03:06:54
    『遭遇』

    八幡「………ん」

    八幡「朝か……いや、昼か……?」

    八幡「とりあえず起きよう……」

    八幡「……そういや、小町から一緒に買い物行こう言われてたっけな…」

    リビング

    八幡「腹減ったな……小町ぃ~?お兄ちゃんのお目覚めだぞー」

    八幡「………リビングに居ないんか?部屋か?」

    八幡「……いや、部屋のドアは開いてたが、小町の姿は見えなかったよな」

    八幡「……ん?何だこれ……書き置き?」


    お兄ちゃんへ

    お寝坊お兄ちゃんおっはよー!
    小町は朝早くから、お父さんとお母さんと家族水入らずで出掛ける事になりました!
    買い物の約束してたのにごめんね~ゆっくり家で休んでね!

    ……と言いたいところですが!お兄ちゃん一人で買い物はしてほしいのです!
    明日学校で必要なのもあるんだよぉ(。>д<)
    お母さんからも必要なのがあるからしてほしいとのこと!
    だからぁ~…お・ね・が・い・♪
    買い物リストはメール送っときまーす

    サンドイッチが冷蔵庫に入ってるよ!食べてねー!
    あ、ちなみに帰りは夜になるから夕食はいりません!
    お兄ちゃん自分で用意してね!よろしく!

    お兄ちゃん大好きな小町より♪

    ……あ、でもでも冷蔵庫の食材はピンチ!
    誰かさんが買って来てくれないかなぁ~?


    八幡「………」

    八幡「家族水入らずなのに俺をハブるなよ…マジ泣きたいんだけど…」
  33. 33 : : 2014/01/01(水) 03:07:25
    八幡「一人で買い物行けとか何なの?しかも食材まで買って来いとか」

    八幡「かといって小町と母ちゃんの機嫌を損ねたら…」

    八幡「………深くは考えないようにしよう」

    八幡「とりあえず買い物リスト見てみるか…」サッサッ

    八幡「……どれもこれもバラバラだな、近場で済ませれる物じゃねぇ」

    八幡「ららぽーとに行きゃあ一通り買えるか…」

    八幡「食材は…昨日だか特売のチラシがあったな」

    八幡「どこかなっと…」ペラペラ

    八幡「……ふむ、この店なら帰りに寄ればちょうど良いな」

    八幡「タイムセールは17時っと」

    八幡「チャリで運べる量にはならなそうだし、徒歩にするか…」

    八幡「はぁ…めんどくせぇ」

    八幡「……何か俺めちゃくちゃ専業主夫やってね?」

    八幡「とりあえず飯食おう…」
  34. 34 : : 2014/01/01(水) 03:08:26
    南船橋駅前


    八幡「時刻は13時半…とくに何事もなくららぽーと近くまで来た」

    八幡「何でこんな説明口調なのか?…まぁ、そこは気にしないで欲しい」

    八幡「とりあえず一階から回って行くか…リストリストっと」

    八幡「……カマクラのエサにペットシーツ…まずはペットショップだな」


    ペットショップ


    ガヤガヤ

    八幡「日曜とはいえ人多いな…さっさと買って抜け出そう」

    八幡「ペットシーツはいつもので良し。エサは…」

    八幡「カマクラのやつ、好き嫌い多いからな…誰に似たんだか」

    八幡「……これで良いか。さて、さっさとレジに」

    ??「んー…どっちが似合うかなぁ」

    八幡「………」

    ?? 「赤も良いけど…ピンクも可愛いしなぁ」

    八幡「……さて、さっさとレジに」

    ??「……あれ?ヒッキー!?何でこんな所に居るの!?」

    八幡「ちっ……お前こそ何で居るんだよ」

    結衣「何で舌打ちするし!むかつくんだけど!あたしはトリミングしに来たの!」

    八幡「……お前、ついにそこまで犬として成りきるつもりなのか」

    結衣「あたし犬じゃないし!サブレのトリミングだから!」
  35. 35 : : 2014/01/01(水) 03:09:02
    八幡「このバカ犬じゃなくて、あっちのバカ犬の方か」

    結衣「だから犬じゃないからぁ!しかもバカ言うなし!!……ヒッキーは何しに?」

    八幡「……カマクラのをな。買い物だ買い物」

    結衣「……ヒッキーが一人でららぽーとまで買い物に来るなんて」

    八幡「人を珍獣扱いすんの止めてくんない?小町と親から頼まれたんだよ…」

    結衣「あはは…大変だね」

    八幡「全くだ、せっかくの日曜なのに、家でゴロゴロさせて貰えないなんて虐待にも近い」

    結衣「えー?せっかくの日曜だからお出掛けするもんでしょ?」

    八幡「ぼっちは違うのだよ、リア充とは」

    結衣「でも、あたしも一人で来てるよ?」

    八幡「……あ?そうなの?」

    結衣「うん、一人で来る時はちょくちょくあるよ?」

    八幡「最近のリア充は何なの…?パワーアップしすぎだろ…」

    結衣「一人で買い物したい時とかもあるし」

    八幡「ふーん…」

    結衣「………ねぇ」

    八幡「じゃあ、俺はこれで…」

    結衣「ちょっと!まってよ!」

    八幡「あんだよ?さっさと買って他の買い物したいんだけど?」

    結衣「えと……い、一緒に買い物しようよ!」
  36. 36 : : 2014/01/01(水) 03:09:38
    八幡「……は?何で?」

    結衣「良いじゃん!二人で回った方が楽しいじゃん!」

    八幡「いや、別に買い物に楽しさなんて求めてないんだけど?つか、お前さ、犬同伴で回れないんだぞ?」

    結衣「それぐらい知ってるし!ペットショップに預けて貰う事できるし!」

    八幡「そうなん?……でも、お前トリミング中だろ?」

    結衣「後20分ぐらいで終わる予定だし、一緒に待ってようよ?」

    八幡「いや…それは嫌っつーか…急いでるというのか…」

    八幡(まぁ、時間は余裕あるんだけど)

    結衣「で、でも!…ほら!ヒッキーあまりららぽーと来ないでしょ?あたし詳しいから回りやすくなるよ!」

    八幡「……一理はあるが」

    結衣「ね?だったら良いでしょ!」

    八幡「あー……分かったよ。ただ、この人混みで待つのは嫌だからスタバでも行ってるわ」

    結衣「う、うん!絶対待っててよね!」

    八幡「はいはい…」
  37. 37 : : 2014/01/01(水) 03:10:16
    スタバ


    八幡「ふぅ…糖分が頭に回ってくる…」

    八幡「マッ缶の甘さも良いが、こうしてオリジナルの甘さを作るのも最高だな」

    八幡 「……遅いな、もう30分以上経つが」

    八幡「何やってんだあいつ…」

    八幡「………」

    八幡「……ああー、くっそ」ガタッ


    ペットショップ前


    ガヤガヤ

    八幡「相変わらずの人混みだな…」

    八幡「中で道草食ってるんか?」


    男A「いーじゃんかよ~」

    男B「高校生だろう?お金に困ってないかい?」


    八幡「………」


    結衣「あ、あの、あたし…」

    男A「遠慮しちゃって可愛いねぇ~」

    男B「恥ずかしがらなくていい…君みたいな子に良い話があるんだ」


    八幡「……あいつ、厄介事に巻き込まれてんじゃねーよ」


    結衣「ご、ごめんなさい、あたし急いでるんで…!」

    男B「まぁ、待ちなよ」ガシッ


    八幡「………!!」
  38. 38 : : 2014/01/01(水) 03:11:13
    結衣「は、離して…!」

    男B「ここは人が多い…とりあえず移動しようか」

    男A「悪い事にはならないからさぁ~」

    八幡「おい、由比ヶ浜」

    結衣「あ…ヒッキー!!」

    男A「何だ、男連れかよ~」

    八幡「……買い物、行くぞ」

    結衣「う、うん…」

    男B「ねぇ、君…俺達を無視しないでくれるかな?」

    八幡「……ほら、行くぞ」ガシッ

    結衣「ひ、ヒッキー…///」

    男B「……おい、聞いてるのか?」

    八幡「……何なんすか?あんたら」

    男A「俺達、今この子と話してんだけど~」

    男B「……大人をナメない方が良いぞ」

    八幡「……俺ら高校生なんすけど。あんたらいくつか知りませんけど、手出したらヤバいんじゃないすか?」

    男A「このクソガキ…」

    男B「……別に乱暴な事はするつもりはない。ただ、その子と話を」

    八幡「こいつは嫌がってるじゃないすか。それだけでもう話なんて成立しないんじゃ?」

    男A「てめぇ…!」


    通行人A「何だ?あれ、喧嘩?」

    通行人B「……そこの背高い男二人が女の子を無理矢理連れようとしてなかった?」

    通行人C「マジでマジで?やばくね?」


    八幡「……周りが騒がしくなってきましたね、じゃあ俺らはこれで」
  39. 39 : : 2014/01/01(水) 03:13:21
    男A「あ、おい!待ちやがれ!」

    男B「……待て、俺らの負けだ」

    男A「けどよ~」

    男B「これ以上はマズイ…俺らもここを離れるぞ」

    男A「ちっ…顔も身体も絶品な子見つけたのによ~」


    ららぽーと2階


    八幡「……ここまで来れば大丈夫か」

    結衣「ヒッキー…手……///」

    八幡「え?……わ、悪い!」バッ

    結衣「あっ…///」

    八幡「……///」

    結衣「……ありがと、助けてくれて…///」

    八幡「…あー、何だ、その……お前、ああいうのはさっさと逃げちまえば良いんだよ」

    結衣「ごめん…ごめんなさい…」

    八幡「……いや、謝って欲しいんじゃなくて……あれだ、次はああいうのに気をつけろよ」

    結衣「……次があったら、また助けてね?///」

    八幡「は?何言ってんだお前…あんな大事になる前に逃げろって言ってんだ、俺なんかに頼るな」

    結衣「……ヒッキーは凄い頼りになるよ」

    八幡「……あ?」

    結衣「いつもあたしを助けてくれる」

    八幡「……いや、俺は」

    結衣「カッコ良かったよ…///」

    八幡「……!ばっかお前…!ほ、ほら、時間無くなっちまう、さっさと買い物行くぞ…!」

    結衣「……うん!」
  40. 40 : : 2014/01/01(水) 03:30:51
    期待です!
  41. 41 : : 2014/01/05(日) 07:36:06
    『女難の相』


    八幡「見つかったか?」

    結衣「見つかんなーい……あっ!これじゃない?」

    八幡「それだな、サンキュー」

    結衣「後は何を買わなくちゃいけないの?」

    八幡「えーと……ん、これで終わりだな」

    八幡(何やかんやあったけどスムーズに終わったな…やっぱ、勝手知ってる奴が居るとこうも違うか)

    結衣「え、ホント?」

    八幡「ああ…まぁ、お前のお陰だよ」

    結衣「ふぇ?///」

    八幡「…何変な声出してんだよ」

    結衣「ひ、ヒッキーがいきなりおかしな事言うからでしょ!」

    八幡「俺別におかしな事言ってなくね?俺自体がおかしいって言うのは止めろよ」

    結衣「そこまで言ってないし!ヒッキーマジ卑屈!ネガティブ!」

    八幡「……お前、卑屈の意味知ってんの?」

    結衣「知ってるし!てか、何その顔!バカにしすぎでしょ!ヒッキーみたいな人の事を卑屈言うんでしょ!」

    八幡「いや…まぁ、間違ってねーけどさ、そういう事聞いてんじゃないんだよ…」
  42. 42 : : 2014/01/05(日) 07:36:41
    結衣「……ヒッキーはまた時間大丈夫?今15時半だけど」

    八幡「あ?……まぁ、大丈夫っちゃ、大丈夫だけど」

    結衣「そ、そっか…」

    八幡「………じゃあ、俺はそろそろ」

    結衣「ま、待って!……私も買い物したいの!服、買いたいの!一緒に行こ!」

    八幡「……いや、そんなあちこちぶらぶらする時間はないんだけど」

    八幡(女の子の服の買い物は長い、とにかく長い…あちこち回って引っ張り回される。ソースは小町)

    結衣「あちこち行かないから!一件しか行かないし!」

    八幡「俺が服の買い物に付き合ったって、何の役にも立たんぞ?その手はさっぱりだからな。荷物持ちができる程度だ」

    結衣「そ、それでも良いの!」

    結衣「……ヒッキーに見てほしいから」ボソッ

    八幡「んな事言われてもな……何か言ったか?」

    結衣「なな、何でもないし!……あたしが居なかったら、小町ちゃんの買い物できなかったでしょ?」

    八幡「……ああー、分かったよ!付き合えば良いんだろ、付き合えば」

    八幡(小町が買って来てほしい物の一つにニーソックスがあった…とても俺では買いにくい物なので由比ヶ浜が居なければ、まず買えなかった。あいつ、男の俺にそんなもん買わせようとしやがって…)

    結衣「つ、つつつ、付き合えば良いって…///」

    八幡「……あ?」

    結衣「ひ、ヒッキー…いきなり、そそ、そんな事言われても…あ、ああ、あたし…///」

    八幡「……何考えてんの?お前…ほら、行こうぜ」

    結衣「エヘヘ///………あ!待ってってばぁ!てか、そっちじゃないし!」
  43. 43 : : 2014/01/05(日) 07:37:30
    リサリサ店内


    八幡(うわー…何なのこの店…店員さんの格好派手すぎだろ、12月に生足!生足!)

    八幡「……俺、こんな店に居て良いの?」ヒソヒソ

    結衣「自然としてれば大丈夫だし!あたしの…ち、近くに居て!」ヒソヒソ

    八幡「はあ…」

    結衣「ん、これ可愛い!……あ!こっちも可愛い!」

    八幡「……セーターみたいのが欲しいの?」

    結衣「ん?うん!冬っぽいし可愛いし!こういうの人気なんだよ!」

    八幡(……少し派手なような気がするが)

    店員「こちらのは凄い人気なんですよ♪」

    結衣「あ、やっぱりそーなんですか?」

    店員「はい、お客様にはとてもお似合いだと思いますよ、スタイルがよろしいですし♪試着なさいますか?」

    結衣「はい!してみます……ヒッキー、ここで待っててね?」

    八幡「え?あ、ああ…」

    店員「では、こちらです♪」

    八幡(……この待ってる時間、嫌だなぁ…小町の時は妹に付き添う優しいお兄ちゃんオーラを出してれば良かったが…)

    八幡(……他の客にチラチラ見られるし…これが葉山とかなら、あんなイケメン彼氏連れてるなんて羨ましい!なんて思われるんだろうが)

    店員「お客様?」

    八幡「はへぇ!?………な、何ですか?」

    八幡(変な声出ちまった…)

    店員「高校生?彼女さんも」

    八幡「え、あ、ああ、はい、そうです……って別にあいつとはそんなんzy」

    店員「良いですねー♪可愛い彼女さんですね♪」

    八幡(……聞いちゃいねぇ)
  44. 44 : : 2014/01/05(日) 07:38:39
    結衣「あのー…」

    店員「あ、試着しましたか?」

    結衣「は、はい」

    シャッ

    八幡「………!」

    店員「あら、すっごい似合ってますよ♪サイズは問題ないですか?」

    結衣「ちょうど良いです…」チラッ

    八幡「………」

    結衣「ど、どうかな?ヒッキー…///」

    八幡「………」

    八幡(……俺とした事が、少し惚けてしまった…やっぱ派手過ぎだろ!下ギリギリじゃねーか!胸元、もはや凶器だろ…おい、下向くなよ!谷間見えるって!……エロ過ぎんだろ)

    結衣「……ヒッキー?」

    店員「ふふ、似合いすぎて言葉が出ないんじゃないですか?」

    八幡(何なの?この店員さん……核心突くなよ)

    八幡「……ああー、何だ、その…露出しすぎじゃないか?むn…下とか」

    結衣「…え?セーターで隠れてるけど、下はショーパンだよ?」ピラッ

    八幡「……!!あ、あー、そうか、そうか…」

    結衣「うん……ほ、他には?」

    八幡「へ?……いや、何つーか…」

    結衣「………」ジッ

    八幡「……ま、まぁ、似合ってんじゃねーの。店員さんも言ってたろ…」

    結衣「……似合ってるって…エヘヘ///」

    八幡「その顔は止めろっつーの……」ボソッ

    店員「……あらあら、微笑ましいこと♪」
  45. 45 : : 2014/01/05(日) 07:39:45
    八幡「……もう買い物はいいか?」

    結衣「う、うん!大丈夫!…今日はありがとね」

    八幡「別に礼を言われるようなことは…こっちが感謝したいぐらいだ」

    結衣「お互い様、だね!」

    八幡「ああ、そうだな……さて、俺はそろそろタイムセールという名の戦場に行かなければならん」

    結衣「あはは、大変だね…」

    八幡「……まぁ、あれだ、気を付けて帰れよ」

    結衣「……うん!ヒッキーも気を付けてね!」

    八幡「おう」

    結衣「……また明日、じゃあね!」フリフリ

    八幡「……ああ、またな」

    八幡(はぁ…何か疲れたな、色々と)

    八幡(スーパー行くのだりぃ…)

    八幡(……まぁ、悪い気はしないけど)
  46. 46 : : 2014/01/05(日) 07:40:34
    スーパー店内


    八幡「16時55分…ちょうど良い時間に来れたな」

    八幡「計画通りに進むのは気持ちか良いもんだ」

    店員「もうすぐ牛肉、鶏肉、豚肉のタイムセールが、始まりますよー!!」

    八幡「肉の安売りか…混むだろうなぁ」

    八幡「今のうちに陣取っとくか…カゴは……あったあった」

    ピトッ

    八幡(やべ、誰かの手に触れちまった…)

    八幡「すみません」

    ??「こちらこそごめんなさい」

    八幡「………って、お前」

    ??「……そういう手口で女性の手に触れようなんて、呆れるぐらいのクズっぷりね」

    八幡「わざとじゃねーよ、雪ノ下……何でこんな所に居るんだ」

    雪乃「それはこっちの台詞なのだけれど」

    八幡「タイムセールを狙って買い物に来ただけだ…お前も同じか?」

    雪乃「タイムセール…通りでいつもより人が多い訳ね。私は家の近くだからここに来ただけよ、このスーパーは品揃えが良いから」

    八幡「そういやお前の家は割と近くだったな…」

    雪乃「私をストーカーするのは止めて貰えるかしら?」

    八幡「いや、何でそうなるの?俺、タイムセール狙っただけって言ったよね? 無闇にストーカー扱いするの止めてくれない?」

    雪乃「貴方はストーカー以前にゴキブリ並に存在価値が無かったわね…気付かなくてごめんなさい」

    八幡「ストーカーかゴキブリの二択とか究極過ぎんだろ…もっと選択肢増やせよ」

    雪乃「裁判は有罪か無罪の白黒二択よ、そんな事も知らないのかしら?」

    八幡「何で裁判沙汰になるんだよ、お前は裁判官かよ、閻魔様なの?映姫様なの?というか両方共、限りになく黒に近いじゃねーかよ…」

    八幡(由比ヶ浜に続いて雪ノ下にも遭遇するとか今日は何なんだよ…あれか?女難の相でもあるのか?)

    八幡(せっかくの日曜なのに全くもってリフレッシュできねーよ…)
  47. 47 : : 2014/01/05(日) 07:45:22
    >>40
    ありがとうございます!


    次の短編で、この第一短編集は終了となります
  48. 48 : : 2014/01/05(日) 14:37:12
    ((o(^∇^)o))WAKWAK!
  49. 49 : : 2014/03/13(木) 00:50:35
    途中で投げてんじゃねぇよ
  50. 50 : : 2014/03/16(日) 13:35:26
    続き書くつもりないなら消せ
  51. 51 : : 2014/04/08(火) 13:01:37
    この投稿は削除されました。
  52. 52 : : 2015/03/27(金) 19:06:10
    完結して下さい!
  53. 53 : : 2015/07/14(火) 10:22:55
    お前の人生と同じで中途半端だな
    2度と書くな

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yasuda

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こうして奉仕部の日常は過ぎていく シリーズ

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