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あの日の“snow haration”

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  1. 1 : : 2018/01/25(木) 21:30:40
    今年もまた、東京に冬がやってきた。


    しんしんと風に舞う粉雪に見惚れながら、今日もいつものようにみんなで家へ帰る。


    ここは東京、秋葉原。


    ここはオタクの聖地なんて呼ばれてたりもするけど…


    住めば都、案外いい場所です。


    あっ、ここ…


    その刹那顔を上げると、いつの日かライブをしたステージが、今も現役で輝いていた。


    雪の中に淡く光るオレンジ色の照明は、あの日のパフォーマンスを思い出すには十分だった。


    同級生が口々に揃えて、懐かしいねぇ、という言葉を口にする中、私一人は、無言でその照明を見ていた。


    あの日の“snow haration”は、こんなにも輝いていたんだ。


    初めて外からそのステージを見た私は、光に見惚れ、鳥肌が立ち、眼球の奥にその景色を焼き付けた。
  2. 2 : : 2018/01/25(木) 21:33:19
    「ふぇぇぇ…今日も疲れたよぉぉぉ…」


    結局その後寄り道をしてしまって、門をくぐったのは、午後11時をまわる頃だった。


    いろいろとはしゃぎすぎた私たちは、あの後カラオケに行き、μ'sだった頃のように、歌を歌い、踊っていた。


    ふふっ、思い出すだけで笑えてくるなぁ!


    そんな明るい気分で玄関の戸をを開き居間に入ると、真っ先に目に飛んできたのは白い封筒が目に入った。


    ふと携帯を見てみると、何通かの不在着信があった。


    また、差出人と着信者名も、同じ会社名、封筒の中に入っていた名刺の電話番号も、まったくの一致だった。


    なぜ電話番号が分かるのかなと疑問に思いはしたが、それより、これは只事じゃない、という気持ちが強かったのか、気になりはしなかった。


    いざ、ゴクリと生唾をのみ、封筒の手紙を読んでみた。


    すると、そこに書いてあったのは…
  3. 3 : : 2018/01/25(木) 21:33:54
    ―――――――――――
    ――――――
    ―――
  4. 4 : : 2018/01/25(木) 21:39:41
    穂乃果「えーと…ここであってるよねぇ…」


    私は今、秋葉原UDXの前にいます。


    昨日の紙にはここって書いてあったんだけどなぁ…


    もう一度その紙を見てみる。


    ―君の心ははっちゃけてるかい?―

    こんにちは!はっちゃけてるかい!?

    高坂穂乃果さん、明日、秋葉原UDXに午前10時集合ね!

    遅刻厳禁だからねー!

    あっ、お金はもちろん私たち運営が負担します!

    ギャラは!

    んじゃ!また明日!

    ―――――――――――――----‐‐‐

    穂乃果「んー、唐突だなぁ…」


    とりあえず来てみたのはいいものの、なんだかモデルさんのロケが行われているだけ…


    にしてもかわった局だなぁ…


    金髪のおねえさんと、ツインテールの…中学生かな?あとおっさげのお胸が豊満なお姉さんと…


    ってあれ?


    あれってもしかして…


    穂乃果「ぅ絵里ちゃん!?それににこちゃんに希ちゃん!?」


    私の声に気づいたのかこちらを向くと、昨日一緒に帰った顔が見えた。


    やっぱり絵里ちゃんたちだ!


    「あっ!穂乃果ちゃんたちもいるにゃー!」


    後ろを振り向くと、一年生組…って言っても今は大学1年生だけどね。


    また、スマホがバイブレーション起こしたと思ったら、海未ちゃんとことりちゃんが、今行くという趣旨のメールを送ってくれた。


    なんだ…みんな集まるんだ!


    そして、今日のハチャメチャな一日の始まりのコングは、唐突に鳴らされた。
  5. 5 : : 2018/01/25(木) 21:41:05
    司会「やぁみんなこんにちわぁあ!!はっちゃけてるかぁい!?」


    司会「今日はー、高校時代に一世を風靡した!μ'sのみんなに来てもらってるよぉん!」


    うえぇぇえ!?


    始まるのいきなりすぎじゃない!?


    みんな準備も出来ないままロケにはいちゃって、戸惑ってるみたい…


    でもにこちゃんは…


    まあ現役スクールアイドルだもんね!堂々としてる!


    実はにこちゃんは大学でもスクールアイドル…


    どっちかって言うと ゆにーばーしてぃアイドル…なのかな?


    私英語苦手だから分からないけど…


    司会「それでは、穂乃果ちゃん!久しぶりにあれやってもらっていいかな!?」


    穂乃果「あれ?あれってなんですか…?」


    ボソッと言ったところで、誰かが肩をたたいた。


    今到着したらしいことりちゃん、後ろには海未ちゃんもいる!


    すると、ことりちゃんは耳元でボソッと…


    ことり「穂乃果ちゃん、たぶん円陣のことじゃないかな」


    ああ!なるほど!


    確かにロケの前には円陣してたもんね!


    みんな何かを察して丸の形になってくれてたみたい。


    それじゃあ、三年ぶりに、いっちょやりますか!


    穂乃果「μ's!」


    「ミュージックー!スタートー!」


    ここから、私たちの唐突なロケが始まったのです。
  6. 6 : : 2018/01/25(木) 21:44:52
    ロケの内容はいたって簡単で、秋葉原で話題のクリスマスデートスポットを巡っていこう!というものだった。


    秋葉原UTXから始まり、大人気アイドル…なんだっけあのグループ…


    AなんちゃらB38…だったかな?


    そのアイドルグループのカフェや神田万世橋、あとゲームセンターにも言ったな!


    結構歩く距離だったけど…でも楽しかったな!


    しかしもう時刻は5時、周りはどんどん闇に飲み込まれていた。


    司会のお姉さんが、くるりと振り向き、にやっと笑みを浮かべる。


    司会「最後はここだよん!」


    はっちゃけた笑顔で、してやったり、とほくそ笑むその顔は、実に無邪気で、楽しげだった。


    それもそのはず、私たちが最後に来たところは、私たちが『snow haration』を歌ったステージだった。


    昨日も着たはずのその場所は、なんでか懐かしい雰囲気と、オレンジ色の照明のおかげで、あたたかな光に溢れている。


    闇の中に神々しく光を放つその場所は、地区予選突破をしたりと、私たちにとって、とっても思い入れのある場所であった。


    司会のお姉さんは、再び笑みを浮かべる。


    司会「君たちには、最後、名曲『smow haration』を歌ってもらうよん!」


    その言葉に、一同唖然とする。


    急の出来事で、しかもスクールアイドルなんてとっくに辞めた人たちが過半数を占めるこのメンツで…


    今の状態では、スノハレなんか歌えるものではなかった。


    しかし、絵里ちゃんが口を開いた。


    絵里「…ハラショー!」


    意外とノリノリだった絵里ちゃんに加えて、やる気丸出しな現役アイドルにこちゃんや、面白そうやん!と希ちゃんも続く。


    にこ「こんなチャンス、めったにないわよ!」


    希「それに…面白そうやしなぁ♪」


    三年生たちにそう推されると…ううーん…拒否することもできないなぁ…


    海未ちゃんは…顔を赤らめながら下を向いてなんちゃらシュート…とかブツブツ言ってるけど…


    でもことりちゃんはなんだかんだ言って楽しそうに笑みを浮かべてる。


    凛ちゃんは、もう踊る気満々だしっ!


    ふふっ!


    たまには歌うのもいいよね!


    よぉし!今日だけμ's復活だぁ!


    私が片手を掲げると、みんなそれに合わせて手を掲げてくれる。


    ふふっ!そうでなくっちゃ!


    みんな、渡されたマイクを片手に、ステージへ上りだした。


    今まで降り続いていた雪も、このときばかりは、止んでいたようだった。
  7. 7 : : 2018/01/25(木) 21:45:59
    みんなが所定の位置に付く。


    すると、なにやらTV局の人が合図を送ってくれている。


    指で6、5…あっ、曲までのカウントダウンか!


    そのまま、4、3、2、1…


    聞き覚えのあるイントロが流れてくる。


    ゆったりとした、けれどもテンポのいいリズムだ。


    そろそろAメロ1が始まる。


    確かここは私と、海未ちゃんと、希ちゃんのパートだったかな。


    とか思ってるともう始まりそうになっている。


    不思議だね―-‐今の気持ち―-‐(noteは歌詞禁止なんでこれくらいで許してください、たまに重要なフレーズ程度は出ると思います)


    空から降ってきたような、優しいメロディーにあわせ、歌声をのせる。


    続いてはAメロ2。


    ここは、絵里ちゃん、花陽ちゃん、にこちゃんのパートだ。


    特別な、季節の色が―-‐


    ときめくような女々しい、それでいて元気のある歌声に、私は聴き惚れてしまう。


    Bメロに突入。


    ことりちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃん、絵里ちゃん、花陽ちゃん、にこちゃんのパートになっている。


    心に響くメロディーが、何かの予感を感じさせえてくれる。


    なぜだかそれがとめられない、とまらない…


    なぜ―-‐?
  8. 8 : : 2018/01/25(木) 21:46:50
    気が付くと私たちはオレンジ色の光に包まれていた。


    上から照らされているライトは色鮮やかだけど、前方に見えるライトは、色褪せている。


    よく見てみるとそれは、放送局が用意したらしいファイナルライブのときのブレードだった。


    3年の月日を得て、色が薄くはなっているものの、私たちにはとても輝いて見えた。


    3年ぶりに見えた景色、3年ぶりに立てたステージ、3年ぶりにかいた踊りの汗。


    何もかもが懐かしく、高校時代に戻ったようだった。


    でも、戻ったような経験はできても、戻ることは出来ない。


    それを考えてみると、ちょっと寂しい気分になる。


    しかし、それは当たり前のことだ。


    人間は年をとる。


    それに伴い、体力も低下していく。


    まだ若いからいいものの、3年のブランクは相当であった。


    なのでもちろんあの日のスノハレには敵わない。敵いっこないのだ。


    だけど、私たちの心の中には、確かな達成感がある。


    それは、あのときに出来なかったことを今回成し遂げることが出来たからだろう。


    私たちはずっと、あの時勝ちに急いで、本気で楽しめなかったことを気がかりとしていた。


    しかし、それを今回、地区大会突破というプレッシャーのない状況で歌えたというのは、とても楽しかった。


    振り付けは間違えるし、音も外れたりしたけど…


    私たちらしく楽しめたし、今回はこれでいいかなぁ?て思ったりしちゃった。


    でも、楽しめはしたけど、これで納得じゃない。


    今9人に聞いてみたら、たぶんみんな同じ答えを出すだろう。


    今からでも遅くない。


    アイドルをやろうよ。


    みんなに聞いてみると、もちろんみんな首を縦に振った。


    やっぱりみんな同じ気持ちだったんだ!


    私がさっき予感していたのは、たぶんこのことだったんだろう。


    予感に騒ぐ、心のメロディー。


    私は、その予感を確かなものにした。


    そして、再びこの場所でスノハレを歌おう、とみんなで誓った。


    雪明りがほんのり明るい、12月の夜である。
  9. 9 : : 2018/01/25(木) 21:46:59
    ~fin~

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mikasabu

春海

@mikasabu

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