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やはり俺の嘘は濁っている

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  1. 1 : : 2016/06/14(火) 22:36:03
    こんにちは こんばんは お久しぶりです皓です。

    長い間ドロンしていましたが久々にご登場させていただきました。
    企画途中ですが勝手に書かせて頂こうかと思っています途中で消える場合がありますがその辺はマリアナ海溝ぐらいの深い気持ちで大目に見てください。

    それではどうぞ暇つぶしに。
  2. 2 : : 2016/06/15(水) 21:24:44
    壊れた関係が修復できる事は可能か?

    答えは否である。
    壊れた物を治す事とは違い記憶は残り続ける。
    それが余程自分にとって嫌な事なら尚更。例え関係が修復できたと思っていても相手が自分と同じ思いだなんてそれこそ幻想だ。虚言を吐いて自分を偽りまた同じ居場所に居てもそれは"居場所"と言えるのだろうか?

    生憎その答を俺は知らない。

    俺が受けた隠れた依頼。

    俺の起こすべき行動があれば彼ら彼女らの居場所は存続していたのだろうか。だが、答えは既に出てしまった戻る事のない答えが。

    捻じれた関係、崩れた居場所、そして果たせれなかった依頼。

    元通りじゃなくていい取り繕うだけでいい、きっと彼らはその先の答を知っている。だから俺は手助けをすればいいまだ望んでいる者がいるのであれば。


    ―――――――――
    ――――――
    ―――


    修学旅行3日目の夜、俺達は戸部の依頼を遂行するべく由比ヶ浜達と探し出した竹林の道で今回のもう一人の依頼主海老名姫奈を待ち伏せていた。だが、海老名さんの依頼は戸部の告白を阻止して欲しいと遠まわしに俺にそう言ってきた。

    だから俺はその依頼に応えなければならない。
    雪ノ下達には許可はもらった誰も傷つかない関係を維持したいならこの方法しかない

    「あの、俺さ・・あの俺!」

    「・・・・・・」

    どうやら海老名さんが来たらしく戸部は緊張しているらしく思った言葉が出てこない。俺はタイミングを見計らい割り込む瞬間を探り出す

    「あの俺、海老名さんが!」

    ここだ。そういう前に足が動き出す――はずだった、掴まれた服のせいで前に進めず俺は何ぞやと振り返ると下を向く雪ノ下が微かに震えた手で俺の動きを止めた

    「ごめんなさい、けれど、止めなければいけない気がするの」



    「・・・ごめんなさい。今は誰とも付き合う気がないの」

    静かに聞こえた言葉は想定していた言葉と同じだった。戸部は固まったまま動こうとしない由比ヶ浜や雪ノ下はそのまま視線を向け葉山や他の奴らは目を逸らし現状から目を逸らし出した

    海老名さんと目が合い酷く予想を裏切られたと言うように沈んだいつか見た表情をしていたがすぐさま元来た道へ戻りだした振り向かない彼女の背中は小さく今にも消えそうだった
  3. 3 : : 2016/06/18(土) 21:53:41
    長く感じた修学旅行は早足のように過ぎて行った
    千葉に着き千葉の愛情千葉の安心さに酔いしれる事を後回しにし俺は指定された場所に向かった

    硝子越しから見える下の景色は小さくもなく、かといって大きすぎるといった事もなく空中に浮いてる城にいたのなら「見ろ人がごみのようだ」と腐らせた目で下界を眺めるのだろう

    「待たせちゃった?」

    後ろから聞こえた声の方に振り返り声の主 海老名姫奈と会う事となった。海老名さんは作った笑顔を見せ俺の元へ近づいてくる

    「比企谷君、戸部っち大丈夫だった?」

    「ああ、玉ねぎでも切ったみたいにおんおん泣いてたがな」

    あの夜の戸部といったら中学の俺みたいに…まだ軽いもんか

    「……悪かったな、依頼」

    「…ううん。いつかああなってたと思うんだ。だから時間が早まっちゃっただけだよ」

    「あんな事の後だが。案外戸部も悪い奴じゃないぞ」

    少し煩くて、鬱陶しくて毎回名前間違える「こいつ本当バカだな」って思えるくらいの良い奴だ

    「ムリムリ、今の私が誰かと付き合うなんて」

    「いや、でも―――「ムリだよ。私腐ってるから」

    「そうか、…なら仕方がないな」

    「うん。でも比企谷君となら意外と上手くいけるかもね?」

    にやにやと分かりやすい顔をしだす海老名さんに笑みがこぼれる
    俺はばれないように照れたような仕草をとり遠くを見る

    「冗談でもやめてくれ。うっかり好きになる」

    「そうやって、どうでもいい人間には素直なところ嫌いじゃないよ」

    「ああ。俺も嫌いじゃない」

    「私だってこんな自分が嫌いじゃない。だけど嫌い」

    初めて聞いたような本音だった。隠すことをせず漏らした閉まっていた本心。きっと彼女は守りたかったのだろう。縛られず、支配されることなく存在していたあの居場所が好きだったのだと。

    「……自分じゃ決めれずに選択を委ねて頼ってしまうそんな自分が大嫌い」

    そう言い残すと彼女は戻っていった
    "委ねて頼る"その答えは間違いなんかじゃない、けれども誰かに頼るそれすら世界は悪いと物語る。なら何が正解なんだ完璧な正解などほんの僅かで残りは不正解以下の赤点だ、だからこそ彼女は頼ったのだろう偽って装ってそれでも欲しかったものだから

    望んでしまったのだろう
  4. 4 : : 2016/08/29(月) 22:38:46
    あれから数週間が経った。
    だが未だ彼ら彼女らの違和感は消えていなかった、表向きのぐちゃぐちゃした関係を見るのは嫌いじゃないが俺が加担した依頼であり俺が原因であるからして笑える状況ではない、いやほんと(笑)

    だけど、本当空気悪いな、なにここ空気4分の1くらいしかなさそうなんだけどなんなら重力は10倍で修行もできそうである。険悪な空気を察知したのかクラスの連中らは用事だとかトイレだとか休み時間、昼休みは外出中なのである。俺はというと用事はないしトイレも行きたくないので必然的にここに居座ってしまう。なんか主みたいでカッコよくね?

    「いや~それでこの前さ―――」

    けれども、以前と同じ立ち振る舞いをする由比ヶ浜 結衣は触れたくない話題を逸らし如何にもあいつがしそうなキャッキャウフフと俺には分からん話をしている。

    けれども、歪な汚れは今も尚拭える事は無かった


    「ういーす」

    「あら、こんにちは」

    「やっはろー!」

    同じ部室に行き、同じ定位置の場所に座り持ってきた本を適当にぱらぱらと捲る。依頼者が来ない部室はいつも通りの暇で騒がしい放課後が過ぎ去っていく、もしも、もしもの事だあの修学旅行で俺が起こしたことでこの部活に罅がはいってしまったら俺はどう「せんぱ~い」どう…

    「おい一色俺の頭中まで入ってくんな」

    「は?何言ってるんですか?」

    「なんだこいつ?」と冷たい目で俺を見ている、この女子こそ総武高校生徒会長につい数日前任命された一色いろはこといろはすである。

    「で、なんだ一色」

    「今日は生徒会室に必要な備品を買うって言ってたじゃないですか!」

    「あ?あれは無くなったんじゃ」

    そもそも俺聞いてねえんだけど

    「何言ってるんですか!先輩がいなかったら誰が荷物持ち兼雑用に(私寂しいじゃないですか!)」

    「おい本音と建前が逆だぞ」

    この通りあざと系小悪魔系可愛い系とトリプル配合されたのがこの一色という訳で俺はその雑用系奴隷とされた訳だ

    「まあまあ、それより早く行きましょうよ~」

    ぐいぐいと俺の袖を引っ張られ躓くように歩き出すがもう片方の腕も引っ張られていることに気づく。

    「…あの由比ヶ浜さん?」

    「二人だけで楽しそうだね??」

    にこにこと笑みを浮かべるももわもわと黒い煙が漂いそうなのは焦げているからかな?

    「そうね。一色さん。この男が貴方と二人きりになる事を理由に貴方に不健全な行為をする事を防ぐためにも同伴したいのだけれども3人ならすぐに通報ができてこの男を未来永劫日の光を浴びせさない為にも協力してほしいのだけれども」

    うーん、なんだろう最近風邪気味なのかな。鼻水じゃなくて目から滴が落ちてくるんだけど。一色の表情を見る限りキャッキャウフフと周りが花畑になる事はないだろうな。

    「そ、そうですね。それではお願いしましょうか?」

    こっち見んじゃねえよ俺に拒否権なんてないだろ、絶対。

    「うんうん!じゃあ皆でいこう!」

    「そうね、今日は依頼者は来なそうものね」

    「…先輩。雪ノ下先輩達が怖いです」

    「安心しろ。俺もだ」

    お前らどんだけ買い物したいんだよ。
  5. 5 : : 2017/03/06(月) 22:02:20
    買い物(強制)に連れていかれ俺らは高校生の聖地いや千葉県民の聖地ららぽーとTOKYO-BAYまで足を運んだ。ここに来れば一日、なんなら毎日エブリデイ暇を潰せる俺レベルともなると混雑する時間帯(一部)、あらゆる店の情報(一部)、暇な時間を潰す120の方法まで知ってる。役に立たねえな。

    部室に来たときは、はしゃいでいた一色も今や怒り狂った平塚先生の前にいる俺のような表情をしているすげえわかるぞ一色俺もこの状況は得意ではない、というか苦手だ。雪ノ下さん由比ヶ浜さんマジ怖いっす。

    「ねえ、貴方達さっきからずっと無言だけれど、どうしたのかしら?」

    「そうだよ。どしたのヒッキー?」

    その満面の笑みが怖いんだって

    「い、いや。ねえ?一色さん?」

    「そこで私に振らないで下さいよ、先輩が避雷―じゃなく身代わりになってくださいよ」

    「言い直しても意味同じだからな?取り敢えず備品買い行くか」



    生徒会の備品も粗方買い終わり特に用も無くなったというので一色達の買い物に付き合う事となった。50分くらい同じ店で服について話しているのを遠目で見ているがあいつら長くね?小町と行くと10分そこらで終わるし俺に関しては母ちゃんが買ってくる服が大体である。けれども、それもその筈俺とあいつらは違うのだ。俺のように一方的に決められたり一人で進むやつとは違い

    あいつらは楽しめるのだ。
    お互いに意見を言い合い似合わずともそれを指摘しあい進んでいく、濁った水でさえ彼女らなら透き通った水にさえしてしまえるかもしれない 対処法すら解らず素直に喜ぶこともできず誰かに頼る事すらできなかった俺に残るのは濁った水だけだ。

    「ヒッキー!おーい!」

    「…なんだ?」

    「先輩テンション低いですね~もっと上げてきましょう!」

    「いやいや店内ではしゃいでもしょうがないだろ。なにここクラブかなんか?」

    きっと店内のBGMがデカいのも甘ったるい匂いがするのもクラブって事か(困惑)

    「はぁ。まあ先輩ですしね。で、先輩!これどうですか?」

    「あー似合ってる似合ってる」

    「すっごい適当ですねー」

    「大抵、似合ってるとか言っとけば女子は喜ぶんだろ?」

    「うわ~先輩卑屈すぎですね」

    「いやまて俺にも言い分はあるんだ」

    中学の頃気になっていた女子がショートヘア―にしてきたらから「すごい似合ってるね!」って言っただけだったのだが急にその女子が泣き出してクラス替えまで俺がその女子に気持ち悪い事を言い泣かせたと言われ続けてたな~人の噂も七十五日じゃねえのかよ。

    「まあヒッキーだもんね」

    「まあ先輩ですもんね」

    よかった。分かってもらえたらしい冷たい視線がその証拠だ。
    一色達はまだかかりそうなのできょろきょろと店内を見ているとじっと服を見つめている雪ノ下がいた。

    「気になるのか?」

    「あら、目が腐って比企谷君に似てたから比企谷君かと思ったわ」

    「安心しろ全てが俺に適合してるから、ていうか俺って分かってんじゃねえか」

    「冗談よ。そうね、少し気になっていたから見ていたのよ」

    青色のコートをじっと見ては手に取りまた戻すそんな行為を何度もしていた

    「試着。してみないのか?」

    「ええ。きっと私には似合わないから」

    「…そんなことないだろ」

    頭の中にあった言葉はいつの間にか口にでていて硬直してしまう、だが硬直していたのは俺だけではなく2、3秒止まっていた雪ノ下はそっぽを向きコートを手に取りまじまじ見つめだす。

    「…ちょっと試着してくるわ」

    「お、おう」

    残された俺はとりあえず辺りを見回し軽く吐息を吐いた
  6. 6 : : 2017/04/10(月) 21:56:38
    気怠い授業も終わり、いそいそと支度をしていると目が自然と彼らへ向かってしまう。ぎこちなく相手の行動を探り探りする姿は妙に異様に見える。停滞し続け、騙し騙しで進む先へはきっと元通りなんて事はないだろう。彼らの関係が本物だったのかすら解らない、上辺だけの関係で保っていた居場所だけだったのかもしれん。けれど、以前のようなどこか羨ましいと思ってしまった面影は見える筈もなかった。


    「ういーす」

    「あら、こんにちは」

    「やっはろー!」

    恒例染みた挨拶を終えいつもの定位置へ座る。
    ごそごそと読みかけの本を出し部活終了のチャイムまでこの時間を過ごす。もし、もしもだ。この平穏でもったいない程のこの時間を"あの"時俺が仕出かそうとした最低な行動をしてしまっていたのなら、今という時間は進んでいったのだろうか。雪ノ下に止められていなかったら俺はきっと吐きたくもない嘘と見たくもない表情を目の当たりにしていたに違いない。

    「…あれからどうだ?」

    雪ノ下との会話を止め、深刻な今にも泣きだしてしまいそうな顔をする由比ヶ浜は首をふり、そして出来てもいない作り笑顔を浮かべる。

    「うん、皆いつものようにしようとしてるよ…でもやっぱり前の用にはいかないね」

    「そう、戸部君は大丈夫そうなのかしら?」

    「うん、なんかとか前のようにしようとしてるけど、やっぱり落ち込んでるね」

    戸部もあんなおちゃらけた年中アホ丸出しの奴だが、あいつだって人間だ。嫌な事があったら落ち込むし、好きな人に振られて尚且つそれがよく絡んでいるグループの一人だったら余計にどう接したらいいのかわかんなくなってしまうんだろ。

    「これから、どうしたらいいかしら」

    「とりあえず、これ以上悪くしない為にこのままでいくしかないだろ」

    「そうだね。時間が経てばよくなるかもしれないもんね」

    掠れそうな声で話す由比ヶ浜も気づいている。
    時間が解決してくれる事は無いに等しい。
    このまま時間が経ったとしてそこで残るのは崩れたままの歪な関係と空っぽの空間だ。一度失ってしまえばもう一度修復するのは難しい、だからこそ。彼女があれほどまで俺にメッセージを残したのは、きっとあの居場所が気に入っていたからなんだろう。

  7. 7 : : 2017/11/13(月) 22:35:43
    「どうしたもんか」

    ずきずきと消え失せない感触を残したまま空中浮遊している状態。
    終わった。いや終わっていない事実的に依頼は"失敗"した事になっている、けれどもそれで納得していない自分が何処かにいて何もできていない事に嗤えてしまう。

    「・・・どうしたのかしら?」

    ぽつりと吐いた言葉が気になったのか、ぱたりと本を置きこちらをじっと見ている雪ノ下に「なんでもない」と見え見えの嘘をつく。この件は俺が受けた依頼だ。雪ノ下達は関係ない、そうは言うが元通りって訳にはいかねえよな。

    「そう。それより一色さんはその後どうかしら?」

    「どうとはどういうことで?」

    質問を質問で返してしまった、「はあ」と小さく溜息を吐きながら俺を獲物かのように鋭い眼光で宥めてくる。はちまん怖い

    「生徒会よ。あの子も一応生徒会長なのだから心配なのよ」

    ははんそういう事かいつもはなんで毎日いるの?みたいな怪訝な顔をしているがこの頃は来る回数も減ってきたからな、なんだかんだで気にして気になっていたんですね 可愛いですね。

    「ああ。なんとか上手くやってるみたいだな、ぐちぐち文句は言ってくるが」

    「そう、上手くやれてるならよかったは」

    そう言う彼女の声はどこか消え入りそうで儚げで安堵している表情とは思えなかった

    「・・・生徒会入りたかったのか?」

    「どうかしらね。入っても望めた物は無かったかもしれないわ」

    明後日の方向を見ながら話す彼女の声は薄っすらと冷たさを感じる声音だった。雪ノ下が生徒会長になれば必ずしも期待に応える業績を挙げるだろう、だが、天秤に物を置くように何方かが偏ってしまう筈だ、だからこそ、そんな隠しルートもanotherルートもいらない。残された言葉を聞きやすいように喋る。

    「なら望むものはどこにあるんだ?」

    「さあ、未だに私も解らないは」

    そう告げて彼女は本を開いた。
  8. 8 : : 2017/12/24(日) 14:49:40
    「それで、なんで俺呼ばれてるんですか?」

    放課後を迎えいそいそと部室へ向かう最中、平塚先生に話がしたい(強制)の為職員室に連行されていた。目の前で煙草を吸いモクモクと空中浮遊する煙を只々見つめている。なんだこの沈黙。本屋に行ったら中学の同級生に出会うレベルの沈黙。まじ沈黙。スルーすればいいものをなんであいつら声かけてくんの?特に話したこともないくせに「ウエーイ中谷?山坂?だっけ?元気?」って一文字もかすってねえんだよ話しかける前にもうちょっと頭の中整理したらどうですかねえ本屋いるんだし薄っぺらい漫画ばっか見てないで文字列の本でも読んだらどうですか。

    「急にすまんな。雪ノ下から聞いたのだが海老名からの依頼はから回ってしまったようだな」

    どうやら、雪ノ下は平塚先生にちょくちょく報告をしてたらしいな

    「ええ、まあ。そうですね」

    「話によるとその後の彼らはお互いに一歩距離を置くようになったそうじゃないか」

    「さあ。俺はあまりあいつらを見てはいないですけど違和感はありますね」

    実際に、関わりがない俺ですら分かってしまうほど以前と違うのは一目瞭然だ上っ面の笑いに誰かが我慢をしてしまう口にすれば終わってしまうと知っていてもそれを彼らは平気だと嘘をつく

    「・・・君はどうしたい?」

    「はぁ。まあそうですね。まだあいつらが望むなら多少なりとも今よりはマシな関係にはできると思います」

    確証はないがな

    「それは君自身が傷つく結果になりはしないか?」

    「・・・大丈夫です」

    平塚先生はむずがゆい顔をするとポケットに手を突っ込み数枚の紙を手渡してきた

    「多少のお膳立てをしてやろう。ディスティーランドのチケットだ前に貰ってなこれを使うといい」

    受け取ったチケットは6枚・・・6枚?

    「先生。なんで6枚も?」

    「キ ク ナ」

    ぷるぷると身体が震えてしまう、ハハハこれが武者震いというやつか、いやなんでだよ

    「ありがとうございます。使わせてもらいます」

    「ああ。これで話は終了だ部活へ行きたまえ」

    重くなった体を動かし出口へそそくさとでる。最後にお礼を言おうとしたが平塚先生は既にいなかった


    グラウンドへ向かい奴を探していると俺の存在に気づいたのか手をあげ近づいてくる

    「悪いな部活中に」

    「いや問題ないさなんのようだ?」

    あの後だというのによくも嫌な顔せずこれるな。
    俺なら嫌な顔をした後気づいてないふりをしてそそくさと逃げるというのに、俺はさっきもらったばかりのチケットをみせる

    「次何時休みだ?」

    「俺と二人でいくのか・・?」

    「アホ。三浦達も誘えよ。休みが決まったら由比ヶ浜にでも連絡してくれ、部活中に悪かったな」

    これ以上寒い思いはしたくなかったので直ぐに校舎に向かおうとする

    「なぜここまでする」

    先程とは違い、声、顔つきが違う同情でもされていると思ってるのか今すぐにでもチケットを押し返してきそうだな

    「依頼だからだ」

    「終わったのにか?」

    「ああ。期待はするなよ」

    「・・・どういう意味だ」

    「さあな。伝えたからな」

    逃げるように校舎へ早走しりをする。
    自分に言い聞かせれば正直なんでもできる。土下座だろうが押し付けられた掃除だろうが思い込めば簡単だ「いける」「大丈夫」「まだできる」だから自身に問いかける「まだ苦しめれるよな?」と
  9. 9 : : 2018/05/15(火) 23:25:19
    千葉市民ならもはや庭と言ってもいいこの場所、ディスティニーランド。俺も昔は親と来ていたが中学を卒業をした辺りからめっきり来ることがなくなったのだが、時々家のリビングにディスティニーランドで買ったであろうお菓子やグッズが散乱しているのはなんでかしら、夢の国だけあって幻でも見ているのかしらん?

    違和感のあるメンバーを後ろですれ違う人のような感覚で見つめている、頼んだのは俺なのだがこうもあっさり集まってしまうと拍子抜けというか驚いてしまう。海老名さんの一件を知るはずもなくべらべらと話をする一色を笑顔で対応する葉山、話をしようにも例の件のせいか海老名さんを見ては他をちらちらと見てはまた見つめる戸部、そして葉山軍団の女王様事三浦は由比ヶ浜とパンフレットを見ながら何やら楽しそうに話をしている。

    彼ら、彼女らはどんな気持ちで今日此処へ来たのだろうか、常に答えは決まっていてこんな経験をする機会がない俺だがここに来た理由はきっと彼ら彼女らは今の現状が、空回りする関係が嫌で見つめざるえないから来たのだろう。


    「・・・そんなに気になるか?パンさん」

    「べ、別にそんな事ないわ、ただ新しいグッズが出ていないか気になっていただけよ」

    気になってるじゃねえか。俺の隣を同じ歩幅で歩く雪ノ下は先程から行く先行く先にあるお土産コーナーへ出向き落ち込んだ様子でこちらへ向かってくるお目当ての物が無かったんでしょうね。

    「ねえねえ!ヒッキー、ゆきのん!皆であれ乗るんだけど行こうよ!」

    叩くワニみたいにひょこっとでてきた由比ヶ浜が指を指したのはディスティニーランドで指折りに入る人気アトラクションなのだが見るからに何時間か並ぶだろう長蛇の列が現れぐねぐねと動く大蛇みたいで気味が悪い。

    「悪い、疲れたから俺は待ってるわ」

    「私も、遠慮しておくわ、由比ヶ浜さん達は気にせず行ってきたらいいわ」

    溢れ出る人に疲れたのか小さく溜息を吐く雪ノ下を察したのか雪が浜は申し訳なさそうに一言添えると三浦たちの方へ戻っていった

    「大丈夫か?」

    「ええ、問題ないわ、少し疲れただけよ」

    まあ確かに休日ではあるがやけに人が多いな、このまま座っていてもいいが・・・少し落ち着くか

    「悪い、少しここにいてくれ」

    雪ノ下に伝えると人混みをかき分け近くにあるフードショップへ向かう、意外にも早くドリンクを購入ができもと来た道を歩くとただ前を見つめ微動だにしない雪ノ下へ飲み物を差し出す

    「早かったのね」

    「まあな、紅茶で良かったか?」

    「え、ええ。ありがとう」

    差し出された物が自分の物だと思わなかったのか、驚いた表情をしていたが数秒停止した後容器を受け取った

    「いくらだったかしら?」

    「いや、別にいい病人から金を巻き取るほど腐ってねえし」

    「確かに腐っているのは目とか性根とかだけれども、お金はお金でしょ」

    一言、二言余分に多いな。

    「いいから受け取っとけ」

    「わかったは、その、ありがとう」

    そっぽを向き素直に例を言われると妙にむず痒いのはきっと汗のせい蒸れて暑いせい。でも今どっちかっていうと寒いんだよな。

    「久しぶりに来たわ」

    「俺もだ、最後に来たのは家族とだったな確か」

    こう言う場所に子供の頃から来ると夢の国に憧れ過ぎて大人になるにつれそんなものは無かったと現実に引き戻されるし、逆に大人は夢の国に出たくなくなって「明日から仕事か」「夢から出たくない」と現実に戻される恐怖を実感させられて、その通過点を今まさに通ろうとしている俺はニッコリと笑って来るべき悪夢を待ち続けるしかない。本当働きたくねえな

    「私も家族と来た時が最後だったかしら」

    そう話す彼女の瞳には何が移っているのだろうか飲み物の容器を見つめ何もないのにそこを見つめる、それ以上は踏み込める訳もなくただ過ぎてく時間を待つしかない、だが何故か窮屈感などはなく広く視界が開けていた。


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kyamkoki

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