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雪ノ下「比企谷君、あの……」 八幡「ん?なに

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  1. 1 : : 2013/12/23(月) 03:12:27
    20作目。【比企谷兄妹の愛情録】シリーズでは4作目です。
    前作の八幡と2人きりのファミレスで、雪ノ下が何を思っていたのかをお届けします。
    拙い文ですが、頑張ります。
  2. 2 : : 2013/12/23(月) 03:13:25
    雪ノ下「……」

    雪ノ下(今日は由比ヶ浜さんは三浦さん達と出掛けるから。と部活には来ていない。となると比企谷君を誘うタイミングは今しかないじゃない)

    八幡「…」

    雪ノ下(とりあけず声を掛けてはみたものの、どう切り出せばいいのかしら……いきなり、比企谷君のお家にお邪魔したいのだけれど。なんて言ったら驚かせてしまわないかしら……うーん)

    八幡「おい、人の事呼んどいて無視とか……それなんの遊びだよ」

    雪ノ下「無視なんてしていないじゃない。言い掛かりも甚だしいわね。いくら目が腐っているとはいえ、そこまでとは思わなかったわ」

    雪ノ下(いけない、つい考え事に熱中してしまって比企谷君の返事に遅れてしまったわ。ここはとりあけず話を繋げておかなければいけないわね)

    八幡「いや…してただろ」

    雪ノ下(……そうよ、いきなりここで本題に移る必要もないもの。たとえば、部活が終わった後に2人で食事をして…ふふ。その時に言えばいいわよね。よし)

    八幡「おい。だからなんの遊びだっつの」

    雪ノ下「サイゼリヤ」ぼそ

    雪ノ下(私から誘うというのは、凄くハードルが高いのだけれど…由比ヶ浜さんがいない今だからこそ行わなければいけないわ。この際、恥も外聞も捨ててしまわないと…)

    八幡「…はい??」

    雪ノ下「サイゼリヤに連れていって欲しいのだけれど…」じいー

    雪ノ下(言ってしまったわ…///でも比企谷君は押しに弱いはず。これだけ素直にお願いしているのだもの、きっと聞いてくれる筈)

    八幡「……」

    雪ノ下「……///」ちら

    八幡「サイゼに連れてけ…?」

    雪ノ下「復唱しないで貰えるかしら」

    雪ノ下(なぜわざわざ問い直してくるのかしら…私から誘ったのがそんなに珍しいのかしら……珍しいわね。)

    雪ノ下「あなたはいちいち私が言った事を繰り返し聞き直さなければ気が済まないのかしら?だとしたら速やかに止めて貰えると助かるわ。迷惑だもの」

    雪ノ下(照れ隠しに罵倒してしまうのは私の本当に良くない癖だってわかっているのだけれど…治らないもの。仕方ないわよね)

    八幡「…お前、それが人にものを頼む態度かよ」はぁ

    雪ノ下「こ、これは頼んでいるのではないわ」

    雪ノ下(そうよ。普通にお誘いしているのに、何故この男は頼みなんて言うのかしら…)

    八幡「ほう。面白い事を言い出すな…じゃあなんだってんだ?」

    雪ノ下「……おさそい」ぼそ

    八幡「あん?」

    雪ノ下「た、頼み等と言う他人行儀な言い方ではなく。……これは、お誘いよ」

    八幡「…」

    雪ノ下「…///」ちら

    雪ノ下(か、固まっているわね。ごまかした方がいいのかしら…)

    雪ノ下「まあ、けれど比企谷君は実質的に他人のようなものなのだから頼みと捉えられても反論の余地はないわね。ええ、他人なのだから」

    八幡「他人を強調すんな……てか、結局頼みになってんじゃねえかよ」

    雪ノ下「あ…そ、そうね。嫌なら断ってくれて、構わないわ」ちらっ

    雪ノ下(ああもう…私のバカ……)

    八幡「…はぁ。じゃあさっさと鍵閉めていこーぜ」

    雪ノ下「え…」ぼーぜん

    八幡「おい、なに惚けてんだよ。」

    雪ノ下「い、いえ。あなたが余りにもあっさり了承するものだから……いいの?」ちら

    雪ノ下(てっきり、断られるかと思ったのだけれど…)

    八幡「嫌だったらもっと理由つけて断ってる。つーかお前がサイゼとか言い出すから俺の今日の胃はサイゼの方向で動きだしてんだよ」

    雪ノ下「胃が蠢いている…もはや人間ではないわね。じゃあ、行きましょうか」くすっ

    雪ノ下(相変わらず、理由が捻くれているのね。でも…嬉しい///)

    八幡「拡大解釈して人を化け物扱いすんな。駅前のとこのでいいのか?」すたすた

    雪ノ下「あなたが誤解を招くような物言いをするのが悪いのよ。ええ、場所はお任せするわ」スタスタ

    八幡「あんなもん言葉の綾だろーが。ああ、そうな。方向音痴のお前に聞いたのが間違いだったわ、悪りい」ふっ

    雪ノ下(比企谷君の打てばかえってくる言葉の響きが、心地いいわ)
  3. 3 : : 2013/12/23(月) 03:14:15


    ーガラガラ


    雪ノ下「言葉の綾というほどあなたの言葉に技巧が尽くされているとも思えないのだけれど……そうね、その点に関しては認めざるを得ないわ」かちゃかちゃ


    ーガチャ


    八幡「こんな会話にいちいち技巧を凝らしてられっか。つか、いやに素直だな?変なもん食ったか?」スタスタ

    雪ノ下「そう?でもまあ、そうね。…あなたを相手に虚勢を張る意味も無いもの。」

    雪ノ下(本当に、彼には虚勢を張る意味はないのよね…ありのままで)

    八幡「…そうか」

    雪ノ下「では私は鍵を返して来るので比企谷君は自転車を取って来てくれるかしら?その後はそうね…正門の辺りで擬態していて貰えれば大丈夫よ。見過ごすから」

    八幡「見過ごすのかよ……まあ、じゃあそうする。また後でな」

    雪ノ下(待たせる訳にはいかないし、急がなくてはいけないわね!)


    ーーーーーーー

    ーーーーー

    ーーー





    ーガラガラ


    雪ノ下「失礼します。部室の鍵を返却しに来ました」うずうず

    平塚「ん?雪ノ下か、今日はもう終わりか。早いな」

    雪ノ下「ええ、由比ヶ浜さんも今日は欠席ですし」うずうず

    雪ノ下(よりによって平塚先生に掴まってしまうとは…誤算ね。けれどまあ、こんな良い日くらいは先生の相手をするのも苦ではないわね)

    平塚「そうか。ふむ…なんだか随分と上機嫌に見えるんだが、何かあったのかね?」

    雪ノ下「いえ、特には……」

    平塚「比企谷か」ニヤニヤ

    雪ノ下「なっ!?」カアァ

    平塚「ふっ……君も年相応な所があるじゃないか。まて、教師を睨むんじゃない……」

    雪ノ下「せ、先生が訳の分からない憶測で話をするからです///」

    平塚「ん?当たったと思ったんだがな…なんだ、葉山か?」

    雪ノ下「違います。……ええ、比企谷君です。憶測ではなく事実でしたね、申し訳ありませんでした」

    平塚「謝りながら睨むとは……まあいい、楽しんできたまえ」ふふ

    雪ノ下「……はい、では彼を待たせているので失礼します」


    ーガラガラ


    平塚「………彼、か」


    平塚「……………結婚したい……ぐすっ」
  4. 4 : : 2013/12/23(月) 03:15:51
    ーーーーーーー

    ーーーーー

    ーーー





    雪ノ下「平塚先生との無駄話に付き合うんじゃなかったわ……急がなくてはいけないわね」スタスタ

    雪ノ下「あ、比企谷君もう校門で待っているわ……はやく履き替えて…っ」ピタッ

    雪ノ下(職員室から急いで来てしまったから髪とか…乱れてないかしら。ああ…でもお手洗いに寄ってたらもっと待たせる事になってしまうし……)

    雪ノ下「…そうよ、身嗜みよ。身嗜みは大事だもの」スタスタ

    雪ノ下「……よし、髪も乱れていないしマフラーも綺麗に整えたわ。あと、グロスも薄く引いたし……よしっ」ぐっ

    雪ノ下(こんなに可愛いのに、なぜ比企谷君は手を出してこないのかしら……って、出して欲しい訳ではないのよ///ええ)

    ーーーーー

    ーーー




    雪ノ下「」スタスタ

    雪ノ下(なんだか、下校を一緒にするのってカップルみたいよね…ど、どうしましょう、急に恥ずかしくなってきたわ)

    八幡「お、来た…」

    雪ノ下「…」スタスタ

    八幡「…おう」

    雪ノ下「……」スタスタ

    八幡「っておい、マジで見過ごすのかよ!」

    雪ノ下(恥ずかしくて目を合わせられなかっただけなのに……こんな事なら擬態していてなんて言うんじゃなかったわ…もう)

    雪ノ下「あら?いたの」きょとん

    八幡「ここで待ってろっつったのはお前だろーが」

    雪ノ下「言い間違えているわよ。私はここで擬態をしていろ。と言ったのだけれど?まあでも、擬態はしっかりしていた様ね」

    雪ノ下(こうなってしまっては……ふざけるしかないわよね)

    八幡「いや、どう見てもしてねえだろ…何にしてたってんだよ」

    雪ノ下「空気?」にこっ

    八幡「固体ですらないとか、擬態できるわけねえだろ」

    雪ノ下「そうかしら?私が目を凝らしても見つけられなかったのだから、完璧なまでに擬態出来ていたと認めざるを得ないわね…」ぐぬぬ

    八幡「なんで悔しがってんだ……つーかもう行こうぜ。寒いしよ」

    雪ノ下「ええ…そ、そうね」がさごそ

    雪ノ下(……やるわ!)

    八幡「ん?なにやってんの?」

    雪ノ下「…」のせのせ

    八幡「」

    雪ノ下「…さ、さて。行きましょう」ちょこん

    八幡「…おい」

    雪ノ下「何かしら?」

    雪ノ下(い、いきなり男性の自転車に跨がるのは、はしたなかったかしら……///)

    八幡「いや、にけつ……」

    雪ノ下「にけつ?」

    八幡「にけつ知らんのか…2人乗りの事だよ。で、後ろに座ったって事はそういうことで良いんだな?」

    雪ノ下「にけつと言うのね…ええ、いけないかしら?そもそもあなたが早く行きたいと言うから私も苦渋の決断を持ってこの行動に出た訳なのだけれど…」

    雪ノ下(そういうことで良いんだな?という事は、断らないのね///ふふ)

    八幡「苦渋の決断の割りには膝掛けまで敷いてんじゃねえかよ…」

    雪ノ下「」キッ

    雪ノ下(恥ずかしいからそれを言わないで頂戴///)

    八幡「いや……じゃあ行くか。適当にどっか捕まっとけよ」きこきこ
  5. 5 : : 2013/12/23(月) 03:16:26
    雪ノ下「承知したわ………比企谷君」

    八幡「あ?なに」きこきこ

    雪ノ下「あ、あなたと2人乗りをするのは私としては本当に不本意これ極まれりと言った所なのだけれど…」

    八幡「同じような事さっきも言っただろ…そんなに嫌ならすんな」きこきこ

    雪ノ下「最後まで聞きなさい。けれど…今日は目を瞑るから。だから、ゆっくり漕いでくれないかしら。」

    雪ノ下(こんなに幸せな時間がすぐ終わるのなんて、嫌だもの……)

    八幡「ふう。あいよ……つか、にけつすんのが怖いんなら素直にそう言えよ。あと、どっか捕まっとけ」きこきこ

    雪ノ下「……」

    雪ノ下(この男の捻じ曲がった考えは知っているつもりだったのだけれど……今の会話でどうしたら私が荷台に乗るのが怖い。となるのかしらね……)

    八幡「…?おい、聞いてんのか。ちゃんと捕まってないと危ねえぞ」きこきこ

    雪ノ下「…わかったわ」グッ

    雪ノ下(少しくらい……おしおきをしなくてはいけないわね)

    八幡「…!げほっ!ゴホッッ!!」ピタッ

    雪ノ下「急に止まらないで貰えるかしら?危なく体をあなたに預けてしまうところだったじゃない」キッ

    八幡「お前が首を絞めるからだろうが!……って、雪ノ下?」

    雪ノ下「なにかしら、チャリ谷君」

    八幡「俺は別に自転車になったわけじゃねえよ…首じゃなくてだな、腰とか肩に捕まってくんねえか?」

    雪ノ下「あれこれと注文が多いのね…でもまあ、分かったわ」

    雪ノ下(まあ、彼に素直さを求めるのも間違っているものね……でも、抱きついて、良いのね///)

    八幡「ん、じゃあ行くぞ」グッ

    雪ノ下「……」だきっ

    八幡「!?」

    雪ノ下「…もぞもぞ動かないで貰えないかしら。不快だわ」ぎゅう

    八幡「いや、だってよお前……掴まれとは言ったが」

    雪ノ下「し、仕方ないじゃない。こうしていないと不安…不安定なのだから」

    雪ノ下(あなたに嫌がられはしないかと、とても不安になるのよ……分からないでしょうね)

    八幡「…わーったよ」きこきこ

    雪ノ下「……暖かい」

    八幡「ん?なんか言ったか?」

    雪ノ下「いいえ、何も」

    雪ノ下(ずっと、続けばいいと思うのは……我儘よね)
  6. 6 : : 2013/12/23(月) 03:17:04
    ーーーーーーー

    ーーーーー

    ーーー




    八幡「着いた…」

    雪ノ下「ご苦労様。自転車君」ニコ

    雪ノ下(ゆっくり漕いでとお願いしたのに、あっという間に着いてしまったわ)

    八幡「もう完璧に自転車って呼んでんじゃねえか…」

    雪ノ下「あら?だってあなたは自ら嫌われ者に転じたじゃない。ピッタリの名前だと思うのだけれど」

    八幡「…ぐう」

    雪ノ下「それに、私はそれなりに自転車は好きなのよ」

    八幡「ふーん。そりゃ初耳だな、じゃあ入ろうぜ」

    雪ノ下「…」じと

    雪ノ下(つまり貴方が好きだと言った様なものなのに……///)



    ーーーーー

    ーーー



    店員「いらっしゃいませー!2名様で宜しいですか?」

    雪ノ下「…」サッ

    雪ノ下(ふぁ、ファミリーレストランというものはいつ来ても緊張してしまうわ……)

    八幡「?あ、はい」

    店員「では、こちらのお席にどうぞー。メニューお決まりになりましたら、ボタンの方でお知らせください」ぺこり

    八幡「はーい……ほら、雪ノ下」メニュー

    雪ノ下「どうも。あなたは見ないの?」

    雪ノ下(私に先にメニュー……///紳士なのね)

    八幡「まあな。俺クラスにもなるとサイゼのメニューは頭にインプットされてんだよ。その日の体調や精神状態に合わせて最適なめ

    雪ノ下「ひ、比企谷君のオススメはなにかしら?」

    雪ノ下(予想外の理由だったわ……)

    八幡「……オススメねえ。俺なんかは今日はガッツリハンバーグ行っちまうが、お前あんまり食えねえしな」

    雪ノ下「ええ」

    雪ノ下(貴方と居るから胸がいっぱいなのよ………なーんて。ふふ)

    八幡「となると、そうだな。タラスパあたりかフォッカチオなんかも良いんじゃねえの?」

    雪ノ下「たら、すぱ。フォカッチャではなくて?」

    八幡「タラコスパゲティの事だ。あーまあ、名称は多々あるがどっちでも通じるな。サイゼの店員は皆精鋭だから」

    雪ノ下「そこで何故あなたが誇らしげになるのかが分からないけれど…そうね、ならパスタにするわ」

    雪ノ下(たらこソースシシリー風……美味しそうね)

    八幡「はいよ。んで?ドリバ……ドリンクバーはどうする、頼むか?」

    雪ノ下「ええ、お願いするわ」

    八幡「ん」


    ーぴんぽーん


    店員「ーードリンクバーはあちらにございますので、ご自由にどうぞ」ぺこり

    八幡「はい。んじゃ飲み物取りに行ってくるが、何がいい?水?」

    雪ノ下「それではドリンクバーを頼んだ意味が無いじゃない。そうね……アイスティーをお願いするわ。ミルク1つで」

    雪ノ下(良かった、比企谷君が取りに行ってくれるのね……あの機械はいまいちまだ良く理解していなくて、その……怖いのよ)

    八幡「了解」スタスタ

    雪ノ下「……ありがとう///」ちらっ

    雪ノ下「行くの、早すぎるわ……」じと
  7. 7 : : 2013/12/23(月) 03:17:52
    ーーーーー

    ーーー



    八幡「はいよ」コトッ

    雪ノ下「どうも……変な物を混ぜていないでしょうね?」

    雪ノ下(私のお礼も聞かずに行ったのだから、これ位言ってもいいわよね)

    八幡「んなガキみてえな事しねーよ。つーかお前他の奴にもそんな事言ってんのか?」

    雪ノ下「くだらない事を聞かないでくれるかしら。他の人とこんな会話、するわけないでしょう」くすっ

    雪ノ下(比企谷君としか、こんなに楽しくお話なんて出来ないもの)

    八幡「そうかよ」げっそり

    雪ノ下「それより比企谷君、小町さんに連絡しなくていいのかしら?もう既にしているのならば良いのだけれど」

    雪ノ下(小町さんがもし料理をしてしまっていたとしたら、ちゃんと謝らなくてはいけないわね……)

    八幡「ヤベェ、忘れてた!すまんちょっとケータイいじるわ」ぽちぽち

    雪ノ下「構わないわ、ちゃんと小町さんに謝るのよ?」

    八幡「わーってるよ。お前は俺の母ちゃんか」ぽちぽち

    雪ノ下「違うわ。ふざけないで」キッ

    雪ノ下(母親、なんてポジションについてしまったら……彼女になれないじゃない。バカ)

    八幡「わかってるよ……冗談に決まってんだろ」ぽち

    八幡「よっと…」ぽち

    雪ノ下(比企谷君と小町さんは本当に仲の良い兄妹よね。一般の兄妹というものはどこもそういうものなのかしら?)

    雪ノ下(それとも……小町さんと比企谷君がお互いに向ける愛情は……また別の……)

    八幡「ん、終わった」

    雪ノ下「随分早いのね…」

    雪ノ下(今、こんな事を考えても意味はないわね……)

    八幡「ああ、まあな。飯要らんって言っただけだし」

    雪ノ下「そう、小町さんもう晩御飯作っているかもしれないわね。」

    八幡「あー、まあそしたら帰ってからも食うけどな」

    雪ノ下「…相変わらず、妹思いなのね」くすっ

    雪ノ下(本当に……)

    八幡「バーカ、こんなもん常識だっつの」

    雪ノ下「それもそうね……あの、比企谷君」

    雪ノ下(よ、よし。そろそろ本題に入るわ)

    八幡「んあ?な


    ーピロリン


    雪ノ下「……小町さんからではないかしら。見なくてもいいの?」

    八幡「ん、悪いな」すちゃ
  8. 8 : : 2013/12/23(月) 03:18:41
    雪ノ下(小町さんとメールをしている時の比企谷君て、こんなにも優しい表情をするのね……妬いてしまうわ)

    八幡「ゆっくりしてこいとさ」

    雪ノ下「そう。ご飯、作っていなかった?」

    八幡「ああ、まだだってよ。心配どーもな」

    雪ノ下「あ、あなたを心配したのではなく私は小町さんの苦労を推し量って聞いたまでであって

    八幡「わかった!わかったよ。つーかお前さっき何か言おうとしてなかったか?」

    雪ノ下「…はあ。そういえばそうね。ひき

    店員「お待たせ致しましたーーーーーーー

    雪ノ下(店員さんは仕事をしているだけなのだけれど……間というものをもう少し配慮して欲しいわね)

    ーカチャカチャ

    店員「ごゆっくりどうぞ」スタスタ


    八幡「おっし、食うか!で、何?」

    雪ノ下「ええ、でも食べ終えてからで構わないわ。だからまずはそのだらしなく開いた口から垂れている涎を拭きなさい、汚らわしい」

    八幡「垂れてはねえだろうがよ……んじゃ、いただきます」

    雪ノ下(いけない、つい話を切り出せない苛立ちを比企谷君にぶつけてしまった……ごめんなさい)


    ーーーーー

    ーーー




    八幡「ごちそうさん」

    雪ノ下「…早いのね」もぐもぐ

    雪ノ下(1口食べるか?くらい、言ってくれてもいいじゃない。……比企谷君のバカ)

    八幡「ああ、腹減ってたからな。まあゆっくり食えよ」

    雪ノ下「…言われなくともそうさせてもらうわ」もぐもぐ
  9. 9 : : 2013/12/23(月) 03:19:38
    ーーー



    雪ノ下「ご馳走様」

    八幡「意外と早いな」

    雪ノ下「そうね、美味しかったから食が進んだのかしら」

    雪ノ下(緊張して味わう時間が無かったのよ)

    八幡「ふっ。お前もサイゼマジックに掛ったな……」

    八幡「ところで、雪ノ下。さっきの続きだが、用があんじゃねえの?だからわざわざ俺とファミレスなんて来たんだろ?」

    雪ノ下「……ええ」

    雪ノ下「比企谷君に折り入ってお願いがあるのだけれど……」

    雪ノ下(落ち着くのよ。なるべくフラットに、冷静に話すのよ)

    八幡「なんだよ改まって。んで、何だお願いって。悪いが部活を辞めてくれとかは聞けんぞ。俺の人権は平塚先生に握られてるからな」

    雪ノ下「そんな事ではないわ。というか、あなた人権があったのね」にこ

    雪ノ下(冷静に貶してどうするの!もう……)

    八幡「お前から見たら俺は人間じゃねーってか……で、それじゃないならなに」

    雪ノ下「…その」もじもじ

    八幡「…」

    雪ノ下「…だから」

    雪ノ下(こ、こんな事を急に言ったら引かれてしまわないかしら……)

    八幡「らしくねえな…ハッキリ言えよ」

    雪ノ下(……そうよね、私らしく。全て言ってしまうわ)

    雪ノ下「今度の週末…あなたのお家にお邪魔したい…のだけれど………」ちらっ

    八幡「」

    雪ノ下「ダメかしら……」

    八幡「」

    雪ノ下「ひ、比企谷君は私がカマクラや小町さんと会う為にこんな事を言ったと勘違いしてしまうかもしれないのだけれど……」

    八幡「」

    雪ノ下「わ、私としては比企谷君とその……過ごしてみたいと思ってしまったのよ///」

    八幡「」

    雪ノ下「勘違いしないで欲しいのだけれど、私の今の言葉にはなんの裏もないわ。全て私の本心なのよ///」

    八幡「」

    雪ノ下「…だ、だけれど、小町さんやカマクラに会いたくないという訳ではないのよ?むしろ、これからの事を考えて仲良くしたいとも思っているのだし……って」

    八幡「」

    雪ノ下「……聞いているの?比企谷君」

    八幡「分かった、了解した」

    雪ノ下「……な、何も言わないのね」

    八幡「あ?ああ、別になんも言うつもりはねーよ。お前の勝手だしな」

    雪ノ下「…そう///」

    雪ノ下(ということは、私の気持ちをある程度は理解してくれたということよね)

    八幡「あ、来るなら午後な。寝てるし」

    雪ノ下「ええ///分かったわ。13時頃でいいかしら?」

    雪ノ下(ど、どうしましょう……有頂天とはこの事ね///)

    八幡「ん、良いんじゃねえか。道は、まあわかんなかったら小町に聞けよ。明日の部活の時にも一応駅からの道書いた紙は渡すけどよ」

    雪ノ下「…問題ないわ///」

    八幡「うし、話も纏まったし帰るか」

    雪ノ下「…はい///」

    雪ノ下(比企谷君…急に頼もしく話すのね///)
  10. 10 : : 2013/12/23(月) 03:20:56
    ーーーーーーー

    ーーーーー

    ーーー




    八幡「うー、やっぱ外寒いな……って、うお!」

    雪ノ下「そうね」ふふ

    雪ノ下(比企谷君が私の気持ちをある程度理解してくれた以上、もう遠慮する必要はないのよね)

    八幡「駅まで乗っけてくか?」

    雪ノ下「いえ、それには及ばないわ。なんだか、歩きたい気分なの」

    雪ノ下(今日これ以上比企谷君と一緒にいたら、何か過ちを犯してしまいそうだもの///ふふっ)

    八幡「ふーん。そうか、じゃあまた明日な。」

    雪ノ下「ええ、さようなら。比企谷君」にこっ

    雪ノ下(なんだか……カップルの会話の様ね///)

    八幡「…おう」きこきこ

    雪ノ下「ば、バイバイ。……八幡///」ちら

    八幡「」きこきこ

    雪ノ下「だから、行くの早すぎるわよ……もう!」じと


    雪ノ下「でも……比企谷君の家、楽しみだわ。とても……///」るんるん









    続く。
  11. 11 : : 2013/12/23(月) 03:25:24
    【比企谷兄妹の愛情録】シリーズ4作目。雪ノ下編でした!
    前作、八幡編Part,2で雪ノ下がどんな想いだったのかを書いてみました。
    次は比企谷家で八幡、小町、雪ノ下が揃います。
    素直な雪ノ下と可愛い小町を書けたらなーと思います。
    では…
  12. 12 : : 2013/12/24(火) 14:13:42
    楽しかった
    次回作がとても気になる
  13. 13 : : 2013/12/24(火) 20:25:44
    >>12
    サシャ好きさん、コメントありがとうございます(^O^)
    次も頑張りますのでよろしくお願いします(*^_^*)
  14. 14 : : 2013/12/24(火) 22:10:53
    >>13
    お久しぶりだねぇ
    頑張ってね
  15. 15 : : 2014/01/04(土) 01:20:59
    やっぱりゆきのんかわいい!
    でれのん成分が補給できて幸せです^^


    過去の作品見てたら睡眠時間がどんどん削られてます……。
  16. 16 : : 2014/01/04(土) 01:32:47
    >>15
    犬々さん、いつもお話拝見させていただいています!
    コメントありがとうございます(*^^*)

    そう言って貰えて私も幸せですっ!
    なんて嬉しいお言葉……どうもです^o^


    これからも投稿していくのでよろしくお願いします(^o^)/
  17. 17 : : 2014/01/06(月) 04:17:44
    今見つけて読みました。
    21話楽しみにしてます
  18. 18 : : 2014/01/06(月) 11:55:42
    >>17

    ファンになりました。さん、コメントありがとうございます(^-^)

    次も楽しいお話をお届けできるようにがんばりますので、よろしくお願いします(*^^*)
  19. 19 : : 2014/01/12(日) 00:45:29
        ∩
        ( ⌒)     ∩_ _
       /,. ノ      i .,,E)
      ./ /"      / /"
      ./ / _、_   / ノ'
     / / ,_ノ` )/ /
    (       /  good job!
     ヽ     |
      \    \
  20. 20 : : 2014/01/12(日) 00:48:38
    >>19

    名無しさんありがとうございます^o^
    AAすごい!
    投稿はいつになるかわかりませんが、
    次も頑張ります☻
  21. 21 : : 2014/01/19(日) 16:44:08
    続きはよ
  22. 22 : : 2014/01/29(水) 22:08:08
    続き待ってます!
  23. 23 : : 2014/03/12(水) 12:47:39
    おれがいるssを複数書いている人の中ではあなたが1番好きです。続きずっと待ってます。
  24. 24 : : 2014/07/20(日) 15:45:39
    新作待ってます>_<
  25. 25 : : 2014/09/04(木) 23:40:25
    あの...続きはまだでしょうか?
  26. 26 : : 2014/09/04(木) 23:40:56
    はよ
  27. 27 : : 2014/09/18(木) 22:34:19
  28. 28 : : 2014/11/11(火) 09:00:34
    はよはよ
  29. 29 : : 2014/11/30(日) 17:21:31
    とてもおもしろくて好きになりました!
    次回作もがんばっください
    応援してます

    あと、次回作を出すとしたらいつになりますか?

  30. 30 : : 2015/01/12(月) 01:29:24
    小町SSさがしてふらっときました
    21話楽しみにしてます
    あとちゃんと断わってケータイいじる八幡まじイケメン
  31. 31 : : 2015/05/06(水) 22:36:51
    待ちません
    期待します
  32. 32 : : 2015/06/07(日) 08:56:11
    1年半待ちましたよ
  33. 34 : : 2016/12/09(金) 18:57:31
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  34. 35 : : 2016/12/23(金) 02:01:38
    うもみんを三年ぶりにみた乙!
  35. 36 : : 2017/01/03(火) 11:58:38
    ひきがや
  36. 37 : : 2017/12/07(木) 00:38:52
    こまち
  37. 38 : : 2019/06/16(日) 22:59:03
    5、6年経ってんのに…
  38. 39 : : 2019/06/16(日) 22:59:26
    続きって上がってんの?
  39. 40 : : 2020/05/29(金) 23:20:32
    良でした
  40. 41 : : 2020/09/28(月) 11:20:01
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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