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雪ノ下「左手は添えるだけ」 八幡「左手働け」

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  1. 1 : : 2013/12/23(月) 01:53:49
    初投稿になります。
    色々至らない部分が多いと思いますが、
    生温かい目で暇を潰していただけると幸いです。
    ゆきのんメインでバスケは関係ありません。
  2. 2 : : 2013/12/23(月) 01:55:28
    いつもと変わらない日常。
    その日常に奉仕部での活動が加わっていることに疑問がないわけではないが、不思議と嫌ではないあたりが困りものである。

    比企谷「うーっす」

    雪ノ下「……」

    雪ノ下はチラリとこちらに目をやるといつもと変わらない様子で手元にある本に……本がない。

    比企谷「おい、雪ノ下、その手……」

    雪ノ下「人の手に下卑た視線を送るのはやめてくれないかしら、私はまだ腐り落ちてゾンビになりたくないのだけれど」

    比企谷「お前は俺に一生目を閉じてろとでも言うのかよ……」

    なに?目で見るだけで感染するの?メドゥーサなの?比企谷菌マジパネェな……。

    雪ノ下「そうね……目を閉じていればまだぎりぎり人としてみれなくもない……かしら?」

    比企谷「冗談言ってる場合じゃなくてだな……」

    雪ノ下「本気だけど?」

    やめろ、それはカミソリシュートどころかマサカリ投法だぞ、バッサリいかれるわ。

    比企谷「……その手、どうしたんだ?」
  3. 3 : : 2013/12/23(月) 01:56:24
    いつも優雅に本のページをめくっていた雪ノ下の右手に白い包帯が巻かれている。

    雪ノ下「別に……少し擦りむいただけよ」

    比企谷「俺は擦りむいただけで包帯ぐるぐる巻くやつも腕吊ってるやつも見たことねぇよ」

    包帯はともかく擦り傷でギプスはねぇよ

    雪ノ下「少し骨にヒビが入っただけよ」

    比企谷「……」

    雪ノ下「別にあなたが心配するようなことは何もないわ」

    比企谷「俺は別に……まぁ、大丈夫ならいいけどよ」

    とはいえ……

    比企谷「……気になる」

    雪ノ下「だからあなたが心配するようなことは何もないと言ってるでしょう」

    やべぇ、口に出てた。

    比企谷「いや、いきなり腕吊ってたらまぁ、気にするだろ普通……」

    雪ノ下「あなたは普通とはかけ離れた物差しで物事を推し量る人だったと記憶しているのだけれど」

    比企谷「あーあーわかったわかった」

    聞くなってんならきかねーよ、そうゆうもんだ。
  4. 4 : : 2013/12/23(月) 01:58:31

    比企谷「どうせあれだろ、野良猫に見とれてて、前方不注意とかで電柱にぶつかったとかそんなんだろ」

    雪ノ下「……」

    いや、突っ込んでくれないと反応に困るんですけど……。

    比企谷「……マジで?」

    雪ノ下「ち、違うわ。私はただ、料理を作っていた時にテレビからパンさんの声が聞こえたから慌ててリビングに戻ろうとしたけど、包丁を持ったままだと危ないからUターンしようとしてバランスを崩してテーブルに突っ込んだだけよ!」

    本質的な部分では図星かよ……

    比企谷「……そうか」

    雪ノ下「しかも声の正体はどこぞの馬の骨の声真似だったわ……!」

    比企谷「残念だったな……主にお前の行動が」

    雪ノ下「ええ……本物との違いも聞き分けられなかった自分が情けないわ……」

    比企谷「落ち込みポイントそこかよ……」

    由比ヶ浜「やっはろー!ヒッキーもゆきのんも……ってえええええぇ!?ゆきのん手どうしたの!?」

    ほら、普通は気にされるもんなんだよ

    雪ノ下「落ち着いて、由比ヶ浜さん、大丈夫だから」

    由比ヶ浜「で、でも!」

    雪ノ下が無言で俺に合図を送る……話したら骨にヒビじゃ済ませないわよと言わんばかりの目力である。石化しそう。

    俺のときは売り言葉に買い言葉で口が滑ったんだろうが、由比ヶ浜になら話しても問題ないんじゃねぇの?

    由比ヶ浜「ん、ヒッキー?……もしかしてヒッキーが何かしたの!?」

    まぁ、あんだけ睨まれてりゃなぁ……。

    比企谷「もしそうだとしたら、今頃俺はコンクリ詰めにされて東京湾に沈んでるな……」

    さすがのステルスヒッキーでもSP100人と制限時間無制限で逃走中!は勘弁だわ。

    雪ノ下「比企谷くんが東京湾に沈むのはやぶさかではないけれど……不法投棄はいけないわね。とにかく彼は無関係よ。」

    比企谷「おい」
  5. 5 : : 2013/12/23(月) 02:00:20

    雪ノ下「ちょっとした不注意よ、不甲斐なかったわ」

    由比ヶ浜「ゆきのんが不注意なんて珍しいね、でも大丈夫ならよかったぁ……」ダキッ

    比企谷「おい、つっても危ないからあんまり抱きついてやんなよ」

    由比ヶ浜「そ、そうだね、ごめん!大丈夫!?痛くなかった!?」

    雪ノ下「平気よ、まぁ、そもそもあまり抱きつかないでほしいのだけれど」


    由比ヶ浜「でもさ、ゆきのんが不注意ってよっぽどだよね~」

    そうだな、大層な原因だったよ……。

    由比ヶ浜「あ~、まさか猫に見とれてて電柱にぶつかっちゃったり~」

    比企ノ下「「!?」」

    由比ヶ浜「とか……って……え?どしたの二人とも?」

    びびるわ、なんなの?シンクロ率400%なの?

    比企谷「いや、まさか由比ヶ浜とボケのセンスが被るとは思わなかったからな」

    俺の空気読みトークスキルも由比ヶ浜に追いついたのか、やばいなボッチ脱却しちゃうわ。

    由比ヶ浜「え、あたしよくサブレの散歩の時、転んだり電柱ぶつかったりするからさ、でもゆきのんだし、まさかなーって」

    比企谷「実体験かよ、お前の方がよっぽど心配になってきたわ」

    なんか雪ノ下も由比ヶ浜と同レベルの要因でケガした、みたいに考えるとアレだな……。

    由比ヶ浜「べ、別にヒッキーに心配されるほどじゃないし!」

    そうだな、猫ノ下さんモードの時は危機管理レベルも由比ヶ浜レベルになるんだな、気をつけよう。
  6. 6 : : 2013/12/23(月) 02:01:42

    比企谷「まぁ、飼い犬に似た犬ヶ浜さんは置いておくとして、右手が使えないってのはやっぱ面倒だよな」

    由比ヶ浜「犬ヶ浜ってなんだし!!てゆーか飼い犬が飼い主に似るんじゃないの!」

    比企谷「卵が先だろうが鶏が先だろうがどっちにしろ馬鹿だから安心しろ」

    由比ヶ浜「バカってゆーなし!」

    雪ノ下「まぁ、確かに利き手が使えないのは不便ではあるけど、たいしたことはないわ」

    由比ヶ浜「そうだ!治るまでの間私が授業のノート見せてあげる!」

    おいおい……。

    雪ノ下「いえ、集中すれば授業内容くらいなら記憶できるし、そもそもクラスが違えば科目や授業進度も違うでしょう」

    比企谷「しかもノートを受け取ってしまったら解読が必要な上、解読出来ても内容は間違いだらけ、隙を生じぬ二段構えだな」

    由比ヶ浜「それはひどいよヒッキー!」

    雪ノ下「……」

    由比ヶ浜「ゆきのんも納得しないでよぉ!」

    雪ノ下「心配してくれるのは嬉しいけれど、本当に大丈夫だから気にする必要はないわ」
  7. 7 : : 2013/12/23(月) 02:04:36
    由比ヶ浜「ほんとに大丈夫?気をつけてねゆきのん!」

    比企谷「……電柱とかな」

    雪ノ下「心配性ね……大丈夫よ、じゃあ、また明日」



     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



    雪ノ下と別れてから由比ヶ浜と二人で道を歩いてると不安そうな由比ヶ浜が口を開いた。

    由比ヶ浜「ゆきのんはあー言ってるけどさ、やっぱり大変だと思うんだ」

    比企谷「まあな、でも本人が大丈夫って言ってんだからあんまり気にすんなよ」

    例の件からだいぶ経ってるとはいえ、友達の怪我とか、そうゆうの敏感なんだよな、コイツ……。

    由比ヶ浜「あたしとヒッキーで治るまで色々サポートしようよ!」

    比企谷「いや、俺は……」

    由比ヶ浜「むー、じゃあ奉仕部への依頼!あたしからの!」

    比企谷「部員が依頼すんのかよ……まぁ、出来る範囲でな」

    由比ヶ浜「やったー!やっぱりヒッキーは優しいね!」

    比企谷「そうだな、じゃあまずは前を見て歩こうな。視界に灰色の柱が見えたらリードはしっかり握って警戒するように」

    由比ヶ浜「あたしのサポートじゃなくてぇ!てゆーかそれ引っ張りすぎだし!」

    まぁ、利き手が使えないって考えると想像以上に不便は多いだろうしな、とりあえず雪ノ下が女で良かったってことだ、別に深い意味はないぞ、うん。
  8. 8 : : 2013/12/23(月) 02:07:31
    支援、です^o^
  9. 9 : : 2013/12/23(月) 02:08:56

    翌日、生憎の空模様なせいで、教室で昼食の準備をしていた。
    マイエンジェル戸塚は部活の集まりだかで不在だ、憂鬱度が増す。

    由比ヶ浜「ねぇ、ヒッキーちょっといいかな?」

    なんだよ、俺は一人(MAX)コーヒーをすすりながらハードボイルドを演出しようとしていたのに……。

    比企谷「どうした?」

    由比ヶ浜「ほら、ゆきのんの事でさ」

    比企谷「ああ、そうだったな」

    といっても、現段階で取り立てて困りそうな問題も思いつかないけどな

    由比ヶ浜「ほら、お箸持てないとご飯食べられないじゃん!」

    比企谷「いや、そこはサンドイッチとか、いろいろ方法あるだろ……」

    由比ヶ浜「う、まぁいいじゃん何でもなければそれでいいじゃん、とにかく様子を見に行ってみようよ」

    比企谷「はぁ……まぁいいけどよ」

    たしか昼食は部室で取ってるんだったか?
    由比ヶ浜と二人で部室に向かうことにした。
  10. 10 : : 2013/12/23(月) 02:10:04

    比企谷「というか、お前、もう昼飯食べたのか?」

    由比ヶ浜「え?まだだけど?」

    比企谷「いや、手ぶらだったからな、早弁でもしたのかなって」

    由比ヶ浜「ああっ!?教室に忘れてきたぁ!!」

    比企谷「そうか、大丈夫か、俺達のクラスの場所は分かるか?地図書くか?」

    由比ヶ浜「そこまで鳥頭じゃないからぁ!」

    比企谷「そうだな、鳥が可哀想だな」

    由比ヶ浜「むー、せっかくだから飲み物買って持っていってあげようと思ったけどヒッキーの分は買ってあげない!」ベー

    比企谷「はいはい、じゃあ先に部室行ってるぞ」
  11. 11 : : 2013/12/23(月) 02:11:36

    部室前まできたのでとりあえず覗いてみると、いつもの場所に雪ノ下が座っているのが見える。
    が、なにやら考え中の様子だ。
    アイツなんでコンビニ弁当とにらめっこしてるんだ?

    とりあえず事情を聞いてみることにするか。

    比企谷「うーっす」

    雪ノ下「あら、比企谷くん?何か用事かしら?」

    比企谷「いや、別にどうということはないんだが、由比ヶ浜がな……」

    雪ノ下「そう……本当に心配性ね、彼女は。」

    比企谷「そうゆうわけだから俺もここで昼飯食べてもいいか?」

    雪ノ下「あなたも一応奉仕部の部員なのだし、特に問題はないのではないかしら。あ、比企谷くん?空気清浄機の設置は済んでいるのかしら?」

    比企谷「人を有害物質垂れ流してる汚物見たいな目で見るのやめてくれないですかね?」

    いつもの場所に座り、食事の準備をする。
  12. 12 : : 2013/12/23(月) 02:12:53

    雪ノ下「時に比企谷くん、少し聞きたいことがあるのだけれど……」

    比企谷「なんだ?」

    雪ノ下「コンビニにはスプーンやフォークのようなものって置いてないのかしら?」

    ……ああ、そうゆうことか……。

    雪ノ下がにらめっこしていたコンビニ弁当は幕の内弁当みたいな感じの至って普通の弁当だったが、付属品は箸と爪楊枝のみ。
    流石の雪ノ下も利き手じゃない方の手で箸を自在に扱うのは難しいようだ。

    比企谷「大体のコンビニは店員に言えばつけてくれるもんじゃないか?」

    雪ノ下「そうなのね……普段はあまり利用しないものだから気がつかなかったわ」

    客が片腕吊ってレジに来たら気を使ってくれる店員さんもいそうなもんだが、コンビニ店員には2種類のタイプがいる。気が利く人と省エネな人だ。
    俺が行くコンビニは後者の人しかいない。あるいは客によって節電対策がなされているのかもしれない。
    なんだよ、レシートの上を滑らせて小銭渡すとか逆に高等テクニックだろ……。

    比企谷「というか、片手でつまめるようなものにすれば良かったんじゃないのか?」

    雪ノ下「そうね、ただ、どうしても引き下がれない理由があったのよ……」

    比企谷「なんだ?そんなに鮭が食べたかったのか?栄養バランスはともかくおにぎりでも妥協できそうなもんだが」

    雪ノ下「……」
  13. 13 : : 2013/12/23(月) 02:14:12
    よーく雪の下の弁当を観察してみる、食べ物の好みはしらないが……3点?

    比企谷「このシール……パンさん茶碗プレゼントのポイントか」
    パンなのかご飯なのかどっちなんだよ紛らわしい、こうゆうのって普通なんとかパン祭りとかでやるもんじゃないの?

    雪ノ下「これはパンさんの声を聞き分けられなかった私の贖罪なのよ」

    根に持つなぁ……本人がそれでいいならかまわないけどよ

    比企谷「なるほどな、今度からはレジで聞いてみるといいんじゃないか?」

    雪ノ下「そうね、いっそお弁当を買いだめしてマイスプーンを持ってくれば……」

    そんなにポイント貯めたいのかよ、小町かお前は。
    添加物もりもりとはいえ、コンビニ弁当はそんなに日持ちしないぞ

    比企谷「今日は俺惣菜パンだし、スプーンもフォークもないな……」

    雪ノ下「アドバイスありがとう、今度から気をつけることにするわ」

    由比ヶ浜「やっはろー……ごめんね……遅くなって!」ハァハァ
    「ゆ、ゆきのん……もう……ご飯……食べちゃった?」ハァハァ

    雪ノ下「落ち着きなさい、由比ヶ浜さん」
  14. 14 : : 2013/12/23(月) 02:15:31

    由比ヶ浜「なるほど~、ごめんね、あたしもお箸しかないや」

    雪ノ下「いえ、あなたが謝る必要はないわ」

    雪ノ下「それに一食くらい抜いてしまっても別にかまわないのだし……」キュゥゥゥ

    なんか鳴いた。

    比企ヶ浜「「……」」

    雪ノ下「……///」

    耳まで真っ赤じゃねーか。つーかベタすぎだろ、随分空気を読む虫飼ってるな……。

    由比ヶ浜「ほ、ほら、食べないと健康に悪いし、ケガの治りもはやくなるかもだし、成長期だし!」

    雪ノ下「成長期……」

    視線を下に落とすな、反応に困るわ……。
  15. 15 : : 2013/12/23(月) 02:16:46

    比企谷「……なら、俺のパンやるよ」

    雪ノ下「いや、でも……」

    比企谷「だからそっちの弁当もらえないか?まだ手をつけてないんだろ?」

    雪ノ下「ええ、まぁ、そうなのだけれど……」

    なぜか動揺している雪ノ下。まぁ、施しを受けるのは癪かもしれないが、交換なら文句もないだろう、フタは空いてるが手をつけた様子もないし……。

    比企谷「あ!まさか……」

    雪ノ下「!」ビクッ

    比企谷「いや、安心しろよ、3点のシールは取らないって」
    パンさんとか猫が絡むと絡むと途端にかわい……周りが見えなくなるからなコイツ。

    雪ノ下「いえ、そうじゃなくて……い、いいわ、交換しま」
    由比ヶ浜「じゃあさ、あたしが食べさせて上げるよ!」

    比企ノ下「「え?」」

    由比ヶ浜「お弁当の方が栄養ありそうだし!」

    比企谷「まぁ、焼きそばパンとかカレーパンよりはいいわな」

    由比ヶ浜「ダメ……かな?」ウワメッ
    あ、これは落ちたな。

    雪ノ下「う……わ、わかったわ……お願いして……いいかしら?」

    あざといわー、さすがガハマさんあざとい。
  16. 16 : : 2013/12/23(月) 02:18:45

    由比ヶ浜「はい、ゆきのん、あーん」

    雪ノ下「んっ///」

    ……なんかちょっとエロいな……。
    俺はパンを頬張りつつ、(結局由比ヶ浜が買ってきてくれた)MAXコーヒーと
    自前のMAXコーヒーでタワーを建てながらそんな様子を眺めていた……。
  17. 17 : : 2013/12/23(月) 02:20:18
    時間もアレなのとストックが尽きたので続きは明日の夜に書きます。

    >>8
    支援感謝です!
  18. 18 : : 2013/12/24(火) 00:15:23
    相変わらず深夜の投稿ですが再開します。
  19. 19 : : 2013/12/24(火) 00:16:07

    放課後は雪ノ下が病院に行くということで部活はなしということになった。

    雪ノ下を見送った後、由比ヶ浜が呟いた。

    由比ヶ浜「ゆきのんさ、結局何でも一人でやろうとしちゃうじゃん?」

    ちょっとは頼るようになったと思うけどな……友達限定だけど。

    比企谷「ふ……あいつはボッチ四天王の中でも最弱……」

    由比ヶ浜「何それ?」

    比企谷「まぁ、あいつのボッチ力(ぢから)は俺も認めるところではあるが、最近は落ちぶれたもんだ」

    由比ヶ浜「?」

    比企谷「だって友達作ってんだぞ、お前とか由比ヶ浜とか、あとビッチさんとか」

    由比ヶ浜「ビッチいうなし!ってゆーか全部あたし!?」

    他に思い当たらないじゃんかよ、あいつの友達。

    由比ヶ浜「てゆーかヒッキーだって友達増えたでしょ!さいちゃんとか中二とか……あたしとか……」

    比企谷「そうか……俺にも戸塚という天使が……ふふ、俺も随分ボッチ強度が下がってしまっているようだな」

    もうあれだな、戸塚といっしょに撮ったプリクラスマホに貼っちゃおうかな……でも人目がなぁ……フヒヒ

    由比ヶ浜「キモッ!……てゆーか中二はともかくあたしはカウントされないんだ!?」

    由比ヶ浜「ま、まぁ別に友達じゃなくても……///」

    材木座が0.1人分、由比ヶ浜が0.3人分、戸塚が100人分の友達に値する……やべぇ、友達100人できちゃったよ!ボッチ卒業だよ、やったね八幡!

    由比ヶ浜「こうゆうときでもないとゆきのんの力になれないじゃん?だからさ……」

    比企谷「……別にそんなことないだろ、お前めっちゃ頼りにされてるぞ」

    唯一の友達のお前がいなくなったらアイツ泣くぞ、いや、泣くくらいじゃすまないかもな……。

    由比ヶ浜「そ、そうかな……えへへ///」

    比企谷「はいはいごちそうさん。」
  20. 20 : : 2013/12/24(火) 00:17:07
    翌日の昼休み、今日は晴れた!ベストプレイスでハードボイルドな孤独のランチを……

    由比ヶ浜「ごっめ~んヒッキー!ゆきのんのこと考えてたら宿題忘れちゃって呼び出しくらっちゃったよぉ!」

    焦がれすぎだろ、もう結婚しちゃえよお前ら、百合雑誌の表紙飾れるぞ、みてくれはいいからな。

    比企谷「というか、体よく雪ノ下に原因を押し付けんなよ、普段からしょっちゅう忘れてんじゃねーか」

    由比ヶ浜「あはははは……というワケでゆきのんのことよろしくね、ヒッキー!」

    つっても、今日は本当にお呼びでないと思うんだが……


     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    ガラガラ……

    比企谷「うーっす」

    雪ノ下「……」

    なにこれすっげーデジャヴ。アイツなんで今日もコンビニ弁当とにらめっこしてるんだ?
    チラッとこちらを見たがすぐににらめっこ再開、悪かったな由比ヶ浜じゃなくて。
  21. 21 : : 2013/12/24(火) 00:18:57

    比企谷「一人遊びには理解のある俺だが弁当とにらめっこは中々難易度高いな」

    雪ノ下「……」

    腹減ってないのか……ちゃんと食わないと発育に悪いぞ。

    パンをかじりながら様子を伺うがにらめっこは終わらない……。
    長期戦だ、弁当ってにらめっこ強いんだな……。

    比企谷「……体調悪いのか?」

    雪ノ下「あ……いえ、そうゆうわけでは……」

    じゃあ本当ににらめっこブームなのか?俺も試して見ようかな……鏡で。
    もう一人の僕とかけっこう強敵なんだろうな~

    要領を得ないな……あ、そうか、コイツ由比ヶ浜来れないの知らないんだった。

    比企谷「あー、由比ヶ浜用事があって昼は来れないってよ……」

    雪ノ下「!……そ、そう……それはざんね……いや、むしろ……」

    なんだ、由比ヶ浜のこと待ってたんじゃなかったのか

    そんなこんな言ってるうちに昼食を食べ終わってしまった。
  22. 22 : : 2013/12/24(火) 00:21:35

    雪ノ下「……」ジー

    比企谷「……なんだよ」
    あんま見んなよ、照れるだろうが、あと赤い、主に耳が赤い。マジで体調悪いんじゃねえの?

    比企谷「なぁ雪ノし……」雪ノ下「ひ、ひきぎゃやくん!」

    比企谷「お、おう」

    噛んだぞ、しっかりきっかり噛んだぞ。

    雪ノ下「ぽ、ポイントを貯めるのは私の義務だから同じお弁当になるのは甘んじて受け入れるしかないのだけど」

    義務か、義務ならしょうがないな。

    「たしかに自前の昼食には劣るけれど、それなりに栄養バランスも考えられているしまぁ、悪くはないのよ。ただ、同じ轍を踏まない為にもアドバイスに従って店員にスプーンとフォークを要求したの、本当よ」

    いや、別に疑ってねーよ。

    「ただ、どうにも偶然、偶然よ、スプーンもフォークも切らしていたみたいでその……あの……」

    比企谷「あー、だから手をつけてなかったのか」

    きっと雪ノ下座は今日の占い13位だったんだな、雪ノ下座のあなた、いきつけのコンビニの備品が尽きています、
    ラッキーパーソンは友達!……良かった、俺雪ノ下座じゃなくて。

    比企谷「あー、もうちょっと早く言ってくれたらパンぐらいくれてやったんだが」

    見事に平らげちまったよ、そもそも小町が悪い、俺の分の朝飯の卵焼きをスティールしやがったから
    ランチパックのタマゴサラダ味が無性に食いたくなったんだよ、全く盗むのはお兄ちゃんの心だけにしておけってんだ。

    比企谷「ちょっと飲み物買ってくる、ついでに適当に購買でなんか買ってきてやるよ」

    ガラじゃないがこれも依頼だ、べ、別に放っておいたらガハマさんが怖いからって理由じゃないんだからね!
  23. 23 : : 2013/12/24(火) 00:27:02

    雪ノ下「待ちなさい!」

    席を立ったところで背後から一喝された。なんだ?購買にはパンさん弁当は売ってないぞ、多分。

    「その……せっかく買ったお弁当を無下にするなどという行為は食料供給が行き届いているこの国だから軽んじられているのであって、世界的に見ればまだまだ飢えに苦しむ人は多いわ、残飯なんて言葉を使うこと自体が愚かなのであってウンヌンカンヌン……」

    そうだな、お米粒ひとつ残しちゃいけないってばーちゃんも言ってたな。

    雪ノ下「そして何よりこのお弁当を食べないというのはパンさんに対する裏切りとも言えるわ!」

    あー、ビーストモードだったわ猫の下さん、とっといて夜にお家で食べるっていう選択肢は削除されてしまったようだ。

    雪ノ下「であるからして、由比ヶ浜さんが来られないのであれば消去法というかやむにやまれぬというか願ったり叶ったりというか、あなたがどうしてもというのであれば……あなたを、私の右腕に任命してあげてもいいのよ!」

    比企谷「……はぁ?」

    雪ノ下「私としては甚だ不本意だし、私の右腕としては顔も器量も学力も不安ではあるのだけれど、猫の手以下のあなたであってもないよりはマシというか猫の手に失礼だわ、謝りなさい」

    比企谷「なんで手を貸す側の人間が品定めされた挙句、期待されてない代打みたいな扱いされなきゃならんのだ」

    ましてや俺はレギュラーどころか一人で選手兼監督も敵チームも全てこなすスーパーユーティリティープレイヤー
    だぞ、契約金は弾むんだろうな?

    比企谷「……」

    雪ノ下「……ダメ……かしら……?」

    ちくせう、なんで女の上目づかいの威力はこんなに高いんだよ、無理ゲーだろ、修正パッチはよ

    比企谷「こ、これも依頼のうちだからな、仕方なくだぞ、仕方なく!」

    雪ノ下「そこまで言うなら仕方がないわね、こ、こっちに来なさい!」

    比企谷「へいへい、オーセノトーリニ-」

    これは試練、ぼっち力が鈍ってしまった俺が高みへと昇華するための試練と受け取った!……そうでも思わないとやってられん。
  24. 24 : : 2013/12/24(火) 00:31:38

    うーん、役得・・・といえるのだろうか?緊張してきた。手汗がやばい。

    比企谷「じゃ、じゃあ……えーと……」

    雪ノ下「まずは卵焼きがいいわ、あ、2つに取り分けてくれると助かるのだけれど」

    比企谷「はいよ」ヘージョーシンガーダイジデスー

    雪ノ下「ん……手作りほどではないけど、費用対効果としては及第点かしら」

    雪ノ下「次はキンピラゴボウを……シャキシャキ感が足りないわ……まぁ悪くはないわね」

    比企谷「……」アザレアヲーサカーセーテー

    雪ノ下「少し喉が乾いたわ、野菜ジュースを」

    比企谷「まて、飲み物は左手でも」

    雪ノ下「……」

    比企谷「……ほらよ」ブランニューバースデー

    雪ノ下「ん……!(ちょっと……傾けすぎよ!)」ピシャッ

    比企谷「あ……悪ぃ」

    飲みきれなかったジュースがブラウスにかかってしまった

    雪ノ下「全く、は、早く拭いて頂戴、シミになったら困るし」

    比企谷「いや……お前それは……」

    いくら慎ましやかとはいえその位置は色々とマズイだろ……

    雪ノ下「今、すごく不快な思念が感じ取れた気がするのだけれど」

    やめろ、お前がマインドスキャンを習得したらもう日々の罵詈雑言に耐えられる気がしない

    雪ノ下「いいから早くしなさい、左手だけではうまく拭き取れないのよ」

    比企谷「お、おう」

    よし、介護士にジョブチェンジだ、慈愛の精神を掲げ、慈しみの眼差しで対象を捉え、ウェットティッシュで汚れを拭き取る……KOOLになれ八幡……

    雪ノ下「んっ!……///」

    ……やべーわー、ご奉仕部まじパネェわー。もうこれ主活動でいいんじゃねぇの(遠い目)フキフキ

    そうだ、いい事思いついた、介護対象を幼女にしたら医療現場における人手不足も解消されるんじゃね?やべーな、俺天才かよ(遠い目)フキフキ

    由比ヶ浜「やっはろー、いやーコッテリ絞られちゃったよもー……」

    比企ノ下「「……」」

    由比ヶ浜「……え?」

    ガハマさんは本当に空気を読むお方だ……。
  25. 25 : : 2013/12/24(火) 00:37:24

    比企谷「い、いや、ジュースを零しちまったからシミにならないように拭いてただけでだな!」

    あれ?何で俺が言い訳してんの?

    雪ノ下「え、ええ!この手では家での手洗いによるシミ抜きは少し骨が折れるから……仕方なくよ!」

    由比ヶ浜「な、なーんだ、そっか……びっくりしたよー」

    雪ノ下「そうよ、あなたが心配するようなことは何もケホッ、ケホッ」

    比企谷「落ち着けよ、ほら、水」

    雪ノ下「あり……がとう」ゴクゴク

    由比ヶ浜(なんでヒッキーがゆきのんに水飲ませてあげてるんだろう……イイナー)
  26. 26 : : 2013/12/24(火) 00:42:44

    放課後になったので部室へ向かおう。雪ノ下があの調子だから依頼によっては困ったことになるかもしれない。
    ただ、普段通りなら特に依頼も来ないと思うけどな。

    いつものようにそそくさと教室を出ようとしていたが……

    葉山「やぁ」

    比企谷「……おう」

    HRが終わって部室に行こうとしたらイケメンに話しかけられたんだが~その1~
    お前と会話するだけでヘタレ受けだのなんだの不名誉な称号がどんどん増えるんだよ、やめてくれよ。

    海老名「最近なかなか時間が取れなかっただろ……今日は思いっきり可愛がって……グフフフ」

    ほらな、アイツの円はノブナガより広いんだぞ。絶を極めた俺でも対抗できん。
    トップカースト組なだけあって容姿は伊勢海老クラスの特上品、でも腐ってる、もったいない。

    葉山「結衣から聞いたんだ、その……雪ノ下さんの怪我のこと……。でさ、包帯が取れたらリハビリの時とかにこれを」

    つ [怪我をしたときのアフターケア]

    部活で怪我したときに使う系の本か、さりげないフォローがモテる秘訣、ただし(目が腐ってない)イケメンに限る。

    比企谷「で、なんで俺に渡すの?直接渡してやればいいだろ」

    葉山「これから部活なんだ、頼むよ」

    別に昼休みとかに渡しに行けばいいじゃん。
    幼馴染が、べ、別にお前が心配なわけじゃないんだからな!みたいな……
    うぇ……イケメンでも男じゃ萌えないわ。戸塚は別な。
  27. 27 : : 2013/12/24(火) 00:48:07

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    片手では本が読み辛いらしく、珍しく雪ノ下と由比ヶ浜の会話が弾んでいる…空気の抜けたバスケットボールくらいには。

    由比ヶ浜「でも利き手が使えないのってホント大変でしょ?」

    雪ノ下「不便かどうかと言われれば否定もできないけれど、取り立てて問題はないわ、本当よ」

    昼のアレみたいに純情な男心を弄ぶ余裕があるなら大丈夫だろうな。

    由比ヶ浜「そうだ!あたしがゆきのんのお弁当作ってきてあげるよ!」

    比企ノ下「「……」」

    どうしてそうなった……。

    由比ヶ浜「だって理由はともかくゆきのんお昼ご飯だけで2回も困ってたじゃん。だから、私がお弁当を作って上げるよ」

    比企谷「何がだからなんだよ。」

    雪ノ下「理論が突拍子もないけれど私に落ち度がある分強く言えないわ、でもね由比ヶ浜さん」

    雪ノ下「心の底からやめて欲しいわ」

    由比ヶ浜「ひどい!ちょっとは上達したんだよ!」

    比企谷「由比ヶ浜、知ってるか、0には何をかけても0なんだよ」

    雪ノ下への愛で0.1くらいプラスされるかもしれないが小数点以下が切り捨てられて結局スキルレベルは0だな。

    由比ヶ浜「うう……」

    雪ノ下「私としても怪我が長引くのは本意ではないし、わかってもらえると嬉しいのだけれど」

    由比ヶ浜「怪我悪化しちゃうんだ!?」
  28. 28 : : 2013/12/24(火) 00:50:07

    部活を終えて帰路につく。
    しょぼくれる由比ヶ浜と申し訳なさげな雪ノ下と別れたところで思い出した。
    そういえば葉山の……

    比企谷「おーい、雪ノ下!」

    なんとか間に合ったか。

    雪ノ下「何かしら?」

    比企谷「ほらよ、イケメンユース代表が早く怪我直せってさ」

    本を渡す。

    雪ノ下「あ……ありがとう、善処するわ」

    ま、心配されて悪い気はしないだろ、過去に何があったかは知らないが人の好意は素直に受け取っておくもんだ…………なんだよ、なんか盛大につっこまれた気がするぞ。

    そして比企谷八幡はクールに去るぜ……

    雪ノ下「あ、比企谷くん!」

    比企谷「ん?」

    雪ノ下「ま、また明日」

    遠慮がちに手を振る雪ノ下。
    それ気にいったのか?ちょっとときめくからやめろ。

    比企谷「……」

    車を見送りながら誰に言うでもなく俺は呟いた。

    比企谷「今日金曜日だっつーの……」
  29. 29 : : 2013/12/24(火) 00:58:42

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    比企谷「ふわぁ~あ……」
    無駄にいい天気だな、SUN値が上がるわ、太陽的な意味で。
    だるい、さっさと買い物終わらせて帰ろ……。

    なんで休日の昼間っから出かけているのかというと遡ること小一時間前……

    爽やかな陽気を感じるべく遮光カーテンをしっかり閉めて惰眠を貪っていたが小町に叩き起こされた。

    小町「おに~ちゃん、(掃除の)邪魔♪」

    泣いてないよ、ただの局地的集中豪雨だよ。

    比企谷「専業主夫を目指すならご飯の買い物くらい朝飯前だよね!」

    比企谷「はじめからそういえよ、かわいい妹の頼みくらいお安いご用だっての」



    とはいったものの、休日は省エネモードの比企谷くん、光合成より闇合成のほうが性にあっている。
    こじらせてる奴も夜の眷属とか好きだよね、俺は天使も悪魔もどっちでもいけるクチだったがな。

    メモを見ながらさっさと買い物を済ませて帰ろう、つーかいつもより買う物多くないか?重いわ。

  30. 30 : : 2013/12/24(火) 01:01:16

    腕に乳酸を貯めつつ無事に帰還したが、玄関に入ると何か違和感が……

    「ただいま~……誰の靴だ、これ?」
    なんだ小町の友達でも来てるのか?家庭的な兄に惚れちゃう妹の友達とかいいな。
    過去に同じようなシチュエーションがあった気がする、今度は愛想笑いのうまい子だといいな。

    「小町~、帰ったぞ」
    けっこうな量だけど冷蔵庫に入るかこれ?

    リビングに入った俺が目にしたのは真剣な目でかまくらを愛でる雪ノ下の姿だった。
    表情があまり読み取れない点を除いてはまさにプロレベルのKAWAIGARIである。
    全然こっちに気づかねぇ。恐るべき集中力、ムツゴロウさんもびっくりだな。

    比企谷「なぁ、なんでうちにユキゴロウさんいんの?」

    小町「え、雪乃さんのこと?小町が招待したんだよ。いやーケガは大変だけどおかげでお兄ちゃんは得したね!うりうり♪」

    うぜぇ、あとヒジが地味に痛ぇよ。

    比企谷「いや、意味わかんねぇし」

    小町「ハァ、これだからごみぃちゃんは……女の子の一人暮らしは大変なんだよ」

    いや、お前一人暮らしとかしたことないだろ。

    小町「だから~、お兄ちゃんに比べれば1人増えても家事の手間はそんなに変わらないし、雪乃さんいると小町も楽しいし、何よりお兄ちゃんも嬉しいでしょ?あ!今の小町的にポイント高い!」

    余計なことを……つまり雪ノ下に俺の主夫力を披露して花婿修行(他意はない)をしろと?

    比企谷「絶対に嫌だ!」

    小町「いやいや、そんな薄情なこと言わないでさぁ、結衣さんも心配してたし、お願い!おにいちゃん!」

    比企谷「ハァ……」
  31. 31 : : 2013/12/24(火) 01:03:36

    ひとしきりカマクラを愛で終わったのか、それともクールタイムなのか、雪ノ下が顔を上げた。

    雪ノ下「あら、誰かと思えば比企谷くん、どうしてここに?」

    比企谷「なんで俺が自宅に居る状況を驚かれなきゃならないんだよ」

    雪ノ下「あら、私は小町さんが料理の勉強をしたいからコーチして欲しいというからお邪魔しているのであって、あなたと関わりを持ちたいという気持ちは小さじ一杯ほどもないのだけれど」

    比企谷「ボッチから最後の砦である自宅すら奪うとか、ダイレクトな死の宣告やめてくんない?」

    雪ノ下「別に……換気をしっかりして目を閉じて部屋の隅っこで正座していてくれるなら構わないわ」

    ここからはステルスヒッキーの独壇場ですか、黙殺ですか、バニシュデスですか、やめてください。

    雪ノ下「それにね、比企谷くん?前にも言ったけど……」

    比企谷「?」

    雪ノ下「私、暴言も失言も吐くけど、虚言だけは吐いたことがないの」

    ……コイツは……。
  32. 32 : : 2013/12/24(火) 01:06:08

    比企谷「おー……すげぇ」

    なにこの宮廷料理……はさすがに言いすぎか、でも比企谷家の夕食としては類をみない豪華さだ。

    小町「いや~、小町も雪乃さんがいるからハリキッちゃいました、雪乃さんの指導の賜物ですね!」

    雪乃「いえ、小町さんの腕も素晴らしいと思うわ、……誰かさんと違って教えがいがあったし……」

    優しく微笑んだあと、遠い目をした雪ノ下が呟いた。


    由比ヶ浜「へくちん!」


    比企ノ下町「「「いただきます(ま~す♪)」」」

    比企谷「冗談抜きにマジでうまい」

    小町「我ながら上出来上出来♪隠し味はおにいちゃんへの愛!ですよね、雪乃さん!あ、今の小町的にポイント高い!」

    雪ノ下「私はただ小町さんに料理の手ほどきをしただけでそれに施しをする目的だったわけではないし、直接私が作ったわけではないからそんなスパイスを入れる余地は微塵もなかったわ」

    比企谷「へいへい……ま、小町の料理の腕が上がれば必然的に俺も美味しいご飯にありつけるって訳だ。
    ありがとな、雪ノ下」

    雪ノ下「だからあなたの為ではないといってるでしょう、まぁ、せめて栄養ぐらいはしっかり取らないと
    タダでさえ貧相な姿が一層際立ってしまうでしょう?勘違いしないで欲しいわね」

    やっぱりツンデレなんて幻想だよ、ファンタジーだよ、ツンドラだよ、シヴァノ下さんだよ。
  33. 33 : : 2013/12/24(火) 01:13:01

    うまい食事を作ってもらった以上、俺も多少の主夫力は発揮せねばなるまい。
    別に雪ノ下が泊まるわけではないだろうけども、風呂をピカピカに掃除してしてみた。

    比企谷「風呂沸いたぞ」

    小町「お兄ちゃん、どうする~?」

    比企谷「あ~、先に入っていいぞ」

    小町「ですって、雪乃さん、お風呂行きましょ~」

    あ、ユキゴロウさんまだいたんですね、KAWAIGARIに夢中になってるからすっかり忘れてたわ。
    相変わらずの集中力で全く気づいてない……。

    小町「おにいちゃん!雪乃さ……じゃない、カーくんが寝取られちゃった!?」

    比企谷「何言ってんだお前……」

    もちけつ……ん?というか……

    比企谷「え?雪ノ下泊まんの?」

    小町「もちろん!雪乃さん、今夜は寝かせませんよぉ……ウェヒヒ」

    むしろ俺の妹がNTRされそうな件について。モテモテだな雪ノ下。

    雪ノ下「[小町さんの]ご好意はありがたいけれど、本当にいいのかしら?」

    いつの間にか、クールタイムらしい雪ノ下が戻ってきていた。
    行動パターンが、1にカマクラ2にカマクラ、3、4がなくて5に小町ってとこだな。
    ある意味その方が助かる。色々疲れるからあんまり絡みたくない。

    小町「遠慮しないでください、その腕じゃ、お風呂も大変ですし!」

    雪ノ下「い、一緒に入るのは確定なのかしら……」

    小町「ほらほら~良いではないか良いではないか♪」

    雰囲気に流されるまま、雪ノ下が小町に連れて行かれた。
    なんだかんだいってノリノリだな、着替えとか普通に持ってきてるし。
    アイツも妹とか欲しかったりするんだろうか?俺は彼女のおかげで姉とかいらないって思えるようになったかもしれない。

    ……うぉ!?なんかすごい悪寒がした!嘘です、姉とか超欲しい!でもサイボーグ忍者じゃなくて生身の
    お姉ちゃんがいいです!
  34. 34 : : 2013/12/24(火) 01:17:09


     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ニューヨーク ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    小町「腕が湯船に浸からないように気をつけてくださいね~」

    雪ノ下「何から何まで悪いわね」

    小町「いえいえ~、私、お姉ちゃんとかちょっと憧れてましたし」

    雪ノ下「そうね、私も下の姉妹がいないから少し興味はあるわね」

    小町(どうなんだろう、実際のところ脈ありなのかな?)

    雪ノ下「それに、兄妹というものは切っても切れないもの、小町さんは比企谷くんという兄と切っても切れない関係を続けなければいけない訳ね、人としてできてなければ挫折しそうなものだわ」

    小町「……」

    雪ノ下「……小町さんはすごいと思うわ、彼の話を聞いていると、あなたが彼の心の支えになっていることがひしひしと感じられるもの……。」

    小町「どうしようもないお兄ちゃんですけど、比企谷小町に取ってはたった一人のお兄ちゃんですからね、世話も焼くし、世話も焼かせるんです。」

    雪ノ下「姉妹ってそうゆうものなのかしらね……」

    小町「人によるんじゃないですかねぇ」

    雪ノ下「そうね……」

    小町「あ!もしだったら雪乃さんがうちの兄をもらってくれれば小町本物の妹になれますよ!今なら在庫処分でお安くなってますよ~♪」

    雪ノ下「……」

    小町「な~んて……あれ?(もしかしてこれは……)」
  35. 35 : : 2013/12/24(火) 01:19:11

    小町「お兄ちゃん、上がったよー」

    比企谷「お、おう」

    湯上りの女の子ってだけでなんというかドキドキしてしまう。免疫ないんだよ。

    雪ノ下「安心しなさい、あなたが劣情を催すようなものを私が残すとでも?」

    比企谷「いや、な、なんのことだよ?」

    下着なんてものは脱いでしまえばただの布切れだ!別にそんな……ごめんなさい。

    小町「あ、お湯抜くの忘れてた」

    待て、水資源がもったいないだろうが。

    比企谷「いざ、服を脱いで風呂に入ろうとしたらお湯が入ってないとかなかなかのガッカリ具合だぞ」

    たまに、もう全員お風呂入ったよね~って湯船のお湯抜かれてたりするから困る、忍の者の宿命なり。

    雪ノ下「大丈夫よ、小町さん、私が抜いておいたから」

    いや、気持ちはわかるけどそんないい笑顔で言われると余計に凹むんだが……。

    比企谷「……まぁ、シャワー浴びてくるわ」


     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    比企谷「……お湯抜いてねーじゃねーか」
    くそ、逆に意識しちまうだろ……
    といいつつ、しっかり湯船で温まった。最近寒いわよね~。



    風呂から上がるとリビングに2人の姿はなかった。
    なんだ、もう寝たのか……。

    まぁ、何をするでもないし、俺もさっさと部屋に行こう。

  36. 36 : : 2013/12/24(火) 01:24:24

    ……バタン

    ふぅ……寝るか。

    なんだろうな、疲れた。外出したからだな、うん、きっとそうだ。


    比企谷「そういえば、あいつギプス付けたまま寝るわけだよな、準備大丈夫なのか?」
    なんとなくひとりごちた。

    雪ノ下「患部を少し高い位置に固定できれば基本的に問題ないわよね」

    比企谷「俺は足しか……いや、腕も同じなんだな」

    雪ノ下「ええ、枕とクッションを借りればいいかしら」

    比企谷「俺、部屋に友達来たことねーからクッションなんてハイカラなもん用意がないぞ」

    リビングから持ってくるか……。

    雪ノ下「さらりと悲しいことを言うのはやめてほしいのだけれど」



    比企ノ下「「……」」



    比企谷「……なんで俺の部屋にいんの?」

    てっきり脳内友達が具現化したかと思ったじゃねぇか……脳内の友達ですらこんなに厳しかったら自殺しちゃうぞおい。

  37. 37 : : 2013/12/24(火) 01:26:32

    。。(小町「いやー、忘れてました~、小町寝相悪いんですよ~、もしかしたら雪乃さんに危害を加えちゃうかもです。
    その点、兄は寝相だけはいいので兄のベットは好きに使ってくださいね!」)

    あー、普段やらないお兄ちゃんの部屋を掃除してたのはそうゆうことなの?というか15年一緒に暮らしてきて
    いいと思えるところ寝相だけかよ。

    雪ノ下「しかし、その理論だと、あなたの部屋にベット以外の布団なんて用意がないんじゃないかしら?」

    ですよね~。三十六計逃げるに如かずということで……。

    比企谷「あー、俺親父の部屋で……」雪ノ下「待ちなさい」

    しかし回り込まれてしまった。

    雪ノ下「ここはあなたの部屋よ、堂々としていなさい」

    比企谷「さっきまで人のベットでふんぞり返ってたやつのセリフじゃねぇな」

    なんにしても布団持ってこねぇとカタイ床で眠るハメになるわけだ。

  38. 38 : : 2013/12/24(火) 01:29:02

    とりあえず電気を消して雪ノ下はベットに……俺は床の布団に。

    つーかそれはそれで嫌じゃないの?順応力高過ぎだろ……。

    比企谷「……」

    雪ノ下「……」

    不思議と胸のドキドキは収まった。それでも寝れる気はしないがな。
    羊でも数えようかと考えていると雪ノ下が口を開いた。

    雪ノ下「小町さん……本当にできた妹ね」

    比企谷「だろ、もっと褒めていいぞ」

    雪ノ下「私があなたの妹だったら訴える側に回るか、刑事罰も辞さない手段を取ることもやぶさかではなかったかも知れないわね」

    比企谷「やめてくれ、小町以外の妹なんて死んでもごめんだ」

    雪ノ下が妹……実現したらマジで死にそうだ。

    雪ノ下「兄思いの妹はすごく可愛いらしいのに、妹狂いの比企谷くんは気持ち悪いわね」

    比企谷「比較対象の前提条件に個人の感情混ぜないでくんない?」

    つーか俺が小町を愛してるのと同じくらい小町も俺のこと愛してるから……愛してるよね?

    比企谷「上の兄姉なんて皆シスコンブラコンでいいんだよ」

    ほら、あの……川越さん?とこのお姉ちゃんもブラコンだっただろ……気持ち悪い。

    雪ノ下「……」

    比企谷「雪ノ下さ……陽乃さんだって」

    雪ノ下「比企谷くん、言っていい冗談とそうではない冗談は明確にしておくべきよ」

    死にたくなかったらね、と暗闇に光る眼が語っている気がした……猫目か。

    比企谷「冗談でもねぇと思うんだけどな……」
  39. 39 : : 2013/12/24(火) 01:31:51

    雪ノ下「……」

    雪ノ下「……私、寝言が多いのよ」

    比企谷「は?」

    そういうと雪ノ下は黙り込んでしまった。しばしの静寂の後……

    深呼吸をするような、ため息をつくような、気配がして……

    誰かの寝言が聴こえてきた……。

    「私のとっての姉は……教師であり、反面教師であり……まさに一番近い他人だったのだと思うわ」

    「……」

    「あの人は自身にとっての最適を常に発揮できる環境と力を持っていた。」

    「そして、最適解を得るためなら自分を変えることに躊躇がなかった……。」

    「むしろ、完璧なコンディションで作り上げた自分を素直に愛することが出来る……。」

    人に求められる答えを用意できる完璧な適応能力、アルティメットリア充とは彼女のことか……。

    「そんな姉に憧れた……そして悟ったのよ、姉を模倣するには私はあまりに不器用だった……。」

    「嘘で塗り固めた自分を作り出すことも、ましてや演じることなんて無理だった。」

    「でも、変えたくない、変わる必要なんてない、そう自分に言い聞かせて生きてきた。」

    「そんな自分のこと、嫌いじゃなかったわ、姉さんのことはどうしても好きになれないけれど」

    陽乃さんがちょっとだけ可哀想になってきた……。でも直接そう言われても、あの人は喜ぶんだろうなぁ。

    「……」

    「……人は簡単に変わらない、でも周りは変化し続ける……。」

    「そうして、本当は変わっていく自分に気づいていないだけなのかも知れないわね」

    「あなたは本当に変わらない自信がある?変わってないと言い切れる?」

    寝言は夢の中の誰かに向かって言っている言葉なのか、それとも自問自答なのか……。

    俺も眠ってみたら、同じ夢が見れるかも知れない。
  40. 40 : : 2013/12/24(火) 01:35:11

    比企谷「あー……俺も寝言言ったりするのかな?確認できないからわからないな、無意識だし」

    自意識の化物が無意識を語るか……滑稽にもほどがある……。

    「……」

    目を閉じでゆっくり深呼吸してから、言葉を吐き出した。

    「変わりたいなら変わればいい、変わりたくないなら変わらなければいい」

    「……」

    「俺は変わらない」

    「奉仕部での活動は俺を変えたんじゃない、俺が奉仕部で活動することを選んだから環境が変わった。」

    「環境が違えば同じ行動を取ってもそれの持つ意味が変わる」

    「受け取る人によって捉える意味が違うなら、他人に合わせて気を使って変わるつもりなんてサラサラないしな」

    早く目を覚まさないといけない、押し止めろ……。

    「……失いたくないものが出来たかも知れない、でもなくしてしまうかも知れない、なら最初から手に入れなければいい」

    ロジックは単純だ、どうせ望んだ結果を得られないなら、最初からやらなくていいや精神、つまり、「変わらない」のだ。

    無意識を言い訳に絶対に口にしてはいけないことまで流れ出てきてしまう。

    そして今、変わってしまう……そんなのは……絶対に……。
  41. 41 : : 2013/12/24(火) 01:35:45

    「今はまだ……変わりたくないな……。」

    「……ならいつ変わるの?」

    今でしょ!なんて言わないからな……

    「わからん……死ぬまで変わらないかもな」

    というか、寝言がリンクしてるんだけど、なんなの?相思相愛なの?

    「そうだな、お前が変わるなら、考えてやってもいいぞ」

    「そう……」

    勝手に憧れて、勝手に失望するような奴がいるんだ、お前も変わらなくていい。

    そこで会話……じゃなかった、寝言は終わった、眠りが深くなったのかもしれない。

    なんか疲れたからか、本当に少しだけ眠気が……。
  42. 42 : : 2013/12/24(火) 01:37:49

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    ……朝か……。

    唐突に目が覚めた、体内時計には自信はない。

    ……まだ暗いじゃねぇか。

    なんか体が重い……物理的に。

    比企谷「……おい」

    「……」

    そうか、夢だ、あの雪ノ下が寝てる俺を上にまたがって俺を見つめているなんて状況が現実なはずがない。

    「……」

    比企谷「なにか申し開きはございますでしょうか……」

    雪ノ下「……私、寝言が多いのに加えて、寝相も悪いみたいよ」

    「人間の生存本能ってそんなになまってるのかよ……」

    腕怪我してても寝相とか悪いのか、俺は寝相がいいからわからないけどな。
    つーかベットを起きて人にまたがるのは寝相とはいわない、夢遊病だ。

    比企ノ下「「……」」

    比企谷「め、目が覚めたならとりあえずどいてくれ」

    雪ノ下「……」

    おい、馬鹿やめろ、怪我してる奴を突き飛ばすなんてできないぞ、頼むから早くどいてくれないと色々まずい。
  43. 43 : : 2013/12/24(火) 01:39:21

    雪ノ下「……怖い夢を見たわ」

    ……俺も見たよ、新たな黒歴史が刻まれる瞬間の夢をな。

    雪ノ下「恐ろしすぎて、人の温もりを感じないと眠れる気がしないわ」

    比企谷「雪ノ下、ちょっと俺のほっぺた抓ってみてくれないか?」

    雪ノ下「嫌よ、気持ち悪い」

    おかしいな、心が痛い……夢なら痛くないはずなんだけどな。

    雪ノ下「そ、それより選びなさい、腕かお腹か……」

    比企谷「いや、意味がわからないんですけど……」

    雪ノ下「どうすればあなたが劣情を催さないように触れられるかという選択肢を吟味した結果よ」

    比企谷「……」

    雪ノ下「だから、わ、私の枕になりなさいと言ってるのよ」

    ついに比企谷八幡は人間から道具への降格が決まったらしい。
    というか本当に夢だよね?明晰夢ってやつだよね?

    比企谷「……じゃ、じゃぁお腹で」

    もうどうにでもな~れ!
  44. 44 : : 2013/12/24(火) 01:42:12

    雪ノ下「マニアックね、じゃ、じゃあ失礼するわ」

    よく川の字に並んで寝る、みたいな表現されるけど、T字にクロスして眠る、なんて斬新すぎるだろ……。

    遠慮がちに俺の腹に雪ノ下の頭が乗せられる。
    う……服越しでも雪ノ下の体温が伝わってきてこそばゆい。
    誰だ、氷の女王とか言った奴でてこいよ!

    しかも、左手を下にする形で横向きに寝転がっている状態のため、雪ノ下の顔が俺の顔側に向いている。
    見てる……めっちゃ見てるよこの子……。

    比企谷「お、おい寝ろよ、寝ろ下さい」

    雪ノ下「そ、そうしたいのは山々なのだけど……」

    暗くてよく見えないけどこいつ絶対顔真っ赤だろ、お腹温かいを通り越して熱いんですけど……。

    雪ノ下「あなたの鼓動と呼吸の上下動のせいで寝るに寝れないのよ」

    わかった、呼吸と脈を止めて仮死状態になればいいんだな!もういっそ殺して!

    比企谷「ざ、残念だけどどうにもならん、我慢しろ」

    雪ノ下「し、仕方ないわね、さすがに脈が途切れても困るもの……」

    雪ノ下の吐息が顎をくすぐる……あー、新手の拷問だこれ、絶対に負けないからな!

    永遠に続くかと思われる大我慢大会(主に理性的な意味で)の最中、
    色々と限界突破しそうだったので俺はいつしか考えるのをやめた……。
  45. 45 : : 2013/12/24(火) 01:43:05

    チュンチュン

    ……朝……だよな……。

    時計は8時、機能性抜群の遮光カーテンの合間から光が漏れている。

    部屋の中に雪ノ下の姿はなかった。

    くそ、ぐっすり寝たはずなのにすごいだるい……。

    とりあえず顔洗ってコーヒーでも飲んでまったりしよう……。

    顔を洗ってリビングに入るとコーヒーの香りが漂ってきた。

    雪ノ下「おはよう、比企谷くん」

    比企谷「おう、おはようさん」

    雪ノ下「失礼だけど、台所を勝手に使わせてもらったわ」

    比企谷「怪我してるんだから無理するなよ」

    雪ノ下「ええ、でもたいした労力でもないし、何もしないのも落ち着かないものだから」

    カマクラ愛でてればいいのに。そういえば小町の部屋で寝てるのか見当たらないな。

    比企谷「朝食は俺が作るから適当にくつろいでいてくれ」

    雪ノ下「あなたが?」

    比企谷「専業主夫志望なめんな、凝ったものじゃなければだいたいいけるっつーの」

    とりあえずトーストとハムエッグでいいか……。
  46. 46 : : 2013/12/24(火) 01:47:49

    雪ノ下「……」

    見られてるとなんか緊張するんだが……。

    比企谷「なんだよ?」

    雪ノ下「いえ、別にたいしたことはないのだけれど……」

    雪ノ下「その……昨夜はいい夢が見れたかしら?」

    比企谷「!?」

    不意打ちで卵落とすところだったぞおい。
    思わず雪ノ下を正面から見つめてしまった。

    もう俺の中では雪ノ下が部屋にいたところから全部夢だったことにしたんだよ。

    なのに、なのに……なんなんだその顔は……。

    俺の知っている雪ノ下雪乃はそんな顔はしない。

    普段も照れたり笑ったりする表情にドキッとすることはあった……でも……。

    なんで、俺が今まで生きてきて、見たことのないような笑顔してんだよ……。

    比企谷「い、いや、特に夢は見てない……な」

    俺、分不相応な夢は見ないんだよ……見ないはずなんだ……。

    雪ノ下「そ、そう……私は面白い夢を見た、ような気がするわ」

    比企谷「そうか……良かったな。飯出来そうだから小町起こしてきてくれないか?」

    雪ノ下「ええ……」

    もしもあの夢が正夢とか予知夢とかそうゆう類いなんだとしたら……いや、リアルではないから、あれ夢だから……ホント……。

    ……俺はどうするべきなんだろう?

    俺が彼女を変えてしまうスイッチになってしまうのだとしたら、責任の所縁は俺に……。
  47. 47 : : 2013/12/24(火) 01:49:42

    その日は特に何をするでもなく過ごした。
    強いて言うなら、カマクラの好感度ランク一位が変動したくらいか?
    不動のトップ、比企谷小町ついに落つ!
    俺は元々ランク外だから変動してもなんら関係ないけどな。

    さすがに夜はお引取り願った。危なくカマクラが脱走するところだったけどな……。
  48. 48 : : 2013/12/24(火) 01:52:44

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    雪ノ下「おはよう、比企谷くん」

    比企谷「おう、ギプス取れたんだな」

    雪ノ下「ええ、まだ本調子ではないけれども」

    比企谷「そっか、でもまぁ良かったな」

    雪ノ下「それで……この本なのだけれど」

    比企谷「ああ、リハビリ頑張れよ」

    雪ノ下「あ、あなたが用意してくれたんだから、この、2人でする運動を手伝いなさい!」

    いや、腕のリハビリって1人でできないもんなの?というか……

    比企谷「いや、それ俺が用意したんじゃなくて……」

    イケメンユース代表涙目すぎるだろ……まぁ俺もイケメン予備軍くらいには属してるとは思うけどな。

    雪ノ下「……」

    やめろ、可愛く膨れるんじゃない、ほっぺたつつきたくなるだろうが……。

    比企谷「いや、まぁ、出来る範囲でな」

    また家に呼んだり呼ばれたりする口実ができてしまった気がする……。

    由比ヶ浜「あ、ヒッキーとゆきのん、やっはろー……」

    比企谷「由比ヶ浜……」雪ノ下「その手……」

    由比ヶ浜「いやぁ、あはは……ちょっとドジっちゃってさー……」

    雪ノ下「……比企谷くん、ひとつ依頼をお願いしてもいいかしら?」

    比企谷「……はぁ」

    「やはり俺と彼女と彼女の関係は骨が折れる。」 ~Fin~

  49. 54 : : 2013/12/26(木) 08:26:40
    とてもおもしろかったぁーorz

    次回作も期待させてもらうぞ!
  50. 55 : : 2015/01/11(日) 22:02:26
    物語の構成と面白さ、キャラに適した台詞選び、どれも見事な出来でした。楽しませてもらいましたよ♪「骨が折れる」もお後が宜しいようで(´๑•ω•๑)

    「俺ガイル」も、もうすぐ2期放送で楽しみになってきましたね!
  51. 56 : : 2015/08/04(火) 19:50:00
    綺麗に纏まってて良かったです
    乙であります
  52. 57 : : 2016/01/09(土) 10:43:42
    乙です
    次回作期待です!

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