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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

Resident Evil ーThe beginning of the tragedyー

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  1. 1 : : 2015/11/22(日) 15:01:53
    思い立ったが吉日。

    ゾンビ物なんて二番煎じも良いところですね。
    でも意味不チート能力ssなんて三番煎じぐらいですから大丈夫ですよね。

    世界観は原作通りで行きたいと思ってます。
  2. 2 : : 2015/11/22(日) 15:35:59
    期待!
    エレンはチートですか?
  3. 3 : : 2015/11/22(日) 16:10:53
    エレンはチートにはしません、
  4. 4 : : 2015/11/22(日) 16:45:12
    期待
  5. 5 : : 2015/11/22(日) 19:02:21
    それは教官の一言がきっかけだった。


    「現在の成績上位10名を発表する!今から名を呼ばれた者達は教官直々に研修旅行へと連れて行ってやる!」


    その一言で訓練兵達は各々の感想を叫ぶ。

    「マジかよー!優等生だけずりー!!」

    「ふざけんなー!!」

    「俺も連れてけー!!」

    「クリスタァァ!!愛してるぅ!」


    「貴様ら!何をバカな事を言っているんだ?上位10名は貴様らより倍以上の努力を重ねてのし上がったのだ、怠慢に過ごし向上心を持たぬ者が寝惚けた事を言うんじゃない」


    教官の一言で喧騒もピタリと止む。
    文句を言った者達は何も反論出来ずただ教官を睨むしかなかった。


    「では現在生成上位10名を発表する!──」


    ──
    ───
    ────

    エレンside

    5番か、だがしかしまだ一年もある、順位変動する可能性は大いにある。
    これからも気を抜かず訓練に励まないとな。
    それよりも…研修旅行か……俺としては訓練をやってくれた方が良いんだが。


    「教官は一体何を考えているんだ?」


    俺が何気なく発した言葉に返答の声が返ってくる。


    「やる気のない訓練兵を焚きつける為じゃないかな、上位10人に入れば憲兵団行きも望めるからね。
    後は今日みたいに研修旅行参加もあり得る」

  6. 6 : : 2015/11/23(月) 15:04:47
    「なるほどな、確かにかったるそうにやってるやつ多いしな」


    「…それか実際に何かの研修行うのかも」


    ミカサが俺の意見に同意してくる。


    「その可能性も否定出来ないね、…何はともあれ楽しんできてね!」


    「おう」


    まさか、あんな大事件が起こるなんて俺を含めた皆は露ほども思っていなかった。


    ──翌日──


    兵舎に残る皆と別れの挨拶をし、教官の先導の元目的地へ目指す。


    「なぁ、ミカサ」


    並走している馬に騎乗しているミカサに声をかける。


    「…何?エレン」


    「向こうで何かアルミンにお土産買って行こうぜ」


    「ええ、アルミンが喜ぶような物を選ぼう」




    ──
    ───
    ────


    森を抜けた先にあったのは大きな洋館、とても綺麗な佇まいで清潔にされていることが分かる。
    でもそれとは違う、何かねっとりとした不気味な雰囲気が伝わる。


    「ここだ、管理者の方に失礼を働くなよ」


    ギィと重い音を鳴らしながら大扉が開かれる。
    中からスーツを着こなした男が出てくる。
    執事ってこんな物なんだろうか。


    「皆様、今日は、私は執事の…と申します。これから一週間よろしくお願いします」


    「「「「はっ!!」」」」

    敬礼をして執事こと管理人に挨拶を済ませると中へ案内される。

    玄関ホールで既に兵舎にある寮並の大きさもある。
    玄関から敷かれている赤い絨毯は二階へと長く続いている。


    「左手は食堂でございます、昼食時は各部屋へ連絡なさいますので」


    サシャが目をキラキラと輝かせ、口の端からよだれをだらだらと垂らしている。


    1人一部屋、案内された。
    部屋の中も当然の事ながらとても綺麗、シャンデリア?だっけか、それも備え付けられている。
    ベッドもライナーが2人入りそうな大きさ。
    とにかくすげえ。

  7. 7 : : 2015/11/23(月) 17:53:54
    特にやることが無いので館内を散策する事にした。
    にしても広すぎる、迷わないようにしねぇとな……。

    食堂内は広すぎず、狭すぎずといったところ、長テーブルは白いテーブルクロスが掛けられている。
    勿論汚れひとつ無い。


    次に食堂を出る、細い廊下で扉が二つ、横に付いてる。
    右側の扉を開ける。
    中は娯楽室という雰囲気を持つ部屋だった。


    紺のふかふかのソファー、火の点いていない暖炉。
    暖炉の上には出っ張りが二つ離れて出ている。そこに長細く木と鉄を組み合わせたものが置かれていた。
    銃…?随分と物騒な館だな。


    足に何かが当たった。
    足元へ視線を下す、何の変哲も無い絨毯に見える。
    そこに手を置く、床から何かが出っ張っている感触が手に伝わる。


    何となく、好奇心だろうか、気になったので絨毯を捲ろうと端を掴んだ時──。


    背後で扉の開閉音が鳴る、それと同時に足音が部屋の中に入ってくる。
    頭を上げ入室して来た人物を見据える。
    スーツを着こなしたさっき見た人物…。


    「どうなさいましたかな?イェーガー様」


    「……絨毯が捲れていたので直していただけです」


    我ながらにも苦しい言い訳だ、こちらは飽くまでお世話になるのだ、迷惑を掛けるな。
    とキース教官に何回も言われたので体裁を保つ為取り繕う。
  8. 8 : : 2015/11/23(月) 21:49:48
    管理人は無言で出て行った、誤魔化せては……ないよな。
    再度絨毯を掴む。
    ゆっくりと捲っていく、出っ張りのあった所には丸い金属棒と金属棒の端は溶接されている。
    なるほど、レバーか。

    金属は床を四角に囲んでいる。
    この下には一体何があるんだ…?

    娯楽室に食料庫なんて作らないとして、何だ?避難経路か?

    考えを巡らせていると、部屋の外でカツカツと足音が聞こえる。


    慌てて絨毯を戻し部屋を出る。


    「……ミカサか」


    「エレン、ご飯の用意が出来たらしい」


    「ん、そうか…じゃ行くか」



    昼食を済ませ再び自由時間となっていた。
    研修ってのはないのか?本当に唯の旅行じゃねぇか。

    ここら辺に何かなかったっけ……あ、そういえば村があったな。


    「ミカサ、暇だし近くにあった村に行かねぇか?」


    「ええ、エレンが行くなら」



    ──
    ───
    ────


    村に到着。
    さてさて見たとこ人っ子1人いねぇな。
    取り敢えず回ろう。
    家に行けばいるだろうし。


    コンコンコンとドアをノックし、中へ居るであろう住人へ声をかける。


    「すいません、どなたかいらっしゃいませんかー?」
  9. 9 : : 2015/11/24(火) 17:36:30
    返答なし、そしてドアに鍵が掛かっていない。
    この家の防犯意識に不安感を感じながらも開けてみる。

    中は閑散としており人の気配は感じられない。


    「誰かいませんかー?」


    「待って、……何か音が聞こえる」


    口を閉じ黙りこみ、耳を澄ますとクチャクチャと咀嚼音が聞こえる。


    上か。


    そう確信し階段を駆け上る、二階に上がった途端異臭が鼻を突く。
    廊下のあちこちに血溜まりが点々と続いており血溜まりは廊下の先の方まで続いていた。


    躊躇なくドアを開け放つ、さっきとは比べられないほどの臭いが気持ち悪さを促す。


    見た所男が食事をしていた、だがテーブルは血だらけに汚れていた。
    俺の存在に気づいたのか男がゆっくりとこちらへ顔を向けた。

    男顔は青白く血にまみれ、白目を向いている。


    「ガァァァ!!」


    俺という存在を認識した途端飛びかかってくる。
    格闘訓練で習った術を用いて対処する。


    男の腕をガッシリと掴む、腕をそのまま引っ張りよろけた男の足に俺の足を掛ける。
    簡単に地面に倒れ伏せ全身を打ち付ける。
    俺の中で危険信号が鳴った。

    勢いよく頭を踏み潰す。


    脳みそや血が飛び散る。
  10. 10 : : 2015/11/24(火) 17:40:44
    期待
  11. 11 : : 2015/11/27(金) 00:41:33
    何だこれは……。

    人を食うなんて、まるで巨人じゃねぇか…。


    「エレン?何かあっ…た…?」


    「ミカサ、段々この研修旅行がきな臭くなって来たぞ…」


    ミカサに事情を説明すると直ぐに信じてくれた。
    やはり持つべきは家族だな。


    まず家主の物であろう日記を発見した。
    判読した所、この小規模の村にて人体実験が行われたそうだ。
    その実験が十中八九さっきの巨人もどきなのだろう。


    台所で適当に武器になりそうな物を見繕い他の家へ侵入する。
    全く、こんなサバイバルな研修旅行だなんて聞いてないぞ。


    「ここにはいねぇな…」


    「ええ、次の家に行こう」


    生存者がいればいいのだが…その可能性は低そうだ。


    別の民家にて書類を発見した。


    『小規模な村を実験台にして見た所、実験は大成功だった。
    ・・・・の副産物でしか無かったから期待はしていなかったがこれはかなり使えそうだ。
    そうだな…・・・因みT-Virusと名付けよう。
    景気付けにまずは・・・・を使用しトロスト区を陥落させよう』


    ……っ!?


    トロスト区…!?あそこの近くには訓練兵の皆がいる!
    あそこにはアルミンが…!!
    どうすればいいんだ…。
    それに疑問が残る、何故こんな綺麗な状態で書類が残っているんだ?

    これは罠なのかもしれない、所々の字の隠し方も不自然過ぎる。
    だが本当だったら場合どうすればいい?
    俺には何が出来る?
  12. 12 : : 2015/11/28(土) 20:11:34
    きたい
  13. 13 : : 2015/11/28(土) 22:27:41
    何枚も重なっている書類を急いで読み漁る。


    「あった…!!……9月27日…?!」


    明日だと?!…何でこうも偶然に偶然が重なるんだ!


    「くそっ……」

    思わず悪態を吐く、全く最悪の気分だ。
    一先ず館に戻って皆に伝えるか?
    横から顔を覗かせたミカサが口を開く。

    「ねぇ、エレン…あの館の執事、何か怪しい気がする」


    「研修旅行先の館の近くにある村は壊滅状態で生物実験…加えて明日トロスト区という大規模な事件が起きる」


    「幾ら何でも都合が良すぎる」


    をっ!!…」


    ミカサに言われて気づいた、これは偶然の重なりじゃない。
    これは計画だったんだ…!目的が何かは知らないが世界を壊滅に追い込む計画…。


    ダメだ、教官とあの執事はグルの可能性が高い。
    今俺達が出来る事と言えば……。
    館を調べる他ない、実験が行われた村から程遠くない。

    事件阻止の何らかの手がかりになる物がある…と信じたい。

    そう気づいた時俺は疾駆していた。
  14. 14 : : 2015/11/29(日) 00:16:36
    館の扉前まで辿り着いてようやく気づいた。
    今俺のズボンが血だらけということに、俺の後を着いてきたミカサも血で汚れている。


    …バレる前に着替えればいいか。
    ミカサにアイコンタクトを送る。

    そっと扉を開けて中に侵入&自室へ直行。
    急いで着替えを取り出し着替える。
    服を畳みバッグに仕舞いこむ。

    部屋から出てミカサが戻ってくるのを待つ、数分後ミカサが出てきた。


    「よし、行くか」

    ナイフをポケットに突っ込み館内の探索を開始する。


    バァン!と勢いよく扉が開かれ再度勢いよく扉を閉め扉に体重を預けている。
    …コニーとサシャ?

    2人は随分と血相を変え、額には汗をかいていた。


    「た、大変です!巨人です!!」


    「巨人が壁の中にいるぞ!!」


    叫び声を聞きつけて多くの人間が玄関ホールに集合した。


    「ったくバカ2人ギャアギャア騒ぐんじゃねぇよ」


    2人を押し退け扉に手を掛けるジャン。


    「待てジャン──!」


    既に時遅し、ジャンは扉を開ける。
    次の瞬間に飄々とした表情が崩れ去る。

    後ろへ大きく飛ぶ、顔はありえない、という顔だった。


    「はは…全くこりゃ、間の悪い冗談だな…」


    洋館内に村で見た人間もどきが2体入ってくる。
    急いで俺は人の懐へ飛び込み吹き飛ばす、隣ではライナーが俺と同じ様に吹き飛ばしていた。
  15. 15 : : 2015/11/30(月) 04:14:49
    急いで扉を閉める。

    バァン!!


    「くそッ!早く閂を持ってきてくれ!!」


    「分かった!」

    そう言い残しベルトルトは閂を探しに駆けて行った。


    「ミカサ!ジャンも抑えるのを手伝ってくれ!」


    「何…あれ…巨人…なの?」


    クリスタが途切れ途切れに言葉を発する、歯はカチカチ鳴っていて怯えていることが容易に分かる。


    「いや、あれは巨人じゃねぇ…」


    あれは巨人なんかじゃない…あれはもっとおぞましいものだ…。


    ふと、頭の中に一つの場面が映し出される。
    巨人が家の瓦礫の中から引っ張り出した母さんを食べる、4年前に見た映像が…。
  16. 16 : : 2015/11/30(月) 04:16:23
    「チッ…」


    くそ、何で今になって思い出すんだよ…。


    俺の心中で一つの感情が疼きだす。




























    駆逐…駆逐してやる──!




























    1匹残らず…!!!
































    俺が──この手で!!!





    そう思った時には扉を開いていた、無我夢中で意識は飛んでいた様な物なのにはっきりと一つ一つ覚えていて…。




    「うおおおおおおおお!!!」




    扉を大きく開くと手がぬっと伸びてくる、その手を自分の方へ引っ張る。
    引っ張られた人間の顔面にナイフを突き刺す。
    引っ張った手を離し頭を掴み捻る。


    そのままゆっくりと人間は倒れた。


    もう一体俺の肩を掴む、顎を思いっきり押し抜け出す。
    すかさず腹に蹴りを入れ後退させる、別の個体に刺したナイフを抜き相手の耳に突き刺す。
    駄目押しでナイフを押し込む。

    絶命したらしく倒れ、動くことは無かった。



    をはぁ……はぁっ…!」


    「皆、大丈夫か?」


    「…あ、ああ」


    ライナーが頷くが若干の戸惑いが見える。
    扉を閉めベルトルトを待つ。


    「閂持ってきたよ!」




    ベルトルトが持ってきた閂を挟み扉をガッチリと閉める。



    「全く…騒がしいねあんた達」


    部屋から出てきたアニが気だるそうな顔をしながら一言。
  17. 17 : : 2015/11/30(月) 22:27:18
    「取り敢えず落ち着いて現状を見直そう」


    ミカサの一言により俺たちは食堂に集まり、各々頭を唸らせていた。
    当たり前だ、目の前で意味のわからない物に出くわしたんだ。


    「あれは一体何だよ?巨人なのか?」


    ジャンが俺の方を睨みながら聞いてくる、俺ははっきりとジャンに聞こえる様に言った。


    「いや、あれは巨人なんかじゃねえ」


    「じゃあアレは何だって言うんですか!?」


    サシャが頭を抱えてテーブルに突っ伏す。


    「それは…俺にも分からねえ」


    「ね、ねぇ…この事を教官達に知らせようよ!」


    クリスタが若干涙を浮かべながら強く言い放つ。
    確かにクリスタが言う事は至極真っ当。
    しかし…。


    「教官達はグルと考えた方が良い、俺の勝手な推測だが──」



    俺の考えを全て余さず伝えようと言葉にした。
    何とか皆俺の考えを理解してくれた様だが、更に雰囲気は悪くなった。


    「…この洋館から出てトロスト区へ向かおう」


    ミカサが呟いた一言に皆の視線がミカサへと集まる。


    「でもどうするんだい?その巨人もどきは外にたくさんいるんじゃないのかい?」


    アニが呆れた、と言ったような表情で答える。


    「アニの言う通りだ、しかもこの洋館内にも何かあるかもしれないぞ」


    アニに続いてライナーも反論を述べる、ベルトルトが何かを言おうとしたが口を開く事は無かった。


    それから議論に議論を重ねた結果、まずはこの洋館内の探索、そして脱出へと目処を立てて二つのグループに分かれた。


    俺、ミカサ、サシャ、ベルトルト、ライナー

    ジャン、アニ、マルコ、コニー、クリスタ




    「じゃあ俺たちは食堂の隣から調べる、お前らは自室の下にある方を調べてくれ」


    「「「「了解」」」」


    「一通り探索が終わればここに集合、緊急事態が起きた場合もここに来ることだ、いいな?」


    皆神妙な面持ちで頷く。


    「じゃあ、始めるぞ…捜査開始っ!!」


  18. 18 : : 2015/12/02(水) 20:46:02
    絶対にあの巨人もどきの真相を暴いてやる…!!
    人の命を軽んじた罰を身を以て教えてやる!!



    心にそう──誓った。




    アルミンside



    火で体を炙られているみたいだ、全身が痛い…。
    更に強い喉の渇きが…治らない。



    「まるで自分が自分じゃないみたいだ…」



    足を引きずりながら駆け込んだ部屋に座り込む。



    「僕もあの化け物と同じになっちゃうのか…」



    ごめんね…エレン、ミカサ…。
    外の…世界……一緒に見れそうにない…や…。
    今までの記憶が一気に脳裏を駆け巡る。

    あぁそっか……これが走馬灯って奴か…。



    「………何だ…?」




    倒れこんだ直ぐそばに書類の束が置かれていた。
    ウイルスの事が事細かく綴られていた、そしてある単語が目に入った。

    …キュクロ…?
    何処かで聞いた事が…ある…何だっけ。



    冷たい金属が手に触れる、これは…。



    「いっ……つぅ……!」



    死にたく…ない…死にたく…ないよ…!



    ヒヤリ冷たい感触が首筋に当てられる。
    訓練兵が使用する深緑色のフードを被っている。



    「さようなら、劣等生さんよ」












    ──数時間前、上位成績者出発後。



    「随分な大荷物だねユミル…」


    隣にいる男の僕よりも背の高いユミルに声をかける。
    しかし返答はない。


    「しかもいくらクリスタに数日会えないからってさ…」


    返答は無くとも言わずにはいられなかった。





    「いや、うん…クリスタに会えなくて辛いのは分かるすごい分かるし、クリスタ似の人形を買いたくなる気持ちも…分か…らないよ、そうだね簡潔に纏めて言うなら……」




    「少しぐらいは自分で持ってよ!!」


    僕の必死な叫びは通りに響き、街を行き交う人々が僕らに視線を集める。
    そんな物に構ってられない。




    「うおっ!……耳元で叫ばないでくれ」

  19. 19 : : 2015/12/02(水) 20:50:37
    期待
  20. 20 : : 2015/12/08(火) 00:00:32
    「チッ…仕方ねぇから持ってやるよ」


    「全く……」


    それよりも今日は随分と憲兵の人数が多い…商人などに変装してるけど一体何の為に…?




    そこまでが今までの日常──否、巨人という不可思議な存在がある非日常──。
    それが日常へと、姿を変えた。
    決して逃げる事の出来ない因果として人類の眼前に立ち続ける壁──。


    「きゃあああああ!!」


    何処からか驚きと恐怖の混ざり合った悲鳴が通りに響き渡る。
    声音は高く女性の悲鳴だと判断出来る。
    僕はユミルに目配せしながら荷物を置いて悲鳴の発生源へと走り出す。


    「うわぁぁぁぁぃぁぁ!!?」


    またしても悲鳴、今度は男性の悲鳴。
    僕が向かった先の方から次々に人々が顔を恐怖、驚きに染め上げ必死に逃げている。
    まるで何かに追われているかのように…。


    「はぁ…はぁ…」


    逃げ惑う人だかりから抜け出すと通りのど真ん中で蹲り寝転がった人の上でクチャクチャと咀嚼音を鳴らしている。



  21. 21 : : 2015/12/08(火) 00:43:37
    「何を……やってるんですか…?」


    咀嚼音を鳴らす男に問いかける。
    返答はない。


    一歩足を踏み出し男に近づく、肩を軽く叩き反応を確認する。



    ……やめろ、やめて…….くれ。




    男は────ゆっくりと顔を上げ振り向く。





    やめてくれ…やめて…よ。




    男の顔は蒼白、白目を剥いており口元には真っ赤な血と肉片がこびり付いている。




    ──ッ!




    瞬間息が詰まる、言葉が出ない。





    世界が無音に包まれ自分の鼓動だけが残響する。







    体の震えが止まらない、体のが動かない。





    ──何で…僕の身体は…動かないんだ…?




    男が大きく口を開く──、5年前の悪夢が走馬灯の様に一気に駆け巡る。




    ──動け、動け動け…!!






    精神状態が極限になった為か男の動きがスルーモーションに見える。


    ──それでも、身体は動かなかった。







    着実に男の口が僕の首元へ近づいてくる。















    ──





    男が吹き飛ばされる。
    僕の横から伸びる脚に蹴りを浴びたから。



    そのまま腕を引っ張られそれに付いて行く。




    「ユミ…ル?」



    何とか出した声にハァとユミルはため息を吐く。



    「あんな頼もしい感じで走って行ったのによぉ…ビビって身体動かないってのはちと兵士としてキツイぞ」


    ユミルの述べた事は正論、どうしても覆す事の出来ない。
    僕もそれを認めざるをえない。



    「ありがとう…ユミル」
  22. 22 : : 2015/12/10(木) 17:06:41
    「まずは訓練所に戻ってこの事を伝えねぇとな」




    そのまま門の方へと走っていく。



    「チッ…あっちはダメだな」



    ユミルが舌打ちする、門の方では憲兵らしき人物と民衆がいがみ合ってた。



    「小門の方に向かおう」



    僕がそう提唱し、ユミルは「そうだな」と返す。



    「よし…こっちは人が少ないから抜けられそうだ」



    「そうだね…」




    門を潜り抜ける。
    視界に緑が広がり、逃げる人々の姿が映る。



    「…よし、アルミン後ろに乗れ」



    ユミルに呼ばれ慌てて振り向く。
    後ろではユミルが馬の手綱を持って馬をこちらに寄せていた。



    「その馬が誰のなのかは今は聞かないけど…取り敢えずありがとう」



    馬に騎乗しユミルの腰辺りに手をまわす。



    「何かしたら馬から落とすからな」



    元より何もする気は無かったがユミルに念を押される。





  23. 23 : : 2015/12/13(日) 03:09:22
    馬を走らせてから程なくして訓練所に辿り着く事が出来た。


    僕達は急いで兵舎は入り教官室を目指す。
    途中で他の訓練兵達に出会ったがまだこの事態には気づいていなかったので説明し終えた途端顔を青ざめさせだが強い意志を持って、住民の避難の支援に行くと言い残しその場を後にした。





    「教官!」



    扉を蹴破るなど、無礼極まりない事この上ないが今はそんな事を言っていられない。
    教官が驚きで一瞬目を丸くしたが事情を説明した後に兵舎に残っている兵達を招集し避難の支援、又被害拡大防止の旨を伝え上層部への報告へと向かっていった。





    「立体機動があれがこっちの物だ」



    ユミルが鼻を鳴らしながら強気に言い放つ。



    「油断は禁物、そして僕達の仕事は小さい巨人を倒す事じゃなくて住民の避難優先だからね」


    ちゃんと内容を把握してるのか心配になって来たので注意勧告をしておく。



    「わーってるわーってる」


    あまり効果はなさそうだった。














    トロスト区へとんぼ返りしてきた僕達が見たものは──地獄だった。






    鮮血に塗れた舗装された道路、事故によってか燃え上がる家屋の数々。





    人が人を食らう地獄絵図──。




    そう理解した途端に猛烈な吐き気に襲われる、区内は血と腐敗物の臭いが混ざりあっていて吐き気を促される。
    吐き気を何とか堪え何人かのグループに分かれ生存者の救出に向かった。






  24. 24 : : 2015/12/13(日) 03:28:27
    「ひっでーなこりゃ……クリスタが旅行に行ってて正解だった…あいつならきっと…」




    クリスタ、とユミルが呟いた単語で今朝の出来事を思い出した。
    そうだ…今日はエレン達が旅行に出かけて、その後買い物に付き合ったらこんな大事件に巻き込まれるなんて…。



    タイミングが良すぎないか…?主力でありエレン達が居ない時にこんな大事件なんて……。



    何だ…何かが掴めそうな気がする。



    今日の一連の出来事を走馬灯のように思い出していく。



    …そうだ、おかしいんだよ。
    皆、理解してしまっているのが。



    何故教官は僕の話を戯言だと切り捨てずに信じたんだ?



    教官は内地の方へ報告へ向かうと言っていた…。




    家屋の中を入念に調べながら思考を続ける。



    僕達が巨人に勝てないのは……何時だって巨人に無知だからだ。
    あの時だってそうだ…あの時は15mを超える巨人が存在するなんて誰も思っていなかった…。


    常識の範疇で考えちゃダメだ、巨人は何時だって埒外の存在なのだから。



    これは計画だったんだ……恐ろしく巨大な計画だったんだ。
    だが計画を行うには施設が必要な筈だ…それもかなりの広さを持つもの。
    これは単独や少数では無理な事だ、そう……一個旅団並の人材が必要だ。




    「はぁ……ったくどうしてこう貴族の家は地下やら2階やらグルグルと不思議な構造になってるんだ…」



    ユミルが何気なく呟いた一言。



    閃光の様なものが頭の中で弾ける。







    ──そうだ!!







    今までずっと不思議だった…。




    何故ウォールシーナに地下都市を造ったのかが。




    貴族が多く住む街の下に都市を造るなんて、自ら金を差し出しているのと同じなんだ,





    造るなら、巨人からある程度離れていて尚且つ犯罪が起きにくそうな地域…。
    ウォールローゼしか…ありえない。




    じゃあやっぱりエレン達の旅行も罠だったのか…?
    こればっかりは推測の域を出ない、ただ僕は祈るしかない。










    ──エレン、ミカサ…無事でいていれ。










  25. 25 : : 2015/12/13(日) 03:34:33
    一先ず今回は終了とさせてもらいます。





    では次回予告










    エレン「何だよこれ…」

    少年達は──

    ミカサ「人1人の為に一体何人が死んだと思っているの…?」

    何を知り──

    ライナー「俺は兵士だ、国の為に心臓を捧げた男だ」

    何を求める──

    アルミン「ユミル!危ない!!」

    そして──

    ユミル「馬鹿野郎!何やってやがる!」


    「さぁ、君はどの様に異常な存在になってくれるかな?アルミン・アルレルト」


    求めた先に待っている物とは──






    アルミン「…あれ、エレン?ミカ…サ?」

    エレン「じゃあなアルミン」

    ミカサ「あなたには此処で死んでもらう」
  26. 26 : : 2023/07/10(月) 10:42:00
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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テラ

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